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特表2025-503972レーザー光干渉法を用いた位置検出システム
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  • 特表-レーザー光干渉法を用いた位置検出システム 図1A
  • 特表-レーザー光干渉法を用いた位置検出システム 図1B
  • 特表-レーザー光干渉法を用いた位置検出システム 図2A
  • 特表-レーザー光干渉法を用いた位置検出システム 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】レーザー光干渉法を用いた位置検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 3/06 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
G01C3/06 120Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544451
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 NL2023050044
(87)【国際公開番号】W WO2023149798
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】2030825
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520147360
【氏名又は名称】ブイディーエル イネーブリング テクノロジーズ グループ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】パティ、フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ ライト、ヨハネス フベルトゥス アントニウス
【テーマコード(参考)】
2F112
【Fターム(参考)】
2F112CA12
2F112CA13
2F112DA02
2F112DA09
2F112DA32
2F112DA40
(57)【要約】
【解決手段】本開示では、XYZ座標系に対するおよびXYZ座標系内の物体の位置および変位を測定するための、レーザー光干渉法を使用する位置検出システムが与えられる。この位置検出システムは、ホルダーを備える。ホルダーは、物体の取り付け面と、X測定ミラーと、Y測定ミラーと、Z測定ミラーと、X光学装置と、Y光学装置と、Z光学装置と、を含む。取り付け面は、XYZ座標系のXY平面内に方向付けられる。X光学装置と、Y光学装置とおよびZ光学装置の各々は、Xレーザー光ビーム、Yレーザー光ビームおよびZレーザー光ビームを、それぞれのX測定ミラー、Y測定ミラーおよびZ測定ミラーに方向付けて照射し、それぞれのX測定ミラー、Y測定ミラーおよびZ測定ミラーによって反射されたXレーザー光ビーム、Yレーザー光ビームまたはZレーザー光ビームの少なくとも一部を検出して電気測定信号に変換する。電気測定信号は、少なくとも物体のX位置、Y位置およびZ位置に関する情報を含んでいる。物体のZ位置を測定するために、少なくとも1つのYレーザー光ビームは、XY平面に対して平行に方向付けられて、XY平面に垂直に配置されたY測定ミラーへ、およびY測定ミラーから照射され、少なくとも1つのZレーザー光ビームは、XY平面に対して角度αだけ下に向けて方向付けられて、Z測定ミラーへ、およびZ測定ミラーから照射される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
XYZ座標系に対するおよびXYZ座標系内の物体の位置および変位を測定するための、レーザー光干渉法を使用する位置検出システムであって、
前記位置検出システムは、ホルダーを備え、
前記ホルダーは、物体の取り付け面と、X測定ミラーと、Y測定ミラーと、Z測定ミラーと、X光学装置と、Y光学装置と、Z光学装置と、を含み、
前記取り付け面は、XYZ座標系のXY平面内に方向付けられ、
前記X光学装置と、前記Y光学装置とおよび前記Z光学装置の各々は、Xレーザー光ビーム、Yレーザー光ビームおよびZレーザー光ビームを、それぞれの前記X測定ミラー、前記Y測定ミラーおよび前記Z測定ミラーに方向付けて照射し、それぞれの前記X測定ミラー、前記Y測定ミラーおよび前記Z測定ミラーによって反射された前記Xレーザー光ビーム、前記Yレーザー光ビームまたは前記Zレーザー光ビームの少なくとも一部を検出して電気測定信号に変換し、
前記電気測定信号は、少なくとも前記物体のX位置、Y位置およびZ位置に関する情報を含んでおり、
前記物体のZ位置を測定するために、
少なくとも1つの前記Yレーザー光ビームは、XY平面に対して平行に方向付けられて、XY平面に垂直に配置された前記Y測定ミラーへ、および前記Y測定ミラーから照射され、
少なくとも1つの前記Zレーザー光ビームは、XY平面に対して角度αだけ下に向けて方向付けられて、前記Z測定ミラーへ、および前記Z測定ミラーから照射されることを特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
少なくとも1つの前記Zレーザー光ビームは、前記Z測定ミラーに対して垂直に方向付けられて、前記Z測定ミラーへ、および前記Z測定ミラーから照射されることを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
【請求項3】
