(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】腫瘍浸潤リンパ球の富化方法
(51)【国際特許分類】
C12N 5/0783 20100101AFI20250130BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250130BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20250130BHJP
A61K 35/17 20250101ALI20250130BHJP
【FI】
C12N5/0783
A61P35/00
A61P37/04
A61K35/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544415
(86)(22)【出願日】2023-01-27
(85)【翻訳文提出日】2024-09-24
(86)【国際出願番号】 US2023061497
(87)【国際公開番号】W WO2023147505
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522043220
【氏名又は名称】アベルゼータ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,シャンビン
(72)【発明者】
【氏名】タン,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】トリン,トゥ・レ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジアチ
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,シン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,シグイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,イホン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4B065AC12
4B065AC20
4B065BA30
4B065BB19
4B065BC12
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB37
4C087BB64
4C087CA04
4C087NA14
4C087ZB09
4C087ZB26
(57)【要約】
本開示は、伝統的な方法より短い時間で、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を増殖させるための、およびTILの治療用集団を製造するための改良方法を提供する。所望のT細胞表現型を維持しながら目標細胞用量を容易に満たすTIL細胞療法製品が製造されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1の細胞培養培地内で第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を生成させること(ここで、第1の細胞集団は患者からの腫瘍サンプルから得られる)、および
(b)第2の細胞培養培地内で、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと、第2の細胞集団を接触させて、第3の細胞集団を生成させること(ここで、第2の細胞培養培地は約100 IU/mL~約8,000 IU/mLのインターロイキン-2(IL-2)を含む)、を含む、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を増殖させる方法。
【請求項2】
第1の細胞培養培地が、約2,000 IU/mL~約8,000 IU/mLのIL-2を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程(a)において、第1の細胞集団を約10日間~約40日間培養する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
工程(a)において、第1の細胞集団を約10日間~約14日間培養する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
第2の細胞培養培地が、約500 IU/mL~約4,000 IU/mLのIL-2を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
第2の細胞培養培地が、約3,000 IU/mLのIL-2を含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
工程(a)の後に第2の細胞集団を凍結保存することを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
工程(b)において、接触が約3日間~約17日間である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
第3の細胞集団が、数において第2の細胞集団より少なくとも100倍多い、請求項1記載の方法。
【請求項10】
第3の細胞集団が、数において第2の細胞集団より約100倍~約2000倍多い、請求項9記載の方法。
【請求項11】
腫瘍サンプルが固形腫瘍からのものである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
固形腫瘍が、肉腫、肝細胞癌、神経膠腫、頭頸部癌、骨癌、脳癌、乳癌、肛門癌、肛門管癌、肛門直腸癌、眼癌、肝内胆管癌、関節癌、頸部癌、胆嚢癌、胸膜癌、鼻癌、鼻腔癌、中耳癌、口腔癌、外陰部癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、胃腸癌、下咽頭癌、喉頭癌、肝臓癌、肺癌、悪性中皮腫、黒色腫、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、腹膜癌、大網癌、腸間膜癌、咽頭癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、小腸癌、軟部組織癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、尿管癌、膀胱癌またはそれらの組合せを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法によって得られる腫瘍浸潤リンパ球。
【請求項14】
(i)CD3
+細胞約3%~約88%の範囲の割合のCD3
+CD8
+ T細胞、
(ii)CD3
+細胞約10%~約96%の範囲の割合のCD3
+CD4
+ T細胞、
(iii)CD4
+細胞約50%~約88%の範囲の割合のCD4
+ T
CM T細胞、
(iv)CD8
+細胞約28%~約82%の範囲の割合のCD8
+ T
CM T細胞、
(v)CD4
+細胞約11%~約49%の範囲の割合のCD4
+ T
EM T細胞、および
(vi)CD8
+細胞約11%~約61%の範囲の割合のCD8
+ T
EM T細胞
のうちの1以上を含む、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された、または腫瘍浸潤リンパ球から増殖した細胞集団であって、ここで、該細胞集団が70%以上の生細胞を含み、該細胞集団が患者からの腫瘍サンプルから生成される、前記細胞集団。
【請求項15】
生細胞における80%以上のCD3
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項16】
CD4
+細胞約10%~約51%の範囲の割合のCD4
+CD27
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項17】
CD8
+細胞約12%~約72%の範囲の割合のCD8
+CD27
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項18】
CD8
+細胞約34%~約95%の範囲の割合のCD8
+CD28
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項19】
CD4
+細胞約82%~約100%の範囲の割合のCD4
+CD28
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項20】
CD4
+細胞約0.2%~約5.8%の範囲の割合のCD4
+ 4-1BB
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項21】
CD8
+細胞約0.2%~約11.6%の範囲の割合のCD8
+ 4-1BB
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項22】
CD4
+細胞約0.2%~約19.5%の範囲の割合のCD4
+ LAG3
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項23】
CD8
+細胞約6%~約51.2%の範囲の割合のCD8
+ LAG3
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項24】
CD4
+細胞約0.9%~約31%の範囲の割合のCD4
+ PD1
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項25】
CD8
+細胞約1%~約18%の範囲の割合のCD8
+ PD1
+ T細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項26】
10%以下のCD56
+ NK細胞を含む、請求項14記載の細胞集団。
【請求項27】
(a)第1の細胞培養培地内で第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を生成させること(ここで、第1の細胞集団は患者からの腫瘍サンプルから得られる)、および
(b)第2の細胞培養培地内で、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと、第2の細胞集団を接触させること(ここで、第2の細胞培養培地は約100 IU/mL~約8,000 IU/mLのインターロイキン-2(IL-2)を含む)、を含む、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を増殖させる方法によって生成される、請求項14記載の細胞集団。
【請求項28】
(a)患者からの腫瘍サンプルから得られた細胞を培養すること、
(b)該培養細胞を処理して、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された細胞集団を生成させること
を含む、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された細胞集団を増殖させる方法であって、該細胞集団が、
(i)CD3
+細胞約3%~約88%の範囲の割合のCD3
+CD8
+ T細胞、
(ii)CD3
+細胞約10%~約96%の範囲の割合のCD3
+CD4
+ T細胞、
(iii)CD4
+細胞約50%~約88%の範囲の割合のCD4
+CD45RA
-CD62L
+セントラルメモリーT細胞、
(iv)CD8
+細胞約28%~約82%の範囲の割合のCD8
+CD45RA
-CD62L
+セントラルメモリーT細胞、
(v)CD4
+細胞約11%~約49%の範囲の割合のCD4
+CD45RA
-CD62L
-エフェクターメモリーT細胞、および
(vi)CD8
+細胞約11%~約61%の範囲の割合のCD8
+ T CD45RA
-CD62L
-エフェクターメモリーT細胞
のうちの1以上を含む、前記方法。
【請求項29】
請求項28記載の方法によって得られる腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された細胞集団。
【請求項30】
請求項13記載の腫瘍浸潤リンパ球を患者に投与することを含む、癌を有する患者の治療方法。
【請求項31】
約1×10
9~約1×10
11個の細胞を患者に投与する、請求項30記載の方法。
【請求項32】
約5×10
9~約9×10
10個の細胞を患者に投与する、請求項30記載の方法。
【請求項33】
癌が、黒色腫、子宮頸癌、肺癌、結腸直腸癌、乳癌または頭頸部癌である、請求項30記載の方法。
【請求項34】
請求項14記載の細胞集団を患者に投与することを含む、癌を有する患者の治療方法。
【請求項35】
請求項29記載の細胞集団を患者に投与することを含む、癌を有する患者の治療方法。
【請求項36】
癌が、黒色腫、子宮頸癌、肺癌、結腸直腸癌、乳癌または頭頸部癌である、請求項34記載の方法。
【請求項37】
癌が、黒色腫、子宮頸癌、肺癌、結腸直腸癌、乳癌または頭頸部癌である、請求項35記載の方法。
【請求項38】
癌が、肉腫、肝細胞癌、神経膠腫、頭頸部癌、骨癌、脳癌、乳癌、肛門癌、肛門管癌、肛門直腸癌、眼癌、肝内胆管癌、関節癌、頸部癌、胆嚢癌、胸膜癌、鼻癌、鼻腔癌、中耳癌、口腔癌、外陰部癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、胃腸癌、下咽頭癌、喉頭癌、肝臓癌、肺癌、悪性中皮腫、黒色腫、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、腹膜癌、大網癌、腸間膜癌、咽頭癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、小腸癌、軟部組織癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、尿管癌、膀胱癌またはそれらの組合せを含む、請求項30記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍浸潤リンパ球を富化する(enrich;濃縮する)ための方法に関する。
【0002】
関連出願に対する相互参照
本出願は、米国仮特許出願第63/304,288号(2022年1月28日付出願)、第63/411,317号(2022年9月29日付出願)および第63/423,676号(2022年11月8日付出願)(それらのそれぞれの全体を参照により本明細書に組み入れることとする)に基づく優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
背景
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いる養子細胞療法はがん(以下、癌と表記される)に対する潜在的な治療選択肢を提供する。TILは、多様な抗原特異性を有するポリクローナルT細胞に富む。腫瘍の断片の抽出およびそれに続くエクスビボ増殖は不適な腫瘍微小環境からTILを取り出し、腫瘍内制御性T細胞の免疫抑制効果を低減する。TILのエクスビボでの増殖は細胞を若返らせて、患者に再注入されるべき数十億個のそのような細胞を生成する。広範な性質の腫瘍ネオ抗原および各患者からの特有のアレイに対処しうる細胞療法製品は、個別の目的に合わせた応答の可能性につながるであろう。Sarnaikら,J.Clinical Oncology,2021,39:2656-2666。
【0004】
TILを使用する癌の有効な治療は数十億個のTILのエクスビボでの製造を要する。TILの製造のためには、患者の切除された腫瘍を最初に断片化し、腫瘍組織からのTILの移動を維持する条件下でインビトロで培養する。通常のプロトコルにおいては、次いで、放射線照射された同種ドナーの末梢血単核細胞(PBMC)および抗CD3モノクローナル抗体を使用して、急速増殖プロトコル(REP)でTIL数を増加させる。REPは、注入のための十分なTILを生成させるために用いられる。ドナーPBMCの利用可能性および検証を含む幾つかの要因が、通常のREPプロトコルを、長時間を要し、多大な労力を要し、高い費用を要するものにする。これらのマイナス要因に加えて、標準的なプロトコルで増殖したTILは、主に、より不良な臨床応答に関連する終末分化表現型(TEM、TEMRA)を示す。TIL注入製品における若いメモリー表現型(TSCM、TCM)は患者における抗腫瘍応答の改善に関連付けられている。したがって、容易に入手可能な市販試薬を使用して、好ましい表現型を有するTILを生成しうる、より簡便であるがGMPに準拠したプロセスを、通常のREPプロトコルの代わりに用いることが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
概括
本開示は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を増殖させる方法を提供し、該方法は、(a)第1の細胞培養培地内で第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を生成させること、ならびに(b)第2の細胞培養培地内で、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと、第2の細胞集団を接触させて、第3の細胞集団を生成させることを含む。特定の実施形態においては、第1の細胞集団は患者からの腫瘍サンプルから得られる。
【0006】
第3の細胞集団は、本発明の医薬組成物に含まれるべきTILまたは細胞でありうる。第3の細胞集団は、癌を有する対象(例えば、患者)を治療するために本発明の方法において使用されるべきTILまたは細胞でありうる。
【0007】
特定の実施形態においては、第2の細胞培養培地は約100 IU/mL~約8,000 IU/mLのインターロイキン-2(IL-2)、約500 IU/mL~約4,000 IU/mLのIL-2、約1,000 IU/mL、約2,000 IU/mL、約3,000 IU/mL、約4,000 IU/mL、または約5,000 IU/mLのIL-2を含む。
【0008】
特定の実施形態においては、第1の細胞培養培地は約2,000 IU/mL~約8,000 IU/mLのIL-2、約5,000 IU/mL、約6,000 IU/mL、約7,000 IU/mL、または約8,000 IU/mLのIL-2を含む。
【0009】
特定の実施形態においては、工程(a)において、第1の細胞集団を、約10日間~約40日間、約10日間~約14日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間または約17日間培養する。
【0010】
該方法は、工程(a)の後に第2の細胞集団を凍結保存することを更に含みうる。
【0011】
特定の実施形態においては、工程(b)において、接触を、約3日間~約17日間、約5日間~約15日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間または約17日間行う。
【0012】
特定の実施形態においては、第3の細胞集団は、数において、第2の細胞集団より少なくとも100倍多く、または第2の細胞集団より約100倍~約2000倍多い。
【0013】
腫瘍サンプルは固形腫瘍からのものでありうる。固形腫瘍には、肉腫、肝細胞癌、神経膠腫、頭頸部癌、骨癌、脳癌、乳癌、肛門癌、肛門管癌、肛門直腸癌、眼癌、肝内胆管癌、関節癌、頸部癌、胆嚢癌、胸膜癌、鼻癌、鼻腔癌、中耳癌、口腔癌、外陰部癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、胃腸癌、下咽頭癌、喉頭癌、肝臓癌、肺癌、悪性中皮腫、黒色腫、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、腹膜癌、大網癌、腸間膜癌、咽頭癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、小腸癌、軟部組織癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、尿管癌、膀胱癌およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
本開示は、本発明の方法によって得られる腫瘍浸潤リンパ球を提供する。
【0015】
また、本開示は、以下のもの、すなわち、
(i)CD3+細胞約3%~約88%の範囲の割合のCD3+CD8+ T細胞、
(ii)CD3+細胞約10%~約96%の範囲の割合のCD3+CD4+ T細胞、
(iii)CD4+細胞約50%~約88%の範囲の割合のCD4+ TCM T細胞、
(iv)CD8+細胞約28%~約82%の範囲の割合のCD8+ TCM T細胞、
(v)CD4+細胞約11%~約49%の範囲の割合のCD4+ TEM T細胞、
(vi)CD8+細胞約11%~約61%の範囲の割合のCD8+ TEM T細胞
のうちの1以上を含む、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された、または腫瘍浸潤リンパ球から増殖した細胞集団をも含み、ここで、細胞集団は70%以上の生細胞を含み、細胞集団は患者からの腫瘍サンプルから生成される。
【0016】
細胞集団は、生細胞における80%以上のCD3+ T細胞を含みうる。
【0017】
細胞集団は、CD4+細胞約10%~約51%の範囲の割合のCD4+CD27+ T細胞を含みうる。
【0018】
細胞集団は、CD8+細胞約12%~約72%の範囲の割合のCD8+CD27+ T細胞を含みうる。
【0019】
細胞集団は、CD8+細胞約34%~約95%の範囲の割合のCD8+CD28+ T細胞を含みうる。
【0020】
細胞集団は、CD4+細胞約82%~約100%の範囲の割合のCD4+CD28+ T細胞を含みうる。
【0021】
細胞集団は、CD4+細胞約0.2%~約5.8%の範囲の割合のCD4+ 4-1BB+ T細胞を含みうる。
【0022】
細胞集団は、CD8+細胞約0.2%~約11.6%の範囲の割合のCD8+ 4-1BB+ T細胞を含みうる。
【0023】
細胞集団は、CD4+細胞約0.2%~約19.5%の範囲の割合のCD4+ LAG3+ T細胞を含みうる。
【0024】
細胞集団は、CD8+細胞約6%~約51.2%の範囲の割合のCD8+ LAG3+ T細胞を含みうる。
【0025】
細胞集団は、CD4+細胞約0.9%~約31%の範囲の割合のCD4+ PD1+ T細胞を含みうる。
【0026】
細胞集団は、CD8+細胞約1%~約18%の範囲の割合のCD8+ PD1+ T細胞を含みうる。
【0027】
細胞集団は、10%以下のCD56+ NK細胞を含みうる。
【0028】
本開示は、本発明の方法によって得られる細胞集団を提供する。
【0029】
該方法は、(a)第1の細胞培養培地内で第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を生成させること、および、(b)第2の細胞培養培地内で、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと、第2の細胞集団を接触させて、第3の細胞集団を生成させることを含む。特定の実施形態においては、第1の細胞集団は患者からの腫瘍サンプルから得られる。第3の細胞集団は、本方法によって生成される細胞集団でありうる。
【0030】
