(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】カレンダー処理された繊維ウェブを含んでなる喫煙物品用の区分
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20250130BHJP
A24D 3/08 20060101ALI20250130BHJP
A24D 3/14 20060101ALI20250130BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20250130BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20250130BHJP
D04H 1/26 20120101ALI20250130BHJP
D04H 1/425 20120101ALI20250130BHJP
D06M 11/79 20060101ALI20250130BHJP
D06M 11/44 20060101ALI20250130BHJP
D06M 11/45 20060101ALI20250130BHJP
D21H 27/08 20060101ALN20250130BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D3/08
A24D3/14
A24D1/02
A24D1/20
D04H1/26
D04H1/425
D06M11/79
D06M11/44
D06M11/45
D21H27/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541903
(86)(22)【出願日】2023-01-20
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2023051409
(87)【国際公開番号】W WO2023144038
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】102022102066.5
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512252548
【氏名又は名称】デルフォルトグループ、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】DELFORTGROUP AG
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100210675
【氏名又は名称】下山 潤
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン、バッハマン
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー、フォルガー
【テーマコード(参考)】
4B045
4L031
4L047
4L055
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B045AB04
4B045AB08
4B045AB14
4B045BA02
4B045BA08
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4L031AA01
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4L055EA14
4L055EA17
4L055EA32
4L055FA11
4L055FA13
4L055GA31
4L055GA39
(57)【要約】
本発明は、喫煙物品の区分であって、包装材料およびフィルター材料を含んでなり、包装材料はフィルター材料を包装し、フィルター材料の質量のうち少なくとも10%および多くとも100%がカレンダー処理された繊維ウェブにより形成され、カレンダー処理された繊維ウェブの質量のうちの少なくとも50%および多くとも100%が有機ポリマー繊維から形成される、喫煙物品の区分に関する。カレンダー処理された繊維ウェブは、少なくとも0.45および多くとも0.85の圧縮因子Cを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料およびフィルター材料を含んでなり、前記包装材料は前記フィルター材料を包装し、前記フィルター材料の質量のうち少なくとも10%および多くとも100%がカレンダー処理された繊維ウェブにより形成され、前記カレンダー処理された繊維ウェブの質量のうちの少なくとも50%および多くとも100%が有機ポリマー繊維から形成され、
前記カレンダー処理された繊維ウェブは、少なくとも0.45および多くとも0.85の圧縮因子Cを有し、
前記圧縮因子は、
【数1】
により計算され、
式中dはISO534:2011に従って決定された前記カレンダー処理された繊維ウェブの厚さであり、
m
iは、1≦i≦Nであり、前記カレンダー処理された繊維ウェブのN≧1構成要素のうちのi番目の単位面積質量であり、
ρ
iは、1≦i≦Nであり、N≧1構成要素のうちのi番目の密度であり、
圧縮因子Cの計算に考慮されるN構成要素は、i=1~i=Nの単位面積質量m
iの合計が、ISO536:2019に従って決定された前記カレンダー処理された繊維ウェブの基本重量の少なくとも90%であるように選択される、喫煙物品の区分。
【請求項2】
前記フィルター材料の質量のうちの少なくとも20%および多くとも90%、好ましくは少なくとも25%および多くとも75%または少なくとも30%および多くとも100%が前記カレンダー処理された繊維ウェブにより形成される、請求項1に記載の区分。
【請求項3】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの圧縮因子が、少なくとも0.50および多くとも0.80、好ましくは少なくとも0.55および多くとも0.75である、請求項1または2に記載の区分。
【請求項4】
前記有機ポリマー繊維のうちの少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%および特に全てが、生体高分子由来の繊維であり、生体高分子から作製された前記繊維が、好ましくはセルロース系生体高分子由来の繊維、特にパルプ繊維、再生セルロース由来の繊維、また酢酸セルロース由来の繊維である、請求項1~3のいずれか一項に記載の区分。
【請求項5】
生体高分子由来の前記繊維は、パルプ繊維、再生セルロース由来の繊維またはこれらの混合物により形成される、請求項4に記載の区分。
【請求項6】
前記有機ポリマー繊維のうちの少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%および特に全てが、針葉樹、落葉樹、麻繊維、亜麻、ジュート、ラミー(ramie)、ケナフ、カポック、ココナツ、アバカ、サイザル、竹、綿もしくはアフリカハネガヤ(esparto grass)から供給されるパルプ繊維によって形成されるか、またはこれらの樹木または植物の2種以上由来のパルプ繊維の混合物によって形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の区分。
【請求項7】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの質量に関する有機ポリマー繊維の割合が、少なくとも60%および多くとも100%、好ましくは少なくとも70%および多くとも95%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の区分。
【請求項8】
前記カレンダー処理された繊維ウェブが、各々カレンダー処理された繊維ウェブの質量に関して、40%未満、好ましくは30%未満および特に好ましくは20%未満の酢酸セルロース由来の繊維を含有し、特に酢酸セルロースから製造された繊維を含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載の区分。
【請求項9】
前記カレンダー処理された繊維ウェブが、充填材料を含有し、前記カレンダー処理された繊維ウェブの質量に関する充填材料の割合が、少なくとも0%および多くとも50%、好ましくは少なくとも0%および多くとも30%並びに特に好ましくは少なくとも0%および多くとも5%であり、または前記カレンダー処理された繊維ウェブの質量に関する充填材料の割合が、5%~35%である、請求項1~8のいずれか一項に記載の区分。
【請求項10】
前記充填材料が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、滑石、ベントナイトから成る群から選択されるか、またはこれらの種類の充填材料の2種以上の混合物により形成される、請求項9に記載の区分。
【請求項11】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの質量のうち少なくとも0%および多くとも10%、カレンダー処理された繊維ウェブの質量のうち好ましくは少なくとも1%および多くとも9%が、サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、脂肪酸、デンプン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、キトサン、湿潤度増強剤、クエン酸塩、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、リンゴ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、サリチル酸塩、α-ヒドロキシカプリル酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、塩化物、炭酸水素塩、トリアセチン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、クエン酸トリエチル、触媒、活性炭、香味料、およびカプセル化香味料、から成る群から選択される1種以上の添加剤によって形成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の区分。
