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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】再構成可能剛体化構造
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/04 20060101AFI20250128BHJP
   B32B 3/12 20060101ALI20250128BHJP
   A61L 29/04 20060101ALI20250128BHJP
   A61L 29/14 20060101ALI20250128BHJP
   A61L 31/04 20060101ALI20250128BHJP
   A61L 31/14 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
B32B3/04
B32B3/12 Z
A61L29/04
A61L29/14 400
A61L31/04
A61L31/14 400
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540018
(86)(22)【出願日】2023-01-04
(85)【翻訳文提出日】2024-08-26
(86)【国際出願番号】 US2023060086
(87)【国際公開番号】W WO2023133403
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/296,478
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518072597
【氏名又は名称】ネプチューン メディカル インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】モーリス,スティーブン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】チルソン,アレキサンダー・キュー
【テーマコード(参考)】
4C081
4F100
【Fターム(参考)】
4C081AC06
4C081AC08
4C081BB09
4C081CA01
4C081CA15
4C081CG08
4C081DA04
4C081DA16
4C081DB03
4C081DC03
4F100AB01B
4F100AB01C
4F100AB10A
4F100AK01B
4F100AK01C
4F100AK01D
4F100AK01E
4F100AL09D
4F100AL09E
4F100AT00B
4F100AT00C
4F100BA05
4F100BA06
4F100DB02D
4F100DB02E
4F100DB06D
4F100DB06E
4F100DB16D
4F100DB16E
4F100DB17D
4F100DB17E
4F100DC01A
4F100DD31D
4F100DD31E
4F100DG01C
4F100DG12B
4F100DG13B
4F100DJ01A
4F100EJ213
4F100EJ243
4F100GB07
4F100GB66
4F100JA13B
4F100JA13C
4F100JK01B
4F100JK01C
4F100JK02B
4F100JK02C
4F100JK07B
4F100JK07C
4F100JK12
4F100JK13
4F100JK17A
4F100JL03
4F100YY00B
4F100YY00C
(57)【要約】
本明細書には、可撓構成から剛体構成に迅速に移行することができる再構成可能構造が記載される。芯層、面シート層、および外側の封止された層が、再構成可能構造を形成する。再構成可能構造は、例えば、封止された構造に真空または圧力を印加することにより、可撓構成から剛体構成または剛性構成に移行することができる。真空または圧力が取り除かれている状態では、層は、互いに対して容易にずれるまたは動くことができる。真空または圧力が印加されている状態では、層は、ずれ、動き、曲げ、および座屈に抵抗する大幅に高められた能力を示す状態に移行することができ、それにより剛体構成へと剛性化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓芯層と、
前記可撓芯層の第1の側に配置された第1の面シートと、
前記可撓芯層の前記第1の側から反対側にある前記可撓芯層の第2の側に配置された第2の面シートと、
前記可撓芯層、前記第1の面シート、および前記第2の面シートの周りを取り囲み、封止を形成する外側層と、
前記外側層の内部に配置され、それを通した圧力の印加を可能にするように構成された入口と、
を備え、
前記第1の面シートおよび前記第2の面シートが、前記入口からの圧力の印加なしで可撓性である第1の構成において、前記可撓芯層に対してずれるように構成され、前記第1の面シートおよび前記第2の面シートが、前記入口からの圧力の印加の下で剛体である第2の構成において、前記可撓芯層に圧力固定される、剛体化可能なシェル構造。
【請求項2】
前記圧力が負圧である、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記可撓芯層が、Nomex(商標)またはアルミニウムのハニカムを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項4】
ずれ強化層が利用される、請求項1に記載の構造。
【請求項5】
複数の芯層が利用される、請求項1に記載の構造。
【請求項6】
前記可撓芯層が発泡体を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項7】
前記可撓芯層が、刻み目を付けられたバルサ材を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項8】
前記可撓芯層が不連続である、請求項1に記載の構造。
【請求項9】
前記可撓芯層が、約.1~10cm、.5~10cm、.1~5cm、.5~5cm、.5~2cm、1~5cm、1~10cm、2~10cm、2~8cm、2~5cm、3~10cm、3~8cm、3~5cm、4~10cm、4~8cm、4~5cm、または5~10cmの厚みを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項10】
前記第1の面シートが繊維布を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項11】
前記繊維布が織られているまたは編組されている、請求項10に記載の構造。
【請求項12】
前記第1の面シートおよび前記第2の面シートが、約0.1~5cm、0.5~5cm、または0.5~2cmの厚みを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項13】
前記面シートが、40%~60%など約30%~70%の、例えば、30%、40%、50%、60%または70%の被覆率を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項14】