前記X測定ミラー、前記Y測定ミラーおよび前記Z測定ミラーは、前記ホルダーにのみ取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
【請求項4】
前記角度αは、5°以上45°以下、具体的には5°以上25°以下、より具体的には5°以上15°以下、さらに具体的には7°であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の位置検出システム。
【請求項5】
前記Y測定ミラーと前記Z測定ミラーは、XY平面に垂直に配置された第1のミラー面と、前記第1のミラー面に対して角度αの方向に配置された第2のミラー面と、を含む複合YZ測定ミラーを形成していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の位置検出システム。
【請求項6】
前記複合YZ測定ミラーは、XY平面に垂直に配置され、前記第1のミラー面に対向して前記第2のミラー面に隣接する第3のミラー面を含むことを特徴とする請求項5に記載の位置検出システム。
【請求項7】
前記ホルダーは、当該ホルダーの対向する側面に取り付けられた2つの複合YZ測定ミラーを含むことを特徴とする請求項5または6に記載の位置検出システム。
【請求項8】
前記ホルダーのX位置を測定するために、少なくとも1つの前記Xレーザー光ビームは、XY平面に対して平行に方向付けられて、XY平面に垂直に配置された前記X測定ミラーへ、および前記X測定ミラーから照射されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の位置検出システム。
【請求項9】
前記ホルダーのZ軸回りの回転位置を測定するために、XY平面内で互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのY光学装置を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の位置検出システム。
【請求項10】
前記ホルダーのX軸回りの回転位置を測定するために、YZ平面内で互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのY光学装置を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の位置検出システム。
【請求項11】
前記ホルダーのY軸周りの回転位置を測定するために、互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのZ光学装置を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の位置検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、XYZ座標系に対する(およびXYZ座標系内の)物体の位置および変位を測定するための、レーザー光干渉法を用いた位置検出システムに関する。このシステムは、物体の取り付け面を含むホルダーを使用する。取り付け面は、XYZ座標系のXY平面内に配向される。このようなレーザー光干渉法検出システムは、例えば、半導体や集積回路の製造工程に応用することができる。
【背景技術】
【0002】
高精度の位置決めおよび変位を必要とする用途、例えば半導体や集積回路の製造工程におけるウェハ基板は、レーザー光干渉法検出システムを実装している。このとき、複数の測定ミラーと、それらのミラーに向けられ、また、それらのミラーから照射されるレーザー光ビームとが、レーザー光干渉法に基づくXYZ座標系内の物体の位置および変位を決定するために使用される。
【0003】
現在のレーザー光干渉法検出システムでは、このようなXYZ座標系内での多自由度(DOF)測定が可能である。しかし、これらの測定の精度は限られており、レーザー光干渉法検出システムが実装されるプロセス全体の効率に悪影響を及ぼす。
【0004】
例えば、ホルダーの寸法よりも長い変位距離またはストロークでは、複数のDOF測定値が失われる可能性がある。さらに、現在知られているアプリケーションでは、作業空間内に配置された追加の測定ミラーが実装されているため、半導体や集積回路の製造プロセスが実行される直接の近傍の作業容積が占有される。
【0005】
さらに、作業空間内で追加の測定ミラーを使用することは、作業容積を占有するだけでなく、測定ごとに追加の光反射を必要とする。従って、測定ミラーごとの表面品質に対するより高い要求、測定ミラーのより複雑な調整、および移動ホルダーのより小さい角度範囲が要求される。従って、Z測定ミラーのダイナミクスは、レーザー光干渉計検出システムの全体的な性能を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、上記の特定された問題に対する解決策を提供することにある。具体的には、縮小され簡素化された光学系を有する、従ってXYZ座標系内でのホルダーの位置および/または変位の測定に関して縮小された構造寸法および改善された精度を有する、レーザー光干渉法を用いた位置検出システムを提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様によれば、XYZ座標系に対するおよびXYZ座標系内の物体の位置および変位を測定するための、レーザー光干渉法を使用する位置検出システムが与えられる。この位置検出システムは、ホルダーを備える。ホルダーは、物体の取り付け面と、X測定ミラーと、Y測定ミラーと、Z測定ミラーと、X光学装置と、Y光学装置と、Z光学装置と、を含む。