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特表2025-503555ロボットの地図構築方法、装置、ロボットおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】ロボットの地図構築方法、装置、ロボットおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20250128BHJP
   G05D 1/246 20240101ALI20250128BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20250128BHJP
   G05D 1/648 20240101ALI20250128BHJP
   G05D 1/228 20240101ALI20250128BHJP
   G05D 1/243 20240101ALI20250128BHJP
   G06F 16/909 20190101ALI20250128BHJP
【FI】
A47L9/28 E
G05D1/246
G05D1/43
G05D1/648
G05D1/228
G05D1/243
G06F16/909
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539657
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2022105276
(87)【国際公開番号】W WO2023130704
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210006545.8
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】523065214
【氏名又は名称】北京石頭創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Roborock Innovation Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 1201, Floor 12, Building 3, Yard 17, Anju Road, Changping District, Beijing 102206, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】宋 健
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
【テーマコード(参考)】
3B057
5B175
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DA00
5B175CA09
5B175DA03
5H301AA02
5H301AA10
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301GG11
5H301GG17
5H301HH19
5H301LL06
5H301LL11
5H301QQ04
(57)【要約】
本開示の実施例は、ロボットの地図構築方法、装置、ロボットおよび記憶媒体を開示する。ロボットの地図構築方法は、ロボットを目標点に向かって走行させるように制御することであって、目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、第1探索点は未探索状態であることと、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、目標点が位置する予め設定された範囲に対応する探索点情報を検出することと、探索点情報に従って目標点を処理することと、ロボットが目標点に走行することに基づいて、探索対象領域の地図構築データを収集し、ロボットの環境空間地図を更新することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの地図構築方法であって、
前記ロボットを目標点に向かって走行させるように制御することであって、前記目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、前記第1探索点は未探索状態である、前記ロボットを目標点に向かって走行させるように制御することと、
前記ロボットが前記目標点に向かって走行する過程中において、前記目標点が位置する予め設定された範囲に対応する探索点情報を検出することと、
前記探索点情報に従って前記目標点を処理することと、
前記ロボットが前記目標点に走行することに基づいて、前記探索対象領域の地図構築データを収集することにより、前記ロボットの環境空間地図を更新することと、
を含む、
ことを特徴とする、ロボットの地図構築方法。
【請求項2】
前記探索点情報に従って前記目標点を処理することは、具体的に、
前記探索点情報が前記予め設定された範囲内に第2探索点が存在することであることに基づいて、前記目標点を保持することと、
前記探索点情報が前記予め設定された範囲内に第2探索点が存在せず、且つ前記予め設定された範囲外に前記第2探索点が存在することに基づいて、前記目標点を前記第2探索点に更新することと、を含み、
前記第2探索点は前記目標点以外の前記第1探索点である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットの地図構築方法。
【請求項3】
前記探索対象領域内に前記第2探索点が存在しないことに基づいて、前記ロボットの走行を停止させるように制御することと、
前記環境空間地図を記憶することと、
をさらに含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載のロボットの地図構築方法。
【請求項4】
前記ロボットを目標点に向かって走行させるように制御することの前に、
前記環境空間地図を取得することであって、前記環境空間地図は既知領域および/または探索対象領域を含み、前記既知領域は地図構築データに対応する、前記環境空間地図を取得することと、
前記既知領域と重なる前記探索対象領域の複数の境界点を抽出することと、
未探索状態にある境界点を前記第1探索点として決定することと、
をさらに含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットの地図構築方法。
【請求項5】
前記探索対象領域内に前記第1探索点の数が複数であることに基づいて、順次複数の前記第1探索点を接続して接続線を得ることと、
各前記第1探索点と前記接続線の中心点との間の第1距離を決定することと、
前記第1距離のうちの最小値に対応する前記第1探索点を前記目標点として決定することと、
をさらに含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットの地図構築方法。
【請求項6】
前記探索対象領域の地図構築データを収集することの後に、
前記目標点を探索済みの状態に更新することをさらに含む、
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のロボットの地図構築方法。
【請求項7】
前記ロボットが前記目標点に向かって走行する過程中において、前記ロボットの現在位置と前記目標点との間に障害物が存在することに基づいて、前記ロボットを前記障害物の外縁に沿って走行させて前記障害物を迂回するように制御することをさらに含む、
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のロボットの地図構築方法。
【請求項8】
ロボットの地図構築装置であって、
前記ロボットを目標点に向かって走行させるように制御するように構成され、前記目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、前記第1探索点は未探索状態である制御モジュールと、
前記ロボットが前記目標点に向かって走行する過程中において、前記目標点が位置する予め設定された範囲に対応する探索点情報を検出するように構成される検出モジュールと、
前記探索点情報に従って前記目標点を処理するように構成される処理モジュールと、
前記ロボットが前記目標点に走行することに基づいて、前記探索対象領域の地図構築データを収集することにより、前記ロボットの環境空間地図を更新するように構成される地図構築モジュールと、
を備える、
ことを特徴とする、ロボットの地図構築装置。
【請求項9】
