IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダウ コーニング コーポレーションの特許一覧

特表2025-504394感圧接着剤組成物及びその調製方法並びにフレキシブル有機発光ダイオードにおける使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】感圧接着剤組成物及びその調製方法並びにフレキシブル有機発光ダイオードにおける使用
(51)【国際特許分類】
   C09J 183/07 20060101AFI20250204BHJP
   C09J 183/05 20060101ALI20250204BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20250204BHJP
   C08L 83/07 20060101ALI20250204BHJP
   C08L 83/05 20060101ALI20250204BHJP
【FI】
C09J183/07
C09J183/05
C09J7/38
C08L83/07
C08L83/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541161
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 US2022080096
(87)【国際公開番号】W WO2023146692
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】63/303,143
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボナ
(72)【発明者】
【氏名】ユク、ジュヨン
【テーマコード(参考)】
4J002
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J002CP04Z
4J002CP13W
4J002CP13X
4J002CP13Y
4J002CP14W
4J002CP14X
4J002CP14Y
4J002DA116
4J002DD076
4J002EC037
4J002EZ006
4J002FD037
4J002FD14Z
4J002FD156
4J002GJ01
4J002GP00
4J002GQ01
4J002HA03
4J004AA18
4J004AB01
4J004BA02
4J004CA06
4J004CB03
4J004CC02
4J004DB02
4J004FA05
4J040EK042
4J040EK091
4J040HD35
4J040JB09
4J040KA14
4J040KA20
4J040KA23
4J040LA01
4J040LA06
4J040MA10
4J040MB03
4J040NA17
4J040NA19
(57)【要約】
感圧接着剤組成物は、ヒドロシリル化によって硬化して感圧接着剤を形成することができる。感圧接着剤組成物は、基材上にコーティングされ、硬化されて、保護フィルムを形成し得る。保護フィルムは、例えば、パッシベーション層及び/又は薄膜封止層を保護するためのフレキシブルOLEDデバイスの製作プロセスで有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感圧接着剤組成物であって、
(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、前記第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.03重量%~0.11重量%の量で存在する、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
任意選択的に、(B)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、前記第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.3重量%~1.1重量%の量で存在する、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
(出発物質(A)及び(B)は、(B)/[(A)+(B)]によって計算される重量比0~0.5を提供するのに十分な量で存在する)、
(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、前記アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーの重量に基づいて、0.01重量%~2重量%の量で存在する、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーと、
(出発物質(A)、(B)、及び(C)は、0.5~2.5の[(A)+(B)]/(C)]によって計算される重量比を提供する量で存在する)、
(D)1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基を有し、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合水素を有し、平均で少なくとも1重量%のケイ素結合水素原子を有する、ポリアルキル水素シロキサンと、
(E)前記組成物中に10~5000重量ppm濃度のPt族金属を提供するのに十分な量の、白金族金属触媒と、
(F)アセチレンアルコールと、
任意選択的に、(G)定着添加剤と、
(H)前記組成物中の全ての出発物質の合計重量に基づいて、10重量%~90重量%の有機溶媒と、を含み、
但し、組み合わされた前記組成物中の全ての出発物質が、3.33~5.21のケイ素結合水素原子/ケイ素結合アルケニル基のモル比(SiH/Vi比)を有することを条件とする、感圧接着剤組成物。
【請求項2】
(A)前記第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが、単位式(I):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rが、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字d、e、f、及びgが、前記単位式中の各単位の平均数を表し、2≧d≧0、2≧e≧0、20≧f≧5、10,000≧g≧2,000及び量(d+e)=2であるような値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(B)前記第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが存在し、前記第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが、単位式(II):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rが、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字h、i、j、及びkが、前記単位式中の各単位の平均数を表し、2≧h≧0、2≧i≧0、100≧j≧21、10,000≧k≧2,000、及び量(h+i)=2であるような値を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(A)前記第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが、0.05重量%~0.09重量%のビニル官能基を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(B)前記第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが存在し、0.5重量%~0.9重量%のビニル官能基を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
(C)前記アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーが、単位式(III):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rが、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字l、m、n、及びoが、前記単位式中の各単位の平均数を表し、2≧l≧0、2≧m≧0、100≧n≧0、1,000≧o≧10、及び量(l+m)=2であるような値を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比が、0.6~1.3である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
(D)前記ポリアルキル水素シロキサンが、単位式(IV):(R SiO1/2(R SiO2/2(RHSiO2/2を有し、式中、各Rが、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、下付き文字p及びqが、前記単位式中の各二官能性単位の平均数を表し、0≦p≦2,000及び2≦q≦2000であるような値を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(E)前記触媒が、塩化白金酸とジビニルシロキサンとの錯体を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記アセチレンアルコールが、エチニルシクロヘキサノールを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、基部及び硬化剤部を含む多液型組成物であり、前記基部が、出発物質(A)及び(D)を含み、前記硬化剤部が、出発物質(A)及び(E)を含み、前記組成物が、前記基部又は別個の第3の部のうちの1つ以上の中に出発物質(F)を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
方法であって、
任意選択的に、1)基材の表面を処理することと、
2)請求項1~10のいずれか一項に記載の感圧接着剤組成物を前記基材に適用することと、
3)前記感圧接着剤組成物を乾燥させて、溶媒の全て又は一部を除去することと、
4)前記感圧接着剤組成物を硬化させて、感圧接着剤フィルムを形成することと、を含む、方法。
【請求項13】
