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特表2025-504150アレルギー性免疫応答を調節するためのプロバイオティクスの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】アレルギー性免疫応答を調節するためのプロバイオティクスの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/747 20150101AFI20250130BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20250130BHJP
   A61K 35/744 20150101ALI20250130BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20250130BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20250130BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20250130BHJP
【FI】
A61K35/747
A61P37/08
A61K35/744
A61P11/02
A61K9/12
A23L33/135
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546263
(86)(22)【出願日】2023-02-02
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2023052531
(87)【国際公開番号】W WO2023148254
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】22155334.0
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397060588
【氏名又は名称】インターナショナル エヌ アンド エイチ デンマーク エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・レフティネン
(72)【発明者】
【氏名】シニカ・アンネリ・ラトヴァラ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンナ・ヒルヴォネン
(72)【発明者】
【氏名】ジェンニ・マリア・リィルジャヴァーティ
(72)【発明者】
【氏名】ピルヴィ・ヘポ-オヤ
(72)【発明者】
【氏名】ニータ・セングプタ
(72)【発明者】
【氏名】カトリ・ホラッパ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB07
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD86
4B018ME07
4B018ME14
4C076AA24
4C076BB25
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC55
4C087BC56
4C087CA09
4C087MA02
4C087MA13
4C087MA59
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA34
4C087ZB13
(57)【要約】
本発明は、対象におけるアレルギー性免疫応答の調節のためのラクトバチルス(Lactobacillus)及びラクチカゼイバチルス(Lacticaseibacillus)の属の有効量の細菌株、並びに前記組成物の方法及び使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるアレルギー性免疫応答の調節に使用するためのラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む、治療用組成物。
【請求項2】
対象におけるアレルギー性免疫応答の調節のための組成物の非治療的使用であって、前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む、非治療的使用。
【請求項3】
前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種由来及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種由来の細菌株を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種の前記細菌株が、La-14株である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種の前記細菌株が、Lpc-37株である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記細菌株が、1回分当たり少なくとも1×10コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1×10~1×1014、より好ましくは1×10~1×1012で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記アレルギー性免疫応答の前記調節が、アレルギー性疾患の症状を緩和する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記アレルギー性疾患が、アトピー性湿疹、アレルギー性喘息、食物アレルギー、接触性皮膚炎、薬物アナフィラキシー及び虫刺されアナフィラキシーである、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記細菌株が、Th2及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記細菌株が、Th17及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記Th2及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-5及びIL-13である、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記Th17及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-17及びIL-22である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、食品、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物である、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記医薬組成物が、クリーム又は鼻腔用スプレーなどのスプレーの形態である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
対象におけるアレルギー性免疫応答の調節のためのラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む組成物の使用。
【請求項17】
前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種由来及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種由来の細菌株を含む、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種の前記細菌株が、La-14株である、請求項16又は17に記載の使用。
