(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】結合デバイス、及びそれを洗い流すための方法
(51)【国際特許分類】
F17C 13/04 20060101AFI20250204BHJP
F16K 17/30 20060101ALI20250204BHJP
【FI】
F17C13/04 301A
F16K17/30 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535277
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2022082954
(87)【国際公開番号】W WO2023134912
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】コレイロ,ガエタン
(72)【発明者】
【氏名】ビゼル,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ペネック,ヤン
【テーマコード(参考)】
3E172
3H060
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB05
3E172BB12
3E172BB17
3E172EA02
3E172EB02
3E172JA08
3H060AA02
3H060BB03
3H060CC04
3H060DC05
3H060DD02
3H060DD12
3H060DE01
3H060HH07
(57)【要約】
【解決手段】 開示されるのは、極低温流体を輸送するための自動閉鎖緊急結合及び分離デバイスであって、2つの流体輸送パイプ(2、3)であって、長手方向に延在するとともに、各々接続端に、バルブ機構(4、6、8;5、7、9)であって、接続端が分離されるとパイプを自動的に閉鎖するとともに接続端が一緒に結合されるとパイプが開放されることを可能にするように構成されたバルブ機構(4、6、8;5、7、9)を含む2つの流体輸送パイプ(2、3)を含み、デバイス(1)が、外筒(10、11)であって、各輸送パイプ(2、3)の周りに配置されるとともに輸送パイプ(2、3)を断熱するための真空空間の境界を定める外筒(10、11)をさらに含み、デバイス(1)が、結合された接続端間に画定された密封死容積(24)の境界を定めるように構成されるデバイス(1)において、デバイス(1)が死容積(24)を排出するためのシステムを含み、排出システムには死容積(24)に流体接続された流体回路(30、26)が設けられることを特徴とするデバイス(1)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温流体の輸送のための自動閉鎖緊急結合及び解放デバイスであって、2つの流体輸送パイプ(2、3)であって、長手方向に延在するとともに、各々接続端に、バルブ機構(4、6、8;5、7、9)であって、前記接続端が分離されると前記パイプを自動的に閉鎖するとともに前記接続端が結合されると前記パイプを開放するように構成されたバルブ機構(4、6、8;5、7、9)を含む2つの流体輸送パイプ(2、3)を含み、前記デバイス(1)が、外筒(10、11)であって、各輸送パイプ(2、3)の周りに配置されるとともに前記輸送パイプ(2、3)の断熱のための真空下の空間を画定する外筒(10、11)をさらに含み、前記デバイス(1)が、前記結合された接続端間に決められた流体密封死容積(24)の境界を定めるように構成されるデバイス(1)において、前記デバイス(1)が、前記死容積(24)をパージするためのシステムを含み、前記パージシステムが前記死容積(24)に流体接続された流体回路(30、26)を含むことを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項2】
前記パージシステムの前記流体回路が、前記死容積(24)内に通じている端を有する移送パイプ(30)、前記移送パイプ(30)に接続されるとともに前記死容積(24)にガスを供給するように構成された加圧されたパージ及び/又は不活性ガスの少なくとも1つの貯蔵器(31)を含み、前記パージシステムが、前記ガスのための排出手段(32、33)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ガス排出手段(32、33)が、回収ゾーン、例えば大気に接続された通気口(32)、前記死容積(24)を空にするためのシステム、例えば真空ポンプ(33)、ガス分析ユニット(133)、前記死容積(24)内に通じている端を含む流体移送チャネル(26)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が、1つ又は複数のフロー制御バルブ(34)のセット及び/又は1つ又は複数のバルブ(35)、とりわけ1つ又は複数のチェックバルブのセットを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が、前記死容積(24)における決められた閾値を上回る過圧を排出するように構成された安全バルブ(27)を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が圧力センサ(131)及び/又は分光器(133)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記接続端が閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合されると、前記パージシステムが、前記ガス排出手段(32、33)を介して前記死容積(24)をパージするように構成されることを特徴とする、請求項3~6のいずれか一項と潜在的に組み合わされた、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ガス排出手段(32、33)を介した前記死容積(24)のパージ後、前記パージシステムが、前記死容積(24)を前記貯蔵器(31)内の前記ガスからの加圧されたガスで充填し、次いで前記死容積(24)の漏出率及び/又は圧力を測定するように構成されることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記パージシステムが、前記死容積(24)を前記貯蔵器(31)からの不活性ガスで加圧するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記死容積(24)が、前記輸送パイプ(2、3)の前記流体密封結合された接続端と前記流体密封結合された外筒(10、11)との間に位置することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスが各接続端に断熱チャンバ(18、19)を含み、各断熱チャンバ(18、19)の前記容積が、長手方向に延在するとともに横断方向に間を空けて配された管状壁により境界を定められ、前記接続端に位置する各断熱チャンバ(18、19)の前記容積の第1端が開放しており、前記反対側の第2長手方向端が閉鎖されており、前記2つの断熱チャンバ(18、19)の前記開放した第1端が、互いに流体密封接続されるように及び前記接続端が結合されたとき単一の流体密封、閉鎖絶縁容積を形成するように構成され、この絶縁容積が前記死容積(24)の一部を形成する又は前記死容積(24)を構成することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記死容積(24)が1~1000cm
