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特表2025-504262同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法及び電子棚札システム
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  • 特表-同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法及び電子棚札システム 図1
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  • 特表-同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法及び電子棚札システム 図8
  • 特表-同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法及び電子棚札システム 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-10
(54)【発明の名称】同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法及び電子棚札システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20250203BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20250203BHJP
【FI】
H04W56/00 110
H04W92/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530046
(86)(22)【出願日】2023-08-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-01-31
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 CN2023115652
(87)【国際公開番号】W WO2024146152
(87)【国際公開日】2024-07-11
(31)【優先権主張番号】202310022840.7
(32)【優先日】2023-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520367544
【氏名又は名称】漢朔科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hanshow Technology Co.Ltd.
【住所又は居所原語表記】Floor 4,Building 1 and Floor 7,Building 5,Jiaxing Guangfu Innovation Park,No.1288 Kanghe Road,Xiuzhou District,Jiaxing,Zhejiang 314031 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】吉亞平
(72)【発明者】
【氏名】鐘晞
(72)【発明者】
【氏名】張国鋒
(72)【発明者】
【氏名】姜起
(72)【発明者】
【氏名】周軍
(72)【発明者】
【氏名】梁敏
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067EE10
(57)【要約】
本発明は、同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法及び電子棚札システムを提供する。当該方法では、サーバは、干渉タイミング関係図に基づき、対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値を決定するステップと、サーバは、対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいて対応する調整タスクを生成するとともに、各対象ネットワークに対する処理過程において、調整タスクを現在ネットワークにおけるプライマリー基地局に送信することによって、プライマリー基地局とセカンダリー基地局に調整タスクに応じてタイミングを動的に調整させるステップ、を含む。本発明では、従来技術における隣接する店舗における同期ネットワーク間又は同一の店舗内における異なるネットワーク間には、時間的ドリフトの発生により、互いに干渉してしまう課題を解決し、同期ネットワーク間の干渉タイミング関係図を作成するとともに、干渉タイミング関係図に基づいてネットワークタイミングに対する動的調整を行うことで、ネットワーク間には互いに回避できるという目的を達成し、同期ネットワークの通信安定性が向上した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間タイミング動的調整方法であって、
サーバは、各スキャン周期において、所定の時間長さで干渉スキャンを行わせて、干渉スキャン結果を前記サーバに送信させるように同期ネットワークにおける各基地局を制御するステップと、
前記サーバは、前記同期ネットワークにおける各基地局の干渉スキャン結果に基づいて、隣接ネットワークと対象ネットワークとの干渉タイミング関係図を作成するステップであって、前記干渉スキャン結果は、スキャンされた干渉基地局の番号およびそれが時間軸上の相対的位置を含むステップと、
前記サーバは、前記干渉タイミング関係図における隣接ネットワークの現在のスキャン周期での時間軸上の相対的位置、隣接する1つ以上のネットワークにおける各基地局の番号および干渉基地局間の時間オフセット関係に基づき、対象ネットワークのタイミング調整方向およびタイミング調整値を決定するステップと、
前記サーバは、1つ以上の対象ネットワークのタイミング調整を同時に処理し、前記対象ネットワークのタイミング調整方向及びタイミング調整値に基づいて対応する調整タスクを生成し、各対象ネットワークに対する処理過程において、前記調整タスクを対象ネットワークにおけるプライマリー基地局に送信して、前記プライマリー基地局とセカンダリー基地局に前記調整タスクに応じてタイミングを動的に調整させるステップと、を含む、
ことを特徴とする同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項2】
前記干渉基地局の番号は、店舗の番号、ネットワークの番号、および、所属ネットワークにおける前記基地局のオフセット番号を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項3】
前記対象ネットワークのタイミング調整方向およびタイミング調整値を決定する前に、
前記サーバは、前記干渉タイミング関係図に基づき、前記対象ネットワークと干渉する干渉関係を有する参照ネットワークを取得することと、
