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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】物質送達システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B64U 10/13 20230101AFI20250128BHJP
   A01M 21/02 20060101ALI20250128BHJP
   A01M 9/00 20060101ALI20250128BHJP
   A01C 15/06 20060101ALI20250128BHJP
   B64U 101/45 20230101ALN20250128BHJP
   B64U 101/40 20230101ALN20250128BHJP
【FI】
B64U10/13
A01M21/02
A01M9/00 Z
A01C15/06
B64U101:45
B64U101:40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535373
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 US2022052970
(87)【国際公開番号】W WO2023114373
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/290,906
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】シュアン・リー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ラング
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ジェファーソン・ウィットリー
(72)【発明者】
【氏名】ダリル・エー・ミード
【テーマコード(参考)】
2B052
2B121
【Fターム(参考)】
2B052BB05
2B052BC01
2B052BC08
2B052DB02
2B052DD03
2B052EA03
2B052EA12
2B052EB07
2B052EB09
2B052EC09
2B121AA19
2B121BB21
2B121CB09
2B121CB25
2B121CB35
2B121CB37
2B121CB46
2B121CB61
2B121CB66
2B121CB70
2B121CC02
2B121CC05
2B121CC29
2B121EA26
(57)【要約】
無人航空機(UAV)(102)と、UAV(102)に搭載された物質送出アセンブリ(114)とを含む空中物質送達システム(100)が本明細書に記載される。物質送出アセンブリ(114)は、回転カートリッジ(104)であって、回転カートリッジの長手方向軸(206)と平行に延在する複数のチャネル(212)を画定し、各チャネル(212)は、その中に錠剤(214)のそれぞれの組を保持する、回転カートリッジ(104)と、チャネル(212)を間欠回転させるように構成されたインデックスモーター(240)と、一度に単一の錠剤(214)を回転カートリッジ(104)から目標の場所に送出するように構成されたディスペンサ(112)とを含む。このようなシステムを動作させる方法も記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中物質送達システムであって、
無人航空機(UAV)と、
前記UAVに搭載された物質送出アセンブリであって、
回転カートリッジであって、前記回転カートリッジの長手方向軸と平行に延在する複数のチャネルを画定し、各チャネルは、その中に錠剤のそれぞれの組を保持する、回転カートリッジ、
前記チャネルを間欠回転させるように構成されたインデックスモーター、及び
一度に単一の錠剤を前記回転カートリッジから目標の場所に送出するように構成されたディスペンサ
を含む物質送出アセンブリと
を含む空中物質送達システム。
【請求項2】
前記回転カートリッジは、外側シェルを含み、前記外側シェルは、前記複数のチャネルを囲む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記回転カートリッジは、マガジンを含み、前記マガジンは、側壁と、前記側壁から延在する複数の径方向に延在する壁とを含み、前記複数のチャネルは、前記径方向に延在する壁のそれぞれの隣接するものの間に画定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記回転カートリッジは、端壁をさらに含み、前記端壁は、それを貫通する少なくとも1つの開口を有し、前記開口は、前記複数のチャネルのうちのチャネルを前記ディスペンサに露出させる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記インデックスモーターは、前記マガジンを間欠回転させて前記チャネルを前記端壁の前記開口と位置合わせして、錠剤を前記チャネルから前記ディスペンサに送出する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ディスペンサは、前記回転カートリッジから前記単一の錠剤を受け入れるように構成された計量ホイールを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記計量ホイールは、複数のスポークであって、その間にそれぞれの複数のスロットを画定する複数のスポークを含み、各スロットは、その中にそれぞれの錠剤を受け入れるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記回転カートリッジは、端壁をさらに含み、前記端壁は、それを貫通する少なくとも1つの開口を有し、前記開口は、前記複数のチャネルのうちのチャネルを前記ディスペンサに露出させ、各スロットは、前記スロットが、前記スロットが前記端壁の前記開口と位置合わせされる第1の角度位置にあるとき、前記それぞれの錠剤をその中に受け入れるように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記スロットが第2の角度位置にあるとき、前記それぞれの錠剤は、重力下で前記スロットから放出される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ディスペンサは、所定の角速度で回転して、前記単一の錠剤を前記ディスペンサから所定の線速度で送出するように構成された放出ホイールを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ディスペンサは、ガイド機構を含み、前記ガイド機構は、第1の位置と第2の位置との間で選択的に配置されて、前記単一の錠剤が前記ディスペンサから送出される角度を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記物質送出アセンブリは、第2のディスペンサをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記回転カートリッジは、端壁をさらに含み、前記端壁は、それを貫通する少なくとも1つの開口を有し、前記開口は、前記複数のチャネルのうちのチャネルを前記ディスペンサに露出させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記回転カートリッジは、複数の排出機構をさらに含み、各排出機構は、前記複数のチャネルのうちの対応するチャネルに保持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記ディスペンサは、モーター、回転アーム、バネ及びハンマーを含み、前記回転アームは、前記モーターによって回転され、及び前記ハンマーは、前記回転アームによって第1の位置から第2の位置に駆動され、前記バネは、前記ハンマーを前記バネのバネ力の下で前記第2の位置から前記第1の位置に戻して、前記単一の錠剤を前記ハンマーから所定の速度で送出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記物質送出アセンブリは、容器であって、その中に流動性製品を保持する容器をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
回転カートリッジであって、前記回転カートリッジの長手方向軸と平行に延在する複数のチャネルを画定し、各チャネルは、その中に錠剤のそれぞれの組を保持する、回転カートリッジと、前記チャネルを間欠回転させるように構成されたインデックスモーターと、ディスペンサとを含む物質送出アセンブリを提供するステップと、
前記物質送出アセンブリを無人航空機(UAV)に取り外し可能に搭載するステップと、
前記物質送出アセンブリを使用して、前記錠剤を前記UAVから目標の場所に送出するステップと
を含む方法。
【請求項18】
前記錠剤を前記UAVから送出するステップは、一度に単一の錠剤を前記ディスペンサから送出するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記物質送出アセンブリは、第2のディスペンサをさらに含み、前記錠剤を前記UAVから送出するステップは、前記ディスペンサ及び前記第2のディスペンサの各々から一度に単一の錠剤を送出するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記錠剤を前記UAVから送出するステップは、
前記UAVが圃場の上を飛行するように前記UAVを動作させるステップと、
前記錠剤が前記圃場に送出されるように、前記UAVが前記圃場の上を飛行している間に前記錠剤を前記UAVから送出するステップと
を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月17日に出願された米国仮特許出願第63/290,906号明細書の利益を主張する。
【0002】
本開示は、物質送達システム、より詳細には、錠剤ベースの形態の製品を送出するための物質送達システム及び方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
化学製品による圃場の処理など、農業用施用におけるドローン又は無人航空機(UAV)の使用は、急速に拡大している。化学製品の容器をUAV及びUAVに搭載された物質送出システムに連結し、化学製品を送出する間、UAVを、処理される領域の上方に操縦する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
UAVを使用した、錠剤形態の化学製品送出のより効率的且つ正確な制御に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、空中物質送達システムは、無人航空機(UAV)と、UAVに搭載された物質送出アセンブリとを含む。物質送出アセンブリは、回転カートリッジであって、回転カートリッジの長手方向軸と平行に延在する複数のチャネルを画定し、各チャネルは、その中に錠剤のそれぞれの組を保持する、回転カートリッジと、チャネルを間欠回転させるように構成されたインデックスモーターと、一度に単一の錠剤を回転カートリッジから目標の場所に送出するように構成されたディスペンサとを含む。
【0006】
他の態様では、方法は、回転カートリッジであって、回転カートリッジの長手方向軸と平行に延在する複数のチャネルを画定し、各チャネルは、その中に錠剤のそれぞれの組を保持する、回転カートリッジと、チャネルを間欠回転させるように構成されたインデックスモーターと、ディスペンサとを含む物質送出アセンブリを提供するステップを含む。この方法はまた、物質送出アセンブリを無人航空機(UAV)に取り外し可能に搭載するステップと、物質送出アセンブリを使用して、錠剤をUAVから目標の場所に送出するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な空中物質送達システムの概略図である。
図2図1に示される物質送達システムで用いられる例示的な物質送出アセンブリの斜視図である。
図3図2に示される物質送出アセンブリで用いられるエンドプレートの斜視図である。
図4図2に示される物質送出アセンブリの端面図である。
図5図2に示される物質送出アセンブリの断面図である。
図6図2に示される物質送出アセンブリの特定の構成要素の配置の斜視図である。
図7】それぞれ図2に示される物質送出アセンブリで用いられる排出機構の左側面図、正面図及び背面図である。
図8】それぞれ図2に示される物質送出アセンブリで用いられる排出機構の左側面図、正面図及び背面図である。
図9】それぞれ図2に示される物質送出アセンブリで用いられる排出機構の左側面図、正面図及び背面図である。
図10図2に示される物質送出アセンブリで用いられるディスペンサの第1の拡大斜視図である。
図11図10に示されるディスペンサの第2の拡大斜視図である。
図12図2に示される物質送出アセンブリでの使用に好適である、例示的なエンドキャップアセンブリの分解組立図である。
図13図12に示されるエンドキャップアセンブリの斜視図である。
図14図12に示されるエンドキャップアセンブリのエンドキャップハウジングの上面図である。
図15図1に示される物質送達システムで用いられる他の例示的な物質送出アセンブリの斜視図である。
図16図15に示される物質送出アセンブリの破断図である。
図17図15に示される物質送出アセンブリで用いられる間欠回転機構の一部を示す。
図18図15に示される物質送出アセンブリで間欠回転された錠剤の部分図である。
図19図15に示される物質送出アセンブリで用いられるディスペンサの部分破断図である。
図20図15に示される物質送出アセンブリで用いられるディスペンサの部分破断図である。
図21図15に示される物質送出アセンブリで用いられるディスペンサの部分破断図である。
図22図15に示される物質送出アセンブリで用いられる錠剤の斜視図である。