フレキシブル有機発光ダイオードデバイスを製作する方法であって、前記方法が、請求項12に記載の方法において調製された前記感圧接着剤を前記デバイス中のパッシベーション層に適用することを含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法によって調製された、感圧接着剤フィルム。
【請求項15】
フレキシブル有機発光ダイオードデバイス中のパッシベーション層を保護するための、請求項14に記載の感圧接着剤フィルムの、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2022年1月26日出願の米国仮特許出願第63/303,143号の利益を主張する。米国仮特許出願第63/303,143号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを製作するためのプロセスに有用な感圧接着剤組成物に関する。感圧接着剤組成物を硬化して、初期接着力が低く、経時的な接着安定性が高く、移行性が低く、耐スクラッチ性(耐擦傷性)かつ/又は修復特性を有する、感圧接着剤を形成する。
【背景技術】
【0003】
フレキシブルOLEDディスプレイを製作するための典型的なプロセスでは、OLEDは、比較的剛性の基材(例えば、ガラス又はポリイミドワニスでコーティングされたガラス)上に形成され、基材とは反対側のOLEDの表面上にパッシベーション層が形成される。更なる加工中に、剛性基材が除去される。弱い層又は脆弱な層は、更なる加工中の損傷(例えば、掻き傷又は他の衝撃)から保護する必要がある。
【0004】
製作プロセス中に層を保護するためには、使用後に保護フィルムを剥がす際にOLEDモジュールの表面上の脆弱な層(例えば、パッシベーション層又は薄膜封止層)が層間剥離するのを防ぐために、接着力が低い保護フィルムが望まれる。接着制御が失敗し、接着力が時間とともに増加する場合(すなわち、製作プロセス中)、保護フィルムを除去するときに層が層間剥離したり損傷したりすることがある。したがって、業界では、接着力が低く、接着安定性が高い保護フィルムを提供する必要がある(この場合、層間剥離又は損傷を引き起こす程度まで、製作プロセスに必要な時間中に接着力は増加しない)。
【0005】
また、保護フィルムの除去後に追加のフィルム又は層を積層できるように、層の表面を清浄に保つことも重要である。したがって、業界では、移行性の低い保護フィルムを提供する必要がある(保護フィルムを除去した後、フレキシブルOLEDデバイスの層の表面上に保護フィルムからの接着剤が全く又は最小限しか残らないように)。
【発明の概要】
【0006】
感圧接着剤組成物は、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガム、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマー、ポリアルキル水素シロキサン、白金族金属触媒、アセチレンアルコール、及び有機溶媒を含む。
【0007】
感圧接着剤組成物を調製する方法、感圧接着剤組成物を使用して感圧接着剤物品を形成する方法、及び感圧接着剤物品を使用してフレキシブル有機発光ダイオードデバイスを製作する方法も開示される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上で紹介した感圧接着剤組成物は、
(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基(すなわち、ケイ素結合アルケニル基中のCH=CH)が、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.03重量%~0.11重量%の量で存在する、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
任意選択的に、(B)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.3重量%~1.1重量%の量で存在する、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
(出発物質(A)及び(B)は、0~0.5の(B)/[(A)+(B)]によって計算される重量比を提供するのに十分な量で存在する)、
(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーの重量に基づいて、0.01重量%~2重量%の量で存在する、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーと、
(出発物質(A)、(B)、及び(C)は、0.5~2.5の[(A)+(B)]/(C)]によって計算される重量比を提供する量で存在する)、
(D)1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基を有し、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合水素原子を有し、平均で少なくとも1重量%のケイ素結合水素原子を有する、ポリアルキル水素シロキサンと、
(E)白金族金属触媒と、
(F)アセチレンアルコールと、
任意選択的に、(G)定着添加剤と、
(H)有機溶媒と、を含み、
但し、組み合わされた組成物中の全ての出発物質が、3.33~5.21のケイ素結合水素原子(SiH)/ケイ素結合アルケニル基(Vi)のモル比[SiH/Vi比]を有することを条件とする。
【0009】
(A)第1の(低)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガム
感圧接着剤組成物中の出発物質(A)は、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムである。第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基、及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有する。ビニル(CH=CH-)官能基(例えば、ケイ素結合アルケニル基中)は、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.03重量%~0.11重量%の量で存在する。あるいは、(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、0.05重量%~0.09重量%のビニル官能基を有してもよい。
【0010】
出発物質(A)の第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、単位式(I):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有してもよく、式中、各Rは、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rは、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字d、e、f、及びgは、単位式中の各単位の平均数を表し、2≧d≧0、2≧e≧0、20≧f≧5、10,000≧g≧2,000及び量(d+e)=2であるような値を有する。あるいは、下付き文字dは2であってもよく、下付き文字eは0であってもよい。あるいは、下付き文字fは、5~15であってもよい。あるいは、下付き文字gは、6,000~8000であってもよく、あるいは6,500~7,500であってもよい。
【0011】
単位式(I)では、各Rは独立して、炭素原子1~10個のアルキル基であり、各Rは独立して、炭素原子2~6個のアルケニル基である。好適なアルキル基には、分岐又は非分岐の飽和一価炭化水素基が含まれる。アルキルは、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソプロピル及び/又はn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル及び/又はsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル及び/又はtert-ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル、並びに6~10の炭素原子の分岐状飽和一価炭化水素基によって例示されるが、これらに限定されない。あるいは、各Rは、メチル、エチル、及びイソプロピルから選択され得る。あるいは、各Rは、メチルであってもよい。好適なアルケニル基には、末端二重結合を有する分岐又は非分岐一価炭化水素基(ビニル官能基)が含まれる。アルケニルは、ビニル、アリル、ブテニル(例えば、イソブテニル、n-ブテニル、tert-ブテニル、及び/又はsec-ブテニル)、並びに6個の炭素原子の分岐及び直鎖基を含むヘキセニルによって例示されるが、これらに限定されない。あるいは、各Rは、式CH=CH-(CH-を有してもよく、式中、下付き文字sは0~4である(すなわち、s=0の場合はビニル、又はs>0の場合はビニル末端のいずれかである)。あるいは、各Rは、ビニル、アリル、又はヘキセニルであり得る。あるいは、各Rは、ビニル又はヘキセニルであり得る。あるいは、各Rは、ビニルであってもよい。
【0012】
出発物質(A)は、
i)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
iii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
iv)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
v)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
vi)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
vii)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
viii)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
ix)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ)ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
x)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
xi)ビス-ヘキセニルジメチル-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