取り付け面は、XYZ座標系のXY平面内に方向付けられる。X光学装置と、Y光学装置とおよびZ光学装置の各々は、Xレーザー光ビーム、Yレーザー光ビームおよびZレーザー光ビームを、それぞれのX測定ミラー、Y測定ミラーおよびZ測定ミラーに方向付けて照射し、それぞれのX測定ミラー、Y測定ミラーおよびZ測定ミラーによって反射されたXレーザー光ビーム、Yレーザー光ビームまたはZレーザー光ビームの少なくとも一部を検出して電気測定信号に変換する。電気測定信号は、少なくとも物体のX位置、Y位置およびZ位置に関する情報を含んでいる。物体のZ位置を測定するために、少なくとも1つのYレーザー光ビームは、XY平面に対して平行に方向付けられて、XY平面に垂直に配置されたY測定ミラーへ、およびY測定ミラーから照射され、少なくとも1つのZレーザー光ビームは、XY平面に対して角度αだけ下に向けて方向付けられて、Z測定ミラーへ、およびZ測定ミラーから照射される。
【0008】
Yレーザー光ビームが、XY平面に対して平行に方向付けられて、XY平面に垂直に配置されたY測定ミラーへ、およびY測定ミラーから照射され、Zレーザー光ビームが、XY平面に対して角度αだけ下に向けて方向付けられて、Z測定ミラーへ、およびZ測定ミラーから照射されることにより、Z測定用ミラーを追加する必要がなくなる。このため、位置検出システムの光学系を簡素化することができる。特に、この結果、半導体や集積回路の製造プロセスの直接の近傍における占有ワークボリュームが少なくなる。
【0009】
本開示による位置検出システムの特定の実施例では、少なくとも1つのZレーザー光ビームは、Z測定ミラーに対して垂直に方向付けられて、Z測定ミラーへ、およびZ測定ミラーから照射されてもよい。これにより、検出システムの構造寸法、特にそのZ寸法がさらに低減される。
【0010】
本開示による好ましい実施例では、X測定ミラー、Y測定ミラーおよびZ測定ミラーは、ホルダーにのみ取り付けられていてもよい。この場合、全体的な構造が簡素化される一方、測定精度が向上する。作業スペースに追加の光学部品が取り付けられることがなく、すべての自由度測定がホルダーに取り付けられた単一のミラー反射面によって実行される。その結果、ミラー表面の厳しい表面仕上げ要件が少なくなり、コストが削減される。また、XYZの各光学素子の向きを調整するだけなので、システムの複雑な調整も不要である。さらにこの構造により、ホルダーの角度範囲を大きくすることができる。
【0011】
本開示による実施例のレーザー干渉計光学系は、Zレーザー光ビームに対して(実際にはすべてのXレーザー光ビーム、Yレーザー光ビームおよびZレーザー光ビームに対して)1回だけの反射を示すため、反射されたレーザー光ビームは、それぞれの光学装置センサーに、より理想的な方向(放出されたレーザー光ビームと平行な方向)に近い状態で戻ってくる。この最小限のビーム歪みにより、測定信号を失うことなく、ホルダーの角度変位は、より多くまたはより大きく許容される。先行技術のアプリケーションでは、第2のミラーが実装されており、レーザー光ビームが光学装置によって再び検出されるまでに、さらに2回のビーム反射が必要となる。そのため、両方のミラーの初期位置決め誤差が加算され、信号を失うことなくホルダーを回転させるための(角度)マージンが減少する。ホルダーの変位は主に並進であるものの、常に小さな回転を伴うことに注意されたい。複数のミラーを使用した場合、ホルダーの角度変位マージンが制限され、信号が失われる可能性がある。
【0012】
使用されるホルダーの構造寸法と所望の測定精度に応じて、XY平面に対するZレーザー光ビームの角度αは、5°以上45°以下、具体的には5°以上25°以下、より具体的には5°以上15°以下、さらに具体的には7°であってもよい。
【0013】
本開示による位置検出システムの特定の実施例では、Y測定ミラーとZ測定ミラーは、XY平面に垂直に配置された第1のミラー面と、第1のミラー面に対して角度αの方向に配置された第2のミラー面と、を含む複合YZ測定ミラーを形成していてもよい。これにより、特にホルダーの構造寸法、特にその厚さまたはZ寸法をさらに小さくすることができる。
【0014】
さらに詳細には、複合YZ測定ミラーは、XY平面に垂直に配置され、第1のミラー面に対向して第2のミラー面に隣接する第3のミラー面を含んでもよい。この場合、第3のミラー面は、追加的なYレーザー光ビームのための追加的なY測定ミラーとして機能することができる。そのため、ホルダーのさらなる自由度、特にその回転または傾斜を測定するために使用することができる。
【0015】
選択的に、ホルダーは、当該ホルダーの対向する側面に取り付けられた2つの複合YZ測定ミラーを含んでもよい。この場合、熱膨張によるホルダーの長手方向寸法の変化を測定することも可能となる。2つのY光学装置によってYレーザー光線をホルダーの対向する両側に向けて連続的に照射することにより、2つの対向するY寸法測定値が得られる。この2つのY測定値に基づいてホルダーの幅を常時測定し、熱膨張を監視することができる。従って、このような熱膨張を補正することにより、実際のXYZ寸法についてさらに高い精度を得ることができる。
【0016】
本開示による有利な実施例では、X自由度の測定が可能である。この場合、少なくとも1つのXレーザー光ビームは、XY平面に対して平行に方向付けられて、XY平面に垂直に配置されたX測定ミラーへ、およびX測定ミラーから照射されてもよい。
【0017】
