(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】少なくとも1つのフィルタ要素を備える周囲空気清浄機及びフィルタ要素の使用
(51)【国際特許分類】
F24F 8/108 20210101AFI20250130BHJP
B60H 3/06 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
F24F8/108 210
F24F8/108 110
F24F8/108 320
B60H3/06 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545037
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2022080060
(87)【国際公開番号】W WO2023147901
(87)【国際公開日】2023-08-10
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505229863
【氏名又は名称】マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アラゴーダ、バラテッシュ
(72)【発明者】
【氏名】アントモン、チョウォールアー ラフェール
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー、ティロ
(72)【発明者】
【氏名】シュリマリ、マヤンク
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA05
3L211AA06
3L211AA09
3L211BA09
3L211BA51
3L211BA55
3L211DA73
3L211DA95
(57)【要約】
本発明は、周囲空気清浄機(100)であって、ハウジング(102)と、少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)と、を備え、前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)は、少なくとも1つの濾材本体(50)を含み、前記少なくとも1つの濾材本体(50)の少なくとも上側先端部(56)には、前記上側先端部(56)より大きな断面を有し、突出部(64)が前記濾材本体(50)の前記上側先端部(56)を越えて突出した少なくとも第1の側方フレーム要素(60)、特に平面状側方フレーム要素が設けられ、前記側方フレーム要素(60)の前記突出部(64)は、前記フィルタ要素(10、30)と前記ハウジング(102)との間に、前記上側先端部(56)の外側でシール領域を提供する周囲空気清浄機に関する。さらに本発明は、フィルタ要素(10、30)の使用に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲空気清浄機(100)であって、
少なくともハウジングカバー(104)と取付ベース(110)とを含むハウジング(102)であって、浄化される周囲空気のための少なくとも1つの流入口(142)と浄化された空気のための少なくとも1つの流出口(144)とを有するハウジング(102)と、
前記ハウジング(102)内に配置されたファン(150)と、
少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)と、を備え、
前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)は、特にひだ状フィルタベローズ(52)として構成された、少なくとも1つの濾材本体(50)を含み、
前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)の前記少なくとも1つの濾材本体(50)の少なくとも上側先端部(56)には、前記上側先端部(56)より大きな断面を有し、突出部(64)が前記濾材本体(50)の前記上側先端部(56)を越えて突出した少なくとも第1の側方フレーム要素(60)、特に平面状側方フレーム要素が設けられ、
前記側方フレーム要素(60)の前記突出部(64)は、前記フィルタ要素(10、30)と前記ハウジング(102)との間に、前記上側先端部(56)の外側でシール領域を提供し、前記突出部(64)は、前記ハウジング(102)が閉状態にあるときに、前記取付ベース(110)の支持構造(106)と前記ハウジングカバー(104)の相手要素(108)との間に挟まれる周囲空気清浄機。
【請求項2】
前記ファン(150)は、立設する回転軸(152)を有し、前記少なくとも1つの流入口(142)は、前記ファン(150)の回転軸(152)に対して径方向に配置され、前記少なくとも1つの流出口(144)は、前記ファン(150)の回転軸(152)に対して軸方向に配置される請求項1に記載の周囲空気清浄機。
【請求項3】
前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)は、少なくとも部分的に、特に周方向に、前記ハウジング(102)の内部清浄空気空間(160)を取り囲み、
好ましくは、前記ファン(150)は、前記ハウジング(102)の前記取付ベース(110)から軸方向にずれて配置され、前記内部清浄空気空間(160)と流体連通し、及び/又は、前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)は、前記ファン(150)の回転軸(152)と実質的に平行に延びる請求項1又は2に記載の周囲空気清浄機。
【請求項4】
