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特表2025-504189転送テーブルの生成方法及び装置、記憶媒体、電子装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】転送テーブルの生成方法及び装置、記憶媒体、電子装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 49/201 20220101AFI20250130BHJP
   H04L 45/16 20220101ALI20250130BHJP
【FI】
H04L49/201
H04L45/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546480
(86)(22)【出願日】2023-02-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2023076262
(87)【国際公開番号】W WO2023173989
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】202210259155.1
(32)【優先日】2022-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 征
(72)【発明者】
【氏名】徐 本 崇
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA06
5K030KA05
5K030KX28
5K030LD04
(57)【要約】
本発明の実施例は、転送テーブルの生成方法及び装置、記憶媒体、電子装置を提供し、該方法は、受信された第1通知メッセージに基づいて目標転送テーブルを生成するとき、前記目標転送テーブルに既に存在したビット転送ルータ識別子BFR-IDに第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在するか否かを判定するステップであって、前記第1通知メッセージは、第1BFERの前記第1BFR-IDを通知するものであるステップと、存在すると決定した場合、前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定するステップと、前記目標BFR-Prefixに基づいて前記目標転送テーブルを生成するステップと、を含む。本発明の実施例によれば、関連技術に存在する、通知量が大きすぎることによるネットワーク帯域幅の不必要な占有、デバイスの負荷過大及びパケットロスの課題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信された第1通知メッセージに基づいて目標転送テーブルを生成するとき、前記目標転送テーブルに既に存在したビット転送ルータ識別子BFR-IDに第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在するか否かを判定するステップであって、前記第1通知メッセージは、第1BFERの前記第1BFR-IDを通知するものであるステップと、
存在すると決定した場合、前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定するステップと、
前記目標BFR-Prefixに基づいて前記目標転送テーブルを生成するステップと、を含む、転送テーブルの生成方法。
【請求項2】
前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定するステップは、
前記第1BFR-Prefixに含まれる第1コンテンツと、前記第2BFR-Prefixに含まれる第2コンテンツとを比較するステップと、
前記第1コンテンツが前記第2コンテンツよりも詳細であると決定した場合、前記第1BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定するステップと、
前記第2コンテンツが前記第1コンテンツよりも詳細であると決定した場合、前記第2BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定するステップは、
前記第1BFR-Prefixの第1属性情報と、前記第2BFR-Prefixの第2属性情報とを比較するステップと、
前記第1属性情報の属性値が前記第2属性情報の属性値よりも優れると決定した場合、前記第1BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定するステップと、
前記第2属性情報の属性値が前記第1属性情報の属性値よりも優れると決定した場合、前記第2BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記目標BFR-Prefixに基づいて前記目標転送テーブルを生成するステップは、
前記目標BFR-Prefixが前記第1BFR-Prefixである場合、前記目標転送テーブルに既に存在した前記第2BFR-IDに対応する前記第2BFR-Prefix及びネクストホップデバイスを前記第1BFR-Prefix及び前記第1BFR-Prefixに対応するネクストホップデバイスに更新するステップと、
前記目標BFR-Prefixが前記第2BFR-Prefixである場合、前記転送テーブルに既に存在した前記第2BFR-ID及び前記第2BFR-IDに対応する前記第2BFR-Prefix及びネクストホップデバイスをそのまま維持するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1通知メッセージには、前記第1BFERが位置するドメインの第1ドメイン識別子DOMAIN-ID情報がさらに含まれる場合、前記目標転送テーブルに既に存在したBFR-IDに、第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在すると決定した後、前記方法は、
前記第1BFR-IDと前記第2BFR-IDにそれぞれ対応するBFR-Prefixに、ドメイン内からのものがあると決定した場合、エラー処理を実行するステップと、
前記第1BFR-ID及び前記第2BFR-IDにそれぞれ対応するBFR-Prefixがいずれもドメイン外からのものであると決定した場合、前記第2BFR-IDを通知するための第2通知メッセージに含まれている第2BFERが位置するドメインの第2DOMAIN-ID情報を決定し、前記第1DOMAIN-ID情報が前記第2DOMAIN-ID情報と異なる場合、エラー処理を実行するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2通知メッセージは、第2ドメイン外TLVを含み、
前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-ID情報を含み、或いは、
前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-ID情報及び前記第2BFERが位置するドメインの第2DOMAIN-ID情報を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2通知メッセージは、前記第2BFR-Prefixを含み、前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-Prefixに従って送信され、前記第2BFR-Prefixは、集約ルーティングプレフィックス、デフォルトルーティングプレフィックス、ボーダーデバイスのBFR-Prefixのうちの1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1通知メッセージは、第1ドメイン外TLVを含み、
前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-ID情報を含み、或いは、
前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-ID情報及び前記第1BFERが位置するドメインの第1DOMAIN-ID情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1通知メッセージは、前記第1BFR-Prefixを含み、前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-Prefixに従って送信され、前記第1BFR-Prefixは、集約ルーティングプレフィックス、デフォルトルーティングプレフィックス、ボーダーデバイスのBFR-Prefixのうちの1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
エラー処理を実行するステップは、
アラーム提示を実行して、現在のネットワーク配置に不備があることを提示するステップと、
