IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピーティー・エスピーイー・サブコ・エルエルシーの特許一覧

特表2025-503471高屈折率ナノ結晶およびナノコンポジットの合成、キャッピングおよび分散
<>
  • 特表-高屈折率ナノ結晶およびナノコンポジットの合成、キャッピングおよび分散 図1
  • 特表-高屈折率ナノ結晶およびナノコンポジットの合成、キャッピングおよび分散 図2
  • 特表-高屈折率ナノ結晶およびナノコンポジットの合成、キャッピングおよび分散 図3
  • 特表-高屈折率ナノ結晶およびナノコンポジットの合成、キャッピングおよび分散 図4a
  • 特表-高屈折率ナノ結晶およびナノコンポジットの合成、キャッピングおよび分散 図4b
  • 特表-高屈折率ナノ結晶およびナノコンポジットの合成、キャッピングおよび分散 図4c
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】高屈折率ナノ結晶およびナノコンポジットの合成、キャッピングおよび分散
(51)【国際特許分類】
   C01G 23/053 20060101AFI20250128BHJP
   C09C 1/00 20060101ALI20250128BHJP
   C09C 3/08 20060101ALI20250128BHJP
   C09C 3/06 20060101ALI20250128BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20250128BHJP
   B82Y 35/00 20110101ALI20250128BHJP
【FI】
C01G23/053
C09C1/00
C09C3/08
C09C3/06
B82Y30/00
B82Y35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537432
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-15
(86)【国際出願番号】 US2022053543
(87)【国際公開番号】W WO2023122108
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,197
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323008110
【氏名又は名称】ピーティー・エスピーイー・サブコ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ウィアック,ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】モニッカム,セリーナ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヤズダンパラスト,モハマド・サジェ
(72)【発明者】
【氏名】シチョウスキー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】フー,グオイ
(72)【発明者】
【氏名】ガシュル,ピーター・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】マクリントック,グレース・イー.エム
(72)【発明者】
【氏名】チェン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ、ジーハ・サーピル・ゴネン
(72)【発明者】
【氏名】アミーモシリー,モハマドレザ
(72)【発明者】
【氏名】タドロス,ニコル・ジャウド
【テーマコード(参考)】
4G047
4J037
【Fターム(参考)】
4G047CA02
4G047CB06
4G047CB08
4G047CC03
4G047CD04
4J037AA08
4J037AA22
4J037CA24
4J037CB26
4J037DD05
4J037EE03
4J037EE43
4J037FF02
(57)【要約】
光触媒的および熱的に安定した金属酸化物シェルを含むキャッピングされた酸化金属ナノ結晶、ならびにモノマー、オリゴマー、およびポリマー中のこれらの分散体の調製、ならびに生成した配合物およびナノコンポジットフィルム。これらのナノ結晶は高単分散性であり、ナノ結晶サイズが3~100nmの間である。これらのナノ結晶およびマトリックス材料を組み込んだ、生成された配合物は、極めて安定しており、高屈折率を有し、極めて透明であり、熱的またはUV処理の際に吸収性の変化が最小からゼロに留まり、可視波長において光学的に透明であり、散乱が非常にわずかまたはまったくないナノコンポジットをもたらす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアおよび外側シェルを含む、コア-シェル構造を有するナノ結晶であって、コアが外側シェルにより少なくとも部分的に封入され、コアがコア金属酸化物を含み、外側シェルがシェル金属酸化物を含み、
コア金属酸化物が、TEMで測定した場合、3nmより大きく、50nm未満の平均粒径を有することを特徴とし、
外側シェルが、TEMで測定した場合、0.1nm~5nmの間の厚さを有することを特徴とし、
コア金属酸化物およびシェル金属酸化物が同じまたは異なる、
ナノ結晶。
【請求項2】
シェル金属酸化物のコア金属酸化物に対する原子比が、SEM EDXで測定した場合、3未満、例えば、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8nm未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満である、請求項1に記載のナノ結晶。
【請求項3】
コア金属酸化物が狭い粒径分布を有し、狭い粒径分布が、1)D90:D10比が5未満、好ましくは、3未満、もしくは2未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.8、約1.2~約3、もしくは約1.5~約3であり;2)D90:D50比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であり;および/または3)D50:D10比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ結晶。
【請求項4】
狭い粒径分布を有することを特徴とし、狭い粒径分布が、1)D90:D10比が5未満、好ましくは、3未満、もしくは2未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.8、約1.2~約3、もしくは約1.5~約3であり;2)D90:D50比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であり;および/または3)D50:D10比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ結晶。
【請求項5】
無機不動態化剤で処理されたコアおよび/またはコア-シェルを含み、無機不動態化剤がNaHPO、NaHPO、NaCl、NaNO、および/またはLiNOを含む、請求項1から4のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項6】
少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶を含み、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶が、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテル、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされている、請求項1から5のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項7】
少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶の有機物含有量が、25%未満、例えば、5%未満、または5%~8%、または8%~10%、または10%~12%、または12%~14%または14%~16%、または16%~18%、または18%~20%である、請求項6に記載のナノ結晶。
【請求項8】
コア金属酸化物が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、および/またはチタン酸バリウムを含む、請求項1から7のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項9】
シェル金属酸化物が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、請求項1から7のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項10】
コア金属酸化物がTiOを含み、シェル金属酸化物が二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、請求項1から7のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項11】
320nm~390nmで66時間、光強度4mW/cmでのUV曝露の前および後にヘイズメーターを使用して前記コア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、低い光触媒活性を示す、請求項1から10のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項12】
450nm以上で1000時間、光強度16mW/cmでの、または405nm以上で148時間、光強度25mW/cmでの、UV曝露の前および後にヘイズメーターを使用して前記コア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、低い光触媒活性を示す、請求項1から10のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項13】
405nm以上で148時間、光強度25mW/cmでのUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を示す、請求項1から10のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項14】
450nm以上で1000時間、16mW/cmでのUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を示す、請求項1から10のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項15】
コア金属酸化物が酸化チタンであり、シェル金属酸化物が酸化ジルコニウムを含み、ナノ結晶の平均粒径が、TEMで測定した場合、30nm未満である、請求項11から14のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項16】
シェルZrのコアTiに対する原子比が、SEM EDXで測定した場合、3未満、例えば、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8nm未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満である、請求項15に記載のナノ結晶。
【請求項17】
ナノ結晶の粒径分布が、動的光散乱(DLS)により、溶媒中5重量%分散させたナノ結晶の体積で測定した場合、D9999が500nm未満であることを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載のナノ結晶。
【請求項18】
TiOナノ結晶を含むコアおよびシェル金属酸化物を含むシェルを含む、コア-シェル型TiOナノ結晶を調製する方法であって、シェル金属酸化物の前駆体を、溶媒中で、TiOナノ結晶を含むコアを少なくとも部分的に封入するシェル金属酸化物へと変換させるステップを含み、変換させるステップが、1)シェル金属酸化物の前駆体を、溶媒とTiOナノ結晶を含むコアとの反応混合物中で混合するステップ、および2)反応混合物を、反応温度で、例えば、約90℃で、ある期間の間加熱して、TiOナノ結晶を含むコアを少なくとも部分的に封入するシェル金属酸化物を得るステップを含む、方法。
【請求項19】
変換させるステップが、1)シェル金属酸化物の前駆体を、直接的に、または水中のいずれかで、溶媒とTiOナノ結晶を含むコアとの反応混合物と混合するステップ、および2)反応混合物を、約50℃~約90℃の反応温度で、約10分間~約7日間加熱して、TiOナノ結晶を含むコアを少なくとも部分的に封入するシェル金属酸化物を形成するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
シェル金属酸化物が、酸化ジルコニウムを含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
二酸化ジルコニウムの前駆体が、ジルコニウムアルコキシド、例えば、式Zr(OR)を有するジルコニウムアルコキシド、式Zr(OR)を有する化合物、またはその組合せ[式中、各R基は、独立して、アルキル基(例えば、C1~C6アルキル基)または置換アルキル基であることができ、G基は、存在する各々において独立して、ハロゲン(例えば、Cl)であり、xは0~4の整数であり、yは0~4の整数であるが、ただし、x+yは4であるものとする]、またはジルコニウムオキシハライドもしくはジルコニウムハライドである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、および水から選択される1種または複数の溶媒を含む、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
コア-シェル型TiOナノ結晶が、TEMで測定した場合、平均粒径約3nm~約50nmを有する、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
TiOナノ結晶を含むコアが、TEMで測定した場合、平均粒径3nm~50nmを有し、シェル金属酸化物を含むシェルがシェルの厚さ0.1nm~5nmを有する、請求項18から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
シェル金属酸化物がZrOを含み、コアTiOナノ結晶およびシェルZrOのZr/Tiの原子比が、SEM EDXで測定した場合、3未満、例えば、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8nm未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満である、請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
TiOナノ結晶上の少なくとも1種の金属酸化物材料のシェルが、TiOナノ結晶を完全にまたは部分的に封入する、請求項18から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
シェルが、結晶性形態および/または非晶質形態のシェル金属酸化物を含む、請求項18から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法に従い調製したコア-シェル型TiOナノ結晶が狭い粒径分布を有し、狭い粒径分布が、1)D90:D10比が5未満、好ましくは、3未満、もしくは2未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.8、約1.2~約3、もしくは約1.5~約3であり;2)D90:D50比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であり;および/または3)D50:D10比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であることを特徴とする、請求項18から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
ZrOを含むシェルを有し、TiOナノ結晶を含むコアを有する、コア-シェル型TiOナノ結晶をキャッピングする方法であって、請求項1から5のいずれか一項に記載のナノ結晶を、第1のキャッピング剤と、第1のキャッピング溶媒中で反応させて、第1の少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶を生成するステップを含む、方法。
【請求項30】
キャッピング剤が、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテル、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せのうちの1種または複数である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶、少なくとも1種のキャッピング剤、および分散媒を含む、ナノ結晶分散体であって、
コア-シェル型ナノ結晶はコア金属酸化物とシェル金属酸化物を含む外側シェルとを含み、、
コア金属酸化物が、TEMまたはDLSで測定した場合、3nmより大きく、50nm未満の平均粒径を有することを特徴とし、シェルが、TEMまたはDLSで測定した場合、0.2nm~5nmの間の厚さを有することを特徴とし、
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶が、分散体の10重量%を超える量で存在する、
ナノ結晶分散体。
【請求項32】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶が、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテル、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされている、請求項31に記載のナノ結晶分散体。
【請求項33】
コア-シェル型ナノ結晶が、NaHPO、NaHPO、NaCl、NaNO、および/またはLiNOを含む無機不動態化剤で処理されている、請求項31または32に記載のナノ結晶分散体。
【請求項34】
少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶の有機物含有量が、25%未満、例えば、5%未満、または8%未満、または10%未満、12%未満、または14%未満、または16%未満、18%未満、または20%未満である、請求項31から33のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項35】
コア金属酸化物が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、および/またはチタン酸バリウムを含む、請求項31から34のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項36】
シェル金属酸化物が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、請求項31から35のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項37】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶が、分散体の50重量%以上の量で存在し、有機物%が、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の20%未満である、請求項31から36のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項38】
コア金属酸化物が酸化チタンであり、シェル金属酸化物が酸化ジルコニウムを含み、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の平均粒径が、TEMまたはDLSで測定した場合、30nm未満である、請求項31から37のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項39】
シェルZrOのコアTiOに対する原子比が、SEM EDXで測定した場合、3未満、例えば、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8nm未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満である、請求項31から38のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項40】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の粒径分布が、動的光散乱(DLS)で、溶媒中に5重量%分散させた少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の体積で測定した場合、D9999が500nm未満であることを特徴とする、請求項31から39のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項41】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の粒径分布が、動的光散乱(DLS)で、溶媒中に5重量%分散させた少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の体積で測定した場合、D9999が300nm未満であることを特徴とする、請求項31から39のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項42】
分散媒が溶媒、モノマー、ポリマーのオリゴマー、またはその組合せを含む、請求項31から41のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
【請求項43】
1)シェル金属酸化物を含む外側シェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマー;3)任意に、溶媒;ならびに4)硬化剤を含むナノコンポジット配合物であって、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーに対して20重量%を超える量で存在し、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶のコアが、結晶性二酸化チタンを含み、少なくとも1種の無機不動態化剤で処理されており、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶の平均粒径が、PGMEA中5%ナノ結晶分散体としてDLSで測定した場合、3~50nmの範囲である、ナノコンポジット配合物。
【請求項44】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、TEMで測定した場合、3nmより大きく、50nm未満の平均粒径および0.1nm~3nmの間のシェル厚さを有する、請求項43に記載のナノコンポジット配合物。
【請求項45】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテル、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされている、請求項43または44に記載のナノコンポジット配合物。
【請求項46】
シェル金属酸化物が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、請求項43から45のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
【請求項47】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶が、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーに対して50%以上の量で存在する、請求項43から46のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
【請求項48】
配合物の粘度が1~1000cPの範囲である、請求項43から47のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
【請求項49】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320nm~390nmで100時間のUV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用して前記コア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、請求項43から48のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
【請求項50】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、450nm以上で1000時間のUV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用して前記コア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、請求項43から48のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
【請求項51】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320~390nm以上で100時間のUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、請求項43から48のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
【請求項52】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、450nm以上で1000時間のUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、請求項43から48のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
【請求項53】
シェル金属酸化物を含む外側シェルを有し、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶を含む硬化したフィルム、ならびに少なくとも1種のモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーを含むナノコンポジットであって、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、50重量%を超えるナノコンポジットの量で存在し、厚さ1ミクロンのフィルムの透過率が、波長400nm以上において80%を超え、フィルムが、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用して測定した場合、約1.60~約2.20の屈折率を有する、ナノコンポジット。
【請求項54】
5μm未満の厚さのフィルムが、200℃より高い温度に5分間供した場合熱的に安定しており、bの変化が、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満であり、ヘイズ%の変化が、ヘイズメーターで測定した場合、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満である、請求項53に記載のナノコンポジット。
【請求項55】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、TEMで測定した場合、3nmより大きく、50nm未満の平均粒径を有し、TEMで測定した場合、0.2nm~3nmの間のシェル厚さを有する、請求項53または54に記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項56】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテル、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされている、請求項53から55のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項57】
シェル金属酸化物が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、請求項53から56のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項58】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320nm~390nmで100時間のUV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用して前記コア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、請求項53から57のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項59】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、450nm以上で1000時間のUV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用して前記コア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、請求項53から57のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項60】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320~390nm以上で100時間のUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、請求項53から57のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項61】
少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、450nm以上で1000時間のUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、請求項53から57のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項62】
請求項53から61のいずれかに記載のナノコンポジットフィルムのいずれかを含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、全内容が参照により本明細書に組み込まれている、2021年12月21日に出願した、米国仮出願第63/292,197号の利益を主張する。
[0002]様々な実施形態において、本出願は、金属酸化物シェルを含む、光触媒的および熱的に安定した、キャッピングされた、ZrOおよびTiOの酸化金属ナノ結晶の調製、ならびにモノマー、オリゴマー、および/またはポリマー中へのこれらの分散、ならびに結果として生じるナノコンポジットフィルムについて記載している。これらのナノ結晶は高単分散性であり、ナノ結晶サイズが3~100nmの間である。これらのナノ結晶の分散体は、様々な溶媒、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマー中で形成される。これらの分散体は通常、高い充填量、高い透過率、および低い粘度を有する。これらのナノ結晶およびマトリックス材料を組み込んだ、生成された配合物は通常、極めて安定しており、高屈折率を有し、吸収性が低く、熱的またはUV処理の際に吸収性の変化が最小からゼロに留まり、可視波長において光学的に透明であり、散乱が非常にわずかまたはまったくないナノコンポジットをもたらす。
【背景技術】
【0002】
[0003]二酸化チタン(TiO)、またはチタニアは、その独自の物理的および化学的特徴と、その豊富さおよび無毒性とが相まって、最も広く使用されている多機能性セラミック材料のうちの1種である。高屈折率および(UV)光吸収性を含むそのバルク特性により、TiOは、数百万トン単位で商業的に製造され、顔料、ペイント、日焼け止め剤、およびコーティングに一般的に見出すことができる。従来の用途に加えて、チタニアはまた、オプトエレクトロニクス、太陽光発電、触媒、燃料電池、電池、スマートウィンドウ、センサー、および自己清浄性表面を含む、多くの用途における使用のために研究されている。
【0003】
[0004]二酸化チタン、特にサブnmサイズの粒子はその高屈折率から、光学的用途に対して大きな関心を生んでいる。酸化チタン、アナターゼおよびルチルの2つの結晶相は、屈折率2.55および2.76をそれぞれ保有する。さらにモノマー、オリゴマーまたはポリマーと組み合わせた場合、これら金属酸化物は高い透明性および高屈折率を実証する。しかし、TiO粒子は優れたUV吸収体である。アナターゼおよびルチルに対するエネルギーバンドギャップはそれぞれ3.23eVまたは3.06eVである。この大きなエネルギーバンドギャップの結果として、TiOは光化学的活性がある。高エネルギー波長に曝露された場合、電子は価電子帯から伝導帯へと励起し、電子-正孔対を生成する。これらの電子-正孔対は、TiOの表面に拡散して、ラジカル種を作り出し、ひいてはこのラジカル種は表面有機物に有害であり、これらの分解をもたらす可能性がある。この表面有機物の分解は、ポリマーの崩壊をもたらし、チョーキングおよび黄変などの欠陥をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0005]屈折率がより高い材料に対する需要が増加するにつれて、光化学的および熱的に安定したTiOに対する必要性が高まっている。利用可能な有機物質の選択肢は限られているので、無機-有機ナノコンポジット材料は、依然として、このような高屈折率の需要を達成する唯一の選択肢である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006]本開示は、光触媒活性がより低く、高温において熱的に安定しているTiOナノ結晶を作製する方法を提供する。
[0007]本開示は、コア-シェル構造を有するナノ結晶を形成する、結晶性コアおよび金属酸化物の薄いシェルを含むTiOおよびZrOナノ結晶を作製するための方法を提供する。シェル材料として、これらに限定されないが、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、酸化セリウム、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0006】
[0008]本開示は、結晶性コアおよび金属酸化物の外側シェル/コーティングを有するコア-シェルナノ結晶をキャッピングする方法を含む。コア-シェルナノ結晶は分離および/または精製され、少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされて、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶を生成する。少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶は、本開示の方法に従い、さらに精製および/または分離されてもよい。ナノ結晶およびキャッピングされたナノ結晶は、本開示の方法において、溶媒、モノマー、ポリマー、またはこれらのいくつかの組合せを含む材料中に分散させることもできる。
【0007】
[0009]本開示は、金属酸化物の外側シェル/コーティングでコーティングされたTiOおよびZrOナノ結晶の表面不動態化、ならびに少なくとも1種の無機不動態化剤によるさらなる処理の方法をさらに含む。本開示のコア-シェルナノ結晶は、少なくとも1種のキャッピング剤によるキャッピングの前または後で、少なくとも1種の無機不動態化剤で処理される。無機物による処理を有する、生成した少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶は、本開示の方法に従い、さらに精製および/または分離される。本開示の方法において、ナノ結晶およびキャッピングされたナノ結晶は、溶媒、ポリマー、またはこれらのいくつかの組合せを含む材料中に分散させる。
【0008】
[0010]本開示は、少なくとも1種の無機不動態化剤を用いた、外側シェルを有さないTiOおよびZrOナノ結晶の不動態化の方法を含む。本開示のTiOおよびZrOナノ結晶は、キャッピング前または後に少なくとも1種の無機不動態化剤で任意に処理される。無機物による処理を有する、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶は、本開示の方法に従い、さらに精製および/または分離される。本開示の方法において、ナノ結晶およびキャッピングされたナノ結晶は、溶媒、ポリマー、またはこれらのいくつかの組合せを含む材料中に分散させる。
【0009】
[0011]本開示は、コア金属酸化物および少なくとも1つのシェル金属酸化物の外側シェルを有するコア-シェルナノ結晶の分散体および配合物をさらに含む。これらの分散体は、他の添加剤に加えて、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーを含む溶媒および配合物であってもよい。
【0010】
[0012]本開示は、マトリックスおよびナノ結晶を含有するナノコンポジット材料をさらに含み、これらマトリックスおよびナノ結晶は、ナノコンポジット材料の中に、例えば、混合、撹拌、または分散されている。本開示によるナノコンポジットは、例えば、ナノ結晶およびマトリックス材料またはマトリックスの前駆体のUV硬化、熱硬化、溶融ブレンド、in situ重合、および/または溶媒混合により製作される。ナノ結晶は、ZrOナノ結晶、TiOナノ結晶、およびコア-シェルナノ結晶のうちの1種または複数を含む。
【0011】
[0013]本開示は、ポリマーマトリックスに埋め込んだTiOナノ結晶の光触媒的活性および熱安定性を評価するための方法を含む。
[0014]本開示はまた、例示的実施形態、例えば、実施例のセクションに示されているもの、実施形態1~42で列挙されているもの、および本明細書の請求項1~62に示されているものなどを提供する。
【0012】
[0015]前述の概要も以下の詳細な説明も単に例示的および説明的なものであり、本明細書での本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0016]PGMEA中5重量%における、平均粒径37.15ナノメートルを示す、実施例6に記載の無機不動態化処理した、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶の例示的な強度対粒径DLSプロットを示す図である。
図2】[0017]PGMEA中5重量%における、平均粒径25.46ナノメートルを示す、実施例6に記載の無機不動態化処理した、ZrOシェルを含む、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶の例示的な体積対粒径DLSプロットを示す図である。
図3】[0018]20ナノメートル未満の平均粒径を示し、ZrおよびTi原子が同じ粒子中に存在する、実施例6に記載の外側ZrOシェルを有する、酸化チタンナノ結晶の例示的なTEM画像を示す図である。
図4a】[0019]450nm波長に1000時間連続的に曝露した場合の、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOナノ結晶、および実施例19に述べられているアクリルモノマーの組合せを含む、厚さ1ミクロンのスピンコーティングしたナノコンポジットの例示的な光透過率を示すグラフである。ここでは実施例5からのナノ結晶を用いている。
図4b】450nm波長に1000時間連続的に曝露した場合の、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOナノ結晶、および実施例19に述べられているアクリルモノマーの組合せを含む、厚さ1ミクロンのスピンコーティングしたナノコンポジットの例示的な光透過率を示すグラフである。ここでは実施例6からのナノ結晶を用いている。
図4c】450nm波長に1000時間連続的に曝露した場合の、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOナノ結晶、および実施例19に述べられているアクリルモノマーの組合せを含む、厚さ1ミクロンのスピンコーティングしたナノコンポジットの例示的な光透過率を示すグラフである。ここでは実施例7からのナノ結晶を用いている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0020]表1:キャッピング前にZrOシェルを有するおよび有さない、UV照射に曝露された際に無機物による処理を含有しないTiOナノ結晶、ならびにポストベーキングステップにおける変色ランキングである。
【0015】
[0021]表2:いかなる金属酸化物シェルも有さない、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOナノ結晶、およびUV照射に曝露された際に異なる無機物による処理を有するもの、ならびにポストベーキングステップにおける変色ランキングである。
【0016】
[0022]表3:異なる温度で加熱した場合の、ZrOシェルを有するおよび有さない、ならびに/または無機物による処理を有するおよび有さない、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOの変色ランキングである。
【0017】
[0023]表4:実施例19に記載されている配合物を使用して作製されたナノコンポジットの光学特性である。
[0024]表5:実施例19に記載の通り調製され、320~390nmの波長に158時間(平均強度4mW/cm)連続的に曝露されたナノコンポジットの光学特性である。
【0018】
[0025]表6:実施例19に記載の通り調製され、405nmの波長に148時間(平均強度25mW/cm)連続的に曝露されたナノコンポジットの光学特性である。
[0026]表7:実施例19に記載の通り調製され、450nmの波長に1000時間(平均強度16mW/cm)連続的に曝露されたナノコンポジットの光学特性である。
【0019】
[0027]表8a:配合物の組成および特性の概要。チタニアナノ結晶およびチタニア-ジルコニアナノ結晶を有する試料が含まれる。
[0028]表8c:UVA光に72時間曝露された場合の、実施例21に記載されているナノコンポジットの光学特性である。
【0020】
[0029]表8d:QUV加速された風化試験に72時間曝露された場合の実施例21に記載されているナノコンポジットの光学特性である。
[0030]表9a:実施例22に記載されている配合物の組成および粘度の概要である。
【0021】
[0031]表9b:405nm光に150時間曝露された場合の、実施例22に記載されているガラス支持体上のナノコンポジットの光学特性である。
[0032]表10a:実施例23に記載されている配合物を使用して作製したナノコンポジットの粘度および光学特性である。
【0022】
[0033]表10b:QUV加速された風化試験に72時間曝露された場合の、実施例23に記載されているナノコンポジットの光学特性である。
[0034]表10c:405nm波長に148時間連続的に曝露された場合の、実施例23に記載されているナノコンポジットの光学特性である。
【0023】