本開示は、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された細胞集団を増殖させる方法を提供する。該方法は、(a)患者からの腫瘍サンプルから得られた細胞を培養すること、(b)該培養細胞を処理して、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された細胞集団を生成させることを含み、ここで、細胞集団は、以下のもの、すなわち、
(i)CD3+細胞約3%~約88%の範囲の割合のCD3+CD8+ T細胞、
(ii)CD3+細胞約10%~約96%の範囲の割合のCD3+CD4+ T細胞、
(iii)CD4+細胞約50%~約88%の範囲の割合のCD4+CD45RA-CD62L+セントラルメモリーT細胞、
(iv)CD8+細胞約28%~約82%の範囲の割合のCD8+CD45RA-CD62L+セントラルメモリーT細胞、
(v)CD4+細胞約11%~約49%の範囲の割合のCD4+CD45RA-CD62L-エフェクターメモリーT細胞、
(vi)CD8+細胞約11%~約61%の範囲の割合のCD8+ T CD45RA-CD62L-エフェクターメモリーT細胞
のうちの1以上を含む。
【0031】
また、本開示は、本発明の腫瘍浸潤リンパ球、本発明の細胞集団、本発明の細胞(例えば、第3の細胞集団)または本発明の組成物を患者に投与することを含む、癌を有する患者の治療方法をも含む。
【0032】
本開示は、本発明の腫瘍浸潤リンパ球、本発明の細胞集団または本発明の細胞(例えば、第3の細胞集団)を含む医薬組成物を提供する。
【0033】
特定の実施形態においては、約1×109~約1×1011個の細胞、または約5×109~約9×1010個の細胞を患者に投与する。
【0034】
癌は、黒色腫、子宮頸癌、肺癌、結腸直腸癌、乳癌または頭頸部癌でありうる。癌には、肉腫、肝細胞癌、神経膠腫、頭頸部癌、骨癌、脳癌、乳癌、肛門癌、肛門管癌、肛門直腸癌、眼癌、肝内胆管癌、関節癌、頸部癌、胆嚢癌、胸膜癌、鼻癌、鼻腔癌、中耳癌、口腔癌、外陰部癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、胃腸癌、下咽頭癌、喉頭癌、肝臓癌、肺癌、悪性中皮腫、黒色腫、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、腹膜癌、大網癌、腸間膜癌、咽頭癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、小腸癌、軟部組織癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、尿管癌、膀胱癌またはそれらの組合せが含まれうる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】標準化プロトコルに従うプレ(pre-)REP TIL培養におけるTIL増殖およびグルコース/乳酸レベル。標準化プレREPプロトコルにおいては、腫瘍断片を、250mLのプレREP完全培地を含有するG-Rex(登録商標)100M装置内に配置し、第10日に1体積の培地を供給し、第14日にそれを回収した。第0日、第6日、第10日および第14日に上清を採取した。
【
図2】標準化プロトコルによるプレREP TILの系統の特徴づけ。NK,CD45
+CD3
-CD56
+(CD45
+細胞内);B,CD45
+CD3
-CD19
+(CD45
+細胞内);骨髄,CD45
+CD3
-CD14
+(CD45
+細胞内);上皮,CD45
- EPCAM
+(生細胞内);CD3
+ T細胞(CD45
+細胞内);CD4
+ TおよびCD8
+ T(CD3
+ T細胞内)。
【
図3】標準化プロトコルに従い生成されたCD4
+プレREP TILの活性化/阻害性表面マーカーおよびサブセットの発現。
【
図4】標準化プロトコルに従い生成されたCD8
+プレREP TILの活性化/阻害性表面マーカーおよびサブセットの発現。
【
図5】伝統的なREPまたはTransAct REPによって増殖されたTILにおけるCD3
+ T細胞ならびにCD4
+およびCD8
+ T細胞サブセットの割合。統計的有意性は対応t検定によって決定した:
**P<0.01;ns,有意ではない(n=12)。
【
図6】CD4
+およびCD8
+ TILのメモリー表現型。上図:CD4、下図:CD8。各ドットは1名のドナーを表す。水平バーは平均および標準偏差を表す。T
N,ナイーブT細胞;T
SCM,幹細胞メモリー;T
CM,セントラルメモリー;T
EM,エフェクターメモリー;T
EFF,エフェクターT細胞。P値はスチューデント対応t検定によって得た。Ns,有意ではない、
*P<0.05、
**P<0.01、
***P<0.001、
****P<0.0001(n=12)。
【
図7】CD4
+およびCD8
+ TILサブセットにおける阻害性マーカーおよび活性化マーカーの分析。上図:CD4、下図:CD8。各ドットは1名のドナーを表す。水平バーは平均および標準偏差を表す。P値はスチューデント対応t検定によって得た。ns,有意ではない;
*P<0.05、
**P<0.01、
***P<0.001(n=12)。
【
図8】αCD3刺激に応答したIFN-γおよびグランザイムBの産生。刺激は全てのドナーに関して3回重複して行い、各ドットはそれらの平均値を表す。水平バーは各条件における異なるドナーの総平均を表す。P値は対応t検定によって得た。ns,有意ではない;
*P<0.05、
**P<0.01。
【
図9】自己腫瘍細胞の存在下のインキュベーション中のC-TIL051(TransAct REP TIL)および伝統的なREP TILの腫瘍殺傷効果。ドナーT5101016からのTILをサイトライト・ラピッド・レッド(Cytolight Rapid Red)で標識し、次いで、カスパーゼ(Caspase)3/7グリーン(Green)を含有する培養培地内で2:1、3:1、および4:1のE:T比で癌MOSと共に68時間共培養した。MOSの単独体を陰性対照として使用した。カスパーゼ3/7のシグナルが高いほど、殺傷効果が高いことを示す。
【
図10】TransActおよびG-Rex(登録商標)装置を使用したC-TIL051 REP PD実施培養におけるIL-2タンパク質濃度の動的変化。REP CM(第0日)または種々の時点で採集された培養上清サンプルのIL-2タンパク質濃度をELISAによって測定した(左)。7回のREP実施からのサンプルを分析したところ、異なるドナーのTILは種々のレベルの増殖を示した[右;第14日のデータは、第9日のそれぞれの分割係数(split factor)を考慮した後の予測数を表す]。
【
図11】TransActおよびG-Rex(登録商標)装置を使用したC-TIL051 REP PD実施培養におけるグルコースおよび乳酸レベルの動的変化。REP CM(第0日)または種々の時点で採集された培養上清サンプルにおけるグルコース濃度および乳酸濃度を、それぞれ、グルコース-Gloアッセイおよび乳酸-Gloアッセイによって測定した。7回のREP実施からのサンプルを分析したところ、異なるドナーのTILは種々のレベルの増殖を示した。
【
図12】G-Rex(登録商標)装置を使用したTransActによるREPの後のCD4
+およびCD8
+ TILの表面マーカー発現およびメモリー表現型のFACS分析。データは、95% CIを有する平均として示されている。T
N(Tnaive),ナイーブT細胞;T
SCM(Tscm),幹メモリーT細胞;T
CM(Tcm),セントラルメモリーT細胞;T
EM(Tem),エフェクターメモリーT細胞;T
EFF,エフェクターT細胞。
【
図13】G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続使用およびTransActによるC-TIL051 REP PD実施培養におけるIL-2タンパク質濃度の動的変化。第7日にG-Rex(登録商標)培養からの上清をサンプリングした後、同日に培養物をXuri(商標)Cellbagに接種し、次いで第8日から回収まで毎日サンプリングした。
【
図14】G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続使用およびTransActによるC-TIL051 REP PD実施培養におけるグルコース濃度および乳酸濃度の動的変化。第7日にG-Rex(登録商標)培養からの上清をサンプリングした後、同日に培養物をXuri(商標)Cellbagに接種し、次いで第8日から回収まで毎日サンプリングした。
【
図15】G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続使用およびTransActによるC-TIL051 PD実施からのREP TILの細胞増殖、生存率および累積増殖倍数。最初に5つのプレREPサンプルをTransActで活性化し、G-Rex(登録商標)100M装置において増殖させ、次いで第7日にXuri(商標)W25バイオリアクターに移した。細胞をXuri(商標)において更に8~12日間増殖させ、ここで、細胞増殖および生存率を調べるために毎日サンプリングした。
【
図16】G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続使用およびTransActによるREPの後のCD4
+およびCD8
+ TILの表面マーカー発現およびメモリー表現型のFACS分析。データは、95% CIを有する平均として示されている。T
N,ナイーブT細胞;T
SCM,幹メモリーT細胞;T
CM,セントラルメモリーT細胞;T
EM,エフェクターメモリーT細胞;T
EFF,エフェクターT細胞。
【
図17】αCD3/CD28刺激に応答した模擬実施からのC-TIL051によるIFN-γ産生。
【
図18】αCD3刺激に応答したC-TIL051エンジニア実施(Engineer Run)によるT細胞活性化マーカー(4-1BBおよびOX40)のアップレギュレーション。水平線は総平均を示す。
【
図19】T細胞効力アッセイを使用したC-TIL051媒介性MOS殺傷の評価。1:1、5:1、および10:1のE:T比で観察された、相対的なT5101034(左)およびT5101035(右)自己TIL誘導性MOS殺傷の定量。共培養をMOS確立後の第3日に開始し、96時間までイメージを取得した。NIRチャネルの平均積分蛍光強度(NIRCU×μm
2)は、NIR680色素で標識された生存腫瘍細胞からのものであった。MOSのみの群に対してデータを正規化した。
【
図20】HLA篏合(Engagement)の必要性はC-TIL051媒介性MOS殺傷の特異性を示した。C-TIL051 REP TILと自己MOSとの共培養を、示されているHLA遮断抗体の存在下または非存在下、5:1のエフェクター:標的比で行い、96時間まで分析した。NIRチャネルの平均積分蛍光強度(NIRCU×μm
2)は、NIR680色素で標識された生存腫瘍細胞からのものであった。示されているデータは、MOSのみの群に対して正規化されている。
【
図21-1】HLAクラスIおよびIIの遮断はC-TIL051と自己MOSとの共培養におけるサイトカインの産生を減少させた。C-TIL051:本発明方法の実施形態によって生成されたTIL。
【
図21-2】HLAクラスIおよびIIの遮断はC-TIL051と自己MOSとの共培養におけるサイトカインの産生を減少させた。C-TIL051:本発明方法の実施形態によって生成されたTIL。
【0036】
詳細な説明
本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を増殖させる方法を提供する。本発明の方法は、フィーダー細胞、例えばPBMCを使用する必要がない。照射PBMCを使用して生成/増殖されたTILと比較して、本発明方法を使用して生成/増殖されたTILは、CD8 TILの優先的増殖を伴い、TIL上のPD-1のような疲弊マーカーの、低い表面レベルを維持する。特に、本発明方法を使用して生成/増殖されたTILは、(1)比較的高いCD8/CD4比を維持し、(2)CD4およびCD8 T細胞における、Tnaive/scmおよびTcmの、より高い割合を有し、(3)CD4およびCD8 T細胞上のPD-1の、低減した陽性率を示す。本発明の方法は、高いCD8/CD4比を有するTILを迅速に増殖させることが可能であり、より高いCD8細胞傷害性T細胞割合、低減した疲弊および増強したメモリーを有するTILを生成させることが可能である。したがって、本発明の方法によって生成されるTILは、癌免疫療法に対して、より有効である。
【0037】
また、本開示は、集中化(centralized)製造プロセスを用いて、T細胞の異種レパートリーを維持しながらエクスビボで増殖可能であり腫瘍抗原を認識しうる腫瘍-組織T細胞を使用する自己TIL療法をも含む。
【0038】
特定の実施形態においては、本発明の細胞は、患者の腫瘍サンプルから採取された自己TILを含有する。腫瘍を最初に断片化し、高用量IL-2において培養して、TILの放出および増殖を促進させる。腫瘍組織からのTILを増殖させるこの初期段階は、プレ急速増殖プロトコル(プレREP)と称される。この初期エクスビボ培養の後、TILを、治療用量に達するまで急速増殖プロトコル(REP)で更に増殖させることが可能である。
【0039】
本開示は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を増殖させる方法を提供する。該方法は、(a)第1の細胞培養培地内で第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を生成させること(ここで、第1の細胞集団は患者からの腫瘍サンプルから得られる)、および、(b)第2の細胞培養培地内で、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと、第2の細胞集団を接触させて、第3の細胞集団を生成させること(ここで、第2の細胞培養培地は約100 IU/mL~約8,000 IU/mLのインターロイキン-2(IL-2)を含む)を含みうる。
【0040】
該方法は、第1の増殖[プレREP、または本方法の工程(a)]の後に第2の細胞集団を凍結保存することを更に含みうる。次いで、凍結保存された第2の細胞集団を解凍し、第2の増殖[REP、または本方法の工程(b)、例えば、第2の細胞培養培地内で、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと接触させること]に付すことが可能である。第2の細胞集団は、解凍後直ちに第2の増殖[REP、または本方法の工程(b)]に付されうる。第2の細胞集団は、2日間未満、48時間未満、40時間未満、36時間未満、30時間未満、24時間未満、20時間未満、15時間未満、12時間未満、10時間未満、9時間未満、8時間未満、7時間未満、6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満、2時間未満または1時間未満回収された後、第2の増殖[REP、または本方法の工程(b)]に付されうる。
【0041】
第2の細胞集団(これはプレREP TILを含む)は、患者の疾患の進行の間、凍結保存されうる。患者の疾患の進行の後、プレREP TILを解凍し、急速増殖プロトコル(REP)に従い増殖させる。
【0042】
凍結され解凍された細胞製品の場合、解凍細胞を、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと接触させることが可能であり、あるいは一晩放置後に活性化させることが可能である。あるいは、解凍細胞を、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと接触させることが可能であり、あるいは、一晩放置することなく直ちに活性化させることが可能である。1つの実施形態においては、凍結細胞を水浴内で37℃で急速解凍する。
【0043】
TransActと第2の細胞培養培地(または第2の増殖のための細胞培養培地、またはREP細胞培養培地)との体積比は、約1:200~約1:2、約1:180~約1:2、約1:150~約1:5、約1:120~約1:5、約1:100~約1:8、約1:80~約1:8、約1:50~約1:10、約1:40~約1:10、約1:30~約1:10、約1:20~約1:10、約1:20~約1:15、または約1:17.5の範囲でありうる。特定の実施形態においては、急速増殖プロトコル(REP)は、ヒト化組換えCD3およびCD28アゴニスト(例えば、抗体)に共有結合したコロイド状ポリマーナノマトリックスであるMACS(登録商標)GMP T Cell TransAct(商標)を使用する。1つの実施形態においては、17.5mLの最終体積のREP細胞培養培地に対して1mLのTransActが使用されうる。次いで、REP TILを洗浄し、配合し、および/または凍結保存する。
【0044】
「腫瘍浸潤リンパ球」または「TIL」は、対象の血流を離れて腫瘍内に移動した白血球として元々得られた細胞集団を意味しうる。TILには、T細胞(例えば、CD8+細胞傷害性T細胞、Th1およびTh17 CD4+ T細胞)、B細胞、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞およびマクロファージが含まれるが、これらに限定されるものではない。TILは腫瘍浸潤T細胞を含みうる(または腫瘍浸潤T細胞でありうる)。TILには、一次TILおよび二次TILの両方が含まれる。一次TILは、本明細書に記載されている患者組織サンプルから得られるものである。二次TILは、本明細書に記載されているとおりに増加または増殖した任意のTIL細胞集団であり、バルクTILおよび増殖TIL(「REP TIL」または「REP後TIL」)を包含するが、これらに限定されるものではない。TIL細胞集団には、遺伝的に修飾されたTILが含まれうる。TILは一般に、細胞表面マーカーを用いて生化学的に定義可能であり、あるいは、腫瘍に浸潤し治療をもたらすそれらの能力によって機能的に定義可能である。TILは一般に、以下のバイオマーカーの1以上の発現によって分類されうる:CD3、CD4、CD8、TCRα/β、CD27、CD28、CCR7、CD62L、CD45RA、CD45RO、CD95、PD-1、TIM-3、LAG-3、4-1BBおよびCD25。追加的または代替的に、TILは、患者内への再導入に際して固形腫瘍に浸潤するそれらの能力によって機能的に定義されうる。Fisherら,Tumor localization of adoptively transferred indium-111 labeled tumor infiltrating lymphocytes in patients with metastatic melanoma,J.Clin.Oncol.,1989,7(2):250-61。
【0045】
「IL-2」(または「IL2」)なる語は、インターロイキン-2として公知のT細胞増殖因子を意味し、ヒトおよび哺乳類の形態、保存的アミノ酸置換、糖形態(グリコフォーム)、バイオシミラーおよびそれらの変異体を含むIL-2の全形態を含む。IL-2は、例えば、Nelson,J.Immunol.2004,172,3983-88およびMalek,Annu.Rev.Immunol.2008,26,453-79(これらの開示を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。IL-2はアルデスロイキン(プロロイキン(登録商標))のようなヒト組換え形態のIL-2、および組換えIL-2の形態を包含しうる。アルデスロイキン(デス-アラニル-1、セリン-125ヒトIL-2)は非グリコシル化ヒト組換え形態のIL-2である。IL-2は、ペグ化IL2プロドラッグNKTR-214を含むペグ化形態のIL-2をも包含しうる。本発明における使用に適したコンジュゲート化IL-2の代替形態は、米国特許第4,766,106号、第5,206,344号、第5,089,261号および第4,902,502号(それらの開示を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。本発明における使用に適したIL-2の製剤は、米国特許第6,706,289号(その開示を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。
【0046】
第1の増殖(プレREP)は、第1のガス透過性表面領域を有する密閉容器内で行われうる。第2の増殖(REP)は、第2のガス透過性表面領域を有する密閉容器内で行われうる。幾つかの実施形態においては、密閉容器は、単一のバイオリアクターを含む(または単一のバイオリアクターである)。幾つかの実施形態においては、密閉容器は、G-Rex(登録商標)容器および/またはXuri(商標)細胞バッグを含みうる(またはそれらである)。幾つかの実施形態においては、密閉容器は、G-Rex(登録商標)装置および/またはXuri(商標)W25バイオリアクターである。幾つかの実施形態においては、密閉容器は、G-Rex(登録商標)10Mおよび/またはG-Rex(登録商標)100Mを含む(またはそれらである)。幾つかの実施形態においては、密閉容器は、G-Rex(登録商標)10M、G-Rex(登録商標)100Mおよび/またはXuri(商標)W25バイオリアクターを含む(またはそれらである)。特定の実施形態においては、本方法(例えば、プレREPおよび/またはREP TIL培養プロセスにおけるもの)は、TIL培養容器としてのガス透過性急速増殖(G-Rex(登録商標))装置の使用を含む。1つの実施形態においては、TILをガス透過性バッグ内で増殖させる。1つの実施形態においては、ガス透過性バッグ、例えばXuri(商標)W25バイオリアクター内でTILを増殖させる細胞増殖系を使用して、TILを増殖させる。1つの実施形態においては、ガス透過性バッグ、例えば、Xuri(商標)細胞増殖系W5としても公知のWAVEバイオリアクター系内でTILを増殖させる細胞増殖系を使用して、TILを増殖させる。1つの実施形態においては、細胞増殖系は、ガス透過性細胞バッグを含む。1つの実施形態においては、G-Rex(登録商標)フラスコ内でTILを増殖させることが可能である。
【0047】
幾つかの実施形態においては、腫瘍断片が得られた時点から、患者への投与または凍結保存のためにTILの準備が整うまで、閉鎖系は1つの容器を使用する。2つの容器を使用する幾つかの実施形態においては、第1の容器は、閉鎖されたG-Rex(登録商標)容器であり、第1の閉鎖G-Rex(登録商標)容器を開けることなくTILの集団を遠心分離し、輸液バッグに移す。
【0048】
本開示はまた、本発明方法によって得られる腫瘍浸潤リンパ球をも提供する。
【0049】
また、本開示は、以下のもの、すなわち、
(i)CD3+細胞約3%~約88%の範囲の割合のCD3+CD8+ T細胞、
(ii)CD3+細胞約10%~約96%の範囲の割合のCD3+CD4+ T細胞、
(iii)CD4+細胞約50%~約88%の範囲の割合のCD4+ TCM T細胞、
(iv)CD8+細胞約28%~約82%の範囲の割合のCD8+ TCM T細胞、
(v)CD4+細胞約11%~約49%の範囲の割合のCD4+ TEM T細胞、
(vi)CD8+細胞約11%~約61%の範囲の割合のCD8+ TEM T細胞
