(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システムのためのカートリッジおよび液体送達が改善されたエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20250130BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20250130BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20250130BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20250130BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20250130BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/44
A24F40/46
A24F40/465
A24F40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546126
(86)(22)【出願日】2023-02-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2023053234
(87)【国際公開番号】W WO2023152244
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ダイオグル オヌール
(72)【発明者】
【氏名】エウセピ イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】マデーラ ジョヴァンニ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC12
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC27
(57)【要約】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジ(100)は、液体エアロゾル形成基体の貯蔵部を封入するハウジング(105)と、接触面を有する発熱体(120)と、発熱体(120)の接触面と接触して、かつ貯蔵部内の液体エアロゾル形成基体と連通して位置付けられる圧縮可能なウィッキング要素(136)とを備える。カートリッジ(100)は、プレス要素(141、142)を備え、ウィッキング要素(136)は、プレス要素(141、142)と発熱体(120)との間に位置付けられる。プレス要素(141、142)は、ウィッキング要素(136)をプレスして、ウィッキング要素(136)が発熱体(120)の接触面と接触するように付勢する。これは、発熱体(120)にわたるより一貫した液体送達、およびより一貫したエアロゾルの発生をもたらし得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、前記カートリッジが、
液体エアロゾル形成基体の貯蔵部を封入するハウジングと、
接触面を有する発熱体と、
前記発熱体の前記接触面と接触して、かつ前記貯蔵部内の前記液体エアロゾル形成基体と連通して位置付けられる圧縮可能なウィッキング要素と、
プレス要素であって、前記ウィッキング要素が、前記プレス要素と前記発熱体との間に位置付けられ、前記プレス要素が前記ウィッキング要素をプレスして、前記ウィッキング要素を前記発熱体の前記接触面と接触するように付勢する、プレス要素と、を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記ウィッキング要素が、前記発熱体の前記接触面と接触する前面と、前記プレス要素と接触する後面とを有し、前記プレス要素が、前記後面の周辺から内向きに離間した中央領域の前記後面に接触する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記プレス要素が、前記ウィッキング要素が前記後面の前記周辺におけるよりも前記中央領域においてより大きな程度に圧縮されるように提供される、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ウィッキング要素が、前記周辺におけるよりも前記中央領域においてより大きな厚さを有する、請求項2~4のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
非圧縮状態で、前記ウィッキング要素が、前記周辺におけるよりも前記中央領域においてより大きな空隙率を有する、請求項2~4のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記プレス要素が、液体透過性である、請求項1~5のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記プレス要素が、前記貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体が通過して前記ウィッキング材料に到達することができる中空のプレス部材を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記発熱体が、流体透過性である、請求項1~7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記発熱体が、平面状である、請求項1~8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記発熱体が、メッシュを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記発熱体が、外部電源と接続するための電気接点を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記発熱体が、前記液体エアロゾル形成基体を誘導加熱して気化するように構成されたサセプタを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記プレス要素が、前記ウィッキング要素の後面と接触するドーム形状の表面を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記貯蔵部からの前記液体エアロゾル形成基体が、前記プレス要素が前記ウィッキング要素をプレスする方向に前記プレス要素を通過することができる、請求項1~13のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のカートリッジを備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体エアロゾル形成基体を加熱することによってエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムに関する。本開示はまた、こうしたエアロゾル発生システムのためのカートリッジおよびこうしたカートリッジの組み立てに関する。
【背景技術】
【0002】
液体を加熱してエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムは周知である。これらのシステムは典型的に、ウィッキング要素を使用して液体を発熱体に送達する。ウィッキング要素内の液体は気化され、その後、発生したベイパーは冷却されてエアロゾルを形成する。エアロゾルの一貫した十分な発生を提供するために、発熱体への液体の一貫した十分な送達があることを確実にする必要がある。発熱体への一貫性のない液体送達は、ユーザーにとって不十分な体験をもたらし得る。
【0003】
発熱体への一貫した液体送達のための一つの重要な要因は、発熱体とウィッキング要素との間の接触である。ウィッキング要素が拡張された領域にわたって発熱体と接触することが意図されている場合、発熱体とウィッキング要素との間の一貫性のない接触のために、その領域にわたる液体の送達は一貫性がない場合がある。一貫した液体送達のための別の重要な要因は、ウィッキング材料にわたる一貫した毛細管現象である。
【0004】
ウィッキング要素を通した発熱体への液体エアロゾル形成基体の一貫性のない、または不十分な送達につながる要因を軽減することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様では、エアロゾル発生システムのためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体の貯蔵部を封入するハウジングと、接触面を有する発熱体と、発熱体の接触面と接触して、かつ貯蔵部内の液体エアロゾル形成基体と連通して位置付けられる圧縮可能なウィッキング要素とを備えてもよい。カートリッジは、プレス要素を備えてもよく、ウィッキング要素は、プレス要素と発熱体との間に位置付けられる。プレス要素は、ウィッキング要素をプレスして、ウィッキング要素が発熱体の接触面と接触するように付勢し得る。
【0006】
