(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】治療用サイトカイン及び方法
(51)【国際特許分類】
C07K 14/52 20060101AFI20250130BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20250130BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20250130BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20250130BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20250130BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20250130BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20250130BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20250130BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20250130BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20250130BHJP
A61K 38/20 20060101ALI20250130BHJP
A61K 38/21 20060101ALI20250130BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250130BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
C07K14/52 ZNA
C07K19/00
C12N15/12
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K38/19
A61K38/20
A61K38/21
A61P29/00
A61P43/00 105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544664
(86)(22)【出願日】2023-01-30
(85)【翻訳文提出日】2024-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2023052202
(87)【国際公開番号】W WO2023144393
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521364982
【氏名又は名称】フンダシオ セントレ デ レグラシオ ヘノミカ
(71)【出願人】
【識別番号】512171032
【氏名又は名称】インスティトゥシオ カタラナ デ レセルカ イ エストゥディス アヴァンカッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ ハビエル デルガド ブランコ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス セラーノ プブル
(72)【発明者】
【氏名】アリアドナ テレサ モンテロ ブライ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
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4B065AA83Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA44
4B065CA46
4C084AA02
4C084BA02
4C084BA41
4C084CA53
4C084DA01
4C084DA12
4C084DA24
4C084NA05
4C084ZB11
4C084ZB21
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA01
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、野生型サイトカイン単量体に比べて生理活性が向上した一本鎖二量体サイトカインである。本開示の一本鎖二量体サイトカインは、炎症状態又は増殖状態に関連する様々な疾患又は障害の治療において有用でありうる。一本鎖二量体サイトカインを対象に送達するための送達ベクター又は薬剤も開示される。そのような送達ベクター又は薬剤としては、細胞、細菌及びバクテリオファージが挙げられる。
【選択図】
図26
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、前記サイトカイン単量体ドメイン又は機能部分の一方の配列が連続せず、他方のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列によって中断されている一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項2】
(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、前記第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列が一続きに連続しており、一方で、前記第1のサイトカイン単量体ドメインの配列は、前記第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分が前記第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のN末端に配置され、前記第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分が前記第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のC末端に配置されている、請求項1に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項3】
前記第1のサイトカイン単量体ドメインの前記第1の配列部分が、天然のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に対応し、前記第1のサイトカイン単量体ドメインの前記第2の配列部分が、前記天然のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に対応する、請求項2に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
i)前記一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのフリーなN末端及びC末端、並びに前記第1のサイトカイン単量体ドメインの前記第1及び第2の配列部分を、それらの天然の配列順序で含む分割ドメイン、並びに
ii)前記第2のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分及び第2の配列部分として構築された、前記第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、前記第1及び第2の配列部分が、それらの天然の配列順序と比較して逆向きの順序である連続ドメイン
を含み、
前記分割ドメインにおいて、前記第1のサイトカイン単量体ドメインの前記第1及び第2の配列部分の配列が、前記連続ドメインの配列によって分離されている
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項5】
i)第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA及びBを含む、前記第1のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分、ii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスBと、第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスCを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC及びDを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分、iv)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、v)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA及びBを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分、vi)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスBと、前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスCを架橋するリンカーペプチド、並びにvii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC及びDを含む前記第1のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分、を含む一本鎖二量体クラスIポリペプチドである、請求項3又は4に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項6】
i)第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Cを含む、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のN末端部分、ii)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスCと、第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスDを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスD~Fを含む前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のC末端部分、iv)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、v)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Cを含む前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のN末端部分、vi)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスCと、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスDを架橋するリンカーペプチド、及びvii)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスD~Fを含む前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のC末端部分、を含む一本鎖二量体クラスIIポリペプチドである、請求項3又は4に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項7】
請求項3~4及び6のいずれか一項に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
i)配列番号325-(Xn1)-配列番号326-(NtCt)-配列番号327-(Xn2)-配列番号328の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IL-22、
ii)配列番号195-(Xn1)-配列番号196-(NtCt)-配列番号197-(Xn2)-配列番号198の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IL-19、
iii)配列番号200-(Xn1)-配列番号201-(NtCt)-配列番号202-(Xn2)-配列番号203の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IL-20、
iv)配列番号210-(Xn1)-配列番号211-(NtCt)-配列番号212-(Xn2)-配列番号213の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IL-26、
v)配列番号215-(Xn1)-配列番号216-(NtCt)-配列番号217-(Xn2)-配列番号218の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNλ2、
vi)配列番号220-(Xn1)-配列番号221-(NtCt)-配列番号222-(Xn2)-配列番号223の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNλ3、
vii)配列番号225-(Xn1)-配列番号226-(NtCt)-配列番号227-(Xn2)-配列番号228の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNλ1、
viii)配列番号230-(Xn1)-配列番号231-(NtCt)-配列番号232-(Xn2)-配列番号233の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNα1/13、
ix)配列番号235-(Xn1)-配列番号236-(NtCt)-配列番号237-(Xn2)-配列番号238の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNα2、
x)配列番号240-(Xn1)-配列番号241-(NtCt)-配列番号242-(Xn2)-配列番号243の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNβ、
xi)配列番号245-(Xn1)-配列番号246-(NtCt)-配列番号247-(Xn2)-配列番号248の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNΩ1、
xii)配列番号250-(Xn1)-配列番号251-(NtCt)-配列番号252-(Xn2)-配列番号253の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNε、
又は
xiii)配列番号255-(Xn1)-配列番号256-(NtCt)-配列番号257-(Xn2)-配列番号258の配列若しくはそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IFNκ、
であり、
(Xn1)及び(Xn2)がペプチドリンカーである、
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項8】
配列番号65、配列番号66、配列番号282、配列番号283、配列番号284、配列番号285、配列番号286、配列番号287、若しくは配列番号288の配列、又はそれに対して少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性並びに/又は少なくとも同じレベルのIL-22受容体1及び/若しくはIL-22受容体2との相互作用を保持する一本鎖二量体IL-22ポリペプチドである、請求項3~4及び6~7のいずれか一項に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項9】
配列番号76の配列又はそれと少なくとも80%同一な配列を含む、又はそれからなり、少なくとも同じ安定性並びに/若しくは少なくとも同じレベルのIL-10受容体及びIL-22受容体との相互作用を保持する一本鎖キメラIL-10-IL-22ポリペプチドが提供される、請求項3~4及び6のいずれか一項に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項10】
前記第1のサイトカイン単量体ドメインの前記第1の配列部分が、天然のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に対応し、前記第1のサイトカイン単量体ドメインの前記第2の配列部分が、天然のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に対応する、請求項2に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項11】
請求項2又は10に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
i)前記一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのフリーなN末端及びC末端、並びに前記第1のサイトカイン単量体ドメインの前記第1及び第2の配列部分を、それらの天然の配列順序と比較して逆向きに含む分割ドメイン、並びに
ii)前記第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分をその天然の配列順序で含む連続ドメイン
を含み、
前記分割ドメインにおいて、前記第1のサイトカイン単量体ドメインの前記第1及び第2の配列部分の配列が、前記連続ドメインの配列によって分離されている
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
a)リンカーペプチドが、第1のクラスIサイトカイン単量体の第4のαヘリックスと、第2のクラスIサイトカイン単量体の第1のαヘリックスを架橋し、
b)リンカーペプチドが、第2のクラスIサイトカイン単量体の第4のαヘリックスと、前記第1のクラスIサイトカイン単量体の第1のαヘリックスを架橋し、
前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA及びBは架橋されていない、又は前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスB及びCは架橋されていない、又は前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC及びDは架橋されていない、一本鎖二量体クラスIポリペプチドである、
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項13】
短鎖クラスIサイトカインをベースとし、
i)配列番号89-(Xn1)-配列番号90-(Xn2)-配列番号91を含む二量体IL-2、
ii)配列番号93-(Xn1)-配列番号94-(Xn2)-配列番号95を含む二量体IL-4、
iii)配列番号97-(Xn1)-配列番号98-(Xn2)-配列番号99を含む二量体IL-3、
iv)配列番号103-(Xn1)-配列番号104-(Xn2)-配列番号105を含む二量体IL-7、
v)配列番号107-(Xn1)-配列番号108-(Xn2)-配列番号109を含む二量体IL-9、
vi)配列番号110-(Xn1)-配列番号111-(Xn22)-配列番号112を含む二量体IL-15、
vii)配列番号113-(Xn1)-配列番号114-(Xn)-配列番号115を含む二量体IL-21、
viii)配列番号116-(Xn1)-配列番号117-(Xn2)-配列番号118を含む二量体TSLP、及び
ix)二量体GM-CSF(配列番号120-(Xn1)-配列番号121-(Xn2)-配列番号12配列番号101を含みうる、又はそれからなりうる)
であるか、
それらと少なくとも80%同一な、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体短鎖クラスIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する配列
であり、
(Xn1)及び(Xn2)がペプチドリンカーである、
請求項10~12のいずれか一項に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項14】
長鎖クラスIサイトカインをベースとし、
i)配列番号135-(Xn1)-配列番号136-(Xn2)-配列番号137を含む二量体IL-6、
ii)配列番号139-(Xn1)-配列番号140-(Xn2)-配列番号141を含む二量体IL-11、
iii)配列番号143-(Xn1)-配列番号144-(Xn2)-配列番号145を含む二量体IL-12α、
iv)配列番号147-(Xn1)-配列番号148-(Xn2)-配列番号149を含む二量体IL-23α、
v)配列番号151-(Xn1)-配列番号152-(Xn2)-配列番号153を含む二量体IL-27α、
vi)配列番号154-(Xn1)-配列番号155-(Xn2)-配列番号156を含む二量体IL-31、
vii)配列番号158-(Xn1)-配列番号159-(Xn2)-配列番号160を含む二量体CLCF1、
viii)配列番号161-(Xn1)-配列番号162-(Xn2)-配列番号163を含む二量体ONCM、
ix)配列番号165-(Xn1)-配列番号166-(Xn2)-配列番号167を含む二量体CTF1、
x)配列番号169-(Xn1)-配列番号170-(Xn2)-配列番号171を含む二量体CNTF、
xi)配列番号173-(Xn1)-配列番号174-(Xn2)-配列番号175を含む二量体LIF、及び
xii)配列番号177-(Xn1)-配列番号178-(Xn2)-配列番号179を含む二量体CSF3
であるか、
それらと少なくとも80%同一な、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体長鎖クラスIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する配列
であり、
(Xn1)及び(Xn2)がペプチドリンカーである、
請求項10~12のいずれか一項に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項15】
二量体IL-2であり、配列番号89-(Xn1)-配列番号90-(Xn2)-配列番号91を含み、前記ペプチドリンカーXn1及びXn2が同一であり、配列番号270、配列番号271、配列番号272、配列番号273、配列番号274、又は配列番号275を含む、又はそれからなる、請求項10~13のいずれか一項に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項16】
請求項10又は11に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
a)リンカー配列が、第1のクラスIIサイトカイン単量体の第1のαヘリックスと、第2のクラスIIサイトカイン単量体の第6のαヘリックスを架橋し、
b)リンカー配列が、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体の第6のαヘリックスと、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体の第1のαヘリックスを架橋し、
c)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体の第1及び第2のαヘリックス、第2及び第3のαヘリックス、第3及び第4のαヘリックス、第4及び第5のαヘリックス、又は第5及び第6のαヘリックスは架橋されていない、
一本鎖二量体クラスIIポリペプチドである、
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項17】
(a)第1のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、前記第1のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列が一続きに連続しており、一方で、前記第2のサイトカイン単量体ドメインの配列は、前記第1のクラスIサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置された前記第2のクラスIサイトカイン単量体の前記第1の配列部分が、天然のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分に対応し、前記第2のクラスIサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置された前記第2のクラスIサイトカイン単量体の前記第2の配列部分が、前記天然のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分に対応する、請求項1に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項18】
請求項1又は17に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
i)前記一本鎖二量体クラスIサイトカインポリペプチドのフリーなN末端及びC末端、並びに前記第2のクラスIサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分を含む分割ドメイン、並びに
ii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む連続ドメイン
を含み、
前記分割ドメインにおいて、前記第1のクラスIサイトカイン単量体ドメインの前記第1及び第2の配列部分の配列が、前記連続ドメインの配列によって分離されている、
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
a)リンカーペプチドが、第1のクラスIサイトカイン単量体の第4のαヘリックスと、前記第2のクラスIサイトカイン単量体の第3のαヘリックスを架橋し、
b)リンカーペプチドが、前記第1のクラスIサイトカイン単量体の第1のαヘリックスと、前記第2のクラスIサイトカイン単量体の第2のαヘリックスを架橋し、
c)リンカーペプチドが、前記第1のクラスIサイトカイン単量体の第1のαヘリックス(αヘリックスA)と、前記第2のクラスIサイトカイン単量体の第2のαヘリックスを架橋し、
d)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスB及びCが架橋されされていない、
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項20】
配列番号296の配列又はそれと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルのIL-2受容体との相互作用を保持する一本鎖二量体IL-2ポリペプチドである、請求項17~19のいずれか一項に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項21】
(a)第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列が一続きに連続しており、その天然の配列順序と比較して逆の順序であり、一方で、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの配列は、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のN末端に配置された前記第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分が天然のクラスIIサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に対応し、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のC末端に配置された前記第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの前記第2の配列部分が前記天然のクラスIIサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に対応する、請求項1に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項22】
請求項2又は21に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
i)前記一本鎖二量体クラスIIサイトカインポリペプチドの前記フリーなN末端及びC末端、並びに前記第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの前記第1及び第2の配列部分を、それらの天然の配列順序で含む分割ドメイン、並びに
ii)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む連続ドメイン
を含む一本鎖二量体クラスIIサイトカインポリペプチドであり、
前記分割ドメインにおいて、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの前記第1及び第2の配列部分の配列が、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの前記連続ドメインの配列によって分離されている
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項23】
前記リンカーペプチドが、約3~約20個のアミノ酸、約3~約16個のアミノ酸、約4~約12個のアミノ酸、約4~約8個のアミノ酸、約3~約8個のアミノ酸又は約3~約6個のアミノ酸の配列を有し、前記リンカーペプチド配列が、5個以下の、好適には3個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含み、任意選択で、前記リンカーペプチドが構造化リンカーである、請求項5~7、12~16及び19のいずれか一項に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項24】
クラスIサイトカインであるスワップドドメイン二量体を形成する第1及び第2のサイトカイン単量体ドメインを含み、N末端からC末端にかけて、前記第2のサイトカイン単量体のヘリックスA~C及び前記第1のサイトカイン単量体のヘリックスDを含む第1のサイトカイン単量体ドメイン、並びに前記第2のサイトカイン単量体のヘリックスD及び前記第1のサイトカイン単量体のヘリックスA~Cを含む第2のサイトカイン単量体ドメインを含み、リンカーペプチドが、前記第2のサイトカイン単量体のヘリックスDと、前記第1のサイトカイン単量体のヘリックスAを架橋する、請求項1に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項25】
配列番号101-(NtCt)-配列番号102の配列((NtCt)はペプチドリンカー)又はそれと少なくとも80%同一な配列を含む二量体IL-5ポリペプチドであり、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIL-5受容体との相互作用を保持する、請求項24に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項26】
スワップドドメイン二量体を形成し、クラスIIサイトカインである第1及び第2のサイトカイン単量体を含み、N末端からC末端にかけて、前記第2のサイトカイン単量体のヘリックスA~C、及び前記第1のサイトカイン単量体のヘリックスD~Fを含む第1のサイトカイン単量体ドメイン、並びに前記第2のサイトカイン単量体のヘリックスD~F及び前記第1のサイトカイン単量体のヘリックスA~Cを含む第2のサイトカイン単量体ドメインを含み、リンカーペプチドが、前記第2のサイトカイン単量体のヘリックスFと、前記第1のサイトカイン単量体のヘリックスAを架橋する、請求項1に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項27】
一本鎖二量体IL-10であり、配列番号11-(NtCt)-配列番号12の配列((NtCt)はペプチドリンカー)又はそれと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIL-10受容体との相互作用を保持する、請求項26に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項28】
配列番号9若しくは配列番号10又はそれらと少なくとも80%同一な配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIL-10受容体との相互作用を保持する、請求項27に記載の一本鎖二量体IL-10ポリペプチド。
【請求項29】
一本鎖二量体IFNγであり、配列番号14-(NtCt)-配列番号15の配列((NtCt)はペプチドリンカー)又はそれと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIFNγ受容体との相互作用を保持する、請求項26に記載の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【請求項30】
配列番号18又はそれと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含み、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIFNγ受容体との相互作用を保持する、請求項29に記載の一本鎖二量体ポリペプチド。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載の前記一本鎖二量体ポリペプチドを含むポリペプチド。
【請求項32】
請求項1~31のいずれか一項に画定されたポリペプチドをコードする核酸。
【請求項33】
請求項32に画定された核酸を含む発現ベクター。
【請求項34】
請求項32に画定された核酸又は請求項33に画定された発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項35】
請求項1~31のいずれか一項に画定されたポリペプチドを含む医薬組成物。
【請求項36】
疾患を治療する方法であって、請求項1~31のいずれか一項に画定されたポリペプチドを、それを必要とする対象に投与することを含み、任意選択で、対象は炎症反応又は細胞増殖の速度の減少又は増加から利益が得られる対象である、方法。
【請求項37】
疾患の治療に使用するための、請求項1~31のいずれか一項に画定されたポリペプチドであって、任意選択で、疾患は炎症反応又は細胞増殖の速度の減少又は増加から利益が得られる疾患である、ポリペプチド。
【請求項38】
疾患の治療用医薬品の製造のための、請求項1~31のいずれか一項に画定されたポリペプチドであって、任意選択で、疾患は炎症反応又は細胞増殖の速度の減少又は増加から利益が得られる疾患である、ポリペプチド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規治療用サイトカイン及び治療におけるそれらの使用方法に関する。具体的には、本発明は、新規二量体サイトカインに関し、より詳細には、強制的な立体構造の/構造的に制限された、二量体サイトカイン、及び治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
サイトカインは、ヒトの治療において可能性を秘めた大変興味深い生体分子である。それらは免疫系を調節し、とりわけ、がん、炎症、免疫応答、組織再生において重要な役割を果たす。その大きな可能性にもかかわらず、治療目的で承認されているサイトカインはほんの一握りである。これは、それらの多くが、短い血清中半減期、高い製造コスト、多面的効果、高い毒性などにくわえて、通常、種々の細胞型を標的とするため、有害な副作用を有する可能性があるからである(
図2を参照)。
【0003】
選択されたサイトカインの薬力学及び薬物動態を向上させるために、様々な方法が提案されてきた(例えば、IL-7のIgG-Fc領域への融合2や、多くのサイトカインに対するアジュバントポリエチレングリコールの使用など3)。改良が必要な他の特性としては、親和性やタンパク質分解に対する耐性及び/又は毒性が挙げられ、これは、1つ又は複数の受容体との相互作用を標的とする表面変異を設計して、投与量を減らしながらも治療効果を最大化することによって部分的に解決できる可能性がある4)。
【0004】
サイトカインの毒性を減少させる可能性のある1つの方法は、治療用細菌を使用することによってそれらを局所的に送達することである。目的の治療用分子をin situで産生及び送達する組換え細菌の使用が詳しく論文に報告されている5。そのような取り組みの多くは、動物モデルでも高い有効性を示しているが、疾患部位で治療用分子を充分に有効な濃度に到達させ、維持することが困難であることもあり、臨床的な成功には至っていない。それでもなお、安価に製造でき、経口又は局所的に送達でき(例えば、ざ瘡のアクネ菌(Cutibacterium acnes);https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31981578/)、全身的な副作用を最小限に抑える、効果的な治療に対する期待から、治療薬としての微生物の利用に対する関心は高まり続けている。いくつかの企業が、ヒト治療用の細菌を開発中であり(例えば、Pulmobiotics、Eligo Bioscience、Synlogic、Azitra、Intrexon、Rebiotix)、又は標的細菌で発現させるための目的の遺伝子を含む、バクテリオファージを用いている(例えば、Armata Pharmaceuticals、Eligo Bioscience)。
【0005】
毒性を減少させ、有効性を向上させる別の方法は、所望の作用部位にサイトカインを向かわせる分子(例えば抗体)にサイトカインを融合させること;細胞が異なれば受容体成分の発現レベルが異なることを最終的に考慮して、受容体アセンブリの様々な成分のうち1つに対する親和性を相対的に変化させる変異を導入すること(例えば、IL2とその受容体α(IL-2RA));又は、サイトカインを、受容体認識を妨げ、かつ正しい位置でサイトカインから切り離される、他のタンパク質ドメインに融合させること;でありうる。
【0006】
上記の背景に対して、新規の、及び/若しくは改善された治療用サイトカイン、治療法、並びに/又は方法を得て、それらにより、従来の方法又は生物学的送達ベクターを使用して投与を行った場合に、サイトカインの半減期、安全性、有効性、特異性、及び/又は局所ターゲティングが改善されることが望ましい。
【0007】
本発明は、先行技術における欠陥の1つ又は複数を克服、又は少なくとも軽減しようとするものである。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、サイトカイン単量体ドメイン又は機能部分の一方の配列が連続しておらず、他方のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列によって中断されている一本鎖二量体サイトカインポリペプチドに関する。
【0009】
一実施形態では、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列又は機能部分は連続しておらず、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列によって中断されている。
【0010】
この実施形態のいくつかの側面では(In some aspects of this embodiment)、第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分は、天然のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に相当し、第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分は、天然のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に相当する。
【0011】
この実施形態の他の側面では(In other aspects of this embodiment)、第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分は、天然のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に相当し、第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分は、天然のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に相当する。
【0012】
別の実施形態では、第2のサイトカイン単量体ドメインの配列又は機能部分は連続しておらず、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列又はその機能部分によって中断されている。
【0013】
この実施形態のいくつかの側面では、第1のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列は一続きに連続し(continuous in sequence)、一方で、第2のサイトカイン単量体ドメインの配列は、第1のクラスIサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置された前記第2のクラスIサイトカイン単量体の第1の配列部分が、天然のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分に対応し、第2のクラスIサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置された第2のクラスIサイトカイン単量体の第2の配列部分が、天然のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分に対応する。
【0014】
この実施形態の他の側面では、第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列は一続きに連続し、その天然の配列順序と比較して逆の順序であり、一方で、第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの配列は、第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のN末端に配置された第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分が、天然のクラスIIサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に対応し、第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のC末端に配置された第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分が、天然のクラスIIサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に対応する。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、スワップドドメイン二量体を形成する第1のサイトカイン単量体及び第2のサイトカイン単量体を含み、リンカーペプチドが、第1のサイトカイン単量体のN末端と、第2のサイトカイン単量体のC末端を架橋する一本鎖二量体サイトカインポリペプチドに関する。
【0016】
本発明はさらに、本発明の一本鎖二量体ポリペプチドを含むポリペプチドに関する。
【0017】
本発明はさらに、本発明の一本鎖二量体ポリペプチド又はそれを含むポリペプチドをコードする核酸に関する。
【0018】
本発明はまた、本発明の核酸を含む発現ベクターに関する。
【0019】
さらに提供されるのは、本発明の核酸又は発現ベクターを含む宿主細胞である。
【0020】
本発明はまた、本発明の一本鎖二量体ポリペプチド又はそれを含むポリペプチドを含む医薬組成物に関する。
【0021】
さらに提供されるのは、疾患を治療する方法であって、本発明の一本鎖二量体ポリペプチド又はそれを含むポリペプチドを、それを必要とする対象に投与することを含み、任意選択で、対象は炎症反応又は細胞増殖の速度の減少又は増加から利益が得られる対象である、方法である。
【0022】
本発明はさらに、疾患の治療に使用するための、本発明の一本鎖二量体ポリペプチド又はそれを含むポリペプチドであって、任意選択で、疾患は炎症反応又は細胞増殖の速度の減少又は増加から利益が得られる疾患である、ポリペプチドに関する。
【0023】
本発明はさらに、疾患の治療用医薬品の製造のための、本発明の一本鎖二量体ポリペプチド又はそれを含むポリペプチドであって、任意選択で、疾患は炎症反応又は細胞増殖の速度の減少又は増加から利益が得られる疾患である、ポリペプチドに関する。
【0024】
広義には、本開示は、有益な治療効果をもたらすことができる新しいサイトカインポリペプチドバリアントの構造設計に関する。そのような治療用ポリペプチドは、例えば、経口で、噴霧、注射、又はウイルス、バクテリオファージ及び/若しくは細菌のような生物学的ベクターを使用することによって、当業者に利用可能な任意の方法によって、標的対象に送達することができる。
【0025】
本開示の新規サイトカインポリペプチドバリアントは、共有結合的に連結して一本鎖ポリペプチドを形成するサイトカイン単量体配列の対を含む。サイトカイン単量体配列は、同じ又は異なる野生型サイトカインタンパク質配列に由来しうる。有利には、本開示の一本鎖ポリペプチドは折り畳まれて、2つの構造ドメイン(例えば、左及び右3Dドメイン)を含む三次構造を形成し、各3Dドメインは、それが基になる/由来する自然のサイトカイン単量体の機能及び/若しくは活性を有することができる、又は異なる機能若しくは活性を有することができる。
【0026】
1つの態様において、開示されるのは、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分が、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分に、ペプチドリンカーによって融合され、ペプチドリンカー配列が、5個以下の(好ましくは3個以下の)隣接Gly及び/又はSer残基を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドである。好適には、人工ペプチドリンカーは約3~約20個のアミノ酸の配列を有する。実施形態では、人工ペプチドリンカーは、約3~約16個のアミノ酸、約3~約12個のアミノ酸、約3~約8個のアミノ酸、約4~約8個のアミノ酸、又は約4~約6個のアミノ酸を有する。
【0027】
第2の態様において、開示されるのは、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第2のサイトカイン単量体ドメインの配列又はその機能部分が、第1のサイトカイン単量体の第1の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置され、第1のサイトカイン単量体の第2の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置されるように、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列内に挿入されている一本鎖二量体サイトカインポリペプチドである。有利には、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、左3Dサイトカインドメイン及び右3Dサイトカインドメインを含む三次構造を有し、左3Dサイトカインドメインは、右3Dサイトカインドメインに2つの架橋リンカーペプチドによって接続されている。実施形態では、左3Dサイトカインドメインは、好適には第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の第1及び第2の配列部分から形成された分割ドメインサイトカインであり、右3Dサイトカインドメインは、好適には第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分から形成された連続ドメインサイトカインである。
【0028】
第3の態様において、開示されるのは、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第2のサイトカイン単量体ドメインの配列又はその機能部分が、第1のサイトカイン単量体の第1の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置され、第1のサイトカイン単量体の第2の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置されるように、前記第1のサイトカイン単量体ドメインの配列内に挿入されている一本鎖二量体サイトカインポリペプチドである。さまざまな実施形態では、第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分は、自然のサイトカイン単量体のC末端部分に対応し、第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分は、自然のサイトカイン単量体のN末端部分に対応する。
【0029】
第4の態様において、開示されるのは、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第1のサイトカイン単量体ドメイン配列が、第2のサイトカイン単量体ドメイン配列と異なる種類のサイトカインに由来し、左サイトカインドメインが、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の第1及び第2の配列部分から形成された分割ドメインサイトカインであり、右3Dサイトカインドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分から形成された連続ドメインサイトカインである一本鎖二量体サイトカインポリペプチドである。好適には、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分で形成される左3Dサイトカインドメイン、及び第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分で形成される右3Dサイトカインドメインを含む三次構造を有する。有利には、第1のサイトカイン単量体ドメインは、第2のサイトカイン単量体ドメインに、2つの架橋リンカーペプチドによって接続されている。実施形態では、第1のサイトカイン単量体ドメインはクラスIIサイトカインに由来し、第2のサイトカイン単量体はクラスIサイトカインに由来する、又は第1のサイトカイン単量体ドメインはクラスIサイトカインに由来し、第2のサイトカイン単量体はクラスIIサイトカインに由来する。
【0030】
第5の態様において、開示されるのは、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第1のサイトカイン単量体ドメイン配列が、第2のサイトカイン単量体ドメイン配列と異なる種類のサイトカインに由来し、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドが、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分で形成される左3Dサイトカインドメイン、及び第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分で形成される右3Dサイトカインドメインを含む三次構造を有する一本鎖二量体サイトカインポリペプチドである。さまざまな実施形態では、(i)第1のサイトカイン単量体ドメイン配列は、IL-10若しくはIFNγサイトカイン配列に由来し、第2のサイトカイン単量体ドメイン配列は、クラスI若しくはクラスIIサイトカイン配列に由来する、又は(ii)第1のサイトカイン単量体ドメイン配列は、クラスI若しくはクラスIIサイトカイン配列に由来し、第2のサイトカイン単量体ドメイン配列は、IL-10若しくはIFNγサイトカイン配列に由来する。
【0031】
本開示はまた、本開示のポリペプチドのいずれかを包含する単離されたポリヌクレオチドを包含する。そのようなポリヌクレオチドを含む、バクテリオファージ又はウイルスベクターなどのベクターもまた、包含される。
【0032】
さらに、本開示は、本開示のポリヌクレオチド及び/又は本開示のポリペプチドを発現する細胞を含む細胞を包含する。
【0033】
本開示はまた、本開示のポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター及び/又は細胞を含む医薬組成物に関する。
【0034】
さらに、本開示は、本開示のポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞及び/又は(医薬/治療)組成物を必要とする治療的使用及び医学的治療の方法に関する。
【0035】
本開示の様々な態様及び実施形態は、節(Clauses)及び添付の特許請求の範囲において画定される。本発明の概念のさらなる態様及び実施形態は、本明細書の他の箇所に記載される。
【0036】
本発明の1つの態様又は実施形態の任意の特徴は、別段の記載がない限り、本発明の他の態様又は実施形態の特徴の任意の組み合わせと組み合わせることができ、そのような組み合わせは、特許請求される発明の範囲内にあることが理解されるであろう。したがって、本発明は、本開示の節及び請求項のすべてをあらゆる組み合わせで包含する(但しそのような組み合わせが相容れない場合を除く)。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明は、添付の図面により更に説明される。
【0038】
【
図1】
図1は、フォールディカインの一般的概念の概略図。基本的なフォールディカイン概念は、配列及び3D空間において連続的なフォールディングしたサイトカインドメイン(透明リボン;右手側)が、そのN及びC末端(灰色のXnリンカー;これは、天然N及びC末端であり得るか、又は、これもまた灰色で図示されているNtCtリンカーで天然N及びC末端を閉じることと組み合わせて新規N及びC末端を形成するために天然配列中のループを開くことの結果としてもたらされ得る)を介して、サイトカインに基づく別のドメインに連結されることから構成される単鎖分子であり、サイトカインに基づく別のドメインは、等しい又は異なるサイズの2つの部分(黒及びミディアムグレー、左手側)に分割され、結果的なフォールディカイン分子のN及びC末端は、第2(左手側)のサイトカインドメインの天然N及びC末端、又は第2のサイトカインドメインの分割の結果としてもたらされる新規N及びC末端であってもよい。この特有の例において、連続的な3Dドメインを形成するサイトカイン単量体の天然N及びC末端が、操作されたリンカー配列(NtCt)と連結されているII型サイトカインに基づいて作出されたfoldkineが図示されている。融合した二量体構造を作出するために、2つの単量体中のαヘリックス3及び4を天然にブリッジするループは開かれており、両方のドメインの新たに作出されたN及びC末端は、2つのXn設計リンカー(灰色)を介して連結されている。このようにして、連続的な3Dドメイン(ライトグレーで標識されたヘリックス1B~6B)は、非連続的な3Dドメインのそれぞれ2つの半分(黒で標識されたヘリックス1A~3A、及び灰色で標識されたヘリックス4A~6A)と接続される。ヘリックスは、天然単量体フォールディカインの各々のドメイン(ヘリックス1A~6A)について配列中に出現する順序で番号付けされる。フォールディカインの連続的な3Dドメインにおいて、この実施形態によれば、N末端からC末端への方向におけるヘリックスの順序は、4B、5B、6B、1B、2B、3Bである。ヘリックスの数は、フォールディカインが由来するサイトカインに依存して変動する。例えば、I型サイトカインは、4つの保存されたαヘリックスを典型的には含む一方、II型サイトカインは、6つの保存されたαヘリックスを典型的には含む。設計されたリンカーをリボンとして示しており、タンパク質骨格(N、CA、CO原子)を示している。
【
図2】
図2は、サイトカインの問題及びフォールディカインを使用した解決手段を図示するフローダイアグラム。
【
図3】
図3は、二量体スワップドドメイン二量体サイトカインII型に基づいてフォールディカインを形成するためのプロセスの概略図。N-ter A及びC-ter Aは第1のサイトカイン単量体のN及びC末端を指し示し、N-ter B及びC-ter Bはスワップドドメイン二量体の第2のサイトカイン単量体のN及びC末端を指し示す。IL-10のようなスワップドドメインフォールディカインは、各々の分子のN及びC領域から構成される2つのサイトカインドメインを形成する2つの鎖(暗色及び灰色ヘリックス)から構成される。黒のループは、サイトカイン単量体のうちの1つ(この例においてB単量体)のN末端を他のサイトカイン単量体(この例においてA単量体)のC末端に接合して、2つのリンカーにより分割ドメイン(左3Dドメイン)に接続された「連続的フォールディカインドメイン」(
図25も参照)を作製するために設計された新規リンカー(N-Cリンカー)を表す。
【
図4】
図4は、2つの単量体クラスI短又は長鎖サイトカインに基づいて方法Bに従ってフォールディカインを設計するためのプロセスの概略図。N-ter A及びC-ter Aは元々の又は野生型サイトカイン単量体のうちの1つ(A)のN及びC末端を指し示し、N-ter B及びC-ter Bは、二量体サイトカインを形成する他の元々のサイトカイン単量体(B)のN及びC末端を指し示す。Aサイトカインドメイン中の黒のループは例示的であり、単鎖フォールディカインを作出するために(黒リンカー;中央と共に図示される)単量体A及びBの元々のN-ter A及びC-ter B並びに元々のN-ter B及びC-ter Aを接合することと組み合わせてフォールディカインを作出するためにこの例において開かれるループを表す。この図において、Aドメイン中のペプチドループは、フォールディカインのN及びC末端を形成するために開かれる(
図6及び
図27も参照)。他の実施形態において、ヘリックスの間の異なるループは、新規N及びC末端を形成するためにAドメイン中で開かれてもよい。他の実施形態において、Bサイトカイン中のループは、新規N及びC末端を形成するために開かれてもよい。
【
図5】
図5は、2つの単量体クラスIIサイトカインに基づいて方法Aに従ってフォールディカインを設計するためのプロセスの概略図。N-ter A及びC-ter Aは元々の又は野生型サイトカイン単量体のうちの1つ(A)のN及びC末端を指し示し、N-ter B及びC-ter Bは他の元々のサイトカイン単量体(B)のN及びC末端を指し示す。黒のループ(左上パネル)は例示的であり、新規N及びC末端(N-N-ter A及びB並びにN-C-ter A及びB;右上パネル)を作出するために開かれる2つのループを表す。これらの新規N及びC末端は、新規ペプチドリンカー(小さい黒矢印により指し示される;右下パネル)と接続され得る。2つの元々の/野生型サイトカイン単量体のうちの1つ(この例においてサイトカインB)の元々のN-ter及びC-terは次に、新規ペプチドリンカー(小さい黒矢印;左下パネル)と接合されて、分割ドメインの2つの部分(左)の間にサンドイッチされた2つのフォールディカインドメイン:連続ドメイン(右)を有する単一のポリペプチドを形成する(
図27も参照)。
【
図6】
図6は、単量体クラスI及び単量体クラスIIサイトカインに基づいてキメラフォールディカインを設計するためのプロセスの概略図。方法Bに従って、N-ter A及びC-ter Aは元々の/野生型クラスIIサイトカイン単量体のN及びC末端を指し示し(i)、方法Cに従って、N-ter B及びC-ter Bは元々の/野生型クラスIサイトカイン単量体のN及びC末端を指し示す(ii)(パネルA及びB中の左上を参照)。I型及びII型単量体から構成されるフォールディカインを作出するための2つの可能な戦略が図示される。(i)1つの単量体のN末端は他の単量体のC末端に共有結合的に連結され、逆もまた行われて、単一のポリペプチドが作出される(黒線、右上パネルを参照)。追加的に、元々の単量体ドメインのうちの1つにおける隣接するアルファヘリックスの間のリンカー領域(黒線;右下パネルを参照)は開かれて、フォールディカイン中の新規N及びC末端(N-N-ter及びN-C-ter;左下パネル)が作出される。描写される実施形態において、新規末端はドメインBの元々のサイトカインI型配列中に作出される(
図4及び
図27も参照)。(ii)リンカー領域/ループはII型サイトカイン(サイトカインA)中で開かれて、新規N及びC末端(N-N-ter及びN-C-ter;パネル右上)が作出される。次に、単量体Aの新規N末端(N-N-ter)は単量体Bの天然C末端(C-ter B)に共有結合的に連結され、単量体Aの新規C末端(N-C-ter)は単量体Bの天然N末端(N-ter B)に共有結合的に連結されて、2つの分子が接合されて(黒Xn標識線;右下パネルを参照)、フォールディカイン II-Iが作出される。代替的に、単量体Aの天然N及びC末端は接続されて(NtCt)、単量体Aの循環置換体(circular permutant)連続ドメインが形成され、リンカー領域/ループはI型サイトカイン(単量体B)中で開かれて、フォールディカイン I-IIを作出する新規N及びC末端(左下パネル)が作出される。
【
図7】
図7は、2つのII型サイトカイン単量体、A及びBの重ね合わせのための参照としてスワップドドメインII型サイトカイン(SC-IL10)の構造がどのように使用され得るのかを示す概略図。第1のステップにおいて、単量体A及びBは、スワップドドメイン鋳型のそれぞれのフォールディングした3Dドメイン上に重ね合わせられて、A及びB単量体の所望される相対的な配置及び方向性が作出される。第2のステップにおいて、各々の単量体ドメインのヘリックスの間の対向するループは開かれて、(
図3~6に図示されるように)単量体を接合するブリッジ形成性リンカーのペアを形成するために対向する単量体の適合性の新規末端と接合される各々の単量体上の新規N及びC末端が作出される。ブリッジ形成性リンカー配列の長さ及び組成は、2つのフォールディカインドメインの間の最適な又は所望される構造的コンホメーション及び幾何学的構成を維持する2ドメインフォールディカインを形成するために各々の単量体の配列及び構造コンホメーションを考慮に入れて最適なリンカー配列をモデル化することにより決定されてもよい。別のステップにおいて、単量体のうちの1つ(A又はB)の天然N及びC末端は、単量体のうちの1つを閉じるため及び単鎖フォールディカインポリペプチドを作出するために連結される。その天然N及びC末端を連結することにより閉じられる単量体、A又はBは、配列及び3D空間において「連続的」なドメインとなる。
【
図8】
図8は、それぞれの受容体に結合した場合の3つの異なる野生型スワップドドメインサイトカイン二量体の構造確認の概略表現であり、二量体サイトカインの2つの半分の間の角度及び細胞膜に対するそれらのおおよその方向性を示す:(A)指し示される受容体R1及びR2を伴い、左及び右手側ドメインの間のV角度を呈するIFNγサイトカイン;(B)指し示される受容体R1及びR2を伴い、左及び右手側ドメインの間のV角度を呈するIL-10サイトカイン;(C)結合した1つの受容体を伴い、2つの構造3Dドメインの間の平坦な180度の角度を呈するIL-5サイトカイン。本開示によるフォールディカインは、スワップ済み野生型サイトカイン二量体の四次構造を模倣する三次構造を制約/促進するために共有結合性ペプチドリンカーと共に好適には設計及び構成される。
【
図9】
図9は、単球初代細胞に対する組換えIL-10又は細菌により分泌されるIL-10の効果。(A)、(B)単球培地(対照)若しくはhIL-10組換え(hIL-10r)を加えた後(A)又は野生型(WT)M.ニューモニエ(M. pneumoniae)(対照)若しくはIL-10 ORF(WT_IL10)を発現するM.ニューモニエからの上清を加えた後(B)の抗炎症マーカー(CD163、CD16、MerTK、CCR4及びPDL1)並びに炎症促進マーカー(MHC2及びCD86)についてのヒトドナー(n=4)からの細胞のフローサイトメトリーデータの平均蛍光強度(MFI)。ライトグレーのバーは対照条件についての平均蛍光強度(MFI)を表し;ダークグレーのバーは試験条件のMFIを表す。*p<0.01(2元配置ANOVA及び事後ボンフェローニ多重比較検定)。(C)、2人の独立したドナーから単離された単球のウエスタンブロット結果であり、刺激されていない細胞(対照)、又は組換えヒトIL-10(hIL-10r)、WT M.ニューモニエの上清(WT対照)若しくはIL-10を発現するM.ニューモニエの上清(WT-IL-10)で刺激された細胞を示す。
【
図10】
図10は、IL-10 R1及びR2受容体結合親和性を増加させるためにこの研究において生成されたIL-10突然変異の概略図。R1又はR2との相互作用を向上させるために突然変異させた位置の各々についての詳細を個々のパネルに示している。
【
図11】
図11は、M.ニューモニエにおいて又はよって発現された選択されたIL-10バリアントの発現レベル及び見かけの解離定数。(A)IL-10 ORF、MutM、hIL-10r、Mut1、Mut2、Mut3、MutSC1及びMutSC2についての見かけのKD(モル濃度)。見かけのKD(ピコモル濃度)の平均を各々の突然変異体の上に灰色で示している。n>3の生物学的複製物。*、p<0.05(一元配置ANOVA及び事後ボンフェローニ多重比較検定、参照IL-10 ORF条件としての選択)。(B)接種後48時間(48hpi)での細菌コロニー形成単位(CFU)の数により正規化された培地に分泌されたIL-10のフェムトグラム(fg)での発現レベル。*、p<0.05(一元配置ANOVA+チューキー事後検定)。(C)MutSC1及びMutSC1_対照Glyについてのタンパク質機能性に対するリンカー組成の影響力。x軸は、分析されたIL-10濃度の範囲を示し、y軸は、HEK-Blue(商標)細胞において測定された630nmでの吸光度を示す(N=3、n=2)。(D)2つの異なる細胞株:THP-1及びHAFTLにおける固定されたIL-10濃度(20ng/mL)での誘導後のp-STAT3活性化のウエスタンブロット。比p-STAT3/STAT3を20分の誘導後に測定し、グラフの下に示している。(E及びF)BlaER1(E)及びHAFTL細胞(F)において決定されたIL-10 ORFと単鎖突然変異体MutSC1及びMutSC2の各々との間のフローサイトメトリーにより決定された見かけのKdにおける平均倍数変化。
【
図12】
図12は、単鎖(SC)IL-10 フォールディカインの設計を描写する概略図。(A)2つの異なる融合パターンを生成するためのステップ:(1)縁部(fringe)残基の欠失;(2)リワイアリングスキーム;(3)対応する領域をリワイアリングした後の構造再編成;(4)リンカーサーチ又はブリッジ形成の間の異なる長さ(最大20)を有するペプチドブリッジを宿すために充分に長い数値的ギャップを含む、SCにおける最終番号付け。単量体2の残基番号を左手パネルにおいて’により記している。(B)IL-10融合パターン1からのMutSC1及びMutSC2の構築。リンカー配列を灰色標識として示しており;リワイアリング後の突然変異を、単量体IL-10番号付けを使用してMutSC2について含めている。
【
図13】
図13は、in vivoでのマイコプラズマ・ニューモニエCV8シャーシの特徴付け。C57Bl/6マウスに107CFUのWT又はCV8株を感染させ、感染の2又は4日後(2又は4dpi)に屠殺した(n≧3/群)。(A)分析された時点においてWT(丸)及びCV8(四角)株について類似した細菌負荷(Log10 CFU/肺ホモジネート)が見出された。(B)WT(中央バー)、CV8(右バー)又はPBS(左バー)を接種させた肺の炎症プロファイル。内因性対照としてgapdhを使用してRT-qPCRにより遺伝子発現を分析した(方法)。データをmRNA発現における倍数変化(FC)の平均±SDとして示している(一元配置ANOVA+チューキー事後検定)(*、p<0.05)。(C)肺試料の組織学的所見。左、プロットは肺胞(上パネル)及び気管支周囲/細気管支周囲浸潤物(下パネル)の定量評価(スコア:0~5)を表す。PBS群の平均を使用してパラメーターを正規化した(FC=試料値/平均PBS;FC対照群、約1)。データをFCの平均±SEMとして示している(一元配置ANOVA+チューキー事後検定)(*、p<0.05)。右、ヘマトキシリン-エオシンで染色された肺の代表的な画像を示している(線は250μmを表す)。(D)WT及びCV8発現細胞の特徴付け。分析されたWT及びCV8株によるIL-10 ORF産生をELISAにより測定し、タンパク質含有量(バイオマス)により正規化した。WT又はCV8株により生成されたIL-10バリアントの機能性を、陰性対照としてWT又はCV8株の上清を使用して、HEK-Blue(商標)細胞において検証した(一元配置ANOVA+チューキー事後検定)(*、p<0.05)。
【
図14】
図14は、in vivoでのIL-10バリアントの免疫調節能力。(A)マウスモデルの概略表現。(B)肺試料から回収されたPAO1(左)又はマイコプラズマ株(右)のCFU。データをLog10 CFU/肺ホモジネートの平均±SEMとして示している。(C)炎症マーカーのmRNA遺伝子発現の倍数変化(FC)。2-ΔΔCt法を使用して、内因性対照としてgapdhを使用して値を正規化した。データをFCの平均±SEMとして示している。対応のないt検定を使用して統計分析を行った。(D)非感染動物、又はPAO1+CV8、IL-10 WT(CV8-IL-10 ORF)、MutSC1(CV8_MutSC1)、MutSC2(CV8_MutSC2)若しくはヒトIL-10組換えタンパク質(hIL-10r)をコードするCV8での処置群と比べたPAO1+PBS群の統計的比較のP値。ダークグレー=遺伝子発現の有意な増加;ライトグレー=有意な低減。(E)肺試料の免疫化学(IHC)により示される、好中球エラスターゼ(NE)の定量的分析。以下:%=100×(陽性細胞/陽性細胞+陰性細胞)のように算出される、陽性細胞のパーセンテージの平均±SEMとしてデータを表している。(F)NEに対するIHCの代表的な画像を示している。行はNE陽性細胞を指し示す。
【
図15】
図15は、ClustalXアルゴリズムを用いて行った異なる脊椎動物種からのIL-10ポリペプチドの複数配列アライメント。IL-10ヒト(配列番号349);IL-10マウス(配列番号350);IL-10マカク(配列番号351);IL-10ニワトリ(配列番号352);IL-10モルモット(配列番号353)及びIL-10ゼブラフィッシュ(配列番号354)。
【
図16】
図16は、受容体R1に結合したIL-10(1yl6k)、並びに受容体R1及びR2の両方に結合したIL-10(6×93)の結晶構造の重ね合わせ。R2と相互作用する場合に異なるコンホメーション構造を採用する相対的に構造化されていない領域を右下に示している。
【
図17】
図17は、マウス肺のP.エルギノーサ(P. aeruginosa)PAO1感染の分析。(A)感染の24又は48時間後(24又は48hpi)のマウス肺ホモジネートから得られた細菌負荷(CFU)。(B)105及び104CFU/マウスの用量でPAO1を用いた24hpiにおける異なる炎症マーカーのmRNA発現における倍数変化。
【
図18】
図18は、フォールディカイン-10におけるタンパク質設計ループを検証するための対照の生成。(A)マイコプラズマ・ニューモニエ細菌細胞培養物の上清を使用したHEK-blue細胞-10の活性化。(B)設計されたリンカーの重要性を実証するためのフォールディカイン-10(MutSC1)及び2つの対照についてのKdappの測定。
【
図19】
図19は、フォールディカイン-22を上回るリンカー組成の影響力を示すグラフ。フォールディカイン22_3は、本明細書において使用されているフォールディカイン-22_3(SCIL22_3)であり、フォールディカイン22_controlcentreは、本明細書において使用されているフォールディカイン-22_3_centrallinkersであり、フォールディカイン22_N-C loop polyGは、本明細書において使用されているフォールディカイン-22_3_linkerNCpolyglyである。1つのフォールディカインドメインのN及びC末端の間の設計されたループの、又はフォールディカインドメインの間のブリッジにおけるpolyGでの置き換えは、活性の有意な喪失を引き起こすことを実証している。
【
図20】
図20は、IL22 wtと比較したIL-22疎水性突然変異の影響力の分析。
【
図21】
図21は、IL-22の疎水性コア中の個々の突然変異の影響力の分析。IL-22はIL-22 WTであり、末端におけるC>Aは7位におけるCのAへの突然変異であり;56は単量体IL22におけるT56M点突然変異であり;66は単量体IL22におけるA66M点突然変異であり;95は単量体IL22におけるV95I点突然変異であり;99は単量体IL22におけるT99F点突然変異であり;173は単量体IL22におけるS173L点突然変異である。下:WT及び突然変異体構築物について決定された見かけの平均Kd。
【
図22】
図22は、IL-22操作バージョンに対するHEK-Blue(商標) IL-22細胞の応答を示すグラフ。HEK-Blue(商標) IL-22細胞を、IL-22、フォールディカイン-22_1、フォールディカイン-22_3又はNからC末端においてポリGlyリンカーを有する対照(フォールディカイン-22_3_linkerNCpolygly)のうちの1つのいずれかを発現する細菌の上清とインキュベートした。24時間のインキュベーション後に、Quanti-Blue(商標)を使用して上清中のSEAPレベルを測定することにより内部シグナル伝達活性化を評価した。(A)非希釈上清(濃度>30ng/mL)。(B)30ng/Lにおいて開始したIL-22濃度の8つの段階希釈液(各々0.5倍での希釈)。x軸中に濃度をモル濃度で示している。
【
図23】
図23は、フォールディカイン-10/22(SCIL10IL22)に対するHEK-Blue(商標) IL-10及びIL-22細胞の応答。HEK-Blue(商標) IL-10細胞を、2つの異なるキメラ(キメラ3及びキメラ5)を発現する細菌の上清とインキュベートした。24時間のインキュベーション後に、Quanti-Blue(商標)を使用して上清中のSEAPレベルを測定することにより内部シグナル伝達活性化を評価した。非希釈上清(>30ng/mLの定量化されたキメラの濃度)をそれぞれIL-10及びIL-22活性について評価した。
【
図24】
図24は、短いポリgly-serリンカーにより融合されたヘテロ二量体に対するHEK-Blue(商標) IL-10及びIL-22細胞の応答。HEK-Blue(商標) IL-10細胞を、IL-10、IL-22、ヘテロ二量体10-22(ヘテロ1022)又はヘテロ二量体2210(ヘテロ2210)を発現する細菌からの上清とインキュベートした。24時間のインキュベーション後に、Quanti-Blue(商標)を使用して上清中のSEAPレベルを測定することにより内部シグナル伝達活性化を評価した。(A)及び(B)パネルについて、非希釈上清(>30ng/mLの定量化されたキメラの濃度)をそれぞれIL-10及びIL-22において評価した。
【
図25】
図25は、スワップドドメイン二量体クラスIサイトカイン:(i)第1の単量体配列のαヘリックスA、B及びC並びに第2の単量体配列のαヘリックスDを含む隣接する3Dドメインを形成するために、対向する単量体αヘリックスA、B及びCとアライメントしている各々の単量体単位のαヘリックスDを示す野生型ドメインスワップ済み二量体;(ii)ペプチドリンカー(破線)を使用して1つの単量体配列のC末端を第2の単量体配列のN末端に連結することにより単量体配列が接合されて単鎖ポリペプチドを作製している融合した野生型単量体に基づく単鎖フォールディカインに基づいてフォールディカインを形成するための突然変異スキームの概略図。野生型リンカーを実線で示している。ボックスは、左及び右3Dドメインの各々を形成するαヘリックスを指し示す。描写されるように、構造/コンホメーション安定性を提供するために第1(左)及び第2(右)の3D三次構造ドメインにかかる2つのペプチドリンカーがある。
【
図26】
図26は、二量体クラスIサイトカイン:(i)それぞれ第1及び第2の単量体配列のαヘリックスA、B、C及びDを各々が含むサイトカイン二量体の左及び右ドメインを示す野生型二量体;(ii)各々の単量体のC末端を各々の単量体のそれぞれのN末端に連結すること(破線)、並びに次に元々の単量体配列のうちの1つから内部野生型リンカーを除去して新規N及びC末端を作出することにより単量体配列が接合されて単鎖ポリペプチドを作製している融合した野生型単量体に基づく単鎖フォールディカインに基づいてフォールディカインを形成するための突然変異スキームの概略図。野生型リンカーを実線で示している。ボックスは、左及び右3Dドメインの各々を形成するαヘリックスを指し示す。描写されるように、構造/コンホメーション安定性を提供するために第1(左)及び第2(右)の3D三次構造ドメインにかかる2つのペプチドリンカーがある。
【
図27】
図27は、二量体クラスIIサイトカイン:(i)それぞれ第1及び第2の単量体配列のαヘリックスA、B、C、D、E、F及びGを各々が含むサイトカイン二量体の左及び右ドメインを示す野生型二量体;(ii)1つの単量体のC末端を同じ単量体のN末端に連結すること、並びに元々の単量体配列の各々から内部野生型リンカーを除去して新規N及びC末端を作出し、それを次に2つの新規ドメイン間ペプチドリンカー(破線)により接合して単鎖ポリペプチドを形成することにより単量体配列が接合されて単鎖ポリペプチドを作製している融合した野生型単量体に基づく単鎖フォールディカインに基づいてフォールディカインを形成するための突然変異スキームの概略図。野生型リンカーを実線で示している。ボックスは、左及び右3Dドメインの各々を形成するαヘリックスを指し示す。描写されるように、構造/コンホメーション安定性を提供するために第1(左)及び第2(右)の3D三次構造ドメインにかかる2つのペプチドリンカーがある。
【
図28】
図28は、スワップドドメイン二量体クラスIIサイトカイン:(i)第1の単量体配列のαヘリックスA、B及びC並びに第2の単量体配列のαヘリックスD、E及びFを含む隣接する3Dドメインを形成するために、対向する単量体αヘリックスA、B及びCとアライメントしている各々の単量体単位のαヘリックスD、E及びFを示す野生型ドメインスワップ済み二量体;(ii)ペプチドリンカー(破線)を使用して1つの単量体配列のC末端を第2の単量体配列のN末端に連結することにより単量体配列が接合されて単鎖ポリペプチドを作製している融合した野生型単量体に基づく単鎖フォールディカインに基づいてフォールディカインを形成するための突然変異スキームの概略図。野生型リンカーを実線で示している。ボックスは、左及び右3Dドメインの各々を形成するαヘリックスを指し示す。描写されるように、構造/コンホメーション安定性を提供するために第1(左)及び第2(右)の3D三次構造ドメインにかかる2つのペプチドリンカーがある。
【
図29】
図29は、大腸菌(E. coli)細胞におけるMutSC1 フォールディカインの発現を実証するグラフ。ペレット化された細胞(pell)及び上清(sup)の両方からELISAにより野生型IL-10中及びMutSC1 フォールディカイン中のIL-10ポリペプチド配列を定量化した。各々の培養物において概算されたIL-10のfgに対してコロニー形成単位(CFU)カウントを正規化した。MutSC1発現は、ペレット及び上清の両方において検出された。大腸菌により発現されるMutSC1の機能性をHEK-blue細胞において評価した。ペレット及び上清中のMutSC1の両方は、このレポーター細胞株においてp-STAT3カスケードを活性化させた。MutSC1_Hisは、Hisタグ付加されたフォールディカインについての結果を示す。
【
図30】
図30は、L.ラクチス(L. lactis)細胞におけるMutSC1 フォールディカインの発現を実証するグラフ。ペレット化された細胞(pell)及び上清(sp)の両方からELISAにより野生型IL-10及びMutSC1中のIL-10ポリペプチド配列を定量化した。HEK-Blue10レポーター細胞を使用してL.ラクチスにより発現されるタンパク質の機能性を検証した。y軸について、fgをELISAにより定量化し、2つの異なる培養物、IL-10及びMutSC1においてカウントされたCFUに対して正規化した。
【
図31】
図31は、クラスIサイトカインに基づいて、方法Aに従ってフォールディカインを形成するための突然変異スキームの概略図。(上部分)αヘリックスA、B、C及びDを各々が含む野生型サイトカインI型単量体;(下部分)両方のサイトカイン単量体のαヘリックスB及びCの間のループを開くこと、1つのサイトカイン単量体の新規N末端を他のサイトカイン単量体の新規C末端と連結すること、並びに反対に、サイトカイン単量体のうちの1つの天然N末端及びC末端を連結することにより単量体配列が接合されている融合した野生型単量体に基づく単鎖フォールディカイン。野生型リンカーを実線で示している。ボックスは、左及び右3Dドメインの各々を形成するαヘリックスを指し示す。描写されるように、構造/コンホメーション安定性を提供するために第1(左)及び第2(右)の3D三次構造ドメインにかかる2つのペプチドリンカーがある。
【
図32】
図32は、黒の新規導入されたインターリンカー(2つのサイトカイン単量体の間のリンカー)の他に新規イントラリンカー(サイトカイン単量体のうちの1つの天然N末端及びC末端を接続する)を有する二量体クラスIサイトカインに基づく、方法Aにしたがったフォールディカイン フォールディカインの3D表現。Nt及びCtは、元々のサイトカイン単量体のN及びC末端を指し示す。