図23図1に示される空中物質送達システムなどの空中物質送達システムを使用するか又は動作させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、一般的に、錠剤ベースの形態の製品を送出するための物質送達システムに関する。特定の実施形態では、本開示は、回転カートリッジであって、その中に錠剤ベースの化学製品を保持するように構成された回転カートリッジを含む物質送達システムに関し、カートリッジは、無人航空機(UAV)又はドローンに搭載される。物質送達システムは、予想可能な送出方向及び速度で回転カートリッジから錠剤を送出するように構成された少なくとも1つのディスペンサをさらに含む。これにより、物質送達システムは、錠剤ベースの化学製品を目標の場所に効率的に、誤差なく且つ正確に送出するように実装され得る。
【0009】
図1は、本開示に係る例示的な空中物質又は化学物質送達システム100の概略図を示す。例示的実施形態では、空中物質送達システム100は、無人航空機(UAV)又はドローン102を使用して実装される。本明細書で使用するとき、UAVは、一般的に、任意の無人又は遠隔操作の飛行体又はシステムを指す。空中物質送達システム100は、UAV102及びそれに搭載された回転カートリッジ104を含む。回転カートリッジ104は、空中物質送達システム100を用いて送出される複数の錠剤ベースの化学製品(本明細書ではより一般的に「錠剤」とも称され、図1に図示されていない)を含む。
【0010】
UAV102は、一般的に、ハブ108と、複数のスポーク様のアーム110とで画定される本体106を含む。例示的実施形態では、回転カートリッジ104は、UAV本体106に解放可能又は取り外し可能に搭載される。錠剤を回転カートリッジ104から送出するための少なくとも1つのディスペンサ112が回転カートリッジ104及び/又はUAV本体106に搭載される。錠剤を含む回転カートリッジ104と、ディスペンサ112とは、まとめて物質送達システム100の物質送出アセンブリ114として称され得る。
【0011】
UAV102は、UAV102の飛行を容易にするための揚力を発生させる推進システム116も含む。推進システム116は、一般的に、UAV102が、本明細書に記載された機能を実行することを可能にする任意の適切な推進システムを含み得る。図示された実施形態では、推進システム116は、回転翼推進システムであり、それは、複数のローター118を含み、それらは、可変ピッチ又は固定ピッチのブレードを含み得る。UAV102を回転翼UAVとして示し、説明しているが、本明細書に記載されたシステム及び方法は、回転翼UAV以外のUAV、例えば固定翼UAVで実装され得ることを理解されたい。そのような実施形態では、推進システム116は、ローター118に加えて又はその代わりに、プロペラを含み得る。
【0012】
推進システム116は、ローター118に動作可能に連結された1つ又は複数のモーター120をさらに含み、制御信号に応答してローター118を駆動、すなわち回転させるように構成される。図1では、1つのみのモーター120が図示されているが、推進システム116は、UAV102が、本明細書に記載された機能を実行することを可能にする任意の適切な数のモーターを含み得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、例えば、それぞれのローター118は、ローター118のそれぞれの回転を制御するために、動作可能に連結された専用のモーターを有する。さらに、モーター120は、推進システム116が、本明細書に記載された機能を実行することを可能にする任意の適切なモーター、例えば電気モーター及びガソリン動力のエンジンであり得るが、これらに限定されない。
【0013】
推進システム116を作動させるために、モーター120に(例えば、コントローラ124から、以下でさらに詳細に説明する)制御信号を送る。モーター120は、ローター118を作動させてローター118を回転させ、揚力を発生させる。例えば、ローター118のそれぞれの相対的な速度を変化させて、推力及びそれによって生じるトルクを変化させることにより、UAV102の制御を達成させることができる。
【0014】
空中物質送達システム100は、UAV本体106に動作可能に連結され、UAV102(例えば、モーター120、コントローラ124など)に動力を供給するように構成された動力源122及び/又は本明細書に記載された機能(例えば、飛行、物質の送出など)を実行するための物質送出アセンブリ114をさらに含む。例示的実施形態では、動力源122としては、バッテリーが挙げられ、これは、単一のバッテリー、複数のバッテリー、バッテリーパックなどを含むことを理解されたい。
【0015】
加えて、UAV102は、空中物質送達システム100(例えば、UAV102及び物質送出アセンブリ114の各種の構成要素と動作制御通信で連結され、それらの各種の電子制御及び/又は自動制御を容易にする搭載型のコントローラ又はコンピュータ124を含む。例えば、コントローラ124は、UAV102及び物質送出アセンブリ114を、記憶されているか又は受信された制御に従って制御するように構成される。コントローラ124は、命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサ126を含む。いくつかの実施形態では、実行可能命令は、メモリ128に記憶される。いくつかの実施形態では、プロセッサ126は、1つ又は複数のプロセシングユニット(例えば、マルチコア構成の形態における)を含む。メモリ128は、例えば、実行可能命令及び/又は他のデータの情報を記憶し且つ読み出すことを可能にする任意のデバイスである。具体的には、いくつかの実施形態では、メモリ128としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:ランダムアクセスメモリ(RAM)、例えばダイナミックRAM(DRAM)若しくはスタティックRAM(SRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)及び不揮発性RAM(NVRAM)。上述のメモリのタイプは、単に例示的なものであり、コンピュータプログラムを記憶するために使用可能なタイプのメモリに限定されない。
【0016】
いくつかの実施形態では、コントローラ124は、有線及び/又は無線接続を介して空中物質送達システム100の任意の構成要素と接続される。いくつかの実施形態では、コントローラ124は、推進システム116を作動及び制御して、UAV102が所定の(例えば、記憶された)又は制御された(例えば、使用者による手動操縦)経路で移動することを容易にし、且つ記憶されているか又は受信された制御に従い、物質送出アセンブリ114の作動及び停止を容易にするように構成される。1つの例示的実施形態では、コントローラ124は、UAV102が圃場又は水田などの目標の場所の上を飛行するようにUAV102を動作させ、且つディスペンサ112を、UAV102が目標の場所の上を飛行している間、回転カートリッジ104に含まれる錠剤をUAV102から送出して、錠剤中の化学製品を目標の場所に施用するように動作させることを容易にするように構成される。
【0017】
従って、コントローラ124は、通信インターフェース130を含み得、それは、本明細書に記載された空中物質送達システム100の任意の構成要素及び/又は空中物質送達システムの動作を制御するための制御情報を伝達する遠隔デバイス(例えば、遠隔制御)と通信的に接続可能である。いくつかの実施形態では、通信インターフェース130は、例えば、以下のものを含むが、これらに限定されない:有線若しくは無線ネットワークアダプター又は無線リンク(例えば、ナローバンド若しくはブロードバンドの無線リンク)での通信に採用される無線データトランシーバー、セルラー若しくはモバイルデータネットワーク(例えば、3G、4G若しくは5Gネットワーク技術)又はブルートゥースリンク。
