IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サン−ゴバン イゾベの特許一覧

特表2025-503440自由流体流の動粘度を測定する方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】自由流体流の動粘度を測定する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/06 20060101AFI20250128BHJP
   G01N 11/00 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
G01N11/06 A
G01N11/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535843
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2022086258
(87)【国際公開番号】W WO2023111226
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】EP21215695
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】502425053
【氏名又は名称】サン-ゴバン イゾベール
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100232895
【弁理士】
【氏名又は名称】林 海藍
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジャニオー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク ザミ-ピエール
(72)【発明者】
【氏名】エゼッディーヌ ウーゲンミ
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム バーバ ロッサ
(57)【要約】
一定の加速度で開口部から流れる流体流の粘度を測定するためのコンピュータ実装方法であって、
上記方法が、流体流の関心の領域の少なくとも1つの画像、上記開口部の断面s、及び上記開口部からの流体流のアウトプット体積流量Uを入力とし;
上記方法が、流体の粘度ηを出力として提供し;
上記方法が、以下の工程:
(a)入力画像のデジタル処理作業を通じて、流体流の幾何学的プロファイルをモデリングすること;
(b)流体の粘度を、数学的又は物理的モデルを用いて、モデリングされた幾何学的プロファイル、断面s、及び出力体積流量Uから計算すること、
を含む、コンピュータ実装方法。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる自由な流体流(2003)の動粘度を測定するコンピュータ実装方法(4000)であって、
前記方法(4000)が、流体流(2003)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像(I4001)、前記開口部(2002c)の断面s、及び前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)のアウトプット体積流量Uを入力とし、
前記方法(4000)が、流体の動粘度ηを出力として提供し;
前記方法(4000)が、以下の工程:
(a)前記流体流(2003)の幾何学的プロファイルGPを、前記入力画像(I4001)のデジタル処理作業によってモデリングすること(S4001);
(b)前記流体の動粘度を、数学的又は物理的モデルを用いて、モデリングされた前記幾何学的プロファイルGP、前記断面s、及び前記アウトプット体積流量Uから計算すること(S4002)、
を含む、コンピュータ実装方法(4000)。
【請求項2】
コンピュータ実装方法(5000)であって、
前記方法が、流体流(2003)の関心の領域(A3001)の第一の画像(I4001)、前記開口部(2002c)の断面s、及び前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)のアウトプット体積流量U、前記流体流2003の少なくとも2つの特徴F3001、F3002の第二のタイムシフト画像I5001を入力とし、前記特徴F3001、F3002が、入力として提供される前記第一の画像I4001内に存在し、
前記方法(5000)が、流体の動粘度ηを出力として提供し;
前記方法(5000)が、以下の工程:
- 前記第一及び第二の画像I4001、I5001のデジタル処理を行って、前記特徴F3001、F3002の変位を測定すること(S5001);
- 各前記特徴F3001、F3002の速度V1、V2を、前記第一及び第二の画像I4001、I5001の間のタイムシフトにわたる変位の測定値から、計算すること(S5002);
- 前記流体の動粘度を、数学的又は物理的モデルを用いて、前記速度V1、V2、前記断面s、及び前記アウトプット体積流量Uから計算すること(S4002)、
を含む、コンピュータ実装方法(5000)。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法であって、さらに、前記流体流(2003)の少なくとも1つの特徴(F3001)の第二のタイムシフト画像(I6001)を入力とし、前記特徴(F3002)が、入力として提供される前記第一の画像(I4001)内に存在し、前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)の前記アウトプット体積流量Uが、モデリング工程(S4001)の後に、以下の工程:
- 前記第一及び第二の画像(I4001、I6001)のデジタル処理を行って、前記特徴(F3001)の変位を測定すること(S6001);
- 前記特徴(F3002)の速度Vを、前記第一及び第二の画像(I4001、I6001)の間のタイムシフトにわたる変位の測定値から計算すること(S6002);
- 計算された前記速度Vに、前記第一の画像(I6001)内の前記特徴(F3001)の位置における流体流(3001)のモデリングされた幾何学的プロファイルGPの断面s1を乗算することによって、アウトプット流量Uを計算すること(S6003)、
によって計算される、コンピュータ実装方法(6000)。
【請求項4】
前記アウトプット体積流量Uが、前記流体流(2003)の複数の特徴を用いて計算され、それによって、平均アウトプット体積流量Umeanを計算する、請求項3に記載のコンピュータ実装方法(6000)。
【請求項5】
前記特徴(F3001,F3002)が、前記流体流(2003)内の欠陥である、請求項2又は請求項3に記載のコンピュータ実装方法(5000,6000)。
【請求項6】
前記数学的又は物理的モデルが、前記流体流、そのアウトプット体積流量、その粘度、及び前記開口部の断面に関する幾何学的プロファイル間の関係の、実験的なもの及び/又はシミュレーションチャートである、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(4000,5000,6000)。
【請求項7】
前記開口部(2002c)の断面及び前記流体流2003の断面が、円形である、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(4000、5000、6000)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法(4000、5000、6000)を実行するための手段を有する、データ処理装置(21000)。
【請求項9】
コンピュータプログラム(I21001)であって、プログラムがコンピュータによって実行される場合、請求項1~7のいずれかに記載の方法(4000、5000、6000)を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム(I21001)。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能媒体(21002)であって、プログラムがコンピュータによって実行される場合、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法(4000、5000、6000)を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータ読み取り可能媒体(21002)。
【請求項11】
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる流体流(2003)の動粘度ηを測定するプロセスであって、
前記プロセスは、以下の工程:
