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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】液圧アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/22 20060101AFI20250130BHJP
   F15B 1/24 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
F15B1/22
F15B1/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547532
(86)(22)【出願日】2023-01-18
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2023051114
(87)【国際公開番号】W WO2023151910
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】102022000511.5
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591204333
【氏名又は名称】ハイダック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HYDAC TECHNOLOGY GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト ベーバー
【テーマコード(参考)】
3H086
【Fターム(参考)】
3H086AA12
3H086AB03
3H086AD07
3H086AD16
3H086AD56
(57)【要約】
本発明は、液圧アキュムレータ、特に、アキュムレータハウジング14内に配置されたかつ2つの流体室16、18を流体密で互いに分離する分離要素10を備えたピストンアキュムレータの形態であり、特に、分離要素10は、液圧作動油などの作動液を含む液体室22から、作動気体を含む閉鎖貯蔵室20を流体密で分離し、流体接続部24は、流体伝導可能に2つの流体室の内の1つの流体室18に接続されており、アキュムレータハウジング14の外側でアキュムレータハウジング14に固定されている取付部品があり、取付部品は、磁化可能な粒子が流体接続部46を通過する流体から洗浄するように分離され得るように、アキュムレータハウジング14の流体接続部24と取付部品26の流体接続部25との間の流体接続部46に作用する磁場発生装置44を有することを特徴とする、液圧アキュムレータに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧アキュムレータ、特に、アキュムレータハウジング(14)内に配置されかつ2つの流体室(16、18)を流体密で互いに分離する、分離要素(10)を備えたピストンアキュムレータの形態であり、
特に、前記分離要素(10)は、液圧作動油などの作動液を含む液体室(22)から、作動気体を含む閉鎖貯蔵室(20)を流体密で分離し、
流体接続部(24)は、流体伝導可能に前記2つの流体室の内の1つの流体室(18)に接続されている、液圧アキュムレータにおいて、
前記アキュムレータハウジング(14)の外側で前記アキュムレータハウジング(14)に固定されている取付部品(26)があり、前記取付部品(26)は、磁化可能な粒子が流体接続部(46)を通過する流体から洗浄するように分離され得るように、前記アキュムレータハウジング(14)の前記流体接続部(24)と前記取付部品(26)の流体接続部(25)との間の流体接続部(46)に作用する磁場発生装置(44)を有している、ことを特徴とする液圧アキュムレータ。
【請求項2】
前記取付部品(26)は、立方体形状又は直方体形状に設計されかつ係合部(48)を備え、前記アキュムレータハウジング(14)にねじ込まれるか、又はフランジ板(64)を介して前記アキュムレータハウジング(14)に面一に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の液圧アキュムレータ。
【請求項3】