前記第1の面シートおよび前記第2の面シートが、約1~3g/cm、1~2g/cm、1~4g/cm、1~5g/cm、1~6g/cm、1~7g/cm、1~8g/cm、1~9g/cm、または1~10g/cmの密度を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項15】
前記第1の面シートおよび前記第2の面シートが、矩形、平坦、丸、および/または卵形である繊維を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項16】
前記第1の面シートおよび前記第2の面シートが、プラスチックまたは金属である繊維を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項17】
前記外側層がエラストマーを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項18】
前記外側層がプラスチックを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項19】
前記外側層が、約30A~80Aまたは約50~60Dの硬度を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項20】
前記外側層が、約0.000254cm~2.54cm(約0.0001~1インチ)、0.00254cm~2.54cm(0.001~1インチ)、0.0127cm~2.54cm(0.005~1インチ)、0.0254cm~2.54cm(0.01~1インチ)、0.127cm~2.54cm(0.05~1インチ)、0.0254cm~1.27cm(0.01~0.5インチ)、1.27cm~2.54cm(0.5~1インチ)の厚みを含む、請求項1に記載の構造。
【請求項21】
前記入口がチューブに取り付けられる、請求項1に記載の構造。
【請求項22】
可撓芯層と、
前記可撓芯層の第1の側に配置された第1のシートと、
前記可撓芯層の前記第1の側から反対側にある前記可撓芯層の第2の側に配置された第2のシートと、
前記可撓芯層、前記第1のシート、および前記第2のシートの周りを取り囲み、封止を形成する外側層と、
前記外側層の内部に配置され、それを通した圧力の印加を可能にするように構成された入口と、
を備え、
前記第1のシートおよび前記第2のシートが、前記入口を通して圧力を印加することなしで可撓性である第1の構成において、前記可撓芯層に対してずれ、前記第1のシートおよび前記第2のシートが、前記入口を通した圧力の前記印加の下で剛体である第2の構成において、前記可撓芯層にしっかりと固定させられる、剛体化可能なシェル構造。
【請求項23】
シェル構造を可撓構成から剛性構成に移行させる方法であって、
シェル構造をある形状またはある位置に設定するステップであって、前記シェル構造が、第1の面シートと第2の面シートとの間に配置された芯層を取り囲む、封止された外側層を含み、前記第1の面シートおよび前記第2の面シートが、前記芯層に対してずれるように構成される、ステップと、
前記封止された外側層における入口を通して、前記シェル構造に圧力を印加し、それにより、前記第1の面シートおよび前記第2の面シートを前記芯層に圧力固定させ、前記シェル構造を前記形状または前記位置で剛性化させる、ステップと、
を含む方法。
【請求項24】
前記シェル構造に圧力を印加するステップが、前記シェル構造に負圧を印加するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記シェル構造に圧力を印加するステップが、前記シェル構造に、6894.76~101352.9Pa(0.01~14.7psi)の間の負圧を印加するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
圧力の印加をやめ、それにより前記シェル構造が可撓構成に移行して戻ることを可能にする、ステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]この特許出願は、2022年1月4日に出願された、「RECONFIGURABLE STRUCTURES」という名称の米国仮特許出願第63/296,478号に対する優先権を主張し、同出願は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
参照による組み込み
[0002]本明細書において言及されるすべての文献および特許出願は、個々の文献または特許出願が具体的にかつ個別に参照によって組み込まれる旨が示されるもの同等に、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
[0003]本出願は、可撓構成から剛性構成に移行することができる再構成可能構造の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
使用の分野
[0004]円筒形の剛体化デバイス(例えばチューブ、棒等)が、(限定されないが)胃腸管、胆膵管、(心臓、末梢、肺、および神経血管系を含む)血管系、ならびに気道などの、曲がりくねった解剖学的構造を通って進む際の使用向けに説明されてきた。そのような細長いデバイスは、可撓構成(すなわち、弛緩している、ぐにゃぐにゃの、または柔らかい構成)から剛体構成に迅速に移行し得る。これらのデバイスは、複数の層、例えば、コイル状のまたは補強された層、スリップ層、編組された層、他の剛体化層、ブラダー層および/または封止シースを含んでよい。真空または圧力の印加により、これらのデバイスが、可撓構成から剛体構成に移行することができるようになり、全体的に管状構成を含むが、棒(中実の円筒形)構成を含むこともできる。
【0005】
[0005]再構成可能形状をもつ既存の非管状構造は、複雑なまたは高価な設計および/もしくは製造方法を伴う構造を含む。例えば最近、環、立方体、および8面体などの架橋構造のシートを含む材料が説明されてきた。これらの(通常は3Dプリントされた)材料は、圧縮および張力の下でジャミングすることができるように設計されている。他の剛体化材料は、熱応答性の液晶エラストマー(LCE)のネットワーク、または加熱されると収縮するポリマーの薄い細片を埋め込むことにより、制御される形状を含む。これらのLCEは、電流で充電されることができる伸縮可能な加熱コイルを包含し、このコイルがLCEを加熱して縮小させる。LCEの縮小に伴って、LCEは、それらが中に埋め込まれ圧縮された可撓材料において、その可撓材料をあらかじめ設計された中実の形状へと引っ張る。粒子ジャミング剛性化技術もまた、広範囲にわたって説明されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]単純で、信頼性高く構築された構成をもち、一定の断面厚みおよび低い材料質量を提供し得る再構成可能構造の必要性が存在する。また、かなり大きな電子機器を要求することなく使用され得る、剛体化構造および再構成可能構造を提供することも有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本明細書には、所望の形状に順応または変形し得る柔らかくて、折り畳み可能で、可撓性のあるシート構成から、選択的に剛体化し得、剛体および剛性である構造へと「硬直させられる」または解放可能にロックされることができる、装置(例えば、構造的システムを含むシステムおよびデバイス)が記載される。また本明細書には、これらの装置を使用する方法が記載される。これらの装置は、医療デバイスとして、また、例えば住宅、建築物、または容易にコンパクトになり、迅速に組み立てられることができる避難シェルターを含む、非医療の使用法のために使用されてよい。概して、これらの装置は、可撓シートから剛体構造に変形させられることから利益を得るであろう任意の構成要素に使用されてよい。
