(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】フィードガス流からCO2を回収するための設備
(51)【国際特許分類】
B01D 53/62 20060101AFI20250204BHJP
F01D 15/08 20060101ALI20250204BHJP
F02C 3/04 20060101ALI20250204BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20250204BHJP
F02C 9/00 20060101ALI20250204BHJP
B01D 53/82 20060101ALI20250204BHJP
C01B 32/50 20170101ALI20250204BHJP
【FI】
B01D53/62
F01D15/08 C ZAB
F02C3/04
F02C7/00 Z
F02C9/00 C
B01D53/82
C01B32/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540048
(86)(22)【出願日】2023-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2023051275
(87)【国際公開番号】W WO2023139171
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】カオウ,ジャンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ラベントス,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】デュベティエ,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ルクレール,マチュー
【テーマコード(参考)】
4D002
4G146
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002AC05
4D002AC10
4D002BA04
4D002BA13
4D002BA14
4D002BA20
4D002EA01
4D002EA05
4D002FA01
4D002HA08
4D002HA09
4G146JA02
4G146JB09
4G146JC07
4G146JC28
4G146JD02
(57)【要約】
本発明は、フィードガス流(FG)からCO2を回収するための設備(1)であって、- フィードガス流からCO2富化ガス流(FCO2)及び窒素富化ガス流(FN)を生成するために、フィードガス流(FG)を処理するためのユニット(2)と、- フィードガス流(FG)を圧縮するための圧縮段(5)と、- 窒素富化ガス流の膨張によって発生する機械的エネルギーを出力することが可能な膨張段(8)と、- 圧縮段(5)を出るガス流と膨張前の窒素富化ガス流との間で熱伝達を行うことを可能にするように配置された熱デバイス(10)と、- 膨張段によって出力される機械的エネルギーを利用するためのデバイス(4)と、を含む、設備(1)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に燃焼排ガスであるフィードガス流(FG)からCO2を回収するための設備(1)であって、
- 前記フィードガス流からCO2富化ガス流(FCO2)及び窒素富化ガス流(FN)を生成するために、前記フィードガス流(FG)を圧力変動吸着によって処理するためのユニット(2)と、
- 前記処理ユニットに入る前に前記フィードガス流を圧縮するための少なくとも1つの圧縮段(5)を含む圧縮アセンブリ(3)と、
- 少なくとも1つの膨張段(8)を含み、この膨張段における前記窒素富化ガス流(FN)の膨張によって発生する機械的エネルギーを供給することが可能なタービン(6)と、
- 前記窒素富化ガス流(FN)をその膨張前に加熱するために、圧縮段(5)を出る前記フィードガス流(FG)と前記膨張段における膨張前の前記窒素富化ガス流(FN)との間で熱の伝達を可能にするように配置された熱デバイス(10)と、
- 前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを利用するためのデバイス(4)と、
を含む、設備。
【請求項2】
前記利用デバイスは、電気を生成するために、前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを利用することが可能な発電機である、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記利用デバイス(4)は、前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを受け取るように配置された前記圧縮段(5)を含む、請求項1に記載の設備。
【請求項4】
前記圧縮アセンブリ内の少なくとも2つの圧縮段(5)と、前記窒素富化ガス流(FN)によって作動可能な少なくとも2つの膨張段を含むタービン(6)とを含み、前記タービンの各膨張段は、前記圧縮アセンブリに機械的エネルギーを伝達するように配置されており、特に、これが前記圧縮段のうちの1つに直接であるか、又はいくつかの圧縮段に共通の回転シャフトにであるか、又は前記圧縮段を作動させるモータのシャフトにであるかに関係ない、請求項3に記載の設備。
【請求項5】
これらの膨張段(8)は、前記窒素富化ガス流(FN)が、最初に前記膨張段のうちの1つを通過し、その後、他の前記膨張段を通過するように、直列に配置されている、請求項4に記載の設備。
【請求項6】
1つ又は複数の前記膨張段(8)は、前記圧縮段(5)を動作させるのに必要な前記機械的エネルギーの少なくとも25%、特に約40%又は50%を提供するような寸法にされている、請求項3~5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記熱デバイス(10)は、前記窒素富化ガス流(FN)をその膨張前に加熱するために、圧縮段(5)を出る前記フィードガス流(FG)と前記膨張段における膨張前の前記窒素富化ガス流(FN)との間で熱の伝達を可能にするように配置された少なくとも1つのガス/ガス熱交換器(11)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
前記ガス/ガス熱交換器(11)は、前記フィードガス流(FG)が前記熱交換器(11)を通過する前に最初に前記圧縮段(5)を通過するように、前記圧縮段(5)の前記出口に配置されている、請求項7に記載の設備。
【請求項9】
前記熱デバイス(10)は、前記フィードガス流(FG)と前記窒素富化ガス流以外の熱伝達流体との間で熱を交換するための1つ以上のガス/熱伝達流体熱交換器(12)を含み、この流体は、例えば冷却回路に属するグリコール水である、請求項1~8のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
前記窒素富化ガス流(FN)に関して、前記処理ユニットの前記出口から連続的に、
- 第1のガス/ガス熱交換器(11)と、
- 第1の膨張段(8)と、
- 第2のガス/ガス熱交換器(11)と、
- 第2の膨張段(8)と、
を含み、
前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器は、前記フィードガス流(FG)に関して、互いに並列に、及び圧縮段(5)、特に前記第1の圧縮段の下流に配置されている、
請求項8又は9に記載の設備。
【請求項11】
