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特表2025-5037223D表面スキャナを有するナビゲーションシステムおよびナビゲーション方法
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  • 特表-3D表面スキャナを有するナビゲーションシステムおよびナビゲーション方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】3D表面スキャナを有するナビゲーションシステムおよびナビゲーション方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20250128BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B17/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542133
(86)(22)【出願日】2023-01-11
(85)【翻訳文提出日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2023050566
(87)【国際公開番号】W WO2023135178
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】102022100923.8
(32)【優先日】2022-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】524224364
【氏名又は名称】ビー・ブラウン・ニュー・ベンチャーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】B. Braun New Ventures GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】サルベスタニ,アミル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL28
4C160LL29
(57)【要約】
本開示は、患者(P)に対する外科的介入中に使用するための外科用ナビゲーションシステム(1)であって、少なくとも患者(P)、および好ましくは少なくとも1つの医療器具(4)を追跡するように適合された追跡システム(2)と、対象の患者(P)の体腔内解剖学的構造の3D表面画像(8)を作成するように適合された3D表面スキャナ(6)であって、3D表面スキャナ(6)は、追跡システム(2)によって、特に付属の追跡装置(10)を介して追跡される、3D表面スキャナ(6)と、制御ユニット(12)とを備え、制御ユニット(12)は、3D表面記録(8)と、検出された3D表面スキャナ(6)および患者(P)の検出および追跡された姿勢とを処理し、3D表面スキャナ(6)の検出および追跡された姿勢を用いて、患者(P)に対する3D表面記録(8)の姿勢を決定し、決定された姿勢における患者(P)の仮想デジタル3D解剖モデル(14)を3D表面記録(8)で補足し、ナビゲーションのために対象の患者(P)の体腔内解剖学的構造により補足された現在のデジタル3D解剖モデル(14)を提供するために、出力装置(16)、特に手術室モニタを介して、外科用ナビゲーションのための患者(P)の補足されたデジタル3D解剖モデル(14)のビューを視覚的に出力するように適合されている、外科用ナビゲーションシステム(1)に関する。さらに、本開示は、代替的な独立請求項に係る、手術ロボット(102)を有する手術支援システム(100)、ナビゲーション方法、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者(P)に対する外科的介入に使用するための外科用ナビゲーションシステム(1)であって、
少なくとも患者(P)、および好ましくは少なくとも1つの医療器具(4)を追跡するように適合された追跡システム(2)と、
対象の患者(P)の体腔内解剖学的構造の3D表面画像(8)を作成するように適合された3D表面スキャナ(6)であって、前記3D表面スキャナ(6)は、前記追跡システム(2)によって、特に付属の追跡装置(10)を介して追跡される、前記3D表面スキャナ(6)と、
制御ユニット(12)と
を備え、
前記制御ユニット(12)は、
前記3D表面画像(8)と、検出された前記3D表面スキャナ(6)および患者(P)の検出および追跡された姿勢とを処理し、
前記3D表面スキャナ(6)の検出および追跡された姿勢を介して、患者(P)に対する前記3D表面画像(8)の姿勢を決定し、特定の姿勢における患者(P)の仮想デジタル3D解剖モデル(14)を前記3D表面画像(8)で補足し、
ナビゲーションのために対象の患者(P)の体腔内解剖学的構造により補足された最新のデジタル3D解剖モデル(14)を提供するために、出力装置(16)、特に手術室モニタを介して、外科用ナビゲーションのための患者(P)の補足されたデジタル3D解剖モデル(14)のビューを視覚的に出力する
ように適合されている、外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項2】
前記ナビゲーションシステム(1)の前記3D表面スキャナ(6)は、前記3D表面スキャナ(6)を手動で案内し、様々な姿勢で前記3D表面画像(8)を作成するためのハンドル(18)と、好ましくは無線通信モジュール(20)とを備える、または
前記3D表面スキャナ(6)は、特に前記ナビゲーションシステム(1)の保持アームに取り付けるための取り付け部を有する、または
前記外科用ナビゲーションシステム(1)は、前記3D表面スキャナ(6)の少なくとも1つの所定の姿勢で前記3D表面画像(8)を自動的に作成するために、特にスイープアルゴリズムまたはパターンに従って前記3D表面スキャナ(6)の複数の姿勢で複数の3D表面画像(8)を作成するために、前記3D表面スキャナ(6)がエンドエフェクタとして接続されるロボットアームを有するロボットを備えることを特徴とする請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項3】
前記3D表面スキャナ(6)は、特に、対象の解剖学的領域の3D点群を3D表面画像(8)として作成するために、構造化光用のエミッタと、光を検出するためのRGBセンサとを有し、および/またはステレオカメラを有し、および/またはToFカメラを有し、および/またはLIDARスキャナを有することを特徴とする請求項1または2に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項4】
前記追跡システム(2)は、光学追跡システムおよび/またはEM追跡システムを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項5】
膝を含む患者(P)の脚部の仮想デジタル3D解剖モデル(14)は、前記ナビゲーションシステム(1)の記憶装置に格納され、前記3D表面スキャナ(6)を有する前記ナビゲーションシステム(1)が、膝関節の3D表面画像(8)を作成するように適合されており、
この目的のための前記ナビゲーションシステム(1)は、骨を追跡するために脛骨上および大腿骨上に強固に配置されるように適合された脛骨追跡装置(24)および別個の大腿骨追跡装置(26)を備え、
