(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/46 20060101AFI20250130BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20250130BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J3/32
H02J3/38 170
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544908
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-09-24
(86)【国際出願番号】 IB2022062543
(87)【国際公開番号】W WO2023144615
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523283966
【氏名又は名称】エノダ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ENODA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100219003
【氏名又は名称】太田 敢行
(72)【発明者】
【氏名】スコビー アンドリュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リマー ラディック ジョハン
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB07
5G066HB09
5G066JB03
(57)【要約】
【解決手段】
電力供給装置と、一つ以上の電力負荷とを連結するための電力装置であって、
動的発送可能なエネルギ貯蔵とエネルギ回収との少なくとも一方を提供する複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントと、
利用可能な電気動力が前記一つ以上の電力負荷で求められる前記電気動力を超えるとき、前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントにエネルギを動的に貯蔵すること、および/または、前記利用可能な電気動力が前記一つ以上の電力負荷で求められる前記電気動力以下のとき、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントからエネルギを動的に供給すること、によって、前記電力供給装置と前記一つ以上の電力負荷とを動的に釣り合わせるために、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントの動作を動的に制御するためのコントローラと、を備える、電力装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給装置と、一つ以上の電力負荷とを連結するための電力装置であって、
動的発送可能なエネルギ貯蔵とエネルギ回収との少なくとも一方を提供する複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントと、
コントローラであって、
利用可能な電気動力が前記一つ以上の電力負荷で求められる前記電気動力を超えるとき、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントにエネルギを動的に貯蔵すること、および/または、
前記利用可能な電気動力が前記一つ以上の電力負荷で求められる前記電気動力以下のとき、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントからエネルギを動的に供給すること、によって、
前記電力供給装置と前記一つ以上の電力負荷とを動的に釣り合わせるために、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントの動作を動的に制御するためのコントローラと、
を備え、
前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、電気動力源内における高周波歪みを除去するまたは減少するのに十分な少なくとも一つの時間尺度を含む、異なる時間尺度で動作し、
前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、動的発送可能なエネルギ貯蔵を提供する動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントと、水素によって少なくとも一部が燃料とされ、動的発送可能なエネルギ回収を提供する動的発送可能な発電機と、の少なくとも一つを含む、
電力装置。
【請求項2】
前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、動的発送可能なエネルギ回収のみを提供する、
請求項1に記載の電力装置。
【請求項3】
前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、動的発送可能なエネルギ貯蔵のみを提供する、
請求項1に記載の電力装置。
【請求項4】
前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、動的発送可能なエネルギ貯蔵と、動的発送可能なエネルギ回収と、の両方を提供する、
請求項1に記載の電力装置。
【請求項5】
前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、動的発送可能なエネルギ貯蔵を提供する前記動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントを含む、
請求項3または4に記載の電力装置。
【請求項6】
前記動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントによって生成される水素の少なくとも一部は、エネルギを生成するために前記電力装置で使用されないが、別の場所へ輸送される、
請求項5に記載の電力装置。
【請求項7】
前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、動的に変化可能な電気動力の吸収源として、または動的に変化可能な電力の供給源として動作することによって、前記電気動力源における高周波歪みを除去または減少するのに十分な時間尺度で動作する電磁気エネルギストレージコンポーネントを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電力装置。
【請求項8】
前記電磁気エネルギストレージコンポーネントは、
動的に変化可能な電気動力の吸収源として動作するように構成される第1の動的に再構成可能な磁気コアと、
