(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07C 323/62 20060101AFI20250128BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20250128BHJP
A01N 39/00 20060101ALI20250128BHJP
A01N 43/36 20060101ALI20250128BHJP
A01N 41/06 20060101ALI20250128BHJP
A01N 47/34 20060101ALI20250128BHJP
A01N 43/16 20060101ALI20250128BHJP
A01N 43/18 20060101ALI20250128BHJP
A01N 43/84 20060101ALI20250128BHJP
C07C 311/37 20060101ALI20250128BHJP
C07C 311/58 20060101ALI20250128BHJP
C07C 311/51 20060101ALI20250128BHJP
C07C 311/48 20060101ALI20250128BHJP
C07D 207/16 20060101ALI20250128BHJP
C07D 309/08 20060101ALI20250128BHJP
C07D 211/46 20060101ALI20250128BHJP
C07D 335/02 20060101ALI20250128BHJP
C07D 295/205 20060101ALI20250128BHJP
C07D 207/48 20060101ALI20250128BHJP
A01M 21/04 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
C07C323/62 CSP
A01P13/00
A01N39/00 A
A01N39/00 B
A01N43/36 B
A01N41/06 Z
A01N47/34 E
A01N43/16 A
A01N43/18 A
A01N43/84 102
A01N43/36 C
C07C311/37
C07C311/58
C07C311/51
C07C311/48
C07D207/16
C07D309/08
C07D211/46
C07D335/02
C07D295/205
C07D207/48
A01M21/04 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541840
(86)(22)【出願日】2023-01-11
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 US2023060450
(87)【国際公開番号】W WO2023137309
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524099429
【氏名又は名称】エンコ ケム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー,ネヴィル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ギャラツィス,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ラウファー,デヴィッド ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】スチュアー ザ サード,ピーター
【テーマコード(参考)】
2B121
4H006
4H011
【Fターム(参考)】
2B121AA19
2B121CC05
2B121EA21
2B121EA26
2B121FA20
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB04
4H006TA04
4H011AB01
4H011BB03
4H011BB07
4H011BB08
4H011BB09
4H011BB10
4H011BB14
4H011DA16
(57)【要約】
本発明は、変数が本明細書で定義される、一般式(I)のプロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ(PPO)阻害剤に関する。本発明は、式(I)の化合物を調製するためのプロセス及び中間体、それらを含む組成物、ならびに除草剤としてのそれらの使用(例えば、有害な植物を防除するための)を特徴とする。本発明はまた、除草有効量の少なくとも1種の式(I)のPPO阻害剤を植物、その種子、及び/またはその生息地に作用させることを含む、望ましくない草木を防除するための方法を特徴とする。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
またはその塩であって、式中、
Xが、-CHまたは-Nであり、
R
1が、-SR
1aまたは-S(O)
2R
1bであり、
R
1aが、任意選択により、フェニル、C(O)OR
1c、またはC(O)N(R
1c)
2で置換されたC
1~4アルキルであり、
各R
1cが、独立して、H、CH
2CH
2OC(O)R
1d、または任意選択により置換されたC
1~4アルキルであり、任意選択の置換基が、C
3~6シクロアルキル、C(O)OC
1~4アルキル、または最大3個のF原子であるか、または介在する窒素原子を有する2つのR
1cが、任意選択により、C(O)OHまたはC(O)OC
1~4アルキルで置換された5~6員環を形成し、
R
1dが、C
1~4アルキルまたはC
1~4アルケニルであり、
R
1bが、CH
2C(O)C
1~4アルキルまたはN(R
1e)R
1fであり、
R
1eが、H、C
1~4アルキル、C
1~4アルケニル、C
1~4アルキニル、C(O)C
1~2アルキル、またはOC
1~4アルキルであり、
R
1fが、H、C
1~6アルキル、C(O)C(O)C
1~4アルキル、C(O)R
1g、またはS(O)
2R
1gであり、またはR
1e及びR
1fが、介在する窒素原子と共に、任意選択により最大2つのC(O)環員を含有する5~6員環を形成し、
R
1gが、C
1~14アルキル、C
1~4アルケニル、フェニル、Het、N(R
h)
2、OC
1~4アルキル、C
3~6シクロアルキル、またはCH
2(OCH
2CH
2)
4CH
3であり、各アルキル基が、任意選択により、最大3つのF原子、フェニル、C
3~6シクロアルキル、OH、OC
1~4アルキルで置換され、各シクロアルキル基が、任意選択により、OHまたはOC
1~4アルキルで置換され、各フェニル基が、任意選択により、最大3つのClまたはF原子で置換され、Hetが、O、N、S、またはS(O)
2から選択される最大2つの環員を含有する5~6員の複素環式環であり、任意選択により、OHまたはOC
1~4アルキルで置換され、
各R
hが、独立して、H、C
1~4アルキル、ベンジル、またはフェニルであり、
R
2及びR
3の各々が、ClまたはFであり、
R
4、R
5、及びR
6の各々が、FまたはHであり、環Aが、少なくとも4つのF原子を含む、前記式(I)の化合物、またはその塩。
【請求項2】
R
1が、-SR
1aであり、R
1aが、フェニル、C(O)OR
1c、またはC(O)N(R
1c)
2で置換されたC
1~4アルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
R
1が、-S(O)
2R
1bであり、R
1bが、CH
2C(O)C
1~4アルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
R
1が、-S(O)
2R
1bであり、R
1bがN(R
1e)R
1fである、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
式(II)を有する請求項1に記載の化合物:
【化2】
またはその塩。
【請求項6】
R
4、R
5、及びR
6の各々が、Fである、請求項5に記載の化合物、またはその塩。
【請求項7】
R
4及びR
6の各々が、Fである、請求項5に記載の化合物、またはその塩。
【請求項8】
R
4及びR
5の各々が、Fである、請求項5に記載の化合物、またはその塩。
【請求項9】
R
1aが、-CH(CH
3)CONHCH
2CH
2CO
2C
1~4アルキルである、請求項5に記載の化合物、またはその塩。
【請求項10】
式(III)を有する請求項1に記載の化合物:
【化3】
またはその塩。
【請求項11】
R
4、R
5、及びR
6の各々が、Fである、請求項10に記載の化合物、またはその塩。
【請求項12】
R
4及びR
6の各々が、Fである、請求項10に記載の化合物、またはその塩。
【請求項13】
R
4及びR
5の各々が、Fである、請求項10に記載の化合物、またはその塩。
【請求項14】
R
1gが、C(O)C
1~6アルキル、C(O)C
3~6シクロアルキル、C(O)OC
1~6アルキル、またはC(O)OC
3~6シクロアルキルである、請求項10に記載の化合物、またはその塩。
【請求項15】
式(I)の化合物が、表1に列挙される化合物、またはその塩から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩と、担体として機能する少なくとも1つの追加の成分と、を含む、農業用組成物。
【請求項17】
少なくとも1つの追加の成分が、界面活性剤または希釈剤である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、除草剤組成物である、請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
望ましくない草木を防除する方法であって、前記草木またはその環境を、除草有効量の請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、その塩、または請求項16~18のいずれか1項に記載の組成物と接触させることを含む、前記方法。
【請求項20】
前記望ましくない草木が、雑草を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記望ましくない草木が、プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ(PPO)阻害剤抵抗性雑草を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記PPO阻害剤抵抗性雑草が、dG210変異を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記化合物または組成物が、10,000m
2当たり1~100gの割合で適用される、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記望ましくない草木またはその環境を前記化合物または組成物と接触させることが、前記望ましくない草木の出芽後の防除につながる、請求項19~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記望ましくない草木またはその環境を前記化合物または組成物と接触させることが、前記望ましくない草木の出芽前の防除につながる、請求項19~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記望ましくない草木が、少なくとも60%防除される、請求項19~25のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2022年1月14日に出願された米国仮特許出願第63/299,866号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、除草剤として有用なプロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ(PPO)阻害剤に関する。特に、本発明は、特定のフッ素化フェニル化合物、そのような化合物を含む組成物、そのような化合物及び組成物を製造するためのプロセス、ならびにそのような化合物を作物保護及び望ましくない草木を防除するために使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
プロトポルフィリンIXの生合成における重要な酵素であるプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(以下、ProtoxまたはPPO;EC:1.3.3.4)を阻害する除草剤は、1960年代から選択的雑草防除に使用されてきた。PPOは、プロトポルフィリノーゲンIXからプロトポルフィリンIXへの酸化である、クロロフィル及びヘム生合成における最後の共通ステップを触媒する[Matringe M.et al.,Protoporphyrinogen oxidase as a molecular target for diphenyl ether herbicides,Biochemistry Journal(1989)260:231-235]。PPO阻害性除草剤の適用は、葉緑体及びミトコンドリアにおけるプロトポルフィリノーゲンIXの蓄積をもたらし、これは、サイトゾルに漏れ込み、そこでペルオキシダーゼによって酸化されると考えられる。光に曝露されると、プロトポルフィリンIXは、細胞質中の一重項酸素の形成及び他の反応性酸素種の形成を引き起こし、脂質過酸化及び膜破壊を引き起こして急速な細胞死を引き起こす可能性がある[Lee H.J.et al.,Cellular localization of protoporphyrinogen-oxidizing activities of etiolated barley leaves,Plant Physiology(1993)102:881]。
【0004】
今日まで、何千ものPPO阻害剤が文献に報告されており、現在、約30種が畑で雑草を駆除するための除草剤として使用されている[Hao,G.F.,et al.,Protoporphyrinogen oxidase inhibitor:an ideal target for herbicide discovery,Chimia(2011)65,961-969]。PPO阻害除草剤としては、ジフェニルエーテル(例えば、ラクトフェン、アシフルオルフェン、アシフルオルフェンメチルエステル、またはオキシフルオルフェン);オキサジアゾール(例えば、オキサジアゾン);環状イミド[例えば、S-23142、N-(4-クロロ-2-フルオロ-5-プロパルギルオキシフェニル)-3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド、クロロフタリム、N-(4-クロロフェニル)-3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド)];フェニルピラゾール(例えば、TNPP-エチル、2-[1-(2,3,4-トリクロロフェニル)-4-ニトロピラゾリル-5-オキシ]プロピオン酸エチル、M&B39279);ピリジン誘導体(例えば、LS82-556);ならびにフェノピル酸塩及びそのO-フェニルピロリジノ及びピペリジノカルバメートアナログ(Kramer W.,ed.,Modern Crop Protection Compounds,2nd Ed.,Vol 1:Herbicides,(2012)Wiley-VCH,Weinheim,Germany)を含む多くの異なる構造クラスの分子が挙げられる。これらの化合物の多くは、酵素によって触媒される通常の反応を競合的に阻害し、明らかに基質アナログとして作用する。
【0005】
しかしながら、有害な植物に対するこれらの既知の化合物の除草特性は、必ずしも完全に満足なものであるとは限らない。除草剤抵抗性雑草は、そのような抵抗性雑草がますます普及しており、したがって除草剤の適用による雑草防除はもはや有効ではなくなり、農家に大きな問題を引き起こすため、効率的な雑草防除に深刻な問題を提示している。PPO除草剤への抵抗性は進化が遅く(最初の商業化から約40年)、現在までに13種の雑草で確認されている[Heap I,The International Survey of Herbicide Resistant WeedsAvailable online:http://www.weedscience.org/(October 2019)].PPO除草剤に対する抵抗性を進化させた最初の雑草は、2001年のヒユモドキ(Amaranthus tuberculatus)であった[Shoup D.E.,et al.,Common waterhemp(Amaranthus rudis)resistance to protoporphyrinogen oxidase-inhibiting herbicides Weed Sci.(2003)51:145-150]。雑草種におけるPPO除草剤への抵抗性は、PPX2遺伝子の標的部位変異に起因すると考えられている。例えば、独自の標的部位アミノ酸欠失(Gly210)及びArg98Leu置換は、ヒユモドキ[Patzoldt W.L.,et al.,A codon deletion confers resistance to herbicides inhibiting protoporphyrinogen oxidase.Proc.Natl.Acad.Sci.USA(2006)103:12329-12334]及び一般的なブタクサ[Rousonelos,et al.,Characterization of a common ragweed(Ambrosia artemisiifolia)population resistant to ALS- and PPO-inhibiting herbicides,Weed Sci.(2012)60:335-344]において各々PPO抵抗性を付与する。
【0006】
したがって、問題の有用な植物(作物)によって同時に耐容される、除草剤抵抗性雑草、特にPPO抵抗性雑草を含む、雑草を効果的に防除する新規の方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
したがって、一態様では、式(I):
【化1】
を有する化合物、またはその塩が提供され、式中、環Aは少なくとも4つのF原子置換基を含み、X及びR
1~R
6は本明細書で定義される通りである。
【0008】
ある特定の実施形態では、式(II):
【化2】
を有する化合物、またはその塩が提供され、式中、X及びR
2~R
6及びR
1aは本明細書の他の箇所で定義される通りである。
【0009】
ある特定の実施形態では、式(III):
【化3】
を有する化合物、またはその塩が提供され、式中、X及びR
2~R
6及びR
1gは本明細書の他の箇所で定義される通りである。
【0010】
他の態様では、除草有効量の式(I)、(II)、(III)の化合物、またはその塩、ならびに界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤(例えば、配合物)からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む農業用組成物(いくつかの変形例では、除草剤組成物を含む)も提供される。いくつかの変形例では、塩は、農業的に好適な塩である。いくつかの実施形態では、組成物は、任意選択により、少なくとも1つの追加の活性成分を更に含む。1つの変形例では、追加の活性成分は、除草剤及び/または除草剤安全化剤であり得る。
【0011】
更に別の態様では、上記で同定された化合物、塩、及び組成物を製造するためのプロセスも提供される。
【0012】
ある特定の態様では、表1の1つ以上の化合物、またはその塩を含む、本発明の1つ以上の化合物を製造するための中間体である化合物が提供される。
【0013】
更に他の態様では、草木またはその環境を、除草有効量の本発明の化合物、その塩、または本明細書に記載される本発明の化合物を含む組成物と接触させることを含む、望ましくない草木の成長を防除するための方法も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一態様では、式(I):
【化4】
を有する化合物、またはその好適な塩が提供され、式中、
Xは、CHまたはNであり、
R
1は、-SR
1aまたは-S(O)
2R
1bであり、
R
1aは、任意選択によりフェニル、C(O)OR
1c、またはC(O)N(R
1c)
2で置換されたC
1~4アルキルであり、
各R
1cは、独立して、H、CH
2CH
2OC(O)R
1d、または任意選択により置換されたC
1~4アルキルであり、任意選択の置換基は、C
3~6シクロアルキル、C(O)OC
1~4アルキル、または最大3個のF原子であるか、または介在する窒素原子を有する2つのR
1cが、任意選択により、C(O)OHまたはC(O)OC
1~4アルキルで置換された5~6員環を形成し、
R
1dは、C
1~4アルキルまたはC
1~4アルケニルであり、
R
1bは、CH
2C(O)C
1~4アルキルまたはN(R
1e)R
1fであり、
R
1eは、H、C
1~4アルキル、C
1~4アルケニル、C
1~4アルキニル、C(O)C
1~2アルキル、またはOC
1~4アルキルであり、
R
1fは、H、C
1~6アルキル、C(O)C(O)C
1~4アルキル、C(O)R
1g、またはS(O)
2R
1gであり、またはR
1e及びR
1fは、介在する窒素原子と共に、任意選択で最大2つのC(O)環員を含有する5~6員環を形成し、
R
1gは、C
1~14アルキル、C
1~4アルケニル、フェニル、Het、N(R
h)
2、OC
1~4アルキル、C
3~6シクロアルキル、またはCH
2(OCH
2CH
2)
4CH
3であり、各アルキル基は、任意選択により、最大3つのF原子、フェニル、C
3~6シクロアルキル、OH、OC
1~4アルキルで置換され、各シクロアルキル基は、任意選択により、OHまたはOC
1~4アルキルで置換され、各フェニル基は、任意選択により、最大3つのClまたはF原子で置換され、Hetは、O、N、S、またはS(O)
2から選択される最大2つの環員を含有する5~6員の複素環式環であり、任意選択により、OHまたはOC
1~4アルキルで置換され、
各R
hは、独立して、H、C
1~4アルキル、ベンジル、またはフェニルであり、
R
2及びR
3の各々は、ClまたはFであり、
R
4、R
5、及びR
6の各々は、FまたはHであり、環Aは、少なくとも4つのF原子を含む。
【0015】
一実施形態では、R1は-SR1aであり、R1aは、フェニル、C(O)OR1c、またはC(O)N(R1c)2で置換されたC1~4アルキルである。別の実施形態では、R1は、-S(O)2R1bであり、R1bは、CH2C(O)C1~4アルキルである。更なる実施形態では、R1は、-S(O)2R1bであり、R1bは、N(R1e)R1fである。
【0016】
一実施形態において、本発明は、式(II):
【化5】
を有する化合物、またはその塩を特徴とする。
【0017】
更なる実施形態では、R4、R5、及びR6の各々は、Fである。別の更なる実施形態では、R4及びR6の各々は、Fである。更に別の更なる実施形態では、R4及びR5の各々は、Fである。
【0018】
別の更なる実施形態では、R1aは、CH(CH3)CONHCH2CH2CO2C1~4アルキルである。
【0019】
一実施形態において、本発明は、式(III):
【化6】
を有する化合物、またはその塩を特徴とする。
【0020】
更なる実施形態では、R4、R5、及びR6の各々は、Fである。別の更なる実施形態では、R4及びR6の各々は、Fである。更に別の更なる実施形態では、R4及びR5の各々は、Fである。
【0021】
別の実施形態では、R1gは、C(O)C1~6アルキル、C(O)C3-6シクロアルキル、C(O)OC1~6アルキル、またはC(O)OC3-6シクロアルキルである。
【0022】
一態様では、式(IV)の化合物:
【化7】
またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供され、式中、R
1aは、本明細書において、式(I)について定義される。
【0023】
別の態様では、式(V)の化合物:
【化8】
またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供され、式中、R
1bは本明細書において式(I)について定義される。
【0024】
また別の態様では、式(VI)の化合物:
【化9】
またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供され、式中、R
2、R
3、R
4、及びR
6の各々は、独立して、ClまたはFであり、式(I)に関して、A、X、R
1b、及びR
5の各々が本明細書において定義される。
【0025】
別の態様では、式(VII)の化合物:
【化10】
またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供され、
R
1は、-SR
7aまたは-S(O)
2NHR
7bであり、
R
7aは、H、C
1~6アルキル、C(O)C
1~6アルキル、またはC(O)OC
1~6アルキルであり、各C
1~6アルキルは、任意選択により、フェニル、CO
2R
7b、またはC(O)N(R
7b)
2で置換され、
各R
7bは、独立して、H、フェニル、C
3~6シクロアルキル、またはC
1~6アルキルであり、任意選択により、最大3つのF原子、フェニル、C
2~4アルケニル、C
2~4アルキニル、またはC
3~6シクロアルキルで置換され、
R
4、R
5、及びR
6の各々は、FまたはHであり、
環Aは、少なくとも4つのF原子を含む。
【0026】
一実施形態では、R4、R5、及びR6の各々は、Fである。
【0027】
別の実施形態では、R7は、S-R7aであり、R4及びR6の各々はFである。別の実施形態では、R7aは、CO2R7bまたはC(O)N(R7b)2で置換されたC1~6アルキルである。更なる実施形態では、2つのR7b基及び介在する窒素原子は、CO2Rxで置換された5~6員の複素環を形成する。別の実施形態では、R4、R5、及びR6の各々は、Fである。
【0028】
別の実施形態では、R7は、SO2-NH-R7aであり、R4及びR6の各々は、Fである。一実施形態では、R7aは、-C(O)N(R7b)2である。別の実施形態では、R7aは、-C(O)C1~6アルキルまたは-C(O)OC1~6アルキルである。更なる実施形態では、R4、R5、及びR6の各々は、Fである。
【0029】
前述のいくつかの変形例では、塩は、農業的に好適な塩であり得る。ある特定の変形例では、農業的に好適な塩は、除草活性を示す塩、または植物、水、もしくは土壌中で除草活性を有する化合物もしくは塩に変換されるか、または変換され得る塩である。
【0030】
いくつかの態様では、下の表1に列挙される化合物、またはその塩(その農業的に好適な塩)から選択される化合物を提供する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【0031】
いくつかの変形例では、化合物1~14もしくは67、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。いくつかの変形例では、化合物1~14もしくは67、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)は、本明細書に定義される式(IV)を含む。いくつかの変形例では、化合物15~24、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。いくつかの変形例では、化合物15~24、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)は、本明細書に定義される式(V)を含む。1つの変形例では、化合物18、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。いくつかの変形例では、化合物25~66もしくは68~79、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。いくつかの変形例では、化合物25~66もしくは68~79の各々、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)は、本明細書に定義される式(VI)を含む。1つの変形例では、化合物26、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。別の変形例では、化合物50、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。更に別の変形例では、化合物51、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。いくつかの変形例では、化合物52~53、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。いくつかの変形例では、化合物52~53の各々、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)は、本明細書に定義される式(VI)を含む。
【0032】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物またはその塩と、担体として機能する少なくとも1つの追加の成分と、を含む農業用組成物を特徴とする。
【0033】
一実施形態では、農業用組成物の少なくとも1つの追加の成分は、界面活性剤または希釈剤である。
【0034】
別の実施形態では、組成物は、除草剤組成物である。
【0035】
別の態様では、本発明は、望ましくない草木を防除する方法を特徴とし、方法は、草木またはその環境を、除草有効量の本発明の化合物、またはその農業的に許容される塩と接触させることを含む。
【0036】
一実施形態では、望ましくない草木は、雑草を含む。更なる実施形態では、望ましくない草木としては、プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ(PPO)阻害剤抵抗性雑草が挙げられる。更に別の実施形態では、PPO阻害剤抵抗性雑草は、dG210変異を有する。
【0037】
一実施形態では、本発明の化合物または組成物は、10,000m2当たり1~100gの割合で適用される。
【0038】
一実施形態では、望ましくない草木またはその環境を本発明の化合物または組成物と接触させることは、望ましくない草木の出芽後の防除につながる。更なる実施形態では、望ましくない草木は、少なくとも60%防除される。別の実施形態では、望ましくない草木は、少なくとも80%防除される。また別の実施形態では、望ましくない草木は、少なくとも90%防除される。
【0039】
一実施形態では、望ましくない草木またはその環境を本発明の化合物または組成物と接触させることは、望ましくない草木の出芽前の防除につながる。更なる実施形態では、望ましくない草木は、少なくとも60%防除される。別の実施形態では、望ましくない草木は、少なくとも80%防除される。また別の実施形態では、望ましくない草木は、少なくとも90%防除される。
【0040】
定義
本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「特徴付けられる(characterized by)」という用語またはそれらの任意の変形は、明示的に示された任意の制限を条件として、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、要素のリストを含む(include)、または含む(comprise)組成物、混合物、プロセス、または方法は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、そのような組成物、混合物、プロセス、または方法に明示的にリストされていないか、または固有の他の要素を含み得る。
【0041】
「からなる」という移行句は、指定されていない任意の要素、ステップ、または成分を除外する。請求項に記載されている場合、そのようなものは通常それに関連する不純物を除いて、記載されているもの以外の材料の包含に対する請求項を除く。「からなる」という句が、前文の直後ではなく、請求項の本体の句に現れるとき、それは、その句に記載された要素のみを制限し、他の要素は、全体として請求項から除外されない。
【0042】
更に、明示的に反対と述べられない限り、「または」は、包括的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは真(または存在する)でありBは偽(または存在しない)であり、Aは偽(または存在しない)でありBは真(または存在する)であり、A及びBの両方が真(または存在する)である。
【0043】
また、本発明の要素または構成要素に先行する「a」及び「an」という不定冠詞は、要素または構成要素のインスタンス(すなわち、出現)の数に関して非制限的であることが意図される。したがって、「a」または「an」は、1つまたは少なくとも1つを含むように読み取られるべきであり、要素または構成要素の単数形は、数が明らかに単数であることを意味しない限り、複数も含む。
【0044】
本明細書で言及されるように、単独でまたは単語の組み合わせで使用される「苗」という用語は、種子の胚から発育する若い植物を意味する。
【0045】
本明細書で言及されるように、単独で、または「広葉雑草」などの用語で使用される「広葉」という用語は、双子葉植物(dicot)または双子葉植物(dicotyledon)を意味し、この用語は、2つの子葉を有する胚によって特徴付けられる被子植物の群を説明するために使用される。
【0046】
上記記載において、単独で、または「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」などの複合語のいずれかで使用される「アルキル」という用語は、直鎖または分岐アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、または様々なブチル、ペンチル、もしくはヘキシル異性体を含む。「アルケニル」は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、ならびに様々なブテニル、ペンテニル、及びヘキセニル異性体などの直鎖または分岐アルケンを含む。「アルケニル」は、1,2-プロパジエニル及び2,4-ヘキサジエニルなどのポリエンも含む。「アルキニル」は、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、ならびに様々なブチニル、ペンチニル、及びヘキシニル異性体などの直鎖または分岐アルキンを含む。「アルキニル」は、2,5-ヘキサジニルなどの複数の三重結合からなる部分も含むことができる。
【0047】
「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ならびに様々なブトキシ、ペントキシ、及びヘキシルオキシ異性体を含む。
【0048】
「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを含む。
【0049】
単独で、または「ハロアルキル」などの複合語のいずれかで、または「ハロゲンで置換されたアルキル」などの説明で使用される場合、「ハロゲン」または「ハロ」という用語には、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素が含まれる。
【0050】
置換基群中の炭素原子の総数は、「Ci~Cj」または「Ci~j」接頭辞によって示され、i及びjは、1~10の数である。例えば、C1~4アルキルスルホニルは、メチルスルホニル~ブチルスルホニルを表し、C2アルコキシアルキルは、CH3OCH2-を表し、C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3CH(OCH3)-、CH3OCH2CH2-、またはCH3CH2OCH2-を表し、C4アルコキシアルキルは、例として、CH3CH2CH2OCH2-及びCH3CH2OCH2CH2-を含む、合計4個の炭素原子を含むアルコキシ基で置換されたアルキル基の様々な異性体を表す。
【0051】
化合物が、置換基の数が1を超えることができることを示す下付き文字を有する当該置換基で置換される場合、置換基(それらが1を超える場合)は、独立して、定義された置換基、例えば、(R1)mの群から選択され、式中、mは、0、1、2、または3である。更に、下付き文字が範囲、例えば(R)i~jを示すとき、置換基の数は両端を含む、「i」と「j」との間の整数から選択されてもよい。基が、例えば、水素(H)であり得る置換基を含む場合、この置換基を水素とすると、これは基が非置換であるのと同等であることが認識される。可変基が任意選択によりある位置に結合することが示されるとき、水素は、可変基の定義に記載されていなくてもその位置にあってもよい。基上の1つ以上の位置が「置換されていない」または「非置換」と言われるとき、水素原子は、任意の自由原子価を取り込むように結合される。
【0052】
「芳香族」は、環原子の各々が本質的に同じ平面にあり、環平面に垂直なp-軌道を有し、(4n+2)個のπ電子(nは正の整数である)がヒュッケル則に従うように環に関連付けられていることを示す。「芳香族環系」という用語は、環系の少なくとも1つの環が芳香族である炭素環式または複素環式環系を示す。
【0053】
「非芳香族環系」という用語は、環系内の環のいずれも芳香族でないことを条件に、完全に飽和していてもよく、少しずつまたは完全に不飽和であってもよい炭素環式または複素環式環系を示す。
【0054】
複素環式環に関連して「任意選択により置換された」という用語は、非置換であるか、または非置換アナログが有する生物学的活性を消滅させない少なくとも1つの非水素置換基を有する基を指す。本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、以下の定義が適用されるものとする。「任意選択により置換される」という用語は、「置換されるか、または置換されない」という用語、または「(非)置換される」という句と互換的に使用される。別段の指示がない限り、任意選択により置換された基は、基の各置換可能な位置に置換基を有し得、各置換は、他の置換とは独立である。
