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特表2025-504151医療装置用のアクチュエータ及び関連するシステム並びに方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】医療装置用のアクチュエータ及び関連するシステム並びに方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/015 20060101AFI20250130BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A61B1/015 511
A61B1/00 711
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546264
(86)(22)【出願日】2023-02-07
(85)【翻訳文提出日】2024-10-07
(86)【国際出願番号】 US2023062115
(87)【国際公開番号】W WO2023154697
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】63/307,757
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ダノティヤ、アディティア
(72)【発明者】
【氏名】ボーミック、ナバルン
(72)【発明者】
【氏名】ウェルドン、ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF12
4C161HH02
4C161HH04
4C161HH15
4C161LL02
4C161QQ06
(57)【要約】
一態様によれば、医療装置用のハンドルアセンブリ(306)は、ハンドル本体(320)と、医療装置への空気の供給及び液体の供給を制御するためのアクチュエータ(350)とを備え得る。アクチュエータは、ボタンを通って延びるルーメン(613)を含むボタン(318)と、ボタンに結合され、第1のチャネル(626)がルーメンに流体的に接続される内部本体(461)と、ハンドル本体に結合され、内部本体が外部本体によって受け入れられる外部本体(462)とを備え得る。アクチュエータは、ハンドル本体の円周に沿った複数の異なる位置で操作可能であり、アクチュエータは、ユーザがルーメンを覆うときに医療装置に空気を供給するように、かつ/又は、ユーザがボタンを押すときに医療装置に液体を供給するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置用のハンドルアセンブリであって、
前記ハンドルアセンブリは、ハンドル本体を備え、
前記ハンドルアセンブリは、前記医療装置への空気の供給及び液体の供給を制御するためのアクチュエータを備え、
前記アクチュエータはボタンを備え、該ボタンは、前記ボタンを通って延びるルーメンを含み、
前記アクチュエータは前記ボタンに結合された内部本体を備え、前記内部本体の第1のチャネルが前記ルーメンに流体的に接続されており、
前記アクチュエータは前記ハンドル本体に結合された外部本体を備え、前記内部本体が前記外部本体によって受け入れられており、
前記アクチュエータは、前記ハンドル本体の円周に沿った複数の位置で操作可能であり、かつ、前記アクチュエータは、
ユーザが前記ルーメンを覆うときに前記医療装置に空気を供給し、若しくはユーザが前記ボタンを押すときに前記医療装置に液体を供給し、又は
ユーザが前記ルーメンを覆うときに前記医療装置に空気を供給するとともにユーザが前記ボタンを押すときに前記医療装置に液体を供給する
ように構成される、ハンドルアセンブリ。
【請求項2】
前記ボタンの本体部分は、前記内部本体のレール部分において前記内部本体に結合されており、前記本体部分の凹部は、前記レール部分を受け入れる、請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項3】
前記本体部分は、U字形であるとともに、(i)前記本体部分の長手方向軸線から半径方向外向きに延びる第1の突出部と、(ii)前記第1の突出部とは前記本体部分の反対側で前記本体部分の長手方向軸線から半径方向外向きに延びる第2の突出部とを含む、請求項1又は2に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項4】
前記ハンドル本体に結合された制御ノブを更に備え、前記内部本体は、前記本体部分を受け入れるように構成された開口部を含み、かつ、前記本体部分は、前記本体部分が前記開口部の第1の側から前記第1の側に対向する前記開口部の第2の側へ移動するときに、前記制御ノブに向かって移動するように、又は前記制御ノブから離れるように移動するように構成される、請求項2に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項5】
前記内部本体は、少なくとも1つのばねを介して前記外部本体に結合される、請求項1~4のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項6】
可撓性チューブが前記ルーメンを前記第1のチャネルに流体的に接続し、前記内部本体は第2のチャネルを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項7】
前記内部本体は、前記ボタンの本体部分を受け入れるように構成された凹部を含み、
前記第1のチャネルは、前記凹部への第1の開口部から前記内部本体の第1の側の第2の開口部まで延びており、
前記第2のチャネルは、前記内部本体の第2の側の第3の開口部から前記第2の側の第4の開口部まで延びており、前記第2の側は、内部本体の前記第1の側とは反対側にある、請求項6に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項8】
前記ボタンの上面から、前記ハンドル本体の中心長手方向軸線に対して、前記ボタンとは直接反対側にある前記ハンドル本体の半径方向外側縁部までの距離は、60~70ミリメートルの範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項9】
前記内部本体は、ユーザが前記ボタンを押して液体を前記医療装置に供給するときに、前記本体部分の中心長手方向軸線の方向に前記外部本体内で移動するように構成されており、
前記ボタンは、前記中心長手方向軸線を交差する方向に、前記内部本体に対して移動するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項10】