【請求項12】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの基本重量が、少なくとも15g/m
2および多くとも44g/m
2、好ましくは少なくとも20g/m
2および多くとも40g/m
2、特に好ましくは少なくとも23g/m
2および多くとも38g/m
2、特に少なくとも31g/m
2および多くとも37g/m
2である、請求項1~11のいずれか一項に記載の区分。
【請求項13】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの厚さが、少なくとも15μmおよび多くとも55μm、好ましくは少なくとも20μmおよび多くとも50μm、特に好ましくは少なくとも30μmおよび多くとも37μmである、請求項1~12のいずれか一項に記載の区分。
【請求項14】
ISO1924-2:2008に従って測定された、前記カレンダー処理された繊維ウェブの幅に関する引張強度が、少なくとも1つの方向において、少なくとも6N/15mmおよび多くとも70N/15mm、好ましくは少なくとも8N/15mmおよび多くとも60N/15mmである、請求項1~13のいずれか一項に記載の区分。
【請求項15】
ISO1924-2:2008に従って測定された、前記カレンダー処理された繊維ウェブの破断伸びが、少なくとも1つの方向において、少なくとも0.8%および多くとも3.0%、好ましくは少なくとも1.0%および多くとも2.5%である、請求項1~14のいずれか一項に記載の区分。
【請求項16】
前記カレンダー処理された繊維ウェブが少なくとも片側にコーティングされ、少なくとも片側の前記コーティングが、前記カレンダー処理された繊維ウェブのこの側の表面積のうち少なくとも20%および多くとも100%を覆い、コーティング材料が、サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、脂肪酸、デンプン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、キトサン、湿潤度増強剤、クエン酸塩、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、リンゴ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、サリチル酸塩、α-ヒドロキシカプリル酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、塩化物、炭酸水素塩、トリアセチン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、クエン酸トリエチル、触媒、活性炭、香味料、およびカプセル化香味料から成る群から選択される材料を含んでなるまたはこれらの材料の2種以上の混合物を含んでなる、請求項1~15のいずれか一項に記載の区分。
【請求項17】
前記コーティングが、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体またはこれらの物質のうち少なくとも2種の混合物から成る群から選択される材料を含んでなり、前記コーティング中のこの材料の割合が、各々が前記カレンダー処理された繊維ウェブに適用された前記コーティングの質量に関して、好ましくは少なくとも20%および多くとも100%、特に好ましくは少なくとも50%および多くとも100%、更に特に好ましくは少なくとも70%および多くとも98%並びに特に少なくとも80%および多くとも95%である、請求項16に記載の区分。
【請求項18】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの片側のみがコーティングされ、前記コーティングが、前記カレンダー処理された繊維ウェブの前記コーティングされた側の面積の少なくとも50%および多くとも100%、好ましくは少なくとも90%および多くとも100%並びに特に好ましくは少なくとも80%および多くとも95%を覆う、請求項16または17に記載の区分。
【請求項19】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの両側がコーティングされ、前記コーティングが、前記カレンダー処理された繊維ウェブの両側の表面積の少なくとも20%および多くとも100%、好ましくは少なくとも50%および多くとも100%、特に好ましくは少なくとも90%および多くとも100%または少なくとも80%および多くとも95%を覆う、請求項16または17に記載の区分。
【請求項20】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの片側または両側に適用されるコーティング材料の量が、少なくとも0.5g/m
2および多くとも5.0g/m
2、好ましくは少なくとも0.7g/m
2および多くとも4.0g/m
2であり、g/m
2の量が、前記コーティング材料が実際に適用された表面積に関する、請求項16~19のいずれか一項に記載の区分。
【請求項21】
前記カレンダー処理された繊維ウェブの少なくとも片側がコーティングされ、前記コーティングが、少なくとも片側上の、前記カレンダー処理された繊維ウェブのこの側の面積の少なくとも20%および多くとも100%を覆い、前記コーティングを含む前記カレンダー処理された繊維ウェブの基本重量が、少なくとも20g/m
2および多くとも35g/m
2であり、前記コーティングが好ましくは、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体またはこれらの2種以上の混合物から成る群から選択される材料を含んでなる、請求項16~20のいずれか一項に記載の区分。
【請求項22】
前記カレンダー処理された繊維ウェブが、カレンダー処理された紙またはカレンダー処理された不織布である、請求項1~21のいずれか一項に記載の区分。
【請求項23】
前記フィルター材料が、前記カレンダー処理された繊維ウェブおよび更なるろ過材料を含んでなり、前記更なるろ過材料が好ましくは、ろ紙、不織布、トウ(tow)またはそれらの組合せから成る群から選択される、請求項1~22のいずれか一項に記載の区分。
【請求項24】
前記更なるろ過材料が、ろ紙、セルロース系不織布、水流絡合された不織布、酢酸セルロースを含んでなるトウ、再生セルロースを含んでなるトウおよびそれらの2種以上の組合せから成る群から選択される、請求項23に記載の区分。
【請求項25】
前記更なるろ過材料が、ろ紙、セルロース系不織布、水流絡合された不織布またはそれらの2種以上の組合せであり、前記更なる材料が好ましくはウェブ形状であり、前記カレンダー処理された繊維ウェブに積層される、請求項23または24に記載の区分。
【請求項26】
前記フィルター材料の質量の少なくとも10%および多くとも90%、好ましくは少なくとも20%および多くとも70%が前記更なるろ過材料により形成される、請求項23~25のいずれか一項に記載の区分。
【請求項27】
前記フィルター材料の質量の少なくとも70%および多くとも100%が、前記カレンダー処理された繊維ウェブにより形成され、前記フィルター材料の質量の多くとも30%、好ましくは多くとも20%が酢酸セルロースにより形成される、請求項1~26のいずれか一項に記載の区分。
【請求項28】
前記包装材料が、紙またはフィルムである、請求項1~27のいずれか一項に記載の区分。
【請求項29】
前記包装材料が、少なくとも20g/m
2および多くとも150g/m
2、好ましくは少なくとも30g/m
2および多くとも130g/m
2の基本重量を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の区分。
【請求項30】
前記区分が、ほぼ円形または楕円形の外側境界の断面を有する円筒状であり、少なくとも3mmおよび多くとも10mm、好ましくは少なくとも4mmおよび多くとも9mm並びに特に好ましくは少なくとも5mmおよび多くとも8mmの公称直径を有する、請求項1~29のいずれか一項に記載の区分。
【請求項31】
前記区分が、少なくとも4mmおよび多くとも40mm、好ましくは少なくとも6mmおよび多くとも35mm並びに特に好ましくは少なくとも10mmおよび多くとも28mmの長さを有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の区分。
【請求項32】
前記区分の単位長さあたりの引張抵抗が、少なくとも0.05mmWG/mmおよび多くとも12.0mmWG/mm、好ましくは少なくとも0.1mMWG/mmおよび多くとも10.0mmWG/mm並びに特に好ましくは少なくとも0.1mmWG/mmおよび多くとも4.0mmWG/mmである、請求項1~31のいずれか一項に記載の区分。
【請求項33】
前記区分の内部に1つ以上の空隙を有し、活性炭粒子または香味料を含む崩壊可能なカプセルが前記少なくとも1つ以上の空隙内に含有されるか、または前記1つ以上の空隙は、細長い管として形成され、前記管は、前記区分の長手軸に対して少なくともほぼ平行であり、全体的に区分内部に配置されるか、または前記区分の一端または両端の面で終結する、請求項1~32のいずれか一項に記載の区分。
【請求項34】
前記区分が、エアロゾル形成材料、特にタバコ材料を含有する、請求項1~33のいずれか一項に記載の区分。
