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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543938
(86)(22)【出願日】2023-01-20
(85)【翻訳文提出日】2024-09-24
(86)【国際出願番号】 GB2023050123
(87)【国際公開番号】W WO2023139383
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】2200869.2
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519167379
【氏名又は名称】オリバイオテク・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファーラン・ヴェライチ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ライムズ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・シャプカ
(72)【発明者】
【氏名】アルマン・アミニ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・スミス
(72)【発明者】
【氏名】ニール・リッテン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ブランドン-ジョーンズ
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029HA10
(57)【要約】
本発明は、遠位端と近位端との間に延在するハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に取り付けられている中空針であり、中空針の第1の端部が第1の容器に接続されているかまたは接続可能であり、中空針の第2の端部が突刺し可能なシールに対向している、中空針と、中空針と突刺し可能なシールとの間に相対移動を引き起こして、中空針が突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にするように構成されている作動機構と、第1の形態において、作動機構が中空針と突刺し可能なシールとの間に相対移動を引き起こさないようにし、かつ第2の形態において、作動機構が中空針と突刺し可能なシールとの間に相対移動を引き起こすことを可能にする、係止機構と、を含む、コネクタに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの容器に材料を導入するかまたはそれから抽出するためのコネクタであって、
遠位端と近位端との間に延在するハウジングと、
前記遠位端と前記近位端との間の前記ハウジング内に、少なくとも部分的に取り付けられている中空針であり、前記中空針の第1の端部が第1の容器に接続されているかまたは接続可能であり、前記中空針の第2の端部が突刺し可能なシールに対向している、中空針と、
前記中空針と前記突刺し可能なシールとの間に相対移動を引き起こして、前記中空針が前記突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にし、それにより、前記突刺し可能なシールを通した連通を形成するように構成されている作動機構と、
係止機構が、前記作動機構が前記中空針と前記突刺し可能なシールとの間の相対移動を引き起こさないようにする第1の形態と、前記係止機構が、前記作動機構が前記中空針と前記突刺し可能なシールとの間に前記相対移動を引き起こすことを可能にする第2の形態と、の間で動作可能な、前記係止機構と、
を含む、コネクタ。
【請求項2】
前記作動機構は折畳み式スリーブアセンブリを含み、前記折畳み式スリーブアセンブリの少なくとも一部が、前記ハウジングの前記近位端と前記遠位端との間で折畳み可能であり、前記中空針が前記突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にし、それにより、前記突刺し可能なシールを通した連通を形成する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記折畳み式スリーブアセンブリは可動スリーブ部分と静止スリーブ部分とを含み、前記可動スリーブ部分は、前記静止スリーブ部分に対して折り畳まるために、前記静止スリーブ部分に対して、中心長手方向軸に沿って軸方向に移動可能である、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記可動スリーブ部分は前記突刺し可能なシールを含む、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記係止機構は、前記可動スリーブ部分の横方向スロット内に摺動可能に配設されているクリップを含み、第1の状態位置では、前記可動クリップは前記静止スリーブ部分の部分と係合されており、第2の状態位置では、前記可動クリップは前記静止スリーブ部分の前記部分から解除されている、請求項3または4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記クリップは、付勢要素によって、前記第1の状態位置に向かって付勢されている、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記クリップは少なくとも1つのばねアームを含む、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記中空針は両頭中空針である、