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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】減速ギアボックス
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
F16H1/32 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546246
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 DE2022100909
(87)【国際公開番号】W WO2023147800
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】102022102500.4
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100210099
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 太介
(72)【発明者】
【氏名】ギョンホ パク
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FA50
3J027FB32
3J027GC07
3J027GC22
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
3J027GE30
(57)【要約】
本発明は、非円形の外側円周面(6)を有する波動発生器(1)によって周方向で局所的に径方向に変形可能であり、かつ外側歯部(3)を備える可撓性リング要素(2)と、内側歯部(5)を有する剛性リング要素(4)と、を備える、減速ギアボックス(21)に関する。可撓性リング要素(2)の外側歯部(3)は、少なくとも1つの噛み合い係合領域(8)においてトルクを伝達するために、剛性リング要素(4)の内側歯部(5)と少なくとも部分的に噛み合い、波動発生器(1)は、可撓性リング要素(2)内に少なくとも部分的に突出し、かつシャフト(10)に回転可能に固定されている非円形の第1の内側リング(9)を有する。減速ギアボックス(21)は、第2の内側リング(12)と少なくとも1つの第1の外側リング(13a)と、を備える、第1の軸受要素(11)を追加的に備え、該第2の内側リング(12)は、剛性リング要素(4)に固設されている。各外側リング(13a)は、可撓性リング要素()に固定されている。追加的に、可撓性リング要素(2)の概ね径方向延在部分(2a)に固定されている駆動カバー(14)が設けられ、駆動カバー(14)には、少なくとも1つの開口部(15)が装備されており、開口部(15)上には、減速ギアボックスの内部(17)と減速ギアボックスの周囲(18)との間のガス圧力差及び/又は温度差を均等化するために、ダイヤフラム(16)が配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速ギアボックス(21)であって、非円形の外側円周面を有する波動発生器(1)によって周方向に局所的に径方向に変形可能であり、かつ外側歯部(3)を備える可撓性リング要素(2)と、内側歯部(5)を有する剛性リング要素(4)と、を備え、前記可撓性リング要素(2)の前記外側歯部(3)は、少なくとも1つの噛み合い係合領域(8)においてトルクを伝達するために、前記剛性リング要素(4)の前記内側歯部(5)と少なくとも部分的に噛み合い、前記波動発生器(1)は、前記可撓性リング要素(2)内に少なくとも部分的に突出し、かつシャフト(10)に回転可能に固定されるように接続されている非円形の第1の内側リング(9)を有し、前記減速ギアボックス(21)は、第2の内側リング(12)と少なくとも1つの第1の外側リング(13a)と、を備える、第1の軸受要素(11)を追加的に備え、前記第2の内側リング(12)は、前記剛性リング要素(4)に固設され、各外側リング(13a)は、前記可撓性リング要素(2)に固設され、前記可撓性リング要素(2)の概ね径方向延在部分(2a)に固設されている駆動カバー(14)が追加的に設けられており、
前記駆動カバー(14)には、少なくとも1つの開口部(15)が装備されており、前記開口部(15)上には、前記減速ギアボックス(21)の内部(17)と前記減速ギアボックス(21)の周囲(18)との間のガス圧力差及び/又は温度差を均等化するために、ダイヤフラム(16)が配置されていることを特徴とする、減速ギアボックス(21)。
【請求項2】
前記ダイヤフラム(16)が、前記駆動カバー(14)に材料的に結合されるように接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項3】
