(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】シールバンドの品質を決定するシール品質検査装置、シール品質検査装置を有する包装プラント、シールバンドの品質決定方法及び複合パッケージを製造する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 17/00 20060101AFI20250130BHJP
G01M 3/38 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
G01N17/00
G01M3/38 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535309
(86)(22)【出願日】2023-01-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2023051566
(87)【国際公開番号】W WO2023144093
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ピッチニーニ、ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ゴルディーリョ ロペス、ホセ マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】リモンディ、ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】スカラベッリ、パオロ
(72)【発明者】
【氏名】サヴォイア、アリス
(72)【発明者】
【氏名】ファッジ、エリア
(72)【発明者】
【氏名】ベッローニ、ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】メランドリ、アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ロンカリア、リッカルド
【テーマコード(参考)】
2G050
2G067
【Fターム(参考)】
2G050AA02
2G050EB01
2G050EB07
2G067AA47
2G067BB17
(57)【要約】
シールバンド(2)の品質を決定するシール品質検査装置(1)が記載されており、シールバンド(2)は、第1のバンド部分(3)と、第2のバンド部分(4)と、前記第1のバンド部分(3)と前記第2のバンド部分(4)との間に介在するヒートシール材料層(5)から形成されている。シール品質検査装置(1)は、シールバンド(2)を有するサンプル(14)を互いの間にクランプするように構成された第1のクランプ装置(12)及び第2のクランプ装置(13)を備える。シールバンド(2)の剥離を引き起こすように、第1のクランプ装置(12)と第2のクランプ装置(13)との相対移動を作動させるように構成された作動装置(15)と、剥離中のシールバンド(2)の画像をキャプチャするように構成された視覚システム(16)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールバンド(2)の品質を決定するシール品質検査装置(1)であって、前記シールバンド(2)は、第1のバンド部分(3)と、第2のバンド部分(4)と、前記第1のバンド部分(3)と前記第2のバンド部分(4)との間に介在するヒートシール材料層(5)から形成され、
当該シール品質検査装置(1)は、
前記シールバンド(2)を有するサンプル(14)を受け取るための作業位置と、
前記シールバンド(2)を有する前記サンプル(14)を互いの間にクランプするように構成された第1のクランプ装置(12)及び第2のクランプ装置(13)と、前記作業位置にある前記シールバンド(2)が前記第1のクランプ装置(12)と前記第2のクランプ装置(13)との間に介在し、
前記シールバンド(2)の剥離を引き起こすように、前記第1のクランプ装置(12)と前記第2のクランプ装置(13)との相対移動を作動させるように構成された作動装置(15)と、
剥離中の前記シールバンド(2)の画像をキャプチャするように構成された視覚システム(16)と、
を備える、シール品質検査装置(1)。
【請求項2】
前記視覚システム(16)に作動的に接続され、前記視覚システム(16)によって取得された1つ又は複数の画像を分析し、前記1つ又は複数の画像の関数として前記シールバンド(2)の品質を決定するように構成された分析ユニットをさらに備える、
請求項1に記載のシール品質検査装置。
【請求項3】
前記分析ユニットは、欠陥の存在を検出するように前記1つ又は複数の画像を分析するように構成される、
請求項2に記載のシール品質検査装置。
【請求項4】
前記作動装置(15)は、前記シールバンド(2)に対して横方向、特に垂直方向において、前記第1のクランプ装置(12)と前記第2のクランプ装置(13)の相対位置を修正するように構成される、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシール品質検査装置。
【請求項5】
前記作動装置(15)は、
前記第1のクランプ装置(12)を搭載する第1のキャリッジ(19)と、
前記第2のクランプ装置(13)を搭載する第2のキャリッジ(20)と、
前記第1のキャリッジ(19)及び前記第2のキャリッジ(20)に作動的に結合され、前記第1のクランプ装置(12)及び前記第2のクランプ装置(13)の相対位置を制御するために、前記第1のキャリッジ(19)及び前記第2のキャリッジ(20)の相対位置を制御するように構成されたアクチュエータ(21)と、
を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシール品質検査装置。
【請求項6】
剥離の際に、前記シールバンド(2)に作用する力の時間依存曲線及び/又は位置依存曲線を決定するように構成された力検出装置(26)と、
をさらに備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載のシール品質検査装置。
【請求項7】
前記第1のクランプ装置(12)及び前記第2のクランプ装置(13)が、それぞれの第1のクランプ面とそれぞれの第2のクランプ面とを備え、それぞれの第1のクランプ面及びそれぞれの第2のクランプ面の間で前記サンプル(14)の一部をクランプする、
請求項1~6のいずれか一項に記載のシール品質検査装置。
【請求項8】
前記視覚システム(16)が、少なくとも前記シールバンド(2)を照明するための照明装置(37)と、剥離中の前記シールバンド(2)の画像を撮像するための撮像装置(36)とを備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載のシール品質検査装置。
【請求項9】
前記視覚システム(16)が、剥離中の前記シールバンド(2)の画像を撮像するための撮像装置(36)を備え、
前記シール検査装置が、前記撮像装置(36)と作業位置との間に介在された偏光フィルタ(51)をさらに備え、好ましくは、偏光フィルタ(51)が、円形タイプ又は楕円タイプ又は直線タイプである、
請求項1~7のいずれか一項に記載のシール品質検査装置。
【請求項10】
多層包装材料から形成される密封された複合パッケージに注ぎ込み可能な製品を包装するための包装プラントであって、
