(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】モータ内変速機を伴う高密度アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 7/116 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
H02K7/116
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547702
(86)(22)【出願日】2023-02-14
(85)【翻訳文提出日】2024-10-11
(86)【国際出願番号】 CA2023050193
(87)【国際公開番号】W WO2023150893
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523214546
【氏名又は名称】ビーテミア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソーシー,フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】ボーモン,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ブルックショウ,マーカス
(72)【発明者】
【氏名】ゾソ,ナサニエル
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607AA00
5H607BB01
5H607BB17
5H607CC03
5H607DD03
5H607DD16
5H607EE33
5H607EE35
5H607FF01
5H607GG01
5H607GG08
(57)【要約】
ステータ、ロータ、ロータハブ、ロータ軸受、アクチュエータベース、及び転がり軸受を含むモータと、ロータハブ内に位置付けられる変速機とを備える、高密度アクチュエータ。高密度アクチュエータは、変速機がモータの内径内に位置するように構成される。変速機は、例えば、サイクロイド変速機、遊星変速機、及び高調波変速機である可能性がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高密度アクチュエータであって、
ステータ(32)、ロータ(34)、ロータハブ(36)、ロータ軸受(37)、アクチュエータベース(22)、及び転がり軸受(24)を含むモータと、
前記ロータハブ(36)内に位置付けられる変速機と、を備え、
前記変速機は、前記モータの内径内に位置する、高密度アクチュエータ。
【請求項2】
前記変速機は、前記ステータ(32)の内径及び前記ロータ(34)の内径よりも小さい全径を有する、請求項1に記載の高密度アクチュエータ。
【請求項3】
前記変速機は、サイクロイド変速機、遊星変速機、及び高調波変速機からなる群から選択される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の高密度アクチュエータ。
【請求項4】
前記変速機(12、13、14、16、18、19)は、
前記ロータ軸受(37)を介して前記ロータハブ(36)内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤ(12)と、
ローラピン(13)を介して前記サイクロイド・リング・ギヤ(12)内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスク(14)によって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸(16)と、
前記サイクロイドディスク(14)内の対応する開口内に位置付けられ、前記サイクロイドディスク(14)を出力軸(18)に動作可能に接続し、前記ロータ(34)から前記出力軸(18)にトルクを伝達し、前記転がり軸受(24)を介して前記アクチュエータベース(22)にさらに動作可能に接続される出力ピン(19)と、を含む、サイクロイド変速機である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の高密度アクチュエータ。
【請求項5】
前記変速機(12a、14a、16、18、19)は、
前記ロータ軸受(37)を介して前記ロータハブ(36)内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤ(12)と、
対応する突起部分を介して前記サイクロイド・リング・ギヤ(12a)内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスク(14a)によって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸(16)と、
前記サイクロイドディスク(14a)内の対応する開口内に位置付けられ、前記サイクロイドディスク(14a)を出力軸(18)に動作可能に接続し、前記ロータ(34)から前記出力軸(18)にトルクを伝達し、前記転がり軸受(24)を介して前記アクチュエータベース(22)にさらに動作可能に接続される出力ピン(19)と、を含む、サイクロイド変速機である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の高密度アクチュエータ。
【請求項6】
前記変速機(12b、13b、14b、16、18、19)は、
前記ロータ軸受(37)を介して前記ロータハブ(36)内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤ(12b)と、
個別の可変型直径を有するローラ(13b)を介して前記サイクロイド・リング・ギヤ(12b)内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスク(14b)によって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸(16)と、
前記サイクロイドディスク(14b)内の対応する開口内に位置付けられ、前記サイクロイドディスク(14b)を出力軸(18)に動作可能に接続し、前記ロータ(34)から前記出力軸(18)にトルクを伝達し、前記転がり軸受(24)を介して前記アクチュエータベース(22)にさらに動作可能に接続される出力ピン(19)と、を含む、サイクロイド変速機である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の高密度アクチュエータ。
【請求項7】
前記変速機(12c、13c、14、16、18、19)は、