X軸、Y軸、Z軸を中心とした回転運動や傾斜運動など、さらなる自由度の測定も可能である。例えば、Z軸周りのホルダーの回転位置を測定するために、位置検出システムは、XY平面内で互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのY光学装置を備えてもよい。あるいは、X軸回りの回転位置を測定するために、位置検出システムは、YZ平面内で互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのY光学装置を備えてもよい。あるいは、Y軸回りの回転位置を測定するために、位置検出システムは、互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのZ光学装置を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
次に、図面を参照して本発明を説明する。
図1A】従来技術によるレーザー光干渉法を用いた位置検出システムの一例を示す図である。
図1B】従来技術によるレーザー光干渉法を用いた位置検出システムの一例を示す図である。
図2A】本開示によるレーザー光干渉法を用いた位置検出システムの一例を示す図である。
図2B】本開示によるレーザー光干渉法を用いた位置検出システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示を適切に理解するために、以下の詳細な説明において、本開示の対応する要素または部分は、図面において同一の参照数字で示される。
【0020】
(従来の技術)
高精度の位置決めおよび変位を必要とする用途、例えば半導体や集積回路の製造工程中のウェハ基板が、レーザー光干渉計検出システムを実装できることは、従来技術において知られている。複数の測定ミラーと、それらのミラーに向けられ、それらのミラーから照射されるレーザー光ビームは、レーザー光干渉法に基づいてXYZ座標系内の物体の位置と変位を決定するために使用される。
【0021】
このようなレーザー光干渉法検出システムの一例を図1Aおよび図1Bに示し、参照数字10で示す。レーザー光干渉法を使用するこのような位置検出システム10は、XYZ座標系に対する(およびXYZ座標系内の)物体の位置および変位を測定することができる。一例において、対象物(図1A、1Bには図示せず)は、半導体部品の製造のための、半導体および集積回路製造工程中のウェハ基板であってもよい。
【0022】
通常、システム10は、対象物(ウェハ基板)を保持するためのホルダー11を実装する。図1A、1Bに示すように、ホルダー11は、対象物のための取り付け面11aを包含し、好ましくは、そのような対象物は、取り付け面11aに機械加工された(または設けられた)取り付け空間11b内に収容される。ホルダー11の取り付け面11aは、XYZ座標系のXY平面内で、好ましくは平行に配向される。その配向は、図1Aの隅に描かれている。
【0023】
当技術分野によるシステム10は、さらに、参照数字14x、14yおよび14zで示される複数のX測定ミラー、Y測定ミラーおよびZ測定ミラーを備えている。光学装置13x、13y(13y-1)、および13z(13z-1)はそれぞれ、レーザー光ビーム13x’、13y-1’、および13z-1’を、それぞれのXY、またはZ測定ミラー14xのうちの1つへ、および1つから照射し、かつ方向付けるように構成されている、14y、14z(14z-1/14z-2)は、XYZ座標系に対するホルダー11(取付面11a上の取付空間11bに取り付けられた物体を含む)のそれぞれのXYZ位置/変位(自由度、DOF)を測定するためのものである。
【0024】
特に、それぞれのレーザー光ビームは、それぞれのX測定ミラー14x、Y測定ミラー14yおよびZ測定ミラー14z(14z-1/14z-2)によって反射される。反射されたレーザー光ビームの少なくとも一部は、光学装置13x、13y(13y-1)および13z(13z-1)によって検出される。反射され検出されたレーザー光ビームは、少なくともXYZ座標系内でのホルダー11(および対象物)のXYZ位置に関する情報を含む電気測定信号に変換される。放射および反射されたレーザー光ビームは、適切な信号処理ユニット(図示せず)を用いて、レーザー干渉法を使用してX位置、Y位置およびZ位置を計算するために使用される。
【0025】
現在のレーザー光干渉法検出システムでは、このようなXYZ座標系内での多自由度(DOF)測定が可能である。しかし、これらの測定の精度は限られており、レーザー光干渉法検出システムが実装されるプロセス全体の効率に悪影響を及ぼす。
【0026】
例えば、ホルダーの寸法よりも長い変位距離またはストロークでは、複数のDOF測定値が失われる。さらに、現在知られているアプリケーションでは、作業空間内に配置された追加的な光学系が実装されているため、半導体や集積回路の製造プロセスが実行される近傍の作業容積が占有される。
【0027】
図1Aおよび図1Bの例では、このような追加光学部品は参照数字12で示され、Z方向から見てホルダー11の真上に配置されている。追加光学部品12は、測定ミラー支持体として機能する。これは、例えば半導体および集積回路製造プロセスが実行されるホルダー11の直接近傍の作業容積を妨害する。
【0028】
図1Bと組み合わせて、ホルダー11のXYZ座標系に対するZ位置およびXYZ座標系内のZ位置は、ホルダー11に取り付けられた第1のZ測定ミラー14z-1および追加光学系(測定ミラー支持部)12に取り付けられた第2のZ測定ミラー14z-2を用いて測定される。第1のZ測定ミラー14z-1は、XY平面/取付面11aに関し、ホルダー11に対して45°の角度をなしている。一方、第2のZ測定ミラー14z-2は、XY平面/取付面11aと平行であり、ホルダー11の取付面11aに対向している。
