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特表2025-504240電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法並びにシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法並びにシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/30 20090101AFI20250130BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20250130BHJP
   H04W 76/25 20180101ALI20250130BHJP
【FI】
H04W36/30
H04W36/08
H04W76/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547592
(86)(22)【出願日】2023-03-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2023080259
(87)【国際公開番号】W WO2023169460
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】202210242934.0
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520204777
【氏名又は名称】ハンショウ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リャン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、シークオ
(72)【発明者】
【氏名】チー、ヤーピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ユーチン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チュイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、クオフェン
(72)【発明者】
【氏名】チアン、チー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH22
5K067JJ39
(57)【要約】
本発明は、電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法並びにシステムを開示した。本発明によれば、バックグラウンドサーバが最適な基地局を選択して、電子値札システムのカバーエリアに新たに入った、或いは、移動した電子値札との通信をタイムリーに行う成功率が大幅に向上し、バックグラウンドサーバと電子値札との通信の信頼性および安定性が確保された。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子値札は、ハートビート信号をスロー周期T1で基地局に送信し、基地局信号を周期P1で受信するとともに、前記基地局信号の電力を記録し、
前記電子値札が異なる時点で受信した前記基地局信号の電力を比較して、前記電子値札が基地局のカバーエリアに入ったか、或いは、前記電子値札による基地局のカバーエリアのローミングが発生したかを判断し、
前記基地局のカバーエリアに入った場合、或いは、前記基地局のカバーエリアのローミングが発生した場合、前記電子値札は、前記ハートビート信号をファスト周期T2で前記基地局に送信し、前記基地局は、受信した前記ハートビート信号をバックグラウンドサーバに報告し、前記バックグラウンドサーバは、前記基地局が受信した前記ハートビート信号の電力に基づき、前記電子値札と通信するための最適な基地局を選択すること、を含む、
ことを特徴とする電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法。
【請求項2】
前記電子値札が異なる時点で受信した前記基地局信号の電力を比較して、前記電子値札が基地局のカバーエリアに入ったかを判断することは、
第1時点で前記基地局信号を受信せず、第2時点で前記基地局信号を受信した場合、前記電子値札が前記基地局のカバーエリアに入ったことが示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法。
【請求項3】
前記電子値札が異なる時点で受信した前記基地局信号の電力を比較して、前記電子値札が基地局のカバーエリアに入ったかを判断することは、
第1時点で前記基地局信号を受信せず、第2時点で前記基地局信号も受信していない場合、前記電子値札が前記基地局のカバーエリアに入っていないことが示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法。
【請求項4】
前記電子値札が異なる時点で受信した前記基地局信号の電力を比較して、前記電子値札による基地局のカバーエリアのローミングが発生したかを判断することは、
第1時点で受信した前記基地局信号の電力が第2時点で受信した前記基地局信号の電力よりも大きく、且つ、その差が予め定められた閾値を超えた場合、前記電子値札が1つの前記基地局のカバーエリアから他の前記基地局のカバーエリアに移動して、前記基地局のカバーエリアのローミングが発生したことが示され、
前記第1時点で受信した前記基地局信号の電力が前記第2時点で受信した前記基地局信号の電力よりも大きいが、その差が予め定められた閾値を超えておらず、且つ前記第2時点で受信した前記基地局信号の電力が所定の閾値よりも小さい場合、前記電子値札が1つの前記基地局のカバーエリアから他の前記基地局のカバーエリアに移動して、前記基地局のカバーエリアのローミングが発生したことが示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法。
【請求項5】
前記電子値札は、前記ファスト周期T2の保持時間を設定し、
前記保持時間がタイムアウトした場合、或いは、前記電子値札が前記基地局からの応答を受信した場合、前記電子値札は、前記ハートビート信号を前記スロー周期T1で送信するように戻ることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法。
