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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】一体型炭素変性改質器および工程
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/00 20060101AFI20250128BHJP
   B01J 19/08 20060101ALI20250128BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
B01J19/00 301B
B01J19/08 E
C01B3/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541697
(86)(22)【出願日】2023-01-13
(85)【翻訳文提出日】2024-09-04
(86)【国際出願番号】 US2023060691
(87)【国際公開番号】W WO2023137470
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】63/266,827
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514014827
【氏名又は名称】リカーボン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハラズ, ハテム
(72)【発明者】
【氏名】クー, ジェ モ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヒソン
【テーマコード(参考)】
4G075
【Fターム(参考)】
4G075AA03
4G075AA13
4G075BA05
4G075BA06
4G075BA08
4G075CA03
4G075CA47
4G075CA54
4G075DA02
4G075EA07
4G075EB01
4G075FB04
4G075FB06
(57)【要約】
一体型改質器は、外側チャンバと、第1の導入口と、第2の導入口と、外側チャンバに関連付けられた冷却ユニットと、を含む。第1の導入口は、外側チャンバにおける第1の空間内への第1のガス流を得るように構成される。第2の導入口は、外側チャンバにおける第1の空間内への第2のガス流を得るように構成される。冷却ユニットは、第1のガス流から熱エネルギーを吸収するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側チャンバと、
前記外側チャンバにおける第1の空間内への第1のガス流を得るように構成される第1の導入口と、
前記外側チャンバにおける前記第1の空間内への第2のガス流を得るように構成される第2の導入口と、
前記外側チャンバに関連付けられた冷却ユニットと、を備え、
前記冷却ユニットは、前記第1のガス流から熱エネルギーを吸収するように構成される、装置。
【請求項2】
前記冷却ユニットは、前記第1の導入口に隣接して配設される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記冷却ユニットは冷却剤を受け入れるように構成され、前記冷却剤は、HO、油、CO、またはCHのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記冷却ユニットは、前記外側チャンバの周囲に配設される管を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記管は、冷却剤を受け入れるように構成される冷却剤導入口を含み、
前記管は、前記第1のガス流から前記熱エネルギーを吸収した前記冷却剤を放出するように構成される冷却剤排出口を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記冷却剤導入口が受け入れた前記冷却剤は、液体状態のHOを含み、
前記冷却剤排出口からの前記冷却剤は、ガス状態のHOを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記冷却剤排出口からの前記冷却剤は、前記外側チャンバにおける前記第1の空間に提供される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記外側チャンバにおける反応チャンバをさらに備え、
前記冷却剤排出口からの前記冷却剤、前記第1のガス流、および前記第2のガス流は、前記反応チャンバにおける第2の空間に提供される、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記反応チャンバにおける触媒をさらに備え、
前記冷却剤排出口からの前記冷却剤、前記第1のガス流、および前記第2のガス流は、前記触媒を通過する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記触媒は多孔性物質を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記反応チャンバから第3のガス流を放出するように構成される排出口をさらに備え、
前記第3のガス流は、前記第1のガス流、前記第2のガス流、および前記冷却剤排出口からの前記冷却剤によって生じた反応に基づく、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のガス流は第1の合成ガスを含み、
前記第2のガス流は炭化水素燃料を含み、
前記第3のガス流は第3の合成ガスを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記炭化水素燃料は、バイオガス、天然ガス、またはCHのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記炭化水素燃料は前記外側チャンバよりも前に予熱される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
排出口をさらに備え、
前記排出口は、前記第1のガス流、前記第2のガス流、および前記冷却剤排出口からの前記冷却剤によって生じた反応に基づく第3のガス流を放出する、請求項7に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の導入口と前記排出口との間の触媒をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のガス流は第1の合成ガスを含み、
前記第2のガス流は炭化水素燃料を含み、
前記第3のガス流は第2の合成ガスを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記炭化水素燃料は、バイオガス、天然ガス、またはCHのうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記炭化水素燃料は前記外側チャンバよりも前に予熱される、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
蒸気発生ユニットからの蒸気が、前記外側チャンバにおける前記第1の空間に提供される、請求項5に記載の装置。
【請求項21】
排出口をさらに備え、
前記排出口は、前記第1のガス流、前記第2のガス流、および前記蒸気発生ユニットからの前記蒸気によって生じた反応に基づく第3のガス流を放出する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記外側チャンバにおける反応チャンバをさらに備え、
蒸気発生ユニットからの蒸気、前記第1のガス流、および前記第2のガス流は、前記反応チャンバにおける第2の空間に提供される、請求項5に記載の装置。
【請求項23】
排出口をさらに備え、
前記排出口は、前記第1のガス流、前記第2のガス流、および前記蒸気によって生じた反応に基づく第3のガス流を放出する、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記装置は、プラズマ炭素変換機(PCCU)に含まれる一体型改質器を含み、前記PCCUは前記一体型改質器と流体連通するプラズマ反応器を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
プラズマ炭素変換のための方法であって、
外側チャンバ内への第1のガス流をプラズマ反応器から受け入れることと、
前記外側チャンバ内への第2のガス流を受け入れることと、
冷却ユニットによって前記第1のガス流から熱エネルギーを吸収することと、を含む、方法。
【請求項26】
前記第1のガス流は第1の導入口で受け入れられ、前記第2のガス流は第2の導入口で受け入れられる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のガス流、前記第2のガス流、および冷却剤を、前記外側チャンバにおける反応チャンバに提供することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のガス流は第1の合成ガスを含み、
前記第2のガス流は炭化水素燃料を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記第2のガス流は前記外側チャンバよりも前に予熱される、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
蒸気発生ユニットからの蒸気が、前記外側チャンバにおいて受け入れられる、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のガス流および前記第2のガス流によって生じた反応に基づく第3のガス流を放出することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この米国特許出願は、2022年1月14日に出願された仮特許出願第63/266,827号の優先権を主張するものである。この先行出願の開示は、本出願の開示の一部とみなされ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般的に、一体型炭素変性改質器、およびCO還元工程を含む工程に関する。
【背景技術】
【0003】
別段本明細書に示されない限り、本明細書に説明される資料は、本出願の特許請求の範囲の先行技術ではなく、この節に含まれることにより先行技術であると認められない。
【0004】
プラズマベース解離反応を使用して、炭素系の化学反応を容易にする場合がある。プラズマベース解離反応は、高温およびエネルギーをもたらして、炭素系の化学反応の完了を促し得る。
【0005】
本開示において特許請求される主題は、いずれの不利点も解決するまたは上述されるような環境のみにおいて動作する実装形態に限定されない。もっと正確に言えば、この背景技術は、本開示に記載されるいくつかの実装形態が実践され得る1つの例示の技術分野を示すためだけに提供される。
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つの態様は、(一体型改質器などの)装置を提供する。装置は、外側チャンバと、外側チャンバにおける第1の空間内への第1のガス流を得るように構成される第1の導入口と、外側チャンバにおける第1の空間内への第2のガス流を得るように構成される第2の導入口と、外側チャンバに関連付けられた冷却ユニットと、を含む。冷却ユニットは、第1のガス流から熱エネルギーを吸収するように構成される。
【0007】
本開示の実装形態は、以下の随意的な特徴の1つまたは複数を含み得る。いくつかの実装形態では、冷却ユニットは、第1の導入口に隣接して配設される。いくつかの実装形態では、冷却ユニットは、外側チャンバの周囲に配設される管を含む。いくつかの実装形態では、管は、冷却剤を受け入れるように構成される冷却剤導入口を含み、管は、第1のガス流から熱エネルギーの少なくとも一部を吸収した冷却剤を放出するように構成される冷却剤排出口を含む。いくつかの実装形態では、冷却剤導入口が受け入れた冷却剤は、液体状態のHOを含み、冷却剤排出口からの冷却剤は、ガス状態のHOを含む。