(a)画像記録装置(22001)を用いて、流体流(3001)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像を取得すること;
(b)データ処理装置(21000)を用いて、前記流体流の幾何学的プロファイルを、取得された画像のデジタル処理作業を通じて、モデリングすること;
(c)データ処理装置(21000)を用いて、流体の動粘度ηを、数学的又は物理的モデルを用いて、モデリングされた前記幾何学的プロファイル、前記開口部の断面s、及び前記流体流(2003)のアウトプット体積流量Uから計算すること、
を含む、プロセス。
【請求項12】
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる流体流(2003)の動粘度ηを測定するシステム(22000)であって、前記システムは:
- 流体流(2003)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像を取得するように構成される、画像記録装置(22001)、及び、
- 請求項8に記載のデータ処理装置(21000)であって、前記画像記録装置(22001)から画像を受け取るように構成される、データ処理装置(21000)
を有する、システム(22000)。
【請求項13】
重力によってブッシング(2002)を通って流れる溶融ガラス(1006)の動粘度を監視するための、ガラス繊維の製造ラインにおける請求項11に記載のプロセスの使用。
【請求項14】
前記監視される動粘度が、前記ブッシング(2002)の付近における前記溶融ガラス(1006)の温度を調整するためのフィードバック作業内に組み込まれる、請求項13に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工業環境下、特にはガラス製造のための工業プロセス、より具体的には無機ガラス繊維に基づく材料、例えばミネラルウール、例えばグラスウール又はストーンウールなどの製造のための工業プロセスにおける、自由流体流の粘度を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミネラルウールの製造ラインでは、ガラス溶解炉から来る溶融ガラスは、フォアハースを通って運ばれて、繊維化ツールに供給される。フォアハースから繊維化ツールまで、溶融ガラスは、ブッシングと呼ばれるものを通って流れる。ブッシングは、一般的には、ノズル又はドレンパンによって延長され、かつ溶融ガラスが重力によって流れ出る孔によって終端する、開口部として設計される。その大きさ及び直径に応じて、ブッシングは、繊維化ツールへの溶融ガラスの流量を制御する。
【0003】
繊維化ツールは、通常、遠心分離機、スピナー、又はスピニングプレートと呼ばれる、高速回転装置を有し、これは、計量孔が穿孔された環状壁でできている。ブッシングから出てきている溶融ガラスが供給されると、高速回転装置は、穿孔された穴を通して溶融ガラスを飛び出させて、ガラス糸を鋳造する。
【0004】
繊維化ツールは、環状壁に対して実質的に接線方向に、高められた温度のガス流又はジェットを投射する、リング又は環状バーナーも有し、それによって、鋳造されたガラス糸を引き下げる。この引き込み流又はジェットは、ガラス糸を加熱かつ延伸させ、ガラス繊維を形成することを可能にする。
【0005】
高品質の製品、例えばストーンウール又はグラスウールを得るための1つの要件は、ガラス糸が、鋳造されかつ回転装置から引き下げられつつ、適切に延伸する必要があることである。引き伸ばし作業は、十分に細長いガラス繊維が形成されるのを可能にしつつ、それらの破損を避けるために、激しすぎたり又は速すぎたりしてはならない。そうでないと、最終製品、例えばストーンウール又はグラスウールは、例えば厚み及び遮断性能などに関する、技術的要件を満たさなくなる。この製品は廃棄されなければならず、その結果、製造業者は経済的な損失を被ることになる。
【0006】
そして、溶融ガラスの流量は、その温度及びその化学的性質に依存するので、ブッシングの前で溶融ガラスのサンプルを定時的に採取し、化学分析を行うのが現在の慣行である。また、ブッシング付近、例えばブッシングの前、後、内部などの溶融ガラスの温度を定時的に測定したり、又は連続的に監視したりすることも広く行われている。
【0007】
短期的には、引き伸ばし作業の際の溶融ガラスの流量は、ブッシング付近のその温度を変化させることによって制御されうる。この温度調整は、適応する加熱作業、例えば、金属性ブッシング内に電流を流すことによるジュール加熱など、を通じて行われうる。長期的には、また、溶融ガラスの化学的性質を、溶融プロセスにおける原料の化学的性質を適合させることによって変化させうる。
【0008】
国際公開第83/004437号[GULLFIBER AB [SE]]1983.12.22には、自由に落下する溶融ガラス流の流速を測定する方法が開示されている。この方法は、流れ内の不均一性によって発生し、かつ2つの分離した放射線検出器によって検出される、パルス状信号間の時間間隔の測定に依存する。
【0009】
米国特許第四 877 436号明細書[SHEINKOP ISAC[US]]1989.10.31には、生成の際の溶融ガラスの流量及び粘度を制御する方法が開示されている。この方法は、溶融ガラスの密度の予備知識が要求されるハーゲン-ポアズイユ法による、溶融ガラスの粘度の計算に依存している。
【0010】
米国特許第五 170 438号明細書[GRAHAM FIBER GLASS LTD[CA]]1992.12.08には、粘性流体流、例えば溶融ガラス流などの、体積流量を決定するための装置を開示している。この装置は、流体流の画像をデジタル処理してその幅を測定し、そして、そこから流量が、流体流の形状に関する幾何学的考察、並びに流体の速度及び密度の両方の予見の下、計算される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ブッシング付近の溶融ガラスの温度を変化させることは、流量を迅速に調整する必要がある場合に、好ましい作業でありうる。しかしながら、温度を上げるべきか又は下げるべきかを評価するためには、まず溶融ガラスの実際の粘度又は流量を評価する必要がありうる。
【0012】
溶融ガラスの粘度又は流量を評価するために広く行われているのは、例えばハーゲン-ポアズイユ法などのように、ガラス密度一定及び/又は粘度一定という仮定に頼ることである。溶融ガラスの密度は、その化学的性質及び温度の両方に依存しており、溶融ガラスの化学的性質を前提に仮定がなされていた場合、又は測定されていた場合、密度はブッシング付近の温度の測定値から評価される可能性が高いであろう。
【0013】
ブッシング付近の溶融ガラスの温度を測定することは、困難な作業でありうる。高められた温度及び接近の困難さを理由に、測定は、一般的には黒体放射に基づく光学的方法、例えばパイロメーターなどで行われる。しかしながら、この種の測定は、取得条件、例えば、溶融ガラスの表面放射、表面の放射率、周囲環境の光反射などに、過度に敏感でありうる。溶融ガラスは、温度が不均一でありうるので、測定値は、非常に不正確でありうるし、溶融ガラスの取得ゾーンに応じて異なりうる。密度の値は、信頼性に欠けうるし、密度-粘度若しくは流量の関係、例えばハーゲン-ポアズイユ法などは破綻しうるし、又は流量の粘度について非現実的な値を提供しうる。
【0014】
これらの欠点の他に、現在の粘度-流量関係、特にはハーゲン-ポアズイユ法に基づく関係が不都合な別の点は、それらが、層流並びに一様な粘度及び/又は一様な密度を、幾何学的形状が単純である必要があるブッシングにおいて要求することである。実際、ハーゲン-ポアズイユ法は、管又はパイプを通る層流を有する流体、すなわち自由表面を有しない流体に対してのみ有効である。
【0015】
しかしながら、ジュール効果によってブッシングを加熱することは広く行われている。この作業は、空間的かつ時間的に温度勾配を溶融ガラス内に発生させ、ひいては溶融ガラスの粘度の空間的かつ時間的な変化を発生させる。溶融ガラスの流動体制、例えば圧力損失における変化が、ブッシングの付近で起こりうる;粘度-流量の関係が、適用されない可能性があり、又は粘度について非現実的な値を提供しうる。
【0016】
また、ハーゲン-ポアズイユ法は、それらが、単純な幾何学的形状のブッシング内での層流並びに一様な粘度及び/又は一様な密度を、先に説明したように、要求するので、自由流動流体、すなわち管又はパイプなどに拘束されない自由表面を有する流動流体には適用されないことも言及しておく価値がある。
【0017】
おそらく、前述の問題の最も良くない悪影響の1つは、それらが溶融ガラスの温度の誤った調整につながりうるし、ひいては、製造ツールに潜行性の損傷を与えうることである。例えば、温度の上げ過ぎは、繊維化ツールの寿命を短くしうる。
【0018】