3の容積を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の結合デバイスをパージするための方法であって、
- 接続端を閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合する(101)ステップ、次いで
- 死容積(24)に含まれる加圧されたガスのための排出手段(32、33)を介して通気口の方へ前記死容積(24)をパージする(102)及び/又はガスを前記死容積(24)内へ圧送するステップ、次いで
- 前記死容積(24)をパージガスで充填する(103)ステップ
を含む方法。
【請求項14】
前記パージ及び充填ステップが、前記死容積(24)においていくつかの拡張/圧縮サイクルを実施するために繰り返されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、充填中に前記死容積(24)を決められたレベルに加圧するステップと、前記死容積(24)の密封性を測定する、例えば圧力の測定により及び/又は分光器(133)により漏出率を測定するステップ(104)とを含み、密封性の測定値が閾値より大きい場合、前記流体を移送するためにバルブの前記セットを開放する(105)ことを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~12のいずれか一項に記載の結合デバイスをパージするための方法であって、
- 流体密封結合された接続端のバルブのセットを閉鎖する(108)ステップ、次いで
- 死容積(24)に含まれる加圧されたガスのための排出手段(32、33)を介して通気口の方へ前記死容積(24)をパージする(102)及び/又はガスを前記死容積(24)内へ圧送するステップ、次いで
- 前記死容積(24)の密封性を測定する(104)、例えば圧力測定により及び/又は分光器により漏出率を測定するステップ
を含む方法。
【請求項17】
前記密封性が決められた閾値(109)より大きいとき、前記方法が、
- 前記死容積を換気すること及び/又は前記死容積を不活性ガスで充填することにより前記死容積(24)を不活性化する(110)ステップ、
- 前記接続端を分離する(107)ステップ
を含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記密封性が決められた閾値(1119)未満であるとき、前記方法が、
- 前記密封性について修正措置をとる(120)ステップ、次いで
- 前記死容積(24)を換気すること及び/又は前記死容積(24)を不活性ガス、例えばヘリウムで充填することにより前記死容積(24)を不活性化する(110)ステップ、次いで
- 前記接続端を分離する(111)ステップ
を含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記死容積(24)が前記輸送パイプ(2、3)において輸送されることを意図された極低温流体と同じ性質のパージガスで充填され、例えば輸送される前記極低温流体が液体水素であるとき、前記パージガスが水素ガスであることを特徴とする、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合デバイス及び結合デバイスをパージするための方法に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、極低温流体の輸送のための自動閉鎖緊急結合及び解放デバイスであって、長手方向に延在するとともに各々を含む、接続端に、接続端が分離されるとパイプを自動的に閉鎖するとともに接続端が結合されるとパイプを開放するように構成されたバルブ機構を含む2つの流体輸送パイプを含み、デバイスが、外筒であって、各輸送パイプの周りに配置されるとともに輸送パイプの断熱のための真空下の空間を画定する外筒をさらに含み、デバイスが、結合された接続端間に決められた流体密封死容積の境界を定めるように構成される、極低温流体の輸送のための自動閉鎖緊急結合及び解放デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
異なるタイプの接続が極低温流体を移送するために使用され得る。
【0004】
遮断手段無し、すなわちバルブ(例えば「ジョンストン」タイプのもの)無しで接続される部分の場合、ラインは、流体の純度を低下させることも危険な混合物を作り出すこともしないように、又は、(液化若しくは凝固する傾向がある)望ましくない流体を堆積させることもないように、流体の移送が実施される前にパージされなければならない。例えば米国特許出願公開第20090261578A1号明細書を参照。
【0005】
これらの問題及びまた流体損失のリスクを克服するために、2つの別個のライン部分を、それらが分離されたときに、流体密封させるバルブが設けられた迅速結合デバイスを使用することが知られている。
【0006】
これらのデバイスは、流体密封結合がもたらされたときに2つの端間のいずれの空間も管理しなければならない。ラインをパージする必要性は少なくなることも無くなることもあり得るが、しかしながら、冷間接続/分離のための(自動)閉鎖コネクタの使用は、接続と流体移動の開始との間の時間的な近接を原因として追加的な問題を呈する傾向がある。具体的には、バルブ機構は、それらの使用中冷たいままとなり得、したがって氷が堆積し得る。これは、妨害物(接続/分離の不可能性)、漏れ(非流体密封バルブ)又は安全問題を生じ得る。
【0007】
さらに、バルブ機構は漏れ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明のねらいは、上で挙げられた先行技術の欠点の全て又は一部を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、通常は上記前提部において与えられたその一般的な定義に従う本発明によるデバイスは本質的に、デバイスが死容積をパージするためのシステムを含み、パージシステムが前記死容積に流体接続された流体回路を含むことを特徴とする。