プレス要素の提供は、一つのカートリッジから別のカートリッジへの発熱体とウィッキング要素との間の一貫した接触領域を提供し得る。製造公差に起因するウィッキング要素または発熱体の寸法または配向の任意の変化は、プレス要素の提供によって少なくとも部分的に軽減され得る。これは、発熱体にわたるより一貫した液体送達、したがってより一貫したエアロゾルの発生をもたらし得る。また、過熱および望ましくないエアロゾル成分の形成につながる場合がある、発熱体における乾燥状態が回避され得る。
【0007】
ウィッキング要素は、発熱体の接触面と一定の接触で位置付けられてもよい。
【0008】
ウィッキング要素は、発熱体の接触面と接触する前面と、プレス要素と接触する後面とを有し得る。後面は、周辺および周辺の内向きの中央領域を有し得る。プレス要素は、後面の周辺から内向きに離間した中央領域において後面と接触してもよい。
【0009】
後面の周辺は、後面の中央領域を取り囲む。例えば、後面が円形形状を有する実施形態では、周辺は、円形中央領域を取り囲む外部環状領域であってもよい。後面が長方形である実施形態では、中央領域は中央の長方形であってもよく、周辺は中央領域の周りの外部フレームであってもよい。中央領域は、後面と同じアスペクト比を有してもよい。
【0010】
軸に沿った後面の直径または幅は、長さDを有してもよい。軸に沿った中央領域の範囲は、長さCを有してもよく、その軸に沿った周辺の範囲は、D=C+2Pとなるように、中央領域の両側に長さPを有してもよい。Pの値は、後面の平面の任意の軸に沿って測定される場合、0.05D~0.4Dであってもよく、または0.1D~0.2Dであってもよい。
【0011】
ウィッキング要素を中央領域でプレスすることは、ウィッキング要素の毛細管現象の均一性を改善するといいう利点を有し得る。一部の実施形態では、ウィッキング要素の周辺は、ウィッキング要素の製造プロセス中に、中央領域よりも圧縮され得る。これは、製造プロセス、例えばパンチングプロセスの不可避な結果であり得る。有利なことに、プレス要素は、ウィッキング要素が後面の周辺よりも中央領域においてより大きな程度に圧縮されるように提供される。有利なことに、ウィッキング要素の後面の周辺は、カートリッジ内で圧縮されない場合がある。これにより、ウィッキング要素を通した液体送達の均一性が改善され得る。
【0012】
一部の実施形態では、ウィッキング要素は、周辺よりも中央領域においてより大きな厚さを有する。この文脈における厚さは、ウィッキング要素の後面から前面への液体移動の方向の寸法である。ウィッキング要素の前面は、周辺におけるよりも大きな厚さを中央領域に提供するようにドーム状であってもよい。これらの実施形態では、ウィッキング要素が後面の周辺におけるよりも中央領域においてより大きな程度に圧縮されるように、プレス要素が提供されてもよい。これにより、ウィッキング要素の前面への液体送達の均一性が改善され得る。
【0013】
非圧縮状態では、ウィッキング要素は、周辺におけるよりも中央領域においてより大きな空隙率を有し得る。圧縮状態では、中央領域が周辺部よりも大きな程度に圧縮されると、中央領域の空隙率が周辺の空隙率と実質的に等しくなり、それによってウィッキング要素の前面にわたって実質的に均一な液体送達レートを提供することができる。
【0014】
ウィッキング要素は、接触面に平行な平面に円形断面を有してもよい。円形断面は、有利なことに、ウィッキング要素を正しく配向するための要件を低減し得る。ウィッキング要素は、接触面に平行な平面に長方形の断面を有してもよい。ウィッキング要素は、接触面に平行な平面に規則的な多角形断面を有してもよい。ウィッキング要素は、接触面に平行な平面に楕円形断面を有してもよい。ウィッキング要素は、ディスク形状であってもよい。
【0015】
ウィッキング要素は、繊維質材料または海綿体様の材料を含み得る。ウィッキング要素は毛細管の束を含んでもよい。例えば、ウィッキング要素は、繊維、糸、および細孔管のうちの一つ以上を含み得る。ウィッキング要素は、海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。ウィッキング要素の構造は、複数の小さな穴またはチューブを形成してもよく、それを通して液体を毛細管作用によって搬送することができる。ウィッキング要素は、開気孔構造を含み得る。ウィッキング要素は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。ウィッキング要素は、プレス加工された綿を含んでもよい。他の好適な材料としては、例えば、紡糸繊維または押出成形繊維(酢酸セルロース、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、またはナイロン繊維など)で作製された繊維質材料が挙げられるが、これらに限定されない。ウィッキング要素は、複数の異なる材料の層を含み得る。
【0016】
一実施形態では、ウィッキング要素は、綿繊維から形成される。綿繊維は、連続フロー製造プロセスにおいて互いに物理的に結合される。機械的パンチャーを使用して、ウィッキング要素に必要な形状がウィッキング材料に付与される。
【0017】
液体エアロゾル形成基体は、ウィッキング要素内に吸収されることが好ましい。要素は、少なくとも0.02、0.05、0.1、0.2、または0.5mlの液体エアロゾル形成基体を貯蔵するように構成されてもよく、または貯蔵してもよい。ウィッキング要素は、2mlまたは5ml以下の液体エアロゾル形成基体を貯蔵するように構成されてもよく、または貯蔵してもよい。
【0018】
貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体は、プレス要素を通過してウィッキング要素に到達し得る。貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体は、プレス要素を通過して、プレス要素がウィッキング要素をプレスする方向にウィッキング要素に到達し得る。
【0019】
プレス要素は、液体がウィッキング要素の後面に垂直な方向にプレス要素を通過することを可能にするように構成されてもよい。
【0020】
プレス要素は、液体透過性であってもよい。この文脈では、液体透過性とは、液体がプレス要素の空孔または開口部を通して透過し得ることを意味する。プレス要素は、メッシュ、ネット、または格子構造を含み得る。
【0021】
プレス要素は、貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体が通過してウィッキング材料に到達することができる中空のプレス部材を含み得る。プレス要素は、一つ以上のピン、タブ、またはチューブを含み得る。プレス要素は、ウィッキング要素との複数の別個の接触点を提供し得る。プレス要素は、ウィッキング要素と接触する連続的な閉ループを含み得る。
【0022】
プレス要素は、ウィッキング要素に圧縮力を提供するように、ウィッキング要素よりも堅くてもよい。発熱体もまた、ウィッキング要素よりも堅くてもよい。
【0023】
プレス要素、またはプレス要素の一部分は、ハウジングと一体型であってもよい。プレス要素、またはプレス要素の一部分は、ハウジングから分離していてもよい。プレス要素は、ハウジングとウィッキング要素との間に位置付けられてもよい。プレス要素は、発熱体に対して固定されてもよい。
【0024】
プレス要素は、ウィッキング要素の後面と接触する凸面を含み得る。プレス要素の凸形状は、ウィッキング要素のドーム形状の前面に合致し得る。プレス要素は、ウィッキング要素の後面よりも小さな面積を有するプレス面を有してもよい。特に、プレス面は、ウィッキング要素の後面の周辺に接触しなくてもよい。これは、ウィッキング要素の周辺がプレス要素によって圧縮されないことを意味する。有利なことに、プレス要素は、ウィッキング要素がプレス要素によってプレスされるときに、ウィッキング要素内に実質的に均一な空隙率を提供し得る。
【0025】
発熱体は流体透過性であってもよい。発熱体は、メッシュを含んでもよい。発熱体はメッシュ発熱体であってもよい。発熱体は、穿孔された発熱体であってもよい。メッシュまたは穿孔された発熱体は、拡張された加熱表面積を提供する場合がある。この拡張された加熱表面積は、エアロゾル形成基体の効率的な気化を提供し得る。
【0026】
発熱体は、ハウジングに固定されてもよい。発熱体は、外部電源との接続のための電気接点を含み得る。発熱体は、抵抗加熱されるように構成されてもよい。発熱体は、誘導加熱するように構成されてもよい。発熱体は、誘導加熱されるように構成されたサセプタを含み得る。発熱体は、液体エアロゾル形成基体を気化するように構成されてもよい。
【0027】
発熱体は、平面状であってもよい。発熱体は、シートの形態を取ってもよい。発熱体は、発熱体の幅、長さまたは直径よりも一桁またそれ以上小さい厚さを有し得る。
【0028】
発熱体の面積(厚さに対して垂直)は、例えば50平方ミリメートル以下であってもよく、25平方ミリメートル以下であることが好ましく、約15平方ミリメートルであることがより好ましい。サイズは、発熱体を手持ち式システムの中に組み込むように選ばれる。50平方ミリメートル以下の発熱体のサイズ設定は、発熱体を加熱するために必要とされる総電力量を減少させ、一方で発熱体とウィッキング要素との間の十分な接触を依然として確実にする。発熱体は、例えば長方形であってもよく、また2ミリメートル~10ミリメートルの長さ、および2ミリメートル~10ミリメートルの幅を有してもよい。
