(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】疾患の治療のための噴霧乾燥された吸入可能なバイオ治療剤
(51)【国際特許分類】
A61K 35/74 20150101AFI20250128BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250128BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250128BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20250128BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20250128BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20250128BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20250128BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20250128BHJP
A61P 31/22 20060101ALI20250128BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20250128BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20250128BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250128BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20250128BHJP
A61K 31/56 20060101ALI20250128BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20250128BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20250128BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20250128BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20250128BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20250128BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20250128BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20250128BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20250128BHJP
A61M 11/00 20060101ALI20250128BHJP
A61K 35/744 20150101ALI20250128BHJP
A61K 35/745 20150101ALI20250128BHJP
A61K 35/747 20150101ALI20250128BHJP
【FI】
A61K35/74 C
A61P11/00
A61P35/00
A61P11/06
A61P9/12
A61P31/20
A61P31/14
A61P31/16
A61P31/22
A61P31/04
A61P31/10
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/56
A61K9/72
A61K9/14
A61K9/12
A61K47/18
A61K47/26
A61K47/10
A61K47/32
C12N1/20 E
A61M11/00 A
A61M11/00 D
A61K35/744
A61K35/745
A61K35/747
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536393
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 US2022052936
(87)【国際公開番号】W WO2023114356
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524228904
【氏名又は名称】アルヴィアラス バイオ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オコナー,アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA21X
4B065AA30X
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4C087ZB33
4C087ZB35
4C087ZC75
(57)【要約】
本明細書に記載の技術は、吸入による投与のために製剤化される、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象とする。また、そのような噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の単位剤形、そのような薬学的組成物を含む装置、そのような薬学的組成物を生成する方法、及びとりわけ、そのような噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を使用して気管支肺疾患などの疾患を治療する方法も本明細書に記載される。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物であって、前記マトリックス組成物が、吸入による投与のために製剤化される、バイオ治療マトリックス組成物。
【請求項2】
前記細菌調製物が、生存細菌又は非生存細菌を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記生存細菌が、対象の肺において活発に代謝及び/又は増殖することができる、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記非生存細菌が、熱死滅される、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記細菌が、グラム陰性である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記細菌が、グラム陽性である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記細菌が、胞子形成性である、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記細菌が、胞子形態である、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記細菌が、好気性である、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
前記細菌が、嫌気性である、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
前記細菌が、少なくとも1つの免疫調節因子を生成する、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
前記細菌が、Carnobacterium、Lactiplantibacillus、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、Ligilactobacillus、Oenococcus、Leuconostoc、Pedicoccus、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Bifidobacterium、Propionibacterium、及びMoraxellaからなる群から選択される属に属する、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
前記細菌が、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、又はLactiplantibacillus plantarumである、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
前記細菌が、非病原性である、請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
前記細菌が、少なくとも10
1コロニー形成単位/グラム(CFU/g)、少なくとも10
2CFU/g、少なくとも10
3CFU/g、少なくとも10
4CFU/g、少なくとも10
5CFU/g、少なくとも10
6CFU/g、少なくとも10
7CFU/g、少なくとも10
8CFU/g、少なくとも10
9CFU/g、少なくとも10
10CFU/g、少なくとも10
11CFU/g、又は少なくとも10
12CFU/gの濃度で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
前記細菌が、少なくとも10
6コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項17】
前記細菌が、少なくとも10
8コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項18】
前記細菌が、少なくとも1つの抗生物質に耐性である、請求項2に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、乾燥重量で少なくとも0.5%の細菌調製物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記細菌調製物が、細菌抽出物又は細菌代謝産物調製物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記細菌抽出物又は細菌代謝産物調製物が、細菌エクソソーム、細菌細胞壁、ペプチドグリカン、タイコ酸、リポタイコ酸、細菌S層、菌体外多糖、多糖、乳酸ポリマー、乳酸誘導体、乳酸中間体、過酸化水素、バクテリオシン、サリバリシン、ロイテリン、及び細菌増殖上清からなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも1つの賦形剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
少なくとも2つの賦形剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記賦形剤が、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)増殖培地、ゼラチン、ホエイ単離物、スイートホエイ、還元脱脂粉乳、マルトデキストリン、グルコオリゴ糖、ラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、イヌリン、カゼイン酸ナトリウム、ヤギミルク、牛乳、プロリン、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、グルタミン酸塩、グリシンベタイン、グリコーゲン、トレハロース、マンノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、デキストロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、ロイシン、トリロイシン、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記賦形剤が、ロイシン及び/又はトレハロースである、請求項22に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、乾燥重量で少なくとも0.5%の賦形剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも1つの安定剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記安定剤が、界面活性剤を含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記安定剤が、ポリソルベート、ポロキサマー、又はポリビニルアルコールである、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
前記安定剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、又はポリソルベート80である、請求項27に記載の組成物。
【請求項31】
前記安定剤が、ポリソルベート80である、請求項27に記載の組成物。
【請求項32】
前記安定剤が、ポロキサマー184、ポロキサマー185、ポロキサマー188、ポロキサマー234、ポロキサマー235、ポロキサマー238、ポロキサマー333、ポロキサマー334、ポロキサマー335、ポロキサマー338、ポロキサマー403、又はポロキサマー407である、請求項27に記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物が、乾燥重量で少なくとも0.25%の安定剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記組成物が、少なくとも1つの賦形剤及び少なくとも1つの安定剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項35】
前記組成物が、少なくとも1つの追加の治療剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
前記少なくとも1つの追加の治療剤が、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記少なくとも1つの追加の治療剤が、マイクロカプセル化、共製剤化、又は分解可能なリンカーによる前記組成物への共有結合を使用して、前記組成物に組み込まれる、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記マトリックス組成物が、複数の乾燥粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項39】
前記乾燥粒子が、少なくとも0.5μmのDv50を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記乾燥粒子が、少なくとも1.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記乾燥粒子が、2.0未満の分散性を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項42】
前記乾燥粒子が、少なくとも0.5~1.0の分散性を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項43】
前記乾燥粒子が、標的組織に対して前記細菌調製物の少なくとも25.0質量%~最大125質量%の送達用量を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項44】
前記乾燥粒子が、標的組織に対して前記細菌調製物の少なくとも60質量%の送達用量を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項45】
前記標的組織が、標的気管支肺組織である、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記標的気管支肺組織が、肺、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞である、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記標的組織が、心血管系又はリンパ系を介して送達される肺からの遠位組織部位である、請求項45に記載の組成物。
【請求項48】
前記乾燥粒子が、少なくとも0.1g/cm
3~0.8g/cm3のかさ密度を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項49】
前記乾燥粒子が、少なくとも0.5g/cm
3のかさ密度を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項50】
前記乾燥粒子が、少なくとも0.1g/cm
3~1.0g/cm3のタップ密度を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項51】
前記乾燥粒子が、少なくとも0.6g/cm
3のタップ密度を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項52】
前記乾燥粒子が、Karl Fischerによる少なくとも1.0重量%~7.0重量%の水の水分含有量を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項53】
前記乾燥粒子が、Karl Fischerによる少なくとも2.5重量%の水の水分含有量を有する、請求項38に記載の組成物。
【請求項54】
前記組成物が、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞への送達のために製剤化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項55】
前記組成物が、肺への送達のために製剤化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項56】
前記組成物が、カプセルとして製剤化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項57】
前記カプセルが、少なくとも10mgの前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記組成物が、吸入器による送達のために製剤化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項59】
前記組成物が、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)による送達のために製剤化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項60】
吸入器と組み合わせた、請求項1に記載の組成物。
【請求項61】
気管支肺送達のための吸入装置であって、
a)吸入器と、
b)細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器と、を含む、吸入装置。
【請求項62】
前記吸入器が、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記吸入器が、
a)開口部を含むマウスピースと、
b)前記容器中の前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物をエアロゾル化又は分散させるための手段と、を含む、請求項61に記載の装置。
【請求項64】
細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法であって、
a)前記細菌調製物を含む液体原料を調製することと、
b)前記液体原料の液滴を噴霧ノズルを通して乾燥チャンバに導入することと、
c)前記液体原料液滴を前記乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して、乾燥粒子を生成することと、
d)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された前記乾燥粒子が、前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単離することと、を含む、方法。
【請求項65】
細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法であって、
a)前記細菌調製物を含む液体原料を得ることと、
b)前記液体原料の液滴を噴霧ノズルを通して乾燥チャンバに導入することと、
c)前記液体原料液滴を前記乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して、乾燥粒子を生成することと、
d)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された前記乾燥粒子が、前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単離することと、を含む、方法。
【請求項66】
前記液体原料を調製するステップが、固体原料を水溶液に溶解することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
固体原料が、
a)少なくとも3.5重量%の細菌調製物、
b)少なくとも5重量%の賦形剤、及び/又は
c)少なくとも0.25重量%の安定剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
固体原料が、
a)少なくとも3.5重量%の細菌調製物、
b)少なくとも5重量%の第1の賦形剤、
c)少なくとも5重量%の第2の賦形剤、及び/又は
d)少なくとも0.25重量%の安定剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
固体原料が、少なくとも1重量%~最大5重量%の細菌調製物を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
固体原料が、少なくとも45重量%~最大95重量%の賦形剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項71】
固体原料が、少なくとも5重量%~60重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも5重量%~60重量%の第2の賦形剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項72】
固体原料が、少なくとも0.25重量%~最大10重量%の安定剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項73】
前記液体原料が、水溶液に溶解された少なくとも1g/Lの固体原料を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項74】
前記液体原料が、水溶液に溶解された少なくとも25g/Lの固体原料を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項75】
前記液体原料が、水溶液に溶解された少なくとも0.1%~最大10%の固体原料を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項76】
前記液体原料が、水溶液に溶解された少なくとも1%の固体原料を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項77】
1Lの前記液体原料が、
a)少なくとも1.050gの細菌調製物、
b)少なくとも1.5gの賦形剤、
c)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は
d)少なくとも970gの水溶液を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項78】
1Lの前記液体原料が、
a)少なくとも1.050gの細菌調製物、
b)少なくとも0.75gの第1の賦形剤、
c)少なくとも0.75gの第2の賦形剤、
d)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は
e)少なくとも970gの水溶液を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項79】
1Lの前記液体原料が、
a)少なくとも1.050gの細菌調製物、
b)少なくとも0.5gの第1の賦形剤、
c)少なくとも0.5gの第2の賦形剤、
d)少なくとも0.5gの第3の賦形剤、
e)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は
f)少なくとも970gの水溶液を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項80】
1Lの前記液体原料が、少なくとも750g~最大999gの水溶液を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項81】
前記液体原料が、
a)少なくとも0.105%の細菌調製物、
b)少なくとも0.15%の賦形剤、
c)少なくとも0.0075%の安定剤、及び/又は
d)少なくとも97%の水溶液を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項82】
前記液体原料が、
a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、
b)少なくとも0.075重量%の第1の賦形剤、
c)少なくとも0.075重量%の第2の賦形剤、
d)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は
e)少なくとも97重量%の水溶液を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項83】
前記液体原料が、
a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、
b)少なくとも0.05重量%の第1の賦形剤、
c)少なくとも0.05重量%の第2の賦形剤、
d)少なくとも0.05重量%の第3の賦形剤、
e)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は
f)少なくとも97重量%の水溶液を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項84】
前記液体原料が、少なくとも0.01重量%~最大10重量%の細菌調製物を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項85】
前記液体原料が、少なくとも1.0重量%~最大20重量%の賦形剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項86】
前記液体原料が、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第2の賦形剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項87】
前記液体原料が、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第1の賦形剤、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第2の賦形剤、及び少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第3の賦形剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項88】
前記液体原料が、少なくとも0.01重量%~最大1.0重量%の安定剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項89】
前記液体原料が、少なくとも75重量%~最大99.9重量%の水溶液を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項90】
前記細菌調製物が、生存細菌又は非生存細菌を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項91】
前記細菌が、Carnobacterium、Lactiplantibacillus、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、Ligilactobacillus、Oenococcus、Leuconostoc、Pedicoccus、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Bifidobacterium、Propionibacterium、及びMoraxellaからなる群から選択される属に属する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記細菌が、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、又はLactiplantibacillus plantarumである、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記細菌が、非病原性である、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記細菌が、少なくとも10
1コロニー形成単位/グラム(CFU/g)、少なくとも10
2CFU/g、少なくとも10
3CFU/g、少なくとも10
4CFU/g、少なくとも10
5CFU/g、少なくとも10
6CFU/g、少なくとも10
7CFU/g、少なくとも10
8CFU/g、少なくとも10
9CFU/g、少なくとも10
10CFU/g、少なくとも10
11CFU/g、又は少なくとも10
12CFU/gの濃度で存在する、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記細菌が、少なくとも10
6コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
前記細菌が、少なくとも10
8コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する、請求項90に記載の方法。
【請求項97】
賦形剤が、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)増殖培地、ゼラチン、ホエイ単離物、スイートホエイ、還元脱脂粉乳、マルトデキストリン、グルコオリゴ糖、ラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、イヌリン、カゼイン酸ナトリウム、ヤギミルク、牛乳、プロリン、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、グルタミン酸塩、グリシンベタイン、グリコーゲン、トレハロース、マンノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、デキストロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、ロイシン、トリロイシン、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される、請求項90に記載の方法。
【請求項98】
賦形剤が、ロイシン及び/又はトレハロースである、請求項64に記載の方法。
【請求項99】
安定剤が、ポリソルベート、ポロキサマー、又はポリビニルアルコールである、請求項64に記載の方法。
【請求項100】
安定剤が、ポリソルベート80である、請求項64に記載の方法。
【請求項101】
水溶液が、水である、請求項64に記載の方法。
【請求項102】
前記液体原料が、少なくとも1つの追加の治療剤を更に含む、請求項64に記載の方法。
【請求項103】
前記少なくとも1つの追加の治療剤が、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記乾燥チャンバへの前記噴霧ノズルが、少なくとも1.2umの直径を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項105】
前記乾燥チャンバへの前記噴霧ノズルによって生成された液体原料の前記液滴が、少なくとも1.5umの直径を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項106】
液体原料の前記液滴が、少なくとも0.5g/分の前記乾燥チャンバを通る流量を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項107】
液体原料の前記液滴が、少なくとも15g/分の前記乾燥チャンバを通る流量を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項108】
液体原料の前記液滴が、最大1000g/分の前記乾燥チャンバを通る流量を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項109】
前記加熱加圧ガスが、前記乾燥チャンバに導入される前に加熱される、請求項64に記載の方法。
【請求項110】
前記加熱加圧ガスが、少なくとも100℃の温度で前記乾燥チャンバに導入される、請求項64に記載の方法。
【請求項111】
前記加熱加圧ガスが、最大195℃の温度で前記乾燥チャンバに導入される、請求項64に記載の方法。
【請求項112】
前記加熱加圧ガスが、少なくとも40℃の温度で前記乾燥チャンバから排出される、請求項64に記載の方法。
【請求項113】
前記加熱加圧ガスが、少なくとも48℃の温度で前記乾燥チャンバから排出される、請求項64に記載の方法。
【請求項114】
前記加熱加圧ガスが、最大85℃の温度で前記乾燥チャンバから排出される、請求項64に記載の方法。
【請求項115】
前記加熱加圧ガスが、前記乾燥チャンバに導入される前に加圧される、請求項64に記載の方法。
【請求項116】
前記乾燥チャンバ内の前記加熱加圧ガスが、1平方インチゲージ当たり少なくとも10ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項117】
前記乾燥チャンバ内の前記加熱加圧ガスが、1平方インチゲージ当たり少なくとも20ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項118】
前記乾燥チャンバ内の前記加熱加圧ガスが、1平方インチゲージ当たり最大150ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項119】
前記加熱加圧ガスが、少なくとも5kg/時の前記乾燥チャンバを通る流量を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項120】
前記加熱加圧ガスが、少なくとも18kg/時の前記乾燥チャンバを通る流量を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項121】
前記加熱加圧ガスが、最大150kg/時の前記乾燥チャンバを通る流量を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項122】
前記加熱加圧ガスが、前記サイクロンチャンバを通して排出される、請求項64に記載の方法。
【請求項123】
前記液体原料液滴を前記乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露するステップが、最大8時間かかる、請求項64に記載の方法。
【請求項124】
前記サイクロンチャンバ内で単離された前記乾燥粒子が、少なくとも1.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項125】
前記サイクロンチャンバ内で単離された前記乾燥粒子が、少なくとも4.0μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する、請求項64に記載の方法。
【請求項126】
前記サイクロンチャンバ内の所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離するステップが、連続的に行われる、請求項64に記載の方法。
【請求項127】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、前記乾燥粒子を単離するステップの後に少なくとも5%の細菌生存率を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項128】
細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法であって、
a)気管支肺送達のための吸入装置であって、
i)吸入器、及び
ii)細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器を含む吸入装置を得ることと、
b)前記吸入器を活性化して、前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、
d)エアロゾル化又は分散された前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む、方法。
【請求項129】
細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法であって、
a)気管支肺送達のための吸入装置であって、
i)吸入器、及び
ii)請求項1に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器を含む吸入装置を得ることと、
d)前記吸入器を活性化して、前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、
e)エアロゾル化又は分散された前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む、方法。
【請求項130】
細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法であって、
a)請求項61に記載の吸入装置を得ることと、
c)前記吸入器を活性化して、前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、
d)エアロゾル化又は分散された前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む、方法。
【請求項131】
前記吸入器が、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である、請求項128に記載の方法。
【請求項132】
前記吸入器が、
a)開口部を含むマウスピースと、
b)前記容器中の前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物をエアロゾル化又は分散させるための手段と、を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項133】
前記吸入器が、少なくとも15L/分の吸入流量を有する、請求項128に記載の方法。
【請求項134】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の少なくとも25質量%~最大100質量%が、標的気管支肺組織に送達される、請求項128に記載の方法。
【請求項135】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の少なくとも60.0質量%が、標的気管支肺組織に送達される、請求項128に記載の方法。
【請求項136】
標的気管支肺組織が、肺、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞である、請求項128に記載の方法。
【請求項137】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、心血管系又はリンパ系を介して気管支肺組織から遠位組織部位に送達される、請求項128に記載の方法。
【請求項138】
治療を必要とする対象を治療する方法であって、細菌調製物を含む有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入によって投与することを含む、方法。
【請求項139】
治療を必要とする対象を治療する方法であって、有効用量の請求項1に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入によって投与することを含む、方法。
【請求項140】
前記対象が、慢性気管支肺疾患と診断されているか、又はそれを発症するリスクがある、請求項138に記載の方法。
【請求項141】
前記慢性気管支肺疾患が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、喘息、気管支拡張症、肺気腫、嚢胞性線維症(CF)、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸器疾患症候群(ARDS)、特発性肺線維症(IPF)、肺高血圧症(PAH)、珪肺症、間質性肺疾患(ILD)、及び胸水(PE)からなる群から選択される、請求項138に記載の方法。
【請求項142】
肺がんが、小細胞肺がん(SCLC)又は非小細胞肺がん(NSCLC)である、請求項138に記載の方法。
【請求項143】
前記対象が、感染性肺疾患と診断されているか、又はそれに罹患するリスクがある、請求項138に記載の方法。
【請求項144】
感染性気管支肺疾患が、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、パルボウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、水痘ウイルス、Corynebacterium diphtheriae、Haemophilus influenzae、Legionella pneumophila、Bordetella pertussis、Mycobacterium tuberculosis、Streptococcus種、Pseudomonas種、Escherichia coli、Aspergillus種、Cryptococcus種、及びPneumocystis種から選択される感染因子によって引き起こされるか、又はそれらに関連する、請求項138に記載の方法。
【請求項145】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、慢性又は感染性の気管支肺疾患の標準治療と併せて投与される、請求項138に記載の方法。
【請求項146】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、吸入器を使用して投与される、請求項138に記載の方法。
【請求項147】
前記吸入器が、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である、請求項138に記載の方法。
【請求項148】
前記有効用量の前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、単位用量当たり少なくとも10
4CFUの細菌である、請求項138に記載の方法。
【請求項149】
前記有効用量の前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、単位用量当たり少なくとも10
4CFUの生存細菌である、請求項138に記載の方法。
【請求項150】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、標的組織における好中球性炎症を低減する、請求項138に記載の方法。
【請求項151】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、標的組織における乳酸濃度を少なくとも25%増加させる、請求項138に記載の方法。
【請求項152】
少なくとも1つの追加の治療剤を投与することを更に含む、請求項138に記載の方法。
【請求項153】
前記少なくとも1つの追加の治療剤が、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、前記細菌調製物と、前記少なくとも1つの追加の治療剤と、を含む、請求項152に記載の方法。
【請求項155】
前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、前記少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与される、請求項152に記載の方法。
【請求項156】
同時投与が、併用送達装置を使用して投与することを含む、請求項152に記載の方法。
【請求項157】
細菌調製物を含む少なくとも1mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単位剤形。
【請求項158】
少なくとも1mgの請求項1に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単位剤形。
【請求項159】
少なくとも1mgの請求項64に記載の方法によって調製された前記噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単位剤形。
【請求項160】
単位用量当たり少なくとも10
4CFUの細菌を含む少なくとも1mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単位剤形。
【請求項161】
投薬量が、少なくとも30mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物である、請求項157に記載の単位剤形。
【請求項162】
投薬量が、単位用量当たり少なくとも10
4CFUの細菌を含む、請求項157に記載の単位剤形。
【請求項163】
投薬量が、単位用量当たり少なくとも10
4CFUの生存細菌を含む、請求項157に記載の単位剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月16日に出願された米国仮出願第63/290,289号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張し、その内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の技術は、疾患の治療のための噴霧乾燥された吸入可能なバイオ治療剤に関する。
【背景技術】
【0003】
吸入薬物送達は、肺に直接送達される治療剤が、他の投与経路と比較して改善された臨床有効性を有することが示されているという点で、他の投与経路よりも有利である。例えば、Jackson(1995)British Journal of General Practice,45(401):683:687を参照されたい(その内容は、その全体が参照により組み込まれる)。この臨床有効性の改善により、多くの薬物は、有効性のための薬物負荷要件の低減を達成するために患者によって吸入されるように製剤化されており、より低い全身曝露及び副作用の低減がもたらされる。
【0004】
非経口投与(例えば、XOLAIR-オマリズマブ)、静脈内送達(例えば、CINQAIR-レスリズマブ)、経口カプセル(例えば、DALIRESP-ロフルミラスト)、定量噴霧式吸入器(例えば、ベントリン-アルブテロール)、液体ネブライザー(例えば、XOPENEX-レバルブテロール)、及び乾燥粉末吸入器(例えば、SPIRIVA-チオトロピウム)を含む、慢性気管支肺障害などの適応症を治療するために使用することができる薬物を投与する多くの経路がある。摂取を介して全身投与されるいくつかの薬物(COPDのためのロフルミラストなど)は、全身曝露及び胃腸相互作用に起因する副作用のリスクが高い。例えば、Garnock-Jones,Drugs 75,1645-1656(2015)を参照されたい(その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。注射による使用のために処方される薬物は、典型的には、診断が困難となり得る喘息又は乾癬の特定の表現型に対して承認され、他の慢性呼吸器疾患は含まれない。
【0005】
噴霧された治療剤は、典型的には、薬物溶液の小さな容器内で患者に与えられる。次いで、その容器は、噴霧装置に挿入され、これは通常、持続的な吸入期間にわたって、患者が吸入するための薬剤溶液のミストを生成する。この投与経路は、力強く吸入することができない患者(小児、乳児、高齢者)の投与に有用である。しかし、噴霧溶液中に製剤化された薬物は、新薬開発を困難にする可能性のある安定性の課題を有する。
【0006】
ネブライザーシステムで使用するための製剤薬物の安定性の問題の一部を回避するために、加圧吸入器は、治療剤の吸入に使用するために開発されている。これらの定量噴霧式吸入器は、喘息及びCOPDに罹患している患者における気管支拡張剤及びコルチコステロイドの送達に一般的に使用される。もともと、これらの加圧吸入器は、薬剤溶液及びクロロフルオロカーボンを含む容器を加圧することによって機能した。時間が経つにつれて、CFCを吸入することが中枢神経系に影響を及ぼすことが判明したため、より最近のMDIは、ヒドロフルオロアルカンを利用して、キャニスターを加圧し、治療剤を送達している。例えば、Muralidharan et al.(2015)Expert Opinion on Drug Delivery,12:6,947-962を参照されたい(この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0007】
乾燥粉末吸入器は、最近、過去10年間で、ネブライザー又はMDIでは製剤化が困難であろう薬物(臭化チオトロピウム及びイトラコナゾールなどの薬物)を送達するために使用されている。これらの治療剤は、破損しやすい容器(セルロースベースのカプセル又はサシェなど)内の乾燥した、エアロゾル化可能な粉末の形態をとる。患者は、医薬品容器を壊し、乾燥粉末吸入器自体に取り付けられたマウスピースを介して壊れた筐体を通して乾燥粉末を吸入する。例示的な乾燥粉末吸入器装置は、PLASTIAPE RS01吸入器である-それは一般に利用可能であり、送達開発研究のための優れた候補である。この吸入器において、医薬品カプセルは、吸入器の基部のチャンバ内に位置する。ユーザは、吸入器のいずれかの側にある2つの「トリガ」を押してカプセルを壊す。次いで、ユーザは、吸入器を水平に回し、マウスピースを通して吸入すると、カプセルが急速に回転する間にカプセルの粉末内容物が空になり、ユーザに投与される粉末の量が増加する。多くの吸入乾燥粉末処理は、投薬レジメンに対応するチャンバ(例えば、SPRIVIA HANDIHALER又はBREO ELLIPTA)に粉末が事前に充填されたカスタム吸入器を利用する。
【0008】
この送達経路は、他の投与経路よりも多くの利点をもたし、これには、肺に送達される粒子画分がより予測可能であること、薬物安定性が改善されていること、疎水性活性成分を使用できること、及び化学推進剤が不在であること、が含まれる。乾燥粉末吸入器の使用には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、及び肺感染症を治療するための療法が含まれる。これらの肺疾患に加えて、追加の適応症は、特発性肺線維症、嚢胞性線維症、気管支拡張症、慢性咳、又は感染性呼吸器疾患などの治療剤の乾燥粉末送達から利益を得ることができる。更に、パーキンソン病及び片頭痛などの中枢神経系(CNS)疾患、骨粗鬆症、及び肺高血圧症を含む慢性呼吸器疾患以外の疾患プロファイルも、肺への投与から利益を得ることができる。例えば、Noymer et al.(2011)Ther Deliv 2(9):1125-1140、Abdou et al.(2019)Drug Deliv 26(1):689-699、Yu et al.(2021)J Control Release 338:486-504、Hill et al.(2015)Respir Care 60(6):794-802;discussion 802-795、Hosang et al.Nature 603:138-144(2022)を参照されたい(これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0009】
肺におけるディスバイオシスは、慢性好中球性炎症を引き起こす可能性がある。気道上皮への損傷後、コラーゲンは、マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP-9)によって曝露及び切断される。MMP-9及びプロリルエンドペプチダーゼ(PE)は、コラーゲン断片を切断して、プロリルグリシルプロリン(PGP)ペプチドPGPをそのアセチル化形態(Ac-PGP)で遊離させる。Ac-PGPは、CXCケモカイン受容体2(CXCR2)上の受容体に結合することによって好中球性炎症を誘発する。生きている細菌とその抽出物及び代謝産物との両方が、Ac-PGP産生につながる経路を調節することができる。多くの慢性及び感染性の気管支肺障害は、身体の炎症応答からの症状によって特徴付けられる。ディスバイオシスは、喘息、嚢胞性線維症、気管支肺異形成症、及び慢性閉塞性肺疾患を含む慢性炎症性肺疾患の寄与因子であることが示されている。例えば、Gaggar et al.(2008)J Immunol 180(8):5662-5669、Malik et al.(2007)J Immunol 178(2):1013-1020、Lin et al.(2008)Am J Pathol 173(1):144-153、Weathington et al.(2006)Nature Medicine 12(3):317-323.、Hilty et al.(2010)PLoS One 5(1):e8578、Marri et al.(2013)J Allergy Clin Immunol 131(2):346-352 e341-343、Zhao et al.(2012)Proc Natl Acad Sci U S A 109(15):5809-5814、Coburn et al.(2015)Sci Rep 5:10241、Lal et al.(2016)Scientific Reports 6(1):31023、Bowerman et al.(2020)Nat Commun 11(1):5886、Huang et al.(2014)J Clin Microbiol 52(8):2813-2823を参照されたい(これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0010】
したがって、慢性炎症性肺疾患に対して容易に投与可能な治療剤を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0011】
本開示は、微生物叢及び/又はその抽出物若しくは代謝産物を含むバイオ治療剤が、吸入による投与のために製剤化され得るという予期しない発見を記載する。したがって、本明細書に記載の技術は、吸入による投与のために製剤化される、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象とする。また、そのような噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の単位剤形、そのような薬学的組成物を含む装置、そのような薬学的組成物を生成する方法、及びとりわけ、そのような噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を使用して気管支肺疾患などの疾患を治療する方法も本明細書に記載される。
【0012】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が本明細書に記載され、マトリックス組成物が、吸入による投与のために製剤化される。
【0013】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌調製物は、生存細菌又は非生存細菌を含む。
【0014】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、生存細菌は、対象の肺で活発に代謝及び/又は増殖することができる。
【0015】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、非生存細菌は、熱死滅される。
【0016】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、グラム陰性である。
【0017】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、グラム陽性である。
【0018】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、胞子形成性である。
【0019】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、胞子形態である。
【0020】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、好気性である。