【0010】
さらに本発明の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を有し得る、すなわち、
- パージシステムの流体回路は、死容積内に通じている端を有する移送パイプ、移送パイプに接続されるとともに死容積にガスを供給するように構成された加圧されたパージ及び/又は不活性ガスの少なくとも1つの貯蔵器を含み、パージシステムは、ガスのための排出手段を含む、
- ガス排出手段は、回収ゾーン、例えば大気に接続された通気口、死容積を空にするためのシステム、例えば真空ポンプ、ガス分析ユニット、前記死容積内に通じている端を含む流体移送チャネルのうちの少なくとも1つを含む、
- パージシステムの流体回路は、1つ又は複数のフロー制御バルブのセット及び/又は1つ又は複数のバルブ、とりわけ1つ又は複数のチェックバルブのセットを含む、
- パージシステムの流体回路は、死容積における決められた閾値を上回る過圧を排出するように構成された安全バルブを含む、
- パージシステムの流体回路は圧力センサ及び/又は分光器を含む、
- 接続端が閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合されると、パージシステムは、ガス排出手段を介して死容積をパージするように構成される、
- ガス排出手段を介した死容積のパージ後、パージシステムは、死容積を貯蔵器内のガスからの加圧されたガスで充填し、次いで死容積の漏出率及び/又は圧力を測定するように構成される、
- パージシステムは、死容積を貯蔵器からの不活性ガスで加圧するように構成される、
- 死容積は、輸送パイプの流体密封結合された接続端と流体密封結合された外筒との間に位置する、
- デバイスは各接続端に断熱チャンバを含み、各断熱チャンバの容積は、長手方向に延在するとともに横断方向に間を空けて配された管状壁により境界を定められ、接続端に位置する各断熱チャンバの容積の第1端は開放しており、反対側の第2長手方向端は閉鎖されており、2つの断熱チャンバの開放した第1端が、互いに流体密封接続されるように及び接続端が結合されたとき単一の流体密封閉鎖絶縁容積を形成するように構成され、この絶縁容積が死容積の一部を形成する又は死容積を構成する、
- 死容積は1~1000cm3の容積を有する、
- バルブ機構は、戻し部材により拠点に対して閉位置に向かって付勢されたバルブを含む、
- 接続端が結合されたとき、2つの外筒の端は流体密封接続され、2つの輸送パイプの端は流体密封接続される、
- 2つの輸送パイプのバルブの終端は、決められた相対的長手方向位置において接続端が結合されたとき、戻し部材と逆に、互いに接触するとともに互いを機械的に押し戻してそれぞれのシートから出すように構成される、
- 2つの輸送パイプのうちの一方のバルブ機構は、2つの輸送パイプの接合位置において一方の接続端が他方の接続端に入る雄/雌システムを形成するように、他のバルブ機構がそのチューブ内に凹むよりも比較的多く凹むように、その外筒内部に格納される、
- 外筒と輸送パイプとの間の真空下の空間は多層断熱体、「MLI」を含む、
- 2つの接続端の分離位置から結合位置へ移行するとき、バルブ機構は第1構成から第2構成へ順次移行するように構成され、第1構成において、接続端は流体密封接触しており2つのバルブ機構は閉鎖されており、第2構成において、接続端は流体密封接触しておりバルブ機構は相互作動により開放される、
- 第1構成(閉鎖されたバルブ機構)から第2構成(開放されたバルブ機構)への移行は、例えば手動で及び/又は制御部材の制御下での、2つの流体輸送パイプの互いに向かっての相対的移動及び/又は互いに向かっての2つのバルブ機構の相対的移動によりもたらされ得る、
- 2つのバルブ機構を開放するステップの前に、シーケンスは、2つの接続端が外側に対して流体密封結合されるとともに2つのバルブ機構が閉位置にある安定的中間構成を有することができ、2つのバルブ機構を開放するステップは、2つの流体輸送パイプの互いに向かっての追加的な相対的移動及び/又は2つのバルブ機構の少なくとも一部の相対的移動を介してもたらされる、
- 2つのバルブ機構の閉鎖は、2つの流体輸送パイプの互いから離れる相対的移動及び/又は2つのバルブ機構の少なくとも一部の相対的移動を介して得られ得、この閉鎖の後には2つの接続端を分離するステップが続き得る、
- 2つのバルブ機構を閉鎖するステップと分離ステップとの間に、デバイスは、2つの接続端が外側に対して流体密封結合されたままであるとともに2つのバルブ機構が閉位置にある安定的中間構成を通過することができ、2つのバルブ機構を閉鎖するステップは2つの流体輸送パイプの互いから離れる追加的な相対的移動及び/又は2つのバルブ機構の少なくとも一部の相対的移動を介してもたらされ得る、
- 結合方法は、2つの接続端を互いに向かって移動させるステップであって、2つの接続端が外側に対して流体密封結合されたステップ、2つのバルブ機構を接触させるステップ、2つのバルブ機構を開放するステップ、及び極低温流体をあるパイプから他のパイプへ循環させるステップを含み得る。
【0011】
本発明はまた、以下のステップ、すなわち、
- 接続端を閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合し、したがって死容積を形成するステップ、次いで
- 死容積に含まれる加圧されたガスのための排出手段を介して通気口の方へ死容積をパージする及び/又はガスを死容積内へ圧送するステップ、次いで
- 死容積をパージガスで充填するステップ
を含む、上記又は下記の特徴の任意の1つにより結合デバイスをパージするための方法に関する。
【0012】
他の可能な特定の特徴によると、
- パージ及び充填ステップは、死容積においていくつかの拡張/圧縮サイクルを実施するために繰り返される、
- 方法は、充填中に死容積を決められたレベルに加圧するステップと、死容積の密封性を測定する、例えば圧力の測定により及び/又は分光器により漏出率を測定するステップとを含む。
【0013】
本発明はまた、以下のステップを含む、上記又は下記の特徴の任意の1つにより結合デバイスをパージするための方法に関する、すなわち、
- 流体密封結合された接続端のバルブのセットを閉鎖するステップ、次いで
- 死容積に含まれる加圧されたガスのための排出手段を介して通気口の方へ死容積をパージする及び/又はガスを死容積内に圧送するステップ、次いで
- 死容積の密封性を測定する、例えば圧力測定により及び/又は分光器により漏出率を測定するステップ。
【0014】
密封性の測定値が閾値より大きい場合、バルブのセットは、流体を移動させるために開放され得る。
【0015】
他の可能な特定の特徴によると、
