(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】太陽電池スクリーン版及び太陽電池セル、光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
H10F 10/00 20250101AFI20250130BHJP
【FI】
H01L31/04 262
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556786
(86)(22)【出願日】2023-05-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2023095899
(87)【国際公開番号】W WO2024146054
(87)【国際公開日】2024-07-11
(31)【優先権主張番号】202320021230.0
(32)【優先日】2023-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
【氏名又は名称原語表記】JINKO SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1,Jinko Road, Shangrao Economic Development Zone Jiangxi 334100 CN
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】陶武松
(72)【発明者】
【氏名】フォン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】羅恒
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA02
5F251AA03
5F251AA05
5F251AA08
5F251AA09
5F251AA10
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5F251JA03
5F251JA04
5F251JA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、、太陽電池スクリーン版及び太陽電池セル、光起電力モジュールを開示する。
【解決手段】太陽電池スクリーン版は、平行に配列された複数のサブグリッド線と、複数の補強グリッドと、を備え、各前記サブグリッド線が複数の切断部を含み、それぞれの前記補強グリッドがそれぞれの前記切断部に位置し、前記補強グリッドが前記サブグリッド線と平行であり、前記補強グリッドの両端が前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域にそれぞれ電気的に接触し、前記補強グリッドは、PVリボンと電気的に接触することに用いられ、ここで、前記補強グリッドの印刷ペーストが前記サブグリッド線の印刷ペーストと異なっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配列された16本のメイングリッド線と、平行に配列されたサブグリッド線及び補強グリッドと、を備え、
前記サブグリッド線が前記メイングリッド線に対して垂直であり、前記サブグリッド線が切断部を含み、前記切断部が前記メイングリッド線と前記サブグリッド線の交差する箇所に位置し、
前記補強グリッドが前記切断部に位置し、前記補強グリッドが前記サブグリッド線と平行であり、前記メイングリッド線が前記補強グリッドを貫通する、
ことを特徴とする太陽電池スクリーン版。
【請求項2】
前記切断部の前記サブグリッド線の長さ方向における長さをL1とし、0.3mm≦L1≦1.2mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項3】
前記補強グリッドの前記サブグリッド線の長さ方向における長さをL2とし、0.5mm≦L2≦1.5mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項4】
前記補強グリッドと前記メイングリッド線とが同じペーストで印刷されて一体化されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項5】
前記補強グリッドの両側に位置する補助スポット溶接部をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項6】
前記補助スポット溶接部が正方形であり、辺長をL3とし、0.02mm≦L3≦0.04mmである、
ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項7】
スポット溶接部をさらに含み、前記スポット溶接部の形状は、前記メイングリッド線の長さ方向に沿って貫通する第1三角形、第1矩形および第2三角形からなる不規則なパターンであり、前記第1三角形、前記第1矩形および前記第2三角形の接続箇所が弧形である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項8】
スポット溶接部の前記メイングリッド線の幅方向における高さをHとし、0.3mm≦H≦0.5mmである、
ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項9】
平行に配列された複数のサブグリッド線と、複数の補強グリッドと、を備え、
各前記サブグリッド線が複数の切断部を含み、
それぞれの前記補強グリッドがそれぞれの前記切断部に位置し、前記補強グリッドが前記サブグリッド線と平行であり、前記補強グリッドの両端が前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域にそれぞれ電気的に接触し、前記補強グリッドは、前記メイングリッド線に電気的に接触し、またはPVリボンと電気的に接触することに用いられ、ここで、前記補強グリッドの印刷ペーストが前記サブグリッド線の印刷ペーストと異なっている、
ことを特徴とする太陽電池スクリーン版。
【請求項10】
パッシベーション層をさらに含み、前記補強グリッドは、前記パッシベーション層の厚みを貫通しなく、前記サブグリッド線が前記パッシベーション層の表面に位置し、且つ前記パッシベーション層の厚みを貫通する、
ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項11】
前記サブグリッド線の長さ方向に沿って、前記補強グリッドの側面は、前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域と電気的に接触しており、または、
前記補強グリッドの両側に位置する補助スポット溶接部を含み、一部の長さの前記補助スポット溶接部が前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域と互いに重なりかつ電気的に接触している、
ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項12】
前記サブグリッド線の厚み方向に沿って、前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域は、前記補助スポット溶接部の一部の上面と電気的に接触し、または、前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域は、前記補助スポット溶接部の一部の底面と電気的に接触している、
ことを特徴とする請求項11に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項13】
前記サブグリッド線の配列方向に沿って、前記補助スポット溶接部の幅は、前記サブグリッド線の幅より大きい、
ことを特徴とする請求項11に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項14】
前記補助スポット溶接部と前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域が互いに重なる部分の長さをL5とし、0.05mm≦L5≦1.5mmを満たしている、
ことを特徴とする請求項11に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項15】
前記サブグリッド線の長さ方向に沿った前記補強グリッドの長さをLとし、0.05mm≦L≦1.5mmである、
ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項16】
平行に配列された複数のサブグリッド線と、複数の補強グリッドと、を備え、
各前記サブグリッド線が複数の切断部を含み、
それぞれの前記補強グリッドがそれぞれの前記切断部に位置し、前記補強グリッドが前記サブグリッド線と平行であり、前記補強グリッドの両端が前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域にそれぞれ電気的に接触し、前記補強グリッドがPVリボンと電気的に接触することに用いられ、ここで、前記補強グリッドの印刷ペーストが前記サブグリッド線の印刷ペーストと異なっている、
ことを特徴とする太陽電池スクリーン版。
【請求項17】
前記サブグリッド線の配列方向に沿って、前記補強グリッドの幅は前記サブグリッド線の幅より大きい、
ことを特徴とする請求項16に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項18】
前記サブグリッド線の長さ方向に沿って、前記補強グリッドの側面は、前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域と電気的に接触しており、または、
前記補強グリッドの両側に位置する補助スポット溶接部を含み、一部の長さの前記補助スポット溶接部が前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域と互いに重なりかつ電気的に接触している、
ことを特徴とする請求項16に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項19】
前記サブグリッド線の厚み方向に沿って、前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域は、前記補助スポット溶接部の一部の上面と電気的に接触し、または、前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域は、前記補助スポット溶接部の一部の底面と電気的に接触している、