前記制御ユニット(12)は、追跡された前記脛骨追跡装置(24)と前記大腿骨追跡装置(26)とに基づいて、追跡された前記脚部に前記3D表面画像(8)を関連付けるように適合されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項6】
前記制御ユニット(12)は、点(30)、軸(28)、および面(8)の組み合わされたデジタル3D解剖モデル(14)を得るために、特に前記ナビゲーションシステム(1)のポインタを介して、ランドマークポイント(30)、特に股関節の中心、膝関節の中心、膝蓋骨の中心、脛骨の中心、および/または足首の中心によって、患者(P)の前記デジタル3D解剖モデル(14)を補足するように適合されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項7】
前記制御ユニット(12)は、個々の3D表面画像(8)に基づいて、全体画像として拡張されたおよび/またはより精密な3D表面画像(8)を得るために、前記3D表面スキャナ(6)の少なくとも2つの異なる姿勢で少なくとも2つの3D表面画像(8)を処理するように適合されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項8】
前記3D表面スキャナ(6)は、患者(P)に体腔内に挿入されるように適合されており、特に、最大幅および最大高さ、特に好ましくは最大寸法が10cmであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項9】
前記外科用ナビゲーションシステム(1)は、前記3D表面スキャナ(6)が一体化された外科用内視鏡を有し、特に前記外科用内視鏡の先端側内視鏡ヘッドに3D表面スキャナ(6)が一体化されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項10】
介入計画に従ったインプラントを有する患者(P)の前記3D解剖モデル(14)が前記ナビゲーションシステム(1)の記憶装置(22)に記憶されており、
前記制御ユニット(12)は、前記3D表面スキャナ(6)による3D表面画像(8)を介して、前記介入計画に従った前記インプラントの姿勢に対する実際の前記インプラントの姿勢を手術中に検証し、逸脱が生じた場合に出力装置(16)を介して警告または逸脱情報を出力するように適合されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項11】
前記制御ユニット(12)は、前記3D表面画像(8)内の対象の予め定義された構造、特に骨を認識し、対象の予め定義された構造のみで前記デジタル3D解剖モデル(14)を補足するように適合されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム(1)と、医療用エンドエフェクタ(104)を有する医療用ロボット(102)とを備える、手術支援システム(100)。
【請求項13】
患者(P)における外科的介入、特に膝関節形成術において、好ましくは請求項1から11のいずれか1項に記載の外科用ナビゲーションシステム(1)において使用するためのナビゲーション方法であって、
ナビゲーションシステム(1)の追跡システム(2)を介して、患者(P)、および好ましくは少なくとも1つの医療器具を追跡し、
3D表面スキャナ(6)により、対象の患者(P)の体腔内解剖学的構造の3D表面画像(8)を作成し、前記追跡システム(2)により、特に付属の追跡装置(10)を介して、前記3D表面スキャナ(6)を追跡し、
前記制御ユニット(12)により、前記3D表面スキャナ(6)の検出された姿勢を介して、患者(P)に対する前記3D表面画像(8)の姿勢を決定し、
前記制御ユニット(12)によって、特定の姿勢における患者(P)のデジタル3D解剖モデル(14)を前記3D表面画像(8)で補足し、
ナビゲーションのために対象の患者(P)の体腔内解剖学的構造で補足された手術中の最新のデジタル3D解剖モデル(14)を提供するために、出力装置(16)を介して、特に手術室モニタを介して、外科用ナビゲーションのための患者(P)の補足されたデジタル3D解剖モデル(14)の視覚的ビューを出力する
ことを含むことを特徴とする、ナビゲーション方法。
【請求項14】
3D表面スキャナ(6)の第1姿勢における大腿骨の前面の3D表面画像(8)を、特にロボット誘導型3D表面スキャナ(6)を介して作成し、
追跡システム(2)により、前記3D表面スキャナ(6)と大腿骨上の大腿骨追跡装置(26)との姿勢を検出し、
前記3D表面スキャナ(6)の第2姿勢における脛骨の、特に前面の、前記3D表面画像(8)を、特にロボット誘導により、作成し、
前記追跡システム(2)により、前記3D表面スキャナ(6)と脛骨上の脛骨追跡装置(24)の姿勢を検出し、
制御ユニット(12)により、患者(P)のデジタル3D解剖モデル(14)を姿勢補正3D表面画像(8)で補足する
ことを更に含むことを特徴とする、請求項13に記載のナビゲーション方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、請求項13または14に記載のナビゲーション方法の方法ステップを前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者に対する外科的介入中、特に膝関節手術中のナビゲーションのための外科用ナビゲーションシステムに関する。さらに、本開示は、独立請求項の前提部に係る手術支援システム、ナビゲーション方法、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の外科用ナビゲーションシステムは、実質的に、外科用ナビゲーションシステムの2つのグループ/タイプ/クラスまたは種類に分けることができる。
【0003】
ナビゲーションシステムの第1のグループは、イメージ支援型またはピクチャ支援型ナビゲーションであり、介入が実行される前に手術前に作成され保存されるコンピュータ断層画像(CT画像)、磁気共鳴画像(MR画像)、X線画像、または超音波画像などの画像を使用する。これらの画像は、その後、器具またはインプラントのナビゲーションを可能にするために、介入前および介入中の患者の姿勢と比較されなければならない。
【0004】
ナビゲーションシステムの第2のグループは、イメージレスまたはピクチャレスナビゲーションであり、(手術前の)画像なしで機能する。このナビゲーションシステムの第2のグループは、患者への介入中に、患者の基本的な(幾何学的な)仮想またはデジタルモデルを作成し、通常、ナビゲーションプローブおよびポインタによる解剖学的ランドマークポイントまたは方位ポイントのスイープ、または例えば運動学的な解析によって実行される。このような3D解剖モデルは、コンピュータ支援システムで重要な解剖学的ポイントをデジタルで再現し、外科医のナビゲーションを可能にする。
【0005】
しかし、イメージベースのナビゲーションシステムの欠点は、複雑で時間のかかる登録を必要とすることであり、特に膝の手術または開頭手術の場合、必要な精度が得られないことが多い。
【0006】