【
図33】
図33は、2つのクラスIIサイトカイン:(上部分)それぞれ第1及び第2の単量体配列のαヘリックスA、B、C、D、E、F及びGを各々が含む野生型サイトカインII型単量体;(下部分)1つの単量体のC末端を他の単量体のN末端に連結すること、並びに反対に、1つの元々の単量体配列からαヘリックスC及びDの間の内部野生型リンカーを除去して新規N及びC末端(Nt及びCt)を作出して、単鎖ポリペプチドを形成することにより単量体配列が接合されて単鎖ポリペプチドを作製している融合した野生型単量体に基づく単鎖フォールディカインに基づいて、方法Bに従ってフォールディカインを形成するための突然変異スキームの概略図。野生型リンカーを実線で示している。ボックスは、左及び右3Dドメインの各々を形成するαヘリックスを指し示す。描写されるように、構造/コンホメーション安定性を提供するために第1(左)及び第2(右)の3D三次構造ドメインにかかる2つのペプチドリンカーがある。
【
図34】
図34は、二量体クラスIIサイトカインに基づく方法Aにしたがったフォールディカインの3D表現:非連続的な黒線は新規導入されたインターリンカーであり、新規Nter及び新規Cterは、1つの単量体中のループを開いた後に新規作出されたN及びC末端を指し示す。
【
図35】
図35は、IL-2 WT及びIL-2 フォールディカイン(プロリン(ORK2_6~8)又はグリシン/セリン(ORK_9~11)から構成される異なるインターリンカーを有するSCIL2)を一過的に発現するCHO細胞の上清を用いたIL-2に応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。タンパク質は、発現システムとしてCHOを使用して発現させた。Vmaxは0.9に設定した。
【
図36】
図36は、IL-22 WT又はIL-22 フォールディカイン(プロリン(ORK17~19)又はグリシン/セリン(ORK_24~26)から構成される異なるインターリンカーを有するORK22)を一過的に発現するM.ニューモニエ細胞の上清を用いたIL-22に応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。
【
図37】
図37は、IL-22 WT(9,76E-11M)並びにIL-22 フォールディカイン(ポリプロインターリンカーを有するORIK22-12(4,32E-11M)及びポリGlyインターリンカーを有するORIK22_14(2,41E-09M))を一過的に発現するCHO細胞の上清を用いたIL22に応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。タンパク質は、発現システムとしてCHOを使用して発現させた。
【
図38】
図38は、IL-2 WT及びキメラフォールディカイン IL2/IL-4(IL2-IL4ポリProリンカー)を一過的に発現するCHO細胞の上清を用いたIL-2に応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。
【
図39】
図39は、IL-2 WT及びキメラフォールディカイン IL2/IL-4(IL2-IL4ポリProリンカー)を一過的に発現するCHO細胞の上清を用いたIL-4に応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。比較目的のために、商業的に購入したIL-4(6507-IL-010/CF、Biotechne)の活性を示す。
【
図40】
図40は、IL-2 WT及びフォールディカイン ORK2_013を一過的に発現するCHO細胞の上清を用いたIL-2に応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。
【
図41】
図41は、IL-22に応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。Y軸において、nMでの算出されたEC-50を示す。X軸は、CHO中で発現され、試験された異なるILバリアントを指し示す。全ての場合において、IL-22 WTについての比較値を示す。異なるバリアントは、タンパク質設計(ModelX及びFoldX)操作されたリンカー及び異なるループで開くことによりNt及びCtを接合したWTサイトカインの異なる循環置換体バージョンを表す。LFは、タンパク質が発現されるが、HEKレポーターにおいて活性を喪失したことを意味する。タンパク質は、発現システムとしてCHOを使用して発現させた。各々のバーの上に、各々のバリアントについてのnMでの平均EC-50を示している。
【
図42】
図42は、IFNβに応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。X軸は、CHO中で発現され、試験された異なるILバリアントを指し示す。全ての場合において、WT IFNβについての比較値を示す。異なるバリアントは、タンパク質設計(ModelX及びFoldX)操作されたリンカー及び異なるループで開くことによりNt及びCtを接合したWTサイトカインの異なる循環置換体バージョンを表す。タンパク質は、発現システムとしてCHOを使用して発現させた。各々のバーの上に、各々のバリアントについてのnMでの平均EC-50を示している。
【
図43】
図43は、IL-2に応答するHEK Blue(商標)細胞の滴定プロット。X軸は、CHO中で発現され、試験された異なるILバリアントを指し示す。全ての場合において、WT IL-2値を比較のために示す。異なるバリアントは、タンパク質設計(ModelX及びFoldX)操作されたリンカー及び異なるループで開くことによりNt及びCtを接合したWTサイトカインの異なる循環置換体バージョンを表す。タンパク質は、発現システムとしてCHOを使用して発現させた。各々のバーの上に、各々のバリアントについてのnMでの平均EC-50を示している。
【
図44】
図44は、IFNγ WT及びフォールディカイン ORKIFNg-002を一過的に発現するCHO細胞の上清を用いたIFNγに応答するHEK Dual細胞の滴定プロット。
【
図45】
図45は、二量体クラスIサイトカインに基づいて、方法Cに従ってフォールディカインを形成するための突然変異スキームの概略図。(上部分)αヘリックスA、B、C及びDを各々が含む野生型単量体I型(サイトカイン1及びサイトカイン2)r;(下部分)両方のサイトカイン単量体のαヘリックスB及びCの間のループを開くことにより単量体配列が接合されている融合した野生型単量体に基づく単鎖フォールディカイン。単量体2のヘリックスB及びCの間で開かれるループは開かれ、単量体2のヘリックスBは単量体1の天然N末端に連結され、及びヘリックスCは単量体1の天然C末端に連結される。ボックスは、左及び右3Dドメインの各々を形成するαヘリックスを指し示す。描写されるように、構造/コンホメーション安定性を提供するために第1(左)及び第2(右)の3D三次構造ドメインにかかる2つのペプチドリンカーがある。
【
図46】
図46は、破線の新規導入されたインターリンカー(2つのサイトカイン単量体の間のリンカー)を有する二量体クラスIサイトカインに基づく、方法Cにしたがったフォールディカイン フォールディカインの3D表現。N-t及びC-tは、元々のサイトカイン単量体のN及びC末端を指し示す。
【
図47】
図47は、クラスIIサイトカインに基づいて、方法Cに従ってフォールディカインを形成するための突然変異スキームの概略図。(上部分)αヘリックスA、B、C、D、E、F及びGを各々が含む野生型II型単量体(サイトカイン1及び2);(下部分)1つのサイトカイン単量体(サイトカイン1)のαヘリックスB及びCの間のループを開くこと、開かれたサイトカイン単量体の新規C末端(サイトカイン1、ヘリックスB)を他のサイトカイン単量体(サイトカイン2、ヘリックスA)の天然N末端と連結すること、及び開かれたサイトカイン単量体の新規N末端(サイトカイン1、ヘリックスC)を他のサイトカイン単量体(サイトカイン2;ヘリックスF)の天然C末端と連結することにより単量体配列が接合されている融合した野生型II型サイトカイン単量体に基づく単鎖フォールディカイン。ボックスは、左及び右3Dドメインの各々を形成するαヘリックスを指し示す。描写されるように、構造/コンホメーション安定性を提供するために第1(左)及び第2(右)の3D三次構造ドメインにかかる2つのペプチドリンカーがある。
【
図48】
図48は、太線の新規導入されたインターリンカー(2つのサイトカイン単量体の間のリンカー)を有する二量体クラスIIサイトカインに基づく、方法Cにしたがったフォールディカイン フォールディカインの3D表現。N-t及びC-tは、元々のサイトカイン単量体のN及びC末端を指し示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書で引用される文献はすべて、参照によりその全体が援用される。別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語はすべて、本発明が属する技術分野(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学及び生化学)の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0040】
別段の指示のない限り、本発明の実施には、化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、化学的方法、医薬製剤、並びに動物の送達及び治療の従来技術を用い、それらは当業者の能力の範囲内である。そのような技術は文献、例えば、J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Books 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel, F. M. et al. (1995 and periodic supplements; Current Protocols in Molecular Biology, ch. 9, 13, and 16, John Wiley & Sons, New York, N. Y.);B. Roe, J. Crabtree, and A. Kahn, 1996, DNA Isolation and Sequencing: Essential Techniques, John Wiley & Sons;J. M. Polak and James O’D. McGee, 1990, In Situ Hybridisation: Principles and Practice, Oxford University Press;M. J. Gait (Editor), 1984, Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press;及びD. M. J. Lilley and J. E. Dahlberg, 1992, Methods of Enzymology: DNA Structure Part A: Synthesis and Physical Analysis of DNA Methods in Enzymology, Academic Pressでも説明されている。それらの本文全般(general texts)はそれぞれ、参照により本明細書に援用される。
【0041】
本発明の理解を助けるために、いくつかの用語が本明細書において定義される。
【0042】
本発明の文脈における「アミノ酸」という用語は、その最も広い意味で使用され、天然に存在するL-α-アミノ酸又は残基を含むことを意味する。天然に存在するアミノ酸に対して一般的に使用される1文字及び3文字の略語が本明細書で使用される:A=Ala、C=Cys、D=Asp、E=Glu、F=Phe、G=Gly、H=His、I=Ile、K=Lys、L=Leu、M=Met、N=Asn、P=Pro、Q=Gln、R=Arg、S=Ser、T=Thr、V=Val、W=Trp、及びY=Tyr(Lehninger, A. L., (1975) Biochemistry, 2d ed., pp. 71-92, Worth Publishers, New York)。「アミノ酸」という総称はさらに、D-アミノ酸、レトロインベルソアミノ酸、並びにアミノ酸類似体などの化学的に修飾されたアミノ酸、ノルロイシンなどの通常はタンパク質に組み込まれない天然に存在するアミノ酸、及びβ-アミノ酸などのアミノ酸の特徴として当該技術分野で公知の特性を有する化学的に合成された化合物を包含する。例えば、天然のPheやProと同じようにペプチド化合物の立体構造を制限できる、フェニルアラニンやプロリンの類似体又は模倣体はアミノ酸の定義内に含まれる。そのような類似体及び模倣体は、本明細書ではそれぞれのアミノ酸の「機能的均等物」と呼ぶ。アミノ酸の他の例は、Roberts and Vellaccio, The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Gross and Meiehofer, eds., Vol. 5 p. 341, Academic Press, Inc., N.Y. 1983に列挙され、該文献は参照により本明細書に援用される。
【0043】
本明細書で(例えば、本明細書で開示のようなフォールディカイン(foldikine)タンパク質の文脈において)使用される「ペプチド」という用語は、直鎖又は環状鎖で一緒に結合した複数のアミノ酸を意味する。オリゴペプチドという用語は、典型的には、2~約50個又はより多いアミノ酸を有するペプチドを表すのに使用される。約50個のアミノ酸より大きいペプチドは、多くの場合、ポリペプチド又はタンパク質と呼ばれる。しかし、本発明において、「ペプチド」という用語は、任意の特定の数のアミノ酸に限定されず、他に示されない限り、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語と交換可能に使用される。本開示のペプチド/タンパク質の一次配列に対する小さい改変が、本発明によるポリペプチドの活性を実質的に変えることなく行われうることを考慮すると、本開示並びに本発明の様々な態様及び実施形態は、さらに、本明細書に開示の特定のアミノ酸配列と実質的に同じである任意のポリペプチド配列を包含すると考えられるべきである。例えば、特許請求された発明は、(本明細書に開示のポリペプチド配列の配列番号によって明らかにされうる)本明細書に開示のポリペプチドと少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、少なくとも99%の同一性又は本明細書に明示的に開示された配列番号のポリペプチド配列と約100%の同一性を有するポリペプチド配列を包含する。
【0044】
本明細書で使用される場合、「サイトカイン」という用語は、細胞シグナル伝達に重要な小タンパク質の広範かつ大まかな(loose)カテゴリーからのいずれか1つを意味する。サイトカインは、細胞の脂質二重層を通過して細胞質に入ることができないペプチドである。サイトカインは、免疫調節物質としてオートクリン、パラクリン及び内分泌シグナル伝達に関与することが示されている。本明細書で使用する「フォールディカイン」という用語は、共有結合している2つの野生型サイトカイン単量体に由来し、二量体3Dドメイン構造を形成するように折り畳まれた一本鎖サイトカインを意味する。一般に、共有結合二量体の各3Dドメインのペプチド配列はまた、(i)サイトカイン単量体を二量体化するために、且つ/又は(ii)新規3D二量体ユニットの立体配置を構造的に制限するために、1つ又は複数のアミノ酸変異、置換及び/又は欠失を含むので自然界には存在しない。
【0045】
「核酸」、「ポリヌクレオチド」、及び「オリゴヌクレオチド」という用語は、交換可能に使用され、直鎖状又は環状立体構造の、及び一本鎖又は二本鎖形態のいずれかのデオキシリボヌクレオチド(DNA)又はリボヌクレオチド(RNA)ポリマー、又は混合ポリマーを指す。本発明において、そのようなDNA又はRNAポリマーは、天然ヌクレオチド、非天然又は合成ヌクレオチド、及びそれらの混合物を含むことができる。非天然ヌクレオチドとしては、天然ヌクレオチドの類似体、並びに塩基、糖及び/又はリン酸部分(例えば、ホスホロチオエートバックボーン)で修飾されたヌクレオチドが挙げられる。修飾核酸の例としては、PNA及びモルフォリノ核酸がある。一般に、特定のヌクレオチドの類似体は同じ塩基対特異性を有する、すなわち、Gの類似体はCと塩基対を形成することになる。本発明において、これらの用語はポリマーの長さに関して限定するものとはみなされるべきではない。ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドの5’及び/又は3’末端は、分解を能動的に避けるために配列の安定性を向上させるように修飾することができる。この文脈における好適な修飾としては、ビオチン化ヌクレオチド及びホスホロチオエートヌクレオチドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0046】
本明細書で使用される場合、「遺伝子」は、ポリペプチド又はリボ核酸遺伝子産物の生成に関与する核酸(典型的にはDNA)のセグメントである。これには、コード領域の前後の領域(リーダー及びトレーラー)、並びに個々のコードセグメント(エキソン)間の介在配列(イントロン)が含まれる。好都合なことには、この用語にはまた、遺伝子産物をコードするコード領域及び/又は転写領域と同様に、関連するコード配列に隣接することもあり、又は離れていることもある、遺伝子発現に必要な制御配列(例えば、エンハンサー、サイレンサー、プロモーター、ターミネーターなど)も包含される。本発明による好ましい遺伝子は、サイトカインをコードするもの、特に、本開示による二量体サイトカイン又は「フォールディカイン」をコードするものである。コドンの冗長性を考慮すると、本開示及びクレームされた発明は、本明細書に開示の配列番号など本明細書に開示のポリヌクレオチドと少なくとも70%の同一性、本明細書に明示的に開示された配列番号をコードするポリヌクレオチド配列と少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、少なくとも99%の同一性又は約100%同一性を有するポリヌクレオチド配列を包含する。
【0047】
本開示の文脈において、「個体」、「対象」、又は「患者」という用語は交換可能に使用されて、医学的(病理学的)状態に罹患している可能性があり、本発明の治療分子又は医学的治療に反応する可能性がある動物を示す。治療される動物は、好適には、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、又はラットなどの哺乳動物である。好ましくは、対象はヒトである。
【0048】
疾患状態又は病態の文脈において本明細書で使用される「治療する」、「治療する」、「治療」又は「治療法」という用語は、1つ又は複数の病原性症状の重症度及び/若しくは頻度の減少、症状の除去、並びに/又は症状及び/若しくはそのような疾患又は病態の根本原因又は複数の原因の予防を意味する。場合によっては、そのような治療は、疾患又は病態によって引き起こされる生理的損傷の軽減又は改善に関連しうる。
【0049】
フォールディカインという概念
サイトカインの効率を向上させ、治療効果に必要な濃度を減少させるには、サイトカインの折り畳み性(foldability)をより良くするか、分解の速度及び血清からのクリアランスを減少させる必要がある。そのためには、結合親和性を向上させる、凝集を減少させる、又はFcs(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32994996/)のような他のタンパク質ドメインに融合させる、又は化学的修飾に供する(https://www.nature.com/articles/s41551-021-00797-8; https://www.mdpi.com/2079-4991/9/8/1074; https://link.springer.com/article/10.1007/s11912-019-0760-z)ことになる変異を遺伝子工学的に組み込む必要がある。
【0050】
毒性を減少させることに関しては、多くの場合、特定のサイトカインが生体内の様々な細胞に結合し、そのうちのあるものは所望の標的となり、他のものは望ましくない作用を及ぼすからである。大部分のサイトカインは2つ又は3つの異なる受容体と結合しており、中にはプロミスキャスで、複数のサイトカインを認識する受容体もある。特定のサイトカインに対する受容体は、すべての細胞で同じレベルに比例して発現するわけではなく、したがって、ある受容体に対する親和性を変化させて、特定の細胞群への結合を有利にし、したがって毒性を減少させることが可能なはずである(https://doi.org/10.1111/all.15132; https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33737461/)。
【0051】
場合によっては、2つの異なるサイトカインの組み合わせが、両方がアンタゴニスト若しくはアゴニストであることで、又は両方の混合物を有することで、特定の治療に有用であることもある(https://academic.oup.com/abt/article/4/2/123/6309385)。一方の分子のN末端と他方の分子のC末端の間にリンカー配列を挿入することによって2つのサイトカインを連結することは、上記の課題の一部又はすべてを解決する1つの方法でありうる。しかし、そのようなサイトカインが非共有結合二量体を形成することによって作用する場合であっても、受容体への結合様式が不適合であるために、N末端又はC末端を介して2つのサイトカインを連結することが常に可能であるとは限らない。さらに、柔軟なリンカーはタンパク質分解を受けやすいことになり、2つの単量体間の立体構造上の柔軟性のために結合親和性が増加しない場合がある。
【0052】
ここで、フォールディカインという概念は、野生型サイトカインと先行技術のいずれと比べても大きな利点をもたらす可能性がある。上述したように、フォールディカインは、2つの改変されたサイトカインドメインから構成される分子であり、そのそれぞれは、本明細書において「フォールディカインドメイン」と呼ばれ、この点に関して、2つの「フォールディカインドメイン」の少なくとも1つは、本明細書で記載されるように、フォールディカインドメインが基となるサイトカイン単量体ドメインと構造的に又は配列上同じではないことに留意されたい。本発明のフォールディカインの態様及び実施形態では、2つのフォールディカインドメインの1つは、一続きで連続しているとみなされうる。
フォールディカインドメインは、対応するサイトカイン単量体/ドメインと比較して非天然の配列順序を有する可能性があり、一方で、もう一つのフォールディカインドメインは、連続したフォールディカインドメインの天然又は新たに作り出されたN末端及びC末端に接続された、等しい又は異なるサイズの2つの断片に分割されている(
図1を参照)。フォールディカインの連続ドメイン及び分割ドメインを、本明細書では3Dドメインとも呼ぶことがある。
【0053】
したがって、提供されるのは、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、前記サイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の一方の配列が連続しておらず、もう一方のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列によって中断されている一本鎖二量体サイトカインポリペプチドである。
【0054】
配列が連続していない一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのサイトカイン単量体ドメインは、人工一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのフリーなN末端を含むサイトカイン単量体ドメインである。このサイトカイン単量体ドメインは、本出願全体を通じて、いわゆる「分割ドメイン」からなる又はその部分を構成する。
【0055】
他のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列は、その天然の配列順序を有する場合もあり、又は異なる配列順序を有する場合もある。第2のサイトカイン単量体ドメインは、本出願全体を通じて「連続ドメイン」とも呼ばれ、それは、2つのペプチドリンカー(「インターリンカー」)によって分割ドメインに接続されている。
【0056】
フォールディカインの利点
同一分子内に、配向が固定された2つの機能的に独立したドメインを有することにより、作製及び投与様式に依存しない、上述の問題のいくつかに答えるいくつかの興味深い可能性が提供される(
図2を参照)。
【0057】
実施形態では、例えば、
図3~
図6、
図25~
図28、
図31~
図34、及び
図45~
図48に示されるように、フォールディカインは、隣接する(左右の)3Dドメイン(それら自体が「連続」及び「分割」であると考えることができる)間に2つのリンカーを有するという利点を有し、結合のエントロピーコストが主に第1の3Dドメインによって払われることになり、2つのリンカーの存在が第2の3Dドメインの移動度を制限するので、折り畳まれた二量体の構造/立体構造の安定性を高め、結果としてその標的受容体への結合の向上をもたらしうる。また、2つのリンカーで接続された2つの独立した3Dドメインを提供することによって、新しい特性をもつホモ又はヘテロ二量体サイトカインを作ることができ、例えば、標的受容体の発現のレベルに応じて特定の細胞型に対してより大きな選択性を許容しうる受容体と相互作用する3Dドメインの表面に導入できる変異により自由を与える(gives more freedom)。
【0058】
いくつかの有利な実施形態では、本発明によるヘテロ二量体フォールディカインは、その標的受容体に対する一方のドメインの結合の向上を示しうるが、その標的受容体に対する他方のドメインの結合の減少を示しうる。そのような実施形態では、第1のドメインは特定の細胞を標的とするのに有利に使用される可能性があり、一方で、第2のドメインは親和性が低下することになるので、第1のドメインに対するレセプターも発現している細胞のみに有利に/主に結合しうる。実施形態では、フォールディカインはまた、両ドメインの結合親和性を増加させ、したがって、特定の生理学的効果を達成するために必要とされうる有効な生理学的濃度を有意に減少させうる。例えば、フォールディカインが、対応する単量体生理的サイトカインと効果的に競合できるように、1つの受容体に対して高い親和性をもち、第2の受容体(対応する野生型サイトカインの受容体)に対しては全く親和性をもたない2つのドメインを有するアンタゴニスト分子を構築することが望まれる可能性がある。2つの3Dドメインを持つことにより、ホーミング、親和性及び特異性の多くの可能な組み合わせが可能になり、1分子中にアゴニストとアンタゴニストの機能を兼ね備えることができる。
【0059】
サイトカインファミリーに基づくフォールディカインの設計
本発明者ら(We)はインターロイキンの大部分を含むヘリックスバンドルサイトカインについてフォールディカインという概念を構築してきたが、ヘリックスバンドル構造から構成される他のタンパク質又は他の折り畳みをもつサイトカインについても同様のアプローチが可能であろうことが想定される。ヘリックスバンドルインターロイキンは以下ように分類される:
(A)長鎖ヘリカル(IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM、及びCSF3)、若しくは単鎖ヘリカル(IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL13、IL15、IL21、TSLP、GM-CSF、CSF1、及びCSF2)に細分類できるクラスIヘリカルサイトカイン、又は
(B)(IL10、IL19、IL20、IL22、IL24、IL26、IL28A、IL28B、及びIL29)を含むIL10様タンパク質、並びにIFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)及びIFNβ(IFNB1)などのI型インターフェロンであるクラスIIサイトカイン。
【0060】
ヘリックスバンドルサイトカインの大部分は、各クラスで類似した単量体構造を共有し、I型サイトカインが典型的には4つの保存されたαヘリックスをもつのに対し、II型サイトカインは典型的には6つの保存されたαヘリックスをもつが、IFNγ、IL-5、IL-10は「スワップドメイン(swapped-domain)」二量体タンパク質である。IL-10のようなスワップドメイン二量体タンパク質では、標準的なヘリックスバンドルサイトカインの単量体構造が開いて、もう一方のIL-10の開いた単量体を反平行に包み込み、2つの機能的なスプリットサイトカインドメインを一緒に生成し、2つの隣接する3Dドメインを画定する(例えば、
図3及び25を参照)。
【0061】
インターロイキンのクラス及びインターロイキンが単量体であるかスワップド二量体であるかに基づいて、本明細書に記載のように、フォールディカインを生成するための異なる戦略が採用されうる。
【0062】
本明細書で使用される場合、サイトカイン単量体のαヘリックスは、N末端からC末端にかけて、アルファベット順A、B、C、及びD(クラスIサイトカインの場合)、若しくはA、B、C、D、E、及びF(クラスIIサイトカインの場合)で、又は序数(サイトカインのクラスに応じて第1~第4、若しくは第6)で番号付けされる。
【0063】
スワップドドメインサイトカインを含むフォールディカイン
この実施形態によれば、本発明による一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、スワップドドメイン二量体を形成する第1及び/又は第2のサイトカイン単量体(複数可)を含む。
【0064】
一実施形態によれば、本発明による一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、スワップドドメイン二量体を形成する第1及び第2のサイトカイン単量体を含む。具体的には、スワップドドメイン二量体を形成する第1及び第2のサイトカイン単量体は、同じサイトカインに由来してもよく、又は2つの異なるサイトカイン(2つの異なるクラスIサイトカイン、若しくは2つの異なるクラスIIサイトカイン)に由来してもよい。
【0065】
スワップドドメインサイトカイン(例えば、IFNγ、IL-5、及びIL-10)の場合、本開示の一本鎖二量体サイトカイン(すなわち、フォールディカイン)を設計するためのスキームは、スワップドドメインサイトカインが、第2のスワップドドメインサイトカインに融合されるか、又はスワップドドメインを形成しないサイトカインに融合されるかに依存しうる。
【0066】
例えば、
図3、25及び28を参照して記載されるように、フォールディカインが天然のスワップドドメイン二量体から作り出される両単量体の様々な実施形態では、その方法は、スワップドドメインフォールディカイン二量体において、「連続3D(フォールディカイン)ドメイン」(
図3の右側ドメイン)が形成され、分割3D(フォールディカイン)ドメイン(
図3の左側ドメイン)が形成されるように、第1のサイトカイン単量体のN末端を第2のサイトカイン単量体のC末端に連結するものでありうる。しかしその場合、最もN末端の単量体のC末端ヘリックスが、最もC末端の単量体のN末端ヘリックスに連結されるので、「連続」3Dドメインは、野生型サイトカインと比較して逆のヘリックス/配列を有することに留意されたい(
図25と28)。さらに、3D空間における各ドメインは、2つの別々のポリペプチド単量体の部分から構成されることに留意すべきである。
【0067】
任意のそのような態様及び実施形態において、一方の単量体のC末端と他方の単量体のN末端の間を架橋するリンカー配列は、任意の好適な配列を有することができ、優先的に、立体構造的に拘束された(conformationally restrained)構造を決める配列、すなわち「構造化(structured)」リンカーを含む。このようにして、人工リンカーは、3Dドメイン構造を適切な/所望の構造配向に、立体構造的に拘束するのに役立つ。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~8個のアミノ酸残基又は約3~6個のアミノ酸残基を有することができる。有利には、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、有利には、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/又はSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/又はSer残基、2個以下のGly及び/又はSer残基、単離されたGly及び/又はSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。
【0068】
したがって、スワップドドメイン二量体を形成する第1のサイトカイン単量体及び第2のサイトカイン単量体を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、リンカーペプチドは、第1のサイトカイン単量体のN末端と、第2のサイトカイン単量体のC末端を架橋する一本鎖二量体サイトカインポリペプチドが提供される。
【0069】
いくつかの実施形態では、スワップドドメイン二量体を形成するサイトカイン単量体はクラスIサイトカインであり、前記(said)一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、第2のサイトカイン単量体のヘリックスA~C及び第1のサイトカイン単量体のヘリックスDを含む第1のサイトカイン単量体ドメイン(例えば、
図25の「分割ドメイン」を参照)、並びに第2のサイトカイン単量体のヘリックスD及び第1のサイトカイン単量体のヘリックスA~Cを含む第2のサイトカイン単量体ドメイン(例えば、
図25の「連続ドメイン」を参照)を含み、リンカーペプチドは、第2のサイトカイン単量体のヘリックスDと、第1のサイトカイン単量体のヘリックスAを架橋する。
【0070】
スワップドドメインクラスIサイトカインに基づく例示的なホモマーのフォールディカインとしては、
TEIPTSALVKETLALLSTHRTLLIANETLRIPVPVHKNHQLCTEEIFQGIGTLESQTVQGGTVERLFK
hhhhhhhhhhhhh hhhh hhhhhhhhhh hhhhhh
HA HB
NLSLIKKYIDGQKKKCGEERRRVNQFLDYLQEFLGVMNTEWIIES(NtCt)
hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
TEIPTSALVKETLALLSTHRTLLIANETLRIPVPVHKNHQLCTEEIFQGIGTLESQTVQGGTVERLFKNL
hhhhhhhhhhhhh hhhh hhh hhhhhhhhhh hhhhhhhh
HA HB HC
SLIKKYIDGQKKKCGEERRRVNQFLDYLQEFLGVMNTEWIIES
hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HD
を含む又はそれからなり、
(NtCt)が、ペプチドリンカー(配列番号101-(NtCt)-配列番号102の配列)、又は少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%同一の配列であり、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIL-5受容体との相互作用を保持する二量体IL-5が挙げられる。ヘリックスの位置は、上記配列の一連の「h」で表される。
【0071】
いくつかの実施形態では、スワップドドメイン二量体を形成するサイトカイン単量体はクラスIIサイトカインであり、前記一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、第2のサイトカイン単量体のヘリックスA~C、及び第1のサイトカイン単量体のヘリックスD~Fを含む第1のサイトカイン単量体ドメイン(例えば、
図28の「分割ドメイン」を参照)、並びに第2のサイトカイン単量体のヘリックスD~F及び第1のサイトカイン単量体のヘリックスA~Cを含む第2のサイトカイン単量体ドメイン(例えば、
図28の「連続ドメイン」を参照)を含み、リンカーペプチドは、第2のサイトカイン単量体のヘリックスFと第1のサイトカイン単量体のヘリックスAを架橋する。
【0072】
スワップドドメインクラスIIサイトカインに基づく例示的なホモマーのフォールディカインとしては、二量体IL-10が挙げられる。
一実施形態によれば、二量体IL-10は、
CTHFPGNLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEVMPQ
hhh hhhhhhhhhhh hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
AENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINY
hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhh
HC HD HE
IEAYMTMKIRN(NtCt)PNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEV
hhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HF HA HB
MPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIF
hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhh
HC HD HE
INYIEAYMTM_YY
hhhhhhhhhh
HF
((NtCt)はペプチドリンカー)(配列番号11-(NtCt)-配列番号12の配列)の配列又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%同一な配列を含む又はそれからなり、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIL-10受容体との相互作用を保持する。ヘリックスの位置は、上記配列の一連の「h」で表される。
【0073】
一実施形態によれば、NtCtリンカーはペプチドリンカーであり、配列NGGLDY(配列番号13)を含む、又はそれからなる。
【0074】
具体的には、一本鎖二量体IL-10は、配列番号9(いわゆる、実施例1のMutSC1ポリペプチド)又は配列番号10(いわゆる、実施例1のMutSC2ポリペプチド)、又はそれらと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%同一な配列を含む、又はそれからなり、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIL-10受容体との相互作用を保持することができる。
【0075】
スワップドドメインクラスIIサイトカインに基づく別の例示的なホモマーのフォールディカインとしては、二量体IFNγが挙げられる。
【0076】
一実施形態によれば、二量体IFNγは、配列
QDPYVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDDQSIQK
hhhhhhhhhhhh hh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hh
HA HB
SVETIKEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMAELSPMLF(NtCt)
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhh hhhhhh
HC HD HE HF
MQDPYVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDD
hhhhhhhhhhhhh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
QSIQKSVETIKEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMAELSPAAKTGKRKRSQ
hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhh hhhhhhh---hhhhhh
HC HD HE HF
MLFRGRRASQ_YY
((NtCt)はペプチドリンカー)(配列番号14-(NtCt)-配列番号15の配列)、又は少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%同一な配列を含む、又はそれからなり、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIFNγ受容体との相互作用を保持する。ヘリックスの位置は、上記配列の一連の「h」で表される。
【0077】
一実施形態によれば、NtCtリンカーは、配列EGPG(配列番号16)又はASKPHPGQLWY(配列番号17)を含む、又はそれからなる。
【0078】
具体的には、一本鎖二量体IFNγは、配列番号18又は少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは若しくは100%同一な配列を含む、又はそれからなり、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIFNγ受容体との相互作用を保持することができる。
【0079】
スワップドドメインサイトカインを形成しないサイトカイン(複数可)を含むフォールディカイン
本発明のこの態様によれば、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列は一続きに連続しており、一方で、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列は、第1のサイトカイン単量体の第1の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置され、第1のサイトカイン単量体の第2の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置される。
【0080】
2つの同じ若しくは異なるクラスIサイトカイン、2つの同じ若しくは異なるクラスIIサイトカイン、又は1つのクラスIサイトカインと1つのクラスIIサイトカインを含むことができる、フォールディカインを作る3つの異なる方法が存在する。
【0081】
一実施形態によれば、第1及び第2のサイトカイン単量体は、スワップドドメイン二量体を形成しないクラスIサイトカイン単量体であり、第1及び第2のサイトカイン単量体は同一又は異なる。
【0082】
別の実施形態によれば、第1及び第2のサイトカイン単量体は、スワップドドメイン二量体を形成しないクラスIIサイトカイン単量体であり、第1及び第2のサイトカイン単量体は同一、又は異なる。
【0083】
別の実施形態によれば、第1のサイトカイン単量体はクラスIサイトカイン単量体であり、第2のサイトカイン単量体はクラスIIサイトカイン単量体である、又は第1のサイトカイン単量体はクラスIIサイトカイン単量体であり、第2のサイトカイン単量体はクラスIサイトカイン単量体である。
【0084】
フォールディカインの形成方法A
このフォールディカインの形成方法によれば、ループが各サイトカイン単量体で開けられ、サイトカイン単量体Aの開いたループの新しいN末端がサイトカイン単量体Bの開いたループの新しいC末端と結合され、単量体Aの開いたループの新しいC末端がサイトカイン単量体Bの開いたループの新しいN末端と結合される。サイトカイン単量体Aの天然の(又は元の)N末端及び天然の(又は元の)C末端はさらに結合される(又は、代替えとして、サイトカイン単量体Bの天然/元のN末端及び天然/元のC末端が結合される)。
【0085】
フォールディカインを作るこの方法Aによれば、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは:(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列は一続きに連続しており(特に第1のサイトカイン単量体ドメインの配列内に挿入され)、第1のサイトカイン単量体ドメインは、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のN末端に配置された第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分が、天然のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に対応し、一方で、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のC末端に配置された第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分が、天然のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に相当する。
【0086】
構造的に、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、
i)一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのフリーなN末端及びC末端、並びに第1のサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分を、それらの天然の配列順序で含む分割ドメイン(すなわち、第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の部分は、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分であり、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのN末端にあり、一方で、第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の部分は、第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分であり、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのC末端にある)、並びに
ii)第2のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分及び第2の配列部分として構築された第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、第1及び第2の配列部分が、それらの天然の配列順序と比較して逆向きの順序である連続ドメイン(すなわち、第2の部分は、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分であり、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分である第2のサイトカイン単量体ドメインの第1の部分のN側にある)
を含み、
分割ドメインにおいて、第1のサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分の配列は、連続ドメインの配列によって分離されている。
【0087】
スワップドドメイン二量体を形成しないクラスIサイトカインの場合、フォールディカインの形成は、各単量体のループ(特にαヘリックスBとCの間)を開き、単量体の1つのN末端及びC末端を、リンカーを介して閉じた後に、2つのサイトカインを、2つのリンカーを介して連結させることを含みうる(例えば、
図31~32を参照)。
【0088】
一実施形態によれば、αヘリックスCとDの間のループが各サイトカイン単量体で開けられ、2つのクラスIサイトカイン単量体を含む一本鎖二量体クラスIポリペプチドが提供され、前記一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、
a)第1のクラスIサイトカイン単量体(
図31のサイトカイン2)の第2のαヘリックス(αヘリックスB)と、第2のクラスIサイトカイン単量体(
図31のサイトカイン1)の第3のαヘリックス(αヘリックスC)を架橋する)リンカーペプチド、
b)第2のクラスIサイトカイン単量体の第4のαヘリックス(C末端αヘリックス、又はαヘリックスD)と、第2のクラスIサイトカイン単量体の第1のαヘリックス(N末端αヘリックス、又はαヘリックスA)を架橋するリンカーペプチド、及び
c)第2のクラスIサイトカイン単量体の第2のαヘリックス(αヘリックスB)と、第1のクラスIサイトカイン単量体の第3のαヘリックス(αヘリックスC)を架橋するリンカーペプチド
を含む。
【0089】
前記一本鎖二量体サイトカインにおいて、第1のクラスIサイトカイン単量体の天然のN末端及びC末端はフリーである。
【0090】
全体として、一本鎖二量体クラスIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA及びBを含む第1のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分、ii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスBと、第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスCを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC及びDを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分、iv)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、v)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA及びBを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分、vi)第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスBと、第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスCを架橋するリンカーペプチド、並びにvii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC及びDを含む前記第1のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分を含む(
図31及び32)。
【0091】
いくつかの実施形態では、一旦クラスIフォールディカインが方法Aに従って作られると、第2のクラスIサイトカイン単量体の天然のNt及びCtが結合され、ループが第1の第2のサイトカイン単量体で開いた循環置換(circular permutant)バリアントが作り出される。
【0092】
スワップドドメイン二量体を形成しないクラスIIサイトカインの場合、フォールディカインの形成は、2つのサイトカインを、各単量体のループ(特にαヘリックスCとDの間)を開き、単量体の1つのN末端及びC末端を、リンカーを介して閉じた後に、2つのリンカーを介して連結させることを含みうる(例えば、
図5及び27を参照)。
【0093】
一実施形態によれば、αヘリックスCとDの間のループが各サイトカイン単量体で開けられ、スワップドドメイン二量体を形成しないクラスIIサイトカイン(複数可)に由来する2つのサイトカイン単量体を含む一本鎖二量体II型サイトカインポリペプチドが提供され、前記一本鎖二量体II型サイトカインポリペプチドでは:
a)リンカー配列は、第1のクラスIIサイトカイン単量体(
図27のサイトカイン1)の第3のαヘリックス(αヘリックスC)と、第2のクラスIIサイトカイン単量体(
図27のサイトカイン2)の第4のαヘリックス(αヘリックスD)を架橋し、
b)リンカー配列は、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体の第4のαヘリックス(αヘリックスD)と、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体の第3のαヘリックス(αヘリックスC)を架橋し、
c)リンカー配列は、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体の第1のαヘリックス(N末端αヘリックス、又はαヘリックスA)と、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体の第6のαヘリックス(C末端αヘリックス、又はαヘリックスF)を架橋し、
d)前記第1及び第2のクラスIIサイトカイン単量体のそれぞれの第3及び第4のαヘリックス(αヘリックスC及びD)は架橋されていない。
【0094】
全体として、一本鎖二量体クラスIIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Cを含む第1のクラスIIサイトカイン単量体のN末端部分、ii)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスCと、第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスDを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスD~Fを含む第2のクラスIIサイトカイン単量体のC末端部分、iv)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、v)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Cを含む第2のサイトカイン単量体のN末端部分、vi)第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスCと、第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスDを架橋するリンカーペプチド、及びvii)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスD~Fを含む前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のC末端部分を含む。
【0095】
いずれのそのような実施形態においても、2つのクラスIIサイトカイン単量体は、スワップドドメイン二量体を形成しない1つのクラスIIサイトカインに由来する、又はスワップドドメイン二量体を形成しない2つの異なるクラスIIサイトカインに由来する。
【0096】
クラスIIサイトカインに基づく例示的なホモマーのフォールディカインとしては
i)配列
RLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFT
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhh
HA HB
LEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLS(Xn1)HIQRNVQKLKDTVKKLGESGE
h---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhh
HC HD
IKAIGELDLLFMSLRNACI(NtCt)LDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKL
hhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hh
HE HF HA
FHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLS(Xn2)HIQR
h hhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HB HC
NVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
hhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HD HE HF
(配列番号325-(Xn1)-配列番号326-(NtCt)-配列番号327-(Xn2)-配列番号328)又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカイン(IL-22)のそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する二量体IL-22、
ii)二量体IL-19(配列番号195-(Xn1)-配列番号196-(NtCt)-配列番号197-(Xn2)-配列番号198の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
iii)二量体IL-20(配列番号200-(Xn1)-配列番号201-(NtCt)-配列番号202-(Xn2)-配列番号203の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
iv)二量体IL-26(配列番号210-(Xn1)-配列番号211-(NtCt)-配列番号212-(Xn2)-配列番号213の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
v)二量体IFNλ2(配列番号215-(Xn1)-配列番号216-(NtCt)-配列番号217-(Xn2)-配列番号218の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
vi)二量体IFNλ3(配列番号220-(Xn1)-配列番号221-(NtCt)-配列番号222-(Xn2)-配列番号223の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
vii)二量体IFNλ1(配列番号225-(Xn1)-配列番号226-(NtCt)-配列番号227-(Xn2)-配列番号228の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
viii)二量体IFNα1/13(配列番号230-(Xn1)-配列番号231-(NtCt)-配列番号232-(Xn2)-配列番号233の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
ix)二量体IFNα2(配列番号235-(Xn1)-配列番号236-(NtCt)-配列番号237-(Xn2)-配列番号238の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
x)二量体IFNβ(配列番号240-(Xn1)-配列番号241-(NtCt)-配列番号242-(Xn2)-配列番号243の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
xi)二量体IFNΩ1(配列番号245-(Xn1)-配列番号246-(NtCt)-配列番号247-(Xn2)-配列番号248の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
xii)二量体IFNε(配列番号250-(Xn1)-配列番号251-(NtCt)-配列番号252-(Xn2)-配列番号253の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
xiii)二量体IFNκ(配列番号255-(Xn1)-配列番号256-(NtCt)-配列番号257-(Xn2)-配列番号258の配列又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含むことができる、又はそれからなることができ、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルの前記単量体クラスIIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する)、
が挙げられ、
ここで(NtCt)、(Xn1)及び(Xn2)は、ペプチドリンカーである。
【0097】
任意のそのような態様及び実施形態において、1つの単量体のN末端とC末端を架橋するリンカー配列(NtCt)は、任意の好適な配列を有することができ、立体構造的に拘束された構造、すなわち「構造化」リンカーを画定する配列を優先的に含む。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~約8個のアミノ酸残基又は約3~約6個のアミノ酸残基を有することができる。いくつかの実施形態では、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、2個以下のGly及び/若しくはSer残基を含有し、単離されたGly及び/若しくはSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。
【0098】
本発明者らは、設計されたリンカーが同じ長さのポリGly-Serリンカーよりも優れていることを見出したので、受容体と相互作用させるために、モデル化によってリンカーを設計することができる。
【0099】
例示的な構造化(NtCt)リンカーは、ANGT(配列番号329)、若しくはANGV(配列番号330)、若しくはTDYDSQTN(配列番号303)の配列を含む、又はそれからなる。
【0100】
別の例示的な構造化(NtCt)リンカーは、特にフォールディカインが二量体IFN-βである場合、配列EGPG(配列番号304)を含む、又はそれからなる。
【0101】
同様に、2つの単量体配列を架橋する人工リンカー(Xn1)及び(Xn2)は、任意の好適な配列を有することができ、特に、立体構造的に拘束された構造、すなわち「構造化」リンカーを画定する配列を含む。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~約8個のアミノ酸残基又は約3~約6個のアミノ酸残基を有することができる。有利には、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、2個以下のGly及び/若しくはSer残基を含有し、単離されたGly及び/若しくはSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。2つの単量体配列を架橋する好適なリンカーの例示的な対は、
i)リンカーがそれ自体又は2つのサイトカインドメインのいずれかと相互作用し、それにより、好ましい立体構造をとるように、タンパク質設計アルゴリズム(すなわちFoldX、ModelX)を用いて設計された配列(例示的な配列としては、Xn1=TCMPGGSKT(配列番号337)且つXn2=RLELLP(配列番号331)、又はXn1=NRLKKLMASSD(配列番号332)且つXn2=RLELLP(配列番号331)が挙げられる)、
ii)リンカーの長さが短いままであり(好ましくは6、5、4又は3残基以下)、分割ドメインの一部が連続ドメインの一部に折り畳まれるのを防ぐことを条件として、さまざまな割合のGly残基及びSer残基から構成される柔軟な配列(例示的な配列としては、Xn1=Xn2=GGG、若しくはGGGSGG(配列番号273)、若しくはGGGSGGSGG(配列番号333)、若しくはGGGSGGSGGSGG(配列番号334)が挙げられる)、又は
iii)任意の長さのPolyProヘリックスを作るPro残基から構成される、柔軟性を欠く(Rigid)配列(例示的な配列としては、Xn1=Xn2=GPG、又はGPPPPPPPG(配列番号335)、又はGPPPPPPPPPG(配列番号336)が挙げられる)
を含む、又はそれからなる(特にフォールディカインが二量体IL-22である場合)。
【0102】
いくつかの実施形態では、一旦クラスIIフォールディカインが方法Aに従って作られると、第2のクラスIIサイトカイン単量体の天然のNtとCtが結合され、ループが第1の第2のクラスIIのサイトカイン単量体で開いた循環置換バリアントが作り出される。
【0103】
いくつかの実施形態によれば、配列番号65、配列番号66、配列番号282、配列番号283、配列番号284、配列番号285、配列番号286、配列番号287、若しくは配列番号288の配列、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一な配列を含む、又はそれからなり、IL-22ポリペプチドと、少なくとも同じ安定性並びに/又は少なくとも同じレベルのIL-22受容体1及び/若しくはIL-22受容体2との相互作用を保持する一本鎖二量体IL-22ポリペプチドが提供される。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、配列番号76の配列、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一な配列を含む、又はそれからなり、少なくとも同じ安定性並びに/又は少なくとも同じレベルのIL-10受容体及びIL-22受容体との相互作用を保持する一本鎖キメラIL-10-IL-22ポリペプチドが提供される。
【0105】
クラスIとクラスIIサイトカインの両方を含むフォールディカインは、クラスI又はクラスIIサイトカインに基づくフォールディカインについて記載されたのと同じ方法Aで設計することができる。
【0106】
この実施形態によれば、本発明の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドでは、第1と第2のサイトカイン単量体の一方は、クラスIサイトカイン単量体であり、第1と第2のサイトカイン単量体の他方は、クラスIIサイトカイン単量体である。
【0107】
第1のスキームでは、2つのサイトカインは、I型及びII型サイトカインの天然のループを開き、II型サイトカイン又はI型サイトカインの天然のN末端及びC末端を、リンカーを介して閉じた後に、2つの人工ペプチドリンカーを介して連結される。
【0108】
フォールディカインの形成方法B
このフォールディカインの形成方法によれば、サイトカイン単量体Aの天然のN末端は、サイトカイン単量体Bの天然のC末端と結合され、サイトカイン単量体Bの天然のC末端は、サイトカイン単量体Aの天然のN末端と結合される。ループは、サイトカイン単量体A又はサイトカイン単量体Bのいずれかで開けられる。
【0109】
天然のNtとCtを連結させ、異なるループでタンパク質を開け、単量体サイトカインの循環置換を作ることによって行われた実験(実施例4を参照)により、サイトカインの機能性を損なうことなくどのループを開くことができるかが示されている。
【0110】
フォールディカインを作るこの方法Bによれば、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列は、一続きに連続しており、一方で、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列は、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のN末端に配置された第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分が、天然のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に対応し、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のC末端に配置された第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分が、天然のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に対応する。
【0111】
構造的に、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、
i)一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのフリーなN末端及びC末端、並びに第1のサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分を、それらの天然の配列順序と比較して逆向きの順序で含む分割ドメイン(すなわち、第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分である第2の部分は、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分である、第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の部分のN側にある)、並びに
ii)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を、その天然の配列順序で(すなわち、N末端からC末端の方向で)含む連続ドメインを含み、
分割ドメインにおいて、第1のサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分の配列は、連続ドメインの配列によって分離されている。
【0112】
スワップドドメイン二量体を形成しないクラスIサイトカインの場合、方法Bに従ってフォールディカインの形成は、2つの単量体クラスIサイトカインを2つのリンカーを介して連結して各サイトカイン単量体のN末端及びC末端にそれぞれ架橋し、続いて、単量体の1つでループを開いて一本鎖ポリペプチドに新しいN末端及びC末端を作り出すものである。1つのクラスIサイトカイン単量体において開けられるループは、αヘリックスAとBの間のループ、αヘリックスBとCの間、又はαヘリックスCとDの間であることができる。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、2つのクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体クラスIポリペプチドが提供され、前記一本鎖二量体サイトカインポリペプチドでは:
a)リンカーペプチドは、第1のクラスIサイトカイン単量体(例えば
図26のサイトカイン2)の第4のαヘリックス(αヘリックスD)と、第2のクラスIサイトカイン単量体(例えば
図26のサイトカイン1)の第1のαヘリックス(αヘリックスA)を架橋し、
b)リンカーペプチドは、第2のクラスIサイトカイン単量体の第4のαヘリックス(C末端αヘリックス、又はαヘリックスD)と、第1のクラスIサイトカイン単量体の第1のαヘリックス(N末端αヘリックス、又はαヘリックスA)を架橋し、
c)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA及びBは架橋されていない、又は前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスB及びCは架橋されていない、又は前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC及びDは架橋されていない。
【0114】
前記一本鎖二量体サイトカインでは、第1のクラスIサイトカイン単量体のループを開くことによって作り出された新しいN末端及びC末端はフリーである。
【0115】
一実施形態によれば、αヘリックスBとCの間のループは、1つのサイトカイン単量体で開けられ、一本鎖二量体クラスIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC及びDを含む第1のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分、ii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Dを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体の部分、iv)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、並びにv)αヘリックスA及びBを含む前記第1のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分を含む。
【0116】
一実施形態によれば、αヘリックスAとBの間のループは、1つのサイトカイン単量体で開けられ、一本鎖二量体クラスIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスB~Dを含む第1のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分、ii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Dを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体の部分、iv)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、及びv)αヘリックスAを含む前記第1のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分を含む。
【0117】
一実施形態によれば、αヘリックスCとDの間のループは、1つのサイトカイン単量体で開けられ、一本鎖二量体クラスIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDを含む第1のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分、ii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Dを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体の部分、iv)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、及びv)αヘリックスA~Cを含む前記第1のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分を含む。
【0118】
IL-2サイトカイン単量体の文脈において、配列番号79(シグナルペプチドを含まない)の配列を参照して、単量体は、αヘリックスAとBの間の位置49~54(特に位置52~53の残基間)若しくは69~76(特に位置68~69の残基間)のループ、αヘリックスBとCの間の位置91~101(特に位置96~97の残基間)のループ、又はαヘリックスCとDの間の位置117~125(特に位置120~121の残基間)のループで開くことができることが具体的に示された(
図43を参照)。
【0119】
いくつかの実施形態では、一旦クラスIフォールディカインが方法Bに従って作られると、第2のクラスIサイトカイン単量体の天然のNtとCtが結合され、第1の第2のクラスIサイトカイン単量体でループが開いた循環置換バリアントが作り出される。
【0120】
IL-2及びIL-4サイトカイン単量体(IL-4は連続ドメインを含有)を含む一本鎖二量体クラスIポリペプチドの例は、配列番号295の配列、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な、少なくとも同じ安定性並びに/又は少なくとも同じレベルのIL-2受容体及びIL-4受容体との相互作用を保持する配列を含む、又はそれからなる。
【0121】
クラスIサイトカインに基づく例示的なヘテロ二量体フォールディカインとしては、
MYRMQLLSCIALSLALVTNSLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSII
hhhhh-hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
IL-2 HC IL-2 HD
STLTGPPPPPGHKCDITLQEIIKTLNSLTEQKTLCTELTVTDIFAASKNTTEKETFCRAATVLRQFYSHH
H hhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
IL-4 HA IL-4 HB
EKDTRCLGATAQQFHRHKQLIRFLKRLDRNLWGLAGLNSCPVKEANQSTLENFLERLKTIMREKYSKCSS
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
IL-4 HC IL-4 HD
GPPPPPGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEV
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhh---hhhhhh
IL2-HA IL-2 HB
LNLAQS*
が挙げられる。
【0122】
短鎖クラスIサイトカインに基づく例示的なホモマーのフォールディカインとしては、以下が挙げられる:
i)二量体IL-2(配列番号89-(Xn1)-配列番号90-(Xn2)-配列番号91を含むことができる、又はそれからなることができる)、
ii)二量体IL-4(配列番号93-(Xn1)-配列番号94-(Xn2)-配列番号95を含むことができる、又はそれからなることができる)、
iii)二量体IL-3(配列番号97-(Xn1)-配列番号98-(Xn2)-配列番号99を含むことができる、又はそれからなることができる)、
iv)二量体IL-7(配列番号103-(Xn1)-配列番号104-(Xn2)-配列番号105を含むことができる、又はそれからなることができる)、
v)二量体IL-9(配列番号107-(Xn1)-配列番号108-(Xn2)-配列番号109を含むことができる、又はそれからなることができる)、
vi)二量体IL-15(配列番号110-(Xn1)-配列番号111-(Xn22)-配列番号112を含むことができる、又はそれからなることができる)、
vii)二量体IL-21(配列番号113-(Xn1)-配列番号114-(Xn)-配列番号115を含むことができる、又はそれからなることができる)、
viii)二量体TSLP(配列番号116-(Xn1)-配列番号117-(Xn2)-配列番号118を含むことができる、又はそれからなることができる)、及び
ix)二量体GM-CSF(配列番号120-(Xn1)-配列番号121-(Xn2)-配列番号12配列番号101を含むことができる、又はそれからなることができる)
であるか、
それらと少なくとも95%、98%若しくは99%同一な、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体短鎖クラスIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する配列
であり、
ここで(Xn1)及び(Xn2)はペプチドリンカーである。
【0123】
長鎖クラスIサイトカインに基づく例示的なホモマーのフォールディカインとしては、以下が挙げられる:
i)二量体IL-6(配列番号135-(Xn1)-配列番号136-(Xn2)-配列番号137を含むことができる、又はそれからなることができる)、
ii)二量体IL-11(配列番号139-(Xn1)-配列番号140-(Xn2)-配列番号141を含むことができる、又はそれからなることができる)、
iii)二量体IL-12α(配列番号143-(Xn1)-配列番号144-(Xn2)-配列番号145を含むことができる、又はそれからなることができる)、
iv)二量体IL-23α(配列番号147-(Xn1)-配列番号148-(Xn2)-配列番号149を含むことができる、又はそれからなることができる)、
v)二量体IL-27α(配列番号151-(Xn1)-配列番号153-(Xn2)-配列番号153を含むことができる、又はそれからなることができる)、
vi)二量体IL-31(配列番号154-(Xn1)-配列番号155-(Xn2)-配列番号156を含むことができる、又はそれからなることができる)、
vii)二量体CLCF1(配列番号158-(Xn1)-配列番号159-(Xn2)-配列番号160を含むことができる、又はそれからなることができる)、
viii)二量体ONCM(配列番号161-(Xn1)-配列番号162-(Xn2)-配列番号163を含むことができる、又はそれからなることができる)、
ix)二量体CTF1(配列番号165-(Xn1)-配列番号166-(Xn2)-配列番号167を含むことができる、又はそれからなることができる)、
x)二量体CNTF(配列番号169-(Xn1)-配列番号170-(Xn2)-配列番号171を含むことができる、又はそれからなることができる)、
xi)二量体LIF(配列番号173-(Xn1)-配列番号174-(Xn2)-配列番号175を含むことができる、又はそれからなることができる)、及び
xii)二量体CSF3(配列番号177-(Xn1)-配列番号178-(Xn2)-配列番号179を含むことができる、又はそれからなることができる)
であるか、
それらと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な、少なくとも同じ安定性及び/若しくは少なくとも同じレベルの前記単量体長鎖クラスIサイトカインのそれぞれの受容体(複数可)との相互作用を保持する配列
であり、
ここで(Xn1)及び(Xn2)はペプチドリンカーである。
【0124】
