(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】高透過プロドラッグによるウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療
(51)【国際特許分類】
C07C 219/10 20060101AFI20250204BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20250204BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20250204BHJP
A61P 33/02 20060101ALI20250204BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20250204BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250204BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20250204BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20250204BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20250204BHJP
A61P 31/22 20060101ALI20250204BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20250204BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20250204BHJP
A61P 29/02 20060101ALI20250204BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250204BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20250204BHJP
A61P 11/14 20060101ALI20250204BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20250204BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250204BHJP
A61P 11/16 20060101ALI20250204BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20250204BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20250204BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20250204BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20250204BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20250204BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20250204BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20250204BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20250204BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20250204BHJP
A61K 47/08 20060101ALI20250204BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20250204BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20250204BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20250204BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20250204BHJP
A61K 31/196 20060101ALI20250204BHJP
C07D 207/08 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/47 20060101ALI20250204BHJP
C07D 215/18 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/616 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/381 20060101ALI20250204BHJP
C07D 333/58 20060101ALI20250204BHJP
C07D 215/14 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/407 20060101ALI20250204BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20250204BHJP
C07D 491/052 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/403 20060101ALI20250204BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20250204BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20250204BHJP
C07D 495/04 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/603 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/40 20060101ALI20250204BHJP
C07D 409/12 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/423 20060101ALI20250204BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20250204BHJP
C07D 207/20 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/436 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/38 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/335 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/4035 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/421 20060101ALI20250204BHJP
C07D 405/12 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/341 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/405 20060101ALI20250204BHJP
C07C 219/14 20060101ALI20250204BHJP
C07C 317/44 20060101ALI20250204BHJP
C07C 327/06 20060101ALI20250204BHJP
C07C 219/28 20060101ALI20250204BHJP
A61K 31/621 20060101ALN20250204BHJP
A61K 31/618 20060101ALN20250204BHJP
【FI】
C07C219/10
A61P31/12
A61P31/04
A61P33/02
A61P31/10
A61P43/00 123
A61P31/14
A61P31/20
A61P31/16
A61P31/22
A61P3/02
A61P1/14
A61P29/02
A61P29/00
A61P25/04
A61P11/14
A61P11/02
A61P11/00
A61P11/16
A61P7/02
A61P25/00
A61P9/00
A61P9/10
A61P13/12
A61P1/16
A61P1/18
A61K47/54
A61K47/10
A61K47/08
A61K47/14
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/44
A61K31/196
C07D207/08 CSP
A61K31/192
A61K31/47
C07D215/18
A61K31/616
A61K31/381
C07D333/58
C07D215/14
A61K31/407
C07D487/04 137
C07D491/052
A61K31/403
C07D401/12
C07D403/12
C07D495/04
A61K31/603
A61K31/40
C07D409/12
A61K31/423
C07D413/12
C07D207/20
A61K31/436
A61K31/38
A61K31/335
A61K31/4035
A61K31/421
C07D405/12
A61K31/341
A61K31/405
C07C219/14
C07C317/44
C07C327/06
C07C219/28
A61K31/621
A61K31/618
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542396
(86)(22)【出願日】2023-01-12
(85)【翻訳文提出日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2023071974
(87)【国際公開番号】W WO2023134733
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/072269
(32)【優先日】2022-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522368617
【氏名又は名称】テックフィールズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユ チョンシ
(72)【発明者】
【氏名】スー リナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C076AA94
4C076AA95
4C076CC01
4C076CC04
4C076CC10
4C076CC11
4C076CC14
4C076CC15
4C076CC16
4C076CC17
4C076CC21
4C076CC31
4C076CC34
4C076CC35
4C076CC42
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD40
4C076DD44
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE45
4C076EE53
4C076EE59
4C076FF02
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA03
4C086BB01
4C086BB03
4C086BC05
4C086BC06
4C086BC10
4C086BC12
4C086BC14
4C086BC28
4C086BC69
4C086BC70
4C086CB22
4C086CB29
4C086DA17
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA13
4C086NA15
4C086ZA02
4C086ZA07
4C086ZA08
4C086ZA34
4C086ZA36
4C086ZA54
4C086ZA59
4C086ZA60
4C086ZA62
4C086ZA66
4C086ZA69
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZB11
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZB37
4C086ZC21
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206DA22
4C206DA23
4C206DA24
4C206FA31
4C206FA33
4C206JA19
4C206KA01
4C206KA03
4C206MA02
4C206MA05
4C206NA13
4C206NA15
4C206ZA02
4C206ZA07
4C206ZA08
4C206ZA34
4C206ZA36
4C206ZA54
4C206ZA59
4C206ZA60
4C206ZA62
4C206ZA66
4C206ZA69
4C206ZA75
4C206ZA81
4C206ZB11
4C206ZB33
4C206ZB35
4C206ZB38
4C206ZC21
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB29
4H006BJ50
4H006BM30
4H006BM71
4H006BT16
4H006BT32
4H006BU32
4H006TA01
4H006TB58
4H006TC09
4H006TN10
4H006TN50
4H006TN60
(57)【要約】
ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療用の高透過プロドラッグ(HPP)、医薬組成物、及びその方法が開示されている。HPPは、1つ以上の生物学的障壁を透過して、それらの対応する親薬物が十分な量では到達することができない可能性のある領域に到達することができる。HPPを、様々な投与経路、例えば局所送達又は全身投与を通じて被験体に投与することができるが、これらの経皮投与又は局所投与により、親薬物の使用に比べて様々な追加の利点がもたらされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症、又はそれらの関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症の治療において用いられる、1つ以上の生物学的障壁を透過することができる、構造L-1:
(式中、
機能単位としてのFは、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害剤、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、及び抗炎症剤から選択される医薬有効成分(すなわち、親薬物分子)の分子部分であり、
輸送単位としてのTは、プロトン化可能な窒素を含む塩基性基であり、
L
1、L
2、及びL
4は共同してリンカーを形成し、前記構造L-1の化合物が生理学的条件下で加水分解又は代謝されて機能単位Fを放出して、前記医薬有効成分(すなわち、前記親薬物分子)又はその生物学的に活性な代謝産物を形成することができる)
の高透過プロドラッグ(HPP)又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
L
1は、結合、O、S、-N(L
3)-、-N(L
3)-CH
2-O、-N(L
3)-CH
2-N(L
3)-、-O-CH
2-O-、-O-CH(L
3)-O、-S-CH(L
3)-O-から選択され、
L
2は、結合、O、S、-N(L
3)-、-N(L
3)-CH
2-O、-N(L
3)-CH
2-N(L
3)-、-O-CH
2-O-、-O-CH(L
3)-O、-S-CH(L
3)-O-、-O-L
5-、-N-L
5-、-S-L
5-、及び-N(L
3)-L
5-から選択され、
L
4は、結合、C=O、C=S、
から選択され、
各L
3は、独立して、H又はC
1~C
6アルキルであり、
各L
5は、独立して、結合、CH
2COOL
6、置換又は非置換のC
1~C
6アルキレン、置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルキレン、置換及び非置換の5員~10員のヘテロシクロアルキレン、置換及び非置換のC
6~C
10アリーレン、並びに置換及び非置換の5員~10員のヘテロアリーレンから選択され、ここで、L
6は、結合又は置換若しくは非置換のC
1~C
6アルキレンであり、
但し、前記構造L-1は共有結合の原理に違反することなく安定した化合物を形成するものとする、請求項1に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
前記リンカー-L
1-L
4-L
2-は共同して、-O-X-X
5-、-NH-X-X
5-、-S-X-X
5-、-O-C(=O)-X
5-、-NH-C(=O)-X
5-、-S-C(=O)-X-X
5-、-C(=O)-O-X-X
5-、-C(=O)-S-X、-C(=O)-NH-X-、-X-X
5-C(=O)、-C(=O)X
5-X-、-X
5-C(=O)、及びC(=O)-X
5-から選択され、
Xは、結合、C(=O)、又はC
1~C
4アルキレンであり、かつ、
X
5は、結合、C(=O)、C
1~C
4アルキレン、S、O、及びNR
5から選択され、かつ、
R
5は、H又はC
1~C
6アルキルである、請求項1に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
前記リンカー(L
1、L
2、及びL
4が共同して)は、C(=O)-O、C(=O)-S、C(=O)-NH、C(=O)-O-CH(L
5)-O、C(=O)-O-CH(L
5)-S、C(=O)-O-CH(L
5)-NH、C(=O)-S-CH(L
5)-O、C(=O)-S-CH(L
5)-S、C(=O)-S-CH(L
5)-NH、P(=O)(-O-L
5)-O、O-P(=O)(-O-L
5)、C(=S)-O、C(=NH)-O、C(=NH)-S、C(=N-OL
3)-NH、C(=NH-OL
3)-O、C(=NH-OL
3)-S、O-C(=O)、S-C(=O)、NH-C(=O)、O-CH(L
5)-O-C(=O)、S-CH(L
5)-O-C(=O)、O-CH(L
5)-S-C(=O)、S-CH(L
5)-S-C(=O)、O-CH(L
5)-NH-C(=O)、O-C(=S)、O-C(=N-OL
3)、S-C(=N-OL
3)、及びNH-C(=N-OL
3)から選択され、ここで、L
3及びL
5は、それぞれの場合、独立して、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルコキシ、置換及び非置換のアルキルチオ、並びに置換及び非置換のアルキルアミノから選択される、請求項1に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
Tは、置換若しくは非置換の第一級アミン、置換若しくは非置換の第二級アミン、置換若しくは非置換の第三級アミン、又は環内にプロトン化可能な窒素を含むヘテロシクリル基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
Tは、構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、及び構造W-6:
から選択され、
Rは、それぞれの場合、独立して、結合、置換及び非置換のアルキレン、置換及び非置換のシクロアルキレン、置換及び非置換のヘテロシクリレンから選択され、
R
1及びR
2は、独立して、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、並びに置換及び非置換のヘテロシクリル、又は代替的に、R
1及びR
2は、これらが取り付けられている窒素原子と共同して任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、任意に、O、S、及びNから独立して選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を更に含み、
R
11、R
12、及びR
13は、それぞれ独立して、結合、任意に置換されたC
1~C
4アルキレン、又は任意に置換されたC
2~C
4アルケニレンであり、ここで、前記アルキレン及び前記アルケニレンは、任意に、O、S、又はNR
3によって置き換えられた1つのCH
2基を有し、
ここで、構造W-2、構造W-3、又は構造W-5中の前記R
1のいずれか及び隣接するR
11は、これらが取り付けられている窒素原子と共同して、任意に置換された複素環式環を形成することができ、任意に、O、S、及びNから独立して選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を更に含むことができ、
ここで、構造W-2、構造W-4、構造W-5、又は構造W-6中の前記R
11及と前記R
12又は前記R
11と前記R
13は、任意に置換されたアルキレン架橋によって任意に接続されることができ、
ここで、HAは、何も含まない、又は薬学的に許容可能な酸であり、任意に塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、重硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、重酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルカロン酸、糖酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びパモ酸から選択され、
但し、前記構造L-1は共有結合の原理に違反することなく安定した化合物を形成するものとする、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
Rは結合又はC
1~C
6アルキレンである、請求項6に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
R
11、R
12、及びR
13は、それぞれ独立して、CH
2、CH
2CH
2、CH=CH、CH
2CH
2CH
2、CH=CHCH
2、CH
2CH
2CH
2CH
2、CH
2CH=CH-CH
2、CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2、CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2から選択され、そのそれぞれは任意に置換される、請求項6又は7に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
前記輸送単位Tは構造W-1であり、ここで、R
1及びR
2はそれぞれ水素又はC
1~C
6アルキルである、請求項6又は7に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
前記輸送単位Tは、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、又は構造W-6であり、ここで、Rは結合又はC
1~C
4アルキレンであり、R
1は水素又はC
1~C
6アルキルであり、R
11はC
1~C
4アルキレンであり、R
12及びR
13は独立して、結合、CH
2、又はCH
2CH
2である、請求項6又は7に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
前記輸送単位Tは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルから選択されるヘテロシクリルであり、そのそれぞれは、塩酸塩、臭化水素酸塩、又は酢酸によってプロトン化されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
前記HPPは、構造LRA-1、構造LRA-2、構造LRA-3、構造LRA-4、構造LRA-5、構造LRA-6、構造ARA-1、構造ARA-2、構造ARA-3、構造ARA-4、構造ARA-5、構造ARA-6、構造ARA-7、構造ARA-8、構造ARA-9、構造ARA-10、構造ARA-11、構造ARA-12、構造ARA-13、構造ARA-14、構造5-LI-1、構造5-LI-2、構造5-LI-3、構造5-LI-4、構造5-LI-5、構造5-LI-6、構造5-LI-7、構造5-LI-8、構造FLAP-1、構造FLAP-2、構造FLAP-3、構造FLAP-4、構造FLAP-5、構造FLAP-6、構造NSAID-1、構造NSAID-2、構造NSAID-3、構造NSAID-4、構造NSAID-5、構造NSAID-6、構造NSAID-7、構造NSAID-8、構造NSAID-9、構造NSAID-10、構造NSAID-11、構造NSAID-12、及び構造NSAID-13:
並びにそれらの立体異性体及び薬学的に許容可能な塩から選択され、
ここで、アリール-は、アリール-1、アリール-2、アリール-3、アリール-4、アリール-5、アリール-6、アリール-7、アリール-8、アリール-9、アリール-10、アリール-11、アリール-12、アリール-13、アリール-14、アリール-15、アリール-16、アリール-17、アリール-18、アリール-19、アリール-20、アリール-21、アリール-22、アリール-23、アリール-24、アリール-25、アリール-26、アリール-27、アリール-28、アリール-29、アリール-30、アリール-31、アリール-32、アリール-33、アリール-34、アリール-35、アリール-36、アリール-37、アリール-38、アリール-39、アリール-40、アリール-41、アリール-42、アリール-43、アリール-44、アリール-45、アリール-46、アリール-47、アリール-48、アリール-49、アリール-50、アリール-51、アリール-52、アリール-53、アリール-54、アリール-55、アリール-56、アリール-57、アリール-58、アリール-59、アリール-60、アリール-61、アリール-62、アリール-63、アリール-64、アリール-65、アリール-66、アリール-67、アリール-68、アリール-69、アリール-70、及びアリール-71:
から選択される抗炎症薬又は抗炎症薬関連化合物の分子部分であり、
ここで、
L
1は、結合、O、S、-N(L
3)-、-N(L
3)-CH
2-O、-N(L
3)-CH
2-N(L
5)-、-O-CH
2-O-、-O-CH(L
3)-O、及び-S-CH(L
3)-O-から選択され、
L
4は、C=O、C=S、
から選択されるか、又は、
L
1及びL
4は共同して、C(=O)-O、C(=O)-S、C(=O)-NH、C(=O)-O-CH(L
3)-O、C(=O)-O-CH(L
3)-S、C(=O)-O-CH(L
3)-NH、C(=O)-S-CH(L
3)-O、C(=O)-S-CH(L
3)-S、C(=O)-S-CH(L
3)-NH、P(=O)(-O-L
3)-O、O-P(=O)(-O-L
3)、C(=S)-O、C(=NH)-O、C(=NH)-S、C(=N-OL
3)-NH、C(=NH-OL
3)-O、C(=NH-OL
3)-S、O-C(=O)、S-C(=O)、NH-C(=O)、O-CH(L
3)-O-C(=O)、S-CH(L
3)-O-C(=O)、O-CH(L
3)-S-C(=O)、S-CH(L
3)-S-C(=O)、O-CH(L
3)-NH-C(=O)、O-C(=S)、O-C(=N-OL
3)、S-C(=N-OL
3)、及びNH-C(=N-OL
3)から選択され、
ここで、各L
3は、独立して、H又はC
1~C
6アルキルであり、かつ、
各L
5は、独立して、結合、CH
2COOL
6、置換又は非置換のC
1~C
6アルキレン、置換又は非置換のC
3~C
6シクロアルキレン、置換及び非置換の5員~10員のヘテロシクロアルキレン、置換及び非置換のC
6~C
10アリーレン、並びに置換及び非置換の5員~10員のヘテロアリーレンから選択され、ここで、L
6は、結合又は置換若しくは非置換のC
1~C
6アルキレンであり、
Tは、構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、及び構造W-6:
から選択され、
Rは、それぞれの場合、独立して、結合、置換及び非置換のアルキレン、置換及び非置換のシクロアルキレン、置換及び非置換のヘテロシクリレンから選択され、
R
1及びR
2は、独立して、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、並びに置換及び非置換のヘテロシクリルから選択され、又は代替的に、R
1及びR
2は、これらが取り付けられている窒素原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、これは任意に、O、S、及びNから独立して選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を更に含み、
R
11、R
12、及びR
13は、それぞれ独立して、結合、任意に置換されたC
1~C
4アルキレン、又は任意に置換されたC
2~C
4アルケニレンであり、ここで、前記アルキレン及び前記アルケニレンは、任意に、O、S、又はNR
3によって置き換えられた1つのCH
2基を有し、
ここで、構造W-2、構造W-3、又は構造W-5中の前記R
1のいずれか及び隣接するR
11は、これらが取り付けられている窒素原子と一緒になって、任意に置換された複素環式環を形成することができ、任意に、O、S、及びNから独立して選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を更に含むことができ、
ここで、構造W-2、構造W-4、構造W-5、又は構造W-6中の前記R
11と前記R
12又は前記R
11と前記R
13は、任意に置換されたアルキレン架橋によって任意に接続されることができ、
ここで、HAは、何も含まない、又は薬学的に許容可能な酸であり、これは任意に塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、重硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、重酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルカロン酸、糖酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びパモ酸から選択され、
X
5、X
6、X
7、及びX
8は、独立して、結合、C(=O)、C(=S)、OC(=O)、OC(=S)、CH
2、CH、S、O、及びNR
5から選択され、
Y、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5、Y
6、Y
7、及びY
8は、独立して、H、OH、OW、OC(=O)W、L
1-L
4-L
2-W、OC(=O)CH
3、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、C
4H
9、R
6、SO
3R
6、CH
2OR
6、CH
2OC(=O)R
6、CH
2C(=O)OR
8、OCH
3、OC
2H
5、OR
6、CH
3SO
2、R
6SO
2、CH
3SO
3、R
6SO
3、NO
2、CN、CF
3、OCF
3、CH
2(CH
2)
nNR
5R
6、CH
2(CH
2)
nOR
6、CH(C(=O)NH
2)NHR
6、CH
2C(=O)NH
2、F、Br、I、Cl、CH=CHC(=O)NHCH
2C(=O)OW、CH=CHC(=O)NHCH
2L
1-L
4-L
2-W、NR
8C(=O)R
5、SO
2NR
5R
8、C(=O)R
5、SR
5、R
6OOCCH(NHR
7)(CH
2)
nC(=O)NH-、R
6OOCCH(NHR
7)(CH
2)
nSC(=O)NH-、CF
3SCH
2C(=O)NH-、CF
3CH
2C(=O)NH-、CHF
2SCH
2C(=O)NH-、CH
2FSCH
2C(=O)NH-、NH
2C(=O)CHFS-CH
2C(=O)NH-、R
7NHCH(C(=O)OW)CH
2SCH
2C(=O)NH-、R
7NHCH(L
1-L
4-L
2-W)CH
2SCH
2C(=O)NH-、CNCH
2SCH
2C(=O)NH-、CH
3(CH
2)
nC(=O)NH-、R
7N=CHNR
7CH
2CH
2S-、R
7N=C(NHR
7)NHC(=O)-、R
7N=C(NHR
7)NHC(=O)CH
2、CH
3C(Cl)=CHCH
2SCH
2C(=O)NH-、(CH
3)
2C(OR
6)-、CNCH
2C(=O)NH-、CNCH
2CH
2S-、R
7HN=CH(NR
7)CH
2CH
2S-、CH
2=CHCH
2SCH
2C(=O)NH-、CH
3CH(OH)-、CH
3CH(OR
8)-、CH
3CH(Y
1)-、(CH
3)
2CH-、CH
3CH
2-、CH
3(CH
2)
nCH=CH(CH
2)
mC(=O)NH-、置換及び非置換のアルコキシ、置換及び非置換のアルキルチオ、置換及び非置換のアルキルアミノ、並びに置換及び非置換のアルキルカルボニルから選択され、
R
5は、独立して、H、C(=O)NH
2、CH
2CH
2OR
6、CH
2CH
2N(CH
3)
2、CH
2CH
2N(CH
2CH
3)
2、Cl、F、Br、I、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクロアルキル、置換及び非置換のアルキルオキシル、置換及び非置換のシクロアルキルオキシル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルキルカルボニル、置換及び非置換のアルキルアミノ、-C(=O)-W、L
1-L
4-L
2-W、並びにWから選択され、
R
6は、独立して、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクロアルキル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のアルキルオキシル、置換及び非置換のシクロアルキルオキシル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、-C(=O)-W、-L
