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特表2025-504180医療デバイスアクチュエータおよび関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】医療デバイスアクチュエータおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
A61B1/00 711
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546447
(86)(22)【出願日】2023-01-31
(85)【翻訳文提出日】2024-09-26
(86)【国際出願番号】 US2023061654
(87)【国際公開番号】W WO2023154643
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】63/307,785
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ダノティヤ、アディティア
(72)【発明者】
【氏名】ボーミック、ナバルン
(72)【発明者】
【氏名】ウェルドン、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ラウト、シュリカント バサン
(72)【発明者】
【氏名】モリー、スボード
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF12
(57)【要約】
医療デバイスのためのリンク機構アセンブリは、制御レバーと、第1の軸を中心に回転可能な回転可能部材と、第1のリンク機構、第2のリンク機構、および第3のリンク機構を含む、複数のリンク機構とを備えてもよい。第1のリンク機構は、回転可能部材に結合された第1の端と、第2のリンク機構の第1の端に結合された反対側の第2の端とを含む。第2のリンク機構は、第1のリンク機構の第2の端に結合された第1の端と、第3のリンク機構の第1の端に結合された反対側の第2の端とを含み、第2のリンク機構は、第1の軸と平行な第2の軸を中心に回転可能であってもよい。第3のリンク機構の第2の端は、第3の軸に沿って平行移動してもよく、第2の軸は、第3の軸からオフセットされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスのためのリンク機構アセンブリであって
制御レバーと、
第1の軸を中心に回転可能な回転可能部材と、
第1のリンク機構、第2のリンク機構、および第3のリンク機構を含む複数のリンク機構と、を備え、
前記第1のリンク機構は、前記回転可能部材に結合された第1の端、および前記第2のリンク機構の第1の端に結合された反対側の第2の端を含み、
前記第2のリンク機構は、前記第1のリンク機構の前記第2の端に結合された前記第1の端、および前記第3のリンク機構の第1の端に結合された反対側の第2の端を含み、前記第2のリンク機構は、前記第1の軸と平行な第2の軸を中心に回転可能であり、
前記第3のリンク機構の第2の端は、第3の軸に沿って平行移動し、前記第2の軸は、前記第3の軸からオフセットされる、リンク機構アセンブリ。
【請求項2】
前記第3の軸に沿った長手方向軸を有するスライダであって、前記第3のリンク機構の前記第2の端に連結される、スライダをさらに備える、請求項1に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項3】
前記第2のリンク機構が前記スライダの前記長手方向軸に対して垂直に延在する構成では、前記第2のリンク機構の前記第1の端は、上から見たときに前記第2のリンク機構の右側端である、請求項2に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項4】
前記第2のリンク機構が前記スライダの前記長手方向軸に対して垂直に延在する構成では、前記第2のリンク機構の前記第1の端は、上から見たときに前記第2のリンク機構の左側端である、請求項2に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項5】
前記スライダは、遠位部材まで遠位に延在する制御部材に動作可能に結合される、請求項2~4のいずれか一項に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項6】
前記遠位部材は、前記医療デバイスのエレベータである、請求項5に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項7】
前記制御レバーの操作は、前記エレベータを通って延在するツールの配向を調節するように、前記エレベータの操作をもたらすように構成される、請求項6に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項8】
複数の前記リンク機構のうちの少なくとも1つは湾曲している、請求項1~7のいずれか一項に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項9】
前記第2のリンク機構は、前記第2の軸に沿って延在する固定突出部を中心に枢動する、請求項1~8のいずれか一項に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項10】
前記第2のリンク機構は、前記第2のリンク機構の前記第1の端から前記固定突出部まで延在する前記第2のリンク機構の第1の長さが、前記固定突出部から前記第2のリンク機構の前記第2の端まで延在する第2のリンク機構の第2の長さとは異なるように、前記固定突出部に偏心して取り付けられる、請求項9に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項11】