1つ又は複数のシールバンド(2)を有し、注ぎ込み可能な製品が充填された複数の密封複合パッケージを形成する包装装置と、
前記複数の密封複合パッケージから1つ又は複数の密封複合パッケージをサンプリングするサンプリングユニットと、
サンプリングされた1つ又は複数の密封複合パッケージの1つ又は複数のシールバンド(2)の品質を決定するための、請求項1~9のいずれか一項に記載のシール品質検査装置(1)と、
を備える、包装プラント。
【請求項11】
前記包装装置は、
前記密封された複合パッケージの横方向シールバンドを生成するための横シール装置と、
前記横シール装置に動作可能に接続され、前記サンプリングされた1つ又は複数の密封複合パッケージの前記1つ又は複数のシールバンド(2)の決定された品質に応じて、前記横シール装置の動作を制御するように構成された制御ユニットと、
を備える、
請求項10に記載の包装プラント。
【請求項12】
注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品を充填した密封複合パッケージのシールバンド(2)の品質決定方法であって、前記シールバンド(2)は、第1のバンド部分(3)と、第2のバンド部分(4)と、前記第1のバンド部分(3)と前記第2のバンド部分(4)との間に介在するヒートシール材の層(5)とから形成され、
当該品質決定方法は、
第1のクランプ装置(12)及び第2のクランプ装置(13)により、前記シールバンド(2)を有するサンプル(14)をクランプし、前記シールバンド(2)が前記第1のクランプ装置(12)と前記第2のクランプ装置(13)との間に介在するようにするステップと、
前記第1のクランプ装置(12)と前記第2のクランプ装置(13)との相対移動を作動させることにより、前記シールバンド(2)を剥離するステップと、
前記剥離するステップの間に、前記シールバンド(2)の1つ又は複数の画像をキャプチャするステップと、
を備える、品質決定方法。
【請求項13】
分析するステップをさらに含み、前記分析するステップの間に、前記シールバンド(2)の品質を決定するように、前記1つ又は複数の画像が分析され、前記分析するステップの間に、欠陥の存在を検出するように、前記1つ又は複数の画像が分析される、
請求項12に記載の品質決定方法。
【請求項14】
前記サンプル(14)の識別コードを読み取るステップと、
前記シールバンド(2)の前記1つ又は複数の画像を前記識別コードに関連付けるステップと、
をさらに備える、
請求項12又は13に記載の品質決定方法。
【請求項15】
多層包装材料から、注入可能な製品を充填した密封複合パッケージを形成する方法であって、
1つ又は複数のシールバンド(2)を有し、注ぎ可能な製品で充填された複数の密封複合パッケージを形成するステップと、
前記複数の密封された複合パッケージから1つ以上の密封された複合パッケージをサンプリングするステップと、
請求項12~14のいずれか一項に記載の品質決定方法に従って、前記サンプリングされた1つ又は複数の密封複合パッケージの前記1つ又は複数のシールバンド(2)の品質を決定する、
方法。
【請求項16】
前記形成するステップの間に、前記密封複合パッケージの横シールバンドを形成するための横シール装置が作動され、前記横シール装置の作動は、前記サンプリングされた1つ又は複数の密封複合パッケージの前記1つ又は複数のシールバンド(2)の決定された品質に依存して制御される、
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールバンド、特に、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品が充填された密封複合パッケージの品質を決定するためのシール品質検査装置に関する。
【0002】
有利には、本発明はまた、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品を、1つ又は複数のシールバンドを有する密封複合パッケージに包装するための包装プラントであって、包装プラントがシール品質検査装置を有する包装プラントに関する。
【0003】
さらに、本発明は、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品を充填した密封複合パッケージのシールバンドの品質決定方法に関する。
【0004】
さらに、本発明は、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品の密封複合パッケージを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0005】
周知のように、フルーツジュース、UHT(超高温処理)牛乳、ワイン、トマトソースなど、多くの液体又は注ぎ込み可能な食品は、滅菌された多層包装材料で作られた密封複合パッケージで販売されている。
【0006】
典型的な例は、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として知られる注ぎ込み可能な食品用の平行六面体型パッケージであり、これはラミネートされたウェブ状包装材料を密封して折り畳むことによって作られる。この包装材料は、カートン及び/又は紙のベース層からなる多層構造を有し、両面をヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンの層で覆われている。長期保存製品用の無菌包装の場合、包装材料は酸素バリア材料、例えばアルミニウム箔の層を備え、この層はヒートシールプラスチック材料の層と重ね合わされ、さらに別のヒートシールプラスチック材料の層で覆われて、最終的に食品に接触する包装の内側面を形成する。
【0007】
この種のパッケージは、通常、全自動包装機で製造されるが、その中には、使用時に、包装材料のウェブを包装機の滅菌ユニットを通して前進させ、包装材料のウェブを滅菌する。その後、滅菌された包装材料のウェブは隔離チャンバ内に維持され前進し、長手方向に折り曲げられてシールされ、チューブを形成し、さらに前進する。さらに、チューブは注ぎ込み可能な製品で充填され、横方向にシールされ、チューブの前進中に包装機のパッケージ形成装置内で等間隔に配置された横方向の断面に沿って切断される。
【0008】
より詳細には、パッケージ成形装置は、複数の成形・密封アセンブリを備え、各アセンブリは、使用時に、単一のパッケージを得るように、チューブを成形し、横方向に密封し、切断する。
【0009】
各成形・密封アセンブリは、チューブを局所的に圧縮し、ヒートシールプラスチック材料の層のそれぞれの部分を加熱することにより、それぞれの横シール部分を得るために、チューブを横シールするためのそれぞれのシールユニットを備える。加熱は、例えば、超音波振動を発生させるシールユニットによって行われる。
【0010】
各成形・密封アセンブリはまた、横シール部分を切断し、それによって密封複合パッケージをチューブから分離し、第1横シールバンドと第2横シールバンドを形成するための切断装置を備える。それぞれの第1横シールバンドは、形成されたばかりの密封複合パッケージに属するが、第2横シールバンドは、その後に直接形成される密封複合パッケージに属する。
【0011】
横方向のシールバンドの品質は重要であり、したがって、包装工程中に品質を監視する必要がある。
【0012】