前記上側先端部(56)の反対側に位置する前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)の少なくとも下側先端部(58)には、前記下側先端部(58)より大きな断面を有し、突出部(65)が前記濾材本体(50)の前記下側先端部(58)を越えて突出した第2の側方フレーム要素(61)が設けられる請求項1~3のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフィルタ要素(10)は、周方向に互いに隣接する複数のフィルタ要素セグメント(15、17、19、21、23、25、27、29)を含み、前記複数のフィルタ要素セグメント(15、17、19、21、23、25、27、29)は、前記ファン(150)の回転軸(152)を中心として多角形又は円形に配置される請求項1~4のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項6】
前記第1の側方フレーム要素(60)の前記突出部(64)は、前記複数のフィルタ要素セグメント(15、17、19、21、23、25、27、29)の各々の周方向の挟持線(78)に沿って挟まれる請求項5に記載の周囲空気清浄機。
【請求項7】
前記ハウジングカバー(104)は、前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)及び/又は前記フィルタ要素セグメント(15、17、19、21、23、25、27、29)の前記上側先端部(56)と前記側方フレーム要素(60)とを収容するための軸方向に突出した溝構造(121)を含み、
特に、前記溝構造(121)は、前記ハウジング(102)が閉じられたときに、前記側方フレーム要素(60)の前記突出部(64)を挟むための前記相手要素(108)を収容する請求項1~6のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項8】
前記側方フレーム要素(60、61)は、前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)のサイドバンド又はヘッドバンドである請求項1~7のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフィルタ要素(30)は、フィルタ要素セグメント(32、34)を含み、前記フィルタ要素セグメント(32、34)は、前記ファン(150)の回転軸(152)を挟んで反対側に平行に配置される請求項1~8のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項10】
前記濾材本体(50)のひだの長手方向延在部は、前記ファン(150)の回転軸(152)と平行に配置される請求項1~9のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項11】
前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)は、全体として、前記内部清浄空気空間(160)の円周の270°以上、好ましくは330°以上の角度部分を覆う請求項1~10のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項12】
前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)のうちの1つは、前記ファン(150)の回転軸(152)と実質的に同軸に配置される請求項1~11のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項13】
前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)の少なくとも1つは、前記内部清浄空気空間(160)の中心の周りに同心状に配置され、前記内部清浄空気空間(160)の中心は、前記ファン(150)の回転軸(152)によって規定される請求項1~12のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項14】
前記ファン(150)は、前記取付ベース(110)に取り付けられた支持構造(156)によって保持され、
好ましくは、前記支持構造(156)は、好ましくは前記取付ベース(110)の平面に垂直に延びる、少なくとも1つの支柱(157)を含み、
特に、前記支持構造(156)は、周方向に角度的に配分された複数の支柱(157)を含む支持ケージとして設計される請求項1~13のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項15】
前記支持構造(156)は、前記少なくとも1つのフィルタ要素(10、30)の径方向支持体として機能する請求項14に記載の周囲空気清浄機。
【請求項16】
前記上部カバー壁(120)は、前記流出口(144)として機能する少なくとも1つの開口部(122)を含み、
好ましくは、前記開口部(122)の直径は、前記ファン(150)の直径に対応する請求項1~15のいずれか一項に記載の周囲空気清浄機。
【請求項17】
周囲空気を浄化するための、請求項1~16のいずれか一項に記載の車両搭載可能な周囲空気清浄機(100)におけるフィルタ要素(10、30)の使用であって、
