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特表2025-503754タイミングコントローラとスペクトル拡散映像搬送との集積化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】タイミングコントローラとスペクトル拡散映像搬送との集積化
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
G09G3/20 612J
G09G3/20 611A
G09G3/20 680S
G09G3/20 623F
G09G3/20 621M
G09G3/20 632A
G09G3/20 622B
G09G3/20 623B
G09G3/20 611C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542925
(86)(22)【出願日】2023-01-18
(85)【翻訳文提出日】2024-09-06
(86)【国際出願番号】 US2023011064
(87)【国際公開番号】W WO2023141168
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】63/300,975
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/317,746
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/391,226
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519316313
【氏名又は名称】ハイファイ ユーエスエー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】エヤル フリードマン
(72)【発明者】
【氏名】トッド イー. ロックオフ
【テーマコード(参考)】
5C080
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD07
5C080DD08
5C080DD22
5C080DD23
5C080DD25
5C080DD26
5C080EE19
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080KK02
5C080KK43
5C080KK47
(57)【要約】
ディスプレイセットのタイミングコントローラは、ディスプレイコントローラとディスプレイパネルのソースドライバとの間のアナログ信号の搬送のために、符号化器と共に集積化される。タイミングコントローラ及び集積化符号化器は、集積回路内にあり、チップセットの一部である。集積回路は、ディスプレイセットのSoCの直後に位置するか又はSoC内に集積化される。タイミングコントローラチップに送信された映像信号は、サンプル値にアンパックされ、サンプルのベクトル(符号化器当たり1つのベクトル)に配列される。各ベクトルは、アナログに変換されて符号化され、そのアナログレベルは、ソースドライバに送信され、ソースドライバは、それをアナログサンプルに復号する。或いは、各ディジタルベクトルは、符号化され、次に、アナログに変換される。ラインバッファは、メモリを使用して、画素行情報を符号化器に提示する。携帯電話は、SSVT送信器と共に集積化されたTCONを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイミングコントローラを送信器と共に集積化した装置であって、
ディスプレイセットのシステムオンチップから発信されるディジタル映像サンプルの複数のストリームを受信するように配置された少なくとも1つの受信器と、
所定配列に従って前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを複数の入力ベクトルに分配するように配置された分配器と、
各入力ベクトルの前記ディジタル映像サンプルをアナログ映像サンプルに並列変換する、前記各入力ベクトルのための複数のディジタル/アナログ変換器(DAC)と、
各入力ベクトルの前記アナログ映像サンプルをアナログ値の系列に符号化する、前記各入力ベクトルのための符号化器であって、当該各符号化器に対応する電磁気的経路を介して前記ディスプレイセットのディスプレイにアナログ値の前記系列を送信するように配置された、符号化器と、
前記ディスプレイセットの前記ディスプレイのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラと
を含む、装置。
【請求項2】
前記ディスプレイセットの単一の集積回路内に集積化される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記各符号化器のアナログ値の前記系列が、前記ディスプレイセットのソースドライバの対応復号器に配送される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを受信するように配置されたラインバッファを更に含み、前記分配器が、前記ラインバッファからの前記ディジタル映像サンプルを前記入力ベクトルに分配する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記システムオンチップの約10cm以内に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ゲートドライバコントローラが、アンパッカから発信されるフレーミングフラグを受信し、前記フレーミングフラグに基づいて前記ゲートドライバ制御信号を出力するように更に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記アンパッカが、前記システムオンチップからディジタル映像信号を受信し、前記ディジタル映像サンプルの前記複数のストリームを生成する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記分配器が、第1のクロック周波数で前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを入力し、前記第1のクロック周波数より遅い第2のクロック周波数で前記入力ベクトルの前記DACに前記入力ベクトルを出力し、従って、クロックドメインクロッシングに影響を及ぼす、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
各入力ベクトルが、長さNを有し、各符号化器が、各々が長さLを有するN個の相互直交コードの所定コードセットを参照して、N個のアナログ映像サンプルのその対応入力ベクトルをL個のアナログ値の系列に符号化し、前記コードの各々が、前記N個のアナログ映像サンプルのうちの1つを符号化するために使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記各符号化器の複数のアナログ値の前記系列が、前記ディスプレイのソースドライバで多重化される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記システムオンチップ(SoC)が、前記装置内に前記タイミングコントローラ及び前記送信器と共に集積化され、前記SoCが、前記ディスプレイセットの外部からディジタル映像信号を受信し、ディジタル映像サンプルの前記ストリームが、前記ディジタル映像信号から導出される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
L≧N≧2である、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
N>L≧2である、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記ディスプレイが、少なくとも1つのソースドライバを含み、前記ソースドライバが、前記各符号化器からアナログ値の前記系列を受信し、アナログ値の前記系列を復号して複数のアナログサンプルを生成し、前記ソースドライバの出力において出力するように配置され、それにより、ディジタル映像サンプルの前記ストリームが前記ディスプレイセットの前記ディスプレイ上に表示される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
タイミングコントローラを送信器と共に集積化した装置であって、
ディスプレイセットのシステムオンチップから発信されるディジタル映像サンプルの複数のストリームを受信するように配置された少なくとも1つの受信器と、
所定配列に従って前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを複数の入力ベクトルに分配するように配置された分配器と、
各入力ベクトルの前記ディジタル映像サンプルをディジタル値の系列に符号化するように配置された、前記各入力ベクトルのための符号化器と、
ディジタル値の前記系列を、前記各符号化器に対応する電磁気的経路を介して前記ディスプレイセットのディスプレイに送信されるアナログ値の系列に変換する、各符号化器のためのディジタル/アナログ変換器(DAC)と、
前記ディスプレイセットの前記ディスプレイのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラと
を含む、装置。
【請求項16】
前記ディスプレイセットの単一の集積回路内に集積化される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記各符号化器のアナログ値の前記系列が、前記ディスプレイセットのソースドライバの対応復号器に配送される、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを受信するように配置されたラインバッファを更に含み、前記分配器が、前記ラインバッファからの前記ディジタル映像サンプルを前記入力ベクトルに分配する、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記システムオンチップの約10cm以内に位置する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記ゲートドライバコントローラが、アンパッカから発信されるフレーミングフラグを受信し、前記フレーミングフラグに基づいて前記ゲートドライバ制御信号を出力するように更に配置される、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記アンパッカが、前記システムオンチップからディジタル映像信号を受信し、前記ディジタル映像サンプルの前記複数のストリームを生成する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記分配器が、第1のクロック周波数で前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを入力し、前記第1のクロック周波数より遅い第2のクロック周波数で前記符号化器に前記入力ベクトルを出力し、従って、クロックドメインクロッシングに影響を及ぼす、請求項15に記載の装置。
【請求項23】
各入力ベクトルが、長さNを有し、各符号化器が、各々が長さLを有するN個の相互直交コードの所定コードセットを参照して、N個のディジタル映像サンプルのその対応入力ベクトルをL個のディジタル値の系列に符号化し、前記コードの各々が、前記N個のディジタル映像サンプルのうちの1つを符号化するために使用される、請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記各符号化器の複数のアナログ値の前記系列が、前記ディスプレイのソースドライバで多重化される、請求項15に記載の装置。
【請求項25】
前記システムオンチップ(SoC)が、前記装置内に前記タイミングコントローラ及び前記送信器と共に集積化され、前記SoCが、前記ディスプレイセットの外部からディジタル映像信号を受信し、ディジタル映像サンプルの前記ストリームが、前記ディジタル映像信号から導出される、請求項15に記載の装置。
【請求項26】
L≧N≧2である、請求項23に記載の装置。
【請求項27】
N>L≧2である、請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記ディスプレイが、少なくとも1つのソースドライバを含み、前記ソースドライバが、前記各符号化器からアナログ値の前記系列を受信し、アナログ値の前記系列を復号して複数のアナログサンプルを生成し、前記ソースドライバの出力において出力するように配置され、それにより、ディジタル映像サンプルの前記ストリームが前記ディスプレイセットの前記ディスプレイ上に表示される、請求項15に記載の装置。
【請求項29】
DDIC-TCON(ディスプレイドライバ集積回路-タイミングコントローラ)を送信器と共に集積化した装置であって、
携帯電話のモバイルシステムオンチップから発信されるディジタル映像サンプルの少なくとも1つのストリームを受信するように配置された少なくとも1つの受信器と、
所定配列に従って前記少なくとも1つのストリームの前記ディジタル映像サンプルを少なくとも1つの入力ベクトルに分配するように配置された分配器と、
前記少なくとも1つの入力ベクトルの前記ディジタル映像サンプルをアナログ映像サンプルに並列変換するディジタル/アナログ変換器(DAC)と、
前記アナログ映像サンプルをアナログ値の系列に符号化し、電磁気的経路を介して前記携帯電話のディスプレイパネルにアナログ値の前記系列を送信するように配置された少なくとも1つの符号化器と、
前記携帯電話の前記ディスプレイパネルのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラと
を含む、装置。
【請求項30】
前記携帯電話の単一の集積回路内に集積化される、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
アナログ値の前記系列が、前記携帯電話のソースドライバの対応復号器に配送される、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記ディジタル映像サンプルを受信するように配置されたラインバッファを更に含み、前記分配器が、前記ラインバッファからの前記ディジタル映像サンプルを前記入力ベクトルに分配する、請求項29に記載の装置。
【請求項33】
前記システムオンチップの約2cm以内に位置する、請求項29に記載の装置。
【請求項34】
前記ゲートドライバコントローラが、アンパッカから発信されるフレーミングフラグを受信し、前記フレーミングフラグに基づいて前記ゲートドライバ制御信号を出力するように更に配置される、請求項29に記載の装置。
【請求項35】
前記アンパッカが、前記システムオンチップからディジタル映像信号を受信し、前記ディジタル映像サンプルの前記少なくとも1つのストリームを生成する、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記分配器が、第1のクロック周波数で前記ディジタル映像サンプルを入力し、前記第1のクロック周波数より遅い第2のクロック周波数で前記DACに前記入力ベクトルを出力し、従って、クロックドメインクロッシングに影響を及ぼす、請求項29に記載の装置。
【請求項37】
前記入力ベクトルが、長さNを有し、前記符号化器が、各々が長さLを有するN個の相互直交コードの所定コードセットを参照して、N個のアナログ映像サンプルの前記入力ベクトルをL個のアナログ値の系列に符号化し、前記コードの各々が、前記N個のアナログ映像サンプルのうちの1つを符号化するために使用される、請求項29に記載の装置。
【請求項38】
L≧N≧2である、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
N>L≧2である、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記ディスプレイパネルが、ソースドライバを含み、前記ソースドライバが、前記各符号化器からアナログ値の前記系列を受信し、アナログ値の前記系列を復号して複数のアナログサンプルを生成し、前記ソースドライバの出力において出力するように配置され、それにより、ディジタル映像サンプルの前記ストリームが前記携帯電話の前記ディスプレイパネル上に表示される、請求項29に記載の装置。
【請求項41】
DDIC-TCON(ディスプレイドライバ集積回路-タイミングコントローラ)を送信器と共に集積化した装置であって、
携帯電話のモバイルシステムオンチップから発信されるディジタル映像サンプルの少なくとも1つのストリームを受信するように配置された少なくとも1つの受信器と、
所定配列に従って前記少なくとも1つのストリームの前記ディジタル映像サンプルを少なくとも1つの入力ベクトルに分配するように配置された分配器と、
前記入力ベクトルの前記ディジタル映像サンプルをディジタル値の系列に符号化するように配置された少なくとも1つの符号化器と、
ディジタル値の前記系列を、電磁気的経路を介して前記携帯電話のディスプレイパネルに送信されるアナログ値の系列に変換するディジタル/アナログ変換器(DAC)と、
前記携帯電話の前記ディスプレイパネルのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラと
を含む、装置。
【請求項42】
前記ディスプレイセットの単一の集積回路内に集積化される、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
アナログ値の前記系列が、前記携帯電話のソースドライバの対応復号器に配送される、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記ディジタル映像サンプルを受信するように配置されたラインバッファを更に含み、前記分配器が、前記ラインバッファからの前記ディジタル映像サンプルを前記入力ベクトルに分配する、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記システムオンチップの約2cm以内に位置する、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