のうちの1以上を含む、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された、または腫瘍浸潤リンパ球から増殖した細胞集団をも含み、ここで、細胞集団は70%以上の生細胞を含み、細胞集団は患者からの腫瘍サンプルから生成される。
【0050】
特定の実施形態においては、細胞集団は生細胞における80%以上のCD3+ T細胞を含みうる。
【0051】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD4+細胞約10%~約51%の範囲の割合のCD4+CD27+ T細胞を含みうる。
【0052】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD8+細胞約12%~約72%の範囲の割合のCD8+CD27+ T細胞を含みうる。
【0053】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD8+細胞約34%~約95%の範囲の割合のCD8+CD28+ T細胞を含みうる。
【0054】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD4+細胞約82%~約100%の範囲の割合のCD4+CD28+ T細胞を含みうる。
【0055】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD4+細胞約0.2%~約5.8%の範囲の割合のCD4+ 4-1BB+ T細胞を含みうる。
【0056】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD8+細胞約0.2%~約11.6%の範囲の割合のCD8+ 4-1BB+ T細胞を含みうる。
【0057】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD4+細胞約0.2%~約19.5%の範囲の割合のCD4+ LAG3+ T細胞を含みうる。
【0058】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD8+細胞約6%~約51.2%の範囲の割合のCD8+ LAG3+ T細胞を含みうる。
【0059】
特定の実施形態においては、細胞集団は、CD4+細胞約0.9%~約31%の範囲の割合のCD4+ PD1+ T細胞を含みうる。
【0060】
特定の実施形態においては、細胞集団はCD8+細胞約1%~約18%の範囲の割合のCD8+ PD1+ T細胞を含みうる。
【0061】
特定の実施形態においては、細胞集団は、10%以下のCD56+ NK細胞を含みうる。
【0062】
本開示は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を増殖させる方法によって生成される細胞集団を提供する。該方法は、(a)第1の細胞培養培地内で第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を生成させること(ここで、第1の細胞集団は患者からの腫瘍サンプルから得られる)、および、(b)第2の細胞培養培地内で、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスと、第2の細胞集団を接触させること(ここで、第2の細胞培養培地は約100 IU/mL~約8,000 IU/mLのインターロイキン-2(IL-2)を含む)を含みうる。
【0063】
本開示は、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された細胞集団を増殖させる方法を提供する。該方法は、(a)患者からの腫瘍サンプルから得られた細胞を培養すること、(b)該培養細胞を処理して、腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された細胞集団を生成させることを含み、ここで、細胞集団は、以下のもの、すなわち、
(i)CD3+細胞約3%~約88%の範囲の割合のCD3+CD8+ T細胞、
(ii)CD3+細胞約10%~約96%の範囲の割合のCD3+CD4+ T細胞、
(iii)CD4+細胞約50%~約88%の範囲の割合のCD4+CD45RA-CD62L+セントラルメモリーT細胞、
(iv)CD8+細胞約28%~約82%の範囲の割合のCD8+CD45RA-CD62L+セントラルメモリーT細胞、
(v)CD4+細胞約11%~約49%の範囲の割合のCD4+CD45RA-CD62L-エフェクターメモリーT細胞、および
(vi)CD8+細胞約11%~約61%の範囲の割合のCD8+ T CD45RA-CD62L-エフェクターメモリーT細胞
のうちの1以上を含む。
【0064】
本開示はまた、本発明方法によって得られる腫瘍浸潤リンパ球に関して富化された細胞集団を提供する。
【0065】
本方法は、任意の適切な細胞培養培地を使用しうる。特定の実施形態においては、本方法は1以上のタイプの細胞培養培地を使用する。使用されうる細胞培養培地には、AIM-V培地(L-グルタミン、50μg/mlのストレプトマイシン硫酸塩および10μg/mlのゲンタマイシン硫酸塩)(Thermo Fisher)およびRPMI 1640培地が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
IL-2の濃度(第1の培養培地または第2の培養培地におけるもの)は、約1000 IU/mL~約10000 IU/mL、約2000 IU/mL~約10000 IU/mL、約3000 IU/mL~約10000 IU/mL、約4000 IU/mL~約10000 IU/mL、約5000 IU/mL~約10000 IU/mL、約2000 IU/mL~約8000 IU/mL、約3000 IU/mL~約7000 IU/mL、または約4000 IU/mL~約6000 IU/mLでありうる。IL-2の濃度(第1の培養培地または第2の培養培地におけるもの)は、約6000 IU/mLでありうる。IL-2の濃度(第1の培養培地または第2の培養培地におけるもの)はまた、約2000 IU/mL、3000 IU/mL、4000 IU/mL、5000 IU/mL、6000 IU/mL、7000 IU/mL、8000 IU/mL、9000 IU/mLまたは最大約10000 IU/mLでありうる。
【0067】
TILを増殖させたら、それらの特性および/または機能、例えば腫瘍反応性を決定するために、それらをインビトロアッセイに付すことが可能である。例えば、TILは、CD3、CD4、CD8およびCD58の発現に関するFACSによって評価されうる。TILはまた、共培養、細胞傷害、ELISAまたはELISPOTアッセイにも付されうる。
【0068】
腫瘍サンプルは、任意の哺乳動物から採取されうる。本発明の細胞または医薬組成物は、任意の哺乳動物を治療するために使用されうる。哺乳動物はヒトまたは非ヒト霊長類でありうる。哺乳動物にはまた、ウサギのようなウサギ目、ネコ科(ネコ)およびイヌ科(イヌ)を含む食肉目、ウシ属(ウシ)およびブタ(豚)を含む偶蹄目、またはウマ科(ウマ)を含む奇蹄目の哺乳動物も含まれるが、これらに限定されるものではない。哺乳動物は、非ヒト霊長類、例えば、霊長目、セボイド(Ceboid)もしくはシモイド(Simoid)(サル)の非ヒト霊長類、または類人猿目(ヒトおよび類人猿)の非ヒト霊長類であることが好ましい。幾つかの実施形態においては、哺乳動物は齧歯目の哺乳動物、例えばマウスおよびハムスターでありうる。
【0069】
腫瘍サンプルの入手
一般に、まず、患者の腫瘍サンプルからTIL(第1の細胞集団)を得、次いで、本明細書に記載されている更なる操作のための、より大きな集団へと増殖させ、所望により、凍結保存する。
【0070】
TILは、腫瘍サンプル、または癌に罹患した組織もしくは器官から増殖されうる。幾つかの実施形態においては、腫瘍断片からTILを得る。幾つかの実施形態においては、腫瘍(サンプル)は、非癌組織または壊死領域から切り取られうる。患者の腫瘍サンプルは、当技術分野で公知の方法、例えば外科的切除、針生検、または腫瘍とTIL細胞との混合物を含有するサンプルを得るための他の手段を用いて得られうる。腫瘍サンプルが得られたら、それは、(例えば、鋭利な切開を用いて)小さな断片へと断片化されうる。第1の細胞集団は、患者(または複数の患者)からの1つまたは複数の腫瘍断片でありうる。第1の細胞集団は、患者から切除された腫瘍からの1つまたは複数の腫瘍断片から得られうる。腫瘍を破壊するための方法は、機械的断片化方法、例えば、腫瘍組織の粉砕、薄片化、分割および細分化、ならびに腫瘍組織の物理的構造を破壊するための任意の他の方法を含みうる。
【0071】
幾つかの実施形態においては、腫瘍断片は、約1mm3~50mm3、約1mm3~45mm3、約1mm3~40mm3、約1mm3~35mm3、約1mm3~30mm3、約1mm3~25mm3、約1mm3~20mm3、約1mm3~15mm3、約1mm3~10mm3、約1mm3~8mm3、約2mm3~3mm3、約1mm3、約2mm3、約3mm3、約4mm3、約5mm3、約6mm3、約7mm3、約8mm3、約9mm3、約10mm3、約12mm3、約15mm3、約18mm3、約20mm3、約25mm3、または約30mm3である。幾つかの実施形態においては、複数の断片は、約4~約50個の断片を含み、各断片の体積は約8mm3~約27mm3の体積を有する。幾つかの実施形態においては、複数の断片は、約1300mm3~約1500mm3の総体積を有する約30~約60個の断片を含む。幾つかの実施形態においては、複数の断片は、約1350mm3の総体積を有する約50個の断片を含む。幾つかの実施形態においては、複数の断片は、約1グラム~約1.5グラムの総質量を有する約50個の断片を含む。
【0072】
幾つかの実施形態においては、腫瘍は、各次元において約2~3mmへと断片化されうる。幾つかの場合には、腫瘍は、各次元において約0.5mm~約5mm、約1mm~約2mm、約2mm~約3mm、約3mm~約4mm、または約4mm~約5mmへと断片化されうる。
【0073】
TILは、酵素による腫瘍消化物を用いて、これらの腫瘍断片から培養されうる。そのような腫瘍消化物は、酵素(例えば、DNaseおよびコラーゲナーゼ)含有培地内でのインキュベーションおよびそれに続く機械的分離(例えば、組織分離装置を使用するもの)によって生成されうる。幾つかの実施形態においては、断片化は物理的断片化(例えば、解剖)および/または消化を含む。
【0074】
該方法は、当該技術分野で公知の任意の適切な方法によって腫瘍サンプルからT細胞のバルク集団を得ることを含みうる。例えば、腫瘍サンプルを細胞懸濁液に分離し、そこから特定の細胞集団を選択することによって、腫瘍サンプルからT細胞のバルク集団が得られうる。T細胞のバルク集団を得るための適切な方法は、腫瘍を機械的に分離する(例えば、細かく刻む)こと、腫瘍を酵素によって分離する(例えば、消化する)こと、および吸引する(例えば、針を使用する)ことのいずれか1以上を含みうるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
特定の実施形態においては、腫瘍サンプルは、原発性腫瘍、浸潤性腫瘍または転移性腫瘍を含む固形腫瘍からのものである。固形腫瘍は良性または悪性でありうる。「固形腫瘍癌」なる語は、悪性、腫瘍性または癌性の固形腫瘍を意味する。固形腫瘍には、肉腫、肝細胞癌、神経膠腫、頭頸部癌、骨癌、脳癌、乳癌、肛門癌、肛門管癌、肛門直腸癌、眼癌、肝内胆管癌、関節癌、頸部癌、胆嚢癌、胸膜癌、鼻癌、鼻腔癌、中耳癌、口腔癌、外陰部癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、胃腸癌、下咽頭癌、喉頭癌、肝臓癌、肺癌、悪性中皮腫、黒色腫、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、腹膜癌、大網癌、腸間膜癌、咽頭癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、小腸癌、軟部組織癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、尿管癌、膀胱癌またはそれらの組合せが含まれうる。幾つかの実施形態においては、癌は、子宮頸癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫、卵巣癌、肉腫、膵臓癌、膀胱癌、乳癌および非小細胞肺癌から選択される。
【0076】
腫瘍サンプルはまた、血液悪性疾患から得られた腫瘍のような液性腫瘍でありうる。
【0077】
TILは、胎児、新生児、若年者および成体(これらに限定されるものではない)を含む任意の発達段階のドナーからの腫瘍サンプルから増殖されうる。
【0078】
次いで、腫瘍断片は、培地および細胞刺激物質、例えばサイトカインを使用して、インビトロで培養されうる。幾つかの場合には、腫瘍断片からTILを増殖させるために、IL-2が使用されうる。
【0079】
第1の増殖(プレREP)
本方法により増殖されたプレREP TILは、顕著に低下したCD8/CD4比を伴うことなくREP TILを生成しうる。このプレREP TILは、REP TILにおける疲弊マーカーPD-1の発現レベルを低く維持しながら増殖されうる。
【0080】
第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))においては、第1の細胞培養培地は、約1,000 IU/mL~約10,000 IU/mLのIL-2、約1,000 IU/mL~約9,000 IU/mLのIL-2、約1,000 IU/mL~約8,000 IU/mLのIL-2、約2,000 IU/mL~約8,000 IU/mLのIL-2、約2,000 IU/mL~約7,000 IU/mLのIL-2、約2,000 IU/mL~約6,000 IU/mLのIL-2、約2,000 IU/mL~約5,000 IU/mLのIL-2、約2,000 IU/mL~約4,000 IU/mLのIL-2、約2,000 IU/mL~約3,000 IU/mLのIL-2、約3,000 IU/mL~約8,000 IU/mLのIL-2、約3,000 IU/mL~約7,000 IU/mLのIL-2、約3,000 IU/mL~約6,000 IU/mLのIL-2、約3,000 IU/mL~約5,000 IU/mLのIL-2、約4,000 IU/mL~約8,000 IU/mLのIL-2、約2,000 IU/mLのIL-2、約3,000 IU/mLのIL-2、約4,000 IU/mLのIL-2、約5,000 IU/mLのIL-2、約6,000 IU/mLのIL-2、約7,000 IU/mLのIL-2、約8,000 IU/mLのIL-2、約9,000 IU/mLのIL-2または約10,000 IU/mLのIL-2を含みうる。特定の実施形態においては、第1の細胞培養培地は、約3,000 IU/mLのIL-2を含みうる。特定の実施形態においては、第1の細胞培養培地は、約5,000 IU/mLのIL-2を含みうる。特定の実施形態においては、第1の細胞培養培地は、約6,000 IU/mLのIL-2を含みうる。特定の実施形態においては、第1の細胞培養培地は、約7,000 IU/mLのIL-2を含みうる。特定の実施形態においては、第1の細胞培養培地は、約8,000 IU/mLのIL-2を含みうる。
【0081】
第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))においては、第1の細胞集団は、約3日間~約60日間、約5日間~約50日間、約7日間~約40日間、約10日間~約40日間、約10日間~約30日間、約10日間~約20日間、約10日間~約18日間、約10日間~約17日間、約10日間~約16日間、約12日間~約15日間、約12日間~約14日間、約13日間~約14日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間または約20日間培養されうる(第1の増殖はそれらの期間にわたって継続されうる)。特定の実施形態においては、第1の細胞集団は、約14日間培養される。特定の実施形態においては、第1の増殖は約14日間継続される。
【0082】
第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))においては、第1の細胞集団が約2または3日間(第0日が第1の細胞集団の培養を開始する日である場合には、第3日またはその前後)、約3または4日間(第4日またはその前後)、約4または5日間(第5日またはその前後)、約5または6日間(第6日またはその前後)、約6または7日間(第7日またはその前後)、約7または8日間(第8日またはその前後)、約8または9日間(第9日またはその前後)、約9または10日間(第10日またはその前後)、約10または11日間(第11日またはその前後)、約11または12日間(第12日またはその前後)、約12または13日間(第13日またはその前後)、あるいは約13または14日間(第14日またはその前後)培養されたら、細胞培養培地が1回、2回、3回または4回添加(または交換)されうる。特定の実施形態においては、第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))においては、細胞培養培地は、第9日またはその前後(第1の細胞集団が約8日間または9日間培養された際)に1回添加される。特定の実施形態においては、第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))においては、細胞培養培地は、第10日またはその前後(第1の細胞集団が約9日間または10日間培養された際)に1回添加される。特定の実施形態においては、第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))においては、細胞培養培地は第11日またはその前後(第1の細胞集団が約10日間または11日間培養された際)に1回添加される。
【0083】
特定の実施形態においては、第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))においては、添加される細胞培養培地の体積は、細胞培養容器内の細胞培養(培地)の体積の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2倍、約2.2倍、約2.5倍、約2.7倍または約3倍である。
【0084】
第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))の初期培養体積は、細胞培養容器/系の容積の約5%~約100%、約10%~約80%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約10%~約30%、約20%~約80%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約20%~約30%、約25%~約80%、約25%~約60%、約25%~約50%、約25%~約40%、約25%~約30%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%または約60%である。特定の実施形態においては、第1の増殖(プレREP、該方法の工程(a))の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%または約40%である。特定の実施形態においては、G-Rex(登録商標)10M装置(底表面積10cm2、容積100mL)の場合、10mL、15mL、20mL、25mL、30mL、35mLまたは40mLの初期培養体積が用いられる。特定の実施形態においては、G-Rex(登録商標)100M装置(底表面積100cm2、容積1000mL)の場合、100mL、150mL、200mL、250mL、300mL、350mLまたは400mLの初期培養体積が用いられる。
【0085】
第1の増殖(プレREP)は、TILまたは細胞約1×107~約1×109個、TILまたは細胞約2×107~約9×108個、TILまたは細胞約3×107~約8×108個、TILまたは細胞約4×107~約6×108個、TILまたは細胞約5×107~約5×108個、TILまたは細胞約6×107~約4×108個、TILまたは細胞約8×107~約3×108個、TILまたは細胞約9×107~約2×108個、TILまたは細胞約9×107~約1×108個、あるいはTILまたは細胞約1×108個の範囲の細胞またはTILの集団を生成しうる。
【0086】
第2の増殖(REP)
第2の増殖は一般に急速増殖プロセス(REP)と称される。本方法の第2の増殖はフィーダー細胞を使用しても使用しなくてもよい。1つの実施形態においては、本方法、または本方法の第2の増殖は、フィーダー細胞を使用しないプロセスである。
【0087】
第2の増殖(REP、該方法の工程(b))においては、第2の細胞培養培地は、約50 IU/mL~約10,000 IU/mLのIL-2、約100 IU/mL~約8,000 IU/mLのIL-2、約200 IU/mL~約6,000 IU/mLのIL-2、約500 IU/mL~約6,000 IU/mLのIL-2、約500 IU/mL~約4,000 IU/mLのIL-2、約500 IU/mL~約3,000 IU/mLのIL-2、約800 IU/mL~約5,000 IU/mLのIL-2、約800 IU/mL~約4,000 IU/mLのIL-2、約1,000 IU/mL~約6,000 IU/mLのIL-2、または約1,000 IU/mL~約4,000 IU/mLのIL-2を含みうる。1つの実施形態においては、第2の細胞培養培地は約3,000 IU/mLのIL-2を含む。
【0088】
第2の増殖(REP、該方法の工程(b))においては、接触は、約3日間~約17日間、約3日間~約60日間、約5日間~約50日間、約7日間~約40日間、約10日間~約40日間、約10日間~約30日間、約10日間~約20日間、約10日間~約14日間でありうる。
【0089】
幾つかの実施形態においては、第2の増殖(REP、該方法の工程(b))は、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間または14日間継続しうる。幾つかの実施形態においては、第2のTIL増殖は約7日間~約14日間継続しうる。幾つかの実施形態においては、第2のTIL増殖は約8日間~約14日間継続しうる。幾つかの実施形態においては、第2のTIL増殖は約9日間~約14日間継続しうる。幾つかの実施形態においては、第2のTIL増殖は約10日間~約14日間継続しうる。幾つかの実施形態においては、第2のTIL増殖は約11日間~約14日間継続しうる。幾つかの実施形態においては、第2のTIL増殖は約12日間~約14日間継続しうる。幾つかの実施形態においては、第2のTIL増殖は約13日間~約14日間継続しうる。幾つかの実施形態においては、第2のTIL増殖は約14日間継続しうる。
【0090】