【0021】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、嫌気性である。
【0022】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも1つの免疫調節因子を生成する。
【0023】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、Carnobacterium、Lactiplantibacillus、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、Ligilactobacillus、Oenococcus、Leuconostoc、Pedicoccus、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Bifidobacterium、Propionibacterium、及びMoraxellaからなる群から選択される属に属する。
【0024】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、又はLactiplantibacillus plantarumである。
【0025】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、非病原性である。
【0026】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも101コロニー形成単位/グラム(CFU/g)、少なくとも102CFU/g、少なくとも103CFU/g、少なくとも104CFU/g、少なくとも105CFU/g、少なくとも106CFU/g、少なくとも107CFU/g、少なくとも108CFU/g、少なくとも109CFU/g、少なくとも1010CFU/g、少なくとも1011CFU/g、又は少なくとも1012CFU/gの濃度で存在する。
【0027】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも106コロニー形成単位/g(CFU/g)の濃度で存在する。
【0028】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも108コロニー形成単位/g(CFU/g)の濃度で存在する。
【0029】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも1つの抗生物質に耐性である。
【0030】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも0.5重量%の細菌調製物を含む。
【0031】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌調製物は、細菌抽出物又は細菌代謝産物調製物を含む。
【0032】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌抽出物又は細菌代謝産物調製物は、細菌エクソソーム、細菌細胞壁、ペプチドグリカン、タイコ酸、リポタイコ酸、細菌S層、菌体外多糖、多糖、乳酸ポリマー、乳酸誘導体、乳酸中間体、過酸化水素、バクテリオシン、サリバリシン、ロイテリン、及び細菌増殖上清からなる群から選択される。
【0033】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの賦形剤を更に含む。
【0034】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2つの賦形剤を更に含む。
【0035】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、賦形剤は、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)増殖培地、ゼラチン、ホエイ単離物、スイートホエイ、還元脱脂粉乳、マルトデキストリン、グルコオリゴ糖、ラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、イヌリン、カゼイン酸ナトリウム、ヤギミルク、牛乳、プロリン、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、グルタミン酸塩、グリシンベタイン、グリコーゲン、トレハロース、マンノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、デキストロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、ロイシン、トリロイシン、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される。
【0036】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、賦形剤は、ロイシン及び/又はトレハロースである。
【0037】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも0.5重量%の賦形剤を含む。
【0038】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの安定剤を更に含む。
【0039】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、安定剤は、界面活性剤を含む。
【0040】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート、ポロキサマー、又はポリビニルアルコールである。
【0041】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、又はポリソルベート80である。
【0042】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート80である。
【0043】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、安定剤は、ポロキサマー184、ポロキサマー185、ポロキサマー188、ポロキサマー234、ポロキサマー235、ポロキサマー238、ポロキサマー333、ポロキサマー334、ポロキサマー335、ポロキサマー338、ポロキサマー403、又はポロキサマー407である。
【0044】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、乾燥重量で少なくとも0.25%の安定剤を含む。
【0045】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの賦形剤及び少なくとも1つの安定剤を含む。
【0046】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの追加の治療剤を更に含む。
【0047】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される。
【0048】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、分解可能なリンカーを有する組成物へのマイクロカプセル化、共製剤化、又は共有結合を使用して、組成物に組み込まれる。
【0049】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、マトリックス組成物は、複数の乾燥粒子を含む。
【0050】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.5μmのDv50を有する。
【0051】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも1.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。
【0052】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、2.0未満の分散性を有する。
【0053】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.5~1.0の分散性を有する。
【0054】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、標的組織に対して細菌調製物の少なくとも25.0質量%~最大125質量%の送達用量を有する。
【0055】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、標的組織に対して細菌調製物の少なくとも60質量%の送達用量を有する。
【0056】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、標的組織は、標的気管支肺組織である。
【0057】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、肺、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞である。
【0058】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、標的組織は、心血管系又はリンパ系を介して送達される肺からの遠位組織部位である。
【0059】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.1g/cm3~0.8g/cm3のかさ密度を有する。
【0060】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.5g/cm3のかさ密度を有する。
【0061】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.1g/cm3~1.0g/cm3のタップ密度を有する。
【0062】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.6g/cm3のタップ密度を有する。
【0063】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、Karl Fischerによれば、少なくとも1.0重量%~7.0重量%の水(% water by weight)の水分含有量を有する。
【0064】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥粒子は、Karl Fischerによれば、少なくとも2.5重量%の水の水分含有量を有する。
【0065】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞への送達のために製剤化される。
【0066】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、肺への送達のために製剤化される。
【0067】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、カプセルとして製剤化される。
【0068】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、カプセルは、少なくとも10mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する。
【0069】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、吸入器による送達のために製剤化される。
【0070】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)による送達のために製剤化される。
【0071】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、吸入器と組み合わせられる。
【0072】
一態様では、気管支肺送達のための吸入装置が本明細書に記載され、吸入装置が、(a)吸入器と、(b)細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む容器と、を含む。
【0073】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、吸入器は、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である。
【0074】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、吸入器は、(a)開口部を含むマウスピースと、(b)容器内で噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物をエアロゾル化又は分散させるための手段と、を含む。
【0075】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)細菌調製物を含む液体原料を調製することと、(b)液体原料の液滴を噴霧ノズルを介して乾燥チャンバに導入することと、(c)液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して乾燥粒子を生成することと、(d)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された乾燥粒子が、細菌調製物を含む、単離することと、を含む。
【0076】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)細菌調製物を含む液体原料を得ることと、(b)液体原料の液滴を噴霧ノズルを介して乾燥チャンバに導入することと、(c)液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して乾燥粒子を生成することと、(d)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された乾燥粒子が、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単離することと、を含む。
【0077】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料を調製するステップは、固体原料を水溶液に溶解することを含む。
【0078】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、固体原料は、(a)少なくとも3.5重量%の細菌調製物、(b)少なくとも5重量%の賦形剤、及び/又は(c)少なくとも0.25重量%の安定剤を含む。
【0079】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、固体原料は、(a)少なくとも3.5重量%の細菌調製物、(b)少なくとも5重量%の第1の賦形剤、(c)少なくとも5重量%の第2の賦形剤、及び/又は(d)少なくとも0.25重量%の安定剤を含む。
【0080】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも1重量%~最大5重量%の細菌調製物を含む。
【0081】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも45重量%~最大95重量%の賦形剤を含む。
【0082】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも5重量%~60重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも5重量%~60重量%の第2の賦形剤を含む。
【0083】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも0.25重量%~最大10重量%の安定剤を含む。
【0084】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも1g/Lの固体原料を含む。
【0085】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも25g/Lの固体原料を含む。
【0086】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも0.1%~最大10%の固体原料を含む。
【0087】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも1%の固体原料を含む。
【0088】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも1.5gの賦形剤、(b)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は(c)少なくとも970gの水溶液を含む。
【0089】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも0.75gの第1の賦形剤、(c)少なくとも0.75gの第2の賦形剤、(d)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は(e)少なくとも970gの水溶液を含む。
【0090】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも0.5gの第1の賦形剤、(c)少なくとも0.5gの第2の賦形剤、(d)少なくとも0.5gの第3の賦形剤、(e)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は(f)少なくとも970gの水溶液を含む。
【0091】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも750g~最大999gの水溶液を含む。
【0092】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105%の細菌調製物、(b)少なくとも0.15%の賦形剤、(c)少なくとも0.0075%の安定剤、及び/又は(d)少なくとも97%の水溶液を含む。
【0093】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、(b)少なくとも0.075重量%の第1の賦形剤、(c)少なくとも0.075重量%の第2の賦形剤、(d)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は(e)少なくとも97重量%の水溶液を含む。
【0094】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、(b)少なくとも0.05重量%の第1の賦形剤、(c)少なくとも0.05重量%の第2の賦形剤、(d)少なくとも0.05重量%の第3の賦形剤、(e)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は(f)少なくとも97重量%の水溶液を含む。
【0095】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.01重量%~最大10重量%の細菌調製物を含む。
【0096】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1.0重量%~最大20重量%の賦形剤を含む。
【0097】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第2の賦形剤を含む。
【0098】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第1の賦形剤、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第2の賦形剤、及び少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第3の賦形剤を含む。
【0099】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.01重量%~最大1.0重量%の安定剤を含む。
【0100】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも75重量%~最大99.9重量%の水溶液を含む。
【0101】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌調製物は、生存細菌又は非生存細菌を含む。
【0102】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、Carnobacterium、Lactiplantibacillus、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、Ligilactobacillus、Oenococcus、Leuconostoc、Pedicoccus、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Bifidobacterium、Propionibacterium、及びMoraxellaからなる群から選択される属に属する。
【0103】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、又はLactiplantibacillus plantarumである。
【0104】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、非病原性である。
【0105】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも101コロニー形成単位/グラム(CFU/g)、少なくとも102CFU/g、少なくとも103CFU/g、少なくとも104CFU/g、少なくとも105CFU/g、少なくとも106CFU/g、少なくとも107CFU/g、少なくとも108CFU/g、少なくとも109CFU/g、少なくとも1010CFU/g、少なくとも1011CFU/g、又は少なくとも1012CFU/gの濃度で存在する。
【0106】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも106コロニー形成単位/g(CFU/g)の濃度で存在する。
【0107】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも108コロニー形成単位/g(CFU/g)の濃度で存在する。
【0108】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、賦形剤は、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)増殖培地、ゼラチン、ホエイ単離物、スイートホエイ、還元脱脂粉乳、マルトデキストリン、グルコオリゴ糖、ラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、イヌリン、カゼイン酸ナトリウム、ヤギミルク、牛乳、プロリン、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、グルタミン酸塩、グリシンベタイン、グリコーゲン、トレハロース、マンノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、デキストロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、ロイシン、トリロイシン、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される。
【0109】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、賦形剤は、ロイシン及び/又はトレハロースである。
【0110】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート、ポロキサマー、又はポリビニルアルコールである。
【0111】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート80である。
【0112】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、水溶液は、水である。
【0113】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1つの追加の治療剤を更に含む。
【0114】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される。
【0115】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥チャンバへの噴霧ノズルは、少なくとも1.2umの直径を有する。
【0116】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥チャンバへの噴霧ノズルによって生成された液体原料の液滴は、少なくとも1.5umの直径を有する。
【0117】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料の液滴は、少なくとも0.5g/分の乾燥チャンバを通る流量を有する。
【0118】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料の液滴は、少なくとも15g/分の乾燥チャンバを通る流量を有する。
【0119】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料の液滴は、最大1000g/分の乾燥チャンバを通る流量を有する。
【0120】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、乾燥チャンバに導入される前に加熱される。
【0121】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも100℃の温度で乾燥チャンバに導入される。
【0122】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、最大195℃の温度で乾燥チャンバに導入される。
【0123】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも40℃の温度で乾燥チャンバから排出される。
【0124】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも48℃の温度で乾燥チャンバから排出される。
【0125】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、最大85℃の温度で乾燥チャンバから排出される。
【0126】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、乾燥チャンバに導入される前に加圧される。
【0127】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスは、1平方インチゲージ当たり少なくとも10ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する。
【0128】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスは、1平方インチゲージ当たり少なくとも20ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する。
【0129】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスは、1平方インチゲージ当たり最大150ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する。
【0130】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも5kg/時の乾燥チャンバを通る流量を有する。
【0131】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも18kg/時の乾燥チャンバを通る流量を有する。
【0132】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、最大150kg/時の乾燥チャンバを通る流量を有する。
【0133】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、サイクロンチャンバを通して排出される。
【0134】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露するステップは、最大8時間かかる。
【0135】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも1.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。
【0136】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも4.0μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。
【0137】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内の所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離するステップは、連続的に行われる。
【0138】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、乾燥粒子を単離するステップの後に少なくとも5%の細菌生存率を含む。
【0139】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)気管支肺送達のための吸入装置であって、(i)吸入器、及び(ii)細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器を含む吸入装置を得ることと、(b)吸入器を活性化して、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、(c)エアロゾル化又は分散された噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む。
【0140】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)気管支肺送達のための吸入装置であって、(i)吸入器、及び(ii)本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器を含む吸入装置を得ることと、(b)吸入器を活性化して、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、(c)エアロゾル化又は分散された噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む。
【0141】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)本明細書に記載される吸入装置を得ることと、(b)吸入器を活性化して、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、(c)エアロゾル化又は分散された噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む。
【0142】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、吸入器は、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である。
【0143】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、吸入器は、(a)開口部を含むマウスピースと、(b)容器内で噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物をエアロゾル化又は分散させるための手段と、を含む。
【0144】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、吸入器は、少なくとも15L/分の吸入流量を有する。
【0145】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の少なくとも25質量%~最大100.0質量%が、標的気管支肺組織に送達される。
【0146】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の少なくとも60.0質量%が、標的気管支肺組織に送達される。
【0147】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、肺、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞である。
【0148】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、心血管系又はリンパ系を介して気管支肺組織から遠位組織部位に送達される。
【0149】
一態様では、治療を必要とする対象を治療する方法が本明細書に記載され、本方法は、細菌調製物を含む有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入によって投与することを含む。
【0150】
一態様では、治療を必要とする対象を治療する方法が本明細書に記載され、本方法は、有効用量の本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入によって投与することを含む。
【0151】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、慢性気管支肺疾患と診断されているか、又はそれを発症するリスクがある。
【0152】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、喘息、気管支拡張症、肺気腫、嚢胞性線維症(CF)、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸器疾患症候群(ARDS)、特発性肺線維症(IPF)、肺高血圧症(PAH)、珪肺症、間質性肺疾患(ILD)、及び胸水(PE)からなる群から選択される。
【0153】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がん(SCLC)又は小細胞肺がん(NSCLC)である。
【0154】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、感染性肺疾患と診断されているか、又はそれに罹患するリスクがある。
【0155】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、感染性気管支肺疾患は、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、パルボウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、水痘ウイルス、Corynebacterium diphtheriae、Haemophilus influenzae、Legionella pneumophila、Bordetella pertussis、Mycobacterium tuberculosis、Streptococcus種、Pseudomonas種、Escherichia coli、Aspergillus種、Cryptococcus種、及びPneumocystis種から選択される感染因子によって引き起こされるか、又はそれらに関連する。
【0156】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、慢性若しくは感染性の気管支肺疾患の標準治療と併せて投与される。
【0157】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、吸入器を使用して投与される。
【0158】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、吸入器は、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である。
【0159】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも104CFUである。
【0160】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも104CFUの生存細菌である。
【0161】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織における好中球性炎症を低減する。
【0162】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織における乳酸濃度を少なくとも25%増加させる。
【0163】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの追加の治療剤を投与することを更に含む。
【0164】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される。
【0165】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、細菌調製物と、少なくとも1つの追加の治療剤と、を含む。
【0166】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与される。
【0167】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、同時投与は、併用送達装置を使用して投与することを含む。
【0168】
一態様では、細菌調製物を含む少なくとも1mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。
【0169】
一態様では、少なくとも1mgの本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。
【0170】
一態様では、本明細書に記載される方法によって調製された少なくとも1mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。
【0171】
一態様では、単位用量当たり少なくとも104CFUの細菌を含む少なくとも1mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。
【0172】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、投薬量は、少なくとも30mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物である。
【0173】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも104CFUの細菌を含む。
【0174】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも104CFUの生存細菌を含む。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【
図1】本明細書に更に記載される、例示的な噴霧乾燥機及び関連する方法の概略図である。
【
図3】24時間にわたってインビトロでのそれらの増殖及び生存率についての3つの細菌株AB101、AB102、及びAB103のアッセイを示す棒グラフである。バーの左右の順序は、グラフ凡例の上から下への順序に対応している。
【
図4A】健康なマウスに生細菌株AB101、102、及び103の1:1:1の比でのブレンド又は陰性対照を気管内接種した試験を示す一連の棒グラフ及び表である。
図4Aは、接種後0時間、4時間、8時間、12時間、16時間、24時間、及び72時間でのマウスの肺組織における細菌負荷を示す棒グラフである。
図4Bは、
図4Aからの細菌負荷を示す表である。
図4Cは、示された時点でのマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の乳酸出力を示す棒グラフである。
【
図4B】健康なマウスに生細菌株AB101、102、及び103の1:1:1の比でのブレンド又は陰性対照を気管内接種した試験を示す一連の棒グラフ及び表である。
図4Aは、接種後0時間、4時間、8時間、12時間、16時間、24時間、及び72時間でのマウスの肺組織における細菌負荷を示す棒グラフである。
図4Bは、
図4Aからの細菌負荷を示す表である。
図4Cは、示された時点でのマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の乳酸出力を示す棒グラフである。
【
図4C】健康なマウスに生細菌株AB101、102、及び103の1:1:1の比でのブレンド又は陰性対照を気管内接種した試験を示す一連の棒グラフ及び表である。
図4Aは、接種後0時間、4時間、8時間、12時間、16時間、24時間、及び72時間でのマウスの肺組織における細菌負荷を示す棒グラフである。
図4Bは、
図4Aからの細菌負荷を示す表である。
図4Cは、示された時点でのマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の乳酸出力を示す棒グラフである。
【
図5A】細菌生存率についての細菌を含む噴霧乾燥粉末の試験を示す一連の表である。F4溶液は、注射用水中に0.05%のポリソルベート80を含有し、F6培地は、5:55のMRS:F4を含有した。液体原料溶液は、乾燥前の溶液であった。
図5Aは、各バッチの噴霧乾燥条件を示す表である。
図5Bは、各バッチの噴霧乾燥粉末中の細菌の生存率を示す表である。本明細書で使用される場合、「API」は、活性薬学的成分を表す。
【
図5B】細菌生存率についての細菌を含む噴霧乾燥粉末の試験を示す一連の表である。F4溶液は、注射用水中に0.05%のポリソルベート80を含有し、F6培地は、5:55のMRS:F4を含有した。液体原料溶液は、乾燥前の溶液であった。
図5Aは、各バッチの噴霧乾燥条件を示す表である。
図5Bは、各バッチの噴霧乾燥粉末中の細菌の生存率を示す表である。本明細書で使用される場合、「API」は、活性薬学的成分を表す。
【
図6】噴霧乾燥された生きているバイオ治療生成物AB1000(AB1000は、賦形剤を含むAB101、AB102、及びAB103株の噴霧乾燥製剤を含む;例えば、表12を参照されたい)の2つの例示的な製剤の粒子特性の表である。
【
図7】国際標準化機構(ISO)7889列挙基準によって測定された、各バッチの噴霧乾燥粉末中のAB1000の2つの噴霧乾燥製剤の生存率を示す表である。ISO7889は、37℃でのコロニー計数技術によるヨーグルト中の特徴的な微生物の列挙のための方法を指定する。
【
図8】51の抗生物質に対する生細菌株AB101、AB102、及びAB103の耐性及び感受性プロファイルを示す表である。
【
図9】バイオ治療剤AB1000の代表的な薬物粉末を投与された、リポ多糖(LPS)の有無でブタ膵臓エラスターゼ(PPE)に曝露されたマウスを試験するための群の割り当てを示す表である。この試験スキームは、本明細書において「PPEモデルマウス」と称される。
【
図10A】PPEモデルにおけるマウス群の肺構造の変化を示す一連の画像及び棒グラフである。
図10Aは、
図9に示されるマウス群からの肺構造の変化を示す一連の組織像である。
図10Bは、
図10Aからのマウス肺組織の放射状肺胞数(RAC)及び平均肺胞径(MLI)を示す一連の棒グラフである。
【
図10B】PPEモデルにおけるマウス群の肺構造の変化を示す一連の画像及び棒グラフである。
図10Aは、
図9に示されるマウス群からの肺構造の変化を示す一連の組織像である。
図10Bは、
図10Aからのマウス肺組織の放射状肺胞数(RAC)及び平均肺胞径(MLI)を示す一連の棒グラフである。
【
図11】PPEモデルマウスにおける、cm H
2O/mL/sで測定される肺抵抗を使用した肺機能検査の棒グラフである。
【
図12】PPEモデルマウスの肺組織におけるMMP-9のmRNA転写レベルを示す棒グラフである。
【
図13A】PPEモデルマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図13Aは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスの両方におけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスのBAL中の好中球エラスターゼ(NE)タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Cは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Dは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおけるインターロイキン8(IL-8)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Eは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおける免疫グロブリンA(IgA)の有意な増加を示す棒グラフである。
【
図13B】PPEモデルマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図13Aは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスの両方におけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスのBAL中の好中球エラスターゼ(NE)タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Cは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Dは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおけるインターロイキン8(IL-8)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Eは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおける免疫グロブリンA(IgA)の有意な増加を示す棒グラフである。
【
図13C】PPEモデルマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図13Aは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスの両方におけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスのBAL中の好中球エラスターゼ(NE)タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Cは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Dは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおけるインターロイキン8(IL-8)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Eは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおける免疫グロブリンA(IgA)の有意な増加を示す棒グラフである。
【
図13D】PPEモデルマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図13Aは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスの両方におけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスのBAL中の好中球エラスターゼ(NE)タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Cは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Dは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおけるインターロイキン8(IL-8)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Eは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおける免疫グロブリンA(IgA)の有意な増加を示す棒グラフである。
【
図13E】PPEモデルマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図13Aは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスの両方におけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスのBAL中の好中球エラスターゼ(NE)タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Cは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Dは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおけるインターロイキン8(IL-8)の有意な減少を示す棒グラフである。
図13Eは、AB1000で処置したPPE及びPPE+LPSマウスにおける免疫グロブリンA(IgA)の有意な増加を示す棒グラフである。
【
図14A】PPEモデルマウスの血清中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図14Aは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Cは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるNEタンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Dは、AB1000で処置したNEタンパク質PPE+LPSマウスの有意な減少を示す棒グラフである。
図14Eは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
【
図14B】PPEモデルマウスの血清中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図14Aは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Cは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるNEタンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Dは、AB1000で処置したNEタンパク質PPE+LPSマウスの有意な減少を示す棒グラフである。
図14Eは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
【
図14C】PPEモデルマウスの血清中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図14Aは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Cは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるNEタンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Dは、AB1000で処置したNEタンパク質PPE+LPSマウスの有意な減少を示す棒グラフである。
図14Eは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
【
図14D】PPEモデルマウスの血清中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図14Aは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Cは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるNEタンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Dは、AB1000で処置したNEタンパク質PPE+LPSマウスの有意な減少を示す棒グラフである。
図14Eは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
【
図14E】PPEモデルマウスの血清中の炎症マーカーのタンパク質レベルの変化を示す一連の棒グラフである。
図14Aは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Bは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるMMP-9タンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Cは、AB1000で処置したPPEマウスにおけるNEタンパク質の有意な減少を示す棒グラフである。
図14Dは、AB1000で処置したNEタンパク質PPE+LPSマウスの有意な減少を示す棒グラフである。
図14Eは、AB1000で処置したPPE+LPSマウスにおけるC反応性タンパク質(CRP)の有意な減少を示す棒グラフである。
【
図15A】PPE及びLPSに曝露されたマウス、並びにAB1000又は吸入ステロイドであるフロ酸フルチカゾンで処置したマウスにおける肺組織構造の変化を示す一連の画像及び棒グラフである。
図15Aは、曝露群及び治療群にわたる肺組織構造の変化を示す一連の組織学的画像である。
図15Bは、AB1000による処置時の組織構造の改善を示す平均肺胞径(MLI)の棒グラフである。
【
図15B】PPE及びLPSに曝露されたマウス、並びにAB1000又は吸入ステロイドであるフロ酸フルチカゾンで処置したマウスにおける肺組織構造の変化を示す一連の画像及び棒グラフである。
図15Aは、曝露群及び治療群にわたる肺組織構造の変化を示す一連の組織学的画像である。
図15Bは、AB1000による処置時の組織構造の改善を示す平均肺胞径(MLI)の棒グラフである。
【
図16】PPE及びLPSに曝露されたマウスの肺組織におけるMMP-9発現の減少において、AB1000及びフロ酸フルチカゾンが同等に機能したことを示す棒グラフである。
【
図17A】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図17B】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図17C】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図17D】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図17E】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図17F】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図17G】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図17H】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図17I】AB1000で処置したPPE+LPSに曝露されたマウスの気管支肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインのExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17H)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルの有意な増加を示す一連の棒グラフである。
【
図18】タバコの煙又は対照空気に曝露され、AB1000又は対照生理食塩水処置で処置されたマウスの肺組織におけるMMP-9の発現の有意な減少、血清中のMMP-9タンパク質の有意な減少、及びBAL中のIgAタンパク質の有意な増加を示す一連のドットプロットである。
【
図19A】細菌投与(例えば、AB101、AB102、及び/又はAB103)が、線維形成マーカー及び線維症マーカーの発現を減少させたことを示す一連の棒グラフである。