コントローラにアラーム情報を送信して、前記コントローラの現在のネットワーク配置に不備があることを指示するステップと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
受信された第1通知メッセージに基づいて目標転送テーブルを生成するとき、前記目標転送テーブルに既に存在したビット転送ルータ識別子BFR-IDに第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在するか否かを判定する判定モジュールであって、前記第1通知メッセージは、第1BFERの前記第1BFR-IDを通知するものである判定モジュールと、
存在すると決定した場合、前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定するように構成される決定モジュールと、
前記目標BFR-Prefixに基づいて、前記目標転送テーブルを生成するように構成される生成モジュールと、を含む、転送テーブルの生成装置。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されると、前記請求項1~10のいずれか一項に記載の方法のステップを実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する場合に前記請求項1~10のいずれか一項に記載の方法のステップを実現する、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、通信の分野に関し、具体的には、転送テーブルの生成方法及び装置、記憶媒体、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BIER(Bit Indexed Explicit Replication、ビットインデックス明示的複製)(RFC8279)は、新型マルチキャストデータ転送技術であり、該技術は、ネットワークエッジのノードをいずれも1つのBITビットのみで示し、マルチキャストトラフィックが中間ネットワークで伝送され、1つの特定のBIERヘッダを追加的にパッケージし、このパケットヘッダはBITビット列の形式で該マルチキャストトラフィックの全ての宛先ノードBFER(Bit-Forwarding Egress Router、ビット転送出口ルータ)をマークし、中間ネットワーク転送ノードは、bitビットに基づいてルーティングし、トラフィックが全ての宛先ノードに送信できることを保証する。中間ノード転送デバイスは、ルーティングプロトコルによってBIER転送をガイドするためのテーブルを事前に形成し、BIERヘッダをパッケージするトラフィックを受信すると、BIFT(Bit Index Forwarding Table、ビットインデックス転送テーブル)に基づいて、宛先ノードへのパケットの転送を完了する。BIERドメインの入口ノードBFIR(Bit-Forwarding Ingress Router、ビット転送入口ルータ)は、BIERドメインに入るマルチキャストトラフィックをBIERヘッダのpayload(ペイロード)としてパッケージし、中間ノードによる転送後、BIERドメインの出口ノードBFERは、BIERパケットを受信し、BIERヘッダを除去した後、Payloadを対応する受信者に転送する。BIERのようなデータプレーン転送技術は、マルチキャストツリーの確立課題がないため、マルチキャストツリーの確立の遅延を解消し、ネットワークにリンク又はノード不備が発生した場合、収束速度がOSPF(Open Shortest Path First、開放型最短経路優先)又はISIS(Intermediate System-to-Intermediate System、中間システムから中間システムへ)プロトコルと同じであり、元のマルチキャストツリーの再確立に比べて巨大な遅延を低減する。
【0003】
BIERドメインの入口デバイスBFIRが、あるマルチキャストトラフィックを伝送しようとする場合、どのBIERドメインの出口デバイスBFER(Bit-Forwarding Ingress Router)がこのマルチキャストトラフィックを必要とするかを知る必要があるため、BFIRとBFERとの間にシグナリングインタラクションが存在する必要があり、これらのインタラクションのシグナリング技術はBIER Overlay技術と呼ばれる。単にBIER転送に用られるBFR(Bit-Forwarding Router、ビット転送ルータ)中間デバイスは、該マルチキャストトラフィック情報を知る必要がない。
【0004】
BIER転送テーブルエントリを構築するために、OSPF又はISISなどのプロトコルは、シグナリング拡張によりBIER情報通知をサポートし、BIERドメイン内の全てのノードが他のノードのBIER情報を受信し、これによりBIER転送テーブルエントリを構築し、OSPF又はISISなどの拡張シグナリングがBIER情報インタラクションをサポートするプロトコルは、BIERUnderlay技術と呼ばれる。
【0005】
BIER underlay技術は、OSPF、ISISなどのプロトコルを用いて通知する以外に、BGP(Border Gateway Protocol、ボーダーゲートウェイプロトコル)、BABELなどのプロトコルを用いて通知することもできる。
【0006】
関連技術において、OSPF、ISISなどのプロトコルにおいて、拡張によってBIER情報を通知するとき、通知の主なコンテンツは、ルーティングプレフィックス及びBFR-ID(BFR-Identifier、BFR-識別子)などを含み、例えば、OSPFは、RFC8444の定義に基づいて、ルーティングプレフィックスを通知するとき、BIER SUB-TLVを追加することにより、BFR-IDなどの情報を含む。プロトコルがプレフィックスに基づいてルーティング計算を行った後、BIER転送テーブルエントリは、両者に基づいて正確に生成される。
【0007】
OSPFプロトコルのフラッディングメカニズムにより、ネットワークにおけるデバイスは、他のデバイスからの通知を受信した後、受信されたプレフィックス情報に基づいてルーティング計算を行って、通常転送用のユニキャストルーティングテーブルを生成し、それによりBIER転送用のBIERルーティングテーブルを生成する。
【0008】
なお、関連技術においてルーティングテーブルを生成する方式は、ルーティングの漏洩が発生する可能性があり、異なるドメインにおいて完全に相互に学習する必要がないルーティングも各ドメイン内のデバイスによって全て学習されることになるため、大きな通知量が発生し、ネットワーク帯域幅が不必要に占有され、デバイスの負荷も増大する。また、過大な通知量により、パケットロスの課題が発生しやすい。
【0009】
関連技術における上記課題に対して、現在、効果的な解決手段がまだ提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施例は、少なくとも関連技術に存在する、通知量が大きすぎることによるネットワーク帯域幅の不必要な占有、デバイスの負荷過大及びパケットロスの課題を解決するために、転送テーブルの生成方法及び装置、記憶媒体、電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例によれば、受信された第1通知メッセージに基づいて目標転送テーブルを生成するとき、前記目標転送テーブルに既に存在したビット転送ルータ識別子BFR-IDに第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在するか否かを判定するステップであって、前記第1通知メッセージは、第1BFERの前記第1BFR-IDを通知するものであるステップと、存在すると決定した場合、前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定するステップと、前記目標BFR-Prefixに基づいて前記目標転送テーブルを生成するステップと、を含む、転送テーブルの生成方法を提供する。
【0012】
本発明の別の実施例によれば、受信された第1通知メッセージに基づいて目標転送テーブルを生成するとき、前記目標転送テーブルに既に存在したビット転送ルータ識別子BFR-IDに第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在するか否かを判定する判定モジュールであって、前記第1通知メッセージは、第1BFERの前記第1BFR-IDを通知するものである判定モジュールと、存在すると決定した場合、前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定するように構成される決定モジュールと、前記目標BFR-Prefixに基づいて、前記目標転送テーブルを生成するように構成される生成モジュールと、を含む、転送テーブルの生成装置を提供する。
【0013】
本発明のさらに別の実施例によれば、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、実行される場合に上記方法の実施例におけるステップを実現するように構成されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0014】