試験測定を実施するために、成形された複数の複合パッケージから決められた時間間隔で複合パッケージのサンプルを採取する。サンプリングされた複合パッケージのそれぞれから、それぞれの横方向シールバンドを有するサンプルが準備される。各サンプルの準備後、技術オペレータは、それぞれのシールバンドを引き裂くように設計されたストレッチプライヤーを使用する。これにより、技術者はシール結果を観察する。
【0013】
しかし、検査結果は技術オペレータの経験に左右される。
【0014】
横方向シールバンドの品質を制御するための公知の手段が良好な結果をもたらしているにもかかわらず、横方向シールバンドの品質を制御するための手段をさらに改善したいという要望が、この分野では感じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の目的は、シールバンドの品質を確実かつ繰り返し決定できるシール品質検査装置を、簡単かつ低コストで提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、改良されたシール品質検査装置を有する包装プラントを、簡便かつ低コストで提供することである。
【0017】
本発明の目的は、シールバンドの品質を決定するための改良された方法を、簡単かつ低コストで提供することである。
【0018】
本発明の目的は、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品の密封複合パッケージを形成するための改良された方法を、簡便かつ低コストで提供することである。
【0019】
本発明によれば、独立請求項1に記載のシール品質検査装置が提供される。
【0020】
シール品質検査装置の好ましい実施形態は、請求項1に直接的又は間接的に従属する特許請求の範囲に記載される。
【0021】
本発明によれば、請求項10又は11に記載の包装プラントが提供される。
【0022】
さらに、本発明によれば、請求項12に記載のシールバンドの品質決定方法が提供される。
【0023】
本方法の好ましい実施形態は、請求項12に直接的又は間接的に従属する特許請求の範囲に記載される。
【0024】
さらに、本発明によれば、請求項14又は15に記載の密封複合パッケージの形成方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明によるシール品質検査装置の上面斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図2】
図1のシール品質検査装置の一部を示す別の上面斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図3】
図1のシール品質検査装置の詳細を示す斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図4】
図1のシール品質検査装置の詳細を示す底面斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図5】
図1のシール品質検査装置のさらに詳細を示す斜視図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図6】
図1のシール品質検査装置の他の詳細を示す上面図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図7】
図1のシール品質検査装置の他の一部の上面図であり、明瞭化のために部品が取り除かれている。
【
図8a】試験手順中の異なる時間におけるシールバンドを有するサンプルの概略図である。
【
図8b】試験手順中の異なる時間におけるシールバンドを有するサンプルの概略図である。
【
図8c】試験手順中の異なる時間におけるシールバンドを有するサンプルの概略図である。
【
図9】
図1のシール品質検査装置によって検査されるシールバンドの概略断面図である。
【
図10】検査手順の実行中に測定され、位置に依存して印刷された力曲線である。
【
図11】検査手順の実行中に測定され、時間に依存して印刷された力曲線である。
【
図12】密封された複合パッケージの形成を示すフロー図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係るシール品質検査装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
番号1は、全体として、シールバンド2(
図8a、8b、8c及び9参照)、特に、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品、例えば(低温殺菌された)牛乳、フルーツジュース、ワイン、トマトソース、塩、砂糖等が充填された密封複合パッケージのシールバンド2の品質を判定するためのシール品質検査装置を示す。
【0028】
特に、密封複合パッケージは多層包装材料から形成され得る。
【0029】
さらに詳細には、多層包装材料は、例えば紙又は厚紙等の繊維質材料の少なくとも1つの層と、繊維質材料の層を互いの間に介在させる、例えばポリエチレン等のヒートシールプラスチック材料の少なくとも2つの層とを備え得る。これら2層のヒートシールプラスチック材料のうちの1層が、注ぎ込み可能な製品に接触する複合パッケージの内側面を画定する。
【0030】
さらに、包装材料は、特にヒートシール性プラスチック材料の層の1つと繊維状材料の層との間に配置される、ガスバリア性及び光バリア性材料の層、例えばアルミニウム箔又はエチレンビニルアルコール(EVOH)フィルムを備え得る。好ましくは、包装材料は、ガスバリア性及び光バリア性材料の層と繊維質材料の層との間に介在される、さらなるヒートシールプラスチック材料の層を備え得る。
【0031】
さらに詳細には、密封複合パッケージは、少なくとも1つの縦方向シールバンドと、1つ、特に2つの横方向シールバンド2を備え得る。
【0032】
好ましくは、装置1は、横シールバンド2の品質を決定するように構成され得る。
【0033】
いくつかの可能な非限定的実施形態によれば、密封複合パッケージは、単一のブランクから得られてもよく、このブランクは、縦方向シールバンドを有するスリーブに形成される。その後、スリーブは密封複合パッケージに形成され、少なくとも1つ、特に2つの横方向シールバンド2の形成が必要となる。
【0034】
代替の非限定的な実施形態によれば、多層包装材料はウェブの形態で提供され得る。特に、ウェブは、複数の繰り返しパターンから構成されてもよく、各パターンは、1つのそれぞれの密封複合パッケージを形成するためのそれぞれのブランクを規定する。
【0035】
このような実施形態によれば、ウェブはチューブに形成され、縦方向にシールされ、注ぎ込み可能な製品で充填され、横方向にシールされ、等間隔に配置された断面に沿って切断され、それによってそれぞれのシールバンド2が形成される。
【0036】
いくつかの可能な非限定的実施形態によれば、密封複合パッケージは、縦方向シールバンドと、特に密封複合パッケージの対向する側面に配置された一対のそれぞれの横方向シールバンド2とを備える。特に、一方の横方向シールバンド2は横方向上部シールバンドを規定し、他方の横方向シールバンド2は横方向下部シールバンドを規定し得る。
【0037】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、各シールバンド2は、第1のバンド部分3、第2のバンド部分4、及び第1のバンド部分3と第2のバンド部分4との間に介在するヒートシール材の層5から形成され得る。