【0055】
本発明の化合物に関連する場合、「許容される塩」または「塩」という用語は、カチオンまたはアニオンを含む。好ましいカチオンは、アルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウムのイオン、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム及びマグネシウムのイオン、ならびに遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛及び鉄のイオン、更なるアンモニウム及び1~4つの水素原子が、C1~C4-アルキル、ヒドロキシ-C1~C4-アルキル、C1~C4-アルコキシ-C1~C4-アルキル、ヒドロキシ-C1~C4-アルコキシ-C1~C4-アルキル、フェニル、またはベンジルによって置き換えられている置換アンモニウム-好ましくはアンモニウム、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリス(イソプロピル)アンモニウム、ヘプチルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム(オラミン塩)、2-(2-ヒドロキシエタ-1-オキシ)エタ-1-イルアンモニウム(ジグリコールアミン塩)、ジ(2-ヒドロキシエタ-1-イル)アンモニウム(ジオラミン塩)、トリス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム(トロラミン塩)、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウム、ベンジルトメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、N,N,N-トリメチルエタノールアンモニウム(コリン塩)、更なるホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリメチルスルホニウムなどのトリ(C1~C4アルキル)スルホニウム、及びスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1~C4-アルキル)スルホキソニウム、ならびに最終的にはN、N-ビス(3-アミノプロピル)メチルアミン及びジエチレントリアミンなどの多塩基アミンの塩である。
【0056】
有用な酸付加塩のアニオンは、主に塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸水素イオン、硫酸メチルイオン、硫酸イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、六フッ化ケイ酸イオン、六フッ化リン酸イオン、安息香酸イオンであり、またC1~C4-アルカン酸のアニオン-好ましくはギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、及び酪酸イオンである。
【0057】
本明細書で使用される場合、「望ましくない草木」及び「有害な植物」という用語は、同義語である。
【0058】
本発明の化合物の調製
芳香族及び非芳香族の複素環式環及び環系の調製を可能にする多種多様な合成方法が当技術分野で公知であり、広範な検討のためには、eight volume set of Comprehensive Heterocyclic Chemistry,A.R.Katritzky and C.W.Rees editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1984及びtwelve-volume set of Comprehensive Heterocyclic Chemistry II,A.R.Katritzky,C.W.Rees and E.F.V.Scriven editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1996を参照されたい。
【0059】
本発明の化合物は、1つ以上の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体、及び幾何異性体が挙げられる。立体異性体は、同一の構成を有するが、その原子の配置が空間的に異なる異性体であり、エナンチオマー、ジアステレオマー、シスートランス異性体(幾何異性体としても知られる)、及びアトロプ異性体を含む。アトロプ異性体は、回転障壁が異性体種の単離を可能にするのに十分に高い、単結合の周りの制限された回転から生じる。当業者は、1つの立体異性体が、他の立体異性体(複数可)と比較して濃縮された場合、または他の立体異性体(複数可)から分離された場合に、より活性であり得る、及び/または有益な効果を示し得ることを理解する。加えて、当業者は、当該立体異性体を分離する、濃縮する、及び/または選択的に調製する方法を知っている。本発明の化合物は、立体異性体の混合物として、個々の立体異性体として、または光学的に活性な形態として存在し得る。立体異性化の全ての態様の包括的な考察については、Ernest L.Eliel and Samuel H.Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley&Sons,New York,1994を参照されたい。本発明の化合物は、典型的には、2つ以上の形態で存在し、したがって、本発明の式は、それらが表す化合物の全ての結晶形態及び非結晶形態を含む。非結晶形態は、ワックス及びゴムなどの固体である実施形態、ならびに溶液及び溶融物などの液体である実施形態を含む。結晶形態は、本質的に単結晶タイプを表す実施形態及び多形の混合物(すなわち、異なる結晶タイプ)を表す実施形態を含む。「多形」という用語は、異なる結晶形態で結晶化し得る化学的化合物の特定の結晶形態を指し、これらの形態は、結晶格子中の分子の異なる配置及び/またはコンホメーションを有する。多形は同じ化学組成を有し得るが、格子において弱くまたは強く結合され得る共結晶化した水または他の分子の存在または非存在に起因して、組成が異なり得る。多形は、結晶形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度、及び生物学的利用能などの化学的、物理的、及び生物学的特性が異なる場合がある。当業者は、本発明の化合物の多型が、同じ化合物の別の多型または多型の混合物と比較して有益な効果(例えば、有用な製剤の調製のための適合性、改善された生物学的性能)を示すことができることを理解するであろう。本発明の化合物の化合物の特定の多形の調製及び単離は、例えば、選択された溶媒及び温度を使用した結晶化を含む、当業者に公知の方法によって達成され得る。多型の包括的な議論については、R.Hilfiker,Ed.,Polymorphism in Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006を参照されたい。
【0060】
当業者は、環境中及び生理学的条件下で、化学的化合物の塩が、それらの対応する非塩形態と平衡状態にあるので、塩が、非塩形態の生物学的有用能を共有することを認識する。したがって、本発明の化合物の多種多様な塩は、望ましくない草木の防除に有用である(すなわち、農業的に好適である)。本発明の化合物の塩は、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸または吉草酸のような、無機または有機酸との酸付加塩を含む。本発明の化合物が、カルボン酸またはフェノールのような酸性部分を含む場合、塩は、ピリジン、トリエチルアミン、もしくはアンモニアのような有機もしくは無機塩基、またはナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、もしくはバリウムのアミド、水素化物、水酸化物、もしくは炭酸塩で形成されるものも含む。
【0061】
更に、本発明は、本発明の化合物を調製するためのプロセス及び中間体を特徴とする。これらの化合物は、合成有機化学の分野で既知の一般的な方法によって調製することができる。スキーム1及び2に記載されているような、以下の方法及び変形例のうちの1つ以上が使用され得る。
【0062】
1つの一般的な例において、式(II)及び(III)の化合物は、スキーム1に示されるように調製することができる。
【化11】
【0063】
したがって、スキーム1のステップ1に示すように、式cの化合物(式中、R2及びR3は各々ClまたはFとすることができ、R4、R5及びR6は各々HまたはFとすることができ、環Aは少なくとも4つのF原子を含む)は、金属触媒を用いたクロスカップリング反応条件を使用して、式(a)のボロネート(例えば、ピナコールボロネート)またはボロン酸を式(b)の置換フェニル(式中、HalはBrまたはIである)と反応させることによって調製することができる。好適な触媒としては、Pd(OAc)2または[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)などのパラジウム触媒が挙げられる。類似のSuzuki-Miyarua反応条件は当業者に既知である。式(c)の化合物は、ステップ2に示されるように、加熱した塩化スルホン酸を使用したスルホン化反応を介して、式(d)の塩化スルホニルに変換することができる。式(d)の塩化スルホニルは、ステップ3に示されるように、還元によって、例えば、SnCl2を還元剤として使用することによって、式(e)のチオールに変換することができる。トリフェニルホスフィン、亜鉛/ジクロロジメチルシランなどの他の還元剤も使用することができる。その後、ステップ4に示すように、式(e)のチオールと式(f)のアルキル化剤(式中、R1aは本明細書の他の場所で定義される通りであるが、Hではなく、L1はハロゲン化物またはスルホン酸塩などの脱離基である)との反応は、式(II)の化合物を生成し、式中、R1aは本明細書の他の場所で定義される通りである。
【0064】
あるいは、式(d)の塩化スルホニルと、水酸化アンモニウムなどのアンモニア源との反応は、ステップ5に示されるように、式(g)の化合物を生成する。ステップ6に示されるように、式(g)の化合物と、式(h)のアルキル化、スルホン化、またはアシル化試薬との後続の反応(式中、R1bは、本明細書の他の場所で定義されるようなものであるが、Hではなく、L2は、ハロゲンまたは活性エステル離脱基である)は、式(III)の化合物を生成し、式中、R1は、-S(O)2NHR1bであり、式中、R1bは、本明細書の他の場所で定義されるようなものである。
【0065】
あるいは、ステップ6に示されるように、式(e)の塩化スルホニルは、還元によって、例えば、SnCl2を還元剤として使用することによって、式(i)のチオールに変換することができる。トリフェニルホスフィン、亜鉛/ジクロロジメチルシランなどの他の還元剤も使用することができる。その後、ステップ7に示すように、式(i)のチオールと式(j)のアルキル化剤(式中、R1aは本明細書の他の場所で定義される通りであるが、Hではなく、L2はハロゲン化物またはスルホン酸塩などの脱離基である)との反応は、式(II)の化合物を生成し、式中、R1aは本明細書の他の場所で定義される通りである。
【0066】
別の一般的な例では、式(II)及び(III)の化合物も、スキーム2に示されるように調製することができる。
【化12】
【0067】
したがって、スキーム2のステップ1に示されるように、式(i)の化合物を、環Aが少なくとも4個のフッ素原子を含む式(j)のフルオロベンゼン化合物と反応させることができる。そのようなアリール-アリールカップリングは、当業者に既知であり、Pd(OAc)2などの金属触媒の使用を必要とする。
【0068】
あるいは、ステップ2に示されるように、式(i)の化合物を、式(k)の化合物(式中、MはNa+またはK+のいずれかである)と、脱カルボキシル性アリール-アリールカップリングに有利な条件下で反応させることができる。銅媒介カップリングの例は、当業者に既知であり、通常、1,10-フェナントロリンなどのリガンドを必要とする。
【0069】
ステップ3に示されるように、式(c)の化合物を調製するための別の選択肢は、当業者に既知の鈴木宮浦条件を使用して、式(c)の化合物を式(m)のボロン酸またはボロン酸塩と反応させることを伴う。次いで、式(c)の化合物を、スキーム1に上述されるように、式(II)または(III)の化合物に変換することができる。
【0070】
一態様では、以下を含む、本明細書に記載の式(II)の化合物、またはその塩の調製方法が提供される:
式(a)のボロン酸塩(例えば、ピナコールボロン酸塩)またはボロン酸を、式(b)の置換フェニル(式中、HalはBrまたはIである)と反応させて、式(c)のフッ素化化合物を生成し、
【化13】
式(c)のハロゲン化化合物をクロロスルホン酸と反応させて、式(d)の塩化スルホニルを生成し、
【化14】
式(d)の塩化スルホニルを式(e)のチオールに還元し、
【化15】
式R
1a-L
1(式中、L
1は脱離基であり、R
1aは本明細書の他の場所で定義される通りである)のアルキル化剤で式のチオールをアルキル化して、式(II)の化合物を形成し、
【化16】
式中、X、R
1a、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、本明細書の他の箇所に記載される通りである。
【0071】
一実施形態では、式(c)の化合物は、式(i)の臭化フェニルまたはヨウ化フェニルを、式(j)のフッ素化ベンゼンと反応させることによって形成することができ、
【化17】
式中、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、本明細書の他の箇所に記載されるようなものであるか、またはXがNである場合、R
2は、NH
2であってもよい。
【0072】
別の実施形態では、式(c)の化合物は、式(i)の臭化フェニルまたはヨウ化フェニルを、式(k)の塩化フェニルまたは炭酸カリウムと反応させることによって形成することができ、
【化18】
式中、X、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、本明細書の他の箇所に記載されるようなものである。
【0073】
更に別の実施形態では、式(c)の化合物は、式(i)の臭化フェニルまたはヨウ化フェニルを、式(m)のボロン酸フェニルまたはボロン酸と反応させることによって形成することができ、
【化19】
式中、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、本明細書の他の箇所に記載されるようなものであるか、またはXがNである場合、R
2は、NH
2であってもよい。
【0074】
別の態様では、本明細書に記載の式(III)の化合物、またはその塩の調製方法であって、
式(a)の化合物を、上述の式(d)の塩化スルホニルに変換し、塩化スルホニルをアンモニア源と反応させて、式(g)の化合物を形成することと、
【化20】
式(g)の化合物を、式R
1b~L
2のアルキル化、アシル化、またはスルホン化剤と反応させて、(式中、L
2は、ハロゲンまたは活性エステル脱離基であり、R
1bは、本明細書の他の場所に記載されるようなものである)、式(III)の化合物を形成することと、を含む、方法が提供される
【化21】
【0075】
一実施形態では、R1bは、アルキル化剤である。別の実施形態では、R1bはアシル化剤であり、更に別の実施形態では、R1bはスルホン化剤である。
【0076】
式(II)または(III)の化合物について本明細書に記載される実施形態及び変形例のいずれかは、式(d)、(e)、または(g)の中間体にも適用される。いくつかの態様では、式(d)、(e)または(g)の化合物:
【化22】
またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)が提供される。
【0077】
当業者は、様々な官能基を他の官能基に変換して、本発明の異なる化合物を提供することができることを認識する。シンプルで簡単な方法での官能基の相互変換を示す貴重なリソースについては、Larock,R.C,Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,2nd Ed.,Wiley- VCH,New York,1999を参照されたい。
【0078】
本発明の化合物を調製するための上記のいくつかの試薬及び反応条件は、中間体中に存在する特定の官能基と適合しない場合があることも認識される。これらの場合において、保護/脱保護シーケンスまたは官能基相互変換を合成に組み込むことは、所望の生成物を得るのに役立つ。保護基の使用及び選択は、化学合成の当業者には明らかであろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照されたい)。当業者は、いくつかの場合において、任意の個々のスキームに示されるような所与の試薬の導入後、本発明の化合物の合成を完了するために、詳細に記載されていない追加の慣例的な合成ステップを実施する必要があり得ることを認識するであろう。当業者はまた、本発明の化合物を調製するために、提示された詳細によって暗示される順序以外の順序で上記のスキームに示されるステップの組み合わせを実施する必要がある可能性があることを認識するであろう。
【0079】
当業者はまた、本発明の化合物及び本明細書に記載の中間体を、様々な求電子、求核、ラジカル、有機金属、酸化、及び還元反応に供して、置換基を付加するか、または既存の置換基を修飾し得ることを認識するであろう。
【0080】
組成物
特定の態様では、その農業的に好適な塩を含む本開示の化合物は、界面活性剤、担体として機能する固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を含む、製剤中の除草活性成分として使用され得る。製剤成分は、活性成分の物理的特性、適用様式、ならびに土壌タイプ、水分、及び温度などの環境因子と一致するように選択される。
【0081】
いくつかの変形例では、本明細書に提供される組成物は、除草剤である。いくつかの変形例では、組成物は、植物の成長を制御または修飾する本開示の化合物を含む。ある特定の変形例では、組成物は、除草有効量の化合物を含み、そのような化合物の量は、植物の成長に対する防除効果または修飾効果を生み出すことができる。防除効果または修飾効果は、自然発生からの全ての逸脱、例えば、殺滅、遅延、葉枯れ、白化、矮化などを含む。
【0082】
エマルション液体製剤は、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルション(マイクロエマルション、水中油型エマルション、流動性濃縮物及び/またはサスポエマルションを含む)などを含み、これらは任意選択によりゲルに増粘され得る。水性液体製剤の一般的なタイプは、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルション、マイクロエマルション、水中油型エマルション、流動性濃縮物、及びサスポエマルションである。非水液体製剤の一般的な種類は、乳化性濃縮物、微乳化性濃縮物、分散性濃縮物、及び油分散体である。
【0083】
一般的なタイプの固体製剤は、粉塵、粉末、顆粒、ペレット、プリル、パスティル、錠剤、充填フィルム(種コーティングを含む)などであり、これらは、水分散性(「湿潤性」)または水溶性であり得る。フィルム形成溶液または流動性懸濁液から形成されるフィルム及びコーティングは、種子処理に特に有用である。活性成分を(マイクロ)カプセル化し、更に懸濁液または固体製剤に形成することができる。あるいは、活性成分の製剤全体をカプセル化(または「オーバーコーティング」)することができる。カプセル化は、活性成分の放出を制御または遅延させることができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮製剤及び乾燥顆粒製剤の両方の利点を兼ね備えている。高強度製剤(High-strength formulation)は、主に更なる製剤のための中間体として使用される。
【0084】
噴霧可能な製剤は、典型的には、噴霧する前に好適な培地中で増量される。このような液体及び固体製剤は、噴霧媒体、通常は水であるが、場合によっては芳香族またはパラフィン系炭化水素または植物油のような別の好適な媒体で容易に希釈されるように製剤化される。噴霧体積は、1ヘクタール当たり約1~数千リットルの範囲であり得るが、より典型的には、1ヘクタール当たり約10~数百リットルの範囲である。噴霧可能な製剤は、空中または地面での適用による茎葉処理、または植物の成長培地への適用のために、水または別の好適な培地とタンクで混合されていてもよい。
【0085】
液体及び乾燥製剤は、点滴灌注システムに直接計量するか、または植え付けの中の溝に計量することができる。
【0086】
製剤は、典型的には、表2に示す、以下の近似範囲内の活性成分、希釈剤、及び界面活性剤の有効量を含有し、合計100重量%となる。
【表2】
【0087】
固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタプルガイト及びカオリンなどの粘土、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖(例えば、ラクトース、スクロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム、ならびに硫酸ナトリウムが挙げられる。典型的な固体希釈剤は、Watkins et al.,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
【0088】
液体希釈剤としては、例えば、水;N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド);リモネン;ジメチルスルホキシド;N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリジノン);リン酸アルキル(例えば、リン酸トリエチル);エチレングリコール;トリエチレングリコール;プロピレングリコール;ジプロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;炭酸プロピレン;炭酸ブチレン;パラフィン(例えば、白色鉱物油、通常のパラフィン、イソパラフィン);アルキルベンゼン;アルキルナフタレン;グリセリン;三酢酸グリセロール;ソルビトール;芳香族炭化水素;脱芳香族化脂肪族;アルキルベンゼン類;アルキルナフタレン類;シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン、及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類;酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシル、及び酢酸イソボルニルなどのアセテート;アルキル化乳酸エステル、二塩基性エステル、アルキル及びアリールベンゾエート、ならびにγ-ブチロラクトンなどのその他のエステル類;ならびにメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール、及びベンジルアルコールなどの直鎖、分岐、飽和または不飽和であり得るアルコール類が挙げられる。液体希釈剤はまた、植物種子及び果実油(例えば、オリーブ、ヒマシ、亜麻仁、ゴマ、トウモロコシ(トウモロコシ)、ピーナッツ、ヒマワリ、ブドウ種子、サフラワー、綿実、大豆、菜種、ココナッツ、及びヤシの実の油)、動物由来の脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)、ならびにそれらの混合物などの飽和及び不飽和脂肪酸のグリセロールエステル(典型的には、C6~C22)を含む。液体希釈剤は、アルキル化脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)も含み、脂肪酸は、植物及び動物源からのグリセロールエステルの加水分解によって得ることができ、蒸留によって精製することができる。典型的な液体希釈剤は、C.Marsden&S.Mann,Solvents Guide,Cleaver-Hume Press,London,1963に記載されている。
【0089】
界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、またはカチオン性として分類することができる。本発明の製剤に有用な非イオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、アルコール及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から調製される天然及び合成アルコールに基づくアルコールアルコキシレート(分岐または直鎖であってもよい)などのアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミド、及びエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化ダイズ油、ヒマシ油、及びナタネ油などのアルコキシル化トリグリセリド;オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート、及びドデシルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルコキシレート(フェノール及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から調製される);エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから調製されるブロックポリマー、及び末端ブロックがプロピレンオキシドから調製される逆ブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪エステル及び油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、またはそれらの混合物から調製されたものを含む);脂肪酸エステル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステル、及びポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドPEG(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトポリマーまたは櫛型ポリマー、及びスターポリマーなどのポリマー性界面活性剤;ポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーン系界面活性剤;ならびにスクロースエステル、アルキルポリグリコシド、及びアルキル多糖類などの糖誘導体、が挙げられる。
【0090】
有用なアニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、アルキルアリールスルホン酸及びその塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホン酸誘導体;リグノスルホン酸塩などのリグニン及びリグニン誘導体;マレイン酸もしくはコハク酸またはその無水物;オレフィンスルホン酸塩;アルコールアルコキシレートのリン酸エステル、アルキルフェノールアルコキシレートのリン酸エステル、及びスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステルなどのリン酸エステル;タンパク質系界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテル硫酸塩油及び脂肪酸の硫酸塩及びスルホン酸塩;エトキシル化アルキルフェノールの硫酸塩及びスルホン酸塩;アルコールの硫酸塩;エトキシル化アルコールの硫酸塩;N,N-アルキルタウレートなどのアミン及びアミドのスルホン酸塩;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、ならびにドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホン酸塩縮合ナフタレンのスルホン酸塩;ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホン酸塩;精留石油のスルホン酸塩;スルホコハク酸塩;ならびにジアルキルスルホコハク酸塩などのスルホコハク酸塩及びその誘導体が挙げられる。
【0091】
有用なカチオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、アミド及びエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン及びジプロピレンテトラアミンなどのアミン、ならびにエトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン及びプロポキシル化アミン(アミン及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から調製される);アミン酢酸塩及びジアミン塩などのアミン塩;四級塩、エトキシル化四級塩、及びジ四級塩などの四級アンモニウム塩;ならびにアルキルジメチルアミンオキシド及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが挙げられる。
【0092】
また、本発明の製剤に有用なものは、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物、または非イオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との混合物である。非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤、ならびにそれらの推奨される使用は、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions published by McCutcheon’ s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.;Sisely and Wood,Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964;and A.S.Davidson and B.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987を含む、様々な公開された参考文献に開示されている。
【0093】
本発明の製剤は、製剤補助剤(その一部は、固体希釈剤、液体希釈剤、または界面活性剤としても機能すると考えられ得る)として当業者に公知の製剤助剤及び添加剤も含有し得る。そのような製剤助剤及び添加剤は、以下を制御し得る:pH(緩衝剤)、処理中の発泡(ポリオルガノシロキサンのような消泡剤)、活性成分の沈降(懸濁化剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器内微生物増殖(抗菌剤)、生成物凍結(不凍液)、色(染料/顔料分散体)、洗い流し(フィルム形成剤または展着剤)、蒸発(蒸発抑制剤)、及び他の製剤属性。フィルム形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、及びワックスが挙げられる。製剤補助剤及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Volume 2:Functional Materials,annual International and North American editions published by McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.、及び国際出願公開第03/024222号に列挙されるものが含まれる。
【0094】
本発明の化合物及び任意の他の活性成分は、典型的には、溶媒に活性成分を溶解することによって、または液体もしくは乾燥希釈剤中で粉砕することによって、本発明の製剤に組み込まれる。乳化性濃縮物を含む溶液は、成分を単に混合することによって調製することができる。乳化性濃縮物として使用することを意図した液体製剤の溶媒が水に不混和性である場合、典型的には、水で希釈するときに活性成分含有溶媒を乳化するために乳化剤を添加する。最大2,000ミクロンの粒子径を有する活性成分スラリーを、媒体ミルを使用して湿式粉砕して、平均直径が3ミクロン未満の粒子を得ることができる。水性スラリーは、完成した懸濁液濃縮物(例えば、米国特許第3,060,084号を参照されたい)にすることができるか、または更に、噴霧乾燥によって処理されて、水分散性顆粒を形成することができる。乾燥製剤は、通常、2ミクロン~10ミクロンの範囲の平均粒子直径を生成する乾燥粉砕処理を必要とする。粉塵及び粉末は、ブレンド及び通常は粉砕(ハンマーミルまたは流体-エネルギーミルなど)することによって調製することができる。顆粒及びペレットは、予め形成された顆粒状担体上に活性物質を噴霧することによって、または凝集技術によって調製することができる。Browning,“Agglomeration,”Chemical Engineering,December 4,1967,pp 147-48,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,pages 8-57 and following、及び国際出願公開第91/13546号を参照されたい。ペレットは、米国特許第4,172,714号に記載されるように調製することができる。水分散性及び水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号及び同第3,920,442号ならびにドイツ特許第3,246,493号に教示されるように調製することができる。錠剤は、米国特許第5,180,587号、同第5,232,701号、及び同第5,208,030号に教示されるように調製することができる。フィルムは、英国特許第2,095,558号及び米国特許第3,299,566号に教示されるように調製することができる。
【0095】
製剤の技術に関する詳細については、T.S.Woods,“The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture”in Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food-Environment Challenge,T.Brooks and T.R.Roberts,Eds.,Proceedings of 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999,pp.120-133を参照されたい。米国特許第3,235,361号、6列、16行~7列、19行及び実施例10~41;米国特許第3,309,192号、5列、43行~7列、62行及び実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164、166、167及び169~182;米国特許第2,891,855号、3列、66行~5列、17行及び実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,pp 81-96;Hance et al.,Weed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989;ならびにDevelopments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000もまた参照されたい。
【0096】
生物学的活性
試験結果は、本発明の化合物が高度に活性な出芽前及び/または出芽後除草剤及び/または植物成長抑制剤であることを示す。本発明の化合物は、一般に、出芽後の雑草防除(例えば、雑草苗が土壌から出現した後に適用される)及び出芽前の雑草防除(例えば、雑草苗が土壌から出現する前に適用される)に対して最も高い活性を示す。これらの多くは、燃料貯蔵タンク、工業貯蔵領域、駐車場、ドライブインシアター、飛行場、河岸、灌注、及び他の水路の周り、ビルボード及びハイウェイ及び鉄道構築物の周りなど、全ての草木の完全な制御が望まれる領域において、広いスペクトルの出芽前及び/または出芽後の雑草防除に対する有用性を有する。本開示の化合物の多くは、雑草に対する作物における選択的代謝によって、または作物及び雑草における生理学的阻害の遺伝子座における選択的活性によって、または作物及び雑草の混合物の環境の上または中に選択的に配置することによって、作物/雑草混合物中の草及び広葉雑草の選択的防除に有用である。当業者は、化合物、または化合物の群内のこれらの選択因子の好ましい組み合わせは、日常的な生物学的及び/または生化学的アッセイを実施することによって容易に決定され得ることを認識する。
【0097】
いくつかの変形例では、式(II)、(II)、または(III)の化合物、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)を適用することを含む、望ましくない草木を制御する方法を本明細書に提供する。いくつかの変形例では、本化合物は、低い適用率で適用される。ある特定の変形例では、化合物は、10,000m2当たり1~10,000g、10,000m2当たり2~5,000g、10,000m2当たり5~2,000g、10,000m2当たり1~1000g、10,000m2当たり1~500g、10,000m2当たり1~100g、10,000m2当たり1~75g、10,000m2当たり15~1000g、10,000m2当たり15~100g、10,000m2当たり15~75g、または10,000m2当たり15~60gの割合で適用される。前述のある特定の変形例では、上記の適用率での化合物の適用は、望ましくない草木の出芽後の防除及び/または望ましくない草木の出芽前の防除につながる。