ロボットであって、
プロセッサとメモリとを備え、
前記メモリは、操作命令を記憶するように構成され、
前記プロセッサは、前記操作命令を呼び出すことにより以下の操作を実行し、
前記ロボットを目標点に向かって走行させるように制御し、前記目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、前記第1探索点は未探索状態であり、
前記ロボットが前記目標点に向かって走行する過程中において、前記目標点が位置する予め設定された範囲に対応する探索点情報を検出し、
前記探索点情報に従って前記目標点を処理し、
前記ロボットが前記目標点に走行することに基づいて、前記探索対象領域の地図構築データを収集することにより、前記ロボットの環境空間地図を更新する、
ことを特徴とする、ロボット。
【請求項10】
前記プロセッサはさらに、前記操作命令を呼び出すことにより以下の操作を実行し、
前記探索点情報が前記予め設定された範囲内に第2探索点が存在することであることに基づいて、前記目標点を保持し、
前記探索点情報が前記予め設定された範囲内に第2探索点が存在せず、且つ前記予め設定された範囲外に前記第2探索点が存在することに基づいて、前記目標点を前記第2探索点に更新し、
前記第2探索点は前記目標点以外の前記第1探索点である、
ことを特徴とする、請求項9に記載のロボット。
【請求項11】
前記プロセッサはさらに、前記操作命令を呼び出すことにより以下の操作を実行し、
前記探索対象領域内に前記第2探索点が存在しないことに基づいて、前記ロボットの走行を停止させるように制御し、
前記環境空間地図を記憶する、
ことを特徴とする、請求項10に記載のロボット。
【請求項12】
前記プロセッサはさらに、前記操作命令を呼び出すことにより以下の操作を実行し、
前記環境空間地図を取得し、前記環境空間地図は既知領域および/または探索対象領域を含み、前記既知領域は地図構築データに対応し、
前記既知領域と重なる前記探索対象領域の複数の境界点を抽出し、
未探索状態にある境界点を前記第1探索点として決定する、
ことを特徴とする、請求項9に記載のロボット。
【請求項13】
前記プロセッサはさらに、前記操作命令を呼び出すことにより以下の操作を実行し、
前記探索対象領域内に前記第1探索点の数が複数であることに基づいて、順次複数の前記第1探索点を接続して接続線を得、
各前記第1探索点と前記接続線の中心点との間の第1距離を決定し、
前記第1距離のうちの最小値に対応する前記第1探索点を前記目標点として決定する、
ことを特徴とする、請求項9に記載のロボット。
【請求項14】
前記プロセッサはさらに、前記操作命令を呼び出すことにより以下の操作を実行し、
前記目標点を探索済みの状態に更新する、
ことを特徴とする、請求項9~13のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項15】
前記プロセッサはさらに、前記操作命令を呼び出すことにより以下の操作を実行し、
前記ロボットが前記目標点に向かって走行する過程中において、前記ロボットの現在位置と前記目標点との間に障害物が存在することに基づいて、前記ロボットを前記障害物の外縁に沿って走行させて前記障害物を迂回するように制御する、
ことを特徴とする、請求項9~13のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、以下の操作を実現し、
ロボットを目標点に向かって走行させるように制御し、前記目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、前記第1探索点は未探索状態であり、
前記ロボットが前記目標点に向かって走行する過程中において、前記目標点が位置する予め設定された範囲に対応する探索点情報を検出し、
前記探索点情報に従って前記目標点を処理し、
前記ロボットが前記目標点に走行することに基づいて、前記探索対象領域の地図構築データを収集することにより、前記ロボットの環境空間地図を更新する、
ことを特徴とする、記憶媒体。
【請求項17】
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、以下の操作をさらに実現し、
前記探索点情報が前記予め設定された範囲内に第2探索点が存在することであることに基づいて、前記目標点を保持し、
前記探索点情報が前記予め設定された範囲内に第2探索点が存在せず、且つ前記予め設定された範囲外に前記第2探索点が存在することに基づいて、前記目標点を前記第2探索点に更新し、
前記第2探索点は前記目標点以外の前記第1探索点である、
ことを特徴とする、請求項16に記載の記憶媒体。
【請求項18】
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、以下の操作をさらに実現し、
前記探索対象領域内に前記第2探索点が存在しないことに基づいて、前記ロボットの走行を停止させるように制御し、
前記環境空間地図を記憶する、
ことを特徴とする、請求項17に記載の記憶媒体。
【請求項19】
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、以下の操作をさらに実現し、
前記環境空間地図を取得し、前記環境空間地図は既知領域および/または探索対象領域を含み、前記既知領域は地図構築データに対応し、
前記既知領域と重なる前記探索対象領域の複数の境界点を抽出し、
未探索状態にある境界点を前記第1探索点として決定する、
ことを特徴とする、請求項16に記載の記憶媒体。
【請求項20】
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、以下の操作をさらに実現し、
前記探索対象領域内に前記第1探索点の数が複数であることに基づいて、順次複数の前記第1探索点を接続して接続線を得、
各前記第1探索点と前記接続線の中心点との間の第1距離を決定し、
前記第1距離のうちの最小値に対応する前記第1探索点を前記目標点として決定する、
ことを特徴とする、請求項16に記載の記憶媒体。
【請求項21】
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、以下の操作をさらに実現し、
前記目標点を探索済みの状態に更新する、
ことを特徴とする、請求項16~20のいずれか1項に記載の記憶媒体。
【請求項22】
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、以下の操作をさらに実現し、
前記ロボットが前記目標点に向かって走行する過程中において、前記ロボットの現在位置と前記目標点との間に障害物が存在することに基づいて、前記ロボットを前記障害物の外縁に沿って走行させて前記障害物を迂回するように制御する、
ことを特徴とする、請求項16~20のいずれか1項に記載の記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2022年1月4日に出願された出願番号が202210006545.8号である中国特許出願に基づく優先権を主張し、そのすべての内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ロボット地図構築の分野に関し、具体的に、ロボットの地図構築方法、装置、ロボットおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ロボット技術の急速な発展及び社会のニーズの変化に伴い、自律移動ロボットは工学界及び学術界からますます注目されている。自律移動ロボットが非構造的かつ非決定的な環境において、自律的に人々の日常生活の任務を完成することを支援するためには、ロボットが未知の環境にあるとき、後続のナビゲーションのために、ロボット内部に表示された外部環境の地図を構築することがより重要な技術である。しかし、ロボットが地図を構築する従来の方法は、手動(マニュアル)で、またはキーボードやジョイスティックを使用してロボットの動きを制御することであり、大規模で複雑な屋内環境に直面した場合、時間、労力、および物資を浪費する。したがって、ロボットが人為的な制御から切り離され、自律的な探索と地図構築を実現することは大きな意義があり、一方では人的・物的資源を節約し、他方では、ロボットが自らの感知、環境情報の収集・処理に基づいてリアルタイムに地図構築の決定を行い、ロボットの自律性と知能化を向上させる。
【0004】
