(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】インサイチュ材料再生を含む付加製造のための印刷方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
B22F 10/50 20210101AFI20250128BHJP
B22F 10/37 20210101ALI20250128BHJP
B22F 10/85 20210101ALI20250128BHJP
B22F 10/14 20210101ALI20250128BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20250128BHJP
B29C 64/321 20170101ALI20250128BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20250128BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20250128BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20250128BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20250128BHJP
B33Y 40/10 20200101ALI20250128BHJP
【FI】
B22F10/50
B22F10/37
B22F10/85
B22F10/14
B29C64/165
B29C64/321
B29C64/393
B33Y50/02
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541945
(86)(22)【出願日】2023-01-17
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 US2023060771
(87)【国際公開番号】W WO2023137496
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520272949
【氏名又は名称】サクウ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モルテザ ヴァタニ
(72)【発明者】
【氏名】セイエド モハンマド サジャディ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ズーチャオ シー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ポール ワナメーカー
(72)【発明者】
【氏名】シアマック アジジ
(72)【発明者】
【氏名】カール リッタウ
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL32
4F213WL43
4F213WL52
4F213WL74
4F213WL85
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
【課題】3D印刷のための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】3D印刷のための方法は、基板上に粉末の少なくとも2つの別個のセクションを作成するステップと、基板をセグメント化して粉末の少なくとも2つの別個のセクションを分離するステップと、基板のセグメント上で粉末を圧縮するステップと、基板のセグメントから緩い/圧縮されていない粉末を除去するステップと、基板のセグメント上で印刷プロセスまたは処理動作のうちの1つまたは複数を実行することによって印刷/処理された層を作成するステップと、印刷/処理された層を基板のセグメントからビルドプラットフォームに移送するステップとを備える。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
粉末堆積ステーションにおいて基板上に粉末を堆積させるステップと、
前記粉末の第1の部分を除去して、堆積した粉末の部分の間に前記基板の清浄な部分を形成するステップと、
基板上に残っている堆積された粉末の部分を湿潤ステーションに移動させ、湿潤ステーションにおいて粉末を湿潤剤で湿潤させるステップと、
堆積された粉末の湿潤部分を圧縮ステーションに通して粉末を圧縮するステップと、
堆積された粉末の部分のうちの1つをそれぞれ含む基板セグメントを作成するために、清浄な部分で基板を切断するステップと、
堆積粉末がその上に載っている基板セグメントをキャリアフレームに移送するステップと、
前記基板セグメントを結合剤噴射ステーションに移動させ、前記結合剤噴射ステーションで前記粉末に結合剤を付着させるステップと、
層がその上に載っている前記基板セグメントを有する前記キャリアフレームを積み重ねステーションに移動させて、前記層を個々に互いに積層して多層製品を形成するステップとをさらに備える、方法。
【請求項2】
前記粉末の前記除去された第1の部分を清浄な粉末収集容器内に堆積するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記層を前記基板セグメントから分離するために前記キャリアフレームを反転させるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記キャリアフレームを反転させて、緩い/圧縮されていない粉末を前記基板から離れるように影響を与えるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記キャリアフレームを反転させた後に、レーザ粉末除去ステーションによって前記緩い/圧縮されていない粉末を除去するステップをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記圧縮ステーションがカレンダローラを含む、請求項1または3に記載の方法。
【請求項7】
前記粉末堆積ステーションに結合された監視システムを用いて、前記堆積された粉末の厚さ、前記堆積された粉末のレベル、前記堆積された粉末の表面プロファイル、またはトポグラフィのうちの1つ以上のパラメータを決定するステップをさらに備える、請求項1または3に記載の方法。
【請求項8】
前記監視システムが視覚システムである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記堆積された粉末の前記部分間の粉末除去が、前記堆積された粉末の前記部分を2つの隣接する粉末セクションにセグメント化するための切断動作を可能にするのに十分であるかどうかを、清浄ストリップ/粉末領域決定センサを使用して決定するステップをさらに備える、請求項1または3に記載の方法。
【請求項10】
湿潤センサを使用して、前記湿潤ステーションによる前記堆積された粉末の湿潤度を感知することと、前記湿潤ステーションによる前記堆積された粉末の前記測定された湿潤度に基づいて、前記湿潤ステーションの動作を制御するためにフィードバックを提供するステップをさらに備える、請求項1または3に記載の方法。
【請求項11】
エッジセンサを使用して、粉末セクションが前記圧縮ステーションを離れるときに前記粉末セクションの少なくとも1つのエッジの位置を決定するステップをさらに備える、請求項1または3に記載の方法。
【請求項12】
前記エッジセンサは、前記堆積された粉末の表面プロファイルの粗さ、平坦度、および/または品質のうちの少なくとも1つを定量化することによって、前記堆積された粉末の表面プロファイルを決定するように構成された表面形状測定装置(プロフィロメータ)をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記清浄な部分で前記基板を切断して基板セグメントを作製した後、かつ前記堆積した粉末の部分を前記キャリアフレームに移送する前に、表面形状測定装置を使用して前記粉末の品質を検査するステップをさらに備える、請求項1または3に記載の方法。
【請求項14】
前記基板のセグメント上で印刷プロセスまたは処理動作のうちの1つまたは複数を実行するステップと、前記印刷プロセスまたは処理動作の後に、材料噴射および乾燥ステーションを使用して、前記基板のセグメント上に堆積された粉末を乾燥させるステップとをさらに備える、請求項1または3に記載の方法。
【請求項15】
湿潤/乾燥センサを使用して、前記湿潤ステーション、前記結合剤塗布ステーション、ならびに前記材料噴射ステーションおよび乾燥ステーションによって、前記堆積された粉末層の潤滑/湿潤を制御するステップをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
3D印刷のための方法であって、
基板上に粉末の少なくとも2つの別個のセクションを作成するステップと、
前記基板をセグメント化して、粉末の前記少なくとも2つの別個のセクションを分離するステップと、
前記基板のセグメント上の粉末を圧縮するステップと、
前記基板のセグメントから緩い/圧縮されていない粉末を除去するステップと、
基板のセグメント上で印刷プロセスまたは処理動作のうちの1つまたは複数を実行することによって、印刷/処理された層を作成するステップと、
前記印刷/処理された層を前記基板のセグメントからビルドプラットフォームに移送するステップとをさらに備える、方法。
【請求項17】