前記干渉タイミング関係図に基づき、前記対象ネットワークにおける基地局間の干渉がある干渉関係を有する最大基地局番号を取得することと、
前記サーバは、前記対象ネットワークと対応する参照ネットワークとの現在のスキャン周期での時間軸上の相対的位置関係に基づき、参照ネットワークのミラー方向を決定することと、
前記参照ネットワークのミラー方向に基づき、対応する周期における前記対象ネットワークの参照ネットワークのミラータイミング表を取得することであって、前記ミラータイミング表は、参照ネットワークのミラーネットワークに対応するタイミング表であることと、
前記対象ネットワークの参照ネットワークのタイミング表および対応する周期における参照ネットワークのミラータイミング表に基づき、前記対象ネットワークに対してタイミング調整を行う必要があるか否かを判断することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項4】
前記対象ネットワークの参照ネットワークのタイミング表および対応する周期における参照ネットワークのミラータイミング表に基づき、前記対象ネットワークに対してタイミング調整を行う必要があると判断した場合に、前記対象ネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定するステップは、
前記対象ネットワークの開始時刻、前記対象ネットワークの参照ネットワークの開始時刻 、前記参照ネットワークのミラーネットワークの開始時刻、前記参照ネットワークの最大干渉基地局オフセット番号に対応する時間軸上の時刻、および、前記対象ネットワークの最大干渉基地局オフセット番号に対応する時間軸上の時刻に基づき、対象ネットワークと参照ネットワークとの第1時間差、および、前記対象ネットワークと前記参照ネットワークのミラーネットワークとの第2時間差を決定することと、
予め設定された間隔閾値、前記第1時間差、および、前記第2時間差に基づき、前記参照ネットワークに対する前記対象ネットワークの第1調整値及び前記参照ネットワークのミラーネットワークに対する前記対象ネットワークの第2調整値を決定することと、
前記第1調整値および前記第2調整値に基づき、前記参照ネットワークに対する前記対象ネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定すること、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項5】
前記タイミングの調整値が正の値である場合、前記タイミングの調整方向は、時間軸に対して右へ移動する方向であり、
前記タイミングの調整値が負の値である場合、前記タイミングの調整方向は、時間軸に対して左へ移動する方向である、
ことを特徴とする請求項4に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項6】
前記対象ネットワークは、2つの参照ネットワークを有する場合、以下の数式により、前記対象ネットワークのタイミングの調整値を決定し、
【表1】
ことを特徴とする請求項4に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項7】
以下の数式により、予め設定された間隔閾値、前記第1時間差、および、前記第2時間差に基づき、前記参照ネットワークに対する前記対象ネットワークの第1調整値及び前記参照ネットワークのミラーネットワークに対する前記対象ネットワークの第2調整値を決定し、
【表2】
ことを特徴とする請求項4に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項8】
前記サーバは、前記同期ネットワークにおける各基地局の干渉スキャン結果から、隣接ネットワークと前記対象ネットワークとの干渉タイミング関係図を作成するステップは、
前記サーバは、現在のスキャン周期での時間軸を作成し、前記現在のスキャン周期での時間軸に基づき、現在のスキャン周期における各同期ネットワークに対応するタイミング表を作成することと、
前記サーバは、各基地局の干渉スキャン結果に基づき、全ての干渉スキャン結果のうち、報知を行った基地局と同一のネットワークに属する基地局の情報を排除して、目標干渉スキャン結果を取得することと、
前記サーバは、前記目標干渉スキャン結果から、各タイミング表における対応する基地局の番号と対応する干渉基地局の番号に対して時間オフセット関係を作成して、前記干渉タイミング関係図を生成すること、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項9】
前記サーバは、各前記対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいてそれぞれ、対応する調整タスクを生成するステップは、
予め設定された調整回数に基づき、前記対象ネットワークのタイミングの調整値を複数の単回調整値に分割することと、
前記サーバは、前記タイミングの調整方向および前記複数の単回調整値に基づき、複数の調整タスクをそれぞれ、生成すること、を含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項10】
前記サーバは、各前記対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいてそれぞれ、対応する調整タスクを生成するステップは、
前記タイミングの調整値および予め設定された単回調整値に基づき、現在の調整回数を取得することと、
前記現在の調整回数、前記タイミング調整値および前記予め設定された単回調整値に基づき、複数の調整タスクを生成して、同一の調整周期において、基地局に対して複数回に分けて送信すること、を含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項11】
前記サーバは、スキャン周期の長さに応じて、基地局が干渉スキャンを行うように繰り返して制御するとともに、隣接ネットワーク間のタイミング動的調整を循環して行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法により、タイミングの調整を行う、
ことを特徴とする電子棚札システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本発明は、2023年1月8日に提出された、出願番号202310022840.7の中国特許出願の優先権を主張しており、上記特許出願に開示の全ての内容が引用により本明細書の一部として取り込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、通信技術分野に関し、具体的に、同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法及び電子棚札システムに関する。
【背景技術】
【0003】