前記電気動力源と連結され、動的に変化可能な電力の供給源として動作するように構成される第2の動的に再構成可能な磁気コアと、を含む、
請求項7に記載の電力装置。
【請求項9】
前記電磁気エネルギストレージコンポーネントは、電気エネルギ貯蔵用のコンデンサのセットを含む、
請求項7または8に記載の電力装置。
【請求項10】
前記電磁気エネルギストレージコンポーネント、またはそれぞれの電磁気エネルギストレージコンポーネントは、前記電気動力源と連結され、前記電気動力源内における高周波歪みを緩和するように構成される、少なくとも一つの動的に再構成可能な磁気コアを含む、
請求項7から9のいずれか一項に記載の電力装置。
【請求項11】
前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、電磁気エネルギ生成コンポーネントを含む、
請求項1から10のいずれか一項に記載の電力装置。
【請求項12】
コントローラと、前記動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントに連結されるパワーエレクトロニクスコンバータセルのスイッチングマトリックスと、を含み、
前記コントローラは、前記スイッチングマトリックスが、ACをDCに変換するための整流器と、DCをACに変換するためのインバータとの、少なくとも一つとして、動的に動作させるように構成される
請求項1から11のいずれか一項に記載の電力装置。
【請求項13】
前記コントローラは、前記動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントが、動的に前記電気動力源から接続および切断するためにスイッチングマトリックスを制御するようにさらに構成される、
請求項1から12のいずれか一項に記載の電力装置。
【請求項14】
パワーエレクトロニクスコンバータセルのそれぞれは、SiC、GaN、または絶縁ゲートバイポーラパワートランジスタと、高速スイッチングを実現するように構成される各ダイオードを含む、
請求項12または13に記載の電力装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の電力装置において、
前記利用可能な電気動力が前記一つ以上の電力負荷で求められる前記電気動力を超えるとき、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントにエネルギを動的に貯蔵すること、および/または、
前記利用可能な電気動力が前記一つ以上の電力負荷で求められる前記電気動力以下のとき、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントからエネルギを動的に供給すること
によって、
前記電力供給装置と前記一つ以上の電力負荷とを動的に釣り合わせるために、前記一つ以上の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントの前記動作を動的に制御すること、
を含む、
コンピュータに実装される処理。
【請求項16】
一つ以上のプロセッサに実行されるとき、前記一つ以上のプロセッサは、請求項15に記載の処理を実行する、プロセッサ実行可能命令が記憶されるコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2022年1月27日に出願された豪州特許出願番号2022900140の優先権を主張し、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電力の供給に関し、より詳細には、予想外に変化する電力の供給源および吸収源にかかわらずその供給の目標特性を維持することに関する。
【背景技術】
【0003】
気候変動は、石炭およびガスベースの電力の供給源から例えば、ソーラー、風、地熱、および潮力などの再生可能な供給源への移行を促進し続ける。
しかし、電力をその電力を生成する供給源の地点から負荷/吸収源によるその消費の地点まで輸送する電力網基幹設備は、高く変化可能であり、予測できない再生可能エネルギ供給源の自然を考慮して開発されず、不安定で目的に合わないグリッドが製作されていた。
【0004】
この要因や他の要因により、消費者への電力供給の実際のコストは、現在、主電源の特性を目標範囲内に維持することのコストに支配されている。
主電力の供給の用語において、主要な特性は、AC電圧、周波数、高調波、および力率(電圧と電流の間の位相遅延を定量化すること)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の観点において、予想外に変化する再生可能エネルギおよび消費者による消費にかかわらず、予測可能で安定な特性を有する電力を維持することができる技術を開発する緊急の要求がある。
【0006】
気候科学は、温室効果ガス(GHG)の純排出量ゼロへ向かう急速な移行が地球温暖化を産業革命前に対して2℃未満に制限するために必要とされることを示す。
利用可能なデータは、エネルギ部門が未だに今日のGHGの主放出者であることを示す。
このように、エネルギ部門の脱炭素化が極めて重大である。
GHGニュートラルエネルギ部門も、他のすべてのGHG放出部門における排出削減の基礎である。
しかし、エネルギ部門GHGニュートラリティは、再生可能エネルギ生成の包括的な拡大なしにできそうもない。
【0007】
従来技術の一つ以上の困難さを克服または緩和すること、または少なくとも有用な代替案を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態に従って、電力供給装置と一つ以上の電力負荷を連結するための電力装置であって、
そこへ動的に発送可能なエネルギ貯蔵と、そこからエネルギ回収と、の少なくとも一方を提供する複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントと、
コントローラであって、
前記利用可能な電気動力が、前記一つ以上の負荷で求められる電力を超えるとき、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントに動的にエネルギを貯蔵すること、および/または、
前記利用可能な電気動力が、前記一つ以上の負荷で求められる電気動力以下のとき、一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントからエネルギを動的に供給すること、によって、
前記電力供給装置と前記一つ以上の負荷とを動的に釣り合わせるために、
前記一つ以上の動的発送可能なエネルギストレージコンポーネントの動作を動的に制御するための前記コントローラと、
を備え、
前記発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、前記電気動力源内における高周波歪みを除去するまたは減少するのに十分な少なくとも一つの時間尺度を含む、異なる時間尺度で動作し、