前記窒素富化ガス流(FN)及び前記フィードガス流(FG)とは異なる中間熱伝達流体を使用する中間熱回路(51)を含み、この中間回路は、前記中間熱伝達流体を介して、前記窒素富化ガス流と前記フィードガス流との間の熱交換を可能にするように配置されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の設備。
【請求項12】
前記湿潤フィードガス流(FG)から生成された前記窒素富化ガス流(FN)は、前記膨張段における膨張前に、50ppm未満のH2O、好ましくは5ppm未満のH2Oを含むように乾燥させる、請求項1~11のいずれか一項に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に燃焼排ガスであるフィードガス流からCO2を回収するための設備に関する。
【背景技術】
【0002】
水素は、様々な分野、特に輸送及び産業の脱炭素化においてますます大きな役割を果たしているエネルギーキャリアである。水素は、(SMR[水蒸気メタン改質]炉での)天然ガスの改質反応から生産することができる。SMRユニットでは、水素の生産に伴ってかなりのCO2が生成される。SMRによる水素生産のカーボンフットプリントを削減するために、PSA型(圧力変動吸着デバイス)のCO2捕集ユニットをSMRに追加することができる。CO2捕集(例えば、食品用途又は隔離のためのCO2処理及び液化)は、極低温又は非極低温、例えばアミン洗浄で実施することができる。この際に、PSAユニットにおいて高圧の窒素富化ガス流が生成される。
【0003】
本発明は、設備のエネルギー効率を向上させることを提案する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明の1つの対象は、特に燃焼排ガスであるフィードガス流からCO2を回収するための設備であって、この設備は、
- フィードガス流からCO2富化ガス流及び窒素富化ガス流を生成するために、圧力変動吸着によってフィードガス流を処理するためのユニットと、
- 処理ユニットに入る前にフィードガス流を圧縮するための少なくとも1つの圧縮段を含む圧縮アセンブリと、
- 少なくとも1つの膨張段を含み、この膨張段における窒素富化ガス流の膨張によって発生する機械的エネルギーを供給することが可能なタービンと、
- 窒素富化ガス流をその膨張前に加熱するために、圧縮段を出るフィードガス流と膨張段における膨張前の窒素富化ガス流との間で熱の伝達を可能にするように配置された熱デバイスと、
- 膨張段によって供給される機械的エネルギーを利用するためのデバイスと、を含む。
【0005】
圧縮アセンブリの上流のフィードガス流は、例として、10~60mol%のCO2、特に15~50mol%のCO2を含み得る。残りは大半が窒素及び少量のO2である。1mol%以下の規模のオーダーのアルゴンAr及び微量の不純物、特にNOxが、場合によっては存在する可能性がある。
【0006】
フィードガス流は、例えば、SMR改質器、セメント工場、酸素燃焼ユニット、又は石灰工場から生じ得る。
【0007】
フィードガス流には、設備に入る前に、例えばスクラビングユニット又は濾過ユニットによる前処理が施されている可能性がある。
【0008】
PSAユニットを出る高圧の窒素富化ガス流は、窒素に加えて、場合によってはO2、Ar、NOなどの最も吸着されにくい成分を含み得る。
【0009】
窒素富化流中の窒素の割合は、特に、50~90vol%である。
【0010】
CO2は、CO2富化ガス流中の一部、例えば50~85vol%である。
【0011】
概して、組成物は、乾量基準で与えられる。即ち、ガスの組成物から水(H2O)を除去し、残りの成分を100に標準化する。
【0012】
本発明の態様の1つによれば、フィードガス流は、圧縮アセンブリで圧縮された後、3~15bar abs、特に6~12bar abs、特に8~10bar absの範囲内の圧力及び周囲温度に近い温度、例えば5~45℃で処理ユニットに到着する。
【0013】
本発明の態様の1つによれば、窒素富化ガス流は、高圧で、特に8~10barの圧力で処理ユニットから排出される。
【0014】
本発明の態様の1つによれば、圧縮アセンブリは、モータ、特に電気モータによって回転する1つ以上のホイールを介してフィードガス流を加速させることができる遠心圧縮機を含む。このようにしてガス流によって得られたエネルギーは、各ホイールの出口に位置するディフューザにおいてその静圧の上昇に変換される。圧縮アセンブリのホイールの配置は、方法の特性、例えば、流量、圧縮率、ガスの組成に依存するが、異なる圧縮機メーカに固有の技術にも依存する。
【0015】
概して、モータは、主ギアと場合により補助ギアとに関連付けられた主回転軸を駆動する。これらのギアは、副回転軸に結合されたピニオンに機械的に接続されている。したがって、各ギアは、いくつかのピニオンを駆動することができる。ギア及びピニオンの各々の寸法が、副軸の回転速度をモータの回転速度の関数として決定する。
【0016】
単一の圧縮段がある場合、副軸は、ガス流を選択された圧力まで圧縮するために単一のホイールを駆動する。
【0017】
圧縮アセンブリが、選択された全体的な圧縮率、即ち圧縮アセンブリの出口圧力と入口圧力の比を実施するためのいくつかのホイールを含む場合、これらのホイールの様々な配置が可能である。
【0018】
圧縮がいくつかの段で実施される場合、段毎の圧縮率、即ち当該段の出口圧力とその入口圧力の比が定義されることにも留意されたい。
【0019】
この場合、全体的な圧縮率を得るために、異なる段の各々の圧縮率を部分的に調整すること、及び可能な寸法の範囲内に留まりながらも、特に、許容可能な最高速度及び温度を尊重しながらもそうすることが可能であることにも留意されたい。この柔軟性により、圧縮アセンブリに様々な圧縮ホイールをより容易に組み込むことを可能にすることができる。
【0020】
本発明は、窒素富化ガス流の膨張によって生成される機械的エネルギーを回収するために膨張タービンの1つ以上のホイールと関連付けられる圧縮アセンブリを提供し、したがって、モータによって提供される必要のあるエネルギーを低減することを可能にする。
【0021】
本発明では、膨張タービンとも呼ばれるタービンは、流体をその高圧からその低圧に膨張させることを可能にする機器の一項目であり、これらの圧力の比は、膨張率と呼ばれる。
【0022】
タービンは、1つ以上の膨張段を含み、膨張段の数は、動作条件、特に膨張率に依存する。
【0023】
膨張がいくつかの段で実施される場合、段毎の膨張率、即ちこの場合は、当該段の入口圧力と出口圧力の比も定義される。
【0024】
ガスの膨張は、非常に一般的には、ガスによって回転し、ブレーキによって減速する1つ以上のホイールを介して実施される。実際には、タービンは、したがって、ガス流に対して直列のいくつかのホイールを含み得、各ホイールは、独自の形状及び独自の回転速度を有することができる。
【0025】
本発明の態様の1つによれば、利用デバイスは、電気を生成するために、膨張段によって供給される機械的エネルギーを利用することが可能な発電機である。
【0026】
この発電機は、地域で又は電力網を介して使用できる電気を生成することにより、膨張のエネルギーを利用することを可能にする。
【0027】
一変形例において、利用デバイスは、膨張段によって供給される機械的エネルギーを受け取るように配置された圧縮段を含む。
【0028】
この場合、本発明は、タービンによって供給されるエネルギーを機械的な形態で設備の圧縮アセンブリに直接伝達することを可能にすることができる。
【0029】
実際、経済的な観点からは、一般に、発電機を設置するよりも膨張ホイールの追加によって圧縮機を変更することがより有利であることが判明している。
【0030】
このタイプの膨張においては、膨張したガスは、大きく冷却され、このことがホイール内又は出口で凝縮のリスクを発生させ、浸食の問題、又はNOxなどの成分の存在下では腐食の問題にさえつながる可能性があることに留意されたい。