前記フィルタ要素(10、30)は、特にひだ状フィルタベローズ(52)として設けられた、少なくとも1つの濾材本体(50)を含み、前記フィルタ要素(10、30)の少なくとも上側先端部(56)には、前記上側先端部(56)より大きな断面を有し、突出部(64)が前記濾材本体(50)の前記上側先端部(56)を越えて突出した少なくとも第1の側方フレーム要素(60)、特に平面状側方フレーム要素が設けられ、前記側方フレーム要素(60)の前記突出部(64)は、前記少なくとも上側先端部(56)の外側でシール領域を提供する使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのフィルタ要素を備える周囲空気清浄機と、車両搭載可能な周囲空気清浄機におけるフィルタ要素の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野で知られている微細粉塵フィルタシステムなどの粒子フィルタシステムは、垂直配置された軸流ファンと、該ファンより上流位置に配置されたフィルタ要素との直接流配列を使用している。これらのシステムの高さは、通常、ファンの直径によって決まる。
【0003】
特許第5679796号には、空気から粒子を除去するための車両用空調装置が開示されている。粒子を空調装置内に維持しながら、浄化された空気は空調装置から車両内に排気される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、コンパクトで軽量な設計が可能な周囲空気清浄機を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、周囲空気清浄機におけるフィルタ要素の使用を提供することである。
【0006】
第1の目的は、周囲空気清浄機であって、少なくともハウジングカバーと取付ベースとを含むハウジングであって、浄化される周囲空気のための少なくとも1つの流入口と浄化された空気のための少なくとも1つの流出口とを有するハウジングと、ファンと、少なくとも1つのフィルタ要素と、を備え、少なくとも1つのフィルタ要素は、ファンの回転軸に実質的に平行に延び、少なくとも1つのフィルタ要素は、特にひだ状フィルタベローズとして構成された、少なくとも1つの濾材本体を含み、少なくとも1つのフィルタ要素の少なくとも1つの濾材本体の少なくとも上側先端部には、上側先端部より大きな断面を有し、突出部が濾材本体の上側先端部を越えて突出した少なくとも第1の側方フレーム要素、特に平面状側方フレーム要素が設けられ、側方フレーム要素の突出部は、フィルタ要素とハウジングとの間に、上側先端部の外側でシール領域を提供し、突出部は、ハウジングが閉状態にあるときに、取付ベースの支持構造とハウジングカバーの相手要素との間に挟まれる周囲空気清浄機によって達成される。
【0007】
別の目的は、周囲空気を浄化するための、上述の請求項のいずれかに記載の車両搭載可能な周囲空気清浄機におけるフィルタ要素の使用であって、フィルタ要素は、特にひだ状フィルタベローズとして設けられた、少なくとも1つの濾材本体を含み、フィルタ要素の少なくとも上側先端部には、上側先端部より大きな断面を有し、突出部が濾材本体の上側先端部を越えて突出した少なくとも第1の側方フレーム要素、特に平面状側方フレーム要素が設けられ、側方フレーム要素の突出部は、少なくとも上側先端部の外側でシール領域を提供するフィルタ要素の使用によって達成される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態及び利点は、更なる特許請求の範囲、明細書、及び図面から得られる。
【0009】
本発明の第1の態様では、少なくともハウジングカバーと取付ベースとを含むハウジングであって、浄化される周囲空気のための少なくとも1つの流入口と浄化された空気のための少なくとも1つの流出口とを有するハウジングと、ハウジング内に配置されたファンと、少なくとも1つのフィルタ要素と、を備え、少なくとも1つのフィルタ要素は、特にひだ状フィルタベローズとして構成された、少なくとも1つの濾材本体を含む周囲空気清浄機が提案される。少なくとも1つのフィルタ要素の少なくとも1つの濾材本体の少なくとも上側先端部には、上側先端部より大きな断面を有し、突出部が濾材本体の上側先端部を越えて突出した少なくとも第1の側方フレーム要素、特に平面状側方フレーム要素が設けられ、側方フレーム要素の突出部は、フィルタ要素とハウジングとの間に、上側先端部の外側でシール領域を提供し、突出部は、ハウジングが閉状態にあるときに、取付ベースの支持構造とハウジングカバーの相手要素との間に挟まれる。
【0010】
提案された周囲空気清浄機のフィルタ要素は、その上側に、濾材本体より幅が広い突出した側方フレーム要素を有している。取付状態において、突出側方フレーム要素は、取付ベースとハウジングカバーとの間に圧縮される。これにより、濾材本体にシール力を負荷させずに、効果的なシール作用を得ることができる。力の流れは、ハウジングカバーから突出した側方フレーム要素を通って取付ベースに向かう。このような特別なシール界面によりシール力が濾材本体から逸れることで、濾材本体の機械的損傷を避けることができる。
【0011】
フィルタ要素のひだの長手方向延在部に対して垂直に走るプリーツパックの側方フレーム要素は、通常、サイドバンドと呼ばれ、ひだの長手方向延在部に対して平行に走るプリーツパックの側方フレーム要素は、通常、ヘッドバンドと呼ばれる。好ましい実施形態では、ひだの長手方向延在部は、鉛直軸に沿って立設して延びるため、シール界面に関与する側方フレーム要素は、好ましくはサイドバンドである。
【0012】
