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特表2025-503965拡張器係止機構を有する凝塊治療システム、並びに関連するデバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】拡張器係止機構を有する凝塊治療システム、並びに関連するデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
A61M39/10 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544437
(86)(22)【出願日】2023-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 US2023060927
(87)【国際公開番号】W WO2023154612
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】63/307,766
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518138011
【氏名又は名称】イナリ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロング, ジョシュア ギャレット
(72)【発明者】
【氏名】バークリー, ミケイラ アン
(72)【発明者】
【氏名】メリット, ベンジャミン エドワード
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066JJ04
4C066JJ10
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、拡張器係止機構を有する血管アクセスシステム、並びに関連するデバイス及び方法である。いくつかの実施形態では、拡張器係止機構は、拡張器構成要素に結合された第1のキャップと、血管アクセスシステムに結合された第2のキャップとを含む。第1のキャップは、1つ以上の係止部材を含むことができる。第2のキャップは、各々、係止部材のうちの1つに解放可能に結合されるように構成されている、1つ以上の係止特徴部を含むことができる。動作において、拡張器構成要素は、血管アクセスシステム内に挿入され得、係止部材のうちの1つ以上の少なくとも一部分は、例えば、第1のキャップと第2のキャップとを結合するように、対応する係止特徴部と位置合わせされ得、その中に挿入され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルのためのキャップアセンブリであって、前記キャップアセンブリが、
係止部材を含む第1のキャップであって、前記係止部材が、端部分と、前記端部分に近接して位置付けられたタブとを含む、第1のキャップと、
係止特徴部を含む第2のキャップであって、前記係止特徴部が、前記第2のキャップを少なくとも部分的に通って延在するスロットを含む、第2のキャップと、を備え、
前記第1のキャップが、係止位置において前記第2のキャップに固定されるように構成されており、
前記係止位置において、前記係止特徴部が、前記スロットを通して前記係止部材を受容するように構成されており、それにより、前記タブが、前記第2のキャップの一部分に係合して、前記第2のキャップに対する前記第1のキャップの移動を阻止し、
前記第1のキャップが、前記第2のキャップに対して回転して、前記タブを前記第2のキャップとの係合から外して移動させて、前記第1のキャップを前記係止位置から係止解除位置に移動させるように構成されている、キャップアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のキャップが、上部表面を含み、前記係止部材が、前記上部表面から前記上部表面に概して垂直な方向に延在し、前記係止部材の前記端部分が、前記上部表面の反対側にある、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項3】
前記タブが、前記係止部材から垂直に延在する、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項4】
前記タブが、前記第1のキャップが前記第2のキャップに結合されるとき、前記第2のキャップの少なくとも一部分に接触するように位置付けられた保持表面を画定する、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項5】
前記係止部材が、可撓性であり、前記第2のキャップが、前記第1のキャップが前記係止解除位置と前記係止位置との間で移動するとき、前記係止部材を屈曲させるように構成されている、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項6】
前記係止特徴部が、前記第1のキャップが前記第2のキャップに結合されるとき、前記係止部材の前記タブに少なくとも部分的に接触するように位置付けられた係止表面を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項7】
前記係止特徴部が、前記第1のキャップが前記係止解除位置から前記係止位置に向かって移動するとき、前記係止部材に係合し、それを偏向させるように位置付けられた角度付けられた挿入表面を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項8】
前記キャップアセンブリが、長手方向軸を含み、前記挿入表面が、前記係止部材を前記長手方向軸に向かって内向きに屈曲させるように角度付けられている、請求項7に記載のキャップアセンブリ。
【請求項9】
前記係止特徴部が、半径方向除去表面を含み、前記半径方向除去表面が、前記第1のキャップが前記第2のキャップに対して回転させられるとき、前記タブを内向きに偏向させるように角度付けられている、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項10】
前記係止特徴部が、前記スロットに近接して位置付けられ、かつ前記第1のキャップが前記第2のキャップに対して回転させられるとき、前記第1のキャップを前記第2のキャップから離れて移動させるように角度付けられた、軸方向除去表面を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項11】
前記第1のキャップが、上部表面を含み、前記係止部材が、前記上部表面から前記上部表面に垂直な方向に延在し、
前記係止部材が、可撓性であり、前記第1のキャップが前記係止解除位置と前記係止位置との間で移動するとき、偏向するように構成されており、
前記タブが、前記係止位置において前記第2のキャップの少なくとも一部分に接触するように位置付けられた保持表面を画定し、
前記係止特徴部が、
前記係止位置において前記タブの前記保持表面に少なくとも部分的に接触するように位置付けられた係止表面と、
前記係止部材と少なくとも部分的に位置合わせされるように位置付けられ、かつ前記第1のキャップが前記係止解除位置から前記係止位置に向かって移動するとき、前記係止部材を内向きに偏向させるように角度付けられた、挿入表面と、
前記係止位置において前記係止部材の前記タブに近接して位置付けられた半径方向除去表面であって、前記半径方向除去表面が、前記第1のキャップが前記係止位置から前記係止解除位置に向かって移動するとき、前記タブを半径方向内向きに移動させるように角度付けられている、半径方向除去表面と、
前記スロットに近接して位置付けられ、かつ前記第1のキャップが前記係止位置から前記係止解除位置に向かって移動するとき、前記第1のキャップを前記第2のキャップから長手方向に離れて移動させるように角度付けられた、軸方向除去表面と、を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項12】
前記係止部材が、第1の係止部材であり、前記係止特徴部が、第1の係止特徴部であり、前記第1のキャップが、1つ以上の第2の係止部材を含み、前記第2のキャップが、1つ以上の第2の係止特徴部を含み、前記第2の係止部材の個々のものが、前記係止位置において前記第2の係止部材の対応するものを受容し、固定するように構成されている、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項13】
前記係止特徴部が、回転に依存しないように構成されており、それにより、第1の方向及び前記第1の方向とは反対の第2の方向における前記第2のキャップに対する前記第1のキャップの回転が、前記タブを前記第2のキャップとの係合から外して移動させて、前記第1のキャップを前記係止位置から係止解除位置に移動させる、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項14】
血管アクセスシステムであって、
近位端及び遠位端を有する弁と、
管腔を画定し、前記弁の前記遠位端に結合されたカテーテルであって、前記カテーテルが、前記血管アクセスシステムの長手方向軸を画定する、カテーテルと、
前記弁及び前記管腔を少なくとも部分的に通って延在するように構成された拡張器と、
係止構成と係止解除構成との間で移動可能なキャップアセンブリであって、前記キャップアセンブリが、(i)前記弁の前記近位端に接続され、かつ結合特徴部を含む、弁キャップと、(ii)前記拡張器に結合され、かつ前記結合特徴部内に挿入可能な結合タブを含む、拡張器キャップとを含む、キャップアセンブリと、を備え、
前記係止構成において、前記結合特徴部が、前記結合タブが前記弁キャップの一部分に係合して前記長手方向軸に沿った前記弁に対して前記拡張器の移動を阻止するように、前記結合タブを受容するように構成されており、
前記拡張器キャップが、前記弁キャップに対して回転して、前記結合タブを前記弁キャップとの係合から外して移動させて、前記キャップアセンブリを前記係止構成から前記係止解除構成に向かって移動させるように構成されている、血管アクセスシステム。