任意のそのような態様及び実施形態において、αヘリックス、例えば、一方の単量体のC末端と他方の単量体のN末端の間を架橋するリンカーペプチド(Xn1)及び(Xn2)は、任意の好適な配列を有することができ、立体構造的に拘束された構造、すなわち「構造化」リンカーを画定する配列を優先的に含む。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~約8個のアミノ酸残基又は約3~約6個のアミノ酸残基を有することができる。いくつかの実施形態では、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、2個以下のGly及び/若しくはSer残基を含有し、単離されたGly及び/若しくはSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。優先的に、そのようなリンカーは、少なくとも2つの連続したPro残基、好ましくは、3、4、5又は6個の連続したPro残基を含有し、柔軟性を欠くPolyProヘリックスを形成する。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーXn1及びXn2は同一である。
【0125】
いくつかの実施形態では、二量体IL-2は、配列番号89-(Xn1)-配列番号90-(Xn2)-配列番号91を含む、又はそれからなり、ペプチドリンカーXn1及びXn2は同一であり、GPPPPG(配列番号270)、GPPPPPG(配列番号271)、GPPPPPPG(配列番号272)、GGGSGG(配列番号273)、GGGSGGG(配列番号274)、又はGGGSGGGG(配列番号275)の配列を含む、又はそれからなる。これらの実施形態では、二量体IL-2は、配列番号89のN末端すぐにLys残基を、配列番号91のC末端すぐにGln-Serジペプチドをさらに含むことができる(K-配列番号89-(Xn1)-配列番号90-(Xn2)-配列番号91-QSの配列)。
【0126】
スワップドドメイン二量体を形成しないクラスIIサイトカインの場合、方法Bに従ってフォールディカインの形成は、2つの単量体クラスIIサイトカインを、2つのリンカーを介して連結して各サイトカイン単量体のN末端及びC末端にそれぞれ架橋し、続いて、単量体の1つでループを開いて一本鎖ポリペプチドに新しいN末端及びC末端を作り出すことを含む。1つのクラスIIサイトカイン単量体において開けられるループは、αヘリックスAとBの間のループ、αヘリックスBとCの間、αヘリックスCとDの間、αヘリックスDとEの間、又はαヘリックスEとFの間であることができる。
【0127】
いくつかの実施形態によれば、スワップドドメイン二量体を形成しないクラスIIサイトカイン(複数可)の2つのサイトカイン単量体を含む一本鎖二量体II型サイトカインポリペプチドが提供され、前記一本鎖二量体II型サイトカインポリペプチドでは:
a)リンカー配列は、第1のクラスIIサイトカイン単量体(例えば
図33のサイトカイン1)の第1のαヘリックス(N末端αヘリックス、又はαヘリックスA)と、第2のクラスIIサイトカイン単量体(例えば
図33のサイトカイン2)の第6のαヘリックス(C末端αヘリックス、又はαヘリックスF)を架橋し、
b)リンカー配列は、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体の第6のαヘリックス(C末端αヘリックス、又はαヘリックスF)と、前記第2のクラスIIサイトカイン単量体の第1のαヘリックス(C末端αヘリックス、又はαヘリックスA)を架橋し、
c)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体の第1及び第2のαヘリックス(αヘリックスA及びB)、第2及び第3のαヘリックス(αヘリックスB及びC)、第3及び第4のαヘリックス(αヘリックスC及びD)、第4及び第5のαヘリックス(αヘリックスD及びE)、又は第5及び第6のαヘリックス(αヘリックスE及びF)は架橋されていない。
【0128】
前記一本鎖二量体サイトカインでは、第1のクラスIIサイトカイン単量体のループを開くことによって作り出された新しいN末端及びC末端はフリーである。
【0129】
一実施形態によれば、αヘリックスBとCの間のループは、第1のクラスIIサイトカイン単量体で開けられ、一本鎖二量体クラスIIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスC~Fを含む第1のクラスIIサイトカイン単量体のC末端部分、ii)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Fを含む前記第2のクラスIIサイトカイン単量体の部分、iv)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、並びにv)αヘリックスA及びBを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分を含む。
【0130】
一実施形態によれば、αヘリックスCとDの間のループは、第1のクラスIIサイトカイン単量体で開けられ、一本鎖二量体クラスIIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスD~Fを含む第1のクラスIIサイトカイン単量体のC末端部分、ii)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Fを含む前記第2のクラスIIサイトカイン単量体の部分、iv)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、及びv)αヘリックスA~Cを含む前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のN末端部分を含む。
【0131】
一実施形態によれば、αヘリックスEとFの間のループは、第1のクラスIIサイトカイン単量体で開けられ、一本鎖二量体クラスIIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスFを含む第1のクラスIIサイトカイン単量体のC末端部分、ii)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、iii)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Fを含む前記第2のクラスIIサイトカイン単量体の部分、iv)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド、及びv)αヘリックスA~Eを含む前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のN末端部分を含む。
【0132】
IL-22サイトカイン単量体の文脈において、配列番号291(シグナルペプチドを含まない)の配列を参照して、単量体は、αヘリックスBとCの間の位置102~113(特に位置108~109の残基間)のループ、又はαヘリックスCとDの間の位置129~140(特に位置134~135の残基間)のループ、又はαヘリックスEとFの間の位置165~167(特に位置164~165の残基間)のループで開くことができることが具体的に示された(
図41を参照)。
【0133】
IFNβサイトカイン単量体の文脈において、配列番号291(シグナルペプチドを含まない)の配列を参照して、単量体は、αヘリックスAとBの間の位置34~51(特に位置49~50の残基間)のループ、又はαヘリックスBとCの間の位置71~81(特に位置75~76の残基間)のループ、又はαヘリックスCとDの間の位置108~121(特に位置117~118の残基間)のループで開くことができることが具体的に示された(
図42を参照)。
【0134】
任意のそのような態様及び実施形態において、αヘリックス、例えば、一方の単量体のC末端と他方の単量体のN末端の間を架橋するリンカーペプチド(Xn1)及び(Xn2)は、任意の好適な配列を有することができ、立体構造的に拘束された構造、すなわち「構造化」リンカーを画定する配列を優先的に含む。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~約8個のアミノ酸残基又は約3~約6個のアミノ酸残基を有することができる。いくつかの実施形態では、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、2個以下のGly及び/若しくはSer残基を含有し、単離されたGly及び/若しくはSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。優先的に、そのようなリンカーは、少なくとも2つの連続したPro残基、好ましくは、3、4、5又は6個の連続したPro残基を含有し、柔軟性を欠くPolyProヘリックスを形成する。
【0135】
いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーXn1及びXn2は同一である。
【0136】
I型とII型サイトカイン単量体の両方を含むフォールディカインは、クラスI及びクラスIIサイトカインに基づくフォールディカインについて記載されたのと同じ方法Bで設計することができる。
【0137】
このスキームでは、2つのサイトカインは、サイトカインI型の天然のN末端とサイトカインII型の天然のC末端を架橋し、サイトカインI型の天然のC末端とサイトカインII型の天然のN末端を架橋する2つの人工リンカーペプチドを介して連結され、サイトカインI型(例えば、
図6iを参照)又はサイトカインII型(図示されていない)のループを開いている。
【0138】
いくつかの実施形態では、一旦クラスIIフォールディカインが方法Bに従って作られると、第2のクラスIIサイトカイン単量体の天然のNtとCtが結合され、ループが第1の第2のクラスIIサイトカイン単量体で開いた循環置換バリアントが作り出される。
【0139】
任意のそのような態様及び実施形態において、I型とII型サイトカインのN末端とC末端の間を架橋するリンカー配列は、任意の好適な配列を有することができ、立体構造的に拘束された構造、例えば「構造化」リンカーを画定する配列を優先的に含む。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~約8個のアミノ酸残基又は約3~約6個のアミノ酸残基を有することができる。有利には、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、2個以下のGly及び/若しくはSer残基を含有し、単離されたGly及び/若しくはSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。同様に、2つの単量体配列間を架橋する人工リンカーは、任意の好適な配列を有することができ、特に、立体構造的に拘束された構造、すなわち「構造化」リンカーを画定する配列を含む。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~約8個のアミノ酸残基又は約3~約6個のアミノ酸残基を有することができる。有利には、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、2個以下のGly及び/若しくはSer残基を含有し、単離されたGly及び/若しくはSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。
【0140】
任意のそのような態様及び実施形態において、任意のそのような人工リンカーペプチド配列(例えば、サイトカインI型のN末端及びC末端とII型サイトカインの開いたループの末端との間を架橋するリンカー、並びにII型サイトカインのN末端及びC末端を連結する(その選択肢が選ばれた場合)リンカー)は、任意の好適な配列を有することができ、立体構造的に拘束された構造、例えば「構造化」リンカーを画定する配列を優先的に含む。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~約8個のアミノ酸残基又は約3~約6個のアミノ酸残基を有することができる。有利には、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、2個以下のGly及び/若しくはSer残基を含有し、単離されたGly及び/若しくはSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。
【0141】
フォールディカインの形成方法C
クラスIサイトカインの場合、フォールディカインの形成方法Cによれば、ループは1つのクラスIサイトカイン単量体Bで開けられ、サイトカイン単量体Bの開いたループの新しいN末端は、サイトカイン単量体Aの天然の(又は元の)C末端と結合され、単量体Bの開いたループの新しいC末端は、サイトカイン単量体Aの天然の(又は元の)N末端と結合される。
【0142】
フォールディカインを作るこの方法Cによれば、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、(a)第1のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、第1のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列は一続きに連続しており、一方で、第2のサイトカイン単量体ドメインの配列は、第1のクラスIサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置された第2のクラスIサイトカイン単量体の第1の配列部分が、天然のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分に対応し、第1のクラスIサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置された第2のクラスIサイトカイン単量体の第2の配列部分が、天然のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分に対応する。
【0143】
一本鎖二量体クラスIサイトカインポリペプチドは、
b)一本鎖二量体クラスIサイトカインポリペプチドのフリーなN末端及びC末端、並びに第2のクラスIサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分を含む分割ドメイン、並びに
ii)第1のクラスIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む連続ドメイン
を含み、
第2のクラスIサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分の配列は、分割ドメインにおいて、連続ドメインの配列によって分離されている。
【0144】
クラスIサイトカインの場合、方法Cに従ってフォールディカインを形成することは、1つの単量体(例えばαヘリックスBとCの間)のループを開くことを含みうる。
【0145】
一実施形態によれば、αヘリックスBとCの間のループは、1つのサイトカイン単量体で開けられ、2つのクラスIサイトカイン単量体を含む一本鎖二量体クラスIポリペプチドが提供され、前記一本鎖二量体サイトカインポリペプチドにおいて:
a)リンカーペプチドは、第1のクラスIサイトカイン単量体(例えば
図45のサイトカイン1)の第4のαヘリックス(αヘリックスD)と、第2のクラスIサイトカイン単量体(例えば
図45のサイトカイン2)の第3のαヘリックス(αヘリックスC)を架橋し、
b)リンカーペプチドは、第1のクラスIサイトカイン単量体の第1のαヘリックス(N末端αヘリックス、又はαヘリックスA)と、第2のクラスIサイトカイン単量体の第2のαヘリックス(αヘリックスB)を架橋し、
c)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスB及びCは架橋されていない。
【0146】
前記一本鎖二量体サイトカインでは、第2のクラスIサイトカイン単量体の元のN末端及びC末端はフリーである。
【0147】
全体として、一本鎖二量体クラスIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスA及びBを含む第2のクラスIサイトカイン単量体のN末端部分、ii)前記第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスBと、第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド(Xn1)、iii)αヘリックスA~Dを含む前記第1のクラスIサイトカイン単量体の連続ドメイン、iv)第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスDと、第2のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスCを架橋するリンカーペプチド(Xn2)、並びにvii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC及びDを含む前記第2のクラスIサイトカイン単量体のC末端部分を含む。
【0148】
2つの単量体配列を架橋する人工リンカー(Xn1)及び(Xn2)は、任意の好適な配列を有することができ、特に、立体構造的に拘束された構造、すなわち「構造化」リンカーを画定する配列を含む。そのようなリンカーは、約3~約20個のアミノ酸残基、約3~約16個のアミノ酸残基、約4~約12個のアミノ酸残基、約4~約8個のアミノ酸残基、約3~約8個のアミノ酸残基又は約3~約6個のアミノ酸残基を有することができる。有利には、そのようなリンカーは、互いに隣接する複数のGly及び/若しくはSer残基を含有せず、例えば、リンカーペプチドは、5個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、好適には3個以下の隣接Gly及び/若しくはSer残基、2個以下のGly及び/若しくはSer残基を含有し、単離されたGly及び/若しくはSer残基のみを含有する、又はいくつかの実施形態では、Gly及び/若しくはSer残基を含有しない。
【0149】
いくつかの実施形態によれば、配列番号X338の配列:
SSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLA
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh---hhhhhhh
HA HB
QSKGGSGGSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPL
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh---hhhh
HA HB
EEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLTGGSGG
hhhhh-hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhs
HC HD
NFLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLTG
hhhhh-hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhs
HC HD
又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含む、又はそれからなり、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIL-2受容体との相互作用を保持する一本鎖循環置換二量体IL-2ポリペプチドが提供される。
【0150】
いくつかの実施形態では、一旦クラスIIフォールディカインが方法Cに従って作られると、第2のクラスIサイトカイン単量体の天然のNtとCtが結合され、ループが第1の第2のクラスIサイトカイン単量体で開いた循環置換バリアントが作り出される。
【0151】
いくつかの実施形態によれば、配列番号296の配列、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%若しくは99%同一な配列を含む、又はそれからなり、少なくとも同じ安定性及び/又は少なくとも同じレベルのIL-2受容体との相互作用を保持する一本鎖循環置換二量体IL-2ポリペプチドが提供される。
【0152】
クラスIIサイトカインの場合、フォールディカインを作るこの方法Cによれば、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは、(a)第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含み、第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列は一続きに連続しており、一方で、第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの配列は、第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のN末端に配置された第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分が、天然のクラスIIサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に対応し、第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分のC末端に配置された第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分が、天然のクラスIIサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に対応する。
【0153】
クラスIIサイトカインの場合、第2のクラスIIサイトカイン単量体の挿入された配列は、その天然の順序である。
【0154】
フォールディカインを作るこの方法Cによれば、一本鎖二量体クラスIIサイトカインポリペプチドは、
i)一本鎖二量体クラスIIサイトカインポリペプチドのフリーなN末端及びC末端、並びに第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分を、それらの天然の配列順序で含む分割ドメイン、並びに
ii)第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む連続ドメインを含み(
図47を参照)、
第1のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの第1及び第2の配列部分の配列は、分割ドメインにおいて、第2のクラスIIサイトカイン単量体ドメインの連続ドメインの配列によって分離されている。
【0155】
クラスIIサイトカインの場合、方法Cに従ってフォールディカインを形成することは、1つの単量体(特に1つの単量体のαヘリックスBとCの間)でループを開き、新たに作り出されたC末端と他のサイトカイン単量体の天然のCtを結合させ、新たに作り出されたN末端と他のサイトカイン単量体の天然のN末端を結合させることを含みうる。
【0156】
一実施形態によれば、αヘリックスBとCの間のループは第1のサイトカイン単量体において開けられ、2つのクラスIIサイトカイン単量体を含む一本鎖二量体クラスIIポリペプチドが提供され、前記一本鎖二量体サイトカインポリペプチドにおいて:
a)リンカーペプチドは、第1のクラスIIサイトカイン単量体(
図47のサイトカイン1)の第2のαヘリックス(αヘリックスB)と、第2のクラスIIサイトカイン単量体(
図47のサイトカイン2)第1のαヘリックス(αヘリックスA)を架橋し、
b)リンカーペプチドは、第1のクラスIIサイトカイン単量体の第3のαヘリックス(αヘリックスC)と、第2のクラスIIサイトカイン単量体の第1のαヘリックス(N末端αヘリックス、又はαヘリックスA)を架橋する。
【0157】
前記一本鎖二量体サイトカインでは、第1のクラスIIサイトカイン単量体の天然のN末端及びC末端はフリーであり、第2のクラスIIサイトカイン単量体の挿入された配列は、その天然の配列順序に従う。
【0158】
全体として、一本鎖二量体クラスIIポリペプチドは、N末端からC末端にかけて、i)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA及びBを含む第1のクラスIIサイトカイン単量体のN末端部分、ii)前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスBと、第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスAを架橋するリンカーペプチド(Xn1)、iii)前記第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスA~Fを含む前記第2のクラスIIサイトカイン単量体の天然の配列、iv)第2のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスFと、第1のクラスIIサイトカイン単量体のαヘリックスCを架橋するリンカーペプチド(Xn2)、並びにvii)前記第1のクラスIサイトカイン単量体のαヘリックスC~Fを含む前記第1のクラスIIサイトカイン単量体のN末端部分を含む。
【0159】
同様に、2つの単量体配列を架橋する人工リンカー(Xn1)及び(Xn2)は、フォールディカインを作る方法A及びBで上記に開示のように、任意の好適な配列を有することができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、クラスIIフォールディカインが方法Cに従って作られると、第2のクラスIIサイトカイン単量体の天然のNtとCtが結合され、第1の第2のクラスIIサイトカイン単量体でループが開いた循環置換バリアントが作り出される。
【0161】
さらに、I型とII型サイトカイン単量体ドメインの両方を含むフォールディカインは、クラスI又はクラスIIのサイトカインに基づくフォールディカインについて記載したのと同じ方法Cで設計することができる。
【0162】
スキームC-aにおいて、2つのサイトカイン単量体は、II型サイトカインの天然ループを開き、I型サイトカインの天然N末端及びC末端への2つの人工リンカーを介して、開いたループの新しいN末端及びC末端を閉じた後、2つのリンカーを介して連結される。さらに、I型サイトカインの天然のループを開くことができ、II型サイトカインの天然のN末端及びC末端がリンカーを介して閉じられる(
図6ii参照)、又はI型サイトカインの天然のループを開くことができ、新しいNt及びCtがII型サイトカインの天然のN末端及びC末端に連結され、一方で、I型サイトカインの天然のN末端とC末端が結合され、ループがII型サイトカインで開けられて新しいNtとCtになる、その循環置換バージョン(circular permutat ersion)を作ることができる。
【0163】
フォールディカイン2つの3Dドメイン間の角度を決めるために使用される構造鋳型
一対の単量体サイトカインからフォールディカインを設計する場合、スワップドドメインサイトカインに基づく鋳型/参照を使用することができる。有利には、そのような鋳型/参照はいずれも、所望の結果として得られるフォールディカインと類似の構造を有する。なぜなら、このようにして、4つの受容体を合成フォールディカインと結合させる際に重要でありうる2つの球状ドメイン間の任意の有益な角度を維持できるからである(
図7及び8参照)。
【0164】
フォールディカインを含むポリペプチド
さらに提供されるのは、本発明による一本鎖二量体ポリペプチドを含むポリペプチドである。
【0165】
これらの態様では、一本鎖二量体ポリペプチドは、タンパク質タグ又は他のポリペプチドなど任意のペプチドに融合又は共有結合的に連結させることができる。
【0166】
組換えベクター、宿主細胞及び発現
制御配列/調節配列
「制御配列」又は「調節配列」という用語は、本明細書において交換可能に使用されて、特定の遺伝子の発現を増加又は減少させることができる任意のヌクレオチド配列を意味する。この調節は、転写速度や翻訳速度に影響を与えること、又は配列の安定性を変化させることのいずれかによって適用されうる。実施形態では、本開示のポリヌクレオチド配列は、以下に限定されないが、プロモーター、エンハンサー、選択マーカー、複製起点、リンカー配列、ポリA配列、ターミネーター配列、及び分解配列などの調節エレメントを含む。ある特定の実施形態では、本開示によるポリヌクレオチドは、1つ又は複数の好適な制御配列を含む。ある特定の実施形態では、制御配列は、本開示のすべてのポリヌクレオチドに対して同一である。代替的な実施形態では、異なる制御配列は、異なるポリヌクレオチドに対して、又は異なるポリヌクレオチド内で使用される。ある特定の実施形態では、制御配列は、標的原核生物又は真核生物細胞において天然に存在する制御配列である。他の実施形態では、制御配列は、標的細胞、例えば細菌において意図された機能を果たすように適合される。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、精製又は局在化を改良するタグ配列をコードすることがある。他のオリゴヌクレオチド又はタンパク質に結合するオリゴヌクレオチドモチーフ及び配列と、アミノ酸モチーフ又は配列の両方が想定される。
【0167】
プロモーター
本開示のポリヌクレオチドは、本開示のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーター配列、又はプロモーターを好適に含むことができる。本明細書で使用される場合、「プロモーター」は、核酸配列の残りの部分の転写の開始及び速度が制御される核酸配列の制御領域を意味する。プロモーターはまた、RNAポリメラーゼや他の転写因子など調節タンパク質及び分子が結合できるサブ領域(sub-region)を含有することができる。プロモーター中の少なくとも1つのモジュール(module)は、RNA合成の開始部位を配置するように機能する。この最もよく知られた例はTATAボックスであるが、哺乳類の末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ遺伝子のプロモーターやSV40後期遺伝子のプロモーターなど、TATAボックスを欠く一部のプロモーターでは、開始部位自体に重なる別のエレメントが開始点の決めるのを補助する。
【0168】
さらなるプロモーターエレメントは転写開始の頻度を調節する。典型的には、これらは開始部位の30~110bp上流に位置するが、多くのプロモーターは開始部位の下流にも機能的エレメントを含むことが示されている。プロモーターエレメント間の間隔はしばしば柔軟であり、結果として、エレメントが互いに反転又は移動してもプロモーター機能は維持される。プロモーターに応じて、個々のエレメントは協調的に又は独立して機能して、転写を活性化できるようである。
【0169】
プロモーターは、構成的、誘導的、活性化可能、抑制可能、組織特異的、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。プロモーターは、それが調節する核酸配列の発現を促進する、又は転写を促進する。本明細書において、プロモーターは、それが調節する核酸配列に関して正しい機能的位置及び配向にあり、その配列の転写開始及び/又は発現を制御する(「促進する」)ように調節する場合に、「作動可能に連結された」とみなされる。「作動可能に連結された」という用語は、本明細書において、「作動可能に配置されている」、「制御下にある」及び「転写制御下にある」という用語と交換可能に使用される。
【0170】
プロモーターは、RNAポリメラーゼ(及び/又はσ因子)に対するその親和性に王維持て、強い又は弱いとして分類でき、これは、プロモーター配列がポリメラーゼに対する理想的なコンセンサス配列にどの程度密接に類似しているかに関連する。プロモーターの強度は、転写の開始が、そのプロモーターで高頻度に起こるか低頻度で起こるかに依存する。様々な強度をもつ様々なプロモーターを所望の通りに使用することができる。
【0171】
好適なプロモーター配列は、天然であっても、又は合成であってもよい。例えば、それらは、所与の遺伝子又は配列のコードセグメントの上流に位置する5’非コード配列を単離することによって得られる遺伝子又は配列と天然に結合している場合がある。そのようなプロモーターは「内在性」と呼ばれうる。同様に、アクチベーター/エンハンサーは、核酸配列の内部、下流又は上流のいずれかに位置する、核酸配列と天然に結合しているものであることができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、コード核酸セグメントは、組換え又は異種プロモーターの制御下に位置することができ、組換え又は異種プロモーターは、その天然環境においてコードされた核酸配列と通常は結合していないプロモーターを意味する。組換え又は異種エンハンサーは、その天然環境において核酸配列と通常結合していないエンハンサーを指す。そのようなプロモーター又はエンハンサーとしては、他の遺伝子のプロモーター又はエンハンサー、任意の好適な真核生物又は原核生物細胞から単離されたプロモーター又はエンハンサー、並びに例えば、異なる転写調節領域の異なるエレメント及び/若しくは遺伝子工学の方法を通して発現を変化させる変異を含有するものなど、「天然に存在しない」合成プロモーター又はエンハンサーを挙げることができる。プロモーター及びエンハンサーの核酸配列を合成的に作製することにくわえて、配列は、組換えクローニング及び/又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む核酸増幅技術を使用して作製することができる。
【0173】
ある特定の実施形態では、プロモーターは構成的プロモーターであることができる。構成的プロモーターは、その発現が標準的な培養条件下で一定であるプロモーター、すなわち、実質的に一定の発現レベルで遺伝子産物を発現するプロモーターであると、当業者に理解される。
【0174】
代替的な実施形態では、プロモーターは、誘導性(条件付き)プロモーターであることができる。本明細書で使用される場合、「誘導性プロモーター」は、誘導物質又は誘導剤の存在下、影響を受けたとき、又は接触したときに、転写活性を開始又は増強することを特徴とするものである。「誘導物質」又は「誘導剤(inducing agent)」は、誘導性プロモーターから転写活性を誘導する際に活性であるような方法でプロモーター又は転写機構に接触する内因性又は通常は外因性の条件、化合物又はタンパク質でありうる。誘導性プロモーター、より具体的には細菌誘導性プロモーターの系は、当該技術分野において非常に詳細に記載されている(例えば、Brautaset et al.,Positively regulated bacterial expression systems, Microbial biotechnology, 2009)。
【0175】
本開示に従って使用するための誘導性プロモーターは、細菌細胞などの微生物細胞において機能する。本明細書で使用するための誘導性プロモーターの例としては、バクテリオファージプロモーター(例えば、Plslcon、T3、T7、SP6、PL)及び細菌プロモーター(例えば、Pbad、PmgrB、Ptrc2、Plac/ara、Ptac、Pm)、又はそれらのハイブリッド(例えば、PLlacO、PLtetO)が挙げられるが、それらに限定されない。本開示に従って使用するための細菌プロモーターの例としては、正の調節型(positively regulated)σ70プロモーター(例えば、誘導性pBad/araCプロモーター、Luxカセット右プロモーター、改変ラムダPrmプロモーター、plac Or2-62(正)、追加REN部位をもつpBad/AraC、pBad、P(Las)TetO、P(Las)CIO、P(Rhl)、Pu、FecA、pRE、cadC、hns、pLas、pLux)や、asプロモーター(例えばPdps)、σ32プロモーター(例えば、ヒートショック)、σ54プロモーター(例えば、glnAp2)など、正の調節型E.コリプロモーター;負の調節型(negatively regulated)σ70プロモーター(例えば、プロモーター(PRM+)や、改変ラムダPrmプロモーター、TetR-TetR-4C P(Las)TetO、P(Las)CIO、P(Lac)IQ、RecA_DlexO_DLac01、dapAp、FecA、Pspac-hy、pel、plux-cl、plux-lac、CinR、CinL、グルコース制御、改変Pr、改変Prm+、FecA、Pcya、recA(SOS)、RecA(SOS)、EmrR_調節、Betl_調節、pLac_lux、pTet_Lac、pLac/Mnt、pTet/Mnt、LsrA/cI、pLux/cI、Lacl、LacIQ、pLacIQl、pLas/cI、pLas/Lux、pLux/Las、LexA結合部位をもつpRecA、リバースBBa_R0011、pLacI/ara-1、pLacIq、rrnB PI、cadC、hns、PfhuA、pBad/araC、nhaA、OmpF、RcnR)、σSプロモーター(例えば、代替シグマ因子σ38をもつLutz-Bujard LacO)、σ32プロモーター(例えば、代替シグマ因子σ32をもつLutz-Bujard LacO)、σ54プロモーター(例えば、glnAp2)など、負の調節型E.コリプロモーター;抑制可能なB.サブティリスσΑプロモーター(例えば、グラム陽性IPTG-誘導性、Xyl、ハイパースパンク(hyper-spank))やσプロモーターなど、負の調節型B.サブティリスプロモーターが挙げられるが、それらに限定されない。他の誘導性微生物プロモーター及び/又は細菌プロモーターを本開示に従って使用することができる。
【0176】
本開示に従って使用するための誘導性プロモーターは、pH、温度、放射線、浸透圧、生理食塩水勾配、細胞表面結合、及び1つ又は複数の外因性又は内因性誘導剤(複数可)の濃度の変化など、1つ又は複数の生理的条件(複数可)によって誘導(又は抑制)することができる。外因性誘導物質又は誘導剤は、アミノ酸及びアミノ酸類似体、糖類及び多糖類、核酸、タンパク質転写活性化因子及び抑制因子、サイトカイン、毒素、石油系化合物、金属含有化合物、塩、イオン、酵素基質類似体、ホルモン、又はそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
【0177】
本開示に従って使用するための誘導性プロモーターとしては、本明細書に記載の又は当業者に公知の任意の誘導性プロモーターが挙げられる。誘導性プロモーターの例としては、アルコール調節プロモーター、テトラサイクリン調節プロモーター(例えば、アンヒドロテトラサイクリン(aTc)応答プロモーター及びテトラサイクリンリプレッサータンパク質(tetR)や、テトラサイクリンオペレーター配列(tetO)、テトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質(tTA)を含む他のテトラサイクリン応答プロモーター系)、ステロイド調節プロモーター(例えば、ラットグルココルチコイド受容体、ヒトエストロゲン受容体、ガエクジゾン受容体に基づくプロモーター、及びステロイド/レチノイド/甲状腺受容体スーパーファミリーに由来するプロモーター、金属調節プロモーター(例えば、酵母、マウス及びヒトのメタロチオネイン(金属イオンと結合し、それを隔離するタンパク質)遺伝子に由来するプロモーター)、病原体調節プロモーター(例えば、サリチル酸、エチレン又はベンゾチアジアゾール(BTH)による誘導)、温度/熱誘導性プロモーター(例えば、ヒートショックプロモーター)、並びに光調節プロモーター(例えば、植物細胞由来の光応答プロモーター)など、化学的/生化学的に調節されるプロモーター及び物理的に調節されるプロモーターが挙げられるが、それらに限定されない。ある特定の実施形態では、プロモーターは、Tet-On又はTet-off系の一部であるTetRプロモーターである(Krueger et al., Tetracycline derivatives: alternative effectors for Tet transregulators, Biotechniques, 2004及びLoew et al., Improved Tet-responsive promoters with minimized background expression, BioMedCentral Biotechnology, 2010)。
【0178】
マイコプラズマ属細菌での発現に適したプロモーター配列としては、限定されないが、P3プロモーター(48)及び合成プロモーターpSynLが含まれる。SynMycoプロモーター(https://doi.org/10.1093/dnares/dsz012)、又はTn4001トランスポゾン(10.1007/BF00382099)に由来する中間バージョンに使用されている他のプロモーターなど、他のプロモーターもマイコプラズマ属に関する分野で使用されて成功している。
【0179】
本開示に従って使用するための他のプロモーターとしては、細菌、ウイルス又は真核生物源に由来する任意の好適なプロモーターを挙げることができる(特に、ラクトコッカス・ラクチス又はE.コリでの発現に関して)。
【0180】
標的細胞が哺乳類細胞である様々な他の実施形態では、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)最初期遺伝子プロモーター、SV40初期プロモーター及びラウス肉腫ウイルス長末端反復が、導入遺伝子の高レベル発現を得るために使用されうる。発現レベルが所与の目的に充分であることを条件として、当該技術分野で周知の他のウイルス又は哺乳類細胞又は細菌ファージプロモーターの使用も、導入遺伝子の発現を達成するために企図される。
【0181】
エンハンサー
本開示のいくつかの実施形態では、プロモーターは、転写活性化にも関与する「エンハンサー」とともに使用されることもあり、ともに使用されないこともある。エンハンサーは、タンパク質(すなわち、トランス作用因子)と結合して、遺伝子の転写レベルを高めることができるDNAの1つ又は複数の領域である。エンハンサーは、プロモーターの上流又は下流の機能領域に位置しうる。典型的にはコード領域の5’末端にあるが、プロモーター配列から離れていてもよく、例えば、遺伝子のイントロン領域内又は遺伝子のコード領域の3’内にある場合もある。
【0182】
ターミネーター
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ターミネーター配列又はターミネーターを含有することができる。本明細書で使用される「ターミネーター」は、転写を停止させる核酸配列である。ターミネーターは、一方向又は双方向でありうる。ターミネーターは、RNAポリメラーゼによるRNA転写物の特異的終結に関与するDNA配列から構成される。ターミネーター配列は、上流プロモーターによる下流核酸配列の転写活性化を妨げる。したがって、ある特定の実施形態では、RNA転写物の産生を終わらせるターミネーターが企図される。ターミネーターは、望ましい遺伝子/タンパク質発現レベルを達成するために生体内で必要な場合がある。
【0183】
最も一般的に使用されるタイプのターミネーターはフォワードターミネーターである。通常転写される核酸配列の下流に置かれたとき、フォワード転写ターミネーターは転写を中止させることになる。いくつかの実施形態では、双方向転写ターミネーターが提供され、通常、フォワード鎖とリバース鎖の両方で転写を終結させる。いくつかの実施形態では、リバース転写ターミネーターが包含され、通常、リバース鎖上の転写のみを終結させる。原核生物の系では、ターミネーターは通常、(i)rho非依存性ターミネーターと(ii)rho依存性ターミネーターの2つのカテゴリーに分類される。Rho非依存性ターミネーターは一般に、G-C塩基対に富んだステムループ、それに続く一連のウラシル塩基を形成する回文配列から構成される。
【0184】
本開示に従って使用するためのターミネーターとしては、本明細書に記載の、又は当業者に公知の任意の転写ターミネーターが挙げられる。ターミネーターの例としては、例えばウシ成長ホルモンターミネーターなどの遺伝子の終結配列、及び例えば、TOターミネーターなどのウイルス終結配列、TEターミネーター、Lambda Tl及び細菌系に見られるT1T2ターミネーターが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、終結シグナルは、配列切断から生じる配列など、転写又は翻訳できない配列でありうる。
【0185】
他の遺伝要素は、当該技術分野で公知であり、本開示に従って使用することができる。
【0186】
発現ベクター
本開示の任意の好適なポリヌクレオチドは、プラスミド、任意選択で、非複製プラスミド、ファージミド、バクテリオファージ、バクテリオファージ由来ベクター、人工染色体、ミニサークル、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルス若しくはアデノ関連ウイルスベクター、ピギーバックベクター、又はtol2ベクターなどの発現ベクターの一部でありうる。当業者は、これらの様々な種類のコンストラクトを認識しており、それらの生成及び操作は、多数の例において詳述されている(Sambrook et al., Molecular cloning: a laboratory manual, ISBN 0879693096, 1989及び対応最新第4版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2012)。さらに、プラスミドDNA、又は(環状)組換えDNAは、当業者には、コピーDNA、補体DNA、又は略語「cDNA」と一般的に呼ばれ、それぞれ交換可能に使用できることが明らかである。
【0187】
「発現ベクター」又は「発現コンストラクト」という用語は、核酸コード配列の一部又は全部が転写可能である、遺伝子産物をコードする核酸を含有する遺伝子コンストラクトを意味する。転写物は、タンパク質に翻訳されてもよいが、そうである必要はない。したがって、ある特定の実施形態では、発現には、遺伝子の転写とRNAの遺伝子産物への翻訳の両方が含まれる。
【0188】
特に有用なベクターは、全長タンパク質又はより小さなポリペプチドをコードしているかどうかにかかわらず、DNAセグメントのコード部分が、上記のようにプロモーターの転写制御下に配置されているベクターであることが企図される。
【0189】
当然のことながら、発現のために選択された細胞型又は生物において、本開示のポリペプチドの発現を効果的に誘導するプロモーターを使用することが重要であることになる。タンパク質発現のためのプロモーターと細胞型の組み合わせの使用は、一般に分子生物学の当業者に公知であり、例えば、参照により本明細書に援用されるSambrook et al. (1989)を参照されたい。本開示のベクター又はプラスミドにおいて、コードされたポリペプチドの所望のレベルの発現を導く任意の好適なプロモーターを使用することができる。
【0190】
核酸の発現を制御するために使用される特定のプロモーターは、標的細胞又は生物において所望のポリペプチドを所望のレベルで発現できる限り、重要であるとは考えられていない。したがって、マイコプラズマが使用される場合、ポリヌクレオチドコード領域を、マイコプラズマで発現可能なプロモーターに隣接し、その制御下に置くことが好ましい可能性がある。同様に、ポリペプチドをE.コリ又はL.ラクチスで発現させたい場合には、E.コリ又はL.ラクチスでの発現に適した適切なプロモーターが使用されるべきである。
【0191】
組換え細菌又は他の細胞を作製する場合、1つ又は複数の「レポーター遺伝子」を含めることが有用でありうる。一般に、レポーター遺伝子は、宿主細胞によって他の方法では生成されないポリペプチド、又は宿主細胞によって生成されるが、はるかに低いレベルで生成されるタンパク質若しくは因子、又は宿主細胞によって他の方法では生成されないポリペプチドの変異形態をコードする。レポーター遺伝子は、in situ分析で検出可能であり、転写活性化の定量的又は半定量的な関数である、宿主細胞における熱量測定的又は蛍光定量的な変化を生じる酵素をコードすることができる。例示的なレポーター遺伝子は、当業者に公知であろうように、発色団又はフルオロフォアを生成する活性によって検出されるエステラーゼ、ホスファターゼ、プロテアーゼ及び他のタンパク質をコードする。そのようなレポーター遺伝子の周知の例は、E.コリβ-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ及びクロラムフェニコール-アセチル転移酵素(CAT)である。あるいは、レポーター遺伝子は、例えば、宿主細胞を選択剤に対する耐性を付与することによって、選択マーカーをコードしてもよい。例えば、遺伝子neoは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性を細胞に付与する。レポーター遺伝子カセットと適合する実質的にいずれの宿主細胞系も、調節ユニット(regulatory unit)を決定するために使用できることが企図される。したがって、哺乳動物細胞、又は他の真核細胞、昆虫、細菌、若しくは植物細胞を使用することができる。
【0192】
コード配列の効率的な翻訳には、特異的な開始シグナルも必要とされうる。これらのシグナルとしては、ATG開始コード及び隣接配列が挙げられる。ATG開始コドンを含む外因性の翻訳制御シグナルが与えられる必要があるかもしれない。当業者であれば、このことを容易に判断し、必要なシグナルを提供することができるだろう。挿入物全体の翻訳を確実にするために、開始コドンが所望のコード配列のリーディングフレームと「インフレーム」でなければならないことは周知である。さらに、ある種特定の細菌は代替(非ATG)開始部位を利用できることが周知であり、したがって、そのような代替部位を含む開始シグナルも企図される。外因性の翻訳制御シグナル及び開始コドンは、天然又は合成のいずれでもよい。発現の効率は、適切な転写エンハンサーエレメントを含めることによって高めることができる。
【0193】
本明細書で使用される場合、「人工」及び「組換え」細胞という用語は、本開示のポリペプチド(フォールディカイン)をコードするポリヌクレオチドなど外来DNAセグメント又は遺伝子が導入された細胞を意味することを意図する。したがって、人工細胞は、組換え的に導入された外来DNAセグメント又は遺伝子を含有しない天然に存在する細胞と区別可能である。組換え細胞は、導入されたcDNA又はゲノム遺伝子を有するものを含み、特定の導入された遺伝子と天然には結合しないプロモーターに隣接して位置する遺伝子も含む。
【0194】
本発明のフォールディカインポリペプチドを発現するために、1つ又は複数のプロモーターの制御下にあるフォールディカインをコードするポリ核酸を含む発現ベクターを調製することができる。コード配列をプロモーターの制御下にもってくるために、転写読み取り枠の転写開始部位の5’末端は一般に、選択されたプロモーターの約1~約50ヌクレオチド下流(すなわち3’)に位置する。上流のプロモーターは、DNAの転写を刺激し、コードされたポリペプチドの発現を促進する。1つ又は複数のエンハンサーエレメントを、発現コンストラクトと結合させることもできる。
【0195】
様々な宿主発現系においてタンパク質又はポリペプチドの発現を達成するために、適切な核酸及び転写/翻訳制御配列を含有する発現ベクターを構築するために、多くの標準的な技術が利用可能である。発現に利用可能な細胞型としては、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNA発現ベクターで形質転換されたM.ニューモニエ、E.コリや、L.ラクチス、S.アウレウス、B.サブティリスなどの細菌が挙げられるが、それらに限定されない。
【0196】
一般に、宿主細胞に適合する種に由来するレプリコン及び制御配列を含有するプラスミドベクターが、これらの宿主と関連させて使用される。ベクターは通常、複製部位、及び形質転換細胞の表現型選択を可能にする標識(marking)配列を保有する。例えば、E.コリはE.コリ種由来のプラスミドであるpBR322の誘導体を使用して形質転換されることが多い。PBR322は、アンピシリン耐性及びテトラサイクリン耐性の遺伝子を含有し、したがって、形質転換細胞を同定する容易な手段を提供する。pBRプラスミド又は他の微生物プラスミド若しくはファージはまた、微生物がそれ自体のタンパク質の発現のために使用できるプロモーターを含有しなければならない、又はそれを含有するように改変されなければならない。
【0197】
マイコプラズマは複製ベクターの維持が困難な傾向がある。しかし、(異なる耐性マーカーをもつ)Tn4001ベクター由来のトランスポゾンを使用することができる。トランスポゾンはトランスポザーゼを含有し、一対の逆方向反復の外側に配置される。染色体に挿入される可能性のある外来DNA配列は、逆方向反復内に配置される。ベクターが細胞に挿入されると、トランスポザーゼは逆方向反復の切除を触媒し、内部配列をランダムに染色体に導入する。したがって、異なる長さの外来DNA断片をM.ニューモニエ染色体に導入することができる。
【0198】
さらに、宿主微生物に適合するレプリコン配列や制御配列を含有するファージベクターは、これらの宿主に関連して形質転換ベクターとして使用することができる。例えば、ファージlambda GEM(商標)-11は、M.ニューモニエやE.コリなどの宿主細胞を形質転換するのに使用できる組換えファージベクターを作製するのに利用することができる。
【0199】
さらなる有用なベクターとしては、pINベクター(Inouye and Inouye, 1985)、pQE(Hisタグ付き)ベクター(キアゲン)及び後の精製、分離又は切断のためのグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)可溶性融合タンパク質の生成に使用されるpGEXベクターが挙げられる。他の好適な融合タンパク質は、β-ガラクトシダーゼ、ユビキチンなどとのものである。
【0200】
本開示のポリペプチドは、サイトカインが通常発現されない細菌などの異種系で発現できること、又は、場合によっては、ヒト細胞などの真核生物細胞で発現できることが企図される。
【0201】
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、バイシストロニック発現コンストラクトを含むことができる。さらなる実施形態では、ポリヌクレオチドは、細胞ゲノム、好適には、M.ニューモニエ、L.ラクチス又はE.コリなどのバクテリアのゲノム配列に組み込まれる、すなわち挿入される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、細胞ゲノム、例えば、新たに設計された細胞ゲノム又は変異誘発若しくは合成された細菌ゲノムの一部であることができる。さらなる実施形態では、ヌクレオチド配置は、細菌人工染色体又は酵母人工染色体に含まれる。
【0202】
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、mpn051遺伝子がマイコプラズマ・ペネトランス由来のgpsA遺伝子で置換されたCV2をベースとする弱毒化CV2株(Δmpn133、Δmpn372)(58)又はCV8などの遺伝子組み換えマイコプラズマ属株に組み込むことができる。これらのポリヌクレオチドは、他の対象となるマイコプラズマ属で評価することもできる。
【0203】
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドはバクテリオファージに含まれうる。本明細書に記載の「バクテリオファージ」という用語は、細菌及び古細菌に感染し、任意選択でその内で複製できるウイルスを示し、当該技術分野に記載(例えば、Principi et al., Advantages and Limitations of Bacteriophages for the Treatment of Bacterial Infections, Frontiers in Pharmacology, 2019)のように治療目的のために改変することができる。
【0204】
さらなる実施形態では、様々な配列要素(例えば、本開示のポリヌクレオチド)の連なり(concatenation)は、「オペロン」とみなすことができる。本明細書で使用される「オペロン」は、すべての遺伝子が単一のプロモーターによって制御される遺伝子のクラスターを含有するDNAの機能的単位を意味する。したがって、一般に、オペロンからの遺伝子は共転写(co-transcribed)される。オペロンから転写された遺伝子は、単一のmRNA鎖に転写されて、細胞質で一緒に翻訳されうる又はスプライシングを受けて別々に翻訳されうるモノシストロニックmRNAを生成することができる。
【0205】
本開示のベクター及びプラスミドは、典型的には、原核生物又は真核生物のいずれかにおいて複製が開始される配列を意味する「複製起点」又は「ORI」も含む。DNA複製は、この地点から双方向又は一方向に進行しうる。一般的に使用される原核生物の複製起点としては、pMBl、改変pMBl、pBR322、ColEl、ColEl誘導体、FI、R6K、pl5A、pSClOl、及びpUCが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0206】
ポリヌクレオチドを挿入し、クローニングする、すなわち増殖させることができるようにするために、ベクターは、典型的には、1つ又は複数の固有の制限部位を含み、クローニングされた配列が再現可能(reproducible)であるように、決まった細胞又はビヒクル生物で自律複製することができる。上述のように、そのようなベクターは、上述のように、ベクターを含むレシピエント細胞の選択を可能にするために、例えば抗生物質耐性遺伝子などの選択マーカーを含むこともできる。
【0207】
発現されたポリペプチド
実施形態では、本開示のポリペプチド-本開示のポリヌクレオチドによってコードされる-「ディスプレイシグナル(display signal)」若しくは「露出シグナル(exposure signal)」及び/又は「分泌シグナル」を含むことができる。したがって、本開示のポリヌクレオチドは、1つ又は複数のそのような配列をコードする核酸配列を含むことができる。
【0208】
「ディスプレイシグナル」又は「露出シグナル」という用語は、融合/連結ペプチド(例えば、本開示のフォールディカイン)を細胞膜上に露出するよう方向づけるペプチド配列を意味する。細胞は、所望により、細菌細胞でも真核生物細胞でもよい。「露出された」又は「ディスプレイされた」とは、目的のポリペプチドが、それが産生された細胞、好ましくは細胞の外側の細胞表面に、ずっと物理的に付着していることを意味する。露出シグナル配列は当業者に公知である。実施形態では、露出シグナル配列は、E.コリ、L.ラクチス又はマイコプラズマ属(例えばM.ニューモニエ)などの細菌において天然に存在する配列である。いくつかの実施形態では、露出シグナル配列は、天然に存在しない細菌配列である。
【0209】
本明細書で使用される「分泌シグナル」という用語は、ポリペプチドが発現された細胞からの分泌を誘発又は媒介するペプチド配列を意味する。すなわち、ポリペプチドが露出又はディスプレイされる場合とは対照的に、分泌シグナルを含有する分泌ポリペプチドは、それが産生された細胞にもはや物理的に付着しておらず、細胞外空間に分泌されうる。
【0210】
実施形態では、分泌シグナル配列は、E.コリ、L.ラクチス又はマイコプラズマ属などの細菌において天然に存在する配列でありうる。代替的な実施形態では、分泌シグナル配列は、天然に存在しない細菌配列である。マイコプラズマ属の分泌シグナルは、例えば、国際特許出願国際公開第2016/135281号パンフレットに記載されている。実施形態では、連結された(concatenated)分泌シグナルが使用されて、ポリペプチドの分泌を増強することができる、例えば、異なる分泌シグナルを、本開示によるポリペプチドの異なる位置に組み込みことができる。
【0211】
さまざまな実施形態では、タンパク質が細胞表面上に露出された(すなわち、ディスプレイされた)後に、又はタンパク質が分泌された後に、シグナル配列は、連結しているタンパク質から、タンパク質分解切断によって除去されうる。ある特定の実施形態では、露出又は分泌シグナル配列は、ポリペプチドのN末端に位置する。
【0212】
疾患及び障害
本発明の薬剤、組成物、方法及び使用は、例えば、炎症反応又は細胞増殖の速度の減少又は増加から利益を得ことになるいずれかの疾患又は障害を含む、広範な疾患及び障害の治療に特に好適でありうる。具体的には、本発明に従って治療され得る疾患及び障害としては、がん及び/又は増殖性若しくは腫瘍性疾患(特に固形腫瘍)及び炎症性疾患又は障害が挙げられる。また、本発明は、感染症の治療又は組織損傷事象若しくは疾患後の組織再生の促進にも好適でありうる。
【0213】
当業者であれば、増殖性疾患は以下に関連しうることを理解するであろう:(1)通常静止している細胞若しくは通常増殖している細胞の病的な増殖、(2)通常の場所からの細胞の病的な移動(例えば、腫瘍細胞の転移)、(3)細胞マトリックスの望ましくないターンオーバーをもたらしうる、マトリックスメタロプロテアーゼ(例えば、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ及びエラスターゼ)などのタンパク質分解酵素の病的な発現、並びに/又は(4)増殖性網膜症及び腫瘍転移で起こるような病的血管新生。例示的な増殖性疾患としては、がん、良性新生物、及び疾患状態を伴い進行させる血管新生(病的血管新生として上記で定義)が挙げられる。
【0214】
本発明の組成物、薬剤、方法及び使用は、例えば、細胞増殖を防ぎ、特に病原性細胞の細胞死を促進することによって、広範な増殖性疾患及び障害の治療並びに/又はそれらの症状の軽減において有益な効果を有しうる。
【0215】
本発明は、複数のがんの種類で有用性を有し、且つ/又は生体内及び/若しくはインビトロにおいて腫瘍の進行に対して有益な効果(例えば、腫瘍の進行を逆転させるなど)を有しうる。具体的には、本発明は、肺がん(特に肺腺がん)、子宮頸がん、乳がん、心臓がん、結腸がん、前立腺(prostrate)がん、脳膠芽腫、膵臓がん、白血病(例えば急性単球性白血病)、リンパ腫、腎臓がん、大腸がん、膀胱がん、精巣がん、消化器がん、肝がん(例えば肝細胞がん)、及び/又は膠芽腫の治療に有用でありうる。本発明はまた、皮膚がん(例えばメラノーマ)、頭部及び/又は頸部がん、胆嚢がん、子宮がん、胃がん、甲状腺がん、咽頭(laryngeal)がん、口唇及び/又は口腔がん、咽頭(throat)がん、眼部のがん並びに骨がんのうちの1つ又は複数の治療にも有用でありうる。
【0216】
いくつかの特定の実施形態では、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、副腎皮質がん、エイズ関連リンパ腫、CNS原発リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞がん、胆管がん、肝外がん、ユーイング肉腫ファミリー、骨肉腫及び悪性線維性組織球腫、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系胚細胞腫瘍、頭蓋咽頭腫、上衣腫、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、原発リンパ腫、脊索腫、慢性骨髄増殖性新生物、結腸がん、肝外胆管がん、非浸潤性乳管がん(DCIS)、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、嗅神経芽細胞腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵管がん、骨線維性組織球腫、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、精巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、神経膠腫、小児脳幹神経膠腫、有毛細胞白血病、肝細胞がん、ランゲルハンス細胞組織球症、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、膵島細胞腫瘍、膵神経内分泌腫瘍、ウィルムス腫瘍及び他の小児腎腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症、小細胞肺がん、皮膚T細胞リンパ腫、眼内黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、転移性頸部扁平上皮がん、正中線がん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、骨髄異形成症候群、鼻腔がん及び副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、非小細胞肺がん(NSCLC)、上皮性卵巣がん、胚細胞卵巣がん、低悪性度卵巣がん、膵神経内分泌腫瘍、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔がん及び鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭(pharyngeal)がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、原発性腹膜がん、直腸がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、カポジ肉腫、横紋筋肉腫、セザリー症候群、小腸がん、軟部肉腫、咽喉(throat)がん、胸腺腫及び胸腺がん、甲状腺がん、腎盂及び尿管の移行上皮がん、尿道がん、子宮内膜子宮体がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、並びにワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群のいずれの1つ又は複数から選択されうる。
【0217】
さらに、本開示はまた、本発明の治療薬及び組成物の治療的使用、並びに任意のタイプの原発がんの局所浸潤若しくは転移、又はそれら両方を抑制又は予防する方法を包含する。例えば、原発がんは、メラノーマ、非小細胞肺、小細胞肺、肺、肝細胞がん、網膜芽細胞腫、星細胞腫、膠芽腫、歯肉、舌、白血病、神経芽細胞腫、頭部、頸部、乳房、膵臓、前立腺、腎臓、骨、精巣、卵巣、中皮腫、子宮頸、消化管、リンパ腫、脳、結腸、又は膀胱でありうる。ある特定の実施形態では、原発がんは肝がんでありうる。例えば、肝がんは、肝細胞癌(HCC)及び/又は肝臓への転移でありうる。
【0218】
さらに、本開示は、がんを予防するため、又は化生、異形成及び過形成を含む前がん細胞又は前悪性細胞を治療するために使用することができる。また、扁平上皮化生、異形成、良性前立腺過形成細胞、過形成病変などの望ましくないが良性の細胞を抑制するために使用することもできる。いくつかの実施形態では、がんへの進行又はがんのより重症な形態への進行は、本明細書に開示の治療薬を含む本開示の使用及び方法によって、停止、中断、又は遅延させることができる。
【0219】
したがって、本発明は、医療に使用するための、特に、肺がん(特に、肺腺がん又は肺扁平上皮がん)、膀胱がん、子宮頸がん、乳がん、結腸がん、脳膠芽腫、膵臓がん、急性単球性白血病、腎臓がん、大腸がん、皮膚がん(例えばメラノーマ)、胃がん、甲状腺がん、骨がん及び肝がんから選択されるがんの治療に使用するための薬剤及び組成物を提供する。そのような疾患の治療のための方法も提供される。使用及び方法は、本発明による薬剤を、それを必要とする患者に投与することを含むことができる。
【0220】
本開示の組成物及び薬剤はまた、がん免疫療法及び/又は免疫腫瘍学的治療に有用でありうる。
【0221】
炎症
並行して、炎症反応は、物理的、化学的又は生物学的な様々な損傷に対する適応反応である。古典的炎症、恒常性炎症、低グレード炎症、パラ炎症として知られるストレスに対する適応反応、又は代謝誘発性炎症という様々な種類の炎症が存在する。本開示によるの「フォールディカイン」は、例えば、免疫系が誤って自身の体の細胞又は組織を攻撃するシナリオにおいて、炎症性疾患を治療するために使用することができる。そのような免疫学的疾患又は障害の関連する状態には、疼痛、発赤、腫脹、硬直、又は他の/隣接する健康な組織への損傷が多数含まれる。本発明は、医療における使用のための、特に、アレルギー、ぜんそく、自己免疫疾患、セリアック病、糸球体腎炎、肝炎、炎症性腸疾患、再灌流傷害、移植拒絶反応、糖尿病、アルツハイマー病、変形性関節症、線維筋痛症、筋性腰痛、関節炎、筋性頸部痛、心筋炎、強直性脊椎炎(AS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、筋炎、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、線維症の治療における使用のための薬剤及び組成物を提供する。
【0222】
ウイルス、細菌及び真菌感染症
本開示の「フォールディカイン」は、ウイルス、細菌又は真菌感染症の治療に有用でありうる。そのような微生物はいずれも、炎症反応及び免疫系を変化させる生理作用物質の放出を誘発しうる。他の場合では、そのような感染体は、毒素を産生し、放出しうる。免疫系の反応を打ち消す(counterbalance)ために、フォールディカインは、風疹、バラ疹、天然痘、チクングヤウイルス感染症、麻疹、ノロウイルス感染症、コロナウイルス感染症、帯状疱疹、肝炎、ヘルペス、デング熱、エボラ、ラッサ熱、マールブルグ出血熱、ポリオ、髄膜炎、脳炎又は狂犬病の状況においても適用される可能性がある。
【0223】
サイトカインはまた、免疫によって媒介される細胞修復及び再生反応の組織化調整において重要な役割を果たすので、本発明はまた、そのような感染症及び感染因子に関連する損傷後の組織修復を促進する際にさらなる利点をもたらしうる。
【0224】
組織再生
免疫系は、組織の修復及び再生において中心的な役割を果たす。組織損傷に対する免疫反応は、治癒過程及び器官の機能の回復の速度及び結果を決める上で極めて重要である。したがって、サイトカインを介した免疫成分を制御することは、再生医療において魅力的なアプローチである。したがって、本開示のフォールディカインは、例えば、正しい細胞の増殖及び分化を促進し、線維症を予防することによって、組織再生のための方法及び治療的使用においても有用でありうる。そのような使用の例は、大腸炎や、創傷治癒、発毛、肝臓再生、マトリックス合成などの状態の治療におけるものである。
【0225】
本発明の組成物、薬剤、方法及び使用は、そのような疾患及び障害のいずれか又はすべての治療において利益をもたらしうる。
【0226】
治療用組成物
本発明の一本鎖二量体サイトカイン、ポリヌクレオチド又は人工バクテリオファージ、組換え細菌若しくは細胞(例えば「治療薬」)は、動物、好ましくはヒトの治療に使用するための医薬組成物に組み込むことができる。本発明の治療薬(又はその誘導体)は、本発明の一本鎖二量体サイトカインの活性/性質に応じて、1つ又は複数の疾患又は感染症を治療するために使用することができる。さまざまな実施形態では、治療用ペプチドをコードする核酸は、発現コンストラクト/ベクター、特にバクテリオファージベクター、ウイルス又は細菌ゲノムに挿入され、同じ目的のために医薬製剤/医薬品に組み込むことができる。同様に、本開示のフォールディカインは、エアロゾル、気管内投与、注射、坐剤などの従来の送達方法を介して送達されうる、又は組換え手段を介して投与することができる。
【0227】
当業者なら理解するであろうように、本開示によるものなど、可能性のある治療薬は、ヒト対象での使用が承認されるうる前に、ウサギ又はマウスなどの動物モデルで試験することができる。したがって、本開示のポリペプチド、バクテリオファージ、バクテリア又は細胞は、ヒト/ヒト細胞においてと同様に、ウサギ若しくはマウスにおいて生体内で、又はウサギ若しくはマウス細胞において生体外で発現又は送達することができる。本発明において、適切な発現カセット及び発現コンストラクト/ベクターは、各動物系に対して特異的に設計することができる。
【0228】
本発明の治療用ペプチド及び核酸は、例えば、従来の方法によって投与される動物(細胞/組織)の所望の領域に細菌又はバクテリオファージを向けることによって、細胞内で標的となる(且つ治療する)ことができる疾患、病態及び/又は感染症の治療に特に好適でありうる。インビトロ及び細胞外用途にも適しうる。本明細書で使用される場合、「治療薬」及び「活性薬剤」という用語は、本発明のポリペプチドをコードするペプチド及び核酸、並びに本明細書に記載のペプチド及び/又は核酸を含むベクター、バクテリオファージ、ウイルス、バクテリア及び他の細胞をも包含する。本発明の治療用核酸は、改変/人工バクテリオファージ、ウイルス又は細菌ゲノムを包含する。
【0229】
本発明の治療剤の治療的使用及び適用には、診療所で適用されるいずれかの送達方法論によって治療される対象において、本発明の一本鎖二量体サイトカインを発現させる又は送達することによって治療可能でありうる任意の疾患、障害又は他の医学的状態が含まれる。
【0230】
本発明の態様及び実施形態において、特に好ましい疾患としては、本明細書の他の箇所で開示のように、がん及び他の増殖性疾患又は障害、炎症性疾患又は障害、ウイルス、細菌及び真菌感染症並びに組織再生が挙げられる。
【0231】
1つ又は複数のさらなる薬学的に許容可能な「担体」(希釈剤、アジュバント、賦形剤又はビヒクルなど)を、医薬組成物において本発明の治療薬(複数可)と組み合わせることができる。好適な医薬担体は、“Remington’s Pharmaceutical Sciences” by E. W. Martinに記載されている。本発明の医薬製剤及び組成物は、規制基準に適合するように製剤化され、経口、静脈内、局所、又は他の標準的な経路を介して投与することができる。本明細書で使用される場合、「担体」という用語は、あらゆるすべての溶媒、分散媒体、ビヒクル、コーティング、希釈剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤、緩衝剤、担体溶液、懸濁液、コロイドなどを包含する。医薬活性物質のためのそのような溶媒及び薬剤の使用は、当該技術分野で周知である。従来の溶媒又は薬剤が活性成分と不適合でない限りは、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性成分を組成物に組み込むこともできる。「薬学的に許容される」又は「薬理学的に許容される」という句は、ヒトに投与されたときに、アレルギー又は類似の有害な反応を生じない分子実体及び組成物を意味する。
【0232】
本発明において、治療薬(複数可)は、医薬品に製造することができ、又は医薬組成物に製剤化することができる。対象に投与される場合、治療薬は、薬学的に許容可能なビヒクルを含む組成物の成分として好適に投与される。本発明の分子、化合物及び組成物は、任意の簡便な経路によって、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、鼻腔内、膣内、経皮、直腸、吸入によって、又は皮膚に局所的に投与することができる。投与は全身的である場合も、又は局所的である場合もある。公知の送達システムには、例えば、マイクロゲル、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなどへのカプセル化も含まれ、これらのいずれも、いくつかの実施形態において、本発明の薬剤を投与するために使用することができる。当該技術分野で公知の他の任意の好適な送達系も、本発明の使用において想定される。
【0233】
許容される医薬用ビヒクルは、水や、石油、動物、植物又は合成由来のもの、ピーナッツ油や、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む油などの液体でありうる。医薬用ビヒクルは、生理食塩水、アカシアガム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイダルシリカ、尿素などでありうる。さらに、助剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤を使用することもできる。対象に投与される場合、薬学的に許容されるビヒクルは好ましくは無菌である。水は、特に本発明の化合物が静脈内投与される場合に好適なビヒクルである。生理食塩水溶液並びに、デキストロース及びグリセロールの水溶液も、特に注射液用の液体ビヒクルとして使用することができる。好適な医薬用ビヒクルとしては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどの賦形剤も挙げられる。本発明の組成物が、所望により、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、又は緩衝剤を含有することもできる。
【0234】
本発明の医薬品及び医薬組成物は、液体、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、錠剤、丸剤、ペレット剤、粉末、放出調節(modified-release)製剤(液体又は粉末を含むカプセル剤)、坐剤、エマルション、エアロゾル、スプレー、カプセル剤、リポソーム、微粒子、又は当該技術分野で公知の任意の他の好適な製剤の形態をとることができる。好適な医薬用ビヒクルの他の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Alfonso R. Gennaro ed., Mack Publishing Co. Easton, Pa., 19th ed., 1995, see for example pages 1447-1676に記載されている。
【0235】
いくつかの実施形態では、本発明の治療用組成物又は医薬品は、よく使われる手順に従って、経口投与向けに適合された(より好適にはヒト用)医薬組成物として製剤化される。経口送達用の組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、水性若しくは油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルション、カプセル剤、シロップ、又はエリキシル剤の形態であることができる。したがって、様々な実施形態では、薬学的に許容可能なビヒクルは、カプセル剤、錠剤又は丸剤でありうる。
【0236】
経口投与される組成物は、1つ又は複数の薬剤、フルクトース、アスパルテーム又はサッカリンなどの甘味剤、ペパーミント、冬緑油又はチェリーのような香味剤、着色剤、及び保存剤を含んで、薬学的に口当たりのよい製剤をもたらすことができる。組成物が錠剤又は丸剤の形態である場合、組成物は、長期間にわたって活性剤の持続的放出をもたらすように、コーティングして消化管内での崩壊及び吸収を遅延させることができる。浸透圧活性駆動化合物(osmotically active driving compound)を取り囲む選択的透過性膜も、経口投与組成物に適する。これらの剤形では、カプセル剤を取り囲む環境からの流体が駆動化合物によって吸収され、それが膨潤して、開口部を介して薬剤又は薬剤組成物を移動させる。これらの剤形は、即時放出製剤のスパイクのあるプロファイルとは対照的に、本質的にゼロ次の送達プロファイルをもたらすことができる。モノステアリン酸グリセロール又はステアリン酸グリセロールなどの時間遅延物質も使用することができる。経口組成物は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的なビヒクルを含むことができる。そのようなビヒクルは、好ましくは医薬品グレードのものである。経口製剤の場合、放出場所は、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、又は大腸でありうる。当業者は、胃では溶解せず、十二指腸や腸の他所で物質を放出することになる製剤を調製することができる。好適には、その放出は、ペプチド(又は誘導体)の保護によって、又は腸などの胃の環境を超えてペプチド(又は誘導体)を放出することによって、胃の環境の有害な影響を回避することになる。完全な胃耐性を確保するためには、少なくともpH5.0に対して不透過性のコーティングが不可欠であろう。腸溶性コーティングとして使用されるより一般的な不活性成分の例は、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、HPMCP50、HPMCP55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、オイドラギットL30D、アクアリック(Aquateric)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、オイドラギットL、オイドラギットS、及びシェラックであり、それらは混合フィルムとして使用することができる。
【0237】
治療薬(複数可)の水性環境への溶解を補助するために、湿潤剤として界面活性剤が加えられる可能性がある。界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムや、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホン酸ナトリウムアニオン性界面活性剤を挙げることができる。カチオン性界面活性剤が使用される可能性もあり、例えば塩化ベンザルコニウム又は塩化ベンゼトミウムが挙げられうる。界面活性剤として製剤に含まれうる非イオン性洗浄剤としては、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50及び60、モノステアリン酸グリセリン、ポリソルベート20、40、60、65及び80、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース並びにカルボキシメチルセルロースが挙げられる。これらの界面活性剤は、使用される場合、ペプチド、核酸又は誘導体の製剤に、単独でも、又は異なる比率の混合物としても存在することができる。
【0238】
典型的には、静脈内投与用の組成物は、無菌の等張水性バッファーを含む。必要に応じて、組成物はまた、溶解補助剤(solubilising agent)も含むことができる。
【0239】