【0018】
空中物質送達システム100(例えば、UAV102及び/又は物質送出アセンブリ114)は、空中物質送達システム100(例えば、UAV102及び/又は物質送出アセンブリ114)の動作のためにコントローラ142とデータ通信する、1つ又は複数のセンサー(例えば、慣性センサー、ジャイロスコープ、加速度計、GPSセンサー等)及び/又は画像装置(例えば、カメラ、ビデオレコーダー)を含む追加の構成要素を含み得る。例えば、空中物質送達システム100は、例えば、エラーの検知(例えば、物質送出アセンブリ114の異常動作、送出されていない錠剤等)、位置の決定及び制御、環境データ(例えば、環境及び/又は空中物質送達システム100の任意の構成要素の温度及び/又は湿度)、診断等など、空中物質送達システム100の任意の動作に関するリアルタイムでのデータ収集のためのセンサー及び/又は画像装置を含み得る。
【0019】
コントローラ124は、事前にプログラムされた命令に従う空中物質送達システム100のリアルタイムでの反応性制御のために、任意のこのようなセンサー又はデバイスからのデータを分析するように構成され得る。例えば、コントローラ124は、エラー/診断情報を分析して、送出パターンが中断されたことと、特定の場所が再度処理を必要とし得ることとを判断し得る。他の例として、コントローラ124は、飛行中の動作終了を実施するように構成され得る。いくつかの事例では、動作終了は、すべての製品の送出を終了し、基地の場所に戻るように空中物質送達システム100を制御することを含み得る。他の事例では、重大な異常が検知された場合、動作終了は、空中物質送達システム100を直ちに着陸するように制御することを含み得る。
【0020】
ここで、図2、4及び5を参照すると、物質送出アセンブリ114の1つの例示的実施形態が図示されている。上記のとおり、物質送出アセンブリ114は、目標の場所で化学製品を送出する動作のためにUAV102(図2、4及び5には図示せず)に連結される。
【0021】
この実施形態では、回転カートリッジ104は、第1の末端又は下端202及び第2の末端又は上端204を有する円筒形のカートリッジである。「上部」及び「下部」という名称は、本明細書では、回転カートリッジ104がUAV102に連結して使用される際の回転カートリッジ104の動作的構成に基づいて使用される。この動作的構成では、第1の末端202は、垂直方向下方(例えば、処理される地表面)を向き、及び第2の末端204は、垂直方向上方を向く。回転カートリッジ104は、長手方向軸206に沿って下端202から上端204に延在する。
【0022】
回転カートリッジ104は、マガジン210であって、複数の長手方向又は軸方向に延在するチャネル212をその中に画定するマガジン210を囲む円筒形の側壁208を含む。各チャネル212は、回転カートリッジ104の下端202から上端204まで延在し、従って、各チャネル212の下端及び上端は、一般的に、それぞれ回転カートリッジ104の下端202及び上端204に対応する。
【0023】
各チャネル212は、円筒形であり、複数の錠剤214をその中に保持するように構成される。例示的実施形態では、チャネル212中の錠剤214は、すべて互いに平行な向きにされ、排出向きにスタックされる。本明細書で使用するとき、本実施形態における錠剤214の排出向きは、例えば、錠剤214の両面が長手方向軸206に平行な垂直方向に対向して向く図2に示される向きを指す。
【0024】
いくつかの事例では、すべてのチャネル212が同一のタイプの錠剤を含む。すなわち、1種類の錠剤又は1種類の化学製品のみが回転カートリッジ104に含まれる。他の実施形態では、チャネル212は、それぞれ異なる化学製品を含有する異なる錠剤を保持し得る。例示的実施形態では、回転カートリッジ104は、二重のリング状又は同心円状の環状列216に配置されたチャネル212も含み、各列216は、同数のチャネル212を有する。しかしながら、回転カートリッジ104は、任意の数のチャネル212を任意の好適な配置で含み得、図2及び4に示されるチャネル212の特定の数又は配置に本開示が限定されないことが容易に理解されるべきである。さらに、チャネル212は、すべておよそ同一の直径を有するように図示されているが、他の実施形態では、回転カートリッジ104は、任意のサイズのチャネル212を含み得、単一のカートリッジ104における異なるサイズの1つ又は複数のチャネル212が含まれることが容易に理解されるべきである。配合が異なる種々の錠剤214が単一の回転カートリッジ104に提供され得る。いくつかの実施形態では、回転カートリッジ104のチャネル212の一の列216は、配合が異なる錠剤を収容し、他の列216は、第2の配合の錠剤を収容する。同一の又は異なる錠剤の任意の他の配置が本開示の範囲内で想定される。異なるサイズ、形状及び/又は重量の錠剤も回転カートリッジ104に提供され得る。
【0025】
各チャネル212の下端は、マガジン210の下端に開口218を画定し、この開口218で錠剤214がそれぞれのチャネル212から1つずつ送出される。対応するノッチ220も、対応する開口218に接線方向に隣接してマガジン210の下端に画定される。
【0026】
図6に概略的に示されるとおり、排出機構222が各チャネル212内に位置する。具体的には、排出機構222は、チャネル212の下端からチャネルの上端に向けてそれぞれのチャネル212を軸方向に延在する。図6~9を参照すると、排出機構は、スプール226を収容するカセット224と、カセットから延在するアンカー228とを含む。アンカー228は、巻き取り可能な材料で形成され、チャネル212内での使用に好適な金属、高分子又は他の不活性材料が含まれ得る。アンカー228の終端部230は、それぞれのノッチ220に収容される。アンカー228は、その終端部230からカセット224に延在し、そこでスプール226の周りに巻き付けられる。スプール226は、その周りにアンカー228を巻き取るように付勢される。この構成により、カセット224は、下方に又はチャネル212の下端に向かって付勢される。チャネル212に錠剤214が含まれる場合、カセット224は、チャネル212中における最後の最上部の錠剤に対向して、チャネル212の上部に隣接して位置する。カセット224の下部縁部は、最後の錠剤の上面に対向して位置する。カセット224は、アンカー228及びスプール226を介してチャネル212の下端に向けて付勢されるため、カセット224は、最後の錠剤及びそれによりチャネル212中のすべての錠剤に下方向の力(例えば、下端に向かう力)を加える。このように、排出機構222は、チャネル212中に保持された錠剤214保持に対して下方向の付勢力を維持する。
【0027】