【0029】
発熱体、またはその部分は、適切な電気的特性および機械的特性を有する任意の材料、例えば、適切な電気抵抗性材料を含んでもよく、またはそれらから形成されてもよい。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープされた炭化ケイ素が含まれる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。好適な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル-、コバルト-、クロミウム-、アルミニウム-チタン-ジルコニウム-、ハフニウム-、ニオビウム-、モリブデン-、タンタル-、タングステン-、スズ-、ガリウム-、マンガン-、および鉄を含有する合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、鉄-アルミニウム系合金、および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル」という用語は、気体中の固体粒子、または液滴、または固体粒子と液滴との組み合わせの分散を指す。エアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温において通常は液体または固体である物質の蒸気だけでなく、固体粒子もしくは液体の液滴、または固体粒子および液体の液滴の組み合わせも含んでもよい。
【0031】
本発明に関して本明細書で使用される場合、エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を振動可能な要素の通路を通して動かすことによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、液体構成成分と固体構成成分との両方を含んでもよい。
【0032】
エアロゾル形成基体は、一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の実施例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%、例えば約2%、のニコチン濃度を有してもよい。
【0033】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料を含み得る。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、風味剤などのその他の添加剤および成分を含んでもよい。
【0034】
本明細書で使用される場合、「液体エアロゾル形成基体」という用語は、凝縮した形態にあるエアロゾル形成基体を指すために使用される。それ故に、「液体エアロゾル形成基体」は、液体、ゲル、またはペーストのうちの一つ以上であってもよく、またはそれを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体がゲルもしくはペーストである、またはゲルもしくはペーストを含む場合、ゲルもしくはペーストは加熱に伴い液体化する場合がある。例えば、ゲルまたはペーストは、摂氏50、75、100、150、または200度未満の温度への加熱に伴い、液体化する場合がある。
【0035】
カートリッジは、空気吸込み口、空気出口、および空気吸込み口から空気出口への気流経路をさらに備えてもよい。気流経路は、発熱体を通過してもよい。発熱体は、接触面の反対側に第二の表面を有してもよい。第二の表面は、気流経路内にあってもよい。カートリッジは、ユーザーがマウスピースへと陰圧を印加し、また気流経路を通して空気を引き出すことを可能にするように構成されたマウスピースをさらに備えてもよい。
【0036】
カートリッジは、再使用可能な装置に接続するように構成されてもよい。装置は、電源と制御電子機器と、を備えてもよい。エアロゾル形成基体が消耗した場合、カートリッジを交換することができ、新しいカートリッジを再使用可能な装置とともに使用することができる。
【0037】
本開示の別の態様では、エアロゾル発生システムが提供されている。
【0038】
エアロゾル発生システムを単一部品システムとして提供することができる。エアロゾル発生システムは、
液体エアロゾル形成基体の貯蔵部を封入するハウジングと、
ハウジングに固定される発熱体と、
発熱体の表面と接触して、かつ貯蔵部内の液体と連通して位置付けられる圧縮可能なウィッキング要素と、
プレス要素であって、ウィッキング要素が、プレス要素と発熱体との間に位置付けられ、プレス要素がウィッキング要素をプレスして、ウィッキング材料を発熱体の表面と接触するように付勢する、プレス要素と、を備え得る。
【0039】
本開示の第一の態様に関連して説明したウィッキング要素、プレス要素、発熱体、およびエアロゾル形成基体の特徴はまた、本開示のこの態様にも適用される。
【0040】
エアロゾル発生システムは、空気吸込み口、空気出口、および空気吸込み口から空気出口への気流経路をさらに備えてもよい。
【0041】
発熱体は、気流経路を通る気流によって起動されるように構成されてもよい。エアロゾル発生システムは、気流センサーをさらに備えてもよい。気流センサーは、気流経路を通る気流を検出するように構成されてもよい。気流センサーは、発熱体を起動するように構成されてもよい。エアロゾル発生システムは、ユーザーがマウスピースへと陰圧を印加し、また気流経路を通して空気を引き出すことを可能にするように構成されたマウスピースをさらに備えてもよい。
【0042】
エアロゾル発生システムは、電源をさらに備えてもよい。電源は、電池であってもよい。電源は、発熱体に電力を供給するように構成されてもよい。エアロゾル発生システムは、制御電子機器を備えてもよい。電源は、制御電子機器を介して発熱体へと電力を供給するように構成されてもよい。
【0043】
エアロゾル発生システムは、本発明の一態様のカートリッジを備えてもよい。エアロゾル発生システムは、再使用可能な装置を備えてもよい。カートリッジは、再使用可能な装置と係合するように構成されてもよい。カートリッジは、再使用可能な装置から係合解除するように構成されてもよい。再使用可能な装置は、スナップ嵌め接続、対応するねじ山、または任意の他の適切な手段を介して、カートリッジと係合するように、またカートリッジから係脱するように構成されてもよい。再使用可能な装置は、カートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成されたチャンバーを備えてもよい。
再使用可能な装置は、空気吸込み口を備えてもよい。再使用可能な装置は、空気出口を備えてもよい。再使用可能な装置がカートリッジと係合する時、再使用可能な装置の空気出口は、カートリッジの空気吸込み口と流体連通してもよい。
【0044】
再使用可能な装置は、電源を備えてもよい。電源は、電池であってもよい。電源は、発熱体に電力を供給するように構成されてもよい。電源は、カートリッジが再使用可能な装置と係合する時にのみ、発熱体に電力を供給するように構成されてもよい。電源は、再使用可能な装置の装置電気接点に電気的に接続されてもよい。これらの装置電気接点は、カートリッジが再使用可能な装置と係合する時に、カートリッジ上の対応する電気接点と電気接続を形成するように構成され得る。再使用可能な装置は、電制御電子機器を備え得る。電源は、制御電子機器を介して発熱体へと電力を供給するように構成されてもよい。
【0045】
本開示のなおさらなる態様では、エアロゾル発生システムのためのカートリッジを組み立てる方法であって、
液体エアロゾル形成基体の貯蔵部を封入するためのハウジングを提供することと、
接触面を有する発熱体を提供することと、
圧縮可能なウィッキング要素を提供することと、
プレス要素を使用して接触面に対してウィッキング要素をプレスすることであって、ウィッキング要素がプレス要素と発熱体との間に位置付けられる、プレスすることと、
ハウジング内に液体エアロゾル形成基体を提供することであって、ハウジング内の液体エアロゾル形成基体がウィッキング要素と流体連通している、提供することと、を含む、方法が提供されている。
【0046】
本開示の第一の態様に関連して説明したウィッキング要素、プレス要素、発熱体、およびエアロゾル形成基体の特徴はまた、本開示のこの態様にも適用される。
【0047】
本開示のなおさらなる態様では、エアロゾルを発生する方法であって、
発熱体を提供することと、
発熱体と接触するウィッキング要素を提供することであって、ウィッキング要素が液体エアロゾル形成基体を含む、提供することと、
ウィッキング要素を発熱体に対してプレスすることと、
発熱体を加熱して液体エアロゾル形成基体を気化することと、
気流内のベイパーを冷却してエアロゾルを形成することと、を含む、方法が提供されている。
【0048】
本開示の第一の態様に関連して説明したウィッキング要素、プレス要素、発熱体、およびエアロゾル形成基体の特徴はまた、本開示のこの態様にも適用される。
【実施例】
【0049】
下記に、非限定的な実施例を非網羅的に提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0050】
実施例1.