前記粉末の離散セクションが、圧縮前に潤滑化/湿潤化される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記セグメント化された基板は、バインダが塗布される前にキャリアフレームに移送される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記キャリアフレームを反転させて、前記緩い/圧縮されていない粉末を前記基板から離すように作用させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記除去された緩い/圧縮されていない粉末を汚染された粉末収集容器内に堆積させるステップと、再使用のために前記汚染された粉末収集容器から前記粉末を再生するステップとをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
3D印刷システムであって、
連続基板上に粉末を堆積させるように構成された粉末堆積ステーションと、
前記連続基板上で、粉末を含まない清浄なストリップによって分離された、粉末の少なくとも2つの隣接する別個のセクションを生成するように構成された粉末除去ステーションと、
前記連続基板の清浄なストリップで連続基板を切断して、連続基板を個々の基板セグメントにセグメント化し、個々の基板セグメントの隣接するセグメント上にそれぞれ形成された粉末の少なくとも2つの別個のセクションを分離するように構成された切断ステーションと、
個々の基板セグメントをそれぞれ対応する個々のキャリアフレーム上に移送するように構成された移送ステーションと、
粉末の2つの別個のセクションが、それらが堆積されるそれぞれの個々の基板セグメントから懸架されるように、キャリアフレームを反転させるように構成された反転ステーションと、
それぞれのキャリアフレームから粉末の個別のセクションを受け取り、積み重ねるように構成された積み重ねステーションとを備える、3D印刷システム。
【請求項22】
前記粉末の個別部分を圧縮するように構成された圧縮ステーションと、
前記基板セグメントを前記キャリアフレームに移送した後に、前記基板の前記セグメントから緩い/圧縮されていない粉末を除去するように構成されたレーザ粉末除去ステーションをさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記粉末除去ステーションからの粉末を第1の収集容器に堆積するステップと、
レーザ粉末除去ステーションからの緩い/圧縮されていない粉末を、第1の収集容器とは異なる第2の収集容器内に堆積するステップと、
前記第1および第2の収集容器の各々から前記粉末を再使用のために再生するステップとをさらに備える、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、付加製造(AM)プロセスのための改善された印刷方法およびシステムに関し、連続基板上でプロセスの一部を実行することと、キャリアフレーム上に取り付けられた基板のセグメントを使用してプロセスの一部を実行することとを含む。本開示はまた、AMプロセスから収集された粉末および/または液体などの使用済み材料の回収、再調整、および再使用を可能にし、したがって材料利用効率を高め、製造コストを削減する、インサイチュ材料再生方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なAM操作では、層は互いの上に構築されるか、またはそれらはコンベヤベルト上に構築され、最後の段階でそれらは互いの上に積み重ねられる。例えば、現在の結合剤噴射3D印刷では、構築材料の粉末層が粉末床または基材上に堆積され、続いて、堆積された粉末層上に液体結合剤を噴射して、印刷されたパターンを画定する。このプロセスでは、典型的には、大量の過剰な未結合の構築材料粉末が収集される。構築材料粉末は高価であり得、したがって、収集された使用済み粉末は、好ましくは、廃棄物として廃棄されるべきではない。同様に、インクジェット3D印刷または噴射材料3D印刷プロセスでは、溶媒およびインクなどの大量の使用済み液体が収集される場合があり、それらは廃棄物として廃棄することができない。しかしながら、外部資源による使用済み粉末および/又は液体の再生は、製造のための時間およびコストの両方を増加させる可能性がある。したがって、使用済みの粉末および液体を収集し、再調整し、再使用するための効果的な現場材料再生システムを提供する必要がある。また、様々なステーションを個別に通る粉末の層の改善された輸送を提供し、様々なステーションでの処理後に、処理された粉末の層の、それらが取り付けられた基板(基材)からの除去を容易にして、多層スタック製品を構築するための層の改善された積み重ねを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施態様では、方法は、粉末堆積ステーションにおいて基材上に粉末を堆積させることと、粉末の第1の部分を除去して、堆積された粉末の部分の間に基材の清浄な部分を作成することと、基材上に残っている堆積された粉末の部分を湿潤ステーションに移動させ、湿潤ステーションにおいて粉末を湿潤剤で湿潤させることと、堆積された粉末の湿潤された部分を圧縮ステーションに通過させて、粉末を圧縮することと、基材を清浄な部分で切断して、それぞれが堆積された粉末の部分のうちの1つを含む基材セグメントを作成することと、堆積された粉末がその上に取り付けられた基材セグメントをそれぞれのキャリアフレームに移送することと、堆積された粉末がその上に取り付けられた基材セグメントをそれぞれのキャリアフレームに移送することと、基材セグメントをバインダ噴射ステーションに移動させ、バインダ噴射ステーションにおいてバインダを粉末に堆積させることと、層がその上に取り付けられた基材セグメントと共にキャリアフレームを積層ステーションに移動させて、層を互いに個々に積層して多層製品を形成することと、を含む。
【0004】
別の実施形態では、3D印刷のための方法は、基材上に粉末の少なくとも2つの別個のセクションを作成するステップと、粉末の少なくとも2つの別個のセクションを分離するために基材をセグメント化するステップと、基材のセグメント上で粉末を圧縮するステップと、基材のセグメントから緩い/圧縮されていない粉末を除去するステップと、基材のセグメント上で印刷プロセスまたは処理動作のうちの1つまたは複数を実行することによって印刷/処理された層を作成するステップと、印刷/処理された層を基材のセグメントからビルドプラットフォームに移送するステップとを含む。
【0005】
別の実施形態では、3D印刷システムは、連続基材上に粉末を堆積させるように構成された粉末堆積ステーションと、連続基材の粉末を含まない清浄なストリップによって分離された、連続基材上に粉末の少なくとも2つの隣接する個別のセクションを作成するように構成された粉末除去ステーションと、連続基材を個々の基材セグメントにセグメント化して、個々の基材セグメントの隣接するセグメント上にそれぞれ形成された粉末の少なくとも2つの個別のセクションを分離するために、連続基材の清浄なストリップにおいて連続基材を切断するように構成された切断ステーションと、個々の基材セグメントをそれぞれ対応する個々のキャリアフレーム上に移送するように構成された移送ステーションと、粉末の2つの個別のセクションが、それらが堆積されるそれぞれの個々の基材セグメントから懸架されるように、キャリアフレームを反転させるように構成された反転ステーションと、それぞれのキャリアフレームから粉末の個別のセクションを受け取り、積み重ねるように構成された積み重ねステーションとを含む。
【0006】
図面は、本教示による1つまたは複数の実施形態を、限定ではなく単に例として示す。図中、同様の参照番号は、同一または類似の要素を指す。さらに、図面は必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1a】本開示の態様による、連続基材上で印刷プロセスの一部を実行するための全体的な印刷システムと、キャリアフレーム上に支持された基材セグメントで実行されるプロセスの一部とを示す図である。
【
図1b】
図1aの印刷プロセスの動作を制御するために1つまたは複数の感知/監視モジュールがどのように利用されるかを示す図である。
【
図1c】
図1aの印刷プロセスの動作を制御するために1つまたは複数の感知/監視モジュールがどのように利用されるかを示す図である。
【
図2】本開示の態様による、その場(インサイチュ)での粉末収集および再生を含む、基板上に堆積された粉末を使用する印刷プロセスの全体的なフローチャートを示す図である。
【
図3】本開示の態様による、粉末堆積を使用する複数の印刷システムのためのその場での粉末収集および再生方法のフローチャートを示す図である。
【
図4】本開示の態様による、
図2に示す粉末堆積を使用する印刷システムの初期段階におけるその場での清浄な粉末収集および再生の方法を示す図である。
【
図5】本開示の態様による、
図2に示す粉末堆積を使用する印刷システムの中間段階における湿潤剤で汚染された粉末のその場での収集および再生の方法を示す図である。
【
図6】本開示の態様による、
図2に示す粉末堆積を使用した印刷システムの最終段階におけるその場での結合剤汚染粉末収集および再生の方法を示す図である。
【
図7】本開示の態様による、粉末堆積を使用する印刷システムのための粉末再生方法のフローチャートを示す図である。
【
図8】本開示の態様による、粉末堆積を使用する印刷システムのための代替的な粉末再生方法のフローチャートを示す図である。
【
図9】本開示の態様による、その場での湿潤剤/液体収集および再生を含む、基板上に堆積された粉末を使用する印刷プロセスの全体的なフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、開示される主題の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が例として記載される。しかし、本開示を読むと、1つまたは複数の開示された態様がそのような詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかになり得る。さらに、本開示による様々な例示的な実施形態の説明は、1つまたは複数の知られている技法または動作の参照またはそれらへの参照を含むことがあり、そのような参照は、本開示に特有ではなく、本開示を完全に理解するために必要ではない詳細で、その様々な概念、態様、および特徴を不明瞭にすることを回避するために、比較的高レベルであり得る。