【0008】
いくつかの実装形態では、装置は、外側チャンバにおける反応チャンバを含む。いくつかの実装形態では、冷却剤排出口からの冷却剤、第1のガス流、および第2のガス流は、反応チャンバにおける第2の空間に提供される。いくつかの実装形態では、装置は、反応チャンバにおける触媒を含む。いくつかの実装形態では、冷却剤排出口からの冷却剤、第1のガス流、および第2のガス流は、触媒を通過する。いくつかの実装形態では、触媒は多孔性物質を含む。いくつかの実装形態では、装置は、反応チャンバから第3のガス流を放出するように構成される排出口を含む。いくつかの実装形態では、第3のガス流は、第1のガス流、第2のガス流、および冷却剤排出口からの冷却剤によって生じた反応に基づく。いくつかの実装形態では、第1のガス流は第1の合成ガスを含み、第2のガス流は炭化水素燃料(例えば、バイオガス、天然ガス、CH、またはこれらの任意の組み合わせ)を含み、第3のガス流は第3の合成ガスを含む。
【0009】
いくつかの実装形態では、冷却剤排出口からの冷却剤は、外側チャンバにおける第1の空間に提供される。いくつかの実装形態では、装置は、排出口と、第1の導入口と排出口との間の触媒とを含む。いくつかの実装形態では、排出口は、第1のガス流、第2のガス流、および冷却剤排出口からの冷却剤によって生じた反応に基づく第3のガス流を放出する。いくつかの実装形態では、触媒は多孔性物質を含む。いくつかの実装形態では、第1のガス流は第1の合成ガスを含み、第2のガス流は炭化水素燃料(例えば、バイオガス、天然ガス、CH、またはこれらの任意の組み合わせ)を含み、第3のガス流は第2の合成ガスを含む。
【0010】
本開示の別の態様はシステムを提供する。システムは、プラズマ反応器、およびプラズマ反応器と流体連通する一体型改質器を含むプラズマ炭素変換機を含む。一体型改質器は、外側チャンバと、プラズマ反応器から外側チャンバにおける第1の空間内への第1のガス流を得るように構成される第1の導入口と、外側チャンバにおける第1の空間内への第2のガス流を得るように構成される第2の導入口と、外側チャンバに関連付けられた冷却ユニットと、を含む。冷却ユニットは、第1のガス流から熱エネルギーを吸収するように構成される。
【0011】
本開示の実装形態は、以下の随意的な特徴の1つまたは複数を含み得る。いくつかの実装形態では、冷却ユニットは、第1の導入口に隣接して配設される。いくつかの実装形態では、冷却ユニットは、外側チャンバの周囲に配設される管を含む。いくつかの実装形態では、管は、冷却剤を受け入れるように構成される冷却剤導入口を含み、管は、第1のガス流から熱エネルギーを吸収した冷却剤を放出するように構成される冷却剤排出口を含む。いくつかの実装形態では、システムは、一体型改質器から第3のガス流を放出するように構成される排出口を含む。いくつかの実装形態では、第3のガス流は、第1のガス流、第2のガス流、および冷却剤排出口からの冷却剤によって生じた反応に基づく。いくつかの実装形態では、システムは、排出口と流体連通する熱利用ユニットを含む。いくつかの実装形態では、熱利用ユニットは、第3のガス流を受け入れるように構成され、第3のガス流を、さらなる工程または下流工程(例えば、水性ガスシフト工程)に適した所定の温度まで冷却するように構成される。いくつかの実装形態では、下流の水性ガスシフト工程のための所定の温度は、300℃~350℃である。
【0012】
添付の図面を使用することにより、さらなる特殊性および詳細と共に、例示の実装形態について記載し説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示のある実装形態による、プラズマ炭素変換機(PCCU)の例示の動作を示す図である。
図2】本開示のいくつかの実装形態による、例示の二酸化炭素(CO)還元および利用システムを示す図である。
図3】本開示のいくつかの実装形態による、別の例示のCO還元および利用システムを示す図である。
図4】本開示のいくつかの実装形態による、別の例示のCO還元および利用システムを示す図である。
図5A】本開示のいくつかの実装形態による、例示の一体型改質器の断面図である。
図5B】本開示のいくつかの実装形態による、例示の一体型改質器の断面図である。
図6A】本開示のいくつかの実装形態による、別の例示の一体型改質器の断面図である。
図6B】本開示のいくつかの実装形態による、別の例示の一体型改質器の断面図である。
図7】本開示のいくつかの実装形態による、プラズマ炭素変換機の例示の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
様々な図面における同様の参照記号は同様の要素を示す。
【0015】
いくつかの実装形態では、プラズマ炭素変換機(PCCU)を使用して行われる化学反応(例えば、発熱反応)は、化学反応の完了を促すまたは促進する高温反応環境をもたらす。本開示は、とりわけ、二酸化炭素(CO)を取り除く(例えば、CO放出量を低減する)、および/または水素ガス(H)、一酸化炭素(CO)、およびPCCUを使用する合成ガス(例えば、HおよびCO含むガス)などの様々な生成ガスを発生させるための化学反応に関連している場合がある。
【0016】
いくつかの実装形態では、PCCUは、プラズマ反応器、およびプラズマ反応器と流体連通する一体型改質器を含む。プラズマ反応器を使用して行われる化学反応は、生成ガスのより大きい歩留りをもたらし得るが、これは、プラズマ反応器が生成ガス(例えば、合成ガス)の形成を促すための大きなエネルギー量をもたらすからである。
【0017】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器の動作から発生したエネルギー(例えば、運動エネルギー、熱エネルギー)は、他の処理ユニットのさらなる動作および/または化学反応を促す。例えば、プラズマ反応器からのエネルギーを使用して、一体型改質器、一体型改質器に関連付けられた熱利用ユニットの動作、および/または様々な生成ガスの形成、再循環、および分離のその他の工程を促し得る。
【0018】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器は、マイクロ波プラズマを使用して(例えば、第1の投入源をマイクロ波プラズマ(例えば、大気マイクロ波プラズマ、高圧マイクロ波プラズマ)に曝して)第1の投入源におけるCOおよびCHを第1の合成ガスに変換する。いくつかの実装形態では、プラズマ反応器と流体連通する一体型改質器は、プラズマ反応器から第1の合成ガスを受け入れ、第1の合成ガスを、バイオガス(例えば、COおよびCHを含む浄化したバイオガス)、CH、天然ガス、またはこれらの任意の組み合わせなどの炭化水素燃料と混合させ、水蒸気改質工程を使用して、第1の合成ガスと炭化水素燃料との混合物を第2の合成ガスに変換する。いくつかの実装形態では、エネルギーを節約するために、プラズマ反応器からのエネルギーを水蒸気改質工程に利用する。その結果、一体型改質器は、(プラズマ反応器における化学反応から発生した)エネルギーを使用して、第2の投入源におけるCO、CH、H、CO、およびHO(第1の合成物、炭化水素燃料、および蒸気の混合物)を第2の合成ガスに変換する。プラズマ反応器および一体型改質器を使用して、PCCUは、(水蒸気改質工程を含む工程のためのさらなるエネルギー源を有することなく)プラズマ反応器からのエネルギーを使用してより多量の合成ガスを生成することが可能である。
【0019】
本開示は、様々なガス(例えば、バイオガス、天然ガス/メタン(例えば、CHを含むガス)、CO、これらの様々な組み合わせ)を合成ガス(例えば、上述した第2の合成ガス)に変換し、合成ガスを様々な最終生成物(例えば、様々なH対CO比の合成ガス、H)に変性させるために、PCCUと共に様々なタイプの機器(例えば、熱利用ユニット、水性ガスシフト反応器、アミン装置、圧力スイング吸着装置、コンプレッサ、プレコンプレッサ、空気分離器、分離ユニット)が配置されたいくつかのシステムを含む。
【0020】
いくつかの実装形態では、一体型改質器(またはPCCU)に関連付けられた熱利用ユニットは、第2の合成ガスの温度を調節するように構成される。例えば、熱利用ユニットは、第2の合成ガスから熱エネルギーを吸収する。その結果、熱利用ユニットは、第2の合成ガスを冷却することで、第2の合成ガスは、様々な機器(例えば、水性ガスシフト反応器、アミン装置、圧力スイング吸着装置、コンプレッサ)によって行われる後続の工程に適するようになる。いくつかの実装形態では、熱利用ユニットは、第2の合成ガスから吸収した熱エネルギーを使用して、蒸気(例えば、水蒸気、過熱水)を含み得る冷却剤を一体型改質器および/または水性ガスシフト反応器に提供する。いくつかの実装形態では、熱利用ユニットは、一体型改質器への供給原料(例えば、炭化水素燃料、水蒸気改質工程用の蒸気)を加熱または予熱する。いくつかの実装形態では、熱利用ユニットは、適した方法を使用して(例えば、蒸気タービンを動作させるために熱エネルギーを使用する蒸気を発生させて)一体型改質器からの熱エネルギーを電力に変換することによって、電力を様々な機器(例えば、コンプレッサ、プレコンプレッサ)に提供する。
【0021】
いくつかの実装形態では、水性ガスシフト反応器は、一酸化炭素および水が可逆反応してCOおよびHを形成する水性ガスシフト反応器によるHの形成を助長する。例えば、水性ガスシフト反応器は、水性ガスシフト反応器を通っていく第2の合成ガスにおけるCOおよびHOをHおよびCOに変換(例えば、COをHに変換)する。
【0022】
いくつかの実装形態では、アミン装置は、アミン装置に投入されたプロセスガス(例えば、第2の合成ガス、第2の合成ガスに基づいて水性ガスシフト反応器によって発生したHおよびCOを含むガス)からCOを回収するまたは取り除くように構成される。
【0023】
いくつかの実装形態では、圧力スイング吸着装置は、圧力スイング吸着装置に投入されたプロセスガス(例えば、水性ガスシフト反応器およびアミン装置によって発生したHおよびCOを含むガス)からCOおよび不純物を回収するまたは取り除くように構成される。
【0024】
図1は、本開示のある実装形態によるPCCU102の例示の動作を示す。
【0025】
図1に示されるように、いくつかの実装形態では、PCCU102は、プラズマ反応器110と、プラズマ反応器110と流体連通する一体型改質器120とを含む。プラズマ反応器110と一体型改質器120との流体連通は、一体型改質器120に対する(プラズマ反応器110によって発生したまたは変換された第1の合成ガスを含む)放出流114を維持するように機能する。
【0026】
示されるように、いくつかの実装形態では、プラズマ反応器110は、投入エネルギー113(例えば、マイクロ波エネルギー)と共にバイオガス(例えば、CHおよびCOを含むガス)、二酸化炭素(CO)、酸素(O)、および天然ガス/メタン(CH)の投入流112を得、二酸化炭素(CO)ガス、蒸気、および第1の合成ガス(HおよびCOを含むガス)の放出流114を生成するまたはもたらす。その結果、投入流112と投入エネルギー(上に論じられるようなマイクロ波エネルギー)との反応によって、投入流112を(第1の合成ガスを含む)放出流114に変換するプラズマ(例えば、マイクロ波プラズマ)が引き起こされる。
【0027】
示されるように、いくつかの実装形態では、投入流112と投入エネルギー113との反応は、プラズマ反応器110における放出エネルギー115(例えば、運動エネルギー、熱エネルギー)を発生させ、放出エネルギー115は放出流114により一体型改質器120に移動する。その結果、放出流114の温度は高くなる(例えば、この例では1500℃を上回る温度)。いくつかの実装形態では、プラズマ反応器110における投入流112と投入エネルギー113との反応は、運動エネルギーを発生させる。