本発明のさらに別の実施例によれば、コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、前記コンピュータプログラムを実行して上記方法の実施例におけるステップを実現するように構成されるプロセッサとを含む、電子装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】関連技術におけるネットワークアーキテクチャ図(その1)である。
図2】関連技術におけるBFR1上のBIER転送テーブルの概略図である。
図3】関連技術における一般的な転送テーブルの概略図である。
図4】関連技術におけるネットワークアーキテクチャ図(その2)である。
図5】関連技術におけるユニキャストルーティングテーブルの概略図である。
図6】関連技術におけるBIER転送ルーティングテーブルの概略図(その1)である。
図7】関連技術におけるdomain2のBFRm上のユニキャストルーティングテーブルの概略図である。
図8】関連技術におけるBIER転送ルーティングテーブルの概略図(その2)である。
図9】本発明の実施例に係る転送テーブルの生成方法のモバイル端末のハードウェア構成のブロック図である。
図10】本発明の実施例に係る転送テーブルの生成方法のフローチャートである。
図11】本発明の実施例に係るドメイン外SUB-SUB-TLVフォーマットの概略図(その1)である。
図12】本発明の実施例に係るドメイン外SUB-SUB-TLVフォーマットの概略図(その2)である。
図13】本発明の実施例に係るドメイン外SUB-SUB-TLVがDOMAIN-IDを単独に含む場合のフォーマットの概略図である。
図14】本発明の実施例に係るドメイン外SUB-SUB-TLVがDOMAIN-IDを含む場合のフォーマットの概略図(その1)である。
図15】本発明の実施例に係るドメイン外SUB-SUB-TLVがDOMAIN-IDを含む場合のフォーマットの概略図(その2)である。
図16】本発明の実施例に係るデバイスがBIER転送テーブルを生成する全体フローチャートである。
図17】本発明の具体的な実施例1に係るユニキャストルーティングテーブルの概略図である。
図18】本発明の具体的な実施例1に係るBIER転送テーブルの概略図である。
図19】本発明の具体的な実施例2に係るユニキャストルーティングテーブルの概略図である。
図20】本発明の具体的な実施例2に係るBIER転送テーブルの概略図(その1)である。
図21】本発明の具体的な実施例2に係るBIER転送テーブルの概略図(その2)である。
図22】本発明の具体的な実施例3に係るユニキャストルーティングテーブルの概略図である。
図23】本発明の具体的な実施例4に係るネットワークアーキテクチャ図である。
図24】本発明の具体的な実施例4に係るユニキャストルーティングテーブルの概略図である。
図25】本発明の具体的な実施例4に係るBIER転送テーブルの概略図である。
図26】本発明の実施例に係る転送テーブルの生成装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、本発明の実施例に係る関連技術について説明する。
従来のOSPF、ISISなどのプロトコルにおいて、拡張によってBIER情報を通知するとき、通知の主なコンテンツは、ルーティングプレフィックス及びBFR-IDなどを含み、例えば、OSPFは、RFC8444の定義に基づいて、ルーティングプレフィックスを通知するとき、BIER SUB-TLVを追加することにより、BFR-IDなどの情報を含む。プロトコルがプレフィックスに基づいてルーティング計算を行った後、BIER転送テーブルエントリは、両者に基づいて正確に生成される。図1を例として、該ネットワークにおけるエッジデバイスは、BFIR、及びいくつかのBFERであるBFER1~BFERnを含み、エッジデバイスは、そのBFR-ID、及び対応するSub-Domain、BFR-Prefixなどを一緒に通知し、プレフィックスPrefixは、通常、デバイスのLoopbackアドレスから取得され、ネットワークにおいて1台のデバイスを一意に識別するものであり、同一のドメインにおいて、BFR-IDとBFR-Prefix(BFR-Prefixは、デバイスのLoopbackプレフィックスアドレスである)は、1対1に対応する。OSPFプロトコルがRFC8444に基づいて通知すると仮定すると、OSPFのExtended Prefix TLVによってBFR-Prefixを通知し、このプレフィックスにBIER SUB-TLVを追加してSub-Domain-ID、BFR-IDなどの情報を含み、ネットワークの中間デバイスBFRもこのプロトコル拡張に従って通知するが、中間デバイスBFRがBFR-IDを割り当てないため、通知されたBFR-IDは、0である。図1の例では、BFIR1のBFR-IDが100であり、そのBFR-PrefixがP100であり、BFER1のBFR-IDが1であり、そのBFR-PrefixがP1であり、BFER2のBFR-IDが2であり、そのBFR-PrefixがP2であると仮定し、これによって類推し、これらのBFR-IDは、いずれもSub-Domain 0にあると仮定する。
【0017】
OSPFプロトコルのフラッディングメカニズムにより、ネットワークにおけるデバイスは、他のデバイスからの通知を受信した後、受信されたプレフィックス情報に基づいてルーティング計算を行って、通常転送用のユニキャストルーティングテーブルを生成し、それによりBIER転送用のBIERルーティングテーブルを生成し、例えば、RFC8279に記載されているように、BIER転送テーブルは、BFR-IDがインデックスであり、BFR-prefix及びネクストホップ近隣BFR-NBRを含むテーブルエントリである。例えば、図2は、BFR1におけるBIER転送テーブルであり、このテーブルを生成する前に、まず、BFR1は、受信されたOSPF通知に基づいて、図3に示すような通常の転送テーブルを生成する必要があり、このテーブルは、ユニキャストルーティング転送に用いられ、このテーブルは、プレフィックスをインデックスとして生成され、例えば、BFER1によって通知されたプレフィックスP1に対して、該ルーティングに対応するネクストホップデバイスがBFR2であることを計算し、その後、該ルーティングに対応する通知TLVに含まれているBIER SUB-TLVを取り出し、その中に含まれるBFR-ID値をインデックスとしてBIER転送テーブルに追加し、このように類推して図2の転送テーブルを生成する。
【0018】
1つのBIERドメインが複数のIGPドメイン又はASドメイン(ここでのドメインdomain、上記BIER通知時のSub-Domainと同じ意味ではない)からなる場合、図4に示すネットワークのように、このBIERドメインは、3つのドメインからなり、単独の各ドメインにおいて、OSPF、ISIS、BGPなどのようなプロトコルが動作し、各ドメインで動作するプロトコルは、同じでも異なってもよい。例えば、domain1において、BGPプロトコルが動作しているかもしれず、domain2及びdomain3において、OSPFプロトコルが動作しているかもしれず、或いは、domain1において、OSPFプロトコルが動作しているかもしれず、domain2においてBGPプロトコルが動作しているかもしれず、domain3において、ISISプロトコルなどが動作しているかもしれない。各domain内のプロトコル通知範囲は、該domainのみにある。マルチキャストトラフィックがBFIR1デバイスからBFER1~6に送信される必要があると仮定すると、デバイスは、自身のdomain内の転送テーブルを作成する必要がある以外、他のdomainの受信者に到達できる転送テーブルを作成する必要がある。
【0019】
Domainのボーダーデバイス、例えば、図4におけるBR1~4は、ブリッジとして異なるドメインにおけるBFR-ID情報を伝送する必要があり、例えば、BR1/2は、domain2におけるBFER1及びBFER2のBFR-IDをdomain1に通知し、BR3/4から受信されたdomain3におけるBFER3及びBFER4のBFR-ID、及びdomain1におけるBFER5及びBFER6のBFR-IDをdomain2に通知する必要があり、同様に、BR3/4は、domain3におけるBFER3及びBFER4のBFR-IDをdomain1に通知し、BR1/2から受信されたdomain2におけるBFER1及びBFER2のBFR-ID、及びdomain1におけるBFER5及びBFER6のBFR-IDをdomain3に通知する必要がある。該目的を達成するために、この方法は、BFIR/BFERのプレフィックス、即ち、そのloopbackアドレスをDomainのボーダーデバイスに直接通知し、即ち、BR1/2は、domain2におけるBFER1のBFR-Prefix及びそのBFR-ID、BFER2のBFR-Prefix及びそのBFR-IDをdomain1に直接通知し、domain1におけるBFER5のBFR-Prefix及びそのBFR-ID、BFER6のBFR-Prefix及びそのBFR-ID、BFIR1のBFR-Prefix及びそのBFR-IDをdomain2に直接通知し、BR3/4から取得されたBFER3のBFR-Prefix及びそのBFR-ID、BFER4のBFR-Prefix及びそのBFR-IDをdomain2に直接通知し、これによって類推し、このように、各domainにおいて、本ドメインにおけるBFER1及びBFER2の情報に加えて、同様に他のドメインにおけるBFERデバイスのBFR-Prefix及びそのBFR-IDも受信することができる。BFR1を例として、図5のユニキャストルーティングテーブルを計算し、それにより、図6のBIER転送ルーティングテーブルを生成することができ、同様に、domain2のBFRm上のユニキャストルーティングテーブルを図7に示し、BIER転送ルーティングテーブルを図8に示す。