前記駆動カバー(14)が、トルクセンサ及び/又はプリント回路基板を収容するように構成されており、前記トルクセンサ及び/又は前記プリント回路基板(33)は、前記駆動カバー(14)のセンサホルダ(14a)内に配置され、前記センサホルダ(14a)は、前記減速ギアボックス(21)の前記残りの内部(17)から封止されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項4】
前記センサホルダ(14a)を前記減速ギアボックス(21)の前記残りの内部(17)から封止するために、少なくとも1つの封止部(19)が、前記駆動カバー(14)と前記可撓性リング要素(2)との間に径方向に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項5】
減速ギアボックス(21)であって、非円形の外側円周面(6)を有する波動発生器(1)によって周方向に局所的に径方向に変形可能であり、かつ外側歯部(3)を備える、可撓性リング要素(2)と、内側歯部(5)を有する剛性リング要素(4)と、を備え、前記可撓性リング要素(2)の前記外側歯部(3)は、少なくとも1つの噛み合い係合領域(8)においてトルクを伝達するために、前記剛性リング要素(4)の前記内側歯部(5)と少なくとも部分的に噛み合い、前記波動発生器(1)は、前記可撓性リング要素(2)内に少なくとも部分的に突出し、かつシャフト(10)に回転可能に固定されるように接続されている非円形の第1の内側リング(9)を有し、前記減速ギアボックス(21)は、第2の内側リング(12)と、少なくとも1つの第1の外側リング(13a)と、を備える第1の軸受要素(11)を追加的に備え、前記第2の内側リング(12)は、前記剛性リング要素(4)に固設され、各外側リング(13a)は、前記可撓性リング要素(2)に固設され、前記可撓性リング要素(2)の概ね径方向延在部分(2a)に固設されている駆動カバー(14)が追加的に設けられており、
前記第1の軸受要素(11)の少なくとも前記第2の内側リング(12)には、少なくとも1つの開口部(15)が装備されており、前記開口部(15)上には、前記減速ギアボックス(21)の内部(17)と前記減速ギアボックス(21)の周囲(18)との間のガス圧力差及び/又は温度差を均等化するためにダイヤフラム(16)が配置されていることを特徴とする、減速ギアボックス(21)。
【請求項6】
前記ダイヤフラム(16)が、前記第2の内側リング(12)に材料的に結合されるように接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項7】
前記第1の軸受要素(11)が、前記第2の内側リング(12)と、前記第1の外側リング(13a)と、前記第1の外側リング(13a)に軸方向に隣接して配置された第2の外側リング(13b)と、を備える、交差ローラ軸受であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の減速ギアボックス(21)を備える、ロボット(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットのための減速ギアボックスに関する。本発明は更に、そのような減速ギアボックスを有するロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第112012000058号明細書では、固定された内歯ギアホイールと、固定された内歯ギアホイール内に配置された可撓性の外歯ギアホイールと、波動発生器と、を有する、減速ギアボックスが開示されている。波動発生器は、可撓性の外歯ギアホイールを楕円形に撓ませ、固定された内歯ギアと部分的に噛み合わせる。更に、波動発生器は、2つのギアの係合位置を周方向に移動させる。可撓性の外歯ギアホイールは、一方の端部に開口縁部を有し、かつ径方向に撓み可能な円筒状のドラム部分を有する。円筒状のドラム部分は、外側歯部が形成された外側歯部形成部分と、外側歯部形成部分を楕円状に撓ませるように波動発生器によって径方向に押圧される被押圧部分と、を有する。外側歯部形成部分及び被押圧領域は、可撓性の外歯ギアホイールの中心軸方向において、円筒状のドラム部分の異なる領域に形成されている。波動発生器は、円筒状のドラム部分の外側に配置され、被押圧部分を楕円状に撓ませるように被押圧部分を径方向外側から内側に押圧する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、減速ギアボックスを更に発展させること、特に、減速ギアボックスの消耗部品の寿命を改善することである。本目的は、本発明の第1の態様によれば請求項1の主題によって達成され、本発明の第2の態様によれば請求項5の主題によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項、記載、及び図面において見出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
