(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20250128BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20250128BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20250128BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/53
A24F40/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540744
(86)(22)【出願日】2023-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 GB2023050102
(87)【国際公開番号】W WO2023139372
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】カーシー, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ロッサー, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ベーカー, ダリル
(72)【発明者】
【氏名】ブルートン, コナー
(72)【発明者】
【氏名】クロージャー, マーク
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
4B162AC34
4B162AD16
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル供給デバイス(110、210、310)と、エアロゾル生成材料を含む消耗品(120、220、320)とを備えるエアロゾル供給システム(100、200、300)である。エアロゾル供給デバイスは、ユーザによる選択が可能な複数の動作状態を備える。エアロゾル供給デバイスは、消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記複数の動作状態の前記部分集合は、識別された消耗品に対して許容される動作状態に相当する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給システムであって、
エアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を含む消耗品と、
を備え、
前記エアロゾル供給デバイスは、ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備え、前記エアロゾル供給デバイスは、前記消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記複数の動作状態の前記部分集合は、識別された前記消耗品に対して許容される動作状態に相当する、エアロゾル供給システム。
【請求項2】
前記複数の動作状態の前記部分集合が、前記複数の動作状態のうち少なくとも2つの動作状態を含む、請求項1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項3】
前記複数の動作状態の前記部分集合が、少なくとも1つのブースト動作状態を含み、前記ブースト動作状態が、増強されたエアロゾルを当該エアロゾル供給システムから提供するように構成される、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項4】
前記エアロゾル供給デバイスが制御回路をさらに備え、前記消耗品が前記消耗品の特性を示すための識別子を備え、前記エアロゾル供給デバイスの前記制御回路が前記識別子から前記消耗品の前記特性を識別するように構成される請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項5】
前記消耗品の前記識別子が、QRコード、バーコード、及びRFIDタグの少なくとも1つである、請求項4に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項6】
前記消耗品の前記特性が、
前記エアロゾル生成材料の化学組成、
前記エアロゾル生成材料の強さ、
前記消耗品のサイズ、
前記消耗品の等級
の少なくとも1つである、請求項4又は5に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項7】
前記制御回路が、前記複数の動作状態の前記部分集合を前記消耗品の前記特性の識別に基づいてユーザに提供するように構成される、請求項4~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項8】
前記エアロゾル供給デバイスが、前記消耗品を識別しないときに非動作状態にあるように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項9】
消耗品の特性及びエアロゾル供給デバイスの関連動作状態のデータベースを記憶するためのメモリをさらに備える請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記識別された消耗品のための前記複数の動作状態の前記部分集合を前記ユーザに対して表示するためのディスプレイをさらに備え、
前記ディスプレイが、前記複数の動作状態の前記部分集合のうち使用が望まれる動作状態に関する前記ユーザからの入力を受け取るように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
エアロゾル供給デバイスであって、
消耗品とともに使用するためにユーザによって選択可能な複数の動作状態を備え、当該エアロゾル供給デバイスは、消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記複数の動作状態の前記部分集合は、識別された前記消耗品に対して許容される動作状態に相当する、エアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記複数の動作状態の前記部分集合が、前記複数の動作状態のうち少なくとも2つの動作状態を含む、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