前記アキュムレータハウジング(14)は、少なくとも一端でハウジングカバー(30によって密封された、筒状のハウジング壁を有し、前記ハウジングカバー(30)は、前記分離ピストン(12)とは反対側の外側に前記取付部品(26)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の液圧アキュムレータ。
【請求項4】
前記取付部品(26)内の前記流体接続部(46)は、前記アキュムレータハウジング(14)内の前記流体接続部(24)と同軸に直線状に、又は前記流体接続部(24)に対して直角に延び、
前記磁場発生装置(42)は、少なくとも前記流体接続部(46)の部分に対して横方向に配置され、前記取付部品(26)内の前記流体接続部に係合することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の液圧アキュムレータ。
【請求項5】
前記磁場発生装置(44)が永久磁石から形成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の液圧アキュムレータ。
【請求項6】
前記永久磁石は、前記取付部品(26)のハウジング部分から軸線方向及び半径方向の距離をおいて固定ねじ(60)によって前記流体接続部(46)に挿入される、磁気ロッド(58)を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の液圧アキュムレータ。
【請求項7】
前記固定ねじ(60)は、磁気プラグとして設計され、前記永久磁石の一部であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の液圧アキュムレータ。
【請求項8】
前記取付部品(26)は、ステンレス鋼などの非磁化性材料からなることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の液圧アキュムレータ。
【請求項9】
シール(52)が、前記取付部品(26)と前記アキュムレータハウジング(14)との間の接続点に存在することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の液圧アキュムレータ。
【請求項10】
特に請求項1の前文に記載のピストンアキュムレータのための据え付けキットとして提供される取付部品において、
磁場発生装置(44)が、外部に通じる2つの流体接続点(24、25)を備える、取付ブロック内の流体接続部(46)に挿入されることを特徴とする取付部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧アキュムレータ、特に、アキュムレータハウジング内に配置されかつ2つの流体室を流体密で互いに分離する分離要素を有するピストンアキュムレータの形態であり、特に、分離要素は、作動気体を含む閉鎖貯蔵室を、液圧作動油などの作動液を含む液体室から流体密に分離し、流体接続部は、流体伝導可能に2つの流体室の内の1つに接続されている、液圧アキュムレータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば(液圧空気圧(ハイドロニューマチック))ピストンアキュムレータなどの液圧アキュムレータは、例えば液圧作動油などの特定の体積の加圧液を保持し、必要なときにこの液を液圧システムに戻すように液圧システムにおいて使用されている。窒素気体などの作動気体を保持するアキュムレータハウジング内に封入された貯蔵室から油側流体室をピストンが分離する、一般に使用されるハイドロニューマチックピストンアキュムレータにおいて、圧力が増加し、このプロセス中に同時に他の流体室又は貯蔵室内の作動気体が圧縮されるときに、液圧アキュムレータが液圧作動油を取り込むように、液圧アキュムレータの動作中にピストンの位置が変化する。圧力が低下すると、圧縮気体は再び膨張し、このプロセスにおいて、貯蔵された液圧作動油を液圧作動回路に押し戻す。作動中に生じる作動室の容積の結果として生じる変化により、各場合において、アキュムレータハウジング内のピストンの対応する軸線方向移動をもたらす。
【0003】