減速ギアボックスは、非円形の外側円周面を有する波動発生器によって周方向に局所的に径方向に変形可能であり、かつ外側歯部を備える可撓性リング要素と、内側歯部を有する剛性リング要素と、を備え、可撓性リング要素の外側歯部は、少なくとも1つの噛み合い係合領域においてトルクを伝達するために、剛性リング要素の内側歯部と少なくとも部分的に噛み合い、波動発生器は、可撓性リング要素内に少なくとも部分的に突出し、かつシャフトに回転可能に固定されるように接続される非円形の第1の内側リングを有し、減速ギアボックスは、第2の内側リングと、少なくとも1つの第1の外側リングと、を備える、第1の軸受要素を追加的に備え、該第2の内側リングは、剛性リング要素に固定され、各外側リングは、可撓性リング要素に固定され、可撓性リング要素の概ね径方向延在部分に固定されている駆動カバーが追加的に設けられている。例えば、波動発生器、これにより第1の内側リングも、楕円形又は長円形の断面形状を有する。駆動カバーは、好ましくは、入力側から可撓性リング要素を覆う。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、駆動カバーには、少なくとも1つの開口部が装備されており、開口部上には、減速ギアボックスの内部と減速ギアボックスの周囲との間のガス圧力差及び/又は温度差を均等化するためにダイヤフラムが配置されている。
【0006】
各開口部は、減速ギアボックスの内部をギアの外部環境と接続する。開口部は、凹部又は穴部として理解されるべきであり、ダイヤフラムは、対応する開口部を完全に覆う。各開口部は、それが形成されるそれぞれの構成要素を通って本質的に軸方向に延在している。ここで記載される減速ギアボックスの内部は、減速ギアボックスの外部環境から空間的に分離されており、内部は、対応する開口部に配置されたそれぞれのダイヤフラムを介して、減速ギアボックスの環境、特に外部雰囲気に、空気圧的及び/又は熱的にのみ接続されている。この文脈において、「空気圧的に接続される」とは、2つの空間の間の圧力均等化がそれぞれのダイヤフラムを介して可能であることを意味する。この文脈において、「熱的に接続される」とは、2つの空間の間の温度均等化がそれぞれのダイヤフラムを介して可能であることを意味する。同時に、それぞれのダイヤフラムは、液体物質も固体物質も一方の領域から他方の領域へ通過することができないように、減速ギアボックスの内部を減速ギアボックスの外部環境から分離する。
【0007】
減速ギアボックスは、速度からトルクに切り替わるときに熱を発生させ、減速ギアボックスの内部温度を上昇させる。減速ギアボックスの内部圧力も上昇する。少量の熱は、ハウジング又は各部品の接触面を介して外側に放散される。残りの熱は、それぞれのダイヤフラム及び対応する開口部を介して外側に放出される。これは、次に減速ギアボックスの封止部及び軸受に追加のストレスを引き起こすことになる、減速ギアボックスの内部圧力の望ましくない上昇を防止する。すなわち、減速ギアボックスの封止部及び軸受の耐久性は、それぞれのダイヤフラムによって確実に影響を受ける。
【0008】
互いに対して移動可能及び/又は回転可能である減速ギアボックスの内部における構成要素の潤滑の温度上昇及び/又は圧力上昇は、ダイヤフラムによって抑制される。ダイヤフラムはまた、内部及び周囲の液体媒体及び/又は固体媒体を分離する。すなわち、減速ギアボックスの外部から内部への異物の侵入及び/又は流入が防止される。反対方向では、ダイヤフラムは、減速ギアボックスの内部からの物質、特にオイル又はグリースがそれぞれの開口部を通って漏出することができないように構成されている。
【0009】
一実施形態によれば、それぞれの開口部及びダイヤフラムは、潤滑剤チャンバ内の温度上昇及び/又は圧力上昇が抑制されるように構成及び配置されている。すなわち、減速ギアボックスの内部と周囲との間の温度均等化及び/又は圧力均等化は、それぞれのダイヤフラムを介して行われる。この場合、内部は、互いに対して回転可能である減速ギアボックスの部品が配置され、それぞれの軸受を介して互いに対して回転することができるように装着され支持される、減速ギアボックスの内側の空間として理解されるべきである。したがって、減速ギアボックスの内部は、減速ギアボックスの上述の軸受に潤滑剤、特に潤滑グリースが供給される潤滑チャンバとして理解されるべきである。すなわち、この場合の内部は、潤滑剤が充填される空間である。
【0010】
ダイヤフラムは、ダイヤフラムフィルタであり、ダイヤフラムは、好ましくは、例えば酸化アルミニウム及び酸化ケイ素を含むアルミニウムセラミックで作られている。ダイヤフラムは、不確定数の微細細穴を有し、狭く分布した細穴の穴径は、好ましくは概ね0.1~50μmである。ダイヤフラムは、細穴が温度及び/又は圧力によって変形しないように構成されている。加えて、ダイヤフラムは耐熱性であり、機械的に安定している。ダイヤフラムはまた、化学的に耐性である。
【0011】