【0020】
このような方法の利点は、簡単で直接であり、欠点も明らかであり、まず、ドメイン間にルーティングの漏洩が発生し、例えば、domain2における2台のBFERデバイスのプレフィックスがdomain1とdomain3の両方で存在し、実際には、異なるドメインの全てのルーティングが完全に相互に学習する必要がなく、次に、BFIR/BFERデバイスの数が非常に大きいと仮定すると、デバイスの負荷が非常に大きくなり、各domainにいずれも200台のエッジデバイスがあると仮定すると、3つのdomain全体で600台のエッジデバイスのBFR-Prefix及びBFR-IDがいずれも各domainで通知され、大きな通知量がネットワーク帯域幅を占有し、全てのデバイスに影響(例えば、OSPFデバイスとISISデバイスのフラッディング)を与えるだけでなく、デバイス計算に大きな負荷をかけ、なぜなら、各デバイスは、いずれも、まず600個のユニキャストルーティングを計算しなければ、転送のためのBIER転送テーブルを生成することができないからである。ボーダーデバイスとしてのBR1~4は、ブリッジとして全てのBFR-Prefix及びそれに対応するBFR-IDを通知する必要があり、そのデバイス通知量が大きすぎて、パケットロスなどの課題が発生しやすい。
【0021】
上記課題に対して、本発明の実施例は、転送テーブルの生成方法を提供し、以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら実施例を挙げて詳細に説明する。
【0022】
なお、本発明の実施例の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、必ずしも特定の順序又は前後順を説明するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために用いられるものである。
【0023】
本願の実施例に係る方法の実施例は、モバイル端末、ルータ又はネットワークスイッチ、コンピュータ端末又は類似の演算装置において実現することができる。モバイル端末上で実行されることを例として、図9は、本発明の実施例に係る転送テーブルの生成方法のモバイル端末のハードウェア構成のブロック図である。図9に示すように、モバイル端末は、1つ又は複数(図9には1つのみが示される)のプロセッサ902(プロセッサ902は、マイクロプロセッサMCU又はプログラマブルロジックデバイスFPGAなどの処理装置を含むが、これらに限定されない)及びデータを記憶するためのメモリ904を含んでもよく、上記モバイル端末は、通信機能のための伝送デバイス906及び入出力デバイス908をさらに含んでもよい。当業者であれば理解できるように、図9に示すような構造は、単に概略的なものであり、上記モバイル端末の構造を限定するものではない。例えば、モバイル端末は、さらに、図9に示されるより多いか又はより少ないコンポーネントを含むか、又は図9に示されるものと異なる構成を有してもよい。
【0024】
メモリ904は、アプリケーションソフトウェアのソフトウェアプログラム及びモジュール、例えば、本発明の実施例における転送テーブルの生成方法に対応するコンピュータプログラムを記憶してもよく、プロセッサ902は、メモリ904内に記憶されるコンピュータプログラムを実行することにより、様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、つまり上記方法を実現する。メモリ904は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに、例えば、1つ又は複数の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の不揮発性固体メモリなどの不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ904は、プロセッサ902に対して遠隔的に設置されるメモリをさらに含んでもよく、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介してモバイル端末に接続されてもよい。上記ネットワークの例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0025】
伝送装置906は、1つのネットワークを介してデータを送受信する。上記ネットワークの具体例は、モバイル端末の通信事業者が提供する無線ネットワークを含んでもよい。一実施例において、伝送装置906は、基地局により他のネットワークデバイスに接続されてインターネットと通信可能なネットワークアダプタ(Network Interface Controller、NICと略称される)を含む。一実施例において、伝送装置906は、無線方式によりインターネットと通信する無線周波数(Radio Frequency、RFと略称される)モジュールであってもよい。
【0026】
本実施例において、上記端末上で動作することができるが、それに限定されない転送テーブルの生成方法を提供する。図10は、本発明の実施例に係る転送テーブルの生成方法のフローチャートであり、図10に示すように、該フローは、以下のステップS1002~S1006を含む。
【0027】
ステップS1002では、受信された第1通知メッセージに基づいて目標転送テーブルを生成するとき、前記目標転送テーブルに既に存在したビット転送ルータ識別子BFR-IDに第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在するか否かを判定し、前記第1通知メッセージは、第1BFERの前記第1BFR-IDを通知するものである。
【0028】
ステップS1004では、存在すると決定した場合、前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定する。
【0029】
ステップS1006では、前記目標BFR-Prefixに基づいて前記目標転送テーブルを生成する。
【0030】
上記ステップの実行主体は、BIERドメイン内のBFRデバイスであってもよく、当然ながら、BIERドメイン内の他のデバイスであってもよく、上記BFRデバイスと相対的に独立したプロセッサであってもよく、類似の処理能力を有する他の処理デバイスなどであってもよい。
【0031】
上記実施例において、第1BFR-IDと同じBFR-IDエントリが存在しない場合、該第1BFR-IDに対応するエントリを転送テーブルに直接追加し、対応するプレフィックスとネクストホップを記入する。同じBFR-IDのエントリが存在する場合、該複数の同じBFR-IDに対応するルーティングプレフィックスから最終的なルーティングプレフィックスを決定する必要があり、さらに、該最終的なルーティングプレフィックスに基づいて転送テーブルにおけるエントリを調整する。なお、最終的に決定されたルーティングプレフィックスが該第2BFR-IDに対応するルーティングプレフィックスである場合、転送テーブルにおけるエントリを調整する必要がなく、最終的に決定されたルーティングプレフィックスが該第1BFR-IDに対応するルーティングプレフィックスである場合、転送テーブルにおける第1BFR-IDに対応するルーティングプレフィックス及びネクストホップを、第1BFR-IDに対応するルーティングプレフィックス及びネクストホップに更新する必要がある。
【0032】
上記実施例によれば、転送テーブルを生成する際に、複数の同じBFR-IDが存在する場合、同じBFR-IDのプレフィックスを比較し、さらに該BFR-IDに対応するより適切なプレフィックスを決定することにより、転送テーブルに同じBFR-IDに対応する複数の転送エントリを繰り返して作成することを回避し、通知量が大きすぎることによるネットワーク帯域幅の不必要な占有、デバイスの負荷過大及びパケットロスの課題を回避し、ネットワーク帯域幅の利用率を向上させ、デバイスの負荷を低減する効果を達成する。
【0033】
好ましい一実施例において、複数の同じBFR-IDに対応するBFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定する場合、各BFR-IDに対応するBFR-Prefixに含まれるコンテンツに基づいて総合的に決定することができ、以下、該目標BFR-Prefixをどのように総合的に決定するかについて説明する。
