(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/53 20200101AFI20250204BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20250204BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20250204BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20250204BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/50
A24F40/57
A24F40/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542952
(86)(22)【出願日】2023-01-18
(85)【翻訳文提出日】2024-09-03
(86)【国際出願番号】 GB2023050084
(87)【国際公開番号】W WO2023139358
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル, ジェレミー
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AD06
4B162AD12
4B162AD15
4B162AD23
(57)【要約】
消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達システムであって、エアロゾル送達システムが、消耗部分の加熱を開始することと、消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、ユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて、消耗部分を加熱するのを停止することとを行うように構成されたコントローラを備える、エアロゾル送達システム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達システムであって、前記エアロゾル送達システムが、
前記消耗部分の加熱を開始することと、
前記消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、
ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分を加熱するのを停止することと
を行うように構成されたコントローラを備える、エアロゾル送達システム。
【請求項2】
前記監視されるパラメータが連続パラメータを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項3】
前記監視されるパラメータが、前記消耗部分の加熱に関連する温度を含む、請求項2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項4】
前記エアロゾル送達システムがヒータを備え、前記温度が前記ヒータの温度を含む、請求項3に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項5】
前記ヒータの前記温度が、前記ヒータの抵抗を測定することに基づいて確立される、請求項4に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項6】
前記パラメータが、前記消耗部分を加熱するために使用される電力のレベルを含む、請求項1または2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項7】
前記エアロゾル送達システムが、前記消耗部分の温度を測定するように構成された温度センサを備え、前記パラメータが、前記センサによって測定された前記消耗部分の温度を含む、請求項3に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項8】
前記デバイスが、前記消耗部分を通る空気流を測定するように構成された空気流センサを備え、前記パラメータが、前記空気流センサによって測定された、前記消耗部分を通る空気流量を含む、請求項2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項9】
前記デバイスが、前記消耗部分を通る空気流を検出するように構成された空気流センサを備え、前記パラメータが、前記消耗部分の加熱の開始からの、前記空気流センサによって測定された前記消耗部分を通る空気流の累積持続時間を含む、請求項2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項10】
前記空気流センサが、マイクロフォン、圧力センサ、または熱線風速計を備える、請求項8または9に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項11】
前記空気流センサが、一体型温度圧力センサを備える、請求項8~10のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項12】
前記コントローラが、ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータを制御パラメータと比較することと、
前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの値が前記制御パラメータの値よりも大きい場合、前記消耗部分についての残りの加熱持続時間を短縮することと
を行うように構成され、前記コントローラが、前記残りの加熱持続時間が経過したとき、前記消耗部分を加熱するのを停止するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項13】
前記コントローラが、ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータを制御パラメータと比較することと、
前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの値が前記制御パラメータの値よりも小さい場合、前記消耗部分についての残りの加熱持続時間を増加させることと
を行うように構成され、前記コントローラが、前記残りの加熱持続時間が経過したとき、前記消耗部分を加熱するのを停止するように構成される、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項14】
前記コントローラが、前記パラメータを経時的に積分し、前記パラメータの前記積分が予め規定された閾値に達したとき、前記消耗部分を加熱するのを停止するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項15】
前記予め規定された閾値または制御パラメータの値が、前記消耗部分に関連する識別情報に基づいて所与の消耗部分について確立される、請求項12~14のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項16】