波動発生器は、シャフトに動作可能に接続されており、シャフトは、好ましくは、波動発生器を回転移動させるために、電気機械によって少なくとも間接的に駆動される。例えば、波動発生器、特に第1の内側リングは、楕円形又は長円形の断面形状を有する。第1の内側リング及びシャフトは、好ましくは、2つの別個の構成要素であり、第1の内側リングは、例えば、回転可能に固定された接続部を形成するためにシャフト上に押圧される。シャフトはまた、駆動歯部を介して第1の内側リングに回動可能に固定されるように接続することができる。代替的に、第1の内側リング及びシャフトを単一部品として形成することが考えられる。波動発生器は、減速ギアボックスの駆動部を形成し、シャフトと第1の内側リングとの2部品構成の場合、好ましくは、関連付けられた軸受要素とともに可撓性の、すなわち弾性的に変形可能なリング要素内に圧入される。シャフトは、中空シャフト、すなわち中実シャフトとして構成することができる。
【0012】
「フレクスプライン」とも呼ばれる可撓性リング要素は、高強度の耐ねじれ性スリーブ要素である。これは、波動発生器を軸方向に少なくとも部分的に収容することができ、これにより波動発生器の外形に応じて局所的に変形可能であるように、可撓性であるように構成されている。波動発生器は、可撓性リング要素に対して回転可能であるか、又はその中に摺動可能に装着されている。これにより、可撓性リング要素は、波動発生器の非円形形状を呈し、波動発生器の回転の方向と相似する概ね径方向に弾性的に変形する。すなわち、波動発生器は、減速ギアボックスの動作中に回転移動させられ、この回転移動は、可撓性リング要素に周方向変形を生じさせる。
【0013】
好ましくは、トルクを伝達するための可撓性リング要素の外側歯部は、波動発生器の回転軸に対して対称的に対向する2つの噛み合い係合領域において、剛性リング要素の内側歯部と少なくとも部分的に噛み合い係合する。
【0014】
好ましくは、複数の回転要素が、内側リングの外側円周面と可撓性リング要素の内側円周面との間に互いに距離を置いて配置されている。すなわち、弾性リング要素は外側リングであり、回転要素は内側リングと外側リングとの間で空間的に転動する。代替的に、波動発生器は、回転要素と可撓性リング要素との間に径方向に配置された追加の外側リングを有し得る。この場合、組み立て中、波動発生器の外側リングは、可撓性リング要素の内周面と接触する。これは、波動発生器部品の取り扱い及び組み立ての両方を簡単にする。
【0015】
「サーキュラスプライン」とも呼ばれる剛性リング要素は、その内側歯部が可撓性リング要素の外側歯部よりも多くの歯を有する、耐ねじれ性の剛性リングである。波動発生器の回転は、可撓性リング要素と剛性リング要素との間の恒久的な円周方向の噛み合い係合を引き起こす。すなわち、対向する噛み合い係合領域は、波動発生器の回転中に、波動発生器の回転軸の周りを、すなわち円周方向に連続的に移動する。可撓性リング要素は、剛性リング要素よりも少ない歯を有するので、波動発生器の回転は、剛性リング要素に対する可撓性リング要素の相対運動を引き起こす。回転要素は、内側リングと可撓性リング要素、すなわち波動発生器の外側リングとの間で転動する。
【0016】
動作中、波動発生器は回転し、これにより、波動発生器の第1の内側リングは、可撓性リング要素、すなわち波動発生器の外側リングに対して捩じれ、この外側リングは、波動発生器内に別個に回転可能に固定されるように収容されている。可撓性リング要素は、波動発生器の回転の方向及び速度と相似して弾性的に変形する。すなわち、波動発生器は、減速ギアボックスの動作中に回転移動させられ、この回転移動は、可撓性リング要素に周方向変形を生じさせる。波動発生器の第1の内側リング及び可撓性リング要素、すなわち、存在する場合には外側リングは、減速ギアボックスの第2の軸受要素を形成する。
【0017】
シャフトは、好ましくは、第3の軸受要素を介して、ロボットアームセグメント、特に出力フランジに対して回転可能に装着されるように構成されている。シャフトは、少なくとも部分的に中空シャフト、すなわち中実シャフトとして構成することができ、第3の軸受要素は、シャフトの径方向内側に配置される。第1の軸受要素及び第2の軸受要素とは対照的に、第3の軸受要素は、好ましくは浮動軸受であり、別の部品、特にロボットアームセグメント又は出力フランジに対するシャフトの回転を可能にする。
【0018】
ダイヤフラムは、好ましくは、駆動カバーに材料的に結合されるように接続されている。ダイヤフラムは、好ましくは、内部に面する駆動カバーの内部に接着されている。これは、ダイヤフラムの封止効果を改善し、外部の影響、特に望ましくない固体物質及び/又は液体物質から減速ギアボックスの内部を効果的に保護する。ダイヤフラムと関連付けられた構成要素との間の材料固定接続は、両面被覆テープによって実現することができる。
【0019】
更なる実施形態によれば、内部は異なるセグメントに分割され、一方では、潤滑剤で充填された空間、すなわち潤滑領域と、潤滑領域から封止されている少なくとも1つの更なるセグメントとに分割される。更なるセグメントは、減速ギアボックスの電子機器の少なくとも一部を収容するために設けることができる。この場合、ダイヤフラムは、更なる内部セグメントに配置された構成要素又は要素の温度上昇及び/又は圧力上昇を追加的に抑制する。
