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特表2025-503498フリーフライヤまたは他の支持されていない物体のロボット捕獲のためのシステム、方法、およびデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】フリーフライヤまたは他の支持されていない物体のロボット捕獲のためのシステム、方法、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/64 20060101AFI20250128BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20250128BHJP
   B64G 4/00 20060101ALI20250128BHJP
   B64G 1/10 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
B64G1/64 600
B25J13/08 A
B64G4/00 105
B64G1/10 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538206
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 CA2022051895
(87)【国際公開番号】W WO2023115225
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/293,216
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524183223
【氏名又は名称】マクドナルド・デトワイラー・アンド・アソシエイツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テジ・シン・サチデヴ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・レイモンド・アッパーリー
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴ・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・キャス
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707DS01
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS09
3C707KT03
3C707KT04
(57)【要約】
物体のロボット捕獲のためのシステム、方法、およびデバイスが提供される。フリーフライヤ物体のロボットベースの捕獲のためのシステムは、フリーフライヤ物体に装着するためのグラップルフィクスチャと、グラップルフィクスチャとインターフェースすることによってフリーフライヤ物体を捕獲するためのエンドエフェクタとを含む。グラップルフィクスチャは、ベースおよび偏向可能プローブを含む。エンドエフェクタは、プローブのプローブ先端部をプローブガイド表面の中の開口部を通してグラップリング位置へと偏向させることおよびガイドすることのためのプローブガイド表面を含む。エンドエフェクタは、プローブ先端部がグラップリング位置にあるときをセンシングするための、および、捕獲メカニズムをトリガするためのプローブセンシング要素を含む。捕獲メカニズムは、プローブ先端部をグラップルし、アクチュエータは、事前に決定された位置まで捕獲メカニズムを後退させ、フリーフライヤ物体とエンドエフェクタとの間の荷重支持インターフェースを確立する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーフライヤ物体のロボット捕獲のためのシステムであって、前記フリーフライヤ物体に装着するためのグラップルフィクスチャと、前記フリーフライヤ物体を捕獲するために前記グラップルフィクスチャとインターフェースするためのエンドエフェクタとを含み、
前記グラップルフィクスチャは、
前記フリーフライヤ物体に装着するための装着表面、および、前記エンドエフェクタと嵌合するための、前記装着表面に対向する嵌合表面を有するベースと、
偏向可能プローブであって、前記偏向可能プローブの偏向を可能にするために偏向可能なジョイントを介して前記ベースに接続されており、前記偏向可能プローブは、グラップリングのためのプローブ先端部を含む、偏向可能プローブと
を含み、
前記エンドエフェクタは、
ロボットアームまたは直接的な捕獲実施可能能力を備えた宇宙船に接続するための、および、ロボットアームまたは直接的な捕獲実施可能能力を備えた宇宙船による操作を可能にするためのインターフェースと、
プローブガイド表面であって、前記エンドエフェクタが前記グラップルフィクスチャに向けて移動されるときに、および、前記グラップルフィクスチャが前記エンドエフェクタの捕獲エンベロープの中にあるときに、前記偏向可能プローブの前記プローブ先端部を、前記プローブガイド表面の中の開口部に向けておよび前記プローブガイド表面の中の開口部を通して、グラップリング位置へと偏向させることおよびガイドすることのためのプローブガイド表面と、
前記プローブ先端部が前記グラップリング位置にあるときをセンシングするための、および、前記プローブ先端部が前記グラップリング位置にあることをセンシングすると捕獲メカニズムをトリガするためのプローブセンシング要素と、
前記プローブ先端部の存在によってトリガされるときに、前記プローブ先端部をグラップルするように構成されている捕獲メカニズムであって、前記プローブ先端部をグラップルすることは、いくつかのしかしすべてではない自由度を拘束する分離不可能な接続(「ソフト捕獲」)を生成させる、捕獲メカニズムと、
前記プローブ先端部が前記グラップリング位置にあるとき、および、前記捕獲メカニズムをトリガしたときをセンシングするための捕獲メカニズムトリガセンシング要素と、
捕獲軸線に沿って事前に決定された位置まで前記捕獲メカニズムを後退させるように構成されているアクチュエータであって、前記事前に決定された位置において、前記グラップルフィクスチャの前記ベースの前記嵌合表面は、前記プローブガイド表面に対してプリロードされ、前記フリーフライヤ物体と前記エンドエフェクタとの間の荷重支持インターフェース(「ハード捕獲」)を確立する、アクチュエータと
を含む、システム。
【請求項2】
前記偏向可能なジョイントは、前記プローブ先端部と前記プローブガイド表面との初期接触を緩衝するための緩衝スプリングをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ロボットアームと、前記ロボットアームを制御するためのロボットアームコントローラとをさらに含み、前記ロボットアームコントローラは、接近するときに前記エンドエフェクタを前記グラップルフィクスチャに向けて移動させるように前記ロボットアームに命令するように構成されており、前記エンドエフェクタおよび前記フリーフライヤ物体の相対速度が、成功的なソフト捕獲を推進することが知られている事前に決定された速度バンドの中に維持されるようになっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記グラップルフィクスチャの前記嵌合表面は、第1のアライメント構成要素を含み、前記プローブガイド表面は、第2のアライメント構成要素を含み、前記第1および第2のアライメント構成要素は、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタの前記プローブガイド表面との間の接続を整合させるために互いに嵌合するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のアライメント構成要素は、隆起アニュラスであり、前記第1のアライメント構成要素は、凹んだアニュラスである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のアライメント構成要素は、前記嵌合表面の中に複数の凹部を含み、前記第2のアライメント構成要素は、複数の突出部を含み、前記複数の突出部のそれぞれ1つは、前記複数の凹部のそれぞれ1つと嵌合するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の凹部のそれぞれは、底部表面と、複数の角度付きのまたは湾曲した側部アライメント表面とを含み、前記複数の突出部のそれぞれは、丸みを帯びた表面プロファイルを含み、前記突出部が前記複数の側部アライメント表面のうちの1つに接触するときに、前記フィンが前記凹部の中へさらにスライドすることを推進し、それによって、ハード捕獲において前記インターフェースを完全に拘束されたアライメント状態にする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記捕獲メカニズムは、前記プローブ先端部のグラップリングを介して前記フリーフライヤ物体の線形運動を拘束する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記エンドエフェクタに対する前記フリーフライヤ物体の角度のおよび横方向のオフセットは、前記捕獲メカニズムを後退させることによって、および、前記グラップルフィクスチャの前記ベースを前記エンドエフェクタの上の前記プローブガイド表面と嵌合させることによって除去される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
フリーフライヤ物体に装着されているグラップルフィクスチャを介して前記フリーフライヤ物体を捕獲するためのロボットエンドエフェクタであって、
ロボットアームに接続するための、および、ロボットアームによる操作を可能にするためのロボットアームインターフェースと、
プローブガイド表面であって、前記エンドエフェクタが前記グラップルフィクスチャに向けて移動されるときに、および、前記グラップルフィクスチャが前記エンドエフェクタの捕獲エンベロープの中にあるときに、前記グラップルフィクスチャの偏向可能プローブのプローブ先端部を、前記プローブガイド表面の中の開口部に向けておよび前記プローブガイド表面の中の開口部を通して、グラップリング位置へと偏向させることおよびガイドすることのためのプローブガイド表面と、
前記プローブ先端部が前記グラップリング位置にあるときをセンシングするための、および、前記プローブ先端部が前記グラップリング位置にあることをセンシングすると捕獲メカニズムをトリガするためのプローブセンシング要素と、
前記プローブセンシング要素によってトリガされるときに、前記プローブ先端部をグラップルするように構成されている捕獲メカニズムと、
前記プローブ先端部がグラップルされているときに捕獲軸線に沿って第1の事前に決定された位置まで前記捕獲メカニズムを後退させるように構成されているアクチュエータであって、前記第1の事前に決定された位置において、前記グラップルフィクスチャのベースの嵌合表面は、前記プローブガイド表面に対してプリロードされ、前記フリーフライヤ物体と前記エンドエフェクタとの間の荷重支持インターフェースを確立する、アクチュエータと
を含む、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記プローブガイド表面は、凹形になっている、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
複数の突出部をさらに含み、前記複数の突出部は、捕獲の間に前記グラップルフィクスチャの前記嵌合表面の上の相補的な凹部と嵌合するために前記プローブガイド表面の上に配設されており、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタの前記プローブガイド表面との間の接続を整合させる、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
前記複数の突出部のそれぞれ1つは、前記突出部が前記相補的な凹部のそれぞれ1つの側部アライメント表面に沿ってさらにそれぞれの前記相補的な凹部の中へスライドすることを推進するための丸みを帯びた表面を含む、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項14】
前記プローブガイド表面は、前記グラップルフィクスチャの前記嵌合表面の上の相補的な凹んだアニュラスに嵌合するための隆起アニュラスを含む、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記捕獲メカニズムは、スプリングベースのコンプライアント部材を含み、前記アクチュエータは、前記捕獲メカニズムをさらに後退させ、前記スプリングベースのコンプライアント部材を圧縮し、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタとの間の前記インターフェースにプリロードを提供するように構成されている、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
前記捕獲メカニズムは、1対のジョーを含み、前記1対のジョーは、前記プローブセンシング要素に接続されており、前記グラップルプローブ先端部が前記捕獲メカニズムを閉鎖するようにトリガするときに、前記プローブ先端部をグラップルするために開放位置から閉鎖位置へ移動するように構成されている、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項17】
前記捕獲メカニズムは、凹形インサート構成要素を含み、前記凹形インサート構成要素は、前記捕獲メカニズムが前記捕獲軸線に沿って完全に前方に位置決めされているときに、前記開口部を含む前記プローブガイド表面の一部を形成しており、前記凹形インサート構成要素は、後退の間に前記捕獲メカニズムとともに後退される、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項18】
フリーフライヤ物体のロボット捕獲の方法であって、
グラップルフィクスチャがエンドエフェクタの捕獲エンベロープの中に入るように、ロボットアームを介して前記フリーフライヤ物体の上の前記グラップルフィクスチャに向けて前記エンドエフェクタを移動させるステップと、
前記グラップルフィクスチャの偏向可能プローブを前記捕獲エンベロープの中で前記エンドエフェクタのプローブガイド表面と接触させるステップと、
前記エンドエフェクタを前記フリーフライヤ物体に向けて移動させ続けることによって、前記プローブガイド表面によって前記プローブガイド表面の中の開口部に向けて前記偏向可能プローブを偏向させるステップと、
前記偏向可能プローブを前記プローブガイド表面を介して前記開口部を通してグラップリング位置へとガイドするステップと、
前記偏向可能プローブが前記グラップリング位置にあることをセンシングし、グラップリングメカニズムをトリガするステップと、
前記偏向可能プローブが前記グラップリング位置にあることをセンシングすると、前記グラップリングメカニズムによって前記偏向可能プローブをグラップルし、前記フリーフライヤ物体の線形運動を拘束するステップと、
グラップルされた前記偏向可能プローブを捕獲軸線に沿って事前に決定された位置まで後退させ、前記エンドエフェクタに対する前記フリーフライヤ物体の角度のおよび横方向のオフセットを除去し、前記グラップルフィクスチャのベースを前記プローブガイド表面と接触させるステップと、
前記グラップルフィクスチャが前記プローブガイド表面の上のアライメント特徴に対してプリロードされるポイントまで前記グラップリングメカニズムを後退させることによって、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタとの間のインターフェースをリジッド化するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記ロボットアームを介して前記グラップルフィクスチャに向けて前記エンドエフェクタを移動させるステップは、マシンビジョンシステムを介して前記フリーフライヤ物体の上のマシンビジョンターゲットを検出するステップと、前記ロボットアームが前記エンドエフェクタを前記グラップルフィクスチャに向けて移動させるときに、前記マシンビジョンシステムによって前記マシンビジョンターゲットを追跡するステップとをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記偏向可能プローブの中の緩衝スプリングを介して、前記偏向可能プローブと前記プローブガイド表面との間の初期接触を緩衝するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ロボットアームを介して前記フリーフライヤ物体の上の前記グラップルフィクスチャに向けて前記エンドエフェクタを移動させるステップは、ロボットアームコントローラを介して、前記エンドエフェクタおよびフリーフライヤ物体の相対接近速度/接近軌跡を、前記グラップルフィクスチャの成功的なソフト捕獲を推進することが知られている事前に決定された速度バンドの中に維持するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記偏向可能なジョイントは、スプリング中心の球形のジョイントである、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
フリーフライヤ物体の上に装着されているグラップルフィクスチャを有する前記フリーフライヤ物体のロボット捕獲を実施するための捕獲ツールであって、
前記グラップルフィクスチャのプローブをソフト捕獲位置へとガイドするためのプローブガイド表面と、
前記プローブが前記ソフト捕獲位置にあるときに前記グラップルフィクスチャの前記プローブをグラップルするためのグラップルであって、前記グラップルすることは、プローブ先端部の線形運動を拘束する、グラップルと、
前記フリーフライヤ物体と前記捕獲ツールとの間の荷重支持インターフェースを確立するために、前記グラップルフィクスチャが前記プローブガイド表面に対してプリロードされるまで、グラップルされた前記プローブを後退させることによって前記プローブの角運動を拘束するためのハード捕獲メカニズムと
を含む、捕獲ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、概して、ロボットシステムおよびデバイスに関し、より詳細には、自由飛行物体または他の支持されていない物体を捕獲するためのロボットデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
自由飛行物体の挙動は、ロボットシステムによる捕獲に関してさまざまな課題を提示する。そのようなシステムは、とりわけ、人間が機械を動作させるかまたはアフターサービスすることができない可能性がある環境、たとえば、水中または宇宙空間などにおいて望ましい。
【0003】
従来のアプローチは、自由飛行物体を捕獲してハンドリングするために、グラップルフィクスチャおよびエンドエフェクタの精密な係合または最初の接触を必要とする可能性がある。自由飛行物体は、「自由ドリフト」の状態にある可能性があり、「自由ドリフト」では、任意の方向への位置および配向の変化率はゼロではない。いくつかのケースでは、「自由ドリフト」状態にあるフリーフライヤは、かなりの角度回転レートを有する可能性があり、次いで、「タンブリング(tumbling)」していると考えられる。代替的に、自由飛行物体は、それ自体の姿勢および/またはリアクション制御システムを有することが可能であり、線形レートおよび角度レートを自律的に変化させることが可能であり、または、受動的な慣性質量のように作用しないことが可能である。
【0004】
ロボット捕獲システムは、1セットのまたは複数セットのセンサを使用し、フリーフライヤの相対的位置および配向ならびにその相対的な線形ドリフトレートおよび角度ドリフトレートを確認し、次いで、捕獲のために必要とされる軌跡を計算することとなる。このシステムにおける任意の不正確さは、エンドエフェクタ(ロボット捕獲システム)と(フリーフライヤの上に装着されている)グラップルフィクスチャとの間にミスアライメントを結果として生じさせることとなる。エンドエフェクタおよびグラップルフィクスチャプローブのミスアライメントは、ロボット捕獲デバイスがプローブと成功的に係合または最初の接触をすることを妨げる可能性があり、それによって、フリーフライヤ物体を捕獲することに失敗し、フリーフライヤ物体(または、その上の構成要素)を操縦または操作する能力を妨げる。
【0005】