1-L
4-L
2-W、並びにWから選択され、
R
7は、独立して、H、F、Cl、Br、I、CH
3NHC(=O)CH
2CH(NHR
8)C(=O)、R
5N=C(NHR
6)NHC(=O)-、C(=O)CH
3、C(=O)R
6、PO(OR
5)OR
6、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクロアルキル、置換及び非置換のアルキルオキシル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルキルカルボニル、置換及び非置換のアルキルアミノ、L
1-L
4-L
2-W、並びにC-(=O)-Wから選択され、
R
8は、独立して、H、F、Cl、Br、I、CH
3、C
2H
5、CF
3、CH
2CH
2F、CH
2CH
2Cl、CH
2CH
2Br、CH
2CH
2I、CH
2CHF
2、CH
2CF
3、CH
2F、CH
2Cl、CH
2Br、CH
2I、CH
2NR
6R
7、CH(NHR
7)CH
2C(=O)NH
2、C
3H
7、C
4H
9、C
5H
11、R
6、C(=O)R
6、C(=O)NH
2、CH
2C(=O)NH
2、CH
2OC(=O)NH
2、PO(OR
5)OR
6、C(CH
3)
2C(=O)OR
6、CH(CH
3)C(=O)OR
6、CH
2C(=O)OR
6、C(=O)-W、及びL
1-L
4-L
2-Wから選択され、
L
2は、独立して、結合、O、S、-N(L
3)-、-N(L
3)-CH
2-O、-N(L
3)-CH
2-N(L
3)-、-O-CH
2-O-、-O-CH(L
3)-O、-S-CH(L
3)-O-、-O-L
5-、-S-L
5-、及び-N(L
3)-L
5-から選択され、かつ、
Wは、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクロアルキル、置換及び非置換のアルキルオキシ、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、並びに構造W-6から選択され、
但し、定義されたHPPの前記構造は共有結合の原理に一切違反することなく安定した化合物を形成するものとする、請求項1に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
前記HPPは、
(1)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート、
(2)2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート、
(3)2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル2-[1-[[(1R)-1-[3-[2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-3-[2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル]プロピル]スルファニルメチル]シクロプロピル]アセテート、
(4)2-(ジエチルアミノ)エチルアセトキシベンゾエート、
(5)(RS)-N-[1-(1-ベンゾチエン-2-イル)エチル]-N-(2-N,N-ジエチルアミノアセチルオキシ)尿素、
(6)(ピロリジン-2-イル)メチル2-シクロペンチル-2-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル]アセテート、
(7)(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[3-[(E)-2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-[3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル]スルファニルメチル]スルファニルプロパノエート、
(8)(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート、
(9)2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート、
(10)S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオエート、
(11)2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシレート塩酸塩[2-(ジプロピルアミノ)エチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート、
(12)(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[1-(4-クロロベンジル)-4-メチル-6-(5-フェニルピリジン-2-イル)メトキシ]-4,5-ジヒドロ-1H-チオピラノ[2,3,4-c,d]インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパノエート、
(13)(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート、
(14)(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート、
(15)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート、
(16)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート、
(17)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート、
(18)(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-α-メチルカルバゾール-2-アセテート、
(19)(ピロリジン-2-イル)メチル4-[4-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]-4-オキソ-ブタノエート、
(20)(ピロリジン-2-イル)メチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート、
(21)(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート、
(22)(ピロリジン-2-イル)メチル1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート、
(23)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート、
(24)(ピロリジン-2-イル)メチル3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼンアセテート、
(25)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート、
(26)(ピロリジン-2-イル)メチル2-アセトキシベンゾエート、
(27)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート、
(28)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート、
(29)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート、
(30)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩、
(31)(ピロリジン-2-イル)メチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート、
(32)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート、
(33)(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート、
(34)(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-α-メチル-9H-カルバゾール-2-アセテート、
(35)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(4-クロロフェニル)-α-メチル-5-ベンゾオキサゾールアセテート、
(36)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート、
(37)(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール-3-アセテート、
(38)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート、
(39)(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]ベンゼンアセテート、
(40)(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-α-メチル-2-チオフェンアセテート、
(41)(ピロリジン-2-イル)メチル10,11-ジヒドロ-α-メチル-10-オキソジベンゾ[b,f]チエピン-2-アセテート、
(42)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(8-メチル-5-オキソ-6H-ベンゾ[b][1]ベンゾオキセピン-3-イル)プロパノエート、
(43)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[4-[(2-オキソシクロペンチル)メチル]フェニル]プロパノエート、
(44)(ピロリジン-2-イル)メチル4-(1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル)-α-メチルベンゼンアセテート、
(45)(ピロリジン-2-イル)メチル2-クロロ-2-(3-クロロ-4-シクロヘキシルフェニル)アセテート、
(46)(ピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート、
(47)(ピロリジン-2-イル)メチル3-(4-ビフェニルカルボニル)プロパノエート、
(48)(ピロリジン-2-イル)メチル3-[5-(4-クロロフェニル)フラン-2-イル]-3-ヒドロキシプロパノエート、
(49)(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-5-シクロヘキシル-1-インダンカルボキシレート塩酸塩、
(50)(ピロリジン-2-イル)メチル1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート、
(51)(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート、
(52)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート、
(53)(ピロリジン-2-イル)メチル3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼンアセテート、
(54)(ピロリジン-2-イル)メチル3-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート、
(55)(ピロリジン-2-イル)メチル4-アセトアミドフェニルサリチレート、
(56)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート、
(57)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート、
(58)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボキシレート、
(59)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾエート、
(60)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-メチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボキシレート、
並びにそれらの立体異性体及び薬学的に許容可能な塩、
から選択される、請求項1に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
HAは塩酸塩(HCl)である、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用されるHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症、又はそれらの関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症の治療用の、請求項1~14のいずれか一項に記載の高透過プロドラッグ(HPP)又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項16】
前記薬学的に許容可能な担体は、アルコール、アセトン、エステル、セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、及び水溶液から選択され、かつ任意に前記医薬組成物は経皮組成物である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症、又は関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症を治療する方法であって、治療を必要とする被験体に、治療的有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載の高透過プロドラッグ、若しくはその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩、又は請求項15若しくは16に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項18】
(1)前記ウイルス感染症は、RNAウイルス、DNAウイルス、インフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザウイルスA型、インフルエンザウイルスB型、インフルエンザウイルスC型、及びインフルエンザウイルスD型)、又はコロナウイルスによって引き起こされ、ここで、任意に、前記インフルエンザウイルスは、(a)H1N1、H1N2、H1N7、H2N2、H2N3、H3N1、H3N2、H3N8、H5N1、H5N2、H5N3、H5N6、H5N8、H5N9、H6N1、H6N2、H6N5、H7N1、H7N2、H7N3、H7N4、H7N9、H7N7、H8N4、H9N2、H10N7、H10N8、H10N3、H11N2、H11N9、H12N5、H13N6、H17N10、及びH18N11から選択されるヒトインフルエンザウイルス、(b)H1N1、H1N8、H2N9、H3N8、H3N2、H4N6、H4N3、H5N4、H5N8、H5N9、N5N1、H6N2、H6N1、H6N5、H6N8、H7N1、H8N4、H9N2、H9N2、H9N6、H9N7、H10N8、H11N6、H11N9、H12N5、H13N6、H14N4、及びH15N9から選択される鳥インフルエンザA型ウイルス、(c)H1N1、H1N2、H2N1、H3N2、及びH2N3から選択される豚インフルエンザA型ウイルス、(d)H3N8及びH7N7から選択される馬インフルエンザウイルス、(e)H3N2、H3N8、及びH5N1から選択される犬インフルエンザウイルス、又は(f)猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、ボルデテラ・ブロンキセプチカ、及びクラミドフィラ・フェリスから選択される猫インフルエンザウイルスであり、かつ任意に、前記コロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-Co-V)、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2(Covid-19)、229E、NL63、OC43、HKU1、MERS-CoV、及びオリジナルSARS-CoVから選択され、
(2)前記細菌感染症は、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、又は病原性細菌によって引き起こされ、ここで、任意に、前記病原性細菌は、ツベルクローシス、ストレプトコッカス、梅毒、スタフィロコッカス、アスペルギルス、破傷風、ビブリオ・コレラ、サルモネラ、クロストリジウム・ボツリナム、及び大腸菌から選択され、
(3)前記原生動物感染症は、ヒト又は動物において疾患を引き起こす病原性原生動物によって引き起こされ、ここで、任意に、前記病原性原生動物は、エントアメーバ・ヒストリティカ(アメーボゾア)、アカントアメーバ(アメーボゾア)、ジアルジア・ランブリア(メタモナス)、トリコモナス・バギナリス(メタモナス)、ジエントアメーバ・フラギリス(メタモナス)、トリパノソーマ・ブルセイ(キネトプラスト類)、トリパノソーマ・クルージ(キネトプラスト類)、リーシュマニア属の複数種(キネトプラスト類)、バランチジウム・コリ(繊毛虫)、プラスモジウム属の複数種(アピコンプレクサ類)、トキソプラズマ・ゴンディ(アピコンプレクサ類)、バベシア属の複数種(アピコンプレクサ類)、クリプトスポリジウム属の複数種(アピコンプレクサ類)、及びサイクロスポーラ・カエタネンシス(アピコンプレクサ類)から選択され、
(4)前記徴候又は症状は、倦怠感、食欲不振、体重減少、発熱、寝汗、悪寒、痛み、炎症、咳、息切れ、疼痛、鼻水、及びそれらの組合せから選択され、かつ、
(5)前記合併症は、肺炎、急性呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、凝血(凝固)、髄膜炎、脳炎、心血管疾患、脳卒中、心臓発作、敗血症、並びに脳、肺、腎臓、肝臓、膵臓、消化器系、血管、及びその他の組織の炎症、並びにそれらの組合せから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療用の医薬の製造における、請求項1~14のいずれか一項に記載のHPP又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩の使用。
【請求項20】
(1)H1N1ウイルス及びその他のインフルエンザウイルス感染症の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩、(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOH、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩の使用、
(2)COVID-19感染症及びその他のコロナウイルス感染症の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート塩酸塩、ピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート塩酸塩の使用、
(3)ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症に誘発される敗血症の治療用の医薬の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチルサリチルサリチレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-[(2,6-ジクロロフェニル)アミノ]フェニル]アセトキシ]アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチルジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩の使用、
(4)薬剤耐性ウイルス感染症、薬剤耐性細菌感染症、薬剤耐性原生動物感染症、及び/又は薬剤耐性真菌感染症に誘発される敗血症の治療用の医薬の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-[(2,6-ジクロロフェニル)アミノ]フェニル]アセトキシ]アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチルジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩の使用、並びに、
(5)メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)感染症の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩の使用、
から選択される、請求項19に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、特に治療用の高透過プロドラッグを使用して、免疫系の過剰反応を防ぎ、かつ他の副作用を回避し、又は最小限に抑えながら、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症を治療する医薬組成物及び方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌は、尿路感染症、消化管系感染症、耳感染症、連鎖球菌性咽頭炎等のような人体及び他の生命体において多くの種類の感染症を引き起こす可能性がある。ツベルクローシス(tuberculosis)、ストレプトコッカス(streptococcus)、梅毒、スタフィロコッカス(staphylococcus)、アスペルギルス(aspergillus)、破傷風、ビブリオ・コレラ(vibrio cholera)、サルモネラ(salmonella)、クロストリジウム・ボツリナム(clostridium botulinum)、大腸菌(E.Coli)等のような多くの細菌が致命的な疾患を引き起こす可能性がある。抗生物質は細菌感染症の治療に使用されるが、殆どの細菌は数時間ごとに分裂することによって繁殖し、急速に進化して新しい環境条件に素早く適応することが可能となる。複製中に突然変異が発生し、これらの突然変異の一部は個々の細菌が抗生物質に対する曝露から生き残るのに役立つ可能性がある。抗生物質耐性菌によって引き起こされる感染症は治療が困難で、時には治療が不可能な場合もある。米国では毎年、少なくとも280万人が抗生物質耐性細菌又は抗生物質耐性真菌に感染し、その結果35000人を超える人々が死亡している(非特許文献1)。
【0003】
原生動物は、他の微生物又は有機組織及び有機残骸等の有機物を餌とする自由生活性又は寄生性のいずれかの単細胞真核生物の群についての非公式な用語である。原生動物の感染は、植物、動物、及び一部の海洋生物を含む多くの種類の生物が罹る疾患の原因となる。アフリカ睡眠病、アメーバ赤痢、及びマラリアを含む最も蔓延している致命的なヒト疾患の多くは、原生動物の感染によって引き起こされる。世界保健機関(WHO)は、2019年には2億2900万件のマラリアの新規症例があり、409000人の死亡が引き起こされたと推定している(非特許文献2)。マラリアは、ヒト及び他の動物が罹患し、典型的には発熱、疲労、嘔吐、及び頭痛を含む症状を引き起こす、蚊が媒介する感染症である。マラリアは、重症の場合、黄色皮膚、発作、昏睡、又は死を引き起こす場合がある。マラリアは幾つかの重症な合併症を伴い、これらの中でも呼吸窮迫の発症がある。細菌と同様に、原生動物は急速に進化し、新しい環境条件に素早く適応するため、薬剤耐性となる。薬剤耐性は、21世紀のマラリア治療においてますます大きな問題を引き起こしている(非特許文献3)。現在、あらゆる部類の抗マラリア薬に対して耐性は一般的である。
【0004】
真菌は多細胞で植物様の生物である。水虫及びイースト菌感染症等の多くの真菌感染症は、健康な人には危険ではない。しかしながら、免疫系が弱い人々(HIV又は癌又は重篤なウイルス感染症のような疾患により)は、より重篤な真菌感染症にかかる可能性がある。殆どの真菌は非常に高速に繁殖し、これらは急速に進化し、新しい環境条件に素早く適応することが可能であることから、薬剤耐性となる。
【0005】
ウイルスは、生物の生細胞内でのみ複製される超微視的な感染性因子である。ウイルスは繁殖するのに別の細胞の構造を使用する必要がある。ウイルスは人体に入ると急速に広がり、人を病気にさせる場合がある。ウイルスによって引き起こされる一般的なヒト疾患の例としては、感冒、インフルエンザ、水痘、及び単純疱疹が挙げられる。狂犬病、エボラウイルス疾患、AIDS(HIV)、鳥インフルエンザ、H1N1、SARS、及びCOVID-19等の多くの重篤な疾患がウイルスによって引き起こされる。動物におけるウイルス感染症は、通常は感染ウイルスを排除する免疫応答を引き起こすが、ヒト又は動物の免疫系が過剰反応し、自身の免疫系によってヒト又は動物を死に至らしめる可能性がある。
【0006】
ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び真菌感染症は、生命を脅かす攻撃的な感染症となり得る。殆どの細菌感染症、原生動物感染症、真菌感染症、及びウイルス感染症の一般的な症状としては、倦怠感、食欲不振、体重減少、発熱、寝汗、悪寒、痛み(aches)、炎症、咳、息切れ、及び疼痛(pains)が挙げられる。細菌感染症の典型的な症状は、感染部位での局所的な発赤、発熱、腫脹、及び疼痛である。急性炎症は、疼痛、組織の発赤(血管及び毛細血管の滲出)、組織の腫脹を引き起こし、組織を損傷した後、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症、特に腔(cavities)、尿路、消化管系、耳、目、及び鼻に感染するのを助長する可能性がある。概して、ウイルス感染症は全身性であり、身体の多くの様々な部分に同時に影響を与え、例えば鼻水、咳、及び身体の痛みを引き起こす。いずれの場合も、細菌、真菌、及びウイルスは1つの細胞又は1つの組織に感染した後、身体全体に広がり始め、多数の他の細胞又は組織に感染し、場合によってはヒトを死に至らしめる。
【0007】
ウイルス、細菌、原生動物、及び/又は真菌の全ての感染症は免疫系の反応を伴い、炎症及び発熱を引き起こす。免疫系の過剰活性化又は制御不能により、制御不能な高熱、そして肺、腎臓、肝臓、脳、及びその他の組織の重度の炎症等の重度の炎症状態、並びに急性呼吸窮迫症候群(ARDS)が引き起こされる可能性がある。特にARDSは、肺における広範囲にわたる炎症が急速に発症し、血中酸素の低下を引き起こして生命を脅かす可能性があることを特徴とする呼吸不全の一種である。症状としては、息切れ、呼吸促迫、及び青みがかった皮膚の変色が挙げられる。炎症により組織の類線維腫及び瘢痕化が引き起こされ、免疫細胞が感染部位に入り込んでウイルスを殺傷するのが妨げられ、宿主の防御機構があるにもかかわらずウイルスが身体内で複製し続ける終生感染症又は慢性感染症が引き起こされる可能性がある。
【0008】
現在の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、呼吸器感染症の全体的な症状を大幅に軽減せず又は持続期間を大幅に短縮しない。さらに、NSAIDの使用は、胃及び十二指腸出血、胃潰瘍、胃炎、及びGI穿孔を含む重大な消化管(GI)毒性のリスク増加を伴う(例えば、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、及び非特許文献8を参照)。メタ分析によると、NSAIDはプラセボと比較して心筋梗塞又は心血管疾患による死亡のリスクが50%~100%増加すると報告されている(非特許文献9を参照)。
【0009】
さらに、新たな疾患のアウトブレイクに対する効果的な療法を開発することも急務となっている。例えば、新型コロナウイルス2019(COVID-19、又はSARS-CoV-2)に世界中で2億7500万人を超える人々が罹患し、500万人超が死亡した。ヒトにおけるCOVID-19による感染症は、発熱、頭痛、味覚又は嗅覚の喪失、喉の痛み、吐き気、嘔吐、下痢、咳、倦怠感、無食欲、筋痛、及び下痢等の軽度の上気道症状から進行性の生命を脅かすウイルス性肺炎に至るまで、幅広い臨床呼吸器症候群を伴う(非特許文献10及び非特許文献11)。COVIDの急速な突然変異及び新たな変異体の出現により、パンデミックに対する人類の戦いは、おそらく遠い将来まで激しいものとなりそうである。
【0010】
COVID-19の病原因子であるSARS-CoV-2が現在のパンデミックを引き起こしている。SARS-CoV-2は頭からつま先までに及ぶ多様な症状発現を引き起こし、多数の器官系、特に肺、心臓、脳、腎臓、及び脈管系に一見無差別に大損害を与える。COVID-19を内皮疾患とする概念は、この猛威を振るう感染症の統一的な病態生理学的像を提供するとともに、この新たなパンデミックに立ち向かう治療的試みを導く実に控えめなエビデンス基盤しか有しない時代に、合理的な治療戦略についての枠組みも提供する(非特許文献12)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】CDCの米国における抗生物質耐性の脅威2019(Antibiotic Resistance Threats in the United States, 2019)(2019 AR Threats Report)
【非特許文献2】WHOの世界マラリア報告書2020(World Malaria Report 2020)
【非特許文献3】Sinha, S., et al., Parasite., 2014, 21: 61
【非特許文献4】Cohn SM, et al., J. Clin. Invest. 1997; 99(6):1367-1379
【非特許文献5】Tarnawski AS and Ahluwalia A., Curr. Med. Chem. 2012; 19(1):16-27
【非特許文献6】Fries JF, J. Rheumatol Suppl. 1991; 28:6-10
【非特許文献7】Garcia Rodriguez LA, et al., Arch. Intern Med. 1998; 158(1):33-9
【非特許文献8】Richardson C, Emery P., Drug Saf. 1996; 15(4):249-60
【非特許文献9】Coxib and traditional NSAID Trialists' (CNT) Collaboration. The Lancet, 2013; 382:769-79
【非特許文献10】Zhu, N., et al., N. Engl. J. Med., 2020, 382: 727-33
【非特許文献11】Chen, N., et al., Lancet, 2020, 395:507-13
【非特許文献12】Peter Libby and Thomas Luescher, European Heart Journal (2020) 41, 3038-3044
【発明の概要】
【0012】
本開示は、NSAID等の既存の療法薬の様々な上述の不利点を回避し、又は最小限に抑えながら、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症を治療するのに使用することができる高透過プロドラッグ(HPP)を提供する。
【0013】
一実施の形態において、本開示は、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症、又はそれらの関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症の治療において使用される、1つ以上の生物学的障壁を透過することができる、構造L-1の高透過プロドラッグ(HPP)又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0014】
【0015】
式中、
Fは、機能単位として、活性化医薬有効成分(すなわち、親薬物分子)の分子部分であり、
Tは、輸送単位として、プロトン化可能な窒素を含む塩基性基であり、
L1、L2、及びL4は共同してリンカーを形成し、構造L-1の化合物が生理学的条件下で加水分解又は代謝されて機能単位Fを放出し、前記医薬有効成分(すなわち、前記親薬物分子)又はその生物学的に活性な代謝産物を形成することができる。
【0016】
幾つかの実施の形態において、HPPの機能単位(F)は、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害剤、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、アスピリン、及びその他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、その他の抗炎症薬、並びにそれらの任意の組合せから選択される親薬物の部分である。
【0017】
幾つかの実施の形態において、構造L-1のHPPの輸送単位(T)は、1つ以上の生物学的障壁を通じたHPPの輸送又は横断を容易にすることができるプロトン化可能なアミン基を含み、かつHPPは、被験体に投与された後、典型的には生理学的条件下で加水分解によって切断されて、活性な親薬物部分を放出することができる。特定の実施の形態において、プロトン化可能なアミン基は生理学的pHで実質的にプロトン化される。特定の実施の形態において、アミン基は可逆的にプロトン化され得る。特定の実施の形態において、HPPが1つ以上の生物学的障壁を越えて透過して被験体内の標的部位に到達した後、輸送単位は機能単位から切断されてよい。
【0018】
幾つかの実施の形態において、HPPの輸送単位は、置換第一級アミン、非置換第一級アミン、置換第二級アミン、非置換第二級アミン、置換第三級アミン、非置換第三級アミン、及び環内にプロトン化可能な窒素を含むヘテロシクリル基から選択されるプロトン化可能なアミンである。
【0019】
幾つかの実施の形態において、リンカー(L1、L2、及びL4が一緒になって)は、HPPが1つ以上の生物学的障壁を越えて透過した(penetrates across)後に切断され得る共有結合を介して、HPPの機能単位と輸送単位とを共有結合により連結する。切断可能な共有結合は、例えば、エステル、アミド、チオエステル、カーボネート、カルバメート、エーテル、チオエーテル、ホスフェート、及びオキシムから選択される官能基中の結合であり得て、幾つかの好ましい実施の形態において、この官能基はエステル又はアミドである。