- 密封性が決められた閾値より大きいとき、方法は、以下のステップ、すなわち、死容積を換気すること及び/又は死容積を不活性ガスで充填することにより死容積を不活性化するステップ、接続端を分離するステップを含む、
- 密封性が決められた閾値未満である場合、方法は、以下のステップ、すなわち、密封性のための修正措置をとるステップ、並びに次いで死容積を換気すること及び/又は死容積を不活性ガス、例えばヘリウムで充填することにより死容積を不活性化するステップ、次いで接続端を分離するステップを含む、
- 死容積は、輸送パイプにおいて輸送されることを意図された極低温流体と同じ性質のパージガスで充填され、例えば輸送される極低温流体が液体水素であるとき、パージガスは水素ガスである。
【0016】
本発明はまた、クレームの範囲内の上記又は下記の特徴の任意の組合せを含む、任意の代替的なデバイス又は方法に関し得る。
【0017】
さらなる特定の特徴及び利点が、図面を参照して提供された以下の説明を読むと明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1実施形態によるデバイスの構造及び動作の一例を、単純化した形で示す概略部分図を示す。
【
図2】
図2は、第2実施形態によるデバイスの構造及び動作の一例を、単純化した形で示す概略部分図を示す。
【
図3】
図3は、第3実施形態によるデバイスの構造及び動作の一例を、単純化した形で示す概略部分図を示す。
【
図4】
図4は、第4実施形態によるデバイスの構造及び動作の一例を示す長手方向断面における概略部分図を示す。
【
図5】
図5は、第5実施形態によるデバイスの構造及び動作の一例を示す長手方向断面における概略部分図を示す。
【
図6】
図6は、そのようなデバイスをパージ及び結合するための動作の一例を示す概略部分図を示す。
【
図7】
図7は、そのようなデバイスをパージ及び分離するための動作の一例を示す概略部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[
図4]及び[
図5]は各々、極低温流体の輸送のための自動閉鎖結合及び解放デバイス1の例を説明する。
【0020】
デバイス1は、2つの流体輸送パイプ2、3であって、長手方向に延在するとともに各々、接続端に、接続端が分離されるとパイプを自動的に閉鎖(自動閉鎖)するように及び接続端が結合されるとパイプを(自動的に又は制御されたやり方で)開放するように構成されたバルブ機構4、6、8;5、7、9を含む、2つの流体輸送パイプ2、3を含む。
【0021】
デバイス1は、外筒10、11であって、各輸送パイプ2、3の周りに配置されるとともに輸送パイプ2、3の断熱のための空間の境界を定める外筒10、11をさらに含む。チューブ10、11は、輸送パイプ2、3の周りに、好ましくは真空下で断熱された空間の境界を定める。外筒10、11と輸送パイプ2、3との間の真空下のこの空間は、例えば多層断熱体、「MLI」を含む。
【0022】
デバイス1は、接続端間に、それらが結合されると、決められた流体密封死容積24の境界を定めるように構成される。
【0023】
死容積24は好ましくは、輸送パイプ2、3の流体密封結合された接続端と外筒10、11の流体密封結合された端との間に位置する。この死容積24は、例えば、1~500cm3の容積を有し得る。この死容積は、接続中のガス及び/又はバルブ機構での漏れが生じた場合の流体を捕捉し得る。
【0024】
デバイス1は、死容積24をパージするためのシステムを含み、そのいくつかの変形形態が以下で説明される。パージシステムは特に、前記死容積24に流体接続された流体回路30、26を含む。
【0025】
概略的に示されるとおり、パージシステムの流体回路は、死容積24内に通じている端を有する移送パイプ30と、移送パイプ30に接続されるとともに死容積24にガスを供給するように構成された加圧されたパージ及び/又は不活性ガスの少なくとも1つの貯蔵器31とを含んでもよく、パージシステムはガスのための排出手段32、33を含む。
【0026】
ガス排出手段32、33は、回収ゾーン、例えば大気に接続された通気口32、死容積24を空にするためのシステム、例えば真空ポンプ、ガス分析ユニット133、前記死容積24内に通じている端を含む流体移送チャネル26のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0027】
パージシステムの流体回路30、26は好ましくは、1つ又は複数のフロー制御バルブ34のセット及び/又は1つ又は複数のバルブ35、とりわけ1つ又は複数のチェックバルブのセットをさらに含む。
【0028】
[
図1]に概略的に示された例において、パージガスの貯蔵器31及び通気口32(又は真空ポンプ)は、各ラインにおいて直列に配置されたそれぞれのフロー制御バルブ34及びチェックバルブを介して、死容積4に並列に接続される。
【0029】
図示のとおり、例えば移送パイプ30(2つの並列な枝部に共通の部分)における圧力を測定するために、圧力センサ131が回路において提供されてもよい。
【0030】
[
図2]において概略的に示された例において、回路は、6つの枝部であって、(好ましくはそれぞれのフロー制御バルブ34及びそれぞれのチェックバルブ35を介して)死容積24に接続された移送パイプ30の端に並列に接続された6つの枝部を含む。(非限定的な例示的な図において上から下へ)最初の5つの枝部は、それぞれ、パージガスの貯蔵器31、不活性ガスの貯蔵器31、通気口32、真空ポンプ33、分光器(漏出率のより厳密な監視を可能にする)を含み得る。第6の枝状部は、決められた過圧を排出するように構成された安全バルブ27を含み得る(これにより回路及び死容積24における異常な過圧を回避することが可能になる)。当然のことながら、別の変形形態において、並列なこれらの枝部の1つ又は複数は省略され得る。図示のとおり、回路における、例えば移送パイプ30(2つの並列な枝部に共通の部分)における圧力(及び/又は温度)を測定するために圧力及び/又は温度センサ131が提供され得る。
【0031】
[
図3]において概略的に示された例において、デバイス1は2つの死容積24、124を含む。これらの2つの死容積24、124は、同じ接続デバイスに属してもそれぞれ2つの別個の接続デバイスに属してもよい。例えば、2つの死容積はそれぞれ、2つのパイプを結合するためのシステムに及び別の結合システムに属する。2つの死容積24、124は、いくつか(本例においては5つ)の枝部が並列に接続された共通のライン130に(それぞれのフロー制御バルブ34を介して)並列に接続され得る。枝部は、直列のフロー制御バルブ34及びチェックバルブ35及びそれぞれ:パージガスの貯蔵器31、不活性ガスの貯蔵器31、通気口32、真空ポンプ33、分光器(安全バルブが提供され得る)を含み得る。
【0032】
