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特表2025-504224ミスト吐出ユニット及び斯かるユニットを有するパーソナルケア装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ミスト吐出ユニット及び斯かるユニットを有するパーソナルケア装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20250130BHJP
   A45D 20/10 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A45D20/12 Z
A45D20/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547265
(86)(22)【出願日】2023-03-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2023057382
(87)【国際公開番号】W WO2023186670
(87)【国際公開日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】22164958.5
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ラム ヒウ マン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ゼー チュエン
(72)【発明者】
【氏名】ラウ チャク ユエン
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CA01
3B040CK00
(57)【要約】
空気導管部101と、空気導管部101から送出空気流を生成するよう構成された空気流生成機構とを有するパーソナルケア装置100の文脈において、空気導管部101の下流に配置されるよう構成されたミスト吐出部10が提供される。吐出ユニット10は、ケア物質のミストを生成し、放出する役割を果たし、ある量のケア物質を収容するよう構成された容器40を有する。容器40は一般に、空気空間13を少なくとも部分的に囲む中空体として成形される。例えば、容器40は、概ねリング状及び概ねC字状のいずれかとすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア装置に使用する吐出ユニットであって、前記パーソナルケア装置が、空気導管部と、前記空気導管部からの送出空気流を生成する空気流生成機構とを含み、前記吐出ユニットは、前記空気導管部の下流に配置され、
ケア物質のミストを生成して放出する機能部と、
ある量の前記ケア物質を収容する容器であって、
ー前記容器が、前記ケア物質を前記機能部に出すための出口領域を持ち、前記機能部は、前記容器の出口領域から前記ケア物質を受け取る入口領域を持ち、
ー前記容器が一般に、前記容器の位置で前記送出空気流が前記吐出ユニットを通過することを可能にするよう、吐出ユニットにおいて機能的である空気空間を少なくとも部分的に取り囲む中空体として成形される、容器と、
前記空気導管部の下流端に接続するための接続領域であって、前記接続領域が、前記吐出ユニットの長手軸の周りで実質的にループ状であり、前記容器の少なくとも主要部分が、前記長手軸の方向における投影で見て、前記接続領域の内周の内側に位置する、接続領域とを有する、吐出ユニット。
【請求項2】
前記容器が概ねリング状及び概ねC字状のいずれかである、請求項1に記載の吐出ユニット。
【請求項3】
前記容器が、前記吐出ユニットに取り外し可能に構成される、請求項1又は2に記載の吐出ユニット。
【請求項4】
前記容器を受け取り、保持するホルダを有し、前記ホルダが、前記容器を少なくとも部分的にぴったりと取り囲み、前記ホルダにおける前記容器のスライド運動を介して、前記容器の受け取り及び容器の取り外しを容易にする壁部を含む、請求項3に記載の吐出ユニット。
【請求項5】
前記容器を受け取り、保持するホルダを有し、前記ホルダ及び前記容器が、互いに磁気的に結合する、請求項3に記載の吐出ユニット。
【請求項6】
前記容器が、取外し可能に配置されるか、又は開放状態と閉鎖状態との間で移動可能なカバー要素を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の吐出ユニット。
【請求項7】