【請求項19】
ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種の前記細菌株が、Lpc-37株である、請求項16又は17に記載の使用。
【請求項20】
前記細菌株が、1回分当たり少なくとも1×10コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1×10~1×1014、より好ましくは1×10~1×1012で存在する、請求項16~19のいずれか一項に記載の使用。
【請求項21】
前記アレルギー性免疫応答の前記調節が、アレルギー性疾患の症状を緩和する、請求項16~20のいずれか一項に記載の使用。
【請求項22】
前記アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎である、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記アレルギー性疾患が、アトピー性湿疹、アレルギー性喘息、食物アレルギー、接触性皮膚炎、薬物アナフィラキシー及び虫刺されアナフィラキシーである、請求項21に記載の使用。
【請求項24】
前記細菌株が、Th2及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、請求項16~20のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
前記細菌株が、Th17及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、請求項16~20のいずれか一項に記載の使用。
【請求項26】
前記Th2及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-5及びIL-13である、請求項24に記載の使用。
【請求項27】
前記Th17及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-17及びIL-22である、請求項25に記載の使用。
【請求項28】
前記組成物が、食品、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物である、請求項16~27のいずれか一項に記載の使用。
【請求項29】
前記医薬組成物が、クリーム又は鼻腔用スプレーなどのスプレーの形態である、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
アレルギー性免疫応答の調節を必要とする対象においてそれを行う方法であって、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項31】
前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種由来及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種由来の細菌株を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種の前記細菌株が、La-14株である、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種の前記細菌株が、Lpc-37株である、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項34】
前記細菌株が、1回分当たり少なくとも1×10コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1×10~1×1014、より好ましくは1×10~1×1012で存在する、請求項30~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
アレルギー性免疫応答の前記調節が、アレルギー性疾患の症状を緩和する、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記アレルギー性疾患が、アトピー性湿疹、アレルギー性喘息、食物アレルギー、接触性皮膚炎、薬物アナフィラキシー及び虫刺されアナフィラキシーである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記細菌株が、Th2及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、請求項30~34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
前記細菌株が、Th17及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記Th2及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-5及びIL-13である、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記Th17及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-17及びIL-22である、請求項39に記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物が、食品、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物である、請求項30~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記医薬組成物が、クリーム又は鼻腔用スプレーなどのスプレーの形態である、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象におけるアレルギー性免疫応答の治療的調節のためのラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択されるプロバイオティクス株を含む組成物の新たな使用に関する。本発明は、さらに、アレルギー性免疫応答の調節を必要とする対象においてそれを行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アレルギー性疾患は、世界全体で10~30%の人々に影響を及ぼしていると推定されている。例えば、アレルギー性鼻炎(AR)は、世界全体で5億人に影響を及ぼす一般的疾患である。ARは、生命を脅かすものではないが、罹患者の生活の質及び仕事の効率に深刻な影響を与え、政府に対する大きな経済的負担をもたらす。アレルギー性免疫応答を特徴とする他の疾患としては、アトピー性湿疹、アレルギー性喘息、食物アレルギーだけでなく、接触性皮膚炎(例えば、ラテックス)、薬物アナフィラキシー及び虫刺されアナフィラキシーが挙げられる。
【0003】
アレルギー反応は、免疫グロブリン(Ig)Eを介した粘膜又は上皮表面のアレルギー性炎症反応であり、免疫細胞が抗原に反応し、鼻/皮膚のかゆみ、くしゃみ、水様性眼脂、咳及び充血などの症状を引き起こす。
【0004】
アレルギー反応は、アレルゲンに対するT-ヘルパー1型(Th1)/T-ヘルパー2型(Th2)反応の撹乱を特徴とし、特異的に強すぎるTh2サイトカイン反応を誘導し、インターロイキン(IL)-4、IL-5、IL-9、及びIL-13を放出し、IgE抗体形成を誘導し、好酸球の発生及び動員を促進し、気道の粘液産生を増加させることによってアレルギー性炎症を引き起こす(Isolauri et al.,2001;Garn & Renz,2007)。IL-17及びIL-22などの血清T-ヘルパー17型(Th17)サイトカインはまた、例えば、アレルギー性鼻炎(AR)患者で増加し、臨床症状、アレルギー性炎症、末梢好酸球数、及び薬物療法の必要性と関連している(Ciprandi et al.2009;Jordakieva and Jensen-Jarolim 2018)。