【0020】
幾つかの実施の形態において、前記リンカー(L1、L2、及びL4が一緒になって)は、C(=O)-O、C(=O)-S、C(=O)-NH、C(=O)-O-CH(L3)-O、C(=O)-O-CH(L3)-S、C(=O)-O-CH(L3)-NH、C(=O)-S-CH(L3)-O、C(=O)-S-CH(L3)-S、C(=O)-S-CH(L3)-NH、P(=O)(-O-L3)-O、O-P(=O)(-O-L3)、C(=S)-O、C(=NH)-O、C(=NH)-S、C(=N-OL3)-NH、C(=NH-OL3)-O、C(=NH-OL3)-S、O-C(=O)、S-C(=O)、NH-C(=O)、O-CH(L3)-O-C(=O)、S-CH(L3)-O-C(=O)、O-CH(L3)-S-C(=O)、S-CH(L3)-S-C(=O)、O-CH(L3)-NH-C(=O)、O-C(=S)、O-C(=N-OL3)、S-C(=N-OL3)、及びNH-C(=N-OL3)から選択され、式中、L3はそれぞれ独立して、H置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルコキシ、置換及び非置換のアルキルチオ、並びに置換及び非置換のアルキルアミノから選択される。
【0021】
本開示の別の態様は、本明細書に開示される構造の高透過プロドラッグ(HPP)と、薬学的に許容可能な担体とを含む、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症の治療用の医薬組成物を提供する。
【0022】
薬学的に許容可能な担体は、アルコール、アセトン、エステル、セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、及び水溶液等から選択され得る。
本開示の別の態様は、生物学的被験体における1つ以上の生物学的障壁を透過する方法を提供する。この方法は、HPP又はその医薬組成物を生物学的被験体に投与する工程を含む。特定の実施の形態において、HPPは、その親薬物よりも約20倍以上、50倍以上、約100倍以上、約200倍以上、約300倍以上、約500倍以上、又は約1000倍以上の1つ以上の生物学的障壁を通じた透過率を示す。
【0023】
本開示の別の態様は、治療的有効量のHPP又はその医薬組成物を被験体に投与することによって、治療を必要とする生物学的被験体におけるウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症、又は関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症を治療する方法を提供する。
本開示の別の態様は、生物学的被験体におけるウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症、又は関連病態の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬の製造における本開示のHPPの使用を提供する。
【0024】
本開示の別の態様は、本明細書に開示されるHPPを含む経皮医薬組成物であって、経皮投与してウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症を治療するように適合され、アスピリン、別の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、別の抗炎症薬の高透過プロドラッグ、又はそれらの任意の組合せを含む、組成物を提供する。
【0025】
本開示の別の態様は、生物学的被験体におけるウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症を治療する方法であって、上記の高透過プロドラッグを含む医薬組成物を生物学的被験体に投与することを含む、方法を提供する。
本開示の他の態様及び利点は、以下の図面、詳細な説明、実施例、及び特許請求の範囲を考慮するとよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】マウス適応型インフルエンザA型PR/8/34(H1N1)の致死用量を負荷した後にHPPで処置したBalb/cマウスの生存の有効性研究のカプラン-マイヤー(Kaplan-Meier)生存曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
I.ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療
一態様において、本開示は、ヒト及び動物におけるウイルス、細菌、原生動物、及び/又は真菌によって引き起こされる発熱、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺炎、脳、腎臓、肝臓、血管、及びその他の組織の炎症、並びに凝血(凝固)等のようなウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療用のHPPを提供する。
【0028】
本開示の1つの態様は、ウイルス、細菌、原生動物、及び真菌の感染症を治療して、発熱及び炎症を緩和し、合併症を引き起こす免疫系の過剰反応を防ぐが、その後、免疫系にウイルス、細菌、原生動物、及び真菌を十分に制御された様式で除去させる戦略に向けられているため、ウイルス、細菌、原生動物、及び真菌の全ての感染症は非常に軽度で、かつ忍容性が高いものとなる。免疫系は、非薬剤耐性及び薬剤耐性のウイルス、細菌、原生動物、及び真菌を同様に認識して殺傷することができるため、薬剤耐性の問題は全く問題にならない。
【0029】
本開示のプロドラッグは、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び真菌感染症に対する免疫系の過剰反応を防ぐように設計されているが、アスピリン、ジクロフェナク、及びその他の抗炎症薬のプロドラッグは、ウイルス、細菌、原生動物、及び/又は真菌を殺傷することができる。
【0030】
特定の実施形態において、合併症は肺炎である。
特定の実施形態において、合併症は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である。
特定の実施形態において、合併症は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
特定の実施形態において、合併症は凝血(凝固)である。
特定の実施形態において、合併症は心臓発作である。
特定の実施形態において、合併症は敗血症である。
特定の実施形態において、合併症としては、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、並びに脳、肺、腎臓、肝臓、膵臓、消化器(GI)系、血管、及びその他の組織の炎症が挙げられる。
【0031】
II.高透過プロドラッグの構造
本開示の一態様は、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症を治療するのに使用することができる高透過プロドラッグ(HPP)を提供する。本明細書において使用される「高透過プロドラッグ」又は「HPP」という用語は、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症、又はそれらの関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症の治療に使用される、1つ以上の生物学的障壁を透過することができる、リンカーを介して輸送単位に共有結合により連結された機能単位を含む化合物であって、構造L-1:
【0032】
又はその立体異性体若しくは薬学的に許容可能な塩を有することを特徴とする、化合物を指す。
【0033】
機能単位(F)
HPPの機能単位は、HPPが1つ以上の生物学的障壁を透過又は横断することができ、かつHPPが切断されて親薬物自体又は親薬物の代謝産物を放出することができるように親薬物の部分を含む。
【0034】
特定の実施形態において、機能単位は親水性、親油性、又は両親媒性(親水性及び親油性の両方)であってよい。機能単位の親油性部分は、本来備わっていてもよく、又は機能単位の1つ以上の親水性部分を親油性部分に転化させることによって実現されてもよい。例えば、機能単位の親油性部分は、有機合成を介して機能単位の1つ以上の親水性基を親油性基に転化させることによって生成される。親水性基の例としては、限定されるものではないが、カルボン酸基、ヒドロキシル基、チオール基、アミン基、ホスフェート基/ホスホネート基、グアニジン基、及びカルボニル基が挙げられる。これらの親水性基の修飾を介して生成される親油性部分としては、限定するものではないが、エーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、カーボネート、カルバメート、アミド、ホスフェート、及びオキシムが挙げられる。特定の実施形態において、機能単位は、アセチル化又はアシル化(アルカノイル化)によって、より親油性の部分に転化される。特定の実施形態において、機能単位は、エステル化を介して、より親油性の部分に転化される。
【0035】
特定の実施形態において、HPPの親薬物は、単独で又は他の薬物(複数の場合もある)と組み合わせて使用し、ヒト及び動物におけるウイルス及び/又は細菌及び/又は真菌によって引き起こされる急性呼吸窮迫症候群、肺炎、及びその他の組織炎症を治療することができる薬物である。また、親薬物の構造を含む化合物、親薬物の代謝産物、又はHPPが1つ以上の生物学的障壁を透過した後に親薬物若しくは親薬物の代謝産物に代謝され得る作用物質である親薬物の関連化合物を使用することもできる。さらに、親薬物の関連化合物としては、親薬物の類似体若しくは模倣体、若しくは親薬物の代謝産物である化合物、又はHPPが1つ以上の生物学的障壁を透過した後に親薬物の類似体若しくは模倣体、若しくは親薬物の代謝産物に代謝され得る作用物質が挙げられる。
【0036】
特定の実施形態において、機能単位は、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害剤、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、及び抗炎症剤から選択される医薬有効成分(すなわち、親薬物分子)の分子部分である。
【0037】
親薬物又はその関連化合物の部分を、上述のように親油性部分に更に転化させることができる。ヒト及び動物におけるウイルス、細菌、原生動物、及び/又は真菌によって引き起こされる急性呼吸窮迫症候群、肺炎、その他の組織炎症、及びその他の合併症の治療に使用することができる主な部類の薬物としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、及び5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害剤が挙げられる。
【0038】
輸送単位(T)
HPPの輸送単位は、1つ以上の生物学的障壁を通じたHPPの輸送又は横断を容易にすることができる(例えば、親薬物よりも約20倍超、約50倍超、約100倍超、約300倍超、約500倍超、約1000倍超の速さ)プロトン化可能なアミン基を含む。特定の実施形態において、プロトン化可能なアミン基は生理学的pHで実質的にプロトン化される。特定の実施形態において、アミン基は可逆的にプロトン化され得る。特定の実施形態において、HPPが1つ以上の生物学的障壁を越えて透過した後に、輸送単位は機能単位から切断されてよい。
【0039】
特定の実施形態において、輸送単位は、構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、及び構造W-6:
【0040】
【0041】
(式中、
Rは、それぞれの場合、独立して、結合、置換及び非置換のアルキレン、置換及び非置換のシクロアルキレン、置換及び非置換のヘテロシクリレン、置換及び非置換のアルケニレン、置換及び非置換のアルキニレン、置換及び非置換のアリーレン、並びに置換及び非置換のヘテロアリーレンから独立して選択され、ここで、R中のどのCH2も、任意に、O、S、又はNR3で更に置き換えられていてよく、ここで、R3は、水素、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、又はC6~C10アリールであり、
R1及びR2は、独立して、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル、置換及び非置換のアルキルオキシル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のアリール、並びに置換及び非置換のヘテロアリールから選択され、又は代替的に、R1及びR2は、これらが取り付けられている窒素原子と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、これは任意に、O、S、及びNから独立して選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を更に含み、
【0042】
R11、R12、及びR13は、それぞれ独立して、結合、任意に置換されたC1~C4アルキレン、又は任意に置換されたC2~C4アルケニレンであり、ここで、アルキレン又はアルケニレンは、任意に、O、S、又はNR3によって置き換えられた1つのCH2基を有し、ここで、R3は、水素、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、又はC6~C10アリールであり、
【0043】
ここで、構造W-2、構造W-3、又は構造W-5中のR1のいずれか及び隣接するR11は、これらが取り付けられている窒素原子と一緒になって、任意に置換された複素環式環を形成してよく、これは任意に、O、S、及びNから独立して選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を更に含んでいてよく、
ここで、構造W-2、構造W-4、構造W-5、又は構造W-6中のR11及びR12又はR11及びR13は、任意に置換されたアルキレン架橋によって任意に接続されていてよく、
【0044】
ここで、HAは、何も含まないこと、及び薬学的に許容可能な酸、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸、硫酸、重硫酸、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸、パントテン酸、重酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチジン酸、フマル酸、グルコン酸、グルカロン酸、糖酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びパモ酸から選択されるが、
但し、構造は共有結合の原理に違反することなく安定した化合物を形成するものとする)から選択される。
【0045】
幾つかの実施形態において、HAは、何も含まず、HPPは遊離塩基である。
幾つかの実施形態において、Rは、結合又はC1~C6アルキレンである。
幾つかの実施形態において、輸送単位は、構造W-1であり、ここで、R1及びR2は、それぞれ水素又はC1~C6アルキルである。
幾つかの実施形態において、輸送単位は、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、又は構造W-6であり、ここで、Rは結合又はC1~C4アルキレンであり、R1は水素又はC1~C6アルキルであり、R11はC1~C4アルキレンであり、R12及びR13は独立して、結合、CH2、又はCH2CH2である。
【0046】
幾つかの実施形態において、輸送単位は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルから選択されるヘテロシクリルであり、そのそれぞれは、塩酸塩、臭化水素酸塩、又は酢酸によってプロトン化されている。
幾つかの実施形態において、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立して、CH2、CH2CH2、CH=CH、CH2CH2CH2、CH=CHCH2、CH2CH2CH2CH2、CH2CH=CH-CH2、CH2CH2CH2CH2CH2、CH2CH2CH2CH2CH2CH2から選択され、そのそれぞれは任意に置換される。
【0047】
本開示は、HPPの構造に関して本明細書に開示される実施形態のあらゆる妥当な組合せを包含する。
【0048】
リンカー(L)
HPPの機能単位と輸送単位とを共有結合により連結するリンカーは、HPPが1つ以上の生物学的障壁を越えて透過した後に切断することができる結合を含む。切断可能な結合は、例えば、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合、カーボネート結合、カルバメート結合、ホスフェート結合、又はオキシム結合等の共有結合を含む。
【0049】
幾つかの実施形態において、L1は、結合、O、S、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L3)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、-S-CH(L3)-O-から選択され、L2は、結合、O、S、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L3)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、-S-CH(L3)-O-、-O-L5-、-N-L5-、-S-L5-、及び-N(L3)-L5-から選択され、L4は、結合、C=O、C=S、
【0050】
【0051】
式中、
L3は、それぞれの場合、独立して、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルコキシ、置換及び非置換のアルキルチオ、並びに置換及び非置換のアルキルアミノから選択される。特定の実施形態において、L3は独立して、H又はC1~C6アルキルであり、
【0052】
L5は、それぞれの場合、独立して、結合、置換又は非置換のアルキレン、置換又は非置換のシクロアルキレン、置換及び非置換のヘテロシクロアルキレン、置換及び非置換のアリーレン、並びに置換及び非置換のヘテロアリーレンから選択される。特定の実施形態において、L5は、独立して、結合、CH2COOL6、置換又は非置換のC1~C6アルキレン、置換又は非置換のC3~C6シクロアルキレン、置換及び非置換の5員~10員のヘテロシクロアルキレン、置換及び非置換のC6~C10アリーレン、並びに置換及び非置換の5員~10員のヘテロアリーレンから選択される。ここで、L6は、結合又は置換若しくは非置換のC1~C6アルキレンである。
【0053】
幾つかの実施形態において、リンカー(L1、L2、及びL4が一緒になって)は、C(=O)-O、C(=O)-S、C(=O)-NH、C(=O)-O-CH(L3)-O、C(=O)-O-CH(L3)-S、C(=O)-O-CH(L3)-NH、C(=O)-S-CH(L3)-O、C(=O)-S-CH(L3)-S、C(=O)-S-CH(L3)-NH、P(=O)(-O-L3)-O、O-P(=O)(-O-L3)、C(=S)-O、C(=NH)-O、C(=NH)-S、C(=N-OL3)-NH、C(=NH-OL3)-O、C(=NH-OL3)-S、O-C(=O)、S-C(=O)、NH-C(=O)、O-CH(L3)-O-C(=O)、S-CH(L3)-O-C(=O)、O-CH(L3)-S-C(=O)、S-CH(L3)-S-C(=O)、O-CH(L3)-NH-C(=O)、O-C(=S)、O-C(=N-OL3)、S-C(=N-OL3)、及びNH-C(=N-OL3)、ここで、L3は、それぞれの場合、独立して、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルコキシ、置換及び非置換のアルキルチオ、並びに置換及び非置換のアルキルアミノから選択される。特定の実施形態において、L3は独立して、H又はC1~C6アルキルである。
【0054】
幾つかの実施形態において、HPPは、構造LRA-1、構造LRA-2、構造LRA-3、構造LRA-4、構造LRA-5、構造LRA-6、構造ARA-1、構造ARA-2、構造ARA-3、構造ARA-4、構造ARA-5、構造ARA-6、構造ARA-7、構造ARA-8、構造ARA-9、構造ARA-10、構造ARA-11、構造ARA-12、構造ARA-13、構造ARA-14、構造5-LI-1、構造5-LI-2、構造5-LI-3、構造5-LI-4、構造5-LI-5、構造5-LI-6、構造5-LI-7、構造5-LI-8、構造FLAP-1、構造FLAP-2、構造FLAP-3、構造FLAP-4、構造FLAP-5、構造FLAP-6、構造NSAID-1、構造NSAID-2、構造NSAID-3、構造NSAID-4、構造NSAID-5、構造NSAID-6、構造NSAID-7、構造NSAID-8、構造NSAID-9、構造NSAID-10、構造NSAID-11、構造NSAID-12、及び構造NSAID-13から選択される。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
立体異性体及びその薬学的に許容可能な塩を含む。
ここで、アリール-(Aryl-)は抗炎症薬または抗炎症薬関連化合物のHPPの機能単位であり、アリールの例には、以下が含まれるが、これらに限定されない。アリール-(Aryl-)は、アリール-1、アリール-2、アリール-3、アリール-4、アリール-5、アリール-6、アリール-7、アリール-8、アリール-9、アリール-10、アリール-11、アリール-12、アリール-13、アリール-14、アリール-15、アリール-16、アリール-17、アリール-18、アリール-19、アリール-20、アリール-21、アリール-22、アリール-23、アリール-24、アリール-25、アリール-26、アリール-27、アリール-28、アリール-29、アリール-30、アリール-31、アリール-32、アリール-33、アリール-34、アリール-35、アリール-36、アリール-37、アリール-38、アリール-39、アリール-40、アリール-41、アリール-42、アリール-43、アリール-44、アリール-45、アリール-46、アリール-47、アリール-48、アリール-49、アリール-50、アリール-51、アリール-52、アリール-53、アリール-54、アリール-55、アリール-56、アリール-57、アリール-58、アリール-59、アリール-60、アリール-61、アリール-62、アリール-63、アリール-64、アリール-65、アリール-66、アリール-67、アリール-68、アリール-69、アリール-70、及びアリール-71:
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
ここで、
Tは上記で定義されるように輸送単位である。
L1は、無(nothing)、O、S、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L3)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、及び-S-CH(L3)-O-から選択され、
L4は、C=O、C=S、
【0070】
【0071】
L1とL4は一緒になって、C(=O)-O、C(=O)-S、C(=O)-NH、C(=O)-O-CH(L3)-O、C(=O)-O-CH(L3)-S、C(=O)-O-CH(L3)-NH、C(=O)-S-CH(L3)-O、C(=O)-S-CH(L3)-S、C(=O)-S-CH(L3)-NH、P(=O)(-O-L3)-O、O-P(=O)(-O-L3)、C(=S)-O、C(=NH)-O、C(=NH)-S、C(=N-OL3)-NH、C(=NH-OL3)-O、C(=NH-OL3)-S、O-C(=O)、S-C(=O)、NH-C(=O)、O-CH(L3)-O-C(=O)、S-CH(L3)-O-C(=O)、O-CH(L3)-S-C(=O)、S-CH(L3)-S-C(=O)、O-CH(L3)-NH-C(=O)、O-C(=S)、O-C(=N-OL3)、S-C(=N-OL3)、及びNH-C(=N-OL3)から選択される。
【0072】
L3は、それぞれの場合、独立して、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクリル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルコキシ、置換及び非置換のアルキルチオ、並びに置換及び非置換のアルキルアミノから選択される。特定の実施形態において、L3は独立して、H又はC1~C6アルキルであり、
【0073】
L5は、それぞれの場合、独立して、結合、置換又は非置換のアルキレン、置換又は非置換のシクロアルキレン、置換及び非置換のヘテロシクロアルキレン、置換及び非置換のアリーレン、並びに置換及び非置換のヘテロアリーレンから選択される。特定の実施形態において、L5は、独立して、結合、CH2COOL6、置換又は非置換のC1~C6アルキレン、置換又は非置換のC3~C6シクロアルキレン、置換及び非置換の5員~10員のヘテロシクロアルキレン、置換及び非置換のC6~C10アリーレン、並びに置換及び非置換の5員~10員のヘテロアリーレンから選択される。ここで、L6は、結合又は置換若しくは非置換のC1~C6アルキレンである。
【0074】
X5、X6、X7、及びX8は、独立して、結合、C(=O)、C(=S)、OC(=O)、OC(=S)、CH2、CH、S、O、及びNR5から選択され、
Y、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、及びY8は、独立して、H、OH、OW、OC(=O)W、L1-L4-L2-W、OC(=O)CH3、CH3、C2H5、C3H7、C4H9、R6、SO3R6、CH2OR6、CH2OC(=O)R6、CH2C(=O)OR8、OCH3、OC2H5、OR6、CH3SO2、R6SO2、CH3SO3、R6SO3、NO2、CN、CF3、OCF3、CH2(CH2)nNR5R6、CH2(CH2)nOR6、CH(C(=O)NH2)NHR6、CH2C(=O)NH2、F、Br、I、Cl、CH=CHC(=O)NHCH2C(=O)OW、CH=CHC(=O)NHCH2L1-L4-L2-W、NR8C(=O)R5、SO2NR5R8、C(=O)R5、SR5、R6OOCCH(NHR7)(CH2)nC(=O)NH-、R6OOCCH(NHR7)(CH2)nSC(=O)NH-、CF3SCH2C(=O)NH-、CF3CH2C(=O)NH-、CHF2SCH2C(=O)NH-、CH2FSCH2C(=O)NH-、NH2C(=O)CHFS-CH2C(=O)NH-、R7NHCH(C(=O)OW)CH2SCH2C(=O)NH-、R7NHCH(L1-L4-L2-W)CH2SCH2C(=O)NH-、CNCH2SCH2C(=O)NH-、CH3(CH2)nC(=O)NH-、R7N=CHNR7CH2CH2S-、R7N=C(NHR7)NHC(=O)-、R7N=C(NHR7)NHC(=O)CH2、CH3C(Cl)=CHCH2SCH2C(=O)NH-、(CH3)2C(OR6)-、CNCH2C(=O)NH-、CNCH2CH2S-、R7HN=CH(NR7)CH2CH2S-、CH2=CHCH2SCH2C(=O)NH-、CH3CH(OH)-、CH3CH(OR8)-、CH3CH(Y1)-、(CH3)2CH-、CH3CH2-、CH3(CH2)nCH=CH(CH2)mC(=O)NH-、置換及び非置換のアルコキシ、置換及び非置換のアルキルチオ、置換及び非置換のアルキルアミノ、並びに置換及び非置換のアルキルカルボニルから選択され、R5は、独立して、H、C(=O)NH2、CH2CH2OR6、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、Cl、F、Br、I、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクロアルキル、置換及び非置換のアルキルオキシル、置換及び非置換のシクロアルキルオキシル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルキルカルボニル、置換及び非置換のアルキルアミノ、-C(=O)-W、L1-L4-L2-W、並びにWから選択され、
【0075】
R6は、独立して、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクロアルキル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のアルキルオキシル、置換及び非置換のシクロアルキルオキシル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、-C(=O)-W、-L1-L4-L2-W、並びにWから選択され、
【0076】
R7は、独立して、H、F、Cl、Br、I、CH3NHC(=O)CH2CH(NHR8)C(=O)、R5N=C(NHR6)NHC(=O)-、C(=O)CH3、C(=O)R6、PO(OR5)OR6、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクロアルキル、置換及び非置換のアルキルオキシル、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、置換及び非置換のアルキルカルボニル、置換及び非置換のアルキルアミノ、L1-L4-L2-W、並びにC-(=O)-Wから選択され、
【0077】
R8は、独立して、H、F、Cl、Br、I、CH3、C2H5、CF3、CH2CH2F、CH2CH2Cl、CH2CH2Br、CH2CH2I、CH2CHF2、CH2CF3、CH2F、CH2Cl、CH2Br、CH2I、CH2NR6R7、CH(NHR7)CH2C(=O)NH2、C3H7、C4H9、C5H11、R6、C(=O)R6、C(=O)NH2、CH2C(=O)NH2、CH2OC(=O)NH2、PO(OR5)OR6、C(CH3)2C(=O)OR6、CH(CH3)C(=O)OR6、CH2C(=O)OR6、C(=O)-W、及びL1-L4-L2-Wから選択され、
【0078】
L2は、それぞれの場合、独立して、結合、O、S、-N(L3)-、-N(L3)-CH2-O、-N(L3)-CH2-N(L3)-、-O-CH2-O-、-O-CH(L3)-O、-S-CH(L3)-O-、-O-L5-、-S-L5-、及び-N(L3)-L5-から選択され、かつ、
【0079】
Wは、H、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のシクロアルキル、置換及び非置換のヘテロシクロアルキル、置換及び非置換のアルキルオキシ、置換及び非置換のアルケニル、置換及び非置換のアルキニル、置換及び非置換のアリール、置換及び非置換のヘテロアリール、構造W-1、構造W-2、構造W-3、構造W-4、構造W-5、並びに構造W-6から選択され、
ただし、定義されたHPPの構造は、共有結合の原理に違反することなく安定した化合物を形成するものとする。
【0080】
幾つかの実施形態において、本開示は、ウイルス感染症及び/又は細菌感染症及び/又は原生動物感染症及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症を治療するのに経皮投与される経皮医薬組成物であって、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(p-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル2-[1-[[(1R)-1-[3-[2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-3-[2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル]プロピル]スルファニルメチル]シクロプロピル]アセテート塩酸塩、(RS)-N-[1-(1-ベンゾチエン-2-イル)エチル]-N-(2-N,N-ジエチルアミノアセチルオキシ)尿素塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-シクロペンチル-2-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル]アセテート塩酸塩、
【0081】
(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[3-[(E)-2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-[3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル]スルファニルメチル]スルファニルプロパノエート塩酸塩、(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・HCl、2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩、S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオエート塩酸塩、2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[1-(4-クロロベンジル)-4-メチル-6-(5-フェニルピリジン-2-イル)メトキシ]-4,5-ジヒドロ-1H-チオピラノ[2,3,4-c,d]インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパノエート塩酸塩、
【0082】
(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-α-メチルカルバゾール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル4-[4-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]-4-オキソ-ブタノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、
【0083】