【0008】
[0008]例えば、本明細書には、剛体化可能なシェル構造が記載され、剛体化可能なシェル構造は、可撓芯層と、可撓芯層の第1の側に配置された第1のずれ強化層と、第1のずれ強化層に隣接する第1の面シートと、可撓芯層の第1の側から反対側にある可撓芯層の第2の側に配置された第2のずれ強化層と、第2のずれ強化層に隣接する第2の面シートと、可撓芯層、第1のずれ強化層、第1の面シート、第2のずれ強化層、および第2の面シートの周りに封止された外側カバーとを備え、外側カバー内に配置された入口が、封止された筐体内への圧力の印加を可能にするように構成され、第1の面シートおよび第2の面シートが、圧力の印加なしで可撓性である第1の構成において、可撓芯層に対してずれるように構成され、第1の面シートおよび第2の面シートが、圧力の印加の下で剛体である第2の構成において、芯層に圧力固定される。
【0009】
[0009]圧力は、負圧であってよい。
【0010】
[0010]いくつかの例では、可撓芯層は、Nomexまたはアルミニウムのハニカムを含む。
【0011】
[0011]これらの例のいずれでも、複数の芯層が利用されてよい。芯層は発泡体を含んでよい。芯層は刻み目を付けられた木材(例えばバルサ材)を含んでよい。芯層は不連続であってよい。芯層は、約0.1~10cm、0.5~10cm、0.1~5cm、0.5~5cm、0.5~2cm、1~5cm、1~10cm、2~10cm、2~8cm、2~5cm、3~10cm、3~8cm、3~5cm、4~10cm、4~8cm、4~5cm、または5~10cmの厚みを含んでよい。芯層は、約0.0320~0.3203g/cm(2~20lb/ft)の間の密度を有してよい。
【0012】
[0012]面シートは、織られたまたは編組された繊維布を含んでよい。いくつかの例では、面シートは、断続的に互いに取り付けられた一方向繊維の複数の層を備える。いくつかの例では、繊維布は、約0~90°、10~90°、20~90°、30~90°、40~90°、50~90°、60~90°、70~90°、80~90°、20~80°、30~70°、40~60°、30~50°、または40~50°の、編組角度または織り角度を備える。編組角度は、隣接する繊維または繊維の束の間の角度であってよい。
【0013】
[0013]面シートは、約0.1~5cm、0.5~5cm、または0.5~2cmの厚みを含んでよい。面シートは、40%~60%など約30%~70%の、例えば、30%、40%、50%、60%または70%の被覆率を有してよい。面シートは、約1~400GPa(例えば、約10~200GPa、50~200GPa、50~100GPa、60~100GPa、70~100GPa、100GPaより大きい、200GPaより大きい)の弾性率を有する引張要素を包含してよい。面シートは、約0.1~3g/cm、0.1~2g/cm、0.1~4g/cm、0.1~5g/cm、0.1~6g/cm、0.1~7g/cm、0.1~8g/cm、0.1~9g/cm、0.1~10g/cmの密度を有する材料からなってよい。面シートは、矩形、平坦、丸、および/または卵形である繊維を含んでよい。面シートは、プラスチックまたは金属である繊維を含んでよい。面シートは、モノフィラメント、または束あたり最大で1000本の繊維をもつ小さな繊維の束からなってよい。
【0014】
[0014]外側カバーは、エラストマーを含んでよい。外側カバーは、約30A~80A、40A~70A、50~60Dのデュロメータを含んでよい。外側カバーは、プラスチックを含んでよい。外側カバーは、約0.000254cm~2.54cm(約0.0001~1インチ)、0.00254cm~2.54cm(0.001~1インチ)、0.0127cm~2.54cm(0.005~1インチ)、0.0254cm~2.54cm(0.01~1インチ)、0.127cm~2.54cm(0.05~1インチ)、0.0254cm~1.27cm(0.01~0.5インチ)、1.27cm~2.54cm(0.5~1インチ)の厚みを有してよい。
【0015】
[0015]これらの装置のいずれも、入口はチューブに取り付けられる。
【0016】
[0016]また本明細書には、シェル構造を可撓構成から剛性構成に移行させる方法が記載され、この方法は、シェル構造をある形状またはある位置に設定するステップであって、シェル構造が、第1の面シートと第2の面シートとの間に配置された芯層を取り囲む、封止された外側層を含み、第1の面シートおよび第2の面シートが、芯層および/またはずれ強化層に対してずれるように構成される、ステップと、封止された外側層における入口を通して、シェル構造に圧力を印加し、それにより、第1の面シートおよび第2の面シートを芯層に圧力固定させ、シェル構造を上記形状または上記位置で剛性化させる、ステップと、を含む。
【0017】
[0017]これらの方法はいずれも、シェル構造に負圧(例えば真空)を印加することにより、シェル構造に圧力を印加するステップを含んでよい。シェル構造に圧力を印加するステップは、シェル構造に、6894.76~101352.9Pa(0.01~14.7psi)の負圧を印加するステップを含んでよい。これらの方法はいずれも、圧力の印加をやめ、それによりシェル構造が可撓構成に移行して戻ることを可能にする、ステップを含んでよい。
【0018】
[0018]本発明に記載される方法および装置のすべては、任意の組み合わせで、本明細書において企図され、本明細書に記載される利益を実現するために使用され得る。
【0019】
[0019]本発明に記載される方法および装置の特徴および利点のより良い理解は、例示的な実施形態を述べる以下の詳細な説明および添付図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】[0020]再構成可能なシェル構造の一例を示す図である。
図2A】[0021]円筒の周りに形状を定められた再構成可能なシェル構造の一例を示す図である。
図2B】[0022]円筒の重量を支持する図2Aの形状を定められたシェル構造を示す図である。
図3A】[0023]円筒の端部の周りに形状を定められた再構成可能なシェル構造の一例を示す図である。
