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特表2025-503932ダンプ車両に積載された材料の材料膨潤を測定するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ダンプ車両に積載された材料の材料膨潤を測定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543577
(86)(22)【出願日】2023-01-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 US2023060703
(87)【国際公開番号】W WO2023150421
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】17/590,512
(32)【優先日】2022-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライト、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】スタインラージ、ジャスティン、エル.
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB05
(57)【要約】
フレーム(102)、エンジン(103)、接地係合要素(104)、作業機構(106)、および撮像装置(114)を含む作業機械(100)を使用して、ダンプ車両(300)に積載された材料の材料膨潤を測定するためのシステムおよび方法。作業機械(100)上に設けられた撮像装置(114)は、地形現場(200)でダンプ車両(300)を識別し、連続3Dマッピングを使用して、現場(200)およびダンプ車両(300)を連続的に走査する。撮像装置(114)は、作業機械(100)が、作業機構(106)で地形または現場(200)の堆積物から材料の一積載量を除去し、一積載量をダンプ車両(300)に移送する際に、作業機械(100)の動作中に連続的に走査する。撮像装置(114)は、現場(200)から除去された一積載量の堆積物の体積(606)およびダンプ車両(300)内に移送された一積載量の掘削体積(706)を計算して、作業機械(100)が動作するときの、一積載量の材料膨潤を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(102)、エンジン(103)、接地係合要素(104)、作業機構(106)、およびGPS位置システムを備える作業機械(100)を使用して、ダンプベッド(302)を備えるダンプ車両(300)に積載された材料の材料膨潤を測定する方法であって、
前記作業機械(100)上に撮像装置(114)を提供することと、
オペレータ、運転者アプリ、画像認識特徴、および車両基準マーキングのうちの一つによって、現場(200)で前記ダンプ車両(300)を識別することと、
前記作業機械(100)の動作中に、前記撮像装置(114)で前記現場(200)および前記ダンプ車両(300)を連続的に走査することと、
前記作業機構(106)で前記現場(200)から材料の一積載量を除去し、前記ダンプ車両(300)の前記ダンプベッド(302)内に前記材料の一積載量を移送することと、
前記撮像装置(114)で前記一積載量の堆積物の体積(606)を計算することと、
前記撮像装置(114)で前記一積載量の掘削体積(706)を計算することと、
前記撮像装置(114)で前記一積載量の前記材料膨潤を計算することと、
前記現場(200)から材料の追加の積載量を除去し、前記ダンプ車両(300)がダンプ閾値に達するまで、前記追加の積載量を前記ダンプ車両(300)に移送することと、
前記ダンプ車両(300)が前記ダンプ閾値に達した時に、前記現場(200)から前記ダンプ車両(300)内に移送された総積載体積の最終材料膨潤を計算することと、
前記撮像装置(114)での連続的な3D画像マッピングによって、前記現場(200)およびダンプ車両(300)を走査することと、
前記撮像装置(114)での連続3D画像マッピングから前記堆積物の体積(606)を決定するために、前記現場(200)の視差現場マップ(604)を生成することと、
前記ダンプ車両(300)の視差ベッドマップ(704)を生成して、前記撮像装置(114)での連続的な3D画像マッピングから前記掘削体積(706)を決定することと、
