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特表2025-503779トップカバーアセンブリ、及び単電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】トップカバーアセンブリ、及び単電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/15 20210101AFI20250128BHJP
   H01M 50/16 20210101ALI20250128BHJP
【FI】
H01M50/15
H01M50/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543351
(86)(22)【出願日】2023-01-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2023072194
(87)【国際公開番号】W WO2024051064
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】202222372003.0
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520434178
【氏名又は名称】欣旺達動力科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunwoda Mobility Energy Technology Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】楊 偉
(72)【発明者】
【氏名】戴 亨偉
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011CC02
5H011KK01
(57)【要約】
本願は、トップカバーアセンブリ、及び単電池を開示し、トップカバーアセンブリは、トップカバーシートと、下側プラスチック部品と、を含み、下側プラスチック部品は、トップカバーシートの一方の側に設けられ、間隔を空けて設けられた第1接続部材及び第2接続部材と、第1接続部材と第2接続部材との間に接続された緩衝部材と、を含み、緩衝部材は、第1接続部材と第2接続部材との間の距離の変化に応じて伸縮可能である。第1接続部材と第2接続部材との間の距離の変化に応じて伸縮可能な緩衝部材が設けられることによって、下側プラスチック部品がポスト端子に印加する作用力を減少させ、下側プラスチック部品の加熱による膨張と冷却による収縮に起因してポスト端子がずれることを回避し、ポスト端子がシールリングとともに、優れたシール能力を維持する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップカバーシートと、
前記トップカバーシートの一方の側に接続される下側プラスチック部品であって、前記下側プラスチック部品は、間隔を空けて設けられた第1接続部材及び第2接続部材と、前記第1接続部材と前記第2接続部材との間に接続された緩衝部材と、を含み、前記緩衝部材は、前記第1接続部材と前記第2接続部材との間の距離の変化に応じて伸縮可能である下側プラスチック部品と、を含む、ことを特徴とするトップカバーアセンブリ。
【請求項2】
前記緩衝部材は、前記下側プラスチック部品の厚さ方向に湾曲して設けられた湾曲部を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項3】
前記第1接続部材は、第1本体部と第1凸部を含み、前記第1本体部は前記トップカバーシートに接続され、前記第1凸部は前記第1本体部の前記トップカバーシートから離れた側に設けられ、前記第2接続部材は、第2本体部と第2凸部を含み、前記第2本体部は前記トップカバーシートに接続され、前記第2凸部は前記第2本体部の前記トップカバーシートから離れた側に設けられ、前記湾曲部の両端はそれぞれ前記第1凸部及び前記第2凸部に接続され、前記湾曲部は前記トップカバーシートに湾曲して設けられ、前記湾曲部と前記トップカバーシートは、間隔を空けて設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項4】
前記緩衝部材は、前記下側プラスチック部品の幅方向に湾曲して設けられた湾曲部を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項5】
前記緩衝部材は、第1緩衝セクションと第2緩衝セクションを含み、前記第1緩衝セクションの一端及び前記第2緩衝セクションの一端はそれぞれ前記第1接続部材及び前記第2接続部材に接続され、前記第1緩衝セクションの他端及び前記第2緩衝セクションの他端は接続されて前記湾曲部を形成し、又は、
前記湾曲部は、円弧形状である、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項6】
