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特表2025-504114チュアブル担体要素を備えた経口ニコチン製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】チュアブル担体要素を備えた経口ニコチン製品
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
A24B13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024546096
(86)(22)【出願日】2023-02-07
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2023052962
(87)【国際公開番号】W WO2023152119
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】22155850.5
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】シュトゥッカー ジェニファー
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB10
4B043BB22
4B043BB28
(57)【要約】
チュアブル経口ニコチン製品(10)(20)(30)(40)(50)(60)(70)は、木材、または木材繊維を含むファイバーボードの少なくとも一部分で形成されるチュアブル木製担体要素(3)と、木製担体要素上に支持された基体層(2)(5)であって、ニコチンを含む基体層(2)(5)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チュアブル経口ニコチン製品であって、
木材、または木材繊維を含むファイバーボードの少なくとも一部分で形成されるチュアブル木製担体要素と、
前記木製担体要素上に支持された基体層であって、前記基体層が、ニコチンを含む、基体層と、を備える、チュアブル経口ニコチン製品。
【請求項2】
前記基体層が、一つ以上のガム結合剤をさらに含む、請求項1に記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項3】
前記基体層が、前記木製担体要素の前記外表面の少なくとも一部分上に配置される、請求項1または2に記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項4】
前記基体層が、前記経口ニコチン製品の外層を形成する、請求項3に記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項5】
前記基体層が、被覆化合物をさらに含む、請求項4に記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項6】
前記木製担体要素が、複数の溝を含む溝付き表面を含み、前記基体層が、前記基体層が前記複数の溝内に延びるように、前記溝付き表面上に配置される、請求項1~5のいずれかに記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項7】
前記経口ニコチン製品が、前記木製担体要素の対向する部分の間に提供された前記基体層を有する層状構造を備える、請求項1~5のいずれかに記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項8】
前記木製担体要素が、一つ以上の内部チャネルを含み、前記基体層が、前記一つ以上の内部チャネル内に提供される、請求項1~5のいずれかに記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項9】
前記基体層が、少なくとも約1ミリメートルの厚さを有する、請求項1~8のいずれかに記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項10】
前記木製担体要素および前記基体層を封入する外部被覆層をさらに備える、請求項1~3、または6~9のいずれかに記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項11】
前記外部被覆層が、少なくとも一つの糖または糖アルコールを含む、請求項10に記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項12】
