(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】NLRP3インフラマソームのN-オキシド阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20250130BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20250130BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250130BHJP
A61P 27/16 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
C07D471/04 106H
C07D471/04 CSP
A61K31/437
A61P43/00 107
A61P27/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544800
(86)(22)【出願日】2023-01-27
(85)【翻訳文提出日】2024-08-26
(86)【国際出願番号】 US2023061443
(87)【国際公開番号】W WO2023147468
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521106005
【氏名又は名称】バイオエイジ ラブス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・ハートマン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA34
4C086ZB11
4C086ZC41
4C086ZC52
4C086ZC54
(57)【要約】
本開示は、NLRP3インフラマソーム阻害剤として作用する化合物、本化合物を含む薬学的組成物、並びに聴力喪失及び老化に関連する他の疾患を含む炎症及び炎症老化に関連する障害を治療する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩
(式中、
【化2】
は、任意選択の二重結合であり、
X、Y、及びZは各々独立して、NH、NR
3、N、CH、及びCR
3からなる群から選択されるが、但し、X、Y、又はZのうちの少なくとも1つがCH又はCR
3であることを条件とし、
環Aは、C
6-10アリール、5~6員ヘテロアリール、C
3-10シクロアルキル、及び4~10員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
環Bは、フェニル、5~6員ヘテロアリール、C
3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
代替的に、環Bは、非存在であり、mは、0であり、
環Cは、ピリジンN-オキシドであり、
R
1は、H、C
3-6シクロアルキル、及びC
1-6アルキルからなる群から選択され、
R
2及びR
2aは各々独立して、H、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
3-6シクロアルキルからなる群から選択され、
代替的に、R
2及びR
2aは、それらが結合している原子と一緒に、C
3-6シクロアルキル又は3~6員ヘテロシクロアルキルを形成し、
各R
3は独立して、C
1-6アルキル及びC
3-6シクロアルキルであり、
各R
4は独立して、C
1-6アルキル、C
2-6アルキニル、ハロ、OH、OR
6、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、N(C
1-6アルキル)
2、NHCOR
6、CN、C
1-6ハロアルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクロアルキル、及びCOR
6からなる群から選択され、
各R
5は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルキル-OH、C
2-6アルキニル、ハロ、OH、OR
7、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、N(C
1-6アルキル)
2、NHCOR
7、CN、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクロアルキル、COR
7、及びSO
2R
7からなる群から選択され、
各R
6は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
0-6アルキル-C
6-10アリール、C
0-6アルキル-5~10員ヘテロアリール、C
1-6アルコキシ、C
0-6アルキル-C
3-6シクロアルキル、C
0-6アルキル-3~10員ヘテロシクロアルキル、ハロ、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
各R
7は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
0-6アルキル-C
6-10アリール、C
0-6アルキル-5~10員ヘテロアリール、C
1-6アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、ハロ、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
各R
9は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル-OH、C
3-6シクロアルキル、ハロ、CN、OH、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
mは、0、1、2、又は3であり、
nは、1、2、又は3であり、
pは、0、1、2、又は3である)。
【請求項2】
前記式Iの化合物は、式Iaの化合物:
【化3】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記式Iの化合物は、式Ibの化合物:
【化4】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記式Iの化合物は、式Icの化合物:
【化5】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
環Aは、C
6-10アリールである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
環Aは、フェニルである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
環Bは、フェニル又は5~6員ヘテロアリールである、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
環Bは、フェニルである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
R
1は、C
1-6アルキルであり、
R
2は、H、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
3-6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
2aは、Hであり、
各R
4は独立して、C
1-6アルキル、ハロ、及びOR
6からなる群から選択され、
各R
5は独立して、C
1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCOR
7からなる群から選択され、
各R
6は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
各R
7は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-6シクロアルキル、及びNH(C
1-6アルキル)からなる群から選択され、
各R
9は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル-OH、C
3-6シクロアルキル、及びCNからなる群から選択され、
mは、0、1、又は2であり、
nは、1又は2である、請求項1及び5~8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
R
1は、C
1-6アルキルであり、
R
2は、H、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
3-6シクロアルキルからなる群から選択され、
各R
4は独立して、C
1-6アルキル、ハロ、及びOR
6からなる群から選択され、
各R
5は独立して、C
1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCOR
7からなる群から選択され、
各R
6は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
各R
7は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-6シクロアルキル、及びNH(C
1-6アルキル)からなる群から選択され、
各R
9は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル-OH、C
3-6シクロアルキル、及びCNからなる群から選択され、
mは、0、1、又は2であり、
nは、1又は2である、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
R
1は、C
1-3アルキルである、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
R
2は、Hである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
各R
4は独立して、C
1-6アルキル、ハロ、及びOR
6からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
各R
4は独立して、O(エチル)、O(シクロプロピル)、O(オキセタニル)、及びO(C
1-3ハロアルキル)からなる群から選択される、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
各R
5は独立して、C
1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCOR
7からなる群から選択される、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
各R
5は独立して、C
1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCONH(C
1-6アルキル)からなる群から選択される、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
各R
9は独立して、C
1-6アルキルである、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
mは、1又は2である、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
nは、1又は2である、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
pは、0又は1である、請求項1~8及び11~19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
環Aは、フェニルであり、
環Bは、フェニル又はチエニルであり、
R
1は、C
1-3アルキルであり、
R
2は、H、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
3-6シクロアルキルからなる群から選択され、
各R
4は独立して、C
1-6アルキル、ハロ、及びOR
6からなる群から選択され、
各R
5は独立して、C
1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCOR
7からなる群から選択され、
各R
6は独立して、C
1-3アルキル、C
1-3ハロアルキル、C
3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
各R
7は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-6シクロアルキル、及びNH(C
1-6アルキル)からなる群から選択され、
各R
9は独立して、C
1-3アルキル、C
1-3ハロアルキル、C
1-3アルコキシ、C
1-6アルキル-OH、C
3-6シクロアルキル、及びCNからなる群から選択され、
mは、1又は2であり、
nは、1又は2であり、
pは、0又は1である、請求項2に記載の化合物。
【請求項22】
Xは、Nであり、
Y及びZは各々独立して、NH及びCHからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
前記式Iの化合物は、以下のコア構造:
【化6】
のうちの1つを有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
前記式Iの化合物は、以下のコア構造:
【化7】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
前記式Iの化合物が、表1の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
前記式Iの化合物が、表2の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
前記式Iの化合物が、表3の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物。
【請求項29】
NLRP3インフラマソームの阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、又は請求項28に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
炎症の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、又は請求項28に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項31】
炎症老化の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、又は請求項28に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項32】
クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、又は請求項28に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項33】
内耳の疾患又は障害の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、又は請求項28に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項34】
前記内耳の疾患又は障害は、聴力喪失、聴力障害、めまい、メニエール病、及び耳鳴からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年1月28日に出願された米国仮出願第63/304,164号、2022年9月27日に出願された米国仮出願第63/377,248号、及び2022年11月14日に出願された米国仮出願第63/383,573号の優先権を主張し、それらの内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
加齢フレイルは、個体の健康全般及び幸福に関する極めて憂慮される問題を引き起こし、多系統生理学的調節不全症候群として特徴付けられている。加齢フレイルは、虚弱、低い身体活動性、運動能力の低下、疲弊、及び意図的でない体重減少を特徴とする老年症候群である(Yao,X.et al.,Clinics in Geriatric Medicine 27(1):79-87(2011))。更に、加齢フレイルと炎症との間の直接相関を示す多くの研究が存在する(Hubbard,R.E.,et al.,Biogerontology 11(5):635-641(2010))。免疫老化は、炎症老化として知られている低悪性の慢性全身性炎症性状態を特徴とする(Franceshi,C.et al.,Annals of the New York Academy of Sciences 908:244-254(2000))。加齢及び加齢フレイルに見られるこの炎症状態又は慢性炎症の高まりは、免疫調節不全並びに自然免疫及び適応免疫の両方の複雑なリモデリングをもたらす。
【0003】
ASC及びカスパーゼ-1を含むオリゴマータンパク質複合体であるNLRP3インフラマソームを阻害することは、多数の前臨床モデルにおける炎症を媒介する(Schwaid,A.G.,J.Med.Chem.2021,64(1),101-122)。同時に、NLRP3インフラマソームは、より大きな炎症誘発性経路の一部であり、その調節も調査されている。NLRP3は、いくつかの疾患背景において十分に研究されているインフラマソームセンサータンパク質である。加齢に関する疾患、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、痛風、冠動脈疾患、クローン病、変形性関節症、関節リウマチ、アルツハイマー病、パーキンソン病、腸障害、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、がん、及び皮膚疾患を含む多くの異なる適応症がNLRP3インフラマソームに関連する。
【0004】
炎症だけでなくNLRP3インフラマソームの活性化も、聴力喪失をもたらすことも示されている(Nakanishi,H.,et al.,Frontiers in Neurology,2020,11,1-7、Nakanishi,H.,et al.,PNAS,2017,E7766-E7775)。炎症関連聴力喪失は、加齢依存性(Fischer,N.,et al.,Gerontology,2019,1-7)、騒音誘発性(Le Prell,C.G.,et al.Current Opinion in Physiology,2020,18,32-36)、並びにジカウイルス及びコロナウイルスなどのウイルス感染の結果(Yee,K.T.,et al.,Hearing Research,2020,395,1-15)である可能性がある。
【0005】
したがって、NLRP3インフラマソームは、有望な薬物標的である。それが関係する適応症の広がりは、NLRP3インフラマソームを標的とする治療薬の必要性を物語っている。
【発明の概要】
【0006】
NLRP3インフラマソームを阻害する化合物が本明細書に提供される。したがって、これらの化合物は、炎症老化及び炎症を含む多様な適応症の治療に有用である。
【0007】
ある態様では、式Iの化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩が本明細書に提供され、式中、環Cは、ピリジンN-オキシドである。
【0008】
更に別の態様では、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含む薬学的組成物が本明細書に提供される。
【0009】
更に別の態様では、NLRP3インフラマソームの阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に記載の化合物を対象に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
NLRP3インフラマソームを阻害する化合物が本明細書に提供される。したがって、これらの化合物だけでなくこれらの化合物を含む薬学的組成物も、炎症老化、炎症、及び他の加齢性疾患を含む様々な適応症の治療に有用である。
【0011】
定義
本明細書に開示される化合物及び組成物を説明するために使用される様々な用語の定義が以下に列記される。これらの定義は、本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される場合、特定の事例において別段の限定がない限り、個別に又はより大きな群の一部としてのいずれかで、それらの用語に適用される。
【0012】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、概して、当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。概して、本明細書で使用される命名法、並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学、及びペプチド化学における実験室手順は、当該技術分野で周知であり、一般的に用いられるものである。
【0013】
本明細書で使用される場合、冠詞「a」及び「an」は、1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の冠詞の文法的目的語を指す。例として、「要素(an element)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。更に、「含む(including)」という用語、並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。
【0014】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当業者によって理解され、それが使用される文脈である程度異なる。本明細書で使用される場合、量及び時間的持続時間などの測定可能な値を指す場合、「約」という用語は、指定された値から±5%、±1%、及び±0.1%を含む±20%又は±10%の変動を包含するよう意図されており、これは、かかる変動が開示された方法を行うのに適切であるためである。
【0015】
本明細書で使用される「投与」などの用語は、治療剤を対象に提供することを指す。静脈内、経口、エアロゾル、非経口、眼、肺、及び局所投与を含むが、これらに限定されない、治療剤を投与する複数の技法が、当該技術分野に存在する。
【0016】
「治療する」、「治療される」、「治療すること」、又は「治療」という用語には、治療されている状態、障害、若しくは疾患に関連するか、又はそれらによって引き起こされる少なくとも1つの症状の軽減又は緩和が含まれる。ある特定の実施形態では、治療は、炎症老化及び加齢性障害の症状を緩和することを含む。
【0017】
本明細書で使用される場合、「接触させること」という用語は、インビトロ系又はインビボ系において指示された部分を一緒にすることを指す。例えば、細胞を化合物と「接触させる」ことは、ヒトなどの個体、対象、又は患者に本発明の化合物を投与することを含み、例えば、その細胞を含む精製された調製物を含む試料に化合物を導入することも含む。
【0018】
本明細書で使用される場合、「予防する」又は「予防」という用語は、何も発生していなかった場合、障害若しくは疾患の発症がないこと、又は障害若しくは疾患の発症が既に存在していた場合、障害若しくは疾患の更なる発症がないことを意味する。また、障害又は疾患に関連する症状のうちのいくつか又は全てを予防する能力も考慮される。
【0019】
本明細書で使用される場合、「細胞」という用語は、インビトロ、エクスビボ、又はインビボにある細胞を指すよう意図されている。いくつかの実施形態では、エクスビボ細胞は、哺乳動物などの生物から切除された組織試料の一部とすることができる。いくつかの実施形態では、インビトロ細胞は、細胞培養物中の細胞とすることができる。いくつかの実施形態では、インビボ細胞は、哺乳動物などの生物において生きている細胞である。
【0020】