前記予め規定された閾値または制御パラメータの値が、前記エアロゾル送達システムに関連するユーザ入力インターフェースへのユーザ入力に基づいて確立される、請求項12~14のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項17】
前記閾値が、前記消耗部分を使い果たすために必要とされるユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの前記積分の特性値に基づいて確立される、請求項14~16のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項18】
前記コントローラが、
前記消耗部分の加熱を開始してから加熱持続時間が経過した後に前記消耗部分を加熱するのを停止することと、
前記消耗部分の加熱を開始する前に、前記加熱持続時間の最初に規定された値を確立することと、
前記消耗部分でのユーザ吸入の前記量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分の加熱中に、前記加熱持続時間を、前記最初に規定された値から調節することと
を行うように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項19】
前記加熱持続時間の前記最初に規定された値が、予め規定された加熱プロファイルに基づいて消耗部分を使い果たすのにかかる特性時間期間に基づいて確立される、請求項18に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項20】
前記加熱持続時間の前記最初に規定された値が、前記消耗部分に関連する識別情報に基づいて所与の消耗部分について確立される、請求項18または19に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項21】
前記加熱持続時間の前記最初に規定された値が、前記エアロゾル送達システムに関連するユーザ入力インターフェースへのユーザ入力に基づいて確立される、請求項18または19に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項22】
前記コントローラが、前記加熱持続時間の前記最初に規定された値よりも短い積分時間にわたって、前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの積分を、制御パラメータの積分と比較することを行うように構成され、かつ、
前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの前記積分が前記制御パラメータの前記積分よりも大きい場合、前記加熱持続時間を短縮すること、または
前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの前記積分が前記制御パラメータの前記積分よりも小さい場合、前記加熱持続時間を増加させること
を行うように構成される、請求項18~21のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項23】
前記増加した加熱持続時間の合計にわたる前記制御パラメータの積分が、前記積分時間にわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの前記積分と前記積分時間にわたる前記制御パラメータの前記積分との間の差に比例する量だけ、以前に決定された加熱持続時間にわたる前記制御パラメータの積分と異なるように、前記加熱持続時間の増加または短縮を行うように前記コントローラが構成される、請求項22に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項24】
前記積分時間が、前記コントローラに関連するクロックサイクル持続時間を含む、請求項22または23に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項25】
前記制御パラメータが、前記構成部分が使い果たされる特性加熱持続時間にわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの平均値を含む、請求項12、13、15、16、22または23のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項26】
前記構成部分が使い果たされる前記特性加熱持続時間にわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の前記量に関連する前記パラメータの前記平均値が、同じタイプの消耗部分を使用する実験またはモデリングに基づいて確立される、請求項25に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項27】
前記デバイスが、前記デバイスとのユーザ対話に関連する信号を受信したことに基づいて消耗部分の加熱を開始するように構成される、請求項1~26のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項28】
前記消耗部分の複数の異なる領域を選択的に加熱するように構成され、前記コントローラが、
前記消耗部分の第1の領域の加熱を開始することと、
前記消耗部分の前記第1の領域の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、
ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分の前記第1の領域を加熱するのを停止することと、
前記消耗部分の第2の領域の加熱を開始することと、
前記消耗部分の前記第2の領域の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、
ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分の前記第2の領域を加熱するのを停止することと
を行うように構成される、請求項1~27のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項29】
前記信号が、ユーザが制御入力を提供したことを示す、ユーザ入力インターフェースからの信号、前記エアロゾル送達システムを通る空気流量の変化を示す、前記エアロゾル送達システムに備えられる空気流センサからの信号、および消耗部分が前記デバイスに結合されたことを示す、前記エアロゾル送達システムに備えられる消耗品センサからの信号のうちの少なくとも1つを含む、請求項27に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項30】
消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達デバイスであって、前記エアロゾル送達デバイスが、