【0028】
いくつかの実装形態では、バイオガス、CO、および天然ガス/メタンは、プラズマ反応器110に提供されたエネルギーに応じて反応し、第1の合成ガス、蒸気、および化学的生成物としての二酸化炭素の残量をもたらす。その結果、投入流112に含まれる相当量の二酸化炭素が取り除かれる。さらに、第1の合成ガスをもたらした化学反応によって動力が発生し得ることで、化学的生成物が高温(例えば、1,000℃、1,100℃、1,200℃、1,300℃、1,400℃、1,500℃、1,600℃、1,700℃、1,800℃、1,900℃、2,000℃など)で放出される。上に論じられるように、この例では、プラズマ反応器110からの第1の合成ガスは、1500℃を上回る温度を有する。
【0029】
図1に示されるように、いくつかの実装形態では、プラズマ反応器110への投入流112に含まれる二酸化炭素の量は、放出流114に含まれる二酸化炭素の量を上回る。いくつかの実装形態では、投入エネルギー113は、プラズマ反応器110によってもたらされた放出エネルギー115を下回るが、これは、プラズマ反応器110で影響を受けた化学反応が反応工程中に熱エネルギー(例えば、熱)を発生させる発熱反応であるからである。いくつかの実装形態では、化学反応によって発生したエネルギーおよび/またはプラズマ反応器110における化学反応によってもたらされた二酸化炭素は、PCCU100(例えば、プラズマ反応器110、一体型改質器120)への投入量として再循環されかつ含まれて、二酸化炭素(CO)のさらなる化学反応および/または還元を容易にし得る。
【0030】
示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器120は、(COガス、蒸気、第1の合成ガスを含む)放出流114を得、放出流114をさらなる炭化水素燃料(例えば、バイオガス、CH、天然ガス)および蒸気と混合させて、流動改質を行う。その結果、一体型改質器120は、第2の合成ガス(例えば、水素リッチ合成ガス)を含む第2の放出流116を発生させる。換言すれば、一体型改質器120は、放出流114におけるCO、CH、およびHOを第2の合成ガスを含む第2の放出流116に変換する。
【0031】
図2は、本開示のいくつかの実装形態による、例示の二酸化炭素(CO)還元および利用システム200を示す。CO還元および利用システム200は、バイオガス/天然ガスから水素を生成するシステムを含み得る。
【0032】
図2に示されるように、いくつかの実装形態では、CO還元および利用システム200は、(プラズマ反応器210、およびプラズマ反応器210と流体連通する一体型改質器220を含む)PCCU202、プレコンプレッサ232、コンプレッサ234、スクラバー236、空気分離器238、熱利用ユニット240、水性ガスシフト反応器242、アミン装置244、および圧力スイング吸着装置246を含む。
【0033】
示されるように、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ232の導入口は、バイオガス投入源と流体連通している。その結果、プレコンプレッサ232は、システム200内への(例えば、図2に示されるようなスクラバー236への)バイオガス蒸気の圧力を制御することができる。いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ232は、システム200内へのバイオガス蒸気の圧力を高める。例えば、投入されたバイオガスは、0.5atm、1atm、1.5atm、2atm、またはその他の圧力でプレコンプレッサ232によって得られ得、プレコンプレッサ232を出るバイオガス(例えば、スクラバー236へのバイオガス流)は、圧力が、2atm、3atm、5atm、10atm、20atm、100atm、またはその他の圧力であり得る。
【0034】
示されるように、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ232の排出口は、スクラバー236の導入口と流体連通している。その結果、スクラバー236は、プレコンプレッサ232からバイオガス(例えば、加圧されたバイオガス)を受け入れる。いくつかの実装形態では、スクラバー236は、プレコンプレッサ232から受け入れたバイオガスの不純物、汚染物質、または有害成分を取り除く。例えば、スクラバー236は、有害物質(例えば、硫黄酸化物、粒子状物質、酸性ガスなど)がスクラバー236に含まれる乾燥試薬に吸着させる乾燥浄化工程を含み得る。別の例として、スクラバー236は、バイオガスから1つまたは複数の成分を分離するために(プレコンプレッサ232からの)バイオガスに湿性物質(例えば、水)が噴霧される湿式浄化工程を含んでよい。示されるように、スクラバー236の排出口は、一体型改質器220と流体連通している。その結果、浄化されたバイオガス(例えば、CHおよびCOを含むガス)流が一体型改質器220に提供される。
【0035】
示されるように、いくつかの実装形態では、空気分離器238は、投入気流を得、投入気流を、主に窒素ガス(N)および酸素ガス(O)を含み得るその構成成分に分離する。空気分離器238は、分留、圧力スイング吸着、真空圧力スイング吸着、膜分離により、または任意のその他の分離方法によって、投入気流に含まれる成分の分離を容易にし得る。示されるように、いくつかの実装形態では、空気分離器238は、PCCU202と流体連通している(例えば、PCCU202のプラズマ反応器210と流体連通している)。示されるように、流体連通により、分離された空気成分はPCCU202のプラズマ反応器210に送られ得る。
【0036】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器210は、石英またはセラミック材料から作られるプラズマチャンバを含み、このプラズマチャンバにおける1つまたは複数の導波管は、プラズマチャンバで生じる化学反応を容易にするように構成される。示されるように、いくつかの実装形態では、プラズマ反応器210は、以下にさらに詳細に説明されるように、天然ガス投入源からの天然ガス(CHを含むガス)流、空気分離器238からの分離された空気成分、およびアミン装置244からの二酸化炭素を得て、導入口のガス流の間の化学反応に影響を与えるように構成される。
【0037】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器210において、導入口の天然ガス流からのCH、アミン装置244からのCOは、マイクロ波プラズマを使用して(例えば、COおよびCHをマイクロ波プラズマに曝して)HおよびCO(第1の合成ガス)に変換される。いくつかの実装形態では、プラズマ反応器210は、燃焼なく瞬時にCOおよびCHをHおよびCOに変換する。その結果、プラズマ反応器210は、アミン装置244からCOを、および天然ガス投入源からCHを継続して受け入れるため、COおよびCHを(第1の放出流に含まれる)第1の合成ガスに変換することができる。
【0038】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器210において、天然ガス投入源、アミン装置244、および空気分離器238からのCO、CH、およびOを含むガスの混合物は、マイクロ波プラズマを使用して(例えば、CO、CH、およびOの混合物をマイクロ波プラズマに曝して)HおよびCOを発生させるために使用される。いくつかの実装形態では、プラズマ反応器210は、燃焼なくCO、CH、およびOを含むガスの混合物を使用して瞬時にHおよびCO(第1の合成ガス)を発生させる。その結果、プラズマ反応器210は、CO、CH、およびOを継続して受け入れるため、CO、CH、およびOを含むガスの混合物を使用して(第1の放出流に含まれる)第1の合成ガスを発生させることができる。
【0039】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器210における合成ガス変換工程の間に熱が発生する。プラズマ反応器210で発生した熱(例えば、熱エネルギー)は、第1の放出流の温度および第1の放出流に含まれる第1の合成ガスの温度を上昇させる。例えば、第1の合成ガスの温度は、1500℃~2500℃であってよい。いくつかの実装形態では、上に論じられるように、プラズマ反応器210と流体連通する一体型改質器220は、プラズマ反応器210から、第1の合成ガスを含む第1の放出流を受け入れるように構成される。その結果、プラズマ反応器210で発生した熱エネルギーの少なくとも一部は、第1の合成ガス(例えば、1500℃を上回る温度を有する合成ガス)を含む第1の放出流を介して一体型改質器220に移動する。
【0040】
いくつかの実装形態では、一体型改質器220は、プラズマ反応器210に接続される個別の反応装置を含む。さらにまたは代替的には、プラズマ反応器210および一体型改質器220は、単一の装置であってよく、それによって、一体型改質器220による合成ガス(例えば、第2の合成ガス)の形成は、プラズマ反応器/一体型改質器の結合ユニットで生じる。
【0041】
示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器220は、プラズマ反応器210の第1の放出流からの第1の合成ガス(HおよびCO)、CO、CH、およびHO、スクラバー236からの浄化されたバイオガス、および熱利用ユニット240からの蒸気(例えば、過熱水)を、(第2の放出流に含まれる)第2の合成ガスに変換するように構成される水蒸気メタン改質反応器または任意の他の反応器を含む。
【0042】
いくつかの実装形態では、一体型改質器220への蒸気は、以下にさらに詳細に説明されるような冷却ユニット514/614によって提供される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、プラズマ反応器210からの(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却するように構成される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、水蒸気改質工程のために第1の合成ガスをある温度範囲(例えば、700℃~1000℃)まで冷却するように構成される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、水を冷却剤として使用して、プラズマ反応器210からの(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却する。冷却剤は、蒸気を含む任意の形態の水を含んでよい。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、プラズマ反応器210から一体型改質器220への(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却する工程で加熱される水である蒸気を提供するように構成される。
【0043】
示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器220は、アミン装置244から再循環蒸気を得るように構成される。いくつかの実装形態では、一体型改質器220は、熱利用ユニット240からの蒸気、冷却ユニット514/614からの蒸気、および/またはアミン装置244からの蒸気を得るように構成される。その結果、第1の合成ガスおよびバイオガスの1つまたは複数の生成ガス(この例では第2の合成ガス)への変換率を容易に大きくするためのさらなる反応物が提供される。
【0044】