[0035]本開示の様々な処理に対して使用される酸化ジルコニウムおよび酸化チタンナノ結晶は通常、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムの前駆体を少なくとも1種の溶媒に混合または溶解し、ある特定の期間の間反応させておくソルボサーマル法により調製することができる。ある場合には、圧力および/または加熱が使用される。生成したTiOまたはZrOナノ結晶は、沈殿、遠心分離、濾過および当技術分野で公知の他の分離方法により任意に分離および精製する。ソルボサーマルプロセスにおいて溶媒は水ではない。溶媒の大部分として水が使用される場合、合成法は水熱合成法と呼ばれる。TiOおよびZrOナノ結晶のソルボサーマル合成において、溶媒としてではなくむしろ反応物質として少量の水を反応混合物に添加することによって、水の添加なしで行われる反応よりも粒径およびサイズ分布のより良い制御がもたらされる。本明細書のTiOおよびZrOナノ結晶の合成、キャッピングおよび分散に対して有用な例示的方法は、それぞれの内容が全体として参照により本明細書に組み込まれる、国際出願:PCT/US2011/057822(WO2012/058271として公開された)、およびPCT/US2019/062439(WO2020/106860として公開された)に記載されている方法を含む。
【0024】
[0036]酸化チタンナノ結晶の前駆体は通常、アルコキシド、例えば、チタンメトキシド(Ti(OCH)、チタンエトキシド(Ti(OCHCH)、チタンn-プロポキシド(Ti(OCHCHCH)、チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH)、チタンn-ブトキシド(Ti(OCHCHCHCH);アセチルアセトネート、例えば、チタンオキシアセチルアセトネート(TiO(CHCOCHOCH);ハロゲン化物、例えば、塩化チタン(TiCl);ならびに混合したハロゲン化物およびアルコキシド、例えば、チタンクロロトリイソプロポキシチタン(TiCl(OCH(CH)、クロロトリブトキシチタン(TiCl(OCHCHCHCH)、またはチタンジクロリドジエトキシド(TiCl(OCHCH)または他の有機金属化合物のうちの1種または複数から選択される。
【0025】
[0037]酸化ジルコニウムナノ結晶の前駆体は通常、アルコキシド、例えば、ジルコニウムメトキシド(Zr(OCH)、ジルコニウムエトキシド(Zr(OCHCH)、ジルコニウムn-プロポキシド(Zr(OCHCHCH)、ジルコニウムイソプロポキシド(Zr(OCH(CH)、ジルコニウムn-ブトキシド(Zr(OCHCHCHCH);アセチルアセトネート、例えば、ジルコニウムオキシアセチルアセトネート(ZrO(CHCOCHOCH);ハロゲン化物、例えば、塩化ジルコニウム(ZrCl);および混合したハロゲン化物およびアルコキシド、例えば、ジルコニウムクロロトリイソプロポキシチタン(ZrCl(OCH(CH)、クロロトリブトキシジルコニウム(ZrCl(OCHCHCHCH)、またはジルコニウムジクロリドジエトキシド(ZrCl(OCHCH)または他の有機金属化合物のうちの1種または複数から選択される。
【0026】
[0038]本開示のナノ結晶の合成のための溶媒に対する例として通常、アルコール、例えば、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール;エーテルおよび環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトンおよび環状ケトン、例えば、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル;芳香族、例えば、ベンゼン、トルエン;および水のうちの1種または複数ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0027】
[0039]本開示の酸化チタンまたは酸化ジルコニウムは通常、少なくとも1種の金属酸化物を含む外側シェルでコーティングされる。外側の酸化物シェルのコーティング方法は一般的に、酸化ジルコニウムまたは酸化チタンナノ結晶の周りで酸化物シェルの前駆体を変換させることを含む。シェル材料として使用される酸化物の例として、これらに限定されないが、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、酸化セリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。このプロセスは、任意に分離および精製したTiOまたはZrOナノ結晶を溶媒中で混合する、または懸濁させるステップ、およびシェル金属酸化物の少なくとも1種の前駆体を溶液に添加するステップを含む。次いで、溶液をある期間の間反応させて、コア金属酸化物とシェル酸化物前駆体との間の反応を促進させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。これによって、コア-シェル型ナノ結晶が生成する。コア-シェル型ナノ結晶は任意に分離および精製する。
【0028】
[0040]TiOまたはZrOナノ結晶上の酸化物シェルの前駆体の例として、これらに限定されないが、金属アルコキシド、例えば、式M(OR)4を有する金属アルコキシド、式M(OR)xGyを有する化合物、またはその組合せ[式中、MはCe、Zr、Si、Hf、NB、Al、Ta、Ti、Baであることができ、各R基は、独立して、アルキル基(例えば、C1~C6アルキル基)または置換アルキル基であることができ、G基は、存在する各々において独立して、ハロゲン(例えば、Cl)であり、xは0~4の整数であり、yは0~4の整数であるが、ただし、x+yは4であるものとする]、金属オキシハライド、金属ハロゲン化物、金属、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。シェル金属酸化物の前駆体の例として、これらに限定されないが、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ塩化チタン、オキシ塩化ハフニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミニウムイソプロポキシド、テトラエチルオルトシリケート、テトラメチルオルトシリケート、塩化セリウム、炭酸セリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0029】
[0041]任意に、シェル金属酸化物前駆体をTiOまたはZrOナノ結晶上で酸化物シェルへと変換させるのを促進するために、塩基または酸が存在する。本開示の塩基または酸の例として、これらに限定されないが、水酸化トリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルアンモニウム、硝酸、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ポリエチレンイミン、クエン酸、塩酸、安息香酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0030】
[0042]シェル金属酸化物前駆体をTiOまたはZrOナノ結晶上で酸化物シェルへと変換させるのを促進するために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、水、PGMEA、PGME、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0031】
[0043]精製のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが水、THF、アセトン、ヘプタン、トルエン、PGMEA、PGME、エタノール、メタノール、イソプロパノール、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0032】
[0044]任意に、精製中に存在する過剰な酸または塩基の中和を促進させるために塩基または酸が存在する。本開示の塩基または酸の例として、これらに限定されないが、水酸化トリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルアンモニウム、硝酸、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ポリエチレンイミン、クエン酸、塩酸、安息香酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0033】
[0045]サブナノメートルサイズのナノ結晶の製造はしばしば凝集を生じ、この凝集は生成したナノコンポジットの散乱および透明性の損失をもたらす。十分に分散させたナノコンポジットを生成する鍵となるのは、マトリックスまたは媒体との混合を開始する前に凝集しないナノ結晶を使用することである。凝集しないナノ結晶を達成するための1つの方法は、キャッピング剤と呼ばれるリガンドイオンまたは分子の導入により、ナノ結晶の表面化学反応を制御することである。これらキャッピング剤は、ナノ結晶の表面に添加することによって、ナノ結晶の新規の有効な表面を作り出す。この有効な表面は、キャッピング剤による完全なまたは部分的な表面カバレージにより作り出されるシェルの表面である。この有効な表面の化学反応を調整することによって、ナノ結晶の実際のまたは最初の表面とははっきりと異なる化学的環境を作り出すことができ、これが凝集を阻止または減少させながら分散を促進する。
【0034】
[0046]一部の実施形態では、本開示のコア-シェル型酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶の表面は、少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされる。キャッピングのプロセスは、任意に分離および精製したコア-シェル型ナノ結晶をキャッピング溶媒中に懸濁させるステップ、ならびにキャッピング剤を、この溶液に添加するステップ(これを反応混合物と呼ぶ)を含む。反応混合物をある期間の間反応させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。任意に、塩基または酸を溶液に添加して、反応を促進させる。任意に、第2のキャッピング剤を反応混合物に添加して、ある期間の間反応させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。生成したキャッピングされた生成物は、任意に分離および精製して、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶を生成する。任意に、分離および精製された、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶は乾燥させて、次いで溶媒中に分散させる。
【0035】
[0047]一実施形態では、本開示の少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶は、無機不動態化試薬でさらに処理することもできる。この処理のプロセスは、分離および精製された合成されたままのコア-シェル型ナノ結晶をキャッピング溶媒に懸濁させるステップ、ならびにキャッピング剤をこの溶液に添加するステップを含む。反応中に熱および/または圧力を任意に適用し、溶液をある期間の間反応させる。塩基または酸を任意に溶液に添加して、反応を促進させる。設定された反応時間後、少なくとも1種の無機不動態化剤を溶液に添加する。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。生成した生成物を、任意に分離および精製して、無機物による処理を有する、少なくとも部分的にキャッピングされた合成されたままのコア-シェル型ナノ結晶を生成する。任意に、キャッピングされた、無機物で処理された材料は、分離し、精製し、乾燥させ、次いで溶媒中に分散させる。
【0036】
[0048]別の実施形態では、本開示のコア-シェル型酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶の表面は、少なくとも1種のキャッピング剤によるキャッピング前に、無機不動態化剤で処理する。この処理のプロセスは通常、任意に分離および精製したコア-シェル型ナノ結晶を溶媒中に懸濁させるステップ、ならびに少なくとも1種の無機不動態化剤を懸濁液に添加するステップを含む。懸濁液をある期間の間混合する。その後、ナノ結晶を分離し、精製し、キャッピング溶媒中に再懸濁させる。少なくとも1種のキャッピング剤を懸濁液に添加し、ある期間の間反応させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。任意に、塩基または酸を溶液に添加して、反応を促進させる。任意に、第2のキャッピング剤を反応混合物に添加して、ある期間の間反応させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。生成したキャッピングされた生成物は、任意に分離および精製して、無機物による処理を有する、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶を生成する。任意に、分離および精製された、無機物による処理を有する、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶は、乾燥させて、次いで溶媒中に分散させる。
【0037】
[0049]適切なキャッピング剤の例として、これらに限定されないが、シラン、アルコール、リン酸塩またはカルボン酸が挙げられる。本開示のシランの例として、これらに限定されない、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン(phenytrimethoxysilane)、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケートまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0038】
[0050]アルコールの例として、これらに限定されないが、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0039】
[0051]キャッピング剤を含有するリン酸塩の例として、これらに限定されないが、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0040】
[0052]カルボン酸の例として、これらに限定されないが、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0041】
[0053]任意に、シランキャッピング剤は、第1の金属酸化物シェルを含む酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶を封入する、二酸化ケイ素を含む第2の外側の金属酸化物層を形成することができる。第1の金属酸化物シェル材料の例として、これらに限定されないが、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、酸化セリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0042】
[0054]任意に、シランキャッピング剤は、外側の金属酸化物シェル材料と混合して、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶を封入する、二酸化ケイ素と他の金属酸化物の混合物を含むシェルを形成することができる。他の金属酸化物シェル材料の例として、これらに限定されないが、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化チタンバリウム、酸化セリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0043】
[0055]キャッピング溶媒の例として、これらに限定されないが、アルコール、例えば、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール;エーテルおよび環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトンおよび環状ケトン、例えば、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル;芳香族、例えば、ベンゼン、トルエン;および水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0044】
[0056]本開示の塩基または酸の例として、これらに限定されないが、水酸化トリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルアンモニウム、硝酸、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ポリエチレンイミン、クエン酸、塩酸、安息香酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0045】
[0057]精製のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが水、THF、アセトン、ヘプタン、トルエン、イソプロパノール、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エタノール、メタノール、トルエン、ベンジルアルコールまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0046】
[0058]分散のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、THF、アセトン、ヘプタン、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、および水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0047】
[0059]無機不動態化試薬の例として、これらに限定されないが、ポリリン酸ナトリウム、硝酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸アルミニウムナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0048】
[0060]任意に、無機不動態化試薬は、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶の外側の金属酸化物層に組み込むこともできる。
[0061]別の実施形態では、本開示の酸化チタンまたは酸化ジルコニウムは、外側の金属酸化物シェルをコーティングする前に無機不動態化剤で処理する。この処理のプロセスは通常、任意に分離および精製した酸化チタンまたは酸化ジルコニウムを溶媒中に懸濁化させるステップ、および少なくとも1種の無機不動態化剤を懸濁液に添加するステップを含む。懸濁液をある期間の間混合する。その後、無機不動態化剤で処理されたナノ結晶を、コーティングのため溶媒中で、分離し、精製し、再懸濁させる。外側の酸化物シェルをコーティングする方法は通常、酸化ジルコニウムまたは酸化チタンナノ結晶の周りで酸化物シェルの前駆体を変換させるステップを含む。コーティングのプロセスは、任意に分離および精製したTiOまたはZrOナノ結晶を溶媒中で混合する、または懸濁させるステップ、ならびにシェル金属酸化物の少なくとも1種の前駆体を溶液に添加するステップを含む。次いで、溶液をある期間の間反応させて、TiOまたはZrOナノ結晶とシェル酸化物前駆体との間の反応を促進させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。これによって、合成した、無機物で処理されたコア-シェル型ナノ結晶が生成される。合成した、無機物で処理されたコア-シェル型ナノ結晶は任意に分離および精製される。
【0049】
[0062]一部の実施形態では、本開示の無機物で処理されたコア-シェル型酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶の表面は、少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされる。キャッピングのプロセスは、任意に分離および精製したコア-シェル型ナノ結晶をキャッピング溶媒に懸濁させるステップ、ならびにこの溶液にキャッピング剤を添加するステップ(これを反応混合物と呼ぶ)を含む。反応混合物はある期間の間反応させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。任意に、塩基または酸を溶液に添加して、反応を促進させる。任意に、第2のキャッピング剤を反応混合物に添加し、ある期間の間反応させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。生成したキャッピングされた生成物は、任意に分離および精製して、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶を生成する。任意に、無機物による処理を有する、分離および精製された少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶は乾燥させ、次いで溶媒中に分散させる。
【0050】
[0063]無機不動態化剤の例として、これらに限定されないが、ポリリン酸ナトリウム、硝酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸アルミニウムナトリウム、次亜リン酸アルミニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0051】
[0064]無機物による処理のための溶媒の例として、これらに限定されないが、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノールおよび水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0052】
[0065]シェル材料として使用される酸化物の例として、これらに限定されないが、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、酸化セリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0053】
[0066]シェル金属酸化物の前駆体の例として、これらに限定されないがオキシ塩化ジルコニウム、オキシ塩化チタン、およびオキシ塩化ハフニウム、塩化セリウム、炭酸セリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0054】
[0067]シェル金属酸化物前駆体を、TiOまたはZrOナノ結晶上の酸化物シェルへと変換させるのを促進させるために存在する塩基または酸の例として、これらに限定されないが、水酸化トリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルアンモニウム、硝酸、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ポリエチレンイミン、クエン酸、塩酸、安息香酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。シェル金属酸化物前駆体を、TiOまたはZrOナノ結晶上の酸化物シェルへと変換させるのを促進させるために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、水、PGMEA、PGME、エタノール、メタノール、ベンジルアルコールまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0055】
[0068]精製のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが水、THF、アセトン、ヘプタン、トルエン、PGMEA、PGME、エタノール、メタノール、トルエンまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0056】
[0069]任意に、精製中に存在する過剰な酸または塩基の中和を促進させるために塩基または酸が存在する。本開示の塩基または酸の例として、これらに限定されないが、水酸化トリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルアンモニウム、硝酸、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ポリエチレンイミン、クエン酸、塩酸、安息香酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0057】
[0070]キャッピング溶媒の例として、これらに限定されないが、アルコール、例えば、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール;エーテルおよび環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトンおよび環状ケトン、例えば、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル;芳香族、例えば、ベンゼン、トルエン;および水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0058】
[0071]キャッピング剤の例として、これらに限定されないが、シラン、アルコール、リン酸塩またはカルボン酸が挙げられる。本開示のシランの例として、これらに限定されないが、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケートまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0059】
[0072]アルコールの例として、これらに限定されないが、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0060】
[0073]リン酸塩含有キャッピング剤の例として、これらに限定されないが、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0061】
[0074]カルボン酸の例として、これらに限定されないが、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0062】
[0075]塩基または酸の例として、これらに限定されないが、水酸化トリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルアンモニウム、硝酸、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ポリエチレンイミン、クエン酸、塩酸、安息香酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0063】
[0076]精製のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、水、THF、アセトン、ヘプタン、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA/PGA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エタノール、メタノール、トルエン、ベンジルアルコールまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0064】
[0077]分散のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、THF、アセトン、ヘプタン、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル(ETA)、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、および水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0065】
[0078]任意に、シランキャッピング剤は、第1の金属酸化物シェルを含む酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶を封入する、二酸化ケイ素を含む第2の外側の金属酸化物層を形成することができる。第1の金属酸化物シェル材料の例として、これらに限定されないが、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、酸化セリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0066】
[0079]任意に、シランキャッピング剤は、外側の金属酸化物層材料と混合して、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶を封入する、二酸化ケイ素と他の金属酸化物の混合物を含むシェルを形成することができる。他の金属酸化物シェル材料の例として、これらに限定されないが、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化チタンバリウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0067】
[0080]任意に、無機不動態化試薬は、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶の外側の金属酸化物層上に組み込むことができる。
[0081]別の実施形態では、いかなる外側シェルも有さない、本開示の酸化チタンまたは酸化ジルコニウムは、無機不動態化剤で処理し、これに続いてキャッピングする。処理のプロセスは通常、任意に分離および精製した酸化チタンまたは酸化ジルコニウムを溶媒中に懸濁させるステップ、ならびに少なくとも1種の無機不動態化剤を懸濁液に添加するステップを含む。懸濁液をある期間の間混合する。その後、無機物で処理されたナノ結晶を分離し、精製し、キャッピング溶媒に再懸濁させる。少なくとも1種のキャッピング剤を懸濁液に添加して、ある期間の間反応させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。任意に、塩基または酸を溶液に添加して、反応を促進させる。任意に、第2のキャッピング剤を反応混合物に添加し、ある期間の間反応させる。反応中に熱および/または圧力を任意に適用する。生成したキャッピングされた生成物は、任意に分離および精製して、無機物による処理を有する、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶を生成する。任意に、無機物による処理を有する、分離および精製され、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶は乾燥させ、次いで溶媒中に分散させる。
【0068】
[0082]無機不動態化剤の例として、これらに限定されないが、ポリリン酸ナトリウム、硝酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸アルミニウムナトリウム、次亜リン酸アルミニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウムまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0069】
[0083]無機物による処理のための溶媒の例として、これらに限定されないが、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノールおよび水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0070】
[0084]精製のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、水、THF、アセトン、ヘプタン、トルエン、PGMEA、PGME、エタノール、メタノール、トルエンまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0071】
[0085]任意に、精製中に存在する過剰な酸または塩基の中和を促進させるために塩基または酸が存在する。本開示の塩基または酸の例として、これらに限定されないが、水酸化トリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルアンモニウム、硝酸、水酸化アンモニウム、塩酸、安息香酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0072】
[0086]キャッピング溶媒の例として、これらに限定されないが、アルコール、例えば、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール;エーテルおよび環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトンおよび環状ケトン、例えば、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ETA)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル;芳香族、例えば、ベンゼン、トルエン;および水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0073】
[0087]適切なキャッピング剤の例として、これらに限定されないが、シラン、アルコール、リン酸塩またはカルボン酸が挙げられる。本開示のシランの例として、これらに限定されないが、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケートまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0074】
[0088]アルコールの例として、これらに限定されないが、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0075】
[0089]リン酸塩含有キャッピング剤の例として、これらに限定されないが、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0076】
[0090]カルボン酸の例として、これらに限定されないが、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0077】
[0091]塩基または酸の例として、これらに限定されないが、水酸化トリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルアンモニウム、硝酸、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、ポリエチレンイミン、クエン酸、塩酸、安息香酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0078】
[0092]精製のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、水、THF、アセトン、ヘプタン、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エタノール、メタノール、トルエン、ベンジルアルコールまたはこれらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0079】
[0093]分散のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、THF、アセトン、ヘプタン、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル(ETA)、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、および水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0080】
[0094]任意に、シランキャッピング剤は、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶を封入する、二酸化ケイ素を含む外側の金属酸化物層を形成することができる。
[0095]任意に、無機不動態化試薬は、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶の外側の金属酸化物層に組み込むことができる。
TiOおよびZrOナノ結晶合成プロセス
[0096]本明細書のTiOおよびZrOナノ結晶の合成、キャッピングおよび分散のための例示的な方法として、それぞれの内容が、それら全体において参照により本明細書に組み込まれる、国際出願:PCT/US2011/057822(WO2012/058271として公開された)、およびPCT/US2019/062439(WO2020/106860として公開された)に記載されている方法が挙げられる。
【0081】
[0097]例示的な方法では、酸化チタンナノ結晶は、オートクレーブ内で密封された不活性雰囲気中で、チタン(IV)ブトキシド、水、およびベンジルアルコールの混合物からソルボサーマルプロセスにより生成される。チタン(IV)ブトキシドの水に対する比は、1:0.1~1:10、例えば、1:0.1~1:0.5、1:0.5~1:1、1:1~1:1.5、1:1.5~1:2、1:2~1:2.5、1:2.5~1:3、1:3~1:3.5、1:3.5~1:4、1:4~1:4.5、1:4.5~1:5、1:5~1:5.5、1:5.5~1:6、1:6~1:6.5、1:6.5~1:7、1:7~1:7.5、1:7.5~1:8、1:8~1:8.5、1:8.5~1:9、1:9~1:9.5、または1:9.5~1:10の範囲である。チタン(IV)ブトキシドのベンジルアルコールに対する比は、1:0.1~1:100、例えば、1:0.1~1:5、1:5~1:10、1:10~1:15、1:15~1:20、1:20~1:25、1:25~1:30、1:30~1:35、1:35~1:40、1:40~1:45、1:45~1:50、1:50~1:55、1:55~1:60、1:60~1:65、1:65~1:70、1:70~1:75、1:75~1:80、1:80~1:85、1:85~1:90、1:90~1:95、または1:95~1:100の範囲である。反応混合物は、140~300℃の間の温度、例えば、140~150℃、150~160℃、160~170℃、170~180℃、180~190℃、190~200℃、200~210℃、210~220℃、220~230℃、230~240℃、240~250℃、250~260℃、260~270℃、270~280℃、280~290℃、または290~300℃の間の温度に、0.1~5℃/分、例えば、0.1~0.5℃/分、0.5~1℃/分、1~1.5℃/分、1.5~2℃/分、2~2.5℃/分、2.5~3℃/分、3~3.5℃/分、2.5~4℃/分、4~4.5℃/分、または4.5~5℃/分の加熱速度で加熱する。反応混合物が所望の温度に到達したら、この温度を1~120分間、例えば、1~10分間、10~20分間、20~30分間、30~40分間、40~50分間、50~60分間、60~70分間、70~80分間、80~90分間、90~100分間、または100~120分間維持する。反応器を室温まで冷却した後、合成したTiOナノ結晶の白色の乳状溶液を収集する。反応の圧力は50~150psiに到達する。
【0082】
[0098]例示的な方法では、酸化ジルコニウムナノ結晶は、オートクレーブ内で密封された不活性雰囲気中で、ジルコニウム(IV)ブトキシド、水、およびベンジルアルコールの混合物からソルボサーマルプロセスにより生成される。ジルコニウム(IV)ブトキシドの水に対する比は、1:0.1~1:10、例えば、1:0.1~1:05、1:0.5~1:1、1:1~1:1.5、1:1.5~1:2、1:2~1:2.5、1:2.5~1:3、1:3~1:3.5、1:3.5~1:4、1:4~1:4.5、1:4.5~1:5、1:5~1:5.5、1:5.5~1:6、1:6~1:6.5、1:6.5~1:7、1:7~1:7.5、1:7.5~1:8、1:8~1:8.5、1:8.5~1:9、1:9~1:9.5、または1:9.5~1:10の範囲である。ジルコニウム(IV)ブトキシドのベンジルアルコールに対する比は、1:0.1~1:100、例えば、1:0.1~1:5、1:5~1:10、1:10~1:15、1:15~1:20、1:20~1:25、1:25~1:30、1:30~1:35、1:35~1:40、1:40~1:45、1:45~1:50、1:50~1:55、1:55~1:60、1:60~1:65、1:65~1:70、1:70~1:75、1:75~1:80、1:80~1:85、1:85~1:90、1:90~1:95、または1:95~1:100の範囲である。反応混合物は140~350℃の間の温度、例えば、140~150℃、150~160℃、160~170℃、170~180℃、180~190℃、190~200℃、200~210℃、210~220℃、220~230℃、230~240℃、240~250℃、250~260℃、260~270℃、270~280℃、280~290℃、または290~300℃、または300~350℃の間の温度に、0.1~5℃/分、例えば、0.1~0.5℃/分、0.5~1℃/分、1~1.5℃/分、1.5~2℃/分、2~2.5℃/分、2.5~3℃/分、3~3.5℃/分、2.5~4℃/分、4~4.5℃/分、または4.5~5℃/分の加熱速度で加熱する。反応混合物が所望の温度に到達したら、この温度を1~120分間、例えば、1~10分間、10~20分間、20~30分間、30~40分間、40~50分間、50~60分間、60~70分間、70~80分間、80~90分間、90~100分間、または100~120分間維持する。反応器を室温まで冷却した後、合成したZrOナノ結晶の白色の乳状溶液を収集する。反応の圧力は100~500psiに到達する。
コア-シェルコーティングプロセス
[0099]例示的な方法では、TiOまたはZrOナノ結晶は、100~9000rpm、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、または8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、または55~60分間遠心分離することにより反応混合物から得られる。次いで、上澄み液をデカントすると、精製されたTiOまたはZrOナノ結晶が湿潤ケーキとして遠心ボトルの下側に形成される。溶媒を湿潤ケーキに添加し、遠心分離ステップを1~10回、例えば、1~2回、2~3回、3~4回、4~5回、5~6回、6~7回、7~8回、8~9回、または9~10回繰り返す。湿潤ケーキは、溶媒に対して5重量%~50重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%または50重量%の湿潤ケーキを溶媒に分散させる。少なくとも1種のシェル金属酸化物前駆体は、湿潤ケーキに対して、0.1%~500重量%の前駆体、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、90%~100重量%、100%~110重量%、110%~120重量%、120%~130重量%、130%~140重量%、140%~150重量%、150%~200重量%、200%~300重量%、または300%~500重量%の前駆体をナノ結晶懸濁液に添加する。次いで、この混合物を50~130℃、例えば、50~60℃、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、または120~130℃に、1~400時間、例えば、1~10時間、10~20時間、20~30時間、30~40時間、40~50時間、50~60時間、60~70時間、70~80時間、80~90時間、90~100時間、100~120時間、120~150時間、150~200時間、200~250時間、250~300時間、300~350時間、または340~400時間加熱する。次いで、完了した時点で反応混合物を室温に冷却する。第2のおよび連続したシェル金属酸化物のための少なくとも1種の他の前駆体を、第1のシェル金属酸化物前駆体と同時に、または第1の前駆体をある期間の間加熱した後に添加することができる。加熱および/または圧力の適用は、第2のシェル材料の添加後に繰り返すことができる。
【0083】