関連技術において、LDS(Laser Distance Sensor、レーザ距離センサ)走査は、ロボットが異なる位置に移動することによって行われ、探索対象空間全体の地図構築を完了させる。しかし、移動過程において、目標点の到達可能範囲内で地図構築が既に完了している場合、その目標点まで地図構築のために移動し続ける状況がその後も発生する可能性があり、地図構築プロセスの実行時間が長くなる。例えば、距離優先の原則に従って目標点を選択すると、同一領域内で短距離の移動が連続する問題が発生し、複数回の移動により同一領域内の異なる場所の走査が別々に完了し、地図の構築時間が長くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、本開示の実施例は、目標点の選択を最適化することにより、ロボットの地図構築過程の実行時間を減少することができるロボットの地図構築方法、装置、ロボットおよび記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様の実施例によれば、ロボットの地図構築方法を提供し、当該ロボットの地図構築方法は、
ロボットを目標点に向かって走行させるように制御することであって、目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、第1探索点は未探索状態である、ロボットを目標点に向かって走行させるように制御することと、
ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、目標点が位置する予め設定された範囲に対応する探索点情報を検出することと、
探索点情報に従って前記目標点を処理することと、
ロボットが目標点に走行することに基づいて、探索対象領域の地図構築データを収集することにより、ロボットの環境空間地図を更新することと、を含む。
【0007】
本開示のいくつかの実施例では、探索点情報に従って目標点を処理することは、具体的に、
探索点情報が予め設定された範囲内に第2探索点が存在することであることに基づいて、目標点を保持することと、探索点情報が予め設定された範囲内に第2探索点が存在せず、且つ予め設定された範囲外に第2探索点が存在することであることに基づいて、目標点を第2探索点に更新することと、を含み、第2探索点は目標点以外の第1探索点である。
【0008】
本開示のいくつかの実施例では、ロボットの地図構築方法は、
探索点情報が探索対象領域内に第2探索点が存在しないことに基づいて、ロボットの走行を停止させるように制御することと、環境空間地図を記憶することと、をさらに含む。
【0009】
本開示のいくつかの実施例では、ロボットを目標点に向かって走行させるように制御することの前に、
環境空間地図を取得することであって、環境空間地図は既知領域および/または探索対象領域を含み、既知領域は地図構築データに対応する、環境空間地図を取得することと、既知領域と重なる探索対象領域の複数の境界点を抽出することと、未探索状態にある境界点を第1探索点として決定することと、をさらに含む。
【0010】
本開示のいくつかの実施例では、ロボットの地図構築方法は、
探索対象領域内に第1探索点の数が複数であることに基づいて、順次複数の第1探索点を接続して接続線を得ることと、各第1探索点と接続線の中心点との間の第1距離を決定することと、第1距離のうちの最小値に対応する第1探索点を目標点として決定することと、をさらに含む。
【0011】
本開示のいくつかの実施例では、探索対象領域の地図構築データを収集することの後に、
目標点を探索済みの状態に更新することをさらに含む。
【0012】
本開示のいくつかの実施例では、ロボットの地図構築方法は、
ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、ロボットの現在位置と目標点との間に障害物が存在することに基づいて、ロボットを障害物の外縁に沿って走行させて障害物を迂回するように制御することをさらに含む。
【0013】
本開示の第2態様の実施例によれば、ロボットの地図構築装置を提供し、当該ロボットの地図構築装置は、
ロボットを目標点に向かって走行させるように制御するように構成され、目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、第1探索点は未探索状態である制御モジュールと、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、目標点が位置する予め設定された範囲内に対応する探索点情報を検出するように構成される検出モジュールと、
探索点情報に従って目標点を処理するように構成される処理モジュールと、
ロボットが目標点に走行することに基づいて、探索対象領域の地図構築データを収集することにより、ロボットの環境空間地図を更新するように構成される地図構築モジュールと、
を備える。
【0014】
本開示のいくつかの実施例では、処理モジュールは、具体的に、探索点情報が予め設定された範囲内に第2探索点が存在することであることに基づいて、目標点を保持し、探索点情報が予め設定された範囲内に第2探索点が存在せず、且つ予め設定された範囲外に第2探索点が存在することであることに基づいて、目標点を第2探索点に更新するように構成され、ここで、第2探索点は目標点以外の第1探索点である。
【0015】
本開示のいくつかの実施例では、制御モジュールはさらに、探索点情報が探索対象領域内に第2探索点が存在しないことに基づいて、ロボットの走行を停止させるように制御するように構成され、ロボットの地図構築装置は、環境空間地図を記憶するように構成される記憶モジュールをさらに備える。
【0016】
本開示のいくつかの実施例では、ロボットの地図構築装置は、環境空間地図を取得するように構成され、環境空間地図は既知領域および/または探索対象領域を含み、既知領域は地図構築データに対応する取得モジュールと、既知領域と重なる探索対象領域の複数の境界点を抽出するように構成される抽出モジュールと、未探索状態にある境界点を第1探索点として決定するように構成される第1決定モジュールと、をさらに備える。
【0017】
本開示のいくつかの実施例では、ロボットの地図構築装置は、探索対象領域内に第1探索点の数が複数であることに基づいて、順次複数の第1探索点を接続して接続線を得、各第1探索点と接続線の中心点との間の第1距離を決定し、第1距離のうちの最小値に対応する第1探索点を目標点として決定するように構成される第2決定モジュールをさらに備える。
本開示のいくつかの実施例では、ロボットの地図構築装置は、目標点を探索済みの状態に更新するように構成される状態更新モジュールをさらに備える。
【0018】
本開示のいくつかの実施例では、制御モジュールはさらに、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、ロボットの現在位置と目標点との間に障害物が存在することに基づいて、ロボットを障害物の外縁に沿って走行させて障害物を迂回するように制御するように構成される。
【0019】
本開示の第3態様の実施例によれば、プロセッサとメモリを備えるロボットを提供し、メモリは、操作命令を記憶するように構成され、プロセッサは、操作命令を呼び出すことにより、上記第1態様のいずれか1項に記載のロボットの地図構築方法を実現するように構成される。
【0020】
本開示の第4態様の実施例によれば、コンピュータプログラムが記憶されている記憶媒体を提供し、該プログラムがプロセッサによって実行されると、上記第1態様のいずれか1項に記載のロボットの地図構築方法を実現する。
【0021】
本開示の実施例によって提供されるロボットの地図構築方法は、目標点の選択を最適化することにより、ロボットが領域の地図構築を完了するために移動する位置を少なくすることが可能である。また、運動過程中において、目標点周囲の他の探索点を監視することにより、該目標点位置の地図構築データが繰り返して収集される状況を防止することができる。したがって、より少ない探索回数で、より高い探索効率およびより少ない探索時間で未知シナリオの自律的な探索および地図構築を完了することができる。
【0022】
本開示の実施例または先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施例または先行技術の説明において使用される必要のある添付図面を簡単に説明するが、明らかに、以下で説明される添付図面は本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの添付図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の実施例によって提供されるロボットの構造図その1