ことを特徴とする請求項18に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項20】
前記サブグリッド線の配列方向に沿って、前記補助スポット溶接部の幅は、前記サブグリッド線の幅より大きく、前記補助スポット溶接部の幅は、前記補強グリッドの幅以上である、
ことを特徴とする請求項19に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項21】
前記補助スポット溶接部の前記補強グリッドから離れた側の前記サブグリッド線の配列方向における幅を第1幅とし、前記補助スポット溶接部と前記補強グリッドとの接触面の前記サブグリッド線の配列方向における幅を第2幅とし、前記第1幅は前記第2幅より大きい、
ことを特徴とする請求項20に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項22】
前記第1幅は、0.02mm≦W1≦1.5mmを満たしている、
ことを特徴とする請求項21に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項23】
パッシベーション層をさらに含み、前記補強グリッドが前記パッシベーション層の表面に位置し、前記サブグリッド線が前記パッシベーション層の表面に位置し、且つ前記パッシベーション層の厚みを貫通し、前記補助スポット溶接部が前記パッシベーション層の厚みを貫通しない、
ことを特徴とする請求項18に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項24】
前記補助スポット溶接部と前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域とが互いに重なる部分の長さをL6とし、0.05mm≦L6≦1.5mmを満たしている、
ことを特徴とする請求項18に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項25】
前記サブグリッド線の長さ方向に沿って、前記補強グリッドの長さL4は、0.02mm≦L4≦2mmを満たしている、
ことを特徴とする請求項16に記載の太陽電池スクリーン版。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか1項に記載の太陽電池スクリーン版を備える、
ことを特徴とする太陽電池セル。
【請求項27】
前記太陽電池セルの形状が正方形であり、辺長をDとし、D=182mmである、
ことを特徴とする請求項26に記載の太陽電池セル。
【請求項28】
請求項26~27のいずれか1項の太陽電池セルで接続されて形成されたセルストリングと、
前記太陽電池セルを接続するためのPVリボンと、
前記セルストリングの表面及び前記PVリボンの表面を覆うための封止用接着フィルムと、
前記封止用接着フィルムの前記セルストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートと、を備える、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項29】
切断部は、メイングリッド線とサブグリッド線との交差する箇所に位置し、補強グリッドが前記メイングリッド線と電気的に接触し、前記PVリボンが前記メイングリッド線と電気的に接触する、
ことを特徴とする請求項28に記載の光起電力モジュール。
【請求項30】
切断部は、前記PVリボンとサブグリッド線との交差する箇所に位置し、前記PVリボンが前記補強グリッドと電気的に接触する、
ことを特徴とする請求項28に記載の光起電力モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2023年01月05日に出願された「太陽電池スクリーン版と太陽電池セル」という名称の中国特許出願202320021230.0に基づく優先権を主張し、その開示全体は援用により本願に組み込まれるものとする。
(発明の分野)
【0002】
本発明の実施例は、光起電力セルの分野に関し、特に、太陽電池スクリーン版及び太陽電池セル、光起電力モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0003】
太陽電池は光電効果または光化学効果によって光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。単一の太陽電池だけでは直接発電できない。複数の太陽電池をPVリボンによって、直列/並列接続し、厳密にモジュールとしてパッケージングしてはじめて使用することができる。太陽電池モジュール(ソーラーパネルとも呼ばれる)は、太陽光発電システムの中核部分であり、太陽光発電システムの中で最も重要な部分でもある。太陽電池モジュールの役割は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、蓄電池に送って貯蔵したり、設備の運転を駆動したりすることである。
【0004】
電池セルは非常に脆弱で、電池セルを保護するために、電池モジュールの上下表面に接着フィルムとカバープレートを設置する必要がある。カバープレートは一般的に太陽光発電ガラスであり、太陽光発電ガラスは直接電池セルの上面に付着されることができず、その中で接着作用を果たす接着フィルムは必要である。電池セル同士間の接続には通常、電流を収集するためのPVリボンが必要であり、通常のPVリボンではハンダ付け時にハンダ付けによりPVリボンと細いグリッドとの間を合金化させる必要がある。しかし、PVリボン中のハンダの融点は一般的に高く、実際のハンダ付け過程において、ハンダ付け温度はハンダの融点よりも20℃以上高い。電池セルはハンダ付け中に反り変形が大きいため、ハンダ付け後の隠れクラックのリスクが大きく、破片率が高い。上記の背景の下で、ハンダ付け品質を改善するために、低温PVリボン及びメイングリッドレス技術が生まれたが、モジュールの歩留まりに影響する要因は多く、例えば、PVリボンと細いグリッド間のハンダ付け効果やハンダ付け歩留まりなどがある。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、太陽電池スクリーン版及び太陽電池セル、光起電力モジュールを提供する。
【0006】
本願のいくつかの実施例によって、本願の実施例の1つの形態では、太陽電池スクリーン版が提供され、太陽電池スクリーン版は、平行に配列された16本のメイングリッド線と、平行に配列されたサブグリッド線及び補強グリッドと、を備え、前記サブグリッドが前記メイングリッド線に対して垂直であり、前記サブグリッド線が切断部を含み、前記切断部が前記メイングリッド線と前記サブグリッド線の交差する箇所に位置し、前記補強グリッドが前記切断部に位置し、前記補強グリッドが前記サブグリッド線と平行であり、前記メイングリッド線が前記補強グリッドを貫通する。
【0007】
本願のいくつかの実施例によって、本願の実施例の別の形態では、さらに、太陽電池スクリーン版が提供され、太陽電池スクリーン版は、平行に配列された複数のサブグリッド線と、複数の補強グリッドと、を備え、各前記サブグリッド線が複数の切断部を含み、それぞれの前記補強グリッドがそれぞれの前記切断部に位置し、前記補強グリッド線が前記サブグリッド線と平行であり、前記補強グリッドの両端が前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域にそれぞれ電気的に接触し、前記補強グリッドは、前記メイングリッド線に電気的に接触し、またはPVリボンと電気的に接触することに用いられ、ここで、前記補強グリッドの印刷ペーストが前記サブグリッド線の印刷ペーストと異なっている。
【0008】
本願のいくつかの実施例によって、本願の実施例の別の形態では、さらに、太陽電池スクリーン版が提供され、太陽電池スクリーン版は、平行に配列された複数のサブグリッド線と、複数の補強グリッドと、を備え、各前記サブグリッド線が複数の切断部を含み、それぞれの前記補強グリッドがそれぞれの前記切断部に位置し、前記補強グリッドが前記サブグリッド線と平行であり、前記補強グリッドの両端が前記サブグリッド線の前記切断部以外の領域にそれぞれ電気的に接触し、前記補強グリッドが前記PVリボンと電気的に接触することに用いられ、ここで、前記補強グリッドの印刷ペーストが前記サブグリッド線の印刷ペーストと異なっている。
【0009】
本願のいくつかの実施例によって、本願の実施例の別の形態では、さらに、太陽電池セルが提供され、太陽電池セルは、上記の実施例のいずれかに1項に記載された太陽電池スクリーン版を含む。
【0010】
本願のいくつかの実施例によって、本願の実施例の別の形態では、さらに、光起電力モジュールが提供され、光起電力モジュールは、上記の実施例のいずれか1項に記載された複数の太陽電池セルで接続されて形成されたセルストリングと、前記太陽電池セルを接続するためのPVリボンと、前記セルストリングの表面及び前記PVリボンの表面を覆うための封止用接着フィルムと、前記封止用接着フィルムの前記セルストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付の図面において同じ符号で示す部品は類似する部品であり、特に断りのない限り、添付の図面における図は縮尺に制限されない。本願の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例に使用する必要がある図面を簡単に紹介するが、明らかに、以下に記載される図面は本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は、太陽電池スクリーン版の一実施例の模式図である。
【
図2】
図2は、太陽電池スクリーン版の別の実施例の模式図である。
【
図3】
図3は、太陽電池スクリーン版におけるスポット溶接部の模式図である。
【
図5】
図5は、太陽電池スクリーン版におけるサブグリッド線の上面図である。
【
図6】
図6は、太陽電池スクリーン版における補強グリッドの上面図である。
【
図7】
図7は、太陽電池スクリーン版の一実施例の上面図である。
【
図8】
図8は、
図7のA1-A2に沿った第1種の断面構造を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7のA1-A2に沿った第2種の断面構造を示す図である。
【
図10】