前記外部本体は円筒形であるとともに前記ハンドル本体に回転可能に結合されており、
前記内部本体は円筒形であるとともに前記ボタンに結合される、請求項1~9のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項11】
前記外部本体は、前記ハンドル本体の弾性部分に当接する、請求項10に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項12】
前記外部本体は、前記外部本体の半径方向外側表面から中心長手方向軸線に対して半径方向外向きに突出する一対のコネクタ部分を含み、かつ、各コネクタ部分は、前記ハンドル本体に回転可能に結合される、請求項10又は11に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項13】
前記外部本体は、
流体入口と、
前記外部本体の中心長手方向軸線に対して、前記流体入口から約90度偏倚された流体出口と、
空気入口と、
前記外部本体の中心長手方向軸線に対して、前記空気入口から約90度偏倚された空気出口と
を含む、請求項10、11、又は12に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項14】
前記外部本体が、
前記外部本体の、中心長手方向軸線に対して半径方向外側表面内の第1の凹部と、
前記外部本体の、中心長手方向軸線に対して半径方向外側表面内の第2の凹部であって、前記外部本体の前記第1の凹部とは反対側に位置決めされた第2の凹部と
を含み、
第1の凹部及び第2の凹部の各々は、ハンドル本体の弾性部分を受け入れるように構成される、請求項10~13のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項15】
前記アクチュエータは、第1の軸線を中心として枢動可能であるとともに、前記内部本体は、前記第1の軸線から横断する第2の軸線に沿って移動可能である、請求項10~14のいずれか一項に記載のハンドルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な態様は、概して、医療装置のハンドル用のアクチュエータに関する。より具体的には、本開示の実施形態は、他の態様の中でも特に、内視鏡又は他の医療装置のハンドルと共に使用するための調節可能なアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡処置の間、内視鏡を操作する医療専門家は、多くの場合、医療専門家の手のひら全体を装置のグリップ又はハンドル部分の周囲に巻き付ける。内視鏡のハンドル上の様々なアクチュエータは、医療専門家が処置中に医療専門家の手を頻繁にかつ長期間にわたってねじることを必要とし、これにより負担又は損傷さえ引き起こし得る。場合によっては、ノブ又は起上台のような異なるスコープ制御の作動は、医療専門家の親指又は他の指の過剰な動きをもたらし得、その結果、医療専門家の手に負担をもたらし得る。内視鏡操作者は、内視鏡のハンドルを保持し操作することから生じる、手首及び手の不快感を経験する可能性がある。いくつかの場合において、医療専門家は、手根管症候群又は腱炎の症状に類似した症状を経験し得る。医療専門家が指、手、又は手首に疲労又は他の痛みを経験すると、医療専門家は、1次グリップ位置から、1次グリップ位置よりも強力でないグリップであり得る2次グリップ位置にシフトし得る(例えば、4本指のグリップから3本指のグリップにシフトする)。様々なアクチュエータにアクセスするために繰り返し指を伸ばすか又は指をねじることで、疲労又は他の痛みが増加し得る。
【0003】
医療専門家が処置タスクの間に医療専門家の手のグリップを繰り返し再調整するとき、処置は長引く可能性があり、かつ処置タスクはより困難になる可能性がある。医療専門家の手のサイズに応じて、アクチュエータは、最適化されていない位置に位置決めされ、処置中の専門家の手の再調整の回数を増加させる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、とりわけ、ハンドル上のアクチュエータへのユーザのアクセスを支援し、内視鏡又は他の医療装置に対するユーザの手のグリップを容易にするためのシステム、装置、及び方法に関する。様々なサイズの指及び手に適応するように調節可能なアクチュエータを有する内視鏡及び他の医療装置は、ユーザの手の疲労又は負担に対処するのに役立ち得、手のグリップの再調整の必要性を低減するのに役立ち得、かつ他の問題に対処するのに役立ち得る。本明細書に開示する態様はそれぞれ、開示する他の態様のいずれかに関連して説明する特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
【0005】
一態様によれば、医療装置用のハンドルアセンブリは、ハンドル本体と、医療装置への空気の供給及び液体の供給を制御するためのアクチュエータとを備え得る。アクチュエータは、ボタンを備え得る。該ボタンは、当該ボタンを通って延びるルーメンと、ボタンに結合され、第1のチャネルがルーメンに流体的に接続される内部本体と、ハンドル本体に結合され、内部本体が外部本体によって受け入れられる外部本体とを含む。アクチュエータは、ハンドル本体の円周に沿った複数の異なる位置で操作可能であり、アクチュエータは、ユーザがルーメンを覆うときに医療装置に空気を供給し、かつ/又はユーザがボタンを押すときに医療装置に液体を供給するように構成される。
【0006】
他の例では、ハンドルアセンブリは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。ボタンの本体部分は、内部本体のレール部分において内部本体に結合され得る。本体部分の凹部は、レール部分を受け入れる。本体部分は、U字形であり得るとともに(i)本体部分の長手方向軸線から半径方向外向きに延びる第1の突出部と、(ii)第1の突出部とは本体部分の反対側で本体部分の長手方向軸線から半径方向外向きに延びる第2の突出部とを含む。制御ノブは、ハンドル本体に結合され得る。内部本体は、本体部分を受け入れるように構成された開口部を含む場合があり、本体部分は、本体部分が開口部の第1の側から第1の側に対向する開口部の第2の側へ移動するときに、制御ノブに向かって移動するように、又は制御ノブから離れるように移動するように構成され得る。内部本体は、少なくとも1つのばねを介して外部本体に結合され得る。可撓性チューブは、ルーメンを第1のチャネルに流体的に接続し得る。内部本体は、第2のチャネルを含み得る。内部本体は、ボタンの本体部分を受け入れるように構成された凹部を含む場合があり、第1のチャネルは、凹部への第1の開口部から内部本体の第1の側の第2の開口部まで延びてもよく、第2のチャネルは、内部本体の第2の側の第3の開口部から第2の側の第4の開口部まで延び、第2の側は、内部本体の第1の側とは反対側にある。