図3B】[0024]円筒の重量を支持する図3Aの形状を定められたシェル構造を示す図である。
図4A】[0025]棒の端部の周りに形状を定められた再構成可能なシェル構造の一例を示す図である。
図4B】[0026]棒が取り除かれ、構造が管状形状を維持している、図4Bの再構成可能なシェル構造を示す図である。
図4C】[0027]円筒の重量を支持する図4Cの再構成可能なシェル構造を示す図である。
図5A】[0028]弛緩した(剛体化されていない、高可撓性の)構成における、再構成可能なシェル構造の一例の概略断面図である。
図5B】[0029]剛体化された構成における、図5Aの再構成可能なシェルの概略断面図である。
図5C】[0030]弛緩した(剛体化されていない、高可撓性の)構成における、再構成可能なシェルの別の例の概略断面図である。
図6A】[0031]図5Aに示されるものと同様の弛緩した(剛体化されていない、高可撓性の)構成における、再構成可能なシェル構造の別の例の断面図である。
図6B】[0032]弛緩した(剛体化されていない、高可撓性の)構成における、再構成可能なシェル構造の別の例の断面図であり、図6Bに示される構造は、積み重ねられた芯層の積み重ねられた層で形成される。
図7A】[0033]再構成可能なシェル構造において面シートとして使用されることができる編組されたプラスチックモノフィラメント材料層の一例を示す図である。
図7B】[0034]再構成可能なシェル構造において面シートとして使用されることができる織り繊維布材料層の一例を示す図である。
図8A】[0035]再構成可能なシェル構造において芯層として使用されることができる材料層の実施形態を示す図である。
図8B】再構成可能なシェル構造において芯層として使用されることができる材料層の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0036]本明細書には、負圧(例えば真空)の印加によって、制御可能にかつ急速に、高可撓性の構成(すなわち、弛緩している、ぐにゃぐにゃの、または柔らかい構成)から非常に剛体である構成(すなわち、剛性である、および/または剛体化されたときにそれが取っている形状を保持する、構成)に移行されることができる材料の平面状のシートを含む装置(例えばシステムおよびデバイス)が記載される。これらの装置は、剛体化可能なシートおよび/または剛体化可能なシェル構造と呼ばれてよい。
【0022】
[0037]本明細書に記載される構造は、迅速に(例えばほぼ瞬間的に、例えば1秒未満、0.5秒未満、0.3秒未満、0.2秒未満、0.1秒未満等以内で)剛体化し得る。より大きな構造は、それらの体積がより大きくなるのに伴って、剛体化するのにより長い時間がかかってよい。それらは、構造内に分散された複数の圧力(例えば吸引)ポートを含むことにより、迅速に剛体化するように構成されることができる。
【0023】
[0038]概して、これらの構造はいずれも、平面表面の方向に感知できるほど収縮することなく移行し得る。
【0024】
[0039]これらの装置は、真空が中に印加され得る封止された領域によって封鎖される層のスタックを含んでもよい。層は、1つまたは複数の芯層を含み、この芯層は、両側がずれ強化層により取り囲まれ、スタックの外側が面シートによって取り囲まれる。ずれ強化層は、任意選択的であってもよく、例えば面シートが直接芯に接触することができるいくつかの例では、含まれなくてもよい。層は、互いの上に積み重ねられ、真空(負圧)が印加され得る1つまたは複数のポートに接続される、封止されたまたは封止可能な領域内に封鎖される。概して、層は、印加される真空がほとんどまたは全くない、弛緩した構成において、互いに対して自在に滑動可能かつ可撓性であり得る。負圧(例えば真空)が印加されると、スタックは共に積層し、組立体の剛性を劇的に増大させることができる。剛性は、負圧の大きさを調節することにより調節され得る。
【0025】
[0040]さらに、剛性は、芯の厚み、芯層の個数、面シートの特性、および/もしくはずれ強化層の特性を増大または減少させることを含めて、芯を調整することにより、異ならせることが可能である。例えば、芯層の厚みを増加させること(またはすべての芯層の合計厚みを増加させること)は典型的に、相当の圧力について典型的に最後の剛性を減少させる芯厚みを減少させ(またはすべての芯層の合計厚みを減少させ)ながら、構造がより大きな最後の剛性を実現することを可能にする。芯層は、ずれ強化層(または複数のずれ強化層)によって隔てられた複数の芯層に分割されてよい。追加的な芯層(およびそれにより全体の厚み)を追加することは、剛体化されていない構成での可撓性を劇的に増大させることなく、剛体化された構成で実現されることのできる最後の剛性を劇的に増大させることができる。よって、任意の個数の芯層が使用されてよい。概して、芯層厚みを増加させることは、相当の負圧について、剛体化された構成での最後の剛性を増大させ得る。芯層(または領域)は、複数の芯層に分割されてよい。厚みを鑑みると、より多くの(だがより薄い)芯層を有することは、剛体化された剛性を著しく妥協することなく、可撓性を増大させ得る。
【0026】
[0041]剛体化されていない構成において、本明細書に記載される剛体化可能なシェル構造は、非常にまとわせやすくあり得、負圧の印加によって剛体化され得る3次元の表面または形状に、容易く確認し得る。
【0027】
[0042]任意の適切な芯シートまたは層が使用されてよい。概して、芯層またはシートは、曲げ可撓性が高くてよく、明確に定められた厚みを有する。芯は、設定または固定され得る断面高さをもたらす。芯は、中実の表面、または多孔質のもしくはハニカムの構造を有してよく、圧縮に抵抗しながら曲げ可撓性を可能にする任意の適切な材料で形成されてよい。例えば、芯は、1つまたは複数の複数の材料で形成されてよく、限定されないが、(例えばNomex(商標)もしくはアルミニウムの)ハニカム構造、(例えばシート、もしくは背部支持母材を伴う刻み目を付けられた)発泡体、または(やはり、背部支持母材を伴い、典型的には刻み目を付けられた)バルサ材を含む、しなやかな構造に形成されてよい。
【0028】
[0043]芯は、複数の層で形成されてよく、述べられたように、各芯層は、ずれ強化層によって、隣接する芯層から隔てられてよい。複数の芯層を積み重ねることは、基本的な可撓性を高めることができる。最終的な剛性は総計の厚みに関し得るが、芯を構成層に分割することが、層間芯層のずれを可能にし得、このことが可撓性を高める。
【0029】
[0044]面シートは、概して比較的軽量であり、高引張剛性を有し、高ずれ剛性を示してよいが、しなやかな層に形成されてよい。例えば、面シートは、織られた、編まれた、または編地の層もしくは材料で形成されてよい。例えば、面シートは、(剛体化樹脂を伴わない)繊維布で形成されてよい。この布は、例えば、織られるまたは編組されることができ、繊維、高強度繊維、プラスチック、もしくは金属、またはこれらのいくつかの組み合わせ、例えば、繊維/エポキシラミネート、アルミニウム鋼もしくはステンレス鋼などで形成されることができる。面シートは、装置の剛体化された構成での剛体性を最大化しながら、弛緩した構成での可撓性を最大化するように調整または選択され得る角度、厚み、開口面積、弾性率、繊維径、および/または織目を有する、材料の繊維で形成されてよい。概して、面シートは、弛緩した構成では高可撓性であり得るが、吸引が印加されると、面シートは、積層されて芯層に当たって、極めて剛体である構造を形成し得る。