【0031】
膨張前に窒素富化ガス流を加熱することで、回収可能なエネルギーを増加させることと、1つ又は複数の膨張ホイールの出口における過度の低温を回避することとの両方を可能にする。
【0032】
いくつかの膨張段がある場合、全体的な膨張率を得るために、各段の膨張率を調整すること、及び可能な寸法の範囲内に留まりながらも、特に、許容可能な最高周速を尊重しながらもそうすることが可能である。この柔軟性により、圧縮アセンブリに膨張ホイールをより簡単に追加することを可能にすることができる。
【0033】
タービンの膨張ホイールは、異なる位置を有することができる。
- 圧縮段と同じ軸上に、好ましくは、ピニオンの他方の側に配置される。この場合、タービンのホイールと圧縮機のホイールは、同じ速度で回転することに留意されたい。それにもかかわらず、ホイール内のガスの内部速度、特に周速は、各ホイールの形状に依存する。
- 又は、第2のピニオンを介してではあるが主ギアと依然として機械的に接続している第2の軸上。この場合、タービンのホイールの回転速度は、圧縮ホイールの回転速度とは無関係であり、主ギア及び第2のピニオンの各々の直径のみに依存する。主ギアは、異なる直径のいくつかのピニオンと機械的に接続することができ、したがって、いくつかの軸を、それぞれ選択した速度で回転させることに留意されたい。
- 又は、別のピニオンを介して副ギアと機械的に接続している別の軸上。したがって、膨張ホイールの速度は適応可能である。
- 又は、場合により、圧縮段を駆動するピニオンと機械的に接続している副ピニオンを含む軸上。この場合も、膨張ホイールの速度は、副ピニオンの直径の選択により適応可能である。この場合、圧縮段は、モータ及び膨張ホイールの両方からトルクを受ける。
【0034】
選択された構成に従い、窒素富化ガス流の膨張によって生成されるエネルギーは、膨張によるエネルギーを圧縮アセンブリに供給するために、圧縮段の回転軸又はモータの主軸に直接伝達されることが分かる。
【0035】
副ギアは、モータの軸上に、即ち、モータに対して主ギアと同じ側に、又はモータの他方の側の軸の延長上にいかようにも配置することができる。副ギアは、例えば、モータと主ギアとの間に、又は主ギアの後に配置することができる。
【0036】
タービンの2つのホイールは、場合により同じ軸上にあり、主ギア若しくは副ギアと接触するピニオンを介してモータ軸に、又は圧縮ホイールの軸に機械的に接続され得る。
【0037】
上記のように、膨張のエネルギーは、圧縮ホイールの回転軸又はモータの軸に直接供給される。したがって、膨張によって放出されるエネルギーは、圧縮アセンブリに供給される。
【0038】
設備が、圧縮アセンブリ内の少なくとも2つの圧縮段と、窒素富化ガス流によって作動可能な少なくとも2つの膨張段を含むタービンとを含む場合、圧縮段のうちの少なくとも1つ及び少なくとも1つの膨張段のそれぞれ圧縮率及び膨張率は、圧縮段の圧縮ホイールと膨張段の膨張ホイールとが同じ回転速度を有し、同じ軸に取り付けられるように選択される。
【0039】
設備が、窒素富化ガス流によって作動可能な少なくとも2つの膨張段を含むタービンを含む場合、2つの膨張段の各々の膨張率は、対応するホイールが同じ回転速度を有し、同じ軸に取り付けられるように選択される。
【0040】
本発明では、タービンの1つ又は複数の膨張段において、窒素富化ガス流の高圧から低圧への膨張が起こり、この膨張は、例えばタービンのホイールを回転させる効果を有し、回転は、例えば圧縮アセンブリである利用デバイスによって制動される。したがって、本発明は、窒素富化ガス流からの機械的エネルギーの回収により、設備の効率を向上させることを可能にし、この流れは、高圧であり、タービンの1つ又は複数の膨張段を駆動することを可能にする。効率は、加圧された窒素の流れがエネルギーの回収の対象となることなく大気中に単に廃棄される場合に対して大幅に向上する。
【0041】
本発明では、膨張が行われた窒素の流れは、大気中に排出される。
【0042】
本発明の態様の1つによれば、タービンの膨張段の数は、必要に応じて調節される。
【0043】
本発明の態様の1つによれば、タービンの膨張段及び圧縮段はそれぞれ、ロータリーシャフトを含み、それらのシャフトは、タービンの膨張段のシャフトの回転が圧縮段のシャフトにトルクを供給するように接続されている。
【0044】
本発明の態様の1つによれば、設備は、圧縮アセンブリ内の少なくとも2つの圧縮段と、窒素富化ガス流によって作動可能な少なくとも2つの膨張段を含むタービンとを含み、タービンの各膨張段は、圧縮アセンブリに機械的エネルギーを伝達するように配置されており、特に、これが圧縮段のうちの1つに直接であるか、又はいくつかの圧縮段に共通の回転シャフトにであるか、又は圧縮段を作動させるモータのシャフトにであるかに関係ない。
【0045】
本発明の態様の1つによれば、設備は、圧縮アセンブリ内の少なくとも2つの圧縮段と、窒素富化ガス流を膨張させる少なくとも2つの膨張段とを含み、これらの膨張段は、圧縮段に機械的エネルギーを供給するように配置されている。
【0046】
本発明の態様の1つによれば、これらの膨張段は、窒素富化ガス流が、最初に膨張段のうちの1つを通過し、その後、他の膨張段を通過するように、直列に配置されている。
【0047】
本発明の態様の1つによれば、各膨張段は、圧縮段のうちの1つに機械的エネルギーを伝達するように配置されている。
【0048】
本発明の態様の1つによれば、窒素富化ガス流のエネルギーを変換する1つ又は複数の膨張段は、圧縮段を動作させるのに必要な機械的エネルギーの少なくとも25%、特に約40%又は50%を提供するような寸法にされ得る。
【0049】
したがって、本発明は、エネルギーの再利用を可能にし、設備における外部エネルギーの消費の削減を可能にするため、特に有利である。
【0050】
膨張段における膨張前の窒素富化ガス流は、熱デバイスを通過する際、例えば周囲温度であり、圧縮段を出るフィードガス流は、より高温である。
【0051】
したがって、本発明は、設備の全体的な熱力学的性能を向上させるように、フィードガス流を冷却し、窒素富化ガス流を加熱するために、PSAユニットの出口にて実質的に周囲温度である窒素富化ガス流を利用することを可能にする。有利には、窒素は、圧縮前にフィードガス流を冷却し、この圧縮をより効率的にする(圧縮される体積が小さくなるため、圧縮エネルギーは小さくなる)と同時に、フィードガス流は、窒素を膨張前に加熱し、回収可能なエネルギーを増加させる。
【0052】
本発明の態様の1つによれば、熱デバイスは、窒素富化ガス流をその膨張前に加熱するために、圧縮段を出るフィードガス流と膨張段における膨張前の窒素富化ガス流との間で熱の伝達を可能にするように配置された少なくとも1つのガス/ガス熱交換器を含む。
【0053】
本発明は、窒素富化流が過度に低温になるのを避けることを可能にする。
【0054】
本発明の態様の1つによれば、ガス/ガス熱交換器は、フィードガス流が熱交換器を通過する前に最初に圧縮段を通過するように、圧縮段の出口に配置されている。
【0055】
したがって、ガス/ガス熱交換器は、圧縮段における圧縮により温度の上昇が生じたフィードガス流を冷却することを可能にする。
【0056】
本発明の態様の1つによれば、熱デバイスは、窒素富化ガス流とフィードガス流との間で熱を交換するための少なくとも2つのガス/ガス熱交換器を含み、各ガス/ガス熱交換器は、圧縮段の出口に配置されている。
【0057】
本発明の態様の1つによれば、2つのガス/ガス熱交換器は、この窒素富化ガス流が、最初にこれらのガス/ガス熱交換器のうちの一方を通過し、その後、他方のガス/ガス熱交換器を通過するように、窒素富化ガス流に対して直列に配置されている。
【0058】