図10は、太陽電池スクリーン版の第2の実施例の上面図である。
【
図13】
図13は、太陽電池スクリーン版における補強グリッドの第1模式図である。
【
図14】
図14は、太陽電池スクリーン版における補強グリッドの第2模式図である。
【
図15】
図15は、光起電力モジュールの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本願の例示的な実施例について詳細に説明する。なお、特に明記されていない限り、これらの実施例に記載された部材とステップの相対的な配置、数式及び数値は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0013】
以下の少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、実際には例示的なものであり、本願およびその応用または使用を限定するものではない。
【0014】
当業者の周知した技術、方法および装置は、詳しく説明されないかもしれないが、適切な場合、前記技術、方法および装置は、明細書の一部とみなされるべきである。
【0015】
ここで示され、検討されたすべての例において、いかなる具体的な値は、単なる例示として解釈され、制限として解釈されるべきではない。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を持ってもよい。
【0016】
なお、類似した記号と文字は、下記の図面で類似した項目を示している。このゆえに、ある項目が1つの図面で定義されると、次の図面ではそれ以上検討する必要がない。
【0017】
以下、本願の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本願の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる。
【0018】
図1は、太陽電池スクリーン版の一実施例の模式図であり、
図2は、太陽電池スクリーン版の別の実施例の模式図であり、
図3は、太陽電池スクリーン版におけるスポット溶接部の模式図であり、
図4は、太陽電池セルの模式図であり、
図5は、太陽電池スクリーン版におけるサブグリッド線の上面図であり、
図6は、太陽電池スクリーン版における補強グリッドの上面図であり、
図7は、太陽電池スクリーン版の一実施例の上面図であり、
図8は、
図7のA1-A2に沿った第1種の断面構造を示す図であり、
図9は、
図7のA1-A2に沿った第2種の断面構造を示す図であり、
図10は、太陽電池スクリーン版の第2の実施例の上面図であり、
図11は、
図10のA1-A2に沿った第1種の断面構造を示す図であり、
図12は、
図10のA1-A2に沿った第2種の断面構造を示す図であり、
図13は、太陽電池スクリーン版における補強グリッドの第1模式図であり、
図14は、太陽電池スクリーン版における補強グリッドの第2模式図である。
【0019】
図1~
図14に示すように、太陽電池スクリーン版は、平行に配列された複数のサブグリッド線20と、複数の補強グリッド30と、を含み、各サブグリッド線20が複数の切断部21を含み、それぞれの補強グリッド30がそれぞれの切断部21に位置し、補強グリッド30がサブグリッド線20に平行であり、補強グリッド30の両端がそれぞれサブグリッド線20の切断部21以外の領域と電気的に接触し、補強グリッド30は、メイングリッド線10と電気的接触するか、またはPVリボン40と電気的接触することに用いられ、ここで、補強グリッド30の印刷ペーストがサブグリッド線20の印刷ペーストと異なっている。
【0020】
いくつかの実施例では、太陽電池スクリーン版は太陽電池セルの一部であり、太陽電池セルは、通常のIBC電池(インターデジタルバックコンタクト、Interdigitated Back Contact)、TOPCON(Tunnel Oxide Passivated Contact、トンネル酸化膜パッシベーションコンタクト)電池、PERC電池(不動態化エミッタ及び裏面セル、Passivated emitter and real cell)及びヘテロ接合型電池などのうちのいずれか1種であってもよい。いくつかの実施例では、太陽電池セルは、化合物電池であってもよく、化合物は、シリコンゲルマニウム、炭化ケイ素、ガリウム砒素、ガリウム化インジウム、ペロブスカイト、テルル化カドミウム、セレン化銅インジウムなどを含むが、これらに限定されない。
【0021】
太陽電池セルは、順次積層された基板100及びパッシベーション層101を含む。基板100の材料は、元素半導体材料であってもよい。具体的には、元素半導体材料は単一の元素、例えばシリコンからなる。ここで、元素半導体材料は、単結晶状態、多結晶状態、アモルファス状態または微結晶状態(単結晶状態とアモルファス状態の両方を有する状態は微結晶状態と呼ばれる)であってもよく、例えば、シリコンは単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンまたは微結晶シリコンのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0022】
いくつかの実施例では、基板100の材料は化合物半導体材料であってもよい。通常の化合物半導体材料は、シリコンゲルマニウム、炭化ケイ素、ガリウム砒素、ガリウム化インジウム、ペロブスカイト、テルル化カドミウム、セレン化銅インジウムなどの材料を含むが、これらに限定されない。基板100は、サファイア基板、絶縁体上のシリコン基板または絶縁体上のゲルマニウム基板であってもよい。
【0023】
いくつかの実施例では、基板100は、N型半導体基板またはP型半導体基板であってもよい。N型半導体基板内にはN型ドーピング元素がドープされており、N型ドーピング元素はリン(P)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)またはヒ素(As)などのV族元素のうちのいずれかであってもよい。P型半導体基板内にはP型元素がドープされており、P型ドーピング元素はホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)またはインジウム(In)などのIII族元素のうちのいずれかであってもよい。
【0024】
基板100は、対向する第1側及び第2側を含む。太陽電池セルが非IBC電池である場合、太陽電池セルは、基板の第1側に位置するエミッタおよび第1パッシベーション層と、基板の第2側に位置する第2パッシベーション層と、を含み、第1電極が第1パッシベーション層を貫通してエミッタと電気的に接触し、第2電極が第2パッシベーション層の厚みを貫通して第2側と電気的に接触する。パッシベーション層101が第1パッシベーション層である場合、サブグリッド線20が第1電極であり、パッシベーション層101が第2パッシベーション層である場合、サブグリッド線20が第2電極である。
【0025】
太陽電池セルがIBC電池である場合、太陽電池セルは、基板100の第1側に位置する第1パッシベーション層と、基板の第1側に位置し、かつ順次間隔をあけて配列された第1ドーピング領域および第2ドーピング領域とを含み、第2パッシベーション層が第1ドーピング領域と第2ドーピング領域を覆い、第1電極が第2パッシベーション層を貫通して第1ドーピング領域と電気的に接触し、第2電極が第2パッシベーション層を貫通して第2ドーピング領域と電気的に接触する。パッシベーション層101は第2パッシベーション層であり、サブグリッド線20は第1電極または第2電極である。
【0026】
いくつかの実施例では、太陽電池セルがTOPCONセルである場合、太陽電池セルは、積層されたトンネル誘電体層及びドープ導電層をさらに含み、トンネル誘電体層が基板100の表面に位置し、サブグリッド線20がパッシベーション層101を溶落ちしてドープ導電層と電気的に接触する。
【0027】
いくつかの実施例では、パッシベーション層101の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸炭窒化シリコン、酸化チタン、酸化ハフニウムまたは酸化アルミニウムなどの材料のうちのいずれか1つまたは複数を含む。
【0028】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20は、太陽電池セルのサブグリッドであり、サブグリッド線20が溶落ち型ペーストで焼結されて形成されることができる。サブグリッド線20を形成する方法は、スクリーン印刷工程を利用してパッシベーション層の表面の一部に金属ペーストを印刷することを含む。金属ペーストは、銀、アルミニウム、銅、錫、金、鉛またはニッケルのうち少なくとも1つを含むことができる。金属ペーストに対して焼結工程を行う。いくつかの実施例では、金属ペーストにはガラスなどの腐食性の高い成分が含まれており、焼結中に腐食性成分がパッシベーション層101を腐食するため、金属ペーストがパッシベーション層中に浸透して基板100と電気的に接触するようになる。
【0029】
いくつかの実施例では、各サブグリッド線20は、いずれも複数の切断部21と第1グリッド線22とを含んでおり、切断部21とは、隣接する第1グリッド線22間の不連続であることを指し、即ち、第1グリッド線22間の領域に金属ペーストが印刷されず、サブグリッド線20間の領域が途切れている。
【0030】
いくつかの実施例では、太陽電池セルは、メイングリッド電池であり、即ち、太陽電池セルには、さらにメイングリッド線10も含まれており、メイングリッド線10は、PVリボン40と電気的に接触することに用いられ、これによって、PVリボン40と電池セルとの間のハンダ付け性能を向上させ、光起電力モジュールの歩留まりを高めることができる。メイングリッド線10の印刷ペーストの組成は、サブグリッド線20の印刷ペーストの組成と異なっており、メイングリッド線10の印刷ペーストはパッシベーション層101を溶落ちして基板と電気的に接触せず、これに対し、サブグリッド線20の印刷ペーストは焼結工程でパッシベーション層101を溶落ちして基板100と電気的に接触する。
【0031】
いくつかの実施例では、補強グリッド30の両端は、それぞれ第1グリッド線22と電気的に接触している。太陽電池セルがメイングリッド電池の場合、補強グリッド30とメイングリッド線10が電気的に接触し、メイングリッド線10とサブグリッド線20の間のハンダ付け性能を高めている。太陽電池セルがメイングリッドレス電池の場合、補強グリッド30とPVリボン40が電気的に接触し、電池セルとPVリボン40との間のハンダ付け性能を高めている。