捕獲の試みの間に、エンドエフェクタとグラップルフィクスチャとの間に接触が存在しており、ここで、成功的な物理的な接続が行われないほどにミスアライメントが大きい場合には(すなわち、デバイスの「捕獲エンベロープ」の外側で接触が起こる)、フリーフライヤは、捕獲されるのではなく、押しのけられることとなる。接触力は、フリーフライヤドリフトレートがこの接触に起因して変化することを引き起こすこととなる。いくつかのケースでは、これは、自由にドリフトしているフリーフライヤが、後続の再捕獲の試みを不可能にする増加したレートでドリフトすることを引き起こす可能性がある。または、アクティブに制御されるフリーフライヤのレート制御能力は、付与される接触エネルギーによって圧倒される可能性があり、フリーフライヤは、その位置および配向を制御することができない。失敗した捕獲の接触力は、ミスアライメントに起因して、フリーフライヤに対して修復不可能な損傷を引き起こす可能性がある。したがって、エンドエフェクタおよびグラップルフィクスチャシステムが、接触時に起こり得るミスアライメントを超える十分な「捕獲エンベロープ」を備えた、ロバストな捕獲信頼性を提供することが重要である。
【0006】
捕獲されることとなる物体の移動は、捕獲された物体とエンドエフェクタとの間に荷重支持インターフェースを確立するために、整合させること、ソフト捕獲すること、および、次いでリジッド化することにおいて課題を提示する可能性がある。これは、捕獲されることとなる物体の移動があまり予測可能でない自由飛行シナリオまたは他のシナリオに適用することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、既存のシステムおよび方法の欠点のうちの少なくともいくつかを克服する、自由飛行物体を捕獲および操作するための改善されたシステム、方法、およびデバイスに対する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
フリーフライヤ物体のロボット捕獲のためのシステムが提供される。システムは、フリーフライヤ物体に装着するためのグラップルフィクスチャと、フリーフライヤ物体を捕獲するためにグラップルフィクスチャとインターフェースするエンドエフェクタとを含む。グラップルフィクスチャは、フリーフライヤ物体に装着するための装着表面、および、エンドエフェクタと嵌合するための、装着表面に対向する嵌合表面を有するベースと、偏向可能プローブの偏向を可能にするために偏向可能なジョイントを介してベースに接続されている偏向可能プローブとを含む。偏向可能プローブは、グラップリングを可能にするプローブ先端部を含む。エンドエフェクタは、ロボットアーム(「ロボットアームインターフェース」)に接続するための、および、ロボットアームによる操作を可能にするためのインターフェース、または、直接的な捕獲を可能にする能力を備えた宇宙船への接続と、エンドエフェクタがグラップルフィクスチャに向けて移動されるときに、および、グラップルフィクスチャがエンドエフェクタの捕獲エンベロープの中にあるときに、偏向可能プローブのプローブ先端部を、プローブガイド表面の中の開口部に向けておよびプローブガイド表面の中の開口部を通して、グラップリング位置へと偏向させることおよびガイドすることのためのプローブガイド表面と、プローブ先端部の存在によってトリガされるときにプローブ先端部をグラップルする(grapple)(したがって、「ソフト捕獲」として知られる状態に進入し、そこでは、いくつかのしかしすべてではない自由度を拘束する分離不可能な接続が存在している)ように構成されている捕獲メカニズム(または「グラップル」)と、プローブ先端部がグラップリング位置にあるとき、および、捕獲メカニズムをトリガしたときをセンシングするための捕獲メカニズムトリガセンシング要素(capture mechanism triggered sensing element)と、捕獲軸線に沿って事前に決定された位置まで捕獲メカニズムを後退させるように構成されているアクチュエータであって、事前に決定された位置において、グラップルフィクスチャのベースの嵌合表面は、プローブガイド表面に対してプリロードされ、フリーフライヤ物体とエンドエフェクタとの間の荷重支持インターフェース(「ハード捕獲」として知られる)を確立する、アクチュエータとを含む。
【0009】
偏向可能なジョイントは、プローブ先端部とプローブガイド表面との初期接触を緩衝するための緩衝スプリングをさらに含むことが可能である。
【0010】
偏向可能なジョイントは、スプリング中心の球形のジョイントであることが可能である。
【0011】
システムは、ロボットアームと、ロボットアームを制御するためのロボットアームコントローラとをさらに含むことが可能であり、ロボットアームコントローラは、接近するときにエンドエフェクタをグラップルフィクスチャに向けて移動させるようにロボットアームに命令するように構成されており、エンドエフェクタおよびフリーフライヤ物体の相対速度が、成功的なソフト捕獲を推進することが知られている事前に決定された速度バンドの中に維持されるようになっている。
【0012】
グラップルフィクスチャの嵌合表面は、第1のアライメント構成要素を含むことが可能であり、プローブガイド表面は、第2のアライメント構成要素を含むことが可能であり、第1および第2のアライメント構成要素は、グラップルフィクスチャとエンドエフェクタのプローブガイド表面との間の接続を整合させるために互いに嵌合するように構成されている。
【0013】
第2のアライメント構成要素は、隆起アニュラスであることが可能であり、第1のアライメント構成要素は、凹んだアニュラスであることが可能である。
【0014】
第1のアライメント構成要素は、嵌合表面の中に複数の凹部を含むことが可能であり、第2のアライメント構成要素は、複数の突出部を含むことが可能であり、複数の突出部のそれぞれ1つは、複数の凹部のそれぞれ1つと嵌合するように構成されている。
【0015】
複数の凹部のそれぞれは、底部表面と、複数の角度付きのまたは湾曲した側部アライメント表面とを含むことが可能であり、複数の突出部(たとえば、「フィン」)のそれぞれは、丸みを帯びた表面プロファイルを含み、突出部が複数の側部アライメント表面のうちの1つに接触するときに、突出部が底部表面の上にスライドすることを推進することが可能であり、したがって、「ハード捕獲」においてインターフェースを完全に拘束されたアライメント状態にする。
【0016】
捕獲メカニズムは、プローブ先端部のグラップリングを介して、フリーフライヤ物体の線形運動を拘束することが可能である。捕獲メカニズムによるプローブ先端部のグラップリングは、x/y/zにおいてプローブ先端部の中心を拘束するが、拘束ポイントに対するグラップルフィクスチャ(および、フリーフライヤ)の運動を可能にすることができる。
【0017】
エンドエフェクタに対するフリーフライヤ物体の角度のおよび横方向のオフセットは、捕獲メカニズムを後退させることによって、および、グラップルフィクスチャ本体部をエンドエフェクタの上のアライメント表面と嵌合させることによって除去されることが可能である。それを行う際に、角運動は拘束されている。
【0018】
捕獲メカニズムは、ソフト捕獲において線形運動を拘束し、ハード捕獲においてすべての自由度(「DOF」)を拘束するように構成されることが可能である。
【0019】
フリーフライヤ物体に装着されているグラップルフィクスチャを介してフリーフライヤ物体を捕獲するためのロボットエンドエフェクタが提供される。エンドエフェクタは、ロボットアームに接続するための、および、ロボットアームによる操作を可能にするためのロボットアームインターフェースを含む。また、エンドエフェクタは、エンドエフェクタがグラップルフィクスチャに向けて移動されるときに、および、グラップルフィクスチャがエンドエフェクタの捕獲エンベロープの中にあるときに、グラップルフィクスチャの偏向可能プローブのプローブ先端部を、プローブガイド表面の中の開口部に向けておよびプローブガイド表面の中の開口部を通して、グラップリング位置へと偏向させることおよびガイドすることのためのプローブガイド表面を含む。エンドエフェクタは、プローブ先端部がグラップリング位置にあるときをセンシングするための、および、プローブ先端部がグラップリング位置にあることをセンシングすると捕獲メカニズムをトリガするためのプローブセンシング要素と、プローブセンシング要素によってトリガされるときに、プローブ先端部をグラップルするように構成されている捕獲メカニズムとを含む。エンドエフェクタは、プローブ先端部がグラップルされているときに捕獲軸線に沿って第1の事前に決定された位置まで捕獲メカニズムを後退させるように構成されているアクチュエータであって、第1の事前に決定された位置において、グラップルフィクスチャのベースの嵌合表面は、プローブガイド表面に対してプリロードされ、フリーフライヤ物体とエンドエフェクタとの間の荷重支持インターフェースを確立する、アクチュエータをさらに含む。
【0020】
プローブガイド表面は、凹形になっていることが可能である。
【0021】
エンドエフェクタは、複数の突出部をさらに含むことが可能であり、複数の突出部は、捕獲の間にグラップルフィクスチャの嵌合表面の上の相補的な凹部と嵌合するためにプローブガイド表面の上に配設されており、グラップルフィクスチャとエンドエフェクタのプローブガイド表面との間の接続を整合させる。
【0022】
プローブガイド表面は、グラップルフィクスチャの嵌合表面の上の相補的な凹んだアニュラスに嵌合するための隆起アニュラスを含むことが可能である。
【0023】
複数の突出部のそれぞれ1つは、フィンが相補的な凹部のそれぞれ1つの側部アライメント表面に沿ってそれぞれの相補的な凹部の底部表面の上にスライドすることを推進するための丸みを帯びた表面を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、突出部は、側部アライメント表面に沿ってスライドすることが可能であり、それぞれの相補的な凹部の底部表面に接触しないことが可能である。むしろ、エンドエフェクタの外側アニュラス表面(隆起アニュラス)およびグラップルフィクスチャの外側アニュラス表面(凹んだアニュラス)は、接触することが可能であり、(より有益な様式でインターフェースプリロードを広げるために)インターフェースにおける荷重に反応することが可能である。これは、許容可能なアライメント分散の中で、突出部および凹部においてわずかなクリアランスを残すことを含むことが可能である。
【0024】
捕獲メカニズムは、スプリングベースのコンプライアント部材を含むことが可能であり、アクチュエータは、捕獲メカニズムをさらに後退させ、コンプライアント部材を圧縮し、グラップルフィクスチャとエンドエフェクタとの間のインターフェースにプリロードを提供するように構成されることが可能である。そのようなスプリングベースのコンプライアント部材の使用は、プリロードをインターフェースに提供することが可能であり、そのプリロードは、製造公差に敏感でなく、メカニズム再現性を推進し、膨張係数の差に起因する熱歪みを低減させる。他の実施形態において、コンプライアント部材は、省略されることが可能であり、捕獲メカニズムは、依然としてプリロードを発生させることが可能である。しかし、コンプライアント部材の省略は、より可撓性の要素がプリロード経路の中に含まれない場合には、プリロードを失うリスク、または、構成要素の破損のリスクを増加させる可能性がある。
【0025】
ある実施形態において、スプリングベースのコンプライアント部材は、ベルヴィルスプリングスタックであることが可能である。
【0026】
捕獲メカニズムは、1対のジョーを含むことが可能であり、1対のジョーは、プローブセンシング要素に接続されており、グラップルプローブ先端部が捕獲メカニズムを閉鎖するようにトリガするときに、プローブ先端部をグラップルするために開放位置から閉鎖位置へ移動するように構成されている。捕獲メカニズムは、トリガリンケージの偏向によって閉鎖状態に受動的に移動するように構成されることが可能である。プローブセンシング要素は、トリガされた捕獲メカニズムをセンシングすることが可能である。たとえば、リミットスイッチは、捕獲メカニズムがプローブ先端部の存在によってトリガされたことをセンシングするために使用されることが可能である。
【0027】
捕獲メカニズムは、凹形インサート構成要素を含むことが可能であり、凹形インサート構成要素は、捕獲メカニズムが捕獲軸線に沿って完全に前方に位置決めされているときに、開口部を含むプローブガイド表面の一部を形成しており、凹形インサート構成要素は、後退の間に捕獲メカニズムとともに後退される。
【0028】
また、フリーフライヤ物体のロボット捕獲の方法が提供される。本方法は、グラップルフィクスチャがエンドエフェクタの捕獲エンベロープの中に入るように、ロボットアームを介してフリーフライヤ物体の上のグラップルフィクスチャに向けてエンドエフェクタを移動させるステップを含む。本方法は、グラップルフィクスチャの偏向可能プローブを捕獲エンベロープの中でエンドエフェクタのプローブガイド表面と接触させるステップと、エンドエフェクタをフリーフライヤ物体に向けて移動させ続けることによって、プローブガイド表面によってプローブガイド表面の中の開口部に向けて偏向可能プローブを偏向させるステップと、偏向可能プローブをプローブガイド表面を介して開口部を通してグラップリング位置へとガイドするステップとをさらに含む。本方法は、偏向可能プローブがグラップリング位置にあることをセンシングし、グラップリングメカニズムをトリガするステップと、偏向可能プローブがグラップリング位置にあることをセンシングすると、グラップリングメカニズムによって偏向可能プローブをグラップルし、フリーフライヤ物体の線形運動を拘束するステップとをさらに含む。本方法は、グラップルされた偏向可能プローブを捕獲軸線に沿って事前に決定された位置まで後退させ、エンドエフェクタに対するフリーフライヤ物体の角度のおよび横方向のオフセットを除去し、グラップルフィクスチャのベースをプローブガイド表面と接触させるステップと、グラップルフィクスチャがプローブガイド表面の上のアライメント特徴に対してプリロードされるポイントまでグラップリングメカニズムを後退させることによって、グラップルフィクスチャとエンドエフェクタとの間のインターフェースをリジッド化するステップとをさらに含む。
【0029】
ロボットアームを介してグラップルフィクスチャに向けてエンドエフェクタを移動させるステップは、マシンビジョンシステムを介してフリーフライヤ物体の上のマシンビジョンターゲットを検出するステップと、ロボットアームがエンドエフェクタをグラップルフィクスチャに向けて移動させるときに、マシンビジョンシステムによってマシンビジョンターゲットを追跡するステップとをさらに含むことが可能である。
【0030】
本方法は、偏向可能プローブの中の緩衝スプリングを介して、偏向可能プローブとプローブガイド表面との間の初期接触を緩衝するステップを含むことが可能である。
【0031】
ロボットアームを介してフリーフライヤ物体の上のグラップルフィクスチャに向けてエンドエフェクタを移動させるステップは、ロボットアームコントローラを介して、エンドエフェクタおよびフリーフライヤ物体の相対接近速度/接近軌跡を、グラップルフィクスチャの成功的なソフト捕獲を推進することが知られている事前に決定された速度バンドの中に維持するステップを含むことが可能である。
【0032】
また、フリーフライヤ物体の上に装着されているグラップルフィクスチャを有するフリーフライヤ物体のロボット捕獲を実施するための捕獲ツールが提供される。捕獲ツールは、プローブガイド表面と、グラップルと、ハード捕獲メカニズムとを含む。プローブガイド表面は、グラップルフィクスチャのプローブをソフト捕獲位置へとガイドする。グラップルは、プローブがソフト捕獲位置にあるときにグラップルフィクスチャのプローブをグラップルし、プローブ先端部の線形運動を拘束する。ハード捕獲メカニズムは、フリーフライヤ物体と捕獲ツールとの間の荷重支持インターフェースを確立するために、グラップルフィクスチャがプローブガイド表面に対してプリロードされるまで、グラップルされたプローブを後退させることによってプローブの角運動を拘束する。
【0033】
他の態様および特徴は、いくつかの例示的な実施形態の以下の説明を検討すると、当業者に明らかになることとなる。
【0034】
本明細書によって含まれる図面は、本明細書の物品、方法、および装置のさまざまな例を図示するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】一実施形態による、フリーフライヤ物体などのような物体のロボット捕獲の方法のフローチャートである。
図2】一実施形態による、物体のロボット捕獲のためのシステムのブロック図である。
図3A】一実施形態による、フリーフライヤ捕獲システムのロボットアームが駐機位置から捕獲の準備のできた位置へ移動していること、および、フリーフライヤ物体が第1の位置から第2の位置へ移動していることを示す、サービシング衛星およびフリーフライヤ物体を含むフリーフライヤ捕獲システムの概略ダイアグラムである。
図3B】一実施形態による、エンドエフェクタとフリーフライヤ物体の上のグラップルフィクスチャとの間の接続を通した、サービシング衛星のロボットアームによるフリーフライヤ物体の捕獲を示す、図3Aのフリーフライヤ捕獲システムの概略ダイアグラムである。
図3C】一実施形態による、捕獲されたフリーフライヤ物体をロボットアームが停泊前位置から停泊位置へ移動させることを示す、図3Aおよび図3Bのフリーフライヤ捕獲システムの概略ダイアグラムである。
図4A】一実施形態による、エンドエフェクタによるORUの捕獲を含む、フリーフライヤ物体からサービシング衛星への軌道交換ユニット(ORU)の移送をさらに実施する、図3A図3Cのフリーフライヤ捕獲システムの概略ダイアグラムである。
図4B】一実施形態による、フリーフライヤ物体からサービシング衛星への捕獲されたORUの移送、および、サービシング衛星によるORUへのパワー移送を実施する、図4Aのフリーフライヤ捕獲システムの概略ダイアグラムである。
図5A】一実施形態による、フリーフライヤ物体を捕獲するためのエンドエフェクタの正面斜視図である。
図5B図5Aのエンドエフェクタの正面図である。
図5C図5Aのエンドエフェクタの側面図である。
図6A】一実施形態による、フリーフライヤ物体に装着するための、および、図5Aから図5Cのエンドエフェクタによる捕獲のためのグラップルフィクスチャの正面斜視図である。
図6B図6Aのグラップルフィクスチャの正面図である。
図6C図6Aのグラップルフィクスチャの断面側面図である。
図7A】一実施形態による、捕獲シーケンスの第1の段階におけるエンドエフェクタの断面側面図である。
図7B】一実施形態による、捕獲シーケンスの第2の段階における、図7Aのエンドエフェクタの断面側面図である。
図7C】一実施形態による、捕獲シーケンスの第3の段階における(ソフト捕獲が実現された)、図7Aのエンドエフェクタの断面側面図である。
図7D】一実施形態による、捕獲シーケンスの第4の段階における、図7Aのエンドエフェクタの断面側面図である。
図7E】一実施形態による、捕獲シーケンスの第5の段階における(すべてのミスアライメントが除去され、表面が着座されている)、図7Aのエンドエフェクタの断面側面図である。
図7F】一実施形態による、捕獲シーケンスの第6の段階における(リジッド化された)、図7Aのエンドエフェクタの断面側面図である。
図8A】一実施形態による、グラップルフィクスチャがエンドエフェクタの受け入れ端部に接近するときに、グラップルフィクスチャが誤整合されていることを示す、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャおよび図7Aから図7Fのエンドエフェクタを含む捕獲シーケンスの概略断面側面図である。
図8B】一実施形態による、グラップルフィクスチャの偏向可能プローブのプローブ先端部とエンドエフェクタのプローブガイド表面との間の初期接触を示す、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャおよび図7Aから図7Fのエンドエフェクタを含む捕獲シーケンスの概略断面側面図である
図8C】一実施形態による、プローブガイド表面の中の開口部に向けたプローブガイド表面による偏向可能プローブの偏向を示す、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャおよび図7Aから図7Fのエンドエフェクタを含む捕獲シーケンスの概略断面側面図である。
図8D】一実施形態による、偏向可能プローブのプローブ先端部が開口部を通してグラップル位置へとエンドエフェクタの内部コンパートメントに進入したことを示す、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャおよび図7Aから図7Fのエンドエフェクタを含む捕獲シーケンスの概略断面側面図である。
図8E】一実施形態による、偏向可能プローブのプローブ先端部が、プローブセンシング要素との接触を通して、エンドエフェクタの捕獲メカニズムによって、プローブ先端部のグラップリングをトリガしたことを示す、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャおよび図7Aから図7Fのエンドエフェクタを含む捕獲シーケンスの概略断面側面図である。