前記ゲートドライバコントローラが、アンパッカから発信されるフレーミングフラグを受信し、前記フレーミングフラグに基づいて前記ゲートドライバ制御信号を出力するように更に配置される、請求項41に記載の装置。
【請求項47】
前記アンパッカが、前記システムオンチップからディジタル映像信号を受信し、前記ディジタル映像サンプルの前記少なくとも1つのストリームを生成する、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記分配器が、第1のクロック周波数で前記ディジタル映像サンプルを入力し、前記第1のクロック周波数より遅い第2のクロック周波数で前記符号化器に前記入力ベクトルを出力し、従って、クロックドメインクロッシングに影響を及ぼす、請求項41に記載の装置。
【請求項49】
前記入力ベクトルが、長さNを有し、前記符号化器が、各々が長さLを有するN個の相互直交コードの所定コードセットを参照して、N個のディジタル映像サンプルの前記入力ベクトルをL個のディジタル値の系列に符号化し、前記コードの各々が、前記N個のディジタル映像サンプルのうちの1つを符号化するために使用される、請求項41に記載の装置。
【請求項50】
L≧N≧2である、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
N>L≧2である、請求項49に記載の装置。
【請求項52】
前記ディスプレイパネルが、ソースドライバを含み、前記ソースドライバが、前記各符号化器からアナログ値の前記系列を受信し、アナログ値の前記系列を復号して複数のアナログサンプルを生成し、前記ソースドライバの出力において出力するように配置され、それにより、ディジタル映像サンプルの前記ストリームが前記携帯電話の前記ディスプレイパネル上に表示される、請求項41に記載の装置。
【請求項53】
ディスプレイセットのディスプレイパネルに映像を搬送するためのシステムであって、
前記ディスプレイセットのシステムオンチップから発信されるディジタル映像サンプルの複数のストリームを受信する、タイミングコントローラと共に集積化された送信器であって、前記ディジタル映像サンプルを複数のアナログ値の系列に符号化し、アナログ値の系列当たり1つの電磁気的経路を介して前記ディスプレイパネルに前記複数のアナログ値の系列を送信するように配置され、前記ディスプレイパネルのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラを含む、送信器と、
少なくとも1つのソースドライバであって、前記送信器から前記複数のアナログ値の系列を受信し、アナログ値の前記系列の各々を復号して複数のアナログサンプルを生成し、当該ソースドライバの出力において出力するように配置され、それにより、ディジタル映像サンプルの前記ストリームが前記ディスプレイセットの前記ディスプレイパネル上に表示され得る、ソースドライバと
を含む、システム。
【請求項54】
前記送信器が、
前記符号化の前に前記ディジタル映像サンプルをアナログ映像サンプルに変換する少なくとも1つのディジタル/アナログ変換器(DAC)であって、前記符号化が、アナログ符号化である、少なくとも1つのディジタル/アナログ変換器(DAC)
を更に含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記符号化が、ディジタル符号化であり、前記送信器が、前記符号化の出力を前記複数のアナログ値の系列に変換する少なくとも1つのディジタル/アナログ変換器(DAC)を更に含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記送信器が、
所定配列に従って前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを複数の入力ベクトルに分配するように配置された分配器と、
各入力ベクトルの前記ディジタル映像サンプルをアナログ映像サンプルに変換する、前記各入力ベクトルのための少なくとも1つのディジタル/アナログ変換器(DAC)と、
各入力ベクトルの前記アナログ映像サンプルをアナログ値の前記系列に符号化し、各符号化器に対応する電磁気的経路を介して前記ディスプレイパネルにアナログ値の前記系列を送信するように配置された、前記各入力ベクトルのための符号化器と
を更に含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
前記送信器が、
所定配列に従って前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを複数の入力ベクトルに分配するように配置された分配器と、
各入力ベクトルの前記ディジタル映像サンプルをディジタル値の系列に符号化するように配置された、前記各入力ベクトルのための符号化器と、
ディジタル値の前記系列を、各符号化器に対応する電磁気的経路を介して前記ディスプレイパネルに送信されるアナログ値の前記系列に変換する、前記各符号化器のためのディジタル/アナログ変換器(DAC)と
を更に含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項58】
携帯電話のディスプレイパネルに映像を搬送するためのシステムであって、
前記携帯電話のシステムオンチップから発信されるディジタル映像サンプルの複数のストリームを受信する、タイミングコントローラと共に集積化された送信器であって、前記ディジタル映像サンプルを複数のアナログ値の系列に符号化し、アナログ値の系列当たり1つの電磁気的経路を介して前記ディスプレイパネルに前記複数のアナログ値の系列を送信するように配置され、前記ディスプレイパネルのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラを含む、送信器と、
ソースドライバであって、前記送信器から前記複数のアナログ値の系列を受信し、アナログ値の前記系列の各々を復号して複数のアナログサンプルを生成し、当該ソースドライバの出力において出力するように配置され、それにより、ディジタル映像サンプルの前記ストリームを前記携帯電話の前記ディスプレイパネル上に表示することができる、ソースドライバと
を含む、システム。
【請求項59】
前記送信器が、
前記符号化の前に前記ディジタル映像サンプルをアナログ映像サンプルに変換する少なくとも1つのディジタル/アナログ変換器(DAC)であって、前記符号化が、アナログ符号化である、少なくとも1つのディジタル/アナログ変換器(DAC)
を更に含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記符号化が、ディジタル符号化であり、前記送信器が、前記符号化の出力を前記複数のアナログ値の系列に変換する少なくとも1つのディジタル/アナログ変換器(DAC)を更に含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記送信器が、
所定配列に従って前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを複数の入力ベクトルに分配するように配置された分配器と、
各入力ベクトルの前記ディジタル映像サンプルをアナログ映像サンプルに変換する、前記各入力ベクトルのための少なくとも1つのディジタル/アナログ変換器(DAC)と、
各入力ベクトルの前記アナログ映像サンプルをアナログ値の前記系列に符号化し、前記各符号化器に対応する電磁気的経路を介して前記ディスプレイパネルにアナログ値の前記系列を送信するように配置された、前記各入力ベクトルのための符号化器と
を更に含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項62】
前記送信器が、
所定配列に従って前記ストリームの前記ディジタル映像サンプルを複数の入力ベクトルに分配するように配置された分配器と、
各入力ベクトルの前記ディジタル映像サンプルをディジタル値の系列に符号化するように配置された、前記各入力ベクトルのための符号化器と、
ディジタル値の前記系列を、各符号化器に対応する電磁気的経路を介して前記ディスプレイパネルに送信されるアナログ値の前記系列に変換する、前記各符号化器のためのディジタル/アナログ変換器(DAC)と
を更に含む、請求項58に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照のためその全体を本明細書に援用する2022年1月19日申請の米国仮特許出願第63/300,975号明細書(HYFYP013P)、2022年3月8日申請の米国仮特許出願第63/317,746号明細書(Docket No.HYFYP013P2)及び2022年7月21日申請の米国仮特許出願第63/391,226号明細書(Docket No.HYFYP013P3)の優先権を主張する。
【0002】
本出願はまた、参照のため2018年3月19日申請の米国特許出願第15/925,123号明細書(Docket No.HYFYP001)、2019年9月17日申請の米国特許出願第16/494,901号明細書(Docket No.HYFYP002)、2022年8月2日申請の米国特許出願第17/879,499号明細書(Docket No.HYFYP003)、2022年3月4日申請の米国特許出願第17/686,790号明細書(Docket No.HYFYP004AX1)、2022年8月15日申請の米国特許出願第17/887,849号明細書(Docket No.HYFYP006)、2022年6月28日申請の米国特許出願第17/851,821号明細書(Docket No.HYFYP007)、2022年8月16日申請の米国仮特許出願第63/398,460号明細書(Docket No.HYFYP008P)、2022年8月31日申請の米国特許出願第17/900,570号明細書(Docket No.HYFYP009)、及び2022年5月26日申請の米国特許出願第63/346,064号明細書(Docket No.HYFYP014P2)を援用する。
【0003】
本発明は一般的には、ディスプレイセットのディスプレイパネル上に映像を表示することに関する。具体的には、本発明は表示のためにディジタル信号をアナログ信号に符号化する符号化器と共に集積化されたタイミングコントローラに関する。
【背景技術】
【0004】
イメージセンサ、ディスプレイパネル及び映像プロセッサは、より大きなフォーマット、より大きな色深度、より高いフレーム速度及びより高い分解能を実現するために絶えず競争している。ローカルサイト映像搬送は、スループットを絞る性能スケーリングボトルネックを含み、更により多くの費用及び電力を消費する一方で性能に妥協する。これらのボトルネックをなくすことで利点を提供し得る。
【0005】
例えば、ディスプレイ分解能が増加するにつれ、映像ソースからディスプレイ画面へ転送される映像情報のデータ速度は、10年前のフルHDの3Gbpsから新8K画面の160Gbpsまで指数関数的に増加している。通常、4Kディスプレイ分解能を有するディスプレイは60Hzにおいて約20Gbpsの帯域幅を必要とする一方で120Hzでは40Gbpsを必要とする。8Kディスプレイは60Hzにおいて80Gbps、120Hzにおいて160Gbpsを必要とする。
【0006】
現在では、従来のカラム(又はソース)ドライバは、多くの理由から、より大きなフォーマット、並びに高いフレーム速度へのスケーリングを制限することができるディスプレイセット内の配線織機に依存している。その理由の1つとして、複雑な配線織機に必要な面積と体積があまりにも大きくなり過ぎることが挙げられ、これは、配線織機を実装するプリント回路のサイズと費用が実用限界を超えることを意味する。更に、ソースドライバのDACは、8ビットの分解能に制限されており、それ以上上げるとデータ速度が過大になり、消費電力があまりにも大きくなる。これらの制限により、ディスプレイセット業界におけるアーキテクチャの不連続性を余儀なくされ、費用とリスクが増大する。
【0007】
今まで、データは、低電圧差動シグナリング(LVDS)データ転送の変形形態を使用して、信号対当たり16Gbpsのビットレートを使用し(アーキテクチャに応じて異なる)、必要合計ビットレートを実現するために対を並列にすることによりディジタル的に転送されていた。次に、このディジタル情報は、ディスプレイのソースドライバにおいてD/A変換を使用してオンザフライでアナログ画素情報へ変換される必要がある。
【0008】
今日では、大部分のソースドライバのD/A変換器は8ビットを必要とするが、間もなく、D/A変換は10ビット又は更には12ビットを必要とし得、十分に高速なデータ速度を維持することが非常に困難になるであろう。従って、ディスプレイは、非常に短い時間でディジタルデータをクロックしなければならないため、ディジタル信号の伝送が不安定になる。既存のディジタル搬送の限度による別の問題は、サンプル当たり12ビット、10ビット又は8ビットのすべてをディスプレイパネル内に伝えられるわけではないこと、即ち、現代のディスプレイ内圧縮方式では、サンプル当たり6ビットしか運ばれないため、ディスプレイの色深度が制限されることである。
【0009】
それに従って、新しい装置及び技術は、ディスプレイのソースドライバにおけるD/A変換の必要性をなくすこと、帯域幅を増加すること、及びディスプレイユニット内で生成されたアナログ映像信号を利用することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述のことを実現するために、本発明の目的によると、ディスプレイセットのディスプレイコントローラとディスプレイパネルのソースドライバとの間のアナログ信号の搬送を可能にするために、ディスプレイセットのタイミングコントローラは、少なくとも1つの符号化器を有するSSVT送信器と共に集積化される。
【0011】
特に映像搬送の間の、画素の輝度レベルのディジタル表現(例えば、8ビット又は10ビットの数値)は、その映像データの表現が貧弱であるのに対し、それらの輝度レベルを表すアナログ電圧は、より良い表現であり、はるかに優れた分解能を有することが分かっている。従って、本発明は、画素の輝度レベルを表す電圧を使用して、ディスプレイセット内で映像データをアナログドメインで搬送することを提案する。
【0012】
本発明の利点は、電力消費を削減することを含む。従来技術では、電力消費はディスプレイ性能を著しく制約するが、本発明を使用することで、ディスプレイエレクトロニクスによる消費電力がより少なくなる。以下で説明される本発明の実施形態は、任意に大きなフォーマット及びフレーム速度にスケーリングすることができ、パネル駆動における消費電力を50%削減し、10倍以上の雑音除去を提供する。更に、幾つかの実施形態は、ディスプレイセットのEMI/RFI放射が、義務付けられた限度を十分に下回ることになるという点で、雑音耐性及びEMステルス性を提供する。また更に、新規アナログ信号の送信範囲は従来のEthernet又はHDBaseT信号のものよりもはるかに大きいものであり得る。従来の搬送では高速ディジタル回路のための高価混合信号処理を使用するが、本発明の実施形態は、より大きな柔軟性及びより低い製造費用のために成熟したアナログ処理を利用する。更に、配線織機のサイズが低減され、ディスプレイパネルの端部エリアのスペースが小さくて済む。
【0013】
更に、ディスプレイセット内のディスプレイコントローラとディスプレイパネルのソースドライバとの間のデータ転送のためにスペクトル拡散映像搬送(SSVT)を使用することにより、4K 60Hzパネルでは最大3分の1まで、及び8K 120Hzパネルでは最大10分の1まで、映像搬送と関連付けられるシリコン面積延いてはチップ費用を低減することができる。
【0014】
特定の実施形態では、SSVT送信器(及びその符号化器)並びに集積化タイミングコントローラは、単一の集積回路内にある。この集積化の主な利点は、ディジタル映像転送がオンチップで行われ、その結果、TCONから符号化器へのディジタル信号伝送に支障が出ないことである。また、電力や費用面でも利点が得られる。別の利点は、ピンの節約とコンポーネントの共有により、組み合わせたチップの面積が小さくなることである。変形形態では、送信器、TCON及びSoCがすべて集積回路内にある。また、SSVT送信器をTCONと共に集積化することは、TCONが集積化ディジタル映像搬送(CEDSのような)を有する既存の業界慣行にも整合する。別の特定の実施形態では、SSVT送信器及びタイミングコントローラチップ(又は送信器、TCON及びSoC)は、ディスプレイパネルドライバチップセットの一部であり、他の1つ又は複数の半導体チップは、SSVT信号を受信し、ディスプレイのソースドライバを実装する。
【0015】
本発明は、その更なる利点と共に、添付図面と併せて取り込まれた以下の説明を参照することにより、最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来のディスプレイセット内のディスプレイパネルへのディジタル信号の従来技術配送を示す。
図2】ディスプレイセットのSoCの直後に符号化を使用することによるディスプレイパネルへのアナログ映像信号の配送を示す。
図3】示されるような4つのベクトルV、V、V、Vを構築するために分配器によって実装される可能な一配列の図である。
図4】アナログ符号化器と共に集積化されたSSVT送信器をより詳細に示す。
図5A図4のラインバッファコントローラ、分配器、クロックドメインクロッシング、DAC及び符号化器をより詳細に示す。
図5B】アナログ値を符号化する符号化器の特定の一実施形態を示す。
図6】ディジタル符号化器と共に集積化されたSSVT送信器をより詳細に示す。
図7】アナログ電圧値がどのように符号化器内で符号化され、次に電磁気的経路上で送信されるかについて示す例である。
図8】ディジタル値に適用可能な符号化技術を示す。
図9】EM経路を介して送信されたSSVT波形のシミュレーションを示す。
図10】ディスプレイセットのSoCと共に集積化された符号化を使用することによるディスプレイパネルへのアナログ映像信号の配送を示す。
図11】集積化されたSSVT送信器及びタイミングコントローラを備える8Kディスプレイセットを示す。
図12】集積化されたSSVT送信器、タイミングコントローラ及びSoCを備える8Kディスプレイセットを示す。
図13】ディジタル符号化を使用した集積化モジュールの特定の一実施形態を示す。
図14A図13の分配器の可能な一実装形態をより詳細に示す。
図14B図13の分配器の別の可能な実装形態をより詳細に示す。
図15】アナログ符号化を使用した集積化モジュールの特定の一実施形態を示す。