長手方向軸を有するスライダをさらに含み、前記スライダは、前記第3のリンク機構の第2の端に連結され、前記固定突出部は、前記スライダの前記長手方向軸からオフセットされる、請求項1に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項12】
(i)前記制御レバー、回転可能部材、および第1のリンク機構は、第2種梃子アセンブリを形成し、(ii)前記第1のリンク機構、第2のリンク機構、および第3のリンク機構は、第1種梃子アセンブリを形成する、請求項1に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項13】
前記第1のリンク機構が中間構成要素に結合され、前記中間構成要素が前記回転可能部材に結合される、請求項1~12のいずれか一項に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項14】
前記制御部材の近位部分は、ハイポチューブをさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のリンク機構アセンブリ。
【請求項15】
複数の前記リンク機構は、Z形状に構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のリンク機構アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の種々の態様は、全般的に、医療デバイスのアクチュエータのためのデバイスおよび方法に関し、特に、エレベータレバー等の十二指腸内視鏡の構成要素のためのアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
十二指腸内視鏡は、ハンドルと、対象の体管腔内に挿入可能なシースとを含み得る。シースは、光学要素(例えば、カメラ、照明)、空気/水出口、および作業チャネル開口部等の特徴を含み得る、遠位先端部で終端し得る。エレベータは、遠位先端に配置されてもよく、作業チャネルを通過させられる医療デバイス/ツールの配向を変化させるために作動可能であり得る。例えば、エレベータは、枢動可能であってもよく、またはそうでなければ移動可能であり得る。
【0003】
ハンドルにおける要素/アクチュエータは、遠位先端の要素を制御し得る。例えば、ボタン、ノブ、レバー等が、遠位先端の要素を制御し得る。エレベータは、エレベータに取り付けられる制御ワイヤに取り付けられ得る、レバー等のハンドルの制御機構を介して制御され得る。機構(例えば、レバー)が作動されると、ワイヤは、近位および/または遠位に移動し、それによって、エレベータを上昇および/または下降させ得る。そのような機構(例えば、レバー/アクチュエータ)を作動させることは、いくつかの構成では、操作者が大量の力を及ぼし、そのような力を長期間にわたって維持することを必要とする場合がある。実際に、様々な処置は、エレベータを急速に上昇および下降させること、またはエレベータを所望の位置に保持することなど、処置全体を通してレバーの一定かつ反復的な操作を必要とし得る。反復活動、静的筋肉負荷、および不自然な身体運動姿勢は、医師および他の医療関係者の筋骨格問題をもたらし得る。したがって、操作者がより快適に、正確に、かつより長い期間にわたって医療処置を行うことを可能にするために、エレベータを上昇および/または下降させるのに必要な力の量を減少させることが望ましい場合がある。
【0004】
本開示のデバイスおよび方法は、上記で説明した欠陥のうちの1つ以上を修正するか、または当技術分野の他の態様に対処し得る。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示される態様の各々は、他の開示される態様のいずれかに関連して説明される特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。本開示の例は、とりわけ、遠位端のエレベータを作動させるためのデバイスおよび方法に関する。しかしながら、本明細書に提供される機構は、エレベータ以外のデバイスの遠位端を関節運動させ、回転させ、または別様に操作するために使用されてもよいことが、当業者によって理解され得る。
【0006】
一例では、医療デバイスのためのリンク機構アセンブリは、制御レバーと、第1の軸を中心として回転可能な回転可能部材と、第1のリンク機構、第2のリンク機構、および第3のリンク機構を含む、複数のリンク機構とを備えてもよい。第1のリンク機構は、回転可能部材に結合された第1の端と、第2のリンク機構の第1の端に結合された反対側の第2の端とを含み、第2のリンク機構は、第1のリンク機構の第2の端に結合された第1の端と、第3のリンク機構の第1の端に結合された反対側の第2の端とを含み、第2のリンク機構は、第1の軸と平行な第2の軸を中心として回転可能である。第3のリンク機構の第2の端は、第3の軸に沿って平行移動してもよく、第2の軸は、第3の軸からオフセットされる。
【0007】