【請求項35】
フィルターロッドであって、前記フィルターロッドが、ほぼ円形または楕円形の外側境界の断面を有する円筒状であり、少なくとも40mmおよび多くとも200mmの長さを有し、請求項1~33のいずれか一項に記載の少なくとも1つの区分を備える、フィルターロッド。
【請求項36】
請求項1~34のいずれか一項に記載の少なくとも1つの区分およびフィルター材料を含んでなる少なくとも1つの更なる区分を備え、前記区分が、前記フィルターロッドの長手軸方向に順々に配置され、前記更なる区分の前記フィルター材料は好ましくは、酢酸セルロースを含んでなる、請求項35に記載のフィルターロッド。
【請求項37】
請求項1~34のいずれか一項に記載の複数の区分および互いに同一である複数の更なる区分を備え、前記フィルターロッドにおいて、請求項1~34のいずれか一項に記載の区分の数は、フィルターロッド中で互いに同一であり、前記フィルターロッドの長手軸方向にある前記更なる区分の数と等しく、請求項1~34のいずれか一項に記載の区分および更なる区分は、互いに交互に配置され、請求項1~34のいずれか一項に記載の区分の数および互いに同一である前記更なる区分の数は、それぞれ2、3、4、5、または6である、請求項36に記載のフィルターロッド。
【請求項38】
前記フィルターロッドが、ほぼ円形または楕円形の外側境界の断面を有する円筒状であり、少なくとも3mmおよび多くとも10mm、好ましくは少なくとも4mmおよび多くとも9mm並びに特に好ましくは少なくとも5mmおよび多くとも8mmの公称直径を有する、請求項35~37のいずれか一項に記載のフィルターロッド。
【請求項39】
少なくとも2つの区分を備え、前記区分の1つは、請求項1~34のいずれか一項に記載の区分であり、少なくとも1つの前記区分は、エアロゾル形成材料を含有する、喫煙物品。
【請求項40】
少なくとも3つの区分を備え、第1の区分は、エアロゾル形成材料を含有し、第2の区分は、請求項1~34のいずれか一項に記載の区分であり、第3の区分を提供し、前記第3の区分は、特にろ過の役に立ち、前記第2の区分は、前記第1および前記第3の区分の間に配置される、請求項39に記載の喫煙物品。
【請求項41】
前記第3の区分の引張抵抗は、前記第2の区分の引張抵抗より高い、請求項40に記載の喫煙物品。
【請求項42】
前記第2の区分の長さの前記第3の区分の長さに対する比率が、少なくとも1:2および多くとも5:1、好ましくは少なくとも1:1および多くとも3:1である、請求項40または41に記載の喫煙物品。
【請求項43】
前記第3の区分が、ろ紙、セルロース系不織布、水流絡合された不織布、酢酸セルロースを含んでなるトウまたは再生セルロースを含んでなるトウを含んでなる、請求項40~42のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項44】
前記喫煙物品が、フィルター付きたばこであり、前記エアロゾル形成材料がタバコである、請求項39~43のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項45】
前記エアロゾル形成材料が、前記喫煙物品の意図した使用中に加熱されるのみで燃焼されず、前記エアロゾル形成材料が、タバコ、再構成されたタバコ、ニコチン、グリセロール、プロピレングリコール、および香味料またはこれらの材料の2種以上の混合物から成る群から選択される材料を含んでなる、請求項39~43のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項46】
前記エアロゾル形成材料が、前記意図した使用中に電気的に加熱され、および/または前記エアロゾル形成材料が、ゲルまたは液体形状で存在し、好ましくは前記喫煙物品の区分の容器内に含有される、請求項45に記載の喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品の区分であって、区分は、区分の特性、特に引張抵抗およびろ過効率を、簡単および確実な様式で広範にわたり調整することを可能にする、フィルター材料を含んでなる、区分に関する。区分のフィルター材料はこれにより、特定の特性を有するカレンダー処理された繊維ウェブを含んでなる。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品は典型的には、ロッド型の物品であり、順々に配置された少なくとも2つのロッド型区分から成る。1つの区分は、加熱時にエアロゾルを形成することができる材料を含有し、少なくとも1つの更なる区分は、エアロゾルの特性に影響を及ぼすよう機能する材料を含有する。
【0003】
喫煙物品は、第1の区分がエアロゾル形成材料、特にタバコを含有し、更なる区分がフィルターとして設計され、エアロゾルをろ過するよう働くフィルター付きたばこであってもよい。これに関して、エアロゾルは、エアロゾル形成材料の燃焼により生じ、フィルターは主に、エアロゾルをろ過し、規定の引張抵抗を有するフィルター付きたばこを提供するのに役立つ。
【0004】
喫煙物品はしかしながら、加熱タバコ製品として知られるものであってもよく、このものではエアロゾル形成材料は加熱されるだけで燃焼しない。このことは、健康に損害を与えるエアロゾル中の物質の数および量が減少することを意味する。このような喫煙物品はまた、少なくとも2つ、しかしながら、大抵はそれ以上の区分、特に4つの区分から成る。1つの区分は、エアロゾル形成材料を含有し、これは典型的には、タバコ、再構成されたタバコもしくは他のプロセスにより調製されたタバコ、ニコチン、グリセロールまたはプロピレングリコールを含んでなる。更に、加熱たばこ製品中の任意の区分は時々、エアロゾルを移動させ、エアロゾルを冷却し、またはエアロゾルをろ過するのに役立つ。
【0005】
区分は通常、包装材料によって包装される。包装材料として紙を使用することが非常に多い。
【0006】
従来技術では、このような区分を酢酸セルロースまたはポリ乳酸から形成することが知られている。ポリ乳酸、および特に酢酸セルロースは、環境中で非常にゆっくりとしか生分解しないので、産業界では、生分解に優れ、酢酸セルロースの使用を省略可能にすることのできる他の材料由来の喫煙物品の区分を製造することに関心がある。従来技術では、喫煙物品用の区分を、特にフィルター区分を紙から製造することが知られている。このような区分は概して、容易に生分解できるが、短所もある。例としては、紙製のフィルター区分は概して、高いろ過効率を有し、したがって、乾燥エアロゾルを生じ、これは、酢酸セルロース製の従来のフィルター区分と比較してエアロゾルの風味を悪化させる。更に、紙製のフィルター区分は、酢酸セルロースよりもフェノールのろ過効率が低いことが多い。更に、引張抵抗、ろ過効率および硬度の組合せに関して消費者に受け入れられる紙製の区分を製造することが難しいことが分かっている。ろ過効率を減少させるためには、フィルターの単位体積あたりに使用される紙を減らすことが多いが、こうすると区分が柔らかくなり、引張抵抗が低くなりすぎる。
【0007】
喫煙物品の区分を設計する場合、引張抵抗およびろ過効率が重要な役割を果たす。喫煙物品では、高い引張抵抗、並びに低い引張抵抗、同様に高いまたは低いろ過効率を有する区分が必要とされる。引張抵抗およびろ過効率は密接に関連しているので、これらのパラメータを広範にわたり独立して調整することは難しい。
【0008】
したがって、産業界では、引張抵抗およびろ過効率を互いに独立して広範にわたり修正することができる区分の製造を可能にするフィルター材料を利用することに関心がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、喫煙物品用の区分または引張抵抗およびろ過効率を単純に、確実に、本質的に互いに独立して調整することができ、これに関して従来の区分より優れた喫煙物品用の区分を提供することである。本発明の更なる目的は、喫煙物品用の容易に生分解可能な区分を提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1に記載の区分、請求項35に記載のフィルターロッド、および請求項39に記載の喫煙物品により達成される。有利な実施形態を従属請求項に提供する。
【0011】
本発明者らは、この目的は、包装材料およびフィルター材料を含んでなる喫煙物品の区分であって、包装材料がフィルター材料を包装し、フィルター材料がカレンダー処理された繊維ウェブの質量の少なくとも10%および多くとも100%に形成され、カレンダー処理された繊維ウェブの少なくとも50%および多くとも100%が有機ポリマー繊維によって形成され、カレンダー処理された繊維ウェブが、少なくとも0.45および多くとも0.85の圧縮因子を有し、圧縮因子が、カレンダー処理された繊維ウェブの密度およびカレンダー処理された繊維ウェブの構成要素の体積加重密度の比率である、喫煙物品の区分によって達成されうることを見出した。
【0012】
先行技術によれば、当業者ならば、喫煙物品の区分中のフィルター材料が、エアロゾルの構成要素を効率よくろ過することができるように、区分を流れるエアロゾルに充分な表面積を提供するために、低密度の多孔質構造を有して欲しいと考える。これに関して、各フィルター材料は、引張抵抗およびろ過効率がどのように関連しているかが別々に調査され、所望のパラメータについては、区分中のフィルター材料の種類および質量を規定する。これに関して、引張抵抗およびろ過効率に加えて、他の側面、特に区分の硬さも重要であり、これは主にフィルター材料の質量および部分的に包装材料によって決まる。特に、充分な硬度で低い引張抵抗および低いろ過効率を達成することは難しい。また、区分が低い引張抵抗および高いろ過効率、またはその逆で高い引張抵抗および低いろ過効率を達成するのも難しい。しかしながら、喫煙物品、特に加熱たばこ製品については、このような区分の必要性が高い。