第2の増殖(REP、該方法の工程(b))においては、接触は、例えば、細胞を収容しうる任意の容器内で、好ましくは無菌環境中で、インビトロで行われうる。そのような容器は、例えば培養フラスコ、培養バッグ、バイオリアクター、または細胞を成長させるために使用されうる任意の装置(閉鎖細胞培養系または閉鎖容器におけるものを含む)でありうる。閉鎖系または容器はガス透過性表面領域を提供しうる。1つの実施形態においては、第2の増殖(REP、該方法の工程(b))は、T-175フラスコ、ガス透過性バッグおよび/またはガス透過性培養系(例えば、G-Rex(登録商標))を使用して行われうる。幾つかの実施形態においては、第2の増殖(REP、該方法の工程(b))は、閉鎖系または閉鎖系バイオリアクターにおいて行われる。幾つかの実施形態においては、閉鎖系バイオリアクターは単一のバイオリアクターである。1つの実施形態においては、第2の増殖は、G-Rex(登録商標)10Mおよび/またはG-Rex(登録商標)100Mにおいて行われうる。
【0091】
特定の実施形態においては、第3の細胞集団は、数において、第2の細胞集団より少なくとも100倍多く、例えば、数において約100倍~約2000倍多く、数において約100倍~約1800倍多く、数において約100倍~約1500倍多く、数において約100倍~約1200倍多く、数において約100倍~約1000倍多く、数において約100倍~約800倍多く、数において約100倍~約600倍多く、または数において約100倍~約500倍多い。
【0092】
第3の細胞集団はTILの治療用集団でありうる。幾つかの実施形態においては、TILの治療用集団は、TILの治療有効投与量に十分なTILを含む。
【0093】
幾つかの実施形態においては、第3の細胞集団は、第2のTIL集団と比較して増加した、エフェクターT細胞および/またはセントラルメモリーT細胞の亜集団を含む。幾つかの実施形態においては、第3のTIL集団は、第2のTIL集団のTCRレパートリーを、より高い度合で保存している。
【0094】
抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックス
特定の実施形態においては、本方法は、TILを生成させ、増殖させ、活性化させ、および/または富化するために、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはそれらのフラグメントを含むポリマーマトリックスを使用する。
【0095】
可撓性マトリックスは、コラーゲン、タンパク質、ペプチド、多糖、グリコサミノグリカンおよび/または細胞外マトリックス組成物を含む(または本質的にそれらからなる、またはそれらからなる)ことが可能である。多糖には、例えば、セルロース、アガロース、デキストラン、キトサン、ヒアルロン酸またはアルギナートが含まれる。他のポリマーには、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ無水物、ポリアルキルシアノアクリラート、ポリアクリルアミド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリビニルアセタート、ブロックコポリマー、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリウレタンが含まれうる。ポリマーは乳酸またはコポリマーでありうる。コポリマーは乳酸および/またはグリコール酸(PLGA)を含みうる。ポリマーマトリックスはポリマーデキストラン材料(またはデキストランのポリマー)を含む(または本質的にそれからなる、またはそれからなる)ことが可能である。
【0096】
ポリマーマトリックスは、40,000ダルトンの平均分子量を有しうる。
【0097】
ポリマーマトリックスは、磁性、常磁性、超常磁性ナノ結晶または蛍光染料(例えば、ポリマーマトリックス内に包埋されているもの)を含んでいても含んでいなくてもよい。
【0098】
ポリマーマトリックスは、1μm未満、500nm未満または200nm未満のサイズを有しうる。ポリマーマトリックスは約1nm~約500nm、または約10nm~約200nmのサイズを有しうる。
【0099】
抗CD3抗体またはそのフラグメントと、抗CD28抗体またはそのフラグメントとは、同じポリマーマトリックスに結合されることが可能であり、または別々のポリマーマトリックスに結合されることが可能である。抗CD3抗体またはそのフラグメントと、抗CD28抗体またはそのフラグメントとは、当技術分野で公知の種々の方法によって、ポリマーマトリックスに結合またはカップリングされうる。結合は共有もしくは非共有結合、静電的結合または疎水性結合でありうる。結合は、化学的、機械的、酵素的または他の適切な手段を含む種々の結合手段によって達成されうる。抗体またはそのフラグメントは最初に直接的または間接的にマトリックスに結合されうる。例えば、抗体またはそのフラグメントは、最初に、アビジン(またはストレプトアビジン)およびビオチン系を介してマトリックスに結合されうる。抗体またはそのフラグメントは、例えば抗アイソタイプ抗体を介して、間接的にマトリックスに結合されうる。もう1つの例は、抗体またはそのフラグメントに結合させるために、マトリックスに結合するタンパク質Aまたはタンパク質Gまたは他の非特異的抗体結合性分子を使用することを含む。あるいは、抗体またはそのフラグメントはマトリックスへの架橋のような化学的手段によってマトリックスに結合されうる。
【0100】
抗CD3抗体および/または抗CD28抗体は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、キメラ抗体、ハプテンならびに抗体フラグメント、ならびに抗原上のエピトープに特異的に結合するという点での抗体等価体である分子でありうる。「抗体」なる語は、任意のアイソタイプ(IgA、IgG、IgE、IgD、IgM)のポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、またはそれらの抗原結合性部分、例えば、F(ab)およびFvフラグメント、例えばscFv、単鎖抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体およびFab発現ライブラリー(これらに限定されるものではない)を含む。特定の実施形態においては、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体は、モノクローナル抗体でありうる。抗CD3抗体には、ムロモナブとしても公知のOKT-3が含まれる。抗CD3抗体には、CD3εおよびT3としても公知のUHCT1クローンも含まれる。他の抗CD3抗体には、例えば、オテリキシズマブ、テプリズマブおよびビシリズマブが含まれる。
【0101】
抗CD3抗体またはそのフラグメントと抗CD28抗体またはそのフラグメント(同じポリマーマトリックスに結合しているもの、または別々のポリマーマトリックスに結合しているもの)との比は、約100:1~約1:100、約10:1~約1:10、または約2:1~約1:2の範囲でありうる。抗CD3抗体もしくはそのフラグメントおよび/または抗CD28抗体もしくはそのフラグメントは、マトリックス1mg当たり25μgを超える、またはマトリックス1mg当たり50μgを超える高密度で、同じまたは別々のマトリックスに結合されうる。
【0102】
1つの実施形態においては、ポリマーマトリックスはTransAct(商標)である。米国特許第10,513,687号。
【0103】
特定の実施形態においては、ポリマーマトリックスと細胞との比は、100:1より大きい、500:1より大きい、または1000:1より大きいことが可能である。
【0104】
医薬組成物
本開示は、本発明の細胞/TILまたは細胞集団を含む医薬組成物を提供する。本医薬組成物は、本発明の細胞または細胞集団と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含みうる。薬学的に許容される担体または薬学的に許容される賦形剤には、適切な溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤ならびに不活性成分が含まれうる。追加的な活性医薬成分、例えば他の薬物も、記載されている組成物および方法に組み入れられうる。注射用の細胞のための適切な薬学的に許容される担体には、例えば、任意の等張性担体、例えば生理食塩水(水中の約0.9% w/vのNaCl、水中の約300mOsm/LのNaCl、または水1リットル当たり約9.0gのNaCl)、または水中の約5%のデキストロースが含まれうる。1つの実施形態においては、薬学的に許容される担体はヒト血清アルブミンで補足される。本開示の組成物は、静脈内投与用に製剤化(処方)されうる。1つの実施形態においては、医薬組成物は無菌バッファー中のTILまたは細胞の懸濁液である。
【0105】
本発明の細胞または医薬組成物は、例えば過剰増殖性障害のような疾患の治療方法において使用されうる。また、それらは他の障害の治療においても使用されうる。幾つかの実施形態においては、過剰増殖性障害は癌である。
【0106】
本発明の細胞または細胞集団は、癌の治療または予防方法において使用されうる。この点に関して、本開示は、哺乳動物において癌を治療または予防するのに有効な量の本発明の医薬組成物、細胞または細胞集団を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における癌の治療または予防方法を提供する。本発明のもう1つの実施形態は、哺乳動物において癌を治療または予防するのに有効な量の本発明の細胞または細胞集団を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における癌の治療または予防方法を提供する。
【0107】
また、本開示は、癌を有する対象(例えば、哺乳動物)または患者の治療方法をも含む。該方法は、本発明のTILおよび/または本発明の細胞集団を対象または患者に投与することを含みうる。細胞/TILは医薬組成物として患者に投与されうる。
【0108】
本発明の細胞または医薬組成物は、鼻腔内および経皮経路、動脈内経路、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、局所、移植または吸入を含む任意の適切な経路によって投与されうる。本発明の細胞または医薬組成物は、注射または注入によって投与されうる。幾つかの実施形態においては、本発明の細胞または医薬組成物は、動脈内または静脈内投与(例えば、注入)によって投与される。他の適切な投与経路には、腹腔内、髄腔内およびリンパ内が含まれる。
【0109】
任意の適切な用量のTILが投与されうる。幾つかの実施形態においては、約2×1010~約15×1010個のTILまたは細胞、約1×1010~約5×1010個のTILまたは細胞、約3×1010~約12×1010個のTILまたは細胞、約4×1010~約10×1010個のTILまたは細胞、約5×1010~約8×1010個のTILまたは細胞、約6×1010~約8×1010個のTILまたは細胞、約7×1010~約8×1010個のTILまたは細胞、約8×1010個のTILまたは細胞、または約7×1010個のTILまたは細胞が投与される。幾つかの実施形態においては、治療的有効投与量は、TILまたは細胞約2×1010~約15×1010個である。幾つかの実施形態においては、治療的有効投与量は、TILまたは細胞約1×1010~約5×1010個である。幾つかの実施形態においては、治療的有効投与量は、TILまたは細胞約3×1010~約12×1010個である。幾つかの実施形態においては、治療的有効投与量は、TILまたは細胞約4×1010~約10×1010個である。幾つかの実施形態においては、治療的有効投与量は、TILまたは細胞約5×1010~約8×1010個である。幾つかの実施形態においては、治療的有効投与量は、TILまたは細胞約6×1010~約8×1010個である。幾つかの実施形態においては、治療的有効投与量は、TILまたは細胞約7×1010~約8×1010個である。幾つかの実施形態においては、TILの有効投与量は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013および9×1013個の細胞/TILである。幾つかの実施形態においては、TILの有効投与量は、1×106~5×106、5×106~1×107、1×107~5×107、5×107~1×108、1×108~5×108、1×109~5×109、5×109~1×1010、1×1010~5×1010、5×1010~1×1011、5×1011~1×1012、1×1012~5×1012、および5×1012~1×1013個の細胞/TILの範囲である。特定の実施形態においては、約1×109~約1×1011個の細胞、または約5×109~約9×1010個の細胞が患者に投与される。細胞/TILの数は、投与(例えば、注入)当たり細胞約10×106~約10×1011個、投与(例えば、注入)当たり細胞約10×109~約10×1011個、または投与(例えば、注入)当たり細胞10×107~約10×109個でありうる。TILを含む医薬組成物は、104~1011細胞/kg体重(例えば、105~106、105~1010、105~1011、106~1010、106~1011、107~1011、107~1010、108~1011、108~1010、109~1010、または109~1010細胞/kg体重)(これらの範囲内の全ての整数値を含む)の投与量で投与されうる。
【0110】
本発明の医薬組成物において提供されるTILは、広範な投与量範囲にわたって有効でありうる。厳密な投与量は、投与経路、投与速度、障害または状態の重症度、治療すべき対象の性別および年齢、ならびに治療すべき対象の体重によって左右されうる。適切な場合には、TILの臨床的に確立された投与量が用いられうる。
【0111】
本発明の細胞または医薬組成物は、単一用量(単回投与)または複数用量(複数回投与)で投与されうる。そのような投与は、注射、例えば静脈内注射によって行われうる。幾つかの実施形態においては、本発明の細胞または医薬組成物は、単回の動脈内または静脈内注入として投与される。投与は、1年に1回、2回、3回、4回、5回、6回または6回超でありうる。投与は、1か月に1回、2週間に1回、1週間に1回、または2日に1回でありうる。TILの投与は、必要な限り継続されうる。
【0112】
本発明の方法の目的においては、細胞集団が投与される場合、細胞は、哺乳動物にとって同種または自己のものである細胞でありうる。1つの実施形態においては、細胞は哺乳動物にとって自己のものである。
【0113】
本発明の細胞または医薬組成物によって治療される癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌[頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む]、腎臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌または他のタイプの癌でありうる。本発明の細胞または医薬組成物は、再発性または難治性の非小細胞肺癌(NSCLC)を治療するために使用されうる。癌は、肉腫(例えば、滑膜肉腫、骨肉腫、子宮平滑筋肉腫および胞状横紋筋肉腫)、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)、肝細胞癌、神経膠腫、頭頸部癌、急性リンパ性癌、急性骨髄性白血病、骨癌、脳癌、乳癌、肛門癌、肛門管癌、肛門直腸癌、眼癌、肝内胆管癌、関節癌、頸部癌、胆嚢癌、胸膜癌、鼻癌、鼻腔癌、中耳癌、口腔癌、外陰癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性癌、結腸癌(例えば、結腸癌腫)、食道癌、子宮頸癌、胃腸癌(例えば、胃腸カルチノイド腫瘍)、下咽頭癌、喉頭癌、肝臓癌、肺癌、悪性中皮腫、黒色腫、多発性骨髄腫、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、腹膜,大網および腸間膜の癌、咽頭癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、小腸癌、軟部組織癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、尿管癌および膀胱癌のいずれかを含む任意の癌でありうる。
【0114】
幾つかの実施形態においては、過剰増殖性障害は、固形腫瘍癌である。幾つかの実施形態においては、固形腫瘍癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌[頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む]、腎臓癌および腎細胞癌からなる群から選択される。幾つかの実施形態においては、過剰増殖性障害は、血液悪性疾患である。幾つかの実施形態においては、固形腫瘍癌は、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫である。
【0115】
1つの実施形態においては、患者における癌の治療方法は、本発明の細胞または医薬組成物の投与の前に、非骨髄破壊的化学療法で患者を前治療することを更に含む。1つの実施形態においては、非骨髄破壊的化学療法は、TIL注入前にシクロホスファミドおよび/またはフルダラビンを投与することを含む。1つの実施形態においては、非骨髄破壊的化学療法およびTIL注入の後、患者はIL-2の静脈内注入を受ける。
【0116】
数値に関する「約」なる語は、示されている数値の±10%を指す。換言すれば、数値は、示されている値の90%から、示されている値の110%までの範囲でありうる。
【0117】
これ以上詳細に説明しなくても、当業者は、前記の説明に基づいて、本開示を最大限に利用しうると考えられる。したがって、以下の特定の実施形態は単なる例示として解釈されるべきであり、本開示の残りの部分を何ら限定するものではないと解釈されるべきである。本明細書中に引用されている全ての刊行物を、本明細書中で参照されている目的または主題に関して、参照により本明細書に組み入れることとする。
【0118】
実施例1:TILプレREPプロセスの開発およびプレREP TILの特徴づけ
プレ急速増殖プロトコル(プレREP)において、患者のNSCLC腫瘍サンプルから自己腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を採取した。腫瘍を最初に断片化し、高用量IL-2において培養して、TILの放出および増殖を促進させた。この初期エクスビボ培養の後、TILを、治療用量に達するまで急速増殖プロトコル(REP)で更に増殖させることが可能である。本発明者らは、GMP生産へと移行可能なプレREP TIL培養プセスを最適化した。
【0119】
標準治療後に患者の疾患の進行を待つ間、初期T細胞材料(プレREP TIL)は凍結保存されうる。患者の疾患の進行の後、プレREP TILは解凍され、急速増殖プロトコル(REP)によって増殖されうる。
【0120】
本発明者らの最適化プレREP TIL培養プロセスは、TIL培養容器としてのガス透過性急速増殖(G-Rex(登録商標))装置の使用を伴う。該プロセスは、更なる製造に適した高い細胞収量および好ましいT細胞表現型を有するプレREP TILを生成する堅牢なGMP製造プロセスを維持するために、より短い培養時間および培地交換頻度で行われる。培地は、第8日、第9日、第10日および/もしくは第11日[第0日は、細胞培養(第1の増殖またはプレREP)が開始される日である]またはその前後に添加可能であり、プレREP TILは、第12日、第13日、第14日、第15日、第16日もしくは第17日またはその前後に回収されうる。最適化プロトコルを用いた場合、IL-2およびグルコースのレベルは十分なままであり、一方、成長阻害性代謝物である乳酸は、TIL増殖に悪影響を及ぼさない低レベルである。本発明者らは、最適化後、腫瘍断片当たりに生成されたTILの平均数が、最適化前に生成されたTIL数より4倍以上高いことを実証し(それぞれ、16.29×106±10.58×106対3.10×106±3.52×106)、これは、全体的に優れているプレREP TIL収量を示した。プレREP TILはより早期の分化状態を示し、より高い割合のCD27+細胞、大部分を占めるTセントラルメモリー(CD4+区画では66.28%±12.87%、CD8+区画では59.04%±13.47%;n=8)、および非常に低い割合のエフェクター細胞(CD4+細胞およびCD8+細胞では、それぞれ、0.26%±0.19%および4.27%±3.85%;n=8)を含有する。また、回収された産物においては、TN/TSCMサブセットの割合も高く、このことは、より好ましいTIL特性を示している1。
【0121】
1つの実施形態においては、急速増殖プロトコル(REP)は、ヒト化組換えCD3およびCD28アゴニスト(例えば、抗体)に共有結合したコロイド状ポリマーナノマトリックスであるMACS(登録商標)GMP T細胞TransAct(商標)を使用する。次いでREP TILを洗浄し、製剤化し、および/または凍結保存する。
【0122】
G-Rex(登録商標)装置内で増殖された断片化黒色腫腫瘍は、プレREP中に、平均14~18日間の培養で、腫瘍断片当たり平均7.51×106個のTILを生成することが以前に示されていた2。本発明者らのプレREP製造目標細胞数は、以前の公開に基づく最小1×109個のTIL目標用量および400倍の推定REP増殖に基づいて、6×107個のCD3+ T細胞に設定された3。プレREP TILの早期分化表現型の増殖および保存に有利な適切な条件は高品質の中間体を生成し、これは、高い治療可能性を有する最終的なREP TIL産物の製造を促進すると予想される4,5。本研究は、早期分化表現型と短縮した培養時間とを伴うプレREP TILの高収量産物を生成させるために、主要培養条件を最適化することを目指した。
【0123】
方法
腫瘍採取
非小細胞肺癌腫瘍試料を採取した。NSCLC試料を匿名化し、各ドナーに1つの識別番号を割り当てた。簡単に説明すると、切除腫瘍試料を4℃の組織保存溶液に浸し、手術後24時間以内に発送した。腫瘍試料を、受領直後に、TILの調製に移した。
【0124】
腫瘍の断片化および播種
一度に1つのみの腫瘍を処理し、腫瘍ごとに新たな組の材料および装置を使用した。
【0125】
腫瘍洗浄培地を洗浄用6ウェルプレートのウェルに加えた。腫瘍洗浄培地を腫瘍断片化用ペトリ皿に加えた。ピンセットを使用して、腫瘍をペトリ皿に移した。腫瘍を各次元で約2~3mmの断片に切断した。断片化中に、壊死、出血および脂肪組織の領域を除去した。各腫瘍断片を洗浄して赤血球を除去した。腫瘍切片全体が切り分けられるまで、このプロセスを繰り返した。腫瘍断片の数を記録し、同じドナーからの断片を、同じ培養装置における培養のために組合せた。
【0126】
G-Rex(登録商標)10M装置の使用の場合、同一ドナーの1、2、3、4、5、6、7または8個の腫瘍断片を1つのG-Rex(登録商標)10M装置内に播種した。G-Rex(登録商標)100M装置の使用の場合、同一ドナーの最大100個の腫瘍断片を1つのG-Rex(登録商標)100M装置内に播種した。
【0127】
プレREP TILの増殖
プレREP TILを、300 IU/mL、1000 IU/mL、3000 IU/mLまたは6000 IU/mLのIL-2で補足されたプレREP基礎培地内で培養した。基礎培地はRPMI-1640、ヒトAB血清、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、β-ME(2-メルカプトエタノール)、GlutaMaxおよびゲンタマイシンを含む。
【0128】