xii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xii)i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、viii)、ix)、x)、xi)、及びxii)のうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。
【0013】
対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合又は環状ポリジオルガノシロキサンの平衡化などの、出発物質(A)としての使用に適したアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンの調製方法は、当技術分野において周知であり、例えば、米国特許第3,284,406号、同第4,772,515号、同第5,169,920号、同第5,317,072号、及び同第6,956,087号を参照されたい。
【0014】
(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの量は、出発物質(A)中のアルケニル基の正確な含有量、出発物質(B)が存在するかどうか、及び任意の他の出発物質(例えば、(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマー及び/又は白金族金属触媒)がアルケニル基を含有するかどうかなどの様々な要因に応じて異なる。しかしながら、出発物質(A)の量は、少なくとも57重量部、あるいは少なくとも60重量部、あるいは少なくとも65重量部、あるいは少なくとも70重量部、あるいは少なくとも71重量部であってもよく、同時に、出発物質(A)の量は、最大100重量部、あるいは最大90重量部、あるいは最大80重量部、あるいは最大75重量部、あるいは最大71重量部であってもよい。
【0015】
(B)第2の(高)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガム
感圧接着剤組成物中の出発物質(B)は、少なくともビニル官能基の含有量がより高いという点で第1のアルケニル含有ポリジオルガノシロキサンガムとは異なる、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムである。第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基、及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有する。ビニル官能基は、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて0.3重量%~1.1重量%の量で存在する。あるいは、(A)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、0.5重量%~0.9重量%のビニル官能基を有してもよい。
【0016】
出発物質(B)の第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、単位式(II):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有してもよく、式中、各Rは、独立して、上記のような1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rは、独立して、上記のような2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字h、i、j、及びkは、単位式中の各単位の平均数を表し、2≧h≧0、2≧i≧0、100≧j≧21、10,000≧k≧2,000、及び量(h+i)=2であるような値を有する。あるいは、式(II)において、下付き文字jは、50~150であってもよい。あるいは、下付き文字kは、5,000~7,000であってもよい。
【0017】
出発物質(B)は、
i)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
iii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
iv)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
v)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
vi)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
vii)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
viii)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
ix)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ)ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
x)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
xi)ビス-ヘキセニルジメチル-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
xii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xii)i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、viii)、ix)、x)、xi)、及びxii)のうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。
【0018】
対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合又は環状ポリジオルガノシロキサンの平衡化などの、出発物質(B)としての使用に適したアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンの調製方法は、当技術分野において周知であり、例えば、米国特許第3,284,406号、同第4,772,515号、同第5,169,920号、同第5,317,072号、及び同第6,956,087号を参照されたい。
【0019】
(B)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの量は、出発物質(B)中のアルケニル基の正確な含有量、存在する出発物質(A)の量及びアルケニル含有量、並びに任意の他の出発物質(例えば、白金族金属触媒)がアルケニル基を含有するかどうかなどの様々な要因に応じて異なる。しかしながら、出発物質(B)の量は0であってもよい(出発物質(B)は任意選択的であることから)。あるいは、(B)が存在する場合、(B)の量は、少なくとも25重量部、あるいは少なくとも26重量部、あるいは少なくとも27重量部、あるいは少なくとも28重量部、あるいは少なくとも29重量部であってもよく、同時に、出発物質(A)の量は、最大43重量部、あるいは最大40重量部、あるいは最大35重量部、あるいは最大30重量部、あるいは最大29重量部であってもよい。出発物質(A)と(B)とを合わせた量は、感圧接着剤組成物中、合計で100重量部であってもよい。出発物質(A)及び(B)は、0~0.5、あるいは0~0.43、あるいは>0~0.5、あるいは>0~0.43、あるいは0.25~0.43の(B)/[(A)+(B)]によって計算される重量比を提供するのに十分な量で感圧接着剤組成物中に存在する。あるいは、重量比(B)/[(A)+(B)]は、少なくとも0.25、あるいは少なくとも0.28であってもよく、同時に、重量比(B)/[(A)+(B)]は、最大0.5、あるいは最大0.43、あるいは最大0.29であってもよい。
【0020】
(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマー
感圧接着剤組成物中の出発物質(C)は、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーであり、これは、少なくとも1分子当たりのシロキサン単位の平均数がより少ないという点で、ガム(A)及び(B)とは異なる。アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーは、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基、及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有する。ビニル官能基は、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーの重量に基づいて0.01重量%~2重量%の量で存在する。
【0021】
出発物質(C)の第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーは、単位式(III):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有してもよく、式中、各Rは、独立して、上記のような1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rは、独立して、上記のような2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字i、m、n、及びoは、単位式中の各単位の平均数を表し、2≧r≧0、2≧m≧0、100≧n≧0、1,000≧o≧10、及び量(r+m)=2であるような値を有する。あるいは、単位式(III)において、下付き文字rは2であってもよく、下付き文字mは0であってもよい。あるいは、下付き文字oは、400~1,000であってもよく、あるいは、450~950であってもよい。あるいは、下付き文字nは0であってもよい。
【0022】
出発物質(C)は、
i)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
iii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
iv)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