【0013】
本発明者らは驚くべきことに、喫煙物品における区分の構成要素としてのカレンダー処理された繊維ウェブが、この目的を達成できることを見出した。先行技術によれば、当業者ならば、カレンダー処理された繊維ウェブをこの種類の区分のフィルター材料として使用するとは考えず、その理由は、カレンダー処理を行えば繊維ウェブが圧縮され、表面を平滑化および密封し、非多孔質構造を生じ、非多孔質構造はろ過効果が非常に低く、このような繊維ウェブでは喫煙物品の区分に不適切と推定されるからである。本発明者らは、しかしながら予想とは逆に、繊維ウェブを圧縮因子が本発明による区間に入るようにカレンダー処理するならば、このような区分用のフィルター材料としてのカレンダー処理された繊維ウェブが適切であることを見出した。この狭い範囲の圧縮因子では、繊維ウェブから製造された区分の引張抵抗が比較的低いが、ろ過効率は依然として中間範囲であり、特にろ過効率はほとんど一定であり、区分のカレンダー処理された繊維ウェブの引張抵抗および質量からは独立しているという驚くべき効果が分かった。したがって、本発明による圧縮因子を有するカレンダー処理された繊維ウェブは、ろ過効率を変更せずに区分の引張抵抗および硬度を調整することを可能にする。従来技術の利用可能なフィルター材料では、これと同程度のことが可能ではない。
【0014】
圧縮因子とは、カレンダー処理された繊維ウェブの密度およびカレンダー処理された繊維ウェブの構成要素の体積加重密度の比率である。この比率は、どれだけ激しくカレンダー処理された繊維ウェブを圧縮するかを本質的に説明する。圧縮因子1とは、最大圧縮を意味し、その結果カレンダー処理された繊維ウェブには多孔質堆積は残っておらず、一方低い圧縮因子では、カレンダー処理された繊維ウェブには中に細孔堆積が一部残る。
【0015】
繊維ウェブが、密度ρiおよび単位面積質量miを有するi=1,2,3,…,N個の構成要素から成る場合、カレンダー処理された繊維ウェブの構成要素の体積加重密度ρ0は、以下により計算され、
【0016】
【0017】
カレンダー処理された繊維ウェブの密度ρcは、以下によりカレンダー処理された繊維ウェブの構成要素の単位面積質量およびカレンダー処理された繊維ウェブの厚さdに由来する。
【0018】
【0019】
基本重量は、ISO536:2019に従って測定することができ、厚さはISO534:2011に従って測定することができる。圧縮因子Cは、カレンダー処理された繊維ウェブの密度ρcのカレンダー処理された繊維ウェブの構成要素の密度に対する比率ρ0なので、以下である。
【0020】
【0021】
本発明の効果を達成するためには、圧縮因子は、少なくとも0.45および多くとも0.85である必要がある。圧縮因子Cの計算では、構成要素の全ての全体を含める必要はない。計算に使用する全構成要素がカレンダー処理された繊維ウェブの質量の少なくとも90%を構成すれば充分である。圧縮因子の計算例を以下に更に提供する。
【0022】
本発明者らは今までのところ、なぜ、予想とは逆に、カレンダー処理された繊維ウェブが中間範囲のろ過効率を有するのか、およびなぜ、本発明による圧縮因子の範囲では、引張抵抗がろ過効率から独立しているのかに関する理論を見出していない。しかしながら、以下に更に説明するように、実験によって、カレンダー処理された繊維ウェブの圧縮因子は本発明の効果を達成するのに必須の尺度であることが分かる。また、カレンダー処理によって作製されたカレンダー処理された繊維ウェブの多孔質構造および面は、本発明による圧縮因子に対して重要であることは推定される必要がある。
【0023】
本発明による区分は、フィルター材料を含んでなり、フィルター材料の質量の少なくとも10%および多くとも100%は、カレンダー処理された繊維ウェブによって形成される。カレンダー処理された繊維ウェブのため、引張抵抗およびろ過効率は互いに独立して調整することができる。例として、引張抵抗を増加させるが、ろ過効率を変化しないままにするために、フィルター材料中のカレンダー処理された繊維ウェブの割合を増やすことができる。したがって、フィルター材料の質量の好ましくは少なくとも20%および多くとも90%、特に好ましくはフィルター材料の質量の少なくとも25%および多くとも75%は、カレンダー処理された繊維ウェブによって形成される。いくつかの実施形態では、フィルター材料中のカレンダー処理された繊維ウェブの割合はかなり高く、フィルター材料の質量の少なくとも30%および多くとも100%である。
【0024】
カレンダー処理された繊維ウェブの圧縮因子が本発明による区分にとって必須な理由は、本発明者らによる知見によれば、引張抵抗およびろ過効率は、特定範囲の圧縮因子にのみ独立しているからである。好ましくは、カレンダー処理された繊維ウェブの圧縮因子は、少なくとも0.50および多くとも0.80、特に好ましくは少なくとも0.55および多くとも0.75である。本発明による範囲内では、本発明者らによる調査から、引張抵抗およびろ過効率は、互いに独立であり、圧縮因子の好ましい区間では、カレンダー処理プロセスは、特に効率的に実行することができることが示される。
【0025】
本発明による区分では、フィルター材料の少なくとも一部を形成する繊維ウェブは、カレンダー処理される。このことは、製造中に、機械的圧力が繊維ウェブ上に作用する少なくとも1つのニップの間を繊維ウェブが動き、そのとき繊維ウェブが圧縮され、平滑化されることを意味することができる。これに関して、例えば、機械的圧力およびニップの数は、カレンダー処理された繊維ウェブの圧縮因子が本発明による範囲内になるように選択されうる。カレンダー処理プロセスを支援するために、カレンダー処理前にニップを形成するロールを加熱することができおよび/または繊維ウェブの水分含量を調整することができる。本発明による区分用のカレンダー処理された繊維ウェブを製造するためには、本発明による圧縮因子を達成する目的で、カレンダー処理中の繊維ウェブの水分含量を乾燥繊維ウェブの平衡状態と比較して増加させることが重要である。更に、当業者は、所望の圧縮因子を達成するように、繊維ウェブの特性に基づいてカレンダー処理プロセスの更なるパラメータを調整することができる。
【0026】
このカレンダー処理プロセスは、本明細書では、他のプロセス、例えばサイズ圧縮または物質を繊維ウェブの面に適用するコーティング装置などのものと区別する必要がある。これに関して、繊維ウェブはまた実際に、ニップの間を動くことができるが、繊維ウェブ上に高圧は及ぼされず、その結果繊維ウェブは圧縮されず、またはわずかしか圧縮されず、本発明による圧縮因子は達成されない。
【0027】
カレンダー処理された繊維ウェブは、有機ポリマー繊維を含んでなる。有機ポリマー繊維は、主鎖が炭素原子を含有するポリマーから成る繊維である。このようなポリマー繊維は、原理上は繊維ウェブを形成し、カレンダー処理するのに適しており、その結果本発明を実現することができる。
【0028】
ガラス繊維、金属繊維または鉱物繊維およびポリシロキサンなどの無機ポリマー由来の繊維などの無機繊維は、本発明によるものではない。
【0029】
カレンダー処理された繊維ウェブの生分解性は、ポリマー繊維の選択によって改善され得、またはポリマー繊維によって可能にさえなることができる。喫煙物品は使用後環境に廃棄されることが多いので、喫煙物品が構成する区分が容易に生分解できることは重要である。
【0030】
好ましくは、有機ポリマー繊維はしたがって、生体高分子から作製される繊維である。生体高分子は、生物によって合成されるまたは生物によって合成されるポリマーと化学的に同一のポリマーである。生物によって合成される、または生物によって合成可能な改変ポリマーも、本発明の範囲内の生体高分子である。例として、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの合成ポリマーは、生体高分子ではなく、したがって、あまり好ましくはないが、依然として本発明によるものである。これに関して、有機ポリマー繊維の、好ましくは少なくとも80重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%および理想的には全ては、生体高分子から製造される。
【0031】
生分解性を更に最適化するために、特に好ましい実施形態では、有機ポリマー繊維は、セルロース系ポリマー由来の繊維である。セルロース系ポリマー由来の繊維の例としては、パルプ繊維、再生セルロース由来の繊維、および酢酸セルロース由来の繊維である。本発明によるものだがあまり好ましくはないのは、ポリ乳酸由来の繊維であり、これは生体高分子だが、セルロース系生体高分子ではなく、例えばパルプ繊維より容易に生分解性しない。同様にあまり好ましくないのは、酢酸セルロース由来の繊維であり、これはセルロース系生体高分子だが、ポリ乳酸から作製される繊維よりはるかに容易に生分解しない。
【0032】
本発明による区分の最良の生分解性を達成するために、特に好ましい実施形態では、生体高分子から作製された繊維は、パルプ繊維、再生セルロース由来の繊維またはこれらの混合物である。
【0033】
特に、有機ポリマー繊維のうち少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%および特に全てが、針葉樹、落葉樹または麻繊維、亜麻、ジュート、ラミー(ramie)、ケナフ、カポック、ココナツ、アバカ、サイザル、竹、綿もしくはアフリカハネガヤ(esparto grass)由来などの他の植物から供給されるパルプ繊維であるか、またはこれらの樹木または植物の2種以上由来のパルプ繊維の混合物である。換言すれば、パルプ繊維は、前述の供給源のちょうど1つから供給され得、またはこの供給源の2つまたは複数から供給されるパルプ繊維の混合物であることができる。最適な生分解性は別として、これらの繊維も、均一の品質および大量に利用可能である。