前記消耗部分の加熱を開始することと、
前記消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、
ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分を加熱するのを停止することと
を行うように構成されたコントローラを備える、エアロゾル送達デバイス。
【請求項31】
消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように、コントローラを備えるエアロゾル送達システムを制御する方法であって、前記方法が、
前記消耗部分の加熱を開始するステップと、
前記消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視するステップと、
前記パラメータが閾値に達したとき、前記消耗部分を加熱するのを停止するステップと
を行うように前記コントローラを動作させることを含む、方法。
【請求項32】
プロセッサによって実行されると請求項31に記載の方法を実施する命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル供給/送達システムは、一般に、固体、液体もしくはゲルの一部、または原料液のリザーバなど、エアロゾル生成材料を含み、ならびに/あるいは、エアロゾル生成材料は、活性物質および/または香味を含み得、エアロゾル生成材料から、エアロゾルまたは蒸気が、ユーザによる吸入のために、例えば熱気化によって生成される。したがって、エアロゾル供給システム/電気喫煙システムは、典型的には、エアロゾル化可能な材料(例えば、タバコなどの固体材料)の一部を気化させてまたはエアロゾル化して、エアロゾル生成チャンバ内で蒸気またはエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器、例えば加熱要素を含む加熱チャンバまたはエアロゾル生成チャンバを備える。ユーザがデバイスで吸入を行い、電力が加熱要素に供給されると、空気が、入口穴を通って、エアロゾル生成チャンバに繋がる入口空気チャネルに沿ってデバイス内に引き込まれ、エアロゾル生成チャンバ内で、空気が、気化した前駆体材料と混ざって、凝縮エアロゾルが生じる。出口空気チャネルは、エアロゾル生成チャンバから吸い口内の出口まで繋がり、ユーザが吸い口で吸入を行うとエアロゾル生成チャンバ内に引き込まれる空気は、出口流路に沿って吸い口の出口に進み、空気とともに、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを運ぶ。いくつかのエアロゾル供給システムはまた、追加の香味を付与するために、デバイスを通る空気流路内に香味要素を含んでもよい。そのようなデバイスはハイブリッドデバイスと呼ばれることがあり、香味要素は、例えば、デバイスを通って引き込まれたエアロゾル/凝縮エアロゾルが固体材料の一部を通過してからユーザ吸入のために吸い口を出るように、エアロゾル生成チャンバと吸い口との間の空気流路に配置されたタバコなど、固体エアロゾル生成材料および/または香味材料の一部を含んでもよい。いくつかのエアロゾル供給システムにおいて、エアロゾル生成材料は、加熱要素およびエアロゾル生成チャンバをも含むカートリッジまたはポッドに含まれる原料液を含み、このカートリッジは、使用のために制御ユニットに機械的かつ電気的に結合される。制御ユニットは、カートリッジによって加熱要素に電力をまとめて供給するバッテリーおよび制御回路を備える。
【0003】
いくつかのコンテキストでは、エアロゾル供給/送達システム内のエアロゾル生成材料をエアロゾル化するためのエネルギー送達は、エアロゾル送達デバイス内のエアロゾル生成材料についての目標加熱時間に従って構成される。例えば、加熱時間は、製造の際に予め規定されてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。エアロゾル生成材料を含む物品の加熱が開始されると、エアロゾル送達デバイスの制御回路に備えられるタイマが、経過した加熱時間をカウントし、制御回路は、予め規定された加熱時間が経過したとき、エアロゾル生成材料の加熱を停止するように構成される。
【0004】
本発明者らは、エアロゾル生成材料を含む物品の加熱のための時間を制御することが好適であり得ることを認識した。
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達システムが提供され、エアロゾル送達システムは、消耗部分の加熱を開始することと、消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、ユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて、消耗部分を加熱するのを停止することとを行うように構成されたコントローラを備える。
【0006】
本開示の第2の態様によれば、消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達デバイスが提供され、エアロゾル送達デバイスは、消耗部分の加熱を開始することと、消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、ユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて、消耗部分を加熱するのを停止することとを行うように構成されたコントローラを備える。
【0007】
本開示の第3の態様によれば、消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように、コントローラを備えるエアロゾル送達システムを制御する方法が提供され、方法は、消耗部分の加熱を開始するステップと、消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視するステップと、パラメータが閾値に達したとき、消耗部分を加熱するのを停止するステップとを行うようにコントローラを動作させることを含む。
【0008】
本開示の第4の態様によれば、プロセッサによって実行されると第3の態様による方法を実施する命令を含むコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0009】
本発明の第1および他の態様に関して上述した本発明の特徴および態様は、上述した特定の組合せだけでなく、適宜、本発明の他の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、それらと組み合わせられ得ることが理解されよう。
【0010】
ここで、添付の図面を参照して、本開示の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、エアロゾル供給デバイスの概略図である。
【
図2】本開示による、エアロゾル送達システムの動作の態様を説明するフローチャートである。
【