【0007】
他の例では、ハンドルアセンブリは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。ボタンの上面から、ハンドル本体の中心長手方向軸線に対して、ボタンとは直接反対側にあるハンドル本体の半径方向外側縁部までの距離は、60~70ミリメートルの範囲であり得る。内部本体は、ユーザがボタンを押して液体を医療装置に供給するときに、本体部分の中心長手方向軸線の方向に外部本体内で移動するように構成され得る。ボタンは、中心長手方向軸線に対して交差する方向に、内部本体に対して移動するように構成され得る。外部本体は、円筒形であり得る。ハンドル本体に回転可能に結合され得る。内部本体は、円筒形であり得る。ボタンに結合され得る。外部本体は、ハンドル本体の弾性部分に当接し得る。外部本体は、外部本体の半径方向外側表面から、中心長手方向軸線に対して半径方向外向きに突出する一対のコネクタ部分を含む場合があり、各コネクタ部分は、ハンドル本体に回転可能に結合され得る。
【0008】
他の例では、ハンドルアセンブリは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。外部本体は、流体入口と、外部本体の中心長手方向軸線に対して、流体入口から約90度偏倚された流体出口と、空気入口と、外部本体の中心長手方向軸線に対して、空気入口から約90度偏倚された空気出口とを含み得る。外部本体は、外部本体の中心長手方向軸線に対して半径方向外側表面の第1の凹部と、外部本体の中心長手方向軸線に対して半径方向外側表面の第2の凹部とを含み、第2の凹部は、外部本体の第1の凹部とは反対側に位置決めされ得る。第1の凹部及び第2の凹部の各々は、ハンドル本体の弾性部分を受け入れるように構成される。アクチュエータは、第1の軸線を中心として枢動可能であり得る。内部本体は、第1の軸線から横切る第2の軸線に沿って移動可能であり得る。
【0009】
他の態様では、医療装置用のハンドルアセンブリは、ハンドル本体と、医療装置への流体の供給を制御するためのアクチュエータとを備えてもよい。アクチュエータは、ボタンを通って延びるルーメンを含むボタンと、ボタンに結合された内部本体と、ハンドル本体に結合された外部本体とを備えてもよい。内部本体は、外部本体によって受け入れられてもよく、アクチュエータは、ハンドル本体に対して、ハンドル本体上の複数の異なる位置に移動可能であり得る。アクチュエータは、ユーザがボタンを押すときに医療装置に流体を供給するように構成され得る。
【0010】
他の例では、ハンドルアセンブリは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。アクチュエータは、ハンドル本体に対して、第1の軸線に沿って移動可能であり得る。内部本体は、外部本体に対して、第1の軸線から横切る第2の軸線に沿って移動可能であり得る。内部本体が第2の軸線に沿って移動するとき、(i)流体が医療装置に供給されない第1の操作状態から、(ii)流体が医療装置に供給される第2の操作状態に移行するように構成され得る。外部本体は、流体入口と、外部本体の中心長手方向軸線に対して、流体入口から約90度偏倚された流体出口とを含む場合があり、アクチュエータは、第1の軸線を中心として枢動可能であり得る。内部本体は、第1の軸線から横切る第2の軸線に沿って移動可能であり得る。
【0011】
他の態様では、ハンドルを含む内視鏡を操作する方法が開示される。本方法は、第1のボタンをハンドル上の第1の位置から、ハンドル上の第1の位置とは異なる第2の位置に移動させることと、内視鏡を保持するためにハンドルを把持することと、内視鏡に流体を供給するために第1のボタンを押すこととを含み得る。方法は、(a)内視鏡に空気を供給するために第1のボタンのルーメンを覆うことと、(b)第1のボタンをハンドル上の第2の位置から、ハンドル上の第1の位置及び第2の位置とは異なる第3の位置に移動させることと、のうちの少なくとも1つを更に含み得る。
【0012】
前述の一般的な説明及び以下の「発明を実施するための形態」は両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求されるように、本発明を限定するものでないことが理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な態様を示すものであり、説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
図1A】本開示の態様による例示的な内視鏡の斜視図。
図1B】本開示の態様による例示的な内視鏡の斜視図。
図2A】本開示の態様による、内視鏡ハンドルを保持するユーザの手の斜視図。
図2B】本開示の態様による、内視鏡ハンドルを保持するユーザの手の斜視図。
図3】本開示の態様による内視鏡ハンドルの上面図。
図4】本開示の態様による、図3の内視鏡ハンドルのアクチュエータの側断面図。
図5】本開示の態様による、図4のアクチュエータの斜視図。
図6】本開示の態様による、図5のアクチュエータのボタンの斜視図。
図7A】本開示の態様による、図5のアクチュエータの分解斜視図。
図7B】本開示の態様による、図5のアクチュエータの断面分解図。
図8A】本開示の態様による、図5のアクチュエータの部分断面図。
図8B】本開示の態様による、図5のアクチュエータの部分断面図。
図9A】本開示の態様による、様々な操作状態における図5のアクチュエータの斜視部分断面図。
図9B】本開示の態様による、様々な操作状態における図5のアクチュエータの斜視部分断面図。
図10A】本開示の態様による、様々な操作状態における図5のアクチュエータの斜視部分断面図。
図10B】本開示の態様による、様々な操作状態における図5のアクチュエータの斜視部分断面図。
図11A】本開示の態様による、調節可能なアクチュエータを含む内視鏡ハンドルの上面図及び底面図。
図11B】本開示の態様による、調節可能なアクチュエータを含む内視鏡ハンドルの上面図及び底面図。
図12】本開示の態様による、様々な位置にある図11A及び図11Bの内視鏡ハンドルの調節可能なアクチュエータの側面図。
図13】本開示の態様による、図12の調節可能なアクチュエータの分解斜視図。