図2】本開示の実施例によって提供されるロボットの構造図その2
図3】本開示の実施例によって提供されるロボットの地図構築方法の流れを示す模式図
図4】本開示の実施例によって提供されるロボットの地図構築装置の概略ブロック図
図5】本開示の実施例によって提供されるロボットの電子構造を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下で本開示の実施例を詳細に説明し、前記実施例は添付図面に例示され、最初から最後まで同一または類似の符号は同一または類似の要素または同一または類似の機能を有する要素を示す。以下、添付図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本開示を解釈する目的でのみ使用され、本開示を限定するものとして解釈されない。
【0025】
当業者であれば、特に別途の説明がない限り、ここで使用される単数形式「一」、「1つ」、「前記」および「該」は複数形式も含む場合がある。さらに、本開示の明細書で使用される「含む」という用語は、前記特徴、整数、ステップ、操作、要素および/またはアセンブリが存在するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、アセンブリおよび/またはそれらの組み合わせの存在または添加を排除するものではないことを意味することを理解されたい。なお、ある要素が別の要素に「接続」または「連結」される場合、他の要素に直接接続または連結されてもよく、または中間要素が存在してもよい。加えて、ここで使用される「接続」または「連結」は無線接続または無線密集接続を含んでもよい。ここで使用される「および/または」は、1つまたは複数の関連する列挙項のすべてまたは任意のユニットおよびすべての組み合わせを含む。
【0026】
以下、添付図面を参照して本開示による例示的な実施例を詳細に説明する。しかしながら、これらの例示的な実施例は様々な異なる形態で実施することができ、ここでの実施例に限定されると解釈されない。なお、これらの実施例は、本開示の開示をより徹底的かつ完全にするために使用され、これらの例示的な実施例の思想を当業者に適切に伝えるために提供されることを理解されたい。
【0027】
本開示の実施例は可能な応用シナリオを提供し、該応用シナリオはロボットを含み、図1および図2は本開示の例示的な実施形態に係るロボットの構造模式図である。図1および図2に示すように、本開示のロボットは掃除ロボット、モップ掛けロボット、真空洗浄ロボットなどであってもよい。説明の便宜上、本実施形態では掃除ロボットを例にして本開示の技術的解決策を説明する。
【0028】
該ロボットは、移動プラットフォーム100、感知システム120、マン-マシンインタラクションシステム130、駆動システム140、清掃モジュール150、エネルギーシステム160、制御システム170を備える。
【0029】
移動プラットフォーム100は、操作面上を自動的に目標方向に沿って移動するように構成される。操作面はロボットの清掃対象表面である。いくつかの実施例では、掃除ロボットは床面上を動作し、該床面は操作面と呼ばれる。
【0030】
いくつかの実施例では、移動プラットフォーム100は自律型移動プラットフォームであってもよく、非自律型移動プラットフォームであってもよい。自律型移動プラットフォームとは、移動プラットフォーム100自体が予期しない環境入力に応じて操作決定を自動的かつ適応的に行うことができることを意味し、非自律型移動プラットフォーム自体は予期しない環境入力に応じて操作決定を適応的に行うことができないが、所定のプログラムまたは一定の論理に従って動作することができる。これに対応して、移動プラットフォーム100が自律型移動プラットフォームである場合、目標方向はロボットによって自律的に決定されてもよく、移動プラットフォーム100が非自律型移動プラットフォームである場合、目標方向はシステムまたは手動で設定されてもよい。移動プラットフォーム100が自律型移動プラットフォームである場合、移動プラットフォーム100は前方部分111および後方部分110から構成される。
【0031】
感知システム120は、移動プラットフォーム100の上方に位置する位置決定装置121、移動プラットフォーム100の前方部分111に位置する緩衝器122、移動プラットフォームの底部に位置する崖センサ123および超音波センサ(図示せず)、赤外線センサ(図示せず)、磁力計(図示せず)、加速度計(図示せず)、ジャイロスコープ(図示せず)、走行距離計(図示せず)などのセンシング装置を含み、制御システム170に機器の様々な位置情報や移動状態情報を提供する。
【0032】
位置決定装置121は、カメラ、レーザ測距装置を含むが、これらに限定されない。レーザ測距装置(例えばLDS)はロボットの上方測定高さ範囲内のイベント(または対象)を測定することができる。測定高さ範囲は、例えばロボットから上方8~10cmの範囲に設定されてもよい。
【0033】
ロボットの挙動をより明確に説明するために、以下の方向が定義されており、すなわち、ロボットは、移動プラットフォーム100によって定義される横向軸x、前後軸yおよび中心垂直軸zという互いに垂直な3つの軸に対する移動の様々な組み合わせによって床面上で移動することができる。前後軸yに沿った前方駆動方向は「前方」と表記され、前後軸yに沿った後方駆動方向が「後方」と表記される。横向軸xは、実質的に駆動輪アセンブリ141の中心点によって定義される軸中心に沿って、ロボットの右輪と左輪との間で延伸する。ここで、ロボットはx軸の周りに回転することができる。ロボットの前方部分が上方に傾斜し、後方部分は下方に傾斜する場合は、「ピッチアップ」とし、ロボットの前方部分が下方に傾斜し、後方部分が上方に傾斜する場合は、「ピッチダウン」とする。さらに、ロボットはz軸の周りに回転することができる。ロボットの前方方向において、ロボットがy軸の右側に傾斜する場合「右折」とし、ロボットがy軸の左側に傾斜する場合「左折」とする。
【0034】
図2に示すように、移動プラットフォーム100の底部、駆動輪アセンブリ141の前方および後方に崖センサ123が設けられ、該崖センサは、ロボットが後退する際に落下するのを防止し、ロボットの損傷を防止することができる。上記「前方」とは、ロボットの走行方向と同じ側を指し、上記「後方」とは、ロボットの走行方向とは反対する側を指す。
【0035】
感知システム120における各アセンブリは、独立して動作してもよく、目的機能をより正確的に実現するために協働して動作してもよい。崖センサ123と超音波センサによって清掃対象表面を識別し、表面材質、清掃度などを含む清掃対象表面の物理的特性を決定し、カメラ、レーザ測距装置などと組みあわせてより正確に判定することができる。
【0036】
例えば、超音波センサを用いて清掃対象表面がカーペットであるかどうかを判定し、超音波センサによって清掃対象表面がカーペット材質であると判定された場合、制御システム170はロボットを制御してカーペットモードの清掃を実施するようにしてもよい。
【0037】
移動プラットフォーム100の前方部分111に緩衝器122が設けられ、清掃過程中に駆動輪アセンブリ141がロボットを推進して床面上を走行させるとき、緩衝器122は、センサシステム、例えば赤外線センサを介してロボットの走行経路中の1つまたは複数のイベント(または対象)を検出し、ロボットは、緩衝器122によって検出されたイベント(または対象)、例えば障害物、壁を通じて、ロボットが前記イベント(または対象)に応答して、例えば、障害物から離れ、障害物を超えるように駆動輪アセンブリ141を制御してもよい。
【0038】
本開示の例示的な実施形態では、ロボットの障害物検出装置は緩衝器122、赤外線センサなどを備える。障害物検出装置は、ロボットの現在位置とロボットの走行目標位置との間に第1障害物が存在するかどうかを検出するために使用されてもよい。
【0039】
ここで、第1障害物の高さはロボットの測定高さ範囲よりも小さい。
【0040】