前記機能部が、前記空気空間及び前記空気空間の下流の領域の少なくとも一方に向けて前記ケア物質のミストを放出する、請求項1乃至6のいずれかに記載の吐出ユニット。
【請求項8】
前記パーソナルケア装置の電源システムに前記機能部を接続する2つの電極を有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の吐出ユニット。
【請求項9】
前記吐出ユニットが、前記パーソナルケア装置の取り外し可能に構成されたアタッチメントとして使用される、請求項1乃至8のいずれかに記載の吐出ユニット。
【請求項10】
前記パーソナルケア装置の空気導管部に磁気的に結合する、請求項9に記載の吐出ユニット。
【請求項11】
パーソナルケア装置であって、空気導管部と、前記空気導管部からの送出空気流を生成する空気流生成機構と、前記空気導管部の下流に配置された請求項1乃至10のいずれかに記載の吐出ユニットとを有する、パーソナルケア装置。
【請求項12】
前記吐出ユニットの周辺外面が、下流側端部において前記空気導管部の周辺外面と同じ高さである、請求項11に記載のパーソナルケア装置。
【請求項13】
前記送出空気流を加熱するヒーター部を有する、請求項11又は12に記載のパーソナルケア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア装置に使用されるミスト吐出ユニット、及び上記吐出ユニットを有するパーソナルケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケアの分野では、トリートメント領域への送風及びトリートメント領域へのケア物質の供給の両方が可能な装置が知られる。ここで、ケア物質は、吐出ユニットからミストとして吐出される。斯かる装置の例は、ヘアドライヤーなどのヘアケア装置及びスキンケア装置である。様々な既知の場合において、吐出ユニットは、パーソナルケア装置の取り外し可能に配置されたアタッチメントとして使用されるよう構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CN205624988U及びCN214630580Uは、ヘアドライヤーに使用される吐出ユニットの例を開示する。吐出ユニットの容器について言えば、CN205624988Uは、容器がエッセンシャルオイルを含むガラス瓶で形成されることを開示し、このガラス瓶は、使用時に吐出ユニットの残りの部分から上方に突出し、これにより、アドオンとして明確に視認される。CN214630580Uは、容器の位置に関する様々なオプションを開示する。あるオプションによれば、容器は吐出ユニット内の中心位置にあり、これは、容器が吐出ユニットからその外側に突出しないという利点を伴う。しかし、これは、送出空気流が容器の周囲の環状領域から放出され、中心領域で強い状況にすることができないという欠点を伴う。
【0004】
本発明は、パーソナルケア装置の空気導管部の下流に配置されるよう構成された吐出ユニットの分野である。本発明の目的は、容器が吐出ユニットの残りの部分から突出しないような容器の配置を持つ方法を見出すこと、及び同時に、パーソナルケア装置が吐出ユニットを備えていない場合に得られる送出空気流に匹敵する、パーソナルケア装置の強力な送出空気流を保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記に鑑みて、本発明は、空気導管部と、空気導管部から送出空気流を生成するよう構成された空気流生成機構とを有するパーソナルケア装置に使用される吐出ユニットを提供し、この吐出ユニットは、空気導管部の下流に配置されるよう構成され、
ケア物質のミストを生成し、放出するよう構成された機能部と、
ある量のケア物質を収容するよう構成された容器とを有し、
ここで、
容器は、ケア物質を機能部に出すための出口領域を持ち、機能部は、容器の出口領域からケア物質を受け取るよう構成された入口領域を持ち、
容器は一般に、中空体として成形され、容器の位置で送出空気流が吐出ユニットを通過することを可能にするよう、吐出ユニットにおいて機能的である空気空間を少なくとも部分的に取り囲んでいる。
【0006】