【0038】
さらに詳細には、各シールバンド2は、多層包装材料の2つの部分の重なりと、2つの重なり部分のそれぞれのシールから生じ得る。
【0039】
さらに詳細には、各第1のバンド部分3及び各第2のバンド部分4は、繊維質材料のそれぞれの層、特に、多層包装材料の繊維質材料の層の一部に対応する繊維質材料のそれぞれの層から構成され得る。
【0040】
さらに(
図9参照)、ヒートシール材5の層は、2つの重なり部分を互いにシールし、ヒートシールプラスチック材料のそれぞれの層を融着することによって生じ得る。特に、ヒートシール材5の層は、少なくともヒートシール材6の第1の部分とヒートシール材7の第2の部分とから形成され得る。
【0041】
特に
図1~
図7を参照すると、装置1は、
- シールバンド2を有するサンプル14を、シールバンド2が第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13との間に介在するように互いの間にクランプするように構成された第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13と、
- 第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13との間の相対運動を作動させ、サンプル14のシールバンド2の剥離を引き起こすように構成された作動装置15と、
- 剥離中のサンプル14のシールバンド2の画像を撮影するように構成された視覚システム16と、
を備える。
【0042】
好ましくは、シール品質検査装置は、サンプル14を受け入れるための作業位置を備える。特に、サンプル14は、第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13との間に介在された作業位置で受け取られ、サンプル14が作業位置にあるときにシールバンド2の剥離が生じる。
【0043】
特に、各サンプル14は、それぞれの複合パッケージから準備される。
【0044】
より具体的には、各サンプル14は、(実質的に)平坦な形状を有するように準備され得る。
【0045】
好ましくは、各サンプル14は、実質的に矩形又は二次形状を呈し得る。特に、実質的に長方形及び二次形状は、サンプル14の形状が少なくとも長方形又は正方形で近似され得ることを示す。
【0046】
各サンプル14は、それぞれのシールバンド2と、第1の部分17及び第2の部分18とを備え、それぞれのシールバンド2は、第1の部分17と第2の部分18との間に介在され得る。さらに、第1のバンド部分3及び第2のバンド部分4は、それぞれ第1の部分17及び第2の部分18に一体的に接続され得る。
【0047】
さらに、各サンプル14は、第1のエッジと第2のエッジとを備え得る。それぞれのシールバンド2は、第1のエッジと第2のエッジとの間に介在される。
【0048】
サンプル14はまた、パッケージの一部であるクロージャー等の更なる構成を備え得ることを理解すべきである。
【0049】
特に、作動装置15は、第1のバンド部分2と第2のバンド部分3とを互いに引き離すして剥離を引き起こすように構成される。特に、これにより、ヒートシール材5の層、特に第1の部分6と第2の部分7を洞察することができる。
【0050】
換言すれば、本願において、「剥離」という用語は、特に制御された、シールバンド2の部分の互いからの分離を意図している。具体的な例では、剥離は第1のバンド部分3と第2のバンド部分4との間で生じる。
【0051】
特に、作動装置15は、制御され定義された条件下で、様々なサンプル14の測定を繰り返すことを可能にする。
【0052】
さらに詳細には、作動装置15は、定義された力プロファイル(時間当たりの力)及び/又は移動プロファイル(時間当たりの速度)を様々なシールバンド2に適用するように構成され得る。このような定義された力プロファイル及び/又は移動プロファイルは、繰り返し適用できる。
【0053】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、装置1は、視覚システム16に動作可能に接続され、視覚システム16によって取得された1つ又は複数の画像を分析し、1つ又は複数の画像の関数としてシールバンド2の品質を決定するように構成された分析ユニットを有利に備え得る。
【0054】
特に、分析ユニットは、画像を受信し、少なくとも一時的に保存するように構成され得る。
【0055】
好ましくは、視覚システム16は、シールバンド2の剥離の時間発展、特にヒートシール材5の層の形状の時間変化を代表する一連の画像を捕捉するように構成され得る。
図8a、
図8b及び
図8cは、それぞれのシールバンド2の剥離の異なる時間におけるサンプル14、特にシールバンド2の形状の例を概略的に示している。
【0056】
特に、分析ユニットは、シールバンド2の品質を決定するように、1つのそれぞれのシールバンド2の剥離中に撮影された時系列画像の1つ又は複数の画像を分析するように構成され得る。
【0057】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、分析ユニットは、チャンネル、焼け跡、プラスチックの塊などの欠陥の存在を検出するために、1つ以上の画像を分析するように構成され得る。
【0058】
代替的に又は追加的に、分析ユニットは、第1のバンド部分3、第2のバンド部分4及び/又はヒートシール材の層の動き又は引き裂き又は力プロファイルを検出するように構成され得る。
【0059】
好ましくは、分析ユニットは、視覚領域(1つ又は複数の画像を他の画像から独立して解析する)、時間領域(画像の時間的変化を解析する)、又はマルチドメイン(時間領域と視覚領域で画像を解析し、時間領域と視覚領域からの情報を組み合わせる)で動作するように構成され得る。
【0060】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、分析ユニットは、人工知能アルゴリズム、例えばニューラルネットワークによって画像を解析するように構成され得る。
【0061】
特に
図1~
図7を参照すると、作動装置15は、シールバンド2に対して横方向、特に(実質的に)垂直な方向Dにおいて、第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13との相対位置を変更するように構成され得る。言い換えれば、作動装置15は、シールバンド2に対して横方向、特に(実質的に)垂直方向に力を及ぼすように構成される。
【0062】
有利なことに、作動装置15は、
- 第1のクランプ装置12を搭載した第1のキャリッジ19と、
- 第2のクランプ装置13を搭載した第2のキャリッジ20と、
- 第1のキャリッジ19及び/又は第2のキャリッジ20に作動的に連結され、第1クランプ装置12と第2クランプ装置13の相対位置を制御するために第1のキャリッジ19と第2のキャリッジ20の相対位置を制御するように構成されたアクチュエータ21、特に電気モータと、
を備える。
【0063】
図示された特定の実施形態によれば、アクチュエータ21は、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20の両方を動かすように構成され得る。特に、アクチュエータ21は、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20を、同じ速度プロファイルに従って、反対方向に移動させるように構成され得る。