少なくとも1つのディスペンサ112は、回転カートリッジ104の下端202に隣接して回転カートリッジ104に動作可能に連結される。例示的実施形態では、2つのディスペンサ112が回転カートリッジ104に動作可能に連結され、代替的実施形態では、1つ、3つ4つ又はそれを超えるディスペンサ112が回転カートリッジ104に連結される。インデックスモーター240も回転カートリッジ104に動作可能に連結される。例示的実施形態では、インデックスモーター240も回転カートリッジ104の下端202に位置し、代替的実施形態では、インデックスモーター240は、回転カートリッジ104の上端204又は上端204と下端202との途中などの他の場所に位置する。
【0028】
インデックスモーター240は、予想可能な速度若しくはパターンにおいて又は他の特定の命令(例えば、コントローラ124からの)に従い、マガジン210を長手方向軸206について回転又は間欠回転するように構成される。インデックスモーター240がマガジン210を間欠回転させるたびに、物質送出アセンブリ114からの送出のためにそれぞれの錠剤214が各ディスペンサ112に提供される。
【0029】
いくつかの実施形態では、マガジン210の下端は、図3に示される端壁又はエンドプレート242によって閉鎖される。エンドプレート242は、インデックスモーター240に対して固定的であり、ディスペンサ112の位置に対応して貫通する1つ又は複数の孔244を有する。従って、マガジン210がインデックスモーター240によって間欠回転されると、異なるチャネル212(及びその中に含まれる錠剤214)が孔244と位置合わせされ、ディスペンサ112に露出される。排出機構222による付勢力のために、排出機構222は、チャネル212から孔244を通してそれぞれのディスペンサ112に錠剤214を送出させる。
【0030】
ここで、図10及び11を参照すると、例示的なディスペンサ112がより詳細に示されている。ディスペンサ112は、モーター250、回転アーム252、バネ254及びハンマー256を含む。モーター250は、例えば、特に限定されないが、連続的に回転するサーボモーターを含み得る。回転アーム252は、シャフト258によってモーター250に動作可能に連結する。回転アーム252は、2つの反対側の延在部260を含み、各延在部260は、それから延在する足262を含む。
【0031】
ハンマー256は、第1の末端266及び第2の末端268を有する本体264を含む。第1の末端266は、本体264の第1の末端266の一部を貫通して延在する入口272を画定するフック270を含む。回転アーム252の延在部260の各足262は、入口272に収容されて、回転アーム252の回転に伴ってフック270と係合するような寸法及び形状にされる。この例示的実施形態では、本体264の第2の末端268は、その中に錠剤214を収容するためのキャビティ276を画定するポケット274を含む。ポケット274は、その側壁に画定された出口278を含む。バネ254は、モーター250に動作可能に連結された第1の脚部280と、ハンマー本体264に動作可能に連結された第2の脚部282とを有するねじりバネとして具現化される。
【0032】
動作中、ディスペンサ112は、ハンマー256のポケット274がエンドプレート242の孔244の1つと位置合わせされる(例えば、回転カートリッジ104が動作的構成であるときに孔244の下に位置する)ように回転カートリッジ104に対して適切に位置する。インデックスモーター240がマガジン210を間欠回転させると、排出機構222からの付勢力下において、エンドプレート242の孔244と位置合わせされたチャネル212から孔244を通してハンマー256のポケット274内に錠剤214が排出される。
【0033】
回転アーム252は、シャフト258を介して駆動されて、ある程度の予想可能な速度において又はそうでなければ(例えば、コントローラ124からの)制御命令に応じてモーター250によって方向290に回転される。回転アーム252が回転するのに伴い、足262がハンマー256のフック270に係合して、ハンマーを第1の方向292に駆動する。ハンマー256が第1の方向292に駆動されると、ねじりバネ254が圧縮される。最終的に、回転アーム252が方向290に回転し続けると、足262は、フック270から外れる。ねじりバネ254は、張力を開放し、第1の方向292とは反対の第2の方向にハンマー256を急激に押し戻す。ハンマー256のこの急激な動きにより、錠剤214がポケット274からその中の出口278を通して放出される。錠剤214は、目標の場所(例えば、圃場、水田等)における所望の送出のために、所定の既知の向き、速度及び方向で放出される。
【0034】
他の例示的実施形態では、マガジン210の下端は、ディスペンサ112及びインデックスモーター240などの物質送出アセンブリ114の特定の動作的構成要素を収容するか又は含み得る、図12~14に示すエンドキャップアセンブリ400によって閉鎖される。例示的実施形態では、エンドキャップアセンブリ400は、内部端壁又はエンドプレート402と、エンドプレート402に連結したエンドキャップハウジング404とを含む。
【0035】
内部エンドプレート402は、エンドプレート242と同様の構造及び機能を有する。より具体的には、内部エンドプレート402は、マガジン210の下端に当接して位置し、インデックスモーター240に対して固定的である。内部エンドプレート402は、マガジン210がインデックスモーター240によって間欠回転又は回転されたとき、チャネル212(及びその中に含まれる錠剤214)の1つが位置合わせされるように、その各々が位置する、それを貫通する1つ又は複数の孔406を含む。この実施形態では、内部エンドプレート402は、図13に例示されるとおり、インデックスモーター240の少なくとも一部分がそれを貫通して突出可能であるような開口又はスロット408も含む。
【0036】
エンドキャップハウジング404もインデックスモーター240に対して固定的である。エンドキャップハウジング404は、プレート様構造を有し、且つディスペンサ112及びインデックスモーター240などの物質送出アセンブリ114の構成要素をその中に収容するための複数のキャビティ及びチャネルを画定する。図14に示されるとおり、例えば、例示的なエンドキャップハウジング404は、ディスペンサ112をその中に収容するためのサイズ及び形状を有する2つのディスペンサキャビティ410をそれぞれ画定する。例えば、各ディスペンサキャビティ410は、ディスペンサモーター250をその中に収容するためのサイズ及び形状を有するモーター部分412と、ディスペンサねじりバネ254をその中に収容するためのサイズ及び形状を有するバネ部分416と、ディスペンサハンマー256をその中に収容するためのサイズ及び形状を有するハンマー部分414とを含む。エンドキャップハウジング404は、各ディスペンサキャビティ410のバネ部分416に付随するバネ軸418も含む。エンドキャップアセンブリ400が組み立てられると、ディスペンサ112のねじりバネ254は、バネ軸418に連結する。
【0037】