【0009】
本開示は、改善されたAMシステム、例えば、3D印刷システムを提供し、3D印刷プロセスの初期部分は、連続基板(基材)上で実行され、その後、基板は、セグメントに切断され、各セグメントは、その上に取り付けられた、印刷された粉末の部分で形成された層を含み、セグメントは、それぞれ、個々のキャリアフレーム上に取り付けられ、層は、キャリアフレーム上に取り付けられている間にさらなる処理を受ける。これに続いて、個々の層は、個々のキャリアフレームから、例えば構築プラットフォーム上の、以前に処理された層のスタックに移送される。
【0010】
図1aを参照すると、連続基材上での3D印刷プロセス105の初期部分と、キャリアフレーム上に取り付けられた個々の層を有するプロセスの後期部分110とを実行するための全体システム100が示されている。
図1aに見られるように、システム100の連続的な基材部分105は、移動する基材上に粉末が堆積される粉末堆積ステーション120と、粉末が除去されて、プロセスの後の段階で積み重ねのための粉末の層になる粉末の隣接するセクションを分離する基材のきれいなストリップを作成する粉末除去ステーション125とを含む。基材の清浄なストリップは、プロセスの後の段階で、基材をセグメントに切断するために使用され、各セグメントは、積層のための粉末層に形成される粉末の一部を有する。システムの連続基板部分はまた、潤滑/湿潤ステーション130を含むことができ、これは、堆積された粉末を湿潤剤で湿潤させて、さらなる処理の前に湿潤された粉末を圧縮するためにプロセスで使用されるカレンダ加工または圧縮ステーション135内のカレンダローラに粉末が付着するのを防止する。これにより、通常のAMシステムでは達成することができない高い充填密度(例えば、30%超)を達成することができる。連続基板は、例えば、マイラーから形成することができるが、他の材料を使用することもできる。
【0011】
さらに
図1aを参照すると、システム内の次のステーションは、連続基板上の粉末の隣接部分の処理ではなく、セグメント上の層として個々にさらに処理するために基板をセグメントに切断する(レーザ)切断/セグメント化ステーション140であり得る。
図1aは、切断ステーション140がレーザ切断を使用することを示しているが、必要に応じて、他の切断技術を使用することができる。
【0012】
さらに
図1aを参照すると、3D印刷プロセスの後の段階110は、移送ステーション145で個々の基板セグメントを対応する個々のキャリアフレームに移送した後に実行される。この目的のための適切なキャリアフレームは、2022年12月2日に出願された「Carrier Plate and Method of Use Thereof」と題する本出願人による関連出願(米国特許出願第18/074,298号)に記載されている。セグメント化後、潤滑/湿潤ステーションで塗布された湿潤剤は、湿潤剤乾燥ステーション150で除去することができる。次に、基材セグメント上の層のセクションは、バインダ噴射および乾燥ステーション155に送られ、そこでバインダが基材セグメント上の粉末の個々の層に塗布され、続いて同じステーションでバインダが乾燥される。あるいは、結合剤噴射は、1つのステーションで行うことができ、結合剤の乾燥は、処理ラインのさらに下流の別のステーションで行うことができる。
【0013】
図1aに示す実施形態では、さらなる処理の前に、キャリアフレームは反転ステーション160で反転され、反転ステーション160は、キャリアフレーム上に取り付けられた粉末の層が、キャリアフレーム上に取り付けられた対応する基材セグメントから上下逆に吊り下げられるように、キャリアフレームを180度回転させる。このようにして、より緩い/圧縮されていない粉末は、基材から離れて影響を受ける。
図1aに示す実施形態では、反転ステーションでキャリアフレームを反転させた後、過剰な粉末または粉末のパターン化されていない部分(すなわち、バインダ噴射を受けていない粉末)も、(レーザ)粉末除去ステーション165で除去することができる。2023年1月11日に出願された「Method and Apparatus for Powder Removal in an Additive Manufacturing System」という名称の本出願人による関連出願(米国特許出願第18/152,854号)は、この目的のためのレーザ粉末除去ステーションの特徴を記載している。他の実施態様では、キャリアフレームの反転は必要とされなくてもよく、または粉末のパターン化されていない部分を除去するための代替的な方法が利用されてもよい。
【0014】
最後に、余分な粉末を除去した後、圧縮されパターン化された粉末の個々の層をその上に有する基板セグメントを有するキャリアプレートは、例えば、材料(インク)噴射および乾燥ステーション170などの他の処理ステーションに渡される。いくつかの実施形態では、キャリアフレームは、処理されている粉末の層が上を向くように180度反転されてもよい。代替的な実施態様では、インク噴射および乾燥のステップは、2つの別個のステーションで行うことができる。さらに他の実施形態では、基板セグメントを有するキャリアプレートを、印刷ステーションではない他の処理ステーションに渡すことができる。例えば、処理ステーションは、導電性要素などの要素を拾い上げて個々の層内に配置することができる。最後に、反転されたキャリアプレートは、積み重ねステーション175に渡され、ここで、完全に処理された粉末の個々の層が除去されて、以前に処理された粉末の層の積み重ねの上に配置され、例えば構築プラットフォーム上に最終製品を形成する。個々の層をそれらのそれぞれのキャリアプレートから除去するための適切な手順は、本出願人による上記の関連出願(米国特許出願第18/074,298号)、および2022年1月14日に出願された「Method and Apparatus to Process and Bond Layers in an Additive Manufacturing System」と題する本出願人による別の関連仮出願(米国仮出願第63/299,863号)に記載されている。
【0015】
図1aは、連続基板を部分的に使用し、キャリアフレームに取り付けられた基板のセグメントを部分的に使用して3D印刷プロセスを実行するためのシステムの実施形態を示しているが、連続基板を使用して実行される特定のステップ、およびキャリアフレームに取り付けられた基板セグメントを使用して実行されるステップは、変更することができる。例えば、代替的な実施態様では、粉末のそれぞれの層を有する基材セグメントは、キャリアフレーム上に取り付けられる前に、湿潤剤乾燥ステーション並びにバインダ噴射および乾燥ステーションでの操作を受けることができる。代替的に、切断およびセグメント化ステーションは、システム全体の後のポイントに配置することができる。さらに、任意の数の処理ステップを、任意の順序で、任意の基板セグメント上で実行することができる。
【0016】
図1bは、連続生産システムおよびより高いスループットを提供する連続基板部分105の動作を制御するために1つまたは複数の感知/監視モジュール170が利用される態様および実施形態を示す。1つまたは複数の感知/監視モジュール170を利用することにより、データを使用してプロセスを更新、強化、または改良することが可能になり、それにより、プロセスの各段階の効率を潜在的に高め、システムの自動化を強化し、プロセス全体を監督するのに必要なオペレータを少なくすることができる。いくつかの実施形態では、感知/監視モジュール170のサブセットは、例えば、プロセスのどの段階で最も変動が経験されるかに基づいて、利用されてもよい。感知/監視モジュール170は、例えば、1つ以上の画像取得デバイス、表面形状測定器、エッジセンサ、潤滑/湿潤センサ、または他の感知/監視デバイスを備えてもよい。上述したセンサに加えて、現在知られている、または後に開発される他のセンサも、連続生産システムに組み込むことができる。コンピュータシステム(図示せず)は、様々な感知/監視モジュール170からのデータを分析し、取得されたデータが許容限界内にあるか、または所定の閾値を下回るか上回るかを判定し、分析に基づいて自動システムの1つ以上の動作パラメータを調整し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、システムに組み込まれ得る、またはユーザインターフェースを通してユーザによって入力され得る、規則、ポリシー、または他の論理の構成に基づいて、システムの動作を編成し得る。
【0017】
図1bの右側は、
図1aの連続基板部分105について上述した動作に対応する、連続基板上で行われるAM製造プロセスのステップのフローチャートを示す。
図1bの左側には、製造プロセスの様々な段階中の様々なセンサ170によるデータ取得のためのフローチャートが示されており、データ取得は、
図1bの右側に示されているAM製造プロセスに関連して行われる。破線の矢印線は、本開示の態様による、データが取得され、および/または命令が送信されるAM製造プロセスにおけるポイントを示す。
【0018】