前記木製担体要素が、一つ以上の添加剤で含浸されている、請求項1~11のいずれかに記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項13】
前記木製担体要素が、キシリトールで含浸されている、請求項12に記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項14】
前記木製担体要素が、Salvadora Persicaに由来する木材繊維を含むファイバーボードである、請求項1~13のいずれかに記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【請求項15】
前記木製担体要素が、Salvadora Persicaに由来する一つ以上の活性化合物で含浸されている、請求項1~14のいずれかに記載のチュアブル経口ニコチン製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チュアブル木製担体要素を備えるチュアブル経口ニコチン製品、およびこうした経口ニコチン製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スヌースおよび嗅ぎたばこなどの無煙経口たばこ製品は、当該技術分野で周知であり、また長年にわたり、従来の喫煙製品に対する経口代替品を提供してきた。より最近では、典型的にたばこを含まないニコチンの供与源を提供する、新しいクラスの「現代風の」経口ニコチン製品が出現している。経口ニコチン製品は、ニコチン供与源の加熱を通してエアロゾル化されたニコチンを送達するeシガレットおよびエアロゾル発生装置に対して代替的なニコチンの供与源を提供する。最も一般的なタイプの経口ニコチン製品のうちの一つは、たばこを含まないニコチンパウチであり、これは、小さいシールされたパウチの内側にニコチン粉末組成物を提供する。使用中に、ニコチンパウチは、ニコチンを、口腔粘膜組織を通して体の中に送達することができるように、消費者の唇と歯茎との間に定置される。欧州特許第A-1617823号は、イオン性炭水化物にイオン結合したニコチンなどの生物活性薬剤を含む組成物材料を含有する経口パウチ製品を開示する。パウチは、消費者の口内でニコチンの急速な経粘膜的送達を提供するように適合される。
【0003】
トローチ剤、チュアブル錠剤、およびチューインガムの形態の経口ニコチン製品も知られている。例えば、国際公開第A-2017/182084号は、ニコチンを装填したカチオン交換樹脂粒子を含む経口投与剤形を開示しており、経口投与剤形は、チューインガム、錠剤、またはトローチ剤であってもよい。
【0004】
ニコチンを効果的に送達するが、新規な消費者体験を提供する、ある形態の経口ニコチン製品を提供することが望ましい。消費者の口腔保健および口腔衛生の改善、特に消費者の歯科保健の改善に寄与し得る、こうした形態の経口ニコチン製品を提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、チュアブル経口ニコチン製品に関する。経口ニコチン製品は、チュアブル木製担体要素を備え得る。チュアブル木製担体要素は、木材、または木材繊維を含むファイバーボードの少なくとも一部分で形成されてもよい。経口ニコチン製品は、木製担体要素上に基体層支持体をさらに備えてもよい。基体層は、ニコチンを含み得る。
【0006】
本発明によると、木材、または木材繊維を含むファイバーボードの少なくとも一部分で形成されたチュアブル木製担体要素と、木製担体要素上に支持された基体層であって、ニコチンを含む基体層と、を含むチュアブル経口ニコチン製品が提供されている。
【0007】
本明細書では、「チュアブル」という用語は、溶解または破壊することなく消費者の口内で噛むことができる製品または要素を指すために使用される。「チュアブル木製担体要素」は、固体製品を提供し、基体層を支持するのに十分に剛直であるが、消費者の口内で噛まれると唾液と接触して柔軟性が出るかまたは噛み応えが出る、経口ニコチン製品の構造要素である。木製担体要素を噛むのに伴い、ニコチンを含む基体層が消費者の口の中に放出される。
【0008】
木製担体要素は、木材の一つ以上の部分を使用して形成され得る繊維質要素である。「木材」という用語は、本明細書では、木の幹や枝から直接得られた材料を指すために使用される。本発明の目的のために、この用語は、木材材料に由来する材料を除外する。
【0009】
別の方法として、木製担体要素は、木材繊維を含む、ファイバーボードの一つ以上の部分を使用して形成されてもよい。「ファイバーボード」という用語は、接着剤または樹脂と一緒に圧縮されて剛直な板を形成する、木材繊維から形成される、あるタイプの加工された木材材料を指す。木材繊維は、木材材料から直接得られ、リグニン、セルロース、およびヘミセルロースを含有する。本発明の目的のために、「木材繊維」という用語は、何らかの形態の化学的処理または分解を通した木材に由来するセルロース繊維を網羅することを意図していない。