本明細書に記載のポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、バクテリオファージ、細菌及び/又は他の細胞の混合物は、1つ又は複数の賦形剤、担体又は希釈剤と好適に混合した水中で調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液状ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物、並びに油中で調製することもできる。通常の保存及び使用条件下では、これらの製剤は微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含有する場合がある。注射に適した医薬形態としては、無菌水溶液又は分散液、及び無菌注射用溶液又は分散液を即座に調製するための無菌粉末が挙げられる。どのような場合でも、その形態は無菌であり、適切な注射器による注入を可能にする充分な流動性を有しうる。好適には、組成物は製造及び保存の条件下で安定であり、細菌や真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液状ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、並びに/又は植物油を含有する溶媒又は分散媒でありうる。例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合は必要な粒径の維持によって、界面活性剤の使用によって、適切な流動性が維持されうる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされうる。多くの場合、等張剤、例えば糖類又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいことになる。注射用組成物の吸収の延長は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを、組成物に使用することによってもたらされうる。
【0240】
例えば、水溶液中の非経口投与の場合、溶液は、必要に応じて好適に緩衝化し、液体希釈剤はまず、充分な生理食塩水又はグルコースで等張にすることができる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、腫瘍内及び腹腔内投与に特に適する。これに関連して、使用可能な無菌水性溶媒は、当業者に公知であろう。
【0241】
本発明の治療用組成物のための別の好適な投与の経路は、肺又は鼻送達を介するものである。
【0242】
本発明の治療薬の細胞取り込みを高めるために、脂肪酸や、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの添加物を含めることができる。
【0243】
本発明の治療薬はまた、いくつかの実施形態では、対象の皮膚への局所適用向けの組成物に製剤化することもできる。
【0244】
本発明の実施形態では、治療用組成物は、1つ本発明の治療薬のみを含みうる、又は2つ以上、例えば2つの本発明の補完的な治療薬を含みうる。例えば、標的動物の異なる炎症反応経路の阻害は、複数の本開示の一本鎖二量体サイトカインによって、又は2つ以上の異なる受容体を標的とする能力を有する一本鎖二量体サイトカインによって達成することができる。具体的には、本発明の一本鎖二量体サイトカイン/フォールディカインは、各ドメインが異なる受容体及び潜在的に異なる炎症経路を優先的に標的とするように、異なる型(例えばIL-22)のサイトカイン単量体が連結したある1つの型(例えばIL-10)のサイトカイン単量体を含むことができる。2つの(又はそれより多い)治療薬が企図される場合、バクテリオファージ、ウイルス又は細菌などの異なるペプチド又はコード核酸コンストラクトは、同じ医薬組成物に組み込まれてもよく、又は別々に作製されてもよい。2つの(又はそれより多い)医薬組成物が、同じ個体への投与のために製造される場合、それらの組成物は、指示/必要に応じて、同時に、順次に、又は別々に投与されうることが理解されるであろう。
【0245】
治療薬及び組成物の送達のための方法
本発明の治療薬/治療用組成物を投与するための任意の好適な送達方法が、本開示に従って使用されうる。好適な投与の経路は、熟練した医療従事者によって決められ、1つ又は複数の要因に依存しうる。
【0246】
本発明の治療薬又は組成物の送達は、全身的である場合も、又は局所的である場合もある。例えば、投与の経路は、疾患、例えば、治療されるがん又は炎症状態の位置及び/又は性質によって決定することができ、例えば、米国特許第5,543,158号明細書、米国特許第5,641,515号明細書及び米国特許第5,399,363号明細書に記載のように、皮内、経皮(transdermal)、非経口、静脈内、筋肉内、鼻腔内、皮下、局所(例えば、腫瘍/標的組織の近傍)、経皮(percutaneous)、気管内、腹腔内、動脈内、膀胱内、腫瘍内、吸入、灌流、洗浄、及び経口投与を挙げることができる。典型的には、全身投与の簡便な形態としては、経口投与、非経口投与、鼻腔内投与、舌下投与、直腸投与、経皮投与、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0247】
さまざまな実施形態では、治療薬/組成物は、標的組織、器官又は腫瘍に直接投与することができる。いくつかの特に有益な実施形態では、本開示の治療用組成物は、対象の血管系への注射によって送達することができる。
【0248】
いくつかの実施形態では、(連続)投与/長期間にわたる投与が好ましいことがあり、任意の好適な機構によって、例えば、腫瘍、血管系又は組織にカテーテルを埋め込むことによって達成することができる。好適には、連続的灌流による治療用組成物の投与量は、灌流が起こる期間にわたって調節された単回又は複数回の注射によって与えられる投与量と等しくすることができる。
【0249】
核酸コンストラクト、ベクター及び/又は細胞の注入は、発現コンストラクト(例えば細菌)が注入に必要な特定のゲージの針を通過できる限り、シリンジ又は溶液の注入に使用される任意の他の方法によって送達することができる。いくつかの実施形態では、例えば米国特許第5,846,233号明細書に記載のような、当業者に公知の無針注入システムを使用することができる。
【0250】
治療的治療レジーム及び投与
治療レジメンは様々であり、多くの場合、腫瘍などの疾患の種類及び/又は部位、疾患のステージ/進行、及び/又は患者の健康及び年齢に依存しうる。例えば、ある腫瘍は、本開示の治療用組成物の局所的及び/又は高濃度投与による治療によく反応しうるが、他の疾患(及び個人)は、治療薬のより拡散的及び/又は低投与量及び/又は長期投与から利益を得ることができる。熟練した臨床医であれば、それぞれの状況下で好適な治療的治療レジームを決めることができであろう。
【0251】
様々な態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示の1つ又は複数の治療薬の投与によって対象を治療するための治療的使用及び方法を提供する。したがって、本開示は、標的腫瘍細胞の死を促進することによって腫瘍サイズ及び/又は増殖を減少させるための使用及び方法を提供する。その使用及び方法は、本発明の一本鎖サイトカインなどの本開示の治療用組成物若しくは薬剤、又は一本鎖サイトカインを発現させる薬剤の治療有効量を、個体又は個体のがん細胞若しくは標的細胞の第1の集団に投与することを含む。したがって、有利には、一本鎖サイトカインの複数のコピーを複製し、標的部位で発現及び/又は放出させることができるベクター又は送達剤(例えば、細菌、ウイルス、細胞又はバクテリオファージ)の使用によって、治療薬又はビヒクルの初回投与で対象のすべての標的細胞又は領域(腫瘍内など)に治療薬を直接投与する必要はない。むしろ、治療薬が本開示の一本鎖サイトカインの複数のコピーの増殖又は生成を可能にすることによって、治療効果の強化を達成することができる。
【0252】
本開示の一本鎖サイトカイン若しくは他の治療薬又はその医薬組成物の有効量は、標的がん細胞の腫瘍溶解/死滅、及び/又は標的がん細胞の溶解若しくは増殖の破壊、又は標的がん細胞若しくは腫瘍の増殖若しくはサイズの阻害若しくは減少を誘導するのに充分な量を含みうる。腫瘍又は標的がん細胞の増殖の減少は、例えば、細胞死、細胞を含む腫瘍の複製速度の遅延若しくは増殖速度の低下、又はがん細胞を含む対象の長期生存によって明らかにすることができる。代替的な態様及び実施形態では、本開示の一本鎖サイトカイン若しくは他の治療薬又はその医薬組成物の有効量は、肺などの標的個体、組織又は器官における炎症反応を軽減するのに充分な量を含みうる。
【0253】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の治療薬の有効量を対象に投与することを含む、がん又は腫瘍又は炎症性疾患若しくは障害(肺疾患、例えばぜんそくなど)を有する対象を治療する治療的使用及び方法が提供される。いくつかの実施形態では、腫瘍は、完全に又は実質的になくすことができる。いくつかの実施形態では、炎症反応は、完全に又は実質的になくすことができる。
【0254】
本開示の使用及び方法は、治療薬を対象又は個体に投与することを含むことができる。投与は、任意の好適な手段、例えば、注射又は摂取によることができる。投与は、全身又は局所、例えば、腫瘍部位へ直接であることができる。1つの実施形態では、全身送達が好ましい。
【0255】
治療用組成物及び/又は療法は、様々な「単位投与量」を含むことができ、単位投与量は、治療薬又は組成物の予め決められた量を含有するものとして定義することができる。投与すべき好適な量並びに特定の投与の経路及び製剤を明らかにすることは、臨床分野の当業者の技術の範囲内である。単位投与量は、例えば、単回注射又は錠剤として投与することができるが、設定された期間にわたる連続注入を介してなど、長期間にわたって投与することもできる。
【0256】
ある特定の実施形態では、治療薬は、一連の期間にわたって(例えば、12時間又は24時間にわたって)1回又は複数回の投与で施すことができ、これらを合わせて「単位投与量」とする。他の実施形態では、個々の投与はそれぞれ、「単位投与量」とみなすことができる。
【0257】
本開示の治療用組成物及び/又は薬剤は、適切とみなされる好適な治療期間内、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12日、週、月又は年にわたって、適切とみなされる複数回の投与(例えば、2、3、4、5、6回以上の投与)で投与することができる。本明細書に記載の治療薬及び/又は医薬組成物の投与の頻度は、当業者によって決定されうるが、例えば、1日1回、1日2回、毎週1回、2週間に1回、月に1回、2か月に1回、3か月に1回、6か月に1回などであることができる。
【0258】
さらに、考案されうる治療的治療レジームに従って、単位投与量は、治療の段階又は種類に応じて、並びに対象の大きさ及び/若しくは年齢、又は治療が意図される疾患の種類を考慮して変動しうる。例えば、いくつかの実施形態では、対象に投与される本開示の治療薬又は医薬組成物の第1の投与量は、投与され得る任意の第2の投与量、第3の投与量、又はそれ以降の投与量よりも少ないこともあり、又は多いこともある。他の実施形態では、第1の投与期間中、投与量は、第2、第3又はそれ以降の投与期間中に投与される投与量よりも低いこともあり、又は高いこともある。当業者は、任意のそのような投与期間の期間、例えば、約1日、約1週間若しくは約1ヶ月、又は任意の中間の期間若しくはより長い期間を決定することができる。
【0259】
いくつかの例では、治療される対象は、1つ又は複数の追加の治療薬を投与される可能性がある、又は1つ又は複数の追加の従来療法(放射線治療若しくは化学療法など)若しくは補完療法を受ける可能性がある。
【0260】
併用療法
さまざまな実施形態では、本開示の使用及び方法は、本開示の治療薬(例えば、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター若しくは細胞(例えば本明細書に開示の組換え細菌細胞))、又は本開示の治療薬を含有する医薬組成物を、1つ又は複数の追加の療法又は治療薬と併用して投与することを含む。1つ又は複数の追加の療法又は治療薬は、本開示による治療薬と同時に、順次に、又は別々に(前若しくは後に)投与することができる。
【0261】
追加の治療薬は、本開示による別の治療薬であってもよく、その結果、本発明の2つの治療薬が併用して投与される。追加の療法又は治療薬の他の例としては、化学療法、放射線、追加のウイルスによる腫瘍溶解ウイルス療法、免疫調節タンパク質による治療、抗がん剤、抗炎症剤又はそれらの任意の組み合わせが挙げられうるが、それらに限定されない。
【0262】
特定の実施形態では、追加の治療薬は抗がん剤又はがん療法である。抗がん剤としては、化学療法剤、放射線療法剤、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、抗血管新生剤、アポトーシス誘導剤、抗がん抗体及び/又は抗サイクリン依存性キナーゼ剤が挙げられうるが、それらに限定されない。がん療法としては、化学療法、生物学的療法、放射線療法、免疫療法、ホルモン療法、抗血管療法、凍結療法、毒素療法及び/又は手術又はそれらの組み合わせが挙げられうる。
【0263】
さまざまな実施形態では、がんの治療には外科手術が含まれることがある。そのような手術には、がん様組織の全部又は一部が、対象から物理的に(例えば切除によって)取り除かれる、且つ/又は他の方法で破壊されry切除術が含まれうる。腫瘍切除とは、腫瘍の少なくとも一部を物理的に取り除くことである。腫瘍切除にくわえて、手術による治療には、レーザー手術、凍結外科手術、電気外科手術、及び顕微鏡下手術(モース手術)がある。いくつかの実施形態では、腫瘍(又はその一部)は切除によって除去されるべきであると判断されることもあり、又は代替えとして、腫瘍は切除に適さないと判断されることもある。そのような状況において、本発明の実施形態は、切除の結果を向上させるために、又は腫瘍若しくはその一部を切除することを可能にするために、本開示の治療薬又は組成物で対象を治療することを含むことができる。したがって、本開示の治療的治療は、例えば腫瘍マージンの縮小に起因して、又は浸潤部分の除去によって、腫瘍の切除可能性を増加させることができる。切除に続く追加の治療は、腫瘍部位の微小残存病変を除去する役割を果たすことになる。
【0264】
キット
実施形態では、本開示は、本明細書に記載の一本鎖二量体サイトカイン、コードポリヌクレオチド、ベクター、細胞又は他の薬剤(細菌若しくはバクテリオファージなど)を投与するためのキットを提供する。ある特定の実施形態では、本開示のキットは、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞(例えば細菌)若しくはバクテリオファージをコードする一本鎖二量体サイトカインなどの「治療薬」又は上記のようにそのような治療薬を含む(医薬)組成物を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示のキットはさらに、使用説明書や、デバイス、追加の試薬、並び本明細書に開示の方法及び療法を行うためのチューブや、容器、シリンジなどの構成要素などの1つ又は複数の構成要素を含むことができる。さまざまな実施形態では、本開示のキットはさらに、本開示の治療薬と組み合わせて(別々に、順次に、又は同時に)投与できる1つ又は複数の活性薬剤、例えば、抗がん剤、免疫調節剤、抗炎症剤、及び(or)それらの任意の組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0265】
いくつかの実施形態では、本開示によるキットは、治療薬、1つ又は複数の追加の活性薬剤及び/又は本明細書に記載のいずれかの試薬が入っている1つ又は複数の容器を含むことができる。
【0266】
いくつかの実施形態では、キットはさらに、本開示の治療薬(組換え細菌など)、及び/又は任意の追加の活性薬剤を対象に投与するための装置又はデバイスを含むことができる。好適な装置又はデバイスは、皮下注射針、静脈内注射針、カテーテル、無針注射器、吸入器及び/又は液体ディスペンサーのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0267】
キットの使用説明書には、キットに何が含まれるべきか、どのように適切に使用されるべきか、例えば、キットの様々な構成要素が、タイミング、濃度及び量を含め、どのように個人に投与されるべきか、適切な投与方法並びに使用中/治療中に個人をどのようにモニターすべきか/モニターすべきかどうかについての説明を好適に含めることができる。
【実施例】
【0268】
実施例1:IL-10バリアント及び単鎖二量体IL-10の生成
他に指し示されない場合、商業的に入手可能な試薬並びに分子生物学及び生化学における標準的な技術を使用した。
材料及び方法
本出願人により使用された以下の手順は、上掲のSambrook, J. et al., 1989: analysis of restriction enzyme digestion products on agarose gels and preparation of phosphate buffered salineに記載されている。一般的な目的の試薬、オリゴヌクレオチド、抗体、化学物質及び溶媒は、Merckから購入した。酵素及びポリメラーゼは、他に指し示されない場合、New England Biolabs(NEB)から入手した。
【0269】
方法
細菌株及び培養条件
使用される場合、この研究において生成されたWTマイコプラズマ・ニューモニエM129-B7株(ATTC 29342)及び全てのM.ニューモニエ株は、表1に記載されている。Hayflick液体培地を含む組織培養フラスコ(Corning)中5% CO2下37℃でマイコプラズマ株を増殖させた。Hayflickは、800mlの不完全培地A(20g PPLOブロス[Difco、#255420]、30g HEPES[最終100mM]、25ml 0.5%フェノールレッド溶液[Sigma、#P3532])、200ml熱不活化ウマ血清(Life Technologies、#26050088)、20ml無菌濾過済み50%グルコース及びアンピシリンの100mg ml-1ストック1ml(最終濃度100μg ml-1、アンピシリンナトリウム塩[Sigma、#A9518])を混合することにより調製した。プレート上での増殖が要求される場合、Hayflickブロスに0.8% bacto-agar(Difco)を補充した。必要な場合、Hayflickブロスに細胞選択のためのテトラサイクリン又はクロラムフェニコール(Tc;20μg ml-1Cm;20μg ml-1)を補充した。シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)PAO1をTrypticase Soy Broth(TSB、T8907)寒天プレート中37℃で増殖させた。クローニングのために、大腸菌NEB(登録商標) 5-alpha High-Efficiency株(New England Biolabs)を使用し;それを37℃でLBブロス中又はアンピシリン(100μg ml-1)を補充したLB寒天プレート上で増殖させた。
【0270】
細胞株
HAFTL細胞は、胎児肝臓由来の、Ha-rasがん遺伝子形質転換マウスプレB細胞株である(47)。BLaER1はヒトB細胞前駆白血病細胞株(48)であり;両方の細胞株はThomas Graf教授の厚意により提供された。THP-1細胞株は、ATCCから購入した末梢血に由来する単球細胞株である。細胞は、2mM L-グルタミン(25030081、GIBCO)、100U/mLペニシリン+100ng/mLストレプトマイシン(15140122、GIBCO)、及び20% FBS(10270-106、GIBCO)を補充したRPMI(12633012、GIBCO)中で増殖させた。
【0271】
プラスミド生成
この研究において生成した全てのプラスミドをGibson法47に従ってアセンブルした。必要な場合、Integrated DNA Technologies(IDT)Corporationが遺伝子合成(gBlock二本鎖断片)及びオリゴヌクレオチド合成を行った。遺伝子増幅は、Phusion DNAポリメラーゼ(Thermo Fisher Scientific)を用いて実行した。一部の実施例において、IL-10及びフォールディカイン_10バリアントのためのプロモーター配列はP3合成プロモーター48であり、S142(米国特許出願第15/553,552号明細書、Garrido et al., 2021)と称される分泌シグナルを使用した。IL-22バリアント及びIFN-ラムダのために使用されたプロモーターはpSynL(GTTAACGATTAAGATCAAAAAGTGCCTGGTATCGTAAATAATATTGTATAATTAAAAAAGAAT;配列番号339)であった。プラスミド、株及びそれらの遺伝子部分の詳細なリストは表1にも与えている。全てのプラスミドは、PCR及びサンガーシークエンシング(GATC biotech)により検証した。
【0272】
M.ニューモニエCV8株の生成
CV8は、mpn051がマイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)からのgpsA遺伝子により置き換えられている弱毒化CV2株(Δmpn133、Δmpn372)の派生株である58。これらの2つの遺伝子によりコードされる酵素はグリセロール3リン酸の酸化に関与し、GpsA酵素の場合にNADHの代謝副生成物、又はmpn051によりコードされるGlpD酵素の場合にH2O2を生成し;このH2O2産生はM.ニューモニエの細胞毒性効果のために決定的である。CV8株はまた、ピューロマイシン耐性遺伝子(GP35コーディング遺伝子の挿入を選択するために導入される)がゲノム中のその位置(mpn560)から除去された第2の遺伝子欠失を持つ。ssDNAリコンビナーゼGP35に基づいてマイコプラズマに適合されたゲノム編集ツール49を使用して突然変異体を生成した。組換え用の基質として、以前に記載されたように製造されたssDNAの長いストレッチを使用した50。
【0273】
ssDNAの長いストレッチを生成するために用いたプライマー及びプラスミドの配列を表4に示している。
【0274】
株
細菌、例えばM.ニューモニエ中での異なるバージョンのヒトサイトカイン、例えばIL-10(hIL-10)、及び様々なフォールディカイン構築物の発現及び分泌のために、適切なシグナルペプチドを含有するサイトカイン及びフォールディカイン構築物に適切なプロモーター配列を融合することによりトランスポゾンベクターを生成した。IL-10バリアント及びN末端IL10配列を有するフォールディカインの発現及び分泌のために、合成プロモーターP3を分泌用のN末端のシグナルペプチド142(s142)と共に使用した(各々の構築物の遺伝子情報について表1を参照)。IL-22及びIFN-ラムダバリアント並びに対応するフォールディカイン構築物の発現及び分泌のために、合成プロモーターpSynLを使用し、シグナルペプチド(s142)に融合させた。テトラサイクリン耐性マーカーもまた使用した(本明細書における方法を参照)。
【0275】
M.ニューモニエ発現細胞を生成するために、異なるプラスミドをWT又はCV8 M.ニューモニエのいずれか中に形質転換した。20mlの新鮮なHayflickを含有する75cm2組織フラスコ(Corning)中で細胞を増殖させ、後期対数増殖期まで5% CO2下37℃でインキュベートした。予備冷却されたエレクトロポレーション緩衝液(272mMスクロース、8mM HEPES、pH 7.4)で細胞を2回洗浄し、再懸濁し、剥がし取り、25ゲージ(G25)注射針に10回通過させた。2μgの所望されるプラスミドを含む0.1cmキュベット中の50μlの細胞アリコートを氷上で20分間保った。エレクトロポレーションの設定は、BIO-RAD Gene Pulser Xcell装置において1250V/25μF/100Ωに設定した。パルス後に、420μlの新鮮なHayflickを細胞に加えた。この培養から、80μlを、選択抗生物質(即ち、20μg ml-1クロラムフェニコール又はテトラサイクリン)を含む5mlの新鮮なHayflickを含む25cm2組織フラスコ(Corning)中に接種した。異なるM.ニューモニエ発現細胞から、50μlのストック接種物を、5mlの新鮮なHayflickを含有する25cm2組織フラスコ(Corning)に加え、48時間増殖させた。培養培地を次に収集し、10,000rpmで10分間遠心分離し、上清を-80℃で1mlアリコート中で貯蔵した。
【0276】
質量分析によるジスルフィド同定
最初に調製され、-80℃で貯蔵されたアリコートから、25μLのhIL-10、MutSC1、又はMutSC2の初期接種物を、Cmを補充した5mL Hayflick培地を含むT25cm2フラスコに2連続で接種した。24時間後に、培地を重複物のうちの1つから廃棄し、バージョン13の限定培地で置き換えた(例えば欧州特許第20382261号明細書を参照)。36時間後に、両方の複製物の上清を収集し、プロテオーム分析のために処理した。いずれかのセットの条件下でタンパク質存在量において差異は観察されなかった。更なる特徴付けのために、試料をバージョン13の限定培地中で生育した。
【0277】
上清を収集し、MWCO 3Kで濃縮し、700μLの上清を用いて12,000rpmで15分間遠心分離した。次に、200μLの上清を同じMWCOカラムに加え、混合物を4℃、12,000rpmで60分間遠心分離した。約100μLの最終濃縮体積をBCA定量化用のもの及びMS分析用の他のものの2つに分割した。新たに濃縮したアリコートの各々をSDS 4%、0.1M HEPES 100μL中に再懸濁した。Pierce(商標) BCA Protein Assay Kit(Thermo Fisher Scientific、23225)を使用してBCAにより上清溶解液を定量化し、分析のためにUPF MS Facilityに送った。試料調製のために、N-エチルマレイミド(30nmol、37℃、60分)でアルキル化することによりシステインを標識し、試料を次に6体積の冷アセトンで沈殿させた。ペレットを6M尿素/200mM重炭酸アンモニウム中に溶解させ、試料をジチオトレイトール(30nmol、37℃、60分)で還元させ、暗所中ヨードアセトアミド(60nmol、25℃、30分)でアルキル化させた。
【0278】
全ての希釈液のために200mM重炭酸アンモニウムを使用して、以下の方式で試料を次に消化した。hIL-10及びMutSC2のために、得られたタンパク質抽出物を最初に2M尿素に希釈し、次にエンドプロテイナーゼLys-C(endo-LysC)(1:100w:w、37℃、6時間、Wako、cat#129-02541)とインキュベートし;試料を次に2倍(1:100w:w)に希釈し、i)トリプシン(37℃、終夜;Promega cat# V5113);ii)キモトリプシン(25℃、終夜;Roche diagnostics cat# 11418467001);又はiii)GluC(25℃、終夜;Sigma Aldrich cat# P6181)で消化した。試料を最初に6M尿素にトリプシン消化(1:100w:w、37℃、終夜、Promega cat# V5113)、続いてGluC消化(1:100w:w、25℃、終夜、Sigma Aldrich cat# P6181)のために希釈した。MutSC1のために、コンビナトリアル消化ミックスは以下であった:i)endo-LysC + トリプシン:2M尿素にendo-LysCのために希釈し(1:100w:w、37℃、6時間、Wako、cat# 129-02541)、次にトリプシンのために2倍に希釈した(1:100w:w、37℃、終夜、Promega cat# V5113);ii)endo-LysC + キモトリプシン:2M尿素にendo-LysCのために希釈し(1:100w:w、37℃、6時間、Wako、cat# 129-02541)、次にトリプシン消化のために2倍に希釈した(1:100w:w、25℃、終夜、Roche diagnostics cat# 11418467001);iii)LysC + GluC:2M尿素にendo-LysCのために希釈し(1:100w:w、37℃、6時間、Wako、cat# 129-02541)、次にGluCのために2倍に希釈した(1:100w:w、25℃、終夜、Sigma Aldrich cat# P6181);及びiv)トリプシン + GluC:6M尿素にトリプシン消化のために希釈し(1:100w:w、37℃、終夜、Promega cat# V5113)、次にGluCで消化した(1:100w:w、25℃、終夜、Sigma Aldrich cat# P6181)。全ての場合において、消化後のペプチド試料をギ酸で酸性化させ、LC-MS/MS分析に先立ってMicroSpin C18カラム(The Nest Group, Inc)上で脱塩した。
【0279】
クロマトグラフィー及びMS分析のために、以下のプロトコールを使用した。EASY-nLC 1000(Thermo Fisher Scientific(Proxeon)、Odense、Denmark)に連結されたLTQ-Orbitrap Velos Pro質量分析計(Thermo Fisher Scientific、San Jose、CA、USA)を使用して試料を分析した。5μmの粒子サイズのC18粒子(Thermo Fisher Scientific)を充填した100μmの内径の2cm Nano Trapカラムにペプチドをロードし、1.9μm C18粒子(Nikkyo Technos Co., Ltd. Japan)を充填した75μmの内径の25cmカラムを使用して逆相クロマトグラフィーにより分離を行った。クロマトグラフィー勾配は、250nl 分-1の流速で5分間の93%の緩衝液A及び7%の緩衝液Bで開始し、120分時の65%の緩衝液A及び35%の緩衝液Bまで徐々に増加させた。各々の分析後に、カラムを15分間10%の緩衝液A及び90%の緩衝液Bで洗浄した。緩衝液A、水中の0.1%ギ酸;緩衝液B、アセトニトリル中の0.1%ギ酸。質量分析計は、2.1kVに設定したナノスプレー電圧及び300℃の供給源温度でのポジティブイオン化モードにおいて稼働させた。分析に先立つFT質量分析装置の外的な軟正のためにUltramark 1621を使用し、内的な軟正は、m/z 445.1200でバックグラウンドポリシロキサンイオンシグナルを使用して行った。測定値は、データ依存的取得(data-dependent acquisition;DDA)モードで取得し、60,000の分解能での1マイクロスキャンを伴うフルMSスキャンをOrbitrapにおける検出と共にm/z 350~2000の質量範囲にかけて使用した。オートゲインコントロール(Auto gain control;AGC)を1E6、ダイナミックエクスクルージョン(60秒)に設定し、単一荷電ペプチドを失格とする荷電状態フィルタリングを稼働させた。DDA分析の各々のサイクルにおいて、及び各々のサーベイスキャン後に、5,000の閾値イオンカウントを上回る複数の荷電イオンを伴う上位20の最も強いイオンをフラグメンテーションのために選択した。35%の正規化された衝突エネルギーでの衝突誘起解離(collision-induced dissociation;CID)を介してフラグメントイオンスペクトルを生成し、イオントラップ質量分析装置において取得した。AGCを1E4、2.0m/zの単離ウィンドウ、10msのアクティベーション時間に設定し、100msの最大注入時間を使用した。全てのデータはXcaliburソフトウェアv2.2で取得した。試料のキャリーオーバーを回避するため及び機器の安定性を保証するために各々の試料の間に、消化されたウシ血清アルブミン(New England Biolabs cat# P8108S)を分析し;QCloud(53)を使用して、プロジェクトの間の機器の長手方向性能を制御した。
【0280】
Proteome Discovererソフトウェアスイート(v2.0、Thermo Fisher Scientific)及びMascotサーチエンジン(v2.6、Matrix Science(54))を使用してデータを分析した。M.ニューモニエ(87071エントリー)に加えてhIL-10、MutSC1、MutSC2並びに一般的な夾雑物のリスト(55)及び対応するデコイエントリーの全てに対してデータをサーチした。ペプチド同定のために、7ppmの前駆体イオン質量許容性をMS1レベルのために使用し、トリプシンを切断酵素として選択し、最大3回の切断の失敗を許した。フラグメントイオン質量許容性をMS2スペクトルのために0.5Daに設定した。メチオニンの酸化、N末端タンパク質アセチル化、システインのカルバミドメチル化及びN-エチルマレイミドを可変的な修飾として使用した。ペプチド同定における偽発見率(false discovery rate;FDR)は最大5%に設定した。ペプチド抽出イオン電流(extracted ion current;XIC)のために2ppmの質量許容差を使用してProteome Discoverer(v2.0)からの「Precursor ion area detector」ノードからペプチド定量化データを取得した。得られた値を使用して、未分類のタンパク質のために独特のペプチドを伴うタンパク質の上位3区画を算出した。
【0281】
MutSC1のために、PRM(並列反応モニタリング;parallel reaction monitoring)-クロマトグラフィー及びMS分析を行った。第1のシステインがカルバミドメチル化されていることを確認するために、試料をendo-LysC + トリプシンで消化し、Easy-nanoLC 1200 UPLCシステム(Thermo Fisher Scientific)に連結されたOrbitrap Eclipse(Thermo Fisher Scientific)を使用してPRM方法で分析した。ペプチドを直接的に分析カラムにロードし、2μm C18粒子を充填した75μmの内径の50cmカラムの分光計(Thermo Scientific、San Jose、CA、USA)を使用して逆相クロマトグラフィーにより分離を行った。
【0282】
クロマトグラフィー勾配は、300nL/分の流速で5分間の95%の緩衝液A及び5%の緩衝液Bで開始し、79分にかけて25%の緩衝液B及び75%のA、並びに次に11分にかけて40%の緩衝液B及び60%のAまで徐々に増加させた。各々の分析後に、カラムを10分間10%の緩衝液A(水中の0.1%ギ酸)及び90%の緩衝液B(80%アセトニトリル中の0.1%ギ酸)で洗浄した。
【0283】
質量分析計は、2.4kVのEASY-Sprayナノソースを伴うポジティブイオン化モードにおいて305℃の供給源温度で稼働させた。30,000の分解能での1マイクロスキャンを伴うフルMSスキャンをm/z 350~1400の質量範囲にかけて、Orbitrap質量分析装置における検出と共に使用した。PRM方法を、1.4m/zに設定された四重極単離ウィンドウ及びm/z 300~2,000の質量範囲にかけてのMSMSと共に、60,000の分解能でのOrbitrapにおける検出と共にデータ取得のために使用した。30NCEでのHCDを使用してMSMSフラグメンテーションを行い、オートゲインコントロール(AGC)を1×105、及び502msの最大注入時間に設定した。ペプチド質量(m/z)は質量リストにおいて定義し、表S2に示される。PRMデータ分析のために、Skyline-Dailyソフトウェア(4)(v21.1.9.353)を使用してライブラリーを生成し、それをMaxQuant(1.6.10)サーチの出力として観察し、Prosit(5)を用いて予測し、及び各々のペプチドのフラグメント区画を抽出した。
【0284】
細菌株におけるインターロイキン発現の定量化
突然変異体候補の各々の発現能力を試験するために、細胞を1mlの新鮮なHayflick培地中に収集した(例えば、細胞をフラスコに接着させて増殖させ、培地を吸引し、1mlの新鮮な培地を加えた)。細胞を固体Hayflickプレート中10μlのドット中にプレーティングし、10日間37℃、5% CO2で増殖させた。非希釈から1×10-8の希釈までの異なる希釈範囲にわたりコロニー形成単位(CFU)をカウントした。分析した各々の条件について、異なる発現されたIL-10バリアントの濃度をELISAにより定量化した。
【0285】
IL-10定量化のために、生産者の指示書に従ってELISA MAX Deluxe Set Human IL-10(Biolegend;#430604)を行った。検出範囲に入るようにこのアッセイのために最大100,000倍に上清を希釈した。各々のアッセイのための陽性対照として、商用の組換えIL-10(#200-10、Peprotech)(hIL-10r)、又は組換えIL-22(#200-22、Peprotech)をPBS中10μg ml-1で再構成し、-80℃で20μlアリコート中で貯蔵した。突然変異体の濃度を推測するために使用された商用のIL-10のパトロン曲線を多項式のグレード2にフィッティングした。ELISAによるIL-22定量化(ELISA MAX(商標) Deluxe Set Human IL-22、434504、BioLegend)又はインターフェロンラムダ(LEGEND MAX(商標) Human IL-29(IFN-λ1)ELISA Kit、Biolegend)のために同じ手順に従った。IL-22 ELISAキットを使用して(以下に記載される)フォールディカイン-22分子のSCIL10IL22キメラを定量化した。
【0286】
血液単球の単離
4人の健常ドナーからの血液試料は、Spanish Ministry of Science and Technologyにより承認された契約番号160002の下で、Banc de Sang i Teixits(Barcelona、Spain)により提供された。書面によるインフォームドコンセントが試料収集前にドナーから得られた。
【0287】
生産者の指示書に従って、Leucosep(登録商標)チューブを使用してバフィコートから末梢血単核細胞(PMBC)を単離した。簡潔に述べれば、10mLの血液試料を1:5の比でリン酸緩衝食塩水溶液(PBS)を用いて希釈し、Leucosep(登録商標)チューブに注ぎ、15分間800gで室温で遠心分離した。パスツールピペットを使用してPMBCを収集し、PBSで2回洗浄し、そして3ml PBSで再懸濁した。単球をCD14+磁気的標識化により単離し、以前に記載されたようにマクロファージに分化させた54。簡潔に述べれば、生産者の指示書に従って、CD14マイクロビーズ陽性選択及びMACS分離カラム(Miltenyi Biotec)を使用して細胞を精製した。
【0288】
単球由来マクロファージを分化させるために、単球を6ウェルプレート(Thermo Scientific)中のガラスカバースリップ(VWR international)に、温RPMI 1640培地(GIBCO)中37℃で1時間1.5×106細胞/ウェルで接着させた。培地を次に、20ng ml-1の10%ウシ胎仔血清(FBS、Sigma-Aldrich)及びヒト組換えマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF、Peprotech)の最終濃度まで補充を行った。細胞を6~8日間分化させた。
【0289】
HEK-blue(商標)細胞の培養
SEAPレポーター構築物を有するHEK-blue(商標) IL-10、IL-22、IFN-ラムダ細胞株はInvivoGen(InvivoGen、San Diego、CA、USA)から購入した。10% FBS、2mM L-グルタミンを補充したDMEM(Lonza、BE12-604F)中で細胞を増殖させた。HEK-IL-10細胞に100μg ml-1 normocin及び選択抗生物質を補充した。HEK-blue IL-22及びHEK-blue-IFN-ラムダ細胞にブラストサイジン、ピューロマイシン、Zeocin(商標)を補充した。生産者の推奨に従って、70%のコンフルエンスに達したときに細胞を継代した。
【0290】
HEK-blue(商標)細胞における操作された候補の活性の試験
ELISAによる上清定量化(方法を参照)後に、異なる上清の200μlのアリコートを-80℃で貯蔵した。試料を希釈するために新鮮なHayflick培地を使用して、以下の濃度(30、15、7.5、3.75、1.88、0.94、0.47、及び0.23ng ml-1)の異なる500μlの「候補アリコート」を各々の突然変異体候補のため及びまた組換えタンパク質のために調製した。必要とされる上清の体積はELISA定量化により決定し、20μl補充液中で上記される濃度に達するための新鮮なHayflick培地に従って体積を調整した。
【0291】
並行して、HEK-blue(商標) IL-10、IL-22又はIFN-ラムダ細胞懸濁液を、10% FBS、2mM L-グルタミンを補充した予め温めたDMEM(抗生物質なし)中で280,000細胞 ml-1で調製した。その後、ウェル当たり180μlを96ウェルプレート(Nunc Microwell、ThermoFisher Scientific、#167008)中に播種した。ここから、Hayflick培地中で調製された固定された濃度の20μlの各々の「候補アリコート」又は組換えタンパク質を加え、細胞を24時間37℃及び5% CO2で保った(誘導されたHEK細胞)。24時間後に、180μlのQUANTI-Blue Solution(Alkaline phosphatase detection medium、#repqbs、InvivoGen)を20μlの誘導されたHEK細胞と新規の96ウェルプレート中で混合した。細胞を次に60分37℃でインキュベートし、吸光度(630nm)を分光光度計Tecan i-control、2.0.10.0において測定した。
【0292】
ModelXソフトウェアを使用した単鎖(SC)分子の生成
X線IL-10二量体構造(PDB:1y6k、2ilk)をリワイアリングすることにより、提案されるSC-IL10バリアントを生成した。新規の接続性は、ModelXツールスイートの補助と共に知的に設計した。ModelX Bridgingコマンド(Cross-Linkingモード)を使用し;それは、特製のタンパク質断片ライブラリー(PepXDB_5k)からの全ての幾何学的に適合性の断片と、アンカーとして選択された残基のペアを接続する。Bridgingコマンドは、ユーザーが異なるペプチド長さを選択することを可能とし;出力は、ラマチャンドランプロットにおける禁じられたファイ及びプサイ二面角を有するリンカー/接続が廃棄されるブリッジ化モデル(bridged models)のアンサンブルである。
【0293】
ペプチドがアンカー間の数値的位置よりも長い場合、Bridgingは、更なるモデリングステップにおいてFoldXによって認識されない残基(res)コードで余剰残基を再番号付けする。この理由のため、SC-IL10設計は、二量体中の単量体タンパク質残基の数値的再編成を要求して、接続されるべき領域間の数値的18アミノ酸長ギャップを可能とした。これは、アンカリング残基が数値的ギャップに隣接する極端な場合のために非常に重要である。その状況をカバーするために、再番号付けを行って、接続されるべき領域周辺に18の数値的位置のギャップを作出し、これは、残基コードを使用することなく6~20残基の範囲に及ぶ長さ断片を許容するために充分であった。18~20の差異は、アンカリング点が、アルゴリズムがブリッジを位置付けるために要求されるということであるが、それらは、見出されるペプチドの末端残基で置換される。Bridgingはまた、アンカー間の全ての縁部残基をペプチドからの残基で置き換える。明確性のために、Bridgingを使用する前に生成される鋳型を「ソーイングパターン」(sewing patterns)又は「融合」パターンと称する(例えば
図3~7、
図12及び
図25~28)。数値的ギャップは空間的ギャップではないので、Bridgingはまた、より小さいペプチド断片を許容して、非連続的な番号付けを作出することができる。
【0294】
ソーイング/融合パターンが一旦作出されたら、接合されるべき領域の側部周辺のオーバーラップするスライドするウィンドウにおけるアンカリング点の網羅的な組合せを用いてBridgingアルゴリズムを通じてモデルを実行することにより大規模リンカースクリーニングを行った。あらゆるウィンドウを異なるペプチド長さ(6~20aa)のために照会した。ブリッジ化モデルは、FoldX30のRepairPDBコマンドを使用して修復された側鎖であり、結果的なモデルをグローバルエネルギーによりランク付けした(FoldX Stabilityコマンド)。
【0295】
MutSC1の生成はいくつかのステップにおいて達成された:残基12’~17’(単量体2の残基及び原子は’により描写されることが留意される)を欠失させたが、これは、それらはC’末端から離れるように向いており、x線結晶構造において受容体R1と接触していないためであり;及び残基18’~156’を169~307として再番号付けし、単鎖分子を作出するために第1の単量体配列と接合して、ソーイング/融合パターン1を作出した。最良のアンカリング点として、本発明者らは残基147(Ile)及び169(Asn)を選択し、これらを本発明者らは次に、PDB 2wyuからの17アミノ酸断片(残基73~89)を使用して接続した。選択されたブリッジセグメントの2wyuにおける元々の配列はLDALFAGVKEA-FGGLD-Y(配列番号340)であった。残基LDALFAGVKEA(配列番号341)及び最後のYは、野生型IL-10構造と構造的に重なり合った。したがって、本発明者らは、新規の残基がタンパク質安定性を向上させることが予想された場合を除いて、これらの突然変異の全てを元々のIL-10配列に戻すことに決めた。この場合、安定性はAsn169からTyrへの突然変異により向上されることが予想されたので、この突然変異を維持した。
【0296】
動態データの値の推測
細菌細胞培養上清をHayflick培地中で希釈してIL-10、IL-22、IFN-ラムダ又はSCIL10IL22濃度を調整し、HEK-blue(商標)について記載したダイナミックレンジ(方法を参照)を包含する0.0243ng ml-1~30ng ml-1の範囲をカバーするようにした。各々のIL-10バリアントについてのモル濃度を算出するために、(Josephson et al., 2001)において記載される合成単量体であり、そのため18KDaの分子量を有するMutMの例外と共に、全てのIL-10バリアント(IL-10 ORFを含む)は36KDaの分子量を有することを想定した。
【0297】
フォールディカイン-22バリアントについても分子量は36KDaであるが、2つの活性ドメインが考慮される。SCIL10IL22について、分子量は36KDaであるが、各々のインターロイキンについて1つの活性部位が考慮される。異なるインターロイキン試験濃度に起因する630nmでの吸光度における変化を、以下の等式を使用して飽和結合モデルにフィッティングした:
Y=B Max×Xh/(KDh+Xh);
【0298】
この等式において、KDは見かけの解離定数であり(細胞当たりの活性受容体の数は未知であるため)、hはヒル勾配であり、B Maxは飽和シグナルである。この等式は特異的結合のみを想定し;全ての非特異的シグナルをサブトラクションした。飽和シグナルに達しない場合、B Maxは各々の実験のために然るべく設定された。
【0299】
各々の条件のための2つの技術的複製物を伴う、少なくとも3つの生物学的複製物(及び最大6つの生物学的複製物)を使用した。飽和に達しない条件において、KDパラメーターを概算するためにBmaxを固定した。異なる実験を独立的に分析し、GraphPad Prism 9ソフトウェア、Excel又はKaleidagraphを使用してフィッティングした。
【0300】
IL-10発現CV8及びWT M.ニューモニエ細胞の特徴付け
IL-10発現WT及びCV8細胞のために、50μlのストック接種物を、5mlの新鮮なHayflickを含有する25cm2組織フラスコ(Corning)に加え、48時間増殖させた。培養培地を次に収集し、10,000rpmで10分遠心分離し、上清を更なる定量化のために-80℃で貯蔵した。1ml PBS中で剥がし取ることにより細胞を収集し、5分間10,000rpm、4℃で遠心分離し;ペレットを1ml PBS中に再懸濁し、5分間10,000rpm、4℃で遠心分離し、上清を廃棄した。そして、ペレットを200μlの溶解緩衝液(4% SDS、0.1M HEPES)中で脱凝集させた。生産者のプロトコールに従ってPierce BCA Protein Assayキット(23227、Thermo Fisher)を使用してタンパク質溶解液を定量化した。並行して、以前に記載したようにELISAにより上清中のIL-10バリアントのレベルを定量化した。分泌能を株の各々についてバイオマス(全培養物のタンパク質含有量)に対して正規化した。2つの生物学的複製物及び2つの技術的複製物を各々のアッセイのために実行した。
【0301】
マウス実験/In vivo実験
6~8週齢のC57Bl/6雌又は雄マウス(18~20g)をCharles River Laboratories(France)から購入し、PRBB動物施設において病原体フリー条件下で飼育した(登録番号B9900073)。動物の取扱い及び手順は、現行の欧州(Directive 86/609/EEC)及び国家(Real Decreto 53/2013)の法律の他に、FELASA及びARRIVEガイドラインに従い、Barcelona Biomedical Research Park(PRBB)のAnimal Experimentation Ethic Committee(Comite de Etica、Experimentacion Animal y Bioseguridad)の承認及び当地政府の認可を得た。
【0302】
マウスにおけるM.ニューモニエ肺感染症
25ml Hayflick液体培地を含むT75cm2フラスコ中37℃、5% CO2でM.ニューモニエWT及びCV8株を培養した。3~4日のインキュベーション後(培地の色が変化した時)に、上清を除去し、細菌培養物を3回洗浄し、剥がし取り、10ml無菌PBS中に収集した。約0.5~1×108CFU ml-1(約0.5~1×107CFU/マウス)を含有する100μl(のWT又はCV8)の細菌懸濁液を、イソフルラン2%(ISOFLO、Covegan)で以前に麻酔したマウスにおける気管内(IT)感染症のために使用した。接種の2又は4日後(2又は4dpi)に、動物を頸部脱臼により屠殺し、肺を除去し、処理した。左肺を計量し、以前55に記載されたように細菌負荷定量化のために無菌の個々のバッグ(Stomacher80、Seward Medical)中のPBS中で1:10(wt/vol)でホモジナイズした(検出限界=0.7~0.9Log10CFU/肺)。(i)組織病理学的分析のために右肺に50μlの10%メタノール安定化ホルマリン(Panreac)を吹き込み(下大動脈葉);及び(ii)RNA抽出のために右肺をN2中で凍結し、使用まで-80℃で貯蔵した(下葉)。対照動物に100μlの媒体溶液を接種し、並行して処理した。感染は株当たり少なくとも5匹のマウス(n≧5)の群において行った。
【0303】
C57Bl/6マウスモデルにおけるP.エルギノーサPAO1の急性肺感染症
P.エルギノーサPAO1株を37℃、5% CO
2で14~16時間、TSB寒天プレート中37℃で増殖させた(#BD211825、Fisher Scientific)。細菌をPBS中に収集し、懸濁液を600nmの光学密度(OD
600)=0.5に対して正規化した。用量-応答アッセイのために、約1×10
5又は1×10
6CFU ml
-1(それぞれ約1×10
4又は約1×10
5CFU/マウス)を含有する100μlをIT感染のために使用した。接種の24又は48時間後(24又は48hpi)に、上記される方法に従って肺を処理した。対照動物に100μlの媒体溶液(PBS)を接種し、並行して処理した。感染は株当たり少なくとも5匹のマウス(n≧5)の群において行った。この研究において本発明者らはシュードモナス・エルギノーサ肺感染症モデルを準備した。最適な条件を決定するために、本発明者らは用量-応答実験を行い、該実験において肺細菌負担及び炎症マーカーの遺伝子発現を感染の24及び48時間後(24及び48hpi)に評価した(
図17)。回収された細菌負荷は48hpi時よりも24hpi時に高く、経時的な細菌クリアランスを立証した(
図17A)。追加的に、10
5CFUで感染させた肺は、分析された両方の時点において、10
4CFUで感染させた肺よりも高い細菌負担を示した(
図17A)。炎症反応は24hpi時に主に局在化していた(
図17B)。10
5CFUで感染させた肺は、非感染(PBS)又は10
4CFU感染群と比較して、tnf-a、kc、mip-1a、mcp-1及びil-1bの発現において有意な増加を示した(全てp<0.05)。
【0304】
in vivoでのhIL-10を発現するCV8の免疫調節効果
hIL-10をコードするマイコプラズマ株の免疫調節効果を評価するために、約2×10
6CFU ml
-1(約1×10
5CFU/マウス)を含有する50μlのP.エルギノーサPAO1細菌溶液をC57Bl/6マウスに気管内(IT)感染させ;2時間後に、上記される手順に従って、約2×10
8CFU ml
-1(約1×10
7CFU/マウス)を含有する50μlのマイコプラズマ株をマウスにIT感染させた(
図19A)。対照動物を並行して処理し、(i)2μgのヒトIL-10組換えタンパク質(hIL-10r)(#200-10、Peprotech)、又は(ii)無菌PBS(媒体溶液)で処理した。24時間のPAO1感染後に、動物を屠殺し、上記される実験のために肺を無菌的に除去した。
【0305】
全肺RNA抽出及びリアルタイム定量PCR(RT-qPCR)分析
-80℃で貯蔵していた右肺をUltra-Turrax(IKA)を使用してホモジナイズし、生産者の指示書に従ってRNeasy(登録商標) Mini Kit(Qiagen)を使用してトータルRNAを単離した。Nanodrop One(Thermo-Scientific)を使用してRNA濃度を分光光度的に測定し、試料RNA完全性を1%アガロースゲル電気泳動により確認した。1.8~2.1の260nm/280nmでの吸光度測定値の比を有するRNA試料を使用した。
【0306】
SuperScript II Reverse Transcriptase試薬(Invitrogen)を使用してトータルRNA(1μg)から全肺細胞からの相補的DNA(cDNA)を合成した。SYBR Premix Ex Taq II(Tli RNaseH Plus)(Takara)を使用することによりPCR増幅を行い、AriaMx Real-Time PCR System(Agilent Technologies)で蛍光を分析した。gapdH、tnf-a、kc、mip-1a、mcp-1、inf-y、il-1b及びnf-kb2検出のためのプライマーペアを示している(表4)。2-ΔΔCt法を使用して、内因性対照としてgapdHを使用して各々の実験条件におけるmRNAの相対的な存在量を決定し、以下のようにPBS群において得られた値に対して正規化した:ΔCt=分析された遺伝子の平均Ct - gapdHの平均Ct;ΔΔCt=処置群のΔCt - PBS群のΔCt;mRNA発現における倍数変化=2-ΔΔCt。
【0307】
肺試料の組織学的及び免疫組織化学(IHC)分析
検死後に、下大動脈葉をホルマリン(Panreac)中に固定し、トリミングし、エタノール系列及びキシレン中で自動的に処理した(Leica TP1020 Tissue Processor)。その後、組織をパラフィン中に包埋し(Tec2900 Histo-Line Workstation)、4μmに切片化し(Leica RM2235 Microtome)、標準的な手順に従ってヘマトキシリン及びエオシン(H&E)により染色した(Leica Autostainer XL)。
【0308】
調製物をガラススライド上に手動でマウントし、光顕微鏡法により調べた。訓練された獣医学病理医により組織を評価した(Histopathology Facility Manager of Institute for Research in Biomedicine-IRB Barcelona)。肺胞細胞浸潤物及び血管周囲-気管支周囲/細気管支周囲浸潤物を組織病理学的パラメーターとして使用し、定量的なスコアを確立し(0~5:0、なし;1、最小;2、軽度;3、中等度;4、重度;5、非常に重度);各々の試料の最終スコアを両方のパラメーターの和により得た。IHCのために、Leica Bond RXを使用してマクロファージのマーカーとしてのウサギモノクローナル抗F4/80(D2S9R)XP(#70076S、Cell signalling)56、又は好中球のマーカーとしてのウサギポリクローナル抗好中球エラスターゼ(#Ab68672、Abcam)57でパラフィン包埋組織切片を染色した。染色の特異性をウサギIgGアイソタイプ対照(#Ab27478、Abcam)での染色により確認した。20倍対物レンズを備えたNanoZoomer-2.0 HT C9600デジタルスキャナー(Hamamatsu)で明視野画像を取得した。画像制御パネルにおいて1.8に設定されたガンマ補正を使用して、NDP.view 2 U123888-01ソフトウェア(Hamamatsu, Photonics、France)を用いて全ての画像を可視化した。画像分析から得られた出力結果を陽性細胞%[%=100×(陽性細胞/陽性細胞+陰性細胞)]として表した。
【0309】
統計分析
全ての場合において、統計的有意性はp<0.05に設定した。分析は、Prismソフトウェア(GraphPad Software)統計パッケージを使用して行い、各々の図の説明文中に詳述される。
【0310】
材料
以下のセクションにおいて試験及び記載されるIL-10バリアントのリスト:
・hIL-10r(商用のIL-10タンパク質、天然のスワップドドメイン二量体である)
・WT-IL10/IL-10 ORF(細菌、例えばマイコプラズマにより発現及び分泌されるwtスワップドドメイン二量体IL-10)
・wtスワップドドメイン二量体IL-10上のMut1からMut3への点突然変異
・操作されたペプチドリンカーがスワップ済み二量体の2つの分子のN及びC末端を2つの3Dドメインのうちの1つにおいて共有結合的に接合している単鎖二量体IL-10である、MutSC1 フォールディカイン_10
・MutSC1と同じであるが、フォールディカイン配列の各々の半分においてMut3の点突然変異を有する、MutSC2(ポリペプチドの第2の半分における残基18での突然変異の例外を伴う)
・別のグループにより以前(Josephson et al.、19)に報告されたIL10の単量体バージョンである、MutM
・MutSC1_linkercontrol19は、操作された分子の機能的活性におけるリンカー組成の影響力を評価するためにMutSC1の操作されたペプチドリンカーが同じ長さ(5aa)のポリGlyリンカーにより置き換えられているフォールディカインである。
・MutSC1_controlcenter21は、新規N及びC末端が2つのフォールディカインドメインをブリッジするリンカーのうちの1つにおける切断(位置Asn166)により生成されたMutSC1に基づく対照構築物である。単鎖を保つために、MutSC1のフォールディカインドメインのうちの1つにおいて元々のN及びC末端をブリッジするために使用されるリンカー配列を使用して元々のスワップドドメイン構造中に存在する2つの元々のN及びC末端をブリッジした。この構築物は、3Dドメインのペアが2つではなく1つのリンカー配列のみによりブリッジされるようにMutSC1 フォールディカインの2つの中央リンカーのうちの1つのみを有することの影響力を評価するために使用される。
・MutIL10_polyglyは、報告されたように、1つのIL-10単量体配列のN末端が13残基ポリGlyリンカーで他のIL-10単量体配列のC末端に連結されている二量体IL-10の単鎖バージョンを表す(Minshawi et al., 2020;https://doi.org/10.3389/fimmu.2020.01794)。
【0311】
M.ニューモニエはジスルフィドブリッジを有する機能的なIL-10二量体を分泌する
本発明者らは最初に、M.ニューモニエが複雑な分子、例えば2つのジスルフィドブリッジを有するヒトIL-10スワップ済み二量体を活発に発現できるかどうかを試験した。このために、本発明者らは、M.ニューモニエについて以前58に記載されたmpn142分泌シグナルに融合されたヒトIL-10をクローニングした。
【0312】
本発明者らはELISAにより、M.ニューモニエWT株は、48時間の培養後に、約2fg/細胞の濃度で、上清中にIL-10を発現したことを示した(1×109細胞の培養物からの2μgと同等;表5)。本発明者らは質量分析(MS)により、両方のジスルフィドブリッジが、発現されたhIL-10中に生成されたことを確認し(表2)、二量体が正確にフォールディングしたことが指し示された。本発明者らは次に、一次血液、4人の独立した健常な血液ドナーから単離されたCD14+単球を使用して、(i)ヒト一次マクロファージ抗炎症反応活性化プログラムをモジュレートし、及び(ii)STAT3のTyr705のリン酸化により活性化される35能力について、産生されたIL-10の機能性を試験した(方法)。
【0313】
野生型(WT)IL-10を発現するM.ニューモニエを2日間増殖させ、上清を約100万個の循環性単球を含有する細胞培養物に加えた(1:5の比)。陽性対照として、ヒトIL-10組換えタンパク質(hIL-10r)を20ng ml
-1の濃度で加えた。予想されたように、単球の商用hIL-10r処理は、処理されていない細胞と比較して、抗炎症マーカー(即ち、CD16、CD163及びMerTK)の発現を増強し、並びに不可欠な炎症促進性受容体(即ち、CD86及びMHC2)(
図9A)
36,37の発現を減少させた。顕著なことに、M.ニューモニエにより産生されたIL-10(WT_IL-10 ORF)を使用した結果は、hIL-10rを使用した場合と同等であった(
図9B)。ウエスタンブロットにより、本発明者らは、IL-10又はhIL-10rを発現するM.ニューモニエの上清への新たに単離された単球の24時間の曝露後にSTAT3中のTyr705のリン酸化を観察した(
図9C)。合わせると、これらの結果は、M.ニューモニエは機能的なヒトIL-10を発現できることを実証した。
【0314】
真核細胞におけるMutSC2の発現及び真核細胞からのMutSC2の分泌
真核細胞におけるMutSC2の発現のために、Expi293F(商標)細胞を選択した。
【0315】
Expi293F(商標)細胞は、293F細胞株に由来するヒト細胞である。それらは、懸濁培養において維持され、Expi293(商標)発現培地中で高密度まで増殖される。Expi293F(商標)細胞は、高度にトランスフェクション可能であり、一過性のタンパク質発現において標準的な293細胞株と比較して優れたタンパク質収率を生成する。
【0316】
発現のために、精製されたDNA及びポリエチレンイミン(PEI)を用いてExpi293Fヒト細胞(Thermo Fisher Scientific)へのトランスフェクションを行った。
【0317】
分泌されたMutSC2タンパク質を同定するために、細胞をトランスフェクションの3日後に採取し、MutSC2含有上清を13,000rpmで15分間の遠心分離により収集した。MutSC2タンパク質を自動化された高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC;Akta avant)においてHitrap-Niカラム中で精製し、10kDa Amicon遠心フィルターユニット(EMD Millipore)を通じて濃縮し、リン酸緩衝食塩水(PBS)中に再懸濁し、-80℃で貯蔵した。
【0318】
大腸菌(Escherichia coli)におけるMutSC1の発現及び大腸菌からのMutSC1の分泌
それぞれIL-10 WT、MutSC1、又はMutSC1-hisタグをコードする3つのpCoofyベクターバリアント(KanR)を用いて大腸菌BL21を形質転換した。各々のベクターバリアントで形質転換された1つのコロニーを摘み取り、カナマイシンを補充したLB中37℃で終夜増殖させた。培養密度が約0.5ODに達したら、培養物を室温まで冷却した。
【0319】
培養物から、1mlをLBプレート中でのCFUカウンティングのために使用し;4mlの培養物を0.5mMのIPTGで誘導し、終夜20℃でインキュベートした。培養物を次に3,500gで20分間遠心分離し、上清をELISA定量化のために収集した。細胞ペレットを300μlのM-PERタンパク質抽出試薬(Thermo Scientific)で再懸濁した。human deluxe IL-10 ELISA kit(Biolegend)を使用してIL-10定量化を行い、HEK-Blue10レポーター細胞(InvivoGen)を使用してIL-10バリアントの機能性をチェックした。
【0320】
ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)におけるMutSC1の発現及びラクトコッカス・ラクチスからのMutSC1の分泌
ラクトコッカス・ラクチスの株(NZ9000 - pepN::nisRK;)及び形質転換ベクター(pNZ8124)はMobiTec(Germany)から購入した。生産者により指し示されるように細胞を増殖させた。
【0321】
エレクトロポレーションのために、IL-10 WT又はMutSC1をコードするPNZ8124ベクター200ngで40μlの細胞を形質転換した。エレクトロポレーションの設定は、Biorad Genepulserにおいて2,000V、25μF、200Ωに設定した。次に、1mlのG/L-M17B + 20mM MgCl2 + 2mM CaCl2を加えた。キュベットを5分間氷上に保ち、1~1.5時間30℃でインキュベートし、100μlの培養物を2日間、グルコース及び10ng/mlクロラムフェニコールを含むM17寒天上にプレーティングした。
【0322】
異なるタンパク質の発現のために、5mlの培養物を終夜30℃で増殖させ、培養物のODを0.4に調整した。1ng/mlナイシン(ストック:0.05%酢酸中の1mg/mlナイシン、Thermo Fisher)で9mlの培養物の誘導を行い、3時間インキュベートした。細胞を遠心分離により収集し、上清中の発現されたサイトカイン/フォールディカインをELISAにより直接的に定量化した。細胞ペレットを300μlのM-PER抽出試薬(Thermo Scientific)で溶解させた。細胞の段階希釈液を細菌増殖培地プレート上にCFUカウントのためにプレーティングした。
【0323】
受容体親和性の増加のためのIL-10の操作
他の細菌と比較したM.ニューモニエにおけるより低いタンパク質製造能力という潜在的な問題22の制限を克服するために、及び患者に投与されるM.ニューモニエの数を有益に減少できるようにするために、本発明者らは、それぞれ高及び低親和性受容体R1及びR2に対する増加した結合親和性を有するIL-10における突然変異を設計することを提案した。R1に対する増加した親和性を有するIL-10バージョンを生成するために、本発明者らは、良好な結晶分解能を有するR1との複合体中で結晶化されたhIL-10のx線結晶構造(PDB 1y6k;2.5Å)を研究した。
【0324】
本発明者らは次に、全てのR1接触IL-10アミノ酸を他の19個の天然アミノ酸の各々に個々に突然変異させるPositionScan FoldXコマンドを使用して複合体インターフェース残基のin silico突然変異誘発スキャニングを行った
31。異なる種にわたる配列保存に関するこの分析に基づいて(
図15)、本発明者らは、突然変異され、及びFoldXソフトウェアプログラムを使用してモデル化された場合に、タンパク質安定性を劣化させることなくR1に対する結合を向上させた(表6)保存されていない残基のセット(例えば表1を参照)を同定した。選択された突然変異を使用して、本発明者らは、IL-10の31位がSerからそれぞれLys又はArgに変化された2つの複数の突然変異体(Mut1(配列番号6)及びMut2(配列番号7)をモデル化した(
図10)。本発明者らは、IL-10アポ形態(PDB 2ilk;1.6Å)又はより低い分解能でのR1とのIL-10ホロ形態(PDB 1j7v、2.9Å)の他の構造においてそれらをモデル化することにより突然変異が使用された構造から独立していることを更にチェックした(表6)。
【0325】
この研究の開始時に、R2に結合したIL-10について利用可能な構造はなかった。したがって、本発明者らは、IL-10とR2との間の相互作用の親和性を潜在的に増強することが以前に報告されているIL-10の追加の突然変異(例えば、N18I、N92I及びK99N)
9とMut2突然変異を組み合わせて、Mut3(配列番号8)を得た。ここで使用された全てのIL-10構造においてこれらの3つの突然変異をモデル化した場合、本発明者らは、それらはIL-10の安定性を減少させることを見出した(表6)。かなり最近になって、IL-10とR1/R2との間の複合体の低分解能構造(6×93;3.5Å)が利用可能となった
10。これらの突然変異をモデル化するためにこの構造を使用して、本発明者らは、IL-10の安定性における増加及びR2に対する予測される結合エネルギーにおける増加を実際に観察した(表6)。この増加は、R2と相互作用するIL-10領域における局所的なコンホメーション変化により説明され得る(
図16)。
【0326】
そして、本発明者らは、突然変異体Mut1~3及びMutM(IL-10の以前に記載された単量体形態
25)(表1)を生成し;これらをM.ニューモニエにクローニングした(突然変異位置及び構造における相互作用の概要について
図10を参照)。
【0327】
設計された複数の突然変異体についての見かけのKD値の測定
異なるIL-10バリアントの相対的な親和性を評価するために、本発明者らは、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーターを含有するレポーター細胞株(HEK-blue(商標))を使用し、SEAPレポーターは、IL-10がR1及びR2に結合した場合に、JAK1/STAT3媒介性応答をトリガーして、630nmでの吸光度により測定され得るSEAP発現を結果としてもたらす。飽和前のシグナルの強度はSTAT3の活性化に比例しており、動態モデル38は、見かけのKD値を得るためにデータにフィッティングされ得る(方法を参照)。
【0328】
突然変異体Mut1及びMut2(R1により良好に結合するように設計されている)は、類似した見かけのK
D値(それぞれ1.45e-
10M及び6.45e-
11M)を有したが、IL-10 ORF(1.98e-
10M)よりも良好であり、それぞれ1.4倍及び3.0倍の増強を呈した。Mut2に基づき、及びR2結合を助長する突然変異を組み込んだMut3は、8倍のIL-10-ORFと比較したK
D(2.61e-
11M)における見かけの増加を結果としてもたらした(
図11A)。本発明者らは、以前に記載されたように
25、単量体IL-10(MutM)の見かけのK
DはIL-10 ORFの場合よりも低いことを確認した(
図11A及び表7)。最良の突然変異体(Mut3)及びIL-10 ORFの発現レベルは類似していた(
図11B)。
【0329】
単鎖IL-10の合理的な設計
最も高い可能な量/割合のIL-10活性形態を得るために、本発明者らは、分解、ミスフォールディング、及び/又は大規模な多量体化に起因する発現されたタンパク質の潜在的な隔離を最小化する必要があった(27)。これを達成するために、1つの単量体のN末端領域をスワップ済み二量体(MutSC1)中の他の単量体のC末端領域に連結した(
図12A)。アンカリング点としてAsn18及びLys157を使用したModelX Bridgingサーチ(方法)後に、本発明者らは、側鎖修復された541個のモデルを得;FoldXv5(30)を使用してエネルギーによりこれらをランク付けした。最良のリンカー配列はN157-FGGLD-Y18(配列番号316)であることが次に決定され、これは、Asn18がTyrにより、及びLys157がAsnにより置き換えられており、並びにFGGLD配列(配列番号342)が挿入されたものであった。このリンカーを導入することにより、本発明者らは、結晶構造中の2つの単量体のうちの1つにおいてN末端残基(残基12~17;CTHFPG)を欠失させた。その後、本発明者らは、R1に対する結合を向上させるためにN157の後のPhe残基をAsnに突然変異させ(これは、挿入される配列としてのNGGLDを結果としてもたらす;
図12A)(配列番号318);これは、SC分子の全体的な安定性の他に、R1に対するその結合を向上させた(表6)。本発明者らは次に、配列を再番号付けした。Cys12を含有する単量体のうちの1つのN末端配列が欠失された(それは、元々のIL-10 ORF配列(新規の残基259が欠失されている)においてCys108とジスルフィドブリッジを形成する)ので、本発明者らは、Cys108をAsnに突然変異させて、潜在的な偽性ジスルフィドブリッジの形成を予防した。Cys12及びCys108は、スワップ済み二量体の他の単量体と構造的に同等のままであった。Mut3突然変異をMutSC1にグラフトすることによりMutSC2を設計した(
図12B)。
【0330】
結果的なポリペプチドは、単鎖分子の全体的な安定性の他に、R1に対するその結合の向上を呈した(表6)。これはMutSC1を結果としてもたらした(表1)。Mut3突然変異をMutSC1にグラフトすることによりMutSC2を設計した(
図12B)。
【0331】
in vitroでの操作されたIL-10突然変異体の特徴付け
かなり重要なことに、MutSC2は、スワップ済み二量体中の最良の複数の突然変異体(Mut3)よりも良好な見かけのK
Dを有した。MutSC1及びMutSC2の活性におけるリンカー配列の重要性を決定するために、本発明者らは、リンカー配列N-NGGLD-YをポリGlyリンカー配列N-GGGGG-Yで置き換えた(MutSC1_controlGly)。新規の対照突然変異体MutSC1_controlGlyは、活性における非常に顕著な減少を有し、短いリンカーが、特定の配列(
図11C)、及び潜在的に、特に有益な構造的コンホメーションを作出する配列、例えば、フォールディングした二量体構造にコンホメーション安定性を付与し得る配列を有することが重要であることを指し示した。
【0332】
MutSC1及びMutSC2の見かけのK
Dにおけるこの向上が、アッセイにおいて使用された細胞タイプに特異的であったかどうかに取り組むために、本発明者らは、2つの異なる免疫細胞株:ヒト単球細胞株、THP1、及びマウスB細胞株、HAFTLにおいてその活性化を介するIL-10シグナル伝達(ウエスタンブロットにより示される)を評価した。両方の場合において、IL-10 ORF、MutSC1、及びMutSC2の類似したモル濃度を使用した場合、WT IL-10 ORFと比較して2つのSC突然変異体について有意により高い活性化が観察された(
図11D)。
【0333】
見かけのK
Dの定量的な概算を得るために、本発明者らは、マウスHAFTL及びヒトBLaER1(B細胞前駆体白血病細胞株)を使用して、2つの異なる細胞株におけるFACSによりリガンド刺激でのSTAT3リン酸化を評価した。IL-10 ORFと比較して、MutSC1及びMutSC2突然変異体の両方は、p-STAT3の活性化において有意に優れていた(
図11E及びF)。以上を合わせると、操作された突然変異体MutSC1及びMutSC2は、ヒト及びマウス起源の異なる細胞タイプにおいて親和性及び最大活性の増強を結果としてもたらした。HEKblue細胞の場合と同様に、MutSC2はMutSC1よりも約2倍良好であった。
【0334】
全体として、これらの結果は、マイコプラズマにより産生されるIL-10スワップ済みホモ二量体はアンフォールディングした単量体及び活性二量体形態の混合物であるという概念をサポートした。そのため、スワップ済み二量体を単鎖分子に変換すること(例えば
図3)は、分泌されるタンパク質だけでなく、(より重要なことに)分泌される活性タンパク質の細菌中の量を増加させるための有効な戦略である。
【0335】
in vivoでのCV8シャーシ株の特徴付け
M.ニューモニエは、マウスの肺において炎症反応を誘導することが示されている17,39。この応答を調べるために、本発明者らは、ヌクレアーゼMPN133(mpn13340)及びCARDS毒素(mpn372)41が欠失されており、並びにグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼGlpD(mpn051)42が、類似した代謝活性を有するがH202ではなくH20を産生する酵素であるGpsAにより置き換えられている(方法を参照)、本明細書においてシャーシCV8(欧州特許出願公開第20382207.7号明細書)として参照される、M.ニューモニエの弱毒化株を操作した。
【0336】
CV8の病原性を気管内肺感染症のマウスモデルにおいて試験した(
図13)。類似した細菌負荷が、分析した両方の時点においてWT及びCV8株について観察され(
図13A)、病原性因子の欠失はマイコプラズマ株の定着能を低下させないことを示唆した。肺炎症プロファイルをRT-qPCR(
図13B)により接種の2日後(2dpi)に分析し;顕著なことに、この時点において、本発明者らは、細菌負荷は依然として有意であるが、炎症反応のために充分な時間があることを以前に示した
58。感染されていない対照群(PBSを使用した)と比較して、WT株は、tnf-a、kc、mip-1a、mcp-1及びil-1bの発現を増加させた(全てp<0.05)(
図13B及び表8)。CV8の場合、mip-1aの発現のみがPBS対照と比較して有意に変化したが(p<0.05)、依然としてWT株におけるよりも低いレベルのままであった。
【0337】
シャーシの弱毒化を確認するために、本発明者らは肺における組織学的所見を分析した(
図13C)。WT株は、PBS対照と比較して、2及び4dpiの両方において、肺胞及び気管支周囲/細気管支周囲浸潤物の存在を促進した(両方についてp<0.05)。CV8感染肺においても、本発明者らは気管支周囲/細気管支周囲浸潤物を観察したが、分析した両方の時点においてWT株について観察されたよりも低いレベルであった(両方ともp<0.05)。これらの結果は、CV8の弱毒化された表現型と合致した。本発明者らはしたがって、CV8_IL-10 ORF、CV8_MutSC1及びCV8_MutSC2を生成してin vivoでそれらの免疫調節効果を試験した。決定的なことに、本発明者らは、WT若しくはCV8株による機能的なIL-10 ORFの産生(
図13C)においても、WT株と比較した分泌される突然変異体のいずれかの活性(
図13D)においても、有意差を観察しなかった。
【0338】
操作されたIL-10バリアントはin vivoで強力な免疫調節効果を呈する
本発明者らは、この研究において生成されたIL-10バリアントの下方調節特性を研究するためのin vivoツールとしてシュードモナス・エルギノーサPAO1感染モデルを開発及び使用した(方法を参照)(
図17)。
【0339】
CV8シャーシにより発現される操作されたIL-10突然変異体の抗炎症特性を試験するために、本発明者らは、C57Bl/6マウスに1×10
5CFUのPAO1株を感染させ、2時間後に、1×10
7CFUのマイコプラズマ株(CV8、CV8_IL-10 ORF、CV8_MutSC1又はCV8_MutSC2)を感染させた。対照マウスにはPBS(陰性対照として)又は2μgのhIL-10r(陽性対照として)を与えた(
図14A)。
【0340】
最初に、本発明者らは、PAO1及びマイコプラズマの肺細菌カウントを分析した(
図14B)。有意差は、分析した群の間で24hpiにおいて観察されず、炎症性遺伝子の発現における差異が肺において存在する細菌負荷によりバイアスされたことは除外された。
【0341】
本発明者らは次に炎症プロファイルを分析した(
図14C、
図14D)。実際に、PAO1による感染は、炎症マーカーの発現における有意な増加を結果としてもたらした。CV8株に関して、本発明者らは、単独で使用された場合の軽微な炎症反応を見ることができ(
図14C)、これはPAO1+CV8のジョイント投与を行った場合に付加的であった(
図14C、
図14D)。PAO1により感染されたマウスへの2μgのhIL10rタンパク質の投与(PAO1+hIL-10r)は、tnf-a及びmip-1aの発現を有意に低減させ(両方ともp<0.01)、mcp-1(p=0.1)、inf-y(p=0.08)及びil-1β(p=0.06)について類似した傾向を有した(
図14C、
図14D)。hIL-10r処置群について観察された結果とは対照的に、IL-10 WTをコードするCV8(CV8_IL-10 ORF)は、分析された炎症マーカーの発現を有意にモジュレートしなかった(
図14C、
図14D)。CV8_MutSC1又はCV8_MutSC2の接種は炎症マーカーの発現を低減させた(
図14C)。本発明者らがin vitroで観察したものとは対照的に、MutSC1及びMutSC2の特性はin vivoで異なり、MutSC1はより有効な候補であることが証明された(
図14C、
図14D)。CV8株により発現されるMutSC1の効果は、2μgのhIL-10rの投与と同等であるか、又はより良好でもあった。
【0342】
顕著なことに、感染した肺の組織病理学的分析において、本発明者らは、分析された組織パラメーターにおける大きな差異を観察しなかった(表9)。本発明者らは、以前に記載されたように
43、PAO1に感染した全ての群において好中球優位(predominance of neutrophils;PMN)と共に重要な細胞浸潤物を観察した(
図14E、
図14F)。本発明者らは、PAO1+PBS群と比較して、MutSC1で処置された動物の細胞浸潤物におけるPMNの数における有意な減少、及びMutSC2を用いた場合の減少(但し有意でなかった)を見出した(
図14E、
図14F)。
【0343】
要約すると、設計されたIL-10バリアントとのM.ニューモニエCV8シャーシの組合せは、in vivoで免疫調節潜在能力を示し、MutSC1は最も有望な候補であった。
【0344】
考察
異なる病理、例えば炎症性腸疾患、アレルギー性喘息、及び固形腫瘍の処置のためのヒトにおけるIL-10の全身投与は、異なる臨床試験において試験されているが、異なる問題に起因してこれらの患者の臨床アウトカムにおいて失敗している4。制限は、標的化された組織におけるIL-10の低い濃度、又はIL-10が所望される抗炎症効果を有するが全身毒性を回避するために要求される精密な組織位置を含む。
【0345】