【0032】
いくつかの実施例では、
図11に示すように、PVリボン40の断面形状は、円形であってもよく、円形のPVリボンであると、配向の問題及び位置合わせの問題がなく、量産が容易である。いくつかの実施例では、PVリボン40の断面形状は、三角形、矩形または他の任意の形状であってもよく、これによって、PVリボンと補強グリッドとの接触面積を増やし、PVリボン40と補強グリッドとの位置合わせずれの問題を低減することができる。
【0033】
いくつかの実施例では、PVリボン40の寸法は、160~300μmであり、1つの電池セルに設けられるPVリボンの数が12~30本である。PVリボン40の寸法は、160~180μm、181~200μm、201~220μm、221~240μm、241~280μm、281~300μmである。
【0034】
いくつかの実施例では、補強グリッド30の印刷ペーストは、サブグリッド線20の印刷ペーストと異なっており、補強グリッド30の印刷ペーストは、メイングリッド線10の印刷ペーストと同じで、補強グリッド30は、パッシベーション層101の厚みを貫通せずに、第1グリッド線22と電気的に接触している。これにより、補強グリッド30とPVリボン40の間の接触性能が良好であり。そして、補強グリッド30は、パッシベーション層101を溶落ちする必要がなく、これによって、焼結工程の時間を短縮して電池セルの熱損傷を低下させることができる。
【0035】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の長さ方向Xに沿って、補強グリッド30の側面は、サブグリッド線20の切断部21以外の領域と電気的に接触している。補強グリッド20の側面は、第1グリッド線22の側面と電気的に接触している。いくつかの実施例では、サブグリッド線20の厚み方向に沿って、補強グリッド30の上下の先端面のいずれかが第1グリッド線22と電気的に接触し、第1グリッド線22と補強グリッド30の接触面積を増やし、第1グリッド線22と補強グリッド30のオーバープリント中の位置ずれの問題も低減し、電池セルの歩留まりを高めている。
【0036】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の長さ方向Yに沿った補強グリッド30の長さをLとし、0.05mm≦L≦1.5mmである。ここで、Lは、
図1、
図8および
図9のL2、または
図11~
図12のL4であってもよい。太陽電池セルがメイングリッド電池である場合、補強グリッド30の長さは、メイングリッド線10と補強グリッド30の間を位置合わせる時に、位置合わせの基準となる領域が大きいことを確保し、メイングリッド線10とサブグリッド線20の精度を向上させ、メイングリッド線10とサブグリッド線20の接続性能を高めることができる。補強グリッド30の長さが長すぎと、セルの電流収集面積を減少し、電池効率を下げる。同様に、太陽電池がメイングリッドレス電池である場合、補強グリッド30の長さは、PVリボン40と補強グリッド30の間の位置合わせ領域を確保し、PVリボン40とセルの接触する領域がいずれも補強グリッド30であることを確保し、セルとPVリボン40の間の接触面積と接触性能を高めることができる。同様に、補強グリッド30の長さが長すぎと、セルの電流収集面積を減少し、電池効率を下げる。
【0037】
いくつかの実施例では、
図13に示すように、太陽電池スクリーン版は、さらに、補強グリッド30の両側に位置する補助スポット溶接部31を含み、一部の長さの補助スポット溶接部31がサブグリッド線20の切断部21以外の領域と互いに重なりかつ電気的に接触している。補助スポット溶接部31と補強グリッド30は、一体成形された構造であり、補助スポット溶接部31もメイングリッドの印刷ペーストから作られている。
【0038】
いくつかの実施例では、補助スポット溶接部31は、補強グリッド30とサブグリッド線20の間の位置合わせの精度を高めることに用いられ、サブグリッド線20と補強グリッド30の間に変位及び位置ずれが生じてしまい、サブグリッド線20と補強グリッド30の間の接触抵抗が大きすぎたり、グリッドが切れたりするなどの問題を避けることができる。補助スポット溶接部31は、さらに、補強グリッド30とサブグリッド線20との間の接触面積を増やすことに用いられ、補強グリッド30とサブグリッド線20との間の接続性能を確保し、ひいてはPVリボン40と電池セルとの間のハンダ付け性能を確保し、PVリボン40と電池セルとの間のアンソールダリングを避けることができる。
【0039】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の厚み方向に沿って、サブグリッド線20の切断部21以外の領域は、補助スポット溶接部31の一部の上面と電気的に接触し、または、サブグリッド線20の切断部21以外の領域は、補助スポット溶接部31の一部の底面と電気的に接触している。サブグリッド線20の厚み方向に沿って、第1グリッド線22は、補助スポット溶接部31の一部の上面と電気的に接触し、または、第1グリッド線22は、補助スポット溶接部31の底面の一部と電気的に接触している。サブグリッド線20の長さ方向Xに沿って第1グリッド線22と補助スポット溶接部31との間の側面同士が電気的に接触することに比べて、補助スポット溶接部31と第1グリッド線22との間の接触面積を増やし、第1グリッド線22と補助スポット溶接部31との間の接触抵抗を低減し、ひいては電池効率を高めている。
【0040】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の配列方向Yに沿って、補助スポット溶接部31の幅は、サブグリッド線20の幅より大きい。補助スポット溶接部31の幅が大きいと、補助スポット溶接部31を印刷し、さらにサブグリッド線20を二次オーバープリントする場合、幅が大きな補助スポット溶接部31は、各サブグリッド線20と補強グリッド30との間の偏差範囲が大きくなることを確保し、電池セルの歩留まりを高めることができる。
【0041】
なお、補助スポット溶接部31の幅は、サブグリッド線20の幅より大きいとはいうものの、大きすぎてはいけず、太陽電池セルの遮蔽面積を減少し、電池効率を高めることができる。
【0042】
いくつかの実施例では、補助スポット溶接部31は、
図2に示すような正方形であってもよいし、
図13に示すような台形であってもよい。本願では補助スポット溶接部の形状を特に限定せず、補助スポット溶接部の幅がサブグリッド線の幅より大きくなるようにすればよい。
【0043】
いくつかの実施例では、補助スポット溶接部31のサブグリッド線の長さ方向Xにおける長さL3の範囲は、0.05mm≦L3≦1.5mmである。L3の長さは、第1グリッド線22と補助スポット溶接部31との接触面積を確保することに用いられる。
【0044】
いくつかの実施例では、補助スポット溶接部31とサブグリッド線20の切断部21以外の領域が互いに重なる部分の長さをL5とし、0.05mm≦L5≦1.5mmを満たしている。補助スポット溶接部31と第1グリッド線22が互いに重なる長さは、L5であり、補強グリッド30と第1グリッド線22も電気的に接触しているため、
図13に示す部分の長さL5は、補助スポット溶接部31のサブグリッド線20の長さ方向Xにおける長さL3に等しい。
【0045】
いくつかの実施例では、補助スポット溶接部31の補強グリッド30から離れた側のサブグリッド線20の配列方向Yにおける幅を第1幅W1とし、補助スポット溶接部31と補強グリッド30との接触面のサブグリッド線20の配列方向Yにおける幅を第2幅W2とし、第1幅W1は第2幅W2より大きい。これにより、サブグリッド線を二次オーバープリントする場合、大きな第1幅W1の補助スポット溶接部31は、各サブグリッド線20と補強グリッド30との間の偏差範囲が大きくなることを確保し、電池セルの歩留まりを高めることができる。また、第1幅W1と第2幅W2との差によって、補助スポット溶接部31のサブグリッド線20の配列方向Yに沿った側面がガイドスロットとなり、補助スポット溶接部31の遮蔽面積を減少させると同時に、サブグリッド線20と補強グリッド30との位置合わせの成功率を高めることができる。
【0046】
いくつかの実施例では、第1幅W1の範囲は、0.02mm≦W1≦1.5mmである。第1幅W1の範囲は、0.02mm~0.8mm、0.18mm~1.39mm、0.2mm~1.5mm、0.9mm~1.48mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1.3mmまたは0.09mm~0.8mmであってもよい。第1幅W1は、0.06mm、0.58mm、0.77mm、0.98mm、1.19mm、1.28mm、1.33mm、1.42mmまたは1.5mmであってもよい。
【0047】
第2幅W2の範囲は、0.02mm≦W2≦2mmである。第2幅W2の範囲は、0.02mm~1.21mm、0.18mm~1.68mm、0.2mm~1.97mm、0.9mm~1.59mm、0.5mm~1.31mm、0.6mm~1.38mmまたは0.09mm~0.94mmであってもよい。第2幅W2は、0.06mm、0.78mm、1.22mm、1.58mm、1.67mm、1.78mm、1.87mm、1.92mmまたは2mmであってもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、
図14に示すように、補強グリッド30は、サブグリッド線20の長さ方向Xに沿った第1部33及び第2部32を含み、第1部33が第1グリッド線22と接触し、第2部32がPVリボン40またはメイングリッド線10と接触することに用いられる。第1部33の第2部32から離れた一端の第3幅W3は、第1部33と第2部32との接触面の第4幅W4より大きく、サブグリッド線20を二次オーバープリントする場合、大きな第3幅W3の第1部33は、各サブグリッド線20と補強グリッド30との偏差範囲が大きくなることを確保し、電池セルの歩留まりを高めている。また、第3幅W3と第4幅W4との差によって、第1部33のサブグリッド線20の配列方向Yにおける側面がガイドスロットとなり、補強グリッド30の遮蔽面積を減少させると同時に、サブグリッド線20と補強グリッド30との位置合わせの成功率を高めている。
【0049】