前記下側プラスチック部品は、その幅方向において間隔を空けて設けられた複数の前記緩衝部材を含み、及び/又は、前記緩衝部材は、前記下側プラスチック部品の長さ方向において順次接続された複数の前記湾曲部を含む、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項7】
前記緩衝部材は、幅が前記下側プラスチック部品の他の部位の幅未満で、及び/又は、厚さが前記下側プラスチック部品の他の部位の厚さ未満である変形部を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項8】
前記緩衝部材は、変形部と、第1接続部と、第2接続部と、を含み、前記変形部の一端は前記第1接続部を介して前記第1接続部材に接続され、前記変形部の他端は前記第2接続部を介して前記第2接続部材に接続され、前記変形部の幅が、前記第1接続部及び第2接続部の幅未満で、及び/又は、前記変形部の厚さが前記第1接続部及び前記第2接続部の厚さ未満である、ことを特徴とする請求項1に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項9】
前記下側プラスチック部品は、その幅方向において間隔を空けて設けられた複数の前記緩衝部材を含み、及び/又は、その長さ方向において順次接続された複数の前記変形部を含む、ことを特徴とする請求項7又は8に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項10】
電池ケースと、
前記電池ケースに覆設された請求項1~9のいずれか1項に記載のトップカバーアセンブリと、
前記電池ケース内に位置する電極群と、を含む、ことを特徴とする単電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年09月06日に中国特許庁に提出された、出願番号が202222372003.0、発明の名称が「トップカバーアセンブリ、及び単電池」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、エネルギー貯蔵デバイスの技術分野に関し、特にトップカバーアセンブリ、及び単電池に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の発展に伴い、動力電池は、エネルギーシステムとして電気自動車に広く応用され、典型的な動力電池はケースを封口するためのトップカバーアセンブリを含み、トップカバーアセンブリは、ポスト、トップカバーシート、及びトップカバーシートに接続する下側プラスチック部品を含み、トップカバーシートと下側プラスチック部品のいずれにも、ポスト取付孔が設けられ、ポストはポスト取付孔内に貫設され、電極群と外部電気デバイスの電気的接続に用いられる。ポストとトップカバーシートの間の絶縁を実現するために、ポストの外側にシールリングが嵌め込まれているが、下側プラスチック部品に加熱による膨張と冷却による収縮が生じると、下側プラスチック部品がポストを移動させ、シール不良を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術に存在する技術的課題の1つを少なくとも解決することを目的とする。このため、本願は、下側プラスチック部品の加熱による膨張と冷却による収縮に起因してポスト端子がずれることを回避し、シール能力を確保するトップカバーアセンブリを提案する。
【0005】
本願はまた、上記のトップカバーアセンブリを用いた単電池を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1実施例におけるトップカバーアセンブリは、
トップカバーシートと、
前記トップカバーシートの一方の側に接続される下側プラスチック部品であって、前記下側プラスチック部品は、間隔を空けて設けられた第1接続部材及び第2接続部材と、前記第1接続部材と前記第2接続部材との間に接続された緩衝部材と、を含み、前記緩衝部材は、前記第1接続部材と前記第2接続部材との間の距離の変化に応じて伸縮可能である下側プラスチック部品と、を含む。
【0007】
本願の実施例による電池モジュールは、少なくとも、下記の有益な効果を有する。
【0008】
第1接続部材と第2接続部材との間の距離の変化に応じて伸縮可能な緩衝部材が設けられることによって、下側プラスチック部品がポスト端子に印加する作用力を減少させ、下側プラスチック部品の加熱による膨張と冷却による収縮に起因してポスト端子がずれることを回避し、ポスト端子がシールリングとともに、優れたシール能力を維持する。
【0009】
本願の他の実施例では、前記緩衝部材は、前記下側プラスチック部品の厚さ方向に湾曲して設けられた湾曲部を含む。
【0010】
本願の他の実施例では、前記第1接続部材は、第1本体部と第1凸部を含み、前記第1本体部は前記トップカバーシートに接続され、前記第1凸部は前記第1本体部の前記トップカバーシートから離れた側に設けられ、前記第2接続部材は、第2本体部と第2凸部を含み、前記第2本体部は前記トップカバーシートに接続され、前記第2凸部は前記第2本体部の前記トップカバーシートから離れた側に設けられ、前記湾曲部の両端はそれぞれ前記第1凸部及び前記第2凸部に接続され、前記湾曲部は前記トップカバーシートに湾曲して設けられ、前記湾曲部と前記トップカバーシートは、間隔を空けて設けられる。