消耗品の特性及びエアロゾル供給デバイスの関連動作状態のデータベースを記憶するためのメモリをさらに備える請求項11又は12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
エアロゾル供給システムからエアロゾルを供給する方法であって、
ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備えるエアロゾル供給デバイスを提供するステップと、
エアロゾル生成材料を含む消耗品を提供するステップと、
前記エアロゾル供給デバイスによって前記消耗品を識別するステップと、
前記ユーザによる選択のために前記複数の動作状態の部分集合を提供するステップと、
前記複数の動作状態の部分集合のうち特定の動作状態の選択を受け取ったときに、前記特定の動作状態を作動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
エアロゾル供給手段であって、
エアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成手段を含む消耗品と、
を備え、前記エアロゾル供給デバイスは、ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備え、前記エアロゾル供給デバイスは、前記消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記複数の動作状態の前記部分集合は、識別された前記消耗品に対して許容される動作状態に相当する、エアロゾル供給手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給システム、エアロゾル供給デバイス、エアロゾル供給システムからエアロゾルを供給する方法、及びエアロゾル供給手段に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル供給システムが知られている。一般的なシステムは、ユーザが作動させるヒータを用いて、エアロゾル供給デバイスによりエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成し、このエアロゾルは、その後、ユーザによって吸入される。このデバイスは、ボタンを押したときに、又は単に吸入行為によって、ユーザが作動させることができる。最近のシステムは、エアロゾル生成材料を含む消耗部品を使用することができる。システムの作動を制御できるようにすることが製造者にとって望ましい可能性がある。これにより、望ましくない状況でシステムが作動することを避けることができる。
【0003】
本発明は、上記の問題のいくつかを解決することを目的としている。
【発明の概要】
【0004】
本発明のさまざまな側面が添付の請求項において規定されている。
【0005】
本書に記載されるいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給システムが提供される。このエアロゾル供給システムは、エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を含む消耗品とを備える。エアロゾル供給デバイスは、ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備える。エアロゾル供給デバイスは、消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記部分集合は、識別された消耗品に対して許容される動作状態に相当する。
【0006】
このようなシステムは、エアロゾル供給デバイスとともに使用される消耗品を識別し、全動作状態のうちその消耗品とともに使用される部分集合を許容することができる。特に、消耗品1がエアロゾル供給デバイスとともに使用するために供給される場合、部分集合1が消耗品1とともに使用するためにユーザに提案される。対照的に、消耗品2がエアロゾル供給デバイスとともに使用するために供給される場合、部分集合2が消耗品2とともに使用するために提案される。これにより、製造者は、多数の消耗品にわたって幅広い有用性を有するデバイスを提供し、その一方で、危険かもしれない消耗品及び動作状態の組み合わせ又は望ましくない製品がユーザに提供されるという結果を招くかもしれない消耗品及び動作状態の組み合わせで使用されることからデバイスを保護することができる。
【0007】
パーソナライズ可能な「プラグアンドプレイ」アプローチを有することによって、デバイスのユーザ体験も向上する。つまり、さまざまな選択肢がユーザに提供され、それらの選択肢からユーザが望む動作状態が選択される。この方式では、ユーザは消耗品とともに使用される動作状態を一から作成する必要はなく、提供された複数の中から自分の好みのものを抽出することができる。この方式では、可能性のある選択可能な動作状態の各々がデバイスに損傷を与えることなく適切なエアロゾルを提供することが製造者によって知られているため、デバイスの安全性も維持される。したがって、デバイスとユーザの両方がこの構成から利益を得る。
【0008】
このシステムは、デバイスを非正規の消耗品とともに使用することを防止又は制限してもよい。つまり、非正規消耗品の場合のように消耗品の識別がされない場合、エアロゾル供給デバイスは動作状態の適切な配列を提供できなくてもよい。このようにして、デバイスは、エアロゾルの生成を試みたときにユーザに劣悪なエアロゾルを提供したりデバイスに損傷を与えたりするかもしれない未知で未試験の消耗品とともに使用されることから保護される。
【0009】
本書に記載されるいくつかの実施形態によれば、消耗品とともに使用するためにユーザによって選択可能な複数の動作状態を備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。このエアロゾル供給デバイスは、消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記部分集合は、識別された消耗品に対して許容される動作状態に相当する。
【0010】
本書に記載されるいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給システムからエアロゾルを供給する方法が提供される。この方法は、ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備えるエアロゾル供給デバイスを提供するステップと、エアロゾル生成材料を含む消耗品を提供するステップと、エアロゾル供給デバイスによって消耗品を識別するステップと、ユーザによる選択のために前記複数の動作状態の部分集合を提供するステップと、前記複数の動作状態の部分集合のうち特定の動作状態の選択を受け取ったときに、その特定の動作状態を作動させるステップとを含む。