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記静止スリーブ部分は突刺し可能なシールを含み、前記両頭中空針は各突刺し可能なシール間に配設されている、請求項4から7のいずれか一項に従属する場合の請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記作動機構は前記両頭中空針と前記突刺し可能なシールの各々との間に相対移動を引き起こして、前記両頭中空針が前記突刺し可能なシールの各々を突き刺すことを可能にし、それにより、各突刺し可能なシールを通る連通を形成するように構成されている、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記作動機構は、前記中空針に動作可能に連結されているカラーをさらに含み、前記カラーは前記中心長手方向軸に沿って軸方向に移動可能である、請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記係止機構は、前記係止機構が、前記中心長手方向軸に沿った前記カラーの並進移動を阻止する第1の形態と、前記係止機構が、前記中心長手方向軸に沿った前記カラーの前記並進移動を可能にする第2の状態位置と、の間で動作可能である、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記係止機構は、前記カラーの横方向スロット内に摺動可能に配設されているクリップを含み、前記第1の状態位置では、前記クリップは前記静止スリーブ部分の前記部分と係合されており、前記第2の状態位置では、前記可動クリップは前記静止スリーブ部分の前記部分から解除されている、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記クリップは、付勢要素によって、前記第1の状態位置に向かって付勢されている、請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記クリップは少なくとも1つのばねアームを含む、請求項14に記載のコネクタ。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のコネクタと、
前記係止機構と動作可能に係合して、前記第1の形態と前記第2の形態との間の前記係止機構の動作を可能にするように構成されている作動システムと、
を含む、システム。
【請求項17】
前記作動システムは、前記作動機構を作動させて、前記中空針が前記突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にしかつ前記突刺し可能なシールを通した連通を形成するようにさらに構成されている、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタ、例えば無菌コネクタ、に関する。より詳細には、本発明は、少なくとも1つの容器に材料を導入するかまたはそれから抽出するためのコネクタに関する。本明細書において説明されているコネクタは、細胞および/または遺伝子治療の製造装置などの、生物学的処理装置の一部を成し得る。
【背景技術】
【0002】
生物学的処理方法、詳細には細胞および/または遺伝子治療製品の製造、において使用されるものは複雑であることが多く、複数のデバイスに亘る、手動または半自動のステップを必要とする。単位操作とも呼ばれる、細胞に基づく治療製品(CTP)を製造する様々なステップで使用されるシステムは、様々な機能のための多数のデバイスを含み得る。これら様々な機能は、例えば、細胞の収集、分離、選択、拡大(expansion)、増殖(proliferation)、洗浄、保管、または繁殖、を含み得る。単位操作は、製造モデル(すなわち自己移殖または他生)、細胞の種類、用途、とりわけ因子に基づいて、大幅に変化し得る。さらに、細胞は「生き」ものであり、詳細には様々なデバイス間での移動中、状態の最も軽微な操作または変化にさえも敏感である。
【0003】
細胞の培養または処理は、通常、増殖に適切な培地内で細胞を保持するデバイスの使用を必要とする。そのような既知のデバイスには、振とうフラスコ、ローラボトル、Tフラスコ、バッグ、生物反応器等が含まれる。その後、デバイスへの追加ステップまたはデバイスからの除去ステップが望ましい可能性がある。培養もしくは処理方法をサポートするために、例えば、培地、培養栄養、サイトカイン、遺伝子組換え媒体、または同様の物質の追加が望ましい可能性がある。同様に、「洗浄」ステップにおいてなど、疲弊した培地を除去すること、またはデバイスからサンプルを取ることが望ましい可能性がある。
【0004】
したがって、デバイス間の流体連通を可能にするために、細胞および/または遺伝子治療の製造などの生物学的処理方法の間に、1つのデバイスを別のデバイスに接続する必要がある。さらに、そのようなデバイス間の滅菌または無菌接続、および材料移動が完了したら滅菌分離、を実現することが望ましいことが多い。
【0005】
1つの解決策が、接続される2つのデバイス間に針ベースのコネクタを通して連通を可能にするために、針ベースのコネクタを提供することである。しかし、そのような針ベースのコネクタの1つの欠点が、有害な生物学的作用物質に暴露され得るユーザに有害であるばかりでなく接続の無菌性も損なう損傷などの、針刺し損傷を緩和するかまたは少なくとも低減する必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、既知のコネクタ、詳細には無菌の針ベースのコネクタに関連する欠点の1つに対処することである。詳細には、限定でないが、本発明の1つの目的は、針ベースのコネクタシステムの取扱い時に、針刺し損傷を緩和し、未然に防ぎ、またはさもなければ低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの容器に材料を導入するかまたはそれから抽出するためのコネクタであって、