エンドキャップハウジング404は、エンドキャップハウジング404の周縁に沿って配置されたそれぞれの送出用出口422まで各ディスペンサキャビティ410から直線に延在する錠剤チャネル又はシュート420も画定する。各錠剤シュート420の入口端424は、その中に錠剤214を受け入れるように、エンドプレート402の孔406の1つの下方で位置合わせされて位置する。各錠剤シュート420は、インデックスハンマー256がモーター250及びねじりバネ254によって作動されるとき、インデックスハンマー256が錠剤シュート420に(完全に又は部分的に)延在し得るように、それぞれのインデックスハンマー256の移動方向と一致し、且つそれと平行でもある。例示的実施形態では、錠剤シュート420は、ディスペンサキャビティ410のハンマー部分414の対応する幅よりも大きい幅を有する。この実施形態では、ハンマー256は、ポケット274、キャビティ276又は出口278を含まず、代わりに錠剤214を本体264の第2の末端268と係合させる(図10~11に図示する)。
【0038】
動作中、インデックスモーター240は、マガジン210のチャネル212が内部エンドプレート402の孔406と位置合わせされるようにマガジン210を間欠回転又は回転させる。排出機構222は、チャネル212内で錠剤214に付勢力を加え、これにより内部エンドプレート402中の各孔406を介してエンドキャップハウジング404のそれぞれの錠剤シュート420に錠剤214を送出させる。各ディスペンサ112のハンマー256は、上記のとおり、回転アーム252の回転によってディスペンサキャビティ410のハンマー部分414内で引き戻されて、ねじりバネ254を圧縮する。回転アーム252が回転し続けると、足262は解放点に達してフック270から外れて、ねじりバネ254が蓄積した張力を解放してハンマー256を錠剤シュート420に向かって前方に急激に駆動する。ハンマー本体264の第2の末端268が錠剤214と係合して、錠剤214を、錠剤シュート420を通して出口422に向かって外に出るように動かす。いくつかの実施形態では、錠剤214は、目標の場所(例えば、圃場、水田等)における所望の送出のために、所定の既知の向き、速度及び方向で出口422を通して放出される。
【0039】
例示的実施形態の物質送出アセンブリ114は、錠剤の送出と併せて流動性製品の送出を容易にするようにも構成され得る。特に図2、4及び5に示されるとおり、回転カートリッジ104は、その中心に環状の開放流路294を有し得る。少なくともいくつかの実施形態では、流動性化学製品(例えば、液体、粉末、粒状体等)を貯蔵するように構成された容器296は、開放流路294に配置されて、回転カートリッジ104及び/又はUAV102に連結し得る。ディスペンサヘッド298は、容器296と連結し、流動式、噴霧式若しくはエアロゾル式及び/又はディスペンサヘッド298の種類及びその制御(例えば、コントローラ142による)に応じた任意の好適な方法による流動性製品の連続的及び/又は間欠的送出を容易にし得る。例えば、流動性製品が液体である場合、ディスペンサヘッド298は、特に限定されないが、フラットファン型、中空コーン型及び/又はスピンニングディスク型ノズルなどの流体出口又はノズルを含む。動性製品が流動性の粒状体及び/又は流動性の粉末などの乾燥した物質である場合、ディスペンサヘッド298は、少なくとも1つの物質スプレッダ、例えば水平スプレッダ又は垂直スプレッダ、例えば、特に限定されないが、回転式スプレッダを含む。製品は、例えば、コントローラ124からの制御命令に従い、容器296から連続的又は間欠的に送出され得る。このように、流動性製品は、所望の投薬パラメータに従った性格な制御のために、錠剤214の送出前、その間又はその後に送出され得る。
【0040】
ここで、図15及び16を参照すると、符号114’で参照する物質送出アセンブリ114の他の実施形態が示されている。同様に、図1について示され、且つ説明されるものと同様の構成要素は、プライム記号(’)を付して指定される。上記のとおり、物質送出アセンブリ114’は、化学製品を目標の場所で送出する動作のためにUAV102に連結される(図15及び16には図示せず)。
【0041】
この実施形態では、回転カートリッジ104’は、わずかにテーパー状であり、より太い第1の末端又は下端302からより細い第2の末端又は上端304に延在する。「上部」及び「下部」という名称は、本明細書では、回転カートリッジ104’がUAV102に連結して使用される際の回転カートリッジ104’の動作的構成に基づいて使用される。この動作的構成では、第1の末端302は、垂直方向下方(例えば、処理される地表面)を向き、及び第2の末端304は、垂直方向上方を向く。回転カートリッジ104’は、長手方向軸306に沿って下端302から上端304に延在する。
【0042】
回転カートリッジ104’は、上端304から下端302まで延在し、且つその中にキャビティ310を画定する外側シェル308を含む。エンドプレート312は、回転カートリッジ104’の下端302に対応する。複数の錠剤314がキャビティ310内に保持される。間欠回転機構316は、キャビティ310内でエンドプレート312と隣接して外側シェル308に収容される。図16及び17に示すとおり、間欠回転機構316は、凸状の傾斜した上部表面320を有する円錐形状のディストリビュータ318を含む。複数の溝322がディストリビュータの上部表面320に画定される。間欠回転機構316は、ディストリビュータ318に外接するマガジン324も含み、マガジン324は、側壁326を含み、且つ径方向に延在する壁330によって分離された複数のチャネル328を画定する。例示的実施形態では、ディストリビュータ318は、マガジン324の多数のチャネル328と同じ数の溝322を含む。間欠回転機構316は、ディストリビュータ318によって画定されたチャンバ内に収容された第1のモーター(図示せず、これは、インデックスモーターと称され得る)も含む。
【0043】
マガジンチャネル328は、隣接する壁330間に画定された幅Wを有する。例示的実施形態では、チャネル幅Wは、回転カートリッジ104’中に保持される錠剤314のサイズ(例えば、直径)とほぼ等しい。加えて、エンドプレート312は、それを貫通して画定される少なくとも1つの孔332を含む。各孔332は、チャネル幅Wとほぼ等しい幅を有する。孔332は、孔332がマガジンチャネル328と軸方向に位置合わせされるように、回転カートリッジ104’の長手方向軸306から所定の径方向距離にも位置する。
【0044】
動作中、外側シェル308のキャビティ310中の錠剤314は、重力下でディストリビュータ318の円錐形状の上部表面320に沿って引っ張られて、溝322を介してチャネル328に案内される。加えて、マガジン324は、第1のモーターによって長手方向軸306を中心に回転されて、チャネル328間で均等に錠剤214を分配する。
【0045】
特に、各錠剤314は、単一のチャネル328に案内され、マガジン側壁326と外側シェル308の内面との間でチャネル328内において排出向きに保持される。本明細書で使用するとき、本実施形態における錠剤314の排出向きは、錠剤314の凸状面が地表面(図示せず)と平行な水平方向に対向して向く、図16、18及び22に示される向きを指す。換言すると、錠剤314は、排出向きでは「横向き」又は側縁部向きである。
【0046】