[0100]少なくとも1種のシェル酸化物のコーティングを有する酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶は、溶媒または溶媒混合物を使用して反応混合物からナノ結晶を沈殿させることにより精製して、乳状懸濁液を形成する。沈殿から得られる乳状懸濁液は、100~9000rpm、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、または8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、または55~60分間遠心分離する。次いで、上澄み液をデカントすると、精製されたコア-シェル型酸化チタンまたは酸化ジルコニウムの湿潤ケーキが遠心ボトルの底部に形成される。溶媒を湿潤ケーキに添加し、遠心分離ステップを1~10回、例えば、1~2回、2~3回、3~4回、4~5回、5~6回、6~7回、7~8回、8~9回、または9~10回繰り返して、精製されたコア-シェル型酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶を生成する。任意に、存在する過剰な酸または塩基の中和を促進させるために塩基または酸が存在する。
コア-シェル型TiOまたはZrOのキャッピング
[0101]例示的な方法では、精製されたコア-シェル型TiOまたはZrOナノ結晶は、溶媒中で、少なくとも1種のキャッピング剤によりキャッピングする。湿潤ケーキとして得られた、精製されたコア-シェル型酸化チタンナノ結晶を、丸底フラスコ内で、キャッピングに対して一般に好まれる溶媒中に分散させる。湿潤ケーキは、溶媒に対して、5~80重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、または80重量%の湿潤ケーキをキャッピング溶媒中に分散させる。少なくとも1種のキャッピング剤は、ナノ結晶懸濁液に、湿潤ケーキに対して、0.1~100重量%のキャッピング剤、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、90%~100重量%のキャッピング剤を添加する。懸濁液を、25~60℃、例えば、25℃、または30℃、または35℃、または40℃、または45℃、または50℃、または55℃、または60℃で、5分間~3時間、例えば、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間または30分間、45分間、1時間、2時間、または3時間混合する。基材は、溶媒に対して、5~30重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%または30重量%の湿潤ケーキを懸濁液に添加する。懸濁液を50~130℃、例えば、50~60℃、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、または120~130℃で、15~300分間、例えば、15~30分間、30~60分間、60~90分間、90~120分間、120~150分間、150~180分間、180~210分間、210~240分間、240~270分間、または270~300分間加熱する。
【0084】
[0102]一部の実施形態では、第2のキャッピング剤は、湿潤ケーキに対して、0.1~100重量%のキャッピング剤、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、または90%~100重量%のキャッピング剤を反応混合物に添加する。懸濁液を継続して、50~130℃、例えば、50~60℃、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、120~130℃で、15~300分間、例えば、15~30分間、30~60分間、60~90分間、90~120分間、120~150分間、150~180分間、180~210分間、210~240分間、240~270分間、または270~300分間加熱する。
【0085】
[0103]一部の実施形態では、無機不動態化剤は、第1のまたは第2のキャッピング剤の添加ステップ後、湿潤ケーキに対して、0.1~50重量%の無機不動態化剤、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、または45%~50重量%の無機不動態化剤を反応混合物に添加する。懸濁液を継続して、50~130℃、例えば、50~60℃、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、または120~130℃で、15~300分間、例えば、15~30分間、30~60分間、60~90分間、90~120分間、120~150分間、150~180分間、180~210分間、210~240分間、240~270分間、または270~300分間加熱する。
【0086】
[0104]次いで、反応混合物を室温に冷却して、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶を得る。キャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶を、溶媒または溶媒の組合せ中で繰り返し沈殿させて、過剰のキャッピング剤および他の副産物を除去することにより精製する。貧溶媒と呼ばれる溶媒または溶媒の組合せを、溶媒の反応混合物に対する重量対重量比0.1:1~3:1、例えば、溶媒の反応混合物に対する重量対重量比0.1:1~1:1、1:1~1.25:1、1.25:1~1.5:1、1.5:1~1.75:1、1.75:1~2:1、2:1~2.25:1、2.25:1~2.5:1、2.5:1~2.75:1、または2.75:1~3:1で添加することによって、キャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶を反応混合物から沈殿させる。貧溶媒は、ナノ結晶と相容性がなく、溶液からナノ結晶を沈殿させる溶媒または溶媒の組合せである。この沈殿物を、100~9000rpm、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、55~60分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、遠心分離ステップから収集した固体を、キャッピングされたナノ結晶と相容性のある溶媒中に分散させる。次いで、貧溶媒の溶媒に対する重量対重量比0.1:1~3:1、例えば、貧溶媒の溶媒に対する重量対重量比0.1:1~1:1、1:1~1.25:1、1.25:1~1.5:1、1.5:1~1.75:1、1.75:1~2:1、2:1~2.25:1、2.25:1~2.5:1、2.5:1~2.75:1、または2.75:1~3:1で貧溶媒を用いて、分散した固体を沈殿させる。この沈殿物を、100~9000rpm、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、または8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、55~60分間遠心分離することによって収集する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。必要であれば、このプロセスを繰り返す。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0087】
[0105]PGMEA、PGMEまたはエタノールなどの溶媒中に溶媒対固体比1:1で、乾燥させた固体を再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターまたは公称フィルターを介して濾過する。
コア-シェル型TiOまたはZrOの無機物による処理、それに続くキャッピング
[0106]本開示において、無機物による処理、無機不動態化処理、アルカリ金属化合物の処理、および無機塩などの用語は、交換可能なように使用され、キャッピング前または後に、ポリリン酸ナトリウム、硝酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸アルミニウムナトリウム、次亜リン酸アルミニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、またはこれらの任意の水和物、またはこれらのいずれかの組合せのうちの少なくとも1種を含む化合物により、コア金属酸化物またはコア-シェル酸化金属ナノ結晶のいずれかを処理するプロセスを指す。
【0088】
[0107]例示的な方法では、精製されたコア-シェル型TiOまたはZrOナノ結晶は、キャッピング前に無機不動態化剤で処理する。湿潤ケーキとして得られた、精製されたコア-シェル型ナノ結晶を、丸底フラスコ内で、無機物による処理に対して一般に好まれる溶媒中に分散させる。湿潤ケーキは、溶媒に対して、5~80重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、または80重量%の湿潤ケーキを溶媒中に分散させて、白色のスラリーを得る。少なくとも1種の無機不動態化剤は、湿潤ケーキに対して、0.1~100重量%の無機不動態化剤、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、または90%~100重量%の無機不動態化剤をスラリーに添加する。スラリーを、25~60℃、例えば、25℃、または30℃、または35℃、または40℃、または45℃、または50℃、または55℃、または60℃で、0.1~12時間、例えば、0.1~1時間、1~2時間、2~3時間、3~4時間、4~5時間、5~6時間、6~7時間、7~8時間、8~9時間、9~10時間、10~11時間、または11~12時間混合する。処理されたナノ結晶をスラリーから遠心分離で収集する。スラリーを100~9000rpm、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、または8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、または55~60分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。遠心分離ステップで収集した固体を溶媒または溶媒の組合せ中に懸濁させ、再度遠心分離する。このプロセスを2回繰り返す。生成した固体を、丸底フラスコ内で、キャッピングに対して一般に好まれる溶媒中に懸濁させる。湿潤ケーキは、溶媒に対して、5~80重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、60重量%、70重量%、または80重量%の湿潤ケーキをキャッピング溶媒中に分散させる。第1のキャッピング剤は、湿潤ケーキに対して、0.1~100重量%のキャッピング剤、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、または90%~100重量%のキャッピング剤をナノ結晶懸濁液に添加する。懸濁液を、25~60℃、例えば、25℃、または30℃、または35℃、または40℃、または45℃、または50℃、または55℃、または60℃で、5分間~3時間、例えば、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間または30分間、45分間、1時間、2時間、または3時間混合する。基材は、溶媒に対して、5~30重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%または30重量%の湿潤ケーキを懸濁液に添加する。懸濁液を50~300分間、例えば、50~60℃、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、120~130℃で、15~30分間、30~60分間、60~90分間、90~120分間、120~150分間、150~180分間、180~210分間、210~240分間、240~270分間、または270~300分間加熱する。
【0089】
[0108]一部の実施形態では、第2のキャッピング剤は、湿潤ケーキに対して、0.1~100重量%のキャッピング剤、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、または90%~100重量%のキャッピング剤を反応混合物に添加する。懸濁液を、50~130℃、例えば、50~60℃、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、120~130℃で、15~300分間、例えば、15~30分間、30~60分間、60~90分間、90~120分間、120~150分間、150~180分間、180~210分間、210~240分間、240~270分間、または270~300分間継続して加熱する。
【0090】
[0109]一部の実施形態では,無機不動態化剤は、第1のまたは第2のキャッピング剤の添加ステップ後、湿潤ケーキに対して、0.1~50重量%の無機不動態化剤、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、または45%~50重量%の無機不動態化剤を反応混合物に添加する。懸濁液を、50~130℃、例えば、50~60℃、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、120~130℃で、15~300分間、例えば、15~30分間、30~60分間、60~90分間、90~120分間、120~150分間、150~180分間、180~210分間、210~240分間、240~270分間、または270~300分間継続して加熱する。
【0091】
[0110]次いで、反応混合物を室温に冷却して、少なくとも部分的にキャッピングされた、無機物で処理されたコア-シェル型ナノ結晶を得る。キャッピングされた、無機物で処理されたコア-シェル型ナノ結晶を、溶媒または溶媒の組合せ中で繰り返し沈殿させて、過剰のキャッピング剤および他の副産物を除去することにより精製する。貧溶媒と呼ばれる溶媒または溶媒の組合せを、溶媒の反応混合物に対する重量対重量比0.1:1~3:1、例えば、溶媒の反応混合物に対する重量対重量比0.1:1~1:1、1:1~1.25:1、1.25:1~1.5:1、1.5:1~1.75:1、1.75:1~2:1、2:1~2.25:1、2.25:1~2.5:1、2.5:1~2.75:1、または2.75:1~3:1で添加することによって、キャッピングされた、無機物で処理されたコア-シェル型ナノ結晶を反応混合物から沈殿させる。貧溶媒は、ナノ結晶と相容性がなく、溶液からナノ結晶を沈殿させる溶媒または溶媒の組合せである。この沈殿物を、100~9000rpm、例えばrpm、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、55~60分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、遠心分離ステップから収集した固体を、キャッピングされたナノ結晶と相容性のある溶媒中に分散させる。次いで、貧溶媒の溶媒に対する重量対重量比0.1:1~3:1、例えば、貧溶媒の溶媒に対する重量対重量比0.1:1~1:1、1:1~1.25:1、1.25:1~1.5:1、1.5:1~1.75:1、1.75:1~2:1、2:1~2.25:1、2.25:1~2.5:1、2.5:1~2.75:1、2.75:1~3:1で貧溶媒を用いて、分散した固体を沈殿させる。この沈殿物を、100~9000rpm、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、55~60分間遠心分離することによって収集する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。必要であれば、このプロセスを繰り返す。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0092】
[0111]PGMEA、PGMEまたはエタノールなどの溶媒中に溶媒対固体比1:1で、乾燥させた固体を再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターまたは公称フィルターを介して濾過する。
シェルのないナノ結晶の無機物による処理、それに続くコア-シェルのプロセス
[0112]例示的な方法では、精製されたTiOまたはZrOナノ結晶(他の金属酸化物シェルを有さない)は、金属酸化物をコーティングする前に無機不動態化剤で処理する。湿潤ケーキとして得られた、精製されたナノ結晶を、丸底フラスコ内で、無機物による処理に対して一般に好まれる溶媒中に分散させる。湿潤ケーキは、溶媒に対して、5~80重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、または80重量%の湿潤ケーキを溶媒中に分散させて、白色のスラリーを得る。少なくとも1種の無機不動態化剤は、湿潤ケーキに対して、0.1~00重量%の無機不動態化剤、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、または90%~100重量%の無機不動態化剤をスラリーに添加する。スラリーを、25~60℃、例えば、25℃、または30℃、または35℃、または40℃、または45℃、または50℃、または55℃、または60℃で、0.1~12時間、例えば、0.1~1時間、1~2時間、2~3時間、3~4時間、4~5時間、5~6時間、6~7時間、7~8時間、8~9時間、9~10時間、10~11時間、または11~12時間混合する。処理されたナノ結晶をスラリーから遠心分離で収集する。スラリーを100~9000rpmで、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、または8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、55~60分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。遠心分離ステップで収集した固体を溶媒または溶媒の組合せ中に懸濁させ、再度遠心分離する。このプロセスを2回繰り返す。生成した固体または湿潤ケーキを、酸化物シェル形成プロセスに対して一般に好まれる溶媒中に懸濁させる。
【0093】
[0113]湿潤ケーキは、溶媒に対して、5~50重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%または50重量%の湿潤ケーキをコーティングプロセスのために溶媒中に分散させる。少なくとも1種のシェル金属酸化物前駆体は、湿潤ケーキに対して、0.1~500重量%の前駆体、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、90%~100重量%、100%~110重量%、110%~120重量%、120%~130重量%、130%~140重量%、140%~150重量%、150%~200重量%、200%~300重量%、または300%~500重量%の前駆体をナノ結晶懸濁液に添加する。次いで、この混合物を、50~130℃、例えば、50~60℃、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、120~130℃に、1~400時間、例えば、1~10時間、10~20時間、20~30時間、30~40時間、40~50時間、50~60時間、60~70時間、70~80時間、80~90時間、90~100時間、100~120時間、120~150時間、150~200時間、200~250時間、250~300時間、300~350時間、または340~400時間加熱する。次いで、完了した時点で反応混合物を室温に冷却する。
【0094】
[0114]少なくとも1種の酸化物シェルを有する、無機物で処理されたナノ結晶を、溶媒または溶媒混合物を使用して、反応混合物をナノ結晶から沈殿させることによって精製して、乳状懸濁液を形成する。沈殿から得られた乳状懸濁液を、100~9000rpm、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、または8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、または55~60分間遠心分離する。次いで、上澄み液をデカントすると、酸化物シェルを有する、無機物で処理されたナノ結晶として精製された湿潤ケーキが遠心ボトルの底部に形成される。溶媒を湿潤ケーキに添加し、遠心分離ステップを1~10回、例えば、1~2回、2~3回、3~4回、4~5回、5~6回、6~7回、7~8回、8~9回、または9~10回繰り返して、精製された、無機物で処理されたコア-シェル型ナノ結晶を生成する。
【0095】
[0115]任意に、存在する過剰な酸または塩基の中和を促進させるために塩基または酸が存在する。
[0116]一部の実施形態では、このプロセスから得たナノ結晶は、「合成したコア-シェル型TiOまたはZrOのキャッピング」に記載されているプロセスに従い、キャッピング剤で少なくとも部分的にキャッピングされる。
無機物で処理されたナノ結晶のキャッピング(コア-シェルなし)
[0117]例示的な方法では、精製されたTiOまたはZrOナノ結晶(金属酸化物シェルなし)は、金属酸化物をコーティングする前に無機不動態化剤で処理する。湿潤ケーキとして得られた、精製されたナノ結晶を、丸底フラスコ内で、無機物による処理に対して一般に好まれる溶媒中に分散させる。湿潤ケーキは、溶媒に対して、5~80重量%の湿潤ケーキ、例えば、溶媒に対して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、または80重量%の湿潤ケーキを溶媒中に分散させて、白色のスラリーを得る。少なくとも1種の無機不動態化剤は、湿潤ケーキに対して、0.1~100重量%の無機不動態化剤、例えば、湿潤ケーキに対して、0.1%~5重量%、5%~10重量%、10%~15重量%、15%~20重量%、20%~25重量%、25%~30重量%、30%~35重量%、35%~40重量%、40%~45重量%、45%~50重量%、50%~55重量%、55%~60重量%、60%~70重量%、70%~80重量%、80%~90重量%、または90%~100重量%の無機不動態化剤をスラリーに添加する。スラリーを、25~35℃、例えば、25℃または30℃または35℃で、0.1~12時間、例えば、0.1~1時間、1~2時間、2~3時間、3~4時間、4~5時間、5~6時間、6~7時間、7~8時間、8~9時間、9~10時間、10~11時間、または11~12時間混合する。処理されたナノ結晶をスラリーから遠心分離で収集する。スラリーを、100~9000rpm、例えば、100~500rpm、500~1000rpm、100~1500rpm、1500~2000rpm、2000~2500rpm、2500~3000rpm、3000~3500rpm、3500~4000rpm、4000~4500rpm、4500~5000rpm、5000~5500rpm、5500~6000rpm、6000~6500rpm、6500~7000rpm、7000~7500rpm、7500~8000rpm、8000~8500rpm、または8500~9000rpmで、0~60分間、例えば、0~5分間、5~10分間、10~15分間、15~20分間、30~25分間、25~30分間、30~35分間、35~40分間、40~45分間、45~50分間、50~55分間、または55~60分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。遠心分離ステップで収集した固体を溶媒または溶媒の組合せ中に懸濁させ、再度遠心分離する。このプロセスを2回繰り返す。生成した固体または湿潤ケーキを、丸底フラスコ内で、キャッピングに対して一般に好まれる溶媒中に懸濁させる。このプロセスから得たナノ結晶を、「コア-シェル型TiOまたはZrOのキャッピング」に記載されているプロセスに従い、キャッピング剤で少なくとも部分的にキャッピングする。
コア-シェル型TiOおよびZrOナノ結晶
[0118]本開示に記載されているナノ結晶の結晶化度を粉末X線回折で分析する。金属酸化物シェルを含む酸化チタンおよび酸化ジルコニウムナノ結晶のXRDパターンは、元のアナターゼ相および正方相とそれぞれ一致し、シェルのプロセスおよびキャッピングプロセスが元の相を変化させなかったことを示している。
【0096】
[0119]金属酸化物シェルの層を含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンナノ結晶は、TEMで測定した場合、30nm未満の平均粒径を有する。好ましくは、粒径は、TEMで測定した場合、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、または25~30nmの間である。
【0097】
[0120]金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化ジルコニウムナノ結晶は、TEMで測定した場合、30nm未満の平均粒径を有する。好ましくは、粒径は、TEMで測定した場合、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、または25~30nmの間である。
【0098】
[0121]金属酸化物シェルの厚さが、TEMで測定した場合、5nm未満である、金属酸化物シェルを含みおよび/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンナノ結晶。好ましくはシェルの厚さは、TEMで測定した場合、0.05~0.1nm、0.1~0.2nm、0.2~0.3nm、0.3~0.4nm、0.4~0.5nm、0.5~0.6nm、0.6~0.7nm、0.7~0.8nm、0.8~0.9nm、0.9~1.0nm、1.0~1.2nm、1.2~1.4nm、1.4~1.6nm、1.6~1.8nm、1.8~2.0nm、2.0~2.2nm、2.2~2.4nm、2.4~2.6nm、2.6~2.8nm、2.8~3.0nm、3.0~3.2nm、3.0~3.2nm、3.2~3.4nm、3.4~3.6nm、3.6~3.8nm、3.8~4.0nm、4.0~4.2nm、4.2~4.4nm、4.4~4.6nm、4.6~4.8nm、4.8~5.0nmの間である。
【0099】
[0122]金属酸化物シェルの厚さが、TEMで測定した場合5nm未満である、金属酸化物シェルを含みおよび/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化ジルコニウムナノ結晶。好ましくは、シェルの厚さは、TEMで測定した場合、0.05~0.1nm、0.1~0.2nm、0.2~0.3nm、0.3~0.4nm、0.4~0.5nm、0.5~0.6nm、0.6~0.7nm、0.7~0.8nm、0.8~0.9nm、0.9~1.0nm、1.0~1.2nm、1.2~1.4nm、1.4~1.6nm、1.6~1.8nm、1.8~2.0nm、2.0~2.2nm、2.2~2.4nm、2.4~2.6nm、2.6~2.8nm、2.8~3.0nm、3.0~3.2nm、3.0~3.2nm、3.2~3.4nm、3.4~3.6nm、3.6~3.8nm、3.8~4.0nm、4.0~4.2nm、4.2~4.4nm、4.4~4.6nm、4.6~4.8nm、4.8~5.0nmの間である。
【0100】
[0123]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶は、コア金属酸化物が狭い粒径分布を有することを特徴とすることができ、粒径分布は:1)D90:D10比が5未満、好ましくは、3未満、もしくは2未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.8、約1.2~約3、もしくは約1.5~約3であり;2)D90:D50比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であり;および/または3)D50:D10比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であることを特徴とする。
【0101】
[0124]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶は、コア-シェル金属酸化物が狭い粒径分布を有することを特徴とすることができ、粒径分布は;1)D90:D10比が5未満、好ましくは、3未満、もしくは2未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.8、約1.2~約3、もしくは約1.5~約3であり;2)D90:D50比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であり;および/または3)D50:D10比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であることを特徴とする。
【0102】
[0125]一部の実施形態では、本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェルナノ結晶および/またはナノ結晶は、シェル金属酸化物のコア金属酸化物に対する原子比が、SEM EDXで測定した場合、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満であることを特徴とすることができる。
【0103】
[0126]一部の実施形態では、ZrOシェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンナノ結晶は、ZrO材料のシェルを有する、コアTiOナノ結晶に対して、Zr/Tiの原子比が、SEM EDXで測定した場合、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満であることを特徴とすることができる。
【0104】
[0127]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンナノ結晶は、金属酸化物シェルがZrOを含み、TiOコアを完全にまたは部分的に封入することを特徴とすることができる。
【0105】
[0128]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化ジルコニウムナノ結晶は、金属酸化物シェルがZrOを含み、ZrOコアを完全にまたは部分的に封入することを特徴とすることができる。
【0106】
[0129]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンナノ結晶は、シェル金属酸化物がZrOを含み、コアTiOナノ結晶のうちの1つまたは複数を封入して、単一の粒子を形成することを特徴とすることができる。
【0107】
[0130]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化ジルコニウムナノ結晶は、シェル金属酸化物がZrOを含み、コアZrOナノ結晶のうちの1つまたは複数を封入して、単一の粒子を形成することを特徴とすることができる。
【0108】
[0131]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンナノ結晶は、金属酸化物シェルが、結晶性または非晶質であることができるZrO材料を含むことを特徴とすることができる。
【0109】
[0132]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化ジルコニウムナノ結晶は、金属酸化物シェルがZrO材料を含み、結晶性または非晶質であることができることを特徴とすることができる。
【0110】
[0133]一部の実施形態では、コアがTiOナノ結晶であり、金属酸化物を含む外側シェルで少なくとも部分的に封入され、および/または無機不動態化剤で処理された、コアおよび外側シェルを含むコア-シェル構造を有する、本発明により開示されたナノ結晶は、UV安定性をさらに実証する。320nm以上、または340nm以上、または365nm以上、または390nm以上、または405nm以上、または450nm以上、または500nm以上でのUV照射に、1~2分間、2~5分間、5~10分間、または10~30分間、または30~60分間、または1~2時間、2~8時間、8~48時間、48~72時間、72~100時間、100~200時間、200~300時間、300~400時間、400~500時間、500~600時間、600~700時間、700~800時間、800~900時間、900~1000時間または1000時間超曝露された場合、金属酸化物シェルを含むTiOナノ結晶は、酸化物シェルを有さないナノ結晶と比較して、光学特性および屈折率において受ける変化が少ない。これらのナノ結晶は、UV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムのbを測定した場合、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、30%未満、40%未満、または50%未満のbの変化を示す。これらのナノ結晶は、UV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターで測定した場合、厚さ1ミクロン未満、または厚さ1~2ミクロン、または厚さ2~4ミクロン、または厚さ4~6ミクロン、または厚さ6~8ミクロン、または厚さ8~10ミクロン、または厚さ10~20ミクロン、または厚さ20~30ミクロンのフィルムに対して、520nmにおける屈折率の変化0.001未満、または0.002未満、または0.004未満、または0.006未満、または0.008未満、または0.01未満、または0.012未満、または0.015未満、または0.018未満、または0.02未満、または0.022未満、または0.025未満、または0.028未満、または0.03未満、または0.035未満、または0.04未満、または0.045未満、または0.05未満、または0.055未満、または0.06未満、または0.065未満、または0.07未満、または0.075未満、または0.08未満、または0.085未満、または0.09未満、または0.095未満、または0.1未満を示す。これらのナノ結晶は、UV曝露の前および後に、厚さ1ミクロン未満、または厚さ1~2ミクロン、または厚さ2~4ミクロン、または厚さ4~6ミクロン、または厚さ6~8ミクロン、または厚さ8~10ミクロン、または厚さ10~20ミクロン、または厚さ20~30ミクロンのナノ結晶を組み込んだフィルムに対して、ヘイズメーターで測定した場合、フィルム厚の変化パーセント、0.1未満、または0.2未満、または0.3未満、または0.4未満、または0.5未満、または0.6未満、または0.7未満、または0.8未満、または0.9未満、または1.0未満、または1.5未満、または2.0未満、または2.5未満、または3.0未満、または3.5未満、または4.0未満、または4.5未満、または5未満、または10未満、または15未満、または20未満、または25未満、または50未満、およびヘイズの変化%0.001未満、または0.002未満、または0.004未満、または0.006未満、または0.008未満、または0.01未満、または0.012未満、または0.015未満、または0.018未満、または0.02未満、または0.022未満、または0.025未満、または0.028未満、または0.03未満、または0.035未満、または0.04未満、または0.045未満、または0.05未満、または0.055未満、または0.06未満、または0.065未満、または0.07未満、または0.075未満、または0.08未満、または0.085未満、または0.09未満、または0.095未満、または0.1未満をさらに示す。
【0111】
[0134]一部の実施形態では、金属酸化物シェルを含み、および/または無機不動態化剤で処理されたTiOナノ結晶を含む本発明により開示されたコア-シェルナノ結晶は、熱安定性をさらに実証する。大気、窒素、または真空下で、120℃未満、または120℃~175℃、または175C~200℃、または200C~250℃、または250C~300℃、または300℃よりも上の温度に、5分間以上、または10分間以上、または30分間以上、または60分間以上、または120分間以上曝露された場合、コア-シェルナノ結晶が受ける変色は、酸化物シェルまたは無機物による処理を有さないナノ結晶と比較してより少ない。変色の0~6スケールにおいて(「0」は変色なしを示し、「6」は最大の変色、例えば、褐色を示す)、このナノ結晶は、変色「6」を示す、シェル/無機物による処理を有さないナノ結晶と比較して、0~1、1~2、2~3の変色を示す。
TiOナノ結晶分散体
[0135]本開示は、キャッピングされた酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶、ならびに金属酸化物シェルを含むキャッピングされたコア-シェルTiOおよびZrOナノ結晶、ならびにキャッピングされた酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶、ならびに無機不動態化試薬で処理されたコア-シェルナノ結晶のうちのいずれかの、溶媒または少なくとも1種のモノマー中の分散体を含有する組成物を提供する。キャッピングされたナノ結晶は、全分散体の10重量%未満、または10%~20重量%、または20%~30重量%、または30%~40重量%、または40%~50重量%、または50%~60重量%、または60%~70重量%、または70%~80重量%、または80%~90重量%、または90%~95重量%の量で溶媒中に存在する。溶媒として、アルコール、例えば、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール;エーテルおよび環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトンおよび環状ケトン、例えば、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル(ETA)、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル;芳香族、例えば、ベンゼン、トルエン;および水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。
【0112】
[0136]ナノ結晶の分散体中のサイズおよびサイズ分布を特徴付ける1つの一般的技術は動的光散乱(DLS)である。DLSは普通、測定波長に対して透明な液体中に分散させたナノ結晶を測定する。この技術では、適正な濃度を有する液体試料を、プラスチック、ガラス、または石英ガラスキュベット内に保持し、レーザービームを液体試料中で散乱させ、散乱したレーザー光の時間依存性(ナノ結晶のブラウン運動の結果である)を測定して、ナノ結晶のサイズおよびサイズ分布を計算することができる。結果は普通x軸に同等の直径を有するナノ結晶のサイズ分布として表され、y軸には散乱強度、散乱ナノ結晶の体積、または散乱ナノ結晶の数を表すことができる。測定されたサイズは、多くの場合、溶媒の薄層(溶媒シェル)と共に、ナノ結晶のサイズならびにキャッピング剤および/または溶媒基および/または前駆体基のサイズを含み、したがって実際のナノ結晶サイズは、DLSで測定されたものよりも小さいことが多い。本開示では、「DLSで測定した場合」と指摘されている場合を除いて、ナノ結晶サイズおよびサイズ分布についてのすべての言及は、TEMで測定したナノ結晶サイズを指すもので、ナノ結晶のサイズ、加えてキャッピング剤、および/もしくは溶媒基、および/もしくは前駆体基、またはナノ結晶のサイズ、加えてキャッピング剤、および/もしくは溶媒基、および/もしくは前駆体基、加えて溶媒シェルを指すものではない。D9999は、体積で測定した場合、測定された分散体中の粒子の99.99%の粒径が、報告された値未満(単位:ナノメートル)であると定義される。様々なDLS分光器が利用可能であり、各販売元は多くの場合その独自仕様の方法論およびアルゴリズムを開発しており、結果は互換性がないこともあり、本開示でデータを取得するために具体的に使用したモデルは、Malvern Zetasizer Nano S DLSである。
【0113】
[0137]ナノ結晶分散体の強度または体積による粒径およびサイズ分布の典型的なDLS測定は、溶媒中5重量%のナノ結晶で収集する。
[0138]強度で測定した場合、溶媒中に5重量%を分散させた場合の、本開示に記載されている、キャッピングされた酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶ならびにコア-シェル化した、および/または無機物で処理されたTiOおよびZrOナノ結晶のうちのいずれかの平均粒径は、動的光散乱で測定した場合、100nm未満である。好ましくは、粒径は、DLSで測定した場合、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、または25~30nm、または30~35nm、または35~40nm、または40~45nm、または45~50nm、または50~55nm、または55~60nm、または60~65nm、または65~70nm、または75~80nm、または80~85nm、または85~90nm、または90~95nm、または95~100nmの間である。
【0114】
[0139]体積で測定した場合、溶媒中に5重量%を分散させた場合の、本開示に記載されている、キャッピングされた酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶、ならびにコア-シェル化した、および/または無機物で処理されたTiOおよびZrOナノ結晶のうちのいずれかの平均粒径は、動的光散乱で測定した場合、100nm未満である。好ましくは、粒径は、DLSで測定した場合、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、25~30nm、または30~35nm、または35~40nm、または40~45nm、または45~50nm、または50~55nm、または55~60nm、または60~65nm、または65~70nm、または75~80nm、または80~85nm、または85~90nm、または90~95nm、または95~100nmの間である。
【0115】
[0140]本開示に記載されている、キャッピングされた酸化チタン、酸化ジルコニウムナノ結晶、コア-シェル型ナノ結晶、無機物で処理されたナノ結晶、コア-シェル型および無機物で処理されたナノ結晶のうちのいずれかが体積で測定され、溶媒中5重量%分散させた場合のD9999は、動的光散乱で測定した場合、500nm未満である。好ましくは、D9999は、DLSで測定した場合、20nm未満、30nm未満、40nm未満、50nm未満、60nm未満、70nm未満、80nm未満、90nm未満、100nm未満、110nm未満、120nm未満、130nm未満、140nm未満、150nm未満、160nm未満、170nm未満、180nm未満、190nm未満、200nm未満、220nm未満、150nm未満、240nm未満、260nm未満、280nm未満、300nm未満、400nm未満または500nm未満である。
【0116】
[0141]一実施形態ではコアのTiOまたはZrOナノ結晶、ならびにZrOを含み、および/または本開示の無機不動態化剤で処理された金属酸化物シェルを含む、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル、ナノ結晶は、狭い粒径分布を有し、粒径分布は、D9999が20未満、30未満、40未満、50未満、60未満、70未満、80未満、90未満、100未満、110未満、120未満、130未満、140未満、150未満、160未満、170未満、180未満、190未満、200未満であることを特徴とする。
【0117】
[0142]ナノ結晶分散体またはナノ結晶配合物中の固体%、無機物%および有機物%を特徴付ける1つの一般的技術は、熱重量分析(TGA)である。本開示のナノ結晶配合物は、本開示に記載されている、いずれかのキャッピングされたナノ結晶、モノマー、オリゴマー、ポリマーおよび他の添加剤を含有する任意の分散体である。任意に、配合物は溶媒または溶媒の組合せを含有する。この技術では、ナノ結晶分散体またはナノ結晶ポリマーナノコンポジットをるつぼ内に保持し、重量をモニターしながら、室温から約800℃まで加熱する。有機溶媒、ポリマー、およびキャッピング剤は高い温度、普通は異なる温度で分解し、無機ナノ結晶のみが後に残る。元の試料中の様々な原料成分の相対的重量パーセンテージを得ることができる。TGAの結果は普通、x軸に温度、およびy軸に相対的な重量パーセンテージのプロットを生成する。様々なTGA装置が利用可能であり、これらの装置はすべて類似の原理に基づいており、適切に作動させた場合、結果は互換性がある。本開示においてデータを取得するために具体的に使用されたモデルはTA Instrument TGA Q500である。