【0034】
決定方式1
前記第1BFR-Prefixに含まれる第1コンテンツと、前記第2BFR-Prefixに含まれる第2コンテンツとを比較し、前記第1コンテンツが前記第2コンテンツよりも詳細であると決定した場合、前記第1BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定し、前記第2コンテンツが前記第1コンテンツよりも詳細であると決定した場合、前記第2BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定する。
【0035】
該決定方式では、コンテンツのより詳細なBFR-Prefixを目標BFR-Prefixとして優先的に選択し、コンテンツがより詳細であれば、BFR-Prefixに含まれるコンテンツをより多くすることができ、具体的には、BFR-Prefixのプレフィックスのマスク長さがより長い。
【0036】
決定方式2
前記第1BFR-Prefixの第1属性情報と前記第2BFR-Prefixの第2属性情報とを比較し、前記第1属性情報の属性値が前記第2属性情報の属性値よりも優れると決定した場合、前記第1BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定し、前記第2属性情報の属性値が前記第1属性情報の属性値よりも優れると決定した場合、前記第2BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定する。
【0037】
該決定方式では、BFR-Prefixの属性情報は、BFR-Prefixのcost属性、metric属性又は他の属性のうちの1つ又は複数を含んでもよく、より優れた属性値は、cost属性の値がより小さく、metric属性の値がより小さいなどであってもよい。
【0038】
好ましい一実施例において、前記目標BFR-Prefixに基づいて前記目標転送テーブルを生成するステップは、前記目標BFR-Prefixが前記第1BFR-Prefixである場合、前記目標転送テーブルに既に存在した前記第2BFR-IDに対応する前記第2BFR-Prefix及びネクストホップデバイスを前記第1BFR-Prefix及び前記第1BFR-Prefixに対応するネクストホップデバイスに更新するステップと、前記目標BFR-Prefixが前記第2BFR-Prefixである場合、前記転送テーブルに既に存在した前記第2BFR-ID及び前記第2BFR-IDに対応する前記第2BFR-Prefix及びネクストホップデバイスをそのまま維持するステップと、を含む。該実施例において、転送テーブルにおける既存のエントリを更新する必要がないと決定した場合、第1BFR-Prefixを直接廃棄してもよい。
【0039】
好ましい一実施例において、前記第1通知メッセージには、前記第1BFERが位置するドメインの第1ドメイン識別子DOMAIN-ID情報がさらに含まれる場合、前記目標転送テーブルに既に存在したBFR-IDに、第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在すると決定した後、前記方法は、前記第1BFR-IDと前記第2BFR-IDにそれぞれ対応するBFR-Prefixに、ドメイン内からのものがあると決定した場合、エラー処理を実行するステップと、前記第1BFR-ID及び前記第2BFR-IDにそれぞれ対応するBFR-Prefixがいずれもドメイン外からのものであると決定した場合、前記第2BFR-IDを通知するための第2通知メッセージに含まれている第2BFERが位置するドメインの第2DOMAIN-ID情報を決定し、前記第1DOMAIN-ID情報が前記第2DOMAIN-ID情報と異なる場合、エラー処理を実行するステップと、を含む。該実施例において、同じBFR-IDにそれぞれ対応するBFR-Prefixが異なるドメインからのものであると決定した場合、設定エラーがあることを示し、転送テーブルの更新を停止し、エラー処理を実行する必要がある。
【0040】
好ましい一実施例において、前記第2通知メッセージは、第2ドメイン外TLVを含み、前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-ID情報を含み、或いは、前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-ID情報及び前記第2BFERが位置するドメインの第2DOMAIN-ID情報を含む。本実施例において、該第2ドメイン外TLVは、通知メッセージに追加されたTLVであり、又は元のTLVに追加された新しいタイプのTLVであり、異なるプロトコルで、該追加されたTLVのフォーマットは異なる。例えば、OSPFプロトコルにおいて、ボーダーデバイスがドメイン外BFR-IDを通知する場合、新しいドメイン外SUB-TLV又はドメイン外SUB-SUB-TLV(TLV:Type、Length、Value)などの形式で通知する。
【0041】
好ましい一実施例において、前記第2通知メッセージは、前記第2BFR-Prefixを含み、前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-Prefixに従って送信され、前記第2BFR-Prefixは、集約ルーティングプレフィックス、デフォルトルーティングプレフィックス、ボーダーデバイスのBFR-Prefixのうちの1つを含む。本実施例において、第2通知メッセージは、ドメインDOMAIN-ID情報を含んでもよく、該ドメイン外SUB-TLV/ドメイン外SUB-SUB-TLVは、集約又はデフォルトルーティングプレフィックス通知に続いてもよく、ボーダーデバイスのBFR-Prefix通知に続いてもよい。
【0042】
好ましい一実施例において、前記第1通知メッセージは、第1ドメイン外TLVを含み、前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-ID情報を含み、或いは、前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-ID情報及び前記第1BFERが位置するドメインの第1DOMAIN-ID情報を含む。本実施例において、該第1ドメイン外TLVは、通知メッセージに追加されたTLVであり、又は元のTLVに追加された新しいタイプのTLVであり、異なるプロトコルで、追加されたTLVのフォーマットは異なる。例えば、OSPFプロトコルにおいて、ボーダーデバイスがドメイン外BFR-IDを通知する場合、新しいドメイン外SUB-TLV又はドメイン外SUB-SUB-TLV(TLV:Type、Length、Value)などの形式で通知する。
【0043】
好ましい一実施例において、前記第1通知メッセージは、前記第1BFR-Prefixを含み、前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-Prefixに従って送信され、前記第1BFR-Prefixは、集約ルーティングプレフィックス、デフォルトルーティングプレフィックス、ボーダーデバイスのBFR-Prefixのうちの1つを含む。本実施例において、第1通知メッセージは、ドメインDOMAIN-ID情報を含んでもよく、ドメイン外SUB-TLV/ドメイン外SUB-SUB-TLVは、集約又はデフォルトルーティングプレフィックス通知に続いてもよく、ボーダーデバイスのBFR-Prefix通知に続いてもよい。
【0044】
好ましい一実施例において、エラー処理を実行するステップは、アラーム提示を実行して、現在のネットワーク配置に不備があることを提示するステップと、コントローラにアラーム情報を送信して、前記コントローラの現在のネットワーク配置に不備があることを指示するステップと、のうちの少なくとも1つを含む。本実施例において、エラー処理は、上記具体的な方式に加えて、他の処理方式であってもよく、例えば、特定のデバイスにエラー通知情報を送信したり、管理者の端末にエラー通知情報を送信したりするなどであり、エラー処理方式は限定されない。
【0045】
以下、全体的な実施例を参照しながら本発明の実施例を説明する。
ボーダーデバイスを配置してドメイン外SUB-SUB-TLVを通知し、通知に続くプレフィックスを示し、そのフォーマットは、図11に示すように、含まれるBFR-IDを列挙することができ、BFR-IDが1組の連続する値である場合、図12に示すようなフォーマットを用い、通知されるBFR-IDの開始値と終了値を記入することができ、同時に、図13に示すように、DOMAIN-ID値を単独に含むことができる。DOMAIN-ID値は、同じSUB-SUB-TLV内で直接含まれてもよいため、図14及び図15と同様の方式で含まれてもよく、
デバイスがBIER転送テーブルを生成する全体的なフローを図16に示し、具体的には、以下のステップS1602~S1618を含む。
【0046】