【請求項15】
前記結合タブが、可撓性であり、前記結合特徴部が、前記キャップアセンブリが前記係止解除構成から前記係止構成に向かって移動するとき、前記結合タブを前記長手方向軸に向かって偏向させるように構成されている、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項16】
前記拡張器キャップが、前記拡張器に概して平行な方向に延在し、遠位端を有する結合部材を含み、前記結合タブが、前記結合部材の前記遠位端に近接して位置付けられている、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項17】
弁キャップが、弁キャップ長手方向軸を有し、前記結合特徴部が、前記弁キャップ長手方向軸の周りで少なくとも部分的に周方向に湾曲している、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項18】
前記結合特徴部が、前記キャップアセンブリが前記係止構成にあるとき、前記拡張器キャップの前記結合タブに少なくとも部分的に接触するように位置付けられた結合表面を含む、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項19】
前記結合特徴部が、前記キャップアセンブリが前記係止解除構成から前記係止構成に向かって移動するとき、前記結合タブを前記長手方向軸に向かって係合かつ偏向させるように位置付けられた挿入表面を含む、請求項18に記載の血管アクセスシステム。
【請求項20】
前記挿入表面が、前記結合表面から近位に位置付けられている、請求項19に記載の血管アクセスシステム。
【請求項21】
前記挿入表面が、前記結合表面に対して鋭角の内角を形成する、請求項19に記載の血管アクセスシステム。
【請求項22】
前記結合特徴部が、前記キャップアセンブリが前記係止構成から前記係止解除構成に向かって移動するとき、前記結合タブを前記長手方向軸に向かって半径方向内向きに移動させるように構成された半径方向除去表面を含む、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項23】
前記結合特徴部が、(i)前記結合タブを受容するように構成されたスロットと、(ii)前記スロットに近接して位置付けられ、前記拡張器キャップが前記弁キャップに対して回転されるとき、前記拡張器キャップを前記長手方向軸に沿って前記弁キャップから離れて移動させるように角度付けられた、軸方向除去表面と、を含む、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項24】
前記結合特徴部が、外壁と、前記外壁の左側及び右側に位置付けられた一対の半径方向除去表面とを含み、
前記係止構成において、前記結合タブが、前記一対の半径方向除去表面の間に位置付けられており、
前記拡張器キャップの前記弁キャップに対して左又は右方向における回転が、前記キャップアセンブリを前記係止構成から前記係止解除構成に向かって移動させる、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項25】
前記弁キャップが、前記弁の近位端と一体的に形成されている、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項26】
前記弁キャップが、前記弁の前記近位端に解放可能に結合されている、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項27】
血管アクセスシステムを使用する方法であって、前記方法が、
前記血管アクセスシステムの第1のキャップを前記血管アクセスシステムの第2のキャップと位置合わせすることであって、前記第1のキャップが、前記血管アクセスシステムの拡張器に結合され、前記第2のキャップが、前記血管アクセスシステムのカテーテルに結合され、前記第1のキャップを前記第2のキャップと位置合わせすることが、前記第1のキャップの係止部材において前記第2のキャップの係止特徴部と位置合わせすることを含む、ことと、
前記第1のキャップを前記第2のキャップに結合して、前記拡張器が前記血管アクセスシステムの前記カテーテルに対して移動するのを阻止することであって、前記第1のキャップを前記第2のキャップに結合することが、前記係止部材を前記係止特徴部内に挿入し、それにより、前記係止特徴部が、前記係止部材を前記係止特徴部の係止表面を越えて駆動することを含み、前記係止表面が、前記係止部材に係合して、前記第1のキャップの前記第2のキャップに対する長手方向移動を阻止するように構成されている、ことと、を含む、方法。
【請求項28】
前記第1のキャップを前記第2のキャップに結合することが、前記拡張器を少なくとも部分的に前記カテーテル内に位置付けることを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のキャップを前記第2のキャップに結合することが、前記拡張器を前記カテーテルを通して完全に挿入することを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のキャップの前記係止部材を前記第2のキャップの前記係止特徴部と位置合わせすることが、前記係止部材のタブを前記係止特徴部の挿入表面と位置合わせすることを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のキャップを前記第2のキャップに向かって移動させることが、(i)前記係止部材の前記タブを前記係止特徴部の前記挿入表面に接触させるように位置付けることと、(ii)前記タブを偏向させるように前記挿入表面を横切って前記タブを並進させることと、を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のキャップを前記第2のキャップに結合した後に、前記第1のキャップを前記第2のキャップに対して回転させて、前記第1のキャップを前記第2のキャップから切り離すことを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のキャップを回転させることが、前記係止部材の少なくとも一部分を前記係止特徴部の半径方向除去表面を横切って並進させることを含み、前記半径方向除去表面が、前記第1のキャップが前記第2のキャップに対して回転させられるとき、前記係止部材を偏向させるように角度付けられている、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のキャップを回転させることが、前記第1のキャップを前記第2のキャップから長手方向に離れて移動させることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第1のキャップを前記第2のキャップから離れて移動させることが、前記係止部材を前記係止特徴部の軸方向除去表面を横切って並進させることを含み、前記軸方向除去表面が、前記係止部材が前記軸方向除去表面を横切って並進するにつれて、前記第1のキャップを前記第2のキャップから離れて移動させるように角度付けられている、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のキャップを前記第2のキャップに対して回転させて、前記第1のキャップを前記第2のキャップから切り離すことが、前記第1のキャップを第1の方向又は前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、前記第1のキャップを前記第2のキャップから切り離すことを含む、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月8日に出願され、「CLOT TREATMENT SYSTEMS WITH DILATOR LOCKING MECHANISMS,AND ASSOCIATED DEVICES AND METHODS」と題された米国特許仮出願第63/307,766号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、概して、拡張器をカテーテルに解放可能に係止して、患者の皮膚、組織、及び脈管構造を通したそれらのジョイントナビゲーションを促進するための係止機構を含む、凝塊治療システムなどの血管アクセスシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
血栓症は、循環系の一部における血液の局所的な凝結又は凝固であり、血栓は、血管系内でその場で形成される血餅である。静脈血栓は、静脈内に形成される血餅である。一般的な種類の静脈血栓症は、深部静脈血栓症(deep vein thrombosis、DVT)であり、これは、深部静脈内(例えば、主に脚内)での血餅の形成である。血栓症の非特異的徴候には、疼痛、腫脹、発赤、温感、及び充血した表在性静脈が含まれ得る。
【0004】
血栓が壊れ(塞栓形成し)、肺に向かって流れると、それは、生命を脅かす肺塞栓症(pulmonary embolism、PE)(例えば、肺における血餅)になる可能性がある。PEから生じる可能性がある生命の喪失に加えて、DVTは、血栓後症候群などの著しい健康課題を引き起こす可能性があり、これは、慢性腫脹、圧迫、疼痛、並びに弁及び血管の損傷による潰瘍を引き起こす可能性がある。更に、DVTは、関連する合併症の治療及び患者が働くことができないことを通じて、直接的又は間接的に、著しい医療費をもたらす可能性がある。
【0005】
DVT及びPEを治療するための既存の方法は、多くの場合、静脈アクセス経路に沿ってなど、患者の脈管構造を通して前進させられるカテーテルシステムを用いて、DVT又はPEを治療することを伴う。そのようなカテーテルシステム、特に大きなサイズ(例えば、16フレンチよりも大きい)を有するものは、多くの場合、カテーテルを通して挿入され、カテーテルが標的治療部位にナビゲートされる間に脈管構造を拡張するために使用される、拡張器構成要素を含む。同様に、そのようなシステムは、DVT及びPEカテーテルシステムが脈管構造に容易にアクセスするために横切ることができる再密封可能なアクセスポイントとして作用する導入器シースと併せて使用されることが多い。導入器シースは、安定した管を提供し、アクセス部位でのデバイスの過度の操作を防止し、その中に関心のある拡張器構成要素とともに皮膚及び組織管を通して挿入されることができる。