作動シリンダなどの液圧装置の動作中において、例えば、対応の液圧アキュムレータは液圧作動回路に接続されており、作動シリンダは、一般に、液圧作動油などの作動流体から汚染粒子を洗浄するためのフィルタ要素を有するフィルタ装置を有し、必要に応じてフィルタ装置は新しい要素と交換することができる。これらのフィルタ装置があるにもかかわらず、汚染物質粒子が流体の清浄側に到達し、汚染物質粒子が液圧アキュムレータに到達すると、アキュムレータ及びその構成要素に損傷を引き起こすことを除外することはできない。フィルタ要素は、また、それらの流量容量の点で制限され、したがって、非常に高い体積流量及び関連する高い流体圧力で常に使用されることができない。特に、ピストンアキュムレータを使用する場合、汚染粒子は、分離ピストンのシールシステムに意図せずに侵入する可能性があり、アキュムレータ及び関連する液圧装置の故障につながる可能性がある。発生する汚染粒子は、多くの場合、液圧装置の摩耗によって引き起こされるので、これらは、通常、本質的に金属であり、特に機械的故障の場合、そのような粒子は、分離ピストン上のシール装置が、そのエラストマー材料で漏れやすく又はさらには破壊されるようなサイズの場合がある。
【0004】
特許文献1(独国特許出願公開第102016007798号明細書)は、長手軸線を画定するシリンダ管を備える、アキュムレータハウジングを備えたハイドロニューマチックピストンアキュムレータであって、アキュムレータハウジングは、このシリンダ管は、各場合においてハウジングカバーによって両端が密封され、ピストンが、ハウジング内で、作動気体などの圧縮性流体のための流体室を、液圧作動油などの非圧縮性流体のための別の流体室から分離する、分離要素として長手方向に変位するようにこのシリンダ管内で案内され、ハウジング内のピストンの位置を非接触で決定する変位測定装置を備え、この変位測定装置は、一方のハウジングカバーから他方のハウジングカバーまで長手軸線に沿って、ピストン内に形成された通路を通って延び、ハウジングの内室に対して密封される、非磁性測定管を備える、液圧ピストンアキュムレータを開示している。位置センサは、測定管内のピストンとの間に作用する磁力によってピストンの動きに従うように、管自体内で摺動可能に案内されている。永久磁石は、測定管内の位置センサのその後の移動を強制する磁力を生成するために、ピストン上に提供される。このアキュムレータの動作中に分離ピストンと共に連続的に移動する永久磁石は、圧縮性の作動気体と共に流体室内に受け入れられる。
【0005】
特許文献2(独国特許出願公開第4116482号明細書)は、気体圧アキュムレータ内の作動気体の圧力を測定するための方法及び装置であって、気体圧アキュムレータを液圧作動回路に接続することができ、作動気体がエラストマー製アキュムレータブラダの形態の分離要素によって作動液から分離される、方法及び装置を開示している。アキュムレータブラダが所定の位置にあるとき、この位置に起因する気体圧力は、流体側に配置された圧力センサによって測定され、このため、アキュムレータのディスク弁の位置は、監視装置によって監視される。この目的のために、ディスク弁は、アキュムレータの流体接続部に永久磁石を有する切換要素を有し、関連するセンサは、磁石によって作動させることができるスイッチからなり、又は、ディスク弁の作動位置に応じて、切換要素が関連するセンサを通過して案内され、それをトリガするとすぐに、いわゆるホール効果を使用する。
【0006】
アキュムレータの動作中に連続的に前後に移動する立方体形状の磁石は、アキュムレータの液体側で生じる汚染粒子を効果的に打ち消すためには、アキュムレータハウジングの気体側のリング磁石と同様に不適切である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102016007798号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4116482号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、この技術水準に基づいて、本発明は、金属汚染粒子が発生する場合であっても故障を排除することができるように、公知の液圧アキュムレータの解決策をさらに改良するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本願の請求項1の特徴を有する液圧アキュムレータ全体で解決する。
【0010】