前記堆積物の体積(606)を前記掘削体積(706)と比較することによって、前記材料膨潤を計算することと、
前記材料膨潤および前記最終材料膨潤を、タイムスタンプ、前記現場(200)のGPS位置タグ、および前記ダンプ車両(300)の車両識別番号で記録することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記作業機械(100)が、ブーム(108)、アーム(110)、およびバケット(112)をさらに備える前記作業機構を備える掘削機であり、
前記撮像装置(114)が、前記掘削機の前記ブーム(108)の側面および前記アーム(110)の側面上に取り付けられた複数の撮像装置(114)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の撮像装置(114)が、前記作業機械(100)上に磁気的に取り付けられる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の撮像装置(114)が、複数のステレオカメラ(114)をさらに備え、
前記ステレオカメラが、少なくとも一つのモノクロームレンズ(400)および少なくとも一つのカラーレンズ(402)をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
作業機械(100)であって、
フレーム(102)と、
移動のために前記フレーム(102)を支持する接地係合要素(104)と、
前記フレーム(102)に取り付けられたエンジン(103)と、
バケット(112)を備える前記フレーム(102)から延在する作業機構(106)と、
現場(200)およびダンプ車両(300)を連続的に走査することによって、前記作業機械(100)の動作中に、前記現場(200)から除去され、前記ダンプ車両(300)に移送される材料の一積載量の材料膨潤を測定するための少なくとも一つの撮像装置(114)と、を備え、
前記少なくとも一つの撮像装置(114)が、前記現場(200)および前記ダンプ車両(300)の3D点マップを生成することができるプロセッサを備え、前記プロセッサが、前記現場(200)および前記ダンプ車両(300)の視差マップを生成することができる、作業機械(100)。
【請求項6】
システムであって、
ダンプ車両(300)と、
請求項6に記載の作業機械(100)と、を備え、
前記材料膨潤が、前記撮像装置(114)によって決定された前記現場(200)から除去された前記一積載量の堆積物の体積(606)と、前記撮像装置(114)によって決定された前記ダンプ車両(300)内に移送された前記一積載量の掘削体積(706)とを比較することによって、前記現場(200)から除去され、前記ダンプ車両(300)に移送される各積載量に対して決定され、
前記撮像装置(114)が、前記材料膨潤を使用して、前記ダンプ車両(300)を監視し、前記積載量を移送するときに前記ダンプ車両(300)の過積載を防止するように構成される、システム。
【請求項7】
前記撮像装置(114)の前記連続走査が、前記現場(200)および前記ダンプ車両(300)を連続的に3Dマッピングし、前記現場(200)から除去された前記堆積物の体積(606)および前記ダンプ車両(300)内に移送された前記掘削体積(706)を決定して、前記一積載量の前記材料膨潤を計算するために、3D視差マップを生成するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記作業機械(100)が、オペレータ、運転者アプリ、画像認識特徴、または車両基準マーキングによって前記ダンプ車両(300)を識別するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記撮像装置(114)が、前記ダンプ車両(300)画像認識特徴または車両基準マーキングを識別し、前記ダンプ車両(300)の重量および体積容量を想起するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記撮像装置(114)が、タイムスタンプ、前記現場(200)のGPS位置タグ、および前記ダンプ車両(300)の車両識別番号で、前記材料膨潤を記録および追跡するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、作業機械が現場から材料を掘削し、掘削された材料をダンプ車両に移送する際に、作業機械によって地形から除去された堆積材料の材料膨潤を測定するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バックホウ、フロントエンドローダ、掘削機などの土木作業機器は、掘削現場または地形から土、土壌、および他の材料を移動させるために使用される。