前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、動的発送可能水素生成およびそこへ動的発送可能なエネルギ貯蔵を提供する動的発送可能電気エネルギストレージコンポーネントと、水素によって少なくとも一部が燃料とされ、そこから動的発送可能エネルギ回収を提供する動的発送可能な発電機と、の少なくとも一つを含む、
電力装置が提供される。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、そこから動的発送可能なエネルギ回収のみを提供する。
いくつかの他の実施形態において、前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、そこへ動的発送可能なエネルギ貯蔵のみを提供する。
さらなる実施形態において、前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、
そこへ動的発送可能なエネルギ貯蔵と、
そこから動的発送可能なエネルギ回収と、
の両方を提供する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、前記動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントによって生成される水素の少なくとも一部は、エネルギを生成するための装置で使用されないが、別の場所へ輸送される。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、動的に変化可能な電気動力の吸収源として、または動的に変化可能な電力の供給源として動作することによって、前記電気動力源内における高周波歪みを除去または減少するのに十分な時間尺度で動作する電磁気エネルギストレージコンポーネントを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記電磁気エネルギストレージコンポーネントは、動的に変化可能な電気動力の吸収源として動作するように構成される第1の動的に再構成可能な磁気コアと、前記電気動力源と連結され、動的に変化可能な電力の供給源として動作するように構成される第2の動的に再構成可能な磁気コアと、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記電磁気エネルギストレージコンポーネントは、電気エネルギ貯蔵用のコンデンサのセットを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記電磁気エネルギストレージコンポーネントは、前記電気動力源と連結され、前記電気動力源内における高周波歪みを緩和するように構成される少なくとも一つの動的に再構成可能な磁気コアを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記複数の動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントは、電磁気エネルギ生成コンポーネントを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記装置は、コントローラと、
前記動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントに連結されるパワーエレクトロニクスコンバータセルのスイッチングマトリックスと、
をさらに含み、
前記コントローラは、前記スイッチングマトリックスが、ACをDCに変換するための整流器と、DCをACに変換するためのインバータとの、少なくとも一つとして、動的に動作させるように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記コントローラは、前記動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネントが動的に前記電気動力源から接続および切断するために前記スイッチングマトリックスを制御するようにさらに構成される。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記パワーエレクトロニクスコンバータセルのそれぞれは、SiC、GaN、または絶縁ゲートバイポーラパワートランジスタと、高速スイッチングを実現するように構成される各ダイオードを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、上記で主張される電力装置では、
前記電力供給装置と前記一つ以上の負荷を動的に釣り合わせるために、
利用可能な電気動力が、前記一つ以上の負荷によって要求される電気動力を超えるとき、一つ以上の前記動的発送可能電気エネルギストレージコンポーネントに動的にエネルギを貯蔵すること、および/または
利用可能な電気動力が、前記一つ以上の負荷によって要求される電気動力以下のとき一つ以上の前記動的発送可能な電気エネルギストレージコンポーネントから動的にエネルギを供給することによって、
前記一つ以上の動的発送可能なエネルギストレージコンポーネントの動作を動的に制御することを含む
コンピュータに実装される処理があることができる。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は、例の方法のみによって、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、説明される本発明の実施形態に従う電力装置の上位ブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一つの実施形態に従う電力装置のブロック図である。
【
図3】
図3は、装置における各伝達関数を示す概略図である。
【
図4】
図4は、装置における各伝達関数を示す概略図である。
【
図5】
図5は、装置における各伝達関数を示す概略図である。
【
図6】
図6は、
図3から
図5の伝達関数を実行する装置におけるコンポーネント/サブシステムを示すブロック図である。
【
図7】
図7は、
図3から
図5の伝達関数を実行する装置におけるコンポーネント/サブシステムを示すブロック図である。
【
図8】
図8は、
図3から
図5の伝達関数を実行する装置におけるコンポーネント/サブシステムを示すブロック図である。
【
図9】
図9は、電解モジュールへの接続を示している、装置の電磁気システムにおけるパワーエレクトロニクスコンバータマトリックスの回路図である。
【
図10】
図10は、パワーエレクトロニクスコンバータマトリックスの単一セルにおける回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上記で説明される困難に取り組むため、本発明の実施形態は、電力および/または水素の供給用の電力装置およびプロセスを含む。