少なくとも1つのディスペンサ112’は、回転カートリッジ104’の下端302に隣接して回転カートリッジ104’に動作可能に連結される。例示的実施形態では、1つのディスペンサ112’のみが示される。他の実施形態では、第2のディスペンサ112’は、物質送出アセンブリ114’が対向する2つのディスペンサ112’を含むように、例示的なディスペンサ112’からおよそ180°で回転カートリッジ104’に連結される。他の実施形態では、3つ、4つ又は任意の数のディスペンサ112’が設けられる。
【0047】
ディスペンサ112’は、ハウジング340、計量ホイール342、放出ホイール344、アイドルホイール346及びガイド機構348を含む。計量ホイール342、放出ホイール344、アイドルホイール346及びガイド機構348は、ハウジング340内に保持される。より具体的には、ハウジング340は、2つの部品で成形された構成要素であり、図示のとおりディスペンサ112’の他の構成要素を収容するための特定の形状、サイズ及び向きのキャビティをその中に有する。
【0048】
特に図16及び19を参照すると、計量ホイール342は、複数のスポーク350を含み、且つ隣接するスポーク350間に複数のスロット352を画定する。各スロット352は、その中に単一の錠剤314を収納するためのサイズ及び形状を有する。計量ホイール342は、第2のモーター(図示せず)によって回転されるシャフト354に連結される。いくつかの場合、第2のモーターは、第1の(インデックス)モーターと同じであり得る。このような実施形態では、同一のインデックスモーターは、マガジン324を回転させ、且つ(シャフト354を介して)計量ホイール342をそれらの間の機械的接続に応じて同じ角速度又は異なる角速度で回転させる。他の実施形態では、2つの異なるモーターがマガジン324及び計量ホイール342を回転させる。
【0049】
ここで、図16及び20を参照すると、放出ホイール344及びアイドルホイール346は、計量ホイール342の下流に互いに隣接して配置される。流路360は、計量ホイール342と、放出ホイール及びアイドルホイール344、346との間に画定される。放出ホイール344は、流路360を挟んでアイドルホイール346の反対側に位置する。放出ホイール344は、外表面362を有し、第3のモーター(図示せず)によって所定の角速度で駆動される。その名称から示唆されるとおり、アイドルホイール346は、能動的には駆動されず、外表面364を有する。第3のモーターは、第1及び/又は第2のモーターと同じであるか又は異なるモーターであり得る。
【0050】
図21を参照すると、ガイド機構348は、レバー370と、レール372と、レバー370の第1の末端376をレール372の第1の末端378と接続するコネクタ374とを含む。レバー370の第2の末端380は、ピボットシャフト384に連結される。レール372は第1の末端378から第2の末端382に延在し、第2の末端382は、第1の末端378の上流でハウジング340に連結される。レール372は、レールの第1の末端378の位置に基づいて複数の構成に曲がることができる可撓性材料(例えば、金属又は高分子材料)から形成される。
【0051】
例示的実施形態では、レバー370は、ピボットシャフト384を中心に回転して、コネクタ374を介してレールの第1の末端378を再配置する。より具体的には、レールの第1の末端378は、ディスペンサ112’から送出される錠剤314の所望の排出方向に基づいて、レバー370を用いて位置決めされる。レールの第1の末端378は、第1の位置(図16及び21を参照されたい)、第2の位置(図15を参照されたい)及び第1の位置と第2の位置との間の任意の第3の位置に位置決めされ得る。
【0052】
動作中、計量ホイール342は、方向390(図15、16及び19に示す図で反時計回り)に回転され、スロット352が複数の角度位置を通して駆動される。スロット352への入口が回転カートリッジ104’に対して向く第1の角度位置392では、スロット352は、エンドプレート312の孔332と位置合わせされる。重力下において、錠剤314は、孔332を通して、第1の角度位置392にあるスロット352に排出される。計量ホイール342がさらに回転されると、錠剤314を保持するスロット352が孔332から離れる方向390に回転され、スポーク350の外表面356が孔332を覆うか又は塞ぐ。計量ホイール342は、回転し続け、このパターンが継続する。孔332が露出され、錠剤314は、第1の角度位置392でスロット352に排出され、及び孔332は、その後、隣接するスポーク350によって塞がれる。このパターンにより、回転カートリッジ104’からの錠剤314の予想可能で正確な計量が保証される。
【0053】
計量ホイール342の回転と同時にマガジン324が回転される。マガジン324の回転速度は、計量ホイール342の回転速度と相関し、これにより、スロット352が第1の角度位置392に達してエンドプレート312の孔332と位置合わせされると、マガジン324のチャネル328もエンドプレート312の孔332と位置合わせされ、錠剤314は、重力下でチャネル328から孔332を通して第1の角度位置392のスロット352に排出される。
【0054】
計量ホイール342が継続して回転されると、錠剤314は、隣接するスポーク350とハウジング340の内部壁との間においてそれぞれのスロット352で保持される。スロット352への入口が流路360と位置合わせされる第2の角度位置394では、錠剤314は、重力下で計量ホイール342から流路360に送出される。錠剤314が流路360を通して落下するのに伴い、錠剤314は、放出ホイール344の外表面362に接触する。放出ホイール344は、ディスペンサ112’からの錠剤314の所望の放出速度に基づいて所定の角速度で回転される。錠剤314が放出ホイール344とアイドルホイール346との間を通過するのに伴い、錠剤314は、放出ホイール344の外表面362によって流路360から所定の放出速度で出口に向かって押し進められる。
【0055】
錠剤314が流路360を移動し続けると、レール372の位置において、流路360から出る所定の角度又は経路で放出速度(又は放出速度の閾値内の速度)において錠剤314が案内される。レールの第1の末端378が第1の位置にあるとき、例えば、錠剤314は、長手方向軸306又は垂直方向を基準とした角度αでディスペンサ112’から送出される。レールの第1の末端378が第2の位置にあるとき、錠剤314は、角度αが約0°であるように垂直に下方に送出される。角度αは、流路360の特定の特徴及びレール378の位置に応じて約0°~約90°で選択的に可変である。従って、錠剤314は、目標の場所(例えば、圃場、水田等)における所望の送出のために、所定の既知の向き、速度及び方向でディスペンサ112’から送出又は放出される。
【0056】
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、錠剤214は、平坦な面又は平面を有する円筒形の形状である。図22を参照すると、いくつかの実施形態では、錠剤314は、凸状の面を有する円筒形又はディスク形状である。本開示の範囲内で他の形状の錠剤214/314も想定される。本開示のいくつかの実施形態では、回転カートリッジ104/104’は、カートリッジ104/104’の交換、取り替え又は再充填が容易であるようにUAV102から容易に脱着され、各カートリッジ104/104’は、所望の数及び配置の錠剤で満たされるか又はストックされる。カートリッジ104/104’は、事実上制限のない構成及び寸法でこの数及び配置の錠剤に適応するように可変の設計特性を有し得る。いくつかの実施形態では、例えば、カートリッジ104/104’は、1,000個以上の錠剤をその中に収容し得る。