したがって、接続端が閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合されると、パージシステムは、ガス排出手段32、33(例えば真空ポンプ)を介して死容積24をパージするように構成され得る。
【0033】
さらに、ガス排出手段32、33を介した死容積24のパージ後、パージシステムは、死容積24を貯蔵器31内のガスからの加圧されたガスで充填し、次いで死容積24の漏出率及び/又は圧力を測定するように構成され得る。
【0034】
パージシステムは、死容積24を貯蔵器31からの不活性ガスで加圧するように構成され得る。
【0035】
例えば、2つの輸送パイプ2、3の結合100中、以下のシーケンスが実施され得る([
図6]を参照)、すなわち、
- バルブのセットにより依然として閉鎖されたままである2つの端を流体密封接続し101、したがって死容積24を形成する、
- 死容積24をパージする102、このパージは単純な通気口により(死容積の換気)及び/又は真空ポンプ又は他のポンプを介して圧送することにより実施され得る、
- 死容積24をパージガスで充填する103。このパージガスは好ましくは、輸送パイプ2、3を通じて輸送される流体と同じ性質のものである(例えば、輸送されている流体が液体水素である場合は水素ガス)。パージ圧の値もまた好ましくはラインの最低圧力(輸送パイプを遮断するバルブのセットのバルブの下流)を超えない。
- 死容積を加圧し104、接続部での漏れを測定する。この漏れの測定は、圧力センサ131を使用して、値を閾値限界と比較する及び/又は分光器133を使用することにより実施されてもよく、漏れが適合している(正しい密封性)場合、
- バルブのセットを開放する105、
- 流体の移送106が安全なやり方で有効となる。
【0036】
漏れが適合していない場合、密封性のための修正措置が104と105との間に提供されることに留意されたい。
【0037】
回路及び死容積24においていくつかの拡張/圧縮サイクルを実施するために、パージする102及び充填する103ステップは繰り返され得ることに留意されたい。
【0038】
(流体の移送後に)2つの輸送パイプ2、3を分離する107ために、以下のシーケンスが実施され得る([
図7]を参照)、すなわち、
- バルブのセットを閉鎖する108、
- 死容積24をパージする102、このパージは、単純な通気口(死容積の換気)により及び/又は真空ポンプを介して圧送することにより実施され得る、
- 接続部での漏れを測定/検出する104(バルブでの漏れを測定する)。この漏れの測定は、圧力センサ131を使用して、値を閾値限界と比較することにより及び/又は分光器133を使用して実施され得る、
- 異常な漏れが検出されない109場合、
- 死容積24を不活性化する110。この不活化は、死容積24の換気を介して及び/又は死容積24を不活性ガスで充填することにより実施され得る。特定の場合において、(大気又は乾燥空気での)換気は十分であり得る。輸送される流体が水素である場合、不活性ガスは好ましくはヘリウムである(爆発又は凍結リスクを回避するため)、
- 2つのパイプ端は完全に安全に分離され得る111。
【0039】
しかしながら、漏れを検出するステップが許容できない漏れがある119と結論する場合、方法は、好ましくは、修正措置、例えばバルブの適切な閉鎖の検証/修正を含む。この修正ステップ120の後、不活性化110、次いで、上述のとおり、分離(又は切断)107が実施され得る。これは、結合中も同じであり得る。
【0040】
したがって、デバイス及びその使用により、極低温流体を移動させるために2つの存在物を接続するためのデバイスの死容積24のパージの管理が可能になる。
【0041】
本発明は、したがって、バルブを開放する前の接続の密封性の監視並びにそれらの閉鎖の後及び分離111の前のバルブの密封性の監視を可能にする。
【0042】
本発明は、死容積、とりわけ1~1000cm3、とりわけ10~500cm3及び特に50~200cm3の死容積を有する任意の結合デバイスに適用され得る。
【0043】
[
図4]及び[
図5]は、結合デバイス1の2つの非限定的な例を示す。
【0044】
図示のとおり、バルブ機構4、6、8;5、7、9は各端に、戻し部材8、9、例えばばねにより拠点6、7に対して閉位置に向かって付勢されたバルブ4、5を含み得る。
【0045】
端は、(例えばシャフト20を介して取付られた)フランジ14、15、16、17のセット及び/又は輸送パイプ2、3の端及び外筒10、11の端を流体密封接続するように構成されたシール25、28、29、114、115を含み得る。
【0046】
2つの輸送パイプ2、3のバルブ4、5の終端は、決められた相対的長手方向位置において接続端が結合されたとき、戻し部材5、9と逆に、互いに接触するとともに互いを機械的に押し戻してそれぞれのシートから出すように構成され得る。
【0047】
[
図4]に示されるとおり、2つの輸送パイプ2の一方のバルブ機構4、6、8は、2つの輸送パイプ2、3の接合位置において一方の接続端が他方の接続端に入る雄/雌システムを形成するように、他方のバルブ機構5、7、9がそのチューブ11内に凹むよりも比較的多く凹むように、その外筒10内部に格納され得る。
【0048】
2つの接続端の分離位置から結合位置へ移行するとき、バルブ機構は、第1構成から第2構成へ順次移行するように構成され得、第1構成において、接続端は流体密封接触しており2つのバルブ機構は閉鎖されており、第2構成において、接続端は流体密封接触しておりバルブ機構は相互作動により開放される。
【0049】
第1構成(バルブ機構が閉鎖)から第2構成(バルブ機構が開放)への移行は、例えば手動での及び/又は制御部材の制御下での、2つの流体輸送パイプ2、3の互いに向かっての相対的移動及び/又は2つのバルブ機構4、6、8、5、7、9の互いに向かっての相対的移動によりもたらされ得る。
【0050】
[
図4]における例において、2つのパイプのうちの第1のもの3の接続端は、外筒11に固定されたシーリングリング112を含む。
【0051】
シーリングリング112は、2つの接続端が結合されたときに2つの接続端間の外側に対する密封性を確実にするように構成された1つ又は複数のシール114、115のセットを含む。このシーリングリング112は、例えば、第1、閉鎖構成から第2、開放構成への移行の間、2つの別個の位置間で外筒111に対して長手方向に並進可能となるように取り付けられる。
【0052】
デバイスは、好ましくは、シーリングリング112をその第1位置に向かって付勢する戻し部材113、例えばばね、とりわけ圧縮ばねを含む。
【0053】
シーリングリング112は、シーリングリング112が固定されたチューブ11と密閉式に協働する少なくとも1つのシール115(及び好ましくは少なくとも2つのシール115)が設けられた内面を含む。