腫瘍断片化後の第0日に、腫瘍断片をG-Rex(登録商標)10M培養装置内に播種した。小規模のプレREPの場合、10mL、20mL、25mL、30mL、50mLまたは100mLの初期培地体積で1~8個の断片をG-Rex(登録商標)10M装置内に加えた。
【0129】
細胞数
細胞濃度、生存率およびサイズを、NucleoCounter(登録商標)NC-200(商標)系を使用して測定した。
【0130】
TIL培養培地サンプルの採取
使用済み培地を細胞計数前に除去した場合には、後の分析のために、500μLの使用済み培地を-20℃の冷凍庫に保存した。あるいは、細胞計数を行わなかった場合には、少量(毎回約500μL)のプレREP培養培地を培地表面付近から採取した。プレREP段階中の示されている時点(例えば、第0日、第3日、第6日、第7日、第10日および第14日)にG-Rex(登録商標)10M装置またはG-Rex(登録商標)100M装置から培地を採取した。
【0131】
培養内のグルコースおよび乳酸の濃度の定量
培養上清におけるグルコースおよび乳酸の濃度をグルコース-Gloアッセイおよび乳酸-Gloアッセイ(Promega)によって測定した。
【0132】
ELISAによるIL-2濃度の定量
IL-2タンパク質濃度を定量するために、Thermo Fisher Scientific,Inc.のIL-2 ELISAキットを使用した。サンプルを2通りまたは3通りのウェルにおいて測定した。データは平均±標準偏差(S.D.)として示されている。タンパク質濃度(pg/mL)をIU/mLに変換した(IL-2の場合、1ng/mL=16.36 IU/mL)。
【0133】
フローサイトメトリー
細胞を、まず、LIVE/DEAD(商標)Fixable Aqua(Thermo Fisher Scientific,Inc.)で染色し、次いで種々の表面マーカーに対する抗体で染色した。次いでCytoFLEX LXフローサイトメーターによってサンプルを得た。全てのデータをFlowJo V10ソフトウェアで分析した。
【0134】
結果および分析
未熟なTILプロセスのフラスコおよびバッグの代替手段として、G-Rex(登録商標)(ガス透過性急速増殖)は、免疫細胞を産生させるために特別に作製された製造プラットフォームであり、これは規模拡大(スケールアップ)、スケールアウトが容易であり、臨床試験に要求されるcGMP条件に適合している。G-Rex(登録商標)10装置と24ウェルプレートとにおいて培養された転移性黒色腫腫瘍を使用して、初期TIL増殖(プレREP)を比較した2。本発明者らの研究においては、プレREP TIL培養容器としてG-Rex(登録商標)装置を使用した。
【0135】
本発明者らは、まず、G-Rex(登録商標)10Mを使用するプレREPのために、4つの釣り合った腫瘍サンプルセット(T5101001、T5101002、T5101004およびT5101005)を使用した。最終的なプレREP細胞収量は4名のドナーに関して細胞(15.60±25.09)×106個から(27.54±22.60)×106個の範囲であった。
【0136】
プレREP TILの表現型決定は、TILにおけるCD4+細胞およびCD8+細胞の大部分が、エフェクター表現型TEM(エフェクターメモリーT細胞)ではなく、セントラルメモリー表現型TCM(セントラルメモリーT細胞)であることを示した。
【0137】
供給を最適化するために、プレREP培養におけるグルコースおよび乳酸のレベルならびにIL-2消費量を測定した。次に、G-Rex(登録商標)100M装置(底表面積100cm2、容積1000mL)を使用するために、プロセスをスケールアップした。3名のドナー(T5101009、T5101010およびT5101013)のプレREP培養を開始するために、腫瘍断片を使用した。T5101009およびT5101010のプレREP実施は、培養時間の決定の前に行い、培地の添加も交換も行うことなく、それぞれ第17日および第20日に停止させた。T5101013に関しては、細胞計数を行い、第8日、第9日、第10日間もしくは第1日またはその前後に新鮮培地を添加した。T5101010およびT5101013においては、第6日の後、グルコースレベルが低下し始め、その場合、T5101009と比較して著しい細胞増殖が認められた。T5101010による、より大きな乳酸産生が、第3日までに検出され、培養中の全体にわたって増加し続けた。T5101013に関しては、新鮮培地の添加が乳酸レベルの更なる増加を防いだようであった。そのような培地添加は、T細胞によって許容される低レベルに乳酸を維持するために、急速に増殖するTILを有するドナーにとって特に重要である。
【0138】
更に、プレREP培養におけるIL-2消費を評価した。IL-2タンパク質濃度をELISAキットで測定し、濃度(pg/mL)をIU/mLに変換した(IL-2:1ng/mL=16.36 IU/mL)。分析した2回のプレREP実施の最初の6日間は、培養培地を変更したり添加したりしなかった。なぜなら、初期段階ではT細胞の総数が少なかったからである。しかし、第6日にT5101001およびT5101002の両方のプレREP TILの収量は2×106未満であったが、IL-2レベルの約50%の減少が尚も観察された。
【0139】
24ウェルプレートにおける単一の腫瘍断片に由来するTILをG-Rex(登録商標)10M装置内に播種し、最初の6日間は培地の交換/添加を行わずに更に8日間培養した。T5101001とT5101002との両方の培養培地サンプルにおいて、6日後、IL-2レベルにおける、一貫した約50%の減少を見出したが、それらの増殖は顕著に異なっていた(T5101001 - 5×106およびT5101001 - 10×106に関しては、それぞれ、53.8倍および20.3倍;T5101002 - 5×106およびT5101002 - 10×106に関しては、それぞれ、3.18倍および3.57倍)。したがって、T細胞増殖は、プレREP TIL培養におけるIL-2濃度低下の決定要因ではないようであった。
【0140】
更に、プレREP段階中のG-Rex(登録商標)100M装置におけるIL-2消費を調べた(グルコースおよび乳酸測定に使用したのと同じサンプルセット)。この分析において、ドナーT5101009とドナーT5101010とは、顕著に異なるプレREP TIL収量(2.2×106対93×106)を示したが、プレREP実施は同等のIL-2減少曲線を示した。これら2つのドナーに関しては、プレREP段階全体を通じて培地の交換/添加が行われなかったことは注目に値する。結果として、T細胞がどれだけ強力に増殖したとしても、第14日に、元のIL-2濃度の約20%が残存した。
【0141】
プレREPの手順
第0日 - 腫瘍断片化および一次TIL培養。簡潔に説明すると、腫瘍を各次元で約2~3mmの断片へと切断し、壊死、出血および脂肪沈着を除去する。10mL、20mL、25mL、30mL、50mLまたは100mLの初期培養体積中で、G-Rex(登録商標)10M培養装置当たり1、2、3、4または5個の断片を培養する。100個までの断片総数の場合、100mL、200mL、250mL、500mLまたは1000mLの初期培養体積で1~2個のG-Rex(登録商標)100M培養装置が使用されうる。300 IU/mL、1000 IU/mL、3000 IU/mLまたは6000 IU/mLのIL-2で補足された500または1000mLのプレREP基礎培地を使用して、プロセス全体の全プレREP培養培地が第0日に調製されうる。1つの実施形態においては、IL-2濃度は300 IU/mLである。もう1つの実施形態においては、IL-2濃度は1000 IU/mLである。更にもう1つの実施形態においては、IL-2濃度は3000 IU/mLである。更にもう1つの実施形態においては、IL-2濃度は6000 IU/mLである。
【0142】
第8日、第9日、第10日または第11日 - 培地の添加または交換。第0日に調製されたプレREP CM(培養培地)を使用前に室温または37℃で温める。G-Rex(登録商標)10MまたはG-Rex(登録商標)100M装置を使用する場合、初期プレREP CMの体積の1倍、2倍または3倍の総体積を各培養装置内に添加または交換する。TIL培養の継続のために培養装置をインキュベーターに戻す。
【0143】
第13日、第14日、第15日、第16日または第17日 - プレREP TILの回収。0.5%、0.7%、1%、1.5%、2%または5%のHSA溶液の最終濃度が得られるように、Plasma-LyteA(注射用多価電解質)およびヒト血清アルブミン(HSA)を使用して、100または200mLの回収溶液を調製する。TILを手動で回収する。細胞懸濁液を集め、細胞ストレーナーで濾過する。全てのTILが回収されることが保証されるように、G-Rex(登録商標)装置を2回洗浄する。
【0144】
細胞を200、300または400gで4℃で15分または30分間遠心分離する。上清を捨て、細胞ペレットを再懸濁させ、Plasma-LyteA中にHSAを含有する回収溶液を使用して、一緒にする。NC200自動細胞カウンターを使用して細胞計数を行い、細胞を凍結保存する。
【0145】
以下の培養条件を用いる。
【0146】
培養条件(Ai):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0147】
培養条件(A-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0148】
培養条件(A-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0149】
培養条件(A-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0150】
培養条件(A-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0151】
培養条件(A-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL(G-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL)である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0152】
培養条件(A-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0153】
培養条件(A-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0154】
培養条件(A-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0155】
培養条件(A-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0156】
培養条件(A-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0157】
培養条件(A-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0158】
培養条件(A-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0159】
培養条件(A-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0160】
培養条件(A-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の量の細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0161】
培養条件(B-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0162】
培養条件(B-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0163】
培養条件(B-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0164】
培養条件(B-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0165】
培養条件(B-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0166】
培養条件(B-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL(G-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL)である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0167】
培養条件(B-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0168】
培養条件(B-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0169】
培養条件(B-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0170】
培養条件(B-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0171】
培養条件(B-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の量の細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0172】
培養条件(B-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0173】
培養条件(B-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0174】
培養条件(B-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の量の細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0175】
培養条件(B-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の量の細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0176】
培養条件(C-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0177】
培養条件(C-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0178】
培養条件(C-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0179】
培養条件(C-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0180】
培養条件(C-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0181】
培養条件(C-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0182】
培養条件(C-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0183】
培養条件(C-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0184】
培養条件(C-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0185】
培養条件(C-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0186】
培養条件(C-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0187】
培養条件(C-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0188】
培養条件(C-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0189】
培養条件(C-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0190】
培養条件(C-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0191】
培養条件(D-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖における初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0192】
培養条件(D-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0193】
培養条件(D-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0194】
培養条件(D-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0195】
培養条件(D-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0196】
培養条件(D-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0197】
培養条件(D-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0198】
培養条件(D-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0199】
培養条件(D-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0200】
培養条件(D-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0201】
培養条件(D-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0202】
培養条件(D-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0203】
培養条件(D-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0204】
培養条件(D-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0205】
培養条件(D-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第13日 - プレREP TIL回収。
【0206】
培養条件(E-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日-プレREP TIL回収。
【0207】
培養条件(E-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0208】
培養条件(E-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0209】
培養条件(E-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0210】
培養条件(E-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0211】
培養条件(E-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0212】
培養条件(E-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0213】
培養条件(E-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0214】
培養条件(E-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0215】
培養条件(E-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0216】
培養条件(E-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0217】
培養条件(E-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0218】
培養条件(E-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0219】
培養条件(E-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0220】
培養条件(E-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0221】
培養条件(F-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0222】
培養条件(F-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0223】
培養条件(F-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0224】
培養条件(F-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0225】
培養条件(F-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0226】
培養条件(F-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0227】
培養条件(F-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0228】
培養条件(F-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0229】
培養条件(F-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0230】
培養条件(F-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0231】
培養条件(F-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0232】
培養条件(F-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0233】
培養条件(F-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0234】