いくつかの実施例では、第2部32の長さL7の範囲は、0.01mm≦L7≦1.5mmである。L7の範囲は、0.01mm~0.17mm、0.18mm~1.31mm、0.23mm~1.5mm、0.88mm~1.48mm、0.5mm~1.1mm、0.6mm~1.27mmまたは0.09mm~0.92mmであってもよい。L7は、0.01mm、0.29mm、0.38mm、0.76mm、1.02mm、1.16mm、1.29mm、1.41mmまたは1.5mmであってもよい。
【0050】
いくつかの実施例では、第1部33の長さL8の範囲は、0.05mm≦L8≦1.5mmである。L8の範囲は、0.06mm~0.17mm、0.2mm~1.38mm、0.25mm~1.48mm、0.93mm~1.42mm、0.46mm~1.12mm、0.7mm~1.8mmまたは0.14mm~1.45mmであってもよい。L8は、0.05mm、0.28mm、0.41mm、0.86mm、1.08mm、1.14mm、1.24mm、1.43mmまたは1.5mmであってもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、第3幅W3の範囲は、0.02mm≦W3≦1.5mmである。第3幅W3の範囲は、0.02mm~0.8mm、0.18mm~1.39mm、0.2mm~1.5mm、0.9mm~1.48mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1.3mmまたは0.09mm~0.8mmであってもよい。第3幅W3は、0.06mm、0.58mm、0.77mm、0.98mm、1.19mm、1.28mm、1.33mm、1.42mmまたは1.5mmであってもよい。
【0052】
第4幅W4の範囲は、0.02mm≦W4≦2mmである。第4幅W4の範囲は、0.02mm~1.21mm、0.18mm~1.68mm、0.2mm~1.97mm、0.9mm~1.59mm、0.5mm~1.31mm、0.6mm~1.38mmまたは0.09mm~0.94mmであってもよい。第4幅W4は、0.06mm、0.78mm、1.22mm、1.58mm、1.67mm、1.78mm、1.87mm、1.92mmまたは2mmであってもよい。
【0053】
以下では、図面を参照して太陽電池セルがメイングリッド電池である実施例と太陽電池セルがメイングリッドレス電池である実施例についてそれぞれ説明する。
【0054】
太陽電池がメイングリッド電池である場合、光起電力業界では、通常の2分割モジュールは、いずれも電池セルにPVリボンをハンダ付けする方式で接続されている。電池セルの発展に伴い、現在、電池セル設計におけるMBBと両面電池技術は、結晶シリコン電池の主流技術となっている。PVリボンとメイングリッド線との相互接触もSMBB技術の発展に伴い、より重要になってきている。従来の16メイングリッド設計の電池セルは、従来の9メイングリッド電池セルと比べて、メイングリッド数の増加、1本のメイングリッド接続線の狭幅化およびスポット溶接部の最適化設計により、遮光面積の低減と電池収集能力の向上を両立させ、電池変換効率を0.3%以上高め、銀ペーストの単位消費量も10mg以上低減させているが、メイングリッド数の増加は、PVリボンのハンダ付け効果の向上にもチャレンジをもたらしている。メイングリッドとサブグリッドの高さが異なっているため、メイングリッドとサブグリッドの境界部には、PVリボン隆起によるハンダ付け不良の問題が生じる。
【0055】
これに鑑みて、本願の実施例では、PVリボンのハンダ付け不良の問題を改善するための太陽電池スクリーン版と太陽電池セルを提供する。
【0056】
図1に示すように、本願には、太陽電池スクリーン版100が提供され、平行に配列された16本のメイングリッド線10と、平行に配列されたサブグリッド線20および補強グリッド30と、を備え、サブグリッド線20がメイングリッド線10と垂直であり、サブグリッド線20が切断部21を含み、切断部21がメイングリッド線10とサブグリッド線20の交差する箇所に位置し、補強グリッド30が切断部21に位置し、補強グリッド30がサブグリッド線20に平行であり、メイングリッド線10が補強グリッド30を貫通する。
【0057】
具体的には、太陽電池セルでは、サブグリッド線20が太陽電池セル全体にわたって設けられ、光電効果で発生した電流を収集することに用いられ、メイングリッド線10がサブグリッド線20と働動して電流を輸送し、ひいてはメイングリッド線10にハンダ付けされたPVリボン40によって電流を回路に導通させることに用いられる。本願によって提供された太陽電池スクリーン版100は、16本のメイングリッド線10と、複数本のサブグリッド線20と、を備え、メイングリッド線10が互いに平行であり、サブグリッド線20が互いに平行であり、サブグリッド線20がメイングリッド線10に垂直であり、メイングリッド線10間のピッチが10.8mmであり、サブグリッド線20間の距離が1.4mm~1.6mmであり、サブグリッド線20が切断部21を含み、切断部21がメイングリッド線10とサブグリッド線20の交差する箇所に位置し、切断部21に補強グリッド30が設けられ、補強グリッド30がサブグリッド線20に平行であり、メイングリッド線10が補強グリッド30を貫通する。このように設置することで、サブグリッド線20とメイングリッド線10の間に存在する段差によるメイングリッド線10とサブグリッド線20の境界部PVリボン40の隆起があってハンダ付け不良が発生する問題を解決し、それとともに、サブグリッド線20は、切断部21と、第1グリッド線22と、を含むため、サブグリッド線20のペーストの消費量を減らし、製造コストを削減している。
【0058】
本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、太陽電池スクリーン版100は、16本のメイングリッド線と116本のサブグリッド線とを含む。
【0059】
理解できるように、太陽電池セルのステップバイステップの印刷過程において、メイングリッド線10とサブグリッド線20の印刷ペーストが異なり、メイングリッド線10内の固形分がより低いため、メイングリッド線10の高さがサブグリッド線20より低く、メイングリッド線10とサブグリッド線20との間の段差によって、PVリボン40がメイングリッド線10とサブグリッド線20との接続部にて架空されるようになり、PVリボン40のハンダ付け不良を招く。本願では、切断部21と補強グリッド30を設けることで、メイングリッド線10とサブグリッド線20との接続部におけるPVリボン40のハンダ付け不良の問題を解決している。ここで、メイングリッド線10のペーストの主成分は、銀粉、アルミニウム粉、ガラス粉、有機担体と添加剤である。サブグリッド線20のペーストの主成分は、メイングリッド線10ペーストの成分と同じであるが、各成分の割合が異なり、銀粉の割合が低下し、アルミニウム粉とガラス粉の含有量が増加している。
【0060】
引き続き
図1を参照すると、本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、切断部21のサブグリッド線20の長さ方向における長さをL1とし、0.3mm≦L1≦1.2mmである。
【0061】
具体的には、切断部21のサブグリッド線20の長さ方向における長さがL1<0.3mmである場合、メイングリッド線10と補強グリッド30に対して十分な位置を留保しておらず、メイングリッド線10とサブグリッド線20の境界部におけるハンダ付け不良の問題を十分に改善することができない。切断部21のサブグリッド線20の長さ方向における長さL1>1.2mmの場合、切断の距離が大きすぎて、サブグリッド線20の光電効果による電流に対する収集に影響する可能性がある。切断部21のサブグリッド線20の長さ方向における長さが0.3mm≦L1≦1.2mmである場合、メイングリッド線10とサブグリッド線20の境界部におけるハンダ付け不良問題を改善すると同時に、切断部21を設けることによるサブグリッド線20への影響を最大限に避けることができる。
【0062】
本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、L1=0.4mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、L1=0.7mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、L1=1.2mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、0.4mm≦L1≦0.8mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、0.6mm≦L1≦1.2mmである。
【0063】
引き続き
図2を参照すると、本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、補強グリッド30のサブグリッド線20の長さ方向における長さをL2とし、0.5mm≦L2≦1.5mmである。
【0064】
具体的には、補強グリッド30は、切断部21に位置し、かつサブグリッド線20と平行であり、メイングリッド線10が補強グリッド30を貫通し、補強グリッド30のサブグリッド線20の長さ方向における長さL2は、切断部21のサブグリッド線20の長さ方向における長さL1よりもわずかに長い。これにより、サブグリッド線20とメイングリッド線10の接続をより良く保障するとともに、PVリボン40が架空されることによるハンダ付け不良の問題を解決することができる。
【0065】
本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、L2=0.5mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、L2=0.8mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、L2=1.4mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、0.5mm≦L2≦1.0mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、0.8mm≦L2≦1.5mmである。
【0066】
引き続き
図1を参照すると、本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、補強グリッド30とメイングリッド線10とが同じペーストで印刷されて一体化されている。
【0067】