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、カートリッジが、
液体エアロゾル形成基体の貯蔵部を封入するハウジングと、
接触面を有する発熱体と、
発熱体の接触面と接触して、かつ貯蔵部内の液体エアロゾル形成基体と連通して位置付けられる圧縮可能なウィッキング要素と、
プレス要素であって、ウィッキング要素が、プレス要素と発熱体との間に位置付けられ、プレス要素がウィッキング要素をプレスして、ウィッキング要素を発熱体の接触面と接触するように付勢する、プレス要素と、を備える、カートリッジ。
実施例2.
ウィッキング要素が、発熱体の接触面と接触する前面と、プレス要素と接触する後面とを有し、プレス要素が、後面の周辺から内向きに離間した中央領域の後面に接触する、実施例1によるカートリッジ。
実施例3.
ウィッキング要素が、後面の周辺でプレスされない、実施例1または2によるカートリッジ。
実施例4.
プレス要素が、ウィッキング要素が後面の周辺におけるよりも中央領域においてより大きな程度に圧縮されるように提供される、実施例2によるカートリッジ。
実施例5.
ウィッキング要素が、周辺におけるよりも中央領域においてより大きな厚さを有する、実施例2~4のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例6.
非圧縮状態で、ウィッキング要素が、周辺におけるよりも中央領域においてより大きな空隙率を有する、実施例2~5のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例7.
ウィッキング要素の前面が、ドーム状である、実施例1~6のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例8.
ウィッキング要素が、接触面に平行な平面に円形断面を有する、実施例1~7のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例9.
ウィッキング要素が、繊維質または海綿状の材料を含む、実施例1~8のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例10.
ウィッキング要素が、プレス加工された綿を含む、実施例1~9のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例11.
ウィッキング要素が、複数の異なる材料の層を含む、実施例1~10のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例12.
プレス要素が、液体透過性である、実施例1~11のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例13.
プレス要素が、貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体が通過してウィッキング材料に到達することができる中空のプレス部材を含む、実施例1~12のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例14.
プレス要素が、ハウジングと一体型である、実施例1~13のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例15.
プレス要素が、ハウジングとウィッキング要素との間に位置付けられる、実施例1~13のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例16.
プレス要素が、ウィッキング要素よりも堅い、実施例1~15のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例17.
プレス要素が、一つ以上のピン、タブ、またはチューブを含む、実施例1~16のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例18.
プレス要素が、メッシュ、ネット、または格子構造を含む、実施例1~17のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例19.
発熱体が、流体透過性である、実施例1~18のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例20.
発熱体が、平面状である、実施例1~19のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例21.
発熱体が、メッシュを含む、実施例1~20のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例22.
発熱体が、ハウジングに固定される、実施例1~21のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例23.
プレス要素が、ウィッキング要素がプレスされた時にウィッキング要素内に均一な空隙率を提供する、実施例1~22のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例24.
発熱体が、外部電源と接続するための電気接点を含む、実施例1~23のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例25.
発熱体が、液体エアロゾル形成基体を誘導加熱して気化するように構成されたサセプタを含む、実施例1~24のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例26.
プレス要素が、ウィッキング要素の後面と接触する凸面を含む、実施例1~25のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例27.
プレス要素の凸面が、ウィッキング要素の前面のドーム形状に合致する、実施例26によるカートリッジ。
実施例28.
プレス要素が、ウィッキング要素の後面よりも小さな直径または幅を有するプレス面を有する、実施例1~27のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例29.
ウィッキング要素が、ディスク形状である、実施例1~28のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例30.
ウィッキング要素が、環状ハブおよびハブに接続された複数の突出部を含む、実施例1~29のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例31.
貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体が、プレス要素がウィッキング要素をプレスする方向にプレス要素を通過することができる、実施例1~30のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例32.
プレス要素が、液体がウィッキング要素の後面に垂直な方向にプレス要素を通過することを可能にするように構成される、実施例1~31のいずれか一つによるカートリッジ。
実施例33.
エアロゾル発生システムであって、
液体エアロゾル形成基体の貯蔵部を封入するハウジングと、
ハウジングに固定される発熱体と、
発熱体の表面と接触して、かつ貯蔵部内の液体と連通して位置付けられる圧縮可能なウィッキング材料と、
プレス要素であって、ウィッキング材料が、プレス要素と発熱体との間に位置付けられ、プレス要素がウィッキング材料をプレスして、ウィッキング材料を発熱体の表面と接触するように付勢する、プレス要素と、を備える。エアロゾル発生システム。
実施例34.
ウィッキング要素が、発熱体の接触面と接触する前面と、プレス要素と接触する後面とを有し、プレス要素が、後面の周辺から内向きに離間した中央領域の後面に接触する、実施例33によるエアロゾル発生システム。
実施例35.