【0010】
本発明の経口ニコチン製品の木製担体要素は、天然かつ不活性である、基体層を消費者に送達する便利かつ単純な手段を提供する。木製担体要素はさらに、新規なテクスチャを提供し、消費者が、経口ニコチン製品を唇と歯茎との間に単に挿入および保持するのではなく、ニコチンを放出するために、経口ニコチン製品を噛むことを可能にする。したがって、経口ニコチン製品は、消費者に独特の体験を提供する。これは、依然として消費者へのニコチンの急速な送達を提供しながら達成することができる。
【0011】
加えて、木製担体要素の繊維質の性質は、それを噛むことにより、消費者に対して、口腔保健に関する利点を提供することができることを意味する。特に、木製担体要素を噛むことにより、改善された口腔保健および口腔衛生を提供することができ、木製担体は、噛む間に歯を効果的に研磨クリーニングすることができる。使用される木材繊維のタイプは、特に、木製担体要素を噛む利点をさらに強化するために選択することができる。例えば、以下で論じるように、Salvadora Persicaなどの特定のタイプの木材および木材繊維は、その歯科上の利点について知られている。
【0012】
本発明の経口ニコチン製品は、その上に一つ以上の基体層が配置される木製担体要素を備える。基体層はニコチンを含み、望ましい一貫性を提供するために、一つ以上の追加的な構成要素と組み合わされることが好ましい。
【0013】
ニコチンは、任意の好適な形態で提供されてもよい。基体層は、一つ以上のニコチン塩を含むことが好ましい。例えば、基体層は、ニコチン乳酸塩、ニコチンクエン酸塩、ニコチンピルビン酸塩、ニコチン一酒石酸塩、ニコチン重酒石酸塩、ニコチン重酒石酸塩二水和物、ニコチン安息香酸塩、ニコチンペクチン酸塩、ニコチンアルギン酸塩、ニコチン硫酸塩、ニコチン塩酸塩、およびニコチンサリチル酸塩から成るリストから選択される一つ以上のニコチン塩を含んでもよい。基体層は、ニコチン乳酸塩またはニコチン安息香酸塩を含むことが好ましい。
【0014】
別の方法として、基体層は、液体ニコチン、ニコチンゲル、安定化させたニコチン、またはニコチン塩基を含んでもよい。
【0015】
好ましくは、基体層は、乾燥重量基準で少なくとも約0.5重量パーセントのニコチン、より好ましくは少なくとも約1重量パーセントのニコチン、より好ましくは少なくとも約1.5重量パーセントのニコチンを含む。
【0016】
好ましくは、基体層は、乾燥重量基準で約10重量パーセント以下のニコチン、より好ましくは約8重量パーセント以下のニコチン、より好ましくは約6重量パーセント以下のニコチンを含む。例えば、基体層は、乾燥重量基準で約0.5重量パーセント~約10重量パーセント、または約1重量パーセント~約8重量パーセント、または約1.5重量パーセント~約6重量パーセントのニコチンを含んでもよい。
【0017】
各個々の経口ニコチン製品は、約0.4mg~約1.5mgのニコチン、より好ましくは、約0.6mg~約1mgのニコチンを含有することが好ましい。製品中のニコチンの量は、望ましい強度に依存して変化させることができる。
【0018】
基体層は、0重量パーセントのたばこを含むことが好ましい。基体層は、たばこを含まないことが好ましい。チュアブル経口ニコチン製品は、0重量パーセントのたばこを含むことが好ましい。チュアブル経口ニコチン製品は、たばこを含まないことが好ましい。
【0019】
噛むのに伴い、ニコチンが経口ニコチン製品から消費者の口の中へと約10分~約30分で送達されることが好ましく、約12分~約20分で送達されることがより好ましい。したがって、消費者が経口ニコチン製品を噛み続ける間、30分以下の期間にわたってニコチンの送達が持続される。
【0020】
基体層は、一つ以上のガム結合剤をさらに含むことが好ましい。一つ以上のガム結合剤は、水溶性であることが好ましい。本発明の経口ニコチン製品の基体層にガム結合剤を含めることは、有利なことに、経口ニコチン製品の噛み応えを最適化するために、改善されたレベルの弾性およびテクスチャを提供し得る。
【0021】
適切なガム結合剤は当業者に知られていることになり、またアラビアガム、キサンタンガム、ジェランガム、およびそれらの組み合わせなどの天然ガムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