図8F】一実施形態による、捕獲軸線に沿ったハード捕獲位置に向けた、捕獲メカニズムおよびグラップルされた偏向可能プローブの初期の後退を示す、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャおよび図7Aから図7Fのエンドエフェクタを含む捕獲シーケンスの概略断面側面図である。
図8G】一実施形態による、グラップルフィクスチャとエンドエフェクタとの間のインターフェースをリジッド化するために、捕獲メカニズムがハード捕獲位置まで後退したことを示す、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャおよび図7Aから図7Fのエンドエフェクタを含む捕獲シーケンスの概略断面側面図である。
図8H】一実施形態による、グラップルフィクスチャの解放を可能にするために、プローブ先端部を係合解除するために、捕獲メカニズムが捕獲軸線に沿って前方に駆動されたことを示す、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャおよび図7Aから図7Fのエンドエフェクタを含む捕獲シーケンスの概略断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
さまざまな装置またはプロセスは、それぞれの特許請求される実施形態の例を提供するために下記に説明されることとなる。下記に説明される実施形態は、任意の特許請求される実施形態を限定するものではなく、任意の特許請求される実施形態は、下記に説明されているものとは異なるプロセスまたは装置をカバーすることが可能である。特許請求される実施形態は、下記に説明されている任意の1つの装置またはプロセスの特徴のすべてを有する装置もしくはプロセスに限定されず、または、下記に説明されている装置の複数またはすべてに共通の特徴に限定されない。
【0037】
さらに、プロセスステップ、方法ステップ、またはアルゴリズムなどは、(本開示においておよび/または特許請求の範囲において)シーケンシャルな順序で説明される可能性があるが、そのようなプロセス、方法、およびアルゴリズムは、代替的な順序で作業するように構成されることが可能である。換言すれば、説明され得るステップの任意のシーケンスまたは順序は、必ずしもステップがその順序で実施されるべきであるという要件を示すわけではない。本明細書で説明されているプロセスのステップは、実用的な任意の順序で実施されることが可能である。さらに、いくつかのステップは、同時に実施されることが可能である。
【0038】
単一のデバイスまたは物品が本明細書で説明されているとき、2つ以上のデバイス/物品(それらが協働するか否かにかかわらず)が単一のデバイス/物品の代わりに使用されることが可能であるということが容易に明らかであることとなる。同様に、2つ以上のデバイスまたは物品が本明細書で説明されている場合(それらが協働するか否かにかかわらず)、単一のデバイス/物品が2つ以上のデバイスまたは物品の代わりに使用されることが可能であるということが容易に明らかであることとなる。
【0039】
以下は、概して、ロボットシステムおよびデバイスに関し、より詳細には、自由飛行物体を捕獲するためのロボットデバイスに関する。
【0040】
本明細書で使用されているような「自由飛行物体」、「フリーフライヤ物体」、または「フリーフライヤ」という用語は、慣性フレームにおいて固定されていない物体を指す。すなわち、物体は、複数の自由度において自由に移動または加速する。したがって、別の物体との接触から結果として生じる力は、フリーフライヤを反対方向に加速させる傾向があることとなる。フリーフライヤ物体の捕獲を試みる間の強力な初期接触力は、物体を「チップオフする(tip off)」傾向があることとなる。これが、本開示のロボット捕獲システムおよびデバイスが「ソフト捕獲」(チップオフを防止するために比較的に高い速度において印加される低い力)および「ハード捕獲」または「リジッド化」(チップオフがソフト捕獲によってすでに防止された後に、比較的に低い速度における高い力)を実施するように構成されている理由である。一般的に、フリーフライヤ物体は、「捕獲する」本体部に物理的に接続されておらず、それは、ロボット捕獲デバイスが接続されている本体部である。「捕獲する」本体部は、6自由度(DOF)で自身を制御する能力を有しているが、捕獲する本体部とフリーフライヤとの間で相対的な6DOFの制御を有していない。相対的な意味でのフリーフライヤ、および、「フリーフライヤ捕獲」は、捕獲する本体部とフリーフライヤとの間の相対的な6DOF運動の制御を得る行為である。地球上において、直接的に接続されていない2つの本体は、重力および摩擦を通して、ならびに、物体間にある地面を通して、間接的な接続を有していることが多く、そうであるので、拘束されていないフリーフライヤではない。本開示のシステムおよび方法は、グラップルの試みの間に捕獲物体のチップオフが起こる可能性のある他の環境での捕獲を促進させるために使用されることが可能である。システムおよび方法が用途を見出すことができる追加的な環境は、水中/海中環境または宇宙空間内/飛行中を含み、物体が大気中にまたは自由落下中において浮揚性のあるときを含む。システムおよび方法は、たとえば、すべてではないとしてもいくつかのDOFが制御されていない場合に、地球ベースの環境において使用されることが可能である。1つのそのような例は、捕獲および制御されることを必要とするクレーンから吊り下げられた荷重である。
【0041】
一般的に、本開示は、物体に取り付けられているグラップルフィクスチャをグラップルすることによって物体を捕獲することと、エンドエフェクタとグラップルフィクスチャとの間のインターフェースをリジッド化し、物体がロボットシステムによって操作され得るように、荷重支持インターフェースを確立することとを含む、物体のロボット捕獲のためのシステム、方法、およびデバイスを提供する。この操作は、たとえば、1つの場所から別の場所へ物体を移動させること、または、パワー、データ、もしくはトルクのうちの任意の1つまたは複数を、エンドエフェクタを通して物体に渡すことを含むことが可能である。本明細書で「捕獲物体」と称される物体は、エンドエフェクタを操作するために使用されるロボットアームが接続されているどのシステムにも接続されていない物体であることが可能であり、アライメントを一般的により挑戦的なものにする。たとえば、物体は、自由に浮遊する水中物体または自由飛行物体(フリーフライヤ物体、たとえば、アクティブな機能している衛星、退役したもしくは故障した衛星、発射車両の使用済みの上段、または軌道デブリ物体など)であることが可能である。したがって、本開示のエンドエフェクタは、接近および捕獲の間のミスアライメントに関する可能性に対処するために比較的に大きな捕獲エンベロープを有するように構成されることが可能である。
【0042】
本開示のロボット捕獲システムおよびデバイスは、物体の「ピックアンドプレース」操作を実施するために使用されることも可能であり、物体を掴み、ロボットマニピュレータシステムの端部において物体を別の場所に移動させることを可能にする。また、本開示のロボット捕獲システムおよびデバイスは、フリーフライヤ物体のドッキングを実施するために使用されることも可能であり、そこでは、フリーフライヤが、エンドエフェクタを含み、より大きな「より静止した」物体が、グラップルフィクスチャを含む。そのような場合では、サービサー宇宙船は、ロボットアームなしにすべての操縦を行うことが可能である。そうであるので、フリーフライヤ捕獲メカニズムは、サービサーまたはクライアントのいずれかに存在することが可能である。
【0043】
本開示のロボット捕獲システム、方法、およびデバイスは、有利には、既存の方法よりも、フリーフライヤ捕獲のための安価な方法を提供し、たとえば、シャトルおよびステーションアームの上で使用される「スネアケーブル」ベースの方法などである。システム、方法、およびデバイスは、既存のスネアケーブル方法よりも小型でより軽量のフリーフライヤのために使用されることが可能であり、一方では、より大型でより重いフリーフライヤ物体とともに使用するためにスケーラブルでもある。たとえば、コンプライアントプローブ、ネズミ捕り捕獲メカニズム、およびリジッド化モータを含む、本明細書で説明されている実施形態は、とりわけ、フリーフライヤ物体を捕獲することができる簡単な実装形態を提供する。
【0044】
ある実施形態において、エンドエフェクタは、グラップルフィクスチャに接近するようにロボットアームによって指示される。グラップルフィクスチャは、エンドエフェクタの受け入れ端部のプローブガイド表面に接触する先端部を有するプローブを含む。先端部は、プローブガイド表面によって、プローブガイド表面の中の開口部を通して、グラップリング位置へとガイドされる。グラップリング位置におけるプローブの存在は、エンドエフェクタによってセンシングされ、捕獲メカニズムは、グラップルフィクスチャのプローブの先端部をグラップルするように係合されている。捕獲メカニズムは後退され、プローブをさらにエンドエフェクタの中へ引き込み、グラップルフィクスチャのベースをプローブガイド表面と嵌合接触させる。捕獲メカニズムは、グラップルフィクスチャとエンドエフェクタとの間のインターフェースがリジッド化される位置まで後退され、所望のプリロードが発生させられる。次いで、捕獲されたおよびリジッド化された物体は、たとえば、ロボットアームを介して物体を操縦することによってなどロボットシステムによって操作されることが可能である。
【0045】
先述の多段階捕獲およびリジッド化は、有利には、より容易でより成功的な物体の初期捕獲を可能にすることができる。多段階アプローチは、有利には、より十分過ぎる捕獲のための適正なアライメントを実現するために、物体の回転を可能にする。
【0046】
本明細書で使用されているように、「エンドエフェクタ」という用語は、一般的に、機能を実施するロボットアームの端部にあるロボットデバイスまたは要素を指す。本開示において、その機能は、自由飛行アセットを捕獲することを含む。本明細書で使用されているような「エンドエフェクタ」という用語は、ロボットアームの端部との分離可能なインターフェースを有するロボットアームおよびデバイスの端部に恒久的にまたは分離不能に装着されているデバイスを含む。分離可能なインターフェースは、エンドエフェクタがピックアップされ、使用され、および下に置かれる(すなわち、ロボットアームから分離される)ことを可能にすることができる。分離可能なインターフェースを有するエンドエフェクタの事例は、「ツール」または「エンドオブアームツール(end of arm tool)」と称されることも可能である。そのような事例では、ロボットアームは、ロボットアームが複数の異なるツールを使用することを可能にするツールチェンジャの機能を有する、その端部に装着されている第1のエンドエフェクタと、分離可能なインターフェースを有する第2のエンドエフェクタとを有することが可能であり、第2のエンドエフェクタは、第1のエンドエフェクタによって係合され、ツールとして機能することが可能である。そのような場合では、第1の「ツールチェンジャ」エンドエフェクタおよび第2の「ツール」エンドエフェクタは、それぞれエンドエフェクタと考えられる。したがって、本明細書における「エンドエフェクタ」への任意の言及は、別段の記載がない限り、先述のものにおいて説明されているようなすべてのデバイスを含むことを意図している。
【0047】
ここで図1を参照すると、実施形態による、ロボットベースの物体捕獲の方法100が、ここで示されている。方法100は、マシンビジョンシステムと、ロボットアームコントローラと、ロボットアームと、エンドエフェクタとを含むロボット工学システムを使用して実施されることが可能である。ある実施形態において、方法100は、たとえば、衛星など宇宙ベースの用途においてフリーフライヤ物体を捕獲するために使用されることが可能である。
【0048】
102において、捕獲されることとなる物体(「捕獲物体」)の上に装着されているマシンビジョンターゲットが、マシンビジョンシステムによって検出される。捕獲物体は、フリーフライヤ物体であることが可能である。次いで、マシンビジョンシステムは、捕獲物体が検出されたという信号を発生させ、その信号をロボットアームコントローラに通信することが可能である。
【0049】
いくつかのケースでは、捕獲物体は、「ターゲット物体」と称されることも可能である。エンドエフェクタを介して捕獲を実施する物体または車両であり、それにエンドエフェクタが接続されている物体または車両は、「チェイサー」と称されることが可能である。たとえば、宇宙ベースの用途では、チェイサーは、宇宙船であることが可能である。
【0050】
捕獲物体がフリーフライヤ物体である変形例では、フリーフライヤ物体は、たとえば、姿勢制御のみを行うフリーフライヤ物体、その軌道も制御するために推進のために使用され得るスラスターを有するフリーフライヤ物体、または、姿勢制御もしくはリアクション制御のいずれかを有さないフリーフライヤ物体であることが可能である。
【0051】
一般的に、「捕獲」は、本明細書で説明されているようなエンドエフェクタまたは捕獲ツールおよび(捕獲物体の上の)グラップルフィクスチャが、グラップルされていない状態からグラップルされたおよびリジッド化された状態へ移行するプロセスを指す。このプロセスは、典型的に、たとえば、フリーフライヤなど捕獲物体を、エンドエフェクタがその上に配設されている捕獲する物体と同じ速度にすることを実現するために使用されることが可能である。
【0052】
本明細書で説明されているように、捕獲プロセスは、「ソフト捕獲」プロセスと「ハード捕獲」プロセスの両方を含む。ハード捕獲は、リジッド化と称されることも可能である。ソフト捕獲は、いくつかのしかしすべてではない自由度を拘束する分離不可能な接続が、捕獲物体の上のグラップルフィクスチャとエンドエフェクタとの間に確立されるプロセスと考えられることが可能である。一般的に、これは、グラップルフィクスチャのグラップルプローブの先端部の線形運動を拘束することを含む。たとえば、プローブ先端部の中心は、x/y/zにおいて拘束されることが可能であり、一方では、その拘束ポイントに対するグラップルフィクスチャ(および、捕獲物体)運動が許容される。ハード捕獲では、すべての自由度が拘束される。これは、たとえば、角度のおよび横方向のオフセットを除去することなどによって、角運動を拘束することを含むことが可能である。ハード捕獲は、グラップルフィクスチャがエンドエフェクタに対してプリロードされる事前に決定された位置までグラップルプローブを後退させることによって実現され、捕獲物体とエンドエフェクタとの間に荷重支持インターフェースを確立することが可能である。
【0053】
104において、ロボットアームが、エンドエフェクタを捕獲物体の上のグラップルフィクスチャに向けて移動させる。グラップルフィクスチャは、捕獲物体のグラップリングおよび捕獲を可能にするために使用され、標準化されたインターフェースであることが可能である。ロボットアームコントローラは、エンドエフェクタがグラップルフィクスチャに接近するときに、グラップルフィクスチャがエンドエフェクタの捕獲エンベロープの中に入るように、104におけるロボットアームの移動を制御するように構成されている。
【0054】
本開示で使用されているような「捕獲エンベロープ」という用語が、ここで説明されることとなる。捕獲またはドッキングデバイスが使用のために位置決めされているときに、デバイスは、ソフト捕獲動作が実行されるときにメカニズムがグラップルフィクスチャの周りに成功的に閉鎖することとなることを保証するために、捕獲物体のグラップル要素またはフィクスチャに対して特定の相対的位置に設置されることを必要とする。捕獲動作が起こっている間に、成功的な捕獲に不利に働く複数の影響が存在しており、それは、メカニズム自体が特定の幾何学的なおよび動的な位置決め要件を有しているということ、ビジョンシステムが特定の量の測定不確実性を有しているということ、および、捕獲物体が依然として捕獲システムのプラットフォームに対して潜在的にドリフトしているということを含む。すべてのこれらの影響(潜在的な誤差)を合計することは、捕獲メカニズムが捕獲を保証するために内側になければならない、x、y、z、ヨー、ピッチ、ロールにおける位置決め要件を生み出す。これは、「捕獲エンベロープ」と称される。捕獲エンベロープが大きければ大きいほど、所与のセットのこれらの影響(ドリフトレート、ターゲッティングおよび位置決め精度、「タンブリング」または「ドリフト」しているFFについていくためのシステム速度)に関して、より多くの物体が捕獲されることが可能である。また、捕獲に不利に働くシステムの中の影響に基づいて必要とされる最小の「捕獲エンベロープ」が存在していることが可能である。より大きなエンベロープは、捕獲する能力にマージンを与え、フリーフライヤ捕獲シーケンスをより信頼性の高いものにする。
【0055】
マシンビジョンシステムは、マシンビジョンターゲットを介して捕獲物体を追跡し続け、ロボットアームコントローラと通信し、捕獲物体と歩調を合わせ、ターゲットによってガイドされる最終的な内向きの(捕獲物体に向けた)運動を実施し、捕獲エンベロープの中のグラップルフィクスチャ(たとえば、グラップルフィクスチャのプローブ先端部)を得ることが可能である。たとえば、ロボットアームコントローラは、所定のレートで捕獲物体に近付くようにロボットアームを制御することが可能である。これは、捕獲物体を追跡することを含むことが可能であり、捕獲物体がドリフトしているときに、ロボットアームコントローラは、エンドエフェクタと捕獲物体との間に一定のベクトルが存在するように、歩調を合わせるようにアームを制御する。適当なポイントにおいて、ロボットアームコントローラは、次いで、デルタコマンドを追加することが可能である。デルタコマンドは、エンドエフェクタの受け入れ端部を捕獲物体のグラップルフィクスチャに向けさせる閉鎖速度を表す。デルタコマンドは、特定の速度範囲(たとえば、下記に説明されているように、事前に決定されたバンド)の中で閉鎖することを含むことが可能である。
【0056】
ロボットアームコントローラは、エンドエフェクタおよび捕獲物体の相対速度が事前に決定されたバンドの中に維持されるように、ロボットアームおよびエンドエフェクタを所定のレートで捕獲物体に向けて移動させるように構成されることが可能である。事前に決定されたバンドは、(たとえば、下記に説明されているように、プローブガイド表面に沿ったスライドを通して、および、開口部を通して内部コンパートメントの中へ)グラップルフィクスチャの成功的なソフト捕獲を推進するかまたは結果として生じさせることが知られている相対速度の範囲を表す。事前に決定された相対速度バンドは、さまざまなシステム特性(ロボットシステムおよび捕獲物体の特性を含む)に基づいて決定されることが可能である。そのようなシステム特性は、たとえば、グラップルフィクスチャの偏向可能プローブの特性、たとえば、プローブおよびプローブガイド表面のスプリング剛性または摩擦特性などを含むことが可能である。接近時に捕獲物体およびエンドエフェクタの相対速度を維持することは、フリーフライヤ捕獲用途においてとりわけ重要である可能性がある。その理由は、そのような相対速度が速過ぎたりまたは遅過ぎたりすることが、グラップルフィクスチャのプローブがプローブガイド表面に接触し、偏向し、グラップリングのために開口部を通って内部コンパートメントの中へプローブガイド表面の上をスライドするのに失敗することを引き起こす可能性があるからである。
【0057】
有用な捕獲デバイスが、捕獲システムと捕獲物体との間の相対速度に関して寛容であるということが重要である。ロボット捕獲システム設計の多くは、たとえば、摩擦を低減させること、スプリング剛性を最小化すること、チップオフ力を低減させること、および、ソフト捕獲のアクションの速度を増加させることなどの、要因または原理によって駆動される。リジッド化を実現する必要性は、ときにはこれらの駆動原理を侵害する。たとえば、捕獲の後のロールに対する良好な拘束を保証する捕獲デバイスの上のフィン(たとえば、図5A図5Bのフィン532)は、捕獲エンベロープを可能な限り大きく維持するための、および、捕獲システムに対する相対レート要件を低減させるための設計によってある程度緩和されたソフト捕獲に対する障害を生成させる可能性がある。リジッド化された状態においてロール拘束を実現する手段は、必然的に、設計の可能な限り大きな捕獲エンベロープを損なうこととなり、そのエンベロープを可能な限り大きくすることは、成功的なソフト捕獲容量にマージンを追加する。本開示のデバイスは、捕獲システムの中の可撓性の部材を通してミスアライメントに対処する。ミスアライメントを補正するための可撓性の部材(プローブ)の偏向は、フリーフライヤとの接触のときに起こる。可撓性の部材をアライメント状態に偏向させるには、(力と変位の積の形態の)少量のエネルギーを要する。接近が遅過ぎる場合には、フリーフライヤ物体は、「ソフト捕獲」が実現され得る前に、エンドエフェクタ捕獲デバイスから押しのけられることとなる。捕獲が依然として実現され得る最小レートは、フリーフライヤの慣性(質量および回転質量慣性、トリガ力)およびソフト捕獲メカニズム自体のトリガ力に基づく。したがって、捕獲システムは、効果的な捕獲のために捕獲ツール(チェイサー側)とグラップルフィクスチャ(フリーフライヤ側)との間の最小相対レートを実現するように構成されている。