示されるように、一体型改質器220は熱利用ユニット240(例えば、熱交換機)と流体連通している。いくつかの実装形態では、流体連通により、一体型改質器220によって生成された(第2の合成ガスを含む)第2の放出流は、熱利用ユニット240に送られる。いくつかの実装形態では、熱利用ユニット240は、一体型改質器220からの第2の合成ガスを含む第2の放出流を冷却するように構成されるため、第2の合成ガスを含む第2の放出流はさらなる工程(例えば、水性ガスシフト工程)により適するようになる。いくつかの実装形態では、熱利用ユニット240は、第2の合成ガスを含む第2の放出流を所定の温度または所定の温度範囲(例えば、水性ガスシフト工程用の300℃~350℃)まで冷却するように構成される。示されるように、いくつかの実装形態では、冷却剤、プロセス水、または補給水として、水が熱利用ユニット240に提供される。水が、第2の合成ガスを含む第2の放出流を熱利用ユニット240で冷却する際、水は第2の合成ガスを含む第2の放出流からの熱エネルギーを吸収する。それ故に、水の状態はガス(例えば、過熱水)に変化し、これは、一体型改質器220および/または水性ガスシフト反応器242に提供され得る。
【0045】
示されるように、いくつかの実装形態では、熱利用ユニット240は動力発生ユニット(例えば、蒸気タービン)を含む。いくつかの実装形態では、動力発生ユニットは、熱利用ユニット240で発生した蒸気を使用して動力を起こす(例えば、発電する)。
【0046】
上に論じられるように、熱利用ユニット240は、(例えば、冷却剤、プロセス水、または補給水としての)水の投入流、および一体型改質器220によって発生した第2の合成ガスを含む第2の放出流を受け入れるように構成される蒸気発生ユニットを含み得る。熱利用ユニット240は、一体型改質器220から入ってくる(第2の合成ガスを含む)第2の放出流によって熱利用ユニット240に投入される、プラズマ反応器210によって発生した余熱を使用して投入された水を気化させてまたは加熱してよく、発生した蒸気は水性ガスシフト反応器242に送られてよい。いくつかの実装形態では、熱利用ユニット240からのいずれの余分な蒸気も一体型改質器220に送られて、一体型改質器220における第2の合成ガスの形成を容易にする。
【0047】
示されるように、いくつかの実装形態では、熱利用ユニット240は水性ガスシフト反応器242と流体連通している。いくつかの実装形態では、流体連通により、(第2の合成ガスを含む)第2の放出流は、熱利用ユニット240における冷却工程後、水性ガスシフト反応器242に送られる。いくつかの実装形態では、水性ガスシフト反応器242は、一酸化炭素および水が可逆反応してCOおよびHを形成する水性ガスシフト反応器242によるHの形成を容易にする。例えば、水性ガスシフト反応器242は、水性ガスシフト反応器242を通っていく(第2の合成ガスを含む)第2の放出流におけるCOおよびHOをHおよびCO図2では「生成ガス」)を含む第3の放出流に変換する。示されるように、いくつかの実装形態では、水性ガスシフト反応器242における水性ガスシフト工程後、生成ガスは、さらなる冷却工程のために熱利用ユニット240に送り返される。例えば、熱利用ユニット240は、水性ガスシフト反応器242からの生成ガスを所定の温度または所定の温度範囲(例えば、40℃~50℃)まで冷却する。
【0048】
示されるように、いくつかの実装形態では、熱利用ユニット240は、熱利用ユニット240から生成ガスを受け入れる(H、CO、および未反応のまたは部分的に反応した物質を含む生成ガスを「冷却する」)ように構成され、生成ガスを加圧するように構成されるコンプレッサ234と流体連通している。示されるように、コンプレッサ234はアミン装置244と流体連通している。いくつかの実装形態では、コンプレッサ234は、上に論じられるように熱利用ユニット240によって発生した動力(例えば、電力)に基づいて動作する。その結果、コンプレッサ234は、生成ガスを受け入れ、その生成ガスを加圧後にアミン装置244に提供する。例えば、生成ガスは、0.5atm、1atm、1.5atm、2atmの圧力、またはその他の圧力でコンプレッサ234によって得られ得、コンプレッサ234を出る生成ガスは、圧力が、2atm、3atm、5atm、10atm、20atm、100atm、またはその他の圧力であり得る。
【0049】
アミン装置244は、いずれの残りの不純物(例えば、硫化水素、硫黄酸化物、またはその他の有害物質)も取り除くためにコンプレッサ234を出る生成ガスと反応する様々なアミンの水溶液を含み得る。さらにまたは代替的には、アミン装置244に含まれるアミンは、二酸化炭素などの酸性ガスの除去を容易にし得る。いくつかの実装形態では、アミン装置244によって取り除かれた二酸化炭素は、再循環しプラズマ反応器210に送り返されることで、(第1の合成ガスを発生させるための)さらなる合成ガス反応を容易にする。示されるように、いくつかの実装形態では、アミン装置244に入った生成ガスにおけるいずれかの部分的に反応したまたは未反応のガスが、再循環流で一体型改質器220に引き戻されて、合成ガス(この例では第2の合成ガス)および/または水素ガス生成物の形成に関連する化学反応をさらに高い完成度まで促す。
【0050】
示されるように、いくつかの実装形態では、アミン装置244は、アミン装置244から生成ガスを受け入れるように構成される圧力スイング吸着装置246と流体連通している。いくつかの実装形態では、アミン装置234からの水素ガスを含む生成ガスおよび任意の残留ガスは、圧力スイング吸着装置246に送られて、得られたガスをさらに分離する。いくつかの実装形態では、例えば、圧力スイング吸着装置246は、水素ガスに加えて吸着剤を通過する化合物を捕捉することによって、圧力スイング吸着装置246に入った任意のその他のガスから水素ガスを分離する吸着剤を含む。吸着剤によって捕捉されたガスは、圧力スイング吸着装置246における圧力を低減することによって吸着剤から脱着させてよく、脱着したガス(例えば、CO)はさらに反応させるためにPCCU202へと(例えば、一体型改質器220に)再循環させてよい。換言すれば、アミン装置244および圧力スイング吸着装置246は、水性ガスシフト反応器242からのHおよびCOを含む生成ガスから非水素ガスを取り除く。その結果、二酸化炭素(CO)還元および利用システム200は、COを還元し、高純度H(例えば、99.95%のH)を発生させることができる。
【0051】
本開示の範囲から逸脱することなく、二酸化炭素還元および利用システム200に対する修正、追加、または省略がなされてよい。例えば、説明されたような異なる要素の名称は、本明細書に説明される概念の説明に役立つように意図されており、限定するものではない。例えば、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ232、スクラバー236、空気分離器238、プラズマ反応器210および一体型改質器220を含むPCCU202、熱利用ユニット240、水性ガスシフト反応器242、コンプレッサ234、アミン装置244、および圧力スイング吸着装置246は、本明細書に記載される概念を説明する際の助けとなるように記載された特定の様式で描写されているが、そのような描写は限定を意図するものではない。さらに、二酸化炭素還元および利用のシステム200は、任意の数の他の要素を含んでよい、または記載されたもの以外の他のシステムまたは文脈の範囲内で実装されてよい。
【0052】
図3は、本開示のいくつかの実装形態による、例示の二酸化炭素(CO)還元および利用システム300を示す。CO還元および利用システム300は、バイオガスから合成ガスを生成するシステムを含んでよい。
【0053】
図3に示されるように、いくつかの実装形態では、CO還元および利用システム300は、(プラズマ反応器310、およびプラズマ反応器310と流体連通する一体型改質器320を含む)PCCU302、プレコンプレッサ332、コンプレッサ334、スクラバー336、空気分離器338、熱利用ユニット340、アミン装置344、分離ユニット348を含む。
【0054】
示されるように、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ332の導入口はバイオガス投入源と流体連通している。その結果、プレコンプレッサ332はシステム300内への(例えば、図3に示されるようなスクラバー336への)バイオガス流の圧力を制御することができる。いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ332は、システム300内へのバイオガス流の圧力を高める。例えば、投入されたバイオガスは、0.5atm、1atm、1.5atm、2atmの圧力、またはその他の圧力でプレコンプレッサ332によって得られ得、プレコンプレッサ332を出るバイオガス(例えば、スクラバー336へのバイオガス流)は、圧力が、2atm、3atm、5atm、10atm、20atm、100atm、またはその他の圧力であり得る。
【0055】
示されるように、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ332の排出口はスクラバー336の導入口と流体連通している。その結果、スクラバー336はプレコンプレッサ332からバイオガス(例えば、加圧されたバイオガス)を受け入れる。いくつかの実装形態では、スクラバー336はプレコンプレッサ332から受け入れたバイオガスの不純物、汚染物質、または有害成分を取り除く。例えば、スクラバー336は、有害物質(例えば、硫黄酸化物、粒子状物質、酸性ガスなど)がスクラバー336に含まれる乾燥試薬に吸着される乾燥浄化工程を含み得る。別の例として、スクラバー336は、バイオガスから1つまたは複数の成分を分離するために(プレコンプレッサ332からの)バイオガスに湿性物質(例えば、水)が噴霧される湿式浄化工程を含んでよい。示されるように、スクラバー336の排出口は、プラズマ反応器310および一体型改質器320と流体連通している。その結果、浄化されたバイオガス(例えば、CHおよびCOを含むガス)の流れがプラズマ反応器310および一体型改質器320に提供される。
【0056】
示されるように、いくつかの実装形態では、空気分離器338は、投入気流を得、投入気流を、主に窒素ガス(N)および酸素ガス(O)を含み得るその構成成分に分離する。空気分離器338は、分留、圧力スイング吸着、真空圧力スイング吸着、膜分離により、または任意のその他の分離方法によって、投入気流に含まれる成分の分離を容易にし得る。示されるように、いくつかの実装形態では、空気分離器338は、PCCU302と流体連通している(例えば、PCCU302のプラズマ反応器310と流体連通している)。示されるように、流体連通により、分離された空気成分はPCCU302のプラズマ反応器310に送られ得る。
【0057】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器310は、石英またはセラミック材料から作られるプラズマチャンバを含み、このプラズマチャンバにおける1つまたは複数の導波管は、プラズマチャンバで生じる化学反応を容易にするように構成される。示されるように、いくつかの実装形態では、プラズマ反応器310は、スクラバー336からのバイオガス流、空気分離器338からの分離された空気成分を得て、導入口のガス流の間の化学反応に影響を与えるように構成される。
【0058】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器310において、スクラバー336からの浄化されたバイオガス流におけるCOおよびCHは、マイクロ波プラズマを使用して(例えば、COおよびCHをマイクロ波プラズマに曝して)HおよびCO(第1の合成ガス)に変換される。いくつかの実装形態では、プラズマ反応器310は、燃焼なく瞬時にCOおよびCHをHおよびCOに変換する。その結果、プラズマ反応器310は、浄化されたバイオガスを継続して受け入れるため、COおよびCHを(第1の放出流に含まれる)第1の合成ガスに変換することができる。