流体流の粘度を測定する方法に対する必要性、特には、流体の温度の測定に頼らず、現在の先行技術、主には密度-粘度又は流量の関係、例えばハーゲン-ポアズイユ法などに基づくものの限界を克服しうるものに対する必要性が、明らかに存在する。この方法は、理想的には、オンラインであり、迅速かつ信頼性の高い測定を可能にし、ひいては製造プロセスのリアルタイム調整に用いられうる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本開示の第一の態様では、請求項1及び請求項2に記載されるような、流体流の動粘度を測定するための2つの代替的なコンピュータ実装方法が提供され、従属請求項は有利な実施形態である。
【0020】
本開示の第二の態様では、第一の態様の方法を実装する、データ処理装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能媒体が提供される。
【0021】
本開示の第三の態様では、流体流の動粘度を測定するためのプロセスが提供される。
【0022】
本開示の第四の態様では、流体流の動粘度を測定するためのシステムが提供される。
【0023】
本開示の第一、第二、第三、及び第四の態様による方法、プロセス、データ処理装置、及びシステムは、ガラス繊維の製造プロセス又は導入において用いられうる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第一の優れた利点は、流体流の粘度が、現在の先行技術、主には密度-粘度関係又は流量の関係の使用に基づくものの限界を克服しつつ、流体の温度測定に頼ることなく迅速に測定されうることである。
【0025】
本発明の第二の優れた利点は、流体の粘度が非接触で測定されることである。流体流の粘度の連続的な監視は、それを妨げたり又は乱したりすることなく可能であり、製品、例えばガラス繊維に基づく製品などの製造工程における時間及びコストを節約しうる。
【0026】
本発明の第三の利点は、それが、製造ラインの構成が流体流の画像を取得するための画像記録装置の使用を可能にするものであれば、既存の製造ラインにおいて容易に実施されうることである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、ガラス繊維の製造ラインの一例を示す概略図である。
【0028】
図2図2は、図1の詳細Iのブッシング及び繊維化ツールの一例を示す概略断面図である。
【0029】
図3図3は、図2の詳細IIの概略図である。
【0030】
図4図4は、本発明の第一の態様の一実施形態によるコンピュータ実装方法のデータフロー図である。
【0031】
図5図5は、本発明の第一の態様の第二の実施形態によるコンピュータ実装方法のデータフロー図である。
【0032】
図6図6は、本発明の第一の態様の実施形態によるコンピュータ実装方法のデータフロー図である。
【0033】
図7図7は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U6.3m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の幾何学的プロファイルのプロットである。
【0034】
図8図8は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U8.4m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の幾何学的プロファイルのプロットである。
【0035】
図9図9は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U9.6m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の幾何学的プロファイルのプロットである。
【0036】
図10図10は、8cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U6.3m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の幾何学的プロファイルのプロットである。
【0037】
図11図11は、8cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U8.4m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の幾何学的プロファイルのプロットである。
【0038】
図12図12は、8cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U9.6m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の幾何学的プロファイルのプロットである。
【0039】
図13図13は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U6.3m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の流速プロファイルのプロットである。
【0040】
図14図14は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U8.4m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の流速プロファイルのプロットである。
【0041】
図15図15は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U9.6m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の流速プロファイルのプロットである。
【0042】
図16図16は、8cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U6.3m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の流速プロファイルのプロットである。
【0043】
図17図17は、8cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U8.4m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の流速プロファイルのプロットである。
【0044】
図18図18は、8cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U9.6m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の流速プロファイルのプロットである。
【0045】
図19図19は、5.7cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U9.6m/日に関し、流体流の流速プロファイルの、実験データ例との比較プロットである。
【0046】
図20図20は、5.7cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U9.6m/日に関し、流体流の流速プロファイルの、実験データ例との比較プロットである。
【0047】
図21図21は、本開示の第一及び/又は第二の態様による方法を実施するための処理データシステムの物理的データフロー図である。
【0048】
図22図22は、一定の加速度で開口部から流れる流体流の動粘度を測定するシステムの概略図である。
【0049】
図23図23は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U6.3m/日に関し、87~614まで変化する動粘度の値に関する、流体流の幾何学的プロファイルのプロットである。
【0050】
図24図24は、8.0cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U9.6m/日に関し、87~614まで変化する動粘度の値に関する、流体流の幾何学的プロファイルのプロットである。
【0051】
図25図25は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U6.3m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の流速プロファイルのプロットである。
【0052】
図26図26は、8cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U9.6m/日に関し、87~614ストークスまで変化する動粘度の値に関する、流体流の流速プロファイルのプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1を参照すると、ガラス繊維の製造ライン1000は、一般的には、原料1001a、例えば、無機化合物及び/又はカレットなどを貯蔵するためのサイロ1001、サイロ1001からコンベア1003によって搬送される原料1001aを溶融するためのガラス溶融炉1002、並びにフォアハース1004を介して溶融ガラス1006が供給される1つ又は複数の繊維化ツール1005a、1005b、1005cを有しうる。フォアハースは、通常、開いた又は閉じたチャネルとして設計され、これは、各繊維化ツール1005a、1005b、1005cの真上に開口部が提供され、それによって、それら各々に溶融ガラス1006を供給する。