【0029】
光学装置13z-1は、レーザー光干渉法検出装置10のフレーム(図示せず)内に固定的に取り付けられる。これは、例えばレーザー発光装置として構成され、レーザー光ビーム13z-1’を生成して照射する。レーザー光ビーム13z-1’は、45°の角度を有する第1のZ測定ミラー14z-1に向けて照射され、光学系12上の第2のZ測定ミラー14z-2に向けて反射される。レーザー光ビーム13z-1’は、その後、第2のZ測定ミラー14z-2および第1のZ測定ミラー14z-1を経由して、光学装置13z-1に向かって反射される。レーザー干渉計を使用して、XYZ座標系に対するホルダー11のZ位置が、放出されたレーザー光ビームと反射されたレーザー光ビーム13z-1’(の一部)を使用して決定される。
【0030】
作業スペース内の追加光学系12に取り付けられた追加測定ミラー14z-2の使用は、作業容積を占有することに加えて、測定ごとに追加の光反射を必要とする。従って、測定ミラー14z-1および14z-2ごとの、より高い表面品質が要求される。従って、測定ミラーの、より複雑な調整、およびホルダー11の動きの、より小さい角度範囲が要求される。従って現在の技術水準では、Z測定ミラーの動力学は、レーザー光干渉法検出システム10の全体的な性能を制限する可能性がある。
【0031】
本開示は、上記特定された問題に対する解決策を提供することを目的とする。図2A、2Bは、縮小され簡略化された光学系を有する、従って縮小された構造寸法を有する、レーザー光干渉法を使用した位置検出システム100の一例を示す。これは、XYZ座標系内のホルダーの位置および/または変位の測定に関して、精度が改善されている。
【0032】
図2A、2Bに示されるように、レーザー光干渉法を用いた位置検出システム100は、同様に、XYZ座標系に対する(およびXYZ座標系内の)物体の位置および変位を測定することができる。従来技術のシステム10と同様に、XYZ座標系のXY平面内に配向された取り付け面110aを備えたホルダー110も実装される。ホルダー110の取付面110aには、物体(図示せず)、例えばウェハ基板のための取付空間110bが設けられている。
【0033】
本開示による位置検出システム100の例では、光学系は、それぞれ、140x、140y-1および140zで示される複数のX測定ミラー、Y測定ミラーおよびZ測定ミラーを含む。同様に、複数のXYZ光学装置130x、130y-1、130y-2、130z-1、130z-2が、ホルダー110の隣および近傍に固定的に取り付けられている。各光学装置130x、130y-1、130y-2、130z-1、130z-2は、例えば、レーザー光ビーム放出源として構造化され、それぞれのXY、またはZレーザー光ビーム130x’、130y-1’、130y-2’、130z-1’、130z-2’を、それぞれのX測定ミラー140x、Y測定ミラー140y-1またはZ測定ミラー140zへ、およびそれらから照射し、方向付ける。
【0034】
Xレーザー光ビーム130x’、Yレーザー光ビーム130y-1’、130y-2’、およびZレーザー光ビーム130z-1’、130z-2’の反射部分は、それぞれの光学装置130x、130y-1、130y-2、130z-1および130z-2によって検出され、電気測定信号に変換される。先行技術のレーザー干渉計技術と同様に、電気測定信号は、XYZ座標系に対するホルダー110のXYZ位置に関する情報を少なくとも含む。
【0035】
例えば、XYZ座標系内でのホルダー110のX自由度またはX位置(例えば、mm単位)の測定のために、少なくとも1つのX光学装置130xが実装される。この光学装置は、XY平面に対して平行なXレーザー光ビーム130x’を生成して照射し、X測定ミラー140xに向けて方向付ける。X測定ミラー140xは、ホルダー110に取り付けられ、XY平面に対して垂直に配置される。この平面は、取り付け面110aによって形成される。従って、Xレーザー光ビーム130x’は、X測定ミラー140xに垂直に入射し、反対方向に反射されて少なくとも1つのX光学装置130xに戻る。
【0036】
本開示による有利な実施例は、図1Aおよび図1Bに示されるように、従来技術の光学系よりも複雑でない、縮小され簡略化された光学系でホルダー110のZ位置(例えば、mm単位)を測定することができる。ホルダー110およびその上に取り付けられた対象物のZ位置を測定するために、少なくとも1つのY光学装置130y-1が使われる。このY光学装置130y-1は、XY平面に平行な少なくとも1つのYレーザー光ビーム130y-1’を、ホルダー110に取り付けられ、取り付け面110aによって形成されたXY平面に垂直に配置されたY測定ミラー140y-1に向けて照射し、方向付ける。さらに、少なくとも1つのZ光学装置130z-1は、対応するZレーザー光ビーム130z-1’を生成して照射する。このZレーザー光ビーム130z-1’は、Z測定ミラー140zへ、およびZ測定ミラー140zから、XY平面に対して角度αだけ下に向けられる。
【0037】
従って、角度付けされたZレーザー光ビーム130z-1’は、Yレーザー光ビーム130y-1’に対して平行に向けられるのではなく、Yレーザー光ビーム130y-1’に対して同じ角度αだけ下に向けて傾斜される。詳細は図2Bを参照されたい。
【0038】
Yレーザー光ビーム130y-1’および角度付けされたZレーザー光ビーム130z-1’の両方は、それぞれのY光学装置130y-1およびZ光学装置130z-1で反射される。XYZ座標系に対するホルダー110のZ測定値(Z位置、例えばmm単位)は、Y光学装置130y-1およびZ光学装置130z-1の両方によって生成されたレーザー干渉信号の差分測定によって決定される。