【0011】
本書に記載されるいくつかの実施形態によれば、エアロゾル供給手段が提供される。エアロゾル供給手段は、エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成手段を含む消耗品とを備える。エアロゾル供給デバイスは、ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備える。エアロゾル供給デバイスは、消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記部分集合は、識別された消耗品に対して許容される動作状態に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本教示は、以下の図面を参照しながら、あくまで例示として説明される。
【0013】
【
図1】一例に係るエアロゾル供給システムの概略図である。
【
図2】一例に係るエアロゾル供給システムの概略図である。
【
図3】一例に係るエアロゾル供給システムの概略図である。
【0014】
本発明は、さまざまな変形例及び代替形態を許容するが、特定の実施形態が図面に示され、詳細に説明されている。しかしながら、図面及び特定の実施形態の詳細な説明は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図するものではない。むしろ、本発明は、添付の請求項によって規定される本発明の範囲内にあるすべての変形例、均等物及び代替例を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特定の例及び実施形態のさまざまな側面及び特徴を本書で考察/説明する。特定の例及び実施形態のいくつかの側面及び特徴は従来技術で実施可能であり、それらについては簡潔さのために詳細には考察/説明しない。したがって、本書で考察される装置及び方法の側面及び特徴のうち詳細に説明されていないものは、これらの側面及び特徴を実施するための従来技術にしたがって実施できるものと理解されたい。
【0016】
本開示は、エアロゾル供給システムに関するものであり、エアロゾル供給システム、例えばe-シガレット、と呼ばれることもある。以下の記述全体を通じて、「e-シガレット」又は「電子タバコ」という用語が使用されてもよいが、この用語はエアロゾル供給システム/デバイス及び電子エアロゾル供給システム/デバイスと置き換えて使用できるものと理解されたい。また、本技術分野では一般的なように、用語「エアロゾル」及び「蒸気(ベイパー)」、並びに「蒸発」、「揮発」、「エアロゾル化」などの関連する用語は、一般に、互いに置き換えて使用することができる。
【0017】
図1は、本発明に係るエアロゾル供給システム100の一例の概略図を示す。エアロゾル供給システム100は、エアロゾル供給デバイス110を備える。エアロゾル供給システム100は、消耗品120を備える。消耗品120は、エアロゾル生成材料を含む。エアロゾル供給デバイス110は、ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備える。エアロゾル供給デバイス110は、消耗品120を識別したときに、これらの動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、この部分集合は、識別された消耗品120に対して許容される動作状態に相当する。したがって、使用の際、ユーザは消耗品120をエアロゾル供給デバイス110に提供する。エアロゾル供給デバイス110は消耗品120を識別する。次いで、エアロゾル供給デバイス110は、消耗品120との使用のために、全動作状態から選別されたものをユーザに提示する。そこでユーザは、消耗品120とともに使用される1つの動作状態を選択することができる。
【0018】
エアロゾル供給デバイス110の全動作状態は非常に広範であってもよく、エアロゾル供給デバイス110を、対応する広範な消耗品120とともに使用できるようになっていてもよい。この場合、ユーザはエアロゾル供給デバイス110とともに使用する消耗品120を特定の種類のものだけに限る必要はない。しかし、この広い範囲の中では、いくつかの動作状態がいくつかの消耗品120とともに使用するのに適さないことになる。このため、消耗品120から望ましいエアロゾルを供給する状態を提示することが重要である。可能性のあるすべての状態をすべての消耗品に対して提示するとすれば、どの動作状態がどの消耗品120と好適に相互作用するかを見極める責務をユーザに課すことになる。これは、システム100のユーザ体験を低下させることになる。
【0019】
一例において、ユーザに提示される複数の動作状態の部分集合は、それら複数の動作状態のうち少なくとも2つの動作状態を含む。これにより、パーソナライズされたエアロゾルを受け取るための選択肢がユーザに好適に提供される。こうして、選別された動作状態を提供することにより、デバイスのユーザ体験が向上する。2つの動作状態は、低いエアロゾル量を提供するものと高いエアロゾル量を提供するものであってもよい。この場合、2つの動作状態の加熱プロファイルは大きく異ならないかもしれず、2つの類似した状態を与えることでデバイス110を保護することができ、また、ユーザは2つの動作状態から自分の好みのものを依然として選択することができる。
【0020】
一例によれば、複数の動作状態の部分集合は少なくとも1つの「ブースト」動作状態を含む。「ブースト」動作状態は、増強されたエアロゾルをエアロゾル供給システムから供給するように構成される。「ブースト」動作状態では、エアロゾル供給デバイス110は、ユーザに対して1回の吸引あたりより多くのエアロゾルを供給してもよい。したがって、「ブースト」動作状態及び「非ブースト」動作状態の加熱プロファイルは多少似ていてもよいが、ブースト動作状態はより多い量のエアロゾルをユーザに供給する。ブースト動作状態は、対応する非ブースト動作状態と比較して、エアロゾル供給デバイス110の加熱要素に、より多くのエネルギーを供給してもよい。このような動作状態は特定の状況においてユーザにとって望ましいかもしれない。このような動作状態の選択肢が提供されるという柔軟性によって、エアロゾル供給デバイス110のユーザ体験がさらに向上する。