【0006】
しかしながら、脈管構造を通してカテーテルを前進させる間、拡張器構成要素及び/又はカテーテルは、患者の脈管構造からかなりの力又は抵抗を受ける可能性がある。同様に、導入器シースの挿入中、拡張器構成要素及び/又は導入器シースは、患者の皮膚及び組織からかなりの力又は抵抗を受ける可能性がある。いくつかの事例では、拡張器構成要素に対する力は、拡張器構成要素をカテーテル/導入器シース内で後退又は後方摺動させる可能性がある。拡張器が十分に後退する場合、カテーテル/導入器シースの縁が露出される可能性があり、患者の経皮アクセス部位又は脈管構造に損傷を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術は、概して、拡張器係止機構を有する血管アクセスシステム、並びに関連デバイス及び方法を対象とする。以下に詳細に説明される実施形態のうちのいくつかでは、拡張器係止機構は、拡張器に結合された第1のキャップと、例えば、凝塊治療システムのカテーテル(例えば、吸引カテーテル、導入器/アクセスシース)に結合される第2のキャップとを含む。第1のキャップは、1つ以上の係止部材を含むことができ、第2のキャップは、係止部材のうちの1つ以上に対応する1つ以上の係止特徴部を含むことができる。係止部材(第1のキャップ)の各々は、例えば、第1のキャップを第2のキャップに結合するために、対応する係止特徴部(第2のキャップ)と位置合わせされ、その中に少なくとも部分的に挿入されることができる。第1のキャップが拡張器に結合されるので、結合されたときの第1のキャップと第2のキャップとの間の相互作用は、拡張器をカテーテルに対して固定して、拡張器がカテーテルに対して近位及び/又は遠位に移動するのを阻止又は防止さえすることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、係止特徴部は、係止部材がその中に挿入されるとき、係止部材を係止位置に偏向させるように構成されている。これら及び他の実施形態では、第1のキャップを第2のキャップに対して回転させて(かつ/又は第2のキャップを第1のキャップに対して回転させて)、係止部材を係止位置から係止解除位置に移動させて、拡張器係止機構を切り離し、拡張器が血管アクセスシステムのカテーテルに対して移動することを可能にすることができる。
【0009】
現在の拡張器係止機構は、関連する拡張器と血管アクセスシステムとの間の直接接続を伴い得る。例えば、そのような係止機構は、拡張器が凝塊治療システムを通して完全に前進させられ、次いで、拡張器を固定するように回転させられることを要求し得る。この種の機構では、拡張器が(i)凝塊治療システム内に完全に挿入され、固定されている状況と、(ii)凝塊治療システム内に完全に挿入されているが固定されていない状況との間で、操作者が(例えば視覚的に)区別することが困難な場合がある。これらの現在の機構とは対照的に、本技術の拡張器係止機構は、凝塊治療システムの近位端に、又はその近傍に位置することができ、それにより、凝塊治療システムのユーザ(例えば、医師)は、第1及び第2のキャップを容易に観察して、第1及び第2のキャップの相対位置及び/又は位置合わせを観察することによって、拡張器が凝塊治療システムに固定されているかどうかを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本技術の多くの態様は、以下の図面を参照してよりよく理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも縮尺通りではない。むしろ、本開示の原理を明確に例示することに重点が置かれている。
図1図1は、キャップアセンブリを含み、本技術に従って構成された血管アクセスシステムの部分概略側面図である。
図2A図2A~2Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの部分分解等角図、側断面図、及び拡大図である。
図2B図2A~2Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの部分分解等角図、側断面図、及び拡大図である。
図2C図2A~2Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの部分分解等角図、側断面図、及び拡大図である。
図3A図3A~3Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの第1のキャップの斜視図、断面図、及び底面図である。
図3B図3A~3Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの第1のキャップの斜視図、断面図、及び底面図である。
図3C図3A~3Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの第1のキャップの斜視図、断面図、及び底面図である。
図4A図4A~4Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの第2のキャップの斜視図、断面図、及び底面図である。
図4B図4A~4Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの第2のキャップの斜視図、断面図、及び底面図である。
図4C図4A~4Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの第2のキャップの斜視図、断面図、及び底面図である。
図5A図5Aおよび5Bは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの底面図である。
図5B図5Aおよび5Bは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの底面図である。
図6A図6A~6Cは、本技術の追加の実施形態による、それぞれ第2のキャップの上面図である。
図6B図6A~6Cは、本技術の追加の実施形態による、それぞれ第2のキャップの上面図である。
図6C図6A~6Cは、本技術の追加の実施形態による、それぞれ第2のキャップの上面図である。
図7図7は、本技術の追加の実施形態による、第2のキャップの上面図である。
図8図8は、本技術の実施形態による、キャップ係止弁の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の詳細が以下の説明及び図1図8に記載されている。他の例では、本技術の様々な実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、血管内処置、凝塊除去処置、カテーテルなどにしばしば関連付けられる周知の構造、材料、動作、及び/又はシステムは、以下の開示において詳細に示されず、説明されない。しかしながら、当業者は、本技術が、本明細書に記載される詳細のうちの1つ以上を伴わずに、かつ/又は他の構造、方法、構成要素などを伴って、実施され得ることを認識するであろう。
【0012】
以下に使用される用語は、本技術の実施形態の特定の例の詳細な説明と併せて使用されている場合であっても、その最も広い妥当な様態で解釈されるべきである。現に、特定の用語は、以下に強調されることさえあり得る。しかしながら、任意の限定された様態で解釈されることが意図される任意の用語は、この詳細な説明のセクションにおいてそのように明白かつ具体的に定義されるであろう。
【0013】
添付の図は、本技術の実施形態を描写しており、明示的に示されない限り、その範囲を限定することを意図していない。様々な描写される要素のサイズは、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、これらの様々な要素は、読みやすさを改善するために拡大され得る。構成要素の詳細は、そのような詳細が本技術の創造及び使用方法の完全な理解のために不要であるとき、構成要素の位置及びそのような構成要素間の特定の正確な接続などの詳細を除外するために、図において抽象化され得る。図に示される詳細、寸法、角度、及び他の特徴の多くは、本開示の特定の実施形態の単なる例示である。したがって、他の実施形態は、本技術から逸脱することなく、他の詳細、寸法、角度、及び特徴を有することができる。加えて、当業者は、本技術の更なる実施形態が、以下に説明される詳細のうちのいくつかを伴わずに実施することができることを理解するであろう。
【0014】
本説明内の「遠位」及び「近位」という用語に関して、別段の指定がない限り、これらの用語は、操作者及び/又は脈管構造内の場所に対するカテーテルサブシステムの部分の相対位置を指すことができる。また、本明細書で使用される場合、「後方」、「前方」、「上方」、「下方」などの指定は、参照された構成要素を特定の向きに限定することを意味しない。そのような指定は、図に例示されるような参照される構成要素の配向を指すことが理解されるであろう。本技術のシステムは、ユーザに好適な任意の配向で使用され得る。
【0015】