【0030】
[0045]荷重を面シートから芯に伝達し得る任意の適切なずれ強化層が使用されてよく、そうして、剛体化された剛性が高められる。例えば、ずれ強化層は、多様な異なるデュロメータまたは厚みを有するエラストマー材料で形成されてよく、デュロメータまたは厚みは、装置の剛体化された構成での剛性を最大化しながら、弛緩した構成での可撓性を最適化するように設定されてよい。
【0031】
[0046]封止された構造(例えば封止可能筐体)は、プラスチックまたはエラストマー材料などの、可撓性かつ空気不浸透性の材料で形成されてよい。封止されたまたは封止可能な筐体は、封止された構造の内部に構成要素層を保持し得るので、真空(負圧)の印加により、面シートが芯に対して吸い付けられ、その結果、それらが面シートを芯に圧力固定しながら、面シートの内部繊維ずれ安定化をもたらす。圧力(真空)が解放されると、面シートを形成する繊維は、互いに対してずれるように自由になり、面シートはもはや、芯に吸い付けられておらず、ユニットが超可撓性形態に戻る。
【0032】
[0047]よって、複数の層(例えば、芯層、面シート層、ずれ強化層、ならびにブラダー層および/または封止外層)が互いと共に、再構成可能構造を形成することができる。再構成可能構造は、例えば、封止された構造に真空または圧力を印加することにより、可撓構成から剛体構成または剛性構成に移行することができる。真空または圧力が取り除かれている状態では、層は、互いに対して容易にずれるまたは動くことができる。真空または圧力が印加されている状態では、層は、ずれ、動き、曲げ、および座屈に抵抗する大幅に高められた能力を示す状態に移行することができ、それにより剛体化をもたらす。
【0033】
[0048]図1は、再構成可能構造100の一実施形態を示す。構造100は、封止された領域102を備える。封止された領域は、真空/圧力ライン104に流体接続された入口106を備える。圧力または真空の印加がない場合、構造100は、可撓性であり、様々な異なる構成へと曲げられるまたは湾曲させられることができる。図1に示される例は、真空/圧力ライン104への単一のポートまたは入口を示す。実際には、複数の入口圧力ラインおよび/または出口ラインが含まれてよい。例えば、単一の装置は、選択的に分離可能かつ剛体化可能である複数の領域を含んでよい。入口ラインおよび/または出口ラインは、弁を付けられても、または他の方法で封止可能であってもよい。図1において、装置の外周は、剛体化可能構造の一部ではない。いくつかの例では、装置の他の小領域は、剛体化可能でなくてよいが、可撓性があり続け得る。いくつかの例では、装置のすべてが、剛体化可能であってよい。
【0034】
[0049]ここで図2Aを参照すると、円筒202の周りに湾曲された、再構成可能装置の一例(例えば図1に示されるものと同様である構造100)が示される。圧力または真空の印加がない場合、装置(例えば構造100)は、このように湾曲するのに十分な可撓性がある。円筒の周りに湾曲されながらの圧力または真空の印加の後、構造100は、図2Bの再構成された形状によって示されるように、その想定される形状へと剛性化される。図2Bはまた、剛性化された構造100が、円筒の重量に耐えるのに十分強いことを示す。
【0035】
[0050]図3Aは、円筒202の端部の周りに巻き付けられた再構成可能構造100を示す。圧力または真空の印加がない場合、構造100は、このように湾曲するのに十分な可撓性がある。円筒の周りに湾曲されながらの圧力または真空の印加の後、構造100は、図3Bの再構成された形状によって示されるように、その想定される形状へと剛性化される。図3Bはまた、剛性化された構造100が、円筒の重量に耐えるのに十分強いことを示す。
【0036】
[0051]図4Aを参照すると、棒402の端部の周りに巻き付けられたまたはまとわせられた、再構成可能構造100が示される。圧力または真空の印加がない場合、構造100は、このように湾曲するのに十分な可撓性がある。棒の周りに湾曲されながらの圧力または真空の印加の後、構造100は、図4Bの再構成された形状によって示されるように、その想定される形状へと剛性化される。図4Cはまた、剛性化された構造100が、円筒202の重量に耐えるのに十分強いことを示す。
【0037】
[0052]圧力の印加を中止する(例えば、真空、および/または大気への排気を、オフにする)ことにより、剛性化された構造が、その可撓構成に向かって戻るまたは移ることになる。
【0038】
[0053]図5Aは、再構成可能構造100の断面概略図の例を示す。この例では(実際の縮尺ではない)、構造100は、封止された封鎖領域204を備える。封止された封鎖領域204は、上部表面および下部表面において、外面シート層208、208’に隣接する内側繊維ずれ安定化層212、212’が両側にある単一の芯206を封鎖する。封鎖領域は、例えばエラストマーまたはプラスチック材料203によって封鎖されてよく、外側封止容器と呼ばれてよい。真空/圧力ライン210が、封止領域204に流体接続される。真空圧力ラインは、吸引が印加されるときにつぶれるのを防止するために支持されてよい。いくつかの例では、吸引(負圧)は、図示されるように装置の端部から印加される。代替としてまたは追加として、そのようなものは、構造内に分散されてよく、2つ以上の場所、および/または中央の場所に印加されてよい。
【0039】
[0054]図5Bは、負圧(真空)が印加される剛体化された構成にある、請求項5Aの装置を概略的に示す。この例では、負圧が、外面シート208、208’を、内側繊維ずれ安定化シート212、212’および芯層206に押し当てて積層させる。芯は、この軸においては相対的に非圧縮性であってよい。層(外側封止チャンバを含む)は、剛体化されていない構成のときに、緩くではあるが、平たくなって互いの上に載り得るため、図5Aの層間の間隔は誇張されている。
【0040】
[0055]図5Cは、上部表面および下部表面において、外面シート層208、208’に隣接する内部繊維ずれ安定化層212、212’が両側にある単一の芯206を封鎖された封鎖領域204を含む別の例の再構成可能構造100’の別の概略断面図を示す。この例では、第3および第4のずれ安定化層212’’、212’’’もまた外面シート層の外側に含まれる。記載される装置のいずれでも、追加的なずれ安定化層212’’、212’’’は、面シート208、208’の両側に存在することができる。これは、面シートに高められたずれ性を提供し、それにより高められた剛体化を提供し得る。
【0041】