上記の定義から、本発明によれば、容器は一般に、容器の位置で送出空気流が吐出ユニットを通過することを可能にするよう吐出ユニットにおいて機能的である空気空間を少なくとも部分的に取り囲む中空体として成形される。従って、本発明に基づき設計される吐出ユニットでは、空気空間が存在し、空気空間を少なくとも部分的に囲む位置に容器がある結果、容器はその空気空間の邪魔にならない。その結果、容器の外側に突出する配置が回避されながら、送出空気流が空気空間において強くなることができる。実際、吐出ユニットにおいて利用可能なスペースは、賢く使用され、ここで、容器を設計する従来のオプションは踏襲されない。その代わりに、容器の設計は、容器が空気空間の周りで少なくとも部分的に曲げられる設計とみなされることができる。この設計では、ケア物質を収納するのに十分な容積を持つ容器を作ることが十分に可能であることに留意されたい。言い換えると、内部の位置及び空気空間の周囲の形状の組み合わせに容器が適合しない従来のオプションと比較して、容積を減らす必要はない。
【0007】
本発明は、吐出ユニット内の空気空間の位置の様々なオプションをカバーし、吐出ユニットの長手軸の方向(以下、長手方向と呼ぶ)における投影で見て、空気空間が吐出ユニットにおける多かれ少なかれ中心位置を持つというオプションを含む。更に、本発明は、容器の形状の様々なオプションをカバーする。実用的なオプションによれば、容器は、一般にリング状で、長手軸の周りで360°に広がるか、又は一般にC字形で、長手軸の周りで360°未満に広がる。一般的に言えば、容器の周辺外面が長手軸に関して概ね凸状に湾曲した形状を持ち、容器の周辺内面が長手軸に関して概ね凹状に湾曲した形状を持つ場合、それは実用的である。
【0008】
有利には、本発明による吐出ユニットは、空気導管部の下流端部に接続するための接続領域を有し、ここで、接続領域は、吐出ユニットの長手軸の周りで実質的にループ状であり、容器の少なくとも主要部分が、長手軸の方向における投影で見て、接続領域の内周の内側に位置している。前述の接続は、実質的に気密な接続であってもよく、この場合、接続の位置での送出空気流の漏れは回避される。
【0009】
容器が吐出ユニット内に取り外し可能に配置されていれば、それは実用的である。なぜなら、これは、容器の交換及び/又は充填を容易にすることができるからである。例えば、吐出ユニットが、容器を受け取り保持するよう構成されたホルダを有する吐出ユニットの実施形態が実現可能であり、ここで、ホルダは、容器を少なくとも部分的にぴったりと取り囲み、ホルダにおける容器のスライド運動を介して、容器の受け取り及び容器の取り外しを容易にするよう構成された壁部を有する。別の実現可能なオプションによれば、ホルダ及び容器は互いに磁気的に結合するよう構成される。容器が吐出ユニットにおいて取り外し可能に配置される場合、容器が吐出ユニットから取り外されるとき、容器の出口領域が、出口領域を密封するよう構成された密封部を有する場合、それは便利である。斯かる密封部の例は、ホイルシールである。
【0010】
容器の出口領域から機能部の入口領域へのケア物質の経路に関して、ケア物質の紛失/漏れを回避するため、この経路が密閉される場合それは実用的であることに留意されたい。これは、機能部の入口領域及び容器の出口領域の一方が、機能部の入口領域及び容器の出口領域の他方のリング状の表面領域に対して密封的に当接するよう構成された密封リングを有する場合に実現されることができる。
【0011】
本発明は、容器が詰め替え可能であるオプションと、容器が(生物分解可能な)使い捨てとして提供されるオプションとの両方をカバーする。第1のオプションの場合、2つの実用的な可能性に言及すれば、容器が、取り外し可能に配置されるか、若しくは開放状態と閉鎖状態との間で移動可能なカバー要素を有するようにされることができ、又は排出口となりうる開口部を通して容器が詰め替え可能であるようにされることができる。
【0012】
有利には、機能部は、空気空間及び空気空間の下流の領域の少なくとも一方に向けてケア物質のミストを放出するよう構成される。吐出ユニットの正確な設計に基づき、これは、機能部が、長手方向以外の方向にケア物質のミストを放出するよう構成されることを意味することができる。これは、空気及びケア物質が並ぶ別々の流れではなく、空気及びケア物質の組み合わされた/混合された流れを確実にするのに役立つ場合がある。
【0013】
本発明の文脈では、機能ユニットは任意の適切な設計とすることができる。特に、機能ユニットは、振動メッシュ型圧電ネブライザなど、任意の適切なタイプのネブライザを有することができる。いずれの場合でも、吐出ユニットが、パーソナルケア装置の電源システムに機能部を接続するよう構成された2つの電極を有する場合、それは実用的であろう。
【0014】