前記ロータ軸受(37)を介して前記ロータハブ(36)内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤ(12c)と、
軸受(13c)を介して前記サイクロイド・リング・ギヤ(12c)内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスク(14c)によって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸(16)と、
前記サイクロイドディスク(14c)内の対応する開口内に位置付けられ、前記サイクロイドディスク(14c)を出力軸(18)に動作可能に接続し、前記ロータ(34)から前記出力軸(18)にトルクを伝達し、前記転がり軸受(24)を介して前記アクチュエータベース(22)にさらに動作可能に接続される出力ピン(19)と、を含む、サイクロイド変速機である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の高密度アクチュエータ。
【請求項8】
前記変速機(12、13、14、15、16、18、19d)は、
前記ロータ軸受(37)を介して前記ロータハブ(36)内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤ(12)と、
軸受(13)を介して前記サイクロイド・リング・ギヤ(12)内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスク(14)によって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸(16)と、
前記サイクロイドディスク(14)内の対応する開口内の対応する転動体(15)内に位置付けられ、前記サイクロイドディスク(14)を出力軸(18)に動作可能に接続し、前記ロータ(34)から前記出力軸(18)にトルクを伝達し、前記転がり軸受(24)を介して前記アクチュエータベース(22)にさらに動作可能に接続される出力ピン(19d)と、を含む、サイクロイド変速機である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の高密度アクチュエータ。
【請求項9】
前記アクチュエータベース(22)は、アクチュエータ筐体(20)の底部を形成し、前記高密度アクチュエータは、前記アクチュエータ筐体(20)内に封入される、請求項1から8のいずれか一項に記載の高密度アクチュエータ。
【請求項10】
前記高密度アクチュエータを前記アクチュエータ筐体(20)内に固定する筐体カバー(26)をさらに備える、請求項9に記載の高密度アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2022年2月14日に出願された米国仮特許出願第63/310098号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、モータ内変速機を伴う高密度アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0003】
モータ及び変速機は、種々のデバイスを作動させるために使用される。外骨格、擬人化ロボット、及び他の小容量かつ高出力用途などのデバイスの場合、両方の構成要素の組合せが可能な限りコンパクトであることが有利である。これは、アクチュエータと呼ばれる、より高密度なモータと変速機との組合せにつながる。しかしながら、従来の変速機は、モータケーシングの上部に積み重ねられ、モータ及び変速機の構造の厚さが増すことにつながっている。
【0004】
ゆえに、高密度かつ薄型のモータ及び変速機の構造が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、高密度アクチュエータを提供し、高密度アクチュエータは、ステータ、ロータ、ロータハブ、ロータ軸受、アクチュエータベース、及び転がり軸受を含むモータと、
【0006】
ロータハブ内に位置付けられる変速機とを備え、
【0007】
変速機は、モータの内径内に位置する。
【0008】
本開示はまた、変速機がステータの内径及びロータの内径よりも小さい全径を有する高密度アクチュエータを提供する。
【0009】
本開示はさらに、サイクロイド変速機、遊星変速機、又は高調波変速機を含む高密度アクチュエータを提供する。
【0010】
本開示はまた、変速機がサイクロイド変速機である高密度アクチュエータを提供し、サイクロイド変速機は、
【0011】
ロータ軸受を介してロータハブ内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤと、
【0012】
ローラピンを介してサイクロイド・リング・ギヤ内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスクによって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸と、
【0013】
サイクロイドディスク内の対応する開口内に位置付けられ、サイクロイドディスクを出力軸に動作可能に接続し、ロータから出力軸にトルクを伝達し、さらに転がり軸受を介してアクチュエータベースに動作可能に接続される出力ピンとを含む。
【0014】
本開示はさらに、変速機がサイクロイド変速機である高密度アクチュエータを提供し、サイクロイド変速機は、
【0015】
ロータ軸受を介してロータハブ内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤと、
【0016】
ローラピンを介してサイクロイド・リング・ギヤ内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスクによって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸と、
【0017】
サイクロイドディスク内の対応する開口内に位置付けられ、サイクロイドディスクを出力軸に動作可能に接続し、ロータから出力軸にトルクを伝達し、さらに転がり軸受を介してアクチュエータベースに動作可能に接続される出力ピンとを含む。
【0018】
本開示はさらに、変速機がサイクロイド変速機である高密度アクチュエータを提供し、サイクロイド変速機は、
【0019】
ロータ軸受を介してロータハブ内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤと、
【0020】
ローラピンを介してサイクロイド・リング・ギヤ内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスクによって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸と、