本開示の一態様では、監視システム、例えば粉末堆積システム120に関連する視覚システム172は、リアルタイムで1つまたは複数の位置で、分配された粉末レベルの厚さ、表面プロファイル、またはトポグラフィの1つまたは複数のパラメータを決定することができる。1つまたは複数のパラメータの値が所定の範囲外である、または所定の閾値を上回る/下回るとコンピュータシステムによって判定された場合、粉末堆積ステーション/装置120はそれに応じて調整されてもよい。この目的のために利用することができる監視システムの一例、例えば視覚システム172は、「逆回転ローラを有する3次元(「3D」)印刷装置」と題する同時係属出願第17/842,701号に記載されている。一実施形態では、コンピュータシステムによる視覚システムデータの分析は、堆積された粉末の欠陥を判定するか、または1つ以上の粉末ディスペンサが許容可能な方法で動作していないことを判定することができる。この状況では、コンピュータシステムは、インターフェース/ディスプレイによってその情報をユーザに伝達してもよく、および/または機能しているディスペンサの動作を修正して不十分さを補償してもよい。別の実施形態では、堆積された粉末がさらなる処理に利用できないとコンピュータシステムによって判定された場合、粉末除去ステーション125は、堆積された粉末全体を基板から除去するように命令されてもよい。一方、コンピュータシステムによって、実質的に欠陥がない、または1つ以上のパラメータの値が許容可能な範囲内にある、または許容可能な値であると判定された場合、粉末除去ステーション125は、さらなる処理に利用される、粉末の隔離された領域、または清浄なストリップ(粉末が除去された領域)によって分離された粉末のセクションを作成するように命令されてもよい。
【0019】
本開示の別の態様では、監視/感知システム、例えば、視覚システムであってもよい清浄ストリップ/粉末領域決定システム174は、粉末の隣接するセクション間の粉末除去ステーション125による粉末除去動作が十分であるかどうかを決定することができる。十分性は、例えば、2つの隣接する粉末セクションをセグメント化するための切断動作を可能にするのに十分な2つの隣接する粉末セクションの縁部を決定することが可能である場合、清浄なストリップ上に残っている粉末の面積、すなわち基材の「清浄化された」セクションが所定の閾値量を下回る場合、または「清浄化された」基材の最小面積が2つの隣接する粉末セクション間で識別可能である場合、清浄なストリップ/粉末面積決定システム174によって多数の方法で決定することができる。いくつかの実施形態では、粉末の隣接するセクション間の粉末除去動作が十分であるかどうかを判定することに加えて、同じまたは異なる視覚システムからのデータを利用して、生成された粉末の2つの隣接するセクションが許容可能な形態である(例えば、粉末除去プロセスによって損傷されていない)かどうかを判定し、欠陥もしくはエラーがないか、または許容可能な範囲内の欠陥もしくはエラーがある状態で、次のプロセスステップに進むことを可能にすることができる。
【0020】
本開示のさらなる態様では、潤滑/湿潤センサ176を備える監視/感知システムは、潤滑/湿潤ステーション130による堆積された粉末層の湿潤を制御することを可能にすることができる。これらのセンサ176は、自動インラインモニタが、湿潤、乾燥、および蒸気などの湿潤剤の堆積/除去に関連する品質問題をリアルタイムで検出することを可能にし、したがって欠陥部品の生産を最小限に抑える。特に、本開示の実施形態によれば、センサ176が設けられ、センサ176は、インテリジェントソフトウェアと共に、湿潤品質問題(例えば、過剰な湿潤または不十分な湿潤であり、その両方が後続の圧縮動作の結果に悪影響を及ぼす)が検出されたときにプロセス制御に即時フィードバックを提供することができ、したがって、欠陥部品の生産を最小限に抑える。この目的のために利用することができる監視システムの例は、2022年12月2日に出願された同時係属出願第18/074,341号「Wetness Sensor, Method and System for Sensing an Amount of a Wetting Agent」に記載されている。
【0021】
潤滑/湿潤ステーション130を通過した後、潤滑された堆積粉末のセクションは、粉末が圧縮されるカレンダローラを備えてもよい圧縮ステーション135を通過する。次いで、(レーザ)切断/セグメント化ステーション140において、基材を切断して、粉末の各セクションを基材の個別のセグメントに分離する。一実施形態では、基材は、粉末の少なくとも2つの別個のセクションを分離するようにセグメント化される。一構成では、エッジセンサ178を備える監視/感知システムを利用して、粉末セクションがカレンダローラを出るときの粉末セクションのエッジの位置、または粉末セクションがカレンダローラを出るときの粉末の2つの隣接するエッジの位置を決定することができる。この情報を用いて、基材がステーションを通って移動している速度と組み合わせて、コンピュータシステムを使用して、2つの隣接する粉末セクションの境界を形成する粉末の2つの縁部間の「クリーンストリップ」の実質的に中央に、レーザを向けるべき位置を決定することができる。基材の表面を横切って、基材の縁部に実質的に直交する実質的に直線を得るために、一実施態様では、移動する基材に対する速度に基づいて、基材が移動している間に基材を一方の側から他方の側に横断するときに、(レーザ)切断/分割ステーション140内のレーザ又は他の切断デバイスが、粉末の2つの隣接する縁部の実質的に中央で基材を切断するように、レーザの角度を調整することができる。別の構成では、基材が移動している速度を示すデータを、粉末のセクションおよび/または「クリーンストリップ」に関連する幾何学的情報と組み合わせて利用して、基材をどこで切断すべきかを決定することができ、コンピュータシステムを利用して、レーザなどの切断機構に、それに応じて基材を切断するように指示することができる。
【0022】
一実施形態では、切断前に、センサ178は、堆積された粉末の表面プロファイルを決定するために使用され得るプロフィロメータを含むことができ、いくつかの例では、その粗さまたは平坦さを定量化し、および/または表面の品質が処理を継続するために許容可能であるかどうかを決定する。いくつかの構成では、表面粗さが所定の閾値を超えるか、または許容範囲外である場合、コンピュータシステムは、さらなる圧縮のために圧縮ステーション135と相互作用するような方向に基板を移動させるように命令することができる。他の構成では、表面粗さが所定の閾値を超えるか、または許容範囲外である場合、コンピュータシステムは、基板のその部分を廃棄し、さらなる処理を受けないように命令することができる。いくつかの実施形態では、廃棄は、圧縮された粉末を基材から分離し、再使用のために粉末を回収、再調整(または再生}することを含み得る。
【0023】
粉末セクションが切断/セグメント化ステーション140によって切断されると、粉末セクションをキャリアフレームに移送する前に粉末の品質をチェックするために、プロフィロメータ179を利用することもできる。
図1bにも示されているように、様々なセンサ172、174、176、178、および179の出力のいずれかの結果が許容可能でない場合、動作は、粉末を廃棄するかまたは方向転換するように指示され得る(ステップ177)。いくつかの実施形態では、廃棄は、再使用のために粉末を回収、再調整(または再生)することを含み得る。
【0024】
図1cは、1つ以上の感知/監視モジュール180が、連続生産システムおよびより高いスループットを提供するキャリアフレーム部分110の動作を制御するために利用される、態様および実施形態を図示する。
図1bと同様に、
図1cの1つ以上の感知/監視モジュール180の利用は、データがプロセスを更新、強化、または改良するために使用されることを可能にし、それによって、プロセスの各段階の効率を潜在的に増加させ、生産システムの自動化を強化し、より少ないオペレータがプロセス全体を監督することを可能にする。いくつかの実施形態では、例えば、プロセスのどの段階で最も変動が生じるかに基づいて、感知/監視モジュールのサブセットを利用することができる。コンピュータシステム(図示せず)は、感知/監視モジュールからのデータを分析し、取得されたデータが許容限界内にあるか、または所定の閾値を下回るか、もしくは上回るかどうかを判定してもよく、分析に基づいて、自動化システムの1つ以上の動作パラメータを調整してもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、システムに組み込まれ得る、またはユーザインターフェースを通してユーザによって入力され得る、規則、ポリシー、または他の論理の構成に基づいて、システムの動作を編成し得る。
図1cの右側は、
図1aに示されるステップに対応する、キャリアフレーム上で実行されるAM製造プロセスのステップのフローチャートを示す。
図1cの左側には、製造プロセスの様々な段階中の様々なセンサ180によるデータ取得のためのフローチャートが示されており、データ取得は、
図1cの右側に示されているAM製造プロセスに関連して行われる。破線の矢印線は、本開示の態様による、データが取得され、および/または命令が送信されるAM製造プロセスにおけるポイントを示す。
【0025】