本明細書で使用される場合、「患者」、「個体」、又は「対象」という用語は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を指す。非ヒト哺乳動物としては、例えば、家畜及びペット、例えば、ヒツジ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、及び海洋哺乳動物が挙げられる。好ましくは、患者、対象、又は個体は、ヒトである。
【0021】
本明細書で使用される場合、「有効量」、「薬学有効量」、及び「治療有効量」という用語は、非毒性であるが、所望の生物学的結果を提供するのに十分な量の薬剤を指す。その結果は、疾患の徴候、症状、若しくは原因の軽減又は緩和、又は生体系の任意の他の所望の変化であり得る。任意の個々の事例における適切な治療量は、日常的な実験を使用して当業者によって決定され得る。
【0022】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」という用語は、化合物の生物学的活性又は特性を抑制せず、かつ比較的非毒性である、すなわち、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、又はそれが含まれる組成物の成分のうちのいずれとも有害な様式で相互作用することなく個体に投与され得る、担体又は希釈剤などの材料を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、開示された化合物の誘導体を指し、ここで、親化合物が既存の酸又は塩基部分をその塩形態に変換することによって修飾されている。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機塩又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の薬学的に許容される塩には、例えば、非毒性の無機酸又は有機酸から形成された、親化合物の従来の非毒性塩が含まれる。本開示の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分又は酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸又は遊離塩基形態を、水若しくは有機溶媒中、又はそれらの2つの混合物中で、化学量論的量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製することができ、一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルなどの非水媒体が好ましい。「薬学的に許容される塩」という語句は、一塩、又は1:1の塩に限定されない。例えば、「薬学的に許容される塩」には、ビス塩酸塩などのビス塩も含まれる。好適な塩のリストは、各々参照により全体が本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)で見つけられる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「組成物」又は「薬学的組成物」という用語は、本開示内で有用な少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される担体との混合物を指す。薬学的組成物は、患者又は対象への化合物の投与を容易にする。静脈内、経口、エアロゾル、非経口、眼、肺、及び局所投与を含むが、これらに限定されない、化合物を投与する複数の技法が、当該技術分野に存在する。
【0025】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、本開示内で有用な化合物を患者に運搬又は輸送することに関与し、これにより、その意図される機能を果たし得る、液体若しくは固体充填剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒、又はカプセル封入材料などの薬学的に許容される材料、組成物、又は担体を意味する。典型的には、かかる構築物は、1つの臓器又は身体の一部から別の臓器又は身体の一部に運搬又は輸送される。各担体は、本開示内で有用な化合物を含む製剤の他の成分と適合性があり、かつ患者に有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース、及びスクロースなどの糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;表面活性剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝溶液;並びに医薬製剤に用いられる他の非毒性適合性物質が挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」には、本開示内で有用な化合物の活性と適合性があり、かつ患者に対して生理学的に許容されるありとあらゆるコーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、並びに吸収遅延剤なども含まれる。補助的活性化合物も本組成物に組み込まれてもよい。「薬学的に許容される担体」は、本明細書に開示される化合物の薬学的に許容される塩を更に含み得る。薬学的組成物に含まれ得る他の追加の成分は当該技術分野で既知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985,Easton,PA)に記載されている。
【0027】
本明細書で使用される場合、「炎症老化」は、多くの加齢性疾患に関連する慢性無菌性炎症として定義される。
【0028】
本明細書で使用される場合、「加齢性障害」とは、加齢過程に関連する障害を指す。代替的に言えば、加齢性障害は、高齢者に関連する疾患である。加齢性疾患の非限定的な例としては、アテローム性動脈硬化症及び心血管疾患、がん、関節炎、白内障、骨粗しょう症、2型糖尿病、高血圧、並びにアルツハイマー病が挙げられる。これらの全ての疾患の発生率は、年齢とともに指数関数的に増加する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、それ自体で又は別の置換基の一部として、別段の記載がない限り、指定された数の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味し(すなわち、C1-C6アルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキルを意味する)、直鎖及び分枝鎖を含む。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tertブチル、ペンチル、ネオペンチル、及びヘキシルが挙げられる。C1-C6アルキルの他の例としては、エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n-ペンチル、及びn-ヘキシルが挙げられる。
【0030】
単独で又は他の用語と組み合わせて用いられる「アルコキシ」という用語は、式-O-アルキルの基(アルキル基は上で定義されたとおりである)を指す。「Cn-mアルコキシ」という用語は、アルコキシ基を指し、そのアルキル基は、n~m個の炭素を有する。例示的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシ及びイソプロポキシ)、t-ブトキシなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6、1~4、又は1~3個の炭素原子を有する。
【0031】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロ置換基で置換された、上で定義されたアルキル基(アルキル及びハロは本明細書で定義されたとおりである)を指す。ハロアルキルには、例として、クロロメチル、トリフルオロメチル、ブロモエチル、クロロフルオロエチルなどが含まれる。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、単独で又は別の置換基の一部として、別段の記載がない限り、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子、好ましくは、フッ素、塩素、又は臭素、より好ましくは、フッ素又は塩素を意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、1、2、又は3つの環を有する完全に飽和した非芳香族炭素環式系を意味し、ここで、かかる環は縮合していてもよい。「縮合した」という用語は、第1の環と共通の(すなわち、共有される)2つの隣接する原子を有することによって第2の環が存在する(すなわち、結合している又は形成される)ことを意味する。シクロアルキルは、二環内の個々の環が各々3~8個の原子を有する、本来架橋又はスピロ環状であり得る二環式構造も含む。「シクロアルキル」という用語には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、スピロ[3.3]ヘプタニル、及びビシクロ[1.1.1]ペンチルが含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、「シクロアルキル」は、C3-10シクロアルキルである。別の実施形態では、「シクロアルキル」は、C3-6シクロアルキルである。
【0034】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、O、及びSから独立して選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を有し、かつ縮合していてもよい(縮合は上で定義されたとおりである)1、2、又は3個の環を有する非芳香族炭素環式系を意味する。ヘテロシクリルは、二環内の個々の環が各々3~8個の原子を有し、かつ0、1、又は2個のN、O、又はS原子を有する、本来架橋又はスピロ環状であり得る二環式構造も含む。「ヘテロシクリル」という用語には、環状エステル(すなわち、ラクトン)及び環状アミド(すなわち、ラクタム)が含まれ、具体的には、エポキシジル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル(すなわち、オキサニル)、ピラニル、ジオキサニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-チアジナニル、2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、5-アジシクロ[2.1.1]-ヘキサニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3-オキサ-7-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、3-オキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.5]ノナニル、3-オキサスピロ[5.3]ノナニル、及び8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタニルも含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、「ヘテロシクロアルキル」は、3~10員ヘテロシクロアルキルを指す。別の実施形態では、「ヘテロシクロアルキル」は、4~10員ヘテロシクロアルキルを指す。更に別の実施形態では、「ヘテロシクロアルキル」は、3、4、5、又は6員ヘテロシクロアルキルを指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「芳香族」という用語は、1つ以上の多価不飽和環を有し、かつ芳香族特性を有する、すなわち、(4n+2)非局在化π(パイ)電子(式中、nは整数である)を有する炭素環又は複素環を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、縮合していてもよい(縮合は上で定義されたとおりである)1、2、又は3個の環を有する芳香族炭素環式系を意味する。環が縮合している場合、環のうちの1つは完全不飽和でなければならず、縮合されている環(複数可)は完全飽和、部分的不飽和、又は完全不飽和であり得る。「アリール」という用語には、フェニル、ナフチル、インダニル、及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリール基は、6個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~16個の炭素原子を有する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、N、O、及びSから独立して選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を有し、かつ縮合していてもよい(縮合は上で定義されたとおりである)1、2、又は3個の環を有する芳香族炭素環式系を意味する。「ヘテロアリール」という用語には、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ-[c]ピリジニル、1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、2,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[1,2-b]ピラゾリル、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-b][1,2,4]トリアゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾリル、及び4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾリルが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル部分が異なる環原子を介して指定された部分に結合され得るか、又は別様に結合し得る(すなわち、特定の結合点の表示なしに示されるか、又は説明され得る)場合、炭素原子を介して、又は例えば三価窒素原子を介して、全ての可能な点が意図されることを理解されたい。例えば、「ピリジニル」という用語は、2-、3-、又は4-ピリジニルを意味し、「チエニル」という用語は、2-又は3-チエニルを意味するといった具合である。
【0039】
化合物
NLRP3インフラマソーム阻害剤であり、それ故に、がん及び他の増殖疾患を含む炎症性障害の治療に有用である化合物が本明細書に提供される。
【0040】
ある態様では、式Iの化合物:
【化2】
又はその薬学的に許容される塩が本明細書に提供される
(式中、
【化3】
は、任意選択の二重結合であり、
X、Y、及びZは各々独立して、NH、NR
3、N、CH、及びCR
3からなる群から選択されるが、但し、X、Y、又はZのうちの少なくとも1つがCH又はCR
3であることを条件とし、
環Aは、C
6-10アリール、5~6員ヘテロアリール、C
3-10シクロアルキル、及び4~10員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
環Bは、フェニル、5~6員ヘテロアリール、C
3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
環Cは、ピリジンN-オキシドであり、
R
1は、H、C
3-6シクロアルキル、及びC
1-6アルキルからなる群から選択され、
R
2及びR
2aは各々独立して、H、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
3-6シクロアルキルからなる群から選択され、
各R
3は独立して、C
1-6アルキル及びC
3-6シクロアルキルであり、
各R
4は独立して、C
1-6アルキル、ハロ、OH、OR
6、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、N(C
1-6アルキル)
2、NHCOR
6、CN、C
1-6ハロアルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクロアルキル、及びCOR
6からなる群から選択され、
各R
5は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、ハロ、OH、OR
7、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、N(C
1-6アルキル)
2、NHCOR
7、CN、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクロアルキル、COR
7、及びSO
2R
7からなる群から選択され、
各R
6は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
0-6アルキル-C
6-10アリール、C
0-6アルキル-5~10員ヘテロアリール、C
1-6アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、ハロ、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
各R
7は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
0-6アルキル-C
6-10アリール、C
0-6アルキル-5~10員ヘテロアリール、C
1-6アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、ハロ、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
各R
9は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル-OH、C
3-6シクロアルキル、ハロ、CN、OH、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
mは、0、1、2、又は3であり、
nは、1、2、又は3であり、
pは、0、1、2、又は3である)。
【0041】
式Iのある態様では、
【化4】
は、任意選択の二重結合であり、
X、Y、及びZは各々独立して、NH、NR
3、N、CH、及びCR
3からなる群から選択されるが、但し、X、Y、又はZのうちの少なくとも1つがCH又はCR
3であることを条件とし、
環Aは、C
6-10アリール、5~6員ヘテロアリール、C
3-10シクロアルキル、及び4~10員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
環Bは、フェニル、5~6員ヘテロアリール、C
3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
代替的に、環Bは、非存在であり、mは、0であり、
環Cは、ピリジンN-オキシドであり、
R
1は、H、C
3-6シクロアルキル、及びC
1-6アルキルからなる群から選択され、
R
2及びR
2aは各々独立して、H、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
3-6シクロアルキルからなる群から選択され、
代替的に、R
2及びR
2aは、それらが結合している原子と一緒に、C
3-6シクロアルキル又は3~6員ヘテロシクロアルキルを形成し、
各R
3は独立して、C
1-6アルキル及びC
3-6シクロアルキルであり、
各R
4は独立して、C
1-6アルキル、C
2-6アルキニル、ハロ、OH、OR
6、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、N(C
1-6アルキル)
2、NHCOR
6、CN、C
1-6ハロアルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクロアルキル、及びCOR
6からなる群から選択され、
各R
5は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルキル-OH、C
2-6アルキニル、ハロ、OH、OR
7、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、N(C
1-6アルキル)
2、NHCOR
7、CN、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクロアルキル、COR
7、及びSO
2R
7からなる群から選択され、
各R
6は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
0-6アルキル-C
6-10アリール、C
0-6アルキル-5~10員ヘテロアリール、C
1-6アルコキシ、C
0-6アルキル-C
3-6シクロアルキル、C
0-6アルキル-3~10員ヘテロシクロアルキル、ハロ、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
各R
7は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
0-6アルキル-C
6-10アリール、C
0-6アルキル-5~10員ヘテロアリール、C
1-6アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、ハロ、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
各R
9は独立して、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル-OH、C
3-6シクロアルキル、ハロ、CN、OH、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、及びN(C
1-6アルキル)
2からなる群から選択され、
mは、0、1、2、又は3であり、
nは、1、2、又は3であり、
pは、0、1、2、又は3である。
【0042】
ある実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物:
【化5】
又はその薬学的に許容される塩である。
【0043】
別の実施形態では、式Iの化合物は、式Ibの化合物:
【化6】
又はその薬学的に許容される塩である。
【0044】
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、式Icの化合物:
【化7】
又はその薬学的に許容される塩である。
【0045】
更に別の実施形態では、環Aは、C6-10アリールである。なお別の実施形態では、環Aは、フェニルである。
【0046】
ある実施形態では、環Bは、フェニル又は5~6員ヘテロアリールである。別の実施形態では、環Bは、フェニルである。更に別の実施形態では、環Bは、チエニルである。
【0047】
なお別の実施形態では、
R1は、C1-6アルキルであり、
R2は、H、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、
R2aは、Hであり、
各R4は独立して、C1-6アルキル、ハロ、及びOR6からなる群から選択され、
各R5は独立して、C1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCOR7からなる群から選択され、
各R6は独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
各R7は独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、及びNH(C1-6アルキル)からなる群から選択され、
各R9は独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-OH、C3-6シクロアルキル、及びCNからなる群から選択され、
mは、0、1、又は2であり、
nは、1又は2である。
【0048】
ある実施形態では、R1は、C1-3アルキルである。