基体層は、ニコチンを添加することができる従来のガムベースまたはチューインガム製剤を含み得る。好適なガムベースまたはチューインガム製剤は、当業者に公知であり得る。
【0023】
基体層は、一つ以上の生体適合性粒子状ポリマーで形成されたガムベースを含んでもよい。生体適合性粒子状ポリマーは、例えば、藻類、トウモロコシ、または野菜から得ることができる。例えば、ガムベースは、乾燥重量基準で約0.25重量パーセント~約18重量パーセントの一つ以上の生体適合性粒子状ポリマー、または約0.3重量パーセント~約11重量パーセントの一つ以上の生体適合性ポリマーを含んでもよい。
【0024】
本発明の特定の実施形態では、以下でより詳細に説明するように、基体層は、経口ニコチン製品の外層を形成する。従って、基体層は効果的に木製担体要素を被覆する。こうした実施形態では、基体層は、被覆化合物をさらに含むことが好ましい。好適な被覆化合物は、当業者に公知であり、随意の外部被覆層に関して以下に記載される。
【0025】
基体層は、風味剤、甘味料、着色剤、またはそれらの組み合わせなどの一つ以上の添加剤を追加的に含んでもよい。
【0026】
基体層に含まれる任意の粒子状材料は、約200ミクロン~約1200ミクロンの粒子サイズを有することが好ましく、約500ミクロン~約900ミクロンの粒子サイズを有することがより好ましい。これにより、粒子が基体層のテクスチャに悪影響を及ぼさないことが確保される。
【0027】
基体層は、少なくとも約1ミリメートル、より好ましくは少なくとも約1.5ミリメートル、より好ましくは少なくとも約2ミリメートル、より好ましくは少なくとも約2.5ミリメートルの平均厚さを有することが好ましい。基体層は、最大3.5ミリメートルの平均厚さを有してもよい。
【0028】
本発明の経口ニコチン製品は、乾燥重量基準で少なくとも約35重量パーセントの基体層、より好ましくは少なくとも45重量パーセントの基体層を含むことが好ましい。経口ニコチン製品は、乾燥重量基準で最大約50重量パーセントの基体層、より好ましくは最大約55重量パーセントの基体層を含み得る。
【0029】
上記で定義されるように、本発明による経口ニコチン製品の木製担体要素は、木材または木材繊維で作製されたファイバーボードの一つ以上の部分で形成される。一部の好ましい実施形態では、木製担体要素は、木材またはファイバーボードの単一の部分で形成される。他の好ましい実施形態では、木製担体要素は、例えば、基体層を有する層状構造が提供される場合、木材またはファイバーボードの二つ以上の部分で形成される。
【0030】
木製担体要素は、任意の適切な木または植物からの木材または木材繊維から形成されてもよい。好適な木および植物には、Salvadora Persica、Catharanthus roseus(ニチニチソウ)、Glycyrrhiza glabra(甘草)、Calatola Costaricensis、Rhododendron tomentosum、Olea Europeaが含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
特に好ましい実施形態では、木製担体要素は、「歯ブラシの木」としても知られるSalvadora Persicaに由来する木材または木材繊維で形成される。Salvadora Persicaは、中東、アフリカ、インド原産の柔らかくて白っぽい黄色の木材を有する小さな常緑の低木または木である。世界の特定の地域では、Salvadora Persicaからのスティックは、口腔衛生のためのチューイングスティックとして一般的に使用される。
【0032】
本発明の経口ニコチン製品の木製担体要素を形成するためのSalvadora Persicaの木材または木材繊維の使用は、この材料によって提供される公知の口腔保健上の利点のために特に有利である。Salvadora Persicaは、歯科衛生および歯科保健を促進することが示されている多くの活性成分を含有する。これらには、抗菌効果を有するアルカロイド、カルシウム、塩化物、フッ化物、硫黄、ビタミンC、エナメル上に齲蝕の可能性を低減するための保護層を形成する樹脂、歯からステインを除去することができる天然研磨剤であるシリカ、タンニン、精油が含まれる。全体的に、Salvadora Persicaは、虫歯対策に効果的であり、歯石および歯垢に対する保護を提供し、口臭を除去し、歯茎保護を提供することが広く認識されている。
【0033】
したがって、本発明の経口ニコチン製品にSalvadora Persicaを含む木製担体要素を使用することによって、消費者に、様々な口腔保健および口腔衛生上の利点と組み合わせたニコチンの効果的な送達を提供することが可能である。