装置は、動的に発送可能なエネルギ貯蔵を提供する動的発送可能な水素生成および貯蔵コンポーネント、および/または少なくとも一部が水素によって燃料を供給され、動的に発送可能なエネルギを提供する動的に発送可能な発電機を含む、複数の動的発送可能エネルギのストレージおよび回収コンポーネントを備える。
装置は、電気エネルギおよび水素ガスを一つ以上の負荷と動的に釣り合わせるために、動的発送可能エネルギのストレージおよび回収コンポーネントの動作を動的に制御するためのコントローラも備える。
【0024】
典型的に、そして説明される実施形態のように、複数の負荷があり、本発明の実施形態は、その文脈において説明される。
しかし、一つの負荷のみのときでさえ、装置の機能が従来技術の短所に取り組むことができることは、下記の記載から明らかになるであろう。
【0025】
コントローラは、
(i)利用可能な電気動力が負荷によって要求される電気動力を超えるとき、エネルギを貯蔵するために、
(ii)利用可能な電気動力が負荷によって要求される電気動力以下のとき、彫像されるエネルギから電気エネルギを供給するために、
エネルギのストレージおよび回収コンポーネントの動作を動的に制御することにより、電気エネルギの供給を装置上の電気負荷と釣り合わせる。
事実上、エネルギのストレージおよび回収コンポーネントは、過剰なエネルギを熱として捨てるのではなく、むしろ、過剰なエネルギを吸収するための動的に変化可能な負荷として機能を果たし、例えば、燃料として、例えば工業用の供給原料として、輸送需要に合わせるためだけでなく、装置によって受け取られる電力が装置上の外部負荷によって要求される電力以下のときの電気エネルギとしても、その後再利用するために保存される。
そのうえ、過剰な電力の吸収は、短い時間尺度(<1sの時間間隔;例えば、電力供給装置の理想的なサイン波形を汚染する高調波のリアルタイム除去)での継続的な電力の品質の補正、瞬間的な電圧、過電圧、位相の不平衡、または対象から周波数の逸脱をもたらすシステム内における余剰エネルギ、またはさもなければ送電線路過密を避けるための伝送システムオペレータによって削減されることのできる再生エネルギシステム(風力発電所、ソーラー発電所、PVシステム、など)からの余剰エネルギを、含むことができる。
さらに、装置は、天然ガスの燃焼に基づく基底負荷(base-load)発電用の混合燃料として、水素の形状で過剰に貯蔵されるエネルギの使用によって準静的な方法の電力供給装置をも可能にする。
【0026】
エネルギの‘ストレージ’および回収コンポーネントの動作は、エネルギストレージの異なるモードのそれぞれの使用により、複数の時間尺度にわたって制御される。
例えば、
図1は、本発明の一つの実施形態に従う電力を供給することおよび/また吸収することのための装置200(以下、“電力装置”としても参照される)の上位ブロック図である。
この実施形態において、装置200は、とても短い(“リアルタイム”)時間尺度にわたって動的に変化可能な負荷として動作する電磁気コンポーネントまたはサブシステム201と、より長い時間尺度にわたって動的に変化可能な負荷として動作する“負荷”コンポーネントまたはサブシステム202と、動的に変化可能な電力の発電機として動作する“発電”コンポーネントまたはサブシステム203と、を含み、これらのコンポーネント201,202,203は、ユニバーサルコントローラ204によって制御される。
機能上、制御されるコンポーネント201,202,203は、それぞれ
図3から5に示され、かつ下記で説明されるように、電力伝達関数を実装する。
【0027】
[装置概要]
装置200のより詳細なブロック図は、
図2に示され、制御されるコンポーネント201,202,203のブロック図は、それぞれ
図6から8に示される。
【0028】
図2に示されるように、電磁気コンポーネント201と発電コンポーネント203は、それぞれが磁気コアの周囲に一次巻線、二次巻線、変調巻線を有する、電磁気コア、“EMコアI”および“EMコアII”をそれぞれ含む。
与えられる時間のいずれかでこれらEMコアのいずれかの調整巻線を通って流れる瞬時電流は、その一次巻線と二次巻線の間の瞬時電磁気結合を決定し、それにより二次巻線での波形および一次巻線での波形のリアルタイム変調を可能にする。
例えば、望まれる出力波形の期間よりも実質的に短い時間尺度でこの電流を動的に変調することによって、一次巻線の波形と二次巻線の波形と望まれる出力波形との間の違いのいずれかは、リアルタイムで‘補正’されることができる。
このように、例えば、一次巻線で存在する歪まれるサイン波形の信号は、二次巻線で望まれるサイン波形の出力信号を生成するためにリアルタイムで動的に変調されることができる。
【0029】
図2および6に示されるように、EMコアIおよびIIに加えて、出力がプロトン交換膜(PEM)水素電解装置2022の電力に使用されるコンデンサバンク2014に連結される電磁気コンポーネント201は、コンバータマトリックス2012を含む。
PEM電解装置2022によって生成される水素は、水素貯蔵および圧縮ユニット2025によって圧縮され、保存される。
圧縮される水素は、下記に説明するように、多様に異なる方法で使用されることができる。
しかし、地域の電力発電へ装置200用の燃料としての一つの使用は、負荷20118を支えるための地域の利用、または装置の一次側20110のグリッド内へ電気動力を還元するためと、のどちらか一方である。
図2の実施形態において、水素は、単一または天然ガスとの混合としてのいずれかで、電気動力発電ユニット、この場合ではガスタービン2034、に燃料を供給する。
代替的に、いくつかの実施形態において電気動力発電ユニットは、(混合燃料動作を有する)ガスエンジンであり、他のいくつかの実施形態では、(水素のみ)燃料電池である。
ガスタービン2034は、装置200に連結される負荷の電力供給需要に合わせるための動的変調用にEMコアIIへ提供される出力信号の形状における電気動力を発電する発電機203に連結される。
【0030】
[電磁気コンポーネントまたはサブシステム201]
図3に示されるように、電磁気コンポーネントまたはサブシステム201は、対応する短い時間尺度の伝達関数を実装し、t<1sの時間尺度で動的電気信号補正を主要な機能として実行する。
【0031】
EMコアIIとともに、電磁コンポーネント201は、電磁気コンポーネントまたはサブシステム201の実相に使用されるパワーエレクトロニクス半導体プラットフォームの動作周波数によって決定される動作の短い時間尺度領域以内で入ってくる電力信号を参照信号へ動的に補正する。
例えば、SiCトランジスタを有する説明される実施形態において、動的補正は、およそ400kHzの周波数に相当するのに対し、GaNトランジスタを有する実装は、実質的に高い周波数で動作することができる。
【0032】
伝達(生成)関数は、以下の入力および出力で特徴づけられる。