遠位端と近位端との間に延在するハウジングと、
遠位端と近位端との間のハウジング内に少なくとも部分的に取り付けられている中空針であり、中空針の第1の端部が第1の容器に接続されているかまたは接続可能であり、中空針の第2の端部が突刺し可能なシールに対向している、中空針と、
中空針と突刺し可能なシールとの間に相対移動を引き起こして、中空針が突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にし、それにより、突刺し可能なシールを通して連通を形成するように構成されている作動機構と、
作動機構が中空針と突刺し可能なシールとの間に相対移動を引き起こすことを、係止機構が阻止する第1の形態と、作動機構が中空針と突刺し可能なシールとの間に相対移動を引き起こすことを、係止機構が可能にする第2の形態との間で動作可能な、係止機構と、
を含む、コネクタ、が提供されている。
【0008】
これは、係止機構の動作時、中空針がもっぱら突刺し可能なシールを突き刺すという利点をもたらす。すなわち、第1の状態位置では、中空針は突刺し可能なシールを突き刺すことを阻止される。第2の状態位置では、係止機構がユーザまたは機械によって動作させられると、中空針は突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にされ、突刺し可能なシールを通して連通を形成する。したがって、針ベースのコネクタの使用中、針刺し損傷は緩和され得るか、または少なくとも低減され得る。
【0009】
ある実施形態では、突刺し可能なシールはセルフシールのシールである。ある実施形態では、突刺し可能なシールはセプタムシールである。ある実施形態では、突刺し可能なシールは気密シールである。ある実施形態では、ハウジングは突刺し可能なシールを含む。他の実施形態では、作動機構の部分が突刺し可能なシールを含んでいてもよい。
【0010】
ある実施形態では、作動機構は、折畳み式スリーブアセンブリを含み、折畳み式スリーブアセンブリの少なくとも一部がハウジングの近位端と遠位端との間で折畳み可能であり、中空針が突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にし、それにより、突刺し可能なシールを通して連通を形成する。
【0011】
したがって、ある実施形態では、係止機構は、係止機構が折畳み可能なハウジングの折畳みを阻止する第1の形態と、係止機構が折畳み可能なハウジングの折畳みを可能にして、中空針が突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にする第2の状態位置との間で、動作可能である。
【0012】
ある実施形態では、折畳み式スリーブアセンブリはハウジングの部分を含んでいてもよい。ある実施形態では、ハウジングまたはその部分は、折畳み式スリーブアセンブリの折畳みを引き起こすように構成されていてもよい。
【0013】
ある実施形態では、折畳み式スリーブアセンブリは、可動スリーブ部分と静止スリーブ部分とを含み、可動スリーブ部分は、静止スリーブ部分に対して折り畳まるために、中心長手方向軸に沿って静止スリーブ部分に対して軸方向に移動可能である。
【0014】
したがって、ある実施形態では、係止機構は、係止機構が可動スリーブ部分の軸方向移動を阻止する第1の形態と、係止機構が可動スリーブ部分の軸方向移動を可能にして、中空針が突刺し可能なシールを突き刺すことを可能にする第2の状態位置との間で、動作可能である。
【0015】
ある実施形態では、可動スリーブ部分は、作動システムによって動作可能に係合されるように構成されている少なくとも1つの作動可能な要素を含む。ある実施形態では、少なくとも1つの作動可能な要素には、突起部、ショルダ部、突出部、留め具、連結要素、締め具、ループ等が含まれる。少なくとも1つの作動可能な要素は中空であり得る。いくつかの実施形態では、可動スリーブ部分は一対の作動可能な要素を含む。
【0016】
ある実施形態では、可動スリーブ部分は突刺し可能なシールを含む。いくつかの実施形態では、可動スリーブ部分は、ハウジングの遠位端に隣接したまたはそれと一致するその遠位端に、突刺し可能なシールを含む。
【0017】
ある実施形態では、係止機構は、可動スリーブ部分の横方向スロット内に摺動可能に配設されているクリップを含み、第1の状態位置では、可動クリップは静止スリーブ部分の部分と係合されており、第2の状態位置では、可動クリップは静止スリーブ部分の部分から解除されている。
【0018】
ある実施形態では、係止要素は、可動スリーブ部分の中空の作動可能な要素内に摺動可能に配設されているクリップを含む。
【0019】
ある実施形態では、クリップは、付勢要素によって、第1の状態位置に向かってまたはその状態へ付勢されている。
【0020】
これは、作動機構およびしたがって中空針の作動の後、係止機構は第1のすなわち係止状態位置に戻り、それにより、針刺し損傷を緩和するか、または少なくとも低減するという利点をもたらす。
【0021】
ある実施形態では、クリップは少なくとも1つのばねアームを含む。ある実施形態では、クリップは一対のばねアームを設けられている。当該もしくは各ばねアームは偏向可能または弾性であり得る。
【0022】
ある実施形態では、中空針は両頭中空針である。両頭中空針はその各端部に突刺し端部を含み得る。
【0023】