図19Aは、ラクトブレンドで処理したLL29特発性肺線維症(IPF)線維芽細胞におけるインビトロでの線維形成のマーカー(平滑筋アルファ-アクチン(αSMA))及び線維症の発症(コラーゲンI型アルファ1(COL1A1)、COL1A2、フィブロネクチン)のマーカーの発現の有意な減少を示す一連の棒グラフである。「ラクトブレンド」とは、Lactobacillus細菌株AB101、AB102、及びAB103のブレンドを指し、本明細書では、「ABブレンド」とも互換的に称される(例えば、表12を参照されたい)。
図19Bは、株のブレンド(AB101、AB102、AB103)が、線維化マーカーの減少において個々の株よりも良好に機能したことを示す一連の棒グラフである。
【
図19B】細菌投与(例えば、AB101、AB102、及び/又はAB103)が、線維形成マーカー及び線維症マーカーの発現を減少させたことを示す一連の棒グラフである。
図19Aは、ラクトブレンドで処理したLL29特発性肺線維症(IPF)線維芽細胞におけるインビトロでの線維形成のマーカー(平滑筋アルファ-アクチン(αSMA))及び線維症の発症(コラーゲンI型アルファ1(COL1A1)、COL1A2、フィブロネクチン)のマーカーの発現の有意な減少を示す一連の棒グラフである。「ラクトブレンド」とは、Lactobacillus細菌株AB101、AB102、及びAB103のブレンドを指し、本明細書では、「ABブレンド」とも互換的に称される(例えば、表12を参照されたい)。
図19Bは、株のブレンド(AB101、AB102、AB103)が、線維化マーカーの減少において個々の株よりも良好に機能したことを示す一連の棒グラフである。
【
図20A】ラクトブレンドが、ブレオマイシンに曝露されたヒト気管支上皮細胞における上皮から間葉系への移行を遅延させたことを示す一連の画像及び棒グラフである。
図20Aは、細胞のスクラッチから17時間後の創傷治癒率を測定する一連の画像である。
図20Bは、
図20Aからの測定された創傷治癒率を示す棒グラフである。
【
図20B】ラクトブレンドが、ブレオマイシンに曝露されたヒト気管支上皮細胞における上皮から間葉系への移行を遅延させたことを示す一連の画像及び棒グラフである。
図20Aは、細胞のスクラッチから17時間後の創傷治癒率を測定する一連の画像である。
図20Bは、
図20Aからの測定された創傷治癒率を示す棒グラフである。
【
図21】ブレオマイシンに曝露されたTHP1単球(ヒト白血病単球細胞株)において、ラクトブレンドが、線維化促進性マーカー(形質転換増殖因子ベータ-1(TGFベータ-1))、炎症帯で見出されたタンパク質1(FIZZ1;レジスチン様分子アルファとも称される)、及び上方調節された抗線維化マーカー(IL-6、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-アルファ))を減少させたことを示す一連の棒グラフである。
【
図22】ラクトブレンドが、インフルエンザA(IAV)感染マウスにおけるBAL中のIAVウイルスヘマグルチニン(HA)タンパク質及びC反応性タンパク質(CRP)を減少させたこと示す一連の棒グラフである。
【
図23】ラクトブレンド(「Lacto」)が、気管支肺異形成症(BPD)のダブルヒット高酸素症(HO)+E.coliマウスモデルにおける好中球性炎症のマーカーを減少させたことを示す一連の棒グラフである。測定された好中球性炎症マーカーには、以下が含まれる:肺組織におけるMMP-9 mRNA、並びにBAL中の以下のタンパク質:MMP-9、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、NE、CRP、及びIL-6。
【
図24】生細菌株AB101、AB102、及びAB103のブレンドの抗生物質に対する耐性を示す表である(
図8も参照されたい)。
【発明を実施するための形態】
【0176】
本開示は、微生物叢及び/又はその抽出物若しくは代謝産物を含むバイオ治療剤が、吸入による投与のために製剤化され得るという予期しない発見を記載する。したがって、本明細書に記載の技術は、吸入による投与のために製剤化される、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象とする。また、そのような噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の単位剤形、そのような薬学的組成物を含む装置、そのような薬学的組成物を生成する方法、及びとりわけ、そのような噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を使用して気管支肺疾患などの疾患を治療する方法も本明細書に記載される。
【0177】
慢性疾患患者の肺にある用量の共生細菌を提供することにより、これが細菌による患者の肺の直接コロニー形成(例えば、生きているバイオ治療剤)を意味するか、又は細菌抽出物及び/又は代謝産物の投与(例えば、バイオ治療剤)を意味するかにかかわらず、患者に大きな利益をもたらすことができる。ディスバイオシスは、共生(有益)細菌と病原性(有害)細菌との不均衡があるときに生じる。健康上の利点を得るために共生細菌を投与してディスバイオシスに対処するための基礎は、糞便移植(FMT)の実施によって十分に確立されている。データはまた、活性細菌抽出物及び代謝産物が全身的に抗炎症効果を生み出すことができることを示している。例えば、Jang et al.(2020)Experimental&Molecular Medicine 52(7):1128-1139、Weingarden and Vaughn BP(2017)Gut Microbes 8(3):238-252、Arpaia et al.(2013)Nature 504(7480):451-455、Iraporda et al.(2015)Immunobiology 220(10):1161-1169、Vinolo et al.(2011)Nutrients 3(10):858-876を参照されたい(これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0178】
細菌調製物を含む治療剤のための調製及び送達形態
バイオ治療剤を肺に直接送達するには、噴霧送達、定量噴霧式吸入器(MDI)、乾燥粉末吸入器(DPI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)などの吸入投与技術が必要である。特に、バイオ治療剤の投与は、安定性の懸念のために困難である。水分の存在により、粉末状の生バイオ治療剤の保管及び使用が困難になる。典型的には、生きている生物の生成中(通常は発酵による)、生成の「仕上げ」ステップは、寿命を最大化するために冷たい状態にある間に粉末状の生物から水分を除去するための凍結乾燥(freeze drying)又は凍結乾燥(lyophilization)を含む。吸入を介して細菌又は細菌生成物を送達するためのネブライザーの使用を検討することができるが、ネブライザーが液体(すなわち、水を含む)形態の薬物調製物を使用する場合、典型的なネブライザーがエアロゾル化のための液滴を生成するために小さなメッシュを使用する必要があるという事実と同様に、安定性が問題になる。多くの生バイオ治療剤、特に細菌は、このメッシュを確実に通過するには大きすぎるサイズを有し、細菌又は細菌生成物を送達するためのネブライザーの使用には更なる課題が生じる。
【0179】
定量噴霧式吸入器では、多くの相互作用が作用している-すなわち、投与される薬物内容物は、推進剤とともに高圧下で保管される。この場合の安定性は、生きている生物だけでなく、慎重に抽出され穏やかな処理を必要とする特定の遺伝子及びタンパク質を含有する敏感なバイオ治療剤についても懸念される。推進剤及び高圧は、一般に、細菌の生存率を維持するのに役立たないが、MDIを使用して、非生存細菌(例えば、熱死滅細菌)、細菌抽出物、及び/又は細菌生成物を送達することができる。
【0180】
これらの課題を回避するために、DPIを通して吸入可能な乾燥粉末の送達を使用することができる。しかし、治療剤は、DPIで良好に使用される吸入可能な乾燥粉末として製剤化する必要がある。この粉末は、安定性の目的のために特定の水分含有量(通常非常に低く、1~5%)、並びに粉末を適切かつ確実に送達することを確実にするための特定の空気動力学的特性を有する必要がある。本明細書で更に詳述するように、噴霧乾燥として知られているプロセスは、DPIで使用するためにこのタイプの乾燥粉末を「操作」するために使用することができる。
【0181】
噴霧乾燥
噴霧乾燥は、複数の原料を溶解し、液滴に噴霧し、乾燥チャンバ内で急速に乾燥させて、調整された粒子特性を有するカスタムの乾燥したエアロゾル化可能な粉末を生成する技術である。噴霧乾燥は、COPD、嚢胞性線維症(CF)、喘息、並びに糖尿病及び片頭痛などの非呼吸器障害を治療するために、吸入乾燥粉末の生成に使用することができる。
【0182】
噴霧乾燥には、乾燥粒子中にいくつかの定義された濃度(例えば、溶媒重量に対する溶媒重量のパーセント比、%w/w)で存在するように意図された溶解した固体成分を含有する原料の生成が含まれる。次いで、原料は、指定された圧力でノズルを通して供給され、液滴を生成する。その液滴は、乾燥チャンバを通して流れる加熱ガスによって乾燥され、急速に乾燥粒子を生成する。次いで、その粒子は、サイクロンの底部で収集される。サイクロンは、縮小された範囲の粒子直径を捕捉するように設計された装置であり、残りの「廃棄物」粒子は、プロセスの最後に収集される。これらのサイクロンで捕捉された粒子は、疾患の治療又は予防のために吸入されるように意図又は設計された医薬品バルク粉末を表す。例示的な噴霧乾燥プロセスの概略図については、例えば、
図1を参照されたい。
【0183】
効果的な噴霧乾燥粉末の生成には、単に活性薬学的成分自体よりも多くの構成成分を含めることができる。粉末には、活性成分、1つ以上の賦形剤、残留溶媒、及び/又は乳化安定剤が含まれ得る。これらの成分は、噴霧乾燥の開始前に乾燥される原料に溶解又は懸濁される。次いで、均質な溶液又は懸濁液を乾燥させて、吸入可能な乾燥粉末自体を生成する。
【0184】
含まれる賦形剤は、噴霧乾燥粉末にいくつかの利点を提供するために使用される。すなわち、それらは、特定の熱力学的及び物理的特性を提供するために含まれる。賦形剤は、溶解特性のために、しばしば噴霧乾燥粒子自体の形状に関与している。原料溶媒中では、賦形剤の溶解度は、噴霧された液滴がどのくらい速く固体粒子を形成するか、及び乾燥中に固体分子がどのくらい速く液滴の中心に向かって移動するかを決定する。粒子が乾燥すると、粉末の化学的及び熱力学的特性及びそれらの安定性は、最終粉末の溶解度に影響を与え、すなわち、最終粉末の多型(又はその欠如)によって、時間の経過とともに、温度及び湿度の曝露を超えて影響を及ぼす。賦形剤を適切に選択すると、安定した結晶性、高い粒子密度、一貫した形状、及び高い分散性を示す乾燥粉末が得られる。多くの場合、この効果を最適化するために、ロイシンなどのアミノ酸を塩又は糖と組み合わされる。
【0185】
界面活性剤安定剤は、多くの場合、疎水性又は不溶性粒子で製剤を噴霧乾燥するときに使用される。いくつかの実施形態では、製剤は、懸濁液を噴霧乾燥するときに安定剤を含み、その結果、懸濁液が均一に乳化及び分散され、一貫した液滴を噴霧するための均一な懸濁液が得られる。最終的な乾燥粉末への影響を最小化するために、多くの場合、これらの界面活性剤が低い割合で含まれる。様々な純度のポリソルベートが頻繁に使用されるが、プルロニックF68などの立体界面活性剤とともに、他の有機酸の組み合わせが可能である。
【0186】
これらの噴霧乾燥粉末は、患者が粒子を深く吸入し、気道内の標的深度に沈着することを可能にする、いくつかの形態の乾燥粉末送達装置にカプセル化及び使用することができる。これらの噴霧乾燥粉末は、破砕可能なカプセル又はサシェに充填され、送達装置の内部での使用時に破砕され得る。囲いが壊れると、患者は吸入器のマウスピースを通して深く吸入し、粉末が患者の喉、食道、及び肺に沈着され得る。吸入用の乾燥粉末の目的は、肺気道の適切な部分に予測可能で安全な用量の薬物が沈着するように、特定の空気動力学的サイズ及び密度の粉末を生成することである。吸入乾燥粉末送達装置の非限定的な例については、例えば、
図2を参照されたい。
【0187】
炎症を特徴とする慢性気管支肺障害の治療のために、患者が、噴霧乾燥粉末の吸入を介して、肺にバイオ治療剤(例えば、生きている、生きていない抽出物、又は重合した代謝産物)を直接投与することができる薬物送達機構が本明細書に記載される。この粉末は、以下の表1A~1C又は表10A~10Bに例示されるように、薬物送達マトリックス中の成分の全て又は一部を含有する。
【表1A】
【表1B】
【表1C】
【表10A】
【表10B】
【0188】
噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物
慢性疾患の治療のために成分のマトリックスを肺に直接送達する吸入バイオ治療医薬品が本明細書に記載される。一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が本明細書に記載され、マトリックス組成物が、吸入による投与のために製剤化される。本明細書で使用される場合、「噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物」という用語は、本明細書に記載される噴霧乾燥プロセスを使用して生成され得るバイオ治療剤のマトリックスを含む組成物を指す。本開示は、以下の成分のうちの1つ以上のマトリックスを含有する、(乾燥結晶性固体形態、乾燥非晶質固体形態、又は混合物のいずれかの)この吸入バイオ治療医薬品の実施形態を包含する:(a)細菌調製物、(b)少なくとも1つの賦形剤、及び/又は(c)少なくとも1つの安定剤。
【0189】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、(a)細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、(b)少なくとも1つの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、(c)少なくとも1つの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、(a)細菌調製物、及び(b)少なくとも1つの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、(a)細菌調製物、及び(c)少なくとも1つの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、(b)少なくとも1つの賦形剤、及び(c)少なくとも1つの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、(a)細菌調製物、(b)少なくとも1つの賦形剤、及び(c)少なくとも1つの安定剤を含む。
【0190】
細菌調製物
本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1つの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の細菌調製物を含む。本明細書で使用される場合、「細菌調製物」という用語は、生きている細菌(すなわち、「生きているバイオ治療剤」)、及び/又は生きていない細菌若しくはその構成成分(すなわち、「生きていないバイオ治療剤」)を含む調製物を指す。
【0191】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、生存細菌又は非生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、生存細菌は、対象の肺で活発に代謝及び/又は増殖することができる。いくつかの実施形態では、細菌調製物(例えば、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物中、例えば、噴霧乾燥後)は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の生存率を有する細菌を含む(例えば、
図7を参照されたい)。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、非生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、非生存細菌は、熱死滅される。いくつかの実施形態では、非生存細菌は、紫外線、エタノール、又は漂白剤で死滅される。いくつかの実施形態では、非生存細菌は、抗生物質で死滅される。
【0192】
いくつかの実施形態では、細菌は、好気性である。いくつかの実施形態では、細菌は、嫌気性である。いくつかの実施形態では、細菌は、好気性菌である。いくつかの実施形態では、細菌は、偏性好気性菌である。いくつかの実施形態では、細菌は、嫌気性菌である。いくつかの実施形態では、細菌は、偏性嫌気性菌である。いくつかの実施形態では、細菌は、通性嫌気性菌である。いくつかの実施形態では、細菌は、耐気性嫌気性菌である。いくつかの実施形態では、細菌は、カプノファイルである。いくつかの実施形態では、細菌は、微好気性である。
【0193】
いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも1つの免疫調節因子を生成する。本明細書で使用される場合、「免疫調節因子」という用語は、免疫系の機能に影響を与え、例えば、免疫機能を増加又は減少させる物質を指す。細菌又はその構成成分は、細菌又はその構成成分に対する抗体を生成する適応免疫応答を上昇又は誘発することができることを理解されたく、これは、技術的には免疫系の機能に影響を与えるが、本明細書で使用される「免疫調節因子」に包含される免疫調節は、抗体を産生する適応応答を包含しない。むしろ、本明細書に記載の細菌によって生成される「免疫調節因子」は、概して、炎症応答(又はその抑制)、サイトカイン又はケモカイン生成(又はその抑制)などを含むが、これらに限定されない自然免疫機能を調節する。
【0194】
いくつかの実施形態では、細菌性免疫調節因子は、免疫機能を増加させる。免疫機能を増加させる細菌性免疫調節因子の非限定的な例としては、細菌毒素(例えば、コレラ毒素、百日咳毒素など)、フラジェリン、又はリポ多糖(LPS)が挙げられる。免疫機能を増加させるそのような細菌性免疫調節因子は、免疫不全、感染、若しくはがん、又は増加した免疫応答のための任意の他の必要性を伴う適応症に使用され得る。いくつかの実施形態では、細菌性免疫調節因子は、免疫機能を低下させる。免疫機能を低下させる細菌性免疫調節因子の非限定的な例としては、炎症性サイトカインの発現を抑制することができるリポペプチド(例えば、アンホマイシン、ポリミキシン、テイコプラニン、若しくはバシトラシン)又はダプトマイシンが挙げられる。免疫機能を低下させるそのような細菌性免疫調節因子は、自己免疫、サイトカインストーム、又は低下した免疫応答の任意の他の必要性を伴う適応症に使用され得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、細菌は、グラム陰性である。いくつかの実施形態では、細菌は、グラム陽性である。いくつかの実施形態では、細菌は、抗酸性である。いくつかの実施形態では、細菌は、胞子形成性である。いくつかの実施形態では、細菌は、胞子形態である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、表11に列挙されている少なくとも1つ(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、又はそれ以上)の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、3つの細菌調製物を含む。
【表11】
【0196】
いくつかの実施形態では、細菌は、Carnobacterium、Lactiplantibacillus、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、Ligilactobacillus、Oenococcus、Leuconostoc、Pedicoccus、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Bifidobacterium、Propionibacterium、及びMoraxellaからなる群から選択される属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Carnobacterium属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactiplantibacillus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactobacillus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Ligilactobacillus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Oenococcus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Leuconostoc属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Pedicoccus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Enterococcus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactococcus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Staphylococcus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Streptococcus属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Streptomyces属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Bifidobacterium属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Propionibacterium属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Moraxella属に属する。
【0197】
いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、又はLactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus(以前はLactobacillus rhamnosusと称される)である。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactobacillus acidophilusである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactiplantibacillus plantarum(以前はLactobacillus plantarumと称される)である。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus及びLactobacillus acidophilusである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus及びLactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactobacillus acidophilus及びLactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、及びLactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus LGG株である。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactiplantibacillus plantarum ATCC BAA-793(商標)である。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactobacillus acidophilus ATCC 4356(商標)である。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus ATCC 53103(商標)である。いくつかの実施形態では、細菌は、乳酸菌(LAB)であり、すなわち、Lactobacillales目に属し、炭水化物発酵の主要な代謝最終生成物としての乳酸を生成する。
【0198】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、16S rRNA遺伝子配列決定は、細菌に対して行われるか、又は細菌から得られる。16S rRNA遺伝子配列決定は、「16SリボソームRNA配列決定」、「16S rDNA配列決定」又は「16s rRNA配列決定」とも称され得る。16S rRNA遺伝子の配列決定は、細菌の異なる種間で高度に保存されているが、真核生物種には存在しないため、遺伝子研究に使用することができる。高度に保存された領域に加えて、16S rRNA遺伝子はまた、種によって異なる9つの超可変領域(V1~V9)を含む。16S rRNA遺伝子配列決定は、典型的には、16S rRNA遺伝子の保存領域に結合する複数のユニバーサルプライマーを使用することと、細菌16S rRNA遺伝子領域(超可変領域を含む)をPCR増幅することと、例えば、本明細書に記載される次世代配列決定技術を用いて、増幅された16S rRNA遺伝子を配列決定することとを含む(例えば、米国特許第5,654,418号、同第6,344,316号、及び同第8,889,358号、並びに米国特許出願第2013/0157265号及び同第2018/0195111号も参照されたい(これらは、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる))。
【0199】
いくつかの実施形態では、細菌は、表12に列挙されている種から選択される16S rRNA配列、遺伝子配列、又はゲノム配列を含む種から選択される。いくつかの実施形態では、細菌は、表12に列挙されている種からの16S rRNA配列、遺伝子配列、又はゲノム配列と少なくとも90%同一である16S rRNA配列、遺伝子配列、又はゲノム配列を含む種から選択される)。いくつかの実施形態では、細菌は、表12に列挙されている種の16S rRNA配列、遺伝子配列、又はゲノム配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又はそれ以上同一である16S rRNA配列、遺伝子配列、又はゲノム配列を含む種から選択される。表12に列挙されている例示的な細菌株の更なる詳細については、例えば、米国特許第11,141,443B2号を参照されたい(この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【表12】
【0200】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、本明細書に記載される少なくとも2つの細菌種又は株の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、若しくは少なくとも20、又はそれ以上の本明細書に記載される細菌種若しくは菌株の組み合わせを含む。本明細書では、そのような組み合わせが相乗的又は相加的効果を有し得ることが企図される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、20以下の細菌種又は株を含む。いくつかの実施形態では、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、2以下、又は1つのみの細菌種若しくは株を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、細菌は、非病原性である。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、非病原性であるように操作される。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、例えば、標的気管支肺組織で生体分子を生成するように遺伝子改変される。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、病原性遺伝子を含む/含まない。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも1つの病原性遺伝子を不活性化するように操作される。
【0202】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、病原体を含まない。本明細書で使用される場合、「病原体」又は「病原性」という用語は、生物において疾患を引き起こす又は引き起こし得る任意の感染性微生物を指す。一実施形態では、病原体は、細菌、菌真菌、古細菌(例えば、メタン生成菌、好塩菌、好熱菌、及び好冷菌)、原生生物(例えば、Plasmodium、Entamoeba histolytica、Trypanosoma brucei、Giardia lamblia)、ウイルス、プリオン(例えば、PrPres及びPrPSc)、微小植物(例えば、Shewanella algae、Shewanella putrefaciens、及びShewanella xiamenensis)、並びに/又は微小動物/寄生虫(例えば、プランクトン、プラナリア、蠕虫、住血吸虫、及びトリパノソーマ)を含む。いくつかの実施形態では、病原性ウイルスには、RNAウイルス(例えば、フラビウイルス、ピコルナウイルス、ラブドウイルス、フィロウイルス、レトロウイルス(レンチウイルスを含む)、又はDNAウイルス(例えば、アデノウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、ヘパドナウイルス、又は他のウイルスが含まれるが、これらに限定されない。
【0203】
病原性細菌の非限定的な例としては、スピロヘータ(例えば、Borrelia)、放線菌(例えば、Actinomyces)、マイコプラズマ、リケッチア、グラム陰性好気性桿菌、グラム陰性好気性球菌、グラム陰性通性嫌気性桿菌(例えば、Erwinia及びYersinia)、グラム陰性球菌、グラム陰性球桿菌、グラム陽性球菌(例えば、Staphylococcus及びStreptococcus)、内生胞子形成桿菌、並びに内生胞子形成球菌が挙げられる。細菌病原体の更なる非限定的な例としては、特定の種のBacillus、Brucella、Burkholderia、Francisella、Yersinia、Streptococcus、Haemophilus、Nisseria、Listeria、Clostridium、Klebsiella、Legionella、Escherichia(例えば、E.coli)、Mycobacterium、Staphylococcus、Campylobacter、Vibrio、及びSalmonella、並びにこれらの病原性細菌の薬物耐性株及び多剤耐性株及び高毒性株が挙げられる。既知の食物媒介性細菌病原体の非限定的な例としては、Salmonella、Clostridium、Campylobacter種、Staphylococcus、Salmonella、Escherichia(例えば、E.coli)、及びListeriaの特定の種が挙げられる。いくつかの実施形態では、細菌病原体の非限定的な例としては、Bacillus anthracis、Brucella abortus、Brucella melitensis、Brucella suis、Burkholderia mallei、Burkholderia pseudomallei、Francisella tularensis、Yersinia pestis、Streptococcus群A及びB、MRSA、Streptococcus pneumonia、Haemophilus influenza、Nisseria meningitides、Listeria monocytegenes、Clostridium difficile、Klebsiella、E.coliの高毒性病原性株、Mycobacterium tuberculosis、Staphylococcus aureus、Campylobacter種、Salmonella種、及びClostridium perfringens、並びにこれらの病原性細菌の薬物及び多剤耐性株及び高毒性株が挙げられる。いくつかの実施形態では、既知の食物媒介性細菌病原体の非限定的な例としては、Salmonella、非チフス性Clostridium perfringens、Campylobacter種、Staphylococcus aureus、Salmonella、非チフス性、Campylobacter種、E.coli(STEC)0157、及びListeria monocytogenesが挙げられる。
【0204】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、(例えば、上記のように、又は当該技術分野で既知のように)ヒト病原体を実質的に含まない。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、ヒトにおける感染及び/又は疾患を引き起こし得る非ヒト哺乳動物病原体を実質的に含まない。
【0205】
いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも101コロニー形成単位/グラム(CFU/g)、少なくとも102CFU/g、少なくとも103CFU/g、少なくとも104CFU/g、少なくとも105CFU/g、少なくとも106CFU/g、少なくとも107CFU/g、少なくとも108CFU/g、少なくとも109CFU/g、少なくとも1010CFU/g、少なくとも1011CFU/g、又は少なくとも1012CFU/gの濃度で存在する。細菌が生存不可能である実施形態では、濃度は、細菌を死滅させる前の細菌のコロニー形成単位を指す。細菌調製物が細菌の生きていない構成成分を含む実施形態では、濃度は、細菌から生きていない構成成分を単離する前の細菌のコロニー形成単位を指す。いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも350×106コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも350×109コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも106コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも108コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも109コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する。
【0206】
生存細菌を含むものなどのいくつかの実施形態では、細菌は、各々、少なくとも1つの抗生物質に耐性である。いくつかの実施形態では、細菌は、集合的に、少なくとも2つの抗生物質に耐性である。いくつかの実施形態では、アンサンブルモデルは、(各々、単独で又は集合的に)少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、最後に4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、最後に14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、又はそれ以上の抗生物質に耐性である。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗生物質は、アミカシン、アズトレオナム、セフェピム、セフォキシチン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、メトロニダゾール、トリム/スルファ、トリメトプリム、バンコマイシン、広域スペクトルβ-ラクタマーゼ(ESBL)プラゾマイシン、ホスホマイシン、セフタジジム、又はオフロキサシンから選択される。
【0207】
生存細菌を含むものなどのいくつかの実施形態では、細菌は、各々、少なくとも1つの抗生物質に感受性である。いくつかの実施形態では、細菌は、集合的に、少なくとも2つの抗生物質に感受性である。いくつかの実施形態では、アンサンブルモデルは、(各々、単独で又は集合的に)少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、最後に4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、最後に14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、又はそれ以上の抗生物質に感受性である。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗生物質は、アミカシン、アズトレオナム、セフェピム、セフォキシチン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、メトロニダゾール、トリム/スルファ、トリメトプリム、バンコマイシン、広域スペクトルβ-ラクタマーゼ(ESBL)プラゾマイシン、ホスホマイシン、セフタジジム、又はオフロキサシンから選択される(例えば、
図8、
図24を参照されたい)。
【0208】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、乾燥重量で少なくとも0.5%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、乾燥重量で少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1.0%、少なくとも2.0%、少なくとも3.0%、少なくとも4.0%、少なくとも5.0%、少なくとも6.0%、少なくとも7.0%、少なくとも8.0%、少なくとも9.0%、少なくとも10.0%、又はそれ以上の細菌調製物を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも5mgの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、又はそれ以上の細菌調製物を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、細菌抽出物又は細菌代謝産物調製物を含む。いくつかの実施形態では、細菌抽出物又は細菌代謝産物調製物は、細菌エクソソーム、細菌細胞壁、ペプチドグリカン、タイコ酸、リポタイコ酸、細菌S層、菌体外多糖、多糖、乳酸ポリマー、乳酸誘導体、乳酸中間体、過酸化水素、バクテリオシン、サリバリシン、ロイテリン、及び細菌増殖上清からなる群から選択される。
【0211】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、細菌エクソソームを含む。エクソソームは、細菌細胞からの細胞質、ペリプラズム、又は膜貫通構成成分を含む、膜結合細胞外小胞(EV)である。
【0212】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、細菌細胞壁を含む。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、細菌細胞壁の構成成分を含む。細菌の細胞壁は、ペプチドグリカン(ムレインとも呼ばれる)で作られ、これは、D-アミノ酸を含有する珍しいペプチドによって架橋された多糖鎖から作られる。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、ペプチドグリカンを含む。ペプチドグリカンは、糖及びアミノ酸からなるポリマーであり、これは、細胞壁を形成するほとんどの細菌の形質膜の外側にメッシュ様のペプチドグリカン層を形成する。糖構成成分は、β-(1,4)結合N-アセチルグルコサミン(NAG)及びN-アセチルムラミン酸(NAM)の交互の残基からなる。N-アセチルムラミン酸には、3~5個のアミノ酸のペプチド鎖が結合している。
【0213】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、タイコ酸を含む。タイコ酸は、ホスホジエステル結合を介して連結されたグリセロールリン酸又はリビトールリン酸と炭水化物との細菌性コポリマーである。タイコ酸は、Staphylococcus、Streptococcus、Bacillus、Clostridium、Corynebacterium、及びListeria属の種などのほとんどのグラム陽性細菌の細胞壁内に見出され、ペプチドグリカン層の表面に伸長し得る。これらは、ペプチドグリカン層のN-アセチルムラミン酸単位間のテトラペプチド架橋において、N-アセチルムラミン酸又は末端D-アラニンに共有結合し得るか、又は脂質アンカーで細胞質膜にアンカーされ得る。脂質膜にアンカーされているタイコ酸は、リポタイコ酸(LTA)と称され、一方、ペプチドグリカンに共有結合されているタイコ酸は、細胞壁タイコ酸(WTA)と称される。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、リポタイコ酸を含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、細菌S層を含む。S層は、細菌及び古細菌の表面に頻繁に見出される二次元(2D)タンパク質アレイである。S層は、S層タンパク質(SLP)として知られている1つ以上の(糖)タンパク質を含み、これは、細胞の表面に規則的な間隔のアレイを形成する。S層は、通常、単一のタンパク質で構成される。
【0215】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、菌体外多糖を含む。菌体外多糖(EPS)は、微生物においてしっかりと結合したカプセル又はゆるく結合したスライム層として排泄される細胞外巨大分子である。ESP細胞外高分子物質は、微生物によって環境に分泌される高分子量の天然ポリマーである。EPSは、バイオフィルムの機能的及び構造的完全性を確立する。菌体外多糖は、一般に、単糖及びいくつかの非炭水化物置換基(例えば、酢酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、及びリン酸塩)からなる。
【0216】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、多糖、すなわち、細菌から単離された多糖を含む。細菌性多糖は、莢膜多糖(CPS)、菌体外多糖(EPS)、リポ多糖(LPS)、タイコ酸(TA)、及びペプチドグリカンを含み得る。
【0217】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、乳酸生成化合物を含む。いくつかの実施形態では、乳酸生成化合物は、(i)乳酸、(ii)乳酸を生成することができる非高分子化合物、又は(iii)乳酸を生成することができる高分子化合物から選択される。いくつかの実施形態では、非高分子乳酸生成化合物は、乳酸の無機塩、乳酸のエステル、又はラクチドである。いくつかの実施形態では、高分子乳酸生成化合物は、ポリ乳酸(PLA)である。いくつかの実施形態では、ポリ乳酸は、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLLA)、又はポリ(D-ラクチド)(PDLA)である。いくつかの実施形態では、ポリ乳酸は、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLLA)である。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、乳酸ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、乳酸誘導体を含む。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、乳酸中間体を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、過酸化水素(H2O2)を含む。過酸化水素は、静菌剤として機能し得る。
【0219】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、バクテリオシンを含む。バクテリオシンは、タンパク質性又はペプチド性毒素であり、細菌によって生成され、類似する又は密接に関連する細菌株(複数可)の増殖を阻害する。バクテリオシンの非限定的な例としては、コリシン、コリシン様バクテリオシン、ミクロシン、テイロシン、クラスIバクテリオシン、クラスIIバクテリオシン、クラスIIIバクテリオシン、又はクラスIVバクテリオシンが挙げられる。
【0220】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、サリバリシンを含む。サリバリシンは、Streptococcus salivariusによって生成されることが最初に示された分子内環構造(すなわち、ランチバイオティックス)を含む遺伝子コードされたペプチドである。サリバリシンの非限定的な例としては、サリバリシンA、サリバリシンB、サリバリシンC、サリバリシンD、又はサリバリシンEが挙げられる。
【0221】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、ロイテリンを含む。ロイテリン(3-ヒドロキシプロピオンアルデヒド)は、式HOCH2CH2CHOを有する有機化合物である。ロイテリンという名前は、Lactobacillus reuteriに由来し、この化合物は、広域スペクトル抗生物質(バクテリオシン)として、グリセロールから生合成で生成される。
【0222】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、細菌増殖上清を含み、これは、細菌培養上清とも称され得る。細菌上清は、液体培地で細菌を増殖させ、次いで、特定の時点で液体培地、任意のデブリ、又は浮遊細胞を除去することによって調製することができる(培地を遠心分離し、得られた液体を除去することによって除去され得る)。細菌上清は、細菌から分泌されたポリペプチド又はペプチドなどの物質を含み得る。
【0223】
細菌調製物は、当該技術分野で既知の方法によって調製され得る。例えば、生きた細菌は、その特定の細菌種の増殖に適した液体増殖培地で細菌分離株を増殖させることによって調製され得る。非生存細菌は、熱死滅若しくはUR光又はアルコールなどの化学物質による処理などにより細菌を死滅させることによって調製され得る。細菌の構成成分は、過剰発現、形質転換、溶媒抽出、溶解、ビーズ粉砕、遠心分離、解離、浸出、還流抽出、Soxhlet抽出、加圧液体抽出、超臨界流体抽出、超音波支援抽出、マイクロ波支援抽出、パルス電界抽出、酵素支援抽出、クロマトグラフィー、親和性カラム、免疫化学など、又はそれらの任意の組み合わせなどの方法によって調製され得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、組成物は、プレバイオティクス(アミノ酸(例えば、アルギニン、グルタル酸、及びオルニチン)、ビオチン、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ヘミセルロース(例えば、アラビノキシラン、キシラン、キシログルカン、及びグルコマンナン)、イヌリン、キチン、ラクトロース、マンナンオリゴ糖、オリゴフルクトース濃縮イヌリン、ガム(例えば、グアーガム、アラビアガム、及びカラゲナン)、オリゴフルクトース、オリゴデキストロース、タガトース、難消化性マルトデキストリン(例えば、難消化性デンプン)、トランスガラクトオリゴ糖、ペクチン(例えば、キシロガラクツロナン、シトラスペクチン、アップルペクチン、及びラムノガラクツロナンI)、食物繊維(例えば、ダイズ繊維、サトウダイコン繊維、エンドウ繊維、コーンブラン、及びカラスムギ繊維)、キシロオリゴ糖、ポリアミン(例えば、限定されないが、スペルミジン及びプトレシンなど)を更に含むが、これらに限定されない。
【0225】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、少なくとも1つの細菌種(又はその抽出物若しくは代謝産物)と、以下のうちの少なくとも1つ:充填剤/結合剤、凍結保護剤、アスコルビン酸、及び/又はオリゴ糖(例えば、表1Cを参照されたい)と、を含む。充填剤又は結合剤の非限定的な例としては、GLUCIDEX(例えば、トウモロコシマルトデキストリンII)が挙げられる。凍結保護剤の非限定的な例としては、トレハロース又はグルタミン酸ナトリウムが挙げられる。オリゴ糖の非限定的な例としては、ベータシクロデキストリン又はスクロースが挙げられる。
【0226】
いくつかの実施形態では、細菌調製物(例えば、表1Cを参照されたい)は、本明細書に記載の固体原料及び/又は液体原料を調製するために使用する前に凍結乾燥される。そのような実施形態では、細菌は、凍結乾燥され、次いで、本明細書に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の調製中に噴霧乾燥される。いくつかの実施形態では、細菌調製物は、本明細書に記載の固体原料及び/又は液体原料を調製するために使用する前に噴霧乾燥される。そのような実施形態では、細菌は、本明細書に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の調製中に2回噴霧乾燥される。
【0227】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、本明細書に記載の固体原料及び/又は液体原料に直接添加される新鮮な噴霧乾燥されていない細菌を含む。そのような実施形態では、細菌は、本明細書に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の調製中に一度噴霧乾燥される。いくつかの実施形態では、細菌は、本明細書に記載の固体減量及び/又は液体原料を調製するために使用する前に発酵される。
【0228】
細菌調製物を調製するための例示的手順は、(a)細菌接種体を(例えば、作業用細胞バンクから)液体増殖培地に播種することと、(b)液体増殖培地で細菌を発酵させることと、(c)液体増殖培地から細菌を回収(例えば、遠心分離)することと、(d)回収された細菌を凍結乾燥することと、を含む。細菌調製物を調製するためのこの凍結乾燥プロセスは、本明細書に記載の賦形剤(複数可)のうちの少なくとも1つ及び/又は安定剤(複数可)のうちの少なくとも1つを含むことができ、追加量の少なくとも1つの賦形剤(複数可)及び/又は少なくとも1つの安定剤(複数可)を添加して、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製することができる(例えば、表1A~1Cを参照されたい)。
【0229】
薬学的に許容される賦形剤、安定剤、及び添加剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、本明細書に記載される細菌調製物と、任意選択的に、薬学的に許容される賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤と、を含む、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物に関する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の活性成分は、本明細書に記載される細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の活性成分は、本明細書に記載される細菌調製物から本質的になる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の活性成分は、本明細書に記載される細菌調製物からなる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤は、生理食塩水、緩衝水溶液、溶媒、及び/又は分散媒体を含む。このような賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤の使用は、当業者に周知である。薬学的に許容される賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤として機能することができる材料のいくつかの非限定的な例としては、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース、(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン、(3)セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、及び酢酸セルロース、(4)粉末トラガント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルク、(8)賦形剤、例えば、ココアバター及び坐剤ワックス、(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油、(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール(PEG)、(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)発熱物質不含水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル溶液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝溶液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート、及び/又はポリ酸無水物、(22)増量剤、例えば、ポリペプチド及びアミノ酸、(23)血清構成成分、例えば、血清アルブミン、HDL、及びLDL、(24)C2-C12アルコール、例えば、エタノール、並びに(25)薬学的製剤に用いられる他の非毒性無毒適合性物質が挙げられる。湿潤剤、着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、防腐剤、及び抗酸化剤も、製剤中に存在し得る。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤は、活性剤(例えば、本明細書に記載される細菌調製物)の分解を阻害する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤及び/又は少なくとも1つの薬学的に許容される安定剤を含む。
【0230】
賦形剤
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1つの賦形剤。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の賦形剤を含む。本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性物質(例えば、本明細書に記載される細菌調製物)のビヒクル、希釈剤、又は媒体として機能する不活性物質を指す。賦形剤は、(例えば、呼吸器投与のために製剤化された)噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の加工性を容易にし、長期的な安定性を付加するために組成物の物理的構造を維持することができる。賦形剤は、(例えば、バイオ治療剤の)安定性を提供し、生存率を保護し、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル特性を向上させることができる。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2つの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、2つの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、3つの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、又はそれ以上の賦形剤を含む。
【0231】
典型的には、賦形剤は、最終粉末に分散性を付加すること、及び高粘度の結晶性又は非晶質粒子のガラス安定化という2つの目的のために医薬品を噴霧乾燥するときに使用される。例えば、Vehring(2008)Pharm Res 25(5):999-1022を参照されたい(その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。アミノ酸(例えば、ロイシン及びトリロイシン)は、最終粉末に分散性を付加する効果のために使用することができる。分散性粉末は、容易に凝集しない傾向があり、バルクでより流動性であり、カプセル化を容易にする傾向がある。