【0011】
本願の他の実施例では、前記緩衝部材は、前記下側プラスチック部品の幅方向に湾曲して設けられた湾曲部を含む。
【0012】
本願の他の実施例では、前記緩衝部材は、第1緩衝セクションと第2緩衝セクションを含み、前記第1緩衝セクションの一端及び前記第2緩衝セクションの一端はそれぞれ前記第1接続部材及び前記第2接続部材に接続され、前記第1緩衝セクションの他端及び前記第2緩衝セクションの他端は接続されて前記湾曲部を形成し、又は、
前記湾曲部は、円弧形状である。
【0013】
本願の他の実施例では、前記下側プラスチック部品は、その幅方向において間隔を空けて設けられた複数の前記緩衝部材を含み、及び/又は、前記緩衝部材は、前記下側プラスチック部品の長さ方向において順次接続された複数の前記湾曲部を含む。
【0014】
本願の他の実施例では、前記緩衝部材は、幅が前記下側プラスチック部品の他の部位の幅未満で、及び/又は、厚さが前記下側プラスチック部品の他の部位の厚さ未満である変形部を含む。
【0015】
本願の他の実施例では、前記緩衝部材は、変形部と、第1接続部と、第2接続部と、を含み、前記変形部の一端は前記第1接続部を介して前記第1接続部材に接続され、前記変形部の他端は前記第2接続部を介して前記第2接続部材に接続され、前記変形部の幅が、前記第1接続部及び第2接続部の幅未満で、及び/又は、前記変形部の厚さが前記第1接続部及び前記第2接続部の厚さ未満である。
【0016】
本願の他の実施例では、前記下側プラスチック部品は、その幅方向において間隔を空けて設けられた複数の前記緩衝部材を含み、及び/又は、その長さ方向において順次接続された複数の前記変形部を含む。
【0017】
本願の第2実施例による単電池は、
電池ケースと、
前記電池ケースに覆設された前記トップカバーアセンブリと、
前記電池ケース内に位置する電極群と、を含む。
【0018】
本願の追加の態様及び利点は、以下の説明において部分的に示され、部分的には以下の説明から明らかになるか、又は本願の実践を通して理解される。
以下、図面及び実施例を参照して本願についてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】関連技術におけるトップカバーアセンブリの解体概略図である。
図2図1におけるトップカバーアセンブリの断面図である。
図3図2におけるA部の拡大概略図である。
図4】本願の一実施例におけるトップカバーアセンブリの概略斜視図である。
図5図4におけるトップカバーアセンブリの解体概略図である。
図6図4におけるトップカバーアセンブリの断面図である。
図7図6におけるB部の拡大概略図である。
図8】本願の別の実施例におけるトップカバーアセンブリの概略斜視図である。
図9図8におけるC部の拡大概略図である。
図10】本願の更なる実施例におけるトップカバーアセンブリの概略斜視図である。
図11】本願の更なる実施例におけるトップカバーアセンブリの概略斜視図である。
図12図11におけるD部の拡大概略図である。
図13】本願の更なる実施例におけるトップカバーアセンブリの拡大概略図である。
図14】本願の更なる実施例におけるトップカバーアセンブリの拡大概略図である。
図15】本願の更なる実施例におけるトップカバーアセンブリの断面図である。
図16図15におけるE部の拡大概略図である。
図17】本願の一実施例における単電池の解体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面に示される本願の実施例を詳細に説明し、ここで、図面を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の要素、あるいは同一又は類似の機能を有する要素を示す。図面を参照して以下に説明する実施例は、本願を説明するためにのみ使用される例示的なものであり、本明細書を限定するものとは理解されない。
【0021】
なお、本願の説明において、上、下、前、後、左、右などにより示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、単に本願の説明を容易にし、説明を簡略化するためであって、指示された装置又は要素が特定の方位を有したり、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを指示又は暗示するものではないことを理解されたい。したがって、本願を限定するものとは理解されない。
【0022】
本願の説明において、「いくつか」の意味は1つ以上、「複数」の意味は2つ以上であり、「より大きい」、「より小さい」、「超える」などは、本数を含まないものと理解し、「以上」、「以下」、「以内」などは、本数を含むものと理解する。「第1」、「第2」は、単に技術的特徴を区別することを目的としたものであって、相対的重要性を指示若しくは暗示し、又は指示された技術的特徴の数を暗示し、又は指示された技術的特徴の前後関係を暗示していると理解すべきではない。