【0049】
別の実施形態では、R2は、Hである。別の実施形態では、R2aは、Hである。
【0050】
更に別の実施形態では、各R4は独立して、C1-6アルキル、ハロ、及びOR6からなる群から選択される。なお別の実施形態では、R4は独立して、O(エチル)、O(シクロプロピル)、O(オキセタニル)、及びO(C1-3ハロアルキル)からなる群から選択される。
【0051】
ある実施形態では、各R5は独立して、C1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCOR7からなる群から選択される。別の実施形態では、各R5は独立して、C1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCONH(C1-6アルキル)からなる群から選択される。
【0052】
ある実施形態では、各R6は独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0053】
別の実施形態では、各R7は独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、及びNH(C1-6アルキル)からなる群から選択される。
【0054】
別の実施形態では、各R9は独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-OH、C3-6シクロアルキル、及びCNからなる群から選択される。更に別の実施形態では、各R9は独立して、C1-6アルキルである。
【0055】
なお別の実施形態では、mは、1又は2である。ある実施形態では、mは、1である。別の実施形態では、mは、2である。更に別の実施形態では、mは、0である。
【0056】
ある実施形態では、nは、1又は2である。別の実施形態では、nは、1である。更に別の実施形態では、nは、2である。なお別の実施形態では、nは、0である。
【0057】
別の実施形態では、pは、0又は1である。更に別の実施形態では、pは、0である。なお別の実施形態では、pは、1である。ある実施形態では、pは、2である。
【0058】
別の実施形態では、
環Aは、フェニルであり、
環Bは、フェニル又はチエニルであり、
R1は、C1-3アルキルであり、
R2は、H、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、
各R4は独立して、C1-6アルキル、ハロ、及びOR6からなる群から選択され、
各R5は独立して、C1-6ハロアルキル、ハロ、CN、及びCOR7からなる群から選択され、
各R6は独立して、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、
各R7は独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、及びNH(C1-6アルキル)からなる群から選択され、
各R9は独立して、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシ、C1-6アルキル-OH、C3-6シクロアルキル、及びCNからなる群から選択され、
mは、1又は2であり、
nは、1又は2であり、
pは、0又は1である。
【0059】
更に別の実施形態では、
Xは、Nであり、
Y及びZは各々独立して、NH及びCHからなる群から選択される。
【0060】
なお別の実施形態では、式Iの化合物は、以下のコア構造:
【化8】
のうちの1つを有する。
【0061】
ある実施形態では、式Iの化合物は、以下のコア構造:
【化9】
を有する。
【0062】
別の実施形態では、式Iの化合物は、表1の化合物:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0063】
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、表2の化合物:
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0064】
なお別の実施形態では、式Iの化合物は、表3の化合物:
【表3】
又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0065】
別の態様では、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含む薬学的組成物が本明細書に提供される。
【0066】
本明細書に開示される化合物は、互変異性体及び光学異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ラセミ混合物など)として存在し得る。
【0067】
本明細書に開示される化合物を提供するためにインビボで変換されるいずれの化合物も本開示の範囲内のプロドラッグであることは当該技術分野で一般に周知である。
【0068】
本明細書に提供される化合物は、中間体又は最終化合物中に生じる原子の全ての同位体を含むこともできる。同位体は、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。例えば、水素の同位体としては、三重水素及び重水素が挙げられる。本発明の化合物の1つ以上の構成原子は、天然又は非天然存在度の原子の同位体で置き換える又は置換することができる。いくつかの実施形態では、本化合物は、少なくとも1個の重水素原子を含む。例えば、本開示の化合物中の1つ以上の水素原子を重水素によって置き換える又は置換することができる。いくつかの実施形態では、本化合物は、2個以上の重水素原子を含む。いくつかの実施形態では、本化合物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の重水素原子を含む。同位体を有機化合物に含めるための合成方法は、当該技術分野で既知である(Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F.Thomas(New York,N.Y.,Appleton-Century-Crofts,1971、The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt,Volker Derdau,Thorsten Fey and Jochen Zimmermann,Angew.Chem.Int.Ed.2007,7744-7765、The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R.Hanson,Royal Society of Chemistry,2011)。同位体標識化合物は、NMR分光法、代謝実験、及び/又はアッセイなどの様々な研究で使用することができる。
【0069】
複数の実施形態では、本明細書に提供される化合物は、少なくとも3500(各々の指定された重水素原子における52.5%の重水素組み込み)、少なくとも4000(60%の重水素組み込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素組み込み)、少なくとも5000(75%の重水素組み込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素組み込み)、少なくとも6000(90%の重水素組み込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素組み込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素組み込み)、少なくとも6600(99%の重水素組み込み)、又は少なくとも6633.3(99.5%の重水素組み込み)の各々の指定された重水素原子に対する同位濃縮係数を有する。
【0070】
治療方法
ある態様では、NLRP3インフラマソームの阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0071】
別の態様では、炎症の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0072】
別の態様では、炎症老化の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0073】
別の態様では、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0074】
ある実施形態では、CAPSは、家族性寒冷自己炎症症候群、マックル・ウェルズ症候群、及び新生児発症多系統炎症性疾患からなる群から選択される。
【0075】
別の態様では、皮膚科学的疾患の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0076】
ある実施形態では、皮膚科学的疾患は、乾癬、蕁麻疹、皮膚光老化、及び湿疹からなる群から選択される。
【0077】
長寿命又は生活の質に悪影響を及ぼす加齢又は加齢性状態の治療寛解のために本明細書に提供される化合物を使用する方法であって、本明細書に提供される化合物それを必要とする対象に投与することを含む、方法も本明細書に提供され、長寿命又は生活の質に悪影響を及ぼす加齢又は加齢性状態は、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、高インスリン血症、インスリン抵抗性、免疫抑制、肝疾患、鉄過剰、高トリグリセリド血症、皮膚完全性障害、創傷治癒、瘢痕、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び睡眠問題、胃腸障害及び胃腸問題、Th1型炎症、Th2型炎症、T細胞依存性B細胞増殖を伴う炎症性疾患、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、高コレステロール血症、慢性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液学的腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、肝線維症、皮膚炎、肺線維症、呼吸器感染に対する肺反応、再狭窄、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍における間質生物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、並びにアルファ平滑筋アクチン(αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンI、コラーゲンIII、デコリン、e-セレクチン、エオタキシン3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR)、免疫グロブリンG、インターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP-10/CXCL10)、インターフェロン誘導性T細胞アルファ化学誘引物質(I-TAC/CXCL11)、インターロイキン(IL)-1、IL-1アルファ、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-10、IL-17A、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、ガンマインターフェロン誘導モノカイン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性化阻害剤1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA、T細胞又はB細胞増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFアルファ)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増殖因子2(VEGFR2)からなる群から選択される1つ以上の要因によって駆動される又は増悪する疾患からなる群から選択される。
【0078】
ある態様では、対象における正常な老化過程を逆転させる方法であって、治療有効量の本明細書に提供される化合物又はその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0079】
別の態様では、対象における正常な老化過程を逆転させる方法であって、治療有効量の本明細書に提供される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を対象に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0080】
更に別の態様では、対象の寿命を延ばす方法であって、治療有効量の本明細書に提供される化合物又はその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0081】
なお別の態様では、対象の寿命を延ばす方法であって、治療有効量の本明細書に提供される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を対象に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0082】
別の態様では、対象における老化過程を遅延させる及び緩和する方法であって、治療有効量の本明細書に提供される化合物又はその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0083】
別の態様では、細胞における炎症誘発性経路を阻害又は調節する方法であって、細胞を、本明細書に提供される化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、方法が本明細書に提供される。更に別の態様では、細胞におけるNLRP3を阻害又は調節する方法であって、細胞を、本明細書に提供される化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、方法が本明細書に提供される。
【0084】
本明細書に提供される化合物を用いてNLRP3インフラマソームを発現する細胞(インビトロ又はインビボ)を治療することにより、炎症誘発性経路を阻害し、炎症又は炎症老化などのシグナル伝達経路に関連する下流イベントを阻害することができる。
【0085】
別の態様では、神経感覚疾患の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0086】
ある実施形態では、神経感覚疾患は、聴力喪失、聴覚損傷、及び眼疾患からなる群から選択される。ある実施形態では、眼疾患は、網膜損傷及び視神経損傷である。
【0087】
更に別の態様では、炎症性障害の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0088】
ある実施形態では、炎症性障害は、アレルギー、喘息、アトピー性皮膚炎、アテローム性動脈硬化症、自己免疫疾患、セリアック病、慢性炎症、糸球体腎炎、肝炎、炎症性腸疾患、前灌流損傷、SARS-CoV-2感染、移植拒絶反応、心疾患、糖尿病、関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、痛風、冠動脈疾患、関節リウマチ、腸障害、及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)からなる群から選択される。
【0089】
別の実施形態では、炎症性障害は、神経炎症性疾患である。更に別の実施形態では、炎症性障害は、内耳炎症である。
【0090】
ある実施形態では、慢性炎症は、組織炎症を含む。組織炎症は、特定の組織又は臓器に限局する慢性炎症である。ある実施形態では、組織炎症は、例えば、皮膚炎症、眼炎症、筋肉炎症、腱炎症、靭帯炎症、骨の炎症、軟骨炎症、肺炎症、心臓の炎症、肝臓炎症、膵臓炎症、腎臓炎症、膀胱炎症、胃炎症、腸炎症、神経炎症、及び脳炎症を含む。
【0091】
別の実施形態では、慢性炎症は、全身性炎症を含む。関与する過程は組織炎症と同一であるが、全身性炎症は特定の組織に限局せず、実際には、身体を圧倒し、内皮及び他の器官系を巻き込む。それが感染に起因する場合、「敗血症」という用語が適用され、菌血症という用語は特に細菌性敗血症に適用され、ウイルス血症という用語は特にウイルス性敗血症に適用される。血管拡張及び臓器機能不全は、敗血症性ショック及び死亡につながり得る広範囲にわたる感染に関連する深刻な問題である。
【0092】
更に別の実施形態では、慢性炎症は、関節炎を含む。関節炎には、変形性関節症、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、強直性脊椎炎などの脊椎関節症、反応性関節炎(ライター症候群)、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患に関連する腸疾患性関節炎、ウィップル病及びベーチェット病、敗血症性関節炎、痛風(別名、痛風性関節炎、結晶性滑膜炎、代謝性関節炎)、偽痛風(ピロリン酸カルシウム沈着疾患)、並びにスティル病を含むが、これらに限定されない滑膜炎症に起因する身体の関節への損傷を伴う状態の群が含まれる。関節炎は、単一の関節(単関節炎)、2~4つの関節(少関節炎)、又は5つ以上の関節(多発性関節炎)に影響を及ぼす可能性があり、自己免疫疾患又は非自己免疫疾患のいずれかであり得る。
【0093】
なお別の態様では、加齢性障害の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0094】
ある実施形態では、加齢性障害は、神経変性、心血管疾患、インスリン抵抗性、糖尿病、骨粗しょう症、変形性関節症、認知機能低下、認知症、フレイル、白内障、関節炎、肥満、高血圧、狭心症、うっ血性心不全、脂質異常症、心筋梗塞、血管疾患、呼吸器疾患、腎臓疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、アルツハイマー病、心臓拡張機能不全、良性前立腺肥大、大動脈瘤、及び肺気腫からなる群から選択される。
【0095】
別の態様では、代謝性状態の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0096】
ある実施形態では、代謝性状態は、糖尿病、肥満、嚢胞性線維症、及び甲状腺機能亢進からなる群から選択される。
【0097】
更に別の態様では、神経変性疾患の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0098】
ある実施形態では、神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、及びバッテン病からなる群から選択される。
【0099】
ある態様では、内耳の疾患又は障害の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物を個体に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0100】
ある実施形態では、内耳の疾患又は障害は、聴力喪失、聴力障害、めまい、メニエール病、及び耳鳴からなる群から選択される。別の実施形態では、内耳の疾患は、聴力喪失である。更に別の実施形態では、内耳の疾患は、聴力障害である。
【0101】
別の実施形態では、聴力喪失は、加齢性、騒音誘発性、又はウイルス感染の結果である。更に別の実施形態では、ウイルス感染は、ジカウイルス又はコロナウイルスである。
【0102】
阻害剤の効力は、IC50値によって決定することもできる。実質的に同様の条件下で決定される、より低いIC50値を有する化合物は、より高いIC50値を有する化合物と比較してより強力な阻害剤である。
【0103】
本方法のある実施形態では、対象は、ヒトである。
【0104】
別の態様では、本開示は、NLRP3インフラマソームが関与する疾患を治療又は予防するための薬剤の製造に使用するための、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0105】
ある態様では、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性及び過剰増殖性疾患、免疫学的に媒介される疾患、骨疾患、代謝性疾患、神経学的疾患及び神経変性疾患、心血管疾患、ホルモン関連疾患、アレルギー、喘息、並びにアルツハイマー病からなる群から選択される状態を治療する方法が本明細書に提供される。他の実施形態では、当該状態は、増殖性障害及び神経変性障害から選択される。
【0106】
本開示の一態様は、過剰又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患、障害、及び状態の治療に有用な化合物を提供する。かかる疾患には、増殖性疾患又は過剰増殖性疾患、並びに神経変性疾患が含まれるが、これらに限定されない。増殖性疾患及び過剰増殖性疾患の例としては、がんが挙げられるが、これに限定されない。
【0107】
したがって、ある態様では、がんの治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。
【0108】
ある実施形態では、がんは、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌、精巣癌、泌尿生殖器癌、食道癌、喉頭癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌、大細胞癌、小細胞癌、肺腺癌、骨癌、結腸癌、結腸直腸、腺腫、膵臓癌、腺癌、甲状腺癌、濾胞癌、未分化癌、乳頭癌、セミノーマ、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌及び胆道経路、腎臓癌、骨髄性障害、リンパ性障害、ホジキン病、ヘアリー細胞癌、頬側口腔癌及び咽頭(口腔)癌、唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、結腸癌、直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳癌及び中枢神経系癌、慢性骨髄性白血病(CML)、並びに白血病からなる群から選択される。
【0109】
別の実施形態では、がんは、骨髄腫、リンパ腫、又は胃癌、腎臓癌、頭頸部癌、中咽頭癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、子宮内膜癌、肝臓癌、非ホジキンリンパ腫、及び肺癌から選択されるがんからなる群から選択される。
【0110】
ある実施形態では、がんは、前立腺癌、結腸癌、肺癌、頭頸部扁平上皮癌、食道癌、肝細胞癌、黒色腫、肉腫、胃癌、膵臓癌、卵巣癌、乳癌からなる群から選択される。
【0111】
ある実施形態では、がんは、腫瘍、新生物、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫などからなる群から選択される。例えば、がんには、中皮腫、白血病、及びリンパ腫、例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、非皮膚末梢性T細胞リンパ腫、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)に関連するリンパ腫、例えば、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、B細胞リンパ腫、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、及び多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は肝細胞癌が含まれるが、これらに限定されない。更なる例としては、骨髄異形成症候群、小児期固形腫瘍、例えば、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨腫瘍、及び軟部組織肉腫、成人によく見られる固形腫瘍、例えば、頭頸部癌(例えば、口腔癌、喉頭部癌、鼻咽頭癌、及び食道癌)、泌尿生殖器癌(例えば、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、子宮癌、卵巣癌、精巣癌)、肺癌(例えば、小細胞癌及び非小細胞癌)、乳癌、膵臓癌、黒色腫及び他の皮膚癌、胃癌、脳腫瘍、ゴーリン症候群に関連する腫瘍(例えば、髄芽腫、髄膜腫など)、並びに肝臓癌が挙げられる。主題の化合物によって治療され得るがんの追加の例示的な形態には、骨格筋又は平滑筋癌、胃癌、小腸癌、直腸癌(rectum carcinoma)、唾液腺癌、子宮内膜癌、副腎癌、肛門癌、直腸癌(rectal cancer)、副甲状腺癌、及び下垂体癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0112】