ある実施形態では、静止スリーブ部分は突刺し可能なシールを含み、両頭中空針は各突刺し可能なシール間に配設されている。すなわち、ある実施形態では、両頭中空針は可動スリーブ部分の突刺し可能なシールと静止スリーブ部分の突刺し可能なシールとの間に配設されている。すなわち、ある実施形態では、両頭中空針の各端部が突刺し可能なシールに対向している。
【0024】
ある実施形態では、作動機構は、両頭中空針と突刺し可能なシールの各々との間に相対移動を引き起こすように、かつ両頭中空針が突刺し可能なシールの各々を突き刺すことを可能にし、それにより、各突刺し可能なシールを通して連通を形成するように構成されている。
【0025】
ある実施形態では、作動機構は、中空針に動作可能に連結されているカラーをさらに含み、カラーは中心長手方向軸に沿って軸方向に移動可能である。
【0026】
これは、中空針の並進移動が中心長手方向軸に沿って制御され得るという利点をもたらす。
【0027】
ある実施形態では、係止機構は、係止機構が中心長手方向軸に沿ったカラーの並進移動を阻止する第1の形態と、係止機構が中心長手方向軸に沿ったカラーの並進移動を可能にする第2の状態位置との間で、動作可能である。
【0028】
ある実施形態では、カラーは、作動システムによって動作可能に係合されるように構成されている少なくとも1つの作動可能な要素を含む。ある実施形態では、少なくとも1つの作動可能な要素には、突起部、ショルダ部、突出部、留め具、連結要素、締め具、ループ等が含まれる。少なくとも1つの作動可能な要素は中空であり得る。いくつかの実施形態では、カラーは一対の作動可能な要素を含む。
【0029】
ある実施形態では、係止機構は、カラーの横方向スロット内に摺動可能に配設されているクリップを含み、第1の状態位置では、クリップは静止スリーブ部分の部分と係合されており、第2の状態位置では、可動クリップは、静止スリーブ部分の部分から解除されている。
【0030】
ある実施形態では、カラーは、カラーの中空の作動可能な要素内に摺動可能に配設されているクリップを含む。
【0031】
ある実施形態では、クリップは、付勢要素によって、第1の状態位置に向かって付勢されている。
【0032】
これは、作動機構およびしたがって中空針の作動の後、係止機構は第1のすなわち係止状態位置に戻り、それにより、針刺し損傷を緩和するか、少なくとも低減するという、利点をもたらす。
【0033】
ある実施形態では、クリップは少なくとも1つのばねアームを含む。ある実施形態では、クリップは一対のばねアームを設けられている。当該もしくは各ばねアームは偏向可能または弾性であり得る。
【0034】
本発明の別の態様によれば、
本明細書において説明されているコネクタと、
係止機構と動作可能に係合して、第1の形態と第2の形態との間での係止機構の動作を可能にするように構成されている作動システムと、
を含む、システムが提供されている。
【0035】
ある実施形態では、作動システムは、作動機構を作動させて、中空針が突刺し可能なシールを突き刺しかつ突刺し可能なシールを通して連通を形成することを可能にするようにさらに構成されている。
【0036】
ある実施形態では、作動システムは、係止機構に動作可能に係合して、第1の形態と第2の形態との間での係止機構の動作を可能にするように構成されている少なくとも1つのプロング(prong)を含む。
【0037】
ある実施形態では、作動システムの少なくとも1つのプロングは、可動スリーブ部分またはカラーの横方向スロット内に配設されているクリップに動作可能に係合するように構成されている。
【0038】
ある実施形態では、作動システムの少なくとも1つのプロングは、可動スリーブ部分またはカラーの作動可能な要素を作動させるようにさらに構成されている。ある実施形態では、作動システムの少なくとも1つのプロングは、作動可能な要素に係合することによって、可動スリーブ部分またはカラーを並進移動させるようにさらに構成されている。
【0039】
ある実施形態では、作動システムは、可動スリーブ部分の横方向スロット内に配設されているクリップに動作可能に係合するように構成されている第1のプロングと、カラーの横方向スロット内に配設されているクリップに動作可能に係合するように構成されている第2のプロングとを含む。第1のプロングは一対のプロングとして設けられて、一対のクリップに動作可能に係合してもよい。第2のプロングは第2の対のプロングとして設けられて、一対のクリップに動作可能に係合してもよい。
【0040】
ある実施形態では、第1のプロングは、可動スリーブ部分の作動可能な要素を作動させるようにさらに構成されている。ある実施形態では、作動システムの第1のプロングは、作動可能な要素に係合することによって、可動スリーブ部分を並進移動させるようにさらに構成されている。ある実施形態では、第2のプロングは、カラーの作動可能な要素を作動させるようにさらに構成されている。ある実施形態では、作動システムの第2のプロングは、作動可能な要素に係合することによって、カラーを並進移動させるようにさらに構成されている。
【0041】
本発明の別の態様によれば、2つの容器を接続する方法であって、
本明細書において説明されているコネクタを設けるステップと、
本明細書において説明されている作動システムを設けるステップと、
コネクタのハウジングの遠位端を第1の容器に接続するステップであり、第1の容器が中空針の第1の端部に接続されるように、接続するステップと、
コネクタのハウジングの近位端を、突刺し可能なシールを含む第2の容器に、取外し可能に接続するステップであり、コネクタの突刺し可能なシールが第2の容器の突刺し可能なシールと同軸に揃えられているように、取外し可能に接続するステップと、
係止機構を第1の形態から第2の形態へ動作させるために、作動システムを使用して、コネクタの係止機構に動作可能に係合するステップと、