提案された周囲空気清浄機のフィルタ要素では、フィルタ要素のフィルタ要素セグメントは、上部から取付ベースの角柱形状のスロットに挿入することができる。フィルタ要素は、ヘッドバンドとサイドバンドを有し、例えば、濾材本体に不織濾材を使用している。これらのフィルタ要素は、一般的なキャビンエアフィルタ要素より長く、幅広であり、剛性の低い薄い媒体を採用している。そのため、濾材本体に力が作用したときに変形しやすい。しかし、これらのフィルタ要素は高い濾過効率(ePM1が60%以上)を有しており、要素の周囲に過度の漏れがあると効率が著しく低下する。この点に関する課題は、ハウジングのサイズと製造工程に起因するもので、寿命に伴うハウジングのわずかな反りや、意図された回転成形工程における材料厚さの制御不能性により、かなりの公差補償が必要となる。そのため、要素を変形させることなく、濾材本体に作用する力を低減させるシール方法が必要となる。
【0013】
フィルタベローズの端部では、VラッチやLラッチをフィルタ要素のヘッドバンドに取り付けて、スロットの側面での漏れを抑えることができる。スロットの上部には、第1の側方フレーム要素として剛性の又は圧縮可能なサイドバンドを使用することができる。ハウジングの上部カバーに面するサイドバンドは、過剰な幅を持つため、周縁部として重複ができる。この周縁部において、取付ベースとハウジングカバーがサイドバンドを周方向に挟み込む。これにより、スロットの上部が密閉され、フィルタ要素が機械的な力、例えば流動力や振動力に耐えられるように、所定の位置に安全に固定される。軸方向の力が周縁部にのみ作用することで、濾材本体の機械的変形が阻止される。
【0014】
この空気清浄機は高さが低く、消費電力が低く、流入口と流出口の間の圧力損失が低い。ファンは上向き又は下向きに設置でき、空気を最大90°方向転換できる。これにより、フィルタ要素を交換する際に、簡単なメンテナンスが可能になる。さらに、要素の形状、フィルタクラス、主フィルタ要素と前置フィルタ要素のような2段式オプションなど、汎用性が高い。
【0015】
消費電力が低いため、例えばバスの屋根上で、より高い流量を集約することができ、フォークリフト、三輪車、生産機械、空港輸送車など、バッテリが小さくオルタネータが弱い小型車両への適用のハードルを下げることができる。
【0016】
小型車の場合、運転手が空気清浄機から発生する強いドラフトにさらされることがないように、特定の気流方向が有利な場合もある。
【0017】
有利なことに、フィルタ要素のシールのためのポリウレタン(PU)やシーリングフォームが不要である。公差補償は、提案されたシーリングコンセプトによって有益に達成される。これにより、周囲空気清浄機の気密性が保証される。また、少なくとも1つのサイドバンドの機械的固定により、振動下でのフィルタ要素の移動が低減又は回避される。
【0018】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、ファンは、立設する回転軸を有する。少なくとも1つの流入口は、ファンの回転軸に対して径方向に配置され得る。少なくとも1つの流出口は、ファンの回転軸に対して軸方向に配置され得る。有利なことに、この空気清浄機は高さが低く、消費電力が低く、流入口と流出口の間の圧力損失が低い。ファンは上向き又は下向きに設置でき、空気を最大90°方向転換できる。これにより、フィルタ要素を交換する際に、簡単なメンテナンスが可能になる。さらに、要素の形状、フィルタクラス、主フィルタ要素と前置フィルタ要素のような2段式オプションなど、汎用性が高い。
【0019】
消費電力が低いため、例えばバスの屋根上でより高い流量を集約することができ、フォークリフト、三輪車、生産機械、空港輸送車など、バッテリが小さくオルタネータが弱い小型車両への適用のハードルを下げることができる。
【0020】
システム高さより大きいファンを使用することもできる。有利には、ファンを垂直から好ましくは90°傾けることにより、ファンを上向き又は下向きにすることができる。システム高さが限られているため、フィルタ要素をファンの周囲に配置し、流路断面積、すなわちフィルタ断面積を増大させることがさらに有利である。これにより、フィルタ要素及びフィルタシステムの圧力損失の低減を達成することができる。
【0021】
重量と高さは、屋上搭載型の微細粉塵フィルタの2つの重要な側面である。有利なことに、提案された周囲空気清浄機の微細粉塵フィルタ要素のシール方法は、この2つの側面に貢献し得る。このシールは濾過に使用可能な断面にはほとんど影響を与えず、フィルタシステムの高さにもほとんど影響を与えない。また、非常に軽い不織布要素を使用することができる。
【0022】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのフィルタ要素は、少なくとも部分的に、特に周方向に、ハウジングの内部清浄空気空間を取り囲み、好ましくは、ファンは、ハウジングの取付ベースから軸方向にずれて配置され、内部清浄空気空間と流体連通し、及び/又は、少なくとも1つのフィルタ要素は、ファンの回転軸に実質的に平行に延びる。ファンの周囲に1つ以上の要素を配置することで、流路断面積、すなわちフィルタ断面積を増大させることができ、これにより、システム高さが限られていても、フィルタ要素及びフィルタシステムの圧力損失の低減を達成することができる。空気清浄機の圧力損失は主にフィルタ要素の圧力損失に影響される。所与のファンを考えると、圧力損失が低いほどファンの回転速度を下げることができ、これにより、消費電力を削減し、騒音排出を低減することができる。同心配置は、ファンへの均質な空気流を可能にする円形の清浄空気空間を提供するため、さらに有利である。さらに、自由空間は、ファンへ向かう流れパターンを最適化し、圧力損失と騒音の改善するための(任意の)フローグリッド又は他の整流構造を実装するために使用することができる。
【0023】