図16図13からのディジタル符号化器のうちの1つをより詳細に示す。
図17図15からのアナログ符号化器のうちの1つをより詳細に示す。
図18】集積化されたSSVT送信器、タイミングコントローラ及びSoCを備える8K120ディスプレイセットを示す。
図19】ディスプレイソースドライバを示す。
図20】ソースドライバの復号ユニットの図をより詳細に示す。
図21】ソースドライバのアレイを実装するための代替の実施形態を示す。
図22図21からの復号器のうちの1つのブロック線図である。
図23図21からの収集器のブロック線図であり、図20からの中継バンクをより詳細に示す。
図24】4つの復号器のうちの1つの論理図である。
図25】示されるような代表的な復号器トラック回路の図である。
図26】符号化器を使用して符号化されたアナログ入力レベルの復号を示す。
図27A】アナログ符号化器及び対応アナログ復号器の使用を示す。
図27B】ディジタル符号化器及び対応アナログ復号器の使用を示す。
図27C】伝送媒体の電磁気的経路上で到達した符号化アナログ信号を復号化するためのディジタル復号器の使用を示す。
図28】携帯電話内でSSVTを使用して映像サンプルを搬送するためのブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
映像システムでは、信号への入射光の変換は、一般に、ソースアセンブリ又はグラフィックス処理ユニット(GPU)により行われ、所定変換により、1つ又は複数の電磁気的経路上でソースアセンブリからシンクアセンブリへ運ばれるペイロードのフォーマットが決定され、シンクアセンブリは、所定フォーマットを受信し、受信したペイロードを、人が視るために好適な放射光を発生させるための好適な出力デバイスで使用される信号に変換するディスプレイ又は映像プロセッサであり得る。
【0018】
映像信号のディジタル化は、システムの信号ソースにおいて(通常GPUにおいて)行われ、次に、ディジタル信号は、通常、高性能配線系の組み合わせを使用して、ディスプレイドライバへ転送されることが分かっており、ディスプレイドライバでは、ディジタル信号は、アナログ信号へ再び戻され、ディスプレイ画素上へロードされる。従って、ディジタル化の唯一の目的は、映像ソースからディスプレイ画素へのデータ転送である。従って、我々は、ディジタル化を(可能な程度に)纏めて回避し、アナログデータを映像ソースから(又はディスプレイコントローラから)ディスプレイドライバへ直接転送することがはるかに有益であるということを理解している。これは、我々の新規符号化を使用して行うことができ、それにより、ソースドライバにおいて再び復号される精確なアナログ電圧が得られる。復号済みアナログデータは、所定数のビット位置を正確に再現する必要のない、各サンプルの高ビット深度近似である。これは、サンプルレートがディジタル転送の場合の少なくとも10分の1であり、拡張のための帯域幅が更に残ることを意味する。
【0019】
更に、大きな電力が必要とされるディスプレイパネルが駆動される端点における電力よりも少ない電力が必要とされる点で、D/A変換を行うこと(必要であれば)がはるかに容易であることが認識されている。従って、映像ソースから(又はディスプレイコントローラから)、アナログ信号が生成される必要のある場所まで、ディジタル信号をずっと搬送する代わりに、我々は、ディジタル化により通常必要とされるサンプルレートよりもはるかに低いサンプルレートを使用して、アナログ信号をディスプレイパネルへ搬送する。これは、毎秒ギガビットを多くの線上で送信しなければない代わりに、毎秒僅か数メガのアナログサンプルで済ませることができ、従って、使用する必要があるチャネルの帯域幅が低減されることを意味する。更に、従来技術のディジタル搬送では、すべてのビットが信号線のほぼ半インチを占める一方で、アナログデータを搬送することにより、利用可能なスペースの量が10倍増加し、これは、追加の帯域幅が利用可能であることを意味する。そして更に、ディジタルデータ内のビットは良好に定義されなければならない。この定義はエラー及び雑音にかなり敏感であり、高点及び低点を非常に精確に検出できる必要がある一方で、提案されたアナログ搬送は、はるかに低感度である。これは、ケーブル(例えば、ディスプレイセットの一方の側から他方の側に延びるもの)の品質が高くなくてもよいということを意味する。
【0020】
本発明は、コンピュータシステム、テレビ、モニタ、ゲームディスプレイ、ホームシアターディスプレイ、小売看板、屋外看板などにおいて使用される高解像度及び高ダイナミックレンジのディスプレイに特に適用可能である。
【0021】
(ディジタル搬送)
図1は、従来のディスプレイセット内のディスプレイパネルへのディジタル信号の従来技術の配送10を示す。本開示の目的のために、「ディスプレイパネル」は、視るための光を発生させる画素を実装するディスプレイセットの内部部分を指す一方で、「ディスプレイセット」は、ディスプレイパネル、パネルアセンブリ、フレーム、ドライバ、ケーブル布線、並びにビデオ画像の受信、搬送及び表示を行うための関連エレクトロニクスコントロールを含む、(通常は)矩形の筐体全体を指す。
【0022】
ディスプレイセットのシステムオンチップ(SoC)63内へのHDMI(登録商標)コネクタを介した(又はLVDS、HDBaseT、MIPI、IP映像などを介した)ディスプレイセットへのディジタル映像信号62の入力が示されている。SoC63は、ディスプレイコントローラ、逆圧縮、及び従来のTCON(タイミングコントローラ)50への映像信号64の出力などの機能を実行する。次に、タイミングコントローラは、ディジタル信号66をディスプレイパネル30に搬送する。(ディジタル搬送では、MLVDS、DDIなども使用することができる。)ディスプレイパネル30は、ディスプレイパネルのカラムドライバ68内に任意数のDAC(ディジタル/アナログ変換器)を含み、DACは、ディスプレイパネルの画素に入力するためにディジタル信号をアナログ信号に変換するものである。高速シフトレジスタ70は、「カスケード」技術を使用して、カラムドライバからカラムドライバへディジタル信号を渡す。また、ゲートドライバ74に対するタイミング及びフレーミングを提供する、タイミングコントローラ50によって出力されるタイミング及びフレーミング信号72も示されている。
【0023】
上記欠点に加えて、従来のディスプレイセット内のこのディジタル搬送は、高速ディジタル回路への依存に起因する高いEMI/RFIに関する懸念を生み、比較的高価な集積回路プロセスを使用して実現されなければならない。更に、例えば、8K V-by-One HSは、3.5Gbpsにおいて48の配線対を必要とする。また、高速ビットシリアルインタフェースにも同期の問題がある。
【0024】
SoCのできるだけ近くでディジタルからアナログへのディジタル映像信号の変換を行うことは、ディスプレイパネルのカラムドライバ内のDACの必要性をなくすだけでなく、上記欠点も解消し、また、ディスプレイセット内でディジタル信号を搬送する代わりにアナログ信号を搬送する際の利点も実現することが分かっている。
【0025】
(ディスプレイセット内のアナログ搬送)
図2は、ディスプレイセット120のSoC163の直後に変換及び符号化を使用することによるディスプレイパネル130へのアナログ映像信号の配送100を示す。この実施形態では、アナログSSVT信号167へのディジタル映像信号の変換及び符号化は、ディスプレイセット自体内で行われ、従って、ディスプレイ接続性が改善される。ディスプレイコントローラ、逆圧縮、輝度、コントラスト、オーバーレイなどの機能を実行するシステムオンチップ163内へのHDMI(登録商標)コネクタを介した(又はLVDS、HDBaseT、MIPI、IP映像などを介した)ディジタル映像信号162の入力が示されている。次に、変更されたディジタル映像信号164は、LVDS、V-by-oneなどを使用して、集積化されたSSVT送信器及びタイミングコントローラ150に配送される。この実施形態では、タイミングコントローラは、送信器と共に集積化され、両方とも1つの回路内に、好適には半導体チップ上の1つの集積回路内に実装される。ディスプレイパネル130は、任意のサイズのディスプレイパネルであり得る。送信器及びタイミングコントローラチップ150は、SoCチップ163の直後に位置し、従って、ディジタル信号の送信(このポイントにおける)がより簡単になることに留意されたい。好適には、チップ150は、SoCチップから約10cm以内に位置する。一実施形態では、チップ150は、SoCから約5cm以内に位置し、別の実施形態では、約2cm以内に位置する。LVDSの物理的特性により、チップ間の最大通信距離は数インチ程度に制限される。また、集積化の利点は、SoCがTCONと共に集積化されることも含む。従って、以下で論述される別の実施形態は、SSVT分配器、符号化器及びラインドライバがSoC及びTCONと共に集積化されたものである。
【0026】
一実施形態では、送信器及びタイミングコントローラチップ150は、ディスプレイパネルドライバチップセットの2つの半導体チップのうちの1つであり、他方の半導体チップ(「SSVTソースドライバ」チップ)は、信号167を受信し、ソースドライバ169を組み込む。ディスプレイパネルのサイズに応じて、2つ以上のSSVTソースドライバチップが存在し得る。通常、チップ150とソースドライバ169との間の距離は、パネルサイズに応じて、約5cm~約1.5mの範囲である。
【0027】
送信器150は、受信したディジタル映像信号をスペクトル拡散映像搬送(SSVT)信号167に変換し、信号167は、ディスプレイパネル130に搬送される。好適には、信号167は、配線の差動対(例えば、ソースドライバ当たり1対又は2対)を使用してソースドライバ169に配送される。ディスプレイパネル130は、対応SSVT復号器を有し(通常、各ソースドライバ169内に)、対応SSVT復号器は、各アナログSSVT信号をディスプレイパネルが期待するアナログ信号に復号する。ディスプレイパネルでも、ソースドライバ内でも、DAC(ディジタル/アナログ変換器)は不要であることに留意されたい。タイミング信号171は、ソースドライバ169と同期してディスプレイの正しいラインが有効になるようにゲートドライバ174を制御する。特定の一実施形態では、本明細書及び上述の米国特許出願第17/900,570号明細書(HYFYP009)で説明されるように、新規ソースドライバ169が実装される。
【0028】
有利には、ディスプレイ内でディジタル搬送を使用する代わりに、SSVT信号を使用することにより、EMI/RFI放射は、義務付けられた限度を十分に下回り、8Kディスプレイは、680Mbpsにおいて24の配線対のみ必要とする。対照的に、ディスプレイセット内のシステムオンチップ(SoC)(例えば)からディスプレイパネルへのディジタル映像信号の従来技術の搬送は、高分解能で延いては比較的高価なICプロセスにおいて実装しなければならず、従って、高速ディジタル回路への依存に起因するEMI/RFI放射が懸念され、8Kディスプレイは、3.5Gbpsにおいて48の配線対を必要とすることになる。
【0029】
入力信号162がSSVTでなくとも(即ち、ディジタル映像信号であっても)、ディスプレイセットの内部でSSVT信号を使用すると、著しい利点がある。従来技術のディスプレイセットでは、HDMI(登録商標)信号を圧縮解除し、次に、ディスプレイセットの受信端からディスプレイセット内のすべての場所へ転送しなければならない完全なフルビットレートディジタルデータを得る。それらの接続は、64又は80インチのディスプレイセットにおいて極めて長くなり得る。即ち、タイミングコントローラが位置するセットの一方の側から最終ディスプレイソースドライバが位置する他方の側へそのディジタルデータを転送しなければならない。従って、SoC又はその近くで内部的にディジタル信号をSSVTに変換し、次に、ソースドライバが位置するディスプレイセットのすべての場所にSSVT信号を送信するという利点がある。具体的には、ディジタル送信の距離は短くなり、SSVT送信の距離は長くなるため、システム集積化の柔軟性を高めながら、ディジタル送信実装の費用と複雑さを軽減することができる。
【0030】
図10は、ディスプレイセット120のSoC140’と共に集積化された変換及び符号化を使用することによるディスプレイパネル130へのアナログ映像信号の配送100’を示す。この実施形態では、アナログSSVT信号167へのディジタル映像信号162の変換及び符号化は、SSVT送信器及びタイミングコントローラをSoC140’内に集積化した単一のチップ140’内で行われる。
【0031】
ディスプレイセット120内へのHDMI(登録商標)コネクタを介した(又はLVDS、HDBaseT、MIPI、IP映像などを介した)ディジタル映像信号162の入力が示されており、その入力は、次に、その内部でSoC140’に送信される(162’)。システムオンチップ(SoC)140’は、ディスプレイコントローラ、逆圧縮、輝度、コントラスト、オーバーレイなどのその従来の機能を実行すると共に、タイミングコントローラ及びSSVT送信器としても機能する。SoCがその従来の機能を実行した後、変更されたディジタル映像信号(図示せず)は、LVDS、V-by-oneなどの好適なプロトコルを使用して、その内部で集積化されたSSVT送信器及びタイミングコントローラに配送される。この実施形態では、タイミングコントローラとSSVT送信器は両方とも、SoCと共に集積化され、3つとも単一の回路内に、好適には半導体チップ上の1つの集積回路内に実装される。
【0032】
SoC140’が符号化を実行するため、1つ又は複数の対応半導体チップ(「SSVTソースドライバ」チップ)は、信号167を受信し、ソースドライバ169を組み込む。ディスプレイパネルのサイズに応じて、2つ以上のSSVTソースドライバチップが存在し得る。通常、チップ140’とカラムドライバ169との間の距離は、パネルサイズに応じて、約5cm~約1.5mの範囲である。
【0033】
チップ140’内のSSVT送信器は、変更されたディジタル映像信号をスペクトル拡散映像搬送(SSVT)信号167に変換し、信号167は、ディスプレイパネル130に搬送される。好適には、信号167は、配線の差動対(例えば、ソースドライバ当たり1対又は2対)を使用してソースドライバ169に配送される。ディスプレイパネル130は、対応SSVT復号器を有し(通常、各カラムドライバ169内に)、対応SSVT復号器は、アナログSSVT信号をディスプレイパネルが期待するアナログ信号に復号する。ディスプレイパネルでも、ソースドライバ内でも、DAC(ディジタル/アナログ変換器)は不要であることに留意されたい。タイミング信号171は、ソースドライバ169と同期してディスプレイの正しいラインが有効になるようにゲートドライバ174を制御する。
【0034】
集積化SoCチップ140’は、本明細書で説明されるように、即ち、図4又は6に示されるように実装することができるが、SSVT送信器、タイミングコントローラ及びSoCの機能はすべて同じチップ上で集積化されることを念頭に置かれたい。図10のこの実施形態は、図2に関して上記で列挙されるものと同じ利点を有する。それに加えて、SSVT送信器及びタイミングコントローラをSoCチップ自体と共に集積化することにより、チップ数の削減、複雑さの軽減、必要な面積の縮小及び必要な電力の削減など、更なる利点が得られる。
【0035】
(SSVTアナログ符号化器及びタイミングコントローラ)
図4は、SSVT送信器及びタイミングコントローラ150をより詳細に示す。SSVT送信器及びタイミングコントローラ150は、図2に示されるように、伝送媒体を介してディスプレイのソースドライバ169に接続される。最初に、分配及び符号化について説明し、その後、タイミングコントローラに関する詳細について説明する。更なる詳細については、図5Aに示す。
【0036】
手短に言えば、入力ディジタル映像サンプルのストリームは、チップ150で受信され、入力ディジタル映像サンプルは、(1)所定配列に従って入力映像サンプルを符号化器入力ベクトル(この例では、4つ)に割り当てることにより繰り返し分配され、(2)符号化器42を使用して符号化され、多数の複合アナログEM信号260が生成される。次に、アナログEM信号は、(3)伝送媒体上で、ソースドライバを組み込む1つ又は複数の対応チップに送信される。受信側では、(4)入力アナログEM信号は、サンプルを出力ベクトル内へ再構築するために対応復号器を使用して復号され、次に、(5)出力ベクトルは、所定配列の逆を使用して、出力ベクトルからの再構築された映像サンプルを出力ストリームに割り当てることによって収集される。その結果、色及び画素関連情報を含む時系列映像サンプルの元ストリームが映像ソースから映像シンクへ伝えられる。
【0037】
信号164は、通常、画素値が逐次映像フレームを通じて行優先順に来る、SoCからのLVDSディジタル信号である。一度に2つ以上(例えば、2つ、4つなど)の画素値が到着し得る。即ち、これらは、画素のグループがラインの一方の側から他方の側へと順次送信されるという意味でシリアルである。アンパッカ26は、これらのシリアル画素値をパラレルRGB値にアンパックする(又は露出させる)。画素サンプルの各セットの出力サンプル値Sの数は、映像ソースによって適用される色空間によって決定される。RGBではS=3であり、YCbCr 4:2:2ではS=2である。他の状況では、各サンプルセットのサンプル値Sは、1のみであるか又は3を超える。また、アンパッカ26は、ディジタル信号164から、画素値と共に来るフレーミングフラグ27(図5Aに示される)の形態のフレーミング情報もアンパックする。基本的に、フレーミングフラグは、特定の映像フレーム内の画素の場所を示す。即ち、フレーミングフラグは、当技術分野で知られているように、ラインの開始、ラインの終了、アクティブ映像セクション、水平及び垂直ブランキングセクションなどをマーク付けする。フレーミングフラグ27は、現在どのラインがディスプレイパネルに送信されているかをゲートドライバに知らせ、また、ゲートドライバの動作のタイミングの制御も行う。フレーミングフラグは、ラインバッファ290に入力される。ラインバッファ290については、以下の図5Aにおいて更に詳細に説明する。
【0038】