【0064】
あるいは、アクチュエータ21は、第1のキャリッジ19と第2のキャリッジ20の一方のみを動かすように構成できる。
【0065】
特に
図4を参照すると、作動装置15は、アクチュエータ21、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20に作動可能に連結され、それによってアクチュエータ21を第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20に作動可能に連結する制御軸22を備え得る。
【0066】
特に、アクチュエータ21は、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20を移動させるように、制御軸22を回転軸の周りに回転させるように構成され得る。
【0067】
好ましくは、第1のキャリッジ19と第2のキャリッジ20はそれぞれ、制御軸22に作動可能に連結された連結要素23を備える。
【0068】
より具体的には、制御軸22は、それぞれのねじ切り及び/又はそれぞれのボールねじによって、連結要素23に作動的に連結され得る。
【0069】
さらに具体的には、制御軸22は、第1のキャリッジ19の結合要素23に結合された第1のねじ山と、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20の移動が反対方向に起こり得るように、第1のねじ山に対して対向する意味を有する第2のキャリッジ20の結合要素23に結合された第2のねじ山とから構成され得る。
【0070】
さらに詳細には、
図1~
図5に関して、作動装置15は、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20の移動を案内するように構成された、特に矩形形状を有する1つ又は複数のトラック24を備え得る。
【0071】
特に、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20は、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20をそれぞれ1つ又は複数の対応する軌道24上に移動可能に結合するそれぞれのスライド要素25を備える。
【0072】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、装置1はまた、時間依存力曲線(
図11参照)及び/又は位置依存力曲線(
図10参照)を決定するように構成された力検出装置26を備えてもよく、特に、位置は、第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13との間の相対距離、その剥離の間にシールバンド2に作用する力、及び/又は、作動装置15が、使用中に、第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13とを互いに離して移動させる間に、サンプル14に対して作動装置15によって及ぼされる力を示す。
【0073】
いくつかの可能な実施形態によれば、力検出装置26は、アクチュエータ21に接続された1つ以上の力セル及び/又はエンコーダを備え得る。
【0074】
力検出装置26は、
図10及び/又は
図11に示すような力曲線を決定することができる。それぞれの力曲線の点I、II及びIIIは、視覚システム16がサンプル14の画像を撮像する瞬間を示し、この画像は、特定の時間及び/又は撮像位置において、
図8a、8b及び8cに示すようなそれぞれの例示的な形状を有する。
【0075】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、第1のクランプ装置19及び第2のクランプ装置20はそれぞれ、それぞれの第1のクランプ面とそれぞれの第2のクランプ面との間でサンプル14の一部をクランプするように、特にそれぞれの第1のクランプ面に対向する、それぞれの第1のクランプ面及びそれぞれの第2のクランプ面を備える。
【0076】
図1~
図5に示す具体例によれば、各第1のクランプ面は、離散的であってもよく、すなわち、第1のクランプ面は、複数の部分が互いに切り離されることによって形成されてもよい。あるいは、第1のクランプ面は連続的であってもよい。
【0077】
さらに、各第2のクランプ面は(具体例に示すように)離散的であってもよく、連続的であってもよい。
【0078】
特に、各第1のクランプ面及び各第2のクランプ面は、それぞれの長手方向軸に沿って延在し得る。好ましくは、サンプル14が第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13によってクランプされると、シールバンド2は、第1のクランプ面及び第2のクランプ面の長手方向軸に対して実質的に平行になる。
【0079】
より具体的には、第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13はそれぞれ、それぞれの第1のクランプ面を有するそれぞれの第1のクランプ部分30と、それぞれの第2のクランプ面を有する第2のクランプ部分31とから構成され得る。
【0080】
さらに具体的には、各第1のクランプ部分30は、各々が第1のクランプ面の一部を担持する複数のクランプフィンガー32を備え得る。特に、各クランプフィンガー32は、それぞれの第1のクランプ面のそれぞれの長手方向軸に平行な方向に沿って、他のクランプフィンガー32から等間隔に離間し得る。
【0081】
さらに、各第2クランプ部31は、各々が1つのそれぞれのクランプフィンガー32に対して整列され、各々がそれぞれの第2クランプ面の一部を担持する複数のベース要素から構成され得る。特に、それぞれの第2のクランプ面の部分は、それぞれのクランプフィンガー32によって担持される第1のクランプ面のそれぞれの部分に面する。
【0082】
優先的には、各クランプフィンガー32は、クランプフィンガー32がそれぞれのベース要素と協働してサンプル14の一部をクランプするように構成されるクランプ位置と、クランプフィンガー32とそれぞれのベース要素との間にサンプル14の一部を配置できるようにクランプフィンガー32がそれぞれのベース要素から離間される解放位置とに、制御可能、特に選択的に制御可能であり得る。
【0083】
いくつかの好ましい非限定的実施形態によれば、各第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13は、サンプル14のそれぞれの部分をそれぞれ受け取り、クランプすることができるように、それぞれの受け取り構成及びそれぞれのクランプ構成で制御可能である。
【0084】
好ましくは、装置1は、第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13を、受け取り構成及びクランプ構成において選択的に制御するように構成された制御装置34を備え得る。
【0085】
特に、第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13をそれぞれの受け取り構成及びそれぞれのクランプ構成において制御するために、制御装置34は、それぞれのクランプフィンガー32の一部又は全部を、それぞれ対応する解放位置及びクランプ位置において制御するように構成され得る。