店舗の規模がますます大きくなることに伴い、小売業界における電子棚札システムの応用もますます幅広くなっている。店舗内には、複数の基地局が配置される必要があり、複数の基地局は、1つ以上の同期ネットワークを構築して通信することとなっている。1つの同期ネットワークは、1つのプライマリー基地局および若干のセカンダリー基地局を含み、セカンダリー基地局のタイミングがプライマリー基地局のタイミングと同期化される。しかし、プライマリー基地局のクロックはドリフトが発生する場合があり、且つ、クロックの精度が低いほど、ドリフトが発生する可能性が高くなり、そうすると、セカンダリー基地局のクロックもそれに伴ってドリフトが発生しまう。それにより、そもそも時間的に衝突しないはずであった隣接する店舗における同期ネットワーク又は同一の店舗内における異なるネットワーク間には、当該時間的ドリフトの発生により、互いに干渉してしまう。また、ネットワークの初期的構築時、隣接する店舗における同期ネットワーク又は同一の店舗内における異なるネットワーク間には、時間的に衝突して干渉してしまうことが避けられるように、時間上の回避が必要である。
これより分かるように、従来技術では、隣接する店舗における同期ネットワーク間又は同一の店舗内における異なるネットワーク間には、時間的ドリフトの発生により発生しまう、又は、初期的構築時から存在している、互いに干渉する課題が存在する可能性があり、電子棚札システムの同期精度および安定性が低下し、店舗の実際な要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【0004】
従来技術における既存の課題に対して、本発明は、同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法及び電子棚札システムを提供することによって、従来技術での、隣接する店舗における同期ネットワーク間又は同一の店舗内における異なるネットワーク間には、時間的ドリフトの発生により発生しまう、又は、初期的構築時から存在している、互いに干渉する課題を解決し、同期ネットワーク間の干渉タイミング関係図を作成して、干渉タイミング関係図に基づいてネットワークタイミングに対する動的調整を行うことで、ネットワーク間のタイミングが互いに回避できるという目的を達成し、同期ネットワークの通信安定性が向上した。
【0005】
第1態様では、本発明は、同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法を提供し、前記方法は、サーバは、各スキャン周期において、所定の時間長さで干渉スキャンを行わせて、干渉スキャン結果を前記サーバに送信させるように同期ネットワークにおける各基地局を制御するステップと、前記サーバは、前記同期ネットワークにおける各基地局の干渉スキャン結果に基づいて、隣接ネットワークと対象ネットワークとの干渉タイミング関係図を作成するステップであって、前記干渉スキャン結果は、スキャンされた干渉基地局の番号およびそれが時間軸上の相対的位置を含むステップと、前記サーバは、前記干渉タイミング関係図における隣接ネットワークの現在のスキャン周期での時間軸上の相対的位置、隣接する1つ以上のネットワークにおける各基地局の番号および干渉基地局間の時間オフセット関係に基づき、対象ネットワークのタイミング調整方向およびタイミング調整値を決定するステップと、前記サーバは、1つ以上の対象ネットワークのタイミング調整を同時に処理し、前記対象ネットワークのタイミング調整方向及びタイミング調整値に基づいて対応する調整タスクを生成し、各対象ネットワークに対する処理過程において、前記調整タスクを対象ネットワークにおけるプライマリー基地局に送信して、前記プライマリー基地局とセカンダリー基地局に前記調整タスクに応じてタイミングを動的に調整させるステップと、を含む。
【0006】
選択的に、前記干渉基地局の番号は、店舗の番号、ネットワークの番号、および、所属ネットワークにおける前記基地局のオフセット番号を含む。
【0007】
選択的に、前記対象ネットワークのタイミング調整方向およびタイミング調整値を決定する前に、前記サーバは、前記干渉タイミング関係図に基づき、前記対象ネットワークと干渉する干渉関係を有する参照ネットワークを取得することと、前記干渉タイミング関係図に基づき、前記対象ネットワークにおける基地局間の干渉がある干渉関係を有する最大基地局番号を取得することと、前記サーバは、前記対象ネットワークと対応する参照ネットワークとの現在のスキャン周期での時間軸上の相対的位置関係に基づき、参照ネットワークのミラー方向を決定することと、前記参照ネットワークのミラー方向に基づき、対応する周期における前記対象ネットワークの参照ネットワークのミラータイミング表を取得することであって、前記ミラータイミング表は、参照ネットワークのミラーネットワークに対応するタイミング表であることと、前記対象ネットワークの参照ネットワークのタイミング表および対応する周期における参照ネットワークのミラータイミング表に基づき、前記対象ネットワークに対してタイミング調整を行う必要があるか否かを判断することをさらに含む。
【0008】
選択的に、前記対象ネットワークの参照ネットワークのタイミング表および対応する周期における参照ネットワークのミラータイミング表に基づき、前記対象ネットワークに対してタイミング調整を行う必要があると判断した場合に、前記対象ネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定するステップは、前記対象ネットワークの開始時刻、前記対象ネットワークの参照ネットワークの開始時刻、前記参照ネットワークのミラーネットワークの開始時刻、前記参照ネットワークの最大干渉基地局オフセット番号に対応する時間軸上の時刻、および、前記対象ネットワークの最大干渉基地局オフセット番号に対応する時間軸上の時刻に基づき、対象ネットワークと参照ネットワークとの第1時間差、および、前記対象ネットワークと前記参照ネットワークのミラーネットワークとの第2時間差を決定することと、予め設定された間隔閾値、前記第1時間差、および、前記第2時間差に基づき、前記参照ネットワークに対する前記対象ネットワークの第1調整値及び前記参照ネットワークのミラーネットワークに対する前記対象ネットワークの第2調整値を決定することと、前記第1調整値および前記第2調整値に基づき、前記参照ネットワークに対する前記対象ネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定すること、を含む。
【0009】
選択的に、前記タイミングの調整値が正の値である場合、前記タイミングの調整方向は、時間軸に対して右へ移動する方向であり、前記タイミングの調整値が負の値である場合、前記タイミングの調整方向は、時間軸に対して左へ移動する方向である。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