【0054】
図2を参照すると、フォアハース1004の開口部2001は、ブッシング2002を提供されてよく、これは、ここではノズル又はドレンパン2002bによって延長され、かつ別の開口部2002cによって終端される、開口部2002aとして例示され、ここから溶融ガラス1006が、流体流2003として重力によって、下方に位置する繊維化ツール1005cに流れる。繊維化ツール1005cは、スピナー2004を有してよく、これは、側面開口部を有するバケット2003a、及び複数の計量孔を提供される環状壁2004bでできている。高速回転の下で、溶融ガラス1006は、ブッシング2002から流体流2003として出てきており、バケット2004a内に落下し、その側面開口部から環状壁2004bの内側表面に向かって飛び出し、次いで計量孔を通って飛び出して、ガラス糸2005を鋳造する。
【0055】
繊維化ツール1005cはまた、高められた温度のガス流又はジェットを、環状壁に対して実質的に接線方向に噴出する、リングバーナー2006を有してよく、それによって、鋳造されたガラス糸2005を引き下げ、それによって、それらを加熱しかつ強度を高め、ガラス繊維2007を形成する。それはまた、リングバーナー2005の下方に位置するガス吹き込み装置2008を有してよく、それによって、ガラス繊維2007がスピナー2004の回転軸から離れ過ぎるのを防止する。
【0056】
図2及び図3に例示するように、溶融ガラス1006が重力によってブッシング2002の開口部2002cから流れているとき、溶融ガラス1006は、一定の加速度を有する自由流体流2003として自由に流れている。
【0057】
図3及び図4を参照すると、本開示の第一の態様において、開口部2002cから一定の加速度で流れる自由流体流2003の動粘度を測定するための、コンピュータ実装方法4000が提供される。ここで、上記方法4000は、流体流2003の関心の領域A3001の少なくとも1つの画像I4001、上記開口部2002cの断面s、及び上記開口部2002cからの流体流2003のアウトプット体積流量Uを、入力とし;ここで、上記方法4000が、流体の動粘度ηを出力として提供する;ここで、上記方法4000は、以下の工程を含む:
(a)流体流2003の幾何学的プロファイルGPを、入力画像I4001のデジタル処理作業を通して、モデリングするS4001;
(b)流体の動粘度を、数学的又は物理的モデルで、モデリングされた幾何学的プロファイルGP、断面s、及びアウトプット体積流量Uから計算するS4002。
【0058】
本開示の文脈では、自由流体流は、自由流動流体として、すなわち、外部表面、例えば管又はパイプからのものなどに拘束されない、自由表面を有する流動流体として理解される。
【0059】
本開示の文脈では、幾何学的プロファイルGPは、流体流2003の、流れ方向における幾何学的寸法、例えば幅、断面、直径などの変動を代表する、又は導出することを可能にする、任意の寸法測定として理解される必要がある。
【0060】
例示的な実施形態では、図3の基準X、Z軸によって示されるように、円形断面を有する流体流の場合、幾何学的プロファイルは、X方向における、流れ方向Zに沿った、断面、直径、又は半径の変化でありうる。X、Z軸の原点は、開口部2002cでありうる。
【0061】
例えば、流体流2003の放射、例えば高められた温度の溶融無機ガラスの流体流などの放射、又は開口部2002cの工業的な周辺環境を理由に、少なくとも1つの入力画像I4001が、幾何学的プロファイルGPの正確なモデリングを可能にしない、多すぎるノイズによって損なわれるか、又は台無しにされることが起こりうる。
【0062】
幾何学的プロファイルGPをモデリングする測定の代わりに、流体蒸気2003の流速、すなわち、流れ方向に沿った、例えば図3のZ方向に沿った、流体流の分離した位置における流体流の速度を、モデリングすることが有利でありうる。これは、ノイズが多すぎる入力画像I4001の制限を克服するのに役立ちうる。
【0063】
したがって、代替的な有利な実施形態では、図3図4及び図5を参照すると、方法5000は、流体の流れ2003の関心の領域A3001の第一の画像I4001、上記開口部2002cの断面s、及び上記開口部2002cからの流体流2003のアウトプット体積流量U、流体流2003の少なくとも2つの特徴F3001、F3002の第二のタイムシフト画像I5001を入力とし、上記特徴F3001、F3002が、提供される第一の画像I4001内に存在し、
上記方法5000が、流体の動粘度ηを出力として提供し;
上記方法5000が、以下の工程を含む:
- 第一及び第二の画像I4001、I5001のデジタル処理を行って、上記特徴F3001、F3002の変位を測定するS5001;
- 各上記特徴F3001、F3002の速度V1、V2を、第一及び第二の画像I4001、I5001の間のタイムシフトにわたる変位の測定値から計算するS5002;及び、
- 流体の動粘度を、数学的又は物理的モデルを用いて、速度V1、V2、断面s、及びアウトプット体積流量Uから計算するS4002。
【0064】
特徴F3001、F3002の速度V1、V2は、流体流の流速FVの2つの異なる測定値と見なされうる。計算工程S4002では、これら2つの速度V1、V2の各々を、独立して用いてよく、それによって、動速度の値を計算する。このようなアプローチは、特にはいくつかの速度が流体流内のいくつかの特徴から計算される場合、有利には、粘度の測定において比較的良好な精度を提供しうる。
【0065】
有利には、比較的多くの速度が、流速FVに対して計算されるほど、方法の精度が比較的良好になりうる。したがって、複数の特徴、例えば少なくとも10個の特徴、好ましくは少なくとも50個の特徴、より好ましくは少なくとも100個の特徴の速度が計算されうる。計算は、2つの入力画像I4001、I5001よりもはるかに多くの入力画像で実行されうる。
【0066】
流体流2003の特徴F3001、F3002又は複数の特徴は、流体流2003とともに移動し、かつ第一及び第二の画像I4001、I5001の間で一定の持続性を示す、流体流2003の任意の特徴であってよく、それによって、時間にわたるそれらの変位、ひいてはそれらの速度が測定されうる。
【0067】
特定の実施形態では、少なくとも2つの特徴F3001、F3002は、流体流2003内の欠陥でありうる。例えば、溶融ガラスの場合、欠陥は、気泡、非溶融粒子、例えば、耐火石若しくは非溶融原料、又は他の不均一なものでありうる。欠陥は、流体流の表面にありうるし、まとまりの中にありうる。透明な溶融ガラスの場合、まとまりの中の欠陥は、透明なおかげで容易に検出されうる。
【0068】
流体流2003は、時として、均一な品質を示しうるし、目に見える欠陥がないことがありうる。人工的な欠陥は、例えば、溶融ガラス用のフォアハース内のバブリング装置又は固体粒子などを用いて、上流側に導入されうる。
【0069】
開口部2002cの断面sは、開口部2002cの技術仕様から独立した値として提供されるか、又は領域A3001の第一の画像I4001の画像処理を通して直接測定されるかのいずれかでありうる。
【0070】
入力として提供される、アウトプット体積流量Uは、本発明の第一の態様による方法とは独立に測定されうる。例えば、それは、開口部2002cの真下に配置される専用の流量計によって、例えば、流体流3001の断面が既知又は測定されうるのであれば、国際公開第83/004437号[GULLFIBER AB [SE]]1983.12.22に記載されるような方法及び装置などによって、自動的に測定されうる。それはまた、定時サンプリングから手動で測定されうる。
【0071】
代替的に、又は補足的に、本開示の第一の態様による方法はまた、アウトプット体積流量Uを測定するように適合されうる。したがって、一実施形態では、図3図4、及び図6を参照すると、方法6000は、さらに、流体流2003の少なくとも1つの特徴F3001の第二のタイムシフト画像I6001を入力とし、上記特徴F3001が、入力として提供される第一の画像I4001内に存在し、上記開口部2002cからの流体流2003のアウトプット体積流量Uは、モデリング工程S4001の後に、以下の工程によって計算される:
- 第一及び第二の画像I4001、I6001のデジタル処理を行って、上記特徴F3001の変位を測定するS6001;
- 特徴F3002の速度Vを、第一及び第二の画像I4001、I6001の間のタイムシフトにわたる変位の測定値から計算するS6002;