【0005】
循環Th2及びTh17サイトカインレベルは、アレルギー又はARに関連した症状が軽減する現在利用可能な唯一の原因療法であるアレルゲン特異的免疫療法で低下する(Jordakieva and Jensen-Jarolim 2018)。
【0006】
プロバイオティクス細菌の中には、免疫応答を調節し、アレルギー症状を緩和することが示されている。しかしながら、プロバイオティクス細菌の効果及び有効性をさらに評価することは、アレルギーの治療への最も潜在的な有効性を保証するために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、T細胞マイトジェンであるフィトヘマグルチニン(PHA)で刺激されたヒト末梢血単核球(PBMC)のTh2及びTh17細胞応答に対する、プロバイオティクス細菌株、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)La-14(DGCC 11491)及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37(DGCC 4981)の効果を評価することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本発明は、対象におけるアレルギー性免疫応答の調節に使用するためのラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種のプロバイオティクス株を含む治療用組成物に関する。
【0009】
別の態様では、本発明は、対象におけるアレルギー性免疫応答の調節のための組成物の非治療的使用であって、前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む、非治療的使用に関する。
【0010】
別の態様では、本発明は、対象におけるアレルギー性免疫応答の調節のためのラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種のプロバイオティクス株を含む組成物の使用に関する。
【0011】
さらなる態様では、本発明は、アレルギー性免疫応答の調節を必要とする対象においてそれを行う方法であって、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種のプロバイオティクス株を含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】PBMCにおけるPHA誘発性サイトカイン発現に対するLa-14の効果。PHA単独で又はLa-14と組み合わせて細胞を処理した。
図2】PBMCにおけるPHA誘発性サイトカイン発現に対するLpc-37の効果。PHA単独で又はLpc-37と組み合わせて細胞を処理した。
図3】PBMCにおけるPHA誘発性サイトカイン発現に対するLa-14+Lpc-37の効果。PHA単独で又はLa-14+Lpc-37と組み合わせて細胞を処理した。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の詳細な態様を以下に説明する。一部、詳細な態様のいくつかを別々の項で考察する。これは参照を容易にするためであり、決して限定するものではない。文脈上、別段の明確な指示がない限り、以下に述べる実施形態は全て、本発明の全ての態様に等しく適用される。
【0014】
細菌
本発明の細菌株は、ラクトバチルス(Lactobacillus)及びラクチカゼイバチルス(Lacticaseibacillus)の属の細菌株から選択される。好ましくは、本発明の細菌株は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種のものである。特に、細菌株は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)La-14株及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37株から選択される。La-14及びLpc-37株は両方、DuPont Nutrition Biosciences ApSから市販されている。
【0015】
細菌株はまた、Langebrogade 1,DK-1411 Copenhagen K,DenmarkのDuPont Nutrition Biosciences ApSにより、ブダペスト条約(Budapest Treaty)に従い、Leibniz-Institut Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ),Inhoffenstrasse 7B,38124 Braunschweig,Germanyに寄託もされ、以下の登録番号で登録されている。
1.La-14株(DGCC11491);2021年6月1日に登録番号DSM33880で寄託。
2.Lpc-37株(DGCC4981;2017年10月5日に登録番号DSM32661で寄託。
【0016】
好ましくは、本発明において使用される細菌株は、一般に安全と認められる細菌株であり、好ましくは、GRAS認証を取得している。「一般に安全と認められる(GRAS)」というのは、食品に添加される化学薬品又は物質が専門家によって安全であると認められ、したがって通常の連邦食品・医薬品・化粧品法(Federal Food,Drug,and Cosmetic Act)(FFDCA)の食品添加物許容要件から除外されるという米国食品医薬品局(American Food and Drug Administration:FDA)の指定である。
【0017】
組成物
本発明によるラクトバチルス(Lactobacillus)及びラクチカゼイバチルス(Lacticaseibacillus)の属の株を単独で(即ち、いかなる支持体、希釈剤又は賦形剤もなしで)投与することが可能であるが、前記株は典型的には、製品の一部として、特に組成物、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物若しくは製剤の一構成成分として又は少なくとも構成成分のうちの1つとして支持体上で又は支持体中で投与される。これらの製品は典型的には、当業者によく知られた追加の構成成分を含有する。
【0018】
したがって、一実施形態では、本発明は、対象におけるアレルギー性免疫応答の調節に使用するためのラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む治療用組成物に関する。
【0019】
別の態様では、本発明は、対象におけるアレルギー性免疫応答の調節のための組成物の非治療的使用であって、前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む、非治療的使用に関する。
【0020】
さらなる実施形態では、本発明は、アレルギー性免疫応答の調節を必要とする対象においてそれを行う方法であって、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
【0021】
アレルギー性免疫応答を調節することによって、当該細菌株がヒト免疫細胞由来のTh1及び/又はTh17サイトカインの産生を減少させ、したがってTh1/Th2バランスを改善し、その結果、アレルギーを有する個体における炎症及びアレルギー症状を減少させることが理解される。
【0022】
用語「対象」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物を意味する。