(ピロリジン-2-イル)メチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート・HCl、(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート・HCl、(ピロリジン-2-イル)メチル1-(p-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(p-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、
【0084】
(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-α-メチル-9H-カルバゾール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(4-クロロフェニル)-α-メチル-5-ベンゾオキサゾールアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート塩酸塩、
【0085】
(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]ベンゼンアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル10,11-ジヒドロ-α-メチル-10-オキソジベンゾ[b,f]チエピン-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(8-メチル-5-オキソ-6H-ベンゾ[b][1]ベンゾオキセピン-3-イル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[4-[(2-オキソシクロペンチル)メチル]フェニル]プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル4-(1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル)-α-メチルベンゼンアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-クロロ-2-(3-クロロ-4-シクロヘキシルフェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート塩酸塩、
【0086】
(ピロリジン-2-イル)メチル3-(4-ビフェニルカルボニル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-5-シクロヘキシル-1-インダンカルボキシレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1-(p-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル3-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル4-アセトアミドフェニルサリチレート塩酸塩、
【0087】
2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]安息香酸、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボキシレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチルサリチルサリチレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-[(2,6-ジクロロフェニル)アミノ]フェニル]アセトキシ]アセテート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチル1-(p-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート塩酸塩から選択されるHPP分子を含む、組成物に関する。
【0088】
治療方法において、ウイルス感染症は1種以上のRNAウイルスによって引き起こされ得る。治療方法において、ウイルス感染症は1種以上のDNAウイルスによって引き起こされ得る。治療方法において、ウイルス感染症は、インフルエンザウイルスA型、インフルエンザウイルスB型、インフルエンザウイルスC型、及びインフルエンザウイルスD型から選択される1種以上のインフルエンザウイルスによって引き起こされ得る。
治療方法において、ウイルス感染症は、H1N1、H1N2、H1N7、H2N2、H2N3、H3N1、H3N2、H3N8、H5N1、H5N2、H5N3、H5N6、H5N8、H5N9、H6N1、H6N2、H6N5、H7N1、H7N2、H7N3、H7N4、H7N9、H7N7、H8N4、H9N2、H10N7、H10N8、H10N3、H11N2、H11N9、H12N5、H13N6、H17N10、及びH18N11から選択されるヒトインフルエンザウイルスによって引き起こされ得る。
【0089】
治療方法において、ウイルス感染は、H1N1、H1N8、H2N9、H3N8、H3N2、H4N6、H4N3、H5N4、H5N8、H5N9、N5N1、H6N2、H6N1、H6N5、H6N8、H7N1、H8N4、H9N2、H9N2、H9N6、H9N7、H10N8、H11N6、H11N9、H12N5、H13N6、H14N4、及びH15N9から選択される鳥インフルエンザA型ウイルスによって引き起こされ得る。治療方法において、ウイルス感染症は、H1N1、H1N2、H2N1、H3N2、及びH2N3から選択される1種以上の豚インフルエンザA型ウイルスによって引き起こされ得る。
【0090】
治療方法において、ウイルス感染症は、H3N8及びH7N7から選択される馬インフルエンザウイルスによって引き起こされ得る。治療方法において、ウイルス感染症は、H3N2、H3N8、及びH5N1から選択される犬インフルエンザウイルスによって引き起こされ得る。治療方法において、ウイルス感染症は、猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella, bronchiseptica)、及びクラミドフィラ・フェリス(Chlamydophila felis)から選択される1種以上の猫インフルエンザウイルスによって引き起こされ得る。治療方法において、ウイルス感染症は1種以上のコロナウイルスによって引き起こされ得る。治療方法において、ウイルス感染症は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-Co-V)、SARS-CoV-1、SARS-CoV-2(COVID-19)、229E、NL63、OC43、HKU1、MERS-CoV、及び元のSARS-CoVの1種以上によって引き起こされ得る。
【0091】
治療方法において、細菌感染症は1種以上のグラム陽性細菌によって引き起こされ得る。治療方法において、細菌感染症は1種以上のグラム陰性細菌によって引き起こされ得る。治療方法において、細菌感染症は1種以上の病原性細菌によって引き起こされ得る。治療方法において、病原性細菌は、ツベルクローシス、ストレプトコッカス、梅毒、スタフィロコッカス、アスペルギルス、破傷風、ビブリオ・コレラ、サルモネラ、クロストリジウム・ボツリナム、及び大腸菌(E.Coli)から選択され得る。
【0092】
治療方法において、原生動物感染症は、ヒト又は動物において疾患を引き起こす1種以上の病原性原生動物によって引き起こされ得る。治療方法において、病原性原生動物は、エントアメーバ・ヒストリティカ(Entamoeba histolytica)(アメーボゾア)、アカントアメーバ(Acanthamoeba)(アメーボゾア)、ジアルジア・ランブリア(Giardia lamblia)(メタモナス)、トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginalis)(メタモナス)、ジエントアメーバ・フラギリス(Dientamoeba fragilis)(メタモナス)、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)(キネトプラスト類)、トリパノソーマ・クルージ(Trypanosoma cruzi)(キネトプラスト類)、リーシュマニア属の複数種(Leishmania spp.)(キネトプラスト類)、バランチジウム・コリ(Balantidium coli)(繊毛虫)、プラスモジウム属の複数種(Plasmodium spp.)(アピコンプレクサ類)、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)(アピコンプレクサ類)、バベシア属の複数種(Babesia spp.)(アピコンプレクサ類)、クリプトスポリジウム属の複数種(Cryptosporidium spp.)(アピコンプレクサ類)、及びサイクロスポーラ・カエタネンシス(Cyclospora cayetanensis)(アピコンプレクサ類)から選択され得る。
【0093】
治療方法において、感染症の徴候及び症状は、倦怠感、食欲不振、体重減少、発熱、寝汗、悪寒、痛み(aches)、炎症、咳、息切れ、疼痛、及び鼻水のうちの1つ以上を含むことができる。
【0094】
治療方法において、感染症の合併症は、ヒト及び動物におけるウイルス及び/又は細菌及び/又は原生動物及び/又は真菌によって引き起こされる肺炎、急性呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、凝血(凝固)、髄膜炎、脳炎、心血管疾患、脳卒中、心臓発作、敗血症、並びに脳、肺、腎臓、肝臓、膵臓、消化器(GI)系、血管、及びその他の組織の炎症、例えば、発熱、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、脳、腎臓、肝臓、血管、及びその他の組織の炎症、凝血(凝固)のうちの1つ以上を含むことができる。
【0095】
本明細書において使用される場合に、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、被験体への投与に安全である本発明の化合物の塩を意味する。薬学的に許容可能な塩には、本発明の化合物中に存在する酸性基又は塩基性基の塩が含まれる。薬学的に許容可能な酸付加塩としては以下が含まれるが、これらに限定されない。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩(acid phosphate)、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,11-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩))が含まれる。
【0096】
本発明の特定の化合物は、様々なアミノ酸と薬学的に許容可能な塩を形成することができる。適切な塩基塩としては以下が含まれるが、これらに限定されない。アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、及びジエタノールアミン塩が含まれる。薬学的に許容可能な塩に関する概要については、BERGE ET AL., 66 J. PHARM. SCI. 1 - 19 (1977)(引用することにより本明細書の一部をなす)を参照のこと。
【0097】
特段の定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の属する技術分野における当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0098】
「アルキル」という用語は、アルカンから1個の水素原子を除去することによって誘導される分岐状又は非分岐状の一価の脂肪族炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルキル基は1個~12個の炭素を含む。特定の実施形態において、アルキル基は1個~8個の炭素を含む。特定の実施形態において、時には好ましくは、アルキル基は1個~6個の炭素を含み、特定の実施形態において、時にはより好ましくは、アルキル基は1個~4個の炭素を含む。アルキルの例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシル等が含まれる。アルキル基は置換されているか、又は非置換であり得る。
【0099】
「アルケニル」という用語は、アルケンから1個の水素原子を除去することによって誘導されるあらゆる一価の脂肪族炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルケニル基は2個~12個の炭素を含む。特定の実施形態において、アルケニル基は2個~8個の炭素を含む。特定の実施形態において、時には好ましくは、アルケニル基は2個~6個の炭素を含み、特定の実施形態において、時にはより好ましくは、アルケニル基は2個~4個の炭素を含む。アルケニルの例としては、限定されるものではないが、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル等が挙げられる。アルケニル基は置換されているか、又は非置換であり得る。
【0100】
「アルキニル」という用語は、アルキンから1個の水素原子を除去することによって誘導される一価の脂肪族炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルキニル基は2個~12個の炭素を含む。特定の実施形態において、アルキニル基は2個~8個の炭素を含む。特定の実施形態において、時には好ましくは、アルキニル基は2個~6個の炭素を含み、特定の実施形態において、時にはより好ましくは、アルキニル基は2個~4個の炭素を含む。アルキニルの例としては、限定されるものではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル等が挙げられる。アルキニル基は置換されているか、又は非置換であり得る。
【0101】
「シクロアルキル」という用語は、シクロアルカンから1個の水素原子を除去することによって形成されるあらゆる一価の基を指す。特定の実施形態において、シクロアルキル基は3個~10個の炭素を含む。特定の実施形態において、シクロアルキル基は3個~8個の炭素を含む。特定の実施形態において、時には好ましくは、シクロアルキル基は3個~6個の炭素を含む。シクロアルキルの例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、及びシクロドデシルが挙げられる。シクロアルキルは任意に置換されているか、又は非置換であり得る。
【0102】
「ヘテロシクリル」という用語は、少なくとも1個の環原子が非炭素原子であるシクロアルキルを指す。非炭素環原子の例としては、限定されるものではないが、S、O、及びNが挙げられる。単環式ヘテロシクリルの代表的な例としては、限定されるものではないが、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、スルホモルホリニル、ホモピペラジニル等が挙げられる。
【0103】
「アルキレン」という用語は、親アルカンから2個の水素原子を除去することによって誘導される飽和の直鎖状又は分岐状の二価の脂肪族炭化水素基を指す。直鎖基又は分岐鎖基は、1個~12個の炭素原子(1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、及び12個の炭素原子)、好ましくは1個~8個の炭素原子、より好ましくは1個~6個の炭素原子、時にはより好ましくは1個~4個の炭素原子を含む。アルキレン基の非限定的な例としては、限定されるものではないが、メチレン(-CH2-)、1,1-エチレン(-CH(CH3)-)、1,2-エチレン(-CH2CH2-)、1,1-プロピレン(-CH(CH2CH3)-)、1,2-プロピレン(-CH2CH(CH3)-)、1,3-プロピレン(-CH2CH2CH2-)、1,4-ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)等が挙げられる。アルキレン基は置換されているか、又は非置換であり得る。
【0104】
「アルケニレン」という用語は、少なくとも2個の炭素原子と少なくとも1つの炭素-炭素二重結合とを有する二価の脂肪族炭化水素基を指し、好ましくはC2~12アルケニレン、より好ましくはC2~8アルケニレン、時にはより好ましくはC2~6アルケニレン、時には更により好ましくはC2~4アルケニレンである。アルケニレン基の非限定的な例としては、限定されるものではないが、-CH=CH-、-CH=CHCH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH=CHCH2-等が挙げられる。アルケニレン基は置換されているか、又は非置換であり得る。
【0105】
「アリール」という用語は、6員~14員の全炭素単環式環又は多環式縮合環(「縮合」環系とは、系内の各環が系内の別の環と隣接する炭素原子のペアを共有することを意味する)基を指し、完全に共役したパイ電子系を有する。好ましくは、アリールは、6員~10員であり、例えばフェニル及びナフチル、最も好ましくはフェニルである。アリール基は置換されているか、又は非置換であり得る。
【0106】
「ヘテロアリール」という用語は、環原子としてO、S、及びNから選択される1個~4個のヘテロ原子を有する5員~14員の芳香族系を指す。好ましくは、ヘテロアリールは、5員~10員(5員、6員、7員、8員、9員、及び10員等)、より好ましくは5員又は6員であり、例えば、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル等である。ヘテロアリールは、アリール、ヘテロシクリル、又はシクロアルキルの環と縮合されている場合があり、ここで、親構造に結合される環はヘテロアリールである。ヘテロアリール基は置換されているか、又は非置換であり得る。
【0107】
「アルコキシ」という用語は、-O-(アルキル)、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等を指す。
「シクロアルコキシ」という用語は、-O-(シクロアルキル)、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等を指す。
「結合」という用語は、「-」の記号を使用する共有結合を指す。
【0108】
「ヒドロキシル」という用語は、-OH基を指す。
「ハロゲン」という用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を指す。
「アミノ」という用語は、-NH2基を指す。
「アルキルチオ」という用語は、アルキル-S-を指す。
【0109】
「アルキルアミノ」という用語は、「アルキル-NH-」、又は時にはジアルキルアミノ(-NRaRb)を指し、ここで、2つのアルキル基(Ra及びRb)は同じであってもよく、異なっていてもよい。時には好ましくは、アルキル基は、C1~C6アルキルであり、時にはより好ましくは、アルキルは、C1~C4アルキルである。アルキルアミノの例としては、限定されるものではないが、CH3-NH-、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-NHCH2CH3、-N(CH3)(CH2CH3)、-NH-But、-N(CH3)(But)等が挙げられる。
【0110】
「シアノ」という用語は、-CN基を指す。
「ハロアルキル」という用語は、1個以上のハロゲン原子によって置換されたアルキル基を意味し、ここで、ハロゲン原子は同じであるか、又は異なっている場合もある。
「ニトロ」という用語は、-NO2基を指す。
「オキソ基」という用語は、=O基を指す。
「カルボキシル」という用語は、-C(O)OH基を指す。
「アルコキシカルボニル」という用語は、-C(O)O(アルキル)基を指す。
「アルキルカルボニル」という用語は、-C(O)-アルキル基を指す。
【0111】
「任意の」又は「任意に」という用語は、続いて記載される事象又は状況が起こり得るが、必ずしも起こるわけではないことを意味し、その記載には、事象又は状況が起こり得る場合又は起こらない場合が含まれる。例えば、「アルキルによって任意に置換されたヘテロシクリル基」とは、アルキル基が存在し得るが、必ずしも存在するわけではないことを意味し、その記載には、ヘテロシクリル基がアルキルで置換されている場合と、ヘテロシクリル基がアルキルで置換されていない場合とが含まれる。
【0112】
「置換」という用語は、基中の1個以上の水素原子、好ましくは最大5個、より好ましくは1個~3個の水素原子が、対応する数の置換基で独立して置換されていることを指す。当業者であれば、実験又は理論によって過度の労力を費やすことなく、置換が可能であるか又は不可能であるかを判断することができる。例えば、遊離水素を有するアミノ基又はヒドロキシル基と不飽和結合を有する炭素原子(オレフィン等)との組合せは不安定となる場合がある。
【0113】
本明細書において使用される「共有結合原理」という用語は、当業者によって一般的に理解されるような有機化合物における共有結合の形成における基本的な規則及び原理を指す。例えば、炭素原子は四価であり、4つの共有結合(例えば、4つの単結合、又は1つの二重結合に加えて2つの単結合等)しか形成することができず、酸素は二価であり、2つの共有結合(-O-での2つの単結合、又は=Oでの1つの二重結合)しか形成することができない。
【0114】
「プロドラッグ」という用語は、血中での加水分解等によって、in vivoで変換されて、生理学的条件下で活性な親化合物を得ることができる化合物を指す。一般的な例としては、限定されるものではないが、カルボン酸部分を有する活性形態を有する化合物のエステル形態及びアミド形態が挙げられる。特に、本開示は、本開示において定義される独特な部類のプロドラッグ、いわゆる「高透過プロドラッグ」を提供する。
【0115】
任意のHPP構造中の任意の基が「置換」及び/又は「非置換」のいずれかであると示されている場合、これは、その基が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、アルキルチオ、アルキルアミノ、アルキルスルホニル(アルキルスルホン)、アルキルスルホキシル(アルキルスルホキシド)、アシルオキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、及びカルボキサミド基等から独立して選択される1つ以上の、好ましくは1つ~5つの、時にはより好ましくは1つ~3つの置換基によって任意に置換されている場合があることを意味する。アルキル基は、1個~10個の炭素原子数、時には好ましくは1個~6個の炭素原子数、時にはより好ましくは1個~4個の炭素原子数であり得る。エステルは、C1~C10アルコール、時には好ましくはC1~C6アルコール、時にはより好ましくはC1~C4アルコールのエステルであり得る。
【0116】
幾つかの実施形態において、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基等、又はそれらの部分が置換されている場合、置換基(複数の場合もある)は、あらゆる利用可能な接続点(複数の場合もある)で置換されている場合があり、置換基は、C1~C6アルキル基、ハロゲン基、C1~C6アルコキシ基、C1~C6アルケニル基、C1~C6アルキニル基、C1~C6アルキルチオ基、C1~C6アルキルアミノ基、ジ-(C1~C6アルキル)アミノ基、チオール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、C3~C6シクロアルキル基、5員~10員のヘテロシクリル基、C6~C10アリール基、5員~10員のヘテロアリール基、C3~C6シクロアルコキシ基、C1~C6シクロアルキルチオ基、5員~10員のヘテロシクリルチオ基、及びオキソ基から独立して選択される1つ以上、時には好ましくは1つ~5つ、時にはより好ましくは1つ~3つの基であり得る。
【0117】
幾つかの実施形態において、時には好ましくは、置換基は、C1~C6アルキル基、ハロゲン基、C1~C6アルコキシ基、C1~C6アルキルチオ基、C1~C6アルキルアミノ基、ジ-(C1~C6アルキル)アミノ基、チオール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びオキソ基から独立して選択される。幾つかの実施形態において、時にはより好ましくは、置換基は、C1~C4アルキル、ハロゲン、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルチオ、C1~C4アルキルアミノ、ジ(C1~C4アルキル)アミノ、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、及びアミノから独立して選択される。当業者であれば理解しているはずであるように、オキソ(=O)基は、あらゆる他の基における不飽和炭素での置換基となることはできない。
【0118】
本明細書及び特許請求の範囲(複数の場合もある)において使用される場合に、「含む(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」等のあらゆる形態の「含む(comprising)」)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」等のあらゆる形態の「有する(having)」)、「含む(including)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(include)」等のあらゆる形態の「含む(including)」)、又は「含む(containing)」(並びに「含む(contains)」及び「含む(contain)」等のあらゆる形態の「含む(containing)」)は、包括的、すなわちオープンエンドであり、更なる列挙がされていない要素又は方法工程を除外しない。
【0119】
本発明を説明する文脈における(特に特許請求の範囲の文脈における)用語(“a”及び“an”及び“the”)及び同様のものは、本明細書において特段の定めがない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を対象に含めると解釈されるべきである。特許請求の範囲及び/又は明細書において「含む(comprising)」という用語と組み合わせて使用される場合の言葉(“a”又は“an”)の使用は、「1つ(one)」を意味する場合があるが、「1つ以上(one or more)」、「少なくとも1つ(at least one)」、及び「1つ又は1つより多い(one or more than one)」の意味とも一致する。
【0120】
複数形が化合物、塩等に使用される場合に、単一の化合物、塩等も意味すると解釈される。
【0121】
本明細書において使用される「及び/又は(and/or)」という用語は、関連する列記された項目の1つ以上のあらゆる全ての可能な組合せを指し、それらを包含する。2つ以上の項目のリストにおいて使用される場合に、「及び/又は」という用語は、列記された項目のいずれか1つを単独で使用することができること、又は列記された項目の2つ以上のあらゆる組合せを使用することができることを意味する。例えば、組成物、組合せ、構成、並列、又は群が成分A、成分B、成分C、及び/又は成分Dを含む(including)(又は含む(comprising))と記載されている場合に、組成物は、A単独、B単独、C単独、D単独、AとBとの組合せ、AとCとの組合せ、AとDとの組合せ、BとCとの組合せ、BとDとの組合せ、CとDとの組合せ、AとBとCとの組合せ、AとBとDとの組合せ、AとCとDとの組合せ、BとCとDとの組合せ、又はAとBとCとDとの組合せを含み得る。
【0122】
本願全体を通じて、「約(about)」又は「およそ(approximately)」という用語は、値が、値の決定に使用されるデバイス、方法についての誤差の固有の変動、又は研究対象間に存在する変動を含むことを示すのに使用される。一態様においては、「約」又は「およそ」という用語は、通常、所与の値又は範囲の10%以内、特に9%以内、特に8%以内、特に7%以内、特に6%以内、特に5%以内、特に4%以内、特に3%以内、特に2%以内、特に1%以内、特に0.5%以内を意味する。
【0123】
幾つかの実施形態においては、本明細書において使用される「用量」という用語は、個々の被験者によって毎回摂取される薬物又は活性成分、特に1つの部位について個々の被験者によって毎回摂取される薬物又は活性成分の総量を意味する。
【0124】
幾つかの実施形態においては、本明細書において使用される「剤形」という用語は、活性作用物質の投与単位を意味する。剤形の例としては、錠剤、カプセル剤、注射剤、懸濁液剤、液剤、エマルジョン剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、吸入可能な形態、経皮形態等が挙げられる。
【0125】
幾つかの実施形態においては、「単位用量」又は「投薬単位」という用語は、指定された量又は用量の組成物又はその成分を送達するように構成されている剤形を指す。局所投与用の剤形の例としては、限定されるものではないが、経皮的なパッチ剤、クリーム剤、フォーム剤、ゲル剤、ローション剤、軟膏剤、ペースト剤、粉剤、シェイクローション剤、固形剤、スポンジ剤、テープ剤、チンキ剤、蒸気剤(vapor)、注射剤、滴剤、リンス剤、スプレー剤及び液剤が挙げられる。
【0126】
「単位用量」又は「投薬単位」は、完全な単位用量又はその一部(例えば、1用量の1/2、1/3、又は1/4)を提供するように構成され得る。各単位用量における予め決められた量は、限定されるものではないが、活性化合物の独特な特性及び達成されるべき特定の治療効果、並びにそのような単位用量を作製及び投与する技術に固有の制限を含む要因に依存し得る。例えば、単位用量は、経皮的なパッチ剤、スプレー剤、すなわち、噴霧適用における1回の噴霧、滴下適用の一滴、所定の長さのテープ剤、米粒サイズ若しくは豆粒サイズの軟膏剤、又はひとすくい若しくはひとさじの軟膏剤であり得る。カップ、スクープ、注射器、スポイト、スプーン、又は灌注デバイス等の単位用量計測デバイスは、剤形、例えば、クリーム剤、フォーム剤、ゲル剤、ローション剤、軟膏剤、ペースト剤、粉剤、シェイクローション剤、及び固形剤、完全な単位用量又はその一部(例えば、1用量の1/2、1/3、又は1/4)に匹敵する測定量の組成物を保持することができる。単一の投与用量において、単一の単位用量又は多数の単位用量が存在し得る。キットは、単位用量又はその一部のサイズに関する指示書を含み得る。
【0127】
III.HPPを含む医薬組成物
本開示の別の態様は、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症を治療するのに使用することができる親薬物又はその関連化合物の少なくとも1種のHPPと、薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0128】
医薬組成物は、異なる親薬物の2種以上のHPPを含んでもよい。異なる親薬物は、ウイルス感染症、細菌感染症、及び/又は原生動物感染症、及び/又は真菌感染症の徴候、症状、及び/又は合併症を治療するのに使用される薬物の同じカテゴリー又は異なるカテゴリーに属してもよい。例えば、医薬組成物は、親薬物又はその関連化合物のHPPであって、親薬物が5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害剤、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、アスピリン、及びその他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、その他の抗炎症薬、並びにそれらのあらゆる組合せから選択される、HPPを含んでもよい。
【0129】
特定の実施の形態において、医薬組成物は親薬物又はその関連化合物のHPPを含み、親薬物は、構造LRA-1、構造LRA-2、構造LRA-3、構造LRA-4、構造LRA-5、構造LRA-6、構造ARA-1、構造ARA-2、構造ARA-3、構造ARA-4、構造ARA-5、構造ARA-6、構造ARA-7、構造ARA-8、構造ARA-9、構造ARA-10、構造ARA-11、構造ARA-12、構造ARA-13、構造ARA-14、構造5-LI-1、構造5-LI-2、構造5-LI-3、構造5-LI-4、構造5-LI-5、構造5-LI-6、構造5-LI-7、構造5-LI-8、構造FLAP-1、構造FLAP-2、構造FLAP-3、構造FLAP-4、構造FLAP-5、構造FLAP-6、構造NSAID-1、構造NSAID-2、構造NSAID-3、構造NSAID-4、構造NSAID-5、構造NSAID-6、構造NSAID-7、構造NSAID-8、構造NSAID-9、構造NSAID-10、構造NSAID-11、構造NSAID-12、及び構造NSAID-13の化合物から選択される。
【0130】
本明細書において使用される「薬学的に許容可能な担体」という用語は、HPPを或る場所、体液、組織、器官(内部又は外部)、又は身体の部分から別の場所、体液、組織、器官、又は身体の部分に運搬又は輸送することに関与する、液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、添加剤、溶媒、又はカプセル化材料等の薬学的に許容可能な材料、組成物、又はビヒクルを意味する。
【0131】
各担体は、製剤の他の成分、例えばHPPと相容性があり、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、又はその他の問題若しくは合併症を起こさずに生物学的被験体の組織又は器官と接触して使用するのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比に見合っているという意味で「薬学的に許容可能」である。
【0132】
薬学的に許容可能な担体としての役割を担うことができる材料の一部の例としては、(1)ラクトース、グルコース、及びスクロース等の糖類、(2)トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等のデンプン類、(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及びセルロースアセテート等のセルロース及びその誘導体、(4)トラガカント末、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオ脂及び坐剤用ワックス等の添加剤、(9)ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油等の油類、(10)プロピレングリコール等のグリコール類、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール等のポリオール類、(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル類、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール及びn-プロピルアルコール又はイソプロピルアルコール等のアルコール、(20)リン酸緩衝溶液、並びに(21)アセトン等の医薬製剤において使用されるその他の非毒性相容性物質が挙げられる。