本明細書に記載の化合物が治療に有用であり得る追加のがんは、例えば、結腸癌、家族性腺腫性ポリポーシス癌及び遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌、又は黒色腫である。更に、がんには、口唇癌、喉頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、甲状腺癌(髄様及び乳頭様甲状腺癌)、腎癌、腎実質癌、子宮頸癌、子宮体癌、子宮内膜癌、絨毛膜癌、精巣癌、泌尿器癌、黒色腫、脳癌、例えば、神経膠芽腫、星状細胞腫、髄膜腫、髄芽腫、及び末梢性神経外胚葉性腫瘍、胆嚢癌、気管支癌、多発性骨髄腫、基底腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、セミノーマ、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫、及び形質細胞腫が含まれるが、これらに限定されない。
【0113】
別の態様では、本明細書に開示される様々な種類のがんを含むが、これらに限定されないがんを治療するための薬剤の製造における本開示の1つ以上の化合物の使用が本明細書に提供される。
【0114】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、結腸直腸癌、甲状腺癌、乳癌、及び肺癌などのがん、並びに真性多血症、血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄異形成、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、若年性骨髄単球性白血病、及び全身性マスト細胞疾患などの骨髄増殖性障害の治療に有用である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、造血障害、具体的には、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病、及び急性リンパ性白血病(ALL)の治療に有用である。
【0115】
投与/投薬量/製剤
経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤、及びエリキシル剤が挙げられる。本活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば、当該技術分野で一般的に使用されている不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(具体的には、綿実油、落花生油、コム(com)油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタン脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、香味剤、並びに香料剤などのアジュバントを含むこともできる。
【0116】
注射用調製物(例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液)は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って製剤化され得る。滅菌注射用調製物は、例えば、1,3-ブタンジオールの溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒の滅菌注射用溶液、懸濁液、又はエマルションである場合もある。用いられ得る許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル溶液、U.S.P.、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌固定油は、従来、溶媒又は懸濁媒体として用いられている。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の刺激の強くない固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に使用される。
【0117】
薬物の効果を長引かせるために、多くの場合、皮下注射又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅延させることが望ましい。これは、水難溶性の結晶性又は非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。ひいては、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次いで、結晶サイズ及び結晶性形態に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクル中に溶解又は懸濁させることによって達成される。
【0118】
直腸投与又は膣内投与用の組成物は、好ましくは、本開示の化合物を、周囲温度では固体であるが体温で液体になり、それ故に、直腸又は膣腔で融解し、本活性化合物を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコール、又は坐剤ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤又は担体と混合することによって調製することができる坐剤である。
【0119】
同様のタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中に充填剤として用いられる場合もある。
【0120】
本活性化合物は、上記の1つ以上の賦形剤とともにマイクロカプセル封入された形態とすることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒の固体剤形は、腸溶性コーティング、放出制御コーティング、及び医薬製剤化分野で周知の他のコーティングなどのコーティング及びシェルを用いて調製することができる。かかる固体剤形では、本活性化合物は、スクロース、ラクトース、又はデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてもよい。かかる剤形は、通常の慣行として、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化滑沢剤及び他の錠剤化補助剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロースも含んでもよい。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形は、緩衝剤も含んでもよい。
【0121】
本開示の化合物の局所投与又は経皮投与用の剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤、又はパッチ剤が含まれる。活性成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体及び必要とされ得る任意の必要な防腐剤又は緩衝液と混合される。眼製剤、点耳剤、眼軟膏剤、散剤、及び溶液剤も、本開示の範囲内であるとして企図される。
【0122】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、及びゲル剤は、本開示の活性化合物に加えて、動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、並びに酸化亜鉛、又はそれらの混合物などの賦形剤を含んでもよい。
【0123】
散剤及びスプレー剤は、本開示の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含むことができる。スプレー剤は、更に、クロロフルオロ炭化水素などの通例の推進剤を含むことができる。
【0124】
経皮パッチ剤は、化合物の身体への制御された送達を提供する追加の利点を有する。かかる剤形は、化合物を適切な媒体中に溶解させる又は分注することによって作製することができる。吸収促進剤を使用して、皮膚全体にわたる化合物の流動を増加させることもできる。速度は、速度制御膜を提供するか、又は化合物をポリマーマトリックス若しくはゲル中に分散させるかのいずれかによって制御することができる。
【0125】
本開示の化合物は、鼓室内投与することができ、この場合、細長い穿孔針が外耳道を通過し、鼓膜を通過して、薬剤を中耳洞に投与し、ここで薬剤が内耳に吸収される。
【0126】
本開示の治療方法によれば、障害は、ヒト又は他の動物などの対象において、治療有効量の本開示の化合物を、所望の結果を達成するために必要な量及び時間で、対象に投与することによって治療又は予防される。本明細書で使用される本開示の化合物の「治療有効量」という用語は、対象における障害の症状を軽減するのに十分な化合物の量を意味する。医療分野において十分に理解されているように、本開示の化合物の治療有効量は、あらゆる医療に適用可能な合理的な利益/リスク比である。
【0127】
概して、本開示の化合物は、単独で又は1つ以上の治療剤と組み合わせてのいずれかで、当該技術分野で既知の通常の許容される様式のうちのいずれかにより、治療有効量で投与される。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康状態、使用される化合物の効力、並びに他の要因に応じて大きく変化し得る。一般に、満足のいく結果は、約0.03~2.5mg/kg体重の1日投薬量で全身に得られることが示される。より大きな哺乳動物、例えば、ヒトにおける指示される1日投薬量は、約0.5mg~約100mgの範囲内であり、例えば、最大1日4回の分割用量又は遅延形態で、好都合に投与される。経口投与に好適な単位剤形は、約1~50mgの活性成分を含む。
【0128】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物の治療量又は治療用量は、約0.1mg/Kg~約500mg/Kg、あるいは、約1~約50mg/Kgの範囲であり得る。一般に、本開示による治療レジメンは、かかる治療を必要とする患者に、1日当たり約10mg~約1000mgの本開示の化合物(複数可)を1回又は複数回投与することを含む。治療量又は治療用量は、投与経路だけでなく他の薬剤との併用の可能性にも応じて変化する。
【0129】
対象の状態が改善されると、必要に応じて、本開示の化合物、組成物、又は組み合わせの維持用量が投与され得る。その後、投与の投薬量若しくは頻度、又はそれらの両方は、症状の関数として、改善された状態が保持されるレベルまで低減されてもよく、症状が所望のレベルまで緩和されたときに治療を中止すべきである。しかしながら、対象は、疾患症状の再発に際して長期にわたる断続的な治療を必要とする場合がある。
【0130】
しかしながら、本開示の化合物及び組成物の総1日使用量が健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の患者に対する特定の阻害用量は、治療されている障害及びその障害の重症度、用いられる特定の化合物の活性、用いられる特定の組成物、患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別、及び食生活、用いられる特定の化合物の投与時間、投与経路、及び排泄速度、治療の持続期間、用いられる特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物、並びに医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存するであろう。
【0131】
本開示は、a)遊離形態又は薬学的に許容される塩形態の本明細書に開示される本開示の化合物である第1の薬剤と、b)少なくとも1つの共薬剤とを含む薬学的組み合わせ、例えば、キットも提供する。キットは、その投与のための説明書を含むことができる。
【0132】
薬学的に許容される担体として機能することができる材料のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、又はソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩又は電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレンポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、羊毛脂、糖、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン、セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及びセルロースアセテート、粉末トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、賦形剤、例えば、ココアバター及び坐剤ワックス、油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油、グリコール、例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール、エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、寒天、緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張生理食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコール、並びにリン酸緩衝溶液が挙げられるが、これらに限定されない。更に、製剤化する者の判断に従って、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの非毒性相溶性滑沢剤、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、及び香料剤、防腐剤、並びに酸化防止剤も、本組成物中に存在することができる。タンパク質キナーゼ阻害剤又はその薬学的塩は、動物又はヒトに投与するために薬学的組成物に製剤化され得る。タンパク質キナーゼ媒介状態の治療又は予防に有効な量のタンパク質阻害剤と、薬学的に許容される担体と、を含むこれらの薬学的組成物は、本開示の他の実施形態である。
【0133】
キット
ある態様では、本明細書に開示される1つ以上の化合物、又はその薬学的に許容される塩から選択されるNLRP3インフラマソーム活性を阻害することができる化合物と、NLRP3インフラマソームに関連する障害の治療における使用に関する説明書と、を含むキットが本明細書に提供される。
【0134】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩から選択されるNLRP3インフラマソーム活性を阻害することができる化合物を含むキットを提供する。
【0135】
更に別の態様では、本明細書に開示される適応症のうちのいずれかの治療のための、本明細書に開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩を含むキットが本明細書に提供される。
【0136】
当業者であれば、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載の特定の手順、実施形態、特許請求の範囲、及び実施例に対する多数の等価物を認識するか、又は確認することができるであろう。かかる等価物は、本開示の範囲内であるとみなされ、本明細書に添付された特許請求の範囲によって包含されたものである。例えば、当該技術分野で認識されている代替案を用いた、かつ日常的な実験のみを使用した、反応時間、反応サイズ/体積、及び実験試薬、例えば、溶媒、触媒、圧力、大気条件、例えば、窒素雰囲気、及び還元剤/酸化剤を含むが、これらに限定されない反応条件の修正が、本出願の範囲内であることが理解されるべきである。
【0137】
値及び範囲が本明細書に提供される場合、これらの値及び範囲によって包含される全ての値及び範囲が本開示の範囲内に包含されるよう意図されていることを理解されたい。更に、これらの範囲内に入る全ての値だけでなく値の範囲の上限又は下限も、本出願によって企図される。
以下の実施例は、本開示の態様を更に説明する。しかしながら、それらは、記載される本開示の教示を決して限定するものではない。
【実施例】
【0138】
本明細書に開示される化合物及び方法は、以下の実施例によって更に説明され、これらは、更に限定するものとして解釈されるべきではない。本開示の実施には、別段の指示がない限り、当該技術分野の技術の範囲内である、有機合成、細胞生物学、細胞培養、及び分子生物学の従来の技法が用いられる。
略語
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
DCM ジクロロメタン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDCI 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LCMS 液体クロマトグラフィー-質量分析
m-CPBA メタ-クロロペルオキシ安息香酸
MeOH メタノール
NMR 核磁気共鳴
PE 石油エーテル
SEM-Cl 2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0139】
実施例1:合成手順
【化10】
化合物1(20mg、49.45umol、1当量)のDCM(1mL)溶液に、m-CPBA(10.04mg、49.45umol、85%純度、1当量)を0℃で添加し、その後、混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(1mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(3×2mL)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:26%-56%、9分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、白色の固体を得た。白色の固体を分取HPLC(カラム:Waters xbridge 150×25mm 10um;移動相:[水(NH
4HCO
3)-ACN];B%:23%-53%、8分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、白色の固体を得た。化合物001(16mg、36.08umol、72.95%収率、94.8%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.527分,m/z=421.2(M+H)
+1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.58-12.24(m,1H),8.77(d,J=1.3 Hz,1H),8.19-8.11(m,2H),7.37(td,J=3.0,7.8 Hz,2H),7.31(d,J=7.6 Hz,2H),7.12-7.01(m,3H),4.89(s,2H),4.08(q,J=7.0 Hz,2H),3.10(s,3H),1.38(t,J=6.9 Hz,3H).
【0140】
化合物003をスキーム1と同様の様式で調製し、茶色の固体として得た(7.05mg、16.18umol、22.57%収率、及び99.72%純度)。LCMS:Rt=0.482分,m/z=435.3(M+H+).1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.53-12.36(m,1H),8.80(s,1H),8.27(s,1H),8.20(s,1H),7.42(s,1H),7.40(s,1H),7.38-7.35(m,1H),7.34(s,1H),7.15-7.07(m,3H),6.52-6.42(m,1H),4.21-4.03(m,2H),2.91(s,3H),1.87(d,J=7.1 Hz,3H),1.43(t,J=6.9 Hz,3H).
【0141】
【化11】
化合物1(260mg、848.35umol、1.1当量)及び化合物2(200.72mg、771.23umol、1当量)のDCM(5mL)溶液に、EDCI(221.77mg、1.16mmol、1.5当量)及びDMAP(9.42mg、77.12umol、0.1当量)を添加し、混合物を20℃で12時間撹拌した。溶液を、減圧下で、ロータリーエバポレーターを使用して、水浴上で蒸発させた。残渣を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=0:1、Rf=0.4)により精製した。化合物3(341mg、576.70umol、74.78%収率、92.8%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.583分,m/z=549.1(M+H
+)
【0142】
化合物3(341mg、576.70umol、92.8%純度、1当量)のDCM(3mL)溶液に、TFA(4.29g、37.60mmol、2.78mL、65.20当量)を0℃で添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮して粗生成物を得て、粗生成物をMeOH(10mL)中に溶解させ、1gのNa2CO3を混合物に添加し、混合物を20℃で0.5時間撹拌し、その後、混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。残渣を分取TLC(SiO2、ジクロロメタン:メタノール=10:1、Rf=0.4)により精製した。化合物4(146mg、348.90umol、60.50%収率、純度該当なし)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.642分,m/z=419.1(M+H+)
【0143】
化合物4(146mg、348.90umol、1当量)のDCM(10mL)溶液に、m-CPBA(184.31mg、1.05mmol、98%純度、3当量)を0℃で添加し、混合物を30℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を濾過し、ケーキを飽和Na2SO3溶液(50mL)中に緩徐に溶解させ、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(NH4.H2O、カラム:Welch Xtimate C18 150×25mm×5um;移動相:[水(NH3H2O)-ACN];B%:25%-55%、8分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、白色の固体を得た。化合物002(46.91mg、104.79umol、30.03%収率、97.05%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.665分,m/z=453.3(M+Na+).1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.54-12.22(m,1H),8.45-8.27(m,1H),8.19(s,1H),7.41-7.34(m,2H),7.33-7.28(m,2H),7.11-7.02(m,3H),4.98-4.80(m,2H),4.18-3.93(m,2H),3.09(s,3H),2.95-2.78(m,3H),1.38(t,J=6.9 Hz,3H).