【0058】
106において、グラップルフィクスチャの偏向可能プローブが、捕獲エンベロープの中でエンドエフェクタの受け入れ端部の上のプローブガイド表面に接触する。
【0059】
108において、106における偏向可能プローブとプローブガイド表面との間の初期接触が、偏向可能プローブの中の緩衝スプリングによって緩衝される。そのような初期衝撃の緩衝は、プローブがエンドエフェクタの受け入れ端部から跳ね返ることを防止することが可能である。これは、捕獲物体がフリーフライヤ物体である用途において、とりわけ有利である可能性がある。
【0060】
110において、偏向可能プローブが、捕獲物体に向けたエンドエフェクタの継続的な運動によって、静止位置(たとえば、グラップルフィクスチャがその上に装着されている捕獲物体の表面に対して垂直のプローブ)から、プローブガイド表面の中心にまたはその近くに位置付けされているプローブガイド表面の中の開口部に向けて、プローブガイド表面によって偏向される。プローブガイド表面は、開口部の方向への偏向可能プローブの偏向を推進するように凹形になっていることが可能である。開口部は、捕獲メカニズムがその中に配設されているエンドエフェクタの内部コンパートメントへの偏向可能プローブによる進入を提供する。
【0061】
偏向可能プローブは、印加された力の方向にプローブが静止位置から偏向することおよび印加された力の除去のときに静止位置に戻ることを可能にするための偏向要素を含む。110のケースにおいて、プローブガイド表面の形状および捕獲物体に向けたエンドエフェクタの運動は、プローブガイド表面における開口部の方向にプローブを偏向させる力を偏向可能プローブに印加する。偏向可能な要素は、偏向を促進させるための1つまたは複数のスプリング構成要素を含むことが可能である。
【0062】
112において、プローブガイド表面が、偏向されたプローブを、開口部を通して、内部コンパートメントの中のソフト捕獲位置(または、グラップル位置)へとガイドする。捕獲物体に向けたエンドエフェクタの継続的な運動およびプローブガイド表面のプロファイルは、偏向可能プローブの継続的な偏向、ならびに、偏向可能プローブの端部がプローブガイド表面を横切って開口部に向けておよび開口部を通ってスライドすることを引き起こす。
【0063】
114において、ソフト捕獲位置における偏向可能プローブの存在が、エンドエフェクタによってセンシングされ、エンドエフェクタのグラップルメカニズム(「グラップル」)をトリガする。
【0064】
ある実施形態において、偏向可能プローブのセンシングは、偏向可能プローブが開口部に進入してエンドエフェクタの内部コンパートメントの中へ入るときに、偏向可能プローブの端部によって接触されるセンシング要素またはトリガを、捕獲軸線(偏向可能プローブがエンドエフェクタの内部コンパートメントの中に配向される軸線)と一致して位置決めすることによって実施されることが可能である。偏向可能プローブの接触によってセンシング要素に印加される力は、次いで、センシング要素がグラップルに係合することを引き起こすことが可能である。
【0065】
プローブの存在をセンシングするための任意の適切な方法が使用されることが可能であり、センシングのタイプは特に限定されない。たとえば、変形例では、プローブの存在をセンシングすることは、マイクロスイッチをトリップさせる力、適当に設置されているロードセル/歪みゲージによって測定されるような力、光学的方法、容量性方法、誘導性方法、および電気抵抗性方法のうちの任意の1つまたは複数を介して実現されることが可能である。マイクロスイッチの力トリッピング(force tripping)は、有利には、状態変化を測定する簡単で効果的な方式を提供することが可能である。他のセンシング方法は、そのような方法が特定の実施形態にとって意味がある場合には、一般的に使用されることが可能である。
【0066】
116において、偏向可能プローブが、グラップルによってグラップルされる。偏向可能プローブのグラップリングは、エンドエフェクタに対する捕獲物体の線形運動を拘束する。ある実施形態において、グラップルは、1対のジョーを含むことが可能であり、1対のジョーは、トリガされるときに開放位置から閉鎖位置へ移動し、それによって、プローブを把持するように構成されている。ある実施形態において、プローブの端部は、プローブのグラップリングを可能にするように(また、プローブガイド表面に沿ったプローブのスライドを推進するように)球形になっている。
【0067】
118において、グラップルされた偏向可能プローブが、捕獲軸線に沿ってエンドエフェクタの受け入れ端部とは反対の方向にエンドエフェクタの内部コンパートメントの中に後退され、エンドエフェクタに対する捕獲物体の角度のおよび横方向のオフセットを除去する。一般的に、いくつかの実施形態において、ロールミスアライメントは、ソフト捕獲とリジッド化との間の特定の最大値の中で維持されなければならない。ソフト捕獲の後に、ロールミスアライメントが最大許容可能ミスアライメントを超えて成長し続ける場合には、リジッド化が起こることができない可能性がある。グラップルされたプローブは、事前に決定された位置まで後退されることが可能である。事前に決定された位置は、ポテンショメータなどによって検出されることが可能である。グラップルされたプローブの後退は、偏向可能プローブに接続されている、グラップルフィクスチャのベースをさらにプローブガイド表面に向かわせてプローブガイド表面と接触させる。グラップルフィクスチャのベースおよびプローブガイド表面は、プローブガイド表面に沿ったベースのスライドおよび/またはベースとプローブガイド表面との嵌合を推進するように相補的に形状決めされることが可能である。グラップルフィクスチャベースおよびプローブガイド表面は、アライメント特徴をそれぞれ含むことが可能であり、アライメント特徴は、プローブが後退されてエンドエフェクタおよび捕獲物体が互いにより近くに移動されるにつれて、互いにインターフェースし、グラップルフィクスチャベースとプローブガイド表面との間のアライメントを推進するように構成されている。
【0068】
120において、グラップルフィクスチャとエンドエフェクタとの間のインターフェースがリジッド化される。リジッド化は、グラップルフィクスチャがエンドエフェクタのプローブガイド表面の上の1つまたは複数のアライメント特徴に対してプリロードされるポイントまでグラップルを後退させることによって実現される。たとえば、いくつかの実施形態において、プリロードは、本明細書で説明されているように、接触アニュラスの上にあることが可能である。他の実施形態において、プリロードは、複数の突出部(または、「フィン」)の上にあることが可能である。特定の実施形態において、アライメント特徴は、隆起された接触アニュラスおよび複数のフィンを含み、グラップルフィクスチャは、隆起された接触アニュラスに対してプリロードされ、アライメントフィンに対してプリロードされない。
【0069】
インターフェースのリジッド化は、捕獲物体の相対的位置および配向を画定するための捕獲システムによる完全な権限を可能にする。これは、2つの物体の間の相対的位置およびレートの低い不確実性、および、2つの物体の間の相対的位置およびレートの制御を可能にする。この状態は、ロボットサービサーが捕獲された物体を固定し、調節し、もしくは燃料補給する間に、または、ロボットサービサーが捕獲物体を新しい軌道へまたは新しい姿勢へ推進している間に、ロボットサービサーが次いで荷重を印加しようとしている状況にとって典型的に好適である。ソフト捕獲状態において、捕獲システムは、特定のDOFにおいて捕獲物体に対していくらかの権限を有するが、他のDOFにおいては権限を有していない(したがって、それは、フリーフライヤ物体を任意の位置および配向へと操縦するために、フリーフライヤ物体に対して力またはモーメントを発生させるための能力を有していない)。一旦実現されると、ハード捕獲またはリジッド化された状態は、捕獲物体に対してすべての方向に力およびモーメントを発生させるための能力を提供する(たとえば、物体に装着されているハンドルを保持するように)。6-DOFを有すること、および、フリーフライヤが保持されている場所において決定要因であることは、物体のハンドリング、および、他の接続特徴または他のサービシング特徴、たとえば、ロボットサービシングシステムまたは燃料補給システムなどとの物体のアライメントを可能にする。
【0070】
122において、リジッド化された捕獲物体が、エンドエフェクタに接続されているロボットアームによって操作される(たとえば、移動される)。一例では、捕獲物体は、停泊位置へ移動されることが可能である。
【0071】
ここで図2を参照すると、実施形態による、物体のロボット捕獲のためのシステム200が、ここで示されている。システム200は、たとえば、衛星など自由飛行物体を捕獲するために使用されることが可能である。システム200は、図1の方法100を実装するために使用されることが可能である。
【0072】
システム200は、捕獲物体202と、捕獲物体202を捕獲するための、および、一旦捕獲されると捕獲物体202を操作するためのロボットシステム204を含む。
【0073】
捕獲物体202は、捕獲物体202の上にマシンビジョンターゲット206を含む。マシンビジョンターゲット206は、捕獲物体202の上に位置決めされており、ロボットシステム204のマシンビジョンシステム208が、マシンビジョンターゲット206を検出して追跡することができるようになっている。
【0074】
マシンビジョンシステム208は、マシンビジョンターゲット206を可視化するためのカメラと、カメラによって収集されたイメージデータを発生させて処理するためのプロセッサと、イメージデータを記憶するためのメモリと、ロボットシステム204の他の構成要素と通信する(たとえば、マシンビジョンターゲット206の検出および追跡についての情報を通信する)ための通信インターフェースとを含むことが可能である。
【0075】
また、ロボットシステム204は、ロボットアーム212の移動を制御するためのロボットアームコントローラ210を含む。ロボットアームコントローラ210は、データを処理するためのプロセッサと、データを記憶するためのメモリと、マシンビジョンシステム208およびロボットアーム212と通信するための通信インターフェースとを含む。たとえば、ロボットアームコントローラ210は、マシンビジョンターゲット206(ひいては、捕獲物体202)の検出および追跡に関してマシンビジョンシステム208からデータを受信し、受信されたマシンビジョンデータに基づいてアーム移動コマンドを発生させることが可能である。次いで、ロボットアームコントローラ210は、ロボットアーム212にアーム移動コマンドを送り、ロボットアーム212の移動を制御することが可能である。
【0076】
いくつかのケースでは、ロボットアームコントローラ210は、相対接近速度を決定するように構成され、捕獲物体202のソフト捕獲を推進するために、事前に決定された範囲の中に相対接近速度を維持するように構成されることが可能である。
【0077】
また、ロボットシステム200は、ロボットアーム212に接続されているエンドエフェクタ214を含む。エンドエフェクタ214は、捕獲物体202の上のグラップルフィクスチャ216を介して捕獲物体202を捕獲する(グラップルおよびリジッド化する)ように構成されている。また、エンドエフェクタ214は、一旦捕獲されると、捕獲物体202の上に存在するインターフェースを通して、パワー、データ、およびトルクのうちの任意の1つまたは複数を捕獲物体202に渡すように構成されることが可能である。
【0078】
グラップルフィクスチャ216は、マシンビジョンターゲット206に近い場所において、捕獲物体202に装着されることが可能であり、捕獲のためにマシンビジョンターゲット206が、エンドエフェクタ214をグラップルフィクスチャ216に向けて方向付けるために使用されることが可能であるようになっている。
【0079】
グラップルフィクスチャ216は、ベース218と、ベース218に接続されている偏向可能プローブ220とを含む。
【0080】
ベース218は、捕獲物体202の外部表面に装着される。偏向可能プローブ220は、ベース218に接続されており、偏向可能プローブが、レスト状態にある(すなわち、偏向されていない)ときに、ベース218に対して概して垂直になるようになっている。
【0081】
ベース218は、嵌合表面222を含み、嵌合表面222は、捕獲の間にエンドエフェクタ214のプローブガイド表面224とインターフェースして嵌合するように構成されている。
【0082】
嵌合表面222は、1つまたは複数のアライメント特徴226を含む。アライメント特徴226は、プローブガイド表面224の上の相補的なアライメント特徴228とインターフェースするように構成されている。アライメント特徴226は、アライメント特徴228との接触を通して、グラップルフィクスチャ216およびプローブガイド表面224のアライメントを推進するように構成されている。アライメント特徴226、228は、エンドエフェクタグラップルフィクスチャインターフェースの必要なプリロードを発生させるために使用されることが可能である。
【0083】
いくつかの実施形態において、プリロードは、アライメント特徴226、228のサブセットのみにかかることが可能である(または、アライメント特徴のサブセットのみが、インターフェースにおける荷重に反応するために使用されることが可能である)。たとえば、特定の実施形態において、アライメント特徴228は、グラップルフィクスチャの上の相補的なアライメント特徴226とともに、隆起された接触アニュラスおよび複数のアライメントフィンを含むことが可能であり、アニュラスのみが、インターフェースにおける荷重に反応するために使用される(フィンにおいてではなく、接触アニュラスのみにおけるプリロード、「アニュラスリアクション」)。アライメント特徴が接触アニュラスを含む実施形態では、エンドエフェクタの外側アニュラス表面(隆起アニュラス)およびグラップルフィクスチャの外側アニュラス表面(凹んだアニュラス)は、接触することが可能であり、インターフェースにおける荷重に反応することが可能であり、それは、有利には、より有益な様式でインターフェースプリロードを広げることが可能である。
【0084】
別の実施形態では、アニュラスは、存在していなくてもよく、アライメントフィンは、インターフェースにおける荷重に反応するために使用されることが可能である(「フィンリアクション」)。
【0085】
アライメント特徴226、228は、2つを一緒にするときに、グラップルフィクスチャ216およびエンドエフェクタ214の回転アライメントおよび剪断アライメントを提供するために使用されることが可能である。
【0086】
また、アライメント特徴226、228は、捕獲の間のグラップルフィクスチャ216とエンドエフェクタ214との間のいくらかのレベルのオフセット(たとえば、横方向のオフセット、回転方向のオフセット)を可能にするように構成されることが可能である。これは、たとえば、フリーフライヤ物体のケースなどにおいて、捕獲物体202がタンブルレートを有する用途において、とりわけ有利である可能性がある。
【0087】
アライメント特徴226、228は、回転ミスアライメント(たとえば、5度のオフセット)の結果として、インターフェースの自己アライメントを引き起こすように構成されることが可能である。
【0088】
グラップルフィクスチャ216の偏向可能プローブ220は、グラップル端部232において終端するシャフトを含むプローブ230を含む。グラップル端部232は、シャフトの直径よりも大きい直径を有することが可能である。グラップル端部232は、球形の先端部を含むことが可能である。グラップル端部が丸みを帯びているかまたは球形であるケースでは、グラップル端部232は、「グラップルボール」と称されることが可能である。
【0089】
また、偏向可能プローブ220は、印加された力の方向へのプローブ230の偏向を可能にするための偏向要素234を含む。また、偏向要素234は、印加された力が除去されるときに、プローブ230を静止状態(偏向されていない、印加された力がない)に戻すように構成されている。偏向要素234を偏向させるために必要とされる印加された力の量は、使用される材料に応じて変化することが可能である。ある実施形態において、偏向要素は、1つまたは複数のスプリングを含む。ある実施形態において、偏向要素234は、スプリング中心の球形のジョイントを含む。
【0090】
ある実施形態において、プローブ220は、3DOF回転および横方向の/軸外方向の(off-axial)偏向を可能にするように構成されている。
【0091】
偏向要素234は、プローブ230およびベース218に接続されており、ベース218に対する偏向を促進させる。また、いくつかのケースでは、プローブ230は、ベース218に直接的に取り付けられるかまたは装着されることも可能である。
【0092】
一般的に、ロボットアーム212がエンドエフェクタ214を捕獲物体202のグラップルフィクスチャ216に向けて移動させるときに、偏向可能プローブ220のグラップル端部232は、エンドエフェクタ214のプローブガイド表面224に接触する。
【0093】
プローブガイド表面224は、グラップル端部232と接触するときに、開口部236に向けた偏向可能プローブ220の偏向を推進するように湾曲している。開口部236は、プローブガイド表面224の中心にまたは中心の近くに位置付けされることが可能である。プローブガイド表面224が凹形であるケースでは、開口部236は、凹形プローブガイド表面224の頂点に位置付けされることが可能である。
【0094】
プローブガイド表面224は、偏向可能プローブ220のグラップル端部232がプローブガイド表面224に沿ってスライドすることを可能にするのに適切な材料から構成されている。たとえば、材料は、プローブガイド表面224とグラップル端部232との間の適切な摩擦力相互作用を有するように選択されることが可能である。同様に、グラップル端部232は、グラップル端部232が所望のまたは許容可能なレベルの摩擦でプローブガイド表面224に沿ってスライドすることを可能にするのに適切な材料から構成されている。
【0095】
一般的に、グラップルフィクスチャ216に向けたエンドエフェクタ214の移動、偏向可能プローブ220の偏向、ならびに、プローブガイド表面224およびグラップル端部232の形状および表面組成は、グラップリングのために開口部236を通してエンドエフェクタ214の内部コンパートメント238の中へグラップル端部232をガイドするように一緒に作用する。
【0096】
内部コンパートメント238は、プローブセンシング要素240、グラップル242、線形変位メカニズム244、およびリジッド化メカニズム246を収容している。
【0097】
プローブセンシング要素240は、プローブ230のグラップル端部232の存在をセンシングし、グラップル端部232を把持するためにグラップル242をトリガするように構成されている。また、グラップル242は、捕獲メカニズムまたはソフト捕獲メカニズムと称されることも可能である。
【0098】
プローブセンシング要素240は、開口部236の近くに位置決めされており、(たとえば、グラップル端部232によって押し下げられるかまたはその他の方法で接触されることによってなど)グラップル端部232によってトリガされるときに、グラップル242がグラップル端部232を把持することができるようになっている。たとえば、ある実施形態において、グラップル232は、1対のジョーを含むことが可能であり、1対のジョーは、プローブセンシング要素240によって閉鎖するようにトリガされるまで、開放した状態にあるようになっている。プローブセンシング要素240は、グラップル端部232がプローブセンシング要素240をトリガするようにするために(たとえば、それとの物理的な接触によって)、グラップル端部232が、開放したジョー同士の間のスペース(「グラップル位置」または「ソフト捕獲位置」)に進入して占有するように位置決めされている。次いで、ジョーは、グラップル端部232をグラップルするために閉鎖されることが可能である。
【0099】
グラップル242は、プローブ230のグラップル端部232をグラップルするときに、グラップルフィクスチャ216の3自由度(線形運動)を拘束するように構成されることが可能である。
【0100】
一般的に、グラップル242は、グラップルプローブ230のソフト捕獲を実現するように構成されている。いくつかの実施形態において、グラップル242は、トリガリンケージの偏向によって閉鎖状態に受動的に移動するように構成されている。偏向は、プローブ先端部232との物理的な接触を介して実現されることが可能である。センサは、グラップル242がトリガされたことをセンシングするために使用されることが可能である。ある実施形態において、センサは、リミットスイッチである。