図3および6に示されるように、EMコアIへの入力は、電流、電圧、周波数、および相間位相と、個々の位相の間における相内位相の関係と、によって特徴づけられる時間変動3相電気信号20110であり、電圧は、典型的に一次側の電圧で示されるオーバーレイドグリッド(overlaid grid)線と連携するグリッド電圧を表す。
【0033】
EMコアIの一次出力も、電流、電圧、周波数、および相間位相と、個々の位相の間における内部位相の関係と、によって特徴づけられる時間変動3相AC電気信号20112であるが、電圧は、典型的に装置200の二次側の電圧で示される低電圧(LV)送電線と連携するグリッド電圧を表す。
【0034】
EMコアIIへの入力も、
図8で示されるように、電流、電圧、および正確に連携される相間位相を有する周波数と、理想的な3相電力信号に相当する(または少なくとも厳密に近接する)相内位相の関係と、によって特徴づけられる時間変動3相AC電気信号2039であり、電圧は、発電機203で発電される3相電圧を表す。
【0035】
EMコアIIの出力も、電流、電圧、周波数、および相間位相と、個々の位相の間における内部位相の関係と、によって特徴づけられる時間変動3相AC電気信号20314であり、電圧は、典型的に装置200の一次側の電圧で示される高電圧(HV)送電線と連携するグリッド電圧を表す。
【0036】
図6に示されるように、EMコアIの一次出力2013は、コンバータマトリックス2012に接続される。
図9に示されるように、コンバータマトリックス2012は、パワーエレクトロニクス(PE)コンバータセルのマトリックスである。
マトリックス2012の全定格電力は、典型的に連結される電解装置2022の定格電力を超える。
例えば、一つの実施形態において、電解装置は、1MWの定格電力を有するPEM積層体で構成され、マトリックスの個々のセルは、1.5MVAの定格電力を有する。
ネットワーク周波数の倍数(例えば、主電源周波数が50または60Hzの場合、スイッチング時間は、<<(1/50)sまたは(1/60)sである)でのPEコンバータセルの高速スイッチング(例えば、400kHzでスイッチングするSiCトランジスタを有する)は、AC/AC、AC/DC、DC/DCおよびDC/AC変換を可能にし、順番に、EMコアIの二次側20112、EMコアI2011およびEMコアII2039の一次側20110、EMコアIIの二次側2038と動的に連結する。
そのうえ、高速スイッチングは、グリッドのHV側とLV側と、だけでなく、発送可能な負荷(説明される実施形態において、電解装置2022(
図7)の形状で)と、および発電機(説明される実施形態において、発電機2036(
図8)の形状で)と、をも動的に連結する。
システムの電力流れは、パルス幅変調(PWM)ハーモナイゼーション(harmonization)信号を変調巻線へ印加することで、三相電磁気システム(EMコアI2011およびEMコアII2039)磁束の動的変調によって、変調される。
ハーモナイゼーション信号は、
図6に示されるように、通信可能に連結されるユニバーサルコントローラ204の制御下におけるコンバータマトリックス2012の高速スイッチングによって生成される。
【0037】
コンバータマトリックス2012は、電気動力をACから直流電流(DC)に変換するための電圧源コンバータと、電気動力をDCからACに変換するためのインバータの両方として機能するように構成される。
電圧源コンバータは、
図10に示されるように、各コンバータセルが並列接続されるコンデンサとともに直列に接続される一対のトランジスタを含み、直列接続されるセルを有するコンバータを形成するように構成される、複数のトランジスタと、複数のコンデンサと、を含む。
様々な実施形態において、トランジスタは、炭化ケイ素をベースとする金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、および/または窒化ゲルマニウムトランジスタである。
電圧源コンバータのAC入力端子およびAC出力端子は、EMコアI2011(またはEMコアII2039)の一次巻線および二次巻線にそれぞれ電気的に連結される。
電圧源コンバータのDC(出力)端子は、説明される実施形態においてコンデンサの形状で、電気エネルギを貯蔵するための方法に電気的に連結される。
一次AC電力側20110からの電気信号が、EMコアI2011(またはEMコアII2039)の一次巻線に導入されるとき、電磁場が磁気コア内に誘導される。
電磁場は、電気信号を二次巻線に誘導する。
【0038】
コントローラ204は、一次巻線および二次巻線における入力電気信号の測定されるパラメータを表すデータを受信し、二次巻線用の参照シグナルの対応するパラメータと測定されるパラメータを比較するように構成される。
説明される実施形態において、測定されるパラメータは、電圧、電流、位相シフト、および電磁気システム、(例えば、EMコアIおよびIIで)の一次側および二次側で優勢な実際の信号の周波数であり、参照シグナルは、対象の周波数、電流および電圧を有する理想的なサイン波形を表す。
このように、参照信号は、出力信号;例えば、ノイズまたは高調波のない、望まれる出力信号のパラメータを有する理想化される波形を表す。
説明される実施形態において、データは、電磁気システムの一次側および二次側のそれぞれにおける三相に連結される標準電圧および電流センサから受信される信号からデジタル―アナログコンバータ(DAC)によって生成される。
【0039】
個々の量の間における代数の違いは、規定している参照らせん状表面に対して、電磁気システム(EMコアIおよびII)の一次側および二次側の両方で優勢な信号の、実際の幾何学的な距離を説明する。
コントローラ204は、EMコアI2011(またはEMコアII2039)の一次巻線に印加されるとき、例えば、破壊的な干渉によって、二次巻線の出力電気信号に参照信号へ近接させるハーモナイゼーション信号を決定するように構成される。
コントローラ204は、以下で説明されるように、電圧源コンバータ2012を使用してEMコアI2011(またはEMコアII2039)の一次巻線にハーモナイゼーション信号の印加をもたらすように構成される。
したがって、一度ハーモナイゼーション信号が印加されると、二次巻線における出力電気信号は、参照信号と実質的に一致する。
【0040】
二次側20112と一次側20110とで巻線の方法で連結され、電圧源コンバータ(コンバータマトリックス)2012は、AC-DCおよびDC-AC変換を実施し、一次AC信号周波数の倍数でスイッチング周波数を有する動作をすることができる。
並行して、電圧源コンバータマトリックス2012は、PEセルのコンデンサからDC電流を放出することによって、発送可能なDC電源としても動作することができる。
発送可能な負荷に対する制御可能な高速スイッチとして動作するとき、コンバータは、電源供給を最適化(または少なくとも改善)するために電気(電気分解)負荷に動的に連結されることができる。
