(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】オーラルケア用組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20250130BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20250130BHJP
A61K 8/21 20060101ALI20250130BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/19
A61K8/21
A61Q11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544478
(86)(22)【出願日】2023-01-26
(85)【翻訳文提出日】2024-09-19
(86)【国際出願番号】 CA2023050094
(87)【国際公開番号】W WO2023141708
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516317377
【氏名又は名称】ヴィジョナチュロラボ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VISIONATUROLAB INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハウプトマン,デイビッド
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA071
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB031
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB242
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4C083AB321
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4C083AB441
4C083AB442
4C083AB471
4C083AB472
4C083AC101
4C083AC111
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4C083AC312
4C083AC471
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC681
4C083AC781
4C083AC791
4C083AC862
4C083AD041
4C083AD241
4C083AD261
4C083AD271
4C083AD281
4C083AD301
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD371
4C083AD431
4C083AD531
4C083AD532
4C083AD571
4C083BB01
4C083BB23
4C083BB25
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4C083DD22
4C083EE01
4C083EE32
4C083EE36
4C083EE37
4C083FF01
(57)【要約】
本文書は、第1の歯科用研磨剤として使用するための、炭酸カルシウム含有率95%(w/w)超、約2.70~約3.1m2/gの比表面積(SSA)を有する処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子、有利なフッ化物処置を歯に与えるために好適なフッ化物化合物;および好適な担体を含むオーラルケア用組成物を記載する。フッ化物化合物からのフッ化物と処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子との反応を回避するために、処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子は、弱酸性条件下で効果的に処理されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーラルケア用組成物であって、
・ 第1の歯科用研磨剤として使用するための、炭酸カルシウム含有率95%(w/w)超、約2.70~約3.1m
2/gの比表面積(SSA)を有する処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO
3)粒子;
・ 有利なフッ化物処置を歯に与えるために好適なフッ化物化合物;および
・ 好適な担体
を含み、前記フッ化物化合物からのフッ化物と前記処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子との反応を回避するために、前記処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子が弱酸性条件下で効果的に処理されている、オーラルケア用組成物。
【請求項2】
前記処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子が、約25ミクロン~約70ミクロンの粒径を有する、請求項1に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項3】
前記炭酸カルシウム含有率が、約95%~約99.9%(w/w)である、請求項1に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項4】
前記粒子が、約2.80m
2/g~約2.9m
2/gの比表面積を有する、請求項1に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項5】
前記粒子が、約2.9m
2/gからの比表面積を有する、請求項1に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項6】
前記処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO
3)粒子が、植物起源のアラゴナイトに由来する、請求項1から5のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項7】
前記植物起源のアラゴナイトが、魚卵状アラゴナイトである、請求項6に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項8】
前記フッ化物化合物が、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF
2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)、またはそれらの組合せである、請求項1から7のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項9】
前記フッ化物化合物が、約800ppm~約5000ppmのフッ化物の濃度を提供する、請求項1から7のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項10】
前記フッ化物化合物が、約1000ppm~約1500ppmのフッ化物の濃度を提供する、請求項9に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項11】
前記処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子が、前記組成物の約0.100%~約20%(w/w)である、請求項1から10のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項12】
前記粒子が、約24%~約28%の結晶化度を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項13】
前記粒子が、約26%の結晶化度を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項14】
第2の歯科用研磨剤をさらに含む、請求項1から13のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項15】
前記第2の歯科用研磨剤が、コロイドカルシウム、コロイドシリカ、含水シリカ、重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)、水酸化アルミニウム(Al(OH)
3)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、リン酸水素カルシウム(CaHPO
4・2H
2O)、無水リン酸水素カルシウム、シリカ、ゼオライト、およびヒドロキシアパタイト(Ca
5(PO
4)
3OH)、またはそれらの組合せである、請求項14に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項16】
第2の歯科用研磨剤が、重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)、コロイドシリカ、またはそれらの組合せである、請求項14に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項17】
前記第2の歯科用研磨剤が、前記組成物の約0.100%~約30%(w/w)である、請求項14から16のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項18】
前記コロイドシリカが、前記組成物の約0.100%~約20%(w/w)である、請求項15から16のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項19】
前記重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)が、前記組成物の約0.02%~約0.75%(w/w)である、請求項14から16のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項20】
増粘剤をさらに含む、請求項1から19のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項21】
前記増粘剤が、海藻から得られる天然ゴム;非海洋性植物資源から得られる天然ゴム、細菌性発酵により生産される天然ゴム、デンプン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、シリカ、またはそれらの組合せである、請求項20に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項22】
海藻から得られる前記天然ゴムが、寒天(E406)、アルギン酸(E400)、アルギン酸ナトリウム(E401)、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、カラギーナン(E407)、またはそれらの組合せから選択される、請求項21に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項23】
非海洋性植物資源から得られる前記天然ゴムが、アカシアゴム、アラビアゴム(E414)、ガティゴム、トラガカントゴム(E413)、カラヤゴム(E416)、ガーゴム(E412)、ローカストビーンゴム(E410)、ベータ-グルカン、チクルゴム、ダンマルゴム、グルコマンナン(E425)、マスチックゴム、サイリウム種子殻、スプルースゴム、タラゴム(E417)、またはそれらの組合せから選択される、請求項21に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項24】
細菌性発酵により生産される前記天然ゴムが、ゲランガム(E418)、キサンタンガム(E415)、またはそれらの組合せから選択される、請求項21に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項25】
前記増粘剤が、前記組成物の約0.1%~約66%(w/w)である、請求項20から24のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項26】
前記増粘剤が、前記組成物の約0.5%(w/w)である、請求項25に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項27】
湿潤剤をさらに含む、請求項1から26のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項28】
前記湿潤剤が、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、三酢酸グリセリル、ネオアガロビオース、糖ポリオール、ポリマー性ポリオール、キラヤ、乳酸、尿素、グリセリン、アロエベラゲル、MPジオール、アルファヒドロキシ酸、およびハチミツである、請求項27に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項29】
前記糖ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、およびそれらの組合せから選択される、請求項28に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項30】
前記ポリマー性ポリオールが、ポリデキストロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、およびそれらの組合せである、請求項28に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項31】
前記アルファヒドロキシ酸が乳酸である、請求項28に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項32】
前記湿潤剤が、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、またはそれらの組合せである、請求項27から28のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項33】
前記湿潤剤が、前記組成物の約2%~約45%(w/w)である、請求項28から32のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項34】
乳化剤をさらに含む、請求項1から33のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項35】
前記乳化剤が、レシチン、植物性パルプ粉末、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸、またはそれらの組合せである、請求項34に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項36】
前記植物性パルプ粉末が、柑橘類パルプ粉末、バオバブパルプ粉末、マンゴーパルプ粉末、トマトパルプ粉末、カボチャパルプ粉末、グアバパルプ粉末、パパイヤパルプ粉末およびビートパルプ粉末、またはそれらの組合せから選択される、請求項35に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項37】
前記クエン酸ナトリウムが、クエン酸三ナトリウムである、請求項35に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項38】
前記乳化剤が、前記組成物の約1%~約10%(w/w)である、請求項34から37のいずれか1項に記載のオーラルケア用組成物。
【請求項39】
界面活性剤をさらに含む、請求項1から38のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項40】
前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、N-ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、またはそれらの組合せから選択される、請求項49に記載のオーラル組成物。
【請求項41】
前記界面活性剤が、前記組成物の約0.5%~約3%(w/w)である、請求項39から30のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項42】
pH調節剤をさらに含む、請求項1から41のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項43】
前記pH調節剤が、クエン酸およびその誘導体、リン酸およびその誘導体、リン酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸、重炭酸、またはそれらの組合せから選択される、請求項42に記載のオーラル組成物。
【請求項44】
前記pH調節剤が、前記組成物の約0.1%~約0.75%(w/w)である、請求項42に記載のオーラル組成物。
【請求項45】
防腐剤をさらに含む、請求項1から44のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項46】
前記防腐剤が、セスキオレイン酸ソルビタン誘導体、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ユーカリ抽出物、ソルビン酸カリウム、またはそれらの組合せから選択される、請求項45に記載のオーラル組成物。
【請求項47】
前記防腐剤が、前記組成物の約0.2%~約2%(w/w)である、請求項45から46のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項48】
溶媒をさらに含む、請求項1から47のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項49】
前記溶媒が水、エタノール、イソプロパノール、ソルビトールおよびグリセロールから選択される、請求項48に記載のオーラル組成物。
【請求項50】
前記溶媒が、前記組成物の約40%~約99%(w/w)である、請求項49に記載のオーラル組成物。
【請求項51】
抗微生物剤をさらに含む、請求項1から50のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項52】
前記抗微生物剤が、天然精油、抗微生物フェノール性化合物、またはそれらの組合せから選択される、請求項51に記載のオーラル組成物。
【請求項53】
前記天然精油が、アニスオイル、レモンオイル、オレンジオイル、オレガノ、ローズマリーオイル、ウィンターグリーンオイル、タイムオイル、ラベンダーオイル、クローブオイル、ホップ、ティーツリーオイル、シトロネラオイル、コムギオイル、オオムギオイル、レモングラスオイル、セダーリーフオイル、セダーウッドオイル、シナモンオイル、フリーグラスオイル、ゼラニウムオイル、サンダルウッドオイル、バイオレットオイル、クランベリーオイル、ユーカリオイル、バーベナオイル、ペパーミントオイル、ゴム安息香、バジルオイル、フェンネルオイル、モミオイル、バルサムオイル、メントール、オクメア-オリガヌムオイル、ヒダスチス-カラデンシスオイル、バーベリダソー-ダソーオイル、ラタンヒエおよびクルクマロンガオイル、ゴマ油、マカダミアナッツオイル、イブニングプリムローズオイル、スパニッシュセージオイル、スパニッシュローズマリーオイル、コリアンダーオイル、タイムオイル、ピメントベリーオイル、ローズオイル、ベルガモットオイル、ローズウッドオイル、カモミールオイル、セージオイル、クラリセージオイル、サイプレスオイル、シーフェンネルオイル、フランキンセンスオイル、ジンジャーオイル、グレープフルーツオイル、ジャスミンオイル、ジュニパーオイル、ライムオイル、マンダリンオイル、マジョラムオイル、ミルラオイル、ネロリオイル、パチョリオイル、ペッパーオイル、ブラックペッパーオイル、プチグレンオイル、松油、ローズオットーオイル、スペアミントオイル、スパイクナードオイル、ベチバーオイル、またはイランイランから選択される、請求項52に記載のオーラル組成物。
【請求項54】
前記抗微生物フェノール性化合物が、カルバクロール、チモール、オイゲノール、ユーカリプトール、メントール、またはそれらの組合せから選択される、請求項53に記載のオーラル組成物。
【請求項55】
前記抗微生物剤が、前記組成物の約0.01%~約10%(w/w)である、請求項52から54のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項56】
香味料をさらに含む、請求項1から55のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項57】
前記香味料が、メントール、ミント精油、またはそれらの組合せを含む、請求項56に記載のオーラル組成物。
【請求項58】
前記処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO
3)粒子が、キチンを非含有である、請求項1から57のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項59】
口腔衛生のための、請求項1から58のいずれか1項に記載のオーラル組成物の使用。
【請求項60】
結石の除去、結石形成の予防、またはそれらの組合せのための、請求項1から58のいずれか1項に記載のオーラル組成物の使用。
【請求項61】
口腔をクリーニングする方法であって、請求項1から58のいずれか1項に記載のオーラル組成物を口腔に適用することを含む方法。
【請求項62】
口腔内での結石の形成を予防する、またはそれを除去する方法であって、請求項1から58のいずれか1項に記載のオーラル組成物を口腔に適用することを含む方法。
【請求項63】
有利なフッ化物処置を歯に与えるために好適なフッ化物化合物からのフッ化物との反応が低減または阻害されている処理済み炭酸カルシウム(CaCO
3)粒子を調製するための方法であって、
a) アラゴナイトを粉砕して、粗大CaCO
3粉末を得ること;
b) 前記粗大CaCO
3粉末をふるい掛けして、約60ミクロン~約75ミクロンの粒径を有する第1の粉砕CaCO
3粉末を得ること;
c) 前記第1の粉砕CaCO
3粉末を脱ミネラル化して、脱ミネラル化された粉砕CaCO
3を得るために十分な温度で、およびそのために十分な時間にわたって、前記第1の粉砕CaCO
3粉末を約4.5~5.5のpHの弱酸条件で処理すること;
d) 中性pHが達成されるまで、前記脱ミネラル化された粉砕CaCO
3を洗浄すること;
e) 前記脱ミネラル化された粉砕CaCO
3を乾燥させて、炭酸カルシウム含有率95%(w/w)超および約2.70~約3.1m
2/gの比表面積(SSA)を有する処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO
3)粒子を得ること
を含む方法。
【請求項64】
前記弱酸が、塩化アンモニウムまたは酢酸アンモニウム、好ましくは塩化アンモニウムである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
塩化アンモニウムの濃度が、約0.1M~約10M、好ましくは1.87M(10%w/v)である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
ステップc)が、約4.5のpHにおいてである、請求項63から65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
ステップc)が、約4.9のpHにおいてである、請求項63から65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