本明細書に説明されるリンク機構アセンブリの任意の例はさらに、長手方向軸を有するスライダを含んでもよい。スライダは、第3のリンク機構の第2の端に結合されてもよい。リンク機構アセンブリは、第2のリンク機構がスライダの長手方向軸に対して垂直に延在し、第2のリンク機構の第1の端が、上から見たときに第2のリンク機構の右側端であるように構成されてもよい。第2のリンク機構がスライダの長手方向軸に対して垂直に延在する構成では、第2のリンク機構の第1の端は、上から見たときに第2のリンク機構の左側端である。スライダは、遠位部材まで遠位に延在する制御部材に動作可能に結合される。遠位部材は、例えば、医療デバイスのエレベータであってもよい。制御レバーの操作は、エレベータを通って延在するツールの配向を調節するように、エレベータの操作をもたらすように構成される。いくつかの実施形態では、複数のリンク機構のうちの少なくとも1つは湾曲している。第2のリンク機構は、第2の軸に沿って延在する固定突出部を中心に枢動する。第2のリンク機構は、第2のリンク機構の第1の端から固定突出部まで延在する第2のリンク機構の第1の長さが、固定突出部から第2のリンク機構の第2の端部まで延在する第2のリンク機構の第2の長さとは異なるように、固定突出部に偏心して取り付けられてもよい。任意の例において、第1のリンク機構は中間構成要素に結合されてもよく、中間構成要素は回転可能部材に結合される。任意の例において、複数のリンク機構は、Z形状に構成される。
【0008】
別の例では、リンク機構アセンブリは、長手方向軸を有するスライダを含んでもよく、スライダは、第3のリンク機構の第2の端に連結され、固定突出部は、スライダの長手方向軸からオフセットされる。
【0009】
制御レバー、回転可能部材、および第1のリンク機構は、第2種梃子アセンブリを形成し、第1のリンク機構、第2のリンク機構、および第3のリンク機構は、第1種梃子アセンブリを形成する。加えて、または代替として、任意の例では、制御部材の近位部分は、ハイポチューブをさらに備えてもよい。
【0010】
別の例では、医療デバイスのためのリンク機構アセンブリは、第1の回転軸を中心に回転するように構成された回転可能部材と、スライダの最も後退した位置からスライダの最大前進部まで延在する可動域に沿って移動可能なスライダと、一連のエレベータリンク機構であって、一連のエレベータリンク機構の第1の端で回転可能部材に回転可能に結合され、一連のエレベータリンク機構の第2の端でスライダに回転可能に結合された一連のエレベータリンク機構とを備えてもよい。一連のエレベータリンク機構のうちの少なくとも1つのエレベータリンク機構は、第1の回転軸とは異なる第2の回転軸を中心に回転可能であり、可動域に沿ったスライダの移動は、制御部材を介してスライダに結合された遠位部材の移動をもたらす。制御部材の近位部分は、ハイポチューブをさらに備える。遠位部材は、医療デバイスのエレベータである。第2の回転軸は、スライダを通って長手方向に延在する長手方向軸に垂直であってもよい。
【0011】
別の例では、医療デバイスのためのリンク機構アセンブリは、回転軸を中心に回転するように構成される回転可能部材と、スライダと、複数のエレベータリンク機構と、エレベータアセンブリとを備えてもよい。複数のエレベータリンク機構は、エレベータアセンブリを操作するための複数の梃子を形成してもよい。複数の梃子は、(i)第2種梃子と、(ii)第2種梃子に連結された第1種梃子とを含み、エレベータアセンブリは、第1種梃子に連結されてもよい。
【0012】
前述の全般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を限定するものではないことが理解され得る。本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」という用語、またはそれらの任意の他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むわけではなく、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。「直径」という用語は、要素が円形でない場合、幅を指し得る。「遠位」という用語は、操作者から離れる方向を指し、「近位」という用語は、操作者に向かう方向を指す。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。「約」という用語または同様の用語(例えば、「実質的に」)は、記載された値の+/-10%の値を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の態様を示し、説明とともに本開示の趣旨を説明する役割を果たす。
図1A】本開示の態様による例示的な十二指腸内視鏡を示す。
図1B】本開示の態様による例示的な十二指腸内視鏡を示す。
図2】本開示の態様による、遠位エレベータを含む、シングルリンク梃子アセンブリの図を示す。
図3A】本開示の態様による例示的なマルチリンク梃子アセンブリを示す。
図3B】本開示の態様による例示的なマルチリンク梃子アセンブリを示す。
図3C】本開示の態様による例示的なマルチリンク梃子アセンブリを示す。
図3D】本開示の態様による例示的なマルチリンク梃子アセンブリを示す。
図4A】本開示の態様による代替の例示的なマルチリンク梃子アセンブリを示す。
図4B】本開示の態様による代替の例示的なマルチリンク梃子アセンブリを示す
図4C】本開示の態様による代替の例示的なマルチリンク梃子アセンブリを示す
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の態様は、医療デバイスのアクチュエータのためのデバイスおよび方法を含み、特に、エレベータレバー等の十二指腸内視鏡の構成要素のためのアクチュエータを含む。エレベータ等のスコープの遠位構成要素を操作する能力は、例えば、アクチュエータを作動させるために大量の力を及ぼすことと関連付けられる使用者の不快感を軽減することができる。
【0015】