v)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
vi)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
vii)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
viii)ビス-ヘキセニルジメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
ix)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ)ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
x)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
xi)ビス-ヘキセニルジメチル-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
xii)ビス-ビニルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
xii)i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、viii)、ix)、x)、xi)、及びxii)のうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。
【0023】
対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合又は環状ポリジオルガノシロキサンの平衡化などの、出発物質(B)としての使用に適したアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンの調製方法は、当技術分野において周知であり、例えば、米国特許第3,284,406号、同第4,772,515号、同第5,169,920号、同第5,317,072号、及び同第6,956,087号を参照されたい。
【0024】
(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーの量は、出発物質(C)中のアルケニル基の正確な含有量、存在する出発物質(A)の量及びアルケニル含有量、出発物質(B)が存在するかどうか、並びに任意の他の出発物質(例えば、白金族金属触媒)がアルケニル基を含有するかどうかなどの様々な要因に応じて異なる。しかしながら、出発物質(C)の量は0であってもよい(出発物質(C)は任意選択的であることから)。あるいは、(C)が存在する場合、(C)の量は、>0重量部、あるいは少なくとも75重量部、あるいは少なくとも80重量部、あるいは少なくとも81重量部、あるいは少なくとも82重量部、あるいは少なくとも83重量部であってもよく、同時に、出発物質(C)の量は、最大143重量部、あるいは最大140重量部、あるいは最大135重量部、あるいは最大130重量部、あるいは最大125重量部であってもよい。出発物質(A)、(B)、及び(C)の量は、[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比が少なくとも0.5、あるいは少なくとも0.6、あるいは少なくとも0.7、あるいは少なくとも1.2であり、同時に[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比が最大2.5、あるいは最大1.5、あるいは最大1.3であり得るような量であり得る。
【0025】
(D)ポリアルキル水素シロキサン
感圧接着剤組成物中の出発物質(D)は、ポリアルキル水素シロキサンである。ポリアルキル水素シロキサンは、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基を有し、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合水素原子を有し、平均で少なくとも1重量%のケイ素結合水素原子を有する。
【0026】
出発物質(D)のポリアルキル水素シロキサンは、単位式(IV):(R SiO1/2(R SiO2/2(RHSiO2/2を有してもよく、式中、各Rは、独立して、上記のような1~10個の炭素原子のアルキル基であり、下付き文字p及びqは、単位式中の各二官能性単位の平均数を表し、0≦p≦2,000及び2≦q≦2000であるような値を有する。あるいは、下付き文字pは、0であってもよい。あるいは、下付き文字qは、15~50、あるいは20~45、あるいは25~40、あるいは30~35であってもよい。
【0027】
出発物質(D)のためのポリアルキル水素シロキサンは、
a)ビス-ジメチル水素シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル水素シロキサン)、
b)ビス-ジメチル水素シロキシ末端ポリメチル水素シロキサン、
c)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル水素シロキサン)、
d)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチル水素シロキサン、並びに
e)a)、b)、c)、及びd)のうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。
【0028】
アルキルハロシランの加水分解及び縮合などの、出発物質(D)として使用するために好適な直鎖、分岐、及び環状ポリアルキル水素シロキサンを調製する方法は、Speierの米国特許第2,823,218号、Jeramらの米国特許第3,957,713号、及びHardmanらの米国特許第4,329,273号に例示されているとおり、当該技術分野において公知である。
【0029】
(D)ポリアルキル水素シロキサンポリマーの量は、存在する出発物質(A)、(B)、及び(C)のアルケニル含有量及び量、並びに任意の他の出発物質(例えば、白金族金属触媒)がアルケニル基を含有するかどうかなどの様々な要因に応じて異なる。しかしながら、出発物質(D)の量は、全体のSiH/Vi比を有するシリコーン感圧接着剤組成物に対して十分であってもよく、すなわち、組み合わされてケイ素結合水素原子(SiH)/ケイ素結合アルケニル基(Vi)のモル比が3.3~5.21、あるいは、3.8~5.1、あるいは、4.1~4.8、あるいは4.2~4.3である組成物中の出発物質を提供してもよい。あるいは、全体のSiH/Vi比は、少なくとも3.33、あるいは少なくとも3.8、あるいは少なくとも4.0、あるいは少なくとも4.1、あるいは少なくとも4.2であってもよく、同時に、全体のSiH/Vi比は、最大5.21、あるいは最大5.1、あるいは最大5.0、あるいは最大4.8、あるいは最大4.5、あるいは最大4.3であってもよい。あるいは、ポリアルキル水素シロキサンは、感圧接着剤組成物中に4重量部~10重量部の量で存在してもよい。
【0030】
(E)白金族金属触媒
感圧接着剤組成物は、ヒドロシリル化を触媒することができる白金族金属触媒を更に含む。好適な白金族金属触媒は、当該技術分野において既知であり、市販されている。触媒は、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、及びイリジウムから選択される白金族金属であり得る。あるいは、触媒は、このような金属の化合物(例えば、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、二塩化白金)、及び当該化合物とアルケニル官能性オルガノポリシロキサンとの錯体、又はマトリックス若しくはコア/シェル型構造にマイクロカプセル化された白金化合物であってもよい。白金とアルケニル官能性オルガノポリシロキサンとの錯体としては、1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン白金錯体が挙げられる。これらの錯体は、樹脂マトリックス中にマイクロカプセル化されていてもよい。例示的なヒドロシリル化触媒は、米国特許第3,159,601号、同第3,220,972号、同第3,296,291号、同第3,419,593号、同第3,516,946号、同第3,814,730号、同第3,989,668号、同第4,784,879号、同第5,036,117号、及び同第5,175,325号、並びに欧州特許第0347895(B)号に記載されている。マイクロカプセル化されたヒドロシリル化触媒及びその調製方法は、米国特許第4,766,176号及び同第5,017,654号に例示されているとおり、当該技術分野において公知である。
【0031】
触媒は、ヒドロシリル化反応を触媒するのに十分な量、典型的には、溶媒を除く感圧接着剤組成物中の全ての出発物質の合計重量に基づいて、10重量ppm~5,000重量ppmの白金族金属を提供するのに十分な量で、感圧接着剤組成物に添加される。あるいは、白金族金属触媒が、白金とアルケニル官能性オルガノポリシロキサンとの化合物又は錯体、例えば、1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン白金錯体を含む場合、その量は、5重量部~10重量部、あるいは6重量部~7.5重量部であってもよい。
【0032】
(F)アセチレンアルコール
感圧接着剤組成物は、アセチレンアルコールを更に含む。アセチレンアルコールは、感圧接着剤組成物の阻害剤又は安定剤として添加され得る。好適なアセチレンアルコールは、メチルブチノール、エチニルシクロヘキサノール(ETCH)、ジメチルヘキシノール、及び3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、1-ブチン-3-オール、1-プロピン-3-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3-フェニル-1-ブチン-3-オール、4-エチル-1-オクチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、及び1-エチニル-1-シクロヘキサノール、並びにそれらの組み合わせによって例示される。あるいは、出発物質(F)は、(F-1)1-エチニル-1-シクロヘキサノール、(F-2)メチルブチノール、(F-3)マレイン酸ジアリル、並びに(F-4)(F-1)、(F-2)及び(F-3)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されてもよい。あるいは、出発物質(F)は、ETCHによって例示される。アセチレンアルコールは、Sigma-Aldrich,Inc.(St.Louis,Missouri,USA)などの様々な提供元から市販されている。