【0023】
本発明の特定の態様では、対象は、人間であることができる。
【0024】
一実施形態では、対象は、女性であることができる。
【0025】
一実施形態では、対象は、男性であることができる。
【0026】
一実施形態では、対象は、ノンバイナリージェンダーであることができる。
【0027】
一実施形態では、対象は、小児ではない。本明細書で使用する用語「小児」は、7歳以下の人間を意味する。
【0028】
一実施形態では、対象は、8歳以上の人間である。
【0029】
一実施形態では、対象は、16歳以上の人間である。
【0030】
一実施形態では、対象は、18歳以上の人間である。
【0031】
一実施形態では、対象は、健康な対象である。
【0032】
本発明の特定の実施形態では、組成物は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種由来及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種由来の細菌株を含む。
【0033】
ある特定の実施形態では、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種の株は、La-14株である。本発明の別の特定の実施形態では、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種の株は、Lpc-37株である。
【0034】
本発明による特定の実施形態では、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus):ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種の細菌株は、1:1(v/v)の比で、好ましくは1:2の比で、より好ましくは1:3の比で、より好ましくは1:4の比で、より好ましくは2:1の比で、より好ましくは3:1の比で、より好ましくは4:1の比で存在する。
【0035】
別の特定の実施形態では、本発明による組成物中に存在する細菌は、生細菌である。
【0036】
本発明の特定の実施形態では、アレルギー性免疫応答の調節は、アレルギー性疾患の症状を緩和する。
【0037】
別の実施形態では、アレルギー性疾患は、アレルギー性鼻炎である。別の実施形態では、アレルギー性疾患は、アトピー性湿疹、アレルギー性喘息、食物アレルギー、接触性皮膚炎、薬物アナフィラキシー及び虫刺されアナフィラキシーである。
【0038】
さらなる実施形態では、本発明による組成物は、カプセル化される。
【0039】
本発明による細菌株は、Th2及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる。Th2及び免疫細胞由来のサイトカインは、IL-5及びIL-13である。
【0040】
特定の実施形態では、本発明の細菌株は、Th17及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる。Th17及び免疫細胞由来のサイトカインは、IL-17及びIL-22である。
【0041】
本発明による組成物は、食品、食品成分、栄養補助食品、又は薬学的に許容される組成物若しくは製剤などの異なる形態で存在し得る。
【0042】
特定の実施形態では、治療レジメンは、組成物の経口投与を含む。
【0043】
別の特定の実施形態では、治療レジメンは、組成物を少なくとも1週間投与することを含む。別の実施形態では、治療レジメンは、組成物を少なくとも2週間投与することを含む。別の実施形態では、治療レジメンは、組成物を1日当たり少なくとも2回投与することを含む。
【0044】
投薬量
本発明に従って使用される細菌株は、支持体の1g当たり10~1014CFUの細菌、より特に支持体の1g当たり10~1012CFUの細菌、好ましくは支持体の1g当たり10~1012CFUで存在し得る。
【0045】
「支持体」とは、組成物、食品、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物を意味する。
【0046】
好適には、本発明に従って使用されるラクチカゼイバチルス(Lacticaseibacillus)及びラクトバチルス(Lactobacillus)の属の細菌株は、1回分当たり約10~約1014CFUの微生物、好ましくは1回分当たり約10~約1012CFUの微生物、より好ましくは1回分当たり約10~約1011CFUの微生物の投薬量で投与され得る。CFUは、「コロニー形成単位」を表す。
【0047】
用語「1回分当たり」とは、この量の微生物が、1日当たり又は1回の摂取量当たり、好ましくは1日当たりで対象に与えられることを意味する。例えば、微生物が食品中(例えば、ヨーグルト中)に入れて投与される場合、そのヨーグルトは、好ましくは、約10~約1012CFUの微生物を含有することになる。しかしながら、代替として、微生物のこの量は、任意の特定の時間、例えば各24時間の期間中に対象が受ける微生物の全体の量が約10~約1012CFUの微生物、好ましくは約10~約1012CFUの微生物、より好ましくは約10~約1011CFUの微生物である限り、それぞれがより少量の微生物負荷からなる5回の多回投与に分けることもできる。
【0048】
本発明に従って、細菌株は、1回分当たり少なくとも1×10コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1×10~1×1014、より好ましくは1×10~1×1012で存在する。1回分当たりの株の量は、1種の株のみを指し得るか、又は2種若しくは複数種の株を合わせて指し得る。
【0049】
食品
一実施形態では、細菌株は、乳をベースとする食品補助剤、飲料又は粉末などの食品に本発明に従って使用される。本明細書では、用語「食品」は、広い意味に使用され、ヒト用の食品及び動物用の食品(即ち、飼料)を包含する。好ましい態様では、食品は、ヒトが摂取するためのものである。
【0050】
食品は、用途、及び/又は利用方法、及び/又は投与方法に応じて溶液の形態とすることも固体の形態とすることもできる。
【0051】
機能性食品などの食品として使用されるか、又は当該食品の調製に使用される場合には、本発明の細菌は、以下に示すうちの1種又は複数種と組み合わせて使用され得る:栄養学的に許容される担体、栄養学的に許容される希釈剤、栄養学的に許容される賦形剤、栄養学的に許容されるアジュバント、栄養学的に有効な成分。
【0052】
一例として、本発明の細菌は、ソフトドリンク、乳清タンパク質を含む果汁又は飲料、健康茶、ココア飲料、ミルク飲料及び乳酸菌飲料、ヨーグルト及びドリンクヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、氷菓子及びデザート、菓子、ビスケットケーキ及びケーキミックス、スナック食品、栄養調整食品及び飲料、フルーツフィリング、保護グレーズ、チョコレートベーカリーフィリング、チーズケーキ香味付けフィリング、フルーツ香味付けケーキフィリング、ケーキ及びドーナツの糖衣、即席ベーカリーフィリングクリーム、クッキー用のフィリング、直ちに食べられるベーカリーフィリング、低カロリーフィリング、成人用栄養飲料、植物性ミルク、酸性化ダイズ/ジュース飲料、無菌/レトルトチョコレート飲料、バーミックス、飲料粉末、カルシウム強化ダイズ/プレーン及びチョコレートミルク、カルシウム強化コーヒー飲料の成分として使用することができる。
【0053】