図14A】本開示の態様による、調節可能なアクチュエータを含む内視鏡ハンドルアセンブリの一部分の斜視図。
図14B】本開示の態様による、内視鏡ハンドルの一部分が除去されて内視鏡ハンドルの内部部分を露出させている、調節可能なアクチュエータを含む図14Aの内視鏡ハンドルアセンブリの一部分の斜視図。
図15A】本開示の態様による、異なる操作状態における図12の調節可能なアクチュエータの断面図。
図15B】本開示の態様による、異なる操作状態における図12の調節可能なアクチュエータの断面図。
図16】本開示の態様による、異なる操作状態における図12の調節可能なアクチュエータの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本開示の態様を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、同じ又は同様の部分を指すために、図面を通して同じ又は同様の参照番号を使用する。「遠位」という用語は、装置を患者に導入するときにユーザから最も遠い部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、装置を患者内に配置するときにユーザに最も近い部分を指す。本出願に含まれる図を通して、「P」及び「D」とラベル付けされた矢印は、図中の近位方向及び遠位方向を示すために使用される。本明細書で使用する場合、用語「備える/からなる」、「備えている/からなる」、又はそれらの任意の他の変形は、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品又は装置が、それらの要素のみを備えるのではなく、明示的に列挙していない、又はそのようなプロセス、方法、物品若しくは装置に固有の、他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーするよう意図されている。「例示的」という用語は、「理想的」という意味でなく、「例」という意味で使用する。更に、例えば、「約」、「実質的に」、「およそ」などの相対的な用語は、述べられた数値又は範囲における±10%の可能な変動を示すために使用される。
【0015】
本開示の実施形態は、医療処置中に内視鏡などの医療装置のハンドル及びハンドルのアクチュエータを把持し、操作し、かつ他の方法でハンドル及びハンドルのアクチュエータに力を加えるユーザの能力を改善しようとし、非限定的な例示的な利点として、他の態様の中でもとりわけ、処置中にユーザの手を再位置決めする必要性を低減し、指の過剰な運動によるユーザの手への負担を低減するのに役立つ。
【0016】
図1A及び図1Bは、例示的な内視鏡システム100の斜視図を示す。内視鏡システム100は、内視鏡101を含み得る。内視鏡101は、ハンドルアセンブリ106及び可撓性管状シャフト108を含み得る。ハンドルアセンブリ106は、生検ポート102と、生検キャップ103と、撮像ボタン104と、起上台アクチュエータ107と、第1のロッキングレバー109と、第2のロッキングレバー110と、第1の制御ノブ112と、第2の制御ノブ114と、吸引ボタン116と、空気・水ボタン118と、ハンドル本体120と、臍105とを含み得る。内視鏡システム100のアクチュエータ、起上台、ノブ、ボタン、レバー、ポート、又はキャップの全ては、任意の目的に役立ち得、本明細書で使用される各構成要素のそれぞれの名称によって暗示され得る、任意の特定の使用によって限定されない。臍105は、ハンドル本体120から、制御ユニット、水供給部、又は真空源などの補助装置まで延び得る。したがって、臍105は、内視鏡101と制御ユニットとの間で信号を送信して、内視鏡101の照明及び撮像構成要素を制御し、かつ/又は内視鏡101から画像データを受信することができる。臍105はまた、水供給源から灌注用の流体を、かつ/又は吸引を、シャフト108の遠位チップ119に提供することができる。ボタン116及び118は、それぞれ吸引及び流体供給用の弁を制御する。シャフト108は、遠位チップ119で終端し得る。シャフト108は、遠位チップ119を上、下、左、及び/又は右方向に曲げるための関節運動セクション122を含み得る。ノブ112及び114は、そのような曲がりを制御するために使用され得る。ロッキングレバー109及び110は、それぞれ、ノブ112及び114を所望の位置にロックし得る。ハンドル本体120は、テーパ状であり得る。ハンドル本体120の輪郭がその近位端よりもその遠位端において小さくなるように、ハンドル本体120は、ハンドルが遠位に延びるにつれて狭くなり得る。
【0017】
遠位チップ119は、撮像装置(例えば、カメラ)及び照明源(例えば、LED又は光ファイバ)を含み得る。遠位チップ119は、横向きであり得る。すなわち、撮像装置及び照明源は、シャフト108及び遠位チップ119の長手方向軸線に対して、半径方向外向きに、垂直に、ほぼ垂直に、又は別様に横切って臨み得る。
【0018】
内視鏡という用語が本明細書で使用され得るが、十二指腸内視鏡、結腸鏡、尿管鏡、気管支鏡、腹腔鏡、シース、カテーテル、又は任意の他の好適な送達装置若しくは医療装置を含むがこれらに限定されない他の装置が、本開示の装置と関連して使用され得る。本明細書で説明されるアクチュエータ実施形態のうちのいずれもが、これら又は他の医療装置のうちのいずれかに組み込まれてもよいことを理解されたい。
【0019】
内視鏡システム100を操作する際、ユーザは、ハンドルアセンブリ106(図2Aに示される)を保持するためにユーザの左手を使用し得る一方で、付属装置を保持するため、かつ/又は第1の制御ノブ112及び第2の制御ノブ114、並びに第1のロッキングレバー109及び第2のロッキングレバー110などのハンドルアセンブリ106のアクチュエータのうちの1つ以上を操作するために右手が使用される。ユーザは、ユーザの手でハンドル本体120を掴むことによって、ハンドルアセンブリ106を把持し得る。ハンドル本体120を把持するとき、ユーザは、左手の親指を使用して、第1の制御ノブ112及び第2の制御ノブ114、並びに起上台アクチュエータ107を(それらの軸線を中心とした回転により)操作し得るとともに、左手の指を使用して、撮像ボタン104、吸引ボタン116、及び空気・水ボタン118を(各々押すことによって)操作し得る。
【0020】