【0034】
カレンダー処理された繊維ウェブ中の有機ポリマー繊維の割合は、変化させることができる。本発明によれば、割合は、更なる加工用に優れた強度を有する繊維ウェブを提供するために、カレンダー処理された繊維ウェブの質量の少なくとも50%および多くとも100%である。好ましくは、カレンダー処理された繊維ウェブの質量中の有機ポリマー繊維の割合はより高く、少なくとも60%および多くとも100%、特に好ましくは少なくとも70%および多くとも95%である。有機ポリマー繊維の割合が高いと、本発明による圧縮因子を達成するために、繊維ウェブを低圧でカレンダー処理することが可能となる。
【0035】
良好な生分解性のためには、カレンダー処理された繊維ウェブは、40%未満、特に好ましくは30%未満、および特に20%未満の酢酸セルロース由来の繊維を含有することが好ましく、割合は、カレンダー処理された繊維ウェブの質量に関連する。特に、カレンダー処理された繊維ウェブは、酢酸セルロース由来の繊維を含まない。
【0036】
カレンダー処理された繊維ウェブは、充填材料を含有することができる。充填材料は、多孔質構造を有するカレンダー処理された繊維ウェブを提供し、概して圧縮性が低く、その結果、所望の圧縮因子を達成するためには、繊維ウェブのカレンダー処理に高い圧力が必要となる。好ましくは、充填材料の割合はしたがって、カレンダー処理された繊維ウェブの質量の少なくとも0%および多くとも50%であり、特に好ましくは、充填材料の割合は、各々カレンダー処理された繊維ウェブの質量に関して少なくとも0%および多くとも30%、より特に好ましくは少なくとも0%および多くとも5%である。充填材料は、繊維ウェブの明るさを高めるために有用であってもよい。このことは、繊維ウェブから製造された区分が喫煙物品の末端に位置し、区分の断面が見える場合に重要であってもよい。充填材料を使用することができる同様の理由は、充填材料が他の有機ポリマー繊維より安価なためである。これらの理由のため、カレンダー処理された繊維ウェブの質量に関して少なくとも5%および多くとも35%の充填剤含有量も、代替案として好ましい。
【0037】
好ましくは、充填材料が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、滑石およびベントナイトから成る群から選択されるか、またはこれらの種類の充填材料の2種以上の混合物により形成されうる。
【0038】
カレンダー処理された繊維ウェブは、特別な特性を有するカレンダー処理された繊維ウェブを提供するために添加剤を含有することができる。これらの添加剤は、例えば、乾燥または湿潤状態での強度、水吸収、全体または特定の物質のろ過効率に影響を及ぼすことができる。カレンダー処理された繊維ウェブ中の添加剤の割合は、好ましくはカレンダー処理された繊維ウェブの質量の少なくとも0%および多くとも10%であり、特に好ましくはカレンダー処理された繊維ウェブの質量の少なくとも1%および多くとも9%である。
【0039】
好ましくは、添加剤は、サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、脂肪酸、デンプン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、キトサン、湿潤度増強剤、クエン酸塩、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、リンゴ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、サリチル酸塩、α-ヒドロキシカプリル酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、塩化物、炭酸水素塩、トリアセチン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、クエン酸トリエチル、触媒、活性炭、香味料、カプセル化香味料またはそれらの混合物から成る群から選択される。
【0040】
カレンダー処理された繊維ウェブの基本重量は、好ましくは少なくとも15g/m2および多くとも44g/m2、好ましくは少なくとも20g/m2および多くとも40g/m2、特に好ましくは少なくとも23g/m2および多くとも38g/m2、特に少なくとも31g/m2および多くとも37g/m2である。この基本重量は、繊維ウェブを喫煙物品の区分にカレンダー処理する更なる加工用の繊維ウェブのカレンダー処理を促進するために有利であり、強度が優れたカレンダー処理された繊維ウェブを提供することができる。この値は、ISO536:2019に従って測定した基本重量を指す。
【0041】
カレンダー処理された繊維ウェブの厚さは、好ましくは少なくとも15μmおよび多くとも55μm、特に好ましくは少なくとも20μmおよび多くとも50μm、および特に少なくとも30μmおよび多くとも37μmである。この厚さは、ISO534:2011に従って測定することができ、カレンダー処理後の繊維ウェブの厚さを指す。
【0042】
カレンダー処理された繊維ウェブの機械的特性は、喫煙物品の区分に加工するのに重要である。ISO1924-2:2008に従って測定された、カレンダー処理された繊維ウェブの単位幅あたりの引張強度は、好ましくは少なくとも6N/15mmおよび多くとも70N/15mm、特に好ましくは少なくとも8N/15mmおよび多くとも60N/15mmである。
【0043】
カレンダー処理された繊維ウェブの破断伸びは、繊維ウェブを喫煙物品の区分に加工する間、繊維ウェブが圧着することが多いので、重要であり、これにより特に高い破断伸びが有利である。ISO1924-2:2008に従って測定された、カレンダー処理された繊維ウェブの破断伸びは、したがって、好ましくは少なくとも0.8%および多くとも3.0%並びに特に好ましくは少なくとも1.0%および多くとも2.5%である。
【0044】
引張強度および破断伸びは、方向に依存することができ、その方向に測定用試料を充填材料から取得する。しかしながら、カレンダー処理のため、この方向に対する依存性は低い。カレンダー処理された繊維ウェブのこの特徴は、引張強度および破断伸びが少なくとも1つの方向における好ましいまたは特に好ましい範囲に存在する場合、各々に存在する。
【0045】
発明者らは、特にカレンダー処理された繊維ウェブの基本重量が低い場合、コーティングによりカレンダー処理の効果を改善することができ、引張抵抗およびろ過効率のはるかに良好な独立を達成できることも見出した。コーティングにより、繊維ウェブの面を改変する、例えば、エアロゾル中の特定の物質の選択的ろ過性能を得ることも可能となる。
【0046】
これに関して、コーティングをコーティング材料および溶媒を含んでなる組成物の形態で適用することができ、この溶媒は、適用後に、例えば乾燥により除去される。コーティングは、カレンダー処理された繊維ウェブ上に留まる組成物のそれらの構成要素のみから成る。
【0047】
区分の好ましい実施形態では、カレンダー処理された繊維ウェブが少なくとも片側にコーティングされ、少なくとも片側のコーティングが、カレンダー処理された繊維ウェブのこの側の面積のうち少なくとも20%および多くとも100%を覆い、コーティングが、サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、脂肪酸、デンプン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、キトサン、湿潤度増強剤、クエン酸塩、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、リンゴ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、サリチル酸塩、α-ヒドロキシカプリル酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、塩化物、炭酸水素塩、トリアセチン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、クエン酸トリエチル、触媒、活性炭、香味料、およびカプセル化香味料.から成る群から選択される材料を含んでなり、コーティングは、これらの材料の2種以上の混合物を含んでなる。
【0048】
特定の好ましい実施形態では、コーティングは、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される材料を含んでなる。より特に好ましくは、コーティングが、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体およびこれらの混合物(すなわち材料は、これらの物質の1種以上の混合物である)から成る群から選択される材料を含んでなり、コーティング中のこの材料の割合が、少なくとも20%および多くとも100%、特に少なくとも50%および多くとも100%、特に好ましくは少なくとも70%および多くとも98%並びに特に少なくとも80%および多くとも95%であり、各々がカレンダー処理された繊維ウェブに適用されたコーティングの質量に関する。
【0049】
特に好ましい実施形態では、カレンダー処理された繊維ウェブの片側のみがコーティングされ、コーティングは、カレンダー処理された繊維ウェブのコーティングされた側の面積の少なくとも50%および多くとも100%、特により好ましくは、カレンダー処理された繊維ウェブのコーティングされた側の面積の少なくとも90%および多くとも100%を覆い、特に、例えば、技術的理由のため全表面コーティングを避ける必要がある場合、カレンダー処理された繊維ウェブのコーティングされた側の面積の少なくとも80%およびを多くとも95%を覆う。このような技術的理由は、完成した繊維ウェブ上にコーティングしないで繊維ウェブの特性を依然として決定することができるようにする目的で、カレンダー処理された繊維ウェブのある部分をコーティングしないままにする必要があることであってもよい。