有利には、製品が食品である場合、細菌株は、食品が小売業者によって販売のために提供される、通常の「販売期限」又は「賞味期限」日まで有効なままであるべきである。好ましくは、有効期間は、このような期日を越えて、食品の損傷が明らかになる、通常の鮮度保持期間の終わりまで、延びるはずである。所望の期間の長さ及び通常の貯蔵寿命は、食材によって変動することになり、当業者は、貯蔵寿命期間が、食材の種類、食材のサイズ、保管温度、加工条件、包装材料、及び包装設備年数によって変動することになることを認識しているであろう。
【0054】
食品成分
本発明の組成物は、食品成分及び/又は飼料成分の形態を取ることができる。
【0055】
本明細書で使用する用語「食品成分」又は「飼料成分」は、ヒト及び動物のための栄養補給剤及び/又は健康補給剤として機能性の食品又は食材である、又はそれに添加され得る組成物を含む。
【0056】
この食品成分は、使用及び/又は適用方法及び/又は投与方法に依存して液体、懸濁液又は固体の形態とすることができる。
【0057】
栄養補助食品
本発明の組成物は、栄養補助食品の形態を取ることができる、又はそれら自体が本明細書では食品補助剤とも呼ばれる栄養補助食品と組み合わせて使用され得る。
【0058】
用語「栄養補助食品」は、本明細書で使用される場合、食事に栄養価又は健康上の利点を加える(補給する)ことを意図した「食事成分」を含有する、摂取を意図した製品を指す。「食事成分」としては、以下の物質のうちの1種又は任意の組み合わせが挙げられ得る(しかしながら、これらに限定されない):細菌、プロバイオティクス(例えばプロバイオティクス細菌)、ビタミン、ミネラル、ハーブ若しくは他の植物性薬品、アミノ酸、総食事摂取量を増大させることによって食事を補給するように人々に用いられる食事物質、濃縮物、代謝物質、構成成分、又は抽出物。
【0059】
栄養補助食品は、錠剤、カプセル、軟質ゲル、ゲルキャップ、液体、又は粉末などの多くの形態で見出され得る。栄養補助食品の中には、必須栄養素の食事からの十分な摂取を確実にするのに役立つものもあれば、疾患を予防又は治療するのに役立つものもあり得る。
【0060】
医療食品
本発明の組成物は、医療食品の形態を取ることができる。
【0061】
「医療食品」とは、医師の監督下若しくは無監督下で摂取若しくは投与されるように処方され、認識された科学的原理に基づく独特の栄養要求が医学的評価によって確立された、特定の食事の管理又は状態を意図した食品を意味する。
【0062】
医薬組成物
本発明の細菌は、医薬組成物若しくは製剤として又はその調製で使用することができる。本明細書では、用語「医薬」は、広い意味に使用され、ヒト用医品、及び動物(即ち、獣医学的用途)用医品を包含する。
【0063】
好ましい実施形態では、薬学的に許容される組成物は、薬剤である。
【0064】
医薬組成物は、治療目的のものであり得、事実上、治癒的、対症的、又は予防的であり得る。
【0065】
本発明の好ましい実施形態では、薬剤は、経口投与用である。
【0066】
薬学的に許容される組成物又は支持体は、例えば、クリーム、フォーム、ゲル、ローション、及び軟膏の形態、圧縮錠剤、錠剤、カプセル剤、軟膏剤、坐剤、鼻腔用スプレーなどのスプレー、又は飲用溶液の形態であり得る。
【0067】
用医品として使用されるか又は医薬品の調製で使用される場合には、本発明の組成物は、以下に示すうちの1種又は複数種と組み合わせて使用され得る:薬学的に許容される担体、薬学的に許容される希釈剤、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容されるアジュバント、薬学的に活性な成分。
【0068】
この医薬品は、用途、及び/又は利用方法、及び/又は投与方法に応じて溶液の形態とすることも固体の形態とすることもできる。
【0069】
本発明の細菌株は、医薬品成分として使用することができる。本明細書では、組成物は、単独の活性構成成分であり得、またそれは、複数(即ち、2つ又は複数)の活性構成成分のうちの少なくとも1つであり得る。
【0070】
本発明による細菌株は、単独であろうと、他の構成成分又は成分との組み合わせで存在しようと、任意の好適な形態で使用し得る。同様に、本発明の細菌と、他の構成成分及び/又は成分(即ち、食品成分、機能性食品成分又は医薬品成分などの成分)とを含む組み合わせも任意の好適な剤形で使用し得る。
【0071】
本発明による細菌株は、固体若しくは液体製剤の形態又はその代替形態で使用し得る。固体製剤の例としては、水分散性でも、噴霧乾燥されていても、又は凍結乾燥されていてもよい錠剤、カプセル剤、粉剤、粒剤及び粉末剤が挙げられるが、それらに限定されない。液体製剤の例として、水溶液、有機溶液又は水性-有機溶液、懸濁液、及び乳濁液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
剤形の好適な例としては、以下に示すうちの1種又は複数種が挙げられる:即時放出、遅延放出、調節放出、持続放出、パルス放出又は制御放出用途向けの、香味剤又は着色剤を含有してもよい、錠剤、丸剤、カプセル剤、オビュール剤、液剤又は懸濁剤。
【0073】
一例として、本発明の細菌が錠剤形態で使用される場合、例えば機能性成分として使用する場合、錠剤は、以下に示すうちの1種又は複数種も含有してもよい:賦形剤、例えば、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム及びグリシン;崩壊剤、例えば、デンプン(好ましくは、コーンスターチ、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び特定の複合シリケート);造粒結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン及びアラビアゴム;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル及びタルクが挙げられ得る。
【0074】
剤形を調製するのに使用するための栄養学的に許容される担体の例としては、例えば、水、食塩水、アルコール、シリコーン、ワックス、ワセリン、植物油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、リポソーム、糖、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸30モノグリセリド及びジグリセリド、ペトロエスライ(petroethrai)脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0075】
剤形用の好ましい賦形剤としては、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖又は高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0076】
水性懸濁液及び/又はエリキシル用に、本発明の細菌は、様々な甘味剤又は香味剤、色素又は染料と、乳化剤及び/又は懸濁化剤と、そして水、プロピレングリコール及びグリセリンなどの希釈剤と、並びにこれらの組み合わせと組み合わせられ得る。
【0077】
これら剤形にはまた、ゼラチンカプセル剤、食物繊維カプセル剤、食物繊維錠剤など、又はさらに食物繊維飲料を挙げることができる。
【0078】
一態様では、本発明による細菌は、エアロゾルの状態において、例えば気道に投与するために例えば鼻腔用スプレーによって投与することができる。
【0079】
プレバイオティクス
一実施形態では、本発明の細菌株及び組成物は、さらに、1種又は複数種の繊維及び/又はプレバイオティクスと組み合わせることができるか、又はそれらを含むことができる。
【0080】