ウィッキング要素が、後面の周辺でプレスされない、実施例33または34によるエアロゾル発生システム。
実施例36.
プレス要素が、ウィッキング要素が後面の周辺におけるよりも中央領域においてより大きな程度に圧縮されるように提供される、実施例35によるエアロゾル発生システム。
実施例37.
ウィッキング要素が、周辺におけるよりも中央領域においてより大きな厚さを有する、実施例34~36のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例38.
非圧縮状態で、ウィッキング要素が、周辺におけるよりも中央領域においてより大きな空隙率を有する、実施例34~37のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例39.
ウィッキング要素の前面が、ドーム状である、実施例33~38のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例40.
ウィッキング要素が、接触面に平行な平面に円形断面を有する、実施例33~39のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例41.
ウィッキング要素が、繊維質または海綿状の構造を含む、実施例33~40のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例42.
ウィッキング要素が、プレス加工された綿を含む、実施例33~41のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例43.
ウィッキング要素が、複数の異なる材料の層を含む、実施例33~42のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例44.
プレス要素が、液体透過性である、実施例33~43のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例45.
プレス要素が、貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体が通過してウィッキング材料に到達することができる中空のプレス部材を含む、実施例33~44のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例46.
プレス要素が、ハウジングと一体型である、実施例33~45のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例47.
プレス要素が、ハウジングとウィッキング要素との間に位置付けられる、実施例33~45のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例48.
プレス要素が、ウィッキング要素よりも堅い、実施例33~47のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例49.
プレス要素が、一つ以上のピン、タブ、またはチューブを含む、実施例33~48のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例50.
プレス要素が、メッシュ、ネット、または格子構造を含む、実施例33~49のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例51.
発熱体が、流体透過性である、実施例33~50のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例52.
発熱体が、平面状である、実施例33~51のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例53.
発熱体が、メッシュを含む、実施例33~52のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例54.
発熱体が、ハウジングに固定される、実施例33~53のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例55.
プレス要素が、ウィッキング要素がプレスされた時にウィッキング要素内に均一な空隙率を提供する、実施例33~54のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例56.
発熱体が、液体エアロゾル形成基体を誘導加熱して気化するように構成されたサセプタを含む、実施例33~55のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例57.
プレス要素が、ウィッキング要素の後面と接触する凸面を含む、実施例33~56のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例58.
プレス要素の凸面が、ウィッキング要素の前面のドーム形状に合致する、実施例57によるエアロゾル発生システム。
実施例59.
プレス要素が、ウィッキング要素の後面よりも小さな直径または幅を有するプレス面を有する、実施例33~58のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例60.
ウィッキング要素が、ディスク形状である、実施例33~59のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例61.
ウィッキング要素が、環状ハブおよびハブに接続された複数の突出部を含む、実施例33~60のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例62.
貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体が、プレス要素がウィッキング要素をプレスする方向にプレス要素を通過することができる、実施例33~61のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例63.
プレス要素が、液体がウィッキング要素の後面に垂直な方向にプレス要素を通過することを可能にするように構成される、実施例33~62のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例64.
発熱体に電力を提供するための電源を備える、実施例33~63のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例65.
発熱体への電力供給を制御するための制御回路を備える、実施例33~64のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例66.
エアロゾル発生システムのためのカートリッジを組み立てる方法であって、
液体エアロゾル形成基体の貯蔵部を封入するためのハウジングを提供することと、
接触面を有する発熱体を提供することと、
圧縮可能なウィッキング要素を提供することと、
プレス要素を使用して、接触面に対してウィッキング要素をプレスすることであって、
ウィッキング要素が、プレス要素と発熱体との間に位置付けられる、プレスすることと、
ハウジング内に液体エアロゾル形成基体を提供することであって、ハウジング内の液体エアロゾル形成基体がウィッキング要素と流体連通している、提供することと、を含む、方法。
実施例67.
ウィッキング要素が、発熱体の接触面と接触する前面と、プレス要素と接触する後面とを有し、プレス要素が、後面の周辺から内向きに離間した中央領域の後面に接触する、実施例66による方法。
実施例68.
ウィッキング要素が、後面の周辺でプレスされない、実施例66または67による方法。
実施例69.
プレス要素が、ウィッキング要素が後面の周辺におけるよりも中央領域においてより大きな程度に圧縮されるように提供される、実施例67による方法。
実施例70.
ウィッキング要素が、周辺におけるよりも中央領域においてより大きな厚さを有する、実施例67~69のいずれか一つによる方法。
実施例71.
非圧縮状態で、ウィッキング要素が、周辺におけるよりも中央領域においてより大きな空隙率を有する、実施例67~70のいずれか一つによる方法。
実施例72.
ウィッキング要素の前面が、ドーム状である、実施例66~71のいずれか一つによる方法。
実施例73.
ウィッキング要素が、接触面に平行な平面に円形断面を有する、実施例66~72のいずれか一つによる方法。
実施例74.
ウィッキング要素が、繊維質または海綿状の材料を含む、実施例66~73のいずれか一つによる方法。
実施例75.
ウィッキング要素が、プレス加工された綿を含む、実施例66~74のいずれか一つによる方法。
実施例76.
ウィッキング要素が、複数の異なる材料の層を含む、実施例66~75のいずれか一つによる方法。
実施例77.
プレス要素が、液体透過性である、実施例66~76のいずれか一つによる方法。
実施例78.
プレス要素が、貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体が通過してウィッキング材料に到達することができる中空のプレス部材を含む、実施例66~77のいずれか一つによる方法。
実施例79.
プレス要素が、ハウジングと一体型である、実施例66~78のいずれか一つによる方法。
実施例80.
プレス要素が、ハウジングとウィッキング要素との間に位置付けられる、実施例66~79のいずれか一つによる方法。
実施例81.
プレス要素が、ウィッキング要素よりも堅い、実施例66~80のいずれか一つによる方法。
実施例82.
プレス要素が、一つ以上のピン、タブ、またはチューブを含む、実施例66~81のいずれか一つによる方法。
実施例83.
プレス要素が、メッシュ、ネット、または格子構造を含む、実施例66~82のいずれか一つによる方法。
実施例84.
発熱体が、流体透過性である、実施例66~83のいずれか一つによる方法。
実施例85.
発熱体が、平面状である、実施例66~84のいずれか一つによる方法。
実施例86.
発熱体が、メッシュを含む、実施例66~85のいずれか一つによる方法。
実施例87.