図2A及び図2Bは、ハンドルアセンブリ106を把持する例示的なユーザの左手201を示す。ユーザの左手人差し指230及び中指231は、吸引ボタン116及び空気・水ボタン118を操作するために使用され得る。ユーザは、吸引ボタン116及び/又は空気・水ボタン118を作動させるために、人差し指又は中指を伸ばし、かつ/又は人差し指若しくは中指に負担をかける必要があり得る。本明細書で以下に説明されるアクチュエータは、ユーザの指及び/又は手に必要な伸ばす距離を低減すること、並びに/又はユーザの指及び/又は手への負担を軽減することに役立ち得る。ハンドルアセンブリ106は、ハンドルアセンブリ106を通って長手方向に延びる中心長手方向軸線199を有し得る。
【0021】
ユーザは、把持する手201の親指202を起上台アクチュエータ107の上に位置決めし、親指202を移動させることによって起上台アクチュエータ107を円形経路に沿って第1の位置(図2Aに示す)から第2の位置(図2Bに示す)に移動させることができる。図2Bに示すように、親指202が第1の位置から第2の位置に移動するとき、手のひら240はハンドル本体120から離れるように移動し得る。手のひら240がハンドル本体120から離れるように移動するとき、ユーザは、人差し指又は中指を使用して吸引ボタン116及び/又は空気・水ボタン118に届かせることが困難であり得る。本明細書で以下に説明されるアクチュエータは、内視鏡101の操作中に吸引ボタン116及び/又は空気・水ボタン118を作動させるために必要とされる人差し指及び/又は薬指の運動を低減するのに役立ち得る。
【0022】
図3は代替のハンドルアセンブリ306の上面図を示す。ハンドルアセンブリ306は、撮像ボタン304、第1のロッキングレバー309、第2のロッキングレバー310、第1の制御ノブ312、第2の制御ノブ314、空気・水ボタン318及びアクチュエータ本体340を含む調節可能な空気・水アクチュエータ350、ハンドル本体320、並びに臍305を含む。中心回転ノブ軸線398は、第1の制御ノブ312及び第2の制御ノブ314を通って延び得る。空気・水ボタン318は、第1の制御ノブ312及び第2の制御ノブ314に向かって、又はそこから離れるように移動可能であり得る。また、ハンドルアセンブリ306の中心長手方向軸線399に向かって、又は中心長手方向軸線399から離れるように移動可能であり得る。中心長手方向軸線399は、図3の紙面を通って延びるように示されている。空気・水ボタン318は、回転ノブ軸線398から横切る軸線397に沿って移動可能であり得る。軸線397は、中心長手方向軸線399と交差しない場合がある。ユーザの手及び/又は指のサイズに応じて、ユーザは、ユーザの指が空気・水ボタン318により容易にアクセスすることを可能にするために、空気・水ボタン318の位置決めを調節し得る。例えば、空気・水ボタン318を第1の制御ノブ312及び第2の制御ノブ314から離れるように、かつ臍305に向かって移動させることによって、ユーザは、ハンドル本体320を把持するときに空気・水ボタン318にアクセスするために、ハンドル本体320の円周のより小さい部分の周りにユーザの指を巻き付ける必要があり得る。ユーザは、空気・水ボタン318を移動させて、空気・水ボタン318の上部からハンドル本体320の反対側382までの距離又は幅381を調節することができる。いくつかの例では、幅381は、図3に示すように、60~70mm(両端を含む)の間で調節され得る。空気・水ボタン318に関連して本明細書で説明される属性はまた、医療装置の遠位部分において適用される吸引の作動を制御するために、医療装置のハンドルアセンブリ上の吸引ボタンに適用され得る。
【0023】
図4は、空気・水ボタン318及びアクチュエータ本体340を含む空気・水アクチュエータ350の側断面図を示す。アクチュエータ本体340は、内部可動本体461及び外部固定本体462を含むことができる。外部固定本体462は、内部可動本体461を受け入れるように構成され得る。内部可動本体は、空気・水ボタン318を受け入れるように構成された開口部447を含み得る。摺動レール442は、内部可動本体461の内面から突出し得る。摺動レール442は、軸線397に平行であり得る。アクチュエータ本体340の更なる詳細は、図7図10に関連して説明される。内部可動本体461及び外部固定本体462の上縁部分551、552(図5に示す)は、角度を付け得るものであるとともに、軸線397に実質的に平行であり得る。
【0024】
図5は、空気・水ボタン318及びアクチュエータ本体340を含む空気・水アクチュエータ350の斜視図を示す。図5に示すように、摺動レール442は、実質的に直線状の矩形突出部であり、空気・水ボタン318のチャネル626(図6に示す)と係合して空気・水ボタン318を保持するように構成される。開口部447は実質的に矩形であり得る。空気・水ボタン318は開口部447内で移動し得る。いくつかの例では、内部可動本体461は、内部可動本体461の対向する内面上に2つの摺動レール442を含み得るとともに、各摺動レール442は、空気・水ボタン318のチャネル626によって受け入れられるように構成され得る。
【0025】
図6は、アクチュエータ本体340から取り外された空気・水ボタン318の斜視図を示す。空気・水ボタン318は、セントラルルーメン613を含むキャップ部分611と、キャップ部分611に結合された本体部分615とを含むことができる。キャップ部分611は、実質的に卵形又は円形であり得る。本体部分615を受け入れるキャビティ又は凹状部分617を含み得る。本体部分615は、U字形部分619と、U字形部分619の両側でU字形部分619から外向きに突出する突出部621、622とを含み得る。各突出部621、622は、ユーザが各突出部621、622を把持することを容易にするように構成されたリブ付き部分623、624を含むことができる。U字形部分619は、2つの脚部619a及び619bと、U字形部分619を通って長手方向に延びるセントラルルーメン629とを含み得る。2つの間隙627、628(各脚部619a及び619bにそれぞれ1つずつ)は、U字形部分619の遠位端631、632から近位に延び得る。U字形部分619の脚部619a、619bは、ユーザが各突出部621、622に圧力を加えるときにU字形部分619の中心長手方向軸線699に向かって移動するように構成され得るとともに、ユーザが突出部621、622から圧力を解放するときにU字形部分619の脚部619a及び619bが中立の位置に戻るように、図6に示される位置(中立の位置)に向かって付勢され得る。
【0026】