プレバイオティクスは、宿主の微生物に選択的に利用されて健康上の利益を付与する基質と定義される。これらは一般に、1種又は限られた数の種類の細菌の成長及び/又は活動を選択的に刺激することによって宿主の健康に有益な影響を及ぼす成分であり、このようにして宿主の健康を増進する。プレバイオティクスは、経口投与に適用することができる。典型的には、プレバイオティクスは炭水化物(オリゴ糖など)であるが、その定義は、ポリフェノールなどの非炭水化物、若しくは多価不飽和脂肪酸、又は限られた数の種類の細菌によって選択的に利用されて健康上の利益を付与することができる他の成分を排除しない。最も普及しているプレバイオティクスの形態は、栄養学的に、可溶性繊維として分類される。食物繊維の多くの形態は、ある程度、あるレベルのプレバイオティクス効果を示す。
【0081】
一実施形態では、プレバイオティクスは、宿主の安寧及び健康に有益な胃腸内又は皮膚微生物叢の組成及び/又は活性の両方に特定の変化をもたらす選択的に発酵させた成分である。
【0082】
好適には、プレバイオティクスは、本発明に従い、0.01~100g/日、好ましくは0.1~50g/日、より好ましくは0.5~20g/日の量で使用することができる。一実施形態では、プレバイオティクスは、本発明に従って1~10g/日、好ましくは2~9g/日、より好ましくは3~8g/日の量で使用することができる。他の実施形態では、プレバイオティクスは、本発明に従い、5~50g/日、好ましくは5~25g/日の量で使用することができる。
【0083】
プレバイオティクスの食事供給源の例としては、ダイズ、イヌリン源(エルサレム・アーティチョーク、ヒカマ及びチコリの根など)、生オート麦、未精製小麦及び未精製大麦が挙げられる。
【0084】
好適なプレバイオティクスの例としては、アルギネート、キサンタン、ペクチン、ローカストビーンガム(LBG)、イヌリン、グアーガム、ガラクトオリゴ糖(GOS)、フラクトオリゴ糖(FOS)、ポリデキストロース10(即ち、Litesse(登録商標))、ラクチトール、L-アラビノース、D-キシロース、L-ラムノース、D-マンノース、L-フコース、イノシトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、フルクトース、カラギーナン、アルギネート、微結晶セルロース(MCC)、ベタイン、ラクトスクロース、ダイズオリゴ糖、イソマルツロース(Palatinose(商標))、イソマルトオリゴ糖、グルコオリゴ糖、キシロオリゴ糖、マンノオリゴ糖、ベータグルカン、セロビオース、ラフィノース、ゲンチオビオース、メリビオース、キシロビオース、シシオデキストリン(cyciodextrin)、イソマルトース、トレハロース、スタキオース、パノース、プルラン、ベルバスコース、ガラクトマンナン、(ヒト)乳オリゴ糖、及び全ての形態の難消化性デンプンが挙げられる。
【0085】
本発明による細菌株のうちの1種又は複数種と、本発明による1種又は複数種の繊維及び/又はプレバイオティクスとの組み合わせは、特定の用途において相乗効果(即ち、細菌を別々に使用した場合の相加効果を上回る効果)を示す。
【0086】
一実施形態では、本発明による細菌株又はその混合物は、1種又は複数種の繊維及び/又はプレバイオティクスと組み合わせて使用される。
【0087】
好適には、使用されるプレバイオティクスは、ポリデキストロース、ラクチトール、イノシトール、L-アラビノース、D-キシロース、L-ラムノース、D-マンノース、L-フコース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、フルクトース、カラギーナン、アルギン酸塩、5微結晶セルロース(MCC)、乳オリゴ糖又はベタインである。
【0088】
さらなる態様では、本発明は、本発明による細菌株又はその混合物と、1種又は複数種の繊維及び/又はプレバイオティクスとを含む、組成物、食品、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物に関する。
【0089】
発明の実施形態
誤解を避けるために、本発明が関連する実施形態のいくつかを以下に説明する。
【0090】
実施形態1.対象におけるアレルギー性免疫応答の調節に使用するためのラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む、治療用組成物。
【0091】
実施形態2.対象におけるアレルギー性免疫応答の調節のための組成物の非治療的使用であって、前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む、非治療的使用。
【0092】
実施形態3.前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種由来及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種由来の細菌株を含む、実施形態1又は2に記載の組成物。
【0093】
実施形態4.ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種の細菌株が、La-14株である、実施形態1~3のいずれか一つに記載の組成物。
【0094】
実施形態5.ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種の細菌株が、Lpc-37株である、実施形態1~3のいずれか一つに記載の組成物。
【0095】
実施形態6.細菌株が、1回分当たり少なくとも1×10コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1×10~1×1014、より好ましくは1×10~1×1012で存在する、実施形態1~5のいずれか一つに記載の組成物。
【0096】
実施形態7.アレルギー性免疫応答の前記調節が、アレルギー性疾患の症状を緩和する、実施形態1~6のいずれか一つに記載の組成物。
【0097】
実施形態8.アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎である、実施形態7に記載の組成物。
【0098】
実施形態9.アレルギー性疾患が、アトピー性湿疹、アレルギー性喘息、食物アレルギー、接触性皮膚炎、薬物アナフィラキシー及び虫刺されアナフィラキシーである、実施形態7に記載の組成物。
【0099】
実施形態10.前記細菌株が、Th2及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、実施形態1~6のいずれか一つに記載の組成物。
【0100】
実施形態11.前記細菌株が、Th17及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、実施形態1~6のいずれか一つに記載の組成物。
【0101】
実施形態12.Th2及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-5及びIL-13である、実施形態10に記載の組成物。
【0102】
実施形態13.Th17及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-17及びIL-22である、実施形態11に記載の組成物。
【0103】
実施形態14.前記組成物が、食品、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物である、実施形態1~13のいずれか一つに記載の組成物。
【0104】
実施形態15.医薬組成物が、クリーム又は鼻腔用スプレーなどのスプレーの形態である、実施形態14に記載の組成物。
【0105】
実施形態16.対象におけるアレルギー性免疫応答の調節のためのラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む組成物の使用。
【0106】