発熱体が、ハウジングに固定される、実施例66~86のいずれか一つによる方法。
実施例88.
プレス要素が、ウィッキング要素がプレスされた時にウィッキング要素内に均一な空隙率を提供する、実施例66~87のいずれか一つによる方法。
実施例89.
発熱体が、外部電源と接続するための電気接点を含む、実施例66~88のいずれか一つによる方法。
実施例90.
発熱体が、液体エアロゾル形成基体を誘導加熱して気化するように構成されたサセプタを含む、実施例66~89のいずれか一つによる方法。
実施例91.
プレス要素が、ウィッキング要素の後面と接触する凸面を含む、実施例66~90のいずれか一つによる方法。
実施例92.
プレス要素の凸面が、ウィッキング要素の前面のドーム形状に合致する、実施例91による方法。
実施例93.
プレス要素が、ウィッキング要素の後面よりも小さな直径または幅を有するプレス面を有する、実施例66~92のいずれか一つによる方法。
実施例94.
ウィッキング要素が、ディスク形状である、実施例66~93のいずれか一つによる方法。
実施例95.
ウィッキング要素が、環状ハブおよびハブに接続された複数の突出部を含む、実施例66~94のいずれか一つによる方法。
実施例96.
貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体が、プレス要素がウィッキング要素をプレスする方向にプレス要素を通過することができる、実施例66~95のいずれか一つによる方法。
実施例97.
プレス要素が、液体がウィッキング要素の後面に垂直な方向にプレス要素を通過することを可能にするように構成される、実施例66~96のいずれか一つによる方法。
実施例98.
エアロゾルを発生する方法であって、
発熱体を提供することと、
発熱体と接触するウィッキング要素を提供することであって、ウィッキング要素が液体エアロゾル形成基体を含む、提供することと、
ウィッキング要素を発熱体に対してプレスすることと、
発熱体を加熱して液体エアロゾル形成基体を気化することと、
気流内のベイパーを冷却してエアロゾルを形成することと、を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、本開示の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示すタイプのエアロゾル発生システムのカートリッジの概略断面である。
【
図4】
図4は、プレス要素の可能な断面形状を例示する。
【
図5】
図5は、プレス要素の別の可能な形態を例示する。
【
図6】
図6は、
図2に示すタイプのカートリッジの分解図である。
【
図7】
図7は、
図6のカートリッジで使用するためのウィッキング要素の断面である。
【
図8】
図8は、プレス要素を備えた
図7のカートリッジの一部分の断面を示す。
【
図12】
図12は、代替的なプレス要素を備えたカートリッジの概略断面である。
【
図13】
図13は、エアロゾル発生システムを組み立てる方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0053】
図1は、本開示によるエアロゾル発生システムの概略図である。システムは、二つの主構成要素である、カートリッジ100と再使用可能な装置または制御本体200とを備える。カートリッジ100の接続端115は、制御本体200の対応する接続端205に取り外し可能に接続される。制御本体200は、電池210(この実施例では再充電可能リチウムイオン電池である)と、制御電子機器220とを包含する。エアロゾル発生システムは携帯型であり、また従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。
【0054】
カートリッジ100は、ヒーター組立品120と、第一の部分130および第二の部分135を有する液体貯蔵区画とを包含するハウジング105を備える。液体エアロゾル形成基体は液体貯蔵区画の中に保持されている。
図1には図示していないが、液体貯蔵区画の第一の部分130は、第一の部分130内の液体が第二の部分135に移動することができるように、液体貯蔵区画の第二の部分135に接続されている。ヒーター組立品120は、液体貯蔵区画の第二の部分135から液体を受容する。この実施形態において、ヒーター組立品120は、概して平面状の流体透過性発熱体を含む。
【0055】
気流通路140、145は、空気吸込み口150からヒーター組立品120を通り過ぎ、かつヒーター組立品120からカートリッジハウジング105内の口側端の開口部110へとカートリッジ100を通って延びる。
【0056】
カートリッジ100の構成要素は、液体貯蔵区画の第一の部分130が、ヒーター組立品120と口側端の開口部110との間にあり、液体貯蔵区画の第二の部分135が、口側端の開口部110に対してヒーター組立品120の反対側に位置決めされるように配設される。言い換えれば、ヒーター組立品120は、液体貯蔵区画の二つの部分130、135の間にあり、かつ第二の部分135から液体を受容し、また液体貯蔵区画の第一の部分130は、液体貯蔵区画の第二の部分135よりも口側端の開口部110に近い。気流通路は、ヒーター組立品120を通り過ぎ、液体貯蔵区画の第一の部分130と第二の部分135の間に延びる。
【0057】
システムは、これによりエアロゾルを自分の口の中へと引き出すために、ユーザーがカートリッジ100の口側端の開口部110で吸煙する、または口側端の開口部110を吸うことができるように構成される。動作時、ユーザーが口側端の開口部110を吸煙すると、空気は空気吸込み口150から気流通路140、145を通して、ヒーター組立品120を通り過ぎて、口側端の開口部110に引き出される。システムが起動されると、制御電子機器220は、電池210からカートリッジ100への電力の供給を制御する。これは、結果として、ヒーター組立品120によって生成されるベイパーの量および特性を制御する。制御電子機器220は気流センサーを含んでもよく、また制御電子機器220は、ユーザーによるカートリッジ100の吸煙が気流センサーによって検出された時に、ヒーター組立品120に電力を供給してもよい。この種類の制御装置は、吸入器およびeシガレットなどのエアロゾル発生システムで良好に確立される。そのため、ユーザーがカートリッジ100の口側端の開口部110を吸煙すると、ヒーター組立品120が起動されて、気流通路140を通過する気流中に同伴されるベイパーを発生する。ペイパーは気流通路145の中の気流中で冷めてエアロゾルを形成し、次いでこれは口側端の開口部110を通してユーザーの口の中に引き出される。
【0058】
動作時、口側端の開口部110は典型的に、装置の最高点である。カートリッジ100の構造、および特に液体貯蔵区画の第一の部分130と第二の部分135の間のヒーター組立品120の配設は、液体貯蔵区画が空になり始めていてさえも重力を活用して液体基体がヒーター組立品120に送達されることを確実にし、それでも気流通路140の中への液体の漏れにつながる場合があるヒーター組立品120への液体の過剰供給を防止するので、有利である。