【0098】
ある特定の変形例では、前述の適用率を含む化合物の適用は、バーンダウンにつながる。1つの変形例では、バーンダウンは、除草剤が、処置時の雑草の存在を低減するために使用されるときを指す。雑草は土壌を掘削することによって管理できないため、バーンダウンは最小または不耕作地(no-till field)で使用されることが多い。バーンダウン適用は、収穫後及び/または作物出芽前に使用することができる。バーンダウンは、生育期の間に出芽する雑草に対して有用である可能性がある。
【0099】
ある特定の変形例では、前述の適用率を含む化合物の適用は、残留物の防除を付与する。本明細書に記載の化合物は、作物の植え付け後であるが、作物及び/または雑草の出芽の前に適用され得る出芽前除草剤として使用され得る。出芽前と考えられる除草剤はまた、「残留防除」を付与し、発芽または新たに出現した雑草の延長された防除を提供する除草剤とも呼ぶことができる
【0100】
1つの変形例では、望ましくない草木は、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または約100%防除される。前述のいくつかの変形例では、望ましくない草木は雑草である。1つの変形例では、望ましくない草木は、PPO阻害剤抵抗性雑草である。
【0101】
本発明の化合物によって処理された作物畑の例としては、ピーナッツ畑、ダイズ畑、トウモロコシ畑、及びコムギ畑などの食用作物畑、ソルガム畑及びオートムギ畑などの飼料作物畑、ワタ畑及び菜畑などの工業用作物畑、ならびにサトウキビ畑及びテンサイ畑などの砂糖作物畑が挙げられる。1つの変形例では、本明細書の化合物によって処理される作物畑は、トウモロコシ、ダイズ、コムギ、及びワタ畑を含む。
【0102】
本発明の化合物により処理される野菜畑の例としては、ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモなど)の栽培畑、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロンなど)の栽培畑、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、ワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワーなど)の栽培畑、キク科野菜(ゴボウ、春菊、アーティチョーク、レタスなど)の栽培畑、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、及びアスパラガスなど)の栽培畑、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、パースニップなど)の栽培畑、アカザ科野菜(ホウレンソウ、チャードなど)の栽培畑、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル、及びラベンダーなど)の栽培畑、イチゴ畑、サツマイモ畑、ヤマイモ畑、及びサトイモ畑などである。
【0103】
本発明における多年生作物下の土地の例としては、果樹園、茶畑、桑畑、コーヒー畑、バナナ畑、ヤシ畑、開花木農園、開花木畑、植栽畑、苗床、林地、及び庭園が挙げられる。本発明における果樹の例としては、仁果類(リンゴ、ナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロなど)、核果類(モモ、プラム、ネクタリン、ニホンアプリコット、チェリー、アプリコット、プルーンなど)、柑橘類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなど)、堅果類(クリ、クルミ、ヘーゼルナッツの木、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツの木、マカダミアナッツの木など)、液果類(グレープ、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリーなど)、カキ、オリーブ、及びビワが挙げられる。
【0104】
本発明における非作物地の例としては、運動場、空のロット、鉄道縁、公園、駐車場、道路縁、乾燥した川底、電力線の下の陸地、住宅地、及び工場地が挙げられる。
【0105】
本発明における作物畑で栽培される作物は、作物が一般的に作物として栽培される品種である限り、限定されない。
【0106】
上述の品種の植物は、天然交配によって産生することができる植物、変異によって生成することができる植物、F1ハイブリッド植物、またはトランスジェニック植物(遺伝子組換え植物とも呼ばれる)であり得る。植物は、一般に、除草剤に対する耐性の獲得、害虫に対する有毒物質の蓄積、病気に対する感受性の抑制、潜在的な収量の増加、生体及び非生体ストレス因子に対する耐性の改善、物質の蓄積、ならびに保存性及び加工性の改善などの特性を有する。
【0107】
F1ハイブリッド植物は、2つの異なる株の品種を交配することによって得られる第1世代のハイブリッドであり、一般に、親のいずれかの形質よりも優れた形質を有するヘテロ強勢特性を有する。トランスジェニック植物は、微生物などの別の生物などから外来遺伝子が導入されており、天然環境において交配、変異誘発、または自然組換えでは容易に得られない特性を有する。
【0108】
上述の植物を生産するための技術としては、例えば、従来の育種技術、遺伝子工学技術、ゲノム育種技術、新しい育種技術、及びゲノム編集技術が挙げられる。従来の育種技術は、変異または交配によって望ましい特性を有する植物を得るためのものである。遺伝子工学技術には、別の生物(例えば、微生物)から標的遺伝子(DNA)を抽出し、標的遺伝子を標的生物のゲノムに導入することによって、標的生物に新しい特性を付与するための技術が含まれる。遺伝子工学技術は、植物中に存在する別の遺伝子をサイレンシングすることによって、新しいまたは改善された特性を付与するためのアンチセンス技術またはRNA干渉技術も含む。ゲノム育種技術は、ゲノム情報を使用して育種効率を向上させるためのものであり、ゲノム育種技術の例としては、DNAマーカー(ゲノムマーカーまたは遺伝子マーカーとも呼ばれる)育種技術及びゲノム選択が挙げられる。例えば、DNAマーカー育種は、ゲノム上の特定の有用な形質遺伝子の位置のマーカーとして機能するDNA配列であるDNAマーカーを使用して、標的とする有用な形質遺伝子を有する子孫を多数の交配子孫から選択する方法である。この方法では、交配子孫は、それが幼植物である場合、DNAマーカーを使用して分析され、育種に必要な時間を効果的に短縮する。
【0109】
ゲノム選択とは、予め得られた表現型及びゲノム情報から予測式を作成し、表現型を評価することなく予測式及びゲノム情報から特性を予測する技術であり、育種効率の向上に寄与し得る技術である。「新しい育種技術」という用語は、分子生物学的技術を組み合わせた品種改良(育種)技術の総称である。新しい育種技術の例としては、シスジェネシス/イントラジェネシス、オリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発、RNA依存性DNAメチル化、ゲノム編集、GM根茎または接ぎ穂への移植、逆交配、アグロインフィルトレーション、及び種子産生技術(SPT)が挙げられる。ゲノム編集技術は、遺伝情報を配列特異的に変換する技術であり、この技術を使用して塩基配列の削除、アミノ酸配列の置換、外来遺伝子の導入などが可能である。ツールの例としては、配列特異的なDNA切断が可能なジンクフィンガーヌクレアーゼ(Zinc-Finger,ZFN)、TALEN、CRISPR-Cas9、CRISPER-Cpf1、メガヌクレアーゼ、及びCAS9ニッカーゼなどの配列特異的なゲノム修飾技術、ならびに前述のツールを修飾することによって作製された標的-AIDが挙げられる。
【0110】
上述の植物の例としては、International Service for Acquisition of Agri-biotech Applications(ISAAA)(http://www.isaaa.org/)の電子情報サイトに登録されている遺伝子組換え作物のデータベース(GM承認データベース)に記載されている植物が挙げられる。より具体的な例は、除草剤耐性植物、有害生物抵抗性植物、疾患抵抗性植物、生成物(例えば、デンプン、アミノ酸、及び脂肪酸)の品質(例えば、含有量の増加もしくは減少または組成の変化を伴って)が改変された植物、繁殖形質改変植物、非生物的ストレス耐性植物、及び成長または収量に関連する形質が改変された植物である。
【0111】
除草剤耐性を得るメカニズムとしては、薬剤とその標的との間の親和性の低下、薬剤を不活性化する発現酵素による薬剤の急速な代謝(分解、修飾など)、または植物体内での薬剤の組み込みもしくは移行の阻害が挙げられる。遺伝子工学技術によって除草剤耐性が付与された植物の例としては、イソキサフルトール及びメソトリオンなどの4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(以下、HPPDと略す)阻害剤、イマゼタピルを含有するイミダゾリノン除草剤及びチフェンスルフロン-メチルを含有するスルホニル尿素除草剤などのアセトラクチン酸合成酵素(以下、ALSと略す)阻害剤、グリホサートなどの5-エノルピルビルシキメート-3-リン酸合成酵素(以下、EPSPと略す)阻害剤、グルホシネートなどのグルタミン合成酵素阻害剤、2,4-D及びジカンバなどのオーキシン除草剤、ならびにブロモキシリンを含むオキシニル除草剤に耐性が与えられた植物が挙げられる。本発明の組み合わせによって処理される好ましい除草剤耐性トランスジェニック植物は、コムギ、オオムギ、ライムギ、及びオートムギなどの穀物、キャノーラ、ソルガム、ダイズ、コメ、ナタネ、テンサイ、サトウキビ、ブドウ、ヒラマメ、ヒマワリ、アルファルファ、リンゴ類果実、ドゥループ、コーヒー、茶、イチゴ、芝生、トマト、ジャガイモ、キュウリ、及びレタスなどの野菜であり、より好ましい除草剤耐性トランスジェニック植物は、コムギ、オオムギ、ライムギ、及びオートムギなどの穀物、ダイズ、コメ、ブドウ、トマト、ジャガイモ、及びリンゴ類果実である。
【0112】
1つの実施例では、グリホサート除草剤耐性植物を得るために、1つ以上の遺伝子が、Agrobacterium tumefaciens株CP4からのグリホサート耐性EPSPS遺伝子(CP4 epsps);Bacillus licheniformisからのグリホサート代謝酵素(グリホサートN-アセチルトランスフェラーゼ)遺伝子の代謝活性がシャッフリング技術によって増強されるグリホサート代謝酵素遺伝子(gat4601、gat4621);Ochrobacterum anthropi株LBAAからのグリホサート代謝酵素(グリホサート酸化酵素遺伝子、goxv247)、及びグリホサート耐性変異を有するトウモロコシからのEPSPS遺伝子(mepsps、2mepsps)から導入される。植物の主な例は、アルファルファ(Medicago sativa)、アルゼンチンキャノーラ(Brassica napus)、ワタ(Gossypium hirsutum L.)、クリーピングベントグラス(Agrostis stolonifera)、トウモロコシ(Zea mays L.)、ポーランドキャノーラ(Brassica rapa)、ジャガイモ(Solanum tuberosum L.)、ダイズ(Glycine max L.)、テンサイ(Beta vulgaris)、及びコムギ(Triticum aestivum)である。いくつかのグリホサート耐性トランスジェニック植物が市販されている。例えば、Agrobacterium由来のグリホサート耐性EPSPSが発現する遺伝子組換え植物は、「Roundup Ready(登録商標)」などの商品名で市販されており、Bacillus由来のシャッフリング技術によって強化された代謝活性を有するグリホサート代謝酵素が発現する遺伝子組換え植物は、「Optimum(登録商標)GAT(登録商標)、または「Optimum(登録商標)Glyキャノーラ」などの商品名で市販されており、トウモロコシ由来のグリホサート耐性変異を有するEPSPSが発現する遺伝子組換え植物は、「GlyTol(登録商標)」などの商品名で市販されている。
【0113】
別の例では、グルホシネート除草剤耐性植物を得るために、1つ以上の遺伝子が、Streptomyces hygroscopicus由来のグルホシネート代謝酵素であるホスフィノトリシンN-アセチルトランスフェラーゼ(PAT)遺伝子(bar)、Streptomyces viridochromogenes由来のグルホシネート代謝酵素であるホスフィノトリシンN-アセチルトランスフェラーゼ(PAT)酵素遺伝子(pat)、及びStreptomyces viridochromogenes株Tu494由来の合成pat遺伝子(pat syn)から導入される。植物の主な例としては、アルゼンチンキャノーラ(Brassica napus)、チコリー(Cichorium intybus)、ワタ(Gossypium hirsutum L.)、トウモロコシ(Zea mays L.)、ポーランドキャノーラ(Brassica rapa)、コメ(Oryza sativa L.)、ダイズ(Glycine max L.)、及びテンサイ(Beta vulgaris)が挙げられる。一部のグルホシネート耐性遺伝子組換え植物が市販されている。例えば、Streptomyces hygroscopicus及びStreptomyces viridochromogenes由来のグルホシネート代謝酵素(bar)由来の遺伝子組換え植物は、「LibertyLink(登録商標)」、「InVigor(登録商標)」、または「WideStrike(登録商標)」などの商品名で市販されている。
【0114】
別の実施例では、オキシニル除草剤耐性植物が知られている。例えば、ニトリラーゼ遺伝子(bxn)が、Klebsiella pneumoniae subsp.ozaenae由来のオキシニル除草剤代謝酵素から導入されるブロモキシニル耐性トランスジェニック植物。植物の主な例は、アルゼンチンキャノーラ(Brassica napus)、ワタ(Gossypium hirsutum L.)、及びタバコ(Nicotiana tabacum L.)である。これらの植物は、「Navigator(登録商標)キャノーラ」または「BXN(登録商標)」などの商品名で市販されている。
【0115】
ALS除草剤耐性植物も知られている。例としては、タバコ(Nicotiana tabacum)からの選択マーカーとしてALS除草剤耐性ALS遺伝子(surB)を導入することによって得られ、「Moondust(登録商標)」、「Moonshadow(登録商標)」、「Moonshade(登録商標)」、「Moonlite(登録商標)」、「Moonaqua(登録商標)」、「Moonvista(登録商標)」、「Moonique(登録商標)」、「Moonpearl(登録商標)」、「Moonberry(登録商標)」及び「Moonvelvet(登録商標)」で市販されているカーネーション(Dianthus caryophyllus)、Arabidopsis thaliana由来のALS除草剤耐性ALS遺伝子(als)が導入されたアマニ(Linum usitatissumum L.)が、「CDC Triffid Flax」の商品名で市販されているほか、トウモロコシのALS除草剤耐性ALS遺伝子(zm-hra)を導入したスルホニル尿素除草剤耐性及びイミダゾリノン除草剤耐性のトウモロコシ(Zea mays L.)が商品名「Optimum(登録商標)GAT(商標)」で市販されており、Arabidopsis thaliana由来のALS除草剤耐性ALS遺伝子(csr1-2)を導入したイミダゾリノン除草剤耐性ダイズが「Cultivance(登録商標)」の商品名で市販されており、ダイズ(Glycine max)由来のALS除草剤耐性ALS遺伝子(gm-hra)を導入したスルホニル尿素除草剤耐性ダイズは、「Treus(登録商標)」、「Plenish(登録商標)」及び「Optimum(登録商標)GAT(商標)」の商品名で市販されている。タバコ(Nicotiana tabacum cv.Xanthi)由来のALS除草剤耐性ALS遺伝子(S4-HrA)が導入されたワタもある。
【0116】
HPPD除草剤耐性植物も知られている。一実施例では、オートムギ(Avena sativa)由来のメソトリオン耐性HPPD遺伝子(avhppd-03)及びフィノトリシンN-アセチルトランスフェラーゼ(PAT)酵素遺伝子(pat)が同時に導入されるダイズ。別の実施例では、Streptomyces viridochromogenes由来のグルホシネート代謝酵素が導入されたメソトリオン耐性のダイズが市販されている。
【0117】
別の実施例では、2,4-D-耐性植物としては、Sphingobium herbicidovorans由来の2,4ーD代謝酵素についてのアリールオキシアルカノエートジオキシゲナーゼ遺伝子(aad-1)が導入されたトウモロコシが、「Enlist(登録商標)トウモロコシ」という商品名で市販されており、Delftia acidovorans由来の2,4-D代謝酵素についてのアリールオキシアルカノエートジオキシゲナーゼ遺伝子(aad-12)が導入されたダイズ及びワタが、「Enlist(登録商標)ダイズ」という商品名で市販されていることが挙げられる。
【0118】
別の実施例では、ジカンバ耐性植物は、Stenotrophomonas maltophilia株DI-6由来のジカンバ代謝酵素を有するジカンバ・モノオキシゲナーゼ遺伝子(dmo)が導入されたダイズ及びワタ;ならびにAgrobacterium tumefaciens株CP4由来のグリホサート耐性EPSPS遺伝子(CP4 epsps)が上述の遺伝子と同時に導入されたダイズ(Glycine max L.)を含み、「Genuity(登録商標)Roundup Ready(商標)2 Xtend(登録商標)」という商品名で市販されている。
【0119】
除草剤耐性が付与された市販のトランスジェニック植物の更なる例としては、グリホサート耐性トウモロコシ「Roundup Ready(登録商標)トウモロコシ」、「Roundup Ready(登録商標)2」、「Agrisure(登録商標)GT」、「Agrisure(登録商標)GT/CB/LL」、「Agrisure(登録商標)GT/RW」、「Agrisure(登録商標)3000GT」、「YieldGard(商標)VT(商標)ルートワーム/RR2」、及び「YieldGard(商標)VT(商標)トリプル」;グリホサート耐性ダイズ「Roundup Ready(登録商標)ダイズ」及び「Optimum(登録商標)GAT」;グリホサート耐性ワタ「Roundup Ready(登録商標)ワタ」及び「Roundup Ready(登録商標)フレックス」;グリホサート耐性キャノーラ「Roundup Ready(登録商標)キャノーラ」;グリホサート耐性アルファルファ「Roundup Ready(登録商標)アルファルファ」、グリホサート耐性コメ「Roundup Ready(登録商標)コメ」;グルホシネート耐性トウモロコシ「Roundup Ready(登録商標)2」、「LibertyLink(登録商標)」、「Herculex(登録商標)1」、「Herculex(登録商標)RW」、「Herculex(登録商標)Xtra」、「Agrisure(登録商標)GT/CB/LL」、「Agrisure(登録商標)CB/LL/RW」、及び「Bt10」;グルホシネート耐性ワタ「FiberMax(商標)LibertyLink(商標)」;グルホシネート耐性キャノーラ「InVigor(登録商標)」;グルホシネート耐性コメ「LibertyLink(商標)コメ」(Bayer AG製);ブロモキシニル耐性ワタ「BXN」;ブロモキシニル耐性キャノーラ「Navigator(登録商標)」及び「Compass(登録商標)」;ならびにグルホシネート耐性キャノーラ「InVigor(登録商標)」が挙げられる。除草剤に関して改変された追加の植物は広く知られており、植物の例としては、グリホサートに耐性のあるアルファルファ、リンゴ、オオムギ、ユーカリ、アマニ、ブドウ、ヒラマメ、ナタネ、エンドウ豆、ジャガイモ、コメ、テンサイ、ヒマワリ、タバコ、トマト、芝生、及びコムギ(例えば、米国特許第5,188,642号、同第4,940,835号、同第5,633,435号、同第5,804,425号、及び同第5,627,061号を参照されたい)。ジカンバに耐性のあるマメ、ワタ、ダイズ、エンドウマメ、ジャガイモ、ヒマワリ、トマト、タバコ、トウモロコシ、ソルガム、及びサトウキビ(例えば、WO2008051633、米国特許第7,105,724号、同第5,670,454号を参照されたい)、グルホシネートに耐性のある、ダイズ、テンサイ、ジャガイモ、トマト、及びタバコ(例えば、米国特許第6,376,754号、同第5,646,024号、及び同第5,561,236号を参照されたい)、2,4-Dに耐性のあるワタ、ピーマン、リンゴ、トマト、ヒマワリ、タバコ、ジャガイモ、トウモロコシ、キュウリ、コムギ、ダイズ、ソルガム、及び穀物(例えば、米国特許第6,153,401号、同第6,100,446号、WO2005107437、米国特許第5,608,147号、及び同第5,670,454号を参照されたい);ならびにアセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害剤除草剤に耐性のあるキャノーラ、トウモロコシ、キビ、オオムギ、ワタ、マスタード、レタス、ヒラマメ、メロン、キビ、オートムギ、ソードビーンズ、ジャガイモ、コメ、ライムギ、ソルガム、ダイズ、テンサイ、ヒマワリ、タバコ、トマト、及びコムギ(例えば、スルホニル尿素除草剤及びイミダゾリノン除草剤)(例えば、米国特許第5,013,659号、WO2006060634、米国特許第4,761,373号、同第5,304,732号、同第6,211,438号、同第6,211,439号、及び同第6,222,100号を参照されたい)。イミダゾリノン除草剤に耐性のあるコメは特に知られており、コメの例としては、アセトラクテートシンターゼ遺伝子(アセトヒドロキシ酸合成酵素遺伝子)(例えば、US2003/0217381、及びWO200520673を参照されたい)に特異的変異(例えば、S653N、S654K、A122T、S653(At)N、S654(At)K、及びA122(At)T)を有するコメが挙げられ、例としては、HPPD阻害剤除草剤(例えば、イソキサフルトールなどのイソキサゾール除草剤、スルコトリオンまたはメソトリオンなどのトリケトン除草剤、ピラゾリン酸塩などのピラゾール除草剤、またはイソキサフルトールの分解産物であるジケトニトリルなど)に耐性のあるオオムギ、サトウキビ、コメ、トウモロコシ、タバコ、ダイズ、ワタ、アブラナ、テンサイ、コムギ、及びジャガイモ(例えば、WO2004/055191、WO199638567、WO1997049816、及び米国特許第6,791,014号を参照されたい)が挙げられる。
【0120】
古典的技術またはゲノム育種技術によって除草剤耐性が付与された植物の例としては、イマゼタピルまたはイマザモックスなどのイミダゾリノン系ALS阻害剤除草剤に耐性のあるコメ「Clearfield(登録商標)コメ」、コムギ「Clearfield(登録商標)コムギ」、ヒマワリ「Clearfield(登録商標)ヒマワリ」、ヒラマメ「Clearfield(登録商標)ヒラマメ」、及びキャノーラ「Clearfield(登録商標)キャノーラ」(BASF SE製)、チフェンスルフロン-メチルなどのスルホニル系ALS阻害剤除草剤に耐性のあるダイズ「STS(登録商標)ダイズ」、トリオンオキシム除草剤またはアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤などのアセチル-CoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性のあるセトキシジム耐性トウモロコシ「SR(登録商標)トウモロコシ」及び「Poast Protected(登録商標)トウモロコシ」;トリベヌロンなどのスルホニル尿素除草剤に耐性のあるヒマワリ「ExpressSun(登録商標)」;キザロホップなどのアセチル-CoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性のあるコメ「Provisia(商標)コメ」、及びPSII阻害剤に耐性のあるキャノーラ「トリアジン耐性キャノーラ」が挙げられる。
【0121】
ゲノム編集技術によって除草剤耐性が付与された植物の例としては、迅速な品種開発技術(Rapid Trait Development System、RTDS(登録商標))が使用される、スルホニル尿素除草剤に耐性のあるキャノーラ「SU Canola(登録商標)」が挙げられる。RTDS(登録商標)は、ゲノム編集技術のオリゴヌクレオチド指向変異誘発に対応し、RTDSによって、遺伝子修復オリゴヌクレオチド(GRON)、すなわち、DNA及びRNAのキメラオリゴヌクレオチドを介して、DNAを切断することなく、植物中のDNAに変異を導入することが可能である。また、植物の例としては、ジンクフィンガーヌクレアーゼを使用して内在性遺伝子IPK1を欠失させることにより除草剤耐性及びフィチン酸含有量を低減させたトウモロコシ(例えば、Nature 459,437-441 2009を参照されたい)、及びCRISPR-Cas9を使用して除草剤耐性を付与したコメ(例えば、Rice,7,5 2014参照)が挙げられる。
【0122】
本発明では、特定のPPO阻害剤に耐性のある作物の例としては、阻害剤に対する親和性が低下したPPOが遺伝子工学技術によって付与される作物が挙げられる。代替的に、作物は、単独で、または上述のPPOと組み合わせて、シトクロムP450モノオキシゲナーゼによってPPO阻害剤を解毒及び分解する物質を有してもよい。耐性作物は、例えば、WO2011085221、WO2012080975、WO2014030090、WO2015022640、WO2015022636、WO2015022639、WO2015092706、WO2016203377、WO2017198859、WO2018019860、WO2018022777、WO2017112589、WO2017087672、WO2017039969、及びWO2017023778などの特許文献、ならびに非特許文献Li&Nicholl in Pest Management Science(2005),Vol.61,pgs.277-285に記載されている。
【0123】
接ぎ木が使用される育種技術によってGM根茎の特性が接ぎ穂に付与される新しい育種技術によって除草剤耐性が付与された植物の例としては、グリホサート耐性ダイズRoundup Ready(登録商標)を根茎として使用してグリホサート耐性が付与される非トランスジェニックダイズ接ぎ穂が挙げられる(Jiang,et al.,in Weed Technology(2013)Vol.27,pgs.412-416を参照されたい)。
【0124】
上述の植物としては、遺伝子工学技術、古典的育種技術、ゲノム育種技術、新しい育種技術、ゲノム編集技術などを使用して、上記のような非生物的ストレス耐性、病害抵抗性、除草剤耐性、有害生物抵抗性、成長形質、収量形質、栄養摂取、製品品質、繁殖形質などの中から2種以上の形質が付与された系統、及び同じまたは異なる特性を有する植物を交配することにより、親系統の特性のうち2種以上の特性が付与された系統が挙げられる。
【0125】
2つ以上の除草剤に対する耐性が付与される市販の植物の例としては、グリホサート及びグルホシネートに耐性のあるワタ「GlyTol(商標)LibertyLink(商標)」及び「GlyTol(商標)LibertyLink(商標)」;グリホサート及びグルホシネートに耐性のあるトウモロコシ「Roundup Ready(商標)LibertyLink(商標)トウモロコシ」;グルホシネート及び2,4-Dに耐性のあるダイズ「Enlist(商標)ダイズ」;グリホサート及びジカンバに耐性のあるダイズ「Genuity(登録商標)Roundup Ready(商標)2 Xtend(商標)」;グリホサート及びALS阻害剤に耐性のあるトウモロコシ及びダイズ「OptimumGAT(商標)」;グリホサート、グルホシネート、及び2,4-Dの3種の除草剤に耐性のある遺伝子組換えダイズ「Enlist E3(商標)」及び「Enlist(商標)Roundup Ready(登録商標)2Yield」;グリホサート、2,4-D、及びアリールオキシフェノキシプロピオネート(FOP)除草剤に耐性のある遺伝子組換えトウモロコシ「Enlist(商標)Roundup Ready(登録商標)トウモロコシ2」;グリホサート、2,4-D、及びアリールオキシフェノキシプロピオネート(FOP)除草剤に耐性のある遺伝子組換えトウモロコシ「Enlist(商標)Roundup Ready(登録商標)トウモロコシ2」;ジカンバ、グリホサート、及びグルホシネートに耐性のある遺伝子組換えワタ「Bollgard II(登録商標)XtendFlex(商標)ワタ」、ならびにグリホサート、グルホシネート、及び2,4-Dの3種の除草剤に耐性のある遺伝子組換えワタ「Enlist(商標)ワタ」が挙げられる。加えて、グルホシネート及び2,4-Dに耐性のあるワタ、グルホシネート及びジカンバの両方に耐性のあるワタ、グリホサート及び2,4-Dの両方に耐性のあるトウモロコシ、グリホサート及びHPPD除草剤の両方に耐性のあるダイズ、ならびにグリホサート、グルホシネート、2,4-D、アリールオキシフェノキシプロピオネート(FOP)除草剤、及びシクロヘキサンジオン(DIM)除草剤に耐性のある遺伝子組換えトウモロコシも開発されている。
【0126】
除草剤耐性及び有害生物抵抗性が付与される市販の植物の例としては、グリホサートに耐性があり、マツマダラメイガに抵抗性のある、トウモロコシ「YieldGard Roundup Ready(登録商標)」及び「YieldGard Roundup Ready(登録商標)2」;グルホシネートに耐性があり、マツマダラメイガに抵抗性のある、トウモロコシ「Agrisure(登録商標)CB/LL」;グリホサートに耐性があり、コーンルートワームに抵抗性のあるトウモロコシ「Yield Gard(登録商標)VTルートワーム/RR2」;グリホサートに耐性があり、コーンルートワーム及びマツマダラメイガに抵抗性のあるトウモロコシ「Yield Gard(登録商標)VTトリプル」;グルホシネートに耐性があり、鱗翅目トウモロコシ害虫(Cry1F)に抵抗性のある(例えば、ウェスターンビーンカットワーム、マツマダラメイガ、タマナヤガ及びツマジロクサヨトウに抵抗性のある)トウモロコシ「Herculex(登録商標)I」;グリホサートに耐性があり、コーンルートワームに抵抗性のあるトウモロコシ「YieldGard(登録商標)コーンルートワーム/Roundup Ready(登録商標)2」;グルホシネートに耐性があり、鞘翅目トウモロコシ害虫(Cry3A)に抵抗性のある(例えば、ウェスターンコーンルートワーム、ノーザンコーンルートワーム、及びメキシカンコーンルートワームに抵抗性のある)トウモロコシ「Agrisure(登録商標)GT/RW」;グルホシネートに耐性があり、鞘翅目トウモロコシ害虫(Cry34/35Abl)に抵抗性のある(例えば、ウェスターンコーンルートワーム、ノーザンコーンルートワーム、及びメキシカンコーンルートワームに抵抗性のある)トウモロコシ「Herculex(登録商標)RW」;グリホサートに耐性があり、コーンルートワームに抵抗性のあるトウモロコシ「Yield Gard(登録商標)VTルートワーム/RR2」;ならびにジカンバ、グリホサート、及びグルホシネートに耐性があり、鞘翅目ワタ害虫に抵抗性のある(例えば、ボールワーム、オオタバコガ幼虫、及びヨトウガの幼虫に抵抗性がある)に抵抗性のあるワタ「Bollgard 3(登録商標)XtendFlex(登録商標)」が挙げられる。
【0127】
本発明において、本発明の組成物は、雑草が成長しているまたは成長する可能性のある場所に適用される。本組成物を適用する方法の例としては、本組成物を土壌に噴霧する方法、及び本組成物を雑草に噴霧する方法が挙げられる。
【0128】
いくつかの変形例では、本発明の組成物の適用率は、式I、II、III、もしくはIVの化合物、またはその塩(その農業的に好適な塩を含む)の合計量で、一般に、10,000m2当たり1~10,000g、10,000m2当たり2~5,000g、10,000m2当たり5~2000g、10,000m2当たり1~1000g、10,000m2当たり1~500g、10,000m2当たり1~100g、10,000m2当たり1~75g、10,000m2当たり15~1000g、10,000m2当たり15~100g、10,000m2当たり15~75g、または10,000m2当たり15~60gである。
【0129】
1つの変形例では、本発明の組成物の適用率は、式Iの化合物及び除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物の合計量で、一般に、10,000m2当たり1~10,000g、10,000m2当たり2~5,000g、10,000m2当たり5~2,000g、10,000m2当たり1~1,000g、10,000m2当たり1~500g、10,000m2当たり1~100g、10,000m2当たり1~75g、10,000m2当たり15~1000g、10,000m2当たり15~100g、10,000m2当たり15~75g、または10,000m2当たり15~60gである。
【0130】
本方法では、アジュバントを本発明の組成物中で混合し、その後に適用することができる。アジュバントの種類は特に限定されず、アジュバントの例としては、Agri-Dex(登録商標)及びメチル化ナタネ油(MSO)などの油性アジュバント、Induceなどの非イオン(ポリオキシエチレンのエステルまたはエーテル)、Gramine Sなどのアニオン(置換スルホネート)、Genamin(登録商標)T200BMなどのカチオン(ポリオキシエチレンアミン)、ならびにSilwet(登録商標)L77などの有機シリコンが挙げられる。
【0131】
本発明の組成物を適用する際に調製した噴霧液のpH及び硬度は特に限定されず、pHは通常5~9の範囲であり、硬度は通常0~500の範囲である。
【0132】
本発明の組成物を適用するための期間は、特に限定されず、通常、午前5:00~午後9:00の範囲であり、光子流束密度は、通常、10~2,500μmol/m2/sである。
【0133】
本発明の組成物が作物畑に適用される場合、それは、作物種子を播種する前、作物種子を播種すると同時、及び/または作物種子を播種した後に適用され得る。すなわち、本発明の組成物の適用頻度は、作物種子を播種する前、播種と同時に、もしくは播種後に1回、播種前を除外するか、播種と同時を除外するか、もしくは播種後を除外する2回、または全てのタイミングで3回である。
【0134】
本発明の組成物を作物種子を播種する前に適用する場合、それは、播種の50日前から直前、好ましくは播種の30日前から直前、より好ましくは播種の20日前から直前、更により好ましくは播種の10日前から直前に適用される。
【0135】
本発明の組成物を作物種子を播種した後に適用する場合、それは通常、播種直後から開花前まで適用される。この組成物は、播種直後から出芽前まで、または作物の1~6葉段階から適用されることがより好ましい。本発明の組成物が作物種子の播種と同時に適用される場合は、播種機及びスプレーヤーが互いに統合されている場合である。
【0136】
本発明の組成物を栽培領域に適用するステップにおいて、式Iの化合物または化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの更なる化合物とを、通常、固体担体または液体担体などの担体と混合し、必要に応じて界面活性剤などの製剤用補助剤を添加して製剤を調製する。好ましい製剤タイプは、水性液体懸濁液製剤、油ベースの懸濁液製剤、湿潤性粉末、水分散性顆粒、顆粒、水ベースのエマルション、油ベースのエマルション、及び乳化性濃縮物であり、より好ましい製剤タイプは、乳化性濃縮物である。更に、式Iの化合物のみを活性成分として含有する製剤と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を活性成分として含有する製剤とを組み合わせて使用してもよい。更に、本発明の組成物を活性成分として含有する製剤及び別の除草剤を活性成分として含有する製剤を組み合わせて使用してもよい。
【0137】
本発明の組成物を栽培領域に適用する方法の例としては、それを耕作領域の土壌に噴霧する方法、及び本発明の組成物を生育している雑草に噴霧する方法が挙げられる。組成物は、通常、水で希釈し、その後、噴霧する。噴霧体積は特に限定されず、通常は50~1,000L/ha、好ましくは100~500L/ha、より好ましくは140~300L/haである。
【0138】
本組成物によって防除される雑草種の具体例としては、限定されないが、以下に記載の雑草種が挙げられる。
【0139】
防除されるべきイラクサ科の雑草には、Urtica urensが含まれる。
【0140】
防除されるタデ科の雑草には、Polygonum convolvulus、Polygonum lapathifolium、Polygonum pensylvanicum、Polygonum persicaria、Polygonum longisetum、Polygonum aviculare、Polygonum arenastrum、Polygonum cuspidatum、Rumex japonicus、Rumex crispus、Rumex obtusifolius、及びRumex acetosaが含まれる。
【0141】
防除されるスベリヒユ科の雑草には、Portulaca oleraceaが含まれる。
【0142】
防除されるナデシコ科の雑草には、Stellaria media、Stellaria aquatica、Cerastium holosteoides、Cerastium glomeratum、Spergula arvensis、及びSilene gallicaが含まれる。
【0143】