本発明の態様の1つによれば、タービンの膨張段は、窒素富化ガス流が、最初にガス/ガス熱交換器を通過し、その後、機械的エネルギーを利用するためのデバイスに機械的なトルクを伝達するために使用される膨張段を通過するように、各ガス/ガス熱交換器の下流に設けられている。
【0059】
本発明の態様の1つによれば、使用される、ガス/ガス型又はガス/熱伝達流体型の交換器は、グリルを有する多管式交換器である。
【0060】
流量、圧力、及び温度に応じて、これらの交換器はまた、プレート式交換器であってもよい。
【0061】
本発明の態様の1つによれば、窒素富化ガス流は、同じ交換器を数回、例えば、1回目は、第1の膨張段における膨張前と、その後この膨張段を出る際に、2回目は、同じ交換器を、第2の膨張段における第2の膨張が実施される前に通過する。この場合、交換器は、熱伝達流体に対して並列の2つの交換器と同等である。
【0062】
そのような並列の交換器の構成について、本発明の実装例と共に、以下に説明する。
【0063】
本発明の態様の1つによれば、ガス/ガス交換器における熱交換は、熱再生器の対によって実施され、この対の一方の再生器が、圧縮されたフィードガス流から熱を、冷却しながら回収し、他方の再生器は、この熱を窒素富化ガス流に、この流れによって冷却しながら戻す。そのような熱再生器の対をガス/ガス熱交換器の代わりに使用することは、本発明の一部を形成する。
【0064】
本発明の態様の1つによれば、熱デバイスは、フィードガス流と窒素富化ガス流以外の熱伝達流体との間で熱を交換するための1つ以上のガス/熱伝達流体熱交換器を含み、この流体は、例えば冷却回路に属するグリコール水である。
【0065】
本発明の態様の1つによれば、圧縮アセンブリは、いくつかの圧縮段と、窒素富化ガス流とフィードガス流との間で熱を交換するための1つ以上のガス/ガス熱交換器と、フィードガス流と窒素富化ガス流以外の冷却流体との間で熱を交換するための1つ以上のガス/熱伝達流体熱交換器とを含み、各熱交換器は、フィードガス流が熱交換器を通過する前に最初に圧縮段を通過するように、圧縮段のうちの1つの出口に配置されている。
【0066】
本発明の態様の1つによれば、圧縮段の全てに、ガス/ガス型又はガス/熱伝達流体型のいずれかの熱交換器が続く。
【0067】
一変形例において、圧縮段のうちの少なくとも1つは、次の圧縮段に直接接続されており、これらの2つの圧縮段の間に熱交換器はない。
【0068】
本発明の態様の1つによれば、圧縮アセンブリは、4つの圧縮段を含み、2つの段のそれぞれにガス/ガス熱交換器が続き、2つの段のそれぞれに、ガス/熱伝達流体熱交換器が続く。
【0069】
本発明の態様の1つによれば、フィードガス流の循環方向において、2つの第1の段のそれぞれに、ガス/熱伝達流体熱交換器が続き、2つの最後の段のそれぞれに、ガス/ガス熱交換器が続く。
【0070】
したがって、窒素富化ガス流は、2つの圧縮段の出口でフィードガス流を冷却する役割を果たす。
【0071】
本発明の態様の1つによれば、タービンは、2つの膨張段を含み、膨張段の一方は、ガス/ガス熱交換器のうちの1つの下流に配置され、他方の膨張段は、他のガス/ガス熱交換器の下流に配置されている。
【0072】
本発明の態様の1つによれば、したがって、膨張段とガス/ガス熱交換器は、窒素富化ガス流が、連続的に、ガス/ガス熱交換器のうちの1つを通過し、その後、膨張段のうちの1つを通過し、その後、他のガス/ガス熱交換器を通過し、最後に他の膨張段を通過するように、直列である。
【0073】
本発明の態様の1つによれば、窒素富化ガス流は、最後の膨張段を出るときには実質的に大気圧であり、好ましくは-10℃を超える、より好ましくは0℃を超える温度である。
【0074】
そのような温度は、窒素富化ガス流を十分に加熱し、場合により、例えば窒素富化ガス流の回路上、好ましくは最後の膨張段の出口に配置されたバルブによりタービンの膨張率を制限することによって達成され得る。
【0075】
これにより、高価な材料を回避すること、熱絶縁機器を回避又は最小限にすること、及び氷冷水を作ることを可能にする。
【0076】
最後に、窒素富化ガス流は、大気中に排出される前に、追加の熱交換のために使用することができる。
【0077】
本発明の態様の1つによれば、1つ以上のガス/熱伝達流体熱交換器は、PSA処理ユニットに達する前にフィードガス流を更に冷却するために、最後のガス/ガス交換器の下流に設けられ得る。
【0078】
本発明の態様の1つによれば、単一のガス/ガス熱交換器が設備内に設けられ、この交換器は、圧縮段のうちの1つの下流に配置されている。
【0079】
2つの膨張段は、窒素富化ガス流が、最初にガス/ガス熱交換器を通過し、その後、連続的に、2つの膨張段を通過するように、この熱交換器の下流に直列に配置されている。
【0080】
これは、高圧から低圧へのタービンの膨張率が比較的低いが、単一の膨張段で実施するにはなお高すぎる場合に有利な場合がある。したがって、2つの交換器を設けるよりもむしろ、タービンの入口を最大まで加熱することが好ましい。
【0081】
本発明の態様の1つによれば、圧縮段のうちの1つは次の圧縮段に直接接続され、例えば、第3の圧縮段は第4の圧縮段に直接接続され、これら2つの圧縮段の間に熱交換器はない。
【0082】
本発明の態様の1つによれば、設備は、窒素富化ガス流に関して、処理ユニットの出口から連続的に、
- 第1のガス/ガス熱交換器と、
- 第1の膨張段と、
- 第2のガス/ガス熱交換器と、
- 第2の膨張段と、
を含み、
これら第1の熱交換器及び第2の熱交換器は、フィードガス流に関して、互いに並列に、及び圧縮段、特に第1の圧縮段の下流に配置されている。
【0083】
したがって、この例では、窒素富化ガス流は、第1の圧縮段の出口において、並列に配置された2つの交換器内のフィードガス流を冷却するために使用される。
【0084】
本発明の態様の1つによれば、並列の2つの交換器に更に分割されたフィードガス流は、これら2つの交換器の出口で合流し、ガス/熱伝達流体交換器を通過する単一のフィードガス流を改質する。
【0085】
見て分かるように、フィードガス流においては2つのガス/ガス交換器は並列として解釈され、窒素富化ガス流においてはこれらの2つのガス/ガス交換器は直列として解釈される。
【0086】
本発明の態様の1つによれば、設備は、窒素富化ガス流及びフィードガス流とは異なる中間熱伝達流体を使用する中間熱回路を含み、この中間回路は、中間熱伝達流体を介して、窒素富化ガス流とフィードガス流との間で熱交換を可能にするように配置されている。
【0087】
本発明の態様の1つによれば、複数の圧縮段がある場合、窒素富化ガス流は、ガス/ガス交換器によって直接、又は好ましくは100℃を超え、より好ましくは120℃を超える最高温度を有する、圧縮段を出るフィードガス流から熱を取り出すことにより、熱伝達流体を介して、ガス/熱伝達流体交換器によって間接的に加熱され、この温度は、当該圧縮段が、他段よりも高い圧縮率又はより高い入口温度を有することを確実とすることにより得られたものである。
【0088】
本発明の態様の1つによれば、複数の圧縮段がある場合、窒素富化ガス流は、ガス/ガス交換器によって直接、又は好ましくは100℃超え、より好ましくは120℃を超える最高温度を有する、圧縮段を出るフィードガス流から熱を取り出すことにより、熱伝達流体を介して、ガス/熱伝達流体交換器によって間接的に加熱され、この温度は、当該圧縮段が、圧縮率の平均よりも高い圧縮率及び/又は入口温度の平均よりも高い入口温度を有することを確実とすることにより得られたものである。
【0089】
本発明の態様の1つによれば、この最高温度レベルは、少なくとも2つの膨張段に入る前に窒素富化ガス流を加熱するために少なくとも2回使用される。
【0090】
したがって、本発明は、各膨張段の前に窒素富化ガス流を最大限に加熱するために、最高温度レベルのフィードガス流を利用することを可能にする。
【0091】