S1602では、プレフィックスに含まれているBRF-IDを取り出し、
S1604では、デバイスは、BIER転送テーブルを計算して生成するとき、取り出されたBRF-IDと同じBFR-IDのエントリが存在するか否かを検索し、
S1606では、同じBFR-IDエントリが存在しないと、該エントリを直接追加し、対応するプレフィックスとネクストホップを記入し、ステップS1620へ移行し、
S1608では、同じBFR-IDエントリが存在すると、ドメイン内からのプレフィックスがあるか否かを判定し(BIER SUB-TLVに含まれているか否かを判定する)、
S1610では、ドメイン内からのプレフィックスがあると、エラー処理を行い、アラーム提示又はコントローラへの報告を含み、
S1612では、プレフィックスがドメイン外からのものであれば、各プレフィックスが異なるドメインからのものであるか否かを判定し、異なるドメインからのものであれば、S1610を実行し、
S1614では、同じドメインからのものであれば、同じBFR-IDエントリに対応するプレフィックスを比較し、より詳細なプレフィックスに対応するネクストホップを選択し、より詳細な意味は、該プレフィックスのマスク長さがより長いことであり、又はプレフィックスのcost/metricなどの他の属性を比較し、より優れた(例えば、より小さいcost/metric)プレフィックス及びそれに対応するネクストホップを選択し、この属性も単独で比較することができ、即ち、ステップ1612の後にプレフィックスの詳細度を比較することをスキップして、プレフィックスのcost/metricなどの他の属性を直接比較し、
S1616では、比較結果に基づいて転送テーブルにおけるエントリを更新する必要があるか否かを決定し、更新する必要があると決定した場合、S1606へ移行し、そうでなければ、S1618へ移行し、
S1618では、次のBFR-IDを処理する。
【0047】
以下、具体的な実施例を参照しながら本発明の実施例を例示的に説明する。
具体的な実施例1
ネットワーク全体デバイスの負荷を低減するために、ボーダーデバイスは、BFR-IDを通知する際に、いくつかの手段を用いて通知のプレフィックス数を低減し、例えば、集約ルーティング又はデフォルトルーティングの通知方式を用い、これらの方式において、集約されたプレフィックスは、1つ又は複数のボーダーデバイスのプレフィックスをカバーする可能性があり、デフォルトルーティングプレフィックスは、全てのボーダーデバイスのプレフィックスを含むため、それに対応するBFR-IDも複数あり、プレフィックスは、BFR-IDと1対1に対応しないが、同一のドメインにおいて、プレフィックスとBFR-IDとは、依然として1対1に対応するため、このとき、他のドメインのBFR-ID通知は、本ドメイン内のBFR-ID通知と区別しなければならない。したがって、他のドメインのBFR-IDを通知する際に、元のBIER SUB-TLVではなく、新しいTLVで含むか、又は元のBIER SUB-TLVに新しいタイプのSUB-SUB-TLVを追加する方式で含み、ここでは、ドメイン外SUB-SUB-TLVと略称する。
【0048】
例えば、図4において、ボーダーデバイスは、通知されたプレフィックスの数を減少させ、トラフィックに対して一定の制御を行い、例えば、BFER1宛のトラフィックをBR1経由で送信するために、domain2のBFR-IDをdomain1に通知するとき、BR1に配置された集約ルーティング(そのプレフィックスがP11であると仮定する)を選択することができ、P11がBFER1のプレフィックスのみを含むと仮定すると、BR1は、P11のプレフィックスを通知するとき、BFER1のBFR-ID1のみを含み、BR2に配置されたのはデフォルトルーティング(0/0ルーティング、便宜的にP0と呼ばれる)であり、domain2の全てのルーティングプレフィックスを含むと仮定すると、BR2は、P0をdomain1に通知するとき、BFER1とBFER2のBFR-ID 1/2を含む。図17に示すように、domain1のデバイスがルーティング計算を実行するとき、依然としてBFR1を例として、P11及びP0のユニキャストルーティングを生成し、P11のネクストホップはBR1であり、P0のネクストホップはBR2である(簡略化のために、他のルーティングエントリが省略される)。
【0049】
次に、BIER転送テーブルを計算し、P11プレフィックスに含まれているBFR-ID情報を先に処理すると仮定すると、P11に含まれているBFR-IDが1のみであるため、BFR-IDが1で、プレフィックスがP11で、ネクストホップがBR1であるBIER転送テーブルエントリを生成し、デフォルトルーティングP0を処理する場合、それによって含まれるBFR-IDが1と2であり、かつ2つのプレフィックスのBFR-ID通知がいずれもドメイン外SUB-SUB-TLVであることを発見し、このとき、元の処理原則に従って直接処理することができず、さもなければ、BIER転送テーブルにおけるBFR-ID 1のエントリをプレフィックスP0、ネクストホップBR2に更新する。これは、元の制御目的を達成することができない。したがって、デフォルトルーティングP0を処理し、それによって含まれるBFR-ID1 が既にBIER転送テーブルに存在することを発見した場合、該ルーティングプレフィックスP0を元のBFR-ID 1におけるプレフィックスP11と比較する必要があり、P11がより詳細である(そのマスク長さがより長い)ことを発見するため、BFR-ID 1のエントリを更新する必要がなく、これにより、最終的に生成されたBIER転送テーブルは、図18に示すとおりであり(簡略化のために、他のルーティングエントリが省略される)。
【0050】
具体的な実施例2
ボーダーデバイスの通知は、さらに通知のプレフィックスを減少させる方式を用いてもよく、ボーダーデバイス自体のBFR-Prefixを通知する場合、ドメイン外SUB-SUB-TLVを直接含んで他のドメインのBFR-IDを含んでもよい。例えば、図4において、BR1のプレフィックスがPB1であり、BR2のプレフィックスがPB2であると仮定すると、domain2のBFR-IDをdomain1に通知する際に、同じプレフィックスBFR-Prefixでは、本ドメイン内のBIER SUB-TLVを通知する以外に、ドメイン外のSUB-SUB-TLVを含む必要がある。したがって、BR1は、そのプレフィックスPB1を通知する際に、ドメイン外SUB-SUB-TLVを含んでdomain2のBFR-ID1/2を含む必要があり、BR2デバイスも同様である。
【0051】
このように、ドメイン内のデバイスが計算を行う際に、依然としてBFR1を例として、図19に示すように、まず、プレフィックスに基づくユニキャストルーティングテーブルを計算し、BIER転送テーブルの生成を行う際に、まず、PB1プレフィックスに含まれているBFR-ID1/2を取り出して、2つのBIER転送エントリを生成し、BFR-IDがそれぞれ1と2であり、プレフィックスがいずれもPB1であり、ネクストホップがいずれもBR1であり、PB2に含まれているBFR-IDを処理した際に、BIER転送テーブルに既に対応するエントリが存在することを発見し、PB2とPB1のプレフィックスを比較する際に、両者の詳細度が同じである可能性があることを発見し(例えば、プレフィックスがIPv4である場合、いずれも32ビットのホストルーティングであり、プレフィックスがIPv6である場合、いずれも128ビットのホストルーティングである)、このとき、図20に示すように、ECMP(Equal-cost multipath)リンクを直接生成することを選択してもよく、2つのプレフィックスのcost/metricなどの他のOSPFプロトコル属性を比較することを選択してもよく(これらの属性は、プレフィックスの他のTLVに基づいて通知され、必ずしもBIER SUB-TLV又はドメイン外SUB-SUB-TLVに存在しない)、プレフィックスPB1のcost/metricなどの属性がプレフィックスPB2よりも優れると仮定すると、最終的に生成されたBIER転送テーブルは、図21に示すとおりである。
【0052】
具体的な実施例3
ある場合、ネットワークにおける配置に不備が発生する可能性があり、依然として図4のネットワークであると仮定し、ネットワーク管理者の配置が間違っているため、デバイスBFER5とBFER1デバイスに割り当てられたBFR-IDがいずれも50であると仮定すると、BFER5デバイスは、自分のプレフィックスP5及びBFR-ID 50をdomain1において通知し、BFER1デバイスは、自分のプレフィックスP1及びBFR-ID 50をdomain2において通知し、ボーダーデバイスBR1は、domain2におけるBFR-IDをdomain1に通知する場合、BR1のプレフィックスPB1のドメイン外SUB-SUB-TLVとして通知すると仮定し、同様に、domain1からdomain2への通知は、同様であり、ここでは説明を繰り返さない。
【0053】