培養条件(F-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0235】
培養条件(F-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0236】
培養条件(G-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0237】
培養条件(G-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0238】
培養条件(G-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0239】
培養条件(G-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0240】
培養条件(G-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0241】
培養条件(G-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0242】
培養条件(G-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0243】
培養条件(G-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0244】
培養条件(G-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0245】
培養条件(G-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0246】
培養条件(G-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0247】
培養条件(G-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0248】
培養条件(G-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0249】
培養条件(G-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0250】
培養条件(G-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0251】
培養条件(H-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0252】
培養条件(H-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0253】
培養条件(H-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0254】
培養条件(H-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0255】
培養条件(H-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0256】
培養条件(H-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0257】
培養条件(H-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0258】
培養条件(H-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0259】
培養条件(H-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0260】
培養条件(H-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0261】
培養条件(H-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0262】
培養条件(H-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0263】
培養条件(H-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0264】
培養条件(H-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0265】
培養条件(H-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第14日 - プレREP TIL回収。
【0266】
培養条件(I-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0267】
培養条件(I-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0268】
培養条件(I-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0269】
培養条件(I-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0270】
培養条件(I-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0271】
培養条件(I-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第8日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0272】
培養条件(I-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0273】
培養条件(I-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0274】
培養条件(I-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日-プレREP TIL回収。
【0275】
培養条件(I-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0276】
培養条件(I-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第8日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0277】
培養条件(I-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0278】
培養条件(I-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0279】
培養条件(I-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0280】
培養条件(I-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第8日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0281】
培養条件(J-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0282】
培養条件(J-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0283】
培養条件(J-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0284】
培養条件(J-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0285】
培養条件(J-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0286】
培養条件(J-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第9日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0287】
培養条件(J-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0288】
培養条件(J-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0289】
培養条件(J-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0290】
培養条件(J-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0291】
培養条件(J-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第9日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0292】
培養条件(J-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0293】
培養条件(J-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0294】
培養条件(J-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0295】
培養条件(J-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第9日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0296】
培養条件(K-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0297】
培養条件(K-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0298】
培養条件(K-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0299】
培養条件(K-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0300】
培養条件(K-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0301】
培養条件(K-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第10日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0302】
培養条件(K-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0303】
培養条件(K-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0304】
培養条件(K-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0305】
培養条件(K-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0306】
培養条件(K-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第10日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0307】
培養条件(K-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0308】
培養条件(K-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0309】
培養条件(K-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0310】
培養条件(K-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第10日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0311】
培養条件(L-i):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0312】
培養条件(L-ii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0313】
培養条件(L-iii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0314】
培養条件(L-iv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0315】
培養条件(L-v):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0316】
培養条件(L-vi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は100mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は1000mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の100%である。
第11日 - 初期培養体積の1倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0317】
培養条件(L-vii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0318】
培養条件(L-viii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0319】
培養条件(L-ix):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0320】
培養条件(L-x):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0321】
培養条件(L-xi):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は50mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は500mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の50%である。
第11日 - 初期培養体積の2倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0322】
培養条件(L-xii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は10mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は100mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の10%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0323】
培養条件(L-xiii):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は20mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は200mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の20%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0324】
培養条件(L-xiv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は25mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は250mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の25%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を添加または交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0325】
培養条件(L-xv):
第0日 - 初期培養体積は、G-Rex(登録商標)10Mの場合は30mL[またはG-Rex(登録商標)100Mの場合は300mL]である。換言すれば、第1の増殖の初期培養体積は細胞培養容器/系の容積の30%である。
第11日 - 初期培養体積の3倍の体積を有する細胞培養培地を交換する。
第15日 - プレREP TIL回収。
【0326】
他の適切な培養条件も使用されうる。
【0327】
最適化の前および後の成功率
最適化前は、プレREP TIL産生の成功率は低く、平均収量は3.10×106細胞/断片であった(表1)。プレREP手順を最適化した後、G-Rex(登録商標)100M装置においてフルスケール培養を行い、これは16.29×106細胞/断片の平均収量をもたらした(表2)。したがって、本発明者らの最適化された手順は、最適化前よりも有意に高い、回収プレREP TILの収量をもたらした(P=0.00125;最適化前の実施ではn=12、最適化後の実施ではn=8)(表2)。
【0328】
【0329】
標準化プレREPプロトコルにおけるグルコースおよび乳酸濃度の評価
標準化プレREPプロトコルにおける培地添加が該プロセスに十分であることを検証するために、7回の実施(T5101014~T5101018、T5101021およびT5101022)から第0日、第6日、第10日および第14日に上清を収集し、最終的なTIL収量、グルコースおよび乳酸濃度を評価した。第6日までおよびその後、グルコースおよび乳酸レベルはTIL増殖の度合に比例して変化した(
図1)。しかし、回収時のグルコースレベルは、T細胞増殖を維持するのに十分に高いままであった(7.69±2.86mM;95%CI、5.05~10.33mM;n=7)(表3)。重要なことに、乳酸レベル(6.30±3.92mM;95%CI、2.67~9.93mM;n=7)は20mMを十分に下回っていた。このレベルを超えると、CD8
+キラーT細胞は、低減した増殖、生存率および機能を示すことが示されている
14。総合すると、本発明者らの結果は、最適化されたプレREPプロセスが、グルコースおよび乳酸のレベルを、TILの移動および増殖を支持する範囲内に維持しうることを示した。
【0330】
【0331】
プレREP TILの特徴づけ
予想通り、最適化条件下で増殖したプレREP TILは高い生存率および高いCD3+細胞割合を示した。プレREP TILの平均生存率は93.68%±2.48%(n=8)であった。CD3+細胞の平均割合は89.43%±5.31%(n=8)であった。
【0332】
プレREP TIL産物におけるCD8
+細胞の割合はドナー間で異なり、平均割合(37.35%)は他のNSCLCプレREP TIL産物に類似していた
3。プレREP材料はNK細胞、B細胞、骨髄細胞および上皮細胞を低い割合で含有しているに過ぎなかった。NK細胞、B細胞、骨髄細胞、および皮細胞の割合は、それぞれ、7.74%±4.87%、0.118%±0.117%、0.034%±0.032%、および0.074%±0.137%であった(n=8;
図2および表4)。
【0333】
【0334】
また、本発明者らは、種々の活性化/阻害性マーカーの発現およびT細胞サブセットの分布を調べることによって、本発明者らのプレREP TILの表現型を広範に分析した。データは、これらのプレREP TILが、CD27およびCD28の高い発現[ここで、CD4
+プレREP TILにおける陽性頻度は、それぞれ、37.94%±7.17%および94.51%±4.72%であり、(n=8;
図3、表5)、CD8
+プレREP TILにおける陽性頻度は、それぞれ、34.45%±9.62%および57.66%±19.19%である(n=8;
図4、表7)]を伴って活性化されることを示した。CD4
+およびCD8
+プレREP T細胞上には種々の阻害性マーカーが発現しており、CD4
+プレREP T細胞上ではLAG-3の発現が最も低く、陽性頻度は10.07%±3.23%(n=8;
図3、表5)であった。PD-1はCD4
+およびCD8
+の両方のプレREP T細胞上で中程度に発現していた。PD-1の陽性頻度は、CD4
+プレREP T細胞およびCD8
+プレREP T細胞において、それぞれ、57.43%±19.58%および34.31%±21.67%であった。TIM-3はほとんどのCD8
+プレREP TIL上で高度に発現していた。TIM-3の陽性頻度はCD4
+プレREP T細胞においては53.50%±16.12%(n=8;
図3、表5)であり、CD8
+プレREP T細胞においては71.93%±17.85%(n=8;
図4、表7)であった。
【0335】
本発明者らのプレREP TILの、1つの好ましい特徴は、CD4
+およびCD8
+の両方のプレREP TILにおける、T
CMの高い割合、およびT
EMの低い割合であった。T
CMの割合はCD4
+プレREP TILにおいては66.28%±12.87%であり、CD8
+プレREP TILにおいては59.04%±13.47%であった。T
EMの割合はCD4
+プレREP TILにおいては30.98%±13.25%であり(n=8;
図3、表6)、CD8
+プレREP TILにおいては27.66%±11.59%であった(n=8;
図4、表8)であった。更に、T
EFFサブセットの最小割合(CD4
+細胞およびCD8
+細胞において、それぞれ、0.26%±0.19%および4.27%±3.85%;n=8)が確認された。また、回収された産物において、T
N/T
SCMサブセットの割合も高かった[CD4
+プレREP TILにおいては2.49%±2.28%(n=8)であり、CD8
+プレREP TILにおいては9.04%±8.65%(n=8)であった(
図3、表6;および
図4、表8)]。このことは顕著な早期メモリーTIL表現型を示している。これは非常に重要である。なぜなら、TIL療法の臨床上の利益は、プレREP TILから生成されるTIL産物の具体的な品質に大きく左右されるからである。全体として、本発明者らは、ここにおいて、プレREP TILを有効かつ適時な様態で生成する方法を示した。該方法は高い収量および好ましいTIL表現型をもたらし、このことは、臨床的有効性に関連したREPの成功を示唆している。
【0336】
【0337】
【0338】
結論
本発明者らはプレREP TIL培養プロセスを最適化して、高い割合のTCMおよび健常なTIL表現型を得た。全体として、これらの研究は、プレREP臨床製造および後続のTIL実験を支持するために利用されうる。