ブロック220(図5Aに詳細に示される)の分配器40は、入力サンプルセットにおいて露出された画素色情報(例えば、R、G、B値)を受信するように配置される。分配器40は、露出された色情報を取り入れ、事前に定義された配列に従って多数の符号化器入力ベクトルを構築する。示される実施形態では、4つの符号化器入力ベクトル(V、V、V、V)があり、それぞれ伝送媒体上の4つのEM経路に1つずつ対応している。様々な実施形態では、伝送媒体は、HDMI(登録商標)又は光ファイバなどのケーブルでも、無線でもよい。多数の符号化器42のうちの1つは、4つのベクトルV、V、V、Vのうちの1つにそれぞれ割り当てられている。各符号化器42は、対応符号化器入力ベクトルに含まれるサンプル値の符号化、及び伝送媒体上の並列経路のうちの1つにおいて送信されるEM信号の生成に対する責任を有する。
【0039】
示されるこの特定の実施形態では、4つのEM経路があり、各符号化器42はそれぞれ、4つの経路の各々に対するEM信号を生成する。しかし、本発明は、決して4つの経路に限定されるべきではなく、伝送媒体上の経路の数は、1本から2本以上の本数まで幅広くあり得ることを理解されたい。
【0040】
受信側では、SSVT受信器(図示せず)が提供される。SSVT受信器の機能は、送信側のSSVT送信器及びタイミングコントローラ150を相補する機能である。即ち、SSVT受信器は、(a)伝送媒体の多数のEM経路からEM信号のシーケンスを受信し、(b)多数の出力ベクトルの映像サンプルを再構築するためにSSVT復調を適用することによって各シーケンスを復号し、(c)送信側で入力サンプルを入力ベクトルに分配するために使用されたものと同じ配列を使用して多数の出力ベクトルからサンプルを収集する。より具体的には、出力ベクトルは、ディスプレイパネルに向かってソースドライバの出力ピン上の空間的に正しい位置に再配置される。次に、収集された出力サンプルは、時間シフトモードで表示するために映像シンクによって表示に好適なフォーマットに変換される。
【0041】
本明細書で説明されるように、変調及び復調は、以下の図7~9で説明されるように、アナログ又はディジタルドメインにおいて実行することができる。以下で更に詳細に説明されるように、入力サンプルセットのストリームは、所定配列に従って符号化器入力ベクトルを生成するために、第1のクロックレート(画素クロック又は「pix-clk」)で分配される。次に、符号化器入力ベクトルの各々に変調が適用され、各符号化器入力ベクトルに対する符号化済みEM信号が生成される。次に、EM信号は、第2のクロックレート(SSVTクロック又は「SSVT_clk」)で搬送上で並列送信される。符号化器入力ベクトルの各サンプルに拡散(SSDS)を適用することにより、電気的弾力性が得られるが、サンプル当たりの帯域幅が犠牲になる。しかし、相互直交コードセットを使用して変調し、結果として得られたEM信号をすべて同時に送信することにより、失われた帯域幅の一部又はすべてが回復される。
【0042】
先に述べたように、変更されたディジタル映像信号164は、SoC163からLVDS対(例えば)を介して到着する。通常、対の数は、実装形態に特有のものであり、1対当たりのデータ速度並びにパネル解像度、フレーム速度、帯域幅などに依存する。ディジタル信号処理(DSP)は、機能ブロック210で実行され、フレーム毎の反転及び他の処理(ガンマ補正、LCDドライブ最適化、ガンマ補正、LCDドライブ最適化、HDR実装、特定のEM経路の電気的特徴の補償など)を含む。ガンマ補正は、個々のディスプレイの物理的な光度特徴を最大限に活用するために、線形色空間から非線形色空間にサンプルを変換する。ガンマ補正は、高画質システムの基本的な要件である。EM経路の特徴の補償は、EM経路の回路要素の測定されたパラメータを前もって補正する任意の信号処理機能を含む。
【0043】
DSP及びガンマ補正210の後、ディジタル映像信号は、その内部でブロック220に渡され(214)、ブロック220は、ラインバッファ(及びラインバッファコントローラ)、レーン分配(分配器40を介した)、クロックドメインクロッシング、及びゲートドライバ制御信号171の生成を含む。ラインバッファメモリ230は、符号化器への分配の前に、画素情報の行を一時的に格納する。通常、ディスプレイパネルの行の画素情報は、SoCから連続的に到着するが、ゲートドライバは、画素情報の行を同時に表示できるようにするため、ソースドライバ169は、行全体の画素電圧を同時に準備する必要がある。従って、ラインバッファメモリ230は、画素情報がSoCから連続的に到着すると、画素情報の行を格納する。画素情報の行全体が格納された時点で、後の変換、符号化、搬送、及びディスプレイパネルの適切な行への表示のためにブロック220で使用することができる。その上、ディスプレイパネルでは、ゲートドライバによって所定時間に画素行の半分しか有効化されない場合があり、従って、行の半分の情報をソースドライバに送信し、次に残りの半分を送信する必要がある。ラインバッファメモリは、これを容易にするのに役立つ。例えば、ラインは、ラインバッファメモリに格納され、次に、新しいラインが格納されている間に、半分ずつ抽出されて送信される。特定の実装形態に応じて、ラインバッファメモリ230は、集積回路150内にある場合もあれば、外部にある場合もある。
【0044】
次に、中間周波数DAC240を使用してディジタル映像サンプルが変換され、その後、任意数のSSVT符号化器42を使用してアナログ符号化される。符号化器の数は、以下で更に詳細に説明されるように、伝送媒体上で使用されることが望まれるEM信号(EM経路)の数に対応する。次に、各アナログ信号260は、ディスプレイパネル130が期待する電圧レベルに復号するために、ソースドライバ169に送信される。
【0045】
ここで図3を参照すると、4つのベクトルV、V、V、Vを構築するために分配器40によって実装される可能な一配列の図が示されている。ベクトルの各々は、露出された色情報のN個のサンプルを含む。この例のサンプルセット164からの露出されたRGBサンプルは、左から右へ、ベクトルV、V、V、Vに割り当てられる。換言すれば、最左端のサンプルの「R」、「G」、「B」値と次のサンプルセットの「R」信号は、ベクトルVに割り当てられ、次の(左から右へ)「G」、「B」、「R」と次のサンプルの「G」値は、ベクトルVに割り当てられ、次の(左から右へ)「B」、「R」、「G」と「B」値は、Vに割り当てられ、次の(左から右へ)「R」、「G」、「R」と「R」値は、ベクトルVに割り当てられる。第4のベクトルVにその信号が割り当てられた時点で、4つのベクトルV、V、V、Vの各々がN個のサンプルを有するまで、上記のプロセスが繰り返される。
【0046】
様々な実施形態では、Nサンプルの数は広く変動し得る。一例として、N=60を有する実施形態を考察する。この場合、4つのベクトルV、V、V及びVに含まれるNサンプルの合計数は240(60×4=240)である。4つの符号化器入力ベクトルV、V、V及びVは、完全に構築されると、22(240/3=80)の個別組のサンプル(ここで、S=3)を含む。換言すれば:
●ベクトルVはサンプルP、N~P、NN-1を含み;
●ベクトルVはサンプルP、N~P、NN-1を含み;
●ベクトルVはサンプルP2、N~P2、NN-1を含み;及び
●ベクトルVはサンプルP、N~P、NN-1を含む。
【0047】
上記例は単に例示的であり、従って制限と解釈されるべきでないということが理解されるべきである。サンプルの数Nは大体60であり得る。また、各組のサンプルの露出された色情報は、任意の色情報(例えばY、C、Cr、Cb、など)であり得、RGBに制限されないということが理解されるべきである。伝送媒体上のEM経路の数もまた広範に変動し得る。従って、ベクトルVの数及び符号化器42の数もまた、広範にただ1つ又は2以上の任意の数に変動し得る。ベクトルを構築するために使用される任意の配列方式が使用され得ることも理解されるべきであり、送信側で使用する配列方式を受信側でも使用する必要によってのみ制限される。
【0048】
(集積化されたSSVT送信器及びタイミングコントローラ)
図5Aは、図4のラインバッファ及びそのコントローラ290、ラインバッファメモリ230、分配器40、クロックドメインクロッシング180、DAC62及び符号化器42をより詳細に示す。分配器40は、アセンブリバンク50、中継バンク52、プレゼンテーションバンク54及びフレームコントローラ56を含み得る。符号化器ブロック60は、ディジタル/アナログ変換器(DAC)62のバンクと、伝送媒体上の各EM経路に1つずつ設けられた4つの符号化器42とを含む。
【0049】
分配器40は、ラインバッファコントローラ290から露出された色情報(例えば、RGB)を受信するように配置され、ラインバッファコントローラ290は、アンパッカ26から(DSP及びガンマ補正の後に)この情報を受信している。これに応答して、アセンブリバンク50は、サンプルセットの入力ストリームに対して、露出された色情報(例えば、RGB)から4つのベクトルV、V、V、Vを構築する。サンプルセットが受信されると、そのサンプルセットは、所定配列に従ってアセンブリバンク50に格納される。ここでも、分配器40は、N個のサンプルをそれぞれ含むベクトルを構築する際に、任意数の異なる配列を使用することができる。
【0050】
中継バンク52は、アンパッカ26によって使用された第1のクロック周波数(又は画素クロックドメイン)から、伝送媒体上の結果として得られたEM信号の符号化及び送信のために使用される第2のクロック周波数(又はSSVTクロックドメイン)への、4つのベクトルV、V、V、Vの各々のN個のサンプルのクロッシングを容易にする。N=60及びS=3を用いて上記の例で以前に論述されるように、4つの符号化器入力ベクトルV、V、V、Vには、ちょうど80セットのRGBサンプルを表すサンプルが含まれている。
【0051】
境界180は、画素クロックドメインとSSVTクロックドメインとの間のクロックドメインクロッシングを示す。画素クロックドメインは、境界180の左側に画素値をクロックインし、SSVTクロックドメインは、DAC及び符号化器にサンプル値をクロックアウトする。本質的には、画素クロックにより、中継バンク52の信号は、プレゼンテーションバンク54がSSVTクロックドメインでこれらの信号をサンプリングするのに十分な時間の間、安定した状態を保つことができる。コントローラ56は、中継バンクにおいて画素クロックを使用し、プレゼンテーションバンクにおいてSSVTクロックを使用する。
【0052】
様々な実施形態では、画素クロック周波数は、SSVTクロック周波数より速くすることも、遅くすることも、同じにすることもできる。第1のクロック周波数f_pixは、任意の好適な映像ソースによって選択された映像フォーマットによって決定される。第2のクロック周波数f_ssvtは、f_pix、伝送媒体のEM経路の数P、入力/出力サンプルの各セットのサンプルの数S、並びにSSVT変換パラメータN(入力/出力ベクトル場所の数)及びL(各SSDSコードの長さ)の関数であり、f_ssvt=(f_pixL)/(PN)である。この構成では、入力クロック(pix_clk)は、あるレートで発振し、SSVTクロック(ssvt_clk)は、異なるレートで発振する。これらのクロックレートは、同じ場合もあれば、異なる場合もある。
【0053】
プレゼンテーションバンク54は、4つの符号化器入力ベクトルV、V、V、Vの各々のN個のサンプル(0からN-1まで)を符号化器ブロック60に提示する。通常、N個の入力サンプル(個々の色成分)は、入力ベクトルに割り当てられ、次に、符号化器は、次の入力ベクトルが準備されている間、順変換(変調)を実行する。
【0054】
コントローラ56は、アセンブリバンク50、中継バンク52及びプレゼンテーションバンク54の動作及びタイミングを制御する。特に、コントローラは、4つの符号化器入力ベクトルV、V、V、Vを構築する際に、使用される配列及びサンプルの数Nを定義する責任を有する。また、コントローラ56は、中継バンク52によって実行されるような第1のクロック周波数から第2のクロック周波数へのクロックドメインクロッシングの調整に対する責任も有する。更に、コントローラ56は、プレゼンテーションバンク54がいつ4つの符号化器入力ベクトルV、V、V、Vの各々のN個のサンプル(0からN-1まで)を符号化器ブロック60に提示するかに関するタイミングの調整に対する責任を有する。また、コントローラ56は、符号化器の入力ベクトル内の場所へのRGBサンプルの分配を制御する配列コントローラも含み得る。
【0055】
符号化器ブロック60内では、複数のディジタル/アナログ変換器(DAC)62が提供され、その各々は、4つの符号化器入力ベクトルV、V、V、Vに割り当てられたPN個のサンプル(P0からPまで、NからNN-1まで)のうちの1つを一括して受信するように配置される。各DAC62は、ディジタルドメインからのその受信サンプルを、その入力ディジタル値に比例する大きさを有する電圧信号の差動対に変換する。一実施形態では、DAC62の出力は、最大電圧から最小電圧までの範囲である。この例では、信号対当たり1つのDACが存在する(即ち、符号化器当たりN個の低速DACがあり、各DAC出力は、符号化区間全体で1つのサンプルを符号化器に提示する)。また、この構成では、符号化器当たり1つのDAC(従って、F_ssvtでの配線対への駆動レベル)の使用や、1つのDACへのサンプルの多重化も可能である。このような多重化には、1つのSSVTクロックサイクル内でN回の変換を行うための高速で精確なDACが必要である。
【0056】
4つの符号化器42には、4つの符号化器入力ベクトルV、V、V、Vがそれぞれ提供される。各符号化器42は、その符号化器入力ベクトルに対するN個のサンプル(0からN-1まで)の各々に対する信号の差動対を受信し、本明細書で論述される独特の直交コードを使用して電圧信号のN個の差動対の各々を変調し、変調値を累積し、次に、累積した変調サンプル値である差動EM信号を生成する。この例では4つの符号化器42が存在するため、伝送媒体上で同時に送信される4つのEM信号(信号から信号まで)が存在する。変調及び符号化については、以下の図7及び8で更に詳細に論述される。
【0057】
シーケンサ回路65は、DAC62及び符号化器42の動作のタイミングを調整する。シーケンサ回路65は、DAC62及び符号化器42のクロッキングを制御する責任を有する。以下で詳細に説明されるように、シーケンサ回路65は、符号化器42の動作を制御する責任を有する2つのクロック位相信号「clk1」及び「clk2」を生成する責任も有する。
【0058】
前に述べたように、ラインバッファコントローラ290は、ラインバッファメモリ230への画素値の格納及びラインバッファメモリ230からの画素値の回収を調整する。ラインバッファコントローラは、表示のための画素の行をラインバッファメモリに格納し、次に、その行が完了した際にその行をラインバッファに回収し、その結果、表示のために、その行に対する画素値をディスプレイのソースドライバに同時に送信することができる(分配器、符号化器、EM経路などを介して)。ラインバッファメモリ230は、SSVT送信器及びタイミングコントローラチップ150内で実装されるメモリであっても、チップ150とは別のメモリであってもよい。
【0059】
先に述べたように、フレーミングフラグ27は、アンパッカ26から来て、ラインバッファコントローラ290に入力されるものであり、ラインバッファコントローラ290は、これらのフラグを使用することでライン内の画素の場所が分かり、これらの画素の格納に次いで正しい符号化器への配置を行うことができる。フレーミングフラグがラインバッファコントローラから出力された後(通常、遅延を伴う)、フレーミングフラグは、ゲートドライバコントローラ280に入力され、ゲートドライバコントローラ280は、ゲートドライバのタイミングの制御のための多くのゲートドライバ制御信号171を生成する。これらの信号171は、少なくとも1つのクロック信号、少なくとも1つのフレームストローブ信号及び少なくとも1つのラインストローブ信号を含む。画素値が特定のライン用のソースドライバにプッシュされた時点で、パネルゲートドライバコントローラによって有効化された特定のラインに対してラインストローブ信号が使用される。従って、ラインストローブ信号は、選択されたラインを適切なタイミングで駆動する。ゲートドライバのタイミングの制御は、当業者に公知の方法で実行することができる。また、コントローラ56とゲートドライバコントローラ280との間の双方向性通信57も示されており、この通信は、ソースドライバとゲートドライバとの間のタイミング管理のために使用される。
【0060】
図5Bは、アナログ値を符号化する符号化器42の特定の一実施形態を示す。入力ベクトルVのうちの1つに対する符号化器42の回路線図が示されている。符号化器回路42は、複数の乗算器段70を備える乗算器段71と、差動増幅器74を含む累算器段72とを含む。
【0061】
各乗算器段70は、DAC62のうちの1つからサンプル信号の差動対(+サンプルN-1/-サンプルN-1から+サンプル/-サンプルまで)のそれぞれを第1の(+)端子及び第2の(-)端子において受信するように配置される。また、各乗算器段70は、コードからチップを受信する端子や、インバータ73や、スイッチセットS1-S1、S2-S2、S3-S3や、clk1及びclk2によって駆動されるスイッチセットや、等しい値を有するストレージデバイスC1及びC2も含み、ストレージデバイスC1及びC2の各々は、様々なスイッチを作動した際に、電圧サンプルを格納し、従って、スイッチングシーケンスに従って異なる時間に各デバイスの両端間の異なる電圧を格納する。
【0062】
動作の間、各乗算器段70は、受信したチップの値に応じて、条件付きで(+1)又は(-1)を乗じることによって、その受信したアナログ信号の差動対を変調する。チップが(+1)である場合は、clk1がアクティブ状態である際に、S1-S1及びS3-S3は閉じ、スイッチ対S2-S2は開いたままである。その結果、反転が生じることなく(即ち、+1を乗じることなく)、+サンプルと-サンプルの両方の差動対がストレージデバイスC1及びC2にそれぞれ格納される。他方では、チップが(-1)である場合は、上記を相補する動作が起こる。換言すれば、clk1がアクティブ状態である際に、スイッチ対S1-S1は開き、スイッチ対S2-S2は閉じ、スイッチ対S3-S3は閉じる。その結果、サンプルの差動対は切り替わり、C1及びC2にそれぞれ格納され、従って、-1が乗じられる。
【0063】