吐出ユニットは、パーソナルケア装置の一体型部分とすることができるが、吐出ユニットが、パーソナルケア装置の取り外し可能に配置されたアタッチメントとして使用されるよう構成される場合、パーソナルケア装置のユーザは、パーソナルケア装置のより多くの使用オプションを提供される。後者の場合に適用される1つの実用的なオプションによれば、吐出ユニットが、パーソナルケア装置の空気導管部に磁気的に結合するよう構成されるようにすることができ、これは、複数の代替/追加オプションが本発明によって同様にカバーされるという事実を変えるものではない。ケア物質での処置の必要がない場合、吐出ユニットを取り外す可能性をユーザに提供することは、斯かる場合、パーソナルケア装置のスリムバージョンが使用されることができるという利点を伴う。
【0015】
ケア物質の保湿機能を実現することを目的とする場合、ケア物質は単に水であってもよい。それは、吐出ユニットから吐出されるケア物質に関する他の複数の可能性が、本発明によりカバーされるという事実を変えるものではない。一般的に言えば、ケア物質は、ヘアケア物質として一般的に知られ、適用されるケア物質、及びスキンケア物質として一般的に知られ、適用されるケア物質を含む、任意のタイプのケア物質とすることができる。
【0016】
先に示したように、本発明は更に、空気導管部と、空気導管部からの送出空気流を生成するよう構成された空気流生成機構と、空気導管部の下流に配置された、先にここで説明したような吐出ユニットとを有するパーソナルケア装置に関する。本発明によるパーソナルケア装置の実用的な例は、ヘアドライヤーなどのヘアケア装置及びスキンケア装置である。空気流生成機構及び吐出ユニットの他に、パーソナルケア装置は、送出空気流を加熱するよう構成されたヒーター部を含む、他の有用な要素を含んでいてもよい。ここで、斯かるヒーター部は、任意の適切な設計とすることができ、例えば、1つ又は複数の加熱コイルを有し得る。任意の場合において、空気流生成機構は、少なくとも1つのファンを有するタイプのものであってもよい。
【0017】
前述したように、吐出ユニットは、パーソナルケア装置の取り外し可能に構成されたアタッチメントとして使用されるよう構成され得る。その場合、吐出ユニットと、空気導管部及び空気流生成機構を含むパーソナルケア装置の残りの部分とは、セットとして提供され得る。斯かるセットは、吐出ユニット以外に、1つ又は複数の他のアタッチメントを更に含んでいてもよい。
【0018】
美観の観点及び操作の容易さの観点から、吐出ユニットの周辺外面が、その下流側端部において空気導管部の周辺外面と同じ高さである場合それは有利である。吐出ユニットの接続領域の内周内部に吐出ユニットの容器をオプションで配置することは、この点で有効な要因を構成し得る。個別の周辺面は、任意の適切な形状を持つことができ、長手軸の周りで概ね円形若しくは楕円形であってもよく、又は長手軸の周りで正方形若しくは長方形であってもよく、例えば、丸みを帯びたエッジを備えていてもよい。
【0019】
本発明は、空気導管部と、空気導管部からの送出空気流を生成するよう構成された空気流生成機構とを有するパーソナルケア装置に使用される吐出ユニットの容器にも関し、この容器は一般に、空気空間を少なくとも部分的に囲む中空体として成形され、一般にリング状及び一般にC字状のいずれかである。
【0020】
本発明の上述の態様及び他の態様は、パーソナルケア装置の一例としてのヘアケア装置の文脈における吐出ユニットの2つの実用的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより明らかになり、及びこれを参照して説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態による吐出ユニットを有するヘアケア装置の透視表示を図式的に示す図である。
図2】吐出ユニットがヘアケア装置内の作動位置から離れた位置に示されるヘアケア装置の透視表示を図式的に示す図である。
図3】吐出ユニットがヘアケア装置内の作動位置から離れた位置に示されるヘアケア装置の透視表示を図式的に示す図である。
図4】吐出ユニットの容器が、前面カバー片と、機能部及び容器ホルダのアセンブリとを含む吐出ユニットの残りの部分から離して示される、吐出ユニットの透視表示を図式的に示す図である。
図5】吐出ユニットの容器が、前面カバー片と、機能部及び容器ホルダのアセンブリとを含む吐出ユニットの残りの部分から離して示される、吐出ユニットの透視表示を図式的に示す図である。