制御システム170は、移動プラットフォーム100内の回路基板上に設けられ、ハードディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリなどの非一時的メモリと通信する演算プロセッサ、例えば中央処理ユニット、アプリケーションプロセッサなどを含み、アプリケーションプロセッサは、感知システム120からの前記複数のセンサによって感知された環境情報、レーザ測距装置からフィードバックされた障害物情報などを受信し、位置決めアルゴリズム、例えば同期測位と地図構築(Simultaneous Localization And Mapping、SLAM)を利用してロボットが位置する環境におけるインスタント地図を描画し、前記環境情報と環境地図とに基づいて走行経路を自律的に決定し、その後前記自律的に決定された走行経路に従って駆動システム140の前進、後退、および/または操舵などの操作を制御する。さらに、制御システム170は、前記環境情報と環境地図とに基づいて清掃モジュール150を起動させて清掃操作を実施するかどうかを決定することができる。
【0041】
具体的に、制御システム170は、緩衝器122、崖センサ123と超音波センサ、赤外線センサ、磁力計、加速度計、ジャイロスコープ、走行距離計などのセンシング装置からフィードバックされた距離情報、速度情報を組み合わせて掃除機が現在、敷居超え、カーペット乗り、崖に位置し、上方または下方が引っ掛かれ、ダストボックス満杯、持ち上げられなどの、どのような作業状態にあるかを総合的に判定し、異なる状況に応じて具体的な次の動作戦略を与え、ロボットの作業が所有者の要求をより満たし、より良好な使用心地を得る。さらに、制御システムは、SLAMによって描画されたインスタント地図情報に従って最も効率的かつ合理的な走行経路と走行方法とを計画することができるため、ロボットの清掃効率を大幅に向上させることができる。
【0042】
本開示の例示的な実施形態では、ロボットの地図構築装置は制御システム170を含み得る。ロボットの地図構築装置は、ロボットを目標点に向かって走行させるように制御し、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、目標点が位置する予め設定された範囲内の探索点情報を検出し、探索点情報に従って目標点を処理し、ロボットが目標点に走行することに基づいて、探索対象領域の地図構築データを収集し、ロボットの環境空間地図を更新するために使用される。
【0043】
駆動システム140は、x、yおよびθ成分などの具体的な距離と角度情報とに基づいて、駆動命令を実行してロボットを操作して床面を横切るように走行させることができる。ロボットが床面上でより安定に移動するため、またはより高い移動能力を有するために、ロボットは1つまたは複数の操舵アセンブリ142を含んでもよく、操舵アセンブリ142は従動輪であってもよく、駆動輪であってもよく、その構造形態はユニバーサルホイールであってもよく、操舵アセンブリ142は駆動輪アセンブリ141の前方に位置してもよい。
【0044】
駆動輪アセンブリ141は、移動プラットフォーム100に着脱可能に接続され、取り外しやメンテナンスに便利である。駆動輪は、ロボットの移動プラットフォーム100に移動可能に固定され、例えば回転可能に取り付けられ、引張バネまたは圧縮バネなどの弾性部材によって一定の着地力で床面との接触および牽引を維持し、同時にロボットの清掃モジュール150も一定の圧力で清掃対象表面に接触する、オフセット落下式サスペンションを有してもよい。清掃モジュール150はドライ清掃モジュール151および/またはウェット清掃モジュール180を含み得る。
【0045】
エネルギーシステム160は、ニッケル水素電池およびリチウム電池などの充電電池を含む。充電電池は、充電制御回路、電池パック充電温度検出回路、および電池電圧低下監視回路に接続され、充電制御回路、電池パック充電温度検出回路、電池低電圧監視回路はワンチップマイコン制御回路に接続される。ホストコンピュータは本体側面または下方に設けられた充電電極を介して充電パイルに充電のために接続される。露出した充電電極上に塵埃が付着した場合、充電過程中に電荷の累積効果により、電極周辺のプラスチック機体が溶融して変形し、ひいては電極自身が変形して正常に充電し続けることができなくなる。
【0046】
マン-マシンインタラクションシステム130はホストパネル上のキーを含み、キーはユーザが機能選択のために利用可能である。また、マン-マシンインタラクションシステム130は、表示画面および/または表示灯および/またはスピーカーをさらに含んでもよく、表示画面、表示灯、およびスピーカーは、ユーザに機器の現在状態または機能選択肢を表示することができる。また、マン-マシンインタラクションシステム130は、携帯電話クライアントプログラムをさらに含んでもよい。
【0047】
なお、本開示の例示的な実施形態では、以下に記載のロボットの地図構築方法はロボット(掃除ロボット、モップ掛けロボットなど)によって実現され、すなわち、ロボットによってロボットの地図構築方法の各ステップを実行し、このような場合に、ロボットの地図構築装置は該ロボットに配置されてもよい。
【0048】
図3に示すように、本開示の実施例はロボットの地図構築方法を提供し、以下の方法ステップを含む。
【0049】
ステップS302において、ロボットを目標点に向かって走行させるように制御する。
【0050】
ここで、目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、第1探索点は未探索状態であり、すなわち、目標点は環境空間地図上の探索対象領域における、ロボットによる地図構築データの収集が行われていないの位置であり、目標点を選択するときにデータの収集が行われた位置を回避し、ロボットの無駄な動作を回避し、ロボットの探索回数を効果的に減らし、地図構築時間を大幅に短縮することができる。なお、第1探索点が座標に対応し、ロボットが地図構築モードに入った後、ロボットは座標位置によってナビゲーションすることができ、さらに探索すべき目標点位置に移動することができる。
【0051】
さらに、探索対象領域の、環境空間地図上の既知領域と重なる境界点を第1探索点として使用することにより、地図構築データの走査時、より大きな面積をカバーすることができ、探索時、局所領域を見逃がすことを防止することができ、より良好な地図構築効果を達成することができる。
【0052】
より具体的に、第1探索点の数は1つであってもよく、複数であってもよい。第1探索点の数は未探索領域の大きさに関係する。第1探索点の数が複数である場合、複数の第1探索点から1つを選択して目標点として使用する。
【0053】
ステップS304において、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、目標点が位置する予め設定された範囲に対応する探索点情報を検出する。
【0054】
ここで、予め設定された範囲は目標点を中心として、ロボットの走査領域に応じて合理的に設けられ、走査領域はロボットが目標点で収集できる地図構築データの範囲である。例えば、ロボット撮像装置の可視範囲である。
【0055】
ステップS306において、探索点情報に従って目標点を処理する。
【0056】
該実施例では、ロボットが完全な走査領域のデータを収集できることを考慮すると、ロボットが近接する2つの第1探索点に位置してデータを収集する場合、少なくとも一部の領域が重複して走査される可能性があり、それにより、地図構築時間が長くなり、地図構築効率の向上に寄与しない。このため、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、予め設定された時間間隔に従って予め設定された範囲に対応する探索点情報を周期的に検出し、ここで、予め設定された時間間隔はロボット走行速度、走行環境に応じて設定され、探索点情報が、予め設定された範囲内に目標点以外の第1探索点が存在するかどうか、予め設定された範囲外に目標点以外の第1探索点が存在するかどうかを示すために使用される。探索点情報を検出した後、探索点情報を用いて目標点を即時に変更することにより、ロボットが領域の地図構築を完了するために移動する位置を少なくするとともに、該目標点の走査可能領域のデータが重複して収集されることを防止し、より少ない探索回数で、より高い探索効率でより少ない探索時間で未知シナリオの自律的探索および地図構築を完了することができる。
【0057】
ステップS308において、ロボットが目標点に走行することに基づいて、探索対象領域の地図構築データを収集することにより、ロボットの環境空間地図を更新する。
【0058】
該実施例では、ロボットが目標点に到達した後、ロボットのデータ収集装置を起動して目標点位置のロボット走査可能領域の地図構築データを収集し、該地図構築データを用いて環境空間地図の作成を拡張する。
【0059】