【0023】
本願の説明において、別途明確な限定がない限り、「設ける」、「取り付ける」、「接続」などの用語は広義に理解すべきであり、当業者は技術案の具体的な内容を参照して上記の用語の本願における具体的な意味を合理的に判定することができる。
【0024】
本願の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を参照して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で組み合わされてもよい。
【0025】
関連技術におけるポストとトップカバーシートはシールリングを介して絶縁しており、具体的には、図1図3に示すように、トップカバーシート110には、第1貫通孔111及び第2貫通孔112がそれぞれ設けられ、下側プラスチック部品120はトップカバーシート110の一方の側(例えば、図における下側)に接続され、第1貫通孔111及び第2貫通孔112のそれぞれに対応して第3貫通孔1211及び第4貫通孔1221が設けられており、つまり、第1貫通孔111と第3貫通孔1211は対応して設けられるとともに、互いに連通しており、第2貫通孔112と第4貫通孔1221は対応して設けられるとともに、互いに連通している。単電池のトップカバーアセンブリは、第1ポスト端子130と第2ポスト端子140をさらに含み、第1ポスト端子130は第1貫通孔111及び第3貫通孔1211内に貫設され、上側プラスチック部品を介してトップカバーシート110に固定して接続され、第2ポスト端子140は第2貫通孔112及び第4貫通孔1221内に貫設され、上側プラスチック部品を介してトップカバーシート110に固定して接続され、第1ポスト端子130及び第2ポスト端子140のいずれの外側にもシールリング150が嵌め込まれている。通常の状態では、ポスト端子は、図示した通常の姿勢でトップカバーシート110に接続され、シールリング150は、シール機能を正常に発揮するが、下側プラスチック部品120が高温環境にさらされて加熱により膨張した場合、図3を例にして、下側プラスチック部品120は、第1ポスト端子130に左向きの作用力を印加するものであり、低温環境にさらされて冷却により収縮した場合、第1ポスト端子130に左向きの作用力を印加する。上記の2つのいずれの状況も、第1ポスト端子130のズレをもたらし、シールリング150のシール不良を引き起こすことがある。
【0026】
以上に基づいて、本願の実施例は、下側プラスチック部品を2つの部分に分け、2つの部分の間に変形を吸収するための緩衝部材を設けることによって、下側プラスチック部品の加熱による膨張と冷却による収縮に起因するシール不良の問題を解決するトップカバーアセンブリを提案する。以下、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図4図7に示すように、本実施例のトップカバーアセンブリ100は、トップカバーシート110と、下側プラスチック部品120と、を含み、トップカバーシート110には、第1貫通孔111及び第2貫通孔112がそれぞれ設けられている。下側プラスチック部品120は、トップカバーシート110の一方の側(例えば、図における下側)に接続され、間隔を空けて設けられた第1接続部材121と第2接続部材122を含み、第1接続部材121には第3貫通孔1211、第2接続部材122には第4貫通孔1221が設けられ、第1貫通孔111は第1接続部材121の第3貫通孔1211に対応して設けられ、第2貫通孔112は、第2接続部材122の第4貫通孔1221に対応して設けられ、第1ポスト端子130は、第1貫通孔111及び第3貫通孔1211に貫設され、第2ポスト端子140は第2貫通孔112及び第4貫通孔1221に貫設される。
【0028】
下側プラスチック部品120は、第1接続部材121と第2接続部材122との間に接続された緩衝部材123をさらに含み、緩衝部材123は、第1接続部材121、第2接続部材122に接続されて一体構造とされてもよい。緩衝部材123は弾性を有し、下側プラスチック部品120に加熱による膨張又は冷却による収縮が生じた場合、第1接続部材121と第2接続部材122との距離が変化すると、緩衝部材123は、間隔の変化に応じて伸縮することができる。具体的には、下側プラスチック部品120が加熱により膨張した場合、第1接続部材121と第2接続部材122との距離が小さくなり、緩衝部材123は収縮状態になり、下側プラスチック部品120が冷却により収縮した場合、第1接続部材121と第2接続部材122との距離が大きくなり、緩衝部材123は伸展状態になる。このように、下側プラスチック部品120がポスト端子に印加する作用力を小さくし、下側プラスチック部品の加熱による膨張と冷却による収縮に起因してポスト端子がずれることを回避し、ポスト端子がシールリング150とともに優れたシール能力を維持することができる。
【0029】