これは、最低の限界費用で電気分解の作業が管理されることを可能にする。
【0041】
コンデンサにおいて緩衝されるエネルギの一部は、後にハーモナイゼーション信号を生成するための電力を提供するために使用されることができ、それにより出力信号におけるシステム周波数を安定する一部として、電力因子補正、電圧調整、電力品質管理、および/または位相平衡をサポートする。
加えて、しかし、コンデンサにおいて緩衝されるエネルギは、例えば、長期間貯蔵用のバッテリ内へ、またはコンデンサ2014と連結する電解装置によって水素へ、貯蔵用の他の方法に伝達できる。
【0042】
コンデンサバンク2014は、
図6に示されるように、DC内部接続2015を介するコンバータマトリックス20212からのDC電流によって供給される。
コンデンサバンク2014は、一時的に変化可能な電気エネルギのストレージ、ユニバーサルコントローラ204によって生成されるハーモナイゼーション信号2017に従って、その後の電気エネルギの動的な放出、をネットワーク周波数(すなわち、50または60Hzのネットワーク周波数用スイッチング時間、<<(1/50)sまたは(1/60)s)の倍数時間の速度で、可能にする。
コンデンサバンク2014は、ネットワーク速度よりも早い速度で動的に素早く電気エネルギの貯蔵および放出を可能にする。
【0043】
図6に示されるように、ユニバーサルコントローラ204によって制御される動的スイッチ2016は、コンデンサバンク2014が、DC負荷と電磁気システム201とを動的に連結するDCリンク2018を介して“負荷”システム202(例えば、水素電気分解)へ動的に接続および/または切断され、それにより、コンデンサバンク2014内のストレージとしてか、または、AC/DCコンバータマトリックスを収容するパワーエレクトロニクスモジュールの内に配置されるコンデンサバンクをバイパスする、EMコアI2011の二次側からの直接抜き出しによってかの、いずれか一方で吸収される電力超過を容易にすることを可能にする。
【0044】
[EMコアの動的連結および分離]
電磁気コアEMコアI2011およびEMコアII2039は、以下に示すように、ユニバーサルコントローラ204でそれ自身が制御されるスイッチ20111,20113,20114,20115,20116、および20117のそれぞれによって、グリッド(一次側)およびAC負荷(二次側)から、動的に連結または分離されることができる。
【0045】
図6に示されるように、動的スイッチ20111は、EMコアI2011の一次側がグリッドへ連結およびグリッドから切断されることを可能にし、後者の場合、グリッドに接続される唯一の装置のサブシステムとして発電システム203を残して、動的負荷サブシステム202もスイッチ20115の同時の動作によりグリッドから切断される。
動作のこのモードにおいて、装置200は、装置そのものの中への逆電力フロー回避を有する準静的および動的の両方に制御される“発電”であって、
(i)接続20117が閉じられ、接続20113が開かれるとき、準静的動作は、地域負荷需要20118(例えば、産業用地に電気装置が設置されるときの継続する現地電力需要)に、または利用可能な代替応用バックアップ電源(例えば、孤立され、孤立状態におけるこれらの動作のとき、マイクログリッド内におけるバックアップ電源)として、AC電力を提供し、
(ii)動的動作は、システム周波数安定(高速周波数抑制、自動周波数回復、または手動周波数回復)用に求められるような、閉じられるスイッチ20113と瞬間の発電需要を容易にし、
(iii)準静的動作および動的動作の複合形態
は、地域負荷需要20118へのAC電力と、周波数安定サービス供給用のグリッドへのAC電力の両方を、共に閉じられるスイッチ20113および20117と提供することができる、
“発電”を提供する。
それにより、コントローラ204は、準静的な電力供給と動的な電力供給との間の定格電力バランス(例えば、地域負荷へ60%のベース負荷定格電力、周波数安定サービス供給用のグリッドへ動的電力供給のサポートにおいて40%の定格電力)を制御することを可能にされる。
【0046】
図8に示されるように、動的スイッチ20113は、EMコアII2039の一次側をグリッドへ選択的に連結または切断するように動作可能であり、後者はまた、発電サブシステム203もグリッドから切断する。
動的に動作するスイッチ2011とは性質が異なり、装置200の動作のこのモードは、動的に制御される“発電”および“負荷”、または“負荷”のみをグリッドへ提供し、後者は、装置そのものの中への逆電力フロー回避を含む。
加えて、スイッチ20113が開状態の後者の場合用に、装置200は、スイッチ20117が閉状態の地域電力需要を満足させるための準静的モード発電を並行して提供することもできる。
スイッチ20113が閉状態の動作の動的モードにおいて、装置200は、(高速)周波数抑制(FCR)、自動周波数回復(aFRR)、および手動周波数回復(mFRR)を含むすべての技術的に関連する領域にわたるシステム周波数安定用の要求を完全に支える。
【0047】
図6に示されるように、動的スイッチ20114は、EMコアI2011の二次側がグリッドのAC負荷側へ連結または切断されることを可能にし、後者の場合、電磁気サブシステム上で負荷のみ動作しているときに適用し、それゆえにグリッドは、動的負荷サブシステム202の電解装置および/または準静的負荷20118(
図6)によって提供されるような、DC負荷である。
【0048】
同様に、動的スイッチ20115は、EMコアII2039の二次側をコンバータマトリックス2012から選択的に連結または切断することを可能にし、後者の場合、動的負荷サブシステム203がグリッドから切断されるときに適用し、このように装置は、地域AC電源としてのみ動作する。
【0049】
最後に、動的スイッチ20116は、EMコアII2039の二次側をLV AC側20112から選択的に連結または切断することを可能にし、後者は、発電システム203がグリッドにのみ接続される、すなわち、装置200によって動的に制御される“発電”が提供されるとき、に適用する。
【0050】
[動的負荷コンポーネントまたはサブシステム202]
図4に示されるように、動的負荷コンポーネント202は、動的に制御され、発送可能な負荷として動作し、動的負荷伝達関数を実装する。
図7に示されるように、動的負荷コンポーネント202は、電解装置2022(例えば、プロトン交換膜(PEM)電解の原理に基づく電解装置)と、水素圧縮と合体される水素貯蔵タンク2024と、を含み、後者は、機械的(ME)圧縮か、電気化学的圧縮(EHC)のいずれかである。
【0051】
図4に示されるように、動的負荷コンポーネント202への入力は、時間変動DC電圧信号であり、電解装置2022用の入力を提供する。