IL-10をコードする生きたバイオ医薬品製造物を使用することは、標的化された組織においてIL-10の局所的な濃度を増加させるための有効な戦略であり得るが、これは、該使用は、その作用が完了した時に抗生物質を用いて除去することが容易な薬物工場としての極小の、自己複製性最小マシンを本質的に提供するからである。in situでのIL-10の局所送達に依拠する戦略は、臨床試験におけるある程度の予備的な有望な結果と共に、一部の細菌、例えば炎症性腸疾患(IBD)におけるL.ラクチス又はビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)について探索されている44,45。しかしながら、細菌によるヒトタンパク質の送達はまた、分泌された分子のフォールディング可能性、ジスルフィドブリッジを作る必要性及び/又は機能的なタンパク質となるために二量体(若しくはより高次のオリゴマー)を形成する必要性により妨害され得る。これは、2つのジスルフィドブリッジを有するスワップ済みホモ二量体タンパク質であるIL-10の場合に該当する。
【0346】
この研究において、本発明者らは、in vivoで細菌により発現された場合にその発現及び有効性を最適化するためにヒトIL-10を操作した。最終目的は、IL-10の抗炎症特性を保持しながら患者に投与される細菌用量を低減させることにより、起こり得る細菌病原性を減少させることであった。本発明者らの操作されたIL-10分子(「フォールディカイン」)の向上された特性を示すために、本発明者らは標的臓器として肺を選択した。この選択は、IL-10の外因性送達は異なる肺疾患を寛解させることを示す報告14,15,46に基づいて、及び、肺は、その低減されたマイクロバイオームサイズに起因して、腸よりも難しい臓器であること28を理由として、為された。
【0347】
本研究で、本発明者らは、ヒト肺細菌M.ニューモニエは、ヒトIL-10組換えタンパク質(hIL-10r)の場合と同等の活性を示す、ジスルフィドブリッジを有する機能的なIL-10を分泌できることを実証した。
【0348】
非病原性細菌によるものであったとしても肺の感染症は炎症反応をトリガーし得るため、使用される細菌は少なければ少ないほど良い。M.ニューモニエは限定されたタンパク質合成能を有するので、療法のために肺に適用される用量を減少させる1つの方法は、分泌される分子の活性を増加させることである。これは、IL-10のその受容体に対する親和性を増加させること、並びに/又はその安定性及びフォールディング可能性を向上させることにより行われ得る9,29。
【0349】
本研究で本発明者らは、知的設計、ソフトウェアアルゴリズム(ModelX、FoldX)及び(例えばMut3中に存在する設計された突然変異についての)文献からのデータの組合せの他に、in vitroで有意により良好な見かけのKDを呈し、突然変異の別々に有益なセットの組合せを含めた場合(例えばフォールディカイン MutSC2)によりいっそう良好な見かけのKDを呈した、N及びC末端を連結した単鎖突然変異体(フォールディカイン MutSC1)を使用して、複数の突然変異体サイトカイン、例えば(本明細書に記載されるような)IL-10及びIL-22バリアントを操作した。更に、MutSC1及びMutSC2 フォールディカインは、IL-10 ORF又はMut3よりも約4倍高いレベルで発現された。より高い発現及びより良好な見かけのKDを組み合わせて、MutSC2を発現するWTマイコプラズマ株は、IL-10 ORF株よりもin vitroで相対的に約60倍高い活性を有する。
【0350】
これと合致して、in vivoでIL-10 MutSC1及びMutSC2を発現するCV8株は、IL-10 ORFを発現するCV8又は2μgのhIL-10rタンパク質の投与と比較して、P.エルギノーサ感染症での炎症に対して有意な下方調節効果を示した。しかしながら、本発明者らは、MutSC2はin vitroで一部のアッセイにおいてMutSC1よりも良好な成績であることを観察したが、in vivoで反対の傾向が見られる。これは、2つの突然変異体の間の見かけのKDにおける小さい差異(約2倍)、又はより高い可能性として、本研究で操作された突然変異は、in vitroアッセイが行われたマウスR1受容体と比較して一部のIL-10相互作用位置において異なるヒトR1受容体を使用して設計されたという事実に起因し得る。
【0351】
二量体3D構造を有する単鎖分子は、細菌により分泌された場合に機能的タンパク質における増加を結果としてもたらすだけでなく、それらは、非対称分子が特異的細胞タイプ標的化のために設計されることを可能にする。これは、単一の分子の2つの相互作用表面の各々を別々に構造的に設計することにより新規の単鎖バリアントを設計する場合に考慮に入れられ得る。
【0352】
合わせると、本発明者らは、感染症の文脈において炎症反応を下方調節する肺組織における最適化されたサイトカイン(例えばIL-10)の細菌によるカーゴ送達のための生きたバイオ医薬品シャーシを生成し、それにより、in vivoでの有効なサイトカイン送達に関する以前の制約を除去し、及び臨床試験成功のための道を開いた。
【0353】
適切な配列及び構造修飾により、IL-10及びIL-22 フォールディカインについて上記で実証されたフォールディカイン概念は、本明細書の他の箇所に記載されるような多くの他のサイトカイン、例えば(A)長鎖ヘリックス型(IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM、及びCSF3)又は短鎖ヘリックス型(IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL13、IL15及びIL21、TSLP、CSF1及びCSF2)にサブクラス分けされ得るクラスIヘリックス型サイトカイン;並びに(B)IL10様サイトカイン(IL10、IL19、IL20、IL22、IL24、IL26、IL28A、IL28B、及びIL29)、I型インターフェロン(IFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)及びIFNβ(IFNB1)を含む、クラスIIサイトカインに応用可能であることが想定される。
【0354】
【0355】
【0356】
表1.この表は、本開示において生成された様々な構築物の他に、異なる構築物が実行された株を記載する。遺伝子構築物の各々について、本発明者らはアミノ酸又はヌクレオチド配列を含めた。IL-10バリアントのリストをこの研究において分析した。参照分子は、出発バックグラウンドスキャフォールドとしての操作されていないWT IL-10である。突然変異体1 (Mut1)、2 (Mut2)、及び3 (Mut3)について、列記される突然変異された残基の位置及び鎖はPDB番号付けに対応する。L鎖はIL-10を保持する。バリアントMutSC1、MutSC2は、この研究において生成された単鎖分子(「フォールディカイン」)である。MutSC2は、MutSC1に基づき、Mut3に示される点突然変異を組み込んでいる。その位置の突然変異が、単一の分子を作製するために操作されたループと適合性でなかった18位を除いて、2つの同一のドメインがマージされているため、MutSC2中の突然変異は重複している。
【0357】
【0358】
【0359】
表2A及び2B.選択されたマイコプラズマ株(ジスルフィドブリッジの同定のためのM.ニューモニエWTにより発現されるWT IL-10及びMutSC2)の上清のプロテオミクス分析。3つの異なる消化手順を使用したプロテオミクス施設において従われたプロトコールの詳細は方法セクションに記載されている: 表2A - スルフィドWT IL-10、及び表2B - スルフィドMutSC2。それらの各々において、本発明者らは、消化後に見出された異なるペプチド及び見出された場合にそれらの可能な化学修飾を示した。カルバミドメチルの存在は、ペプチドシステインがジスルフィドブリッジの部分であることを含意する。表2A中のペプチド配列は上から下へそれぞれ配列番号19~28であり;表2B中のペプチド配列は上から下へ配列番号27、27、28、28、20、21、29~32、及び22である。角括弧中に指し示されるアミノ酸残基はペプチド配列の部分を形成する。LysCプロテアーゼで消化されたLysC。キモトリプシンで消化されたChym。GluCプロテアーゼで消化されたGluC。トリプシンで消化されたTryp。2つの名称が一緒に現れる場合、それは両方のプロテアーゼが使用されたことを意味する。同等のプロテオミクス分析をスルフィドMutSC1のために行ったところ、潜在的なジスルフィドブリッジシステイン残基が位置Cys12及びCys62において同定された(データ示さず)。
【0360】
【0361】
表3.この研究において使用された抗体のリスト。それらの各々について、本発明者らはクローンの説明及び供給業者を含めている。
【0362】
【0363】
表4.この研究において使用されたプライマーのリスト。それらの各々について、本発明者らは、方向性、配列、ソース参考文献を含めており、及び存在する任意の化学修飾を示している(*:ホスホロチオエート化された塩基、BtnTg:ビオチン化された5’末端)。
【0364】
【0365】
表5.異なる生物学的複製物(R2、R3、及びR4)にわたるWT及びバリアント(IL-10 ORF、Mut3、及びMutSC1)の細胞(M.ニューモニエWT)当たりのIL-10タンパク質分泌能。それらの各々について、本発明者らは、各々のフラスコについてカウントされたコロニー形成単位(CFU)を、ELISAにより上清の各々について概算されたIL-10濃度を統合した(方法を参照)。本発明者らは、R2における細胞当たりのMutSC1発現(fg/CFU)を参照として選択して発現値を補正した。
【0366】
【0367】
表6. FoldXv5を使用したエネルギー算出(方法を参照)。値はKcal/molにおいて提供している。突然変異体(Mut1、Mut2、及びMut3)の各々について、独立的にR1及びR2との相互作用エネルギー並びにアポ形態及び複合体における安定性エネルギーを算出した(要約分析シート)。エネルギーは、3つの独立したPDBモデル(2ilk、1y6k、及び6×93)において算出した。
【0368】
【0369】
表7. M.ニューモニエにより発現及び分泌されたこの研究において生成されたIL-10バリアントの動態パラメーターのex vivo特徴付け。上に本発明者らはいくつかの生物学的複製物からの異なる動態パラメーターの平均及び標準偏差を示している(下)。
【0370】
【0371】
表8. M.ニューモニエWT又はCV8に感染した肺における炎症マーカーの遺伝子発現。C57Bl/6マウスにマウス当たり107CFUを含有する100μlを感染させ、感染の2又は4日後(2又は4dpi)に屠殺した。対照群(PBS)を100μlの媒体溶液で処置した。これらのレポーター細胞のリードアウトは、630nmでの吸光度として測定され(方法を参照)、IL-10受容体(R1及びR2)を活性化させるIL-10バリアントの各々の能力に比例している。ELISA定量化及びHEK-blue由来吸光度値を各々の複製物について異なるシートに表示している。これらの結果に由来する得られた全ての動態(Bmax、ヒル定数(h)、及びKD)は、GraphPad Prismソフトウェアを使用して動態モデルを用いて算出された(方法を参照)。算出されたパラメーターの各々を「統合された表」のシートに示している。飽和に達しなかった実験において、Bmaxは、同じ生物学的複製物における最大Bmaxに設定されており、アステリスクで表示している。
【0372】
【0373】
表9.組織学的所見は、PAO1を感染させ、及びIL-10バリアントをコードするCV8で処置された肺において観察した。対照マウスにPBS又はhIL-10rタンパク質を接種した。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色を細胞浸潤(スコア:0~5)、浸潤された血管周囲/気管支周囲(スコア:0~5)及び気管支/細気管支内腔中のPMN(スコア:0~5)の評価のために使用した。合計スコア(スコア:0~15)を全てのパラメーターの和により算出した。免疫組織化学を好中球(好中球エラスターゼ)又はマクロファージ(FA)の定量的な決定のために使用した。より低いスコアは、より低い炎症性又は病原性の表現型を意味する。
【0374】
フォールディカイン-10中の操作されたリンカーの影響力の評価
構築物及び設計
上記に、本発明者らは、以下のアミノ酸配列を有するMutSC1と称される新規の分子を記載した:
MutSC1(配列番号9)
MTQENSCTHFPGNLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEVMPQ
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AENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINY
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IEAYMTMNGGLDYLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEV
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MPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRNHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIF
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INYIEAYMTMKIRN
Hhhhhhhhhh
HF
【0375】
太字で強調した配列は、2つの単量体ドメインのC及びN末端を接続するために設計されたペプチドリンカーに対応する。太字の斜体において、本発明者らは、3Dドメインの間の2つの野生型構造化リンカーの部分(CENKSKA;配列番号168)である配列を示す。天然の「スワップ済み二量体」であるIL-10の場合、これらのリンカー配列は、天然の、構造化されたリンカーであり、フォールディカインの2つのドメインの間(又は野生型IL-10二量体の左及び右ドメインの間)の特徴的な折り曲げ角度(V形態)を付与する。本発明者らは、操作された分子の機能的活性におけるリンカー組成の影響力を評価するためにNGGLD配列(配列番号318)が同じ長さ(5aa)のポリGlyリンカーにより置き換えられている対照を生成した(下線)。これは、MutSC1_polyglycontrol_19と称される分子を結果としてもたらす。
> MutSC1_polyglycontrol_19(配列番号63)
MTQENSCTHFPGNLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEVMPQ
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HA HB
AENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINY
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INYIEAYMTMKIRN
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HF
【0376】
単一のリンカーと比較して各々の3Dドメインの間に2つのリンカーを有することの重要性及び分子の中心におけるV形態の剛性の重要性を評価するために以下の対照ポリペプチドを合成し、アッセイした:A)本発明者らは、1つの3DドメインのN-C末端リンカーを他のフォールディカインドメイン中に複製して、各々のドメインが連続的な一次配列から形成されるようにし、並びにポリペプチドのための新規N及びC末端を作出するために、本発明者らは、3Dドメインの間の2つのリンカーのうちの1つにおける位置Asn166において切断した(新規の末端を示すMutSC1及びMutSC1_control_center21中の下線を引いた配列並びに太字の斜体並びに2つの非天然N→C末端リンカー(太字)を参照)。そのため、(本明細書の他の箇所において記載されるような)本発明のフォールディカインとは対照的に、フォールディカイン「MutSC1_control_center21」は、フォールディングしたタンパク質中の左及び右3Dドメインの間にかかる1つの構造リンカーのみを有する。
>MutSC1_controlcenter_21(配列番号64)
KSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINYIEAYMTMNFGGLDYLPNMLRDLRDAFSR
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TMNFGGLDYLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQ
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HA HB
FYLEEVMPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHFLPCEN
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HC
【0377】
結果
合成プロモーター(p3)(https://doi.org/10.1038/s41467-017-00239-7及び分泌シグナル(s142_OPT)(https://doi.org/10.15252/msb.202010145)の制御下のトランスポゾン(Tn4001、CmR)を介してマイコプラズマ・ニューモニエゲノム中に3つの異なる構築物を挿入した。M.ニューモニエをHayflick培地中で48時間増殖させ、この後に、上清を収集し、異なる操作された分子の濃度をELISAにより算出した。3つ全ての場合において、上清の濃度は、HEK-BLUE-IL10細胞のダイナミックレンジに入る最大濃度である30ng/mlよりも高かった。
【0378】
レポーターHEK-blue細胞において希釈されていない上清の活性を評価することにより分子の機能性の第1の概算を行った。3つ全ての構築物はSTAT3シグナル伝達経路を活性化させた(
図18を参照)。
【0379】
次に、本発明者らは、30ng/mLから開始(及び各々0.5倍に希釈)して8段階希釈を行い、HEK blue細胞の活性化を評価した(
図18Bを参照)。本発明者らは、ミカエリス-メンテンモデルを実験データにフィッティングし(飽和結合、ヒル勾配を伴う特異的結合、2.3にBmaxを固定)、見かけのKDを得た。操作されたループを同じサイズのポリGlyリンカーにより置換した場合、この突然変異体は活性における非常に顕著な低下を有した(MutSC1_linkercontrol19/MutSC1_polyglycontrol_19)。N及びC末端リンカーを両方の3Dドメイン中に導入した(新規N及びC末端がフォールディカインドメインの間に形成された)場合、約2.5分の1への活性における低下があった(MutSC1_linkercontrol 21/MutSC1_controlcenter_21)。
【0380】
上記の結果は、導入されたN及びC末端リンカーの正確なアミノ酸組成並びに隣接する3Dドメインの間でブリッジする2つのリンカーペプチドの存在の両方はフォールディカインの最適な機能性のために非常に重要であることを示唆する。
【0381】
実施例2:3つの操作されたリンカーを有するクラスII型の単量体サイトカインからのフォールディカインの生成
以下のセクションにおいて試験及び記載されるIL-22バリアントのリスト。IL-22 フォールディカインスキャフォールドは、
図5及び
図27に描写されるスキームに基づく。
・細菌、例えばM.ニューモニエ中で発現されるIl22 xtalに基づく単量体IL22である、IL22 WT(PDB=3dlq)
・突然変異T56L、A66M、V95I、T99F、S173Lを有する単量体IL22である、Hydroph_core-1
・突然変異T56M、A66M、V95I、T99F、S173L、N68Qを有する単量体IL22である、Hydroph_core-2
・7位のCysがAlaにより置き換えられたIL22 WTである、CtoA
・単量体IL22中のT56M点突然変異
・単量体IL22中のA66M点突然変異
・単量体IL22中のV95I点突然変異
・単量体IL22中のT99F点突然変異
・単量体IL22中のS173L点突然変異
・フォールディカイン-22_1(SCIL22_1)(配列番号65):下記に更に説明されるように、IL-22単量体配列のうちの1つのN及びC末端を接続するためにリンカーが操作されており、並びに二量体単位が次に、各々の単量体配列中のループ配列を壊すことによりその単量体を別のIL-22単量体配列に融合すること並びにそれぞれの新規N及びC末端を接続してドメイン間ブリッジングリンカーを形成させることにより作出(例えば、
図5及び
図27に図示される)された単鎖IL-22二量体。
・フォールディカイン-22_3(SCIL22_3)(配列番号66):フォールディカイン-22_1に類似しているが、新規N及びC末端のうちの1つの間の異なる操作されたリンカー配列を有し、並びに配列番号65の2位におけるCys残基がVal残基で置き換えられている、単鎖フォールディカイン。
・フォールディカイン-22_3_linkerNCpolygly/フォールディカイン-22_3_NCpolyglyは、左及び右3Dドメインの間でブリッジする2つの操作されたリンカーを含むが、設計/操作されたN-C末端リンカーをポリGly-Serで置き換えている。操作されたリンカーの正確な長さを新規のポリGly-Serリンカーにおいて維持した。
・フォールディカイン-22_3_centrallinkerは、フォールディカイン-22_3(SCIL22_3)のN-C末端リンカーを保つが、左及び右3Dドメインをブリッジする2つの中央リンカーをポリGly-Serに変更している。本発明者らは、操作されたリンカーをポリGly-Serに変更した時にその正確な長さを維持した。
【0382】
構築物及び設計: 単鎖IL-22の生成
ヒトIL-22は、天然に単量体のインターロイキンである。本発明者らは、IL-10に基づくフォールディカイン(本明細書において「フォールディカイン-10」と称される)を設計する場合に記載されたように知的設計並びにModelX及びFoldXソフトウェアの組合せを使用してIL-22をフォールディカイン(「フォールディカイン-22」と称される)に変換した。IL-22は天然にはスワップ済み二量体ではないので、フォールディカイン-22を生成するために、別々の単量体の間に2つの非天然ブリッジを作出すること、及びまた単量体のうちの1つのN及びC末端を連結することが必要であった。別々の単量体の間の2つのブリッジは、
図5及び
図27に関して記載及び図示されるように、各々の単量体中のループを開くこと、並びに(それぞれの新規N及びC末端の間の)開いた配列の各々において単量体を架橋することにより作出される。単量体の間の2つの新規のブリッジは、下記の配列において下線及び二重下線により指し示される。これらのブリッジは同一の位置に位置せず、及び同一の配列を融合しないので、下記の実施形態において説明されるように、各々のリンカー配列は好適には異なってもよい。リンカー配列のうちの1つ(一重下線)において異なるものの他に、1つの場合(太字、下線)においてCys2がValに突然変異された2つの異なる突然変異体設計が生成された。太字において、本発明者らは、3Dドメインのうちの1つのN及びC末端を連結する設計された配列ANGT(配列番号329)を標識している。左及び右フォールディカインドメインの間のブリッジングリンカーは、フォールディカイン-22_1におけるTCMPGGSKT(配列番号337)及びRLELLP(配列番号331)並びにフォールディカイン-22_3におけるNRLKKLMASSD(配列番号332)及びRLELLP(配列番号331)である。参照の容易性のために、フォールディカイン 22中の構造的に保存されたヘリックスは、それらが元々のIL-22 WT配列中で見出される連続的な順序(即ちHA、HB....)により標識され、並びにヘリックス状セグメントはhにより標識される。ヘリックス状セグメントがわずかに歪んだヘリックスであり、したがって一部の残基がswisspdbにおいてhとして割り当てられないが定型的ヘリックス状セグメントにより取り囲まれている場合、これはh-Nres-h(ここで、Nresは、-として示される任意の数の残基であり得る)として指し示される。ヘリックス状セグメントは、swisspdbソフトウェアを使用して定義され、それらを定義するために使用されるソフトウェアに依存して長さにおいて、及び結晶構造がわずかに異なり得る。
>SCIL22_1(フォールディカイン-22_1)(配列番号65)
G
CRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFT
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HA HB
LEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLS
TCMPGGSKTHIQRNVQKLKDTVKKLGESGE
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HC HD
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HE HF HA
FHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLS
RLELLPHIQR
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HB HC
NVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
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HD HE HF
>SCIL22_3(フォールディカイン-22_3)(配列番号66)
G
VRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFT
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HA HB
LEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLS
NRLKKLMASSDHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIK
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HC HD
AIGELDLLFMSLRNACIANGTLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFH
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GVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLS
RLELLPHIQRNV
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HB HC
QKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
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HD HE HF
【0383】
操作されたリンカー配列の重要性を更に調べるために、本発明者らは、フォールディカイン-22_3フレームワークに基づく多数の追加の突然変異体フォールディカイン構築物を生成した:第1の構築物、フォールディカイン-22_3_linkerNCpolyglyは、フォールディカイン-22_3の2つの操作されたリンカーブリッジの配列を保持しているが、N-C末端リンカーをポリGlyに変更している。他の構築物(フォールディカイン-22_3_centrallinkers)は、N-C末端リンカー(太字)を保っているが、3Dドメインの間の2つの中央リンカーブリッジをポリGly-Ser(灰色)に変更している。両方の場合において、本発明者らは、操作されたリンカーをそれぞれポリGly又はポリGly-Serに変更した時にその正確な長さを維持した。
【0384】
> フォールディカイン-22_3_linkerNCpolygly(配列番号67)
GVRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLKKLMASSDHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIGGGGLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSRLELLPHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
【0385】
> フォールディカイン-22_3_centrallinkers(配列番号68)
GVRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGGSGGSGGSGGHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI-ANGTLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGGSGGSHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
【0386】
結合した状態におけるIL-22の疎水性コアの安定化
並行して、本発明者らは、疎水性コアのモデリングに基づいて、結合したコンホメーションにおいて疎水性コアを安定化させることが予測される一部の突然変異をIL-22フレームワーク上に操作した。安定性増強を提供することが予想され、及び異なる種にわたり進化により100%保存されていないアミノ酸置き換えが特に望ましかった。各々の潜在的な突然変異を個々に及び組合せで評価した。
【0387】
疎水性コアを突然変異させた場合の安定性変化の算出のための参照として選択された結晶学的構造及び配列は3dlq.PDBであった。本発明者らは、突然変異でIL22タンパク質を潜在的に安定化させ得る残基として残基T56、A66、V95、T99及びS193を同定した。これらの残基は、WT Pdb配列(配列番号69)上で灰色で記される。
3dlq. Pdb配列(配列番号69)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTL
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
EEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEI
---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HC HD HE
KAIGELDLLFMSLRNACI
hhh hhhhhhhhhhhh
HF
【0388】
下記の表10において、本発明者らは、IL22の疎水性コアを安定化させることがFoldXで予測された5つの突然変異体を列記している。
【0389】
【0390】
次に本発明者らは、上記されるフォールディカイン-22構築物中に個々に及び集合的に疎水性突然変異を導入した。
3dlq. Pdb配列 - 疎水性コア安定化タンパク質(56)(配列番号343)
ARLDKSNFQQPYITNRMFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTL
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
EEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEI
---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HC HD HE
KAIGELDLLFMSLRNACI
hhh hhhhhhhhhhhh
HF
3dlq. Pdb配列 - 疎水性コア安定化タンパク質(66)(配列番号344)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEMSLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTL
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
EEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEI
---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HC HD HE
KAIGELDLLFMSLRNACI
hhh hhhhhhhhhhhh
HF
3dlq. Pdb配列 - 疎水性コア安定化タンパク質(95)(配列番号345)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQILNFTL
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
EEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEI
---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HC HD HE
KAIGELDLLFMSLRNACI
hhh hhhhhhhhhhhh
HF
3dlq. Pdb配列 - 疎水性コア安定化タンパク質(99)(配列番号346)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFML
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
EEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEI
---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HC HD HE
KAIGELDLLFMSLRNACI
hhh hhhhhhhhhhhh
HF
3dlq. Pdb配列 - 疎水性コア安定化タンパク質(173)(配列番号347)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTL
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
EEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGEMGEI
---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HC HD HE
KAIGELDLLFMSLRNACI
hhh hhhhhhhhhhhh
HF
3dlq. Pdb配列 - 疎水性コア安定化タンパク質(IL-22hydC)(配列番号70)
ARLDKSNFQQPYITNRMFMLAKEMSLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQILNFML
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
EEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGELGEI
---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HC HD HE
KAIGELDLLFMSLRNACI
hhh hhhhhhhhhhhh
HF
【0391】
IL-22インターフェース突然変異の操作
受容体R1及びR2に結合したマウスIL-22の結晶学的構造が利用可能である(6we0.pdb)。本発明者らは、マウスとヒトとの間で異なる残基を突然変異させるためにFoldXソフトウェア、及び、必要な場合に、アミノ酸差異をより良好に順応させるために小さい骨格移動をモデル化するためにModelXソフトウェアを使用して、この結晶学的構造のヒト化されたモデルを生成した。R1及びR2受容体を伴うヒト及びマウスIL-22構造を得た後に、本発明者らは、受容体との接触状態での位置の各々についてのFoldXでの位置スキャン分析を行った。次に本発明者らは、両方の受容体との相互作用エネルギー及び複合体の安定性を分析した。本発明者らは、ヒト受容体及びマウス受容体の両方への結合を助長し得る位置を選択した。
【0392】
下記の表11において、本発明者らは、ヒト構造において分析された異なる位置、複合体の安定性におけるDDG、並びにそれぞれR1及びR2との相互作用のDDGを列記している。提供される値はkcal/molにおけるものである。
【0393】
【0394】
下記の表12において、本発明者らは、マウス構造において分析された異なる位置、複合体の安定性におけるDDG、並びにそれぞれR1及びR2との相互作用のDDGを列記している。提供される値はkcal/molにおけるものである。
【0395】
【0396】
これらの要素と共に、本発明者らは、最初にIL-22 WTにおいて探索されるべき突然変異の組合せのシリーズを選択した。下記において、本発明者らは、インターフェース操作型突然変異体の配列を見出すことができる。
【0397】
表13(下記)は、IL-22の安定性及びその受容体との相互作用の両方を増加させる、野生型IL-22配列に対して為された突然変異を指し示す。突然変異をIL-22 WT上で実行し、更にフォールディカイン-22スキャフォールド中に含めた(野生型及び突然変異体C~Eの部分配列アライメントを下記に示している)。
【0398】
【0399】
WT22(配列番号317)
APISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
突然変異体C_IL22(配列番号71)
APISSHCRLEKRNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNIDVRLIGYKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLYRLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
突然変異体D_IL22(配列番号72)
APISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAWEAMLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
突然変異体E_IL22(配列番号73)
APISSHCREDRSNFQQPYITNRTFMLAWEAMLADNNIDVRLIGYKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLYRLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
【0400】
・実験結果
IL-22タンパク質機能性におけるリンカータンパク質組成の影響力の分析
ポリglyリンカー(フォールディカイン-22_3_linkerNCpolygly)又は中央リンカー(フォールディカイン-22_3_centrallinkers)でのIL-22 フォールディカインのN-C末端リンカーの置換は、タンパク質における機能の完全な喪失を結果としてもたらし、操作されたリンカー組成はタンパク質親和性に大きく影響するという概念をサポートした(
図19を参照)。
【0401】
IL-22の疎水性コアを安定化させる突然変異の分析
IL-22スキャフォールド上に導入された突然変異(Kd=1.7e-11)について、本発明者らは、測定されたKDにおける増強を観察したが、これは、コア安定化突然変異が疎水性スキャフォールドに導入された場合の結合状態におけるこのタンパク質の安定化に起因することが想定される(Kd=5.4e-12)(
図20)。
【0402】
本発明者らはまた、別々に突然変異体の各々の影響力を分析し、IL-22 WTと比較した。フォールディカイン-22配列のN末端におけるCys2アミノ酸を突然変異させてジスルフィドブリッジの形成を予防した場合、本発明者らは機能の完全な喪失を観察した。それにもかかわらず、疎水性コア中の異なる単一の突然変異を評価した場合、本発明者らは、66、95及び99位における5つの突然変異のうちの3つについてタンパク質の親和性における増強を観察した(
図21)。本発明者らは、173位における突然変異は有害であり、及び56位における突然変異は中立的であるらしいことを観察した。これは、親和性におけるわずか2倍の増加が複数の疎水性突然変異体において達成された理由を説明し得る。したがって、IL-22及びフォールディカイン-22の将来的なバージョンは、66、95及び99における3つの突然変異を有益に含み得る。本発明者らの結果は、結合状態におけるフォールディカイン(又は単量体)タンパク質の疎水性コアの安定化は、タンパク質親和性を増強するための成功裡の戦略であることができることを示す(
図21)。
【0403】
R1及びR2受容体との相互作用を向上させる突然変異の分析
IL-22とR1(突然変異体C_IL22、配列番号71)、R2(突然変異体D_IL22、配列番号72)及び両方(突然変異体E_IL22、配列番号73)との間の相互作用を向上させるために設計された突然変異の影響力を分析した。wtに対する突然変異体E_IL22についての親和性における10倍の増加(見かけのKD 3.37E-11 vs 1.28E-10)、及び突然変異体D_IL22についての親和性における2倍の増加が観察された。
【0404】
フォールディカイン-22バリアントの分析
本発明者らは、方法に記載されるようにトランスポゾン(Tn4001、TcR)を介して細菌ゲノムに異なる構築物を挿入した。細菌細胞(例えばM.ニューモニエ、L.ラクチス又は大腸菌)をHayflick培地中で48時間増殖させ、この後に、上清を収集し、異なるIL-22操作分子の濃度をELISAにより算出した。3つ全ての場合において、上清の濃度は、HEK-BLUE-22細胞のダイナミックレンジに入る最大濃度である30ng/mlよりも高かった。
【0405】
レポーターHEK-blue細胞において希釈されていない上清の活性を評価することにより分子の機能性の第1の概算を行った(
図22Aを参照)。これらの分子から、IL-22、フォールディカイン-22-1及びフォールディカイン-22_3は、STAT3を介するIL-22媒介性シグナル伝達経路を活性化させる能力を示した。フォールディカイン22_リンカーN-C末端がポリGlyリンカーにより置換された構築物(フォールディカイン-22_3_linkerNCpolygly)はシグナル伝達経路を活性化させず、それは活性ではないことを示唆した(
図19及び
図22B)。
【0406】
次に、本発明者らは、30ng/mLから開始(及び各々0.5倍に希釈)して8段階希釈を行い、HEK blue細胞の活性化を評価した(
図22Bを参照)。本発明者らは、ミカエリス-メンテンモデルを実験データにフィッティングし(飽和結合、ヒル勾配を伴う特異的結合、2.2にBmaxを固定)、見かけのKdを得た。見かけのKdをパネルBに示している。両方のフォールディカインは、IL22 WTと比較して約4倍のKdの増加を示し、野生型IL-22と比べたフォールディカイン-22の活性における向上が検証された。
【0407】
キメラIL-10/IL-22
以下のセクションにおいて試験及び記載されるキメラIL-10/IL-22キメラフォールディカインバリアントのリスト。
・フォールディカイン10-22。IL-10が閉じた/連続的フォールディカイン 3Dドメインに対応し、IL-22が開いた/分割ドメインに対応する、IL-10及びIL-22を接合するキメラフォールディカイン。(配列番号74)。
・キメラ3/フォールディカイン10-22_3は、1位のCys残基がAla残基で置き換えられたフォールディカイン10-22に基づく。(配列番号75)
・キメラ5/フォールディカイン10-22_5は、タンパク質のIL-22活性を向上させるためにIL-22分割3Dドメインの安定性を増加させる試みにおいて5つの追加のアミノ酸置換の群が為されたフォールディカイン10-22_3に基づく(配列番号76)。
・Heterodimer10-22。(Josephson et al., 2000)に記載された操作された単量体IL-10が、IL-10のC末端をIL-22のN末端に接合する6アミノ酸の短いgly-serリンカーによりIL-22に融合されている対照。
・Heterodimer22-10。操作された単量体IL-22が、IL-22のC末端をIL-10のN末端に接合する6アミノ酸の短いgly-serリンカーにより(Josephson et al., 2000)に記載される単量体IL-10に融合されている対照。
【0408】
構築物及び設計
本発明者らは、IL-10スワップドドメイン構造(1y6k.pdb)上にIL-22二量体構造(3dlq.pdb)をモデル化することにより開始した。「Sewing1022」構築物(配列番号74)を形成するために、本発明者らは、天然IL-22配列のヘリックスC及びDの間のIL-22ループを除去し(残基Leu129の後及びArg142の前の切断)、並びにIL-10のLys88及びCys114の間のループ(ヘリックスC及びD)を除去し、並びに操作されたDPKAAFKSリンカー(配列番号314)を用いてIL-22のLeu129をIL-10のLys88と、及びDSKVNRリンカー(配列番号315)を介してIL-10のCys114をIL-22のArg143と接続した。同時に、操作されたペプチドリンカーNFGGLDY(配列番号316)によりIL-10のN及びC末端を閉じた。斜体で本発明者らはIL-22に対応する残基を示し、下線でIL-10の残基を示している。太字の斜体は、IL-22の2つの半分をIL-10に接合するために導入された2つの中央リンカーを指し示す。太字の非斜体は、IL-10のN及びC末端を連結するリンカーペプチドである。
>sewing1022/フォールディカイン10-22(配列番号74)
CRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTL
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA-IL22 HB-IL22
EEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLDPKAAFKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSE
hhhhhhhhhhhhhhhhh Xn hhhhhhhhhhhh hhhhhhh
HC HD-IL10 HE-IL10
FDIFINYIEAYMTMNFGGLDYLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKG
hhhhhhhhhhh NtCt hhhhhhhhhh hhhhhh
HF-IL10 HA-IL10
YLGCQALSEMIQFYLEEVMPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCDSKVN
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh Xn
HB-IL10 HC-IL10
RRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
Hhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HD-IL22 HE_IL22 HF-IL22
【0409】
フォールディカイン-10/22分子のこの初期ソーイングパターンは、アッセイにおいてIL-10活性を実証したが、有意なIL-22活性を実証しなかった。同じことが、第1のCys残基がAlaに突然変異されたフォールディカイン10-22_3/キメラ3(配列番号75)で観察された。この結果は、IL-22分割ドメインの安定性の欠如、又は設計されたリンカーに伴う問題に起因し得る。この課題を研究及び解決するために、本発明者らは、機能性をレスキューすることを試みて分割ドメインIL-22の疎水性コアの安定性を増加させるための突然変異のセットを生成した(フォールディカイン1022_5/キメラ5;配列番号76)。下記の表において、本発明者らは、行われた突然変異のセットを列記している。下記の配列番号75及び76において突然変異を太字で示し、下線を引いている。
【0410】
> フォールディカイン10-22_3(配列番号75)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMLQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLDPKAAFKCKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINYIEAYMTMNFGGLDYLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCLCLSEMIQFYLEEVMPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCISKVLRRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI*
【0411】
>フォールディカイン10-22_5(配列番号76)
ARLDKSNFQQPYITNRLFMLAKEASLMDNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMLQILNFFLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLDPKAAFKCKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINYIEAYMTMNFGGLDYLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCLCLSEMIQFYLEEVMPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCISKVLRRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMLLRNACI
この分子の突然変異は以下の通りである。
【0412】
【0413】
対照として、本発明者らは2つの異なるタンパク質融合物を生成した。6アミノ酸の短いgly-serリンカーによりIL-22(斜体)に融合された(Josephson et al., 2000)に記載される操作された単量体IL-10(下記で下線を引いている)(heterodimer10-22)(配列番号77)。並行して、本発明者らは、IL-22(斜体)C末端が6アミノ酸の短いgly-serリンカーを介してIL-10(下線)N末端に融合された逆構築物(heterodimer22-10)を生成した(配列番号78)。下記の配列番号78においてリンカーを太字の下線で指し示している。
【0414】
>heterodimer10-22(配列番号77)
MSPGQGTQSENSCTHFPGNLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEVMPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENGNGGKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINYIEAYMTMKIRNGGSGGSAPISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
【0415】
>heterodimer22-10(配列番号78)
APISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIGGSGGSMSPGQGTQSENSCTHFPGNLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEVMPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENGNGGKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINYIEAYMTMKIRN*
【0416】
結果
操作された分子の機能性を評価するために、本発明者らは最初に、細菌(例えばM.ニューモニエ、L.ラクチス又は大腸菌)による発現及び分泌での異なるバージョンの細胞培養物の上清中の濃度をELISAにより定量化することにより開始した。異なるキメラの定量化のために、本発明者らは、ELISAによりIL-22を認識する抗体を使用したが、その理由は、ヒトIL-10を認識するために本発明者らが使用した商用の抗体(Deluxe human IL-10 ELISA kit、Biolegend)はIL-10/IL-22キメラ中のヒトIL-10を認識しないことを本発明者らは見出したからである。
【0417】
次に、本発明者らは、並行して2つのレポーター細胞株を使用して分子の機能性を評価した。第1の、HEK-Blue(商標) IL-22細胞は、生物活性ヒト及びマウスIL-22を検出するために胚性腎臓HEK293細胞株に由来する。第2のレポーター細胞株、HEK-Blue(商標) IL-10もまた生物活性ヒト及びマウスインターロイキン10(IL-10)を検出する。
図23に本発明者らは実験結果を示している。
【0418】
IL-10活性について、本発明者らは、キメラ3及びキメラ5はIL-10機能性について活性であることを実証した。加えて、本発明者らは、キメラ5はIL-22機能性も有することを実証した。したがって、フォールディカイン1022_5(キメラ5)は、二重機能性を有する単分子サイトカインを生成できることを実証している。更に、IL-22の第1の半分の分割ドメイン中の突然変異、即ちT60F、V56I、A27M、T17L、及び/又は第2の半分の分割ドメイン中の突然変異、即ちS314Lの1つ以上が、IL-22の活性のレスキューに関与することが明らかである。
【0419】
対照試験、即ち、柔軟性リンカーを介して連結された単量体IL-10のIL-22への融合タンパク質及び逆融合物、即ちIL-22のIL-10への融合タンパク質に基づく対照試験に関して、融合物22-10(「heterodimer22-10」)においてIL-10機能のほぼ完全な喪失が結果としてもたらされ、部分的に過ぎないIL-22活性が観察された(
図24を参照)。この結果は、フォールディカイン概念、並びに、フォールディングした単鎖タンパク質の左及び右3Dドメインをブリッジする、分割IL-22 3D/フォールディカインドメインにIL-10 3D/フォールディカインドメインを接合する2つの構造化されたリンカーの重要性をサポートする。
【0420】
実施例3:サイトカインヘリカルバンドルファミリーに基づくフォールディカインの構築
構造レベルで、フォールディカインを作製するために2つの主なサイトカインヘリカルバンドルファミリーが使用され得る。
上記されるように、本発明者らは、これらのサイトカインを、本明細書に記載されるように、フォールディカインリンカー及びブリッジが然るべく挿入されるクラスI又はクラスIIのいずれかにクラス分けすることができる。
【0421】
下記において、本発明者らは、ホモマーヒトフォールディカインクラスIヘリックス型サイトカインを提案する。当業者に明らかなように、フォールディカインの概念は、構造的適合性を示す任意の他の非ヒトインターロイキンに拡張され得る。
【0422】
クラスIヘリックス型サイトカイン
A)短鎖ヘリックス状の、配列及び対応するホモマーフォールディカイン
IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL15、IL21、TSLP及びGMCS-Fのヒト配列
本発明者らは、下記の配列においてシグナルペプチドを除去したが、当業者は、シグナルペプチドを含有する類似した構築物もまた本発明の範囲内に入ることを理解する。
>sp|P60568|IL2_ヒトインターロイキン-2(配列番号79)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
>sp|P08700|IL3_ヒトインターロイキン-3(配列番号80)
RPGLQAPMTQTTPLKTSWVNCSNMIDEIITHLKQPPLPLLDFNNLNGEDQDILMENNLRRPNLEAFNRAVKSLQNASAIESILKNLLPCLPLATAAPTRHPIHIKDGDWNEFRRKLTFYLKTLENAQAQQTTLSLAIF
>sp|P05112|IL4_ヒトインターロイキン-4(配列番号81)
GNFVHGHKCDITLQEIIKTLNSLTEQKTLCTELTVTDIFAASKNTTEKETFCRAATVLRQFYSHHEKDTRCLGATAQQFHRHKQLIRFLKRLDRNLWGLAGLNSCPVKEANQSTLENFLERLKTIMREKYSKCSS
>sp|P05113|IL5_ヒトインターロイキン-5(配列番号82)
TEIPTSALVKETLALLSTHRTLLIANETLRIPVPVHKNHQLCTEEIFQGIGTLESQTVQGGTVERLFKNLSLIKKYIDGQKKKCGEERRRVNQFLDYLQEFLGVMNTEWIIES
>sp|P13232|IL7_ヒトインターロイキン-7(配列番号83)
PVASSDCDIEGKDGKQYESVLMVSIDQLLDSMKEIGSNCLNNEFNFFKRHICDANKEGMFLFRAARKLRQFLEC-50NSTGDFDLHLLKVSEGTTILLNCTGQVKGRKPAALGEAQPTKSLEENKSLKEQKKLNDLCFLKRLLQEIKTCWNKILMGTKEH
>sp|P15248|IL9_ヒトインターロイキン-9(配列番号84)
QGCPTLAGILDINFLINEC-50QEDPASKCHCSANVTSCLCLGIPSDNCTRPCFSERLSQMTNTTMQTRYPLIFSRVKKSVEVLKNNKCPYFSCEQPCNQTTAGNALTFLKSLLEIFQKEEC-50RGMRGKI
>sp|P40933|IL15_ヒトインターロイキン-15(配列番号85)
NSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS
>sp|Q9HBE4|IL21_ヒトインターロイキン-21(配列番号86)
HKSSSQGQDRHMIRMRQLIDIVDQLKNYVNDLVPEFLPAPEDVETNCEWSAFSCFQKAQLKSANTGNNERIINVSIKKLKRKPPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYEKKPPKEFLERFKSLLQEC-50IHQHLSSRTHGSED
>sp|Q969D9|TSLP_ヒト胸腺間質性リンパ球新生因子(配列番号87)
YDFTNCDFEKIKAAYLSTISKDLITYMSGTKSTEFNNTVSCSNRPHCLTEIQSLTFNPTAGCASLAKEMFAMKTKAALAIWCPGYSETQINATQAMKKRRKRKVTTNKCLEQVSQLQGLWRRFNRPLLKQQ
>sp|P04141|CSF2_ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(配列番号88)
QPWEHVNAIQEARRLLNLSRDTAAEMNETVEVISEMFDLQEPTCLQTRLELYKQGLRGSLTKLKGPLTMMASHYKQHCPPTPETSCATQIITFESFKENLKDFLLVIPFDCWEPVQE
【0423】
上記のインターロイキンの各々について、本発明者らは、下記に説明されるように、
図26に指し示されるスキームに一般に従ってホモマーフォールディカインを生成するための方法論を提案する。「ドメインスワップ済み」二量体のために、例えば
図25により指し示されるように、フォールディカイン戦略は異なる。
【0424】
提案されるホモマーフォールディカインクラスI:ショートヘリックスバンドルサブクラス。
太字の二重下線において、本発明者らは、分割ドメインを形成するためにサイトカイン単量体の他方において開かれたループ配列を強調している。インタクトな単量体のN及びC末端に融合した分割分子/ドメインを斜体としている。(Xn)は、1つのフォールディカインドメインを他のフォールディカインドメインに連結するために操作された接続リンカーである。リンカー配列は、所望される構造的コンホメーションを提供するように設計されるか、又は異なる長さのGly及びSerの単純に組合せである。有益には、しかしながら、操作されたリンカー配列は、特有の3Dコンホメーションを選好する「構造化された」リンカーであり、したがって、本開示の有利な実施形態において、操作されたリンカーは、Gly残基もSer残基も含有しないか、又は有益には3個以下、2個以下、若しくは1個以下のGly若しくはSer残基を含有する。XX_及び_YYは、追加の残基が、除去される、部分的に除去される又は単純に開かれるループ配列の位置において分割ドメインのN及びC末端に加えられ得ることを指し示す。更には、新規N及びC末端のそれぞれ右又は左の最大10個の残基は、設計及び構造的要求に依存して、活性に影響することなく欠失されてもよい。そのため、XX及びYYは、開かれるループ配列の部分の全体を含んでもよい任意選択的な配列エレメントであり、下記の対応する配列番号により同定される配列の部分を形成しない。
【0425】
これらのリンカーの示される位置は本開示の一実施形態を表すが;これらのリンカーの位置を変更することが可能であり得、特に、リンカーブリッジの位置は、機能的なフォールディカインの形成を妨げることなくN末端方向又はC末端方向のいずれかにおいて1~10又は1~5個のアミノ酸、例えば1、2、3、4又は5個のアミノ酸により変更されてもよいことが理解されるべきである。そのため、これらのリンカーの指し示される位置は近似的であると考えられるべきであり、各々の場合において、周囲の残基の一部を組み込む(又は除去する)ために拡張され得る。例えば、最大10個のアミノ酸が、(Xn)位置の各々の側において欠失され得る。
【0426】
参照の容易性のために、各々のファミリー中の構造的に保存されたヘリックスは、それらが元々のWT配列中で見出される連続的な順序(即ちHA、HB....)により標識され、並びにヘリックス状セグメントはhにより標識される。ヘリックス状セグメントがわずかに歪んだヘリックスであり、したがって一部の残基がswisspdbにおいてhとして割り当てられないが定型的ヘリックス状セグメントにより取り囲まれている場合、本発明者らはそれを、h-Nres-h(ここで、Nresは、-として示される任意の数の残基であり得る)として指し示す。ヘリックス状セグメントは、swisspdbソフトウェアを使用して定義され、それらを定義するために使用されるソフトウェアに依存して長さにおいて、及び結晶構造がわずかに異なり得る。
フォールディカイン-2(インターロイキン-2)(XX_配列番号89-(Xn)-配列番号90-(Xn)-配列番号91_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列QSKNFHLR、配列番号92
XX_PRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(Xn)TSSSTKKTQLQLEH
hhhhh-hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhh
HC HD HA
LLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLI
hhhhhhhhhhhh hhhhhh hhh hhhhhhh---hhhhhh hhhh
HB
SNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(Xn)TSSSTKKTQLQLEHLLLDLQM
hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD HA
ILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLA_YY
hhhhh hhhhhh hhhhhhh---hhhhhhh
HB
フォールディカイン-4(インターロイキン-4)(XX_配列番号93-(Xn)-配列番号94-(Xn)-配列番号95_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、GATA、配列番号96
XX_QQFHRHKQLIRFLKRLDRNLWGLAGLNSCPVKEANQSTLENFLERLKTIMREKYSKCSS(Xn)GNFVHGH
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
KCDITLQEIIKTLNSLTEQKTLCTELTVTDIFAASKNTTEKETFCRAATVLRQFYSHHEKDTRCLGATAQ
hhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hh
HA HB
QFHRHKQLIRFLKRLDRNLWGLAGLNSCPVKEANQSTLENFLERLKTIMREKYSKCSS(Xn)GNFVHGHKCD
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
ITLQEIIKTLNSLTEQKTLCTELTVTDIFAASKNTTEKETFCRAATVLRQFYSHHEKDTRCL_YY
hhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhh
HA HB
フォールディカイン-3(インターロイキン-3)(XX_配列番号97-(Xn)-配列番号98-(Xn)-配列番号99_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、KSLQNA、配列番号100
XX_SAIESILKNLLPCLPLATAAPTRHPIHIKDGDWNEFRRKLTFYLKTLENAQA(Xn)
hhhhhhh hh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
SWVNCSNMIDEIITHLKQPPLPLLDFNNLNGEDQDILMENNLRRPNLEAFNRAV
hhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HA HB
KSLQNASAIESILKNLLPCLPLATAAPTRHPIHIKDGDWNEFRRKLTFYLKTLENAQAQ(Xn)
hhhhhhh hh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
SWVNCSNMIDEIITHLKQPPLPLLDFNNLNGEDQDILMENNLRRPNLEAFNRAV-YY
hhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HA HB
フォールディカイン-5(インターロイキン-5;スワップ済み二量体)(XX_配列番号101-(NtCt)-配列番号102_YY)
XX_TEIPTSALVKETLALLSTHRTLLIANETLRIPVPVHKNHQLCTEEIFQGIGTLESQTVQGGTVERLFK
hhhhhhhhhhhhh hhhh hhhhhhhhhh hhhhhh
HA HB
NLSLIKKYIDGQKKKCGEERRRVNQFLDYLQEFLGVMNTEWIIES(NtCt)
hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
TEIPTSALVKETLALLSTHRTLLIANETLRIPVPVHKNHQLCTEEIFQGIGTLESQTVQGGTVERLFKNL
hhhhhhhhhhhhh hhhh hhh hhhhhhhhhh hhhhhhhh
HA HB HC
SLIKKYIDGQKKKCGEERRRVNQFLDYLQEFLGVMNTEWIIES_YY
hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HD
フォールディカイン-7(インターロイキン-7)(XX_配列番号103-(Xn)-配列番号104-(Xn)-配列番号105_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、KMNSTG、配列番号106
XX_DFDLHLLKVSEGTTILLNCTGQVKGRKPAALGEAQPTKSLEENKSLKEQKKLNDLCFLKRLLQEIKTC
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh
HC HD
WNKILMGTKEH(Xn)PVASSDCDIEGKDGKQYESVLMVSIDQLLDSMKEIGSNCLNNEFNFFKRHICDANKE
hhhhh hhh---hhhhhhhhh hhhh
HA
GMFLFRAARKLRQFLKMNSTGDFDLHLLKVSEGTTILLNCTGQVKGRKPAALGEAQPTKSLEENKSLKEQ
hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh
HB HC
KKLNDLCFLKRLLQEIKTCWNKILMGTKEH(Xn)PVASSDCDIEGKDGKQYESVLMVSIDQLLDSMKEIGSN
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhh---hhhhhhhhh
HD HA
CLNNEFNFFKRHICDANKEGMFLFRAARKLRQFL_YY
hhhh hhhhhhhhh
HB
フォールディカイン-9(インターロイキン-9)(XX_配列番号107-(Xn)-配列番号108-(Xn)-配列番号109_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、RYP
XX_LIFSRVKKSVEVLKNNKCPYFSCEQPCNQTTAGNALTFLKSLLEIFQKEKMRGMRGKI(Xn)QGCPTLAG
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhh
HC HD
ILDINFLINKMQEDPASKCHCSANVTSCLCLGIPSDNCTRPCFSERLSQMTNTTMQTRYPLIFSRVKKSV
hhhhhhhhhhhh hhhhhh hhhh hhhhhhhhhh
HA HB HC
EVLKNNKCPYFSCEQPCNQTTAGNALTFLKSLLEIFQKEKMRGMRGKI(Xn)QGCPTLAGILDINFLINKMQ
hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HD HA
EDPASKCHCSANVTSCLCLGIPSDNCTRPCFSERLSQMTNTTMQT_YY
hhhhhh hhhh
HB
フォールディカイン-15(インターロイキン-15)(XX_配列番号110-(Xn)-配列番号111-(Xn)-配列番号112_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、SGD
XX_ASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(Xn)
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
TEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVIS
hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
LESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(Xn)NSHFL
hh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
TEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLE_YY
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
フォールディカイン-21(インターロイキン-21)(XX_配列番号113-(Xn)-配列番号114-(Xn)-配列番号115_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、NTG
XX_NERIINVSIKKLKRKPPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYEKKPPKEFLERFKSLLQKMIHQHLSSRTHGS
hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
ED(Xn)HKSSSQGQDRHMIRMRQLIDIVDQLKNYVNDLVPEFLPAPEDVETNCEWSAFSCFQKAQLKSANTG
hhhhhhhhhh---hhhhh hhhhhhhhhh
HA HB
NNERIINVSIKKLKRKPPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYEKKPPKEFLERFKSLLQKMIHQHLSSRTHGSE
hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
D(Xn)HKSSSQGQDRHMIRMRQLIDIVDQLKNYVNDLVPEFLPAPEDVETNCEWSAFSCFQKAQLKSA_YY
hhhhhhhhhh---hhhhh hhhhhhhhhh
HC HD
フォールディカイン-TSL(胸腺間質性リンパ球新生因子)(XX_配列番号116-(Xn)-配列番号117-(Xn)-配列番号118_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、SLAK、配列番号119)
XX_EMFAMKTKAALAIWCPGYSETQINATQAMKKRRKRKVTTNKCLEQVSQLQGLWRRFNRPLLKQQ(Xn)
hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
NCDFEKIKAAYLSTISKDLITYMSGTKSTEFNNTVSCSNRPHCLTEIQSLTFNPTAGCASLAKEMFAM
Hhhhhhhhh---hhhhhhhh hhhhhhhhhhhh hhhh
HA HB
KTKAALAIWCPGYSETQINATQAMKKRRKRKVTTNKCLEQVSQLQGLWRRFNR(Xn)NCDFE
hhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hh
HC HD
KIKAAYLSTISKDLITYMSGTKSTEFNNTVSCSNRPHCLTEIQSLTFNPTAGCA_YY
hhhhhhh---hhhhhhhh hhhhhhhhhhhh
HA HB
フォールディカイン-GMCSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)(XX_配列番号120-(Xn)-配列番号121-(Xn)-配列番号122_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、RGS
XX_LTKLKGPLTMMASHYKQHCPPTPETSCATQIITFESFKENLKDFLLVIPFDCW(Xn)QPWEHVNA
hh hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HA HB
IQEARRLLNLSRDTAAEMNETVEVISEMFDLQEPTCLQTRLELYKQGLRGSLTKLKGPLTMMASHYKQHC
hhhhhhhhhh hhhh hhhhhhhhhhh hh hhhhhhhhhhhhh
HA HB HC
PPTPETSCATQIITFESFKENLKDFLLVIPFDCW(Xn)QPWEHVNAIQEARRLLNLSRDTAAEMNET
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hhhh
HD HA
VEVISEMFDLQEPTCLQTRLELYKQGL_YY
hhhhhhhhhhh
HB
【0427】
B)長鎖ヘリックス状の、配列及び対応するホモマーフォールディカイン
IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3のヒト配列
【0428】
再び、本発明者らは、各々の構築物においてシグナルペプチドを除去したが、シグナルペプチドは当然ながら実施形態において保持され得る。
>sp|P05231|IL6_ヒトインターロイキン-6 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL6 PE=1 SV=1(配列番号123)
PVPPGEDSKDVAAPHRQPLTSSERIDKQIRYILDGISALRKETCNKSNMCESSKEALAENNLNLPKMAEKDGCFQSGFNEETCLVKIITGLLEFEVYLEYLQNRFESSEEQARAVQMSTKVLIQFLQKKAKNLDAITTPDPTTNASLLTKLQAQNQWLQDMTTHLILRSFKEFLQSSLRALRQM
>tr|A8K3F7|A8K3F7_ヒトインターロイキン11 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL11 PE=2 SV=1(配列番号124)
PGPPPGPPRVSPDPRAELDSTVLLTRSLLADTRQLAAQLRDKFPADGDHNLDSLPTLAMSAGALGALQLPGVLTRLRADLLSYLRHVQWLRRAGGSSLKTLEPELGTLQARLDRLLRRLQLLMSRLALPQPPPDPPAPPLAPPSSAWGGIRAAHAILGGLHLTLDWAVRGLLLLKTRL
>sp|P29459|IL12A_ヒトインターロイキン-12サブユニットアルファ OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL12A PE=1 SV=2(配列番号125)
RNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS
>sp|Q9NPF7|IL23A_ヒトインターロイキン-23サブユニットアルファ OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL23A PE=1 SV=1(配列番号126)
RAVPGGSSPAWTQCQQLSQKLCTLAWSAHPLVGHMDLREEGDEETTNDVPHIQCGDGCDPQGLRDNSQFCLQRIHQGLIFYEKLLGSDIFTGEPSLLPDSPVGQLHASLLGLSQLLQPEGHHWETQQIPSLSPSQPWQRLLLRFKILRSLQAFVAVAARVFAHGAATLSP
>sp|Q8NEV9|IL27A_ヒトインターロイキン-27サブユニットアルファ OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL27 PE=1 SV=2(配列番号127)
FPRPPGRPQLSLQELRREFTVSLHLARKLLSEVRGQAHRFAESHLPGVNLYLLPLGEQLPDVSLTFQAWRRLSDPERLCFISTTLQPFHALLGGLGTQGRWTNMERMQLWAMRLDLRDLQRHLRFQVLAAGFNLPEEEEEEEEEEEEERKGLLPGALGSALQGPAQVSWPQLLSTYRLLHSLELVLSRAVRELLLLSKAGHSVWPLGFPTLSPQP
>sp|Q6EBC2|IL31_ヒトインターロイキン-31 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL31 PE=1 SV=1(配列番号128)
SHTLPVRLLRPSDDVQKIVEELQSLSKMLLKDVEEEKGVLVSQNYTLPCLSPDAQPPNNIHSPAIRAYLKTIRQLDNKSVIDEIIEHLDKLIFQDAPETNISVPTDTHECKRFILTISQQFSECMDLALKSLTSGAQQATT
>sp|Q9UBD9|CLCF1_ヒトカルジオトロフィン様サイトカイン因子1 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=CLCF1 PE=1 SV=1(配列番号129)
LNRTGDPGPGPSIQKTYDLTRYLEHQLRSLAGTYLNYLGPPFNEPDFNPPRLGAETLPRATVDLEVWRSLNDKLRLTQNYEAYSHLLCYLRGLNRQAATAELRRSLAHFCTSLQGLLGSIAGVMAALGYPLPQPLPGTEPTWTPGPAHSDFLQKMDDFWLLKELQTWLWRSAKDFNRLKKKMQPPAAAVTLHLGAHGF
>sp|P13725|ONCM_ヒトオンコスタチン-M OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=OSM PE=1 SV=2(配列番号130)
MAAIGSCSKEYRVLLGQLQKQTDLMQDTSRLLDPYIRIQGLDVPKLREHCRERPGAFPSEETLRGLGRRGFLQTLNATLGCVLHRLADLEQRLPKAQDLERSGLNIEDLEKLQMARPNILGLRNNIYCMAQLLDNSDTAEPTKAGRGASQPPTPTPASDAFQRKLEGCRFLHGYHRFMHSVGRVFSKWGESPNRSRRHSPHQALRKGVRRTRPSRKGKRLMTRGQLPR
