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  • 特表-セパレータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】セパレータ
(51)【国際特許分類】
   B04B 1/08 20060101AFI20250130BHJP
   B04B 1/14 20060101ALI20250130BHJP
   B04B 7/14 20060101ALI20250130BHJP
   B04B 11/02 20060101ALI20250130BHJP
   B04B 11/04 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
B04B1/08
B04B1/14
B04B7/14
B04B11/02
B04B11/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542037
(86)(22)【出願日】2023-01-20
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2023051397
(87)【国際公開番号】W WO2023148022
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】202022100680.6
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516362920
【氏名又は名称】ジーイーエー ウエストファリア セパレーター グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッケル, ユルゲン
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC06
4D057AD01
4D057AE02
4D057AF05
4D057BA14
4D057BC06
4D057BC12
4D057CB01
(57)【要約】
本発明は、自由流動性の生成物Pを少なくとも1つの液体相(L)と少なくとも1つの固体相(S)とに遠心分離するセパレータ、特に自己排出型のセパレータに関し、該セパレータは、垂直回転軸を有する回転可能な遠心ドラム(1)を備え、ドラムはディスクスタック(6)が設けられ、固体排出開口部(9)を備える分離室(10)を備え、セパレータは、固体排出開口部(9)を間欠的に開閉するように構成されたピストンバルブ(8)を有する排出機構を備え、排出機構には、流体用の室と、ピストンバルブ(8)を作動させるために室と連通する少なくとも1つのバルブ(14)を有するバルブ装置とを備える制御装置が設けられている。流体として清澄化される生成物Pは、遠心ドラム(1)の分配器(5)または分離室(10)から、ドラム内の供給チャネル(12)を介して室に供給されて、バルブ(14)は、遠心ドラム(1)の動作速度で、ばね力に抗して遠心力によって閉じ、遠心ドラム(1)の動作速度よりも遅い速度でこのばね力によって開かれる遠心バルブとして形成されるか、またはバルブ(14)は、電磁的に制御可能なバルブとして形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由流動性の生成物Pを少なくとも1つの液体相(L)と少なくとも1つの固体相(S)とに遠心分離するセパレータ、特に自己排出型のセパレータであって、垂直な回転軸(D)を有する回転可能な遠心ドラム(1)を有し、該遠心ドラム(1)は好ましくはディスクスタック(6)が配備された分離室(10)を備え、該分離室(10)は固体排出開口部(9)と、固体排出開口部(9)を不連続的に開閉するように構成されたピストンバルブ(8)を有する排出機構とを備え、排出機構には、流体のための室と、室と連通する少なくとも1つのバルブ(14)を有してピストンバルブ(8)を作動させるバルブ装置とを備える制御装置が設けられているセパレータにおいて、
a.流体として清澄化される生成物Pは、遠心ドラム(1)の分配器(5)または分離室(10)から、ドラム内の供給チャネル(12)を介して室に供給されて、