選択的に、前記サーバは、前記同期ネットワークにおける各基地局の干渉スキャン結果から、隣接ネットワークと前記対象ネットワークとの干渉タイミング関係図を作成するステップは、前記サーバは、現在のスキャン周期での時間軸を作成し、前記現在のスキャン周期での時間軸に基づき、現在のスキャン周期における各同期ネットワークに対応するタイミング表を作成することと、前記サーバは、各基地局の干渉スキャン結果に基づき、全ての干渉スキャン結果のうち、報知を行った基地局と同一のネットワークに属する基地局の情報を排除して、目標干渉スキャン結果を取得することと、前記サーバは、前記目標干渉スキャン結果から、各タイミング表における対応する基地局の番号と対応する干渉基地局の番号に対して時間オフセット関係を作成して、前記干渉タイミング関係図を生成すること、を含む。
【0013】
選択的に、前記サーバは、各前記対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいてそれぞれ、対応する調整タスクを生成するステップは、予め設定された調整回数に基づき、前記対象ネットワークのタイミングの調整値を複数の単回調整値に分割することと、前記サーバは、前記タイミングの調整方向および前記複数の単回調整値に基づき、複数の調整タスクをそれぞれ、生成すること、を含む。
【0014】
選択的に、前記サーバは、各前記対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいてそれぞれ、対応する調整タスクを生成するステップは、前記タイミングの調整値および予め設定された単回調整値に基づき、現在の調整回数を取得することと、前記現在の調整回数、前記タイミング調整値および前記予め設定された単回調整値に基づき、複数の調整タスクを生成して、同一の調整周期において、基地局に対して複数回に分けて送信すること、を含む。
【0015】
選択的に、前記サーバは、スキャン周期の長さに応じて、基地局が干渉スキャンを行うように繰り返して制御するとともに、隣接ネットワーク間のタイミング動的調整を循環して行う。
【0016】
第2態様では、本発明は電子棚札システムを提供し、前記電子棚札システムは、上述した同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法により、タイミングの調整を行う。
【0017】
従来技術と比べて、本発明は、以下のような有益な効果を有する。
本実施例では、各基地局の干渉スキャン結果から、複数の同期ネットワーク間の干渉タイミング関係図を作成し、干渉タイミング関係図に基づいて、各ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値を決定し、各ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいて、それぞれ、対応する調整タスクを生成するとともに、各調整タスクを対応するネットワークにそれぞれ、送信することにより、ネットワークにおけるプライマリー基地局とセカンダリー基地局は、調整タスクに応じてタイミングを動的に調整する。それにより、ネットワーク間のタイミングが互いに回避できるという目的を達成し、同一の店舗内の各ネットワークの間および隣接する店舗内のネットワークの間には、時間的ドリフトの発生により発生しまう、又は、初期的構築時から存在している、タイミングが重なってしまい信号が互いに干渉してしまうという課題を解決し、同期ネットワークの通信安定性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例または従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例または従来技術の説明に必要な添付図面を簡単に紹介する。
【0019】
図1】本発明の実施例にかかる同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例にかかる同期ネットワークの模式図である。
図3】本発明の実施例にかかる別の同期ネットワークの模式図である。
図4図1におけるステップS101の具体的なフローチャートである。
図5】本発明の実施例にかかるタイミング表の模式図である。
図6】本発明の実施例にかかる干渉タイミング関係図の模式図である。
図7】本発明の実施例にかかるタイミング表の調整模式図である。
図8】本発明の実施例にかかる別の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法のフローチャートである。
図9】本発明の実施例にかかる別のタイミング表の調整模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明における実施例の目的、技術案、および、利点をさらに明瞭にさせるために、以下は、本発明の実施例における添付図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明瞭的且つ完全的に説明する。明らかなことに、説明されている実施例は、本発明における一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。本発明における実施例を基にして、当業者は、創造的な労力を払わずに取得した全ての他の実施例がいずれも、本発明の保護範囲に入っている。
【0021】
第1態様では、本発明は、同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法を提供し、具体的には、以下の実施例が含まれる。
【0022】
図1は、本発明の実施例にかかる同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法のフローチャートを示す。図1に示されるように、同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法は、電子棚札システムに用いられ、且つ、電子棚札システムは、サーバと、基地局と、電子棚札と、を含む場合、具体的には、以下のステップが含まれる。
【0023】
ステップS101において、サーバは、各スキャン周期において、所定の時間長さで干渉スキャンを行わせ、干渉スキャン結果をサーバに送信させるように同期ネットワークにおける各基地局を制御する。
【0024】
なお、図2図3に示されるように、本実施例における隣接ネットワークは、同一の店舗内における複数のネットワーク又は/及び隣接する店舗間に形成された複数のネットワークを含む。
【0025】
ここで、説明すべきなのは、サーバは、同期ネットワーク用の全ての基地局がアイドル状態にある場合、干渉スキャンタスクを各基地局に送信することにより、各基地局に、干渉スキャンタスクに応じて基地局スキャンを同時に行って、スキャンされた干渉基地局の番号およびそれが時間軸上の相対的位置を干渉スキャン結果として生成させる。
【0026】