図6】互いに離間した、前面カバー片と、機能部及び容器ホルダのアセンブリとの透視表示を図式的に示す図である。
図7】本発明の第2の実施形態による吐出ユニットの透視表示を図式的に示す図である。
図8】吐出ユニットの容器が吐出ユニットの残りの部分から離して示される、吐出ユニットの断面表示を図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明が以下、図を参照してより詳細に説明される。図では、同等又は類似の部分は同じ参照符号で示される。
【0023】
図1~3は、本発明の第1の実施形態による吐出ユニット10を有するヘアケア装置100の図を示す。示されるヘアケア装置100はヘアドライヤーであり、空気導管部101と、空気導管部101からの送出空気流を生成するよう構成された空気流生成機構とを有する。ヘアケア装置100は、ハンドヘルド装置であり、ユーザがヘアケア装置100を手に取ることを可能にするハンドル102を有する。
【0024】
空気流生成機構は、ヘアケア装置100の内部に配置され、そのため図1~3では見えない。同じことが、ヘアケア装置100のヒーター部にも当てはまり、これは、ユーザが望む場合、送出空気流を加熱するのに有用である。図1~3では、送出空気流の一般的な方向が矢印で示される。空気導管部101の下流端103において、ヘアケア装置100は、図3に見られるように、出口メッシュ104と電気接続領域105とを有する。吐出ユニット10は、空気導管部101の下流に配置され、その下流側端部103において空気導管部101に結合されるよう構成される。本実施例では、図2及び図3に示されるように、吐出ユニット10は、ヘアケア装置100の取り外し可能に構成されたアタッチメントとして使用されるよう構成される。このアタッチメントは、空気導管部101からの送出空気流の通路として機能する。ヘアケア装置100に取り付けられるとき、吐出ユニット10及びヘアケア装置100は同じ長手軸11を共有する。図1からもわかるように、吐出ユニット10の設計は、吐出ユニット10がヘアケア装置100の作動位置にあるとき、吐出ユニット10の周辺外面12が、その下流側端部103において空気導管部101の周辺外面106と同じ高さであるよう、空気導管部101の設計に適合される。ヘアケア装置100は、空気導管部101の下流端103に対して吐出ユニット10を解放可能に固定するための任意の適切な手段を備えることができる。
【0025】
図1~3及び図4~6を参照して、以下吐出ユニット10の詳細が説明される。第1に、吐出ユニット10は、ヘアケア物質のミストを生成し、放出するよう構成された機能部20を有し、このミストは例えば、単に水であってもよく、又は適切な添加物を備える水であってもよい。本実施例では、機能部20は、ネブライザ21の動作中にヘアケア物質のミストが放出されるネブライザ出口22を持つ振動メッシュタイプの圧電ネブライザ21を有する。第2に、吐出ユニット10は、空気導管部101の下流端103に実質的に気密に接続するための接続領域30を有し、接続領域30は、吐出ユニット10の長手軸11の周りでリング状になっている。第3に、吐出ユニット10は、ある量のヘアケア物質を収容するよう構成された容器40を有する。本実施例では、容器40は概ねリング状の外観を持ち、吐出ユニット10の空気空間13を取り囲むよう構成される。吐出ユニット10を有するヘアケア装置100の動作中、送出空気流は、空気空間13を通って流れ、吐出ユニット10の下流端14でヘアケア装置100から出る。更に、容器40は、長手軸11の方向、言い換えると長手方向における投影で見て、接続領域30の内周の内側に位置する。
【0026】
容器40は、動作中にヘアケア物質が機能部20の入口領域23に向かって出される出口領域41を持つ。図4及び図5に見られるように、出口領域41は管状体42を有し、機能部20の入口領域23は、管状体42の自由端を密封的に受け入れるものとして機能する密封リング24を有する。本実施例では、容器40は吐出ユニット10に取り外し可能に配置される。この点で、出口領域41は、任意の適切なタイプの密封部を備えることができることに留意されたい。容器40は、容器40にケア物質を(再)充填することを可能にするように取り外し可能に構成されたカバー要素43を有する。容器40は、ケア物質を供給源から直接受け取るか、又は容器40の内部から容器40の出口領域41に結合可能な出口を持つスリーブ内のケア物質を受け取るのに適している。