【0033】
組成物に添加されるアセチレンアルコールの量は、感圧接着剤組成物の所望のポットライフ、組成物が一液型組成物であるのか多液型組成物であるのか、使用される特定のアセチレンアルコール、及びポリアルキル水素シロキサンの量を含む様々な要因に応じて異なる。しかしながら、存在する場合、出発物質(F)の量は、0.01~0.5重量部であり得る。
【0034】
(G)定着添加剤
感圧接着剤組成物は、任意選択的に、定着添加剤を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、定着添加剤は、本明細書に記載の感圧接着剤組成物を硬化させることによって調製された感圧接着剤による基材への結合を促進すると考えられる。しかしながら、定着添加剤が存在することで、所望の剥離力に悪影響が及ぶことはなく、この結果、デバイスが損傷することなく、又はあまり残留物を残すことなく、感圧接着剤を、OLEDにおける脆弱な層などの電子デバイスから除去することが可能になる。
【0035】
好適な定着添加剤としては、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、及びビス(トリメトキシシリル)ヘキサンなどのシランカップリング剤、並びに当該シランカップリング剤の混合物又は反応混合物が挙げられる。あるいは、定着添加剤は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、又は3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランであり得る。
【0036】
あるいは、定着添加剤の例として、アルケニル官能性アルコキシシラン(例えばビニルアルコキシシラン)とエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物、アルケニル官能性アセトキシシラン(例えばビニルアセトキシシラン)とエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物、及び1分子中に少なくとも1つの脂肪族不飽和炭化水素基と少なくとも1つの加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの(例えば、物理的なブレンド及び/又は反応生成物のような)組み合わせ(例えば、ヒドロキシ末端ビニル官能性ポリジメチルシロキサンとグリシドキシプロピルトリメトキシシランとの組み合わせ)を挙げることができる。好適な固定添加剤及びその調製方法は、例えば、米国特許第9,562,149号、米国特許出願公開第2003/0088042号、2004/0254274、2005/0038188、2012/0328863の段落[0091]、及び米国特許出願公開第2017/0233612号の段落[0041]、並びに欧州特許第0556023号に開示されている。
【0037】
定着添加剤は、市販されている。例えば、SYL-OFF(商標)297、SYL-OFF(商標)397、及びSYL-OFF(商標)9176は、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から入手可能である。他の例示的な定着添加剤としては、(G-1)ビニルトリアセトキシシラン、(G-2)グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(G-3)2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、(G-4)(G-1)、(G-2)、及び(G-3)のうちの2つ以上の組み合わせ、並びに(G-5)(G-1)、(G-2)、(G-3)、及び/又は(G-4)のうちのいずれかと、ヒドロキシル基、メトキシ基で終端するか、又はヒドロキシ基及びメトキシ基の両方で終端するポリジメチルシロキサンとの組み合わせが挙げられる。(G-4)と(G-5)との組み合わせは、物理的ブレンド及び/又は反応生成物であり得る。
【0038】
定着添加剤の量は、組成物が適用される基材の種類、及び組成物の適用前にプライマー又は他の表面処理を使用するかどうかを含む様々な要因に応じて異なる。しかしながら、定着添加剤の量は、0~5重量部、あるいは1重量部~5重量部であってもよい。
【0039】
(H)有機溶媒
感圧接着剤組成物は、溶媒を更に含む。溶媒は、有機溶媒であり得る。有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn-プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンなどのケトン、ベンゼン、トルエン、又はキシレンなどの芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン若しくはオクタンなどの脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、若しくはエチレングリコールn-ブチルエーテル、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン又は塩化メチレンなどのグリコールエーテル;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル;テトラヒドロフラン、ホワイトスピリット;ミネラルスピリット;ナフサ;n-メチルピロリドン;又はこれらの組み合わせであることができる。あるいは、溶媒は、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0040】
溶媒の量は、選択された溶媒の種類並びに感圧接着剤組成物のために選択された他の出発物質の量及び種類を含む様々な要因に応じて異なる。しかしながら、溶媒の量は、感圧接着剤組成物中の全ての出発物質の合計重量に基づいて、10%~90%、あるいは20%~60%の範囲であり得る。溶媒は、例えば、混合及び送達を補助するために、感圧接着剤組成物の調製中に添加することができる。溶媒の全て又は一部を、他の出発物質のうち1のつと共に添加してもよい。例えば、ガム、ポリマー、及び触媒のうちの1つ以上は、組成物中の他の出発物質と組み合わせる前に、芳香族炭化水素又はアルコールなどの溶媒に溶解されてもよい。溶媒の全て又は一部は、任意選択的に、感圧接着剤組成物を調製した後に除去されてもよい。
【0041】
上記の感圧接着剤組成物用の出発物質を選択する場合、本明細書に記載の特定の出発物質は、複数の機能を有し得ることから、出発物質の種類間で重複してもよい。例えば、特定のアルコキシシランは、接着促進剤兼定着添加剤として有用であり得る。組成物に追加の出発物質を添加する場合、追加の出発物質は、互いに異なり、組成物に必要な出発物質とは異なる。
【0042】
感圧接着剤組成物は、ポリオルガノシリケート樹脂及び/又はシルセスキオキサン樹脂などのシリコーン樹脂を含まなくてもよい。本明細書で使用する場合、「シリコーン樹脂を含まない」とは、感圧接着剤組成物が、検出不可能な量のシリコーン樹脂を含有すること、又はシリコーン樹脂を含まない同じ組成物と比較して、以下の実施例2に従って測定される特性を変化させない量のシリコーン樹脂を含有することを意味する。
【0043】
感圧接着剤組成物は、充填剤を含まなくてもよく、又は組成物中の全ての出発物質の合計重量に基づいて0~30%などの限られた量のみの充填剤を含有してもよい。理論に束縛されるものではないが、充填剤は、感圧接着剤組成物を適用又は分配するために使用される機器に凝集するか、若しくはそうでなければ粘着し、充填剤は、光学的透明性が望まれる場合、感圧接着剤組成物及びそれを用いて形成されたシリコーン感圧接着剤フィルムの光学特性、例えば、透明性を阻害し得ると考えられる。充填剤はまた、シリコーン感圧接着剤フィルムの基材への接着性に悪影響を与え得る。
【0044】
感圧接着剤組成物は、周囲温度又は高温での混合などの任意の都合のよい手段によって全ての出発物質を組み合わせることを含む、方法によって、調製することができる。例えば、感圧性接着剤組成物を高温で調製する場合、及び/又は感圧性接着剤組成物を一液型組成物として調製する場合、アセチレンアルコールを、白金族金属触媒の前に添加し得る。
【0045】
あるいは、感圧組成物は、例えば組成物が使用前に長期間保存される場合、多液型組成物として調製され得る。多液型組成物では、白金族金属触媒は、ケイ素結合水素原子を有する任意の出発物質、例えば、ポリアルキル水素シロキサンとは別個の部に保存され、この部は、感圧性接着剤組成物の使用直前に組み合わされる。例えば、二液型組成物は、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガム、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガム、及びアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマー;ポリアルキル水素シロキサン;並びに有機溶媒のうちの1つ以上を含む出発物質と、任意選択的に上記の1つ以上の他の追加の出発物質とを、混合などの任意の都合のよい手段によって組み合わせて、基部を形成することによって調製されてもよい。硬化剤は、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガム、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガム、及びアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマー;白金族金属触媒;並びに有機溶媒のうちの1つ以上を含む出発物質と、任意選択的に上記の1つ以上の他の追加の出発物質とを、混合などの任意の都合のよい手段によって組み合わせることにより調製されてもよい。出発物質は、周囲温度又は高温で混合され得る。アセチレンアルコールは、基部、硬化剤部、又は別個の追加部のうちの1つ以上に含まれてもよい。定着添加剤は基部に添加してもよく、又は別個の追加部として添加してもよい。二液型組成物を使用する場合、基部の量と硬化剤部の量との重量比は、1:1~10:1の範囲であり得る。感圧接着剤組成物は、ヒドロシリル化反応により硬化して感圧接着剤を形成する。
【0046】
上記の方法は、1つ以上の追加の工程を更に含んでもよい。上記のように調製した感圧接着剤組成物を使用して、基材上に接着剤物品、例えば、感圧接着剤(上記の感圧接着剤組成物を硬化させることにより調製する)を形成してもよい。上記の方法は、感圧接着剤硬化型組成物を基材に適用することを更に含んでもよい。