【0020】
この意味で、駆動カバーは、トルクセンサ及び/又はプリント回路基板を収容するように構成されており、トルクセンサ及び/又はプリント回路基板は、駆動カバーのセンサホルダ内に配置され、センサホルダは、減速ギアボックスの残りの内部から封止されている。これは、減速ギアボックスの内部が、潤滑剤を保持する部分と、減速ギアボックスの電子部品を保持する部分とに分割され、2つの部分が互いに封止されていることを意味する。
【0021】
減速ギアボックスに装着されるトルクセンサは、回路基板又はプリント回路基板を有する。これは、減速ギアボックス内、ここでは駆動カバー上に位置している。既に述べたように、減速ギアボックス内の温度及び圧力は、特にスイッチング動作中に上昇する。センサ及び場合によってはプリント回路基板もまた、減速ギアボックス内に位置するので、これらの部品の温度もまた上昇し、それらは、圧力を受ける。トルクセンサのプリント回路基板は、温度変化によって影響を受ける電子部品からなり、温度変化は、回路基板上の部品の動作及び/又は寿命に悪影響を及ぼすことがある。
【0022】
この実施形態でも同様に、少量の熱がハウジング又は各部品の接触面を介して外部に放散される。残りの熱は、それぞれのダイヤフラム及び対応する開口部を介して外側に放出される。これは、次に減速ギアボックスの封止部及び軸受に追加のストレスを引き起こすことになる、減速ギアボックスの内部圧力の望ましくない上昇を防止する。すなわち、トルクセンサ及び/又はプリント回路基板の耐久性は、それぞれのダイヤフラムによって確実に影響を受ける。
【0023】
センサホルダとして理解され、少なくともトルクセンサのプリント回路基板が収容される凹部又は窪みを、駆動カバーに設けることができる。センサホルダはまた、減速ギアボックスの内部、特に駆動カバーの内側に位置している。センサホルダは、潤滑チャンバとして構成されている、減速ギアボックスの内部に対して封止され、潤滑チャンバとして構成されている。
【0024】
この意味で、少なくとも1つの封止部が、減速ギアボックスの残りの内部からセンサホルダを封止するために、駆動カバーと可撓性リング要素との間に径方向に配置されている。封止要素は、好ましくはリップ封止部である。
【0025】
トルクセンサ及び/又はプリント回路基板の配線は、配置され、固設され、必要に応じて駆動カバーを貫通させることができる。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、第1の軸受要素の少なくとも第2の内側リングには、少なくとも1つの開口部が装備されており、開口部上には、減速ギアボックスの内部と減速ギアボックスの周囲との間のガス圧力差及び/又は温度差を均等化するためにダイヤフラムが配置されている。特に、開口部は、第2の内側リング、剛性リング要素、及びその上に配置された任意の出力要素を通って軸方向に延在している。出力要素は、例えば、ゆっくりと回転する出力フランジとすることができる。この場合、所望の温度均等化及び/又は圧力均等化を達成するために、回転要素上に複数の開口部を設けることが必要であり得る。更に、対応する開口部におけるダイヤフラムの機能及び効果に関して、本発明の第1の態様に関する説明が参照される。
【0027】
それぞれの開口部のそのような配置は、潤滑剤を受け入れる減速ギアボックスの内部の部分が駆動カバーに接続されていない場合に特に好適である。
【0028】
好ましくは、この実施形態では、ダイヤフラムは、第2の内側リングに材料的に結合されるように接続されている。ダイヤフラムは、好ましくは、内部に面する第2の内側リングの内部に接着されている。
【0029】
全ての例示的な実施形態に関して、第1の軸受要素は、好ましくは、第2の内側リングと、第1の外側リングと、第1の外側リングに軸方向に隣接して配置された第2の外側リングと、を備える、交差ローラ軸受である。第2の内側リングと第1の外側リングとの間には、複数のローラが互いに間隔を置いて配置されている。第2内側リングと第2外側リングとの間にはまた、複数のローラが互いに間隔をあけて配置されている。交差ローラ軸受は、軸方向及び径方向を含む全ての方向からのモーメント荷重及びモーメント応力に対して有利である。2列の回転要素のローラは、X配置で配置されている。
【0030】
本発明はまた、本発明の第1の態様又は本発明の第2の態様による本発明に係る減速ギアボックスを備えるロボットに関する。特に、本発明による減速ギアボックスは、ロボットアームの接合部に配置され、2つのロボットアームセグメント間で少なくとも間接的に作用する。
【0031】
本発明を改善する更なる手段は、本発明の3つの好ましい例示的な実施形態の記載とともに、図面を参照して以下でより詳細に記載され、同一又は類似の要素には同じ参照符号が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1の実施形態による本発明に係る減速ギアボックスを有する部分的に示されたロボットの簡略化された概略図を示す。