【0034】
本発明の経口ニコチン製品の木製担体要素を形成するためのSalvadora Persicaの木材または木材繊維の使用の代替として、またはそれに加えて、木製担体要素は、Salvadora Persicaに由来する一つ以上の活性化合物で含浸されてもよい。Salvadora Persicからのこのような活性化合物はまた、望ましい場合、基体層に組み込まれてもよい。
【0035】
別の方法として、または追加的に、木製担体要素は、一つ以上の添加剤、例えば、消費者に歯科上の利点を提供する好適な添加剤で含浸されてもよい。例えば、本発明の特定の好ましい実施形態では、木製担体要素は、キシリトール、天然カルシウム、リン酸塩ミネラル、フッ化物、ココナッツオイルモノラウリン、またはそれらの組み合わせで含浸される。これらの添加剤は、歯垢の蓄積および虫歯の低減に寄与し得、抗生物質特性を提供し得る。
【0036】
木製担体要素は、好ましくは少なくとも約2ミリメートル、より好ましくは少なくとも約2.5ミリメートル、より好ましくは少なくとも約3ミリメートルの平均厚さを有する。木製担体要素の厚さは、最大約4ミリメートル、または最大約6ミリメートルであってもよい。
【0037】
本発明の経口ニコチン製品は、乾燥重量基準で少なくとも約35重量パーセントの木製担体要素を含むことが好ましく、少なくとも40重量パーセントの木製担体要素を含むことがより好ましい。経口ニコチン製品は、乾燥重量基準で最大約55重量パーセントの木製担体要素を含んでもよく、最大約45重量パーセントの木製担体要素を含むことがより好ましい。
【0038】
本発明による経口ニコチン製品では、基体層は、木製担体要素上に支持または担持される。経口ニコチン製品は、基体層および木製担体要素が異なる方法で組み合わせられたいくつかの異なる形態を取ってもよい。
【0039】
本発明の一部の好ましい実施形態では、基体層は、木製担体要素の外表面の少なくとも一部分の上に配置される。したがって、こうした実施形態では、木製担体要素は、経口ニコチン製品のコア部分を提供し、基体層は外表面の一部またはすべての上に提供される。
【0040】
こうした実施形態では、基体層は、木製担体要素の外表面全体にわたって提供されてもよい。この場合、基体層は、木製担体要素を包み、木製担体要素の周りに層全体を形成する。基体層は、基体層上に追加的な層が提供されないように、経口ニコチン製品の外層を形成してもよい。別の方法として、経口ニコチン製品は、基体層に外部被覆層をさらに備えてもよく、これは木製担体要素および基体層の両方を封入する。外部被覆層については、以下でより詳細に説明される。
【0041】
基体層が経口ニコチン製品の外層を提供する場合、基体層は、一つ以上の被覆化合物をさらに含んでもよい。基体層内に一つ以上の被覆化合物を提供することは、有利なことに、基体層のテクスチャ特性、または経口ニコチン製品の外部上のその外観を改善し得る。基体層に含めるための好適な被覆化合物は、当業者に公知であるが、糖および糖アルコールを含む。
【0042】
別の方法として、基体層は、木製担体要素が経口ニコチン製品の表面の一部上に露出されるように、木製担体要素の外表面の一部上にのみ提供されてもよい。この配設は、経口ニコチン製品に特徴的な外観を提供するために使用され得る。
【0043】
木製担体は、随意に、その外表面上に複数の溝を含む溝付き表面を含んでもよく、基体層は、基体層が複数の溝内に延びるように、溝付き表面上に配置される。基体層は、木製担体要素が溝の間の領域に露出したままとなるように、溝内のみに配置されてもよい。別の方法として、基体層は、木製担体要素の溝付き表面全体を覆ってもよい。
【0044】
溝付き表面は、有利なことに、木製担体要素と基体層との間の接触表面積を増大させ、それによって、経口ニコチン製品の二つの構成要素間の接着を改善し得る。さらに、溝内に配置される基体層の一部分が、より長く木製担体要素内に配置され、それによってより長時間持続する消費者体験を提供することができることが見出された。
【0045】
本発明の代替的な好ましい実施形態では、経口ニコチン製品は、木製担体要素の対向する部分の間に提供される基体層を有する層状構造を備える。したがって、こうした実施形態では、経口ニコチン製品は、基体層が木製担体要素の上層と下層との間に挟まれる、サンドイッチタイプの構造を提供する。この配設を有する経口ニコチン製品は随意に、外部被覆層をさらに備えてもよい。別の方法として、木製担体要素の上層および下層の外表面は、経口ニコチン製品の外表面を提供してもよい。
【0046】