【0057】
物質送出アセンブリ114/114’の制御可能な所定の動作により、UAV102の制御及び目標の場所における所定のパターンでの錠剤214/314の誤差のない予想可能な送出が容易にされることが容易に理解されるべきである。具体的には、UAV102は、ディスペンサ112/112’からの出口の方向が、既知であり且つ所望の向きであるように制御及び位置決めが可能である。さらに、物質送出アセンブリ114/114’の構成要素の相対的な動き(例えば、速度、タイミング、位置)を調整することで、送出される錠剤のタイミング及び速度を正確に制御することが可能である。いくつかの実施形態では、一度に単一の錠剤がディスペンサ112/112’に送出されるが、複数のディスペンサ112/112’が実装され得、これにより複数の(同一又は異なる)錠剤を同じ場所で同時に送出することが可能である。加えて又は代わりに、送出される錠剤は、連続して送出される錠剤が、同じ場所に又は互いに閾値となる距離内で確実に送出されるように正確に制御が可能である。さらに、物質送出アセンブリ114/114’の種々の構成要素を選択、交換、取り替え又は調整して、チャネル212/328の配置、錠剤214/314の選択、モーター250(図10及び11に図示されている)及びバネ254(同様に図10及び11に図示されている)のパラメータ、種々の構成要素のサイズ等など、誤差のない正確な用途のために空中物質送達システム100をさらに改良することが可能である。従って、本開示に係る空中物質送達システム100は、その所望の用途に応じて高度にカスタマイズが可能である。
【0058】
例示的実施形態では、物質送出アセンブリ114/114’の構成要素は、軽量な材料で構成され、リサイクル及び/又は再利用可能な材料でさらに構成され得る。いくつかの実施形態では、回転カートリッジ104/104’、エンドプレート242/312及び/又は容器296(図2、4及び5に図示されている)は、高分子材料で形成される。
【0059】
回転カートリッジ104/104’及び/又は容器296は、1つ又は複数の識別特徴も有し得る。例えば、回転カートリッジ104/104’及び/又は容器296の1つ又は複数の部分は、回転カートリッジ104/104’に含まれる錠剤214/314の種類及び/若しくは量並びに/又は容器296に含まれる流動性物質の種類及び/若しくは量の識別を容易にする固有の識別子タグ396(図2及び15を参照されたい)を含み得る。識別子タグ396は、例えば、無線周波数識別子(RFID)タグを含み得る。識別子タグ396は、識別子タグ396から識別情報を読み取るように構成されたタグリーダ(図示せず)と無線通信するように構成される。タグリーダは、UAV本体106、コントローラ124又は空中物質送達システム100の任意の他の構成要素に組み込まれ得る。加えて又は代わりに、タグリーダは、識別子タグの読取りに用いられる個別のデバイスの一部であり得る(例えば、ハンドヘルドタグリーダ(図示せず))。タグリーダは、例えば、RFIDリーダを含み得る。
【0060】
錠剤214/314は、任意の所望の化学物質の配合を含み得る。いくつかの実施形態では、錠剤214/314は、施用のために湿潤環境に送出されるとき、錠剤214/314が溶解又は崩壊するように水分解性である。
【0061】
本開示の化学品及び物質の送達システムは、多様な化学製品に使用するのに好適であり、そのようなものとしては、例えば、以下が挙げられるが、これらに限定されない:農業用化学薬品、例えば肥料、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、除草剤、除草剤毒性緩和剤、生長調節剤、例えば昆虫脱皮阻害剤及び発根刺激剤、化学不妊剤、情報化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激剤、多成分農薬を形成するための他の生物活性化合物又は昆虫病原性細菌、ウイルス又は真菌。
【0062】
図23を参照すると、図1に示す空中物質送達システム100を使用するか又は動作させる方法500のフローチャートが例示されている。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のステップを含む方法500は、図2~21に示される物質送出アセンブリ114に適用され得る。
【0063】
方法500は、回転カートリッジの長手方向軸と平行に延在する複数のチャネルを画定する回転カートリッジを含む物質送出アセンブリを提供するステップ502を含み、各チャネルは、その中に錠剤のそれぞれの組を保持し、インデックスモーターは、チャネルを間欠回転させるように構成され、及びディスペンサは、一度に単一の錠剤を回転カートリッジから目標の場所に送出するように構成される。方法500はまた、物質送出アセンブリを無人航空機(UAV)に取り外し可能に搭載するステップ504と、物質送出アセンブリを使用して、錠剤をUAVから目標の場所に送出するステップ506とを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、方法500は、追加の、より少ない又は代替的なステップを含む。例えば、いくつかの実施形態では、送出するステップ506は、一度に単一の錠剤をディスペンサから送出するステップを含む。いくつかの実施形態では、物質送出アセンブリは、第2のディスペンサをさらに含み、及び送出するステップ506は、ディスペンサ及び第2のディスペンサの各々から一度に単一の錠剤を送出するステップを含む。いくつかの実施形態では、送出するステップ506は、UAVが圃場の上を飛行するようにUAVを動作させるステップと、錠剤が圃場に送出されるように、圃場の上をUAVが飛行している間に錠剤をUAVから送出するステップとを含む。
【0065】
本開示の各種の実施形態の特定の特徴がいくつかの図面では示され、他では示されていないことがあるが、これは、単に便宜のためのみのものである。本開示の原理に従い、図面のいかなる特徴も任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照及び/又は特許請求され得る。
【0066】
本明細書は、最良の形態を含む本開示を説明し、当業者が、任意のデバイス又はシステムの作製及び使用並びに組み込まれた任意の方法の実施を含めて、本開示を実施することを可能にするために例を使用している。本開示の特許性のある範囲は、請求項によって規定され、当業者に想到される他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが、請求項の文言と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが、請求項の文言からのわずかに差異を有する均等な構造要素を有する場合、請求項の範囲内にあるものとされる。
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【国際調査報告】