中空針を作動させて、コネクタの突刺し可能なシールを突き刺し、かつ第2の容器の突刺し可能なシールを突き刺し、それにより第1の容器と第2の容器とを接続するステップと、
を含む、方法、が提供されている。
【0042】
ある実施形態では、本方法は、
中空針の作動を停止して、コネクタの突刺し可能なシールの突刺しを停止し、それにより、第1の容器と第2の容器とを分離するステップと、
係止機構を第2の形態から第1の形態へ動作させるために、コネクタの係止機構から作動システムを解除するステップと、
をさらに含む。
【0043】
ここで、本開示において説明されている1つまたは複数の実施形態を表す図面を参照する。しかし、当然のことながら、図面に示されていない他の実施形態が本開示の範囲内に入るであろう。図に使用されている同様の番号は同様の構成要素、ステップ等を指す。しかし、当然のことながら、所定の図の構成要素を指す番号の使用は、同一のまたは実際には異なる番号を付された別の図の構成要素を限定することを意図するものではない。図は例示目的で示されており、限定するものではない。図に示されている概略的な図面は必ずしも縮尺通りとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の実施形態によるコネクタの斜視図である。
図2図1のコネクタの分解図である。
図3図1のコネクタの作動機構の詳細図である。
図4図1のコネクタの横断面図である。
図5図1のコネクタの斜視図である:(a)係止機構が第1の形態にある状態、(b)係止機構が第2の形態にある状態、および(c)第1の突刺し可能なシールの突刺しの後。
図6図1のコネクタの部分切取り側面図である:(a)係止機構が第1の形態にある状態、(b)係止機構が第2の形態にある状態、(c)第1の突刺し可能なシールの突刺しの後、および(d)第2の突刺し可能なシールの突刺しの後。
図7図1のコネクタの部分切取り背面図である:(a)係止機構が第1の形態にある状態、(b)係止機構が第2の形態にある状態、(c)第1の突刺し可能なシールの突刺しの後、および(d)第2の突刺し可能なシールの突刺しの後。
図8図1に示されている係止機構のクリップの側面図である:(a)第1の形態、および(b)第2の形態。
図9】使用中、図1のコネクタの動作を可能にするための作動システムの図である。
図10図1のコネクタの動作を可能にするための、図9の作動システムの使用の図である((a)から(e)まで)。
【発明を実施するための形態】
【0045】
記述例実施形態は、少なくとも1つの容器に材料を導入するか、またはそれから抽出するためのコネクタに関する。詳細には、いくつかの実施形態が、無菌コネクタ、またはより詳細には、材料移動中に無菌環境を維持するコネクタである、コネクタに関する。「滅菌」と「無菌」という用語は置換え可能である。詳細な説明内の流体の参照は、そのような材料に対する保護範囲を限定することを意図するものではない。当業者によって認められるであろうように、本明細書において説明されている流体が、説明されているコネクタと共に使用するための適切な材料の、単なる例である。同様に、収容器、採血管等を参照する可能性があるが、詳細な説明におけるそのような参照は、そのような容器または管の保護範囲を限定することを意図するものではない。当業者によって認められるであろうように、収容器、採血管等は、適切な容器の単なる例として、本明細書において説明されている。
【0046】
次の説明では、一定の専門用語が単に便宜上使用されており、限定するものではない。「上」および「下」という語は、参照される図面内での方向を指定し、組み立てられ取り付けられた時の、説明されている構成要素に関する。「内側」、「内向き」および「外側」、ならびに「外向き」という語は、それぞれ、説明されている要素の指定された中心線または幾何学的中心(例えば、中心軸)に向かう方向とそこから遠ざかる方向を指し、その特定の意味は説明の文脈から容易に明らかである。さらに、「近位」(すなわち、より近い)および「遠位」(すなわち、離れている)という用語は、軸または取付け点に対する位置を示す。
【0047】
さらに、本明細書で用いられている「接続される」、「固定される」、「連結される」等の用語は、2つの部材間にいかなる他の部材も間置されないそれらの間の直接接続、および1つまたは複数の他の部材が部材間に間置されているそれらの間の間接接続を含むものとする。専門用語には、上記で具体的に言及されている語、それらの派生語、および同様の意味を持つ語が含まれる。
【0048】
さらに、特に指定がない限り、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の序数形容詞の使用は、単に類似の対象の様々な例が言及されているに過ぎず、かつそのように記載されている対象が、時間的に、空間的に、順位で、または任意の他の方法で、所定の順序でなければならないことを意味するものではないことが示されている。同様の参照番号は、全体を通じて、同様の特徴を表すために使用されている。
【0049】
図1は、遠位端と近位端との間に延在するハウジング100を含むコネクタ10を示す。ハウジング100は、以下に説明される、平坦な側壁と、湾曲した前壁と、作動機構の部分と、静止スリーブ部分160とを有する外側カバー120を含む。静止スリーブ部分160は、設置中にユーザに触覚フィードバックを与えるために、以下でさらに検討される、作動システム上の協働磁石との協働ための一対の磁石168を設けられている。コネクタ10は、コネクタ10の基部を包囲するために、ハウジング100の近位端に配設されているキャップ140も含む。コネクタ10は、以下に説明される可動スリーブ部分の一部として、実質的に円筒形でありかつ内側ねじ部分214を含む収容器受容部分122も含む。また、収容器受容部分122は、受容された収容器(図示せず)上の協働要素と相互作用するラチェット機構として設計されている回転防止ねじ216を設けられている。