図7A及び図7Bは、それぞれ、空気・水ボタン318及びアクチュエータ本体340を含む空気・水アクチュエータ350の分解図、並びに空気・水アクチュエータ350の側断面分解図を示す。図7A及び図7Bに示すように、ばね701、702は、外部固定本体462の底面703及び内部可動本体461の底面704に結合される。ユーザが空気・水ボタン318を押すときに、内部可動本体461は、外部固定本体462内で移動し、ばね701、702を圧縮することができる。外部固定本体462は、水入口チャネル706及び水出口チャネル707と、空気入口チャネル708及び空気出口チャネル709とを含むことができる。内部可動本体461は、水・液体チャネル711及び空気チャネル712を含む底部分710と、凹部715及び摺動レール442を含む頂部分713とを含むことができる。図8図10に関連して更に説明するように、水・液体チャネル711は、外部固定本体462の水入口チャネル706及び水出口チャネル707と位置合わせされるように構成された2つの出口開口部(図示せず)を含むことができる。空気チャネル712は、空気入口チャネル708の開口部と位置合わせされるように構成された第1の開口部(図示せず)と、空気出口チャネル709の開口部と位置合わせされるように構成された第2の開口部と、凹部715内への開口部とを含み得る。
【0027】
図8A図8Bに示されるように、空気・水アクチュエータ350は、空気・水ボタン318のルーメン613を空気チャネル712に流体的に接続する可撓性チューブ850を含む。チューブ850は、ルーメン613の開口部に固定的に結合され得るとともにルーメン613と気密シールを形成し得、かつ、空気チャネル712の開口部に固定的に結合され得る。空気チャネル712と気密シールを形成し得る。チューブ850は、ルーメン613と空気チャネル712との間の流体的な接続を維持しながら、空気・水ボタン318が開口部447の両側の端部間で移動することを可能にするようにサイズ決めされ得る。図10A図10Bでは、空気・水アクチュエータ350の様々な状態での流体流を示すことを容易にするために、明確にするだけの目的で、チューブ850が除去されている。チューブ850をよじれさせることなく、あるいはチューブ850を通る空気流を妨害することなくチューブ850の移動を可能にし得るように、チューブ850は、本体部分615の間隙627、628を通って移動する。
【0028】
図9A図9B図10A、及び図10Bは、様々な操作状態における空気・水アクチュエータ350を示しており、空気・水アクチュエータ350の部分は、様々な操作状態における空気・水アクチュエータ350を通る流体流路を示すために断面で示されている。一般に、空気・水アクチュエータ350は、ユーザが、内視鏡又は他の医療装置の1つ以上のチャネルを通して、空気又は加圧空気の流れを患者の解剖学的構造に供給することを可能にする。ユーザが空気・水ボタン318のルーメン613を覆われていないままにしておくと、空気供給源からの空気流は、医療装置及び患者の外側の大気に通気することが可能になる。ユーザが指又はユーザの身体の他の部分で空気・水ボタン318のルーメン613を覆うときに、空気供給源からの空気流は、内視鏡又は他の医療装置を通って流れ、装置の遠位端から出て患者の解剖学的構造に入る。内視鏡又は他の装置の遠位端に水を供給するために、ユーザは、空気・水ボタン318を押して、水などの液体を内視鏡又は他の装置の水チャネルに供給しなければならない。ユーザが空気・水ボタン318を解放するときに、内視鏡又は他の装置の遠位端への液体の供給が停止する。液体又は空気の流体流路を指定するために、図9A図10Bを通して矢印が示されている。
【0029】
図9Aは、空気も液体も医療装置の遠位部分に供給されない、空気・水アクチュエータ350の第1の状態を示す。第1の状態では、ユーザはルーメン613を覆っておらず、かつ、空気・水ボタン318を押していない。空気入口チャネル708を通る空気流は、空気チャネル712及びチューブ850を通って流れ、第1の状態においてルーメン613から出る。
【0030】
図9Bは、ユーザが指又は他の身体部分でルーメン613を覆い、したがって、ルーメン613からの空気の通気を防止するときの空気・水アクチュエータ350の第2の状態を示す。第2の状態では、空気流は、空気入口チャネル708、空気チャネル712を通り、空気出口チャネル709から出て、内視鏡又は他の医療装置の遠位端に向かって移動する。空気は、図示されるように、チューブ850に入り、空気出口チャネル709に流れ、そこから流れ出ることができる。第2の状態において、空気は、内視鏡又は他の医療装置の空気チャネルを通って患者に供給される。空気・水アクチュエータ350の第1の状態及び第2の状態の両方において、ユーザは空気・水ボタン318を押しておらず、ばね701、702(図9A及び図9Bには図示せず)は伸張された位置にある。
【0031】
図10Aは、上述した第1の状態又は第2の状態にある空気・水アクチュエータ350を示し、水入口706を通る流体流を示す。第1の状態又は第2の状態では、液体(水など)は、水出口チャネル707に供給されず、内視鏡又は他の医療装置を通って患者に供給されない。図10Aに示すように、内部可動本体461は、水入口チャネル706からの流体が水出口チャネル707に入るのを阻止し、液体が内視鏡又は他の医療装置に供給されるのを防止する。水・液体チャネル711は、水入口チャネル706と位置合わせされておらず、水が水出口チャネル707に供給されていないとき、ばね701、702は、伸張された状態にある。
【0032】
図10Bは、ユーザがルーメン613を覆っており、空気・水ボタン318を押して、ばね701、702を圧縮し、内部可動本体461を外部固定本体462の底面703に向かって移動させている、第3の状態の空気・水アクチュエータ350を示す。ばね701、702が完全に圧縮されると、内部可動本体461の流体チャネル711は、水入口チャネル706及び水出口チャネル707と位置合わせの状態にあり得る。水/流体チャネル711は、水入口チャネル706を水出口チャネル707と流体的に接続し得る。図10Bの流体流矢印によって示すように、液体は、内視鏡又は他の医療機器を介して患者に液体を供給するために、水入口チャネル706、水/流体チャネル711、及び水出口チャネル707を通って移動することが可能になる。ユーザは、患者に液体を供給し続けるために空気・水ボタン318を第3の状態に保持し得る。次いで、患者への液体の供給を停止するために空気・水ボタン318を解放し得る。ユーザが空気・水ボタン318を解放するときに、空気・水アクチュエータ350は、第3の状態から第1の状態又は第2の状態(図10Aに示される)に移行し、内部可動本体461は、圧縮状態から伸張状態に移行するばね701、702からの力を介して開口部447を通って移動する。
【0033】