対照的に、イメージレスナビゲーションシステムの第2のグループは、手術前撮像または手術中登録を必要としないが、患者の解剖学的構造の非常に大まかで基本的なデジタル3Dモデル(デジタル3D解剖モデル)、例えば膝の手術中の脚の軸モデルのみを参照として使用するという欠点がある。少なくとも脚の大まかな3D(概観)モデルを得るために、脚の実際の3次元(3D)構造は、(3次元)空間における直線(2次元構造)を使って、単純化およびモデル化される。この幾何学的な模式的な3Dモデルは、その後、コンピュータ支援システムでさまざまな角度から見ることができる。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本開示の目的および目標は、従来技術の欠点を回避するか、または少なくとも低減することであり、特に、改善されたより柔軟なナビゲーションを可能にし、特に、その後の手術中登録を伴う手術前撮像/画像を必要とせず、例えば、器具またはインプラントの位置合わせを可能にするために、ナビゲーションの基準として、患者の対象の介入領域について十分に正確な患者の体腔内3D画像を提供する、外科用ナビゲーションシステム、手術支援システム、ナビゲーション方法、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することである。特に、可能な限り使いやすいナビゲーションシステムで、より良い、より迅速な、より柔軟な、より正確なナビゲーションを提供し、手術中の介入領域の対象の解剖学的構造の3次元検出と視覚化を可能にすることが目的である。
【0008】
これらの目的は、本発明に係る汎用外科用ナビゲーションシステムに関して請求項1の特徴により解決され、本発明に係る汎用手術支援システムに関して請求項12の特徴により解決され、本発明に係るナビゲーション方法に関して請求項13のステップにより解決され、本発明によるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関して請求項15の特徴により解決される。
【0009】
したがって、本開示の基本的な考え方は、外科用ナビゲーションシステムが、介入が行われる患者の少なくとも1つの身体部分(の姿勢)の位置を突き止めるかまたは特定するための(特にナビゲーションカメラを有する)追従システム/追跡システムと、3D表面スキャナとを備え、特に、追従システム/追跡システムと、3D表面スキャナとから構成されることである。さらに、ナビゲーションシステムは、好ましくは、介入用の医療器具を備えていてもよい。3D表面スキャナ、特に3D表面スキャナカメラは、介入中において、患者を切開した後、手術中に3D表面画像を作成し、これを使用して患者の内部解剖学的構造のデジタル3D表面モデル(患者のデジタル3D解剖モデル)を作成するか、または患者の既存の3D解剖モデルを補足するために、使用され、このモデルは、最終的にナビゲーション用の参照として機能し、特に、器具またはインプラントを目標位置まで誘導するために、使用されてもよい。
【0010】
特に、本開示に係る外科用ナビゲーションシステムは、特にナビゲーションカメラを備えた追従システム、好ましくは患者を追従するための1つまたは複数の追跡装置、および好ましくは器具またはインプラントを追従/追跡するための1つまたは複数の追跡装置を備える。さらに、ナビゲーションシステムは、追従システム/追跡システムによって追跡可能な(または、空間内で姿勢が検出可能な)3D表面スキャナを備え、特に、追従システム(ナビゲーションカメラ)によって、スキャンされた体腔内解剖学的3D表面の位置、特に位置と向きと(すなわち、姿勢)を(追跡装置を介して)(間接的に)検出し、特定するために、追跡装置/マーカーを備えている。追跡システムが、患者の身体部分の姿勢と3D表面画像の姿勢の両方を検出するため、3D表面画像への患者(または対象の身体部分)の相対変換を確立し、3D表面画像の姿勢を患者に関連付けることができる。3D表面スキャナは、対象の解剖学的領域をターゲットとし、またはその領域に位置合わせされ、この領域の3D表面画像を検出する。これにより、デジタル3D表面モデルが得られ、患者の3D解剖モデルに統合される。この3D表面画像は、3D表面スキャナを、例えば手動で、あるいはロボットアームで制御して移動させることにより、他の解剖学的領域を含むように拡張することもできる。実際の解剖学的3D表面を(デジタル)3D表面画像として検出する間(すなわち同時に)、3D表面スキャナ、特に3Dスキャンカメラは、空間(位置および/または向き)において位置を特定され、3D表面画像はこれに基づいて、特に患者に設けられた患者追跡装置の助けを借りて、患者と関連付けられる。特に、患者に対する3D表面画像の位置および/または向きが決定される。言い換えれば、ナビゲーションシステムは、したがって、特に、追跡システム(位置特定システム)と、患者に取り付けられた少なくとも1つの追跡装置と、追跡装置を備えた3D表面スキャナとを備え、3D表面スキャナは、特に3D表面スキャニングカメラとして、患者の目標とする内部解剖学的構造の3D表面画像を作成し、3D表面スキャナは、患者に対して位置を特定される。3D表面画像は、制御ユニットまたはコンピュータシステムに送信される。ナビゲーションシステムは、出力装置、特にディスプレイを備えており、3D表面画像によって補足された3D解剖モデルは、患者の手術前画像を使用する必要がなく、ナビゲーションされる器具またはインプラントを位置決めするための基準として使用できる。
【0011】
この3D表面画像は(生成された3D表面として)制御ユニットに提供されるか、(制御ユニットとして)適合されたコンピュータシステムに送信される。ナビゲーションシステムはさらに、視覚的出力用の出力装置、特にディスプレイ(手術室モニタなど)を備えている。制御ユニットまたはコンピュータシステムは、患者のデジタル3次元(3D)解剖学的モデル(患者の3D解剖モデル)を作成し、補足する。この3D解剖モデルは、触診/触知された解剖学的ランドマークポイントによって、またはランドマークポイントが既に存在する状態で、任意に補足できる。コンピュータシステムまたは制御ユニットは、例えば、整形外科用人工関節を目標姿勢に視覚的に位置決めすることにより、介入の計画とナビゲーションを可能にする。介入中、本開示のナビゲーションシステムは、その後、患者の3D解剖モデルに対するナビゲートされた器具またはインプラントの現在の位置および/または向き、特に姿勢を、任意に含まれ表示可能な介入計画とともに表示し、外科医が器具またはインプラントを最適に誘導し位置決めして患者に最良の結果をもたらすことができるようにする。
【0012】
したがって、本外科用ナビゲーションシステムは、イメージベースナビゲーションおよびイメージレスナビゲーションの技術の利点を組み合わせて、可能な限り最良に使用できるため、外科用ナビゲーションシステムは、手術前の画像/撮像とその後の手術中登録を必要としないが、特に、可能な限り最良の介入結果を得るために器具またはインプラントを可能な限り最良の方法で位置合わせするために、参照として患者の正確な3Dモデル(3D解剖モデル)を依然として有する。外科用ナビゲーションシステムは、特に、骨の正確な形状と配置を記録し、ナビゲーションに利用できるようにしなければならない整形外科用ナビゲーションにおいて、その利点を発揮する。
【0013】