湿潤/乾燥センサ182、184、および186を備える監視/感知システムは、潤滑/湿潤および/または乾燥ステーション150、結合剤噴射および乾燥ステーション155、ならびに材料噴射ステーションおよび乾燥ステーション164による、堆積された粉末層の潤滑/湿潤の制御を可能にすることができる。これらのセンサ182、184、および186は、自動インラインモニタが、蒸気、結合剤、材料インクなどの潤滑/湿潤剤の湿潤、乾燥、および堆積/除去に関連する品質問題をリアルタイムで検出することを可能にし、したがって欠陥部品の生産を最小限に抑える。特に、本開示の実施形態によれば、センサが提供され、センサは、インテリジェントソフトウェアと共に、湿潤品質問題(例えば、過剰な湿潤または不十分な湿潤であり、その両方が後続の圧縮動作の結果に悪影響を及ぼす)が検出されたときにプロセス制御に即時フィードバックを提供し、したがって、欠陥部品の生産を最小限に抑えることができる。この目的のために利用することができる監視システムの例は、2022年12月2日に出願された「Wetness Sensor, Method and System for Sensing an Amount of a Wetting Agent」と題する上記の同時係属出願第18/074,341号に記載されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、キャリアフレームが反転され(ステップ160)、レーザ(または他の切断デバイス)が動作された(ステーション162)後に、基板上に堆積されたすべての未結合粉末が除去されたかどうかを判定するために、撮像デバイスなどの品質判定センサ188が組み込まれてもよい。これは、コンピュータシステムを利用して、画像内のパターンをプロセスのこの特定の段階で予想されるパターンと比較することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、予想されるパターンは、コンピュータシステムのメモリ要素に記憶されてもよい。そのような比較の後、いくらかの未結合の粉末がまだ残っていると判定された場合、コンピュータシステムは、残っている未結合の粉末が除去されるまでキャリアフレームを再び反転させるように指示し、粉末除去ステーション162内のレーザ(または他の粉末除去装置)を向け直して、画像データに基づいて追加の粉末除去を実行するか、または1つ以上の追加の粉末除去装置(複数可)、例えばエアナイフに、残っている粉末の量および位置に基づいて残っている未結合の粉末を動作させて除去するように指示することができる。この目的のために利用することができる粉末除去システムの例は、「Method and Apparatus for Powder Removal in an Additive Manufacturing System」と題する、2023年1月11日に出願された同時係属出願第18/152,854号に記載されている。この点に関して、表面形状測定装置187を使用して、材料(インク)噴射および乾燥ステーション164を監視することもできる。
【0027】
撮像デバイスなどの品質決定センサ188はまた、コンピュータシステムと連動して、結合剤堆積によって作成されたパターンを確認し、パターンが予期されるものであり、不正確なパターンではないことを確実にし得る。
図1cに示されるように、結果が許容可能であるか否かに基づいて、キャリアフレームは、モジュール167によって示されるように、処理の次の段階に進み、積み重ね(スタッキング)ステーション165で積み重ねられ、方向転換され、またはそれに応じて廃棄されてもよい。積層ステーション165はまた、層が適切に位置合わせされることを確実にするために、位置センサ189によって監視されてもよい。
【0028】
本開示はまた、インサイチュ材料再生システムを含む、改善されたAM方法およびシステム、例えば、3D印刷システムを提供し、材料再生は、粉末および/または液体再生を含む。
図2の左側は、粉末再生装置に関連するAMプロセスのステップのフローチャートを示す。
図9は、液体再生装置に関連するAMプロセスのフローチャートを示す。具体的には、
図2は、印刷プロセスの一連の初期ステップのために移動する基材上への粉末堆積を使用し、その後、印刷プロセスの残りのステップのために、基材をセグメントに切断し、それぞれが堆積された粉末の層を有するセグメントを個々のキャリアフレーム上に取り付ける3D印刷システムおよびプロセス200の例を示す。より具体的には、
図2の右側には、
図2の左側に示す3D印刷プロセス205と併せて動作する粉末収集および再生プロセス210のフローチャートが示されている。破線の矢印線は、本開示の態様による、再生プロセス210による再生のために粉末の一部が収集される3D印刷プロセス205内の点を示す。ステップ220、235、250、および280で収集される粉末のこれらの部分は、除去時に存在する粉末の一部または粉末のすべて(例えば、粉末のセクション全体)(湿潤剤、結合剤、またはインクで処理されており、したがってもはや単なる粉末ではない粉末を含む)であり得ることに留意されたい。言い換えれば、収集時に残っている0%~100%の粉末の任意の部分を、本開示に従って収集することができる。
図4~
図6は、
図2の3D印刷プロセスステップのより詳細なフローチャート、および粉末(処理の段階に応じて、清浄な粉末または汚染された粉末のいずれか)が再生のために収集される3D印刷プロセスの特定の点を示す。
【0029】
図2の右側に示す再生方法およびシステム210は、粉末が清浄であるか汚染されているかにかかわらず、使用済み粉末の回収、再調整および再使用を可能にする。本開示によれば、
図2に示すように、使用済み清浄粉末は、品質管理拒否220に続く粉末堆積215の後に最初に収集することができる。品質管理は、例えば、堆積した粉末の高さまたは厚さ、堆積した過剰な粉末の除去を含むことができる。この場合、粉末の第1の部分が除去され、これは、清浄な粉末、すなわち、潤滑剤、湿潤剤、結合剤、材料インク、溶媒、または他の物質によってまだ「汚染」されていない粉末である。清浄粉末は、
図2に示されるように、第1の収集容器、分級システムの清浄粉末容器225に貯蔵される。さらに、粉末のセクションを作成するための粉末除去230(
図6に関して以下で説明するように、製造プロセスにおいて後で切断するために使用される基材の清浄な部分によって分離された、粉末の隣接する層に粉末をセグメント化する)中に、粉末の第1の部分とも考えられ得る使用済みの清浄な粉末が収集され(ステップ235)、清浄な粉末容器225に貯蔵される。清浄な粉末の除去、収集、および再生は、
図4に関して以下でさらに論じられる。
【0030】
さらに
図2を参照すると、粉末の第2の部分と呼ばれる、湿潤剤で汚染された使用済み粉末(ステップ240)は、品質管理拒否250に続いて、圧縮プロセス245の後に除去および収集することもでき、第2の収集容器、湿潤剤で汚染された粉末容器255に保管される。これについては、
図5を参照して後述する。(
図1aのステップ140、150、および155と同様の)レーザ切断/セグメント化ステップ260、湿潤剤乾燥ステップ265、ならびに結合剤噴射および乾燥ステップ270の後の印刷プロセス205の後半で、(
図1aのステップ165と同様の)(レーザ)粉末除去プロセス275中に、結合剤によって汚染された使用済み未結合粉末である粉末の第3の部分が、ステップ280で除去および収集され、次いで、再生(ステップ290)および粉末再使用(ステップ295)のために、第3の収集容器、結合剤汚染粉末容器285に貯蔵される。基材セグメント上の印刷された層は、材料(インク)の噴射および乾燥277並びにセグメントの転写および積層279を続ける。結合剤で汚染された粉末の除去、収集、および再生は、
図6に関して以下でさらに論じられる。
【0031】
図2を参照して上述した様々な段階での粉末収集および分類に続いて、収集された粉末は、粉末再生システムによって再調整され(ステップ290)、
図2の左側に示されるプロセスステップ205において再使用のためにフィードバックされ得る(ステップ295)。ステップ290における粉末の再生は、例えば、ふるい分け、乾燥、バーンアウト、高温処理、および噴霧乾燥プロセスによって達成され得る。さらに、再生のタイプは、以下でさらに詳細に説明するように、粉末が清浄であるか、湿潤剤によって汚染されているか、または結合剤材料によって汚染されているかに依存する。再生ステップのうちの1つ以上は、その場で、または印刷システムから遠隔の場所で行われてもよい。
【0032】
別の実施形態では、
図3に示すように、複数の3D印刷システム300(1)、300(2)、300(3)...300(n)を、3D印刷製造または他のタイプのAMプロセスで使用することができる。使用済み粉体は、各印刷システムから収集され(それぞれ、ステップ310(1)、310(2)、310(3)....310(n))、清浄な粉体、湿潤剤で汚染された粉体、および結合剤で汚染された粉体のための集中分類された粉体貯蔵容器(それぞれ、225、255、および285)に貯蔵され、集中粉体再生システムによって再調整または再生され(ステップ290)、再使用のために各印刷システムにフィードバックされる(ステップ295)。
【0033】
図4は、
図2に示す3D印刷プロセス205の初期の時点における清浄な粉末の収集および再生のためのプロセス400を示す。特に、
図4に示すように、粉末堆積ステップ215の後に清浄な粉末が収集される。次いで、堆積された粉末の厚さは、品質管理ステップ(QC)405においてチェックされる。ステップ410において、堆積された粉末層が所定の厚さ範囲内にないことによってこの品質管理検査において不合格である場合、粉末層全体が除去され(ステップ415)、清浄粉末容器225に送られる。この時点で、
図2のプロセスは、(必要に応じて、
図2および
図4に示す清浄粉末容器225から引き出すことができる)新しい粉末層の堆積に戻る。
【0034】
図4にも示されるように、清浄な粉末はまた、例えば、粉末を含まない基材の清浄な部分を生成するために使用されるノズル構成からの真空による粉末除去中に、ステップ420で収集される。基材のこれらのきれいな部分を使用して、基材上の粉末の堆積物を破壊することなく基材を切断し、以下に説明するように、基材のセグメントを作成することができる。これらのクリーンセクションを形成するための適切な3ノズル構成は、2022年12月2日に出願された「Apparatus and Method to Remove Powder with Flexible Scraper Blade and Adjustable Side Nozzles」という名称の本出願人による関連出願(米国特許出願第18/074,173号)に記載されている。
【0035】
図2または