本開示の例は、十二指腸内視鏡のエレベータまたはデバイス(例えば、スコープ)の遠位端の一部を作動させ、停止させ、または他の方法で操作するデバイスおよび方法に関連し得る。本明細書で説明される様々な例は、エレベータを作動または停止するのに必要な力を低減するために利用される一連の第1種および第2種梃子を含む。力の低減は、トルクの低減に関連し、および/またはトルクの低減と同等であり得る。次に、上記で説明され、添付の図面に示された本開示の例を詳細に参照する。可能な限り、同一または類似の部分を参照するためには、図面全体を通して同一の参照番号が使用される。
【0016】
以下に説明される梃子アセンブリは、十二指腸内視鏡のエレベータを上昇/下降させるために使用されるものとして説明される。側方向きデバイスが特に議論されるが、本明細書に説明される実施形態はまた、前向き内視鏡(例えば、視覚要素が長手方向前方を向く内視鏡)とともに使用されてもよい。加えて、本明細書に説明される梃子アセンブリは、より広い用途を有し得ることが理解されるであろう。例えば、梃子アセンブリはまた、他の医療デバイス構成要素(例えば、操縦または制動構成要素)を制御するために使用されてもよい。他のデバイスは、これらのアセンブリが使用され得る作動または移動を必要とするエレベータまたは任意の他の遠位構成要素を含み得ることも理解されるであろう。他のデバイスは、シース、カテーテル、スコープ、または作動もしくは移動を必要とする1つ以上の遠位構成要素を含み得る任意の他の好適な送達デバイスもしくは医療デバイスを含むが、それらに限定されない。これはまた、ボアスコープ等の非医療デバイスを含んでもよい。したがって、以下の説明および例示は、本質的に例示的であると見なされるべきであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0017】
図1Aは、例示的な十二指腸内視鏡101を示し、図1Bは、十二指腸内視鏡101を把持する使用者を示す。十二指腸内視鏡101は、ハンドル106および挿入部108を備える。十二指腸内視鏡101はまた、十二指腸内視鏡101を、例えば、空気、水、吸引、電力等の供給源、ならびに画像処理および/または視覚機器(図示せず)に接続する目的のためのアンビリカス105を含んでもよい。
【0018】
挿入部分108は、シースまたはシャフト128と、遠位先端119とを含んでもよい。遠位先端119は、撮像デバイス(例えば、カメラ)と、光源(例えば、LEDまたは光ファイバ)とを含んでもよい(図示なし)。遠位先端119は、側方向きであってもよい。すなわち、撮像デバイスおよび光源は、シャフト128および/または遠位先端119の長手方向軸に対して半径方向外向きに、垂直に、略垂直に、または別様に横断方向に面してもよい。
【0019】
遠位先端119はまた、十二指腸内視鏡101の作業チャネル内に挿入されるツールの配向を変化させるためのエレベータ124を含んでもよい。エレベータ124を作動または停止させる機構については、以下でさらに詳細に説明する。さらに、エレベータ124は、代替的に、揺動スタンド、枢動スタンド、上昇ベース、または任意の適切な他の用語で呼ばれ得る。エレベータ124は、例えば、ハンドル106からシャフト128を通ってエレベータ124まで延在する、作動ワイヤまたは別の制御要素を介して枢動可能であってもよい。
【0020】
遠位先端119に隣接および/または連結されるシャフト128の遠位部分は、操縦可能セクション122を有してもよい。操縦可能セクション122は、例えば、関節継手でもよい。シャフト128および操縦可能セクション122は、当該分野で公知であるか、または公知になり得る種々の構造を含み得る。
【0021】
ハンドル106は、1つ以上のアクチュエータ/制御機構112、114を有してもよい。制御機構112、114は、操縦可能セクション122、したがって遠位先端119の偏向/操縦を可能にし得る。例えば、制御機構(例えば、ノブ)112、114は、左方向、右方向、上方向、および/または下方向への遠位先端119の移動を制御し得る。すなわち、第1の制御機構112は、第1の平面に沿って(例えば、上へ、下へ)遠位先端119の偏向を制御し得る一方で、第2の制御機構114は、第2の平面に沿って(例えば、左へ、右へ)遠位先端119の偏向を制御し得る。第2の平面は、第1の平面に対して直交、垂直、および/または横断方向であってもよい。ハンドル106はさらに、制御機構112、114の位置を固定するための1つ以上の係止機構109、110(例えば、ノブまたはレバー)を含んでもよい。係合または作動されると、係止機構109、110は、制御機構112、114の操作(例えば、回転)を防止し、それによって、上方向、下方向、左方向、または右方向のうちの少なくとも1つにおける操縦可能セクション122または遠位先端119の偏向/操縦を防止してもよい。さらに、ハンドル106は、エレベータ制御レバー107(本明細書では互換的に「制御レバー」、「レバー」、または「エレベータレバー」と呼ばれる)を含んでもよい。エレベータ制御レバー107の操作は、エレベータ124の移動をもたらし得る。例えば、エレベータ制御レバー107の操作は、本明細書でさらに説明されるように、エレベータ124を上昇および/または下降させ得る。さらに、ポート103は、シャフト128を通って遠位先端119まで十二指腸内視鏡101の作業チャネルの中へのツールの通過を可能にし得る。
【0022】
図1Bは、十二指腸内視鏡101のハンドル106を把持している使用者を示す。具体的には、使用者202は、レバー107上に親指または指を置いて、エレベータ124を操作する。使用者202は、エレベータ124を作動させるために、レバー107を上へ(例えば、方向Uに)押し上げるか、押すか、または他の方法で付勢することができる。同様に、使用者202は、レバー107を下へ(例えば、方向Dに)引き、押し、または他の方法で付勢して、エレベータ124を停止させることができ、逆もまた同様である。エレベータ124を作動または停止させることは、少なくとも第1の方向および第2の方向にエレベータ124の角度を調整することを含み得る。図示されたレバー107は、使用者202が親指でレバー107を操作するように配置されているが、この構成は限定されないことが当業者によって理解され得る。例えば、レバー107は、使用者が他の指を利用してレバー107を操作し得るように構成/位置決めされてもよい。