累算器段72は、乗算器段70のすべてに対してストレージデバイスC1及びC2上に電荷を蓄積するように動作する。clk1が非アクティブ状態に移行し、clk2がアクティブ状態に移行すると、すべてのclk1制御スイッチ(S3-S3、S4-S4)は開き、clk2制御スイッチ(S5-S5、S6-S6)は閉じる。その結果、すべての乗算器段70の第1のストレージデバイスC1上のすべての電荷は、増幅器78によって増幅され、差動増幅器74の第1の入力に蓄積する一方で、すべての乗算器段70の第2のストレージデバイスC2上のすべての電荷は、増幅器78によって増幅され、差動増幅器74の第2の入力に蓄積する。それに応答して、差動増幅器74は、1対の差動電磁レベル(EM)信号を生成する。増幅器74は、そのすぐ左の増幅器78と同じVcmを使用することができる。実装形態に応じて、各増幅器78及び74に対する示される抵抗器R1は、同じ場合もあれば、異なる場合もあり、増幅器74の抵抗器R1は、増幅器78のものと同じ場合もあれば、異なる場合もある。キャパシタC1、C2、C3、C4は、同じサイズでなければならない。
【0064】
上記のプロセスは、4つのすべてのベクトルV、V、V、Vに対して実行される。それに加えて、上述のプロセスは、SSVT送信機28によってサンプルセット22のストリームが受信される限り、継続的に繰り返される。それに応答して、差動EM出力レベル信号の4つのストリームが伝送媒体上で送信される。
【0065】
(SSVTディジタル符号化器及びタイミングコントローラ)
図6は、SSVT送信器及びタイミングコントローラ150’をより詳細に示す。先に述べたように、本発明は、アナログ画素値又はディジタル画素値を変調することができる。この実施形態では、符号化器42’は、図4のようにアナログサンプルの変調及び符号化を行うというよりむしろ、分配器からのディジタルサンプルの変調及び符号化を行う。
【0066】
要素26、210~230及び171は、以前に図4で論述されるように、実装され、実行される。SSVT符号化器42’は、以前に述べた符号化器250~256に関して以下の通りに変更される。ここで、集積化送信器28を示す図5Aに移ると、この回路は、DAC62を含まないように変更されている。換言すれば、プレゼンテーションバンク54から出力されたサンプルは、ディジタル符号化のために、それぞれの符号化器42に直接出力される。ディジタル符号化の更なる詳細については、以下の図8で説明する。各ディジタル符号化器42’の後、その出力ディジタルEM信号は、そのそれぞれのEM経路上でソースドライバに送信される前に、対応高周波数DAC460~466によってアナログEM信号に変換される。
【0067】
(SSVT復号化及びソースドライバとの集積化)
受信側では、各ソースドライバの復号器は、伝送媒体上で受信された差動EM信号のストリームを復号化してディスプレイに好適なフォーマットへ戻す責任がある。好適なフォーマットでは、サンプル内に含まれる映像コンテンツはフレームからフレームへ映像ディスプレイ上に提示され得る。その結果、任意の映像ソースによる映像捕捉は映像シンクにより再生成され得る。代替的に、復号化された映像情報は時間シフトモードで後での表示のために格納され得る。
【0068】
(SSVT信号、符号化及び復号、結果として得られた波形)
先に述べたように、本発明の様々な実施形態は、他の利点の中でも「アナログ信号が、ソースドライバ内のDACの必要性を省くために、映像情報をディスプレイセット内へ搬送するために使用される」ということを開示する。
【0069】
本開示の目的のために、電磁気信号(EM信号)は、その振幅が時間の経過と共に変化する電磁エネルギーとして表される変数である。EM信号は、配線対(又はケーブル)、自由空間(又は無線)及び光又は導波管(ファイバ)などのEM経路を介し送信器端子から受信器端子へ伝播する。EM信号は、2次元(時間及び振幅)のうちの一方の次元において独立に連続的又は離散的であるとして特徴付けられ得る。「純粋アナログ」信号は連続時間及び連続振幅EM信号であり;「ディジタル」信号は離散時間及び離散振幅EM信号であり;、「サンプリングされたアナログ」信号は離散時間及び連続振幅EM信号である。本開示は、既存SSDS-CDMA信号を越える改善である「スペクトル拡散映像搬送」(SSVT:spread-spectrum video transport)信号と呼ばれる新規離散時間、連続振幅EM信号を開示する。SSVTは、改善された直接スペクトラム拡散方式(SSDS:spread-spectrum direct sequence)ベース変調を使用するEM経路又は経路上の電磁気信号の伝送を指す。
【0070】
符号分割多重アクセス方式(CDMA:Code Division Multiple Access)は、セル電話通信を含む無線通信技術のために一般的に使用される周知のチャネルアクセスプロトコルである。CDMAは、いくつかの異なる送信器が情報を単一通信路上で同時に送信し得る多重アクセスの一例である。電気通信アプリケーションでは、CDMAは、多数のユーザが他のユーザからの干渉無しに特定周波数帯を共有することを可能にする。CDMAは、各ユーザのデータを符号化するために一意的コードに依存する直接スペクトラム拡散方式(SSDS)符号化を採用する。一意的コードを使用して、多数のユーザの送信は、ユーザ間の干渉無しに組み合わされ、送信され得る。受信側では、同じ一意的コードは、各ユーザが送信を復調して各ユーザのデータをそれぞれ回復するために使用される。
【0071】
SSVT信号はCDMAとは異なる。入力映像(例えば)サンプルのストリームが符号化器において受信されると、これらは、SVTS信号を生成するために多数の符号化器入力ベクトルのそれぞれへSSDSベース変調を適用することにより符号化される。次に、SSVT信号は伝送媒体上で送信される。受信側では、入力SSVT信号は、符号化されたサンプルを再構築するために対応SSDSベース復調を適用することにより復号化される。この結果、色及び画素関連情報を含む時系列映像サンプルの元ストリームが、多数のユーザからのデータを多数の受信器へ配送するCDMAと異なり、単一映像ソースから単一映像シンクへ運ばれる。
【0072】
図7は、どのように信号サンプル(この場合はアナログ値)が符号化器内で符号化され、次に電磁気的経路上で送信されるかを示す単純例を示す。示されるのは、映像フレーム内の個々の画素の電圧を表すN個のアナログ値902-908の入力ベクトルである。これらの電圧は、白黒画像の輝度又は画素内の特定色値の光度(例えば画素のR、G又はB色値)を表し得る(すなわち、各値は指定色空間内の感知又は測定された量の光を表す)。画素電圧がこの例では使用されるが、この符号化技術は、センサからの多種多様な信号のうちの任意のもの(LIDAR値、音声値、触覚値、エアロゾル値、など)を表す電圧により使用され得、アナログ値は電流などの他のサンプルを表し得る。ディジタル値である信号サンプルも符号化され得、このディジタル符号化は以下で説明される。更に、たとえ1つの符号化器及び1つのEM経路が示されたとしても、本発明の一実施形態は、それぞれがEM経路上で送信する多数の符号化器と共にうまく働く。
【0073】
好適には、これらの電圧の範囲は、効率を考慮して0~1Vであるが、異なる範囲も可能である。これらの電圧は通常、特定順番でフレームの行内の画素から採られるが、別の慣習が、これらの画素を選択し順序付けるために使用され得る。どの慣習が、これらの画素を選択するために、符号化のためにそれらを順序付けるために使用されるかに関わらず、当該の同じ慣習は、これらの電圧を同じ順番で復号化するために、それらが属する結果フレーム内にそれらを置くために、復号器により受信端において使用されることになる。同様に、フレームがカラーにおけるものであり、RGBを使用すれば、この符号化器における慣習は、R画素電圧のすべてが最初に符号化されることであり得、次にG及びB電圧又は慣習は、電圧902-906が当該行内の画素のRGB値である、及び、次の3つの電圧908-912が次の画素のRGB値を表すことであり得る。再び、電圧を順序付けて符号化するためにこの符号化器により使用される同じ慣習が、受信端において復号器により使用される。アナログ値902-908を順序付けるためのいかなる特定慣習(色値による、行による、等々にかかわらず)も、復号器が同じ慣習を使用する限り使用され得る。示されるように、任意数N個のアナログ値902-908が、コードブック920を使用して一度に符号化するために提示され得、コードブック内のエントリの数のみにより制限される。
【0074】
先に述べたように、コードブック920は任意数N個のコード932-938を有する;すなわちこの単純例ではコードブックは4つのコードを有し、このことは次のことを意味する:4つのアナログ値902-908が一度に符号化される。127個のコード、255個のコードなどの多くのコードが使用され得るが、回路複雑性などの実際的考慮に起因して、より少ないコードが使用されることが好ましい。当該技術領域において知られているように、コードブック920は、それぞれが長さLのN個の相互直交コードを含む;この例ではL=4。通常、各コードはSSDSコードであるが、必ずしも本明細書に論述された拡散コードである必要はない。示されるように、各コードはL時間間隔(「チップ」とも呼ばれる)へ分割され、各時間間隔は当該コードの2進値を含む。コード表現942に示されるように、コード934は伝統的2進形式”1100”で表され得るが、同コードはまた、以下に説明されるように、値を変調する際の使い易さのためにコード表現944に示すように”11-1-1”として表れ得る。コード932及び936-938もまた、コード942で又は944で表され得る。長さLの各コードは、CDMAにおいて行われるように、異なるコンピューティングデバイス(電話など)、異なる人、又は異なる送信器に関連付けられないということに留意されたい。
【0075】
従って、4つのアナログ値902-908を伝送媒体上で受信器(対応復号器を有する)へ送信するために、以下の技術が使用される。各アナログ値は、その対応コードの表現944内の各チップにより変調されることになる;例えば値902(すなわち.3)はコード932の表現944内の各チップにより順次変調される(948)。変調948は乗算演算子であり得る。従って、コード932により.3を変調することで系列”.3,3,3,3”を生じる。コード934により.7を変調することで”.7,7,-.7,-.7”となる;値”0”は”0,0,0,0”となり;、値”1”は”1,-1,1,-1”となる。通常、各コードの第1のチップはその対応アナログ値を変調し、次に、各コードの次のチップはそのアナログ値を変調するが、一実装形態はまた、次のアナログ値へ移る前にそのコードのすべてのチップにより特定アナログ値を変調し得る。
【0076】
時間間隔毎に、変調されたアナログ値は、アナログ出力レベル952-958を取得するために951(この図では垂直方向に知覚される)において合計される;例えば、これらの時間間隔の変調値の合計は2,0,6,-1.4の出力レベルを生じる。これらのアナログ出力レベル952-958は、伝送線路の電圧制約に整合するように更に正規化又は増幅され得、次に、伝送媒体の電磁気的経路(差動撚線対など)上で当該順に生成されると順次送信され得る。次に、受信器は、それらの出力レベル952-958を当該順に受信し、次に、ここに示された符号化方式の逆を使用して同じコードブック920を使用してそれらを復号化する。次に、結果画素電圧902-908は、使用される慣習に従って受信端においてディスプレイのフレーム内に表示され得る。従って、アナログ値902-908は、効果的に同期的に符号化され、一連のL個のアナログ出力レベル952-958で単一電磁気的経路上で送信される。無数の符号化器及び電磁気的経路がまた、本明細書において示され、説明されたように使用され得る。更に、このやり方で符号化され得るNサンプルの数は、コードブックにおいて使用される直交符号の数に依存する。
【0077】
有利には、頑強なSSDS技術(拡散コードなど)の使用が帯域幅の著しい低下を生じたとしても、相互直交コードの使用、その対応コードのチップによる各サンプルの変調、合計、及びL個の出力レベルを使用することによる並列でのNサンプルの送信は著しい帯域幅利得を生じる。2進数が連続的に符号化され次に合計される伝統的CDMA技術とは対照的に、本発明は、対応コード内の各チップにより全サンプル(すなわち単一ビットではなく全アナログ又はディジタル値)を最初に変調し、次に、各特定時間間隔の結果アナログ電圧レベルを取得するためにコードの各時間間隔においてそれらの変調を合計し、こうして結果波形の振幅を活用する。伝送媒体上で送信されるのはこれらのアナログ出力レベルであり、2進数の表現ではない。更に、本発明は、様々な人々、様々なデバイス、又は様々なソースによる複数回アクセスを可能にし多数のシンクへ送信するCDMA技術と異なり、1つの映像ソースからの別の映像シンクへ、すなわち終点から終点へアナログ電圧を送信することを容易にする。更に、サンプル値の搬送のための圧縮は必要とされない。
【0078】
図8は、ディジタル値である信号サンプルへ適用可能である、この新規符号化技術を示す。ここでディジタル値902’-908’は電圧のディジタル表現である。電圧の様々な例を使用して、値902’は「1101」であり、値904’は「0011」であり、値906’は「0001」であり、値908’は「1000」である。各ディジタル値は、各コードの表現944により(すなわち、変調されるディジタル値に対応するコードのチップに依存して「1」又は「-1」により)変調される(ディジタル的に乗算される)。各コードの最初の時間間隔940だけを考慮し、符号ビットである最上位ビット(MSB)を加算すると、「1101」の変調は「01101」(MSB「0」は正値を意味する)を生じ、「0011」の変調は「00011」を生じ、「0001」の変調は「00001」を生じ、「1000」の変調は「01000」を生じる。これらの変調値は最初の時間間隔上に示され注釈される。(示さないが、-1チップにより変調することは、負値の好適な2進法表現を使用して2進で表現され得る負値を生じる)。
【0079】
ディジタル的に合計することにより、最初の時間間隔内のこれらの変調値はディジタル値952’「011001」を生じる(再び、MSBは符号ビットである);他のディジタル値954’-958’はこの例では示されないが同じやり方で計算される。ベース10内のこの合計を考慮すると、我々は、変調値13、3、1及び8が25に合計されることを検証し得る。この例では示されなかいが、通常、追加MSBが、合計が6ビット以上を必要とし得るという点で結果レベル952’-958’のために利用可能となる。例えば、値902’-908’が4ビットを使用して表されるならば、レベル952’-958’は、64個のコードが存在する(64ビットのlog2を加える)ケースでは最大10ビットを使用して表され得る。又は、32個の変調値が合計されるならば、更に5つのビットが加えられる。出力レベルのために必要とされるビットの数はコードの数に依存する。
【0080】
出力レベル950’は、DACの入力要件に適応するように最初に正規化され得、次に、各ディジタル値をEM経路上の伝送のためのその対応アナログ値へ変換するために、DAC959へ順次供給され得る。DAC959は、MAX5857 RF DAC(クロック逓倍PLL/VCO及び14ビットRF DACコアを含み、複雑な経路はRF DACコアに直接アクセスするためにバイパスされ得る)であり得、示されない帯域フィルタ、次に利得可変増幅器(VGA)が続き得る。いくつかの状況では、レベル950’において使用されるビットの数はDAC959により許容される数より大きく、例えば、レベル952’は10ビットにより表されるが、DAC959は8ビットDACである。これらの状況では、適切な数のLSBが廃棄され、残りのMSBはDACにより処理され、ディスプレイにおける結果画像の視覚的品質の損失はない。
【0081】
有利には、全ディジタル値が変調され、次にこれらの全変調ディジタル値は、変換及び送信のためのディジタル出力レベルを生成するためにディジタル的に合計される。この技術は、ディジタル値の各2進数を変調し、次にこれらに変調されたビットを合計して出力を生成するCDMAとは異なる。例えば、各ディジタル値内にBビットがあると仮定すると、CDMAでは、送信するべき合計B×L出力レベルがあることになる一方で、この新規ディジタル(又はアナログ)符号化技術では、送信するべき合計L出力レベルだけがあることになり、従って利点を有する。
【0082】
図9は、符号化器250~256のうちの1つから又はDAC460~466のうちの1つからなど、アナログ符号化器から出力された後の(又はディジタル的に符号化され、次にDACにより変換された後の)電磁気的経路を介し送信されたSSVT波形602のシミュレーション(理想化されたオシロスコープトレースに似た)を示す。縦軸は電圧であり、横軸は100psオシロスコープ測定時間間隔である。SSVT信号602は、ディジタル信号よりむしろアナログ波形であり(すなわち、信号は2進数を表さない)、この実施形態では、約-15V~約+15Vの電圧の範囲を搬送し得るということに留意されたい。アナログ波形の電圧値は十分にアナログである(又は少なくともそうであり得る)。また、電圧は或る最大値に制限されないが、高い値は非実用的である。
【0083】
前に説明したように、アナログ電圧レベルは電磁気的経路上で連続して送信され、各レベル(DACを通された後の上記アナログ出力レベル952-958又は上記ディジタル出力レベル952’-958’)は時間間隔毎に変調されたサンプルの合計である。送信される際、これらの出力レベルは波形602などの波形として現れる。特に、電圧レベル980は、変調されたサンプルの特定時間間隔内の合計(すなわち出力レベル)を表す。単純例を使用して、一連の電圧レベル980-986は4つの出力レベルの送信を表す。この例では、32個のコードが使用され、このことは32個のサンプルが並列で送信され得るということを意味し;従って、電圧レベル980-986(コードL内のチップの数に依存する多くのその後の電圧レベルが続く)は、32個の符号化されたサンプル(映像ソースからの画素電圧など)の並列の送信を形成する。当該送信後、波形602の次の組のL個の電圧レベルは次の32個のサンプルの送信を表す。一般的に、波形602は、コンポジットアナログ波形を形成するためのアナログ又はディジタル値のアナログ出力レベルへの符号化並びに離散時間間隔内のそれらのレベルの送信を表す。
【0084】