【0059】
本明細書で説明した実施形態は、カートリッジと、電源および制御電子機器を包含する再使用可能な装置とを備える二部品システムのものであるが、液体貯蔵部および気流に対する同じ配設を、電源および制御電子機器がヒーター組立品、液体貯蔵部およびマウスピースを備える単一のハウジング内に提供される一部品システムに実装することが可能である。したがって、以下の実施形態におけるカートリッジへの任意の言及は、一部品システム全体に等しく適用され得る。
【0060】
図2は、本発明の一実施形態によるカートリッジの第一の断面である。
図3は、
図2の断面に対して直角な第二の断面である。
【0061】
図2および3のカートリッジ100は、口側端の開口部110を有する口側端を有する外部ハウジング105と、口側端と反対側の接続端とを備える。ハウジング105内には液体エアロゾル形成基体131を保持する液体貯蔵区画がある。液体は、上部貯蔵区画ハウジング137、ヒーターマウント134、および端部キャップ138の三つの構成要素によって、液体貯蔵区画内に収容されている。ヒーター組立品120はヒーターマウント134内に保持される。ウィッキング要素136は、液体貯蔵区画の第二の部分135内に提供され、かつヒーター組立品120の中央領域内の発熱体に当接する。ウィッキング要素は、液体を発熱体に搬送するように配向される。発熱体122は、複数のフィラメントから形成されたメッシュ発熱体を含む。このタイプの発熱体構造の詳細は、例えば、国際公開第2015/117702号に記載がある。気流通路140は、液体貯蔵区画の第一の部分130と第二の部分135との間に延びる。気流通路140の底部壁は発熱体122およびヒーターマウント134を含み、気流通路140の側壁はヒーターマウント134の部分を含み、そして気流通路140の上部壁は上方貯蔵区画ハウジング137の一部分を含む。気流通路140は、
図2に示す通り、液体貯蔵区画の第一の部分130を通って口側端の開口部110に向かって延びる垂直部分145を有する。
【0062】
ヒーター組立品120は概して平面状であり、かつ二つの面を有する。ヒーター組立品120の第一の面は、液体貯蔵区画の第一の部分130および口側端の開口部110に面する。ヒーター組立品120の第二の面は、液体貯蔵区画内でウィッキング要素136および液体131と接触し、かつカートリッジ100の接続端115に面する。ヒーター組立品120は、説明するように、ヒーター組立品120の電源への電気的接続を簡単にかつ頑丈に達成することができるように、接続端により近い。液体貯蔵区画の第一の部分130は、液体貯蔵区画の第二の部分135より大きく、かつヒーター組立品120とカートリッジ100の口側端の開口部110との間の空間を占める。液体貯蔵区画の第一の部分130内の液体は、ヒーター組立品120の両側の液体チャネル133を通して液体貯蔵区画の第二の部分135に移動することができる。この実施例では二つのチャネルが提供されて対称的な構造を提供するが、一つのチャネルのみが必要である。チャネルは、上方貯蔵区画ハウジング137とヒーターマウント134の間に画定された囲まれた液体流路である。
【0063】
ウィッキング要素136は、発熱体の接触面と接触する前面と、前面の反対側の後面とを有する。ウィッキング要素136の前面は、発熱体の後面に対してプレス要素141、142をプレスする動作によって発熱体の接触面と接触するようにプレスされる。
図2および3に示す実施形態のプレス要素141、142は、ウィッキング要素とハウジングの端部キャップ138との間に位置付けられたロッドである。プレス要素は、後面の中央領域においてウィッキング要素と接触する中央ピン141と、後面の周辺に接触する複数の外部ピン142とを含む。中央ピンは、ウィッキング要素の中央領域により大きな圧縮力を提供するために、外部ピンよりも長いように作製されてもよい。プレス要素間の空間144は、液体エアロゾル形成基体がウィッキング要素に到達することを可能にする。中央ピンおよび外部ピンは、液体が通過することを可能にするためにそれ自体が中空であってもよい。プレス要素は、ウィッキング要素と発熱体との間の接触の均一性を改善し、そのため発熱体への液体送達の均一性を改善する。
【0064】
図2および3に示すカートリッジ100は、最初にヒーターマウント134をヒーター組立品120の周りに成形することによって組み立てられてもよい。ヒーター組立品は、説明した通り、発熱体122よりもずっと低い電気抵抗率を有する一対のスズ接点パッドに固定されたメッシュ発熱体122を含む。接点パッド121は、発熱体122の両端部に固定される。次いで、ヒーターマウント134は、溶接または接着剤を使用して上部貯蔵部分ハウジングに固定される。ウィッキング要素136は、液体貯蔵区画の第二の部分135の中へと挿入される。次いで、プレス要素および端部キャップ138が、ヒーターマウントに固定されて液体貯蔵区画をシールする。プレス要素141、142は、端部キャップ138と一体的に形成されてもよい。別の方法として、ヒーターマウント134、ウィッキング要素136、および端部キャップ138は、上部貯蔵部分ハウジングに固定される前に最初に組み立てられることができる。
【0065】
図4は、プレス要素141、142のいくつかの可能な断面形状を例示する。示されるように、プレス要素は、中実または中空の断面を有し得る。
図4に示す実施例は、円形断面150、151、三角形断面152、153、長方形断面154、155、五角形断面156、157、および十字形状断面158、159のものである。
【0066】
図5は、プレス要素の別の実施例を示す。ウィッキング要素の後面の一部またはすべてにわたって延びる、ハニカム構造160の単一のプレス要素を使用することができる。
【0067】
図6は、
図2に示すタイプのものであるが、異なるハウジング構造を有するカートリッジの分解図である。カートリッジは、マウスピースを形成する上方貯蔵ハウジング170と、シール接合部174によって接合される後方ハウジング172とを備える。ヒーター組立品は、ヒーターマウント176内に保持される。ヒーターマウントは、ヒーター組立品を固定するためにヒーター組立品の周りに成形される。ヒーターマウント176は、後方ハウジング172内に保持される。開口部は、ヒーター組立品と外部電源との間の電気接点を可能にするために、後方ハウジング内に提供される。ウィッキング要素178は、
図2および3の実施形態に関連して説明した通り、ヒーター組立品と接触するために、ヒーターマウント176内に提供されている。取り外し可能なシールタブ177は、使用前の発熱体を覆うために提供されている。風味識別部179は、カートリッジ内に保持されている液体の風味を示すために、上方貯蔵ハウジングのマウスピース端に提供される。
【0068】
図7は、