【0144】
化合物005をスキーム2と同様の様式で調製し(11.9mg、26.55umol、47.62%収率、99.6%純度)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.384分,m/z=447.3(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=8.35-8.28(m,1H),8.20-8.13(m,1H),7.47-7.40(m,1H),7.38-7.29(m,2H),7.24-7.20(m,1H),7.20-7.15(m,1H),7.13-7.08(m,1H),7.06-6.99(m,1H),4.93-4.84(m,2H),3.81-3.71(m,1H),3.14-3.05(m,3H),2.89-2.81(m,3H),0.84-0.72(m,4H).
【0145】
化合物008をスキーム2と同様の様式で調製し(5.7mg、12.67umol、54.69%収率、99.5%純度)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.401分,m/z =448.2(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ ppm 12.35-12.60(m,1 H)8.39-8.42(m,1 H)8.24-8.26(m,1 H)7.94-7.96(m,1 H)7.71(d,J=1.25 Hz,1 H)7.67-7.70(m,1 H)7.08-7.11(m,2 H)4.88-4.92(m,2 H)4.19-4.26(m,2 H)3.08-3.11(m,3 H)2.92(s,3 H)1.54-1.59(m,3 H).
【0146】
化合物013をスキーム2と同様の様式で調製し(11.81mg、27.18umol、22.75%収率、100%純度)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.529分,m/z=435.2(M+H+).1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=13.39-13.05(m,1H),9.52(d,J=1.8 Hz,1H),8.51(s,1H),7.39(br dd,J=2.9,5.5 Hz,2H),7.34-7.30(m,3H),7.11-7.05(m,2H),5.19(br s,2H),4.12-4.04(m,2H),3.14(s,3H),3.06(d,J=2.1 Hz,3H),1.39(br s,3H).
【0147】
化合物018をスキーム2と同様の様式で調製し(14.1mg、28.69umol、38.97%収率)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.545分,m/z=492.3 [M+H+] 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.59-12.43(m,1H),8.38(s,1H),8.28(dd,J=2.4,7.7 Hz,1H),8.24(s,1H),7.71-7.65(m,1H),7.38(d,J=7.8 Hz,1H),7.16(dd,J=8.6,11.7 Hz,1H),7.09(dd,J=1.4,7.8 Hz,1H),7.06(s,1H),6.83-6.71(m,1H),4.89(s,2H),4.12-4.02(m,2H),3.10(s,3H),3.06(d,J=4.1 Hz,3H),2.92(s,3H),1.37(t,J=6.9 Hz,3H).
【0148】
化合物034をスキーム2と同様の様式で調製した。化合物034(9.8mg、20.90umol、31.55%収率、100%純度)を白色の固体として単離した。LCMS:Rt=0.407分,m/z=469.2(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.26-12.12(m,1H),8.23(s,1H),8.15(s,1H),7.43-7.36(m,1H),7.15(s,1H),7.12-7.07(m,1H),7.07-7.02(m,1H),7.01-6.97(m,1H),6.95-6.91(m,1H),4.85(s,2H),3.99(q,J=6.9 Hz,2H),3.12-3.06(m,3H),2.84(s,3H),1.28-1.22(m,3H).
【0149】
化合物037をスキーム2と同様の様式で調製し、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.431分,m/z=485.4(M+H)
+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.35(s,1H),8.28(s,1H),8.19-8.16(m,1H),7.38-7.37(m,1H),7.36(s,1H),7.28-7.27(m,1H),7.18-7.16(m,1H),7.16-7.14(m,1H),6.94-6.92(m,1H),4.85(s,2H),4.03-3.96(m,2H),3.10(s,3H),2.86(s,3H),1.26(t,J=6.9 Hz,3H).
【化12】
【0150】
化合物1(400mg、1.48mmol、1当量)のジオキサン(4mL)溶液に、化合物2(412.88mg、2.95mmol、2当量)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(120.49mg、147.54umol、0.1当量)、及びCs2CO3(961.45mg、2.95mmol、2当量)を添加し、反応混合物をN2下で、100℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル=1:0-20/1(所望の化合物Rf=0.5)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製した。化合物3(375mg、1.21mmol、81.67%収率、92%純度)を茶色の油として得た。LCMS:Rt=0.642分,m/z=287.0(M+H+)
【0151】
化合物3のH2O(2mL)及びMeOH(6mL)溶液に、LiOH.H2O(153.90mg、3.67mmol、3当量)を添加し、反応混合物を20℃で12時間撹拌した。1mol/LのHClを添加して反応混合物をpH=5に酸性化した。その後、反応混合物を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を更に精製することなく次のステップで使用した。化合物4(319mg、1.04mmol、84.99%収率、88.68%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.571分,m/z=273.0(M+H+)
【0152】
化合物4(90mg、290.89umol、88%純度、1当量)のDCM(2mL)溶液に、化合物5(102.08mg、349.06umol、1.2当量)、EDCI(83.65mg、436.33umol、1.5当量)、及びDMAP(3.55mg、29.09umol、0.1当量)を添加し、反応混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1、所望の化合物Rf=0.5)により精製した。化合物6((117mg、188.33umol、64.74%収率、88%純度)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.610分,m/z=547.1(M-H+)
【0153】
化合物6(117mg、188.33umol、88%純度、1当量)のDCM(2mL)溶液に、TFA(3.08g、27.01mmol、2mL、143.43当量)を添加し、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(ジクロロメタン:メタノール=10:1、所望の化合物Rf=0.5)により精製した。化合物7((98mg、粗物)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.491分,m/z=417.0(M-H+)
【0154】
化合物7(98mg、235.32umol、1当量)のDCM(2mL)溶液に、m-CPBA(143.33mg、705.97umol、85%純度、3当量)を0℃で添加し、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を飽和Na2SO3溶液(25mL)中に注ぎ、EtOAc(25mL×3)で抽出し、合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:38%-68%、9分)により精製した。分取HPLCにより精製した後、溶離液を濃縮して、有機溶媒を除去した。残渣の水溶液を凍結乾燥させて、白色の固体を得た。004(21.68mg、49.13umol、20.88%収率、98%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.503分,m/z =433.0(M+H+).1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=9.09-8.98(m,1H),8.51-8.42(m,1H),8.38-8.30(m,1H),7.49-7.44(m,1H),7.40-7.34(m,2H),7.27-7.25(m,1H),7.25-7.22(m,1H),7.24-7.18(m,2H),7.17-7.11(m,1H),7.09-7.03(m,1H),5.00(s,2H),3.83-3.76(m,1H),3.21-3.15(m,3H),0.86-0.82(m,2H),0.81-0.76(m,2H).
【0155】
化合物010をスキーム3と同様の様式で調製し(8.2mg、17.84umol、38.94%収率、98.462%純度)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.637分,m/z=453.2(M+H+).1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.46-12.16(m,1H),8.35(s,1H),8.21(s,1H),7.43-7.36(m,1H),7.19(d,J=7.6 Hz,1H),7.14(br d,J=9.6 Hz,1H),7.11-7.05(m,1H),6.89-6.84(m,2H),4.99-4.77(m,2H),4.11-3.97(m,2H),3.11(s,3H),2.93-2.78(m,3H),1.32(t,J=6.9 Hz,3H).
【0156】
化合物011をスキーム3と同様の様式で調製し(5.23mg、11.38umol、16.28%収率、100%純度)、薄黄色の固体として得た。LCMS:Rt=0.407分,m/z=460.2(M+H+)1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=13.17-12.48(m,1H),8.69-8.59(m,1H),8.52-8.39(m,1H),7.78-7.72(m,1H),7.67(br t,J=6.5 Hz,2H),7.58-7.51(m,1H),6.95-6.81(m,2H),4.95(s,2H),4.06(q,J=7.2 Hz,2H),3.17(s,3H),3.09(s,3H),1.33(t,J=7.0 Hz,3H).
【0157】
化合物014をスキーム3(14mg、29.80umol、33.35%収率、96.312%純度)と同様の様式で調製し、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.539分,m/z=453.1(M+H+).1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.83-12.02(m,1H),8.35(s,1H),8.23(s,1H),7.35(d,J=7.8 Hz,1H),7.13-6.99(m,4H),6.81(tt,J=2.3,8.9 Hz,1H),4.89(s,2H),4.09(q,J=7.0 Hz,2H),3.09(s,3H),2.91(s,3H),1.40(t,J=6.9 Hz,3H).
【0158】
化合物017をスキーム3と同様の様式で調製し(7.7mg、16.58umol、12.39%収率、100%純度)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.440分,m/z=465.2(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ ppm 8.34-8.44(m,1 H)8.23(s,1 H)7.44(d,J=1.38 Hz,1 H)7.32(br d,J=1.63 Hz,1 H)7.28-7.31(m,1 H)7.18-7.21(m,1 H)7.16-7.18(m,1 H)7.11(dd,J=7.75,1.50 Hz,1 H)4.89-4.93(m,2 H)3.75-3.80(m,1 H)3.08-3.14(m,3 H)2.90(s,3 H)0.80-0.86(m,2 H)0.73-0.79(m,2 H).
【0159】
化合物019をスキーム3と同様の様式で調製し(6.9mg、14.24umol、16.68%収率、100%純度)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.567分,m/z =485.2(M+H+)1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=8.76-8.37(m,1H),7.87(s,1H),7.72-7.72(m,1H),7.77-7.71(m,1H),7.66-7.61(m,1H),7.59-7.52(m,1H),7.45-7.39(m,1H),7.13(d,J=7.8 Hz,1H),7.10-7.00(m,1H),5.02-4.91(m,2H),4.15-4.05(m,2H),3.23-2.99(m,6H),1.42-1.36(m,3H).
【0160】
化合物046をスキーム3と同様の様式で調製し、白色の固体として得た(13.1mg、27.13umol、63.07%収率、99.6%純度)。LCMS:Rt=0.429分,m/z=481.3(M+H)
+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=8.29(s,1H),8.17(s,1H),7.37-7.31(m,3H),7.25-7.19(m,2H),6.93-6.86(m,1H),4.87(s,2H),3.77-3.73(m,1H),3.11(s,3H),2.85(s,3H),0.83-0.76(m,2H),0.75-0.69(m,2H).
【化13】
【0161】
1(2.2g、10.38mmol、1当量)の2-MeTHF(30mL)溶液に、NaH(622.45mg、15.56mmol、60%純度、1.5当量)を0℃で添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、SEM-Cl(2.08g、12.45mmol、2.20mL、1.2当量)を滴加し、混合物を20℃で12時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(200mL)溶液中に注ぎ、EtOAc(200mL×3)で抽出し、合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製した。2(1.55g、4.52mmol、43.57%収率)を茶色の油として得た。LCMS:Rt=0.533分,m/z=343.9(M+H+)
【0162】
2(1.55g、4.53mmol、1当量)のMeOh(20mL)溶液に、Pd(OAc)2(203.32mg、905.62umol、0.2当量)、DPPF(502.06mg、905.62umol、0.2当量)、及びTEA(2.29g、22.64mmol、3.15mL、5当量)を添加し、混合物をCO(50psi)下で、80℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をN2下で濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=40/1-60/1)により精製した。3(1.42g、4.41mmol、97.35%収率)を茶色の油として得た。LCMS:Rt=0.367分,m/z=322.2(M+H+)
【0163】
3(1.42g、4.42mmol、1当量)の2-MeTHF(15mL)溶液に、LAH(251.47mg、6.63mmol、1.5当量)を0℃で添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。反応が完了した後、結果として得られた混合物にNa2SO4.10H2O(2g)を添加した。その後、混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を更に精製することなく次のステップで使用した。4(1.1g、粗物)を黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.709分,m/z=409.0(M+Na+)
【0164】
4(1.1g、3.75mmol、1当量)のDCM(15mL)溶液に、MnO2(6.52g、74.97mmol、20当量)を添加し、混合物を30℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=40/1-60/1)により精製した。5(821mg、2.82mmol、75.23%収率)を黄色の油として得た。4(373mg、1.27mmol、33.91%収率)を黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.507分,m/z=292.1(M+H+).1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=10.20(s,1H),8.79(s,1H),8.27(s,1H),6.23(s,2H),3.52(dd,J=7.8,8.8 Hz,2H),2.92(s,3H),0.87-0.82(m,2H),-0.09(s,9H)
【0165】
5(821mg、2.82mmol、1当量)のMeOH(10mL)溶液に、MeNH2/THF溶液(2M、7.04mL、5当量)及びAcOH(16.92mg、281.72umol、16.11uL、0.1当量)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。その後、NaBH4(319.75mg、8.45mmol、3当量)を溶液に添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(10mL)でクエンチし、結果として得られた混合物を真空下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を更に精製することなく次のステップで使用した。6(900mg、粗物)を黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.302分,m/z=307.1(M+H+)
【0166】
化合物7(80mg、286.44umol、1当量)及び6(131.68mg、429.66umol、1.5当量)のDCM(2mL)溶液に、EDCI(82.37mg、429.66umol、1.5当量)及びDMAP(3.50mg、28.64umol、0.1当量)を添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。溶液を、減圧下で、ロータリーエバポレーターを使用して、水浴上で蒸発させた。残渣を分取TLC(SiO2、EtOAc=1)により精製した。化合物8(78mg、128.23umol、44.77%収率、93.337%純度)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.528分,m/z=568.4(M+H+)
【0167】
化合物8のDCM(1mL)溶液に、TFA(770.00mg、6.75mmol、0.5mL、49.15当量)を添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。溶液を、減圧下で、ロータリーエバポレーターを使用して、水浴上で蒸発させた。残渣を分取TLC(SiO2、DCM:MeOH=10:1)により精製した。化合物9(57mg、109.44umol、79.66%収率、84%純度)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.543分,m/z=438.2(M+H+)
【0168】
4-(3-シアノフェニル)-3-(シクロプロピル)-N-メチル-N-[(4-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-7-イル)メチル]ベンズアミド(57mg、130.29umol、1当量)のDCM(2mL)溶液に、m-CPBA(79.35mg、390.86umol、85%純度、3当量)を0℃で添加した。混合物をN2下で、30℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を濾過し、ケーキを飽和Na2SO3溶液(10mL)中に緩徐に溶解させ、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLCにより精製した。カラム:Welch Xtimate C18 150×25mm×5um;移動相:[水(NH3H2O)-ACN];B%:15%-45%、8分。凍結乾燥させた。化合物006(10.88mg、23.99umol、18.41%収率、100%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.461分,m/z=454.2(M+H+).1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.88-12.63(m,1H),8.61-8.52(m,1H),8.36(br s,1H),7.78(s,1H),7.69(s,1H),7.63(s,1H),7.52(s,1H),7.45(s,1H),7.34(d,J=7.8 Hz,1H),7.14(dd,J=1.4,7.8 Hz,1H),4.96(br s,2H),3.82-3.74(m,1H),3.16(s,3H),3.02(br s,3H),0.85(br d,J=6.3 Hz,2H),0.75(br d,J=2.0 Hz,2H).