掘削現場または地形の堆積から材料を掘削する、または除去する時、材料は、体積当たりの重量を減少させる空隙を作り出す異なる塊およびサイズの粒子に分解される。膨潤%値は、材料がその堆積状態から除去され、緩くなるときに材料が増加する元の体積の割合である。
【0003】
掘削現場または地形現場から除去された材料の材料膨潤を決定することは、ダンプトラックなどの過積載ダンプ車両を回避するのに有益である。ダンプ車両は、車両が物理的に保持できる材料の量に閾値制限を有する。ダンプ車両はまた、地方および連邦の道路での使用に対して州および連邦の規制で定められた法的な重量制限を遵守しなければならない。ダンプ車両に土木材料を過積載すると、トラックを著しく損傷し、トラックを損傷および/または動作不能にする可能性がある。同様に、過積載トラックは、特定の重量を超えて使用するために構築されていない道路を損傷し、重大な政府の罰金をもたらす可能性がある。
【0004】
現場位置から材料を除去するダンプ車両の過積載を避けるために、運転中に土木作業機器によってダンプ車両に配置される材料の体積を知ることが望ましい。また、ダンプ車両に配置される材料の量を知ることが、地方および連邦の高速道路規制に準拠することが望ましい。
【0005】
特定の地形現場から除去される材料の体積を決定する従来の方法は、従来の調査、航空写真、または運動GPS調査技術によって収集された現場の地理的またはトポグラフィーのデジタルモデルを作成するためのコンピュータソフトウェアを必要とする。他の方法は、作業機械によって堆積物から除去された材料の体積を測定する試みを行った。例えば、オワードの米国特許第6,085,583号は、掘削現場の表現を使用し、バケットの軌道および掘削現場の形状を使用して、掘削機械のバケットによって捕捉された材料の体積を推定して、バケットが所望の容量に達した時を決定する方法を開示している。しかしながら、この方法は、多くの仮定を必要とし、正確さの劣る体積測定値をもたらす。
【0006】
別の実施例では、ベルの米国特許公開第20210148086A1号は、掘削現場の充填位置に土木を充填することができる自律的または半自律的な土木成形車両のシステムを開示している。ある体積の土を運ぶ運搬ツールで構成される第一の土木成形車両は、充填位置に移動する。充填位置で、第一の土木成形車両は、標的ツール経路上を進行して、運搬ツールから充填位置へと土を充填する。第一の土木成形車両が充填位置に土を充填すると、第一の土木成形車両に結合された測定センサは、充填位置に充填された土の締固めレベルを測定する。測定された締固めレベルが閾値締固めレベルを下回ると決定される場合、第一の土木成形車両は、締固めツールを用いて構成された第二の土木成形車両が充填位置に土を締固めするための要求を伝達する。充填推定エンジンは、空間センサを使用して集合された部位の現在の状態の点群表現を生成して、掘られた穴の土の掘削前体積を決定し、中央コンピューターまたはリモートサーバーから、ツール内の土の体積を穴内の土の掘削前体積に関連付ける土の膨潤係数にアクセスするために使用される。穴内の土の掘削前体積および土の膨潤係数特性を使用して、充填推定エンジンは、ツール内の土の体積を推定する。
【0007】
指定された現場からの材料の除去を実施する土木作業機器については、現場から除去され、土木作業機器の動作中にダンプ車両にリアルタイムで移送される材料の材料膨潤を知って、不正確であり得る予めロードされたデータまたは既存のデータに依存するのではなく、正確な材料膨潤測定値を得ることが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本開示の一態様では、材料膨潤を測定するための作業機械が提供される。作業機械は、フレームと、移動のためにフレームを支持する接地係合要素と、作業機械に動力を供給するためにフレームに取り付けられたエンジンと、バケットを備えるフレームから延在する作業機構と、作業機械の動作中に現場から除去され、ダンプ車両に移送される材料の材料膨潤を測定するための少なくとも一つの撮像装置とを備える。