図3】複数回のパフについての空気流量の監視を示す概略図である。
【
図4】複数回のパフについての空気流量を積分することに基づいて加熱持続時間を確立するための手法を示す概略図である。
【
図5】複数回のパフについてのヒータまたは消耗品温度の監視を示す概略図である。
【
図6】複数回のパフについてのヒータまたは消耗品温度を積分することに基づいて加熱持続時間を確立するための手法を示す概略図である。
【
図7】ユーザ吸入パラメータに基づいて、予め規定された加熱持続時間を変更するための手法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の例および実施形態の態様および特徴が、本明細書で論述/説明される。特定の例および実施形態のいくつかの態様および特徴は、従来通りに実装されてもよく、これらは、簡潔にするために詳細に論述/説明されない。したがって、詳細に説明されない、本明細書で論述される装置および方法の態様および特徴は、そのような態様および特徴を実装するための任意の従来技術に従って実装され得ることが理解されよう。
【0013】
本開示は、エアロゾル供給/送達システム/デバイス(蒸気送達システム/デバイスと呼ばれることもある)に関する。以下の説明全体を通して、「電気喫煙システム」、「非燃焼加熱」システム、または「タバコ加熱製品」という用語が使用されることがあるが、これらの用語は、エアロゾル供給/送達システム/デバイスおよび電子エアロゾル供給/送達システム/デバイスと互換的に使用され得ることが理解されよう。さらに、この技術分野において一般的であるように、「エアロゾル」および「蒸気」という用語、ならびに、「気化させる」、「揮発させる」および「エアロゾル化する」などの関連する用語は、一般に、互換的に使用され得る。
【0014】
エアロゾル供給システムは、常にではないが、再使用可能な「デバイス」部分と、交換可能な「消耗」部分の両方を含むモジュラアセンブリを備えることが多い。典型的には、交換可能な消耗部分は、エアロゾルを生成するために加熱されるエアロゾル生成材料を含み、再使用可能な部分は、電源(例えば、再充電可能な電源)と、制御回路と、再使用可能な部分に結合された場合に消耗部分内のエアロゾル生成材料を加熱するように構成されたヒータとを備える。そのような実施形態では、一般に、熱が、再使用可能なデバイス部分内のヒータから消耗部分の一部に移動して、消耗部分の加熱された部分内のエアロゾル生成材料をエアロゾル化する/気化させるか、または、電力もしくは磁場が、消耗部分に伝達されて、消耗部分内のエアロゾル生成器にエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させる。したがって、消耗部分は、場合によっては、消耗部分内のエアロゾル生成材料の加熱に関連する要素を備える。例えば、消耗部分は、再使用可能なデバイス部分内の磁場発生器/駆動コイル構成によって誘導加熱されて消耗部分内のエアロゾル生成材料をエアロゾル化し得るサセプタを備えてもよく、および/または、消耗部分は、消耗部分と再使用可能なデバイス部分とが使用のために互いに結合されたとき、再使用可能なデバイス部分と消耗部分との間の電気的インターフェースを介して、再使用可能なデバイス部分から電力を受け取る、加熱要素を備えてもよい。消耗部分は、例えば、再使用可能なデバイス部分のハウジング内に位置するエアロゾル生成チャンバまたは加熱チャンバを備えてもよい、再使用可能なデバイス部分のチャンバ/受容凹部に消耗部分を挿入することによって、使用のために、再使用可能なデバイス部分に部分的にまたは完全に挿入されるように構成されてもよい。そのようなチャンバは、再使用可能なデバイス部分の外側ケーシングに設けられたアパーチャ/開口部を介してアクセスされ得る。所与の消耗部分内のエアロゾル生成材料が使い果たされたか、または、ユーザが異なるエアロゾル生成材料を有する異なる消耗部分に切り替えることを望むとき、消耗部分は、消耗部分をアパーチャを介してチャンバから引っ込めることによって、再使用可能なデバイス部分から取り外されてもよく、交換用消耗部分は、その場所で、再使用可能なデバイス部分に結合することができる。このタイプの2部分モジュラ構成に適合するデバイスは、一般に「2部分」デバイスと呼ばれ得る。
【0015】
エアロゾル供給システム/デバイス(ならびに、再使用可能なデバイス部分、および再使用可能なデバイス部分を備える消耗部分)は、概して細長い形状を有することが一般的である。具体例を提供するために、本明細書で説明される本開示の特定の実施形態は、ヒータを備える再使用可能なデバイス部分を採用する、この種の概して細長い2部分デバイスと、エアロゾル生成材料を含む消耗品とを備えると解釈される。しかしながら、本明細書で説明される基礎となる原理は、異なるエアロゾル供給システム構成、例えば、単一部分デバイス、または3つ以上の部分を備えるモジュラデバイス、再充填可能なデバイスおよび単一使用使い捨てデバイス、ならびに他の全体的な形状に適合するデバイス、例えば、典型的にはより箱形の形状を有するいわゆる「box-mod」高性能デバイス、および、ヒータと、多くの場合液体の形態のエアロゾル生成材料の供給源とを含むカートリッジを一般に備えるいわゆる「pod-mod」デバイスに等しく採用され得、カートリッジは、再使用可能なデバイス部分内のチャンバに部分的に挿入されて、カートリッジがチャンバ内に受容されると、カートリッジ上の電気接点と、再使用可能なデバイス部分のチャンバ内に設けられた電気接点との当接を介して、カートリッジと再使用可能なデバイス部分の制御回路との間に電気的接続を確立することが理解されよう。より一般的には、本開示の特定の実施形態は、本明細書で説明される原理による機能を提供するように動作可能に構成されたエアロゾル供給システムに基づき、本開示の特定の実施形態による機能を提供するように構成されたエアロゾル供給システムの構造的態様は、主要な重大事ではないことが理解されよう。
【0016】
図1は、本開示の特定の実施形態による、例示的なエアロゾル供給システム/非燃焼加熱デバイス1の断面図である。エアロゾル供給システム1は、2つの主要な構成要素、すなわち、再使用可能なデバイス部分2と、エアロゾル生成材料43、空気入口42、(例えば、吸い口41に備えられる)空気出口を備える交換可能な消耗/カートリッジ/カトマイザ部分とを備え、フィルタ/冷却要素44のいずれかを備えてもよい。
【0017】
通常の使用時、再使用可能な部分2および消耗部分は、消耗部分を再使用可能なデバイス部分2のチャンバ50に部分的にまたは完全に挿入することによって、着脱可能に互いに結合され/取り付けられ、このチャンバは、ヒータチャンバ領域/加熱領域53を備える。チャンバ50は、例えば、再使用可能な部分2に備えられるヒータが消耗部分を加熱すること、または、再使用可能な部分2が、消耗部分にエネルギー(すなわち、電気エネルギー)を供給して、(例えば誘導加熱による)消耗部分に備えられるヒータの加熱を引き起こすことによって、消耗部分が、チャンバ内に少なくとも部分的に受容されている間に再使用可能なデバイス部分2によって加熱されるように構成されるという意味で、加熱/ヒータチャンバと考えられ得る。