Z=Y1/(sin(α)cos(α))-Z1/sin(α)+Z0
または、
ΔZ=Z-Z0=Y1/(sin(α)cos(α))-Z1/sin(α)
Z0は、XYZ座標系におけるホルダー110の初期Z位置(例えば、mm単位)である。
【0039】
Yレーザー光ビーム130y-1をXY平面(ホルダーの取付面110a)に平行に、XY平面/取付面110aに垂直に配置されたY測定ミラー140y-1に照射し、および、Zレーザー光ビーム130z-1’をXY平面/取付面110aに対して角度αだけ下に向けて、Z測定ミラー140zに、および、Z測定ミラー140zから照射することにより、図1Aおよび図1Bのような追加のZ測定ミラーを省略することができる。その結果、位置検出システム100の光学系を簡素化することができる。特に、半導体および集積回路製造プロセスの近傍における占有作業体積を低減することができる。
【0040】
図2Bに示すように、少なくとも1つの角度付きZレーザー光ビーム130z-1’は、Z測定ミラー140zに対して垂直に、かつZ測定ミラー140zから方向付けられる。これにより、検出システム100の構造寸法、特にZ寸法をさらに低減することができる。
【0041】
本開示によるシステム100の利点の1つは、全てのX測定ミラー、Y測定ミラーおよびZ測定ミラーは、ホルダー110にのみ取り付けられる点にある。これにより、全体的な構造が簡素化され、測定精度が向上する。例えば、図1Aおよび図1Bに示される従来技術のように、作業空間に取り付けられた追加的な光学部品は不要である。また、全ての自由度測定は、ホルダー110に取り付けられた単一のミラー反射面(参照数字150で示される)によって実行することができ、その結果、ミラー面140y-1および140zの厳しい表面仕上げ要件が低減され、大幅なコスト削減となる。また、いくつかのXYZ光学装置の方向のみの調整が必要であるため、システム100に対する複雑な調整も少なくて済む。さらにこの構造により、ホルダー110の角度範囲を大きくすることができる。
【0042】
使用されるホルダーの構造寸法および所望の測定精度に応じて、XY平面/取付面110aに対する少なくとも1つの角度付きZレーザー光ビーム130z-1’の角度αは、5°以上45°以下、具体的には5°以上25°以下、より具体的には5°以上15°以下、さらに具体的には7°である。
【0043】
上記で規定したように、本開示によるシステム100の利点は、すべての自由度測定、特にYおよびZの自由度(両方とも例えばmm単位)を測定するために、ホルダー110に取り付けられた単一のミラー反射面を使用する点にある。図2Aおよび図2Bの例に示されるように、参照数字150は、第1のY測定ミラー140y-1とZ測定ミラー140zとの両方で形成される単一の複合YZ測定ミラーを示す。第1のY測定ミラー140y-1は、複合YZ測定ミラー150の第1のミラー面を形成する。この第1のミラー面140y-1は、ホルダー110のXY平面/取付面110aに対して垂直に配置される。第2の鏡面は、Z測定ミラー140zを形成し、第1の鏡面140y-1に対して角度αで方向付けられる。これにより、特にホルダー110の構造寸法、特にその厚さまたはZ寸法をさらに小さくすることができる。
【0044】
図示の例では、第1のY測定ミラー/第1のミラー面140y-1は、隣接する角度付きZ測定ミラー/第2のミラー面140zよりも取付面110aの近くに配置されている。
【0045】
XYZ座標系に対するホルダー110のZ位置または方向は、角度付きミラー面140z上のレーザー干渉測定と直線ミラー面140y-1上のレーザー干渉測定との組み合わせの差分測定によって決定または測定される。
【0046】
X自由度(例えば、mm単位)が、光学装置130xおよびX測定ミラー140xを用いて測定されるのに対し、Y自由度およびZ自由度は、単一の光学装置130y-1および130z-1、並びに、Yレーザー光ビーム130y-1’および角度付きZレーザー光ビーム130z-1’の両方がそれぞれのミラー面140y-1および140zに垂直に入射する、ストレートミラー面140y-1および角度付きミラー面140zからなる単一の複合YZ測定ミラー150を用いて測定される。
【0047】
X軸、Y軸またはZ軸(例えば、ψ、θ、およびφで示される)周りの回転または傾斜動作のような、追加的な3自由度が、単一の複合YZ測定ミラー150を用いて測定され得る。例えば、Z軸周りのホルダー110の回転位置を測定するために、位置検出システム100は、少なくとも2つのY光学装置130y-1および130y-2、従って、既に実装されたY光学装置130y-1の隣に追加されたY光学装置130y-2を含む。両方のY光学装置130y-1および130y-2は、取付面110aに平行な同じXY平面内において、互いにある距離をおいて配置される。両方のY光学装置130y-1および130y-2は、それぞれのYレーザー光ビーム130y-1’および130y-2’を、直線状の第1の測定ミラー140y-1に向けて方向付ける。Z軸まわりの任意の回転は、反射されたYレーザー光ビーム130y-1’上のレーザー干渉測定と、他の反射されたYレーザー光ビーム130y-2’上のレーザー干渉測定との差分測定によって決定または測定することができる。
【0048】
