(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】ウォークインクローゼット及び家具一般の輪郭要素を支持壁に固定するための固定装置
(51)【国際特許分類】
F16B 5/10 20060101AFI20250128BHJP
A47B 96/14 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
F16B5/10 L
A47B96/14 D
A47B96/14 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542981
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-09-03
(86)【国際出願番号】 EP2022087309
(87)【国際公開番号】W WO2023138871
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】102022000000797
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517220911
【氏名又は名称】アルトゥーロ・サリチェ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ARTURO SALICE S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】サリチェ,セルジオ
【テーマコード(参考)】
3J001
【Fターム(参考)】
3J001FA19
3J001GC14
3J001JC02
(57)【要約】
ウォークインクローゼット(10)及び家具一般の輪郭要素(11)を支持壁(12)に固定するための固定装置(15)は、支持壁(12)に固定可能なベース本体(16)と、前記ベース本体(16)に調整可能に固定され、ウォークインクローゼット(10)の輪郭要素(11)に接続可能な接続部材(17)と、を備える。固定装置(15)は、前記輪郭要素(11)に沿って前記固定装置(15)を保持するために適合及び配置される保持装置(23、31、32)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォークインクローゼット(10)及び家具一般の輪郭要素(11)を固定するための固定装置(15)であって、
支持壁(12)に固定可能なベース本体(16)と、
ウォークインクローゼット(10)の輪郭要素(11)に接続可能であり、前記ベース本体(16)に調整可能に固定される接続部材(17)と、
を備え、
前記輪郭要素(11)に沿って、前記固定装置(15)を保持するために適合され、配置される保持装置(23、31、32)を備えることを特徴とする、
固定装置(15)。
【請求項2】
前記保持装置が、前記輪郭要素(11)の一部と係合可能であるようにバイアスされる少なくとも1つの移動可能な保持要素を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の固定装置(15)。
【請求項3】
前記保持装置が、前記輪郭要素(11)に向かって面するために、前記ベース本体(16)側に配置される板バネ(23)として適合される保持要素を備えることを特徴とする、
請求項2に記載の固定装置(15)。
【請求項4】
前記板バネ(23)が、前記ベース本体(16)に固定可能な中央部分(23’)と、少なくとも1つの移動可能な弾性アーム(23”)と、を備え、好ましくは、前記中央部分(23’)の反対側に延び、前記輪郭要素(11)が延びる縦軸に実質的に平行に配置される第1及び第2の移動可能な弾性アーム(23”)を備えることを特徴とする、
請求項3に記載の固定装置(15)。
【請求項5】
前記板バネ(23)の前記弾性アーム(23”)は、前記輪郭要素(11)へ固定装置(15)を取り付けている状態で、摩擦による保持力を発生するために、前記輪郭要素(11)に対して移動し、弾性変形することを特徴とする、
請求項4に記載の固定装置(15)。
【請求項6】
前記板バネ(23)が、オメガ形状を有し、前記アーム(23”)は前記輪郭要素(11)に向かって延びることを特徴とする、
請求項4又は5に記載の固定装置(15)。
【請求項7】
前記保持装置が、前記輪郭要素(11)の対向側壁(27)と係合及び/又は取り囲むために、前記ベース本体(16)から実質的に平行に延び、互いに間隔をあけて配置される少なくとも1つの第1及び第2の弾性的に屈曲可能な保持要素(31、32)を備えることを特徴とする、
請求項2に記載の固定装置(15)。
【請求項8】