さらに換言すれば、患者に対する外科的介入に使用するための外科用ナビゲーションシステムが開示されており、外科用ナビゲーションシステムは、介入が行われる対象の患者の少なくとも身体部分、特に患者全体、および好ましくは少なくとも1つの医療器具を、その姿勢に関して検出および追跡するように適合された追跡システム/追従システム/位置特定システムと、対象の患者の体腔内解剖学的構造の3D表面画像(ある意味、3D空間における2D表面構造)を作成するように適合された3D表面スキャナであって、3D表面スキャナが追跡システムによって、特に付属の追跡装置を介して追跡される、3D表面スキャナと、制御ユニットとを備え、制御ユニットは、3D表面画像と、追跡された3D表面スキャナおよび追跡された患者(またはその身体部分)の検出および追跡された姿勢を処理し、3D表面スキャナの検出および追跡された姿勢を介して、患者に対する3D表面画像の位置と向き(すなわち姿勢)を決定し、特定の位置と向き(すなわち姿勢)で、特に記憶装置に格納されている患者の仮想デジタル3D解剖モデル(または、少なくとも対象の身体部分のデジタル3D解剖モデル)を(相関関係のある方法で)(局所的な)3D表面画像で補足し、ナビゲーションのために対象の患者の体腔内解剖学的構造で補足された最新のデジタル3D解剖モデルを提供するために、出力装置、特に手術室モニタを介して、外科用ナビゲーションのために補足された患者のデジタル3D解剖モデルのビューを視覚的に出力するように、適合/構成されている。
【0014】
ナビゲーションシステムの3D表面スキャナは、高速かつ高精度で動作し、コスト効率が高く、取り扱いが簡単で、特に医療技術分野での使用に適している。したがって、これらの利点はナビゲーションシステムにも及ぶ。特に、構造化光を用いた3D表面スキャナは、脊髄や神経ナビゲーションに使用でき、介入中に標的の患者の解剖学的構造の3D表面画像を作成できる。また、これは、介入前に取得されたCT画像またはMR画像などの手術前データの登録にも使用できる。特に、3D表面スキャナは、3D点群を作成し、好ましくはカラーマップを重ね合わせるために使用できる。
【0015】
この外科用ナビゲーションシステムは、さまざまな適応症に使用できる。例えば、膝の手術では、膝を切開して露出させた後、膝関節の関節面の3D表面画像を作成することに使用できる。特に、この遠位大腿骨の3D表面画像は、大腿骨追跡装置の基準に対して検出でき、一方で、近位脛骨の3D表面画像は、脛骨追跡装置の基準に対して検出できる。大腿骨および脛骨の3D表面画像は、任意で、股関節の中心、膝関節の中心、膝蓋骨の中心、脛骨の中心、足首の中心などの解剖学的配向点によって補足でき、または既存の解剖学的配向点を有する患者の3D解剖モデルを3D表面画像によって補足できる。少なくとも1つの3D表面画像と、好ましくは解剖学的ランドマークとが検出されると、特に人工膝関節は、生体力学的軸と意図したアライメントで位置決めできる。大腿骨と脛骨の3D表面画像は、特に精密な人工関節の位置決めとサイジングを可能にする。
【0016】
例えば股関節の手術の場合、外科用ナビゲーションシステムは寛骨臼の3D表面画像を作成し、患者のイメージレスかつランドマークベースのデジタル3D解剖モデルを寛骨臼の3D表面画像で補足できる。これにより、ソケットアライメント中の解剖学的な角度および距離を視覚化できるだけでなく、骨構造に対するソケットインプラントの適合やアライメントを視覚的に確認できる。
【0017】
用語「位置」とは、3次元空間における幾何学的な位置を意味し、特にデカルト座標系の座標によって特定される。特に、位置は、3つの座X、Y、Zで特定できる。
【0018】
用語「向き」とは、空間における向き(位置など)を示す。また、向きは3次元空間における方向または回転の指標を示すとも言える。特に、向きは3つの角度を用いて特定できる。
【0019】
用語「姿勢」とは、位置と向きとの両方を含む。特に、姿勢は、6つの座標、すなわち、3つの位置座標X,Y,Zと、向きのための3つの角度座標とを使用して特定できる。
【0020】
3Dという用語は、画像データが空間的、つまり3次元であることを定義している。患者の身体または空間的な広がりを有する身体の少なくとも一部は、例えば、デカルト座標系(X,Y,Z)を有する3次元空間における画像データとしてデジタル的に利用可能であってもよい。
【0021】
有利な実施形態は、従属請求項に記載されており、以下に特に説明される。
【0022】
一実施形態によれば、ナビゲーションシステムの3D表面スキャナは、3D表面スキャナを手動で誘導し、様々な姿勢で3D表面画像を作成するためのハンドルと、好ましくは無線通信モジュール(WIFI、Bluetooth、IRなど)を備えてもよい。特に、ハンドルを有する3D表面スキャナは、自給自足モジュールとして機能するバッテリを有してもよい。代替的または付加的に、3D表面スキャナは、特にナビゲーションシステムの保持アームに取り付けるための取り付け部、特にクランプモジュールを有してもよい。代替的または付加的に、外科用ナビゲーションシステムは、3D表面スキャナの少なくとも1つの予め定義された姿勢で3D表面画像を自動的に作成するために、特に、好ましくはスイープアルゴリズムまたはスイープパターンに従って、3D表面スキャナの複数の姿勢で複数の3D表面画像を作成するために、3D表面スキャナがエンドエフェクタとして接続されるロボットアームを有するロボットを備えてもよい。言い換えれば、特に、3D表面スキャナは、手に保持されるように、ナビゲーションシステムの静的な機械的保持アームに取り付けられるように、またはロボットアームによって保持され能動的に動かされるように構成されてもよい。特に、3D表面スキャナは、ナビゲーションシステムまたは支援システムのロボットアームに取り付けられてもよく、このロボットアームが自律的に3D表面スキャナを動かして対象の解剖学的領域を検出する(制御される)。
【0023】
さらなる実施形態によれば、3D表面スキャナは、特に、対象の解剖学的領域の3D点群を3D表面画像として作成するために、構造化光用のエミッタと、光を検出するためのセンサ、特にRGBセンサ(例えばカメラ)とを有してもよく、および/またはステレオカメラを有してもよく、および/またはToF(time-of-flight)カメラを有してもよく、および/またはLIDARスキャナを有しててもよい。言い換えれば、3D表面スキャナは、したがって、特に対象の解剖学的領域の3D点群を作成するために、様々な技術、特に構造化光および対応する検出、ステレオカメラ(ステレオビジョン)、ToFカメラ、またはLIDARセンサ/LIDARカメラを用いて3D表面画像を作成できる。
【0024】
好ましくは、ナビゲーションシステムの追跡システムおよび/または制御ユニットおよび/または3D表面スキャナは、マシンビジョンを使用して姿勢を決定するように適合されている。特に、2Dカメラは、対象の物または表面に対して異なる視線方向から画像を作成し、これらの画像から空間情報を算出するために使用される。
【0025】
好ましくは、追跡システムは、光学追跡システム、および/またはマシンビジョンに基づく追跡システム/位置特定システム、および/またはEM追跡システムを有してもよい。特に、ナビゲーションシステムは、光学追跡システムに加えて、電磁追従(EMナビゲーションシステム)を実行するように構成されてもよい。
【0026】