【0133】
医薬組成物は、生理学的条件に近づけるのに必要とされる、pH調整剤及び緩衝剤、毒性調整剤等、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等のような薬学的に許容可能な補助物質を含んでいてもよい。
【0134】
一実施形態において、薬学的に許容可能な担体は、水性担体、例えば緩衝生理食塩水等である。特定の実施形態において、薬学的に許容可能な担体は、極性溶媒、例えばアセトンとエチルアルコールである。特定の実施形態において、薬学的に許容可能な担体は、容量基準で10%~35%のエタノールを含む水溶液である。
【0135】
これらの製剤中のHPPの濃度は幅広く変化することができ、選択された特定の投与方式及び生物学的被験体の要求に応じて、主に流体の容量、粘度、体重等に基づいて選択されることになる。例えば、濃度は0.001重量%~50重量%、0.01重量%~30重量%、0.1重量%~20重量%、又は1重量%~10重量%であり得る。
【0136】
本発明の組成物を、予防的用途、治療的用途、及び/又は衛生的用途で投与することができる。このような投与は、局所経路、粘膜経路、例えば、経口経路、鼻腔経路、膣経路、直腸経路、非経口経路、経皮経路、皮下経路、筋肉内経路、静脈内経路、吸入経由、眼科的経路、及びその他の簡便な経路であり得る。医薬組成物を、投与方法に応じて様々な単位剤形において投与することができる。例えば、経口投与に適した単位剤形としては、粉剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、及びトローチ剤が挙げられ、経皮投与に適した単位剤形としては、液剤、懸濁液剤、及びエマルジョン剤が挙げられる。
【0137】
経皮投与用、経口投与用、及び静脈内投与用の典型的な医薬組成物は、1の被験体につき1日当たり約0.001g~約100g、約0.01g~約10g、又は約0.1g~約1gとなる。1被験体につき1日当たり約0.00001mgから約100gまでの投薬量を使用することができる。非経口投与可能な組成物を調製する実際の方法は、当業者には既知であるか、又は明らかであり、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Lippincott Williams & Wilkins, (2005)等の出版物により詳細に記載されている。
【0138】
IV.HPPの適用
i)生物学的障壁を透過する方法
本開示の別の態様は、生物学的被験体内の1つ以上の生物学的障壁を透過することによって、生物学的被験体内の部位に薬物分子を送達する方法を提供する。この方法は、HPP又はその医薬組成物を生物学的被験体に投与することを含む。特定の実施形態において、HPPは、その親薬物よりも約20倍以上、50倍以上、約100倍以上、約200倍以上、約300倍以上、約500倍以上、約1000倍以上を超える1つ以上の生物学的障壁を通じた透過率を示す。
【0139】
本明細書において使用される「生物学的障壁」という用語は、環境、好ましくはin vivo環境を異なる空間領域又はコンパートメントに分離し、この分離によって、物質又は物体が1つのコンパートメント/領域から別のコンパートメント/領域へと通過、透過、又は移行するのを調整(例えば、制限、限定、強化するか、又は何も行わない)することが可能となる生物学的層を指す。本明細書において言及される様々な空間領域又はコンパートメントは、同じ又は異なる化学的又は生物学的な環境(複数の場合もある)を有してよい。本明細書において言及される生物学的層としては、限定されるものではないが、生物学的膜、細胞層、生物学的構造、被験体、生物、器官、若しくは体腔の内表面、被験体、生物、器官、若しくは体腔の外表面、又はそれらのあらゆる組合せ若しくはそれらの複数個が挙げられる。
【0140】
生物学的膜の例としては、脂質二重層構造、真核細胞膜、原核細胞膜、及び細胞内膜(例えば、ゴルジ装置、粗面小胞体及び滑面小胞体(ER)、リボソーム、液胞、小胞、リポソーム、ミトコンドリア、リソソーム、核、葉緑体、プラスチド、ペルオキシソーム、又はミクロボディの膜又は外被等の核膜又は細胞小器官膜)が挙げられる。
【0141】
本明細書において言及される脂質二重層は、限定されるものではないが、リン脂質及びコレステロールを含む脂質クラス分子の二重層である。特定の実施形態において、二重層用の脂質は、極性頭部基及び非極性脂肪酸尾部からなる両親媒性分子である。二重層は脂質の2つの層から構成されており、これらは、脂質の炭化水素尾部が互いに向き合って疎水性効果によって共にまとまった油性のコアを形成するのに対し、脂質の荷電した頭部が膜の両側で水溶液に面するように配置されている。別の特定の実施形態において、脂質二重層は、1つ以上の埋め込まれたタンパク質及び/又は糖分子を含んでいてよい。
【0142】
細胞層の例としては、真核細胞の内層(例えば、上皮、粘膜固有層、平滑筋、又は粘膜筋板(消化管路内))、原核細胞の内層(例えば、同一のタンパク質又は糖タンパク質から構成される二次元構造の単分子層を指す表面層又はS層、具体的には、S層は細菌及び古細菌において通常見られる細胞外被の一部を指す)、バイオフィルム(自己発達したポリマーマトリックス内にカプセル化され、生体表面又は不活性表面に付着する微生物の群衆構造体)、及び植物細胞層(例えば、表皮)が挙げられる。細胞は正常細胞又は病理細胞(例えば、疾患細胞、癌細胞)であってよい。
【0143】
生物学的構造の例としては、毒素、細菌、及びウイルスの侵入に対する障壁を与えるタイトジャンクション又は密着結合によって密閉された構造、例えば、血液乳汁関門(blood-milk barrier)及び血液脳関門(BBB)が含まれる。特に、BBBは不透過性の部類の内皮から構成され、隣接する内皮細胞に隣り合ったタイトジャンクションを介した物理的な障壁を表し、排出トランスポーターから構成される輸送障壁を表している。生物学的構造としては、細胞、タンパク質、及び糖の混合物(例えば、血栓)を含むこともできる。
【0144】
被験体、生物、器官、又は体腔の内面の例としては、頬粘膜、食道粘膜、胃粘膜、腸粘膜、嗅粘膜、口腔粘膜、気管支粘膜、子宮粘膜、及び子宮内膜(子宮の粘膜)、花粉粒の壁の内層若しくは胞子の内壁層、又はそれらの組合せ若しくはそれらの複数個が挙げられる。
【0145】
被験体、生物、器官、又は体腔の外面の例としては、毛細血管(例えば、心臓組織における毛細血管)、皮膚と連続する粘膜(例えば、鼻孔、唇、耳、生殖器領域、及び肛門等)、器官(例えば、肝臓、肺、胃、脳、腎臓、心臓、耳、目、鼻、口、舌、結腸、膵臓、胆嚢、十二指腸、直腸胃(rectum stomach)、結腸直腸、腸、静脈、呼吸器系、血管系、肛門直腸及び肛門の外面、皮膚、クチクラ(例えば、表皮細胞若しくはケラチノサイトの死んだ層若しくは動物の毛幹を覆う重なり合った細胞の表層、多くの無脊椎動物の表皮の外側の多層構造、植物のクチクラ若しくはポリマーのクチン及び/又はクタン、花粉粒の壁の外層、又は胞子の外壁層)、及びそれらの組合せ又はそれらの複数個が含まれる。
【0146】
さらに、生物学的障壁としては、糖層、タンパク質層、若しくはあらゆるその他の生物学的層、又はそれらの組合せ若しくはそれらの複数個が挙げられる。例えば、皮膚は複数の生物学的層を有する生物学的障壁である。皮膚は表皮層(外面)、真皮層、及び皮下層を含む。表皮層には、基底細胞層、有棘細胞層、顆粒細胞層、及び角質層を含む幾つかの層が含まれている。表皮における細胞はケラチノサイトと呼ばれる。角質層(「角層」)は表皮の最外層であり、ここでの細胞は平坦で鱗状(「扁平状」)の形状をしている。これらの細胞はケラチンを多く含み、重なり合った層で配列されているため、皮膚の表面に強靭さと耐油性及び耐水性とを与える。
【0147】
ii)ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症の治療におけるHPP及びその医薬組成物を使用する方法
本開示の別の態様は、被験体にHPP又はその医薬組成物を投与することによって、被験体におけるウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症を治療する方法を提供する。
【0148】
本明細書において使用される「治療する(treating)」という用語は、治癒させる、緩和する、抑止する、又は予防することを意味する。本明細書において使用される「治療する(treat)」という用語は、治癒させる、緩和する、抑止する、又は予防することを意味する。本明細書において使用される「治療(treatment)」という用語は、治癒、緩和、抑止、又は予防を意味する。
【0149】
本明細書において使用される「生物学的被験体」又は「被験体」という用語は、器官、協働して特定の作業を遂行する器官の群、生物、又は生物の群を意味する。本明細書において使用される「生物」という用語は、多かれ少なかれ安定した統一体として機能し、動物、植物、真菌、又は微生物等の生命の特性を有する分子の集合体を意味する。
【0150】
本明細書において使用される「動物」という用語は、随意運動を特徴とする真核生物を意味する。動物の例としては、限定されるものではないが、脊椎動物(例えば、ヒト、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、嚢鰓類、及びナメクジウオ綱)、被嚢類(例えば、タリア綱、オタマボヤ綱、ソルベラ綱、及びホヤ綱)、有関節網(例えば、昆虫類、多足類、軟甲類、クモ類、ウミグモ類、腿口類、甲殻類、及び環虫類)、ヤモリ類(汎節足動物(anarthropoda))、及び蠕虫類(例えば、輪虫類(rotifera))が挙げられる。
【0151】
特定の実施形態において、被験体におけるウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び/又は合併症を治療する方法は、被験体に治療的有効量のHPP又はその医薬組成物を投与することを含む。
【0152】
HPP又はその医薬組成物を、限定されるものではないが、経口投与、経腸投与、口腔投与、鼻腔投与、局所投与、直腸投与、膣投与、エアロゾル投与、経粘膜投与、表皮投与、経皮投与、真皮投与、眼科的投与、肺投与、皮下投与、及び/又は非経口投与を含む、当該技術分野において知られるあらゆる投与経路によって生物学的被験体に投与することができる。幾つかの実施形態において、好ましくは、HPP又はその医薬組成物は、被験体に経皮的又は局所的に投与される。医薬組成物を、投与方法に応じて様々な単位剤形において投与することができる。
【0153】
HPP又はその医薬組成物を、各投与経路に適した製剤又は調剤の形態で被験体に投与することができる。本発明の方法において有用な製剤は、1種以上のHPPと、それらに対する1種以上の薬学的に許容可能な担体と、任意にその他の治療成分とを含む。製剤は、単位剤形で適切に提供され、薬学の分野においてよく知られるあらゆる方法によって調合され得る。単一の剤形を生産するのに担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、治療対象の被験体及び特定の投与方式によって異なることになる。薬学的に有効な用量を生成するのに担体材料と組み合わせることができるHPPの量は、一般に、治療効果を生ずるHPPの量になる。一般に、HPPの量は、重量基準で、HPPの約1パーセント~約99パーセント、時には好ましくは約1パーセント~約20パーセントの範囲になる。
【0154】
これらの製剤又は組成物を調製する方法は、HPPと、1種以上の薬学的に許容可能な担体と、任意に1種以上の補助成分とを合わせる工程を含む。概して、製剤は、HPPと、液体担体、又は微細化された固体担体、又はその両方とを均一かつ密接に合わせた後、必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
【0155】
経口投与に適した製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(フレーバー付けされた基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカントを使用して)、粉剤、顆粒剤の形で、又は水性若しくは非水性の液体中の液剤若しくは懸濁液剤として、又は水中油若しくは油中水の液状乳濁液剤として、又はエリキシル剤若しくはシロップ剤として、又は香錠(不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアを使用して)及び/又はマウスワッシュ等として存在してもよく、それぞれは、予め決められた量のHPPを有効成分として含有する。化合物は、巨丸剤、舐剤又はペースト剤として投与することもできる。
【0156】
経口投与用の固形剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉剤、顆粒剤等)において、HPPを、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム等の1つ以上の薬学的に許容可能な担体及び/又は以下のいずれかと混合する:(1)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸、(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/又はアカシア等、(3)保湿剤、例えばグリセロール、(4)崩壊剤、例えば粉寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン、又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、(5)難溶剤、例えばパラフィン、(6)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、(7)湿潤剤、例えばアセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール等、(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイトクレイ、(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール固体、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物、並びに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合において、医薬組成物は、緩衝剤も含むことができる。同様の種類の固形組成物を、ラクトース又は乳糖等の添加剤、及び高分子量ポリエチレングリコール等を用いた軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤としても使用することができる。
【0157】
錠剤は、圧縮又は成形によって、任意に1種以上の補助成分を用いて製造することができる。圧縮錠剤は、結合剤(例えばゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤又は分散剤を使用して調製され得る。成形錠剤は、適切な装置中で、粉HPP及び不活性液状希釈剤の混合物を成形することによって製造され得る。錠剤、及びその他の固形剤形、例えば糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤は、任意に、コーティング及びシェル、例えば腸溶性コーティング及び医薬品配合の技術分野でよく知られたその他のコーティングで印を付けるか又は調製することができる。これらを製剤化して、例えば、所望の放出プロファイルをもたらす様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム、及び/又はマイクロスフェアを使用して、中にあるHPPの徐放又は制御放出をもたらすこともできる。
【0158】
これらを、例えば、細菌保持フィルターを通した濾過によって、又は使用直前に滅菌水若しくは一部の他の滅菌の注射可能な媒体中に溶解させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。これらの組成物は、任意に鎮静剤(pacifying agents)を含んでいてもよく、任意に遅延様式で、消化管路の或る特定の部分でのみ、又はそこで優先的にHPP(複数の場合もある)を放出する組成であってよい。使用することができる埋め込み式組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。HPPはまた、適宜、上記の添加剤のうちの1種以上とともにマイクロカプセル化された形態であり得る。
【0159】
経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容可能なエマルジョン剤、マイクロエマルジョン剤、液剤、懸濁液剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が挙げられる。HPPに加えて、液体剤形は、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤、及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤、及び懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、及び保存剤も含み得る。
【0160】
懸濁液剤は、HPPに加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、粉寒天及びトラガカント、並びにそれらの混合物のような懸濁剤を含み得る。
【0161】
直腸投与又は膣投与用の製剤は坐剤として与えることができる。坐剤は1つ以上のHPPを、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤用ワックス又はサリチル酸塩を含む1つ以上の好適な非刺激性添加剤又は担体と混合することによって調製することができ、室温では固体であるが、体温では液体であり、そのため直腸又は膣腔内で溶解して活性剤を放出する。膣内投与に適した製剤には、当該技術分野において適切であることが知られているような担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡状物質又は噴霧製剤も含まれる。
【0162】
HPP組成物の局所投与又は経皮投与又は表皮投与又は皮膚投与用の製剤としては、粉剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤、及び吸入剤が挙げられる。有効成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容可能な担体、及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝液、又は噴射剤と混合され得る。軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、及びゲル剤は、HPP組成物に加えて、動物性脂肪及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛等の添加剤、又はそれらの混合物を含み得る。粉剤及びスプレー剤は、HPP組成物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末等の添加剤、又はこれらの物質の混合物を含み得る。スプレー剤は、クロロフルオロ炭化水素並びにブタン及びプロパン等の揮発性の非置換炭化水素等の慣用の噴射剤を更に含み得る。局所投与又は経皮投与に最良な製剤は、溶液、場合によっては好ましくは水溶液、例えばエタノール又はイソプロパノールを含む水溶液である。
【0163】
代替的には、HPP又はその医薬組成物を、エアロゾルによって投与することもできる。これは、HPPを含む水性エアロゾル、リポソーム調剤、又は固体粒子を調製することによって実現され得る。非水性(例えば、フルオロカーボン噴射剤)懸濁液を使用することが可能である。音波ネブライザー(Sonic nebulizers)を使用することもできる。水性エアロゾルは、慣例的な薬学的に許容可能な担体及び安定剤と一緒に作用物質の水溶液又は水性懸濁液を製剤化することによって作製される。担体及び安定剤は、特定の化合物の要件によって異なるが、典型的には、非イオン性界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)、Pluronic(登録商標)、又はポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害なタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシン等のアミノ酸、緩衝剤、塩、糖、又は糖アルコールが挙げられる。エアロゾルは一般に等張液から調製される。
【0164】
経皮パッチ剤を使用して、HPP組成物を標的部位に送達することもできる。作用物質を適切な媒体中に溶解又は分散させることによって、そのような製剤を作ることができる。吸収促進剤を使用して、皮膚を越えるペプチド模倣物の流動を増やすこともできる。このような流動の速度は、速度制御膜を設けるか、又はポリマーマトリックス若しくはゲルにペプチド模倣物を分散させるかのいずれかによって制御され得る。
【0165】
眼科用製剤、眼軟膏、粉剤、液剤等も本発明の範囲内に含まれると意図する。
【0166】
非経口投与に適した製剤は、HPPと、1つ以上の薬学的に許容可能な滅菌の等張性の水溶液若しくは非水性の溶液、分散液、懸濁液、若しくはエマルジョン、又は使用直前に滅菌の注射用の溶液若しくは分散液へと再構成され得る滅菌粉末とを組み合わせて含み、この製剤は、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質、又は懸濁剤若しくは増粘剤を含み得る。
【0167】
非経口投与に適した製剤において使用され得る適切な水性担体及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、及びそれらの適切な混合物、オリーブ油等の植物油、並びにオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材料の使用によって、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。
【0168】
非経口投与に適した製剤はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤等のアジュバントを含み得る。様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含めることによって、微生物の作用の防止を確実にすることができる。糖類、塩化ナトリウム等のような等張剤を組成物に含めることが望ましい場合もある。さらに、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅延させる作用物質を含めることによって、注射可能な医薬形の長期吸収をもたらすことができる。
【0169】
注射可能なデポー形は、HPPのマイクロカプセルマトリックスを形成することによって、又はポリラクチド-ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中で作られる。HPP対ポリマーの比率、及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。身体組織と適合性のリポソーム又はマイクロエマルジョン内にHPPを閉じ込めることによってもデポー注射可能な製剤が調製される。
【0170】
特定の実施形態においては、HPP又はその医薬組成物は、治療的有効用量において作用部位に送達される。薬理学の分野において知られているように、所与の患者における治療の効力に関して最も有効な結果をもたらすHPPの薬学的に有効な用量の正確な量は、例えば、特定のHPPの活性、特定の性質、薬物動態、薬力学、及びバイオアベイラビリティ、被験体の(人種、年齢、性別、体重、食事、疾患の種類及び段階、一般的な身体状態、所与の投与量及び薬剤の種類に対する応答性を含む)生理学的条件、製剤中の薬学的に許容可能な担体の性質、使用される投与の経路及び頻度、並びに治療される病態の重症度又は性向に依存することになる。しかしながら、治療を微調整するための、例えば、投与の最適用量を決定するための基礎として上記のガイドラインを使用することができ、これは、被験体を監視し、投与量を調整することからなる慣例的な実験を必要とするにすぎない(Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro編集 第20版, Williams & Wilkins PA, USA) (2000))。
【0171】
iii)ウイルス感染症及び/又は細菌感染症及び/又は原生動物感染症及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬の製造におけるHPP及びその医薬組成物の使用
本開示の別の態様は、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び/又は真菌感染症及び関連病態の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬の製造におけるHPP及びその医薬組成物の使用を提供する。
【0172】
幾つかの実施形態において、本開示は、
(1)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、
(2)2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、
(3)2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル2-[1-[[(1R)-1-[3-[2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-3-[2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル]プロピル]スルファニルメチル]シクロプロピル]アセテート塩酸塩、
(4)2-(ジエチルアミノ)エチルアセトキシベンゾエート塩酸塩、
(5)(RS)-N-[1-(1-ベンゾチエン-2-イル)エチル]-N-(2-N,N-ジエチルアミノアセチルオキシ)尿素塩酸塩、
(6)(ピロリジン-2-イル)メチル2-シクロペンチル-2-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル]アセテート塩酸塩、
(7)(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[3-[(E)-2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-[3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル]スルファニルメチル]スルファニルプロパノエート塩酸塩、
(8)(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート塩酸塩、
(9)2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩、
(10)S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオエート塩酸塩、
【0173】
(11)2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシレート塩酸塩[2-(ジプロピルアミノ)エチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩、
(12)(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[1-(4-クロロベンジル)-4-メチル-6-(5-フェニルピリジン-2-イル)メトキシ]-4,5-ジヒドロ-1H-チオピラノ[2,3,4-c,d]インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパノエート塩酸塩、
(13)(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩、
(14)(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩、
(15)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩、
(16)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、
(17)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩、
(18)(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-α-メチルカルバゾール-2-アセテート塩酸塩、
(19)(ピロリジン-2-イル)メチル4-[4-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]-4-オキソ-ブタノエート塩酸塩、
【0174】
(20)(ピロリジン-2-イル)メチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート、
(21)(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、
(22)(ピロリジン-2-イル)メチル1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート塩酸塩、
(23)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、
(24)(ピロリジン-2-イル)メチル3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩、
(25)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、
(26)(ピロリジン-2-イル)メチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、
(27)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩、
(28)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩、
(29)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート塩酸塩、
【0175】
(30)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩塩酸塩、
(31)(ピロリジン-2-イル)メチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート塩酸塩、
(32)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、
(33)(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩、
(34)(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-α-メチル-9H-カルバゾール-2-アセテート塩酸塩、
(35)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(4-クロロフェニル)-α-メチル-5-ベンゾオキサゾールアセテート塩酸塩、
(36)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート塩酸塩、
(37)(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール-3-アセテート塩酸塩、
(38)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート塩酸塩、
(39)(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]ベンゼンアセテート塩酸塩、
【0176】
(40)(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-α-メチル-2-チオフェンアセテート塩酸塩、
(41)(ピロリジン-2-イル)メチル10,11-ジヒドロ-α-メチル-10-オキソジベンゾ[b,f]チエピン-2-アセテート塩酸塩、
(42)(ピロリジン-2-イル)メチル2-(8-メチル-5-オキソ-6H-ベンゾ[b][1]ベンゾオキセピン-3-イル)プロパノエート塩酸塩、
(43)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[4-[(2-オキソシクロペンチル)メチル]フェニル]プロパノエート塩酸塩、
(44)(ピロリジン-2-イル)メチル4-(1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル)-α-メチルベンゼンアセテート塩酸塩、
(45)(ピロリジン-2-イル)メチル2-クロロ-2-(3-クロロ-4-シクロヘキシルフェニル)アセテート塩酸塩、
(46)(ピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート塩酸塩、
(47)(ピロリジン-2-イル)メチル3-(4-ビフェニルカルボニル)プロパノエート塩酸塩、
(48)(ピロリジン-2-イル)メチル3-[5-(4-クロロフェニル)フラン-2-イル]-3-ヒドロキシプロパノエート塩酸塩、
(49)(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-5-シクロヘキシル-1-インダンカルボキシレート塩酸塩、
【0177】