【0050】
特に好ましい実施形態では、カレンダー処理された繊維ウェブの両側をコーティングし、コーティングは、カレンダー処理された繊維ウェブの両側の各々の面積の少なくとも20%および多くとも100%、特により好ましくは、カレンダー処理された繊維ウェブの両側の各々の面積の少なくとも50%および多くとも100%、特に、カレンダー処理された繊維ウェブの両側の各々の面積の少なくとも90%および多くとも100%を覆い、特に、例えば、技術的理由のため全表面コーティングを避ける必要がある場合、カレンダー処理された繊維ウェブの両側の各々の面積の少なくとも80%およびを多くとも95%を覆う。
【0051】
カレンダー処理された繊維ウェブの片側または両側に適用されるコーティング材料の量は、特に好ましくは少なくとも0.5g/m2および多くとも5.0g/m2、特により好ましくは少なくとも0.7g/m2および多くとも4.0g/m2であり、g/m2の各量が、コーティング材料が実際に適用された面積にのみ関する。
【0052】
区分の好ましい実施形態では、カレンダー処理された繊維ウェブの少なくとも片側がコーティングされ、少なくとも片側上のコーティングが、カレンダー処理された繊維ウェブのこの側の面積の少なくとも20%および多くとも100%を覆い、コーティングを含むカレンダー処理された繊維ウェブの基本重量が、少なくとも20g/m2および多くとも35g/m2である。この区分の特定の好ましい実施形態では、コーティングは、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体およびそれらの2種以上の混合物から成る群から選択される材料を含んでなる。
【0053】
カレンダー処理された繊維ウェブは好ましくは、カレンダー処理された紙またはカレンダー処理された不織布である。このような好ましいカレンダー処理された繊維ウェブは、当該技術分野において公知のプロセスによって製造されうる。
【0054】
本発明による区分は、フィルター材料を含んでなり、フィルター材料の質量の少なくとも10%は、カレンダー処理された繊維ウェブによって形成される。フィルター材料は、カレンダー処理された繊維ウェブによって完全に形成される。カレンダー処理された繊維ウェブの目的は主に、区分の引張抵抗をろ過効率から独立させることである。この目的を達成するためには、フィルター材料の質量の少なくとも10%をカレンダー処理された繊維ウェブによって形成する必要がある。しかしながら、カレンダー処理された繊維ウェブを更なるろ過材料と組合せるのは有利である。
【0055】
好ましい実施形態では、本発明による区分のフィルター材料は、カレンダー処理された繊維ウェブおよび更なるろ過材料を含んでなり、更なるろ過材料が好ましくは、ろ紙、不織布またはトウ(tow)およびそれらの組合せから成る群から選択される。
【0056】
特に好ましくは、更なるろ過材料が、ろ紙、セルロース系不織布、水流絡合された不織布、酢酸セルロースを含んでなるトウ、再生セルロースを含んでなるトウおよびこれらの2種以上の組合せから成る群から選択される。これらの更なるろ過材料があると、区分のろ過効率を特に良好に調整することが可能となる。
【0057】
特に好ましい実施形態では、更なるろ過材料は、ろ紙、セルロース系不織布、水流絡合された不織布またはそれらの2種以上の組合せである。これらの更なるろ過材料があると、優れた生分解性が可能となり、したがって、カレンダー処理された繊維ウェブと特定の有利な様式で組合せることができる。この特に好ましい実施形態の更なる実施形態では、更なるろ過材料は、ウェブ形状であり、カレンダー処理された繊維ウェブに積層される。
【0058】
好ましくは、フィルター材料の質量の少なくとも10%および多くとも90%、特に好ましくは少なくとも20%および多くとも70%が更なるろ過材料により形成される。
【0059】
カレンダー処理された繊維ウェブの引張抵抗およびろ過効率の効果を区分の生分解性と特に有利な様式で組合せる特に好ましい実施形態では、喫煙物品の区分は、包装材料およびフィルター材料を含んでなり、包装材料はフィルター材料を包装し、フィルター材料の質量の少なくとも70%および多くとも100%がカレンダー処理された繊維ウェブによって形成され、カレンダー処理された繊維ウェブの質量の少なくとも50%および多くとも100%が有機ポリマー繊維によって形成され、カレンダー処理された繊維ウェブが少なくとも0.45および多くとも0.85の圧縮因子を有し、フィルター材料の質量の多くとも30%、特に多くとも20%が酢酸セルロースによって形成される。
【0060】
喫煙物品用の本発明による区分は、フィルター材料および包装材料を含んでなり、包装材料はフィルター材料を包装し、好ましくは紙またはフィルムである。
【0061】
これに関して、包装材料は、フィルター材料の構成要素であるカレンダー処理された繊維ウェブとは厳密に区別する必要がある。喫煙物品用の区分の包装材料は、完全に異なる要件、例えば、接着による加工可能性、通気性、色、穿孔に対する適合性、および時々、印刷適性を有し、一方ろ過特性および引張抵抗に対する効果は重要でない。
【0062】
本発明による区分の包装材料が好ましくは、少なくとも20g/m2および多くとも150g/m2、特に好ましくは少なくとも30g/m2および多くとも130g/m2の基本重量を有する。フィルター材料と組合せてこの好ましいまたは特に好ましい基本重量を有する包装材料は、本発明による包装された区分を提供し、これにより特に有利な硬度を有する。これにより、喫煙者は喫煙物品中に位置する区分を偶然圧縮することができない。
【0063】
本発明による区分の好ましい実施形態では、区分は、ほぼ円形または楕円形の外側境界の断面を有する円筒状であり、この境界の公称直径は、少なくとも3mmおよび多くとも10mm、特に好ましくは少なくとも4mmおよび多くとも9mm並びに特に最も好ましくは少なくとも5mmおよび多くとも8mmの公称直径を有する。これらの公称直径は、本発明による区分を喫煙物品に使用するのに適している。この公称直径は、ISO2971:2013に従って測定することができる。
【0064】
本発明による区分の好ましい実施形態では、区分が、少なくとも4mmおよび多くとも40mm、特に好ましくは少なくとも6mmおよび多くとも35mm並びに特に少なくとも10mmおよび多くとも28mmの長さを有する。
【0065】
区分の引張抵抗は、喫煙物品を通した特定の体積流を発生させるために、とりわけ、喫煙者が喫煙物品の消費中に加える必要がある圧力差を決定し、したがって、引張抵抗は、喫煙者が喫煙物品を受け入れるかにかなり影響を及ぼす。区分の引張抵抗は、ISO6565:2015に従って測定することができ、mm water gauge(mmWG)で得られる。非常に良い近似で、区分の引張抵抗は、区分の長さに比例し、その結果、引張抵抗の測定はまた、長さのみが区分と異なるロッドに対して実行することもできる。区分の引張抵抗は、この測定から容易に計算することができる。
【0066】
区分の単位長さあたりの区分の引張抵抗が、好ましくは少なくとも0.05mmWG/mmおよび多くとも12.0mmWG/mm、特に好ましくは少なくとも0.1mMWG/mmおよび多くとも10.0mmWG/mm並びに特により好ましくは少なくとも0.1mmWG/mmおよび多くとも4.0mmWG/mmである。
【0067】
典型的には、区分は、本質的に、ほぼ円形または楕円形の外側境界の断面を有する円筒状であり、区分の内部に1つ又は複数の空隙を有し、例えば、活性炭粒子または香味料を含む崩壊可能なカプセルを収容することができる。空隙は、区分の長手軸に対して少なくともほぼ平行であり、全体的に区分内部に配置されるか、または区分の一端または両端の面で終結する1つ以上の細長い管としても形成されうる。このような空隙はまた、ろ過効率および引張抵抗に影響を及ぼすこともできる。喫煙者が喫煙物品の使用中に喫煙物品を吹かす場合、長手軸の方向は、喫煙物品のエアロゾルの流れ方向と一致する。
【0068】
本発明による区分はまた、エアロゾル形成材料、特にタバコ材料を含有することもできる。
【0069】
本発明による区分の製造は、当該技術分野において公知のプロセスにしたがって実行することができる。
【0070】
本発明によるフィルターロッドは、ほぼ円形または楕円形の外側境界の断面を有する円筒状であり、少なくとも40mmおよび多くとも200mmの長さを有し、本発明による少なくとも1つの区分を備える。
【0071】
好ましくは、フィルターロッドは、本発明による少なくとも1つの区分および少なくとも1つの更なる区分を備え、更なる区分は、フィルター材料を含んでなり、区分は、フィルターロッドの長手軸方向に順々に配置される。特に好ましくは、更なる区分のフィルター材料は、酢酸セルロースを含んでなる。
【0072】
好ましくは、フィルターロッドは、本発明による複数の区分および互いに同一である複数の更なる区分を備え、本発明による区分の数は、フィルターロッド中で互いに同一であり、フィルターロッドの長手軸方向にある更なる区分の数と等しく、本発明による区分および更なる区分は、互いに交互に配置される。このフィルターロッドの特に好ましい実施形態では、本発明による区分の数および互いに同一である更なる区分の数は、それぞれ2、3、4、5、または6である。
【0073】
このようなフィルターロッドは、「二重フィルター」と呼ばれ、本発明による区分の有利な特性を、更なる区分のろ過特性は別として、優れた光学的外観を有するフィルターロッドから製造された喫煙物品の口腔端部も提供する更なる区分と組合せることを可能とする。