図26は、符号化器を使用して符号化されたアナログ入力レベルの復号を示す。示されるように、L個の入力レベル950が伝送媒体の単一の電磁気的経路上で受信されている。本明細書及び前述の通り、コードブック920は、N個の直交コード932~938を含み、直交コード932~938は、入力レベル950を復号して、N個のアナログ値902~908(即ち、上記で符号化されたものと同じアナログ値902~908)の出力ベクトルを生成するために使用される。復号を実行するため、垂直矢印によって示されるように、各入力レベル952~958は、出力ベクトル902~908内の特定指標に対応する各コードの各チップによって変調される(961)。第1のコード932によるレベル952~958の変調を考慮すると、このような変調により、変調値の系列「2、0、.6、-1.4」が生成される。第2のコード934によるレベル952~958の変調により、変調値「2、0、-.6、1.4」の系列が生成される。第3のコード936による変調により、「2、0、-.6、-1.4」が生成され、第4のコード938による変調により、「2、0、.6、1.4」が生成される。
【0085】
次に、水平矢印によって示されるように、各系列の変調値を総和して、アナログ値902~908のうちの1つを生成する。例えば、第1の系列を総和して、アナログ値「1.2」(「4」のスケール係数を使用して正規化した後に「.3」になる)を生成する。同様の様式で、他の3つの系列の変調値を総和して、アナログ値「2.8」、「0」及び「4」を生成し、正規化した後に、アナログ値902~908の出力ベクトルが得られる。各コードが、入力レベルを変調し、次に、その系列を総和すること、又は、すべてのコードが、各系列を総和する前に入力レベルを変調することが可能である。従って、N個のアナログ値902~908の出力ベクトルは、L個の出力レベルを使用して並列に搬送されている。これらの例では、ディジタル入力レベルの復号の例は示されていないが、当業者であれば、上記の説明におけるディジタル値の符号化を読めば、このような復号の実行は簡単であることが分かるだろう。
【0086】
図27A、27B及び27Cは、符号化器及び復号器がアナログサンプル又はディジタルサンプルで動作できることを示す。様々なアナログ及びディジタル符号化器並びにアナログ及びディジタル復号器については、前述の通りである。上記で説明されるように、場合によっては、2つ以上のEM経路が存在し得、それに応じて2つ以上の符号化器/復号器対、及び対応数のDAC又はADCが存在し得る。
【0087】
図27Aは、アナログ符号化器及び対応アナログ復号器の使用を示す。アナログ符号化器900への入力は、アナログサンプル970、又はアナログ符号化器に位置するDAC972によってアナログに変換されるディジタルサンプル971である。この様式では、アナログ符号化器に到着したアナログ又はディジタルサンプルは、伝送媒体上の電磁気的経路上での送信のために符号化することができる。アナログ復号器900’は、出力のためのアナログサンプル970を生成するために、符号化済みアナログサンプルを復号する。アナログサンプル970は、そのまま使用しても、ADC(図示せず)を使用してディジタルサンプルに変換してもよい。
【0088】
図27Bは、ディジタル符号化器及び対応アナログ復号器の使用を示す。ディジタル符号化器901への入力は、ディジタルサンプル971、又はディジタル符号化器に位置するADC973によってディジタルに変換されるアナログサンプル970である。符号化器はディジタルであるため、符号化器に位置するDAC959は、電磁気的経路上での送信の前に、符号化済みサンプルをアナログに変換する。この様式では、ディジタル符号化器に到着したアナログ又はディジタルサンプルは、伝送媒体上の電磁気的経路上での送信のために符号化することができる。アナログ復号器900’は、出力のためのアナログサンプル970を生成するために、符号化済みアナログサンプルを復号する。アナログサンプル970は、そのまま使用しても、ADC(図示せず)を使用してディジタルサンプルに変換してもよい。
【0089】
図27Cは、伝送媒体上の電磁気的経路を経由して到着した符号化済みアナログ信号を復号するためのディジタル復号器の使用を示す。符号化済みアナログ信号は、たった今説明したように、アナログ符号化器又はディジタル符号化器を使用して送信される。ディジタル復号器976に位置するADC974は、電磁気的経路を介して送信された符号化済みアナログサンプルを受信し、このサンプルをディジタルに変換する。次に、これらの符号化済みディジタルサンプルは、ディジタル復号器976によってディジタルサンプル978(電磁気的経路上での送信の前に元々符号化されているサンプルの入力ベクトルの値に対応する)に復号される。ディジタルサンプル978は、そのまま使用しても、DACを使用してアナログサンプルに変換してもよい。
【0090】
減衰としてのこのような現象、インピーダンス不整合に起因する反射、及び侵害する侵略者信号に起因して、あらゆる電磁気的経路は、それを介し伝播する電磁気信号を劣化させ、従って、受信端子における入力レベルの採取された測定結果は常に、送信端末において利用可能にされた対応出力レベルに関するエラーに晒される。従って、受信器における入力レベルのスケーリング(又は送信器における出力レベルの正規化又は増幅)が、当該技術領域において知られているように、補正するために行われ得る。更に、プロセス利得に起因して(すなわちまた電気的弾性エネルギーも増加させるLの増加に起因して)、復号器における復号化された入力レベルは、当該技術領域において知られているように、送信された出力レベルを回復するためにコード長を使用してスケール係数により正規化される。更に、本明細書で説明されるように、L≧N≧2であることが好適であるが、幾つかの状況では、LがN未満(即ち、N>L≧2)であることも可能である。
【0091】
(特定の実施形態)
上記では、SSVT送信器とタイミングコントローラとの集積化や、SSVT送信器とタイミングコントローラ及びシステムオンチップとの集積化について概説した。以下は、この集積化の例を示す特定の実施形態である。
【0092】
図11は、集積化されたSSVT送信器及びタイミングコントローラを備える8Kディスプレイセットを示す。LCD/OLEDディスプレイ328を有する8K144ディスプレイセットの関連部分が示されている。ディスプレイセットのSoC308への入力は、好適なコネクタタイプの中で特に、HDMI(登録商標)コネクタ303又はRJ-45コネクタ305を介して入力することができる圧縮ディジタル映像信号302である。SoCは、このディジタルデータを圧縮解除し(そして、当技術分野で知られている及び上記で説明される他の処理を実行し)、示されるような好適なV-by-Oneフォーマット310及び速度を使用して、この変更されたディジタルデータを集積化されたタイミングコントローラ及びSSVT送信器モジュール320に転送する。SoCから集積化モジュール320への1つ又は複数の制御信号311は、下流のコンポーネントの構成情報又はフレーミング信号を運ぶなど、多くの機能を有し得る。機能の1つは、SDRからHDRへ(「スタンダードダイナミックレンジ」から「ハイダイナミックレンジ」へ)のガンマ曲線の調整又は同様の調整であり得る。他の機能は、解像度、バックライトタイプなど、TCON動作パラメータの設定を含む。
【0093】
集積化モジュール320は、プリント回路基板上の単一の集積回路又は実装形態などの異なる形態を取ることができ、単一のTCON又は2つ以上のTCONを含み得る。モジュール320は、図2、4、5A、6、10に示されるように実装することも、本開示を読んだ後に当業者によって理解されるような同様の方法で実装することもできる。モジュール320内には、バス316によって接続されたTCON314及びSSVT送信器318が示されている。バス316は、例えば、24又は48個のパラレルディジタル信号(通常これはTCONの標準出力である)を入力としてSSVT Tx318に渡す。しかし、これらの数は、実装形態によって異なり得る。基本的には、SSVT Tx入力クロックの各区間の間、多くの画素が送信される。例えば、このバスの幅は、画素単位では、行レートで最大1行(約23,000サブ画素)であるか、又は行レートの対応倍数でその何分の1かである。
【0094】
次に、SSVT送信器の符号化器の各々は、ディスプレイ328の対応ソースドライバ324にSSVT信号322を送信する。この例では、24個の符号化器があり、これは、24個のSSVT信号及び24個のソースドライバがあることを意味する。上記で述べたように、各ソースドライバは、好適には、本明細書及び米国特許出願第17/900,570号明細書(HYFYP009)で説明されるように実装され、SSVT受信器(対応復号器を有する)を伝統的なソースドライバの要素と共に集積化する。
【0095】
図11に示されるように実装することができるが、SoCから集積化モジュール320への転送が2.3GHzの64個のVx1-HSを使用し、24個のSSVT信号対が634MHzで動作する、8K120ディスプレイセットの例は示されていない。また、モジュール320が、各々がSoC308から供給される16×Vx1-HS 4GHzのストリームを有する4つの従来技術のTCONをどのように置き換えるかについても示されていない。これらの4つのストリームは、そのままにしてモジュール320に個別に入力することも、示されるようにストリーム310に組み合わせることもできる。また、モジュール320からディスプレイ328のゲートドライバへのタイミング及びフレーミング制御信号も示されていない。
【0096】
図12は、集積化されたSSVT送信器、タイミングコントローラ及びSoCを備える8Kディスプレイセットを示す。LCD/OLEDディスプレイ358を有する8K144ディスプレイセットの関連部分が示されている。ディスプレイセットの集積化されたSoC、TCON及びSSVT送信器350への入力は、好適なコネクタタイプの中で特に、HDMI(登録商標)コネクタ333又はRJ-45コネクタ335を介して入力することができる圧縮ディジタル映像信号332である。SoCは、このディジタルデータを圧縮解除し(そして、当技術分野で知られている及び上記で説明される他の処理を実行し)、その内部でこの変更されたディジタルデータを集積化されたタイミングコントローラ及びSSVT送信器に転送する。
【0097】
集積化モジュール350は、プリント回路基板上の単一の集積回路又は実装形態などの異なる形態を取ることができ、単一のTCON又は2つ以上のTCONを含み得る。TCONとSSVT送信器の集積化は、図2、4、5A、6、10に示されるように実装することも、本開示を読んだ後に当業者によって理解されるような同様の方法で実装することもできる。SoCとの集積化は、その内部でSoCからアンパッカ26に信号164を渡すことによって実行される。集積化実装形態は、単一のチップであるか、或いは隣り合う多数のチップであるか又はマルチチップパッケージである(単一のチップのように見えるが、実際には2つ若しくは3つのチップが入っている)ことが企図される。特定の一実施形態では、図11の64×Vx1信号310は、より多くのビットを送信する特注のチップ内インタフェースバスと置き換えられる。チップピンは不要であるため、バスの幅は10倍になり、レートは下がる。
【0098】
次に、SSVT送信器の符号化器の各々は、ディスプレイ358の対応ソースドライバ354にSSVT信号352を送信する。この例では、24個の符号化器があり、これは、24個のSSVT信号及び24個のソースドライバがあることを意味する。上記で述べたように、各ソースドライバは、好適には、本明細書及び米国特許出願第17/900,570号明細書(HYFYP009)で説明されるように実装され、SSVT受信器(対応復号器を有する)を伝統的なソースドライバの要素と共に集積化する。そのようなソースドライバでは、DACは不要である。
【0099】
図12に示されるように実装することができるが、24個のSSVT信号対が634MHzで動作する、8K120ディスプレイセットの例は示されていない。また、モジュール350からディスプレイ358のゲートドライバへのタイミング及びフレーミング制御信号も示されていない。
【0100】
図13は、ディジタル符号化を使用した集積化モジュール320の特定の一実施形態を示す。示されるように、Vx1サンプル362の64個のストリームは、対応する64個のVx1受信器364において受信され、64個のVx1受信器364の各々は、カラーチャネル当たり8ビットのRGBサンプルのストリーム365を分配器366に配送する。分配器366は、図5Aの40に示されるように実装することも、図14A又は14Bに示されるように実装することもできる。次に、合計24個のパラレルバス368の各々は、64個のサンプル(N=64)を24個の符号化器370のうちの1つに配送し、符号化器370の各々は、それらのN個のサンプルをディジタル的に符号化してディジタル信号を出力し、ディジタル信号は、24個のディジタル/アナログ変換器372のうちの1つによってSSVT EM信号374に変換され、ディスプレイのソースドライバに配送される。「レベル当たり15ビット以上」という表記は、各アナログレベル出力が15ビット以上の情報を反映することを意味する。
【0101】
図14Aは、図13の分配器の可能な一実装形態をより詳細に示す。示されるように、Vx1受信器364からの64個のストリーム入力365があり、各入力は、RGBサンプルのシリアルストリームを含む。これらのストリームのサンプルは、ラインバッファ376に格納される。次に、ラインバッファのサンプルは、任意の特定の配列を使用して、24個の入力ベクトル378のセット(符号化器当たり1つの入力ベクトル)に配列される。示されるように、各入力ベクトルは、ラインバッファの64個の逐次場所からその64個のサンプルを受信するが、サンプルは、各入力ベクトルに配置する際、所望の任意の順序で配列することができる。入力ベクトルが満たされた時点で、サンプルはすべて、符号化のために符号化器に並列配送される。この例では、24個の入力ベクトルの各々は、8K×3入力ラインの1/24(即ち、各符号化器に対して960のライン)を符号化する。各入力ベクトルは、一度に64個のサンプル(又は60個のサンプル)をクロックインするが、その入力ベクトルに続いてクロックインするブロックは最大で960になる。例えば、入力ベクトル#23は、列0~959から入力を受信し、ベクトル#22は、列960~1919から入力を受信するなど、以下同様である。より具体的には、一符号化区間の間、ラインバッファからの64個の場所は、64個の場所を有する1つの入力ベクトルを介して符号化される。符号化器は、60個のサンプル及び4つのサブバンド信号を送信する。符号化プロセスは、各ライン区間の間、1行当たり960のすべてのサンプルを伝えるために16回反復される。アセンブリバンク、中継バンク及びプレゼンテーションバンクは、この簡略図のこの実装形態には示されていない。それらは、配列を実装するために、図5Aに示されるように使用することができる。
【0102】
図14Bは、図13の分配器の別の可能な実装形態をより詳細に示す。この実装形態では、ラインバッファは使用されず、サンプルは、ストリーム入力から入力ベクトルに直接配列される。示されるように、Vx1受信器364からの64個のストリーム入力365があり、各入力は、RGBサンプルのシリアルストリームを含む。いずれのストリーム入力からの入力サンプルも、所定配列に従って、入力ベクトルのいずれかの場所のいずれかに割り当てることができる。例として、入力ベクトル378の最初の2つの位置は、第1及び第2のストリーム入力に由来し、次の2つの位置は、第3及び第1のストリーム入力に由来し、第5の位置は、第2のストリーム入力に由来する。この例では、入力ベクトル379の複数の位置のうちの3つは、最後の3つのストリーム入力に由来し、従って、いかなる配列も可能であることが示される。
【0103】
図15は、アナログ符号化を使用した集積化モジュール320の特定の一実施形態を示す。示されるように、Vx1サンプル382の64個のストリームは、対応する64個のVx1受信器384において受信され、64個のVx1受信器384の各々は、カラーチャネル当たり8ビット(画素当たり24ビット)のRGBサンプルのストリーム385を分配器386に配送する。分配器386は、図5Aの40に示されるように実装することも、図14A又は14Bに示されるように実装することもできる。次に、合計24個のパラレルバス388の各々は、64個のサンプル(N=64)をディジタル/アナログ変換器392に(又は64個のDACに並列にそれぞれ)配送し、その後、変換されたサンプルは、24個の符号化器390のうちの1つに並列配送され、符号化器390の各々は、それらのN個のサンプルを符号化するためにアナログ符号化を使用し、次に、SSVT EM信号394を出力してディスプレイのソースドライバに配送する。「レベル当たり15ビット以上」という表記は、各アナログレベル出力が15ビット以上の情報を反映することを意味する。
【0104】
図16は、図13からのディジタル符号化器のうちの1つをより詳細に示す。図8(及び他の場所)を参照して上記で説明されるように、コードブック397は、各入力サンプルと関連付けられたコードを含み、チップカウンタ396は、変調の間、コードのチップの各々をステップスルーするために使用される。動作の際、各変調器371は、関連コードの現在のチップによって、その対応ディジタルサンプルを変調し、それらのサンプルはすべて、加算器373によって総和され、出力レベルのうちの1つが生成される。この動作は、コードの各チップに対して繰り返され、L個の出力レベルが生成され、次に、アナログに変換され、SSVT信号374として出力される。
【0105】
図17は、図15からのアナログ符号化器のうちの1つをより詳細に示す。図7(及び他の場所)を参照して上記で説明されるように、コードブック397は、各入力サンプルと関連付けられたコードを含み、チップカウンタ396は、変調の間、コードのチップの各々をステップスルーするために使用される。動作の際、各変調器391は、関連コードの現在のチップによって、その対応アナログサンプルを変調し、それらのサンプルはすべて、加算器393によって総和され、出力レベルのうちの1つが生成される。この動作は、コードの各チップに対して繰り返され、L個の出力レベルが生成され、次に、SSVT信号394として出力される。
【0106】