好ましくは、膝を含む患者の脚部の仮想デジタル3D解剖モデルは、ナビゲーションシステムの記憶装置に記憶されてもよく、3D表面スキャナを備えたナビゲーションシステムは、膝関節の3D表面画像を作成するように適合されてもよく、この目的のためのナビゲーションシステムは、骨の追従のために、脛骨上および大腿骨上に強固に配置されるように適合された脛骨追跡装置および別個の大腿骨追跡装置を備える。制御ユニットは、追跡された脛骨追跡装置および大腿骨追跡装置に基づいて、追跡された脚部に3D表面画像を関連付けるように適合されている。このようにして、2つの骨基準(膝関節の領域における脛骨と大腿骨の骨部分)がナビゲーションによって別々に追跡され、解剖学的構造の2つ以上の3D表面が対応する基準骨に対して検出される。特に、ナビゲーションシステムは、したがって、追跡システムに別々に取り付けられたそれぞれの追跡装置で2つの基準骨を追跡し、基準骨に対する少なくとも2つの体腔内解剖学的3D表面画像を作成するように適合されてもよい。
【0027】
一実施形態によれば、制御ユニットは、点、(生体力学的)軸、および表面の複合デジタル3D解剖モデルを得るために、特にナビゲーションシステムのポインタを介して、ランドマークポイント、特に股関節の中心、膝関節の中心、および膝蓋骨中心、脛骨の中心、および/または足首の中心によって患者のデジタル3D解剖モデルを補足するように適合されてもよい。言い換えれば、検出された3D表面は、スイープ運動または運動学的運動によって患者上で検出された追加の解剖学的ランドマークポイント/ランドマークで補足されてもよく、その結果、点、(生体力学的)軸、および表面の複合モデルが得られる。
【0028】
さらなる実施形態によれば、制御ユニットは、個々の3D表面画像に基づいて全体画像として拡張されたおよび/またはより正確な3D表面画像を得るために、3D表面スキャナの少なくとも2つの異なる(検出された)姿勢における少なくとも2つの3D表面画像を処理するように適合されてもよい。この技術は、スティッチング技術としても知られ、複数の個々の3D表面画像を組み合わせて、全体画像を形成する。写真のパノラマ機能に似ており、複数の画像が、特に重複領域で互いにリンクされる。しかし、3D表面スキャナで検出された姿勢は、必ずしも重複領域があることを意味するわけではなく、別個の領域が追加されることがある。したがって、ナビゲーションシステムは、絶対的な追加を可能にし、相対的な参照は必要としない。好ましくは、制御ユニットは、精度を高めるために、3D表面画像の重複領域で、この領域についての結果としての3D表面画像を計算するように適合されてもよい。特に、3D表面画像は、単一の静止位置、特定の姿勢、または複数の位置、特定の複数の姿勢にわたって検出されてもよく、それによってスキャンされた表面積が増加し、したがって患者の3D解剖モデルが増加する。
【0029】
好ましくは、3D表面スキャナは、患者の体腔内に挿入されるように適合されてもよく、特に、最大幅および最大高さ、特に好ましくは最大寸法が10cmであってもよい。3D表面スキャナ、特に3D表面スキャナカメラは、3D表面画像として深部にある領域の表面を検出するために、患者の解剖学的構造内に挿入するのに十分に小さくすることができる。検出された3D表面画像は、手術中にインプラントまたは器具の位置を計画するために使用できる。
【0030】
特に、外科用ナビゲーションシステムは、3D表面スキャナが一体化された外科用内視鏡、特にその前側/先端側内視鏡ヘッドを有してもよい。したがって、3D表面スキャナは、外科用内視鏡の(構成)部品であってもよい。
【0031】
一実施形態によれば、介入計画に従ったインプラントを有する患者の3D解剖モデルは、ナビゲーションシステムの記憶装置に記憶されてもよく、制御ユニットは、3D表面スキャナによる3D表面画像を介して、介入計画に従ったインプラントの姿勢に対する実際のインプラントの姿勢を手術中に検証し、逸脱があった場合に表示装置を介して警告を発するように適合されてもよい。したがって、3D表面スキャナは、インプラントが挿入された後に、位置を確認し、介入計画と比較するために使用されてもよい。特に、制御ユニットは、患者の3D解剖モデルにおけるインプラントの目標姿勢と、実行された3D表面画像による実際の姿勢とを比較し、外科医にアライメントに関する情報を提供するために、出力装置を介して偏差が表示される。
【0032】
特に、制御ユニットは、患者のデジタル3D解剖モデルにおける3D表面画像を、特徴のない表面として、またはカラーテクスチャを有する表面として、またはグレースケールのテクスチャを有する表面として補足するように適合されてもよい。言い換えれば、3D表面画像は、好ましくは、特徴のない表面、またはカラーテクスチャまたはグレースケールテクスチャを有する表面の形式で変換され、保存されてもよい。
【0033】
一実施形態によれば、制御ユニットは、3D表面画像内の対象の予め定義された構造、特に骨を認識し、これらの対象の予め定義された構造のみでデジタル3D解剖モデルを補足するように適合されてもよい。したがって、特に、検出された3D表面画像は、3D表面画像内の対象の構造のみが残るように操作されてもよい。皮膚など骨に属さない構造は、3D表面画像から自動的に除外される。
【0034】
手術支援システムに関しては、本開示に係るナビゲーションシステムと、医療用エンドエフェクタを有する医療用ロボットとを備えることで目的は解決される。特に、ナビゲーションシステムは、手術前の画像容量を必要とせずに、手術ロボットに組み込むことができる。よって、手術支援システムは、ナビゲーションシステムを介してナビゲーションのためのデータを提供するために使用でき、自動化または半自動化された介入は、エンドエフェクタを備えたロボットを介して実行できる。特に膝の手術では、エンドエフェクタが脛骨と大腿骨の切除を行い、好ましくは人工膝関節を姿勢正しく自動的に挿入するように、作成され補足された患者の3D解剖モデルに基づいてロボットを制御できる。
【0035】
患者に対する外科的介入、特に膝関節形成術において、好ましくは本開示の外科用ナビゲーションシステムにおいて使用するためのナビゲーション方法に関して、目的は、ナビゲーション方法が以下のステップを含むことで解決される:
追跡システム/追従システムを介して、患者および好ましくは少なくとも1つの医療器具、特にポインタを追跡し、
3D表面スキャナにより、対象の患者の体腔内解剖学的構造の3D表面画像を作成し、追跡システムにより、特に付属の追跡装置を介して、3D表面スキャナを追跡し、
3D表面スキャナの検出された姿勢を介して、患者に対する3D表面画像の姿勢を決定し、
特定の姿勢における患者のデジタル3D解剖モデルを(関連付けられた)3D表面画像で補足し、
ナビゲーションのために対象の患者の体腔内解剖学的構造で補足された最新のデジタル3D解剖モデルを提供するために、出力装置、特に手術室モニタを介して、外科用ナビゲーションのための患者の補足されたデジタル3D解剖モデルの視覚的ビューを出力すること。このナビゲーション方法を用いることで、特に人工膝関節を用いた膝関節手術において、迅速、容易かつ柔軟に介入を行うことができ、患者の安全性をさらに向上させることができる。
【0036】
特に、ナビゲーション方法は、3D表面スキャナの第1姿勢における大腿骨の前面の3D表面画像を、特にロボット誘導型3D表面スキャナを介して作成し、追跡システムにより、3D表面スキャナおよび大腿骨の姿勢を(大腿骨上の)大腿骨追跡装置を介して検出し、3D表面スキャナの第2姿勢における脛骨の(特に正面の)3D表面画像を、特にロボット誘導方式で作成し、追跡システムにより、3D表面スキャナと脛骨の姿勢を脛骨上の脛骨追跡装置を介して検出し、制御ユニットにより、特定の姿勢での3D表面画像で患者のデジタル3D解学モデルを補足する(デジタル画像データの姿勢補正統合)ことを更に備えてもよい。