【0027】
図4~6から導かれるように、吐出ユニット10は、3つの主要な要素、即ち容器40と、機能部20及び容器ホルダ51のアセンブリ50と、前面カバー片60とを有する。容器ホルダ51は、容器40をぴったりと囲むよう構成された壁部52を有し、ここで、壁部52の周辺内面53の形状と、容器40の周辺外面44の形状とは、対応する膨出部及び切欠部とを備え、互いに適合される。容器ホルダ51における容器40の受け取りと容器ホルダ51からの容器40の取り外しは、容器ホルダ51における容器40の長手方向におけるスライド移動に基づき確立されることができる。更に、容器40及び容器ホルダ51の両方は、スナップ接続に基づき容器ホルダ51の所定の位置に容器40を固定するための個別の要素45、54を具備する。機能部20及び容器ホルダ51のアセンブリ50は、空気導管部101の下流端部103に存在する電気接続領域105を介してパーソナルケア装置100の電源システムに機能部20を接続するための2つの電極55、56を更に含む。
【0028】
前面カバー片60は、機能部20及び容器ホルダ51のアセンブリ50を収容する役割を果たし、接続領域30と、ネブライザ出口22の位置にあるミスト出口開口部61とを有する。ケア物質のミストが、ネブライザ出口22及びミスト出口開口部61から以下の態様で放出される場合有利であることに留意されたい。この態様では、ミストが、空気空間13の下流の領域に向けて放出される、即ち、長手軸11に向けて、長手方向とは異なる方向に放出される。なぜなら、その態様では、乾燥気流及びヘアケア物質の実際の混合された組み合わせが、処理中の毛髪の同じ目標位置に向けて供給されることができるからである。
【0029】
図7及び8は、本発明の第2の実施形態による吐出ユニット10を示し、これは以下、代替吐出ユニット10と呼ばれる。代替吐出ユニット10は、本発明の第1の実施形態による上述の吐出ユニット10と共通する多くの特徴を持ち、以下、代替吐出ユニット10の顕著な異なる特徴のみが説明される。
【0030】
第1に、代替吐出ユニット10では、容器40は、機能部20及びリング状の容器ホルダ51のアセンブリ50上に取り外し可能に構成されることに留意されたい。一方、本発明の第1の実施形態による吐出ユニット10と比較すると、前面カバー片60が省略される。事実、代替吐出ユニット10では、容器40が吐出ユニット10内の所定の位置にあるとき、容器40は、機能部20の一部の上方で容器ホルダ51の下流に配置される。容器40の位置が容器ホルダ51の内部ではなく容器ホルダ51の下流である事実に鑑み、吐出ユニット10の周辺外面12の一部は容器40の周辺外面44により構成される。実用的なオプションによれば、容器40は容器ホルダ51に磁気的に結合するよう構成され、ここで、容器40及び容器ホルダ51の両方が、適切な位置に1つ又は複数の磁石片46、57を有する。これは、代替吐出ユニット10を非常に使いやすいものとする。なぜなら、磁気タイプのカップリングを持つことは、吐出ユニット10における容器40の容易な取外し及び配置を可能にするからである。
【0031】
第1の実施形態による吐出ユニット10と比較して、代替吐出ユニット10は、より単純な技術的設計である、ここで、とりわけ、容器40は一般に、中空の環状リングのような形状にされ、容器40の周辺外面44は滑らかな外観を持つ。一般に、代替吐出ユニット10では、第1の実施形態による吐出ユニット10よりも平滑面が多く、これは、吐出ユニット10の美観に関する利点だけでなく、例えば清掃性などに関する利点も含む。
【0032】
更に、代替吐出ユニット10では、機能部20は、長手方向における投影で見て、接続領域30の内周の外側に配置されることに留意されたい。容器40の出口領域41の管状体42は容器40から放射状に延び、機能部20の入口領域23は機能部20の上側に位置する。これとは逆に、第1の実施形態による吐出ユニット10では、容器40の出口領域41の管状体42は長手方向に延び、機能部20の入口領域23は、機能部20の上流側に位置している。
【0033】