【請求項6】
電子値札と、基地局と、バックグラウンドサーバと、を含み、
請求項1に記載の電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させるために用いられる、
ことを特徴とする電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信システム。
【請求項7】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されているとともに、前記プロセッサにて実行できるコンピュータプログラムと、を含むコンピュータ機器であって、
前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行された場合、
電子値札は、ハートビート信号をスロー周期T1で基地局に送信し、基地局信号を周期P1で受信するとともに、前記基地局信号の電力を記録し、
前記電子値札が異なる時点で受信した前記基地局信号の電力を比較して、前記電子値札が基地局のカバーエリアに入ったか、或いは、前記電子値札による基地局のカバーエリアのローミングが発生したかを判断し、
前記基地局のカバーエリアに入った場合、或いは、前記基地局のカバーエリアのローミングが発生した場合、前記電子値札は、前記ハートビート信号をファスト周期T2で前記基地局に送信し、前記基地局は、受信した前記ハートビート信号をバックグラウンドサーバに報告し、前記バックグラウンドサーバは、前記基地局が受信した前記ハートビート信号の電力に基づき、前記電子値札と通信するための最適な基地局を選択すること、を含む電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させる、
ことを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項8】
コンピュータプログラムが記憶されており、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行された場合、
電子値札は、ハートビート信号をスロー周期T1で基地局に送信し、基地局信号を周期P1で受信するとともに、前記基地局信号の電力を記録し、
前記電子値札が異なる時点で受信した前記基地局信号の電力を比較して、前記電子値札が基地局のカバーエリアに入ったか、或いは、前記電子値札による基地局のカバーエリアのローミングが発生したかを判断し、
前記基地局のカバーエリアに入った場合、或いは、前記基地局のカバーエリアのローミングが発生した場合、前記電子値札は、前記ハートビート信号をファスト周期T2で前記基地局に送信し、前記基地局は、受信した前記ハートビート信号をバックグラウンドサーバに報告し、前記バックグラウンドサーバは、前記基地局が受信した前記ハートビート信号の電力に基づき、前記電子値札と通信するための最適な基地局を選択すること、を含む電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させる、
ことを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信の技術分野に関し、特に、電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法並びにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本部分は、特許請求の範囲に記載の本発明の実施例のために、背景又はコンテキストを提供することを意図している。ここでの記載は、本部分に含まれたという理由により従来技術として認められるものではない。
【0003】
電子値札システムでは、図1に示されるように、バックグラウンドサーバは、基地局によって、電子値札との通信を行う必要がある。実際な電子値札システムのネットワークでは、数多くの基地局があり、通信品質の確保のため、バックグラウンドサーバは、指定された電子値札と通信するための最も合理的な基地局を見つけなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、電子値札は、通常、ハートビートを周期的に基地局に送信し、基地局は、受信した電子値札のハートビートの電力をバックグラウンドサーバに報告する。バックグラウンドサーバは、異なる基地局が受信した、同一の電子値札のハートビートの電力に基づき、電子値札と通信するための最適な基地局を選択する。しかし、従来技術は、以下のような欠点がある。すなわち、電子値札によるハートビートの送信は、周期的に行われるが、電子値札の省電力設定を考えると、その周期は長いことが一般的である。電子値札が基地局のカバーエリアに入ると、バックグラウンドサーバは、その電子値札の存在を即時に発見してネットワークにアクセスさせることができなかった。また、電子値札が或る基地局のカバーエリアから別の基地局のカバーエリアに移動すると、バックグラウンドサーバは、その電子値札の移動を即時に検出することもできなかった。このような2つの場面では、バックグラウンドサーバは、電子値札と通信する必要がある場合、カバーしている基地局を選択して電子値札と通信することができないので、その結果、通信不可または通信失敗になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法であって、
電子値札は、ハートビート信号をスロー周期T1で基地局に送信し、電子値札は、基地局信号を周期P1で受信するとともに、基地局信号の電力を記録し、
電子値札が異なる時点で受信した基地局信号の電力を比較して、電子値札が基地局のカバーエリアに入ったか、或いは、電子値札による基地局のカバーエリアのローミングが発生したかを判断し、
基地局のカバーエリアに入った場合、或いは、基地局のカバーエリアのローミングが発生した場合、電子値札は、ハートビート信号をファスト周期T2で基地局に送信すること、基地局は、受信したハートビート信号をバックグラウンドサーバに報告し、バックグラウンドサーバは、基地局が受信したハートビート信号の電力に基づき、電子値札と通信するための最適な基地局を選択すること、を含む電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を提供する。