【0232】
噴霧乾燥は、エネルギー的に好ましくない状態で粒子を生成するので、ガラス安定化に使用される賦形剤は、インビボで一貫したバイオアベイラビリティをもたらす安定した結晶性又は共結晶性など、長期的な安定性の利点及び信頼性の高い固体化学的特徴を提供するのに役立つ。これらの賦形剤の有効性は、通常、乾燥粒子のガラス転移温度を測定することによって評価され、これは、物理的安定性を確保するために、保管温度(例えば、-18℃の冷凍、4℃の冷蔵、又は20~22℃の室温)をはるかに上回って最良に維持される。いくつかの実施形態では、最小Tg(ガラス転移温度)は、35℃である。いくつかの実施形態では、Tg(ガラス転移温度)は、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも45℃、又は少なくとも50℃である。
【0233】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)増殖培地、ゼラチン、ホエイ単離物、スイートホエイ、還元脱脂粉乳、マルトデキストリン、グルコオリゴ糖、ラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、イヌリン、カゼイン酸ナトリウム、ヤギミルク、牛乳、プロリン、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、グルタミン酸塩、グリシンベタイン、グリコーゲン、トレハロース、マンノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、デキストロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、ロイシン、トリロイシン、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される。
【0234】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、表2から選択される。いくつかの実施形態では、賦形剤は、表2に列挙されている賦形剤の任意の組み合わせ、例えば、表2からの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、又は少なくとも39の賦形剤の組み合わせから選択される。
【表2】
【0235】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、ロイシン、トレハロース、及び/又はクエン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、賦形剤は、ロイシン及び/又はトレハロースである。いくつかの実施形態では、賦形剤は、ロイシン及び/又はクエン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、賦形剤は、トレハロース及び/又はクエン酸ナトリウムである。
【0236】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、ロイシンである。いくつかの実施形態では、賦形剤は、L-ロイシンである(例えば、以下の式Iを参照されたい)。いくつかの実施形態では、賦形剤は、D-ロイシンである。いくつかの実施形態では、賦形剤は、L-ロイシン及びD-ロイシンのラセミ混合物である。使用される場合、ここでは「ラセミ混合物」は、化合物の50:50の比率の両方のエナンチオマーが存在する溶液を指す。ロイシン(記号Leu又はL)は、ヒトにとって必須アミノ酸である。いくつかの実施形態では、賦形剤は、3つのロイシン残基(例えば、以下の式IIを参照されたい)で構成されるトリペプチドであるトリロイシン(Leu-Leu-Leuとも称される)である。いくつかの実施形態では、トリロイシンは、賦形剤としてロイシンの代わりに使用される。いくつかの実施形態では、賦形剤は、トレハロースである(例えば、以下の式IIIを参照されたい)。トレハロースは、2つのグルコース分子からなる糖である。トレハロースは、マイコース又はトレマロースとしても知られている。トレハロースは、高い保水力がある。一部の細菌、真菌、植物、無脊椎動物は、トレハロースをエネルギー源として、また凍結や水不足を生き残るために合成する。いくつかの実施形態では、賦形剤は、ロイシン及びトレハロースである。いくつかの実施形態では、第1の賦形剤はロイシンであり、第2の賦形剤はトレハロースである。いくつかの実施形態では、第2の賦形剤はロイシンであり、第1の賦形剤はトレハロースである。いくつかの実施形態では、賦形剤は、クエン酸ナトリウム(Na3C6H5O7、例えば、以下の式IVを参照されたい)である。いくつかの実施形態では、第1の賦形剤及び第2の賦形剤は、ロイシン及びトレハロースであり、第3の賦形剤は、クエン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、3つの賦形剤は、ロイシン、トレハロース、及びクエン酸ナトリウムであり、安定剤は、ポリソルベート80である。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0237】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも0.5重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.06重量%、少なくとも0.07重量%、少なくとも0.08重量%、少なくとも0.09重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量%、少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、若しくは少なくとも30重量%、又はそれ以上の賦形剤を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも0.5重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.5重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.06重量%、少なくとも0.07重量%、少なくとも0.08重量%、少なくとも0.09重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量%、少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、若しくは少なくとも5.0重量%、又はそれ以上の第1の賦形剤、及び少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.06重量%、少なくとも0.07重量%、少なくとも0.08重量%、少なくとも0.09重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量%、少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、若しくは少なくとも5.0重量%、又はそれ以上の第2の賦形剤を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.06重量%、少なくとも0.07重量%、少なくとも0.08重量%、少なくとも0.09重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量%、少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、若しくは少なくとも5.0重量%、又はそれ以上の第1の賦形剤、及び少なくとも0.5重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも0.5重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.06重量%、少なくとも0.07重量%、少なくとも0.08重量%、少なくとも0.09重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量%、少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、若しくは少なくとも5.0重量%、又はそれ以上の第2の賦形剤を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも5mgの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、又はそれ以上の賦形剤を含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも5mgの第1の賦形剤、及び少なくとも5mgの第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、又はそれ以上の第1の賦形剤、及び少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、又はそれ以上の第2の賦形剤を含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、又はそれ以上の第1の賦形剤、及び少なくとも5mgの第2の賦形剤を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも5mgの第1の賦形剤、及び少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、又はそれ以上の第2の賦形剤を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも5mgの第1の賦形剤、少なくとも5mgの第2の賦形剤、及び少なくとも1mgの第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも5mgの第1の賦形剤、少なくとも5mgの第2の賦形剤、及び少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、又はそれ以上の第3の賦形剤を含む。
【0245】
安定剤
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1つの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の安定剤を含む。本明細書で使用される場合、「安定剤」という用語は、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の分解を防止又は低減する物質を指す。界面活性剤安定剤は、原料調製中の初期湿潤性、噴霧乾燥中の原料の乳化、及び治療剤の表面水分保護による乾燥粉末の固体状態の保護を提供することができる。
【0246】
安定剤の使用は、疎水性物質を濡らして、噴霧乾燥のための均質な懸濁液を生成するプロセスを補助する。例えば、任意の難溶性化合物を懸濁液にするために湿潤剤が必要な場合には、安定剤を含めることができる。これらの安定剤は、乳化剤として機能して、バルク噴霧乾燥粉末にわたって一貫性を高める。加えて、いくつかの安定剤(例えば、ポロキサマー)は、湿った粒子のサイズをナノスケールまで調整することも可能であり、原料溶液中の高分子を事前に分散させるために使用され得る。例えば、Da Silva et al.(2019)Front Bioeng Biotechnol 7:137を参照されたい(その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0247】
いくつかの実施形態では、安定剤は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、それが溶解される液体の表面張力を低下させる傾向がある物質である。いくつかの実施形態では、安定剤は、マンニトール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリソルベート、及びポロキサマーからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート、ポロキサマー、又はポリビニルアルコールである。
【0248】
いくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベートを含む。ポリソルベートは、合成非イオン性界面活性剤及び乳化剤である。ポリソルベートは、MONTANOX、ALKEST TW、TWEEN、又はPSとも称される。いくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、又はポリソルベート80である。「ポリソルベート」部分に続く数字は、分子のポリオキシエチレンソルビタン部分に関連する脂肪酸の種類に関連する。モノラウレートは20(例えば、ポリソルベート20)で示され、モノパルミテートは40(例えば、ポリソルベート40)で示され、モノステアレートは60(例えば、ポリソルベート60)で示され、モノオレエートは80(例えば、ポリソルベート80)で示される。
【0249】
いくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート80である(例えば、以下の式Vを参照されたい)。ポリソルベート80は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(「ポリオキシエチレン」部分の後の番号20は、分子内に見出されるオキシエチレン-(CH2CH2O)-基の総数を指す)、(x)-ソルビタンモノ-9-オクタデセノエートポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、MONTANOX80、ALKEST TW80、TWEEN80、又はPS80とも称される。ポリソルベート80は、ポリエトキシル化ソルビタン及びオレイン酸に由来する。この化合物中の親水性基は、エチレンオキシドの高分子であるポリオキシエチレン基としても知られるポリエーテルである。ポリソルベートの命名法では、ポリソルベートの後の数値表記は、親油性基、この場合はオレイン酸を指す。純水中のポリソルベート80の臨界ミセル濃度は、0.012mMとして報告される。
【化5】
【0250】
いくつかの実施形態では、安定剤は、ポロキサマーである。ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖に隣接するポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中央の疎水性鎖からなる非イオン性トリブロックコポリマーである。ポロキサマーは、プルロニック、KOLLIPHOR、又はSYNPERONICとも称される。ポリマーブロックの長さをカスタマイズすることができるため、わずかに異なる特性を有する多くの異なるポロキサマーが存在する。一般用語であるポロキサマーについては、これらのコポリマーは、一般的に、文字P(ポロキサマーのための)に続いて3つの数字で命名され、最初の2つの数字に100を掛けると、ポリオキシプロピレンコアのおおよその分子量が得られ、最後の数字に10を掛けると、ポリオキシエチレン含有量が得られる(例えば、P407=ポリオキシプロピレン分子量が4000g/mo、ポリオキシエチレン含有量が70%のポロキサマー)。プルロニック及びSYNPERONICの名称については、これらのコポリマーのコーディングは、室温(L=液体、P=ペースト、F=フレーク(固体))でのその物理的形態を定義するための文字で始まり、2つ又は3つの数字が続く。数値表記の最初の数字(又は3つの数字のうちの2つの数字)に300を乗じたものは、疎水性物質のおおよその分子量を示し、最後の数字に10を乗じたものは、ポリオキシエチレン含有量(例えば、L61は、1800g/モルのポリオキシプロピレン分子量及び10%のポリオキシエチレン含有量を示す)を示す。与えられた例では、ポロキサマー181(P181)=プルロニックL61及びSYNPERONIC PE/L61。
【0251】
ポロキサマー溶液の1つの特徴は、それらの温度依存性自己組織化及び熱ゲル化挙動である。ポロキサマーの濃縮水溶液は、低温で液体であり、可逆的プロセスでより高い温度でゲルを形成する。これらのシステムで生じる遷移は、ポリマー組成物に依存する。両親媒性構造のため、ポロキサマーは界面活性剤特性を有する。とりわけ、ポロキサマーは、疎水性、油性物質の水溶性を増加させるため、又はそうでなければ、異なる疎水性を有する2つの物質の混和性を増加させるために使用され得る。例示的なポロキサマーの物理化学的特性については、例えば、表3を参照されたい。
【表3】
【0252】
いくつかの実施形態では、安定剤は、ポロキサマー184(すなわち、プルロニックL64)、ポロキサマー185(すなわち、プルロニックP65)、ポロキサマー188(すなわち、プルロニックF68)、ポロキサマー234(すなわち、プルロニックP84)、ポロキサマー235(すなわち、プルロニックP85)、ポロキサマー238(すなわち、プルロニックF88)、ポロキサマー333(すなわち、プルロニックP103)、ポロキサマー334(すなわち、プルロニックP104)、ポロキサマー335(すなわち、プルロニックP105)、ポロキサマー338(すなわち、プルロニックF108)、ポロキサマー403(すなわち、プルロニックP123)、又はポロキサマー407(すなわち、プルロニックF127)である。いくつかの実施形態では、安定剤は、ポロキサマー184、ポロキサマー185、ポロキサマー234、ポロキサマー235、ポロキサマー238、ポロキサマー333、ポロキサマー334、ポロキサマー335、ポロキサマー338、ポロキサマー403、又はポロキサマー407である。いくつかの実施形態では、安定剤は、プルロニックL64、プルロニックP65、プルロニックP84、プルロニックP85、プルロニックF88、プルロニックP103、プルロニックP104、プルロニックP105、プルロニックF108、プルロニックP123、又はプルロニックF127である。
【0253】
いくつかの実施形態では、安定剤は、ポロキサマー188であり、プルロニックF68又はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(直鎖式:(C3H6O.C2H4O)xとも称される。例えば、以下の式VIを参照されたい)。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、ポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、ポロキサマー188(すなわち、プルロニックF68)を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、ポリソルベート80及びポロキサマー188(すなわち、プルロニックF68)を含む。
【化6】
【0254】
いくつかの実施形態では、安定剤は、ポリビニルアルコール(PVA、例えば、以下の式VIIを参照されたい)である。PVAは、理想化式[CH2CH(OH)]nを有する水溶性合成ポリマーである。PVAは、増粘剤及び乳化安定剤として使用することができる。PVAは、生体適合性、タンパク質接着性の低い傾向、及び低い毒性を示す。PVAは、酢酸塩の代わりにギ酸塩又はクロロ酢酸塩基を有するポリ酢酸ビニル、又は他のビニルエステル由来のポリマーの加水分解によって調製される。ポリビニルエステルの変換は、エタノールによる塩基触媒によるエステル交換によって行うことができる。
【化7】
【0255】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも0.05重量%の安定剤を含む。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも0.25重量%の安定剤を含む。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも0.5重量(例えば、乾燥重量)%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.06重量%、少なくとも0.07重量%、少なくとも0.08重量%、少なくとも0.09重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量%、少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、又はそれ以上の安定剤を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも1mgの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、又は少なくとも10mgの安定剤を含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1つの賦形剤及び少なくとも1つの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、1つの賦形剤及び1つの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも2つの賦形剤及び少なくとも1つの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、2つの賦形剤及び1つの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、賦形剤としてロイシン及びトレハロース、並びに安定剤としてポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、賦形剤としてロイシン及びトレハロース、並びに安定剤としてポリソルベート80を含む。
【0258】
添加剤
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1つの添加剤を更に含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の添加剤を含む。本明細書に記載されるように、いくつかの添加剤を高分子粒子に添加することができ、これらの添加剤は、分子レベルでの混合、乾燥ブレンド、粒子へのコーティング、又は同時投与によって組み込むことができる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、以下のうちの少なくとも1つを更に含む:(a)細孔形成剤、(b)接着剤、及び/又は(c)pH調節剤。
【0259】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、膜孔形成剤を更に含む。細孔形成剤は、(すなわち、粒子内に空隙又は「細孔」を形成することによって)粒子の密度を低下させることができ、より迅速な水の取り込み、分解、及び酸の生成を可能にする。いくつかの実施形態では、細孔形成剤は、NaCl、スクロース、ポリエチレングリコール(PEG)、及びポリビニルピロリドン(PVP)からなる群から選択される。
【0260】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、接着剤を更に含む。接着剤は、ポリマーの生体組織への生体接着を高めることができる。いくつかの実施形態では、接着剤は、糖、接着性高分子、及びアミン含有化合物からなる群から選択される。そのような接着性糖の非限定的な例としては、トレハロース、マンニトール、ラクトース、又はグルコースが挙げられる。
【0261】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、pH調節剤を更に含む。pH調節剤は、細菌調製物の分解を増加又は減少させることができる。いくつかの実施形態では、pH調節剤は、クエン酸ナトリウムなどの緩衝液である。いくつかの実施形態では、pH調節剤は、酸である。いくつかの実施形態では、pH調節剤は、塩基(例えば、NaOH)であり、そのような塩基は、噴霧乾燥するための原料を吸入粉末のために生成するときに中和剤であり得る。
【0262】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、例えば、慢性又は感染性の気管支肺障害のための少なくとも1つの追加の治療剤を含む。一連の薬物クラスには、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤が含まれる。これらの薬物は、マイクロカプセル化、同時投与、又は分解可能なリンカーとの共有結合などの技術を使用して組み込むことができる。
【0263】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、抗炎症性を含む。いくつかの実施形態では、抗炎症剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイド、グルココルチコイド、メトトレキサート、スルファサラジン、レフルノミド、抗腫瘍壊死因子(TNF)薬、シクロホスファミド、炎症収束性脂質メディエーター、ミコフェノレート、オピエート、及びバルビツレートからなる群から選択される。
【0264】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、抗菌剤、抗ウイルス剤、及び/又は抗真菌剤を含む。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、アミノグリコシド、アンサマイシン、ベータ-ラクタム、ビス-ビグアニド、カルバセフェム、カルバペネム、カチオン性ポリペプチド、セファロスポリン、フルオロキノロン、グリコペプチド、鉄隔離グリコタンパク質、リノサミド、リポペプチド、マクロライド、モノバクタム、ニトロフラン、オキサゾリジノン、ペニシリン、ポリペプチド、四級アンモニウム化合物、キノロン、銀化合物、スルホンアミド、及びテトラサイクリンからなる群から選択される。
【0265】
いくつかの例示的な特異的抗菌剤としては、広範囲ペニシリン、アモキシシリン(例えば、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリンインダニル、メズロシリン、ピペラシリン、チカルシリン)、ペニシリン及びベータラクタマーゼ阻害剤(例えば、アモキシシリン-クラブラン酸、アンピシリン-スルバクタム、ベンジルペニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリンタゾバクタム、チカルシリンクラブラン酸、ナフシリン)、セファロスポリン(例えば、第一世代セファロスポリン、セファドロキシル、セファゾリン、セファレキシン、セファロチン、セファピリン、セフラジン)、第二世代セファロスポリン(例えば、セファクロル、セファマンドール、セフォニシド、セフォテタン、セフォキシチン、セフプロジル、セフメタゾール、セフロキシム、ロラカルベフ)、第三世代セファロスポリン(例えば、セフジニル、セフチブテン、セフォペラゾン、セフィキシム、セフォタキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン)、第四世代セファロスポリン(例えば、セフェピム)、マクロライド及びリンコサミド(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、リンコマイシン、トロレアンドマイシン)、キノロン及びフルオロキノロン(例えば、シノキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、オキソリン酸、ゲミフロキサシン、ペルフロキサシン)、カルバペネム(例えば、イミペネム-シラスタチン、メロペネム)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム)、アミノグリコシド(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン)、グリコペプチド(例えば、テイコプラニン、バンコマイシン)、テトラサイクリン(例えば、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン)、スルホンアミド(例えば、マフェニド、スルファジアジン銀、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、スルファメチゾール)、リファンピン(例えば、リファブチン、リファンピン、リファペンチン)、オキサゾリジノン(例えば、リネゾリド、ストレプトグラミン、キヌプリスチンダルホプリスチン)、バシトラシン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、イソニアジド、メテナミン、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、ニトロフラゾン、ノボビオシン、ポリミキシン、スペクチノマイシン、トリメトプリム、コリスチン、サイクロセリン、カプレオマイシン、エチオナミド、ピラジンアミド、パラアミノサリチル酸、エリスロマイシンエチルコハク酸塩などが挙げられる。
【0266】
抗ウイルス剤の非限定的な例としては、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプリゲン、アンプレナビル、抗レトロウイルス剤、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、シドホビル、コンビビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、ドルテグラビル、エコリエベル、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、融合阻害剤、イバシタビン、イドクスウリジン、イミキモド、イムノビル、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、インターフェロン、インターフェロンI型、インターフェロンII型、インターフェロンIII型、ラミブジン、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、メチサゾン、モロキシジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル、ニタゾキサニド、ノービア、ヌクレオシド類似体、オセルタミビル(タミフル)、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、ピラミジン、ラルテグラビル、逆転写酵素阻害剤、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、サキナビル、ソホスブビル、スタブジン、相乗作用増強剤(抗レトロウイルス剤)、テラプレビル、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル(Valtrex)、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ピラミジン、ザルシタビン、ザナミビル(Relenza)、又はジドブジンが挙げられる。
【0267】
抗真菌剤(抗真菌剤とも呼ばれる)の非限定的な例としては、ポリエン抗真菌剤、アムホテリシンB、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン、リモシジン、イミダゾール抗真菌剤、トリアゾール抗真菌剤、チアゾール抗真菌剤、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、トリアゾール、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾール、アバファンジン、アリルアミン、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、エキノカンジン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、オーロン、安息香酸、シクロピロックス、フルシトシン、5-フルオロシトシン、グリセオフルビン、ハロプロジン、トルナフテート、ウンデシレン酸、トリアセチン、クリスタルバイオレット、カステラーニペイント、オロトミド、ミルテフォシン、ヨウ化カリウム、コールタール、硫酸銅(II)、二硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、ピロクトンオラミン、ヨードキノール、クリオキノール、アクリソルシン、ピリチオン亜鉛、及び硫黄が挙げられる。
【0268】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、少なくとも1つのバクテリオファージを含む。バクテリオファージの非限定的な例としては、Caudovirale(例えば、Myoviridae、Siphoviridae、及びPodiviridae)、Ligamenvirale(例えば、Lipothrixviridae、Rudiviridae、Ampullaviridae、Bicaudaviridae、Clavaviridae、Corticoviridae、Cystoviridae、及びFuselloviridae)、並びに他の科(例えば、Globuloviridae、Inoviridae、Leviviridae、Microviridae、Plasmaviridae、及びTechtiviridae)が挙げられる。
【0269】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、血管拡張剤を含む。いくつかの実施形態では、血管拡張剤は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、及び一酸化窒素生成化合物からなる群から選択される。
【0270】
いくつかの実施形態では、血管拡張剤は、ベナゼプリル(LOTENSIN)、カプトプリル(CAPOTEN)、エナラプリル(VASOTEC、EPANED)、ホシノプリル(MONOPRIL)、リシノプリル(PRINIVIL、ZESTRIL)、モエキシプリル(UNIVASC)、ペリンドプリル(ACEON)、キナプリル(ACCUPRIL)、ラミプリル(ALTACE)、及びトランドラプリル(MAVIK)からなる群から選択されるACE阻害剤である。
【0271】
いくつかの実施形態では、血管拡張剤は、アジルサルタン(EDARBI)、カンデサルタン(ATACAND)、エプロサルタン(TEVETEN)、イルベサルタン(AVAPRO)、テルミサルタン(MICARDIS)、バルサルタン(DIOVAN)、ロサルタン(COZAAR)、及びオルメサルタン(BENICAR)からなる群から選択されるARBである。
【0272】
いくつかの実施形態では、血管拡張剤は、アムロジピン(NORVASC)、クレビジピン(CLEVIPREX)、ジルチアゼム(CARDIZEM)、フェロジピン(CARDENE、CARDENE SR)、イスラジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニソルジピン(SULAR)、及びベラパミル(CALAN)からなる群から選択されるCCBである。
【0273】
いくつかの実施形態では、血管拡張剤は、ニトログリセリン(GONITRO、NITROBID、NITROMIST、NITROLINGUAL、NITROSTAT、NITROBID)、イソソルビド一硝酸塩(ISMO、MONEKET)、イソソルビド二硝酸塩(IMDUR、ISORDIL)、ヒドラジン(APRESOLINE)、ミノキシジル、フェノルドパム(CARLOPAM)、及びニトロプルシド(NIPRIDE、NITROPRESS)からなる群から選択される窒素酸化物生成化合物である。
【0274】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、追加の治療剤として気管支拡張剤を更に含む。いくつかの実施形態では、気管支拡張剤は、短時間作用型ベータ-アドレナリン作動性気管支拡張剤(例えば、アルブテロール、レブアルブテロール、エピネフリン)、長時間作用型ベータ-アドレナリン作動性気管支拡張剤(例えば、サルメテロール、ホルモテロール)、抗コリン作動性気管支拡張剤(例えば、イプラトロピウム、チオトロピウム)、及びキサンチン誘導体(例えば、テオフィリン、アミノフィリン)からなる群から選択される。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、気管支拡張剤は、アルブテロールである。
【0275】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、マイクロカプセル化される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物全体内のより小さなカプセルにマイクロカプセル化される(すなわち、細菌調製物から物理的に分離される)。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、治療剤のための別個の粒子又はマイクロスフェアと、例えば、投与中に一緒に混合される細菌調製物と、を含む。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、細菌調製物と一緒にマイクロカプセル化される。
【0276】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、生分解性、分解性、切断可能、又はそうでなければ可逆的なリンカーを用いて、細菌調製物の構成成分に共有結合される。切断可能なリンカーは、リンカーを切断して、リンカーが一緒に保持している2つの部分を遊離できることを意味する。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーは、ポリエチレングリコールである。切断可能なリンカーは、限定されないが、酵素、pH、酸化還元電位、又は分解性分子の存在などの切断剤に感受性であり得る。そのような切断剤の例としては、特定の基質に対して選択される又は基質特異性を有しない酸化還元剤、例えば、酸化酵素若しくは還元酵素又は還元剤(例えば、還元によって酸化切断可能な連結基を分解することができる細胞に存在するメルカプタン)、エステラーゼ、アミダーゼ、酸性環境を作り出すことができるエンドソーム若しくは薬剤(例えば、5以下のpHをもたらすもの)、一般的な酸、ペプチダーゼ(基質特異的であり得る)、プロテアーゼ、及びホスファターゼとして作用することによって酸切断可能な連結基を加水分解若しくは分解することができる酵素が挙げられる。
【0277】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、例えば、慢性気管支肺障害に対する少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、例えば、慢性気管支肺障害に対する少なくとも1つの追加の治療剤と同時に投与される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、例えば、慢性気管支肺障害に対する少なくとも1つの追加の治療剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、例えば、慢性気管支肺障害に対する少なくとも1つの追加の治療剤の後に投与される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、例えば、慢性気管支肺障害のための少なくとも1つの追加の治療剤と交互に投与される。
【0278】
製剤
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、吸入による投与のために製剤化される。本明細書で使用される場合、「吸入による投与のために製剤化される」という用語は、組成物又は製剤が、活性成分を含有する小さい粒子又は液滴を吸入することによって、活性成分又は薬剤を気管支肺組織に送達するように設計又は適合されることを意味する。したがって、吸入による投与のために製剤化された薬学的組成物は、一般に、そのような粒子を(例えば、粉末として)含むか、又はそのような液滴を(例えば、ネブライザーを介して)容易に生成することができる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞に送達するために製剤化される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、気管への送達のために製剤化される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、気管支への送達のために製剤化される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、細気管支への送達のために製剤化される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、肺胞への送達のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、肺への送達のために製剤化される。
【0279】
いくつかの実施形態では、組成物は、吸入による(例えば、吸入器を使用する)投与のためのカプセル又は錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、カプセルは、少なくとも10mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する。いくつかの実施形態では、カプセルは、少なくとも30mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する。いくつかの実施形態では、カプセルは、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも40mg、少なくとも50mg、少なくとも60mg、少なくとも70mg、少なくとも80mg、少なくとも90mg、若しくは少なくとも100mg、又はそれ以上の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む。
【0280】
いくつかの実施形態では、組成物は、吸入器による送達のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、定量噴霧式吸入器(MDI)による送達のために製剤化される。定量噴霧式吸入器(MDI)は、通常、吸入を介して患者によって自己投与されるエアロゾル化された薬物の短いバーストの形態で、特定の量の薬物を肺に送達する装置である。いくつかの実施形態では、組成物は、乾燥粉末吸入器(DPI)による送達のために製剤化される。乾燥粉末吸入器(DPI)は、乾燥粉末の形態で薬物を肺に送達する装置である。いくつかの実施形態では、組成物は、ソフトミスト吸入器(SMI)による送達のために製剤化される。ソフトミスト吸入器(SMI)は、ミストの形で薬物を肺に送達する装置である。
【0281】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織に送達可能な単位用量当たり少なくとも106CFUの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織に送達可能な単位用量当たり少なくとも200×106CFUの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織に送達可能な単位用量当たり少なくとも101CFU、少なくとも102CFU、少なくとも103CFU、少なくとも104CFU、少なくとも105CFU、少なくとも106CFU、少なくとも107CFU、少なくとも108CFU、少なくとも109CFU、少なくとも1010CFU、少なくとも1011CFU、又は少なくとも1012CFUの細菌調製物を含む。
【0282】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織に送達可能な単位用量当たり少なくとも5mgの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織に送達可能な単位用量当たり少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、又は少なくとも100mgの細菌調製物を含む。
【0283】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも15mgの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも0.1mg、少なくとも0.2mg、少なくとも0.3mg、少なくとも0.4mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.6mg、少なくとも0.7mg、少なくとも0.8mg、少なくとも0.9mg、少なくとも1.0mg、少なくとも2.0mg、少なくとも3.0mg、少なくとも4.0mg、少なくとも5.0mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、又は少なくとも100mgの細菌調製物を含む。
【0284】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、マイクロスフェアとして製剤化される。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、少なくとも1μm~最大1mmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、少なくとも1μm、少なくとも2μm、少なくとも3μm、少なくとも4μm、少なくとも5μm、少なくとも6μm、少なくとも7μm、少なくとも8μm、少なくとも9μm、少なくとも10μm、少なくとも20μm、少なくとも30μm、少なくとも40μm、少なくとも50μm、少なくとも60μm、少なくとも70μm、少なくとも80μm、少なくとも90μm、少なくとも100μm、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、少なくとも600μm、少なくとも700μm、少なくとも800μm、少なくとも900μm、又は少なくとも1mmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、最大1μm、最大2μm、最大3μm、最大4μm、最大5μm、最大6μm、最大7μm、最大8μm、最大9μm、最大10μm、最大20μm、最大30μm、最大40μm、最大50μm、最大60μm、最大70μm、最大80μm、最大90μm、最大100μm、最大200μm、最大300μm、最大400μm、最大500μm、最大600μm、最大700μm、最大800μm、最大900μm、又は最大1mmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。
【0285】
乾燥粒子
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、同じ種類及び/又は複数の種類の乾燥粒子を含む複数の乾燥粒子を含む(例えば、表4A~4B又は表5A~5Bで定義された例示的な粒子特性)。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、表4A~4B又は表5A~5Bに記載の物理的特性を有する粒子を含む乾燥粉末である。
【表4A】
【表4B】
【表5A】
【表5B】
【0286】
いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.5μmのDv50を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも2.0μmのDv50を有する。Dv50は、50%の粒子がそのサイズよりも小さいサイズである。Dv50は、使用される技術によって測定される、実質的に中央値粒子直径である。いくつかの実施形態では、Dv50は、レーザー回折技術を介して測定される。Dv50は、エアロゾル化された粒子又は液体懸濁粒子に適用することができる。Dv50は、本質的に純粋な体積測定であり、粒子のエアロゾル特性を考慮していない。Dv50は、粉末の分散性を推定するための有用な尺度であり得る。分散性は、粉末が異なる圧力でどれほど容易にエアロゾル化するかを指す。完全に分散可能な粉末は、印加される圧力とは無関係に、一貫してエアロゾル化され得る。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.5um、少なくとも0.6um、少なくとも0.7um、少なくとも0.8um、少なくとも0.9um、1μm、少なくとも1.5μm、少なくとも2μm、少なくとも2.5μm、少なくとも3μm、少なくとも3.5μm、少なくとも4μm、少なくとも4.5μm、少なくとも5μm、少なくとも5.5μm、少なくとも6μm、少なくとも6.5μm、少なくとも7μm、少なくとも7.5μm、少なくとも8μm、少なくとも8.5μm、少なくとも9μm、少なくとも9.5μm、又は少なくとも10μmのDv50を有する。
【0287】
いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも1.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも3.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも2.0μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも2.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも1.0μm~最大10μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。本明細書で使用される場合、「MMAD」という用語は、所与のエアロゾル中のある量の50%がMMADよりも小さい粒子に関連付けられ、その量の50%がMMADよりも大きい粒子に関連付けられる空気動力学径の値を指す。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも4.0μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも4.2μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも1μm、少なくとも1.5μm、少なくとも2μm、少なくとも2.5μm、少なくとも3μm、少なくとも3.5μm、少なくとも4μm、少なくとも4.5μm、少なくとも5μm、少なくとも5.5μm、少なくとも6μm、少なくとも6.5μm、少なくとも7μm、少なくとも7.5μm、少なくとも8μm、少なくとも8.5μm少なくとも9μm、少なくとも9.5μm、又は少なくとも10μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、最大1μm、最大1.5μm、最大2μm、最大2.5μm、最大3μm、最大3.5μm、最大4μm、最大4.5μm、最大5μm、最大5.5μm、最大6μm、最大6.5μm、最大7μm、最大7.5μm、最大8μm、最大8.5μm、最大9μm、最大9.5μm、又は最大10μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。
【0288】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の乾燥粒子は、94%の<5.0μmの微粒子画分(FPF)を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の乾燥粒子は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又はそれ以上の<5.0μmの微粒子画分を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の乾燥粒子は、73%の<3.3μmの微粒子画分を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の乾燥粒子は、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上の<3.3μmの微粒子画分を有する。
【0289】
微粒子画分(FPF)は、乾燥粉末のカスケードインパクション試験から得られた値である。カスケードインパクション試験では、粉末は、徐々にサイズが小さくなる異なるステージにわたって実行される。各ステージで沈着した粉末の量は、粉末全体のサイズカットオフの割合を示す。そのような2つの方法は、ステージにわたって粉末を水平に流す次世代インパクション(NGI)と、ステージにわたって粉末を垂直に流すAndersonカスケードインパクション(ACI)である。典型的には、5.0μmよりも小さい送達用量の割合(%)、及び3.3umよりも小さい送達用量の割合(%)の2つの値が提供される。典型的には、<5.0μmが中枢及び末梢気道に沈着し、典型的には、<3.3μmが末梢気道に沈着するとみなされるサイズのカットオフである。例えば、Bianco et al.,Respiratory Research volume 22,Article number:71(2021)(例えば、Biancoの
図4を参照されたい)、Darquenne,J Aerosol Med Pulm Drug Deliv.2012、25(3):140-147、次世代インパクターの説明(sanyo-si.com/wp-content/uploads/NGI.pdfで世界的に入手可能)を参照されたい(それらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0290】
いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、2.0未満の分散性を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.5~1.0の分散性を有する。本明細書で使用される場合、「分散性」という用語は、制御された分散プロセスの後に、サイズ及び濃度の点で、液体中で空間的に十分に分散した粒子の能力を指す。分散性には単位はない。分散性は、システムに粒子を送るために使用される異なる空気圧で同じ粉末について測定された粒子サイズの比率を表す。具体的には、分散性は、「低」圧力でシステムに送られる粉末のDv50を、「高」圧力でシステムに送られる粉末のDv50で割った測定値である。いくつかの実施形態では、乾燥粒子の分散性は、2kPaの圧力で測定されたDv50を、4kPaの圧力で測定されたDv50で割って測定される(そのような測定は、「本明細書では2/4KPA」と称され得る)。分散性は、送達された(例えば、放出された)用量について測定され得る。Dv50は、インパクション、レーザー回折(例えば、RODOS又はMASTERSIZER)、又はその両方によって測定され得る。低圧システムは、レーザー回折を使用して測定した場合、より高いDv50を有し得る。バルク及び粒子密度は、分散性、並びに乾燥粒子の「粘着性」及び形状に影響を与え、その逆もまた同様である。分散性は非常に多くの他の属性を含むため、分散性は、粒子に印加された空気からの圧力が一定でなくても、粒子がどのように「うまく」空気中に浮遊するかを測定する優れた無次元の尺度である。いくつかの実施形態では、「最適な」粉末は、1又は1に近い分散性を有し、そのDv50が空気動力学システムにおける空気圧にわたって変化しないことを意味する。比率として、分散性の最小値はゼロであり、分散性は、1より小さいか又は1より大きい場合がある。
【0291】
いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.9の分散性を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.50、少なくとも0.55、少なくとも0.60、少なくとも0.65、少なくとも0.70、少なくとも0.75、少なくとも0.80、少なくとも0.85、少なくとも0.90、少なくとも0.91、少なくとも0.92、少なくとも0.93、少なくとも0.94、少なくとも0.95、少なくとも0.96、少なくとも0.97、少なくとも0.98、少なくとも0.99、少なくとも1.0、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、又は2.0の分散性を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、0.50~0.55、0.55~0.60、0.60~0.65、0.65~0.70、0.70~0.75、0.75~0.80、0.80~0.85、0.85~0.90、0.90~0.91、0.91~0.92、0.92~0.93、0.93~0.94、0.94~0.95、0.95~0.96、0.96~0.97、0.97~0.98、0.98~0.99、0.99~1.0、1.0~1.1、1.1~1.2、1.2~1.3、1.3~1.4、1.4~1.5、1.5~1.6、1.6~1.7、1.7~1.8、1.8~1.9、1.9~2.0、0.5~0.75、0.75~1.0、0.75~1.25、1.0~1.25、1.25~1.5、又は0.5~1.5の分散性を有する。
【0292】
いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、標的組織への組成物の少なくとも25.0質量%~最大125質量%の送達用量を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、標的組織への組成物の少なくとも25.0質量%~最大80.0質量%の送達用量を有する。本明細書で使用される場合、「送達用量」という用語は、送達装置(例えば、吸入器)から排出され、かつ/又は標的組織に送達される組成物若しくはその活性成分(例えば、細菌調製物)の割合を指す。いくつかの実施形態では、送達装置における予想される用量(例えば、1.0mg)が、送達装置における実際の用量(例えば、1.25mg、例えば、過剰充填による)よりも少ない場合、及び予想される用量(例えば、>1.0mg、例えば、>100%)よりも大きいが、実際の用量(例えば、1.25mg、例えば、<125%)が標的組織に送達される場合、送達用量は100%よりも大きい場合がある。送達用量に影響を与える要因は、最終的に分散性、粉末密度、吸湿性、及び静電荷に関連する(例えば、これらの要因のいくつかは、他の要因よりも分散性に影響を与える)。非限定的な例として、高密度粒子は、予測不可能に飛散するか、大きすぎる可能性がある低密度粒子よりもエアロゾル化して飛散し得る。別の非限定的な例として、吸入器(例えば、DPI)が作動したときに、吸湿性が高すぎるために粉末の「流動性」又は粘着性をより低下させる賦形剤は、カプセルから出る粉末をより少なくする可能性がある。本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有するカプセルからの粉末の全てが、標的組織(例えば、肺胞)に到達することができるわけではないことが予想される。組成物の特定の部分は、カプセル内に留まるか、装置内に留まるか、又は舌又は食道に当たるため、送達されない可能性がある。いくつかの実施形態では、送達用量は、装置及びカプセルから出る、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の量を指す。
【0293】
送達用量は、送達システムを逃れて標的領域(複数可)に到達する粉末の質量%として測定され得る。放出用量は、実際のシステムで送達装置から逃れるものの優れた測定値である。その放出用量の含有量の均一性を測定して、投与装置から放出されるものが一貫していることを確実にすることができる。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、標的組織に対して細菌調製物の少なくとも60質量%の送達用量を有する。いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、送達装置(例えば、吸入器)から排出される及び/又は標的組織に送達される細菌調製物の少なくとも25質量%、少なくとも30質量%、少なくとも35質量%、少なくとも40質量%、少なくとも45質量%、少なくとも50質量%、少なくとも55質量%、少なくとも60質量%、少なくとも65質量%、少なくとも70質量%、少なくとも75質量%、少なくとも80質量%の送達用量を有する。
【0294】
いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.1g/cm3~0.8g/cm3のかさ密度を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.2g/cm3~0.8g/cm3のかさ密度を有する。本明細書で使用される場合、「かさ密度」は、材料の多くの粒子の質量を、それらが占有する総体積で割ったものとして定義され、総体積には、粒子体積、粒子間ボイド体積、及び内部細孔体積が含まれる。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.5g/cm3のかさ密度を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.1g/cm3、少なくとも0.2g/cm3、少なくとも0.3g/cm3、少なくとも0.4g/cm3、少なくとも0.5g/cm3、少なくとも0.6g/cm3、少なくとも0.7g/cm3、又は少なくとも0.8g/cm3のかさ密度を有する。
【0295】
いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.1g/cm3~1.0g/cm3のタップ密度を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.2g/cm3~1.0g/cm3のタップ密度を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.3g/cm3~1.0g/cm3のタップ密度を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.1g/cm3のタップ密度を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.3g/cm3のタップ密度を有する。本明細書で使用される場合、「タップ密度」とは、特定の圧縮プロセス(例えば、乾燥粒子の粉末を含有する容器の振動を伴う)後の粉末のかさ密度を指す。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.6g/cm3のタップ密度を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも0.1g/cm3、少なくとも0.2g/cm3、少なくとも0.3g/cm3、少なくとも0.4g/cm3、少なくとも0.5g/cm3、少なくとも0.6g/cm3、少なくとも0.7g/cm3、少なくとも0.8g/cm3、少なくとも0.9g/cm3、又は少なくとも1.0g/cm3のタップ密度を有する。
【0296】
いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも1.0重量%~7.0重量%の水の水分含有量を有する。本明細書で使用される場合、「水分含有量」は、割合(%)として測定される、生成物中に存在する水の量を指す。水分は、重量、密度、粘度、伝導性などを含む、物質の物理的特性に影響を与える可能性がある。水分含有量は、乾燥時の重量損失(乾燥時損失、LOD)によって決定され得る。いくつかの実施形態では、水分含有量は、Karl Fischer滴定を使用して測定される。Karl Fischerは、電量測定又は容量滴定を使用して、試料中の微量の水を決定する。Karl Fischer滴定における水の定量化を担う素反応は、ヨウ素による二酸化硫黄の酸化である:H2O+SO2+I2→SO3+2HI。この素反応は、ヨウ素と比較して正確に1モル当量の水を消費する。ヨウ素は、それが過剰に存在する(滴定のエンドポイントを示す)まで溶液に添加され、これは、電位差測定によって検出され得る。この反応は、生成された三酸化硫黄及びヨウ化水素酸を消費する塩基を含有するアルコール溶液中で実行される。エンドポイントは、最も一般的には、二電位差測定滴定法によって検出される。
【0297】
いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも1.0重量%の水の水分含有量を有する(例えば、Karl Fischerによって測定した場合)。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも2.5重量%の水の水分含有量を有する(例えば、Karl Fischerによって測定した場合)。いくつかの実施形態では、粒子は、最大2.5重量%の水の水分含有量を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも2.8重量%の水の水分含有量を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、最大2.8重量%の水の水分含有量を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7重量%の水の水分含有量を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、最大1重量%、最大1.5重量%、最大2重量%、最大2.5重量%、最大3重量%、最大3.5重量%、最大4重量%、最大4.5重量%、最大5重量%、最大5.5重量%、最大6重量%、最大6.5重量%、最大7重量%の水の水分含有量を有する。
【0298】
装置
一態様では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、吸入器などの送達装置と組み合わせられる。一態様では、(a)吸入器と、(b)本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器と、を含む、気管支肺送達のための吸入装置が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、吸入器は、(a)開口部を含むマウスピースと、(b)容器内で薬学的組成物をエアロゾル化又は分散させるための手段と、を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル化又は分散のための手段は、推進剤、加圧空気、ばね、又は別の圧力の化学的若しくは機械的生成を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、吸入器は、乾燥粉末吸入器(DPI)である。いくつかの実施形態では、吸入器は、定量噴霧式吸入器(MDI)である。いくつかの実施形態では、吸入器は、ソフトミスト吸入器(SMI)である。
【0299】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、エアロゾル化組成物として投与される。エアロゾル化は、何らかの物理的物質(例えば、固体)を、空気中で運ばれるのに十分に小さくて軽い粒子の形態に変換するプロセス又は行為である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物はまた、乾燥粉末の形態で気道に直接投与され得る。乾燥粉末として使用するために、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、吸入器の使用によって投与され得る。吸入器は、定量噴霧式吸入器(MDI)、乾燥粉末吸入器(DPI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)として利用可能であり得る携帯式ハンドヘルド装置である。
【0300】
定量噴霧式吸入器又は「MDI」は、液化推進剤に溶解された薬学的組成物又は液化推進剤に懸濁された微粒子化粒子などの生成物で充填された耐圧缶又は容器である。使用され得る推進剤には、クロロフルオロカーボン、炭化水素、又はヒドロフルオロアルカンが含まれる。特に好ましい推進剤は、P134a(テトラフルオロエタン)及びP227(ヘプタフルオロプロパン)であり、それらの各々は、単独で又は組み合わせて使用することができる。それらは、任意選択的に、1つ以上の他の推進剤、及び/又は1つ以上の界面活性剤、及び/又は1つ以上の他の賦形剤、例えば、エタノール、潤滑剤、抗酸化剤及び/又は安定化剤と組み合わせて使用される。定量噴霧式吸入器は、組成物の正しい投薬量を患者に送達することを可能にする。推進剤及び高圧は、一般に、細菌の生存率を維持するのに役立たないが、MDIは、非生存細菌(例えば、熱死滅細菌)、細菌抽出物、及び/又は細菌生成物を送達するために使用され得る。生存細菌を含む実施形態では、DPIは、MDIの代わりに使用され得る。
【0301】
乾燥粉末吸入器(すなわち、TURBUHALER(ASTRA AB))は、非常に小さい体積に圧縮された薬学的組成物の乾燥粉末粒子を生成するための加圧空気源とともに動作可能なシステムである。
【0302】
吸入療法のための乾燥粉末エアロゾルは、一般に、主に<5μmの範囲の平均直径で生成される。粒子の直径が3μmを超えるにつれて、マクロファージによる貪食がますます少なくなる。しかしながら、粒子サイズを増加させることはまた、中咽頭又は鼻領域における過剰な沈着に起因して、気道及び腺房に入る粒子(標準的な質量密度を有する)の確率を最小化することが見出されている。
【0303】
好適な粉末組成物としては、例示として、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の粉末調製物が、ラクトース、又は気管支内投与に許容される他の不活性粉末と完全に混合される。粉末組成物は、エアロゾルディスペンサーを介して投与されるか、又は患者によってカプセルを穿刺し、吸入に好適な安定した流れで粉末を吹き出す装置に挿入され得る壊れやすいカプセルに封入され得る。組成物は、推進剤、界面活性剤、及び共溶媒を含んでもよく、好適な計量バルブによって閉じられる従来のエアロゾル容器に充填され得る。
【0304】
ソフトミスト吸入器(SMI、例えば、Respimat(登録商標)Soft Mist(商標)吸入器)は、複数回用量の推進剤を含まない手持ちの液体吸入器である。SMIによって生成されるエアロゾルクラウドは、ほとんどの加圧定量噴霧式吸入器(pMDI)及び乾燥粉末吸入器(DPI)よりも高い割合のマイクロスフェアを含み、エアロゾルスプレーは、pMDIよりもゆっくりと長時間吸入器から排出される。これは、より高い肺への薬物沈着及びより低い中咽頭への沈着につながり、有効性を低下させることなく、送達された薬物のより低い公称用量を可能にする。いくつかの実施形態では、吸入器製剤は、推進剤を含まない。薬物は、SMI薬物カートリッジ(例えば、溶液が使用されると収縮する二重壁のプラスチック製の折りたたみ式バッグを含むアルミニウムシリンダー)に溶液として保管される。SMI溶液は、エタノール又は水、及び防腐剤(例えば、ベンザルコニウムクロリド又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA))を用いて製剤化され得る。各投与(例えば、パフ)における防腐剤の量は、ベンザルコニウムクロリドで約0.44μg、又はEDTAで約2.2μgであり得る。
【0305】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、鼻腔スプレー又はネブライザーを使用して投与される。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、鼻腔スプレーとして製剤化される。一態様では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、ネブライザーと組み合わせられる。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、吸入器による送達のために製剤化される。
【0306】
鼻腔スプレーは、典型的には、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む生理食塩水を含み、これは、機械的スプレーノズルを使用して鼻腔にミストとしてスプレーされる。ネブライザーは、本明細書に記載される液体噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を肺に吸入される細かいミストに変換する、電気又はバッテリー駆動の機械である。本明細書に記載の吸入器又はネブライザーは、マウスピース又はフェイスマスクを更に含み得る。鼻スプレーは、典型的には、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を上気道に投与し、一方、吸入器又はネブライザーは、典型的には、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を下気道に投与する。
【0307】
本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、エアロゾルの形態で、又は噴霧によって、対象の気道に直接投与され得る。エアロゾルとして使用するために、溶液又は懸濁液中の本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、従来のアジュバントを用いて、好適な推進剤(例えば、プロパン、ブタン、又はイソブタンなどの炭化水素推進剤)とともに加圧エアロゾル容器に包装され得る。本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、ネブライザー又はアトマイザーなどの非加圧形態でも投与され得る。
【0308】
「噴霧」という用語は、液体を微細なスプレーに還元することを含むことが周知である。好ましくは、そのような噴霧によって、均一なサイズの小さな液滴が、制御された様式でより大きな液体の粒から生成される。したがって、噴霧は、今日知られており市販されている多くのネブライザーを使用することを含む、任意の好適な手段によって達成され得る。例えば、イリノイ州ナイルズのInhalation Plastic,Inc.から入手可能なAEROMIST空気圧ネブライザー。活性成分が、ネブライザー(複数可)を介して一緒に又は個別にいずれかで投与されるように適合される場合、それらは、単位用量又は複数回用量装置のいずれかとして、好適なpH又は張度調整の有無にかかわらず、噴霧された水性懸濁液又は溶液の形態であり得る。活性薬学的成分を含有する噴霧溶液は、乳児又は青年の肺、並びに肺容量のより弱い患者にとても好適である。噴霧された溶液は、安定性の課題に直面し、投与中のエアロゾル化を防ぐ可能性があるサイズ制限がある。
【0309】
周知のように、任意の好適なガスを使用して、噴霧中に圧力を加えることができる。好ましいガスは、これまでのところ、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物に対して化学的に不活性であるガスである。例示的なガス(窒素、アルゴン、又はヘリウムを含むが、これらに限定されない)を、非常に有利に使用することができる。
【0310】
気道に送達するためのエアロゾルは、当該技術分野で既知である。例えば、Adjei,A.and Garren,J.Pharm.Res.,1:565-569(1990)、Zanen,P.and Lamm,J.-W.J.Int.J.Pharm.,114:111-115(1995)、Gonda,I.“Aerosols for delivery of therapeutic and diagnostic agents to the respiratory tract,” in Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,6:273-313(1990)、Anderson et al.,Am.Rev.Respir.Dis.,140:1317-1324(1989))を参照されたい。これはまた、ペプチド及びタンパク質の全身送達の可能性も秘めている(Patton and Platz,Advanced Drug Delivery Reviews,8:179-196(1992))、Timsina et.al.,Int.J.Pharm.,101:1-13(1995)、及びTansey,I.P.,Spray Technol.Market,4:26-29(1994)、French,D.L.,Edwards,D.A.and Niven,R.W.,Aerosol Sci.,27:769-783(1996)、Visser,J.,Powder Technology 58:1-10(1989))、Rudt,S.and R.H.Muller,J.Controlled Release,22:263-272(1992)、Tabata,Y,and Y.Ikada,Biomed.Mater.Res.,22:837-858(1988)、Wall,D.A.,Drug Delivery,2:10 1-20 1995)、Patton,J.and Platz,R.,Adv.Drug Del.Rev.,8:179-196(1992)、Bryon,P.,Adv.Drug.Del.Rev.,5:107-132(1990)、Patton,J.S.,et al.,Controlled Release,28:15 79-85(1994)、Damms,B.and Bains,W.,Nature Biotechnology(1996)、Niven,R.W.,et al.,Pharm.Res.,12(9)、1343-1349(1995)、及びKobayashi,S.,et al.,Pharm.Res.,13(1):80-83(1996)(これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0311】
噴霧乾燥方法
本明細書に記載されるのは、例えば、本明細書に記載される細菌調製物を含む、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法である。一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)細菌調製物を含む液体原料を調製することと、(b)液体原料の液滴を噴霧ノズルを介して乾燥チャンバに導入することと、(c)液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して乾燥粒子を生成することと、(d)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された乾燥粒子が、細菌調製物を含む、単離することと、を含む。
【0312】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)細菌調製物を含む液体原料を得ることと、(b)液体原料の液滴を噴霧ノズルを介して乾燥チャンバに導入することと、(c)液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して乾燥粒子を生成することと、(d)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された乾燥粒子が、細菌調製物を含む、単離することと、を含む。いくつかの実施形態では、細菌調製物を含む噴霧乾燥された薬学的組成物を調製する方法は、表6又は表7A~7Bに記載の条件のうちの少なくとも1つを使用して行われる。
【表6】
【表7A】
【表7B】
【0313】
上記の表6及び表7A~7Bに示された処理条件は、スプレーユニットの動作サイズにわたる例示的な範囲を提供する。例えば、より高い値のガス圧力及び流量は、フルスケール(すなわち、大規模)の生成ユニットに近い条件を表し、下端の値は、ベンチトップ又はラボスケール(すなわち、小規模)の処理ユニットに近い条件を表す。
【0314】
乾燥ガスの流量は、kg/時又はL/分のいずれかで表され得る。kg/時の値は、以下の式を使用して、L/分値から計算することができる:質量(kg/時)=[[空気の密度(g/L)/体積(L/分)]*(1kg/1000g)*(60分/1時)]、空気の密度は約1.225g/Lである(例えば、温度、高度などによってわずかに変化し得る)。例えば、600L/分は、44.1kg/時に相当する。L/分の値は、以下の式を使用して、kg/時値から計算することができる:体積(L/分)=[[質量(kg/時)/空気の密度(g/L)]*(1000g/1kg)*(1時間/60分)]。例えば、18kg/時は、245L/分に相当する。
【0315】
原料流量は、g/分又はmL/分で表すことができ、そのような流量は、液体原料の密度(例えば、g/mL)に応じて変換することができる。噴霧圧力は、psig、kPa、又は圧力の他の既知の単位(1psig=6.89475728kPa、345kPa=約50psig)で表すことができる。
【0316】
本明細書に記載の感度の高いバイオ治療剤を噴霧乾燥するために、標的処理条件は、3つの特徴について最適化される:(1)成分の生存率/活性/アッセイ、(2)粉末の流動性及び安定性、並びに(3)空気動力学的サイズ及び特性(噴霧乾燥粒子の例示的な特性については、例えば、表4及び表5を参照されたい)。
【0317】
成分の生存率を保護するために、粉末は、乾燥粉末が経験するであろう有効温度である可能な限り低い出口温度で噴霧乾燥される。乾燥中、蒸発冷却として知られている現象は、加熱された周囲と比較して、固体成分を比較的低温に保つ。粒子形成が完了すると、粒子は、室温と入口乾燥ガスの温度との間のある温度まで加熱される。この温度(噴霧乾燥チャンバの出口で測定される)を最小化する必要がある。反対方向に作用するのは、粉末の水分含有量であり、長期的な安定性及び物理的特性を改善するために最小化することもできる。しかしながら、同じ製剤のより高い出口温度は、典型的には、乾燥機粒子に起因する。これら2つのプロセス条件は、粒子の生存率を最大化し、水分含有量を最小化するように最適化することができる。更に、噴霧圧力を低下させることは、成分の生存率に有利であり、より高い圧力は、生きている生物及び感度の高い治療剤にストレスを与えるため、液滴を作製するために使用される噴霧圧力は、成分を保護するために合理的に可能な限り低く保つ必要がある。
【0318】
空気動力学的特性は、含まれる賦形剤、粒子密度、及び粒子サイズによって支配される。賦形剤は、分散性(例えば、ロイシンのようなアミノ酸などの賦形剤の添加によって)及び安定性(例えば、高いガラス転移温度、強く可溶性の糖、ポリオール、又はイオン塩の添加によって、例えば、本明細書に記載される安定剤の添加によって)を可能にするように選択することができる。分散性を高めるために薬剤を含めることはまた、流動性のようなバルク粉末特性を高め、カプセル充填プロセスをより効率的にする。
【0319】
噴霧乾燥中、粒子形成は2つの要因によって駆動される:(1)溶媒の蒸発率、及び(2)溶質の溶解度。Peclet数(Pe)と呼ばれる無次元数は、これらの2つの現象のうちのどれが噴霧乾燥チャンバ内の液滴乾燥プロセスを支配するかの指標を提供する。式VIII:
【数1】
【0320】
Peclet数が高いと、粒子は非常に低密度で、大きく、中空で、脆くなる傾向がある。これは、液滴の蒸発が(ほとんどのシステムで)液滴中心への溶質の移動を支配し、溶質の「シェル」を残すためである。形態は球状になる傾向がある。Peclet数が低いと、粒子が小さく高密度になる。溶質質量移動は、これらの固体がゆっくりと蒸発している液滴の中心に移動するにつれて、系を支配する。形態はしわくちゃになる傾向がある。
【0321】
多くの場合、高いプロセス温度は、より速い蒸発率をもたらす。プロセス温度が低いと、その逆になる傾向があり、その結果、高密度のしわくちゃな粒子が生じ、これが本発明者らの用途の目標形態となる。
【0322】
原料中の溶解した固体の量が少ないほど、溶質の拡散が速くなり、これはまた、小さく密でしわくちゃな粒子に寄与する。固体の量が多いと、溶質の拡散が起こり得る速度が制限されるが、より高い材料収率及び改善された処理に寄与する。
【0323】
原料の準備
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法は、例えば、細菌調製物を含む液体原料を調製することを含む。いくつかの実施形態では、液体原料を調製するステップは、固体原料を溶液に溶解することを含む。いくつかの実施形態では、液体原料を調製するステップは、固体原料を水溶液に溶解することを含む。ラボスケールでの最適な処理条件で、吸入細菌調製物製剤の調製に使用するための固体原料の一例は、以下の表8に見出すことができる。
【表8A】
【表8B】
【0324】
いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも3.5重量%の細菌調製物、少なくとも91.5重量%の賦形剤、及び少なくとも5重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも3.5重量%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも91.5重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも5重量%の安定剤を含む。
【0325】
いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも3.5重量%の細菌調製物、少なくとも45.75重量%の第1の賦形剤、少なくとも45.75重量%の第2の賦形剤、及び少なくとも5重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも45.75重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも45.75重量%の第2の賦形剤を含む。
【0326】
いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも3.5重量%の細菌調製物、少なくとも5重量%の賦形剤、及び少なくとも0.25重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも25重量%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも50重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも1重量%の安定剤を含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも3.5重量%の細菌調製物、少なくとも5重量%の第1の賦形剤、少なくとも5重量%の第2の賦形剤、及び少なくとも0.25重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも30重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも30重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも30重量%の第1の賦形剤、少なくとも30重量%の第2の賦形剤、及び少なくとも2.5重量%の第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、3つの賦形剤は、ロイシン、トレハロース、及び/又はクエン酸ナトリウムである。
【0328】
いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも1重量%~最大50重量%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも1重量%~最大5重量%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、又は少なくとも5重量%の細菌調製物を含む。
【0329】
いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも45重量%~最大95重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の賦形剤を含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも5重量%~60重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも5重量%~60重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも30重量%~60重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも30重量%~60重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも30重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも30重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%の第2の賦形剤を含む。
【0331】
いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも0.25重量%~最大10重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも0.5重量%~最大10重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、固体原料は、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、又は少なくとも10重量%の安定剤を含む。
【0332】
例示的な液体原料の配合を、以下の表9A~9Bに提供する。いくつかの実施形態では、この例示的な液体原料の配合は、3%w/wの固体、又は30g/Lの1000gの原料懸濁液である(すなわち、約1L、1mL当たり約1gと仮定。したがって、「1Lの液体原料」は、「1000gの液体原料」と互換的に使用され得る)。このような例示的な液体原料は、例えば、同じ又は実質的に同じ比率の構成成分を使用して、フルスケールの生成ユニットにスケールアップすることができる。
【表9A】
【表9B】
【0333】
いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも1.0g/Lの固体原料を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも1.0g/L~最大100g/Lの固体原料を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも25g/Lの固体原料を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも30g/Lの固体原料を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも1g/L、少なくとも2g/L、少なくとも3g/L、少なくとも4g/L、少なくとも5g/L、少なくとも6g/L、少なくとも7g/L、少なくとも8g/L、少なくとも9g/L、少なくとも10g/L、少なくとも20g/L、少なくとも30g/L、少なくとも40g/L、少なくとも50g/L、少なくとも60g/L、少なくとも70g/L、少なくとも80g/L、少なくとも90g/L、又は少なくとも100g/Lの固体原料を含む。
【0334】
いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも0.1%~最大10%の固体原料を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも1%の固体原料を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも3%の固体原料を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、水溶液に溶解された少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、若しくは少なくとも10%、又はそれ以上の固体原料を含む。
【0335】
いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも1.5gの賦形剤、(c)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は(d)少なくとも970gの水溶液を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも0.75gの第1の賦形剤、(c)少なくとも0.75gの第2の賦形剤、(d)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は(e)少なくとも970gの水溶液を含む。
【0336】
いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも0.5gの第1の賦形剤、(c)少なくとも0.5gの第2の賦形剤、(d)少なくとも0.5gの第3の賦形剤、(e)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は(f)少なくとも970gの水溶液を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも0.75gの第1の賦形剤、(c)少なくとも0.75gの第2の賦形剤、(d)少なくとも0.75gの第3の賦形剤、(e)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は(f)少なくとも970gの水溶液を含む。
【0337】
いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも27.45gの賦形剤、(c)少なくとも1.5gの安定剤、及び/又は(d)少なくとも970gの水溶液を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、(a)少なくとも1.050gの細菌調製物、(b)少なくとも13.725gの第1の賦形剤、(c)少なくとも13.725gの第2の賦形剤、(d)少なくとも1.5gの安定剤、及び/又は(e)少なくとも970gの水溶液を含む。
【0338】
いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.1g~最大15gの細菌調製物を含む(例えば、50%のAPI負荷を考慮して)。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.1g~最大10gの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも1gの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも1.05gの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも2gの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.1g、少なくとも0.2g、少なくとも0.3g、少なくとも0.4g、少なくとも0.5g、少なくとも0.6g、少なくとも0.7g、少なくとも0.8g、少なくとも0.9g、少なくとも1g、少なくとも2g、少なくとも3g、少なくとも4g、少なくとも5g、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、少なくとも9g、又は少なくとも10gの細菌調製物を含む。
【0339】
いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも10g~最大50gの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.75gの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも25gの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも20gの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも27.45gの賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも10g、少なくとも15g、少なくとも20g、少なくとも25g、少なくとも30g、少なくとも35g、少なくとも40g、少なくとも45g、又は少なくとも50gの賦形剤を含む。
【0340】
いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.75g~最大25gの第1の賦形剤、及び少なくとも0.75g~最大25gの第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.75g~最大25gの第1の賦形剤、少なくとも0.75g~最大25gの第2の賦形剤、及び少なくとも0.75g~最大25gの第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも5g~最大25gの第1の賦形剤、及び少なくとも5g~最大25gの第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも5g~最大25gの第1の賦形剤、少なくとも5g~最大25gの第2の賦形剤、及び少なくとも5g~最大25gの第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも9.840gの第1の賦形剤、及び少なくとも1.440gの第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも13.725gの第1の賦形剤、及び少なくとも13.725gの第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも5g、少なくとも10g、少なくとも15g、少なくとも20g、又は少なくとも25gの第1の賦形剤、及び少なくとも5g、少なくとも10g、少なくとも15g、少なくとも20g、又は少なくとも25gの第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも5g、少なくとも10g、少なくとも15g、少なくとも20g、又は少なくとも25gの第1の賦形剤、及び少なくとも5gの第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも5gの第1の賦形剤、及び少なくとも5g、少なくとも10g、少なくとも15g、少なくとも20g、又は少なくとも25gの第2の賦形剤を含む。
【0341】
いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.075g~最大10gの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.1g~最大10gの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.075gの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも1.5gの安定剤を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも0.075g、少なくとも0.1g、少なくとも0.2g、少なくとも0.3g、少なくとも0.4g、少なくとも0.5g、少なくとも0.6g、少なくとも0.7g、少なくとも0.8g、少なくとも0.9g、少なくとも1g、少なくとも2g、少なくとも3g、少なくとも4g、少なくとも5g、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、少なくとも9g、又は少なくとも10gの安定剤を含む。
【0342】
いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも750g~最大999gの水溶液を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも900g~最大999gの水溶液を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも750gの水溶液を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも970gの水溶液を含む。いくつかの実施形態では、1Lの液体原料は、少なくとも900g、少なくとも905g、少なくとも910g、少なくとも915g、少なくとも920g、少なくとも925g、少なくとも930g、少なくとも935g、少なくとも940g、少なくとも945g、少なくとも950g、少なくとも955g、少なくとも960g、少なくとも965g、少なくとも970g、少なくとも975g、少なくとも980g、少なくとも985g、少なくとも990g、少なくとも995g、又は少なくとも999gの水溶液を含む。
【0343】
いくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105%の細菌調製物、(b)少なくとも0.15%の賦形剤、(c)少なくとも0.0075%の安定剤、及び/又は(d)少なくとも97%の水溶液を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、(b)少なくとも0.075重量%の第1の賦形剤、(c)少なくとも0.075重量%の第2の賦形剤、(d)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は(e)少なくとも97重量%の水溶液を含む。
【0344】
いくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、(b)少なくとも0.05重量%の第1の賦形剤、(c)少なくとも0.05重量%の第2の賦形剤、(d)少なくとも0.05重量%の第3の賦形剤、(e)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は(f)少なくとも97重量%の水溶液を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、(b)少なくとも0.075重量%の第1の賦形剤、(c)少なくとも0.075重量%の第2の賦形剤、(d)少なくとも0.075重量%の第3の賦形剤、(e)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は(f)少なくとも97重量%の水溶液を含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105%の細菌調製物、(b)少なくとも2.745%の賦形剤、(c)少なくとも0.15%の安定剤、及び/又は(d)少なくとも97%の水溶液を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、(a)少なくとも0.105%重量%の細菌調製物、(b)少なくとも1.3725重量%の第1の賦形剤、(c)少なくとも1.3725重量%の第2の賦形剤、(d)少なくとも0.15重量%の安定剤、及び/又は(e)少なくとも97重量%の水溶液を含む。
【0346】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.01重量%~最大10%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.01重量%~最大1.0%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.105重量%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.01%、少なくとも0.02%、少なくとも0.03%、少なくとも0.04%、少なくとも0.05%、少なくとも0.06%、少なくとも0.07%、少なくとも0.08%、少なくとも0.09%、少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、又は少なくとも10重量%の細菌調製物を含む。
【0347】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1重量%~最大5重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.15重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、又は少なくとも5重量%の賦形剤を含む。
【0348】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.075重量%~最大2.5重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.075重量%~最大2.5重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.075重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.075重量%の第2の賦形剤を含む。
【0349】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1重量%~最大20重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1重量%~最大5重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも2.745重量%の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5重量%の賦形剤、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%を含む。
【0350】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.5重量%~最大2.5重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.5重量%~最大2.5重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1.3725重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも1.3725重量%の第2の賦形剤を含む。
【0351】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.075重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、若しくは少なくとも2.5重量%、又はそれ以上の第1の賦形剤、及び少なくとも0.075重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、若しくは少なくとも2.5重量%、又はそれ以上の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、若しくは少なくとも2.5重量%、又はそれ以上の第1の賦形剤、及び少なくとも0.5重量%の第2の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.5重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、若しくは少なくとも2.5重量%、又はそれ以上の第2の賦形剤を含む。
【0352】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.0075重量%~最大1.0%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.01重量%~最大1.0%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.15重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.0075重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.05重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.045重量%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも0.0075重量%、少なくとも0.01%、少なくとも0.02%、少なくとも0.03%、少なくとも0.04%、少なくとも0.05%、少なくとも0.06%、少なくとも0.07%、少なくとも0.08%、少なくとも0.09%、少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%、又はそれ以上の安定剤を含む。
【0353】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも75重量%~最大99.9重量%の水溶液を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも90重量%~最大99.9重量%の水溶液を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも97重量%の水溶液を含む。いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも91重量%、少なくとも92重量%、少なくとも93重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、99.5重量%以上、99.9重量%、又はそれ以上の水溶液を含む。
【0354】
いくつかの実施形態では、細菌調製物は、生存細菌又は非生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、細菌は、Carnobacterium、Lactiplantibacillus、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、Ligilactobacillus、Oenococcus、Leuconostoc、Pedicoccus、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Bifidobacterium、Propionibacterium、及びMoraxellaからなる群から選択される属に属する。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、又はLactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosusである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactobacillus acidophilusである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus及びLactobacillus acidophilusである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus及びLactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactobacillus acidophilus及びLactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、及びLactiplantibacillus plantarumである。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus LGG株である。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactiplantibacillus plantarum ATCC BAA-793(商標)である。いくつかの実施形態では、細菌は、Lactobacillus acidophilus ATCC 4356(商標)である。いくつかの実施形態では、細菌は、Lacticaseibacillus rhamnosus ATCC 53103(商標)である。いくつかの実施形態では、細菌は、乳酸菌(LAB)であり、すなわち、Lactobacillales目に属し、炭水化物発酵の主要な代謝最終生成物としての乳酸を生成する。
【0355】
いくつかの実施形態では、細菌は、非病原性である。いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも101コロニー形成単位/グラム(CFU/g)、少なくとも102CFU/g、少なくとも103CFU/g、少なくとも104CFU/g、少なくとも105CFU/g、少なくとも106CFU/g、少なくとも107CFU/g、少なくとも108CFU/g、少なくとも109CFU/g、少なくとも1010CFU/g、少なくとも1011CFU/g、又は少なくとも1012CFU/gの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも106コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも350×106コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する。
【0356】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)増殖培地、ゼラチン、ホエイ単離物、スイートホエイ、還元脱脂粉乳、マルトデキストリン、グルコオリゴ糖、ラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、イヌリン、カゼイン酸ナトリウム、ヤギミルク、牛乳、プロリン、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、グルタミン酸塩、グリシンベタイン、グリコーゲン、トレハロース、マンノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、デキストロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、ロイシン、トリロイシン、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、賦形剤は、ロイシン及び/又はトレハロースである。
【0357】
いくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート、ポロキサマー、又はポリビニルアルコールである。いくつかの実施形態では、安定剤は、ポリソルベート80である。