(50)(ピロリジン-2-イル)メチル1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート塩酸塩、
(51)(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、
(52)(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、
(53)(ピロリジン-2-イル)メチル3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩、
(54)(ピロリジン-2-イル)メチル3-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩、
(55)(ピロリジン-2-イル)メチル4-アセトアミドフェニルサリチレート塩酸塩、
(56)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩、
(57)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩、
(58)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボキシレート塩酸塩、
(59)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩、
(60)(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-メチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボキシレート塩酸塩、
から選択されるウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、および/または真菌感染症および関連疾患の兆候、症状、合併症を治療するための医薬品の製造における使用を提供する。
【0178】
幾つかの実施形態において、本開示は、H1N1ウイルス及びその他のインフルエンザウイルス感染症の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬品の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩、(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOH、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩の使用を提供する。
【0179】
幾つかの実施形態において、本開示は、COVID-19感染症及びその他のコロナウイルス感染症の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬品の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート塩酸塩、ピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート塩酸塩の使用を提供する。
【0180】
幾つかの実施形態において、本開示は、敗血症の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート塩酸塩、ピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート塩酸塩の使用を提供する。
【0181】
幾つかの実施形態において、本開示は、ウイルス感染症、細菌感染症、原生動物感染症、及び真菌感染症誘発性敗血症の治療用の医薬品の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-[(2,6-ジクロロフェニル)アミノ]フェニル]アセトキシ]アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチルジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩の使用を提供する。
【0182】
幾つかの実施形態において、本開示は、薬剤耐性のウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、及び原生動物感染症の徴候、症状、及び合併症の治療用の医薬の製造における、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩、2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩、(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩、又は(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩の使用を提供する。
【0183】
V.利点
アスピリン、その他のNSAID、及びその他の抗炎症薬は、吐き気、消化不良、胸焼け、嘔吐、胃十二指腸出血、胃潰瘍、及び胃炎を引き起こす可能性がある。NSAIDによって引き起こされる胃十二指腸出血は、一般に痛みを伴わないが、便失血を引き起こす場合があり、持続的な鉄欠乏性貧血を引き起こす可能性がある。
【0184】
経皮投与により、アスピリン、その他のNSAID、及びその他の抗炎症薬の高透過プロドラッグ、又はそれらの組成物は、薬物の低い血漿濃度を維持し(副作用を最小限に抑え)ながら、比較的高い組織濃度の薬物を送達(有効性を最大化する)することができるため、経口投与されるNSAID及びその他の抗炎症薬と比較して、有効性が向上されかつ不利な効果が軽減される。
【0185】
現在のNSAID及びその他の抗炎症薬は、炎症を起こした肺、肝臓、心臓、呼吸器系、腎臓、胃、腸、子宮、及びその他の組織の瘢痕組織(類線維腫)を十分に透過することができず、これらの器官及び組織の炎症を緩和することができない。対照的に、本明細書において開示されるアスピリン、その他のNSAID、及びその他の抗炎症薬の高透過プロドラッグは、あらゆる生物学的障壁を透過することができ、あらゆる器官及び組織における炎症を緩和することができ、又は止めることができる。
【実施例】
【0186】
VI.実施例
以下の実施例は、特許請求の範囲に記載された発明をよりよく説明するように提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。以下に記載される全ての具体的な組成物、材料、及び方法は、全体的又は部分的に、本発明の範囲内に含まれる。これらの具体的な組成物、材料、及び方法は、本発明の範囲内に含まれる具体的な実施形態を単に例示するものである。本開示に基づいて、当業者であれば、発明能力を行使することなく、また本発明の範囲から逸脱することなく、同等の組成物、材料、及び方法を改善することができる。本明細書に記載される手順において、本発明の範囲内に留めたままで、多くの変形が可能であることは理解されるであろう。このような全ての変形は本発明の範囲内に含まれる。
【0187】
特定の実施形態において、以下の構造F-C:
を有する親化合物は、立体異性体及びその薬学的に許容可能な塩を含む、構造L-1:
【0188】
を有するHPPに転化され、ここで、
F、L
1、L
2、及びL
4は上記のように定義され、
TはHPPの輸送単位である。例えば、Tは上記で定義されるW及びR
6から選択される。
【0189】
本発明の特定の実施形態において、構造L-1を有するHPPは、有機合成に従って、構造D:
を有する親化合物又は親化合物の誘導体(例えば、親化合物の酸ハロゲン化物、混合無水物等)と、構造E(スキーム1):
T-L
2-H
構造E
の化合物とを反応させることによって調製され、
ここで、W
CはOH、ハロゲン、アルコキシカルボニル、及び置換アリールオキシカルボニルオキシから選択され、かつ、
F、L
1、L
2、L
4及びTは上記のように定義される。
【0190】
【0191】
特定の実施形態において、構造L-1を有するHPPは、上記のスキーム1に従って調製され、ここで、L4はC=Oである。
【0192】
特定の実施形態において、以下の構造F-N:
を有する親化合物は、以下の構造G:
【0193】
を有する化合物と反応して、その立体異性体及び薬学的に許容可能な塩を含む、構造L-1:
【0194】
【0195】
F、L1、L2、及びL4は上記で定義され、
TはHPPの輸送単位である。例えば、Tは上記で定義されたW及びR6から選択され、
MはNa、K、又はその他の金属から選択される。WNはOH、ハロゲン、アルコキシカルボニル、及び置換アリールオキシカルボニルオキシから選択される(スキーム2)。
【0196】
【0197】
特定の実施形態において、構造L-1の構造を有するHPPは、有機合成によって調製され、ここで、-C(=O)OH、-NH2、-OH、又は-SH等の不所望な反応性部位は、上記の合成経路の1つに従って輸送単位と機能単位とを連結する前に保護される。特定の実施形態において、得られた保護されたHPPを更に部分的に又は完全に脱保護して、それぞれ部分的に保護されたHPP又は保護されていないHPPにすることができる。
【0198】
実施例1.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の調製
2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)酢酸(ジクロフェナク、29.6g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(85%の収率)。
【0199】
実施例2.2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の調製
2-(4-イソブチルフェニル)プロピオニルクロリド(22.5g)をクロロホルム(100ml)中に溶解した。混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン(15ml)及びジエチルアミノエタノール(11.7g)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。固体副生成物を濾過により除去し、クロロホルム(3×30ml)で洗浄した。酢酸エチル(100ml)中1NのHClを加え、固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(92%の収率)。
【0200】
実施例3.2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル2-[1-[[(1R)-1-[3-[2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-3-[2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル]プロピル]スルファニルメチル]シクロプロピル]アセテート塩酸塩の調製
2-[1-[[(1R)-1-[3-[2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-3-[2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル]プロピル]スルファニルメチル]シクロプロピル]酢酸(モンテルカスト、58.6g)及び2-(N,N-ジエチルアミノ)エタノール(12g)を1Lの丸底フラスコに入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中0.5NのHCl(200ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(78%の収率)。
【0201】
実施例4.2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩の調製
アセチルサリチロイルクロリド(1-(クロロカルボニル)フェニルアセテート、19.8g)をクロロホルム(100ml)中に溶解した。混合物を0℃に冷却した。トリメチルアミン(15ml)及びジエチルアミノエタノール(11.7g)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。固体副生成物を濾過により除去し、クロロホルム(3×30ml)で洗浄した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(81%の収率)。
【0202】
実施例5.(RS)-N-[1-(1-ベンゾチエン-2-イル)エチル]-N-(2-N,N-ジエチルアミノアセチルオキシ)尿素塩酸塩の調製
2-(N,N-ジエチルアミノ)酢酸(13.1g)及び(±)-N-ヒドロキシ-N-(1-ベンゾ[b]チエン-2-イルエチル)尿素(ジロイトン、23.6g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中0.5NのHCl(200ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(76%の収率)。
【0203】
実施例6.(ピロリジン-2-イル)メチル2-シクロペンチル-2-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル]アセテート塩酸塩の調製
2-シクロペンチル-2-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル]酢酸(ベリフラポン、36.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(78%の収率)。
【0204】
実施例7.(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[3-[(E)-2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-[3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル]スルファニルメチル]スルファニルプロパノエート塩酸塩の調製
3-[[3-[(E)-2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-[3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル]スルファニルメチル]スルファニルプロパン酸(ベルルカスト、51.5g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(83%の収率)。
【0205】
実施例8.(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・AcOHの調製
ジエチルアミノエタノール(11.7g、0.1mol)を10%の重炭酸ナトリウム(200ml)及びアセトン(100ml)中に溶解した。(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセチルクロリド(スリンダク塩化物、37.5g、0.1mol)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発除去した。残留物を酢酸エチル(500ml)中に懸濁した。反応混合物に5%の重炭酸ナトリウム(200ml)を撹拌しながら加えた。酢酸エチル層を収集し、水(3×500ml)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを介して酢酸エチル溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過によって除去した。反応混合物に6gの酢酸を撹拌しながら加えた。有機溶液を蒸発除去した。
【0206】
実施例9.2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩の調製
2-(3-フェノキシフェニル)プロピオニルクロリド(26.1g、0.1mol)を酢酸エチル(300ml)中に溶解した。混合物を0℃に冷却した。ジメチルアミノエタノール(8.9g)を反応混合物に加えた。混合物に重炭酸ナトリウム(30g)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌した。混合物を水(3×200ml)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを介して酢酸エチル溶液を乾燥させた。HClガス(5g)を混合物中にバブリングした。固体を濾過により収集し、酢酸エチルで洗浄した。
【0207】
実施例10.S-(2-(ジメチルアミノ)エチル2-(3-フェノキシフェニル)プロパンチオエート塩酸塩の調製
ジメチルアミノエチルメルカプタン(10.4g、0.1mol)を10%の重炭酸ナトリウム(200ml)及びアセトン(100ml)中に溶解した。2-(3-フェノキシフェニル)プロピオニルクロリド(27.3g、0.1mol)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発除去する。残留物を酢酸エチル(500ml)中に懸濁した。反応混合物に5%の重炭酸ナトリウム(200ml)を撹拌しながら加えた。酢酸エチル層を収集し、水(3×500ml)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを介して酢酸エチル溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過によって除去した。無水HClガス(5g)を撹拌しながら反応混合物中にバブリングした。固体を収集し、酢酸エチルで洗浄した。
【0208】
実施例11.2-(ジプロピルアミノ)エチル4-アセトキシ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシレート塩酸塩[2-(ジプロピルアミノ)エチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩]の調製
5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチルクロリド(31.1g、0.1ml)を酢酸エチル(300ml)中に溶解した。混合物を0℃に冷却した。ジエチルアミノエタノール(11.7g、0.1mol)を反応混合物に加えた。次いで、反応混合物に重炭酸ナトリウム(30g)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、混合物に水(200ml)を加えた。酢酸エチル層を収集し、水(3×)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。無水HClガスを撹拌しながら反応混合物中にバブリングした。固体を収集し、酢酸エチルで洗浄した。
【0209】
実施例12.(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[1-(4-クロロベンジル)-4-メチル-6-(5-フェニルピリジン-2-イル)メトキシ]-4,5-ジヒドロ-1H-チオピラノ[2,3,4-c,d]インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパノエート塩酸塩の調製
3-[[1-(4-クロロベンジル)-4-メチル-6-(5-フェニルピリジン-2-イル)メトキシ]-4,5-ジヒドロ-1H-チオピラノ[2,3,4-c,d]インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパン酸(59.5g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(77%の収率)。
【0210】
実施例13.(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩の調製
5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボン酸(ケトロラク、25.5g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(77%の収率)。
【0211】
実施例14.(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩の調製
1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-酢酸(エトドラク、28.7g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(77%の収率)。
【0212】
実施例15.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩の調製
2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロピオン酸(フルルビプロフェン、24.4g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(87%の収率)。
【0213】
実施例16.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩の調製
2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロピオン酸(ナプロキセン、23.0g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(91%の収率)。
【0214】
実施例17.(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩の調製
2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]安息香酸(メフェナム酸、24.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(77%の収率)。
【0215】
実施例18.(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-α-メチルカルバゾール-2-アセテート塩酸塩の調製
6-クロロ-α-メチルカルバゾール-2-酢酸(カルプロフェン、24.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(77%の収率)。
【0216】
実施例19.(ピロリジン-2-イル)メチル4-[4-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]-4-オキソ-ブタノエート塩酸塩の調製
4-[4-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]-4-オキソブタン酸(47.6g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(81%の収率)。
【0217】
実施例20.(ピロリジン-2-イル)メチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート・HClの調製
(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-酢酸(29.0g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(81%の収率)。
【0218】
実施例21.(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート・HClの調製
1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-酢酸(26.8g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(79%の収率)。
【0219】
実施例22.(ピロリジン-2-イル)メチル1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート塩酸塩の調製
1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-酢酸(29.0g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(85%の収率)。
【0220】
実施例23.(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩の調製
5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-酢酸(28.2g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(80%の収率)。
【0221】
実施例24.(ピロリジン-2-イル)メチル3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩の調製
3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼン酢酸(20.8g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(87%の収率)。
【0222】
実施例25.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の調製
2-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸(20.6g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(91%の収率)。
【0223】
実施例26.(ピロリジン-2-イル)メチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩の調製
2-アセトキシ安息香酸(18.0g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(89%の収率)。
【0224】
実施例27.(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩の調製
5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチル酸(25.0g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(78%の収率)。
【0225】
実施例28.(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩の調製
5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチル酸(29.2g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(71%の収率)。
【0226】
実施例29.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート塩酸塩の調製
2-(3-ベンゾイルフェニル)プロパン酸(25.3g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(82%の収率)。
【0227】
実施例30.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩の調製
2-(3-フェノキシルフェニル)プロパン酸(24.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(86%の収率)。
【0228】
実施例31.(ピロリジン-2-イル)メチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート塩酸塩の調製
(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-酢酸(35.6g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(83%の収率)。
【0229】
実施例32.(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩の調製
5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-酢酸(29.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(79%の収率)。
【0230】
実施例33.(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩の調製
α-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼン酢酸(26.0g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(80%の収率)。
【0231】
実施例34.(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-α-メチル-9H-カルバゾール-2-アセテート塩酸塩の調製
6-クロロ-α-メチル-9H-カルバゾール-2-酢酸(27.4g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(89%の収率)。
【0232】
実施例35.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(4-クロロフェニル)-α-メチル-5-ベンゾオキサゾールアセテート塩酸塩の調製
2-(4-クロロフェニル)-α-メチル-5-ベンゾオキサゾール酢酸(30.2g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(78%の収率)。
【0233】
実施例36.(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート塩酸塩の調製
2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロピオン酸(25.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(78%の収率)。
【0234】
実施例37.(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール-3-アセテート塩酸塩の調製
α-メチル-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール-3-酢酸(33.0g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(91%の収率)。
【0235】
実施例38.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート塩酸塩の調製
2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオン酸(25.5g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(80%の収率)。
【0236】
実施例39.(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]ベンゼンアセテート塩酸塩の調製
α-メチル-4-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]ベンゼン酢酸(21.9g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(84%の収率)。
【0237】
実施例40.(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-α-メチル-2-チオフェンアセテート塩酸塩の調製
5-ベンゾイル-α-メチル-2-チオフェン酢酸(26.0g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(77%の収率)。
【0238】
実施例41.(ピロリジン-2-イル)メチル10,11-ジヒドロ-α-メチル-10-オキソジベンゾ[b,f]チエピン-2-アセテート塩酸塩の調製
10,11-ジヒドロ-α-メチル-10-オキソジベンゾ[b,f]チエピン-2-酢酸(29.8g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(89%の収率)。
【0239】
実施例42.(ピロリジン-2-イル)メチル2-(8-メチル-5-オキソ-6H-ベンゾ[b][1]ベンゾオキセピン-3-イル)プロパノエート塩酸塩の調製
2-(8-メチル-5-オキソ-6H-ベンゾ[b][1]ベンゾオキセピン-3-イル)プロパン酸(29.6g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(93%の収率)。
【0240】
実施例43.(ピロリジン-2-イル)メチル2-[4-[(2-オキソシクロペンチル)メチル]フェニル]プロパノエート塩酸塩の調製
2-[4-[(2-オキソシクロペンチル)メチル]フェニル]プロピオン酸(24.6g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(90%の収率)。
【0241】
実施例44.(ピロリジン-2-イル)メチル4-(1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル)-α-メチルベンゼンアセテート塩酸塩の調製
4-(1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル)-α-メチルベンゼン酢酸(28.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(93%の収率)。
【0242】
実施例45.(ピロリジン-2-イル)メチル2-クロロ-2-(3-クロロ-4-シクロヘキシルフェニル)アセテート塩酸塩の調製
2-クロロ-2-(3-クロロ-4-シクロヘキシルフェニル)酢酸(28.7g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(82%の収率)。
【0243】
実施例46.(ピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート塩酸塩の調製