本発明のさらに好ましい実施形態では、経口ニコチン製品の木製担体要素は、一つ以上の内部チャネルを含み、基体層は一つ以上の内部チャネル内に提供される。好ましくは、木製担体要素は、その中に基体層が提供される単一の中央チャネルを含む。この配設では、基体層は、経口ニコチン製品のコア領域を形成し、その周りに木製担体要素が提供される。好ましくは、木製担体要素は、基体層の周り全体に延びる。この配設を有する経口ニコチン製品は随意に、外部被覆層をさらに備えてもよい。別の方法として、木製担体要素の外表面は、経口ニコチン製品の外表面を提供してもよい。
【0047】
上述のように、本発明の実施形態のいくつかでは、経口ニコチン製品は、木製担体要素および基体層を覆い、かつ封入した外部被覆層を備え得る。木製担体要素および基体層の配設に応じて、外部被覆層は、基体層の上に、または木製担体要素の外表面の上に、またはその両方に提供されてもよい。
【0048】
外部被覆層は、下にある基体層および木製担体要素に対する保護を提供するためにバリア層として使用されてもよい。例えば、外部被覆層は、下にある構成要素を環境湿度またはガスから保護し得る。また、経口ニコチン製品からの活性化合物の損失のリスクを最小化し得る。外部被覆層は追加的に、経口ニコチン製品の外部に望ましいテクスチャを提供するために使用されてもよい。例えば、外部被覆層は、消費者が経口ニコチン製品をより便利に取り扱うことができるように、硬く滑らかで非粘着性の表面を提供し得る。非粘着性の表面の提供はまた、経口ニコチン製品の取り扱いおよび保管を改善し得る。
【0049】
外部被覆層は典型的に、経口ニコチン製品を噛むのに伴い消費者に特有の体験が提供されるように、比較的脆くかつ亀裂性である。
【0050】
外部被覆層を形成するための好適な食用被覆化合物は、チューインガム製品で使用される被覆化合物など、当業者には公知であり得る。外部被覆層は、例えば、一つ以上の糖、糖アルコール(キシリトール、ソルビトール、もしくはマンニトールなど)、ガム(アラビアガムなど)、またはそれらの組み合わせを含み得る。外部被覆層は、風味剤、甘味料、着色剤、またはこれらの組み合わせなどの一つ以上の添加剤を追加的に含んでもよい。
【0051】
好ましくは、外部被覆層は、最大約1ミリメートル、より好ましくは最大約0.5ミリメートル、より好ましくは最大約0.3ミリメートルの厚さを有する。
【0052】
外部被覆層は典型的に、公知の被覆技法を使用して、コーティングシロップの形態で組み合わされた木製担体要素および基体層に塗布される。次いで、コーティングシロップを硬化させるために乾燥させる。
【0053】
本発明の経口ニコチン製品は、任意の好適な形状で形成されてもよい。経口ニコチン製品は、丸みのある錠剤、または平坦な長方形もしくはトローチ形状の形態であることが好ましい。
【0054】
経口ニコチン製品の寸法は、経口ニコチン製品を消費者の口の中に入れるのに好適であるように適合されていることが好ましい。
【0055】
経口ニコチン製品は、少なくとも約15ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約20ミリメートルの長さを有することがより好ましく、長さは、経口ニコチン製品の最長寸法に対応する。経口ニコチン製品は、最大約35ミリメートルの長さを有することが好ましく、最大約30ミリメートルの長さを有することがより好ましい。したがって、経口ニコチン製品の長さは、約15ミリメートル~約35ミリメートル、または約20ミリメートル~約30ミリメートルであってもよい。
【0056】
好ましくは、経口ニコチン製品は、少なくとも約8ミリメートル、より好ましくは少なくとも約10ミリメートルの幅を有する。経口ニコチン製品は、最大約20ミリメートルの幅を有することが好ましく、最大約15ミリメートルの幅を有することがより好ましい。したがって、経口ニコチン製品の幅は、約8ミリメートル~約20ミリメートル、または約10ミリメートル~約15ミリメートルであってもよい。
【0057】
好ましくは、経口ニコチン製品は、少なくとも約4ミリメートル、より好ましくは少なくとも約5ミリメートルの厚さを有する。経口ニコチン製品は、最大約10ミリメートルの厚さを有することが好ましく、最大約8ミリメートルの厚さを有することがより好ましい。したがって、経口ニコチン製品の厚さは、約4ミリメートル~約10ミリメートル、または約5ミリメートル~約8ミリメートルであってもよい。
【0058】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例
【0059】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0060】
実施例1.