【0021】
サイクロイドディスク内の対応する開口内に位置付けられ、サイクロイドディスクを出力軸に動作可能に接続し、ロータから出力軸にトルクを伝達し、さらに転がり軸受を介してアクチュエータベースに動作可能に接続される出力ピンとを含む。
【0022】
本開示はまた、変速機がサイクロイド変速機である高密度アクチュエータを提供し、サイクロイド変速機は、
【0023】
ロータ軸受を介してロータハブ内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤと、
【0024】
ローラピンを介してサイクロイド・リング・ギヤ内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスクによって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸と、
【0025】
サイクロイドディスク内の対応する開口内に位置付けられ、サイクロイドディスクを出力軸に動作可能に接続し、ロータから出力軸にトルクを伝達し、さらに転がり軸受を介してアクチュエータベースに動作可能に接続される出力ピンとを含む。
【0026】
本開示はさらに、変速機がサイクロイド変速機である高密度アクチュエータを提供し、サイクロイド変速機は、
【0027】
ロータ軸受を介してロータハブ内で回転するように構成されたサイクロイド・リング・ギヤと、
【0028】
ローラピンを介してサイクロイド・リング・ギヤ内を転動するように構成された外面を有するサイクロイドディスクによって誘導される偏心運動に追従するように構成された入力軸と、
【0029】
サイクロイドディスク内の対応する開口内の対応する転動体に位置付けられ、サイクロイドディスクを出力軸に動作可能に接続し、ロータから出力軸にトルクを伝達し、さらに転がり軸受を介してアクチュエータベースに動作可能に接続される出力ピンとを含む。
【0030】
本開示はまた、アクチュエータ筐体内に封入された高密度アクチュエータを提供する。
【0031】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して、いくつかの例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示の例示的実施形態による、ロータ内サイクロイド変速機を使用するモータ内変速機を伴う高密度アクチュエータの断面図である。
【
図2】
図1のロータ内サイクロイド変速機の斜視断面図である。
【
図3】
図1のロータ内サイクロイド変速機の上部断面図である。
【
図4】
図1のロータ内サイクロイド変速機の斜視分解図である。
【
図5】本開示の第1の代替実施形態による、ロータ内サイクロイド変速機の上部断面図である。
【
図6】本開示の第2の代替実施形態による、モータ内変速機を伴う高密度アクチュエータの断面図である。
【
図7】本開示の第3の代替実施形態による、ロータ内サイクロイド変速機の上部断面図である。
【
図8】本開示の第4の代替実施形態による、ロータ内サイクロイド変速機の上部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
異なる図で使用される同様の参照符号は、同様の構成要素を示す。
【0034】
概説すると、本開示の非限定的な例示的実施形態は、モータ内変速機を伴う高密度アクチュエータを提供する。例示的実施形態では、モータ内変速機は、その全径がステータ及びロータの内径よりも小さく、アクチュエータの中に部分的に又は完全に挿入されるロータ内サイクロイド変速機である。開示された例示的実施形態は、ロータ内サイクロイド変速機を使用して説明されているが、他の変速機、例えば遊星変速機又は高調波変速機も同様に使用できることを理解されたい。
【0035】
図1~
図4を参照すると、本開示の例示的実施形態による高密度アクチュエータ30は、ステータ32と、ロータ34と、その中にサイクロイド変速機が位置付けられている筐体20とを含む。サイクロイド変速機は、サイクロイド・リング・ギヤ12と、ローラピン13と、サイクロイドディスク14と、入力軸16と、出力軸18と、出力ピン19とから成る。
【0036】
サイクロイド変速機12、13、14、16、18、19は、ロータ軸受37がロータハブ36をサイクロイド・リング・ギヤ12の周りで回転させることを可能にするようにアクチュエータ30内に位置付けられる。ロータ34及びロータハブ36の入力トルクは、入力軸16を通して伝達される。入力軸16が回転する間、その中心は偏心運動に追従し、サイクロイドディスク14からの正確な移動を可能にする。サイクロイドディスク14の外面は、ローラピン13上を転動し、これは、出力ピン19へのトルクの伝達をもたらす。出力ピン19は出力軸18の中に挿入され、これは、出力軸18にトルクを伝達する。出力軸18は、転がり軸受24を介してアクチュエータ筐体ベース22に接続される。アクチュエータ筐体カバー26は、アクチュエータ30及びサイクロイド変速機12、13、14、16、18、19を筐体20内に固定する。
【0037】
図5を参照すると、モータ内変速機を伴う高密度アクチュエータ30の第1の代替実施形態では、ローラピン13(
図3参照)は省略されてもよく、サイクロイド・リング・ギヤ12aの内側部分及びサイクロイドディスク14aの外面の形状は、対応する突起部分を提供するように適合される。
【0038】
図6を参照すると、モータ内変速機を伴う高密度アクチュエータ30の第2の代替実施形態では、円筒状ローラピン13は、可変型直径のローラ13bに置き換えられてもよく、サイクロイド・リング・ギヤ12bの内側部分及びサイクロイドディスク14bの外面の形状は、対応する突起部分を提供するように適合される。
【0039】
図7を参照すると、モータ内変速機を伴う高密度アクチュエータ30の第3の代替実施形態では、円筒状ローラピン13は、軸受13cと置き換えられてもよく、サイクロイド・リング・ギヤ12cの内側部分の形状は、軸受に構造的支持を提供するように適合される。
【0040】
図8を参照すると、モータ内変速機を伴う高密度アクチュエータ30の第4の代替実施形態では、サイクロイドディスク14は、サイクロイドディスク14の回転運動をより低い摩擦で出力ピン19dに伝達するために、サイクロイドディスク14と出力ピン19dとの間に挿入される軸受などの転動体15を有してもよい。
【0041】
本開示は、特定の非限定的な例示的実施形態及びその例によって説明されているが、本開示の範囲から逸脱することなく本特定の実施形態に修正が加えられる可能性があることが当業者には明らかであることに留意されたい。
【国際調査報告】