本願の請求項1の特徴部分によれば、磁場発生装置を有する取付部品が、アキュムレータハウジングの外側でそれに固定され、磁場発生装置が、流体接続部を通過する流体から磁化可能な粒子を洗浄するように分離されうるように、アキュムレータハウジングの流体接続部と取付部品の流体接続部との間の流体接続部に作用し、これにより、磁化可能な粒子、特に金属粒子が、最初にアキュムレータハウジングの液体側に到達することができず、したがって、いかなる損傷も引き起こさず、特に、分離ピストンなどの分離要素に損傷を与えないように、アキュムレータハウジングの流体接続領域内に、磁化可能な粒子、特に金属粒子が生じないように、定位置に固定された強力な静止磁場を生成する可能性を提供する。特に、磁化可能な粒子は、アキュムレータの液体側に不注意に到達することができないように、アキュムレータハウジングの外側で確実に収集することができる。
【0011】
これにより、汚染粒子が、ハイドロニューマチックピストンアキュムレータのシールリング及びガイドバンドを有する分離ピストンのシール側に到達できないことを保証し、そうでなければ、シール問題だけでなく、アキュムレータハウジングの内側の分離ピストンが摩擦のために「捕捉(catch)」ことにつながり、その結果、分離ピストンがもはや移動できなくなり、液圧アキュムレータを全体的に使用不能にする可能性がある。特に、フィルタ装置が限界に達する流体の流れを制御するとき、流体の流れからの金属の磁化可能な粒子部品の確実な洗浄は、液圧アキュムレータの上流に設置される磁気分離によって達成される。
【0012】
本発明による液圧アキュムレータの好ましい実施形態では、取付部品は、立方体形状又は直方体形状に設計されかつ係合部を備え、アキュムレータハウジングにねじ込まれるか、又は、板状フランジ接続部を介してアキュムレータハウジングに面一に接続される。このようにして、取付部品は、液圧アキュムレータの垂直動作位置で液圧アキュムレータの下側に省空間で取り付けることができ、したがって、ピストンアキュムレータを、液圧ポンプなどの関連する圧力供給装置、及び、作動シリンダなどの液圧消費器と関連する、標準的な液圧回路に接続することができる、関連する配管システムの一部である。
【0013】
好ましくは、アキュムレータハウジングは、少なくとも一端がハウジングカバーで密封された筒状ハウジング壁を有し、ハウジングカバーは、分離ピストンから離れる方向を向くその外側又は下側に取付部品を備える。
【0014】
本発明による液圧アキュムレータのさらに好ましい実施形態では、取付部品内の流体接続部は、流体接続部と同軸に直線状に又はそれに対して直角に延び、磁場発生装置は、少なくとも流体通路の部分に対して横方向に配置され、取付部品内の流体通路と係合する。流体接続部内を移動する流体流れへの磁場発生装置の横断経路によって、流体がアキュムレータハウジングに入る前に特に効率的な方法で問題の汚染粒子を「釣り出す(fish out)」ことができるように、流体が比較的長い距離にわたって磁場発生装置を通過することを保証する。
【0015】
本発明による液圧アキュムレータの特に好ましい実施形態では、磁場発生装置は、永久磁石から形成され、流体流れからの磁化可能な粒子の除去が、外部エネルギーの導入なしに可能である。しかしながら、特別な場合には、効率を高めるために永久磁石の代わりに通電可能な磁石を使用することも考えられるが、これは、液圧アキュムレータのアキュムレータハウジング及び/又はその取付部品への対応するエネルギー供給を必要とする。
【0016】
好ましくは、永久磁石は、取付部品のハウジング部分に対して軸線方向及び半径方向の距離をおいて固定ねじによって流体接続部に挿入される、磁気ロッドを有する。液圧作動回路におけるフィルタ要素の使用のために、磁化可能な汚染粒子の発生がかなり稀である可能性が高いので、したがって、予想される多量の汚れのために、磁場発生装置を手で清掃することは、絶対に必要というわけではない。しかしながら、いずれの場合においても、清掃及び/又は交換のために固定ねじを介して流体接続部から磁場発生装置を取り外し、清掃後又は保守作業後に新たな動作を行うために磁場発生装置を取付部品の流体通路に再挿入してことが常に可能である。検査目的のために永久磁石を取り外すために、液圧アキュムレータを液圧回路の残りの部分から切り離す必要はない。さらなる有利な実施形態では、固定ねじは、いわゆる磁気プラグとして設計することができ、したがって、有効永久磁石の部品を形成することができる。好ましくは、例えば、永久磁石又は磁気プラグの一部としての固定ねじが緩められたときに、金属粒子が取付部品の対応の固定開口部に引っ掛かるのを防止するために、取付部品は、また、ステンレス鋼などの非磁化性材料から作製される。この粒子は、磁場発生装置からより完全に除去することもできる。