4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパン酸(29.3g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(87%の収率)。
【0244】
実施例47.(ピロリジン-2-イル)メチル3-(4-ビフェニルカルボニル)プロパノエート塩酸塩の調製
3-(4-ビフェニルカルボニル)プロピオン酸(25.4g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(81%の収率)。
【0245】
実施例48.(ピロリジン-2-イル)メチル3-[5-(4-クロロフェニル)フラン-2-イル]-3-ヒドロキシプロパノエート塩酸塩の調製
3-[5-(4-クロロフェニル)フラン-2-イル]-3-ヒドロキシプロパン酸(26.7g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(85%の収率)。
【0246】
実施例49.(ピロリジン-2-イル)メチル6-クロロ-5-シクロヘキシル-1-インダンカルボキシレート塩酸塩の調製
6-クロロ-5-シクロヘキシル-1-インダンカルボン酸(27.9g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(85%の収率)。
【0247】
実施例50.(ピロリジン-2-イル)メチル1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート塩酸塩の調製
1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-酢酸(35.8g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(77%の収率)。
【0248】
実施例51.(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩の調製
1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-酢酸(25.7g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(81%の収率)。
【0249】
実施例52.(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩の調製
5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-酢酸(29.2g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(79%の収率)。
【0250】
実施例53.(ピロリジン-2-イル)メチル3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩の調製
3-クロロ-4-(2-プロペニルオキシ)ベンゼン酢酸(22.7g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(79%の収率)。
【0251】
実施例54.(ピロリジン-2-イル)メチル3-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩の調製
3-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)ベンゼン酢酸(29.7g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(79%の収率)。
【0252】
実施例55.(ピロリジン-2-イル)メチル4-アセトアミドフェニルサリチレート塩酸塩の調製
4-アセトアミドフェニルサリチル酸(27.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(79%の収率)。
【0253】
実施例56.(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩の調製
2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]安息香酸(24.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(81%の収率)。
【0254】
実施例57.(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩の調製
2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]安息香酸(24.1g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(84%の収率)。
【0255】
実施例58.(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボキシレート塩酸塩の調製
2-[[3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボン酸(41.4g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(84%の収率)。
【0256】
実施例59.(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩の調製
2-[(2,6-ジクロロ-3-メチルフェニル)アミノ]安息香酸(31.8g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(74%の収率)。
【0257】
実施例60.(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-メチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボキシレート塩酸塩の調製
2-[[2-メチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-3-ピリジンカルボン酸(29.6g)及びN-Boc-L-プロリノール(tert-ブトキシカルボニル-2-ピロリジンメタノール、20.1g)を1Lの丸底フラスコ中に入れ、混合物にアセトン(200ml)を加えた。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI、19.2g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、5g)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、15g)を溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶液はほぼ乾燥するまで蒸発させた。混合物に酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(2×200ml)、20%のクエン酸(R0089、250mlの水中50g)×2、及び水(3×300ml)で洗浄した。硫酸ナトリウムを介して溶液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、酢酸エチル(3×50ml)で洗浄し、酢酸エチル溶液を蒸発乾固させた。酢酸エチル中3NのHCl(50ml)を加え、混合物を3時間撹拌した。固体を収集し、酢酸エチル(5×50ml)で洗浄し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥させた(74%の収率)。
【0258】
実施例61.HPPの皮膚透過率
NSAIDのプロドラッグの殆どの皮膚透過率は、以前の特許において報告されている。
【0259】
(ピロリジン-2-イル)メチル4-[4-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]-4-オキソブタノエート塩酸塩(化合物-1)、4-[4-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]-4-オキソブタン酸(親薬物-1)、(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[1-(4-クロロベンジル)-4-メチル-6-(5-フェニルピリジン-2-イル)メトキシ]-4,5-ジヒドロ-1H-チオピラノ[2,3,4-c,d]インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパノエート塩酸塩(化合物-2)、3-(1-(4-クロロベンジル)-3-t-ブチルチオ-5-イソプロピルインドール-2-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(親薬物-2)、(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・AcOH(化合物-3)、2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)酢酸(親薬物-3)、(ピロリジン-2-イル)メチル3-[[3-[(E)-2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-[3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル]スルファニルメチル]スルファニルプロパノエート塩酸塩(化合物-4)、3-[[3-[(E)-2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-[3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル]スルファニルメチル]スルファニルプロパン酸(親薬物-4)、(ピロリジン-2-イル)メチル2-シクロペンチル-2-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル]アセテート塩酸塩(化合物-5)、2-シクロペンチル-2-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル]酢酸(親薬物-5)、(RS)-N-[1-(1-ベンゾチエン-2-イル)エチル]-N-(2-N,N-ジエチルアミノアセチルオキシ)尿素塩酸塩(化合物-6)、(±)-N-ヒドロキシ-N-(1-ベンゾ[b]チエン-2-イルエチル)尿素(親薬物-6)、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル2-[1-[[(1R)-1-[3-[2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-3-[2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル]プロピル]スルファニルメチル]シクロプロピル]アセテート塩酸塩(化合物-7)、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル2-[1-[[(1R)-1-[3-[2-(7-クロロキノリン-2-イル)エテニル]フェニル]-3-[2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル]プロピル]スルファニルメチル]シクロプロピル]酢酸(親薬物-7)、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩(化合物-8)、及び2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)酢酸(親薬物-8)のウサギ皮膚を通じた透過率を、ウサギの背部皮膚組織(300μm~350μmの厚さ)から分離された改変フランツ細胞を使用することによってin vitroで測定した。10mlの純水からなる受容液を表1に示す。これらの結果により、アミノ基の正電荷が膜及び皮膚障壁を渡る薬物通過において非常に重要な役割を果たしていることが示唆される。
【0260】
【0261】
実施例62.解熱活性
84匹のSprague Dawleyラットを7つの群(n=12)に無作為に分け、各ラットの腹部に100μg/kgのLPS(生理食塩水中に溶解、0.2mg/mL)を注射することによって発熱を誘発し、2時間後に水中25%のエタノール(群A、ネガティブコントロール群)、イブプロフェン(経口、群B、100mg/kg、イブプロフェンを0.5%のCMC-Na中に20mg/mLの最終濃度で懸濁した)、70%のエタノール中7%のイブプロフェン(局所、群C、100mg/kg)、25%のエタノール中7%の2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート・HCl(経皮、群D、20mg/kg)、35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩(経皮、群E、20mg/kg)、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩(経皮、群F、20mg/kg)、及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩(経皮、群G、20mg/kg)を投与した(局所及び経皮の試験品をラットの背中に投与した)。ラットの体温を、試験化合物の投与から0分後(負荷から2時間後)、90分後、180分後、及び270分後に測った。結果を表2に示す。
【0262】
【0263】
これらの結果により、プロドラッグが20mg/kgの用量で強力な解熱活性を示し、経口イブプロフェン(100mg/kg)よりも良好であり、そして局所イブプロフェン(100mg/kg)は解熱活性を一切示さないことが明らかとなった。
【0264】
実施例63.抗炎症活性
50匹のWistarラットを5つの群(n=10)に無作為に分けた。カラギーナン溶液を、0.9%の生理食塩水中1%(重量/容量)の溶液として調製し、右足蹠へと100μLのカラギーナン溶液を皮下注射することによって足浮腫を誘発し、2時間後に、水中25%のエタノール(G1、ネガティブコントロール群)、イブプロフェン(経口、G2、100mg/kg、イブプロフェンを0.5%のCMC-Na中に20mg/mLの最終濃度で懸濁した)、70%のエタノール中7%のイブプロフェン(局所、G3、100mg/kg)、25%のエタノール中7%の2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート・HCl(経皮、G4、20mg/kg)、及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩(経皮、G5、20mg/kg)を投与した(局所及び経皮の試験品をラットの背中に投与した)。ラットの足容積を、0時間(カラギーナン負荷前)、2時間(試験品処理前)、及び6時間(試験化合物投与から4時間後)に測定した。結果を表3に示す。
【0265】
【0266】
これらの結果により、プロドラッグが20mg/kgの用量で強力な抗炎症活性を示し、経口イブプロフェン(100mg/kg)よりも良好であり、そして局所イブプロフェン(100mg/kg)は抗炎症活性を一切示さないことが明らかとなった。
【0267】
実施例64.H1N1ウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩の有効性
この研究において合計百十(110)匹のマウスを使用した。ウイルス力価測定研究には十(10)匹の四(4)つの群を使用し、試験品研究のウイルス感染症の徴候及び症状の緩和の有効性には十(10)匹の七(7)つの群を使用した。全てのマウスに、研究0日目に、マウス適応型インフルエンザA型PR/8/34(H1N1)の致死用量を鼻腔内滴下によって負荷した。ウイルス力価測定研究において、マウス当たり10×TCID50、マウス当たり1×TCID50、マウス当たり0.1×TCID50、又はマウス当たり0.01×TCID50の単回用量のウイルスをピペットにより鼻粘膜を介して投与した。有効性研究において、0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり0.1×TCID50のウイルスを鼻腔内滴下によって投与し、負荷後2日目から、負荷後2日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(25%のエタノール)で処置した。15%のエタノール中7%の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩(低用量:25.2mg/kg、群2、中用量:50.4mg/kg、群3、及び高用量:100.8mg/kg、群4)及び25%のエタノール中6.25%の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩(低用量:22.5mg/kg、群5、中用量:45mg/kg、群6、及び高用量:90mg/kg、群7)及びビヒクル(25%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0268】
死亡率
有効性研究のために、マウス適応型インフルエンザA型PR/8/34(H1N1)の致死用量が負荷されたBalb/cマウスの生存を、
図1においてカプラン-マイヤー生存曲線として示す。100.8mg/kg(高用量、群4)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩が、100%の動物の生存で最も大きな保護量をもたらした。
図1及び表4において示されるように、25.2mg/kg(低用量、群2)及び50.4mg/kg(中用量、群3)の両方の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩により90%の生存率が得られ、22.5mg/kg(低用量、群5)及び90mg/kg(高用量、群7)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により90%の生存率が得られ、45mg/kg(中用量、群6、3匹死亡)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により70%の生存率が得られ、そしてビヒクル(25%のエタノール、群1、5匹死亡)により50%の生存率が得られた。
【0269】
【0270】
肺感染症の特徴付け
全ての死亡した動物及び生存している動物の肺病変及び細気管支周囲炎を特徴付けた(表5)。
【0271】
【0272】
結論
本研究の目的は、インフルエンザA型ウイルス感染症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩のウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の投与がマウスを死亡及び肺の損傷から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0273】
実施例65.H1N1ウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のマウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり0.1×TCID50のウイルス(新たなバッチ)を鼻腔内滴下によって投与し、負荷後2日目から、負荷後2日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩(低用量:25.1mg/kg、群2、中用量:50.2mg/kg、群3、及び高用量:100.3mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩(低用量:24.6mg/kg、群5、中用量:49.2mg/kg、群6、及び高用量:98.4mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0274】
死亡率
表6において示されるように、ビヒクル(35%のエタノール、群1、9匹死亡)により10%の生存率が得られ、25.1mg/kg(群2、8匹死亡)及び50.2mg/kg(群3、8匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩により20%の生存率が得られ、100.3mg/kg(群4、6匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩により40%の生存率が得られ、24.6mg/kg(群5、3匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により70%の生存率が得られ、49.2mg/kg(群6、4匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により60%の生存率が得られ、98.4mg/kg(群7、5匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により50%の生存率が得られた。
【0275】
【0276】
肺感染症の特徴付け
全ての死亡した動物及び生存している動物の肺病変及び細気管支周囲炎を特徴付けた(表7)。
【0277】
【0278】
結論
本研究の目的は、インフルエンザA型ウイルス感染症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩のウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の投与がマウスを死亡及び肺の損傷から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0279】
実施例66.H1N1ウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩及び(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOHの有効性
この研究において合計七十匹のマウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり0.1×TCID50のウイルス(新たなバッチ)を鼻腔内滴下によって投与し、負荷後2日目から、負荷後2日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩(低用量:25.0mg/kg、群2、中用量:50.0mg/kg、群3、及び高用量:100.0mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOH(低用量:25.5mg/kg、群5、中用量:50.9mg/kg、群6、及び高用量:101.9mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0280】
死亡率
表8において示されるように、ビヒクル(群1、8匹死亡)により20%の生存率が得られ、25.0mg/kg(群2、6匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩により40%の生存率が得られ、50.0mg/kg(群3、5匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩により50%の生存率が得られ、100.0mg/kg(群4、4匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩により60%の生存率が得られ、25.5mg/kg(群5、4匹死亡)の(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOHにより60%の生存率が得られ、50.9mg/kg(群6、3匹死亡)の(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOHにより70%の生存率が得られ、101.9mg/kg(群7、5匹死亡)の(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOHにより50%の生存率が得られた。
【0281】
【0282】
肺感染症の特徴付け
全ての死亡した動物及び生存している動物の肺病変及び細気管支周囲炎を特徴付けた(表9)。
【0283】
【0284】
結論
本研究の目的は、インフルエンザA型ウイルス感染症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩及び(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOHのウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-フルオロビフェニル-4-イル)プロパノエート塩酸塩及び(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOHの投与がマウスを死亡及び肺の損傷から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0285】
実施例67.H1N1ウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のマウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり0.1×TCID50のウイルス(新たなバッチ)を鼻腔内滴下によって投与し、負荷後2日目から、負荷後2日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩(低用量:25.0mg/kg、群2、中用量:50.1mg/kg、群3、及び高用量:100.1mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩(低用量:24.9mg/kg、群5、中用量:49.8mg/kg、群6、及び高用量:99.6mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0286】
死亡率
表10において示されるように、ビヒクル(群1、9匹死亡)により10%の生存率が得られ、25.0mg/kg(群2、7匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩により30%の生存率が得られ、50.1mg/kg(群3、5匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩により50%の生存率が得られ、100.1mg/kg(群4、5匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩により50%の生存率が得られ、24.9mg/kg(群5、4匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩により60%の生存率が得られ、49.8mg/kg(群6、5匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩により50%の生存率が得られ、99.6mg/kg(群7、6匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩により40%の生存率が得られた。
【0287】
【0288】
肺感染症の特徴付け
全ての死亡した動物及び生存している動物の肺病変及び細気管支周囲炎を特徴付けた(表11)。
【0289】
【0290】
結論
本研究の目的は、インフルエンザA型ウイルス感染症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩のウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、(ピロリジン-2-イル)メチル2-[(2,3-ジメチルフェニル)アミノ]ベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチルα-メチル-4-(2-チエニルカルボニル)ベンゼンアセテート塩酸塩の投与がマウスを死亡及び肺の損傷から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0291】
実施例68.H1N1ウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のマウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり0.1×TCID50のウイルス(新たなバッチ)を鼻腔内滴下によって投与し、負荷後2日目から、負荷後2日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩(低用量:25.0mg/kg、群2、中用量:49.9mg/kg、群3、及び高用量:99.8mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩(低用量:24.7mg/kg、群5、中用量:49.4mg/kg、群6、及び高用量:98.7mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0292】
死亡率
表12において示されるように、ビヒクル(群1、8匹死亡)により20%の生存率が得られ、25.0mg/kg(群2、7匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩により30%の生存率が得られ、49.9mg/kg(群3、5匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩により50%の生存率が得られ、99.8mg/kg(群4、4匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩により60%の生存率が得られ、24.7mg/kg(群5、6匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩により40%の生存率が得られ、49.4mg/kg(群6、4匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩により60%の生存率が得られ、98.7mg/kg(群7、3匹死亡)の(Z)-2-(N,N-ジエチルアミノエチル)エチル2-(5-フルオロ-2-メチル-1-(4-メチルスルフィニル)ベンジリデン)-1H-インデン-1-イル)アセテート・ACOH(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩により70%の生存率が得られた。
【0293】
【0294】
肺感染症の特徴付け
全ての死亡した動物及び生存している動物の肺病変及び細気管支周囲炎を特徴付けた(表13)。
【0295】
【0296】
結論
本研究の目的は、インフルエンザA型ウイルス感染症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩のウイルス感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)サリチレート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)アセチルサリチレート塩酸塩の投与がマウスを死亡及び肺の損傷から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0297】
実施例69.COVID-19感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の有効性
この研究において合計百十(110)匹のhACE2マウスを使用した。ウイルス力価測定研究には十(10)匹の四(4)つの群を使用し、試験品研究のCOVID-19ウイルス感染症の徴候及び症状の緩和の有効性には十(10)匹の七(7)つの群を使用した。全てのマウスに、研究0日目に、マウス適応型Covid-19の致死用量を鼻腔内滴下によって負荷した。ウイルス力価測定研究において、マウス当たり5.5×104PFU、マウス当たり5.5×103PFU、マウス当たり5.5×102PFU、又はマウス当たり5.5×10PFUの単回用量のCOVID-19をピペットにより鼻粘膜を介して投与した。有効性研究において、0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり3×10PFUを鼻腔内滴下によって投与し、負荷後1日目から、負荷後1日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(25%のエタノール)で処置した。25%のエタノール中7%の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩(低用量:25.2mg/kg、群2、中用量:50.4mg/kg、群3、及び高用量:100.8mg/kg、群4)及び25%のエタノール中6.25%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩(低用量:22.5mg/kg、群5、中用量:45mg/kg、群6、及び高用量:90mg/kg、群7)及びビヒクル(25%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0298】
死亡率
有効性研究のために、マウス適応型COVID-19の致死用量が負荷されたhACE2マウスの生存率を表14に示す。表14において示されるように、100.8mg/kg(高用量、群4、1匹死亡)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩が、90%の動物の生存で最も大きな保護量をもたらし、25.2mg/kg(低用量、群2、6匹死亡)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩により40%の生存率が得られ、50.4mg/kg(中用量、群3、3匹死亡)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩により70%の生存率が得られ、22.5mg/kg(低用量、群5、3匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により70%の生存率が得られ、45mg/kg(中用量、群6、4匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により60%の生存率が得られ、90mg/kg(高用量、群7、6匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により40%の生存率が得られ、ビヒクル(25%のエタノール、群1、9匹死亡)により10%の生存率が得られた。