防除されるザクロソウ科の雑草には、Mollugo verticillateが含まれる。
【0144】
防除されるアカザ科の雑草には、Chenopodium album、Chenopodium ambrosioides、Kochia scoparia、Salsola kali、及びAtriplex spp.が含まれる。
【0145】
防除されるヒユ科の雑草には、Amaranthus retroflexus、Amaranthus viridis、Amaranthus lividus、Amaranthus spinosus、Amaranthus hybridus、Amaranthus palmeri、Amaranthus patulus、Waterhemp(Amaranthus tuberculatus、Amaranthus rudis、またはAmaranthus tamariscinus)、Amaranthus blitoides、Amaranthus deflexus、Amaranthus quitensis、Alternanthera philoxeroides、Alternanthera sessilis、及びAlternanthera tenellaが含まれる。
【0146】
防除されるケシ科の雑草には、Papaver rhoeas、Papaver dubium、及びArgemone Mexicanaが含まれる。
【0147】
防除されるアブラナ科の雑草には、Raphanus raphanistrum、Raphanus sativus、Sinapis arvensis、Capsella bursa-pastoris、Brassica juncea、Brassica napus、Descurainia pinnata、Rorippa islandica、Rorippa sylvestris、Thlaspi arvense、Myagrum rugosum、Lepidium virginicum、及びCoronopus didymusが含まれる。
【0148】
防除されるフウチョウソウ科の雑草には、Cleome affinisが含まれる。
【0149】
防除されるマメ科の雑草には、Aeschynomene indica、Aeschynomene rudis、Sesbania exaltata、Cassia obtusifolia、Cassia occidentalis、Desmodium adscendens、Desmodium illinoense、Trifolium repens、Pueraria lobata、Vicia angustifolia、Indigofera hirsuta、Indigofera truxillensis、及びVigna sinensisが含まれる。
【0150】
防除されるカタバミ科の雑草には、Oxalis、Oxalis strica、及びOxalis oxypteraが含まれる。
【0151】
防除されるフウロソウ科の雑草には、Geranium carolinense及びErodium cicutariumが含まれる。
【0152】
防除されるトウダイグサ科の雑草には、Euphorbia helioscopia、Euphorbia maculata、Euphorbia humistrata、Euphorbia esula、Euphorbia heterophylla、Euphorbia brasiliensis、Acalypha australis、Croton glandulosus、Croton lobatus、Phyllanthus corcovadensis、及びRicinus communisが含まれる。
【0153】
防除されるアオイ科の雑草には、Abutilon theophrasti、Sida rhombiforia、Sida cordifolia、Sida spinosa、Sida glaziovii、Sida santaremnensis、Hibiscus trionum、Anoda cristata、及びMalvastrum coromandelianumが含まれる。
【0154】
防除されるアカバナ科の雑草には、Ludwigia epilobioides、Ludwigia octovalvis、Ludwigia decurre、Oenothera biennis、及びOenothera laciniataが含まれる。
【0155】
防除されるアオギリ科の雑草には、Waltheria indicaが含まれる。
【0156】
防除されるスミレ科の雑草には、Viola arvensis及びViola tricolorが含まれる。
【0157】
防除されるウリ科の雑草には、Sicyos angulatus、Echinocystis lobata、及びMomordica charantiaが含まれる。
【0158】
防除されるミソハギ科の雑草には、Ammannia multiflora、Ammannia auriculata、Ammannia coccinea、Lythrum salicaria、及びRotala indicaが含まれる。
【0159】
防除されるミゾハコベ科の雑草には、Elatine triandra及びElatine californicaが含まれる。
【0160】
防除されるセリ科の雑草には、Oenanthe javanica、Daucus carota、及びConium maculatumが含まれる。
【0161】
防除される松藻科の雑草には、Ceratophyllum demersumが含まれる。
【0162】
防除されるハゴロモモ科の雑草には、Cabomba carolinianaが含まれる。
【0163】
防除されるアリノトウグサ科の雑草には、Myriophyllum aquaticum、Myriophyllum verticillatum、Myriophyllum spicatum、及びMyriophyllum heterophyllumが含まれる。
【0164】
防除されるムクロジ科の雑草には、Cardiospermum halicacabumが含まれる。
【0165】
防除されるサクラソウ科の雑草には、Anagallis arvensisが含まれる。
【0166】
防除されるガガイモ科の雑草には、Asclepias syriaca及びAmpelamus albidusが含まれる。
【0167】
防除されるアカネ科の雑草には、Galium aparine、Galium spurium var.echinospermon、Spermacoce latifolia、Richardia brasiliensis、及びBorreria alataが含まれる。
【0168】
防除されるアカネ科の雑草には、Ipomoea nil、Ipomoea hederacea、Ipomoea purpurea、Ipomoea hederacea var.integriuscula、Ipomoea lacunosa、Ipomoea triloba、Ipomoea acuminata、Ipomoea hederifolia、Ipomoea coccinea、Ipomoea quamoclit、Ipomoea grandifolia、Ipomoea aristolochiafolia、Ipomoea cairica、Convolvulus arvensis、Calystegia hederacea、Calystegia japonica、Merremia hedeacea、Merremia aegyptia、Merremia cissoides、及びJacquemontia tamnifoliaが含まれる。
【0169】
防除されるムラサキ科の雑草には、Myosotis arvensisが含まれる。
【0170】
防除されるシソ科の雑草には、Lamium purpureum、Lamium amplexicaule、Leonotis nepetaefolia、Hyptis suaveolens、Hyptis lophanta、Leonurus sibiricus、及びStachys arvensisが含まれる。
【0171】
防除されるナス科の雑草には、Datura stramonium、Solanum nigrum、Solanum americanum、Solanum ptycanthum、Solanum sarrachoides、Solanum rostratum、Solanum aculeatissimum、Solanum sisymbriifolium、Solanum carolinense、Physalis angulata、Physalis subglabrata、及びNicandra physaloidesが含まれる。
【0172】
防除されるゴマノハグサ科の雑草には、Veronica hederaefolia、Veronica persica、Veronica arvensis、Lindernia procumbens、Lindernia dubia、Lindernia angustifolia、Bacopa rotundifolia、Dopatrium junceum、及びGratiola japonicaが含まれる。
【0173】
防除されるオオバコ科の雑草は、Plantago asiatica、Plantago lanceolata、Plantago major、及びCallitriche palustrisが含まれる。
【0174】
防除されるキク科の雑草には、Xanthium pensylvanicum、Xanthium occidentale、Xanthium italicum、Helianthus annuus、Matricaria chamomilla、Matricaria perforata、Chrysanthemum segetum、Matricaria matricarioides、Artemisia princeps、Artemisia vulgaris、Artemisia verlotorum、Solidago altissima、Taraxacum officinale、Galinsoga ciliata、Galinsoga parviflora、Senecio vulgaris、Senecio brasiliensis、Senecio grisebachii、Conyza bonariensis、Conyza smatrensis、Conyza canadensis、Ambrosia artemisiaefolia、Ambrosia trifida、Bidens tripartita、Bidens pilosa、Bidens frondosa、Bidens subalternans、Cirsium arvense、Cirsium vulgare、Silybum marianum、Carduus nutans、Lactuca serriola、Sonchus oleraceus、Sonchus asper、Wedelia glauca、Melampodium perfoliatum、Emilia sonchifolia、Tagetes minuta、Blainvillea latifolia、Tridax procumbens、Porophyllum ruderale、Acanthospermum australe、Acanthospermum hispidum、Cardiospermum halicacabum、Ageratum conyzoides、Eupatorium perfoliatum、Eclipta alba、Erechtites hieracifolia、Gamochaeta spicata、Gnaphalium spicatum、Jaegeria hirta、Parthenium hysterophorus、Siegesbeckia orientalis、Soliva sessilis、Eclipta prostrata、Eclipta alba及びCentipeda minimaが含まれる。
【0175】
防除されるオモダカ科の雑草には、Sagittaria pygmaea、Sagittaria trifolia、Sagittaria sagittifolia、Sagittaria montevidensis、Sagittaria aginashi、Alisma canaliculatum、及びAlisma plantago-aquaticaが含まれる。
【0176】
防除されるキバナオモダカ科の雑草には、Limnocharis flavaが含まれる。
【0177】
防除されるトチカガミ科の雑草には、Limnobium spongia、Hydrilla verticillata、及びNajas guadalupensisが含まれる。
【0178】
防除されるサトイモ科の雑草には、Pistia stratiotesが含まれる。
【0179】
防除されるウキクサ科の雑草には、Lemna aoukikusa、Spirodela polyrhiza、及びWolffia spp.が含まれる。
【0180】
防除されるヒルムシロ科には、Potamogeton distinctus、Potamogeton crispus、Potamogeton illinoensis、及びStuckenia pectinataが含まれる。
【0181】
防除されるユリ科の雑草には、Allium canadense、Allium vineale、及びAllium macrostemonが含まれる。
【0182】
防除されるミズアオイ科の雑草には、Eichhornia crassipes、Heteranthera limosa、Monochoria korsakowii、及びMonochoria vaginalis属が含まれる。
【0183】
防除されるツユクサ科の雑草には、Commelina communis、Commelina bengharensis、Commelina erecta、及びMurdannia keisakが含まれる。
【0184】
防除されるイネ科の雑草には、Echinochloa crus-galli、Echinochloa oryzicola、Echinochloa crus-galli var formosensis、Echinochloa oryzoides、Echinochloa colona、Echinochloa crus-pavonis、Setaria viridis、Setaria faberi、Setaria glauca、Setaria geniculata、Digitaria ciliaris、Digitaria sanguinalis、Digitaria horizontalis、Digitaria insularis、Eleusine indica、Poa annua、Poa trivialis、Poa pratensis、Alospecurus aequalis、Alopecurus myosuroides、Avena fatua、Sorghum halepense、Sorghum vulgare、Agropyron repens、Lolium multiflorum、Lolium perenne、Lolium rigidum、Bromus catharticus、Bromus sterilis、Bromus japonicus、Bromus secalinus、Bromus tectorum、Hordeum jubatum、Aegilops cylindrica、Phalaris arundinacea、Phalaris minor、Apera spica-venti、Panicum dichotomiflorum、Panicum texanum、Panicum maximum、Brachiaria platyphylla、Brachiaria ruziziensis、Brachiaria plantaginea、Brachiaria decumbens、Brachiaria brizantha、Brachiaria humidicola、Cenchrus echinatus、Cenchrus pauciflorus、Eriochloa villosa、Pennisetum setosum、Chloris gayana、Chlorisvirgata、Eragrostis pilosa、Rhynchelitrum repens、Dactyloctenium aegyptium、Ischaemum rugosum、Isachne globosa、Oryza sativa、Paspalum notatum、Paspalum maritimum、Paspalum distichum、Pennisetum clandestinum、Pennisetum setosum、Rottboellia cochinchinensis、Leptochloa chinensis、Leptochloa fascicularis、Leptochloa filiformis、Leptochloa panicoides、Leersia japonica、Leersia sayanuka、Leersia oryzoides、Glyceria leptorrhiza、Glyceria acutiflora、Glyceria maxima、Agrostis gigantea、Agrostis stolonifera、Cynodon dactylon、Dactylis glomerata、Eremochloa ophiuroides、Festuca arundinacea、Festuca rubra、Imperata cylindrica、Miscanthus sinensis、Panicum virgatum及びZoysia japonicaが含まれる。
【0185】
防除されるカヤツリグサ科の雑草には、Cyperus microiria、Cyperus iria、Cyperus compressus、Cyperus difformis、Cyperus flaccidus、Cyperus globosus、Cyperus nipponics、Cyperus odoratus、Cyperus serotinus、Cyperus rotundus、Cyperus esculentus、Kyllinga gracillima、Kyllinga brevifolia、Fimbristylis miliacea、Fimbristylis dichotoma、Eleocharis acicularis、Eleocharis kuroguwai、Schoenoplectiella hotarui、Schoenoplectiella juncoides、Schoenoplectiella wallichii、Schoenoplectiella mucronatus、Schoenoplectiella triangulatus、Schoenoplectiella nipponicus、Schoenoplectiella triqueter、Bolboschoenus koshevnikovii、及びBolboschoenus fluviatilisが含まれる。
【0186】
防除されるトクサ科の雑草には、Equisetum arvense及びEquisetum palustreが含まれる。
【0187】
防除されるサンショウモ科の雑草には、Salvinia natansが含まれる。
【0188】
防除されるアカウキクサ科の雑草は、Azolla japonica及びAzolla imbricataが含まれる。
【0189】
防除されるデンジソウ科の雑草には、Marsilea quadrifoliaが含まれる。
【0190】
他の防除される雑草には、Pithophora、Cladophora、Bryophyta、Marchantiophyta、Anthocerotophyta、Cyanobacteria、Pteridophyta、多年生作物の吸枝(仁果類、堅果類、柑橘類、ホップ、ブドウなど)が含まれる。
【0191】
防除される上述の雑草において、種内の変異は、特に限定されない。すなわち、雑草には、特定の除草剤に対する感受性が低下した雑草が含まれる。感受性の低下は、標的部位での変異(標的部位変異)に起因し得るか、または標的部位での変異(非標的部位変異)以外の任意の因子に起因し得る。非標的部位変異に起因する感受性の低下の因子の例としては、代謝の増加、吸収障害、移行機能不全、及び系外への排出が挙げられる。代謝の増加の要因の例としては、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ、アリールアシルアミダーゼ、エステラーゼ、またはグルタチオンS-トランスフェラーゼなどの代謝酵素の活性の増加が挙げられる。系外への排出の例としては、ABCトランスポーターによる液胞への輸送が挙げられる。標的部位の変異による感受性の低下を有する雑草の例としては、ALS遺伝子における以下のアミノ酸置換のうちのいずれか1つまたは2つ以上:Ala122Thr、Ala122Val、Ala122Tyr、Pro197Ser、Pro197His、Pro197Thr、Pro197Arg、Pro197Leu、Pro197Gln、Pro197Ala、Pro197Ile、Ala205Val、Ala205Phe、Asp376Glu、Arg377His、Trp574Leu、Trp574Gly、Trp574Met、Ser653Thr、Ser653Thr、Ser653Asn、Ser635Ile、Gly654Glu、及びGly645Aspを有する雑草が挙げられる。同様に、標的部位の変異による感受性の低下を有する雑草の例としては、ACCase遺伝子における以下のアミノ酸置換のうちのいずれか1つまたは2つ以上:Ile1781Leu、Ile1781Val、Ile1781Thr、Trp1999Cys、Trp1999Leu、Ala2004Val、Trp2027Cys、Ile2041Asn、Ile2041Val、Asp2078Gly、Cys2088Arg、Gly2096Ala、及びGly2096Serを有する雑草が挙げられる。
【0192】
同様に、標的部位の変異による感受性の低下を有する雑草の例として、PPOにおけるArg128Leu変異、Arg128Met変異、Arg128Gly変異、Arg128His変異、Gly210欠失変異、及びGly399Ala変異から選択される1つ以上の変異を有するPPO阻害剤抵抗性雑草が挙げられる。「PPO」という単語は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを意味する。雑草は、通常、PPO中にPPO1及びPPO2を有し、上述の変異は、PPO1またはPPO2のいずれかまたは両方に存在し得る。雑草がPPO2に変異を有する場合が好ましい。例えば、「Arg128Met」という単語は、変異が128番目(数はAmaranthus palmeriのPPO2で標準化されている)アミノ酸に存在することを意味する。Ambrosia artemisiaefoliaのPPO2において、変異は、98番目のアミノ酸における変異に対応する(Rousonelos,et al.,Weed Science(2012)Vol.60,pgs.335-344)であり、Arg98Leuとして知られている。この場合、Arg98は、本発明によるArg128と同等である。本発明で防除される雑草のPPOにおけるArg128Met変異及びArg128Gly変異は、Amaranthus palmeri(Giacomini,et al.,Pest Management Science(2017)Vol.73,pgs.1559-1563)において知られており、Arg128His変異は、Lolium rigidum(Fernandez-Moreno,et al.,Weed Science Society of America(WSSA)annual meeting,2018)において知られており、Gly399Ala変異は、Amaranthus palmeri(Rangani,et al.,WSSA annual meeting,2018)において知られている。本発明において、上述の抵抗性雑草が、特に効果的に防除されるが、特に効果的に防除される雑草は、これに限定されない。すなわち、アミノ酸変異を有する他の雑草も同様に防除される。Arg128Leu変異、Arg128Met変異、Arg128Gly変異、Arg128His変異、Gly210欠失変異、またはGly399Ala変異を有するAmaranthus palmeriだけでなく、例えば、上述の変異を有するウォーターヘンプ、上述の変異を有するAmbrosia artemisiaefolia、上述の変異を有するLolium rigidum、上述の変異を有するLolium multiflorum、及び上述の変異を有するEuphorbia heterophyllaが効果的に防除される。
【0193】
同様に、標的部位の変異による感受性の低下を有する雑草の例としては、EPSP遺伝子中のThr102Ile、Pro106Ser、Pro106Ala、またはPro106Leuなどのアミノ酸置換を有する雑草が挙げられる。特に、グリホサートに抵抗性があり、変異の一方または両方を有するEleusine indica、Lolium multiflorum、Lolium rigidum、Digitaria insularis、ウォーターヘンプ、Echinochloa colonaなどが効果的に防除される。同様に、標的部位による感受性の低下を有する雑草の例としては、EPSP遺伝子のコピーが増加した雑草、及びグリホサートに抵抗性があり、変異を有するAmaranthus palmeri、ウォーターヘンプ、Kochia scopariaなどが特に効果的に防除されている。ABC輸送体が関与するグリホサートに抵抗性があるConyza canadensis、Conyza smatrensis、及びConyza bonariensisもまた効果的に防除される。
【0194】
本発明による作物の栽培では、作物の一般的な栽培における植物栄養管理を実施することができる。受粉システムは、精密農業に基づいていてもよいし、従来の均一なものであってもよい。加えて、窒素固定細菌または共生菌を、種子処理と組み合わせて接種することができる。
【0195】
組み合わせ
特定の態様では、雑草に対する防除効果は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と特定の化合物とを組み合わせて使用することによって示される。
【0196】
したがって、本発明は、(i)式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、を含む除草剤組成物であって、式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、の重量比が1:0.1~1:50であり、除草剤化合物群Bが以下のB-1~B-12からなる群である、除草剤組成物を特徴とする。
B-1 アセトラクテートシンターゼ阻害剤、
B-2 アセチル-CoAカルボキシラーゼ阻害剤、
B-3 プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ阻害剤、
B-4 4-ヒドロフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ阻害剤、
B-5 フィトエンデサチュラーゼ阻害剤、
B-6 光系II阻害剤、
B-7 超長鎖脂肪酸合成阻害剤、
B-8 微小管形成阻害剤、
B-9 オーキシン除草剤、
B-10 エノルピルビルシキメート3-リン酸シンターゼ阻害剤、
B-11 グルタミンシンターゼ阻害剤、及び
B-12 他の除草剤(B-1~B-12の各々についての農業上許容される塩または誘導体を含む)。
【0197】
本発明はまた、(ii)(i)に記載の除草剤組成物を特徴とし、
B-1は、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム塩、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ビスピリバック、ビスピリバック-ナトリウム塩、ピリベンゾキシム、ピリミスルファン、ピリフタリド、トリアファモン、アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、ベンスルフロン-メチル、クロリムロン、クロリムロン-エチル、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、フォラムスルフロンハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、イマゾスルフロン、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メタゾスルフロン、ニコスルフロン、オルトスルファムロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチルプロピリスルフロン、ピラゾスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン-ナトリウム塩、クロルスルフロン、シノスルフロン、エタメツスルフロン、エタメツスルフロン-メチル、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、イオフェンスルフロン、イオフェンスルフロン-ナトリウム、メツスルフロン、メツスルフロン-メチル、プロスルフロン、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン、ベンカルバゾン、フルカルバゾン、フルカルバゾンナトリウム塩、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾンナトリウム塩、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、クロランスラム、クロランスラム-メチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルメツスラム、メトスラム、ペノクススラム、ピロクススラム、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザモックス-アンモニウム塩、イマザピック、イマザピック-アンモニウム塩、イマザピル、イマザピル-イソプロピルアンモニウム塩、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマゼタピル、及びイマゼタピル-アンモニウム塩(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-2は、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P、フルアジホップ-P-ブチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-P-メチル、メタミホップ、プロパキサキサホップ、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、アロキシジム、クレトジム、セトキシジム、テプリラロキシジム、トラルコキシジム、及びピノキサデン(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-3は、アザフェニジン、オキサジアゾン、オキサジアルギル、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、サフルフェナシル、シニドン、シニドン-エチル、スルフェントラゾン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン-エチル、ブタフェナシル、フルアゾレート、フルチアセト、フルチアセト-メチル、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルミクロラック、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、ペントキサゾン、オキシフルオフェン、アシフルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム塩、アクロニフェン、クロルメトキシニル、クロルニトロフェン、ニトロフェン、ビフェノックス、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フォメサフェン、フォメサフェン-ナトリウム塩、ラクトフェン、チアフェナシル、及びエチル[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]アセテート(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-4は、ベンゾビシクロン、ビシクロピロン、メソトリオン、スルコトリオン、テフリルトリオン、テンボトリオン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ベンゾフェナップ、ピラスルホトール、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、フェンキノトリオン、トプラメゾン、トルピラレート、ランコトリオン、ランコトリオンナトリウム塩、2-メチル-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-(メチルスルホニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(CAS登録番号:1400904-50-8)、2-クロロ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-3-(メチルチオ)-4-(トリフルオロメチオロメチル)-ベンザミド(CAS登録番号:1361139-71-0)、及び4-(4-フルオロフェニル)-6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-2-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5(2H,4H)-ジオン(CAS登録番号:1353870-34-4)(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-5は、ジフルフェニカン、ピコリナフェン、ベフルブタミド、ノルフラゾン、フルリドン、フルロクロリドン、及びフルタモン(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-6は、イオキシニル、イオキシニル-オクタノエート、ベンタゾン、ピリデート、ブロモキシニル、ブロモキシニル-オクタノエート、クロロトルロン、ジメフロン、ジウロン、リヌロン、フルオメツロン、イソプロチュロン、イソウロン、テブチウロン、ベンズチアズロン、メタベンズチアズロン、プロパニル、メトブロムロン、メトクスロン、モノリヌロン、シデュロンシマジン、アトラジン、プロパジン、シアナジン、アメトリン、シメトリン、ジメタメトリン、プロメトリン、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、トリエタジン、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジン、アミカルバゾン、ブロマシル、レナシル、テルバシル、クロリダゾン、デスメディファム、フェンメディファム(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-7は、プロパクロール、メタザクロール、アラクロール、アセトクロール、メトラクロール、S-メトラクロール、ブタクロール、プレチラクロール、チエニルクロール、インダノファン、カフェンストロール、フェントラザミド、ジメテナミド、ジメテナミド-P、メフェナセト、ピロキサスルホン、フェノキサスルホン、ナプロアニリド、ナプロパミド、アニロフォス、フルフェナセット、及びイフェンカルバゾン(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-8は、トリフルラリン、ペンジメタリン、エタルフルラリン、ベンフルラリン、オリザリン、プロジアミン、ブタミフォス、ジチオピル、及びチアゾピル(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-9は、2,4-DB[4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸]及びその塩またはエステル(ジメチルアンモニウム塩、イソオクチルエステル、及びコリン塩)、MCPA及びその塩またはエステル(ジメチルアンモニウム塩、2-エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ナトリウム塩、及びコリン塩)、MCPB、メコプロップ及びその塩またはエステル(ジメチルアンモニウム塩、ジオラミン塩、エタジルエステル、2-エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、メチルエステル、カリウム塩、ナトリウム塩、トロラミン塩、コリン塩)、メコプロップ-P及びその塩またはエステル(ジメチルアンモニウム塩、2-エチルヘキシルエステル、イソブチル塩、カリウム塩、コリン塩)、ジクロルプロップ及びその塩またはエステル(ブトチル塩、ジメチルアンモニウム塩、2-エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、メチルエステル、カリウム塩、ナトリウム塩、及びコリン塩)、ジクロルプロップ-P、ジクロルプロップ-Pジメチルアンモニウム、トリクロピル及びその塩またはエステル(ブトチルエステル、トリエチルアンモニウム塩)、フルロキシピル、フルロキシピルメプチル、ピクロラム及びその塩(カリウム塩、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウム塩、コリン塩)、キンクロラック、クインメラック、アミノピラリド及びその塩(カリウム塩、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウム塩、コリン塩)、クロピラリド及びその塩(オラミン塩、カリウム塩、トリエチルアンモニウム塩、コリン塩)、クロメプロップ、アミノシクロピラクロル、ハラウキシフェン、ハラウキシフェン-メチル、フロルピラウキシフェン、フロルピラウキシフェン-ベンジル(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-10は、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム塩、グリホサート-トリメシウム塩、グリホサート-アンモニウム塩、グリホサート-ジアンモニウム塩、グリホサート-ジメチルアンモニウム塩、グリホサート-モノエタノールアミン塩、グリホサート-ナトリウム塩、グリホサート-カリウム塩、グリホサート-グアニジン塩(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-11は、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム塩、グルホシネート-P、グルホシネート-P-ナトリウム塩、バイラホス(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群であり;