【0017】
漏れ及び起こり得る漏れ点を防ぐために、取付部品とアキュムレータハウジングとの間の接続点に、1つのシール、通常は、少なくとも1つのOリングの形態のシールが設けられる。しかしながら、このようなシールは、取付部品がアキュムレータハウジングの対応するハウジングカバーの一体部分である場合には、省略されうる。
【0018】
全作動能力でのエネルギー効率の良い使用のために、好ましくは、液圧アキュムレータは、分離要素が、アキュムレータハウジング内で長手方向に移動することができる分離ピストンから形成され、分離ピストンは、その可能な複数の停止位置の1つにおいて、流体接続部を有するハウジングカバーと面一にあり、流体室が完全に空になったときに段差なしでそれを覆うように設計される。分離ピストンの動作中、特に、液圧流体が液圧作動回路の方向に流体室から戻されるときに、高い流体流速が生じ、これにより、いくつかの場合において、この高い流体流速によって磁場発生装置を流体流れで清浄化することができ、その収集されて除去された汚染粒子を、通常の濾過動作中にフィルタ要素によって流体流れから清浄化することができる。このようにして、流体がアキュムレータに供給されると、汚染物質を磁場発生装置によって向流で、又は、液圧アキュムレータの排出動作中に洗浄することができ、磁場発生装置は、戻り流中、すなわちアキュムレータ排出中に、前述の汚染粒子を除去することができる。分離ピストンは、気体側の方向に気体室の容積を増大させるために中空ピストンを形成することができるが、このような中空ピストンの設計は、追加的に又は代替的に、高圧条件において、ピストンがその表面全体で液体側のハウジングカバーに衝突しないように、流体側の反対の配置においても可能である。また、分離ピストンが高い作動圧力が生じた時に気体側のハウジングカバーに当たることができないことを保証するために、分離ピストンを中実の筒状板として設計することも可能である。
【0019】
以下では、本発明による液圧アキュムレータを、4つの例示的な実施形態を用いてより詳細に説明する。以下の図は、原則として示されており、縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、全体として液圧アキュムレータの本質的な構造を縦断面の形態で示している。
図2図2は、図1においてXと記された部分の拡大図である。
図3図3は、図1による液圧アキュムレータの底面図である。
図4図4は、図1に対応する第2の実施形態の表現を示す。
図5図5は、図2に対応する第2の実施形態の表現を示す。
図6図6は、図1に対応する第3の実施形態を示す。
図7図7は、図2に対応する第3の実施形態を示す。
図8図8は、図3に対応する第3の実施形態を示す。
図9図9は、図1に対応する第4の実施形態の表現を示す。
図10図10は、図2に対応する第4の実施形態の表現を示す。
図11図11は、図3に対応する第4の実施形態の表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
いわゆるピストンアキュムレータの形態で図1に示される、本発明による液圧アキュムレータは、アキュムレータハウジング14内に配置される2つの流体室16、18を互いに分離する、分離要素10としての分離ピストン12を備える。上側流体室16は、図1の方向から見て、例えば窒素気体などの作動気体を受け入れるための閉鎖貯蔵室20を形成する。一方、下側流体室18は、例えば液圧作動油などの作動流体を受け入れるための液体室22を形成する。それぞれの流体室18又は液体室22には、チャネル状の流体接続部24が設けられており、それを介してアキュムレータを取付部品26に接続することができる。関連する取付部品26、ひいては液圧アキュムレータも、より詳細には図示していないが、例えば配管を介して、従来のタイプの液圧作動回路に接続することができる。
【0022】