具体的な実施過程中において、ロボットが未知環境で自律的に探索する場合、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)アルゴリズムに基づいて、ロボットの移動や計測によって、位置決め、地図を構築する。より具体的に、まずレーザデータを収集し、走行距離計データに基づいてロボットの姿勢を推定し、環境地図を構築し、その後確立された地図に基づいてロボットの姿勢を修正し、正確な地図モデルを構築する。なお、環境空間地図モデルはラスター地図であってもよい。ラスター地図は、センサの距離情報を通じて環境の占有状態を直接に得ることができ、詳細な環境特徴データを提供し、非構造化環境の空間表示に適しており、ロボットナビゲーションと経路計画との重要な基礎となる。ラスター地図中の各ラスターは、アイドル、占有、未知の3つの状態があり、アイドルは該ラスターに障害物がないことを示し、占有はラスターに障害物があることを示し、未知はラスターがロボットによって感知されていないことを示し、探索対象の環境に属する。
【0060】
さらに、探索対象領域の地図構築データを収集するステップの後、目標点を探索済みの状態に更新する。これにより、該目標点を第1探索点から除外し、次の点を選定する時にこの点が重複して選択される問題を回避し、点の選定速度の向上に寄与し、ロボットの無駄な作業を防止し、地図構築過程の全体的な実行時間を短縮することができる。
【0061】
本開示によって提供されるいくつかの実現可能な実施例では、探索点情報に従って目標点を処理するステップは、具体的に、以下のステップを含む。
【0062】
ステップS306-1において、探索点情報が予め設定された範囲内に第2探索点が存在することであることに基づいて、目標点を保持する。
【0063】
ステップS306-2において、探索点情報が予め設定された範囲内に第2探索点が存在せず、且つ予め設定された範囲外に第2探索点が存在することであることに基づいて、目標点を第2探索点に更新する。
【0064】
ここで、第2探索点は目標点以外の第1探索点である。
【0065】
該実施例では、予め設定された範囲内に第2探索点が存在することを検出した場合、すなわち、予め設定された範囲内にデータ収集が行われていない第1探索点が存在することが示され、すなわち、ロボットが同一領域の異なる位置を走査していないことが示されている。この場合、ロボットが、目標点に到達し、該目標点のデータ収集を完了するまで、設定された目標点に沿って走行を続けるように、目標点を変更せずに維持することができる。
【0066】
予め設定された範囲内に第2探索点が存在しないことを検出した場合、すなわち、目標点周囲に探索されていない点が存在しないことが示され、ロボットが他の探索点に位置して探索する際に、目標点に対応する地図構築データをすでに収集している可能性があることを意味する。このとき、現在設定された目標点に移動する必要がなくなり、ロボットの移動を停止し、次の新しい目標点を探索し、ロボットを新しい目標点に向かって走行させるように制御し、言い換えれば、予め設定された範囲外の第2探索点、すなわち、探索対象領域内の探索されていない他の第1探索点に応じて目標点を更新し、ロボットのデータ収集の目的地を即時に変更し、ロボットが更新後の目標点に向かって走行することができる。これによって、同一領域内で連続的に短距離を移動することを回避し、地図構築速度を高め、少ない探索回数で、より高い探索効率およびより少ない探索時間で未知シナリオの自律的探索および地図構築を完了することができ、ロボットの地図構築の自律性および知能化を向上させることができる。
【0067】
なお、予め設定された範囲内に第2探索点が存在しないと決定された場合、すなわち、現在設定された目標点周囲が十分に走査されている場合、ロボットはその点で再びデータ収集を実行する必要がないことを理解されたい。このとき、該目標点が探索されたと見なされ、後の点の重複選定を避け、まず更新前の目標点の状態を探索済みの状態に変更し、すなわち、更新前の目標点を第1探索点から除外した後、目標点を更新してもよい。
【0068】
なお、ロボットを更新後の目標点に向かって走行させるように制御する過程中において、更新後の目標点に関連する予め設定された範囲の探索点情報を再検出してもよい。探索点情報が依然として予め設定された範囲内に第2探索点が存在せず、且つ予め設定された範囲外に第2探索点が存在することを示す場合、データ収集が完了するまで、目標点を更新し続ける。
【0069】
本開示によって提供されるいくつかの実現可能な実施例では、ロボットの地図構築方法は、さらに以下のステップを含む。
【0070】
ステップS310において、探索点情報が探索対象領域内に第2探索点が存在しないことに基づいて、ロボットの走行を停止するように制御する。
【0071】
ステップS312において、環境空間地図を記憶する。
【0072】
該実施例では、探索対象領域内に第2探索点が存在せず、すなわち、予め設定された範囲内と予め設定された範囲外とのいずれにも第2探索点が存在せず、言い換えれば、探索対象領域内に探索されていない第1探索点が存在しない。このとき、地図構築が完了したことを確認し、ロボットの探索走行を停止するように直接制御する。同時に、最終的な環境空間地図を記憶し、後の使用に用意する。これにより、ロボットの探索過程中の無駄な動作を回避し、探索時間を節約し、自律的探索効率を向上させる。
【0073】
なお、予め設定された範囲内の領域と予め設定された範囲外の領域とは、ともに探索対象領域を構成する。
【0074】
例示的に、予め設定された範囲内に第2探索点が存在しないと判定された場合、以下の3つの状況が生じる可能性がある。すなわち、
(一)予め設定された範囲外にも第2探索点が存在せず、すなわち、未探索領域内に探索されていない第1探索点が存在せず、言い換えれば、環境空間地図の自律的探索が完了し、地図構築が完了した。このとき、ロボットの探索を停止するように制御し、構築された環境空間地図を記憶し、地図構築モードを終了し、探索完了情報を出力する。
(二)予め設定された範囲外に1つの第2探索点のみが存在する場合、唯一の第2探索点を新しい目標点としてロボットの走行を制御する。ロボットは該第2探索点で地図構築データ収集を完了した後、探索されていない点がなくなると決定し、ロボットは構築された環境空間地図を記憶し、地図構築モードを終了し、探索完了情報を出力する。
(三)予め設定された範囲外に複数の第2探索点が存在し、このとき、予め設定された規則に従って複数の第2探索点を選別し続け、最適な第2探索点を選択して目標点を更新し、更新後の目標点に従ってロボットの走行を制御する。具体的には、予め設定された規則は複数の第2探索点から1つの第2探索点を選択するために使用され、探索ニーズに応じて合理的に設定され得る。例えば、予め設定された規則はロボットの現在位置に最も近い第2探索点を選択してロボットの走行時間を減少するように定義されてもよく、または予め設定された規則は、現在目標点に最も近い第2探索点を選択し、ロボットが同一領域内で連続的に短距離を移動するのを可能な限り回避するように定義されてもよく、または予め設定された規則は、ロボットと第2探索点との間に障害物が存在するように定義されてもよい。本開示の実施例では予め設定された規則が具体的に限定されない。
【0075】
本開示によって提供されるいくつかの実現可能な実施例では、ロボットを目標点に向かって走行させるように制御するステップの前に、以下のステップをさらに含む。
【0076】
ステップS402において、環境空間地図を取得する。
【0077】
ここで、環境空間地図は既知領域および/または探索対象領域を含み、既知領域は地図構築データに対応する。環境空間地図は、制御端末とロボットとの間の情報送信によって得られてもよく、ロボット自身によって作成されてもよく、またはロボットの内蔵メモリから取得されてもよい。
【0078】
さらに、制御端末とロボットとの間の情報送信によって環境空間地図を得る場合、環境空間地図がすべて既知領域であることを検出された場合、探索する必要がなくなり、同時に制御端末に提示情報を送信して、地図の誤伝達を回避する。
【0079】
ステップS404において、既知領域と重なる探索対象領域の複数の境界点を抽出する。
【0080】
例示的に、境界探索アルゴリズム(Froniter-Based)に基づいて、画像分割技術を通じて局所ラスター地図における既知領域と未探索領域との間の境界点を抽出する。
【0081】
なお、境界点は、地図中のopen(既知)とunknown(未知)との境界部の座標点、すなわち、レーザレーダーによって走査されていない領域の境界として定義されることに留意されたい。
【0082】