【0054】
シーリングリング112は、終端面又は端であって、結合位置において他方の接続端に当接することを意図された終端面又は端をさらに含む。この終端面には、好ましくは、2つの接続端が結合されたときに他方の接続端と密閉式に協働することを意図された少なくとも1つのシール114が設けられる。
【0055】
したがって、シーリングリング112は、2つの結合された接続端間の(シール114、115での)流体密封接続を生じる(又はこれに寄与する)とともに、開放を誘発する又はしないために、バルブの2つのセットの互いに向かっての追加的な相対的移動を可能にする又は可能にしない。
【0056】
したがって、2つのバルブ機構4、6、8、5、7、9の開放前に、2つの接続端が外側に対して流体密封結合されるとともに2つのバルブ機構4、6、8、5、7、9が閉位置にある安定的中間構成も可能である。2つのバルブ機構4、6、8、5、7、9を開放するステップは、2つの流体輸送パイプ2、3の追加的な互いに向かっての相対的移動及び/又は2つのバルブ機構の少なくとも一部の相対的移動を介して実施され得る。2つのバルブ機構4、6、8、5、7、9の閉鎖は、2つの流体輸送パイプ2、3の互いから離れる相対的移動及び/又は2つのバルブ機構の少なくとも一部の相対的移動により得られ得る。
【0057】
これは、2つのバルブ機構4、6、8、5、7、9を閉鎖するステップと分離ステップとの間に、デバイスは、2つの接続端が外側に対して流体密封結合されるとともに2つのバルブ機構4、6、8、5、7、9が閉位置にある安定的中間構成を通過し得ることを意味する。パージ動作及び他の動作がこの構成において実施され得る。
【0058】
2つのバルブ機構4、6、8、5、7、9を閉鎖するステップは、2つの流体輸送パイプ2、3の互いからの追加的な相対的移動及び/又は2つのバルブ機構の少なくとも一部の相対的移動を介して実施され得る。
【0059】
[
図5]における実施形態において、デバイス1は各接続端に断熱チャンバ18、19を含む。各断熱チャンバ18、19の容積は、長手方向に延在するとともに横断方向に間を空けて配された管状壁12、13により境界を定められる。接続端に位置する各断熱チャンバ18、19の容積の第1端は開放されており、反対側の第2長手方向端は閉鎖されている。2つの断熱チャンバ18、19の開放した第1端は、互いに流体密封接続されるように及び接続端が結合されたとき単一の流体密封閉鎖絶縁容積を形成するように構成される。この絶縁容積は前述の死容積24の一部を形成する又は前述の死容積24の全て又は一部を構成し得る。
【0060】
当然のことながら、本発明は上述の例に限定されない。
【0061】
したがって、パージシステムは、デバイスの端の一方に(例えば、そのような形状の場合における雄又は雌端に)位置するパージラインを含み得る。
【0062】
さらに、パージシステムの全体又は一部は、接続端から、1つ又は複数のチューブ/毛細血管状部又はパイプ(例えば、1又は複数メートルの距離)を介してある距離のところに位置し得る。
【0063】
上で言及したとおり、温度センサ131が提供されてもよく、その測定により、バルブのセットの閉鎖を引き起こすために、漏れを示す過度に低い温度を検出することを可能にし得る。
【0064】
本解決策には数多くの利点がある、すなわち、これはバルブを開放する前の死容積24の単純で有効なパージを可能にする。これは、汚染物質の侵入及びそれらの内部の精密な部分への積層を制限する(とりわけ霜/氷)。デバイス及びその使用は、バルブを開放する前の接続の密封性の監視を可能にする。これは、危険であり得る外側への漏れを回避することを可能にする。さらに、システムは、それらバルブの閉鎖後及び端を分離する前のバルブの密封性の監視を可能にする。
【0065】
本デバイスは、したがって、デバイスが希ガス又は危険な気体を移動させるのに特に有利である。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温流体の輸送のための自動閉鎖緊急結合及び解放デバイスであって、2つの流体輸送パイプ(2、3)であって、長手方向に延在するとともに、各々接続端に、バルブ機構(4、6、8;5、7、9)であって、前記接続端が分離されると前記パイプを自動的に閉鎖するとともに前記接続端が結合されると前記パイプを開放するように構成されたバルブ機構(4、6、8;5、7、9)を含む2つの流体輸送パイプ(2、3)を含み、前記デバイス(1)が、外筒(10、11)であって、各輸送パイプ(2、3)の周りに配置されるとともに前記輸送パイプ(2、3)の断熱のための真空下の空間を画定する外筒(10、11)をさらに含み、前記デバイス(1)が、前記結合された接続端間に決められた流体密封死容積(24)の境界を定めるように構成されるデバイス(1)において、前記デバイス(1)が、前記死容積(24)をパージするためのシステムを含み、前記パージシステムが前記死容積(24)に流体接続された流体回路(30、26)を含むことを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項2】
前記パージシステムの前記流体回路が、前記死容積(24)内に通じている端を有する移送パイプ(30)、前記移送パイプ(30)に接続されるとともに前記死容積(24)にガスを供給するように構成された加圧されたパージ及び/又は不活性ガスの少なくとも1つの貯蔵器(31)を含み、前記パージシステムが、前記ガスのための排出手段(32、33)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ガス排出手段(32、33)が、回収ゾーン、例えば大気に接続された通気口(32)、前記死容積(24)を空にするためのシステム、例えば真空ポンプ(33)、ガス分析ユニット(133)、前記死容積(24)内に通じている端を含む流体移送チャネル(26)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が、1つ又は複数のフロー制御バルブ(34)のセット及び/又は1つ又は複数のバルブ(35)、とりわけ1つ又は複数のチェックバルブのセットを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が、前記死容積(24)における決められた閾値を上回る過圧を排出するように構成された安全バルブ(27)を含むことを特徴とする、請求項1~
3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が圧力センサ(131)及び/又は分光器(133)を含むことを特徴とする、請求項1~