【0006】
本発明の実施例は、電子値札と、基地局と、バックグラウンドサーバと、を含み、上記電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させるために用いられる、電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信システムをさらに提供する。
【0007】
本発明の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて実行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行された場合、上記電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させる、コンピュータ機器をさらに提供する。
【0008】
本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行された場合、上記電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させる、コンピュータ読取可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0009】
本発明の実施例は、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行された場合、上記電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させる、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。
【発明の効果】
【0010】
従来技術では、電子値札によるハートビートの送信は、周期的に行われて、電子値札が電子値札システムのカバーエリアに入ると、バックグラウンドサーバは、その電子値札の存在を即時に発見してネットワークにアクセスさせることができず、また、電子値札が或る基地局のカバーエリアから別の基地局のカバーエリアに移動すると、バックグラウンドサーバは、その電子値札の移動を即時に検出することもできず、このような2つの場面では、バックグラウンドサーバは、電子値札と通信する必要がある場合、カバーしている基地局を選択して電子値札と通信することができないので、その結果、通信不可または通信失敗になってしまうという技術案と比べて、本発明の実施例では、電子値札は、ハートビート信号をスロー周期T1で基地局に送信し、電子値札は、基地局信号を周期P1で受信するとともに、基地局信号の電力を記録し、電子値札が異なる時点で受信した基地局信号の電力を比較して、電子値札が基地局のカバーエリアに入ったか、或いは、電子値札による基地局のカバーエリアのローミングが発生したかを判断し、基地局のカバーエリアに入った場合、或いは、基地局のカバーエリアのローミングが発生した場合、電子値札は、ハートビート信号をファスト周期T2で基地局に送信し、基地局は、受信したハートビート信号をバックグラウンドサーバに報告し、バックグラウンドサーバは、基地局が受信したハートビート信号の電力に基づき、電子値札と通信するための最適な基地局を選択することによって、電子値札が電子値札システムのカバーエリアに入った場面、或いは、1つの基地局のカバーエリアから他の基地局のカバーエリアに移動した場面を迅速に発見することができる。本発明では、電子値札によるハートビート信号の報告は、一定でない周期で行われるので、バックグラウンドサーバが最適な基地局を選択して、電子値札システムのカバーエリアに新たに入った、或いは、移動した電子値札との通信をタイムリーに行う成功率が大幅に向上し、バックグラウンドサーバと電子値札との通信の信頼性および安定性が確保された。
【0011】
本発明の実施例または従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例または従来技術の説明に必要な添付図面を簡単に紹介する。明らかなことに、以下で説明している添付図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わずに、これらの添付図面を基にして他の添付図面を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電子値札、基地局、及びバックグラウンドサーバのスケルトン図である。
図2】本発明の実施例における電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的、技術案および利点をより明瞭にさせるために、以下は、添付図面を参照しながら、本発明の実施例をさらに詳しく説明する。ここで、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであるが、本発明を限定するものではない。
【0014】
従来技術に既存の問題に対して、本発明は、電子値札が電子値札システムのカバーエリアに入った場面、或いは、1つの基地局のカバーエリアから他の基地局のカバーエリアに移動した場面を迅速に発見することができるとともに、当該電子値札に通信するための最適な基地局を迅速に選択することができ、成功に通信できることを確保した技術案を提案している。
【0015】
図2は、本発明の実施例における電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法のフローチャートである。図2に示されるように、当該方法では、
電子値札は、ハートビート信号をスロー周期T1で基地局に送信し、電子値札は、基地局信号を周期P1で受信するとともに、基地局信号の電力を記録し、電子値札が異なる時点で受信した基地局信号の電力を比較して、電子値札が基地局のカバーエリアに入ったか、或いは、電子値札による基地局のカバーエリアのローミング(実行主体が電子値札)が発生したかを判断し、
基地局のカバーエリアに入った場合、或いは、基地局のカバーエリアのローミングが発生した場合、電子値札は、ハートビート信号をファスト周期T2で基地局に送信し、基地局は、受信したハートビート信号をバックグラウンドサーバに報告し、バックグラウンドサーバは、基地局が受信したハートビート信号の電力に基づき、電子値札と通信するための最適な基地局を選択すること、を含む。