アキュムレータハウジング14は、その2つの自由端が各場合においてねじ込みハウジングカバー28、30によってきつく密封された、いわゆる円筒シリンダ又はシリンダ管として設計され、その間で分離ピストン12はハウジングの長手軸線32に沿って自由に移動可能であるように案内される。上側ハウジングカバー28は、図1に示されるように、ねじプラグ36によって密封される連続流体チャネル34を備える。関連する接続構成34、36を介して、アキュムレータは、必要に応じて、例えば保守作業目的のために、流体室16内の作動気体を排出することができるが、作動気体が十分でない場合には、関連する流体室16も充填することができる。分離ピストン12自体は、流体室16側の有効気体容積を増大させる目的で、いわゆる中空ピストンとして設計されている。しかしながら、分離ピストン12は、アキュムレータの液体側に空洞を備えることもでき、又は中実の円筒体(円柱体)として設計することもできる。分離ピストン12の外周は、少なくとも1つのシールリング38及び少なくとも1つのガイドバンド40を介して、筒状アキュムレータハウジング14の内側に沿って案内される。実際の実施では、複数の上記シールリングとガイドバンドは、互いに組み合わせて、分離ピストン12の外周上に適合させることができる。
【0023】
図3の図からも分かるように、操作補助具42は、それぞれのハウジングカバー28、30の外側上に、ここでは、長手軸線32の直径方向に対向して配置された4つの止まり穴の形態で配置することができ、これにより、それぞれのハウジングカバー28、30をアキュムレータハウジング14の内周側の関連するねじ切り部分にねじ込み及び緩めることをより容易にする目的で、対応する作動工具の係合が可能になる。
【0024】
このような液圧アキュムレータの以前の設計は、ここではピストンアキュムレータの形態であり、一般的であり、したがって、もはや詳細には説明されず、本発明を理解するために必要な程度にのみ説明される。
【0025】
特に図2による拡大図から分かるように、磁場発生装置44が取付部品26内に適合され、磁場発生装置44は、アキュムレータハウジング14の流体接続部24と取付部品26の関連する流体接続部48との間を通る、取付部品26内の筒状又はチャネル状の流体接続部46に作用する。液圧供給回路からの流体は、流体接続部46を介して、アキュムレータ充填中及びアキュムレータ排出プロセス中に流体室18に流入し、液圧アキュムレータのアキュムレータ負荷解放動作中において、この流体は、第1の流体室16内の作動気体の予圧下で、第2の流体室18から液圧作動回路内に再び戻される。特に、アキュムレータに流入する流体は、磁化可能な汚染粒子、特に金属汚染粒子を備えることができ、取付部品26の流体接続部46内の磁場発生装置44によって、汚染粒子が、第2の流体室18によって形成されるその液体側のアキュムレータに入ることが防止される。
【0026】
取付部品26は、自由端面に配置された係合部48を有する直方体形状の中実ブロック部から形成され、この係合部は、ねじ部50を形成することによって、取付部品26内の流体接続部46への流体通路を確立する目的で、下側ハウジングカバー30にねじ込まれうる。底部側に配置された取付部品26と、取付部品26に隣接しかつ対向する下側ハウジングカバー30のハウジング壁との間には、例えばOリングの形態のシール52が設けられており、このシールは、その中心を通って流体接続部46が連続的に通過する、ピン状係合部48を包囲して係合している。
【0027】
ハウジングの長手軸線32に対する同軸配置では、流体接続部46は、液圧供給回路(図示せず)につながる標準的な配管のねじ込みが可能になるように、雌ねじ部を内周に備えた部分54を介して流体接続部の下端で外気に現れている。このようにして、アキュムレータハウジング14を有する液圧アキュムレータ及び取付部品26は、流体伝導可能に他の液圧構成要素に接続することができる。
【0028】
図1図3において右から見る方向において、取付部品26において、磁場発生装置44は、外側から流体接続部46に適合される。この目的のために、流体接続部は、いわゆるT型接続片として設計され、止まり穴の形態で中央に配置された流体室56を形成し、流体接続部46全体の最大自由チャネル断面が、その長手方向の向きで延びており、ハウジングの長手軸線32に対して横方向に、したがって、流体接続部46の他の接続部分に対して横方向に延びる。このプロセスにおいて、部分54の自由直径は、中空筒状係合部48の内径領域よりも大きくなるように選択される。磁場発生装置44は、磁気ロッド58を備えた永久磁石から形成され、これは、取付部品26のハウジング部分に対して軸線方向及び半径方向の距離を有する固定ねじ60によって、流体接続部46の残りに対して横方向に流体室56内にねじ込まれる。