【0023】
使用時、操作者は、挿入部分108を対象の体腔内に挿入し、遠位先端119を体腔内の処置部位まで進めることができる。操作者は、ツール(図示せず)をポート103に挿入し、遠位先端119に向かってシャフト128の作業チャネルを通してツールを通過させてもよい。ツールは、遠位先端119において作業チャネルから出ててもよい。使用者は、エレベータレバー107を使用してエレベータ124を上昇させ、ツールを所望の場所(例えば、膵胆管の乳頭)に向かって角度付けしてもよい。いったんそのように位置付けられると、使用者は、医療処置を行うためにツールを使用してもよい。
【0024】
図2は、図1Aの十二指腸内視鏡101と共に使用されるシングルリンクエレベータアセンブリ10を示す。アセンブリは、上述したレバー107を有する回転可能部材12を含んでもよい。回転可能部材12は、使用者がレバー107を操作すると、軸19を中心に回転することができる。エレベータリンク機構14の近位部分は、エレベータリンク機構14が回転可能部材12に対して移動し得るか、またはその逆も同様であるように、第1のレバーコネクタ13において回転可能部材12に回転可能に結合され得る。第1のレバーコネクタ13は、レバー107から回転可能部材12の反対側に位置付けられてもよい。スライダ16は、エレベータリンク機構14がスライダ16に対して移動し得るか、またはその逆も同様であるように、第2のレバーコネクタ15において、エレベータリンク機構14の遠位部分に回転可能に結合され得る。例えば、使用者がレバー107を介して回転可能部材12を回転させると、エレベータリンク機構14が近位または遠位に移動し、スライダ16をトラック17内で近位または遠位に移動させる。制御ワイヤ20の近位端は、圧着、止めねじ、接着剤、または当技術分野で一般に知られている任意の他の固定構造によって、スライダ16の遠位端に固定してまたは取り外し可能に結合され得る。あるいは、制御ワイヤ20の近位端は、スライダ16の近位端を通って延在してもよい。制御ワイヤ20は、圧着、止めねじ、接着剤、または当技術分野で一般に知られている任意の他の手段によって適所に保持され得る。制御ワイヤ20の近位端(または任意の他の部分)はまた、制御ワイヤ20に追加の構造的(例えば、柱状)支持を提供するために、ハイポチューブ(図示せず)から構成されてもよい。制御ワイヤ20はまた、シャフト内のボーデンケーブル(図示せず)を通って延在し、図1Aのシャフト128内に追加の構造的支持を提供してもよい。ボーデンケーブルは、ハンドル106の一部の中に延在し、同様に、構造的支持を提供してもよい。図2に示されるように、制御ワイヤ20は、Oリング18を通って延在し得る。Oリング18は、図1Aに示されるように、ハンドル106内にワイヤ20を含むか、またはそうでなければ制御するために使用され得る。加えて、Oリング18と制御ワイヤ20との間に少量の摩擦を発生させて、遠位先端119に位置するエレベータ124のより正確な移動を使用者に提供することができる。例えば、Oリング18は、レバー107が使用者によって解放されたときに、制御ワイヤが跳ね返るか、または望ましくない位置に戻ることを防止し得る。
【0025】
前述のように、遠位先端119は、十二指腸内視鏡101の作業チャネル(図示せず)に挿入されたツール(図示せず)の配向を変更するために使用され得る、エレベータ124を含んでもよい。エレベータ124は、代替的に、揺動スタンド、枢動スタンド、上昇ベース、または任意の適切な他の用語で呼ばれ得る。エレベータ124は、例えば、図1Aのハンドル106内のエレベータアセンブリ10の近位部分からエレベータ124まで延在する、制御ワイヤ20または別の制御要素を介して、枢動点25を中心に枢動可能であってもよい。
【0026】
前述のアセンブリは、一連の第1種梃子(例えば、力と作用点との間に支点を有する梃子)として分類することができる。一連の梃子のうちの第1の梃子は、ボックスA内に示され(第1のレバーAと呼ばれる)、第2の梃子は、図2のボックスB内に示される(第2の梃子Bと呼ばれる)。第1の梃子Aは、軸19を中心に回転可能部材12を回転させるように、レバー107において使用者が加えた力を受ける。すなわち、軸19は第1の梃子Aの支点である。軸19を中心にレバー107を回転させることにより、第1のレバーコネクタ13を中心にエレベータリンク機構14が移動する。換言すれば、エレベータリンク機構14は第1の梃子Aの作用点である。残りの中間構成要素(例えば、スライダ16、Oリング18、および制御ワイヤ20)は、第1の梃子Aを第2の梃子Bと結合する。レバー107が軸19を中心に回転すると、スライダ16はトラック17内で平行移動する。トラック17は、スライダ16が近位または遠位に延在する範囲を画定し得る。トラック17を長くすると、スライダ16が移動できる範囲が増大し、一方、トラック17を短くすると、スライダ16が移動できる範囲が減少する。制御ワイヤ20はスライダ16に結合されているので、この動きは、十二指腸内視鏡101のシャフト128内での制御ワイヤ20の平行移動をもたらす。したがって、制御ワイヤ20は、枢動点25を中心にエレベータ124を回転させるようにエレベータ124に負荷を加える。換言すれば、エレベータ124は第2の梃子Bの作用点であり、一方、枢動点25は第2の梃子Bの支点である。この動作は、エレベータ124を作動または停止させる。