b.ここで、バルブ(14)は、遠心ドラム(1)の動作速度で、ばね力に抗して遠心力によって閉じ、遠心ドラム(1)の動作速度よりも遅い速度でこのばね力によって開かれる遠心バルブとして設計されるか、またはバルブ(14)は、電磁的に制御可能なバルブとして構成される、セパレータ。
【請求項2】
前記の室は、閉鎖室(11)として構成されており、前記ピストンバルブ(8)は、前記閉鎖室(11)内に流体を導入することによって閉鎖位置に上昇させることができ、前記閉鎖室(11)から流体を排出することによって開放位置に下降させることができる、請求項1に記載の自己排出型のセパレータ。
【請求項3】
前記供給チャネル(12)が、前記分配器(5)の分配チャネル(51)と前記閉鎖室(11)との間の接続チャネルとして構成される、請求項2に記載の自己排出型のセパレータ。
【請求項4】
分配器チャネル(51)内に偏向装置が突出し、該偏向装置はカラー状のバッフルプレート(15)として構成されることが好ましい、請求項3に記載の自己排出型のセパレータ。
【請求項5】
前記バルブ(14)は、流体が前記閉鎖室(11)から逃げ、前記固体排出開口部(9)を開くことができるように設けられている、請求項2乃至4の何れかに記載の自己排出型のセパレータ。
【請求項6】
前記バルブ(14)が遠心バルブとして構成されている、請求項1乃至5の何れかに記載の自己排出型のセパレータ。
【請求項7】
遠心バルブとして構成されたバルブ(14)が、遠心ドラム(1)の動作速度におけるばね力に抗して遠心力によって閉じ、このばね力によって、遠心ドラム(1)の動作速度よりも低い速度で開かれる、請求項6に記載の自己排出型のセパレータ。
【請求項8】
前記バルブ(14)は、電磁的に制御可能なバルブとして構成されている、請求項1乃至7の何れかに記載の自己排出型のセパレータ。
【請求項9】
前記供給チャネル(12)内の、前記閉鎖室(11)内への流れ状態、及び/又は前記閉鎖室(11)からの前記出口内の流れ状態が、ノズルまたはオリフィスによって調整される、請求項2乃至4の何れかに記載の自己排出型のセパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の自己排出型のセパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
1つまたは複数の液体相に対する1つまたは複数の排出物に加えて、本明細書で定義される自己排出型のセパレータは、流体で駆動される、特に流体として液体で駆動されて、開放位置及び閉鎖位置に交互に移動可能なピストンバルブを有し、それにより、ピストンバルブは、一定時間(開放位置)の間、ドラム壁内の固体排出開口部を不連続に開き、該固体排出開口を再び閉じる(閉鎖位置)。開放位置では、固体相が遠心ドラムから排出される。これは、閉鎖位置の場合には当てはまらない。
【0003】
ピストンバルブを備えたこのような排出機構では、使用される閉鎖用液体は、閉鎖室-通常はピストンバルブの下-に注入される。この閉鎖室の幾何学的形状は、閉鎖用液体の回転によって生じ、ピストンバルブに作用する液体圧力が、ピストンバルブ上の分離室で清澄化される生成物の液体圧力よりも大きくなるように選択される。この圧力差により、動作中はピストンバルブが上昇し、ドラム内の排出開口部を閉鎖するか、又は固体が排出された後に再び排出開口部を閉鎖する。
【0004】
閉鎖室と流体が流れるように接続している1つまたは複数のピストンバルブなどの対応するバルブ装置によって、固体排出中に閉鎖室から閉鎖用液体を排出することができ、その結果、液体はピストンバルブの下に逃げ、閉鎖室内でピストンバルブに作用する圧力を低減し、その結果、ピストンバルブ上の生成物によってピストンバルブに加えられる液体圧力は、ピストンバルブを下方に移動させる。これにより、ドラム内の排出用の開口部が解放または開放される。
【0005】
ドイツ特許31 17 807号には、このような排出機構を有するセパレータが記載されている。