【0339】
参考文献
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8.Powell,D.J.,Dudley,M.E.,Robbins,P.F.& Rosenberg,S.A.Transition of late-stage effector T cells to CD27+ CD28+ tumor-reactive effector memory T cells in humans after adoptive cell transfer therapy.Blood 105,241-250(2005).
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11.Zhou,J.,Dudley,M.E.,Rosenberg,S.A.& Robbins,P.F.Persistence of multiple tumor-specific T-cell clones is associated with complete tumor regression in a melanoma patient receiving adoptive cell transfer therapy.J Immunother 28,53-62(2005).
12.Tran,K.Q.ら,Minimally cultured tumor-infiltrating lymphocytes display optimal characteristics for adoptive cell therapy.J Immunother 31,742-751(2008).
13.Pilling,D.ら,High cell density provides potent survival signals for resting T-cells.Cell Mol Biol(Noisy-le-grand) 46,163-174(2000).
14.Fischer,K.ら,Inhibitory effect of tumor cell-derived lactic acid on human T cells.Blood 109,3812-3819(2007).
15.Ghaffari,S.ら,Optimizing interleukin-2 concentration,seeding density and bead-to-cell ratio of T-cell expansion for adoptive immunotherapy.BMC Immunol 22,43(2021).
【0340】
実施例2:伝統的なREPまたはフィーダー細胞非含有TransAct REPプロトコルから小規模で生成されたTILの比較
伝統的には、TILは、高用量のIL-2の存在下、24ウェルプレートのウェルにおいて単一の腫瘍断片から増殖され、腫瘍反応性に関して選択され、次いで急速に増殖された6。この方法からの産物がたとえ臨床的に有効だとしても、TILの産生は難題である。なぜなら、TIL産生の伝統的な方法は特異的腫瘍認識に関してアッセイされ、通常6~8週間を要し、これはインビトロでのT細胞疲弊およびインビボでの短い存続を引き起こすからである7,8。また、腫瘍応答反応性の選択は、TIL産生の、より低い成功率をもたらして、TIL療法にまわされた患者の50%を超える脱落率につながり9、その臨床応用を大きく制限する10。組織培養フラスコおよびガス透過性バッグにおいて腫瘍組織全体を使用する代替的な「未熟な」TILプロセスが開発され、これは、長いテロメアならびにCD27およびCD28の発現の増強のような、インビボでの存続性の改善に関連する特性を有するTILの生成に好ましい11,12。
【0341】
ここで用いたREPプロトコルは、照射されたPBMCおよび抗CD3(OKT3)抗体が増殖のために使用される伝統的なTIL REPプロトコルとは異なる、フィーダー細胞を使用しないプロセスであった。フィーダー細胞を使用しないREPプロセスは産物の効力および安全性を高め、製造コストを削減しうる。本発明者らは、伝統的なREPプロトコルを用いる小規模TILと、フィーダー細胞を使用しないTransAct REPプロセスからのものとの比較を行った。
【0342】
TransAct REPと伝統的なREPとにおけるTIL増殖の比較
12名のドナーからのプレREP TILを使用して、本発明者らは、TransAct REPプロトコルを使用して増殖させたTILの平均増殖倍率が、伝統的なREPプロトコルと同等である389.3±138.8(表9)であることを見出した。これは、TransAct REPプロトコルが、臨床目標用量要件を満たすのに十分なTILを生成しうることを示唆した。
【0343】
【0344】
TransAct REPと伝統的なREPとの生存率およびT細胞亜型の比較
TransAct REP TILは、全てのドナー間で一貫した、CD8
+ T細胞の割合における顕著な増加を示した(
図5および表10)。
【0345】
TransAct REPまたは伝統的なREPからのT細胞表現型および阻害性/活性化細胞表面マーカーの比較
TransAct REP TILに関しては、CD4
+集団およびCD8
+集団は共に、早期メモリー表現型を有する細胞の割合における有意な増加を示し(
図6、
図7および表10)、一方、より分化したエフェクターT細胞(T
EM、T
EFF)の割合は減少した(
図6および表10)。これらのTIL特性は、TIL養子細胞療法における好ましい結果に関連していることが示されている
4。
【0346】
REP TILを免疫チェックポイント(阻害性)および活性化細胞表面マーカーの発現に関しても分析した(
図7および表10)。伝統的なREP TILと比較して、TransAct REP TILは、CD4
+区画およびCD8
+区画の両方における増加した割合のCD27
+細胞、ならびに疲弊マーカーPD-1を発現する、減少した割合のCD4
+およびCD8
+ T細胞を有し、このことはTransAct REP TILの早期メモリー表現型を更に支持するものであった。
【0347】
【0348】
表11は別の実験からのT細胞サブセットを示す。
【表7】
【0349】
照射PBMC(irPBMC) + OKT3 mAbまたは本方法[例えば、MACS(登録商標)GMP T細胞TransAct(商標)を使用するもの]で増殖させた9名のドナーからのFACS分析によって決定されたREP TIL T細胞亜型の割合。括弧内の範囲と共に各集団の平均割合が示されている。P値は、Excelにおける対応t検定を用いて決定した(n=9)。
【0350】
TransAct REPと伝統的なREPとのαCD3刺激に対する応答におけるT細胞活性化の比較
2つのREP法で増殖させたTILの機能性を比較するために、αCD3刺激に応答したREP TILからの回収細胞の細胞表面活性化マーカーおよびサイトカイン分泌の変化を調べた。TransAct REP TILは、外因性IL-2の存在下または非存在下、αCD3刺激に際して、遥かに高いレベルのIFN-γおよびグランザイムBを生成した(
図8、表12)。外因性IL-2の存在下または非存在下、表面4-1BBを発現するTILの平均割合は、CD4
+集団とCD8
+集団との両方において、TransAct REP TILにおいて、より大きかった(表12)。これらのデータは、伝統的なREPと比較して、TransAct REPが、T細胞活性化に応答して、増殖TILの機能性の、より良好な機能性を支持することを示している。
【0351】
【0352】
TransAct REPまたは伝統的REPからのTILのインビトロMOS腫瘍殺傷
伝統的なREPおよびTransAct REPのTILの腫瘍細胞殺傷効果を比較するため、TILと自己腫瘍由来ミクロオルガノスフェア(micro-organosphere)(MOS)との共培養を行った。ドナーT5101016からのREP TILを、自家肺癌MOSと、2:1、3:1または4:1(TIL20,000~40,000個:MOS内の癌細胞10,000個)の種々のE:T比で、共培養した。共培養を2時間ごとに68時間までイメージングし、TIL群におけるカスパーゼ(Caspase)3/7シグナルの増加を観察した(
図9)。
【0353】
該アッセイは自己NSCLC MOSに対するTILの細胞傷害性を証明した。TransAct REP TIL(C-TIL051)は、伝統的なTILと比較して、試験された全てのE:T比において、カスパーゼ3/7シグナルによって示される有意に増強した腫瘍殺傷活性を示した(
図9)。これらのデータは、伝統的なREP TILと比較して、TransAct REP TILが、自己腫瘍細胞に応答した、より良好な機能性を有することを示している。
【0354】
TransAct REP TILと伝統的なREP TILとのTCRレパートリーの比較
6名のドナーからのTILのTCRベータ鎖配列決定データを、伝統的なREPまたはTransAct REPのいずれかを用いて、REP増殖の前(プレREP)および後のレパートリーの多様性に関して比較した。モリシタ指数(Morisita Index)(これは、2つのサンプル間の共有クローンの数と相対的存在量との両方を考慮した相関分析である)がプレREPとREPとの各サンプルペアに関して示されている。値は0から1までの範囲であり、高い値はそれらの2つのサンプルの全体的なレパートリーの間の高い類似性を示す。TransAct REPのモリシタ指数は伝統的なREPのものより高く、このことは、TransAct REPが、より高い度合でプレREPレパートリーを全体的に保存している可能性があることを示唆している(表13)。
【0355】
【0356】
また、複数の側面(シンプソンクローン性、プレREP TILとTILとの間のTCR重複、REP後の上位100個のプレREPクローンの保存を含む)からの種々のマトリックスでの複合分析は、TransAct REPプロセスが、プレREP TCRレパートリーの保存において、伝統的なREPプロセスよりも良好であった、または少なくとも劣っていなかったようであることを示しており、このことはREPプロセスにおけるTransActの使用を更に支持するものである。
【0357】
実施例3:TIL REPプロセスの開発およびTILの特徴づけ
11名のNSCLC患者の腫瘍に由来するプレREP TILを使用した本発明者らの小規模実験は、商業的に入手可能なαCD3/αCD28アゴニストであるMACS(登録商標)GMP T細胞TransAct(商標)(本明細書においてはTransActと略記される)が、臨床的用量要件を満たしうるとともに、TILの急速増殖を維持するために、照射フィーダー細胞およびαCD3抗体の代わりに使用可能であることを示した。この研究の目的は、製造規模でプレREP TILを増殖させるためにTransActを使用するREPプロセスを開発することであった。本発明者らはまた、GMP施設からプロセス開発(PD)実施およびモック実施において生成されたTILをT細胞表現型、レパートリー多様性および/または腫瘍殺傷機能に関して特徴づけることも目的とした。
【0358】
本発明者らの実験データは、MACS(登録商標)GMP T細胞TransAct(商標)での活性化の後、G-Rex(登録商標)細胞培養装置において、またはG-Rex(登録商標)とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続的使用において、TILのREPの成功が製造規模で達成されうることを示している。プロセス開発実施からのTILの特徴づけは、増殖細胞が、好ましい表現型と、同族プレREP TILを代表する良く保存されたT細胞受容体(TCR)レパートリーとを示すことを示した。TILはまた、表面T細胞活性化マーカーの発現をアップレギュレーションする、およびT細胞活性化シグナルに応答して種々のサイトカインを生成する能力を保持していた。更に、本発明者らのGMP施設からの模擬実施からのTIL産物の特徴づけは、本発明者らが開発した自己細胞療法産物が早期分化表現型を有し、強力な腫瘍殺傷能力を有することを実証した。
【0359】
材料
11名のドナーに由来するプレREP TILをPDのために使用した。5名のドナー(T5101001、T5101002、T5101005、T5101008、T5101010)からのプレREP細胞をプレREPプロセスの最適化の前に回収し、それらのCD3+ T細胞の割合は38.7%~98.0%の範囲であった。その他の6名のドナー(T5101014、T5101015、T5101016、T5101017、T5101018、T5101024)からのプレREP細胞をプレREPプロセスの最適化の後に回収し、それらのCD3+ T細胞の割合は81.8%~97.0%の範囲であった。
【0360】
方法
G-Rex(登録商標)10MとG-Rex(登録商標)100M装置との連続的使用およびTransActによるREP
第0日に、プレREP細胞を水浴内で解凍し、REP完全培地(CM;300または1000、3000または6000 IU/mLのIL-2で補足されたREP基礎培地)で2回洗浄した。1つの実施形態においては、IL-2濃度は300 IU/mLである。もう1つの実施形態においては、IL-2濃度は1000 IU/mLである。更にもう1つの実施形態においては、IL-2濃度は3000 IU/mLである。更にもう1つの実施形態においては、IL-2濃度は6000 IU/mLである。次いで細胞をREP CMに再懸濁させ、自動細胞カウンター(NC-200)で計数した。G-Rex(登録商標)10M装置において培養を開始させるために、約1×106、2×106、5×106、10×106または20×106個の生細胞とTransActとを含有する細胞懸濁液のアリコートを約1:150、1:5、1:10、または1:17.5のTransAct:培地の体積比で該装置内に加え、最終的な培養体積をREP CMで10mL、15mLまたは20mLに調整した。次いでG-Rex(登録商標)10Mを37℃、5% CO2のインキュベーター内に配置した。
【0361】
第3日、第4日または第5日に、予熱REP CMをG-Rex(登録商標)10Mに加えることによって、初期培養を10倍、20倍または30倍希釈した。該装置をCO2インキュベータに戻した。
【0362】
第6日、第7日、第8日、第9日または第10日に、G-Rex(登録商標)10Mにおいて細胞を再懸濁させ、計数した後、培養を新たなG-Rex(登録商標)100M装置に移し、予熱REP CMを加えることによって10倍、20倍、30倍希釈した。次いでG-Rex(登録商標)100MをCO2インキュベーター内に配置した。
【0363】
第12日、第13日、第14日、第15日、第16日、第17日、第18日、第19日または第20日に、G-Rex(登録商標)100Mから細胞を回収した。残りの細胞のアリコートをペレット化し、凍結保存した。
【0364】
G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25との連続的使用およびTransActによるREP
第0日に、プレREP細胞を水浴内で解凍し、REP CMで2回洗浄した。次いで細胞をREP CMに再懸濁させ、NC-200で計数した。G-Rex(登録商標)100M装置における培養を開始させるために、約20×106、50×106、1000×106または200×106個の生細胞とTransActとを含有する細胞懸濁液のアリコートを約1:150、1:5、1:10、または1:17.5のTransAct:培地の体積比で該装置内に加え、最終的な培養体積をREP CMで50~100mLに調整した。あるいは、閉鎖系のG-Rex(登録商標)100M-CS装置を使用する場合には、50ml シリンジのバレルを培地添加チューブのLuerポートに接続し、次いで細胞懸濁液およびTransActをシリンジバレルを介してG-Rex(登録商標)に加えた。その後、培地添加チューブを熱シールし、シリンジバレルを取り外した。次いでG-Rex(登録商標)100MまたはG-Rex(登録商標)100M-CSをCO2インキュベーター内に配置した。
【0365】
第3日、第4日または第5日に、予熱REP CMをG-Rex(登録商標)100Mに加えることによって、初期培養を10倍、15倍または20倍希釈した。G-Rex(登録商標)100M-CSを使用する場合には、G-Rex(登録商標)100M-CS上の培地添加チューブに結合したREP CMを含有する培地移送バッグを介して培地を加えた。培地の添加の後、チューブを熱シールし、培地移送バッグを取り外した。G-Rex(登録商標)装置をCO2インキュベーターに戻した。
【0366】
第6日頃~第10日頃に、使用済み培地の約25%または50%をG-Rex(登録商標)100Mの上部から取り出し、新たな培地ボトル内に保存した。G-Rex(登録商標)100M-CSを使用する場合には、使用済み培地を培地添加/除去チューブから取り出し、培地転送バッグ内に保存した。次いで細胞をG-Rex(登録商標)装置内に再懸濁させ、サンプルを採取してNC-200で計数した。G-Rex(登録商標)装置を、回収まで、CO2インキュベーターに戻した。
【0367】
Xuri(商標)REPを開始させるために、2Lまたは10LのXuri(商標)CellbagをXuri(商標)W25細胞増殖系のロッキングトレイに取り付けた。次いで新鮮なCMをCellbagに添加し、系を2時間平衡化した。
【0368】
総細胞数に応じて、細胞数がXuri(商標)Cellbag接種の要件を満たすように、G-Rex(登録商標)装置内の細胞懸濁液のアリコートを移送バッグ内に回収した[G-Rex(登録商標)100M-CSの場合には、GatheRex細胞回収ポンプを使用した]。次いで移送バッグをXuri(商標)Cellbagのフィードラインに接続して、細胞を移した。G-Rex(登録商標)からの追加的な使用済み培地(細胞計数前に保存されたもの)をXuri(商標)Cellbagに加えて、Cellbag内の新鮮なCMの体積が最終総培養体積の半分になり、最終細胞濃度が約0.5×106/mLまたは1×106/mLまたは2×106/mLとなるようにした。その後、低速および低角度で揺動させながら、Xuri(商標)の増殖を開始させた。
【0369】
第6日、第7日間または第8日およびそれ以降に、サンプルをXuri(商標)Cellbagから毎日採取して、細胞増殖および生存率を計数し、モニターした。総培養体積が1リットルまたは5リットルに達するまで、培養を所望の細胞濃度に調整するために、各細胞計数後に新鮮なREP CMを添加した。次いで、翌日から、0.5リットル/日、1リットル/日または2リットル/日で灌流を開始させた。細胞濃度に応じて、灌流速度を揺動の速度および角度と共に、毎日、徐々に増加させた。
【0370】
Xuri(商標)培養の最終日に、細胞計数およびFACS分析のためにサンプルを採取した後、REP細胞を回収し、洗浄し、凍結保存した。
【0371】
αCD3刺激
3名のドナー(T5101015、T5101018およびT5101024)のREP産物を解凍し、REP CM中で1~2日間静置した。次いで細胞を洗浄し、IL-2の非存在下または300 IU/mLのIL-2(最終濃度)の存在下、REP基礎培地に再懸濁させ、96ウェルプレートの、1つのウェルにおいて、2×105個の細胞を播種した。MACS(登録商標)GMP CD3純粋物(αCD3抗体、OKT3)を同じ培養培地内で希釈し、1μg/mLの最終濃度でウェルに加えた。細胞を一晩刺激し、次いで、サイトカインアッセイのために上清を採取し、FACS分析のために細胞を染色した。実験は各条件に関して3回重複して行った。
【0372】
サイトカインアッセイ
細胞培養上清中のサイトカイン濃度の分析のために、製造業者のプロトコルに従い、複数の可溶性分析物の同時定量のために、LEGENDplex(商標)ヒトCD8/NKパネルキットを使用した。アッセイをCytoFLEX LX FACS装置で読み取り、データをLEGENDplex(商標)ソフトウェアで分析した。
【0373】
FACS
細胞を、まず、LIVE/DEAD(商標)固定可能アクア(Fixable Aqua)染料で染色し、次いで種々の表面マーカーに対する抗体で染色した。試薬。次いでCytoFLEX LX FACS装置でサンプルを得た。全てのデータをFlowJo V10ソフトウェアで分析した。
【0374】
TIL培養培地サンプルの収集
細胞が底部に存在するG-Rex(登録商標)装置によるREPの場合には、示されている時点で約500μLの上清をサンプル採取した。Xuri(商標)W25バイオリアクターによるREPの場合には、培養サンプルをXuri(商標)Cellbagのサンプリングポートから採取し、400g/分で5分間遠心分離した。上清を新たな1.5mL滅菌チューブに移すことによって、REP培養培地サンプル(200μL~500μL)を得た。該培養培地サンプルを直ちに-20℃の冷凍庫内で保存し、アッセイ時に氷上で解凍した。
【0375】
IL-2酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)
サンプルを、IL-2タンパク質濃度に応じて、REP基礎培地で15~300倍希釈した。サンプルを2通りまたは3通りのウェルにおいて測定した。データは平均±標準偏差(SD)として示されている。新鮮REP CMサンプルの、3つのバッチにおける、IL-2濃度の平均値を、第0日の濃度と表示した。1ng/mLのIL-2が16.36 IU/mLに相当するという前提で、質量濃度を単位濃度に変換した。
【0376】
培養上清中のグルコースおよび乳酸濃度の定量
サンプルをアリコート化し、グルコース-Gloおよび乳酸-Gloアッセイキットを製造業者の推奨プロトコルに従い使用して、分析した。培養上清をPBS中で1:200~1:300に希釈した。SpectraMax iD3における発光に関して、プレートを読み取った。GraphPad Prismで標準曲線を作成し、Excelにおいてサンプルの値を計算した。
【0377】
TCRレパートリー分析
G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続的使用によるPD実施のフルスケールREP増殖の前(プレREP)および後のTCRレパートリー多様性を比較するために、2名のドナー(T5101015-3およびT5101024a)からのTILのTCRベータ鎖配列決定を行った。
【0378】
GMP施設からのTILの模擬実施
2名のドナー(T5101034およびT5101035)からのプレREP TILをGMP施設において増殖させ、凍結保存した。プレREP TILのCD3+ T細胞の割合は、T5101034およびT5101035に関して、それぞれ、85.72%および90.82%であった。プレREP TILを、同じGMP施設におけるREP製造を開始する前に、それぞれ10日間および25日間、凍結保存した。REPの標準操作手順を、PD実施に基づいて開発し、エンジニアリングラン(engineering run)および模擬実施(mock run)に適用した。
【0379】
TIL模擬実施産物の特徴づけ