[0056]本明細書に記載される装置のいずれでも、ずれ安定化層212、212’は、芯206(またはそれぞれの芯)に接合され得る。これは、面シートに関してずれ強化性をさらに提供し得る。それは、ずれ安定化層がエラストマーであり得るため、芯が可撓性を有することを可能にしながらも、より強固に取り付けられて高められたた剛体化を提供し得る。
【0042】
[0057]本明細書に記載される装置はいずれも、装置からの空気の放出を高め得る、布や、ランダムな配向の繊維でできた「ブリーザ(breather)」などの通気性材料を、(例えば、外側封止容器の内部、例えば袋203と、層の複合スタックの外側層、例えば外面シート208または外側ずれ層212’’との間に)含んでよい。
【0043】
[0058]述べられたように、芯層は、明確に定められた厚みまたは断面高さを再構成可能構造に提供してよく、同時に可撓性も提供してよい。いくつかの実施形態では、芯層は、その表面に沿って不連続である材料を備える。不連続とは、材料がその表面に沿って刻み目を備えていることを指し得る。不連続とはまた、少なくとも部分的に、メッシュ、ウェブ、または網として構成された、または接続された材料のより糸をその他の形(例えばハニカム)で含む、材料を指すこともある。
【0044】
[0059]いくつかの実施形態では、芯層は、約5~100%、10~100%、15~100%、20~100%、25~100%、30~100%、35~100%、40~100%、45~100%、50~100%、55~100%、60~100%、65~100%、70~100%、75~100%、80~100%、85~100%、90~100%、10~90%、20~80%、30~70%、40~60%、45~55%等の接触面積割合を備える。いくつかの例では、芯の接触面積は低くてよい(例えば、15%未満、10%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満等)。
【0045】
[0060]いくつかの実施形態では、各芯層は、約.1~10cm、.5~10cm、.1~5cm、.5~5cm、.5~2cm、1~5cm、1~10cm、2~10cm、2~8cm、2~5cm、3~10cm、3~8cm、3~5cm、4~10cm、4~8cm、4~5cm、5~10cm等の厚みを備える。複数の芯層が使用されてよく、それらはずれ安定化層によって隔てられてよい。全体の芯厚みは大きくてよい。例えば、全体の芯(または芯領域)は、0.1cm~50cmの間(例えば、0.1cm~40cmの間、1cm~35cmの間、1cm~31cmの間、1cm~25cmの間、1cm~16cmの間等)の厚みを有してよい。
【0046】
[0061]例えば、図6Aは、図5Aに示されるものと同様の、ずれ安定化層212、212’の対および面シート208、208’が両側にある芯206’を含む装置100’’の一例を示す。この例において、芯206は、図5Aおよび図5Bの芯の高さ228よりも大きな高さ228’を有する。より大きな高さは、負圧が印加されるときに、より大きな剛性をもたらすことができる。
【0047】
[0062]図6Bは、本明細書に記載される剛体化可能なシェル構造100’’’の概略の別の例を示す。図6Bでは、芯は、ずれ安定化層212’’、212’’’によって各々隔てられた複数の芯層206’’、206’’’、206’’’’を含む。図6Bに示される例の合計芯厚みは、図6Aに示されるものと同様であり、同様の負圧下での最終的な剛性は、およそ同等である。しかしながら、複数の芯層を有する図6Bの装置の基本的な可撓性は、著しく高くなり得る。
【0048】
[0063]いくつかの実施形態では、芯層は、約0.0160から0.4805g/cm(約1から30lb/ft)の間(例えば、0.0320~0.3203g/cm(2~20lb/ft)、0.0320~0.2883g/cm(2~18lb/ft)、0.0320~0.2403g/cm(2~15lb/ft)等)の密度を備える。概して、芯は、曲げ可撓性があるように、だが非圧縮性であるように、またずれ荷重が伝達される定められた高さを提供するように構成される。芯層は、多様な材料のうちの1つまたは複数を備えることができる。いくつかの実施形態では、芯層は、Nomexまたはアルミニウム(例えば、図8Aに示すNomexまたはアルミニウムのハニカム)を備える。述べられたように、いくつかの実施形態では、芯層は発泡体を備える。発泡体は、少なくとも部分的に刻み目を付けられることができ、または刻み目を付けられていないシートを備えることができる。いくつかの刻み目を付けられた実施形態では、発泡体は背部支持母材を備える。いくつかの実施形態では、芯層はバルサ材を備える。バルサ材は、少なくとも部分的に刻み目を付けられることができ(図8B)、または刻み目を付けられていないシートを備えることができる。いくつかの刻み目を付けられた実施形態では、バルサ材は背部支持母材を備える。
【0049】
[0064]上記で述べられたように、面シートは、隣接する構成要素に対してずれることができる材料を備えてよく、構造が変形可能であることが可能になる。例えば、面シートは、繊維布を備えることができる。布は、織られることができ(例えば図7B参照)、または編組されることができる(例えば、図7Aに示される編組されたプラスチック)。布は、断続的に互いに取り付けられた一方向繊維の複数の層を備えてよい。布中の繊維は、高強度で軸方向剛性の高い繊維(例えば、炭素、Kevlar(商標)、Technora(商標)、ガラス繊維、Dyneema(商標)、Vectran(商標)等)を備えることができる。
【0050】
[0065]いくつかの実施形態では、面シート布は、構造の長手方向軸に対して、約0~90°、10~90°、20~90°、30~90°、40~90°、50~90°、60~90°、70~90°、80~90°、20~80°、30~70°、40~60°、30~50°、40~50°等の、繊維の織り角度または編組角度を有することができる。
【0051】
[0066]いくつかの実施形態では、面シートは、約.1~5cm、.5~5cm、.5~2cm、1~5cm、2~5cm、3~5cm、4~5cm等の厚みを備える。
【0052】
[0067]いくつかの実施形態では、面シートは、40%~60%など30%~70%の、例えば、30%、40%、50%、60%または70%の被覆率を備え、上記被覆面積は、布の繊維によって覆われるまたは遮られる、下にある表面の割合である。
【0053】
[0068]いくつかの実施形態では、面シートは、約1~400GPA、10~200GPa、50~200GPa、50~100GPa、60~100GPa、70~100GPa、100GPaより大きい、200GPaより大きい等の弾性率を有する引張要素を包含する。概して、繊維の引張強度および剛性は、比較的高いが、繊維またはフィラメントは、互いに対してずれてもまたは動いてもよい。
【0054】
[0069]いくつかの実施形態では、面シートは、低密度を備える軽量材料を備える。密度は、約1g/cm未満、約0.1~3g/cm、0.1~2g/cm、0.1~4g/cm、0.1~5g/cm、0.1~6g/cm、0.1~7g/cm、0.1~8g/cm、0.1~9g/cm、0.