必要に応じて、ガス/ガス交換器を介してフィードガス流により加熱される窒素富化ガス流は、加熱の最初の部分を実施し、最高温度レベルを最大限に利用するために、1つ以上の特にガス/熱伝達流体交換器によって予め加熱されてもよい。
【0092】
本発明の態様の1つによれば、この中間回路は、中間流体を循環させるためのポンプを含む。
【0093】
従来、設備は、計測器(温度センサ、圧力センサ、振動センサ、分析器等)、取付部品(全開全閉バルブ、調整弁等)、及び補助機器(フィルタ、バルブ、バイパス等)を含み得る。
【0094】
本発明の態様の1つによれば、中間回路は、中間熱伝達流体が、熱伝達流体とフィードガス流との間で熱の交換を可能にするための少なくとも1つのガス/熱伝達流体熱交換器と、熱伝達流体と窒素富化ガス流との間で熱の交換を可能にするための別のガス/熱伝達流体熱交換器とを通過するように配置されており、前記ガス/熱伝達流体交換器は、窒素富化ガス流が、この交換器を通過して、膨張段で膨張させる前に中間熱伝達流体によって加熱されるように、膨張段の上流に配置されている。
【0095】
本発明の態様の1つによれば、熱伝達流体とフィードガス流との間で熱の交換を可能にするためのガス/熱伝達流体熱交換器は、フィードガス流がこの第1の圧縮段の出口で中間流体によって冷却されるように、第1の圧縮段の下流に配置されている。
【0096】
本発明の態様の1つによれば、中間回路は、熱伝達流体と窒素富化ガス流との間で熱の交換を可能にするための2つのガス/熱伝達流体熱交換器を通過するように配置されており、これらの交換器はそれぞれ、膨張段の上流に配置されている。
【0097】
本発明の態様の1つによれば、熱伝達流体と窒素富化ガス流との間で熱の交換を可能にするためのこれらの2つのガス/熱伝達流体熱交換器は、中間熱伝達流体に対して、この中間流体が、それぞれがこれらの交換器のうちの一方を通過する2つの流れに更に分割されるように、並列に配置されている。
【0098】
本発明の態様の1つによれば、窒素富化ガス流においては、その部分については、ガス/熱伝達流体熱交換器と2つの膨張段の直列配置と解釈される。
【0099】
本発明の態様の1つによれば、湿潤フィードガス流から生成された窒素富化ガス流は、膨張段における膨張前に、50ppm未満のH2O、好ましくは5ppm未満のH2Oを含むように乾燥させる。
【0100】
本発明の更なる対象は、特に燃焼排ガスであるフィードガス流からCO2を回収するための方法であって、この方法は、以下の工程、即ち、
- 圧縮段を使用して、フィードガス流を圧縮する工程と、
- フィードガス流から、低圧のCO2富化ガス流及び高圧の窒素富化ガス流を生成するために、処理ユニットを使用し、前で圧縮されたフィードガス流を圧力変動吸着によって処理する工程と、
- 少なくとも1つの膨張段を含み、この膨張段における窒素富化ガス流の膨張によって発生する機械的エネルギーを供給することが可能なタービンを使用する工程と、
- 窒素富化ガス流をその膨張前に加熱するために、圧縮段を出るフィードガス流と膨張段における膨張前の窒素富化ガス流との間で熱の伝達を可能にする工程と、
- 圧縮アセンブリを駆動する又は発電機を使用して電気を生成するいずれかのために、膨張段によって供給される機械的エネルギーを利用する工程と、
を含む。
【0101】
本発明の態様の1つによれば、圧縮の熱エネルギーの一部は、少なくとも1つの圧縮段の出口でのフィードガス流との直接的な熱交換によって及び/又は熱伝達流体を介した間接的な熱交換によって、窒素富化ガス流により回収される。
【0102】
本発明の態様の1つによれば、窒素富化ガス流は、タービンの各膨張段によって膨張させる前に加熱される。
【0103】
本発明の態様の1つによれば、タービンの1つ又は複数の膨張段の各シャフトと1つ又は複数の圧縮段の各シャフトとの間にトルク伝達デバイスが実装されており、このトルク伝達デバイスは、特に、タービンから圧縮アセンブリにトルクを伝達するためのギア及びピニオンを含む。
【0104】
本発明の態様の1つによれば、フィードガス流は湿潤であり、10ppmを超えるNOxを含み、窒素富化ガス流は、50ppm未満のH2O、好ましくは5ppm未満のH2Oを含むように、膨張前に乾燥させる。
【0105】
これにより、膨張に起因する冷却中の凝縮の可能性及び硝酸の形成を回避することを可能にする。
【0106】
本発明の態様の1つによれば、窒素富化ガス流の乾燥は、フィードガスを処理するためのユニット内で親水性吸着剤を用いて実施される。
【0107】
本発明は、氷冷水を作製するために、窒素が乾燥していることを利用することを可能にすることができる。
【0108】
PSAユニットから来るCO2富化ガスは、必要に応じて、例えばCO2の補完的富化を含む追加の処理を経ることができる。したがって、CO2富化ガスから抽出された残留窒素は、再利用され、膨張及びエネルギーの回収に関与することができる。
【0109】
本発明は、以下の説明を読み、添付の図を検討することでより良く理解されるであろう。これらの図は、単に例示のために与えられ、本発明を何ら限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【
図1】本発明の第1の例による設備の概略部分図である。
【
図2】本発明の第2の例による設備の概略部分図である。
【
図3】本発明の第3の例による設備の概略部分図である。
【
図4】本発明の第4の例による設備の概略部分図である。
【
図5】本発明の第5の例による設備の概略部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0111】
図1は、説明する例では燃焼排ガスであるフィードガス流FGからCO2を回収するための設備1を示し、この設備は、
- フィードガス流からFCO2と呼ばれるCO2富化ガス流及びFNと呼ばれる窒素富化ガス流を生成するために、フィードガス流FGを圧力変動吸着によって処理するためのユニット2(ユニット2はPSAユニット)と、
- 処理ユニット2に入る前にフィードガス流FGを圧縮するための少なくとも1つの圧縮段5を含む圧縮アセンブリ3と、
- 少なくとも1つの膨張段8を含み、この膨張段8における窒素富化ガス流FNの膨張によって発生する機械的エネルギーを供給することが可能なタービン6と、
- 窒素富化ガス流FNをその膨張前に加熱するために、圧縮段5を出るフィードガス流FGと膨張段8における膨張前の窒素富化ガス流FNとの間で熱の伝達を可能にするように配置された熱デバイス10と、
- 膨張段8によって供給される機械的エネルギーを利用するためのデバイス4と、
を含む。
【0112】
圧縮アセンブリ3の上流のフィードガス流FGは、例として、10~60mol%のCO2、特に15~50mol%のCO2を含み得る。残りは大半が窒素及び少量のO2である。1mol%以下の規模のオーダーのアルゴンAr及び微量の不純物、特にNOxが、場合によっては存在する可能性がある。
【0113】
フィードガス流FGは、SMR改質器、セメント工場、酸素燃焼ユニット、又は石灰工場から生じ得る。
【0114】
フィードガス流FGには、設備に入る前に、例えばスクラビングユニット又は濾過ユニットによる前処理が施されている可能性がある。
【0115】
ユニット2のタイプを出る高圧の窒素富化ガス流FNは、窒素に加えて、場合によってはO2、Ar、NOなどの最も吸着されにくい成分を含み得る。
【0116】
窒素富化流FN中の窒素の割合は、特に、50~90vol%である。
【0117】
CO2は、CO2富化ガス流FCO2中の一部、例えば50~85vol%である。
【0118】
概して、組成物は、乾量基準で与えられる。
【0119】
フィードガス流FGは、圧縮アセンブリ3で圧縮された後、8~10bar absの範囲内の圧力及び周囲温度に近い温度、例えば5~45℃で処理ユニット2に到着する。