B-12は、イソキサベン、ジクロベニル、メチオゾリン、ジアレート、ブチレート、トリアレート、クロルプロファム、アシュラム、フェニソファム、ベンチオカルブ、モリネート、エスプロカルブ、ピリブチカーブ、プロスルホカルブ、オルベンカルブ、EPTC、ジメピペレート、スワップ、ジフェノクスロン、メチルジムロン、ブロモブチド、ダイムロン、クミルロン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム塩、エトベンザニド、トリジファン、アミロール、クロマゾン、2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-4,4-ジメチルイソオキサゾリジン-3-オン(CAS登録番号:81777-95-9)、(3S,4S)-N-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミド(CAS登録番号:2053901-33-8)、マレイン酸ヒドラジド、オキサジクロメホン、シンメチリン、ベンフレサート、ACN、ダラポン、クロルチアミド、フルポキサム、ベンスリド、パラコート、パラコート二塩化物、ジクワット、ジクワット二臭化物、MSMA、インダジフラム、及びトリアジフラム(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である。
【0198】
本発明はまた、(iii)安全化剤群Cが、ベノキサコール、クロキントセット、チョメトリニル、シプロスルファミド、ジクロミド、ジシクロノン、ジエトール酸、フェンクロラゾール、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン、メフェンピル、メフェネート、無水ナフタル酸、オキサベトリニル、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン、2,2,5-トリメチル-3-(ジクロロアセチル)-1,3-オキサゾリジン、及びN-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドからなる群である、(i)または(ii)に記載の除草剤組成物を特徴とする。
【0199】
一実施形態では、本発明は、(iv)B-1が、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム塩、クロリムロン-エチル、フォラムスルフロン、ハロスルフロン-メチル、ニコスルフロン、プリミスルフロン-メチル、リムスルフロン、トリフロキシスルフロン-ナトリウム塩、クロルスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、イオフェンスルフロンナトリウム、メトスルフロン-メチル、プロスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、トリベヌロン-メチル、チエンカルバゾン-メチル、クロランスラム-メチル、フルメツラム、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス-アンモニウム塩、イマザピック-アンモニウム塩、イマザピル-イソプロピルアンモニウム、イマザキン-アンモニウム塩、及びイマゼタピル-アンモニウム塩(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、(i)に記載の除草剤組成物を含む。
【0200】
別の実施形態では、本発明は、(v)B-2が、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P-エチル、クレトジム、及びセトキシジム(それぞれ農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、(i)に記載の除草剤組成物を含む。
【0201】
別の実施形態では、本発明は、[6]B-3は、カルフェントラゾン-エチル、サフルフェナシル、スルフェントラゾン、ピラフルフェン-エチル、フルチアセト-メチル、フルフェンピル-エチル、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、オキシフルオルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム塩、フォメサフェン-ナトリウム塩、ラクトフェン、チアフェナシル、及びエチル[(3-{2-クロロ-4-フルオロ-5-[3-メチル-4-(トリフルオロメチル)-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-1-イル]フェノキシ}ピリジン-2-イル)オキシ]アセテート(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0202】
別の実施形態では、本発明は、[7]B-4が、ビシクロピロン、メソトリオン、テンボトリオン、イソキサフルトール、フェンキノトリオン、トプラメゾン、トルピラール酸、ランコトリオン-ナトリウム塩、2-メチル-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-(メチルスルホニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(CAS登録番号1400904-50-8)、2-クロロ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-3-(メチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド(CAS登録番号1361139-71-0)、及び4-(4-フルオロフェニル)-6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-2-メチル-1,2、4-トリアジン-3,5-(2H,4H)-ジオン(CAS登録番号1353870-34-4)(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0203】
別の実施形態では、本発明は、-[8]B-5がノフラザン及びフルリドン(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0204】
別の実施形態では、本発明は、[9]B-6が、ベンタゾン、オクタン酸ブロモキシニル、ジウロン、リニュロン、フルオメツロン、シマジン、アトラジン、アメトリン、プロメトリン、及びメトリブジン(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0205】
別の実施形態では、本発明は、[10]B-7が、アラクロール、アセトクロール、メトラクロール、S-メトラクロール、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ピロキサスルホン、フルフェナセット(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0206】
別の実施形態では、本発明は、[11]B-8が、トリフルラリン、ペンジメタリン、及びエタルフルラリン(それぞれに農業的に許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0207】
別の実施形態では、本発明は、[12]B-9が、2,4-DB、フルロキシピル、フルロキシピル-メプチル、クロピラリド-アミン塩、クロピラリド-カリウム塩、クロピラリド-トリエチルアンモニウム塩、ハラウキシフェン、ハラウキシフェン-メチル、フロピラリキセフェン、及びフロピラリキセフェン-ベンジル(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0208】
別の実施形態では、本発明は、[13]B-10が、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム塩、グリホサート-アンモニウム塩、グリホサート-ジメチルアミン塩、グリホサート-モノエタノールアミン塩、グリホサート-カリウム塩、及びグリホサート-グアニジン塩(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)の2つ以上の組み合わせからなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0209】
別の実施形態では、本発明は、[14]B-11が、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム塩、グルホシネート-P、及びグルホシネート-P-ナトリウム塩(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0210】
別の実施形態では、本発明は、[15]B-12が、EPTC、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピルナトリウム塩、クロマゾン、2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-4,4-ジメチルイソキサゾリジン-3-オン(CAS登録番号:81777-95-9)、(3S,4S)-N-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミド(CAS登録番号:2053901-33-8)、シンメチリン、MSMA、パラコート、パラコートジクロリド、ジクワット、及びジクワットジブロミド(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0211】
別の実施形態では、本発明は、[16]安全化剤群Cが、ベノキサコール、シプロスルファミド、及びイソキサジフェン-エチル(それぞれの農業上許容される塩及びその誘導体を含む)からなる群である、[1]に記載の除草剤組成物を含む。
【0212】
本発明はまた、[18]雑草を防除するための方法であって、式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを、雑草が成長している、または成長する場所に同時にまたは連続的に適用するステップを含む、方法を特徴とする。
【0213】
一実施形態では、本発明は、[19]式Iの化合物及び除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を、1:0.1~1:50の重量比で使用する、[18]に記載の方法を含む。
【0214】
別の実施形態では、本発明は、[20]雑草が成長しているまたは成長する場所が作物畑である、請求項[18]または[19]に記載の方法を含む。
【0215】
本発明はまた、[21]雑草を防除するための、[1]~[16]のいずれか1つに記載の除草剤組成物の使用を特徴とする。
【0216】
本発明による除草剤組成物はまた、式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含む。
【0217】
本発明に係る雑草の防除方法(以下、「本方法」という)は、作物畑、野菜畑、多年生作物下の土地、非作物地などにおいて、雑草が成長しているまたは成長しやすい場所に本組成物を適用するステップを含む。作物畑及び野菜畑において、本組成物は、作物種子を播種する前、それと同時、及び/または後に適用され得る。
【0218】
本方法は、式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを、雑草が生育している、または生育する可能性が高い場所に同時にまたは連続して適用するステップを含む。順次適用の場合、適用の順序は特に限定されない。
【0219】
本発明の組成物は、通常、式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを、固体担体または液体担体などの担体と混合し、必要に応じて界面活性剤などの製剤用補助剤を添加することによって調製される製剤である。そのような製剤の好ましい製剤タイプは、水性液体懸濁液濃縮物、湿潤性粉末、水分散性顆粒、顆粒、及び乳化性濃縮物である。本組成物は、活性成分として別の除草剤を含有する製剤と組み合わせて使用され得る。
【0220】
本組成物中の式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、の総含有量は、0.01~90重量%、好ましくは1~80重量%の範囲である。
【0221】
以下、除草剤化合物群Bからなる群から選択される少なくとも1つの化合物が塩(例えば、グリホサート-カリウム塩)である場合、少なくとも1つの化合物の重量は、酸当量によって表される。
【0222】
本発明の組成物における式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、の混合比は、重量比で1:0.05~1:100、好ましくは1:0.1~1:50の範囲内である。
【0223】
本方法における式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、の適用率の比は、1:0.05~1:100、好ましくは1:0.1~1:50の重量比の範囲内である。
【0224】
いくつかの変形例では、本発明の組成物中の式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、の混合比は、約1:0.1、約1:0.2、約1:0.3、約1:0.5、約1:0.7、約1:1、約1:2、約1:3、約1:5、約1:7、約1:10、約1:15、約1:20、約1:30、及び約1:50の重量比を含む。
【0225】
いくつかの変形例では、本方法における、式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、の適用率の比率は、約1:0.1、約1:0.2、約1:0.3、約1:0.5、約1:0.6、約1:0.7、約1:0.8、約1:1、約1:1.2、約1:1.4、約1:1.6、約1:1.8、約1:2、約1:2.2、約1:2.4、約1:2.6、約1:2.8、約1:3、約1:5、約1:7、約1:10、約1:15、約1:20、約1:30、及び約1:50の重量比を含む。
【0226】
前の段落の「約」という単語は、指定された比率が、指定された比率に対して10重量%増加または減少する範囲内の比率を含むことを意味する。例えば、約1:2の比率は、1:1.8~1:2.2の範囲を含む。
【0227】
本組成物及び本方法において、式Iの化合物と、除草剤化合物群B及び安全化剤群Cからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびにそれらの重量比の範囲との組み合わせの特に好ましい例としては、以下の組み合わせ及び範囲が挙げられるが、これらに限定されない:
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ピリチオバック(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ピリチオバック-ナトリウム塩(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、クロリムロン-エチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フォラムスルフロン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ハロスルフロン-メチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ニコスルフロン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、プリミスルフロン-メチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、リムスルフロン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、トリフロキシスルフロン-ナトリウム塩(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、クロルスルフロン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イオフェンスルフロン-ナトリウム(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、メツルフロン-メチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、プロスルフロン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、チフェンスルフロン-メチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、トリベヌロンメチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、チエンカルバゾン-メチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、クロランスラム-メチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルメツラム(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イマザメタベンズ-メチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イマザモックス-アンモニウム塩(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イマザピン-アンモニウム塩(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イマザピル-イソプロピルアンモニウム塩(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イマザキン-アンモニウム塩(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イマゼタピル-アンモニウム塩(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フェノキサプロップ-エチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フェノキサプロップ-P-エチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルアジホップブチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルアジホップ-P-ブチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、キサロホップ-エチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、キサロホップ-P-エチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、クレトジム(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、セトキシジム(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、カルフェントラゾン-エチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、サフルフェナシル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、スルフェントラゾン(1:0.1~1:30)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ピラフルフェン-エチル(1:0.1~1:30)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルチアセットメチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルフェンピル-エチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルミクロラックペンチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルミオキサジン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、オキシフルオルフェン(1:0.1~1:30)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、アシフルオルフェン-ナトリウム塩(1:0.1~1:30)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ホメサフェン-ナトリウム塩(1:0.1~1:30)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ラクトフェン(1:0.1~1:30)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、チアフェナシル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、エチル[(3-{2-クロロ-4-フルオロ-5-[3-メチル-4-(トリフルオロメチル)-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-1-イル]フェノキシ}ピリジン-2-イル)オキシ]アセテート(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ビシクロピロン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、メソトリオン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、テンボトリオン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イソキサフルトール(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フェンキノトリオン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、トプラメゾン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、トルピラレート(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ランコトリオン-ナトリウム塩(1:0.1~1:20)との組み合わせ、式Iの化合物と、2-メチル-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-(メチルスルホニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(CAS登録番号:1400904-50-8)(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、2-クロロ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-3-(メチルチオ)-4-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド(CAS登録番号:1361139-71-0)(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、4-(4-フルオロフェニル)-6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-2-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5(2H,4H)-ジオン(CAS登録番号:1353870-34-4)(1:0.1~1:20)の化合物との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ノルフルラゾン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルリドン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ベンタゾン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ブロモキシニルオクタン酸塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ジウロン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、リヌロン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物とフルオメツロン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、シマジン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、アトラジン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、アメトリン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、プロメトリン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、メトリブジン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、アラクロール(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、アセトクロール(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、メトラクロール(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、S-メトラクロール(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ジメテナミド(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ジメテナミド-P(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ピロキサスルホン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルフェナセット(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、トリフルラリン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ペンジメタリン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、エタルフルラリン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、2,4-DB(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルロキシピル(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フルロキシピルメプチル(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、クロピラリド-オラミン塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、クロピラリド-カリウム塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、クロピラリド-トリエチルアンモニウム塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ハロキシフェン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ハロキシフェンメチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フロルピラウキシフェン(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、フロルピラウキシフェン-ベンジル(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グリホサート(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グリホサート-イソプロピルアンモニウム塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グリホサート-アンモニウム塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グリホサート-ジメチルアミン塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グリホサート-モノエタノールアミン塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グリホサート-カリウム塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グリホサート-グアニジン塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グルホシネート(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グルホシネート-アンモニウム塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グルホシネート-P(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、グルホシネート-P-ナトリウム塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、EPTC(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ジフルフェンゾピル(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ジフルフェンゾピル-ナトリウム塩(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、クロマゾン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-4,4-ジメチルイソオキサゾリジン-3-オン(CAS登録番号:81777-95-9)(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)と、(3S、4S)-N-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミド(CAS登録番号:2053901-33-8)(1:1~1:50)の化合物との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、シンメチリン(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、MSMA(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、パラコート(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、パラコート-ジクロリド(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ジクアット(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ジクアット-ジブロミド(1:1~1:50)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、ベノキサコール(1:0.1~1:20)との組み合わせ、
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、シプロスルファミド(1:0.1~1:20)との組み合わせ、または
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、または(VII)の化合物と、イソキサジフェン-エチル(1:0.1~1:20)との組み合わせ。
【0228】
本発明の組成物は、殺虫剤化合物、殺線虫剤化合物、殺真菌剤化合物などからなる群から選択される1種以上の化合物で処理された作物種子を播種する前、播種と同時、及び/または播種した後、作物種子が播種された、または播種されるべき畑に適用され得る。
【0229】
いくつかの実施形態では、本組成物は、別の殺虫活性化合物と組み合わせて使用され得る。本組成物と組み合わせて使用することができる殺虫剤化合物、殺線虫剤化合物、及び殺真菌剤化合物の例としては、ネオニコチノイド化合物、ジアミド化合物、カルバメート化合物、有機リン化合物、生物学的殺線虫剤化合物、他の殺虫剤化合物及び殺線虫剤化合物、アゾール化合物、ストロビルリン化合物、メタキシル化合物、SDHI化合物、ならびに他の殺菌剤化合物及び植物成長調節剤が挙げられる。
【実施例】
【0230】
本開示の主題は、限定するものではなく、本発明の例として提供される以下の実施例を参照することによってより良く理解されるであろう。
【0231】
化合物の合成及び特性評価。
以下の実施例のステップは、全体的な合成変換における各ステップの手順を示し、各ステップの出発物質は、他の実施例またはステップに記載されている手順によって必ずしも調製されなくてもよい。1H-NMRスペクトルは、テトラメチルシランからのppm低磁場で報告され、「s」は一重線を意味し、「d」は二重線を意味し、「t」は三重線を意味し、「q」は四重線を意味し、「m」は多重線を意味し、「dd」は二重線の二重線を意味し、「dt」は三重線の二重線を意味し、「br s」は広範な一重線を意味する。質量スペクトル(MS)は、同位体存在量が最高である、分子にH+(1の分子量)を添加することによって形成される親イオン(M+1)、または分子からのH+(1の分子量)の損失によって形成される(M-1)の分子量として報告され、「amu」が、単一原子質量単位を表す大気圧化学イオン化(AP+)、またはエレクトロスプレーイオン化(ES+)を使用して、質量分析計に結合された液体クロマトグラフィー(LCMS)を使用して観察される。
【0232】
実施例1.4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホン酸(化合物1003)の調製
【化23】
スキーム3のステップ1に示すように、トルエン(50mL)及びH
2O(10mL)中の(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ボロン酸(化合物1001、5.0g、28.7mmol)の脱気溶液に、ヨードペンタフルオロベンゼン(8.4g、28.7mmol)、K
3PO
4(12.1g、57.4mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl
2、0.4g、0.7mmol)を添加した。得られた混合物を、90℃で16時間、窒素雰囲気下で撹拌し、室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~20%酢酸エチル)によって精製し、4’-クロロ-2,2’,3,4,5,6-ヘキサフルオロ-1,1’-ビフェニル(化合物1002,5.0g,58%収率)を無色の油状物として得た。GCMS計算値C
12H
3ClF
6=295.9、実測値296.0。
【0233】
スキーム3のステップ2に示されるように、HSO3Cl(15mL)中の4’-クロロ-2,2’、3,4,5,6-ヘキサフルオロ-1,1’-ビフェニル(5.0g、16.9mmol)の混合物を、窒素雰囲気下、130℃で2時間撹拌した。混合物を冷却し、減圧下で濃縮し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水中5%~35%アセトニトリル)によって精製し、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホン酸(化合物1003、1.6g、25%収率)を黄色固体として得た。MS (ESI) 計算値 C12H3ClF6O3S [M-1]-= 375.0, 実測値 375.1.