【0169】
化合物007をスキーム4と同様の様式で調製し(10.88mg、23.99umol、18.41%収率、100%純度)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.461分,m/z=454.2(M+H
+).
1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.88-12.63(m,1H),8.61-8.52(m,1H),8.36(br s,1H),7.78(s,1H),7.69(s,1H),7.63(s,1H),7.52(s,1H),7.45(s,1H),7.34(d,J=7.8 Hz,1H),7.14(dd,J=1.4,7.8 Hz,1H),4.96(br s,2H),3.82-3.74(m,1H),3.16(s,3H),3.02(br s,3H),0.85(br d,J=6.3 Hz,2H),0.75(br d,J=2.0 Hz,2H).
【化14】
【0170】
化合物1(300mg、1.22mmol、1当量)及びヨードエタン(954.62mg、6.12mmol、489.55uL、5当量)のDMF(10mL)溶液に、Cs2CO3(797.70mg、2.45mmol、2当量)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌した。TLCによれば、反応はきれいであった。反応混合物を水(10mL)中に注ぎ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物2(330mg、1.21mmol、98.70%収率)を黄色の油として得た。1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=7.52-7.48(m,1H),7.46-7.42(m,1H),3.95(q,J=7.0 Hz,2H),3.90-3.88(m,3H),2.55(s,3H),1.51-1.45(m,3H)
【0171】
化合物2(330mg、1.21mmol、1当量)のジオキサン(5mL)溶液に、化合物3(507.17mg、3.62mmol、3当量)、K2CO3(333.97mg、2.42mmol、2当量)、及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(98.67mg、120.82umol、0.1当量)を添加し、反応混合物をN2下で、100℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1-10/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物4(270mg、936.48umol、77.51%収率)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.549分,m/z=289.0(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=7.71-7.66(m,1H),7.43-7.32(m,3H),7.22(d,J=8.0 Hz,1H),7.10-7.04(m,1H),3.94-3.89(m,3H),3.50(q,J=7.0 Hz,2H),2.59-2.55(m,3H),1.13(t,J=7.1 Hz,3H)
【0172】
化合物4(270mg、936.48umol、1当量)のMeOH(3mL)及びH2O(1mL)溶液に、LiOH・H2O(117.89mg、2.81mmol、3当量)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。NaOH(112.37mg、2.81mmol、3当量)を反応物に添加し、その後、反応物を20℃で1時間撹拌した。有機溶媒を真空下で蒸発させ、結果として得られた混合物を1N HClでpH4に酸性化し、その後、混合物を濾過し、水(10mL)で洗浄し、濾過ケーキを真空下で乾燥させて、化合物5(200mg、729.17umol、77.86%収率)を白色の固体として得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS:Rt=0.338分,m/z=273.1(M-H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=7.79-7.71(m,1H),7.41-7.28(m,3H),7.22-7.15(m,1H),7.09-7.02(m,1H),3.49-3.43(m,2H),2.57(s,3H),1.10(t,J=7.0 Hz,3H)
【0173】
化合物5(140mg、510.42umol、1当量)のDCM(1mL)溶液に、化合物6(156.43mg、510.42umol、1当量)、EDCI(146.77mg、765.62umol、1.5当量)、及びDMAP(6.24mg、51.04umol、0.1当量)を添加し、その後、反応混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物7(120mg、213.24umol、41.78%収率)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.484分,m/z=563.3(M+H)+ 化合物7(140mg、248.78umol、1当量)のTFA(1mL)溶液を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(10mL)で塩基性化し、その後、反応混合物をH2O(10mL)で希釈し、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物8(100mg、231.22umol、92.94%収率)を黄色の油として得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS:Rt=0.448分,m/z=433.3(M+H)+
【0174】
化合物8(90mg、208.10umol、1当量)のDCM(1mL)溶液に、m-CPBA(42.25mg、208.10umol、85%純度、1当量)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物をNaHCO
3(50mg)でクエンチし、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:30%-60%、9分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、009(16.4mg、35.03umol、16.83%収率、95.8%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.391分,m/z=449.3(M+H)
+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=8.40(s,1H),8.22-8.20(m,1H),7.42-7.35(m,1H),7.34-7.28(m,2H),7.24-7.19(m,1H),7.09-7.02(m,1H),6.98-6.94(m,1H),5.11-4.73(m,2H),3.48(q,J=6.8 Hz,2H),2.93(s,3H),2.91-2.88(m,3H),2.11-2.06(m,3H),1.10(t,J=7.0 Hz,3H).
【化15】
【0175】
化合物1(6.8g、28.57mmol、1当量)及び化合物2(1.66g、28.57mmol、1当量)のDMF(120mL)溶液に、Cs2CO3(18.62g、57.15mmol、2当量)を添加し、25℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EtOAC=10:1)により、化合物1の20%が残存していることが示され、より高い極性を有する1つの主要な新たなスポットが検出された。反応混合物をH2O(500mL)中に注ぎ、EtOAc(300mL×3)で抽出した。合わせた有機物をNaCl水溶液(500mL×3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、粗物を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0-10/1)により精製して、生成物を得た。化合物3(5.42g、19.63mmol、68.70%収率)を黄色の油として得た。1HNMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=7.36-7.33(m,1H),7.06-7.02(m,1H),3.90-3.84(m,1H),0.89-0.86(m,4H)
【0176】
化合物3(5.4g、19.56mmol、1当量)のMeOH(60mL)溶液に、Pd(OAc)2(439.16mg、1.96mmol、0.1当量)、DPPF(2.17g、3.91mmol、0.2当量)、及びTEA(9.90g、97.81mmol、13.61mL、5当量)を添加し、CO(50psi)下で、80℃で16時間撹拌した。反応混合物を100mLのH2Oで希釈し、150mLのEtOAc(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0-10/1)により精製して、生成物を得た。化合物4(3.43g、15.23mmol、77.86%収率)を薄黄色の固体として得た。LCMS:Rt=0.457分,m/z=226.2(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ=7.54-7.46(m,1H),7.32-7.24(m,1H),5.59-5.47(m,2H),3.98-3.91(m,1H),3.81-3.73(m,3H),0.81-0.69(m,4H)
【0177】
化合物4(3.3g、14.65mmol、1当量)のACN(70mL)溶液に、CuBr(4.20g、29.31mmol、892.53uL、2当量)及び亜硝酸イソアミル(3.43g、29.31mmol、3.95mL、2当量)を0℃で添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。TLC(PE:EtOAc=10:1)により、化合物4が完全に消費され、新たなスポットが生じたことが示された。反応混合物をH2O(100mL)中に注ぎ、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して、粗物を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0-10/1)により精製して、生成物を得た。化合物5(2.72g、9.41mmol、64.21%収率)を白色の固体として得た。
化合物5(2.72g、9.41mmol、1当量)のTHF(30mL)及びH2O(10mL)溶液に、LiOH・H2O(1.18g、28.23mmol、3当量)を添加し、20℃で1時間撹拌した。有機溶媒を真空下で蒸発させ、結果として得られた混合物を1N HClでpH4に酸性化し、その後、混合物を濾過し、水(10mL)で洗浄し、濾過ケーキを真空下で乾燥させて、生成物を得た。化合物6(2.5g、9.09mmol、96.60%収率)を薄黄色の固体として得た。LCMS:Rt=0.569分,m/z=272.9(M-H)+
【0178】
化合物6(1g、3.64mmol、1当量)及び化合物7(801.28mg、5.45mmol、1.5当量)のジオキサン(10mL)及びH2O(2mL)溶液に、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(148.44mg、181.77umol、0.05当量)及びK2CO3(753.66mg、5.45mmol、1.5当量)を添加し、混合物をN2下で、100℃で12時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL×3)とH2O(50mL)との間で分配した。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 250×50mm×15um;移動相:[水(NH4HCO3)-ACN];B%:17%-47%、8分)により精製し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を得た。化合物8(700mg、2.35mmol、64.77%収率)を黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.623分,m/z=296.0(M-H)+
【0179】
化合物8(80mg、269.11umol、1当量)、化合物9(82.48mg、269.11umol、1当量)のDCM(4mL)溶液に、EDCI(77.38mg、403.66umol、1.5当量)及びDMAP(16.44mg、134.55umol、0.5当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO2、DCM:MeOH=10:1)により精製して、生成物を得た。化合物10(68mg、116.09umol、43.14%収率)を薄黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.544分,m/z=586.5(M+H)+
【0180】
化合物10(68mg、116.09umol、1当量)のDCM(1mL)溶液に、TFA(1.54g、13.51mmol、1mL、116.34当量)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO2、DCM:MeOH=10:1)により精製して、生成物を得た。化合物11(29mg、63.67umol、54.84%収率)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.386分,m/z=443.2(M+H)+
【0181】
化合物11(29mg、63.67umol、1当量)のDCM(1mL)溶液に、m-CPBA(11.21mg、63.67umol、98%純度、1当量)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物をNa2SO3(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25 mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:26%-56%、9分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、生成物を得た。012(7.3mg、15.48umol、24.32%収率、100%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.484分,m/z=472.3(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.44-12.07(m,1H),8.37-8.28(m,1H),8.21-8.13(m,1H),7.68-7.62(m,2H),7.61-7.57(m,1H),7.56-7.50(m,1H),7.26-7.23(m,1H),6.94-6.89(m,1H),4.92-4.86(m,2H),3.79-3.73(m,1H),3.14-3.10(m,3H),2.87(s,3H),0.86-0.78(m,2H),0.74-0.67(m,2H).
【0182】
化合物038をスキーム6と同様の様式で調製し、白色の固体として得た(18.2mg、39.52umol、16.42%収率、100%純度)。LCMS:Rt=0.549分,m/z=461.0(M+H
+).
1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.30(br s,1H),8.22(br s,1H),8.15(s,1H),7.45-7.27(m,4H),7.16-6.98(m,2H),6.90(s,1H),4.85(br s,2H),4.68(br t,J=6.9 Hz,1H),3.07(s,3H),2.84(br s,3H),2.43(br d,J=5.5 Hz,2H),2.23-2.04(m,2H),1.75(br s,2H).
【化16】
【0183】
化合物1のEtOH(6mL)、THF(2mL)、及びH2O(2mL)溶液に、LiOH・H2O(460.93mg、10.98mmol、3当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を1N HClでpH4に酸性化し、EtOAc(15mL×3)で抽出し、濾過し、その後、真空下で濃縮して、化合物2(490mg、2.00mmol、54.61%収率)を白色の固体として得て、これを次のステップで使用した。LCMS:Rt=0.278分,m/z=245.0(M-H)+
【0184】
化合物2(240mg、979.31umol、1当量)、化合物3(323.04mg、1.96mmol、2当量)、K2CO3(270.69mg、1.96mmol、2当量)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(39.99mg、48.97umol、0.05当量)のジオキサン(5mL)及びH2O(0.5mL)混合物、その後、混合物をN2雰囲気下で、100℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)中に注ぎ、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 150×25mm×5um;移動相:[水(NH3H2O)-ACN];B%:8%-38%、8分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、化合物4(90mg、309.18umol、31.57%収率、98%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.343分,m/z=284.1(M-H)+
【0185】
化合物4(60mg、210.33umol、1当量)及び化合物5(96.69mg、315.49umol、1.5当量)のDCM(1mL)溶液に、EDCI(60.48mg、315.49umol、1.5当量)及びDMAP(2.57mg、21.03umol、0.1当量)を添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)中に注ぎ、DCM(5mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0:1)により精製し、精製した溶液を真空で濃縮して、化合物6(20mg、34.86umol、16.57%収率)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.517分,m/z=574.3(M+H)+
【0186】
化合物6(20mg、34.86umol、1当量)のDCM(1mL)溶液に、TFA(3.08g、27.01mmol、2mL、774.88当量)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で、20℃で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:17%-47%、9分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、化合物7(10mg、22.55umol、64.69%収率)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.440分,m/z=444.2(M+H)+
【0187】
化合物7(10mg、22.55umol、1当量)のDCM(2mL)溶液に、m-CPBA(11.91mg、67.65umol、98%純度、3当量)を0℃で緩徐に添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、ケーキを飽和Na2SO3溶液(5mL)中に緩徐に溶解させ、濾液を濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:27%-57%、9分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、015(2.3mg、5.01umol、22.20%収率、100%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.373分,m/z=460.2(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.49-12.32(m,1H),8.41-8.34(m,1H),8.24-8.19(m,1H),7.67-7.63(m,1H),7.54(dd,J=1.6,9.6 Hz,1H),7.38-7.32(m,2H),7.14-7.06(m,2H),4.95-4.85(m,2H),4.10(q,J=6.9 Hz,2H),3.14-3.06(m,3H),2.94-2.86(m,3H),1.39(t,J=6.9 Hz,3H).