図2図1による本発明に係る減速ギアボックスの概略的な縦断面図を示す。
図3図1及び図2による本発明に係る減速ギアボックスの概略的な部分縦断面図を示す。
図4】第3の実施形態による本発明に係る減速ギアボックスの概略縦断面図を示す。
図5図4による本発明に係る減速ギアボックスの概略的な部分縦断面図を示す。
図6】本発明に係る減速ギアボックスの駆動カバー上の開口部の非常に概略的な図を示す。
図7】第3の実施形態による本発明に係る減速ギアボックスの概略的な部分縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、ロボット20の断面を示す。第1のロボットアームセグメント22aと第2のロボットアームセグメント22bとの間には、2つのロボットアームセグメント22a、22bを互いに連接するように接続する接合部23が配置されている。2つのロボットアームセグメント22a、22bの位置を互いに対して変更するために、ロボット20は、本発明による電気モータ25及び減速ギアボックス21を備える駆動ユニット24を有する。
【0034】
図2図5及び図7によれば、第1の実施形態による本発明による減速ギアボックス21は、波動発生器1によって径方向に円周方向に変形可能である外側歯部3を有する可撓性リング要素2と、内側歯部5を有する剛性リング要素4と、を備え、可撓性リング要素2の外側歯部3は、2つの対向する噛み合い係合領域8においてトルクを伝達するために、剛性リング要素4の内側歯部5と噛み合う。
【0035】
減速ギアボックス21は、交差ローラ軸受として構成された第1の軸受要素11を有する。第1の軸受要素11は、第2の内側リング12と、第1の外側リング13aと、第1の外側リング13aに軸方向に隣接して配置された第2の外側リング13bと、を備える。第2の内側リング12とそれぞれの外側リング13a、13bとの間には、複数の回転要素28を有するそれぞれの回転要素列が配置されている。第2の内側リング12は、剛性リング要素4に固設されており、外側リング13a、13bは、可撓性リング要素2の径方向延在部分2aに固設されている。
【0036】
波動発生器1は、可撓性リング要素2と減速ギアボックス21のシャフト10との間に径方向に配置されている非円形の第2の軸受要素26を更に備える。第2の軸受要素26は、シャフト10の外側円周面27に回動可能に固定されるように配置されている第1の内側リング9と、減速ギアボックス21の可撓性リング要素2の径方向内側に配置されている第3の外側リング29と、を有する。波動発生器1は、電気モータ(ここでは図示せず)によってシャフト10を介して回転移動させることができる。
【0037】
非円形の、特に楕円形の第2の軸受要素26の第1の内側リング9及び第3の外側リング29は、例えば楕円形の外側ジオメトリを有し、第3の外側リング29の外側円周面は、可撓性リング要素2の内側円周面に回転可能に戴置されるようになる。第2の軸受要素26の組み立て前に、第3の外側リング29は、概ね円形の外側ジオメトリを有するが、この外側ジオメトリは、組み立て時に、第1の内側リング9の外側ジオメトリに応じて、楕円形の外側ジオメトリに弾性的に変形される。第2の軸受要素26は、第2の軸受要素26を有する波動発生器1が可撓性リング要素2内に突出するように、可撓性リング要素2内に圧入される。可撓性リング要素2は、波動発生器1の楕円形の外形を呈する。減速ギアボックス21の動作中、波動発生器1は、シャフト10を介して回転移動させられ、それによって、第3の外側リング29及び可撓性リング要素2は、局所的に径方向に変形される。すなわち、波動発生器1がその回転軸7を中心に回転することにより、可撓性リング要素2及び第3の外側リング29が周方向に変形する。
【0038】
可撓性リング要素2は、波動発生器1の楕円形の形状に適合されているので、外側歯部3を有する可撓性リング要素2は、剛性リング要素4の内側歯部5と、それぞれの噛み合い係合領域8でのみ係合する。剛性リング要素4は、この場合、リングギアとして理解されるべきである。
【0039】
減速ギアボックス21は、駆動カバー14を更に備え、駆動カバー14は、入力側で、すなわち、第1の軸受要素11の外側リング13a、13bとは反対側の概ね径方向延在部分2aの側で、可撓性リング要素2の概ね径方向延在部分2aに固設されている。
【0040】
図3及び図5によれば、軸方向開口部15は、駆動カバー14上に形成され、そこにダイヤフラム16が配置されている。一方で、ダイヤフラムは、減速ギアボックスの内部17と減速ギアボックスの周囲18との間のガス圧力差及びガス温度差を均等化するように構成されている。更に、ダイヤフラム16は、物質、特に潤滑剤が減速ギアボックス21から漏出することを防止し、かつ物質、特に汚れ及び/又は湿気が減速ギアボックス21に侵入することを防止するために設けられている。