図18は、集積化されたSSVT送信器、タイミングコントローラ及びSoCを備える8K120ディスプレイセットを示す。この実装形態は、各ソースドライバが任意数の入力SSVT信号を多重化することを除いて、図12に示されるものと同様である。LCD/OLEDディスプレイ458を有するディスプレイセットの関連部分が示されている。モジュール450からディスプレイ458のゲートドライバへのタイミング及びフレーミング制御信号は示されていない。
【0107】
ディスプレイセットの集積化されたSoC、TCON及びSSVT送信器450への入力は、好適なコネクタタイプの中で特に、HDMI(登録商標)コネクタ433又はRJ-45コネクタ435を介して入力することができる圧縮ディジタル映像信号432である。SoCは、このディジタルデータを圧縮解除し(そして、当技術分野で知られている及び上記で説明される他の処理を実行し)、その内部でこの変更されたディジタルデータを集積化されたタイミングコントローラ及びSSVT送信器に転送する。
【0108】
集積化モジュール450は、プリント回路基板上の単一の集積回路又は実装形態などの異なる形態を取ることができ、単一のTCON又は2つ以上のTCONを含み得る。TCONとSSVT送信器の集積化は、図2、4、5A、6、10に示されるように実装することも、本開示を読んだ後に当業者によって理解されるような同様の方法で実装することもできる。SoCとの集積化は、その内部でSoCからアンパッカ26に信号164を渡すことによって実行される。
【0109】
次に、SSVT送信器の符号化器の各々は、ディスプレイ458の対応ソースドライバ354にSSVT信号452を送信し、各ソースドライバは、3つのSSVT信号(即ち、317×3Mサンプル/sで3×SSVT対)を受信する。この例では、48個の符号化器があり、これは、多重化のために48個のSSVT信号及び16個のみのソースドライバが必要であることを意味する。上記で述べたように、各ソースドライバは、好適には、本明細書及び米国特許出願第17/900,570号明細書(HYFYP009)で説明されるように実装され、SSVT受信器(対応復号器を有する)を伝統的なソースドライバの要素と共に集積化する。そのようなソースドライバでは、DACは不要である。各ソースドライバへの3つの入力SSVT信号の多重化は、当業者に公知の方法で実行することができる。有利には、多重化は、ソースドライバの数及び費用を劇的に低減する。
【0110】
(SSVT受信器とディスプレイのソースドライバとの集積化)
上記で述べたように、本明細書の様々な実施形態で示される集積化されたSSVT送信器及びタイミングコントローラ150から又は集積化されたSSVT送信器、タイミングコントローラ及びSoC140’からのSSVT信号167は、ディスプレイパネルのソースドライバ169に搬送される。以下では、SSVT受信器をそのような1つ又は複数のソースドライバと共にどのように集積化することができるかについて説明する。
【0111】
図19は、ディスプレイソースドライバ586を示す。多数のソースドライバは、示されるように及び当技術分野で知られているようにカスケード接続することができ、これらの多数のソースドライバがディスプレイパネルを駆動する。示されるように、ソースドライバ586は、従来技術のソースドライバで必要とされるようなDAC(表示のためにディジタルサンプルをアナログサンプルに変換するために信号経路に位置するもの)を必要としない。各ソースドライバの復号ユニット610への入力は、本明細書で説明されるように、上流においてディスプレイユニット自体内で又はディスプレイユニットの外部で符号化されているアナログSSVT信号592である。示されるように、SSVT信号592は、ソースドライバ間でデイジーチェーン接続される。代替の実施形態では、各ソースドライバは、それ自体のSSVT信号を有し、TCONは、各ソースドライバチップにタイミング情報を提供する。
【0112】
復号ユニット610は、任意数(P)の復号器を有し得るが、単一の復号器のみを有することも可能である。ユニット610は、1つ又は複数のSSVT信号を復号し(以下で更に詳細に説明する)、多くの再構築されたアナログサンプルストリーム612(即ち、アナログ電圧)を出力する(サンプルの数はソースドライバの出力の数に対応する)。これらのアナログ出力612は、ディスプレイパネルが必要とする電圧範囲にない場合があるため、スケーリングが必要とされ、アナログ変換を使用してディスプレイパネルを駆動するための電圧範囲に電圧をシフトするレベルシフタ620に入力され得る。当技術分野で知られているように、ラッチ型又はインバータ型など、任意の好適なレベルシフタを使用することができる。レベルシフタは、増幅器と呼ばれることもある。
【0113】
例として、復号ユニットから出力される電圧範囲は0~1Vであり得、レベルシフタから出力される電圧範囲は-8~+8Vであり得る(反転信号622を使用して、1フレームおきに電圧をフリップする(即ち、範囲が、あるフレームでは-8~0Vになり、次のフレームでは0~+8Vとなる)ようにレベルシフタに通知する)。このように、SSVT信号は、その電圧をフレーム毎にフリップさせる必要はない。復号ユニットは、正電圧範囲(例えば)を提供し、レベルシフタは、ディスプレイパネルが期待するように電圧を1フレームおきにフリップする。また、復号ユニットは、ライン反転及びドット反転を実施することもできる。反転信号は、どの電圧を切り替えるかをレベルシフタに知らせる。OLEDなどの一部のディスプレイパネルは、この電圧を1フレームおきにフリップする必要はなく、この場合、反転信号は不要であり、レベルシフタが電圧を1フレームおきにフリップすることはない。LCDなどのディスプレイパネルは、この電圧フリップを必要とする。反転信号622は、以下で説明されるように、復号ユニットから回復される。
【0114】
また、レベルシフタ620への入力は、利得及びガンマ値であり得、利得は、適用する増幅の度合いを決定し、ガンマ曲線は、光束と、光束に対する人間の光学的知覚を線形化した知覚輝度とを関係付ける。通常、従来技術のソースドライバでは、利得とガンマは両方とも、ディスプレイパネルの製造特徴によって決定される設定値である。アナログレベルシフタ620では、利得及びガンマは、以下のように実装することができる。ガンマは、一実施形態では、システムのディジタル部分において実装され、レベルシフト及び利得は、出力段増幅を設定することによってドライバにおいて実装される。ガンマの場合、この実装は、非線形増幅特徴を実装することによって、出力ドライバでも可能である。シフトされた時点で、サンプルは、出力634に出力され、当技術分野で知られているように、ディスプレイパネルのそれらの対応列内のソース電極を駆動するために使用される。
【0115】
特定のディスプレイパネル上の最終表示のためにSSVT符号を適切に符号化するため(ディスプレイユニット自体内で符号化されるか、ディスプレイユニットの外部の更なる上流で符号化されるかにかかわらず)、そのディスプレイパネルの様々な物理的特徴又は特性は、GPU(若しくは他のディスプレイコントローラ)又はSSVT符号化を実行するあらゆるエンティティによって必要とされる。これらの物理的特徴は、608とラベル付けされ、数ある中で特に、解像度、テッセレーション、バックライトレイアウト、色プロファイル、アスペクト比及びガンマ曲線を含む。解像度は、特定のディスプレイパネルに対する定数である。テッセレーションは、パネルの平面を規則正しく且つ所定の方法で領域に細分化する方法を指し、単位は画素である。バックライトレイアウトは、バックライトパネルの解像度及び拡散特徴を指す。色プロファイルは、すべての原色の精確な輝度応答であり、画像の精確な色を提供する。ディスプレイパネルのアスペクト比は、離散的な既知の値を有する。
【0116】
特定のディスプレイパネルのこれらの物理的特徴は、多様な方法で、特定のディスプレイコントローラへの配送、ハードワイヤード又は提供が可能である。一例では、信号608は、これらの物理的特徴の値をディスプレイパネルから(又はディスプレイユニット内の別の場所から)SSVT送信器540に直接配送する。或いは、特定のディスプレイユニット内に埋め込まれたSSVT送信器540では、これらの値が送信器内にハードコード化されている。或いは、特定のディスプレイコントローラは、特定のタイプのディスプレイパネルでのみ使用することが意図されており、その特徴値は、そのディスプレイコントローラ内にハードコード化されている。
【0117】
また、ディスプレイパネルへの入力は、バックライトのLEDに指示する(即ち、いつ、どのレベルでオンに切り替えるかを指示する)バックライト信号604でもあり得る。換言すれば、ディスプレイパネルへの入力は、通常、画像の低解像度表現であり、これは、バックライトLEDが、ディスプレイを明るくする必要がある場所では点灯し、ディスプレイを暗くする必要がある場所では暗くすることを意味する。バックライト信号は、SSVT信号内に埋め込むこともできるモノクロ信号であり得(即ち、他のパラレル映像信号、R、G及びB(例えば)と共に移動する別の独立したパラレル映像信号であり得)、低解像度のものでも高解像度のものでもよい。
【0118】
復号ユニット610からの出力は、ゲートドライバをソースドライバと同期させるために、ディスプレイパネルの左縁のゲートドライバ560とタイミング制御情報を共有するゲートドライバ制御信号606である。通常、各復号ユニットは、ゲートドライバと同じタイミング制御情報を得るタイミング取得回路を含み、ソースドライバフレックスフォイルの1つ又は複数(通常、最左端及び/又は最右端ソースドライバ)は、そのタイミング制御情報をゲートドライバへ導く。ゲートドライバに対するタイミング制御情報は、SSVT信号内に埋め込まれており、確立されたスペクトル拡散技術を使用してその信号から回復される。
【0119】
図19は、ゲートドライバ制御信号がソースドライバの復号ユニット内で発生することを示していることに留意されたい(図20は、下部のゲートドライバ制御信号606が、復号器と関連付けられたチャネルアライナ787で発生する状態をより詳細に示す)。また、図2及び10は、タイミング信号171がSSVT信号と共に移動していない状態を示していることにも留意されたい。
【0120】
ゲート制御信号を提供する多くの変形形態が可能である。ゲート信号は、元々は独立した信号(開始パルス+クロック+コントロール)であるが、図20に示されるように、SSVT信号と共に搬送することができる(ただし、符号化する必要はない)。また、ゲート信号は、SSVT信号の埋め込みクロック信号から抽出することもできる(復号器→フレーミング→アライナ)。しかし、現代の「ゲートオンアレイ」パネルでは、ゲート信号を専用のクロック生成集積回路を通して複数のクロックパルスに変更する必要があるため、SSVTクロック信号からの抽出の可能性は低い(ただし、適切なアライナ機能を使用すれば依然として可能である)。図2、4、6及び10に示されるように、ゲート信号171は、SSVT信号と共に移動しない。通常、ソースドライバ入力タイミングは、上流のTCONによって、ゲートドライバタイミングに合わせて調整される。特定の一実装形態では、配線織機は、ゲートドライバ制御信号をソースドライバ信号と並行して送信するが、ゲートドライバ制御信号は、ソースドライバに入らず、ソースドライバによって生成されることはない。それにもかかわらず、信号171は、ソースドライバを接続するフレックスフォイルを通じて伝播することも、別の実施形態では、ソースドライバ自体を通じて伝播することさえも可能である。
【0121】
通常、従来のディスプレイドライバは、「COF」(チップオンフレックス又はチップオンフォイル)ICパッケージを使用してガラスに直接接続される。従来のCOG(チップオンガラス)も可能であるが、大型ディスプレイには見られない。これらのドライバを図19及び20の新規ソースドライバと置き換えることが可能であり、従って、既存のディスプレイパネルをSSVT対応パネルにすることが可能である。これらのICの入力は、通常、PCBAによって一緒に接続され、映像ソース及びタイミングコントローラからの入力信号を提供する。これらは、ディスプレイパネルに近くとも離れていてもよく、映像及び制御信号を安価な配線で転送する。
【0122】
(SSVT復号及びソースドライバとの集積化の詳細)
受信側では、各ソースドライバの復号器は、伝送媒体上で受信された差動EMレベル信号のストリームを復号して表示に好適なフォーマットに戻す責任を有する。好適なフォーマットが得られた時点で、サンプルに含まれる映像コンテンツをフレーム毎に映像ディスプレイ上に提示することができる。その結果、任意の映像ソースによって捕捉された映像を映像シンクによって再生成することができる。或いは、復号済み映像情報は、時間シフトモードで後に表示するために格納することができる。
【0123】
図20は、ソースドライバの復号ユニット610の図をより詳細に示す。Pは、入力された電磁対の数を表し、各電磁対は、送信側の符号化器によってロックステップ方式で互いに同期して生成されていることで知られている等時性信号であることを除いて、他の対から独立したSSVT信号を運ぶ。ソースドライバは、P個の復号器780及び収集器(ブロック782、786)を含む。復号器780は、送信側のその対の符号化器の逆変換を実行し、その入力差動EMレベル信号をN個の再構築サンプルの出力ベクトルに再構築する(ただし、差動入力というよりむしろ、シングルエンド入力が使用され得る)。収集器は、復号器出力ベクトルサンプル(又は「再構築サンプル」)をソースドライバ入力612のその所定位置に割り当てる。ソースドライバ入力612は、ディスプレイパネル内の駆動された列グループに対応するS個の再構築サンプルを含む。収集器内には、再タイマー機能が含まれる。
【0124】
P個の復号器780(0からP-1までラベル付けされている)は、差動EMレベル信号レベル~レベルP-1(702~704)をそれぞれ受信するように配置される。それに応答して、復号器780の各々は、再構築サンプル(サンプルからサンプルN-1まで)のN個の差動対を生成する。4つの復号器780(P=4)が存在する場合、4つのベクトルV、V、V、Vがそれぞれ構築される。サンプルの数Nは、先の符号化に使用された直交コードの数に正確に等しい。即ち、N個の直交コードが使用され、これは、コードブックからN個のコードが使用されることを意味する。
【0125】
再構築バンク782はそれぞれ、各復号区間の終わりに4つの復号器出力ベクトルV、V、V、Vの各々に対するN個の再構築サンプル(サンプルからサンプルN-1まで)の差動対の各々をサンプリングして保持する。次に、これらの受信された差動対の電圧信号は、4つのベクトルV、V、V、Vの各々に対するサンプル(サンプルN-1からサンプルまで)としてそれぞれ出力される。本質的には、各再構築バンクは、差動対電圧から単一の電圧に再構築する。中継バンク786は、以下で更に詳細に説明されるように、4つの復号器出力ベクトルV、V、V、Vの各々に対するすべての再構築サンプル(Nn-1からNまで)を受信し、アナログ出力バッファとして働く。サンプルが中継バンク786に移動した時点で、サンプルは、復号済みSSVT信号から導出されたラッチ信号632によってトリガされる。ラッチ信号は、ソースドライバ間でデイジーチェーン接続することができる。サンプルが中継バンクから解放された時点で、サンプルは、レベルシフタ620に送信される。
【0126】
また、復号ユニット610は、各復号器780からフレーミング情報及びアパーチャ情報を受信するチャネルアライナ787や中継コントローラ789も含む。それに応答して、中継コントローラ789は、SSVT送信器によってレベル信号が送信された共通の時間間隔からすべてのサンプルが来ることを保証するために、中継バンク786のタイミングを調整する。その結果、チャネルアライナ787及び中継コントローラ789はいかなるタイミング差も補償するため、伝送媒体の個々のチャネルは、必ずしもすべてが同じ長さを有する必要はない。ゲートドライバ制御信号606は、タイミング情報をゲートドライバに(又は中間回路構成に)提供し、延いては正しいタイミング及び制御信号をゲートドライバに提供する。ゲートドライバ制御信号606は、チャネルアライナ787から発信され得る。図20は、中継バンク786でサンプルをバッファリングしてからレベルをシフトする(増幅する)復号器を開示しているが、レベルをシフトしてからサンプルをバッファリングして出力することも可能であることに留意されたい。
【0127】
(ディスプレイパネルのソースドライバアレイ)
図21は、ソースドライバのアレイを実装するための代替の実施形態を示す。アレイ650は、8K解像度及び144Hzリフレッシュレートを有するディスプレイパネル(即ち、「8K144」パネル)での使用に好適である。図8は、この実施形態において、各ソースドライバが単一の復号器(即ち、1つの復号器の復号ユニット)に続いて収集器及び増幅器を含むことを示すのに対して、図19及び20は、各ソースドライバがソースドライバの復号ユニット内に多くの復号器を有し得ることを示す。いずれの手法も使用することができる。
【0128】
24個の720MHz SSVT信号652~654が示されており、その各々は、SSVT送信器540からの撚線対である。即ち、各撚線対は、送信器の符号化器から発信されている。各対は、復号器656~658のうちの1つに入力され、各復号器は、11.25MHzの周波数で64個のアナログサンプルを出力する。これらのサンプルの各々は、24個の収集器662~664のうちの1つに入力され、各収集器は、以下でより詳細に示されるように、15の復号区間毎に1回その出力を更新する前に、これらのサンプルの15セットを収集する。上記で述べたように、各収集器は、再構築バンクと中継バンクから成る(この図では明示的に示されない)。これを受けて、各収集器からのこれらの960個のアナログサンプルは、増幅のために750kHzの周波数で増幅器666~668のうちの1つに入力され、その後、増幅されたアナログレベル670として750kHz(11.25MHz×64/960)の周波数でディスプレイパネルのディスプレイ列上に出力される。分かり易くするため、図19及び20に示される信号604、606、608、622、632は示されていない。
【0129】
理論上、符号化済みSSVT信号がより高い電圧を有し、復号済み信号がディスプレイによって必要とされるサンプル電圧になる場合は、増幅器又はレベルシフタを省略することができる。しかし、SSVT信号は通常低い電圧となる(そして、ディスプレイではより高い電圧出力が必要とされる)ため、増幅が必要である。図21は、収集器664でサンプルをバッファリングしてから増幅する復号器を開示しているが、増幅してからサンプルを収集(バッファリング)して出力することも可能であることに留意されたい。いずれの実施形態も使用することができる。