【0188】
化合物016をスキーム7と同様の様式で調製し(11.8mg、25.41umol、16.28%収率、100%純度)、白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.438分,m/z =465.2(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ ppm 8.39-8.44(m,1 H)8.23(s,1 H)7.45(d,J=1.38 Hz,1 H)7.33(d,J=7.75 Hz,1 H)7.11(dd,J=7.88,1.50 Hz,1 H)6.97-7.04(m,2 H)6.75-6.84(m,1 H)4.91(s,2 H)3.75-3.81(m,1 H)3.12(s,3 H)2.90(s,3 H)0.81-0.87(m,2 H)0.74-0.80(m,2 H).
【0189】
化合物045を、TFA/DCMの代わりにHCl/ジオキサンを使用して、スキーム7と同様の様式で調製した。化合物045を白色の固体として単離した(3mg、6.30umol、18.93%収率、98.029%純度)。LCMS:Rt=0.449分,m/z=467.2(M+H)
+ 1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.69-12.54(m,1H),9.85-9.68(m,1H),8.15-8.11(m,2H),7.88(s,1H),7.61(br d,J=8.6 Hz,1H),7.36-7.32(m,3H),7.23(br s,1H),4.82(br d,J=6.1 Hz,2H),3.88(dt,J=2.8,6.0 Hz,1H),2.78(s,3H),0.87-0.81(m,2H),0.74-0.69(m,2H).
【化17】
【0190】
250mLの三つ口丸底フラスコ中の化合物1(10g、45.46mmol、1当量)のTHF(100mL)溶液に、EtOH(4.19g、90.91mmol、2当量)及びKOH(7.65g、136.37mmol、3当量)を添加した。反応混合物を30℃で12時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=10/1)により、化合物1が完全に消費され、1つの新たなスポットが生じたことが示された。反応混合物を水(200mL)中に注ぎ、酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物2(9g、36.58mmol、80.47%収率)をオレンジ色の油として得た。
【0191】
ガラス瓶(1L)中の化合物2(9g、36.58mmol、1当量)のMeOH(100mL)溶液に、Pd(OAc)2(821.18mg、3.66mmol、0.1当量)、DPPF(4.06g、7.32mmol、0.2当量)、及びTEA(11.10g、109.73mmol、15.27mL、3当量)を添加し、CO(50psi)下で、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1-5/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物3(3.1g、15.88mmol、43.42%収率)をオレンジ色の油として得た。LCMS:Rt=0.366分,m/z=196.2(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ=7.37(dd,J=1.7,8.2 Hz,1H),7.29-7.25(m,1H),6.64(d,J=8.3 Hz,1H),5.58(s,2H),4.06-4.02(m,2H),3.76-3.71(m,3H),1.35(t,J=6.9 Hz,3H)
【0192】
100mLの丸底フラスコ中の化合物3(500mg、2.56mmol、1当量)のMeCN(5mL)溶液に、NCS(342.02mg、2.56mmol、1当量)を添加し、混合物を20℃で12時間撹拌した。混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)中に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物4(540mg、2.35mmol、91.80%収率)を黒茶色の油として得た。LCMS:Rt=0.396分,m/z=230.1(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=7.65(d,J=1.3 Hz,1H),7.35(d,J=1.3 Hz,1H),4.61(br s,2H),4.14(q,J=7.0 Hz,2H),3.87(s,3H),1.46(t,J=7.0 Hz,3H)
【0193】
50mLの丸底フラスコ中の化合物4(710mg、3.09mmol、1当量)及びCuBr(886.96mg、6.18mmol、188.31uL、2当量)のACN(8mL)溶液に、亜硝酸イソアミル(724.32mg、6.18mmol、832.55uL、2当量)を添加し、混合物を50℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により、多くの新たなスポットが生じたことが示された。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)によれば、反応は乱雑(messy)であった。反応混合物を20mLのH2Oで希釈し、60mLのEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物5(540mg、1.84mmol、59.50%収率)を黄色の油として得た。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ=7.69-7.64(m,1H),7.47-7.43(m,1H),4.22(q,J=6.9 Hz,2H),3.87(s,3H),1.41-1.36(m,3H)
【0194】
ガラス瓶(40mL)中の化合物5(360mg、1.23mmol、1当量)のジオキサン(4mL)溶液に、化合物6(257.40mg、1.84mmol、1.5当量)、K2CO3(338.99mg、2.45mmol、2当量)、及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(50.08mg、61.32umol、0.05当量)を添加し、その後、混合物をN2下で、100℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、反応混合物を水(20mL)中に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物7(300mg、971.72umol、79.23%収率)をオフホワイトの油として得た。1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=7.77(d,J=1.5 Hz,1H),7.52(d,J=1.5 Hz,1H),7.43-7.37(m,1H),7.09-7.07(m,1H),7.07-7.05(m,1H),7.04-6.99(m,1H),4.06(q,J=6.9 Hz,2H),3.96(s,3H),1.27-1.24(m,3H)
【0195】
100mLの丸底フラスコ中の化合物7(300mg、971.72umol、1当量)のMeOH(4mL)混合物に、LiOH・H2O(122.33mg、2.92mmol、3当量)及びH2O(1mL)を添加し、その後、混合物溶液を20℃で1時間撹拌した。有機溶媒を真空下で蒸発させ、結果として得られた混合物を1N HClでpH4に酸性化し、その後、混合物を濾過し、水(10mL)で洗浄し、濾過ケーキを真空下で乾燥させて、化合物8(280mg、950.10umol、97.78%収率)を薄黄色の固体として得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS:Rt=0.441分,m/z=293.0(M+H)+
【0196】
100mLの丸底フラスコ中の化合物8(280mg、950.10umol、1当量)のDCM(3mL)溶液に、EDCI(273.20mg、1.43mmol、1.5当量)、DMAP(11.61mg、95.01umol、0.1当量)、及び化合物9 333.00mg、950.10umol、1当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物10(380mg、605.89umol、63.77%収率)を黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.612分,m/z=627.5(M+H)+
【0197】
100mLの丸底フラスコ中の化合物10(380mg、605.89umol、1当量)のMeOH(5mL)溶液に、LiBH4(65.99mg、3.03mmol、5当量)を0℃で緩徐に添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(20mL)中に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0/1及びジクロロメタン:メタノール=10/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物11(260mg、433.94umol、71.62%収率)を黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.463分,m/z=599.6(M+H)+
【0198】
100mLの丸底フラスコ中の化合物11(260mg、433.94umol、1当量)のDCM(10mL)溶液に、BAST(192.01mg、867.87umol、190.11uL、2当量)をN2下で、0℃で緩徐に添加し、混合物をN2下で、0℃で30分間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(20mL)中に注ぎ、DCM(20mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0/1)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物12(75mg、124.76umol、28.75%収率)を黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.554分,m/z=601.5(M+H)+
【0199】
丸底フラスコ(100mL)中の化合物12(75mg、124.76umol、1当量)溶液に、TFA(1.23g、10.80mmol、0.8mL、86.61当量)及びDCM(0.4mL)を添加し、その後、混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(10mL)で塩基性化し、その後、反応混合物をH2O(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:43%-73%、9分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、化合物13(15mg、31.85umol、25.53%収率)を黄色の固体として得た。LCMS:Rt=0.412分,m/z=471.3(M+H)+
【0200】
丸底フラスコ(100mL)中の化合物13(15mg、31.85umol、1当量)のDCM(1mL)溶液に、m-CPBA(19.40mg、95.56umol、85%純度、3当量)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を濾過し、ケーキを飽和Na2SO3溶液(10mL)中に緩徐に溶解させ、濾液を濃縮して、粗生成物を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Waters xbridge 150×25mm 10um;移動相:[水(NH4HCO3)-ACN];B%:30%-60%、8分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、化合物034(10.4mg、21.25umol、66.72%収率、99.5%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.435分,m/z=487.3(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.41-12.24(m,1H),8.39(d,J=3.5 Hz,1H),8.14(s,1H),7.44-7.35(m,1H),7.16(s,1H),7.12-7.08(m,1H),7.05(br d,J=7.9 Hz,1H),6.99(br d,J=9.6 Hz,1H),6.95-6.92(m,1H),6.12-5.95(m,2H),4.93-4.84(m,2H),4.00(q,J=6.9 Hz,2H),3.10(s,3H),1.25(t,J=6.9 Hz,3H).
【0201】
化合物036をスキーム8と同様の様式で調製し、白色の固体として単離した(7mg、13.40umol、12.98%収率、95.8%純度)。LCMS:Rt=0.517分,m/z=501.2(M+H+)1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=8.40(d,J=3.6 Hz,1H),8.17-8.14(m,1H),7.21-7.13(m,2H),7.06-6.99(m,2H),6.89-6.80(m,1H),6.10(s,1H),6.00-5.96(m,1H),4.92(s,2H),3.96-3.90(m,1H),3.03(d,J=1.5 Hz,3H),0.60-0.54(m,2H),0.50-0.43(m,2H).
【0202】
化合物047をスキーム8と同様の様式で調製し、茶色の固体として得た(9.3mg、19.04umol、59.97%収率、100%純度)。LCMS:Rt=0.450分,m/z =489.2(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=11.94-12.47(m,1 H)8.38(br s,1 H)8.15(br s,1 H)7.13-7.22(m,2 H)7.08(br d,J=7.13 Hz,2 H)6.85(br t,J=8.76 Hz,1 H)5.92-6.14(m,2 H)4.92(br s,2 H)3.87-3.97(m,2 H)3.01(s,3 H)1.20(br t,J=6.94 Hz,3 H).
【0203】
化合物048を、DASTを使用してスキーム8と同様の様式で調製し、黄色の固体として得た(5.6mg、11.44umol、29.66%収率、98.6%純度)。LCMS:Rt=0.541分,m/z=483.2(M+H+)1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.68-12.07(m,1H),8.39(d,J=3.6 Hz,1H),8.14(s,1H),7.45(d,J=1.4 Hz,1H),7.34(d,J=7.8 Hz,1H),7.12(dd,J=1.4,7.8 Hz,1H),7.03-6.97(m,2H),6.80(tt,J=2.3,8.9 Hz,1H),6.12-5.95(m,2H),4.90(s,2H),3.82-3.75(m,1H),3.10(s,3H),0.87-0.82(m,2H),0.80-0.74(m,2H).
【0204】
化合物049をスキーム8と同様の様式で調製し、白色の固体として得た(3mg、6.69umol、19.26%収率、99.342%純度)。LCMS:Rt=0.447分,m/z=446.3(M+H)+ 1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=8.23(s,1H),8.18(s,1H),7.40-7.37(m,2H),7.33-7.29(m,2H),7.11-7.05(m,3H),4.90(s,2H),4.08(q,J=7.0 Hz,2H),3.12(s,3H),1.39(t,J=7.0 Hz,3H).
【0205】
化合物050をスキーム8と同様の様式で調製し、白色の固体として得た(3.0mg、6.09umol、10.53%収率、98%純度)。LCMS:Rt=0.529分,m/z=483.1(M+H+).1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.24-12.50(1H,m),8.50(1H,d,J=3.3 Hz),8.32(1H,s),7.40(1H,dt,J=6.1 and 7.9 Hz),7.07-7.25(5H,m),6.03-6.19(2H,m),4.96(2H,s),3.89(1H,dt,J=2.9 and 6.0 Hz),3.06(3H,d,J=1.0 Hz),0.51-0.57(2H,m),0.39-0.46(2H,m).
【0206】
化合物052を、DASTを使用してスキーム8と同様の様式で調製し、白色の固体として得た(5.25mg、10.57umol、20.80%収率、98.3%純度)。LCMS:Rt=0.506分,m/z=489.3(M+Na+)1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.39-12.20(m,1H),8.42-8.38(m,1H),8.15-8.12(m,1H),6.99-6.92(m,2H),6.89-6.81(m,3H),6.09(s,1H),5.98(s,1H),4.88(s,2H),4.11-4.01(m,2H),3.08(s,3H),1.34(t,J=6.9 Hz,3H).
【0207】
化合物053をスキーム8と同様の様式で調製し、白色の固体として得た(15mg、31.88umol、48.30%収率、100%純度)。LCMS:Rt=0.447分,m/z=446.3(M+H)
+ 1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.49-12.10(m,1H),8.41(d,J=3.6 Hz,1H),8.22(s,1H),7.44-7.37(m,1H),7.33-7.27(m,2H),7.23-7.18(m,1H),7.16-7.05(m,2H),6.11(s,1H),5.99(s,1H),4.94(s,2H),3.88(q,J=7.0 Hz,2H),3.03(d,J=1.4 Hz,3H),1.18(t,J=7.1 Hz,3H).
【化18】
【0208】
8mLの瓶中の化合物1(100mg、412.76umol、1当量)のDCM(2mL)溶液に、EDCI(118.69mg、619.15umol、1.5当量)、DMAP(5.04mg、41.28umol、0.1当量)、及び化合物2(72.74mg、412.76umol、1当量)を添加し、反応混合物を、磁気撹拌装置を用いて20℃で1.5時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をロータリーエバポレーターで濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:19%-49%、10分)により精製した。分取HPLCにより精製した後、溶離液を濃縮して、有機溶媒を除去した。残渣の水溶液を凍結乾燥させて、白色の固体を得た。化合物3(85mg、212.25umol、42.85%収率)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.360分,m/z=401.8(M+H+).