前記保持要素(31、32)は、弾性的に屈曲可能な材料により作製される弾性アームとして適合されることを特徴とする、
請求項7に記載の固定装置(15)。
【請求項9】
前記輪郭要素(11)の側壁(27)に沿って、縦方向に移動又は/及びスライドするために、前記ベース本体(16)から延びる少なくとも1つの回転防止ガイド要素(26)を備えることを特徴とする、
請求項1から8のいずれかに記載の固定装置(15)。
【請求項10】
前記保持装置は、前記固定装置の前記ベース本体(16)に移動可能に接続され、前記輪郭要素(11)と係合可能である分離された弾性又は磁性のバイアス手段によりバイアスされる少なくとも1つの保持要素を備えることを特徴とする、
請求項2に記載の固定装置(15)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォークインクローゼット及び家具一般の輪郭要素を支持壁に固定するための装置、特に、輪郭要素間にパネルを備える種類のウォークインクローゼットのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家具分野において、複数の輪郭要素を備える、ウォークインクローゼット、又はより一般的な、家具構造が様々提案されており、複数の輪郭要素は、住宅若しくは店舗の壁又は支持構造に垂直に固定され、それから、サポートブラケットは、棚、引き出し及びその他の家具要素を組み立てるために輪郭要素に固定され、これにより、モノ及び/又は服の収納及び支持のニーズに応じて、ウォークインクローゼット又は高度にカスタマイズされた家具のピースを構築することができる。
【0003】
これらのウォークインクローゼット及び家具構造は2つのタイプがあり、特に、第1のタイプは美観目的として、壁又は支持構造を覆うために、輪郭要素間に配置されるパネルを備え、第2のタイプは、パネルを有さず、壁又は支持構造が輪郭要素とともに見えたままになっている。
【0004】
輪郭要素は、一般的に支持壁に固定装置によって固定されており、固定装置は、従来、ベース本体と、例えばネジを用いて、前記ベース本体と調整可能に接続可能な接続部材と、を含む。ベース本体は、ネジを用いて支持壁と固定可能である。一方、接続部材は、各々の固定装置が輪郭要素に沿って適切に配置されることが可能なように、輪郭要素の背面に縦方向に設けられた対向溝に、スライドして係合されることが可能である。
【0005】
しかし、従来の固定装置、特に上述した第1のタイプのウォークインクローゼットに関しては、ウォークインクローゼットの組み立て中に困難が伴う。なぜなら、輪郭要素を支持壁に固定するために垂直位置に配置したとき、固定装置は、輪郭要素に沿って、適切な位置に維持されない。しかし、これらは、下向きにスライド可能であるため、これらを支持壁にネジでこれらを固定する前に、輪郭要素に沿って、固定装置を手動で再配置することが求められる。
【0006】
さらに、固定装置は、輪郭要素に対して回転することができ、固定ネジに対して、ベース本体に設けられた穴にアクセス可能にするために、固定装置を手動で適切な方向に向けることがさらに求められる。この回転により、これらの要素が壁に固定されていないとき、輪郭に対して、これらの要素の移動が防止される。調整を行うために、まず、要素を壁に固定し、次に、調整ネジを回す必要がある。クローゼットを組み立てるとき、固定装置を壁に固定する前に、補正(固定装置と輪郭要素の距離)を設定する必要が多い。現在のシステムにおいて、理論的には可能であるが、組み立て中に、個々の固定装置を回転及び輪郭に沿ってスライドしたりしないように、手動で保持する必要がある場合がある。これは、実際には不可能であり、それを壁に固定する前に、各々が固定装置を所定の位置に保持する複数の取り付け者が要求される場合がある。
【0007】
したがって、ウォークインクローゼットの組み立てが簡単にできる固定装置が求められ、特に、輪郭要素において前記固定装置の正確な位置と向きに言及する。
【0008】
したがって、この発明の主題は、ウォークインクローゼット及び家具一般の輪郭要素を支持壁に固定するための固定装置を提供し、それは、輪郭要素に沿って安定して配置され、支持壁への前記輪郭要素の固定を簡単にすることができる。
【0009】
さらなる本発明の目的は、課題における種類の輪郭要素の固定のための装置であって、前記輪郭要素に接続されると正確な方向を維持する装置を提供することである。
【0010】
上記は、ウォークインクローゼット及び家具一般の輪郭要素を支持壁に固定するための装置を用いて達成することができ、
固定装置は、
支持壁に固定可能なベース本体と、
前記ベース本体に調整可能に固定され、ウォークインクローゼットの輪郭要素と接続可能である接続部材と、
を備え、