【0009】
本開示の別の態様では、ダンプ車両と、フレームを備える作業機械と、移動のためにフレームを支持する接地係合要素と、フレームに取り付けられたエンジンと、バケットを備えるフレームから延在する作業機構とを備えるシステムが開示される。作業機構は、作業機械の動作中に現場から除去された材料の一積載量の材料膨潤を測定するための少なくとも一つの撮像装置をさらに備える。撮像装置は、作業機構が現場から材料の一積載量を除去し、ダンプ車両に一積載量を移送する際に、作業機械の動作中に現場およびダンプ車両の画像を連続的に走査することによって、一積載量の材料膨潤を計算する。現場から除去された一積載量の堆積物の体積およびダンプ車両内に移送された一積載量の掘削体積は、撮像装置によって走査された画像間の視差から測定され、材料の一積載量の材料膨潤を決定する。
【0010】
本開示の別の態様では、作業機械を使用してダンプ車両に積載された材料の材料膨潤を測定する方法が開示される。方法は、作業機械上に撮像装置を提供することを含む。撮像装置で継続的に現場を走査する。ダンプ車両を撮像装置で連続的に走査する。作業機械上の作業機構を用いて、現場から材料の一積載量を除去する。現場から除去された一積載量の堆積物の体積を計算する。ダンプ車両に一積載量を移送する。ダンプ車両内に移送された一積載量の掘削体積を計算する。堆積物の体積および掘削体積から一積載量の材料膨潤を計算する。
【0011】
本開示のこれらおよびその他の態様および特徴は、添付図面と併せて読むときに以下の詳細な説明を読み取るとより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示による作業機械の斜視図である。
図2図2は、一実施形態による、掘削現場における作業機械の概略図である。
図3図3は、本開示の一実施形態による、ダンプ車両に材料を移送する作業機械の概略図である。
図4図4は、本開示の一実施形態による、カメラシステムの概略図である。
図5図5は、本開示の一実施形態による、作業機械の一部分上に取り付けられたカメラシステムの概略図である。
図6図6は、一実施形態による、堆積物の体積を決定するための、現場から生成された現場マップおよび対応する視差マップの表現である。
図7図7は、一実施形態による、掘削体積を決定するためのダンプベッドから生成された現場マップおよび対応する視差マップの表現である。
図8図8は、一実施形態による、本発明の方法のフローチャートである。
【0013】
図は、例示のみを目的として、本発明の一実施形態を図示する。当業者であれば、本明細書に記載する構造および方法の代替的な実施形態が、本明細書に記載する原理から逸脱することなく用いられ得ることを、以下の考察から容易に認識するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで図1を参照すると、例示的な作業機械100が示され、掘削機として図示され、例えば、土、土壌、および他の材料を地形から除去するために使用され得る。掘削機は、掘削現場で地面または地形から土木材料を移動させるように設計された重機である。掘削機は通常、大きく、地面または地形表面の下から土を掻き取るか、または掘削することによって、一度に大量の土を掘削することができる。以下の詳細な説明は、掘削機に関連する例示的な態様を説明するが、当然のことながら、この説明は、他の機械における本開示の使用にも等しく適用される。
【0015】
作業機械100は、連続トラックとして図示された接地係合要素104上に支持されるエンジン103を含むフレーム102を備える。接地係合要素104は、例えば、ホイールなどの任意の他のタイプの接地係合要素104であってもよいことが企図されるべきである。作業機械100は、例えば、地形を掘削するか、またはその他の方法で土、土壌、または他の材料を移動させるなど、作業を行うための作業機構106をさらに含む。作業機構106は、ブーム108、アーム110、および地形現場から土、土壌、およびその他の材料を除去するために使用されるバケット112を含む。
【0016】
作業機械100は、作業機械100の動作中に、地形現場から材料を除去する間に、地形の3D現場マップを生成するための撮像装置114をさらに備える。撮像装置114は、地形現場で視野116を取得するため作業機構106上に位置付けられ得る。撮像装置114は、複数の撮像装置114を含み、作業機械100の動作中にその視野116内の画像を捕捉するために、作業機械100上に位置付けられる。