【0086】
さらに、制御装置34は、装置1の作動中に特定の剥離プロファイルを決定するように、第1のクランプ装置12及び/又は第2のクランプ装置13の一部のクランプフィンガー32を、解放位置及びクランプ位置において選択的に制御するように構成され得る。
【0087】
特に、制御装置34は、第1のクランプ装置12又は第2のクランプ装置13をそれぞれのクランプ構成及び受け取り構成で制御するために、それぞれの第1のクランプ面及びそれぞれの第2のクランプ面を全体的に又は部分的に(特に、クランプフィンガー32を選択的に制御することによって)互いに接近及び離間させるように構成され得る。
【0088】
好ましくは、各クランプフィンガー32は、クランプ位置と解放位置との間でそれぞれの回転軸を中心に角度可動、特に選択的に角度可動であり得る。
【0089】
好ましくは、各クランプフィンガー32は、クランプ位置又は解放位置の一方に、特に選択的にバイアスされ得る。
【0090】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、制御装置34は、それぞれのクランプ構成とそれぞれの受け取り構成との間でそれぞれの第1のクランプ装置12及びそれぞれの第2のクランプ装置13を選択的に制御するように、第1のクランプ装置12に関連する一方及び第2のクランプ装置13に関連する他方の2つの制御グループ35から構成され得る。
【0091】
好ましくは、各制御グループ35は、偏心によって作動し得る。
【0092】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、制御装置34は、1つ又は複数のそれぞれのクランプフィンガー32が解放位置に配置されるように、優先的に、1つ又は複数のそれぞれのクランプフィンガー32をそれぞれの制御グループ35、特にそれぞれの偏心体から選択的に係合又は係合解除するように構成された1つ又は複数の制御要素43を含み得る。
【0093】
特に
図1~
図5を参照すると、視覚システム16は、剥離中のシールバンド2の画像を撮像するためのビデオカメラ等の撮像装置36と、特にサンプル14及び/又は少なくともシールバンド2を照明するための照明装置37とを備え得る。
【0094】
好ましくは、撮像装置36は、撮像装置36がサンプル14から垂直方向に離間するように、特にサンプル14の上方に、例えばサンプル14が第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13によってクランプされるように配置される。
【0095】
いくつかの可能な非限定的実施形態によれば、視覚システム16はまた、光学フィルタ、特に偏光フィルタを備え得る。光学フィルタは、照明装置37及び/又は撮像装置36に関連付けられてもよい。
【0096】
特に、
図13を参照すると、装置は、偏光フィルタ51をさらに備え得る。偏光フィルタ51は、視覚システム16の撮像装置36と作業位置との間に介在され、換言すれば、偏光フィルタ51は、撮像装置36と作業位置で受けるシールバンド2との間に介在される。偏光フィルタ51は、好ましくは、撮像装置36から及び/又はサンプル14から離間される。前述したように、照明装置37が設けられ、作業位置に位置するシールバンド2(及び/又はサンプル14)を照明する。
図13では、1つの照明装置37のみが図示されているが、好ましくは、撮像装置36の反対側に、一対の照明装置37が設けられる。このような構成により、撮像装置により取得される画像の品質が向上する。
【0097】
好ましくは、偏光フィルタ51は円形タイプである。他の非限定的な実施形態では、偏光フィルタ51は、直線型及び/又は楕円型である。
【0098】
特に、シールバンド2(及び/又はサンプル14)と偏光フィルタ51との間の距離Hは、10mm~50mm、より特に20mm~40mm、例えば30mm又は31mmである。
【0099】
特に、照明装置37は、LEDバー照明器であってもよい。好ましい実施形態によれば、照明装置37によって放射される光線とシールバンド2(及び/又はサンプル14)との間に定義される角度αは、90度未満、好ましくは60度未満又は45度未満である。
【0100】
一実施形態では、撮像装置36は、米国特許出願公開第2020/0013819A1及び/又は国際公開第201702715A1に記載されたタイプのものであり得る。米国特許出願公開第2020/0013819A1及び/又は国際公開第201702715A1に記載された撮像装置の全ての特徴が、本実施形態の撮像装置に適用され得ることが明示的に理解される。より具体的には、本実施形態では、撮像装置36は、偏光フィルタ51を含む(すなわち、偏光フィルタ51が撮像装置36に組み込まれている)。偏光フィルタ51は、複数のユニット(又はチップ)を含み、ユニットごとに、それぞれ第1偏光方向及び第2偏光方向を有する第1直線偏光フィルタ部及び第2直線偏光フィルタ部を有する。換言すれば、受信偏光フィルタは、各ユニットについて、各々が他とは異なるそれぞれの偏光方向を有するそれぞれの複数の直線偏光フィルタ部分を含む。より具体的には、各ユニットについて、受信偏光フィルタは、互いに45°の角度間隔を置いたそれぞれの偏光方向を有する4つの部分を含む(例えば:0°、45°、90°、135°)。各直線偏光フィルタ部分に対して、撮像装置36(すなわちカメラ)は、光電変換部を含む。したがって、撮像装置36(すなわちカメラ)は、複数の光電変換部を含む。光電変換部は対称である。好ましくは、各ユニットは、1つの画素を画定する(又は対応する)。実施形態では、各光電変換部は1つの画素を定義する。したがって、各スナップについて、撮像装置36(すなわちカメラ)は、複数の画像(各々がそれぞれの線形フィルタ部によってフィルタリングされる)、例えば4つの画像を撮像する。制御ユニットは、画像を処理して単一の画像を生成するように構成され、この画像は、シール領域の欠陥を識別するために分析される。
【0101】
例えば、制御ユニットは、グレア低減アルゴリズム及び/又は直線偏光度(DOLP)技術を適用するように構成される。
【0102】
有利には、サンプル14は、撮像装置36がサンプル14の内側面に面し撮像するように(すなわち、サンプル14は、サンプル14の面が、注ぎ込み可能な製品と接触しているそれぞれの複合パッケージの内側面に対応するように、撮像装置36に向かって配向されるように)、第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13によってクランプされる。
【0103】
特に
図1~
図3を参照すると、装置1は、少なくとも第1のクランプ装置12、第2のクランプ装置13、視覚システム16、及び作動装置15の少なくとも一部が配置されるハウジング38(明瞭化のため部分的にのみ図示を省略)を備え得る。
【0104】
より詳細には、ハウジング38は、固定部40に可動的に、特にヒンジ式に連結されたアクセスポート39を備え得る。特に、アクセスポート39は、第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13へのアクセスをそれぞれ許容及び阻止するように、上昇及び下降させてもよい。したがって、サンプル14の設置及び取り出しが可能であり、装置1を完全に安全に操作することができる。