【0074】
好ましくは、フィルターロッドは、ほぼ円形または楕円形の外側境界の断面を有する円筒状であり、公称直径は、少なくとも3mmおよび多くとも10mm、特に好ましくは少なくとも4mmおよび多くとも9mm並びに特に少なくとも5mmおよび多くとも8mmである。公称直径は、ISO2971:2013に従って測定することができる。
【0075】
本発明によるフィルターロッドの製造は、当該技術分野において公知のプロセスにしたがって実行することができる。
【0076】
本発明による喫煙物品は、少なくとも2つの区分を備え、区分の1つは、前述の実施形態のいずれか1つに記載の区分であり、区分の少なくとも1つは、エアロゾル形成材料を含有する。
【0077】
本発明者らは、本発明による区分は、少なくとも3つの区分を備える喫煙物品において特に有利に使用することができ、第1の区分は、エアロゾル形成材料を含有することができ、第2の区分は、前述の実施形態のいずれか1つに記載の区分であることができ、第3の区分は、ろ過の役に立つことができ、第2の区分は、第1の区分および第3の区分の間に配置されることを見出した。
【0078】
第2の区分を第3の区分と組合せることにより、かなり広範囲のろ過効率および引張抵抗を網羅することができ、ろ過効率は、例えば、酢酸セルロースに由来する従来のフィルターのものよりはるかに良好に適合されうる。これに関して、所望のろ過効率は、第2の区分および第3の区分の組合せから生じ、引張抵抗は、第2の区分のカレンダー処理された繊維ウェブの量により、ろ過効率を著しく変化させることなく、調整することができる。このような喫煙物品は、例えば、上で更に「二重フィルター」と指定したフィルターロッドから製造することができる。
【0079】
好ましい実施形態では、喫煙物品はしたがって、少なくとも3つの区分を備え、第1の区分は、エアロゾル形成材料を含有し、第2の区分は、前述の実施形態のいずれか1つに記載の区分であり、第2の区分は、第1および第3の区分の間に配置される。この喫煙物品の特に好ましい実施形態では、第3の区分の引張抵抗は、第2の区分のものより高い。この喫煙物品の特に好ましい実施形態では、第2の区分の長さの第3の区分の長さに対する比率が、少なくとも1:2および多くとも5:1、特に好ましくは少なくとも1:1および多くとも3:1である。区分の長さは、引張抵抗に影響を及ぼすので、その結果引張抵抗は、長さを選択することによりはるかに良好に調整することができる。
【0080】
この喫煙物品の特に好ましい実施形態では、第3の区分が、ろ紙、セルロース系不織布、水流絡合された不織布、酢酸セルロースを含んでなるトウまたは再生セルロースを含んでなるトウを含んでなる。
【0081】
好ましい実施形態では、喫煙物品はフィルター付きたばこであり、エアロゾル形成材料は、タバコを含んでなる。
【0082】
本発明による区分は、喫煙物品の意図した使用中にエアロゾル形成材料を加熱するが、燃焼しない喫煙物品に特に良く適合する。このような喫煙物品は、いくつかの、典型的には、2~4個の区分から成り、一方の区分はエアロゾル形成材料を含有し、他方の区分はエアロゾルの移動、冷却またはろ過に役立つことができる。これらの区分には、かなり異なる引張抵抗およびろ過効率が要求され、その結果このような喫煙物品には、区分の引張抵抗およびろ過効率を簡単におよび確実に広範にわたり調整する特定の必要性が存在する。
【0083】
好ましい実施形態では、喫煙物品はしたがって、意図した使用中にエアロゾル形成材料をただ加熱するだけで燃焼しない喫煙物品であり、エアロゾル形成材料は、タバコ、再構成されたタバコ、ニコチン、グリセロール、プロピレングリコール、および香味料またはこれらの材料の2種以上の混合物から成る群から選択される材料を含んでなり、特に好ましくは、エアロゾル形成材料は、電気的に加熱される。エアロゾル形成材料は、これによりゲルとしてまたは液体形状でも存在することができ、好ましくは喫煙物品の区分中の容器に含有されうる。
【0084】
本発明による区分並びに本発明による喫煙物品は、当該技術分野において公知のプロセスにしたがって製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【
図1】
図1は、本発明による区分および先行技術による区分の引張抵抗の関数としてのニコチンのろ過効率の図表を示す。
【実施例】
【0086】
好ましい実施形態およびいくつかの比較例の説明
本発明による区分のいくつかの好ましい実施形態を以下に記載し、本発明によるものではない実施例と比較する。
【0087】
圧縮因子の計算
本発明の文脈で、基本重量32g/m2である本発明による区分の繊維ウェブの例は、単位面積質量m1=27.0g/m2、密度ρ1=1.5g/cm3のパルプ繊維、m2=3.2g/m2、密度ρ2=2.7g/cm3の炭酸カルシウム粒子および残りの質量の更なる添加剤を含み、構成要素の体積加重密度ρ0は、以下のとおりである。
【0088】
【0089】
これに関して、更なる添加剤を無視したのは、密度に対する影響が小さいからである。
【0090】
厚さd=28μmのカレンダー処理された繊維ウェブを、これらの構成要素から製造し、圧縮因子Cは、以下のとおりである。
【0091】
【0092】
本発明の文脈で、基本重量25g/m2である本発明による区分の繊維ウェブの更なる例は、単位面積質量m1=22.5g/m2、密度ρ1=0.95g/cm3のポリエチレン繊維、m2=2.0g/m2、密度ρ2=4.2g/cm2の二酸化チタン粒子および残りの質量から構成される更なる添加剤を含み、構成要素の体積加重密度ρ0は、以下のとおりである。
【0093】
【0094】
これに関して、更なる添加剤を無視したのは、密度に対する影響が小さいからである。
【0095】
厚さd=30μmのカレンダー処理された繊維ウェブを、これらの構成要素から製造した場合、圧縮因子Cは、以下のとおりである。
【0096】
【0097】
カレンダー処理された繊維ウェブの構成要素の密度は、一般に当該技術分野において公知である。例として、表1は、いくつかの典型値を示す。
【0098】
【0099】
カレンダー処理された繊維ウェブの製造
カレンダー処理された繊維ウェブA
トウヒおよびマツ由来の80%パルプ繊維およびカバノキ由来の20%パルプ繊維から成るパルプ繊維の混合物をカレンダー処理された繊維ウェブの製造に使用した。トウヒおよびマツ由来のパルプ繊維を、ISO5267-1:1999に従って測定して、67°SRの精製度まで精製した。質量の約95%がパルプ繊維から成り、5%がデンプンから成るように、デンプンを繊維ウェブに添加した。繊維ウェブを従来の抄紙器で製造し、抄紙器に組み込まれたカレンダー中で水分含量が上昇した繊維ウェブでカレンダー処理した。
【0100】
デンプンを無視した、構成要素の密度は、したがって、ρ0=1.5g/m2であった。
【0101】
基本重量は35g/m2であり、厚さは33μmなので、圧縮因子は、以下のとおりである。
【0102】
【0103】
カレンダー処理された繊維ウェブAの引張強度および破断伸びを、ISO1924-2:2008に従って測定し、機械方向の引張強度値51.6N/15mmおよび機械方向の破断伸び値1.1%を得た。
【0104】
繊維ウェブを同様により強く、より弱くカレンダー処理し、その結果、表3に更に示すように、他の厚さおよび圧縮因子が生じた。
【0105】
カレンダー処理された繊維ウェブB
再生セルロース由来の繊維を、ISO5267-1:1999に従って測定して、73°SRの精製度まで精製した。繊維から繊維ウェブを適切なプロセス支援を使用して抄紙器で形成し、その結果繊維ウェブの質量の約99%が再生セルロースの繊維から成った。繊維ウェブを、抄紙器に組み込まれたカレンダー中で、繊維ウェブの水分含量を高めた状態でカレンダー処理した。
【0106】
構成要素の密度はρ0=1.5g/cm3であった。
【0107】
基本重量は42g/m2であり、厚さは38μmなので、圧縮因子は、以下のとおりである。
【0108】
【0109】
カレンダー処理された繊維ウェブBの引張強度および破断伸びを、ISO1924-2:2008に従って測定し、機械方向の引張強度値61.7N/15mmおよび機械方向の破断伸び値1.0%を得た。
【0110】
引張抵抗およびろ過効率の関係
長さ108mmおよび直径約7.1mmの円筒状フィルターロッドをカレンダー処理された繊維ウェブAおよびBの各々から製造し、フィルターロッドのフィルター材料をカレンダー処理された繊維ウェブにより完全に形成し、基本重量78g/m2の適切な包装材料で包装した。フィルターロッドを製造するために使用した繊維ウェブの幅は、60mm~242mmの間で変動し、引張抵抗を変動させるために、製造時に色々な量のフィルター材料をフィルターロッド中に存在させた。フィルターロッドの製造に使用したカレンダー処理された繊維ウェブの長さは、約108mmであった。
【0111】
フィルター付きたばこを108mm長のフィルターロッドから製造し、長さ18mmの区分に切断したフィルターロッドは、フィルター付きたばこのフィルター区分として機能した。フィルター付きたばこのタバコブレンドは、アメリカンブレンドであり、通常の製造ばらつき内であり、フィルター付きたばこはフィルター区分に関してのみ異なった。
【0112】
ニコチンのろ過効率を、ろ過効率の特徴パラメータとして測定した。フィルター付きたばこをISO3308:2012に指定された方法に従って喫煙し、口腔端部から出るニコチンの質量(m)並びにフィルター区分に含まれるニコチンの質量(mFilter)を、以下を使用して測定した。
mFilter/(m+mFilter)
【0113】