木材、または木材繊維を含むファイバーボードの少なくとも一部分で形成されるチュアブル木製担体要素と、木製担体要素上に支持された基体層であって、ニコチンを含む基体層と、を備える、チュアブル経口ニコチン製品。
実施例2.
基体層が、一つ以上のニコチン塩を含む、実施例1によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例3.
基体層が、乳酸ニコチンまたは安息香酸ニコチンを含む、実施例2によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例4.
基体層が、乾燥重量基準で少なくとも約0.5重量パーセントのニコチンを含む、実施例1~3のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例5.
噛むのに伴い、ニコチンが経口ニコチン製品から消費者の口の中へと約10分~約30分で送達される、実施例1~4のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例6.
基体層が、一つ以上のガム結合剤をさらに含む、実施例1~5のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例7.
一つ以上のガム結合剤が、水溶性である、実施例6によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例8.
基体層が、一つ以上の添加剤をさらに含む、実施例1~7のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例9.
基体層が、少なくとも約1ミリメートルの平均厚さを有する、実施例1~8のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例10.
経口ニコチン製品が、乾燥重量基準で少なくとも約35重量パーセントの基体層を備える、実施例1~9のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例11.
木製担体要素が、木材またはファイバーボードの単一の部分で形成される、実施例1~10のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例12.
木製担体要素が、Salvadora Persicaに由来する木材繊維から形成される、実施例1~11のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例13.
木製担体要素が、一つ以上の添加剤で含浸されている、実施例1~12のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例14.
木製担体要素が、キシリトールで含浸されている、実施例13によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例15.
木製担体要素が、Salvadora Persicaに由来する一つ以上の活性化合物で合浸されている、実施例13によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例16.
木製担体要素が、少なくとも約2ミリメートルの平均厚さを有する、実施例1~15のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例17.
経口ニコチン製品が、少なくとも約35重量パーセントの木製担体要素を備える、実施例1~16のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例18.
基体層が、木製担体要素の外表面の少なくとも一部分上に配置される、実施例1~17のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例19.
基体層が、木製担体要素の外表面全体に提供される、実施例18によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例20.
基体層上に外部被覆層をさらに備える、実施例18または19によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例21.
基体層が、被覆化合物をさらに含む、実施例18または19によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例22.
被覆化合物が、少なくとも一つの糖または糖アルコールを含む、実施例21によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例23.
木製担体層が、複数の溝を含む溝付き表面を含み、基体層が、基体層が複数の溝内に延びるように、溝付き表面上に配置される、実施例1~22のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例24.
経口ニコチン製品が、木製担体要素の対向する部分の間に提供された基体層を有する層状構造を備える、実施例1~17のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例25.
経口ニコチン製品が、外部被覆層をさらに備える、実施例24によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例26.
木製担体要素が、一つ以上の内部チャネルを含み、基体層が、一つ以上の内部チャネル内に提供される、実施例1~17のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例27.
木製担体要素が、その中に基体層が提供される単一の中央チャネルを含む、実施例26によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例28.
経口ニコチン製品が、外部被覆層をさらに備える、実施例27によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例29.
木製担体要素および基体層を封入する外部被覆層をさらに備える、実施例1~28のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例30.
外部被覆層が、少なくとも一つの糖または糖アルコールを含む、実施例29によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例31.
外部被覆層が、最大約1ミリメートルの厚さを有する、実施例29または30によるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例32.
経口ニコチン製品が、少なくとも約15ミリメートルの長さを有する、実施例1~31のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例33.
経口ニコチン製品が、少なくとも約8ミリメートルの長さを有する、実施例1~32のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例34.
経口ニコチン製品が、少なくとも約4ミリメートルの厚さを有する、実施例1~33のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
実施例35.