重量と高さは、屋上搭載型の微細粉塵フィルタの2つの重要な側面である。有利なことに、提案された周囲空気清浄機の微細粉塵フィルタ要素のシール方法は、この2つの側面に貢献する。このシールは濾過に使用可能な断面にはほとんど影響を与えず、フィルタシステムの高さにもほとんど影響を与えない。また、非常に軽い不織布要素を使用することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、本発明による周囲空気清浄機は、環境を清浄化するように適合された屋外空気清浄機である。他の実施形態では、本発明による周囲空気清浄機は、鉱山及び/又は倉庫のような半閉鎖環境で使用することができる。
【0025】
周囲空気清浄機の有利な実施形態によれば、上側先端部の反対側に位置する少なくとも1つのフィルタ要素の少なくとも下側先端部に、下側先端部より大きな断面を有し、突出部が濾材本体の下側先端部を越えて突出した第2の側方フレーム要素が設けられる。
【0026】
取付ベースのスロットの底部側、すなわちフィルタ要素の下側には、主にフィルタ要素の重量によって圧縮される、圧縮可能な肉厚なサイドバンドを設けることができ、これにより底部が密閉される。嵩のある、圧縮可能な少なくとも1つのサイドバンドを使用することで、公差補償の手段も有利に提供される。例えば、高さ300mmのプラスチック部品では、フィルタ要素により補償されるべきmmレベルの反りが動作時に生じる可能性がある。
【0027】
好ましい実施形態によれば、周囲空気清浄機は、少なくとも1つのフィルタ要素が周方向に互いに隣接する複数のフィルタ要素セグメントを含み、複数のフィルタ要素セグメントは、ファンの回転軸を中心として多角形又は円形に配置される。
【0028】
主フィルタ要素として、円形要素、あるいはn辺配列、特に同心配列、例えば六角形、八角形配列のフィルタセグメントなどを使用することができる。好ましい実施形態では、主フィルタ要素はファンと同心である。空気清浄機は、ハウジングの相反する方向からの2つの流入口を有してもよく、これらの流入口と主要素との間に配置され、粗塵、水、生物由来物質を予め分離し、石はねを防ぐための前置フィルタ要素を備えていてもよい。このような2つの流入口の配置は、モジュール性の点で有利であり、複数のフィルタシステムを、例えばバスの屋根上に並べて積み重ねることができる。流入口の向きが異なる他の配置も実現可能であり、異なるモジュール式アプローチを可能にする。例えば、正方形配列の空気清浄機では、隣り合う2つの辺に1つの流入口を使用することができる。
【0029】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、第1の側方フレーム要素の突出部は、複数のフィルタ要素セグメントの各々の周方向の挟持線に沿って挟まれる。これにより、フィルタ要素又はフィルタ要素セグメントの周囲空気清浄機のハウジングに対する効果的なシールを達成することができる。
【0030】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、ハウジングカバーは、少なくとも1つのフィルタ要素及び/又はフィルタ要素セグメントの上側先端部と側方フレーム要素とを収容するための軸方向に突出した溝構造を含む。特に、溝構造は、ハウジングが閉じられたときに、側方フレーム要素の突出部を挟むための相手方要素を収容する。突出した側方フレーム要素を有するフィルタ要素は、溝構造に収容することができる。これにより、フィルタ要素の正確な位置決めが不要となり、フィルタ要素の上部に溝構造を押し付けることでシールを達成することができる。側方フレーム要素は溝構造によって周方向に覆われる。
【0031】
有利には、複数のフィルタ要素セグメントのうちの少なくとも2つは、少なくとも取付ベースと実質的に平行に延びる第1及び/又は第2の側方フレーム要素によって接続される。
【0032】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、側方フレーム要素は、少なくとも1つのフィルタ要素のサイドバンド又はヘッドバンドである。フィルタ要素のベローズは、周囲空気清浄機の回転軸に関して異なる向きに配置することができる。フィルタ要素のひだの長手方向延在部が回転軸に対して平行に置かれている場合、側方フレーム要素はサイドバンドである。フィルタ要素のひだの長手方向延在部が回転軸に対して垂直に置かれている場合、側方フレーム要素はヘッドバンドである。
【0033】
好ましい実施形態によれば、周囲空気清浄機は、少なくとも1つのフィルタ要素がフィルタ要素セグメントを含み、フィルタ要素セグメントは、ファンの回転軸を挟んで反対側に平行に配置される。特に、前置フィルタ要素は、周囲空気清浄機のハウジングの両外側壁に互いに対向して配置され、ファンを囲む主フィルタ要素を囲んでもよい。
【0034】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、濾材本体のひだの長手方向延在部は、ファンの回転軸と平行に配置される。これにより、ファンがハウジング内で中央に配置され、空気流がフィルタベローズのひだに対して垂直に向けられる場合に、塵埃粒子を効果的に濾過することが可能となる。
【0035】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのフィルタ要素は、全体として、内部清浄空気空間の円周の270°以上、好ましくは330°以上の角度部分を覆う。これにより、ハウジング内のフィルタ面積を大きくすることができる。
【0036】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのフィルタ要素のうちの1つは、ファンの回転軸と実質的に同軸に配置される。同軸配置は、ファンへの均質な空気流を可能にする円形の清浄空気空間をもたらすため有利である。