本発明の範囲は、前述した例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の範囲から逸脱することなく、そのいくつかの修正及び変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明は、特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、斯かる修正及び変更をすべて含むものとして解釈されることが意図される。本発明が図及び説明において詳細に図示及び説明されてきたが、斯かる図示及び説明は説明的又は例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。本発明は、開示される実施形態に限定されるものではない。図面は概略的であり、そこでは、本発明を理解するために必要でない詳細は省略される場合があり、必ずしも縮尺通りではない。
【0034】
開示される実施形態への変形は、図、説明、及び添付の請求項の検討から、請求項に記載される発明を実施する当業者により理解及び実施されることができる。特許請求の範囲において、「有する」という語は、他のステップ又は要素を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を除外するものではない。特許請求の範囲に記載される任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0035】
特定の実施形態のために、又はこれに関連して議論される要素及び側面は、他の態様が明示されていない限り、他の実施形態の要素及び側面と適切に組み合わせられることができる。従って、ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0036】
本書で使用される「有する」及び「含む」という用語は、当業者であれば「からなる」という用語をカバーするものとして理解されるだろう。従って、「有する」又は「含む」という用語は、ある実施形態では「からなる」を意味するが、別の実施形態では「少なくとも規定された種と、オプションの1つ又は複数の他の種とを含む/持つ/備える」を意味する場合がある。
【0037】
上記の代替吐出ユニット10の設計に対する実現可能な変更は、機能部20が吐出ユニット10内に配置される態様に関する。例えば、機能部20の位置は、下部の位置ではなく上部の位置であってもよい。その結果、容器40が吐出ユニット10の所定の位置にあるとき、容器40が機能部20の一部の下に位置し、ここで、容器40の出口領域41は容器40の上側にあり、機能部20の入口領域23は機能部20の下側にある。この点に関して、一般に、ケア物質を容器40から機能部20に輸送するために、ポンプ部などが使用されることができることに留意されたい。一方、少なくとも吐出ユニット10の複数の実現可能な実施形態では、この目的のために重力、毛管作用及びベンチュリー作用などの自然現象に頼ることが可能である。
【0038】
本書で使用される「ケア物質のミスト」という用語は、ケア物質の滴又は液滴を含むものと理解されたい。斯かる観点から、この用語の可能な代替表現は、「ケア物質のスプレー」である。
【0039】
本書で使用される「下流」及び「上流」という用語は、パーソナルケア装置100における吐出ユニット10の動作位置、特に、当該動作位置において吐出ユニット10の空気空間13を通るパーソナルケア装置100の空気導管部101からの送出空気流の流れ方向を指す。
【0040】
本書で使用される「リング」及び「リング状」という用語に関して、リングは必ずしも円形の外観を持つ必要はないことに留意されたい。更に、要素の向き、特に図に反映されるような要素の通常の動作方向を想定した用語に関しては、斯かる用語の使用は、本発明の範囲を限定するように理解されるものではないことに留意されたい。
【0041】
本発明の注目すべき側面は以下に要約されることができる。空気導管部101と、空気導管部101からの送出空気流を生成するよう構成された空気流生成機構とを有するパーソナルケア装置100の文脈において、空気導管部101の下流に配置されるよう構成されたミスト吐出ユニット10が提供される。吐出ユニット10は、ケア物質のミストを生成し、放出する役割を果たし、ある量のケア物質を収容するよう構成された容器40を有する。容器40は一般に、空気空間13を少なくとも部分的に囲む中空体として成形される。例えば、容器40は、概ねリング状及び概ねC字状のいずれかとすることができる。任意の場合において、容器40は、吐出ユニット10の長手軸11の周りで少なくとも180°にわたり広がりつつ、空気空間13を少なくとも部分的に取り囲むよう構成されていれば実用的であろう。
図1
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【国際調査報告】