ステップc)が、約4.86のpHにおいてである、請求項63から65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
ステップc)が、約65℃~約75℃の温度においてである、請求項63から68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
ステップd)が、蒸留水中である、請求項63から69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
ステップe)が、約200℃~約220℃においてである、請求項63から70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
ステップe)が約200℃においてである、請求項63から70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
ステップe)が、約30分~約60分間にわたる、請求項63から70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
ステップe)が約55分間にわたる、請求項63から70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記炭酸カルシウムが、カルサイト、アラゴナイト、ヴァテライト、またはそれらの組合せである、請求項63から75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記炭酸カルシウムがアラゴナイトである、請求項63から75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記アラゴナイトが魚卵状アラゴナイトである、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
口腔衛生において使用するための、請求項1から58のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【請求項79】
結石の除去において使用するための、結石形成の予防において使用するための、またはそれらの組合せのための、請求項1から58のいずれか1項に記載のオーラル組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年1月26日出願の米国特許仮出願第63/303,186号の優先権を主張し、その明細書は、全体が参照により本明細書に援用される。
(a)分野
開示される発明の主題は概して、オーラルケア用組成物およびその使用に関し、より具体的には、開示される発明の主題は、カトルボーン粉末を含むオーラルケア用組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(b)関連従来技術
細菌性プラークおよび結石は、歯周病の開始および進行における主要な病因因子である。歯石は、ミネラル化したプラークであり、多孔性であるので、様々な毒性生成物を吸収し得、その結果、歯肉下での微生物コロニー化のための理想的な基材として役立つ。したがって、結石は、正確に検出されて、適正な歯周治療のために徹底的に除去されるべきである。歯質表面に存在する結石沈着物を同定して除去するために、多くの技法が用いられてきた。口腔の適正な衛生を維持することは、歯肉炎と戦うために着手されるべき最も重要な手段の1つである。適正な練り歯磨きの選択が、口腔疾患との闘いにおける第1のステップである。歯垢を効率的に除去するためのブラッシングは常に、歯の摩耗および歯肉退縮に対する懸念でもある。ブラッシング自体は、ほとんど摩耗作用を有さず、したがって、ブラッシングの結果としてのエナメル質の減少は主に、練り歯磨き中で使用される研磨剤の結果である。他方で、ブラッシング中のクリーニング作用の多くは、練り歯磨き中の研磨材料に関連しており、したがって、それらの存在は、クリーニングに必須である。市場で現在入手可能である練り歯磨きは、それらの配合において様々な種類の研磨剤、例えば、カルサイト、カルサイトおよびアラゴナイト、二酸化ケイ素、ブルシャイト、ギブサイトなどを有する。
【0003】
さらに、練り歯磨きは一般に、同時に複数の目的に役立つように生産され、したがって、複雑な化学組成を持つ。理想的には、練り歯磨きの配合は、最大のクリーニング利益を維持しながら、歯質構造に対する研磨損傷を最小限にするようにバランスが取られるべきである。したがって、過剰に研磨性の材料は歯質表面を研磨除去し得るので、望ましくない歯の摩耗および過敏性をもたらす。その水和レベル;微粒子成分のサイズ、硬度、形状、および濃度;供給源;純度;さらには、物理的および化学的に処理された方法を含む多くの因子が、所与の化合物の研磨度を規定する。また、練り歯磨きは、歯周病において予防/治療の役割を有し得る抗微生物剤のための媒介物として作用し得る。練り歯磨きの複雑な組成は、生産または送達のプロセスにおいて活性成分が不活性化されないことを保証することが必要であることを意味する。例えば、歯磨剤に添加される炭酸カルシウムはフッ化物に結合し、フッ化物を抗齲蝕剤として無効にする(Shen et al. "Bioavailable fluoride in calcium-containing dentifrices" Scientific Reports, (2021) 11:146)。したがって、練り歯磨きの組成は、口腔健康の維持に対するそれらの有効性および口腔での安全性に重要である。
【0004】
脱ミネラル化および再ミネラル化の連続プロセスにおいて、歯質無機質は減少および増加する。齲蝕(Caries、dental decay)は、このプロセスにおける経時的な不均衡に起因する歯の硬組織の疾患であり、その際、歯垢中の齲蝕原性細菌と発酵性炭水化物(主に糖)との間の相互作用から形成される有機酸による歯質構造の脱ミネラル化が生じる。齲蝕プロセスは、歯質表面の罹患性、細菌プロファイル、唾液の量および質、ならびに再ミネラル化を促進し、歯質構造の脱ミネラル化を阻害するフッ化物の存在により影響を受ける。歯質齲蝕病変自体から生じる疼痛の他にも、この疾患および医学的介入で起こり得る結果からの精神的苦痛も存在する。罹患した歯は常に救うことができるわけではなく、抜歯することが必要なこともある。この疾患には、重大な経済的な含意もあり、健康管理予算のかなりの割合が毎年、齲蝕の処置に費やされている。人口ベースでは、世界保健機関(WHO)によると、口腔疾患(齲蝕および歯周病)の従来の処置は、処置するために4番目に費用の掛かる慢性疾患である。
【0005】
永久歯における齲蝕は、Global Burden of Disease 2016の研究において評価されたすべての状態のうち、最も蔓延した状態であり、24億人が罹患しており;乳歯における齲蝕の推定有病数は、全世界で小児4億8600万人であった(GBD 2016)。中間所得および高所得国の一部の地域では、最近数十年で、齲蝕の有病数および重症度が低下している証拠があるが、歯の健康には社会的不平等が存在し、多くの個体およびコミュニティーが、予防可能な歯科疾患について臨床的に著しい負担を負っている。齲蝕のレベルは、国々の間で、および国々の中でもかなり変動するが、より低い社会経済的背景(SES)群にいる小児は、より高いSES群にいる小児よりも高い齲蝕レベルを有し、高所得国において、社会経済的地位と齲蝕との間の関連がより強いようである。
【0006】
本明細書は、フッ化物とのより低い反応度および干渉を示し、より高い生物学的利用能を提供する、処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)の特異的な調製物を研磨剤として含有する練り歯磨きの有効性を評価するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の背景に対して、本発明は、従来技術を上回るいくつかの利点および進歩を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、オーラルケア用組成物であって、
・ 第1の歯科用研磨剤として使用するための、炭酸カルシウム含有率95%(w/w)超、約2.70~約3.1m2/gの比表面積(SSA)を有する処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子;
・ 有利なフッ化物処置を歯に与えるために好適なフッ化物化合物;および
・ 好適な担体
を含み、前記フッ化物化合物からのフッ化物と前記処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子との反応を回避するために、前記処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子が弱酸性条件下で効果的に処理されている、オーラルケア用組成物を提供する。
【0009】
処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子は、約25ミクロン~約70ミクロンの粒径を有してよい。
【0010】
炭酸カルシウム含有率は、約95%~約99.9%(w/w)であってよい。
粒子は、約2.80m2/g~約2.9m2/gの比表面積を有してよい。
【0011】
粒子は、約2.9m2/gからの比表面積を有してよい。
処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子は、植物起源のアラゴナイトからのものであってよい。
【0012】
植物起源のアラゴナイトは、魚卵状(oolitic)アラゴナイトであってよい。
フッ化物化合物は、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)、またはそれらの組合せであってよい。
【0013】
フッ化物化合物は、約800ppm~約5000ppmのフッ化物の濃度を提供し得る。
【0014】
フッ化物化合物は、約1000ppm~約1500ppmのフッ化物の濃度を提供し得る。
【0015】
処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子は、組成物の約0.100%~約20%(w/w)であってよい。
【0016】
粒子は、約24%~約28%の結晶化度を有してよい。
粒子は、約26%の結晶化度を有してよい。
【0017】
オーラル組成物は、第2の歯科用研磨剤をさらに含んでよい。
第2の歯科用研磨剤は、コロイドカルシウム、コロイドシリカ、含水シリカ、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、リン酸水素カルシウム(CaHPO4・2H2O)、無水リン酸水素カルシウム、シリカ、ゼオライト、およびヒドロキシアパタイト(Ca5(PO4)3OH)、またはそれらの組合せであってよい。
【0018】
第2の歯科用研磨剤は、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、コロイドシリカ、またはそれらの組合せであってよい。
【0019】
第2の歯科用研磨剤は、組成物の約0.100%~約30%(w/w)であってよい。
コロイドシリカは、組成物の約0.100%~約20%(w/w)であってよい。
【0020】
重炭酸ナトリウム(NaHCO3)は、組成物の約0.02%~約0.75%(w/w)であってよい。
【0021】
オーラルケア用組成物は、増粘剤をさらに含んでよい。
前記増粘剤が、海藻から得られる天然ゴム;非海洋性植物資源から得られる天然ゴム、細菌性発酵により生産される天然ゴム、デンプン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、シリカ、またはそれらの組合せである、請求項20に記載のオーラルケア用組成物。
【0022】
海藻から得られる天然ゴムは、寒天(E406)、アルギン酸(E400)、アルギン酸ナトリウム(E401)、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、カラギーナン(E407)、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0023】
非海洋性植物資源から得られる天然ゴムは、アカシアゴム、アラビアゴム(E414)、ガティゴム、トラガカントゴム(E413)、カラヤゴム(E416)、ガーゴム(E412)、ローカストビーンゴム(E410)、ベータ-グルカン、チクルゴム、ダンマルゴム、グルコマンナン(E425)、マスチックゴム、サイリウム種子殻、スプルースゴム、タラゴム(E417)、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0024】
細菌性発酵により生産される天然ゴムは、ゲランガム(E418)、キサンタンガム(E415)、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0025】
増粘剤は、組成物の約0.1%~約66%(w/w)であってよい。増粘剤は、組成物の約0.5%(w/w)であってよい。
【0026】
オーラルケア用組成物は、湿潤剤をさらに含んでよい。
湿潤剤は、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、三酢酸グリセリル、ネオアガロビオース、糖ポリオール、ポリマー性ポリオール、キラヤ、乳酸、尿素、グリセリン、アロエベラゲル、MPジオール、アルファヒドロキシ酸、およびハチミツであってよい。
【0027】
糖ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、およびそれらの組合せから選択されてよい。
【0028】
ポリマー性ポリオールは、ポリデキストロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、およびそれらの組合せであってよい。
【0029】
アルファヒドロキシ酸は乳酸であってよい。
湿潤剤は、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、またはそれらの組合せであってよい。
【0030】
湿潤剤は、組成物の約2%~約45%(w/w)であってよい。
オーラルケア用組成物は、乳化剤をさらに含んでよい。
【0031】
乳化剤は、レシチン、植物性パルプ粉末、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸、またはそれらの組合せであってよい。
【0032】
植物性パルプ粉末は、柑橘類パルプ粉末、バオバブパルプ粉末、マンゴーパルプ粉末、トマトパルプ粉末、カボチャパルプ粉末、グアバパルプ粉末、パパイヤパルプ粉末およびビートパルプ粉末、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0033】
クエン酸ナトリウムは、クエン酸三ナトリウムであってよい。
乳化剤は、組成物の約1%~約10%(w/w)であってよい。
【0034】
オーラル組成物は、界面活性剤をさらに含んでよい。
界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、N-ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0035】
界面活性剤は、組成物の約0.5%~約3%(w/w)であってよい。
オーラル組成物は、pH調節剤をさらに含んでよい。
【0036】
pH調節剤は、クエン酸およびその誘導体、リン酸およびその誘導体、リン酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸、重炭酸、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0037】
pH調節剤は、組成物の約0.1%~約0.75%(w/w)であってよい。
オーラル組成物は、防腐剤をさらに含んでよい。
【0038】
防腐剤は、セスキオレイン酸ソルビタン誘導体、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ユーカリ抽出物、ソルビン酸カリウム、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0039】
防腐剤は、組成物の約0.2%~約2%(w/w)であってよい。
オーラル組成物は、溶媒をさらに含んでよい。
【0040】
溶媒は、水、エタノール、イソプロパノール、ソルビトールおよびグリセロールから選択されてよい。
【0041】
溶媒は、前記組成物の約40%~約99%(w/w)であってよい。
オーラル組成物は、抗微生物剤をさらに含んでよい。
【0042】
抗微生物剤は、天然精油、抗微生物フェノール性化合物、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0043】
天然精油は、アニスオイル、レモンオイル、オレンジオイル、オレガノ、ローズマリーオイル、ウィンターグリーンオイル、タイムオイル、ラベンダーオイル、クローブオイル、ホップ、ティーツリーオイル、シトロネラオイル、コムギオイル、オオムギオイル、レモングラスオイル、セダーリーフオイル、セダーウッドオイル、シナモンオイル、フリーグラス(fleagrass)オイル、ゼラニウムオイル、サンダルウッドオイル、バイオレットオイル、クランベリーオイル、ユーカリオイル、バーベナオイル、ペパーミントオイル、ゴム安息香、バジルオイル、フェンネルオイル、モミオイル、バルサムオイル、メントール、オクメア-オリガヌムオイル(ocmea origanum oil)、ヒダスチス-カラデンシスオイル(Hydastis carradensis oil)、バーベリダソー-ダソーオイル(Berberidaceae daceae oil)、ラタンヒエ(Ratanhiae)およびクルクマロンガオイル、ゴマ油、マカダミアナッツオイル、イブニングプリムローズオイル、スパニッシュセージオイル、スパニッシュローズマリーオイル、コリアンダーオイル、タイムオイル、ピメントベリーオイル、ローズオイル、ベルガモットオイル、ローズウッドオイル、カモミールオイル、セージオイル、クラリセージオイル、サイプレスオイル、シーフェンネルオイル、フランキンセンスオイル、ジンジャーオイル、グレープフルーツオイル、ジャスミンオイル、ジュニパーオイル、ライムオイル、マンダリンオイル、マジョラムオイル、ミルラオイル、ネロリオイル、パチョリオイル、ペッパーオイル、ブラックペッパーオイル、プチグレンオイル、松油、ローズオットーオイル(rose otto oil)、スペアミントオイル、スパイクナードオイル、ベチバーオイル、またはイランイランから選択されてよい。
【0044】
抗微生物フェノール性化合物は、カルバクロール、チモール、オイゲノール、ユーカリプトール、メントール、またはそれらの組合せから選択されてよい。
【0045】
抗微生物剤は、組成物の約0.01%~約10%(w/w)であってよい。
オーラル組成物は、香味料をさらに含んでよい。
【0046】
香味料は、メントール、ミント精油、またはそれらの組合せを含んでよい。
処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子は、キチンを非含有であってよい。
【0047】
口腔衛生のための本発明のオーラル組成物の使用。
別の実施形態によれば、結石の除去、結石形成の予防、またはそれらの組合せのための、本発明のオーラル組成物の使用を提供する。
【0048】
別の実施形態によれば、口腔をクリーニングする方法であって、本発明のオーラル組成物を口腔に適用することを含む方法を提供する。
【0049】
別の実施形態によれば、口腔内での結石の形成を予防する、またはそれを除去する方法であって、本発明のオーラル組成物を口腔に適用することを含む方法を提供する。
【0050】
別の実施形態によれば、口腔衛生において使用するための、本発明によるオーラル組成物を提供する。
【0051】
別の実施形態によれば、結石除去において使用するための、結石形成の予防において使用するための、またはそれらの組合せのための、本発明によるオーラル組成物を提供する。
【0052】
別の実施形態によれば、有利なフッ化物処置を歯に与えるために好適なフッ化物化合物からのフッ化物との反応が低減または阻害されている処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子を調製するための方法であって、
a) アラゴナイトを粉砕して、粗大アラゴナイト粉末を得ること;
b) 前記粗大アラゴナイト粉末をふるい掛けして、約60ミクロン~約75ミクロンの粒径を有する第1の粉砕アラゴナイト粉末を得ること;
c) 前記第1の粉砕アラゴナイトを脱ミネラル化して、脱ミネラル化された粉砕アラゴナイトを得るために十分な温度で、およびそのために十分な時間にわたって、前記粉砕アラゴナイトを約4.5~5.5のpHの弱酸で処理すること;
d) 中性pHが達成されるまで、前記脱ミネラル化された粉砕アラゴナイトを洗浄すること;
e) 前記脱ミネラル化された粉砕アラゴナイトを乾燥させて、炭酸カルシウム含有率95%(w/w)超および約2.70~約3.1m2/gの比表面積(SSA)を有する処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子を得ること
を含む方法を提供する。
【0053】
弱酸は、塩化アンモニウムまたは酢酸アンモニウム、好ましくは塩化アンモニウムであってよい。
【0054】
塩化アンモニウムの濃度は、約0.1M~約10M、好ましくは1.87M(10%w/v)である。
【0055】
ステップc)は、約4.5のpHにおいてであってよい。ステップc)は、約4.9のpHにおいてであってよい。ステップc)は、約4.86のpHにおいてであってよい。
【0056】
ステップc)は、約65℃~約75℃の温度においてであってよい。
ステップd)は、蒸留水中であってよい。
【0057】
ステップe)は、約200℃~約220℃においてであってよい。ステップe)は、約200℃においてであってよい。
【0058】
ステップe)は、約30分~約60分間にわたってよい。ステップe)は、約55分間にわたってよい。
【0059】
下では、次の用語を定義する。
「魚卵状アラゴナイト」という用語は、卵様形状(「魚卵状(oolitic)」は「卵」を表す古代ギリシア語ωoνに由来)および砂粒サイズを有する炭酸カルシウム鉱物であるアラゴナイトを意味することを意図されている。この種類またはアラゴナイト鉱物は典型的には、熱帯水中で沈殿、沈降、および微生物活動により形成され、高エネルギー環境を示している。魚卵状アラゴナイトは、乱流で、浅く、温かい高塩分水中で形成される。魚卵状アラゴナイトは、鉱泥、貝殻断片、または有孔虫などの炭酸カルシウムの核を取り囲んで形成され始める。核が結晶性炭酸塩の薄層でコーティングされて、魚卵石の表層を形成する。乱流水によるより大きな岩の風化および侵食と関係する他の種類の砂形成と比較して、魚卵状アラゴナイト砂は、溶解した炭酸カルシウムが魚卵石の表層または核と一緒になることにより作られる。海水中に溶解した炭酸カルシウムが表層に付着し続け、滑らかな粒状の形状をもたらす高速の水と組み合わさることで、アラゴナイトから構成される魚卵石が生じる。微生物有機物が関与する生体内鉱質形成も、魚卵石形成において重要な役割を果たしている可能性がある。
【0060】
「反応速度の低下」という用語は、単位時間あたりの生成物の濃度の上昇に、および単位時間あたりの反応物の濃度の低下に比例すると定義される、化学反応が起こる速さである化学反応の反応速度または反応の速度に関することが意図されている。一般に、反応速度は劇的に変動し得る。本発明に関して、反応速度は、本発明のオーラルケア用組成物中に存在するフッ化物化合物と、アラゴナイトの形態で組成物中に存在するカルシウムとの反応速度である。理論に束縛されることは望まないが、本発明の処理済み魚卵状アラゴナイト粒子は、フッ化物化合物との反応が低減しており、したがってオーラルケア用組成物のエージングの後に、生物学的に利用可能なフッ化物の量が、アラゴナイト粒子が異なるオーラルケア用組成物においてよりも多いことが示されている。
【0061】