- アウトプット流量Uを、計算された速度Vに、第一の画像I6001内の特徴F3001の位置における流体流3001のモデリングされた幾何学的プロファイルGPの断面s1を乗じることによって、計算するS6003。
【0072】
例示として、図3を参照すると、開口部(2002c)の断面s0は固定である。しかしながら、流体の流れ2003の断面sは、Z方向において、上記Z方向における流体流2003内の特徴F3001の位置に応じて変化する。したがって、流体の流れ2003のモデリングされた幾何学的プロファイルの断面s1は、それに応じて変化するであろう。
【0073】
特定の実施形態では、測定の精度を向上させるために、アウトプット体積流量Uは、流体流2003の複数の特徴を用いて計算されてよく、それによって、平均アウトプット体積流量Umeanを計算する。計算は、2つの入力画像I4001、I6001よりもはるかに多くの入力画像で実行されうる。
【0074】
質量保存の法則によれば、アウトプット質量流量は、流体流2003の落下方向、すなわちZ方向に、定常状態において、変化しないはずであることに注目されたい。したがって、定常状態であって、温度、ひいては密度が変化しないか、又は少なくとも非常に限定されかつ無視できる範囲で変化するのであれば、ほとんどの場合に発生する、定常状態において、計算されるアウトプット体積流量Umeanは、開口部2002cからの流体流2003の真のアウトプット体積流量Uの代表的な尺度である。
【0075】
特徴F3001は、図5の代替実施形態の文脈で上述したものと同じ性質のものでありうる。さらに、図5の代替実施形態が実施される場合、工程S6001及びS6002は、有利には、工程S5001及びS5002によって置き換えられうる。入力画像I6001は、入力画像I5001によって置き換えられうる。これは、余分な工程を制限しうるし、時間を節約しうる。
【0076】
関心の領域A3001は、流体流2003の任意の領域でありうる。一定の加速度を理由に、流体流2003は、開口部2002cから離れるにつれて比較的細くなりうる。したがって、流体流2003が一定の幅を示すことが、工程S4001、S5001、S6001のデジタル処理作業が入力画像I4001、I5001、I6001に対して効率的に動作するために、有利でありうる。流体流2003の最も薄い領域、例えば、流体流の最も低い領域の画像は、その後、回避される必要がある。実際、関心の領域A3001は、開口部2002cから、開口部2002cの直径の2倍、好ましくは3倍の長さまで延在しうる。そして、入力画像I4001、I5001、I6001内の流体流の幅は、デジタル処理作業に十分な大きさでありうる。
【0077】
モデリング工程S4001において、幾何学的プロファイルGPは、画像処理のための任意の適合されたエッジ検出アルゴリズム、例えば、以下を用いて、計算されうる:マーチングスクエアアルゴリズム;キャニーエッジ検出器;閾値処理;Prewitt、Sobel、又はScharrフィルタに基づく、エッジ演算子など。
【0078】
計算工程S4002において、特定の実施形態によれば、数学的又は物理的モデルは、流体流、そのアウトプット体積流量、その粘度、及び開口部の断面に関する、幾何学的プロファイル間の、実験的かつ/又はシミュレートされる関係、例えばチャートでありうる。
【0079】
例示的な実施形態として、チャートは、代用流体、例えば、動粘度を容易に変更しうる、コールドオイルなどが、異なる体積流量において、異なる断面を有する開口部を通って、一定の加速度を有する流れとして流動させられる、前の実験から導出されうる。動粘度は、流体の温度又はその組成を変化させることによって、例えばそれを水中で希釈することなどによって、変えられうる。動粘度、開口部断面、及び体積流量に関して異なる値で実行された複数の試験から取得した画像は、動粘度値が所定の幾何学的プロファイル、所定の体積流量、及び所定の開口部断面に対応する、チャートを構築することを可能にする。チャートのデータは、実験データ又は実験データから導き出されるモデルでありうる。
【0080】
開口部2002cの断面sの異なる値、アウトプット体積流量Uの異なる値、及び動粘度の異なる値に関する、チャートの例を図7図18に示す。
【0081】
図7図12は、流れ方向Zにおけるその半径Rの変化として表される円形流体の幾何学的プロファイルを示す。図7図9は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量Uの3つの値、6.3m/日、8.4m/日、及び9.6m/日に関し、かつ87~614ストークス(cm2/s)の範囲で変化する動粘度の値に関する、この変化を示している。図10図12は、8.0cmの断面sにおける、アウトプット体積流量Uの3つの値、6.3m/日、8.4m/日、及び9.6m/日に関し、かつ87~614ストークス(cm2/s)の範囲で変化する動粘度の値に関するこの変化を表している。
【0082】
図13図18は、流れ方向Zにおける流体流の流速FVの変化を示している。図13図15は、4.5cmの断面sにおける、アウトプット体積流量Uの3つの値、6.3m/日、8.4m/日、及び9.6m/日に関し、かつ87~614ストークス(cm2/s)の範囲で変化する動粘度の値に関するこの変化を表している。図16図18は、8.0cmの断面sにおける、アウトプット体積流量Uの3つの値、6.3m/日、8.4m/日、及び9.6m/日に関し、かつ87~614ストークス(cm2/s)の範囲で変化する動粘度の値に関するこの変化を表している。
【0083】
図7図18において、流れ方向Zの原点は、開口部2002cの出口である。
【0084】
開口部2002cの断面sの値、アウトプット体積流量Uの値、動粘度の値、図7図18上で提供される幾何学的プロファイル及び流速プロファイルは、全て、工業的な実際の工業条件、特にはグラスウール又はストーンウール用のガラス繊維を製造するための溶融ガラスの流体流を、代表するものである。そして、当業者は、繊維化ツール内を落下する溶融ガラスの流体流の動粘度を求めるために、これらのチャートを直接用いうる。必要であれば、中間値が、図7図18のデータから外挿されうる。
【0085】
例として、図19及び図20はそれぞれ、溶融ガラスの流体流の、異なる流速、FV、及び幾何学的プロファイル、すなわち半径Rの比較に、5.7cmの断面sにおける、アウトプット体積流量U、9.6m3/日に関する工業的条件下で取得した実験データを提供する。図10及び図20の両方は、モデリングされたプロファイルと実験データとのほぼ完全な一致を示しており、本開示によるチャートが工業的な環境又は条件下での流体流における動粘度の正確かつ精密な測定を可能にすることを、示している。
【0086】
他の代替的又は補足的な例示的実施形態として、数学的又は物理的モデルは、ナビエ-ストークス方程式の数値解像度であってよく、これは、異なる条件について、例えば、動粘度、開口部、及び体積流量の異なる値について、自由に落下する流体の流れに適用される。動粘度、開口部、及び体積流量の関係は、幾何学的プロファイル又は流速プロファイルとしてシミュレートされうるし、例えば、所定の動粘度値が、所定の幾何学的プロファイル又は流速プロファイル、所定の体積流量、及び所定の開口部に対応する、チャートとして表されうる。代替的には、ナビエ-ストークス方程式は、流体流の幾何学的プロファイル又は流速プロファイルを適合させる、又はこれらをモデリングするための、数学的関数として用いられうる。
【0087】
例示的な例として、図2及び図3を参照すると、開口部2002cから自由に落下する流体の流れ2003に適用される、ナビエ-ストークス方程式は、以下のように書かれうる:
【数1】
【0088】
ここで、νは、動粘度であり、sは、開口部(2002c)の断面であり、FVは、流体流(2003)の速度であり、gは、加速度定数であり、zは、開口部2003からの流れ方向Z、すなわち開口部の垂直方向における座標である。
【0089】
上記の方程式を数値的に解くために、2つの境界条件を用いうる、すなわち:
【数2】
【0090】
(2)流体流の末端部における粘性応力は、無視されうる、すなわち、
【数3】
【0091】
この方程式は、動粘度νの、断面sの、開口部2002cの、及びアウトプット体積流量Uの、異なる値について、境界値問題を解くためのソルバー、例えばscipy pythonパッケージのbpv_solveソルバーなどを用いて、数値的に解かれうる。
【0092】
図23及び図24は、このような数値解像度から得られうるような、流れ方向Zにおける流体流の流速FVの変化を示している。図23は、断面sが4.5cmである、アウトプット体積流量U、6.3m/日に関し、かつ87~614ストークス(cm2/s)で変化する動粘度の値に関するこの変化を示している。図24は、断面sが8.0cmである、アウトプット体積流量Uの3つの値、9.6m/日に関し、かつ87~614ストークス(cm2/s)で変化する動粘度の値に関するこの変化を示している。