【0209】
100mLの一つ口丸底フラスコ中の化合物3(85mg、212.25umol、1当量)のDCM(2mL)溶液に、m-CPBA(129.27mg、636.75umol、85%純度、3当量)を0℃で緩徐に添加し、混合物を、磁気撹拌子を用いて20℃で1時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物をNa2SO3(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex C18 150×25mm×10um;移動相:[水(NH4HCO3)-ACN];B%:22%-52%、8分)により精製した。分取HPLCにより精製した後、溶離液を濃縮して、有機溶媒を除去した。残渣の水溶液を凍結乾燥させて、茶色の固体を得た。残渣の水溶液を凍結乾燥させて、白色の固体を得た。化合物4(55mg、130.74umol、61.60%収率、99%純度)を茶色の固体として得た。LCMS:Rt=0.465分,m/z=417.3(M+H+)
【0210】
化合物4(55mg、132.06umol、1当量)をSFCにより精製して、039(23.1mg、54.91umol、41.58%収率、99%純度)及び040(24.9mg、59.19umol、44.82%収率、99%純度)を得た。生成物をSFC(カラム:DAICEL CHIRALCEL OD(250mm×50mm、10um);移動相:[0.1%NH3H2O MEOH];B%:40%-40%、A6.2;30分)により精製した。SFCにより精製した後、溶離液を濃縮して、有機溶媒を除去した。残渣の水溶液を凍結乾燥させて、茶色の固体を得た。039(23.1mg、54.91umol、41.58%収率、99%純度)を茶色の固体として得た。040(24.9mg、59.19umol、44.82%収率、99%純度)を茶色の固体として得た。039のLCMS:Rt=0.483分,m/z=417.3(M+H+).039の1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.48-12.26(m,1H),8.75(d,J=1.1 Hz,1H),8.23(s,1H),8.16(s,1H),7.59-7.52(m,2H),7.44(s,2H),7.40-7.34(m,2H),7.12-7.07(m,2H),6.44(br d,J=7.0 Hz,1H),4.14-4.02(m,2H),2.89(s,3H),1.83(d,J=7.1 Hz,3H),1.38(t,J=6.9 Hz,3H).040のLCMS:Rt=0.484分,m/z=417.3(M+H+).040の1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.53-12.29(m,1H),8.78(s,1H),8.32-8.12(m,2H),7.56(d,J=7.3 Hz,2H),7.46-7.35(m,4H),7.13-7.07(m,2H),6.51-6.40(m,1H),4.08(br dd,J=7.1,14.9 Hz,2H),2.89(s,3H),1.84(d,J=7.1 Hz,3H),1.38(t,J=6.9 Hz,3H).
【0211】
化合物041及び化合物042をスキーム9の化合物と同様の様式で調製した。化合物041を茶色の固体として単離した(34.1mg、74.61umol、42.20%収率、99%純度)。LCMS:Rt=0.512分,m/z=453.2(M+H+).1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.33-12.21(m,1H),8.74-8.61(m,1H),8.20-8.04(m,2H),7.27(d,J=7.6 Hz,1H),7.06-6.94(m,4H),6.78-6.68(m,1H),6.34(br d,J=7.0 Hz,1H),4.09-3.93(m,2H),2.78(s,3H),1.74(d,J=7.3 Hz,3H),1.32(t,J=6.9 Hz,3H).化合物042を茶色の固体として単離した(35.7mg、78.11umol、44.18%収率、99%純度)。LCMS:Rt=0.507分,m/z=453.2(M+H+).1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.40-12.20(m,1H),8.69(br s,1H),8.22-8.05(m,2H),7.27(d,J=7.6 Hz,1H),7.05-6.95(m,4H),6.79-6.67(m,1H),6.34(br d,J=6.9 Hz,1H),4.10-3.92(m,2H),2.78(s,3H),1.75(d,J=7.1 Hz,4H),1.32(t,J=6.9 Hz,4H).
【0212】
化合物043及び化合物044をスキーム9の化合物と同様の様式で調製した。化合物043を白色の固体として単離した(6.4mg、14.05umol、25.34%収率、99%純度)。LCMS:Rt=0.524分,m/z=451.4(M+H+).1H NMR(クロロホルム-d): δ 8.74(1H,s),8.11-8.25(2H,m),7.54(1H,s),7.40-7.44(1H,m),7.32-7.37(3H,m),7.04-7.10(2H,m),6.36-6.47(1H,m),4.00-4.16(2H,m),2.86(3H,s),1.82(3H,d,J=7.1 Hz),1.38(3H,t,J=6.9 Hz).化合物044を白色の固体として単離した(5.2mg、11.07umol、19.97%収率、96%純度)。LCMS:Rt=0.522分,m/z=451.2(M+H+).1H NMR(クロロホルム-d): δ 12.35(1H,br s),8.74(1H,d,J=1.1 Hz),8.12-8.26(2H,m),7.54(1H,s),7.40-7.44(1H,m),7.32-7.38(3H,m),7.04-7.11(2H,m),6.42(1H,q,J=7.0 Hz),3.97-4.16(2H,m),2.86(3H,s),1.82(3H,d,J=7.1 Hz),1.38(3H,t,J=6.9 Hz m),6.39-6.62(1H,m),3.78(1H,br d,J=3.0 Hz),2.84(3H,s),1.90(3H,br d,J=7.1 Hz),0.80-0.88(4H,m).
【化19】
【0213】
ガラス瓶(40mL)中の化合物1(400mg、1.26mmol、1当量)及び化合物2(343.06mg、1.26mmol、1当量)のDCM(10mL)溶液に、EDCI(362.32mg、1.89mmol、1.5当量)及びDMAP(15.39mg、126.00umol、0.1当量)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:67%-97%、10分)により精製し、精製した溶液を真空下で濃縮して、化合物3(100mg、174.91umol、13.88%収率)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.589分,m/z=572.3(M+H)+
【0214】
ガラス瓶(8mL)中の化合物3(60mg、104.95umol、1当量)のAcOH(1mL)溶液に、H2O2(23.80mg、209.89umol、20.17uL、30%純度、2当量)を添加した。混合物を100℃で12時間撹拌した。反応混合物を飽和Na2SO3水溶液(2mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2mL×3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:2)により精製し、精製した溶液を真空下で憂慮して、化合物4(45mg、76.57umol、72.96%収率)を黄色の油として得た。LCMS:Rt=0.555分,m/z=588.3(M+H)+
【0215】
丸底フラスコ(100mL)中の化合物4(50mg、85.08umol、1当量)、TFA(1mL)、及びDCM(1mL)のDCM(1mL)溶液を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:39%-69%、9分)により精製し、精製した溶液を凍結乾燥させて、051(1mg、2.19umol、2.57%収率、100%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.457分,m/z=458.2(M+H)
+ 1H NMR:(400 MHz,クロロホルム-d)δ=8.23(s,1H),8.19(s,1H),7.45(s,1H),7.39-7.34(m,2H),7.24-7.18(m,2H),7.14-7.10(m,1H),7.08-7.02(m,1H),4.92(s,2H),3.82-3.75(m,1H),3.14(s,3H),0.83(br t,J=5.5 Hz,2H),0.80-0.75(m,2H).
【化20】
【0216】
10mLのガラス瓶中の化合物1(300mg、716.91umol)のTHF(5mL)溶液に、SEM-Cl(143.43mg、860.29umol、152.26uL)を0℃で添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、NaH(43.01mg、1.08mmol、60%純度)を滴加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(50mL)溶液中に注ぎ、EtOAc(50mL×3)で抽出し、合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0/1-1/1)により精製した。化合物2(45mg、82.01umol、11.44%収率)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.451分,m/z=549.2(M+H+)
【0217】
8mLのガラス瓶中の化合物2(45mg、82.01umol)のMeOH(1mL)及びH2O(0.1mL)溶液に、アンモニア;スルホオキシ硫酸水素塩(sulfooxy hydrogen sulfate)(61.76mg、270.63umol、58.82uL)を添加し、混合物を60℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO2、DCM:MeOH=10:1)により精製した。化合物3(18mg、31.10umol、37.92%収率)を無色の油として得た。LCMS:Rt=0.445分,m/z=579.2(M+H+)
【0218】
化合物3(18.00mg、31.10umol)のDCM(1mL)溶液に、m-CPBA(12.63mg、62.20umol、85%純度)を25℃で添加し、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を飽和Na2SO3水溶液(20mL)中に注ぎ、0.25時間撹拌した。その後、EtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(DCM:MeOH=10:1)により精製した。化合物4(8mg、12.91umol、41.52%収率、96%純度)を白色の油として得た。LCMS:Rt=0.601分,m/z=595.4(M+H+)
【0219】
化合物4(8mg、13.45umol)のDCM(5mL)溶液に、TFA(749.27mg、6.57mmol、486.54uL)を添加し、混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮して、粗生成物を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm×10um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:32%-62%、9分)により精製し、凍結乾燥させた。化合物077(0.99mg、1.94umol、14.39%収率、90.8%純度)を白色の固体として得た。LCMS:Rt=0.489分,m/z=465.4(M+H
+).
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ=12.69-12.13(m,1H),8.26(s,1H),8.20(s,1H),7.35(d,J= 7.6 Hz,2H),7.32-7.27(m,2H),7.04(s,3H),6.41(br d,J= 6.7 Hz,1H),5.16(s,2H),4.12-4.02(m,2H),3.72(d,J= 7.1 Hz,1H),2.85(s,3H),1.82(d,J= 7.1 Hz,3H),1.27-1.23(m,3H).
【化21】
【0220】
化合物1(80mg、141.66umol、1当量)のDCM(3mL)溶液に、m-CPBA(57.52mg、283.33umol、85%純度、2当量)を0℃で添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を飽和Na2SO3水溶液(20mL)中に注ぎ、0.25時間撹拌した。その後、EtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(PE:EA=0:1)により精製して、生成物(Rf=0.05)を得た。化合物2(50mg、78.01umol、55.06%収率、90.6%純度)を薄茶色の油として得た。LCMS:Rt=0.588分,m/z=581.3(M+H)+.
【0221】
化合物2(40mg、68.88umol、1当量)のDCM(2mL)溶液に、TFA(3.08g、27.01mmol、2mL、392.17当量)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を直接濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:YMC-Actus Triart C18 150×30mm×7um;移動相:[水(FA)-ACN];B%:30%-60%、10分)により精製した。078(17.2mg、37.34umol、54.21%収率、97.8%純度)を薄黄色の固体として得た。LCMS:Rt=0.484分,m/z=451.1(M+H)+.1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.22-1.32(m,3 H)3.07(s,3 H)3.32(br s,2 H)4.09-4.17(m,1 H)4.91(br s,1 H)4.95(br d,J=5.38 Hz,2 H)5.93(t,J=5.50 Hz,1 H)7.12-7.27(m,3 H)7.31-7.50(m,4 H)8.02(br d,J=3.18 Hz,1 H)8.51(br s,1 H).
【0222】
実施例2:THP-1細胞ベースのNLRP3活性化アッセイ
THP-1細胞を、それらが対数増殖に到達し、90%超の生存率を達成するまで、完全培地(CM)で培養する。CMは、RPMI-1640(+Glutamax)/10%ウシ胎仔血清/55μM β-メルカプトエタノール/pen/strepで構成されている。細胞を遠沈させ、20nM又は500nMのいずれかのPMAを含むCM中で1,000,000細胞/mLまで再懸濁させる。その後、150,000細胞(150μL)を96ウェルTCプレートの各ウェルに添加し、標準の細胞培養インキュベーター(37℃、5%CO2)内で、それぞれ、24時間又は3時間のいずれかにわたってインキュベートする。このインキュベーション後、プレートを傾け、培地を慎重に除去する。その後、100ng/mLのLPSを含む200μLのCMをウェルに添加し、細胞を更に3時間インキュベートする。培地を再度除去し、複製ウェル中に試験化合物の所定の希釈物を含むOpti-Mem培地と交換する。30分間のインキュベーションの後、対応する濃度の化合物を有するOpti-Mem培地中の10μMのニゲリシン(最終濃度)をウェルに更に1時間にわたって添加する。陽性対照ウェルが試験化合物の非存在下でOpti-Mem中に10μMのニゲリシンを含む一方で、陰性対照ウェルはOpti-Memのみを含む。その後、上清を保管のために新鮮な96ウェルプレートに移し、CytoTox 96キット(試験前に凍結しない;Promega)を使用して、IL-1β(ヒト;DuoSet;R&D)及びTNFα(ヒト;DuoSet;R&D)レベル、並びに相対的パイロトーシスについてアッセイする。上清を除去した後、96ウェルTCプレート中の接着細胞の相対生存率を、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ(Promega)を使用して決定する。
【0223】
以下の表4は、本明細書に開示される化合物のIC
50データを提供し、ここで、「+」が50uM未満のIC
50値を示し、「++」が10uM未満のIC
50値を示し、「+++」が1uM未満のIC
50値を示す。
【表4】
【0224】
実施例3:N-オキシドの代謝安定性
本明細書に提供されるN-オキシド化合物の安定性を、N-オキシドを有しない類似体と比較して研究した。これらのデータは、本明細書に提供される化合物のヒト肝臓ミクロソーム安定性アッセイ(HLM)における代謝安定性が以下の表に示す比較化合物と比較して予想外に劇的に向上されることを示す。この代謝安定性の増強は、インビボで投与した際の半減期及び作用持続時間の延長に対応する。これらの結果を以下の表5に示す。
【表5-1】
【表5-2】
【0225】
開示された主題の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態及び実施例によって限定されるものではない。実際には、記載のものに加えて、本開示の様々な修正は、前述の説明及び添付の図面から当業者に明らかになるであろう。かかる修正は、添付の特許請求の範囲内に入るよう意図されている。
【0226】
本明細書で引用される全ての参考文献(例えば、刊行物又は特許又は特許出願)は、各々の個々の参考文献(例えば、刊行物又は特許又は特許出願)が全ての目的のために参照によりその全体が組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同じ程度に、全ての目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
【国際調査報告】