3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記接続端が閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合されると、前記パージシステムが、前記ガス排出手段(32、33)を介して前記死容積(24)をパージするように構成されることを特徴とする
、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ガス排出手段(32、33)を介した前記死容積(24)のパージ後、前記パージシステムが、前記死容積(24)を前記貯蔵器(31)内の前記ガスからの加圧されたガスで充填し、次いで前記死容積(24)の漏出率及び/又は圧力を測定するように構成されることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記パージシステムが、前記死容積(24)を前記貯蔵器(31)からの不活性ガスで加圧するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記死容積(24)が、前記輸送パイプ(2、3)の前記流体密封結合された接続端と前記流体密封結合された外筒(10、11)との間に位置することを特徴とする、請求項1~
3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスが各接続端に断熱チャンバ(18、19)を含み、各断熱チャンバ(18、19)の前記容積が、長手方向に延在するとともに横断方向に間を空けて配された管状壁により境界を定められ、前記接続端に位置する各断熱チャンバ(18、19)の前記容積の第1端が開放しており、前記反対側の第2長手方向端が閉鎖されており、前記2つの断熱チャンバ(18、19)の前記開放した第1端が、互いに流体密封接続されるように及び前記接続端が結合されたとき単一の流体密封、閉鎖絶縁容積を形成するように構成され、この絶縁容積が前記死容積(24)の一部を形成する又は前記死容積(24)を構成することを特徴とする、請求項1~
3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記死容積(24)が1~1000cm
3の容積を有することを特徴とする、請求項1~
3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の結合デバイスをパージするための方法であって、
- 接続端を閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合する(101)ステップ、次いで
- 死容積(24)に含まれる加圧されたガスのための排出手段(32、33)を介して通気口の方へ前記死容積(24)をパージする(102)及び/又はガスを前記死容積(24)内へ圧送するステップ、次いで
- 前記死容積(24)をパージガスで充填する(103)ステップ
を含む方法。
【請求項14】
前記パージ及び充填ステップが、前記死容積(24)においていくつかの拡張/圧縮サイクルを実施するために繰り返されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、充填中に前記死容積(24)を決められたレベルに加圧するステップと、前記死容積(24)の密封性を測定する、例えば圧力の測定により及び/又は分光器(133)により漏出率を測定するステップ(104)とを含み、密封性の測定値が閾値より大きい場合、前記流体を移送するためにバルブの前記セットを開放する(105)ことを特徴とする、請求項1
3に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の結合デバイスをパージするための方法であって、
- 流体密封結合された接続端のバルブのセットを閉鎖する(108)ステップ、次いで
- 死容積(24)に含まれる加圧されたガスのための排出手段(32、33)を介して通気口の方へ前記死容積(24)をパージする(102)及び/又はガスを前記死容積(24)内へ圧送するステップ、次いで
- 前記死容積(24)の密封性を測定する(104)、例えば圧力測定により及び/又は分光器により漏出率を測定するステップ
を含む方法。
【請求項17】
前記密封性が決められた閾値(109)より大きいとき、前記方法が、
- 前記死容積を換気すること及び/又は前記死容積を不活性ガスで充填することにより前記死容積(24)を不活性化する(110)ステップ、
- 前記接続端を分離する(107)ステップ
を含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記密封性が決められた閾値(1119)未満であるとき、前記方法が、
- 前記密封性について修正措置をとる(120)ステップ、次いで
- 前記死容積(24)を換気すること及び/又は前記死容積(24)を不活性ガス、例えばヘリウムで充填することにより前記死容積(24)を不活性化する(110)ステップ、次いで
- 前記接続端を分離する(111)ステップ
を含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記死容積(24)が前記輸送パイプ(2、3)において輸送されることを意図された極低温流体と同じ性質のパージガスで充填され、例えば輸送される前記極低温流体が液体水素であるとき、前記パージガスが水素ガスであることを特徴とする、請求項1
3に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
本デバイスは、したがって、デバイスが希ガス又は危険な気体を移動させるのに特に有利である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 極低温流体の輸送のための自動閉鎖緊急結合及び解放デバイスであって、2つの流体輸送パイプ(2、3)であって、長手方向に延在するとともに、各々接続端に、バルブ機構(4、6、8;5、7、9)であって、前記接続端が分離されると前記パイプを自動的に閉鎖するとともに前記接続端が結合されると前記パイプを開放するように構成されたバルブ機構(4、6、8;5、7、9)を含む2つの流体輸送パイプ(2、3)を含み、前記デバイス(1)が、外筒(10、11)であって、各輸送パイプ(2、3)の周りに配置されるとともに前記輸送パイプ(2、3)の断熱のための真空下の空間を画定する外筒(10、11)をさらに含み、前記デバイス(1)が、前記結合された接続端間に決められた流体密封死容積(24)の境界を定めるように構成されるデバイス(1)において、前記デバイス(1)が、前記死容積(24)をパージするためのシステムを含み、前記パージシステムが前記死容積(24)に流体接続された流体回路(30、26)を含むことを特徴とする、デバイス(1)。