【0037】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関して、目的は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに本開示に係るナビゲーション方法の方法ステップを実行させる命令を含むことによって解決される。
【0038】
本開示に係るナビゲーションシステムに関する開示は、本開示に係るナビゲーション方法にも適用され、その逆もまた同様である。特に、ナビゲーションシステムの制御ユニットは、ナビゲーション方法に従って方法ステップを実行するように(例えば、プロセッサと命令を有する記憶装置を備えるように)適合されてもよい。
【0039】
以下、図を用いて好ましい実施形態を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、膝の手術に適合した本開示の好ましい実施形態に係る外科用ナビゲーションシステムを有する支援システムの模式的な斜視図である。
図2図2は、デジタル化された解剖学的ランドマークを有する患者の模式的な3D解剖モデルと、図1から膝の手術のスキャンされた3D表面画像を示す。
図3図3は、膝関節の関節面を検出し、スクリーンを介して3D解剖モデルのビューを出力する3Dスキャンカメラの形式のさらなる実施形態のナビゲーションシステムの3D表面スキャナの模式的な斜視図である。
図4図4は、好ましい変形例に係るナビゲーション方法のフローチャートである。
【0041】
図は、本来は模式的なものであり、本発明の理解を助けることのみを意図している。同じ要素には同じ参照符号が付けられている。様々な実施形態の特徴は入れ替えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、ロボット102と、好ましい実施形態に係る外科用ナビゲーションシステム1とを備えた好ましい実施形態に係る手術支援システム100の模式的な斜視図である。
【0043】
外科用ナビゲーションシステム1は、患者Pの膝の手術に使用される。この手術では、脛骨の切除が行われ、膝関節にインプラントが挿入される。正確で最新のナビゲーションは、患者に対するこの外科的介入にとって極めて重要である。
【0044】
ナビゲーションシステム1は、固形体の姿勢を検出するための光学追跡システム2を有しており、光学追跡システム2は、患者Pと、固形体が取り付けられた医療器具とを検出し、追跡するように適合されている。この実施形態では、追跡システム2は、3次元検出用のステレオカメラと、ステレオ画像に基づいて空間内の姿勢を決定する下流処理部とを有する。追跡システム2によって検出される固形体は、3つの間隔をあけた球体を有する追跡装置10の形態であり、追跡システムは、追跡装置10の姿勢の検出を介して、追跡装置10が取り付けられている関連部分の姿勢を間接的に推測できる。
【0045】
ナビゲーションシステム6は、さらに、移動可能な手持ち式の3D表面スキャナ6を備えており、スキャナ6は、対象の患者Pの体腔内解剖学的構造(この場合、対応する骨を有する膝関節)の3D表面画像8を作成するために特別に適合されている。3D表面スキャナ6自体は、付属の追跡装置10を介して追跡システム2によって追跡されるため、空間における3D表面スキャナ6の姿勢は、追跡システム2によって決定可能である。すなわち、3D表面スキャナ6は、患者Pの膝関節の3次元表面(3次元地図のような色情報とある程度の高さ情報を有する)を記録し、3D表面スキャナ6の姿勢は、3D表面画像8中に検出される。3D表面スキャナ6の姿勢に対する3D表面画像8の姿勢が決定可能であり、さらに追跡システム2のステレオカメラに対する3D表面スキャナの姿勢も決定可能であるため、3D表面画像8と追跡システムの間の変換も決定可能である。
【0046】
患者Pの膝関節(本明細書では大腿骨と脛骨)が、さらに追跡装置10を介して検出されるため、患者の胴体部分としての脚の姿勢も追跡システム2に対して決定可能であり、個々の骨の姿勢から追跡システム2のローカル座標系(KOS)への変換が決定可能である。つまり、大腿骨の(ローカルKOSの)姿勢と脛骨の(ローカルKOSの)姿勢、ひいては3次元表面画像8に対する膝関節の姿勢を、2つの変換をリンクさせることによって決定できる。
【0047】
具体的には、プロセッサ、RAMモジュール、およびストレージを備えた制御ユニット12は、3D表面画像8と、3D表面スキャナ6および患者Pの検出および追跡された姿勢とを処理し、3D表面スキャナ6の姿勢を介して患者Pに対する3D表面画像8の姿勢を決定し、特定の姿勢における患者Pの仮想デジタル3D解剖モデル14を3D表面画像8で補足するように適合されている。追跡システム2によって患者Pの実際の脚を検出することにより、患者Pの脚の仮想モデルと実際の脚との相関をとることができ、仮想脚の姿勢に対する3D表面画像8の姿勢も決定できる。また、患者Pの3D解剖モデル14が、例えば、更なるランドマークポイントを有する模式的な生体力学的軸モデル(骨の表現としての始点および終点を有する軸)として、仮想空間またはデジタル空間に記憶され、患者Pのこの3D解剖モデル14は、介入領域に関するより詳細なデジタル情報を提供し、手術中のナビゲーションを支援するために、スキャンされた対象の面、すなわち介入領域によって補足されるとも言える。
【0048】
患者Pの補足されたデジタル3D解剖モデル14のビューは、その後、ナビゲーションのために対象の患者Pの体腔内解剖学構造によって補足された最新のデジタル3D解剖モデル14を提供するために、外科用ナビゲーションのための出力装置16としてのディスプレイ、例えば手術室モニタを介して、コンピュータのサポートにより視覚的に出力されることができる。これにより、時間のかかる登録が不要となり、しかも、患者Pの3D解剖モデル14を提供でき、介入領域におけるナビゲーションのために特に正確な解剖学的構造情報を提供できる。
【0049】
外科用ナビゲーションシステム1は、関連する記録領域に関して患者Pの3D解剖モデル14を拡張し、冗長情報と最適化アルゴリズムによって精度をさらに向上させるために、3D表面画像8を異なる姿勢で、したがって異なる視野角とビューで作成できるという特別な可能性を提供する。
【0050】
3D表面スキャナ6は、外科医が容易に手に持って誘導できるように構成されている。この目的のために、3D表面スキャナ6は、手動で把持および誘導するためのハンドル18と、自給自足のエネルギーを供給するための充電式バッテリと、無線であるために制御ユニット12にデータを送信するためのWLANまたはBluetoothモジュールの形態の無線通信モジュール20とを備えている。
【0051】
図示されていない別の実施形態では、外科用ナビゲーションシステムは、3D表面キャナ6の少なくとも1つの予め定義された姿勢で3D表面画像8を自動的に作成するために、特に、スイープアルゴリズムまたはスイープパターンに従って3D表面キャナ6の複数の姿勢で複数の3D表面画像8を作成するために、3D表面スキャナ6がエンドエフェクタとして接続されたロボットアームを有するロボットをさらに備えることができる。3D表面スキャナ6がロボット誘導型である場合、アルゴリズムまたは予め定義された姿勢を使用して、3D表面スキャナ6をこれらの姿勢に自動的に移動させ、画像を作成できる。この構成はまた、3D表面スキャナ6の姿勢が、追跡装置を介して検出可能であるだけでなく、ロボットベースと追跡システムとの間の変換が決定可能である、ロボットベースとの関係における運動学によっても検出可能であるという利点を有する。このようにして、3D表面スキャナ6の姿勢は、追跡装置の視界が遮られた場合であっても決定できる。