【0047】
基材に感圧接着剤硬化型組成物を適用することは、任意の都合のよい手段により実施することができる。例えば、感圧接着剤硬化型組成物は、グラビアコーター、オフセットコーター、オフセットグラビアコーター、ローラーコーター、リバースローラーコーター、エアナイフコーター又はカーテンコーターによって基材上に適用することができる。
【0048】
基材は、感圧接着剤硬化型組成物を硬化させて基材上に感圧接着剤を形成するのに使用される硬化条件(後述する)に耐えることができる任意の材料であり得る。例えば、120℃以上、あるいは150℃の温度での熱処理に耐えることができる任意の基材が好適である。そのような基材に好適な材料の例としては、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリアリレート、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルフィド(PES)、又はポリエチレンテレフタレート(PET)、又はPE(ポリエチレン)、又はPP(ポリプロピレン)などのプラスチックフィルムが挙げられる。あるいは、基材は、アルミニウムホイル又は銅箔などの金属箔であり得る。基材の厚さは、重要ではない。しかしながら、厚さは、5マイクロメートル~300マイクロメートルの範囲であってもよい。
【0049】
基材への感圧接着剤の結合を改善するために、本方法は、任意選択的に、感圧接着剤組成物を適用する前に基材を処理することを更に含み得る。基材の処理は、感圧接着剤組成物を基材に適用する前に、プライマーを適用すること、又は基材をコロナ放電処理、エッチング、若しくはプラズマ処理に供することなどの任意の都合のよい手段により実施してもよい。
【0050】
保護フィルムなどの接着剤物品は、上記の基材上に上記の感圧接着剤組成物を適用することによって調製され得る。本方法は、任意選択的に、硬化前及び/又は硬化中に溶媒の全て又は一部を除去することを更に含んでもよい。溶媒の除去は、感圧接着剤組成物を完全には硬化させずに溶媒を気化させる温度で加熱すること、例えば70℃~120℃、あるいは50℃~100℃、あるいは70℃~80℃の温度で、溶媒の全て又は一部を除去するのに十分な時間(例えば30秒間~1時間、あるいは1分間~5分間)加熱すること、などの任意の都合のよい手法により実施してもよい。
【0051】
次いで、本方法は、感圧接着剤組成物(乾燥工程が実施される際に溶媒の一部又は全てを除去していてもよい)を、感圧接着剤硬化型組成物を硬化させるのに十分な時間(例えば、30秒~1時間、あるいは1分~5分)、室温又は140℃~220℃、あるいは150℃~220℃、あるいは160℃~200℃、あるいは165℃~180℃の温度で加熱することによって硬化させることを更に含む。これにより、基材上に感圧接着剤フィルムが形成される。乾燥及び/又は硬化は、基材をオーブン内に置くことによって実施することができる。基材に適用される感圧接着剤組成物の量は、特定の用途に応じて異なるが、その量は、硬化後に感圧接着剤の厚さが、5マイクロメートル~200マイクロメートルであり得るのに十分な量であり得、保護フィルムの場合、その厚さは、10マイクロメートル~50マイクロメートル、あるいは20マイクロメートル~40マイクロメートル、あるいは30マイクロメートルであり得る。
【0052】
本明細書に記載の方法は、任意選択的に、例えば、接着剤物品の使用前に感圧接着剤を保護するために、基材の反対側の感圧接着剤フィルムの表面に除去可能な剥離ライナーを適用することを更に含んでもよい。
【0053】
上記のように調製された接着剤物品(例えば、保護フィルム)は、低接着力、高接着安定性、及び/又は低移行性を有する保護フィルムとして、フレキシブルOLEDデバイス製作プロセスでの使用に好適である。
【0054】
例えば、フレキシブルOLEDデバイスを製作する方法は、基材の表面上にOLEDモジュール、例えば、基材の反対側のOLEDモジュールの表面上に薄膜封止層などの脆弱な層又はパッシベーション層を形成し、本明細書に記載のように調製された保護フィルムをOLEDモジュールの反対側の脆弱な層の表面に適用することを含み得る。
【実施例
【0055】
これらの実施例は、本発明のいくつかの実施形態を説明することを意図しており、本特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するかのように解釈するべきではない。これらの実施例で使用した出発物質を表1に記載する。
【表1】
【0056】
実施例1、感圧接着剤組成物試料の調製
感圧接着剤組成物の試料を調製するための全般的な手順は以下のとおりである:Ex.1(実施例1)とラベルされた試料を調製するために、以下の出発物質をミキサー内で混合することによって溶液を調製した:最初に、100gの出発物質(A1)を330gのトルエン(H)中に溶解した。次いで、83.3gの出発物質(C1)、4.17gの出発物質(D1)、0.07gの出発物質(F1)、及び出発物質(G1)を添加した。上記出発物質を混合した後、得られた溶液を、6.25gの出発物質(E1)と更に混合した。上記出発物質を前述の溶液と混合することによって、シリコーン感圧接着剤組成物を作製した。この組成物を、接着テープの製作に使用した。比較例1~23及び実施例2~9を、表中の出発物質及び量を使用して同様に調製した。
【0057】
実施例2、感圧接着剤の分析
この実施例2Aにおいて、接着力の測定を以下のように行った:上記のようにして調製したシリコーン感圧接着剤組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET、75μm)フィルム上に適用し、硬化後、シリコーン感圧接着剤層を形成したところ、厚さが75μmであった。フィルムを150℃で2分間加熱することによって、シリコーン感圧接着テープを作製した。得られた感圧性接着テープを、ラミネーターを用いて剥離可能なポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り付け、得られた積層体を室温で1日間エージングした。得られたシートを、幅2.54cm(1インチ)のテープストリップに切断し、剥離可能なポリエチレンテレフタレートフィルムを除去した後、テープストリップをガラス板上に置き、2kgの重量のゴム張り加圧ローラーをストリップ上で前後に2回移動させることによってそれに結合させた。このアセンブリを室温で1時間保持した。接着力(gf/インチ)は、2400mm/分の速度及び180°の角度で引っ張ることによってテープをガラス板から剥離することによって測定した。保管中の接着力の増大を調べるために、上記と同様にして調製したアセンブリを室温で3日間保管した後、接着力を同様に測定した。
【0058】
この実施例2Bにおいて、残留接着剤-残留特性及びシリコーン-転写性-残留接着率(%)を以下のように評価した:(上記実施例2Aに従って調製した)感圧接着テープを幅2.54cm(1インチ)のテープストリップに切断し、これを、剥離可能なポリエチレンテレフタレートフィルムを除去した後にガラス板上に置き、2kgの重量のゴム張り加圧ローラーをストリップ上で前後に2回移動させることによってそれに結合させた。試料を50℃で3日間エージングした後、得られたテープをガラス板から取り外した。そして、TESA(商標)7475テープを、テープが取り外された場所に2kgのローラーによって接着させた。30分後、接着力を、300mm/分の一定速度の引張試験機を使用して、被着体の表面上に対して、180°の角度で被着体からTESA(商標)7475を引き剥がすことにより測定した。参考のために、TESA(商標)7475テープをガラスに接着させ、接着力を同じ方法によって測定した。残留接着率(%)と呼ばれる移行度を、以下の式から計算した;残留接着率(%)=[試験試料の接着力、gf/インチ]/[参照試料の接着力、gf/インチ]。
【0059】
この実施例2Cでは、耐スクラッチ性を以下のように測定した:実施例2Aと同様の方法で調製した感圧接着テープに対して、表面スクラッチの発生及びスクラッチ(擦傷)の復元をフィルムの表面層で、銅ブラシを用いて観察した。表2~表7において、PASS(PASS)は試料が擦傷されなかったことを意味する。NGは擦傷されたことを意味する。
【0060】
この実施例2Dでは、復元特性を以下のように測定した:実施例2Aと同様の方法で調製した感圧接着テープに対して、フィルム表面層にスタイラスペンを使用して強い力で筆記した後に、圧痕を観察した。合格(PASS)とは、試料が10秒以内に瞬時に復元したので圧痕が観察されなかったことを意味する。NGとは、試料が復元しなかったので、圧痕が観察されたことを意味する。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】
【産業上の利用可能性】
【0061】
OLEDデバイスの製作中、弱い又は脆い層は、保護フィルムを使用して損傷(例えば、スクラッチ又は他の衝撃)から保護される必要がある。業界では、使用後に保護フィルムが取り外される場合、接着力が低く、接着安定性が高い保護フィルムを提供する必要がある(この場合、層間剥離又は損傷を引き起こす程度まで、製作プロセスに必要な時間中に接着力は増大しない)。
【0062】
また、保護フィルムの取り外し後に追加のフィルム又は層を積層できるように、層の表面を清浄に保つことも重要である。したがって、業界では、移行性の低い保護フィルムを提供する必要がある(保護フィルムを取り外した後、フレキシブルOLEDデバイスの層の表面上に保護フィルムからの接着剤が全く又は最小限しか残らないように)。
【0063】
保護フィルムは、OLEDデバイス製作中に様々なプロセス条件(圧力及び温度)に曝されるので、保護フィルムは、機械的応力によって変形及び/又は擦傷され得る。したがって、保護フィルムは、このような機械的応力に対する耐スクラッチ性及び復元性を有することも望ましい。
【0064】
本明細書に記載の感圧接着剤組成物は硬化して、OLEDデバイス製作プロセスのための保護フィルムでの使用に好適な感圧接着剤を形成する。感圧接着剤は、実施例2の試験方法に従って上記で評価されるように、1)非常に低い接着力、2)エージング中の接着安定性、3)低移行性、4)耐スクラッチ性、及び5)復元性を示すことができる。上記の実施例は、上記の感圧接着剤組成物を硬化させることによって調製された感圧接着剤が、ガラス上で<3gf/インチの接着力によって示される非常に低い接着力(実施例2Aに従って試験した場合);ガラス上で≦6gf/インチの接着力増大によって示される良好な接着安定性(実施例2Aに従って試験した場合)、実施例2Bで計算した場合の>50%の残留接着力によって示される低移行性、実施例2Cに従って試験した場合に合格となる耐スクラッチ性、及び実施例2Dに従って試験した場合に合格となる復元性を有し得ることを示す。理論によって束縛されるものではないが、ガラス上で試験された場合のこれらの特性により、脆弱な層などのOLED製作プロセスで使用される弱い又は脆い基材に匹敵する結果を提供すると考えられ、この特性の組み合わせにより、感圧接着剤フィルムをフレキシブルOLEDデバイスの製作中に脆弱な層上の保護フィルムに使用することが可能になると予想される。