【0059】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器310において、スクラバー336および空気分離器338からのCO、CH、およびOを含むガスの混合物は、マイクロ波プラズマを使用して(例えば、CO、CH、およびOの混合物をマイクロ波プラズマに曝して)HおよびCOを発生させるために使用される。いくつかの実装形態では、プラズマ反応器310は、燃焼なくCO、CH、およびOを含むガスの混合物を使用して瞬時にHおよびCO(第1の合成ガス)を発生させる。その結果、プラズマ反応器310は、CO、CH、およびOを継続して受け入れるため、CO、CH、およびOを含むガスの混合物を使用して(第1の放出流に含まれる)第1の合成ガスを発生させることができる。
【0060】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器310における合成ガス変換工程の間に熱が発生する。プラズマ反応器310で発生した熱(例えば、熱エネルギー)は、第1の放出流の温度および第1の放出流に含まれる第1の合成ガスの温度を上昇させる。例えば、第1の合成ガスの温度は、1500℃~2500℃であってよい。いくつかの実装形態では、上に論じられるように、プラズマ反応器310と流体連通する一体型改質器320は、プラズマ反応器310から第1の合成ガスを含む第1の放出流を受け入れるように構成される。その結果、プラズマ反応器310で発生した熱エネルギーの少なくとも一部は、第1の合成ガス(例えば、1500℃を上回る温度を有する合成ガス)を含む第1の放出流を介して一体型改質器320に移動する。
【0061】
いくつかの実装形態では、一体型改質器320は、プラズマ反応器310に接続される個別の反応装置を含む。さらにまたは代替的には、プラズマ反応器310および一体型改質器320は、単一の装置であってよく、それによって、一体型改質器320による合成ガス(例えば、第2の合成ガス)の形成は、プラズマ反応器/一体型改質器の結合ユニットで生じる。
【0062】
いくつかの実装形態では、一体型改質器320は、プラズマ反応器の第1の放出流からの第1の合成ガス(HおよびCO)、CO、CH、およびHO、スクラバー336からの浄化されたバイオガス、および熱利用ユニット340からの蒸気(例えば、過熱水)を、(第2の放出流に含まれる)第2の合成ガスに変換するように構成される水蒸気メタン改質反応器または任意の他の反応器を含む。
【0063】
いくつかの実装形態では、(以下にさらに詳細に説明されるような)分離ユニット348は、一体型改質器320にさらなるCOを提供する。それ故に、示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器320は、プラズマ反応器310の第1の放出流からの第1の合成ガス(HおよびCO)、CO、CH、HO、CO、スクラバー336からの浄化されたバイオガス、熱利用ユニット340からの蒸気(例えば、過熱水)、および分離ユニット348からの再循環ガスを、(第2の放出流に含まれる)第2の合成ガスに変換するように構成される水蒸気メタン改質反応器または任意の他の反応器を含む。その結果、第1の合成ガスおよびバイオガスの1つまたは複数の生成ガス(この例では第2の合成ガス)への変換率を容易に大きくするためのさらなる反応物が提供される。
【0064】
いくつかの実装形態では、PCCU302で生じる化学反応によってもたらされた合成ガス(この例では第2の合成ガス)は、他の既存の化学工程によってもたらされた合成ガスよりも効率的に発生し得る。さらにまたは代替的には、一体型改質器320で生じる合成ガス反応を容易にするためのさらなる熱は必要とされない場合があるが、これは、プラズマ反応器310で生じる反応によって発生する熱が一体型改質器320内に投入され得るからである。
【0065】
いくつかの実装形態では、一体型改質器320への蒸気は、以下にさらに詳細に説明されるような冷却ユニット514/614によって提供される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、プラズマ反応器310からの(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却するように構成される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、水蒸気改質工程のために第1の合成ガスをある温度範囲(例えば、700℃~1000℃)まで冷却するように構成される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、水を冷却剤として使用して、プラズマ反応器310からの(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却する。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、プラズマ反応器310から一体型改質器320への(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却する工程で加熱される水である蒸気を提供するように構成される。
【0066】
示されるように、一体型改質器320は熱利用ユニット340(例えば、熱交換機)と流体連通している。いくつかの実装形態では、流体連通により、一体型改質器320によって生成された(第2の合成ガスを含む)第2の放出流は、熱利用ユニット340に送られる。いくつかの実装形態では、熱利用ユニット340は、一体型改質器320からの第2の合成ガスを含む第2の放出流を冷却するように構成されるため、第2の合成ガスを含む第2の放出流はさらなる工程(例えば、アミン装置344におけるCO除去工程)により適するようになる。いくつかの実装形態では、熱利用ユニット340は、第2の合成ガスを含む第2の放出流を所定の温度または所定の温度範囲(例えば、40℃~50℃)まで冷却するように構成される。示されるように、いくつかの実装形態では、冷却剤、プロセス水、または補給水として、水が熱利用ユニット340に提供される。水が、第2の合成ガスを含む第2の放出流を熱利用ユニット340で冷却する際、水は第2の合成ガスを含む第2の放出流からの熱エネルギーを吸収する。それ故に、水の状態はガス(例えば、過熱水)に変化し、これは、一体型改質器320に提供され得る。
【0067】
示されるように、いくつかの実装形態では、熱利用ユニット340は動力発生ユニット(例えば、蒸気タービン)を含む。いくつかの実装形態では、動力発生ユニットは、熱利用ユニット340で発生した蒸気を使用して動力を起こす(例えば、発電する)。
【0068】
上に論じられるように、熱利用ユニット340は、(冷却剤、プロセス水、または補給水としての)水の投入流、および一体型改質器320によって発生した第2の合成ガスを含む第2の放出流を受け入れるように構成される蒸気発生ユニットを含み得る。熱利用ユニット340は、一体型改質器320から入ってくる(第2の合成ガスを含む)第2の放出流によって熱利用ユニット340に投入される、プラズマ反応器310によって発生した余熱を使用して投入された水を気化させてまたは加熱してよく、発生した蒸気は一体型改質器320に送られて、一体型改質器340における第2の合成ガスの形成を容易にし得る。
【0069】
いくつかの実装形態では、第2の放出流に含まれる第2の合成ガスは、0.5:1から2.9:1に及ぶ比率の(例えば、図3に示されるように2:1の比率の)水素ガスおよび一酸化炭素を含む。形成される第2の合成ガスの比率は、プレコンプレッサ332内に投入されるバイオガス容量、空気分離器338内に投入される空気容量、PCCU302のプラズマ反応器310または一体型改質器320に供給されるエネルギー量、熱利用ユニット340から一体型改質器320に送られる蒸気量、またはこれらの何らかの組み合わせに左右され得る。例えば、水素ガス対一酸化炭素の比率は、熱利用ユニット340から一体型改質器320への蒸気の再循環流がない場合、およそ0.5:1からおよそ1.5:1に及ぶ場合があるが、水素ガス対一酸化炭素の比率は、一体型改質器320に再循環される(または提供される)蒸気量に応じて、およそ1.3:1からおよそ2.9:1に増大し得る。
【0070】
示されるように、いくつかの実装形態では、熱利用ユニット340は、熱利用ユニット340からの(第2の合成ガスを含む)熱利用ユニット340によって冷却される第2の放出流を受け入れるように構成され、第2の放出流を加圧するように構成されるコンプレッサ334と流体連通している。示されるように、コンプレッサ334はアミン装置344と流体連通している。いくつかの実装形態では、コンプレッサ334は、上に論じられるように熱利用ユニット340によって発生した動力(例えば、電力)に基づいて動作する。その結果、コンプレッサ334は、熱利用ユニット340によって冷却される第2の放出流を受け入れ、「冷却された」第2の放出流を加圧後にアミン装置344に提供する。例えば、第2の放出流は、0.5atm、1atm、1.5atm、2atmの圧力、またはその他の圧力でコンプレッサ334によって得られ得、コンプレッサ334を出る「冷却された」第2の放出流は、圧力が、2atm、3atm、5atm、10atm、20atm、100atm、またはその他の圧力であり得る。
【0071】
アミン装置344は、いずれの残りの不純物(例えば、硫化水素、硫黄酸化物、またはその他の有害物質)も取り除くためにコンプレッサ334を出る「冷たい」第2の放出流と反応する様々なアミンの水溶液を含み得る。さらにまたは代替的には、アミン装置344に含まれるアミンは、二酸化炭素などの酸性ガスの除去を容易にし得る。
【0072】
示されるように、いくつかの実装形態では、アミン装置344は、アミン装置344から(アミン装置344によって処理されたまたは調製された)「冷却された」第2の放出流を受け入れるように構成される分離ユニット348と流体連通している。
【0073】
その結果、(アミン装置344によって処理された)「冷却された」第2の放出流
は、分離ユニット348に送られて第2の放出流の様々な成分を分解する。例えば、分離ユニット348は、(アミン装置344によって処理された)「冷却された」第2の放出流に含まれる成分を分離するための圧力スイング吸着装置を含んでよく、この圧力スイング吸着装置は、吸着剤を通過する化合物をフィルター処理することによって、圧力スイング吸着装置に入ったガス成分を分離する吸着剤を含む。吸着剤によって捕捉されたガスは、圧力スイング吸着装置における圧力を低減することによって吸着剤から脱着させてよく、脱着したガス(例えば、CO)はさらに反応させるためにPCCU302へと(例えば、一体型改質器302に)再循環させてよい。いくつかの実装形態では、(アミン装置344によって処理された)「冷却された」第2の放出流の第1の部分は、圧力スイング吸着装置によって処理され、(アミン装置344によって処理された)「冷却された」第2の放出流の第2の部分は、圧力スイング吸着装置をバイパスする。いくつかの実装形態では、圧力スイング吸着装置によって処理された(アミン装置344によって処理された)「冷却された」第2の放出流の第1の部分の量を変化させることによって、第1の部分および第2の部分の総量を放出するように構成される分離ユニット348は、様々なH:COの比率で合成ガスを生成することができる。その結果、二酸化炭素(CO)還元および利用システム300は、COを還元し、様々なH:COの比率の合成ガスを発生させることが可能である。
【0074】
本開示の範囲から逸脱することなく、二酸化炭素還元および利用システム300に対する修正、追加、または省略がなされてよい。例えば、説明されたような異なる要素の名称は、本明細書に説明される概念の説明に役立つように意図されており、限定するものではない。例えば、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ332、スクラバー336、空気分離器338、プラズマ反応器310および一体型改質器320を含むPCCU302、熱利用ユニット340、コンプレッサ334、アミン装置344、および分離ユニット348は、本明細書に記載される概念を説明する際の助けとなるように記載された特定の様式で描写されているが、そのような描写は限定を意図するものではない。さらに、二酸化炭素還元および利用システム300は、任意の数の他の要素を含んでよい、または記載されたもの以外の他のシステムまたは文脈の範囲内で実装されてよい。