図6、及び図7に示すように、いくつかの実施例では、緩衝部材123は、両端がそれぞれ第1接続部材121、第2接続部材122に接続された湾曲部1231を含む。湾曲部1231は下側プラスチック部品120の厚さ方向に湾曲して設けられ、下側プラスチック部品120が加熱により膨張した場合、湾曲部1231の湾曲角度が小さくなり、緩衝部材123が収縮状態になり、下側プラスチック部品120が冷却により収縮した場合、湾曲部1231の湾曲角度が大きくなり、緩衝部材123が伸展状態になる。
【0030】
上記の実施例における緩衝部材123の1つの具体的な実施形態としては、図7に示すように、第1接続部材121は、第1本体部1212と第1凸部1213を含み、第1本体部1212は、第1貫通孔111が設けられたトップカバーシート110に接続され、第1凸部1213は、第1本体部1212のトップカバーシート110から離れた側(例えば、図における下側)に設けられる。具体的には、第1本体部1212は、板状構造であってもよく、第1凸部1213は、ボスや図における第1本体部1212に垂直な板状構造であってもよく、第1本体部1212と第1凸部1213は接続されて一体構造となってもよい。同様に、第2接続部材122は、第2本体部1222と第2凸部1223を含み、第2本体部1222は、第2貫通孔112が設けられたトップカバーシート110に接続され、第2凸部1223は、第2本体部1222のトップカバーシート110から離れた側(例えば、図における下側)に設けられ、つまり、第1凸部1213と第2凸部1223は、同側に設けられ、また、いずれもトップカバーシート110から離れて設けられる。
【0031】
湾曲部1231をより伸縮しやすくするために、湾曲部1231には、所定の湾曲度が必要とされ、これによって、その高さは通常、従来の下側プラスチック部品の厚さよりも大きく、また、湾曲部1231は、伸縮するときに高さが変化し、湾曲部1231が伸縮して他の構造を押したりすることがないように、湾曲部1231の最高点が、下側プラスチック部品120の上端よりも下、最低点が、下側プラスチック部品120の下端よりも上になければならず、しかし、このようにすると、下側プラスチック部品120全体の厚さが増大し、電極群の容量が低下し、電池のエネルギー密度が下がる。以上に基づいて、湾曲部1231の両端はそれぞれ第1凸部1213及び第2凸部1223に接続され、具体的には、第1凸部1213及び第2凸部1223の底端に接続され、湾曲部1231はトップカバーシート110に湾曲して設けられ、湾曲部1231とトップカバーシート110は間隔を空けて設けられ、これにより、下側プラスチック部品120が加熱により膨張した場合、湾曲部1231はトップカバーシート110へ移動するが、最高点まで移動したとしても、両方が互いに接触することはなく、これによって、湾曲部1231が伸縮してトップカバーシート110を押すことを回避し、また、湾曲部1231がトップカバーシート110に湾曲して設けられるため、湾曲部1231の最低点が第1凸部1213及び第2凸部1223の最低点よりも低くなることはなく、つまり、湾曲部1231の高さの変化は、第1凸部1213と第2凸部1223との間に限定され、湾曲部1231がその下方の部品を押すことが回避される。さらに、第1本体部1212及び第2本体部1222の厚さを小さくし、ケース内の下側プラスチック部品120の占める空間を小さくすることもできる。
【0032】
図8図10に示すように、別のいくつかの実施例でも、緩衝部材123は湾曲部1231を含み、湾曲部1231の両端は、それぞれ第1接続部材121、第2接続部材122に接続される。図6図7の実施例と比較して、本実施例では、湾曲部1231は下側プラスチック部品120の幅方向に湾曲して設けられる点は相違する。下側プラスチック部品120が加熱により膨張した場合、湾曲部1231の湾曲角度が小さくなり、緩衝部材123が収縮状態になり、下側プラスチック部品120が冷却により収縮した場合、湾曲部1231の湾曲角度が増大し、緩衝部材123が伸展状態になり、このように、緩衝の役割を果たす。
【0033】
図6図9に示すように、いくつかの具体的な実施例では、緩衝部材123は、第1緩衝セクション1232と第2緩衝セクション1233を含み、第1緩衝セクション1232及び第2緩衝セクション1233は、いずれも傾斜して設けられ、第1緩衝セクション1232の一端は第1接続部材121に接続され、第2緩衝セクション1233の一端は第2接続部材122に接続され、第1緩衝セクション1232の他端と第2緩衝セクション1233の他端は互いに接続されて上記の湾曲部1231を形成する。
【0034】
図10に示すように、別のいくつかの具体的な実施例では、湾曲部1231は円弧形状である。
【0035】
図5図9に示すように、いくつかの実施例では、下側プラスチック部品120は、その幅方向において間隔を空けて設けられた複数の緩衝部材123を含み、これにより、第1接続部材121と第2接続部材122との間の接続強度が向上する。
【0036】
別のいくつかの実施例では、緩衝部材123は、下側プラスチック部品120の長さ方向において、順次接続された複数の湾曲部1231を含み、各湾曲部1231は同期して伸縮可能であり、これにより、単一の湾曲部1231の伸縮量が少なくなり、湾曲部1231の過度の変形が回避される。