具体的には、補強グリッド30をメイングリッド線10の印刷工程で印刷し、補強グリッド30にメイングリッド線10のペーストが使用され、細いグリッドが横切ることがなく、補強グリッド30とメイングリッド接続線を一体化させるように印刷し、これによって、PVリボン40の架空によるハンダ付け不良問題を効果的に解決することができる。メイングリッド線10と補強グリッド30は、同じペーストを使用して一体化されるように印刷し、製造工程において、新たな印刷ペーストを追加する必要がなく、生産が容易である。
【0068】
図1と
図2を参照すると、本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、補強グリッド30の両側に位置する補助スポット溶接部31をさらに含む。
【0069】
具体的には、補強グリッド30の両側に、メイングリッド線から0.4mm~0.5mm離れた位置に補助スポット溶接部31を設ける。理解できるように、補強グリッド30のエッジ幅が不足しているため、メイングリッド線10とサブグリッド線20のオーバープリントがずれており、即ち、メイングリッド線10とサブグリッド線20が接続されず、オーバープリント精度が補強グリッド30の両側エッジの18μmに達していない。これにより、補助スポット溶接部31を増やして、隣接許容可能領域を30μmまで広げることができる。
【0070】
本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、補強グリッド30の両側には、メイングリッド線10から0.435mm離れた位置に補助スポット溶接部31が設けられている。
【0071】
図2を引き続き参照すると、本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、補助スポット溶接部31が正方形であり、辺長をL3とし、0.02mm≦L3≦0.04mmである。
【0072】
具体的には、補強グリッド30の両側に正方形の補助スポット溶接部31を追加して、メイングリッド線10とサブグリッド線20とのオーバープリント位置ずれの問題を改善する。正方形の補助スポット溶接部31の辺長はL3で、0.02mm≦L3≦0.04mmである。本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、L3=0.03mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、L3=0.02mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、L3=0.04mmである。
【0073】
図3を参照すると、本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、スポット溶接部50をさらに含み、スポット溶接部50の形状は、メイングリッド線10の長さ方向に沿って貫通する第1三角形51、第1矩形52および第2三角形53からなる不規則なパターンであり、第1三角形51、第1矩形52および第2三角形53の接続箇所が弧形である。
【0074】
具体的には、本願は、スポット溶接部50を提供し、スポット溶接部50の形状が不規則なパターンであり、具体的な形状は、メイングリッド線10の長さ方向に沿って貫通する第1三角形51、第1矩形52および第2三角形53からなる不規則なパターンであり、ここで、第1三角形51、第1矩形52および第2三角形53の接続部が面取りの弧形として設計されており、熱サイクル信頼性試験において冷熱変換によって引力がスポット溶接部50のエッジと角に集中してスポット溶接部50のエッジと角が剥離してしまうことを防止し、ひいてはモジュール電力減衰程度の増加を避けることができる。
【0075】
図3を引き続き参照すると、本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、スポット溶接部50のメイングリッド線10の幅方向における高さをHとし、0.3mm≦H≦0.5mmである。
【0076】
具体的には、スポット溶接部50のメイングリッド線10の幅方向における高さがHであり、0.3mm≦H≦0.5mmであり、これによって、スポット溶接部50の面積を小さくし、スポット溶接部50の作製に必要な材料を節約し、生産コストを削減している。本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、H=0.3mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、H=0.4mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、H=0.5mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、0.3mm≦H≦0.4mmである。本願によって提供された別の選択可能な実施形態では、0.4mm≦H≦0.5mmである。
【0077】
図4を参照すると、本願の実施例には、同じ発明構想に基づいて、上記の実施形態によって提供されたいずれか1種の太陽電池スクリーン版を含む太陽電池セルが提供される。
【0078】
本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、太陽電池セルの形状が正方形であり、辺長がDで、D=182mmである。太陽電池セルの辺長はD=182mmであり、メイングリッド線10の本数は16本である。
【0079】
図1~
図4または
図7~
図9に示すように、本願によって提供された1つの選択可能な実施形態では、太陽電池セルは、その辺長がD=182mmであり、互いに平行な16本のメイングリッド線10と、互いに平行な132本のサブグリッド線20とを含み、サブグリッド線20がメイングリッド線10と垂直であり、メイングリッド線10間のピッチが10.8mmであり、サブグリッド線20間の距離が1.5mmであり、メイングリッド線10とサブグリッド線20の接続部において、サブグリッド線20がメイングリッド線10の両側にて切断され、切断部21が形成され、切断部21のサブグリッド線20長さ方向における長さL1=0.7117mmであり、補強グリッド30をメイングリッド線10の印刷工程で印刷し、補強グリッド30とメイングリッド線10とは、印刷ペーストが同じであり、一緒に印刷されて一体化されるため、サブグリッド線20が横切ることなく、PVリボン40でハンダ付けされた全ての領域がいずれもメイングリッド線10のペーストで印刷されており、PVリボン40の架空によるハンダ付け不良の問題を効果的に解決できる。補強グリッド30において、補強グリッド30の両側のメイングリッド線から0.435mm離れた位置に正方形の補助スポット溶接部31を設け、補助スポット溶接部31の辺長L3=0.03mmであり、メイングリッド線10とサブグリッド線20のオーバープリント位置ずれ問題を改善することができる。スポット溶接部50は、不規則な形状として設計されており、スポット溶接部50の形状がメイングリッド線10の長さ方向に沿って貫通する第1三角形51、第1矩形52および第2三角形53からなる不規則なパターンであり、第1三角形51、第1矩形52および第2三角形53の接続箇所が弧形であり、これによって、熱サイクル信頼性試験で冷熱変換による引力がスポット溶接部50のエッジと角に集中してスポット溶接部50のエッジと角が剥離することを防止し、ひいてはモジュールの電力減衰程度の増加を避けることができる。同時に、スポット溶接部50のメイングリッド線10の幅方向における高さをHとし、0.3mm≦H≦0.5mmであり、これによって、スポット溶接部50の面積を小さくし、スポット溶接部50の作製に必要な材料を節約し、生産コストを削減している。
【0080】
なお、図中のメイングリッド線10とサブグリッド線20の数とピッチは、実際の数量とピッチを示すものではなく、例示的なものだけである。
【0081】
上記の実施例から分かるように、本願の実施例で提供された太陽電池スクリーン版及び太陽電池セルは、少なくとも下記のような有益な効果を実現している。
【0082】
本願には、太陽電池スクリーン版及び太陽電池セルが提供され、太陽電池スクリーン版は、平行配列された16本のメイングリッド線と、平行配列されたサブグリッド線及び補強グリッドと、を含み、サブグリッド線がメイングリッド線と垂直であり、サブグリッドが切断部を含み、切断部がメイングリッド線とサブグリッド線との交差する箇所に位置し、補強グリッドが切断部に位置し、補強グリッドがサブグリッド線と平行であり、メイングリッド線が補強グリッドを貫通する。太陽電池セルは、太陽電池スクリーン版を含む。このように設置することで、サブグリッド線とメイングリッド線との間に存在する段差によるメイングリッド線とサブグリッド線との境界部におけるPVリボンの隆起によって発生したハンダ付け不良の問題を解決するとともに、サブグリッド線が分断部を含み、サブグリッド線のペーストの消費量を減らし、製造コストを削減している。
【0083】
太陽電池がメイングリッドレス電池である場合、太陽電池スクリーン版は、平行配列された複数のサブグリッド線20と、複数の補強グリッド30と、を含み、各サブグリッド線20が複数の切断部21を含み、各補強グリッド30が各切断部21に位置し、補強グリッド30がサブグリッド線20に平行であり、補強グリッド30の両端がそれぞれサブグリッド線20の切断部21以外の領域と電気的に接触し、補強グリッド30がPVリボン40と電気的に接触することに用いられ、ここで、補強グリッド30の印刷ペーストがサブグリッド線20の印刷ペーストと異なっている。
【0084】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の配列方向Yに沿って、補強グリッド30の幅はサブグリッド線20の幅より大きい。補強グリッド30の幅は、補強グリッド30とPVリボン40との接触面積を大きくすることに用いられ、電池セルとPVリボン40とのハンダ付け面積を大きくし、ひいては電池セルとPVリボン40とのハンダ付け性能を向上させ、これによって光起電力モジュールの歩留まりを高め、電池セルとPVリボン40との間のアンソールダリングを避けることができる。一方、補強グリッド30の幅は、サブグリッド線20と補強グリッド30とのオーバープリントの位置合わせ成功率を高めることに用いられる。補強グリッド30の幅は、サブグリッド線20の幅より大きく、ハンダ付け性能と位置合わせ成功率を確保すると同時に、サブグリッド線20の使用量とサブグリッド線20の遮蔽面積を低下させ、電池効率の向上に役立つ。