図1は、消耗部分がチャンバ50内に部分的に受容されている再使用可能なデバイス部分2を概略的に示す。チャンバ50は、再使用可能なデバイス部分2の外側ハウジング面から再使用可能なデバイス部分内に延びる円筒管を備える。本例では、チャンバは、ユーザが使用のために再使用可能なデバイス部分2を自身の手で保持するときにその再使用可能なデバイス部分の最上部として規定される、再使用可能なデバイス部分の吸い口端部の外面からデバイス内に延び、チャンバ50は、再使用可能なデバイス部分2の長軸線に平行に延びる。アパーチャ51は、チャンバ50とデバイスの外部とを連通させる。しかしながら、消耗部分を受容するためのこの構成は、例示的であり、当業者に知られている他の構成が使用され得る(例えば、ヒータチャンバが、扉を介してアクセスされる、または、再使用可能なデバイス部分2の2つの部分を分離することによってアクセスされる「オーブン」を備えてもよく、その「オーブン」に、消耗部分、または遊離したエアロゾル生成材料が導入され得る)。より一般的には、消耗品は、本明細書でさらに説明するように、エアロゾル生成材料が液体またはゲルを含む構成を含む、当業者に知られている他の形態をとることができる。
【0018】
概略的に、再使用可能なデバイス部分2は、典型的には、消耗部分内の1つまたは複数のエアロゾル生成材料を、チャンバ50の加熱領域53に関連付けられた1つまたは複数の加熱要素を介して直接加熱することによって、あるいは、電気エネルギーまたは磁場を消耗部分に伝達して消耗部分内または上の誘導加熱された加熱要素などのエアロゾル生成器を作動させることによって、ユーザによって吸入されるエアロゾルを生成するように構成される。使用時に、ユーザは、アパーチャ51を介して消耗部分を再使用可能なデバイス部分のチャンバ50に挿入し、次いで、例えばボタン14を備えるユーザ入力インターフェースを使用して、再使用可能なデバイス部分2を作動させて、再使用可能なデバイス部分2に、電源/バッテリー26からエアロゾル生成要素48に電力を供給させて、ユーザによる吸入のために、消耗部分に含まれるエアロゾル生成材料をエアロゾル化する。続いて、ユーザは、再使用可能なデバイス部分2の吸い口端部において、アパーチャ51から延びる消耗部分の吸い口41を吸い、消耗部分において生成されたエアロゾルを吸入する。
図1の例では、ユーザが消耗部分の吸い口41を吸うと、再使用可能な部分2の外面に設けられた空気入口24に空気が引き込まれ、空気は、空気入口チャネル25を通ってチャンバ50の加熱領域53に流れ、そこで、空気は、消耗部分の少なくとも1つの空気入口42に入り、消耗部分に含まれるエアロゾル生成材料43の一部のエアロゾル化/加熱により生成された蒸気/エアロゾルを巻き込む。他の実施形態では、空気は、再使用可能なデバイス部分2を通過することなく消耗部分の空気入口42に直接入る。具体例のために、
図1は、エアロゾル生成材料43を含む消耗部分の一部に熱を伝達する、本明細書でさらに説明されるチャンバ50の加熱領域53の周りに配置された加熱要素48を概略的に示す。巻き込まれた蒸気/エアロゾルは、消耗部分を通って、再使用可能なデバイス部分2の吸い口端部(そこから消耗部分の吸い口41が延びる)に向かって移動し、ここで、エアロゾル液滴が凝縮するか、または冷却領域44中の蒸気/エアロゾルからさらに凝縮して、ユーザによる吸入のために消耗部分の吸い口41を出る凝縮エアロゾルが生じる。
【0019】
再使用可能な部分2は、空気入口24を画定する開口部を有する外側ハウジングと、エアロゾル供給システムに動作電力を供給するための電源26(例えば、バッテリー)と、エアロゾル供給システムの動作の制御および監視を行うための制御回路22と、任意選択のユーザ入力ボタン14と、任意選択のディスプレイ16と、任意選択の視覚ディスプレイ/視覚インジケータ28とを備える。再使用可能なデバイス部分2の外側ハウジングは、例えば、プラスチックもしくは金属材料、または当業者に知られている任意の他の材料から形成されてもよい。具体例を提供するために、再使用可能なデバイス部分2は、いくつかの実施形態では、長さ約80mmであってもよく、消耗部分は、チャンバ50に挿入されると、再使用可能なデバイス部分の吸い口端部から約10~30mmだけ延びるので、消耗部分と再使用可能なデバイス部分とが互いに結合されたときのエアロゾル供給システム1の全長は、約90~110mmである。消耗部分は、直径約80mmであってもよい。しかしながら、既に述べられたように、本開示の一実施形態を実装するエアロゾル供給システムの全体的な形状および尺度は、本明細書で説明される原理には重要でないことが理解されよう。
【0020】
本例における電源26は再充電可能であり、従来型のもの、例えば、非燃焼加熱デバイス、タバコ加熱デバイス、電子シガレット、および比較的短期間にわたって比較的高い電流の供給を必要とする他の用途(例えば、リチウムイオン電池)など、エアロゾル供給システムにおいて通常使用される種類のものであってもよい。電源26は、再使用可能な部分のハウジング内の、例えばマイクロUSBまたはUSB-Cコネクタを備える、充電コネクタ(図示せず)を介して充電されてもよく、このコネクタはまた、コントローラ22とスマートフォンまたはパーソナルコンピュータなどの外部処理デバイスとの間のデータ転送のためのインターフェースを提供し得る。
【0021】
ユーザ入力ボタン14が任意選択的に設けられてもよく、このボタンは、本例では、例えば電気接点を確立するためにユーザによって押圧され得るばね取付け型構成要素を備える、従来の機械式ボタンである。これに関して、入力ボタン14は、ユーザ入力を検出するための入力デバイスとみなされてもよいが、ボタンが実装される具体的な方法は重要ではない(例えば、静電容量式タッチセンサおよび/またはタッチ感知式ディスプレイ要素を備えてもよい)。複数のそのようなボタンが設けられてもよく、エアロゾル供給システム1のオンオフの切替え、ならびに、電源26からエアロゾル生成器48に供給される電力、消耗部分についての加熱期間、および/または1つまたは複数のデバイスモードの選択などのユーザ設定の調節といった機能に、1つまたは複数のボタンが割り当てられる。しかしながら、ユーザ入力ボタンを含むことは任意選択であり、いくつかの実施形態では、そのようなボタンは含まれなくてもよい。
【0022】
いくつかの例では、任意選択のディスプレイユニット16が、再使用可能なデバイス部分2のハウジングの外面に設けられてもよい。ディスプレイユニット16は、含まれる場合、コントローラ22に接続された画素化または非画素化ディスプレイユニット(例えば、単一のLED、LEDのアレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電子インクディスプレイを含む)を備えてもよい。当業者は、当技術分野で知られているあらゆる手法に従ってそのようなディスプレイを実装してもよい。そのようなディスプレイは、エアロゾル供給システム1の使用に関する使用情報をユーザに表示するために使用されてもよい。任意選択のディスプレイユニット16によってユーザに表示され得る使用情報の例示的な形態が、本明細書でさらに説明される。ディスプレイは、統合されたユーザ入力機能を備えてもよく(例えば、ディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイユニットを備えてもよく)、そのような実施形態では、別個のユーザ入力ボタン14は省略されてもよい。