【0065】
試験方法
本明細書に記載のアルケニル含有シロキサン、例えば、出発物質(A)、(B)、及び(C)のアルケニル含有量は、シロキサンの総分子量を計算し、アルケニル基を含有する各単位の分子量を計算し、アルケニル基を含有する各単位の合計分子量を総分子量で割ることによって計算することができる。例えば、単位式中、(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2において、Rがメチルであり、Rがビニルであり、下付き文字d=2、下付き文字e=0、下付き文字f=11.3、及び下付き文字g=7084である場合、シロキサンは、ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)コポリマー(MVi Vi 11.34829)であり、数平均分子量(Mn)とアルケニル(ビニル)含有量とは次のように計算される:
コポリマーの数平均分子量は526,439g/molであり、
ViのMw=93.20g/mol、DのMw=74.15g/mol及びDViのMw=86.17g/molの場合、
→MVi7084Vi 11.3ViのMn=2*93.2+7084*74.15+11.3*86.17=526,439g/molであり、
ビニル含有量=0.07%であり、
ViのMw=93.20g/mol、DのMw=74.15g/mol、DviのMw=86.17g/mol、及びビニルのMw=27の場合、
→MVi7084Vi 11.3ViのMn=[(2*27)+(11.3*27)]/[(2*93.2+7084*74.15+11.3*86.17)]*100%=0.07%である。
【0066】
本明細書に記載のポリアルキル水素シロキサンのケイ素結合水素(SiH)含有量は、ASTM E168に準拠して定量的赤外線分析を使用して決定され得る。
【0067】
ケイ素結合水素対アルケニル(例えば、ビニル)比(すなわち、SiH/Vi比)は、ヒドロシリル化反応硬化プロセスに依存する場合に重要である。概して、これは、組成物中のアルケニル基、例えば、ビニル[Vi]の総重量%と、組成物中のケイ素結合水素[SiH]の総重量%とを計算することによって決定され、水素の分子量を1、ビニル(CH=CH-)の分子量を27として、ケイ素結合水素対ビニルのモル比は27*[SiH]/[Vi]である。出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、並びに上記のSiH及び/又はビニル含有量を含む任意の他の出発物質は、上記のように、3.3~5.21のSiH/Vi比を提供するように選択され得る。
【0068】
用語の使用
全ての量、比、及び百分率は、明細書の文脈により別途指示のない限り、重量によるものである。明細書の文脈により別途指定がない限り、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、それぞれ1つ以上を指す。範囲の開示は、その範囲自体及び範囲内に包含される任意のもの、並びに端点を含む。例えば、0.7~1.2の範囲の開示には、0.7~1.2の範囲だけでなく、個別に0.7、0.8、0.85、0.9、1、1.1、及び1.2、並びにその範囲に包括される任意の他の数値も含まれる。更に、例えば、0.7~1.2の範囲の開示は、0.7~0.85、0.9~1.05、及び1.05~1.2のサブセット、並びにその範囲に包含される任意の他のサブセットを含む。同様に、マーカッシュ群の開示は、その群全体を含み、そこに包含される任意の個別の要素及び下位群も含む。例えば、ビニル、アリル、又はヘキセニルのマーカッシュ群の開示は、個別にそのメンバーであるビニル;サブグループのビニル及びヘキセニル;並びにそれに包含される任意の他の個々のメンバー及びサブグループを包含する。
【0069】
本明細書で使用される略語は、以下の表8に示される意味を有する。
【表8】
【0070】
本発明の実施形態
第1の実施形態において、フレキシブル有機発光ダイオードデバイスを製作する方法は、
1)感圧接着剤組成物を基材の表面に適用することと、
2)感圧接着剤組成物を硬化させて、感圧接着フィルムを形成することと、
3)デバイス内の脆弱な層に感圧接着剤フィルムを適用することと、
を含み、感圧接着剤組成物が、
(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.03重量%~0.11重量%の量で存在する、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
任意選択的に、(B)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.3重量%~1.1重量%の量で存在する、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
(出発物質(A)及び(B)は、0~0.5の(B)/[(A)+(B)]によって計算される重量比を提供するのに十分な量で存在する)、
(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーの重量に基づいて、0.01重量%~2重量%の量で存在する、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーと、
(出発物質(A)、(B)、及び(C)は、0.5~2.5の[(A)+(B)]/(C)]によって計算される重量比を提供する量で存在する)、
(D)1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基を有し、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合水素を有し、平均で少なくとも1重量%のケイ素結合水素原子を有する、ポリアルキル水素シロキサンと、
(E)組成物中に10~5000重量ppm濃度のPt族金属を提供するのに十分な量の、白金族金属触媒と、
(F)アセチレンアルコールと、
任意選択的に、(G)定着添加剤と、
(H)組成物中の全ての出発物質の合計重量に基づいて、10重量%~90重量%の有機溶媒と、を含み、
但し、組み合わされた組成物中の全ての出発物質が、3.33~5.21のケイ素結合水素原子/ケイ素結合アルケニル基のモル比(SiH/Vi比)を有することを条件とする。
【0071】
第2の実施形態では、フレキシブル有機発光ダイオードデバイスを製作する方法は、感圧接着剤フィルムをデバイス中の脆弱な層又は薄膜封入層に適用することを含み、感圧接着剤フィルムが、
(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.03重量%~0.11重量%の量で存在する、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
任意選択的に、(B)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.3重量%~1.1重量%の量で存在する、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
(出発物質(A)及び(B)は、0~0.5の(B)/[(A)+(B)]によって計算される重量比を提供するのに十分な量で存在する)、
(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーの重量に基づいて、0.01重量%~2重量%の量で存在する、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーと、
(出発物質(A)、(B)、及び(C)は、[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比0.6~1.5を提供する量で存在する)、
(D)1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基を有し、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合水素を有し、平均で少なくとも1重量%のケイ素結合水素原子を有する、ポリアルキル水素シロキサンと、
(E)組成物中に10~5000重量ppm濃度のPt族金属を提供するのに十分な量の、白金族金属触媒と、
(F)アセチレンアルコールと、
任意選択的に、(G)定着添加剤と、
(H)組成物中の全ての出発物質の合計重量に基づいて、10重量%~90重量%の有機溶媒と、を含む感圧接着剤の硬化生成物を含み、
但し、組み合わされた組成物中の全ての出発物質が、3.33~5.21のケイ素結合水素原子/ケイ素結合アルケニル基のモル比(SiH/Vi比)を有することを条件とする。
【0072】
第3の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、単位式(I):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rは、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字d、e、f、及びgは、単位式中の各単位の平均数を表し、2≧d≧0、2≧e≧0、20≧f≧5、10,000≧g≧2,000及び量(d+e)=2であるような値を有する。
【0073】
第4の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、0.05重量%~0.09重量%のビニル官能基を有する。
【0074】
第5の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、(B)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが存在し、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムは、単位式(II):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rは、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字h、i、j、及びkは、単位式中の各単位の平均数を表し、2≧h≧0、2≧i≧0、100≧j≧21、10,000≧k≧2,000、及び量(h+i)=2であるような値を有する。