経口ニコチン製品が、トローチ形状である、実施例1~34のいずれかによるチュアブル経口ニコチン製品。
【0061】
具体的な実施形態を以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は、本発明の第一の実施形態による経口ニコチン製品の概略図を示す。
図2図2は、本発明の第二の実施形態による経口ニコチン製品の概略図を示す。
図3図3は、本発明の第三の実施形態による経口ニコチン製品の概略断面図を示す。
図4図4は、本発明の第四の実施形態による経口ニコチン製品の概略図を示す。
図5図5は、本発明の第五の実施形態による経口ニコチン製品の概略断面図を示す。
図6図6は、本発明の第六の実施形態による経口ニコチン製品の概略断面図を示す。
図7図7は、本発明の第七の実施形態による経口ニコチン製品の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1~6に示す経口ニコチン製品の各々は、基体層2および木製担体要素3を備える。図1、2、4、および6に示す実施形態では、外部被覆層1も提供されている。経口ニコチン製品は、およそスタジアム形状の断面を有するトローチの形態であり、丸みのある端を提供する。経口ニコチン製品は各々、20ミリメートルの長さ、10ミリメートルの幅、および5ミリメートルの厚さを有する。
【0064】
図1~6に示すすべての経口ニコチン製品において、木製担体要素3は、Salvatora Persicaに由来する木材繊維を含むファイバーボード材料で形成されてもよい。基体層2は、ガムベースと組み合わせてニコチンを含む。被覆層1は、一つ以上の糖アルコールを含む。したがって、図1~6に示す実施形態は、基体層2、木製担体要素3、および外部被覆層1(存在する場合)が互いに対して配設される方法においてのみ異なる。
【0065】
図1に示す経口ニコチン製品10では、木製担体要素3は製品の中心にあり、コア領域を形成する。基体層2は、木製担体要素3の外表面全体にわたって提供される。外部被覆層1は、基体層2の上に提供され、基体層2および木製担体要素3を完全に封入する。
【0066】
図2は、類似の全体的な構造を有するが、木製担体層3の外表面が、その中に基体層2が配置される一連の溝4を含む、経口ニコチン製品20を示す。基体層2は溝4を充填し、木製担体要素3の外表面全体を覆う。図1に示す実施形態におけるように、外部被覆層1は、基体層2および木製担体要素を完全に封入する。
【0067】
図3に示す経口ニコチン製品30は、木製担体要素3の二つの層の間に挟まれた中央基体層2を含む層状配設を有する。木製担体要素3は、二つの別個の層、上部層3aおよび下部層3bからなり、基体層2はそれらの間に挟まれている。木製担体要素3の外表面は、露出して、経口ニコチン製品30の外表面を提供する。
【0068】
図4に示す経口ニコチン製品40は、図3の経口ニコチン製品30と類似した、木製担体要素3および基体層2の層状配設を有する。しかしながら、経口ニコチン製品40は、基体層2および木製担体要素3の層を封入する外部被覆層1をさらに備える。
【0069】
図5に示す経口ニコチン製品50では、基体層2は製品の中心にあり、コア領域を形成する。基体層が効果的に木製担体要素3の内側のチャネル内に収容されるように、基体層2の周り全体に、木製担体要素3が延びる。木製担体要素3の外表面は、経口ニコチン製品50の外表面を提供する。
【0070】
図6に示す経口ニコチン製品60は、図5に示す経口ニコチン製品50と類似した、木製担体要素3および基体層2の配設を有する。しかしながら、経口ニコチン製品60は、木製担体要素3および基体層2を封入する外部被覆層1をさらに備える。
【0071】
図7に示す経口ニコチン製品70は、図1~6に示す実施形態に関連して上述した通りの木製担体要素3を備える。木製担体要素は、図2の実施形態のものと同様の溝付き外表面を有する。しかしながら、経口ニコチン製品70は、図1~6に示す製品の基体層2とは異なる組成を有する基体層5を備える。基体層5は、ニコチンおよびガムベースを含むが、さらに少なくとも一つの被覆化合物を含む。基体層5の外表面は、経口ニコチン製品70の外層を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】