【0075】
図4は、本開示のいくつかの実装形態による、例示の二酸化炭素(CO)還元および利用システム400を示す。CO還元および利用システム400は、バイオガスから水素を生成するシステムを含んでよい。
【0076】
図4に示されるように、いくつかの実装形態では、CO還元および利用システム400は、(プラズマ反応器410、およびプラズマ反応器410と流体連通する一体型改質器420を含む)PCCU402、プレコンプレッサ432、コンプレッサ434、スクラバー436、空気分離器438、熱利用ユニット440、水性ガスシフト反応器442、アミン装置444、および圧力スイング吸着装置446を含む。
【0077】
示されるように、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ432の導入口はバイオガス投入源と流体連通している。その結果、プレコンプレッサ432はシステム400内への(例えば、図4に示されるようなスクラバー436への)バイオガス蒸気の圧力を制御することができる。いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ432は、システム400内へのバイオガス蒸気の圧力を高める。例えば、投入されたバイオガスは、0.5atm、1atm、1.5atm、2atmの圧力、またはその他の圧力でプレコンプレッサ432によって得られ得、プレコンプレッサ432を出るバイオガス(例えば、スクラバー436へのバイオガス流)は、圧力が、2atm、3atm、5atm、10atm、20atm、100atm、またはその他の圧力であり得る。
【0078】
示されるように、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ432の排出口はスクラバー436の導入口と流体連通している。その結果、スクラバー436はプレコンプレッサ432からバイオガス(例えば、加圧されたバイオガス)を受け入れる。いくつかの実装形態では、スクラバー436は、プレコンプレッサ432から受け入れたバイオガスの不純物、汚染物質、または有害成分を取り除く。例えば、スクラバー436は、有害物質(例えば、硫黄酸化物、粒子状物質、酸性ガスなど)がスクラバー436に含まれる乾燥試薬に吸着される乾燥浄化工程を含み得る。別の例として、スクラバー436は、バイオガスから1つまたは複数の成分を分離するために(プレコンプレッサ432からの)バイオガスに湿性物質(例えば、水)が噴霧される湿式浄化工程を含んでよい。示されるように、スクラバー436の排出口は、プラズマ反応器410および一体型改質器420と流体連通している。その結果、浄化されたバイオガス(例えば、CHおよびCOを含むガス)流がプラズマ反応器410および一体型改質器420に提供される。
【0079】
示されるように、いくつかの実装形態では、空気分離器438は、投入気流を得、投入気流を、主に窒素ガス(N)および酸素ガス(O)を含み得るその構成成分に分離する。空気分離器438は、分留、圧力スイング吸着、真空圧力スイング吸着、膜分離により、または任意のその他の分離方法によって、投入気流に含まれる成分の分離を容易にし得る。示されるように、いくつかの実装形態では、空気分離器438は、PCCU402と流体連通している(例えば、PCCU402のプラズマ反応器410と流体連通している)。示されるように、流体連通により、分離された空気成分はPCCU402のプラズマ反応器410に送られ得る。
【0080】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器410は、石英またはセラミック材料から作られるプラズマチャンバを含み、このプラズマチャンバにおける1つまたは複数の導波管は、プラズマチャンバで生じる化学反応を容易にするように構成される。示されるように、いくつかの実装形態では、プラズマ反応器410は、スクラバー436からのバイオガス(例えば、浄化されたバイオガス)流、空気分離器438からの分離された空気成分を得て、導入口のガス流の間の化学反応に影響を与えるように構成される。
【0081】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器410において、スクラバー436からの浄化されたバイオガス流におけるCOおよびCHは、マイクロ波プラズマを使用して(例えば、COおよびCHをマイクロ波プラズマに曝して)HおよびCO(第1の合成ガス)に変換される。いくつかの実装形態では、プラズマ反応器410は、燃焼なく瞬時にCOおよびCHをHおよびCOに変換する。その結果、プラズマ反応器410は、スクラバー436からCOおよびCHを継続して受け入れるため、COおよびCHを(第1の放出流に含まれる)第1の合成ガスに変換することができる。
【0082】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器410において、スクラバー436および空気分離器438からのCO、CH、およびOを含むガスの混合物は、マイクロ波プラズマを使用して(例えば、CO、CH、およびOの混合物をマイクロ波プラズマに曝して)HおよびCOを発生させるために使用される。いくつかの実装形態では、プラズマ反応器410は、燃焼なくCO、CH、およびOを含むガスの混合物を使用して瞬時にHおよびCO(第1の合成ガス)を発生させる。その結果、プラズマ反応器410は、CO、CH、およびOを継続して受け入れるため、CO、CH、およびOを含むガスの混合物を使用して(第1の放出流に含まれる)第1の合成ガスを発生させることができる。
【0083】
いくつかの実装形態では、プラズマ反応器410における合成ガス変換工程の間に熱が発生する。プラズマ反応器410で発生した熱(例えば、熱エネルギー)は、第1の放出流の温度および第1の放出流に含まれる第1の合成ガスの温度を上昇させる。例えば、第1の合成ガスの温度は、1500℃~2500℃であってよい。いくつかの実装形態では、上に論じられるように、プラズマ反応器410と流体連通する一体型改質器420は、プラズマ反応器410から、第1の合成ガスを含む第1の放出流を受け入れるように構成される。その結果、プラズマ反応器410で発生した熱エネルギーの少なくとも一部は、第1の合成ガス(例えば、1500℃を上回る温度を有する合成ガス)を含む第1の放出流を介して一体型改質器420に移動する。
【0084】
いくつかの実装形態では、一体型改質器420は、プラズマ反応器410に接続される個別の反応装置を含む。さらにまたは代替的には、プラズマ反応器410および一体型改質器420は、単一の装置であってよく、それによって、一体型改質器420による合成ガス(例えば、第2の合成ガス)の形成は、プラズマ反応器/一体型改質器の結合ユニットで生じる。
【0085】
いくつかの実装形態では、(以下にさらに詳細に説明されるような)圧力スイング吸着装置448は、一体型改質器420にさらなるCOを提供する。それ故に、示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器420は、プラズマ反応器410の第1の放出流からの第1の合成ガス(HおよびCO)、CO、CH、CO、およびHO、スクラバー436からの浄化されたバイオガス、圧力スイング吸着装置448からの再循環ガス、および熱利用ユニット440からの蒸気(例えば、過熱水)を、(第2の放出流に含まれる)第2の合成ガスに変換するように構成される水蒸気メタン改質反応器または任意の他の反応器を含む。
【0086】
いくつかの実装形態では、一体型改質器420への蒸気は、以下にさらに詳細に説明されるような冷却ユニット514/614によって提供される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、プラズマ反応器410からの(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却するように構成される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、水蒸気改質工程のために第1の合成ガスをある温度範囲(例えば、700℃~1000℃)まで冷却するように構成される。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、水を冷却剤として使用して、プラズマ反応器410からの(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却する。いくつかの実装形態では、冷却ユニット514/614は、プラズマ反応器410から一体型改質器420への(第1の合成ガスを含む)第1の放出流を冷却する工程で加熱される水である蒸気を提供するように構成される。
【0087】
いくつかの実装形態では、一体型改質器420は、熱利用ユニット440からの蒸気および冷却ユニット514/614からの蒸気を得るように構成される。その結果、第1の合成ガスおよびバイオガスの1つまたは複数の生成ガス(この例では第2の合成ガス)への変換率を容易に大きくするためのさらなる反応物が提供される。
【0088】
示されるように、一体型改質器420は熱利用ユニット440(例えば、熱交換機)と流体連通している。いくつかの実装形態では、流体連通により、一体型改質器420によって生成された(第2の合成ガスを含む)第2の放出流は、熱利用ユニット440に送られる。いくつかの実装形態では、熱利用ユニット440は、一体型改質器420からの第2の合成ガスを含む第2の放出流を冷却するように構成されるため、第2の合成ガスを含む第2の放出流はさらなる工程(例えば、水性ガスシフト工程)により適するようになる。いくつかの実装形態では、熱利用ユニット440は、第2の合成ガスを含む第2の放出流を所定の温度または所定の温度範囲(例えば、300℃~350℃)まで冷却するように構成される。示されるように、いくつかの実装形態では、冷却剤、プロセス水、または補給水として、水が熱利用ユニット440に提供される。水が、第2の合成ガスを含む第2の放出流を熱利用ユニット440で冷却する際、水は第2の合成ガスを含む第2の放出流からの熱エネルギーを吸収する。それ故に、水の状態はガス(例えば、過熱水)に変化し、これは、一体型改質器420および/または水性ガスシフト反応器442に提供され得る。
【0089】
示されるように、いくつかの実装形態では、熱利用ユニット440は動力発生ユニット(例えば、蒸気タービン)を含む。いくつかの実装形態では、動力発生ユニットは、熱利用ユニット440で発生した蒸気を使用して動力を起こす(例えば、発電する)。
【0090】
上に論じられるように、熱利用ユニット440は、(冷却剤、プロセス水、または補給水としての)水の投入流、および一体型改質器420によって発生した第2の合成ガスを含む第2の放出流を受け入れるように構成される蒸気発生ユニットを含み得る。熱利用ユニット440は、一体型改質器420から入ってくる(第2の合成ガスを含む)第2の放出流によって熱利用ユニット440に投入される、プラズマ反応器410によって発生した余熱を使用して投入された水を気化させてまたは加熱してよく、発生した蒸気は水性ガスシフト反応器442に送られ得る。いくつかの実装形態では、熱利用ユニット440からのいずれの余分な蒸気も一体型改質器420に送られて、一体型改質器440における第2の合成ガスの形成を容易にする。
【0091】