【0234】
実施例2.メチル(S)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノエート(化合物1)、メチル(R)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノエート(化合物2)、(S)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパン酸(化合物3)、及び(R)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)プロパン酸(化合物4)の調製
【化24】
スキーム4のステップ1に示されるように、オキシ塩化リン(2mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホン酸(化合物1003、500mg、1.32mmol)の混合物を、窒素雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。混合物を冷却し、揮発物を減圧下で除去した。残渣を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(化合物1004、490mg、粗製物)を黄色の半固体として得た。この材料をそのまま後続の反応に使用した。
【0235】
スキーム4のステップ2に示すように、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリドを、AcOH(10mL)及び濃縮HCl(2mL)中に溶解させ、窒素雰囲気下で20℃で少しずつSnCl2(2.5g、13.3mmol)を添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-チオール(化合物1005、2.0g、粗製物)を黄色油状物として得た。MS (ESI) 計算値 C12H3ClF6S [M-1]- = 327.1, 実測値, 327.1.この材料をそのまま後続の反応に使用した。
【0236】
スキーム4のステップ3に示されるように、DMF(15mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-チオール(1.5g、4.56mmol)の撹拌混合物に、メチル2-ブロモプロパノエート(1.5g、9.18mmol)を添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~30%の酢酸エチル)によって精製し、2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノエートメチル(化合物1006、670mg、35%収率)を黄色の油状物として得た。GCMS計算値C16H9ClF6O2S=414.0、実測値414.0。
【0237】
スキーム4のステップ4に示すように、ラセミメチル2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノエート(670.0mg)を、以下の条件-カラム:CHIRALPAK AD-3、4.6×100mm;3um;移動相95:5ヘキサン/(1:1MeOH:EtOH)を使用した分取キラルHPLCにより鏡像異性体へ分離し、メチル(S)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノエート(化合物1,350mg,40%収率)を黄色の油状物として得た:GCMS計算値C16H9ClF6O2S、414.0、実測値、414.0。メチル(R)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノエート(化合物2,140mg,20%収率)を、第2の溶出化合物として黄色の油として回収した:GCMS計算値C16H9ClF6O2S=414.0、実測値414.0。
【0238】
スキーム4のステップ5に示されるように、DCE(3mL)中のメチル(S)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノエート(300mg、0.08mmol)の撹拌混合物に、トリメチルスタンナノール(262mg、1.46mmol)を添加した。得られた溶液を、65℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、水で希釈し、ギ酸でpH4~5に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水中5%~70%アセトニトリル)によって精製し、(S)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパン酸(化合物3、237mg、収率81%)を無色の油状物として得た。MS (ESI) 計算値 C15H7ClF6O2S [M-1]-= 398.9, 実測値 398.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.94 (s, 1H), 7.86 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.15 - 4.05 (m, 1H), 1.43 (d, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -113.46, -140.46, -153.08, -161.97.
【0239】
スキーム4のステップ6に示されるように、ステップ5に記載の同様のプロトコールにより、(R)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパン酸(化合物4、収率73%)を無色の油状物として得た。MS (ESI) 計算値 C15H7ClF6O2S [M-1]-= 398.9, 実測値 398.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.56 (s, 1H), 7.86 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.15 - 4.05 (m, 1H), 1.43 (d, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -113.46, -140.46, -153.08, -161.97.
【0240】
実施例3.メチル(S)-3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパノエート(化合物5)、メチル(R)-3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパノエート(化合物6)、(S)-3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパン酸(化合物7)、及び(R)-3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパン酸(化合物8)の調製
【化25】
スキーム5のステップ1に示すように、THF(1.8mL)及び水(0.6mL)中のメチル2-({4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル}スルファニル)プロパノエート(200mg、0.48mmol)の撹拌混合物に、LiOH(35mg、1.44mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で2時間撹拌し、水で希釈し、ギ酸でpH4~5に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパン酸(化合物1007、195mg、粗製物)を無色の油状物として得た。MS (ESI) 計算値 C
15H
7ClF
6O
2S [M-1]
-= 389.9, 実測値 390.0.
【0241】
スキーム5のステップ2に示されるように、DMF(1mL)中の2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパン酸(110mg、0.27mmol)の撹拌混合物に、T3P(無水プロピルホスホン酸、174.6mg、0.54mmol)、メチル3-アミノプロパン酸塩酸(38mg、0.54mmol)、及びトリエチルアミン(83mg、0.54mmol)を窒素雰囲気下で添加した。混合物を、窒素雰囲気下、25℃で16時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、分取-TLC(EtOAc/石油エーテル=1:1)によって精製し、メチル3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパノエート(化合物1008、65mg、48%収率)を白色固体として得た。MS (ESI) 計算値 C19H16ClF4NO3S [M+1]+= 486.0, 実測値 486.1.
【0242】
スキーム5のステップ3に示すように、ラセミメチル3-(2-((4-クロロ-2’、3’、4’、5’、6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパノエート(65mg)を、以下の条件で、分取キラルHPLCにより分離した-カラム:CHIRALPAK IG、2×25cm、5μm、移動相15%ヘキサン(0.5%2M NH3-MeOH)/EtOHにより、メチル(R)-3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパノエート(化合物5、19mg、収率38%)を白色の固体として得た:MS (ESI) 計算値 C19H16ClF4NO3S [M+1]+= 486.0, 実測値 486.1;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.22 - 8.15 (m, 1H), 7.86 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.01 - 3.92 (m, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.29 - 3.19 (m, 2H), 2.45 - 2.27 (m, 2H), 1.38 (d, J = 6.8 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -113.69, -140.56, -153.17, -161.96.また、第2の溶出ピークとして、メチル(S)-3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパノエート(化合物6、27mg、収率40%)を白色の固体として回収した:MS (ESI) 計算値 C19H16ClF4NO3S [M+1]+= 486.0, 実測値 486.1;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.22 - 8.15 (m, 1H), 7.86 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.01 - 3.92 (m, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.29 - 3.19 (m, 2H), 2.45 - 2.27 (m, 2H), 1.38 (d, J = 6.8 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -113.69, -140.56, -153.17, -161.96.
【0243】
スキーム5のステップ4及び5に示されるように、スキーム4のステップ5に記載される同様のプロトコールを使用して、(S)-3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパン酸(化合物7、収率56%):MS (ESI) 計算値 C18H12ClF6NO3S [M+1]+, 472.0;実測値, 472.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.18 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.00 - 3.95 (m, 1H), 3.22 - 3.17 (m, 2H), 2.29 - 2.21 (m, 2H), 1.38 (d, J = 6.8 Hz, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -113.77, -140.60, -153.10, -161.88;及び(R)-3-(2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパンアミド)プロパノ酸(化合物8,53%収率)を白色の固体として得た:MS (ESI) 計算値 C18H12ClF6NO3S [M+1]+= 472.0, 実測値 472.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.18 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 3.99 - 3.96 (m, 1H), 3.23 - 3.16 (m, 2H), 2.34 - 2.18 (m, 2H), 1.38 (d, J = 6.8 Hz, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -113.76, -140.61, -153.09, -161.88.
【0244】
スキーム5のステップ1~5に記載されるものと同様の変換において適切なアミノ酸エステルを使用して、以下の化合物も調製した:
白色固体として単離した、((S)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)-L-プロリン酸メチル(化合物9):MS (ESI) 計算値 C21H16ClF6NO3S [M+1]+= 512.0, 実測値 512.0;1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.78 - 7.76 (m, 1H), 7.63 - 7.60 (m, 1H), 4.38 - 4.35 (m, 1H), 4.25 - 4.24 (m, 1H), 3.71 - 3.65 (m, 4H), 3.68 - 3.64 (m, 1H), 1.99 - 1.95 (m, 4H), 1.48 - 1.47 (m, 3H);19F-NMR (376 MHz, CD3OD) δ -112.1, -142.63, -156.1, -164.7;
白色の固体として単離した、((R)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)-L-プロリン酸メチル(化合物10):MS (ESI) 計算値 (C21H16ClF6NO3S) [M+1]+= 512.0, 実測値 512.2;1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.82 - 7.80 (m, 1H), 7.59 - 7.57 (m, 1H), 4.42 - 4.39 (m, 1H), 4.28 - 4.24 (m, 1H), 3.77 - 3.72 (m, 2H), 3.55 (s, 3H), 2.28 - 2.25 (m, 1H), 2.02 - 1.95 (m, 3H), 1.46 - 1.44 (m, 3H);19F-NMR (376 MHz, CD3OD) δ -113.31, -142.45, -156.86, -165.33;
白色固体として単離した、((S)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)-L-プロリン(化合物11):MS (ESI) 計算値 C21H16ClF6NO3S [M+1]+= 498.0, 実測値 497.9;1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.90 - 7.77 (m, 1H), 7.62 - 7.56 (m, 1H), 4.37 - 4.12 (m, 2H), 3.72 - 3.59 (m, 2H), 3.35 - 1.82 (m, 4H), 1.40 - 1.37 (m, 3H);19F-NMR (376 MHz, CD3OD) δ -112.22, -142.57, -156.09, -164.68;及び
白色固体として単離した、((R)-2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)-L-プロリン(化合物12):MS (ESI) 計算値 C21H16ClF6NO3S [M+1]+= 498.0, 実測値 498.0;1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.90 - 7.77 (m, 1H), 7.63 - 7.56 (m, 1H), 4.27 - 4.20 (m, 1H), 4.06 - 4.01 (m, 1H), 3.59 - 3.55 (m, 1H), 3.35 - 3.30 (m, 1H), 2.12 - 1.70 (m, 4H), 1.48 - 1.46 (m, 3H);19F-NMR (376 MHz, CD3OD) δ -114.18, -142.72, -156.18, -164.75.
【0245】
実施例4.(S)-2-((2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)オキシ)エチルメタクリレート(化合物13)及び(R)-2-((2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)オキシ)エチルメタクリレート(化合物14)の調製。
【化26】
スキーム6のステップ1に示されるように、DCM(2mL)中の2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパン酸(180mg,0.45mmol)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下、25℃で2-ヒドロキシエチルメタクリレート(88mg,0.67mmol),1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(EDCI,129mg,0.67mmol),DMAP(55mg,0.45mmol)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、分取-TLC(1:5EtOAc/石油エーテル)によって精製し、ラセミ2-((2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)オキシ)メタクリレートエチル(化合物1009、110mg、収率52%)を無色の油状物として得た。GCMS計算値C
21H
15ClF
6O
4S=512.0、実測値512.0。
【0246】
スキーム6のステップ2に示すように、ラセミ2-((2-((4-クロロ-2’、3’、4’、5’、6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)オキシ)エチルメタクリレート(110mg)を、以下の条件を使用して、調製キラル-HPLCによって分離した-カラム:CHIRALPAK AD-H、2×25cm、5μm、移動相5%EtOH/ヘキサン、(S)-2-((2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)オキシ)エチルメタクリレート(化合物13、47mg、30%収率)を無色の油状物として得た:GCMS計算値(C21H15ClF6O4S)=512.0、実測値512.0;1H-NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.76 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.64 - 5.58 (m, 1H), 4.36 - 4.28 (m, 2H), 4.30 - 4.19 (m, 2H), 4.09 - 3.99 (m, 1H), 1.90 (s, 3H), 1.52 (d, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (376 MHz, メタノール-d4) δ -112.74, -142.42, -156.16, -164.62.また、第2の溶出ピークとして、(R)-2-((2-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)チオ)プロパノイル)オキシ)-エチルメタクリレート(化合物14、46mg、収率29%)を無色の油として回収した:GCMS計算値C21H15ClF6O4S=512.0、実測値512.0;1H-NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.76 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.64 - 5.58 (m, 1H), 4.36 - 4.28 (m, 2H), 4.30 - 4.19 (m, 2H), 4.09 - 3.99 (m, 1H), 1.90 (s, 3H), 1.52 (d, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (376 MHz, メタノール-d4) δ -112.74, -142.42, -156.16, -164.62.
【0247】
実施例5.4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物15)の調製
【化27】
スキーム7に示されるように、MeCN(2mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(100mg、0.50mmol)の撹拌混合物に、NH
4OH(0.2mL)を添加した。混合物を、窒素雰囲気下、20℃で16時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水中5%~45%アセトニトリル)によって精製し、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物15、11mg、収率10%)を白色の固体として得た:MS (ESI) 計算値 C
12H
4ClF
6NO
2S [M-1]
-= 374.0, 実測値 373.9;
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.20 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.07 - 7.99 (m, 1H), 7.87 (s, 2H);
19F-NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ -106.35, -140.80, -152.86, -161.83.
【0248】
実施例6.4-クロロ-N-(ジメチルカルバモイル)-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物16)の調製
【化28】
スキーム8に示すように、DCM(1mL)及びDMF(0.3mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(40mg、0.10mmol)の撹拌混合物に、TEA(32mg、0.30mmol),DMAP(1mg、0.01mmol)及びジメチルカルバミック(dimethylcarbamic)クロリド(17mg、0.15mmol)を添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、25℃で2時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(水中5%~50%アセトニトリル)によって精製し、4-クロロ-N-(ジメチルカルバモイル)-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物16、21mg、収率44%)を白色固体として得た:MS (ESI) 計算値 C
15H
9ClF
6N
2O
3S [M-1]
- = 446.9, 実測値 447.1;
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.38 (s, 1H), 8.22 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 2.83 (s, 6H);
19F-NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ -106.01, -140.55, -152.99, -161.91.
【0249】
4-クロロ-N-(ジメチルカルバモイル)-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミドを調製するために、記載のものと同様の変換で適切な塩化アシル、カルバミッククロリド(carbamic chloride)またはカルボノルクロリデート(carbonochloridate)を使用して、以下の化合物も調製した:
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)アセトアミド(化合物17):MS (ESI) 計算値 C14H6ClF6NO3S [M+1]+= 417.9, 実測値 417.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.72 (s, 1H), 8.32 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 2.00 (s, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.56, -140.52, -152.82, -161.91;
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物18):MS (ESI) 計算値 C15H8ClF6NO3S [M-1]-= 429.9, 実測値 429.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.67 (s, 1H), 8.33 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 2.30 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.08 - 0.75 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.40, -140.48, -152.79, -161.89;
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)イソブチラミド(化合物19):MS (ESI) 計算値 C16H10ClF6NO3S [M+1]+= 446.0, 実測値 446.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.68 (s, 1H), 8.31 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 2.55 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 0.99 (d, J = 6.8 Hz, 6H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.23, -140.65, -152.27, -161.58;
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-3-メチルブタンアミド(化合物20):MS (ESI) 計算値 C17H12ClF6NO3S [M-1]-= 458.0, 実測値 457.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.66 (s, 1H), 8.34 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 2.16 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.94 - 1.90 (m, 1H), 0.82 (d, J = 6.4 Hz, 6H);19F-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ -103.34, -140.47, -152.83, -161.91;
N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2-フェニルアセトアミド(化合物21),MS (ESI) 計算値 C20H10ClF6NO3S [M+1]+= 494.0, 実測値 494.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 8.29 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.40 - 7.03 (m, 5H), 3.64 (s, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.24, -140.46, -152.78, -161.90;
メチル((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)カルバメート(化合物22),MS (ESI) 計算値 C14H6ClF6NO4S [M+1]+= 431.9, 実測値 431.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.79 (s, 2H), 8.32 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.59 (s, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.50, -140.55, -152.83, -161.90;及び
N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ベンズアミド(化合物23),MS (ESI) 計算値 C19H8ClF6NO3S [M-1]-= 477.9, 実測値 477.8;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.96 - 7.89 (m, 2H), 7.65 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.53 - 7.49 (m, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.60, -140.43, -152.82, -161.89.
【0250】
実施例7.N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(化合物24)の合成
【化29】
THF(1mL)中の2,2,2-トリフルオロ酢酸(35.2mg、0.26mmol)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下で0℃でSOCl
2(284.99mg、2.39mmol)及びTEA(53.8mg、0.53mmol)を順次添加し、混合物を、50℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られたアシルクロリドを、DCM(1mL)中に溶解させ、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物15、100mg、0.26mmol)、TEA(53mg、0.52mmol)、及びDCM(1mL)中のDMAP(3mg、0.03mmol)の溶液に0℃で添加した。次いで、得られた混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物を、水の添加によってクエンチした。水層を、酢酸エチルで抽出した。混合有機溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、以下の条件(水(0.1%FA)中5%~50%のMeCN)で逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(化合物24、39mg、9%収率、LCMSで82.7%の純度)を淡黄色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C
14H
3ClF
9NO
3S [M-1]
-= 470.0, 実測値 469.9.
1H-NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.39 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 9.2 Hz, 1H);
19F-NMR (376 MHz, Chloroform-d) δ -75.51, -98.37, -139.14, -150.54, -160.29.
【0251】
化合物24のアンモニウム塩は、それを分取逆相HPLCカラムに適用し、以下の条件を使用してカラムを溶出することによって形成し、(移動相A:水(10mmol/L NH3H2O);移動相B:ACN;勾配:10分間で30%B~40%B、次いで14分間で40%B)、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド、アンモニウム塩(2.8mg、収率21%)を黄色の固体として得た:MS (ESI) 計算値 C14H3ClF9NO3S [M-1]-= 470.0, 実測値, 469.9. 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.26 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 9.2 Hz, 1H). 19F NMR (376 MHz, メタノール-d4) δ -77.03, -108.86, -142.23, -155.98, -164.71.
【0252】
化合物24のナトリウム塩を、NaOH(0.1N、0.2mL)で処理することによって形成した。水溶液をエチルエーテルで洗浄し、凍結乾燥させて、N-{4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イルスルホニル}-2,2,2-トリフルオロアセトアミド、ナトリウム塩(2.4mg、収率24%)を淡黄色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C14H3ClF9NO3S [M-1]-= 470.0, 実測値 469.9;1H-NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.24(d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 9.2 Hz, 1H);19F-NMR (376 MHz, Methanol-d4) δ -76.80, -108.30, -142.23, -155.42, -164.27.
【0253】
実施例8.4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物25)及びN-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物26)の調製
【化30】
スキーム10のステップ1に示されるように、THF(400mL)中の1,2,3,5-テトラフルオロベンゼン(80.0g、533mmol、1.0当量)の溶液に、-78℃でn-BuLiを滴加した(2.5M、213mL、1.0当量)。添加後、混合物を-78℃で1時間撹拌し、続いて、THF(400mL)中のI
2溶液(135g、533mmol、107mL、1.0当量)を添加した。混合物を-78℃で1時間撹拌し、飽和NH
4Cl溶液(1.50L)に注いだ。混合物を、EtOAc(800mL×2)、ブライン(1.0L×2)で抽出し、Na
2SO
4上で乾燥させた。濾過後、有機物を減圧下で濃縮し、1,2,3,5-テトラフルオロ-4-ヨードベンゼン(化合物1010)を褐色油状物として得た。この材料は、更に精製することなく、後続の反応にそのまま直接使用した。
【0254】
スキーム10のステップ2に示されるように、トルエン(1.30L)及びH2O(260mL)中の1,2,3,5-テトラフルオロ-4-ヨードベンゼン(130g、471mmol、1.0当量)、(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ボロン酸(90.3g、518mmol、1.1当量)及びK3PO4(200g、942mmol、2.0当量)の溶液に、Pd(dtbpf)2(6.14g、9.42mmol、0.02当量)を25℃で添加した。混合物を90℃で16時間撹拌し、続いて水(500mL)に添加した。混合物を酢酸エチル(500mL×2)で抽出し、合わせた有機物をブライン(500mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(1-2%石油エーテル/EtOAc)によって精製して、4’-クロロ-2,2’,3,4,6-ペンタフルオロ-1,1’-ビフェニルを無色の油状物(化合物1011,130g)として得た:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.67-7.65 (m, 1H), 7.58-7.48 (m, 2H), 7.16-7.12 (m, 1H).
【0255】
スキーム10のステップ3に示されるように、4’-クロロ-2,2’,3,4,6-ペンタフルオロ-1,1’-ビフェニル(化合物1011、130g、466mmol、1.0当量)を、0℃で少しずつにClSO3H(544g、4.67mol、311mL、10当量)にゆっくりと添加した。混合物を70℃で16時間撹拌し、氷水(1L)に注ぎ、酢酸エチル(500mL×3)で抽出した。合わせた有機物をブライン(1L×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(1~2%石油エーテル/EtOAc)により精製し、4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(化合物1012、90g、238mmol、化合物1010からの51%収率)を黄色の固体として得た:1H-NMR δ 7.98-7.96 (m, 1H), 7.69-7.67 (m, 1H), 7.63-7.58 (m, 1H).