【0358】
いくつかの実施形態では、水溶液は、水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、水を含む。
【0359】
いくつかの実施形態では、液体原料は、少なくとも1つの追加の治療剤を更に含む。少なくとも1つの追加の治療剤の非限定的な例としては、本明細書に記載される抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、又は気管支拡張剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、細菌調製物及び少なくとも1つの追加の治療剤は、一緒に噴霧乾燥される。いくつかの実施形態では、細菌調製物及び少なくとも1つの追加の治療剤は、別々に噴霧乾燥される。
【0360】
噴霧
細菌調製物を含む組成物を噴霧乾燥する方法が本明細書に記載される。このような噴霧乾燥は、当該技術分野で既知の噴霧乾燥装置又は技術を使用して行うことができる。噴霧乾燥する方法は、当該技術分野で既知であり、限定されない。例えば、米国特許第7258873号、同第7378110号、同第8273374号、同第8293275号、同第9238005号、同第9044497号、米国特許公開第2013/0022728号、同第2014/0086965号、同第2018/0027855号を参照されたい(これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0361】
一態様では、噴霧乾燥された薬学的組成物を調製する方法は、(a)本明細書に記載される液体原料の液滴を噴霧ノズルを介して乾燥チャンバに導入することと、(b)液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して乾燥粒子を生成することと、(c)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された乾燥粒子が、細菌調製物を含む、単離することと、を含む。
【0362】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物を調製する方法は、本明細書に記載される液体原料の液滴を、噴霧ノズルを介して乾燥チャンバに導入することを含む。いくつかの実施形態では、乾燥チャンバへの噴霧ノズルは、少なくとも1.2mmの直径を有する。いくつかの市販のフルスケールノズルは、1.2mmよりもはるかに大きいノズル直径を有し得るが、はるかに高い噴霧圧力(例えば、150psig超)でスプレーして、本明細書に記載の理想的な液滴サイズ及び乾燥粒子特性を再現することができる。いくつかの実施形態では、乾燥チャンバへの噴霧ノズルは、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも1.5mm、少なくとも2mm、少なくとも2.5mm、少なくとも3mm、少なくとも3.5mm、少なくとも4mm、少なくとも4.5mm、又は少なくとも5mmの直径を有する。
【0363】
いくつかの実施形態では、乾燥チャンバへの噴霧ノズルによって生成された液体原料の液滴は、少なくとも1.5umの直径を有する。いくつかの実施形態では、乾燥チャンバへの噴霧ノズルによって生成された液体原料の液滴は、少なくとも3.5umの直径を有する。いくつかの実施形態では、乾燥チャンバへの噴霧ノズルによって生成された液体原料の液滴は、少なくとも0.5um、少なくとも1um、少なくとも1.5um、少なくとも2um、少なくとも2.5um、少なくとも3um、少なくとも3.5um、少なくとも4um、少なくとも4.5um、又は少なくとも5umの直径を有する。
【0364】
乾燥チャンバ
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物を調製する方法は、液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して、乾燥粒子を生成することを含む。
【0365】
いくつかの実施形態では、液体原料の液滴は、少なくとも0.5g/分の乾燥チャンバを通る流量を有する。いくつかの実施形態では、液体原料の液滴は、少なくとも5g/分の乾燥チャンバを通る流量を有する。いくつかの実施形態では、液体原料の液滴は、少なくとも15g/分の乾燥チャンバを通る流量を有する。いくつかの実施形態では、液体原料の液滴は、最大1000g/分の乾燥チャンバを通る流量を有する。いくつかの実施形態では、液体原料の液滴は、少なくとも0.5g/分、少なくとも1g/分、少なくとも2g/分、少なくとも3g/分、少なくとも4g/分、少なくとも5g/分、少なくとも10g/分、少なくとも15g/分、少なくとも20g/分、少なくとも25g/分、少なくとも30g/分、少なくとも35g/分、少なくとも40g/分、少なくとも45g/分、少なくとも50g/分、少なくとも60g/分、少なくとも70g/分、少なくとも80g/分、少なくとも90g/分、少なくとも100g/分、少なくとも200g/分、少なくとも300g/分、少なくとも400g/分、少なくとも500g/分、少なくとも600g/分、少なくとも700g/分、少なくとも800g/分、少なくとも900g/分、又は少なくとも1000g/分の乾燥チャンバを通る流量を有する。
【0366】
いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、乾燥チャンバに導入される前に濾過される。いくつかの実施形態では、フィルターは、高効率微粒子空気(HEPA)フィルターである。いくつかの実施形態では、フィルターは、少なくとも0.3umの汚染物質を除去する。いくつかの実施形態では、フィルターは、少なくとも0.01um、少なくとも0.02um、少なくとも0.03um、少なくとも0.04um、少なくとも0.05um、少なくとも0.06um、少なくとも0.07um、少なくとも0.08um、少なくとも0.09um、少なくとも0.1um、少なくとも0.2um、少なくとも0.3um、少なくとも0.4um、少なくとも0.5um、少なくとも0.6um、少なくとも0.7um、少なくとも0.8um、少なくとも0.9um、又は少なくとも1umの汚染物質を除去する。
【0367】
いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、乾燥チャンバに導入される前に加熱される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも100℃の温度で乾燥チャンバに導入される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも135℃の温度で乾燥チャンバに導入される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、最大195℃の温度で乾燥チャンバに導入される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、少なくとも125℃、少なくとも130℃、少なくとも135℃、少なくとも140℃、少なくとも145℃、少なくとも150℃、少なくとも155℃、少なくとも160℃、少なくとも165℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、少なくとも180℃、少なくとも185℃、少なくとも190℃、又は少なくとも195℃の温度で乾燥チャンバに導入される。
【0368】
いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも40℃の温度で乾燥チャンバから排出される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも48℃の温度で乾燥チャンバから排出される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも50℃の温度で乾燥チャンバから排出される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、最大50℃の温度で乾燥チャンバから排出される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも60℃の温度で乾燥チャンバから排出される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、最大60℃の温度で乾燥チャンバから排出される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、最大85℃の温度で乾燥チャンバから排出される。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、又は少なくとも85℃の温度で乾燥チャンバから排出される。
【0369】
いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、乾燥チャンバに導入される前に加圧される。いくつかの実施形態では、乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスは、1平方インチゲージ当たり少なくとも10ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する。いくつかの実施形態では、乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスは、1平方インチゲージ当たり少なくとも20ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する。いくつかの実施形態では、乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスは、1平方インチゲージ当たり少なくとも150ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する。いくつかの実施形態では、乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスは、少なくとも10psig、少なくとも20psig、少なくとも30psig、少なくとも40psig、少なくとも50psig、少なくとも60psig、少なくとも70psig、少なくとも80psig、少なくとも90psig、少なくとも100psig、少なくとも110psig、少なくとも120psig、少なくとも130psig、少なくとも140psig、少なくとも150psigの噴霧ガス圧力を有する。
【0370】
いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも5kg/時の乾燥チャンバを通る流量を有する。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも18kg/時の乾燥チャンバを通る流量を有する。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも44kg/時の乾燥チャンバを通る流量を有する。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも150kg/時の乾燥チャンバを通る流量を有する。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、少なくとも5kg/時、少なくとも6kg/時、少なくとも7kg/時、少なくとも8kg/時、少なくとも9kg/時、少なくとも10kg/時、少なくとも11kg/時、少なくとも12kg/時、少なくとも13kg/時、少なくとも14kg/時、少なくとも15kg/時、少なくとも16kg/時、少なくとも17kg/時、少なくとも18kg/時、少なくとも19kg/時、少なくとも20kg/時、少なくとも30kg/時、少なくとも40kg/時、少なくとも50kg/時、少なくとも60kg/時、少なくとも70kg/時、少なくとも80kg/時、少なくとも90kg/時、少なくとも100kg/時、少なくとも110kg/時、少なくとも120kg/時、少なくとも130kg/時、少なくとも140kg/時、少なくとも150kg/時の乾燥チャンバを通る流量を有する。
【0371】
噴霧乾燥は、原料の安定性及び乾燥機を一定時間実行するための可用性に応じて、バッチで行うことができる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥バッチは、1日8時間持続するが、製造業者によってはより長くなってもよい。この後、機器を清掃し、「新しい」機器を使用して別の実行のための準備をする。このバッチ時間は、乾燥チャンバのサイズに依存し、これにより、(乾燥ガスの流量と温度が一致するように長くすることができると仮定して)噴霧乾燥され得るスケールが決定される。いくつかの実施形態では、液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露するステップは、最大8時間、例えば、バッチサイクル当たり8時間かかる。
【0372】
いくつかの実施形態では、液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露するステップは、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、又は少なくとも24時間かかる。いくつかの実施形態では、液体原料液滴を乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露するステップは、最大1時間、最大2時間、最大3時間、最大4時間、最大5時間、最大6時間、最大7時間、最大8時間、最大9時間、最大10時間、最大11時間、最大12時間、最大18時間、又は最大24時間かかる。
【0373】
グラム/分の粉末生成速度を確立するために、これは、2つの値:1)原料中の質量濃度、及び2)乾燥チャンバへの原料の質量流量によって、乾燥チャンバへの固体の流量から変換することができる。
【0374】
サイクロンチャンバ
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物を調製する方法は、サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することを含む。いくつかの実施形態では、加熱加圧ガスは、サイクロンチャンバを通して排出される。
【0375】
いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内の所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離するステップが連続的に行われる。サイクロンチャンバ及びサイクロンチャンバの底部の収集容器に沈降する粉末は、連続的に沈降する。単離には必ずしも一定の時間がかかるわけではない。
【0376】
いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも1.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも2.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも1.0μm~最大10.0μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも2.3μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、約2.4μm~約2.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する(例えば、
図6を参照されたい)。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも4.0μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも4.2μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも5.0μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、少なくとも1μm、少なくとも1.5μm、少なくとも2μm、少なくとも2.5μm、少なくとも3μm、少なくとも3.5μm、最後に4.0μm、少なくとも4.5μm、少なくとも5.0μm、少なくとも5.5μm、少なくとも6.0μm、少なくとも6.5μm、少なくとも7.0μm、少なくとも7.5μm、少なくとも8.5μm少なくとも9μm、少なくとも9.5μm、又は少なくとも10μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。いくつかの実施形態では、サイクロンチャンバ内で単離された乾燥粒子は、最大1μm、最大1.5μm、最大2μm、最大2.5μm、最大3μm、最大3.5μm、最後に4.0μm、最大4.5μm、最大5.0μm、最大5.5μm、最大6.0μm、最大6.5μm、最大7.0μm、最大7.5μm、最大8.5μm、最大9μm、最大9.5μm、又は最大10μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する。
【0377】
生存細菌調製物を含むいくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、本明細書に記載される噴霧乾燥方法を使用して調製した後、少なくとも5%の細菌生存率を含む(例えば、
図5Bを参照されたい)。いくつかの実施形態では、生存率は、乾燥粒子を単離するステップの後に決定される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(又はその乾燥粒子)における生存率は、噴霧乾燥前の液体原料における生存細菌の数と比較される。実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、本明細書に記載される噴霧乾燥方法を使用して調製した後、少なくとも7.4%の細菌生存率を含む。実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、本明細書に記載される噴霧乾燥方法を使用して調製した後、少なくとも8.9%の細菌生存率を含む。実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、本明細書に記載される噴霧乾燥方法を使用して調製した後、少なくとも5%の細菌生存率を含む。実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、本明細書に記載される噴霧乾燥方法を使用して調製した後、少なくとも8.9%の細菌生存率を含む。
【0378】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、本明細書に記載される噴霧乾燥方法を使用して調製した後、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上の細菌生存率を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、本明細書に記載される噴霧乾燥方法を使用して調製した後、5%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、又は95%~100%の細菌生存率を含む。
【0379】
DPIを使用する投与を含むものなどの実施形態では、噴霧乾燥粒子は、それらを噴霧乾燥機のサイクロンチャンバから単離した後、カプセル化され得る(すなわち、カプセルにされ得る)。
【0380】
投与
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、気管支肺疾患を有する対象、又は気管支肺疾患を有すると診断された対象の治療に関する。いくつかの実施形態では、対象は、慢性気管支肺疾患を有するか、又はそれを有すると診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、感染性気管支肺疾患を有するか、又はそれを有すると診断されている。慢性気管支肺疾患を有する対象は、慢性気管支肺疾患を診断する現在の方法を使用して、医師によって特定され得る。これらの状態を特徴付けて診断を助ける慢性気管支肺疾患の症状及び/又は合併症は、当該技術分野で周知であり、息切れ、特に、身体活動中の息切れ、喘鳴、胸部圧迫感、粘液(痰)を生成し得る慢性咳嗽、頻繁な呼吸器感染症、エネルギーの欠如、意図しない体重減少、及び/又は足首、足、若しくは脚の腫脹が含まれるが、これらに限定されない。例えば、慢性気管支肺疾患の診断に役立ち得る検査としては、肺(lung)(肺(pulmonary))機能検査、胸部X線、肺CTスキャン、動脈血液ガス分析、及び/又は臨床検査(例えば、特定の慢性気管支肺疾患に関連する遺伝子シグネチャの遺伝子検査)が挙げられるが、これらに限定されない。慢性気管支肺疾患の家族歴、又は慢性気管支肺疾患の危険因子への曝露(例えば、刺激性ガス又は粒子状物質への長期曝露、例えば、タバコの煙への曝露)はまた、対象が慢性気管支肺疾患を有する可能性が高いかどうかを判断すること、又は慢性気管支肺疾患の診断を行うことに役立つ可能性がある。
【0381】
感染性気管支肺疾患を有する対象は、感染性気管支肺疾患を診断する現在の方法を使用して医師によって特定され得る。これらの状態を特徴付けて診断に役立つ感染性気管支肺疾患の症状及び/又は合併症は、当該技術分野で周知であり、呼吸又は咳をする際の胸痛、精神的意識の混乱若しくは変化(例えば、65歳以上の成人における)、痰が出る可能性がある咳、疲労、発熱、発汗及び寒気、通常よりも低い体温(例えば、65歳以上の成人又は免疫系が弱い人における)、吐き気、嘔吐若しくは下痢、並びに/又は息切れが含まれるが、これらに限定されない。例えば、感染性気管支肺疾患の診断に役立ち得る検査としては、血液検査、血液培養、オキシメトリー、動脈血液ガス、気管支鏡検査、経気管粘液培養、肺生検、胸腔穿刺、及び/又はコンピュータ断層撮影(CT)スキャンが挙げられるが、これらに限定されない。感染性気管支肺疾患の家族歴、又は感染性気管支肺疾患の危険因子への曝露(例えば、刺激性ガス又は粒子状物質への長期曝露、タバコの煙への曝露、自己免疫、アレルギー、喘息、妊娠)はまた、対象が感染性気管支肺疾患を有する可能性が高いかどうかを判断すること、又は感染性気管支肺疾患の診断を行うことに役立つ可能性がある。
【0382】
いくつかの実施形態では、対象は、気管支肺疾患と診断されているか、又はそれを発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、慢性気管支肺疾患と診断されているか、又はそれを発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、喘息、気管支拡張症、肺気腫、嚢胞性線維症(CF)、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸器疾患症候群(ARDS)、特発性肺線維症(IPF)、胸水(PE)、肺高血圧症(例えば、肺動脈性高血圧症、PAH)、間質性肺疾患(ILD)、及び珪肺症からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、肺がんは、小細胞肺がん(SCLC)又は非小細胞肺がん(NSCLC)である。
【0383】
いくつかの実施形態では、感染性気管支肺疾患は、以下から選択される感染因子によって引き起こされるか、又はそれに関連する:アデノウイルス、コロナウイルス(例えば、一般的な風邪ウイルス、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス1(SARS-CoV-1)、SARS-CoV-2、中東呼吸器症候群(MERS)CoV)、インフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザ)、パラインフルエンザウイルス、パルボウイルスB19(例えば、パルボウイルスB19、第5病)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ライノウイルス(例えば、一般的な風邪)、エンテロウイルス(例えば、EV-D68)、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、水痘ウイルス(例えば、水痘)、Corynebacterium diphtheriae(例えば、ジフテリア)、Haemophilus influenzae(例えば、B型)、Legionella pneumophila(例えば、レジオネラ病)、Bordetella pertussis(例えば、百日咳)、Mycobacterium tuberculosis(例えば、結核)、Streptococcus種(例えば、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes、例えば、肺炎)、Pseudomonas種(例えば、Pseudomonas aeruginosa、肺感染症、慢性再発性呼吸器感染症)、Escherichia coli(例えば、市中感染性肺炎)、Aspergillus種(例えば、Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、アスペルギルス症)、Cryptococcus種(例えば、Cryptococcus neoformans、Cryptococcus gattii、クリプトコッカス性肺炎)、並びにPneumocystis種(例えば、Pneumocystis jirovecii、ニューモシスチス症)。例えば、感染性気管支肺疾患の非限定的な例については、Dasaraju and Liu,“Chapter 93:Infections of the Respiratory System,”Medical Microbiology.4th edition(1996)を参照されたい。
【0384】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、肺がんである。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、喘息である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、気管支拡張症である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、肺気腫である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、嚢胞性線維症(CF)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、気管支肺異形成症(BPD)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、急性呼吸器疾患症候群(ARDS)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、特発性肺線維症(IPF)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、間質性肺疾患(ILD)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、胸水(PE)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、肺高血圧症(PAH)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、珪肺症である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、小細胞肺がん(SCLC)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、非小細胞肺がん(NSCLC)である。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、非嚢胞性線維症(CF)気管支拡張症である。
【0385】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥された薬学的組成物を対象に送達する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)気管支肺送達のための吸入装置であって、(i)吸入器、及び(ii)細菌調製物を含む噴霧乾燥された薬学的組成物を含有する容器を含む吸入装置を得ることと、(b)吸入器を活性化して、噴霧乾燥された薬学的組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、(c)エアロゾル化又は分散された噴霧乾燥された薬学的組成物を吸入することと、を含む。
【0386】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥された薬学的組成物を対象に送達する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)気管支肺送達のための吸入装置であって、(i)吸入器、及び(ii)本明細書に記載の噴霧乾燥された薬学的組成物を含有する容器を含む吸入装置を得ることと、(b)吸入器を活性化して、噴霧乾燥された薬学的組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、(c)エアロゾル化又は分散された噴霧乾燥された薬学的組成物を吸入することと、を含む。
【0387】
一態様では、細菌調製物を含む噴霧乾燥された薬学的組成物を対象に送達する方法が本明細書に記載され、本方法は、(a)本明細書に記載される吸入装置を得ることと、(b)吸入器を活性化して、噴霧乾燥された薬学的組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、(c)エアロゾル化又は分散された噴霧乾燥された薬学的組成物を吸入することと、を含む。
【0388】
いくつかの実施形態では、吸入器は、乾燥粉末吸入器(DPI)である。いくつかの実施形態では、吸入器は、定量噴霧式吸入器(MDI)である。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、吸入器は、ソフトミスト吸入器(SMI)である。いくつかの実施形態では、吸入器は、(a)開口部を含むマウスピースと、(b)容器内で噴霧乾燥された薬学的組成物をエアロゾル化又は分散させるための手段と、を含む。いくつかの実施形態では、吸入器は、少なくとも15L/分の吸入流量を有する。いくつかの実施形態では、吸入器は、少なくとも15L/分~最大60L/分の吸入流量を有する。いくつかの実施形態では、吸入器は、少なくとも15L/分~最大120L/分の吸入流量を有する。いくつかの実施形態では、吸入器は、少なくとも15L/分、少なくとも20L/分、少なくとも25L/分、少なくとも30L/分、少なくとも35L/分、少なくとも40L/分、少なくとも45L/分、少なくとも50L/分、少なくとも55L/分、少なくとも60L/分、少なくとも70L/分、少なくとも80L/分、少なくとも90L/分、少なくとも100L/分、少なくとも110L/分、又は最大120L/分の吸入流量を有する。
【0389】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物の少なくとも25質量%~最大125.0質量%が、標的気管支肺組織に送達される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物の少なくとも25質量%~最大80.0質量%が、標的気管支肺組織に送達される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物の少なくとも25質量%~最大100.0質量%が、標的気管支肺組織に送達される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物の少なくとも60.0質量%が、標的気管支肺組織に送達される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の少なくとも25質量%、少なくとも30質量%、少なくとも35質量%、少なくとも40質量%、少なくとも45質量%、少なくとも50質量%、少なくとも55質量%、少なくとも60質量%、少なくとも65質量%、少なくとも70質量%、少なくとも75質量%、少なくとも80質量%、少なくとも90質量%、少なくとも100質量%が、少なくとも110質量%、少なくとも120質量%、又は少なくとも125質量%が、標的気管支肺組織に送達される。
【0390】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物の少なくとも25質量%~最大125質量%が、吸入装置(例えば、吸入器)から排出される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物の少なくとも25質量%~最大80.0質量%が、吸入装置(例えば、吸入器)から排出される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物の少なくとも60.0質量%が、吸入装置(例えば、吸入器)から排出される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物の少なくとも25質量%、少なくとも30質量%、少なくとも35質量%、少なくとも40質量%、少なくとも45質量%、少なくとも50質量%、少なくとも55質量%、少なくとも60質量%、少なくとも65質量%、少なくとも70質量%、少なくとも75質量%、少なくとも80質量%、少なくとも90質量%、少なくとも100質量%が、少なくとも110質量%、少なくとも120質量%、又は少なくとも125質量%が、吸入装置(例えば、吸入器)から排出される。
【0391】
いくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、肺、気管、気管支、細気管支、又は肺胞である。いくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、肺である。いくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、気管である。いくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、気管支である。いくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、細気管支である。いくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、肺胞である。
【0392】
いくつかの実施形態では、乾燥粒子は、少なくとも0.5μm~最大10μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有し、これは、粒子が到達することができる気管支肺領域に影響を与え得る。約0.5um~約2.0umの粒子は、肺胞及び細気管支などの小気道に沈着し、これは治療上有用である。約2.0um~約10.0umの粒子は、気道の気管支領域に沈着し、これは治療上有用である。0.5um未満の粒子は、本質的に呼息されるが、これは治療上有用ではない。約10.0um超の粒子は、インパクションのために中咽頭領域及び喉頭に保持され、これは治療上有用ではない。例えば、Thakur et al.,Chapter 22:Mucoadhesive drug delivery systems in respiratory diseases,in Targeting Chronic Inflammatory Lung Diseases Using Advanced Drug Delivery Systems,2020,pp.475-491を参照されたい(その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0393】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥された薬学的組成物は、気管支肺組織から、心血管系又はリンパ系を介して遠位組織部位(すなわち、非肺組織)に送達される。心血管系又はリンパ系に細菌調製物(例えば、生きた又は生きていない細菌バイオ治療剤)を有することは、特に低用量では、必ずしも対象に有害ではない。例えば、研究は、血液が微生物シグネチャを示すことを示す。例えば、Castillo et al.,Front.Cell.Infect.Microbiol.,9:148,2019を参照されたい(その内容は、その全体が参照により組み込まれる)。いくつかの実施形態では、遠位組織部位(すなわち、非肺組織)は、胃腸系、心血管系、リンパ系、筋骨格系、神経系、泌尿器系、生殖系、内分泌系、又は外皮系にある。いくつかの実施形態では、遠位組織部位(すなわち、非肺組織)は、結合組織、上皮組織、筋肉組織、又は神経組織である。
【0394】
本明細書に記載の組成物及び方法は、気管支肺疾患(例えば、慢性気管支肺疾患)を有するか、又はそれを有すると診断されている対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、慢性気管支肺疾患の症状を緩和するために、有効量の本明細書に記載の組成物、例えば、本明細書に記載の噴霧乾燥された薬学的組成物(例えば、細菌調製物を含む)を対象に投与することを含む。本明細書で使用される場合、「慢性気管支肺疾患の症状を緩和すること」は、慢性気管支肺疾患に関連する任意の状態又は症状を改善することである。同等の未処置対照と比較して、そのような減少は、任意の標準的な技術によって測定した場合、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、99%、又はそれ以上である。
【0395】
他の投与経路と比較して、吸入は、多くの独自の利点を提供する(例えば、Borghardt et al.2018を参照されたく、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。吸入は、細菌調製物を肺組織に直接送達し、高い肺濃度及び低い全身濃度をもたらし、最小限の全身性の副作用を伴う。細菌調製物を含有する吸入製剤は、乾燥粉末吸入製剤を生成するための噴霧乾燥、噴霧可能製剤を生成するための配合、又は定量噴霧式吸入器での配合及び加圧を含む、いくつかの処理経路を介して生成することができる。これらの投与経路の各々は、利益を提供する。乾燥粉末製剤は、特定のサイズ分布を有する操作された粒子で構成され、正常な吸入能力を有する患者において、より正確に調整された肺沈着、空気動力学的特性、長期的な安定性、及び比較的容易な投与を可能にする。活性薬学的成分を含有する噴霧溶液は、乳児又は青年の肺、並びに肺容量のより弱い患者にとても好適である。噴霧された溶液は、安定性の課題に直面し、投与中のエアロゾル化を防ぐ可能性があるサイズ制限がある。
【0396】
定量噴霧式吸入器は、気管支拡張剤及び吸入コルチコステロイドの市場で一般的であるが、典型的には、効果的に機能するために加圧容器及び化学推進剤を必要とする。これらの推進剤のいくつかは、未知の副作用を有し、薬物含有溶液に対する持続的な圧力は、特に、より感度の高いバイオ治療剤を用いて製剤化する場合、安定性の課題を有し得る。推進剤及び高圧は、一般に、細菌の生存率を維持するのに役立たないが、MDIを使用して、非生存細菌(例えば、熱死滅細菌)、細菌抽出物、及び/又は細菌生成物を送達することができる。
【0397】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、疾患又は障害の少なくとも1つ以上の症状を緩和するために必要な、本明細書に記載される噴霧乾燥された薬学的組成物(例えば、細菌調製物を含む)の量を指し、所望の効果を提供するのに十分な量の薬理学的組成物に関する。したがって、「治療有効量」という用語は、典型的な対象に投与された場合、特定の気管支肺疾患に対する効果を提供するのに十分である、本明細書に記載される噴霧乾燥された薬学的組成物(例えば、細菌調製物を含む)の量を指す。様々な文脈において、本明細書で使用される有効量はまた、疾患の症状の発症を遅らせる、症状の疾患の経過を変化させる(例えば、限定されないが、疾患の症状の進行を遅らせる)、又は疾患の症状を回復させるのに十分な量を含むであろう。したがって、一般に、正確な「有効量」を指定することは現実的ではない。しかしながら、いかなる場合でも、適切な「有効量」は、日常的な実験のみを使用して、当業者によって決定され得る。
【0398】
いくつかの実施形態では、有効量の本明細書に記載の噴霧乾燥された吸入可能なバイオ治療剤は、投与された細菌が体内のどこに移動及び/若しくは沈着するかを決定するための生体内分布及び/若しくは移行研究、細菌がどれくらい速く標的組織から除去されるか、及び細菌が標的組織に生着若しくは定着するかどうかに関する動態研究、並びに/又は細菌由来の副産物の結果としての(例えば、対象の)代謝出力の変化を評価するための研究を使用して決定することができる。有効な量、毒性、及び治療効果はまた、例えば、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)及びED50(集団の50%に対して治療的に有効な用量)を決定することを含む、細胞培養物又は実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され得る。投薬量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じて変動し得る。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指標であり、それは、比LD50/ED50として表すことができる。高い治療指数を示す組成物及び方法が好ましい。治療的に有効な用量は、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。また、用量は、細胞培養で決定されるIC50(すなわち、症状の半最大阻害を達成する、投与された細菌によって生成された代謝産物の濃度)を含む循環血漿中濃度範囲を達成するために、動物モデルで製剤化されてもよい。高性能液体クロマトグラフィーによって、血漿中のレベル(例えば、投与された細菌によって生成された代謝産物(複数可)のレベル)を測定することができる。任意の特定の投薬量の効果は、適切なバイオアッセイ、例えば、とりわけ、pH又はアポトーシスのアッセイによって監視することができる。投薬量は、医師によって決定され、必要に応じて、治療の観察された効果に合わせて調整することができる。
【0399】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(例えば、細菌調製物を含む)は、単剤療法として投与され、例えば、慢性気管支肺疾患のための別の治療は、対象に投与されない。
【0400】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、例えば、併用療法の一部として、第2の薬剤及び/又は治療を対象に投与することを更に含み得る。第2の薬剤及び/又は治療の非限定的な例としては、以下からなる群から選択されるがん療法が挙げられ得る:放射線療法、手術、ゲムシタビン、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン、ボルテゾミブ、AMG479、ボリノスタット、リツキシマブ、テモゾロミド、ラパマイシン、ABT-737、PI-103、チオテパ及びCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミドなどのアルキル化剤、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなどのアルキルスルホネート、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパなどのアジリジン、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチロールメラミンを含むエチレンイミン及びメチルメラミン、アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン)、カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む)、ブリオスタチン、カリスタチン、CC-1065(アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン合成類似体を含む)、クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8)、ドラスタチン、デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189及びCB1-TM1を含む)、エリュテロビン、パンクラチスタチン、サルコディクチン、スポンジスタチン、ナイトロジェンマスタード、例えばクロランブシル、クロルナファジン、クロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチンなどのニトロソウレア、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1I及びカリケアマイシンオメガI1)などの抗生物質(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed.Engl.,33:183-186(1994)を参照されたい)、ダイネミシン(ダイネミシンAを含む)、クロドロン酸塩などのビスホスホネート、エスペラマイシン、並びにネオカルジノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体、カルステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤、フロリン酸などの葉酸補充剤、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルラシル、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキサート、デフォファミン、デメコルシン、ジアジクオン、エルホルミチン、エリプチニウム酢酸塩、エポチロン、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシ尿素、レンチナン、ロニダイニン、マイタンシン及びアンサマイトシンなどのマイタンシノイド、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダンモール、ニトラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、Eugene,Oreg.)、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフラン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン、トリコテセン(特に、T-2毒素、ベラクリンA、ロリジンA、アンギジン)、ウレタン、ビンデシン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノシド(「Ara-C」)、シクロホスファミド、チオテパ、タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(登録商標)クレモフォール不含、アルブミン操作されたパクリタキセルのナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Ill.)、及びTAXOTERE(登録商標)ドキセタキセル(Rhone-Poulenc Rorer,Antony,France)、クロランブシル、GEMZAR(登録商標)ゲムシタビン、6-チオグアニン、メルカプトプリン、メトトレキサート、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチンなどの白金類似体、ビンブラスチン、白金、エトポシド(VP-16)、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキサート、ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロン酸塩、イリノテカン(カンプトサール、CPT-11)(5-FU及びロイコボリンを用いたイリノテカンの治療レジメンを含む)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイン酸などのレチノイド、カペシタビン、コンブレタスタチン、ロイコボリン(LV)、オキサリプラチン治療レジメン(FOLFOX)を含むオキサリプラチン、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、細胞増殖を減少させるPKC-アルファ、Raf、H-Ras、EGFR(例えば、エルロチニブ(Tarceva(登録商標)))及びVEGF-Aの阻害剤、並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体。
【0401】
当業者は、使用する化学療法剤を容易に特定することができる(例えば、Physicians’ Cancer Chemotherapy Drug Manual 2014,Edward Chu,Vincent T.,DeVita Jr.,Jones&Bartlett Learning、Principles of Cancer Therapy,Chapter 85 in Harrison’s Principles of Internal Medicine,18th edition、Therapeutic Targeting of Cancer Cells:Era of Molecularly Targeted Agents and Cancer Pharmacology,Chs.28-29 in Abeloff’s Clinical Oncology,2013 Elsevier、及びFischer D S(ed):The Cancer Chemotherapy Handbook,4th ed.St.Louis,Mosby-Year Book,2003を参照されたい)。更に、治療方法は、放射線の使用又は放射線療法を更に含み得る。更に、治療方法は、外科的治療の使用を更に含み得る。
【0402】
本明細書に記載の方法は、例えば、併用療法の一部として、第2の薬剤及び/又は治療を対象に投与することを更に含み得る。非限定的な例として、対象が本明細書に記載の方法に従って疼痛又は炎症について治療される場合、対象はまた、疼痛又は炎症に罹患している対象に有益であることが知られている第2の薬剤及び/又は治療を投与され得る。このような薬剤及び/又は治療の例としては、非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン、イブプロフェン、又はナプロキセンなどのNSAID)、グルココルチコイド(例えば、コルチゾール、プレドニゾロン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、及びベクロメタゾン)を含むコルチコステロイド、メトトレキサート、スルファサラジン、レフルノミド、抗TNF薬、シクロホスファミド、炎症収束薬、ミコフェノール酸、又はオピエート(例えば、エンケファリン、及びダイノルフィン)、ステロイド、鎮痛剤、バルビツール酸塩、オキシコドン、モルヒネ、リドカインなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0403】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、慢性気管支肺障害に対する少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入と同時投与される。
【0404】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、禁煙、気管支拡張剤、吸入ステロイド、経口ステロイド、ロフルミラスト(DALIRESP、ホスホジエステラーゼ-4阻害剤)、テオフィリン(ELIXOPHYLLIN、THEO-24、THEOCHRON)、抗生物質、酸素療法、呼吸リハビリテーション(例えば、教育、呼吸訓練、栄養アドバイス、及び/又はカウンセリング)、在宅非侵襲的換気療法(例えば、バイレベル気道陽圧(BiPAP))、及び/又は手術(例えば、肺容量減少術、肺嚢胞切除、又は肺移植)である。
【0405】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、肺がんであり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、手術(例えば、楔状切除、区域切除、肺葉切除、又は肺切除)、放射線療法、化学療法、体幹部定位放射線療法、遺伝子標的化薬物療法、又は免疫療法である。
【0406】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、喘息であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、気管支拡張剤、吸入コルチコステロイド(例えば、プロピオン酸フルチカゾン(FLOVENT HFA、FLOVENT DISKUS、XHANCE)、ブデソニド(PULMICORT FLEXHALER、PULMICORT RESPULES、RHINOCORT)、シクレソニド(ALVESCO)、ベクロメタゾン(QVAR REDIHALER)、モメタゾン(ASMANEX HFA、ASMANEX TWISTHALER)、及びフロ酸フルチカゾン(ARNUITY ELLIPTA)、ロイコトリエン修飾剤。(例えば、モンテルカスト(SINGULAIR)、ザフィルルカスト(ACCOLATE)及びジロートン(ZYFLO)、長時間作用性ベータアゴニスト及びコルチコステロイド(例えば、フルチカゾン-サルメテロール(ADVAIR HFA、AIRDUO DIGIHALER)、ブデソニド-ホルモテロール(SYMBICORT)、ホルモテロール-モメタゾン(DULERA)及びフロ酸フルチカゾン-ビランテロール(BREO ELLIPTA)、テオフィリン(ELIXOPHYLLIN、THEO-24、THEOCHRON)、短時間作用性ベータアゴニスト(例えば、アルブテロール(PROAIR HFA、VENTOLIN HFA)及びレブアルブテロール(XOPENEX、XOPENEX HFA)、抗コリン剤(例、イプラトロピウム(ATROVENT HFA)及びチオトロピウム(SPIRIVA、SPIRIVA RESPIMAT)、経口及び静脈内コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン(PREDNISONE INTENSOL、RAYOS)及びメチルプレドニゾロン(MEDROL、DEPO-MEDROL、SOLU-MEDROL))、アレルギー注射(例えば、免疫系反応を徐々に軽減するための特定のアレルゲンの注射)、アレルギー生物学的製剤(例えば、オマリズマブ(XOLAIR)、メポリズマブ(NUCALA)、デュピルマブ(DUPIXENT)、レスリズマブ(CINQAIR)又はベンラリズマブ(FASENRA))、又は気管支サーモプラスティである。
【0407】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、気管支拡張症であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、抗生物質、マクロライド、粘液希釈薬(例えば、グアイフェネシン(MUCINEX))、気道クリアランス装置(例えば、陽性呼気圧(PEP)装置、パーカッシブベストなどのパーカッシブ、ウェアラブル装置)、又は胸部理学療法(例えば、胸部クラッピング)である。
【0408】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、肺気腫であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、気管支拡張剤、吸入ステロイド、抗生物質、呼吸リハビリテーション(例えば、呼吸訓練)、栄養療法、酸素補充、禁煙、又は手術(例えば、肺容量減少術、肺移植)である。
【0409】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、嚢胞性線維症(CF)であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、嚢胞性線維症膜貫通伝導調節因子(CFTR)調節因子(例えば、エレキサカフトル、イバカフトル、及びテザカフトルを含有する併用薬(TRIKAFTA)、テザカフトル及びイバカフトルを含有する併用薬(SYMDEKO)、ルマカフトルとイバカフトルを含有する併用薬(ORKAMBI)、イバカフトル(KALYDECO)、気道クリアランス装置(例えば、陽性呼気圧(PEP)装置、パーカッシブベストなどのパーカッシブウェアラブル装置)、胸部理学療法(例えば、胸部クラッピング)、呼吸リハビリテーション(例えば、呼吸訓練)、鼻及び副鼻腔手術、酸素療法、非侵襲的換気、栄養管、腸管手術、肺移植、あるいは肝臓移植である。