【0085】
いくつかの実施例では、補強グリッド30の長さL4は、0.05mm≦L4≦1.5mmを満たしている。補強グリッド30の長さL4は、PVリボン40と補強グリッド30との間の位置合わせ領域を確保し、PVリボン40と電池セルの接触領域がいずれも補強グリッド30であることを確保することができ、電池セルとPVリボン40との間の接触面積と接触性能を高めることができる。補強グリッド30が長すぎると、電池セルの電流収集面積を減らし、電池効率を低下させる。
【0086】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の長さ方向Xに沿って、補強グリッド30の側面は、サブグリッド線20の切断部21以外の領域と電気的に接触している。補強グリッド30の側面は、第1グリッド線22の側面と電気的に接触している。いくつかの実施例では、サブグリッド線20の長さ方向に沿って、補強グリッド30の上下の先端面の一方が第1グリッド線22と電気的に接触し、第1グリッド線22と補強グリッド30の接触面積を増やし、第1グリッド線22と補強グリッド30のオーバープリント中の位置ずれ問題を低減し、電池セルの歩留まりを高めている。
【0087】
いくつかの実施例では、さらに、補強グリッド30の両側に位置する補助スポット溶接部31を含み、一部の長さの補助スポット溶接部31がサブグリッド線20の切断部21以外の領域と互いに重なりかつ電気的に接触している。補助スポット溶接部31と補強グリッド30は、一体成形された構造であり、補助スポット溶接部31もメイングリッド線の印刷ペーストから作られている。
【0088】
いくつかの実施例では、補助スポット溶接部31は、補強グリッド30とサブグリッド線20の間の位置合わせの精度を高めることに用いられ、サブグリッド線20と補強グリッド30との間に変位及び位置ずれが発生し、サブグリッド線20と補強グリッド30との間の接触抵抗が大きすぎたり、グリッドが切れたりするなどの問題を避けることができる。補助スポット溶接部31は、さらに、補強グリッド30とサブグリッド線20との間の接触面積を増やすことに用いられ、補強グリッド30とサブグリッド線20との間の接続性能を確保し、ひいてはPVリボン40と電池セルとの間のハンダ付け性能を確保し、PVリボン40と電池セルとの間のアンソールダリングを避けることができる。
【0089】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の厚み方向に沿って、サブグリッド線20の切断部21以外の領域が補助スポット溶接部31の一部の上面と電気的に接触するか、または、サブグリッド線20の切断部21以外の領域が補助スポット溶接部31の底面の一部と電気的に接触する。サブグリッド線20の厚み方向に沿って、第1グリッド線22が補助スポット溶接部31の一部の上面と電気的に接触するか、または、第1グリッド線22が補助スポット溶接部31の底面の一部と電気的に接触する。サブグリッド線20の長さ方向Xに沿って第1グリッド線22と補助スポット溶接部31との間の側面同士が電気的に接触することと比べて、補助スポット溶接部31と第1グリッド線22との間の接触面積を増やし、第1グリッド線22と補助スポット溶接部31との間の接触抵抗を低減し、ひいては電池効率を高めている。
【0090】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の配列方向Yに沿って、補助スポット溶接部31の幅は、サブグリッド線20の幅より大きく、補助スポット溶接部31の幅は、補強グリッド30の幅以上である。補助スポット溶接部31の幅が大きいと、補助スポット溶接部を印刷し、さらにサブグリッド線20を二次オーバープリントする時に、幅の大きな補助スポット溶接部31は各サブグリッド線20と補強グリッド30との偏差範囲が大きくなることを確保し、電池セルの歩留まりを高めることができる。
【0091】
なお、補助スポット溶接部31の幅はサブグリッド線20の幅より大きいが、大きすぎてはいけず、これによって、太陽電池セルの遮蔽面積を低減し、電池効率を高めることができる。
【0092】
いくつかの実施例では、補助スポット溶接部31の補強グリッド30から離れた側のサブグリッド線20の配列方向における幅が第1幅W1であり、補助スポット溶接部31と補強グリッド30との接触面のサブグリッド線20の配列方向Yにおける幅が第2幅W2であり、第1幅W1は第2幅W2より大きい。このように、サブグリッド線を二次オーバープリントするときに、大きな第1幅W1を有する補助スポット溶接部31は、各サブグリッド線20と補強グリッド30との偏差範囲が大きくなることを確保し、電池セルの歩留まりを高めることができる。また、第1幅W1と第2幅W2の差によって、補助スポット溶接部31のサブグリッド線20の配列方向Yに沿った側面がガイドスロットとなり、補助スポット溶接部31の遮蔽面積を減少させると同時に、サブグリッド線20と補強グリッド30との間の位置合わせの成功率を高めることができる。
【0093】
いくつかの実施例では、第1幅W1は、0.02mm≦W1≦1.5mmを満たしている。第1幅W1の範囲は、0.02mm~0.8mm、0.18mm~1.39mm、0.2mm~1.5mm、0.9mm~1.48mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1.3mmまたは0.09mm~0.8mmであってもよい。第1幅W1は、0.06mm、0.58mm、0.77mm、0.98mm、1.19mm、1.28mm、1.33mm、1.42mmまたは1.5mmであってもよい。
【0094】
第2幅W2の範囲は、0.02mm≦W2≦2mmである。第2幅W2の範囲は、0.02mm~1.21mm、0.18mm~1.68mm、0.2mm~1.97mm、0.9mm~1.59mm、0.5mm~1.31mm、0.6mm~1.38mmまたは0.09mm~0.94mmであってもよい。第2幅W2は、0.06mm、0.78mm、1.22mm、1.58mm、1.67mm、1.78mm、1.87mm、1.92mmまたは2mmであってもよい。
【0095】
いくつかの実施例では、補強グリッド30は、サブグリッド線20の長さ方向Xに沿った第1部33及び第2部32を含み、第1部33が第1グリッド線22と接触し、第2部32がPVリボン40またはメイングリッド線10と接触することに用いられる。第1部33の第2部32から離れた一端の第3幅W3は、第1部33と第2部32との接触面の第4幅W4より大きく、サブグリッド線20を二次オーバープリントする場合、大きな第3幅W3を有する第1部33は、各サブグリッド線20と補強グリッド30との間の偏差範囲が大きくなることを確保し、電池セルの歩留まりを高めることができる。また、第3幅W3と第4幅W4との間の差によって、第1部33のサブグリッド線20の配列方向Yに沿った側面がガイドスロットとなり、補強グリッド30の遮蔽面積を減らすと同時に、サブグリッド線20と補強グリッド30と間の位置合わせの成功率を高めることができる。
【0096】
いくつかの実施例では、第2部32の長さL7の範囲は、0.01mm≦L7≦1.5mmである。L7の範囲は、0.01mm~0.17mm、0.18mm~1.31mm、0.23mm~1.5mm、0.88mm~1.48mm、0.5mm~1.1mm、0.6mm~1.27mmまたは0.09mm~0.92mmであってもよい。L7は、0.01mm、0.29mm、0.38mm、0.76mm、1.02mm、1.16mm、1.29mm、1.41mmまたは1.5mmであってもよい。
【0097】
いくつかの実施例では、第1部33の長さL8の範囲は、0.05mm≦L8≦1.5mmである。L8の範囲は、0.06mm~0.17mm、0.2mm~1.38mm、0.25mm~1.48mm、0.93mm~1.42mm、0.46mm~1.12mm、0.7mm~1.8mmまたは0.14mm~1.45mmであってもよい。L8は、0.05mm、0.28mm、0.41mm、0.86mm、1.08mm、1.14mm、1.24mm、1.43mmまたは1.5mmであってもよい。
【0098】
いくつかの実施例では、第3幅W3の範囲は、0.02mm≦W3≦1.5mmである。第3幅W3の範囲は0.02mm~0.8mm、0.18mm~1.39mm、0.2mm~1.5mm、0.9mm~1.48mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1.3mmまたは0.09mm~0.8mmであってもよい。第3幅W3は、0.06mm、0.58mm、0.77mm、0.98mm、1.19mm、1.28mm、1.33mm、1.42mmまたは1.5mmであってもよい。
【0099】
第4幅W4の範囲は、0.02mm≦W2≦2mmである。第4幅W4の範囲は、0.02mm~1.21mm、0.18mm~1.68mm、0.2mm~1.97mm、0.9mm~1.59mm、0.5mm~1.31mm、0.6mm~1.38mmまたは0.09mm~0.94mmであってもよい。第4幅W4は、0.06mm、0.78mm、1.22mm、1.58mm、1.67mm、1.78mm、1.87mm、1.92mmまたは2mmであってもよい。
【0100】
いくつかの実施例では、パッシベーション層101をさらに含み、補強グリッド30がパッシベーション層101の表面に位置し、サブグリッド線20がパッシベーション層101の表面に位置し、且つパッシベーション層101の厚みを貫通し、補助スポット溶接部31がパッシベーション層101の厚みを貫通しない。
【0101】
いくつかの実施例では、補助スポット溶接部とサブグリッド線20の切断部以外の領域とが互いに重なる部分の長さをL6とし、0.05mm≦L6≦1.5mmを満たしている。補助スポット溶接部と第1グリッド線が互いに重なる長さL6は、
図14中のL5と同じであり、補強グリッド30と第1グリッド線22も電気的に接触しているため、
図14に示す部分的な長さL5は、補助スポット溶接部のサブグリッド線20の長さ方向Xにおける長さL3と等しい。
【0102】
いくつかの実施例では、サブグリッド線20の長さ方向に沿って、補強グリッド30の長さL4は、0.02mm≦L4≦2mmを満たしている。L4の範囲は、0.02mm~1.21mm、0.18mm~1.68mm、0.2mm~1.97mm、0.9mm~1.59mm、0.5mm~1.31mm、0.6mm~1.38mmまたは0.09mm~0.94mmであってもよい。L4は、0.06mm、0.78mm、1.22mm、1.58mm、1.67mm、1.78mm、1.87mm、1.92mmまたは2mmであってもよい。