>sp|Q16619|CTF1_ヒトカルジオトロフィン-1 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=CTF1 PE=1 SV=1(配列番号131)
MSRREGSLEDPQTDSSVSLLPHLEAKIRQTHSLAHLLTKYAEQLLQEYVQLQGDPFGLPSFSPPRLPVAGLSAPAPSHAGLPVHERLRLDAAALAALPPLLDAVCRRQAELNPRAPRLLRRLEDAARQARALGAAVEALLAALGAANRGPRAEPPAATASAASATGVFPAKVLGLRVCGLYREWLSRTEGDLGQLLPGGSA
>sp|P26441|CNTF_ヒト毛様体神経栄養因子 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=CNTF PE=1 SV=1(配列番号132)
MAFTEHSPLTPHRRDLCSRSIWLARKIRSDLTALTESYVKHQGLNKNINLDSADGMPVASTDQWSELTEAERLQENLQAYRTFHVLLARLLEDQQVHFTPTEGDFHQAIHTLLLQVAAFAYQIEELMILLEYKIPRNEADGMPINVGDGGLFEKKLWGLKVLQELSQWTVRSIHDLRFISSHQTGIPARGSHYIANNKKM
>sp|P15018|LIF_ヒト白血病阻害因子 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=LIF PE=1 SV=1(配列番号133)
SPLPITPVNATCAIRHPCHNNLMNQIRSQLAQLNGSANALFIL_YYTAQGEPFPNNLDKLCGPNVTDFPPFHANGTEKAKLVELYRIVVYLGTSLGNITRDQKILNPSALSLHSKLNATADILRGLLSNVLCRLCSKYHVGHVDVTYGPDTSGKDVFQKKKLGCQLLGKYKQIIAVLAQAF
>sp|P09919|CSF3_ヒト顆粒球コロニー刺激因子 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=CSF3 PE=1 SV=1(配列番号134)
TPLGPASSLPQSFLLKCLEQVRKIQGDGAALQEKLVSECATYKLCHPEELVLLGHSLGIPWAPLSSCPSQALQLAGCLSQLHSGLFLYQGLLQALEGISPELGPTLDTLQLDVADFATTIWQQMEELGMAPALQPTQGAMPAFASAFQRRAGGVLVASHLQSFLEVSYRVLRHLAQP
【0429】
提案されるホモマーフォールディカインクラスI:ロングヘリックスバンドルサブクラス。
本開示のこれらの実施形態によるフォールディカインは、
図26に描写されるスキームに従って合成される。
【0430】
太字の二重下線において、本発明者らは、分割ドメインを形成するためにサイトカイン単量体の他方において開かれたループ配列を強調している。インタクトな単量体のN及びC末端に融合した分割ドメイン分子を斜体としている。(Xn)は、1つのフォールディカインドメインを他のフォールディカインドメインに連結するために操作された接続リンカーである。リンカー配列は、所望される構造的コンホメーションを提供するように設計されるか、又は異なる長さのGly及びSerの単純に組合せである。有益には、しかしながら、操作されたリンカー配列は、特有の3Dコンホメーションを選好する「構造化された」リンカーであり、したがって、本開示の有利な実施形態において、操作されたリンカーは、Gly残基もSer残基も含有しないか、又は有益には3個以下、2個以下、若しくは1個以下のGly若しくはSer残基を含有する。XX_及び_YYは、追加の残基が、除去される、部分的に除去される又は単純に開かれるループ配列の位置において分割ドメインのN及びC末端に加えられ得ることを指し示す。更には、N及びC末端のそれぞれ右又は左の最大10個の残基は、設計及び構造的要求に依存して、活性に影響することなく除去されてもよい。そのため、XX及びYYは、開かれるループ配列の部分の全体を含んでもよい任意選択的な配列エレメントであり、下記の対応する配列番号により同定される配列の部分を形成しない。
【0431】
これらのリンカーの示される位置は本開示の一実施形態を表すが;これらのリンカーの位置を変更することが可能であり得、特に、リンカーブリッジの位置は、機能的なフォールディカインの形成を妨げることなくN末端方向又はC末端方向のいずれかにおいて1~10又は1~5個のアミノ酸、例えば1、2、3、4又は5個のアミノ酸により変更されてもよいことが理解されるべきである。そのため、これらのリンカーの指し示される位置は近似的であると考えられるべきであり、各々の場合において、周囲の残基の一部を組み込む(又は除去する)ために拡張され得る。例えば、最大10個のアミノ酸が、(Xn)位置の各々の側において欠失され得る。
【0432】
参照の容易性のために、ファミリー中の構造的に保存されたヘリックスは、それらが元々のWT配列中で見出される連続的な順序(即ちHA、HB....)により標識され、並びにヘリックス状セグメントはhにより標識される。ヘリックス状セグメントがわずかに歪んだヘリックスであり、したがって一部の残基がswisspdbにおいてhとして割り当てられないが定型的ヘリックス状セグメントにより取り囲まれている場合、本発明者らはそれを、h-Nres-h(ここで、Nresは、-として示される任意の数の残基であり得る)として指し示す。ヘリックス状セグメントは、swisspdbソフトウェアを使用して定義され、それらを定義するために使用されるソフトウェアに依存して長さにおいて、及び結晶構造がわずかに異なり得る。
フォールディカイン-6(IL6_ヒトインターロイキン-6)(XX_配列番号135-(Xn)-配列番号136-(Xn)-配列番号137_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、ESSE、配列番号138
XX_SEEQARAVQMSTKVLIQFLQKKAKNLDAITTPDPTTNASLLTKLQAQNQWLQDMTTHLILRSFKEFLQ
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
SSLRALRQM(Xn)LTSSERIDKQIRYILDGISALRKETCNKSNMCESSKEALAE
hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
NNLNLPKMAEKDGCFQSGFNEETCLVKIITGLLEFEVYLEYLQNRFESSEEQARAVQMSTKVLIQFLQKK
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh
HB HC
AKNLDAITTPDPTTNASLLTKLQAQNQWLQDMTTHLILRSFKEFLQSSLRALRQM(Xn)
hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD
LTSSERIDKQIRYILDGISALRKETCNKSNMCESSKEALAENNLNLPKMAEKDGCFQSGFNEETC
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh
HA
LVKIITGLLEFEVYLEYLQNRFES_YY
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB
フォールディカイン-11(ヒトインターロイキン11)(XX_配列番号139-(Xn)-配列番号140-(Xn)-配列番号141_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、GSSL、配列番号142
XX_SLKTLEPELGTLQARLDRLLRRLQLLMSRLALPQPPPDPPAPPLAPPSSAWGGIRAAHAILGGLHLTL
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
DWAVRGLLLLKTRL(Xn)SPDPRAELDSTVLLTRSLLADTRQLAAQLRDKFPADGDHNLDSL
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
PTLAMSAGALGALQLPGVLTRLRADLLSYLRHVQWLRRAGGSSLKTLEPELGTLQARLDRLLRRLQLLMS
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
RLALPQPPPDPPAPPLAPPSSAWGGIRAAHAILGGLHLTLDWAVRGLLLLKTRL(Xn)SPD
h hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD
PRAELDSTVLLTRSLLADTRQLAAQLRDKFPADGDHNLDSLPTLAMSAGALGALQLPGVLTRLRADLLSYL
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
RHVQWLRRAG_YY
hhhhhhhh
フォールディカイン-12a(ヒトインターロイキン-12サブユニットアルファ)(XX_配列番号143-(Xn)-配列番号144-(Xn)-配列番号145_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、MDPK、配列番号146
XX_RQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNA
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
S(Xn)RNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLE
hhhhhhhhhhhhh hhhh
HA
LTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKIFLDQNM
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhh
HB
LAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS(Xn)RNLPVATP
hhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
DPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSR
hhhhhhhhhhhhh hhhh
HA
ETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLL_YY
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB
フォールディカイン-23a(ヒトインターロイキン-23サブユニットアルファ)(XX_配列番号147-(Xn)-配列番号148-(Xn)-配列番号149_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、TGEPSLL、配列番号150
XX_LPDSPVGQLHASLLGLSQLLQPEGHHWETQQIPSLSPSQPWQRLLLRFKILRSLQAFVAVAARVFAHG
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
AATLSP(Xn)SPAWTQCQQLSQKLCTLAWSAHPLVGHMDLREEGDEETTNDVPHIQCGDGCDPQG
hh hhhhhhhhhhhhhhhh hhh
HA
LRDNSQFCLQRIHQGLIFYEKLLGSDIFTGEPSLLPDSPVGQLHASLLGLSQLLQPEGHHWETQQIPSLS
hh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
PSQPWQRLLLRFKILRSLQAFVAVAARVFAHGAATLS(Xn)SPAWTQCQQLSQKLCTLAWSAHP
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HD HA
LVGHMDLREEGDEETTNDVPHIQCGDGCDPQGLRDNSQFCLQRIHQGLIFYEKLLGSDIFT_YY
hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB
フォールディカイン-27a(ヒトインターロイキン-27サブユニットアルファ)(XX_配列番号151-(Xn)-配列番号152-(Xn)-配列番号153_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列QGR
XX_WTNMERMQLWAMRLDLRDLQRHLRFQVLAAGFNLPEEEEEEEEEEEEERKGLLPGALGSALQGPAQVS
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
WPQLLSTYRLLHSLELVLSRAVRELLLLSKAGH(Xn)LRREFTV
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhh
HD
SLHLARKLLSEVRGQAHRFAESHLPGVNLYLLPLGEQLPDVSLTFQAWRRLSDPERLCFISTTLQPFHAL
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
LGGLGTQGRWTNMERMQLWAMRLDLRDLQRHLRFQVLAAGFNLPEEEEEEEEEEEEERKGLLPGALGSAL
hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC
QGPAQVSWPQLLSTYRLLHSLELVLSRAVRELLLLSKAGH(Xn)
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD
LRREFTVSLHLARKLLSEVRGQAHRFAESHLPGVNLYLLPLGEQLPDVSLTFQAWRRLSDPERLCFISTT
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhh hhhhhhhhhhh
HA HB
LQPFHALLGGLGT_YY
hhhhhhhhhhhh
フォールディカイン-31(ヒトインターロイキン-31)(XX_配列番号154-(Xn)-配列番号155-(Xn)-配列番号156_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、DNKS、配列番号157
XX_VIDEIIEHLDKLIFQDAPETNISVPTDTHECKRFILTISQQFSECMDLALKSLTSGAQQATT(Xn)SHTL
hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
PVRLLRPSDDVQKIVEELQSLSKMLLKDVEEEKGVLVSQNYTLPCLSPDAQPPNNIHSPAIRAYLKTIRQ
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
LDNKSVIDEIIEHLDKLIFQDAPETNISVPTDTHECKRFILTISQQFSECMDLALKSLTSGAQQATT(Xn)S
h hhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
HTLPVRLLRPSDDVQKIVEELQSLSKMLLKDVEEEKGVLVSQNYTLPCLSPDAQPPNNIHSPAIRAYLKT
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhh
HA HB
IRQL_YY
Hhhh
フォールディカイン-CLCF1(ヒトカルジオトロフィン様サイトカイン因子1)(XX_配列番号158-(Xn)-配列番号159-(Xn)-配列番号160_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、AAT
XX_AELRRSLAHFCTSLQGLLGSIAGVMAALGYPLPQPLPGTEPTWTPGPAHSDFLQKMDDFWLLKELQTW
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
LWRSAKDFNRLKKKMQPP(Xn)PGPGPSIQKTYDLTRYLEHQLRSLAGTYLNY
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
LGPPFNEPDFNPPRLGAETLPRATVDLEVWRSLNDKLRLTQNYEAYSHLLCYLRGLNRQAATAELRRSLA
hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhh
HB
HFCTSLQGLLGSIAGVMAALGYPLPQPLPGTEPTWTPGPAHSDFLQKMDDFWLLKELQTWLWRSAKDFNR
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
LKKKMQPP(Xn)PGPGPSIQKTYDLTRYLEHQLRSLAGTYLNYLGPPFNEPDF
hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
NPPRLGAETLPRATVDLEVWRSLNDKLRLTQNYEAYSHLLCYLRGLNR_YY
hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB
フォールディカイン-ONCM(ヒトオンコスタチン-M)(XX_配列番号161-(Xn)-配列番号162-(Xn)-配列番号163_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、KAQDLERSGLN、配列番号164
XX_NIEDLEKLQMARPNILGLRNNIYCMAQLLDNSDTAEPTKAGRGASQPPTPTPASDAFQRKLEGCRFLH
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhh
HC HD
GYHRFMHSVGRVFSKWGE(Xn)SCSKEYR
hhhhhhhhhhhhhhh hh
VLLGQLQKQTDLMQDTSRLLDPYIRIQGLDVPKLREHCRERPGAFPSEETLRGLGRRGFLQTLNATLGCV
hhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhh hhhhhh hhhhhhhhhhhhhh
HA HB
LHRLADLEQRLPKAQDLERSGLNIEDLEKLQMARPNILGLRNNIYCMAQLLDNSDTAEPTKAGRGASQPP
hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC
TPTPASDAFQRKLEGCRFLHGYHRFMHSVGRVFSKWGE(Xn)SCSKEYRVLLGQLQKQTDLMQDTSRLLDPYIRIQGLD
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh
HD HA
VPKLREHCRERPGAFPSEETLRGLGRRGFLQTLNATLGCVLHRLADLEQRLPK_YY
hhhhhhhhh hhhhh hhhhhhhhhhhhhh
HB
フォールディカイン-CTF1(ヒトカルジオトロフィン-1)(XX_配列番号165-(Xn)-配列番号166-(Xn)-配列番号167_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、NPRA、配列番号168
XX_PRLLRRLEDAARQARALGAAVEALLAALGAANRGPRAEPPAATASAASATGVFPAKVLGLRVCGLYRE
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HC
WLSRTEGDLGQLLP(Xn)HLEAKIRQTHSLAHLLTKYAEQLLQEYVQL
hhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
QGDPFGLPSFSPPRLPVAGLSAPAPSHAGLPVHERLRLDAAALAALPPLLDAVCRRQAELNPRAPRLLRR
Hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhh
HB
LEDAARQARALGAAVEALLAALGAANRGPRAEPPAATASAASATGVFPAKVLGLRVCGLYREWLSRTEGD
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
LGQLLP(Xn)HLEAKIRQTHSLAHLLTKYAEQLLQEYVQLQGDPFGL
hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
PSFSPPRLPVAGLSAPAPSHAGLPVHERLRLDAAALAALPPLLDAVCRRQAEL_YY
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB
フォールディカイン-CNTF(ヒト毛様体神経栄養因子)(XX_配列番号169-(Xn)-配列番号170-(Xn)-配列番号171_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、TPTEGD、配列番号172
XX_FHQAIHTLLLQVAAFAYQIEELMILLEYKIPRNEADGMPINVGDGGLFEKKLWGLKVLQELSQWTVRS
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
IHDLRFISSHQTGIPARGSHYIANNKKM(Xn)PHRRDLCSRSIWLARKIRSDLTALTESYVK
hhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
HQGLNKNINLDSADGMPVASTDQWSELTEAERLQENLQAYRTFHVLLARLLEDQQVHFTPTEGDFHQAIH
hh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh
HB
TLLLQVAAFAYQIEELMILLEYKIPRNEADGMPINVGDGGLFEKKLWGLKVLQELSQWTVRSIHDLRFIS
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
SHQ(Xn)PHRRDLCSRSIWLARKIRSDLTALTESYVKHQGLNKNI
h hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
NLDSADGMPVASTDQWSELTEAERLQENLQAYRTFHVLLARLLEDQQVHF_YY
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB
フォールディカイン-LIF(ヒト白血病阻害因子)(XX_配列番号173-(Xn)-配列番号174-(Xn)-配列番号175_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、NPSA、配列番号176
XX_LSLHSKLNATADILRGLLSNVLCRLCSKYHVGHVDVTYGPDTSGKDVFQKKKLGCQLLGKYKQIIAVL
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
AQAF(Xn)HPCHNNLMNQIRSQLAQLNGSANALFILYYTAQGEPFPNNLDKLCGPNV
hhhhhhhhhhhh---hhhhhhhhhhhh
HA
TDFPPFHANGTEKAKLVELYRIVVYLGTSLGNITRDQKILNPSALSLHSKLNATADILRGLLSNVLCRLC
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
SKYHVGHVDVTYGPDTSGKDVFQKKKLGCQLLGKYKQIIAVLAQAF(Xn)HPCHNNL
hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh h
HD
MNQIRSQLAQLNGSANALFILYYTAQGEPFPNNLDKLCGPNVTDFPPFHANGTEKAKLVELYRIVVYLGT
hhhhhhhhhhh---hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
SLGNITRDQKIL_YY
hhhhhhhhhhhh
フォールディカイン-CSF3(ヒト顆粒球コロニー刺激因子)(XX_配列番号177-(Xn)-配列番号178-(Xn)-配列番号179_YY)
サイトカイン単量体のうちの1つにおいて開かれる配列、EGIS、配列番号180
XX_ELGPTLDTLQLDVADFATTIWQQMEELGMAPALQPTQGAMPAFASAFQRRAGGVLVASHLQSFLEVSY
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
RVLRHLAQP(Xn)SSLPQSFLLKCLEQVRKIQGDGAALQEKLVSECATYKLCHPEELVLLGHSLGI
hhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
PWAPLSSCPSQALQLAGCLSQLHSGLFLYQGLLQALEGISPELGPTLDTLQLDVADFATTIWQQMEELGM
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
APALQPTQGAMPAFASAFQRRAGGVLVASHLQSFLEVSYRVLRHLAQP(Xn)SSLPQSFLLKCLEQ
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhh
HD
VRKIQGDGAALQEKLVSECATYKLCHPEELVLLGHSLGIPWAPLSSCPSQALQLAGCLSQLHSGLFLYQG
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
LLQAL_YY
Hhhhh
【0433】
クラスIIヘリックス型サイトカイン
タンパク質のIL10様クラスは、IL10、IL19、IL20、IL22、IL24、及びIL26を含む。IL28A、IL28B及びIL29(IFNλ)、I型インターフェロン(IFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)及びIFNβ(IFNB1))、IFNγ。
【0434】
下記に本発明者らは、この構造ファミリーに含まれるインターロイキンの各々を列記する。
>sp|P22301|IL10_ヒトインターロイキン-10 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL10 PE=1 SV=1(配列番号181)
QSENSCTHFPGNLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEVMPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINYIEAYMTMKIRN
>sp|Q9UHD0|IL19_ヒトインターロイキン-19 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL19 PE=1 SV=2(配列番号182)
VDNHGLRRCLISTDMHHIEESFQEIKRAIQAKDTFPNVTILSTLETLQIIKPLDVCCVTKNLLAFYVDRVFKDHQEPNPKILRKISSIANSFLYMQKTLRQCQEQRQCHCRQEATNATRVIHDNYDQLEVHAAAIKSLGELDVFLAWINKNHEVMFSA
>sp|Q9N_YY1|IL20_ヒトインターロイキン-20 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL20 PE=1 SV=2(配列番号183)
KTLNLGSCVIATNLQEIRNGFSEIRGSVQAKDGNIDIRILRRTESLQDTKPANRCCLLRHLLRLYLDRVFKNYQTPDHYTLRKISSLANSFLTIKKDLRLCHAHMTCHCGEEAMKKYSQILSHFEKLEPQAAVVKALGELDILLQWMEETE
>sp|Q9GZX6|IL22_ヒトインターロイキン-22 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL22 PE=1 SV=1(配列番号184)
APISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
>sp|Q9NPH9|IL26_ヒトインターロイキン-26 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IL26 PE=1 SV=1(配列番号185)
HKQSSFTKSCYPRGTLSQAVDALYIKAAWLKATIPEDRIKNIRLLKKKTKKQFMKNCQFQEQLLSFFMEDVFGQLQLQGCKKIRFVEDFHSLRQKLSHCISCASSAREMKSITRMKRIFYRIGNKGIYKAISELDILLSWIKKLLESSQ
>sp|Q8IZJ0|IFNL2_ヒトインターフェロンラムダ-2 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNL2 PE=2 SV=1(配列番号186)
RGCHIAQFKSLSPQELQAFKRAKDALEESLLLKDCRCHSRLFPRTWDLRQLQVRERPMALEAELALTLKVLEATADTDPALVDVLDQPLHTLHHILSQFRACIQPQPTAGPRTRGRLHHWLYRLQEAPKKESPGCLEASVTFNLFRLLTRDLNCVASGDLCV
>sp|Q8IZI9|IFNL3_ヒトインターフェロンラムダ-3 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNL3 PE=1 SV=2(配列番号187)
VPVARLRGALPDARGCHIAQFKSLSPQELQAFKRAKDALEESLLLKDCKCRSRLFPRTWDLRQLQVRERPVALEAELALTLKVLEATADTDPALGDVLDQPLHTLHHILSQLRACIQPQPTAGPRTRGRLHHWLHRLQEAPKKESPGCLEASVTFNLFRLLTRDLNCVASGDLCV
>sp|Q8IU54|IFNL1_ヒトインターフェロンラムダ-1 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNL1 PE=1 SV=1(配列番号188)
GPVPTSKPTTTGKGCHIGRFKSLSPQELASFKKARDALEESLKLKNWSCSSPVFPGNWDLRLLQVRERPVALEAELALTLKVLEAAAGPALEDVLDQPLHTLHHILSQLQACIQPQPTAGPRPRGRLHHWLHRLQEAPKKESAGCLEASVTFNLFRLLTRDLKYVADGNLCLRTSTHPEST
>sp|P01562|IFNA1_ヒトインターフェロンアルファ-1/13 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNA1 PE=1 SV=1(配列番号189)
DLPETHSLDNRRTLMLLAQMSRISPSSCLMDRHDFGFPQEEFDGNQFQKAPAISVLHELIQQIFNLFTTKDSSAAWDEDLLDKFCTELYQQLNDLEACVMQEERVGETPLMNADSILAVKKYFRRITLYLTEKKYSPCAWEVVRAEIMRSLSLSTNLQERLRRKE
>sp|P01574|IFNB_ヒトインターフェロンベータ OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNB1 PE=1 SV=1(配列番号190)
MSYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQLQQFQKEDAALTIYEMLQNIFAIFRQDSSSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLEKEDFTRGKLMSSLHLKR_YYGRILHYLKAKEYSHCAWTIVRVEILRNFYFINRLTGYLRN
>sp|P05000|IFNW1_ヒトインターフェロンオメガ-1 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNW1 PE=1 SV=2(配列番号191)
LGCDLPQNHGLLSRNTLVLLHQMRRISPFLCLKDRRDFRFPQEMVKGSQLQKAHVMSVLHEMLQQIFSLFHTERSSAAWNMTLLDQLHTGLHQQLQHLETCLLQVVGEGESAGAISSPALTLRRYFQGIRVYLKEKKYSDCAWEVVRMEIMKSLFLSTNMQERLRSKDRDLGSS
>sp|Q86WN2|IFNE_ヒトインターフェロンイプシロン OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNE PE=2 SV=1(配列番号192)
LDLKLIIFQQRQVNQESLKLLNKLQTLSIQQCLPHRKNFLLPQKSLSPQQYQKGHTLAILHEMLQQIFSLFRANISLDGWEENHTEKFLIQLHQQLEYLEALMGLEAEKLSGTLGSDNLRLQVKMYFRRIHDYLENQDYSTCAWAIVQVEISRCLFFVFSLTEKLSKQGRPLNDMKQELTTEFRSPR
>sp|Q9P0W0|IFNK_ヒトインターフェロンカッパ OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNK PE=1 SV=2(配列番号193)
LDCNLLNVHLRRVTWQNLRHLSSMSNSFPVECLRENIAFELPQEFLQYTQPMKRDIKKAFYEMSLQAFNIFSQHTFKYWKERHLKQIQIGLDQQAEYLNQCLEEDKNENEDMKEMKENEMKPSEARVPQLSSLELRRYFHRIDNFLKEKKYSDCAWEIVRVEIRRCL_YYFYKFTALFRRK
>sp|P01579|IFNG_ヒトインターフェロンガンマ OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNG PE=1 SV=1(配列番号194)
QDPYVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDDQSIQKSVETIKEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMAELSPAAKTGKRKRSQMLFRGRRASQ
【0435】
提案されるホモマーフォールディカインクラスII
クラスIIサイトカインのホモ二量体フォールディカインは、好適には
図27のスキームに従ってアセンブルされる。インタクトな単量体のN及びC末端に融合した分割ドメイン/分子を斜体としている。(Xn)は接続リンカーである。
【0436】
スワップドドメインタンパク質、例えばIL-10及びIFNγにおいて、Xnは、単量体サイトカイン中に導入される設計されたSnループと同等の天然配列である、太字の、二重下線を引いた残基に対応する。クラスIIサイトカインのスワップドドメインフォールディカインは、好適には
図28のスキームに従ってアセンブルされる。
【0437】
非スワップドドメインサイトカインにおいて、(Xn)は、1つのフォールディカインドメインを他のフォールディカインドメインに連結するために操作された接続リンカーである。リンカー配列は、所望される構造的コンホメーションを提供するように設計されるか、又は異なる長さのGly及びSerの単純に組合せである。有益には、しかしながら、操作されたリンカー配列は、特有の3Dコンホメーションを選好する「構造化された」リンカーであり、したがって、本開示の有利な実施形態において、操作されたリンカーは、Gly残基もSer残基も含有しないか、又は5個以下、有益には3個以下、2個以下、若しくは1個以下のGly若しくはSer残基を含有する。XX_及び_YYは、追加の残基がN及びC末端に付加され得ること、又は代替的に新規N及びC末端においてXX_及びYY_の位置のそれぞれ右若しくは左の最大10個の残基が、設計及び構造的要求に依存して、活性に影響することなく欠失され得ることを指し示す。そのため、XX及びYYは、任意選択的な配列エレメントであり、下記の対応する配列番号により同定される配列の部分を形成しない。
【0438】
これらのリンカーの示される位置は本開示の一実施形態を表すが;これらのリンカーの位置を変更することが可能であり得、特に、リンカーブリッジの位置は、機能的なフォールディカインの形成を妨げることなくN末端方向、C末端方向、又は両方において1~10又は1~5個のアミノ酸、例えば1、2、3、4又は5個のアミノ酸により変更されてもよいことが理解されるべきである。そのため、これらのリンカーの指し示される位置は近似的であると考えられるべきであり、各々の場合において、周囲の残基の一部を組み込む(又は除去する)ために拡張され得る。例えば、最大10個のアミノ酸が、(Xn)位置の各々の側において欠失され得る。
【0439】
参照の容易性のために、ファミリー中の構造的に保存されたヘリックスは、それらが元々のWT配列中で見出される連続的な順序(即ちHA、HB....)により標識され、並びにヘリックス状セグメントはhにより標識される。ヘリックス状セグメントがわずかに歪んだヘリックスであり、したがって一部の残基がswisspdbにおいてhとして割り当てられないが定型的ヘリックス状セグメントにより取り囲まれている場合、本発明者らはそれを、h-Nres-h(ここで、Nresは、-として示される任意の数の残基であり得る)として指し示す。ヘリックス状セグメントは、swisspdbソフトウェアを使用して定義され、それらを定義するために使用されるソフトウェアに依存して長さにおいて、及び結晶構造がわずかに異なり得る。(NtCt)は、1つの単量体のN及びC末端を他方に接合するために設計されたリンカーである。
【0440】
フォールディカイン-10(IL10_ヒトインターロイキン-10)(XX_配列番号11-(NtCt)-配列番号12-YY)
それは天然のスワップドドメインサイトカインであるのでループは除去されない。太字の、二重下線を引いたボックスは、フォールディカインを作製するために(下記に指し示されるように)単量体サイトカインのヘリックス間リンカーとスワップされてもよいリンカー配列に対応する。そのため、下記の配列中の(Xn)は、下記に指し示される天然配列であってもよいか、又は別の設計されたブリッジング配列であってもよい。
XX_CTHFPGNLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEVMPQ
hhh hhhhhhhhhhh hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
AENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINY
hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhh
HC HD HE
IEAYMTMKIRN(NtCt)PNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEV
hhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HF HA HB
MPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIF
hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhh
HC HD HE
INYIEAYMTM_YY
Hhhhhhhhhh
HF
フォールディカイン-19(ヒトインターロイキン-19)(XX_配列番号195-(Xn)-配列番号196-(NtCt)-配列番号197-(Xn)-配列番号198_YY)
(ループは除去されている CQQCR;配列番号199)
XX_VDNHGLRRCLISTDMHHIEESFQEIKRAIQAKDTFPNVTILSTLETLQIIKPLDVCCVTKNLLAFYVD
hhhhhhhh----hhhh hh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
RVFKDHQEPNPKILRKISSIANSFLYMQKTLRQ(Xn)QEATNATRVIHDNYDQLEVHAAAIKSLGELDVFLA
hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhh hhhhh
HC HD HE HF
WINKNHEVMFSA(NtCt)VDNHGLRRCLISTDMHHIEESFQEIKRAIQAKDTFPNVTILSTLETLQIIKP
hhhhh hhhhhhh----hhhh hh h
HA
LDVCCVTKNLLAFYVDRVFKDHQEPNPKILRKISSIANSFLYMQKTLRQ(Xn)QEATNATRVIHDNYDQLEV
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh h
HB HC HD
HAAAIKSLGELDVFLAWINKNHEVMFSA_YY
hhhhhhh hhhhhhhhhh
HE HF
フォールディカイン-20(ヒトインターロイキン-20)(XX_配列番号200-(Xn)-配列番号201-(NtCt)-配列番号202-(Xn)-配列番号203_YY)
(ループは除去されている MTCHC;配列番号204)
XX_KTLNLGSCVIATNLQEIRNGFSEIRGSVQAKDGNIDIRILRRTESLQDTKPANRCCLLRHLLRLYLDR
hhhhhhhh---hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
VFKNYQTPDHYTLRKISSLANSFLTIKKDLRLCHAH(Xn)GEEAMKKYSQILSHFEKLEPQAAVVKALGELD
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hh
HC HD HE
ILLQWMEETE(NtCT)KTLNLGSCVIATNLQEIRNGFSEIRGSVQAKDGNIDIRILRRTESLQDTKPANR
hhhhhhh hhhhhhhh---hhhhh hhhh
HF HA
CCLLRHLLRLYLDRVFKNYQTPDHYTLRKISSLANSFLTIKKDLRLCHAH(Xn)GEEAMKKYSQILSHFEKL
hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC HD
EPQAAVVKALGELDILLQWMEETE_YY
hhhhhhh hhhhhhhhh
HE HF
フォールディカイン-22(ヒトインターロイキン-22)(XX_配列番号205-(Xn)-配列番号206-(NtCt)-配列番号207-(Xn)-配列番号208_YY)
(ループは除去されている STCHIEGDDL;配列番号209)
XX_CRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQ
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh---hhhh
HA HB
SDRFQPYMQEVVPFLARLSNRL(Xn)HIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI(NtCt)
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HC HD HE HF
APISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEE
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
VLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRL(Xn)HIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI-YY
hhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HC HD HE HF
フォールディカイン-26(ヒトインターロイキン-26)(XX_配列番号210-(Xn)-配列番号211-(NtCt)-配列番号212-(Xn)-配列番号213_YY)
(ループは除去されている SCASSARE;配列番号214)
XX_HKQSSFTKSCYPRGTLSQAVDALYIKAAWLKATIPEDRIKNIRLLKKKTKKQFMKNCQFQEQLLSFFM
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhhh
HA HB
EDVFGQLQLQGCKKIRFVEDFHSLRQKLSHCI(Xn)MKSITRMKRIFYRIGNKGIYKAISELDILLSWIKKL
hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhh
HC HD HE HF
LESSQ(NtCt)HKQSSFTKSCYPRGTLSQAVDALYIKAAWLKATIPEDRIKNIRLLKKKTKKQFMKNCQF
hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhh
HA
QEQLLSFFMEDVFGQLQLQGCKKIRFVEDFHSLRQKLSHCI(Xn)MKSITRMKRIFYRIGNKGIYKAISELD
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh hhhhhhh h
HB HC HD HE
ILLSWIKKLLESSQ_YY
hhhhhhhhhhhh
HF
フォールディカイン-L2(ヒトインターフェロンラムダ-2)(XX_配列番号215-(Xn)-配列番号216-(NtCt)-配列番号217-(Xn)-配列番号218_YY)
(ループは除去されている IQPQPTAGPRTRG;配列番号219)
XX_RGCHIAQFKSLSPQELQAFKRAKDALEESLLLKDCRCHSRLFPRTWDLRQLQVRERPMALEAELALTL
hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
KVLEATADTDPALVDVLDQPLHTLHHILSQFRAC(Xn)RLHHWLYRLQEAPKKESPGCLEASVTFNLFRLLTR
hhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD HE HF
DLNCVASGDLCV(NtCt)RGCHIAQFKSLSPQELQAFKRAKDALEESLLLKDCRCHSRLFPRTWDLRQLQ
hhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
VRERPMALEAELALTLKVLEATADTDPALVDVLDQPLHTLHHILSQFRAC(Xn)RLHHWLYRLQEAPKKESPG
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hh
HB HC HD
CLEASVTFNLFRLLTRDLNCVASGDLCV_YY
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HE HF
フォールディカイン-L3(ヒトインターフェロンラムダ-3)(XX_配列番号220-(Xn)-配列番号221-(NtCt)-配列番号222-(Xn)-配列番号223_YY)
(ループは除去されている IQPQPTAGPRTRGR;配列番号224)
XX_RGCHIAQFKSLSPQELQAFKRAKDALEESLLLKDCKCRSRLFPRTWDLRQLQVRERPVALEAELALTL
hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
KVLEATADTDPALGDVLDQPLHTLHHILSQLRAC(Xn)RLHHWLHRLQEAPKKESPGCLEASVTFNLFRLLTR
hhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD HE-HF
DLNCVASGDLCV(NtCt)RGCHIAQFKSLSPQELQAFKRAKDALEESLLLKDCKCRSRLFPRTWDLRQLQ
hhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
VRERPVALEAELALTLKVLEATADTDPALGDVLDQPLHTLHHILSQLRAC(Xn)RLHHWLHRLQEAPKKESPG
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hh
HB HC HD
CLEASVTFNLFRLLTRDLNCVASGDLCV_YY
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HE-HF
フォールディカイン-L1(ヒトインターフェロンラムダ-1)(XX_配列番号225-(Xn)-配列番号226-(NtCt)-配列番号227-(Xn)-配列番号228_YY)
(ループは除去されている IQPQPTAGPRTRGR;配列番号229)
XX_TGKGCHIGRFKSLSPQELASFKKARDALEESLKLKNWSCSSPVFPGNWDLRLLQVRER
hhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
PVALEAELALTLKVLEAAAGPALEDVLDQPLHTLHHILSQLQAC(Xn)LHHWLHRLQEAPKKESAGCLEASV
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhh
HB HC HD HE
TFNLFRLLTRDLKYVADGNLCLRTSTHPEST(NtCt) TGKGCHIGRFKSLSPQELASFKK
h hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhh
HF
ARDALEESLKLKNWSCSSPVFPGNWDLRLLQVRERPVALEAELALTLKVLEAAAGPALEDVLDQPLHTLH
hhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HA HB HC
HILSQLQAC(Xn)LHHWLHRLQEAPKKESAGCLEASVTFNLFRLLTRDLKYVADGNLCLRTSTHPEST_YY
hhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh
HD HE HF
フォールディカイン-A1(ヒトインターフェロンアルファ-1/13)(XX_配列番号230-(Xn)-配列番号231-(NtCt)-配列番号232-(Xn)-配列番号233_YY)
(ループは除去されている MQEERVGETPLMN;配列番号234)
XX_SLDNRRTLMLLAQMSRISPSSCLMDRHDFGFPQEEFDGNQFQKAPAISVLHELIQQIFNLFT
hhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhh
HA HB
TKDSSAAWDEDLLDKFCTELYQQLNDLEACV(Xn)ADSILAVKKYFRRITLYLTEKKYSPCAWEVVRAEIMR
hhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhh
HC HD HE-HF
SLSLSTNLQERLRRKE(NtCt)SLDNRRTLMLLAQMSRISPSSCLMDRHDFGFPQEEFDGNQFQ
hhhhh hhhhhhhhhhh
HA
KAPAISVLHELIQQIFNLFTTKDSSAAWDEDLLDKFCTELYQQLNDLEACV(Xn)ADSILAVKKYFRRITLY
hhhhhhhhhhhh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HB HC HD
LTEKKYSPCAWEVVRAEIMRSLSLSTNLQERLRRKE_YY
hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HE-HF
フォールディカイン-A2(ヒトインターフェロンアルファ-2 OS=ホモサピエンス OX=9606 GN=IFNA2 PE=1 SV=1(XX_配列番号235-(Xn)-配列番号236-(NtCt)-配列番号237-(Xn)-配列番号238_YY)
(ループは除去されている IQGVGVTETPLMK;配列番号239)
XX_SLGSRRTLMLLAQMRKISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFSTKDSSAA
hhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhh hhhhhh
HA HB
WDETLLDKFYTELYQQLNDLEACV(Xn)EDSILAVRKYFQRITLYLKEKKYSPCAWEVVRAEIMRSFSLSTN
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD HE-HF
LQESLRSKE(NtCt)SLGSRRTLMLLAQMRKISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQ
hhhhhhhhhhh hhhhhhhhh
HA HB
IFNLFSTKDSSAAWDETLLDKFYTELYQQLNDLEACV(Xn)EDSILAVRKYFQRITLYLKEKKYSPCAWEVV
hhh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh
HC HD HE-HF
RAEIMRSFSLSTN _YY
hhhhhhhhh
フォールディカイン-IFNB(ヒトインターフェロンベータ)(XX_配列番号240-(Xn)-配列番号241-(NtCt)-配列番号242-(Xn)-配列番号243_YY)
(ループは除去されている KEDFTRGK;配列番号244)
XX_MSYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQLQQFQKEDAALTIYEMLQNIFA
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
IFRQDSSSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLE(Xn)LMSSLHLKRYYGRILHYLKAKEYSHCAWTIVRVE
hh hh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhh
HC HD
ILRNFYFINRLTGYLRN(NtCt)MSYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQL
hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh hhhh
HE-HF HA
QQFQKEDAALTIYEMLQNIFAIFRQDSSSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLE(Xn)LMSSLHLKRYYG
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh
HB HC
RILHYLKAKEYSHCAWTIVRVEILRNFYFINRLTGYLRN_YY
hhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HE-HF
フォールディカイン-IFNW1(ヒトインターフェロンオメガ-1)(XX_配列番号245-(Xn)-配列番号246-(NtCt)-配列番号247-(Xn)-配列番号248_YY)
(ループは除去されている LLQVVGEGESAGAIS;配列番号249)
XX_LGCDLPQNHGLLSRNTLVLLHQMRRISPFLCLKDRRDFRFPQEMVKGSQLQKAHVMSVLHEMLQQIFS
hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
LFHTERSSAAWNMTLLDQLHTGLHQQLQHLETC(Xn)SPALTLRRYFQGIRVYLKEKKYSDCAWEVVRMEIM
hhhhh hhhhhhh---hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh
HC HD HE-HF
KSLFLSTNMQ(NtCt)CDLPQNHGLLSRNTLVLLHQMRRISPFLCLKDRRDFRFP
hhhhhhh hhhhhhhhhhhhh
HA
QEMVKGSQLQKAHVMSVLHEMLQQIFSLFHTERSSAAWNMTLLDQLHTGLHQQLQHLETC(Xn)SPALTLRR
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhh hhhhhhh---hhhh hhhhh
HB HC
YFQGIRVYLKEKKYSDCAWEVVRMEIMKSLFLSTNMQ_YY
hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HE-HF
フォールディカイン-IFNE(ヒトインターフェロンイプシロン)(XX_配列番号250-(Xn)-配列番号251-(NtCt)-配列番号252-(Xn)-配列番号253_YY)
(ループは除去されている GLEAEKLSGTLG;配列番号254)
XX_LDLKLIIFQQRQVNQESLKLLNKLQTLSIQQCLPHRKNFLLPQKSLSPQQYQKGHTLAILHEMLQQIF
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
SLFRANISLDGWEENHTEKFLIQLHQQLEYLEALM(Xn)SDNLRLQVKMYFRRIHDYLENQDYSTCAWAIVQ
hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhh
VEISRCLFFVFSLTEKLSKQGRPLNDMKQELTTEFRSPR(NtCt)LDLKLIIFQQRQVNQESLKLLNKLQ
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
TLSIQQCLPHRKNFLLPQKSLSPQQYQKGHTLAILHEMLQQIFSLFRANISLDGWEENHTEKFLIQLHQQ
Hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh
LEYLEALM(Xn)SDNLRLQVKMYFRRIHDYLENQDYSTCAWAIVQVEISRCLFFVFSLTEKLSKQGRPLNDM
hhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhh
KQELTTEFRSPR_YY
hhhhhhh
フォールディカイン-IFNK(ヒトインターフェロンカッパ)(XX_配列番号255-(Xn)-配列番号256-(NtCt)-配列番号257-(Xn)-配列番号258_YY)
(ループは除去されている EEDKNENEDMKEMKENEMKPSEAR;配列番号259)
XX_LDCNLLNVHLRRVTWQNLRHLSSMSNSFPVECLRENIAFELPQEFLQYTQPMKRDIKKAFYEMSLQAF
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
NIFSQHTFKYWKERHLKQIQIGLDQQAEYLNQCL(Xn)VPQLSSLELRRYFHRIDNFLKEKKYSDCAWEIVR
hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhh
HC HD
VEIRRCL_YYFYKFTALFRRK(NtCt)LDCNLLNVHLRRVTWQNLRHLSSMSNSFPVECLRENIAFELPQE
hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh
HE-HF HA
FLQYTQPMKRDIKKAFYEMSLQAFNIFSQHTFKYWKERHLKQIQIGLDQQAEYLNQCL(Xn)VPQLSSLELR
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhh
HB HC
RYFHRIDNFLKEKKYSDCAWEIVRVEIRRCL_YYFYKFTALFRRK_YY
hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HE-HF
フォールディカイン-IFNG(ヒトインターフェロンガンマ)(XX-配列番号14-(NtCt)-配列番号15-YY)
それは天然のスワップ済みILであるのでループは除去されないXX_QDPYVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDDQSIQK
hhhhhhhhhhhh hh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hh
HA HB
SVETIKEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMAELSPMLF(NtCt)
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhh hhhhhh
HC HD HE HF
MQDPYVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDD
hhhhhhhhhhhhh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
QSIQKSVETIKEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMAELSPAAKTGKRKRSQ
hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhh hhhhhhh---hhhhhh
HC HD HE HF
MLFRGRRASQ_YY
フォールディカイン-IFNG(ヒトインターフェロンガンマ)(ORKIFNg-002)(配列番号18)
GSQDPYVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDDQSIQK
hhhhhhhhhhhh hh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hh
HA HB
SVETIKEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMASKPHPGQLWA
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhh hhhhhh
HC HD HE HF
YVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDDQSIQKSVETI
hhhhhhhhhhhh hh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh
HA HB HC
KEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMAELSPAA
hhhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhh hhhhhh
HC HD HE HF
【0441】
クラスI及びクラスIIヘテロ二量体フォールディカイン
単一分子ヘテロ二量体フォールディカインは、
図6A及び
図6Bに指し示されるスキームに従ってクラスIサイトカインとクラスIIサイトカインとの間で形成されてもよい。
【0442】
A)
図6Aの構築スキームの様々な実施形態に従ってヘテロ二量体フォールディカインを形成するためにクラスIIサイトカインと組み合わせられてもよいクラスIサイトカインは、ショートヘリックスバンドルサイトカイン、例えばIL2、IL3、IL4、IL7、IL9、IL15、IL21、TSLP、GMCS-F、CSF1、及びCSF2;並びにロングヘリックスバンドルサイトカイン、例えばIL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3を含む。
【0443】
図6Aの構築スキームの様々な実施形態に従ってヘテロ二量体フォールディカインを形成するためにクラスIサイトカインと組み合わせられてもよいクラスIIサイトカインは、IL10様クラスのタンパク質IL19、IL20、IL22、IL24、及びIL26;IL28A、IL28B及びIL29(IFNλ);I型インターフェロン(IFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21);IFNω(IFNW1);IFNε(IFNE);IFNк(IFNK);IFNβ(IFNB1))及びIFNγを含む。
【0444】
クラスI/クラスII フォールディカインヘテロ二量体
この態様及び本開示の様々な実施形態にしたがったフォールディカインは、1つの単量体のN末端を共有結合的に他の単量体のC末端に及びその逆に連結して単一のポリペプチドを作出することにより形成される(黒線、右上パネル;
図6Aを参照)。追加的に、元々の単量体ドメインのうちの1つにおける隣接するαヘリックスの間のリンカー領域(黒線;右下パネル;
図6Aを参照)は開かれて、フォールディカイン中の新規N及びC末端(N_N-ter及びN-C-ter;左下パネル;
図6A)が作出される。新規N及びC末端が元々のサイトカインI型配列において作出される。
【0445】
例として、この態様の1つの実施形態にしたがったヘテロ二量体IL-2/IL-22ポリペプチドが下記に示される(配列番号197)。この配列において、下線で本発明者らは分割IL-2ポリペプチド配列を、及び斜体で「連続的な」IL-22配列を示している。太字は、新規フォールディカインタンパク質のために新規N及びC末端を作出するために開かれるIL-2のループである。開かれる正確な位置及び保たれるべき残基は変動することができ、以前に記載されたように、任意の数の太字残基を含み得る。
IL-2/IL-22(フォールディカイン2-22_6A;XX_配列番号260-(Xn)-配列番号261-(Xn)-配列番号262_YY)
XX-FHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(Xn)
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD
CRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQ
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh---hhhh
HA HB
SDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
Hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HC HD HE HF
(Xn)TSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKN-YY
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh hhh hhhhhhh---hhhhhh
HA HB
【0446】
B)
図6Bの構築スキームの様々な実施形態に従ってヘテロ二量体フォールディカインを形成するためにクラスIIサイトカインと組み合わせられてもよいクラスIサイトカインは、ショートヘリックスバンドルサイトカイン、例えばIL2、IL3、IL4、IL7、IL9、IL15、IL21及びGMCS-F;並びにロングヘリックスバンドルサイトカイン、例えばIL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3を含む。
【0447】
図6Bの構築スキームの様々な実施形態に従ってヘテロ二量体フォールディカインを形成するためにクラスIサイトカインと組み合わせられてもよいクラスIIサイトカインは、IL10様クラスのタンパク質IL19、IL20、IL22、IL24、及びIL26;IL28A、IL28B及びIL29(IFNλ);I型インターフェロン(IFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21);IFNω(IFNW1);IFNε(IFNE);IFNк(IFNK);IFNβ(IFNB1))及びIFNγを含む。
【0448】
分割ドメインサイトカイン単量体がクラスIサイトカイン又はクラスIIサイトカインのいずれにより提供されるのかに従って2つの異なるスキームが用いられてもよい。
【0449】
クラスI/クラスII フォールディカインヘテロ二量体
第1の例において、クラスI フォールディカインは分割され、並びに連続的なクラスIIサイトカインがクラスIサイトカインの分割N及びC末端部分の間に挿入される。これらの実施形態に従って、クラスI及びクラスIIサイトカインは、それぞれ野生型クラスI及びクラスIIサイトカインの構造と比較して逆転しており、野生型サイトカインのC末端部分は対応するフォールディカイン部分/ドメインのN末端部分を形成しており、及び野生型サイトカインのN末端部分は対応するフォールディカイン部分/ドメインのC末端部分を形成している。
【0450】
この態様及び本開示の様々な実施形態にしたがったフォールディカインは、例えば、第2及び第3のαヘリックスの間で、クラスIサイトカイン中のリンカー領域/ループを開いて新規N及びC末端を作出することにより形成される。同様に、クラスIIサイトカイン中のリンカー領域/ループは、クラスIサイトカインの元々のN及びC末端に融合するための新規N及びC末端を作出するために開かれる。次に、リンカー(Xn)が使用されて、クラスIサイトカインの元々のC末端がクラスIIサイトカインの新規N末端に、及びクラスIサイトカインの元々のN末端がクラスIIサイトカインの新規C末端に接続される。クラスIサイトカイン中の開かれるループは、下記の配列において太字で示される。
【0451】
例として、この実施形態にしたがったヘテロ二量体IL-2/IL-22ポリペプチドが下記に示される(配列番号198)。この配列において、斜体で本発明者らは分割IL-2ポリペプチド配列を、及び下線で「連続的な」(逆転した)IL-22配列を示している。太字は、新規フォールディカインタンパク質のために新規N及びC末端を作出するために開かれるIL-2のループである。開かれる正確な位置及び保たれるべき残基は変動することができ、以前に記載されたように、任意の数の太字残基を含み得る。
IL-2/IL-22(フォールディカイン2-22_6B;XX_配列番号263-(Xn)-配列番号264-(NtCt)-配列番号265-(Xn)-配列番号266_YY)
XX-FHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(Xn)LHIQRNVQKLKDTVKK
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD HD
LGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI(NtCt)CRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSE
hhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh
HE HF HA
RCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRL(Xn)TSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNP
hhhhhhhhhhhhh hhhh hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC HA
KLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKN-YY
hhhhhh hhh hhhhhhh---hhhhhh
HB
【0452】
第2の例において、クラスII フォールディカインは分割され、並びに連続的なクラスIサイトカインがクラスIIサイトカインの分割N及びC末端部分の間に挿入される。これらの実施形態に従って、クラスI又はクラスIIサイトカインのいずれも逆転されず、その結果、αヘリックスの順序は、(分割単量体ドメインの例外と共に)対応する野生型サイトカインの順序にしたがったものである。
【0453】
この態様及び本開示の様々な実施形態にしたがったフォールディカインは、例えば、第3及び第4のαヘリックスの間で、クラスIIサイトカイン中のリンカー領域/ループを開いて新規N及びC末端を作出することにより形成される。次に、リンカー(Xn)が使用されて、分割クラスIIサイトカイン配列の新規C及びN末端が、連続的なクラスIサイトカインドメインのそれぞれ元々のN及びC末端に接続される。
【0454】
例として、この実施形態にしたがったヘテロ二量体IL-22/IL-2ポリペプチドが下記に示される(配列番号199)。この配列において、斜体で本発明者らは分割IL-22ポリペプチド配列を、及び下線で「連続的な」IL-2配列を示している。
IL-22/IL-2(フォールディカイン 22-2_6B;XX_配列番号267-(Xn)-配列番号268-(Xn)-配列番号269_YY)
IL-22は分割され、及び斜体の残基として示される。IL-2は連続的であり、及び下線を引いた残基として示される。
XX_CRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQ
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhh---hhhh
HA HB
SDRFQPYMQEVVPFLARLSNRL(Xn)TSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATEL
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh hhh
HC HA
KHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(Xn)
hhhhhhh---hhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC HD
LHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI-YY
hhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HD HE HF
【0455】
実施例4:異なるフォールディカインスキャフォールド中のリンカーの設計及び開かれるべきループの同定
方法
循環置換体の生成
インターロイキンのための循環置換体を生成するための一般的なプロトコールは、(ModelXのBridgingコマンドを使用して)天然NC末端を閉じる、対応する構造上の第1のイントラリンカー設計により行う。この第1のステップは、各々の異なるインターロイキンのために共通であり、及び連続的な配列により表される構造モデルを作出する。循環置換体は次に、連続的な配列上のペプチド結合を破壊すること及び新規N末端(破壊残基、breaking residue)から開始してそれを再番号付けすることにより作出される。異なる破壊残基の選択は異なる置換体(permutant)を結果としてもたらす。選択される破壊残基は、各々の結晶学的構造においてより小さい安定化特性を有する残基である。
【0456】
使用されたPDB構造:
IL-2のために本発明者らは、タンパク質モデリング用の構造PDB 5lqb、IL-22のために6weo、IFNbのために1au1及びGMCSFのために2gmfを使用した。
【0457】
ModelX及びFoldXソフトウェアを使用したイントラリンカーの設計:
標的ILの天然Nt及びCtを連結する新規の接続(イントラリンカー)をModelXツールスイートの補助と共に設計した。ModelX Bridgingコマンド(Cross-Linkingモード)を使用し;それは、特製のタンパク質断片ライブラリー(PepXDB_5k)からの全ての幾何学的に適合性の断片と、アンカーとして選択された残基のペアを接続する。Bridgingコマンドは、ユーザーが異なるペプチド長さを選択することを可能とし;出力は、ラマチャンドランプロットにおける禁じられたファイ及びプサイ二面角を有するか又は骨格クラッシュを有するリンカー/接続が廃棄されるブリッジ化モデルのアンサンブルである。
【0458】
ペプチドがアンカー間の数値的位置よりも長い場合、Bridgingは、更なるモデリングステップにおいてFoldXによって認識されない残基コードで余剰残基を再番号付けする。この理由のため、循環置換体の設計は、指し示される位置で開き並びに天然Nt及びCtを連結した後の単量体タンパク質残基の数値的再編成を要求した。Bridgingはまた、アンカー間の全ての縁部残基をペプチドからの残基で置き換える。
【0459】
所与の構造のNC末端を閉じるために、接合されるべき領域の側部周辺のオーバーラップするスライドするウィンドウにおけるアンカリング点の網羅的な組合せを用いてBridgingアルゴリズムを通じてモデルを実行することにより大規模リンカースクリーニングを行った。あらゆるウィンドウを異なるペプチド長さ(6~20aa)のために照会した。ブリッジ化モデルは、FoldX(Delgado et al, 2019)のRepairPDBコマンドを使用して修復された側鎖であり、結果的なモデルをグローバルエネルギーによりランク付けした(FoldX Stabilityコマンド)。次にFoldXのposition scan mutagenesis(PSSM)をリンカー及び隣接する残基に対して実行して、IL及び対応する受容体とのパッキングを最適化する突然変異を同定した。
【0460】
プラスミド生成
この研究において生成された全てのプラスミドをGibson法(Gibson et al, Nat Methods 6, 343-345 (2009)に従ってアセンブルさせた。必要な場合、Integrated DNA Technologies(IDT)Corporationが遺伝子合成(gBlock二本鎖断片)及びオリゴヌクレオチド合成を行った。遺伝子増幅は、Phusion DNAポリメラーゼ(Thermo Fisher Scientific)を用いて実行し、大腸菌DH5-アルファコンピテント細胞(NEB)において形質転換を行った。
【0461】
ExpiCHO細胞中での哺乳動物タンパク質発現のために、使用されたベクターはpcDNA3.1(V790-20、Invitrogen)であった。マイコプラズマ・ニューモニエM129細胞を使用した細菌タンパク質発現のために、Tn4001に由来するトランスポゾン(Lyon et al., Mol Gen Genet.1984;193(3):554-6)を使用した。マイコプラズマ・ニューモニエの場合、本発明者らは、P3合成プロモーター(Yus et al, Nat Commun. 2017 Aug 28;8(1):368)を使用し、M.ニューモニエ用の分泌シグナル(s142)(米国特許第10,745,450号明細書)を全てのバリアントのために使用した。
【0462】
全てのプラスミドをサンガーシークエンシング(Eurofins Genomics)により検証した。
【0463】
ExpiCHOシステムを使用したタンパク質発現
ExpiCHOタンパク質発現キット細胞はThermofisher(A29133)から購入した。小スケール製造(2.5mL)のために、24深底ウェルプレートを使用し(AXYPDW10ML24CS、Merck)、気体透過性フィルム(ThermoFisher)により覆った。製造の-1日目に、ExpiCHO細胞を1mL当たり3×106個の生存細胞の最終密度に分割した。37℃、8% CO2及び110rpmでの振盪で増殖させた。製造の0日目に、ExpiCHO細胞を試料毎に1mL当たり3×106個の生存細胞の最終密度に分割し、2.5mLの細胞懸濁液のアリコートをプレートウェル毎にプレーティングした。試料毎に、本発明者らは、9.0μL ExpiFectamine CHO試薬(錯化混合物)を含む200μlの冷OptiPRO SFM中の2μgのDNAを調製し、各々のプレートウェルに加えた。プレートを気体透過性シールで覆い、37℃、8% CO2及び225rpmでインキュベートした。トランスフェクションの18~22時間後の1日目に、ExpiFectamine CHO Enhancer及びExpiCHO Feedを各々のウェルに加えた。24ウェルのプレート全体について、コニカルチューブ中で400μL ExpiFectamine CHO Enhancer及び16mL ExpiCHO Feedを混合した。この混合物から、600μLをプレートの各々のウェルに加えた。次にプレートを37℃、8% CO2及び225rpmで4日間インキュベートし、次に採取を行った。