図1は、本技術の実施形態に従って構成された血管アクセスシステム100(「システム100」)の部分概略側面図である。システム100はまた、吸引アセンブリ、凝塊治療システム、凝塊除去システム、血栓除去システム、導入器シースアセンブリ、及び/又は同等物と称されることもできる。図示された実施形態では、システム100は、弁102を介してカテーテル120に流体結合された管類アセンブリ110を含む。いくつかの実施形態では、カテーテル120は、患者の脈管構造の中に、かつそれを通して挿入され、例えば、その中の凝塊材料を治療するために使用されるように構成された、細長い部材である。他の実施形態では、カテーテル120は、他の構成要素(例えば、凝塊材料を治療するために使用された他のカテーテル)が横切って脈管構造に容易にアクセスすることができるアクセス部位を提供するために、患者の皮膚及び組織管を通して挿入されるように構成された導入器シースであることができる。したがって、「カテーテル120」と称されるが、カテーテル120は、導入器シース、アクセスシース、並びに/又は皮膚及び組織管を通して挿入されるように、かつ/若しくは患者の脈管構造を横切るように構成された別のタイプの細長い部材を含むことができる。概して、システム100は、(i)2019年8月8日に出願され、全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SYSTEM FOR TREATING EMBOLISM AND ASSOCIATED DEVICES AND METHODS」と題される米国特許出願第16/536,185号において詳細に記載される凝塊治療システムのものと概して類似若しくは同一の特徴を含むことができ、かつ/又は(ii)そこに詳細に記載される方法のうちのいずれかを使用して、患者(例えば、ヒト患者)から凝塊材料を治療/除去するために使用されることができる。
【0016】
図示された実施形態では、カテーテル120は、近位領域又は部分122と、近位領域122の反対側の遠位先端領域又は部分124とを含む。カテーテル120は、近位領域122から遠位先端領域124まで完全に貫通して延在する管腔121(図1で破線で示されている)を更に画定する。管腔121及び/又はカテーテル120は、システム100の長手方向軸Xを少なくとも部分的に画定することができる。近位領域122は、カテーテル120の近位終端126を含むことができ、遠位先端領域124は、カテーテル120の遠位終端128を含むことができる。
【0017】
弁102は、カテーテル120の管腔121に流体結合され、カテーテル120の近位領域122と一体化されるか、又はそれに結合され得、それにより、これらの構成要素は一緒に動く。いくつかの実施形態では、弁102は、拡張器、送達シース、引張部材、ガイドワイヤ、介入デバイス、他の吸引カテーテルなどの様々な構成要素が弁102を通して挿入されて、カテーテル120を通して血管における治療部位に送達される際に、弁102を通した近位方向Pへの流体流動を防止することによって、凝塊除去処置の間、止血を維持するように構成されている、止血弁である。図示された実施形態では、例えば、拡張器130が弁102を通して挿入され、カテーテル120内に位置付けられる。弁102は、カテーテル120の管腔121を管類アセンブリ110に流体結合するように構成された分岐又はサイドポート106を含む。いくつかの実施形態では、弁102は、2018年8月30日に出願され、「HEMOSTASIS VALVES AND METHODS OF USE」と題される米国特許出願第16/117,519号に開示されるタイプの弁であることができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
図示された実施形態では、管類アセンブリ110は、カテーテル120をシリンジなどの圧力源108に流体結合する。圧力源108は、真空(例えば、負の相対圧力)を生成し(例えば、形成し、生じさせ、充填し、蓄積し)、その後のカテーテル120への印加のために(例えば、拡張器130が、カテーテル120から取り外された後)真空を蓄えるように構成され得る。管類アセンブリ110は、管類アセンブリ110を圧力源108及び/又は他の適した構成要素に流体結合するための、1つ以上の管類セクション112(第1の管類セクション112a及び第2の管類セクション112bとして個々に標識される)と、少なくとも1つの流体制御デバイス114(例えば、弁)と、少なくとも1つのコネクタ116(例えば、Toomey先端部コネクタ)とを含むことができる。いくつかの実施形態では、流体制御デバイス114は、(i)第1の管類セクション112aを介して弁102のサイドポート106、及び(ii)第2の管類セクション112bを介してコネクタ116に流体結合される活栓である。流体制御デバイス114は、そこを通る、具体的にはカテーテル120の管腔121から圧力源108への流体の流れを調整するために、ユーザによって外部から操作可能である。いくつかの実施形態では、コネクタ116は、カテーテル120及び流体制御デバイス114の圧力源108への/からの迅速な結合/分離を有効にするクイックリリースコネクタ(例えば、クイックディスコネクト取付具)である。
【0019】
図示された実施形態では、拡張器130は、弁102を通して遠位方向Dに挿入され、管腔121を完全に通し、かつカテーテル120の遠位終端128を越えて延在し、それにより、拡張器130の遠位先端部132(例えば、非外傷性先端部)がカテーテル120の遠位終端128を越えて位置付けられる。拡張器130及びシステム100は、凝塊治療処置中に患者(例えば、ヒト患者)に挿入され得るカテーテル又は導入器アセンブリ101を一緒に画定することができる。例えば、拡張器130及びシステム100は、患者の血管内に挿入され、血管内の標的の場所まで患者の血管を通して一緒に前進させられ得る。拡張器130は、次いで、システム100を通して近位に(例えば、近位方向Pに)後退させられて、他の血管内医療デバイスが、システム100を介して患者の中に導入されること、及び/又はカテーテル120の吸引を可能にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、システム100及び/又はカテーテルアセンブリ101は、2019年8月8日に出願され、「SYSTEM FOR TREATING EMBOLISM AND ASSOCIATED DEVICES AND METHODS」と題された米国特許出願第16/536,185号に開示される凝塊除去処置のうちのいずれかで使用することができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
カテーテルアセンブリ101は、拡張器130をシステム100に解放可能に結合かつ固定するように構成された係止機構又はキャップアセンブリ140(係止キャップアセンブリ、拡張器係止機構、拡張器結合機構及び/又は同等物とも呼ばれ得る)を含むことができる。キャップアセンブリ140は、拡張器130を弁102及びカテーテル120に係止して、カテーテルアセンブリ101が患者の脈管構造を通して前進させられるとき、拡張器130がカテーテル120内で近位方向P及び/又は遠位方向Dに移動することを阻止又は防止さえすることができる。より具体的には、例えば、キャップアセンブリ140は、カテーテルアセンブリ101が患者の脈管構造を通して前進させられるとき、拡張器130の遠位先端部132がカテーテル120の遠位終端128に向かって近位に移動することを阻止又は防止することさえできる。
【0021】
図示された実施形態では、キャップアセンブリ140は、(i)遠位先端部132の反対側の拡張器130に結合されるか、若しくはそれと一体的に形成された(例えば、結合要素又はルアーコネクタ134を介して)、第1の又は近位キャップ150と、(ii)弁102の近位部分104に結合された第2又は遠位キャップ160とを含む。第1のキャップ150は、第2のキャップ160に解放可能に結合/係止され得る。したがって、拡張器130をカテーテル120に挿入することは、第1のキャップ150を第2のキャップ160に向かって移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のキャップ150は、拡張器130がシステム100内に完全に着座されるとき、拡張器130を弁102に係止するために、第2のキャップ160と噛み合わせすることができる。本技術のいくつかの態様では、ユーザは、キャップアセンブリ140を視認することによって、拡張器130の状態(例えば、拡張器130がカテーテル120内にどのくらい挿入されているか、かつ/又は拡張器130がシステム100に固定されているかどうか)を容易に判定することができる。キャップアセンブリ140を含む本技術のキャップアセンブリに関する更なる詳細は、図2A図8を参照して以下に詳細に考察される。
【0022】
凝塊治療処置中、カテーテルアセンブリ101は、拡張器130を弁102及びカテーテル120に係止するキャップアセンブリ140を用いて、患者の脈管構造を通して(例えば、アクセス部位を提供するために患者の皮膚及び組織を横切る導入器シースを通して)挿入することができる。カテーテル120が、患者内の凝塊材料(例えば、肺塞栓症、深部静脈血栓症)に対して所望の位置に位置付けられると、キャップアセンブリ140を係止解除し、拡張器130をカテーテル120から引き抜くことができる。次に、ユーザは、例えば、コネクタ116に結合されたシリンジのプランジャを引き戻すことによって、圧力源108内に真空を生成する前に、最初に流体制御デバイス114を閉じることができる。このようにして、真空は、圧力源108がカテーテル120の管腔121に流体接続される前に、圧力源108内に充填される(例えば、負圧が維持される)。カテーテル120の管腔121を吸引するために、ユーザは、圧力源108をカテーテル120に流体接続するために、流体制御デバイス114を開放し、それによって、圧力源108において蓄積された真空をカテーテル120の管腔121に印加又は解放することができる。流体制御デバイス114の開放は、蓄積された真空圧を管類アセンブリ110及びカテーテル120に瞬間的又はほぼ瞬間的に印加し、それによって、カテーテル120全体を通して吸込パルスを生成し、それは、凝塊材料をカテーテル120内に吸引することができる。特に、吸込は、カテーテル120の遠位先端領域124に印加されて、カテーテル120の管腔121内に遠位先端領域124に近接する凝塊材料の少なくとも一部分を吸い込む/吸引する。他の実施形態では、カテーテル120が導入器シースである場合、導入器アセンブリ101を、他の医療器具のためのアクセスポイントを提供するように、患者の皮膚及び組織を通して部分的に血管内に挿入することができる。