【0101】
線形変位メカニズム244は、エンドエフェクタ214の捕獲軸線に沿ってグラップル242を並進させるように構成されている。グラップル242が偏向可能プローブ220のグラップル端部232を把持すると、線形変位メカニズム244は、エンドエフェクタ214の受け入れ端部とは反対の方向にグラップル242(および、グラップルされたプローブ230)を後退させる。グラップル242の後退は、偏向可能プローブ220をさらに内部コンパートメント238の中へ引き込み、それは、グラップルフィクスチャベース218の嵌合表面222およびアライメント特徴226をプローブガイド表面224により近付け、プローブガイド表面224と接触させる。以前に述べられたように、いくつかの実施形態では、アライメント特徴226のサブセットのみが接触することが可能である。
【0102】
ある実施形態において、線形変位メカニズム244は、2つのボールスクリューと、それぞれのボールスクリューに取り付けられているボールナットと、ボールスクリューの回転を駆動するためのモータとを含む。ボールナットは、グラップル242に取り付けられており、ボールスクリューが回転するときに、グラップル242は、ボールナットを介して並進される。2つのボールスクリューを使用することによって、ボールスクリューは、それぞれの側部において、メカニズムの残りの部分のそばに設置されることが可能であり、バランスのとれた荷重がツールをより短くする。この設計は、(たとえば、2つのボールスクリューの代わりに単一のボールスクリューを使用する)より長いパッケージが好適でないロボットアーム動作において、とりわけ有利である可能性がある。それにもかかわらず、他の実施形態において、単一のボールスクリューが使用されることが可能である。
【0103】
線形変位メカニズム244は、グラップル242をハード捕獲位置まで後退させるように構成されている。グラップルされた偏向可能プローブ220が後退されるときに、捕獲物体202の角度のおよび横方向のオフセットが除去される。
【0104】
グラップルフィクスチャ216のハード捕獲(リジッド化)は、グラップルフィクスチャ216がプローブガイド表面224に対してプリロードされるポイントまでプローブ220が後退されるときに実現される。これは、アライメント特徴226、228の接触および嵌合を含むことが可能である。
【0105】
とりわけ、内部コンパートメント238は、グラップルフィクスチャ216とエンドエフェクタ214との間のインターフェースをリジッド化するためのリジッド化メカニズム246を含む。ある実施形態において、リジッド化メカニズム246は、圧縮可能要素(たとえば、ベルヴィルスプリングスタック)を含み、圧縮可能要素は、線形変位メカニズム244によるプローブ220の後退を介してプリロード位置(圧縮可能要素の圧縮に対応する)まで圧縮される。
【0106】
ある実施形態において、圧縮可能要素は、スプリングベースのコンプライアント部材であることが可能である。そのようなスプリングベースのコンプライアント部材の使用は、プリロードをインターフェースに提供することが可能であり、そのプリロードは、製造公差に敏感ではなく、メカニズム再現性を推進し、膨張係数の差に起因する熱歪みを低減させる。他の実施形態において、圧縮可能なまたはコンプライアント部材は、省略されることが可能であり、捕獲メカニズムは、依然としてプリロードを発生させることが可能である。しかし、コンプライアント部材の省略は、より可撓性の要素がプリロード経路の中に含まれない場合には、プリロードを失うリスク、または、構成要素の破損のリスクを増加させる可能性がある。
【0107】
圧縮可能要素は、既知の剛性偏向関係を提供する。圧縮可能要素(たとえば、ベルヴィルスタック)の使用は、荷重変動が制御された状態に維持することを可能にする。ハード捕獲またはリジッド化された位置になると、荷重が変化することを引き起こすことが可能であるいくつかの影響が存在している。これらの影響は温度を含み、ここで、構造体の熱膨張係数(CTE)がメカニズムとは異なっており、したがって、温度の変化は、構造体に対するメカニズムの位置の変化を引き起こす。これは、温度が劇的に変化する可能性のある(たとえば、-40℃から+100℃)環境、たとえば、宇宙空間などにおいて使用されるときにとりわけ関連する。また、一旦ハード捕獲されると荷重が変化することを引き起こす影響は、たとえば、フィクスチャごとのグラップルプローブの長さの変動、および、捕獲ツールの中の位置変動/精度も含む。圧縮可能要素は、ハード捕獲荷重が常時のモニタリングなしに受動的に制御されることを可能にするより低い剛性コンプライアンスである。
【0108】
捕獲メカニズムは、グラップルフィクスチャのソフト捕獲および後退が実現されるとき、および、プリロード発生器構成要素を使用してリジッド化が開始されるべきときを検出するための状態変化検出要素を含むことが可能である。ある実施形態において、状態変化検出要素は、グラップル端部232が「着座」位置に到達したときを検出するように構成されているポテンショメータを含む。状態変化検出要素は、プリロード発生器要素に接続され、プリロード発生器要素をトリガする。ある実施形態において、ソフト捕獲インジケーターがトリップされ、状態変化検出要素がソフト捕獲インジケーターとは異なるときに、メカニズムは、リジッド化(ハード捕獲)するように即座に移動し、インターフェースが一緒になる前にインターフェースがアライメント状態から外れてドリフトすることができないようになっている。次いで、プリロード発生器要素は、所望の(事前に決定された)プリロードが実現されるまで圧縮されることが可能である。パワーオフブレーキは、ドライブモータへのパワーがカットされるときにフリーフライヤ物体(ペイロード)の上に保持している間に、パワーを連続的に失うことを回避するために使用されることが可能である。一般的に、システムは、「ハード捕獲位置」として特定の位置に行くように(たとえば、宇宙用途において地上において)較正され、「ハード捕獲位置」は、プリロード発生器要素(たとえば、スプリングスタック)を圧縮することによってのみ(グラップルフィクスチャを保持しながら)得られ得る位置である。スプリングスタックを使用する実施形態において、スタックのストロークにおける中間ポイント(または、おおよその中間ポイント)が、変化する影響(たとえば、上記に説明されているようなものなど)がリジッド化荷重を範囲の外側に移動させないように使用されることが可能である。その範囲は、一旦リジッド化されると(すなわち、インターフェースの分離がない)反応されることとなる外部荷重、および、システムの中の構成要素の強度に基づく。
【0109】
一旦リジッド化されると、エンドエフェクタ214は、捕獲物体202がリジッド化されているという信号をロボットアームコントローラ210に送ることが可能である。次いで、ロボットアームコントローラ210は、リジッド化された捕獲物体202を所望の場所に移動させるためのアーム移動コマンドを発生させて送ることによって、ロボットアーム212を操作することが可能である。
【0110】
また、線形変位メカニズム244は、グラップル242を開放位置へと駆動するためにグラップル242(または、その構成要素)を捕獲軸線に沿って前方に駆動することによって、グラップルフィクスチャ216を解放するために使用されることが可能であり、グラップル端部232、ひいては、グラップルフィクスチャ216の解放を可能にする。
【0111】
ここで図3A図3Cを参照すると、実施形態による、捕獲シーケンスを実施する、サービシング衛星302およびフリーフライヤ物体304、たとえば、衛星などを含むフリーフライヤ捕獲システム300が、ここで示されている。システム300は、図2のシステム200および図1の方法100の例示的な適用例である。
【0112】
サービシング衛星302は、サービシング衛星302に取り付けられているロボットアーム306と、フリーフライヤ物体304の捕獲を実施するためにロボットアーム306に接続されているエンドエフェクタ308とを含む。エンドエフェクタ308は、たとえば、図2のエンドエフェクタ、図5A図5Cのエンドエフェクタ、または、図7A図7Fのエンドエフェクタであることが可能である。また、サービシング衛星302は、フリーフライヤ物体304を停泊させてサービシングするためのサービシングメカニズム310を含む。
【0113】
フリーフライヤ物体304は、エンドエフェクタ308とインターフェースするためにフリーフライヤ物体304の外部表面に装着されているグラップルフィクスチャ312と、サービシングメカニズム310とのインターフェースを通してフリーフライヤ物体304を停泊させるための停泊構成要素314と、エンドエフェクタ308を介してフリーフライヤ物体304からサービシング衛星302へ移送するための軌道交換ユニット(ORU)316とを含む。グラップルフィクスチャは、たとえば、図2のグラップルフィクスチャ、または、図6A図6Cのグラップルフィクスチャであることが可能である。
【0114】
一般的に、ORU316は、交換可能なユニット、すなわち、何かを交換するかまたは移動させる必要のあるユニットである。ORU316の例は、バッテリ、ポンプ、タンク、制御モーメントジャイロスコープ、電流スイッチングユニット、コンテナおよび物流キャリア、ロボット構成要素(交換用)、ラジエータ、プラズマ放電器、アンテナ、パワーコンディショナ、ならびに流体カップラを含む。
【0115】
図3Aは、駐機位置320から「フリーフライヤ捕獲の準備のできた」位置322へ移動318するロボットアーム306を図示している。両方の宇宙船302および304は、姿勢を維持する。フリーフライヤ物体304は、捕獲ボックスまたは捕獲する準備のできた体積の外側から捕獲ボックスの中に移動305されて示されている。ビジョンシステムがターゲットを見ると、システムは、フリーフライヤ捕獲シーケンスを開始させることとなる。一般的に、ビジョンシステムは、フリーフライヤ物体304が捕獲ボックスの中にあるかどうかを決定するように構成されることが可能であり、フリーフライヤ物体304に対するアーム306の相対的位置およびレートが捕獲ボックスの中のフリーフライヤ304を確立するように、ロボットアーム306を視覚的にガイドするためにロボットアーム306から使用される。
【0116】
サービシング衛星302のアームビジョンシステムは、フリーフライヤ物体304の正しいターゲット追跡を確認する。これは、フリーフライヤ物体304の上のマシンビジョンターゲットを追跡することを含むことが可能である。マシンビジョンターゲットは、グラップルフィクスチャ312の近くに位置付けされることが可能である。
【0117】
姿勢制御は、両方の宇宙船302、304の上で無効化される。いくつかのシナリオでは、クライアント宇宙船は、リアクションホイールが一定の速度で稼働する「速度モード」に入れられることが可能である。これは、ジャイロ剛性をシステムに追加し、クライアント姿勢制御システム(ACS)をグラップルに対抗させることなく、ソフト捕獲確率を改善することが可能である。一般的に、システムは、宇宙船制御バンド幅がロボット捕獲に対抗する可能性がある条件を回避するように構成されることが可能である。
【0118】
図3Bは、捕獲の準備のできた位置から捕獲位置(非決定的な場所)へ移動326するロボットアーム306を図示している。ロボットアーム306は、捕獲シーケンス(ソフト捕獲からリジッド化へ)を始める。
【0119】
それを行う際に、ロボットアーム306は、エンドエフェクタ308がフリーフライヤ物体304のグラップルフィクスチャ312に接近し、グラップルフィクスチャ312を介してフリーフライヤ物体304を捕獲する(グラップルするおよびリジッド化する)ことを実施することを引き起こす。捕獲シーケンスは、本明細書(たとえば、図7図8)で説明されているように実施されることが可能である。
【0120】
サービシング衛星302およびフリーフライヤ物体304の相対運動/速度は、「ゼロ」にされる。
【0121】
図3Cは、ロボットアーム306が、捕獲されたフリーフライヤ物体304を(図3Bにおける)捕獲位置から停泊前位置へ移動させ、次いで、ロボットアーム306を停泊位置へさらに移動328させることを図示している。この移動の目的は、フリーフライヤ物体304の停泊構成要素314をサービシングメカニズム310に向けさせるということである。サービシングメカニズム310(ドッキング接続)は、捕獲システムが行わない可能性のある他の接続性タスクを実施することが可能である。ロボットアーム306は、停泊位置において力が抜かれ(limped)、サービシングメカニズム310が、停泊構成要素314を通してフリーフライヤ物体304を捕獲するおよび停泊させる。「力を抜く」は、ロボットアーム306のジョイントにかかる荷重をおおよそゼロまで低減させ、アーム荷重が停泊アライメントに対抗しないようになっている。
【0122】
一旦停泊されると、ロボットアーム306は、グラップルフィクスチャ312を解放し、駐機位置(図3Cには示されていない、図3Aに示されている駐機位置320)に戻る。これは、サービシングメカニズム310がフリーフライヤ物体304を保持している間に、ロボットアーム306が他のタスクを実施することを可能にする。
【0123】
ここで図4A図4Bを参照すると、ある実施形態による、サービシング衛星302によるフリーフライヤ物体304の捕獲および停泊の後に、ORU移送シーケンスを実施する図3A図3Cのフリーフライヤ捕獲システム300が、ここで示されている。図4A図4Bは、図3A図3Cの捕獲シーケンスに関するものと同じロボットアーム(アーム306)によってORU移送シーケンスが実施されることを示しているが、ロボットアームは、実施形態に応じて(たとえば、宇宙ベースの用途におけるミッションアーキテクチャに応じて)、同じマニピュレータであってもよく、または、別個のマニピュレータであってもよいということが理解されるべきである。同様に、ORU移送シーケンスにおいて使用されるエンドエフェクタ308は、捕獲シーケンスのものと同じエンドエフェクタであってもよく、または、異なるエンドエフェクタ(それは、タスクのために特別に構成されていてもよく、もしくは、そうでなくてもよい)であってもよい。たとえば、ある実施形態において、捕獲シーケンスにおいて使用されるエンドエフェクタ308は、アーム306が使用して片付けるフリーフライヤ捕獲デバイスツールであることが可能であり、ORU移送シーケンスにおいて使用されるエンドエフェクタ308は、ORUピックアンドプレースのために構成されたエンドオブアームツールチェンジャであることが可能である。別の実施形態では、フリーフライヤ捕獲ツールは、ORUピックアンドプレースも実施するように構成されることが可能である。
【0124】
図4Aは、駐機位置332から高いホバリング位置(図示せず)へ、次いでソフト捕獲位置334へ移動330するロボットアーム306を図示している。ソフト捕獲位置334への移動は、ORU316の非リジッドの捕獲を結果として生じさせる。次いで、アームエンドエフェクタ308は、ORU316に対するその掴みをリジッド化する。フリーフライヤ物体304は、ORU316からパワーを除去するように命令されることが可能である。アームエンドエフェクタ308は、ORUラッチを解放し、ORU316を解放し、ロボットアーム306は、フリーフライヤ物体304の上の高いホバリング位置に移動する(図示せず)。
【0125】
図4Bは、捕獲位置334からサービシング衛星302の上の高いホバリング位置(図示せず)への、次いで、ORU挿入位置338へのロボットアーム306の移動336を図示している。それを行う際に、ロボットアーム306は、ORU316をフリーフライヤ物体304からサービシング衛星302の上のORU挿入場所340へ移動させる。ORU挿入位置340にあるときに、エンドエフェクタ308は、ORU挿入場所340においてORU316をサービシング衛星302に接続するために、ORUラッチ(それは、フリーフライヤ物体304からORU316を解放するときに、図4Aにおいて解放された)に係合するように命令される。
【0126】
いくつかのケースでは、この段階において、サービシング衛星302は、ORU316にパワーを印加することが可能である。特定の実施形態は、パワーおよび/またはデータ転送のための別個のコネクターを含むことが可能である。いくつかのケースでは、パワーは、エンドエフェクタ308を介して(たとえば、電気的な接続を行うためにエンドエフェクタ308の上の別個の電気的な接続デバイスを介して)ORU316に提供されることが可能である。ORU316は、1つのインターフェースから別のインターフェースへ移送されている間に、存続するためのパワーを必要とする可能性がある。ORU316へのデータ接続は、ORU316の健康および動作ステータスがモニタリングされることを可能にする。いくつかのケースでは、ロボットアーム306は、ORU316をピックアップすることが可能であり、また、ORU316を使用し、何かをイメージ化し、または、何かとロボット制御で相互作用することが可能である。ORU316は、典型的に、パワーおよびデータ接続がこのように使用されることを必要とし、それは、サービシング衛星302とORU316との間の接続を通して可能にされ得る。
【0127】
ロボットアーム306は、次いで、ORU316を解放するようにエンドエフェクタ308に命令することが可能であり、ロボットアーム306は、(図4Aの駐機位置332に示されているような)駐機位置に移動する。
【0128】
ここで図5Aから図5Cを参照すると、それぞれ、実施形態による、フリーフライヤ物体を捕獲するためのエンドエフェクタ510の正面斜視図500a、正面図500b、および側面図500cが、ここで示されている。
【0129】
エンドエフェクタ510は、たとえば、クライアント宇宙船などのフリーフライヤ物体を捕獲するために使用されることが可能であり、フリーフライヤ物体は、それに装着されたグラップルフィクスチャを有している。一般的に、エンドエフェクタ510は、フリーフライヤ物体のグラップルフィクスチャを捕獲するおよびリジッド化することによって、フリーフライヤ物体を捕獲するように構成されている。
【0130】
エンドエフェクタ510は、受け入れ端部512およびロボットアームインターフェース端部514を含む。受け入れ端部512は、捕獲されているフリーフライヤ物体に装着されたグラップルフィクスチャとインターフェースしてそれを捕獲するように構成されている。ロボットアームインターフェース端部514は、ロボットアームを介したエンドエフェクタ510の操作のために、エンドエフェクタ510をロボットアームに接続するように構成されている。したがって、ロボットアームインターフェース端部514は、ロボットアームを介したエンドエフェクタ510の操作および動作を促進させるためのさまざまな機械的なまたは電気的な接続を含むことが可能である。
【0131】
いくつかのケースでは、エンドエフェクタ510は、エンドエフェクタ510が別のエンドエフェクタによって係合されることを可能にする構成要素を含むことが可能である。たとえば、エンドエフェクタ510は、第2のエンドエフェクタによってエンドエフェクタ510を捕獲するために、それに装着されたグラップルフィクスチャを含むことが可能である。また、エンドエフェクタ510は、パワー、データ、またはトルクを第2のエンドエフェクタからエンドエフェクタ510へ渡すための1つまたは複数のインターフェースを含むことが可能である。
【0132】
エンドエフェクタ510は、外側ハウジング516を含む。エンドエフェクタの外側ハウジング516は、形状に関して概して円筒状である。他の実施形態において、外側ハウジング516は、任意の他の適切な形状を有することが可能である。外側ハウジング516は、任意の数のピースまたは構成要素を含むことが可能である。外側ハウジング516は、内部コンパートメント(図示せず)を囲んでおり、内部コンパートメントの中には、フリーフライヤグラップルフィクスチャの捕獲およびリジッド化のためのさまざまな構成要素を含む、エンドエフェクタの動作のためのさまざまな構成要素が配設されている。
【0133】
また、エンドエフェクタ510は、収納/発射インターフェース構成要素518(図5Bのみに示されている、その場所は、図5A図5Cに示されている)を含む。収納/発射インターフェース構成要素518は、(たとえば、宇宙船の上の)既知の場所にエンドエフェクタ510を下に置くためのドッキングポートを含むことが可能である。既知の場所は、収納/発射インターフェース構成要素518を通して、パワーへのアクセスまたはヒーターとのアンビリカル接続を有することが可能である。
【0134】
エンドエフェクタ510は、フリーフライヤ物体のグラップルフィクスチャとインターフェースするために受け入れ端部512において外側ハウジング516に装着されている前端部構成要素520を含む。
【0135】