本発明の主題の特徴および利点は、添付の図面において図示されているとおり、次の選択された実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。了解されるであろうとおり、開示され、請求される本発明の主題は、すべて特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な点において変更することができる。したがって、図面および説明は、限定としてではなく、本質的に例示としてみなされるべきであり、本発明の主題の全範囲は特許請求の範囲に規定されている。
【0062】
本開示のさらなる特徴および利点は、添付の図面と組み合わせた次の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】CB、TCB、合成炭酸カルシウム(CaCO
3)および処理済み魚卵状アラゴナイトの粒径の測定値を示している。
【
図2】処理済み魚卵状アラゴナイト 対 処理済みカトルボーンアラゴナイト(TCB)のFTIR特性解析を示している。処理済み魚卵状アラゴナイトのスペクトルは、キチンに対応する1653cm
-1でのC=Oバンドが存在しないことを示している。
【
図3】処理済み魚卵状アラゴナイト 対 処理済みカトルボーンアラゴナイト(TCB)のXRD特性解析を示している。TCBのディフラクトグラム(右側)は、より広いバンド幅を示しており、より小さい粒径を示している。
【
図4A】カトルボーン(CB)粉末の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示している。
【
図4B】処理済みカトルボーン(CB)粉末のSEMを示している。
【
図4C】合成炭酸カルシウム(CaCO
3)粉末のSEMを示している。
【
図4D】4Aに示されている試料のカトルボーン(CB)粉末のSEMをより高い倍率で示している。
【
図4E】4Bに示されている試料の処理済みカトルボーン(TCB)粉末のSEMをより高い倍率で示している。
【
図4F】4Cに示されている試料の合成炭酸カルシウム(CaCO
3)粉末のSEMをより高い倍率で示している。
【
図4G】本発明の処理済み魚卵状アラゴナイト粉末のSEMを示している。
【
図4H】4Gに示されている試料の本発明の処理済み魚卵状アラゴナイト粉末のSEMをより高い倍率で示している。
【
図4I】4Gに示されている試料の本発明の処理済み魚卵状アラゴナイト粉末のSEMをより高い倍率で示している。
【
図4J】4Gに示されている試料の本発明の処理済み魚卵状アラゴナイト粉末のSEMをより高い倍率で示している。
【
図4K】処理済みカトルボーン(TCB)粉末および処理済み魚卵状アラゴナイトを比較する、エネルギー分散型X線分光法(EDX)分析を示している。
【
図5】(左上)処理済み魚卵状アラゴナイトとの反応前の結石表面のSEM;(右上)処理済み魚卵状アラゴナイトとの反応後の結石表面のSEM、および(下)処理済み魚卵状アラゴナイトでの処置前後の結石を比較するEDX分析を示している。
【
図6】CB、TCB、合成炭酸カルシウム(CaCO
3)および処理済み魚卵状アラゴナイト(アラゴナイトと同定)のBET比表面積を示している。
【
図7】エナメル質、ぞうげ質および結石上でのTCB、合成炭酸カルシウム(CaCO
3)、および処理済み魚卵状アラゴナイト(アラゴナイトと同定)スラリーの研磨深さを示している。
【
図8】結石試料で決定された無機相存在度を示している。非結晶性リン酸カルシウム(ACP)、α-リン酸三カルシウム(α-TCP)、リン酸二カルシウム二水和物(DCPD、ブルシャイトの形態で)、ヒドロキシアパタイト(HA)、およびアラゴナイトCaCO
3。
【
図9A】結石試料中での非アパタイト型リン酸カルシウム(CaP) 対 アパタイト型リン酸カルシウム(CaP)の量の相関[すなわち、ヒドロキシアパタイト(HA)および結晶性ヒドロキシアパタイト(CHA)の合計]を示している。
【
図9B】結石試料中でのα-TCP 対 DCPDの量の相関を示している。
【
図9C】結石試料中でのα-TCP 対 アラゴナイトの量の相関を示している。
【
図9D】結石試料中でのDCPD 対 アラゴナイトの量の相関を示している。
【
図9E】結石試料中でのDCPD 対 HAの量の相関を示している。
【
図9F】結石試料中でのα-TCP 対 HAの量の相関を示している。
【
図9G】結石試料中でのHA 対 アラゴナイトの量の相関を示している。
【
図10A】H
2O中での(上)、またはH
2O中ではない(下)FTIR分析で測定された等モル比のカルサイトCaCO
3およびブルシャイト リン酸二カルシウム二水和物(DCPD)の反応性を示している。
【
図10B】H
2O中での(上)、またはH
2O中ではない(下)FTIR分析で測定された等モル比のTCBおよびブルシャイト リン酸二カルシウム二水和物(DCPD)の反応性を示している。
【
図10C】
図10Aからの測定値の減算を示しており、これは、F値の大きさに基づき、反応が起きていないことを示している。
【
図10D】
図10Bからの測定値の減算を示しており、これは、F値の大きさに基づき、2種の化合物の間で反応が起きていることを示している。
【
図10E】H
2O中での(上)、またはH
2O中ではない(下)FTIR分析で測定された等モル比の処理済み魚卵状アラゴナイト(ARG)およびブルシャイト リン酸二カルシウム二水和物(DCPD)の反応性を示している。
【
図10F】H
2O中での(上)、またはH
2O中ではない(下)FTIR分析で測定された等モル比のカルサイトCaCO
3およびβ-リン酸三カルシウム(BTCP)の反応性を示している。
【
図10G】
図10Eからの測定値の減算を示しており、これは、F値の大きさに基づき、2種の化合物の間で反応が起きていることを示している。
【
図10H】
図10Fからの測定値の減算を示しており、これは、F値の大きさに基づき、2種の化合物の間で弱い反応のみが起きていることを示している。
【
図10I】H
2O中での(上)、またはH
2O中ではない(下)FTIR分析で測定された等モル比の処理済み魚卵状アラゴナイト(ARG)およびβ-リン酸三カルシウム(BTCP)の反応性を示している。
【
図10J】H
2O中での(上)、またはH
2O中ではない(下)FTIR分析で測定された等モル比のTCBおよびβ-リン酸三カルシウム(BTCP)の反応性を示している。
【
図10K】
図10Iからの測定値の減算を示しており、これは、F値の大きさに基づき、2種の化合物の間で弱い反応のみが起きていることを示している。
【
図10L】
図10Jからの測定値の減算を示しており、これは、F値の大きさに基づき、2種の化合物の間で弱い反応のみが起きていることを示している。
【
図11A】H
2O中での(上)、またはH
2O中ではない(下)FTIR分析で測定された等モル比の処理済み魚卵状アラゴナイトおよび結石の反応性を示している。
【
図11B】
図11Aからの測定値の減算を示しており、これは、F値の大きさに基づき、2種の化合物の間で反応が起きていることを示している。
【
図11C】H
2O中での(上)、またはH
2O中ではない(下)FTIR分析で測定された等モル比のカルサイトCaCO
3および結石の反応性を示している。
【
図11D】
図11Cからの測定値の減算を示しており、これは、F値の大きさに基づき、2種の化合物の間で反応が起きていないか、弱い反応のみが起きていることを示している。
【
図12A】飽和リン酸カルシウム溶液(
*:PO
4
3-基)中での14日間のインキュベーション前後のカルサイト、アラゴナイト、および処理済みアラゴナイト粉末のFTIRスペクトルを示している。
【
図12B】上清中のカルシウムイオン濃度を示している。
【
図13】プラーク中でのリン酸カルシウム沈着を阻害することにより結石形成を阻害するピロリン酸塩の抗結石作用を示している。
【
図14】本発明の実施形態によるアラゴナイトまたは処理済みアラゴナイトと歯石との間の反応を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
添付の図面を通じて、同様の特徴は、同様の参照番号により同定されることが特記される。
【0065】
本明細書において引用されるすべての刊行物、特許および特許出願は、あらゆる目的のために参照により本明細書に明示的に援用される。
【0066】
本発明を詳細に説明する前に、いくつかの用語を定義することとする。本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別段に規定していない限り、複数形の言及を含む。
【0067】
「好ましくは」、「一般に」、および「典型的には」のような用語は、請求される本発明の範囲を限定するために、またはある特定の特徴が、請求される本発明の構造もしくは機能にとって決定的である、必須である、もしくは重要でもあることを意味するために本明細書において利用されているのではないことが特筆される。むしろ、これらの用語は、本発明の特定の実施形態において利用することができるか、またはできない代替または追加の特徴を強調することを単に意図されたものである。
【0068】
本発明を説明および定義する目的では、「実質的に」という用語は、いずれかの定量的比較、値、測定、または他の表現に帰せられ得る固有の程度の不確定性を表すために本明細書において利用されていることが特筆される。「実質的に」という用語はまた、問題の発明の主題の基本的機能に変化をもたらすことなく、定量的表現が、規定された基準から変動し得る程度を表すために、本明細書において利用されている。
【0069】
歯石は、ミネラル化したプラークであり、多孔性であるので、歯周組織を損傷させ得る様々な毒性薬品、食品カスおよび細菌を吸収し得る。したがって、結石除去は、適正な歯周の健康を維持するために重要である。そのため、結石除去プロセスを容易にするであろうアプローチの開発および実施態様にはかなりの関心がある。現在、歯石を除去するための唯一の実行可能な方法は、歯科クリニックにおけるスケーリングによる機械的除去である。練り歯磨きは、クリーニングに必須であるカルサイト、二酸化ケイ素、ブルシャイト、およびギブサイトを含む様々な研磨剤を含んでもよいが、しかしながら、それらは、結石を除去している間に、エナメル質およびぞうげ質を損傷させることもある。練り歯磨きは、結石を脱ミネラル化するために練り歯磨き中で低濃度で使用されるカルボン酸塩およびピロリン酸塩を含有するが、これらを高濃度で使用した場合には、エナメル質を溶解させることがある。歯石はリン酸カルシウム結晶で作られ、これは、カルシウムおよびホスフェートが結合してリン酸カルシウム結晶を形成すると作られる。結石を除去および予防するための他の方法は、Crest(登録商標)Tartar Protectionなどのピロリン酸塩含有練り歯磨きを用いてブラッシングすることにより補助され得るが、これは、歯の表面に付着して、非結晶性リン酸カルシウムがヒドロキシアパタイトへと結晶化することを予防することにより、結石結晶が形成または発生することを予防する。ピロリン酸塩は、プラーク中のカルシウムと共に可溶性錯体を構成して、歯の上のプラークにおいて無機質が結晶形成(沈着)することを予防することにより作用する(例えば、
図13を参照されたい)。
【0070】
低毒性のキレート化剤であるにもかかわらず、ピロリン酸塩は、しかしながら、ヒドロキシアパタイトが骨および歯において結晶化することを予防し、歯の表面での脱ミネラル化と再ミネラル化との間の平衡にマイナスの影響を及ぼし得る。歯の基底構造を維持しながら歯石を除去する、現在利用可能な市販の練り歯磨きの代替が必要とされている。結石は、タンパク質、糖タンパク質、脂質、DNA、炭水化物、および細菌などの有機材料(およそ15%~20%)、さらには植物オパールおよびデンプン顆粒のようなマイクロ粒子(以前は微小化石として公知)を含有する。歯石は、大部分が無機性であり、ブルシャイト、ウィットロカイト、リン酸八カルシウム、およびヒドロキシアパタイトなどの鉱物の形態で、主にカルシウムおよびリンと、低いパーセンテージの炭酸塩、ナトリウム、マグネシウム、ケイ素、鉄、およびフッ化物とから構成される。炭酸カルシウムは、他方で、2種の別個の鉱物として起こり得るであろう:カルサイト(CaCO3)は、安定した形態である一方で、アラゴナイトは不安定であり、最後には、時間または熱によりカルサイトに変化し得る。カルサイトは、アラゴナイトと同じ化学組成を有するが、結晶構造がわずかに異なる鉱物である。アラゴナイトは、カルサイトの菱面体切断を欠いていて、典型的には、その結晶形態では針状結晶を有する。ブルシャイトおよびウィットロカイトは、次の式に従って、アラゴナイトおよびカルサイト鉱物と有利に反応することが公知である。
【0071】
炭酸カルシウムとのリン酸二カルシウム(ブルシャイト)の反応:
【0072】
【0073】
炭酸カルシウムとのリン酸三カルシウム(ウィットロカイト)の反応:
【0074】
【0075】
菱面体カルサイト結晶と比較すると、針状アラゴナイト結晶は、より速く反応し得る。したがって、歯石の除去は、アラゴナイトとブルシャイトおよびウィットロカイトとの反応により促進され得るであろう。結石除去のための適切な処置としてのアラゴナイト、特に処理済みアラゴナイトの有効性が、従来の練り歯磨きにおいて見い出されるカルサイト(CaCO3)と比較して調査された。
【0076】
練り歯磨きの複雑な組成は、活性成分が生産または送達のプロセスにおいて不活性化されないことを保証することが必要であることを示している。例えば、歯磨剤に添加された炭酸カルシウムは、フッ化物に結合し、フッ化物を抗齲蝕剤として無効にし、これは高度に望ましくない(Shen et al. "Bioavailable fluoride in calcium-containing dentifrices" Scientific Reports, (2021) 11:146)。したがって、練り歯磨きの組成は、口腔健康の維持に対するそれらの有効性および口腔での安全性に重要である。
【0077】
実施形態では、オーラルケア用組成物を開示する。本発明の組成物は、成分として、第1の歯科用研磨剤として使用するために炭酸カルシウム含有率95%(w/w)超、約2.70~約3.1m2/gの比表面積(SSA)を有する処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子を含有するオーラルケア用組成物である。本発明の組成物はまた、歯に有利なフッ化物処置を提供するために好適なフッ化物化合物を含有する。重要なことに、フッ化物化合物からのフッ化物と処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子との反応を回避するために、本発明において使用される処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子は、弱酸性条件下で効果的に処理されている。
【0078】
アラゴナイトは、炭酸塩鉱物であり、炭酸カルシウム、CaCO3の2種の一般的な天然に存在する結晶形態の一方であり、他方の形態は鉱物のカルサイトである。これは、海水および淡水環境からの沈殿を含む生物学的および物理的プロセスにより形成される。
【0079】
アラゴナイトの結晶格子は、カルサイトのものとは異なり、異なる結晶形状、針状結晶で斜方晶系をもたらす。繰返しの双晶形成は、偽六方晶系形態をもたらす。アラゴナイトは、柱状または繊維状であり、時には、カリンチア鉄鉱山の鉱石とのそれらの関連からフロスフェリ(flos-ferri)(「鉄の花」)と呼ばれる分岐鍾乳石形態であり得る。
【0080】
アラゴナイトは天然では、ほぼすべての軟体類外皮で、ならびに温水および冷水サンゴ(イシサンゴ目)の石灰質体内骨格として形成される。数種のカンザシゴカイ科がアラゴナイト管を有する。軟体類外皮における鉱物の沈着は著しく生物学的に制御されるので、一部の結晶形態は、無機アラゴナイトの形態とは特徴的に異なる。一部の軟体類では、外皮全体がアラゴナイトであり;他では、アラゴナイトは、バイオミネラル外皮の個別部分(アラゴナイト+カルサイト)のみを形成する。アラゴナイトはまた、海洋および洞穴において無機沈澱物として形成され、それぞれ海洋セメントおよびスペレオセムと呼ばれる。一部の絶滅したアンモナイトのアラゴナイト貝化石の真珠層は、アンモライトと呼ばれる虹色の材料を形成する。アンモライトは主に、それを虹色にして、宝石として貴重なものとする不純物を含むアラゴナイトである。
【0081】
実施形態によれば、アラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)は、処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子をもたらし得る任意の好適な起源に由来してよい。実施形態では、アラゴナイト炭酸カルシウムは、動物起源、例えば、コウイカまたはシェルフィッシュ(shellfish)起源であってよい。別の実施形態によれば、アラゴナイト炭酸カルシウムは、植物起源に、例えば、魚卵石起源に由来してよい。好ましい一実施形態では、アラゴナイト炭酸カルシウムおよび処理済みアラゴナイト炭酸カルシウムは、キチンに対してアレルギー性である個体へのアレルギー反応を回避するために、キチン非含有である。キチンは通常、動物起源から供給されるアラゴナイトに存在するので、キチンの存在を回避することを望む場合には、植物起源に由来する、例えば、魚卵石起源に由来するアラゴナイトが好ましい。
【0082】
本発明において使用される処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)の粒子は、約25μm~約70μm、もしくは約26μm~約70μm、もしくは約27μm~約70μm、もしくは約28μm~約70μm、もしくは約29μm~約70μm、もしくは約30μm~約70μm、もしくは約31μm~約70μm、もしくは約32μm~約70μm、もしくは約33μm~約70μm、もしくは約34μm~約70μm、もしくは約35μm~約70μm、もしくは約36μm~約70μm、もしくは約37μm~約70μm、もしくは約38μm~約70μm、もしくは約39μm~約70μm、もしくは約40μm~約70μm、もしくは約41μm~約70μm、もしくは約42μm~約70μm、もしくは約43μm~約70μm、もしくは約44μm~約70μm、もしくは約45μm~約70μm、もしくは約46μm~約70μm、もしくは約47μm~約70μm、もしくは約48μm~約70μm、もしくは約49μm~約70μm、もしくは約50μm~約70μm、もしくは約51μm~約70μm、もしくは約52μm~約70μm、もしくは約53μm~約70μm、もしくは約54μm~約70μm、もしくは約55μm~約70μm、もしくは約56μm~約70μm、もしくは約57μm~約70μm、もしくは約58μm~約70μm、もしくは約59μm~約70μm、もしくは約60μm~約70μm、もしくは約61μm~約70μm、もしくは約62μm~約70μm、もしくは約63μm~約70μm、もしくは約64μm~約70μm、もしくは約65μm~約70μm、もしくは約66μm~約70μm、もしくは約67μm~約70μm、もしくは約68μm~約70μm、もしくは約69μm~約70μm、もしくは約25μm~約69μm、もしくは約26μm~約69μm、もしくは約27μm~約69μm、もしくは約28μm~約69μm、もしくは約29μm~約69μm、もしくは約30μm~約69μm、もしくは約31μm~約69μm、もしくは約32μm~約69μm、もしくは約33μm~約69μm、もしくは約34μm~約69μm、もしくは約35μm~約69μm、もしくは約36μm~約69μm、もしくは約37μm~約69μm、もしくは約38μm~約69μm、もしくは約39μm~約69μm、もしくは約40μm~約69μm、もしくは約41μm~約69μm、もしくは約42μm~約69μm、もしくは約43μm~約69μm、もしくは約44μm~約69μm、もしくは約45μm~約69μm、もしくは約46μm~約69μm、もしくは約47μm~約69μm、もしくは約48μm~約69μm、もしくは約49μm~約69μm、もしくは約50μm~約69μm、もしくは約51μm~約69μm、もしくは約52μm~約69μm、もしくは約53μm~約69μm、もしくは約54μm~約69μm、もしくは約55μm~約69μm、もしくは約56μm~約69μm、もしくは約57μm~約69μm、もしくは約58μm~約69μm、もしくは約59μm~約69μm、もしくは約60μm~約69μm、もしくは約61μm~約69μm、もしくは約62μm~約69μm、もしくは約63μm~約69μm、もしくは約64μm~約69μm、もしくは約65μm~約69μm、もしくは約66μm~約69μm、もしくは約67μm~約69μm、もしくは約68μm~約69μm、もしくは約25μm~約68μm、もしくは約26μm~約68μm、もしくは約27μm~約68μm、もしくは約28μm~約68μm、もしくは約29μm~約68μm、もしくは約30μm~約68μm、もしくは約31μm~約68μm、もしくは約32μm~約68μm、もしくは約33μm~約68μm、もしくは約34μm~約68μm、もしくは約35μm~約68μm、もしくは約36μm~約68μm、もしくは約37μm~約68μm、もしくは約38μm~約68μm、もしくは約39μm~約68μm、もしくは約40μm~約68μm、もしくは約41μm~約68μm、もしくは約42μm~約68μm、もしくは約43μm~約68μm、もしくは約44μm~約68μm、もしくは約45μm~約68μm、もしくは約46μm~約68μm、もしくは約47μm~約68μm、もしくは約48μm~約68μm、もしくは約49μm~約68μm、もしくは約50μm~約68μm、もしくは約51μm~約68μm、もしくは約52μm~約68μm、もしくは約53μm~約68μm、もしくは約54μm~約68μm、もしくは約55μm~約68μm、もしくは約56μm~約68μm、もしくは約57μm~約68μm、もしくは約58μm~約68μm、もしくは約59μm~約68μm、もしくは約60μm~約68μm、もしくは約61μm~約68μm、もしくは約62μm~約68μm、もしくは約63μm~約68μm、もしくは約64μm~約68μm、もしくは約65μm~約68μm、もしくは約66μm~約68μm、もしくは約67μm~約68μm、もしくは約25μm~約67μm、もしくは約26μm~約67μm、もしくは約27μm~約67μm、もしくは約28μm~約67μm、もしくは約29μm~約67μm、もしくは約30μm~約67μm、もしくは約31μm~約67μm、もしくは約32μm~約67μm、もしくは約33μm~約67μm、もしくは約34μm~約67μm、もしくは約35μm~約67μm、もしくは約36μm~約67μm、もしくは約37μm~約67μm、もしくは約38μm~約67μm、もしくは約39μm~約67μm、もしくは約40μm~約67μm、もしくは約41μm~約67μm、もしくは約42μm~約67μm、もしくは約43μm~約67μm、もしくは約44μm~約67μm、もしくは約45μm~約67μm、もしくは約46μm~約67μm、もしくは約47μm~約67μm、もしくは約48μm~約67μm、もしくは約49μm~約67μm、もしくは約50μm~約67μm、もしくは約51μm~約67μm、もしくは約52μm~約67μm、もしくは約53μm~約67μm、もしくは約54μm~約67μm、もしくは約55μm~約67μm、もしくは約56μm~約67μm、もしくは約57μm~約67μm、もしくは約58μm~約67μm、もしくは約59μm~約67μm、もしくは約60μm~約67μm、もしくは約61μm~約67μm、もしくは約62μm~約67μm、もしくは約63μm~約67μm、もしくは約64μm~約67μm、もしくは約65μm~約67μm、もしくは約66μm~約67μm、もしくは約25μm~約66μm、もしくは約26μm~約66μm、もしくは約27μm~約66μm、もしくは約28μm~約66μm、もしくは約29μm~約66μm、もしくは約30μm~約66μm、もしくは約31μm~約66μm、もしくは約32μm~約66μm、もしくは約33μm~約66μm、もしくは約34μm~約66μm、もしくは約35μm~約66μm、もしくは約36μm~約66μm、もしくは約37μm~約66μm、もしくは約38μm~約66μm、もしくは約39μm~約66μm、もしくは約40μm~約66μm、もしくは約41μm~約66μm、もしくは約42μm~約66μm、もしくは約43μm~約66μm、もしくは約44μm~約66μm、もしくは約45μm~約66μm、もしくは約46μm~約66μm、もしくは約47μm~約66μm、もしくは約48μm~約66μm、もしくは約49μm~約66μm、もしくは約50μm~約66μm、もしくは約51μm~約66μm、もしくは約52μm~約66μm、もしくは約53μm~約66μm、もしくは約54μm~約66μm、もしくは約55μm~約66μm、もしくは約56μm~約66μm、もしくは約57μm~約66μm、もしくは約58μm~約66μm、もしくは約59μm~約66μm、もしくは約60μm~約66μm、もしくは約61μm~約66μm、もしくは約62μm~約66μm、もしくは約63μm~約66μm、もしくは約64μm~約66μm、もしくは約65μm~約66μm、もしくは約25μm~約65μm、もしくは約26μm~約65μm、もしくは約27μm~約65μm、もしくは約28μm~約65μm、もしくは約29μm~約65μm、もしくは約30μm~約65μm、もしくは約31μm~約65μm、もしくは約32μm~約65μm、もしくは約33μm~約65μm、もしくは約34μm~約65μm、もしくは約35μm~約65μm、もしくは約36μm~約65μm、もしくは約37μm~約65μm、もしくは約38μm~約65μm、もしくは約39μm~約65μm、もしくは約40μm~約65μm、もしくは約41μm~約65μm、もしくは約42μm~約65μm、もしくは約43μm~約65μm、もしくは約44μm~約65μm、もしくは約45μm~約65μm、もしくは約46μm~約65μm、もしくは約47μm~約65μm、もしくは約48μm~約65μm、もしくは約49μm~約65μm、もしくは約50μm~約65μm、もしくは約51μm~約65μm、もしくは約52μm~約65μm、もしくは約53μm~約65μm、もしくは約54μm~約65μm、もしくは約55μm~約65μm、もしくは約56μm~約65μm、もしくは約57μm~約65μm、もしくは約58μm~約65μm、もしくは約59μm~約65μm、もしくは約60μm~約65μm、もしくは約61μm~約65μm、もしくは約62μm~約65μm、もしくは約63μm~約65μm、もしくは約64μm~約65μm、もしくは約25μm~約64μm、もしくは約26μm~約64μm、もしくは約27μm~約64μm、もしくは約28μm~約64μm、もしくは約29μm~約64μm、もしくは約30μm~約64μm、もしくは約31μm~約64μm、もしくは約32μm~約64μm、もしくは約33μm~約64μm、もしくは約34μm~約64μm、もしくは約35μm~約64μm、もしくは約36μm~約64μm、もしくは約37μm~約64μm、もしくは約38μm~約64μm、もしくは約39μm~約64μm、もしくは約40μm~約64μm、もしくは約41μm~約64μm、もしくは約42μm~約64μm、もしくは約43μm~約64μm、もしくは約44μm~約64μm、もしくは約45μm~約64μm、もしくは約46μm~約64μm、もしくは約47μm~約64μm、もしくは約48μm~約64μm、もしくは約49μm~約64μm、もしくは約50μm~約64μm、もしくは約51μm~約64μm、もしくは約52μm~約64μm、もしくは約53μm~約64μm、もしくは約54μm~約64μm、もしくは約55μm~約64μm、もしくは約56μm~約64μm、もしくは約57μm~約64μm、もしくは約58μm~約64μm、もしくは約59μm~約64μm、もしくは約60μm~約64μm、もしくは約61μm~約64μm、もしくは約62μm~約64μm、もしくは約63μm~約64μm、もしくは約25μm~約63μm、もしくは約26μm~約63μm、もしくは約27μm~約63μm、もしくは約28μm~約63μm、もしくは約29μm~約63μm、もしくは約30μm~約63μm、もしくは約31μm~約63μm、もしくは約32μm~約63μm、もしくは約33μm~約63μm、もしくは約34μm~約63μm、もしくは約35μm~約63μm、もしくは約36μm~約63μm、もしくは約37μm~約63μm、もしくは約38μm~約63μm、もしくは約39μm~約63μm、もしくは約40μm~約63μm、もしくは約41μm~約63μm、もしくは約42μm~約63μm、もしくは約43μm~約63μm、もしくは約44μm~約63μm、もしくは約45μm~約63μm、もしくは約46μm~約63μm、もしくは約47μm~約63μm、
【0083】
もしくは約48μm~約63μm、もしくは約49μm~約63μm、もしくは約50μm~約63μm、もしくは約51μm~約63μm、もしくは約52μm~約63μm、もしくは約53μm~約63μm、もしくは約54μm~約63μm、もしくは約55μm~約63μm、もしくは約56μm~約63μm、もしくは約57μm~約63μm、もしくは約58μm~約63μm、もしくは約59μm~約63μm、もしくは約60μm~約63μm、もしくは約61μm~約63μm、もしくは約62μm~約63μm、もしくは約25μm~約62μm、もしくは約26μm~約62μm、もしくは約27μm~約62μm、もしくは約28μm~約62μm、もしくは約29μm~約62μm、もしくは約30μm~約62μm、もしくは約31μm~約62μm、もしくは約32μm~約62μm、もしくは約33μm~約62μm、もしくは約34μm~約62μm、もしくは約35μm~約62μm、もしくは約36μm~約62μm、もしくは約37μm~約62μm、もしくは約38μm~約62μm、もしくは約39μm~約62μm、もしくは約40μm~約62μm、もしくは約41μm~約62μm、もしくは約42μm~約62μm、もしくは約43μm~約62μm、もしくは約44μm~約62μm、もしくは約45μm~約62μm、もしくは約46μm~約62μm、もしくは約47μm~約62μm、もしくは約48μm~約62μm、もしくは約49μm~約62μm、もしくは約50μm~約62μm、もしくは約51μm~約62μm、もしくは約52μm~約62μm、もしくは約53μm~約62μm、もしくは約54μm~約62μm、もしくは約55μm~約62μm、もしくは約56μm~約62μm、もしくは約57μm~約62μm、もしくは約58μm~約62μm、もしくは約59μm~約62μm、もしくは約60μm~約62μm、もしくは約61μm~約62μm、もしくは約25μm~約61μm、もしくは約26μm~約61μm、もしくは約27μm~約61μm、もしくは約28μm~約61μm、もしくは約29μm~約61μm、もしくは約30μm~約61μm、もしくは約31μm~約61μm、もしくは約32μm~約61μm、もしくは約33μm~約61μm、もしくは約34μm~約61μm、もしくは約35μm~約61μm、もしくは約36μm~約61μm、もしくは約37μm~約61μm、もしくは約38μm~約61μm、もしくは約39μm~約61μm、もしくは約40μm~約61μm、もしくは約41μm~約61μm、もしくは約42μm~約61μm、もしくは約43μm~約61μm、もしくは約44μm~約61μm、もしくは約45μm~約61μm、もしくは約46μm~約61μm、もしくは約47μm~約61μm、もしくは約48μm~約61μm、もしくは約49μm~約61μm、もしくは約50μm~約61μm、もしくは約51μm~約61μm、もしくは約52μm~約61μm、もしくは約53μm~約61μm、もしくは約54μm~約61μm、もしくは約55μm~約61μm、もしくは約56μm~約61μm、もしくは約57μm~約61μm、もしくは約58μm~約61μm、もしくは約59μm~約61μm、もしくは約60μm~約61μm、もしくは約25μm~約60μm、もしくは約26μm~約60μm、もしくは約27μm~約60μm、もしくは約28μm~約60μm、もしくは約29μm~約60μm、もしくは約30μm~約60μm、もしくは約31μm~約60μm、もしくは約32μm~約60μm、もしくは約33μm~約60μm、もしくは約34μm~約60μm、もしくは約35μm~約60μm、もしくは約36μm~約60μm、もしくは約37μm~約60μm、もしくは約38μm~約60μm、もしくは約39μm~約60μm、もしくは約40μm~約60μm、もしくは約41μm~約60μm、もしくは約42μm~約60μm、もしくは約43μm~約60μm、もしくは約44μm~約60μm、もしくは約45μm~約60μm、もしくは約46μm~約60μm、もしくは約47μm~約60μm、もしくは約48μm~約60μm、もしくは約49μm~約60μm、もしくは約50μm~約60μm、もしくは約51μm~約60μm、もしくは約52μm~約60μm、もしくは約53μm~約60μm、もしくは約54μm~約60μm、もしくは約55μm~約60μm、もしくは約56μm~約60μm、もしくは約57μm~約60μm、もしくは約58μm~約60μm、もしくは約59μm~約60μm、もしくは約25μm~約59μm、もしくは約26μm~約59μm、もしくは約27μm~約59μm、もしくは約28μm~約59μm、もしくは約29μm~約59μm、もしくは約30μm~約59μm、もしくは約31μm~約59μm、もしくは約32μm~約59μm、もしくは約33μm~約59μm、もしくは約34μm~約59μm、もしくは約35μm~約59μm、もしくは約36μm~約59μm、もしくは約37μm~約59μm、もしくは約38μm~約59μm、もしくは約39μm~約59μm、もしくは約40μm~約59μm、もしくは約41μm~約59μm、もしくは約42μm~約59μm、もしくは約43μm~約59μm、もしくは約44μm~約59μm、もしくは約45μm~約59μm、もしくは約46μm~約59μm、もしくは約47μm~約59μm、もしくは約48μm~約59μm、もしくは約49μm~約59μm、もしくは約50μm~約59μm、もしくは約51μm~約59μm、もしくは約52μm~約59μm、もしくは約53μm~約59μm、もしくは約54μm~約59μm、もしくは約55μm~約59μm、もしくは約56μm~約59μm、もしくは約57μm~約59μm、もしくは約58μm~約59μm、もしくは約25μm~約58μm、もしくは約26μm~約58μm、もしくは約27μm~約58μm、もしくは約28μm~約58μm、もしくは約29μm~約58μm、もしくは約30μm~約58μm、もしくは約31μm~約58μm、もしくは約32μm~約58μm、もしくは約33μm~約58μm、もしくは約34μm~約58μm、もしくは約35μm~約58μm、もしくは約36μm~約58μm、もしくは約37μm~約58μm、もしくは約38μm~約58μm、もしくは約39μm~約58μm、もしくは約40μm~約58μm、もしくは約41μm~約58μm、もしくは約42μm~約58μm、もしくは約43μm~約58μm、もしくは約44μm~約58μm、もしくは約45μm~約58μm、もしくは約46μm~約58μm、もしくは約47μm~約58μm、もしくは約48μm~約58μm、もしくは約49μm~約58μm、もしくは約50μm~約58μm、もしくは約51μm~約58μm、もしくは約52μm~約58μm、もしくは約53μm~約58μm、もしくは約54μm~約58μm、もしくは約55μm~約58μm、もしくは約56μm~約58μm、もしくは約57μm~約58μm、もしくは約25μm~約57μm、もしくは約26μm~約57μm、もしくは約27μm~約57μm、もしくは約28μm~約57μm、もしくは約29μm~約57μm、もしくは約30μm~約57μm、もしくは約31μm~約57μm、もしくは約32μm~約57μm、もしくは約33μm~約57μm、もしくは約34μm~約57μm、もしくは約35μm~約57μm、もしくは約36μm~約57μm、もしくは約37μm~約57μm、もしくは約38μm~約57μm、もしくは約39μm~約57μm、もしくは約40μm~約57μm、もしくは約41μm~約57μm、もしくは約42μm~約57μm、もしくは約43μm~約57μm、もしくは約44μm~約57μm、もしくは約45μm~約57μm、もしくは約46μm~約57μm、もしくは約47μm~約57μm、もしくは約48μm~約57μm、もしくは約49μm~約57μm、もしくは約50μm~約57μm、もしくは約51μm~約57μm、もしくは約52μm~約57μm、もしくは約53μm~約57μm、もしくは約54μm~約57μm、もしくは約55μm~約57μm、もしくは約56μm~約57μm、もしくは約25μm~約56μm、もしくは約26μm~約56μm、もしくは約27μm~約56μm、もしくは約28μm~約56μm、もしくは約29μm~約56μm、もしくは約30μm~約56μm、もしくは約31μm~約56μm、もしくは約32μm~約56μm、もしくは約33μm~約56μm、もしくは約34μm~約56μm、もしくは約35μm~約56μm、もしくは約36μm~約56μm、もしくは約37μm~約56μm、もしくは約38μm~約56μm、もしくは約39μm~約56μm、もしくは約40μm~約56μm、もしくは約41μm~約56μm、もしくは約42μm~約56μm、もしくは約43μm~約56μm、もしくは約44μm~約56μm、もしくは約45μm~約56μm、もしくは約46μm~約56μm、もしくは約47μm~約56μm、もしくは約48μm~約56μm、もしくは約49μm~約56μm、もしくは約50μm~約56μm、もしくは約51μm~約56μm、もしくは約52μm~約56μm、もしくは約53μm~約56μm、もしくは約54μm~約56μm、もしくは約55μm~約56μm、もしくは約25μm~約55μm、もしくは約26μm~約55μm、もしくは約27μm~約55μm、もしくは約28μm~約55μm、もしくは約29μm~約55μm、もしくは約30μm~約55μm、もしくは約31μm~約55μm、もしくは約32μm~約55μm、もしくは約33μm~約55μm、もしくは約34μm~約55μm、もしくは約35μm~約55μm、もしくは約36μm~約55μm、もしくは約37μm~約55μm、もしくは約38μm~約55μm、もしくは約39μm~約55μm、もしくは約40μm~約55μm、もしくは約41μm~約55μm、もしくは約42μm~約55μm、もしくは約43μm~約55μm、もしくは約44μm~約55μm、もしくは約45μm~約55μm、もしくは約46μm~約55μm、もしくは約47μm~約55μm、もしくは約48μm~約55μm、もしくは約49μm~約55μm、もしくは約50μm~約55μm、もしくは約51μm~約55μm、もしくは約52μm~約55μm、もしくは約53μm~約55μm、もしくは約54μm~約55μm、もしくは約25μm~約54μm、もしくは約26μm~約54μm、もしくは約27μm~約54μm、もしくは約28μm~約54μm、もしくは約29μm~約54μm、もしくは約30μm~約54μm、もしくは約31μm~約54μm、もしくは約32μm~約54μm、もしくは約33μm~約54μm、もしくは約34μm~約54μm、もしくは約35μm~約54μm、もしくは約36μm~約54μm、もしくは約37μm~約54μm、もしくは約38μm~約54μm、もしくは約39μm~約54μm、もしくは約40μm~約54μm、もしくは約41μm~約54μm、もしくは約42μm~約54μm、もしくは約43μm~約54μm、もしくは約44μm~約54μm、もしくは約45μm~約54μm、もしくは約46μm~約54μm、もしくは約47μm~約54μm、もしくは約48μm~約54μm、もしくは約49μm~約54μm、もしくは約50μm~約54μm、もしくは約51μm~約54μm、もしくは約52μm~約54μm、もしくは約53μm~約54μm、もしくは約25μ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【0084】
もしくは約33μm~約53μm、もしくは約34μm~約53μm、もしくは約35μm~約53μm、もしくは約36μm~約53μm、もしくは約37μm~約53μm、もしくは約38μm~約53μm、もしくは約39μm~約53μm、もしくは約40μm~約53μm、もしくは約41μm~約53μm、もしくは約42μm~約53μm、もしくは約43μm~約53μm、もしくは約44μm~約53μm、もしくは約45μm~約53μm、もしくは約46μm~約53μm、もしくは約47μm~約53μm、もしくは約48μm~約53μm、もしくは約49μm~約53μm、もしくは約50μm~約53μm、もしくは約51μm~約53μm、もしくは約52μm~約53μm、もしくは約25μm~約52μm、もしくは約26μm~約52μm、もしくは約27μm~約52μm、もしくは約28μm~約52μm、もしくは約29μm~約52μm、もしくは約30μm~約52μm、もしくは約31μm~約52μm、もしくは約32μm~約52μm、もしくは約33μm~約52μm、もしくは約34μm~約52μm、もしくは約35μm~約52μm、もしくは約36μm~約52μm、もしくは約37μm~約52μm、もしくは約38μm~約52μm、もしくは約39μm~約52μm、もしくは約40μm~約52μm、もしくは約41μm~約52μm、もしくは約42μm~約52μm、もしくは約43μm~約52μm、もしくは約44μm~約52μm、もしくは約45μm~約52μm、もしくは約46μm~約52μm、もしくは約47μm~約52μm、もしくは約48μm~約52μm、もしくは約49μm~約52μm、もしくは約50μm~約52μm、もしくは約51μm~約52μm、もしくは約25μm~約51μm、もしくは約26μm~約51μm、もしくは約27μm~約51μm、もしくは約28μm~約51μm、もしくは約29μm~約51μm、もしくは約30μm~約51μm、もしくは約31μm~約51μm、もしくは約32μm~約51μm、もしくは約33μm~約51μm、もしくは約34μm~約51μm、もしくは約35μm~約51μm、もしくは約36μm~約51μm、もしくは約37μm~約51μm、もしくは約38μm~約51μm、もしくは約39μm~約51μm、もしくは約40μm~約51μm、もしくは約41μm~約51μm、もしくは約42μm~約51μm、もしくは約43μm~約51μm、もしくは約44μm~約51μm、もしくは約45μm~約51μm、もしくは約46μm~約51μm、もしくは約47μm~約51μm、もしくは約48μm~約51μm、もしくは約49μm~約51μm、もしくは約50μm~約51μm、もしくは約25μm~約50μm、もしくは約26μm~約50μm、もしくは約27μm~約50μm、もしくは約28μm~約50μm、もしくは約29μm~約50μm、もしくは約30μm~約50μm、もしくは約31μm~約50μm、もしくは約32μm~約50μm、もしくは約33μm~約50μm、もしくは約34μm~約50μm、もしくは約35μm~約50μm、もしくは約36μm~約50μm、もしくは約37μm~約50μm、もしくは約38μm~約50μm、もしくは約39μm~約50μm、もしくは約40μm~約50μm、もしくは約41μm~約50μm、もしくは約42μm~約50μm、もしくは約43μm~約50μm、もしくは約44μm~約50μm、もしくは約45μm~約50μm、もしくは約46μm~約50μm、もしくは約47μm~約50μm、もしくは約48μm~約50μm、もしくは約49μm~約50μm、もしくは約25μm~約49μm、もしくは約26μm~約49μm、もしくは約27μm~約49μm、もしくは約28μm~約49μm、もしくは約29μm~約49μm、もしくは約30μm~約49μm、もしくは約31μm~約49μm、もしくは約32μm~約49μm、もしくは約33μm~約49μm、もしくは約34μm~約49μm、もしくは約35μm~約49μm、もしくは約36μm~約49μm、もしくは約37μm~約49μm、もしくは約38μm~約49μm、もしくは約39μm~約49μm、もしくは約40μm~約49μm、もしくは約41μm~約49μm、もしくは約42μm~約49μm、もしくは約43μm~約49μm、もしくは約44μm~約49μm、もしくは約45μm~約49μm、もしくは約46μm~約49μm、もしくは約47μm~約49μm、もしくは約48μm~約49μm、もしくは約25μm~約48μm、もしくは約26μm~約48μm、もしくは約27μm~約48μm、もしくは約28μm~約48μm、もしくは約29μm~約48μm、もしくは約30μm~約48μm、もしくは約31μm~約48μm、もしくは約32μm~約48μm、もしくは約33μm~約48μm、もしくは約34μm~約48μm、もしくは約35μm~約48μm、もしくは約36μm~約48μm、もしくは約37μm~約48μm、もしくは約38μm~約48μm、もしくは約39μm~約48μm、もしくは約40μm~約48μm、もしくは約41μm~約48μm、もしくは約42μm~約48μm、もしくは約43μm~約48μm、もしくは約44μm~約48μm、もしくは約45μm~約48μm、もしくは約46μm~約48μm、もしくは約47μm~約48μm、もしくは約25μm~約47μm、もしくは約26μm~約47μm、もしくは約27μm~約47μm、もしくは約28μm~約47μm、もしくは約29μm~約47μm、もしくは約30μm~約47μm、もしくは約31μm~約47μm、もしくは約32μm~約47μm、もしくは約33μm~約47μm、もしくは約34μm~約47μm、もしくは約35μm~約47μm、もしくは約36μm~約47μm、もしくは約37μm~約47μm、もしくは約38μm~約47μm、もしくは約39μm~約47μm、もしくは約40μm~約47μm、もしくは約41μm~約47μm、もしくは約42μm~約47μm、もしくは約43μm~約47μm、もしくは約44μm~約47μm、もしくは約45μm~約47μm、もしくは約46μm~約47μm、もしくは約25μm~約46μm、もしくは約26μm~約46μm、もしくは約27μm~約46μm、もしくは約28μm~約46μm、もしくは約29μm~約46μm、もしくは約30μm~約46μm、もしくは約31μm~約46μm、もしくは約32μm~約46μm、もしくは約33μm~約46μm、もしくは約34μm~約46μm、もしくは約35μm~約46μm、もしくは約36μm~約46μm、もしくは約37μm~約46μm、もしくは約38μm~約46μm、もしくは約39μm~約46μm、もしくは約40μm~約46μm、もしくは約41μm~約46μm、もしくは約42μm~約46μm、もしくは約43μm~約46μm、もしくは約44μm~約46μm、もしくは約45μm~約46μm、もしくは約25μm~約45μm、もしくは約26μm~約45μm、もしくは約27μm~約45μm、もしくは約28μm~約45μm、もしくは約29μm~約45μm、もしくは約30μm~約45μm、もしくは約31μm~約45μm、もしくは約32μm~約45μm、もしくは約33μm~約45μm、もしくは約34μm~約45μm、もしくは約35μm~約45μm、もしくは約36μm~約45μm、もしくは約37μm~約45μm、もしくは約38μm~約45μm、もしくは約39μm~約45μm、もしくは約40μm~約45μm、もしくは約41μm~約45μm、もしくは約42μm~約45μm、もしくは約43μm~約45μm、もしくは約44μm~約45μm、もしくは約25μm~約44μm、もしくは約26μm~約44μm、もしくは約27μm~約44μm、もしくは約28μm~約44μm、もしくは約29μm~約44μm、もしくは約30μm~約44μm、もしくは約31μm~約44μm、もしくは約32μm~約44μm、もしくは約33μm~約44μm、もしくは約34μm~約44μm、もしくは約35μm~約44μm、もしくは約36μm~約44μm、もしくは約37μm~約44μm、もしくは約38μm~約44μm、もしくは約39μm~約44μm、もしくは約40μm~約44μm、もしくは約41μm~約44μm、もしくは約42μm~約44μm、もしくは約43μm~約44μm、もしくは約25μm~約43μm、もしくは約26μm~約43μm、もしくは約27μm~約43μm、もしくは約28μm~約43μm、もしくは約29μm~約43μm、もしくは約30μm~約43μm、もしくは約31μm~約43μm、もしくは約32μm~約43μm、もしくは約33μm~約43μm、もしくは約34μm~約43μm、もしくは約35μm~約43μm、もしくは約36μm~約43μm、もしくは約37μm~約43μm、もしくは約38μm~約43μm、もしくは約39μm~約43μm、もしくは約40μm~約43μm、もしくは約41μm~約43μm、もしくは約42μm~約43μm、もしくは約25μm~約42μm、もしくは約26μm~約42μm、もしくは約27μm~約42μm、もしくは約28μm~約42μm、もしくは約29μm~約42μm、もしくは約30μm~約42μm、もしくは約31μm~約42μm、もしくは約32μm~約42μm、もしくは約33μm~約42μm、もしくは約34μm~約42μm、もしくは約35μm~約42μm、もしくは約36μm~約42μm、もしくは約37μm~約42μm、もしくは約38μm~約42μm、もしくは約39μm~約42μm、もしくは約40μm~約42μm、もしくは約41μm~約42μm、もしくは約25μm~約41μm、もしくは約26μm~約41μm、もしくは約27μm~約41μm、もしくは約28μm~約41μm、もしくは約29μm~約41μm、もしくは約30μm~約41μm、もしくは約31μm~約41μm、もしくは約32μm~約41μm、もしくは約33μm~約41μm、もしくは約34μm~約41μm、もしくは約35μm~約41μm、もしくは約36μm~約41μm、もしくは約37μm~約41μm、もしくは約38μm~約41μm、もしくは約39μm~約41μm、もしくは約40μm~約41μm、もしくは約25μm~約40μm、もしくは約26μm~約40μm、もしくは約27μm~約40μm、もしくは約28μm~約40μm、もしくは約29μm~約40μm、もしくは約30μm~約40μm、もしくは約31μm~約40μm、もしくは約32μm~約40μm、もしくは約33μm~約40μm、もしくは約34μm~約40μm、もしくは約35μm~約40μm、もしくは約36μm~約40μm、もしくは約37μm~約40μm、もしくは約38μm~約40μm、もしくは約39μm~約40μm、もしくは約25μm~約39μm、もしくは約26μm~約39μm、もしくは約27μm~約39μm、もしくは約28μm~約39μm、もしくは約29μm~約39μm、もしくは約30μm~約39μm、もしくは約31μm~約39μm、もしくは約32μm~約39μm、もしくは約33μm~約39μm、もしくは約34μm~約39μm、もしくは約35μm~約39μm、もしくは約36μm~約39μm、もしくは約37μm~約39μm、もしくは約38μm~約39μm、もしくは約25μm~約38μm、もしくは約26μm~約38μm、もしくは約27μm~約38μm、もしくは約28μm~約38μm、もしくは約29μm~約38μm、もしくは約30μm~約38μm、もしくは約31μm~約38μm、もしくは約32μm~約38μm、もしくは約33μm~約38μm、もしくは約34μm~約38μm、もしくは約35μm~約38μm、もしくは約36μm~約38μm、もしくは約37μm~約38μm、