ニコチンのろ過効率を計算した。ろ過効率は、百分率として表すことができ、フィルター中に留まるニコチンの量のフィルターに流れるニコチンの量に対する比率を記載する。
【0114】
表2は、カレンダー処理された繊維ウェブAおよびBから製造された、各々18mm長の区分でニコチンについて使用される繊維ウェブの幅(W)、引張抵抗(PD)、およびろ過効率(FE)を示す。
【0115】
これらの結果を紙から作製されたフィルターと比較し、これは組成と基本重量に関してはカレンダー処理された繊維ウェブAと非常に類似したが、酢酸セルロースからのカレンダー処理された繊維ウェブとは類似しなかった。これらの結果を
図1に示す。
図1の図表は、水平軸に18mm長区分の引張抵抗(PD)をmmWGで示し、垂直軸にニコチンのろ過効率(FE)を%で表す。これに関して、カレンダー処理された繊維ウェブA製の区分の値(●)、カレンダー処理された繊維ウェブB製の区分の値(X)、カレンダー処理していないろ紙製の区分の値(▲)および酢酸セルロース製の区分の値(■)を示す。カレンダー処理された繊維ウェブAおよびB製の区分について、引張抵抗を増加させてもろ過効率は測定のばらつき内でしか変化しない一方、カレンダー処理していないろ紙および酢酸セルロース製の区分では著しく増加したという驚くべき効果が分かる。カレンダー処理された繊維ウェブA製の区分(●)およびカレンダー処理していないろ紙製の区分(▲)を比較すると、カレンダー処理およびこれにより得られた圧縮因子は、引張抵抗およびろ過効率を独立させるために必須の特徴であることが示される。
【0116】
【0117】
圧縮因子の影響
カレンダー処理された繊維ウェブにとって、どの範囲の圧縮因子が引張抵抗およびろ過効率を本質的に独立させるのかを決定するために、繊維ウェブAの組成を有する繊維ウェブを色々なカレンダー処理状況でカレンダー処理し、その結果色々な厚さおよび密度のカレンダー処理された繊維ウェブが生じた。長さ108mmのフィルターロッドを、40mmおよび159mm幅のカレンダー処理された繊維ウェブからそれぞれ製造し、18mm長の区分に切断した。40mm幅繊維ウェブの区分の引張抵抗Δp40、および159mm幅繊維ウェブの区分の引張抵抗Δp159、および40mm幅繊維ウェブの区分のニコチンのろ過効率F40および159mm幅繊維ウェブの区分のニコチンのろ過効率F159を前述のとおり決定し、ニコチンのろ過効率のそれらの引張抵抗の変化に対する平均変化率を、以下によって決定した。
(F159-F40)/(Δp159-Δp40)
【0118】
結果を表3に示し、比較のために、
図1に基づいてカレンダー処理していないろ紙製の区分(Y)ρ
0=1.5g/cm
3、および酢酸セルロース製の区分(Z)について類似する様式で決定されたニコチンのろ過効率の平均変化率も提供する。表3は、厚さ(D)、圧縮因子(C)およびニコチンのろ過効率の平均変化率(ΔF/ΔP)を含有する。
【0119】
【0120】
表3から、カレンダー処理された繊維ウェブの圧縮因子の範囲が約0.45~約0.85では、引張抵抗およびニコチンのろ過効率が本質的に独立していることが分かる。しかしながら、0.85超の圧縮因子でも、ろ過効率の平均変化率(ΔF/ΔP)は依然として小さいが、カレンダー処理に必要とされる圧力はすでに非常に高く、その結果0.85超の圧縮因子を選択しないことは有利である。
【0121】
更に、表2に関連して、カレンダー処理された繊維ウェブBのデータから、引張抵抗およびろ過効率を独立させることは、カレンダー処理された繊維ウェブの組成とは独立していることが示される。本発明による圧縮因子の範囲はしたがって、繊維ウェブの組成と独立して有効である。
【0122】
コーティングの効果
カレンダー処理された繊維ウェブC
基本重量23g/m2の繊維ウェブを、トウヒおよびマツ由来のパルプ繊維45%およびユーカリ由来のパルプ繊維55%から成るパルプ繊維の混合物から製造した。トウヒおよびマツ由来のパルプ繊維を、ISO5267-1:1999に従って測定して、94°SRの精製度まで精製した。カレンダー処理された繊維ウェブCを得るために、従来の抄紙器で繊維ウェブを製造し、別々のコーティングユニットにより両側の面全体にデンプンをコーティングし、水分含量が上昇した繊維ウェブで更なる装置によりカレンダー処理した。
【0123】
両側に一緒にコーティングすることにより適用されたデンプンの量は、約1.5g/m2、すなわちカレンダー処理された繊維ウェブの質量の6.12%であり、その結果基本重量24.5g/m2が生じた。
【0124】
デンプンを無視した、構成要素の密度は、したがって、ρ0=1.5g/cm3であった。
【0125】
厚さ20μmから、得られた圧縮因子は、以下のとおりであった。
【0126】
【0127】
カレンダー処理された繊維ウェブCの引張強度および破断伸びを、ISO1924-2:2008に従って測定し、機械方向の引張強度値29N/15mmおよび機械方向の破断伸び値2.0%を得た。
【0128】
カレンダー処理された繊維ウェブDを、同一の様式でコーティングなしで製造した。
【0129】
長さ108mmのフィルターロッドをカレンダー処理された繊維ウェブから製造し、4つの異なる区分を製造するために、幅120mmおよび180mmのカレンダー処理された繊維ウェブCを使用し、幅120mmおよび180mmのカレンダー処理された繊維ウェブDを使用した。カレンダー処理された繊維ウェブの長さは、全ての場合においてフィルターロッドの長さ108mmとほぼ一致した。フィルターロッドを基本重量78g/m2の包装材料で包装した。ニコチンのろ過効率を繊維ウェブAおよびBに関して同一の様式で決定し、カレンダー処理された繊維ウェブの幅(W)、18mm長の区分の引張抵抗(PD)およびニコチンのろ過効率(FE)を表4に示す。
【0130】
【0131】
カレンダー処理された繊維ウェブDから製造された本発明による区分では、ろ過効率は依然として幾分引張抵抗および変化率(37.4-35.9)/(6.7-2.9)=0.39%/mmWGに依存している一方、コーティングされ、カレンダー処理された繊維ウェブCから製造された本発明による区分のこの変化率は、わずか(29.3-30.8)/(22.5-5.9)=0.09%/mmWGのみであった。このことから、コーティングにより、引張抵抗およびろ過効率が更に良好に独立することができることが示される。
【0132】
それぞれ基本重量35g/m2および42g/m2のカレンダー処理された繊維ウェブAおよびB製の区分を、それぞれ基本重量24.5g/m2および23g/m2のカレンダー処理された繊維ウェブCおよびDと比較すると、カレンダー処理の正の効果はカレンダー処理された繊維ウェブの基本重量が低いと弱くなり、この効果はコーティングにより良好に相殺することができることが同様に示される。
【0133】
ろ過材料との組合せ
引張抵抗約30mmWGおよびニコチンのろ過効率22.4%の酢酸セルロースから作製された18mm長のフィルター区分から出発して、酢酸セルロースの質量を減少させて、79mm幅のカレンダー処理された繊維ウェブAをフィルター材料に添加した。18mm長の区分はその後、引張抵抗約15mmWGおよびろ過効率22.8%を有した。このことから、本発明による区分を用いると、引張抵抗を約半分に減少させ、ニコチンのろ過効率をほぼ一定に維持することが可能であることが示される。このような引張抵抗の減少を、カレンダー処理された繊維ウェブAを使用しないで達成するつもりならば、ニコチンのろ過効率は低すぎて、フィルター区分の硬度は不充分になる。
【0134】
したがって、結果から、本発明による区分は、区分の硬度を考慮して、引張抵抗およびろ過効率の調整に関して優れた利点を提供することができ、同様に生分解性に関して更なる改善を達成することができることが示される。
【0135】
3つの区分の喫煙物品
長さ83mmおよび直径7.8mmの本発明によるフィルター付きたばこFを、3つの区分から製造し、第1の区分はタバコブレンドとしてアメリカンブレンドを含有し、第2の区分は、カレンダー処理された繊維ウェブC製の本発明による区分であり、第3の区分は、ろ紙を含有した。第2の区分を第1および第3の区分の間に配置し、第3の区分は、フィルター付きたばこの口腔端部を形成した。
【0136】
第2の区分は、長さ18mmおよび引張抵抗22mmWGを有し、一方第3の区分は、9mm長であり、引張抵抗46mmWGを有した。
【0137】
第3の区分のろ紙は、基本重量35g/m2および厚さ88μmの100%パルプ繊維から本質的に成る紙であった。
【0138】
本発明によるものではない比較例として、酢酸セルロースから作製された、直径7.8mmおよびアメリカンブレンドのタバコブレンドで、27mm長のフィルター区分により、83mmのフィルター付きたばこを製造した。フィルター区分は、84mmWGの引張抵抗を有した。
【0139】
本発明によるフィルター付きたばこFおよび本発明によるものではない比較例として機能するフィルター付きたばこXは、同一質量のタバコを含有し、フィルターの範囲における穿孔により通気を行い、通気度は、両フィルター付きたばこが約100mmWGの開いた引張抵抗を有するように調整した。
【0140】
両フィルター付きたばこを、ISO3308およびISO4387の標準化された方法に従って煙を出し、総粒子状物質(TPM)、ニコチンおよび一酸化炭素(CO)、並びにパフ数(PC)を決定した。
【0141】
表5に示す値を得た。
【0142】
【0143】
これらのデータから、本発明による区分をろ過に役立つ更なる区分と組合せることにより、煙の収量を酢酸セルロース製のフィルターを有する他の同一のフィルター付きたばこに非常に良好に調整することができることが分かる。引張抵抗およびろ過効率を調整する場合の柔軟性は別にして、生分解性の低い酢酸セルロースを回避することができるので、かなりの生態学的利点も生じる。
【国際調査報告】