【0410】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、気管支肺異形成症(BPD)であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、気道感染症を予防又は軽減するための利尿剤(例えば、肺胞内及びその周囲の体液の量を減少させる)、気管支拡張剤、コルチコステロイド、心臓薬、又は呼吸器合胞体ウイルス(RSV)免疫である。
【0411】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、急性呼吸器疾患症候群(ARDS)であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、酸素補充、機械的換気、静脈内輸液、禁煙、抗生物質、鎮痛剤、抗炎症剤、血液希釈剤、胃逆流薬(例えば、エソメプラゾール(NEXIUM))、又は鎮静剤である。
【0412】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、特発性肺線維症(IPF)であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、抗線維化剤(例えば、ニンテダニブ(OFEV)又はピルフェニドン(ESBRIET))、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)、免疫抑制薬(例えば、アザチオプリン(IMURAN)、シクロホスファミド(CYTOXAN)、又はミコフェノール酸モフェチル(CELLCEPT))、経口又はスプレー抗酸化剤(例えば、N-アセチルシステイン、NAC(MUCOMYST))、酸素療法、又は呼吸リハビリテーション(例えば、呼吸訓練)である。
【0413】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、間質性肺疾患(ILD)であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)、免疫抑制剤、ピルフェニドン(ESBRIET)若しくはニンテダニブ(OFEV)などの特発性肺線維症の進行を遅らせる薬物、例えば、特発性肺線維症を有する人の大部分に影響を及ぼす胃食道逆流症(GERD)の症状に対するランソプラゾール(PREVACID 24HR)、オメプラゾール(Prilosec OTC)、若しくはパントプラゾール(PROTONIX)などのH-2受容体拮抗剤若しくはプロトンポンプ阻害剤、酸素療法、呼吸リハビリテーション、及び/又は肺移植などの手術である。
【0414】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、胸水(PE)であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、利尿剤、化学療法、放射線療法、治療的胸腔穿刺、胸腔ドレナージ、硬化剤(例えば、タルク、ドキシサイクリン、及びテトラサイクリン)、並びに/又はビデオ補助胸腔鏡手術(VATS)若しくは開胸術などの手術である。
【0415】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、肺高血圧症(PAH)であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、血管拡張剤、リオシグアト(ADEMPAS)などのグアニル酸シクラーゼ(GSC)刺激薬、ボセンタン(TRACLEER)、マシテンタン(OPSUMIT)、若しくはアンブリセンタン(LETAIRIS)などのエンドセリン受容体拮抗薬、シルデナフィル(REVATIO、VIAGRA)若しくはタダラフィル(ADCIRCA、CIALIS、ALYQ)などのホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、アムロジピン(NORVASC)、ジルチアゼム(CARDIZEM、TIAZAC)、若しくはニフェジピン(PROCARDIA)などのカルシウムチャネル遮断薬、ワルファリン(JANTOVEN)などの抗凝固薬、ジゴキシン(LANOXIN)、利尿剤、酸素療法、並びに/又は心房中隔裂開術、肺移植、若しくは心肺移植などの手術である。
【0416】
いくつかの実施形態では、慢性気管支肺障害は、珪肺症であり、少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、気管支拡張剤、禁煙、酸素補充、呼吸リハビリテーション、及び/又は肺移植などの手術である。
【0417】
いくつかの実施形態では、感染性気管支肺障害のための少なくとも1つの追加の治療的処置又は治療的介入は、抗ウイルス剤、抗生物質、又は抗真菌剤、例えば、上に列挙されている非限定的な例である。
【0418】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、例えば、併用療法の一部として、抗生物質を対象に投与することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、抗生物質は、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の投与前、投与中、又は投与後に投与される。いくつかの実施形態では、抗生物質は、例えば、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の細菌が標的組織で増殖及び/又は定着できるようにするために、標的組織で自然に増殖する細菌を死滅させるか、又はその増殖を減少させるために投与される。いくつかの実施形態では、抗生物質は、例えば、十分な時間後又はそのような細菌の増殖後、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物由来の細菌を死滅させるか、又はその増殖を減少させるために投与される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物由来の細菌は、投与される抗生物質に耐性である(例えば、抗生物質が標的組織の天然の細菌を死滅させるか、又はその増殖を減少させるために投与される場合)。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物由来の細菌は、(例えば、抗生物質が、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物由来の細菌を死滅させるか、又はその増殖を減少させるために投与される場合)投与された抗生物質に耐性がない(すなわち、感受性である)。
【0419】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗生物質は、アミカシン、アズトレオナム、セフェピム、セフォキシチン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、メトロニダゾール、トリム/スルファ、トリメトプリム、バンコマイシン、広域スペクトルβ-ラクタマーゼ(ESBL)プラゾマイシン、ホスホマイシン、セフタジジム、又はオフロキサシンから選択される。
【0420】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗菌剤は、アミノグリコシド、アンサマイシン、ベータ-ラクタム、ビス-ビグアニド、カルバセフェム、カルバペネム、カチオン性ポリペプチド、セファロスポリン、フルオロキノロン、グリコペプチド、鉄隔離グリコタンパク質、リノサミド、リポペプチド、マクロライド、モノバクタム、ニトロフラン、オキサゾリジノン、ペニシリン、ポリペプチド、四級アンモニウム化合物、キノロン、銀化合物、スルホンアミド、及びテトラサイクリンから選択され得る。
【0421】
いくつかの例示的な抗生物質としては、広範囲ペニシリン、アモキシシリン(例えば、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリンインダニル、メズロシリン、ピペラシリン、チカルシリン)、ペニシリン及びベータラクタマーゼ阻害剤(例えば、アモキシシリン-クラブラン酸、アンピシリン-スルバクタム、ベンジルペニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリンタゾバクタム、チカルシリンクラブラン酸、ナフシリン)、セファロスポリン(例えば、第一世代セファロスポリン、セファドロキシル、セファゾリン、セファレキシン、セファロチン、セファピリン、セフラジン)、第二世代セファロスポリン(例えば、セファクロル、セファマンドール、セフォニシド、セフォテタン、セフォキシチン、セフプロジル、セフメタゾール、セフロキシム、ロラカルベフ)、第三世代セファロスポリン(例えば、セフジニル、セフチブテン、セフォペラゾン、セフィキシム、セフォタキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン)、第四世代セファロスポリン(例えば、セフェピム)、マクロライド及びリンコサミド(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、リンコマイシン、トロレアンドマイシン)、キノロン及びフルオロキノロン(例えば、シノキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、オキソリン酸、ゲミフロキサシン、ペルフロキサシン)、カルバペネム(例えば、イミペネム-シラスタチン、メロペネム)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム)、アミノグリコシド(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン)、グリコペプチド(例えば、テイコプラニン、バンコマイシン)、テトラサイクリン(例えば、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン)、スルホンアミド(例えば、マフェニド、スルファジアジン銀、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、スルファメチゾール)、リファンピン(例えば、リファブチン、リファンピン、リファペンチン)、オキサゾリジノン(例えば、リネゾリド、ストレプトグラミン、キヌプリスチンダルホプリスチン)、バシトラシン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、イソニアジド、メテナミン、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、ニトロフラゾン、ノボビオシン、ポリミキシン、スペクチノマイシン、トリメトプリム、コリスチン、サイクロセリン、カプレオマイシン、エチオナミド、ピラジンアミド、パラアミノサリチル酸、エリスロマイシンエチルコハク酸塩などが挙げられる。
【0422】
特定の実施形態では、有効用量の本明細書に記載される細菌調製物を含む組成物は、患者に1回投与され得る。特定の実施形態では、有効用量の細菌調製物を含む組成物は、患者に繰り返し投与され得る。全身投与の場合、対象に、治療量の細菌調製物を含む組成物、例えば、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、又はそれ以上を投与することができる。
【0423】
いくつかの実施形態では、初期治療レジメンの後、治療は、より少ない頻度で投与され得る。例えば、3ヶ月間の隔週の処置後、処置は、月に1回、6ヶ月又は1年以上にわたって繰り返すことができる。本明細書に記載の方法による治療は、慢性気管支肺疾患のマーカー又は症状のレベルを、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、若しくは少なくとも90%、又はそれ以上減少させることができる。
【0424】
本明細書に記載される組成物の投薬量は、医師によって決定され、観察された治療効果に合わせて必要に応じて調整され得る。治療の期間及び頻度に関して、熟練した臨床医は、治療が治療上の利益を提供しているときを決定し、投薬量を増加若しくは減少させるか、投与頻度を増加若しくは減少させるか、治療を中止するか、治療を再開するか、又は治療レジメンに他の変更を加えるかを決定するために、対象を監視することが典型的である。投薬スケジュールは、細菌調製物に対する対象の感受性などのいくつかの臨床要因に応じて、週1回から1日1回まで変化させてもよい。所望の用量又は量は、一度に投与されるか、又はサブ用量(例えば、2~4回のサブ用量)に分割され、一定期間にわたって、例えば、1日を通して適切な間隔で又は他の適切なスケジュールで投与され得る。いくつかの実施形態では、投与は、慢性、例えば、数週間又は数ヶ月の期間にわたって毎日1回以上の用量及び/又は治療であり得る。投薬及び/又は治療スケジュールの例は、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、若しくは6ヶ月、又はそれ以上の期間にわたって、1日1回、1日2回、1日3回、若しくは1日4回、又はそれ以上投与することである。細菌調製物を含む組成物は、一定期間にわたって(例えば、5分間、10分間、15分間、20分間、又は25分間にわたって)投与され得る。
【0425】
本明細書に記載の方法による噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(例えば、細菌調製物を含む)の投与の投薬量範囲は、例えば、細菌調製物の形態、その効力、及び本明細書に記載の状態の症状、マーカー、又は指標が低減することが望まれる程度に依存する。投薬量は、感染症又は敗血症などの有害な副作用を引き起こすほどに大きいものであってはならない。一般に、投薬量は、患者の年齢、状態、及び性別によって変化し、当業者によって決定され得る。投薬量はまた、個別の医師によって、いずれかの合併症が発生した場合に調整され得る。
【0426】
例えば、本明細書に記載の状態の治療における噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(例えば、細菌調製物を含む)の有効性は、熟練した臨床医によって決定され得る。しかしながら、本明細書に記載される状態の兆候若しくは症状のうちの1つ以上が有益な様式で変化し、他の臨床的に認められた症状が改善若しくは更には寛解する場合、又は、例えば、本明細書に記載の方法による治療後に、所望の応答が少なくとも10%誘導される場合、治療は、本明細書で使用される用語としての「効果的な治療」とみなされる。有効性は、例えば、マーカー、指標、症状、及び/又は本明細書に記載の方法若しくは適切な任意の他の測定可能なパラメータに従って治療される状態の発生を測定することによって評価することができる。有効性は、入院によって評価される個体の悪化の失敗、又は医療介入の必要性(すなわち、病気の進行が停止する)によって測定することもできる。これらの指標を測定する方法は、当業者に既知であり、かつ/又は本明細書に記載されている。治療には、個体又は動物(いくつかの非限定的な例は、ヒト又は動物を含む)における疾患の任意の治療が含まれ、(1)疾患を抑制すること、例えば、症状の悪化を防ぐこと、又は(2)疾患の重症度を軽減すること、例えば、症状の退行を引き起こすこと、が含まれる。疾患の治療のための有効量とは、それを必要とする対象に投与された場合、その疾患に対して、その用語が本明細書で定義される効果的な治療をもたらすのに十分である量を意味する。薬剤の有効性は、状態又は所望の応答の物理的指標を評価することによって決定することができる。そのようなパラメータのうちのいずれか1つ、又はパラメータの任意の組み合わせを測定することによって、投与及び/又は治療の有効性を監視することは、当業者の能力の範囲内である。有効性は、本明細書に記載の状態、例えば、気管支肺異形成症(COPD)、肺がん、喘息、気管支拡張症、肺気腫、嚢胞性線維症(CF)、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸器疾患症候群(ARDS)、又は特発性肺線維症(IPF)の治療の動物モデルで評価することができる。実験動物モデルを使用する場合、治療の有効性は、マーカーの統計的に有意な変化が観察されるときに証明される。
【0427】
インビトロアッセイ及び動物モデルアッセイは、所与の用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(例えば、細菌調製物を含む)の評価を可能にする。非限定的な例として、ある用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(例えば、細菌調製物を含む)の効果は、肺上皮細胞のディスバイオシスモデル、ディスバイオシスのマウスモデル、又はA549非小細胞肺がん(NSCLC)腺がん細胞において評価することができる。
【0428】
治療方法
本明細書に記載の組成物は、それを必要とする対象に、例えば、気管支肺疾患(慢性気管支肺疾患を含むが、これに限定されない)の治療のために投与され得る。いくつかの実施形態では、治療方法は、本明細書に記載の組成物による治療から利益を得ることができる対象又は患者を最初に診断することを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される組成物を患者に投与することを更に含む。
【0429】
一態様では、治療を必要とする対象を治療する方法が本明細書に記載され、本方法は、細菌調製物を含む有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入によって投与することを含む。一態様では、治療を必要とする対象を治療する方法が本明細書に記載され、本方法は、有効用量の本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入によって投与することを含む。
【0430】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(例えば、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物中の細菌調製物)は、標的組織における好中球性炎症を低減する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織における好中球性炎症を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上低減する。
【0431】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の投与は、対象の標的組織における酸の生成をもたらす。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の投与は、標的組織における乳酸(LA)生成をもたらす。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の投与は、気管支肺標的組織(例えば、肺)における乳酸生成をもたらす。いくつかの実施形態では、増加した乳酸生成は、標的組織における好中球性炎症の減少と関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、乳酸は、投与された噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物における生存細菌によって生成される。いくつかの実施形態では、乳酸は、対象の細胞によって生成され、例えば、投与された噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物における少なくとも1つの細菌調製物(例えば、生存若しくは非生存細菌又はその構成成分)によって誘発される。
【0432】
いくつかの実施形態では、少なくとも4nmol/mLの乳酸は、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(例えば、
図4Cを参照されたい)の投与後(例えば、投与後少なくとも2時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、又は少なくとも16時間)、標的組織において生成される。いくつかの実施形態では、少なくとも10nmol/mLの乳酸は、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の投与後に、標的組織において生成される。いくつかの実施形態では、少なくとも9nmol/mL、少なくとも9.5nmol/mL、少なくとも10nmol/mL、少なくとも10.5nmol/mL、少なくとも11nmol/mL、少なくとも11.5nmol/mL、少なくとも12nmol/mL、少なくとも12.5nmol/mL、少なくとも13nmol/mL、少なくとも13.5nmol/mL、少なくとも14nmol/mL、少なくとも14.5nmol/mL、少なくとも15nmol/mL、又はそれ以上の乳酸が、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の投与後に、標的組織において生成される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物(例えば、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物における細菌調製物)は、標的組織における乳酸濃度を少なくとも100%増加させる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織における乳酸濃度を少なくとも約25%増加させる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、標的組織における乳酸濃度を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約100%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、又はそれ以上増加させる。
【0433】
いくつかの実施形態では、標的組織は、標的気管支肺組織である。いくつかの実施形態では、標的気管支肺組織は、肺、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞である。いくつかの実施形態では、標的組織は、心血管系又はリンパ系を介して送達される肺からの遠位組織部位である。
【0434】
いくつかの実施形態では、対象は、慢性若しくは感染性の気管支肺疾患と診断されているか、又はそれを発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、慢性気管支肺疾患と診断されているか、又はそれを発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、慢性気管支肺疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、喘息、気管支拡張症、肺気腫、嚢胞性線維症(CF)、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸器疾患症候群(ARDS)、及び特発性肺線維症(IPF)、間質性肺疾患(ILD)、胸水(PE)、肺高血圧症(PAH)、珪肺症からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、肺がんは、小細胞肺がん(SCLC)又は非小細胞肺がん(NSCLC)である。
【0435】
いくつかの実施形態では、対象は、感染性気管支肺疾患と診断されているか、又は感染性気管支肺疾患を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、感染性気管支肺疾患は、以下から選択される感染因子によって引き起こされるか、又はそれに関連する:アデノウイルス、コロナウイルス(例えば、一般的な風邪ウイルス、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス1(SARS-CoV-1)、SARS-CoV-2、中東呼吸器症候群(MERS)CoV)、インフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザ)、パラインフルエンザウイルス、パルボウイルスB19(例えば、パルボウイルスB19、第5病)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ライノウイルス(例えば、一般的な風邪)、エンテロウイルス(例えば、EV-D68)、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、水痘ウイルス(例えば、水痘)、Corynebacterium diphtheriae(例えば、ジフテリア)、Haemophilus influenzae(例えば、B型)、Legionella pneumophila(例えば、レジオネラ病)、Bordetella pertussis(例えば、百日咳)、Mycobacterium tuberculosis(例えば、結核)、Streptococcus種(例えば、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes、例えば、肺炎)、Pseudomonas種(例えば、Pseudomonas aeruginosa、肺感染症、慢性再発性呼吸器感染症)、Escherichia coli(例えば、市中感染性肺炎)、Aspergillus種(例えば、Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、アスペルギルス症)、Cryptococcus種(例えば、Cryptococcus neoformans、Cryptococcus gattii、クリプトコッカス性肺炎)、並びにPneumocystis種(例えば、Pneumocystis jirovecii、ニューモシスチス症)。
【0436】
いくつかの実施形態では、有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも200×106CFUの細菌である。いくつかの実施形態では、有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも101CFU、少なくとも102CFU、少なくとも103CFU、少なくとも104CFU、少なくとも105CFU、少なくとも106CFU、少なくとも107CFU、少なくとも108CFU、少なくとも109CFU、少なくとも1010CFU、少なくとも1011CFU、又は少なくとも1012CFUの細菌である。いくつかの実施形態では、有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも200×106CFUの生存細菌である。いくつかの実施形態では、有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、単位用量当たり少なくとも101CFU、少なくとも102CFU、少なくとも103CFU、少なくとも104CFU、少なくとも105CFU、少なくとも106CFU、少なくとも107CFU、少なくとも108CFU、少なくとも109CFU、少なくとも1010CFU、少なくとも1011CFU、又は少なくとも1012CFUの生存細菌である。
【0437】
いくつかの実施形態では、吸入による投与のために製剤化された噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、慢性又は感染性の気管支肺障害に対する少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、本明細書に更に記載される抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、又は気管支拡張剤である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、同じ組成物又は単位投薬量で、細菌調製物と、少なくとも1つの追加の治療剤と、を含む。非限定的な例として、細菌調製物及び少なくとも1つの追加の治療剤は、一緒に噴霧乾燥され、例えば、単一のカプセルで製剤化され得る。いくつかの実施形態では、細菌調製物及び少なくとも1つの追加の治療剤は、各々、別々に噴霧乾燥され、例えば、同じ又は異なるカプセルで投与するために製剤化される。いくつかの実施形態では、細菌調製物及び少なくとも1つの追加の治療剤は、複数の異なる製剤を一度に投与する吸入装置などの併用送達装置を使用して同時投与される。
【0438】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、当業者に知られているように、慢性又は感染性の気管支肺疾患の標準治療と併せて投与される。本明細書で使用される場合、「標準治療」という用語は、所与のコミュニティにおける平均的で良識のある提供者が、例えば、所与の適応症を治療する際に実施するレベルを指す。
【0439】
非限定的な例として、COPD標準治療は、重症度のGOLDステージ分類に基づいて変化するが、抗炎症作用(例えば、吸入ステロイド)と症状緩和(例えば、長時間作用性ベータアゴニスト(LABA)、長時間作用性ムスカリンアンタゴニスト(LAMA))とを組み合わせた様々な療法を含み得る。肺線維症の標準治療は、典型的には、ニンテダニブ及びピルフェニドンの2つの抗線維化剤のうちの少なくとも1つである。気管支肺異形成症の標準治療には、酸素補充、界面活性剤、及び気管支拡張剤を含む、患者のリスクプロファイルに基づく様々な治療が含まれる。例えば、Safka et al.,Chronic Obstr Pulm Dis.2017;4(1):45-55(例えば、Safkaの表1を参照されたい)、ワールドワイドウェブ上のgoldcopd.org/2022-gold-reportsで入手可能な2022 Gold Reports(例えば、Gold Reportsの49~57頁、49頁 表3.3、51頁 表3.4、53頁 表3.5を参照されたい)、Maher et al.“Respiratory Research volume 20,Article number:205(2019)を参照されたい。特定の慢性又は感染性の気管支肺疾患に対する追加の治療的処置又は治療的介入の非限定的な例は、本明細書に更に記載される。
【0440】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物は、中枢神経系(CNS)疾患を治療、緩和、又は予防するために投与され、その非限定的な例としては、パーキンソン病、多発性硬化症(MS)、及び片頭痛が挙げられる。肺脳軸の指標の中には、肺微生物叢の調節不全が、CNSの自己免疫疾患を発症するラットの感受性に有意に影響を及ぼしたという発見があることに留意されたい。例えば、Hosang et al.,Nature 603:138-144(2022)を参照されたく、これは、肺微生物叢をLPSが豊富な門にシフトさせるネオマイシンによる局所治療が、脳に常駐するミクログリア細胞においてI型インターフェロン刺激状態を誘導し、II型インターフェロンによる自己免疫刺激を損ない、炎症誘発応答及び免疫細胞の動員を減少させることを報告している。その研究では、肺におけるLPSを生成する門の抑制は疾患を悪化させたが、LPSが豊富な門又はLPS自体の添加はネオマイシンの効果を再現した。したがって、本明細書に記載される微生物生成物又は微生物の吸入送達は、CNS疾患又は障害の治療、緩和、又は予防に影響を及ぼし得る。例えば、Noymer et al.(2011)Ther Deliv 2(9):1125-1140、Abdou et al.(2019)Drug Deliv 26(1):689-699、Hosang et al.Nature 603:138-144(2022)を参照されたい(これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0441】
単位剤形
一態様では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、単一の単位投薬量は、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む1つのカプセルである。いくつかの実施形態では、単一の単位投薬量は、複数の(例えば、1、2、3、4、5、又はそれ以上の)カプセルであり、各々が、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、1回の吸入中に(例えば、10、20、又は30秒未満で)投与される(例えば、吸入される)。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、一定期間にわたって(例えば、30秒、60秒、又は120秒超)投与され(例えば、吸入され)、かつ/又は投与吸入器を複数回使用して投与される(例えば、吸入される)。
【0442】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位投薬量は、30mgのカプセルから患者の肺に送達される約100×106CFUの細菌をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位投薬量は、30mgのカプセルから患者の肺に送達される約200×106CFUの細菌をもたらす。これは、C.difficileの治療のための腸への細菌胞子の用量を考慮すると、1日当たり1×108CFU(合計400×106CFU)の1日当たり4用量からなる妥当な用量の例である。例えば、McGovern et al.Clin Infect Dis.2021;72(12):2132-2140を参照されたい(この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。最終的な乾燥粉末が生成されると、それを乾燥粉末吸入器によって送達するためにカプセルに充填され得る。乾燥粉末ブレンド自体は、均一なブレンド及び強力な固体剤形をもたらすであろう、いくつかのプロセスステップを経ることができる。
【0443】
一態様では、少なくとも1mg~最大50mgの細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、単位剤形は、単位用量当たり少なくとも7.5mgの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、単位用量当たり少なくとも15mgの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、単位用量当たり少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、又は少なくとも50mgの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、単位用量当たり最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大10mg、最大15mg、最大20mg、最大25mg、最大30mg、最大35mg、最大40mg、最大45mg、又は最大50mgの細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は、高濃度の細菌が存在する場合、少量の細菌調製物又は噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、単位用量は、細菌調製物に低濃度の細菌が存在する場合、大量の細菌調製物又は噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含み得る。
【0444】
一態様では、少なくとも1mg~最大50mgの本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、又は少なくとも50mgの本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大10mg、最大15mg、最大20mg、最大25mg、最大30mg、最大35mg、最大40mg、最大45mg、又は最大50mgの本明細書に記載される噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。
【0445】
一態様では、本明細書に記載される方法によって調製された少なくとも1mg~最大50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、本明細書に記載される方法によって調製された少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、又は少なくとも50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、本明細書に記載される方法によって調製された最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大10mg、最大15mg、最大20mg、最大25mg、最大30mg、最大35mg、最大40mg、最大45mg、又は最大50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。
【0446】
一態様では、単位用量当たり少なくとも104CFUの細菌を含む少なくとも1mg~最大50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、単位用量当たり少なくとも100×104CFUの細菌を含む少なくとも1mg~最大50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、単位用量当たり少なくとも100×106CFUの細菌を含む少なくとも1mg~最大50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、単位用量当たり少なくとも200×106CFUの細菌を含む少なくとも1mg~最大50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、単位用量当たり少なくとも200×106CFUの細菌を含む少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、又は少なくとも50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、単位用量当たり最大200×106CFUの細菌を含む最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大10mg、最大15mg、最大20mg、最大25mg、最大30mg、最大35mg、最大40mg、最大45mg、又は最大50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。
【0447】
一態様では、単位用量当たり少なくとも100×106CFUの細菌を含む少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、又は少なくとも50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。一態様では、単位用量当たり最大100×106CFUの細菌を含む最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大10mg、最大15mg、最大20mg、最大25mg、最大30mg、最大35mg、最大40mg、最大45mg、又は最大50mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む単位剤形が本明細書に記載される。
【0448】
いくつかの実施形態では、投薬量は、少なくとも30mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物である。いくつかの実施形態では、投薬量は、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、又は少なくとも100mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物である。いくつかの実施形態では、投薬量は、最大1mg、最大2mg、最大3mg、最大4mg、最大5mg、最大10mg、最大15mg、最大20mg、最大25mg、最大30mg、最大35mg、最大40mg、最大45mg、最大50mg、最大55mg、最大60mg、最大65mg、最大70mg、最大75mg、最大80mg、最大85mg、最大90mg、最大95mg、又は最大100mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物である。
【0449】
いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも108CFUの細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも200×106CFUの細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも200×104CFUの細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも101CFU、少なくとも102CFU、少なくとも103CFU、少なくとも104CFU、少なくとも105CFU、少なくとも106CFU、少なくとも107CFU、少なくとも108CFU、少なくとも109CFU、少なくとも1010CFU、少なくとも1011CFU、又は少なくとも1012CFUの細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも104CFUの生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも200×106CFUの生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり少なくとも101CFU、少なくとも102CFU、少なくとも103CFU、少なくとも104CFU、少なくとも105CFU、少なくとも106CFU、少なくとも107CFU、少なくとも108CFU、少なくとも109CFU、少なくとも1010CFU、少なくとも1011CFU、又は少なくとも1012CFUの生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり最大101CFU、最大102CFU、最大103CFU、最大104CFU、最大105CFU、最大106CFU、最大107CFU、最大108CFU、最大109CFU、最大1010CFU、最大1011CFU、又は最大1012CFUの生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり最大1011CFUの生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位投与量当たり最大200×106CFUの生存細菌を含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、単位用量当たり最大101CFU、最大102CFU、最大103CFU、最大104CFU、最大105CFU、最大106CFU、最大107CFU、最大108CFU、最大109CFU、最大1010CFU、最大1011CFU、又は最大1012CFUの生存細菌を含む。
【0450】
いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも0.5%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも25%の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上の細菌調製物を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で最大0.5%、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、又は最大95%の細菌調製物を含む。
【0451】
いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも0.5%の賦形剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも70%の賦形剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも73%の賦形剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも73.4%の賦形剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上の賦形剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で最大0.5%、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、又は最大95%の賦形剤(複数可)を含む。
【0452】
いくつかの実施形態では、この単位用量は、乾燥重量で少なくとも0.5%の第1の賦形剤、第2の賦形剤、及び/又は第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、この単位用量は、乾燥重量で少なくとも5%の第1の賦形剤、第2の賦形剤、及び/又は第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、この単位用量は、乾燥重量で少なくとも30%の第1の賦形剤、第2の賦形剤、及び/又は第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、この単位用量は、乾燥重量で少なくとも34%の第1の賦形剤、第2の賦形剤、及び/又は第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、この単位用量は、乾燥重量で少なくとも34.2%の第1の賦形剤、第2の賦形剤、及び/又は第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上の第1の賦形剤、第2の賦形剤、及び/又は第3の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で最大0.5%、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、又は最大95%の第1の賦形剤、第2の賦形剤、及び/又は第3の賦形剤を含む。
【0453】
いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも0.25%の安定剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも0.5%の安定剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも1.6%の安定剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上の安定剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬量は、乾燥重量で最大0.5%、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、又は最大95%の安定剤(複数可)を含む。
【0454】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、噴霧乾燥された薬学的組成物である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、噴霧乾燥された薬学的組成物を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、本質的に、噴霧乾燥された組成物を相談する。
【0455】
定義
便宜上、本明細書、実施例、及び添付の特許請求の範囲内で使用されるいくつかの用語及び語句の意味は、以下に提供される。別途記載されていない限り、又は文脈から暗示されている場合を除き、以下の用語及び語句は、以下に提供される意味を含む。定義は、特定の実施形態を説明するのを助けるために提供され、本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ限定されるため、特許請求される本発明を限定することを意図したものではない。別途明示されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されているものと同じ意味を有する。当該技術分野における用語の使用と、本明細書に提供されるその定義との間に明らかな矛盾がある場合、明細書内で提供される定義が優先されるものとする。
【0456】
便宜上、本明細書、実施例、及び添付の特許請求の範囲で用いられる特定の用語がここに集められている。
【0457】
「減少する」、「減少した」、「減少」、又は「阻害する」という用語は全て、統計的に有意な量の減少を意味するために本明細書で使用される。いくつかの実施形態では、「減少する」、「減少」、又は「減少する」又は「阻害する」とは、典型的には、参照レベル(例えば、所与の治療又は薬剤の不在)と比較して、少なくとも10%の減少を意味し、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上の減少を含み得る。本明細書で使用される場合、「減少」又は「阻害」は、参照レベルと比較して、完全な阻害又は減少を包含しない。「完全阻害」は、参照レベルと比較して100%の阻害である。減少は、例えば、所与の障害を有しない個体について、正常の範囲内として許容されるレベルまで低下することが好ましい。
【0458】
「増加した」、「増加する」、「強化する」、又は「活性化する」という用語は全て、静的に有意な量の増加を意味するために本明細書で使用される。いくつかの実施形態では、「増加した」、「増加する」、「強化する」、又は「活性化する」という用語は、参照レベルと比較して、少なくとも10%の増加、例えば、参照レベルと比較して、少なくとも約20%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は最大100%(100%を含む)、又は10~100%の任意の増加、又は参照レベルと比較して、少なくとも約2倍、又は少なくとも約3倍、又は少なくとも約4倍、又は少なくとも約5倍、又は少なくとも約10倍の増加、又は2倍~10倍の任意の増加、又はそれ以上の増加を意味することができる。マーカー又は症状の文脈では、「増加」は、そのようなレベルの統計的に有意な増加である。
【0459】
本明細書で使用される場合、「対象」とは、ヒト又は動物を意味する。通常、動物は、霊長類、げっ歯類、家畜、又は狩猟動物などの脊椎動物である。霊長類としては、チンパンジー、カニクイザル、クモザル、及びマカク、例えば、アカゲザルが挙げられる。げっ歯類には、マウス、ラット、マーモット、フェレット、ウサギ、ハムスターが含まれる。家畜及び狩猟動物としては、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ネコ科種、例えば、家猫、イヌ科種、例えば、イヌ、キツネ、オオカミ、鳥類種、例えば、ニワトリ、エミュー、ダチョウ、及び魚類、例えば、マス、ナマズ、及びサケが挙げられる。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、霊長類、例えば、ヒトである。「個体」、「患者」、及び「対象」は、本明細書では互換的に使用される。
【0460】
好ましくは、対象は、哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、又はウシであり得るが、これらの実施例に限定されない。ヒト以外の哺乳類は、慢性気管支肺疾患の動物モデルを表す対象として有利に使用することができる。対象は、雄又は雌であり得る。
【0461】
対象は、治療を必要とする状態(例えば、慢性気管支肺疾患)若しくはそのような状態に関連する1つ以上の合併症と以前に診断されているか、又はそれに罹患していると特定されている対象、任意選択的に、慢性気管支肺疾患若しくは慢性気管支肺疾患に関連する1つ以上の合併症の治療を既に受けている対象であり得る。あるいは、対象は、慢性気管支肺疾患又は慢性気管支肺疾患に関連する1つ以上の合併症を有すると以前に診断されていない対象であってもよい。例えば、対象は、慢性気管支肺疾患の1つ以上の危険因子又は慢性気管支肺疾患に関連する1つ以上の合併症を呈する対象、又は危険因子を呈さない対象であり得る。
【0462】
特定の状態の治療を必要とする「対象」は、その状態を有する対象、その状態を有すると診断された対象、又はその状態を発症するリスクがある対象であり得る。
【0463】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」、「治療すること」、又は「改善すること」という用語は、治療的処置を指し、その目的は、疾患又は障害(例えば、慢性気管支肺疾患)に関連する状態の進行又は重症度を逆転、緩和、改善、阻害、減速、又は停止することである。「治療する」という用語は、慢性気管支肺疾患に関連する状態、疾患、又は障害の少なくとも1つの有害作用又は症状を軽減又は緩和することを含む。1つ以上の症状又は臨床マーカーが軽減された場合、治療は一般的に「有効」である。あるいは、疾患の進行が減少又は停止する場合、治療は「有効」である。すなわち、「治療」には、症状又はマーカーの改善だけでなく、治療の不在下で予想されるものと比較した症状の進行又は悪化の停止又は少なくとも遅延も含まれる。有益な又は所望の臨床結果には、検出可能であるか、検出不能であるかにかかわらず、1つ以上の症状の緩和、疾患の程度の軽減、疾患の安定した(すなわち、悪化しない)状態、疾患進行の遅延若しくは減速、病状の改善若しくは緩和、寛解(部分的若しくは完全な)、及び/又は死亡率の減少が含まれるが、これらに限定されない。疾患の「治療」という用語は、疾患の症状又は副作用からの緩和を提供することも含む(緩和処置を含む)。
【0464】
本明細書で使用される「薬学的組成物」という用語は、薬学的に許容される賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤、例えば、製薬業界で一般的に使用される賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤と組み合わせた活性剤を指す。「薬学的に許容される」という語句は、本明細書では、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしでヒト及び動物の組織に接触して使用するのに好適な、化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すために使用される。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤は、水以外の賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤であり得る。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤は、人工又は操作された賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤(例えば、活性成分が自然界又は自然内で生じることが見出されない賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤)であり得る。
【0465】
「薬学的に許容される」賦形剤、安定剤、及び/又は添加剤は、有効用量の用いられる活性成分(例えば、細菌調製物)を提供するために、対象に合理的に投与され得るものである。いくつかの実施形態では、これらは、連邦医薬品局(FDA)が「一般的に安全と認められる」(GRAS)として指定した賦形剤である。
【0466】
「粉末」とは、粒子が上気道を介した鼻腔内又は肺内投与に好適であるように、比較的自由に流動し、吸入装置に容易に分散し、その後患者によって吸入され得る微細に分散した固体粒子からなる組成物を意味する。
【0467】
「ガラス転移温度」は、記号Tgによって表され、組成物がガラス状又はガラス質状態からシロップ状又はゴム質の状態に変化する温度である。一般に、Tgは、示差走査熱量測定(DSC)を使用して決定され、遷移を介して走査時に組成物の熱容量(Cp)の変化が始まる温度として標準的に採用されている。Tgの定義は常に恣意的であり、現在、国際規約は存在していない。Tgは、遷移の開始、中間点、又は終点として定義され得る。C.A.Angellによる「Formation of Glasses from Liquids and Biopolymers」と題する論文:Science,267,1924-1935(Mar.31,1995)及びJan P.Wolanczykによる「Differential Scanning Calorimetry Analysis of Glass Transitions」と題する論文:Cryo-Letters,10,73-76(1989)を参照されたい。詳細な数学的処理については、Gibbs and DiMarzioによる「Nature of the Glass Transition and the Glassy State」:Journal of Chemical Physics,28,NO.3,373-383(March,1958)を参照されたい。これらの論文は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0468】