示されるように、いくつかの実装形態では、熱利用ユニット440は水性ガスシフト反応器442と流体連通している。いくつかの実装形態では、流体連通により、(第2の合成ガスを含む)第2の放出流は、熱利用ユニット240における冷却工程後、水性ガスシフト反応器442に送られる。いくつかの実装形態では、水性ガスシフト反応器442は、一酸化炭素および水が可逆反応してCOおよびHを形成する水性ガスシフト反応器442によるHの形成を容易にする。例えば、水性ガスシフト反応器442は、水性ガスシフト反応器442を通っていく(第2の合成ガスを含む)第2の放出流におけるCOおよびHOをHおよびCO図4では「生成ガス」)を含む第3の放出流に変換する。示されるように、いくつかの実装形態では、水性ガスシフト反応器442における水性ガスシフト工程後、生成ガスは、さらなる冷却工程のために熱利用ユニット440に送り返される。例えば、熱利用ユニット440は、水性ガスシフト反応器442からの生成ガスを所定の温度または所定の温度範囲(例えば、40℃~50℃)まで冷却する。
【0092】
示されるように、いくつかの実装形態では、熱利用ユニット440は、生成ガスを受け入れる(H、CO、および未反応のまたは部分的に反応した物質を含む生成ガスを「冷却する」)ように構成され、生成ガスを加圧するように構成されるコンプレッサ434と流体連通している。示されるように、コンプレッサ434はアミン装置444と流体連通している。いくつかの実装形態では、コンプレッサ434は、上に論じられるように熱利用ユニット440によって発生した動力(例えば、電力)に基づいて動作する。その結果、コンプレッサ434は、生成ガスを受け入れ、その生成ガスを加圧後にアミン装置444に提供する。例えば、生成ガスは、0.5atm、1atm、1.5atm、2atmの圧力、またはその他の圧力でコンプレッサ434によって得られ得、コンプレッサ434を出る生成ガスは、圧力が、2atm、3atm、5atm、10atm、20atm、100atm、またはその他の圧力であり得る。
【0093】
アミン装置444は、いずれの残りの不純物(例えば、硫化水素、硫黄酸化物、またはその他の有害物質)も取り除くためにコンプレッサ434を出る生成ガスと反応する様々なアミンの水溶液を含み得る。さらにまたは代替的には、アミン装置444に含まれるアミンは、二酸化炭素などの酸性ガスの除去を容易にし得る。
【0094】
示されるように、いくつかの実装形態では、アミン装置444は、アミン装置444から生成ガスを受け入れるように構成される圧力スイング吸着装置446と流体連通している。いくつかの実装形態では、アミン装置434からの水素ガスを含む生成ガスおよび任意の残留ガスは、圧力スイング吸着装置446に送られて、得られたガスをさらに分離する。いくつかの実装形態では、例えば、圧力スイング吸着装置446は、水素ガスに加えて吸着剤を通過する化合物を捕捉することによって、圧力スイング吸着装置446に入った任意のその他のガスから水素ガスを分離する吸着剤を含む。吸着剤によって捕捉されたガスは、圧力スイング吸着装置446における圧力を低減することによって吸着剤から脱着させてよく、脱着したガス(例えば、CO)はさらに反応させるためにPCCU402へと(例えば、一体型改質器420に)再循環させてよい。換言すれば、アミン装置444および圧力スイング吸着装置446は、水性ガスシフト反応器442からのHおよびCOを含む生成ガスから非水素ガスを取り除く。その結果、二酸化炭素(CO)還元および利用システム400は、COを取り除き、高純度H(例えば、99.95%のH)を発生させることができる。
【0095】
本開示の範囲から逸脱することなく、二酸化炭素還元および利用システム400に対する修正、追加、または省略がなされてよい。例えば、説明されたような異なる要素の名称は、本明細書に説明される概念の説明に役立つように意図されており、限定するものではない。例えば、いくつかの実装形態では、プレコンプレッサ432、スクラバー436、空気分離器438、プラズマ反応器410および一体型改質器420を含むPCCU402、熱利用ユニット440、水性ガスシフト反応器442、コンプレッサ434、アミン装置444、および圧力スイング吸着装置446は、本明細書に記載される概念を説明する際の助けとなるように記載された特定の様式で描写されているが、そのような描写は限定を意図するものではない。さらに、二酸化炭素還元および利用のシステム400は、任意の数の他の要素を含んでよい、または記載されたもの以外の他のシステムまたは文脈の範囲内で実装されてよい。
【0096】
図5Aは、本開示のいくつかの実装形態による、例示の一体型改質器500Aの断面図を示す。
【0097】
示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器500Aは、外側チャンバ502および反応チャンバ504を含む。
【0098】
示されるように、いくつかの実装形態では、外側チャンバ502は、第1のガス流(例えば、プラズマ反応器からの第1の合成ガスを含むガス流)を得るように構成される第1の導入口506と、第2のガス流(例えば、バイオガス、CH、天然ガス、またはこれらの任意の組み合わせなどの炭化水素燃料を含むガス流)を得るように構成される第2の導入口508と、を含む。
【0099】
示されるように、いくつかの実装形態では、第2のガス流は、熱利用部540(例えば、図2/3/4における熱利用ユニット240/340/440と同様の熱利用ユニット)からのものである。いくつかの実装形態では、第2のガス流は、チャンバ502に導入する前に、熱利用ユニット540によって所定の温度まで加熱または冷却される。
【0100】
いくつかの実装形態では、一体型改質器500Aは、第1のガス流および第2のガス流が混合され冷却されている混合および冷却ゾーン510を外側チャンバ502に設けている。示されるように、いくつかの実装形態では、混合および冷却ゾーン510において第1のガス流および第2のガス流を混合するために、第2の導入口508の第1の端部512は、外側チャンバ502の壁を介して混合および冷却ゾーン510内に延在する。示されるように、いくつかの実装形態では、外側チャンバ502における第2の導入口508の第1の端部512は、第2の導入口508の第1の端部512が第1の導入口506に向けられるように折り曲げられる。それ故に、第1のガス流および第2のガス流は、混合をより良くするために混合および冷却ゾーン510において直接衝突する。
【0101】
いくつかの実装形態では、図2図3、および図4に関して説明されるプラズマ反応器からの(第1の合成ガスを含む)第1の放出流などの第1のガス流は、プラズマ反応器からのものである。論じられるように、プラズマ反応器からの第1の放出流(図5における第1のガス流)は、プラズマ反応器の動作により高温(例えば、1500℃~2500℃の温度範囲)を有する。
【0102】
(高温の)第1のガス流を第1のガス流よりも比較的低い温度の第2のガス流(この例ではバイオガス)と混合させることによって、第1のガス流と第2のガス流との混合物の温度は、第1のガス流の温度よりも低い。いくつかの実装形態では、第1のガス流と第2のガス流との混合物を所定の温度または所定の温度範囲まで効率的に冷却することで、第1のガス流と第2のガス流との混合物の温度が(蒸気を伴って反応チャンバ504において)水蒸気改質に適した範囲(例えば、700℃~1000℃)内にあるように、冷却ユニット514は外側チャンバ502に結合される。
【0103】
示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器500Aは、混合および冷却ゾーン510に隣接して配設される冷却ユニット514を含む。示されるように、いくつかの実装形態では、冷却ユニット514は混合および冷却ゾーン510を取り囲む。示されるように、いくつかの実装形態では、冷却ユニット514は、混合および冷却ゾーン510に隣接して外側チャンバ502の周囲に配設されたまたは巻き付けられた管516(またはパイプ)を含む。示されるように、いくつかの実装形態では、混合および冷却ゾーン510は第1の導入口506と反応チャンバ504との間に設けられる。
【0104】
いくつかの実装形態では、冷却ユニット514は、水を冷却剤として使用して、第1のガス流および/または第2のガス流の混合物を冷却する。例えば、水は、外側チャンバ502の周りに配設された管516の第1の端部518に供給される。水は管516内に流れるため、水は、第1のガス流および/または第2のガス流の混合物から熱エネルギー(熱)を吸収して蒸気(例えば、ガス状態の水)になる。
【0105】
示されるように、いくつかの実装形態では、冷却ユニット514は、反応チャンバ504に蒸気を提供するように構成される。示されるように、管516の第2の端部520は、反応チャンバ504の混合ガス導入口522に隣接するように反応チャンバ504に配設される。示されるように、いくつかの実装形態では、管516の第2の端部520は、反応チャンバ504の混合ガス導入口522を介して反応チャンバ504に接続される(またはこれと流体連通している)。
【0106】
示されるように、いくつかの実装形態では、管516の第2の端部520は、混合ガス導入口522の側面の反対側に向けられる。示されるように、第1のガス流と第2のガス流との混合物は、混合ガス導入口522を介して反応チャンバ504に提供される。その結果、第1のガス流と第2のガス流との混合物は、反応チャンバ504において蒸気と混合される。その結果、反応チャンバ504では、第1のガス流、第2のガス流、および水蒸気改質を使用する蒸気に基づいて(第2の合成ガスを含む)第3のガス流が発生する。示されるように、反応チャンバ504は、一体型改質器500Aによって発生した(第2の合成ガスを含む)第3のガス流を放出するための排出口524を含む。示されるように、いくつかの実装形態では、反応チャンバ504は、合成ガス生成(例えば、触媒工程)のためのより多くの反応を促進するための触媒526を含む。いくつかの実装形態では、触媒は多孔性物質または構造(例えば、メッシュ、複数の管またはパイプ、膜)を含む。示されるように、触媒526は、排出口524と混合ガス導入口522との間に配設されるため、第1のガス流、第2のガス蒸気、および冷却ユニット514からの蒸気の混合物は、触媒工程のために触媒526を効率的に通過することができる。
【0107】
本開示の範囲から逸脱することなく、一体型改質器500Aに対する修正、追加、または省略がなされてよい。例えば、冷却ユニット514における冷却剤は、第1のガス流および/または第2のガス流の混合物を冷却するためだけに使用され、(上に論じられるような)熱利用ユニットからの蒸気は水蒸気改質工程のために使用される。この場合、冷却剤は、第1のガス流および/または第2の流れの混合物を冷却後、冷却ユニット514によって凝結後に再利用され得る。
【0108】
図5Bは、本開示のいくつかの実装形態による例示の一体型改質器500Bの断面図を示す。
【0109】
示されるように、一体型改質器500Bは図5Aにおける一体型改質器500Aと実質的に同様である。従って、重複する詳細の説明はここでは繰り返されない。
【0110】
示されるように、いくつかの実装形態では、反応チャンバ504の蒸気導入口520Bは熱利用ユニット540と流体連通している。いくつかの実装形態では、冷却装置514からの冷却剤に加えて、熱利用ユニットからの蒸気が反応チャンバ504に提供されて、第3のガス流が発生する。いくつかの実装形態では、冷却装置514からの冷却剤の代わりに、熱利用ユニットからの蒸気が反応チャンバ504に提供されて、第3のガス流が発生する。
【0111】
いくつかの実装形態では、冷却ユニット514における冷却剤は、第1のガス流および/または第2のガス流の混合物を冷却するためだけに使用され、熱利用ユニット540からの蒸気は水蒸気改質工程のために使用される。この場合、冷却剤は、第1のガス流および/または第2の流れの混合物を冷却後、冷却ユニット514によって凝結/冷却後に再利用され得る。
【0112】
いくつかの実装形態では、冷却剤は水を含む。いくつかの実装形態では、冷却剤はCOを含む。いくつかの実装形態では、冷却剤はCHを含む。いくつかの実装形態では、冷却剤は油を含む。いくつかの実装形態では、冷却剤は、第1のガス流(例えば、1500℃以上の温度)を冷却するのに適した物質を含む。