実施形態17.前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種由来及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種由来の細菌株を含む、実施形態16に記載の使用。
【0107】
実施形態18.ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種の細菌株が、La-14株である、実施形態16又は17に記載の使用。
【0108】
実施形態19.ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種の細菌株が、Lpc-37株である、実施形態16又は17に記載の使用。
【0109】
実施形態20.細菌株が、1回分当たり少なくとも1×10コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1×10~1×1014、より好ましくは1×10~1×1012で存在する、実施形態16~19のいずれか一つに記載の使用。
【0110】
実施形態21.アレルギー性免疫応答の前記調節が、アレルギー性疾患の症状を緩和する、実施形態16~20のいずれか一つに記載の使用。
【0111】
実施形態22.アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎である、実施形態21に記載の使用。
【0112】
実施形態23.アレルギー性疾患が、アトピー性湿疹、アレルギー性喘息、食物アレルギー、接触性皮膚炎、薬物アナフィラキシー及び虫刺されアナフィラキシーである、実施形態21に記載の使用。
【0113】
実施形態24.前記細菌株が、Th2及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、実施形態16~20のいずれか一つに記載の使用。
【0114】
実施形態25.前記細菌株が、Th17及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、実施形態16~20のいずれか一つに記載の使用。
【0115】
実施形態26.Th2及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-5及びIL-13である、実施形態24に記載の使用。
【0116】
実施形態27.Th17及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-17及びIL-22である、実施形態25に記載の使用。
【0117】
実施形態28.前記組成物が、食品、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物である、実施形態16~27のいずれか一つに記載の使用。
【0118】
実施形態29.医薬組成物が、クリーム又は鼻腔用スプレーなどのスプレーの形態である、実施形態28に記載の使用。
【0119】
実施形態30.アレルギー性免疫応答の調節を必要とする対象においてそれを行う方法であって、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)及び/又はラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種から選択される有効量の1種又は複数種の細菌株を含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【0120】
実施形態31.前記組成物が、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種由来及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種由来の細菌株を含む、実施形態30に記載の方法。
【0121】
実施形態32.ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)の種の細菌株が、La-14株である、実施形態30又は31に記載の方法。
【0122】
実施形態33.ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)の種の細菌株が、Lpc-37株である、請求項30又は31に記載の方法。
【0123】
実施形態34.細菌株が、1回分当たり少なくとも1×10コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1×10~1×1014、より好ましくは1×10~1×1012で存在する、実施形態30~33のいずれか一つに記載の方法。
【0124】
実施形態35.アレルギー性免疫応答の前記調節が、アレルギー性疾患の症状を緩和する、実施形態30~34のいずれか一つに記載の方法。
【0125】
実施形態36.アレルギー性疾患が、アレルギー性鼻炎である、実施形態35に記載の方法。
【0126】
実施形態37.アレルギー性疾患が、アトピー性湿疹、アレルギー性喘息、食物アレルギー、接触性皮膚炎、薬物アナフィラキシー及び虫刺されアナフィラキシーである、実施形態36に記載の方法。
【0127】
実施形態38.前記細菌株が、Th2及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、実施形態30~34のいずれか一つに記載の組成物。
【0128】
実施形態39.前記細菌株が、Th17及び免疫細胞由来のサイトカインの産生を減少させる、実施形態30~34のいずれか一つに記載の方法。
【0129】
実施形態40.Th2及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-5及びIL-13である、実施形態38に記載の組成物。
【0130】
実施形態41.Th17及び免疫細胞由来のサイトカインが、IL-17及びIL-22である、実施形態39に記載の組成物。
【0131】
実施形態42.前記組成物が、食品、食品成分、栄養補助食品又は薬学的に許容される組成物である、実施形態30~41のいずれか一つに記載の方法。
【0132】
実施形態43.医薬組成物が、クリーム又は鼻腔用スプレーなどのスプレーの形態である、実施形態42に記載の方法。
【実施例
【0133】
下記の実施例は、本発明の具体的な実施形態及び態様を実証し且つさらに例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されてはならない。
【0134】
材料及び方法
株及び成長条件
フィトヘマグルチニン(PHA)で刺激されたヒト末梢血単核球(PBMC)のTh2及びTh17細胞応答に対する、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)La-14(DGCC 11491)及びラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37(DGCC 4981)の効果が評価された。PBMCは、アレルギー応答を評価するための、T細胞マイトジェンPHAで刺激した一般的なエクスビボモデルである。
【0135】
PBMCを、Helsinki and Uusimaa Hospital District ethical committeeの許可(承認:HUS/828/2020)に従って、Finnish Red Cross Blood Serviceから購入したバフィーコートから分離した。バフィーコートをリン酸緩衝生理食塩水(PBS、Thermo Fisher Scientific)中の2mMのEDTA(Gibco)で1:1に希釈し、SepMateチューブ(Stemcell technologies,Grenoble,France)を用いたFicoll-Paque(GE Healthcare)密度勾配遠心分離によってPBMCを分離した。PBS(Thermo Fisher Scientific)で細胞を洗浄した後、細胞を計算し、10%ウシ胎児血清及び1%抗生物質-抗真菌剤(いずれもThermo Fisher Scientific)を補充した細胞培養培地RPMI1640(Merck)で希釈した。細胞を非組織処理24ウェルプレート(Falcon)10^6細胞/ウェルに入れた。