【0023】
図2Aは、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリ140の部分分解等角図である。図示された実施形態では、キャップアセンブリ140は、拡張器130が弁102及びカテーテル120に対して自由に移動するように(図1)、第1のキャップ150が第2のキャップ160に固定されていない係止解除位置にある。第1のキャップ150は、長手方向軸Xに平行又は概して平行な方向に(例えば、下方に、遠位に、かつ/又は第2のキャップ160に向かって)延在する1つ以上の結合又は係止部材252を含むことができる。図示された実施形態では、第1のキャップ150は、第1のキャップ150の対向する側に(例えば、180度離れて)位置付けられた係止部材252のうちの2つ(係止部材252のうちの1つは、図2Aでは隠れている)を含む。第2のキャップ160は、長手方向軸Xの周りで少なくとも部分的に第2のキャップ160を通って延在する1つ以上の結合又は係止特徴部262を含むことができる。図示された実施形態では、係止部材252は突起であり、係止特徴部262は対応する溝又は開口部である。他の実施形態では、第1のキャップ150は、より多くの又はより少ない係止部材252を含むことができ、かつ/又は第2のキャップ160は、より多くの若しくはより少ない係止特徴部262を含むことができる。例えば、第1のキャップ150は、係止部材252のうちの1つ又は2つよりも多くを含むことができ、第2のキャップ160は、同じ数の係止特徴部262を含むことができる。図示された実施形態では、第1のキャップ150及び第2のキャップ160は、円形形状を有する。他の実施形態では、第1のキャップ150及び/又は第2のキャップ160は、三角形の、正方形の、長方形の、直線構成の、曲線構成の、又は任意の他の好適な形状を有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、第1のキャップ150及び第2のキャップ160は、同じ形状を有することができる。他の実施形態では、第1のキャップ及び第2のキャップは、異なる形状を有することができる。
【0024】
係止部材252の各々は、比較的可撓性であり、弾性又は概して弾性の変形を受けるように構成することができる。追加的に、係止特徴部262の各々は、第1のキャップ150の第2のキャップ160への係止/結合を容易にするために、対応する係止部材252を内向きに(長手方向軸Xに向かって)屈曲又は偏向させるように構成(例えば、形状化及びサイズ化)され得る。図示された実施形態では、係止特徴部262の個々のものは、係止部材252のうちの対応するものを解放可能に受容するように構成される(例えば、形状化、サイズ化、位置付けられる)。一般に、第1のキャップ150を第2のキャップ160に固定する(例えば、結合する、係止する)ために、係止部材252は、対応する係止特徴部262と少なくとも部分的に位置合わせされ得、その中に挿入され得る。いったん挿入されると、係止部材252の外向きの付勢は、係止部材252を対応する係止特徴部262(及び/又は弁102の別の部分)に係合させて、第1のキャップ150を第2のキャップ160に固定させることができる。いくつかの実施形態では、係止部材252を対応する係止特徴部262と位置合わせさせることは、第1のキャップ150を第2のキャップ160に対して(例えば、長手方向軸Xを中心に)回転させることを含むことができる。
【0025】
動作において、拡張器130を弁102及びカテーテル120に挿入することは、第1のキャップ150を第2のキャップ160に向かって移動させることを含む。弁102を通して拡張器130を移動させる間、ユーザは、係止部材252の個々のものが係止特徴部262の対応するものと少なくとも部分的に位置合わせされるように、第1のキャップ150を回転させることができる。係止部材252及び対応する係止特徴部262がこの配向にある状態で、ユーザは、第1のキャップ150を第2のキャップ160と接触させて、係止部材252を対応する係止特徴部262内に挿入し、第1のキャップ150を第2のキャップ160に固定することができる。
【0026】
より具体的に、図2Bは、本技術の実施形態による、図2Aのキャップアセンブリ140の側断面図である。図2Cは、本技術の実施形態による、図2Bの領域2Cの拡大図である。キャップアセンブリ140は、図2B及び図2Cでは係止位置にあり、第1のキャップ150は、第2のキャップ160に固定されており、それにより、拡張器130は、弁102及びカテーテル120(図1)に対して定位置に係止されている。図2B及び図2Cを一緒に参照すると、第2のキャップ160の係止特徴部262の各々は、第1の又は内壁263と、内壁263から半径方向に離間した第2の又は外壁265とによって少なくとも部分的に画定されたチャネル又はスロット264を含むことができる。図2B及び図2Cに示す係止位置では、係止部材252は、対応する係止特徴部262内に挿入されており、それにより、係止部材252の少なくとも一部分は、内壁263と外壁265との間の対応する係止特徴部262のスロット264内に位置付けられている。
【0027】
図2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第2のキャップ160は、拡張器130が第2のキャップ160を通過することを可能にするようにサイズ化され、位置付けられ、かつ/又は別様に構成された、開口部261を含む。第1のキャップ150は、拡張器130に固定され、拡張器130を受容するように構成された開口部251と、接続された又は一体化されたルアーコネクタ134とを含むことができる。図示された実施形態では、例えば、開口部251は、1つ以上のルアー結合部材253によって少なくとも部分的に画定される。ルアー結合部材253の各々は、係止部材252のうちの1つ以上に対して半径方向内向きに位置付けられることができる。追加的に、ルアー結合部材253の各々は、概して可撓性であり、弾性又は概して弾性の変形を受けるように構成され得る。ルアーコネクタ134は、第1の又は遠位フランジ236と、遠位フランジ236に対向し、かつそこから離間された、第2の又は近位フランジ238とを含むことができる。拡張器130及びルアーコネクタ134は、開口部251を通して挿入することができ、それにより、遠位フランジ236は、ルアー結合部材253の個々のものに接触して、ルアー結合部材253をルアーコネクタ134から離れて半径方向外向きに屈曲又は偏向させる。遠位フランジ236が、ルアー結合部材253を越えて遠位に移動すると、ルアー結合部材253は、図2Bに示すように、元の(例えば、曲がっていない)構成に戻ることができる。ルアーコネクタ134及びルアー結合部材253が図2Bに示されるそれぞれの位置にある状態で、第1のキャップ150の少なくとも一部分(例えば、ルアー結合部材253)は、拡張器130を第1のキャップ150に固定するために、遠位フランジ236と近位フランジ238との間に位置付けられ得る。他の実施形態では、拡張器130は、他の様態で第1のキャップ150に固定することができる。
【0028】
図2Cを参照すると、第2のキャップ160内の係止特徴部262の各々は、第1の表面266(近位表面、偏向表面、傾斜表面、及び/又は挿入表面とも称され得る)と、第2の表面268(遠位表面、保持表面、及び/又は係止表面とも称され得る)とを更に含むことができる。第2の表面268は、外壁265から内壁263に向かって、内壁及び/又は外壁263、265に対して垂直又は概して垂直な内向き方向に延在することができる。第1の表面266は、例えば、第2の表面268と鋭角の内角を形成するように、第2の表面268から傾斜して上方に、かつ内壁263から離れて延在することができる。他の実施形態では、第1及び第2の表面266、268は、外壁265に対向する内壁263上に位置付けられることができるか、又は任意の他の好適な構成を有することができる。
【0029】
係止部材252の各々は、タブ254を含むことができる。各タブ254は、関連する係止部材252の遠位端に、又はその近傍に位置付けられることができる。図示された実施形態では、タブ254は、関連する係止部材252から外向きに、かつ/又は垂直に(例えば、外壁265に向かって)延在する。他の実施形態では、タブ254のうちの1つ以上は、関連する係止部材252から内向きに(例えば、内壁263に向かって)、又は任意の他の好適な方向に延在することができる。タブ254は、停止又は保持表面256を画定することができる。図2Cに示されるように、第1のキャップ150が第2のキャップ160に結合されるとき、保持表面256は、第2の表面268と少なくとも部分的に位置合わせされ、かつ/又はそれと平行である。保持表面256を第2の表面268と位置合わせすることにより、第1のキャップ150が第2のキャップ160に対して(例えば、上方及び/又は近位方向に)移動することを防止又は少なくとも部分的に防止することができ、これにより、第1のキャップ150及び第2のキャップ160を互いに結合又は「係止」することができる。図2Cでは、保持表面256及び第2の表面268は、説明のために離間して示されており、当業者であれば、他の実施形態では、保持表面256の少なくとも一部が第2の表面268の少なくとも一部に接触して、第1のキャップ150が第2のキャップ160に対して移動するのを防止するか、又は少なくとも部分的に防止することができることを理解するであろう。
【0030】