図6のカートリッジのウィッキング要素の断面である。ウィッキング要素178は、前面180および後面182を有する。前面180は、ドーム状である。後面182は、平面状である。ウィッキング要素は、前面が発熱体に接触するように配向される。
図7に示すように、後面182は、中央領域184および周辺領域186を有する。
【0069】
図8は、
図7のカートリッジの後方ハウジングおよびヒーターマウントの一部分を通る断面を示す。
図8は、その前面がヒーターマウント176内に保持された発熱体192と接触しているウィッキング要素178を示す。ウィッキング要素178の前面は、プレス要素190によって発熱体192と接触するようにプレスされる。プレス要素190は、後方ハウジング172上に置かれる。プレス要素190は、ウィッキング要素の後面の周辺に接触して、ウィッキング要素を発熱体に対して付勢する。これにより、発熱体とウィッキング要素との間の接触が提供され、発熱体への液体の連続的かつ一貫した送達が確実になる。
【0070】
図9a、9b、および9cは、
図8のプレス要素190の異なる図を示す。
図9aは斜視図であり、
図9bは平面図であり、
図9cは断面図である。プレス要素は、そこから四つの突出部196が延びる環状ハブ194を含む。液体基体が通過することができる中央穴198が環状ハブ内に形成される。突出部196は、ウィッキング要素に接触して、発熱体と接触するようウィッキング要素をプレスする。突出部の高さは、必要なプレス力を提供するように選択され得る。
図9a、9b、および9cのプレス要素は堅牢であり、ウィッキング要素に対して著しい圧縮力を提供することができる。
【0071】
図10aおよび10bは、プレス要素の代替的な設計を示す。
図10aおよび10bに示すプレス要素は、
図9aに示すプレス要素と類似している。プレス要素は、そこから四つの突出部206が延びる環状ハブ204を含む。液体基体が通過することができる中央穴が環状ハブ内に形成される。突出部206は、ウィッキング要素に接触して、発熱体と接触するようウィッキング要素をプレスする。しかしながら、突起部によって形成されるプレス要素の前面208は、ウィッキング要素のドーム形状に合致する凸状のドーム形状を有する。突出部206はまた、
図9aの実施形態の突出部がウィッキング要素の後面の中央領域により大きなプレス力を提供するように、さらに内向きに延びる。
【0072】
図11は、プレス要素のさらなる代替的な設計を示す。
図11に示すプレス要素は、
図10aおよび10bに示すプレス要素と類似している。プレス要素は、そこから四つの突出部216が延びる環状ハブ214を含む。液体基体が通過することができる中央穴が環状ハブ内に形成される。突出部216は、ウィッキング要素に接触して、発熱体と接触するようウィッキング要素をプレスする。突起部によって形成されるプレス要素の前面218は、ウィッキング要素のドーム形状に合致する凸状のドーム形状を有する。
図11の実施形態では、前面218は、
図10aおよび10bの実施形態の前面208よりも小さな直径を有する。これにより、ウィッキング要素の周辺への圧縮力が除去され、中央領域にのみに圧縮力が提供される。
【0073】
図12は、代替的なプレス要素を備えたカートリッジの概略断面である。
図12は、
図2に類似したカートリッジの断面図を示す。同一の要素について、
図2で使用されるものと同じ参照番号が
図12で使用されている。
【0074】
図12のカートリッジ100は、口側端の開口部110を有する口側端を有する外部ハウジング105と、口側端と反対側の接続端とを備える。ハウジング105内には液体エアロゾル形成基体131を保持する液体貯蔵区画がある。液体は、上部貯蔵区画ハウジング137、ヒーターマウント134、および端部キャップ138の三つの構成要素によって、液体貯蔵区画内に収容されている。ヒーター組立品120はヒーターマウント134内に保持される。ウィッキング要素136は、液体貯蔵区画の第二の部分135内に提供され、かつヒーター組立品120の中央領域内の発熱体に当接する。ウィッキング要素は、液体を発熱体に搬送するように配向される。発熱体122は、メッシュ発熱体を含む。気流通路140は、液体貯蔵区画の第一の部分130と第二の部分135との間に延びる。気流通路140の底部壁は発熱体122およびヒーターマウント134を含み、気流通路140の側壁はヒーターマウント134の部分を含み、そして気流通路140の上部壁は上方貯蔵区画ハウジング137の一部分を含む。気流通路140は、液体貯蔵区画の第一の部分130を通って延びる垂直部分145を有する。
【0075】
ヒーター組立品120は概して平面状であり、かつ二つの面を有する。ヒーター組立品120の第一の面は、液体貯蔵区画の第一の部分130および口側端の開口部110に面する。ヒーター組立品120の第二の面は、液体貯蔵区画内でウィッキング要素136および液体131と接触し、かつカートリッジ100の接続端115に面する。ヒーター組立品120は、説明するように、ヒーター組立品120の電源への電気的接続を簡単にかつ頑丈に達成することができるように、接続端により近い。液体貯蔵区画の第一の部分130内の液体は、ヒーター組立品120の両側の液体チャネル133を通して液体貯蔵区画の第二の部分135に移動することができる。
【0076】
ウィッキング要素136は、発熱体の接触面と接触する前面と、前面の反対側の後面とを有する。ウィッキング要素136の前面は、発熱体の後面に対してメッシュプレス要素220をプレスする動作によって発熱体の接触面と接触するようにプレスされる。メッシュプレス要素は、プレス嵌合であってもよく、またはそうでなければヒーターマウント134に機械的に固定されてもよい。例えば、ヒーターマウントは、メッシュプレス要素220が押し出され得る一つ以上の内部リブを含み得る。プレス要素は、ヒーターマウントに固定されると、ウィッキング要素の後面にわたって圧縮力を提供する。メッシュプレス要素220は、例えば、
図5に示すように、ハニカム構造を有してもよい。
【0077】
図13は、上述のエアロゾル発生システムまたはカートリッジを組み立てる方法の流れ図である。第一の工程300では、液体エアロゾル形成基体の貯蔵部、発熱体、および圧縮可能なウィッキング要素を封入するためのハウジングが提供される。発熱体は、上述の通り、ヒーターマウント内に提供されてもよい。ヒーターマウントは、ウィッキング要素を保持し得る。第二の工程310では、ウィッキング要素は、ウィッキング要素がプレス要素と発熱体との間に位置付けられるように、プレス要素を使用して発熱体の接触面に対してプレスされる。これは、ヒーターマウントがハウジングに固定され、プレス要素がハウジングと一体型であるか、またはハウジングとウィッキング要素との間に挟まれる場合に行われ得る。第三の工程320では、ハウジングは液体エアロゾル形成基体で充填される。液体エアロゾル形成基体は、ウィッキング要素の中に引き出され、そのため発熱体と接触する。第四の工程330では、ハウジングは、使用前の液体エアロゾル形成基体の漏れを防止するために封止される。
【国際調査報告】