【0050】
図2は、図1のコネクタ10の分解図を示す。図示のように、コネクタ10は、前述されている外側カバー120とキャップ140とで構成されている。コネクタ10は、以下に説明されるように、カラー260に動作可能に連結されている両頭中空針240も含む。中空針240は、折畳み式スリーブ機構として構成されている本実施形態では、可動スリーブ部分200と静止スリーブ部分160とを含む作動機構によって動作させられる。コネクタ10は、静止スリーブ部分160に摺動可能に連結されておりかつコネクタ10の運搬中にキャップ140によって覆われている摺動引出し部300も設けられている。
【0051】
図2から図4までを参照して、作動機構は次のように説明される。一対の横に延在する中空突起部202、204を含む可動スリーブ部分200が設けられており、中空突起部の各々は横方向に延在するスロット206、208を含む。中空突起部202、204内に、各中空突起部202、204内に摺動可能に配設されているクリップ220が設けられている。クリップ220は各々、突起部202、204の各スロット206、208を貫通して延在する突出部222を設けられている。残りの説明から明らかになるであろうように、クリップ220は、使用前の針240による突刺し可能なシールの突刺しを阻止する係止機構としての機能を果たす。クリップ220は、中空突起部の開放端部210、212に近接した中空突起部202、204の陥凹部を通って、第1の形態では延在する、以下にさらに詳細に説明されている一対のばねアーム224を設けられている。突起部202、204は、すなわちその開放端部210、212において、静止スリーブ部分160の一対の長手方向に延在するスロット162(図1参照)を通して、アクセス可能である。
【0052】
さらに、図5(a)から図5(c)までをさらに参照すると、中空突起部202、204は、変厚を有するリブ部218を含む。詳細には、リブ部218は、開放端部210、212に近接した厚い厚さと、反対側端部に薄い厚さとを有する。このようにして、以下に記述するようにコネクタを作動システム上に載せると、触覚フィードバックがユーザに与えられる。
【0053】
一対の横に延在する中空突起部262、264を含むカラー260が設けられている。カラー260は、例えば摩擦嵌合、押込み式、接着等によって、中空針240に動作可能に連結されている。突起部262、264は、静止スリーブ部分160の一対の長手方向に延在するスロット162(図1参照)を通して、アクセス可能である。
【0054】
図示されていないが、カラー260の突起部262、264は、可動スリーブ部分200の突起部202、204内に設けられているクリップ220に加えてまたはその代わりとして、クリップを含み得る。
【0055】
さらに、図1および図2に示されているように、2つのゲートル280、290が設けられており、各ゲートル280、290は中空針240のそれぞれの側、カラー260の両側を包囲している。すなわち、第1のゲートル280はカラー260の第1の側からコネクタ10の遠位端に向かって延在し、第2のゲートル290はカラー260の第2の反対側からコネクタ10の近位端に向かって延在する。ゲートル280、290は、使用中の無菌バリアとしての機能を果たして、針240のための無菌環境を確実にする。
【0056】
最後に、図2および図3を参照すると、静止スリーブ部分(図2参照)に摺動可能に連結されておりかつそれに対して摺動可能である摺動引出し部300が設けられている。摺動引出し部300は、レールがそこから延在し、使用中に静止スリーブ部分の対応するスロット内に受容される前方部分302を含む。摺動引出し部300は、熱溶接によって、無菌シール304に結合されている。無菌シール304は、それが覆って設けられる突刺し可能なシールの無菌性を確実にする、ポリマー材料の折畳み部品として設けられている。
【0057】
既に説明されているそれらの特徴に加えて、コネクタ10は、特に、コネクタ10の遠位端に向かって可動スリーブ部分200内に形成されている第1の突刺し可能なシール282と、コネクタ10の近位端に向かって静止スリーブ部分160(図2参照)内に形成されている第2の突刺し可能なシール292とを含む。各突刺し可能なシール282、292は、中空針240の各端部がそれぞれの端部で突刺し可能なシール282、292に対向するように、それらの間に中空針240を封入している。使用前、中空針240は各突刺し可能なシール282、292に対向しており、それらを貫通して突出しない。コネクタの作動後、針240は、各突刺し可能なシール282、292を突き刺して、2つの収容器間に接続を形成するようにさせられる。各収容器は各突刺可能なシール282、292に近接して配設されている。
【0058】
図5(a)から図5(c)までをさらに参照すると、使用中の作動機構の作動および係止機構の動作が図示されている。詳細には、これらの図に示されているように、中空突起部202、204のクリップ220(図4参照)は、突起部202、204内で横方向に動かされ、突出部222は各スロット206、208内で動く。クリップ220(図4参照)は、第1の形態(図5(a))と第2の形態(図5(b))との間で動かされる。図6に関してより詳細に説明されているように、第2の形態(図5(b))では、可動スリーブ部分200は、コネクタの近位端に向かって、下向きに長手方向に並進移動することを可能にされて、針240による第1の突刺し可能なシール282の突刺しを可能にする(図4参照)。
【0059】