【0105】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、ハウジング38は、光の通過を制限する材料を備え得る。これにより、撮像品質を向上させることができる。
【0106】
さらに、アクセスポート39は、
図1及び2には示されていない2つの側壁と前壁とを備え得る。
【0107】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、ハウジング38はまた、装置1を支持面上に置くことを可能にする支持脚41を備え得る。好ましくは、1つ又は複数の支持脚41は、高さ調節可能であり得る。
【0108】
特に
図4と
図7を参照すると、装置1は、サンプル14の位置合わせとセンタリングを容易にするように構成された配置ガイド42を備え得る。
【0109】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、包装プラント、特に装置1は、ユーザと装置1との対話を可能にするためのヒューマン・マシン・インターフェースを備え得る。
【0110】
好ましくは、ヒューマン・マシン・インターフェースは、装置1の動作を制御するためのコマンドを受信するように構成され得る。
【0111】
代替的又は追加的に、ヒューマン・マシン・インターフェースはスクリーンを備えてもよく、取得された画像の1つ又は複数を表示し、及び/又は得られた力曲線を表示するように構成され得る。
【0112】
いくつかの可能な実施形態によれば、ヒューマン・マシン・インターフェースは、分析ユニットによって実行された評価結果を表示するように構成され得る。
【0113】
いくつかの好ましい非限定的実施形態によれば、本装置は、サンプル上に存在する識別コード(又は識別マーク)を読み取る(又はスキャンする)ように構成された読み取り(又はスキャン)装置を備える。識別コードは、QRコード(登録商標)、バーコード、番号、又は他のタイプのコードであってもよい。読取装置は、視覚システム(この場合、視覚システムのカメラも識別コードを読み取る)によって画定されてもよく、専用のカメラを含んでもよい。特に、識別コードは、シールバンドの剥離前に読み取られる。分析ユニットは、視覚システムによって撮影されたシールバンドの1つ以上の画像を前記識別コードに関連付けるように構成され得る。これにより、サンプルに関連する情報(例えば、サンプルの製造工程に関する情報)と、視覚システムにより撮影された画像とを関連付けることができ、サンプルのトレーサビリティ及び品質チェックを向上させることができる。
【0114】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、シール品質検査装置1は、包装プラントの一部であってもよく、包装プラントは、注ぎ込み可能な製品で充填された密封複合パッケージを形成するように構成される。特に、シール品質検査装置1は、全体的な生産から除去され、特に所定の時間間隔で及び/又は特定のイベントにおいて、サンプル複合パッケージの1つ又は複数のシールバンド2の品質を判定するように構成され得る。
【0115】
包装工場は、シール品質検査装置1に加えて、
- 1つ又は複数のシールバンド2、特に2つの横方向シールバンド及び/又は1つの縦方向シールバンドを有し、注ぎ込み可能な製品で充填された複数の密封複合パッケージを形成するための包装装置と、
- 複数の密封複合パッケージから1つ又は複数の密封複合パッケージをサンプリングするサンプリングユニットと、
を備えてもよい。
【0116】
特に、包装装置は、前進経路に沿って前進する複数の複合パッケージを製造し、サンプリングユニットは、前進経路に沿って包装装置の下流に配置される。
【0117】
シール品質検査装置1は、サンプリングユニットによってサンプリングされた1つ以上の密封複合パッケージの1つ以上のシールバンド2の品質を決定するために使用され得る。特に、1つ以上のサンプル14は、サンプリングされた1つ以上の複合パッケージから調製される。
【0118】
より詳細には、包装装置は、特にウェブの形態で提供される多層包装材料から密封複合パッケージを製造するように構成され得る。
【0119】
さらに、包装プラント、特に包装装置は、包装装置の動作を制御するように構成された制御ユニットを備え得る。
【0120】
さらに、包装装置は、密封された複合パッケージの横シールバンドを生成するための横シール装置を備え得る。特に、制御装置は、横シール装置に動作可能に接続され、特に、サンプリングされた1つ又は複数の密封複合パッケージの1つ又は複数のシールバンド2のシール品質検査装置1によって決定された品質に依存して、横シール装置の動作を制御するように構成される。
【0121】
さらに詳細には、包装装置は、
- ウェブを(公知の方法で)ウェブの前進経路に沿って成形ステーションまで前進させる搬送装置と、
- 隔離チャンバと、前記隔離チャンバは、内部環境、特に無菌ガスを含む内部無菌環境を有し、(敵対的な)外部環境から分離されている、
- 使用時に、内部環境内で前進するウェブからチューブを成形し、内部環境内でチューブを長手方向にシールするように構成されたチューブ成形・シール装置と、
- 注ぎ込み可能な製品をチューブに充填するための充填装置と、
- 複合パッケージを形成するための前進チューブを形成し、横方向にシールし、横方向に切断するように構成されたパッケージ形成装置と、
を備え得る。
【0122】
特に、パッケージ形成装置は、横シール装置を備え得る。
【0123】
さらに、包装装置は、滅菌ステーションにおいて、使用時に、前進するウェブを滅菌するように構成された滅菌ユニットを備えてもよく、特に、滅菌ステーションは、ウェブの前進経路に沿って、成形ステーションの上流に配置される。
【0124】
好ましくは、チューブ成形・シール装置は、チューブが垂直方向を示すように配置され得る。
【0125】
さらに詳細には、チューブ成形・シール装置は、特にウェブの長手方向端部を互いに重ね合わせることによって、ウェブを徐々にチューブに折り込むように構成し得る。これにより、使用時に、チューブの長手方向の継ぎ目部分が形成される。特に、長手方向シーム部分の一部は、それぞれの密封複合パッケージの長手方向シールバンドを規定する。
【0126】
より具体的には、チューブ成形・シール装置は、特に隔離チャンバ内に配置され、特にウェブの長手方向端部を互いに重ね合わせることによって、互いに協働してウェブをチューブ内に徐々に折り畳むように構成された、少なくとも2つの成形リング組立体を備え得る。
【0127】
さらに、チューブ成形・シール装置は、特に隔離室内に配置され、チューブを長手方向に、特に長手方向シーム部に沿って密封するように構成された密封ヘッドを備え得る。
【0128】
さらに、チューブ成形・シール装置は、長手方向シーム部に機械的力を及ぼすように構成された押圧アセンブリを備え得る。
【0129】
パッケージ形成装置は、
- 複数の成形・シールアセンブリであって、各々が少なくともチューブを成形し、チューブを横方向に密封し、特にチューブを横方向に切断するように構成された、成形・シールアセンブリと、
- 成形・シールアセンブリを前進させるように構成された搬送ユニットと、
を備え得る。
【0130】
より具体的には、各成形・シールアセンブリは、
- 複合パッケージの形状を少なくとも部分的に規定するように構成された成形シェルと、