【0118】
[0143]本発明により開示された分散体は、TA instrument Q500熱重量測定アナライザー(TGA)を使用して分析して、キャッピングされたナノ結晶分散体の有機物含有量、無機物含有量、および固形分を決定する。最初の質量に対する200℃(M200C)でのパーセント質量を、分散体中に存在するキャッピングされたナノ結晶とみなし、最初の質量に対する700℃(M700C)でのパーセント質量を、キャッピングされたナノ結晶の無機の部分、すなわち無機固形分とみなす。キャッピングされたナノ結晶の有機物含有量は、200℃でのパーセント質量と700℃でのパーセント質量との差を、200℃でのパーセント質量で割ったもの、すなわち、有機物%=(M200C-M700C)/M200Cと定義される。
【0119】
[0144]TA instrumentQ500熱重量測定アナライザー(TGA)を使用して、本発明により開示された配合物を分析する。TGAは、200℃未満の沸点を有する溶媒中のナノ結晶分散体を用いて作動させて、キャッピングされたナノ結晶の有機物含有量を決定する。最初の質量に対する200℃でのパーセント質量を、キャッピングされたナノ結晶とみなし、最初の質量に対する700℃でのパーセント質量を、キャッピングされたナノ結晶の無機の部分、すなわち、無機の固形分とみなす。キャッピングされたナノ結晶の有機物パーセント(%Org)は、200℃でのパーセント質量(M200C)と700℃でのパーセント質量(M700C)との間の差を200℃でのパーセント質量で割ったものと定義される:
[0145]%Org=(M200C-M700C)/M200C×100%
[0146]ナノコンポジットまたは配合物に対して、固体パーセント(%S)は、溶媒中で測定された、ナノコンポジットの無機物含有量およびキャッピングされたナノ結晶の有機物含有量から計算される:
[0147]%S=M700C/(100%-%Org)×100%
[0148]キャッピングされた酸化チタン、酸化ジルコニウムナノ結晶、金属酸化物シェルを含むコア-シェルTiOおよびZrOナノ結晶、ならびに無機物による処理を有するナノ結晶を含む本発明により開示された分散体の固形分は、TGAで測定した場合、通常0~93%、例えば、0~10%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~93%である。
【0120】
[0149]キャッピングされた酸化チタン、酸化ジルコニウムナノ結晶、金属酸化物シェルを含むコア-シェルTiOおよびZrOナノ結晶、ならびに無機物による処理を有するナノ結晶を含む本発明により開示された分散体の無機物固形分は、TGAで測定した場合、通常0~93%、例えば、0~10%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~93%である。
【0121】
[0150]キャッピングされた酸化チタン、酸化ジルコニウムナノ結晶、金属酸化物シェルを含むコア-シェルTiOおよびZrOナノ結晶、ならびに無機物による処理を有するナノ結晶を含む本発明により開示された分散体の有機物含有量は、通常、TGAで測定した場合、キャッピングされたナノ結晶の0~25%、例えば、0~5%、または5~10%、または10~15%、または15~20%、または20~25%、または5%未満、または8%未満、または10%未満、12%未満、または14%未満、または16%未満、18%未満、または20%未満または20%未満、25%未満である。
【0122】
[0151]キャッピングされた酸化チタン、酸化ジルコニウムナノ結晶、金属酸化物シェルを含むコア-シェルTiOおよびZrOナノ結晶、ならびに無機物による処理を有するナノ結晶の有機物含有量は通常、TGAで測定した場合、キャッピングされたナノ結晶の0~25%、例えば、0~5%、または5~10%、または10~15%、または15~20%、または20~25%、または5%未満、または8%未満、または10%未満、12%未満、または14%未満、または16%未満、18%未満、または20%未満、または20%未満、25%未満である。
【0123】
[0152]溶媒、モノマー、ポリマー中に分散させたまたは配合物としての、本発明により開示された酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶、ならびにコア-シェルTiOおよびZrOナノ結晶は、分散体の意図的な振盪または混合なしで分散体が18~25℃の範囲の温度で貯蔵された場合、少なくとも1週、または2週、または3週、または4週、または3カ月、または少なくとも5カ月、または少なくとも6カ月、または少なくとも7カ月、または少なくとも8カ月、または少なくとも9カ月、または少なくとも10カ月、または少なくとも11カ月、または少なくとも1年、または少なくとも2年または少なくとも3年の間、貯蔵安定性がある。
配合物の成分および特性
[0153]本開示は、モノマー、オリゴマー、ポリマーまたはこれらの混合物中に分散された、金属酸化物シェルの層を含み、および/または無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンまたは酸化ジルコニウムナノ結晶を含む、溶媒含有および/または無溶媒の、ナノインプリント可能な、インクジェット可能な、およびスピンコーティング可能な、高透明性、高RIの配合物を提供する。前記配合物は、溶媒、硬化剤、接着促進剤、湿潤剤、平坦化剤、分散剤、粘度調整剤、有機ドーパントおよび酸化防止剤を任意に含む。これらの配合物は、高屈折率のインデックスおよび高い光学的透明性を有するナノコンポジットおよび薄膜コーティングの生成を可能にする。
【0124】
[0154]本発明により開示された配合物のアクリルモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、ベンジル(メタ)アクリレート(BAおよびBMA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTAおよびTMPTMA)、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート(EOTMPTAおよびEOTMPTMA)、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDAおよびHDDMA)、ジ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート(DEGDAおよびDEGDMA)、エチレングリコールジアクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテル(メタ)アクリレート(PEAおよびPEMA)、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート(HPPA)、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート(HPPMA)、2-フェノキシベンジルアクリレート(PBA)、ビフェニルメタクリレート(BPMA)、アクリル酸イソボルニル(IBA)、2-フェニルフェノールメタクリレート(PPMA)、イソブチルアクリレート(IBA)、2-フェニルエチルアクリレート(2-PEA)、2-(フェニルチオ)アクリル酸エチル(PTEA)、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(THEICTAまたはM370)、ビスフェノールAグリセロレートジメタクリレート、アクリル酸とのエステル(OPPEOA)、OPPEOA中9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエチルオキシ)フェニル]フルオレンまたはビスフルオレンジアクリレート(HR6042)、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールFエトキシレート(2EO/フェノール)ジアクリレート、ビスフェノールAグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジメタクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート(SR-601)、ビフェノールAエトキシレートジアクリレート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、クレゾールノボラックエポキシアクリレート(CN112C60)、トリ(エチレングリコール)ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、およびこれらの組合せを含むことができる。
【0125】
[0155]いくつかの好ましい実施形態では、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーは、2-フェニルエチルアクリレート(2-PEA)、ビフェニルメタクリレート(BPMA)、2-フェノキシベンジルアクリレート(PBA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTAおよびTMPTMA)、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(THEICTA)、OPPEOA中9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエチルオキシ)フェニル]フルオレンまたはビスフルオレンジアクリレート(HR6042)、およびこれらの組合せから選択することができる。
【0126】
[0156]本発明により開示された配合物のビニルモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、N-ビニルピロリドン(NVP)、フェニルノルボルネン(norborene)、スチレン(STY)、4-メチルスチレン、4-ビニルアニソール、ジビニルベンゼンまたはこれらの組合せを含むことができる。
【0127】
[0157]キャッピングされたナノ結晶は、モノマー、オリゴマーおよびポリマーの総重量の10重量%未満、または10%~20重量%、または20%~30重量%、または30%~40重量%、または40%~50重量%、または50%~60重量%、または60%~70重量%、または70%~80重量%、または80%~90重量%、または90%~95重量%の量でモノマー中に存在する。
【0128】
[0158]本発明により開示された配合物は、フィルムまたはコーティングの屈折率を増加させる有機ドーパントを任意に含む。有機ドーパントは、存在する場合、フェナントレン(PhA)、9-シアノフェナントレン、トリフェニルメタン、ベンゾキノリン、9-ビニルカルバゾールおよびこれらの組合せを含む。
【0129】
[0159]本発明により開示された配合物の硬化剤は通常光重合開始剤を含む。任意の光重合開始剤は、ナノコンポジットの光学的および物理的性能を制限しないことを前提として、活性のある種、例えば、光(UV)エネルギーを有するラジカルを生成することが可能である限り使用することができる。光重合開始剤硬化剤の例として、アミン、例えば、Ebecryl(登録商標)P115、またはベンゾフェノンおよびその誘導体、例えば、Ebecryl(登録商標)P39、ベンゾフェノン、SpeedCure BEM(Lambson USA Ltd、Rutherford、CT、USA)またはオルガノホスフィン、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド(TPO)、Irgacure(登録商標)819、またはIrgacure(登録商標)184(BASF USA、Florham Park、NJ、USA)が挙げられる。配合物は単一の光重合開始剤またはこれらのいずれかの組合せを含む。本明細書に記載されている配合物は硬化用のUV放射線の適用に焦点を当てているが、熱的硬化は、適当な熱開始剤、例えば、2,2-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(AIBN)を用いて完全に可能である。
【0130】
[0160]1種より多くの硬化剤の組合せは、当業者に公知のある特定の状況において有利である。
[0161]本発明により開示された配合物の硬化剤の量は通常、モノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、0.5重量%未満であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、0.5%~1重量%であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、1%~2重量%であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、2%~3重量%であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、3%~4重量%であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、4%~5重量%であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、5%~6重量%であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、6%~7重量%であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、7%~8重量%であり、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの総重量に対して、8%~15重量%の量である。
【0131】
[0162]接着促進剤は、存在する場合、オルガノ金属化合物、例えば、オルガノ官能性シランから、または官能化モノマーおよびオリゴマーから選択される。適切ないくつかのオルガノ官能性シラン接着促進剤はアミノまたはメタクリルオキシ基を含有する。例示的シラン接着促進剤として、これらに限定されないが、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-[(メタクリロイルオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、およびトリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シラン、AP3000(Dow Chemical)が挙げられる。官能化モノマーおよびオリゴマー接着促進剤として、これらに限定されないが、CN820、CN146(Sartomer Americas、Exton、PA、USA)、SR9051、SR9053(Sartome rAmericas、Exton、PA、USA)、およびEbecryl171(Allnex USA Inc.、Wallingford、CT、USA)が挙げられる。
【0132】
[0163]本発明により開示された配合物の接着促進剤は、モノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの重量に対して、0.5重量%未満、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの重量に対して、0.5~1重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの重量に対して、1~5重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの重量に対して、5~10重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの重量に対して、10~15重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの重量に対して、15~30重量%の量で存在することができる。
【0133】
[0164]一部の実施形態では、配合物の表面張力を減少させ、よって、配合物の流動特性を改善して、より均一な乾燥したコーティング表面を生成するため、界面活性剤(湿潤剤として作用することができる)、平坦化剤、消泡剤および分散剤が存在する。界面活性剤は非イオン性、アニオン性、またはその組合せである。適切な湿潤剤の代表的な例として、これらに限定されないが、シロキサン界面活性剤、例えば、BYK-331、BYK-333、BYK-377、BYK-378、(BYK Chemie、GMBH)およびフルオロ界面活性剤、例えば、Novec 4430、Novec 4432、およびNovec 4434(3M、St.Paul、MN、USA)、およびCapstone FS-3100(The Chemours Company、Wilmington、DE、USA)が挙げられる。
【0134】
[0165]平坦化剤の例は、存在する場合、ポリアクリレート化合物、例えば、BYK-352、BYK-353、BYK-356、およびBYK-361N;アラルキル修飾ポリメチルアルキルシロキサン、例えば、BYK-322、BYK-323、およびBYK-350(BYK Chemie、GMBH)ならびに変性ポリエーテル、アクリル官能性シロキサン、例えば、BYK-UV3530である。分散剤の例として、制限なしで、ポリアルキレングリコールおよびそのエステル、ポリオキシアルキレン、多価アルコールエステルの酸化アルキレン付加生成物、アルコール酸化アルキレン付加生成物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、アルキルアミドの酸化アルキレン付加生成物、アルキルアミンなどが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上の混合物として使用される。市販の分散剤の例として、制限なしで、DISPERBYK-101、DISPERBYK-130、DISPERBYK-140、DISPERBYK-160、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-164、DISPERBYK-165、DISPERBYK-166、DISPERBYK-170、DISPERBYK-171、DISPERBYK-182、DISPERBYK-2000、DISPERBYK-2001(BYK Chemie、GMBH)、Solsperse 32000、Solsperse 36000、Solsperse 28000、Solsperse 20000、Solsperse 41000、およびSolsperse 45000(Lubrizol、Wickliffe、OH、USA)が挙げられる。
【0135】
[0166]一部の実施形態では、湿潤性を改善する目的のための、本発明により開示された配合物の界面活性剤の量は、全配合物の0.05重量%未満、または全配合物の0.05~0.1重量%、または全配合物の0.1~0.5重量%、または全配合物の0.5~1重量%、または全配合物の1~2重量%、または全配合物の2~5重量%の量である。分散を助ける目的のための、本発明により開示された配合物の界面活性剤の量は、分散される材料に応じて異なる。分散剤の量は、分散される材料の3重量%未満、または分散される材料の3~5重量%、または分散される材料の5~10重量%、または分散される材料の10~20重量%、または分散される材料の20~40重量%、または分散される材料の40~60重量%、または分散される材料の60~80重量%、または分散される材料の80~100重量%、または分散される材料の100~150重量%である。
【0136】
[0167]本発明により開示された配合物の酸化防止剤は、存在する場合、少なくとも1種の一次酸化防止剤を含むことができる。この一次酸化防止剤は通常、立体的ヒンダードフェノール、例えば、Irganox 1010、Irganox 1076、SongNox(登録商標)1076、SongNox(登録商標)2450またはフェノール系ホスフィット、例えば、SongNox(登録商標)1680、またはホスフィン、例えば、Irgaphos168(BASF USA、Florham Park、NJ、USA)または芳香族第2級アミンもしくはヒンダードアミン、例えば、SongLight(登録商標)6220(Songwon Americas、Friendwood、TX、USA)から選択される。
【0137】
[0168]本開示の配合物は、UV吸収体、例えば、TINUVIN405(T405)、すなわちコーティング用固体トリアジンベースのUV吸収体、およびTinuvin400を任意に含む。本発明により開示された配合物のUV吸収体の量は一般的に、全配合物の0.5重量%未満、または全配合物の0.5%~1重量%、または全配合物の1%~2重量%、または全配合物の2%~3重量%、または全配合物の3%~4重量%、または全配合物の4%~5重量%、または全配合物の5%~6重量%、または全配合物の6%~7重量%、または全配合物の7%~8重量%、または全配合物の8%~10重量%である。
【0138】
[0169]本開示の配合物は少なくとも1種の二次酸化防止剤を、任意に含有する。この二次酸化防止剤は、2個の炭素原子に結合した硫黄原子から形成される少なくとも1つの単位を含む化合物から好ましくは選択される。二次酸化防止剤の代表的な例は、ジ(t-ブチル)ヒドロキシフェニルアミノビスオクチルチオトリアジンおよびIrganox PS800(BASF USA、Florham Park、NJ、USA)である。
【0139】
[0170]本発明により開示された配合物の酸化防止剤の量は一般的に、全配合物の0.5重量%未満、または全配合物の0.5%~1重量%、または全配合物の1%~2重量%、または全配合物の2%~3重量%、または全配合物の3%~4重量%、または全配合物の4%~5重量%、または全配合物の5%~6重量%、または全配合物の6%~7重量%、または全配合物の7%~8重量%、または全配合物の8%~10重量%である。
【0140】
[0171]本発明により開示された配合物は、可塑剤、強化剤、増粘剤、シンナー、分散剤、または軟化剤、または他の機能性添加剤をさらに含む。
[0172]任意に、本発明により開示された配合物は溶媒をさらに含む。溶媒の選択は、金属酸化物シェルを含み、および/または無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンまたは酸化ジルコニウム、ならびに選択された配合物のモノマー、オリゴマーおよびポリマーに完全に依存する。低い沸点から高い沸点の範囲の溶媒の例として、アルコール、グリコール、酢酸メチル、酢酸エチル、エステル、ケトン、グリコールエーテル、グリコールエステル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、エトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸エチル、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、THF、アセトン、これらのいずれかの組合せが挙げられる。
【0141】
[0173]本発明により開示された配合物の溶媒の量は、全配合物の0.5重量%未満、または全配合物の0.5%~1重量%、または全配合物の1%~2重量%、または全配合物の2%~3重量%、または全配合物の3%~4重量%、または全配合物の4%~5重量%、または全配合物の5%~6重量%、または全配合物の6%~7重量%、または全配合物の7%~8重量%、または全配合物の8%~10重量%、または全配合物の10%~20重量%、または全配合物の20%~30重量%、または全配合物の30%~40重量%、または全配合物の40%~50重量%、または全配合物の50%~60重量%、または全配合物の60%~70重量%、または全配合物の70%~80重量%、または全配合物の80%~90重量%、または全配合物の90%~95重量%である。
配合物の特性
[0174]本発明により開示された配合物の固形分は通常、TGAで測定した場合、0~93%、例えば、0~10%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~93%である。
【0142】
[0175]本発明により開示された配合物の無機物含有量は通常、TGAで測定した場合、0~93%、例えば、0~10%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~93%である。
【0143】
[0176]本発明により開示された配合物のキャッピングされたナノ結晶は、全配合物の10重量%未満、または全配合物の10%~20重量%、または全配合物の20%~30重量%、または全配合物の30%~40重量%、または全配合物の40%~50重量%、または全配合物の50%~60重量%、または全配合物の60%~70重量%、または全配合物の70%~80重量%、または全配合物の80%~90重量%、または全配合物の90%~93重量%を構成する。
【0144】
[0177]本発明により開示されたナノコンポジットのキャッピングされたナノ結晶は、全ナノコンポジットの10重量%未満、または全ナノコンポジットの10%~20重量%、または全ナノコンポジットの20%~30重量%、または全ナノコンポジットの30%~40重量%、または全ナノコンポジットの40%~50重量%、または全ナノコンポジットの50%~60重量%、または全ナノコンポジットの60%~70重量%、または全ナノコンポジットの70%~80重量%、または全ナノコンポジットの80%~90重量%、または全ナノコンポジットの90%~93重量%を構成する。
【0145】
[0178]ナノ結晶配合物および/またはナノコンポジットの光透過率および吸収率を特徴付ける1つの一般的技術はUV-Vis分光光度計(UV-Vis)である。UV-Vis技術は、200nm~900nm波長帯における、試料の透過光対入射光を測定する。
【0146】
[0179]所与の波長における試料の透過率は、以下のように定義される:
【0147】
【数1】
【0148】
(式中、両方とも同じ波長での、Iは透過光の強度であり、Iは入射光の強度である)。所与の波長における試料の吸収率は以下のように定義される:
【0149】
【数2】
【0150】
[0180]所与の波長での試料の吸光度、すなわち、光学密度(OD)は以下のように定義される:
【0151】
【数3】
【0152】
[0181]多くの場合、基準試料は、試料中の他の材料からの影響を排除するために使用される。薄膜試料に対して、多くの場合、関与する多数の反射が存在し、実際の透過率、吸収率、および吸光度を抽出するためにモデリングおよびアルゴリズムを適用することができる。
【0153】
[0182]ナノ結晶配合物を測定するため、試料は普通、10mmの光学通路を有するプラスチック、ガラス、または溶融シリカキュベット内に保持される。試料は基準に対して測定され、この基準は、キュベットおよび溶媒、モノマー、ポリマーからの影響を排除するため、同じまたは同じ種類のキュベットに保持された分散体中で使用される同じ溶媒、モノマー、ポリマーを含む。ナノ結晶ポリマーナノコンポジットを測定するため、ナノコンポジットをガラスまたは溶融シリカウエハー上にスピンキャストして、均一な薄膜を形成し、この試料を基準に対して測定することができ、この基準は、ウエハーおよびポリマーからの影響を排除するため、ウエハー上に同じ厚さでスピンキャストされた同じウエハーおよび/または同じポリマーを含む。ナノコンポジットの正確な透過率、吸収率、および吸光度を抽出するためにモデリングおよびアルゴリズムを適用することができる。
【0154】
[0183]利用可能な様々なUV-Vis分光器が存在し、これらの分光器はすべて同じ原理に基づき、適切に作動させた場合、結果は互換性がある。本開示においてデータを取得するために具体的に使用されたモデルは、Perkin Elmer Lambda 850である。
【0155】
[0184]本開示に記載されている無機物による処理を有する金属酸化物シェルおよび/またはナノ結晶を含む、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンナノ結晶のいずれかを含む本開示の配合物の450nmにおける光透過率は、経路長1cmのキュベット内で測定した場合、99%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、または80%~75%、または75%~70%、70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%,10%~5%、または5%~3%、または3%~2%、または2%~1%の範囲である。
【0156】
[0185]本開示に記載されている無機物による処理を有する金属酸化物シェルおよび/またはナノ結晶を含む、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンナノ結晶のいずれかを含む本開示の分散体または配合物の500nmにおける光透過率は、経路長1cmのキュベット内で測定した場合、99%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、または80%~75%、または75%~70%、70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%,10%~5%、または5%~3%、または3%~2%、または2%~1%の範囲である。
【0157】
[0186]本開示に記載されている無機物による処理を有する金属酸化物シェルおよび/またはナノ結晶を含む、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化ジルコニウムナノ結晶のいずれかを含む本開示の分散体または配合物の450nmにおける光透過率は、経路長1cmのキュベット内で測定した場合、99%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、または80%~75%、または75%~70%、70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%,10%~5%、または5%~3%、または3%~2%、または2%~1%の範囲である。
【0158】
[0187]本開示に記載されている無機物による処理を有する金属酸化物シェルおよび/またはナノ結晶を含む、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化ジルコニウムナノ結晶のいずれかを含む本開示の分散体または配合物の500nmにおける光透過率は、経路長1cmのキュベット内で測定した場合、99%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、または80%~75%、または75%~70%、70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%,10%~5%、または5%~3%、または3%~2%、または2%~1%の範囲である。
【0159】
[0188]本開示の配合物は、調節可能な粘度、および/または配合物の1種または複数の成分により制御することができる粘度を有する。配合物の粘度を制御することができるパラメーターとして、これらに限定されないが、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーの平均長、および分子量;ならびに溶媒の存在および溶媒の濃度、増粘剤の存在(すなわち、粘度改変成分)および増粘剤の濃度、配合物中に存在する成分の粒径、温度、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0160】
[0189]本明細書に記載されている配合物はまた、Brookfield RVDVII+円錐平板粘度計で測定した場合、約1cp~約1000cp、例えば、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~30cP、約30cP~40cP、約40c~50cP、約50cP~60cP、約60cP~75cP、約75cP~100cP、約100cP~200cP、約200cP~500cP、または約500cP~1,000cP、または約1,000cP~2,000cP、または約2,000cP~3,000cP、または約3,000cP~4,000cP、または約4,000cP~5,000cP、または約5,000cP~6,000cP、または約6,000cP~7,000cP、または約7,000cP~8,000cP、または約8,000cP~9,000cP、または約9,000cP~10,000cP、または10,000cP超の範囲の、調節可能な粘度を有することができる。
【0161】
[0190]本発明により開示された配合物は、粘度の著しい増加なしに、1週間より長く、または2週間より長く、または3週間より長く、または6週間より長く、または8週間より長く、または3カ月より長く、または6カ月より長く、または12カ月より長く、または36カ月より長く安定している。キャッピングされたナノ結晶の可視の沈殿はなく、配合物の粘度の変化は1%未満、または2%未満、または3%未満、または4%未満、または5%未満、または10%未満、または20%未満、または30%未満、または40%未満である。さらに、配合物の光透過率の変化は、450nmで、0.5%未満、1%未満、または2%未満、または3%未満、または4%未満、または5%未満、または10%未満、または20%未満、または30%未満、または40%未満である。
【0162】
[0191]インクジェット印刷の用途のための配合物は、インクジェットノズル表面板の湿潤化に対する強い耐性および所望の支持体に対する適当な湿潤性を有する。液体が一度平衡に到達すると、特定の固体表面を湿らせる液体および接触角が形成する。非常に低い接触角の値は通常10°未満であり、液体は前記表面に高い湿潤性を有する。高い湿潤性を有することで、均一なコーティングを達成することができる。45°より大きい接触角は、部分的に湿潤化したまたは非湿潤化した事例を示唆している。このような事例に対して考えうる結果は、不規則な表面およびレンズ印刷の使用の可能性であり、これらは多くの場合、表面エネルギーの低い表面上で液体が高い表面張力を有することを暗示している。
【0163】
[0192]インクジェット印刷の用途に対して、本発明により開示された配合物のジェット式噴射は、粘度の著しい増加なしに、1時間より長く、8時間より長く、1日より長く、または1週間より長く安定している。配合物は、乾燥または硬化により、プリントヘッドノズルの目詰まりにつながるような凝固を生じない。
無溶媒または溶媒含有配合物を作製する方法
1.無溶媒配合物を作製する方法であって、直接分散のステップ(ナノ結晶を媒体に直接分散するステップ)であり、本開示の少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶が溶媒から分離され、溶媒含有量が5%未満となって乾燥ナノ結晶を形成するまで真空下で乾燥させる、ステップと、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化物ナノ結晶の乾燥ナノ結晶を、ソーキング、撹拌、スピード混合、ミクロ流動化または他の混合方法により、少なくとも1種のモノマー、オリゴマー、ポリマーまたはこれらの混合物中で混合するステップとを含む、方法。
【0164】
方法1は、前記配合物を濾過して、凝集物または他の混入物を排除するステップをさらに含むことができる。
2.無溶媒配合物を作製する別の方法であって、本開示の少なくとも部分的にキャッピングされた酸化物ナノ結晶の乾燥粉末を、ソーキング、撹拌、スピード混合、ミクロ流動化または他の混合方法により、少なくとも1種の溶媒中で混合して、ナノ結晶溶媒分散体を得るステップと、前記分散体を少なくとも1種のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーまたは混合物、あるいは複数のモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーと混合して、溶媒含有配合物を得るステップと、蒸発または他の溶媒除去法、例えば、回転蒸発により前記溶媒を除去するステップとを含む、方法。
【0165】
方法2は、前記溶媒含有配合物または無溶媒配合物を濾過して、凝集物または他の混入物を排除するステップをさらに含むことができる。
最終の無溶媒配合物中に残留する溶媒の量は残留溶媒と呼ぶことができる。残留溶媒は通常、無溶媒配合物中、全配合物の10%未満、好ましくは5%未満である。
【0166】
方法2の溶媒は、酢酸エチル(ETA)、メチルエチルケトン、または他の低沸点溶媒を含む。
3.溶媒含有配合物を作製する方法であって、本開示の少なくとも部分的にキャッピングされた酸化物ナノ結晶の乾燥粉末を、ソーキング、撹拌、スピード混合、ミクロ流動化または他の混合方法により、少なくとも1種の溶媒中で混合して、ナノ結晶溶媒分散体を得るステップと、前記分散体を少なくとも1種のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーまたは混合物、あるいは複数のモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーと混合して、溶媒含有配合物を得るステップとを含む、方法。
ナノコンポジット
[0193]ナノコンポジットは、支持体または自立型構造体上のフィルム、コーティング、層、レンズである。本開示は、金属酸化物シェルを含む、少なくとも部分的にキャッピングされた二酸化チタンもしくは酸化ジルコニウムナノ結晶、および/または無機不動態化剤で処理されたナノ結晶と、重合可能なマトリックスとの混合物を含むナノコンポジットであって、キャッピングされたナノ結晶が20重量%~95重量%のナノコンポジットの量でナノコンポジットに存在する、ナノコンポジットを提供する。
【0167】
[0194]本発明により開示されたナノコンポジットコーティングまたはフィルムの無機物固形分を、TA instrument Q500熱重量測定アナライザー(TGA)を使用して分析する。手順は以前に記載した手順と同じである。最初の質量に対する700℃でのパーセントは、配合物の無機物部分、すなわち固形分とみなされる。
【0168】
[0195]本発明により開示されたナノコンポジットコーティングの無機物固形分は、TGAで測定した場合、0.1~10%であり、またはTGAで測定した場合、10~20%であり、またはTGAで測定した場合、20~30%であり、またはTGAで測定した場合、30~40%であり、またはTGAで測定した場合、40~50%であり、またはTGAで測定した場合、50~60%であり、またはTGAで測定した場合、60~70%であり、またはTGAで測定した場合、70~80%であり、またはTGAで測定した場合、80~90%であり、またはTGAで測定した場合、90~93%である。
【0169】
[0196]ナノコンポジットフィルムは、中程度から高い程度の硬化、意図した基材への良好な接着および良好なフィルム均一性を有する。本開示のキャッピングされたナノ結晶は、ポリマーまたはモノマーマトリックス中に分散性を維持する、または凝集を含まないままである。本発明により開示された材料のこのような物理的特徴は、光散乱を減少させるばかりでなく、改善された加工性も生み出す。
【0170】
[0197]本開示によるフィルムの透過率は、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定した正常な透過率であってよく、フィルムは、光学的に透明な基材、例えば、石英ガラスまたはガラス基材上にコーティングされ、同じ種類および厚さのブランク基材が基準として使用される。スペクトルにおける波紋は、入射光および反射光の干渉の結果であり、これは普通、高いフィルム品質、すなわち高い滑らかさ、高い均一性、および高い透明性の指標である。
【0171】
[0198]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定した場合、厚さ20ミクロン未満のフィルムに対して、400nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。本開示によるフィルムの透過率はPerkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定した正常な透過率であり、ナノコンポジットは、光学的に透明な基材、例えば、石英ガラスまたはガラス基材上にコーティングされ、同じ種類および厚さのブランク基材が基準として使用される。
【0172】
[0199]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定した場合、厚さ20ミクロン未満のフィルムに対して、450nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0173】
[0200]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定した場合、厚さ20ミクロン未満のフィルムに対して、650nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0174】
[0201]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定した場合、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、400nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0175】
[0202]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定した場合、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、450nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0176】
[0203]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定した場合、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、650nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0177】
[0204]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定し、ナノ結晶充填量が0.1~10%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~93%である場合、厚さ20ミクロン未満のフィルムに対して、450nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0178】
[0205]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定し、ナノ結晶充填量が0.1~10%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~93%である場合、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、450nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0179】
[0206]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定し、ナノ結晶充填量が0.1~10%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~93%である場合、厚さ20ミクロン未満のフィルムに対して、520nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0180】
[0207]本発明により開示されたナノコンポジットは、Perkin-Elmer UV-Vis Lambda 850分光光度計で測定し、ナノ結晶充填量が0.1~10%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~93%である場合、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、520nmで、高い光透過率99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%を保有する。