【0023】
少なくとも1つの視覚インジケータ/視覚フィードバックインジケータ28が設けられてもよく、これは、ディスプレイ16に加えてまたはディスプレイ16の代わりに、再使用可能なデバイス部分2のハウジングの外面上で視認可能なディスプレイ領域を含む視覚インジケータであり得、視覚インジケータ28は、デバイスの動作またはステータスの1つまたは複数の態様に関する視覚フィードバックをユーザに提供するように構成される。そのような視覚フィードバックは、例えば、システムがオンであるのかオフであるのか、選択された動作モード、どのくらいの電荷もしくはエアロゾル生成材料がシステム内に残っているのか、加熱要素の温度、または(例えば、本明細書でさらに説明される空気流センサから導出される)ユーザがデバイスで吸入している強さに関する情報、あるいは、残りの加熱時間、または既存の残りの加熱時間の変更など、消耗部分の加熱期間に関する情報を含み得る。そのような情報は、エアロゾル供給デバイスでのパフまたはセッションの前、最中、および/または後に示されてもよい。そのような情報を表示するために使用される視覚インジケータは、例えば、LCD、LED、OLED、AMOLED、ELD、PDP、電子インクディスプレイ、または当業者に知られている任意の他の形態の画素化ディスプレイパネルを含む、複数の画素を含むディスプレイパネルを備えてもよい。追加的または代替的に、視覚インジケータ28は、1つまたは複数のLEDなど、1つまたは複数の非画素化ディスプレイ要素を備えてもよい。視覚インジケータ28が1つまたは複数のLEDを備える場合、各LEDの色は、当業者に知られているLED色のセットの中から選択されてもよく、および/または、2つ以上の色を示すように構成されたLEDが使用されてもよい(例えば、1つまたは複数のRGB LEDが使用されてもよい)。
【0024】
コントローラ22は、本明細書でさらに説明される本開示の実施形態による機能を提供するために、ならびにそのようなデバイスを制御するための確立された技法に沿ってエアロゾル供給システムの従来の動作機能を提供するために、エアロゾル供給システムの動作を制御するように適切に構成/プログラムされる。コントローラ(プロセッサ回路)22は、エアロゾル供給システム1の動作の異なる態様に関連付けられた様々なサブユニット/回路要素を論理的に備えると考えられ得る。本例では、コントローラ22は、ユーザ入力に応答して電源26からエアロゾル生成器48への電力供給を制御するための電源制御回路、ユーザ入力に応答して構成設定(例えば、ユーザが規定した電力設定)を確立するためのユーザプログラミング回路、ならびに、ディスプレイ駆動回路およびユーザ入力検出回路など、本明細書で説明される原理およびエアロゾル供給システムの従来の動作態様による他の機能ユニット/回路関連機能を備える。コントローラ22の機能は、様々な異なる方法で、例えば、所望の機能を提供するように構成された1つまたは複数の適切にプログラムされたプログラマブルコンピュータおよび/または1つまたは複数の適切に構成された特定用途向け集積回路/回路/チップ/チップセットを使用して提供され得ることが理解されよう。コントローラ22は、Bluetooth(登録商標)、近距離通信(NFC)、またはZigbee(登録商標)などの無線転送プロトコルを介して、再使用可能なデバイス部分2とスマートフォンまたはパーソナルコンピュータなどの外部コンピューティングデバイス(図示せず)との間のデータの転送を可能にする、無線トランシーバおよび関連する制御回路を備えてもよい。コントローラ22はまた、データの記憶および転送のための確立された技法に従って、エアロゾル供給システムの使用に関連付けられたデータを記憶するために使用することができる1つまたは複数のデータ記憶要素(例えば、ROMまたはRAM要素などのメモリ要素)を備える。本開示の全体を通して、(i)パラメータおよびデバイスモードの選択などのユーザ入力が、再使用可能なデバイス部分2のユーザ入力インターフェースに提供され、(ii)再使用可能なデバイス部分2のディスプレイ上で情報がユーザに表示され、(iii)(例えば、消耗品についての加熱時間の決定に関する)情報がコントローラ22によって処理される動作が言及されるとき、これらの機能のうちの1つまたは複数は、エアロゾル供給システムがエアロゾル送達システム1と外部電子デバイスとの間の有線または無線データインターフェースを使用する有線または無線通信プロトコルを介して接続するように構成された外部電子デバイス(例えば、スマートフォン、再充填/充電ドックまたはケース、パーソナルコンピュータ(PC)、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)あるいはサーバ)によって行われてもよいことが理解されよう。したがって、コントローラ22に組み込まれた無線トランシーバは、Bluetooth、ZigBee、WiFi、Wifi Direct、GSM、2G、3G、4G、5G、LTE、NFCもしくはRFIDモジュール、または当業者に知られている任意の他の無線通信モジュール、および/あるいはUSB-C、マイクロUSB、Thunderboltまたは他の有線インターフェースなどの有線インターフェースを備え得る。したがって、外部電子デバイス(例えば、スマートフォン)上で提供されたユーザ入力は、本明細書に記載のエアロゾル送達デバイス1の動作の任意の態様を制御するためにエアロゾル送達デバイスのコントローラ22に送信されてもよい。情報/データの処理は、コントローラ22によって外部電子デバイスに送信された情報に基づいて、外部電子デバイス(例えば、スマートフォン)のプロセッサ/コントローラを介して行われてもよく、処理された情報/データ、またはそのような処理に基づく制御パラメータが、コントローラ22に返送されて、コントローラ22がデータ/パラメータに基づいてエアロゾル送達システムの動作を変更することを可能にする。本明細書に記載のエアロゾル送達システムの動作に関する視覚的、聴覚的、または触覚的な通知/指示の提供は、コントローラ22によって外部電子デバイスに送信された指示関連情報/データに基づいて外部電子デバイス(例えば、スマートフォン)によって行われてもよい。したがって、一般に、ユーザ入力、データ処理、およびユーザへの指示の提供に関する本明細書で説明される任意の機能は、有線または無線コンピューティングネットワーク上に分散されたデバイス/コンピューティングノードが、異なるデバイス/ノード間でシステムの機能を分散するためにデバイス/ノード間でデータを送信し得る方法と同様の方法で、有線または無線データ接続を介して外部電子デバイスに「オフロード」され得る。
【0025】