【0037】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのフィルタ要素の少なくとも1つは、内部清浄空気空間の中心の周りに同心状に配置され、内部清浄空気空間の中心は、ファンの回転軸によって規定される。これにより、フィルタ要素とファンをコンパクトに配置することができる。
【0038】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、ファンは、取付ベースに取り付けられた支持構造によって保持され、好ましくは、支持構造は、好ましくは取付ベースの平面に垂直に延びる、少なくとも1つの支柱を含む。特に、支持構造は、周方向に角度的に配分された複数の支柱を含む支持ケージとして設計される。これにより、ファンの安定した堅牢な支持体が得られる。
【0039】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、支持構造は、少なくとも1つのフィルタ要素の径方向支持体として機能する。有利なことに、コンパクトで安定した支持体がフィルタ要素表面に沿って設けられる。
【0040】
周囲空気清浄機の好ましい実施形態によれば、上部カバー壁は、流出口として機能する少なくとも1つの開口部を含み、好ましくは、開口部の直径は、ファンの直径に対応する。
【0041】
本発明の別の態様では、周囲空気を浄化するための、車両搭載可能な周囲空気清浄機におけるフィルタ要素の使用であって、フィルタ要素は、特にひだ状フィルタベローズとして設けられた、少なくとも1つの濾材本体を含み、フィルタ要素の少なくとも上側先端部には、上側先端部より大きな断面を有し、突出部が濾材本体の上側先端部を越えて突出した少なくとも第1の側方フレーム要素、特に平面状側方フレーム要素が設けられ、側方フレーム要素の突出部は、少なくとも上側先端部の外側でシール領域を提供するフィルタ要素の使用が提案される。
【0042】
有利なことに、バスの場合、微細粉塵排出を完全に補償するために10.000m3/hを超えるような非常に高い流量が必要であるが、この周囲空気清浄機により、フィルタ要素による車両の微細粉塵排出フットプリントの大幅な削減が可能となる。車両で使用できる電力は限られているため、完全補償を目標とするシステムでは電力効率が極めて重要である。このため、圧力損失が極めて低いフィルタシステムと大型ファンの使用が必要となる。どちらも、フィルタシステムの寸法を大きくすることで改善できる。しかし、屋上搭載システムでは、フィルタシステムのサイズと特にシステムの高さに制限がある。
【0043】
高流量システムを限られた電力で運転できるようにすることで、例えば、バスの微細粉塵排出フットプリントを完全に補償し、空気清浄機の電力消費によって航続距離を短縮することなく、周囲空気清浄機システムを電動化車両で実現することができる。
【0044】
本発明は、上記及びその他の目的及び利点とともに、以下の実施形態の詳細な説明から最もよく理解され得るが、これらの実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の一実施形態による周囲空気清浄機の斜視図である。
【
図2】
図1の空気清浄機の上面図であり、交差線A-A及びB-Bが示されている。
【
図3】
図1の周囲空気清浄機のフィルタ要素とファンの配置を示す分解斜視図である。
【
図4】
図1の周囲空気清浄機の部分切断図であり、交差面Cが示されている。
【
図5】
図4の交差面Cにおける
図1の周囲空気清浄機の切断図である。
【
図6】
図2の交差線A-Aに沿った
図1の周囲空気清浄機の切断図であり、詳細な交差部Y及びZが示されている。
【
図9】
図2の交差線B-Bに沿った
図1の周囲空気清浄機の切断図である。
【
図10】主フィルタ要素の2つのフィルタ要素セグメントの製造構成における上面図である。
【
図11】
図10の2つのフィルタ要素セグメントの取付構成における斜視図である。
【
図13】
図10の2つのフィルタ要素セグメントの取付構成における概略上面図であり、挟持線が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図面において、同様の要素には同じ参照番号が付されている。図面は単なる概略的表現であり、本発明の特定のパラメータを描写することを意図していない。また、図面は、本発明の典型的な実施形態のみを描写することを意図しており、本発明の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。
【0047】
図1は、本発明の一実施形態による周囲空気清浄機100の斜視図である。
図2は、交差線A-A及びB-Bを示す、空気清浄機100の上面図であり、
図3は、周囲空気清浄機100のフィルタ要素とファンの配置を示す分解斜視図である。
図4は、交差面Cを示す、空気清浄機100の部分切断図である。
【0048】
周囲空気清浄機100は、少なくともハウジングカバー104と取付ベース110とを含むハウジング102を備える。ハウジング102は、ハウジング102の対向する2つの側面のそれぞれに浄化される周囲空気のための流入口142を有し、ハウジングカバー部104に清浄化された空気のための少なくとも1つの流出口144を有する。流入口142は、取付ベース110に接続された2つの側壁116、118の間に配置されている。ハウジングカバー104は、プラスチック材料、特に射出成形可能又は真空成形可能なプラスチック材料を含むか、プラスチック材料からなる。
【0049】
ハウジング102内には、立設する回転軸152を有するファン150が配置される。少なくとも1つの流入口142は、ファン150の回転軸152に対して径方向に配置される。少なくとも1つの流出口144は、ファン150の回転軸152に対して軸方向に配置される。ファン150は、ハウジング102の取付ベース110から軸方向にずれて配置され、内部清浄空気空間160と流体連通する。