【0093】
図25及び図26は、円形流体流の幾何学的プロファイルを示し、これらは、流れ方向Zにおける半径Rであって、同じ数値解像度から得られうるような、半径Rの変化として表される。図25は、断面積sが4.5cmである、アウトプット体積流量Uの3つの値、6.3m/日に関し、かつ87~614ストークス(cm2/s)で変化する動粘度の値に関するこの変化を表している。図26は、断面sが8.0cmである、アウトプット体積流量Uの3つの値、9.6m/日に関し、かつ87~614ストークス(cm2/s)で変化する動粘度の値に関するこの変化を表している。
【0094】
図23図26において、流れ方向Zの原点は、開口部2002cの出口である。
【0095】
本開示の文脈において、開口部2002cの断面は、任意の幾何学的形状であって、流体流2003がそれを通って流れることを可能にするものを有しうる。特定の実施形態では、開口部2002cの断面及び流体流2003の断面は、円形であってよい;なぜなら、この幾何学的構成は、現在の工業ラインでのケースに対応するからである。そして、開口部2002cの断面は、その直径から計算されうる。
【0096】
好ましい実施形態では、流体流2003は、溶融無機ガラスの流れである。
【0097】
本開示の第二の態様では、図21を参照すると、データ処理システム21000が提供され、これは、本発明の第一の態様の実施形態のいずれか1つによる方法4000、5000、6000を実行するための手段21001、及びコンピュータプログラムI21001を有し、これは、コンピュータによって実行される場合、コンピュータに本発明の第一の態様の実施形態のいずれか1つによる方法を実行させる、命令を含みうる。
【0098】
データ処理システム21000は、本発明の第一の側面の実施形態のいずれか1つによる方法を実行するための手段21001を有する。手段21001の例は、タスク又はアクションを実行するために算術演算又は論理演算のシーケンスを自動的に実行するように命令されうる、装置でありうる。コンピュータとも呼ばれる、そのような装置は、1つ又は複数の中央処理装置(CPU)、及びそれらの演算を実行するように適合される、少なくともコントローラ装置を有しうる。
【0099】
それは、さらに、他の電子コンポーネント、例えば入力/出力インターフェース21003、不揮発性又は揮発性の記憶装置21002、及びコンピュータ内部又はコンピュータ間のコンポーネント間のデータ転送のための通信システムであるバスなどを有しうる。入力/出力デバイスの1つは、人間-機械のインタラクションのためのユーザインタフェース、例えば、人間が理解可能な情報を表示するためのグラフィカルユーザインタフェースなどでありうる。
【0100】
計算は、相当量のデータを処理するために多くの計算能力を要求しうるので、データ処理システムは、有利には、特には画像処理のために、1つ又は複数のグラフィカルプロセッシングユニット(GPU)を有してよく、これらの並列構造が、これらをCPUよりも効率的にする。
【0101】
コンピュータプログラムI21001は、本発明の第一の態様の任意の実施形態による方法の工程を実行するために、コンパイル又はインタプリタのいずれかが行われる、任意の種類のプログラミング言語を通じて記述されうる。コンピュータプログラムI21001は、ソフトウェアソリューションの一部、すなわち、実行可能な命令、コード、スクリプトなどのコレクションの一部、及び/又はデータベースの一部でありうる。
【0102】
特定の実施形態では、コンピュータ読み取り可能記憶装置又は媒体21002も提供されてよく、これは、コンピュータによって実行される場合、コンピュータに本発明の第一の態様の任意の実施形態による方法を実行させる、命令を含む。
【0103】
コンピュータ読み取り可能な記憶装置21002は、好ましくは、不揮発性の非一過性の記憶装置又はメモリ、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブなどでありうる。コンピュータ読み取り可能な記憶装置は、コンピュータの一部として取り外し可能な記憶媒体又は取り外し不可能な記憶媒体でありうる。
【0104】
代替的には、コンピュータ読み取り可能な記憶装置は、取り外し可能媒体内の揮発性メモリでありうる。
【0105】
コンピュータ読み取り記憶装置21002は、実行可能命令が、ダウンロードされうるし、それらがコンピュータによって実行される場合、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従った方法をコンピュータに実行させうる、サーバとして用いられるコンピュータの一部でありうる。
【0106】
代替的には、プログラムI21001は、分散コンピューティング環境、例えばクラウドコンピューティングにおいて実装されうる。命令は、クライアントコンピュータが接続しうる、サーバ上で実行されてよく、方法への入力として符号化されたデータを提供しうる。データが処理されると、出力は、クライアントコンピュータ上に、ダウンロードかつデコードされうるか、又は、例えば、命令などとして、直接送信されうる。この種の実装は、分散コンピューティング環境、例えばクラウドコンピューティングソリューションなどにおいて実現されうるので、有利でありうる。
【0107】
本開示の第三の態様では、図3図21、及び図22を参照して、一定の加速度で2002c開口部から流れる流体流2003の動粘度ηを測定するためのプロセスが提供され、
ここで、上記工程は、以下の工程を含む:
(a)画像記録装置22001を用いて、流体流3001の関心の領域A3001の少なくとも1つの画像を取得すること;
(b)データ処理手段21000を用いて、流体流の幾何学的プロファイルを、取得された画像のデジタル処理作業を通してモデリングすること;
(c)データ処理手段21000を用いて、流体の動粘度ηを、数学的又は物理的モデルを用いて、モデリングされた幾何学的プロファイル、開口部の断面s、及び流体流3001のアウトプット体積流量Uから計算する。
【0108】
本発明の第一の態様の文脈で前述した全ての実施形態は、本発明の第三の態様によるプロセスに適用されうる。より正確には、方法4000、5000に関する全ての実施形態は、プロセスにおいて、特には上記プロセスの工程(b)及び(c)に関するプロセスにおいて、適合されうる。
【0109】
本開示の第四の態様では、図3図21、及び図22を参照すると、一定の加速度で開口部2002cから流れる流体流2003の動粘度ηを測定するためのシステム22000が提供され、上記システムは以下を含む:
- 流体流2003の関心の領域A3001の少なくとも1つの画像を取得するように構成される、画像記録装置22001;
- 本開示の第二の態様によるデータ処理デバイス21000であって、画像記録デバイス22001から画像を受信するように構成される、データ処理デバイス21000。
【0110】
特定の実施形態では、画像記録デバイス22001は、デジタルカメラ、例えば、CCD又はCMOSデジタルカメラなどでありうる。画像記録装置の画像解像度は、動粘度を測定するための所望の精度に依存しうる。一般的には、流体流2003の幅が比較的小さいほど、画像解像度は比較的高くなる。
【0111】
有利な実施形態では、デジタルカメラの画像解像度は、流体流2003の関心の領域A3001の取得画像の幅解像度が、少なくとも200ピクセル/cm、好ましくは少なくとも400ピクセル/cmとなるようにされる。これらの実施形態は、現在の製造ラインのほとんどの前提条件に適合しうる。
【0112】
好ましい実施形態では、デジタルカメラは、さらに、高速デジタルカメラ、例えば、少なくとも50フレーム/秒(fps)、好ましくは少なくとも100fpsのフレームレートを有する高速デジタルカメラなどでありうる。高フレームレートは、その後データ処理デバイス21000に供給されうる画像のシーケンスを取得するのに有利でありうる。そして、データ処理デバイス21000は、流体流2003の関心の領域A3001の平均画像又は代表画像を上記シーケンスの画像から計算するように、さらに構成されうる。そして、平均画像は、幾何学的プロファイルGPを比較的正確かつ精密にモデリングするために用いられうる。
【0113】
高フレームレートは、アウトプット体積流量Uを、本発明の第一の態様の文脈で述べたように特徴又は複数の特徴の画像から計算するのにも、有利でありうる。
【0114】
図22に示されるように、画像記録装置22001は、流体流2003の流れ方向に対して垂直に方向付けられうる。特定の実施形態では、画像記録装置22001は、以下の場合に、流れ方向からある角度で方向付けられてよく、又は傾斜させられてよい;工業環境で起こりうるように、画像記録装置22001を流れ方向に対して垂直に配置するための十分なスペースが、開口部2002c及び流体流の近傍に存在しない場合。取得された画像を処理する際に傾斜角度を考慮してよく、それによって、画像内で誘発される光学的変形を補正する。