デバイスがルーティング計算を行う際に、依然としてBFR1を例とし、図22に示すように、BFR1は、まず、通常のユニキャストルーティングテーブルを生成し、プレフィックスP5とPB1のネクストホップがそれぞれBFER5とBR1であるまで生成し、さらに、まず、プレフィックスP5のルーティングに含まれているBIER SUB-TLVを取り出すと仮定し、BFR-IDが50で、プレフィックスがP5で、ネクストホップがBFER5であるBIER転送エントリを得て、プレフィックスPB1に含まれているBIER SUB-TLV及びドメイン外SUB-SUB-TLVを処理する際に、BFR-ID 50を発見し、BIER転送テーブルを検索して該BFR-IDエントリが既に存在し、かつその出所がプレフィックスP5のドメイン内BIER SUB-TLVであることを発見し、この際に、エラーが発生したことを説明し、該BIER転送エントリの更新を停止する必要があり、アラーム又はエラー情報の方式で表示し、又はコントローラへ報告し、ネットワーク配置に不備が発生したことを提示する。
【0054】
なお、以上の実施例の通知は、OSPFプロトコルを例とし、ISISプロトコルによって通知すると仮定すると、OSPFプロトコルのBIER SUB-TLVに対応するのは、ISISプロトコルのBIER Info SUB-TLVであり、対応するドメイン外SUB-SUB-TLVは、該BIER Info SUB-TLVに追加されてもよく、BGPプロトコルによって通知すると仮定すると、OSPFプロトコルのBIER SUB-TLVに対応するのは、BIER TLVであり、該BIER TLVに追加されてもよいドメイン外通知は、ドメイン外SUB-TLV方式である。本発明の実施例において、通知位置は、特に限定されない。
【0055】
具体的な実施例4
複数のASドメインにまたがって1つのBIERドメインとなるシーンに遭遇した場合、例えば、図23に示されるネットワークでは、3つのdomainが1つのBIER domainを合成し、domain1/2/3は、3つのASドメインをそれぞれ表す。各domainのボーダーデバイス間で動作するのは、BGPプロトコルである。例えば、domain1のBR1/2とdomain2のBR5/6との間、domain1のBR3/4とdomain3のBR7/8との間である。しかし、各domainの内部では、OSPF又はISISプロトコルが動作しているかもしれず、又は同様にBGPプロトコルが動作しているかもしれない。
【0056】
domain2で動作しているのがOSPFプロトコルで、domain1で動作しているのがISISプロトコルであるように設定されると仮定し、ボーダーデバイスBR5/6を例として、BR5/6が、domain2におけるBFR-ID情報をBR1/2デバイスに配信する必要があるように設定されると仮定すると、まず、BR5は、OSPFプロトコルから取得されたBFER1/2のBFR-ID情報を、自分のデバイスプレフィックスに従って、そのBIER TLVにおけるドメイン外SUB-TLVとして通知し、ネクストホップを自分とし、BR1とBR2デバイスに送信し、BR6デバイスも同様に通知する。図24に示すように、BR1デバイスは、BR5とBR6デバイスの通知を受信した後、実施例2と同様の方式で自分のユニキャストルーティング転送テーブルを計算し、BIER転送テーブルエントリを生成し、BR5で通知されたプレフィックスのmetricがより優れると考えられると仮定すると、BR1によって生成されたBIER転送テーブルを図25に示す。BR2デバイスも同様であり、BR2デバイスがBIER転送テーブルを計算するプロセスにおいて、BR6によって通知されるプレフィックスのmetricがより優れると考えられる可能性があるため、BR2デバイス上のBFR-ID1/2のプレフィックスに対応するのは、BR6-Prefix及びネクストホップBR6である可能性がある。
【0057】
BR1とBR2デバイスは、さらに、この2つのBFR-IDをdomain1に通知する必要があるため、BR1とBR2デバイスは、ISISプロトコルによって自分のプレフィックスルーティングを通知する際に、ドメイン外SUB-SUB-TLVを含むことができ、それにより、domain1は、domain2からのBFR-ID情報を受信する。domain1からdomain2/3へ、domain3からdomain1への方式は、同様であり、ここでは説明を省略する。
【0058】
BFR1を例として、まず、BR1とBR2へのユニキャストルーティングテーブルを計算し、BIER転送テーブルを計算する場合、同様に実施例2と同様の方式を用い、同じドメイン外のBFR-IDエントリが存在する場合、比較によりプレフィックスのcostがより優れたものをプレフィックスとして選択してそのネクストホップを利用し、又は両者の詳細度が一致する場合にECMPテーブルエントリを形成する。
【0059】
ネットワーク配置に不備が発生したと仮定すると、domain3からdomain1に伝達されたBFR-IDの中にも、domain2のボーダーデバイスBFER1と同じものが存在し、BFR1を例として、BIER転送テーブルを計算する際に、同じBFR-IDエントリが存在し、その対応するプレフィックスがいずれもドメイン外からのものであるが、異なるdomainからのものであることを発見し、この際にも、配置エラーが発生したことを説明し、該BIER転送エントリの更新を停止する必要があり、アラーム又はエラー情報の方式で表示し、又はコントローラへ報告し、ネットワーク配置に不備が発生したことを提示する。
【0060】
なお、簡略化のために、図におけるエッジデバイスと中間デバイスの数は多くなく、本発明の実施例が適用される実際のネットワークにおいて、これらのデバイスの数を制限するものではなく、計算された通常のユニキャストルーティングテーブル及びBIER転送テーブルは、そのネクストホップが実際のデバイスを基準とし、本発明の実施例に説明された直接接続の場合に限定されない。
【0061】
これにより、本発明の実施例に係る通知及び計算方法によれば、BIERのクロスドメインの配置に正確な通知・計算方法を提供することができ、BIER転送テーブルエントリの計算ミスの不備を回避し、BIER技術の広範な配置を加速する。また、BIERのunderlayプロトコルは、通知のプレフィックスに基づいてルーティングテーブルとBIER転送テーブルを計算して生成する際に、ドメイン内とドメイン間でBFR-IDを受信することを明確に区別し、BIER転送テーブルエントリを正確に生成できることを保証し、BIER転送に誤りがない。
【0062】
以上の実施形態の説明により、当業者は、上記実施例に係る方法がソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームを組み合わせることにより実現されてもよく、当然ハードウェアによって実現されてもよいが、多くの場合、前者が好適な実施形態であることを明確に理解できる。このような理解に基づいて、本発明の実施例の技術案の実質又は従来技術に貢献のある部分は、ソフトウェア製品の形態で体現され、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、1台の端末デバイス(携帯電話や、コンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスなどであってもよい)に本発明の各実施例で説明した方法を実行させるいくつかの命令を含む。
【0063】
本実施例において、転送テーブルの生成装置をさらに提供し、該装置は、上記実施例及び好ましい実施形態を実現するように構成され、既に説明したものについては説明を省略する。以下に用いられる用語「モジュール」は、所定の機能のソフトウェア及び/又はハードウェアの組み合わせを実現することができる。以下の実施例に説明される装置は、好ましくは、ソフトウェアで実現されるが、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実現されてもよい。
【0064】
図26は、本発明の実施例に係る転送テーブルの生成装置のブロック構成図であり、図26に示すように、該装置は、
受信された第1通知メッセージに基づいて目標転送テーブルを生成するとき、前記目標転送テーブルに既に存在したビット転送ルータ識別子BFR-IDに第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在するか否かを判定する判定モジュールであって、前記第1通知メッセージは、第1BFERの前記第1BFR-IDを通知するものである判定モジュール262と、
存在すると決定した場合、前記第1BFR-IDに対応する第1ビット転送ルータプレフィックスBFR-Prefix及び前記第2BFR-IDに対応する第2BFR-Prefixから目標BFR-Prefixを決定するように構成される決定モジュール264と、
前記目標BFR-Prefixに基づいて、前記目標転送テーブルを生成するように構成される生成モジュール266と、を含む。
【0065】
好ましい一実施例において、前記決定モジュール264は、
前記第1BFR-Prefixに含まれる第1コンテンツと、前記第2BFR-Prefixに含まれる第2コンテンツとを比較するように構成される第1比較ユニットと、