DC電流は、コンバータマトリックス2012から引き入れられ、コンデンサモジュール2014から余剰DC電力を引き入れの選択を有する接続2018を通り、EMコアI2011およびEMコアII2039の両方の電磁気コアに連結される。
水素を生成するために、イオン化される水が電解装置2022に供給される。
図7に示されるように、動的負荷コンポーネント202の出力は、高圧(典型的に30から40bar)パイプ接続2024を使用して水素圧縮および貯蔵ユニット2025への水素(水素
1)2027の時間変動発送を含み、圧縮および貯蔵ユニット2025は、水素圧縮および貯蔵ユニット2025を混合モジュール2031に接続する高圧パイプ接続2027を使用して“発電”コンポーネント203へ要求に応じて水素を供給することができる。
いくつかの実施形態において、動的負荷コンポーネント202によって生成され、貯蔵され、圧縮される水素は、また、輸送のような予備の目的のために使用されることもでき、高圧接続・低圧接続2028は、水素を給油所へ供給する。
【0052】
動的負荷コンポーネント202は、コンバータマトリックスの電気出力を変調することで入力電力を制御するDC-DCコンバータ2021、および/または電解装置2022(例えば、およそ1.707MVAの電力で接続するとみなされる電解装置のグリッド接続用のIEC60038によると3×568V,3×568V/50Hz、またはおよそ500kVAの電力で接続するとみなされる電解装置のグリッド接続用のIEC60038によると3×400V/50Hz)のPEM積層体によって求められる、より低い電圧を提供するためのコンデンサバンクを含む。
【0053】
説明される実施形態において、電解装置2022は、プロトン交換膜(PEM)電気分解の原理に基づき、AC-DCコンバータ(すなわち、コンバータマトリックス)2012と、コンデンサバンク2014と、DC-DCコンバータ2021と、を介して電磁気コンポーネント202に結合される。
電解装置2022は、原理的に、標準的な設計の市販品(例えば、https://www.h-tec.com/en/products/detail/h-tec-pem-electrolyser-me450-1400/me450-1400で説明されるH-TEC ME 450/1400電解装置)で、合体されるAC-/DCコンバータを有し、合体される制御モジュールを通じて準静的動作モードが有効にされることができる。
しかし、個々のPEM積層体ユニット(例えば、市販されている110kVAのPEM積層体)の並列結合を介してなめらかな定格電力の拡大だけでなく、さらに重要なこれらの高速動的制御下における動作と、変化可能な定格水素生成も有効にするために、
図9に示されるように、知られている定格電力(例えば、110kVA)のPEMモジュールは、コンバータマトリックスに対応するマトリックス構成において、構成される。
このようにして、それぞれのPEMモジュールは、対応するマトリックスセルの一つから電力を供給され、それぞれのマトリックスセルの定格電力は、(
図10に示されているように)その電力に対応するPEMモジュールの定格電力と釣り合わされる。
代替的に、PEMモジュールは、複数のセルの各グループが対応するPEMモジュールの動作用の電力を供給するために、グループに分けられることができる。
これは、PEMモジュールをさらに追加することだけでなく、DC-DCコンバータおよびAC-/DCコンバータマトリックスへの直接接続によっても、定格の拡張のための能力を提供し、この構成は、装置200の二次側20112で優勢であるとしてPEM積層体が可変電圧入力によって供給されることと、コントローラ204によってそれぞれのPEM積層体モジュールの直接制御を可能にする。
【0054】
変化可能な水素生成出力を有するPEMモジュールの動的制御の文脈において、従来の電解装置は、抑制されすぎるので、グリッド状態の変化の応答として、変化可能な定格負荷(電力消費範囲)および、早い応答時間を有する動的発送可能な負荷として動作できない。
短い時間尺度以内の変化可能な電力消費を有する周波数安定化を有効にすることは、現状、周波数抑制および自動周波数回復に求められる。
それにより、各マトリックスセルまたはセルのセットの電気動力供給および引き入れは、ユニバーサルコントローラ204によって制御される。
電解装置2022の電気容量は、水素生成の最大定格を制限するが、それはまた、コンバータマトリックス2012からの入力DC電力に直接的に比例する(そしてまた制限される)。
【0055】
ユニバーサルコントローラ204は、急速駆動(活性化)か、電解装置の負荷レベル変更(負荷シフト)のどちらか(例えば、<30sec駆動用と<2sec負荷シフト用)を可能にする制御信号を電解装置2022に発行する。
PEM電解装置2022は、二つのモード:電圧モードまたは電流モード、のうち一つで動作される。
【0056】
利用前に、圧縮および貯蔵ユニット2025は、一時的な水素貯蔵を可能にする。
貯蔵容量の拡大を有効にするために、貯蔵タンク(例えば、炭素繊維で補強される混成タンク)は、昇圧(例えば、およそ300barまで)に耐えることができ、PEM積層体のような基準構造であることができる。
【0057】
ガスタービン2033への混合燃料としての水素の供給は、貯蔵ユニット2025への制御信号を発行するユニバーサルコントローラ204によって有効にされ、
図7に示されるように、パイプライン2027を介して、要求される時刻において貯蔵タンク以内の優勢である水素体積に基づいて、貯蔵ユニット2025に燃料ガス混合モジュール2031へ規定量の燃料を放出させ、天然ガスに対する水素の割合の意味で燃料ブレンド組成は、“ドループ制御特性(droop control characteristic)”で定義される。
当業者によって理解されるように、ドループ制御特性は、貯蔵タンクおよびガスタービンの優勢な負荷レベルから水素引き抜き(供給)のあらかじめ定められる量の関数として、混合燃料組成用の必要とされる天然ガス供給の定義を可能にする。
【0058】
予備のパイプライン2028は、予備の使用(
図4の伝達関数において“水素
2”として表される)のため水素貯蔵ユニット2025から貯蔵される水素の輸送を可能にする。
水素は、
図7に示されるように、ユニバーサルコントローラ204から貯蔵タンクから貯蔵される水素を放出するための制御信号2026の受信によって接続される天然ガスパイプライン(例えば水素ベース輸送用に燃料を供給するステーションへの接続)、へ貯蔵モジュールから放出され、このように水素生成用のさらなる容量を提供している。
水素
2の予備の使用は、人工的な燃料を製造するための水素の使用を含むことができ、装置200へのメタン化方法の結合を通じて完成されることができる。
【0059】
[発電コンポーネントまたはサブシステム203]
発電コンポーネント203は、