【0037】
なお、上記の実施例は組み合わせて使用されてもよく、つまり、下側プラスチック部品120は、その幅方向において、間隔を空けて設けられた複数の緩衝部材123を含み、1つの緩衝部材123は、下側プラスチック部品120の長さ方向において、順次接続された複数の湾曲部1231を含み、これによって、接続強度を向上させるとともに、1つの湾曲部1231の伸縮量を減少させる役割を果たす。
【0038】
本願はまた、緩衝部材123の伸縮を実現する他の方式を提案しており、例えば、図11図14に示すように、緩衝部材123は、変形部1234を含み、変形部1234の幅が下側プラスチック部品120の他の部位の幅未満であり、又は、図15図16に示すように、変形部1234の厚さが下側プラスチック部品120の他の部位の厚さ未満であり、これにより、変形部1234は緩衝部材123の脆弱部位となり、一定の作用力を受けると変形する。上記の実施例と比較して、これらの実施例では、本実施例の緩衝部材123は、下側プラスチック部品120の加熱による膨張と冷却による収縮が発生したときにのみ湾曲する。
【0039】
なお、上記の実施例は組み合わせて使用されてもよく、つまり、変形部1234の幅及び厚さは、いずれも下側プラスチック部品120の他の部位の幅及び厚さ未満である。
【0040】
図13及び図16に示すように、緩衝部材123の1つの具体的な実施形態としては、緩衝部材123は、全体として、第1接続部材121、第2接続部材122と面一である平板構造であり、変形部1234と、第1接続部1235と、第2接続部1236と、を含み、変形部1234の一端は、第1接続部1235を介して第1接続部材121に接続され、変形部1234の他端は、第2接続部1236を介して第2接続部材122に接続され、第1接続部1235及び第1接続部材121の厚さは等しくてもよく、第2接続部1236及び第2接続部材122は等しくてもよい。ここで、図13においては、変形部1234の幅は前記第1接続部1235及び第2接続部1236の幅未満であり、下側プラスチック部品120に加熱による膨張と冷却による収縮が生じた場合、変形部1234は幅方向に湾曲し、緩衝部材123を伸縮させ、図16においては、変形部1234の厚さは第1接続部1235及び第2接続部1236の厚さ未満であり、下側プラスチック部品120に加熱による膨張と冷却による収縮が生じた場合、変形部1234は厚さ方向に湾曲し、緩衝部材123を伸縮させる。
【0041】
図11図16に示すように、いくつかの実施例では、下側プラスチック部品120は、その幅方向において、間隔を空けて設けられた複数の緩衝部材123を含み、これにより、第1接続部材121と第2接続部材122との間の接続強度が向上する。
【0042】
別のいくつかの実施例では、下側プラスチック部品120は、その長さ方向において、順次接続された複数の変形部1234を含み、各変形部1234は同期して伸縮可能であり、これにより、1つの変形部1234の伸縮量が小さくなり、変形部1234の過度の変形が回避される。
【0043】
なお、上記の実施例は、組み合わせて使用されてもよく、つまり、下側プラスチック部品120は、その幅方向において、間隔を空けて設けられた複数の緩衝部材123を含み、1つの緩衝部材123は、下側プラスチック部品120の長さ方向において、順次接続された複数の変形部1234を含み、これにより、接続強度を向上させるとともに、1つの変形部1234の伸縮量を減少させる役割を果たす。
【0044】
本願の実施例はまた、図17に示すように、電池ケース200と、電極群300と、上記の各実施例のトップカバーアセンブリ100と、を含み、電極群300は電池ケース200内に位置し、トップカバーアセンブリ100は、電池ケース200に覆設される単電池を提案している。
【0045】
以上、図面を参照して本願の実施例について詳細に説明したが、本願は上記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識範囲内で、本願の趣旨を逸脱することなく各種の変化を行うことができる。さらに、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例の特徴は互いに組み合わせられてもよい。
【符号の説明】
【0046】
トップカバーアセンブリ100、トップカバーシート110、第1貫通孔111、第2貫通孔112、下側プラスチック部品120、第1接続部材121、第3貫通孔1211、第1本体部1212、第1凸部1213、第2接続部材122、第4貫通孔1221、第2本体部1222、第2凸部1223、緩衝部材123、湾曲部1231、第1緩衝セクション1232、第2緩衝セクション1233、変形部1234、第1接続部1235、第2接続部1236、第1ポスト端子130、第2ポスト端子140、シールリング150、電池ケース200、電極群300。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【国際調査報告】