【0120】
窒素富化ガス流FNは、高圧で、この場合、8~10barの圧力で処理ユニット2から排出される。
【0121】
設備1は、主ギア22に固定された回転軸又はシャフト21を有する電気モータ20を含む。
【0122】
設備1は、圧縮段5のホイールを回転軸又はシャフト24を介して駆動するピニオン23を更に含む。
【0123】
主ギア22と関連する別のピニオン25は、タービン6の膨張段8のホイールによって生成される回転トルクを、回転軸26を介して伝達するために配置されている。
【0124】
圧縮後、フィードガス流FGは、処理ユニット2で分離される。乾燥しており加圧された窒素富化ガス流FNは、熱ユニット10で加熱される。
【0125】
膨張段8は、タービン6における高温の加圧されたガスFNの低圧への膨張から生じるエネルギーを、主ギア22、ひいては圧縮アセンブリ3に伝達する。
【0126】
したがって、圧縮段5で必要なエネルギーは、部分的にモータ20によって、及び部分的に膨張タービン6によって供給される。このような配置により、モータ20により消費される電気エネルギーを非常に大幅に削減する、例えば半減させることができる。
【0127】
説明する例では、利用デバイス4は、膨張段8によって供給される機械的エネルギーを受け取るように配置された圧縮段5と、回転トルクの伝達を確実にするピニオン25及び回転軸26とを含む。
【0128】
当然ながら、1つ又は複数の圧縮段のホイールと1つ又は複数の膨張段のホイールとの間には様々な接続が可能である。
【0129】
図2は、圧縮アセンブリ3内に4つの圧縮段5及びタービン6が2つの膨張段8を含む本発明の例示的な実施形態を示す。
【0130】
それぞれがホイールを備えるこれらの膨張段8は、窒素富化ガス流FNが、最初に膨張段8のうちの1つを通過し、その後、他の膨張段8を通過するように、直列に配置されている。
【0131】
窒素富化ガス流FNからのエネルギーを変換する膨張段8は、圧縮段を動作させるのに必要なエネルギーの約40%を提供し得る。
【0132】
図2に示される例では、熱デバイス10は、窒素富化ガス流FNとフィードガス流FGとの間で熱の伝達を可能にするように配置されている。
【0133】
窒素富化ガス流FNは、例えば周囲温度であり、フィードガス流FGは、より高温である。
【0134】
したがって、本発明は、設備1の全体的な熱力学的性能を向上させるように、フィードガス流FGを冷却するために、PSAユニットの出口にて実質的に周囲温度である窒素富化ガス流FNを利用することを可能にする。
【0135】
熱デバイス10は、窒素富化ガス流FNを加熱し、フィードガス流FGを冷却するために、窒素富化ガス流FNとフィードガス流FGとの間で熱交換を可能にするように配置された、圧縮アセンブリ3内の2つのガス/ガス交換器11を含む。
【0136】
窒素富化ガス流FNとフィードガス流FGとの間で熱を交換するための各ガス/ガス熱交換器11は、フィードガス流FGが熱交換器11を通過する前に最初に圧縮段5を通過するように、圧縮段5のうちの1つの出口に配置されている。
【0137】
したがって、ガス/ガス交換器11は、圧縮段5における圧縮により温度の上昇が生じたフィードガス流FGを冷却することを可能にする。
【0138】
2つのガス/ガス交換器11は、窒素富化ガス流FNが、最初にこれらのガス/ガス交換器11のうちの1つを通過し、その後、他のガス/ガス交換器11を通過するように、直列に配置されている。
【0139】
各膨張段8は、窒素富化ガス流FNが、最初にガス/ガス熱交換器11を通過し、その後、機械的なトルクを専用の圧縮段5に伝達するために使用される膨張段8を通過するように、各ガス/ガス熱交換器11の下流に設けられている。
【0140】
圧縮アセンブリ3は、フィードガス流FGと窒素富化ガス流以外の冷却流体との間で熱を交換するための3つのガス/熱伝達流体熱交換器12を含み、この流体は、この場合は、冷却回路に属するグリコール水である。
【0141】
各熱交換器11又は12は、フィードガス流FGが熱交換器11又は12を通過する前に最初に圧縮段5を通過するように、圧縮段5のうちの1つの出口に配置されている。
【0142】
図2の例では、圧縮段5の全てに、ガス/ガス型11又はガス/熱伝達流体型12のいずれかの熱交換器が続く。
【0143】
フィードガス流FGの循環方向において、段数1及び段数2である2つの第1の圧縮段5のそれぞれに、ガス/熱伝達流体熱交換器12が続く。
【0144】
2つの最後の段5にはそれぞれ、ガス/ガス熱交換器11が続く。
【0145】
したがって、窒素富化ガス流FNは、段数3及び段数4である2つの圧縮段5の出口でフィードガス流FGを冷却する役割を果たす。
【0146】
最後のガス/熱伝達流体交換器12は、PSA処理ユニットに達する前にフィードガス流を更に冷却するために、最後のガス/ガス交換器11の下流に配置されている。
【0147】
窒素富化ガス流は、その一部については、交換器11を介して供給流体FGによって加熱される。
【0148】
各タービン段8は、ガス/ガス交換器11のうちの1つの下流に配置されている。
【0149】
したがって、膨張段8と2つのガス/ガス交換器11は、窒素富化ガス流FNが、連続的に、ガス/ガス交換器11のうちの1つを通過し、その後、膨張段8のうちの1つを通過し、その後、他のガス/ガス交換器11を通過し、最後に他の膨張段8を通過するように、直列である。
【0150】
窒素富化ガス流FNは、最後のタービン6を出るときには実質的に大気圧であり、好ましくは-10℃を超える、より好ましくは0℃を超える温度である。
【0151】
図3に示される変形例では、圧縮段5のうちの1つは、次の圧縮段5に直接接続されており、これら2つの圧縮段5の間に熱交換器11又は熱交換器12はない。
図2の例と同様に、2つの膨張段8が設けられている。
【0152】
図3の例では、設備1内に、単一のガス/ガス熱交換器11が設けられており、この交換器11は、4つの圧縮段5のうちの最後の圧縮段5の下流に配置されている。
【0153】
したがって、窒素富化ガス流FNは、最初に熱交換器11を通過し、その後、2つのタービン6を連続的に通過する。
【0154】
図4に示される例では、設備30は、窒素富化ガス流FNに関して、処理ユニットの出口から連続的に、
- 第1のガス/ガス熱交換器31と、
- 第1の膨張段33と、
- 第2のガス/ガス熱交換器32と、
- 第2の膨張段34と、
を含み、
-第1のガス/ガス熱交換器31及び第2のガス/ガス熱交換器32は、フィードガス流FGに関して、互いに並列に、及び4つの圧縮段5のうちの第1の圧縮段5の下流に配置される。
【0155】
したがって、この例では、窒素富化ガス流FNは、第1の圧縮段5の出口において、並列に配置された2つの交換器31及び32内のフィードガス流FGを冷却するために使用される。
【0156】
並列の2つの交換器31及び32内で2つの分岐41及び42に更に分割されたフィードガス流FGは、これら2つの交換器31及び32の出口で合流し、ガス/熱伝達流体交換器12を通過する単一のフィードガス流FGを改質する。
【0157】
見て分かるように、フィードガス流FGにおいては、2つのガス/ガス交換器31及び32は並列として解釈され、窒素富化ガス流FNにおいては、これらの2つのガス/ガス交換器31及び32は直列として解釈される。
【0158】
圧縮段5は、フィードガス流FGを、大気圧よりもわずかに低い圧力からPSAユニットの動作圧力である約8又は9bar absにするように配置されている。
【0159】
乾量基準において、フィードガス流は、22mol%のCO2、75mol%のN2、2mol%のO2、1mol%のAr、及び数十ppmの不純物を含む。温度は、約60℃であるため、液体の水の凝縮は回避される。
【0160】