【0041】
図6に例として示されるように、ダイヤフラム16は、駆動カバー14に材料的に結合されるように接続されている。ダイヤフラム16は、両面を接着剤で被覆されたテープ16aを有し、テープ16aは、ダイヤフラム本体16bと駆動カバー14との間に配置されている。テープ16aは、ガス圧力の低下及び過剰な熱の放散、すなわち、ガス圧力及び温度の均等化が、もっぱらダイヤフラム本体16bを介して行われることを確実にする。減速ギアボックス21の動作中、減速ギアボックス21の内部17において、温度が上昇し、かつ内部圧力が上昇する。これは、部分的に吸収され、ハウジング(ここでは図示せず)を介して放散される。残りの、追加の熱の実質的な部分は、ダイヤフラム16及び開口部15を介して、減速ギアボックス21の周囲18に放散される。開口部はまた、内部17と周囲18、すなわち外気との間の圧力均等化を容易にする。
【0042】
図2及び図3による第1の実施形態によれば、減速ギアボックス21の内部17は、減速ギアボックス21の潤滑領域として理解されるべきである。内部17は、図3による破線30内に形成され、この場合、第1の軸受要素11の回転要素28と、第2の軸受要素26と、出力フランジ32に対してシャフト10を回転可能に支持する第3の軸受要素31と、駆動カバー14に対してシャフト10を回転可能に支持する第4の軸受要素6と、を有する、2列の回転要素を備える。
【0043】
図4及び図5に示す第2の例示的な実施形態によれば、第1の例示的な実施形態とは対照的に、減速ギアボックス21の内部17は、2つの領域に分割され、一方では、第1の例示的な実施形態と相似する潤滑領域と、ここでは駆動カバー14上のセンサホルダ14aとして形成された電子機器収容領域とに分割されている。図5は、破線30を使用してセンサホルダ14aを示す。センサホルダ14a内には、トルクセンサ用プリント回路基板33が配置されている。センサホルダ14aは、リップ封止部として構成された封止部19によって潤滑領域から封止されており、封止部19は、駆動カバー14の軸方向部分14bと可撓性リング要素2との間に径方向に配置されている。これにより、駆動カバー14のセンサホルダ14aは、減速ギアボックス21の残りの内部17、ここでは潤滑領域として構成された内部17の部分から封止される。更なる情報については、上記の説明を参照されたい。
【0044】
図7による第3の実施形態による減速ギアボックス21は、図4及び図5の第2の実施形態と概ね同一である。この場合の違いは、第1の実施形態と相似して、センサホルダ14aが、潤滑領域として構成されている、減速ギアボックス21の内部17から流体的及び空間的に分離されていることである。破線30は、潤滑領域を形成する減速ギアボックス21の内部17を概略的に取り囲んでいる。この空間的分離により、第1の軸受要素11の第2の内側リング12に開口部15が形成され、この開口部15にダイヤフラム16が配置されており、このダイヤフラム16を介して、前述の実施形態と相似して、減速ギアボックス21の内部17と減速ギアボックス21の周囲18との間でガス圧力均等化及び温度均等化が行われる。ダイヤフラム16は、第2の内側リング12に材料的に結合されるように接続されている。この構造構成のために、開口部15は、第2の内側リング12、剛性リング要素4、及び出力フランジ32を通って軸方向に延在している。剛性リング要素4と出力フランジ32とは、ゆっくりと回転する構成要素であるので、十分な熱導出及び圧力均等化を確実にするために、周縁部にわたって分布された追加の開口部(図示せず)を有することができる。この例示的な実施形態は、それぞれの開口部15が、駆動カバー14以外の減速ギアボックス21の構成要素に配置することができることを例示することを意図している。いずれの場合も、内部17と周囲との間の物質の交換を防止し、周囲18への放熱及び内部17と周囲18との間の圧力均等化を実現するために、ダイヤフラム16が、その位置にかかわらず、それぞれの開口部15に設けられる。
【符号の説明】
【0045】
1 波動発生器
2 可撓性リング要素
2a 径方向延在部分
3 外側歯部
4 剛性リング要素
5 内側歯部
6 第4の軸受要素
7 回転軸
8 噛み合い係合領域
9 第1の内側リング、すなわち第2の軸受要素の内側リング
10 シャフト
11 第1の軸受要素
12 第1の軸受要素の第2の内側リング
13a、13b 第1の軸受要素の外側リング
14 駆動カバー
14a 駆動カバーのセンサホルダ
14b 駆動カバーの軸方向部分
15 開口部
16 ダイヤフラム
17 内部
18 周囲
19 封止部
20 ロボット
21 減速ギアボックス
22a、22b ロボットアームセグメント
23 接合部
24 駆動ユニット
25 電気モータ
26 第2の軸受要素
27 シャフトの外側円周面
28 第1の軸受要素の回転要素
29 第2の軸受要素の第3の外側リング
30 破線
31 第3の軸受要素