再使用可能なデバイス部分は、複数回のパフを含むセッションにわたって消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することによって、(エアロゾル生成システム1が使用されるときのエアロゾル生成材料44の消尽の速度であると考えられ得る)エアロゾル生成材料のエアロゾル化の速度を推測する手段を含む。これは、本明細書でさらに説明されるように、例えば、消耗部分を通る空気流、消耗部分の温度、消耗部分を加熱するために供給される電力のレベル、および/または消耗部分の加熱の時間の測定値を監視することによって達成され得る。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、再使用可能なデバイス部分2は、コントローラ22に電気的に接続され、空気入口24と吸い口41との間の空気流路の一部と流体連通する、圧力センサ(例えば、MEMS圧力センサ)または流量センサ(例えば、マイクロフォンまたは熱線風速計)などの空気流センサ30を備えてもよい。空気流センサ30は、例えば、空気入口チャネル25もしくはチャンバ50の壁に設けられてもよく、および/または、少なくとも部分的に、空気入口チャネル25もしくはチャンバ50によって画定された空気流経路の一部に、もしくは空気流経路の一部にわたって延びてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス内の空気流路の一部における空気流の温度が決定されるのを可能にする、空気流および温度複合センサが使用される。いくつかの実施形態では、空気流センサは、空気流センサ30からの信号が、ユーザがいつデバイスを吸っているか、ならびに任意選択的に、圧力および/または空気流速度によって示されるパフの強さを検出するためにコントローラ22によって使用されるという点で、いわゆる「パフセンサ」を備える。いくつかの実施形態では、(例えば、コントローラ22が、空気入口24と吸い口41との間の空気流路内の圧力および/または流量を示す空気流センサ30からの信号が予め規定された閾値を上回ると決定することによる)ユーザパフの検出は、エアロゾル生成器/ヒータ48への電力の供給を制御することによって加熱を開始するためにコントローラ22によって使用される。言い換えれば、ヒータ/デバイスは、「パフ作動」すると考えられ得る。したがって、コントローラ22は、少なくともコントローラ22によって空気流センサ30から受信された信号に応じて、電源26からエアロゾル生成器48に電力を分配し得る。他の実施形態では、エアロゾル生成器48への電力の供給は、他の手段によって(例えば、ボタン14もしくはタッチスクリーンディスプレイ16上のユーザ入力を検出することによって、または、例えば、チャンバ50に関連付けられた機械的スイッチもしくは静電容量式センサを含む適切なセンサを介して、消耗部分がチャンバ内に受容されたことを検出することによって)開始される。空気流センサを含むことは任意選択であり、いくつかの実施形態では空気流センサは含まれず、エアロゾル生成の速度に関する情報が、本明細書でさらに説明されるように、別の方法でコントローラ22に提供されることが理解されよう。24。コントローラ22は、デバイスとのユーザ対話に関連する信号を受信したことに基づいて消耗品の加熱を開始するように構成され、信号は、ユーザが制御入力を提供したことを示す、ユーザ入力インターフェース(例えばボタン14)からの信号、エアロゾル送達システムを通る空気流量の変化を示す、エアロゾル送達システムに備えられる空気流センサ30からの信号、または消耗品がデバイスに結合されたことを示す、エアロゾル送達システムに備えられる消耗品センサ(図示せず)からの信号のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0026】
空気流センサを使用してエアロゾル生成材料44のエアロゾル化の速度に関する情報(例えば、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータ)をコントローラ22に提供することに加えて、またはその代わりに、そのような情報は、消耗部分が加熱されている間にヒータ48の温度を監視することに基づいて、消耗部分の温度を検知/測定/監視すること、または消耗部分の温度を推測することによって提供されてもよい。したがって、エアロゾル生成器48が消耗部分を加熱するように構成される場合、エアロゾル生成器48、および/もしくはチャンバ50の加熱領域53、または消耗部分の一部、あるいは再使用可能なデバイス部分2の任意の部分の温度は、ヒータ48とは別個であるかまたはヒータ48に一体化されてもよい1つまたは複数の温度センサ(図示せず)を使用してコントローラ22によって検出されてもよい。他の実施形態では、ヒータ48は、温度を検知するためにヒータ48が使用されることを可能にするように構成される。例えば、エアロゾル生成器48に備えられる加熱要素は、その抵抗が温度とともに変動するような抵抗温度係数特性を有する材料を含んでもよい。コントローラ22は、知られている手法によって(例えば、基準抵抗器回路を使用して、電流検知抵抗器の両端の電圧測定によって決定された、知られている電流で、ヒータの両端の電圧を決定することによって)加熱要素48の抵抗を決定し、測定された抵抗に基づいてエアロゾル生成器48の温度を推定するために、加熱要素抵抗を温度にリンクする実験またはモデリングによって導出されたルックアップテーブルにおいてヒータ抵抗を調べ得る。代替的に、または追加として、サーミスタなどの1つまたは複数の温度検知要素が、加熱領域53の近傍に配置されてもよく(例えば、チャンバ50の加熱領域53を含む管に取り付けられるか、または管の中に埋め込まれてもよく)、前記サーミスタは、コントローラが消耗部分および/または加熱領域53の温度を監視するか、あるいはヒータ48の温度を直接監視することを可能にするためにコントローラ22に接続される。空気入口チャネル25内の空気の温度も、同様の方法で1つまたは複数の温度センサ(例えば、温度圧力複合センサまたはサーミスタ)によって監視され得る。いくつかの実施形態では、直接空気流と温度測定値の両方を含む消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することができる一体型圧力および温度センサが設けられる。いくつかの実施形態では、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータは、別個のまたは一体型の圧力および温度センサによって提供される、温度と空気流量の両方の測定値の、コントローラ22によって計算された関数である。例えば、計算されたパラメータは、それぞれ温度および空気流量を表すパラメータの測定値の和または積を含むことがあり、これは、実験およびモデリングに基づいて当業者によって確立された適切な係数によってスケーリングされ得る。エアロゾル分析装置によってデバイスからのエアロゾル生成の速度を別々に測定する間に、複数回のパフにわたる消耗部分の加熱中に温度および空気流センサを使用して温度および空気流量を監視するために、実験が行われてもよい。