磁力を増大させるために、固定ねじ60は、磁性材料から形成することもできる。しかしながら、取付部品26自体のハウジング部分は、好ましくは、可能な限り、非磁化性材料、例えば、ステンレス鋼材料で作られる。磁化可能な粒子がロッド58及び/又はスクリュー60上に集まると、通常の保守作業の一部として、アキュムレータ自体を分解する必要なく、磁気ロッド58は、固定ねじ60を介して取付部品26から取り外され、洗浄され得る。前述の永久磁石の形態の磁場発生装置44をねじ込んだ後、粒子収集機能は、液圧アキュムレータの動作中において再び利用可能である。磁力線の変化が設計において考慮する場合、取付部品26を磁化可能な材料から作製することができる。
【0029】
また、図1及び図2から分かるように、取付部品26は、既に供給されている液圧アキュムレータのためのいわゆる据え付けキットとして遡及的に使用することもできる。原則として、取付部品26及びハウジングカバー30の下端壁又は外壁の領域におけるシール52と同様に、ねじ部50及び係合部48を省くことができるように、取付部品26をハウジングカバー30と一体に形成することも可能である。
【0030】
以下に提示される実施形態は、先の実施形態と著しく異なる限り、単に説明される。同一の構成要素には同一の参照符号が付されており、これまでの説明は、修正された実施形態にも当てはまる。
【0031】
図4及び図5による解決策では、磁場発生装置は、図の方向から見て取付部品26の下側のT字形の流体接続領域に適合され、自由流体流れは、取付部品26にわたって右へ案内される。次に、液圧作動回路のための図示しない配管を、対応の入口及び/又は出口点62に接続することができる。次いで、磁場発生装置44を有する流体室56は、ブロック形状の取付部品26内に、ピストンアキュムレータのハウジングの長手軸線32と同軸に受け入れられる。磁気ロッド58又は磁気プラグ60は、流体室56に対して対応する軸線方向及び半径方向の距離で、ハウジングの長手軸線32に対して同軸で下方から取付部品26に挿入され、特にねじ込まれる。この実施形態では、磁気ロッド58の自由端は、いずれの場合でも、係合部48の下方の関連する流体接続部46内に現れている。磁気ロッド58を有する固定ねじ60は、下方から取付部品26内にねじ込まれるので、アキュムレータの排出動作中において、入口及び/又は出口点62の方向へ流体の流れの直角の偏向を促進するいわゆる流体バリアが生成される。
【0032】
図6図8による実施形態では、直方体形状の取付部品26は、4つの固定ねじ66を介して、図8に外形のみで示されている平らなフランジ板64によって、下側ハウジングカバー30の下側に分離可能に接続されている。図4及び図5による実施形態と同様に、ここでもまた、磁場発生装置44は、直角の接続点62で、下方から取付部品26に適合される。ここで、磁気ロッド58の自由端は、下側ハウジングカバー30内のチャネル状流体接続部24の入口開口部にちょうど達する。Oリングシールは、再び、取付部品26と下側ハウジングカバー30との間でシール52を提供するために使用される。図1図5による実施形態と図6図8による実施形態との直接的な比較が示すように、アキュムレータハウジング14上の取付部品26のためのフランジ板固定によって、取付深さを小さくすることができ、空間を節約する。
【0033】
前述の実施形態と比較して、図9図12による設計によれば、図9及び図10において、磁場発生装置44は、取付部品26の左側に配置される。取付部品26は、いわゆるフランジ板のように、個々のねじ66を用いてアキュムレータハウジングの底部に固定され、したがって、下側ハウジングカバー30に確実に接続される。特に耐圧設計では、取付部品26の底部は閉じられ、流体接続部46はやはりT型片として設計されている。
【0034】
上記の実施形態により、モジュール式システムの形態で、取付部品26は多かれ少なかれ同じように設計され、流体接続部46の適切な選択と、取付部品26における磁場発生装置44のための設置空間の適切な選択によって、磁場発生装置44は、容易にアクセス可能な場所において、取り外し可能に、アキュムレータハウジング14に常に適合され得るということが明らかとなった。これは、従来技術と同等ではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
【国際調査報告】