「安定した」製剤又は組成物は、その中の活性物質(例えば、細菌調製物)が、保管時にその物理的安定性及び/又は化学的安定性及び/又は生物学的活性を本質的に保持するものである。安定性を測定するための様々な分析技術は、当該技術分野で利用可能であり、例えば、Peptide and Protein Drug Delivery,247-301,Vincent Lee Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Pubs.(1991)及びJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29-90(1993)に概説されている。安定性は、選択された温度で、選択された期間にわたって測定することができる。トレンド分析は、材料がその期間実際に保管される前の予想される保存期間を推定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、室温(~25℃)で少なくとも3ヶ月間安定であり、又は約2~8℃で少なくとも1年間安定である。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の凍結(例えば、-70℃での)及び解凍後も安定である。
【0469】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチド、核酸、細胞、又は生物は、操作することができる。本明細書で使用される場合、「操作された」とは、人の手によって操作された態様を指す。一般的な慣行であり、当業者に理解されるように、操作された細胞の子孫は、典型的には、実際の操作が以前の実体に対して行われたにもかかわらず、依然として「操作された」と称される。
【0470】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌調製物は、対象に対して外因性である。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌調製物は、対象に対して異所性である。態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌調製物は、対象に対して内因性ではない。
【0471】
「外因性」という用語は、その天然源以外の細胞に存在する物質を指す。本明細書で使用される場合、「外因性」という用語は、通常見出されず、核酸又はポリペプチドをそのような細胞又は生物に導入することが望まれる、人の手が関与するプロセスによって細胞又は生物などの生物系に導入された核酸(例えば、ポリペプチドをコードする核酸)又はポリペプチドを指し得る。あるいは、「外因性」とは、それが比較的少量で見られ、細胞又は生物において核酸又はポリペプチドの量を増加させること、例えば、異所性の発現又はレベルをもたらすことが望まれる、人の手が関与するプロセスによって細胞又は生物などの生物系に導入された核酸又はポリペプチドを指し得る。対照的に、「内因性」という用語は、生物系又は細胞に対して天然である物質を指す。本明細書で使用される場合、「異所性」とは、異常な位置及び/又は量で見出される物質を指す。異所性物質は、通常、所与の細胞で見出されるが、はるかに少量で、及び/又は異なる時間に見出されるものであり得る。異所性はまた、ポリペプチド又は核酸などの物質が、その天然環境において所与の細胞で天然に見出されないか、又は発現されない物質を含む。
【0472】
態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌は、少なくとも1つの機能的な異種遺伝子を含む。本明細書で使用される場合、「異種」という用語は、参照される配列、分子(例えば、タンパク質を含む)、ウイルス、細胞、組織、又は生物に対して内因性ではない、又は天然に存在するものを指す。例えば、本開示の異種配列は、異なる種に由来し得るか、又は同じ種に由来するが、元の形態から実質的に改変され得る。また、例えば、細胞又はウイルスで通常発現されない核酸配列は、その細胞又はウイルスに関して異種の核酸配列である。「異種」という用語は、それが存在する生物の一部として天然に存在しないか、又はそれが天然に存在するものとは異なるゲノムにおける位置(複数可)に見出されるDNA、RNA、又はタンパク質を指すことができる。ウイルス又は細胞に対して内因性ではなく、ウイルス又は細胞に人工的に導入されたDNA、RNA、又はタンパク質である。
【0473】
「単位投薬量」又は「単位用量」とは、単回用量での投与のために設計又は製剤化された、治療有効量の本明細書に記載される薬学的組成物を含有するレセプタクルを指す。
【0474】
本明細書で使用される場合、「投与する」という用語は、所望の部位で薬剤の少なくとも部分的な送達をもたらす方法又は経路による、対象への本明細書に開示される化合物の配置を指す。本明細書に開示される化合物を含む薬学的組成物は、対象において効果的な治療をもたらす任意の適切な経路によって投与され得る。いくつかの実施形態では、投与は、物理的な人間活動、例えば、吸入行為、摂取行為、及び/又は送達装置若しくは機械の操作を含む。そのような活動は、例えば、医療専門家及び/又は治療される対象によって実行され得る。
【0475】
「統計的に有意な」又は「有意に」という用語は、統計的有意性を指し、一般に、2標準偏差(2SD)又はそれ以上の差を意味する。
【0476】
操作例以外で、又は別段の指示がある場合には、本明細書で使用される成分又は反応条件の量を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。パーセンテージに関連して使用される場合、「約」という用語は、±1%を意味し得る。
【0477】
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、提示される定義された要素に加えて、他の要素も存在し得ることを意味する。「含む」の使用は、限定ではなく包含を示す。
【0478】
「からなる」という用語は、実施形態の説明において列挙されていないいずれの要素も除いた、本明細書に記載される組成物、方法、及びそれらそれぞれの構成成分を指す。
【0479】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という用語は、所与の実施形態に必要な要素を指す。この用語は、本発明のその実施形態の基本的及び新規又は機能的な特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない追加の要素の存在を許容する。
【0480】
単数形の用語「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「又は」という単語は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、「及び」を含むことが意図される。本明細書に記載されるものと同様又は同等の方法及び材料が本開示の実施又は試験において使用され得るが、好適な方法及び材料を以下に記載する。略語「例えば(e.g.)」は、ラテン語のexempli gratiaに由来し、本明細書において、非限定的な例を示すために使用される。したがって、「例えば(e.g.)」という略語は、「例えば(for example)」という用語と同義である。
【0481】
本明細書に開示される本発明の代替的な要素又は実施形態の群化は、限定として解釈されるべきではない。各群の構成要素は、個別に、又は群の他の構成要素若しくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせで、言及され、特許請求され得る。群の1つ以上の構成要素は、利便性及び/又は特許性の理由から、群に含まれるか、又は群から削除され得る。任意のそのような包含又は削除が生じる場合、本明細書は、本明細書において、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュ群の書面による説明を満たすように修正された群を含むとみなされる。
【0482】
本明細書で別途定義されない限り、本出願に関連して使用される科学用語及び技術用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。本発明は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル、及び試薬などに限定されず、それら自体が変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲を限定することは意図されない。細胞生物学、免疫学、及び分子生物学における一般的な用語の定義は、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy,20th Edition,published by Merck Sharp&Dohme Corp.,2018(ISBN 0911910190,978-0911910421)、Robert S.Porter et al.(eds.),The Encyclopedia of Molecular Cell Biology and Molecular Medicine,published by Blackwell Science Ltd.,1999-2012(ISBN 9783527600908)、及びRobert A.Meyers(ed.),Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,published by VCH Publishers,Inc.,1995(ISBN 1-56081-569-8)、Immunology by Werner Luttmann,published by Elsevier,2006、Janeway’s Immunobiology,Kenneth Murphy,Allan Mowat,Casey Weaver(eds.),W.W.Norton&Company,2016(ISBN 0815345054,978-0815345053)、Lewin’s Genes XI,published by Jones&Bartlett Publishers,2014(ISBN-1449659055)、Michael Richard Green and Joseph Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,4th ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,USA(2012)(ISBN 1936113414)、Davis et al.,Basic Methods in Molecular Biology,Elsevier Science Publishing,Inc.,New York,USA(2012)(ISBN 044460149X)、Laboratory Methods in Enzymology:DNA,Jon Lorsch(ed.)Elsevier,2013(ISBN 0124199542)、Current Protocols in Molecular Biology(CPMB),Frederick M.Ausubel(ed.),John Wiley and Sons,2014(ISBN 047150338X,9780471503385),Current Protocols in Protein Science(CPPS),John E.Coligan(ed.),John Wiley and Sons,Inc.,2005、及びCurrent Protocols in Immunology(CPI)(John E.Coligan,ADA M Kruisbeek,David H Margulies,Ethan M Shevach,Warren Strobe,(eds.)John Wiley and Sons,Inc.,2003(ISBN 0471142735,9780471142737)に見出すことができる。これらの内容は全て、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0483】
他の用語は、本発明の様々な態様の説明の中で、本明細書で定義される。
【0484】
本出願全体を通して引用された、参考文献、発行された特許、公開された特許出願、及び同時係属中の特許出願を含む、全ての特許及び他の刊行物は、例えば、本明細書に記載の技術に関連して使用される可能性のあるそのような出版物に記載された方法論を説明及び開示する目的で、明示的に参照により本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日より前のそれらの開示についてのみ提供される。この点に関するいかなるものも、本発明者らが先行発明又は他のいかなる理由によってそのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付又は表明に関する全ての記述は、出願人が入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付又は内容の正確性に関するいかなる承認も構成するものではない。
【0485】
本開示の実施形態の説明は、網羅的であること、又は本開示を開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。本開示の特定の実施形態及び実施例は、例示的な目的で本明細書に記載されるが、関連技術分野の当業者であれば認識するように、本開示の範囲内で様々な等価の修正が可能である。例えば、方法ステップ又は機能は所与の順序で提示されているが、代替的な実施形態が異なる順序で機能を実施してもよく、又は機能が実質的に同時に実施されてもよい。本明細書に提供される本開示の教示は、必要に応じて他の手順又は方法に適用され得る。本明細書に記載の様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供してもよい。本開示の態様は、必要に応じて、上記の参考文献及び出願の組成物、機能、及び概念を用いて、本開示のなお更なる実施形態を提供するように修正されてもよい。これら及び他の変更は、詳細な説明を考慮に入れて、本開示に対して行うことができる。全てのこうした修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0486】
前述の実施形態のいずれかの特定の要素は、他の実施形態の要素と組み合わせるか、又は置き換えてもよい。更に、本開示の特定の実施形態に付随する利点が、これらの実施形態との関連において説明されたが、他の実施形態もこうした利点を示すことができ、また、全ての実施形態が、本開示の範囲内に収まるために必ずしもこうした利点を示す必要はない。
【0487】
本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態は、以下の番号付き段落のいずれかに従って定義され得る。
1.細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物であって、当該マトリックス組成物が、吸入による投与のために製剤化される、バイオ治療マトリックス組成物。
2.当該細菌調製物が、生存細菌又は非生存細菌を含む、段落1に記載の組成物。
3.当該生存細菌が、対象の肺において活発に代謝及び/又は増殖することができる、段落2に記載の組成物。
4.当該非生存細菌が、熱死滅される、段落2に記載の組成物。
5.当該細菌が、グラム陰性である、段落2に記載の組成物。
6.当該細菌が、グラム陽性である、段落2に記載の組成物。
7.当該細菌が、胞子形成性である、段落2に記載の組成物。
8.当該細菌が、胞子形態である、段落2に記載の組成物。
9.当該細菌が、好気性である、段落2に記載の組成物。
10.当該細菌が、嫌気性である、段落2に記載の組成物。
11.当該細菌が、少なくとも1つの免疫調節因子を生成する、段落2~10のいずれか一項に記載の組成物。
12.当該細菌が、Carnobacterium、Lactiplantibacillus、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、Ligilactobacillus、Oenococcus、Leuconostoc、Pedicoccus、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Bifidobacterium、Propionibacterium、及びMoraxellaからなる群から選択される属に属する、段落2に記載の組成物。
13.当該細菌が、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、又はLactiplantibacillus plantarumである、段落2~12のいずれか一項に記載の組成物。
14.当該細菌が、非病原性である、段落2~13のいずれか一項に記載の組成物。
15.当該細菌が、少なくとも101コロニー形成単位/グラム(CFU/g)、少なくとも102CFU/g、少なくとも103CFU/g、少なくとも104CFU/g、少なくとも105CFU/g、少なくとも106CFU/g、少なくとも107CFU/g、少なくとも108CFU/g、少なくとも109CFU/g、少なくとも1010CFU/g、少なくとも1011CFU/g、又は少なくとも1012CFU/gの濃度で存在する、段落2~14のいずれか一項に記載の組成物。
16.当該細菌が、少なくとも106コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する、段落2~15のいずれか一項に記載の組成物。
17.当該細菌が、少なくとも108コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する、段落2~16のいずれか一項に記載の組成物。
18.当該細菌が、少なくとも1つの抗生物質に耐性である、段落2~17のいずれか一項に記載の組成物。
19.当該組成物が、乾燥重量で少なくとも0.5%の細菌調製物を含む、段落1~18のいずれか一項に記載の組成物。
20.当該細菌調製物が、細菌抽出物又は細菌代謝産物調製物を含む、段落1に記載の組成物。
21.当該細菌抽出物又は細菌代謝産物調製物が、細菌エクソソーム、細菌細胞壁、ペプチドグリカン、タイコ酸、リポタイコ酸、細菌S層、菌体外多糖、多糖、乳酸ポリマー、乳酸誘導体、乳酸中間体、過酸化水素、バクテリオシン、サリバリシン、ロイテリン、及び細菌増殖上清からなる群から選択される、段落20に記載の組成物。
22.少なくとも1つの賦形剤を更に含む、段落1~21のいずれか一項に記載の組成物。
23.少なくとも2つの賦形剤を更に含む、段落1~22のいずれか一項に記載の組成物。
24.当該賦形剤が、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)増殖培地、ゼラチン、ホエイ単離物、スイートホエイ、還元脱脂粉乳、マルトデキストリン、グルコオリゴ糖、ラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、イヌリン、カゼイン酸ナトリウム、ヤギミルク、牛乳、プロリン、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、グルタミン酸塩、グリシンベタイン、グリコーゲン、トレハロース、マンノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、デキストロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、ロイシン、トリロイシン、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される、段落22又は23に記載の方法。
25.当該賦形剤が、ロイシン及び/又はトレハロースである、段落22又は23に記載の組成物。
26.当該組成物が、乾燥重量で少なくとも0.5%の賦形剤を含む、段落1~25のいずれか一項に記載の組成物。
27.少なくとも1つの安定剤を更に含む、段落1~26のいずれか一項に記載の組成物。
28.当該安定剤が、界面活性剤を含む、段落27に記載の組成物。
29.当該安定剤が、ポリソルベート、ポロキサマー、又はポリビニルアルコールである、段落27又は28に記載の組成物。
30.当該安定剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、又はポリソルベート80である、段落27~29のいずれか一項に記載の組成物。
31.当該安定剤が、ポリソルベート80である、段落27~30のいずれか一項に記載の組成物。
32.当該安定剤が、ポロキサマー184、ポロキサマー185、ポロキサマー188、ポロキサマー234、ポロキサマー235、ポロキサマー238、ポロキサマー333、ポロキサマー334、ポロキサマー335、ポロキサマー338、ポロキサマー403、又はポロキサマー407である、段落27~31のいずれか一項に記載の組成物。
33.当該組成物が、乾燥重量で少なくとも0.25%の安定剤を含む、段落1~32のいずれか一項に記載の組成物。
34.当該組成物が、少なくとも1つの賦形剤及び少なくとも1つの安定剤を含む、段落1~33のいずれか一項に記載の組成物。
35.当該組成物が、少なくとも1つの追加の治療剤を更に含む、段落1~34のいずれか一項に記載の組成物。
36.当該少なくとも1つの追加の治療剤が、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される、段落35に記載の組成物。
37.当該少なくとも1つの追加の治療剤が、マイクロカプセル化、共製剤化、又は分解可能なリンカーによる当該組成物への共有結合を使用して、当該組成物に組み込まれる、段落36に記載の組成物。
38.当該マトリックス組成物が、複数の乾燥粒子を含む、段落1~37のいずれか一項に記載の組成物。
39.当該乾燥粒子が、少なくとも0.5μmのDv50を有する、段落38に記載の組成物。
40.当該乾燥粒子が、少なくとも1.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する、段落38に記載の組成物。
41.当該乾燥粒子が、2.0未満の分散性を有する、段落38~40のいずれか一項に記載の組成物。
42.当該乾燥粒子が、少なくとも0.5~1.0の分散性を有する、段落38~41のいずれか一項に記載の組成物。
43.当該乾燥粒子が、標的組織に対して当該細菌調製物の少なくとも25.0質量%~最大125質量%の送達用量を有する、段落38~42のいずれか一項に記載の組成物。
44.当該乾燥粒子が、標的組織に対して当該細菌調製物の少なくとも60質量%の送達用量を有する、段落38~43のいずれか一項に記載の組成物。
45.当該標的組織が、標的気管支肺組織である、段落44に記載の組成物。
46.当該標的気管支肺組織が、肺、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞である、段落45に記載の組成物。
47.当該標的組織が、心血管系又はリンパ系を介して送達される肺からの遠位組織部位である、段落45に記載の組成物。
48.当該乾燥粒子が、少なくとも0.1g/cm3~0.8g/cm3のかさ密度を有する、段落38~47のいずれか一項に記載の組成物。
49.当該乾燥粒子が、少なくとも0.5g/cm3のかさ密度を有する、段落38~48のいずれか一項に記載の組成物。
50.当該乾燥粒子が、少なくとも0.1g/cm3~1.0g/cm3のタップ密度を有する、段落38~49のいずれか一項に記載の組成物。
51.当該乾燥粒子が、少なくとも0.6g/cm3のタップ密度を有する、段落38~50のいずれか一項に記載の組成物。
52.当該乾燥粒子が、Karl Fischerによる少なくとも1.0重量%~7.0重量%の水の水分含有量を有する、段落38~51のいずれか一項に記載の組成物。
53.当該乾燥粒子が、Karl Fischerによる少なくとも2.5重量%の水の水分含有量を有する、段落38~52のいずれか一項に記載の組成物。
54.当該組成物が、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞への送達のために製剤化される、段落1~53のいずれか一項に記載の組成物。
55.当該組成物が、肺への送達のために製剤化される、段落1~54のいずれか一項に記載の組成物。
56.当該組成物が、カプセルとして製剤化される、段落1~55のいずれか一項に記載の組成物。
57.当該カプセルが、少なくとも10mgの当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する、段落56に記載の組成物。
58.当該組成物が、吸入器による送達のために製剤化される、段落1~57のいずれか一項に記載の組成物。
59.当該組成物が、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)による送達のために製剤化される、段落1~58のいずれか一項に記載の組成物。
60.吸入器と組み合わせた、段落1~59のいずれか一項に記載の組成物。
61.気管支肺送達のための吸入装置であって、
a)吸入器と、
b)細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器と、を含む、吸入装置。
62.当該吸入器が、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である、段落61に記載の装置。
63.当該吸入器が、
a)開口部を含むマウスピースと、
b)当該容器中の当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物をエアロゾル化又は分散させるための手段と、を含む、段落61~62のいずれか一項に記載の装置。
64.細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法であって、
a)当該細菌調製物を含む液体原料を調製することと、
b)液体原料の当該液滴を噴霧ノズルを通して乾燥チャンバに導入することと、
c)当該液体原料液滴を当該乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して、乾燥粒子を生成することと、
d)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された当該乾燥粒子が、当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単離することと、を含む、方法。
65.細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を調製する方法であって、
a)当該細菌調製物を含む液体原料を得ることと、
b)液体原料の当該液滴を噴霧ノズルを通して乾燥チャンバに導入することと、
c)当該液体原料液滴を当該乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露して、乾燥粒子を生成することと、
d)サイクロンチャンバ内で所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離することであって、単離された当該乾燥粒子が、当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単離することと、を含む、方法。
66.当該液体原料を調製するステップが、固体原料を水溶液に溶解することを含む、段落64又は65に記載の方法。
67.当該固体原料が、
a)少なくとも3.5重量%の細菌調製物、
b)少なくとも5重量%の賦形剤、及び/又は
c)少なくとも0.25重量%の安定剤を含む、段落64~66のいずれか一項に記載の方法。
68.当該固体原料が、
a)少なくとも3.5重量%の細菌調製物、
b)少なくとも5重量%の第1の賦形剤、
c)少なくとも5重量%の第2の賦形剤、及び/又は
d)少なくとも0.25重量%の安定剤を含む、段落64~67のいずれか一項に記載の方法。
69.当該固体原料が、少なくとも1重量%~最大5重量%の細菌調製物を含む、段落64~68のいずれか一項に記載の方法。
70.当該固体原料が、少なくとも45重量%~最大95重量%の賦形剤を含む、段落64~69のいずれか一項に記載の方法。
71.当該固体原料が、少なくとも5重量%~60重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも5重量%~60重量%の第2の賦形剤を含む、段落64~70のいずれか一項に記載の方法。
72.当該固体原料が、少なくとも0.25重量%~最大10重量%の安定剤を含む、段落64~71のいずれか一項に記載の方法。
73.当該液体原料が、水溶液に溶解された少なくとも1g/Lの固体原料を含む、段落64~72のいずれか一項に記載の方法。
74.当該液体原料が、水溶液に溶解された少なくとも25g/Lの固体原料を含む、段落64~73のいずれか一項に記載の方法。
75.当該液体原料が、水溶液に溶解された少なくとも0.1%~最大10%の固体原料を含む、段落64~74のいずれか一項に記載の方法。
76.当該液体原料が、水溶液に溶解された少なくとも1%の固体原料を含む、段落64~75のいずれか一項に記載の方法。
77.1Lの当該液体原料が、
a)少なくとも1.050gの細菌調製物、
b)少なくとも1.5gの賦形剤、
c)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は
d)少なくとも970gの水溶液を含む、段落64~76のいずれか一項に記載の方法。
78.1Lの当該液体原料が、
a)少なくとも1.050gの細菌調製物、
b)少なくとも0.75gの第1の賦形剤、
c)少なくとも0.75gの第2の賦形剤、
d)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は
e)少なくとも970gの水溶液を含む、段落64~77のいずれか一項に記載の方法。
79.1Lの当該液体原料が、
a)少なくとも1.050gの細菌調製物、
b)少なくとも0.5gの第1の賦形剤、
c)少なくとも0.5gの第2の賦形剤、
d)少なくとも0.5gの第3の賦形剤、
e)少なくとも0.075gの安定剤、及び/又は
f)少なくとも970gの水溶液を含む、段落64~78のいずれか一項に記載の方法。
80.1Lの当該液体原料が、少なくとも750g~最大999gの水溶液を含む、段落64~79のいずれか一項に記載の方法。
81.当該液体原料が、
a)少なくとも0.105%の細菌調製物、
b)少なくとも0.15%の賦形剤、
c)少なくとも0.0075%の安定剤、及び/又は
d)少なくとも97%の水溶液を含む、段落64~80のいずれか一項に記載の方法。
82.当該液体原料が、
a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、
b)少なくとも0.075重量%の第1の賦形剤、
c)少なくとも0.075重量%の第2の賦形剤、
d)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は
e)少なくとも97重量%の水溶液を含む、段落64~81のいずれか一項に記載の方法。
83.当該液体原料が、
a)少なくとも0.105重量%の細菌調製物、
b)少なくとも0.05重量%の第1の賦形剤、
c)少なくとも0.05重量%の第2の賦形剤、
d)少なくとも0.05重量%の第3の賦形剤、
e)少なくとも0.0075重量%の安定剤、及び/又は
f)少なくとも97重量%の水溶液を含む、段落64~82のいずれか一項に記載の方法。
84.当該液体原料が、少なくとも0.01重量%~最大10重量%の細菌調製物を含む、段落64~83のいずれか一項に記載の方法。
85.当該液体原料が、少なくとも1.0重量%~最大20重量%の賦形剤を含む、段落64~84のいずれか一項に記載の方法。
86.当該液体原料が、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第1の賦形剤、及び少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第2の賦形剤を含む、段落64~85のいずれか一項に記載の方法。
87.当該液体原料が、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第1の賦形剤、少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第2の賦形剤、及び少なくとも0.1重量%~最大19.8重量%の第3の賦形剤を含む、段落64~86のいずれか一項に記載の方法。
88.当該液体原料が、少なくとも0.01重量%~最大1.0重量%の安定剤を含む、段落64~87のいずれか一項に記載の方法。
89.当該液体原料が、少なくとも75重量%~最大99.9重量%の水溶液を含む、段落64~88のいずれか一項に記載の方法。
90.当該細菌調製物が、生存細菌又は非生存細菌を含む、段落64~89のいずれか一項に記載の方法。
91.当該細菌が、Carnobacterium、Lactiplantibacillus、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、Ligilactobacillus、Oenococcus、Leuconostoc、Pedicoccus、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Bifidobacterium、Propionibacterium、及びMoraxellaからなる群から選択される属に属する、段落90に記載の方法。
92.当該細菌が、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactobacillus acidophilus、又はLactiplantibacillus plantarumである、段落90又は91に記載の方法。
93.当該細菌が、非病原性である、段落90~92のいずれか一項に記載の方法。
94.当該細菌が、少なくとも101コロニー形成単位/グラム(CFU/g)、少なくとも102CFU/g、少なくとも103CFU/g、少なくとも104CFU/g、少なくとも105CFU/g、少なくとも106CFU/g、少なくとも107CFU/g、少なくとも108CFU/g、少なくとも109CFU/g、少なくとも1010CFU/g、少なくとも1011CFU/g、又は少なくとも1012CFU/gの濃度で存在する、段落90~93のいずれか一項に記載の方法。
95.当該細菌が、少なくとも106コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する、段落90~94のいずれか一項に記載の方法。
96.当該細菌が、少なくとも108コロニー形成単位/グラム(CFU/g)の濃度で存在する、段落90~95のいずれか一項に記載の方法。
97.当該賦形剤が、De Man,Rogosa and Sharpe(MRS)増殖培地、ゼラチン、ホエイ単離物、スイートホエイ、還元脱脂粉乳、マルトデキストリン、グルコオリゴ糖、ラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、イヌリン、カゼイン酸ナトリウム、ヤギミルク、牛乳、プロリン、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、グルタミン酸塩、グリシンベタイン、グリコーゲン、トレハロース、マンノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、デキストロース、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、ロイシン、トリロイシン、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される、段落64~96のいずれか一項に記載の方法。
98.当該賦形剤が、ロイシン及び/又はトレハロースである、段落64~97のいずれか一項に記載の方法。
99.当該安定剤が、ポリソルベート、ポロキサマー、又はポリビニルアルコールである、段落64~98のいずれか一項に記載の方法。
100.当該安定剤が、ポロキサマー80である、段落64~99のいずれか一項に記載の方法。
101.当該水溶液が、水である、段落64~100のいずれか一項に記載の方法。
102.当該液体原料が、少なくとも1つの追加の治療剤を更に含む、段落64~101のいずれか一項に記載の方法。
103.当該少なくとも1つの追加の治療剤が、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される、段落102に記載の方法。
104.当該乾燥チャンバへの当該噴霧ノズルが、少なくとも1.2umの直径を有する、段落64~103のいずれか一項に記載の方法。
105.当該乾燥チャンバへの当該噴霧ノズルによって生成された液体原料の当該液滴が、少なくとも1.5umの直径を有する、段落64~104のいずれか一項に記載の方法。
106.液体原料の当該液滴が、少なくとも0.5g/分の当該乾燥チャンバを通る流量を有する、段落64~105のいずれか一項に記載の方法。
107.液体原料の当該液滴が、少なくとも15g/分の当該乾燥チャンバを通る流量を有する、段落64~106のいずれか一項に記載の方法。
108.液体原料の当該液滴が、最大1000g/分の当該乾燥チャンバを通る流量を有する、段落64~107のいずれか一項に記載の方法。
109.当該加熱加圧ガスが、当該乾燥チャンバに導入される前に加熱される、段落64~108のいずれか一項に記載の方法。
110.当該加熱加圧ガスが、少なくとも100℃の温度で当該乾燥チャンバに導入される、段落64~109のいずれか一項に記載の方法。
111.当該加熱加圧ガスが、最大195℃の温度で当該乾燥チャンバに導入される、段落64~110のいずれか一項に記載の方法。
112.当該加熱加圧ガスが、少なくとも40℃の温度で当該乾燥チャンバから排出される、段落64~111のいずれか一項に記載の方法。
113.当該加熱加圧ガスが、少なくとも48℃の温度で当該乾燥チャンバから排出される、段落64~112のいずれか一項に記載の方法。
114.当該加熱加圧ガスが、最大85℃の温度で当該乾燥チャンバから排出される、段落64~113のいずれか一項に記載の方法。
115.当該加熱加圧ガスが、当該乾燥チャンバに導入される前に加圧される、段落64~114のいずれか一項に記載の方法。
116.当該乾燥チャンバ内の当該加熱加圧ガスが、1平方インチゲージ当たり少なくとも10ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する、段落64~115のいずれか一項に記載の方法。
117.当該乾燥チャンバ内の当該加熱加圧ガスが、1平方インチゲージ当たり少なくとも20ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する、段落64~116のいずれか一項に記載の方法。
118.当該乾燥チャンバ内の当該加熱加圧ガスが、1平方インチゲージ当たり最大150ポンド(psig)の噴霧ガス圧力を有する、段落64~117のいずれか一項に記載の方法。
119.当該加熱加圧ガスが、少なくとも5kg/時の当該乾燥チャンバを通る流量を有する、段落64~118のいずれか一項に記載の方法。
120.当該加熱加圧ガスが、少なくとも18kg/時の当該乾燥チャンバを通る流量を有する、段落64~119のいずれか一項に記載の方法。
121.当該加熱加圧ガスが、最大150kg/時の当該乾燥チャンバを通る流量を有する、段落64~120のいずれか一項に記載の方法。
122.当該加熱加圧ガスが、当該サイクロンチャンバを通して排出される、段落64~121のいずれか一項に記載の方法。
123.当該液体原料液滴を当該乾燥チャンバ内の加熱加圧ガスに曝露するステップが、最大8時間かかる、段落64~122のいずれか一項に記載の方法。
124.当該サイクロンチャンバ内で単離された当該乾燥粒子が、少なくとも1.5μm~最大7.5μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する、段落64~123のいずれか一項に記載の方法。
125.当該サイクロンチャンバ内で単離された当該乾燥粒子が、少なくとも4.0μmの中央質量空気動力学径(MMAD)を有する、段落64~124のいずれか一項に記載の方法。
126.サイクロンチャンバ内の所定の範囲の直径の乾燥粒子を単離するステップが、連続的に行われる、段落64~125のいずれか一項に記載の方法。
127.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、当該乾燥粒子を単離するステップの後に少なくとも5%の細菌生存率を含む、段落64~126のいずれか一項に記載の方法。
128.細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法であって、
a)気管支肺送達のための吸入装置であって、
i)吸入器、及び
ii)細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器を含む吸入装置を得ることと、
b)当該吸入器を活性化して、当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、
c)エアロゾル化又は分散された当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む、方法。
129.細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法であって、
a)気管支肺送達のための吸入装置であって、
i)吸入器、及び
ii)段落1~60のいずれか一項に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含有する容器を含む吸入装置を得ることと、
b)当該吸入器を活性化して、当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、
c)エアロゾル化又は分散された当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む、方法。
130.細菌調製物を含む噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を対象に送達する方法であって、
a)段落61~63のいずれか一項に記載の吸入装置を得ることと、
b)当該吸入器を活性化して、当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物のエアロゾル化又は分散を引き起こすことと、
c)エアロゾル化又は分散された当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入することと、を含む、方法。
131.当該吸入器が、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である、段落128~130のいずれか一項に記載の方法。
132.当該吸入器が、
a)開口部を含むマウスピースと、
b)当該容器中の当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物をエアロゾル化又は分散させるための手段と、を含む、段落128~131のいずれか一項に記載の方法。
133.当該吸入器が、少なくとも15L/分の吸入流量を有する、段落128~132のいずれか一項に記載の方法。
134.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の少なくとも25質量%~最大100質量%が、標的気管支肺組織に送達される、段落128~133のいずれか一項に記載の方法。
135.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物の少なくとも60.0質量%が、標的気管支肺組織に送達される、段落128~134のいずれか一項に記載の方法。
136.当該標的気管支肺組織が、肺、気管、気管支、細気管支、及び/又は肺胞である、段落128~135のいずれか一項に記載の方法。
137.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、心血管系又はリンパ系を介して当該気管支肺組織から遠位組織部位に送達される、段落128~136のいずれか一項に記載の方法。
138.治療を必要とする対象を治療する方法であって、細菌調製物を含む有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入によって投与することを含む、方法。
139.治療を必要とする対象を治療する方法であって、段落1~60のいずれか一項に記載の有効用量の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を吸入によって投与することを含む、方法。
140.当該対象が、慢性気管支肺疾患と診断されているか、又はそれを発症するリスクがある、段落138又は139に記載の方法。
141.当該慢性気管支肺疾患が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、喘息、気管支拡張症、肺気腫、嚢胞性線維症(CF)、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸器疾患症候群(ARDS)、特発性肺線維症(IPF)、肺高血圧症(PAH)、珪肺症、間質性肺疾患(ILD)、及び胸水(PE)からなる群から選択される、段落138~140のいずれか一項に記載の方法。
142.当該肺がんが、小細胞肺がん(SCLC)又は非小細胞肺がん(NSCLC)である、段落138~141のいずれか一項に記載の方法。
143.当該対象が、感染性肺疾患と診断されているか、又はそれに罹患するリスクがある、段落138~142のいずれか一項に記載の方法。
144.感染性気管支肺疾患が、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、パルボウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、水痘ウイルス、Corynebacterium diphtheriae、Haemophilus influenzae、Legionella pneumophila、Bordetella pertussis、Mycobacterium tuberculosis、Streptococcus種、Pseudomonas種、Escherichia coli、Aspergillus種、Cryptococcus種、及びPneumocystis種から選択される感染因子によって引き起こされるか、又はそれらに関連する、段落138~143のいずれか一項に記載の方法。
145.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、慢性又は感染性の気管支肺疾患の標準治療と併せて投与される、段落138~144のいずれか一項に記載の方法。
146.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、吸入器を使用して投与される、段落138~145のいずれか一項に記載の方法。
147.当該吸入器が、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量噴霧式吸入器(MDI)、又はソフトミスト吸入器(SMI)である、段落138~146のいずれか一項に記載の方法。
148.当該有効用量の当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、単位用量当たり少なくとも104CFUである、段落138~147のいずれか一項に記載の方法。
149.当該有効用量の当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、単位用量当たり少なくとも104CFUの生存細菌である、段落138~148のいずれか一項に記載の方法。
150.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、標的組織における好中球性炎症を低減する、段落138~149のいずれか一項に記載の方法。
151.当該噴霧乾燥されたバイオ治療用マトリックス組成物が、標的組織における乳酸濃度を少なくとも25%増加させる、段落138~150のいずれか一項に記載の方法。
152.少なくとも1つの追加の治療剤を投与することを更に含む、段落138~151のいずれか一項に記載の方法。
153.当該少なくとも1つの追加の治療剤が、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、血管拡張剤、及び気管支拡張剤からなる群から選択される、段落152に記載の方法。
154.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、当該細菌調製物と、当該少なくとも1つの追加の治療剤と、を含む、段落152に記載の方法。
155.当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物が、当該少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与される、段落152に記載の方法。
156.当該同時投与が、併用送達装置を使用して投与することを含む、段落152に記載の方法。
157.細菌調製物を含む少なくとも1mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単位剤形。
158.少なくとも1mgの段落1~60のいずれか一項に記載の噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単位剤形。
159.少なくとも1mgの段落64~127のいずれか一項に記載の方法によって調製された当該噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単位剤形。
160.単位用量当たり少なくとも104CFUの細菌を含む少なくとも1mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物を含む、単位剤形。
161.投薬量が、少なくとも30mgの噴霧乾燥されたバイオ治療マトリックス組成物である、段落157~160のいずれか一項に記載の単位剤形。
162.当該投薬量が、単位用量当たり少なくとも104CFUの細菌を含む、段落157~161のいずれか一項に記載の単位剤形。
163.当該投薬量が、単位用量当たり少なくとも104CFUの生存細菌を含む、段落157~162のいずれか一項に記載の単位剤形。
【0488】
本明細書に記載の技術は、以下の実施例によって更に例示され、これは、決して更なる限定であると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0489】
実施例1
図1は、例示的な噴霧乾燥の概略図を示す。
【0490】
図2に示されるように、PLASTIAPE RS01 DPIなどの乾燥粉末吸入器(DPI)は、本明細書に記載されるように、吸入製剤の送達に使用することができる。
【0491】
図3では、3つの細菌株AB101、AB102、及びAB103を、24時間にわたってインビトロでのそれらの増殖及び生存率について評価した。各株について5×107細胞/mLの細菌を、MRSブロス中、37℃で、200回転毎分(RPM)のシェーカーで16時間培養した。3、4、5、6、22、及び24時間で、各株についてOD600を測定した。
【0492】
図4A~4Cでは、健康なマウスに、生きている細菌株AB101、102、及び103の1:1:1の比でのブレンド又は陰性対照を気管内接種した。マウスの肺組織における細菌負荷及び気管支肺胞洗浄(BAL)液中の乳酸出力を、接種後0時間、4時間、8時間、12時間、16時間、24時間、及び72時間で測定した。
【0493】
図5A~5Bでは、噴霧乾燥粉末を、生存率について計数した。3つのバッチを、2種類の培地中で試験した。F4溶液は、注射用水中に0.05%のポリソルベート80を含有し、F6培地は、5:55のMRS:F4を含有した。液体原料溶液は、乾燥前の溶液であった。最終的な噴霧乾燥粉末を、1:108に希釈し、50uLの各溶液を、アガロースプレート上にプレーティングした。プレートを、37℃で16時間インキュベートし、コロニーをカウントし、合計CFUを計算した。
【0494】
図6では、示された試験方法を使用して、噴霧乾燥された生きているバイオ治療生成物AB1000の2つの例示的な製剤について粒子特性を決定した。
【0495】
図7では、各バッチの噴霧乾燥粉末中の細菌の生存率を、国際標準化機構(ISO)7889列挙基準によって測定した。
【0496】
図8では、51種類の抗生物質に対する生きている細菌株AB101、AB102、及びAB103の耐性及び感受性プロファイルを測定した。
【0497】
図9は、バイオ治療剤AB1000の代表的な薬物粉末を投与された、リポ多糖(LPS)の有無でブタ膵臓エラスターゼ(PPE)に曝露されたマウスを試験するための群の割り当てを示す。この試験スキームは、本明細書において「PPEモデルマウス」と称される。
【0498】
図10A~10Bでは、マウス肺組織の放射状肺胞数(RAC)及び平均肺胞径(MLI)を含む、PPEモデルにおけるマウス群の肺構造の変化を測定した。
【0499】
図11では、PPEモデルマウスにおける肺抵抗を使用して肺機能検査を測定した。
【0500】
図12では、PPEモデルマウスの肺組織におけるMMP-9のmRNA転写レベルを測定した。
【0501】
図13A~13Eでは、PPEモデルマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の炎症マーカーのタンパク質レベルを測定した。
【0502】
図14A~14Eでは、PPEモデルマウスの血清中の炎症マーカーのタンパク質レベルを測定した。
【0503】
図15A~15Bでは、PPE及びLPSに曝露されたマウス、並びにAB1000又は吸入ステロイドであるフロ酸フルチカゾンで処置したマウスにおける平均肺胞径(MLI)を含む肺組織構造を測定した。
【0504】
図16では、肺組織におけるMMP-9発現の低下に対するAB1000及びフロ酸フルチカゾンの効果を、PPE及びLPSに曝露されたマウスで測定した。
【0505】
図17A~17Iでは、AB1000で処置されPPE+LPSに曝露されたマウスの気管肺胞洗浄液(BAL)中の、抗炎症性サイトカインExodus2(
図17A)、マクロファージ炎症性タンパク質-3b(MIP-3b)(
図17B)、インターロイキン-11(IL-11)(
図17C)、単球走化性タンパク質5(MCP-5)(
図17D)、胸腺及び活性化調節性ケモカイン(TARC)(
図17E)、MIP-3a(
図17F)、IL-16(
図17G)、組織性メタロプロテアーゼ阻害因子1(TIMP1)(
図17G)、及びマクロファージ由来ケモカイン(MDC)(
図17I)のタンパク質レベルを測定した。
【0506】
図18では、肺組織におけるMMP-9発現、血清中のMMP-9タンパク質、及びBAL中のIgAタンパク質を、AB1000又は対照生理食塩水処理で処置されタバコの煙若しくは対照空気に曝露されたマウスにおいて測定した。
【0507】
図19A~19Bでは、ラクトブレンドで処理したLL29特発性肺線維症(IPF)線維芽細胞において、線維形成(平滑筋アルファ-アクチン(αSMA))及び線維症発症(コラーゲンI型アルファ1(COL1A1)、COL1A2、フィブロネクチン)のマーカーをインビトロで測定した。
【0508】
図20A~20Bでは、陰性対照又はABブレンドで処理したブレオマイシン曝露ヒト気管支上皮細胞において、上皮から間葉系への移行を測定した。
【0509】
図21では、ブレオマイシンに曝露され、陰性対照又はABブレンドで処理されたTHP1単球(ヒト白血病単球系細胞株)において、線維化促進性マーカー(形質転換増殖因子ベータ-1(TGFベータ-1))、炎症帯で見出されたタンパク質1(FIZZ1;レジスチン様分子アルファとも称される)、及び抗線維化マーカー(IL-6、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-アルファ))を測定した。
【0510】
図22では、陰性対照で処置されたか、又はIAV感染前に(処置前+IAV)、IAV感染と同時に(共処置+IAV)、若しくはIAV感染後に(処置後+IAV)ラクトブレンドを投与されたか、又は陽性対照としてIAV感染後にリバビリンを投与された(リバビリン後+IAV)IAV感染マウスのBAL中の、インフルエンザA(IAV)ウイルスヘマグルチニン(HA)タンパク質及びC反応性タンパク質(CRP)を測定した。処置前+IAV:ラクトブレンドを6日間連続で5分間(5mg/日)吸入させ、次いで、AIVに感染させた。共処置+IAV:ラクトブレンドを1回5分間吸入させ、直ちにIAVに感染させた。処置後+IAV:IAVを感染させ、24時間後、第1の用量のラクトブレンドを与える(5分間、5mg/日、6日間)。リバビリン後+IAV:IAVを感染させ、24時間後、4日間、100mg/kg/日のリバビリンを腹腔内投与する。
【0511】
図23では、気管支肺異形成症(BPD)のダブルヒット高酸素症(HO)+E.coliマウスモデルにおいて、好中球性炎症のマーカーを測定した。
【0512】
図24では、生きている細菌株AB101、AB102、及びAB103のブレンドを、49種類の抗生物質に対するその耐性について試験した。ブレンドが耐性であった抗生物質において、個々の株を耐性についてアッセイした(
図8も参照されたい)。
【図】
【国際調査報告】