【0017】
図示した実施形態では、複数の撮像装置114は、ブーム108上に取り付けられた第一の撮像装置114aと、アーム110上に取り付けられた第二の撮像装置114bとを含む。他の実施形態では、少なくとも一つの撮像装置114がブーム108およびアーム110の各側面に取り付けられた、少なくとも四つの撮像装置114があってもよい。撮像装置114は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用グラフィック処理ユニット(GP-GPU)、または画像もしくはリアルタイムビデオからの深度および体積を決定することができる、サポートアプリケーションソフトウェアを有する任意の他の好適なマイクロプロセッサによって提供されるビデオ処理加速度を含む、専用プロセッサオンボードを有するステレオカメラ、スマートカメラ、またはスマートビジョンシステムを含み得る。
【0018】
図示した実施形態では、第一の撮像装置114aは、ブーム108上に設置され、作業機械100が動作している地形のその視野116内の連続的な画像またはビデオを捕捉する。第二の撮像装置114bは、アーム110上に設置され、作業機械100が動作している地形のその視野116で連続的な画像またはビデオを取得する。
【0019】
ここで図2を参照すると、作業機械100は、現場200で、掘削機として概略的に示され、図示されている。現場200は、地形、地勢または土、土壌、もしくは他の材料の他の環境の堆積であってもよい。土木作業機器は、一般に、人間のオペレータによって操作されるが、自律的であり得る。
【0020】
図3を参照すると、作業機械100は、ダンプ車両300に材料を移送することが示されている。ダンプ車両300は、例えば、道路、高速道路などを介して、現場200から材料を収容する、および除去することができるダンプベッド302を備えるダンプトラックまたは他の一般のトラックであってもよい。作業機構106に統合された撮像装置114は、その視野116を使用して、ダンプ車両300およびダンプベッド302の画像を補足して、ダンプベッド302の容積を分析する。撮像装置114はまた、画像認識および/または車両基準マーキング、およびこれに類するものによってダンプ車両300を識別してもよく、重量および体積閾値限界、牽引容量、およびこれに類するものなどのダンプ車両300の特徴を想起してもよい。
【0021】
図4を参照すると、撮像装置114が図示されている。図示した実施形態では、撮像装置114は、少なくとも一つのモノクロームカメラレンズ400および少なくとも一つのカラーカメラレンズ402を含むステレオカメラである。少なくとも一つのモノクロームカメラレンズ400を備えたステレオカメラは、撮像装置114が画像上の各位置を記録し、異なる光の量を示すことを可能にする。モノクロームの特徴は、当技術分野で一般的に既知の白黒の写真の全ての形態を含む。装備されたステレオカメラはまた、すべての既知の色調を含む少なくとも一つのカラーカメラレンズ402を備えてもよい。
【0022】
図5を参照すると、撮像装置114は、作業機械100の作業機構106の一部分上のマウント500上に図示されている。マウント500は、磁気マウントであってもよく、または撮像装置114を作業機構106に統合するための別の一般的に既知のマウントであってもよい。一実施形態によれば、マウント500は、図1~3に示すように、撮像装置114を作業機構106のブーム108またはアーム106に統合し得る。
【0023】
撮像装置114は、点を一緒にスチッチする当技術分野で一般的に既知の3D点群システムを利用して、現場200およびダンプベッド302の3Dクラウドマップを作成する。撮像装置114は、連続的にマッピングすることによって、撮像装置114の視野116内の作業機械100の周りの物体の奥行きおよび距離を決定することができる視覚を有する、三次元(3D)における現場200の地勢を知覚する。連続マッピングとは、当技術分野で一般的に既知の、位相空間の二つの画像間の連続関数を指す。連続マッピングは、地勢の空間コンテキストを検出することができる。撮像装置114は、3D連続マッピングを通して3D点マップを生成し、新しい3D点マップと以前の3D点マップとの間の視差マップを生成することによって、現場102で除去され、ダンプベッド302に移送された材料の体積を決定し得る。3Dクラウドマップは、作業機械100の各掘削および移送によって除去される体積を推定するためにリアルタイムで使用される。撮像装置114は、色の有無にかかわらず、日中および夜間に現場200の地勢を捕捉することができてもよい。