X軸周りのホルダー110の回転位置を測定するために、位置検出システム100は、130y-1(または130y-2)および130y-3で示される少なくとも2つのY光学装置を含む。従って、既に実装されたY光学装置130y-1(130y-2)の隣に、追加の第3のY光学装置130y-3がある。両方のY光学装置130y-1および130y-3は、取付面110aに垂直なYZ平面内において、互いから或る距離に配置される。両方のY光学装置130y-1および130y-3は、それぞれのYレーザー光ビーム130y-1’および130y-3’を、それぞれの直線状の第1の測定ミラー140y-1およびやはり直線状の第3の測定ミラー140y-2に向けて方向付ける。
【0049】
本開示によるこの有利な実施例では、複合YZ測定ミラー150は、参照数字140y-2で示される第3のミラー面を備える。この第3のミラー面140y-2は、XY平面/取り付け面110aに対して垂直な向きで、第1のY測定ミラー/第1のミラー面140y-1と平行に配置される。本開示のこの実施例では、第3のミラー面140y-2は、第1のミラー面140y-1に対向する第2のミラー面140zに隣接する。第3のミラー面140y-2は、取り付け面110aから最も離れて配置され、追加のY測定ミラー140y-2として機能する。
【0050】
X軸周りの任意の回転は、第1のY測定ミラー140y-1を介した反射Yレーザー光ビーム130y-1’に対するレーザー干渉測定と、追加的なさらなるY測定ミラー140y-2を介した反射Yレーザー光ビーム130y-3’に対するレーザー干渉測定と、の差分測定によって決定または測定することができる。第1のY測定ミラー140y-1およびさらなるY測定ミラー140y-2の両方は、XY平面/取り付け面110aに対して垂直な向きを有し、互いに平行である。角度付きミラー面140zは、2つのY測定ミラー140y-1および140y-2の間に配置される。
【0051】
YZ測定ミラー150の代替例では、Y測定ミラー140y-1(第1のミラー面)とY測定ミラー140y-2(第3のミラー面)の機能を逆にすることができる。X軸周りの回転を測定するため、第3のミラー面140y-2は、取り付け面110aに最も近い位置に配置される。第3のミラー面と共にX軸周りの回転を測定し、Y位置/変位を測定し、第2のミラー面140zと共にZ位置/変位を測定するため、第1のミラー面140y-1は、取り付け面110aから最も遠い位置に配置される。
【0052】
X軸周りの回転の正確な測定のためには、第1のY光学装置130y-1および第3のY光学装置130y-3は、互いにある距離をおいて配置されることが望ましい。好ましくは第2のミラー面140zが両方のミラー面140y-1と140y-2との間に配置される、第1のミラー面140y-1と第3のミラー面140y-2との間の距離についても、同じことがいえる。
【0053】
さらに、図2Bにおいて、第2のミラー面140z(例えば、角度付きZ測定ミラー140z)の厚さは、取付面110aから離れる方向に減少する(小さくなるまたは薄くなる)か、または厚さが取付面110aに向かって増える(すなわち、大きくなる、または厚くなる)。しかしながらYZ測定ミラー150の別の実施例では、逆に、角度付き第2ミラー面140zは、その厚さが取付面110aに向かって減っても(すなわち、小さくなっても、または薄くなっても)よい。逆にすることができる。
【0054】
最後に、ホルダー110のY軸回りの回転位置を測定するために、位置検出システム100は、XY平面/取付面110aに対して、互いから或る距離を置きつつも同じ角度の向きに配置された、少なくとも2つのZ光学装置130z-1および130z-2を備える。2つのZ光学装置130z-1および130z-2は、それぞれのZレーザー光ビーム130z-1’および130z-2’を角度付き測定ミラー140zに方向付ける。Y軸周りの回転は、反射されたZレーザー光ビーム130z-1’のレーザー干渉測定と、もう一方の反射されたZレーザー光ビーム130z-2’のレーザー干渉測定と、の差分測定によって測定される。
【0055】
単一の複合YZ測定ミラー150は、5自由度(Y、Z、および3軸回転ψ、θ、φ)を測定するのに十分である。一方、X測定ミラー140xは、残りの6番目の自由度(X)を測定するため、ホルダー110は、2つの複合YZ測定ミラー150、150’を含んでもよい。このとき、各複合YZ測定ミラー150、150’は、ホルダー110の対向する側に取り付けられる。この特徴により、熱膨張によるホルダー110の長手方向寸法の変化を測定することもできる。Yレーザー光ビーム130y-1’(または130y-2’または130y-3’)を、2つの対応する、しかし対向するY光学装置130y-1(または130y-2または130y-3)により、ホルダー110の対向する側の2つの複合YZ測定ミラー150、150’に向けて連続的に方向付けることにより、2つの対向するY寸法測定値が得られる。これらの2つのY寸法測定値に基づいて、ホルダー110の幅を常時測定することができるので、熱膨張を監視することができる。従って、このような熱膨張を補正することにより、実際のXYZ測定値に関するさらなる精度を得ることができる。
【符号の説明】
【0056】
10 先行技術による位置検出システム
11 ホルダー
11a ホルダー11のXY取付面
11b ホルダー11の取付スペース
12 第2のZ測定ミラー14z-2を備えた追加光学部品(ミラー支持部)(従来技術)
13x X光学装置
13y-1/2 第1/第2のY光学装置(従来技術)
13z-1/2 第1/第2のZ光学装置(従来技術)
13x’ Xレーザー光ビーム(従来技術)
13y-1’/2’ 第1/第2のYレーザー光ビーム(従来技術)
13z-1’/2’ 第1/第2のZレーザー光ビーム(従来技術)