【0027】
2つの第1種梃子の組み合わせは、エレベータ124を作動または停止させるための重要な機械的利点を提供するが、残りの図は、軸19を中心にレバー107を回転させることに関連する機械的利点をさらに増加させるための改善を示す。
【0028】
図3A図3Dは、十二指腸内視鏡101と共に使用するための例示的なエレベータ梃子アセンブリ200を示しており、同じ要素は、前述した同じ参照番号で参照される。この実施形態は、図2のエレベータ124に機能性を提供するために、一連の第1種および第2種梃子(例えば、作用点が力点(力)と支点との間にある梃子)を利用する。これは、レバー107を介して回転部材12を回転させることによって達成することができる。図3Aおよび図3Bは、第1の構成(図3A図3B)および第2の構成(図3C)における例示的なリンク機構アセンブリ200を示す。第1の構成(図3A図3B)は、下降した(例えば、開いた)位置にあるエレベータに対応し得る。第2の構成(図3C)は、上昇した(例えば、閉じた)位置にあるエレベータに対応し得る。しかしながら、これらの構成は、限定されず、使用者は、処置全体を通して、種々の程度まで、エレベータ124が複数回上昇または下降されることを要求してもよい。図3Dは、第2の構成にあるサブアセンブリを下から見た代替図を示し、ハンドル部品135などの追加の構成要素を含む。ハンドル部品135は、リンク機構アセンブリを図1のハンドル106に固定するために利用され得る。ハンドル部品135は、種々の形状およびサイズであり得、そして当該分野で一般に知られている種々の手段によってハンドル106に固定され得る。これは、ねじもしくは他の締結具、接着剤、スナップ嵌め、または当技術分野で一般に知られている任意の他の方法の使用を含み得る。
【0029】
図3Aおよび3Bを参照すると、回転可能部材12は、レバー107を介して、軸19を中心に回転させられてもよい。軸19は、本明細書でさらに説明されるように、中心長手方向軸21の線上にあり、それに垂直であってもよい。レバー107の近位面は、使用者がレバー107を把持するのをさらに容易にするために、リッジ、バンプ、くぼみなどを含んでもよい。近位面は、曲線状であるか、または別様に、梃子作用および快適性を使用者に提供するように構成されてもよい。代替として、レバー107の近位面は、使用者にとってより快適な把持を容易にするように、テクスチャ加工され、平滑であり、および/またはクッション性であってもよい。回転可能部材12は、レバー107が使用者によって操作されると、軸19を中心に回転され得る。第1のエレベータリンク機構140aの近位部分は、ピン、クリップ、ねじ、または当技術分野で一般に知られている他の手段によって、第1のレバーコネクタ130a(図3B図3Dに示す)において回転可能部材12に回転可能に結合されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、回転可能部材12は、図3Bおよび3Dに示されるように、1つ以上の中間構成要素150に結合されてもよい。中間構成要素150はまた、回転可能部材12とともに軸19を中心に回転可能であってもよい。したがって、第1のレバーコネクタ130aは、代替として、1つ以上の中間構成要素150に結合されてもよい。しかしながら、第1のレバーコネクタ130aが回転可能部材12または1つ以上の中間構成要素150に直接結合されるかどうかにかかわらず、第1のレバーコネクタ130aは、レバー107と軸19との間に位置付けられる。この配置は、以下でさらに詳細に説明される第2種梃子を形成する。
【0030】
第1のエレベータリンク機構140aの遠位部分は、第2のレバーコネクタ130bによって第2のエレベータリンク機構140bに回転可能に結合されてもよい。この連結は、第1のレバーコネクタ130aに関して上述したものと同じまたは同様の手段によって達成することができる。しかしながら、第2のエレベータリンク機構140bは、スライダトラック175の近位部分から延在する突出部145を中心に枢動する。突出部145は、スライダトラック175の中心長手方向軸21からオフセットされ、第3の軸を形成してもよい。中心長手方向軸21は、スライダトラック175の中心を通って、ハンドルの中心軸に平行に延在してもよい。スライダトラック175は、ハンドル106に対して分離可能な構成要素であってもよく、またはハンドル106の一部として成形されてもよい。スライダトラック175は、上述したトラック17をさらに備えてもよく、様々な形状およびサイズであってもよい。突出部145は、第2のエレベータリンク機構140bを部分的にまたは完全に貫通して延在してもよい。この構成の機械的利点を最大にするために、突出部145は、第2のエレベータリンク機構140bの長さの約3分の2にあるように構成されてもよい。例えば、長さが約25mmのエレベータリンク機構140bの場合、エレベータリンク機構140bは、エレベータリンク機構140bの近位端から約14.5mmのところで突出部145を中心に枢動し得る。エレベータリンク機構140bの長さの残りの3分の1、すなわち10.5mmは、突出部145を越えて延在してもよく、第3のレバーコネクタ130cを介して第3のエレベータリンク機構140cの近位端に回転可能に結合されてもよい。第2のエレベータリンク機構140bは、例えば、スナップ嵌め、クリップ、または当技術分野で一般に知られている他の手段によって、突出部145に回転可能に結合されてもよい。言い換えれば、第2のエレベータリンク機構140bは、固定突出部145に偏心して取り付けられてもよい。一構成では、第2のエレベータリンク機構140bは、スライダの長手方向軸に対して垂直に延在することができ、第2のリンク機構の第1の端は、上から見たときに第2のリンク機構の右側端である。第3のエレベータリンク機構140cの遠位端は、第4のレバーコネクタ130dを介してスライダ16に枢動可能に結合されてもよい。第4のレバーコネクタ130dは、第2の軸からオフセットされた第3の軸に沿って平行移動し得る。