【0021】
このように、使用の際、ユーザは、最初の特定の消耗品をエアロゾル供給デバイス110に提供した後、動作状態の最初の部分集合を提示されてもよい。そして、ユーザは、第2の特定の消耗品をエアロゾル供給デバイス110に提供したときは、動作状態の第2の部分集合を提示されてもよい。これら二つの部分集合は、何らの動作状態も共通して有さなくてもよいし、いくつかの動作状態を共通して有してもよいし、すべての動作状態を共通して有してもよい。これらの消耗品の特性の類似性は、共通の動作状態の数に影響を与える。例えば、これらの消耗品が非常に異なる特性を持つ場合、これら二つの部分集合は完全に異なるかもしれない。ある特定の消耗品は広範な動作状態とともに使用され、したがって、提示される部分集合には多数の動作状態が含まれることになるが、他の消耗品は少ない種類の動作状態とともにしか使用されなくてもよい。一例では、ある消耗品が、その識別の際に、動作状態の部分集合の中に1つの動作状態しか提供されないものであってもよい。
【0022】
提示される動作状態の数に影響を与える消耗品の特性は、エアロゾル生成材料の化学組成、エアロゾル生成材料の強さ、消耗品のサイズ、消耗品の等級、消耗品の正規性などのいずれであってもよい。
【0023】
消耗品120の「等級」は、消耗品120が、ある1つの化合物を特に高い濃度で有する一群からのものであるかどうか、消耗品120がその内部に複数のエアロゾル生成剤を有するかどうか、又は他の関連する要因に関係してもよい。このような諸特性は、エアロゾル供給デバイス110に消耗品120の識別に関する情報を提供し、その消耗品120とともに使用するためにユーザに提示される動作状態の部分集合の母集団をもたらす。
【0024】
一例では、消耗品120は、かなり標準的なエアロゾル生成材料を含むものとして識別される。エアロゾル供給デバイス110はこれを識別し、使用に適した動作状態の部分集合を提示する。標準的なエアロゾル生成材料に対しては、あまり一般的でないエアロゾル生成材料を有する消耗品よりも広い動作状態の部分集合が提示されてもよい。これは、製造者が標準的なエアロゾル生成材料に対してより多くのテストをこれまで実施しており、したがって、広い動作状態の部分集合を安全に提示できることを知っているからかもしれない。対照的に、製造者は、あまり一般的でないエアロゾル生成材料に関しては、より少ない情報しか持っていないかもしれず、したがって、製造者は、安全であること及び望ましいエアロゾルを提供することが知られている動作状態のみを提供することを選択することができる。
【0025】
図1に示される例では、消耗品120はエアロゾル供給デバイス110の内部に配置され、エアロゾル供給システム100を形成する。この例では、消耗品120はエアロゾル供給デバイス110のハウジングに挿入されてもよい。この方式では、エアロゾル供給デバイス110は、消耗品120がエアロゾル供給デバイス110の内部に位置するときに、消耗品120を識別してもよい。消耗品120は、エアロゾル生成材料を含むポッド又はカートリッジであり、これはエアロゾル供給デバイス110に挿入され、使用後に廃棄又は再充填される。
【0026】
図2を参照すると、
図1のシステム100に類似したシステム200が示されている。
図1で使用された特徴に類似した特徴が、参照符号を100だけ増やして示されている。例えば、
図1のシステム100は
図2のシステム200と類似している。類似又は同一の特徴については簡潔さのために考察しない可能性がある。
【0027】
図2のシステム200は、エアロゾル供給デバイス210内に制御回路212を有する。消耗品220は、消耗品220の特性を示すための識別子222を有している。システム200は、エアロゾル供給デバイス210の制御回路212が識別子222から消耗品220の特性を識別するように構成される。
【0028】
制御回路212は、使用前に消耗品220がエアロゾル供給デバイス210に挿入されたときに、制御回路212が識別子222を読み取ることができるように構成される。識別子は消耗品220の特性を識別し、それが読み取られたときに、エアロゾル供給デバイス210が、消耗品220とともに使用するための適切な動作状態の部分集合をユーザに提供するようになっている。上述のように、特性は、消耗品220に関連してもよく、消耗品220内のエアロゾル生成材料の内容に関連してもよい。この特性に基づいて、動作状態の部分集合が提供される。これは、提供される動作状態がエアロゾル供給デバイス210内の消耗品220に対して適切であることを確認するのに役立つ。
【0029】
識別子222は、制御回路212によって読み取ることができるコード化された識別子であってもよい。消耗品220の識別子222は、QRコード、バーコード、及びRFIDタグのいずれであってもよい。制御回路212は、識別子222がQRコードである場合に制御回路212がQRコードリーダであるように、識別子222に対応してもよい。識別子222がRFIDであり、制御回路212がRFIDリーダであってもよい。他の識別子と検出器の組み合わせも可能である。
【0030】
図3を参照すると、
図2のシステム200に類似したシステム300が示されている。
図2で使用された特徴に類似した特徴が、参照符号を100だけ増やして示されている。例えば、
図2のシステム200は
図3のシステム300と類似している。類似又は同一の特徴については簡潔さのために考察しない可能性がある。
【0031】
図3のエアロゾル供給デバイス310は、消耗品320の特性及びエアロゾル供給デバイスの関連動作状態のデータベースを記憶するためのメモリ314を有する。メモリ314は、
図3の例に示されるように制御回路312の一部である必要はない。しかし、この特定の例では、メモリ314はデバイス310に搭載されており、制御回路312の一部である。システム300はヒータ316も備えている。ヒータ316は、消耗品320からエアロゾルを形成するのに適した加熱要素、アトマイザ、ヒータ、振動板などであってもよい。ヒータ316は制御回路312に接続されている。制御回路312は、消耗品320の特性を判定したときに、ヒータ316に信号を送信して、エアロゾルが生成されるように動作させるか、あるいはエアロゾルが生成されないように動作させないでおくことができる。これについては以下で詳しく説明する。この方式では、制御回路312は、例えば特性を検出せず、したがって消耗品を識別しないときに、エアロゾル供給デバイス310のデフォルト状態を非動作状態へ変更するように構成されてもよい。これは、デバイス310が非正規の消耗品とともに使用されることを防ぐのに役立ちうる。