前記第1コンテンツが前記第2コンテンツよりも詳細であると決定した場合、前記第1BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定するように構成される第1決定ユニットと、
前記第2コンテンツが前記第1コンテンツよりも詳細であると決定した場合、前記第2BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定するように構成される第2決定ユニットと、を含む。
【0066】
好ましい一実施例において、前記決定モジュール264は、
前記第1BFR-Prefixの第1属性情報と、前記第2BFR-Prefixの第2属性情報とを比較するように構成される第2比較ユニットと、
前記第1属性情報の属性値が前記第2属性情報の属性値よりも優れると決定した場合、前記第1BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定するように構成される第3決定ユニットと、
前記第2属性情報の属性値が前記第1属性情報の属性値よりも優れると決定した場合、前記第2BFR-Prefixを前記目標BFR-Prefixとして決定するように構成される第4決定ユニットと、を含む。
【0067】
好ましい一実施例において、前記生成モジュール266は、
前記目標BFR-Prefixが前記第1BFR-Prefixである場合、前記目標転送テーブルに既に存在した前記第2BFR-IDに対応する前記第2BFR-Prefix及びネクストホップデバイスを前記第1BFR-Prefix及び前記第1BFR-Prefixに対応するネクストホップデバイスに更新するように構成される更新モジュールと、
前記目標BFR-Prefixが前記第2BFR-Prefixである場合、前記転送テーブルに既に存在した前記第2BFR-ID及び前記第2BFR-IDに対応する前記第2BFR-Prefix及びネクストホップデバイスをそのまま維持するように構成される維持モジュールと、を含む。
【0068】
好ましい一実施例において、前記装置は、
前記第1通知メッセージには、前記第1BFERが位置するドメインの第1ドメイン識別子DOMAIN-ID情報がさらに含まれる場合、前記目標転送テーブルに既に存在したBFR-IDに、第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在すると決定した後、前記第1BFR-IDと前記第2BFR-IDにそれぞれ対応するBFR-Prefixに、ドメイン内からのものがあると決定した場合、エラー処理を実行するように構成される第1実行モジュールと、
前記第1通知メッセージには、前記第1BFERが位置するドメインの第1ドメイン識別子DOMAIN-ID情報がさらに含まれる場合、前記目標転送テーブルに既に存在したBFR-IDに、第1BFR-IDと同じ第2BFR-IDが存在すると決定した後、前記第1BFR-ID及び前記第2BFR-IDにそれぞれ対応するBFR-Prefixがいずれもドメイン外からのものであると決定した場合、前記第2BFR-IDを通知するための第2通知メッセージに含まれている第2BFERが位置するドメインの第2DOMAIN-ID情報を決定し、前記第1DOMAIN-ID情報が前記第2DOMAIN-ID情報と異なる場合、エラー処理を実行するように構成される第2実行モジュールと、をさらに含む。
【0069】
好ましい一実施例において、前記第2通知メッセージは、第2ドメイン外TLVを含み、前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-ID情報を含み、或いは、前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-ID情報及び前記第2BFERが位置するドメインの第2DOMAIN-ID情報を含む。
【0070】
好ましい一実施例において、前記第2通知メッセージは、前記第2BFR-Prefixを含み、前記第2ドメイン外TLVは、前記第2BFR-Prefixに従って送信され、前記第2BFR-Prefixは、集約ルーティングプレフィックス、デフォルトルーティングプレフィックス、ボーダーデバイスのBFR-Prefixのうちの1つを含む。
【0071】
好ましい一実施例において、前記第1通知メッセージは、第1ドメイン外TLVを含み、前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-ID情報を含み、或いは、前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-ID情報及び前記第1BFERが位置するドメインの第1DOMAIN-ID情報を含む。
【0072】
好ましい一実施例において、前記第1通知メッセージは、前記第1BFR-Prefixを含み、前記第1ドメイン外TLVは、前記第1BFR-Prefixに従って送信され、前記第1BFR-Prefixは、集約ルーティングプレフィックス、デフォルトルーティングプレフィックス、ボーダーデバイスのBFR-Prefixのうちの1つを含む。
【0073】
好ましい一実施例において、前記第1実行モジュールと前記第2実行モジュールは、いずれも、
アラーム提示を実行して、現在のネットワーク配置に不備があることを提示することと、
コントローラにアラーム情報を送信して、前記コントローラの現在のネットワーク配置に不備があることを指示することと、のうちの少なくとも1つによりエラー処理を実行することができる。
【0074】
なお、上記各モジュールは、ソフトウェア又はハードウェアにより実現することができ、後者である場合、上記モジュールがいずれも同一のプロセッサに位置する方式、又は、上記各モジュールが任意の組み合わせでそれぞれ異なるプロセッサに位置する方式で実現することができるが、これらに限定されない。
【0075】
本発明の実施例において、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該コンピュータプログラムは、実行される場合に上記いずれかの方法の実施例におけるステップを実現するように構成される。
【0076】
一例示的な実施例において、上記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、USBディスクや、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROMと略称される)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称される)、モバイルハードディスク、磁気ディスク又は光ディスクなどのコンピュータプログラムを記憶できる様々な媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0077】
本発明の実施例において、コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、コンピュータプログラムを実行して上記いずれかの方法の実施例におけるステップを実現するように構成されるプロセッサとを含む電子装置をさらに提供する。
【0078】
一例示的な実施例において、上記電子装置は、上記プロセッサに接続される伝送デバイス及び上記プロセッサに接続される入出力デバイスをさらに含んでもよい。
【0079】
本実施例における具体的な例は、上記実施例及び例示的な実施形態に説明される例を参照できるので、本実施例は、ここでは繰り返し説明を省略する。
【0080】
明らかに、当業者は、上述した本発明の実施例における各モジュール又は各ステップが汎用コンピューティング装置で実現されてもよく、それらが単一のコンピューティング装置に集中されてもよく、又は複数のコンピューティング装置で構成されたネットワークに分布されてもよく、それらがコンピューティング装置で実行可能なプログラムコードで実現されてよいので、それらを記憶装置に記憶してコンピューティング装置で実行し、かついくつかの場合で、本明細書とは異なる順序で、図示又は記載されたステップを実行することができ、又はそれらをそれぞれ各集積回路モジュールに作り、又はそれらのうちの複数のモジュール又はステップを単一の集積回路に作って実現することを理解すべきである。このように、本発明の実施例は、いかなる特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されない。
【0081】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施例を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の実施例に対する様々な変更と変化を行うことができる。本発明の実施例の原則内で行われるいかなる修正、均等置換及び改善などは、いずれも本発明の実施例の保護範囲内に含まれるべきである。
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【国際調査報告】