【0181】
[0208]ナノコンポジットの色を特徴付ける1つの一般的技術は、比色分析用の分光光度計を使用して、ナノコンポジットを介して透過される赤色、緑色および青色の波長の強度を定量化することであり、この技術では、各波長における光の強度に光源を掛けることによって、CIE色座標と呼ばれるX,Y、Z色値が得られる。本開示で報告された色座標はHunterlab’s Vistaヘイズメーターを使用して測定されており、これにより、一連の方程式を介してCIE X、Y、Z色座標が3次元の長方形の色空間に変換されて、L*、a*、b色空間の値が得られる。色空間において、「L*」は「y軸」にあり、試料の明るさを表し、「a*」は「x軸」にあり、赤-緑のシフトを表し、「b」は青-黄の色シフトを表し、「z軸」にある。通常、ナノコンポジットに分解が生じた場合、色は明澄または白色から黄色へと変化し、この変化を「b」における変化として測定する。さらに、色空間のすべての局面において、フィルムの分解は、デルタL*、a*およびbからデルタE*を計算することによってモニターすることができる。
デルタE*=[(L 最終-L 初期+(a 最終-a 初期+(b 最終-b 初期1/2
[0209]色に加えて、光学的に明澄なナノコンポジットのヘイズまたは透明度を定量化するために、Hunterlab’s Vista ヘイズメーターを使用する。
【0182】
[0210]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、フィルムの最小の着色を示す非常に低いbを保有し、このbは、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、0.01~0.05、または0.05~0.1、または0.1~0.5、または0.5~1.0、または1.0~1.5、または1.5~2.0の範囲である。ナノコンポジットのヘイズおよびb値は、基材の種類、基材のヘイズ、基材とフィルムの間のRIミスマッチ、およびフィルム厚により影響を受け得る。例えば、PET基材上にコーティングした場合、同じ配合物から作製されたナノコンポジットは、ガラス基材上にコーティングした場合よりも高いbおよびヘイズを示す。特に述べられていない限り、報告されたb値はガラス基材上のフィルムに対する値である。
【0183】
[0211]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、フィルムの高い透明度を示す、非常に低いヘイズ%を保有し、ヘイズ%は、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、0.0~0.02、または0.02~0.04、または0.04~0.06、または0.06~0.08、または0.08~0.1、または0.1~0.14、または0.14~0.18、または0.18~0.20、または0.20~0.25、または0.25~0.30、または0.30~0.35、または0.35~0.40、または0.40~0.45、または0.45~0.50の範囲である。
【0184】
[0212]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、フィルムの最小の着色を示す、非常に低いbを保有し、このbは、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、厚さ20ミクロン未満のフィルムに対して、0.01~0.05、または0.05~0.1、または0.1~0.5、または0.5~1.0、または1.0~1.5、または1.5~2.0、2.0~2.5、または2.5~3.0の範囲である。
【0185】
[0213]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、PET基材上にコーティングされた、フィルムの最小の着色を示す、非常に低いbを保有し、このbは、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、厚さ20ミクロン未満のフィルムに対して、0.01~0.05、または0.05~0.1、または0.1~0.5、または0.5~1.0、または1.0~1.5、または1.5~2.0、2.0~2.5、または2.5~3.0、または3.0~3.5、または3.5~4.0、または4.0~4.5、または4.5~5.0の範囲である。
【0186】
[0214]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、フィルムの高い透明度を示す、非常に低いヘイズ%を保有し、このヘイズ%は、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、厚さ20ミクロン未満のフィルムに対して、0.0~0.02、または0.02~0.04、または0.04~0.06、または0.06~0.08、または0.08~0.1、または0.1~0.14、または0.14~0.18、または0.18~0.20、または0.20~0.25、または0.25~0.30、または0.30~0.35、または0.35~0.40、または0.40~0.45、または0.45~0.50の範囲である。
【0187】
[0215]屈折率を測定する特徴付ける1つの一般的技術は、Metriconの2010/Mモデル プリズム結合器を使用することである。448nmおよび635nmレーザービームを備えたMetriconの2010/Mモデル プリズム結合器を使用して、第3の波長での同じ材料の予測される屈折率を計算することができる。550nmでの屈折率の計算は、2項型のコーシー方程式に基づく:
【0188】
【数4】
【0189】
[0216]パラメーターAおよびBは、特定の波長でのRI測定値に依存し、これらの波長には448および635nmを選択した。パラメーターAおよびBをRI(448nm)およびRI(635nm)として表すことにより、以下の方程式でRI(550nm)の計算が可能となる:
【0190】
【数5】
【0191】
[0217]他の波長に対するRI値は同じ方程式を使用して計算することができる。
[0218]屈折率を測定する別の方法はエリプソメーターによるものである。エリプソメーターを用いれば、屈折率を波長の関数として測定することができる。いくつかの屈折率測定は、JA Woollam M2000エリプソメーターを使用して行われる。
【0192】
[0219]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、448nmで、屈折率1.54~1.56、1.56~1.58、1.58~1.60、1.60~1.62、または1.62~1.64、1.64~1.66、または1.66~1.68、または1.68~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10、または2.10~2.12、または2.12~2.14、または2.14~2.16、または2.16~2.18、または2.18~2.20、または2.20~2.22、または2.22~2.24、または2.24~2.26、または2.26~2.28、または2.28~2.30、または2.30~2.32、または2.32~2.34、または2.34~2.36、または2.36~2.38、または2.38~2.40、または2.40~2.42、または2.42~2.44、または2.44~2.46、または2.46~2.48、または2.48~2.50、または2.50~2.52、または2.52~2.54、または2.54~2.56、または2.56~2.58、または2.58~2.60を保有する。
【0193】
[0220]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、520nmで、屈折率1.54~1.56、1.56~1.58、1.58~1.60、1.60~1.62、または1.62~1.64、1.64~1.66、または1.66~1.68、または1.68~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10、または2.10~2.12、または2.12~2.14、または2.14~2.16、または2.16~2.18、または2.18~2.20、または2.20~2.22、または2.22~2.24、または2.24~2.26、または2.26~2.28、または2.28~2.30、または2.30~2.32、または2.32~2.34、または2.34~2.36、または2.36~2.38、または2.38~2.40、または2.40~2.42、または2.42~2.44、または2.44~2.46、または2.46~2.48、または2.48~2.50、または2.50~2.52、または2.52~2.54、または2.54~2.56、または2.56~2.58、または2.58~2.60を保有する。
【0194】
[0221]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、589nmで、屈折率1.54~1.56、1.56~1.58、1.58~1.60、1.60~1.62、または1.62~1.64、1.64~1.66、または1.66~1.68、または1.68~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10、または2.10~2.12、または2.12~2.14、または2.14~2.16、または2.16~2.18、または2.18~2.20、または2.20~2.22、または2.22~2.24、または2.24~2.26、または2.26~2.28、または2.28~2.30、または2.30~2.32、または2.32~2.34、または2.34~2.36、または2.36~2.38、または2.38~2.40、または2.40~2.42、または2.42~2.44、または2.44~2.46、または2.46~2.48、または2.48~2.50、または2.50~2.52、または2.52~2.54、または2.54~2.56、または2.56~2.58、または2.58~2.60を保有する。
【0195】
[0222]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、635nmで、屈折率1.54~1.56、1.56~1.58、1.58~1.60、1.60~1.62、または1.62~1.64、1.64~1.66、または1.66~1.68、または1.68~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10、または2.10~2.12、または2.12~2.14、または2.14~2.16、または2.16~2.18、または2.18~2.20、または2.20~2.22、または2.22~2.24、または2.24~2.26、または2.26~2.28、または2.28~2.30、または2.30~2.32、または2.32~2.34、または2.34~2.36、または2.36~2.38、または2.38~2.40、または2.40~2.42、または2.42~2.44、または2.44~2.46、または2.46~2.48、または2.48~2.50、または2.50~2.52、または2.52~2.54、または2.54~2.56、または2.56~2.58、または2.58~2.60を保有する。
【0196】
[0223]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、ナノインデンテーションを用いて測定した場合、硬度値100~150MPa、または150~200MPa、または200~250MPa、250~300MPa、または300~350MPa、または350~400MPaを保有する。
【0197】
[0224]本発明により開示されたナノコンポジットは通常、ナノインデンテーションを用いて測定した場合、弾性率値3.0~3.5GPa、または3.5~4.0GPa、または4.0~4.5GPa、4.5~5.0GPa、または5.0~5.5GPa、または5.5~6.0GPa、または6.0~6.5GPa、または6.5~7.0GPa、または7.0~7.5GPa、または7.5~8.0GPa、または8.0~8.5GPa、または8.5~9.0GPa、または9.0~9.5GPa、または9.5~10.0GPa、または10.0~15.0GPaを保有する。
【0198】
[0225]本発明により開示されたナノコンポジットは、120℃未満、または120~175℃、または175~200℃、または200~250℃、または250~300℃、または300~400℃の温度において熱安定性をさらに実証する。熱安定性は、ナノコンポジットを、目視により観察可能な着色、クラッキング、または層間剥離を生じることなく、大気、窒素、または真空下で、指定された温度に10秒~5分、または5~10分、または10~30分、または30~60分、または60~120分、120分以上の間供することにより測定され、厚さ1ミクロン未満、または厚さ2ミクロン未満、または厚さ3ミクロン未満、または厚さ4ミクロン未満、または厚さ5ミクロン未満、または厚さ10μm、または厚さ5~10μm、または厚さ1~2μm、または厚さ1μm未満、または厚さ10μm超のフィルムに対して、bの変化は、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、bの最初の厚さの1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、または50%未満である。
【0199】
[0226]本発明により開示されたナノコンポジットは、120℃未満、または120~175℃、または175~200℃、または200~250℃、または250~300℃、または300~400℃の温度での熱安定性をさらに実証する。熱安定性は、ナノコンポジットを、目視により観察可能な着色、クラッキング、または層間剥離を生じることなく、大気、窒素、または真空下で、指定された温度に10秒~5分、または5~10分、または10~30分、または30~60分、または60~120分、120分以上の間供することにより測定され、厚さ1ミクロン、または厚さ2ミクロン未満、または厚さ3ミクロン未満、または厚さ4ミクロン未満、または厚さ5ミクロン未満、または厚さ10μm未満、または厚さ5~10μm、または厚さ1~2μm、または厚さ1μm未満、または厚さ10μm超のフィルムに対して、ヘイズ%の変化は、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、最初のヘイズの1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、または50%未満である。
【0200】
[0227]本発明により開示されたナノコンポジットは、120℃未満、または120~175℃、または175~200℃、または200~250℃、または250~300℃、または300~400℃の温度で熱安定性をさらに実証する。熱安定性は、ナノコンポジットを、目視により観察可能な着色、クラッキング、または層間剥離を生じることなく、大気、窒素、または真空下で、指定された温度に10秒~5分、または5~10分、または10~30分、または30~60分、または60~120分、120分以上の間供することにより測定され、Perkin-Elmer UV-Vis ラムダ 850分光光度計で測定した場合、厚さ1ミクロン、または厚さ2ミクロン未満、または厚さ3ミクロン未満、または厚さ4ミクロン未満、または厚さ5ミクロン未満、または厚さ10μm未満、または厚さ5~10μm、または厚さ1~2μm、または厚さ1μm未満、または厚さ10μm超のフィルムに対して、400nmで、透過率の低減は10%未満であり、または透過率の低減は20%未満であり、または透過率低減は30%未満であり、または透過率の低減は40%未満であり、または透過率の低減は50%未満である。
【0201】
[0228]様々な実施形態において、本開示は、本明細書のナノ結晶、分散体、配合物、および/またはナノコンポジットの様々な特性について言及している。特に明記しない限りまたは文脈がこれと反していない限り、これらの特性は、本開示を考慮して、当業者に公知の業界標準に従い測定される。さらに、特に明記しない限りまたは文脈がこれと反していない限り、所与のナノ結晶、分散体、配合物、またはナノコンポジットの2種以上の試験方法が列挙された特性に対して異なる結果を提供した場合、このような所与のナノ結晶、分散体、配合物、またはナノコンポジットは、以下である限り、本明細書(例えば、特許請求の範囲、列挙された実施形態など)で定義された範囲内であると考えられることを理解されたい:(1)本明細書の実施例セクションに示されている関連する方法(複数可)による1つの試験方法の下で、結果(複数可)がナノ結晶、分散体、配合物、またはナノコンポジットの特性に対して記載されている範囲内または定義内にある;このような1つの試験方法は、例えば、本明細書の実施例セクションの例示的な組成物(複数可)を使用することにより検証することができ、これら組成物は、当業者により一般的に認められた実験誤差内で、本明細書で報告された結果と同じ結果をもたらすはずである;または(2)いかなる関連する方法(複数可)も実施例セクションに示されていない場合、結果(複数可)は、本開示を考慮して、当業者により許容される任意の試験方法で、ナノ結晶、分散体、配合物、またはナノコンポジットの特性に対して記載されている範囲内または定義内にある。
QUV加速された風雨試験:
[0229]一部の実施形態では、無機物による処理を有するおよび有さない、本発明により開示されたコア-シェルナノ結晶、これらのナノ結晶から作製された、分散体、配合物およびナノコンポジットは、UV照射への曝露の際に低い光触媒活性を実証する。Q Lab QUV加速された風雨テスターは、制御された放射照度を有する市販のユニットを使用する。QUV風化試験は、2つの構成成分、すなわちUVおよび湿気ステップを有する。ステップ1に対して、UVは、0.89mW/cm強度で設定された340nm UVであり、温度は60℃に、4時間設定される。ステップ2は、50℃で4時間、UV曝露なしで凝縮する。このサイクルを9回、合計72時間かけて繰り返す。QUV試験に使用されるフィルムは、ガラス基材またはガラス基材で支持されたPET基材上に堆積させる。試料はフィルム側を下にして試料ホルダーに挿入し、QUV加速された風化テスターに載せる。Metricon Model 2010/Mプリズム結合器を使用して、サンプラーの屈折率およびフィルム厚を測定し、HunterLabヘイズメーターを使用して、色およびヘイズパラメーターを測定した。測定を曝露の前および後に実施して、風化試験により光学的性能の変化を計算した。
【0202】
[0230]UVA:
[0231]UVAの設定に対して、丸い回転試料ステージから15cmの高さの差をつけて、電球および固定具を互いにできるだけ近くに保ちながら、2つの250ワット UV-A Floodランプ(320~390nm範囲)を配置した。次いで、薄膜を有する2.5インチ(6.35cm)ガラス基材を放射状に編成し、電球の下の1点から円周を開始し、回転プレートの中心を回避して、ステージが回転している間、すべてのフィルムが確実にUV-A球へ等しく曝露されるようにした。各72時間の作動前に、電球強度をチェックした。
【0203】
[0232]フィルムを下に向けてトレイ側に配置し、UV-A波長がフィルムに到達する前に、ガラス基材を介して進むことを可能にする。試験を開始するに当たって、回転プレート上に、上記に特定された方向にフィルムを構成し、ランプのスイッチを入れ、試験を72~158時間実施する。電球は高温になり得るので、必要であれば、12~24時間ごとに電球のスイッチを切ることが可能であるが、全曝露時間は72時間にすべきである。平均強度は4mW/cmで保持する。
【0204】
[0233]試験が完了した後、Metricon Model 2010/Mプリズム結合器を使用してサンプラーの屈折率およびフィルム厚を測定し、HunterLabヘイズメーターを使用して、色およびヘイズパラメーターを測定した。曝露の前および後に測定を実施して、風化試験による光学的性能の変化を計算した。
【0205】
[0234]一部の実施形態では、本発明により開示されたナノコンポジットを、405nmおよび450nm波長に対する光安定性についてさらに試験する。セットアップはUVA試験のセットアップに対して記載されたものと類似のものであり、所望の波長のランプおよびターンテーブル上に配置された平坦なアルミニウムトレイで構成される。ランプはコーティングした基材に対向する平坦な面より6~12インチ(15cm~30cm)上につるす。基材、例えば、ガラス、ケイ素ウエハーまたはプラスチック基材、例えば、PETの上にコーティングしたフィルムまたはナノコンポジットを、フィルム表面を上に向けて、アルミニウムトレイ上に平らに置く。次いで、フィルムを所望の期間光に曝露させながら、アルミニウムトレイを遅いスピードで回転させる。ナノコンポジットを、405nmで、平均強度(25mW/cm)において、および450nmで、平均強度(16mW/cm)の波長において、それぞれ148時間(全UV線量13000J/cm)および1000時間(全UV線量57600J/cm)の間曝露する。ナノコンポジットフィルム特性の光学特性、例えば、全曝露の前および後のb、ヘイズ%、RIおよびフィルム厚を測定および記録する。
【0206】
[0235]一部の実施形態では、本発明により開示されたナノコンポジットは、320~390nm、または390~420nm、または420~450nm、または450nmより上の波長でのUV曝露の際に、低い光触媒活性、したがって高い光安定性を実証する。光触媒的安定性は、ナノコンポジットを、目視により観察可能な着色、クラッキング、または層間剥離を生じることなく、指定された曝露波長で、0.5~1.0mJ/cm.s、または1.0~2.0mJ/cm.s、または2.0~3.0mJ/cm.s、または3.0~4.0mJ/cm.s、または4.0~5.0mJ/cm.s、または5.0~8.0mJ/cm.s、または8.0~10.0mJ/cm.s、または10.0~12.0mJ/cm.s、または12.0~14.0mJ/cm.s、または14.0~16.0mJ/cm.s、または16.0~18.0mJ/cm.s、または18.0~20.0mJ/cm.s、または20.0~25.0mJ/cm.s、または25.0~30.0mJ/cm.s、または30.0~35.0mJ/cm.s、または35.0~40.0mJ/cm.s、または40.0~45.0mJ/cm.s、または45.0~50.0mJ/cm.sの範囲の強度で、30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、または10分間以上、または30分間以上、または60分間以上、または2時間以上、または6時間以上、または12時間以上、または24時間以上、または48時間以上、または72時間以上、または100時間以上、または120時間以上、または158時間以上、または192時間以上、または240時間以上、または288時間以上、または336時間以上、または384時間以上、または432時間以上、または500時間以上、または600時間以上、または700時間以上、または800時間以上、または900時間以上、または1000時間以上の間、曝露することにより測定され、厚さ1ミクロン未満、または厚さ1~5μm、または厚さ5~10μm、または厚さ10~20μm厚さのフィルムに対して、bの変化は、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、最初のbの1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満である。
【0207】
[0236]一部の実施形態では、本発明により開示されたナノコンポジットは、320~390nm、または390~420nm、または420~450nm、または450nmより上の波長におけるUV曝露の際に、低い光触媒活性、したがって高い光安定性を実証する。光触媒的安定性は、ナノコンポジットを、目視により観察可能な着色、クラッキング、または層間剥離を生じることなく、指定された曝露波長で、0.5~1.0mJ/cm.s、または1.0~2.0mJ/cm.s、または2.0~3.0mJ/cm.s、または3.0~4.0mJ/cm.s、または4.0~5.0mJ/cm.s、または5.0~8.0mJ/cm.s、または8.0~10.0mJ/cm.s、または10.0~12.0mJ/cm.s、または12.0~14.0mJ/cm.s、または14.0~16.0mJ/cm.s、または16.0~18.0mJ/cm.s、または18.0~20.0mJ/cm.s、または20.0~25.0mJ/cm.s、または25.0~30.0mJ/cm.s、または30.0~35.0mJ/cm.s、または35.0~40.0mJ/cm.s、または40.0~45.0mJ/cm.s、または45.0~50.0mJ/cm.sの範囲の強度で、30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、または10分間以上、または30分間以上、または60分間以上、または2時間以上、または6時間以上、または12時間以上、または24時間以上、または48時間以上、または72時間以上、または96時間以上、または120時間以上、または158時間以上、または192時間以上、または240時間以上、または288時間以上、または336時間以上、または384時間以上、または432時間以上、または500時間以上、または600時間以上、または700時間以上、または800時間以上、または900時間以上、または1000時間以上の間、曝露することにより測定され、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、ヘイズ%の変化は、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、最初のヘイズの1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満である。これらのフィルムはまた、Perkin-Elmer UV-Vis ラムダ 850分光光度計で測定した場合、厚さ1ミクロン未満、または厚さ1~5μm、または厚さ5~10μm、または厚さ10~20μmのフィルムに対して、400nm、または450nm、または520nm、または550nmで、10%未満の透過率の低減、または20%未満の透過率の低減、または30%未満の透過率の低減、または40%未満の透過率の低減、または50%未満の透過率の低減を示す。
【0208】
[0237]一部の実施形態では、本発明により開示されたナノコンポジットは、320~390nm、または390~420nm、または420~450nm、または450nmより上の波長におけるUV曝露の際に、低い光触媒活性、したがって高い光安定性を実証する。光触媒的安定性は、ナノコンポジットを、著しい屈折率の変化を生じることなく、指定された曝露波長で、0.5~1.0mJ/cm.s、または1.0~2.0mJ/cm.s、または2.0~3.0mJ/cm.s、または3.0~4.0mJ/cm.s、または4.0~5.0mJ/cm.s、または5.0~8.0mJ/cm.s、または8.0~10.0mJ/cm.s、または10.0~12.0mJ/cm.s、または12.0~14.0mJ/cm.s、または14.0~16.0mJ/cm.s、または16.0~18.0mJ/cm.s、または18.0~20.0mJ/cm.s、または20.0~25.0mJ/cm.s、または25.0~30.0mJ/cm.s、または30.0~35.0mJ/cm.s、または35.0~40.0mJ/cm.s、または40.0~45.0mJ/cm.s、または45.0~50.0mJ/cm.sの範囲の強度で、30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、または10分間以上、または30分間以上、または60分間以上、または2時間以上、または6時間以上、または12時間以上、または24時間以上、または48時間以上、または72時間以上、または96時間以上、または120時間以上、または158時間以上、または192時間以上、または240時間以上、または288時間以上、または336時間以上、または384時間以上、または432時間以上、または500時間以上、または600時間以上、または700時間以上、または800時間以上、または900時間以上、または1000時間以上の間、曝露することにより測定され、厚さ1ミクロン未満、または厚さ1~5μm、または厚さ5~10μm、または厚さ10~20μmのフィルムに対して、屈折率の変化は、プリズムまたはエリプソメーターで測定した場合、520nmで、0.001未満、または0.002未満、または0.004未満、または0.006未満、または0.008未満、または0.01未満、または0.012未満、または0.015未満、または0.018未満、または0.02未満、または0.022未満、または0.025未満、または0.028未満、または0.03未満、または0.035未満、または0.04未満、または0.045未満、または0.05未満、または0.055未満、または0.06未満、または0.065未満、または0.07未満、または0.075未満、または0.08未満、または0.085未満、または0.09未満、または0.095未満、または0.1未満である。
【0209】
[0238]一部の実施形態では、本発明により開示されたナノコンポジットは、390~420nm、または420~450nm、または450nmより上の波長におけるUV曝露の際に、低い光触媒活性、したがって高い光安定性を実証する。光触媒的安定性は、ナノコンポジットを、目視により観察可能な着色、クラッキング、または層間剥離を生じることなく、指定された曝露波長で、0.5~1.0mJ/cm.s、または1.0~2.0mJ/cm.s、または2.0~3.0mJ/cm.s、または3.0~4.0mJ/cm.s、または4.0~5.0mJ/cm.s、または5.0~8.0mJ/cm.s、または8.0~10.0mJ/cm.s、または10.0~12.0mJ/cm.s、または12.0~14.0mJ/cm.s、または14.0~16.0mJ/cm.s、または16.0~18.0mJ/cm.s、または18.0~20.0mJ/cm.s、または20.0~25.0mJ/cm.s、または25.0~30.0mJ/cm.s、または30.0~35.0mJ/cm.s、または35.0~40.0mJ/cm.s、または40.0~45.0mJ/cm.s、または45.0~50.0mJ/cm.sの範囲の強度で、30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、または10分間以上、または30分間以上、または60分間以上、または2時間以上、または6時間以上、または12時間以上、または24時間以上、または48時間以上、または72時間以上、または96時間以上、または120時間以上、または158時間以上、または192時間以上、または240時間以上、または288時間以上、または336時間以上、または384時間以上、または432時間以上、または500時間以上、または600時間以上、または700時間以上、または800時間以上、または900時間以上、または1000時間以上の間、曝露することによって測定され、厚さ1ミクロン未満のフィルムに対して、ヘイズ%の変化は、Hunterlab Vista ヘイズメーターで測定した場合、最初のヘイズの1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満である。これらのフィルムはまた、Perkin-Elmer UV-Vis ラムダ 850分光光度計で測定した場合、厚さ1ミクロン未満、または厚さ1~5μm、または厚さ5~10μm、または厚さ10~20μm厚さのフィルムに対して、400nm、または450nm、または520nm、または550nmで、10%未満の透過率の低減、または20%未満の透過率の低減、または30%未満の透過率の低減、または40%未満の透過率の低減、または50%未満の透過率の低減を示す。
【0210】
[0239]一部の実施形態では、本発明により開示されたナノコンポジットは、390~420nm、または420~450nm、または450nmより上の波長におけるUV曝露の際に、低い光触媒活性、したがって高い光安定性を実証する。光触媒的安定性は、ナノコンポジットを、著しい屈折率の変化を生じることなく、指定された曝露波長で、0.5~1.0mJ/cm.s、または1.0~2.0mJ/cm.s、または2.0~3.0mJ/cm.s、または3.0~4.0mJ/cm.s、または4.0~5.0mJ/cm.s、または5.0~8.0mJ/cm.s、または8.0~10.0mJ/cm.s、または10.0~12.0mJ/cm.s、または12.0~14.0mJ/cm.s、または14.0~16.0mJ/cm.s、または16.0~18.0mJ/cm.s、または18.0~20.0mJ/cm.s、または20.0~25.0mJ/cm.s、または25.0~30.0mJ/cm.s、または30.0~35.0mJ/cm.s、または35.0~40.0mJ/cm.s、または40.0~45.0mJ/cm.s、または45.0~50.0mJ/cm.sの範囲の強度で、30秒間以上、1分間以上、2分間以上、3分間以上、4分間以上、5分間以上、または10分間以上、または30分間以上、または60分間以上、または2時間以上、または6時間以上、または12時間以上、または24時間以上、または48時間以上、または72時間以上、または96時間以上、または120時間以上、または158時間以上、または192時間以上、または240時間以上、または288時間以上、または336時間以上、または384時間以上、または432時間以上、または500時間以上、または600時間以上、または700時間以上、または800時間以上、または900時間以上、または1000時間以上の間、曝露することにより測定され、厚さ1ミクロン未満、または厚さ1~5μm、または厚さ5~10μm、または厚さ10~20μmのフィルムに対して、屈折率の変化は、プリズムまたはエリプソメーターで測定した場合、520nmで、0.001未満、または0.002未満、または0.004未満、または0.006未満、または0.008未満、または0.01未満、または0.012未満、または0.015未満、または0.018未満、または0.02未満、または0.022未満、または0.025未満、または0.028未満、または0.03未満、または0.035未満、または0.04未満、または0.045未満、または0.05未満、または0.055未満、または0.06未満、または0.065未満、または0.07未満、または0.075未満、または0.08未満、または0.085未満、または0.09未満、または0.095未満、または0.1未満である。
ナノコンポジットを作製する方法
[0240]本開示は、本発明により開示された配合物を使用して、ナノコンポジットを作製する方法を提供する。本開示の硬化されたまたは部分的に硬化された配合物を含有するナノコンポジットフィルムが本明細書に記載されている。前記ナノコンポジットは当業者に公知のUVまたは熱的硬化技術により硬化されるまたは部分的に硬化される。
【0211】
[0241]本開示は、本明細書に記載されているナノコンポジットフィルムであって、フィルムがスピンコーティング、スロットダイコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ディップコーティング、ドローバーコーティング、ロールツーロール印刷、スプレーコーティング、インプリント、ナノインプリント、成型またはこれらのいずれかの組合せにより生成されるナノコンポジットフィルムを提供する。
デバイス
[0242]本開示は、LED、有機物LED、ミクロLED、タッチスクリーン、ディスプレイ、センサー、Augmented Realityレンズ、Virtual Realtyレンズ、光学レンズ、または活性成分を含む太陽電池デバイス(前記活性成分は本開示のナノコンポジットを含むまたは含有する)を提供する。
好ましい実施形態は、以下に列挙されている実施形態1~42を含む:
1.コアおよび外側シェルを含む、コア-シェル構造を有するナノ結晶であって、コアが外側シェルにより少なくとも部分的に封入され、コアがコア金属酸化物を含み、外側シェルがシェル金属酸化物を含み、コア金属酸化物が、TEMで測定した場合、3nmより大きく、50nm未満の平均粒径を有することを特徴とし、外側シェルが、TEMで測定した場合、0.1nm~5nmの間の厚さを有することを特徴とし、コア金属酸化物およびシェル金属酸化物が同じまたは異なる、ナノ結晶。
2.シェル金属酸化物のコア金属酸化物に対する原子比が、SEM EDXで測定した場合、3未満、例えば、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8nm未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満である、実施形態1に記載のナノ結晶。好ましくは、シェル金属酸化物のコア金属酸化物に対する原子比は0.5未満である。
3.コア金属酸化物およびコア-シェル酸化金属ナノ結晶が狭い粒径分布を有し、粒径分布が、1)D90:D10比が5未満、好ましくは、3未満、もしくは2未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.8、約1.2~約3、もしくは約1.5~約3であり;2)D90:D50比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であり;および/または3)D50:D10比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であることを特徴とする、実施形態1および2のいずれかに記載のナノ結晶。
4.無機不動態化剤で処理されたコアおよび/またはコア-シェルを含み、無機不動態化剤がポリリン酸ナトリウム、硝酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸アルミニウムナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムまたはこれらのいずれかの組合せのうちの少なくとも1種を含む、実施形態1~3のいずれかに記載のナノ結晶。好ましくは、無機不動態化剤はNaHPOを含む。
5.メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテル、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされた、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶を含む、実施形態1~4のいずれかに記載のナノ結晶。好ましくは、キャッピング剤は、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]-トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、またはこれらのいずれかの組合せのうちの1種または複数である。
6.少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶の有機物含有量が、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶の25%未満、例えば、5%未満、または5%~8%、または8%~10%、または10%~12%、または12%~14%または14%~16%、または16%~18%、または18%~20%である、実施形態5に記載のナノ結晶。
7.コア金属酸化物が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、および/またはチタン酸バリウムを含み、シェル金属酸化物が二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、酸化セリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、実施形態1~6のいずれかに記載のナノ結晶。
8.コア金属酸化物がTiOを含み、シェル金属酸化物が二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化セリウム、酸化チタンバリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、実施形態1~6のいずれかに記載のナノ結晶。
9.コア金属酸化物がTiOを含み、シェル金属酸化物が二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化セリウムまたはこれらのいずれかの組合せを含む、実施形態1~6のいずれかに記載のナノ結晶。
10.UV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用してコア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、ならびに320~390nm以上で66時間、光強度4mW/cmでのUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を示す、実施形態1~9のいずれかに記載のナノ結晶。
11.UV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用してコア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、ならびに450nm以上で1000時間、光強度16mW/cmでのUV曝露の前および後に、または405nm以上で148時間、光強度25mW/cmでのUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を示す、実施形態1~9のいずれかに記載のナノ結晶。
12.コア金属酸化物が酸化チタンであり、シェル金属酸化物が酸化ジルコニウムを含み、ナノ結晶の平均粒径が、TEMで測定した場合、30nm未満であり、シェルZrのコアTiに対する原子比が、SEM EDXで測定した場合、3未満、例えば、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8nm未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満である、実施形態10~11のいずれかに記載のナノ結晶。
13.ナノ結晶の粒径分布が、動的光散乱(DLS)により、溶媒中5重量%分散させたナノ結晶の体積で測定した場合、D9999が500nm未満であることを特徴とする、実施形態5~12のいずれかに記載のキャッピングされたナノ結晶。
14.TiOナノ結晶を含むコアおよびシェル金属酸化物を含むシェルを含む、コア-シェル型TiOナノ結晶を調製する方法であって、シェル金属酸化物の前駆体を、溶媒中で、TiOナノ結晶を含むコアを少なくとも部分的に封入するシェル金属酸化物へと変換させるステップを含み、変換させるステップが、1)シェル金属酸化物の前駆体を、溶媒とTiOナノ結晶を含むコアとの反応混合物中で混合するステップ、および2)反応混合物を、反応温度、例えば、約90℃で、ある期間の間加熱して、TiOナノ結晶を含むコアを少なくとも部分的に封入するシェル金属酸化物を得るステップを含む、方法。
15.変換させるステップが、1)シェル金属酸化物の前駆体を、直接的に、または水中のいずれかで、溶媒とTiOナノ結晶を含むコアとの反応混合物に混合するステップ、および2)反応混合物を、約50℃~約90℃の反応温度で、約10分~約7日間、好ましくは約1時間~24時間加熱して、TiOナノ結晶を含むコアを少なくとも部分的に封入するシェル金属酸化物を形成するステップを含む、実施形態14に記載の方法。
16.シェル金属酸化物が酸化ジルコニウムを含み、二酸化ジルコニウムの前駆体がジルコニウムアルコキシド、例えば、式Zr(OR)を有するジルコニウムアルコキシド、式Zr(OR)を有する化合物、またはその組合せ[式中、各R基は、独立して、アルキル基(例えば、C1~C6アルキル基)または置換アルキル基であることができ、G基は、存在する各々において独立して、ハロゲン(例えば、Cl)であり、xは0~4の整数であり、yは0~4の整数であるが、ただし、x+yは4であるものとする]、またはジルコニウムオキシハライドもしくはジルコニウムハライドであり、ジルコニウムオキシハライドが好ましい、実施形態14~15のいずれか1つに記載の方法。コアTiOナノ結晶とシェルZrOのZr/Tiの原子比は、SEM EDXで測定した場合、3未満、例えば、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8nm未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満である。好ましくはコアTiOナノ結晶とシェルZrOのZr/Tiの原子比は1未満である。