【0256】
スキーム10のステップ4に示されるように、DCM(900mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(90g、238mmol、1.0当量)の溶液に、28%のNH4OH(328mL、2.39mol、10.0当量)を添加し、混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を、1Lの水で希釈し、DCM(800mL×2)で抽出した。合わせた有機物をブライン(1L×2)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、石油エーテル(1L)で30分間粉砕し、4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物25、77.0g、209mmol、収率88%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C12H5ClF5NO2S [M-1]-= 356.0, 実測値 355.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.15 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.95-7.82 (m, 1H), 7.77 (s, 2H), 7.75-7.72 (m, 1H).
【0257】
スキーム10のステップ5に示すように、DCM(350mL)及びDMF(90.0mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(35.0g、97.8mmol、1.0当量)の溶液に、TEA(19.8g、196mmol、27.2mL、2.00当量)及びDMAP(1.20g、9.79mmol、0.1当量)を25℃で添加した。混合物を0℃に冷却し、プロピオニルクロリド(13.6g、146mmol、13.6mL、1.5当量)を添加し、続いて25℃で1時間反応混合物を撹拌した。次いで、混合物をH2O(500mL)で希釈し、DCM(500mL×2)で抽出した。混合有機物を、ブライン(500mL×2)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(50%~80%アセトニトリル/H2O(0.1%FA)によって精製した。減圧下で生成物を含有する画分を濃縮した後、残渣をEtOH(150mL)で25℃で16時間粉砕し、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物26、25.4g、収率63%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C15H9ClF5NO3S [M-1]-= 412.0, 実測値 412.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.6 (brs, 1H), 8.29 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 4.4 Hz, 1H),7.75-7.73 (m, 1H), 2.33-2.22 (m, 2H), 0.95-0.86 (m, 3H).
【0258】
実施例8のスキーム10のステップ5に記載されるものと同様の変換において、適切な塩化アシル、塩化カルバミン、無水物、またはカルボノクロリデートを使用して、以下の化合物も調製した:
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)アセトアミド(化合物27):MS (ESI) 計算値 (C14H7ClF5NO3S) [M-1]-, 398.0;実測値, 397.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.67 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.78 - 7.72 (m, 1H), 1.99 (s, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.84, -115.57, -130.71, -133.56, -164.64;
白色として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキサミド(化合物28):MS (ESI) 計算値 (C18H13ClF5NO4S) [M-1]-= 468.0, 実測値 467.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.70 (s, 1H), 8.28 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.82 - 7.71 (m, 1H), 3.83 - 3.81 (m, 2H), 3.32 - 3.22 (m, 2H), 2.68 - 2.60 (m, 1H), 1.69 - 1.65 (m, 2H), 1.51 - 1.37 (m, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.53, -115.50, -130.93, -133.67, -164.63;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2-(4-クロロフェニル)アセトアミド(化合物29):MS (ESI) 計算値 (C20H10Cl2F5NO3S) [M+1]+ = 507.9, 実測値, 507.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.97 (s, 1H), 8.23 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.81 - 7.69 (m, 1H), 7.40 - 7.32 (m, 2H), 7.26 - 7.19 (m, 2H), 3.64 (s, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.53, -115.50, -130.63, -133.42, -164.52;
白色固体として単離した、2-クロロ-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ベンズアミド(化合物30):MS (ESI) 計算値 (C18H10Cl2F5NO3S) [M-1]- = 493.9, 実測値 493.8;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.31 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.86 - 7.66 (m, 1H), 7.51 - 7.36 (m, 4H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.52, -115.45, -130.62, -133.53, -164.58;
白色の固体として単離した、4-クロロ-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ベンズアミド(化合物31):MS (ESI) 計算値 (C19H8Cl2F5NO3S) [M-1]- = 493.9, 実測値 493.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.03 - 7.86 (m, 3H), 7.82 - 7.66 (m, 1H), 7.64 - 7.48 (m, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.56, -115.45, -130.75, -133.46, -164.58;
白色固体として単離した、3-クロロ-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ベンズアミド(化合物32):MS (ESI) 計算値 (C19H8Cl2F5NO3S) [M-1]- = 493.9, 実測値 493.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.34 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.03 - 7.89 (m, 2H), 7.86 (dt, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.82 - 7.72 (m, 1H), 7.68 (dd, J = 7.6, 2.0 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 8.0 Hz, 1H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.58, -115.44, -130.74, -133.46, -164.52;
白色固体として単離した、フェニル((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)カルバメート(化合物33):MS (ESI) 計算値 (C19H9ClF5NO4S) [M-1]-= 475.9, 実測値 475.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.03 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.77 - 7.65 (m, 2H), 7.31 - 7.22 (m, 2H), 7.06 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.94 - 6.87 (m, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -110.34, -115.54, -131.31, -133.74, -164.61;
ジヒドロフラン-2,5-ジオンから、白色固体として単離した、4-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル])-3-スルホンアミド)-4-オキソブタン酸(化合物55):MS (ESI) 計算値 C16H9ClF5NO5S [M-1]-= 456.0;実測値, 455.9;1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.29 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.34 - 7.27 (m, 1H), 2.63 - 2.59 (m, 2H), 2.55 - 2.52 (m, 2H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -105.09, -116.93, -132.45, -135.08, -167.38;
室温で、DMF中の化合物55を、無水酢酸及びトリエチルアミンで処理した後、1-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ピロリジン-2,5-ジオン(化合物70):MS (ESI) 計算値 C16H7ClF5NO4S [M-1]-= 438.0, 実測値 437.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.80 - 7.74 (m, 1H), 2.81 (s, 4H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -101.42, -115.45, -130.48, -133.46, -164.66;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ブチルアミド(化合物56):MS (ESI) 計算値 C16H11ClF5NO3S [M-1]-= 426.0, 実測値 425.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.64 (br, 1H), 8.28 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.79 - 7.72 (m, 1H), 2.26 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.51 - 1.52 (m, 2H), 0.95 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.66, -115.56, -130.70, -133.55, -164.66;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)イソブチルアミド(化合物59):MS (ESI) 計算値 C16H11ClF5NO3S [M-1]-= 466.0, 実測値 428.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.62 (br, 1H), 8.27 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.78 - 7.72 (m, 1H), 2.59 - 2.54 (m, 1H), 1.00 (d, J = 6.8 Hz, 6H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.52, -115.52, -130.43, -133.54, -164.66;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ピバル酸アミド(化合物63):MS (ESI) 計算値 C17H13ClF5NO3S [M+1]+= 442.0, 実測値 442.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.27 (br, 1H), 8.26 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.78 - 7.72 (m, 1H), 1.13 (s, 9H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.61, -115.49, -131.64, -133.52, -164.65;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-3,3-ジメチルブタンアミド(化合物64):MS (ESI) 計算値 C18H15ClF5NO3S [M-1]-= 454.0, 実測値 454.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.55 (br, 1H), 8.29 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.78 - 7.72 (m, 1H), 2.15 (s, 2H), 0.90 (s, 9H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.62, -115.59, -130.71, -133.57, -164.69;
白色固体として単離した、4-クロロ-N-(ジメチルカルバモイル)-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物66):MS (ESI) 計算値 C15H10ClF5N2O3S [M+1]+ = 429.0, 実測値 429.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.07 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.73 - 7.69 (m, 2H), 2.68 (s, 6H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.50, -115.49, -130.98, -133.63, -164.64;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)メタクリルアミド(化合物75):MS (ESI) 計算値 C16H9ClF5NO3S [M+1]+= 426.0, 実測値 426.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.69 (br, 1H), 8.30 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.80 - 7.73 (m, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.75 (s, 1H), 1.77 (s, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.59, -115.51, -130.71, -133.48, -164.64;及び
0℃でTHF/水中の四酸化オスミウム及び過ヨウ素酸ナトリウムで化合物75を処理した後、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2-オキソプロパンアミド(化合物77):MS (ESI) 計算値 C15H7ClF5NO4S [M-1]-= 426.0, 実測値 425.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.28 - 8.26 (m, 1H), 7.98 - 7.82 (m, 1H), 7.77 - 7.73 (m, 1H), 2.25 (s, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.66, -115.48, -130.81, -133.55, -164.60.
【0259】
実施例9.エチル((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)カルバメート(化合物34)及びN-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキサミド(化合物35)の調製
【化31】
スキーム11のステップ1に示されるように、アセトン(2mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(100mg、0.28mmol)及びK
2CO
3(77mg、0.56mmol)の撹拌溶液に、クロロギ酸エチル(61mg、0.56mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をHCl(水溶液、0.5N)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(25%~50%アセトニトリル/水)により精製して、エチル((4-クロロ-2’、3’、4’、6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)カルバメート(化合物34、8.2mg、収率7%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C
15H
9ClF
5NO
4S) [M-1]
-= 427.9, 実測値 427.9;
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.19 - 8.13 (m, 1H), 7.96 - 7.89 (m, 1H), 7.86 - 7.57 (m, 1H), 3.93 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.07 - 0.94 (m, 3H);
19F-NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ -103.58, -115.71, -130.72, -133.73, -164.59.
【0260】
スキーム11のステップ2に示されるように、トルエン(2mL)中のエチル((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)カルバメート(100mg、0.23mmol)の撹拌溶液に、ピペリジン-4-オール(47mg、0.47mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で16時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。粗生成物を、逆相分取HPLC(65%~75%のアセトニトリル/水)により精製し、白色の固体として、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキサミド(化合物35、5.5mg、収率5%)を得た。MS (ESI) 計算値 C18H14ClF5N2O4S) [M+1]+ = 485.0, 実測値 485.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.43 (s, 1H), 8.18 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.86 - 7.66 (m, 1H), 4.72 (s, 1H), 3.68 - 3.64 (m, 3H), 3.02 - 3.01 (m, 2H), 1.68 - 1.66 (m, 2H), 1.27 - 1.23 (m, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.56, -115.48, -130.45, -133.62, -164.42.
【0261】
実施例8のスキーム11のステップ2について記載されるものと同様の変換において、適切なアミン及び化合物33または化合物34を使用して、以下の化合物も調製した:
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)チオモルホリン-4-カルボキサミド(化合物54):MS (ESI) 計算値 C17H12ClF5N2O3S2[M+1]+ = 487.0, 実測値 486.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6+ D2O) δ 8.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.76 - 7.69 (m, 1H), 7.59 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.59 (s, 4H), 2.40 (s, 4H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -111.97, -115.45, -131.53, -133.81, -164.74;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)チオモルホリン-4-カルボキサミド1,1-ジオキシド(化合物57):MS (ESI) 計算値 C17H12ClF5N2O5S2[M+1]+ = 519.0, 実測値 519.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.01 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.74 - 7.70 (m, 1H), 7.63 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.76 (s, 4H), 2.91 (s, 4H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -111.41, -115.47, -131.47, -133.81, -164.75;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)モルホリン-4-カルボキサミド(化合物58):MS (ESI) 計算値 C17H12ClF5N2O4S [M-1]- = 469.0, 実測値 468.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6+ D2O) δ 8.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.74 - 7.70 (m, 1H), 7.59 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.45 (s, 4H), 3.27 (s, 4H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -111.99, -115.48, -131.51, -133.84, -164.75;
白色固体として単離した、4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-N-(フェニルカルバモイル)-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物61):MS (ESI) 計算値 C19H10ClF5N2O3S [M+1]+ = 477.0, 実測値 477.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.44 (s, 1H), 8.08 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.78 - 7.72 (m, 1H), 7.61 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.43 - 7.40 (m, 2H), 7.09 - 7.05 (m, 2H), 6.74 - 6.70 (m, 1H), 6.08 - 6.02 (br, 1H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -111.40, -115.43, -131.33, -133.77, -164.64;及び
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ピペリジン-1-カルボキサミド(化合物62):MS (ESI) 計算値 C18H14ClF5N2O3S [M+1]+ = 469.0, 実測値 469.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6+ D2O) δ 7.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.76 - 7.70 (m, 1H), 7.56 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.27 - 3.26 (m, 4H), 1.46 - 1.44 (m, 2H), 1.32 - 1.28 (m, 4H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -111.61, -115.36, -131.10, -133.74, -164.61.
【0262】
実施例10.N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2,5,6,9,10,13,14,17-オクタオキサノナデカン-19-アミドの調製(化合物36)
【化32】
スキーム12に示されるように、ジメチルアセトアミド(1mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(100mg、0.28mmol)の撹拌溶液に、2-((2-((2-((2-(λ
1-オキシダニル)エチル)ペルオキシ)エチル)ペルオキシ)エチル)-(2-メトキシエチル)ペルオキシ)酢酸(149mg、0.56mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI、160mg、0.84mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、3mg、0.03mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌し、続いて水を添加し、EtOAcで抽出した。有機物を0.5M HClで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(46%~56%のアセトニトリル/H
2O中0.1%のFA)により精製し、N-((4-クロロ-2’、3’、4’、6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2,5,6,9,10,13,14,17-オクタオキサノナデカン-19-アミド(化合物36、18mg、収率11%)を白色の半固体として得た。MS (ESI) 計算値 C
23H
25ClF
5NO
8S [M-1]
-= 604.0, 実測値 604.1;
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.67 (s, 1H), 8.28 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.86 - 7.61 (m, 1H), 4.05 (s, 2H), 3.55 - 3.51 (m, 5H), 3.49 - 3.48 (m, 9H), 3.42 - 3.40 (m, 2H), 3.23 (s, 3H);
19F-NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ -104.72, -115.49, -130.70, -133.48, -164.55.
【0263】
実施例10のスキーム12に記載されているものと同様の変換において適切なカルボン酸を使用して、以下の化合物も調製した:
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-4-カルボキサミド(化合物37):MS (ESI) 計算値 C18H13ClF5NO3S2[M-1]- = 484.0, 実測値 483.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.68 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.82 - 7.70 (m, 1H), 2.62 - 2.32 (m, 5H), 2.07 - 1.91 (m, 2H), 1.57 - 1.46 (m, 2H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.53, -115.49, -130.65, -133.48, -164.61;
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2-(2-クロロフェニル)アセトアミド(化合物38):MS (ESI) 計算値 C20H10Cl2F5NO3S [M-1]- = 507.9, 実測値 507.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.03 (s, 1H), 8.24 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.83 - 7.68 (m, 1H), 7.43 - 7.34 (m, 1H), 7.37 - 7.29 (m, 1H), 7.33 - 7.22 (m, 2H), 3.83 (s, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.40, -115.45, -130.61, -133.48, -164.65;
白色の固体として単離した、(1s,4s)-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-4-ヒドロキシシクロヘキサン-1-カルボキサミド(化合物39):MS (ESI) 計算値 C19H15ClF5NO4S [M-1]-= 481.8, 実測値 481.8;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.56 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.82 - 7.70 (m, 1H), 4.31 (s, 1H), 3.71 (s, 1H), 2.38 - 2.28 (m, 1H), 1.71 - 1.50 (m, 4H), 1.50 - 1.33 (m, 4H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.56, -115.49, -130.70, -133.48, -164.55;
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-4-カルボキサミド1,1-二酸化物(化合物40):MS (ESI) 計算値 C18H13ClF5NO5S2[M-1]- = 515.9, 実測値 515.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.76 - 7.65 (m, 1H), 3.21 - 3.10 (m, 2H), 3.10 - 3.00 (m, 2H), 2.74 - 2.62 (m, 1H), 2.21 - 2.11 (m, 2H), 1.95 - 1.80 (m, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.18, -115.48, -130.43, -133.56, -164.52;
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3-ウンデカメチル-λ16-ブタンアミド(化合物41):C27H33ClF5NO3S[M-1]-=580.1、実測値580.2;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.63 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.83 - 7.72 (m, 1H), 2.26 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.43 (p, J = 7.2 Hz, 2H), 1.28 - 1.22 (m, 22H), 0.89 - 0.81 (m, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.61, -115.51, -130.66, -133.46, -164.60;
白色固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)シクロプロパンカルボキサミド(化合物60):MS (ESI) 計算値 C16H9ClF5NO3S [M-1]-= 424.0, 実測値 423.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.91 (br, 1H), 8.25 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.78 - 7.71 (m, 1H), 1.82 - 1.77 (m, 1H), 0.88 - 0.65 (m, 4H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.55, -115.50, -130.95, -133.54, -164.66;及び
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-3-メチルブタンアミド(化合物65):MS (ESI) 計算値 C17H13ClF5NO3S [M-1]-= 440.0, 実測値 440.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.61 (br, 1H), 8.28 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.78 - 7.74 (m, 1H), 2.15 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.97 - 1.90 (m, 1H), 0.82 (d, J = 6.8 Hz, 6H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.50, -115.55, -130.69, -133.57, -164.71.
【0264】
実施例11.2-(tert-ブトキシ)-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)アセトアミド(化合物42)及びN-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2-ヒドロキシアセトアミド(化合物43)の調製
【化33】
スキーム13のステップ1に示されるように、DMF(1mL)中の4-クロロ-2’,4’,6,6’-テトラフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(50mg、0.14mmol)及びtert-ブトキシ酢酸(19.4mg、0.14mmol)の撹拌混合物に、DIEA(57.0mg、0.44mmol)及びベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスホネート(PyBOP、114.9mg、0.22mmol)を、窒素雰囲気下で添加した。得られた混合物を、25℃で2時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(67%~77%アセトニトリル/H
2O中0.1%FA)によって精製して、2-(tert-ブトキシ)-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)アセトアミド(化合物42,24mg,21%収率)を白色固体として得た:
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.59 (s, 1H), 8.28 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.83 - 7.71 (m, 1H), 3.95 (s, 2H), 1.09 (s, 9H);
19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.52, -115.53, -130.64, -133.57, -169.36.
【0265】
スキーム13のステップ2に示されるように、DCM(1mL)中の2-(tert-ブトキシ)-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)アセトアミド(130mg、0.27mmol)の撹拌混合物に、TFA(1mL)を添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下で25℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、逆相分取HPLC(42%~52%のアセトニトリル/H2O中0.1%のFA)により精製し、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2-ヒドロキシアセトアミド(化合物43、24mg、収率21%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C14H7ClF5NO4S) [M-1]-= 414.0, 実測値 413.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.62 (s, 1H), 8.30 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.82 - 7.71 (m, 1H), 5.22 (s, 1H), 3.95 (s, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -104.11, -115.55, -130.71, -133.54, -164.61.
【0266】
実施例11のスキーム13のステップ1に記載されるものと同様の変換において適切なカルボン酸を使用して、以下の化合物も調製した:
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2-(3-クロロフェニル)アセトアミド(化合物44):MS (ESI) 計算値 (C20H10Cl2F5NO3S) [M-1]- = 507.9, 実測値 507.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.98 (s, 1H), 8.23 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.80 - 7.68 (m, 1H), 7.37 - 7.29 (m, 2H), 7.27 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.20 - 7.12 (m, 1H), 3.65 (s, 2H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.44, -115.50, -130.65, -133.56, -164.63;
白色の固体として単離した、(1r,4r)-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-4-ヒドロキシシクロヘキサン-1-カルボキサミド(化合物45):MS (ESI) 計算値 (C19H15ClF5NO4S) [M+1]+= 484.03;実測値, 484.03;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.20 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.68 - 7.62 (m, 1H), 3.29 - 3.26 (m, 1H), 2.19 - 2.16 (m, 1H), 1.88 - 1.77 (m, 2H), 1.74 - 1.65 (m, 2H), 1.33 - 0.99 (m, 5H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.52, -115.53, -130.30, -133.50, -164.43;
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)シクロヘキサンカルボキサミド(化合物46):MS (ESI) 計算値 (C19H15ClF5NO3S) [M-1]-= 466.0, 実測値 466.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.59 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.85 - 7.52 (m, 1H), 2.38 - 2.17 (m, 1H), 1.80 - 1.58 (m, 5H), 1.31 - 0.96 (m, 5H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.56, -115.48, -130.63, -133.43, -164.52;及び
白色の固体として単離した、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-2-メトキシアセトアミド(化合物47):MS (ESI) 計算値 (C15H9ClF5NO4S) [M-1]-= 428.0, 実測値 427.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.82 (s, 1H), 8.29 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.82 - 7.71 (m, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.24 (s, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -103.36, -115.51, -130.63, -133.43, -164.52.
【0267】
実施例12.4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-N-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物48)の調製
【化34】
スキーム14に示されるように、DCM(1mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(100mg、0.28mmol)、TEA(85mg、0.84mmol)、DMAP(0.3mg、0.01mmol)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下、0℃で、DMF(0.2mL)中の塩化メタンスルホニル(64mg、0.56mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で16時間撹拌し、水で希釈し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(42%~52%アセトニトリル/水中0.05%HCl)によって精製して、4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-N-(メチルスルホニル)-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物48,12mg,10%収率)を白色の固体として得た;MS (ESI) 計算値 C
13H
7ClF
5NO
4S
2) [M-1]
- = 433.9, 実測値 433.8;
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.03 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.79 - 7.67 (m, 2H), 2.80 (s, 3H);
19F-NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ -110.04, -115.55, -131.24, -133.82, -164.61.
【0268】
スキーム14に記載したのと同じ手順を使用し、エタンスルホニルクロリドをメタンスルホニルクロリドに置き換え、4-クロロ-N-(エチルスルホニル)-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物49)も白色の固体として生成した:MS (ESI) 計算値 (C14H9ClF5NO4S2) [M-1]- = 448.0, 実測値 447.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.02 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.79 - 7.67 (m, 2H), 2.89 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.13 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -110.17, -115.55, -131.25, -133.81, -164.60.
【0269】
実施例13.N-((2’,3’,4,4’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物50)の調製
【化35】
スキーム15のステップ1に示されるように、1,4-ジオキサン(20mL)及びH
2O(4mL)中の1,2,3,5-テトラフルオロ-4-ヨードベンゼン(1.6g、5.79mmol)及び2,4-ジフルオロフェニルボロン酸(0.92g、5.79mmol)の撹拌混合物に、XPhos Pd G3(0.98g、1.16mmol)及びK
3PO
4(2.5g、11.59mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、100℃で一晩撹拌し、冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:1DCM/石油エーテル)により精製し、2,2’,3,4,4’,6-ヘキサフルオロ-1,1’-ビフェニル(化合物1013、1.0g、65%収率)を黄色の固体として得た;GCMS(ESI)計算値C
12H
4F
6=262.0、実測値262.0。
【0270】
スキーム15のステップ2に示すように、CHCl3(10mL)中のクロロスルホン酸(11.6g、99mmol)の撹拌溶液に、2,2’,3,4,4’,6-ヘキサフルオロ-1,1’-ビフェニル(化合物1013、1.3g、5mmol)を添加し、続いて、SOCl2(1.18g、9.9mmol)を0℃で滴下した。得られた混合物を150℃で16時間撹拌した。冷却後、溶媒を減圧下で除去し、残渣を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2’,3’,4,4’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホン酸(化合物1014、1.3g、粗製物)を褐色の油状物として得た。この材料は、後続の反応にそのまま直接使用した。
【0271】
スキーム15のステップ3に示すように、POCl3(13mL)中の2’,3’,4,4’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホン酸(化合物1014,1.3g,3.79mmol)溶液を110℃で一晩撹拌した。冷却後、混合物を減圧下で濃縮して、2’,3’,4,4’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(化合物1015、1.3g、粗製物)を褐色の固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に直接使用した。
【0272】
スキーム15のステップ4に示すように、MeCN(15mL)中の飽和NH3水溶液(3mL、77.04mmol)の撹拌溶液に、2’,3’,4,4’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(化合物1015、1.3g、3.60mmol)を0℃で滴加した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(5%~100%のアセトニトリル/水)によって精製して、2’,3’,4,4’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物1016、160mg、収率13%)を褐色の油状物として得た。MS (ESI) 計算値 (C12H5F6NO2S) [M-1]-= 340.0, 実測値 340.0.
【0273】
スキーム15のステップ5に示すように、DMAc(2mL)中の塩化プロパノイル(122mg、1.32mmol)及びTEA(133mg、1.32mmol)の撹拌溶液に、2’,3’,4,4’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(150mg、0.44mmol)及びDMAP(10mg、0.08mmol)を添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(45%~55%のアセトニトリル/水中0.05FA)により精製して、N-((2’,3’,4,4’,6,6’-ヘキサフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物50、24mg、収率12%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C15H9F6NO3S) [M-1]-= 396.0, 実測値 395.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.62 (s, 1H), 8.15 (t, J = 7.6Hz, 1H), 7.87 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 7.81 - 7.69 (m, 1H), 2.30 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -100.00, -103.41, -115.68, -130.92, -133.65, -164.80.
【0274】
実施例14.N-((4,6-ジクロロ-2’,3’,4’,6’-テトラフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物51)の調製
【化36】
スキーム16のステップ1に示されるように、ジオキサン(20mL)及びH
2O(4mL)中の1,2,3,5-テトラフルオロ-4-ヨードベンゼン(2.00g、7.24mmol)及び2,4-ジクロロフェニルボロン酸(2.07g、10.87mmol)の撹拌混合物に、XPhos Pd G3(0.61g、0.72mmol)、XPhos(0.35g、0.72mmol)ならびにK
3PO
4(3.08g、14.49mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。冷却後、混合物を珪藻土を通して濾過し、濾過ケーキをDCMで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcで取り、合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0%~30%DCM/石油エーテル)により精製し、2’,4’-ジクロロ-2,3,4,6-テトラフルオロ-1,1’-ビフェニル(化合物1017、1.00g、収率46%)を黄色の油状物として得た。GCMS計算値C
12H
4Cl
2F
4=294.0、実測値294.0。
【0275】
スキーム16のステップ2に示すように、2’,4’-ジクロロ-2,3,4,6-テトラフルオロ-1,1’-ビフェニル(化合物1017、900mg、3.05mmol)及びクロロスルホン酸(10mL)の混合物を、60℃で2時間撹拌した。混合物を冷却し、減圧下で濃縮し、4,6-ジクロロ-2’,3’,4’,6’-テトラフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(化合物1018、1.00g、収率83%)を褐色の油状物として得た。この材料は、更に精製することなく後続のステップに使用した。
【0276】
スキーム16のステップ3に示すように、MeCN(10mL)中の4,6-ジクロロ-2’,3’,4’,6’-テトラフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(化合物1018、1.00g、2.54mmol)の混合物に、濃NH4OH(水性)(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(46%~56%のアセトニトリル/水中10mMのNH4HCO3)によって精製して、4,6-ジクロロ-2’,3’,4’,6’-テトラフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物1019、240mg、収率25%)を白色固体として得た。MS (ESI) 計算値 C12H5Cl2F4NO2S) [M-1]- = 371.9, 実測値 371.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.16 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.84 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 7.81 - 7.70 (m, 1H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -115.27, -130.89, -133.49, -164.83.