図3の清浄粉末容器からの清浄粉末は、再使用のために直接フィードバックされてもよい。いくつかの実施態様では、清浄な粉末は、再使用のために送り返される前にバージン粉末とブレンドされる。他の実施形態では、清浄な粉末は、印刷中に粉末の凝集が生じた場合、ふるい分け、例えば超音波ふるい分けによって再調整または再生される。他の実施態様では、印刷中に粉末中に著しい水分の取り込みがある場合、清浄な粉末は、最初に、対流または真空オーブンを使用した低温(例えば、<300℃)乾燥によって再調整され、続いて、ふるいにかけて、乾燥から形成された可能性のある大きな凝集体を除去する。さらに他の実施態様では、粉末が空気の成分、例えば二酸化炭素と反応して炭酸塩副生成物を形成する場合、清浄な粉末を高温(例えば、>300℃)処理によって再調整して、炭酸塩副生成物を分解することによって粉末を精製する。
【0036】
他の場合には、高温処理からの部分焼結によって引き起こされる粉末粒子サイズの著しい増加および粉末粒子形状の変化があり得る。この場合、高温処理された粉末は、粒径を減少させるために粉砕またはミリングによって再調整される。粒径を小さくするための粉砕技術としては、空気分級ミル、ピンミル、ハンマーミル、ジェットミル、およびボールミルを挙げることができる。粉砕後、高温処理された粉末は、粒子形状を回復するためにさらに再調整される。例えば、高温処理され粉砕された粉末は、噴霧乾燥によってさらに処理されて、球形を回復する。これらの再調整方法のうちの1つまたは複数は、必要とされる再調整の複雑さに応じて、連続的にまたは同時に適用することができる。
【0037】
図5は、
図2に示すプロセスステップ240において湿潤ステーション(例えば、
図1aの130)で粉末を湿潤させた後の、湿潤剤で汚染された粉末の収集および再生のためのプロセス500を示す。この実施態様では、
図5に示されるように、粉末は、圧縮ステップ245、例えばカレンダ加工ステップの後に収集され、圧縮ステップ245は、カレンダ加工動作を改善するために粉末が湿潤された後に行われる。具体的には、
図2に関して上述したように、また、2022年12月2日に出願された「Apparatus and Method to Provide Conditioning to a Deposited Powder」という名称の本出願人による関連出願(米国特許出願第18/074,236号)では、粉末を濡らして、カレンダローラへの粉末の望ましくない付着を低減する。カレンダ加工工程245の目的は、粉末を圧縮し、均一な厚さの圧縮粉末を提供することである。これにより、通常のAMシステムでは達成することができない高い充填密度(例えば、30%超)を達成することができる。
図5に示すように、圧縮された粉末層の厚さは、粉末層がカレンダリングローラを通過した後、第2の品質管理(QC)ステップ510でチェックされる。成形された粉末層がこの品質管理検査において仕様を満たさない場合(ステップ515)、例えば、成形された粉末層の厚さが第2の所定の範囲内にない場合、粉末層全体が取り出され、湿潤剤汚染粉末容器255に送られる。ステップ515が、厚さが所定の範囲内にあると判定した場合、圧縮された粉末層は、
図2に示されるプロセスの次のステップに渡される。
【0038】
いくつかの実施態様では、収集された湿潤剤で汚染された粉末は、ステップ290において、ふるい分け、例えば超音波ふるい分けによって再調整または再生され、未使用粉末とブレンドされ、次いで、再使用のために
図2に示されるプロセスに戻される。他の実施形態では、湿潤剤で汚染された粉末は、最初に低温(例えば、<300℃)で乾燥させて湿潤剤を除去し、次いでふるいにかけて乾燥から形成された可能性のある大きな凝集体を除去することによって再調整される。これらの再調整方法のうちの1つまたは複数は、必要とされる再調整の複雑さに応じて、連続的にまたは同時に適用することができる。
【0039】
図6は、
図2に示す3D印刷プロセス210の後の段階でステップ610において収集されたバインダ汚染粉末の収集および再生のためのプロセス600を示す。一実施態様では、
図6に示すように、粉末は、(レーザ)粉末除去プロセス275中にステップ610で収集され、結合剤で汚染された粉末容器285に貯蔵される。
図6にも示されるように、(レーザ)粉末除去275の前に、粉末が堆積された基材は、ステップ260において、
図2および
図4に関して上述した洗浄された領域で切断されて、それぞれが圧縮された粉末の層を有する個々の基材セグメントを作成する。切断後、基板セグメントは、ステップ615においてキャリアフレームに移送される。次に、ステップ265において、個々の基材セグメント上の粉末層を乾燥させて、任意の残留湿潤剤を除去する(
図5に関して上述したように、カレンダ操作において粉末がローラに付着するのを低減するために適用された)。
【0040】
各基板セグメントは、ステップ615において、それ自体の個々のキャリアフレームに移送され、そこで、例えば、結合剤塗布および乾燥などのさらなる処理のためにロック位置に固定される。この目的のための適切なキャリアフレームシステムは、本出願人による上記の関連出願(米国特許出願第18/074,298号)に記載されている。各個々のキャリアフレームは、キャリアフレームをその上に取り付けられた特定の個々の層に関連付ける固有の識別子(例えば、RFIDタグなど)を有することができることに留意されたい。
【0041】
図6にも示されているように、層が取り付けられた基板セグメントを有する個々のキャリアフレームの各々は、次いで、ステップ620において、他の層のスタック上に層を積み重ねて多層製品を形成するために、層をその対応する基板セグメントから分離する目的で反転させることができる。これは、
図2に示される「セグメント移送および積み重ねステップ」の一部である。それぞれのキャリアフレーム上に取り付けられた基板セグメントからの個々の層のこの除去プロセスは、本出願人による上記の関連出願(米国特許出願第18/074,298号)においても詳細に論じられている。
【0042】
ステップ620におけるキャリアフレームのこの反転プロセス中に、それぞれのキャリアフレーム上に取り付けられた層内の粉末の一部(結合剤によって汚染されている)が落下する可能性がある。他の結合剤で汚染された粉末は、本出願人による上記の関連出願(米国特許出願第18/074,173号および米国仮特許出願第63/299,776号)で論じられているように、(レーザ)粉末除去プロセス275で除去される。
図2および
図6に示すように、この除去された結合剤汚染粉末の全ては、結合剤汚染粉末収集ステップ610で収集され、粉末再生のために結合剤汚染粉末容器285内に堆積される。
【0043】
いくつかの実施形態では、結合剤で汚染された粉末は、ステップ290において、ふるい分け、例えば超音波ふるい分けによって再調整され、未使用粉末とブレンドされ、次いで再使用のために
図2に示されるプロセスに戻される。他の実施態様では、結合剤で汚染された粉末は、結合剤を分解することによって粉末を精製するために、高温(例えば、>300℃)処理によって再調整される。この高温処理からの部分焼結によって引き起こされる粉末粒子サイズの著しい増加および粉末粒子形状の変化があり得る。この場合、高温処理された粉末は、粒径を減少させるために粉砕またはミリングによって再調整される。粒径を小さくするための粉砕技術としては、空気分級ミル、ピンミル、ハンマーミル、ジェットミル、およびボールミルを挙げることができる。粉砕後、高温処理された粉末は、粒子形状を回復するためにさらに再調整される。例えば、高温処理され粉砕された粉末は、噴霧乾燥によってさらに処理されて、粉末粒子の球形を回復することができる。これらの再調整方法のうちの1つまたは複数は、必要とされる再調整の複雑さに応じて、連続的にまたは同時に適用することができる。
【0044】
図7は、後続の印刷プロセスで使用することができる粉末を生成するために、
図2で説明した印刷プロセスの様々な段階から粉末を収集するためのプロセス700の一例を示す。特に、
図7に示すように、再生された粉末混合物710は、その後の使用のためにステップ712でブレンドされる。再生粉末混合物710は、1つ以上の未使用粉末715、収集された清浄な粉末720、再生された清浄な粉末725、汚染された粉末(1)、730、汚染された粉末(2)、732、ならびに再生された汚染された粉末735および740の混合物を含む(例えば、汚染された粉末(1)は、湿潤剤で汚染された粉末であり得、汚染された粉末(2)は、結合剤で汚染された粉末であり得る)。未使用粉末715、すなわち、印刷プロセスにおいてまだ使用されていないか、または処理を受けていない粉末は、再生を受ける前に、収集された清浄な粉末720(例えば、
図2を参照して上述したように収集された)に添加されてもよく、または再生された粉末混合物710に直接添加されてもよい。
図7は、2種類の汚染された粉末730および732のみを示しているが、任意の数の汚染された粉末を利用することができ、実施される再生の形態は、汚染が生じるプロセスに基づいて変化することが明らかであろう。
【0045】
未使用粉末715、清浄な粉末720、再生された清浄な粉末725、汚染された粉末730および732、ならびに再生された汚染された粉末735および740を組み合わせて、再生された粉末混合物710を形成することができる多数の方法がある。例えば、
図7を参照すると、B%は100%であってもよく、0%の未使用の、汚染された、または再生された汚染された粉末が使用される。代替案では、C%およびE%は両方とも0%であってもよく、バージン粉末および再生粉末のみが組み合わされて再生粉末混合物を形成する。A%、B%、C%、D%、E%およびF%の値は、0~100%で変化してもよく、パーセンテージは、再生された粉末混合物のパーセンテージを表す。パーセンテージは、再生された粉末混合物が使用される用途によって決定され得る。場合によっては、特定の粉末純度が所望される場合、例えば、最低20%~30%の未使用粉末、0%の汚染粉末、および5%以下の再生汚染粉末を使用することが必要とされ得る。
【0046】
図8は、後続の印刷プロセスで使用することができる粉末を生成するために、