【0032】
図3のシステム300はまた、ディスプレイ318を備えている。ディスプレイ318は、識別された消耗品320とともに使用可能な動作状態の部分集合をユーザに対して表示するためのものである。ディスプレイ318は、ユーザに対して視覚信号を表示するとともにユーザからの入力を受け取るためのタッチスクリーンディスプレイであってもよい。
【0033】
使用の際は、消耗品320がエアロゾル供給デバイス310に挿入される。制御回路312は、識別子322から消耗品320の特性を識別する。制御回路312は、その特性を、消耗品の特性及び関連する適切な動作状態のデータベースと照合する。制御回路312は、この照合をオンボードメモリ314において行ってもよい。制御回路312は次に、ディスプレイ318に信号を送信して、利用可能な動作状態をユーザに示す。ユーザは、使用する所望の動作状態の指示を与える。制御回路312はこの信号を受け取り、対応する指示をヒータ316に提供する。このようにして、消耗品320をエアロゾル供給デバイス310に挿入することにより、パーソナライズされつつも安全な加熱プロファイルがユーザに提供される。
【0034】
消耗品320とともに使用される動作状態の部分集合の決定は、エアロゾル供給デバイス310上で行われてもよいし、特性及び関連する動作状態のデータベースとの通信を介して遠隔で行われてもよい。このようなデータベースは、例えば、特性Xが識別された場合は動作状態A~Cを提供し、特性Yが識別された場合は動作状態D、E等を提供するという形式を取ってもよい。このデータベースは、エアロゾル供給デバイス310に対して、どの動作状態がどの特性とともに使用するのに適しているかについての指示を提供するルックアップテーブルとすることも可能である。識別子に含まれる1つ以上の特性は、どの動作状態を提供すべきかに関して完全な全体像を制御回路312に与える。
【0035】
上記の例では、制御回路312は特性を検出し、メモリ314内のデータベースと比較する。このメモリはオンボードメモリであり、データベースもオンボードである。これは、システム300が、遠隔に保持されるデータベースと通信するためにシステム300内の通信要素を有する必要がなく、また、システム300が、各使用セッションの前に、遠隔に保持されるデータベースにアクセスするために通信ネットワークに接続される必要がないため、好適となりうる。
【0036】
別の例では、特性及び関連する動作状態のデータベースが遠隔に保持されており、制御回路312がそのデータベースと交信するための通信要素を有する。制御回路312は、識別された消耗品320に適した動作状態をリクエストしてデータベースと交信してもよい。次いで制御回路312には、どの動作状態をユーザに提示すべきかについての指示が与えられる。この構成は、システム300がデータベースを保持するためのメモリ要素を含む必要がなく、また、データベースを遠隔で更新でき、デバイス310がオンボードデータベースを定期的に更新する必要を確実になくせるため、好適となりうる。この手法では、最近修正された特性及び動作状態の組み合わせが中央データベースにアップロードされるとすぐに、それらの修正をすべてのデバイスに提供することができる。このようにして、すべてのユーザにそれらの更新が、各ユーザが各自のデバイス310を更新する必要なしに提供される。
【0037】
使用中は、特定の消耗品320に対する特定の動作状態のユーザの好みがメモリ314に記憶されてもよい。この場合、消耗品Xに対して動作状態A~Cがユーザに提示され、ユーザが繰り返し動作状態Aを要求する場合、メモリ314はこれを記憶し、これを消耗品Xに対する自動動作状態にすべきかどうかをユーザに尋ねてもよい。このように、デバイス310は、ユーザに提示される動作状態の部分集合によって提供される安全性の範囲内で、ユーザごとにあつらえた性能を提供するように作られてもよい。
【0038】
「動作状態」では、エアロゾル供給デバイス310のうちエアロゾルを生成するために使用される要素(例えば、アトマイザ、ヒータなど316)が作動させられてもよい。デバイス310の特定の作動には追加の入力が必要であってもよく、この追加入力はデバイス310に対する吸引、デバイス310上のボタンの押下げなどであってもよい。他の例として、デバイス310は、ユーザによる動作状態の選択に関して制御回路312から信号を受け取ったときに、ヒータ316によって自動的にエアロゾルを生成してもよい。
【0039】
用語「動作状態」は、システムがエアロゾルを供給するために使用されうる状態を指す。システムは多数の「動作状態」を提供することができる。特定の消耗品320は、適切な加熱プロファイル(速い、遅い、高温、低温など)のもとで又は適切な加熱機構(ヒータ素子、アトマイザ、振動板など)によって、ユーザに適したエアロゾルを供給してもよい。したがって、特定の動作状態は、消耗品320の識別された特性に基づいて、使用される加熱機構及び使用される加熱プロファイルを選択するなど、システム300の性能を規定してもよい。このような動作状態は、特定の消耗品に関連付けられてもよいし、多数の消耗品にわたって使用されてもよい。このようにして、特性1が識別されたときは、対応する加熱機構1が提示されて、消耗品1に対して加熱プロファイル1が提供される。特性2が識別されたときは、対応する加熱機構2が提示され、消耗品2に対して加熱プロファイル2が提供されてもよい。こうして、異なる消耗品が、その消耗品の認識時に、ある範囲の適切な所定のエアロゾルが供給物としてユーザに提示されるようにすることができる。これにより、ユーザにとってデバイス310の使いやすさが向上する。
【0040】