【0299】
【0300】
肺感染症の特徴付け
全ての死亡した動物及び生存している動物の肺病変及び細気管支周囲炎を特徴付けた(表15)。
【0301】
【0302】
結論
本研究の目的は、COVID-19感染症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩のCOVID-19感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の投与がマウスを死亡及び肺の損傷から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0303】
実施例70.COVID-19感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のhACE2マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり3×10PFUのCOVID-19を鼻腔内滴下によって投与し、負荷後1日目から、負荷後1日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩(低用量:25.1mg/kg、群2、中用量:50.2mg/kg、群3、及び高用量:100.3mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩(低用量:24.6mg/kg、群5、中用量:49.2mg/kg、群6、及び高用量:98.4mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0304】
死亡率
表16において示されるように、ビヒクル(35%のエタノール、群1、9匹死亡)により10%の生存率が得られ、25.1mg/kg(群2、7匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩により30%の生存率が得られ、50.2mg/kg(群3、5匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩により50%の生存率が得られ、100.3mg/kg(群4、5匹死亡)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩により50%の生存率が得られ、24.6mg/kg(群5、4匹死亡)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により60%の生存率が得られ、49.2mg/kg(群6、5匹死亡)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により50%の生存率が得られ、98.4mg/kg(群7、2匹がARDSの徴候及び症状により死亡)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により50%の生存率が得られた。
【0305】
【0306】
肺感染症の特徴付け
全ての死亡した動物及び生存している動物の肺病変及び細気管支周囲炎を特徴付けた(表17)。
【0307】
【0308】
結論
本研究の目的は、COVID-19感染症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩のCOVID-19感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の投与がhACE2マウスを死亡及び肺の損傷から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0309】
実施例71.COVID-19感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のhACE2マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり3×10PFUのCOVID-19を鼻腔内滴下によって投与し、負荷後1日目から、負荷後1日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩(低用量:24.9mg/kg、群2、中用量:49.9mg/kg、群3、及び高用量:99.7mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩(低用量:24.7mg/kg、群5、中用量:49.4mg/kg、群6、及び高用量:98.9mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0310】
実施例72.COVID-19感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療における(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のhACE2マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり3×10PFUのCOVID-19を鼻腔内滴下によって投与し、負荷後1日目から、負荷後1日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-[3-クロロ-4-(3-ピロリン-1-イル)フェニル]プロパノエート塩酸塩(低用量:24.9mg/kg、群2、中用量:49.9mg/kg、群3、及び高用量:99.8mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(5H-[1]-ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン-7-イル)プロピオネート塩酸塩(低用量:24.9mg/kg、群5、中用量:49.8mg/kg、群6、及び高用量:99.7mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0311】
実施例73.COVID-19感染症の徴候、症状、及び/又は合併症の治療におけるピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のhACE2マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり3×10PFUのCOVID-19を鼻腔内滴下によって投与し、負荷後1日目から、負荷後1日目に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%のピロリジン-2-イル)メチル4,5-ジフェニル-2-オキサゾールプロパノエート塩酸塩(低用量:24.7mg/kg、群2、中用量:49.4mg/kg、群3、及び高用量:98.7mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオネート塩酸塩(低用量:24.9mg/kg、群5、中用量:49.9mg/kg、群6、及び高用量:99.7mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0312】
実施例74.盲腸スラリー誘発性敗血症における2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の有効性
この研究において合計百(100)匹のC57/BL6マウスを使用した。盲腸スラリー力価測定研究には六(6)匹の五(5)つの群を使用し、試験品研究の盲腸スラリー誘発性敗血症の徴候及び症状の緩和の有効性には十(10)匹の七(7)つの群を使用した。全てのマウスに、研究0日目に腹腔内(IP)注射により盲腸スラリーを負荷した。力価測定研究において、マウス当たり5mg、マウス当たり7.5mg、マウス当たり10mg、マウス当たり12.5mg、又はマウス当たり15mgの用量の盲腸スラリーで、各マウスに腹腔内(IP)注射を施した。有効性研究において、0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり10mgの盲腸スラリーを腹腔内(IP)注射によって投与し、負荷後2時間から、負荷後2時間時に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(25%のエタノール)で処置した。25%のエタノール中7%の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩(低用量:25.2mg/kg、群2、中用量:50.4mg/kg、群3、及び高用量:100.8mg/kg、群4)及び25%のエタノール中6.25%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩(低用量:22.5mg/kg、群5、中用量:45mg/kg、群6、及び高用量:90mg/kg、群7)及びビヒクル(25%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0313】
死亡率
有効性研究のために、盲腸スラリーが負荷されたC57/BL6マウスの生存率。表18において示されるように、100.8mg/kg(高用量、群4)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩が、80%の動物の生存で最も大きな保護量をもたらし、25.2mg/kg(低用量、群2)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩により40%の生存率が得られ、50.4mg/kg(中用量、群3)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩により60%の生存率が得られ、22.5mg/kg(低用量、群5)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩及び45mg/kg(中用量、群6)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により70%の生存率が得られ、90mg/kg(高用量、群7)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により50%の生存率が得られ、ビヒクル(25%のエタノール、群1)により0%の生存率が得られた。
【0314】
【0315】
結論
本研究の目的は、盲腸スラリー誘発性敗血症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の盲腸スラリー誘発性敗血症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の投与がマウスを死亡から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0316】
実施例75.盲腸スラリー誘発性敗血症における(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のC57/BL6マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり10mgの盲腸スラリーを腹腔内(IP)注射によって投与し、負荷後2時間から、負荷後2時間時に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩(低用量:25.1mg/kg、群2、中用量:50.2mg/kg、群3、及び高用量:100.3mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩(低用量:24.6mg/kg、群5、中用量:49.2mg/kg、群6、及び高用量:98.4mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0317】
死亡率
表19において示されるように、ビヒクル(35%のエタノール、群1)により0%の生存率が得られ、25.1mg/kg(群2)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩により10%の生存率が得られ、50.2mg/kg(群3)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩により30%の生存率が得られ、100.3mg/kg(群4)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩により40%の生存率が得られ、24.6mg/kg(群5)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により50%の生存率が得られ、49.2mg/kg(群6)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により50%の生存率が得られ、98.4mg/kg(群7)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(p-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により40%の生存率が得られた。
【0318】
【0319】
結論
本研究の目的は、盲腸スラリー誘発性敗血症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(p-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の盲腸スラリー誘発性敗血症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(3-フェノキシフェニル)プロピオネート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(p-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の投与がC57/BL6マウスを死亡から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0320】
実施例76.盲腸スラリー誘発性敗血症における(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-[(2,6-ジクロロフェニル)アミノ]フェニル]アセトキシ]アセテート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のC57/BL6マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保ってマウス当たり10mgの盲腸スラリーを鼻腔内滴下によって投与し、負荷後2時間から、負荷後2時間時に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-[[2-[(2,6-ジクロロフェニル)アミノ]フェニル]アセトキシ]アセテート塩酸塩(低用量:24.9mg/kg、群2、中用量:49.9mg/kg、群3、及び高用量:99.7mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩(低用量:24.7mg/kg、群5、中用量:49.4mg/kg、群6、及び高用量:98.9mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0321】
実施例77.盲腸スラリー誘発性敗血症における(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチルジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のC57/BL6マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保って1gm/kgの盲腸スラリーを鼻腔内滴下によって投与し、負荷後2時間から、負荷後2時間時に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート塩酸塩(低用量:24.9mg/kg、群2、中用量:49.9mg/kg、群3、及び高用量:99.7mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチルジクロロフェノキシ)ベンゼンアセテート塩酸塩(低用量:24.7mg/kg、群5、中用量:49.4mg/kg、群6、及び高用量:98.9mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。ウイルス負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0322】
実施例78.MRSA感染症の敗血症モデルにおける2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の有効性
この研究において合計百(100)匹のC57/BL6マウスを使用した。メチシリン耐性S.アウレウス(S. aureus)菌株NRS71(Sangar 252)力価測定研究には五(5)匹の六(6)つの群を使用し、試験品研究のMRSA感染症の敗血症モデルの徴候及び症状の緩和の有効性には十(10)匹の七(7)つの群を使用した。全てのマウスに、研究0日目に腹腔内(IP)注射によりメチシリン耐性S.アウレウス菌株NRS71(Sangar 252)を負荷した。力価測定研究において、4×106CFUのS.アウレウス、2×107CFUのS.アウレウス、1×108CFUのS.アウレウス、5×108CFUのS.アウレウス、1×109CFUのS.アウレウス、及び2×109CFUのS.アウレウスの用量で、各マウスに腹腔内(IP)注射を施した。有効性研究において、0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保って2×107CFUのS.アウレウスを腹腔内(IP)注射によって投与し、負荷後2時間から、負荷後2時間時に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(25%のエタノール)で処置した。25%のエタノール中7%の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩(低用量:25.2mg/kg、群2、中用量:50.4mg/kg、群3、及び高用量:100.8mg/kg、群4)及び25%のエタノール中6.25%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩(低用量:22.5mg/kg、群5、中用量:45mg/kg、群6、及び高用量:90mg/kg、群7)及びビヒクル(25%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域に経皮により与えた。MRSA負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0323】
死亡率
有効性研究のために、MRSAが負荷されたC57/BL6マウスの生存率を表20に示す。表20において示されるように、100.8mg/kg(高用量、群4)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩が、50%の動物の生存で最も大きな保護量をもたらし、25.2mg/kg(低用量、群2)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩により20%の生存率が得られ、50.4mg/kg(中用量、群3)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩により30%の生存率が得られ、22.5mg/kg(低用量、群5)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により40%の生存率が得られ、45mg/kg(中用量、群6)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により60%の生存率が得られ、90mg/kg(高用量、群7)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩により50%の生存率が得られ、ビヒクル(25%のエタノール、群1)により0%の生存率が得られた。
【0324】
【0325】
結論
本研究の目的は、MRSA誘発性敗血症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩のMRSA誘発性敗血症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル2-(2-(2,6-ジクロロフェニルアミノ)フェニル)アセテート塩酸塩の投与がマウスを死亡から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0326】
実施例79.MRSA感染症の敗血症モデルにおける(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のC57/BL6マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保って2×107CFUのS.アウレウスを腹腔内(IP)注射によって投与し、負荷後2時間から、負荷後2時間時に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩(低用量:25.1mg/kg、群2、中用量:50.2mg/kg、群3、及び高用量:100.3mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩(低用量:24.6mg/kg、群5、中用量:49.2mg/kg、群6、及び高用量:98.4mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。MRSA負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0327】
死亡率
表21において示されるように、ビヒクル(35%のエタノール、群1)により0%の生存率が得られ、25.1mg/kg(群2)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩により20%の生存率が得られ、50.2mg/kg(群3)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩により30%の生存率が得られ、100.3mg/kg(群4)の(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩により40%の生存率が得られ、24.6mg/kg(群5)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により40%の生存率が得られ、49.2mg/kg(群6)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により60%の生存率が得られ、98.4mg/kg(群7)の2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩により50%の生存率が得られた。
【0328】
【0329】
結論
本研究の目的は、MRSA誘発性敗血症のマウスモデルにおいて、動物の背中に(高用量、中用量、又は低用量の場合に2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に)経皮投与することによって、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩のMRSA誘発性敗血症の徴候、症状、及び/又は合併症の緩和を評価することであった。結果により、(ピロリジン-2-イル)メチル2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノエート塩酸塩及び2-(ジエチルアミノ)エチル2-(4-イソブチルフェニル)プロパノエート塩酸塩の投与がC57/BL6マウスを死亡から保護し、病気の臨床的徴候を遅延し、その重症度を軽減することが実証された。
【0330】
実施例80.MRSA感染症の敗血症モデルにおける(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩及び(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩の有効性
この研究において合計七十匹のC57/BL6マウス(7つの群、1群当たり10匹)を使用した。0日目にマウスをイソフルランで麻酔し、背殿位に保って2×107CFUのS.アウレウスを鼻腔内滴下によって投与し、負荷後2時間から、負荷後2時間時に投与を開始して15日目まで、様々な濃度の試験品又はビヒクルコントロールの単回用量をマウスに1日1回与えた。群1は感染コントロール群としての役割を果たし、ビヒクル(35%のエタノール)で処置した。35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル5-ベンゾイル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1-カルボキシレート塩酸塩(低用量:24.9mg/kg、群2、中用量:49.9mg/kg、群3、及び高用量:99.7mg/kg、群4)及び35%のエタノール中7%の(ピロリジン-2-イル)メチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-b]インドール-1-アセテート塩酸塩(低用量:24.7mg/kg、群5、中用量:49.4mg/kg、群6、及び高用量:98.9mg/kg、群7)及びビヒクル(35%のエタノール)を、高用量、中用量、又は低用量の場合に動物の背中の2cm×5cm、1.5cm×3.5cm、又は1cm×2.5cmの領域内に経皮により与えた。MRSA負荷後に、マウスを体重、健康スコア、罹患率、及び死亡率を含む病気の臨床的徴候について観察した。
【0331】
実施例81.入院中の成人におけるCOVID-19感染症の治療における第2相、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、用量範囲探索研究での2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩の有効性
全ての適格基準(検査結果を含む)が確認されるまで、患者を登録も無作為化もすることができない。
【0332】
組み入れ基準:
1.活性COVID-19の肺症状により入院した。
2.患者(又は法的に認められた代理人)が、あらゆる研究手順を開始する前にインフォームドコンセントを提供している。
3.患者(又は法的に認められた代理人)が、計画された研究手順を理解し、それを遵守することに同意している。
4.登録時に18歳以上の男性又は妊娠していない成人女性。
【0333】
5.任意の検体におけるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又はその他の商業的アッセイ若しくは公衆衛生アッセイ(血清学的は不可である)によって判定されて、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(COVID-19)感染症が検査で確認された。これは、以下のいずれかによって文書化される:
a.無作為化前の72時間以内に収集された試料において、上記で定義された方法によりCOVID-19感染症が検査で確認されたこと、又は、
b.無作為化の72時間以上前に収集された試料において、上記で定義された方法によりCOVID-19感染症が検査で確認され、これは(例えば、検査用品の不足、検査能力の限界、結果に24時間超かかる等により)反復試料を取得するのが不可能であることが文書化されており、かつ進行中のCOVID-19感染症を示唆する進行性の疾患であること。
【0334】
6.室内気SpO2が93%未満で順序尺度のスコアが4(入院、マスク又は鼻カニューレによる酸素)、又は室内気SpO2が93%未満で順序尺度のスコアが5(入院、非侵襲的換気又は高流量酸素)又は順序尺度のスコアが6(入院、挿管及び機械的換気)である。順序尺度のスコアは、具体的には以下の通りである:
0)感染していない、臨床的又はウイルス学的な感染の証拠なし
1)歩行可能(診断されていない)、活動の制限なし
2)歩行可能(診断されていない)、活動の制限あり及び/又は在宅酸素が必要
3)診断済み(軽症の疾患)、酸素補給を必要としない
4)診断済み(中等症の疾患)、酸素補給(マスク又は鼻カニューレによる)が必要、継続的な医療ケアが必要(COVID-19関連又はその他)
5)診断済み(重症の疾患)、非侵襲的換気又は高流量酸素
6)診断済み(重症の疾患)、挿管及び機械的換気
7)診断済み(重症の疾患)、換気+追加の臓器補助-昇圧薬、RRT、又は体外式膜型人工肺(ECMO)
8)死亡。
【0335】
7.妊娠可能な女性及び男性は、スクリーニング時から37日目まで禁欲することか、又はホルモン避妊を含まない少なくとも1つの主要な避妊形態を使用することのいずれかに同意しなければならない(例えば、二重バリア法(コンドーム、スポンジ、ペッサリー、殺精子ゼリー又はクリームの使用)、同性のパートナー、手術で不妊手術を受けた患者/パートナー(不妊手術後6ヶ月以上)は許容される)。
8.60日目(又は治験薬物の最後の投与から30日後)まで、新たな介入臨床研究に参加しないことに同意している。しかしながら、米国食品医薬品局(FDA)の承認又は緊急使用許可を受けた抗ウイルス薬又はその他の薬物は許可される場合があり、これは患者の医師によって判断されるべきである。
【0336】
除外基準:
1.治験責任医師の判断において患者が研究に参加した場合に患者を容認することができないリスクにさらすか、現地若しくは地域の法律/要件に違反するか、又は研究からのデータの解釈能力に支障をきたす、臨床研究への参加資格を得るための現地若しくは地域の要件を含む、検査所見の異常の存在を含む、あらゆる重大な医学的病態又は神経精神学的病態を含む、あらゆる病態又は理由。これには、限定されるものではないが、以下が挙げられる:
a.血小板数1リットル当たり50×109個未満。
b.臨床研究への参加資格を得るための現地若しくは地域の要件を満たしていない。
【0337】
2.ベースラインで体外式膜型人工肺が必要とされる。
3.病期4以上の慢性腎臓疾患又は末期腎疾患(ESRD)。
4.出血性事象のリスクが高い(例えば、最近の脳出血、消化管出血、重篤な外傷、最近の手術、又は器官生検)。
5.現在、抗血小板剤(例えば、アスピリン)を使用している。
6.妊娠中(スクリーニング時に患者に妊娠検査で陽性反応が出ている)又は授乳中。
7.退院又は研究拠点とは別の病院への転院が予想される。
8.任意の治験薬に対するアレルギー、又はアスピリンを含む非ステロイド性抗炎症薬に対する既知のアレルギー。
9.PKサブスタディに参加する資格を得るには、患者はPK試料採取が完了するまで経口アスピリン又はあらゆる経口投与されるアセチルサリチル酸薬の服用を控えることに同意しなければならない。
【0338】
有効性エンドポイント:
主要有効性エンドポイント:
試験アームとコントロールアームとの間の入院期間の差。
主要副次的エンドポイント:
患者が酸素補給なしで93%超の末梢毛細血管酸素飽和度(SpO2)を維持することができる時間。
その他の副次的エンドポイント:
1.9段階の順序尺度を使用した1つのカテゴリーの改善にかかる時間。
2.9段階の順序尺度を使用した2つのカテゴリーの改善にかかる時間。
【0339】
投薬計画:
本発明の薬物として、2-(ジエチルアミノ)エチル2-アセトキシベンゾエート塩酸塩の15%のエタノール中7%の溶液を使用し、ビヒクル(15%のエタノール)をプラセボとして使用した。
各患者又はその介護者は、研究担当者によって指示されるように薬物を投与すべきである。うつ伏せでない患者の場合、患者の前面又は背面のどちらでも投与が許容可能である。投与箇所を各患者の原資料及びeCRFにおいて文書化すべきである。背中に薬物を投与する場合は、うつ伏せの患者に対する指示に従うことになる。前面にIPを投与する場合は、うつ伏せでない患者に対する指示に従うことになる。
【0340】
うつ伏せの患者の場合、薬物を以下のように投与することになる:
低用量群:首の後ろの皮膚に1噴霧、首の左側の皮膚に1噴霧、首の右側の皮膚に1噴霧、及び肺の周りの背中の皮膚に9噴霧(合計12噴霧、84mg)を28日間にわたって1日2回、1日当たり合計24噴霧(168mg)で適用した。
高用量群:首の後ろの皮膚に2噴霧、首の左側の皮膚に1噴霧、首の右側の皮膚に1噴霧、及び背中の皮膚に20噴霧(合計24噴霧、168mg)を28日間にわたって1日2回、1日当たり合計48噴霧(336mg)で適用した。
【0341】
うつ伏せでない患者の場合、薬物を以下のように投与することになる:
低用量群:首の前方の皮膚に1噴霧、首の左側の皮膚に1噴霧、首の右側の皮膚に1噴霧、及び肺の周りの胸の皮膚に9噴霧(合計12噴霧、84mg)を28日間にわたって1日2回、1日当たり合計24噴霧(168mg)で適用した。
高用量群:首の前方の皮膚に2噴霧、首の左側の皮膚に1噴霧、首の右側の皮膚に1噴霧、及び胸の皮膚に20噴霧(合計24噴霧、168mg)を28日間にわたって1日2回、1日当たり合計48噴霧(336mg)で適用した。
【0342】
有効性の結果:
本発明の薬物で処置された患者は平均入院期間が約4日であり、平均年齢は65.5歳であった。プラセボで処置された患者は平均入院期間が約8日であり、平均年齢は64.1歳であった。プラセボで処置された一部の患者は29日目に退院基準を満たすことができなかった。
【0343】
本発明の薬物で処置された患者は、酸素補給なしで93%超の末梢毛細血管酸素飽和度(SpO2)を維持するのに平均約3日を要した。プラセボで処置された患者は、酸素補給なしで93%超の末梢毛細血管酸素飽和度(SpO2)を維持するのに平均約8日を要した。プラセボで処置された一部の患者は29日目に依然として酸素補給を要した。
【0344】
本発明の薬物で処置された患者は、9段階の順序尺度を使用した2カテゴリーの改善を得るのに平均約3日を要し、プラセボで処置された患者は、9段階の順序尺度を使用した2カテゴリーの改善を得るのに平均約8日を要した。
【国際調査報告】