【0031】
しかしながら、前述の寸法は、例証目的のみのためであることが理解され得る。サブアセンブリの所望の構成および/または改善された機械的利点を達成するために、代替の寸法が利用されてもよい。
【0032】
図3Aに示すように、第1のエレベータリンク機構140aは、第2のエレベータリンク機構140bの第1の端(例えば、右側部分)に回転可能に結合され、第3のエレベータリンク機構140cは、第2のエレベータリンク機構140bの第2の端(例えば、左側部分)に回転可能に結合される。エレベータリンク機構140a、140b、および140cの構成は、全般的に、アセンブリを上から観察したときにZ形状をもたらす。図2に関連して上述したように、軸19に対するレバー107の回転は、最終的に、十二指腸内視鏡101の遠位先端119におけるエレベータ124(図1A図1B図2)の作動または停止をもたらす。より具体的には、レバー107を下方に付勢することにより、第1のエレベータリンク機構140aが遠位に延在する。次に、この運動は、第2のエレベータリンク機構140bを突出部145の周りで枢動させ、その結果、第3のエレベータリンク機構140cおよびスライダ16の近位平行移動をもたらす。したがって、制御ワイヤ20は、近位に引っ張られ、エレベータが作動される。レバー107が反対方向に付勢される場合、反対の効果が生じ得る。機械的利点を獲得するために、この実施形態は、一連の第2種および第1種梃子を利用する。
【0033】
一連の梃子のうち第1の梃子はボックスC内に示され(第1の梃子Cと呼ばれる)、一連の梃子のうち第2の梃子はボックスD内に示される(第2の梃子Dと呼ばれる)。第1の梃子Cは、第2種梃子として構成されている。例えば、第1のエレベータリンク機構140a(例えば、第1の梃子Cの作用点)は、軸19(例えば、第1の梃子Cの支点)とレバー107(例えば、第1の梃子Cの加力点)との間にある。換言すれば、第1の梃子Cの作用点は、力が加えられる点と支点との間にある。レバー107に力が加えられると、第1のエレベータリンク機構140a(例えば、作用点)は、軸19(例えば、支点)に対して平行移動する。第1のエレベータリンク機構140aの遠位部分は、その後、一連の梃子のうち第2の梃子Dに力を加える。第2の梃子Dは、第1種梃子として構成されている。第1のエレベータリンク機構140aが平行移動されると、第2のエレベータリンク機構140bは、突出部145(例えば、支点)を中心に枢動する。換言すれば、第1のエレベータリンク機構140aは、突出部145(例えば、支点)の周りで第2のエレベータリンク機構140b(例えば、作用点)の反対側の残りの構成要素を平行移動させるのに必要な力を加える。すなわち、第2の梃子Dの支点は、力が加えられる点と作用点の位置との間にある。これらの梃子の組み合わせ(例えば、第1の種梃子(第2の梃子D)が後に続く第2種梃子(第1の梃子C))は、遠位先端119のエレベータ124を作動または停止させるためにより少ない力を必要とする。
【0034】
エレベータリンク機構140a、140b、140cの寸法は、サブアセンブリの機械的利点を最大化するために、またはハンドル内に嵌合するために、わずかに異なっていてもよい。例えば、レバー107の表面(例えば、使用者が力を加える場所)から軸19まで延在する距離は、約33mmであってもよい。エレベータリンク機構140aの近位部分は、軸19から約13mmのところでレバー107の間に回転可能に固定され得る。さらに、エレベータリンク機構140aの長さは約32mmであってもよく、リンク機構140bの長さは約25mmであってもよく、エレベータリンク機構140cの長さは約24mmであってもよい。この構成では、第2のエレベータリンク機構140bは、スライダの長手方向軸に対して垂直に延在することができ、第2のリンク機構の第1の端は、上から見たときに第2のリンク機構の左側端である。前述の例示的な長さは、ボックスC内で2.5の機械的利点を達成し、ボックスD内で1.4の機械的利点を達成することができる。また、所望の機械的利点または構成を達成するために、エレベータレバー107およびエレベータリンク機構140a、140b、140cのうちの1つ以上のための他の長さが利用されてもよく、または別様に医療デバイスのハンドル内に嵌合するように操作されてもよいことも理解され得る。
【0035】
図2の実施形態に関して上述した方法と同様に、操作者は、挿入部分108を対象の体管腔内に挿入することができ、遠位先端119を体管腔内の処置部位まで進めることができる。操作者は、ツール(図示せず)をポート103に挿入し、遠位先端119に向かって作業チャネルを介してシャフト128を通ってツールを通過させてもよい。ツールは、遠位先端119において作業チャネルから出てもよい。使用者は、エレベータ制御レバー107を使用してエレベータ124を上昇させ、ツールを所望の場所(例えば、膵胆管の乳頭)に向かって角度付けしてもよい。使用者は、医療処置を行うためにツールを使用してもよい。
【0036】