【0277】
スキーム16のステップ4に示されるように、アセトン(2mL)中の4,6-ジクロロ-2’,3’,4’,6’-テトラフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(100mg、0.26mmol)及びK2CO3(73mg、0.53mmol)の撹拌混合物に、塩化プロパノイル(49mg、0.53mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(46%~56%のアセトニトリル/水中0.1%のFA)により精製し、N-((4,6-ジクロロ-2’,3’,4’,6’-テトラフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物51、37mg、収率31%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C15H9Cl2F4NO3S) [M-1]- = 428.0, 実測値 427.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.68 (s, 1H), 8.22 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.82 - 7.70 (m, 1H), 2.31 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.6 Hz, 3H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -115.29, -130.91, -133.49, -164.86.
【0278】
実施例15.N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)アセトアミドの調製(化合物52)
【化37】
スキーム17のステップ1に示すように、ジオキサン(20mL)及びH
2O(4mL)中の1-ブロモ-4-クロロ-2-フルオロベンゼン(5.0g、23.87mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、2,3,4,5-テトラフルオロフェニルボロン酸(4.6g、23.9mmol)、XPhos Pd G3(4.0g、4.8mmol)、XPhos(2.3g、4.8mmol)及びK
3PO
4(10.1g、47.7mmol)を添加した。混合物を、80℃で2時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0%~5%の酢酸エチル/石油エーテル)により精製し、4’-クロロ-2,2’,3,4,5-ペンタフルオロ-1,1’-ビフェニル(化合物1020、4.0g、収率36%)を無色の油状物として得た。GCMS(ESI)計算値C
12H
4ClF
5=277.9、実測値278.0。
【0279】
スキーム17のステップ2に示されるように、0℃の1mLのCHCl3中のクロロスルホン酸(0.8g、7.18mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、CHCl3(1mL)中の4’-クロロ-2,2’,3,4,5-ペンタフルオロ-1,1’-ビフェニル(100.0mg、0.35mmol)の溶液を滴加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、50℃で16時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィー(5%~75%アセトニトリル/水)により精製したDMF(2mL)中に溶解し、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホン酸(化合物1021、14.0mg、収率10%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C12H4ClF5O3S [M-1]-= 357.1, 実測値 357.1;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.93 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.61 - 7.50 (m, 2H);19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ -112.64, -139.04, -140.20, -155.11, -155.64.
【0280】
スキーム17のステップ3に示されるように、POCl3(20mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホン酸(2.7g、7.53mmol)の溶液を、100℃で2時間撹拌した。冷却後、揮発性物質を減圧下で除去し、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(化合物1022、2.7g)を褐色の油状物として得た。この材料は、後続の反応にそのまま直接使用した。
【0281】
スキーム17のステップ4に示されるように、0℃でアセトニトリル(20mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(1.0g、2.65mmol)の撹拌溶液に、濃アンモニア(1.5g、10.6mmol)を部分的に添加した。得られた混合物を、0℃で更に2時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(6mL)に溶解し、フラッシュクロマトグラフィー(0%~65%酢酸エチル/石油エーテル)により精製し、4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物1023、300mg、収率31%)を褐色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C12H5ClF5NO2S [M-1]-= 355.9, 実測値 355.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.78 (s, 2H), 7.75 - 7.64 (m, 1H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -100.92, -139.11, -140.02, -154.58, -155.56.
【0282】
スキーム17のステップ5に示されるように、DCM(2mL)及びDMF(2mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物1023、200mg、0.56mmol)、DMAP(6.8mg、0.06mmol)及びTEA(113mg、1.12mmol)の溶液に、0℃でアセチルクロリド(125mg、1.6mmol)を窒素雰囲気下で添加した。得られた混合物を、室温で3時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をDMF(2mL)に溶解し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(5%~45%のアセトニトリル/水)により精製し、白色の固体としてN-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)アセトアミド(化合物52、90mg、収率40%)を得た。MS (ESI) 計算値 C14H7ClF5NO3S [M-1]-= 397.9;実測値 397.9. 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.67 (s, 1H), 8.18 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.78 - 7.67 (m, 1H), 1.99 (s, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -105.01, -139.08, -139.83, -154.48, -155.54.
【0283】
スキーム17のステップ5で説明したのと同じ手順を使用し、塩化アセチルの代わりに塩化プロピオニルを使用し、N-((4-クロロ-2’,3’,4’,5’,6-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物53)を白色の固体として生成した:MS (ESI) 計算値 C15H9ClF5NO3S) [M-1]-= 412.0, 実測値 411.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.63 (s, 1H), 8.19 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.82 - 7.66 (m, 1H), 2.30 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -104.78, -139.08, -139.79, -154.45, -155.53.
【0284】
実施例16.2-(ベンジルチオ)-3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン(化合物67)、3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-2-スルホンアミド(化合物68)、及びN-((3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-2-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物71)の調製
【化38】
スキーム18のステップ1に示されるように、トルエン(10mL)及びH
2O(2mL)中の4,4,5,5-テトラメチル-2-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)-1,3,2-ジオキサボロラン(4.34g、15.7mmol)、6-ブロモ-5-フルオロピリジン-3-アミン(3.00g、15.7mmol)、P(t-Bu)
3 Palladacycle Gen.3(0.90g、1.57mmol)、CyP(t-Bu)
2.HBF
4(0.99g、3.14mmol)、及びK
3PO
4(6.67g、31.41mmol)の脱気混合物を、窒素雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。この時以降、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~50%酢酸エチル)によって精製し、5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-3-アミン(化合物1024、2.90g、70%収率)を黄色の固体として得た。GCMS計算値C
11H
5F
5N
2=261.0、実測値261.0。
【0285】
スキーム18のステップ2に示すように、5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-3-アミン(2.90g、11.14mmol)及びN-ブロモスクシンイミド(2.46g、13.83mmol)のDMF(30mL)中の混合物を、25℃で16時間撹拌した。得られた混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(0%~50%MeCN/0.1%ギ酸を含有する水)によって精製し、2-ブロモ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-3-アミン(化合物1025、2.20g、収率58%)を白色固体として得た:MS (ESI) 計算値 C11H4BrF5N2 [M+1]+= 338.9, 実測値 338.8;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 - 7.59 (m, 1H), 7.08 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 6.27 (s, 2H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -116.16, -124.03, -131.39, -134.99, -164.91.
【0286】
スキーム18のステップ3に示されるように、MeCN(20mL)中のtert-ブチル亜硝酸塩(0.91g、8.84mmol)及びCuCl2(1.19g、8.84mmol)の混合物を25℃で20分間撹拌し、続いて2-ブロモ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-3-アミン(2.00g、5.89mmol)を添加した。得られた混合物を、60℃で16時間撹拌し、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(0%~50%のMeCN/0.1%のギ酸を含有する水)により精製し、2-ブロモ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン(化合物1026、1.6g、収率75%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C11H2BrClF5N [M+1]+ = 357.9, 実測値 359.8;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.58 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.83 - 7.71 (m, 1H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -115.75, -120.39, -128.78, -134.45, -164.03.
【0287】
スキーム18のステップ4に示すように、トルエン(25mL)中の2-ブロモ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン(1.6g、4.46mmol)及び4-ブロモベンジルメルカプタン(1.00g、4.90mmol)の撹拌混合物に、Pd2(dba)3(0.40g、0.44mmol、0.1当量)、XantPhos(0.51g、0.89mmol)、及びDIEA(1.15g、8.89mmol)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。冷却後、混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(0%~100%MeCN/0.1%ギ酸含有水)によって精製して、2-(ベンジルチオ)-3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン(化合物67、1.2g、収率66%)を白色固体として得た。MS (ESI) 計算値 C18H9ClF5NS [M+1]+ = 402.0, 実測値 401.9;19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -115.63, -125.61, -129.45, -134.41, -164.32.
【0288】
スキーム18のステップ5に示すように、H2O(0.5mL)、AcOH(0.5mL)、及びMeCN(10mL)中の2-(ベンジルスルファニル)-3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン(500mg、1.24mmol)の撹拌混合物に、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(612mg、3.11mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌し、減圧下で濃縮して、3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-2-スルホニルクロリド(化合物1027、400mg、粗製物)を黄色の油状物として得た。この材料は、更に精製することなく後続の反応にそのまま使用した。
【0289】
スキーム18のステップ6に示されるように、MeCN(2mL)中の3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-2-スルホニルクロリド(200mg、0.52mmol)及びNH4OH(0.5mL)の混合物を25℃で1時間撹拌し、続いて減圧下で濃縮した。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィー(10mMのNH4HCO3水溶液中0%~50%MeCN)により精製し、3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-2-スルホンアミド(化合物68)を白色固体として得た。MS (ESI) 計算値 C11H4ClF5N2O2S [M-1]- = 357.0, 実測値 356.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.63 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.81 (s, 2H), 7.78 - 7.72 (m, 1H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -114.46, -115.42, -128.39, -134.05, -164.17.
【0290】
スキーム18のステップ7に示されるように、DCM(2mL)中の3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-2-スルホンアミド(100mg、0.27mmol)及びTEA(56mg、0.55mmol)の撹拌混合物に、塩化プロピオニル(38mg、0.41mmol)及びDMAP(3mg、0.02mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌し、続いて1M HClを添加した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLC(20%~30%MeCN/0.1%ギ酸含有水)により精製し、N-((3-クロロ-5-フルオロ-6-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ピリジン-2-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物71、47.6mg、収率41%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C14H8ClF5N2O3S [M-1]- = 413.0, 実測値 412.9;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.41 (br, 1H), 8.72 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.86 - 7.79 (m, 1H), 2.32 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -112.18, -115.56, -128.14, -134.29, -164.06.
【0291】
実施例17.N-ベンジル-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物69)の調製
【化39】
スキーム19に示されるように、THF(2mL)中のN-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(140mg,0.33mmol)及びベンジルアルコール(43mg,0.40mmol)の溶液に、0℃でPPh
3(133mg,0.50mmol)及びDIAD(102mg,0.50mmol)を順次添加した。反応混合物を25℃に温め、2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、DMF(2mL)中に溶解させ、逆相分取HPLC(2%、次いで10mMのNH
4HCO
3水溶液中の65%~75%MeCN)によって精製し、N-ベンジル-N-((4-クロロ-2’、3’、4’、6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物69、20.7mg、収率12%)を白色固体として得た。MS (ESI) 計算値 C
22H
15ClF
5NO
3S [M-1]
-= 504.0, 実測値 504.1;
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.36 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.47 - 7.29 (m, 6H), 5.24 (s, 2H), 2.53 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.90 (t, J = 7.2 Hz, 3H);
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d
6) δ -104.29, -117.01, -132.17, -135.12, -167.17.
【0292】
実施例19のスキーム13に記載されているものと同様の変換において適切なアルコールを使用して、以下の化合物も調製した:
N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-N-メチルプロピオンアミド(化合物72):MS (ESI) 計算値 C16H11ClF5NO3S [M+1]+= 428.0, 実測値 428.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.80 - 7.73 (m, 1H), 3.43 (s, 3H), 2.61 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.92 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.49, -115.50, -130.66, -133.53, -164.67;及び
N-アリル-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物74):MS (ESI) 計算値 C18H13ClF5NO3S [M+1]+= 454.0, 実測値 454.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.35 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.80 - 7.73 (m, 1H), 6.06 - 5.97 (m, 1H), 5.32 - 5.26 (m, 2H), 4.58 (s, 2H), 2.59 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.92 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -103.27, -115.52, -130.65, -133.51, -164.66.
【0293】
実施例18.4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-N-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物73)及びN-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)-N-メトキシプロピオンアミド(化合物76)の調製。
【化40】
スキーム20のステップ1に示されるように、DCM(5mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホニルクロリド(200mg、0.53mmol)の撹拌溶液に、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(88mg、1.06mmol)及びピリジン(84mg、1.06mmol)を添加した。得られた混合物を、25℃で2時間撹拌し、水を添加することによって希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~30%の酢酸エチル)により精製し、4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-N-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(化合物73、130mg、収率63%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C
13H
7ClF
5NO
3S [M-1]
-= 386.0, 実測値 385.9;
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.97 (s, 1H), 8.17 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.81 - 7.74 (m, 1H), 3.67 (s, 3H);
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d
6) δ -103.66, -115.63, -130.50, -133.66, -164.57.
【0294】
スキーム20のステップ2に示すように、DCM(3mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-N-メトキシ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルホンアミド(130mg、0.34mmol)の撹拌溶液に、塩化プロピオニル(62mg、0.67mmol)、TEA(101mg、1.01mmol)、及びDMAP(8mg、0.07mmol)を添加した。得られた溶液を25℃で16時間撹拌し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDMF(0.5mL)に溶解し、逆相分取HPLC(60~70%MeCN/0.1%ギ酸水溶液)により精製し、N-ベンジル-N-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロピオンアミド(化合物76、50mg、収率34%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C16H11ClF5NO3S [M+1]+= 444.0, 実測値 444.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.80 - 7.73 (m, 1H), 4.01 (s, 3H), 2.69 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.99 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -101.75, -115.52, -130.55, -133.51, -164.68.
【0295】
実施例19.1-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロパン-2-オンの調製(化合物78)。
【化41】
スキーム21に示されるように、EtOH(7mL)中の4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-スルフィネートナトリウム(140mg、0.38mmol)の溶液に、ブロモアセトン(52mg、0.38mmol)を25℃でゆっくりと添加した。反応混合物を、25℃で16時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をDMF(2mL)に溶解し、逆相分取HPLC(44~54%MeCN/0.1%ギ酸水溶液)により精製し、1-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)プロパン-2-オン(化合物78、22.0mg、14%)を白色の固体として得た。MS (ESI) 計算値 C
15H
8ClF
5O
3S [M-1]
- = 397.0, 実測値 397.0;
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.22 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.80 - 7.74 (m, 1H), 4.89 (s, 3H), 2.25 (s, 3H);
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d
6) δ -102.80, -115.60, -130.62, -133.65, -164.64.
【0296】
化合物1012を、化合物78に変換するためのものと同様の方法で、化合物1012を1-ブロモブタン-2-オンと反応させ、1-((4-クロロ-2’,3’,4’,6,6’-ペンタフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)スルホニル)ブタン-2-オン(化合物79)を得た。MS (ESI) 計算値 C16H10ClF5O3S [M-1]-= 411.0, 実測値 411.0;1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.20 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.80 - 7.74 (m, 1H), 4.93 (s, 2H), 2.52 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.92 (t, J = 7.2 Hz, 3H);19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -102.84, -115.62, -130.62, -133.65, -164.59.
【0297】
生物学的実施例
実施例20.ヒユモドキ(Amaranthus tuberculatum)プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(AmPPO)の発現と精製
AmPPOのコード配列を、E.coli発現のために最適化し、合成オリゴヌクレオチドからアセンブルした。制限のない「ホット融合」クローニングプロセスを使用して、合成断片をpET28bベクター(Novagen)に導入した(Fu C.,et al.,‘Hot Fusion:An Efficient Method to Clone Multiple DNA Fragments as Well as Inverted Repeats without Ligase,’PLoS One(2014)Vol.9(12),page e115318)。得られたDNAを配列検証した。Q5変異誘発キット(NEB)を使用して、PCRベースの変異誘発を介して、酵素の変異型(ΔG210-AmPPO)をコードする構築物を作製した。
【0298】
100μg/mLのカナマイシを補充した溶原培地(LB培地、10mL)に、pET28b_PPO_CHisで形質変換したBL21(DE3)コンピテントE.coliの単一のコロニーを播種した。[Is pET28b_PPO_CHis.培養物を一晩、230rpmで振盪しながら、37℃で増殖させた。次いで、この培養物を使用して、Fox,B.G.,&Blommel,P.G.(2009),Autoinduction of protein expression,‘Current Protocols in Protein Science,’Chapter 5,Unit-5.23の方法で調製した1Lの自己誘導培地(AIM)を播種した。得られた培養物を、37℃で、230rpmで4~6時間、更に18℃で、40~48時間振盪して増殖させた。培養物を回収し、遠心分離した。得られたAmPPO酵素含有細胞ペレットを凍結し、将来の使用のために-80℃で保管した。
【0299】
使用したE.coliをpET28b_ΔG210 PPO_Chisで形質変換したことを除いて、AmPPOの産生に使用したのと同じ手順を使用して、変異型ΔG210-AmPPO(210位のグリシンが存在しないPPO変異体)を産生した。
【0300】
洗剤溶液を、以下を一緒に混合することによって調製した:175mLのB-PER Thermo Scientific)、75mLのY-PER(Thermo Scientific)、15mLの1M TRIS緩衝液、pH9.0、15mLの5M NaCl、50mLのグリセロール、2.5mLのTriton-X100、及び1mgのフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)。この溶液の一部(約80mL~100mL)を取り除き、イミダゾールを添加して最終濃度10mM及びpH8.0にする。洗剤溶液の残りに、ニワトリ卵白リゾチーム(Gold Bio、1mg/mL)及びセラチエエンドヌクレアーゼ(社内で製造)を補充し、約45gの凍結酵素含有細胞ペレットに添加し、これを室温で30分間激しく撹拌しながら溶解溶液中で解凍し、次いで短時間超音波処理した(VWRブランドの音波破砕器を用いて50%の電力で30秒間)。4℃で更に15~30分間撹拌しながらインキュベーションを継続した。溶解物を14,000RPMでの遠心分離によって35分間澄ませた。得られた澄まされた溶解物を、His-SELECT(登録商標)樹脂(Sigma、20%エタノール中20mLの50%スラリー、30mMのTRIS pH8.1、10%グリセロール、220mMのNaClで2回洗浄)で穏やかに撹拌しながら、4℃で1時間インキュベートした。樹脂スラリーを使い捨てのプラスチックカラムに移し、結合したタンパク質が溶解物成分から十分に洗い流されたと見なされるまで(約6~8カラム体積)、10mMのイミダゾール、250mMのNaCl、30mMのTRIS pH8.5、10%のグリセロールで洗浄した。次いで、樹脂を、事前に取っておいた洗剤I-10最終緩衝液で完全に(約3カラム体積)洗浄し、続いて、pH8.1の250mMイミダゾールを補充した同じ緩衝液で溶出した。酵素含有画分を回収し、SDS-PAGE分析に基づいてプールした。プールした画分を純粋なグリセロールで50%の最終濃度まで希釈し、AmPPO酵素または変異型ΔG210-AmPPOを液体形態で-20℃で保存した。
【0301】
実施例21.PPOインビトロアッセイ
プロトポルフィリノーゲンIX(PPGIX)は、Jacobs and Jacobs,Enyzme 28:206(1982)に記載されているように、プロトポルフィリンIX(PPIX)をナトリウムアマルガムで還元することによって調製される。調製されると、PPGIX溶液は暗所中に保たれ、その後の全ての操作は暗所の中で実施される。
【0302】
アッセイのベース緩衝液は、50mMのTRIS(pH8.5)、160mMのNaCl、2mMのDTT、0.01%のTriton X-100であった。消泡剤溶液は、Milli-Q水との消泡剤Bエマルション(SigmaAldrich)の2回の連続1~10回の希釈によって調製された。緩衝液Aを、ベース緩衝液中のAmPPOまたは変異型ΔG210-AmPPOを3~8ug/mlの濃度の酵素に希釈することによって新たに調製した。緩衝液Bは、2mlの還元された2mM PPIXを60mlのベース緩衝液に添加し、氷酢酸を使用してpHを8.5に戻すことによって調製した。最後に、消泡剤B(Sigma)を添加して0.01%の最終濃度にした。緩衝液Bを光から保護し、その調製から3時間以内に使用した。
【0303】
アッセイには、384ウェルの透明底プレートを使用した。各試験化合物をDMSO中に30mMの濃度に溶解した。三連で試験した試験化合物、ブタフェナシル対照、及びDMSO対照を、1.2μLの液滴としてプレートのウェルに分注した。ウェルを60μLの緩衝液Aで希釈し、第1のウェルから20μLを除去し、第2のウェル内でウェルを40μLの緩衝液Aと混合し、第2のウェルから20μLを除去し、8つの試験ウェルとなるまで、この方法で希釈を継続することによって、1体積から3体積まで7回の希釈にわたって連続的に希釈した。反応を開始するために、40μLの緩衝液Bを各ウェルに添加し、ウェルを少なくとも2回穏やかに混合した。プレートを2000rpmで1分間遠心分離し、プレートリーダーを使用して周囲温度で吸光度または蛍光を読み取った。IC50は、ゼロに拘束された曲線底部及びプレート特異的Vaverageに拘束された曲線頂部を有する非線形回帰Sigmoidal用量反応モデル(GraphPad Prism、可変勾配)を使用して計算した。
【0304】
化合物3~24、26~34、37~38、41、43~44、46~54、56、59~67、及び69~79のそれぞれは、PPOインビトロアッセイにおいて100nM未満のIC50を有した。化合物25、35~36、39~40、42、45、55、57~58、及び68は、このアッセイにおいて1μM未満のIC50を有した。
【0305】
化合物4、13~14、17~20、22~24、26~27、29、31~34、38、41、44、47、51~53、56、59~60、64~65、75、及び77~79のそれぞれは、ΔG210 PPOインビトロアッセイにおいて100nM未満のIC50を有した。化合物3、5~12、15~16、21、28、30、37、42~43、46、48~50、61~63、66~67、70~74、及び76は、このアッセイにおいて、1μM未満のIC50を有した。
【0306】
実施例22.本発明の化合物の出芽後の除草活性の試験
本発明の選択された化合物を、Amaranthus retroflexus(AMARE)、Echinochloa crus-galli(ECHCG)、Kochia scoparia(KCHSC)、及びSetaria italica(SETIT)に対して100PPMでスクリーニングした。
【0307】
したがって、PPO感受性雑草種子を、Miracle-Gro potting mix(Scotts Miracle-Gro Company,Marysville,OH,USA)を含有する四分円によって5”×5”の鉢に播種し、適切な成長条件(光周期16/8時間の昼/夜及びLEDランプによって補完した300μmol m-2s-1の光強度を有する26/22℃の温度)を有するConviron成長チャンバで成長させた。成長チャンバ内の相対湿度は、約65%に維持された。植物を2~4葉段階まで成長させ、1種当たり1象限当たり5~8つの植物に間引いた。
【0308】
化合物を、25%のアセトン、1%の作物油濃縮物(COC-Agridex)、0.1%のTween-20、及び2.5%の硫酸アンモニウム(AMS)中に配合した。3つの複製鉢を各化合物で処理した。活性化合物を除く上記製剤からなる処置を、処置対照(TC)として適用した。植物を、269kPaで187~200L ha
-1を送達するように較正された8003個のフラットファンノズルを装備した実験室スプレー室内で試験化合物溶液で処理した。植物を成長チャンバに戻し、処理後7日(DAT)のTCと比較した、視覚的な損傷の割合について評価した。表3に提示されるデータは、防除率を示し、100%防除は、成長の完全な阻害を示す。
【表3】
【0309】
実施例23.本発明の化合物の出現前の除草活性を試験すること。
本発明の選択された化合物を、Amaranthus retroflexus(AMARE)に対して200PPMでスクリーニングした。
【0310】
したがって、PPO感受性雑草種子を、カスタムの野外土壌ミックス(4.7%OM、pH7.0のSandy loam)を含有する5”×5”の鉢に象限単位で植え付け、同じ土壌の細かい層で覆った。化合物を、25%のアセトン、1%の作物油濃縮物(COC-Agridex)、0.1%のTween-20、及び2.5%の硫酸アンモニウム(AMS)中に配合した。3つの複製鉢を各化合物で処理した。活性化合物を除く上記製剤からなる処置を、処置対照(TC)として適用した。鉢を、269kPaで187~200L ha-1を送達するように較正された8003個のフラットファンノズルを装着した実験室スプレー室内で試験化合物溶液で処理した。同じ軌道噴霧器を使用して0.2mm相当の降雨量をシミュレートすることにより、化合物を土壌に組み込んだ。その後、成長及び発芽阻害%について評価されるまで、鉢を底部から灌漑した。鉢を成長チャンバに戻し、処置の7日後のTC(DAT)と比較して、成長及び発芽阻害%について評価した。成長条件は、出現後アッセイで言及されているものと類似している。
【0311】
表4に示されるデータは、パーセンテージ防除を示し、100%防除は、成長及び発芽の完全な阻害を示す。
【表4】
【国際調査報告】