【0052】
膝を含む患者Pの脚部の仮想デジタル3D解剖モデル14は、ナビゲーションシステム1の記憶装置22に格納される。3D表面スキャナ6は、膝関節の3D表面画像8を作成し、対応する骨は、骨に強固にねじ止めされた個別の脛骨追跡装置24と大腿骨追跡装置26とを介して追跡システム2によって検出されることができる。制御装置12は、追跡された脛骨追跡装置24および大腿骨追跡装置24に基づいて、3D表面画像8を追跡された脚部分に互いに関連付けるように適合されている。
【0053】
図2は、図1に示した患者の膝への介入中にナビゲーションを行う場合の、スキャンされた3D表面画像とデジタル化された解剖学的ランドマークに基づいて、患者モデルまたは3D解剖モデル14を作成する例を示している。患者の実際の骨は、図2の左側に模式的に示されており、右側には、患者Pの3D解剖モデル14が、2つの骨の長手方向軸に(概ね)沿った直線状の生体力学的軸28と、特に股関節、膝関節、および膝蓋骨の中心、脛骨の中心、および/または足首の中心の周りの、介入に関連する解剖学的ランドマークポイント(図2では、説明のために線による参照符号で補足されている)と共に示されている。患者Pの実際の膝関節では、3D表面スキャナ6が局所的に膝関節の部分断面として3D表面画像8を作成し、これが前述のように患者Pの3D解剖モデル14に追加され、ここでは図2の右側に挿入された3D表面で示される。
【0054】
外科医は、この患者Pの3D解剖モデル14に基づいて、手術を行い、それに応じてナビゲートするだけでなく、インプラントを挿入するときに、患者Pの3D解剖モデル14に目標姿勢を反映させた介入計画に従ったインプラントの目標姿勢の位置と、実際のインプラントの姿勢とを比較し、必要に応じて、手術中に実際の姿勢を目標姿勢に合わせるための補正を行うことができる。
【0055】
図3は、別の好ましい実施形態に係る外科用ナビゲーションシステム1を示す。これは、3D表面スキャナ6として、構造化光用エミッタと、複数のRGBセンサ/RGBカメラを備えた3Dカメラを使用する。追跡システム2を介して姿勢を検出するために、追跡装置10として、この上に固形体が再び配置される。その視野32において、3Dカメラは、幾何学的情報を得るために、3次元空間における点群の形式で表面画像を作成し、さらに、ナビゲーションをより直感的にするために、記録された色に従って色情報も付加される。膝関節は、3D表面スキャナ6によってスキャンされ、制御ユニット12は、3D表面画像から骨を認識し、これのみを3D表面画像の関連部分として決定し、患者の3D解剖モデル14に追加するように適合されている。
【0056】
この実施形態では、制御ユニット12は、3D解剖モデル14の脛骨と大腿骨の2つのビューを作成し、ナビゲーション用の画面に表示する。これにより、外科医は、自身の介入に関連する即時かつ手術中の情報を得ることができ、手術を実施でき、インプラントをより適切に挿入できる。
【0057】
図4は、患者Pに対する外科的介入、特に脛骨切除術に使用するナビゲーション方法のフローチャートである。
【0058】
最初のステップS1では、介入が行われる膝関節を有する患者Pの脚の姿勢と、介入中に使用される医療器具の姿勢が、ナビゲーションシステム1の追跡システム2を介して検出され、追跡される。特に、姿勢は、3つの位置座標および3つの方位角の形式で保存される。
【0059】
ステップS2では、対象の患者Pの体腔内解剖学的構造の3D表面画像8が、3D表面スキャナ6により作成され、3D表面画像8の時点での3D表面スキャナ6の姿勢が、3D表面スキャナ6に取り付けられ空間内で追跡される追跡装置10を介して、追跡システム2によって決定される。
【0060】
続くステップS3では、3D表面スキャナ6の検出された姿勢を使用して、患者Pに対する3D表面画像8の姿勢が、決定または計算される。特に、3D表面スキャナ8に対する3D表面画像8の姿勢、さらに、追跡システム2に対する姿勢、さらに、患者Pに対する姿勢を最初に決定できる。患者Pと3D表面画像との間のこの変換は、ステップS4において、正確にこの特定の姿勢における患者(P)のデジタル3D解剖モデル(14)で3D表面画像8を補足するために、制御ユニット12によって使用される。言い換えれば、患者の身体部分の仮想デジタル3Dモデルは、姿勢補正された3D表面画像8により補足される。
【0061】
最後に、患者Pの仮想的に補足されたデジタル3D解剖モデル14のビュー、例えば、正面図、側面図、斜視図が、制御ユニット12によって作成され、補足されたデジタル3D解剖モデル14のこの視覚的ビューは、その後、手術室モニタ34の形態の出力装置16を介して、外科用ナビゲーションのために出力または表示され、ナビゲーションのために対象の患者(P)の体腔内解剖学的構造で補強された手術中の最新のデジタル3D解剖モデル14を提供する。
【符号の説明】
【0062】
1 外科用ナビゲーションシステム
2 追跡システム
4 医療器具
6 3D表面スキャナ
8 3D表面画像
10 追跡装置/マーカー
12 制御ユニット
14 3D解剖モデル
16 出力装置
18 ハンドル
20 無線通信モジュール
22 記憶装置
24 脛骨追跡装置
26 大腿骨追跡装置
28 軸
30 ランドマークポイント
32 視野
34 モニタ
36 構造化光用光源
38 RGBセンサ
1’,2’,3’,4’,5’,6’,7’,8’,9’ ランドマークポイント
100 手術支援システム
102 ロボット
104 医療用エンドエフェクタ
P 患者
S1 患者の脚と器具との姿勢を決定するステップ
S2 3D表面スキャナにより3D表面画像を作成し、3D表面スキャナの姿勢を検出するステップ
S3 3D表面画像と患者と間の変換を決定するステップ
S4 3D解剖モデルを3D表面画像で補足して姿勢補正するステップ
S5 患者の補足された3D解剖モデルのビューを手術室モニタにより出力するステップ
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
者に対する外科的介入に使用するための外科用ナビゲーションシステムであって、
少なくとも患者を追跡するように適合された追跡システムと
対象の患者の体腔内解剖学的構造の3D表面画像を作成するように適合された3D表面スキャナであって、前記3D表面スキャナは、前記追跡システムによって追跡される、前記3D表面スキャナと
制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは
前記3D表面画像と、検出された前記3D表面スキャナおよび患者の検出および追跡された姿勢とを処理し、
前記3D表面スキャナの検出および追跡された姿勢を介して、患者に対する前記3D表面画像の姿勢を決定し、特定の姿勢における患者の仮想デジタル3D解剖モデルを前記3D表面画像で補足し、