【0103】
本願の実施例によって提供された1つの選択可能な実施形態では、太陽電池セルは、基板100と、基板100の表面に位置するパッシベーション層101と、複数のサブグリッド線20と、切断部21に位置する補強グリッド30と、を備え、サブグリッド線20が、切断部21と、第1グリッド線22と、を含み、第1グリッド線22がパッシベーション層101の厚みを溶落ちし、補強グリッド30が第1グリッド線22と電気的に接触し、補強グリッド30がPVリボン40と電気的に接触し、補強グリッド30がパッシベーション層101の表面に位置し、パッシベーション層101を溶落ちしない。
【0104】
図10~
図12を参照すると、本願の実施例によって提供された1つの選択可能な実施形態では、太陽電池セルの形状が正方形であり、辺長をDとし、D=182mm~220mmである。いくつかの実施例では、太陽電池セルの辺長は、182mm~190mm、190mm~200mm、200mm~210mmまたは210mm~220mmであってもよい。
【0105】
いくつかの実施例では、サブグリッド線の数は100~200であってもよい。電池セルは、対向する第1表面及び第2表面を備え、第2表面のサブグリッド線の数は、第1表面のサブグリッド線の数以上である。例えば、第1表面のサブグリッド線は156本で、第2表面のサブグリッド線は172本である。
【0106】
いくつかの実施例では、太陽電池セルの辺長D=182mmである。太陽電池セルは、互いに平行な132本のサブグリッド線20を含んでおり、サブグリッド線20間の距離が1.5mmである。
【0107】
なお、図中のサブグリッド線20の数とピッチは、実際の数とピッチを示すものではなく、例示的なものだけである。
【0108】
いくつかの実施例では、太陽電池セルは分割セルである。いくつかの実施例では、分割セルは2分割セルであり、2分割セルはハーフカットセルまたは2分割されたセルと理解できる。他のいくつかの実施例では、分割セルは3分割セル、4分割セルまたは8分割セルなどであってもよい。
【0109】
実験例0:補強グリッドを設けず、即ち、サブグリッド線は完全なグリッド線である。
実施例1:補強グリッドの長さは、PVリボンの幅の1.3倍に等しく、補強グリッドの幅は、サブグリッド線の幅に等しい。
実施例2:補強グリッドの長さは、PVリボンの幅の1.3倍に等しく、補強グリッドの幅は、サブグリッド線の幅の1.3倍に等しい。
実施例3:補強グリッドの長さは、PVリボンの幅の1.5倍に等しく、補強グリッドの幅は、サブグリッド線の幅の1.5倍に等しい。
表1
【0110】
表1から分かるように、補強グリッドを設けることで、PVリボンと電池セル間のハンダ付け引張力を増やすことができる。ここで、各実施例と実験例0のハンダ付け引張力の比によって、PVリボンと電池セルとが接触する時、補強グリッドの領域が大きく、ハンダ付け引張力が良好であることがわかる。また、補強グリッドは、サブグリッド線との電気的な接触と、PVリボンとの電気的な接触とに用いられるものであり、補強グリッドの製造コストは、サブグリッド線の製造コストより低く、補強グリッドに使用されるペーストのハンダ付け引張力は、細いグリッドに使用されるペーストのハンダ付け引張力より大きいため、補強グリッドを設けることで、全面的にPVリボンのハンダ付け引張力を高めることができるとともに、補強グリッドに使用されるペーストのコストが低くて、光起電力モジュールの製造コストを部分的に削減することができ、補強グリッドの使用量が増加するにつれて、コストも上昇するが、ハンダ付け引張力を効果的に向上させ、モジュールの歩留まりを高めることができる。
【0111】
上記の実施例からわかるように、本願の実施例が提供する太陽電池スクリーン版及び太陽電池セルは、少なくとも下記のような有益な効果を実現している。
【0112】
本願の実施例では、補強グリッド30とPVリボン40とが電気的に接触するように設置し、電池内にメイングリッド線を設けないことによって、メイングリッド線の印刷製造工程を減らし、メイングリッド線による遮蔽面積問題を避け、光損失を低減し、電池効率を高める一方、PVリボン40とメイングリッド線との位置合わせ問題によるハンダ付け不良または変位などの問題を避けることができる。補強グリッド30とPVリボン40との間に交差関係があるため、補強グリッド30とPVリボン40との間の位置合わせ正確率は、交差しないメイングリッド線とPVリボンとの間の位置合わせ正確率よりもはるかに大きく、光起電力モジュールの歩留まりを高めている。サブグリッド線20は、切断部21を含み、補強グリッド30は、切断部21に位置し、サブグリッド線20とPVリボン40との間に存在する段差によるPVリボン40とサブグリッド線20の境界部のPVリボンの隆起によって発生したハンダ付け不良の問題を解決し、サブグリッド線20のペースト消費も減らし、製造コストを削減している。補強グリッド30の印刷ペーストは、サブグリッド線20の印刷ペーストと異なっており、サブグリッド線20のペースト消費を低減し、製造コストを削減している。また、補強グリッド30の高さがサブグリッド線20の高さより低いように設定することで、PVリボン40の位置合わせの基準とし、PVリボン40を収容するためのスロットとすることもでき、PVリボン40と電池セルとの間のハンダ付け性能を高めることができる。
【0113】
図15は、本願の一実施例によって提供された光起電力モジュールの構造を示す図である。
【0114】
相応的に、本願のいくつかの実施例によって、本願の実施例の別の形態では、光起電力モジュールがさらに提供され、
図15に示すように、光起電力モジュールは、上記の実施例のいずれか1項の太陽電池セル50で接続されて形成されたセルストリングと、太陽電池セル50を接続するためのPVリボン40と、セルストリングの表面及びPVリボン40の表面を覆うための封止用接着フィルム51と、封止用接着フィルム51のセルストリングから離れた表面を覆うためのカバープレート52と、を備える。太陽電池セル50は、全体または複数分割の形で電気的に接続されることで複数のセルストリングを形成し、複数のセルストリングは、直列および/または並列の方式で電気的に接続される。
【0115】
具体的には、いくつかの実施例では、複数のセルストリング間は、PVリボン40によって電気的に接続されることができる。
図15は、太陽電池セル間の位置関係のみを示しており、即ち、電池セルの同じ極性を持った電極の配列方向が同じか、または、各電池セルのプラス極性を持った電極が同じ側に向かって配列され、伝導バンドが隣接する2つの電池セルの異なる側にそれぞれ接続される。いくつかの実施例では、太陽電池セル50は、異なる極性の電極が同じ側を向くようにすることができる。即ち、隣接する複数の電池セルの電極は、それぞれ第1極性、第2極性、第1極性の順に順次配列され、伝導バンドは、同じ側の隣接する2つの電池セルを接続する。
【0116】
いくつかの実施例では、太陽電池セル50間に間隔が設けられておらず、即ち、太陽電池セル50間が互いに重複している。
【0117】
いくつかの実施例では、切断部21は、メイングリッド線10とサブグリッド線20との交差する箇所に位置し、補強グリッド30がメイングリッド線10と電気的に接触し、PVリボン40がメイングリッド線10と電気的に接触する。
【0118】
いくつかの実施例では、切断部21は、PVリボン40とサブグリッド線20との交差する箇所に位置し、PVリボン40が補強グリッド30と電気的に接触する。
【0119】
いくつかの実施例では、封止用接着フィルム51は、第1封止層と、第2封止層と、を含み、第1封止層が太陽電池セル50の前面または裏面のうちの一方を覆い、第2封止層が太陽電池セル50の前面または裏面のうちの他方を覆い、具体的には、第1封止層または第2封止層の少なくとも一方がポリビニルブチラール(Polyvinyl Butyral、PVBと略す)接着フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)接着フィルム、ポリエチレン-オクテン共重合体(POE)接着フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(PET)接着フィルムなどの有機封止用フィルムであってもよいし、EPE(1層のEVA、1層のPOE、1層のEVAの共押し出し接着フィルム)またはEP(1層のEVA、1層のPOEの共押し出し接着フィルム)であってもよい。
【0120】
理解できるように、積層加工前、第1封止層および第2封止層には境界線があり、積層加工後、光起電力モジュールを形成すると、もはや第1封止層および第2封止層という概念がなく、第1封止層と第2封止層は一体化された封止用接着フィルム51を形成している。
【0121】
いくつかの実施例では、カバープレート52は、ガラスカバープレート、プラスチックカバープレートなどの光透過機能を有するカバープレートであってもよい。具体的には、カバープレート52の封止用接着フィルム51に向かう表面は、凹凸面とすることができ、これによって、入射光線の利用率を高めることができる。カバープレート52は、第1カバープレートと、第2カバープレートと、を含み、第1カバープレートが第1封止層に対向し、第2カバープレートが第2封止層に対向する。
【0122】
本願は、好適な実施例で上記のように開示されているが、特許請求の範囲を限定するものではなく、いずれの当業者であれば、本願の発明構想から逸脱することなく、若干の可能な変動および修正を加えることができるため、本願の保護範囲は、本願の請求項によって規定される範囲に従うべきである。また、本願の明細書における実施例および付された図面は、単なる例示的なものだけであり、本願の特許請求の範囲が保護する全体ではない。
【0123】
例示によって本願のいくつかの特定の実施例を詳しく説明したが、当業者は、上記の例が説明のためのものだけであり、本願の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。
【0124】
当業者であれば、前記の各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者も、本願の精神と範囲を逸脱しない限り、種々の変更及び修正を行うことが可能であるため、本願の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。
【国際調査報告】