【0075】
第6の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、(B)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが存在し、0.5重量%~0.9重量%のビニル官能基を有する。
【0076】
第7の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、(B)/[(A)+(B)]によって計算される重量比は、0~0.43である。
【0077】
第8の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比は、>0~0.43である。
【0078】
第9の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーは、単位式(III):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rは、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字l、m、n、及びoは、単位式中の各単位の平均数を表し、2≧l≧0、2≧m≧0、100≧n≧0、1,000≧o≧10、及び量(l+m)=2であるような値を有する。
【0079】
第10の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比は、0.6~1.5である。
【0080】
第11の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比は、0.6~1.3である。
【0081】
第12の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比は、0.7~1.2である。
【0082】
第13の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、脆弱な層はパッシベーション層である。
【0083】
第14の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の方法において、脆弱な層は薄膜封止層である。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感圧接着剤組成物であって、
(A)第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、前記第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.03重量%~0.11重量%の量で存在する、第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
任意選択的に、(B)第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、前記第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムの重量に基づいて、0.3重量%~1.1重量%の量で存在する、第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムと、
(出発物質(A)及び(B)は、(B)/[(A)+(B)]によって計算される重量比0~0.5を提供するのに十分な量で存在する)、
(C)アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーであって、1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基及び2~6個の炭素原子を有するケイ素結合アルケニル基を有し、ビニル官能基が、前記アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーの重量に基づいて、0.01重量%~2重量%の量で存在する、アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーと、
(出発物質(A)、(B)、及び(C)は、0.5~2.5の[(A)+(B)]/(C)]によって計算される重量比を提供する量で存在する)、
(D)1~10個の炭素原子を有するケイ素結合アルキル基を有し、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合水素を有し、平均で少なくとも1重量%のケイ素結合水素原子を有する、ポリアルキル水素シロキサンと、
(E)前記組成物中に10~5000重量ppm濃度のPt族金属を提供するのに十分な量の、白金族金属触媒と、
(F)アセチレンアルコールと、
任意選択的に、(G)定着添加剤と、
(H)前記組成物中の全ての出発物質の合計重量に基づいて、10重量%~90重量%の有機溶媒と、を含み、
但し、組み合わされた前記組成物中の全ての出発物質が、3.33~5.21のケイ素結合水素原子/ケイ素結合アルケニル基のモル比(SiH/Vi比)を有することを条件とする、感圧接着剤組成物。
【請求項2】
(A)前記第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが、単位式(I):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rが、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字d、e、f、及びgが、前記単位式中の各単位の平均数を表し、2≧d≧0、2≧e≧0、20≧f≧5、10,000≧g≧2,000及び量(d+e)=2であるような値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(B)前記第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが存在し、前記第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが、単位式(II):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rが、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字h、i、j、及びkが、前記単位式中の各単位の平均数を表し、2≧h≧0、2≧i≧0、100≧j≧21、10,000≧k≧2,000、及び量(h+i)=2であるような値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
(A)前記第1のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが、0.05重量%~0.09重量%のビニル官能基を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
(B)前記第2のアルケニル含有ポリジアルキルシロキサンガムが存在し、0.5重量%~0.9重量%のビニル官能基を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
(C)前記アルケニル含有ポリジアルキルシロキサンポリマーが、単位式(III):(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO2/2(R SiO2/2を有し、式中、各Rが、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、各Rが、独立して、2~6個の炭素原子のアルケニル基であり、下付き文字l、m、n、及びoが、前記単位式中の各単位の平均数を表し、2≧l≧0、2≧m≧0、100≧n≧0、1,000≧o≧10、及び量(l+m)=2であるような値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
[(A)+(B)]/(C)によって計算される重量比が、0.6~1.3である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
(D)前記ポリアルキル水素シロキサンが、単位式(IV):(R SiO1/2(R SiO2/2(RHSiO2/2を有し、式中、各Rが、独立して、1~10個の炭素原子のアルキル基であり、下付き文字p及びqが、前記単位式中の各二官能性単位の平均数を表し、0≦p≦2,000及び2≦q≦2000であるような値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
(E)前記触媒が、塩化白金酸とジビニルシロキサンとの錯体を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記アセチレンアルコールが、エチニルシクロヘキサノールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、基部及び硬化剤部を含む多液型組成物であり、前記基部が、出発物質(A)及び(D)を含み、前記硬化剤部が、出発物質(A)及び(E)を含み、前記組成物が、前記基部又は別個の第3の部のうちの1つ以上の中に出発物質(F)を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
方法であって、
任意選択的に、1)基材の表面を処理することと、
2)請求項1~10のいずれか一項に記載の感圧接着剤組成物を前記基材に適用することと、
3)前記感圧接着剤組成物を乾燥させて、溶媒の全て又は一部を除去することと、
4)前記感圧接着剤組成物を硬化させて、感圧接着剤フィルムを形成することと、を含む、方法。
【請求項13】
フレキシブル有機発光ダイオードデバイスを製作する方法であって、前記方法が、請求項12に記載の方法において調製された前記感圧接着剤を前記デバイス中のパッシベーション層に適用することを含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法によって調製された、感圧接着剤フィルム。
【請求項15】
フレキシブル有機発光ダイオードデバイス中のパッシベーション層を保護するための、請求項14に記載の感圧接着剤フィルムの、使用。
【国際調査報告】