ここで、図6(a)から図6(d)までかつ図7(a)から図7(d)までを参照すると、コネクタ10の作動が説明される。コネクタ10は、図6(a)および図7(a)に示されているように、第1の形態としても知られている係止状態で設けられる。図6(a)に示されているように、クリップ220の突出部222(図2から図4まで)は静止スリーブ部分160のショルダ部164と係合状態にある。この形態では、突出部222はショルダ部164に当接して係止を引き起こすので、可動スリーブ部分200は、静止スリーブ部分160に対して長手方向に移動することができない。
【0060】
図6(b)および図7(b)に示されているように、クリップ220は、突起部202、204内で、横方向に動かされ、それにより、突出部222をスロット206、208に沿って動かす。このようにして、突出部222は、静止スリーブ部分160のショルダ部164から解除される。突出部222は長手方向スロット166内に配置され、したがって、可動スリーブ部分200の長手方向並進移動を阻止しない。
【0061】
図6(c)および図7(c)に示されているように、可動スリーブ部分200は、コネクタ10の近位端に向かって、すなわち下向きに、軸方向に並進移動させられ、それにより、動作中に静止状態にされている中空針240が第1の突刺し可能なシール282(図4参照)を貫通して突き刺すことを可能にする。これは、収容器受容部分122(図1参照)内で、コネクタ10の遠位端における受容された収容器への接続を実現する。
【0062】
図6(d)および図7(d)に示されているように、可動スリーブ部分200はその軸方向軌道内で進み続けさせられ、同時に、カラー260は、コネクタ10の近位端に向かって、すなわち下向きに、軸方向に並進移動させられる。このようにして、中空針240は、第1の突刺し可能なシール282、すなわち可動スリーブ部分200のシールを突き刺し続け、かつ静止スリーブ部分160の第2の突刺し可能なシール292を貫通して突き刺すようにされ、それにより、コネクタ10の端から端までの連通を実現する。したがって、図示されていないが、2つの容器がコネクタ10の各端部で接続される。
【0063】
図8(a)および図8(b)はクリップ220の詳細図を示し、クリップは、可動ハウジング部分200および/またはカラー160の中空突起部202、204、262、264内に設けられることが可能である。図示のように、クリップ220は、クリップ220の本体に対して実質的に垂直に延在する突出部222を含む。また、クリップ220の一方の端部に、付勢手段としての機能を果たす一対のばねアーム224が設けられている。使用中、クリップ220が突起部202、204(図5(a)および図5(b)参照)内で動くにつれて、ばねアーム224は圧縮され、図8(b)に示されている形態へ圧縮される。図8(b)に示されている形態では、ばねアーム224は圧縮され、したがってばね力が、第1の形態(すなわち、図8(a)に示されている)に向かってクリップ220を付勢する。したがって、クリップ220上に作用して、それを第2の形態へ移動させる力が除去され、クリップ220は付勢されて第1の形態へ戻される。また、ばねアーム224は各々、リップ部224aを設けられており、以下にさらに詳細に説明されている作動システムの部分につかみ面をもたらす。あるいは、またはさらに、リップ部224aは、作動システムの部分内の陥凹部または溝部と係合するように配置され得る。このようにして、クリップ220は、係止機構の解除時、作動システムによって引き出され得る。さらに、この相互作用は、コネクタを作動システム上に設置する/取り外す時、ユーザに触覚フィードバックを与え得る。
【0064】
図9は、使用中の、コネクタ10、詳細にはその係止機構および作動機構を作動させるための作動システム420を示す。図9に示されているように、作動システム420は、インキュベータ装置400の一部として設けられている。作動システム420は、第1の対のプロング422、424と第2の対のプロング426、428とを含む。第1の対のプロング422、424は、可動スリーブ部分200の突起部202、204に係合するように、またその中に受容されているクリップ220と係合するように、さらに構成されている。詳細には、ユーザがコネクタ10を作動システム420上に設置した時、第1の対のプロング422、424は、クリップ220を、第1の形態から第2の形態へ移動させる。各プロング422、424は、プロング422、424とクリップ220との間に係合しかつまたコネクタ10を作動システム420上に設置し/取り外す時、ユーザに触覚フィードバックを与えるために、クリップ220のリップ部224a(図8(a)および図8(b)参照)に係合するように配置されている陥凹部または溝部(図示せず)を含み得る。その後、作動システム420は、可動スリーブ部分200を移動させるように、すなわち前述されているように第1の突刺し可能なシール282の突刺しを引き起こすために、その軸方向並進移動を引き起こすように、動作可能である。
【0065】
さらに、作動システム420は、カラー260の突起部262、264に係合するように構成されている第2の対のプロング426、428を含む。第2の対のプロング426、428は、そのような突起部262、264内の任意のクリップに同様に係合し得る。その後、作動システム420は、前述されているように第2の突刺し可能なシール292の突刺しを引き起こすために、カラー260を移動させるように、すなわちその軸方向並進移動を引き起こすように動作可能である。
【0066】