図2A図2Cを一緒に参照すると、拡張器130を弁102に結合するために、ユーザは、タブ254が第2のキャップ160のスロット264と少なくとも部分的に位置合わせされ、かつ/又は対応する係止特徴部262の第1の表面266に接触するように、第1のキャップ150の係止部材252を位置付けることができる。次いで、ユーザは、第1のキャップ150を第2のキャップ160に向かって移動させて、タブ254を対応する第1の表面266に沿って第1の方向D1に内向きに並進させることができる(図2C;例えば、図2Aの長手方向軸Xに向かって)。第1の方向D1におけるタブ254の移動は、係止部材252において対応する屈曲又は偏向を引き起こすことができる。第1のキャップ150を第2のキャップ160に向かって移動させ続けると、タブ254を対応する第1の表面266を越えて移動させることができ、第1の表面266を一度通過すると、係止部材252は、第2の方向D2に移動することができ(図2C;例えば、図2Aの長手方向軸Xから離れて)、これは、第1の方向D1とは反対の方向である。第2の方向D2における係止部材252の移動は、係止部材252の弾性又は概して弾性の変形特性に少なくとも部分的に起因し得る。係止部材252が第2の方向D2に移動すると、保持表面256の各々は、対応する係止特徴部262の第2の表面268と少なくとも部分的に位置合わせされて、第1のキャップ150及び第2のキャップ160を固定することができる。すなわち、タブ254は、対応する第2の表面268を越えて前進させられ、その背後で内向きにスナップ留めされることができ、これは、例えば、本明細書で前述したように、タブ254及び第1のキャップ150を係止位置に保持する。
【0031】
図3A図3Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、第1のキャップ150の斜視図、断面図、及び底面図である。図3A図3Cを一緒に参照すると、第1のキャップ150は、長手方向軸Yを有することができ、第1のキャップ150が、弁102及びカテーテル120(図1)に結合されるとき、長手方向軸Yは、長手方向軸X(図1及び図2A)と同じである(例えば、同一直線上にある)ことができる。図示された実施形態では、第1のキャップ150は、長手方向軸Yに対して左右対称及び/又は半径方向に対称である。他の実施形態では、第1のキャップ150は、任意の他の対称性を有するように、かつ/又は非対称であるように構成することができる。図3Bを参照すると、係止部材252の各々は、少なくとも第1の方向D1に偏向可能であり得る(例えば、長手方向軸Yから外向きに、かつ/又は離れて)。ルアー結合部材253の各々は、係止部材252と比較して反対方向に偏向可能であり得る(例えば、少なくとも第2の方向D2に)。係止部材252及び/又はルアー結合部材253の各々は、第1のキャップ150の上部表面357から離れるように(例えば、下向きに、かつ/又は長手方向軸Yに平行若しくは概して平行な方向に)延在することができる。図3Cを参照すると、係止部材252及び/又はルアー結合部材253の各々は、湾曲又は弓状であり、長手方向軸Yの周りに少なくとも部分的に延在することができる。少なくともいくつかの実施形態では、係止部材252及び/又はルアー結合部材253のうちの1つ以上の湾曲は、開口部251と同心である。
【0032】
図4A図4Cは、それぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリ140の第2のキャップ160の斜視図、断面図、及び底面図である。図4A図4Cを一緒に参照すると、第2のキャップ160は、長手方向軸Zを有することができ、第2のキャップ160が、弁102及びカテーテル120(図1)に結合されるとき、長手方向軸Zは、長手方向軸X(図1及び図2A)と同じである(例えば、同一直線上にある)ことができる。追加的に、第1のキャップ150(図1図3C)が第2のキャップ160に結合されるとき、長手方向軸Zは、長手方向軸Y(図3A図3C)と同じである(例えば、同一直線上にある)ことができる。係止特徴部262の各々及び/又はその要素(例えば、スロット264、第1の表面266、など)のうちの1つ以上は、湾曲又は弓状であり、長手方向軸Zの周りに少なくとも部分的に延在することができる。
【0033】
図4A及び図4Bを一緒に参照すると、係止特徴部262の各々は、軸方向除去表面470を含むことができる。軸方向除去表面470の各々は、スロット264に隣接し、スロット264の端壁469に対向し、少なくとも部分的に第1の表面266と内壁263との間にあることができる。追加的に、軸方向除去表面470の各々は、上向きに(例えば、長手方向軸Zに沿って、かつ/又は第2のキャップ160の上部表面467に向かって)傾斜することができる。したがって、図5A及び図5Bを参照して以下に詳細に説明するように、係止部材252がスロット264内に位置付けられるとき、軸方向除去表面470は、係止部材252を軸方向及び/又はそれに沿って上方に駆動することができる。
【0034】
図4Cを参照すると、係止特徴部262の各々は、半径方向除去表面472を更に含むことができる。半径方向除去表面472の各々は、関連するスロット264内に少なくとも部分的に位置付けられ、関連する第2の表面268から(例えば、下向きに、遠位に)延在することができる(図4Cに示される視点から、半径方向除去表面472は、ページから離れて閲覧者に向かって延在する)。追加的に、半径方向除去表面472の各々は、外壁265及び/又は内壁263に対して角度付けられ得る。図示された実施形態では、例えば、半径方向除去表面472の各々は、外壁265から離れて内壁263及び/又は長手方向軸Zに向かって内向きに延在する。したがって、図5A及び図5Bを参照して以下に詳細に説明するように、係止部材252がスロット264内に位置付けられて半径方向除去表面472と接触すると、半径方向除去表面472は、係止部材252をそれに沿って内方に駆動することができる。
【0035】
スロット264は、スロット端壁469及び軸方向除去表面470によって少なくとも部分的に画定されるスロット寸法Sを有することができる。スロット寸法Sは、角度、弧長、又は任意の他の好適な寸法であり得る。係止部材252は、スロット264の長さに沿って挿入することができるので、スロット寸法Sの増加は、第1のキャップ150を第2のキャップ160と位置合わせする困難さを低減することができる。追加的に又は代替的に、スロット寸法Sは、第1のキャップ150が第2のキャップ160に少なくとも部分的に結合される間に回転することができる量を少なくとも部分的に画定することができる。例えば、相対的に高いスロット寸法(例えば、より長い弧長)は、第1のキャップ150の相対的に増加した回転角度に対応することができ、相対的に低いスロット寸法は、第1のキャップ150の相対的に減少した回転角度に対応することができる。
【0036】
図5A及び図5Bはそれぞれ、本技術の実施形態による、図1のキャップアセンブリの底面図である。図5Aでは、キャップアセンブリ140は、第1のキャップ150が第2のキャップ160に結合されるように、第1のキャップ150の係止部材252が第2のキャップ160の対応する係止特徴部262内に位置付けられた係止位置にある。図5Bでは、キャップアセンブリ140は、第1のキャップ150が第2のキャップ160に対して方向Rに、かつ/又は長手方向軸Y及び/若しくはZの周りに回転されて、第1のキャップ150を第2のキャップ160から切り離す係止解除位置にある。図示された実施形態では、方向Rは、キャップアセンブリ140の底部から見たときに時計回りの方向(例えば、キャップアセンブリ140の上部から見たときに反時計回りの方向)である。他の実施形態では、第1のキャップ150及び/又は第2のキャップ160は、方向Rが、キャップアセンブリ140の底部から見たときに反時計回りの方向(例えば、キャップアセンブリ140の上部から見たときに時計回りの方向)であるように構成され得る。
【0037】
図5A及び図5Bを一緒に参照すると、第1のキャップ150を方向R(図5B)に回転させることにより、タブ254のうちの1つ以上が対応する半径方向除去表面472に少なくとも部分的に接触するまで、タブ254を対応する半径方向除去表面472に向かって移動させることができる。方向Rへの回転に応じて、半径方向除去表面472は、図5Bに示すように、タブ254の各々を方向D1に内向きに偏向させることができる。タブ254のこの偏向は、関連する係止部材252において対応する内向きの偏向を引き起こす。本技術のいくつかの態様では、半径方向除去表面472は、係止部材252を内向きに偏向させるのに十分な力(例えば、トルク)が第1のキャップ150に印加されるまで、第1のキャップ150が第2のキャップ160から偶発的又は非意図的に切断されることを少なくとも部分的に防止する。
【0038】
タブ254が図5Bに示される位置にある状態で、第1のキャップ150を方向Rに回転させ続けると、タブ254を対応する軸方向除去表面470(図4A及び図4B)に接触させる。係止部材252の各々は、対応する軸方向除去表面470を横切って上方に並進し、第1のキャップ150を第2のキャップ160から離れて長手方向軸Zに概して沿った方向に(例えば、図2Aに示す係止解除位置まで)移動させることができる。第1のキャップ150を回転させ続けると、第1のキャップ150と第2のキャップ160とを完全に切り離すことができる。しかしながら、タブ254が図5Bに示される位置で内向きに偏向されると、第1のキャップ150は、第1のキャップ150を第2のキャップ160から分離するための更なる回転を伴わずに、第2のキャップ160から離れるように移動され得ることが理解されるであろう。
【0039】