【0085】
もしくは約25μm~約37μm、もしくは約26μm~約37μm、もしくは約27μm~約37μm、もしくは約28μm~約37μm、もしくは約29μm~約37μm、もしくは約30μm~約37μm、もしくは約31μm~約37μm、もしくは約32μm~約37μm、もしくは約33μm~約37μm、もしくは約34μm~約37μm、もしくは約35μm~約37μm、もしくは約36μm~約37μm、もしくは約25μm~約36μm、もしくは約26μm~約36μm、もしくは約27μm~約36μm、もしくは約28μm~約36μm、もしくは約29μm~約36μm、もしくは約30μm~約36μm、もしくは約31μm~約36μm、もしくは約32μm~約36μm、もしくは約33μm~約36μm、もしくは約34μm~約36μm、もしくは約35μm~約36μm、もしくは約25μm~約35μm、もしくは約26μm~約35μm、もしくは約27μm~約35μm、もしくは約28μm~約35μm、もしくは約29μm~約35μm、もしくは約30μm~約35μm、もしくは約31μm~約35μm、もしくは約32μm~約35μm、もしくは約33μm~約35μm、もしくは約34μm~約35μm、もしくは約25μm~約34μm、もしくは約26μm~約34μm、もしくは約27μm~約34μm、もしくは約28μm~約34μm、もしくは約29μm~約34μm、もしくは約30μm~約34μm、もしくは約31μm~約34μm、もしくは約32μm~約34μm、もしくは約33μm~約34μm、もしくは約25μm~約33μm、もしくは約26μm~約33μm、もしくは約27μm~約33μm、もしくは約28μm~約33μm、もしくは約29μm~約33μm、もしくは約30μm~約33μm、もしくは約31μm~約33μm、もしくは約32μm~約33μm、もしくは約25μm~約32μm、もしくは約26μm~約32μm、もしくは約27μm~約32μm、もしくは約28μm~約32μm、もしくは約29μm~約32μm、もしくは約30μm~約32μm、もしくは約31μm~約32μm、もしくは約25μm~約31μm、もしくは約26μm~約31μm、もしくは約27μm~約31μm、もしくは約28μm~約31μm、もしくは約29μm~約31μm、もしくは約30μm~約31μm、もしくは約25μm~約30μm、もしくは約26μm~約30μm、もしくは約27μm~約30μm、もしくは約28μm~約30μm、もしくは約29μm~約30μm、もしくは約25μm~約29μm、もしくは約26μm~約29μm、もしくは約27μm~約29μm、もしくは約28μm~約29μm、もしくは約25μm~約28μm、もしくは約26μm~約28μm、もしくは約27μm~約28μm、もしくは約25μm~約27μm、もしくは約26μm~約27μm、もしくは約25μm~約26μm、または25μm、26μm、27μm、28μm、29μm、30μm、31μm、32μm、33μm、34μm、35μm、36μm、37μm、38μm、39μm、40μm、41μm、42μm、43μm、44μm、45μm、46μm、47μm、48μm、49μm、50μm、51μm、52μm、53μm、54μm、55μm、56μm、57μm、58μm、59μm、60μm、61μm、62μm、63μm、64μm、65μm、66μm、67μm、68μm、69μm、もしくは70μmの粒径を有する処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム粒子の粒子から構成されてよい。
【0086】
DESAUTELSおよびLABRECHE 1999スケールによれば、好ましい研磨比値は、0から88の間である。DESAUTELSおよびLABRECHEの研磨性スケールは、練り歯磨きで次のとおり変動する:1)わずかに研磨性:0%~88%;2)研磨性から中程度に研磨性:88%~100%および3)非常に研磨性:>100%。
【0087】
比表面積(SSA)、またはBrunauer、EmmettおよびTeller(BET)SSAは、質量単位あたりの材料の全表面積と定義される固体の特性である。本発明の処理済みアラゴナイト炭酸カルシウムの粒子は、約2.7~約3.1、もしくは約2.75~約3.1、もしくは約2.8~約3.1、もしくは約2.85~約3.1、もしくは約2.9~約3.1、もしくは約2.95~約3.1、もしくは約3~約3.1、もしくは約3.05~約3.1、もしくは約2.7~約3.05、もしくは約2.75~約3.05、もしくは約2.8~約3.05、もしくは約2.85~約3.05、もしくは約2.9~約3.05、もしくは約2.95~約3.05、もしくは約3~約3.05、もしくは約2.7~約3.00、もしくは約2.75~約3.00、もしくは約2.8~約3.00、もしくは約2.85~約3.00、もしくは約2.9~約3.00、もしくは約2.95~約3.00、もしくは約2.7~約2.95、もしくは約2.75~約2.95、もしくは約2.8~約2.95、もしくは約2.85~約2.95、もしくは約2.9~約2.95、もしくは約2.7~約2.90、もしくは約2.75~約2.90、もしくは約2.8~約2.90、もしくは約2.85~約2.90、もしくは約2.7~約2.85、もしくは約2.75~約2.85、もしくは約2.8~約2.85、もしくは約2.7~約2.80、もしくは約2.75~約2.80、もしくは約2.7~約2.75、または2.7、2.75、2.8、2.85、2.9、2.95、3、3.05、もしくは3.1m2/gの比表面積(m2/gで)を有してよい。
【0088】
結晶化度は、固体における構造規則性の程度を指す。結晶において、原子または分子は、規則的に周期的に配置されている。結晶化度の程度は、固体の硬度、密度、透明性、および拡散性に影響を及ぼす。本発明において使用される処理済み魚卵状アラゴナイトの結晶化度は、結晶化度約24%~約28%、もしくは約24%~約27.5%、もしくは約24%~約27%、もしくは約24%~約26.5%、もしくは約24%~約26%、もしくは約24%~約25.5%、もしくは約24%~約25%、もしくは約24%~約24.5%、もしくは約24.5%~約28%、もしくは約24.5%~約27.5%、もしくは約24.5%~約27%、もしくは約24.5%~約26.5%、もしくは約24.5%~約26%、もしくは約24.5%~約25.5%、もしくは約24.5%~約25%、もしくは約25%~約28%、もしくは約25%~約27.5%、もしくは約25%~約27%、もしくは約25%~約26.5%、もしくは約25%~約26%、もしくは約25%~約25.5%、もしくは約25.5%~約28%、もしくは約25.5%~約27.5%、もしくは約25.5%~約27%、もしくは約25.5%~約26.5%、もしくは約25.5%~約26%、もしくは約26%~約28%、もしくは約26%~約27.5%、もしくは約26%~約27%、もしくは約26%~約26.5%、もしくは約26.5%~約28%、もしくは約26.5%~約27.5%、もしくは約26.5%~約27%、もしくは約27%~約28%、もしくは約27%~約27.5%、もしくは約27.5%~約28%、または約24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、もしくは28%であってよい。
【0089】
本発明の処理済みアラゴナイト炭酸カルシウムの粒子は、骨材料中に存在する望ましくないマグネシウム、アンモニア、鉄および亜鉛化合物を可溶化し、本発明の粉末の炭酸カルシウム含有率を上昇させるために、約4.5~約5.5、または約4.5~約5.4、または約4.5~約5.3、または約4.5~約5.2、または約4.5~約5.1、または約4.5~約5.0、または約4.5~約4.9、または約4.5~約4.8、または約4.5~約4.7、または約4.5~約4.6、または約4.6~約5.5、または約4.6~約5.4、または約4.6~約5.3、または約4.6~約5.2、または約4.6~約5.1、または約4.6~約5.0、または約4.6~約4.9、または約4.6~約4.8、または約4.6~約4.7、または約4.7~約5.5、または約4.7~約5.4、または約4.7~約5.3、または約4.7~約5.2、または約4.7~約5.1、または約4.7~約5.0、または約4.7~約4.9、または約4.7~約4.8、または約4.8~約5.5、または約4.8~約5.4、または約4.8~約5.3、または約4.8~約5.2、または約4.8~約5.1、または約4.8~約5.0、または約4.8~約4.9、または約4.9~約5.5、または約4.9~約5.4、または約4.9~約5.3、または約4.9~約5.2、または約4.9~約5.1、または約4.9~約5.0、または約5.0~約5.5、または約5.0~約5.4、または約5.0~約5.3、または約5.0~約5.2、または約5.0~約5.1、または約5.1~約5.5、または約5.1~約5.4、または約5.1~約5.3、または約5.1~約5.2、または約5.2~約5.5、または約5.2~約5.4、または約5.2~約5.3、または約5.3~約5.5、または約5.3~約5.4、または約5.4~約5.5のpH、好ましくは、pH約4.75、4.76、4.77、4.78、4.79、4.80、4.81、4.82、4.83、4.84、4.85、4.86、4.87、4.88、4.89、4.90、最も好ましくは4.86での弱酸性条件下で、例えば、塩化アンモニウムまたは酢酸アンモニウム中で処理されている。実際に、本発明において使用される骨粉末は、カルシウムの高い含有率を含み;低減された量のマグネシウム、亜鉛、鉄およびアンモニア含有誘導体と共に、炭酸カルシウム少なくとも95%を含有する。実施形態によれば、カトルボーン粉末粒子の炭酸カルシウムは、少なくとも95%、少なくとも95.5%、少なくとも96%、少なくとも96.5%、少なくとも97%、少なくとも97.5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、または約95%~99%(w/w)、または約95%~98.5%(w/w)、または約95%~約98%、または約95%~97.5%(w/w)、または約95%~約97%、または約95%~96.5%(w/w)、または約95%~約96%、または約95%~95.5%(w/w)、または約95.5%~99%(w/w)、または約95.5%~98.5%(w/w)、または約95.5%~約98%、または約95.5%~97.5%(w/w)、または約95.5%~約97%、または約95.5%~96.5%(w/w)、または約95.5%~約96%、または約96%~99%(w/w)、または約96%~98.5%(w/w)、または約96%~約98%、または約96%~97.5%(w/w)、または約96%~約97%、または約96%~96.5%(w/w)、または約96.5%~99%(w/w)、または約96.5%~98.5%(w/w)、または約96.5%~約98%、または約96.5%~97.5%(w/w)、または約96.5%~約97%、または約97%~99%(w/w)、または約97%~98.5%(w/w)、または約97%~約98%、または約97%~97.5%(w/w)、または約97.5%~99%(w/w)、または約97.5%~98.5%(w/w)、または約97.5%~約98%、または約98%~99%(w/w)、または約98%~98.5%(w/w)、または約98.5%~99%(w/w)であってよい。
【0090】
実施形態では、弱酸性処理は、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、酒石酸アンモニウム、酢酸、クエン酸、アスコルビン酸、タンニン酸、ホウ酸、乳酸、ギ酸、シュウ酸、尿酸、リンゴ酸、酒石酸、亜リン酸および同様のものなどの弱酸を用いて行うことができる。塩酸およびリン酸などのより強い酸を、炭酸カルシウムの弱酸処理をもたらす希釈条件下で使用してもよい。
【0091】
実施形態では、弱酸処理をもたらすための酸の濃度は、使用される酸化合物により変動することとなる。例えば、塩化アンモニウムでは、濃度は、約0.1M~約10M、好ましくは約1.87Mまたは2Mであり得る。
【0092】
本発明の実施形態によれば、上記された処理済み魚卵状アラゴナイト炭酸カルシウムは、組成物の約0.1%~約25%(w/w)、もしくは約0.1%~約25%(w/w)、もしくは約0.1%~約25%(w/w)、もしくは約0.1%~約24%、もしくは約0.1%~約23%、もしくは約0.1%~約22%、もしくは約0.1%~約21%、もしくは約0.1%~約20%、もしくは約0.1%~約19%、もしくは約0.1%~約18%、もしくは約0.1%~約17%、もしくは約0.1%~約16%、もしくは約0.1%~約15%、もしくは約0.1%~約14%、もしくは約0.1%~約13%、もしくは約0.1%~約12%、もしくは約0.1%~約11%、もしくは約0.1%~約10%、もしくは約0.1%~約9%、もしくは約0.1%~約8%、もしくは約0.1%~約7%、もしくは約0.1%~約6%、もしくは約0.1%~約5%、もしくは約0.1%~約4%、もしくは約0.1%~約3%、もしくは約0.1%~約2%、もしくは約0.1%~約1%、もしくは約0.1%~約0.5%、もしくは約0.5%~約25%(w/w)、もしくは約0.5%~約25%(w/w)、もしくは約0.5%~約25%(w/w)、もしくは約0.5%~約24%、もしくは約0.5%~約23%、もしくは約0.5%~約22%、もしくは約0.5%~約21%、もしくは約0.5%~約20%、もしくは約0.5%~約19%、もしくは約0.5%~約18%、もしくは約0.5%~約17%、もしくは約0.5%~約16%、もしくは約0.5%~約15%、もしくは約0.5%~約14%、もしくは約0.5%~約13%、もしくは約0.50.5%~約12%、もしくは約0.5%~約11%、もしくは約0.5%~約10%、もしくは約0.5%~約9%、もしくは約0.5%~約8%、もしくは約0.5%~約7%、もしくは約0.5%~約6%、もしくは約0.5%~約5%、もしくは約0.5%~約4%、もしくは約0.5%~約3%、もしくは約0.5%~約2%、もしくは約0.5%~約1%、もしくは約1%~約25%(w/w)、もしくは約1%~約25%(w/w)、もしくは約1%~約24%、もしくは約1%~約23%、もしくは約1%~約22%、もしくは約1%~約21%、もしくは約1%~約20%、もしくは約1%~約19%、もしくは約1%~約18%、もしくは約1%~約17%、もしくは約1%~約16%、もしくは約1%~約15%、もしくは約1%~約14%、もしくは約1%~約13%、もしくは約1%~約12%、もしくは約1%~約11%、もしくは約1%~約10%、もしくは約1%~約9%、もしくは約1%~約8%、もしくは約1%~約7%、もしくは約1%~約6%、もしくは約1%~約5%、もしくは約1%~約4%、もしくは約1%~約3%、もしくは約1%~約2%、もしくは約2%~約25%(w/w)、もしくは約2%~約24%、もしくは約2%~約23%、もしくは約2%~約22%、もしくは約2%~約21%、もしくは約2%~約20%、もしくは約2%~約19%、もしくは約2%~約18%、もしくは約2%~約17%、もしくは約2%~約16%、もしくは約2%~約15%、もしくは約2%~約14%、もしくは約2%~約13%、もしくは約2%~約12%、もしくは約2%~約11%、もしくは約2%~約10%、もしくは約2%~約9%、もしくは約2%~約8%、もしくは約2%~約7%、もしくは約2%~約6%、もしくは約2%~約5%、もしくは約2%~約4%、もしくは約2%~約3%、もしくは約3%~約25%(w/w)、もしくは約3%~約24%、もしくは約3%~約23%、もしくは約3%~約22%、もしくは約3%~約21%、もしくは約3%~約20%、もしくは約3%~約19%、もしくは約3%~約18%、もしくは約3%~約17%、もしくは約3%~約16%、もしくは約3%~約15%、もしくは約3%~約14%、もしくは約3%~約13%、もしくは約3%~約12%、もしくは約3%~約11%、もしくは約3%~約10%、もしくは約3%~約9%、もしくは約3%~約8%、もしくは約3%~約7%、もしくは約3%~約6%、もしくは約3%~約5%、もしくは約3%~約4%、もしくは約4%~約25%(w/w)、もしくは約4%~約24%、もしくは約4%~約23%、もしくは約4%~約22%、もしくは約4%~約21%、もしくは約4%~約20%、もしくは約4%~約19%、もしくは約4%~約18%、もしくは約4%~約17%、もしくは約4%~約16%、もしくは約4%~約15%、もしくは約4%~約14%、もしくは約4%~約13%、もしくは約4%~約12%、もしくは約4%~約11%、もしくは約4%~約10%、もしくは約4%~約9%、もしくは約4%~約8%、もしくは約4%~約7%、もしくは約4%~約6%、もしくは約4%~約5%、もしくは約5%~約25%(w/w)、もしくは約5%~約24%、もしくは約5%~約23%、もしくは約5%~約22%、もしくは約5%~約21%、もしくは約5%~約20%、もしくは約5%~約19%、もしくは約5%~約18%、もしくは約5%~約17%、もしくは約5%~約16%、もしくは約5%~約15%、もしくは約5%~約14%、もしくは約5%~約13%、もしくは約5%~約12%、もしくは約5%~約11%、もしくは約5%~約10%、もしくは約5%~約9%、もしくは約5%~約8%、もしくは約5%~約7%、もしくは約5%~約6%、もしくは約6%~約25%(w/w)、もしくは約6%~約24%、もしくは約6%~約23%、もしくは約6%~約22%、もしくは約6%~約21%、もしくは約6%~約20%、もしくは約6%~約19%、もしくは約6%~約18%、もしくは約6%~約17%、もしくは約6%~約16%、もしくは約6%~約15%、もしくは約6%~約14%、もしくは約6%~約13%、もしくは約6%~約12%、もしくは約6%~約11%、もしくは約6%~約10%、もしくは約6%~約9%、もしくは約6%~約8%、もしくは約6%~約7%、もしくは約7%~約25%(w/w)、もしくは約7%~約24%、もしくは約7%~約23%、もしくは約7%~約22%、もしくは約7%~約21%、もしくは約7%~約20%、もしくは約7%~約19%、もしくは約7%~約18%、もしくは約7%~約17%、もしくは約7%~約16%、もしくは約7%~約15%、もしくは約7%~約14%、もしくは約7%~約13%、もしくは約7%~約12%、もしくは約7%~約11%、もしくは約7%~約10%、もしくは約7%~約9%、もしくは約7%~約8%、もしくは約8%~約25%(w/w)、もしくは約8%~約24%、もしくは約8%~約23%、もしくは約8%~約22%、もしくは約8%~約21%、もしくは約8%~約20%、もしくは約8%~約19%、もしくは約8%~約18%、もしくは約8%~約17%、もしくは約8%~約16%、もしくは約8%~約15%、もしくは約8%~約14%、もしくは約8%~約13%、もしくは約8%~約12%、もしくは約8%~約11%、もしくは約8%~約10%、もしくは約8%~約9%、もしくは約9%~約25%(w/w)、もしくは約9%~約24%、もしくは約9%~約23%、もしくは約9%~約22%、もしくは約9%~約21%、もしくは約9%~約20%、もしくは約9%~約19%、もしくは約9%~約18%、もしくは約9%~約17%、もしくは約9%~約16%、もしくは約9%~約15%、もしくは約9%~約14%、もしくは約9%~約13%、もしくは約9%~約12%、もしくは約9%~約11%、もしくは約9%~約10%、もしくは約10%~約25%(w/w)、もしくは約10%~約24%、もしくは約10%~約23%、もしくは約10%~約22%、もしくは約10%~約21%、もしくは約10%~約20%、もしくは約10%~約19%、もしくは約10%~約18%、もしくは約10%~約17%、もしくは約10%~約16%、もしくは約10%~約15%、もしくは約10%~約14%、もしくは約10%~約13%、もしくは約10%~約12%、もしくは約10%~約11%、もしくは約11%~約25%(w/w)、もしくは約11%~約24%、もしくは約11%~約23%、もしくは約11%~約22%、もしくは約11%~約21%、もしくは約11%~約20%、もしくは約11%~約19%、もしくは約11%~約18%、もしくは約11%~約17%、もしくは約11%~約16%、もしくは約11%~約15%、もしくは約11%~約14%、もしくは約11%~約13%、もしくは約11%~約12%、もしくは約12%~約25%(w/w)、もしくは約12%~約24%、もしくは約12%~約23%、もしくは約12%~約22%、もしくは約12%~約21%、もしくは約12%~約20%、もしくは約12%~約19%、もしくは約12%~約18%、もしくは約12%~約17%、もしくは約12%~約16%、もしくは約12%~約15%、もしくは約12%~約14%、もしくは約12%~約13%、もしくは約13%~約25%(w/w)、もしくは約13%~約24%、もしくは約13%~約23%、もしくは約13%~約22%、もしくは約13%~約21%、もしくは約13%~約20%、もしくは約13%~約19%、もしくは約13%~約18%、もしくは約13%~約17%、もしくは約13%~約16%、もしくは約13%~約15%、もしくは約13%~約14%、もしくは約14%~約25%(w/w)、もしくは約14%~約24%、もしくは約14%~約23%、もしくは約14%~約22%、もしくは約14%~約21%、もしくは約14%~約20%、もしくは約14%~約19%、もしくは約14%~約18%、もしくは約14%~約17%、もしくは約14%~約16%、もしくは約14%~約15%、もしくは約15%~約25%(w/w)、もしくは約15%~約24%、もしくは約15%~約23%、もしくは約15%~約22%、もしくは約15%~約21%、もしくは約15%~約20%、もしくは約15%~約19%、もしくは約15%~約18%、もしくは約15%~約17%、もしくは約15%~約16%、もしくは約16%~約25%(w/w)、もしくは約16%~約24%、もしくは約16%~約23%、もしくは約16%~約22%、もしくは約16%~約21%、もしくは約16%~約20%、もしくは約16%~約19%、もしくは約16%~約18%、もしくは約16%~約17%、もしくは約17%~約25%(w/w)、もしくは約17%~約24%、もしくは約17%~約23%、もしくは約17%~約22%、もしくは約17%~約21%、もしくは約17%~約20%、もしくは約17%~約19%、もしくは約17%~約18%、もしくは約18%~約25%(w/w)、もしくは約18%~約24%、もしくは約18%~約23%、もしくは約18%~約22%、もしくは約18%~約21%、もしくは約18%~約20%、もしくは約18%~約19%、もしくは約19%~約25%(w/w)、もしくは約19%~約24%、もしくは約19%~約23%、もしくは約19%~約22%、もしくは約19%~約21%、もしくは約19%~約20%、もしくは約20%~約25%(w/w)、もしくは約20%~約24%、もしくは約20%~約23%、もしくは約20%~約22%、もしくは約20%~約21%、もしくは約21%~約25%(w/w)、もしくは約21%~約24%、もしくは約21%~約23%、もしくは約21%~約22%、もしくは約22%~約25%(w/w)、もしくは約22%~約24%、もしくは約22%~約23%、もしくは約23%~約25%(w/w)、もしくは約23%~約24%、もしくは約24%~約25%(w/w)、または0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、もしくは25%を示してよい。