17.溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、および水から選択される1種または複数の溶媒を含む、実施形態14~16のいずれか1つに記載の方法。好ましくは、溶媒は水を含む。
18.コア-シェル型TiOナノ結晶が、TEMで測定した場合、平均粒径約3nm~約50nm、またはTEMで測定した場合、平均粒径4nm~30nmを有する、実施形態14~17のいずれか1つに記載の方法。好ましくは、シェル金属酸化物を含むシェルを有するコア-シェルナノ結晶は、TEMで測定した場合、シェルの厚さ0.1nm~5nmを有する。好ましくは、TiOナノ結晶上の少なくとも1種の金属酸化物材料のシェルは、TiOナノ結晶を完全にまたは部分的に封入する。さらに、シェル金属酸化物を含むシェルは、結晶形態および/または非晶質形態であることができる。実施形態14~18に記載の方法に従い調製したコア-シェル型TiOナノ結晶は狭い粒径分布を有し、粒径分布は、1)D90:D10比が5未満、好ましくは、3未満、もしくは2未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.8、約1.2~約3、もしくは約1.5~約3であり;2)D90:D50比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であり;および/または3)D50:D10比が3未満、好ましくは、2未満、もしくは1.5未満、例えば、約1.1~約2、約1.5~約2、約1.2~約1.5であることを特徴とする。
19.ZrOを含むシェルを有する、TiOナノ結晶を含むコアを有する、コア-シェル型TiOナノ結晶をキャッピングする方法であって、実施形態1~5のいずれか1つに記載のナノ結晶を、第1のキャッピング溶媒中で第1のキャッピング剤と反応させて、第1の少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶を生成するステップを含む、方法。キャッピング剤は、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテル、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せのうちの1種または複数である。好ましくは、キャッピング剤は、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]-トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、またはこれらのいずれかの組合せのうちの1種または複数である。
20.シェル金属酸化物を含む外側シェルを有する、コア金属酸化物を含む、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶、少なくとも1種のキャッピング剤、および分散媒を含むナノ結晶分散体であって、コア金属酸化物が、TEMまたはDLSで測定した場合、3nmより大きく、50nm未満の平均粒径を有することを特徴とし、シェルが、TEMまたはDLSで測定した場合、0.1nm~5nmの間の厚さを有することを特徴とし、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶が、分散体の10重量%超、または20重量%超、または30重量%超、または40重量%超、または50重量%超、または60重量%超、または70重量%超、または80重量%超の量で存在する、ナノ結晶分散体。少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶は、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、フェニルトリメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、4-フェニルブチルトリメトキシシラン、2-フェニルエチルトリメトキシシラン、4-ビフェニリルトリエトキシシラン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アリルアミン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノールおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテル、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされている。好ましくは、キャッピング剤は、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]-トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、またはこれらのいずれかの組合せのうちの1種または複数である。
21.コア-シェル型ナノ結晶が、ポリリン酸ナトリウム、硝酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸アルミニウムナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムまたはこれらのいずれかの組合せを含む無機不動態化剤で処理されている、実施形態20に記載のナノ結晶分散体。好ましくは、無機不動態化剤はNaHPOを含む。
22.少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶の有機物含有量が通常、TGAで測定した場合、キャッピングされたナノ結晶の0~25%、例えば、0~5%、または5~10%、または10~15%、または15~20%、または20~25%、または5%未満、または8%未満、または10%未満、12%未満、または14%未満、または16%未満、18%未満、または20%未満、または20%未満、25%未満である、実施形態20~21のいずれかに記載のナノ結晶分散体。
23.コア金属酸化物が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、および/またはチタン酸バリウムを含み、およびシェル金属酸化物が二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、酸化セリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、実施形態20~22のいずれかに記載のナノ結晶分散体。好ましいコア-シェルナノ結晶はTiOコアおよびZrOシェル金属酸化物を含む。
24.少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶が、分散体の50重量%以上の量で存在し、有機物%が少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の20%未満であり、コア金属酸化物が酸化チタンであり、シェル金属酸化物が酸化ジルコニウムを含み、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の平均粒径が、TEMまたはDLSで測定した場合、30nm未満である、実施形態20~23のいずれかに記載のナノ結晶分散体。シェルZrのコアTiに対する原子比は、SEM EDXで測定した場合、3未満、例えば、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8nm未満、0.9未満、1未満、2未満、3未満である。好ましくは、シェルZrのコアTiに対する原子比は1未満である。
25.少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の粒径分布は、動的光散乱(DLS)で、溶媒中に5重量%分散させた少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶の体積で測定した場合、D9999が500nm未満であることを特徴とする、実施形態20~24のいずれかに記載のナノ結晶分散体。好ましくは、D9999は300nm未満である。
26.分散媒が、溶媒、モノマー、ポリマーのオリゴマー、またはその組合せを含む、実施形態20~25のいずれかに記載のナノ結晶分散体。分散のために使用される溶媒の例として、これらに限定されないが、THF、アセトン、ヘプタン、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン;エステル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル(ETA)、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブトキシ酢酸エチル、酢酸エチル、2-(2-ブトキシエトキシ)酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、および水ならびにこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。好ましい溶媒として、THF、イソプロパノール、エタノール、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、酢酸エチル、トルエン、およびこれらのいずれかの組合せまたは混合物が挙げられる。モノマーとして、ベンジル(メタ)アクリレート(BAおよびBMA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTAおよびTMPTMA)、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート(EOTMPTAおよびEOTMPTMA)、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDAおよびHDDMA)、ジ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート(DEGDAおよびDEGDMA)、エチレングリコールジアクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテル(メタ)アクリレート(PEAおよびPEMA)、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート(HPPA)、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート(HPPMA)、2-フェノキシベンジルアクリレート(PBA)、ビフェニルメタクリレート(BPMA)、アクリル酸イソボルニル(IBA)、2-フェニルフェノールメタクリレート(PPMA)、イソブチルアクリレート(IBA)、2-フェニルエチルアクリレート(2-PEA)、2-(フェニルチオ)アクリル酸エチル(PTEA)、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(THEICTAまたはM370)、ビスフェノールAグリセロレートジメタクリレート、アクリル酸とのエステル(OPPEOA)、OPPEOA中9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエチルオキシ)フェニル]フルオレンまたはビスフルオレンジアクリレート(HR6042)、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールFエトキシレート(2EO/フェノール)ジアクリレート、ビスフェノールAグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジメタクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート(SR-601)、ビフェノールAエトキシレートジアクリレート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、クレゾールノボラックエポキシアクリレート(CN112C60)、トリ(エチレングリコール)ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、およびN-ビニルピロリドン(NVP)、フェニルノルボルネン、スチレン(STY)、4-メチルスチレン、4-ビニルアニソール、ジビニルベンゼンこれらの組合せが挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーは、2-フェニルエチルアクリレート(2-PEA)、ビフェニルメタクリレート(BPMA)、2-フェノキシベンジルアクリレート(PBA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTAおよびTMPTMA)、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(THEICTA)、OPPEOA中9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエチルオキシ)フェニル]フルオレンまたはビスフルオレンジアクリレート(HR6042)、およびこれらの組合せから選択することができる。本明細書に記載されている分散体はまた、Brookfield RVDVII+円錐平板粘度計で測定した場合、約1cp~約1000cp、例えば、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~30cP、約30cP~40cP、約40c~50cP、約50cP~60cP、約60cP~75cP、約75cP~100cP、約100cP~200cP、約200cP~500cP、または約500cP~1,000cP、または約1,000cP~2,000cP、または約2,000cP~3,000cP、または約3,000cP~4,000cP、または約4,000cP~5,000cP、または約5,000cP~6,000cP、または約6,000cP~7,000cP、または約7,000cP~8,000cP、または約8,000cP~9,000cP、または約9,000cP~10,000cP、または10,000cP超の範囲の調節可能な粘度を有することができる。
27.1)金属酸化物を含む外側シェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマー;3)任意に、溶媒;ならびに4)硬化剤を含むナノコンポジット配合物であって、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーに対して、20重量%を超える量で存在し、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶のコアが結晶性二酸化チタンを含み、少なくとも1種の無機不動態化剤で処理されており、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶の平均粒径が、PGMEA中5%ナノ結晶分散体としてDLSで測定した場合、3~50nmの範囲であり、シェル厚さが、TEMで測定した場合、0.1nm~3nmの間である、ナノコンポジット配合物。少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶は、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]-トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、またはこれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされている。
28.シェル金属酸化物が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンバリウム、酸化セリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む、実施形態27に記載のナノコンポジット配合物。好ましくは、シェル金属酸化物は二酸化ケイ素、酸化セリウムおよび/または酸化ジルコニウムを含む。
29.少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型ナノ結晶が、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーに対して、35重量%以上の量で存在し、配合物の粘度が1~10,000cPの範囲である、実施形態27~28のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。好ましくは配合物の粘度は1~3,000cPの範囲である。
30.少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320nm~390nmで66時間、4mW/cmでの、または450nm以上で1000時間、16mW/cmでの、または405nm以上で148時間、強度25mW/cmでの、または340nmでの72時間、強度0.89mW/cmでの、UV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含む配合物から作製された1~10μmの厚さフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されたような、低い光触媒活性を有する、実施形態27~29のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320nm~390nmで66時間、4mW/cmでの、または450nm以上で1000時間、16mW/cmでの、または405nm以上で148時間、強度25mW/cmでの、または340nmで72時間、強度0.89mW/cmでの、UV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含む配合物から作製された1~10μm厚さのフィルムのE*を測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のE*の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、実施形態27~29のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
31.少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320nm~390nmで66時間、4mW/cmでの、または450nm以上で1000時間、16mW/cmでの、または405nm以上で148時間、強度25mW/cmでの、または340nmで72時間、強度0.89mW/cmでの、UV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満、0.08未満、0.09未満、0.1未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、実施形態27~30のいずれかに記載のナノコンポジット配合物。
32.シェル金属酸化物を含む外側シェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶、ならびに少なくとも1種のモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーを含む、硬化したフィルムを含むナノコンポジットであって、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、ナノコンポジットの35重量%を超える量で存在し、厚さ1ミクロンを有するフィルムの透過率が波長400nm以上で80%を超え、フィルムが、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用して測定した場合、約1.55~約2.20の屈折率を有する、ナノコンポジット。
33.少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、TEMで測定した場合、3nmより大きく、50nm未満の平均粒径を有し、シェル厚さがTEMで測定した場合、0.1nm~3nmの間のシェル厚さを有する、実施形態32に記載のナノコンポジットフィルム。シェル金属酸化物/Tiの原子比は、SEM EDXで測定した場合、0.1未満、0.2未満、0.3未満、0.4未満、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.8未満、0.9未満、1未満である。少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶は、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]-トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、(2-{2-[2-メトキシ-エトキシ]-エトキシ}-エチル)ホスホン酸、(6-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-ヘキシル)ホスホン酸、11-アクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、またはこれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のキャッピング剤でキャッピングされている。シェル金属酸化物は、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化セリウム、酸化チタンバリウム、またはこれらのいずれかの組合せを含む。
34.ベンジル(メタ)アクリレート(BAおよびBMA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTAおよびTMPTMA)、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート(EOTMPTAおよびEOTMPTMA)、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDAおよびHDDMA)、ジ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート(DEGDAおよびDEGDMA)、エチレングリコールジアクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテル(メタ)アクリレート(PEAおよびPEMA)、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート(HPPA)、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート(HPPMA)、2-フェノキシベンジルアクリレート(PBA)、ビフェニルメタクリレート(BPMA)、アクリル酸イソボルニル(IBA)、2-フェニルフェノールメタクリレート(PPMA)、イソブチルアクリレート(IBA)、2-フェニルエチルアクリレート(2-PEA)、2-(フェニルチオ)アクリル酸エチル(PTEA)、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(THEICTAまたはM370)、ビスフェノールAグリセロレートジメタクリレート、アクリル酸とのエステル(OPPEOA)、OPPEOA中9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエチルオキシ)フェニル]フルオレンまたはビスフルオレンジアクリレート(HR6042)、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールFエトキシレート(2EO/フェノール)ジアクリレート、ビスフェノールAグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジメタクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート(SR-601)、ビフェノールAエトキシレートジアクリレート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、クレゾールノボラックエポキシアクリレート(CN112C60)、トリ(エチレングリコール)ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、およびN-ビニルピロリドン(NVP)、フェニルノルボルネン、スチレン(STY)、4-メチルスチレン、4-ビニルアニソール、ジビニルベンゼンならびにこれらの組合せから選択されるモノマーを含む、実施形態32~33のいずれかに記載のナノコンポジット。いくつかの好ましい実施形態では、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーは、2-フェニルエチルアクリレート(2-PEA)、ビフェニルメタクリレート(BPMA)、2-フェノキシベンジルアクリレート(PBA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTAおよびTMPTMA)、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(THEICTA)、OPPEOA中9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエチルオキシ)フェニル]フルオレンまたはビスフルオレンジアクリレート(HR6042)、およびこれらの組合せから選択することができる。
35.例示的配合物は、HR6042およびBPMAから選択されるアクリルモノマーのうちの少なくとも1種、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンナノ結晶(例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの)、またはコアとしてTiOおよびシェル金属酸化物としてZrOを含む、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェルナノ結晶(例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの)を含み、ナノ結晶の、モノマーの合計重量に対する重量比は0.5:1~3:1である。配合物は光開始剤、TPO、および少なくとも1種の溶媒(例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの)をさらに含むことができる。配合物は、スピンコーティングにより表面に適用することができ、ナノインプリント可能である。この配合物を表面に塗布することによって形成されるナノコンポジットフィルムは、フィルム厚40nm~30μmにおいて、好ましくは80%を超える、または90%を超える、または93%を超える透過率を有する。ナノコンポジットは、520nmで、1.6~2.2の範囲、例えば、1.6~1.7、または1.7~1.8、または1.8~1.9または1.9~2.0の範囲のRIを有する。好ましくは、RIは1.8~2.0の範囲である。ナノコンポジットはまた1%未満の低いヘイズおよび1未満のbを有する。
36.別の例示的な配合物は、PBAおよび/またはTHEICTAを含むアクリルモノマーならびに少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンナノ結晶(例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの)、またはコアとしてTiOおよびシェル金属酸化物としてZrOを含む、少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェルナノ結晶(例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの)を含み、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶は、全配合物に対して、20~60重量%の範囲で存在し、モノマーは、ナノ結晶のモノマーに対する比が3:7~8:2の範囲となるよう、全配合物に対して、3~25重量パーセントの範囲で存在する。配合物は、全配合物に対して、0.5~2.5重量パーセントの範囲で存在する光開始剤(例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの)および全配合物に対して、20~40重量パーセントの範囲で存在する溶媒(例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの)をさらに含むことができる。配合物はスピンコーティングで表面に塗布することができ、ナノインプリント可能である。この配合物を表面に塗布することによって形成されるナノコンポジットフィルムは、フィルム厚40nm~30μmにおいて、80%を超える、または90%を超える、または93%を超える透過率を有する。ナノコンポジットは、520nmで、1.6~2.2の範囲、例えば、1.6~1.7、または1.7~1.8、または1.8~1.9または1.9~2.0の範囲のRIを有する。好ましくは、RIは1.7~1.9の範囲である。ナノコンポジットはまた、1%未満の低いヘイズおよび1未満のbを有する。
37.別の例示的な配合物は、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶、コア-シェルナノ結晶または無機物による処理を有するコア-シェルナノ結晶、例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの、および少なくとも1種のモノマーを含み、コア-シェルナノ結晶はTiOコアおよびZrOシェルを含む。ナノ結晶は、全配合物に対して、35~80重量、好ましくは65~75重量%の範囲で存在する。モノマーは好ましくは、全配合物に対して、3~18重量パーセントの範囲で存在する2-PEA、PTEA、PEA、PBAおよび/またはIBAのうちの少なくとも1種、ならびに全配合物に対して、1~10重量パーセントの範囲で存在するTEICHTAを含む。配合物は、全配合物に対して、0.5~2.5重量パーセントの範囲で存在する添加剤、例えば、Tinivin 405、Irganox 1010、ならびに/または全配合物に対して、0.5~2.5重量パーセントの範囲で存在する光開始剤(例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの)を任意に含有する。配合物は通常6.5%未満の溶媒を含有する。65~75%のナノ結晶充填量を有する配合物は、低い粘度500~5000cP、好ましくは1,000~3,000cPを示す。この配合物を表面に塗布することによって形成されるナノコンポジットフィルムは、フィルム厚40nm~30μmにおいて、80%を超える、または90%を超える、または93%を超える透過率を有する。ナノコンポジットは、520nmで、1.6~2.2の範囲、例えば、1.6~1.7、または1.7~1.8、または1.8~1.9または1.9~2.0の範囲のRIを有する。好ましくは、RIは1.75~1.9の範囲にある。ナノコンポジットはまた、厚さ約10μmにおいて、5%未満の低いヘイズおよび2未満のbを有する。
38.別の例示的な配合物は、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶、コア-シェルナノ結晶または無機物による処理を有するコア-シェルナノ結晶、例えば、本明細書に記載されているもののうちのいずれか、例えば、本明細書で好ましいものまたは例示されたもの、および少なくとも1種のモノマーを含み、コア-シェルナノ結晶はTiOコアおよびZrOシェルを含む。ナノ結晶は、全配合物に対して、20~60重量の範囲で存在し、少なくとも1種のBA、BPMA、および/またはDVEを含むモノマーブレンドは、全配合物に対して、40~80重量パーセントの範囲で存在し、配合物は、全配合物に対して0.5~5重量パーセントの範囲で存在するSTYまたは酢酸エチルなどの希釈剤、全配合物に対して0.5~2.5重量パーセントの範囲で存在する、Irgacure 819、ITX、およびEsacure 1001Mから選択される光開始剤および光増感剤のうちの少なくとも1種を任意に含有する。配合物の溶媒含有量は全配合物に対して6.5重量パーセント未満である。配合物は本開示の方法2に記載の通り調製することができる。20~50%のナノ結晶充填量を有する配合物は低い粘度、10~100cP、好ましくは10~40cPを示す。配合物はインクジェット印刷可能である。この配合物を表面に塗布することによって形成されるナノコンポジットフィルムは、フィルム厚40nm~30μmにおいて、80%を超える、または90%を超える、または93%を超える透過率を有する。ナノコンポジットは、589nmで、1.6~1.9の範囲、例えば、1.6~1.7、または1.7~1.8、または1.8~1.9の範囲のRIを有する。好ましくは、RIは1.6~1.8の範囲である。ナノコンポジットはまた、厚さ約10μmにおいて、2%未満の低いヘイズおよび3未満のbを有する。
39.5μm未満の厚さのフィルムは、200℃より高い温度に5分間供した場合、熱的に安定しており、bの変化が、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満であり、ヘイズ%の変化が、ヘイズメーターで測定した場合、最初のbの1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満である、実施形態32~38のいずれかに記載のナノコンポジット。
40.少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320nm~390nmで66時間、4mW/cmでの、または450nm以上で1000時間、16mW/cmでの、または05nm以上での148時間、強度25mW/cmで4の、または340nmで72時間、強度0.89mW/cmでの、UV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用してコア-シェル構造体を含む厚さ1μmのフィルムのbを測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のbの変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、実施形態32~39のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320nm~390nmで66時間、4mW/cmでの、または450nm以上で1000時間、16mW/cmでの、または405nm以上で148時間、強度25mW/cmでの、または340nmで72時間、強度0.89mW/cmでの、UV曝露の前および後に、ヘイズメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含む配合物から作製された1~10μm厚さのフィルムのE*を測定した場合、50%未満、例えば、1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満のE*の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、実施形態32~39のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。加えて、ヘイズ%の変化は、最初のヘイズの1%未満、または5%未満、または10%未満、または15%未満、または20%未満、または25%未満、30%未満、40%未満、50%未満である。
41.少なくとも部分的にキャッピングされたコア-シェル型TiOナノ結晶が、320nm~390nmで66時間、4mW/cmでの、または450nm以上で1000時間、16mW/cmでの、または405nm以上で148時間、強度25mW/cmでの、または340nmで72時間、強度0.89mW/cmでのUV曝露の前および後に、プリズム結合器またはエリプソメーターを使用してコア-シェルナノ結晶を含むフィルムの屈折率を測定した場合、0.08未満、例えば、0.01未満、0.02未満、0.03未満、0.04未満、0.05未満、0.06未満、0.07未満の屈折率の変化によって測定されるような、低い光触媒活性を有する、実施形態32~40のいずれかに記載のナノコンポジットフィルム。加えて、フィルムは、フィルム厚の変化パーセント、0.1パーセント未満、または0.2パーセント未満、または0.3パーセント未満、または0.4パーセント未満、または0.5パーセント未満、または0.6パーセント未満、または0.7パーセント未満、または0.8パーセント未満、または0.9パーセント未満、または1.0パーセント未満、または1.5パーセント未満、または2.0パーセント未満、または2.5パーセント未満、または3.0、または3.5パーセント未満、または4.0パーセント未満、または4.5パーセント未満、または5パーセント未満、または10パーセント未満、または15パーセント未満、または20パーセント未満、または25パーセント未満、または50パーセント未満を示す。
42.実施形態32~41のいずれかに記載のナノコンポジットフィルムのいずれかを含む、デバイス。
【実施例
【0212】
実施例1
酸化チタン(TiO)ナノ結晶の合成
[0243]1~30nmの範囲のサイズを有する酸化チタンナノ結晶を、前駆体、例えば、チタン(IV)メタオキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)プロポキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド、またはチタン(IV)オキシアセチルアセトネートから調製する。チタンn-ブトキシド、クロロトリイソプロポキシチタン(IV)、チタンn-プロポキシド、チタン(IV)クロリド、チタンクロリドトリ-n-ブトキシド、またはチタンジクロリドジエトキシドは、所望の最終生成物に応じて前駆体として有利に使用される。
【0213】
[0244]例示的な方法では、チタンアルコキシド前駆体、例えば、これらに限定されないが、チタンn-ブトキシド、チタンn-プロポキシド、チタンイソプロポキシドイソプロパノールまたはチタンエトキシドを、試薬として作用する水と、およびベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、アセトニトリル、トルエン、PGMEA、プロピレングリコールプロピルエーテル(PGPE)、PGME、2-メチル-1-プロパノール、またはトリエチレングリコールモノメチルエーテルを含む溶媒または溶媒混合物と混合し、オートクレーブ内に密封する。反応混合物は140~300℃の間の温度、好ましくは180℃~250℃の温度に加熱する。反応混合物が一度設定の温度に到達したら、1時間の間、20分~24時間の範囲の、好ましくは30分~2時間の間、溶媒もしくは溶媒混合物および/または反応の温度に部分的に応じて、温度を維持する。酸化チタンナノ結晶が乳状懸濁液として得られる。遠心分離によりTiOを懸濁液から分離する。乳状懸濁液を遠心ボトルに移し、4500rpmで10分間遠心分離する。遠心分離ステップにより、ビンの底部にTiOが収集し、明澄な上澄み液が上側に収集する。明澄な上澄み液をデカントし、ビンの底部の白色の固体に廃棄する。固体は、その大部分の溶媒が排除されたが、依然として湿潤形態であるため、この固体は「湿潤ケーキ」と呼ぶ。
【0214】
[0245]好ましい方法において、不活性化した2ガロン(7.58リットル)Parr反応器内で、879gの100%(w/w)チタン(IV)n-ブトキシドを3550gのベンジルアルコールおよび116.3gの水と混合した。セットアップは、不活性条件下、例えば、窒素大気下で密封して、酸素汚染を阻止した。次いで、600rpmで撹拌しながらParr反応器を200℃まで加熱し、この温度で1時間維持した。反応後、反応器を室温に冷却し、合成されたままの酸化チタンナノ結晶の白色の乳状溶液を収集した。乳状懸濁液を遠心ボトルに移す。4500rpmで10分間遠心分離し、湿潤ケーキを収集した。
【0215】
実施例2
酸化ジルコニウム(ZrO)ナノ結晶の合成
[0246]ジルコニウムn-ブトキシドを前駆体として使用する例示的な合成法は以下の通りである:21.58gのジルコニウム(IV)n-ブトキシドの1-ブタノール中80%(w/w)溶液(17.26gまたは45mmolのジルコニウム(IV)n-ブトキシドを含有する)を、300mlのベンジルアルコールと混合し、次いでオートクレーブに移した。任意に、水を反応物質として、ジルコニウム前駆体の0.1~2モルパーセントの量で添加した。セットアップを不活性雰囲気下で密封して、酸素および水分汚染を阻止した。次いでオートクレーブを325℃まで加熱し、この温度で1時間保持し、次いで室温に冷却した。合成されたままの酸化ジルコニウムナノ結晶の白色の乳状溶液を収集した。
【0216】
[0247]ジルコニウムn-ブトキシドは、1-ブタノール中溶液(80%w/w)として受け取る。1-ブタノールは、合成前、真空下および/もしくは加熱(30~50℃)下で、合成中に、温度が約100℃に到達した時点でオートクレーブの圧力を解放することにより、または反応が完了した後、前駆体から除去することができる。ナノ結晶は、球状の形状であり、直径は約5nmである。
【0217】
実施例3
TiO上での高温ZrOシェルの形成およびその後の表面改質
[0248]実施例1からのTiO湿潤ケーキ(450g)をベンジルアルコール(1240g)と混合した。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。次いで湿潤ケーキを再度ベンジルアルコール(3400g)に分散し、スラリーを2ガロン(7.58リットル)反応器に移す。反応器を密閉し、密封する。次いで340gのジルコニウムブトキシド(n-ブタノール中80%)を反応器に投入し、これに続いて200gのベンジルアルコールを投入する。反応器を窒素気体で不活性化し、20分間撹拌する。次いで、反応器を205℃に加熱し、その温度で4時間保持する。室温まで冷却後、材料を放出する。
【0218】
[0249]生成した、処理されたTiOを、4500rpmで10分間の遠心分離を介して、反応混合物から分離する。次いで、固形物をPGMEAに分散させ、激しく振盪し、次いで4500rpmで10分間の遠心分離を介して収集する。この時点でPGMEAをデカントして取り除いた。次いで材料(46g)をフラスコに移し、PGMEA(85g)に分散させる。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを添加する(6.9g)。反応混合物を70℃で40分間加熱した。次いで3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランを添加し(13.8)、さらに70℃で30分間加熱した。次いで水(2.3)を反応混合物に添加し、反応混合物を70℃でさらに30分間加熱して、キャッピングされたナノ結晶を形成する。
【0219】
[0250]ヘプタン(700ml)を使用してナノ結晶を沈殿させることによって、キャッピングされたナノ結晶を反応混合物から分離する。固体を遠心分離で収集した。液体をデカントして取り除く。次いで固形物を100mlのキシレンに2分間分散させ、これに続いて追加の200mlのTHFを添加してから、700mlのヘプタンを添加する。固体を遠心分離で収集した。液体をデカントして取り除く。次いでこの固体を300mlのTHF中に分散させ、ヘプタン(700ml)を使用して沈殿させる。固体を遠心分離で収集し、液体をデカントして取り除く。次いで固体を真空オーブン内で終夜乾燥させる。次いで乾燥した材料を、50重量%の充填量でPGMEA中に分散させ、次いで濾過する。
【0220】
実施例4
TiO-ZrOナノ結晶を生成するための、TiO上でのZrOシェルの形成