【0113】
図6Aは、本開示のいくつかの実装形態による、例示の一体型改質器600Aの断面を示す。
【0114】
示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器600Aはチャンバ602(外側チャンバと称される)を含む。
【0115】
示されるように、いくつかの実装形態では、チャンバ602は、第1のガス流(例えば、第1の合成ガスを含むガス流)を得るように構成される第1の導入口606と、第2のガス流(例えば、バイオガス、CH、天然ガス、またはこれらの任意の組み合わせなどの炭化水素燃料を含むガス流)を得るように構成される第2の導入口608と、蒸気を得るための第3の導入口609と、を含む。
【0116】
示されるように、いくつかの実装形態では、第2のガス流は、熱利用部640(例えば、図2/3/4における熱利用ユニット240/340/440と同様の熱利用ユニット)からのものである。いくつかの実装形態では、第2のガス流は、チャンバ602に導入する前に、熱利用ユニット640によって所定の温度まで加熱または冷却される。
【0117】
いくつかの実装形態では、チャンバ602は、第1のガス流、第2のガス流、および蒸気が混合され冷却されている混合および冷却ゾーン610をチャンバ602に設けている。
【0118】
いくつかの実装形態では、図2図3、および図4に関して説明されるプラズマ反応器からの(第1の合成ガスを含む)第1の放出流などの第1のガス流は、プラズマ反応器からのものである。論じられるように、プラズマ反応器からの第1の放出流(図6における第1のガス流)は、プラズマ反応器の動作により高温(例えば、1500℃~2500℃の温度範囲)を有する。
【0119】
(高温の)第1のガス流を、第1のガス流よりも比較的低い温度の第2のガス流(この例ではバイオガス)および第1のガス流よりも比較的低い温度の蒸気と混合させることによって、第1のガス流、第2のガス流、および蒸気の混合物の温度は、第1のガス流の温度よりも低い。いくつかの実装形態では、第1のガス流、第2のガス流、および蒸気の混合物を、水蒸気改質に適した所定の温度または所定の温度範囲(例えば、700℃~1000℃)まで効率的に冷却するために、冷却ユニット614はチャンバ602に結合される。
【0120】
示されるように、いくつかの実装形態では、一体型改質器600Aは、混合および冷却ゾーン610に隣接して配設される冷却ユニット614を含む。示されるように、いくつかの実装形態では、冷却ユニット614は、混合および冷却ゾーン610に隣接して外側チャンバ602の周囲に配設される管616(またはパイプ)を含む。示されるように、いくつかの実装形態では、混合および冷却ゾーン610は第1の導入口606と反応ゾーン604との間にある。示されるように、いくつかの実装形態では、触媒626が一体型改質器600Aに含まれるとき、混合および冷却ゾーン610は、第1の導入口606と、チャンバ602に配設された触媒626との間にある。示されるように、いくつかの実装形態では、混合および冷却ゾーン610は、第2の導入口608と第3の導入口609との間にある。
【0121】
いくつかの実装形態では、冷却ユニット614は水を冷却剤として使用して、第1のガス流の混合物を冷却する。例えば、水は、チャンバ602の周りに配設された管616の第1の端部618に供給される。水は管616内に流れるため、水は、第1のガス流から熱エネルギー(熱)を吸収して蒸気になる。
【0122】
示されるように、いくつかの実装形態では、冷却ユニット614は、チャンバ602に蒸気を提供するように構成される。示されるように、管616の第2の端部620は、第3の導入口609に結合されて、蒸気を混合および冷却ゾーン610に提供する。
【0123】
その結果、チャンバ602では、第1のガス流、第2のガス流、および水蒸気改質を使用する蒸気に基づいて(第2の合成ガスを含む)第3のガス流が発生する。示されるように、チャンバ602は、一体型改質器500A、Bによって発生した(第2の合成ガスを含む)第3のガス流を放出するための排出口624を含む。
【0124】
示されるように、いくつかの実装形態では、触媒626を含み得る反応ゾーン604は、排出口624と第1の導入口606との間に配設されるため、第1のガス流、第2のガス流、および冷却ユニット514からの蒸気の混合物は、合成ガス生成のためのより多くの反応を促進する反応ゾーン604を効率的に通過することができる。同じような理由で、反応ゾーン604が触媒626を含むとき、第1のガス流、第2のガス流、および蒸気の混合物は、合成ガス生成(例えば、触媒工程)のためのより多くの反応を促進する触媒626を効率的に通過することができる。
【0125】
示されるように、いくつかの実装形態では、触媒626は多孔性物質または構造(例えば、メッシュ、複数の管またはパイプ、膜)を含む。
【0126】
本開示の範囲から逸脱することなく、一体型改質器600Aに対する修正、追加、または省略がなされてよい。例えば、冷却ユニット614における冷却剤は、第1のガス流を冷却するためだけに使用され、(上に論じられるような)熱利用ユニットからの蒸気は水蒸気改質工程のために使用される。この場合、冷却剤は、第1のガス流の混合物を冷却後、冷却ユニット614によって凝結後に再利用され得る。
【0127】
図6Bは、本開示のいくつかの実装形態による例示の一体型改質器600Bの断面図を示す。
【0128】
示されるように、一体型改質器600Bは、図6Aにおける一体型改質器600Aと実質的に同様である。従って、重複する詳細の説明はここでは繰り返されない。
【0129】
示されるように、いくつかの実装形態では、第3の導入口609は熱利用ユニット640と流体連通している。いくつかの実装形態では、冷却装置614からの冷却剤(例えば、蒸気)に加えて、熱利用ユニット640からの蒸気がチャンバ602に提供されて、第3のガス流が発生する。いくつかの実装形態では、冷却装置614からの冷却剤の代わりに、熱利用ユニット640からの蒸気がチャンバ602に提供されて、第3のガス流が発生する。
【0130】
いくつかの実装形態では、冷却ユニット614における冷却剤は、第1のガス流を冷却するためだけに使用され、熱利用ユニット640からの蒸気は水蒸気改質工程のために使用される。この場合、冷却剤は、第1のガス流の混合物を冷却後、冷却ユニット614によって凝結後に再利用され得る。
【0131】
いくつかの実装形態では、冷却剤は水を含む。いくつかの実装形態では、冷却剤はCOを含む。いくつかの実装形態では、冷却剤はCHを含む。いくつかの実装形態では、冷却剤は油を含む。
【0132】
図7は、本開示のある実装形態によるプラズマ炭素変換機のための例示の方法700のフローチャートを示す。方法700は、プラズマ炭素変換機102、一体型改質器120、または任意のその他のコンポーネントもしくはサブコンポーネントを含む任意のコンポーネントによって実行され得る。説明を簡潔にするために、本明細書に説明される方法は、一連の行為として図示され説明される。しかしながら、本開示による行為は様々な順序でおよび/または同時に生じる場合があり、その他の行為は本明細書には提示も説明もされていない。さらに開示された主題に従って方法を実施するために示された行為全ては使用されない場合がある。さらに、方法が代替的には、状態図またはイベントにより一連の相互に関係する状態として表される場合があることを当業者は理解し認識するであろう。様々なブロックは、別個のブロックとして示されているが、所望の実装形態に応じて、さらなるブロックに分割される、組み合わせてより少ないブロックにされる、または削除される場合がある。
【0133】
方法700は、動作702において、外側チャンバ内への第1のガス流をプラズマ反応器から受け入れることを含む。動作704において、方法は、外側チャンバ内への第2のガス流を受け入れることを含み、この場合、第2のガス流は、水/蒸気などの冷却剤を含み得る。動作706において、方法は、冷却ユニットによって第1のガス流から熱エネルギーを吸収することを含む。動作708において、方法は、第1のガス流および第2のガス流によって生じた反応に基づく第3のガス流を放出することを含む。
【0134】
本開示、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)に使用される用語は、一般的に、「オープン用語」として意図されている(例えば、用語「~を含んでいる」は、「~を含んでいるが、それに限定されない」として解釈されるべきである)。
【0135】
さらに、導入される請求項記載の特定の数が意図される場合、そのような意図は、特許請求の範囲に明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しない。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項記載を導入するために「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」という前置きの語句の使用を含んでいる場合がある。しかしながら、このような語句の使用は、同じ請求項が「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」という前置きの語句、および「a」または「an」などの不定冠詞とを含むときであっても(例えば、「a」および/または「an」は「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味するように解釈されるべきである)、不定冠詞「a」または「an」による請求項記載の導入が、そのように導入された請求項記載を含んでいる任意の特定の請求項を、唯一のそのような記載を含んでいる実装形態に限定することを含意するように解釈されるべきでない。同じことが、請求項記載を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。
【0136】
さらに、導入される請求項記載の特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者が認識するように、そのような記載は、少なくとも記載の数を意味するように解釈されるべきである(例えば、他の修飾語のない「2つの記載」のそのままの記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。また、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」または「A、B、およびCなどのうちの1つまたは複数」に類似した慣用的表現が使用されるような事例では、一般に、そのような構文は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、または、AとBとCを共になどを含むことを意図している。
【0137】
さらに、2つ以上の代替的な用語の前にある離接語または語句は、明細書、特許請求の範囲、または図面にかかわらず、それらの用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、またはそれらの用語の双方を含む可能性を意図しているように理解されるべきである。例えば、語句「AまたはB」は、「A」もしくは「B」または「AおよびB」の可能性を含むように理解されるべきである。
【0138】
本開示に記載された全ての例および条件付きの言葉は、本開示と、技術を前進させるために本発明者によって与えられる概念とを読者が理解する助けとなるように教育的な目的を意図したものであり、そのように具体的に記載した例および条件への限定ではないと解釈されるべきである。本開示の実装形態について詳細に説明したが、これらの実装形態には、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変がなされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
【国際調査報告】