32 出力フランジ
33 プリント回路基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速ギアボックス(21)であって、非円形の外側円周面を有する波動発生器(1)によって周方向に局所的に径方向に変形可能であり、かつ外側歯部(3)を備える可撓性リング要素(2)と、内側歯部(5)を有する剛性リング要素(4)と、を備え、前記可撓性リング要素(2)の前記外側歯部(3)は、少なくとも1つの噛み合い係合領域(8)においてトルクを伝達するために、前記剛性リング要素(4)の前記内側歯部(5)と少なくとも部分的に噛み合い、前記波動発生器(1)は、前記可撓性リング要素(2)内に少なくとも部分的に突出し、かつシャフト(10)に回転可能に固定されるように接続されている非円形の第1の内側リング(9)を有し、前記減速ギアボックス(21)は、第2の内側リング(12)と少なくとも1つの第1の外側リング(13a)と、を備える、第1の軸受要素(11)を追加的に備え、前記第2の内側リング(12)は、前記剛性リング要素(4)に固設され、各外側リング(13a)は、前記可撓性リング要素(2)に固設され、前記可撓性リング要素(2)の概ね径方向延在部分(2a)に固設されている駆動カバー(14)が追加的に設けられており、
前記駆動カバー(14)には、少なくとも1つの開口部(15)が装備されており、前記開口部(15)上には、前記減速ギアボックス(21)の内部(17)と前記減速ギアボックス(21)の周囲(18)との間のガス圧力差及び/又は温度差を均等化するために、ダイヤフラム(16)が配置されていることを特徴とする、減速ギアボックス(21)。
【請求項2】
前記ダイヤフラム(16)が、前記駆動カバー(14)に材料的に結合されるように接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項3】
前記駆動カバー(14)が、トルクセンサ及び/又はプリント回路基板を収容するように構成されており、前記トルクセンサ及び/又は前記プリント回路基板(33)は、前記駆動カバー(14)のセンサホルダ(14a)内に配置され、前記センサホルダ(14a)は、前記減速ギアボックス(21)の前記残りの内部(17)から封止されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項4】
前記センサホルダ(14a)を前記減速ギアボックス(21)の前記残りの内部(17)から封止するために、少なくとも1つの封止部(19)が、前記駆動カバー(14)と前記可撓性リング要素(2)との間に径方向に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項5】
減速ギアボックス(21)であって、非円形の外側円周面(6)を有する波動発生器(1)によって周方向に局所的に径方向に変形可能であり、かつ外側歯部(3)を備える、可撓性リング要素(2)と、内側歯部(5)を有する剛性リング要素(4)と、を備え、前記可撓性リング要素(2)の前記外側歯部(3)は、少なくとも1つの噛み合い係合領域(8)においてトルクを伝達するために、前記剛性リング要素(4)の前記内側歯部(5)と少なくとも部分的に噛み合い、前記波動発生器(1)は、前記可撓性リング要素(2)内に少なくとも部分的に突出し、かつシャフト(10)に回転可能に固定されるように接続されている非円形の第1の内側リング(9)を有し、前記減速ギアボックス(21)は、第2の内側リング(12)と、少なくとも1つの第1の外側リング(13a)と、を備える第1の軸受要素(11)を追加的に備え、前記第2の内側リング(12)は、前記剛性リング要素(4)に固設され、各外側リング(13a)は、前記可撓性リング要素(2)に固設され、前記可撓性リング要素(2)の概ね径方向延在部分(2a)に固設されている駆動カバー(14)が追加的に設けられており、
前記第1の軸受要素(11)の少なくとも前記第2の内側リング(12)には、少なくとも1つの開口部(15)が装備されており、前記開口部(15)上には、前記減速ギアボックス(21)の内部(17)と前記減速ギアボックス(21)の周囲(18)との間のガス圧力差及び/又は温度差を均等化するためにダイヤフラム(16)が配置されていることを特徴とする、減速ギアボックス(21)。
【請求項6】
前記ダイヤフラム(16)が、前記第2の内側リング(12)に材料的に結合されるように接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項7】
前記第1の軸受要素(11)が、前記第2の内側リング(12)と、前記第1の外側リング(13a)と、前記第1の外側リング(13a)に軸方向に隣接して配置された第2の外側リング(13b)と、を備える、交差ローラ軸受であることを特徴とする、請求項1又は5に記載の減速ギアボックス(21)。
【請求項8】
請求項1又は5に記載の減速ギアボックス(21)を備える、ロボット(20)。
【国際調査報告】