さらに、ロボットが初めて探索を行う場合、ロボットの所在環境空間は探索対象領域であり、ロボットの現在位置を目標点として第1回データ収集を行い、既知領域と探索対象領域とが共存する環境空間地図を形成し、引き続き、境界アルゴリズムを用いて探索対象領域の地図構築を継続する。
【0083】
ステップS406において、未探索状態にある境界点を第1探索点として決定する。
【0084】
本実施例では、まず探索する必要のある環境空間地図上の既知領域に隣接するすべての境界点を抽出し、状態識別により、すべての境界点から探索されていない境界点を第1探索点として選択する。ロボットを制御して最適的な境界点(目標)から探索対象領域を探索し、ラスター地図を拡張する。地図構築過程中の自動的な点選定を実現し、手動操作を必要せず、労力を節約し、ロボットの自律的な地図構築目的を達成し、さらに、目標点を選択するとき、同一座標のデータが複数回収集される状況を回避でき、地図構築効率を大幅に向上させることができる。
【0085】
本開示によって提供されるいくつかの実現可能な実施例では、ロボットの地図構築方法は、さらに以下のステップを含む。
【0086】
ステップS502において、探索対象領域内の第1探索点の数が複数であることに基づいて、順次複数の第1探索点を接続して接続線を得る。
【0087】
ステップS504において、各第1探索点と接続線の中心点との間の第1距離を決定する。
【0088】
ステップS506において、第1距離のうちの最小値に対応する第1探索点を目標点として決定する。
【0089】
本実施例では、探索対象領域内に複数の第1探索点が存在し、すなわち探索されていない境界点が複数存在する場合、順次複数の第1探索点を接続して接続線を形成し、走査時により大きな面積をカバーし、より良好な地図構築効果を得るために、各第1探索点と接続線の中心点との間の第1距離を計算し、第1距離のうちの最小値に対応する第1探索点は中心点に最も近い第1探索点であり、該第1探索点を目標点として探索する。
【0090】
具体例として、目標点を選択する時、順次地図におけるすべての点を検査し、条件を満たす(既知領域に隣接し、且つ探索されていない)第1探索点を見つけた後、レーザ測距センサは直線的に放射し、すべての境界点の形態は直線に近似しているため、複数の第1探索点からなる線分の中心をできるだけ目標点として選択する。目標点が見つからなければ、すべての地図構築が完了することになる。ロボットが目標点に向かって移動するとき、目標点周囲に検査されていない第1探索点が存在するかどうかを定期的に検査し、このような点がなければ、現在目標点に移動する必要がなくなり、移動を停止し、次の目標点を探し、新しい目標点に向かって移動し、有効な目標点がなくなると、該領域の地図構築が完了したことになる。このような点があれば、引き続き現在目標点に移動し、現在目標点のデータ収集を完了した後、引き続き次の目標点を探す。ロボットが少ない位置に移動すれば領域の地図構築を完了することができ、地図構築過程の全体的な実行時間を短縮することができる。
【0091】
本開示によって提供されるいくつかの可能実現の実施例では、ロボットの地図構築方法は、さらに以下のステップを含む。
【0092】
ステップS602において、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、ロボットの現在位置と目標点との間に障害物が存在することに基づいて、ロボットを障害物の外縁に沿って走行させて障害物を迂回するように制御する。
【0093】
本実施例では、ロボットの走行過程中において、ロボットの現在位置と目標点との間に障害物が存在すると検出された場合、ロボットを障害物の外縁に沿って走行させて障害物を迂回して走行目標点に到達させるように制御し、障害物によるロボットの動作停止を回避し、ロボットの作業連続性を高めるとともにロボットの動作効率を向上させることができる。
【0094】
さらに、ロボットを障害物の外縁に沿って走行させるように制御することは具体的には、ロボットの現在位置と障害物との間の第2距離が距離閾値未満である場合、ロボットを予め設定された角度だけ偏向させ、障害物から離れた方向に前進させるように制御することと、前進後にロボットの現在位置と障害物との間の第3距離が距離閾値よりも大きい場合、ロボットを予め設定された角度だけ逆方向偏向させ、第1障害物に近い方向に走行させるように制御することと、を含む。ここで、予め設定された角度は、ロボットが走行中に走行方向を調整する角度である。
【0095】
なお、異なる検出方法に応じて、距離閾値に対する設定は異なってもよい。
【0096】
図4に示すように、本開示の第2態様の実施例によれば、ロボットの地図構築装置700を提供し、当該ロボットの地図構築装置700は、制御モジュール702、検出モジュール704、処理モジュール706、および地図構築モジュール708を備えてもよい。
【0097】
ここで、制御モジュール702は、ロボットを目標点に向かって走行させるように制御するように構成され、目標点は探索対象領域の1つの第1探索点であり、第1探索点は未探索状態であり、検出モジュール704は、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、目標点が位置する予め設定された範囲内の探索点情報を検出するように構成され、処理モジュール706は、探索点情報に従って目標点を処理するように構成され、地図構築モジュール708は、ロボットが目標点に走行することに基づいて、探索対象領域の地図構築データを収集することにより、ロボットの環境空間地図を更新するように構成される。
【0098】
一例として、処理モジュール706は、具体的に、探索点情報が予め設定された範囲内に第2探索点が存在することであることに基づいて、目標点を保持し、探索点情報が予め設定された範囲内に第2探索点が存在せず、且つ予め設定された範囲外に第2探索点が存在することであることに基づいて、目標点を第2探索点に更新するように構成され、ここで、第2探索点は目標点以外の第1探索点である。
【0099】
一例として、制御モジュール702はさらに、探索点情報が探索対象領域内に第2探索点が存在しないことに基づいて、ロボットの走行を停止するように制御するように構成され、ロボットの地図構築装置700は、環境空間地図を記憶するように構成される記憶モジュール(図示せず)をさらに備える。
【0100】
一例として、ロボットの地図構築装置700は、環境空間地図を取得するように構成され、環境空間地図は既知領域および/または探索対象領域を含み、既知領域は地図構築データに対応する取得モジュール(図示せず)と、既知領域と重なる探索対象領域の複数の境界点を抽出するように構成される抽出モジュール(図示せず)と、未探索状態にある境界点を第1探索点として決定するように構成される第1決定モジュール(図示せず)と、をさらに備える。
【0101】
一例として、ロボットの地図構築装置700は、探索対象領域内に第1探索点の数が複数であることに基づいて、順次複数の第1探索点を接続して接続線を得、各第1探索点と接続線の中心点との間の第1距離を決定し、第1距離のうちの最小値に対応する第1探索点を目標点として決定するように構成される第2決定モジュール(図示せず)をさらに備える。
【0102】
一例として、ロボットの地図構築装置700は、目標点を探索済みの状態に更新するように構成される状態更新モジュール(図示せず)をさらに備える。
【0103】
一例として、制御モジュール702はさらに、ロボットが目標点に向かって走行する過程中において、ロボットの現在位置と目標点との間に障害物が存在することに基づいて、ロボットを障害物の外縁に沿って走行させて障害物を迂回するように制御するように構成される。
【0104】
本開示の第3態様の実施例によれば、ロボットを提供し、プロセッサとメモリを備え、メモリにプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令が記憶されており、プロセッサがコンピュータプログラム命令を実行すると、任意の実施例のロボットの地図構築方法ステップを実現する。
【0105】
図5に示すように、ロボットは、読み取り専用メモリ(ROM802)に記憶されたプログラムまたは記憶装置808からランダムアクセスメモリ(RAM803)にロードされたプログラムに従って様々な適切な動作および処理を実行することができる処理装置801(例えば中央プロセッサ、グラフィックプロセッサなど)を備えてもよい。RAM803には、電子ロボットの操作に必要な様々なプログラムおよびデータがさらに記憶されている。処理装置801、ROM802、およびRAM803はバス804を介して互いに接続される。入力/出力(I/O)インターフェースもバス804に接続される。