【0016】
具体的には、電子値札のスロー・ファスト周期は、以下のように定義される。例えば、スロー周期の典型的な値を15分に、ファスト周期の典型的な値を1分に定義してもよい。
【0017】
スロー周期T1は、電子値札がハートビート信号を送信する周期である。周期P1は、電子値札が基地局信号を受信する周期である。スロー周期T1は周期P1とは無関係である。
【0018】
電子値札はハートビート信号をスロー周期T1で基地局に送信することは、ハートビート信号を、0、T1、2T1、3T1……などの点で送信することを意味している。
【0019】
電子値札は基地局信号を周期P1で受信することは、基地局信号を、0、P1、2P1、3P1……などの点で受信することを意味している。
【0020】
電子値札はハートビート信号をファスト周期T2で基地局に送信することは、ハートビート信号を、0、T2、2T2、3T2……などの点で送信することを意味している。
【0021】
具体的にいうと、電子値札が基地局のカバーエリアに入ったか否かにも関わらず、電子値札は、ハートビート信号を基地局に絶えずに送信することとなっている。電子値札が基地局信号を受信できるようになってきた場合、電子値札が基地局のカバーエリアに入ったことが示される。その場合、電子値札は、相変わらず、ハートビート信号を基地局に絶えずに送信している。
【0022】
本発明における電子値札は、基地局信号の受信により、基地局のカバーエリアに入ったこと、或いは、所在の基地局のカバーエリアに変化があったことを発見する。電子値札がノーカバーエリアからカバーエリアに入った場合、バックグラウンドサーバは、電子値札のネットワークアクセスに関する操作を行う必要がある。電子値札が1つの基地局のカバーエリアから他の基地局のカバーエリアに移動した場合、バックグラウンドサーバは、電子値札のローミングに関する操作を行う必要がある。
【0023】
元の基地局(すなわち、電子値札が入った1つ前の基地局)を監視することによって、電子値札が移動(ローミング)したかを判断する。移動して新規基地局に入った後でも、元の基地局として、再度移動したかを再判断することができる。
【0024】
本発明の実施例では、電子値札が異なる時点で受信した基地局信号の電力を比較して、電子値札が基地局のカバーエリアに入ったかを判断することは、
第1時点で基地局信号を受信していないが、第2時点で基地局信号を受信した場合、電子値札が基地局のカバーエリアに入ったことが示されること、および、
第1時点で基地局信号を受信せず、第2時点で基地局信号も受信していない場合、電子値札が基地局のカバーエリアに入っていないことが示されること、を含む。
【0025】
具体的には、第1時点が第2時点よりも早い。
【0026】
本発明の実施例では、電子値札が異なる時点で受信した基地局信号の電力を比較して、電子値札による基地局のカバーエリアのローミングが発生したかを判断することは、
第1時点で受信した基地局信号の電力が第2時点で受信した基地局信号の電力よりも大きく、且つ、その差が予め定められた閾値を超えた場合、電子値札が1つの基地局のカバーエリアから他の基地局のカバーエリアに移動して、基地局のカバーエリアのローミングが発生したかもしれないことが示され、ここで、予め定められた閾値が実際な状況によって決められること、および、
第1時点で受信した基地局信号の電力が第2時点で受信した基地局信号の電力よりも大きいが、その差が予め定められた閾値を超えておらず、且つ第2時点で受信した基地局信号の電力が所定の閾値よりも小さい場合、電子値札が1つの基地局のカバーエリアから他の基地局のカバーエリアに移動して、基地局のカバーエリアのローミングが発生したかもしれないことが示され、ここで、予め定められた閾値が実際な状況によって決められること、を含む。
【0027】
本発明の実施例では、電子値札は、ファスト周期T2の保持時間を設定し、保持時間がタイムアウトした場合、或いは、電子値札が基地局からの応答を受信した場合、電子値札は、ハートビート信号をスロー周期T1で送信するように戻ることをさらに含む。
【0028】
具体的には、ハートビート信号をファスト周期T2(T2<T1)で送信し、周期T2の保持時間がW1であり、W1がタイムアウトした場合、或いは、基地局からの応答を(複数回も)受信した後に、ハートビートをスロー周期T1で送信するように戻る。
【0029】
ここで、W1がタイムアウトした場合とは、例えば、電子値札は、ハートビート信号を0、T2、2T2、3T2で送信すると想定すると、W1が3T2と4T2の間にある場合、W1がタイムアウトしたとされ、その後、ハートビート信号を3T2+T1で送信するようになる、ということである。
【0030】
具体的に、電子値札は、複数回も移動した可能性があるが、電子値札が基地局信号の変化を持続的に監視している。移動後に更に移動した場合にも、そのプロセスに従ってハートビート信号の送信を調整する必要がある。
【0031】
バックグラウンドサーバに接続された複数のAP(基地局)は、受信した電力が異なるかもしれないが、同一の電子値札からのハートビートを受信する可能性がある。バックグラウンドサーバは、基地局が受信した電子値札のハートビートに基づき、受信した電力が最も強い基地局を、最適な基地局として選択するとともに、当該基地局を選択して電子値札との通信を行わせる。
【0032】
本発明の実施例は、電子値札と、基地局と、バックグラウンドサーバと、を含み、上記電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させるために用いられる、電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信システムをさらに提供する。
【0033】
本発明の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて実行できるコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行された場合、上記電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させる、コンピュータ機器をさらに提供する。
【0034】