【0050】
ハウジングカバー部104は、取付ベース110から軸方向にずれて延在する上部カバー壁120を含み、本実施形態では、ファン150の回転軸152に対して平行に配置されている。上部カバー壁120は、流出口144として機能する開口部122を含む。本実施形態では、開口部122の直径は、ファン150の直径に対応している。
【0051】
ハウジング102は、各流入口142上に延びる平面グリル146を有する。流入口142は、ハウジング102の開口部148に設けられている。グリル146は、開口部148全体を覆って延びていてもよい。
【0052】
少なくとも1つのフィルタ要素10、30は、少なくとも部分的に、特に周方向に、ハウジング102の内部清浄空気空間160(
図4参照)を取り囲む。図示された実施形態は、2種類のフィルタ要素10、30を備える。ハウジング102の両側の流入口142に配置された2つのフィルタ要素セグメント32、34を含む前置フィルタ要素30と、ファン150を周方向に取り囲む複数のフィルタ要素セグメント15、17、19、21、23、25、27、29を含む主フィルタ要素10である。前置フィルタ要素30のフィルタ要素セグメント32、34は、ファン150の回転軸152を挟んで反対側に平行に配置されている。
【0053】
周方向に互いに隣接するフィルタ要素10の複数のフィルタ要素セグメント15、17、19、21、23、25、27、29は、ファン150の回転軸152の周りに多角形又は円形に配置されている。フィルタ要素10は全体として、内部清浄空気空間160の円周の270°以上、好ましくは330°以上の角度部分を覆っている。フィルタ要素10、30は、ファン150の回転軸152と実質的に同軸に配置されている。
【0054】
これにより、フィルタ要素10、30は内部清浄空気空間160の中心の周りに同心状に配置され、内部清浄空気空間160の中心はファン150の回転軸152によって規定される。
【0055】
フィルタ要素10、30は、ファン150の回転軸152と実質的に平行に延びる。フィルタ要素10、30は、特にひだ状フィルタベローズとして構成された、少なくとも1つの濾材本体50(
図5参照)を含む。
【0056】
両フィルタ要素10、30の濾材本体50のひだの長手方向延在部は、ファン150の回転軸152と平行に配置されている。
【0057】
図4に見られるように、ファン150は、取付ベース110に取り付けられた支持構造156によって保持される。好ましくは、支持構造156は、好ましくは取付ベース110の平面に対して垂直に延びる、複数の支柱157を含む。
【0058】
支持構造156は、周方向に角度的に配分された複数の支柱157を含む支持ケージとして設計される。支持構造156は、内部清浄空気空間160内に配置され、内部清浄空気空間160を径方向に区切る。ファン150は、支柱157によって支持される支持構造156の上側リング要素158に取り付けられる。例えば、ファン150の格子状カバー151は、上側リング158上に配置されてもよいし、別の構成でカバーに取り付けられてもよい。支柱157は、取付ベース110に取り付けられた支持構造156の下側リング要素159上に配置される。特に、支持構造156は、ファン150の回転軸152に関して一端が上側円形部によって連結され、ファン回転軸152に関して反対側の他端が下側円形部によって連結された、両側に2つの支柱セグメントを有する円柱セグメントから構成することができる。円柱セグメントの組み立て状態では、2つの支柱セグメントが支柱157の1つを構成する。
【0059】
支持構造156は、少なくとも1つのフィルタ要素10、30の径方向の支持体として機能する。フィルタ要素10、30は、支持構造156の半径に対応する曲率半径で湾曲する。
【0060】
図5は、
図4の交差面Cにおける周囲空気清浄機100の切断図であり、両フィルタ要素10、30の断面が示されている。
【0061】
図6は、
図2の交差線A-Aに沿った周囲空気清浄機100の前置フィルタ要素30を通る切断図であり、詳細な交差部Y及びZが示されている。
図7には、
図6の交差部Yの詳細が、
図8には、
図6の交差部Zの詳細が図示されている。
【0062】
図9は、
図2の交差線B-Bに沿った、周囲空気清浄機100の主フィルタ要素10を通る切断図である。
【0063】
切断図に見られるように、フィルタ要素10、30の上側先端部56に、第1の側方フレーム要素60、特に平面状側方フレーム要素が設けられている。
【0064】
フィルタ要素10、30のひだの長手方向延在部に対して垂直に走るプリーツパックの側方フレーム要素60は、通常、サイドバンドと呼ばれ、ひだの長手方向延在部に対して平行に走るプリーツパックの側方フレーム要素は、通常、ヘッドバンドと呼ばれる。図示された好ましい実施形態では、ひだの長手方向延在部は、鉛直軸152に沿って立設して延びるため、シール界面に関与する側方フレーム要素60は、好ましくはサイドバンドである。
【0065】
側方フレーム要素60は、上側先端部56よりも大きな断面を有し、突出部64が濾材本体50の上側先端部56を越えて突出している。側方フレーム要素60の突出部64は、フィルタ要素10、30とハウジング102との間に、上側先端部56の外側でシール領域を提供する。突出部64は、ハウジング102が閉状態にあるとき、挟持線78に沿って取付ベース110の支持構造106とハウジングカバー104の相手要素108との間に挟まれる。
【0066】