前端部構成要素520は、隆起アニュラス522を含み、隆起アニュラス522は、グラップルフィクスチャのベースの上の相補的なアニュラス(たとえば、図6A図6Cに示されているような618)に接触するために前端部構成要素520の周辺部の周りに延在している。隆起アニュラス522は、前端部構成要素520の外側アニュラス524に対してプロファイルに関して隆起されている材料のピースを含む。隆起アニュラス522は、印加されるピッチ/ヨー荷重とは独立して、クランプ荷重の均一な分布および等しい荷重支持容量を提供する。いくつかの実施形態において、隆起アニュラス522は、存在していなくてもよい。
【0136】
また、前端部構成要素520は、プローブガイド表面526を含む。プローブガイド表面526は、凹形になっており、捕獲メカニズムの中にプローブを位置決めするために、グラップルフィクスチャのプローブを受け入れるための開口部528を含む。開口部528は、プローブガイド表面526の概して中心に(たとえば、凹形表面の頂点に)位置決めされている。プローブガイド表面526は、プローブがプローブガイド表面526に接触するときに、グラップルフィクスチャのプローブを開口部528の中へ受動的にガイドするように構成されている。エンドエフェクタ510を制御するシステムは、プローブガイド表面526を介して開口部528の中へプローブを成功的にガイドすることを推進することが知られているパラメータ(たとえば、相対速度、相対角度)で、(たとえば、そのようなパラメータに起因してプローブが表面526から跳ね返ることなく)エンドエフェクタ510がフリーフライヤ物体のグラップルフィクスチャに接近することを引き起こすように構成されることが可能である。エンドエフェクタ510の制御システムによるそのようなパラメータの管理は、フリーフライヤ物体捕獲用途においてとりわけ重要である可能性があり、ここでは、誤整合されたグラップルフィクスチャによって、フリーフライヤ物体がエンドエフェクタ510から跳ね返ることが引き起こされる可能性がより広く認められる。
【0137】
プローブガイド表面526の特徴、たとえば、表面の材料および角度などは、グラップルフィクスチャのプローブとの所望の相互作用を実現するために選択されることが可能である。たとえば、その特徴は、所望のレベルの摩擦を実現するために、または、接触しているプローブを開口部528に向けておよび開口部528の中へより効率的にガイドするために選択されることが可能である。
【0138】
プローブガイド表面526は、凹形インサート530を含む。凹形インサート530は、エンドエフェクタ510の内部コンパートメントの中の捕獲メカニズムの一部として、捕獲軸線(たとえば、下記の図7Aの捕獲軸線726)に沿って移動可能である。たとえば、凹形インサート530は、捕獲メカニズムの最も前方の(受け入れ端部512の近位の)構成要素であることが可能である。図5Aおよび図5Bでは、凹形インサート530は、完全な前方位置にあり、捕獲シーケンスの間に、捕獲軸線に沿ってアームインターフェース端部514に向けて後退することとなる。
【0139】
凹形インサート530は、プローブガイド表面526の残りの部分と同じ材料から構成されることが可能であり、同じ表面特性を有することが可能である。凹形インサート530は、単に、ソフト捕獲からハード捕獲へ移動する(リジッド化する)ために後退するデバイスのセクションに装着されているプローブガイド表面526の続きであることが可能である。他の実施形態において、プローブガイド表面526は、単一のピースであることが可能である(すなわち、ここで、表面は、外側表面プラスインサートではなく、連続的である)。しかし、凹形インサート530の代わりにプローブガイド表面526のために単一のピースを使用することは、インターフェースを整合させるためにグラップルプローブが内向きに引き込まれるときに、グラップルプローブとの干渉を結果として生じさせる可能性がある。そうであるので、凹形インサート530を使用する実施形態は、有利には、そのような干渉を回避することが可能である。
【0140】
また、前端部構成要素520は、プローブガイド表面526に装着されている3つの突出部または「フィン」532a、532b、532c(集合的にフィン532と称され、総称的にフィン532と称される)を含む。
【0141】
フィン532は、エンドエフェクタ512の受け入れ端部をフリーフライヤ物体のグラップルフィクスチャと整合させることを助けるアライメント特徴として作用する。フィン532は、相補的なアライメント特徴(図6A図6Cに示されているポケット620)と嵌合するように構成されている。たとえば、フリーフライヤ物体のグラップルプローブを捕獲するときに、フリーフライヤ物体がタンブルレートを有することに起因して存在するいくらかのレベルのオフセットが存在する可能性がある。グラップルフィクスチャのプローブを捕獲するおよび後退させる捕獲メカニズムは、カップリングを提供することが可能であるが、所定の量(たとえば、数インチ)だけ並進方向に誤整合されている可能性がある。フィン532は、フリーフライヤ物体が所定の量だけ回転方向に誤整合されている場合でも、グラップルフィクスチャおよび前端部構成要素520が整合して一緒になることを可能にする。そのようなケースでは、フィン532は、グラップルフィクスチャベースのそれぞれのポケット(三角形カットアウト)の丸みを帯びた縁部を滑り落ち、ポケットの内側に座るように設計されている。それを行う際に、フィン532は(グラップルフィクスチャのポケットとともに)、グラップルフィクスチャおよび前端部構成要素520を一緒にするときに、その2つの回転および剪断アライメントを与える。したがって、フィン532は、回転ミスアライメントを補正するための、および、自己アライメントを実施するためのメカニズムを提供する。ある実施形態において、フィン(および、ポケット)は、最大で5度の回転オフセットを整合させるように構成されている。いくつかの実施形態において、たとえば、前端部構成要素520が隆起アニュラス522を含まない場合など、インターフェースは、フィン532の上で接地されることが可能である。そのような実施形態では、3つのフィン532が、決定論(determinism)のために使用される。インターフェースが隆起アニュラス522の上で接地される実施形態では、フィン532の数は、変化することが可能である。そのようなケースでは、最小で2つのフィン532が、中心軸線の周りでの回転アライメントのために、前端部構成要素520の上に使用されることが可能である。
【0142】
フィン532は、丸みを帯びた表面を有しており、それは、フィン532が相補的なポケットの丸みを帯びた縁部をトラベルして下ることを可能にする。フィン532は、乾式潤滑されることが可能である。潤滑は、動作環境への適合性に基づいて選択されることが可能である。また、フィン532は、プローブがフィン532に接触するときに、開口部528に向けたグラップルプローブのボールのガイドまたは偏向を推進するために、1つまたは複数の丸形の表面または角度付きの角部を有することが可能である。
【0143】
インターフェースを接地するための隆起アニュラス522を含む前端部構成要素520の実施形態は、(たとえば、フィン532の上でインターフェースを接地する実施形態を上回って)特定の利点を提供することが可能である。3つのポイントにおいて接触することは(たとえば、3つのフィン532の上で接地するケースなど)、特定の方向において、曲げ荷重が反応されるスタンスが非常に小さく(中心線から2つのフィンの間の線へ)、一方では、アニュラス522は、方向にかかわらず、荷重に反応するスタンスを常に最大化するということを意味している。
【0144】
ここで図6Aから図6Cを参照すると、それぞれ、実施形態による、フリーフライヤ物体(または、捕獲されることとなる他の物体)に装着するための、ならびに、図5Aから図5Cのエンドエフェクタ510による捕獲およびエンドエフェクタ510との嵌合のためのグラップルフィクスチャ610の正面斜視図600a、正面図600b、および側断面図600cが、ここで示されている。
【0145】
グラップルフィクスチャ610は、ベース612を含む。
【0146】
ベース612は、グラップルフィクスチャ610をフリーフライヤ物体(または、場合によって、他の物体)の外部表面に装着させるための装着表面614を含む。
【0147】
また、ベース612は、エンドエフェクタ510のプローブガイド表面526と嵌合または連結するための、装着表面614に対向する嵌合表面616を含む。嵌合表面616は、形状に関して凸形である。嵌合表面616の曲線は、エンドエフェクタ510のプローブガイド表面526の曲線にマッチするかまたは実質的にマッチするように構成されることが可能であり、2つの表面が形状に関して相補的となるようになっている。
【0148】
ベース612の嵌合表面616は、平坦な環状部分618を含み、平坦な環状部分618は、捕獲のときにエンドエフェクタ510の隆起アニュラス522と接触するおよび嵌合するために、嵌合表面616の周辺部の周りに延在している。
【0149】
また、嵌合表面616は、グラップルフィクスチャ610とエンドエフェクタ510の前端部構成要素520との間のアライメントを推進するための凹部(または、ポケットもしくは切り取り部分)620a、620b、620c(集合的に凹部620と称され、総称的に凹部620と称される)を含む。とりわけ、凹部620は、嵌合表面616の上に位置決めされており、エンドエフェクタ510の上のそれぞれのフィン532を受け入れるように構成されている。凹部620は、三角形になっている。他の実施形態において、凹部620は、任意の他の適切な形状であることが可能である。三角形形状の凹部または開口部は、有利には、ソフト捕獲の前にフィン532がグラップルフィクスチャ610に接触することとなる可能性を低減させることが可能である。凹部620の縁部は、フィンアライメント「V字」形状特徴の底部に向けたガイドを提供する。これは、三角形のカットアウトによって提供される。凹部620は、平坦なまたは非平坦な底部表面と、湾曲したまたは丸みを帯びた側部表面とを有している。湾曲した側部表面は、底部表面へのおよび所望の位置へのフィン532のスライドを推進する。いくつかの実施形態において、フィン532は、底部表面まで行かず、底部表面に接触しておらず(たとえば、アニュラスがインターフェースにおける荷重に反応するために使用され、フィン532はそうではないアニュラスリアクション実施形態の場合)、むしろ、クリアランスが、許容可能なアライメントの分散の中でフィン532と底部表面との間に残される。クリアランスは、わずかであることが可能である。
【0150】
それぞれの凹部620は、凹部620の底部表面から装着表面614へ通過する締結具622(締結具622a、622b、622c)をその中に含む。締結具622は、グラップルフィクスチャ610のベース612をフリーフライヤ物体に装着するために使用される。締結具622は、締結具622がフィン532と相互作用しないように、邪魔にならないように埋め込まれることが可能である。ある実施形態において、グラップルフィクスチャ610は、締結具622の下に、また、グラップルフィクスチャベース618およびグラップルフィクスチャ610が装着される物体(たとえば、宇宙船)との間にも、(熱的なおよび電気的な)絶縁を含むことが可能である。
【0151】
また、グラップルフィクスチャ610は、ベース612に装着されている偏向可能プローブ624を含む。偏向可能プローブ624は、シャフト626と、シャフト626の第1の端部に接続されている球形(またはボール)形状の端部628と、シャフト626の第2の端部に接続されている装着端部630とを含む。変形例では、プローブ端部628は、異なる形状を有することが可能である。
【0152】
偏向可能プローブ624は、偏向可能プローブがレスト位置から印加された力の方向に偏向することおよび力が除去されるときにレスト位置に戻ることを可能にするための偏向要素に接続されている(プローブ624は、図6Aから図6Cにおいてレスト位置に示されている)。レスト位置は、ベース612に対して実質的に垂直であることが可能である。偏向要素は、偏向を可能にするための1つまたは複数のスプリングを含む。図6Cの実施形態では、偏向要素は、偏向スプリング634を含み、偏向スプリング634は、偏向されたときにプローブを中心位置またはレスト位置に戻す。他の実施形態において、プローブ624を偏向可能にするために使用される偏向要素は、圧縮状態にある任意の適切な機械的なスプリング、(たとえば、海洋用途における)空気圧式構成要素、アクティブにテンションをかけられた構成要素、ヌルスプリング、または(シャフト626の上の)フレキシブルシャフトであることが可能である。
【0153】
また、偏向可能プローブ624は、同軸スプリング632を含む。同軸スプリング632は、静電気ショック伝導(electrostatic shock conduction)のために使用される。同軸スプリング632は、プローブ624をグラップルフィクスチャ610のベース612に電気的に接続する。同軸スプリング632は、プローブ624をグラップルフィクスチャ610のベース612に恒久的に電気的に接続する。プローブ先端部628が捕獲の間にエンドエフェクタの上の円錐状インターフェース(図5Aの表面526)に接触するときに、同軸スプリング632は、次いで、消散性の抵抗器を通して、サービサーのグランドをフリーフライヤのグランドに電気的に接続する。これは、電荷が流れることを可能にするが、大幅に低減された電流を伴い、損傷を制限するようになっている。このアプローチは、プローブ624の「ナックル-ジョイント」の中の乾式潤滑が絶縁性である可能性があるときに使用される。同軸スプリング632は、物体の静電帯電につながる環境条件を有する対地同期軌道および他の高軌道において捕獲システムが使用されることを可能にすることができる。たとえば、異なる電荷レベルを有する2つの物体が接触するときに、大きな静電気放電事象が起こる可能性があり、それは、いずれかの物体の上の(たとえば、捕獲システム側部またはフリーフライヤ側部にある)アビオニクスおよびパワーシステムを危険にさらす可能性がある。
【0154】
同軸スプリング632は、装着端部630において偏向可能プローブ624に接続する。グラップルフィクスチャ610は、スプリング装着構成要素636をさらに含む。スプリング装着構成要素636は、1つまたは複数のピースを含むことが可能である。同軸スプリング632および偏向スプリング634は、スプリング装着構成要素636に取り付けられており、スプリング装着構成要素636は、装着表面614を介してベース612に装着されている。スプリング装着構成要素636は、スプリングリテイナとして機能することが可能である。
【0155】
ここで図7Aから図7Fを参照すると、実施形態による、フリーフライヤ物体のソフト捕獲およびハード捕獲を実施している間のさまざまな動作段階におけるフリーフライヤ捕獲エンドエフェクタ700が、ここで示されている。エンドエフェクタ700は、断面側面図で示されている。図7Aから図7Fにおいて、その上に装着されたグラップルフィクスチャを含む、フリーフライヤ物体は示されていないが、(適当な場合には)動作シーケンスの間に存在するように理解される。
【0156】
図7Aは、完全な前方位置702aにあるエンドエフェクタ700を示している。完全な前方位置702aにおいて、エンドエフェクタ700は、非機能的な静止状態(たとえば、軌道上)にある。
【0157】
エンドエフェクタ700のさまざまな構成要素が、図7Aにおいてラベル付けされている。後続の図7Bから図7Fでは、雑然さを低減させるために、それぞれの図に描かれている特定の段階における機能を実施する特定の構成要素のみがラベル付けされている可能性がある。そのようなラベル付けされていない構成要素は、依然として機能を実施することが可能であり、それらのそれぞれの参照番号によって参照されることが可能であるということが理解されるべきである。
【0158】
エンドエフェクタ700は、内部コンパートメント706を囲む外側ハウジング704を含み、内部コンパートメント706の中には、グラップルフィクスチャの捕獲(ソフト捕獲およびハード捕獲)を実施するためのさまざまな構成要素が配設されている。
【0159】
また、エンドエフェクタ700は、外側ハウジング704のそれぞれの外部表面に装着されているアームインターフェース構成要素708および発射/収納インターフェース710を含む。アームインターフェース構成要素708は、エンドエフェクタ700のアームインターフェース端部712において装着されている。アームインターフェース構成要素708は、ロボットアームに対するインターフェースであり、ツールチェンジャインターフェースを提供することが可能である。発射/収納インターフェース710は、使用されていないときにエンドエフェクタの収納を可能にするデバイスである。
【0160】
エンドエフェクタ700は、フリーフライヤ物体のグラップルフィクスチャを受け入れるおよびフリーフライヤ物体のグラップルフィクスチャとインターフェースするための、アームインターフェース端部712とは反対側の受け入れ端部714を含む。
【0161】
エンドエフェクタ700の受け入れ端部714に位置付けされているのは、プローブガイド表面716である。プローブガイド表面716は、受け入れ端部714において外側ハウジング704に装着されることが可能である。プローブガイド表面716は、グラップルフィクスチャのプローブを受け入れるための開口部718をその中に含む。プローブガイド表面716は、プローブガイド表面との接触時にグラップルフィクスチャのプローブを開口部718に向けておよび開口部718の中へガイドするように設計および構成されている。プローブのそのような接触およびガイドは、捕獲のためにフリーフライヤ物体のグラップルフィクスチャに向けたエンドエフェクタ700、および、とりわけ、その受け入れ端部714の移動のときに起こる可能性がある。プローブガイド表面716は、概して凹形形状になっている。プローブガイド表面716の形状またはプロファイルは、それがグラップルフィクスチャのベースに相補的であり、グラップルフィクスチャのベースと嵌合するように構成されることが可能である。
【0162】
エンドエフェクタ700は、プローブガイド表面716に装着されている3つのフィン720をさらに含む。2つのフィン720のみが、図7Aに見られる。変形例では、プローブガイド表面716の上のフィン720の数および位置は、変化することが可能である。フィン720は、グラップルフィクスチャのベースの上の相補的な構成要素と嵌合するように構成されている。
【0163】
エンドエフェクタ700は、グラップルフィクスチャを捕獲するおよびリジッド化するために内部コンパートメント706の中に配設されている捕獲メカニズム722(破線によって示されている)を含む。図7Aから図7Fに示されている実施形態では、捕獲メカニズム722は、ネズミ捕りメカニズムである。捕獲メカニズム722は、第1および第2のボールスクリュー724(1つのボールスクリューのみが、図7Aに見られる)の上に装着されている。捕獲メカニズム722は、ボールスクリュー724を介して捕獲軸線726に沿って移動可能である(線形に変位可能である)。たとえば、捕獲メカニズム722は、捕獲を実施するときに後退可能であり(すなわち、受け入れ端部714から離れるように捕獲軸線に沿って移動可能である)、グラップルフィクスチャを解放するときにまたは捕獲の準備をするときに、受け入れ端部714に向けて捕獲軸線に沿って反対方向に移動可能である。捕獲メカニズム722は、ボールナット725を介してボールスクリュー724に接続されており、ボールスクリュー724に対するボールナット725の移動は、捕獲軸線726に沿った捕獲メカニズム722の変位を引き起こす。
【0164】
捕獲メカニズム722は、凹形プローブガイド表面および中央開口部(開口部718)を含む前端部構成要素728を含む。一般的に、前端部構成要素728のプローブガイド表面は、グラップルフィクスチャのプローブに接触するように、ならびに、プローブを開口部に向けておよび開口部の中へ受動的にガイドするように構成されている。前端部構成要素728は、捕獲メカニズム722が捕獲軸線726に沿って完全に前方にあるときに、プローブガイド表面716の一部を形成する。一般的に、前端部構成要素728は、後退する捕獲メカニズム722の構造体の一部である円錐状インサートを含む。捕獲メカニズム722のネズミ捕りメカニズムは、前端部構成要素728の円錐状表面の近くに位置決めされている。前端部構成要素728は、ネズミ捕りメカニズムとともに移動する。他の実施形態において、前端部構成要素728は、1つのピースとしてプローブガイド表面716の一部であることが可能であり、捕獲メカニズム722とともに後退しないことが可能である。前端部構成要素728を捕獲メカニズム722とともに後退させることは、有利には、前端部構成要素728が捕獲メカニズム722とともに後退しない実施形態において起こり得る、後退およびアライメントの間のグラップルシャフトとの干渉を回避することが可能である。