輪郭要素に沿って固定装置を保持するために、適合及び配置された保持装置を備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、この発明の特徴は、特許請求の範囲においても定義される。
【0012】
この発明の特徴及び利点は、添付の図を参照して、固定装置の排他的な実施形態ではない2つの好ましい後述の説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る固定装置と組み立てられ、固定装置が輪郭要素間に設けられたカバーパネルより隠れているため見えないウォークインクローゼットの透視図
【
図2】輪郭要素に取り付けられた本発明の実施の形態1に係る固定装置の透視図
【
図5】輪郭要素に取り付けられた本発明の実施の形態2に係る固定装置の透視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から
図4は、本発明の実施の形態1に係る固定装置を示し、それは、ウォークインクローゼット及び家具一般の輪郭要素の固定が可能である。
【0015】
本発明に係る固定装置は、例えば
図1に示すように、支持壁が視界から隠されている状態で輪郭要素間にカバーパネルが設けられたウォークインクローゼットの組み立てのために特に適しているが、固定装置が他のタイプのウォークインクローゼット又は家具にも使用できることは排除されない。
【0016】
下記に説明するように、このタイプのウォークインクローゼットは、全体として符号10で示されており、一般的に複数の輪郭要素11を含んでおり、輪郭要素11は、住居又は店舗内の壁又は支持構造12に、本発明による固定装置により、垂直に固定され、各々の輪郭要素11は、少なくとも2つの固定装置により、支持壁12に固定され、次に、棚14、引き出し及び他の家具要素の組み立てのための支持ブラケット13は、輪郭要素11に固定され、これにより、モノ及び/又は服の収納及び支持のニーズに応じて、高度にカスタマイズされたウォークインクローゼットを作製することができる。
【0017】
図2及び
図3によく示されるように、本発明の実施の形態1による固定装置は、符号15により全体として示されており、支持壁12に固定可能なベース本体16と、前記ベース本体16に調整可能に固定され、ウォークインクローゼット10の輪郭要素11と係合可能な接続部材17と、を備える。
【0018】
接続部材17を輪郭要素11に係合させる目的のために、接続部材17は、好ましくは、前記輪郭要素11の背面に形成された2つの対向溝18間にスライドして係合可能な拡大ヘッド17’を有し、特に、ヘッド17’は、輪郭要素11の一端から始まる対向溝18間で係合可能であり、その後、それは、ヘッド17’、ひいては固定装置15全体が縦方向の位置に配置されるまで、前記輪郭要素11に沿ってスライドする。
【0019】
好ましくは、接続部材17は、各々ネジ手段により、ベース本体16に調整可能に接続され、例えば、接続部材17は、好ましくは、ヘッド17’から延びるネジシャンク17”を備え、それは、ベース本体16に設けられたネジ穴19に調整可能に係合可能である。
【0020】
接続部材17の回転、ひいては調整を制御するために、ヘッド17’は、前記接続部材17を回転させるためにツールを挿入できるように形成された穴20を有し、取り付けている状態で、ツールを挿入するために、輪郭要素11のフロントスロット21を通り、さらに、輪郭要素11において互いに縦方向に間隔をあけて配置された一連の穴22を通り、フロントスロット21と輪郭要素11の背面の対向溝18との間で、ヘッド17’へのアクセスを可能にする。
【0021】
本発明によれば、固定装置15は、輪郭要素に沿って、固定装置を保持するために適合され、配置される保持装置も備える。
【0022】
好ましくは、保持装置は、輪郭要素11の一部と係合できるようにバイアスされる少なくとも1つの移動可能な保持要素を備える。
【0023】
実施の形態1に示すように、保持装置は保持要素を備え、保持要素は、弾性的に屈曲可能であるため移動可能であり、金属又は他の適切な材料の、板バネ23として適合し、輪郭要素11に向くようにベース本体16側に配置され、それにより、取り付けている状態において、ベース本体16と前記輪郭要素11との間に介在する。
【0024】
好ましくは、板バネ23は、ベース本体16に固定可能な中央部分23’及び少なくとも1つの移動可能な弾性アーム23”を備え、好ましくは、板バネ23は、中央部分23’から反対側に延び、輪郭要素11が延びる縦軸に実質的に平行に配置される2つの移動可能な弾性アーム23”を備える。
【0025】
ベース本体16への板バネ23の固定は、好ましくは、接続部材17を用いて行われ、特に、中央部分23’は、接続部材17のネジ付きシャンク17”が通過するホール24を有し、それにより、板バネ23は、接続部材17のヘッド17’により保持される。