圧縮アセンブリ3は、直列の4つの圧縮段5を作動させる電気モータ(図示せず)を含む。同じく直列であるタービン6の膨張段8は、圧縮アセンブリ3における圧縮に必要なエネルギーの一部を供給する。本ケースでは、膨張段8のホイールは、このエネルギーの約40%を供給する。
【0161】
膨張段8で膨張させるガスは、PSAユニットから来る高圧流である。このガスは、94mol%のN2、3mol%のCO2、2mol%のO2、及び1mol%のArを含む。このガスは、約8bar absで入手可能であり、大気圧をわずかに超える圧力まで膨張させる。膨張時に回収可能なエネルギーを増加させるために、この流れは、各膨張段に入る前に70~80℃の温度まで加熱される。対応する熱は、第1の圧縮段5を出るフィードガス流FGから回収される。
【0162】
圧縮アセンブリ5の段間圧力は、2bar abs(段1の出口)、3.5bar abs(段2の出口)、及び5.5bar abs(段3の出口)のオーダーである。膨張8の段間圧力は、3bar absである。同様に、圧縮段の出口温度はそれぞれ、140~150℃(段1の出口)及び次の段では75~85℃のオーダーである。膨張段8の排出温度は、約0℃である。
【0163】
圧力、より一般には動作条件のステージングは、圧縮アセンブリの段のホイールと第2の膨張段8のホイールとが同じ回転速度を有するように選択される。したがって、これらの2つのホイールは、例えばピニオンの両側に同じ回転軸を有し得る。
【0164】
これは、第1の膨張段及び別の圧縮段に関しても同様に当てはまる場合がある。
【0165】
熱レベルでは、第1の圧縮段5を出るフィードガス流は、最初に、窒素富化流FNとの交換によって冷却される。これらの交換は、2つの交換器31と32との間で実質的に半分に分割されるフィードガス流FGに関して並列の、U字形チューブ交換器である2つのガス-ガス交換器31及び32によって実施される。
【0166】
これらの交換器31及び32の出口において、フィードガス流は、冷凍水によって周囲温度まで冷却され、凝縮水から分離され、第2の圧縮段5に導かれる。各段5の出口において、フィードガス流は、その後、冷凍水によって周囲温度まで冷却され、任意の凝縮水から分離される。
【0167】
フィードガス流FGは、膨張段8の取入れ口を加熱するために最高温度で使用され、これにより、回収可能なエネルギーを増加することを可能にすることに留意されたい。
【0168】
図5の例示的な実施形態では、設備50は、窒素富化ガス流FN及びフィードガス流FCO2とは異なる中間熱伝達流体を使用する中間熱回路51を含み、この中間回路51は、中間熱伝達流体を介して、窒素富化ガス流FNとフィードガス流FCO2との間で熱交換を可能にするように配置されている。
【0169】
この中間回路51は、中間流体を循環させるためのポンプ52を含む。この中間回路51には、温度センサ53が設けられ得る。
【0170】
中間回路51は、中間熱伝達流体が、回路51内の中間熱伝達流体とフィードガス流FGとの間で熱の交換を可能にするように配置されたガス/熱伝達流体熱交換器55と、2つの他のガス/熱伝達流体熱交換器56とを通過するように配置されており、2つの他のガス/熱伝達流体熱交換器56は、窒素富化ガス流FNが、この交換器56を通過して、膨張段8で膨張させる前に回路51内の中間熱伝達流体によって加熱されるように、膨張段8の上流にそれぞれ配置されている。
【0171】
フィードガス流FGを冷却するためのガス/熱伝達流体熱交換器55は、フィードガス流FGがこの第1の圧縮段5の出口で中間流体によって冷却されるように、第1の圧縮段5の下流に配置されている。
【0172】
2つの交換器56は、中間流体が、それぞれがこれらの交換器56のうちの一方を通過する2つの流れ61と62に更に分割されるように、中間流体に対して並列に配置されている。
【0173】
窒素富化ガス流FNにおいては、その部分については、交換器56と膨張段8の直列配置と解釈される。各膨張段8は、交換器56のうちの1つの下流に配置されている。
【0174】
上記の設備では、乾燥窒素流FNを使用して氷冷水を生成するためのユニット65が設けられている。ユニット65から来る氷冷水66の流れは、熱交換器67内で、PSAユニットに入るガス流FGを更に冷却するために使用される。ポンプ68が氷冷水の流れを循環させるために設けられている。流れFNは、最終的に、位置69において大気へと排出される。
【0175】
PSAユニットから来るCO2富化ガス流FCO2は、必要に応じて、例えばCO2の補完的富化を含む追加の処理を経ることができる。したがって、CO2富化ガスから抽出された残留窒素は、再利用され、膨張及びエネルギーの回収に関与することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に燃焼排ガスであるフィードガス流(FG)からCO2を回収するための設備(1)であって、
- 前記フィードガス流からCO2富化ガス流(FCO2)及び窒素富化ガス流(FN)を生成するために、前記フィードガス流(FG)を圧力変動吸着によって処理するためのユニット(2)と、
- 前記処理ユニットに入る前に前記フィードガス流を圧縮するための少なくとも1つの圧縮段(5)を含む圧縮アセンブリ(3)と、
- 少なくとも1つの膨張段(8)を含み、この膨張段における前記窒素富化ガス流(FN)の膨張によって発生する機械的エネルギーを供給することが可能なタービン(6)と、
- 前記窒素富化ガス流(FN)をその膨張前に加熱するために、圧縮段(5)を出る前記フィードガス流(FG)と前記膨張段における膨張前の前記窒素富化ガス流(FN)との間で熱の伝達を可能にするように配置された熱デバイス(10)と、
- 前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを利用するためのデバイス(4)と、
を含む、設備。
【請求項2】
前記利用デバイスは、電気を生成するために、前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを利用することが可能な発電機である、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記利用デバイス(4)は、前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを受け取るように配置された前記圧縮段(5)を含む、請求項1に記載の設備。
【請求項4】
前記圧縮アセンブリ内の少なくとも2つの圧縮段(5)と、前記窒素富化ガス流(FN)によって作動可能な少なくとも2つの膨張段を含むタービン(6)とを含み、前記タービンの各膨張段は、前記圧縮アセンブリに機械的エネルギーを伝達するように配置されており、特に、これが前記圧縮段のうちの1つに直接であるか、又はいくつかの圧縮段に共通の回転シャフトにであるか、又は前記圧縮段を作動させるモータのシャフトにであるかに関係ない、請求項3に記載の設備。
【請求項5】
これらの膨張段(8)は、前記窒素富化ガス流(FN)が、最初に前記膨張段のうちの1つを通過し、その後、他の前記膨張段を通過するように、直列に配置されている、請求項4に記載の設備。
【請求項6】
1つ又は複数の前記膨張段(8)は、前記圧縮段(5)を動作させるのに必要な前記機械的エネルギーの少なくとも25%、特に約40%又は50%を提供するような寸法にされている、請求項3~5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記熱デバイス(10)は、前記窒素富化ガス流(FN)をその膨張前に加熱するために、圧縮段(5)を出る前記フィードガス流(FG)と前記膨張段における膨張前の前記窒素富化ガス流(FN)との間で熱の伝達を可能にするように配置された少なくとも1つのガス/ガス熱交換器(11)を含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