【0055】
[0070]1~10g/cm等の間であることができる。繊維は、(例えば、0.0127cm(0.005インチ)、0.1778cm(0.007インチ)、0.0254cm(0.010インチ)、または0.03048cm(0.012インチ)など、0.00254cm~0.1524cm(0.001インチ~0.060インチ)の長い縁部、および0.00254cm(0.001インチ)、0.00508cm(0.002インチ)、または0.00762cm(0.003インチ)など、0.000762cm~0.0762cm(0.0003インチ~0.030インチ)の短い縁部をもつ)矩形/平坦、(例えば、0.0127cm(0.005インチ)、0.0254cm(0.01インチ)、または0.03048(0.012インチ)など、0.00254cm~0.0508cm(0.001インチ~0.020インチ)の直径をもつ)丸、または卵形であることができる。いくつかの実施形態では、一部の繊維は、平坦であることができ、一部の繊維は、丸であることができる。
【0056】
[0071]いくつかの実施形態では、繊維は、金属フィラメント(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニチノール、タングステン、またはチタニウム)、プラスチック(ナイロン、ポリエステルテレフタレート、PEEK、ポリエーテルイミド)、または高強度で軸方向剛性の高い繊維(例えば、炭素、Kevlar(商標)、Technora(商標)、アラミド、ガラス繊維、Dyneema(商標)もしくはUHMWPE、またはVectran(商標)などの液晶ポリマー)で作られることができる。いくつかの実施形態では、繊維は、薄いエラストマーコーティングを伴う金属芯などの多層複合材で作られることができる。
【0057】
[0072]面シートは、モノフィラメント、または束あたり最大で1000本の繊維をもつ小さな繊維の束からなってよい。より多い本数のより糸は、高められた繊維間の相互作用によって面シートの剛性化を助け得ることが有利である。
【0058】
[0073]芯および面シートは、封止された領域内に保持される。封止された領域は、流体不浸透性である可撓性材料を備えることができる。封止された領域は、真空が印加されたときに径方向内側に動き、下に引っ張られて内側層に当たり、その表面に順応するように構成され得る。封止された領域の境界層は、柔らかく、非外傷性であり得、両端で封止されて真空密のチャンバを作り出すことができる。封止された領域の境界層は、プラスチックを備えることができる。封止された領域の境界層は、弾性であり得、例えばウレタンから作られる。
【0059】
[0074]いくつかの実施形態では、構造全体が、封止された領域を備える。いくつかの実施形態では、封止された領域は、構造の1つまたは複数の部分のみを作り上げる。
【0060】
[0075]封止された領域の境界層の硬度は、例えば、30A~80A、40~70A、50~60D等であることができる。
【0061】
[0076]封止された領域の境界層の厚みは、約0.000254cm~2.54cm(約0.0001~1インチ)、0.00254cm~2.54cm(0.001~1インチ)、0.0127cm~2.54cm(0.005~1インチ)、0.0254cm~2.54cm(0.01~1インチ)、0.127cm~2.54cm(0.05~1インチ)、0.0254cm~1.27cm(0.01~0.5インチ)、1.27cm~2.54cm(0.5~1インチ)の厚みであることができる。
【0062】
[0077]いくつかの実施形態では、封止された領域の境界層は、例えばポリエステル、ナイロン、またはPEEKを含むプラスチックであることができる。
【0063】
[0078]真空/圧力ライン210は、封止された領域204に流体接続される。真空/圧力ライン210は、チューブ(例えば、プラスチックまたはエラストマーのチューブ)を備えることができる。いくつかの実施形態では、ライン210は、最小から最大気圧の真空(例えば、およそ101352.9Pa(14.7psi))の間で印加するように構成される。
【0064】
[0079]面シートは、圧力(例えば負圧)の印加を介して、選択的に芯に接着されるまたは取り付けられる。面シートの芯に対するこの選択的な取り付け/引き離しは、構造が剛性構成と可撓構成の間で切り替わることを可能にするものである。
【0065】
[0080]構造の剛性は、芯(例えば、芯の厚み、まとわせやすさ、接触面積割合等)を調整することによって異ならせることが可能である。剛性はまた、面シート(例えば材料、角度、厚み、開口面積、弾性率、繊維径、織目等)を調整することによって調節されることができる。剛性はまた、封止された領域の特性(例えば、弾性率、デュロメータ、厚み等)を調整することによって調節されることができる。構造の剛性は、圧力または真空レベルを調節することによって異ならせることが可能である。
【0066】
[0081]使用の一例示的方法は、再構成可能構造をある位置またはある形状に設定するステップを含む。次いで、真空がシステムに印加され得る。面シートが吸い付けられて芯に当たるとき、それらは、面シートを芯に圧力固定しながら、面シートの内側繊維ずれ安定化をもたらす。圧力が解放されると、面シートはもはや芯に吸い付けられず、繊維が互いに対してずれるように自由になり、システムをその可撓構成に戻らせる。
【0067】
[0082]本明細書に開示される構造は、(例えば平坦なまたは巻かれた)第1の状態に詰め込まれ、次いで急速に、多種多様な形状を取ることができる耐荷重構造に移行されることができる点が有利である。
【0068】
[0083]本明細書に記載される構造は、(例えば、四角形、円形、卵形、矩形等の)任意の数の形状になることができる。構造は、医療デバイスとして使用されることができる。例えば、それらは、小さな孔を通って身体に入ってから身体の内部で広がって、解剖学的構造を押し、動かし、または再配置するために使用されることができるより大きな板または構造になる必要のある要素のために使用されることができる。別の例として、構造は、外骨格またはギプス包帯のために使用されることができる。
【0069】
[0084]本明細書に記載される構造はまた、非医療用途で使用されることもできる。例えば、構造は、住宅、建築物、または容易にコンパクトになり、迅速に組み立てられることができる避難シェルターのために使用されることができる。
【0070】
[0085]上述の概念および下記でより詳しく解説される追加的な概念のすべての組み合わせ(それらの概念が相互に矛盾しなければ)は、本明細書に開示される発明の主題の一部であることが企図され、本明細書に記載される利益を実現するために使用されてよいことが認識されるべきである。
【0071】
[0086]本明細書に記載されるおよび/または説明されるプロセスパラメータおよびステップの順序は、単に例として与えられるものであり、必要に応じて異ならせることが可能である。例えば、本明細書に説明および/または記載されるステップは、特定の順序で図示または解説されることがあるが、それらのステップは必ずしも説明または解説される順序で行われる必要はない。本明細書に記載および/または説明される様々な例示的方法はまた、本明細書に記載または説明されるステップの1つまたは複数を省略してもよく、または開示されるものに加えて追加的なステップを含んでもよい。
【0072】
[0087]ある特徴または要素が本明細書において他の特徴または要素の「上」にあると言及される場合、それは、他の特徴または要素の上に直接あっても、または介在する特徴および/または要素が存在していてもよい。対して、ある特徴または要素が他の特徴または要素の「直接上」にあると言及される場合は、介在する特徴や要素は存在していない。また、ある特徴または要素が別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」、または「結合されている」と言及される場合、それは、別の特徴または要素に直接接続される、取り付けられる、または結合され得るか、または介在する特徴または要素が存在することも理解されるであろう。対して、ある特徴または要素が別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または「直接結合されている」と言及される場合は、介在する特徴や要素は存在していない。一実施形態に関して説明または図示されるが、そのように説明または図示される特徴および要素は、他の実施形態にも該当し得る。また、当業者には、別の特徴に「隣接して」配設される構造または特徴の言及は、その隣接する特徴の上にあるまたは下にある部分を有してよいことも認識されるであろう。