セパレータは、イギリス特許614 501号から公知であり、排出用の開口部には夫々の開口部を動作速度で閉鎖し、洗浄液が流れるように各開口部を低ドラム速度で開放する遠心バルブが備えられている。この構成の欠点は、個々の遠心バルブのばね要素の公差である。その結果、固体の排出に必要である全ての排出用の開口部を完全に同期して開くことは不可能である。排出用の開口部の同期しない開放は、排出中に望ましくないドラムの不均衡につながる。
【0006】
ドイツ特許196 18 249号はまた、ドラムが1つ以上の遠心バルブを備えている実施態様を開示しており、遠心バルブは夫々の排出用の開口部を動作速度で閉じ、残留液体がドラムから排出できるように非常に低い速度でそれぞれの空になる開口を開く。しかし、バルブは固体相を空にするために使用されるのではなく、非常に低い速度でドラムから残留液体を排出するために使用される。この構成でさえ、周囲に分配されたバルブは同期せず、僅かに減速された速度で固体を排出するには不適切である。
【0007】
排出する前のドラム速度の目標とする低減は、ドイツ特許公開公報10 2017 112 553号から公知である。ここで、ドラムの速度の減速は、ドラムの摩耗を減少させるか、または排出される生成物を生成物を保護するのに役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術による排出装置は、実際には実証されているが、該装置は構築するのが比較的複雑である。解決しようとする課題は、この問題を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項1の主題事項によってこの目的を達成する。
【0010】
請求項1によれば、自由流動性の生成物Pを少なくとも1つの液体相及び少なくとも1つの固体相に遠心分離するために、好ましくは自己排出型のセパレータであるセパレータが提供され、このセパレータは、垂直な回転軸を有する回転可能な遠心ドラムを備え、この遠心ドラムは、ディスクスタックを有する分離室を備え、該分離室は、固体排出開口部と、固体排出開口部を開閉するように設計されたピストンバルブを有する排出機構とを備え、排出機構には、流体のための室と、室と連通する少なくとも1つのバルブを有してピストンバルブを作動させるバルブ装置とを備える制御装置が設けられており、流体として清澄化される生成物は、遠心ドラムの分配器または分離室から、供給チャネルを介して室に供給される。
【0011】
この方法により、回転システムに別の流体を供給するための油圧システムを設ける必要がなくなることが有利である、これは、セパレータの設計と動作が簡素化し、コスト効率が向上する。
【0012】
バルブが、遠心ドラムの動作速度におけるばね力に抗して遠心力によって閉じ、動作速度よりも低い遠心ドラムの速度においてこのばね力によって開かれる遠心バルブとして設計される場合、またはバルブが電磁的に制御可能なバルブとして設計される場合、有利であり、単純である。
【0013】
バルブが遠心バルブとして設計される場合、補助エネルギなしで、かつ外部制御システムからの制御パルスなしで有利に機能するバルブが作成され、使用される。しかし、バルブを電磁的に制御可能なバルブとして設計すれば、実用的で簡単である。
【0014】
室が閉鎖室として構成され、かつ閉鎖室内に流体を導入することによってピストンバルブを閉鎖位置まで上昇させることができ、かつ閉鎖室から流体を排出することによって開放位置まで下降させることができることが特に好ましい。
【0015】
このようにして、別の閉鎖及び開放流体を提供及び/又は貯蔵すること、ならびにそれを回転システムに供給するための対応する油圧システムを提供することは、もはや必要ではないことは有利である。
【0016】
本発明の好ましい変形例によれば、供給チャネルは、分配チャネルと閉鎖室との間に接続チャネルを形成することが提供される。このようにして、分配器またはその下流の分離器の分離室と閉鎖室との間の接続が、簡単な方法で実施される。
【0017】
本発明の更なる展開例によれば、カラー状のバッフルプレートが分配チャネル内に突出することが提供される。これは、単純に固体排出プロセスの後にセパレータに流入する生成物が最初に閉鎖室を満たすことを保証し、その結果、分離プロセスを迅速に継続することができる。
【0018】