前記ガス/ガス熱交換器(11)は、前記フィードガス流(FG)が前記熱交換器(11)を通過する前に最初に前記圧縮段(5)を通過するように、前記圧縮段(5)の前記出口に配置されている、請求項7に記載の設備。
【請求項9】
前記熱デバイス(10)は、前記フィードガス流(FG)と前記窒素富化ガス流以外の熱伝達流体との間で熱を交換するための1つ以上のガス/熱伝達流体熱交換器(12)を含み、この流体は、例えば冷却回路に属するグリコール水である、請求項1~
5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
前記窒素富化ガス流(FN)に関して、前記処理ユニットの前記出口から連続的に、
- 第1のガス/ガス熱交換器(11)と、
- 第1の膨張段(8)と、
- 第2のガス/ガス熱交換器(11)と、
- 第2の膨張段(8)と、
を含み、
前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器は、前記フィードガス流(FG)に関して、互いに並列に、及び圧縮段(5)、特に前記第1の圧縮段の下流に配置されている、
請求項
8に記載の設備。
【請求項11】
前記窒素富化ガス流(FN)に関して、前記処理ユニットの前記出口から連続的に、
- 第1のガス/ガス熱交換器(11)と、
- 第1の膨張段(8)と、
- 第2のガス/ガス熱交換器(11)と、
- 第2の膨張段(8)と、
を含み、
前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器は、前記フィードガス流(FG)に関して、互いに並列に、及び圧縮段(5)、特に前記第1の圧縮段の下流に配置されている、
請求項9に記載の設備。
【請求項12】
前記窒素富化ガス流(FN)及び前記フィードガス流(FG)とは異なる中間熱伝達流体を使用する中間熱回路(51)を含み、この中間回路は、前記中間熱伝達流体を介して、前記窒素富化ガス流と前記フィードガス流との間の熱交換を可能にするように配置されている、請求項1~
5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項13】
前記湿潤フィードガス流(FG)から生成された前記窒素富化ガス流(FN)は、前記膨張段における膨張前に、50ppm未満のH2O、好ましくは5ppm未満のH2Oを含むように乾燥させる、請求項1~
5のいずれか一項に記載の設備。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0175
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0175】
PSAユニットから来るCO2富化ガス流FCO2は、必要に応じて、例えばCO2の補完的富化を含む追加の処理を経ることができる。したがって、CO2富化ガスから抽出された残留窒素は、再利用され、膨張及びエネルギーの回収に関与することができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 特に燃焼排ガスであるフィードガス流(FG)からCO2を回収するための設備(1)であって、
- 前記フィードガス流からCO2富化ガス流(FCO2)及び窒素富化ガス流(FN)を生成するために、前記フィードガス流(FG)を圧力変動吸着によって処理するためのユニット(2)と、
- 前記処理ユニットに入る前に前記フィードガス流を圧縮するための少なくとも1つの圧縮段(5)を含む圧縮アセンブリ(3)と、
- 少なくとも1つの膨張段(8)を含み、この膨張段における前記窒素富化ガス流(FN)の膨張によって発生する機械的エネルギーを供給することが可能なタービン(6)と、
- 前記窒素富化ガス流(FN)をその膨張前に加熱するために、圧縮段(5)を出る前記フィードガス流(FG)と前記膨張段における膨張前の前記窒素富化ガス流(FN)との間で熱の伝達を可能にするように配置された熱デバイス(10)と、
- 前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを利用するためのデバイス(4)と、
を含む、設備。
[2] 前記利用デバイスは、電気を生成するために、前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを利用することが可能な発電機である、[1]に記載の設備。
[3] 前記利用デバイス(4)は、前記膨張段によって供給される前記機械的エネルギーを受け取るように配置された前記圧縮段(5)を含む、[1]に記載の設備。
[4] 前記圧縮アセンブリ内の少なくとも2つの圧縮段(5)と、前記窒素富化ガス流(FN)によって作動可能な少なくとも2つの膨張段を含むタービン(6)とを含み、前記タービンの各膨張段は、前記圧縮アセンブリに機械的エネルギーを伝達するように配置されており、特に、これが前記圧縮段のうちの1つに直接であるか、又はいくつかの圧縮段に共通の回転シャフトにであるか、又は前記圧縮段を作動させるモータのシャフトにであるかに関係ない、[3]に記載の設備。
[5] これらの膨張段(8)は、前記窒素富化ガス流(FN)が、最初に前記膨張段のうちの1つを通過し、その後、他の前記膨張段を通過するように、直列に配置されている、[4]に記載の設備。
[6] 1つ又は複数の前記膨張段(8)は、前記圧縮段(5)を動作させるのに必要な前記機械的エネルギーの少なくとも25%、特に約40%又は50%を提供するような寸法にされている、[3]~[5]のいずれか一項に記載の設備。
[7] 前記熱デバイス(10)は、前記窒素富化ガス流(FN)をその膨張前に加熱するために、圧縮段(5)を出る前記フィードガス流(FG)と前記膨張段における膨張前の前記窒素富化ガス流(FN)との間で熱の伝達を可能にするように配置された少なくとも1つのガス/ガス熱交換器(11)を含む、[1]~[6]のいずれか一項に記載の設備。
[8] 前記ガス/ガス熱交換器(11)は、前記フィードガス流(FG)が前記熱交換器(11)を通過する前に最初に前記圧縮段(5)を通過するように、前記圧縮段(5)の前記出口に配置されている、[7]に記載の設備。
[9] 前記熱デバイス(10)は、前記フィードガス流(FG)と前記窒素富化ガス流以外の熱伝達流体との間で熱を交換するための1つ以上のガス/熱伝達流体熱交換器(12)を含み、この流体は、例えば冷却回路に属するグリコール水である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の設備。
[10] 前記窒素富化ガス流(FN)に関して、前記処理ユニットの前記出口から連続的に、
- 第1のガス/ガス熱交換器(11)と、
- 第1の膨張段(8)と、
- 第2のガス/ガス熱交換器(11)と、
- 第2の膨張段(8)と、
を含み、
前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器は、前記フィードガス流(FG)に関して、互いに並列に、及び圧縮段(5)、特に前記第1の圧縮段の下流に配置されている、
[8]又は[9]に記載の設備。
[11] 前記窒素富化ガス流(FN)及び前記フィードガス流(FG)とは異なる中間熱伝達流体を使用する中間熱回路(51)を含み、この中間回路は、前記中間熱伝達流体を介して、前記窒素富化ガス流と前記フィードガス流との間の熱交換を可能にするように配置されている、[1]~[10]のいずれか一項に記載の設備。
[12] 前記湿潤フィードガス流(FG)から生成された前記窒素富化ガス流(FN)は、前記膨張段における膨張前に、50ppm未満のH2O、好ましくは5ppm未満のH2Oを含むように乾燥させる、[1]~[11]のいずれか一項に記載の設備。
【国際調査報告】