動作状態の部分集合を提供するために識別が必要であるため、システム300は、識別子322を有する消耗品とともに最も良好に機能する。したがって、正規の消耗品、すなわち製造者によって作られ識別子を有する消耗品は、システム300において適切に使用することができる。消耗品を識別できない場合はその消耗品と使用するための動作状態を提供しないというデフォルト設定を持つことにより、デバイス310が非正規の消耗品とともに動作できないようにしてもよい。他の例では、デバイス310が非正規の消耗品とともに動作することを防止しなくてもよい。代わりに、デバイス310は、ほとんどの消耗品から相応のエアロゾルを生成する可能性が高いように特に設計された、極めて中庸な組み込みの加熱プロファイルを有してもよい。これは、デバイス310に消耗品が存在することが確認されたが識別子が確認されなかったことに応じて提示される単一の動作状態であってもよい。極めて中庸な加熱プロファイルの使用は、部品に損傷を与えたり、焦げた風味を生成したりといったことを起こす可能性が低いため、消耗品320が不明な状況で使用するのに好適である。このように、ユーザは非正規消耗品を使用することができるが、非正規消耗品からのパーソナライズは不可能であるため、非正規消耗品の使用を選択することによりユーザ体験は低下する。このようにして、より広い選択肢をユーザに提供することと、セキュリティ及び性能の両方の理由からユーザに正規消耗品の使用を促すこととの間でバランスが取られる。
【0041】
上記で言及したような中庸な加熱プロファイルは、デバイス310のデフォルト動作状態であってもよく、これは、消耗品320がエアロゾル供給デバイス310内に提供されると、デバイス310の吸引又はボタンの押下げによって作動させることができる。
【0042】
図4はエアロゾル供給システムの使用方法400を示す。方法400では、デバイスはデフォルト状態402で開始してもよい。このデフォルト状態は、非正規消耗品をこのデバイスとともに使用できないように非動作状態であってもよい。他の例として、デフォルト動作状態は、上述したような中庸な加熱プロファイル動作状態であってもよい。
【0043】
ユーザが消耗品をエアロゾル供給デバイスに挿入すると、デバイスは消耗品を識別する(404)。デバイスは消耗品をある種類の消耗品又は他の種類の消耗品として識別してもよい。ここで示す具体例では、システムを説明するために、方法が消耗品1の識別(ステップ412)と消耗品2の識別(ステップ422)とに分岐する。
【0044】
ステップ412では、デバイスは消耗品を既知の消耗品1として識別する。これは、制御回路によって識別子を認識し、その識別子から消耗品の1つ以上の特性を識別するという形を取ってもよい。
【0045】
ステップ414では、動作状態の部分集合1がユーザに提供される。これは、識別された消耗品及び特性を、特定の消耗品に適した動作状態を含むデータベースと照合するという形を取ってもよい。データベースはデバイス上に搭載されてもよいし、遠隔に保持され、動作状態を求めて交信されてもよい。この例では、この動作状態の部分集合を部分集合1という。
【0046】
ステップ416では、ユーザは、その消耗品に対して使用することが望まれる動作状態を選択する。この例では、これは動作状態1である。これは、ステップ414の部分集合1において提供される動作状態の選択肢から、デバイス上のタッチスクリーンディスプレイなどを介して選択する形を取ってもよい。
【0047】
ステップ418では、動作状態1が作動させられる。これは、ディスプレイからの信号が制御回路によって受信され、その信号がデバイスのヒータ又はアトマイザに渡されるという形を取ってもよい。ユーザは、上述のように、プッシュボタンの使用や吸引などによってデバイスを作動させてもよい。いずれにせよ、動作状態1は消耗品1からエアロゾルを供給するために使用される。
【0048】
ステップ419では、喫煙セッションが終了又は完了したときに、デバイスがステップ402のデフォルト状態に戻されてもよい。
【0049】
ステップ404で別の消耗品が識別された場合、方法はステップ422に進んでもよい。ここでは、デバイスが消耗品を既知の消耗品2として識別する。上述のように、これは、制御回路によって識別子を認識し、この識別子から消耗品の1つ以上の特性を識別するという形を取ってもよい。
【0050】
したがって、ステップ424では、消耗品2に関連付けられた動作状態の部分集合が、選択のためにユーザに提供される。これは部分集合2である。上述のように、ステップ414の部分集合1とステップ424の部分集合2の間で共通する動作状態がいくつか存在してもよい。共通の動作状態がなくてもよい。これは、2つの消耗品の特性の類似度に依存する可能性が高い。
【0051】
ステップ426では、ユーザは、その消耗品に使用することが望まれる動作状態を選択する。この例では、これは動作状態2である。これは、ステップ424の部分集合2において提供される動作状態の選択肢から、デバイス上のタッチスクリーンディスプレイなどを介して選択する形を取ってもよい。
【0052】
ステップ428では、動作状態2が作動させられる。これは、ディスプレイからの信号が制御回路によって受信され、その信号がデバイスのヒータ又はアトマイザに渡されるという形を取ってもよい。ユーザは、上述のように、プッシュボタンの使用や吸引などによってデバイスを作動させてもよい。いずれにせよ、動作状態2は消耗品2からエアロゾルを供給するために使用される。
【0053】
ステップ429では、喫煙セッションが終了又は完了したときに、デバイスがステップ402のデフォルト状態に戻されてもよい。
【0054】
特定の消耗品との使用のために提供される動作状態の部分集合は、製造者による試験において、その消耗品の諸特性に対してバランスを取られる。これにより、提示される加熱プロファイルは、消耗品との使用のために妥当なものとなる。一例では、消耗品が特に高いニコチン含有量を有し、したがって、エアロゾルに妥当なニコチン含有量を与えるために、より小さな加熱プロファイルを適用することができる。逆に、含有量の低い消耗品は、エアロゾルに妥当なニコチン含有量を与えるために、より大きな加熱プロファイルを提示させてもよい。
【0055】
より複雑な構成では、消耗品が複数のエアロゾル生成材料を含んでもよいし、デバイスが複数の加熱要素を有してもよい。この場合、識別プロセスは、種々のエアロゾル生成材料を識別し、消耗品内のエアロゾル生成材料の各々に対して動作状態の部分集合を提供することを含む。この後、ユーザには、消耗品内の各エアロゾル生成材料に対して、複数の動作状態からなる選択肢が提供されてもよい。デバイスが加熱プロファイルの広範な選択肢を提供するように設計されているため、このようなサービスをこの構成において提供することができる。したがって、これは、広範な材料からエアロゾルを提供できる1つのデバイスを提供することによってユーザに利益をもたらすために使用することができる。
【0056】