【0073】
[0088]本明細書で使用される術語は、単に特定の実施形態を説明する目的であり、本発明を制限することは意図されない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のように指示しない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、用語「~を備える」および/または「~を備えている」は、本明細書において使用される場合、述べられる特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在および追加を排除しないことが理解されるであろう。本明細書において使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙された項目のうち1つまたは複数のあらゆる組み合わせを含み、「/」と略されることがある。
【0074】
[0089]「~の下方」、「~の下」、「下部の」、「~の上」、「上部の」などの空間的に相対的な語は、本明細書において、図に示されるある要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を説明するために、説明の便宜上使用される。空間的に相対的な語は、図に描かれた向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されることが理解されるであろう。例えば、図中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素または特徴の「下に」または「下方に」あると記載される要素は、当該他の要素または特徴の「上」を向くことになる。よって、「~の下に」という例示的な語は、上と下の両方の向きを包含することができる。デバイスは、その他の向きにされてよく(例えば90度または他の向きに回転される)、本明細書において使用される空間的に相対的な記述語はそれに応じて解釈される。同様に、用語「上方に」、「下方に」、「縦方向の」、「水平方向の」などは、本明細書において、断らない限り、単に説明の目的で使用される。
【0075】
[0090]用語「第1の」および「第2の」は本明細書において様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用されることがあるが、それらの特徴/要素は、文脈が明らかに他のように指示しない限り、それらの語によって制限されるべきではない。これらの語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用されることがある。よって、本発明の教示から逸脱することなく、下記で解説される第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ばれることも可能であり、同様に下記で解説される第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ばれることも可能である。
【0076】
[0091]本明細書および以下の特許請求の範囲全体を通じて、文脈が他のように要求しない限り、単語「~を備える」ならびに「~を備えている」および「~を備えた」などの変形は、様々な構成要素が、方法および物品(例えば、デバイスおよび方法を含む構成および装置)において共同して用いられることが可能であることを意味する。例えば、用語「~を備えた」は、任意の述べられる要素またはステップの包含を示唆するが、他の要素またはステップの除外は示唆しないと理解されるものとする。
【0077】
[0092]概して、本明細書に記載される装置および方法はいずれも包含的なものと理解されるべきであるが、構成要素および/またはステップのすべてまたはサブセットは、代替として、排他的であることもあり、様々な構成要素、ステップ、下位構成要素、または下位ステップ「~からなる」または代替として「基本的に~からなる」と表現されることもある。
【0078】
[0093]例で使用される場合を含め、また断らない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、すべての数は、その語が明示的に現れていなくとも、単語「約」または「およそ」が前にあるものとして読まれてよい。表現「約」または「およそ」は、記載される値および/または位置が、値および/または位置の妥当な予想範囲内にあることを意味するために大きさおよび/または位置を説明する際に使用されることがある。例えば、数値は、述べられる値(または値の範囲)の+/-0.1%、述べられる値(または値の範囲)の+/-1%、述べられる値(または値の範囲)の+/-2%、述べられる値(または値の範囲)の+/-5%、述べられる値(または値の範囲)の+/-10%等である値を有してよい。また、本明細書に与えられる数値は、文脈が他のように指示しない限り、約またはおよそその値を含むものと理解されるべきである。例えば、値「10」が開示される場合は、「約10」も開示される。本明細書に述べられる数値範囲はいずれも、その中に包摂されるすべての下位範囲を含むことが意図される。また、ある値「以下」であるとして値が開示されるときは、当業者によって適切に理解されるように、「その値以上」および値の間の可能な範囲も開示されることが理解される。例えば、値「X」が開示される場合は、「X以下」ならびに「X以上」(例えばXが数値である場合)も開示される。また、本願全体を通じて、データはいくつかの異なる形式で提供されること、およびこのデータは終点と始点ならびにデータ点の任意の組み合わせの範囲を表すことが理解される。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点「15」が開示される場合、10および15よりも大きい、それら以上、それら未満、それら以下、およびそれらに等しいこと、ならびに10~15の間が開示されるとみなされることが理解される。また、2つの特定の単位間の各単位も開示されることが理解される。例えば、10および15が開示される場合には、11、12、13、および14も開示される。
【0079】
[0094]様々な例示的実施形態が上記に説明されたが、特許請求の範囲によって記載される本発明の範囲から逸脱することなく、複数の変更の任意のものが様々な実施形態に行われてよい。例えば、様々な記載される方法ステップが行われる順序は、しばしば、代替の実施形態において変更されてよく、他の代替実施形態では、1つまたは複数の方法が全く省略されてもよい。様々なデバイスおよびシステム実施形態の任意選択の特徴は、一部の実施形態には含まれ、他の実施形態には含まれないことがある。したがって、上述の説明は主として例示の目的で提供されたものであり、本発明の範囲は特許請求の範囲に述べられるため、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。
【0080】
[0095]本明細書に含まれる例および例示は、制限ではなく例示として、主題が実施され得る特定の実施形態を示す。述べられたように、他の実施形態が利用され、そこから導出されてよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更が加えられてよい。発明の主題のそのような実施形態は、本明細書において、単なる便宜のために、そして、実際には2つ以上が開示される場合に本願の範囲をいずれかの単一の発明または発明概念に自発的に制限する意図なく、個々にまたはまとめて「発明」という語によって参照されることがある。よって、特定の実施形態が本明細書に説明され記載されたが、同じ目的を達成すると予想される任意の構成が、示される特定の実施形態に関して代用されてよい。この開示は、様々な実施形態のあらゆる改変例および変形例を網羅することが意図される。本明細書に具体的には記載されない、上記の実施形態および他の実施形態の組み合わせが、上記の説明を考察すると当業者に明らかになろう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
【国際調査報告】