【0464】
ELISAによるタンパク質定量化
マイコプラズマ・ニューモニエM129発現又はExpiCHO発現について関心対象のタンパク質のタンパク質製造をELISAにより定量化した。異なる実験の各々を生産者の指示書に従ってIFN-ベータ(Human IFN-beta DuoSet ELISA、Biotechne)、IL-10(ELISA MAX(商標) Deluxe Set Human IL-10、Biolegend)、IL-22(ELISA MAX(商標) Deluxe Set Human IL-22、Biolegend)、及びIL-2(ELISA MAX(商標) Deluxe Set Human IL-2、Biolegend)について行った。
【0465】
質量分析によるタンパク質定量化
IFN-βバリアント及びIL-22バリアントについて、タンパク質定量化についてのELISAの結果を質量分析により検証した。試料調製のために、溶液の消化試料をジチオトレイトール(30nmol、1時間、37℃)で還元させ、暗所中ヨードアセトアミド(60nmol、30分、25℃)でアルキル化した。得られたタンパク質抽出物を最初に200mM NH4HCO3で1/3に希釈し、1μg LysC(Wako、cat# 129-02541)で終夜37℃で消化し、次に1/2に希釈し、1μgのトリプシン(Promega、cat# V5113)で8時間37℃で消化した。消化後に、ペプチドミックスをギ酸で酸性化させ、LC-MS/MS分析に先立ってMicroSpin C18カラム(The Nest Group, Inc)で脱塩した。クロマトグラフィー及び質量分析のために、EASY-nLC 1200(Thermo Fisher Scientific(Proxeon)、Odense、Denmark)に連結されたOrbitrap Eclipse質量分析計(Thermo Fisher Scientific、San Jose、CA、USA)を使用して試料を分析した。ペプチドを直接的に分析カラムにロードし、2μm C18粒子を充填した75μmの内径の50cmカラムの分光計(Thermo Scientific、San Jose、CA、USA)を使用して逆相クロマトグラフィーにより分離を行った。
【0466】
クロマトグラフィー勾配は、300nl/分の流速で95%の緩衝液A及び5%の緩衝液Bで開始し、79分の25%の緩衝液B及び75%のA、並びに次に11分の40%の緩衝液B及び60%のAまで徐々に増加させた。各々の分析後に、カラムを10分間100%の緩衝液Bで洗浄した。緩衝液A:水中の0.1%のギ酸。緩衝液B:80%のアセトニトリル中の0.1%のギ酸(2019年1月)。
【0467】
質量分析計は、2.4kVに設定されたナノスプレー電圧及び305℃の供給源温度と共に陽イオン化モードにおいて稼働した。取得は、データ依存的取得(DDA)モードで行い、120,000の分解能での1マイクロスキャンを伴うフルMSスキャンをOrbitrap質量分析装置における検出と共にm/z 350~1400の質量範囲にかけて使用した。オートゲインコントロール(AGC)は「standard」に、及び注入時間は「auto」に設定した。データ依存的取得分析の各々のサイクルにおいて、各々のサーベイスキャン後に、10000の閾値イオンカウントを上回る最も強いイオンをフラグメンテーションのために選択した。フラグメンテーションのために選択される前駆体イオンの数は、「Top Speed」取得アルゴリズム及び60秒のダイナミックエクスクルージョンにより決定した。28%の正規化された衝突エネルギーでの高エネルギー衝突解離(HCD)を介してフラグメントイオンスペクトルを生成し、それらをイオントラップ質量分析装置において取得した。AGCを2E4に設定し、0.7m/zの単離ウィンドウ及び12msの最大注入時間を使用した。試料のキャリーオーバーを回避するため及び機器の安定性を保証するために各々の試料の間に、消化されたウシ血清アルブミン(New England biolabs cat# P8108S)を分析し;QCloud(Chiva et al. (2018) PLoS One. Jan 11;13(1))を使用して、プロジェクトの間の機器の長手方向性能を制御した。データ分析のために、Proteome Discovererソフトウェアスイート(v2.0、Thermo Fisher Scientific)及びMascotサーチエンジン(v2.6、Matrix Science;Perkins, et al. (1999) Electrophoresis. Dec;20(18):3551-67)を使用して、取得されたスペクトルを分析した。Swiss-Protチャイニーズハムスター参照データベース(2022年11月時点で、23885エントリー)に加えて一般的な夾雑物のリスト(Beer et al (2017) Methods Mol Biol. 1619:339-352)及び全ての対応するデコイエントリーに対してデータをサーチした。ペプチド同定のために、7ppmの前駆体イオン質量許容性をMS1レベルのために使用し、トリプシンを酵素として選択し、最大3回の切断の失敗を許した。フラグメントイオン質量許容性をMS2スペクトルのために0.5Daに設定した。メチオニンの酸化及びN末端タンパク質アセチル化を変動的な修飾として使用した一方、システイン上のカルバミドメチル化を固定された修飾として設定した。ペプチド同定における偽発見率(FDR)は最大5%に設定した。
【0468】
ペプチド抽出イオン電流(XIC)のために2ppmの質量許容差を使用してProteome Discoverer(v2.5)からの「Precursor Ion Quantifier」ノードからペプチド定量化データを取得した。
【0469】
HEK blue ILレポーター細胞の培養
SEAPレポーター構築物を有するHEK-Blue(商標)細胞株はInvivoGen(InvivoGen、San Diego、CA、USA)から購入した。この研究において本発明者らは、IFN-α/βレポーターHEK 293細胞(hkb-ifnab)、ヒトIL-2 & IL-15レポーター細胞(hkb-il2bg)、ヒト&マウスIL-22レポーター細胞(hkb-il22)及びヒトIL-10レポーター細胞(hkb-il10)を使用した。本発明者らは、IFN-ガンマ検出のためにHEK二重細胞(2つのレポーター:SEAP及びLucia)(ヒトIFN-γ SEAP/ルシフェラーゼレポーター細胞、hkd-ifng)を使用した。
【0470】
10% FBS、2mM L-グルタミン及び異なるレポーター細胞の各々において生産者により指定された選択抗生物質を補充したDMEM(Lonza、BE12-604F)中で細胞を増殖させた。生産者の推奨に従って、70%のコンフルエンスに達したときに細胞を継代した。
【0471】
HEK-Blue(商標)細胞における比色分析
ELISAによる上清定量化後に、異なる希釈を行うためにDMEM培地を使用してHEKレポーター細胞のダイナミックレンジにフィットするように試料を調整した。最上濃度の各々は、各々のレポーター細胞について飽和にマッチするように設定し、8段階希釈を各々の試料について行った(各々0.5倍)。次に、HEKレポーター細胞を生産者の指示書に従って調製した。簡潔に述べれば、ウェル当たり180μlの細胞を96ウェルプレート(Nunc Microwell、ThermoFisher Scientific、#167008)中に播種した。ここから、調整された濃度を有する各々の上清20μLを加え、細胞を20~24時間37℃及び5% CO2で保った(誘導されたHEK-Blue(商標))。その後に、180μLのQUANTI-Blue Solution(Alkaline phosphatase detection medium、#repqbs、InvivoGen)を20μLの誘導されたHEK-Blue(商標)細胞と新規の96ウェルプレート中で混合した。細胞を次に60分37℃でインキュベートし、吸光度(630nm)を分光光度計Tecan i-control、2.0.10.0において測定した。
【0472】
EC-50データの推測
条件の各々について、分子量を考慮に入れてモル濃度を算出した。「フォールディカイン」について、タンパク質の両方のサブユニットは活性であると考えられ、したがって本発明者らは、それがホモフォールディカイン(2つのドメインが同じ)である場合に単量体の分子量を使用した。フォールディカインがヘテロフォールディカインである場合、本発明者らは、フォールディカインのうちの1つに対する抗体を使用して存在量を決定し、モル濃度を決定するために各々のILの分子量を考慮した。バックグラウンドをサブトラクションした異なる吸光度測定値を、GraphPad Prism 9 Softwareを使用してミカエリス・メンテン式にフィッティングした。
【0473】
結果
fodikineを作製する方法B - クラスIサイトカイン(例えばIL-2)
試験したバリアントのリストは以下の通りであった:
・IL2 WT(真核細胞、即ちCHO細胞により発現及び分泌される野生型IL-2)
・ORK2-006:aa配列GPPPPG(配列番号270)を有する2つの6aaインターリンカーを介して接続されたフォールディカイン-2。
・ORK2-007:aa配列GPPPPPG(配列番号271)を有する2つの7aaインターリンカーを介して接続されたフォールディカイン-2。
・ORK2-008:aa配列GPPPPPPG(配列番号272)を有する2つの8aaインターリンカーを介して接続されたフォールディカイン-2。
・ORK2-009:aa配列GGGSGG(配列番号273)を有する2つの6aaインターリンカーを介して接続されたフォールディカイン-2。
・ORK2-010:aa配列GGGSGGG(配列番号274)を有する2つの7aaインターリンカーを介して接続されたフォールディカイン-2。
・ORK2-011:aa配列GGGSGGGG(配列番号275)を有する2つの8aaインターリンカーを介して接続されたフォールディカイン-2。
【0474】
使用されたアミノ酸配列は以下であった(カノニカルなαヘリックスのみを標識しており;下線を引いた配列はM.ニューモニエ用の分泌シグナルである):
>IL2 WT(配列番号79)
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HB HC HD
WITFCQSIISTLT*
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HD
>ORK2-006 ポリPro 6aaリンカー(配列番号313)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSII
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HC HD
STLTGPPPPGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKP
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HB HC HD
PPPGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLN
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HA HB
LAQS*
>ORK2-007 ポリPro 7aaリンカー(配列番号276)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSII
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HC HD
STLTGPPPPPGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKP
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HA HB
LEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLTGP
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HB HC HD
PPPPGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLN
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HA HB
LAQS*
>ORK2-008 ポリPro 8aaリンカー(配列番号277)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSII
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HC HD
STLTGPPPPPPGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELK
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PLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLTG
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HB HC HD
PPPPPPGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEV
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HA HB
LNLAQS*
>ORK2-009 ポリGly 6aaリンカー(配列番号278)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSII
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HC HD
STLTGGGSGGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPL
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HA HB
EEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLTGGG
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HB HC HD
SGGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLA
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HA HB
QS*
>ORK2-010 ポリGly 7aaリンカー(配列番号279)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSII
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HC HD
STLTGGGSGGGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKP
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HA HB
LEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLTGG
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HB HC HD
GSGGGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLN
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HA HB
LAQS*
>ORK2-011 ポリGly 8aaリンカー(配列番号280)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSII
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HC HD
STLTGGGSGGGGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELK
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HA HB
PLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLTG
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HB HC HD
GGSGGGGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEV
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HA HB
LNLAQS*
【0475】
結果
方法に記載されるように、異なる構築物でExpiCHO細胞を一過的に形質転換した。方法に記載されるようにExpiCHO細胞を増殖させ、4日後に上清を収集し、異なる操作された分子の濃度をELISAにより算出した。次に、本発明者らは、20ng/mLから開始(及び各々0.5倍に希釈)して段階希釈を行い、IL-2レポーターHEK blue細胞の活性化を評価した(
図35を参照)。本発明者らは、ミカエリス・メンテン数学モデルを実験データにフィッティングし(方法を参照)、EC-50を得た(表14)。
【0476】
【0477】
表14: 突然変異体の各々のためのフィッティングパラメーター。タンパク質は、発現システムとしてCHOを使用して発現させた。Vmaxは0.9に設定した。
【0478】
上記の結果は、IL-2の場合、設計されていない柔軟性(ポリGly)又は剛性リンカー(ポリPro)は重要でないと思われることを示唆する。
【0479】
fodikineを作製する方法A - クラスIIサイトカイン(例えばIL-22)
使用されたアミノ酸配列は以下であった(カノニカルなαヘリックスのみを標識しており;IL-22シグナルペプチドをM.ニューモニエシグナルペプチドにより置き換えている - 方法を参照):
>ORK22-016 ショート1aa Glyリンカー、Nt-Ctリンカーを太字の斜体としている(配列番号281)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGHIQRNVQKLKDTVKKLGES
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HB HC HD
GEIKAIGELDLLFMSLRNACIANGVLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMS
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HE HF HA
ERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAI
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HB HC HD HE
GELDLLFMSLRNACI*
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HF
>ORK22-017 ショート3aa Glyリンカー、Nt-Ctリンカーを下線を引いた太字の斜体としている(配列番号282)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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HA
EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGGGHIQRNVQKLKDTVKKLG
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HB HC HD
ESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIANGVLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVS
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HE HF HA
MSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGGGHIQRNVQKLKDTVKKLGESGE
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HB HC HD HE
IKAIGELDLLFMSLRNACI*
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HE HF
>ORK22-018 ロング6aaポリGlyリンカー、Nt-Ctリンカーを下線を引いた太字の斜体としている(配列番号283)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGGGSGGHIQRNVQKLKDTVK
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HB HC HD
KLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIANGVLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFH
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HE HF HA
GVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGGGSGGHIQRNVQKLKDTVKK
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HB HC HD
LGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI*
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HE HF
>ORK22-019 ロング9aaポリGlyリンカー、Nt-Ctリンカーを下線を引いた太字の斜体としている(配列番号284)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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HA
EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGGGSGGSGGHIQRNVQKLKD
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HB HC HD
TVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIANGVLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEK
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HD HE HF HA
LFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGGGSGGSGGHIQRNVQKL
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HB HC HD
KDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI*
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HD HE HF
>ORK22-020 ロング12aaポリGlyリンカー、Nt-Ctリンカーを下線を引いた太字の斜体としている(配列番号285)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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HA
EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGGGSGGSGGSGGHIQRNVQK
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HB HC HD
LKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIANGVLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLI
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HD HE HF HA
GEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGGGSGGSGGSGGHIQ
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HB HC HD
RNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI*
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HD HE HF
>ORK22-024 ポリPro 3aaリンカー。Nt-Ctリンカーを太字の斜体とし、下線を引いている(配列番号286)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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HA
EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGPGHIQRNVQKLKDTVK
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HB HC HD
KLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIANGVLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFH
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HE HF HA
GVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGPGHIQRNVQKLKDTVKK
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HB HC HD
LGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI*
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HE HF
>ORK22-025 ポリPro 9aaリンカー、Nt-Ctリンカーを太字の斜体とし、下線を引いている(配列番号287)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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HA
EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGPPPPPPPGHIQRNVQKLKD
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HB HC HD
TVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIANGVLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEK
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HD HE HF HA
LFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGPPPPPPPGHIQRNVQKL
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HB HC HD
KDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI*
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HD HE HF
>ORK22-026 ポリPro 11aaリンカー、Nt-Ctリンカーを太字の斜体とし、下線を引いている(配列番号288)
ARLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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HA
EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSGPPPPPPPPPGHIQRNVQKL
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HB HC HD
KDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIANGVLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG
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HD HE HF HA
EKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSGPPPPPPPPPGHIQRN
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HB HC HD
VQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI*
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HD HE HF
【0480】
結果
異なる長さ及び/又は異なる組成(Gly-Ser若しくはプロリンベース)のリンカーを有するクラスA フォールディカイン 22で得られ結果を
図36に示している(ORK22-17~ORK22-19、及びORK22-24~ORK22-26)。異なる長さのポリGly又はポリProリンカーを有するこれらのフォールディカインのいずれも、M.ニューモニエにおいて発現された場合に活性であるとは見出されなかった。設計(MutSC1及びMutSC2)により操作されたリンカーを有するフォールディカイン 22クラスAのみが、機能の増強を結果としてもたらした。
【0481】
fodikineを作製する方法B - クラスIIサイトカイン(例えばIL-22)
試験したバリアントのリストは以下の通りである:
・ORK22-012:2つのIL-22分子の天然Nt及びCtを接続するaa配列GGPPPPPPGG(配列番号289)を有する10aaの2つのインターリンカーで連結されたフォールディカイン-22。
・ORK22-014:2つのIL-22分子の天然Nt及びCtを接続するaa配列GGGGGGGGGGA(配列番号290)を有する10aaの2つのインターリンカーで連結されたフォールディカイン-22。
【0482】
使用されたアミノ酸配列は以下であった(カノニカルなαヘリックスのみを標識しており;IL-22シグナルペプチドをM.ニューモニエシグナルペプチドにより置き換えている - 方法を参照):
>IL22_WT(配列番号291)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAAAPISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNT
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HA
DVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLH
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HB HC
IQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
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HD HE HF
>ORK22-012 ポリProリンカー 10aa(配列番号292)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAAAPISESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIGGPPPPPPGG
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HE HF
APISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEV
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LFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMS
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HC HD HE HF
LRNACIGGPPPPPPGGAPISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSE
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HF HA
RCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLG
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HB HC HD
>ORK22-014 ポリGlyリンカー 10aa(配列番号293)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAAAPISESGEIKAIGELDLLFMSLRNACIGGGGGGGGGG
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HE HF
APISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEV
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HA HB
LFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMS
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HC HD HE HF
LRNACIGGGGGGGGGGAPISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSE
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HF HA
RCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLG
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HB HC HD
【0483】
結果
方法に記載されるように、異なる構築物でExpiCHO細胞を一過的に形質転換した。方法に記載されるようにExpiCHO細胞を増殖させ、4日後に上清を収集し、異なる操作された分子の濃度をELISAにより算出した。次に、本発明者らは、20ng/mLから開始(及び各々0.5倍に希釈)して段階希釈を行い、IL-22レポーターHEK blue細胞の活性化を評価した(
図37を参照)。
【0484】
本発明者らは、ミカエリス・メンテン数学モデルを実験データにフィッティングし(方法を参照)、見かけのEC-50を得た(表15)。
【0485】
【0486】
ポリProインターリンカーを有するフォールディカイン ORIK-12は、IL-22 WTと比較してIL-22 HEK blue細胞の活性化を増加させるが、柔軟なポリGlyリンカーを有するフォールディカイン ORIK-12は活性化を強く低減させることを本発明者らは見出した。
【0487】
これらの結果は、クラスB フォールディカインを作製するIL-22について、インターリンカーの剛性が重要であることを指し示す。
【0488】
fodikineを作製する方法B - クラスIIサイトカイン(キメラIL-4-IL-2)
試験したバリアントは、IL-2及びIL-4を含む、IL2-IL4ポリProリンカー、ヘテロフォールディカイン I型であり、IL-4は連続ドメインを含有する。2つのILを、以下のaa組成:GPPPPPG(配列番号271)を有する7aaの2つのインターリンカーにより連結する。
使用した配列は以下の通りである(カノニカルなαヘリックスのみを標識しており;シグナルペプチドをM.ニューモニエシグナルペプチドにより置き換えている - 方法を参照):
>IL2 WT(配列番号79)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKA
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TELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNR
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>IL-4(配列番号294)
MGLTSQLLPPLFFLLACAGNFVHGHKCDITLQEIIKTLNSLTEQKTLCTELTVTDIFAASKNTTEKETFCRAA
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TVLRQFYSHHEKDTRCLGATAQQFHRHKQLIRFLKRLDRNLWGLAGLNSCPVKEANQSTLENFLERLKTIMRE
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HB HC HD
KYSKCSS*
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HD
>IL2-IL4ポリProリンカー(配列番号295)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSII
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IL-2 HC IL-2 HD
STLTGPPPPPGHKCDITLQEIIKTLNSLTEQKTLCTELTVTDIFAASKNTTEKETFCRAATVLRQFYSHH
H hhhhhhhhhhhh hhh hhhhhhhhhhhhhhhhhh
IL-4 HA IL-4 HB
EKDTRCLGATAQQFHRHKQLIRFLKRLDRNLWGLAGLNSCPVKEANQSTLENFLERLKTIMREKYSKCSS
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
IL-4 HC IL-4 HD
GPPPPPGTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEV
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhh---hhhhhh
IL2-HA IL-2 HB
LNLAQS*
【0489】
結果
方法に記載されるように、異なる構築物でExpiCHO細胞を一過的に形質転換した。方法に記載されるようにExpiCHO細胞を増殖させ、4日後に上清を収集し、異なる操作された分子の濃度をELISAにより算出した。次に、本発明者らは、20ng/mLから開始(及び各々0.5倍に希釈)して段階希釈を行い、IL-2及びIL-4レポーターHEK blue細胞の活性化を評価した(
図38~39を参照)。
【0490】
本発明者らは、ミカエリス・メンテン数学モデルを実験データにフィッティングし(方法を参照)、見かけのEC-50を得た(表16)。
【0491】
【0492】
表16: フィッティングパラメーター。Vmaxは、HEK IL-2データフィッティングのために1.0及びHEK IL-4データのために2.4に設定した。
【0493】
キメラフォールディカインは、IL-2 WTサイトカインよりも優れた活性及び市販のIL-4(この場合、1つの場合においてフォールディカインはCHO細胞中で発現されてELISAにより定量化されたが、他方はBiotechne(6507-IL-010/CF)から購入されたので、差異は有意ではない)よりもわずかに低い活性を有することを本発明者らは見出した。
【0494】
fodikineを作製する方法C - クラスIサイトカイン(例えばIL-2)
使用されバリアント及びそれらの配列は以下の通りであった:
>IL2 WT(配列番号79)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKA
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh sss
HA
TELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNR
hhhhhhh---hhhhhhhh hhhhh-hhhhhhhhh sss hhhhhhh
HB HC HD
WITFCQSIISTLT*
hhhhhhhhhhh
HD
【0495】
ORK_013:1つの単量体が、配列GTSを有する長さ3の2つのインターリンカーを介して他のIl-2単量体の天然Nt及びCtとそれを連結させるために開かれたループを有するIL-2 フォールディカインの方法C循環置換体。
>ORK2_013(配列番号296)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSNFLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQS
hhhhh-hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh
HC HD
IISTLTGGSGGNFLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLTGGT
hhh hhhhh-hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhs
HD HC HD
SSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLA
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh---hhhhhhh
HA HB
QSKGGSGGTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELK
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh---hh
HA HB
PLEEVLNLAQSK
hhhhh
【0496】
結果
方法に記載されるように、異なる構築物でExpiCHO細胞を一過的に形質転換した。方法に記載されるようにExpiCHO細胞を増殖させ、4日後に上清を収集し、異なる操作された分子の濃度をELISAにより算出した。次に、本発明者らは、20ng/mLから開始(及び各々0.5倍に希釈)して段階希釈を行い、IL-2レポーターHEK blue細胞の活性化を評価した(
図40を参照)。
【0497】
本発明者らは、ミカエリス・メンテン数学モデルを実験データにフィッティングし(方法を参照)、見かけのEC-50を得た(表17)。
【0498】
【0499】
表17: フィッティングパラメーター。突然変異体の各々についての曲線フィッティング後のヒル勾配&ボトムパラメーター。タンパク質は、発現システムとしてCHOを使用して発現させた。Vmaxは0.7に固定した。
【0500】
キメラ方法C フォールディカインは、わずかにより低いEC-50を有するが活性であることを本発明者らは見出した。
【0501】
IFNガンマ(スワップドドメインを形成するクラスIIサイトカイン)
バリアントのリスト
ORKIFNg-002
配列のリスト
Nt-Ctリンカーを太字の斜体としている ASKPHPGQLWY(配列番号17)
突然変異を太字として下線を引いている
IFNg WTとして本発明者らはPDB 6e3kの結晶化されたバージョンのIFNgを使用した。
>IFNg WT(配列番号312)
SQDPYVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDDQSIQKSVET
hhhhhhhhhhhh hh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh
HA HB HC
IKEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMAELSPAA*
hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhh hhhhhh
HC HD HE HF
>ORKIFNg-002(配列番号18)
GSQDPYVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDDQSIQK
hhhhhhhhhhhh hh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hh
HA HB
SVETIKEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMASKPHPGQLWA
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhh hhhhhh
HC HD HE HF
YVKEAENLKKYFNAGHSDVADNGTLFLGILKNWKEESDRKIMQSQIVSFYFKLFKNFKDDQSIQKSVETI
hhhhhhhhhhhh hh hhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh
HA HB HC
KEDMNVKFFNSNKKKRDDFEKLTNYSVTDLNVQRKAIHELIQVMAELSPAA
hhhhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhh hhhhhh
HC HD HE HF
【0502】
結果
方法に記載されるように、異なる構築物でExpiCHO細胞を一過的に形質転換した。方法に記載されるようにExpiCHO細胞を増殖させ、4日後に上清を収集し、異なる操作された分子の濃度をELISAにより算出した(
図43)。
【0503】
本発明者らは、ミカエリス-メンテンモデルを実験データにフィッティングし(方法を参照)、見かけのEC-50を得た(表18)。
【0504】
【0505】
表18: フィッティングパラメーター。突然変異体の各々についての曲線フィッティング後のヒル勾配&ボトムパラメーター。タンパク質は、発現ベクターとしてマイコプラズマ・ニューモニエを使用して発現させた。
【0506】
フォールディカイン IFNGはWT IFNgよりも低いEC-50を有することを本発明者らは見出した。
【0507】
開くための好適なループの決定:循環置換体
これらは、本発明者らが2つの分子の天然Nt及びCtを連結しており、並びにループで開く必要があるクラスB フォールディカインのために、いずれのループを開くべきかを決定するために非常に重要である。
【0508】
クラスA、及びクラスC フォールディカインのために、それらはより低い重要性であり、その理由は、循環置換において開かれた場合にタンパク質を不安定化させ得るループは、開かれたループの結果としてもたらされる新規Nt及びCtを別のILにその天然Nt及びCtを介して(クラスC)又は開かれた別のループを介して(クラスA)連結することによりレスキューされ得るからである。
【0509】
これにもかかわらず、幾何学的に実現可能であり及び受容体結合と適合性の場合、タンパク質を不安定化させないループを開くことは常により良い。
【0510】
IL-22
(構造3dlq.pdb及び二次構造の定義のためにSwissPDB viewerを使用)。結晶及び複合体に依存して、カノニカルなヘリックスの長さは変動し得る。
#IL-22特異的Nt-CtリンカーはTDYDSQTN(配列番号303)である
#IL-22シグナルペプチド MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAA(配列番号348)
ループは灰色ボックス中
h アルファヘリックス
s 鎖
本発明者らは、WT配列(IL22_WT)についてのカノニカルなHA、HB、HC、HD、HE及びHFアルファヘリックスは別としてループ及び全ての二次構造エレメントのみを示している。
IL22_cutasn68 67~68の間で開かれたループ(ループ67-88、lAB)
IL22_cut77 76~77の間で開かれたループ(ループ66-88、laB)
IL22_cut86 85~86の間で開かれたループ(ループ66-88、lAB)
IL22_cut109 108~109の間で開かれたループ(ループ102-113、lBC)
IL22_cut135 134~135の間で開かれたループ(ループ129-140、lCD)
IL22_cut156 164~165の間で開かれたループ(ループ165-167、lEF)
【0511】
ループ155-157(lDE)は、別のサイトカインへの接合を不可能にする非常に不都合な方向性を有し、試験しなかった。
>IL22_WT(配列番号291)
lAB
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAAAPISSHCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNT
hhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
lAB lBC lCD
DVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLH
hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
lDE lEF
IQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACI
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HD HE HF
>IL22_cutasn68(残基67~68の間でのループオープン)(配列番号297)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAANNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVL
hhhhhhhhhhhhh
hB
FPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSL
H hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhh
HC HD HE HF
RNACTDYDSQTNCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLAD
hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HF HA
>IL22_cut77(残基76~77の間でのループオープン)(配列番号298)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAAEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQP
hhhhhhhhhhhhh
HB
YMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACTDYDS
Hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HC HD HE HF
QTNCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIG*
hhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
>IL22_cut86(残基85~86の間でのループオープン)(配列番号299)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAASERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFL
hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhh
HB HC
ARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACTDYDSQTNCRLDKS
hhhhhh hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HC HD HE HF
NFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSM*
hhhhhhhhhhhhhhhhh
HA
>IL22_cut109(残基108~109の間でのループオープン)(配列番号300)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAADRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNV
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhh
HC HD
QKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACTDYDSQTNCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADN
hhhhhhhhh hhhhhhh hhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HE HF HA
NTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQS*
hhhhhhhhhhhhh
HB
>IL22_cut135(残基134~135の間でのループオープン)(配列番号301)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAAEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKLGESGEIKAIGELDLLF
hhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh hhhh
HD HE HF
MSLRNACTDYDSQTNCRLDKSNFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQ
hhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh
HF HA HB
VLNFTLEEVLFPQSDRFQPYMQEVVPFLARLSNRLSTCHI*
Hhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
>IL22_cut156(残基164~165の間でのループオープン)(配列番号302)
MAALQKSVSSFLMGTLATSCLLLLALLVQGGAAGESGEIKAIGELDLLFMSLRNACTDYDSQTNCRLDKS
hhhhhhh hhhhhhhhhhh
HE HF
NFQQPYITNRTFMLAKEASLADNNTDVRLIGEKLFHGVSMSERCYLMKQVLNFTLEEVLFPQSDRFQPYM
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhh hh
HA HB HC
QEVVPFLARLSNRLSTCHIEGDDLHIQRNVQKLKDTVKKL*
Hhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh
HC HD
【0512】
IFNベータ
(構造1au1.pdb及び二次構造の定義のためにSwissPDB viewerを使用)。結晶及び複合体に依存して、カノニカルなヘリックスの長さは変動し得る。
#IFNb特異的リンカーはEGPG(配列番号304)である
#IFNbシグナルペプチド MTNKCLLQIALLLCFSTTALS(配列番号305)
ループは灰色ボックス中
h アルファヘリックス
s 鎖
本発明者らは、WT配列(IL22_WT +sp)についてのカノニカルなHA、HB、HC、HD、HE及びHFアルファヘリックスは別としてループ及び全ての二次構造エレメントのみを示している。
【0513】
バリアントのリスト
IFNb_cut26 25~26の間で開かれたループ(ループ22-29、lAB1)
IFNb_cut50 49~50の間で開かれたループ(ループ34-51、lAB2)
IFNb_cut76 75~76の間で開かれたループ(ループ71-81、lBC)
IFNb_cut112 117~118の間で開かれたループ(ループ108-121、lCD)
IFNb_cut165 WTのNt及びCtへのNt-Ctリンカーの追加
>IFNbWT(配列番号306)
lAB1 lAB2 lAB3
MTNKCLLQIALLLCFSTTALSYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQLQQFQ
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh hhhh
HA
lBC1 lBC2 lCD
KEDAALTIYEMLQNIFAIFRQDSSSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLEKEDFTRGKLMSSLH
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
lEF
LKRYYGRILHYLKAKEYSHCAWTIVRVEILRNFYFINRLTGYL*
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HE-HF
>IFNb_cut165(WTのNt及びCtへの分割Nt-Ctイントラリンカー(太字)の追加)(配列番号307)
MTNKCLLQIALLLCFSTTALSGPGYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQLQ
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh hhhh
HA
QFQKEDAALTIYEMLQNIFAIFRQDSSSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLEKEDFTRGKLMS
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
SLHLKRYYGRILHYLKAKEYSHCAWTIVRVEILRNFYFINRLTGYLE*
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HE-HF
>IFNb_cut26(25~26の間で開かれたループ)(配列番号308)
MTNKCLLQIALLLCFSTTALSGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQLQQFQKEDAALTIYEMLQNIFAIFRQDS
hhhh hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB
SSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLEKEDFTRGKLMSSLHLKRYYGRILHYLKAKEYSHCAWT
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhhhh
HC HD HE-HF
IVRVEILRNFYFINRLTGYLEGPGYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLN*
hhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HE-HF HA
>IFNb_cut50(49~50の間で開かれたループ)(配列番号309)
MTNKCLLQIALLLCFSTTALSFQKEDAALTIYEMLQNIFAIFRQDSSSTGWNETIVENLLANVYHQINHL
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh
HB HC
KTVLEEKLEKEDFTRGKLMSSLHLKRYYGRILHYLKAKEYSHCAWTIVRVEILRNFYFINRLTGYLEGPG
Hhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC HD HE-HF
YNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQLQQ*
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh hhhh
HA
>IFNb_cut76(75~76の間で開かれたループ)(配列番号310)
MTNKCLLQIALLLCFSTTALSSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLEKEDFTRGKLMSSLHLKR
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhh
HC HD
YYGRILHYLKAKEYSHCAWTIVRVEILRNFYFINRLTGYLEGPGYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRL
hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HE-HF HA
EYCLKDRMNFDIPEEIKQLQQFQKEDAALTIYEMLQNIFAIFRQDSS*
hhhh hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HB
>IFNb_cut112(117~118の間で開かれたループ)(配列番号311)
MTNKCLLQIALLLCFSTTALSSSLHLKRYYGRILHYLKAKEYSHCAWTIVRVEILRNFYFINRLTGYLEG
hhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HE-HF
PGYNLLGFLQRSSNFQCQKLLWQLNGRLEYCLKDRMNFDIPEEIKQLQQFQKEDAALTIYEMLQNIFAIF
hhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhh hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HA HB
RQDSSSTGWNETIVENLLANVYHQINHLKTVLEEKLEKEDFTRGKLM*
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HC
【0514】
IL-2
(構造2b5i.pdb及び二次構造の定義のためにSwissPDB viewerを使用)。結晶及び複合体に依存して、カノニカルなヘリックスの長さは変動し得る。
#IL-2特異的Nt-CtリンカーはLPKLGM(配列番号319)である
#IL-2シグナルペプチド MYRMQLLSCIALSLALVTNS(配列番号320)
ループは灰色ボックス中
h アルファヘリックス
s 鎖
本発明者らは、WT配列(IL22_WT +sp)についてのカノニカルなHA、HB、HC、HD、HE及びHFアルファヘリックスは別としてループ及び全ての二次構造エレメントのみを示している。
【0515】
バリアントのリスト
IL2_cut53 32~33の間で開かれたループ(ループ29-34;lAB1)
IL2_cut69 48~49の間で開かれたループ(ループ69-76;lAB3)
IL2_cut96 76~77の間で開かれたループ(ループ91-101;lBC)
IL2_cut121 100~101の間で開かれたループ(ループ97-105;lCD1)
>IL2 WT(配列番号79)
lAB1 lAB2
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKA
hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhh sss
HA
lAB3 lBC lCD1 lCD2
TELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNR
hhhhhhh---hhhhhhhh hhhhh-hhhhhhhhh sss hhhhhhh
HB HC HD
WITFCQSIISTLT*
hhhhhhhhhhh
HD
>IL2_cut53(残基32~33の間でのループオープン)(配列番号321)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRP
hhhhhhh---hhhhhh hh
HB HC
RDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISLLPKLGMNKKTQLQLEHLLLDL
Hhh-hhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhh
HC HD HA
QMILNGINNYK*
hhhhhhh
HA
>IL2_cut69(残基48~49の間でのループオープン)(配列番号322)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKG
hhhhhhh---hhhhhh hhhhh-hhhhhhhhhh
HB HC
SETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISLLPKLGMNKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLT
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
HD HA
RMLTFKFYMPK*
>IL2_cut96(残基76~77の間でのループオープン)(配列番号323)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQ
hhhhh-hhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhhh
HC HD
SIISLLPKLGMNKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKP
hhhh hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhh---hhh
HD HA HB
LEEVLNLAQSK*
hhh
HB
>IL2_cut121(残基100~101の間でのループオープン)(配列番号324)
MYRMQLLSCIALSLALVTNSTTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISLLPKLGMNKKTQLQLEHLLL
hhhhhhhhhhhhhhhhh hhhhhhhhhhhh
HD HA
DLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNI
hhhhhhhhh hhhhhhh---hhhhhh hhhhh-hhh
HA HB HC
NVIVLELKGSE*
hhhhhhhhh
HC
【0516】
結果
方法に記載されるように、異なる構築物でExpiCHO細胞を一過的に形質転換した。方法に記載されるようにExpiCHO細胞を増殖させ、4日後に上清を収集し、異なる操作された分子の濃度をELISAにより算出した。次に、本発明者らは、20ng/mLから開始(及び各々0.5倍に希釈)して段階希釈を行い、IL-22、IFNb、IL-2及びIL-4レポーターHEK blue細胞の活性化を評価した(
図41~43を参照)。
【0517】
本発明者らは、ミカエリス-メンテンモデルを実験データにフィッティングし(方法を参照)、見かけのEC-50を得た。ILに依存して、一部のループはそれらを開くことについてかなり許容的であるが、他のものはEC-50における有意な減少を結果としてもたらすことを本発明者らは見出した。興味深いことにIL-22及びIL-2の場合、一部の循環置換体は対応するIL WTよりも良好なEC-50を有することを本発明者らは見出した。天然Nt及びCtを接合するために導入されるインターリンカーは、親和性を増加させる受容体との好都合な相互作用を有し得ることをこれは示唆し得る。
【0518】
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【0519】
節(CLAUSES):
以下の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドは本発明の一部を成す:
A1.(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分が、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分に、5個以下、3個以下、又は2個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含む人工ペプチドリンカー配列によって融合されている一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0520】
A1A.ペプチドリンカーが
(i)約3~約20個のアミノ酸、
(ii)約3~約16個のアミノ酸、
(iii)約3~約12個のアミノ酸、
(iv)約3~約8個のアミノ酸、
(v)約4~約8個のアミノ酸、又は
(vi)約4~約6個のアミノ酸
の配列を有する、節A1の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0521】
A2.左3Dサイトカインドメイン及び右3Dサイトカインドメインを含む三次構造を有し、左3Dサイトカインドメインが右3Dサイトカインドメインに2つの架橋リンカーペプチドによって接続されている、節A1又は節A1Aの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0522】
A3.左3Dサイトカインドメインが、第1のサイトカイン単量体の部分及び第2のサイトカイン単量体の部分から形成され、右3Dサイトカインドメインが、第1のサイトカイン単量体の部分及び第2のサイトカイン単量体の部分から形成される、節A2の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0523】
A4.2つの架橋リンカーペプチドが、3~20個のアミノ酸を有する構造化リンカーであり、架橋ペプチドリンカー配列が、5個以下の、好適には3個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含む、節A2又は節A3の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0524】
A5.(a)第1及び第2のサイトカイン単量体が構造的に同じ種類である、又は(b)第1及び第2のサイトカイン単量体が異なる種類である、節A1又~A4のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0525】
A6.第1のサイトカイン単量体が、IL-10、IL-5及びIFNγからなる群のサイトカインから選択される、又はそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL-10、IL-5及びIFNγからなる群のサイトカインから選択される、又はそれに由来する、節A1又~A5のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0526】
A7.第1のサイトカイン単量体及び第2のサイトカイン単量体がIL-10単量体であり、任意選択でIL-10が、ヒト又はマウス配列に由来する、節A1又~A6のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0527】
A8.第1及び第2のサイトカイン単量体が、IL-10 ORF(配列番号4)、配列番号181、配列番号349若しくは配列番号350の配列若しくはそれらの機能断片、又は配列番号4、配列番号181、配列番号349若しくは配列番号350若しくはそれらの機能断片と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節A1又~A7のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0528】
A9.第1及び/又は第2のサイトカイン単量体配列が、N18I、D28E、S31K、N45S、N92I、K99N及びT155Mからなる群より選択される1つ又は複数のアミノ酸置換を含み、変異位置の番号付けが配列番号181に基づき、配列番号181の第1の位置のQが配列位置Q7である、節A8の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0529】
A10.第1及び/又は第2のサイトカイン単量体配列が、少なくともアミノ酸置換:D28E、S31K、N45S及びT155Mを含む、節A9の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0530】
A11.第1のサイトカイン単量体配列が、アミノ酸置換:N18I、D28E、S31K、N45S、N92I、K99N及びT155Mのすべてを含み、第2のサイトカイン単量体配列が、アミノ酸置換:D28E、S31K、N45S、N92I、K99N及びT155Mのすべてを含む、節A9又は節A10の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0531】
A12.節A1又~A8のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)配列番号9(MutSC1)の配列若しくはそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列、又は
(ii)配列番号11-(NtCt)-配列番号12(フォールディカイン-10)の配列若しくはそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列
を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0532】
A13.配列番号10(MutSC2)の配列又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節A1又~A11のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0533】
A14.リンカーペプチドNtCtが、約4~約8個のアミノ酸又は約3~約6個のアミノ酸の配列を有する、節A12(ii)の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0534】
A15.リンカーペプチドNtCtが、FGGLD(配列番号342)及びNGGLD(配列番号318)から選択される配列を含み、任意選択でリンカーペプチドNtCt隣接残基の1つ又は複数のアミノ酸変異をさらに含み、特にその配列が配列番号65である、節A14の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0535】
A16.第1のサイトカイン単量体及び第2のサイトカイン単量体がIL-5単量体であり、任意選択でIL-5がヒト又はマウス配列である、節A1又~A6のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0536】
A17.第1及び第2のサイトカイン単量体が、ヒトIL-5(配列番号82)若しくはその機能断片の配列、又は配列番号82若しくはその機能断片と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節A1~A6又はA16のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0537】
A18.配列番号101-(NtCt)-配列番号102(フォールディカイン-5)の配列又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節A16又は節A17の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0538】
A19.リンカーペプチドNtCtが、約3~約20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有する、節A18の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0539】
A20.リンカーペプチドNtCtが、FGGLD(配列番号342)及びNGGLD(配列番号318)から選択される配列を含む、節A19の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0540】
A21.第1のサイトカイン単量体及び第2のサイトカイン単量体がIFNγ単量体であり、任意選択でIFNγがヒト又はマウス配列である、節A1又~A6のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0541】
A22.第1及び第2のサイトカイン単量体が、ヒトIFNγ(配列番号194)若しくはその機能断片の配列、又は配列番号194若しくはその機能断片と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節A1~A6又はA21のいずれか一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0542】
A23.配列番号14-(NtCt)-配列番号15(フォールディカイン-IFNG)の配列又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節A21又は節A22の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0543】
A24.リンカーペプチドNtCtが、約3~約20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有する、節A23の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0544】
A25.リンカーペプチドNtCtが、FGGLD(配列番号342)及びNGGLD(配列番号318)から選択される配列を含む、節A24の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0545】
A26.節A1~A25のいずれかのポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【0546】
A27.節A26の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
【0547】
A28.バクテリオファージベクター又はウイルスベクターである、節A27のベクター。
【0548】
A29.節A1~A25のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドを発現する細胞。