操作中、ユーザは、突出部621、622をつまんで、空気・水ボタン318をスライドレール342に沿ってユーザに適した位置に移動させることによって、空気・水ボタン318の位置決めを調節することができる。ユーザは、次いで、医療装置の操作を進め、空気・水アクチュエータ350を上記で説明された第1、第2、及び第3の状態の間で移行させてもよい。空気・水アクチュエータ350は、ハンドルアセンブリ306と一体化され得る。例えば、ハンドル本体320の一部分が外部固定本体462を形成する場合、ハンドル本体320と一体であり得る。
【0034】
図11A及び図11Bはハンドルアセンブリ1101の上面図及び底面図を図示する。ハンドルアセンブリ1101は、撮像ボタン1104と、第1のロッキングレバー1179と、第2のロッキングレバー1110と、第1の制御ノブ1178と、第2の制御ノブ1114、空気・水ボタン1118を含む調節可能な空気・水アクチュエータ1150と、ハンドル本体1120と、臍1105とを含む。中心回転ノブ軸線1143は、第1の制御ノブ1178及び第2の制御ノブ1114を通って延び得る。空気・水ボタン1118は、第1の制御ノブ1178及び第2の制御ノブ1114に向かって、又はそこから離れるように移動可能であり得る。ボタン1118は、枢動軸線1129を中心として枢動可能であり得る。いくつかの実施例では、枢動軸線1129は、ハンドル本体1120の中心長手方向軸線と位置合わせされ得る。他の例では、枢動軸線1129は、ハンドル本体1120の中心長手方向軸線から間隔を隔て得る。ボタン1118は、ボタン1118がハンドル本体1120の円周に実質的に沿って移動するように枢動するように構成され得る。ユーザがユーザの指でボタン1118に届くのに必要な長さを減少又は増加させるために移動され得る。図12は、ボタン1118が様々な位置にある空気・水アクチュエータ1150を示し、空気・水アクチュエータ1150が枢動軸線1129を中心に枢動されるときにボタン1118の中心長手方向軸線1149がどのように移動するかを示す。いくつかの例では、空気・水アクチュエータ1150は、枢動軸線1129を中心に合計約30度枢動するように構成され得る。
【0035】
図13は、ボタン1118、内部本体1161、及び外部本体1162を含む空気・水アクチュエータ1150の分解斜視図を示す。外部本体1162は、液体・水入口1106と、液体・水出口1107と、空気入口1108と、空気出口1109と、2つのコネクタ部分1170、1171と、セントラルルーメン1175と、本体1176と、突出部1177と、中心長手方向軸線1399とを含み得る。本体1176は円筒形であり得る。突出部1177は、本体1176の第1の端部から長手方向外向きに延び得る。突出部1177は円筒形であり得る。本体1176よりも小さい円周を有し得る。セントラルルーメン1175は、突出部1177の開口部1183につながり得るとともに、内部本体1161を受け入れるように構成され得る。本体1176は、中心長手方向軸線1399に対して、半径方向外側表面上に凹部1187、1188を含む場合があり、凹部1187は、ゴムリング/ゴムライニング1415、1416(図14Bに示される)を受け入れるように構成され得る。他の例では、本体1176は凹部1187、1188を含まない場合がある。
【0036】
液体・水入口1106、液体・水出口1107、空気入口1108、空気出口1109、及び2つのコネクタ部分1170、1171の各々は、円筒形であり得る。本体1176から中心長手方向軸線1399に対して、半径方向外向きに突出し得る。いくつかの例では、液体・水入口1106及び液体・水出口1107は、長手方向軸線1399に対して、互いから90度偏倚され得る。空気入口1108及び空気出口1109は、長手方向軸線1399に対して、互いから90度偏倚され得る。コネクタ部分1170、1171は、本体1176の両側に位置決めされ得る。本体1176の中心長手方向軸線1399から反対方向に半径方向外向きに延び得る。液体・水入口1106及び空気入口1108は、長手方向に位置合わせされ得る。液体・水出口1107及び空気出口1109は、長手方向に位置合わせされ得る。コネクタ部分1171は、液体・水入口1106と液体・水出口1107との間に位置決めされ得る。液体・水入口1106、液体・水出口1107、空気入口1108、及び空気出口1109は、それぞれ、ルーメン1190、1191、1192、1193を各々含む場合があり、ルーメン1190~1193の各々は、ルーメン1175内に開口し、ルーメン1175に流体的に接続され得る。コネクタ部分1170、1171の各々は、凹部1194、1195を含む場合があり、各凹部1194、1195は、中心長手方向軸線1399に向かって延びる。各凹部1194、1195はルーメン1175内に開口していない。
【0037】
内部本体1161は、円筒形であり得る。外部本体1162のルーメン1175内に位置決めされるように構成され得る。内部本体1161は、内部本体1161の第1の長手方向端部にねじ山付き部分1167を含む場合があり、ねじ山付き部分1167は、ボタン1118に結合する(例えば、ボタン1118の内部ねじ山と嵌合する)ように構成され得る。内部本体1161は、第1の管状の3方向に分岐した内部チャネル1169を含み得る。該内部チャネル1169は、ねじ山付き部分1167の第1の端部における第1の開口部1147から内部本体1161の内部部分まで延びる第1の分岐を有する。また内部本体1161は、第1の分岐から、内部本体1161の中心長手方向軸線に対して、半径方向外側表面にある第2の開口部1196まで延びる第2の分岐と、第1の分岐から、内部本体1161の中心長手方向軸線に対して、半径方向外側表面にある第3の開口部1197まで延びる第3の分岐とを含み得る。内部本体1161がボタン1118に結合されるときに、第1の内部チャネル1169がルーメン1113に流体的に接続される。内部本体1161は、内部本体1161の中心長手方向軸線に対して、半径方向外側表面上の第4の開口部1198から、内部本体1161の中心長手方向軸線に対して、半径方向外側表面上の第5の開口部1199まで、内部本体1161を通って延びる、第2の内部チャネル1166を更に含み得る。第2の開口部1196及び第3の開口部1197は、それぞれ、ルーメン1192、1193と位置合わせするように構成され得る。第4の開口部1198及び第5の開口部1199は、それぞれ、ルーメン1191、1190と位置合わせするように構成され得る。第2の開口部1196及び第3の開口部1197は、内部本体1161の半径方向外側表面の円周の周りで互いから90度偏倚され得る。第4の開口部1198及び第5の開口部1199は、内部本体1161の半径方向外側表面の円周の周りで互いから90度偏倚され得る。第1の内部チャネル1169は、空気入口1108を空気出口1109に流体的に接続するように構成され得る。第2の内部チャネル1166は、液体・水入口1106を液体・水出口1107に流体的に接続するように構成され得る。空気・水アクチュエータ1150が完全に組み立てられると、ばね1156は、内部本体1161の第2の端部1155を、本体1162の底部内面などの外部本体1162の内部部分に結合することができる。