本書に記載される構成では、消耗品を認識するデバイスはエアロゾル供給デバイスである。スマートフォンなどのリモートデバイスを使用して消耗品を認識する構成もありうる。これは、その後、消耗品の識別情報及び特性をエアロゾル供給デバイスに伝達することができる。動作状態の部分集合は、リモートデバイス上、エアロゾル供給デバイス上、又は遠隔、例えばサーバ上、にあるデータベース内に依然として保持されてもよい。したがって、動作状態の部分集合は、リモートデバイス又はエアロゾル供給デバイスによって決定されてもよい。この場合、エアロゾル供給デバイスは、消耗品の識別情報を受け取ってもよいし、単に動作状態の部分集合を受け取ってユーザに提示してもよい。動作状態の部分集合はスマートフォンにも関係してもよい。特に、動作状態は、エアロゾル供給デバイスの加熱モードであることにとどまらず、スマートフォンの動作状態に関係してもよいし、UIの配置、点灯の仕方、通知の利用性などの特徴に関係してもよい。特に、ユーザが正規の消耗品を使用しながらスマートフォンを介してデバイスと対話することを可能にするとともに、非正規の消耗品ではこの機能を停止することで、ユーザ体験を大きく向上させることができ、したがってユーザに正規の消耗品の使用を促すことができる。
【0057】
特定の例では、本書に開示されるデバイスは、デバイス内で交換可能な香料ポッドとともに動作してもよい。香料は、タバコ及びグリコールのいずれであってもよく、また、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、ピーチ、アップル、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はミント属の任意の品種から得られるミントオイル)、香味増強剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加物、例えば、炭、クロロフィル、ミネラル、植物性材料、又は呼気清涼化剤、を含んでもよい。それらは、模造成分、合成成分、若しくは天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。
【0058】
本書に開示されるエアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成媒体と組み合わされたときに、エアロゾル供給システムと呼ぶことができる。
【0059】
このように、エアロゾル供給システムをこれまで説明してきた。このエアロゾル供給システムは、エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を含む消耗品とを備える。ここで、エアロゾル供給デバイスは、ユーザによる選択が可能な複数の動作状態を備える。エアロゾル供給デバイスは、消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、この部分集合は、識別された消耗品に対して許容される動作状態に相当する。
【0060】
エアロゾル供給システムは、例えば非燃焼型エアロゾル供給システムなどのタバコ産業製品において使用されてもよい。
【0061】
一実施形態では、このタバコ産業製品は、非燃焼型エアロゾル供給システムの1つ以上の構成要素、例えばヒータ及びエアロゾル化可能基体、を備える。
【0062】
一実施形態では、エアロゾル供給システムは電子タバコであり、これはベイピングデバイスとしても知られる。
【0063】
一実施形態では、電子タバコはヒータ、ヒータに電力を供給することが可能な電源、液体又はゲルなどのエアロゾル化可能基体、ハウジング、及び任意でマウスピースを備える。
【0064】
一実施形態では、エアロゾル化可能基体は基体容器内又は基体容器上に収容される。一実施形態では、基体容器はヒータと組み合わされるか、ヒータを備える。
【0065】
一実施形態では、タバコ産業製品は、基体材料を燃焼させずに加熱することによって1つ以上の化合物を放出する加熱製品である。基体材料はエアロゾル化可能材料であり、これは例えばタバコ又は他の非タバコ製品であってもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。一実施形態では、加熱製品はタバコ加熱製品である。
【0066】
一実施形態では、加熱製品は電子デバイスである。
【0067】
一実施形態では、タバコ加熱製品はヒータ、ヒータに電力を供給することが可能な電源、及び固体又はゲル材料などのエアロゾル化可能基体を備える。
【0068】
一実施形態では、加熱製品は非電子物品である。
【0069】
一実施形態では、加熱製品は、固体又はゲル材料などのエアロゾル化可能基体と、例えば燃焼材料(例えば炭)を燃焼させることによって、電子手段を用いることなくエアロゾル化可能基体に熱エネルギーを供給することが可能な熱源とを備える。
【0070】
一実施形態では、加熱製品は、エアロゾル化可能基体を加熱することにより生成されたエアロゾルをろ過することが可能なフィルタも備える。
【0071】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能基体材料は、エアロゾル剤若しくはエアロゾル生成剤又は湿潤剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコールを含んでもよい。
【0072】
一実施形態では、タバコ産業製品は、複数の基体材料の組み合わせを燃焼させずに加熱することによってエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。これらの基体材料は、例えば固体、液体又はゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル基体と固体基体とを備える。固体基体は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品であってもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル基体とタバコとを備える。
【0073】