なお、店舗の初期開店時又は店舗内におけるネットワークが同期状態になってから、サーバは、一定の周期(一般的に32s)ごとに、基地局に対して干渉スキャンタスクを発行する条件を満たすか否かを判断し、満たす場合、サーバは、店舗内における全ての基地局に対して干渉スキャンタスクを発行して、基地局から干渉スキャン結果の報知を待たす。基地局は、サーバから発行された干渉スキャンタスクを受信した後、周囲に存在している基地局をスキャンし、同一の基地局は、複数台の干渉基地局をスキャンした場合がある。基地局は、スキャンされた全ての基地局の番号、対象基地局が所属するネットワークと干渉基地局が所属するネットワークとの開始時間の差を報知する。前記基地局の番号は、基地局が位置する店舗番号、ネットワーク番号、および、基地局のオフセット番号を含む。前記基地局のオフセット番号は、基地局が作動する時間のオフセット番号である。
【0027】
ステップS102において、サーバは、ネットワークにおける各基地局の干渉スキャン結果から、隣接ネットワークと対象ネットワークとの干渉タイミング関係図を作成し、ここで、干渉スキャン結果は、スキャンされた干渉基地局の番号およびそれが時間軸上の相対的位置を含む。
【0028】
ここで、説明すべきなのは、以上のネットワークは、同期ネットワークであってもよい。
【0029】
図4に示されるように、サーバは、ネットワークにおける各基地局の干渉スキャン結果から、隣接ネットワークと対象ネットワークとの干渉タイミング関係図を作成することは、具体的には、以下のステップを含む。
【0030】
ステップS201において、サーバは、現在のスキャン周期での時間軸を作成し、現在のスキャン周期での時間軸に基づき、現在のスキャン周期において各同期ネットワークに対応するタイミング表を作成する。
【0031】
ステップS202において、サーバは、各基地局の干渉スキャン結果に基づき、全ての干渉スキャン結果のうち、干渉スキャン結果の報知を既に行った基地局と同一のネットワークに属する基地局の情報を排除し、目標干渉スキャン結果を取得する。
【0032】
ステップS203において、サーバは、目標干渉スキャン結果から、各タイミング表における対応する基地局の番号と対応する干渉基地局の番号の間の時間オフセット関係を作成して、干渉タイミング関係図を生成する。
【0033】
なお、図5に示されるように、本実施例では、現在のスキャン周期を予め設定された間隔でいくつかに分割して時間軸を作成し、現在のスキャン周期での時間軸に基づき、現在のスキャン周期における各同期ネットワークに対応するタイミング表を作成する。ここで、サーバは、現在のスキャン周期での時間軸上における、干渉基地局の番号が報知された時間の相対的位置関係に応じて、現在のスキャン周期における各同期ネットワークに対応するタイミング表を作成してもよい。干渉基地局の番号は、店舗番号、ネットワーク番号、及び、所属ネットワークにおける基地局のオフセット番号を含む。
【0034】
さらに、各基地局の干渉スキャン結果は、対象基地局と干渉する可能性のある他の基地局を含み、干渉する他の基地局は、同一のネットワーク(同ネットワーク)における基地局であってもよく、他のネットワークにおける基地局であってもよい。そのため、サーバは、今回基地局から報知された結果を収集して、基地局から報知された結果のうち、当該基地局と同一のネットワークに属するスキャン結果を排除してから、さらに、互いに干渉してしまう基地局に対して時間オフセット関係を作成することにより、図6に示される干渉タイミング関係図が得られる。ここで、説明すべきなのは、図6では、ネットワーク1におけるオフセット番号が2である基地局は、ネットワーク2におけるオフセット番号が1である基地局と干渉し、ネットワーク1におけるオフセット番号5に対応する基地局は、ネットワーク3におけるオフセット番号2に対応する基地局と干渉する。本実施例では、各ネットワークにおけるプライマリー基地局のオフセット番号は0であってもよく、他の値であってもよいが、他のセカンダリー基地局は、プライマリー基地局に対する相対的なオフセットに応じて番号付られる。
【0035】
ステップS103において、サーバは、干渉タイミング関係図における隣接ネットワークの現在のスキャン周期での時間軸上の相対的位置、隣接する1つ以上のネットワークにおける各基地局の番号および干渉基地局間の時間オフセット関係に基づき、現在のネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定する。
【0036】
本実施例では、前記方法は、現在のネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定する前に、サーバが、干渉タイミング関係図に基づき、現在のネットワークと干渉関係を有する参照ネットワークを取得するステップ、干渉タイミング関係図に基づき、現在のネットワークにおいて干渉関係を有する基地局のうち最大基地局番号を取得するステップ、サーバが、現在のネットワークと対応する参照ネットワークとの現在のスキャン周期での時間軸上の相対的位置関係に基づき、参照ネットワークのミラー方向を決定するステップ、参照ネットワークのミラー方向に基づき、対応する周期における現在のネットワークの参照ネットワークのミラータイミング表を取得するステップであって、ミラータイミング表は、参照ネットワークのミラーネットワークに対応するタイミング表であるステップ、および、現在のネットワークの参照ネットワークタイミング表および対応する周期における参照ネットワークのミラータイミング表に基づき、現在のネットワークがタイミング調整を行う必要があるか否かを判断するステップをさらに含む。
【0037】
本実施例では、対応する周期における、現在のネットワークの参照ネットワークのミラータイミング表に基づき、現在のネットワークがタイミング調整を行う必要があると判断した場合に、現在のネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定するステップは、現在のネットワークの開始時刻、現在のネットワークの参照ネットワークの開始時刻、参照ネットワークのミラーネットワークの開始時刻、参照ネットワークの最大干渉基地局オフセット番号に対応する時間軸上の時刻、および、現在のネットワークの最大干渉基地局オフセット番号に対応する時間軸上の時刻に基づき、現在のネットワークと参照ネットワークとの第1時間差、および、現在のネットワークと参照ネットワークのミラーネットワークとの第2時間差を決定すること、予め設定された間隔閾値、第1時間差、および、第2時間差に基づき、参照ネットワークに対する現在のネットワークの第1調整値及び参照ネットワークのミラーネットワークに対する現在のネットワークの第2調整値を決定すること、および、第1調整値および第2調整値に基づき、参照ネットワークに対する現在のネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定すること、を含む。
【0038】