したがって、本技術のいくつかの態様では、係止特徴部262は、(i)挿入中及び/又は軸方向移動に応答してタブ254のうちの1つ以上を内向きに偏向させるための挿入表面266と、(ii)除去中及び/又は回転運動に応答してタブ254を内向きに(例えば、半径方向内向きに)偏向させるための半径方向除去表面472と、(iii)除去中及び/又は回転運動に応答してタブ254を上向きに(例えば、軸方向上向きに)移動させるための軸方向除去表面470とを含む。挿入表面266は、キャップアセンブリ140が係止解除位置にあるとき、対応するタブ254と位置合わせするように位置付けることができる。挿入中、タブ254は、挿入表面266に向かって移動し、接触し、それに沿って内向きに並進することができる。半径方向除去表面472は、キャップアセンブリ140が係止位置にあるとき、タブ254に近接して位置付けられ得る。除去中、タブ254は、半径方向除去表面472に向かって移動(例えば、回転)し、接触し、それに沿って内向きに並進することができる。キャップアセンブリ140は、タブ254が半径方向除去表面472に沿って並進する際に、係止位置から係止解除位置に向かって移行することができる。追加的に、タブ254は、半径方向除去表面472に沿って並進する際に、軸方向除去表面470に向かって移動することができる。軸方向除去表面470は、半径方向除去表面472から離れて、上向きに角度付けられ得る。したがって、除去中、タブ254は、軸方向除去表面470に向かって移動(例えば、回転)し、接触し、それに沿って上方に並進することができる。タブ254を軸方向除去表面470に沿って並進させることにより、キャップアセンブリ140を係止解除位置に戻すことができる。
【0040】
図6A図6Cは、本技術の追加の実施形態による、それぞれ第2のキャップの上面図である。第2のキャップ660a~660cの各々は、図1図2C及び図4A図5Bの第2のキャップ160と概して同様であり得る。しかしながら、図6Aを参照すると、第2のキャップ660aは、低減されたスロット寸法S1を含み、それにより、第2のキャップ660aは、第2のキャップ660aに結合されたままである間、第1のキャップ(示さず)が回転することを可能にせず、かつ/又は第1のキャップの任意の回転が上述の分離プロセスを開始する。図6Bを参照すると、第2のキャップ660bは、第1のキャップ(示さず)が、第2のキャップ660bにまだ結合されたままである間、及び/又は第1のキャップの回転が上述の分離プロセスを開始する前に、第2のキャップ660bに対して60度まで回転することを可能にする増加したスロット寸法S2を含む。図6Cを参照すると、第2のキャップ660cは、内壁263(図2B図2C、及び図4A図4C)のうちの1つ以上を含まず、それにより、開口部661及びスロット664のうちの1つ以上は接続されているか、そうでなければ内壁によって分離されていない。
【0041】
図7は、本技術の追加の実施形態に従って構成された、第2のキャップ760の上面図である。第2のキャップ760の少なくともいくつかの態様は、本明細書で先に詳細に説明した第2のキャップ160、660a~660cのうちの1つ以上と、構造及び/又は機能において少なくとも概して類似又は同一であり得る。図示された実施形態では、第2のキャップ760は、1つ以上の回転に依存しない係止特徴部762(「係止特徴部762」)を更に含む。図示された実施形態では、係止特徴部762の各々は、外壁765と、例えば、外壁765の左側及び右側に位置付けられた2つの半径方向除去表面772とを含む。第2のキャップ760は、係止特徴部762の左側及び右側に位置付けられ、かつ/又はその半径方向除去表面772と位置合わせされた、軸方向除去表面770を更に含むことができる。したがって、第1のキャップの係止部材(例えば、図2Aの第1のキャップ150の係止部材252)が係止特徴部762のうちの1つに受容されるとき、第1のキャップは、方向R又は反対の方向R(例えば、反時計回り又は時計回り)に回転されて、係止部材を半径方向除去表面772のうちの1つに対して駆動し、第1のキャップ及び第2のキャップ760を切り離すことができる。第1のキャップの継続的な回転は、第1のキャップの係止部材を軸方向除去表面770に沿って並進させることができる。係止特徴部762のこの回転に依存しない構成は、第1のキャップが第2のキャップ760から迅速かつ容易に切り離されることを可能にすることが予期される。係止特徴部762は、それぞれの第1の表面766と位置合わせされ得、かつ/又はそれの遠位に位置付けられ得、第1のキャップの係止部材(例えば、図2Aの第1のキャップ150の係止部材252)は、第1の表面766に接触し、それによって半径方向内向きに駆動されて、係止特徴部762と結合することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、第2のキャップ760は、第1の表面766のうちの1つの半径方向内向きに、例えば、係止特徴部762のうちの1つと関連付けられた軸方向除去表面770間に、位置付けられた1つ以上の支持表面774を含むことができる。支持表面774の各々は、例えば、第1のキャップが第2のキャップ760に結合/係止された後に、第1のキャップの結合部材の少なくとも一部に接触するように構成することができる。いくつかの実施形態では、支持表面774のうちの1つ以上は、湾曲又は凹状であり得る。したがって、第1のキャップが第2のキャップ760に結合され、かつ/又は第1のキャップの結合部材が支持表面774に接触するとき、支持表面774の湾曲/凹面は、例えば、半径方向除去表面772によって提供される第1のキャップの回転に対する抵抗に加えて、又はその代わりに、第2のキャップ760に対する第1のキャップの回転を少なくとも部分的に防止することができる。
【0043】
図8は、本技術の実施形態に従って構成された、キャップ係止弁880の斜視図である。キャップ係止弁880は、弁802及び一体化された係止特徴部860を含むことができる。弁802は、図1の弁102と構造及び/又は機能が少なくとも概して類似又は同一である少なくともいくつかの態様を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、弁802は、拡張器、送達シース、引張部材、ガイドワイヤ、介入デバイス、他の吸引カテーテルなどの様々な構成要素が弁802を通して挿入される際に、弁802を通した近位方向における流体流動を防止することによって、凝塊除去処置の間、止血を維持するように構成されている、止血弁であり得る。
【0044】
一体化された係止特徴部860は、弁802の近位端に、若しくはその近傍に、又は弁802上/内の別の好適な位置において、弁内に形成され得る。一体化された係止特徴部860は、本明細書に記載される第2のキャップ160、660a~660c、760のうちの1つ以上と構造及び/又は機能において少なくとも概して類似又は同一である少なくともいくつかの態様を含むことができる。図示された実施形態では、例えば、一体化された係止特徴部860は、図7の第2のキャップ760と構造及び/又は機能において少なくとも概して類似している少なくともいくつかの特徴部を含む。他の実施形態では、一体化された係止特徴部860は、別の好適な構成を有することができる。これら及び他の実施形態では、一体化された係止特徴部860は、弁802に解放可能に結合可能な別個のキャップ又は他の構成要素に含まれるのではなく、弁802に直接一体化されることができる。
【0045】
本技術のいくつかの態様を以下の実施例に記載する。
1.カテーテルのためのキャップアセンブリであって、キャップアセンブリが、
係止部材を含む第1のキャップであって、係止部材が、端部分と、端部分に近接して位置付けられたタブとを含む、第1のキャップと、
係止特徴部を含む第2のキャップであって、係止特徴部が、第2のキャップを少なくとも部分的に通って延在するスロットを含む、第2のキャップと、を備え、
第1のキャップが、係止位置において第2のキャップに固定されるように構成されており、
係止位置において、係止特徴部が、スロットを通して係止部材を受容するように構成されており、それにより、タブが、第2のキャップの一部分に係合して、第2のキャップに対する第1のキャップの移動を阻止し、
第1のキャップが、第2のキャップに対して回転して、タブを第2のキャップとの係合から外して移動させて、第1のキャップを係止位置から係止解除位置に移動させるように構成されている、キャップアセンブリ。
2.第1のキャップが、上部表面を含み、係止部材が、上部表面から上部表面に概して垂直な方向に延在し、係止部材の端部分が、上部表面の反対側にある、実施例1に記載のキャップアセンブリ。
3.タブが、係止部材から垂直に延在する、実施例1又は実施例2に記載のキャップアセンブリ。
4.タブが、第1のキャップが第2のキャップに結合されるとき、第2のキャップの少なくとも一部分に接触するように位置付けられた保持表面を画定する、実施例1~3のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
5.係止部材が、可撓性であり、第2のキャップが、第1のキャップが係止解除位置と係止位置との間で移動するとき、係止部材を屈曲させるように構成されている、実施例1~4のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
6.係止特徴部が、第1のキャップが第2のキャップに結合されるとき、係止部材のタブに少なくとも部分的に接触するように位置付けられた係止表面を含む、実施例1~5のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
7.係止特徴部が、第1のキャップが係止解除位置から係止位置に向かって移動するとき、係止部材に係合し、それを偏向させるように位置付けられた角度付けられた挿入表面を含む、実施例1~6のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
8.キャップアセンブリが、長手方向軸を含み、挿入表面が、係止部材を長手方向軸に向かって内向きに屈曲させるように角度付けられている、実施例7に記載のキャップアセンブリ。
9.係止特徴部が、半径方向除去表面を含み、半径方向除去表面が、第1のキャップが第2のキャップに対して回転させられるとき、タブを内向きに偏向させるように角度付けられている、実施例1~8のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
10.係止特徴部が、スロットに近接して位置付けられ、かつ第1のキャップが第2のキャップに対して回転させられるとき、第1のキャップを第2のキャップから離れて移動させるように角度付けられた、軸方向除去表面を含む、実施例1~9のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
11.