【0130】
図22は、図21からの復号器656のうちの1つのブロック線図である。SSVT信号652のうちの1つが復号器に入力されている状態が示されている。復号器は、チップカウンタ680と、符号化及び復号のために使用される直交コードを含む、通常はRAMに格納されるコードブック682と、64個の出力アナログサンプル688の各々に対する各復号回路のブロック線図684とを含む。64個のアナログサンプルの各グループは、11.25MHzでLサイクル中1サイクル毎に「有効」と出力される。復号については、特定の回路線図と共に以下で更に詳細に説明する。
【0131】
図23は、図21からの収集器のブロック線図であり、図20からの中継バンク786をより詳細に示す。基本的には、個々の収集器は、区分化されたラインバッファ内への直列/並列変換を実行する。示される収集器662~664の各々への入力は、11.25MHzの周波数の各復号器からの64個のアナログサンプル690~692のセットである(再構築バンク782は示されていない)。示されるように、各復号区間の間、入力される64個の再構築サンプルの新しいセットは、収集器内に格納され、各収集器は、15の復号区間毎に1回満たされる。示されるように、15の各々の復号区間の後、各収集器からの960個の格納されたサンプル698は、示されるように、ディスプレイパネルの対応列へ配送される前に、それらの対応増幅器666~668に出力される。特定の一実施形態では、図21のソースドライバの各々(例えば、復号器658、収集器664及び増幅器668)は、集積回路内で実装され、そのような集積回路の各々は、フレキシブルPCB584上にマウントすることができる。
【0132】
(復号器詳細実施形態)
図24は4つの復号器780のうちの1つの論理図である。復号器780は、伝送媒体上で受信された4つの差動EMレベル信号のうちの1つを受信し、サンプル&ホールドするように配置された差動増幅器1092及びサンプル&ホールド回路1094を含む。入力EMレベル信号を受信し、サンプル&ホールドするように配置された他のタイプの回路(受信器)もまた使用され得る。次に、サンプリングされたEMレベル信号はN個の復号器トラック回路1096(Nn-1~N)の各々へ提供される。シーケンサコントローラ1098は、送信側でそれぞれ適用された同じSSDSチップをN個の復号器トラック回路1096の各々へ提供する。この結果、サンプル出力(Nn-1~N)は再構築バンク782へ提供される。送信側で使用されたのと同じSSDSチップが復号器トラック回路1096の各々により使用されるので、復調されたサンプルNn-1~Nは送信側の変調の前のものと同じである。
【0133】
復号器780の各々の復号器のコントローラ1098もまた、ストローブ信号、エンドオブバンク(EOB)信号、アパーチャ信号及びフレーミング信号を含む多くの制御信号を生成する。EOB信号は、再構築バンク782へ提供され、中継バンク786がサンプルにより完全に一杯になるタイミングを表す。これが発生すると、EOB信号がアサートされ、次の組の再構築されたサンプル(Nn-1~N)を予想して、復号器トラック1096及び中継バンク786の両方をクリアする。アパーチャ制御信号はサンプル&ホールド回路1094へ提供され、フレーミング信号は、チャネルアライナ787へ、また中継コントローラ789へ提供される。
【0134】
図25を参照すると、代表的符号化器トラック回路1096の線図が示される。復号器トラック回路1096は乗算器部及び累算器部を含む。乗算器部は、第1のスイッチ対S1-S1、第2のスイッチ対S2-S2、第3のスイッチ対S3-S3、及び第1の(正)及び第2の(負)電源レール上の1対のキャパシタC1-C1を含む。累算器部は、追加のトランジスタ対S4-S4、S5-S5、S6-S6及びS7-S7、演算増幅器、並びに第1の(正)及び第2の(負)電源レール上の1対のキャパシタCF-CFをそれぞれ含む。復調サイクル毎に、差動EMレベル信号対が第1のレベル入力(レベル+)端子及び第2のレベル入力(レベル-)端子において受信される。差動EMレベル信号対は、受信SSDSチップの値に依存して正(1)又は負(-1)のいずれかにより乗算することによる条件付き反転により乗算器部内で復調される。
【0135】
SSDSチップが(+1)の値を有すれば、clk1が活性状態であるときトランジスタ対S1-S1及びS3-S3は閉じ一方S2-S2は開いたままである。この結果、第1のレベル入力(レベル+)端子及び第2のレベル入力(レベル-)端子における電圧値が、渡され、正負のレール上の2つのキャパシタC1及びC1によりそれぞれ格納される。換言すれば、入力値は(+1)により乗算され、反転は発生しない。
【0136】
SSDSチップが-1の値を有すれば、S1-S1スイッチは両方ともオフである一方で、スイッチS2-S2及びS3-S3はclk1が活性状態になるとすべてオンにされる。この結果、正又は第1の(+)端子及び負又は第2の(-)端子において受信された電圧値はスワップされる。換言すれば、第1又は正端子において提供された入力電圧値はより低い負レール上のキャパシタC1へ導かれ、その上に格納される一方で、第2又は(-)端子上に提供された電圧値は正の上側レール上のキャパシタC1へ切り替えられ、その上に格納される。従って、入力端子における受信電圧値は反転されるすなわち(-1)により乗算される。
【0137】
clk1が不活性状態に移行すると、C1及びC1上の蓄積された電荷は残ったままである。clk2が活性状態へ移行すると、トランジスタ対S4-S4が開く一方でトランジスタ対S5-S5及びS6-S6は閉じる。次に、下側又は負のレール上のキャパシタC1及び上側又は正のレール上のC1上の蓄積された電荷は演算増幅器の差動入力へ提供される。演算増幅器の出力は、送信側の符号化に先立って元の+/-サンプル対である。
【0138】
2つのキャパシタC1及びC1上の蓄積された電荷もまた、Clk2が活性状態であると、上側又は正のレール上のキャパシタCF及び下側又は負のレール上のキャパシタCFへ渡される。各復調サイクルにより、上側上のキャパシタC1及び下側レール上のキャパシタC1上の電荷は、上側及び下側レール上の2つのキャパシタCF及びCF上へそれぞれ蓄積される。clk1及びEOB信号が両方とも活性状態になると、トランジスタ対S7-S7は両方とも閉じられ、キャパシタCF及びCFの各々のキャパシタのプレート同士を短絡する。この結果、蓄積された電荷は除去され、2つのキャパシタCF及びCFはリセットされ、次の復調サイクルのための準備状態になる。
【0139】
各復号器780はN個の復号器トラック回路1096を有するので、N個の復号化された又は元の+/-サンプル対は復調サイクル毎に再生成される。次にこれらのN個の+/-サンプル対は再構築バンク782へ、次に中継バンク786へ提供される。この結果、元の組のサンプルはその元の色コンテンツ情報(例えばRGBに関してS=3)により再生成される。
【0140】
復号器トラック1096は、一連のLサイクルにわたって入力レベルサンプルを再構築し、当該トラックのコードの逐次SSDSチップにより各逐次入力レベルを復調する。L個の復調の各復調の結果はフィードバックキャパシタCF上に蓄積される。EOBが復号化サイクルの第1の復調サイクルに対応するclk1中にアサートされると、CFは、零ボルト又は或る他のリセット電圧から再び蓄積することを始めるように、EOB後にクリアされる。様々な非排他的実施形態では、Lの値は所定パラメータである。一般的に、パラメータLが高ければ高いほどSSDSプロセス利得は大きくなり、伝送媒体上のSSVT信号の送信の電気的弾力性より良くなる。他方で、パラメータLが高ければ高いほどSSVT変調の適用のための必要周波数は高くなり、伝送媒体により引き起こされる挿入損に起因して信号品質を落とし得る。上記復調サイクルは、復号器の各々により何度も何度も繰り返される。最終結果は、各々がそれらの元のカラーコンテンツ情報を有する元の時系列組のサンプル(すなわち、一組のSサンプル)の回復である。
【0141】
(携帯電話の特定の実施形態)
図28は、携帯電話内でSSVTを使用して映像サンプルを搬送するためのブロック線図である。携帯電話などの既存のOLED DDICデバイス上の従来技術のディスプレイは、4Kスマートフォンディスプレイの高いリフレッシュレート、MIPI受信器、SRAM、ディジタル画像処理、およそ1,000個のディジタル/アナログ変換器を必要とするアナログ信号の大幅な使用により、改善が必要である。
【0142】
我々は、最適なDDIC-TCON及びDDIC-SD分割が可能である、SoCからの短距離のMIPI送信を提供する、SRAM及び画像処理のためにディジタルDDIC-TCONを最適化する、すべてアナログの簡素化されたDDICを提供する、SSVT送信器と共に集積化されたDDIC-TCONにおいて少数のディジタル/アナログ変換器しか必要としないという利点を有する分割OLED DDICアーキテクチャを提案する。
【0143】
画像又は映像の通信及び表示のために使用される同様のあらゆるハンドヘルドモバイルデバイスであり得る携帯電話(又はスマートフォン)500が示されている。デバイス500は、ディスプレイパネル510と、伝統的なモバイルSoC520と、集積化されたDDIC-TCON(ディスプレイドライバIC-タイミングコントローラ)及びSSVT送信器モジュール530と、集積化されたアナログDDIC-SD(DDIC-ソースドライバ)及びSSVT受信器540とを含む。モバイルSoC520及びモジュール530は、携帯電話の内部コンポーネントであるが、説明を容易にするために携帯電話の外部に示されている。
【0144】
モバイルSoC520は、モバイルデバイスにおいて使用されるあらゆる標準SoCであり、上記で論述されるVx1入力信号と同様の方法で、MIPI DSI524(モバイル産業プロセッサインタフェースディスプレイシリアルインタフェース)を介してモジュール530にディジタル映像サンプルを配送する。モジュール530内には、SSVT送信器と共に集積化されたDDIC-TCONが含まれる。本開示を読み、以前の図面を参照することで、当業者は、任意数のアナログSSVT信号534を出力するためにどのようにSSVT送信機を実装することができるかについて理解するであろう。この例では、SSVT送信器は、380Mspsで12対のSSVT信号を出力する。モジュール530からディスプレイパネル510のゲートドライバへのタイミング及びフレーミングの制御信号は示されていない。通常、携帯電話の場合、DDICは、携帯電話の下端に位置し、SoCは、デバイスのほぼ中央にある。それに従って、集積化されたDDIC-TCON/SSVT送信器は、SoCの近く、約10cm以内、又は約1~2cm以内に位置する。ディジタルデータの送信は極端な周波数で行われるため、導体長を可能な限り短くしておくことは有利である。テーブルコンピュータの場合、その距離は、約25~30cm又はそれ以下である。
【0145】
これらのアナログSSVT信号は、集積化されたアナログDDIC-SD及びSSVT受信器540で受信される。任意数のアナログSSVT信号を受信し、ディスプレイパネルを駆動するための電圧を生成するために、どのようにソースドライバをSSVT受信器と共に集積化するかについての説明は、本明細書及び上述の米国特許出願第17/900,570号明細書(HYFYP009)に記載されている。有利には、ディスプレイパネル510を駆動するために必要なソースドライバは1つのみであり、モジュール540は、いかなるディジタル/アナログ変換器も必要としない。
【0146】
(他の実施形態)
本発明は、以下の他の実施形態を含む。
1.タイミングコントローラを符号化器と共に集積化した装置であって、
ディスプレイセットのシステムオンチップから発信されるディジタルサンプルの少なくとも1つのメディア信号を受信するラインバッファコントローラと、
上記ラインバッファコントローラと通信する、上記ディジタルサンプルのラインを格納するように配置されたラインバッファと、
上記ディジタルサンプルの上記ラインのサブセットを受信し、アナログサンプルのサブセットを出力する少なくとも1つのDACと、
上記少なくとも1つのDACからのアナログサンプルの上記出力サブセットを符号化し、少なくとも1つの符号化器に対応する電磁気的経路に提示されるアナログ出力値の系列を出力する少なくとも1つの符号化器と、
上記ラインバッファコントローラからフレーミングフラグを受信し、上記ディスプレイセットのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラと
を含む、装置。
2.上記ディスプレイセットの単一の集積回路内に集積化される、実施形態1に記載の装置。
3.上記出力値が、上記電磁気的経路上で、上記ディスプレイセットのソースドライバと関連付けられた対応復号器に配送される、実施形態1に記載の装置。
4.上記出力値が、上記符号化器から上記復号器に配送されるアナログ値の系列である、実施形態3に記載の装置。
5.上記システムオンチップからディジタル映像信号を受信し、上記少なくとも1つのメディア信号を生成するアンパッカ
を更に含む、実施形態1に記載の装置。
6.上記少なくとも1つのメディア信号が、R、G、B信号である複数のメディア信号である、実施形態1に記載の装置。
7.上記ラインバッファコントローラが、3つのメディア信号、R、G、Bを受信し、上記ラインバッファに上記サンプルを格納し、上記サンプルの上記サブセットを上記DACに配送する、実施形態1に記載の装置。
8.上記集積回路が、上記システムオンチップの約10cm以内に位置する、実施形態2に記載の装置。
9.タイミングコントローラを符号化器と共に集積化した装置であって、
ディスプレイセットのシステムオンチップから発信されるディジタルサンプルの少なくとも1つのメディア信号を受信するラインバッファコントローラと、
上記ラインバッファコントローラと通信する、上記サンプルのラインを格納するように配置されたラインバッファと、
上記ディジタルサンプルのサブセットを入力し、ディジタル出力値の系列を出力する少なくとも1つの符号化器と、
ディジタル出力値の上記系列を受信し、上記少なくとも1つの符号化器に対応する電磁気的経路に提示されるアナログ出力値の系列を出力するDACと、
上記ラインバッファコントローラからフレーミングフラグを受信し、上記ディスプレイセットのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラと
を含む、装置。
10.上記ディスプレイセットの単一の集積回路内に集積化される、実施形態9に記載の装置。
11.上記アナログ出力値が、上記電磁気的経路上で、上記ディスプレイセットのソースドライバと関連付けられた少なくとも1つの対応復号器に配送される、実施形態9に記載の装置。
12.上記出力値が、上記符号化器から上記復号器に配送されるアナログ値の系列である、実施形態11に記載の装置。
13.上記システムオンチップからディジタル映像信号を受信し、上記少なくとも1つのメディア信号を生成するアンパッカ
を更に含む、実施形態9に記載の装置。
14.上記少なくとも1つのメディア信号が、R、G、B信号である複数のメディア信号である、実施形態9に記載の装置。
15.上記ラインバッファコントローラが、3つのメディア信号、R、G、Bを受信し、上記ラインバッファに上記サンプルを格納し、上記サンプルの上記サブセットを上記DACに配送する、実施形態9に記載の装置。
16.上記集積回路が、上記システムオンチップの約10cm以内に位置する、実施形態10に記載の装置。
17.タイミングコントローラ及び符号化器をディスプレイセットのシステムオンチップと共に集積化した装置であって、
上記システムオンチップから発信されるディジタルサンプルの少なくとも1つのメディア信号を受信するラインバッファコントローラであって、上記タイミングコントローラ、上記符号化器及び上記システムオンチップが、集積回路内に集積化される、ラインバッファコントローラと、
上記ラインバッファコントローラと通信する、上記ディジタルサンプルのラインを格納するように配置されたラインバッファと、
上記ディジタルサンプルの上記ラインのサブセットを受信し、アナログサンプルのサブセットを出力する少なくとも1つのDACと、
上記少なくとも1つのDACからのアナログサンプルの上記出力サブセットを符号化し、少なくとも1つの符号化器に対応する電磁気的経路に提示されるアナログ出力値の系列を出力する少なくとも1つの符号化器と、
上記ラインバッファコントローラからフレーミングフラグを受信し、上記ディスプレイセットのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラと
を含む、装置。
18.タイミングコントローラ及び符号化器をディスプレイセットのシステムオンチップと共に集積化した装置であって、
上記システムオンチップから発信されるディジタルサンプルの少なくとも1つのメディア信号を受信するラインバッファコントローラであって、上記タイミングコントローラ、上記符号化器及び上記システムオンチップが、集積回路内に集積化される、ラインバッファコントローラと、
上記ラインバッファコントローラと通信する、上記サンプルのラインを格納するように配置されたラインバッファと、
上記ディジタルサンプルのサブセットを入力し、ディジタル出力値の系列を出力する少なくとも1つの符号化器と、
ディジタル出力値の上記系列を受信し、上記少なくとも1つの符号化器に対応する電磁気的経路に提示されるアナログ出力値の系列を出力するDACと、
上記ラインバッファコントローラからフレーミングフラグを受信し、上記ディスプレイセットのゲートドライバにゲートドライバ制御信号を出力するように配置されたゲートドライバコントローラと
を含む、装置。
【0147】
前述の発明は理解の明瞭さの目的のためにかなり詳細に説明されたが、幾つかの変形及び修正形態が添付の特許請求の範囲内で実行され得るということが明白になる。従って、説明された実施形態は、例示的であるが制約的ではないと捉えられるべきであり、本発明は本明細書に記載された詳細に制限されるべきでなく、以下の特許請求項及びそれらの等価物の完全な範囲により定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図27C
図28
【国際調査報告】