【0093】
好ましい実施形態は、約4.3%、5%、6.3%、8.5%、10%、11.2%、11.5、12%、15%、および15.2%w/wからの量を含んでいてもよい。
【0094】
実施形態では、本発明の組成物は、歯に有利なフッ化物処置を与えるために好適なフッ化物化合物を含む。実施形態では、フッ化物化合物は、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP - Na2PO3F)、またはそれらの組合せであってよい。フッ化物化合物は、フッ化物約800ppm~約5000ppm、もしくはフッ化物約1000ppm~約1500ppm、またはフッ化物800、1000、1500、もしくは5000ppmのフッ化物の濃度で存在してよい。
【0095】
本発明の組成物は、いくつかの成分を含んでよく、それらには以下が含まれる:
研磨剤
一実施形態によれば、本発明のオーラルケア用組成物は、本発明において使用される処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子に加えて、第2の歯科用研磨剤を含有してよい。好ましくは、研磨剤は、コロイドカルシウムまたはコロイドシリカから選択される。好適な研磨剤には、含水シリカおよび重炭酸ナトリウム(NaHCO3)が含まれる。他の好適な研磨剤には、これに限定されないが、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、様々なリン酸水素カルシウム(CaHPO4・2H2O、または無水)、様々なシリカ(フュームシリカ、沈澱シリカなど)およびゼオライト、ならびにヒドロキシアパタイト(Ca5(PO4)3OH)が含まれる。研磨剤は、歯石(プラーク)を歯から除去するために役立ち、死細胞を皮膚から除去するために役立つ不溶性粒子である。練り歯磨き系では、研磨剤シリカは、主な歯科用クリーニングおよび研磨剤であることが示された。実施形態では、第2の歯科用研磨剤は、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、コロイドシリカ、またはそれらの組合せであってよい。
【0096】
一実施形態によれば、第2の歯科用研磨剤は、組成物の約0.100%~約30%、もしくは約1%~約30%、もしくは約2%~約30%、もしくは約3%~約30%、もしくは約4%~約30%、もしくは約5%~約30%、もしくは約6%~約30%、もしくは約7%~約30%、もしくは約8%~約30%、もしくは約9%~約30%、もしくは約10%~約30%、もしくは約11%~約30%、もしくは約12%~約30%、もしくは約13%~約30%、もしくは約14%~約30%、もしくは約15%~約30%、もしくは約16%~約30%、もしくは約17%~約30%、もしくは約18%~約30%、もしくは約19%~約30%、もしくは約20%~約30%、もしくは約21%~約30%、もしくは約22%~約30%、もしくは約23%~約30%、もしくは約24%~約30%、もしくは約25%~約30%、もしくは約26%~約30%、もしくは約27%~約30%、もしくは約28%~約30%、もしくは約29%~約30%、もしくは0.100%~約20%、もしくは約1%~約20%、もしくは約2%~約20%、もしくは約3%~約20%、もしくは約4%~約20%、もしくは約5%~約20%、もしくは約6%~約20%、もしくは約7%~約20%、もしくは約8%~約20%、もしくは約9%~約20%、もしくは約10%~約20%、もしくは約11%~約20%、もしくは約12%~約20%、もしくは約13%~約20%、もしくは約14%~約20%、もしくは約15%~約20%、もしくは約16%~約20%、もしくは約17%~約20%、もしくは約18%~約20%、もしくは約19%~約20%、または0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30%(w/w)を構成してよい。別の実施形態によれば、コロイドシリカは、組成物の約0.1%~約20%(w/w)であってよい。別の実施形態によれば、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)は、組成物の約0.02%~約0.75%(w/w)であってよい。
【0097】
増粘剤
一実施形態によれば、本発明のパーソナルケア用組成物は、増粘剤を含有してよい。
【0098】
増粘剤、またはシックナーは、その他の特性を実質的に改変することなく、溶液または液体/固体混合物の粘度を上昇させる物質であり;目的の特性が味である食品に最も頻繁に適用されるが、この用語は、塗料、インク、火薬などにも適用可能である。シックナーは、「天然ゴム」と称されることもある。シックナーは、他の成分またはエマルジョンの懸濁を改善することもでき、製品の安定性を上昇させる。増粘剤は多くの場合に、食品添加物として、ならびに化粧品および個人用衛生製品成分として規制される。一部の増粘剤は、ゲルを形成し、凝集力が弱い内部構造を形成するコロイド混合物として液相で溶解するゲル化剤(gelling agent、gellants)である。好適な増粘剤の例には、これに限定されないが、寒天(E406)、アルギン酸(E400)およびアルギン酸ナトリウム(E401)、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、カラギーナン(E407)などの海藻から得られる天然ゴム;非海洋性植物資源、アカシアゴム、アラビアゴム(E414)、ガティゴム、トラガカントゴム(E413)、カラヤゴム(E416)、ガーゴム(E412)、ローカストビーンゴム(E410)、ベータ-グルカン、チクルゴム、ダンマルゴム、グルコマンナン(E425)、マスチックゴム、サイリウム種子殻、スプルースゴム、タラゴム(E417)から得られる天然ゴム;細菌性発酵により生産される天然ゴム:ゲランガム(E418)、キサンタンガム(E415)が含まれる。
【0099】
デンプン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースおよびゼラチンも含まれる。セルロースゴムは、カルボキシメチルセルロース、またはCMCの一般名である。これは、その乳化特性によって、ヨーグルトおよびゼリーなどの分離する傾向のある成分を含む製品に特に有用なものになっている。これは、水と結合するその能力によって、脂肪の代わりに水または他の液体を用いる傾向のあるダイエット食品に特に有用なものとなっている。セルロースゴムはまた、テクスチャを改善するので、滑らかさが品質の特色である製品、アイスクリームおよびフロスティングに共通の成分である。ビール製造者も、ビールの泡を安定化するためにセルロースゴムを使用する。これらの同じ特性は、練り歯磨きなどの経時的に分離する傾向のある一部の医薬製品に有用である。化粧品工業では、セルロースゴムは、浴用製品、メイクアップ、シェービングゲルおよびヘア用製品中に存在する。一実施形態によれば、好ましい増粘剤には、これに限定されないが、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、およびガーゴムが含まれる。
【0100】
別の実施形態によれば、増粘剤は、配合物中に、およそ約0.1%~約66%(w/w)、もしくは約0.5%~約66%(w/w)、もしくは約1%~約66%(w/w)、2%~約66%(w/w)、もしくは約5%~約66%(w/w)、もしくは約10%~約66%(w/w)、もしくは約15%~約66%(w/w)、もしくは約20%~約66%(w/w)、もしくは約25%~約66%(w/w)、もしくは約30%~約66%(w/w)、もしくは約35%~約66%(w/w)、もしくは約40%~約66%(w/w)、もしくは約45%~約66%(w/w)、もしくは約50%~約66%(w/w)、もしくは約55%~約66%(w/w)、もしくは約60%~約66%(w/w)、もしくは約2%~約60%(w/w)、もしくは約5%~約60%(w/w)、もしくは約10%~約60%(w/w)、もしくは約15%~約60%(w/w)、もしくは約20%~約60%(w/w)、もしくは約25%~約60%(w/w)、もしくは約30%~約60%(w/w)、もしくは約35%~約60%(w/w)、もしくは約40%~約60%(w/w)、もしくは約45%~約60%(w/w)、もしくは約50%~約60%(w/w)、もしくは約55%~約60%(w/w)、もしくは約2%~約55%(w/w)、もしくは約5%~約55%(w/w)、もしくは約10%~約55%(w/w)、もしくは約15%~約55%(w/w)、もしくは約20%~約55%(w/w)、もしくは約25%~約55%(w/w)、もしくは約30%~約55%(w/w)、もしくは約35%~約55%(w/w)、もしくは約40%~約55%(w/w)、もしくは約45%~約55%(w/w)、もしくは約50%~約55%(w/w)、もしくは約2%~約50%(w/w)、もしくは約5%~約50%(w/w)、もしくは約10%~約50%(w/w)、もしくは約15%~約50%(w/w)、もしくは約20%~約50%(w/w)、もしくは約25%~約50%(w/w)、もしくは約30%~約50%(w/w)、もしくは約35%~約50%(w/w)、もしくは約40%~約50%(w/w)、もしくは約45%~約50%(w/w)、もしくは約2%~約45%(w/w)、もしくは約5%~約45%(w/w)、もしくは約10%~約45%(w/w)、もしくは約15%~約45%(w/w)、もしくは約20%~約45%(w/w)、もしくは約25%~約45%(w/w)、もしくは約30%~約45%(w/w)、もしくは約35%~約45%(w/w)、もしくは約40%~約45%(w/w)、もしくは約2%~約40%(w/w)、もしくは約5%~約40%(w/w)、もしくは約10%~約40%(w/w)、もしくは約15%~約40%(w/w)、もしくは約20%~約40%(w/w)、もしくは約25%~約40%(w/w)、もしくは約30%~約40%(w/w)、もしくは約35%~約40%(w/w)、もしくは約2%~約35%(w/w)、もしくは約5%~約35%(w/w)、もしくは約10%~約35%(w/w)、もしくは約15%~約35%(w/w)、もしくは約20%~約35%(w/w)、もしくは約25%~約35%(w/w)、もしくは約30%~約35%(w/w)、もしくは約2%~約30%(w/w)、もしくは約5%~約30%(w/w)、もしくは約10%~約30%(w/w)、もしくは約15%~約30%(w/w)、もしくは約20%~約30%(w/w)、もしくは約25%~約30%(w/w)、もしくは約2%~約25%(w/w)、もしくは約5%~約25%(w/w)、もしくは約10%~約25%(w/w)、もしくは約15%~約25%(w/w)、もしくは約20%~約25%(w/w)、もしくは約2%~約20%(w/w)、もしくは約5%~約20%(w/w)、もしくは約10%~約20%(w/w)、もしくは約15%~約20%(w/w)、もしくは約2%~約15%(w/w)、もしくは約5%~約15%(w/w)、もしくは約10%~約15%(w/w)、もしくは約2%~約10%(w/w)、もしくは約5%~約10%(w/w)、もしくは約2%~約5%(w/w)、または0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、387、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、もしくは66%(w/w)で存在してよい。一実施形態によれば、濃度は約0.5%(w/w)である。
【0101】
湿潤剤
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、湿潤剤をさらに含んでよい。湿潤剤は、物品を湿潤に維持するために使用される物質である。食品添加物として使用される場合、湿潤剤は、食料品を湿潤に維持する効果を有する。湿潤剤はまた、保湿用ヘアコンディショナーなどのトリートメントを含めて、保湿が望ましい多くの化粧品において見い出され、ボディローションにおいても一般に使用される。湿潤剤の例には、これに限定されないが、プロピレングリコール、さらにはヘキシレングリコールおよびブチレングリコール、三酢酸グリセリル、ビニルアルコール、ネオアガロビオース、糖ポリオール、例えば、グリセロール、ソルビトール、キシリトールおよびマルチトール、ポリマー性ポリオール、例えば、ポリデキストロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、キラヤ、乳酸、尿素、グリセリン、アロエベラゲル、MPジオール、乳酸のようなアルファヒドロキシ酸、およびハチミツが含まれる。別の実施形態によれば、好ましい湿潤剤は、グリセロールであってよく、別の好ましい実施形態によれば、好ましい湿潤剤は、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、またはそれらの組合せであってよい。
【0102】
本発明の別の実施形態によれば、湿潤剤は、組成物の約2%~約45%(w/w)、もしくは約2%~約40%(w/w)、もしくは約2%~約35%(w/w)、もしくは約2%~約30%(w/w)、もしくは約2%~約25%(w/w)、もしくは約2%~約20%(w/w)、もしくは約2%~約15%(w/w)、もしくは約2%~約10%(w/w)、もしくは約2%~約9%(w/w)、もしくは約2%~約8%(w/w)、もしくは約2%~約7%(w/w)、もしくは約2%~約6%(w/w)、もしくは約2%~約5%(w/w)、もしくは約2%~約4%(w/w)、もしくは約2%~約3%(w/w)、もしくは約3%~約5%(w/w)、もしくは約3%~約4%(w/w)、もしくは約4%~約5%(w/w)、または約2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%(w/w)であってよい。
【0103】
乳化剤
一実施形態によれば、本発明の組成物は、乳化剤をさらに含んでよい。乳化剤は、その動力学的安定性を上昇させることによりエマルジョンを安定化する物質である。一実施形態によれば、乳化剤は、レシチン、植物性パルプ粉末(柑橘類パルプ粉末、バオバブパルプ粉末、マンゴーパルプ粉末、トマトパルプ粉末、カボチャパルプ粉末、グアバパルプ粉末、パパイヤパルプ粉末およびビートパルプ粉末など)、クエン酸ナトリウム(例えば、クエン酸三ナトリウム)およびクエン酸であってよい。好ましい乳化剤はクエン酸ナトリウムである。
【0104】
本発明の別の実施形態によれば、乳化剤は、組成物の約1%~約10%、もしくは約2%~約10%、もしくは約3%~約10%、もしくは約4%~約10%、もしくは約4%~約9%、もしくは約4%~約8%、もしくは約4%~約7%、もしくは約4%~約6%、もしくは約4%~約5%、もしくは約5%~約10%、もしくは約5%~約9%、もしくは約5%~約8%、もしくは約5%~約7%、もしくは約5%~約6%、もしくは約6%~約10%、もしくは約6%~約9%、もしくは約6%~約8%、もしくは約6%~約7%、もしくは約7%~約10%、もしくは約7%~約9%、もしくは約7%~約8%、もしくは約8%~約10%、もしくは約8%~約9%、もしくは約9%~約10%(w/w)、または約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%(w/w)であってよい。
【0105】
界面活性剤
一実施形態によれば、本発明の組成物は、界面活性剤をさらに含んでよい。界面活性剤は多くの場合に、練り歯磨きおよび他のオーラルケア用組成物に常に含まれる。例えば、練り歯磨きは、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS、ドデシル硫酸ナトリウム、SDSとしても公知)または関連界面活性剤(洗浄剤)を含有してよい。SLSは、さらにシャンプーなどの多くの他の個人用ケア製品においても見い出され、主に、練り歯磨きの均一な分布を可能にして、クレンジング力を改善する発泡剤である。他の好適な界面活性剤には、これに限定されないが、ラウリル硫酸アンモニウム、N-ラウリルサルコシン酸ナトリウム(サルコシン酸ナトリウム、およびラウリルサルコシン酸ナトリウムとしても公知)、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムが含まれる。
【0106】
界面活性剤(洗浄剤)も、歯のクリーニングに役立ち、カスを取り除くために役立つ泡を提供する。さらに、硫酸ラウリルは、有意な抗細菌特性を有し、それらはプラークに浸透して、それを溶解させ得る。
【0107】
一実施形態によれば、界面活性剤は、界面活性剤約0.5%~約3%、もしくは約1%~約3%(w/w)、もしくは約2%~約3%(w/w)、もしくは約1%~約2%(w/w)、もしくは約2%~約3%、または0.5%、1%、2%、3%(w/w)であってよい。
【0108】
pH調節剤
一実施形態によれば、本発明の組成物はpH調節剤を含有してよい。製品pHは、その安定性および品質に影響を及ぼす。pHが非常に酸性である場合、脱ミネラル化には有利であるが、塩基性過ぎる場合には、歯の上の石灰質(歯石)沈着物が重要となり得る。したがって、pHは好ましくは、中性pH、例えば、約6~約8、または約6.5~約7.5、または約6.75~約7.25、または約7.0に近い。製品の測定されるpHは、6.8、またはより特異的には6.78に近い。
【0109】
実施形態では、pH調節剤は、配合物に添加された場合に、pHを、本発明のオーラルケア用製品に好適な所望のレベルで安定化する酸または塩基である。好適なpH調節剤には、これに限定されないが、クエン酸およびその誘導体、リン酸およびその誘導体、リン酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸、重炭酸が含まれる。pH調節剤は、組成物の約0.1%~約0.28%(w/w)、もしくは約0.1%~約0.25%、もしくは約0.1%~約0.2%、もしくは約0.1%~約0.15%、もしくは約0.1%~約0.12%、もしくは約0.12%~約0.28%、もしくは約0.12%~約0.25%、もしくは約0.12%~約0.2%、もしくは約0.12%~約0.15%、もしくは約0.15%~約0.28%、もしくは約0.15%~約0.25%、もしくは約0.15%~約0.2%、もしくは約0.2%~約0.28%、もしくは約0.2%~約0.25%、もしくは約0.25%~約0.28%(w/w)、または約0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%の濃度で存在してよい。
【0110】
防腐剤
一実施形態によれば、本発明の組成物は、防腐剤を含有してよい。一実施形態によれば、防腐剤は時には、組成物の使用において積極的な役割を有するために、活性な抗微生物剤として作用することもある。
【0111】