[0251]実施例1からの湿潤ケーキとして収集したTiOをアセトン中に分散させ、ジルコニアビーズを用いてホモジナイズする。ホモジナイズされたTiOを、4500rpmで10分間の遠心分離を介して、反応混合物から分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。このプロセスを繰り返す。次いで、得た湿潤ケーキ(湿潤固体)を、均質な混合物が得られるまで、ジルコニアビーズを使用して水中に分散させる。4500rpmで10分間の遠心分離を介して、TiOを再度収集する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。このプロセスを再度繰り返す。次いで精製されたTiO湿潤ケーキを3口フラスコに移し、水を湿潤ケーキに添加する(水のTiO湿潤ケーキに対する重量10:1)。混合物が均質になるまで混合物を撹拌する。次いでZrOCl.8HOを反応混合物に添加する(TiO湿潤ケーキに対して30重量%)。次いで反応混合物を90℃で24時間加熱する。室温まで冷却後、ZrOシェル形成プロセス後に生成する反応混合物は水中の透明な分散体である。
【0221】
実施例5
TiO-ZrOコア-シェルナノ結晶のキャッピング
[0252]実施例4からの、得られたTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶を、反応混合物のTHFに対する重量対重量比1:4でTHFを使用して沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1で水中に再分散させ、ナノ結晶分散体のTHFに対する重量対重量比1:4でTHFを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントする。収集した湿潤ケーキを水中に再分散させ、THF中に再沈殿させ、遠心分離して、精製された湿潤ケーキを収集する。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1でエタノール中に分散させ、ナノ結晶分散体のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。ナノ結晶分散体を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントし、湿潤ケーキをビンの底部で収集する。この分散、沈殿および遠心分離プロセスをもう2回繰り返す。
【0222】
[0253]最終の遠心分離およびデカントステップの後、生成した湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、PGMEAを用いて、25重量%の湿潤ケーキのPGMEA中最終懸濁液を生成する。混合物を室温で15分間撹拌して、均質の懸濁液を得る。次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、反応フラスコに、湿潤ケーキに対して17重量%のシランとして添加する。次いでこの混合物を室温で15分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基15重量%で慎重に添加する。混合物を120℃に100分間加熱する。反応が完了した時点で、混合物は半透明の外観を有することになる。
【0223】
[0254]次いで、反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体を、THFの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でTHF中に分散させる。分散した固体を、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体を、THFの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でTHF中に再度分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0224】
[0255]乾燥した固体を、溶媒に対する固体の重量比1:1の比で、PGMEA中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0225】
[0256]PGMEA中に5重量%を分散させたZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶のDLSは、84.3のD9999を示す狭いサイズ分布で、強度による平均粒径34.30ナノメートルおよび体積による平均粒径25.67ナノメートルを実証する。
【0226】
実施例6
TiO-ZrOコア-シェルナノ結晶のキャッピング、これに続く無機不動態化剤での処理
[0257]実施例4からの、得られたTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶を、反応混合物のTHFに対する重量対重量比1:4でTHFを使用して沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1で水中に再分散させ、ナノ結晶分散体のTHFに対する重量対重量比1:4でTHFを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントする。収集した湿潤ケーキを水中に再分散させ、THF中に再沈殿させ、遠心分離して、精製された湿潤ケーキを収集する。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1でエタノール中に分散させ、ナノ結晶分散体のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。ナノ結晶分散体を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントし、湿潤ケーキをビンの底部で収集する。この分散、沈殿および遠心分離プロセスをもう2回繰り返す。
【0227】
[0258]最終の遠心分離およびデカントステップの後、生成した湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて25重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。混合物を室温で15分間撹拌して、均質の懸濁液を得る。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いで、この混合物を室温で15分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基30重量%で慎重に添加する。混合物を70℃に30分間加熱する。30分間のホールドタイム後、湿潤ケーキの重量に対して3重量%の次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を秤量し、反応混合物にゆっくりと添加する。混合物を70℃でさらに30分間継続して加熱する。反応が完了した時点で、混合物は半透明の外観を有することになる。
【0228】
[0259]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を、THF中で、反応混合物のTHFに対する比1:2で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0229】
[0260]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比で、PGMEA中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0230】
[0261]PGMEA中に5重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶のDLSのプロットが図1に示されている。図は、DLSプロットを、強度対粒径の測定として示し、狭いサイズ分布で平均粒径37.15ナノメートルを示している。
【0231】
[0262]PGMEA中に5重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶のDLSプロットが図2に示されている。この図は、DLSプロットを、体積対粒径の測定として示し、狭いサイズ分布で平均粒径25.46ナノメートルを示している。この分散体のD9999は91.1である。
【0232】
[0263]TiおよびZrの元素マッピングを有する高分解能TEM画像が図3に示されている。図は同じ粒子の2つの画像を示している。
実施例7
キャッピング前のTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶の無機物表面不動態化
[0264]実施例4からの、得られたTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶を、THFに対する反応混合物の重量対重量比1:4でTHFを使用して沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1で水中に再分散させ、THFを用いて、ナノ結晶分散体のTHFに対する重量対重量比1:4で沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントする。収集した湿潤ケーキを水中に再分散させ、THF中に再沈殿させ、遠心分離して、精製された白色の湿潤ケーキを収集する。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1でエタノール中に再分散させ、ナノ結晶分散体のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。ナノ結晶分散体を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントし、湿潤ケーキをビンの底部で収集する。分散、沈殿および遠心分離プロセスをもう2回繰り返す。
【0233】
[0265]最終の遠心分離およびデカントステップの後、生成した湿潤ケーキをエタノール中に、50重量%で再分散させ、室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、湿潤ケーキの重量に対して3重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。混合物を室温で12時間撹拌する。所望の期間後、4500rpmで10分間遠心分離することによって、固体部分を液体から分離する。生成した上澄み液をデカントして取り除くと、遠心ボトルの底部に白色の湿潤固体ケーキが残る。次いでこの湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量対重量で2.75:1の溶媒の比でエタノールを用いてすすぎ、これに続いて激しく撹拌する。次いでこの懸濁液を4500rpmで10分間再度遠心分離し、生成した上澄み液をデカントして上側を取り除く。このすすぎステップを2回繰り返す。すすぎステップの終わりに、白色の湿潤固体ケーキが得られる。
【0234】
[0266]次いで湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて25重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。混合物を室温で15分間撹拌して、均一な懸濁液を得る。次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、反応フラスコに、湿潤ケーキに対して30重量%のシランで添加する。次いでこの混合物を室温で15分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基30重量%で慎重に添加する。混合物を70℃に45分間加熱する。反応が完了した時点で、混合物は半透明の外観を有することになる。
【0235】
[0267]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物をTHF中、反応混合物のTHFに対する比1:2で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0236】
[0268]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1比で、PGMEA中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0237】
[0269]PGMEA中に5重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶のDLSは、狭いサイズ分布で、強度対粒径による平均粒径および体積対粒径による平均粒径41.37ナノメートルおよび26.47ナノメートルをそれぞれ実証する。この分散体のD9999は102である。
【0238】
実施例8
無機物表面不動態化、これに続く無機物薬剤でのさらなる処理による、TiO-ZrOコア-シェルナノ結晶のキャッピング
[0270]実施例4からの、得られたTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶を、THFの反応混合物に対する重量対重量比1:4でTHFを使用して沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1で水中に再分散させ、ナノ結晶分散体のTHFに対する重量対重量比1:4でTHFを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントする。収集した湿潤ケーキを水中に再分散させ、THF中に再沈殿させ、遠心分離して、精製された白色の湿潤ケーキを収集する。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1でエタノール中に再分散させ、ナノ結晶分散体のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。ナノ結晶分散体を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントし、湿潤ケーキをビンの底部で収集する。分散、沈殿および遠心分離プロセスをもう2回繰り返す。
【0239】
[0271]最終の遠心分離およびデカントステップの後、生成した湿潤ケーキをエタノール中50重量%で再分散させ、室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、湿潤ケーキの重量に対して3重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。混合物を室温で12時間撹拌する。所望の期間後、固体部分を、4500rpmで10分間遠心分離することによって、液体から分離する。生成した上澄み液をデカントして、遠心ボトルの底部の白色の湿潤固体ケーキが残る。次いでこの湿潤ケーキを、溶媒の湿潤ケーキに対する重量対重量の比2.75:1でエタノールを用いてすすぎ、これに続いて激しく撹拌する。次いでこの懸濁液を4500rpmで10分間再度遠心分離し、生成した上澄み液をデカントして、上側を取り除く。このすすぎステップを2回繰り返す。すすぎステップの終わりに、白色の湿潤固体ケーキを得る。
【0240】
[0272]次いで湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて、25重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。混合物を室温で15分間撹拌して、均一な懸濁液を得る。次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、反応フラスコ内に湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で15分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基30重量%で慎重に添加する。混合物を70℃に45分間加熱する。次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、30分間のホールドタイムの終わりに、湿潤ケーキの重量に対して3重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。反応混合物を70℃でさらに30分間保持する。反応が完了した時点で、混合物は半透明の外観を有することになる。
【0241】
[0273]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を、反応混合物のTHFに対する比1:2で、THF中で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0242】
[0274]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0243】
実施例9
ZrOシェルコーティング前のTiOの無機物による処理、これに続くキャッピング
[0275]実施例1からのTiOナノ結晶50重量%をエタノール中に再分散させ、室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、湿潤ケーキの重量に対して3重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。混合物を室温で12時間撹拌する。所望の期間後、固体部分を、4500rpmで10分間遠心分離することによって、液体から分離する。生成した上澄み液をデカントすると、遠心ボトルの底部に白色の湿潤固体ケーキが残る。次いでこの湿潤ケーキを、溶媒の湿潤ケーキに対する重量対重量比2.75:1でエタノールを用いてすすぎ、これに続いて激しく撹拌する。次いでこの懸濁液を4500rpmで10分間再度遠心分離し、生成した上澄み液をデカントして、上側を取り除く。このすすぎステップを2回繰り返す。すすぎステップの終わりに、白色の湿潤固体ケーキを得る。
【0244】
[0276]次いで湿潤ケーキを、重量による水対TiO湿潤ケーキ10:1で水中に分散させる。混合物が均質になるまで混合物を撹拌する。ZrOCl.8HOを反応混合物(TiO湿潤ケーキに対して30重量%)に添加する。次いで反応混合物を90℃に24時間加熱した。室温まで冷却した後、ZrOシェル形成プロセス後に生成した反応混合物は透明な水中分散体である。
【0245】
[0277]実施例からの、得られたTiO-ZrOナノ結晶を、THFに対する反応混合物の重量対重量比1:4でTHFを使用して沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1で水中に再分散させ、ナノ結晶分散体のTHFに対する重量対重量比1:4でTHFを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントする。収集した湿潤ケーキを水中に再分散させ、THF中に再沈殿させ、遠心分離して、精製された湿潤ケーキを収集する。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキの水に対する重量対重量比1:1でエタノール中に分散させ、ナノ結晶分散体のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。ナノ結晶分散体を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントし、湿潤ケーキをビンの底部で収集する。この分散、沈殿および遠心分離プロセスをもう2回繰り返す。
【0246】
[0278]最終の遠心分離およびデカントステップの後、生成した湿潤ケーキを、1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて、25重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。混合物を室温で15分間撹拌して、均一な懸濁液を得る。次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で15分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基30重量%で慎重に添加する。混合物を70℃に30分間加熱する。反応が完了した時点で、混合物は半透明の外観を有することになる。
【0247】
[0279]次いで、反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を反応混合物のTHFに対する比1:2で、THF中で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1で、ヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0248】
[0280]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0249】
実施例10
金属酸化物シェルを有さないTiOナノ結晶の無機物による処理、これに続くキャッピング
[0281]実施例1からの、合成されたTiOナノ結晶を、エタノール中50重量%で再分散させ、室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、湿潤ケーキの重量に対して3重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。混合物を室温で12時間撹拌する。所望の期間後、固体部分を、4500rpmで10分間遠心分離することによって、液体から分離する。生成した上澄み液をデカントすると、遠心ボトルの底部に白色の湿潤固体ケーキが残る。次いでこの湿潤ケーキを、溶媒の湿潤ケーキに対する重量対重量比2.75:1でエタノールを用いてすすぎ、これに続いて激しく撹拌する。次いでこの懸濁液を4500rpmで10分間再度遠心分離し、生成した上澄み液をデカントして上側を取り除く。このすすぎステップを2回繰り返す。すすぎステップの終わりに、白色の湿潤固体ケーキを得る。
【0250】
[0282]湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて、30重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。混合物を室温で15分間撹拌して、均一な懸濁液を得る。次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で15分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基30重量%で慎重に添加する。混合物を70℃に45分間加熱する。反応が完了した時点で、混合物は半透明の外観を有することになる。
【0251】
[0283]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を、反応混合物のTHFに対する比1:2で、THF中で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタンを沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0252】
[0284]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でPGME中に再分散させて、50重量%の充填された分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0253】
実施例11
無機物表面不動態化と共に、ZrOシェルを有するTiOナノ結晶のキャッピング
[0285]湿潤ケーキとして収集した、実施例1からのTiOをアセトン中に分散させ、ジルコニアビーズを用いてホモジナイズする。ホモジナイズされたTiOを、4500rpmで10分間の遠心分離を介して反応混合物から分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部で湿潤ケーキとして沈降する。次いで精製されたTiO湿潤ケーキを3口フラスコに移し、水を湿潤ケーキに添加する(重量によるTiO湿潤ケーキ対水は1:4)。混合物を混合物が均質になるまで撹拌する。次いでZrOCl.8HOを反応混合物に添加する(TiO湿潤ケーキに対して30重量%)。次いで反応混合物を90℃で8時間加熱する。室温まで冷却した後、ZrOシェル形成プロセス後に生成した反応混合物は透明な水中分散体である。
【0254】
実施例11A
[0286]生成したTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶を、反応混合物のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを使用して、母液からNCを沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを、湿潤ケーキのエタノールに対する重量対重量比1:1でエタノール中に再分散させ、ナノ結晶分散体のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントし、湿潤ケーキを収集する。
【0255】
[0287]次いで生成した湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて25重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。それを室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。所望の期間後、次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で30分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基30重量%で、慎重に添加する。混合物を70℃に45分間加熱する。45分間のホールドタイムの終わりに、次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、湿潤ケーキの重量に対して3重量%で反応混合物に慎重に添加し、継続して7℃でもう30分間保持する。反応が完了した時点で、混合物は薄い乳白色の外観を有することになる。混合物を室温で1時間撹拌する。
【0256】
[0288]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を、反応混合物のTHFに対する比1:2で、THF中で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0257】
[0289]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でETA(酢酸エチル)中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0258】
[0290]ETA中に50重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶は有機物%11.32を有する。
実施例11B
[0291]生成したTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶を、反応混合物のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを使用して、母液からNCを沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを、湿潤ケーキのエタノールに対する重量対重量比1:1でエタノール中に再分散させ、アセトンに対するナノ結晶分散体重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントし、湿潤ケーキを収集する。
【0259】
[0292]最終の遠心分離およびデカントステップの後、次いで生成した湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて25重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。これを室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、湿潤ケーキの重量に対して3重量%で、ナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。混合物を室温で1時間撹拌する。所望の期間後、次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で30分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基15重量%で慎重に添加する。混合物を70℃に45分間加熱する。45分間のホールドタイムの終わりに、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキの重量に対して10重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。反応混合物を70℃でさらに30分間保持する。反応が完了した時点で、混合物は薄い乳白色の外観を有することになる。
【0260】
[0293]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を反応混合物のTHFに対する比1:2で、THF中で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0261】
[0294]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でPGMEAまたはETA(酢酸エチル)中に再分散させ、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0262】
[0295]ETA中に50重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶は、有機物%9.93および9.55をそれぞれ有する。
[0296]ETA中に5重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶のDLSは、狭いサイズ分布で、強度対粒子による平均粒径33.850ナノメートルおよび体積対粒径による平均粒径24.42ナノメートルを実証する。この分散体のD9999は85.5である。
【0263】
実施例11C
[0297]生成したTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶を、反応混合物のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを使用して、母液からNCを沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを湿潤ケーキのエタノールに対する重量対重量比1:1でエタノール中に再分散させ、アセトンに対するナノ結晶分散体重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントし、湿潤ケーキを収集する。
【0264】
[0298]生成した湿潤ケーキを湿潤ケーキのPGMEAに対する重量対重量比1:4でPGMEA中に再分散させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントする。次いで生成した湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、PGMEAを用いて25重量%の湿潤ケーキのPGMEA中最終懸濁液を生成する。これを室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。所望の期間後、次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン17重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で30分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基15重量%で慎重に添加する。混合物を100℃に45分間加熱する。45分間のホールドタイムの終わりに、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキの重量に対して30重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。反応混合物を100℃でさらに30分間継続して保持する。この後、次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、湿潤ケーキの重量に対して1重量%で反応混合物に慎重に添加し、70℃でもう30分間継続して保持する。反応が完了した時点で、混合物は薄い乳白色の外観を有することになる。
【0265】
[0299]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を、反応混合物のTHFに対する比1:2で、THF中で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0266】
[0300]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でPGMEAまたはETA(酢酸エチル)中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0267】
[0301]ETA中に50重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶は有機物%13.99を有する。
[0302]ETA中に5重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶のDLSは、狭いサイズ分布で、強度対粒径により29.81ナノメートルの平均粒径および体積対粒径により15.11ナノメートルの平均粒径を実証する。この分散体のD9999は88.5である。
【0268】
実施例11D
[0303]生成したTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶を、反応混合物のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを使用して、母液からNCを沈殿させることによって精製する。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを湿潤ケーキ-の水に対する重量対重量比1:1で水中に再分散させ、ナノ結晶分散体のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントし、湿潤ケーキを収集する。
【0269】
[0304]最終の遠心分離およびデカントステップの後、次いで生成した湿潤ケーキを、水を用いて1.0L丸底フラスコに移し、15重量%の湿潤ケーキの水中最終懸濁液を生成する。それを室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を湿潤ケーキの重量に対して3重量%で、ナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。混合物を室温で1時間撹拌する。所望の期間後、次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で30分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基15重量%で慎重に添加する。混合物を95℃に45分間加熱する。45分間のホールドタイムの終わりに、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキの重量に対して10重量%で、ナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。反応混合物を継続して95℃でさらに30分間保持する。反応が完了した時点で、混合物は薄い乳白色の外観を有することになる。
【0270】
[0305]次いで反応混合物を室温に冷却して、反応溶媒中に懸濁させた白色沈殿物のスラリーを生成する。固体の白色沈殿物を3000rpmで10分間遠心分離することによって収集する。次いで、得た固体をTHFの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でTHF中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体をTHFの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でTHF中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0271】
[0306]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でPGMEAまたはETA(酢酸エチル)中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0272】
[0307]ETA中に50重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶は有機物%11.42%を有する。
[0308]ETA中に5重量%を分散させた、ZrOシェルを有するキャッピングされた酸化チタンナノ結晶のDLSは、狭いサイズ分布で、強度対粒子により43.23ナノメートルの平均粒径および体積対粒径により29.21ナノメートルの平均粒径を実証する。
【0273】
実施例12
[0309]湿潤ケーキとして収集した、実施例1からのTiOをアセトン中に分散させ、ジルコニアビーズを用いてホモジナイズする。ホモジナイズされたTiOを、4500rpmで10分間の遠心分離を介して、反応混合物から分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部で湿潤ケーキとして沈降する。次いで精製したTiO湿潤ケーキを3口フラスコに移し、湿潤ケーキに水を添加する(TiO湿潤ケーキは水に対して重量により1:4)。混合物が均質になるまで混合物を撹拌する。次いでZrOCl.8HOを反応混合物に添加し(TiO湿潤ケーキに対して17重量%)、これに続いてCeCl.7HO(塩化セリウム(III)ヘプタ水和物)またはCeCO.xHO(炭酸セリウム(III)水和物)を、TiO湿潤ケーキに対して3重量%で添加する。次いで反応混合物を90℃で24時間加熱する。室温まで冷却した後、ZrOシェル形成プロセス後に生成した反応混合物は透明な水中分散体である。
【0274】
[0310]生成した分散体はpH1を有し、水性水酸化アンモニウム(5N)を使用して、pH4に中和する。撹拌しながら、水酸化アンモニウム溶液を反応混合物にゆっくりと添加する。混合物のpH変化をpH計でモニターする。pHが4に到達したら、遠心分離を使用して、NCを反応混合物から収集する。反応混合物のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを使用して、母液からのNC。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。湿潤ケーキを湿潤ケーキのエタノールに対する重量対重量比1:1でエタノール中に再分散させ、ナノ結晶分散体のアセトンに対する重量対重量比1:4でアセトンを用いて沈殿させる。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離し、上澄み液をデカントする。
【0275】
[0311]最終の遠心分離およびデカントステップの後、生成した湿潤ケーキをエタノール中に50重量%で再分散させ、室温で15分間撹拌して、溶媒中の固体の均一な分布を得る。次亜リン酸ナトリウム一水和物粉末を、湿潤ケーキの重量に対して3重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。混合物を室温で12時間撹拌する。所望の期間後、固体部分を、4500rpmで10分間遠心分離することによって、液体から分離する。生成した上澄み液をデカントすると、白色の湿潤固体ケーキが遠心ボトルの底部に残る。次いで溶媒の湿潤ケーキに対する重量対重量2.75対1の比でエタノールを用いてこの湿潤ケーキをすすぎ、これに続いて激しく撹拌する。次いでこの懸濁液を4500rpmで10分間再度遠心分離し、生成した上澄み液をデカントして、上側を取り除く。実施例12Aおよび12Bに記載されている手順に従い、生成した湿潤ケーキをキャッピングする。
【0276】
実施例12A
[0312]次いで、実施例12からの湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて、25重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。混合物を室温で15分間撹拌して、均一な懸濁液を得る。次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で15分間撹拌する。水性水酸化アンモニウム(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基30重量%で慎重に添加する。混合物を70℃に45分間加熱する。反応が完了した時点で、混合物は半透明の外観を有することになる。
【0277】
[0313]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を、反応混合物のTHFに対する比1:2で、THF中で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0278】
[0314]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。
【0279】
[0315]PGMEA中に50重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶は有機物%8.97を有する。
[0316]PGMEA中に5重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶のDLSプロットは、狭いサイズ分布で、強度対粒径による53.85ナノメートルの平均粒径および36.15ナノメートルの平均粒径を実証する。この分散体のD9999は141.0である。
【0280】
実施例12B
[0317]次いで、実施例12からの湿潤ケーキを1.0L丸底フラスコに移し、エタノールを用いて25重量%の湿潤ケーキのエタノール中最終懸濁液を生成する。混合物を室温で15分間撹拌して、均一な懸濁液を得る。所望の期間後、次いでメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを反応フラスコに、湿潤ケーキに対してシラン30重量%で添加する。次いでこの混合物を室温で30分間撹拌する。水酸化アンモニウム水溶液(28~30%)を、フラスコ内の反応混合物に、湿潤ケーキに対して塩基15重量%で慎重に添加する。混合物を70℃に45分間加熱する。30分間のホールドタイムの終わりに、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキの重量に対して5重量%でナノ結晶懸濁液に慎重に添加する。反応混合物を70C℃でさらに30分間継続して保持する。反応が完了した時点で、混合物は薄い乳白色の外観を有することになる。
[0318]次いで反応混合物を室温に冷却し、洗浄して、過剰のキャッピング剤および不純物を排除する。反応混合物を反応混合物のTHFに対する比1:2で、THF中で希釈し、貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物-THFに対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、得た固体を、エタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に分散させる。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に沈殿させる。この懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄した。得た固体をエタノールの湿潤ケーキに対する重量対重量比2:1でエタノール中に再度分散させた。分散した固体を、再度貧溶媒中に、例えば、ヘプタンの反応混合物に対する重量対重量比4:1でヘプタン中に再度沈殿させる。この沈殿物を4500rpmで10分間遠心分離する。生成した上澄み液をデカントし、廃棄する。次いで、固体を真空オーブン内に配置して、終夜乾燥させる。
【0281】