図5に示されるように、伝達、(生成)関数を実装し、装置の一次側20110(一般的に電気グリッドの高電圧側)で電気動力を注入することで効果的な瞬間応答を有する動的に制御される電気動力の発送可能な発電機として動作する。
【0060】
図5に示されるように、伝達(生成)関数への入力は、純天然ガスまたは純水素か、または天然ガスと水との混合燃料の形態のいずれかの、時間変化するガス状燃料の供給材料の絶え間ない導入を含み、結果である出力は、装置の一次側20110への電気動力の時間変化する発送である。
【0061】
図8に示されるように、燃料ブレンドモジュール2031は、天然ガス(NG)2032と水素2027両方の混合を可能にするガスタービンまたはガスエンジン2033の燃焼室へガス状の燃料を供給する。
燃料ガスブレンドモジュール2031は、高圧パイプライン2027を介して水素貯蔵ユニット2025から水素を、地域天然ガス基幹施設20311から天然ガスを受け取る。
【0062】
ガスタービンまたはガスエンジン2033は、周波数サービス(例えば、航空機派生ガスタービンの種々の実施形態において、Siemens SGT-A05シリーズタービン,Solarタービン Taurus 60-70,OPRA radial ガスタービン,またはKAWASAKI GTB35シリーズタービン)用の要求と釣り合わせるための早い始動時間(例えば、冷間から≦5分で公称定格電力、例えば、1-8MW内の公称定格電力を有するガスタービン用)を有することを選択される。
【0063】
これらのタービンまたはエンジンは、天然ガス(NG)と、0%から100%の範囲で混ぜ合わされる水と、から成る混合されるガス状燃料、すなわち後者の場合純水素ベースの燃料を使用できる。
【0064】
いくつかの実施形態において、装置は、排気ガス内に含まれる熱エネルギを抽出するコージェネレーション(CHP)システムのサービスを提供するために、パイプライン2034を介して熱回収蒸気発電機(HRSG)を含むまたは結合される。
これは、地域暖房用温水生成または産業用設備のための処理蒸気の生成を含むが、限定されない、目的のために使用されることができる。
【0065】
使用される特定のガスタービンまたはエンジンのタイプに依存している、いくつかの実施形態において、装置は、高性能ギアボックス2035を、原理的に参照信号周波数(例えば、3000rpmまたは3600rpmにそれぞれ対応する50Hzまたは60Hz)、すなわち、AC電機システムの周波数と一致する発電機のロータ速度へガスタービンロータ速度―ガスタービンの設計ロータ速度が発電機の公称ロータ速度(典型的に、航空機転用ガスタービンの場合)と等しくない場合―の同期を有効にするために、含む。
【0066】
説明される実施形態において、発電機2036は、ガスタービンまたはエンジン2034のMW定格と釣り合うMVAサイズを有し、EMコアIおよびEMコアIIの蓄積される定格電力に調整される、2極タイプ空冷設計の産業同期電力発電機であることができる。
いくつかの実施形態において、発電機2036は、(0.3から10MVAの範囲を有する)ブラシ低定格電力産業発電機セットを通じて、または(SIGENTICSシリーズから、0.3から10MVAの範囲を有する)Siemens産業2極SGenシリーズ発電機を通して有効であるような、市販の電力発電機である。
【0067】
ピーク負荷か、変化可能な発電に追従する負荷のいずれかを提供するために、ユニバーサルコントローラ204は、双方向データインターフェース2037を介してドループ制御特性に基づいて制御信号をガスタービンまたはエンジンへ発行する。
【0068】
EMコアII2039の二次側への発電機のAC-AC電気結合2038は、発電機2036の出力電圧のEMコアII2039の一次側で動作する、対象グリッド電圧への適合を可能にする。
【0069】
ゲートスイッチ20113および20114が開いている状態(
図8に示されるようにユニバーサルコントローラ204によって設定される)で、電磁気サブシステム201および負荷コンポーネント202は、装置が発電のみモードでの動作を可能にする、装置200の二次側から切断される。
この動作モードは、連続動作か、スタンバイ動作のタイプのどちらかで、後者は、ピークモード発電か、スタンバイ(バックアップ)発電のいずれかとして機能でき、これにより、孤立される動作およびグリッドが取り付けられる動作を含む、装置の動作の異なる状態を提供すること、そしてそれゆえにグリッドまたは地域エネルギ負荷へサービスを提供することができる。
【0070】
ゲートスイッチ20111が開いている状態(
図8に示されるようにユニバーサルコントローラ204によって設定される)で、発電コンポーネント203は、一次側20110から切断され、それにより、グリッドから、装置が“負荷のみ”モードまたは“電力品質補正のみ”モードでの動作を可能にする。
動作の“負荷のみ”モードは、連続動作タイプか、スタンバイ動作としてのどちらかであることができる。
動作の連続モードは、典型的に、再生可能エネルギ発電から余剰電力が有効であるときなど、連続水素生成を表す。
スタンバイモードは、典型的にシステム周波数安定化用に使用される。
【0071】
ゲートスイッチ20111および20115が開いている状態(
図8に示されるようにユニバーサルコントローラ204によって設定される)で、EMコアIIおよびそれゆえに発電ユニットは、グリッドの二次AC負荷側20112からと同様にグリッドの一次側20110から切断され、したがって装置内部での逆電力フローを回避している。
これは、装置200がEMコアI2011のみ使用する動作の“電力品質のみ”および“負荷のみ”モードでの動作を可能にする。
【0072】
具体化され、またさもなければ(発送可能な電力発電の有無にかかわらず)動的発送可能な負荷を提供するように構成されるとき、装置は、排熱としてではなくむしろその後再利用するため超過電力(水素の形状を含む)を貯蔵することでカーボンニュートラリティを支え、貯蔵される電力(水素またはそのほかの形状のいずれも)の限界費用は、実質ゼロである。
電気グリッドを通じて分配される装置の複数のインスタンスは、グリッドの安定を提供するために使用されることができる。
【0073】
代替的に、具体化され、またさもなければ動的発送可能な発電機のみを提供するように構成されるとき、装置の分配されるインスタンスは、それでもグリッド安定性に寄与し、慣性を提供し、信号摂動よって発生される機械的損傷を防ぐ。
【0074】
本発明の実施形態が、時間と空間における電気エネルギの変調と、異なるエネルギ形状へのモーダルシフトと、に基づく電気信号の参照信号へのハーモナイゼーションを通して達成される、エントロピー(例えば、熱)エネルギ損失と、顧客へのエネルギ供給の限界費用と、を減らすと同時に、エネルギシステム安定の供給用の自主的な分散されるデバイスを含むことは、上記の説明から明らかであろう。
【0075】
多くの変形は、本発明の範囲から離れることなく、当業者に明らかにされるであろう。
【国際調査報告】