[2] 前記パージシステムの前記流体回路が、前記死容積(24)内に通じている端を有する移送パイプ(30)、前記移送パイプ(30)に接続されるとともに前記死容積(24)にガスを供給するように構成された加圧されたパージ及び/又は不活性ガスの少なくとも1つの貯蔵器(31)を含み、前記パージシステムが、前記ガスのための排出手段(32、33)を含むことを特徴とする、[1]に記載のデバイス。
[3] 前記ガス排出手段(32、33)が、回収ゾーン、例えば大気に接続された通気口(32)、前記死容積(24)を空にするためのシステム、例えば真空ポンプ(33)、ガス分析ユニット(133)、前記死容積(24)内に通じている端を含む流体移送チャネル(26)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、[2]に記載のデバイス。
[4] 前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が、1つ又は複数のフロー制御バルブ(34)のセット及び/又は1つ又は複数のバルブ(35)、とりわけ1つ又は複数のチェックバルブのセットを含むことを特徴とする、[1]~[3]のいずれか一項に記載のデバイス。
[5] 前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が、前記死容積(24)における決められた閾値を上回る過圧を排出するように構成された安全バルブ(27)を含むことを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一項に記載のデバイス。
[6] 前記パージシステムの前記流体回路(30、26)が圧力センサ(131)及び/又は分光器(133)を含むことを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載のデバイス。
[7] 前記接続端が閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合されると、前記パージシステムが、前記ガス排出手段(32、33)を介して前記死容積(24)をパージするように構成されることを特徴とする、[3]~[6]のいずれか一項と潜在的に組み合わされた、[2]に記載のデバイス。
[8] 前記ガス排出手段(32、33)を介した前記死容積(24)のパージ後、前記パージシステムが、前記死容積(24)を前記貯蔵器(31)内の前記ガスからの加圧されたガスで充填し、次いで前記死容積(24)の漏出率及び/又は圧力を測定するように構成されることを特徴とする、[7]に記載のデバイス。
[9] 前記パージシステムが、前記死容積(24)を前記貯蔵器(31)からの不活性ガスで加圧するように構成されることを特徴とする、[8]に記載のデバイス。
[10] 前記死容積(24)が、前記輸送パイプ(2、3)の前記流体密封結合された接続端と前記流体密封結合された外筒(10、11)との間に位置することを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載のデバイス。
[11] 前記デバイスが各接続端に断熱チャンバ(18、19)を含み、各断熱チャンバ(18、19)の前記容積が、長手方向に延在するとともに横断方向に間を空けて配された管状壁により境界を定められ、前記接続端に位置する各断熱チャンバ(18、19)の前記容積の第1端が開放しており、前記反対側の第2長手方向端が閉鎖されており、前記2つの断熱チャンバ(18、19)の前記開放した第1端が、互いに流体密封接続されるように及び前記接続端が結合されたとき単一の流体密封、閉鎖絶縁容積を形成するように構成され、この絶縁容積が前記死容積(24)の一部を形成する又は前記死容積(24)を構成することを特徴とする、[1]~[10]のいずれか一項に記載のデバイス。
[12] 前記死容積(24)が1~1000cm
3
の容積を有することを特徴とする、[1]~[11]のいずれか一項に記載のデバイス。
[13] [1]~[12]のいずれか一項に記載の結合デバイスをパージするための方法であって、
- 接続端を閉鎖されたバルブのセットと流体密封結合する(101)ステップ、次いで
- 死容積(24)に含まれる加圧されたガスのための排出手段(32、33)を介して通気口の方へ前記死容積(24)をパージする(102)及び/又はガスを前記死容積(24)内へ圧送するステップ、次いで
- 前記死容積(24)をパージガスで充填する(103)ステップ
を含む方法。
[14] 前記パージ及び充填ステップが、前記死容積(24)においていくつかの拡張/圧縮サイクルを実施するために繰り返されることを特徴とする、[13]に記載の方法。
[15] 前記方法が、充填中に前記死容積(24)を決められたレベルに加圧するステップと、前記死容積(24)の密封性を測定する、例えば圧力の測定により及び/又は分光器(133)により漏出率を測定するステップ(104)とを含み、密封性の測定値が閾値より大きい場合、前記流体を移送するためにバルブの前記セットを開放する(105)ことを特徴とする、[13]又は[14]に記載の方法。
[16] [1]~[12]のいずれか一項に記載の結合デバイスをパージするための方法であって、
- 流体密封結合された接続端のバルブのセットを閉鎖する(108)ステップ、次いで
- 死容積(24)に含まれる加圧されたガスのための排出手段(32、33)を介して通気口の方へ前記死容積(24)をパージする(102)及び/又はガスを前記死容積(24)内へ圧送するステップ、次いで
- 前記死容積(24)の密封性を測定する(104)、例えば圧力測定により及び/又は分光器により漏出率を測定するステップ
を含む方法。
[17] 前記密封性が決められた閾値(109)より大きいとき、前記方法が、
- 前記死容積を換気すること及び/又は前記死容積を不活性ガスで充填することにより前記死容積(24)を不活性化する(110)ステップ、
- 前記接続端を分離する(107)ステップ
を含むことを特徴とする、[16]に記載の方法。
[18] 前記密封性が決められた閾値(1119)未満であるとき、前記方法が、
- 前記密封性について修正措置をとる(120)ステップ、次いで
- 前記死容積(24)を換気すること及び/又は前記死容積(24)を不活性ガス、例えばヘリウムで充填することにより前記死容積(24)を不活性化する(110)ステップ、次いで
- 前記接続端を分離する(111)ステップ
を含むことを特徴とする、[17]に記載の方法。
[19] 前記死容積(24)が前記輸送パイプ(2、3)において輸送されることを意図された極低温流体と同じ性質のパージガスで充填され、例えば輸送される前記極低温流体が液体水素であるとき、前記パージガスが水素ガスであることを特徴とする、[13]~[18]のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】