本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行された場合、上記電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させる、コンピュータ読取可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0035】
本発明の実施例は、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行された場合、上記電子値札のネットワークアクセス・ローミング通信方法を実現させる、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。
【0036】
従来技術では、電子値札によるハートビートの報告は、周期的に行われて、電子値札が電子値札システムのカバーエリアに入ると、バックグラウンドサーバは、その電子値札の存在を即時に発見してネットワークにアクセスさせることができず、また、電子値札が或る基地局のカバーエリアから別の基地局のカバーエリアに移動すると、バックグラウンドサーバは、その電子値札の移動を即時に検出することもできず、このような2つの場面では、バックグラウンドサーバは、電子値札と通信する必要がある場合、カバーしている基地局を選択して電子値札と通信することができないので、その結果、通信不可または通信失敗になってしまうという技術案と比べて、本発明の実施例では、電子値札は、ハートビート信号をスロー周期T1で基地局に送信し、電子値札は、基地局信号を周期P1で受信するとともに、基地局信号の電力を記録し、電子値札が異なる時点で受信した基地局信号の電力を比較して、電子値札が基地局のカバーエリアに入ったか、或いは、電子値札による基地局のカバーエリアのローミングが発生したかを判断し、基地局のカバーエリアに入った場合、或いは、基地局のカバーエリアのローミングが発生した場合、電子値札は、ハートビート信号をファスト周期T2で基地局に送信し、基地局は、受信したハートビート信号をバックグラウンドサーバに報告し、バックグラウンドサーバは、基地局が受信したハートビート信号の電力に基づき、電子値札と通信するための最適な基地局を選択することによって、電子値札が電子値札システムのカバーエリアに入った場面、或いは、1つの基地局のカバーエリアから他の基地局のカバーエリアに移動した場面を迅速に発見することができる。本発明では、電子値札によるハートビート信号の報告は、一定でない周期で行われるので、バックグラウンドサーバが最適な基地局を選択して、電子値札システムのカバーエリアに新たに入った、或いは、移動した電子値札との通信をタイムリーに行う成功率が大幅に向上し、バックグラウンドサーバと電子値札との通信の信頼性および安定性が確保された。
【0037】
当業者であれば分かるように、本発明の実施例は、方法、システム、または、コンピュータプログラム製品として提供されてもよい。そのため、本発明は、完全ハードウェアの実施例、完全ソフトウェアの実施例、または、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた方面の実施例の形式が用いられてもよい。しかも、本発明は、1つまたは複数の、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含むコンピュータ利用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、それらに限られないもの)に実施されるコンピュータプログラム製品の形式が用いられてもよい。
【0038】
本発明は、本発明の実施例に係る方法、デバイス(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明していた。理解すべきなのは、コンピュータプログラムコマンドによって、フローチャート及び/又はブロック図における各プロセス及び/又はブロックや、フローチャート及び/又はブロック図におけるプロセス及び/またはブロックの組み合わせが実現されてもよい。これらのコンピュータプログラムコマンドを、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋込型プロセッサ、または、他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供することにより、機器を発生させ、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されるコマンドによれば、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現するための装置を発生させる。
【0039】
これらのコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方式で作動するようにガイドできるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。それにより、当該コンピュータ可読メモリに記憶されたコマンドは、コマンド装置を含む製品を発生させ、当該コマンド装置によれば、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能が実現される。
【0040】
これらのコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされてもよい。それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置において、一連の操作ステップを実行してコンピュータによって実現される処理を発生させ、さらに、コンピュータ又は他のプログラマブル装置によって実行されるコマンドは、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0041】
以上に説明の具体的な実施例では、本発明の目的、技術案、および有益な効果について、更に詳しく説明されている。理解すべきなのは、以上に説明の内容が本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。本発明の精神と原則において行われた如何なる補正、等価代替、改良等はいずれも、本発明の保護範囲内に入っているべきである。
図1
図2
【国際調査報告】