第1のキャップが、上部表面を含み、係止部材が、上部表面から上部表面に垂直な方向に延在し、
係止部材が、可撓性であり、第1のキャップが係止解除位置と係止位置との間で移動するとき、偏向するように構成されており、
タブが、係止位置において第2のキャップの少なくとも一部分に接触するように位置付けられた保持表面を画定し、
係止特徴部が、
係止位置においてタブの保持表面に少なくとも部分的に接触するように位置付けられた係止表面と、
係止部材と少なくとも部分的に位置合わせされるように位置付けられ、かつ第1のキャップが係止解除位置から係止位置に向かって移動するとき、係止部材を内向きに偏向させるように角度付けられた、挿入表面と、
係止位置において係止部材のタブに近接して位置付けられた半径方向除去表面であって、半径方向除去表面が、第1のキャップが係止位置から係止解除位置に向かって移動するとき、タブを半径方向内向きに移動させるように角度付けられている、半径方向除去表面と、
スロットに近接して位置付けられ、かつ第1のキャップが係止位置から係止解除位置に向かって移動するとき、第1のキャップを第2のキャップから長手方向に離れて移動させるように角度付けられた、軸方向除去表面と、を含む、実施例1~10のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
12.係止部材が、第1の係止部材であり、係止特徴部が、第1の係止特徴部であり、第1のキャップが、1つ以上の第2の係止部材を含み、第2のキャップが、1つ以上の第2の係止特徴部を含み、第2の係止部材の個々のものが、係止位置において第2の係止部材の対応するものを受容し、固定するように構成されている、実施例1~11のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
13.係止特徴部が、回転に依存しないように構成されており、それにより、第1の方向及び第1の方向とは反対の第2の方向における第2のキャップに対する第1のキャップの回転が、タブを第2のキャップとの係合から外して移動させて、第1のキャップを係止位置から係止解除位置に移動させる、実施例1~12のいずれか1つに記載のキャップアセンブリ。
14.血管アクセスシステムであって、
近位端及び遠位端を有する弁と、
管腔を画定し、弁の遠位端に結合されたカテーテルであって、カテーテルが、血管アクセスシステムの長手方向軸を画定する、カテーテルと、
弁及び管腔を少なくとも部分的に通って延在するように構成された拡張器と、
係止構成と係止解除構成との間で移動可能なキャップアセンブリであって、キャップアセンブリが、(i)弁の近位端に接続され、かつ結合特徴部を含む、弁キャップと、(ii)拡張器に結合され、かつ結合特徴部内に挿入可能な結合タブを含む、拡張器キャップとを含む、キャップアセンブリと、を備え、
係止構成において、結合特徴部が、結合タブが弁キャップの一部分に係合して長手方向軸に沿った弁に対して拡張器の移動を阻止するように、結合タブを受容するように構成されており、
拡張器キャップが、弁キャップに対して回転して、結合タブを弁キャップとの係合から外して移動させて、キャップアセンブリを係止構成から係止解除構成に向かって移動させるように構成されている、血管アクセスシステム。
15.結合タブが、可撓性であり、結合特徴部が、キャップアセンブリが係止解除構成から係止構成に向かって移動するとき、結合タブを長手方向軸に向かって偏向させるように構成されている、実施例14に記載の血管アクセスシステム。
16.拡張器キャップが、拡張器に概して平行な方向に延在し、遠位端を有する結合部材を含み、結合タブが、結合部材の遠位端に近接して位置付けられている、実施例14又は実施例15に記載の血管アクセスシステム。
17.弁キャップが、弁キャップ長手方向軸を有し、結合特徴部が、弁キャップ長手方向軸の周りで少なくとも部分的に周方向に湾曲している、実施例14~16のいずれか1つに記載の血管アクセスシステム。
18.結合特徴部が、キャップアセンブリが係止構成にあるとき、拡張器キャップの結合タブに少なくとも部分的に接触するように位置付けられた結合表面を含む、実施例14~17のいずれか1つに記載の血管アクセスシステム。
19.結合特徴部が、キャップアセンブリが係止解除構成から係止構成に向かって移動するとき、結合タブを長手方向軸に向かって係合かつ偏向させるように位置付けられた挿入表面を含む、実施例18に記載の血管アクセスシステム。
20.挿入表面が、結合表面から近位に位置付けられている、実施例19に記載の血管アクセスシステム。
21.挿入表面が、結合表面に対して鋭角の内角を形成する、実施例19又は実施例20に記載の血管アクセスシステム。
22.結合特徴部が、キャップアセンブリが係止構成から係止解除構成に向かって移動するとき、結合タブを長手方向軸に向かって半径方向内向きに移動させるように構成された半径方向除去表面を含む、実施例14~21のいずれか1つに記載の血管アクセスシステム。
23.結合特徴部が、(i)結合タブを受容するように構成されたスロットと、(ii)スロットに近接して位置付けられ、かつ拡張器キャップが弁キャップに対して回転されるとき、拡張器キャップを長手方向軸に沿って弁キャップから離れて移動させるように角度付けられた、軸方向除去表面と、を含む、実施例14~22のいずれか1つに記載の血管アクセスシステム。
24.結合特徴部が、外壁と、外壁の左側及び右側に位置付けられた一対の半径方向除去表面とを含み、
係止構成において、結合タブが、一対の半径方向除去表面の間に位置付けられており、
拡張器キャップの弁キャップに対して左又は右方向における回転が、キャップアセンブリを係止構成から係止解除構成に向かって移動させる、実施例14~22のいずれか1つに記載の血管アクセスシステム。
25.弁キャップが、弁の近位端と一体的に形成されている、実施例14~24のいずれか1つに記載の血管アクセスシステム。
26.弁キャップが、弁の近位端に解放可能に結合されている、実施例14~24のいずれか1つに記載の血管アクセスシステム。
27.血管アクセスシステムを使用する方法であって、方法が、
血管アクセスシステムの第1のキャップを血管アクセスシステムの第2のキャップと位置合わせすることであって、第1のキャップが、血管アクセスシステムの拡張器に結合され、第2のキャップが、血管アクセスシステムのカテーテルに結合され、第1のキャップを第2のキャップと位置合わせすることが、第1のキャップの係止部材において第2のキャップの係止特徴部と位置合わせすることを含む、ことと、
第1のキャップを第2のキャップに結合して、拡張器が血管アクセスシステムのカテーテルに対して移動するのを阻止することであって、第1のキャップを第2のキャップに結合することが、係止部材を係止特徴部内に挿入し、それにより、係止特徴部が、係止部材を係止特徴部の係止表面を越えて駆動することを含み、係止表面が、係止部材に係合して、第1のキャップの第2のキャップに対する長手方向移動を阻止するように構成されている、ことと、を含む、方法。
28.第1のキャップを第2のキャップに結合することが、拡張器を少なくとも部分的にカテーテル内に位置付けることを更に含む、実施例27に記載の方法。
29.第1のキャップを第2のキャップに結合することが、拡張器をカテーテルを通して完全に挿入することを更に含む、実施例27又は実施例28に記載の方法。
30.第1のキャップの係止部材を第2のキャップの係止特徴部と位置合わせすることが、係止部材のタブを係止特徴部の挿入表面と位置合わせすることを含む、実施例27~29のいずれか1つに記載の方法。
31.第1のキャップを第2のキャップに向かって移動させることが、(i)係止部材のタブを係止特徴部の挿入表面に接触させるように位置付けることと、(ii)タブを偏向させるように挿入表面を横切ってタブを並進させることと、を含む、実施例30に記載の方法。
32.第1のキャップを第2のキャップに結合した後に、第1のキャップを第2のキャップに対して回転させて、第1のキャップを第2のキャップから切り離すことを更に含む、実施例27~31のいずれか1つに記載の方法。
33.第1のキャップを回転させることが、係止部材の少なくとも一部分を係止特徴部の半径方向除去表面を横切って並進させることを含み、半径方向除去表面が、第1のキャップが第2のキャップに対して回転させられるとき、係止部材を偏向させるように角度付けられている、実施例32に記載の方法。
34.第1のキャップを回転させることが、第1のキャップを第2のキャップから長手方向に離れて移動させることを含む、実施例32又は実施例33に記載の方法。
35.第1のキャップを第2のキャップから離れて移動させることが、係止部材を係止特徴部の軸方向除去表面を横切って並進させることを含み、軸方向除去表面が、係止部材が軸方向除去表面を横切って並進するにつれて、第1のキャップを第2のキャップから離れて移動させるように角度付けられている、実施例34に記載の方法。
36.第1のキャップを第2のキャップに対して回転させて、第1のキャップを第2のキャップから切り離すことが、第1のキャップを第1の方向又は第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、第1のキャップを第2のキャップから切り離すことを含む、実施例32~35のいずれか1つに記載の方法。
【0046】
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であることも、本技術を上で開示される厳密な形態に限定することも意図していない。本技術の特定の実施形態及び例が例示の目的で上に説明されているが、当業者が認識するように、本技術の範囲内で様々な同等の修正が可能である。例えば、ステップは所与の順序で提示されているが、代替的な実施形態は、異なる順序でステップを実行し得る。本明細書において説明された様々な実施形態はまた、組み合わせて、更なる実施形態を提供し得る。
【0047】
上記から、本技術の特定の実施形態が例示の目的で本明細書に記載されているが、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及び機能は詳細に示されていないか、又は記載されていないことが理解されるであろう。文脈が許す場合、単数形又は複数形の用語は、それぞれ、複数形又は単数形の用語も含み得る。
【0048】
更に、「又は」という語が、2つ以上の項目のリストに関して他の項目から排他的な単一の項目のみを意味するように明確に限定されない限り、かかるリストにおける「又は」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の項目の全て、又は(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。追加的に、「含む(comprising)」という用語は、任意のより多くの同じ特徴及び/又は追加のタイプの他の特徴が除外されないように、少なくとも列挙された特徴を含むことを意味するために全体を通して使用される。特定の実施形態が例解の目的で本明細書において説明されているが、本技術から逸脱することなく様々な修正がなされ得ることも理解されるであろう。更に、本技術のいくつかの実施形態に関連する利点をこれらの実施形態の文脈で説明してきたが、他の実施形態もそのような利点を示す場合があり、全ての実施形態が本技術の範囲内に入るために必ずしもそのような利点を示す必要はない。したがって、本開示及び関連する技術は、本明細書で明示的に示されていないか、又は説明されていない他の実施形態を包含することができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【国際調査報告】