種々の問題に対処し、技術を発展させるために、本開示は、全体として、請求項に記載された発明が実施されうる種々の実施形態を例示し、優れた電子エアロゾル供給システムを提供する。本開示の利点及び特徴は、さまざまな実施形態の代表的なサンプルのものにすぎず、網羅的でもなければ、排他的でもない。それらの実施形態は、請求項に記載された特徴を理解及び教示することを助けるためにのみ提示されている。本開示の利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/又は他の側面は、請求項によって規定される本開示を限定するものや請求項の均等物を限定するものとみなされるべきではなく、他の実施形態を利用してもよいし、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく変更を加えてもよい。種々の実施形態が、開示された要素、部品、特徴、部分、ステップ、手段などの種々の組み合わせを適切に備え、それらの組み合わせから適切に構成され、又はそれらの組み合わせから適切に本質的に構成されてもよい。また、本開示は、現在特許を請求していないが将来請求するかもしれない他の発明を含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給システムであって、
エアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を含む消耗品と、
を備え、
前記エアロゾル供給デバイスは、ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備え、前記エアロゾル供給デバイスは、前記消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記複数の動作状態の前記部分集合は、識別された前記消耗品に対して許容される動作状態に相当する、エアロゾル供給システム。
【請求項2】
前記複数の動作状態の前記部分集合が、前記複数の動作状態のうち少なくとも2つの動作状態を含む、請求項1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項3】
前記複数の動作状態の前記部分集合が、少なくとも1つのブースト動作状態を含み、前記ブースト動作状態が、増強されたエアロゾルを当該エアロゾル供給システムから提供するように構成される、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項4】
前記エアロゾル供給デバイスが制御回路をさらに備え、前記消耗品が前記消耗品の特性を示すための識別子を備え、前記エアロゾル供給デバイスの前記制御回路が前記識別子から前記消耗品の前記特性を識別するように構成される請求項
1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項5】
前記消耗品の前記識別子が、QRコード、バーコード、及びRFIDタグの少なくとも1つである、請求項4に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項6】
前記消耗品の前記特性が、
前記エアロゾル生成材料の化学組成、
前記エアロゾル生成材料の強さ、
前記消耗品のサイズ、
前記消耗品の等級
の少なくとも1つである、請求項
4に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項7】
前記制御回路が、前記複数の動作状態の前記部分集合を前記消耗品の前記特性の識別に基づいてユーザに提供するように構成される、請求項
4に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項8】
前記エアロゾル供給デバイスが、前記消耗品を識別しないときに非動作状態にあるように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項9】
消耗品の特性及びエアロゾル供給デバイスの関連動作状態のデータベースを記憶するためのメモリをさらに備える請求項
1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記識別された消耗品のための前記複数の動作状態の前記部分集合を前記ユーザに対して表示するためのディスプレイをさらに備え、
前記ディスプレイが、前記複数の動作状態の前記部分集合のうち使用が望まれる動作状態に関する前記ユーザからの入力を受け取るように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
エアロゾル供給デバイスであって、
消耗品とともに使用するためにユーザによって選択可能な複数の動作状態を備え、当該エアロゾル供給デバイスは、消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記複数の動作状態の前記部分集合は、識別された前記消耗品に対して許容される動作状態に相当する、エアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記複数の動作状態の前記部分集合が、前記複数の動作状態のうち少なくとも2つの動作状態を含む、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
消耗品の特性及びエアロゾル供給デバイスの関連動作状態のデータベースを記憶するためのメモリをさらに備える請求項11又は12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
エアロゾル供給システムからエアロゾルを供給する方法であって、
ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備えるエアロゾル供給デバイスを提供するステップと、
エアロゾル生成材料を含む消耗品を提供するステップと、
前記エアロゾル供給デバイスによって前記消耗品を識別するステップと、
前記ユーザによる選択のために前記複数の動作状態の部分集合を提供するステップと、
前記複数の動作状態の部分集合のうち特定の動作状態の選択を受け取ったときに、前記特定の動作状態を作動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
エアロゾル供給手段であって、
エアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成手段を含む消耗品と、
を備え、前記エアロゾル供給デバイスは、ユーザによって選択可能な複数の動作状態を備え、前記エアロゾル供給デバイスは、前記消耗品を識別したときに、前記複数の動作状態の部分集合がユーザによって選択可能となるように構成され、前記複数の動作状態の前記部分集合は、識別された前記消耗品に対して許容される動作状態に相当する、エアロゾル供給手段。
【国際調査報告】