TIL模擬実施製造の収量をNC-200細胞カウンターでの自動細胞計数によって測定した。産物のT細胞表現型をBD FACSLyric(商標)臨床フローサイトメトリー系において表面マーカー染色およびFACSによって分析した。非特異的活性化を測定するために、凍結保存産物を解凍し、一晩回復させ、次いで1×105個の細胞を、Dynabeads(商標)ヒト(Human)T-アクチベーター(Activator)CD3/CD28(Thermo Fisher)で、1:1の割合で、200μLの最終体積において、24時間刺激した。次いで、市販キット(Thermo Fisher)を使用して、IFN-γ ELISAを行うために、細胞上清を回収した。あるいは、一晩の回復の後、2×105個の細胞を、1μg/mLの最終濃度のαCD3抗体(Miltenyi)で、200μLの最終体積において24時間刺激した。次いで、4-1BBおよびOX40を含むT細胞活性化マーカーのFACS分析のために、細胞を回収した。
【0380】
また、2名のドナー(T5101034およびT5101035)のTIL模擬実施産物を、TIL産物と自己腫瘍由来ミクロオルガノスフェア(micro-organosphere)(MOS)との共培養を含む直接機能アッセイによって特徴づけした(Dingら,Patient-derived micro-organospheres enable clinical precision oncology,Cell Stem Cell,2022,29,905-917,e906)。
【0381】
結果および分析
G-Rex(登録商標)10MとG-Rex(登録商標)100M装置との連続的使用およびTransActによるC-TIL051 PD実施
本発明者らは、まず、G-Rex(登録商標)10MとG-Rex(登録商標)100M装置との連続的使用およびTransActを用いて、10名のドナーからの10×106個のプレREP TILを使用して、REPを行った。
【0382】
REPプロセスの条件
TILのREPは十分な栄養素および高いIL-2濃度を要し、一方、乳酸のような代謝産物の蓄積はT細胞増殖を低下させうる。培地の交換/添加の前および回収時に採取した培養上清からのグルコース、乳酸およびIL-2のレベルを測定した。IL-2濃度は、細胞増殖速度に無関係に、試験した全てのサンプルに関して、全ての時点で、高レベル(>2000 IU/mL)であることが判明した(
図10、左)。培養の最初の6日間は、TILが増殖し始めるため、グルコースレベルが低下した。その後、培地を添加または交換し、これにより、培養終了時まで、ほとんどのサンプルで、グルコースレベルが約10mMに維持され(
図11)、第6日から、指数関数的な増殖が認められた(
図10、右)。グルコースの消費と一致して、乳酸が最初の6日間に培養内で蓄積し始め、その後、それは、培地の添加/交換によって、希釈され、または同様の低レベルで維持された。全体的に、培養プロセス全体を通じて、試験した全てのサンプルに関して、乳酸レベルは20mMを大きく下回っていた(
図11)。これは、以前の研究
14によると、T細胞によって十分に許容されうる。これらのデータは、本発明者らが開発したフィードスケジュールがG-Rex(登録商標)装置におけるTIL増殖の要件を満たしていることを実証した。
【0383】
G-Rex(登録商標)10MとG-Rex(登録商標)100M装置との連続的使用およびTransActによるPD実施からのTILの増殖倍率、生存率およびT細胞組成
培養後、8名のドナーからのTILは少なくとも200倍増殖した(表14)。このことはREPの成功を実証している。これらのサンプルに関して、本発明者らは712.4±292.2[95% 信頼区間(CI):468.1~956.7]の平均増殖倍率、ならびに高い細胞生存率(97.95%±1.51%)およびT細胞純度(97.43%±1.50%;表14)(全生細胞のなかのCD3+の割合によって決定されたもの)を達成した。これらのサンプルのプレREP収量は広い範囲(30×106~783×106個のTIL)を示した。したがって、プレREP TILの収量はREP収量と関連していないようであり、5000万細胞未満のプレREP収量を有する2つのサンプル(T5101002およびT5101008)は本発明者らのプロトコルで堅牢な増殖を示した(表14)。高い平均倍率の増殖を考慮すると、ここで開発されたREPプロセスはプレREP TILの中間産物の僅か10×106個を増幅して、最終REP産物の目標用量、すなわち、1×109~100×109細胞を達成すると予想される。注目すべきことに、これらの8つのサンプルはプレREP TILの出発材料中に80%を超えるCD3+ T細胞を含有していた(表14)。対照的に、低い割合のCD3+ T細胞を含有するその他の2つのプレREPサンプル(T5101005およびT5101010、CD3+ T細胞%:それぞれ、64.0%および38.7%)は、REP段階において、不十分な増殖を示した(それぞれ、17倍および167倍)。したがって、プレREP TILにおけるCD3+ T細胞の割合はTransAct媒介性REPに重要でありうる。全体として、これらのデータは、TransActが、製造規模でG-Rex(登録商標)装置を使用した場合に、NSCLC TILのREPを高い成功率で実際に支持しうることを実証した。それらの8つのサンプルの増殖の成功はまた、TransActによるREPプロセスが、照射フィーダー細胞を使用する伝統的なREPに一般に要求される2日以上の回復期間を要することなく、プレREP細胞の解凍の直後に開始されうることも実証した。
【0384】
【0385】
G-Rex(登録商標)10MとG-Rex(登録商標)100M装置との連続的使用およびTransActによるPD実施からのTILのT細胞表現型
FACS分析は、G-Rex(登録商標)10MとG-Rex(登録商標)100M装置との連続的使用によるPD実施からのREP TILが、比較的高い割合のCD8
+細胞(平均47.19%±28.56%;表14)を維持することを示した。CD4
+およびCD8
+ TILは共に、主要共刺激分子であるCD28を高レベルで発現し(それぞれ、平均83.10%±30.07%および66.03%±16.81%;
図12および表15)、それより低い度合でCD27を発現した(それぞれ、平均26.46%±20.68%および40.12%±21.15%;
図12および表15)。阻害性マーカーに関しては、両方の集団はPD-1(それぞれ、平均10.98%±12.60%および9.26%±14.03%;
図12および表15)およびLAG-3(それぞれ、平均7.46%±6.99%および28.41%±19.40%;
図12および表15)の低い発現を示したが、TIM-3(それぞれ、平均48.96%±20.70%および61.04%±18.97%;
図12および表15)の高い発現を示した。最後に、REP TILは主に、保持された増殖能力を有する細胞に特徴的である、セントラルメモリー(T
CM)細胞およびエフェクターメモリー(T
EM)細胞から構成されていた(
図12)。CD4
+およびCD8
+ TILにおけるT
CMの平均割合は、それぞれ、51.88%±26.19%および54.96%±13.82%であり、T
EMの平均割合は、それぞれ、37.81%±23.11%および29.31%±15.44%であった(表16)。
【0386】
【0387】
総合すると、G-Rex(登録商標)10MとG-Rex(登録商標)100M装置との連続的使用を用いて本発明者らが開発したTransAct REPプロセスはTIL細胞療法製品の製造に適用可能であり、これは、好ましいT細胞表現型を維持する一方で細胞用量要件を満たしている。
【0388】
G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続的使用およびTransActによるC-TIL051 PD実施
G-Rex(登録商標)10MとG-Rex(登録商標)100M装置との連続的使用によるTransAct REPプロセスは、低いプレREP収量を示すドナーに良好に機能する。本発明者らはまた、高収量のプレREP TILのための、G-Rex(登録商標)100MとXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続的使用によるTransAct REPプロセスも開発した。
【0389】
本発明者らは、3名のドナーからのプレREP TILを使用して5回のREP実施を行った。プレREP TILを1つのG-Rex(登録商標)100Mまたはその閉鎖系等価体であるG-Rex(登録商標)100M-CSに播種した後(播種細胞数の範囲:87×106~200×106)、細胞をTransActで活性化させ、G-Rex(登録商標)装置において7日間増殖させ、これは平均12倍の細胞増殖をもたらした。次いで、T5101024を除き、培養を10LのXuri(商標)Cellbagに移し、Xuri(商標)W25系で更に増殖させた。T5101024に関しては、異なるフィードスケジュールを比較するために、培養を2つの10LのXuri(商標)Cellbagに均等に分配した。
【0390】
培養条件
G-Rex(登録商標)装置におけるTIL増殖およびそれに続くXuri(商標)W25バイオリアクターにおけるTIL増殖は、異なるフィードスケジュールを要する。本発明者らが開発したフィードスケジュールの正当性を示すために、G-Rex(登録商標)(第7日)およびXuri(商標)(毎日)の培養の採取した上清からのグルコース、乳酸およびIL-2のレベルを測定した。IL-2濃度は、細胞増殖速度に無関係に、試験した全てのサンプルに関して、全ての時点で高レベル(>1000 IU/mL)であることが判明した(
図13)。
【0391】
グルコースレベルも高かったが(
図14)、乳酸は、T5101024a REPを除き、T細胞によってほぼ許容される低レベルであった。T5101024a REPはG-Rex(登録商標)培養終了時の第7日に一時的な高レベルの乳酸を示した(
図14)。このREPにおいては、新鮮なREP CMの添加の結果として、乳酸レベルは低下し、Xuri(商標)培養中に低レベルのままであり(
図14)、堅牢な細胞増殖が認められた(
図15)。これらのデータは、本発明者らが開発したフィードスケジュールがG-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)バイオリアクターとの両方におけるTIL増殖の要件を満たしていることを実証した。
【0392】
G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続的使用およびTransActによるPD実施からのTIL収量、生存率およびT細胞組成
8~12日間のXuri(商標)増殖の後、PD実施を終了した。その最小REP収量は32.4×10
9細胞であり、これは1×10
9~100×10
9の目標用量範囲に達した(平均収量55.38±21.91×10
9;
図15および表17)。最終的なREP産物は高い生存率(平均98.42%±0.08%)およびCD3
+の割合(平均97.64%±0.95%)をも維持しており、このREPプロセスの平均細胞増殖倍率は514.6±206.2である(表17)。注目すべきことに、プロセスを終了した際に増殖プラトーに到達していなかったため、これらの細胞は更に増殖する可能性を保持しており(
図15)、Xuri(商標)バイオリアクターにおける培養時間を延長することによって、平均細胞増殖倍率は更に増加しうる。同様に、急速に増殖し、早期に目標細胞数に達したサンプルに関しては、それに応じて、回収のためにREPプロセスが停止されうる。したがって、REPプロセスはTILの将来の製造時間における柔軟性をもたらす。
【0393】
【0394】
G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)W25バイオリアクターとの連続的使用およびTransActによるTIL PD実施のT細胞表現型
FACSによってT細胞表現型を分析した。それは、該新規プロセスからのREP産物が比較的高いCD8
+細胞割合を維持していることを示した(平均51.70%±25.40%;表17)。CD4
+およびCD8
+TILは共に、高レベルのCD28(それぞれ、平均77.14%±19.77%および49.26%±26.18%)、および中等度レベルのTIM-3(それぞれ、平均31.72%±18.70%および34.68%±31.40%)を発現したが、4-1BB、CD27、PD-1およびLAG-3の発現は低レベルであった(これらのマーカーに関する平均陽性率は約10%以下;
図16および表18)。また、REP産物は主にT
CMおよびT
EM細胞から構成されており(
図16)、G-Rex(登録商標)装置のみのプロセスから生成されたTILに類似した有利な表現型を有する。CD4
+およびCD8
+ TILにおけるT
CMの平均割合は、それぞれ、40.16%±19.32%および31.34%±19.88%であり、T
EMの平均割合は、それぞれ、53.50%±21.66%および48.86%±23.98%であった(表19)。
【0395】
【0396】
総合すると、本発明者らはXuri(商標)REPの最適な性能のための培養パラメータを決定した。G-Rex(登録商標)装置とXuri(商標)バイオリアクターとの連続的使用による本発明者らが開発したTransAct REPプロセスは、所望のT細胞表現型を維持しながら目標細胞用量を容易に満たしうるTIL細胞療法製品の製造に適用されうる。
【0397】
TCR配列決定によるPD実施からのTILの特徴づけ
製造規模のREP PD実施の前(プレREP)および後のレパートリー多様性を比較するために、2名のドナーからのTILのTCRベータ鎖の配列決定を行った。REP TILはその同族プレREP TILとの大きなTCR重複を示した(それぞれ、T5101015-3に関しては92%、T5101024aに関しては77%)。このことは、プレREP TILによって提示されたTCRクローンがREPプロセス後にほとんど残存していたことを示唆している。また、プレREPとREPとの各サンプルペアに関して、モリシタ指数(Morisita Index)を計算した。これは、それらの2つのサンプル間の共有クローンの数と相対的存在量との両方を考慮した相関分析である。値は0から1までの範囲であり、高い値はそれらの2つのサンプルの全体的なレパートリーの間の高い類似性を示す。また、モリシタ指数は比較的高かったが(それぞれ、T5101015に関しては0.80、T5101024に関しては0.54)、このことは再び、PD実施からのREP TILがプレREP TILのレパートリー多様性を十分に保存している可能性があることを示唆している。これはREP後の上位100個のプレREPクローンの保存およびシンプソン(Simpson)クローン性の追加解析によって更に支持されている。
【0398】
PD実施からのTILの機能特徴づけ
TIL PD実施からのREP TILの機能性に関する証拠を得るために、αCD3刺激に応答した、Xuri(商標)REP後の3名のドナーからのTILの細胞活性化およびサイトカイン分泌を調べた。3つのPD産物の全ては多機能性であり、αCD3刺激のみで大量のIFN-γ、グランザイムBおよびTNF-αを産生したが、絶対的なレベルはドナーによって様々であった。一部のドナーに関しては、IL-2の添加によって、サイトカイン産生が潜在的に増強可能であった。一貫して、CD4+集団およびCD8+集団の両方において、4-1BBおよびOX40の表面発現はαCD3刺激のみによってアップレギュレーションされ、後者の発現はIL-2の添加によって相当に増強された。これらのデータは、C-TIL051 PD実施のREP TILが、T細胞活性化シグナルに応答する機能性を保持していることを実証している。
【0399】
模擬実施からのTILの特徴づけ
前記のPD実施に基づいて、標準的な操作手順を確立した。T5101034およびT5101035のフルスケールの模擬実施をGMP施設において行った。REP産物を試験した。TIL最終産物の特徴づけは後記に示されている。
【0400】
模擬実施からのTILの収量、生存率およびT細胞組成
回収時に、両方の模擬実施からのREP収量は、高い生存率(T5101034およびT5101035に関して、それぞれ、96.5%および96.8%)で、本発明者らの目標用量である1×109~100×109細胞に達した(T5101034およびT5101035に関して、それぞれ、1.72×109および5.95×109;表20)。REP TILのCD3+割合は、T5101034およびT5101035に関して、それぞれ、86.98%および97.42%であり、そのうちの、それぞれ、30.96%および9.81%がCD8+T細胞であった(表20)。
【0401】
【0402】
模擬実施からのC-TIL051のT細胞表現型
模擬実施からのREP TIL産物のT細胞活性化マーカーおよび疲弊マーカーならびにメモリー表現型を調べた。CD4+サブセットにおいては、4-1BBの表面発現は両方のサンプルに関して最小であり(T5101034およびT5101035に関して、それぞれ、0.20%および0.87%)、一方、PD-1の表面発現は繰り返し検出された(T5101034およびT5101035に関して、それぞれ、14.56%および26.90%)(表21)。CD8+サブセットにおいては、CD4+サブセットと比較して、4-1BBの表面発現は僅かに高く(T5101034およびT5101035に関して、それぞれ、2.36%および6.13%)、一方、PD-1の表面発現は両方のサンプルにおいて低かった(約5%)(表21)。また、表現型解析は、TIL産物の両方が主にメモリー細胞から構成されており、T5101034およびT5101035に関して、ナイーブまたは幹細胞メモリー(TN/TSCM)段階では、それぞれ19.93%および22.35%であり、セントラルメモリー(TCM)段階では、それぞれ29.15%および19.72%であり、エフェクターメモリー(TEM)段階では、それぞれ37.56%および34.37%であった(表22)。エフェクター細胞(TEFF)の割合は、2つの産物に関して、それぞれ13.36%および23.56%であった(表22)。
【0403】
【0404】
模擬実施からのTILの機能特徴づけ
まず、REP TIL産物の機能特徴づけのために、IFN-γ放出アッセイを行った。抗CD3/CD28結合ダイナビーズ(Dynabeads)での一晩の刺激の後、両方の産物は大量のIFN-γを放出した(T5101034およびT5101035に関して、それぞれ、10.46fg/細胞および16.15fg/細胞;
図17)。
【0405】
また、αCD3抗体での一晩の刺激の後、REP TIL産物によるT細胞活性化マーカーの表面発現も調べた。活性化シグナルは、2つの産物のCD4
+またはCD8
+サブセットのいずれにおいても、4-1BBとOX40との両方の表面発現を強く誘導した(
図18)。
【0406】
更に、同族腫瘍試料から生成されたMOSに対する、2回のフルスケール模擬実施からのREP TILのインビトロ腫瘍殺傷効果を評価した。形態学的特徴による特徴づけ、EpCAMの免疫組織化学染色およびEpCAMとpan-サイトケラチンとの免疫蛍光染色は、T5101034およびT5101035 MOSが共に腫瘍由来であることを証明した。後続の効力アッセイにおいて、両方の産物は、より高いエフェクター対標的比(5:1および10:1;
図19)で共培養された場合にMOSを根絶することが可能であった。これは、残存するNIR680色素陽性生腫瘍細胞からの蛍光強度を測定することによって定量された。どちらの場合も、効果は僅か8時間の共培養で検出可能であり、時間の経過と共に次第に顕著になった(
図19)。重要なことに、共培養におけるHLAクラスI遮断抗体の添加はT5101034 TIL産物の殺傷効果を完全に無効にしたが、HLAクラスII遮断は効果を全く示さなかった(
図20、左)。このことは、殺傷機能が主にCD8
+T細胞によって媒介されることを示唆している。T5101035の場合には、HLAクラスIまたはクラスII遮断抗体のどちらの添加も殺傷効果を無効にすることが可能であった(
図20、右)。このことは、該殺傷機能がCD4
+およびCD8
+の両方のT細胞を要したことを示唆している。ドナーの違いにかかわらず、どちらの場合にもHLA認識に依存していることは、T5101034 TILおよびT5101035 TILの腫瘍殺傷機能が腫瘍細胞に特異的であることを実証した。
【0407】
また、第3日にTILおよびMOSの共培養(E:T=5:1)の培養上清を採取し、サイトカインアッセイを行った。TILのみの対照と比較して、TILとMOSとの共培養群は培養上清中のIFN-γおよびグランザイムAのレベルの有意な増加を示した(
図21)。T5101034 TILおよびMOS共培養上清中のグランザイムBのレベルも増加し、T5101035 TILおよびMOS共培養上清中のTNF-αのレベルも増加した(
図21)。この結果は、既に記載されているTIL腫瘍殺傷効力の結果と一致した。更に、HLAクラスI遮断抗体の添加は両方のドナーからのTILおよびMOSの共培養上清中のサイトカインレベルを劇的に減少させたが、HLAクラスII遮断抗体の添加はT5101035 TILおよびMOSの共培養上清中のサイトカインレベルを主に減少させた(
図21)。ドナーの違いにかかわらず、どちらの場合にもHLA認識に依存していることは、TILの腫瘍殺傷効果がTCRを媒介していることを実証した。総合すると、これらのデータは、模擬実施からのTILが自己腫瘍細胞の殺傷において非常に有効であることを実証した。
【0408】
結論
本発明者らは、αCD3/αCD28ナノ粒子を使用する、フィーダーを使用しないTIL REPプロセスの開発に成功した。該TIL REPプロセスはプレREP細胞の解凍の直後に開始可能である。プレREP TILの生細胞数に応じて、異なる細胞増殖装置または系[すなわち、G-Rex(登録商標)10M、G-Rex(登録商標)100M-CSおよびXuri(商標)W25バイオリアクター]がREPプロセスに使用可能であり、目標治療用量が達成されうる。TILにおいてはT細胞レパートリー多様性が保存される。TILは、所望のT細胞表現型、T細胞活性化マーカーのアップレギュレーション能力、およびT細胞活性化シグナルに応答した種々のサイトカインの産生能力をも示す。更に、模擬実施からのTILの機能特徴づけは、該産物が自己腫瘍細胞の殺傷において有効であることを実証した。
【0409】
本発明の範囲は、前記に具体的に示され記載されているものによって限定されるものではない。材料、構成、構造および寸法の記載されている例に代わる適切な代替物が存在することを、当業者は認識するであろう。本発明の記載においては、特許および種々の刊行物を含む多数の参考文献が引用され、考察されている。そのような参考文献の引用および考察は、もっぱら本発明の記載を明確にするためになされているに過ぎず、いずれの参考文献も、本明細書に記載されている本発明の先行技術であると認めるものではない。本明細書中で引用され記載されている全ての参考文献の全体を参照により本明細書に組み入れることとする。本明細書に記載されているものの変形、修飾および他の実施が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者に見出されるであろう。本発明の特定の実施形態が示されており、記載されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、変更および修飾が行われうることが、当業者に明らかであろう。前記説明に記載されている事柄は、もっぱら例示として記載されており、限定的なものとして記載されているのではない。
【国際調査報告】