本実施例では、タイミングの調整値が正の値である場合、タイミングの調整方向は、時間軸に対して右へ移動する方向であり、タイミングの調整値が負の値である場合、タイミングの調整方向は、時間軸に対して左へ移動する方向である。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
なお、各ネットワークに対応する参照ネットワークは異なるが、本実施例では、対象ネットワークに対応する参照ネットワークを例にして説明する。
【0042】
本実施例では、各ネットワークの調整値は、算出された各ネットワークおよびミラーネットワークによる移動必要のある距離から、総合的に算出される。調整方向は、調整値の正負によって決められる。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】
【表11】
【0050】
【表12】
【0051】
【表13】
【0052】
【表14】
【0053】
【表15】
【0054】
ステップS104において、サーバは、1つ以上のネットワークのタイミングの調整を同時に処理し、対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいて対応する調整タスクを生成する。各対象ネットワークに対する処理過程において、調整タスクを対象ネットワークにおけるプライマリー基地局に送信することによって、プライマリー基地局とセカンダリー基地局に調整タスクに応じてタイミングを動的に調整させる。
【0055】
本実施例における第1の実施形態では、サーバは、各対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいてそれぞれ、対応する調整タスクを生成するステップは、予め設定された調整回数に基づき、対象ネットワークのタイミングの調整値を複数の単回調整値に分割すること、および、サーバは、タイミングの調整方向および複数の単回調整値に基づいて、それぞれ、複数の調整タスクを生成すること、を含む。
なお、タイミングの調整値を5msと仮定し、予め設定された調整回数を5回と仮定すると、毎回の単回調整値が1msであってもよい。当該調整方向及び当該単回調整値に基づき、複数の単回調整タスクをそれぞれ、生成する。ここで、毎回の単回調整値は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0056】
本実施例における第2の実施形態では、サーバは、各対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいてそれぞれ、対応する調整タスクを生成するステップは、タイミングの調整値および予め設定された単回調整値に基づき、現在の調整回数を決定すること、および、現在の調整回数、タイミングの調整値および予め設定された単回調整値に基づき、複数の調整タスクを生成すること、を含む。
【0057】
なお、予め設定され単回調整値は、毎回に調整される値が一定値である場合、例えば、1msとして予め設定すると、5msのタイミング調整値に対応する現在の調整回数が5回であり、サーバは、現在のスキャン周期の場合、5つの調整タスクを生成して、対応するネットワークに送信することとなっている。例えば、複数の調整タスクを生成した後、同一の調整周期において、基地局に対して複数回も送信してもよい。
本実施例では、サーバは、1つ以上のネットワークに対してタイミング調整を同時に行うことができる。
【0058】
本実施例では、基地局は、サーバから送信された時間調整タスクを受信した後、プライマリー基地局の時間を調整し、それと同時に、プライマリー基地局の調整された同期時間がセカンダリー基地局に一段ずつ伝送され、そうすると、ネットワーク全体の時間は調整されるようになる。
【0059】
本実施例では、サーバは、スキャン周期の長さで干渉スキャンを繰り返して行わせるように基地局を制御するとともに、隣接ネットワーク間のタイミング動的調整を循環して行う。
【0060】
従来技術と比べて、本実施例は、以下のような有益な効果を有する。
本実施例では、各基地局の干渉スキャン結果から、複数の同期ネットワーク間の干渉タイミング関係図を作成し、干渉タイミング関係図に基づいて、各ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値を決定し、各ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいて、それぞれ、対応する調整タスクを生成するとともに、各調整タスクを対応するネットワークにそれぞれ、送信することにより、ネットワークにおけるプライマリー基地局とセカンダリー基地局に、調整タスクに応じてタイミングを動的に調整させる。それにより、ネットワーク間のタイミングが互いに回避できるという目的を達成し、同一の店舗内のネットワークおよび隣接する店舗内のネットワークは、時間的ドリフトの発生により発生します、又は初期的構築時からも存在している、タイミングが重なってしまい、信号が互いに干渉してしまう課題を解決し、同期ネットワークの通信安定性が向上した。
【0061】
図8は、本発明の実施例にかかる別の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法のフローチャートを示す。図8に示されるように、図示されるタイミング動的調整方法には、以下のステップが含まれる。
【0062】
ステップ1において、スキャンタスクを発行する。店舗の初期開店時又は店舗内におけるネットワークが同期状態になってから、サーバは、一定の周期(一般的に32s)ごとに、基地局に対して干渉スキャンタスクを発行する条件を満たすか否かを判断し、満たす場合、サーバは、店舗内における全ての基地局に対して干渉スキャンタスクを発行して、基地局からの干渉スキャン結果の報知を待つ。
【0063】
ステップ2において、基地局は、干渉スキャン結果を報知する。基地局は、サーバから発行された干渉スキャンタスクを受信した後、周囲における基地局をスキャンし、同一の基地局は、複数台の干渉基地局をスキャンした場合がある。基地局は、スキャンされたた全ての基地局が位置する店舗の番号、ネットワーク番号、および基地局のオフセット番号、対象基地局が所属するネットワークと干渉基地局が所属するネットワークとの開始時間の差を報知する。
【0064】