微生物は、湿潤剤および増粘剤を餌とし得、それらの増殖を制限する成分が練り歯磨き中に存在してよい。一般に、これは、配合物中での最小限の水および防腐剤の使用により達成される。練り歯磨き中の最も一般的な防腐剤は、セスキオレイン酸ソルビタン誘導体、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、および安息香酸である。しかしながら、本発明の組成物は、防腐特性を有する天然成分または一般的な防腐剤の非合成バージョンと共に処方することができる。防腐特性を有する天然産物の例には、これに限定されないが、ユーカリ抽出物、天然抗微生物特性を有する精油、例えば、ユーカリオイル、タイムオイル、オレガノオイル、レモンオイル、オレンジオイル、および同様のもの、さらにはこれらの精油中に含有されるか、または単離化合物として供給され得る天然抗微生物剤、例えば、チモール、カルバクロール、オイゲノール、ユーカリプトール、メントールなどが含まれる。組成物は、防腐剤約0.2%~約2%w/w、もしくは約0.3%~約2%w/w、もしくは約0.4%~約2%w/w、もしくは約0.5%~約2%w/w、もしくは約0.6%~約2%w/w、もしくは約0.7%~約2%w/w、もしくは約0.8%~約2%w/w、もしくは約0.9%~約2%w/w、もしくは約1%~約2%w/w、もしくは約1.1%~約2%w/w、もしくは約1.2%~約2%w/w、もしくは約1.3%~約2%w/w、もしくは約1.4%~約2%w/w、もしくは約1.5%~約2%w/w、もしくは約1.6%~約2%w/w、もしくは約1.7%~約2%w/w、もしくは約1.8%~約2%w/w、もしくは約1.9%~約2%w/w、もしくは約0.2%~約1.9%w/w、もしくは約0.3%~約1.9%w/w、もしくは約0.4%~約1.9%w/w、もしくは約0.5%~約1.9%w/w、もしくは約0.6%~約1.9%w/w、もしくは約0.7%~約1.9%w/w、もしくは約0.8%~約1.9%w/w、もしくは約0.9%~約1.9%w/w、もしくは約1%~約1.9%w/w、もしくは約1.1%~約1.9%w/w、もしくは約1.2%~約1.9%w/w、もしくは約1.3%~約1.9%w/w、もしくは約1.4%~約1.9%w/w、もしくは約1.5%~約1.9%w/w、もしくは約1.6%~約1.9%w/w、もしくは約1.7%~約1.9%w/w、もしくは約1.8%~約1.9%w/w、もしくは約0.2%~約1.8%w/w、もしくは約0.3%~約1.8%w/w、もしくは約0.4%~約1.8%w/w、もしくは約0.5%~約1.8%w/w、もしくは約0.6%~約1.8%w/w、もしくは約0.7%~約1.8%w/w、もしくは約0.8%~約1.8%w/w、もしくは約0.9%~約1.8%w/w、もしくは約1%~約1.8%w/w、もしくは約1.1%~約1.8%w/w、もしくは約1.2%~約1.8%w/w、もしくは約1.3%~約1.8%w/w、もしくは約1.4%~約1.8%w/w、もしくは約1.5%~約1.8%w/w、もしくは約1.6%~約1.8%w/w、もしくは約1.7%~約1.8%w/w、もしくは約0.2%~約1.7%w/w、もしくは約0.3%~約1.7%w/w、もしくは約0.4%~約1.7%w/w、もしくは約0.5%~約1.7%w/w、もしくは約0.6%~約1.7%w/w、もしくは約0.7%~約1.7%w/w、もしくは約0.8%~約1.7%w/w、もしくは約0.9%~約1.7%w/w、もしくは約1%~約1.7%w/w、もしくは約1.1%~約1.7%w/w、もしくは約1.2%~約1.7%w/w、もしくは約1.3%~約1.7%w/w、もしくは約1.4%~約1.7%w/w、もしくは約1.5%~約1.7%w/w、もしくは約1.6%~約1.7%w/w、もしくは約0.2%~約1.6%w/w、もしくは約0.3%~約1.6%w/w、もしくは約0.4%~約1.6%w/w、もしくは約0.5%~約1.6%w/w、もしくは約0.6%~約1.6%w/w、もしくは約0.7%~約1.6%w/w、もしくは約0.8%~約1.6%w/w、もしくは約0.9%~約1.6%w/w、もしくは約1%~約1.6%w/w、もしくは約1.1%~約1.6%w/w、もしくは約1.2%~約1.6%w/w、もしくは約1.3%~約1.6%w/w、もしくは約1.4%~約1.6%w/w、もしくは約1.5%~約1.6%w/w、もしくは約0.2%~約1.5%w/w、もしくは約0.3%~約1.5%w/w、もしくは約0.4%~約1.5%w/w、もしくは約0.5%~約1.5%w/w、もしくは約0.6%~約1.5%w/w、もしくは約0.7%~約1.5%w/w、もしくは約0.8%~約1.5%w/w、もしくは約0.9%~約1.5%w/w、もしくは約1%~約1.5%w/w、もしくは約1.1%~約1.5%w/w、もしくは約1.2%~約1.5%w/w、もしくは約1.3%~約1.5%w/w、もしくは約1.4%~約1.5%w/w、もしくは約0.2%~約1.4%w/w、もしくは約0.3%~約1.4%w/w、もしくは約0.4%~約1.4%w/w、もしくは約0.5%~約1.4%w/w、もしくは約0.6%~約1.4%w/w、もしくは約0.7%~約1.4%w/w、もしくは約0.8%~約1.4%w/w、もしくは約0.9%~約1.4%w/w、もしくは約1%~約1.4%w/w、もしくは約1.1%~約1.4%w/w、もしくは約1.2%~約1.4%w/w、もしくは約1.3%~約1.4%w/w、もしくは約0.2%~約1.3%w/w、もしくは約0.3%~約1.3%w/w、もしくは約0.4%~約1.3%w/w、もしくは約0.5%~約1.3%w/w、もしくは約0.6%~約1.3%w/w、もしくは約0.7%~約1.3%w/w、もしくは約0.8%~約1.3%w/w、もしくは約0.9%~約1.3%w/w、もしくは約1%~約1.3%w/w、もしくは約1.1%~約1.3%w/w、もしくは約1.2%~約1.3%w/w、もしくは約0.2%~約1.2%w/w、もしくは約0.3%~約1.2%w/w、もしくは約0.4%~約1.2%w/w、もしくは約0.5%~約1.2%w/w、もしくは約0.6%~約1.2%w/w、もしくは約0.7%~約1.2%w/w、もしくは約0.8%~約1.2%w/w、もしくは約0.9%~約1.2%w/w、もしくは約1%~約1.2%w/w、もしくは約1.1%~約1.2%w/w、もしくは約0.2%~約1.1%w/w、もしくは約0.3%~約1.1%w/w、もしくは約0.4%~約1.1%w/w、もしくは約0.5%~約1.1%w/w、もしくは約0.6%~約1.1%w/w、もしくは約0.7%~約1.1%w/w、もしくは約0.8%~約1.1%w/w、もしくは約0.9%~約1.1%w/w、もしくは約1%~約1.1%w/w、もしくは約0.2%~約1.0%w/w、もしくは約0.3%~約1.0%w/w、もしくは約0.4%~約1.0%w/w、もしくは約0.5%~約1.0%w/w、もしくは約0.6%~約1.0%w/w、もしくは約0.7%~約1.0%w/w、もしくは約0.8%~約1.0%w/w、もしくは約0.9%~約1.0%w/w、もしくは約0.2%~約0.9%w/w、もしくは約0.3%~約0.9%w/w、もしくは約0.4%~約0.9%w/w、もしくは約0.5%~約0.9%w/w、もしくは約0.6%~約0.9%w/w、もしくは約0.7%~約0.9%w/w、もしくは約0.8%~約0.9%w/w、もしくは約0.2%~約0.8%w/w、もしくは約0.3%~約0.8%w/w、もしくは約0.4%~約0.8%w/w、もしくは約0.5%~約0.8%w/w、もしくは約0.6%~約0.8%w/w、もしくは約0.7%~約0.8%w/w、もしくは約0.2%~約0.7%w/w、もしくは約0.3%~約0.7%w/w、もしくは約0.4%~約0.7%w/w、もしくは約0.5%~約0.7%w/w、もしくは約0.6%~約0.7%w/w、もしくは約0.2%~約0.6%w/w、もしくは約0.3%~約0.6%w/w、もしくは約0.4%~約0.6%w/w、もしくは約0.5%~約0.6%w/w、もしくは約0.2%~約0.5%w/w、もしくは約0.3%~約0.5%w/w、もしくは約0.4%~約0.5%w/w、もしくは約0.2%~約0.5%w/w、もしくは約0.3%~約0.5%w/w、もしくは約0.4%~約0.5%w/w、もしくは約0.2%~約0.4%w/w、もしくは約0.3%~約0.4%w/w、もしくは約0.2%~約0.3%w/w、または約0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、および好ましくは約0.5%w/wを含有してよい。
【0112】
溶媒
本発明の別の実施形態によれば、組成物は、組成物を例えば洗口剤として処方するために好適な溶媒を含んでよい。好適な溶媒には、これに限定されないが、水、エタノール、イソプロパノール、ソルビトールおよびグリセロールが含まれる。
【0113】
一実施形態によれば、組成物は、溶媒約40%~約99%w/w、もしくは約45%~約99%w/w、もしくは約50%~約99%w/w、もしくは約55%~約99%w/w、もしくは約60%~約99%w/w、もしくは約65%~約99%w/w、もしくは約70%~約99%w/w、もしくは約75%~約99%w/w、もしくは約80%~約99%w/w、もしくは約85%~約99%w/w、もしくは約90%~約99%w/w、もしくは約95%~約99%w/w、もしくは約40%~約95%w/w、もしくは約45%~約95%w/w、もしくは約50%~約95%w/w、もしくは約55%~約95%w/w、もしくは約60%~約95%w/w、もしくは約65%~約95%w/w、もしくは約70%~約95%w/w、もしくは約75%~約95%w/w、もしくは約80%~約95%w/w、もしくは約85%~約95%w/w、もしくは約90%~約95%w/w、もしくは約40%~約90%w/w、もしくは約45%~約90%w/w、もしくは約50%~約90%w/w、もしくは約55%~約90%w/w、もしくは約60%~約90%w/w、もしくは約65%~約90%w/w、もしくは約70%~約90%w/w、もしくは約75%~約90%w/w、もしくは約80%~約90%w/w、もしくは約85%~約90%w/w、もしくは約40%~約85%w/w、もしくは約45%~約85%w/w、もしくは約50%~約85%w/w、もしくは約55%~約85%w/w、もしくは約60%~約85%w/w、もしくは約65%~約85%w/w、もしくは約70%~約85%w/w、もしくは約75%~約85%w/w、もしくは約80%~約85%w/w、もしくは約40%~約80%w/w、もしくは約45%~約80%w/w、もしくは約50%~約80%w/w、もしくは約55%~約80%w/w、もしくは約60%~約80%w/w、もしくは約65%~約80%w/w、もしくは約70%~約80%w/w、もしくは約75%~約80%w/w、もしくは約40%~約75%w/w、もしくは約45%~約75%w/w、もしくは約50%~約75%w/w、もしくは約55%~約75%w/w、もしくは約60%~約75%w/w、もしくは約65%~約75%w/w、もしくは約70%~約75%w/w、もしくは約40%~約70%w/w、もしくは約45%~約70%w/w、もしくは約50%~約70%w/w、もしくは約55%~約70%w/w、もしくは約60%~約70%w/w、もしくは約65%~約70%w/w、もしくは約40%~約65%w/w、もしくは約45%~約65%w/w、もしくは約50%~約65%w/w、もしくは約55%~約65%w/w、もしくは約60%~約65%w/w、もしくは約40%~約60%w/w、もしくは約45%~約60%w/w、もしくは約50%~約60%w/w、もしくは約55%~約60%w/w、もしくは約40%~約55%w/w、もしくは約45%~約55%w/w、もしくは約50%~約55%w/w、もしくは約40%~約50%w/w、もしくは約45%~約50%w/w、もしくは約40%~約45%w/w、または40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%(w/w)を含有してよい。
【0114】
抗微生物剤
本発明において有用である抗微生物剤は、いわゆる「天然」抗微生物活性剤である。そのような抗微生物剤には、天然精油およびこれらのオイル中に含まれる個々の抗微生物剤化合物が含まれる。これらの活性剤の名前は、植物におけるそれらの天然の発生に由来する。精油には、ハーブ、花、樹木、および他の植物に由来するオイルが含まれる。そのようなオイルは典型的には、植物の細胞の間に小さな液滴として存在し、当業者に公知のいくつかの方法(例えば、蒸気蒸留、アンフルラージュ(すなわち、脂肪を使用して抽出)、冷浸、溶媒抽出、または機械圧搾)により抽出することができる。精油は典型的には、オイルがその中で見い出される植物または野菜により名付けられる。例えば、ローズオイルまたはペパーミントオイルはそれぞれ、バラまたはペパーミントから得られる。本発明の文脈において使用することができる精油の非限定的例には、アニスオイル、レモンオイル、オレンジオイル、オレガノ、ローズマリーオイル、ウィンターグリーンオイル、タイムオイル、ラベンダーオイル、クローブオイル、ホップ、ティーツリーオイル、シトロネラオイル、コムギオイル、オオムギオイル、レモングラスオイル、セダーリーフオイル、セダーウッドオイル、シナモンオイル、フリーグラスオイル、ゼラニウムオイル、サンダルウッドオイル、バイオレットオイル、クランベリーオイル、ユーカリオイル、バーベナオイル、ペパーミントオイル、ゴム安息香、バジルオイル、フェンネルオイル、モミオイル、バルサムオイル、メントール、オクメア-オリガヌムオイル、ヒダスチス-カラデンシスオイル、バーベリダソー-ダソーオイル、ラタンヒエおよびクルクマロンガオイル、ゴマ油、マカダミアナッツオイル、イブニングプリムローズオイル、スパニッシュセージオイル、スパニッシュローズマリーオイル、コリアンダーオイル、タイムオイル、ピメントベリーオイル、ローズオイル、ベルガモットオイル、ローズウッドオイル、カモミールオイル、セージオイル、クラリセージオイル、サイプレスオイル、シーフェンネルオイル、フランキンセンスオイル、ジンジャーオイル、グレープフルーツオイル、ジャスミンオイル、ジュニパーオイル、ライムオイル、マンダリンオイル、マジョラムオイル、ミルラオイル、ネロリオイル、パチョリオイル、ペッパーオイル、ブラックペッパーオイル、プチグレンオイル、松油、ローズオットーオイル、スペアミントオイル、スパイクナードオイル、ベチバーオイル、またはイランイランが含まれる。本発明の文脈内で有用であるならば、当業者に公知の他の精油も企図される(例えば、参照により援用されるInternational Cosmetic Ingredient Dictionary, 10th edition, 2004)。この群の精油には、抗微生物上の利点をもたらすことが見い出されている植物油の重要な化学的成分(例えば、抗微生物フェノール性化合物)も含まれる。
【0115】
本発明において使用されるとおりの天然起源の抗微生物フェノール性化合物は、熟練した技術者の能力の範囲内である公知の方法により合成により作製されてもよいし、または植物油抽出物から得られてもよい。本発明の一実施形態では、天然起源のフェノール性化合物は、植物抽出物から得られる。本発明のさらなる一実施形態では、天然起源のフェノール性化合物は市販されている。本発明のまたさらなる実施形態では、天然起源のフェノール性化合物は、カルバクロール、チモール、オイゲノール、ユーカリプトール、メントールなどを含む。
【0116】
一実施形態では、本発明の殺菌配合物は、チモール、カルバクロールまたはそれらの混合物を含む。さらなる一実施形態では、本発明の殺菌配合物は、チモール、カルバクロールまたはチモールおよびカルバクロールの混合物が富化された1種または複数の天然精油を含む。
【0117】
本発明の組成物は、抗菌成分約0.01%~約10%(w/w)、または約0.01%~約9%(w/w)、または約0.01%~約8%(w/w)、または約0.01%~約7%(w/w)、または約0.01%~約6%(w/w)、または約0.01%~約5%(w/w)、または約0.01%~約4%(w/w)、または約0.01%~約3%(w/w)、または約0.01%~約2%(w/w)、または約0.01%~約1%(w/w)、または約0.01%~約0.75%(w/w)、または約0.01%~約0.5%(w/w)、または約0.01%~約0.25%(w/w)、または約0.01%~約0.10%(w/w)、または約0.10%~約10%(w/w)、または約0.10%~約9%(w/w)、または約0.10%~約8%(w/w)、または約0.10%~約7%(w/w)、または約0.10%~約6%(w/w)、または約0.10%~約5%(w/w)、または約0.10%~約4%(w/w)、または約0.10%~約3%(w/w)、または約0.10%~約2%(w/w)、または約0.10%~約1%(w/w)、または約0.10%~約0.75%(w/w)、または約0.10%~約0.5%(w/w)、または約0.10%~約0.25%(w/w)、または約0.25%~約10%(w/w)、または約0.25%~約9%(w/w)、または約0.25%~約8%(w/w)、または約0.25%~約7%(w/w)、または約0.25%~約6%(w/w)、または約0.25%~約5%(w/w)、または約0.25%~約4%(w/w)、または約0.25%~約3%(w/w)、または約0.25%~約2%(w/w)、または約0.25%~約1%(w/w)、または約0.25%~約0.75%(w/w)、または約0.25%~約0.5%(w/w)、または約0.50%~約10%(w/w)、または約0.50%~約9%(w/w)、または約0.50%~約8%(w/w)、または約0.50%~約7%(w/w)、または約0.50%~約6%(w/w)、または約0.50%~約5%(w/w)、または約0.50%~約4%(w/w)、または約0.50%~約3%(w/w)、または約0.50%~約2%(w/w)、または約0.50%~約1%(w/w)、または約0.50%~約0.75%(w/w)、または約0.75%~約10%(w/w)、または約0.75%~約9%(w/w)、または約0.75%~約8%(w/w)、または約0.75%~約7%(w/w)、または約0.75%~約6%(w/w)、または約0.75%~約5%(w/w)、または約0.75%~約4%(w/w)、または約0.75%~約3%(w/w)、または約0.75%~約2%(w/w)、または約0.75%~約1%(w/w)、または約1%~約10%(w/w)、または約1%~約9%(w/w)、または約1%~約8%(w/w)、または約1%~約7%(w/w)、または約1%~約6%(w/w)、または約1%~約5%(w/w)、または約1%~約4%(w/w)、または約1%~約3%(w/w)、または約1%~約2%(w/w)、または約2%~約10%(w/w)、または約2%~約9%(w/w)、または約2%~約8%(w/w)、または約2%~約7%(w/w)、または約2%~約6%(w/w)、または約2%~約5%(w/w)、または約2%~約4%(w/w)、または約2%~約3%(w/w)、または約3%~約10%(w/w)、または約3%~約9%(w/w)、または約3%~約8%(w/w)、または約3%~約7%(w/w)、または約3%~約6%(w/w)、または約3%~約5%(w/w)、または約3%~約4%(w/w)、または約4%~約10%(w/w)、または約4%~約9%(w/w)、または約4%~約8%(w/w)、または約4%~約7%(w/w)、または約4%~約6%(w/w)、または約4%~約5%(w/w)、または約5%~約10%(w/w)、または約5%~約9%(w/w)、または約5%~約8%(w/w)、または約5%~約7%(w/w)、または約5%~約6%(w/w)、または約6%~約10%(w/w)、または約6%~約9%(w/w)、または約6%~約8%(w/w)、または約6%~約7%(w/w)、または約7%~約10%(w/w)、または約7%~約9%(w/w)、または約7%~約8%(w/w)、または約8%~約10%(w/w)、または約8%~約9%(w/w)、または約9%~約10%(w/w)を含有してよい。
【0118】
香味料および甘味料
本発明の組成物は、香味成分を含有してよい。香味成分は、オレンジ香味料、リンゴ香味料、グレープフルーツ香味料、パイナップル香味料、イチゴ香味料、ラズベリー香味料、クランベリー香味料、ライム香味料、レモン香味料、ブドウ香味料、モモ香味料、任意の他の果実香味料、バニラ香味料、チョコレート香味料、キャラメル香味料、ミント香味料、バブルガム香味料、またはそれらの任意の組合せであってよい。
【0119】
アスパルテーム、ステビア、アセスルファム、スクラロース、マレイン酸、クエン酸、サッカリンおよび同様のものなどの甘味料も、本発明の組成物中に含まれてよい。
【0120】
他の成分
本発明の組成物は、顔料および着色剤、例えば、酸化チタンまたは他の好適な顔料、例えば、ラクトフラビン、クロロフィル、例えば、クロロフィルの銅誘導体、および水添ヒマシ油などの他の非活性な添加剤を含有してよい。
【0121】
組成物の粘度
一実施形態によれば、本発明のオーラルケア用組成物の粘度は、Brookfield装置内で20℃で、20rpmで測定して、約17500~約35000cps、好ましくは、28800cpsであってよい。組成物の粘度は、良好な流動性および良好なすすぎを妨げないものである必要がある。製品は、水中で完全に可溶性である。
【0122】
貯蔵安定性
製品の安定性を20℃および4℃で3か月にわたって測定した。製品をオーブンに入れ、物理的および化学的特徴を測定すると、それは、当初の値に匹敵する。相分離、色、香り、または析出物の変化を示していない場合、製品は、2年間にわたる貯蔵において安定していると判断される。
【0123】
熱に対する安定性
熱安定性を製品により、45℃のオーブン内で45日間にわたって実施する。物理的および化学的パラメーターが当初値と同一であり、製品が相変化、色または香りを有さないことが検証される。製品は、熱時での貯蔵において安定していると判断される。
【0124】
密度測定
良好な密度の保証は、良好なテクスチャを製品に与え、その懸濁および安定性の保持に影響を及ぼす。測定値は1.14に等しいが、所望の値は1.10~1.35である。
【0125】
フッ化物との反応が低減または阻害されている処理済み炭酸カルシウム(CaCO3)粒子を調製するためのプロセス
一実施形態によれば、歯に有利なフッ化物処置を与えるために好適なフッ化物化合物からのフッ化物との反応が低減または阻害されている処理済み炭酸カルシウム(CaCO3)粒子を調製するための方法であって、
a) アラゴナイトを粉砕して、粗大CaCO3粉末を得ること;
b) 前記粗大粉末をふるい掛けして、約60ミクロン~約75ミクロンの粒径を有する第1の粉砕CaCO3粉末を得ること;
c) 前記第1の粉砕CaCO3粉末を脱ミネラル化して、脱ミネラル化された粉砕CaCO3を得るために十分な温度で、およびそのために十分な時間にわたって、前記第1の粉砕CaCO3粉末を約4.5~5.5のpHの弱酸性条件で処理すること;
d) 中性pHが達成されるまで、前記脱ミネラル化された粉砕CaCO3を洗浄すること;
e) 前記脱ミネラル化された粉砕CaCO3を乾燥させて、炭酸カルシウム含有率95%(w/w)超および約2.70~約3.1m2/gの比表面積(SSA)を有する処理済みアラゴナイト炭酸カルシウム(CaCO3)粒子を得ること
を含む方法を開示する。
【0126】
実施形態では、弱酸性処理は、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、酒石酸アンモニウム、酢酸、クエン酸、アスコルビン酸、タンニン酸、ホウ酸、乳酸、ギ酸、シュウ酸、尿酸、リンゴ酸、酒石酸、亜リン酸および同様のものなどの弱酸を用いて行うことができる。塩酸およびリン酸などのより強い酸を、炭酸カルシウムの弱酸処理をもたらす希釈条件下で使用してもよい。弱酸は、塩化アンモニウムまたは酢酸アンモニウム、好ましくは塩化アンモニウムであってよい。
【0127】
塩化アンモニウムの濃度は、約0.1M~約10M、好ましくは1.87M(10%w/v)であってよい。本発明の方法では、ステップc)は、約4.5、約4.9のpH、または約4.86のpHであってよい。
【0128】
本発明の方法では、ステップc)は、約65℃~約75℃の温度においてであってよい。
【0129】
本発明の方法では、ステップd)は、蒸留水中であってよい。
本発明の方法では、ステップe)は、約200℃~約220℃においてであってよい。
【0130】
本発明の方法では、ステップe)は、約200℃においてであってよい。
本発明の方法では、ステップe)は、約30分~約60分間、例えば、約55分間にわたってよい。
【0131】
一実施形態によれば、炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイト、ヴァテライト、またはそれらの組合せである。好ましくは、炭酸カルシウムは、アラゴナイトであり、最も好ましくは、アラゴナイトは、魚卵状アラゴナイトである。
【0132】
本発明の範囲を限定するのではなく、本発明を例示するために提供する次の実施例を参照することにより、本発明はより容易に理解されるであろう。
【実施例1】
【0133】
魚卵状アラゴナイトからの研磨剤の調製
魚卵状アラゴナイト試料は、下の表1による化学組成を含む。
【0134】
【0135】
魚卵状アラゴナイト試料は、下の表2による粒径分布を有するチップおよび粉末化材料として供給される。
【0136】
【0137】
表2は、99~100%が200メッシュサイズのスクリーン上に残留したので、アラゴナイト試料からのほぼすべてのチップおよび粉末化材料が粒径75μmまたはそれ以上を有する粒子から構成されていることを示している。
【0138】
原料の魚卵状アラゴナイトは、スクリューフィーダーを備えたホッパー内に貯蔵し、後で、超遠心式ローターミル内で粉砕し、55から65μmの間のカットオフを有する篩でふるい掛けする。一方の末端では、シフターから出た粗い部(65%)をミルの供給ホッパーに戻して、さらに粉砕する。他方の末端では、微細な部(研磨剤の配合物のための原料である)をホッパー内で一時的に貯蔵する。
【0139】
次いで、この魚卵状アラゴナイト粉末を、コンデンサーおよびベントを備えた二重壁防水性密封反応器に移す。初めに、固液プレミックスポンプを用いて、蒸気で予熱しておいた水を魚卵状アラゴナイト粉末と混合する。このステップは、反応器内でのダストの生成およびコンデンサーの目詰まり、さらに反応器の交換中の粉末の減少を防止するためのものである。次に、塩化アンモニウムを反応器に添加し、粘土状物の粘度を20℃で測定すると、400から800センチポアズの間である。質量比率を測定すると、水55%、アラゴナイト粉末35%および塩化アンモニウム10%(1M)であった。この配合が完了したら、混合物を80から90℃の間の温度に加熱し、平衡まで撹拌しながら反応させ(約3~4時間)、約2~3時間にわたって撹拌せずに冷却する。反応混合物を55μmの間隙を有するバスケット遠心分離器で濾過し、中性pHが得られるまで、水で洗浄する。最後に、混合物をトンネルドライヤー内で乾燥させ、処理済み魚卵状アラゴナイト粉末をドライヤー出口で収集する。好適な防腐剤を添加し、ダブルコーンミキサー内で粉末と均質化し、その後、ホッパーに注ぎ入れ、プラスチック製バッグに包装する。