【0165】
ある実施形態において、捕獲メカニズムは、ソフト捕獲の間に捕獲メカニズム(ネズミ捕り)を適切な場所に維持するための1つまたは複数のディテントプランジャを含む。また、ディテントプランジャは、解放状態が示される前にジョーが開放するように、解放の間に捕獲メカニズムを適切な場所に維持するように構成されている。
【0166】
捕獲メカニズム722は、捕獲軸線726に沿って配設されているプランジャ730を含む。プランジャ730は、プローブ接触端部732を含む。プランジャ730は、捕獲軸線に沿って両方の方向に移動可能である(線形に変位可能である)。一般的に、グラップルフィクスチャのプローブがプローブ接触端部732に接触する(エンドエフェクタおよびグラップルフィクスチャが互いに向けて移動する)とき、プランジャ730は、捕獲軸線726に沿ってアームインターフェース端部712に向けて変位される。プローブ接触端部732の形状は、グリッパ738がグラップルフィクスチャのプローブ端部(たとえば、プローブ端部628)を取り囲むことを保証するように形状決めされることが可能である。
【0167】
捕獲メカニズム722は、リンケージアーム734a、734b、グリッパスライダ736a、736b、およびグリッパ738a、738bをさらに含む。リンケージアーム734a、734bは、第1の端部においてプランジャ730に取り付けられており、第2の端部においてグリッパスライダ736a、736bにそれぞれ取り付けられている。グリッパスライダ736a、736bは、グリッパ738a、738bにそれぞれ接触するように構成されている。とりわけ、グリッパスライダ736a、736bは、グリッパ738a、738bの表面に沿って移動し、開放位置と閉鎖位置との間でグリッパ738a、738bを移動させることが可能である。グリッパ738a、738bは、閉鎖位置にあるときにグラップルフィクスチャのプローブをグリップまたはグラップルするように構成されており、(たとえば、そこでプローブがグリップされることが可能である、ソフト捕獲位置へのプローブの進入、および、プローブの解放を促進させるために)開放位置にあるときにプローブに接触しないように構成されている。グリッパ738は、プローブがソフト捕獲メカニズム(ネズミ捕り)に進入することを可能にするために、ソフト捕獲の前にスプリングによって開放した状態に保持される。一般的に、開口部718、プランジャ730のプローブ接触端部732、ならびに、第1および第2のグリッパ738a、738bの間のスペースは、プローブのソフト捕獲位置740を画定している。この意味で、プローブガイド表面716は、(エンドエフェクタおよびフリーフライヤ物体の相対運動とともに)グラップルフィクスチャのプローブを開口部718を通してソフト捕獲位置740へ受動的にガイドするように構成されている。
【0168】
また、捕獲メカニズム722は、グラップルハウジング742を含む。グラップルハウジング742は、プローブをグラップルすることに関与する捕獲メカニズム722のさまざまな構成要素を囲む。前端部構成要素728は、捕獲メカニズム722のグラップルハウジング742に装着されている。
【0169】
また、捕獲メカニズム722は、グラップルフィクスチャのハード捕獲を実現するために事前に決定されたプリロードを発生させるための圧縮可能要素744を含む。図7Aから図7Fのエンドエフェクタ700において、圧縮可能要素744は、ベルヴィルスプリングスタックである。圧縮可能要素744は、必要なプリロードを発生させるために、捕獲軸線726に沿って圧縮可能である。
【0170】
また、エンドエフェクタ700は、第1および第2のポテンショメータ746、748を含む。第1および第2のポテンショメータ746、748は、捕獲メカニズム722の全体的な位置を測定するように構成されているリニアポテンショメータである。ポテンショメータ746、748は、捕獲プロセスにおける特定の状態が実現されたときをセンシングし、後続のアクションをトリガするために使用される。
【0171】
第1のポテンショメータ746は、プランジャ730の位置を測定するためにプランジャ730に接続されている。とりわけ、ポテンショメータ746は、シャフトを含むことが可能であり、シャフトは、本体部の中に配設されており、プランジャ730に接続されており、プランジャが捕獲軸線726に沿って移動するときに、シャフトも捕獲軸線722に沿っておよび本体部に対して同様に移動するようになっている。
【0172】
第2のポテンショメータ748は、(グラップルハウジング742の位置を介して)捕獲メカニズム722の位置を測定するために、グラップルハウジング742に接続されている。とりわけ、ポテンショメータ748は、シャフトを含むことが可能であり、シャフトは、本体部の中に配設されており、グラップルハウジング742に接続されており、捕獲メカニズム722(グラップルハウジング742を含む)が捕獲軸線726に沿って移動されるときに、シャフトも捕獲軸線726に沿っておよび本体部に対して同様に移動するようになっている。
【0173】
エンドエフェクタ700は、内部コンパートメント706の中に配設されている2つのリミットスイッチ750(1つのみが図7Aに見られる)を含む。2つのリミットスイッチ750は、信頼性および冗長性を提供する。他の実施形態において、単一のリミットスイッチ750が使用されることが可能である。リミットスイッチ750は、即座の、決定的な、および二値的な方式で、ソフト捕獲が起こったことを示すように構成されている。リミットスイッチ750によるそのようなインディケーションのときに、ハード捕獲/リジッド化するための後退が、即座に起こることが可能である。
【0174】
また、エンドエフェクタ700は、内部コンパートメント706の中に配設されているブレーキ752を含む。ブレーキ752は、リジッド化されたプリロード状態にメカニズムを保持し、アームの端部におけるモータドライブがパワーオフされ得るようになっており、捕獲インターフェースは、それが荷重に反応することができるようにプリロードされたままである。
【0175】
ここで図7Bを参照すると、作動のために準備された(armed)(ソフト捕獲の準備のできた)状態702bにあるエンドエフェクタ700が、ここで示されている。作動のために準備された状態702bにおいて、グリッパ738a、738bは開放しており、リンケージアーム734a、734bは、オーバーセンター位置にある。「オーバーセンター位置」は、オーバーセンタースプリングメカニズムにおける使用を指す。オーバーセンタースプリングメカニズムは、枢動ポイントに対して選択された静止位置に枢動構造体を機械的に保持するために使用されることが可能である。オーバーセンタースプリングメカニズムは、引張スプリングを含むことが可能であり、引張スプリングは、その一方の端部において固定構造体に取り付けられており、他方の端部において枢動構造体に取り付けられている。
【0176】
図7Bにおける捕獲メカニズム722の作動のために準備することは、捕獲アプローチのときにグラップルプローブ624のボール628がプランジャ730の前部に接触するときに、プランジャ730ルームが移動することを可能にする。リンケージ734a、734bは、上死点を超えてスプリングリンケージ734a、734bを戻すのに十分にプランジャ730が移動するときに、閉鎖されているジョーにスナップする。捕獲メカニズム722のさまざまな構成要素は、動作環境に適切な潤滑剤を使用して乾式潤滑されることが可能である。
【0177】
ここで図7Cを参照すると、トリップされた(またはソフト捕獲)状態702cにあるエンドエフェクタ700が、ここで示されている。
【0178】
トリップされた位置702cにおいて、グラップルフィクスチャ(図示せず)のプローブは、プローブガイド表面716の中の開口部718を通してソフト捕獲位置740へと受け入れられている。とりわけ、プローブがソフト捕獲位置740に進入するときに、グラップルフィクスチャプローブの端部は、プランジャ730のプローブ接触端部732に接触し、捕獲軸線726に沿ってアームインターフェース端部712に向けてプランジャ730を変位させ、それは、グラップルフィクスチャ(図示せず)およびソフト捕獲が開始されることに対応している。
【0179】
ソフト捕獲位置740に進入したグラップルフィクスチャのプローブが、プランジャ730のプローブ接触端部732に接触し、プローブ接触端部732に力を方向754に印加するとき、プランジャは、捕獲軸線726に沿って方向754に変位される。
【0180】
方向754へのプランジャ730の変位は、図7Bに示されている位置から図7Cに示されている位置へのリンケージアーム734a、734bの変位を引き起こす。リンケージアーム734a、734bの変位は、以前にグリッパ738a、738bを開放位置に保持していた、グリッパスライダ736a、736bがグリッパ738a、738bに沿ってスライドすることを引き起こし、グリッパが閉鎖位置に移動することを引き起こし、それによって、プローブを把持する。
【0181】
プランジャ730が方向754に変位されるときに、第1のポテンショメータ746のシャフトも方向754に変位される。746のテレメトリーは、ソフト捕獲状態または異常状態を決定することを支援することが可能である。
【0182】
この段階において、捕獲メカニズムに進入したグラップルフィクスチャプローブの端部(たとえば、その球形の端部)は、(グリッパ738a、738bを介して)捕獲メカニズムによってグラップルまたは把持される。
【0183】
たとえば、プローブ端部がプランジャ730に接触することは、リンケージアーム734に取り付けられているスプリングがネズミ捕りを閉じることを引き起こすことが可能であり、十分に遠くに押されると、プローブのボール先端部の周りでグリッパ738を閉鎖する。
【0184】
ここで図7Dを参照すると、後退を始めた状態702dにあるエンドエフェクタ700が、ここで示されている。ジョーが開放した状態からジョーが閉鎖された状態へ捕獲デバイス722が変化したということをリミットスイッチ750が示すことに応答して、後退が開始される。これは、プローブボール628が、捕獲メカニズム722に進入したときに、および、捕獲メカニズム722がスナップオーバーすること(すなわち、ネズミ捕りのように)を引き起こしたときに起こる。
【0185】
位置702dにおいて、ボールスクリューアクチュエータ(図示せず)は、ボールスクリュー724を回転させ、ボールナット725が方向754に並進することを引き起こす。ボールナット725は、プランジャ730の中のスロット756を通してプランジャ730に取り付けられている。図7Dのケースにおいて、ボールナット725は、受け入れ端部714の近位にあるスロット756の第1の端部から、アームインターフェース端部712の近位にあるスロット756の第2の端部へ、方向754に移動している。図7Dに示されている位置にあるときに、ボールナット725は、ボールスクリュー724の回転を介して方向754にさらに並進される場合には、プランジャ730を方向754に並進させることとなり、したがって、捕獲メカニズム722を後退させることとなる。
【0186】
ここで図7Eを参照すると、グラップルフィクスチャが着座された状態702eにあるエンドエフェクタ700が、ここで示されている。グラップルフィクスチャが着座された位置700eでは、捕獲メカニズム722(それは、グラップルフィクスチャのプローブをグラップルまたは把持している)は、着座位置758まで捕獲軸線726に沿って方向754に完全に後退させられている。捕獲メカニズム722の後退は、(図7Dのような)ボールスクリュー724のさらなる回転を介して実現され、それは、ボールナット725が捕獲メカニズム722を(スロット756を通したプランジャ730への接続を介して)着座位置758まで方向754に並進させることを引き起こす。
【0187】
捕獲メカニズム722が方向754に並進されるときに、グラップルハウジング742への接続を介して捕獲メカニズム722に接続されている、第2のポテンショメータ748のシャフトは、(ポテンショメータ748の本体部の中で)同様に並進され、それは、ポテンショメータ748における状態変化を引き起こす。ポテンショメータ748における(トリップされた状態への)状態変化が検出され、グラップルフィクスチャのソフト捕獲が行われたということ、および、グラップルフィクスチャをリジッド化する時間であるということを示す。ポテンショメータ748自体は、ソフト捕獲の後の状態変化を検出しない。ポテンショメータ748は、ソフト捕獲の間に移動しない。
【0188】
ここで図7Fを参照すると、ハード捕獲またはリジッド化された状態702fにあるエンドエフェクタ700が、ここで示されている。ハード捕獲状態702fでは、グラップルフィクスチャが、エンドエフェクタ700にリジッド化されている。とりわけ、グラップルフィクスチャのベースが、エンドエフェクタ700の受け入れ端部にリジッド化されている。
【0189】
グラップルフィクスチャとエンドエフェクタ700との間のインターフェースをリジッド化するために、ベルヴィルスタック744が、所望の荷重を実現するように圧縮される。ベルヴィルスタック744の圧縮は、方向754へのボールナット725の移動を介して実現される。その荷重は、所望の荷重を得るためにグラップルフィクスチャがどれくらい遠くに後退させられるべきかということに対応している。より具体的には、荷重の増加は、グラップルフィクスチャが着座された後に始まり、荷重は、ボールスクリューがどれくらい遠くに駆動されるかに対応している。荷重は、事前に決定されることが可能である。たとえば、宇宙ベースの用途のケースでは、荷重は、地上で決定されることが可能である。
【0190】
とりわけ、ボールナット725間においてプランジャスロット756の中に配設されているプランジャ730のバー760が、スプリングスタック744を押す。捕獲(ネズミ捕り)メカニズム722がグラップルプローブ624の長さに起因して軸線方向に移動できなくなると、次いで、ボールナット725の継続的な運動が、スプリングスタック744を圧縮する。スプリングスタック744のこの圧縮は、エンドエフェクタ700のプローブガイド表面716とグラップルフィクスチャ610との間の環状インターフェースの上にプリロードをかける。したがって、バー760は、スロット756の中を移動しており、ボールナット725とともに移動し、スプリングスタック744を圧縮し、ここではその捕獲メカニズム722が完全に後退されている。
【0191】
変形例では、ベルヴィルスタック744の代わりに、他のスプリング要素が使用されることが可能である。しかし、ディスクスプリング、または、ベルヴィルスプリングは、とりわけ有利である可能性がある。その理由は、それらが、比較的に小さな偏向を伴って小さな体積の中に大きな荷重を発生させるコンパクトな方式であるからである。
【0192】
グラップルフィクスチャがリジッド化されると、ブレーキ752のパワーが取り去られ、閉じた状態で落下し、フリーフライヤ物体を荷重位置に保持することが可能である。リジッド化されたペイロードの上に保持する間にパワーを連続的に失わないように、(捕獲メカニズム722の運動を駆動するために使用される)ドライブモータへのパワーがカットされることが可能である。これは、エンドエフェクタ700が長期間(たとえば、数時間)にわたってフリーフライヤ物体(たとえば、クライアント宇宙船)を保持している可能性のある状況において有利である可能性がある。
【0193】
ここで図8Aから図8Hを参照すると、実施形態による、捕獲のさまざまな段階におけるフリーフライヤ物体のロボット捕獲のためのシステム800が、ここで示されている。システム800は、図7Aから図7Fのエンドエフェクタ700と、図6Aから図6Cのグラップルフィクスチャ610とを含む。エンドエフェクタ700は、ロボットアームの端部に取り付けられており、グラップルフィクスチャ610は、フリーフライヤ物体の外部表面に装着されている。簡単にするために、ロボットアームおよびフリーフライヤ物体は省略されている。
【0194】
ここで図8Aを参照すると、捕獲アプローチの一部としてグラップルフィクスチャ610に接近しているエンドエフェクタ700が、ここで示されている。グラップルフィクスチャ610は誤整合されている。偏向可能プローブのグラップルボール628は、前端部構成要素の中心(開口部)から横方向および角度の両方にオフセットされている。ある実施形態において、エンドエフェクタ700は、プローブガイド表面716の中心718から最大で30mmだけ横方向にオフセットされ、ボール628の周りに最大で5度だけ角度オフセットされ、また、ロールに関して5度オフセットされている、グラップルボール628を捕獲するように構成されることが可能である。
【0195】
エンドエフェクタ700の捕獲メカニズム722は、(図7Bにおける702bのように)作動のために準備された状態にある。
【0196】
ここで図8Bを参照すると、偏向可能プローブ624とプローブガイド表面716との間の初期接触が、ここで示されている。偏向可能プローブ624のグラップルボール628が、プローブガイド表面716に接触し、グラップルフィクスチャ610のシャフトセンタリングスプリング634が、偏向可能プローブ624の初期衝撃を緩衝する。プローブガイド表面716は、グラップルボール628を開口部718および捕獲メカニズム722に向けて受動的にガイドし始める。
【0197】
ここで図8Cを参照すると、グラップルボール628が開口部718にソフト捕獲位置740へと進入する前の偏向可能なジョイントの周りでの偏向可能プローブ624の偏向802が、ここで示されている。偏向可能プローブ624は、エンドエフェクタ700がフリーフライヤ物体に向けて移動し続けるにつれて偏向している。偏向802は、(フリーフライヤは拘束されておらず、自由に移動できる(そして、移動することとなる)が)フリーフライヤ物体自体の移動を必要とすることなく、偏向可能プローブ624のグラップルボール628(球形の先端部)がソフト捕獲位置740に到達することを可能にする。
【0198】
ここで図8Dを参照すると、エンドエフェクタ700の捕獲メカニズム722に進入する偏向可能プローブ624が、ここで示されている。偏向可能プローブ624は、偏向802を介して、グラップルフィクスチャ610のベース612の配向の変化を必要とすることなく(ひいては、ベース612が装着されているフリーフライヤ物体の配向の変化を必要とすることなく)、ソフト捕獲位置740に到達している。これは、図8Aから図8Dの全体を通して、ベース612の一定の配向によって見られることが可能である。
【0199】
見ることができるように、捕獲メカニズム722のグリッパ738a、738bは、開放位置にあり、グラップルボール628がグリッパ738間のソフト捕獲位置740に進入することを可能にする。
【0200】
ここで図8Eを参照すると、グラップルボール628をグラップルすることによるグラップルフィクスチャ610のソフト捕獲の開始が、ここで示されている。偏向可能プローブ624のグラップルボール628は、プローブ接触端部732に接触することによって、および、捕獲軸線726に沿ってプランジャ730を変位させることによって、捕獲メカニズム722をトリガし、ソフト捕獲を実現する。方向754へのプランジャ730の変位は、グリッパ738が開放位置から(図7Cに説明されているような)閉鎖位置へ移動することを引き起こし、それによって、偏向可能プローブ624のグラップルボール628をグラップルする。
【0201】
グラップルフィクスチャ610のソフト捕獲は、グラップルフィクスチャ610の3自由度(線形運動)を拘束する。グラップルフィクスチャ610の3自由度(角運動)は、自由なままである。ソフト捕獲は、グラップルボール628をグラップルし、グラップルボール628が並進に関して保持されるが、回転に関して抑制されないようになっている。
【0202】
ここで図8Fを参照すると、ハード捕獲位置に向けて後退し始めるエンドエフェクタ700の捕獲メカニズム722が、ここで示されている。
【0203】
見ることができるように、偏向可能プローブ624をグラップルしている捕獲メカニズム722の後退は、嵌合のためにグラップルフィクスチャ610のベース612、および、とりわけ嵌合表面616をエンドエフェクタ700のプローブガイド表面716に向けて持って行く。
【0204】
方向754への捕獲メカニズム722の並進は、ボールスクリュー724の回転を介した方向754へのボールナット725(それらは、捕獲メカニズム722に接続されている)の並進によって実現される。
【0205】
後退の間に、エンドエフェクタ700に対するフリーフライヤ物体の角度のおよび横方向のオフセットが除去される。角度のおよび横方向のオフセットは、エンドエフェクタ700のプローブガイド表面716およびグラップルフィクスチャ610の嵌合表面616の円錐状特徴をフィン532およびv字溝部620とともに一緒にすることによって除去され、それは、インターフェースの2つの側部の間のギャップが閉鎖されるにつれて、インターフェースの2つの側部を強制的に整合させる。