本発明の更なる特に好ましい実施形態の選択肢によれば、バッフルプレートは、閉鎖室が生成物Pで満たされ、ピストンバルブが閉鎖位置になった後、生成物Pが遠心ドラムにさらに流入する前に、生成物Pが分離室または分配器から閉鎖室への供給チャネルに確実に迂回されるように設計されていることが提供される。この単純な設計手段により、固体が排出された後に分離プロセスを迅速に継続することが保証される。
【0019】
本発明のさらなる特に好ましい実施形態の選択肢によれば、バルブは、流体が閉鎖室から逃げて、固体排出開口部を閉鎖することを可能にするように設けられる。これは、セパレータの固体排出を制御するための構造的に単純な選択肢をもたらし、セパレータは、少ない製造労力で製造することができる。
【0020】
本発明のさらに特に好ましい実施形態の選択肢によれば、閉鎖室内への供給チャネル及び/又は閉鎖室からの出口内の流れ条件が、ノズルまたはオリフィスによって調整されることが提供される。このようにして、排出された固体の量は、設計及び製造技術の観点から容易に調節することができる。
【0021】
有利な方法は、本発明によるセパレータを用いて実施することができる。したがって、自由流動性の生成物Pの少なくとも1つの固体相及び少なくとも1つの液体相への遠心分離における固体排出を実施するための方法は、本発明によるセパレータを用いて生成され、この方法は、少なくとも以下の方法の工程を含む。
関連する請求項の1つに記載の自己排出型のセパレータを提供する工程、及び処理される自由流動性の生成物または懸濁液を提供する工程と、
作動速度で回転する遠心ドラムに生成物を導入し、ここで、分離室または分配チャネルからの生成物の一部は、供給チャネルを介して閉鎖室に入り、その結果、ピストンバルブが持ち上げられ、固体排出開口部が閉鎖される工程と、
遠心ドラム内の固体収集室が少なくとも部分的に固体で満たされるまで、分離プロセスを実施する工程と、
遠心ドラムの回転速度を低下させて、バルブを開き、それによって、生成物がピストンバルブの下の閉鎖室から逃げ、その結果、ピストンバルブを開放位置まで下げ、固体排出開口部を空けることによって、固体相が遠心ドラムから排出される工程と、
遠心ドラムの速度を動作速度まで増加させ、この動作速度により、バルブが閉じられ、ピストンバルブは、閉鎖室に流入する生成物によって持ち上げられ、したがって、固体排出開口部が閉塞される工程。
【0022】
本発明のさらなる有利な構成は、他の従属請求項に見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下において、本発明は、例示的な実施形態によって図面を参照してより詳細に説明される。本発明は、この例示的な実施形態に限定されるものではなく、文言に従った他のやり方で、または他の同等のやり方で実現することもできる。
図1】本発明によるセパレータを示す全断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の図面の説明において、セパレータの例示的な実施形態が説明される。この例示的な実施形態の個々の特徴は、図示されていない例示的な実施形態と組み合わせることもでき、主たる請求項及び従属請求項の個々の又は幾つかに記載されている目的の有利な構成として、夫々の場合に適している。
【0025】
セパレータは、回転可能な遠心ドラム1を有し、これは、図1に示すように、垂直回転軸Dを有する。遠心ドラム1は、駆動モータMによって回転され、この場合、遠心ドラム1の駆動スピンドルSに直接作用する。駆動スピンドルSは、機械的フレームGに回転可能に取り付けられている。該機械的フレームは、駆動スピンドルSの自由端部に配置された遠心ドラム1を担持する。あるいは、他の駆動システム、例えば、遠心ドラム1の間接駆動を実現することも可能であり、駆動モータは、ベルト駆動を介して遠心ドラム1の駆動スピンドルに作用する。ドラムに直接作用し、スピンドルなしでドラムを駆動する駆動システムも実現可能である。
【0026】
遠心ドラム1は、単一及び/又は二重の円錐形状(底部及び/又は上部及び特に内側)を有することができる。遠心ドラム1は、下側ドラム部分2及び上側ドラム部分3を有することができる。これらのドラム部分2、3は、様々な方法で、例えばロックリング4を用いて互いに接続することができる。また、遠心ドラム1は、生成物供給パイプ7を有している。