図2および
図7で説明した印刷プロセスの様々な段階から粉末を収集するための代替プロセス800の例を示す。この実施形態では、汚染された粉末および再生された汚染された粉末の0~100%の割合で変化する1つまたは複数の部分が、ステップ810において、分級された清浄な粉末729(任意選択で、バージン粉末715と予混合することができる)と混合またはブレンドされ、その後、混合物全体が、ステップ820において再生プロセスを受けて、再生された粉末混合物825を形成し、次いで、再生された粉末混合物825は、後続のプロセス(ステップ830)において使用することができる。また、
図8に示すように、未使用粉末715の一部は、後続のプロセスで混合粉末を使用する前に、再生粉末混合物825に添加することもできる。
【0047】
図7および
図8は、未使用粉末、清浄粉末、再生清浄粉末、汚染粉末、および再生汚染粉末を組み合わせて再生粉末混合物を形成することができる多数の方法の例を示しているが、この同じ方法は、再生液体の形成にも等しく適用することができることは明らかであろう。
【0048】
いくつかの実施形態では、
図9に示されるように、除去された液体の回収、再調整、および/または再使用を可能にするためのインサイチュウ(in-situ)リサイクルシステム900が含まれ得る。
図9の左側は、
図2を参照して上述したステップ(例えば、ステップ215~279)を使用するAMプロセスのステップのフローチャートを示す。
図9の右側には、
図9の左側に示す3D印刷プロセスと併せて動作する湿潤剤/液体収集および再生プロセスのフローチャートが示されている。破線の矢印線は、本開示の態様による、湿潤剤/液体が再生のために収集される3D印刷プロセスにおける点を示す。
【0049】
一実施態様では、回収された液体は、印刷システムによって直接戻され、使用されてもよい。いくつかの実施態様では、回収された液体は、再調整することなく再使用するためにフィードバックされる前に、容器に収集され、貯蔵される。いくつかの実施形態では、回収された液体は、再使用に戻される前にバージン液体と混合される。特定のプロセス中に、異なる液体混合物が生成され、分類された液体貯蔵容器に貯蔵され得る。適切に機能するために、液体混合物は、追加のプロセスによって精製または再生される必要がある。例えば、粉末で汚染されるようになる潤滑/湿潤のために使用される湿潤剤は、再使用の前に粉末汚染物質を除去するために、適切な方法によって、例えば濾過によって洗浄される必要がある。同様に、バインダで汚染された液体または印刷インクが他の材料で汚染された液体は、再使用前に精製する必要がある。
【0050】
図9を参照すると、潤滑/湿潤プロセス240中のプロセス910において、清浄な過剰な湿潤剤を収集し、第1の収集容器である清浄な湿潤剤容器915に貯蔵することができる。過剰な蒸気および/または凝縮された液体は、ステップ910において、例えば親水性材料の助けを借りて湿潤ステーションから収集されてもよく、親水性材料は、湿潤ステーションの下部の1つ以上のポートを介して湿潤剤貯蔵容器915に凝縮水を輸送するための機構を提供する。
【0051】
同様に、過剰な湿潤剤は、印刷プロセスの乾燥段階265の間にステップ920で収集され、同じ清浄な湿潤剤容器915に貯蔵され得る。結合剤噴射動作270の間、過剰な液体結合剤は、ステップ925において、例えば、半透膜を通して真空および/または差圧を用いて、結合剤噴射ステーションから収集され、第2の収集容器、汚染された結合剤容器930に貯蔵されてもよい。結合剤噴射から収集された液体は、モノマー、ポリマー、および硬化剤を含む様々な樹脂結合剤、溶媒、ならびに粉末汚染物質を含有し得、汚染結合剤容器930内に収集され得る。追加の溶媒は、同じ結合剤噴射ステーションまたは別個の乾燥ステーションにおいて堆積された結合剤に対して行われる乾燥動作中に収集され、第4の収集容器、回収溶媒容器935に貯蔵され得る。
【0052】
さらに
図9を参照すると、材料(インク)噴射動作277中に、プロセス940において、余分なインクを収集することができる。加えて、使用済みインクは、品質管理拒否後に回収することができる(図示せず)。堆積されたインクに含まれる溶媒は、同じ材料(インク)噴射ステーションまたは別個の乾燥ステーションにおいて堆積されたインクに対して行われる乾燥動作中に収集され、バインダ噴射および乾燥動作から回収された溶媒に使用される容器と同じであっても異なっていてもよい回収溶媒容器935に貯蔵され得る。いくつかの実施形態では、液体除去動作は、乾燥プロセスを加速するために、例えば、半透膜を介した真空および/または差圧を用いて、堆積されたインクに対して実行されてもよい。材料(インク)噴射動作277から収集された余剰インクおよび使用済みインク、ならびに液体除去動作940から収集された液体は、別個の容器に貯蔵されてもよく、または混合物に組み合わされてもよく、混合物は、第3の収集容器、汚染材料インク容器945に貯蔵される。混合物は、金属、セラミック、およびポリマーなどの噴射材料、モノマー、ポリマー、および硬化剤を含む結合剤、溶媒、ならびに粉末汚染物質を含有してもよい。収集容器915、930、935および945内の様々な液体の貯蔵に続いて、収集された液体は、ステップ950で再生され、次いでステップ955で再使用され得る。
【0053】
液体再生プロセス900を実施するために利用できる多数の方法が存在する。例えば、プロセス900は、液体から粉末などの固体材料を除去するための濾過を含むことができる。別の例では、蒸留または気化を適用して、不均一混合物中の固体微粒子から溶媒などの液体を分離することができる。蒸留はまた、均質混合物中の溶質から溶媒などの液体を分離するために適用され得る。また、固体と分離した後の液体に含まれる溶媒を分離するために蒸留を用いることができる。
【0054】
この場合、各成分の物性の違い、特に気化熱の違いにより分離が生じる。カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、または他の同様のクロマトグラフィー法などの固液ベースの精製方法を利用することができる。これは、遠心分離、または高表面積炭素、モレキュラーシーブおよび他の適切な吸着材料などの添加剤を使用する選択的吸着などの1つまたは複数の追加のステップを含むことができ、混合物中の1つの特定の成分は、添加剤に対してより高い親和性を有し、その後、添加剤に吸収されると成分を分離するために濾過される。代替的に、または追加的に、液体-液体ベースの精製方法論を用いて、2つ以上の溶媒などの2つの液体への溶解度に基づいて混合物の成分を分離してもよい。
【0055】
別の例では、混合物は、結晶化を誘導するか、または前記混合物中の1つの成分の選択的精製を可能にする化学反応を誘導するように設計された化合物または添加剤などのいくつかの追加の材料で処理され得る。あるいは、またはさらに、混合物は、1つの成分が分離を可能にする何らかの化学変換を受ける熱分解または電気分解などの他の方法で処理されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、液体の組成を回復するために再調整または再生が必要かどうかを判定するために、回収された液体に対して化学組成分析が実行される。いくつかの実施態様では、回収された液体は、印刷プロセスで消費された成分を補充することによって再生される。複数の印刷ステーションまたはシステムが採用される場合、各印刷ステーションまたはシステムから回収された液体は、収集され、混合され、容器内に貯蔵され、容器内の混合された液体は、複数の印刷ステーションのうちの1つ以上による再使用のためにフィードバックされる。
【0057】
上記の説明は、主に、3D印刷などの付加製造の環境において堆積層を有する基板上の粉末または液体を除去および再生することに関して提示されているが、本開示の方法およびシステムは、そのような方法およびシステムのみに限定されず、堆積層が取り付けられた基板から粉末および/または液体を除去および再生することが望ましい任意の状況で使用することができることに留意されたい。
【0058】
また、3D印刷動作のための処理ステップの特定の例が図示および説明されたが、必要に応じて処理ステップの順序を変更することができ、および/又は層の最終的な積み重ねの前に追加の処理ステップを追加することができることにも留意されたい。例えば、基板はセグメント化されてもよく、基板上の層は、必要に応じて、プロセス全体の早い段階でキャリアフレームに転写されてもよい。また、結合剤は、セグメントがキャリアフレーム上に取り付けられる前に、基板のセグメント上の層に塗布することができる。また、層は、キャリアフレームに取り付けられた後に圧縮されてもよく、または、上述のように、最初の圧縮に続いて、層がキャリアフレームに取り付けられると、さらなる圧縮が行われてもよい。
【0059】
以下では、本出願のさらなる特徴、特性および利点を項目によって説明する。
【0060】
項目1:粉末堆積ステーションにおいて基材上に粉末を堆積させることと、粉末の第1の部分を除去して、堆積された粉末の部分の間に基材の清浄な部分を作成することと、基材上に残っている堆積された粉末の部分を湿潤ステーションに移動させ、湿潤ステーションにおいて粉末を湿潤剤で湿潤させることと、堆積された粉末の湿潤された部分を圧縮ステーションに通過させて、粉末を圧縮することと、基材を清浄な部分で切断して、それぞれが堆積された粉末の部分のうちの1つを含む基材セグメントを作成することと、堆積された粉末がその上に取り付けられた基材セグメントをそれぞれのキャリアフレームに移送することと、基材セグメントをバインダ噴射ステーションに移動させ、バインダ噴射ステーションにおいてバインダを粉末に堆積させることと、層がその上に取り付けられた基材セグメントを有するキャリアフレームを積層ステーションに移動させて、層を互いに個別に積層して多層製品を形成することと、を含む方法。