14x X測定ミラー(従来技術)
14y Y測定ミラー(従来技術)
14z-1’/2’ 第1/第2のZ測定ミラー(従来技術)
100 本開示に係る位置検出システム
110 ホルダー
110a ホルダー110のXY取付面
110b ホルダー110の取付スペース
130x X光学装置
130y-1/2/3 第1/第2/第3のY光学装置(本開示に係る)
130z-1/2 第1/第2のZ光学装置(本開示に係る)
130x’ Xレーザー光ビーム(本開示に係る)
130y-1’/2’/3’ 第1/第2/第3のYレーザー光ビーム(本開示に係る)
130z-1’/2’ 第1/第2のZレーザー光ビーム(本開示に係る)
140x X測定ミラー(本開示に係る)
140y-1/2 第1/第2のY測定ミラー面(本開示に係る)
140z Z測定ミラー面(本開示に係る)
150/150’ 第1/第2のさらなる複合YZ測定ミラー
図1A
図1B
図2A
図2B
【手続補正書】
【提出日】2024-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
XYZ座標系に対するおよびXYZ座標系内の物体の位置および変位を測定するための、レーザー光干渉法を使用する位置検出システムであって、
前記位置検出システムは、ホルダーを備え、
前記ホルダーは、物体の取り付け面と、X測定ミラーと、Y測定ミラーと、Z測定ミラーと、X光学装置と、Y光学装置と、Z光学装置と、を含み、
前記取り付け面は、XYZ座標系のXY平面内に方向付けられ、
前記X光学装置と、前記Y光学装置とおよび前記Z光学装置の各々は、Xレーザー光ビーム、Yレーザー光ビームおよびZレーザー光ビームを、それぞれの前記X測定ミラー、前記Y測定ミラーおよび前記Z測定ミラーに方向付けて照射し、それぞれの前記X測定ミラー、前記Y測定ミラーおよび前記Z測定ミラーによって反射された前記Xレーザー光ビーム、前記Yレーザー光ビームまたは前記Zレーザー光ビームの少なくとも一部を検出して電気測定信号に変換し、
前記電気測定信号は、少なくとも前記物体のX位置、Y位置およびZ位置に関する情報を含んでおり、
前記物体のZ位置を測定するために、
少なくとも1つの前記Yレーザー光ビームは、XY平面に対して平行に方向付けられて、XY平面に垂直に配置された前記Y測定ミラーへ、および前記Y測定ミラーから照射され、
少なくとも1つの前記Zレーザー光ビームは、XY平面に対して角度αだけ下に向けて方向付けられて、前記Z測定ミラーへ、および前記Z測定ミラーから照射されることを特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
少なくとも1つの前記Zレーザー光ビームは、前記Z測定ミラーに対して垂直に方向付けられて、前記Z測定ミラーへ、および前記Z測定ミラーから照射されることを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
【請求項3】
前記X測定ミラー、前記Y測定ミラーおよび前記Z測定ミラーは、前記ホルダーにのみ取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
【請求項4】
前記角度αは、5°以上45°以下、具体的には5°以上25°以下、より具体的には5°以上15°以下、さらに具体的には7°であることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
【請求項5】
前記Y測定ミラーと前記Z測定ミラーは、XY平面に垂直に配置された第1のミラー面と、前記第1のミラー面に対して角度αの方向に配置された第2のミラー面と、を含む複合YZ測定ミラーを形成していることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
【請求項6】
前記複合YZ測定ミラーは、XY平面に垂直に配置され、前記第1のミラー面に対向して前記第2のミラー面に隣接する第3のミラー面を含むことを特徴とする請求項5に記載の位置検出システム。
【請求項7】
前記ホルダーは、当該ホルダーの対向する側面に取り付けられた2つの複合YZ測定ミラーを含むことを特徴とする請求項に記載の位置検出システム。
【請求項8】
前記ホルダーのX位置を測定するために、少なくとも1つの前記Xレーザー光ビームは、XY平面に対して平行に方向付けられて、XY平面に垂直に配置された前記X測定ミラーへ、および前記X測定ミラーから照射されることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
【請求項9】
前記ホルダーのZ軸回りの回転位置を測定するために、XY平面内で互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのY光学装置を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
【請求項10】
前記ホルダーのX軸回りの回転位置を測定するために、YZ平面内で互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのY光学装置を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
【請求項11】
前記ホルダーのY軸周りの回転位置を測定するために、互いに所定の距離をおいて配置された少なくとも2つのZ光学装置を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出システム。
【国際調査報告】