ステップ3において、スキャンの結果を処理する。サーバは、今回基地局から報知された結果を収集して、基地局から報知されたスキャン結果のうち、当該基地局と同一のネットワークに属する基地局を排除して、ネットワーク間の干渉関係を整理し、ネットワーク間における最大干渉基地局のオフセット番号を取得する。図7に示されるように、ネットワーク1(サブネット1)とネットワーク2(サブネット2)における干渉する基地局は、ネットワーク1の番号2の基地局、および、ネットワーク2の1番号の基地局である。報知された時間間隔により、2つのネットワークが同周期での時間軸上の相対的位置を決定することができる。ネットワーク1の調整時間及び方向を計算することを例にすると、ネットワーク2を1つ前の周期にミラーリングする必要があり、且つネットワーク1の番号2の基地局(ネットワーク1の干渉最大の基地局の番号)とネットワーク2との開始時刻の時間差がGAP(一般的に50ms)よりも大きいかを判断し、ネットワーク2のミラーネットワークにおける番号1の基地局(ネットワーク2の干渉最大の基地局の番号)とネットワーク1との開始時刻の時間差がGAPよりも大きいかを判断し、上記二つの判断のいずれか一つの結果が否であれば、調整が必要であると判断する。ここで、同一の店舗におけるネットワーク間の時間調整は同じ方式によって行われる。図9に示されるように、時間調整アルゴリズムにより、各ネットワークにおける調整が必要な時間及び方向を計算し、調整の原則は、ネットワークの起点から干渉ネットワークのミラーネットワークにおける干渉最大基地局番号までの時間間隔をGAPよりも大きくにし、ネットワークにおける干渉最大基地局番号に対応する時間と、干渉ネットワークの開始時間との時間間隔をGAPよりも大きくにする。
【0065】
ステップ4において、調整タスクを発行する。サーバにより算出されたネットワークが調整しようとする調整値および調整方向に基づき、調整タスクを生成して、各ネットワークにおけるプライマリーapに発行し、調整が必要でない場合、調整タスクを発行しない。1周期内において調整タスクの送信回数が複数回であってもよく、毎回には、各ネットワークにおけるプライマリー基地局に対して、最大1msの時間調整タスクを発行し、算出された回数に従って定時送信する。全ての調整タスクが全部、送信された後、次の周期に移行するまで待機している。
【0066】
ステップ5において、基地局の時間調整を行う。プライマリー基地局は、サーバから送信された時間調整タスクを受信した後、プライマリー基地局の時間を調整し、それと同時に、プライマリー基地局の調整された同期時間がセカンダリー基地局に一段ずつ伝送され、そうすると、ネットワーク全体の時間は調整されるようになる。
【0067】
ここで、説明すべきなのは、当該時間調整の方案がネットワークに応用された後、ネットワーク間の相対的な時間差、および、互いにスキャン可能な2つのネットワーク間(即ち、干渉してしまう2ネットワーク間)の時間差を持続的に監視しているので、ネットワーク間の間隔GAP(一般的に50ms)まで時間差を調整することができるとともに、安定的に維持することもでき、ネットワーク間の干渉が大幅に低減され、ネットワークの安定性が大幅に向上し、基地局の脱調現象の発生も低減される。
【0068】
第2態様では、本発明は、電子棚札システムを提供し、電子棚札システムは、上述した同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法により、タイミングの調整を行う。
【0069】
当業者であれば理解できるように、上記実施例における方法の全部または一部を実現するプロセスが、コンピュータプログラムによって関連するハードウェアを制御することで完成してもよく、プログラムが不揮発性コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されるとき、上記各方法を含む実施例のプロセスが含まれてもよい。ここで、本発明にかかる各実施例に用いられるメモリ、記憶媒体、データベース又は他の媒体についての如何なる導入では、不揮発性及び/又は揮発性メモリを含んでもよい。不揮発性メモリとして、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(P ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、又はフラッシュメモリが含まれてもよい。揮発性メモリとして、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は外部高速バッファメモリが含まれてもよい。RAMは、例えば、スタティックRAM(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期化DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、補強型のSDRAM(ESDRAM)、シンクロリンク(Synchlink)DRAM(SLDRAM)、ラムバス(Rambus)直接RAM(RDRAM)、直接ラムバスダイナミックRAM(DRDRAM)、および、ラムバスダイナミックRAM(RDRAM)ような様々な形態で得られてもよいが、上述したものが説明するためのものに過ぎず、限られたものではない。
【0070】
なお、説明すべきなのは、本文では、例えば、「第1」、「第2」のような関係を示す用語は、1つの実体または操作を、別の実体または操作と区別させるために用いられるものに過ぎず、それらの実態または操作の間に、何等かの実際な関係または順序付けが必ず存在することが要求または暗示されたものではない。しかも、「含む」、「包含」という用語又は他の変形は、非排他的な「含む」の意味を意図的にカバーしたものである。そうすると、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または機器は、それらの要素に加えて、明確に挙げられていない他の要素も含み、又は、そのようなプロセス、方法、物品または機器に固有な要素も含むものである。多くの制限がない限り、「……を1つ含む」というセンテンスで限定された要素について、要素を含むプロセス、方法、物品または機器には、他の同様の要素がさらに存在することが排除できない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間タイミング動的調整方法であって、
サーバは、各スキャン周期において、所定の時間長さで干渉スキャンを行わせて、干渉スキャン結果を前記サーバに送信させるように同期ネットワークにおける各基地局を制御するステップと、
前記サーバは、前記同期ネットワークにおける各基地局の干渉スキャン結果に基づいて、隣接ネットワークと対象ネットワークとの干渉タイミング関係図を作成するステップであって、前記干渉スキャン結果は、スキャンされた干渉基地局の番号およびそれが時間軸上の相対的位置を含むステップと、
前記サーバは、前記干渉タイミング関係図における隣接ネットワークの現在のスキャン周期での時間軸上の相対的位置、隣接する1つ以上のネットワークにおける各基地局の番号および干渉基地局間の時間オフセット関係に基づき、対象ネットワークのタイミング調整方向およびタイミング調整値を決定するステップと、
前記サーバは、1つ以上の対象ネットワークのタイミング調整を同時に処理し、前記対象ネットワークのタイミング調整方向及びタイミング調整値に基づいて対応する調整タスクを生成し、各対象ネットワークに対する処理過程において、前記調整タスクを対象ネットワークにおけるプライマリー基地局に送信して、前記プライマリー基地局とセカンダリー基地局に前記調整タスクに応じてタイミングを動的に調整させるステップと、を含む、