側方フレーム要素60は、主フィルタ要素10の幅54を越えて、また前置フィルタ要素30の幅55を越えて延在する。
【0067】
上側先端部56と反対側のフィルタ要素10、30の下側先端部58には、第2の側方フレーム要素61が設けられる。第2の側方フレーム要素61は、下側先端部58よりも大きな断面を有し、突出部65が濾材本体50の下側先端部58を越えて突出している。第2の側方フレーム要素61もサイドバンドとして設けられる。
【0068】
図4の切断図及び
図5~
図9の切断図に見られるように、ハウジングカバー104は、少なくとも1つのフィルタ要素10、30及び/又はフィルタ要素セグメント15、17、19、21、23、25、27、29の上側先端部56を側方フレーム要素60と共に収容するための軸方向に突出する溝構造121を有する。特に、溝構造121は、ハウジング102が閉じられたときに、側方フレーム要素60の突出部64を挟むための相手要素108を収容する。
【0069】
図10は、主フィルタ要素10の2つのフィルタ要素セグメント17、19の製造構成における上面図である。プリーツパックは、ひだ状濾材本体50によりストレートパックとして製造される。ひだ52の側面には、側方フレーム要素60としてのサイドバンドが配置される。フィルタ要素10の両端には、シールのために接続バンド72が配置される。接続バンド72は、濾材本体50の頭部側から可変の角度で突出している。このシールタブは、濾材本体50の縁部をシールするために使用される。2つのフィルタ要素セグメント17、19は、
図11に示すように、周囲空気清浄機100の取付ベース110に取り付けるために、2つのフィルタ要素セグメント17、19を折り曲げるための切断線70に沿って切断される。
【0070】
重複するサイドバンド60の別の有利な特徴は、スリットサイドバンド60を有するフィルタ要素10にも使用可能であることである。スリット76は、フィルタ要素10の隣接する2つの部分の間に形成され、例えばサイドバンド60の75%以上に及ぶ。サイドバンド60のスリット76により、フィルタ要素10の2つの隣接するセグメント17、19を角度をつけて取り付けることが可能になる。フィルタ要素10を曲げると、スリット先端の材料が圧縮されるため、材料が膨らみ、緩んだ領域が生じやすくなる。この場合、挟持線78は必ずしも直線である必要はなく、少なくとも部分的にスリットの輪郭に沿って、濾材本体50内に延びることもできる。これにより、スリット76に沿った潜在的な漏出経路が閉じられるとともに、先端部周辺の領域も安定化され、変形が制限される。濾材本体50内に達するとき、挟持線78の輪郭は必ずしも直線ではない。このように、スリット76内の挟持輪郭の下側を有利にハウジング102内の強固な鉛直梁部と組み合わせ、密閉性を生じさせると同時に、より単純な形状の角柱要素に対する障害物を生じさせることができる。
【0071】
図11は、
図10の2つのフィルタ要素セグメントの取付構成における斜視図である。2つのフィルタ要素セグメント17、19は、取付ベース110の取付形状に従って曲げられるように、ほぼ切断されている。2つのフィルタ要素セグメント17、19の間の中間ひだ52は、フィルタ要素セグメント17、19を互いに反対側に曲げるために広げられている。フィルタ要素セグメント17、19は、ひだ52に加えて、少なくとも取付ベース110と実質的に平行に延びる第1及び/又は第2の側方フレーム要素60、61によって連結されている。
【0072】
図12は、
図10のフィルタ要素セグメント17の切断図である。上側先端部56上の突出部64と下側先端部58上の突出部65がはっきりと見えるように示されている。
【0073】
図13は、取付構成における
図10の2つのフィルタ要素セグメント17、19の概略上面図であり、側方フレーム要素60が取付ベース110の支持構造106とハウジングカバー104の相手要素108との間に挟み込まれる挟持線78が示されている。2つのフィルタ要素セグメント17、19の挟持線78は、一方のフィルタ要素セグメント17から他方のフィルタ要素セグメント19を跨ぐひだ52によって接続されるフィルタ要素セグメント17、19間のスリット76の接続点で合流する。第1の側方フレーム要素60の突出部64は、フィルタ要素セグメント17、19の周方向の挟持線78に沿って挟持される。
【0074】
図14は前置フィルタ要素30の上面図であり、
図15はフィルタ要素30の切断図である。前置フィルタ要素30は、両先端部56、58が側方フレーム要素60、61で覆われた直線形のひだ状濾材本体50を備える。
図15では、上側先端部56上の突出部64と下側先端部58上の突出部65が示されている。
【符号の説明】
【0075】
10 フィルタ要素
12 要素部分
14 要素部分
15 セグメント
17 セグメント
19 セグメント
21 セグメント
23 セグメント
25 セグメント
27 セグメント
29 セグメント
30 フィルタ要素
32 要素部分
34 要素部分
50 濾材本体
54 幅
55 幅
56 上側先端部
58 下側先端部
60 第1の側方フレーム要素
61 第2の側方フレーム要素
64 突起部
65 突起部
70 切断線
72 接続バンド
76 スリット
78 挟持線
100 周囲空気清浄機
102 ハウジング
104 ハウジングカバー
106 支持構造
108 相手要素
110 取付ベース
114 ハウジング構造
116 側壁
118 側壁
120 上部カバー壁
121 溝構造
122 開口部
142 流入口
144 流出口
146 グリル
148 開口部
150 ファン
151 格子状カバー
152 回転軸
156 支持構造
157 支柱
158 リング
159 リング
160 清浄空気空間
【国際調査報告】