【0061】
項目2:粉末の除去された第1の部分を清浄な粉末収集容器に堆積させることをさらに含む、項目1に記載の方法。
【0062】
項目3:キャリアフレームを反転させて、基板セグメントから層を分離することを更に含む、項目1または2に記載の方法。
【0063】
項目4:基材から離れてゆるい/圧縮されていない粉末に影響を与えるために、キャリアフレームを反転させることを更に含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
【0064】
項目5:キャリアフレームを反転させた後に、レーザ粉末除去ステーションによって、緩い/圧縮されていない粉末を除去することを更に含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
【0065】
項目6:圧縮ステーションがカレンダローラを含む、項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
項目7:粉末堆積ステーションに結合された監視システムを用いて、堆積された粉末の厚さ、堆積された粉末のレベル、堆積された粉末の表面プロファイル、またはトポグラフィのうちの1つ以上のパラメータを決定することをさらに含む、項目1~6のいずれか一項に記載の方法。
【0067】
項目8:監視システムが視覚システムである、項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
【0068】
項目9:堆積された粉末の部分間の粉末除去が、堆積された粉末の部分を2つの隣接する粉末セクションにセグメント化するための切断動作を可能にするのに十分であるかどうかを、クリーンストリップ/粉末領域決定センサを使用して決定することをさらに含む、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
【0069】
項目10:湿潤センサを使用して、湿潤ステーションによる堆積された粉末の湿潤度を感知することと、湿潤ステーションによる堆積された粉末の測定された湿潤度に基づいて、湿潤ステーションの動作を制御するためにフィードバックを提供することとをさらに含む、項目1~9のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
項目11:エッジセンサを使用して、粉末セクションが圧縮ステーションを離れるときに粉末セクションの少なくとも1つのエッジの位置を決定することをさらに含む、項目1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0071】
項目12:エッジセンサは、堆積された粉末の表面プロファイルの粗さ、平坦度、および/または品質のうちの少なくとも1つを定量化することによって、堆積された粉末の表面プロファイルを決定するように構成されたプロフィロメータをさらに含む、項目1~11のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
項目13:基材セグメントを作製するために清浄な部分で基材を切断した後、かつ堆積した粉末の部分をキャリアフレームに移送する前に、表面形状測定装置を使用して粉末の品質を検査することをさらに含む、項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
【0073】
項目14:基材のセグメント上で印刷プロセス又は処理動作のうちの1つ以上を実行することと、材料噴射および乾燥ステーションを使用して、印刷プロセス又は処理動作の後に基材のセグメント上に堆積された粉末を乾燥させることと、を更に含む、項目1~13のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
項目15:湿潤/乾燥センサを使用して、湿潤ステーション、結合剤塗布ステーション、ならびに材料噴射ステーションおよび乾燥ステーションによって、堆積された粉末層の潤滑/湿潤を制御することをさらに含む、項目1~14のいずれか一項に記載の方法。
【0075】
項目16:3D印刷のための方法であって、基材上に粉末の少なくとも2つの別個のセクションを生成することと、基材をセグメント化して粉末の少なくとも2つの別個のセクションを分離することと、基材のセグメント上で粉末を圧縮することと、基材のセグメントから緩い/圧縮されていない粉末を除去することと、基材のセグメント上で印刷プロセス又は処理動作のうちの1つ以上を実行することによって印刷/処理された層を生成することと、印刷/処理された層を基材のセグメントからビルドプラットフォームに移送することと、を含む、方法。
【0076】
項目17:粉末の個別セクションが、圧縮前に潤滑化/湿潤化される、項目16に記載の方法。
【0077】
項目18:セグメント化された基材が、バインダが適用される前にキャリアフレームに移送される、項目16または17に記載の方法。
【0078】
項目19:キャリアフレームを反転させて、基材から離れた緩い/圧縮されていない粉末に影響を及ぼす、項目16~18のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
項目20:除去された緩い/圧縮されていない粉末を汚染された粉末収集容器に堆積させることと、再使用のために汚染された粉末収集容器から粉末を再生することと、を更に含む、項目16~19のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
項目21:3D印刷システムであって、連続基材上に粉末を堆積させるように構成された粉末堆積ステーションと、連続基材の粉末を含まない清浄なストリップによって分離された、連続基材上に粉末の少なくとも2つの隣接する別個のセクションを生成するように構成された粉末除去ステーションと、連続基材を個々の基材セグメントにセグメント化して、個々の基材セグメントの隣接するセグメント上にそれぞれ形成された粉末の少なくとも2つの別個のセクションを分離するために、連続基材の清浄なストリップにおいて連続基材を切断するように構成された切断ステーションと、個々の基材セグメントをそれぞれ対応する個々のキャリアフレーム上に移送するように構成された移送ステーションと、粉末の2つの別個のセクションが、それらが堆積されるそれぞれの個々の基材セグメントから懸架されるように、キャリアフレームを反転させるように構成された反転ステーションと、粉末の別個のセクションをそれぞれのキャリアフレームから受け取り、積み重ねるように構成された積み重ねステーションと、を含む、3D印刷システム。
【0081】
項目22:粉末の個別セクションを圧縮するように構成された圧縮ステーションと、基材セグメントをキャリアフレームに移送した後に、基材のセグメントから緩い/圧縮されていない粉末を除去するように構成されたレーザ粉末除去ステーションと、を更に備える、項目21に記載のシステム。
【0082】
項目23:粉末除去ステーションからの粉末を第1の収集容器に堆積させることと、レーザ粉末除去ステーションからの緩い/圧縮されていない粉末を、第1の収集容器とは異なる第2の収集容器に堆積させることと、第1および第2の収集容器のそれぞれからの粉末を再使用のために再生することと、を更に含む、項目21または22に記載のシステム。
【0083】
様々な実施形態が説明されてきたが、説明は、限定ではなく例示であることが意図されており、実施形態の範囲内にあるより多くの実施形態が可能であることが理解される。特徴の多くの可能な組み合わせが添付の図面に示され、この詳細な説明で論じられているが、開示された特徴の多くの他の組み合わせが可能である。任意の実施形態の任意の特徴は、具体的に制限されない限り、任意の他の実施形態における任意の他の特徴または要素と組み合わせて使用されてもよく、またはそれらの代わりに使用されてもよい。したがって、本開示において示され、かつ/または論じられる特徴のいずれも、任意の適切な組み合わせで一緒に実施され得ることが理解されよう。
【0084】
上記は、最良の形態および/または他の例であると考えられるものを説明してきたが、その中で様々な修正を行うことができ、本明細書で開示される主題は様々な形態および例で実施することができ、教示は多数の用途に適用することができ、そのうちのいくつかのみが本明細書で説明されていることが理解される。
【0085】
特に明記しない限り、本明細書に記載される全ての測定値、値、定格、位置、大きさ、サイズ、および他の仕様は、近似値であり、正確ではない。それらは、それらが関連する機能およびそれらが関係する技術分野において慣習的であるものと一致する妥当な範囲を有することが意図される。
【0086】
本明細書で使用される用語および表現は、特定の意味が本明細書に別途記載されている場合を除いて、それらの対応するそれぞれの調査および研究分野に関してそのような用語および表現に与えられる通常の意味を有することが理解されるであろう。第1および第2などの関係用語は、そのようなエンティティまたはアクション間の実際のそのような関係または順序を必ずしも要求または暗示することなく、単に1つのエンティティまたはアクションを別のエンティティまたはアクションと区別するために使用され得る。用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、またはそれらの任意の他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていないか、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含を網羅することが意図される。「a」または「an」が先行する要素は、さらなる制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置における追加の同一の要素の存在を排除しない。
【国際調査報告】