ナビゲーションのために対象の患者の体腔内解剖学的構造により補足された最新のデジタル3D解剖モデルを提供するために、出力装置を介して、科用ナビゲーションのための患者の補足されたデジタル3D解剖モデルのビューを視覚的に出力する
ように適合されている、外科用ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記ナビゲーションシステムの前記3D表面スキャナは、前記3D表面スキャナを手動で案内し、様々な姿勢で前記3D表面画像を作成するためのハンドルと、好ましくは無線通信モジュールとを備える、または
前記3D表面スキャナは、特に前記ナビゲーションシステムの保持アームに取り付けるための取り付け部を有する、または
前記外科用ナビゲーションシステムは、前記3D表面スキャナの少なくとも1つの所定の姿勢で前記3D表面画像を自動的に作成するために、特にスイープアルゴリズムまたはパターンに従って前記3D表面スキャナの複数の姿勢で複数の3D表面画像を作成するために、前記3D表面スキャナがエンドエフェクタとして接続されるロボットアームを有するロボットを備えることを特徴とする請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記3D表面スキャナは、特に、対象の解剖学的領域の3D点群を3D表面画像として作成するために、構造化光用のエミッタと、光を検出するためのRGBセンサとを有し、および/またはステレオカメラを有し、および/またはToFカメラを有し、および/またはLIDARスキャナを有することを特徴とする請求項1または2に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記追跡システムは、光学追跡システムおよび/またはEM追跡システムを有することを特徴とする、請求項に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項5】
膝を含む患者の脚部の仮想デジタル3D解剖モデルは、前記ナビゲーションシステムの記憶装置に格納され、前記3D表面スキャナを有する前記ナビゲーションシステムが、膝関節の3D表面画像を作成するように適合されており、
この目的のための前記ナビゲーションシステムは、骨を追跡するために脛骨上および大腿骨上に強固に配置されるように適合された脛骨追跡装置よび別個の大腿骨追跡装置備え、
前記制御ユニットは、追跡された前記脛骨追跡装置前記大腿骨追跡装置に基づいて、追跡された前記脚部に前記3D表面画像を関連付けるように適合されている、請求項に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記制御ユニットは点、軸、および面の組み合わされたデジタル3D解剖モデルを得るために、特に前記ナビゲーションシステムのポインタを介して、ランドマークポイント、特に股関節の中心、膝関節の中心、膝蓋骨の中心、脛骨の中心、および/または足首の中心によって、患者の前記デジタル3D解剖モデルを補足するように適合されていることを特徴とする、請求項に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記制御ユニットは、個々の3D表面画像に基づいて、全体画像として拡張されたおよび/またはより精密な3D表面画像を得るために、前記3D表面スキャナの少なくとも2つの異なる姿勢で少なくとも2つの3D表面画像を処理するように適合されていることを特徴とする、請求項に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記3D表面スキャナは、患者に体腔内に挿入されるように適合されており、特に、最大幅および最大高さ、特に好ましくは最大寸法が10cmであることを特徴とする、請求項に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記外科用ナビゲーションシステムは、前記3D表面スキャナが一体化された外科用内視鏡を有することを特徴とする、請求項に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項10】
介入計画に従ったインプラントを有する患者の前記3D解剖モデルが前記ナビゲーションシステムの記憶装置に記憶されており、
前記制御ユニットは、前記3D表面スキャナによる3D表面画像を介して、前記介入計画に従った前記インプラントの姿勢に対する実際の前記インプラントの姿勢を手術中に検証し、逸脱が生じた場合に出力装置を介して警告または逸脱情報を出力するように適合されていることを特徴とする、請求項に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記追跡システムは、少なくとも患者と、少なくとも1つの医療器具を追跡するように適合されていることを特徴とする、請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記3D表面スキャナは、付属の追跡装置を介して前記追跡システムにより追跡されることを特徴とする、請求項1に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記制御ユニットは、前記3D表面画像内の対象の予め定義された構造を認識し、対象の予め定義された構造のみで前記デジタル3D解剖モデルを補足するように適合されていることを特徴とする、請求項に記載の外科用ナビゲーションシステム。
【請求項14】
請求項に記載のナビゲーションシステムと、医療用エンドエフェクタを有する医療用ロボットとを備える、手術支援システム。
【請求項15】
者における外科的介入、および請求項に記載の外科用ナビゲーションシステムにおいて使用するためのナビゲーション方法であって、
ナビゲーションシステムの追跡システムを介して、患者を追跡し、
3D表面スキャナにより、対象の患者の体腔内解剖学的構造の3D表面画像を作成し、前記追跡システムにより、前記3D表面スキャナを追跡し、
前記制御ユニットにより、前記3D表面スキャナの検出された姿勢を介して、患者に対する前記3D表面画像の姿勢を決定し、
前記制御ユニットによって、特定の姿勢における患者のデジタル3D解剖モデルを前記3D表面画像で補足し、
ナビゲーションのために対象の患者の体腔内解剖学的構造で補足された手術中の最新のデジタル3D解剖モデルを提供するために、出力装置を介して、外科用ナビゲーションのための患者の補足されたデジタル3D解剖モデルの視覚的ビューを出力する
ことを含むことを特徴とする、ナビゲーション方法。
【請求項16】
3D表面スキャナの第1姿勢における大腿骨の前面の3D表面画像を、特にロボット誘導型3D表面スキャナを介して作成し、
追跡システムにより、前記3D表面スキャナと大腿骨上の大腿骨追跡装置との姿勢を検出し、
前記3D表面スキャナの第2姿勢における脛骨の前記3D表面画像を作成し、
前記追跡システムにより、前記3D表面スキャナと脛骨上の脛骨追跡装置の姿勢を検出し、
制御ユニットにより、患者のデジタル3D解剖モデルを姿勢補正3D表面画像で補足する
ことを更に含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項17】
コンピュータによって実行されると、請求項15または16に記載のナビゲーション方法の方法ステップを前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【国際調査報告】