【0038】
図14Aはハンドルアセンブリ1406の例示的な部分を示す。該ハンドルアセンブリ1406は、撮像ボタン1411と、汎用アクチュエータ1412と、第1の制御ノブ1478と、第2の制御ノブ1479と、調節可能な吸引アクチュエータ1410と、空気・水ボタン1118を含む調節可能な空気・水アクチュエータ1150と、ハンドル本体1420とを含む。空気・水ボタン1118は、ハンドル本体1420の近位部分において第1の制御ノブ1478に隣接して位置決めされる。図14Bは、ハンドル本体1420、調節可能な吸引アクチュエータ1410、及び調節可能な空気・水アクチュエータ1150の部分断面図を図示する。空気・水アクチュエータ1150の各コネクタ部分1170、1171は、ハンドル本体1420に回転可能に結合される。ゴムリング1415及び/又は他のゴムライニングは、ハンドル本体1420の一部分に結合され、外部本体1162を受け入れるように構成される。ゴムリング1415は、ハンドルアセンブリ1406の操作中にボタン1118の移動を防止するように構成され得る。例えば、ゴムリング1415は、1本の指の力がボタン1118に加えられている間、外部本体1162を定位置に保持するように構成され得る。ユーザは、空気・水アクチュエータ1150がコネクタ部分1170、1171を中心として枢動する際に、閾値量の力を加えて外部本体1162を強制的にゴムリング1415に摺動させることによって、ボタン1118の位置を移動させることができる。吸引アクチュエータ1410は、空気・水アクチュエータ1150に関連して本明細書で説明した特徴のうちのいずれかを有することができ、医療装置に吸引を送達し、アクチュエータ1410の位置決めの調節を可能にするための同様の構造及び機能を含み、かつ、ゴムリング1416は、ゴムリング1415が空気・水アクチュエータ1150と相互作用するのと同様に吸引アクチュエータ1410と相互作用することができる。
【0039】
図15A図15B、及び図16を説明する際に、医療装置とは、内視鏡又はハンドルアセンブリ1406を含む他の医療装置など、空気・水アクチュエータ1150が接続される医療装置のことを指す。図15Aは、空気圧も流体も医療装置に供給されない第1の操作状態にある空気・水アクチュエータ1150を図示する。空気入口1108、第1の内部チャネル1169、及びルーメン1113を通る流れの矢印は、ユーザが指又は身体の他の部分でルーメン1113を覆わないときの空気流の経路を示す。
【0040】
第1の操作状態から図15Bに示される第2の操作状態に移行するために、ユーザは、空気がルーメン1113から出ることを防止するように、指又は身体の他の部分でルーメン1113を覆わなければならない。図15Bの流れの矢印によって示されるように、空気・水アクチュエータ1150が第2の操作状態にあるとき、空気流は、空気入口1108、第1の内部チャネル1169を通って移動し、空気出口1109から出て、医療装置に供給される。第1の操作状態及び第2の操作状態の両方において、ユーザはボタン1118に圧力を加えず、ばね1156は伸張(定常状態、無負荷)位置にある。
【0041】
図16は、流体が医療装置に供給される第3の操作状態にある空気・水アクチュエータ1150を示す。液体・水入口1106、第2の内部チャネル1166、及び流体/水出口1107を通る流れ矢印は、ばね1156が完全に圧縮された(負荷がかかった)状態に移行するように、ユーザが指又はユーザの身体の他の部分でボタン1118を押すか、又は圧力を加えるときの液体・水の流れの経路を示す。ユーザがボタン1118を押すときに内部本体1161が外部本体1162を通って移動し、第1の内部チャネル1169が移動して空気入口1108及び空気出口1109との位置合わせから外れ、第2の内部チャネル1166が移動して液体・水入口1106及び液体・水出口1107と位置合わせして、流体が入口1106から出口1107に流れることを可能にする。ユーザがボタン1118を解放するときに、空気・水アクチュエータ1150は、第3の操作状態から第1の操作状態に移行する。
【0042】
本開示のハンドルアセンブリ306、1101、1406及びアクチュエータ350、1150は、ユーザが内視鏡101又は他の医療装置を操作するときにユーザの指を人間工学的に位置決めすることを支援し得るとともに、ユーザが内視鏡101を操作するときに、指が過度に運動すること及び/又は指を伸ばすことによって引き起こされる手の負担を低減し得、ユーザがユーザのグリップを失う可能性を低減し得る。また、ハンドルアセンブリ306、1101、1406及びアクチュエータ350、1150は、疲労、負担、又は他の困難に起因して、医療装置ハンドル上のユーザの手の繰り返される再位置決めを防止するのに役立ち得る。前述のハンドルアセンブリ306、1101、1406及びアクチュエータ350、1150の各々は、内視鏡システム又は任意の他の医療装置と併せて使用されるかどうかにかかわらず、ハンドルに対するユーザのグリップを強化及び/又は容易にするために使用され得る。本明細書で説明されるハンドルアセンブリ又はアクチュエータの任意の部分は、内視鏡又は他の医療装置のハンドルに組み込まれ、ユーザの装置の操作を改善し得る。本開示のハンドルアセンブリ306、1101、1406及びアクチュエータ350、1150は、異なるサイズの手及び/又は指を有する複数のユーザが、同じハンドルアセンブリを快適に使用することを可能にし得る。
【0043】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示した装置及び方法において様々な変更及び変形を行い得ることが当業者には明らかであろう。本開示の他の態様は、本明細書の考察及び本明細書に開示する特徴の実践から当業者には明らかであろう。明細書及び実施形態は、例示的なものにすぎないと考えられることが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
【国際調査報告】