【0206】
ここで図8Gを参照すると、エンドエフェクタ700によるグラップルフィクスチャ610のハード捕獲(インターフェースのリジッド化)が、ここで示されている。
【0207】
グラップルフィクスチャ610のハード捕獲は、グラップルフィクスチャ610がエンドエフェクタ700の前部(プローブガイド表面716)の上のアライメント特徴に対してプリロードされるポイント(ハード捕獲位置758によって反映される)まで捕獲メカニズム722が後退されるときに実現される。これは、グラップルフィクスチャ610のベース612の嵌合表面616の上に存在するアライメント特徴をエンドエフェクタ700のプローブガイド表面716の上に存在するアライメント特徴(たとえば、ピンおよび凹部、アニュラス)と嵌合させることを含む。エンドエフェクタ700は、スプリングスタック744の後ろに配設されている荷重センサを介して、捕獲メカニズム722がハード捕獲位置758に到達したことを認識する。荷重センサは、ターゲットプリロードを提供する位置を決定する。ターゲット位置が到達されるときの荷重センサからのインディケーションが発生させられ、後退を停止するために使用される。ホーム位置からの累積されたドライブシャフトターンは、エンドエフェクタ700の較正において適正な位置を決定するために使用されることが可能である。
【0208】
また、ハード捕獲は、図7Fにあるように、ベルヴィルスタック744を圧縮することを含む。
【0209】
グラップルフィクスチャ610とエンドエフェクタ700との間のインターフェースがハード捕獲を通してリジッド化されると、フリーフライヤ物体は、エンドエフェクタ700およびエンドエフェクタ700に取り付けられているロボットアームによって操作されることが可能である。
【0210】
ここで図8Hを参照すると、捕獲されたグラップルフィクスチャ610の解放が、ここで示されている。
【0211】
グラップルフィクスチャ610を解放するために、ドライブが、捕獲メカニズム722のリンケージ734a、734bをリセットしてグリッパ738a、738bを開放位置に駆動するのに十分に遠くに(方向804に)前方に駆動される。この実施形態では、PCTドライブは、ロボットアームインターフェースの中のトルクシャフトインターフェースを通してPCTにおける運動を実施するアームの上のツールドライブである。そのように行うことは、偏向可能プローブ624のグラップルボール628の上のグリップを解放する。解放の開始は、システムアーキテクチャに依存することが可能である。解放は、エンドエフェクタ700の外側のセンサを介して開始されることが可能である。解放は、エンドエフェクタ700が図7cに示されている構成から図7Bに示されている構成へ移動することに似ている可能性がある。
【0212】
上記の説明は、1つまたは複数の装置、方法、またはシステムの例を提供しているが、他の装置、方法、またはシステムが、当業者によって解釈されるように、特許請求の範囲の中にあることが可能であるということが認識されることとなる。
【符号の説明】
【0213】
200 システム
202 捕獲物体
204 ロボットシステム
206 マシンビジョンターゲット
208 マシンビジョンシステム
210 ロボットアームコントローラ
212 ロボットアーム
214 エンドエフェクタ
216 グラップルフィクスチャ
218 グラップルフィクスチャベース
220 偏向可能プローブ
222 嵌合表面
224 プローブガイド表面
226 アライメント特徴
228 アライメント特徴
230 プローブ
232 グラップル端部
234 偏向要素
236 開口部
238 内部コンパートメント
240 プローブセンシング要素
242 グラップル
244 線形変位メカニズム
246 リジッド化メカニズム
300 フリーフライヤ捕獲システム
302 サービシング衛星
304 フリーフライヤ物体
305 移動
306 ロボットアーム
308 エンドエフェクタ
310 サービシングメカニズム
312 グラップルフィクスチャ
314 停泊構成要素
316 軌道交換ユニット(ORU)
318 移動
320 駐機位置
322 「フリーフライヤ捕獲の準備のできた」位置
326 移動
328 移動
330 移動
332 駐機位置
334 ソフト捕獲位置
336 移動
338 ORU挿入位置
340 ORU挿入場所
500a エンドエフェクタ510の正面斜視図
500b エンドエフェクタ510の正面図
500c エンドエフェクタ510の側面図
510 エンドエフェクタ
512 受け入れ端部
514 ロボットアームインターフェース端部
516 外側ハウジング
518 収納/発射インターフェース構成要素
520 前端部構成要素
522 隆起アニュラス
524 外側アニュラス
526 プローブガイド表面
528 開口部
530 凹形インサート
532 フィン
532a フィン
532b フィン
532c フィン
600a グラップルフィクスチャ610の正面斜視図
600b グラップルフィクスチャ610の正面図
600c グラップルフィクスチャ610の側断面図
610 グラップルフィクスチャ
612 ベース
614 装着表面
616 嵌合表面
618 平坦な環状部分
620 凹部
620a 凹部
620b 凹部
620c 凹部
622 締結具
622a 締結具
622b 締結具
622c 締結具
624 偏向可能プローブ
626 シャフト
628 プローブ端部、プローブボール、グラップルボール
630 装着端部
632 同軸スプリング
634 偏向スプリング
636 スプリング装着構成要素
700 フリーフライヤ捕獲エンドエフェクタ
702a 完全な前方位置
702b 作動のために準備された(ソフト捕獲の準備のできた)状態
702c トリップされた(またはソフト捕獲)状態
702d 後退を始めた状態
702e グラップルフィクスチャが着座された状態
702f ハード捕獲またはリジッド化された状態
704 外側ハウジング
706 内部コンパートメント
708 アームインターフェース構成要素
710 発射/収納インターフェース
712 アームインターフェース端部
714 受け入れ端部
716 プローブガイド表面
718 開口部
720 フィン
722 捕獲メカニズム
724 ボールスクリュー
725 ボールナット
726 捕獲軸線
728 前端部構成要素
730 プランジャ
732 プローブ接触端部
734a リンケージアーム
734b リンケージアーム
736a グリッパスライダ
736b グリッパスライダ
738a グリッパ
738b グリッパ
740 ソフト捕獲位置
742 グラップルハウジング
744 圧縮可能要素
746 第1のポテンショメータ
748 第2のポテンショメータ
750 リミットスイッチ
752 ブレーキ
754 方向
756 スロット
758 着座位置
760 バー
800 システム
802 偏向
804 方向
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーフライヤ物体のロボット捕獲のためのシステムであって、前記フリーフライヤ物体に装着するためのグラップルフィクスチャと、前記フリーフライヤ物体を捕獲するために前記グラップルフィクスチャとインターフェースするためのエンドエフェクタとを含み、
前記グラップルフィクスチャは、
前記フリーフライヤ物体に装着するための装着表面、および、前記エンドエフェクタと嵌合するための、前記装着表面に対向する嵌合表面を有するベースと、
偏向可能プローブであって、前記偏向可能プローブの偏向を可能にするために偏向可能なジョイントを介して前記ベースに接続されており、前記偏向可能プローブは、グラップリングのためのプローブ先端部を含む、偏向可能プローブと
を含み、
前記エンドエフェクタは、
ロボットアームまたは直接的な捕獲実施可能能力を備えた宇宙船に接続するための、および、ロボットアームまたは直接的な捕獲実施可能能力を備えた宇宙船による操作を可能にするためのインターフェースと、
プローブガイド表面であって、前記エンドエフェクタが前記グラップルフィクスチャに向けて移動されるときに、および、前記グラップルフィクスチャが前記エンドエフェクタの捕獲エンベロープの中にあるときに、前記偏向可能プローブの前記プローブ先端部を、前記プローブガイド表面の中の開口部に向けておよび前記プローブガイド表面の中の開口部を通して、グラップリング位置へと偏向させることおよびガイドすることのうちの1つまたは複数のためのプローブガイド表面と、
前記プローブ先端部が前記グラップリング位置にあるときをセンシングするための、および、前記プローブ先端部が前記グラップリング位置にあることをセンシングすると捕獲メカニズムをトリガするためのプローブセンシング要素と、
前記捕獲メカニズムであって、前記捕獲メカニズムは、前記プローブ先端部の存在によってトリガされるときに、前記プローブ先端部をグラップルするように構成されており、前記プローブ先端部をグラップルすることは、前記エンドエフェクタからの前記グラップルフィクスチャの分離を拘束する接続(「ソフト捕獲」)を生成させる、前記捕獲メカニズムと
捕獲軸線に沿って事前に決定された位置まで前記捕獲メカニズムを後退させるように構成されているアクチュエータであって、前記事前に決定された位置において、前記グラップルフィクスチャの前記ベースの前記嵌合表面は、前記プローブガイド表面に対してプリロードされ、前記フリーフライヤ物体と前記エンドエフェクタとの間の荷重支持インターフェース(「ハード捕獲」)を確立する、アクチュエータと
を含む、システム。
【請求項2】
前記ロボットアームと、前記ロボットアームを制御するためのロボットアームコントローラとをさらに含み、前記ロボットアームコントローラは、接近するときに前記エンドエフェクタを前記グラップルフィクスチャに向けて移動させるように前記ロボットアームに命令するように構成されており、前記エンドエフェクタおよび前記フリーフライヤ物体の相対速度が、成功的なソフト捕獲を推進することが知られている事前に決定された速度バンドの中に維持されるようになっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記グラップルフィクスチャの前記嵌合表面は、第1のアライメント構成要素を含み、前記プローブガイド表面は、第2のアライメント構成要素を含み、前記第1および第2のアライメント構成要素は、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタの前記プローブガイド表面との間の接続を整合させるために互いに嵌合するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のアライメント構成要素は、隆起アニュラスであり、前記第1のアライメント構成要素は、凹んだアニュラスである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のアライメント構成要素は、前記嵌合表面の中に複数の凹部を含み、前記第2のアライメント構成要素は、複数の突出部を含み、前記複数の突出部のそれぞれ1つは、前記複数の凹部のそれぞれ1つと嵌合するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記捕獲メカニズムは、前記プローブ先端部のグラップリングを介して前記フリーフライヤ物体の線形運動を拘束し、前記捕獲メカニズムを後退させることによって、および、前記グラップルフィクスチャの前記嵌合表面を前記エンドエフェクタの上の前記プローブガイド表面と嵌合させることによって、前記エンドエフェクタに対する前記フリーフライヤ物体の角度のおよび横方向のオフセットを除去する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記偏向可能なジョイントは、スプリング中心の球形のジョイントである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
フリーフライヤ物体の上に装着されているグラップルフィクスチャを有する前記フリーフライヤ物体のロボット捕獲を実施するためのエンドエフェクタであって、
前記グラップルフィクスチャのプローブをグラップリング位置へとガイドするためのプローブガイド表面と、
前記プローブが前記グラップリング位置にあるときに前記プローブのプローブ先端部をグラップルするための捕獲メカニズムであって、前記グラップルすることは、前記グラップルフィクスチャおよび前記エンドエフェクタの分離を拘束する、捕獲メカニズムと、
前記フリーフライヤ物体と前記エンドエフェクタとの間の荷重支持インターフェースを確立するために、前記グラップルフィクスチャが前記プローブガイド表面に対してプリロードされるまで、グラップルされた前記プローブを後退させることによって、前記プローブの角運動を拘束するためのハード捕獲メカニズムと
を含む、エンドエフェクタ
【請求項9】
ボットアームまたは前記グラップリング位置への宇宙船に接続するための、および、ロボットアームまたは前記グラップリング位置への宇宙船による前記ロボットエンドエフェクタの操作を可能にするためのロボットアームインターフェースと、
前記プローブが前記グラップリング位置にあるときをセンシングするための、および、前記プローブが前記グラップリング位置にあることをセンシングするときに前記捕獲メカニズムをトリガするためのプローブセンシング要素であって、前記捕獲メカニズムは、前記プローブセンシング要素によってトリガされるときに前記プローブ先端部をグラップルするように構成されている、プローブセンシング要素と
をさらに含み、
前記プローブを前記グラップリング位置へとガイドすることは、前記エンドエフェクタが前記グラップルフィクスチャに向けて移動されるときに、および、前記グラップルフィクスチャが前記エンドエフェクタの捕獲エンベロープの中にあるときに、前記プローブのプローブ先端部を、前記プローブガイド表面の中の開口部に向けておよび前記プローブガイド表面の中の開口部を通して、グラップリング位置へと偏向させることおよびガイドすることのうちの1つまたは複数をさらに含み、
前記ハード捕獲メカニズムは、アクチュエータを含み、前記アクチュエータは、前記プローブがグラップルされているときに捕獲軸線に沿って第1の事前に決定された位置まで前記捕獲メカニズムを後退させるように構成されており、前記第1の事前に決定された位置において、前記グラップルフィクスチャのベースの嵌合表面は、前記プローブガイド表面に対してプリロードされ、前記フリーフライヤ物体と前記エンドエフェクタとの間の前記荷重支持インターフェースを確立する、請求項8に記載のエンドエフェクタ
【請求項10】
前記グラップルフィクスチャの前記嵌合表面は、第1のアライメント構成要素を含み、前記プローブガイド表面は、第2のアライメント構成要素を含み、前記第1および第2のアライメント構成要素は、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタの前記プローブガイド表面との間の接続を整合させるために互いに嵌合するように構成されている、請求項9に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記第2のアライメント構成要素は、複数の突出部をさらに含み、前記複数の突出部は、捕獲の間に前記グラップルフィクスチャの前記嵌合表面の上に配設されている前記第1のアライメント構成要素の相補的な凹部と嵌合するために前記プローブガイド表面の上に配設されており、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタの前記プローブガイド表面との間の接続を整合させる、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
前記複数の突出部のそれぞれ1つは、前記突出部が前記相補的な凹部のそれぞれ1つの側部アライメント表面に沿ってさらにそれぞれの前記相補的な凹部の中へスライドすることを推進するための丸みを帯びた表面を含む、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
前記プローブガイド表面は、前記グラップルフィクスチャの前記嵌合表面の上の前記第1のアライメント構成要素の相補的な凹んだアニュラスに嵌合するための、前記第2のアライメント構成要素の隆起アニュラスを含む、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項14】
前記ハード捕獲メカニズムは、スプリングベースのコンプライアント部材を含み、前記アクチュエータは、前記捕獲メカニズムをさらに後退させ、前記スプリングベースのコンプライアント部材を圧縮し、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタとの間の前記インターフェースに前記プリロードを提供するように構成されている、請求項9に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記捕獲メカニズムは、1対のジョーを含み、前記1対のジョーは、前記プローブセンシング要素に接続されており、前記グラップルプローブ先端部が前記捕獲メカニズムを閉鎖するようにトリガするときに、前記プローブ先端部をグラップルするために開放位置から閉鎖位置へ移動するように構成されている、請求項8に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
前記捕獲メカニズムは、凹形インサート構成要素を含み、前記凹形インサート構成要素は、前記捕獲メカニズムが前記捕獲軸線に沿って完全に前方に位置決めされているときに、前記開口部を含む前記プローブガイド表面の一部を形成しており、前記凹形インサート構成要素は、後退の間に前記捕獲メカニズムとともに後退される、請求項9に記載のエンドエフェクタ。
【請求項17】
フリーフライヤ物体のロボット捕獲の方法であって、
グラップルフィクスチャがエンドエフェクタの捕獲エンベロープの中に入るように、前記フリーフライヤ物体の上の前記グラップルフィクスチャに向けて前記エンドエフェクタを移動させるステップと、
前記グラップルフィクスチャの偏向可能プローブを、前記プローブガイド表面の中の開口部に向けておよび前記プローブガイド表面の中の開口部を通して、前記エンドエフェクタのプローブガイド表面を介してグラップリング位置へとガイドするステップと、
前記偏向可能プローブが前記グラップリング位置にあることをセンシングし、グラップリングメカニズムをトリガするステップと、
前記偏向可能プローブが前記グラップリング位置にあることをセンシングすると、前記グラップリングメカニズムによって前記偏向可能プローブをグラップルし、少なくとも1自由度で前記フリーフライヤ物体の運動を拘束するステップと、
グラップルされた前記偏向可能プローブを捕獲軸線に沿って事前に決定された位置まで後退させ、前記エンドエフェクタに対する前記フリーフライヤ物体の角度のおよび横方向のオフセットを除去し、前記グラップルフィクスチャの嵌合表面を前記プローブガイド表面と接触させるステップと、
前記グラップルフィクスチャが前記プローブガイド表面の上のアライメント特徴に対してプリロードされるポイントまで前記グラップリングメカニズムを後退させることによって、前記グラップルフィクスチャと前記エンドエフェクタとの間のインターフェースをリジッド化するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
前記偏向可能プローブをガイドするステップは、
前記偏向可能プローブを前記プローブガイド表面と接触させるステップと、
前記エンドエフェクタを前記フリーフライヤ物体に向けて移動させ続けることによって、前記プローブガイド表面によって前記偏向可能プローブを前記開口部に向けて偏向させるステップと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記グラップルフィクスチャに向けて前記エンドエフェクタを移動させるステップは、マシンビジョンシステムを介して前記フリーフライヤ物体の上のマシンビジョンターゲットを検出するステップと、前記ロボットアームが前記エンドエフェクタを前記グラップルフィクスチャに向けて移動させるときに、前記マシンビジョンシステムによって前記マシンビジョンターゲットを追跡するステップとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記フリーフライヤ物体の上の前記グラップルフィクスチャに向けて前記エンドエフェクタを移動させるステップは、ロボットアームを介しており、また、ロボットアームコントローラを介して、前記エンドエフェクタおよびフリーフライヤ物体の接近速度および軌跡のうちの1つまたは複数を含む相対接近速度を、前記グラップルフィクスチャの成功的なソフト捕獲を推進することが知られている事前に決定された速度バンドの中に維持するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【国際調査報告】