【0024】
作業機械100の一実施形態に示すように、掘削機上の撮像装置114は、作業機構106のブーム106およびアーム110の両側面に配置された少なくとも二つのステレオカメラからなり、現場の許容可能な視野116を取得し得る。別の実施形態では、撮像装置114は、ブーム106および/またはスティック110の各側面に取り付けられた四つのステレオカメラモジュールのセットを含む。ステレオカメラ撮像装置114は、現場200で掘削機の周りの環境の視野116を使用して、3D点マップを連続的に生成する。ステレオカメラは、カメラ画像を3D深度マップおよび点群に変換し、それらを高いフレームレートで配信し、画素データを正確な範囲測定値に変換する特徴を有する。結果として、本開示は、正確な深度マップ、ならびに現場200の地勢およびダンプベッド302の高品質の画像の両方を作成し得る。
【0025】
ここで図7および図8を参照すると、代表的な現場マップおよび視差マップのセットが、それぞれ現場200およびダンプベッド302について示される。視差マップは、当技術分野で一般的に既知の、一対の画像間の画素差または動きを指す。
【0026】
作業機械100が動作すると、撮像装置114は、現場200から材料を除去する際に、作業機械100の周りの環境を連続的に走査する。撮像装置114は、現場200を走査し、3D点群を出力し、第一の現場走査600を作成する。第一の現場走査600は、現場200から材料を除去する前に生成され、材料が除去された後に新しい現場走査602が生成される。撮像装置114は、開始現場走査600および新しい現場走査602の3D画像データを比較して、視差現場マップ604を生成して、現場200から除去された材料の堆積物の体積606を測定する。視差現場マップ604は、作業機械100によって除去される材料の堆積物の体積606を決定するために、一般的に既知の計算方法を使用して、開始現場走査600と新しい現場走査602との間の差を計算する。
【0027】
一実施形態では、作業機械100は、現場200の地形の堆積から材料を除去し、除去された材料をダンプ車両300のダンプベッド302に移送する。作業機械100がダンプベッド302を除去された堆積材料606で充填すると、撮像装置114は、ダンプ車両300のダンプベッド302内に移送された材料の体積を記録する。
【0028】
撮像装置114はまた、3D点群を出力して、ダンプベッド302に堆積物の体積606を移送する前に、ダンプベッド302の第一のベッド走査700を作成し、材料が移送された後に新しいベッド走査702を生成する。撮像装置114は、第一のベッド走査700と新しいベッド走査702とを比較して、視差ベッドマップ704を生成し、現場200から除去された材料の掘削体積706を測定する。視差ベッドマップ704は、ダンプ車両300内の作業機械100によって移送される材料の掘削体積706を決定するために、一般的に既知の計算方法を使用して、第一のベッド走査700と新しいベッド走査702との間の差を計算する。視差ベッドマップ704は、ダンプベッド302内に移送される材料の一積載量の体積を示す。
【0029】
材料の掘削体積706は、現場200から除去される材料の緩い体積である。堆積物の体積606がダンプベッド302内に移送されると、掘削材料は、より大きな掘削体積706に緩められる。掘削体積706がダンプベッド302内に移送されると、ダンプベッド302内の利用可能な体積が減少し、撮像装置114は体積を追跡する。ダンプ車両300の牽引能力によって許容される利用可能な重量は、作業機械100がダンプベッド302内に追加の材料を移送することを防ぎ、ダンプ車両300への過積載損傷を防止するために想起され得る。
【0030】
各積載の終了時に、ダンプベッド302の掘削体積706は、現場200から除去された材料の堆積物の体積706と比較され、材料膨潤を判定する。材料膨潤=(ダンプ車両内に移送される積載量の体積)/(現場から除去された材料の体積)=(掘削体積706)/(堆積物の体積606)。材料膨潤は、バケットごとおよび充填されたダンプ車両300ごとに計算することができる。充填されたダンプ車両300の総材料膨潤は、ダンプ車両300に搬送される各積載量に対する材料膨潤の平均であってもよい。