【0027】
セパレータは、単なるバッチ式の操作ではなく、連続的な操作用に設計されている。
遠心ドラム1には、生成物供給パイプ7から分離室10に生成物を供給するための少なくとも1つの分配チャネル51を有する分配器5が形成されている。生成物は、分配器5内の回転システムに移送される。
【0028】
遠心ドラム1はまた、実際の遠心分離が行われる分離室10を有する。これは、分離ディスクからなるディスクスタック6を備えている。また、半径方向外側に固体収集室13があり、分離及び/又は清澄化プロセス中に、懸濁液から分離された固体相Sまたは自由流動性の生成物Pが収集される。
【0029】
遠心ドラム1は、液体相Lのための少なくとも1つの液体排出部を有する。遠心ドラムはまた、2つ以上の液体排出部を有することができる。液体排出部は、ここでは、ペアリングディスク16として構成される。液体排出部は、別の方法で実現することもできる。
【0030】
図1は、遠心分離場で処理される生成物Pを清澄化するか、または生成物Pから固体相S及び液体相Lを分離するように構成される、いわゆる清澄分離器の例を示す。セパレータは、2つの液体相と固体相とが互いに分離されている、いわゆる分離セパレータとして構成することもできる。
【0031】
排出機構は、固体相Sを排出するために使用され、固体排出開口部9を開閉するピストンバルブ8を有する。固体排出開口部9は、遠心ドラム1の最大直径の領域内の円周の周りに分配され得る。ピストンバルブは、ここでは垂直に移動可能である。
【0032】
排出機構はまた、その開閉動作を制御するために、ピストンバルブ8に関連する制御装置を備える。
【0033】
図1の遠心分離機の左半分は、下降した開放位置にあるピストンバルブ8を示しており、遠心分離機の右半分は上昇した閉鎖位置にあるピストンバルブ8を示している。
制御装置は、ここには図示されていない制御ユニットを有するか、または制御ユニットに接続され得る。遠心分離機のより高いレベルの制御ユニットもこの制御ユニットとして使用することができる。
【0034】
ここで、制御装置はまた、流体のための閉鎖室11を備える。この閉鎖室11は、流体を導入することによってピストンバルブ8の閉鎖動作を開始することができ、遠心処理のための作動速度で回転中にピストンバルブ8の閉鎖位置を維持することができるように設計されている。
【0035】
流体は、バルブ装置によって、閉鎖室11から排出され、該バルブ装置は閉鎖室11に接続された1つまたは複数のバルブ14を備える。
【0036】
本発明によるセパレータで使用される流体は、浄化されるべき生成物Pであり、これは、供給パイプ7を介して遠心ドラム1に充填され、分配器5または分離室10から閉鎖室11に供給され得る。
【0037】
これを実施するために、遠心ドラム1の分離室10または分配器5と閉鎖室11との間に、供給チャネル12の形態の少なくとも1つの接続チャネルを形成する。ピストンバルブ8を持ち上げるために-即ち、固体排出開口部9を閉じるために-接続チャネル12は、閉鎖室を満たすための供給チャネルとして使用される。2つ以上の接続チャネルを設けることもでき、例えば、円周の周りに分散させることができる。
【0038】
処理される自由流れの生成物Pが、分配器5に入り、動作速度で回転する遠心ドラム1に供給されると、図1によれば、生成物は分配器5内から供給チャネル12を通って直接閉鎖室11に入り、遠心ドラム1の回転により閉鎖室内の圧力が上昇し、それにより、ピストンバルブ8が上昇して遠心ドラム1の固体排出開口部9が閉鎖される。分離プロセスは、遠心ドラム1内の固体収集室13が固体Sで少なくとも部分的にまたは完全に満たされるまで、既知の方法で継続することができる。
【0039】
少なくとも1つのバルブ14を有するバルブ装置は、固体収集室13を空にするために使用される。
【0040】
必須ではないが有利な変形例によれば、バルブ14は、遠心バルブとして有利に設計されることができ、該遠心バルブは、ばね力に対する遠心力によって遠心ドラム1の動作速度で閉じ、動作速度よりも遅い遠心ドラム1の速度で、-バルブ14に作用する遠心力よりも大きい―ばね力によって開かれる。
【0041】