【0136】
プレバイオティクス細菌株は、一晩継代培養したものを実験に使用した。プロバイオティクスは遠心分離によって採取し、PBS(Thermo Fisher Scientific)で一度洗浄し、細胞培養培地RPMI1640に懸濁した。OD600は、所定の細菌:宿主細胞比10:1に対応するように調整した。実験前にフローサイトメトリーによって細菌数を計算し、株の成長曲線OD値の傾向線を確立した。この傾向線により、各実験で細菌の量を個別に計算することなく、OD値に基づいて細菌数を計算することが可能となった。
【0137】
フィトヘマグルチニンL(PHA-L、Merck)(「PHA」)をRPMI1640(血清及び抗生物質不含)に溶解し、一定分量で-20℃に保存した。PHA-Lを1μg/mlの濃度で使用した。PBMCを、個々のプロバイオティクス株、又は3つの複製ウェル中でPHAチャレンジとの2つの株の組み合わせで処理した。ベースライン対照として、PBMCをプロバイオティクスを用いずにPHAチャレンジで処理した。ELISA検査用の上清試料を24時間インキュベーション後に採取し、分析まで-80℃で保存した。
【0138】
PBMC細胞培養の細胞培養上清を、ヒトELISAキット(Quanterix,Billerica,MA,USA)を用いて、IL-5、IL-13、IL-17A及びIL-22サイトカインについて分析した。結果はQuanterix SP-X分析ソフトウェアで分析され、箱ひげ図(図1、2、及び3)でグラフ化された。PHA対照試料で正規化した4人のPBMCドナーの3つの複製ウェルの平均値について箱ひげ図を作成した。
【0139】
統計的分析
3つの複製ウェルの平均値を分析に用いた。実験の主要な有効性変数は、各サイトカインのPHA対照に対する変化率であり、各プロバイオティクス処理について、測定されたサイトカイン値を同じドナーの3つのPHA対照値の平均値で割った値として計算された。プロバイオティクスを主効果、モデルにおけるドナーをランダム効果として、反復測定分散分析法(RM-ANOVA)を用いることによってPHA対照に対する差を評価した。プロバイオティクスの推定値を1(大差なし)と比較し、コントラストを用いた同じ分析モデルで、PHA対照との倍数変化の比較を行った。全ての比較について、P値及び95%信頼区間が推定された。
【0140】
結果
PBMCにおけるPHA誘導性サイトカイン発現に対するLa-14株の効果を試験した。PHA単独で又はLa-14と組み合わせて細胞を処理した。上清からサイトカイン濃度を測定し、その結果、La-14株によるIL-5、IL-13、IL-17の応答は、PHA単独刺激と比較して統計学的に有意に低下することを示す(図1)。
【0141】
PBMCにおけるPHA誘導性サイトカイン発現に対するLpc-37株の効果を試験した。PHA単独で又はLpc-37と組み合わせて細胞を処理した。上清からサイトカイン濃度を測定し、その結果、Lpc-37株によるIL-5及びIL-13の応答は、PHA単独刺激と比較して統計学的に有意に低下することを示す(図2)。
【0142】
PBMCにおけるPHA誘導性サイトカイン発現に対するLa-14株及びLpc-37株の組み合わせの効果を試験した。PHA単独で又はLa-14株及びLpc-37株の組み合わせと組み合わせて細胞を処理した。上清からサイトカイン濃度を測定し、その結果、La-14株及びLpc-37株の組み合わせによるIL-5、IL-13、IL-17、及びIL-22の応答は、PHA単独刺激と比較して統計学的に有意に低下することを示す(図3)。
【0143】
本発明は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)La-14、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)Lpc-37、及びそれらの組み合わせが、PHA刺激PBMCにおけるTh2及びTh17サイトカイン(IL-5、IL-13、IL-17、及びIL-22)の発現を減少させることを示す(図3)。IL-17の発現は、Lpc-37単独では減少せず、IL-22サイトカインは、La-14又はLpc-37単独では減少しないが(図1及び2)、La-14及びLpc-37の組み合わせは、IL-17及びIL-22を有意に低減させることができ、これらの株の相乗効果を示す(図3)。
【0144】
本発明の結果は、プロバイオティクスLa-14及びLpc-37がアレルゲン特異的免疫応答をダウンレギュレートし、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息などのアレルギー性疾患の症状を予防又は緩和できることを示す。
【0145】
先の本明細書中で言及した全ての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することのない、記載した本発明の方法及びシステムの様々な修正及び変形は当業者に明らかであろう。本発明は、具体的な好ましい実施形態に関連して記載されてきたが、特許請求されるような本発明は、そのような具体的な実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、生化学及びバイオテクノロジー又は関連分野の当業者に明らかである、本発明を実施するための記載された方式の様々な修正は、以下の特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0146】
参考文献
Ciprandi G,De Amici M,Murdaca G,Fenoglio D,Ricciardolo F,Marseglia G,Tosca M.(2009)Serum interleukin-17 levels are related to clinical severity in allergic rhinitis.Allergy.64:1375-1378.https://doi.org/10.1111/j.1398-9995.2009.02010.x
Garn H,Renz H.(2007)Epidemiological and immunological evidence for the hygiene hypothesis.Immunobiology.212:441-52.doi:10.1016/j.imbio.2007.03.006.Epub 2007 Apr 30.PMID:17544829。
Isolauri E,Suetas Y,Kankaanpaeae P,Arvilommi H,Salminen S.(2001)Probiotics:effects on immunity.Am J Clin Nutr.73:444S-450S.doi:10.1093/ajcn/73.2.444s.PMID:11157355。
Jordakieva G,Jensen-Jarolim E.(2018)The impact of allergen exposure and specific immunotherapy on circulating blood cells in allergic rhinitis.World Allergy Organ J.11:19.doi:10.1186/s40413-018-0197-0.PMID:30128065;PMCID:PMC6092783。
図1
図2
図3
【国際調査報告】