【0026】
各々の固定装置15が輪郭要素11と接続されるとき、前述のように、装置15のベース本体16と輪郭要素11との間に介在される板バネ23の弾性アーム23”は、輪郭要素11に沿って、所定の位置に固定装置15を留めておくような摩擦による保持力を発生させるために、輪郭要素11の背面25に対して押し込まれ、弾性変形し、したがって、このケースにおいて、保持要素23の弾性アーム23”は、同じアーム23”の弾性的な屈曲による輪郭要素11と係合されるためにバイアスされる。
【0027】
好ましくは、板バネ23は、オメガ形状を有し、アーム23”が輪郭要素11に向かって延びて、輪郭要素11の背面に接触する。しかし、これは、板バネが異なる形状、例えば、U形状を有し得ることを除外しない。
【0028】
好ましくは、固定装置15は、輪郭要素11の対向側壁27に沿って、縦方向に移動及び/又はスライドするために、ベース本体16から延びる少なくとも1つの回転防止ガイド要素26も備え、これにより、輪郭要素11に関連して、固定装置15の回転を防ぎ、好ましくは、固定装置15は、2つのガイド要素26を備え、2つのガイド要素は、輪郭要素11の側壁27を取り囲むように、ベース本体16から、互いに平行に間隔をあけて延びる。ガイド要素26がない場合、ベース本体16は、ネジ17とともに回転し、それゆえに、装置15と輪郭要素11との間で、ネジ軸に沿った相対的な移動がない。
【0029】
支持壁12に固定装置15を固定するために、ベース本体16は、好ましくは、ベース本体16から側方に延びる複数のフランジ28を備え、各々は、支持壁12において係合可能な各ネジ30を調整可能に挿入するためのスロットとして適合されるホール29を有している。
【0030】
図5及び
図6は、本発明に係る固定装置の実施の形態2を示し、同じ参照符号を使用し、類似又は同等の部品を示している。
【0031】
また、このケースにおいて、固定装置15は、支持壁12に固定可能なベース本体16と、ベース本体16に調整可能に固定され、ウォークインクローゼット10の輪郭要素11と係合可能である接続部材17と、を備える。
【0032】
接続部材17は、好ましくは、前記輪郭要素11の背面に得られる2つの対向溝18間でスライドして係合可能な拡張ヘッド17’を有する。
【0033】
固定装置15は、輪郭要素に沿って固定装置を保持するために適合され、配置される保持装置も備え、保持装置は、好ましくは、輪郭要素11の一部と係合可能な少なくとも1つの弾性的に屈曲可能な保持要素を備える。
【0034】
実施の形態2において、保持装置は、好ましくは、輪郭要素11の対向側壁27と係合及び/又は取り囲むために、ベース本体16から、実質的に平行に延び、互いに間隔をあけて配置される少なくとも1つの第1及び第2の弾性的に屈曲する保持要素31、32を備える。
【0035】
保持要素31、32は、例えば、弾性的に屈曲する金属又はプラスチック材料から作製される弾性アームとして適合され、弾性アーム31、32は、固定装置15のベース本体16に、例えば、フック手段により、固定可能である保持装置の中央本体33から延びる。
【0036】
この実施の形態において、固定装置15は、好ましくは、少なくとも1つの回転防止ガイド要素26、例えば、2つのガイド要素26も備え、輪郭要素11の対向側壁27に沿って縦方向に移動及び/又はスライドするためにベース本体16から延び、これにより、輪郭要素11に関連して、固定装置15の回転を防止する。
【0037】
あるいは、一般的に、保持装置が、固定装置のベース本体に移動可能に接続され、別々の弾性又はバイアス手段により、バイアスされて輪郭要素に係合又は作用する少なくとも1つの保持要素を備えてもよいことは排除されない。例えば、固定装置を保持するために、少なくとも1つの保持要素が、スライドして支持されるスライダー又は、ベース本体によりスイング可能に支持され、バイアス手段により輪郭要素に対して押し付けられるアームとして適合させることができる。
【0038】
上記より、本発明に係る固定装置が前述の目的を達成することは明らかであり、輪郭要素がウォークインクローゼットの組み立てのために垂直に配置されるとき、輪郭要素に沿って所望の位置に一度配置され、その位置を安定して維持するため、したがって、支持壁への前記輪郭要素の固定は簡単にできる。
【0039】
さらに、本実施の形態に係る固定装置は、前記輪郭要素に一度接続させ、正確な方向にも維持する。
【0040】
しかし、本発明に係る固定装置は、本発明の概念の範囲内にある修正及び変形可能であり、さらに、構造の詳細は、技術的に同等な要素により、交換可能である。
【国際調査報告】