【0115】
画像記録デバイス22001が配置されうる流体流2003からの距離は、装置の焦点距離、例えば50cm~1mなどに依存しうる。特定の実施形態では、流体流2003の温度、及び/又はその熱放射に応じて、画像記録装置は、流体流から比較的高い距離に配置されてよく、それによって、その電子機器を熱から保護する。熱シールドを、カメラの周囲に配置してもよい。
【0116】
本開示の第二、第三及び第四の態様によるプロセス、データ処理装置、及びシステムが、有利には、ガラス繊維の製造ラインにおいて用いられてよく、それによって、重力によってブッシング2002を通って流れる溶融ガラス1006の動粘度を監視する。製造ラインは、任意の種類の繊維化ツール、例えば、先に説明したようなスピナーを有する繊維化ツール、又は底部閉鎖スピナーを有する繊維化ツールなど、を有しうる。
【0117】
さらなる実施形態において、監視される粘度は、ブッシング2002の付近における溶融ガラス1006の温度を調整するためのフィードバック作業内に組み込まれうる。
【0118】
この文脈において、特定の実施形態では、システム22000は、溶融ガラスの温度に作用を及ぼしうる製造ラインの1つ又はいくつかの構成要素の1つ又はいくつかのパラメータを設定又は変更するように構成される、コントローラ装置をさらに有しうる。いくつかの例示的な実施形態では、動粘度が設定点値から逸脱した場合、コントローラ装置は、フォアハース1004に関連する冷却及び/又は加熱装置に作用しうるし、それによって、ブッシング2002の前の溶融ガラスの温度を上昇又は低下させる。他の例示的な実施形態では、コントローラ装置は、ディスプレイ装置上に視覚信号を送信しうるし、それによって、溶融ガラスの化学的性質を調整するように人間のオペレータに警告する。
【0119】
本発明の第一、第二、第三又は第四の態様に関係するか否かにかかわらず、本明細書に記載された全ての実施形態は、当業者によって、それらは技術的に不適合であると思われない限り、組み合わせられうる。
【0120】
さらに、本発明を好ましい実施形態に関連して説明したが、特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に様々な修正、追加、及び変更が当業者によってなされうることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2024-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
さらに、本発明を好ましい実施形態に関連して説明したが、特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に様々な修正、追加、及び変更が当業者によってなされうることを理解されたい。
本開示は、下記の態様を含む。
<態様1>
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる自由な流体流(2003)の動粘度を測定するコンピュータ実装方法(4000)であって、
前記方法(4000)が、流体流(2003)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像(I4001)、前記開口部(2002c)の断面s 、及び前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)のアウトプット体積流量U を入力とし、
前記方法(4000)が、流体の動粘度ηを出力として提供し;
前記方法(4000)が、以下の工程:
(a)前記流体流(2003)の幾何学的プロファイルGPを、前記入力画像(I4001)のデジタル処理作業によってモデリングすること(S4001);
(b)前記流体の動粘度を、数学的又は物理的モデルを用いて、モデリングされた前記幾何学的プロファイルGP、前記断面s 、及び前記アウトプット体積流量U から計算すること(S4002)、
を含む、コンピュータ実装方法(4000)。
<態様2>
コンピュータ実装方法(5000)であって、
前記方法が、流体流(2003)の関心の領域(A3001)の第一の画像(I4001)、前記開口部(2002c)の断面s 、及び前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)のアウトプット体積流量U 、前記流体流2003の少なくとも2つの特徴F3001、F3002の第二のタイムシフト画像I5001を入力とし、前記特徴F3001、F3002が、入力として提供される前記第一の画像I4001内に存在し、
前記方法(5000)が、流体の動粘度ηを出力として提供し;
前記方法(5000)が、以下の工程:
- 前記第一及び第二の画像I4001、I5001のデジタル処理を行って、前記特徴F3001、F3002の変位を測定すること(S5001);
- 各前記特徴F3001、F3002の速度V1、V2を、前記第一及び第二の画像I4001、I5001の間のタイムシフトにわたる変位の測定値から、計算すること(S5002);
- 前記流体の動粘度を、数学的又は物理的モデルを用いて、前記速度V1、V2、前記断面s 、及び前記アウトプット体積流量U から計算すること(S4002)、
を含む、コンピュータ実装方法(5000)。
<態様3>
態様1又は態様2に記載のコンピュータ実装方法であって、さらに、前記流体流(2003)の少なくとも1つの特徴(F3001)の第二のタイムシフト画像(I6001)を入力とし、前記特徴(F3002)が、入力として提供される前記第一の画像(I4001)内に存在し、前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)の前記アウトプット体積流量U が、モデリング工程(S4001)の後に、以下の工程:
- 前記第一及び第二の画像(I4001、I6001)のデジタル処理を行って、前記特徴(F3001)の変位を測定すること(S6001);
- 前記特徴(F3002)の速度Vを、前記第一及び第二の画像(I4001、I6001)の間のタイムシフトにわたる変位の測定値から計算すること(S6002);
- 計算された前記速度Vに、前記第一の画像(I6001)内の前記特徴(F3001)の位置における流体流(3001)のモデリングされた幾何学的プロファイルGPの断面s1を乗算することによって、アウトプット流量U を計算すること(S6003)、
によって計算される、コンピュータ実装方法(6000)。
<態様4>
前記アウトプット体積流量U が、前記流体流(2003)の複数の特徴を用いて計算され、それによって、平均アウトプット体積流量Umeanを計算する、態様3に記載のコンピュータ実装方法(6000)。
<態様5>
前記特徴(F3001,F3002)が、前記流体流(2003)内の欠陥である、態様2又は態様3に記載のコンピュータ実装方法(5000,6000)。
<態様6>
前記数学的又は物理的モデルが、前記流体流、そのアウトプット体積流量、その粘度、及び前記開口部の断面に関する幾何学的プロファイル間の関係の、実験的なもの及び/又はシミュレーションチャートである、態様1~5の一項に記載のコンピュータ実装方法(4000,5000,6000)。
<態様7>
前記開口部(2002c)の断面及び前記流体流2003の断面が、円形である、態様1~6の一項に記載のコンピュータ実装方法(4000、5000、6000)。
<態様8>
態様1から7の一項に記載の方法(4000、5000、6000)を実行するための手段を有する、データ処理装置(21000)。
<態様9>
コンピュータプログラム(I21001)であって、プログラムがコンピュータによって実行される場合、態様1~7のに記載の方法(4000、5000、6000)を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム(I21001)。
<態様10>
コンピュータ読み取り可能媒体(21002)であって、プログラムがコンピュータによって実行される場合、態様1~7の一項に記載の方法(4000、5000、6000)を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータ読み取り可能媒体(21002)。
<態様11>
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる流体流(2003)の動粘度ηを測定するプロセスであって、
前記プロセスは、以下の工程:
(a)画像記録装置(22001)を用いて、流体流(3001)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像を取得すること;
(b)データ処理装置(21000)を用いて、前記流体流の幾何学的プロファイルを、取得された画像のデジタル処理作業を通じて、モデリングすること;