遠心ドラム1の速度がここで、制御装置を用いた動作中に低下して、バルブ14が開く値になると、固体排出開口部9を閉じるための流体が、ピストンバルブ8の下の回転システムから、排水チャネル17及びバルブ14を通って逃げる。これにより、ピストンバルブ8がその開放位置まで下がり、固体排出開口部9を解放し、その結果、固体相Sが遠心ドラム1から逃げることができる。
【0042】
その後、遠心ドラム1の速度を再び増加させると、増加した遠心力故にバルブ14が閉じ、生成物Pが閉鎖室11に逆流する。これにより、ピストンバルブ8をその閉鎖位置に持ち上げて戻し、固体排出開口部9を閉じる。速度が減速されて降下される時間、及び速度がその後上昇する時間は、前述の制御ユニットによって決定され、開始される。制御ユニットには、速度制御に必要なモータ制御も含む。
【0043】
このような固体排出プロセスの間、生成物供給パイプ7が開いたままである場合、生成物Pは、開いた閉鎖室11に絶えず流入する。遠心バルブが開いているため、閉鎖室内の閉鎖圧力は上昇できず、ピストンバルブは完全に持ち上がる。
【0044】
閉鎖室11内に残る流体の容積は、閉鎖室11の供給チャネル12及び排水チャネル17の選択された断面に依存する。これらの断面及び排出の持続時間を適切に決定することによって、固体の全体積が遠心ドラム1から排出されるのではなく、その一部のみが排出されることが達成され得る。供給チャネル12内、閉鎖室11内、及び/又は閉鎖室11から少なくとも1つのバルブ14の方向への排水チャネル17内の流れ条件は、夫々の要件に応じてノズルまたはオリフィスを使用して調整し及び最適化することができる。
【0045】
上述のように、固体排出プロセスの後に遠心ドラム1が再び加速され、バルブ14が閉じるとすぐに、閉鎖室11に流入する生成物もまた、ピストンバルブ8を再び上昇させ、固体排出開口部9を閉じる。
【0046】
生成物供給パイプ7が、固体排出プロセス中に開いたままではなく、代わりに閉じられている場合、生成物Pはさらに、閉鎖室11内に流入せず、その結果、閉鎖室11は完全に空になり、下降するピストンバルブ8は、固体排出開口部9を完全に開く。固体排出開口部9は、遠心ドラム1の速度が再び上昇し、生成物供給パイプ7が開かれて、流体が閉鎖室11に入ることができるときにのみ、再び閉鎖することができる。
【0047】
遠心ドラム1に流入した生成物Pが、分離室10又は分配器5から供給チャネル12に直接流れて閉鎖室11に入ることを確実にするために、分配チャネル51に突出するカラー状の偏向板15を任意に設けることができる。これは、供給チャネル12が配置される分配器の分配チャネル51の主延在方向に平行な部分に延在する。
【0048】
閉鎖室11が充填され、これによって開始されるピストンバルブ8の閉鎖動作によって固体排出開口部9が閉鎖される場合、更なる生成物が遠心ドラム1内にさらに流入する前に、分離室10または分配器5からの生成物Pが、排出中または排出後に、閉鎖室11への供給チャネル12に、直ちに方向転換されることが保証されるように、偏向板15が配置及び設計されるのが好ましい。、
【0049】
或いは、上述のように、バルブ14は、例えば、制御パルスによって開閉可能なソレノイドバルブのような、異なる動作原理に従って機能するバルブとして、異なる方法で構成することもできる。この制御パルスは、例えば、無線によって回転システムに送られて、ソレノイドバルブ上の受信器(図示せず)に送られる。これに必要な電気エネルギーは、例えば、誘導原理に基づいて機能するシステムによって回転ドラムに伝達することができる。しかしながら、バッテリーのようなエネルギー蓄積装置をドラム内に設けることもできる。
【符号の説明】
【0050】
符号一覧
1 遠心ドラム
2 下側ドラム部
3 上側ドラム部
4 ロッキングリング
5 分配器
51 分配チャネル
6 ディスクスタック
7 生成物供給パイプ
8 ピストンバルブ
9 固体排出開口部
10 分離室
11 閉鎖室
12 供給チャネル
13 固体収集室
14 バルブ
15 バッフルプレート
16 ペアリングディスク
17 排水チャネル
D 回転軸
S 固体
L 液体相
P 生成物
M 駆動モータ
S 駆動スピンドル
G 機械フレーム
図1
【国際調査報告】