【0106】
通常、タッチスクリーン、タッチパッド、キーボード、マウス、カメラ、マイク、加速度計、ジャイロスコープなどの入力装置806、液晶ディスプレイ(LCD)、スピーカー、バイブレータなどの出力装置807、ハードディスクなどの記憶装置808、および通信装置809がI/Oインターフェース805に接続される。通信装置809により、電子ロボットは他のロボットと無線または有線通信を介してデータを交換することができる。図1および図2に様々な装置を有する電子ロボットが図示されているが、図示されたすべての装置を実施または具備する必要がないことを理解されたい。より多くの、またはより少ない装置を代替的に実施または具備してもよい。
【0107】
特に、本開示の実施例によれば、フローチャートを参照して説明された上記過程は、ロボットソフトウエアプログラムとして実装されてもよい。例えば、本開示の実施例は、ロボットソフトウエアプログラム製品を含み、可読媒体上に保持されたコンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムはフローチャート4に示す方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例では、該コンピュータプログラムは通信装置809を介してネットワークからダウンロードされてインストールされてもよく、または記憶装置808からインストールされてもよく、またはROM802からインストールされてもよい。該コンピュータプログラムが処理装置801によって実行されると、本開示の実施例の方法において定義された上記機能を実行する。
【0108】
なお、本開示に記載の可読媒体はコンピュータ可読信号媒体、またはコンピュータ可読記憶媒体、または上記両者の任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば電気、磁気、光、電磁気、赤外線、または半導体システム、装置またはデバイス、または任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM803)、読み取り専用メモリ(ROM802)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM802またはフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM802)、光記憶装置、磁気記憶装置、または上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0109】
本開示の第4態様の実施例によれば、記憶媒体を提供し、コンピュータプログラム命令が記憶されており、コンピュータプログラム命令がプロセッサによって呼び出され、実行されると、上記任意の実施例のロボットの地図構築方法ステップを実施する。
【0110】
本開示では、記憶媒体は、プログラムを包含または記憶する任意の有形媒体であってもよく、該プログラムは命令実行システム、装置またはデバイスによって使用またはそれと組み合わせて使用されてもよい。本開示では、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンドで、またはコンピュータ可読プログラムコードを運ぶキャリアの一部として伝搬されるデータ信号を含んでもよい。そのような伝搬されるデータ信号は、電磁信号、光信号、または前述の任意の好適な組合せを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は記憶媒体以外の任意の可読媒体であってもよく、該コンピュータ可読信号媒体は命令実行システム、装置またはデバイスによって使用またはそれと組み合わせて使用され得るプログラムを送信、伝播または送信することができる。可読媒体に含まれるプログラムコードは任意の適切な媒体によって送信され、電線、光ファイバーケーブル、RF(無線周波数)など、または上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0111】
上記可読媒体は上記ロボットに含まれてもよく、該ロボットに組み込まれずに単独で存在してもよい。
【0112】
1つまたは複数のプログラミング言語またはその組み合わせで、本開示の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードを記述することができ、上記プログラミング言語は、Java、Small talk、C++などのオブジェクト指向のプログラミング言語、「c」言語などの通常の手続き型プログラミング言語または類似のプログラミング言語を含むが、これらに限定されない。プログラムコードはユーザコンピュータで完全に実行されてもよく、部分的にユーザコンピュータで実行されてもよく、1つの独立したソフトウエアパッケージとして実行されてもよく、部分的にユーザコンピュータ上で、部分的に遠隔コンピュータ上で実行されてもよく、または完全に遠方のコンピュータまたはサーバー上で実行されてもよい。
【0113】
遠方のコンピュータの場合、遠方のコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意種類のネットワークを介してユーザコンピュータに接続されてもよく、または、外部コンピュータ(例えばインターネットサービスプロバイダーによるインターネット接続)に接続されてもよい。
【0114】
添付図面中のフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施例に従うシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能および操作を示す。この点で、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、1つのモジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を表し、該モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部は、指定された論理機能を実現するための1つまたは複数の実行可能命令を含む。なお、いくつかの代替的な実装では、ブロックに示された機能は、添付図面に示された順序と異なる順序で発生する可能性があることに留意されたい。例えば、接続された2つのブロックは実際に実施的に並行して実行されてもよく、関連する機能によって逆順序で実行されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート中の各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャート中のブロックの組み合わせは、指定された機能または操作を実行するためのハードウェアにもとづく専用のシステムによって実現されてもよく、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実現されてもよいことに留意されたい。
【0115】
以上説明される装置の実施例は単なる例示であり、前記分離部材として説明されるユニットは物理的に分離されてもよく、物理的に分離されていなくてもよい。ユニットとして示された部材は物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットでなくてもよい。すなわち、1つの場所に配置されてもよく、または複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実際のニーズに応じてその一部または全部のモジュールを選択して本実施例の解決策の目的を実現することができる。当業者が創造的な労働をすることなく理解し、実施することができる。
【0116】
最後に、以上の実施例は、本開示の技術的解決策を説明するために使用され、それらを限定するものではなく、前記実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者は、前記各実施例に記載された技術的解決策を依然として修正することができ、またはその一部の技術的特徴を等価置換することができ、これらの修正や置換は、対応する技術的解決策の本質を本開示の各実施例の技術的解決策の精神および範囲から逸脱させないことを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】