ことを特徴とする同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項2】
前記干渉基地局の番号は、店舗の番号、ネットワークの番号、および、所属ネットワークにおける前記基地局のオフセット番号を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項3】
前記対象ネットワークのタイミング調整方向およびタイミング調整値を決定する前に、
前記サーバは、前記干渉タイミング関係図に基づき、前記対象ネットワークと干渉する干渉関係を有する参照ネットワークを取得することと、
前記干渉タイミング関係図に基づき、前記対象ネットワークにおける基地局間の干渉がある干渉関係を有する最大基地局番号を取得することと、
前記サーバは、前記対象ネットワークと対応する参照ネットワークとの現在のスキャン周期での時間軸上の相対的位置関係に基づき、参照ネットワークのミラー方向を決定することと、
前記参照ネットワークのミラー方向に基づき、対応する周期における前記対象ネットワークの参照ネットワークのミラータイミング表を取得することであって、前記ミラータイミング表は、参照ネットワークのミラーネットワークに対応するタイミング表であることと、
前記対象ネットワークの参照ネットワークのタイミング表および対応する周期における参照ネットワークのミラータイミング表に基づき、前記対象ネットワークに対してタイミング調整を行う必要があるか否かを判断することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項4】
前記対象ネットワークの参照ネットワークのタイミング表および対応する周期における参照ネットワークのミラータイミング表に基づき、前記対象ネットワークに対してタイミング調整を行う必要があると判断した場合に、前記対象ネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定するステップは、
前記対象ネットワークの開始時刻、前記対象ネットワークの参照ネットワークの開始時刻 、前記参照ネットワークのミラーネットワークの開始時刻、前記参照ネットワークの最大干渉基地局オフセット番号に対応する時間軸上の時刻、および、前記対象ネットワークの最大干渉基地局オフセット番号に対応する時間軸上の時刻に基づき、対象ネットワークと参照ネットワークとの第1時間差、および、前記対象ネットワークと前記参照ネットワークのミラーネットワークとの第2時間差を決定することと、
予め設定された間隔閾値、前記第1時間差、および、前記第2時間差に基づき、前記参照ネットワークに対する前記対象ネットワークの第1調整値及び前記参照ネットワークのミラーネットワークに対する前記対象ネットワークの第2調整値を決定することと、
前記第1調整値および前記第2調整値に基づき、前記参照ネットワークに対する前記対象ネットワークのタイミングの調整方向およびタイミングの調整値を決定すること、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項5】
前記タイミングの調整値が正の値である場合、前記タイミングの調整方向は、時間軸に対して右へ移動する方向であり、
前記タイミングの調整値が負の値である場合、前記タイミングの調整方向は、時間軸に対して左へ移動する方向である、
ことを特徴とする請求項4に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項6】
前記対象ネットワークは、2つの参照ネットワークを有する場合、以下の数式により、前記対象ネットワークのタイミングの調整値を決定し、
【表1】
ことを特徴とする請求項4に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項7】
以下の数式により、予め設定された間隔閾値、前記第1時間差、および、前記第2時間差に基づき、前記参照ネットワークに対する前記対象ネットワークの第1調整値及び前記参照ネットワークのミラーネットワークに対する前記対象ネットワークの第2調整値を決定し、
【表2】
ことを特徴とする請求項4に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項8】
前記サーバは、前記同期ネットワークにおける各基地局の干渉スキャン結果から、隣接ネットワークと前記対象ネットワークとの干渉タイミング関係図を作成するステップは、
前記サーバは、現在のスキャン周期での時間軸を作成し、前記現在のスキャン周期での時間軸に基づき、現在のスキャン周期における各同期ネットワークに対応するタイミング表を作成することと、
前記サーバは、各基地局の干渉スキャン結果に基づき、全ての干渉スキャン結果のうち、報知を行った基地局と同一のネットワークに属する基地局の情報を排除して、目標干渉スキャン結果を取得することと、
前記サーバは、前記目標干渉スキャン結果から、各タイミング表における対応する基地局の番号と対応する干渉基地局の番号に対して時間オフセット関係を作成して、前記干渉タイミング関係図を生成すること、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項9】
前記サーバは、各前記対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいてそれぞれ、対応する調整タスクを生成するステップは、
予め設定された調整回数に基づき、前記対象ネットワークのタイミングの調整値を複数の単回調整値に分割することと、
前記サーバは、前記タイミングの調整方向および前記複数の単回調整値に基づき、複数の調整タスクをそれぞれ、生成すること、を含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項10】
前記サーバは、各前記対象ネットワークのタイミングの調整方向及びタイミングの調整値に基づいてそれぞれ、対応する調整タスクを生成するステップは、
前記タイミングの調整値および予め設定された単回調整値に基づき、現在の調整回数を取得することと、
前記現在の調整回数、前記タイミング調整値および前記予め設定された単回調整値に基づき、複数の調整タスクを生成して、同一の調整周期において、基地局に対して複数回に分けて送信すること、を含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項11】
前記サーバは、スキャン周期の長さに応じて、基地局が干渉スキャンを行うように繰り返して制御するとともに、隣接ネットワーク間のタイミング動的調整を循環して行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法。
【請求項12】
請求項1~8、11のいずれか1項に記載の同期ネットワーク用の隣接ネットワーク間のタイミング動的調整方法により、タイミングの調整を行う、
ことを特徴とする電子棚札システム。
【国際調査報告】