【0031】
撮像装置114は、ダンプ車両300の体積および重量制限を決定して、材料膨潤を使用することによって過積載を防止するために、ダンプ車両300を識別する能力を有し得る。作業機械100は、ダンプベッド302が完全に積載され、ダンプベッド302内に追加の掘削材料のための利用可能な体積がなくなるまで、現場200とダンプ車両300との間で前後に循環する。作業機械100は、ダンプ車両300が最大重量にあり、追加の材料を運ぶことができなくなるまで、現場200とダンプベッド302との間で前後に循環し得る。
【0032】
ダンプベッド302内で除去および移送される材料の各積載量に対する材料膨潤は、将来の使用のためにタイムスタンプ、除去現場のGPS位置、および車両識別番号でタグ付けされてもよい。作業機械100は、GPSシステムまたは他の一般的な地理的位置装置または特徴を備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
概して、本開示は、掘削、農業、移動、耕作、およびこれに類するものを含むがこれらに限定されない、多くの実例で利用可能性を見出すことができる。図示した実施形態は、掘削機およびダンプトラックで一般的に説明されるように示されているが、これらは単なる例示であり、バックホウ、フロントエンドローダ、ダンプライン、鉱業トラック、粉砕機、およびこれに類するものなどに限定されない、多くの他の作業機械と同等の効率で使用することができることが理解されるべきである。
【0034】
図8を参照すると、本開示による方法がフローチャート形式で示されている。本開示は、作業機械100によってダンプ車両300内に除去および移送される材料の一積載量の材料膨潤を測定するための方法を提供する。方法は、作業機械100の周りに連続的な3D画像マッピングを可能にする撮像装置114を備える作業機械100を含む。
【0035】
方法は、作業機械100で現場200に到着する第一のステップ800から始まる。作業機械100は、ステップ802によって示されるように、現場200の第一の現場走査600に類似した既存の現場マップをアップロードする。一部の実例では、作業機械100は、すでに現場100に位置してもよい。現場200における環境の既存の現場マップは、現場200の以前のドローン走査、またはその他の方法で利用可能なものから導き出され得る。次に、作業機械100は、ステップ804で現場200にその位置を見つける。作業機械100は、現場200での正確な位置測位のためのGPS能力を有してもよい。既存の現場マップが存在しない場合、撮像装置114は、現場200で第一の現場走査600を生成することによって開始され得る。既存の現場マップおよび開始現場マップ600は、同一であってもよい。
【0036】
次に、撮像装置114は、作業機械100の周りの現場200においてステップ806で環境の走査を開始し、第一の現場走査600を作成する。例えば、撮像装置114は、画像またはビデオを撮影することによって環境を走査し、作業機械100を現場102の環境の現状で更新する。視差は、撮像装置114内のソフトウェアをサポートすることによって、現場200から除去された体積から計算され得る。
【0037】
ステップ808では、作業機械100は次に、撮像装置114を使用してダンプ車両300または他の保管現場を見つけ、ダンプベッド302を走査して、ステップ810でダンプベッド302の第一のベッド走査700を生成する。ダンプ車両300はまた、既存の現場マップ、運転者アプリ、画像認識、GPSシステム、および/または車両基準マーキングおよびこれに類するものを通して位置または識別されてもよい。ダンプベッド302は、当技術分野で一般的に既知の機械学習を使用して識別され得る。当業者は、ダンプ車両300が、方法の早期または任意の時点で識別され、ダンプ車両300が識別されるとすぐに、第一のベッド走査700のためにダンプベッド302を走査し得ることを認識し得る。ダンプ車両300を識別することは、撮像装置114が、重量制限および牽引能力などのダンプ車両300の車両特性を想起することを可能にする。
【0038】