- チューブを少なくとも横方向に圧縮し、特に平らにならして圧縮し、チューブを横方向にシールするように構成されたシールユニットと、
を備え得る。
【0131】
特に、横シール装置は、成形・シールアセンブリのシールユニットを備え得る。好ましくは、制御ユニットは、横方向シールバンド2の決定された品質に依存して、シールユニットの動作(例えば、電力、力など)を制御するように構成され得る。
【0132】
さらに、各成形・シールアセンブリは、チューブを横方向に切断するための切断装置を備え得る。
【0133】
好ましくは、各シール装置は、主シールバンドを形成するように構成され、特に、各切断装置は、主シールバンドを横方向に切断するように構成され得る。さらに好ましくは、各主シールバンドは、一旦切断されると、先行する複合パッケージのそれぞれの横方向シールバンド2と、後続する(後続の)複合パッケージのそれぞれの横方向シールバンド2とを形成してもよく、特に後者は依然としてチューブの一部である。
【0134】
さらに詳細には、各成形シェルは、それぞれの複合パッケージの形状を少なくとも部分的に協働して規定するように構成された少なくとも第1のハーフシェル及び第2のハーフシェルを備え得る。特に、第1のハーフシェル及び第2のハーフシェルは、その反対側からチューブに接触するように構成され得る。
【0135】
さらに、各シールユニットは、特に第1のハーフシェルに関連するそれぞれの第1の部分(例えばソノトロード)と、特に第2のハーフシェルに関連するそれぞれの第2の部分(例えばアンビル)とを備え得る。各第1の部分と各第2の部分は、特にチューブを横方向に圧縮し、横方向に密閉するために、協働するように構成し得る。
【0136】
特に、制御ユニットは、シールバンド2の決定された品質に依存して、各第1の部分、例えばソノトロードの動作を制御するように構成され得る。
【0137】
使用中、包装工場は、注ぎ込み可能な製品、特に注ぎ込み可能な食品を充填した密封複合パッケージを製造する。
【0138】
図12を参照すると、包装プラントの動作は、
a) 1つ又は複数のシールバンド2を有し、注ぎ込み可能な製品で充填された複数の密封複合パッケージを形成するステップと、
b) 複数の密封複合パッケージから1つ以上の密封複合パッケージをサンプリングするステップと、
c) 特に装置1を用いて、サンプリングされた1つ以上の密封複合パッケージの1つ以上のシールバンド2の品質を判定するステップと、
を備える。
【0139】
優先的には、ステップb)とステップc)は、ステップa)の間に実行され、特に繰り返し実行される。さらに好ましくは、ステップc)の結果は、ステップa)を制御するために使用される。
【0140】
より詳細には、ステップa)の間、横シール装置は、密封複合パッケージの横シールバンドを形成し得る。好ましくは、横シール装置は、1つ以上のサンプリングされた密封複合パッケージの1つ以上のシールバンド2の決定された品質に応じて、ステップc)の間に決定されるように制御され得る。
【0141】
さらに、ステップa)の間に、
- 包装材料のウェブを前進させるサブステップと、
- 包装材料のウェブをチューブに折り込むサブステップと、
- チューブを縦方向にシールするサブステップと、
- チューブに注入するサブステップと、
- チューブを成形するサブステップと、
- チューブを横方向にシールするサブステップと、
- チューブを横方向に切断するサブステップと、
を備え得る。
【0142】
より詳細には、ステップc)の間に、
c1)第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13により、シールバンド2を有するサンプル14をクランプし、シールバンド2が第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13の間に介在するサブステップと、
c2)特に作動装置15によって、第1のクランプ装置12と第2のクランプ装置13との間の相対運動を作動させることによって、シールバンド2を剥離するサブステップと、
c3)サブステップc2)の実行中に、特に視覚システム16によって、シールバンド2の1つ又は複数の画像をキャプチャするサブステップと、
を備え得る。
【0143】
好ましくは、ステップc)の実行中に、特に分析ユニットによって、分析するサブステップc4)が実行され、このサブステップc4)の間に、特に分析ユニットによって、シールバンド2の品質を決定するように、1つ又は複数の画像が分析される。好ましくは、サブステップc4)において、欠陥の存在を検出するために、1つ以上の画像が分析される。
【0144】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、サブステップc4)の間に、ステップa)の間、特に横方向シールの間に使用されるパラメータの新しい値が、包装装置及び/又は技術オペレータに提案及び/又は供給され得る。
【0145】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、ステップc)の間にも、サンプル14を調製するサブステップが実行され、このサブステップの間、サンプル14は、サンプリングされた密封複合パッケージ(ステップb)の間に採取されたもの)から切り出される。
【0146】
より詳細には、サブステップc1)において、まず、第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13が、特に制御装置34によって、それぞれの受け取り構成に制御され、サンプル14の一部が、特に配置ガイド42の助けを借りて、第1のクランプ面とそれぞれの第2のクランプ面との間に配置される。その後、第1のクランプ装置12及び第2のクランプ装置13は、特に制御装置34によって、それぞれのクランプ構成に制御され、それによってサンプル14の一部が第1のクランプ面とそれぞれの第2のクランプ面との間にクランプされる。
【0147】
さらに、サブステップc2)の間、作動装置15は、特に決定された移動プロファイルに従って、第1のキャリッジ19及び第2のキャリッジ20を互いに離れるように移動させる。
【0148】
優先的には、サブステップc2)の間、力検出装置26は力曲線を監視し得る。
【0149】
いくつかの好ましい非限定的な実施形態によれば、本方法は、サンプル上に存在する識別コードを読み取る(又はスキャンする)ステップと、シールバンドの前記1つ以上の画像を前記識別コードに関連付けるステップとをさらに含む。識別コードは、QRコード(登録商標)、バーコード、又は他のタイプのコードであってもよい。
【0150】
本発明によるシール品質検査装置1及び/又は包装プラント及び/又は方法の利点は、前述の説明から明らかであろう。
【0151】
特に、シール品質検査装置1では、異なるサンプル14について、決められた条件下で繰り返し測定を行うことができる。
【0152】
さらなる利点は、シールバンド2の品質評価を、技術者の経験とは無関係に実施できることである。
【0153】
さらに、画像を自動的に分析できるという利点もある。
【0154】
添付の特許請求の範囲に定義された保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されたシール品質検査装置1及び/又は包装工場及び/又は方法に変更を加えてもよい。
【国際調査報告】