(c)データ処理装置(21000)を用いて、流体の動粘度ηを、数学的又は物理的モデルを用いて、モデリングされた前記幾何学的プロファイル、前記開口部の断面s 、及び前記流体流(2003)のアウトプット体積流量U から計算すること、
を含む、プロセス。
<態様12>
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる流体流(2003)の動粘度ηを測定するシステム(22000)であって、前記システムは:
- 流体流(2003)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像を取得するように構成される、画像記録装置(22001)、及び、
- 態様8に記載のデータ処理装置(21000)であって、前記画像記録装置(22001)から画像を受け取るように構成される、データ処理装置(21000)
を有する、システム(22000)。
<態様13>
重力によってブッシング(2002)を通って流れる溶融ガラス(1006)の動粘度を監視するための、ガラス繊維の製造ラインにおける態様11に記載のプロセスの使用。
<態様14>
前記監視される動粘度が、前記ブッシング(2002)の付近における前記溶融ガラス(1006)の温度を調整するためのフィードバック作業内に組み込まれる、態様13に記載の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる自由な流体流(2003)の動粘度を測定するコンピュータ実装方法(4000)であって、
前記方法(4000)が、流体流(2003)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像(I4001)、前記開口部(2002c)の断面s、及び前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)のアウトプット体積流量Uを入力とし、
前記方法(4000)が、流体の動粘度ηを出力として提供し;
前記方法(4000)が、以下の工程:
(a)前記流体流(2003)の幾何学的プロファイルGPを、前記入力画像(I4001)のデジタル処理作業によってモデリングすること(S4001);
(b)前記流体の動粘度を、数学的又は物理的モデルを用いて、モデリングされた前記幾何学的プロファイルGP、前記断面s、及び前記アウトプット体積流量Uから計算すること(S4002)、
を含む、コンピュータ実装方法(4000)。
【請求項2】
コンピュータ実装方法(5000)であって、
前記方法が、流体流(2003)の関心の領域(A3001)の第一の画像(I4001)、前記開口部(2002c)の断面s、及び前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)のアウトプット体積流量U、前記流体流2003の少なくとも2つの特徴F3001、F3002の第二のタイムシフト画像I5001を入力とし、前記特徴F3001、F3002が、入力として提供される前記第一の画像I4001内に存在し、
前記方法(5000)が、流体の動粘度ηを出力として提供し;
前記方法(5000)が、以下の工程:
- 前記第一及び第二の画像I4001、I5001のデジタル処理を行って、前記特徴F3001、F3002の変位を測定すること(S5001);
- 各前記特徴F3001、F3002の速度V1、V2を、前記第一及び第二の画像I4001、I5001の間のタイムシフトにわたる変位の測定値から、計算すること(S5002);
- 前記流体の動粘度を、数学的又は物理的モデルを用いて、前記速度V1、V2、前記断面s、及び前記アウトプット体積流量Uから計算すること(S4002)、
を含む、コンピュータ実装方法(5000)。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法であって、さらに、前記流体流(2003)の少なくとも1つの特徴(F3001)の第二のタイムシフト画像(I6001)を入力とし、前記特徴(F3002)が、入力として提供される前記第一の画像(I4001)内に存在し、前記開口部(2002c)からの前記流体流(2003)の前記アウトプット体積流量Uが、モデリング工程(S4001)の後に、以下の工程:
- 前記第一及び第二の画像(I4001、I6001)のデジタル処理を行って、前記特徴(F3001)の変位を測定すること(S6001);
- 前記特徴(F3002)の速度Vを、前記第一及び第二の画像(I4001、I6001)の間のタイムシフトにわたる変位の測定値から計算すること(S6002);
- 計算された前記速度Vに、前記第一の画像(I6001)内の前記特徴(F3001)の位置における流体流(3001)のモデリングされた幾何学的プロファイルGPの断面s1を乗算することによって、アウトプット流量Uを計算すること(S6003)、
によって計算される、コンピュータ実装方法(6000)。
【請求項4】
前記アウトプット体積流量Uが、前記流体流(2003)の複数の特徴を用いて計算され、それによって、平均アウトプット体積流量Umeanを計算する、請求項3に記載のコンピュータ実装方法(6000)。
【請求項5】
前記特徴(F3001,F3002)が、前記流体流(2003)内の欠陥である、請求項3に記載のコンピュータ実装方法(5000,6000)。
【請求項6】
前記数学的又は物理的モデルが、前記流体流、そのアウトプット体積流量、その粘度、及び前記開口部の断面に関する幾何学的プロファイル間の関係の、実験的なもの及び/又はシミュレーションチャートである、請求項1又2に記載のコンピュータ実装方法(4000,5000,6000)。
【請求項7】
前記開口部(2002c)の断面及び前記流体流2003の断面が、円形である、請求項1又2に記載のコンピュータ実装方法(4000、5000、6000)。
【請求項8】
請求項1又2に記載の方法(4000、5000、6000)を実行するための手段を有する、データ処理装置(21000)。
【請求項9】
コンピュータプログラム(I21001)であって、プログラムがコンピュータによって実行される場合、請求項1又2に記載の方法(4000、5000、6000)を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム(I21001)。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能媒体(21002)であって、プログラムがコンピュータによって実行される場合、請求項1又2に記載の方法(4000、5000、6000)を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータ読み取り可能媒体(21002)。
【請求項11】
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる流体流(2003)の動粘度ηを測定するプロセスであって、
前記プロセスは、以下の工程:
(a)画像記録装置(22001)を用いて、流体流(3001)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像を取得すること;
(b)データ処理装置(21000)を用いて、前記流体流の幾何学的プロファイルを、取得された画像のデジタル処理作業を通じて、モデリングすること;
(c)データ処理装置(21000)を用いて、流体の動粘度ηを、数学的又は物理的モデルを用いて、モデリングされた前記幾何学的プロファイル、前記開口部の断面s、及び前記流体流(2003)のアウトプット体積流量Uから計算すること、
を含む、プロセス。
【請求項12】
一定の加速度で開口部(2002c)から流れる流体流(2003)の動粘度ηを測定するシステム(22000)であって、前記システムは:
- 流体流(2003)の関心の領域(A3001)の少なくとも1つの画像を取得するように構成される、画像記録装置(22001)、及び、
- 請求項8に記載のデータ処理装置(21000)であって、前記画像記録装置(22001)から画像を受け取るように構成される、データ処理装置(21000)
を有する、システム(22000)。
【請求項13】
重力によってブッシング(2002)を通って流れる溶融ガラス(1006)の動粘度を監視するための、ガラス繊維の製造ラインにおける請求項11に記載のプロセスの使用。
【請求項14】
前記監視される動粘度が、前記ブッシング(2002)の付近における前記溶融ガラス(1006)の温度を調整するためのフィードバック作業内に組み込まれる、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記特徴(F3001,F3002)が、前記流体流(2003)内の欠陥である、請求項2に記載のコンピュータ実施方法(5000,6000)。
【国際調査報告】