図4A図4Cは、例示的なエレベータ梃子アセンブリ300を示しており、同じ要素は、前述した同じ参照番号で参照される。図4A図4Cの構成は、本明細書で説明する修正点を除いて、図3A図3Dの構成と同様に動作することができる。図4A図4Cの構成はまた、一連の第1種および第2種梃子を利用し、第1のエレベータリンク機構240a、第2のエレベータリンク機構240b、および第3のエレベータリンク機構240cを含む。エレベータリンク機構240a、240b、および240cの構成は、全般的に、アセンブリを上から観察したときにS形状をもたらす。しかしながら、エレベータリンク機構240bに対するエレベータリンク機構240aおよび240cの配向、ならびにスライダトラック175の中心長手方向軸21に対する突出部145の配置は、図3A図3Dの配置とはわずかに異なる。具体的には、第1のエレベータリンク機構240aは、第2のエレベータリンク機構240bの第1の端(例えば、左側部分)に回転可能に結合され、第3のエレベータリンク機構240cは、第2のエレベータリンク機構240bの第2の端(例えば、右側部分)に回転可能に結合される。一連の梃子のうち第1の梃子は、ボックスE内に示され(第1の梃子Eと呼ばれる)、一連の梃子のうち第2の梃子は、ボックスF内に示される(第2の梃子Fと呼ばれる)。図示のように、一連の梃子のうち第1の梃子Eは、第1のエレベータリンク機構240a(例えば、作用点)が軸19(例えば、支点)とレバー107(例えば、力の印加点)との間に位置付けられるので、第2種梃子として配置される。また、第2の梃子Fは、第3のエレベータリンク機構240c(例えば、作用点)および第1のエレベータリンク機構240a(例えば、力の印加点)が突出部145(例えば、支点)の両側にあるので、第1種梃子として配置される。したがって、レバー107が下方に平行移動されると、第1のエレベータリンク機構240aが下方に平行移動され、第2のエレベータリンク機構240bの反対側の第2の端を上昇させながら第1の端を押し下げ、それによって第3のエレベータリンク機構240cを上方に平行移動させる。この構成は図4Bに示されている。加えて、突出部145は、中心長手方向軸21が突出部145の少なくとも一部と交差し、中心長手方向軸21が軸19に垂直であるように、中心長手方向軸21と同一線上にある。
【0037】
エレベータリンク機構240a、240b、240cの寸法は、サブアセンブリの機械的利点を最大化するために、または所望の構成を達成するために、わずかに異なっていてもよい。軸19に対するレバー107および軸19に対するエレベータリンク機構240aの近位部分に関連する寸法は、図3A図3Dに示す実施形態に関して上述した寸法と同様であってもよいが、所望の構成に対応するために修正が行われてもよい。例えば、エレベータリンク機構240aの長さは約40mmであってもよく、リンク機構240bの長さは約22mmであってもよく、エレベータリンク機構240cの長さは約23.5mmであってもよい。前述の例示的な長さは、ボックスE内で2.5の機械的利点を達成し、ボックスF内で1.07の機械的利点を達成することができる。所望の機械的利点または代替の構成を達成するために、エレベータレバー107およびエレベータリンク機構240a、240b、240cのうちの1つ以上の他の長さまたは寸法が利用されてもよいことも理解され得る。例えば、エレベータリンク機構240a、240b、240cの長さは、必要に応じて増加または減少させてもよい。上述した方法と同様に、使用時、操作者は、挿入部分108を対象の体管腔内に挿入することができ、遠位先端119を体管腔内の処置部位まで進めることができる。操作者は、ツール(図示せず)をポート103に挿入し、遠位先端119に向かって作業チャネルを介してシャフト128を通ってツールを通過させてもよい。ツールは、遠位先端119において作業チャネルから出ててもよい。使用者は、エレベータ制御レバー107を使用してエレベータ124を上昇させ、ツールを所望の場所(例えば、膵胆管の乳頭)に向かって角度付けしてもよい。使用者は、医療処置を行うためにツールを使用してもよい。
【0038】
図3A図3Dおよび図4A図4Cに関して上述した構成では、エレベータリンク機構140a、140b、140c、240a、240b、および240cは、様々な生体適合性材料から構成され得ることが理解され得る。これには、ステンレス鋼、ポリカーボネート、チタンなどが含まれる。さらに、エレベータリンク機構140a、140b、140c、240a、240b、および240cの形状は、所望の用途に応じて変更してもよい。例えば、エレベータリンク機構140a、140b、140c、240a、240b、240cは、ハンドル内に収容された任意の構成要素間の干渉を回避するように湾曲していてもよい。加えて、種々の形状が、より良好な機械的利点をさらに可能にするために利用されてもよい。例えば、エレベータリンク機構140a、140b、140c、240a、240b、240cは、S字形、C字形であってもよく、またはそうでなければ、使用者にとっての機械的利点をさらに可能にするように構成されてもよい。
【0039】
開示される実施形態の1つの利点は、システムに対する力またはトルクの低減を含む。例えば、様々なツールを操作するのに必要な力またはトルクは、図3A図3Dおよび図4A図4に関して上述した構成の結果として、約0.1~50%低減され得る。これは、リンク機構アセンブリ内の機械的利点の増大によるものである。
【0040】
本開示の原理は、特定の用途のための例示的な例を参照しながら本明細書で説明されるが、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。当業者および本明細書に提供される教示にアクセスする者は、追加の修正、用途、および均等物の置換が全て、本明細書に説明される例の範囲内にあることを認識するであろう。したがって、本発明は、前述の説明によって限定されるものとみなされるべきではない。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
【国際調査報告】