図10(a)から図10(e)までは、使用中にコネクタ10を作動させかつ動作させるための作動システム420の使用を示す。図10(a)は、詳細にはプロング422が可動スリーブ部分200の中空突起部の一方の中でクリップ220と係合している、作動システム420を示す。また、針を覆っているゲートル280と、摺動引出し部300とが示されている。図8(a)および図8(b)をさらに参照すると、ばねアーム224が係合中に内向きに折り畳まる時にクリップ220のリップ部224aがプロング422の陥凹部または溝部に係合するように、プロング422はクリップ220に係合する。図10(a)では、クリップ220は第1の形態を保っている。図10(b)は、移動のためにクリップ220を第2の形態へ移動させるために(上記の図6および図7参照)、可動スリーブ部分200の突起部内へ挿入されたプロング422を示す。図10(c)は、針が作動される前に第2の突刺し可能なシール292から無菌シール(図2参照)を除去するための、摺動引出し部300の作動を示す。作動システムは、摺動引出し部300を図示されている位置へ移動させるために、摺動引出し部に力を供給し得る。図10(d)は、同を下向きに、すなわちコネクタの近位端に向かって並進移動させ、かつしたがって針で第1の突刺し可能なシールを突き刺すために(図6および図7参照)、可動スリーブ部分200に作用するプロング422を示す。図10(e)は、より詳細に前述されているように、第2の突刺し可能なシールを貫通して中空針240を移動させるために、プロング426、428(図9参照)がカラー(図示せず)にやはり作用している状態で、移動の連続軌道を示す。材料が、次いで、コネクタを通して移送され得る。移送が起こったら、コネクタが作動システムから除去されることを可能にするために、ステップが逆に進められ得る。
【0067】
当業者に理解されるであろうように、コネクタの構成要素、容器、界面位置等は、任意の適切な材料で構成され得る。例えば、ハウジングは、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、耐衝撃性ポリスチレンシート(HIPS)で構成されていてもよく;無菌シールはポリエチレン(PE)で構成されていてもよく;カラーはポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、耐衝撃性ポリスチレンシート(HIPS)で構成されていてもよく;中空針はステンレス鋼または別の適切な生体適合性材料または金属で構成されていてもよく、かつ任意の適切なゲージを有していてもよく;ゲートルは、低密度ポリエチレン(LDPE)、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコン等で構成されていてもよく;ゲートルクリップは高密度ポリエチレン(HDPE)で構成されていてもよく;静止スリーブ部分は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、耐衝撃性ポリスチレンシート(HIPS)で構成されていてもよく;静止スリーブ部分の突刺し可能なシールは、熱可塑性エラストマー、もしくはシリコンで構成されていてもよく、かつ/または静止スリーブ部分と一体成形されていてもよく;可動スリーブ部分は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、耐衝撃性ポリスチレンシート(HIPS)で構成されていてもよく;上方ハウジング部分の突刺し可能な気密シールは、熱可塑性エラストマー(TPE)、もしくはシリコンで構成されていてもよく、かつ/または可動スリーブ部分と一体成形されていてもよく;キャップは、ポリプロピレン(PP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、またはそれらの組合せで構成されていてもよい。また、材料の任意の組合せが上記で検討されているように考えられる。そのような材料は、細胞および/または遺伝子治療の製造に適切であることに加えて、複数の製造利点および処理利点をもたらす。
【0068】
一般に、上記の実施形態が単に例として説明され、かついかなる限定的意味でも説明されていないこと、および添付の請求項によって定められる本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更および修正が可能であることが、当業者に理解されるであろう。前述されている詳細な設計に対する様々な修正が可能であり、例えば、変形が、形状、サイズ、配置、組立て、順序等に存在する可能性がある。
【符号の説明】
【0069】
10 コネクタ
100 ハウジング
120 外側カバー
122 容器受容部分
140 キャップ
160 静止スリーブ部分
162、206、208 スロット
164 ショルダ部
166 長手方向スロット
168 磁石
200 可動スリーブ部分
202、204 (可動スリーブ部分の)中空突起部
210、212 開放端部
214 内側ねじ部分
216 回転防止ねじ
218 リブ部
220 (中央突起部202、204の)クリップ
222 突出部
224 ばねアーム
224a (ばねアームの)リップ部
240 両頭中空針
260 カラー
262、264 (カラーの)突起部
280 第1のゲートル
282 第1の突刺し可能なシール
290 第2のゲートル
292 第2の突刺し可能なシール
300 摺動引出し部
302 (摺動引出し部の)前方部分
304 無菌シール
400 インキュベータ装置
420 作動システム
422、424 第1の対のプロング
426、428 第2の対のプロング
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図6(d)】
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図7(d)】
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図10(d)】
図10(e)】
【国際調査報告】