【0140】
カトルボーン粉末(CB)の粒径:Microtrac Dynamic Image Analysis(DIA)粒径分析器を使用して、処理済みカトルボーン粉末(TCB)、合成炭酸カルシウム(CaCO
3)、および処理済み魚卵状アラゴナイト粉末を分析した。処理済み魚卵状アラゴナイトの試料をイソプロパノールに分散させた。1分間にわたって超音波処理し、測定した。
図1および表3を魚卵状物について参照すると、CBは約35.371±3.472μm、TCBは約78.422±6.441μm、合成炭酸カルシウム(CaCO
3)は約27.550±3.781μm、および処理済み魚卵状アラゴナイトは約46.38±19.36μmの粒径を有することが示されている。
【0141】
【0142】
次に、TCB、非処理魚卵状アラゴナイト、処理済み魚卵状アラゴナイトをフーリエ変換赤外分光(FTIR)分析に掛けた。ここで
図2を参照すると、これは処理済み魚卵状アラゴナイトのFTIRスペクトルを、処理済みカトルボーンアラゴナイト(TCB)および非処理魚卵状アラゴナイト試料と比較して示している。CO
3
2-イオンと関連するピークは、各試料で容易に同定され得る。しかしながら、TCB試料中のキチンの存在と関連する、TCBにおいて同定されたC=Oピークは、処理済み魚卵状アラゴナイトには存在しない。実際に、処理済み魚卵状アラゴナイトのスペクトルは、キチンに対応する1653cm
-1でのC=Oバンドの非存在を示した。
【0143】
ここで
図3を参照すると、処理済み魚卵状アラゴナイト(左下)およびTCB(右上)の比較が示されている。ディフラクトグラムは、TCBがより小さい粒径を表す、より広いバンド幅を示していることを示している。
【0144】
ここで
図4AからJを参照すると、CB(
図4Aおよび4D)、TCB(
図4Bおよび4D)、合成炭酸カルシウム(
図4Cおよび4F)および処理済み魚卵状アラゴナイト(
図4G、4H、4Iまたは4J)のSEMが示されている。SEM顕微鏡写真は、CB(
図4Aおよび4D)が針状構造を有し、CaCO
3(
図4Cおよび4F)の立方構造とは対照的であることを示している。TCBを生産するためのCBの処理は、針状構造がより画定および分離されるので、表面テクスチャリングを増大させた。処理済み魚卵状アラゴナイトを生産するための魚卵状アラゴナイトの処理も、表面テクスチャリングを増大させ、表面は、TCBよりもでこぼことした(lumpier)塊状(clumpier)の表面を呈した。ここで
図4Kを参照すると、EDX分析は、TCBおよび魚卵状アラゴナイトの両方の元素組成は主に、炭酸カルシウムアラゴナイトに匹敵するカルシウム、炭素および酸素ならびに痕跡量のリンからなるが、魚卵状アラゴナイトは多少の痕跡量のリン酸カルシウムも有することを示している。カルシウムおよびリンの存在は、歯に有利であり得るであろう。
【0145】
ここで
図5を参照すると、上のパネルは、2つの別個の倍率での、処理済み魚卵状アラゴナイト(左)との反応前、および処理済み魚卵状アラゴナイト(右)での処置後の結石のSEMである。処理済み魚卵状アラゴナイトの添加は、外観の変化をもたらし、これは、処理済み魚卵状アラゴナイトの層が結石上に堆積したことを示唆している。下の
図5は、結石の化学組成の変化、特に、ほぼ2倍であったが結石からのリン酸塩の減少を示すP-K、およびやや増加し得たCaKを示すEDX分析である。
図5では、魚卵状アラゴナイトへの暴露前後の歯石の元素分析は、カルシウムおよび炭素の増加を犠牲としたリン酸塩含有率のかなりの減少を明らかにしている。これは、リン酸カルシウム種を犠牲とした炭酸カルシウム種の形成に好ましい歯石の表面組成の変化を示していると考えられる。カルシウムの増加およびリン含有率の減少は、処理済み魚卵状アラゴナイトとの結石の反応を確認するものである。
【0146】
次に、BET比表面積(SSA)は、フィルターで収集された粒子からの77.3Kでの5ポイント窒素吸着等温線(five-point nitrogen adsorption isotherm)(Micromeritics Tristar 3000)から決定した。約0.5グラムの各試料を120℃で終夜、窒素中で脱気し(Micromeritics Flow prep 060)、その後、空気中の湿度からそれらの表面に結合した水を除去するために吸着した。
【0147】
図6Aおよび表4を参照すると、CBは、約4.23±0.15m
2/gのSSA、TCBは約5.29±0.06m
2/gのSSA、合成炭酸カルシウム(CaCO
3)は約0.2380±0.27のSSAおよび処理済み魚卵状アラゴナイトは約2.8574±0.07のSSAを有することが示されている。
【0148】
【0149】
次に、X線回折(XRD)、(Bruker AXS GmbH、Karlsruhe、ドイツ、回折計)を使用し、Cu Kα放射線源(λ Kα=1.5406Å)を使用し、40kVおよび40mAで、0.02°のステップおよびステップあたり4秒のカウント時間でのステップスキャンモードで10~60°の2θ範囲内で操作して、CB、TCB、合成カルサイト粉末(CaCO3)、魚卵状アラゴナイトおよび処理済み魚卵状アラゴナイトの3連の試料の結晶性を調査した。表5において示されているとおり、CBの結晶化度(%)は22.466±1.050、TCBは36.4±0.692、カルサイトCaCO3は44.166±0.513、魚卵状アラゴナイト(非処理)は34.033±0.680、処理済み魚卵状アラゴナイトは26.133±2.223であると測定された。
【0150】
【0151】
ここで
図7を参照する。次に、ブラッシング検査をTCB、合成炭酸カルシウム(CaCO
3)および処理済み魚卵状アラゴナイトのそれぞれについて行った。TCBおよび合成カルサイト粉末(すなわち、合成炭酸カルシウム)の研磨性を、ブラッシング検査を使用して評価したが、その際、磨かれた樹脂包埋エナメル質/ぞうげ質/結石切片をWO2021062554に記載されているとおりにマウントし、ブラシに対して試料の0.5mm×15mmのみを露出させる特異的に設計された型枠内で、カスタマイズされたブラッシングマシン(Mach-1、Biomomentum、QC)に取り付けた。カスタマイズされた歯ブラシをマシン内に、試料表面に対して平行に固定し、dd-H
2O中のTCB、および合成カルサイト粉末および処理済み魚卵状アラゴナイトのスラリー(1:1(w:w))を使用して、結石、ぞうげ質、およびエナメル質切片をマシン内で56分間にわたって、90ストローク/分(5400サイクル)で、500gの負荷下でブラッシングした。これは、2週間にわたる1回あたり2分間、1日2回の通常の歯磨きと同等である。結石除去に対するスラリーの効果は、触針式側面計を使用して研磨深さを測定することにより決定した。研磨深さは、基線としてブラシと接触しなかった試料表面を使用して、触針式側面計(Dektak XT(商標)、Bruker、米国)を使用して測定した。各試料プロファイルにおける最深点を記録し、基線と比較した。
図7では、試料は、左から右へ、試験された各表面についてTCB、合成炭酸カルシウムおよび処理済み魚卵状アラゴナイトである。結果は、処理済み魚卵状アラゴナイトが3つのうちで最も研磨性であるにもかかわらず、3種のスラリーすべてが、エナメル質について低い研磨性を有することを示している。予想外に、処理済み魚卵状アラゴナイトは、ぞうげ質に対して低い研磨性を示したが、これは、特に、これが結石に対してTCBに匹敵する研磨性を呈することを考慮すると、所望の特徴である。
【実施例2】
【0152】
結石との反応
結石の無機質含有率を調査するために、結石の試料を収集し、シンクロトロン施設において、それらを酢酸カルシウム(CaAc)、非結晶性リン酸カルシウム(ACP)、α-リン酸三カルシウム(α-TCP)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)、リン酸二カルシウム二水和物(DCPD、ブルシャイトの形態)、リン酸八カルシウム(OCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)、結晶性ヒドロキシアパタイト(CHA)、およびアラゴナイト(CaCO3)の純粋な標準と比較することにより分析した。
【0153】
ここで
図8を参照すると、結石試料中で見い出される無機相が示されている。小量の非結晶性リン酸カルシウム、さらには、かなりの量のα-TCP、DCPD、HAおよびアラゴナイトが同定された。次に、結石試料中の非アパタイト型リン酸カルシウムのそれぞれで測定された量をアパタイト型リン酸カルシウム[すなわち、ヒドロキシアパタイト(HA)および結晶性ヒドロキシアパタイト(CHA)の合計]に対して(
図9A)、α-TCP 対 DCPD(
図9B)、α-TCP 対 アラゴナイト(
図9C)、DCPD 対 アラゴナイト(
図9D)、DCPD 対 HA(
図9E)、α-TCP 対 HA(
図9F)、HA 対 アラゴナイト(
図9G)でプロットした。非常に強い相関が非アパタイト型リン酸カルシウムとアパタイト型リン酸カルシウムとの間に同定され、これは、これら2種のリン酸カルシウム相の存在量と、おそらくこれら2種の間の成熟化機構との間に関連が存在し得ることを示唆している。リン酸カルシウム相とリン酸カルシウムとの間の他の比較はいずれも、有意な相関をもたらさず、それらが独立に形成され得るであろうことを示唆している。
【0154】
次に、歯石中で同定された化合物と、カルサイトCaCO3、TCB、または処理済み魚卵状アラゴナイトとの間の反応を調査するために、等モル量の化合物を混合し、H2O中で、またはH2O中ではなくインキュベートし、試料をフーリエ変換赤外分光(FTIR)分析に掛けた。官能基を同定するために、Bruker Tensor 27 Fourier変換赤外(FTIR)分光計を使用し、400~4000cm-1の範囲での64回のスキャンの集積で、4cm-1の解像度で、粉末試料の赤外(IR)スペクトルを取得した。
【0155】
ここで
図10Aから10Lを参照する。
図10Aおよび10Cは、カルサイトCaCO
3とブルシャイトDCPDとの間に反応がないことを示している。
図10Bおよび10Dは、TCBとブルシャイトDCPDとの間で反応が起きていることを示している。同様に、
図10Eおよび10Gは、処理済み魚卵状アラゴナイトとブルシャイトDCPDとの間で反応が起きていることを示している。
図10Fおよび10Hは、カルサイトCaCO
3とβ-リン酸三カルシウム(BTCP)との間には弱い反応のみが存在することを示している。同様に、
図10Iおよび10Kは、処理済み魚卵状アラゴナイトとBTCPとの間で弱い反応のみが起きていることを示している。
図10Jおよび10Lは、TCBとBTCPとの間で弱い反応のみが起きていることを示している。この実験は、魚卵状アラゴナイトが歯石と反応する機構を説明するために役立つ。
図10において示されている結果は、炭酸カルシウムが、ブルシャイトおよびリン酸三カルシウムなどの歯石において見い出されるリン酸カルシウム種と反応し得ることを明らかにしている。そして試験された2種の炭酸カルシウム(カルサイトおよびアラゴナイト)のうち、魚卵状アラゴナイトが、最も反応性のものである。
【0156】
次に、歯石とカルサイトCaCO
3、または処理済み魚卵状アラゴナイトとの間の反応を調査するために、等モル量の化合物を混合し、H
2O中で、またはH
2O中ではなくインキュベートし、試料をフーリエ変換赤外分光(FTIR)分析に掛けた。ここで、
図11A~11Dを参照する。
図11Aおよび11Bは、処理済み魚卵状アラゴナイトと結石の間で反応が起きていることを示している。
図11Cおよび11Dは、カルサイトCaCO
3と結石との間で反応が起きていないか、非常にわずかな反応が起きていることを示している。総じて、
図11は、魚卵状アラゴナイトが歯石とどのように反応するかを実証している。この図は、炭酸カルシウムとの歯石の反応性を示している。図は、水への暴露前後の歯石粉末と炭酸カルシウム粉末との混合物のFTIRスペクトルを示している。結果は、水への暴露後に、粉末混合物の化学組成に変化があり、この変化は、魚卵状アラゴナイト/歯石混合物ではより顕著であることを示している。
【実施例3】
【0157】
遊離CA2+およびPO4
3-とのアラゴナイトの反応性
リン酸カルシウム[Ca3(PO4)2]の沈殿への、アラゴナイト、処理済みアラゴナイト、およびカルサイトを含む炭酸カルシウム粉末の影響を調査した。簡単に述べると、カバーをしたガラスビーカーに、15.0mM CaCl2および15.0mM Na2HPO4を添加して、リン酸カルシウム過飽和溶液を調製した。溶液のpHを5.60±0.2に調節した。0.5グラムのアラゴナイト、処理済みアラゴナイト、または合成カルサイト(CaCO3)粉末を添加した後に、1.0M塩酸(HCl)(Sigma-Aldrich、USA)を20℃で徐々に添加した。1時間、または1、3、7、14、および21日後に、浮遊物(natants)を、沈澱物を15分間にわたって10,000rpmで遠心することにより収集した。乾燥の後に、これらの浮遊物のXRDおよびFTIR分析を行った。平行実験では、14日後に、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES;Thermo Scientific iCAP 6500デュアルビュー、UK)を使用して、カルシウムおよびホスフェートイオン濃度を測定した。対照溶液として、純粋なリン酸カルシウム溶液を調製し、同じ条件下で貯蔵した。
【0158】
図12は、アラゴナイト、処理済みアラゴナイト、または合成カルサイトの存在下でのリン酸カルシウムの沈殿を示している(
図12A)。リン酸カルシウムの過飽和溶液中での14日間のインキュベーションの後に、アラゴナイト、処理済みアラゴナイト、または合成カルサイトのFTIRスペクトルは変化し、1035、1023、600、および560cm
-1にPO
4
3-バンドについてのシグナルを示している(
図12A)。これは、炭酸カルシウムが遊離PO
4
3-イオンと反応して、それを周囲溶液から除去し得ることを示唆している。
【0159】
溶液中のイオン濃度(Ca
2+およびPO
4
3-イオン)の変動は、アラゴナイト、処理済みアラゴナイト、または合成カルサイト粉末への暴露後に変化した(
図12Bおよび12C)。アラゴナイト、処理済みアラゴナイト、または合成カルサイトに暴露すると、14日間の浸漬の後に、リン酸カルシウム溶液中のCa
2+の濃度がやや低下した一方で(
図12B)、PO
4
3-イオンの濃度は、かなり低下した(
図12C)。結果は、カルサイトを用いるよりも、アラゴナイトおよび処理済みアラゴナイトを用いる方が、反応の速度が急速であることも示している。カルサイトを用いると、濃度が7から14日目の間に低下する一方で、アラゴナイトおよび処理済みアラゴナイトを用いると、7から14日目の間に変化は起こらず、これは、反応がより早く平衡に達したことを示している。PO
4
3-イオンの濃度が、合成カルサイトと比較して、アラゴナイトおよび処理済みアラゴナイト試料では低いことが見い出されたが、これは、カルサイトにおいてよりも、アラゴナイトおよび処理済みアラゴナイトにおいて、より多くのPO43-イオンが沈澱したことを示している。これらの結果は、アラゴナイトおよび処理済みアラゴナイトが遊離ホスフェートのための捕捉剤として作用することを示唆している。実際に、これらの結果は、アラゴナイトおよび処理済みアラゴナイトが遊離Ca
2+およびPO
4
3-イオンと反応して、それらを水性環境から除去し得ることを示唆している。これは、アラゴナイトがミネラル化および結石形成の阻害剤として作用し得るであろうことを示唆している。歯石の管理に関する以前の研究は、ピロリン酸塩およびカルボン酸塩化合物の使用など、カルシウムキレート化に焦点を当ててきた。これらの分子は、結石の沈着を予防するが、結石を除去することはできない。さらに、高濃度で使用された場合、それらは、歯の望ましくない脱ミネラル化を引き起こし得る。ここで示された結果は、歯に損傷を与えることなく、カルシウムキレート化の代わりにホスフェートの除去に焦点を当てる、歯石を管理するための予測されていなかった新たな戦略を示している。
【実施例4】
【0160】
処理済み魚卵状アラゴナイトを含む配合物
研磨剤としてTCBを含む配合物を、次の処方に従って調製した:
【0161】
【0162】
試験の目的は、5種のモノフルオロリン酸ナトリウム歯磨剤のフッ素(新鮮)の合計および可溶性の利用可能なフッ素(新鮮および非新鮮)の合計を決定することであった。この目的のために、試料を90日間、40℃±2℃および湿度75%±5%でインキュベートして、2年間にわたる室温での製品の正常なエージングをシミュレートした。行われた試験は次のとおりである:
総フッ化物試験
試験を新鮮な製品で3連で行った。ペトリ皿カバーの内部を、0.25N水酸化ナトリウムエタノール0.3mlを入れ、アルコールを減圧下で蒸発させることにより水酸化ナトリウムでコーティングした。各歯磨剤0.25gの試料(0.001gまで秤量)を、非エアレーションミキサー(non-aerating mixer)を使用して脱イオン水25.0mlと混合した(1:100)。各スラリー2.0mlをペトリ皿の底部に移した。各ペトリ皿に、70%HClO4 4.0mlを添加した。水酸化ナトリウムで被覆されたふたをただちに、ペトリ皿の下半分の中の各スラリーの上に置いた。次いで、各皿を60℃のオーブンに終夜入れた。
【0163】
オーブンからペトリ皿を取り出した後に、ふたをただちに取り除いた。ふたを数mlの脱イオン水で複数回洗浄した。洗浄水を25mlメスフラスコに収集した。次いで、各フラスコの体積を脱イオン水で増やした。TISAB IIで1:1希釈した後に、この溶液を、フッ化物イオン特異的電極およびpH/ISEメーターを使用して、フッ化物について分析した。標準フッ化物曲線を同様に調製し(加水分解および希釈)、歯磨剤スラリーのそれぞれのフッ化物含有率を決定するために使用した。
【0164】
可溶性の利用可能なフッ素の合計についての試験
この試験を新鮮な製品で3連で行った。ペトリ皿カバーの内部を、0.25N水酸化ナトリウムエタノール0.3mlを入れ、アルコールを減圧下で蒸発させることにより水酸化ナトリウムでコーティングした。各歯磨剤2.5gの試料(0.001gまで秤量)を非エアレーションミキサーを使用して脱イオン水25.0mlと混合した(1:10希釈)。次いで、各スラリーを11,000gで8分間にわたって遠心した。各上清溶液2.0mlをペトリ皿の底部に移した。各ペトリ皿に、70%HClO4 4.0mlを添加した。水酸化ナトリウムで被覆されたふたをただちに、ペトリ皿の下半分の中の各スラリーの上に置いた。次いで、皿を60℃のオーブンに終夜入れた。
【0165】
オーブンからペトリ皿を取り出した後に、ふたをただちに取り除いた。各ふたを数mlの脱イオン水で複数回洗浄した。洗浄水を25mlメスフラスコに収集した。次いで、各フラスコの体積を脱イオン水で増やした。TISAB IIで1:1希釈した後に、これらの溶液を、フッ化物イオン特異的電極およびpH/ISEメーターを使用して、フッ化物について分析した。標準フッ化物曲線を同様に調製し(加水分解および希釈)、スラリーのフッ化物含有率を決定するために使用した。
【0166】
エージング
試験製品を40°±2°および湿度75%±5%で90日間にわたってエージングし、上で記載されたとおりに、可溶性の利用可能なフッ素の合計についてふたたび分析する。
【0167】
【0168】
結果は、TCBアラゴナイト研磨剤を含有する歯磨剤配合物が約50%の生物学的に利用可能なフッ化物の減少を呈する(2種の対照では52%および53%が残留する)ことを示している。上昇させた濃度(+0.5%)の重炭酸ナトリウムの添加は、フッ化物の生物学的利用能(約57%)をわずかに上昇させるだけである。ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)の添加は、対照においてよりもさらに、生物学的利用能を約41%まで低下させた。+重炭酸塩0.25%およびTSPP0.25%の混合物の使用は、対照歯磨剤組成物に匹敵する52%の生物学的利用能をもたらした。対照1および2は、それらの組成において、使用されるシックナー/研磨剤の水和SiO2が異なる。Zeodent 165(商標)およびSylodent SM990Tは両方とも等しく良好に機能した。
【0169】
次に、上記のTCBの性能を考慮して、研磨剤として処理済み魚卵状アラゴナイトを含む新たな配合物を、TCB配合物と比較するために、次の処方により調製した:
【0170】
【0171】
試験の目的は、これらのモノフルオロリン酸ナトリウム歯磨剤のフッ素(新鮮)の合計および可溶性の利用可能なフッ素(新鮮および非新鮮)の合計を決定することであった。この目的のために、試料を90日間、40℃±2℃および湿度75%±5%でインキュベートして、2年間にわたる室温での製品の正常なエージングをシミュレートした。行われた試験は上で詳述したとおりである。
【0172】
【0173】
結果は、TCBアラゴナイト研磨剤を含有する歯磨剤配合物が40%超の生物学的に利用可能なフッ化物の減少を呈する(TCB試料では59%が残留する)ことを示している。上昇させた濃度(+0.5%)の重炭酸ナトリウムの添加は、フッ化物の生物学的利用能(約72%)を上昇させる。予想外にも、処理済み魚卵状アラゴナイト研磨剤を含有する歯磨剤配合物では、生物学的に利用可能なフッ化物の減少がかなり少なく、19%の低下に過ぎず(処理済み魚卵状アラゴナイト試料では81%が残留する)、TCB含有歯磨剤に対して2倍の改善である。意外にも、上昇させた濃度(+0.5%)の重炭酸ナトリウムの添加が、フッ化物の生物学的利用能(約97%)を上昇させ;これは、生物学的に利用可能なフッ化物の減少がないことに近い。
【0174】
次に、これら4種の歯磨剤のエージング特性、特に、試料の粘度およびpHを最高68日間の期間かけて評価した。粘度は、エージングするにつれた製品の視覚的および審美的な外観を推定するためにモニタリングするための重要なパラメーターである。pHは、歯石および結石形成の上昇と比較可能であるpH値の上昇を回避するためにモニタリングするための重要なパラメーターである。
【0175】
【0176】
粘度およびpH値は、歯磨剤について許容されるパラメーターの範囲内であることが見い出された。
【0177】
次に、これら4種の歯磨剤のクリーニング特性を、標準的な試験を使用して評価した。
【0178】
【0179】
ペリクルクリーニング比(PCR)試験は、練り歯磨きまたは歯磨き粉などのオーラルケア用歯磨剤のステイン除去性能を評価するために使用される。すべての結果は、許容されると判断された。研磨力(RDA)は、歯のぞうげ質に対する練り歯磨き中の研磨剤の侵食作用を測定するための試験である。これは、標準化研磨剤を試験試料と比較して使用することを伴う。この値の決定は、弱い中性子照射により放射性にマーキングされている摩耗したぞうげ質をクリーニングしている間に、放射能を決定することにより行われる。得られる値は、練り歯磨き中で使用される研磨剤のサイズ、量および表面構造に依存する。0から70の間の値が、低いぞうげ質研磨性を有する配合物を表し、70~100の値は、中等度のぞうげ質研磨性を有する配合物を表す。試験される配合物はすべて、許容されると判断された。最後に、相対エナメル質研磨力(relative enamel abrasivity;REA)を決定した。すべての結果が、許容されると判断された。
【0180】
好ましい実施形態を上に記載し、添付の図面において図示してきたが、本開示から逸脱することなく、変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。そのような変更は、本開示の範囲内に含まれる可能な変形と判断される。
【国際調査報告】