[0319]乾燥した固体を、固体の溶媒に対する重量比1:1の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%を充填した分散体を作り出す。生成した分散体を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのアブソリュートフィルターを介して濾過した。PGMEA中に50重量%を分散させた、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶は有機物%10.03を有する。
【0282】
実施例13
キャッピングされたTiO上でのSiOシェルの形成
[0320]以前にキャッピングされたTiO粉末(51g)を、アコースティックミキサーを使用して、エタノール(1400g)中に分散させる。終夜静置させた後、キャッピングされたTiOを再懸濁させ、2ガロン(7.58リットル)反応器に移した。次いで反応器を密閉し、密封した。反応器内での撹拌を150~200RPMに設定した。圧力チェックを反応器に対して行い、10PSIGを10分間保持し、次いで2PSIGまでベントした。アンモニア水(224g)を1900gの水に添加し、次いで反応器に移した。次いでこのラインを470gの水でフラッシュした。69gのテトラエチルオルトシリケートを反応器に添加し、これに続いて100gのエタノールを添加した。反応器をNで加圧し、次いで2PSIGにベントすることにより(これを10回繰り返した)不活性化させた。次いで撹拌速度を600rpmに増加させ、温度を200℃に増加させた。200℃で3時間保持した後、反応器を室温に冷却した。次いで反応器をベントし、材料を容器に放出した。白色のスラリーを得た。
【0283】
実施例14
TiO上でのSiOシェルの形成
[0321]実施例1からのTiO湿潤ケーキを、エタノールの湿潤ケーキに対する比1:1で混合することにより、エタノールですすぐ。生成した白色の乳状懸濁液を4500rpmで10分間遠心分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶は遠心ボトルの底部で湿潤ケーキとして沈降する。この精製ステップを繰り返す。次いで、アコースティックミキサーを使用して、すすいだTiO湿潤ケーキ(97g)をエタノール(1400g)中に分散させる。これを終夜静置させた後、TiOを再懸濁させ、2ガロン(7.58リットル)反応器に移す。次いで反応器を密閉し、密封する。反応器内での撹拌を150~200RPMに設定する。圧力チェックを反応器に対して行い、10PSIGを10分間保持し、次いで2PSIGまでベントする。アンモニア水(224g)を1900gの水に添加し、次いで反応器に移す。次いでこのラインを470gの水でフラッシュする。69gのテトラエチルオルトシリケートを反応器に添加し、これに続いて100gのエタノールを添加する。Nで加圧し、次いで2PSIGにベントすることにより(これを10回繰り返す)反応器を不活性化させる。次いで撹拌速度を600rpmに増加させ、温度を200℃に増加させる。200℃で3時間保持した後、反応器を室温に冷却する。次いで反応器をベントし、材料を容器へと放出する。白色のスラリーを得る。
【0284】
実施例15
TiO上でのHfOシェルの形成
[0322]湿潤ケーキとして収集した実施例1からのTiOをアセトン中に分散させ、ジルコニアビーズを用いてホモジナイズする。ホモジナイズしたTiOを、4500rpmで10分間の遠心分離を介して反応混合物から分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部で湿潤ケーキとして沈降する。このプロセスを繰り返す。次いで、得た湿潤ケーキ(湿潤固体)を、ジルコニアビーズを使用して、均質な混合物が得られるまで水中に分散させる。4500rpmで10分間の遠心分離を介して、TiOを再度収集する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。このプロセスを再度繰り返す。次いで精製したTiO湿潤ケーキを3口フラスコに移し、水を湿潤ケーキに添加する(TiO湿潤ケーキ重量に対して10:1)。次いでHfOCl.8HOを反応混合物に添加する(TiO湿潤ケーキに対して38重量%)。混合物が均質になるまで混合物を撹拌する。次いで反応混合物を90℃に24時間加熱する。室温まで冷却した後、ZrOシェル形成プロセス後に生成した反応混合物は透明な水中分散体である。
【0285】
[0323]ナノ結晶を実施例7に記載されている通りキャッピングする。
実施例16
TiO上でのAlシェルの形成
[0324]湿潤ケーキとして収集した実施例1からのTiOをアセトン中に分散させ、ジルコニアビーズを用いてホモジナイズする。ホモジナイズされたTiOを、4500rpmで10分間の遠心分離を介して反応混合物から分離する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶は遠心ボトルの底部で湿潤ケーキとして沈降する。このプロセスを繰り返す。次いで、得た湿潤ケーキ(湿潤固体)を、ジルコニアビーズを使用して、均質な混合物が得られるまで水中に分散させる。4500rpmで10分間の遠心分離を介してTiOを再度収集する。上澄み液をデカントすると、ナノ結晶が遠心ボトルの底部に湿潤ケーキとして沈降する。このプロセスを繰り返す。次いで精製したTiO湿潤ケーキを3口フラスコに移し、湿潤ケーキに水を添加する(TiO湿潤ケーキ重量に対して10:1)。2M NaOH溶液を使用して、反応混合物のpHをpH10に調節した。次いで混合物を60℃に加熱し、2M NaAlOの水中溶液を反応混合物に添加した(添加したNaAlOの総量はTiOナノ結晶の35重量%であった)。次いで2M HCl溶液を使用して反応混合物のpHをpH8に調節した。反応混合物の温度を90℃に12時間上昇させた。室温まで冷却後、生成物を遠心分離し、水で2回、次いでエタノールで2回洗浄した。
【0286】
実施例17
キャッピングなしのナノ結晶のUV安定性を決定するための試験
[0325]酸化チタン、および本開示の金属酸化物シェルを有する酸化チタンの様々なフィルムプロセッシング条件に対する安定性を、自社作製した色試験を使用して試験する。ポリスチレンは、PGMEA中50重量%のポリスチレンを、PGMEAに溶解することにより、ポリスチレン-PGMEA分散体を調製する。乾燥ナノ結晶粉末を、ポリスチレン-PGMEA分散体と、ナノ結晶のポリスチレン/PGMEA分散体に対する重量対重量比1:2で10分間激しく混合して、白色不透明で粘稠なペーストを生成する。粘稠なペーストまたはドロップキャストを、ピペットを使用してガラス表面上に滴下し、プロセッシングする。ドロップキャストをホットプレート上で、大気下、110℃で5分間ベーキングし、これに続いてHgブロードバンドランプを使用して120秒間(5J/cm)または365nm UV-LEDランプで60秒間(7.5J/cm)UV曝露した。次いでホットプレート上、大気下、135℃で5分間ドロップキャストをベーキングし、これに続いてオーブン内200℃で5分間の追加のベーキングプロセスを行う。各プロセッシングステップの間のドロップキャストの色変化の程度をあらゆる変色に対して記録する。あらゆる種類の変色はそのプロセスに対する安定性として評価される。UV安定性。シェルを有さない、およびZrOシェルを有するTiOナノ結晶の様々なフィルムプロセッシング条件に対する結果が表1および2に示されている。
【0287】
[0326]
【0288】
【表1】
【0289】
[0327]表1:いかなるシェルも有さないTiOナノ結晶、ならびに本開示に提示されたZrOシェルおよびポリスチレンを有し、各プロセッシングステップ後にポリスチレンが混合されたTiOナノ結晶を含むペーストのドロップキャストの結果。ナノ結晶はキャッピングされておらず、いかなる無機物による処理も有さない。異なる条件への曝露により、ペーストは変色を生じる。変色を0~6でランク付けする;「0」は変化なしを意味し、「6」はプロセス後の最も大きな黄変を意味する。いかなるZrOシェルも有さないTiOは、特にUV照射後に最も大きな黄変を示す。その一方で、ZrOシェルを有するTiOは、プロセスの間、より少ない変色を示した。
【0290】
[0328]キャッピング中、無機不動態化剤で処理された、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOナノ結晶を、ガラス基材上でポリスチレンと混合することにより調製したペーストの試片、およびフィルムプロセッシング条件の様々なステージにおけるペーストの試片が表2に示されている。いかなる無機物による処理も有さないTiOナノ結晶は、加熱により黄色に変化し、その一方で無機物による処理を有するTiOナノ結晶はより少ない変色を示す。さらに、100℃~200℃の高い温度にある期間の間供された、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンナノ結晶粉末の熱安定性が表3に示されている。
【0291】
[0329]
【0292】
【表2】
【0293】
実施例18
キャッピングされたTiO-ZrOコア-シェルナノ結晶の熱安定性
[0330]本開示の少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンおよびコア-シェルナノ結晶の熱安定性は、あらゆる溶媒に分散させる前のキャッピングされたナノ結晶の乾燥粉末を、大気中の異なる温度に、異なる期間の間供することによって試験する。約1gの乾燥したキャッピングされたナノ結晶粉末をアルミニウム皿に取り、オーブン内に配置する。粉末を所望の温度で設定した期間の間ベーキングする。粉末の色の変化の程度を記録し、熱安定性として評価する。1つのこのような実験の結果が表3に示されている。
【0294】
[0331]いかなる酸化物シェル(酸化物コーティング)も有さないTiOと比較して、ZrOシェルを有さず、無機物による処理のみを有するTiOナノ結晶(実施例10)は、150℃まではいかなる変色も示さず、200℃/10分の加熱で少量の変色を示す(表3)。ZrOシェル(実施例5)を有するが、無機物による処理を有さないTiOナノ結晶は、より低い温度ではより少ない変色を示すが、より高い温度では変色し始める。しかし、ZrOシェルを有する、無機物による処理を有するTiOナノ結晶はより良い熱安定性を示す。これは、より熱的に安定したナノ結晶を生成するためには無機物による処理が必要なことを示している。
【0295】
[0332]
【0296】
【表3】
【0297】
実施例19
金属酸化物シェルを含むTiOナノ結晶を使用した配合物およびナノコンポジットのプロセス
[0333]例示的な配合物は、溶媒としてのPGMEA、HR6042とBPMAのアクリルモノマー組合せ(HR6042はBPMAに対して重量により1:1)、本開示の少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンナノ結晶(ナノ結晶のモノマー合計重量に対する重量比1.6:1)、および光開始剤、TPO(モノマー合計重量に対して4重量%)を含む。
【0298】
[0334]モノマー、HR6042およびBPMAを1:1の重量比で混合する。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)中の50重量%の、ZrOシェルを有する、キャッピングされた酸化チタンナノ結晶を、モノマーと、ナノ結晶のモノマー合計重量に対する比1.6:1で混合する。均一な混合物を可能にするために、25~30℃の温度で1~2時間撹拌プレート上で磁気撹拌機を使用して撹拌するまたはボルテックスすることによって、混合物をブレンドする。光開始剤、TPOは、モノマーに対して4重量%を配合物に添加し、室温で撹拌プレート上で、磁気撹拌機を使用して、温度20~30℃でさらに5~30分間再度混合する。生成した配合物を、膜フィルターを介して濾過して、明澄で、透明な液体を生成する。配合物の粘度は5~6cPの間であり、これはBrookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定されている。
【0299】
[0335]この配合を有するナノコンポジットコーティングまたはフィルムを2.5×2.5インチ(厚さ0.7mm)ソーダ石灰ガラスウエハー上にコーティングする。内部クリーニング手順に従い、フィルムを塗布する前にガラスウエハーをクリーニングして、混入物および粉末を排除する。ガラスウエハー上で1~2ミクロンの厚さのフィルムを2000~4000rpmで1分間スピンコーティングする。これは溶媒を含有する配合物であるため、コーティングしたフィルムを初期ベーキングプロセスによりホットプレート上で、110℃で2分間プロセッシングして、UV曝露前に一部の溶媒を排除する。次いで、窒素下でPhoseon FireJet LEDランプ(365nm)を125mW/cm(11.25J/cm)で使用して、フィルムを365nm LEDに90秒間曝露する。次いで、フィルムを、ホットプレート上135℃で2分間、ポストベーキングの処理に供して、残留溶媒を排除する。Metricon 2010/Mプリズム結合器を使用してフィルム厚を測定する。
【0300】
[0336]表4は、以下の実施例19で調製した本開示の少なくとも部分的にキャッピングされた酸化チタンまたはコア-シェルナノ結晶を含むいくつかの例示的な1ミクロン厚のナノコンポジットに対するフィルム特性を示す。Metriconの2010/Mモデルプリズム結合器を使用して屈折率およびフィルム厚を測定し、bおよびヘイズ%をHunterLabのVista ヘイズメーターで測定する。低いヘイズ%はフィルムの高い透明度を意味する。
【0301】
[0337]
【0302】
【表4】
【0303】
[0338]配合物を用いて生成されたナノコンポジットは、高い光透過率を実証する。図4は基準またはバックグラウンドとしてブランクソーダ石灰ガラスを用いてPerkin Elmer Lambda 850分光光度計で測定した場合の、(a)実施例5からのナノ結晶、(b)実施例6からのナノ結晶、および(c)実施例7からのナノ結晶を有する、作製されたままの(実線)フィルムの光透過率を示している。フィルム厚は約1ミクロンである。フィルムは375~800nmの間の波長において90%超の光透過率を示す。スペクトルの波紋は、入射光および反射光の干渉の結果であり、これは普通、高いフィルム品質、すなわち高い平滑性、高い均一性、および高い透明性があるという指標である。
【0304】
実施例20
実施例19で調製したナノコンポジットのUV安定性試験
[0339]実施例19に記載の通り調製した、本開示に提示されたナノ結晶から作製されたナノコンポジットを、設定された期間の間、様々なUV波長帯にナノコンポジットを曝露することによって、光触媒的安定性に対して評価する。使用した曝露の波長は、320~390nm(4mW/cmの強度)で66時間(950.4J/cmの線量)または72時間(1036.8J/cmの線量)、450nm(16mW/cmの強度)で1000時間(57600J/cmの線量)および405nm(25mW/cmの強度)、148時間(13600J/cmの線量)である。ナノコンポジットの一般的なフィルム特性、例えば、b、ヘイズ%、RIおよびフィルム厚を、試験中異なる間隔で測定する。試験の終わりに、試験開始から終了までのフィルムのb、ヘイズ%、RIおよびフィルム厚の変化を評価して、UV照射に対するナノ結晶の光安定性を決定する。フィルム特性において最小の変化を示すナノコンポジットが最も光安定性があると考えられる。屈折率およびフィルム厚はMetriconの2010/Mモデルプリズム結合器を使用して測定し、bおよびヘイズ%は、HunterLabのVistaヘイズメーターを用いて測定する。
【0305】
実施例20A
320~390nmでの光安定性試験
[0340]ZrOシェルを有する、TiOナノ結晶、例えば、実施例5、6、7、および8に記載されているナノ結晶から作製したナノコンポジットを、ZrOシェルを有さないナノ結晶(シェルなしのTiO)および実施例10の無機物で処理されたナノ結晶と共に、320~390nmUV照射に対するこれらの光安定性について試験する。表5は、あらゆる曝露前のこれらのナノコンポジットのフィルム特性および曝露後のフィルム特性の変化(b、ヘイズ%、RIおよびフィルム厚)を示している。シェルのないおよび実施例10のTiOナノ結晶と比較して、実施例5、6、7および8は最小のb変化およびヘイズ%変化を示している。実施例5、6、7および8のナノコンポジットのより少ないb変化は、ZrOシェルを有するTiOはシェルなしのナノ結晶ほど黄変しないことを示している。より少ないヘイズ%の変化はまた光への曝露の際にナノコンポジットの分解がより少ないことを示している。TiO光触媒活性の典型的な指標は、コーティングにおける粉っぽさの出現および濁りの増加である。
【0306】
[0341]
【0307】
【表5】
【0308】
実施例20B
405nmでの光安定性試験。
[0342]実施例7、11B、11C、12A、12Bに記載されているナノ結晶を用いて作製したナノコンポジットを、ZrOシェルを有さないナノ結晶(シェルなしのTiO)と共に、148時間の405nmでのUV照射に対するこれらの光安定性について試験する。表6は、あらゆる曝露前のこれらナノコンポジットのフィルム特性および曝露後のフィルム特性の変化(b、ヘイズ%、RIおよびフィルム厚)を示している。リスト内の試料のうち、ZrOシェルのないTiOナノ結晶は最も高い初期bおよび最も高いb変化を示す。
【0309】
[0343]
【0310】
【表6】
【0311】
実施例20C
450nmでの光安定性試験
[0344]実施例5、6および7に記載されているナノ結晶を用いて作製したナノコンポジットを、ZrOシェルを有さないナノ結晶(シェルなしのTiO)と共に、1000時間の450nmでのUV照射に対するこれらの光安定性について試験する。表7は、あらゆる曝露前のこれらのナノコンポジットのフィルム特性および曝露後のフィルム特性の変化(b、ヘイズ%、RIおよびフィルム厚)を示す。リスト内の試料の中で、ZrOシェルなしのTiOナノ結晶は、最も高い初期のbおよび最も高いb変化を示す。
【0312】
[0345]
【0313】
【表7】
【0314】
実施例21
無溶媒配合物(無溶媒)
[0346]別の例示的な配合物は、本開示で提示された少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶および少なくとも1種のモノマーを含む。ナノ結晶は、全配合物に対して65~75重量%の範囲で存在する。モノマーは、全配合物に対して3~18重量パーセントの範囲で存在する2-PEA、PTEA、PEA、PBA、および/またはIBAのうちの少なくとも1種、ならびに全配合物に対して1~10重量パーセントの範囲で存在するTHEICTA(M370)を含む。配合物は、全配合物に対して0.5~2.5重量パーセントの範囲で存在する添加剤、例えば、T405(Tinivin 405)、I1010(Irganox 1010)、全配合物に対して0.5~2.5重量パーセントの範囲で存在する光開始剤TPO、ならびに全配合物に対して4.0~6.5重量パーセントの範囲で存在する残留溶媒を任意に含有する。配合物は本開示の方法2に記載の通り調製する。低沸点溶媒、ETA中に分散させた、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶を、モノマー、添加剤、および光開始剤と混合する。混合後、配合物を回転蒸発させて、溶媒を排除し、均一な無溶媒混合物を作り出す。本開示に提示された異なるナノ結晶を用いて配合物のいくつかの変化形を調製する。表8aは、このような配合物に対する組成および粘度を含む。
【0315】
[0347]配合物をガラス基材上にスピンコーティングし、N下、365nm UVランプを用いて、3J/cm線量で硬化させる。フィルムはまた、ガラスバッキングを有するPET基材上にコーティングし、スタンプ被覆としてPETを使用する。次いで、大気内、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cmの線量でこれらのフィルムを硬化させる。硬化したフィルムの初期の光学特性ならびに異なる光の波長および凝縮条件への曝露後の特性の変化が表8b、8c、および8dに示されている。
【0316】
実施例21A
[0348]例示的な配合物は、回転蒸発後、73.0重量%の、ZrOシェルを有さない、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOナノ結晶、14.6重量%の2-PEAおよび7.5重量%のTHEICTA、1.0%のTPO、および4.5%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、1030cPである。配合物を用いて生成された厚さ10ミクロンのフィルムは、ガラスまたはPET基材上で、589nmで1.86のRIを実証する。ガラス基材上のフィルムは、配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nm UVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することにより作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気内で、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。
【0317】
実施例21B
[0349]例示的な配合物は、回転蒸発後、70.0重量%の、ZrOシェルを有さない、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOナノ結晶、15.9重量%の2-PEAおよび8.6の重量%THEICTA、1.0%のTPO、および4.5%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、660cPである。配合物を用いて生成された、厚さ10ミクロンのフィルムはガラスまたはPET基材上で、589nmで1.85のRIを実証する。ガラス基材上のフィルムは、配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nm UVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することにより作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中で、ブロードバンドUVランプを用いて1J/cm線量で硬化する。
【0318】
実施例21C
[0350]例示的な配合物は、回転蒸発後、71.0重量%の、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11AのTiOナノ結晶、14.6重量%の2-PEAおよび7.9重量%のTHEICTA、2.0%のTPO、および4.5%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、700cPである。配合物を用いて生成した厚さ10ミクロンのフィルムは、ガラスまたはPET基材上で、589nmで1.84のRIを実証する。ガラス基材上のフィルムは、配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nm UVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することにより作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中、ブロードバンドUVランプを用いて1J/cm線量で硬化する。
【0319】
実施例21D
[0351]例示的な配合物は、回転蒸発後、71.0重量%の、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11AのTiOナノ結晶、17.2重量%のPEAおよび5.3重量%のTHEICTA、2.0%のTPO、および4.5%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、950cPである。配合物を用いて生成された、厚さ10ミクロンのフィルムは、ガラスまたはPET基材上、589nmで1.81のRIを実証する。配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nm UVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することによって、ガラス基材上でフィルムを作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。
【0320】
実施例21E
[0352]例示的な配合物は、回転蒸発後、71.6重量%の、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11BのTiOナノ結晶、13.7重量%の2-PEAおよび7.4重量%のTHEICTA、1.0%のTPO、および6.4%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、1700cPである。配合物を用いて生成された、厚さ10ミクロンのフィルムは、ガラスまたはPET基材上で、589nmで1.82のRIを実証する。配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nmでUVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することにより、ガラス基材上でフィルムを作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。
【0321】
実施例21F
[0353]例示的な配合物は、回転蒸発後、72.8重量%の、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11BのTiOナノ結晶、10.2重量%の2-PEA、5.1%のPBA、および3.7重量%のTHEICTA、1.9%のTPO、および6.3%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、2200cPである。配合物を用いて生成された厚さ10ミクロンのフィルムは、ガラスまたはPET基材上で、589nmで1.8のRIを実証する。配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nm UVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することによって、ガラス基材上でフィルムを作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。
【0322】
実施例21G
[0354]例示的な配合物は、回転蒸発後、71.6重量%の、ZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11BのTiOナノ結晶、13.7重量%の2-PEAおよび4.4重量%のTHEICTA、添加剤である1.0%のT405、2.0%のI1010、1.0%のTPO、および6.4%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、2700cPである。配合物を用いて生成された厚さ10ミクロンのフィルムは、ガラスまたはPET基材上で、589nmで、1.81のRIを実証する。配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nm UVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することによって、ガラス基材上でフィルムを作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。
【0323】
実施例21H
[0355]例示的な配合物は、回転蒸発後、73.0重量%のZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例6のTiOナノ結晶、14.0重量%の2-PEAおよび7.5重量%のTHEICTA、1.0%のTPO、および4.5%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、4180cPである。配合物を用いて生成された厚さ10ミクロンのフィルムガラスまたはPET基材上で、589nmで、1.83のRIを実証する。配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nm UVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することによって、ガラス基材上でフィルムを作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。
【0324】
実施例21I
[0356]例示的な配合物は、回転蒸発後、71.0重量%のZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11AのTiOナノ結晶、14.6重量%のIBAおよび7.9重量%のTHEICTA、2.0%のTPO、および4.5%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、1510cPである。配合物を用いて生成された厚さ10ミクロンのフィルムは、ガラスまたはPET基材上で、589nmで1.78のRIを実証する。配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nmUVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することによって、ガラス基材上でフィルムを作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。
【0325】
実施例21J
[0357]例示的な配合物は、回転蒸発後、71.6重量%のZrOシェルを有する、少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11DのTiOナノ結晶、13.7重量%の2-PEAおよび4.4重量%のTHEICTA、添加剤である1.0%のT405、2.0%のI1010、1.0%のTPO、および6.4%の残留溶媒を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、2700cPである。配合物を用いて生成された厚さ10ミクロンのフィルムは、ガラスまたはPET基材上で、589nmで1.81のRIを実証する。配合物をスピンコーティングし、次いでN下、365nmUVランプを用いて、3J/cm線量でUV硬化することによって、ガラス基材上でフィルムを作製する。PET上でフィルムはガラスバッキングを有し、スタンプ被覆としてPETを使用し、次いで大気中、ブロードバンドUVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。
【0326】
[0358]
【0327】
【表8】
【0328】
[0359]
【0329】
【表9】
【0330】
[0360]
【0331】
【表10】
【0332】
[0361]
【0333】
【表11】
【0334】
実施例22
ナノコンポジット配合物(溶媒含有)
[0362]例示的な配合物は、全配合物に対して20~60重量の範囲で存在する、少なくとも部分的にキャッピングされた、本開示に提示されたナノ結晶、ナノ結晶のモノマーに対する比が3:7~8:2の範囲となるように、全配合物に対して3~25重量パーセントの範囲で存在するPBAおよび/またはTHEICTAを含むモノマーブレンド、全配合物に対して0.5~2.5重量パーセントの範囲で存在する光開始剤、TPO、ならびに全配合物に対して20~40重量パーセントの範囲で存在する溶媒、例えば、PGMEA(PGA)を含む。配合物は、本開示の方法2に記載の通り調製する。好ましいPBAのTHEICTA(またはM370)に対する比は1:1~4:1の範囲である。表9aは例示的な配合物の組成および粘度を示す。
【0335】
[0363]ガラス基材上に配合物をスピンコーティングし、ホットプレート上で、50℃で5分間プリベーキングし、次いでN下、365nm UVランプを用いて3J/cm線量でUV硬化し、オーブン内で、100℃で5分間ポストベーキングすることによって、配合物の厚さ2~3ミクロンのナノコンポジットフィルムを調製する。表9bは、405nm下で148時間のUVエージング(線量13600J/cm)前および後のナノコンポジットまたはフィルムの光学特性を含む。
【0336】
実施例22A
[0364]例示的な配合物は、18.3重量%のPBA、5.6重量%のTHEICTA、0.8重量%のTPO、および30.0重量%のPGMEAからなるアクリレートのブレンド中に、45.3重量%のシェルなしの、少なくとも部分的にキャッピングされたTiOナノ結晶を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、18cPである。ナノコンポジットは、2~3ミクロンフィルムとして堆積させ、ガラス基材上で、589nmで1.82の硬化フィルムRIを有する。
【0337】
実施例22B
[0365]例示的な配合物は、13.1重量%のPBA、4.0重量%のTHEICTA、0.7重量%のTPO、および30.5重量%のPGMEAからなるアクリレートのブレンド中に、45.3重量%の少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11Bのコア-シェルナノ結晶を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、18.4cPである。ナノコンポジットは2~3ミクロンフィルムとして堆積させ、ガラス基材上、589nmで1.84の硬化フィルムRIを有する。ナノコンポジット22Bは、デルタbにおいて、22Aの約10分の1の減少として示されている通り有意に黄変が少ない。
【0338】
[0366]
【0339】
【表12】
【0340】
[0367]
【0341】
【表13】
【0342】
実施例23
ナノコンポジット配合物(無溶媒IJ)
[0368]例示的な配合物は、全配合物に対して20~60重量の範囲で存在する、少なくとも部分的にキャッピングされた、本開示に提示されたナノ結晶、全配合物に対して40~80重量パーセントの範囲で存在する、BA、BPMA、および/またはDVEのうちの少なくとも1種を含むモノマーブレンドを含み、全配合物に対して0.5~5重量パーセントの範囲で存在する希釈剤、例えばSTYおよび酢酸エチル、全配合物に対して0.5~2.5重量パーセントの範囲で存在する、Irgacure 819、ITX、およびEsacure 1001Mから選択される光開始剤および光増感剤のうちの少なくとも1種、ならびに全配合物に対して1.0~6.5重量パーセントの範囲で存在する残留溶媒を任意に含有する。配合物は、本開示の方法2に記載の通り調製する。低沸点溶媒ETA中に分散させた、少なくとも部分的にキャッピングされたナノ結晶を、モノマー、添加剤、および光開始剤と混合する。混合した後、配合物を回転蒸発させて、溶媒を排除し、均一な無溶媒混合物を作り出す。配合物のいくつかの変化形を、本開示に提示された異なるナノ結晶を用いて調製する。表10aは、硬化したフィルムの組成物、粘度、および光学特性を含む。
【0343】
[0369]配合物をガラス基材上でスピンコーティングし、大気中、385nm UVランプを用いて、1J/cm線量で硬化する。表10b、および10cは、340nmでQUV曝露に曝露した後の特性の変化および凝縮を含む。
【0344】
実施例23A
[0370]例示的な配合物は、17.0重量%のBA、33.0重量%のBPMA、5.0%のDVE、2.0%のIrgacure 819、1.0%のITX、1.0%のEsacure 1001M、2.0%のSTY、および0.1%のBYK 333からなるアクリレートのブレンド中に、40.0重量%の、シェルなしの、少なくとも部分的にキャッピングされた、TiOナノ結晶のナノ結晶を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、25cPである。ナノコンポジットは、11.0ミクロンフィルムとしてガラス基材上に堆積させ、フィルムを385nm UV下、1J/cmで、大気中で硬化し、589nmで1.717の屈折率を有する。
【0345】
実施例23B
[0371]例示的な配合物は、33.0重量%のBA、17.0重量%のBPMA、2.0%のIrgacure 819、2.0%のITX、および1.0%のBYK 333からなるアクリレートのブレンド中に、45.0重量%の少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11Bのコア-シェルナノ結晶を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、19cPである。ナノコンポジットは、11.7ミクロンフィルムとしてガラス基材上に堆積させ、フィルムを385nm UV下、1J/cmで、大気中で硬化し、589nmで1.701の屈折率を有する。
【0346】
実施例23C
[0372]例示的な配合物は、17.0重量%のBA、33.0重量%のBPMA、5.0%のDVE、2.0%のIrgacure 819、1.0%のITX、1.0%のEsacure1001M、2.0%のSTYおよび0.1%のBYK333からなるアクリレートのブレンド中に、40.0重量%の少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11Bのコア-シェルナノ結晶を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、25cPである。ナノコンポジットは12.9ミクロンフィルムとしてガラス基材上に堆積させ、フィルムを385nm UV下、1J/cmで、大気中で硬化し、589nmで1.697の屈折率を有する。
【0347】
実施例23D
[0373]例示的な配合物は、20.0重量%のBA、40.0重量%のBPMA、5.0%のDVE、2.0%のIrgacure 819、1.0%のITX、1.0%のEsacure 1001M、2.0%のSTYおよび0.1%のBYK333からなるアクリレートのブレンド中に、30.0重量%の少なくとも部分的にキャッピングされた、実施例11Bのコア-シェルナノ結晶を含む。配合物の粘度は、Brookfield RVDV-II+PCP円錐平板粘度計で測定した場合、25℃で、21cPである。ナノコンポジットは10.8ミクロンフィルムとしてガラス基材上に堆積させ、フィルムを385nm UV下、1J/cmで、大気中で硬化し、589nmで1.669の屈折率を有する。
【0348】
[0374]コア-シェルナノ結晶を含むナノコンポジットは、デルタbにおいて3×の改善および黄色さの指数の変化(YI)において4×を超える改善を示す
[0375]
【0349】
【表14】
【0350】
[0376]
【0351】
【表15】
【0352】
[0377]
【0353】
【表16】
【0354】
[0378]概要および要約のセクションは、発明者(複数可)により想定される1つまたは複数の例示的実施形態を記述しているが、すべて本発明の例示的実施形態を記述しているわけではない、よって、本発明および添付の特許請求の範囲を限定することを決して意図するものではない。
【0355】
[0379]本発明は、特定された機能およびその関係の実施を例示する機能的構成ブロックを用いて上に記載されている。これら機能的構成ブロックの境界は、明細書の便宜上、本明細書で任意に定義されているものである。特定された機能およびその関係が適切に実施される限り、代替の境界を定義することができる。
【0356】
[0380]属として記載されている本発明の態様に関して、すべての個々の種は、個々に考慮された別個の本発明の態様である。本発明の態様が特徴「を含む」と記載されている場合、実施形態はまた、特徴「からなる」または「から本質的になる」ことが想定される。
【0357】
[0381]本明細書で使用される場合、本発明に関係した量を修飾している「約」という用語は、例えば、所定の試験および取扱いを介して、このような試験および取扱いにおける不注意による誤差を介して、本発明で利用した製造、供給源、または原料成分の純度における相違点を介して生じ得る数値的な量における変化形を示すことができる。本明細書で使用される場合、「約」のついた特定の値は特定の値も含む、例えば、約10%は10%を含む。「約」という用語で修飾されているかどうかに関わらず、特許請求の範囲は列挙された量の均等値を含む。一実施形態では、「約」という用語は報告された数値の20%以内を意味する。
【0358】
[0382]本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、それが明示的に述べられていない限り、またはこのようなことが意図されないことが文脈からはっきりと明白でない限り、複数の指示対象を含む。
【0359】
[0383]「および/または」という用語は、例えば、本明細書で「Aおよび/またはB」という句で使用された場合、AとBの両方;AまたはB;A(単独で);およびB(単独で)を含むことを意図する。同様に、「および/または」という用語は、例えば、「A、B、および/またはC」という句で使用された場合、以下の実施形態のそれぞれを包含することを意図する:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独で);B(単独で);ならびにC(単独で)。同様に、「および/または」という用語は、例えば、「A、B、および/またはCのうちの少なくとも1つ」という句で使用された場合、以下の実施形態のそれぞれを包含することを意図する:少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、および少なくとも1つのC;少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、または少なくとも1つのC;少なくとも1つのAまたは少なくとも1つのC;少なくとも1つのAまたは少なくとも1つのB;少なくとも1つのBまたは少なくとも1つのC;少なくとも1つのAおよび少なくとも1つのC;少なくとも1つのAおよび少なくとも1つのB;少なくとも1つのBおよび少なくとも1つのC;少なくとも1つのA(単独で);少なくとも1つのB(単独で);ならびに少なくとも1つのC(単独で)。
【0360】
[0384]便宜上および/または正式コンプライアンスのみのために使用されている表題および副表題は、対象技術を限定せず、対象技術の説明の解釈と関連して言及されているわけではない。本対象開示の1つの表題または1つの副表題下で記載されている特徴は、様々な実施形態において、他の表題または副表題下で記載されている特徴と組み合わせることができる。さらに、単一の表題下または単一の副表題下のすべての特徴が実施形態において一緒に使用されることが必ずしも事実ではない。
【0361】
[0385]他の者が、本技術分野の範囲内で知識を適用することにより、過度の実験を行うことなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を様々な用途に対して容易に修正および/または適応することができるという本発明の一般的な性質が、特定の実施形態の前述の説明からこのように完全に明らかとなる。したがって、このような適応および修正は、本明細書で提示された教示および手引きに基づき、開示された実施形態と同等の意味および範囲内であることが意図される。本明細書の語法または用語は、本発明の明細書の用語または語法が教示および手引きを考慮して当業者により解釈されるように、制限ではなく、説明の目的のためにあることを理解されたい。
【0362】
[0386]本発明の幅および範囲は、上に記載された例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
[0387]本明細書に記載されている様々な態様、実施形態、および選択肢のすべては、いずれかおよびすべての変化形において組み合わせることができる。
【0363】
[0388]本明細書に記述されているすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれていることが具体的におよび個々に示されているのと同程度に、本明細書に参照により組み込まれている。本文書の用語のいずれかの意味または定義が、参照により組み込まれた文書中の同じ用語のいかなる意味または定義とも矛盾する場合には、本文書の用語に割り当てられた意味または定義が適用されるものとする。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
【国際調査報告】