【0549】
A30.真核生物細胞、特にヒト細胞である、節A29の細胞。
【0550】
A31.組換え細菌細胞であり、任意選択で細菌細胞が、マイコプラズマ属(例えばM.ニューモニエ)、E.コリ、L.ラクチス、S.アウレウス、及びB.サブティリス細菌株から選択される、節A29の細胞。
【0551】
A32.マイコプラズマ・ニューモニエ株であり、任意選択で、M129-B7株(ATTC29342)、エスケリキア・コリBL21、又はラクトコッカス・ラクチス株NZ9000-pepN::nisRKに由来する、節A21の細胞。
【0552】
A33.節A26~A28のいずれかのポリヌクレオチド又はベクターを含む細胞。
【0553】
A34.節A1~A25のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節A29~A33のいずれかの細胞、又は節A26~A28のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクターを含む医薬組成物。
【0554】
A35.医療における使用のための、節A1又~A25のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節A29~A33のいずれかの細胞、節A26~A28のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、又は節A32の医薬組成物。
【0555】
A36.使用が、炎症性疾患及び障害;肺疾患;がん及び増殖性疾患及び病態;感染症;アレルギー、免疫及び自己免疫疾患及び障害;組織の傷害、変性及び損傷状態;並びにそれらに関連する病態から選択される疾患又は障害の治療のための方法におけるものである、節A35による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0556】
A37.がん又は増殖性疾患若しくは障害が、例えば、肺がん(特に、肺腺がん又は肺扁平上皮がん)、膀胱がん、子宮頸がん、乳がん、結腸がん、脳膠芽腫、膵臓がん、急性単球性白血病、腎臓がん、大腸がん、皮膚がん(例えばメラノーマ)、胃がん、甲状腺がん、骨がん及び肝がんからなる群より選択される固形腫瘍である、節A36による使用のための一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0557】
A38.炎症性疾患又は障害が、アレルギー、ぜんそく、自己免疫疾患、セリアック病、糸球体腎炎、肝炎、炎症性腸疾患、再灌流傷害、移植拒絶反応、糖尿病、アルツハイマー病、変形性関節症、線維筋痛症、筋性腰痛、関節炎、筋性頸部痛、心筋炎、強直性脊椎炎(AS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、筋炎、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、線維症からなる群より選択される、節A36による使用のための一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0558】
A39.組織の傷害、変性又は損傷状態が、大腸炎、創傷治癒、発毛、肝臓再生及びマトリックス合成からなる群より選択される、節A36による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0559】
A40.使用が、がん免疫療法及び/又は免疫腫瘍学におけるものである、節A36による使用のための一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0560】
B1.(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第2のサイトカイン単量体ドメインの配列又はその機能部分が、第1のサイトカイン単量体の第1の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置され、第1のサイトカイン単量体の第2の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置されるように、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列内に挿入されている一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0561】
B2.一本鎖二量体サイトカインポリペプチドが、左3Dサイトカインドメイン及び右3Dサイトカインドメインを含む三次構造を有し、左3Dサイトカインドメインが、右3Dサイトカインドメインに2つの架橋リンカーペプチドによって接続されている、節B1の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0562】
B3.左3Dサイトカインドメインが、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の第1及び第2の配列部分から形成された分割ドメインサイトカインであり、右3Dサイトカインドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分から形成された連続ドメインサイトカインである、節B2の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0563】
B4.2つの架橋リンカーペプチドが約3~約20個のアミノ酸の配列を有し、架橋リンカーペプチド配列が、5個以下の、好適には3個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含み、任意選択で2つの架橋リンカーペプチドが構造化リンカーを形成する、節B2又は節B3の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0564】
B5.2つの架橋リンカーペプチドが同じ配列である、又は異なる配列である、節B4の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0565】
B6.2つの架橋リンカーペプチドの第1のペプチドが、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分を第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に接続し、2つの架橋リンカーペプチドの第2のペプチドが、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分を第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端に接続する、節B2又は節B2に従属する場合は節B3~B5のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0566】
B7.第1のサイトカイン単量体ドメインが、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分割され、2つの架橋リンカーペプチドが、第2のサイトカイン単量体ドメインを、第1のサイトカイン単量体ドメインの隣接αヘリックス間で接続し、任意選択で、第1のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割されている、節B2又は節B2に従属する場合は節B3~B6のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0567】
B8.第2のサイトカイン単量体ドメインがN末端部分及びC末端部分を含み、N末端部分が、C末端部分に人工ペプチドリンカーによって接続され、任意選択で、人工ペプチドリンカーが、約3~約20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有する、節B6又は節B7の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0568】
B9.人工ペプチドリンカーが、5個以下の、3個以下の、又は2個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含む、節B8の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0569】
B10.節B8又は節B9の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
(i)第2のサイトカイン単量体ドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のC末端部分に対応し、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のN末端部分に対応するように、それが基になる対応する野生型サイトカイン単量体と比較して逆向きであり、任意選択で、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、2、3若しくは4つのαヘリックスを含み、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、2、3若しくは4つのαヘリックスを含み、特に、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分及びC末端部分が、同数のαヘリックスを有する、且つ/又は
(ii)第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のN末端部分に対応し、第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のC末端部分に対応し、任意選択で、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、2、3若しくは4つのαヘリックスを含み、第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、2、3若しくは4つのαヘリックスを含み、特に、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分及びC末端部分が、同数のαヘリックスを有する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0570】
B11.2つの架橋リンカーペプチドが、第2のサイトカイン単量体ドメインに、一対の隣接αヘリックス間で接続する、節B8又~B10のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0571】
B12.(a)第1及び第2のサイトカイン単量体が同じ種類である、又は(b)第1及び第2のサイトカイン単量体が異なる種類である、節B1又~B11のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0572】
B13.第1のサイトカイン単量体が、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-26、IFNλ2、3及び1(それぞれ、IL-28A、IL-28B及びIL-29)、I型インターフェロンIFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)、並びにIFNβ(IFNB1)からなる群のクラスIIサイトカインから選択される、又はそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM、CSF3、IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL13、IL15、IL21、TSLP、GM-CSF、CSF1、及びCSF2からなる群のクラスIサイトカインから選択される、又はそれに由来し、任意選択で、第1及び第2のサイトカイン単量体配列が、ヒト又はマウス配列に由来する、節B1又~B12のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0573】
B14.第1のサイトカイン単量体及び/又は第2のサイトカイン単量体が、IL-22単量体であり、任意選択で、IL-22が、ヒト又はマウス配列である、節B1又~B13のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0574】
B15.第1及び第2のサイトカイン単量体が、IL-22(配列番号184)若しくはその機能断片の配列、又は配列番号184若しくはその機能断片と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節B1又~B14のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0575】
B16.第1及び/又は第2のサイトカイン単量体配列が、IL-22単量体ドメインの疎水性コアの安定性を増加させる1つ又は複数のアミノ酸置換を含み、任意選択で、1つ又は複数のアミノ酸置換が、T56L又はT56M、A66M、N68Q、V95I、T99F及びS173Lからなる群より選択され、変異位置の番号付けが配列番号184のIL-22配列に基づき、配列番号184の第1の位置のAが配列位置A34である、節B14又は節B15の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0576】
B17.第1及び/又は第2のサイトカイン単量体配列が、
(i)A66M、V95I及びT99F、
(ii)T56L、A66M、V95I及びT99F、
(iii)T56M、A66M、N68Q、V95I及びT99F、
(iii)T56L、A66M、V95I、T99F及びS173L、並びに
(ii)T56M、A66M、N68Q、V95I、T99F及びS173L
から選択されるアミノ酸置換のセットを含む、節B16の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0577】
B18.第1及び/又は第2のサイトカイン単量体配列が、安定性及び/又はその受容体R1及び/又はR2に対するIL-22単量体ドメインの結合親和性を増加させる1つ又は複数のアミノ酸置換を含み、任意選択で、1つ又は複数のアミノ酸置換が、D43E、S45R、K61W、S64M、T70I、E77Y及びA132Yからなる群より選択され、変異位置の番号付けが配列番号184に基づき、配列番号184の第1の位置のAが配列位置A34である、節B15又~B17のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0578】
B19.第1及び/又は第2のサイトカイン単量体配列が、
(i)A132Y、D43E、S45R、E77Y、T70I、
(ii)K61W、S64M、及び
(iii)A132Y、D43E、S45R、E77Y、T70I、K61W、S64M
から選択されるアミノ酸置換のセットを含む、節B18の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0579】
B20.2つの架橋リンカーペプチドの第1のペプチドが、配列TCMPGGSKT(配列番号337)を含む若しくは有し、2つの架橋リンカーペプチドの第2のペプチドが、配列RLELLP(配列番号331)を含む若しくは有する、又は2つの架橋リンカーペプチドの第1のペプチドが配列NRLKKLMASSD(配列番号332)を含み、2つの架橋リンカーペプチドの第2のペプチドが配列RLELLP(配列番号331)を含む、節B6又は節B6に従属する場合は節B7~B19のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0580】
B21.第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に、配列ANGT(配列番号329)を含む又は有する人工ペプチドリンカーによって接続されている、節B8又は節B8に従属する場合は節B9~B20のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0581】
B22.配列番号65(フォールディカイン-22_1)、66(フォールディカイン-22_3)、72(3dlq.Pdb単量体配列)、73(IL-22hydC単量体)、74(MutantC_IL22単量体)、75(MutantD_IL22単量体)、76(MutantE_IL22単量体)及び143(フォールディカイン-22)、並びにそれらと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%及び100%の配列同一性を有する配列から選択される配列を含む、節B1又~B21のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0582】
B23.配列番号65(フォールディカイン-22_1)、66(フォールディカイン-22_3)及び143(フォールディカイン-22)、並びにそれらと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%及び100%の配列同一性を有する配列から選択される配列を含む、節B1又~B21のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0583】
B24.配列番号141、142、144、145、146、147、148、149、150、151、152及び153、並びにそれらと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%及び100%の配列同一性を有する配列からなる群より選択される配列を含む、節B1又~B13のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0584】
B25.リンカーペプチドNtCtが、約3~約20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有する、節B22又~B24のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0585】
B26.リンカーペプチドNtCtが、FGGLD(配列番号342)、NGGLD(配列番号318)、NFGGLDY(配列番号316)及びANGT(配列番号329)から選択される配列、特に、配列番号190の配列を含む、節B25の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0586】
B27.架橋リンカーペプチド(Xn)がそれぞれ、約3~約20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有する、節B6に従属する場合は節B22~B26のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0587】
B28.架橋リンカーペプチド(Xn)が、TCMPGGSKT(配列番号337)、RLELLP(配列番号331)、及びNRLKKLMASSD(配列番号332)から選択される配列を有する、節B27の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0588】
B29.節B1~B28のいずれかのポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【0589】
B30.節B29の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
【0590】
B31.バクテリオファージベクター又はウイルスベクターである、節B30のベクター。
【0591】
B32.節B1~B28のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドを発現する細胞。
【0592】
B33.真核生物細胞、特にヒト細胞である、節B32の細胞。
【0593】
B34.組換え細菌細胞であり、任意選択で細菌細胞が、マイコプラズマ属(例えばM.ニューモニエ)、E.コリ、L.ラクチス、S.アウレウス、及びB.サブティリス細菌株から選択される、節B32の細胞。
【0594】
B35.マイコプラズマ・ニューモニエ株であり、任意選択で、M129-B7株(ATTC29342)、エスケリキア・コリBL21、又はラクトコッカス・ラクチス株NZ9000-pepN::nisRKに由来する、節B34の細胞。
【0595】
B36.節B29~B31のいずれかのポリヌクレオチド又はベクターを含む細胞。
【0596】
B37.節B1~B28のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節B32~B36のいずれかの細胞、又は節B29~B31のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクターを含む医薬組成物。
【0597】
B38.医療における使用のための、節B1又~B28のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節B32~B36のいずれかの細胞、節B29~B31のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、又は節B35の医薬組成物。
【0598】
B39.使用が、炎症性疾患及び障害;肺疾患;がん及び増殖性疾患及び病態;感染症;アレルギー、免疫及び自己免疫疾患及び障害;組織の傷害、変性及び損傷状態;並びにそれらに関連する病態から選択される疾患又は障害の治療のための方法におけるものである、節B38による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0599】
B40.がん又は増殖性疾患若しくは障害が、例えば、肺がん(特に、肺腺がん又は肺扁平上皮がん)、膀胱がん、子宮頸がん、乳がん、結腸がん、脳膠芽腫、膵臓がん、急性単球性白血病、腎臓がん、大腸がん、皮膚がん(例えばメラノーマ)、胃がん、甲状腺がん、骨がん及び肝がんからなる群より選択される固形腫瘍である、節B39による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0600】
B41.炎症性疾患又は障害が、アレルギー、ぜんそく、自己免疫疾患、セリアック病、糸球体腎炎、肝炎、炎症性腸疾患、再灌流傷害、移植拒絶反応、糖尿病、アルツハイマー病、変形性関節症、線維筋痛症、筋性腰痛、関節炎、筋性頸部痛、心筋炎、強直性脊椎炎(AS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、筋炎、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、線維症からなる群より選択される、節B39による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0601】
B42.組織の傷害、変性又は損傷状態が、大腸炎、創傷治癒、発毛、肝臓再生及びマトリックス合成からなる群より選択される、節B39による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0602】
B43.使用が、がん免疫療法及び/又は免疫腫瘍学におけるものである、節B39による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0603】
C1.(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の配列が、第1のサイトカイン単量体の第1の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置され、第1のサイトカイン単量体の第2の配列部分が、第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置されるように、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列内に挿入されている一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0604】
C1A.第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分が、天然のサイトカイン単量体のC末端部分に相当し、第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分が、天然のサイトカイン単量体のN末端部分に相当する、節C1の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0605】
C2.一本鎖二量体サイトカインポリペプチドが、左3Dサイトカインドメイン及び右3Dサイトカインドメインを含む三次構造を有し、左3Dサイトカインドメインが、右3Dサイトカインドメインに2つの架橋リンカーペプチドによって接続されている、節C1又は節C1Aの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0606】
C3.左3Dサイトカインドメインが、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の第1及び第2の配列部分から形成された分割ドメインサイトカインであり、右3Dサイトカインドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分から形成された連続ドメインサイトカインである、節C2の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0607】
C4.2つの架橋リンカーペプチドが、約3~20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有し、架橋リンカーペプチド配列が、5個以下の、好適には3個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含み、任意選択で2つの架橋リンカーペプチドが構造化リンカーである、節C2又は節C3の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0608】
C5.2つの架橋リンカーペプチドが同じ配列である、又は異なる配列である、節C4の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0609】
C6.2つの架橋リンカーペプチドが、構造化リンカーである、又は短い柔軟なリンカーである、節C4又は節C5の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0610】
C7.2つの架橋リンカーペプチドの第1のペプチドが、第1のサイトカイン単量体ドメインの第1の配列部分を、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端に接続し、2つの架橋リンカーペプチドの第2のペプチドが、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端を、第1のサイトカイン単量体ドメインの第2の配列部分に接続する、節C2又は節C2に従属する場合は節C3~C6のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0611】
C8.第1のサイトカイン単量体ドメインが、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分割されて、一本鎖二量体サイトカインポリペプチドのN末端及びC末端を形成する、節C1又~C7のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0612】
C9.第1のサイトカイン単量体ドメインが、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のC末端部分に対応し、第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のN末端部分に対応するように、それが基になる対応する野生型サイトカイン単量体と比較して逆向きである、節C1又~C8のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0613】
C10.第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、特に、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分及びC末端部分が、同数のαヘリックスを有し、任意選択で、第1のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節C8又は節C9の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0614】
C11.第2のサイトカイン単量体ドメインの2つの隣接αヘリックス間のペプチドリンカー/ループが、約3~約20個のアミノ酸、約3~約16個のアミノ酸、約4~約12個のアミノ酸、約4~約8個のアミノ酸、約3~約8個のアミノ酸又は約3~約6個のアミノ酸の人工リンカーペプチドで置換されている、節C1又~C10のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0615】
C11A.人工ペプチドリンカー配列が、5個以下の、好ましくは3個以下の、又は2個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含み、任意選択で、人工ペプチドリンカーが構造化リンカーである、節C1又~C11のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0616】
C12.節C1又~C11のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1及び第2のサイトカイン単量体が同じ種類である、又は
(ii)第1及び第2のサイトカイン単量体が異なる種類である
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0617】
C13.節C1又~C12のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1のサイトカイン単量体が、IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL15、IL21、GMCS-F、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL15、IL21、GMCS-F、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する、
(ii)第1のサイトカイン単量体が、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する、又は
(iii)第1のサイトカイン単量体が、IL2、IL3、IL4、IL7、IL9、IL15、IL21、TSL及びGMCS-Fからなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL2、IL3、IL4、IL7、IL9、IL15、IL21、TSL及びGMCS-Fからなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、任意選択で第1及び第2のサイトカイン単量体配列が、ヒト若しくはマウス配列に由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0618】
C14.配列番号92、93、94、96、97、98、99、100及び101、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124及び125、並びにそれらと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する配列からなる群より選択される配列を含む、節C1又~C13のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0619】
C15.架橋リンカーペプチド(Xn)のそれぞれが、約3~20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有する、節C13又は節C14の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0620】
C16.節C1~C15のいずれかのポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【0621】
C17.節C16の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
【0622】
C18.バクテリオファージベクター又はウイルスベクターである、節C17のベクター。
【0623】
C19.節C1~C15のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドを発現する細胞。
【0624】
C20.真核生物細胞、特にヒト細胞である、節C19の細胞。
【0625】
C21.組換え細菌細胞であり、任意選択で細菌細胞が、マイコプラズマ属(例えばM.ニューモニエ)、E.コリ、L.ラクチス、S.アウレウス、及びB.サブティリス細菌株から選択される、節C19の細胞。
【0626】
C22.マイコプラズマ・ニューモニエ株であり、任意選択で、M129-B7株(ATTC29342)、エスケリキア・コリBL21、又はラクトコッカス・ラクチス株NZ9000-pepN::nisRKに由来する、節C21の細胞。
【0627】
C23.節C16~C18のいずれかのポリヌクレオチド又はベクターを含む細胞。
【0628】
C24.節C1~C15のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節C19~C23のいずれかの細胞、又は節C16~C18のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクターを含む医薬組成物。
【0629】
C25.医療における使用のための、節C1又~C15のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節C19~C23のいずれかの細胞、節C16~C18のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、又は節C24の医薬組成物。
【0630】
C26.使用が、炎症性疾患及び障害;肺疾患;がん及び増殖性疾患及び病態;感染症;アレルギー、免疫及び自己免疫疾患及び障害;組織の傷害、変性及び損傷状態;並びにそれらに関連する病態から選択される疾患又は障害の治療のための方法におけるものである、節C25による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0631】
C27.がん又は増殖性疾患若しくは障害が、例えば、肺がん(特に、肺腺がん又は肺扁平上皮がん)、膀胱がん、子宮頸がん、乳がん、結腸がん、脳膠芽腫、膵臓がん、急性単球性白血病、腎臓がん、大腸がん、皮膚がん(例えばメラノーマ)、胃がん、甲状腺がん、骨がん及び肝がんからなる群より選択される固形腫瘍である、節C26による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0632】
C28.炎症性疾患又は障害が、アレルギー、ぜんそく、自己免疫疾患、セリアック病、糸球体腎炎、肝炎、炎症性腸疾患、再灌流傷害、移植拒絶反応、糖尿病、アルツハイマー病、変形性関節症、線維筋痛症、筋性腰痛、関節炎、筋性頸部痛、心筋炎、強直性脊椎炎(AS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、筋炎、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、線維症からなる群より選択される、節C26による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0633】
C29.組織の傷害、変性又は損傷状態が、大腸炎、創傷治癒、発毛、肝臓再生及びマトリックス合成からなる群より選択される、節C26による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0634】
C30.使用が、がん免疫療法及び/又は免疫腫瘍学におけるものである、節C26による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0635】
D1.(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第1のサイトカイン単量体ドメイン配列が、第2のサイトカイン単量体ドメイン配列に対して異なる種類のサイトカインに由来し、左サイトカインドメインが、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の第1及び第2の配列部分から形成された分割ドメインサイトカインであり、右3Dサイトカインドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分から形成された連続ドメインサイトカインである一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0636】
D2.一本鎖二量体サイトカインポリペプチドが、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分で形成される左3Dサイトカインドメイン及び第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分で形成される右3Dサイトカインドメインを含む三次構造を有する、節D1の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0637】
D3.第1のサイトカイン単量体ドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメインに、2つの架橋リンカーペプチドによって接続されている、節D1又は節D2の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0638】
D4.2つの架橋リンカーペプチドがそれぞれ、約3~約20個のアミノ酸の配列、約3~約16個のアミノ酸、約4~約12個のアミノ酸、約4~約8個のアミノ酸、約3~約8個のアミノ酸又は約3~約6個のアミノ酸を有し、好ましくは、架橋ペプチドリンカー配列が、5個以下の、3個以下の、又は2個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含む、節D3の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0639】
D5.第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分が、第1のサイトカイン単量体の第1の配列部分が第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置され、第1のサイトカイン単量体の第2の配列部分が第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置されるように、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列内に挿入される、節D1又~D4のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0640】
D6.2つの架橋リンカーペプチドが同じ配列である、又は異なる配列である、節D2又は節D2に従属する場合は節D3~D5のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0641】
D7.2つの架橋リンカーペプチドの第1のペプチドが、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分を、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端に接続し、2つの架橋リンカーペプチドの第2のペプチドが、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端を、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に接続する、節D2又は節D2に従属する場合は節D3~D6のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0642】
D8.節D1又~D7のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1のサイトカイン単量体ドメインがクラスIIサイトカインに由来し、第2のサイトカイン単量体がクラスIサイトカインに由来する、又は
(ii)第1のサイトカイン単量体ドメインがクラスIサイトカインに由来し、第2のサイトカイン単量体がクラスIIサイトカインに由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0643】
D9.第1のサイトカイン単量体が、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分割され、2つの架橋リンカーペプチドが、第2のサイトカイン単量体ドメインを、第1のサイトカイン単量体ドメインの隣接αヘリックス間で接続し、任意選択で、第1のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節D8(i)の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0644】
D10.第1のサイトカイン単量体が、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分割され、一本鎖二量体サイトカインのN末端及びC末端をもたらし、2つの架橋リンカーペプチドが、第1のサイトカイン単量体の元のC末端及びN末端を、それぞれ、第2のサイトカイン単量体ドメインの元のN末端及びC末端に接続して、一本鎖二量体サイトカインを形成する、節D8(ii)の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0645】
D11.第1のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節D10の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0646】
D12.分割部分又は第1のサイトカイン単量体ドメインが、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のC末端部分に対応し、第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のN末端部分に対応するように、それが基になる対応する野生型サイトカイン単量体と比較して逆向きであり、任意選択で、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、特に、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分及びC末端部分が、同数のαヘリックスを有する、節D8(ii)、D10又はD11のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0647】
D13.第2のサイトカイン単量体ドメインがN末端部分及びC末端部分を含み、N末端部分が、C末端部分に人工ペプチドリンカーによって接続され、任意選択で、人工リンカーが、約3~約20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有する、節D8(ii)の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0648】
D14.第2のサイトカイン単量体ドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のC末端部分に対応し、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のN末端部分に対応するような、それが基になる対応する野生型サイトカイン単量体と比較して逆向きである、任意選択で、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、特に、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分及びC末端部分が、同数のαヘリックスを有する、節D13の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0649】
D15.第1のサイトカイン単量体が、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分割され、一本鎖二量体サイトカインのN末端及びC末端をもたらし、任意選択で、第1のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節D8(ii)、D13又はD14のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0650】
D16.第2のサイトカイン単量体が、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分割され、2つの架橋リンカーペプチドが、それぞれ、第1のサイトカイン単量体の元のC末端及びN末端に、第2のサイトカイン単量体ドメインの隣接αヘリックス間で接続され、任意選択で、第2のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節D8(ii)、又はD13~D15のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0651】
D17.節D1又~D16のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1のサイトカイン単量体が、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-26、IFNλ2、3及び1(それぞれ、IL-28A、IL-28B及びIL-29)、I型インターフェロンIFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)及びIFNβ(IFNB1)からなる群のクラスIIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL15、IL21、GMCS-F、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する、又は
(ii)第1のサイトカイン単量体が、IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL15、IL21、GMCS-F、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-26、IFNλ2、3及び1(それぞれ、IL-28A、IL-28B及びIL-29)、I型インターフェロンIFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)及びIFNβ(IFNB1)からなる群のクラスIIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0652】
D18.列番号267-(Xn)-配列番号268-(Xn)-配列番号269(フォールディカイン22-2_6B)の配列又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節D9の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0653】
D19.配列番号263-(Xn)-配列番号264-(NtCt)-配列番号265-(Xn)-配列番号266(フォールディカイン2-22_6B)の配列又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節D13又~D16のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0654】
D20.配列番号260-(Xn)-配列番号261-(Xn)-配列番号262(フォールディカイン2-22_6A)の配列又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節D10又~D12のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0655】
D21.節D1~D20のいずれかのポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【0656】
D22.節D21の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
【0657】
D23.バクテリオファージベクター又はウイルスベクターである、節D22のベクター。
【0658】
D24.節D1~D20のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドを発現する細胞。
【0659】
D25.組換え真核生物細胞、特にヒト細胞である、節D24の細胞。
【0660】
D26.組換え細菌細胞であり、任意選択で、細菌細胞が、マイコプラズマ属(例えばM.ニューモニエ)、E.コリ、L.ラクチス、S.アウレウス、及びB.サブティリス細菌株から選択される、節D24の細胞。
【0661】
D27.マイコプラズマ・ニューモニエ株であり、任意選択で、M129-B7株(ATTC29342)、エスケリキア・コリBL21、又はラクトコッカス・ラクチス株NZ9000-pepN::nisRKに由来する、節D26の細胞。
【0662】
D28.節D21~D23のいずれかのポリヌクレオチド又はベクターを含む細胞。
【0663】
D29.節D1~D20のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節D24~D28のいずれかの細胞、又は節D21~D23のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクターを含む医薬組成物。
【0664】
D30.医療における使用のための、節D1又~D20のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節D24~D28のいずれかの細胞、節D21~D23のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、又は節D29の医薬組成物。
【0665】
D31.使用が、炎症性疾患及び障害;肺疾患;がん及び増殖性疾患及び病態;感染症;アレルギー、免疫及び自己免疫疾患及び障害;組織の傷害、変性及び損傷状態;並びにそれらに関連する病態から選択される疾患又は障害の治療のための方法におけるものである、節D30による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0666】
D32.がん又は増殖性疾患若しくは障害が、例えば、肺がん(特に、肺腺がん又は肺扁平上皮がん)、膀胱がん、子宮頸がん、乳がん、結腸がん、脳膠芽腫、膵臓がん、急性単球性白血病、腎臓がん、大腸がん、皮膚がん(例えばメラノーマ)、胃がん、甲状腺がん、骨がん及び肝がんからなる群より選択される固形腫瘍である、節D31による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0667】
D33.炎症性疾患又は障害が、アレルギー、ぜんそく、自己免疫疾患、セリアック病、糸球体腎炎、肝炎、炎症性腸疾患、再灌流傷害、移植拒絶反応、糖尿病、アルツハイマー、変形性関節症、線維筋痛症、筋性腰痛、関節炎、筋性頸部痛、心筋炎、強直性脊椎炎(AS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、筋炎、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、線維症からなる群より選択される、節D31による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0668】
D34.組織の傷害、変性又は損傷状態が、大腸炎、創傷治癒、発毛、肝臓再生及びマトリックス合成からなる群より選択される、節D31による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0669】
D35.使用が、がん免疫療法及び/又は免疫腫瘍学におけるものである、節D31による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0670】
E1.(a)第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分及び(b)第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分を含む一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、第1のサイトカイン単量体ドメイン配列が、第2のサイトカイン単量体ドメイン配列に対して異なる種類のサイトカインに由来し、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分で形成される左3Dサイトカインドメイン及び第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分で形成される右3Dサイトカインドメインを含む三次構造を有する一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0671】
E2.節E1の一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1のサイトカイン単量体ドメイン配列が、IL-10若しくはIFNγサイトカイン配列に由来し、第2のサイトカイン単量体ドメイン配列が、クラスI若しくはクラスIIサイトカイン配列に由来する、又は
(ii)第1のサイトカイン単量体ドメイン配列が、クラスI若しくはクラスIIサイトカイン配列に由来し、第2のサイトカイン単量体ドメイン配列が、IL-10若しくはIFNγサイトカイン配列に由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0672】
E3.左3Dサイトカインドメインが、右3Dサイトカインドメインに2つの架橋リンカーペプチドによって接続されている、節E1又は節E2の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0673】
E4.2つの架橋リンカーペプチドがそれぞれ、約3~約20個のアミノ酸の配列、約3~約16個のアミノ酸、約4~約12個のアミノ酸、約4~約8個のアミノ酸、約3~約8個のアミノ酸又は約3~約6個のアミノ酸を有し、好ましくは、架橋ペプチドリンカー配列が、5個以下の、3個以下の、又は2個以下の隣接Gly及び/又はSer残基を含む、節E3の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0674】
E5.第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分が、第1のサイトカイン単量体の第1の配列部分が第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のN末端に配置され、第1のサイトカイン単量体の第2の配列部分が第2のサイトカイン単量体又はその機能部分のC末端に配置されるように、第1のサイトカイン単量体ドメインの配列内に挿入される、節E1又~E4のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0675】
E6.左3Dサイトカインドメインが、第1のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分の第1及び第2の配列部分から形成された分割ドメインサイトカインであり、右3Dサイトカインドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメイン又はその機能部分から形成された連続ドメインサイトカインである、節E1又~E5のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0676】
E7.2つの架橋リンカーペプチドが同じ配列である、又は異なる配列である、節E3又は節E3に従属する場合は節E4~E6のいずれか一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0677】
E8.2つの架橋リンカーペプチドの第1のペプチドが、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分を第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分に接続し、2つの架橋リンカーペプチドの第2のペプチドが、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端を第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分に接続する、節E3又は節E3に従属する場合は節E4~E7のいずれか一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0678】
E8A.第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、自然のサイトカイン単量体のC末端部分に対応し、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、自然のサイトカイン単量体のN末端部分に対応する、節E8の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0679】
E9.節E1又~E8のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1のサイトカイン単量体ドメインがIL-10サイトカインに由来し、第2のサイトカイン単量体がクラスIサイトカインに由来する、
(ii)第1のサイトカイン単量体ドメインがIL-10サイトカインに由来し、第2のサイトカイン単量体がクラスIIサイトカインに由来する、
(iii)第1のサイトカイン単量体ドメインがIFNγサイトカインに由来し、第2のサイトカイン単量体がクラスIサイトカインに由来する、又は
(iv)第1のサイトカイン単量体ドメインがIFNγサイトカインに由来し、第2のサイトカイン単量体がクラスIIサイトカインに由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0680】
E10.第1のサイトカイン単量体が、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分割され、2つの架橋リンカーペプチドが、第2のサイトカイン単量体ドメインを、第1のサイトカイン単量体ドメインの隣接αヘリックス間で接続し、任意選択で、第1のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節E6又は節E6に従属する場合は節E7~E9のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0681】
E11.第1のサイトカイン単量体が、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分割されて一本鎖二量体サイトカインのN末端及びC末端をもたらし、2つの架橋リンカーペプチドが、第1のサイトカイン単量体の元のC末端及びN末端を、それぞれ、第2のサイトカイン単量体ドメインの元のN末端及びC末端に接続して一本鎖二量体サイトカインを形成する、節E6又は節E6に従属する場合は節E7~E9のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0682】
E12.第1のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節E11の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0683】
E13.分割部分又は第1のサイトカイン単量体ドメインが、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のC末端部分に対応し、第1のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のN末端部分に相当するように、それが基になる対応する野生型サイトカイン単量体と比較して逆向きであり、任意選択で、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、特に、第1のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分及びC末端部分が、同数のαヘリックスを有する、節E6又は節E6に従属する場合は節E7~E12のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0684】
E14.第2のサイトカイン単量体ドメインがN末端部分及びC末端部分を含み、N末端部分が、C末端部分に人工ペプチドリンカーによって接続され、任意選択で、人工リンカーが、約3~約20個のアミノ酸、約3~16個のアミノ酸、約4~12個のアミノ酸、約4~8個のアミノ酸、約3~8個のアミノ酸又は約3~6個のアミノ酸の配列を有する、節E6又は節E6に従属する場合は節E7~E13のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0685】
E15.第2のサイトカイン単量体ドメインが、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のC末端部分に対応し、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、対応する野生型サイトカイン単量体ドメイン配列のN末端部分に対応するようにそれが基になる対応する野生型サイトカイン単量体と比較して逆向きである、任意選択で、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、第2のサイトカイン単量体ドメインのC末端部分が、2、3又は4つのαヘリックスを含み、特に、第2のサイトカイン単量体ドメインのN末端部分及びC末端部分が、同数のαヘリックスを有する、節E14の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0686】
E16.第1のサイトカイン単量体が、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分離され、一本鎖二量体サイトカインのN末端及びC末端をもたらし、任意選択で、第1のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節E6又は節E6に従属する場合は節E7~E15のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0687】
E17.第2のサイトカイン単量体が、一対の隣接αヘリックス間のループ領域で分離され、2つの架橋リンカーペプチドが、それぞれ、第1のサイトカイン単量体の元のC末端及びN末端に、第2のサイトカイン単量体ドメインの隣接αヘリックス間で接続され、任意選択で、第2のサイトカイン単量体が、サイトカイン単量体ドメインの第2と第3のαヘリックスの間又は第3と第4のαヘリックスの間のループ領域で分割される、節E14又~E16のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0688】
E18.節E1又~E17のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)クラスIサイトカインが、IL2、IL3、IL4、IL5、IL7、IL9、IL15、IL21、GMCS-F、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のサイトカインから選択される、且つ/若しくはそれに由来する、又は
(ii)クラスIIサイトカインが、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-26、IFNλ2、3及び1(それぞれ、IL-28A、IL-28B及びIL-29)、I型インターフェロンIFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)及びIFNβ(IFNB1)からなる群のサイトカインから選択される、且つ/若しくはそれに由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0689】
E19.節E1又~E18のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1のサイトカイン単量体が、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-26、IFNλ2、3及び1(それぞれ、IL-28A、IL-28B及びIL-29)、I型インターフェロンIFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)及びIFNβ(IFNB1)からなる群のクラスIIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL-10及びIFNγからなる群のスワップドドメインサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する、又は
(ii)第1のサイトカイン単量体が、IL-10及びIFNγからなる群のスワップドドメインサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-26、IFNλ2、3及び1(それぞれ、IL-28A、IL-28B及びIL-29)、I型インターフェロンIFNα(IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17及びIFNA21)、IFNω(IFNW1)、IFNε(IFNE)、IFNк(IFNK)及びIFNβ(IFNB1)からなる群のクラスIIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0690】
E20.節E1又~E18のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1のサイトカイン単量体が、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL-10及びIFNγからなる群のスワップドドメインサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する、又は
(ii)第1のサイトカイン単量体が、IL-10及びIFNγからなる群のスワップドドメインサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL6、IL11、IL12A、IL23A、IL27A、IL31、CLCF1、CNTF、CTF1、LIF、OSM及びCSF3からなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0691】
E21.節E1又~E18のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドであって、
(i)第1のサイトカイン単量体が、IL2、IL3、IL4、IL7、IL9、IL15、IL21及びGMCS-Fからなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL-10及びIFNγからなる群のスワップドドメインサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する、又は
(ii)第1のサイトカイン単量体が、IL-10及びIFNγからなる群のスワップドドメインサイトカインから選択される、又はそれに由来し、第2のサイトカイン単量体が、IL2、IL3、IL4、IL7、IL9、IL15、IL21及びGMCS-Fからなる群のクラスIサイトカインから選択される、若しくはそれに由来する
一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0692】
E22.第1のサイトカイン単量体がIL-22であり、第2のサイトカイン単量体がIL-10であり、任意選択で、IL-22及びIL-10が、ヒト又はマウス配列に由来する、節E1又~E19のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0693】
E23.第1のサイトカイン単量体がIL-10であり、第2のサイトカイン単量体がIL-22であり、任意選択で、IL-22及びIL-10が、ヒト又はマウス配列に由来する、節E1又~E19のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0694】
E24.第1のサイトカイン単量体が、IL-10 ORF(配列番号4)、配列番号181、配列番号349若しくは配列番号350若しくはそれらの機能断片の配列、又は配列番号4若しくは配列番号181、配列番号349若しくは配列番号350若しくはそれらの機能断片と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含み、第2のサイトカイン単量体が、IL-22(配列番号184)若しくはその機能断片の配列、又は配列配列番号184若しくはその機能断片と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節E1~E19又はE23のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0695】
E25.IL-22サイトカイン単量体配列が、IL-22単量体ドメインの疎水性コアの安定性を増加させる1つ又は複数のアミノ酸置換を含み、任意選択で、1つ又は複数のアミノ酸置換が、T56L及びT56M、A66M、N68Q、V95I、T99F及びS317Lからなる群より選択され、変異位置の番号付けが配列番号184のIL-22配列に基づき、配列番号184の第1の位置のAが配列位置A34である、節E24の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0696】
E26.IL-22サイトカイン単量体配列が、
(i)T56L、A66M、V95I、T99F及びS173L、並びに
(ii)T56M、A66M、N68Q、V95I、T99F及びS173L
から選択されるアミノ酸置換のセットを含む、節E25の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0697】
E27.IL-22サイトカイン単量体配列が、安定性及び/又はその受容体R1及び/又はR2に対するIL-22単量体ドメインの結合親和性を増加させる1つ又は複数のアミノ酸置換を含み、任意選択で、1つ又は複数のアミノ酸置換が、D43E、S45R、K61W、S64M、T70I、E77Y及びA132Yからなる群より選択され、変異位置の番号付けが配列番号129に基づき、配列番号184の第1の位置のAが配列位置A34である、節E24又~E26のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0698】
E28.IL-22サイトカイン単量体配列が、
(i)A132Y、D43E、S45R、E77Y、T70I、
(ii)K61W、S64M、及び
(iii)A132Y、D43E、S45R、E77Y、T70I、K61W、S64M
から選択されるアミノ酸置換のセットを含む
節E27の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0699】
E29.第2のサイトカイン単量体が、IL-10 ORF(配列番号4)、配列番号181、配列番号349若しくは配列番号350の配列若しくはそれらの機能断片、又は配列番号4若しくは配列番号181、配列番号349若しくは配列番号350若しくはそれらの機能断片と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含み、第1のサイトカイン単量体が、IL-22(配列番号184)若しくはその機能断片の配列、又は配列番号184若しくはその機能断片と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節E1~E19又はE22のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0700】
E30.IL-22サイトカイン単量体配列が、IL-22単量体分割3Dドメインの安定性を増加させる1つ又は複数のアミノ酸置換を含み、任意選択で、1つ又は複数のアミノ酸置換が、T17L、A27M、V56I、T60F及びS314Lからなる群より選択され、変異位置の番号付けが、配列番号75のフォールディカイン1022_3配列に基づく、節E29の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0701】
E31.IL-22サイトカイン単量体配列が、アミノ酸置換:T17L、A27M、V56I、T60F及びS314Lのすべてを含む、節E30の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0702】
E32.IL-10サイトカイン単量体配列が、N18I、D28E、S31K、N45S、N92I、K99N及びT155Mからなる群より選択される1つ又は複数のアミノ酸置換を含み、変異位置の番号付けが配列番号181に基づき、配列番号181の第1の位置のQが配列位置Q7である、節E24若しくは節E24に従属する場合は節E25~E28のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、又は節E29若しくは節E29に従属する場合は節E30若しくは節E31の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0703】
E33.IL-10サイトカイン単量体配列が、少なくともアミノ酸置換:D28E、S31K、N45S及びT155Mを含む、節E32の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0704】
E34.IL-10サイトカイン単量体配列が、アミノ酸置換:D28E、S31K、N45S、N92I、K99N及びT155Mのすべてを含む、節E32又は節E33の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0705】
E35.IL-22単量体分割3DドメインのN末端部分が、IL-10単量体連続3DドメインのN末端に、配列DPKAAFKS(配列番号314)を含む、又は有する架橋リンカーペプチドによって接続され、IL-10単量体連続3DドメインのC末端が、IL-22単量体分割3DドメインのC末端部分に、配列DSKVNR(配列番号315)を含む、又は有する架橋リンカーペプチドによって接続されている、節E29又は節E29に従属する場合は節E30~E34のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0706】
E36.IL-10単量体連続3DドメインのN末端部分が、IL-10単量体連続3DドメインのC末端部分に、配列NFGGLDY(配列番号316)を含む、又は有する人工ペプチドリンカーによって接続されている、節E29又は節E29に従属する場合は節E30~E35のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0707】
E37.配列番号77(フォールディカイン1022)、75(フォールディカイン1022_3)及び76(フォールディカイン1022_5)からなる群より選択される配列、又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節E1又~E36のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0708】
E38.配列番号76(フォールディカイン1022_5)の配列、又はそれと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%若しくは100%の配列同一性を有する配列を含む、節E37の一本鎖二量体サイトカインポリペプチド。
【0709】
E39.節E1~E38のいずれかのポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【0710】
E40.節E39の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
【0711】
E41.バクテリオファージベクター又はウイルスベクターである、節E40のベクター。
【0712】
E42.節E1~E38のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチドを発現する細胞。
【0713】
E43.組換え真核生物細胞、特にヒト細胞である、節E42の細胞。
【0714】
E44.組換え細菌細胞であり、任意選択で、細菌細胞が、マイコプラズマ属(例えばM.ニューモニエ)、E.コリ、L.ラクチス、S.アウレウス、及びB.サブティリス細菌株から選択される、節E42の細胞。
【0715】
E45.マイコプラズマ・ニューモニエ株であり、任意選択で、M129-B7株(ATTC29342)、エスケリキア・コリBL21、又はラクトコッカス・ラクチス株NZ9000-pepN::nisRKに由来する、節E44の細胞。
【0716】
E46.節E39~E41のいずれかのポリヌクレオチド又はベクターを含む細胞。
【0717】
E47.節E1~E38のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節E42~E46のいずれかの細胞、又は節E39~E41のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクターを含む医薬組成物。
【0718】
E48.医療における使用のための、節E1又~E38のいずれかの一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、節E42~E46のいずれかの細胞、節E39~E41のいずれかの単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、又は節E47の医薬組成物。
【0719】
E49.使用が、炎症性疾患及び障害;肺疾患;がん及び増殖性疾患及び病態;感染症;アレルギー、免疫及び自己免疫疾患及び障害;組織の傷害、変性及び損傷状態;並びにそれらに関連する病態から選択される疾患又は障害の治療のための方法におけるものである、節E48による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0720】
E50.がん又は増殖性疾患若しくは障害が、例えば、肺がん(特に、肺腺がん又は肺扁平上皮がん)、膀胱がん、子宮頸がん、乳がん、結腸がん、脳膠芽腫、膵臓がん、急性単球性白血病、腎臓がん、大腸がん、皮膚がん(例えばメラノーマ)、胃がん、甲状腺がん、骨がん及び肝がんからなる群より選択される固形腫瘍である、節E49による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0721】
E51.炎症性疾患又は障害が、アレルギー、ぜんそく、自己免疫疾患、セリアック病、糸球体腎炎、肝炎、炎症性腸疾患、再灌流傷害、移植拒絶反応、糖尿病、アルツハイマー、変形性関節症、線維筋痛症、筋性腰痛、関節炎、筋性頸部痛、心筋炎、強直性脊椎炎(AS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、筋炎、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、線維症からなる群より選択される、節E49による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0722】
E52.組織の傷害、変性又は損傷状態が、大腸炎、創傷治癒、発毛、肝臓再生及びマトリックス合成からなる群より選択される、節E51による使用のための、一本鎖二量体サイトカインポリペプチド、単離されたポリヌクレオチド若しくはベクター、細胞又は医薬組成物。
【0723】
特定の実施形態を本明細書において図示及び説明してきたが、特許請求される主題の範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を行うことができることが理解されるべきである。さらに、特許請求された主題の様々な態様を本明細書に記載されているが、そのような態様は組み合わせて利用する必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる、特許請求される主題の範囲内にある、そのような変更及び修正をすべてカバーすることが意図されている。
【配列表】
【国際調査報告】