次に、ステップ812では、作業機械100は、掘削を開始し、現場200から堆積材料の一積載量を除去する。堆積材料の一積載量が現場200から除去されると、撮像装置114は、作業機械100の周りの現場200の画像を撮影し、ステップ814で、各積載量が現場200から取り除かれるにつれて動作中に新しい現場走査602を更新することによって、連続的に走査する。
【0039】
ステップ816では、視差現場マップ604が、新しい現場走査602を第一の現場走査600と比較して生成される。視差現場マップ604は、除去された各掘削または積載量に対して除去された堆積物の体積606を得るために、現場200から除去された材料の体積の差を示す。撮像装置114は、視差現場マップ604を記録する。
【0040】
その後、作業機械100は、ステップ818で、掘削された材料の一積載量をダンプベッド302に投棄または移送する。撮像装置114は、ステップ818でダンプベッド302の新しいベッド走査702のためにダンプベッド302を走査して、現場200の現場マップと同様に、ダンプベッド302の3D現場マップを作成する。
【0041】
新しいベッド走査702は、第一のベッド走査700と比較される。ステップ822でダンプベッド302内の一積載量の掘削体積706を決定するために、視差ベッドマップ704が生成される。撮像装置114は、第一のベッド走査700と新しいベッド走査207との間の体積の視差を計算して、ダンプベッド302内に移送された材料の掘削体積706を得る。ダンプベッド302内の利用可能な空の体積は、掘削された材料の各積載量がダンプベッド302内に移送されると減少する。撮像装置114は、積載量の各移送のためにダンプベッド302内に移送された掘削体積706を追跡する。
【0042】
前述のすべてに基づいて、本開示は、ステップ824で、現場200から除去された堆積物の体積606をダンプベッド302内の材料の掘削体積706と比較して、各積載量に対する材料膨潤を決定することによって、先行技術を著しく改善する。
【0043】
ステップ826によって示されるように、作業機械100は、ダンプ車両300が、材料膨潤を使用することによって、材料の最大体積または材料の最大重量容量に達したかどうかを判定し得る。作業機械100は、現場200から材料を除去することと、ダンプ車両300内の、現在緩んでいる堆積材料、掘削材料の積載を廃棄または移送することとの間を前後に循環する。作業機械100は、ダンプベッド302が、重量または体積による材料の追加的な積載を受けるためにいかなる利用可能な体積も有さなくなるまで、この循環を継続する。作業機械100は、ダンプ車両300の過積載を防止するために、ステップ808でダンプ車両300を識別することからダンプ車両300の特徴を想起し得る。
【0044】
ステップ828では、ダンプ車両300が充填されたときに、平均材料膨潤が計算され得る。平均材料膨潤は、現場200から除去された総堆積物の体積、およびダンプ車両300内に移送された総掘削体積から決定され得る。
【0045】
各積載および充填ダンプ車両300の材料膨潤は、タイムスタンプ、除去現場のGPS位置、および車両識別番号で保存およびタグ付けされ得る。
【0046】
前述から、本明細書に開示される技術は、現場200から除去され、ダンプ車両300に移送される材料の材料膨潤を測定することなどであるが、これらに限定されない、様々な設定において産業適用性を有することが分かる。
【0047】
リアルタイムで、掘削または地形現場から除去された現場材料の材料膨潤を決定して、ダンプ車両300を損傷および/または動作不能にさせ得る過積載を回避することは、有益である。材料膨潤を判定することはまた、ダンプ車両が地方および連邦の道路を運転するため州および/または連邦の規制によって定められた法的重量制限を確実に遵守するのに有益であり得る。
【0048】
本発明の他の態様、目的、および利点は、図面、本開示、および添付の特許請求の範囲の学習から得ることができる。
【0049】
特定の実施形態および用途が例示および説明されてきたが、開示された実施形態は、本明細書に開示される正確な構造および構成要素に限定されないことが理解されるべきである。添付の特許請求の範囲に定義される趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される方法および装置の配置、動作、および詳細において、当業者に明らかであろう様々な修正、変更、および変形がなされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】