温度および空気流量の関数をエアロゾル生成速度プロファイルにフィッティングして、温度および空気流量(または、これらのパラメータのうちのいずれか1つ)に関してエアロゾル生成速度を記述するフィッティングされた関数を得ることができる。パラメータは、離散パラメータ/変数(例えば、セッションにおける/消耗部分の加熱を開始してからの累積パフ回数など)、または連続パラメータ/連続変数を表すパラメータ(例えば、本明細書でさらに説明されるように、エアロゾル送達システムを通る瞬時もしくは積分空気流量、または消耗部分/加熱要素の温度に関するパラメータ、または加熱要素に送達される電力のレベルなど)であってもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、パラメータは、(本明細書でさらに説明される空気流検出/測定手法を使用して)エアロゾル送達システム/消耗部分を通る空気流を検出することに基づいて決定される、累積吸入時間を表す連続パラメータである。いくつかの実施形態では、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータは、消耗部分の加熱を開始してから行われた、複数回のパフを含む離散数のパフを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、消耗部分がチャンバ50に挿入される再使用可能な部分2のアパーチャ51は、扉(図示せず)によって開閉されてもよく、扉は、開位置にあるとき、消耗部分を再使用可能なデバイス部分2に挿入することを可能にするように、閉位置と開位置との間で移動可能である。扉は、再使用可能なデバイス部分の吸い口端面と同一平面上にあってもよく、開位置と閉位置との間で軸線に沿って摺動するか、または開位置と閉位置との間で回転するように構成される。ばねまたは磁石は、ユーザが扉を開位置または閉位置のいずれかに摺動させるまたは回転させると、扉をいずれかの位置に保持するように、扉を開位置および閉位置に付勢し得る。
【0028】
本明細書でさらに説明されるように、再使用可能な部分2は、典型的には、消耗品チャンバ50の加熱領域53の近傍に位置するエアロゾル生成器48を備える。本開示の実施形態で説明されるように、エアロゾル生成器は、例えば加熱によって、消耗部分内でエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された要素または装置である。したがって、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器48は、エアロゾル生成材料から1つまたは複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを生じさせるように、消耗部分内のエアロゾル生成材料を熱エネルギーに供するよう構成されたヒータを備える。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、加熱せずにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成される。例えば、エアロゾル生成器48は、消耗部分内のエアロゾル生成材料を、振動、圧力上昇、または静電エネルギーのうち1つまたは複数に供して、エアロゾル生成材料を揮発させるように構成されてもよい。
図1に示されているような2部分デバイスにおいて、エアロゾル生成器48の部分は、再使用可能なデバイス部分2および/または消耗部分のいずれかの中にあってもよいことが理解されよう。いくつかの例では、消耗部分は、電動式エアロゾル生成器(例えば、ヒータ)を含むカートリッジを備えてもよく、再使用可能なデバイス部分2内のエアロゾル生成器48に加えて、またはその代わりに、再使用可能なデバイス部分2は、消耗部分がチャンバ50内に完全にまたは部分的に受容されると消耗部分内のエアロゾル生成器を再使用可能なデバイス部分内の電源26およびコントローラ22と電気的に接続する、チャンバ50内に設けられた電気接点を含む電気インターフェースを備え得ることが、さらに理解されよう。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの加熱要素を備えるエアロゾル生成器48は、使用時に、チャンバ/受容凹部50の加熱領域53に熱エネルギーを供給するように構成された中空の内部加熱チャンバを有する円筒管として形成され、チャンバ/受容凹部に、エアロゾル生成材料43を含む消耗部分が加熱のために挿入される。本明細書でさらに説明されるように、加熱要素は、チャンバ50を含む管の一部を直接形成してもよく、または、チャンバ50を含む管の加熱領域53の周りもしくは近くに設けられてもよい。エアロゾル生成器/ヒータ48のための様々な構成が可能である。いくつかの実施形態では、ヒータ48は、単一の加熱要素(例えば、抵抗性トレース、トラックおよび/または巻線)を備えてもよく、または、チャンバ50の長手方向軸に対して長手方向もしくは横方向(例えば、半径方向)に整列した複数の加熱要素から形成されてもよい。ヒータ48に備えられる1つまたは複数の加熱要素の各々は、その周囲の周りで環状もしくは管状、または少なくとも部分的に環状もしくは部分的に管状であってもよい。1つまたは複数の加熱要素は、例えばポリイミドフィルムを備える耐熱性基板上に1つまたは複数の抵抗トラックを備える1つまたは複数の薄膜ヒータを備え得る。1つまたは複数の加熱要素は、例えば窒化アルミニウムまたは窒化ケイ素セラミックを含むセラミック材料を含んでもよく、セラミック材料は、1つまたは複数の発熱層と積層され、焼結されて、当技術分野で知られている手法に従ってヒータを形成し得る。例えば誘導加熱要素、赤外線放射を放射することによって加熱する赤外線加熱要素、または、例えば抵抗電気巻線によって形成された抵抗加熱要素を含む他のヒータ構成が可能である。後者の場合、抵抗巻線は、セラミック、金属もしくは耐熱ポリマー管の周りに設けられてもよいし、そのような管内に埋め込まれてもよく、管は、加熱領域53内の空洞に熱を放射するために、チャンバ50の加熱領域53を含むか、または加熱領域の周りに配置される。バッテリー26は、必要に応じて電力を供給し、制御回路22の制御下で消耗品内のエアロゾル化可能な材料を加熱するために(本明細書でさらに説明されるように、エアロゾル化可能な材料を燃焼させることなくエアロゾル化可能な材料を揮発させるために)、加熱要素に電気的に結合される。
【0030】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器48に備えられる少なくとも1つの加熱要素は、消耗部分の少なくとも一部を受容するチャンバ50の壁の一部を含む、例えばステンレス鋼で形成された熱伝導管によって支持され、熱伝導管を取り囲む。加熱要素に近接する管の少なくとも一部は、チャンバ50の加熱領域53を含むと考えられ得る。チャンバ50を含む管の内径は、管に挿入される消耗部分の直径に対してサイズ決定される。管は、消耗部分がチャンバ50内に摺動されると、吸い口41に対して遠位の端部が、消耗部分がチャンバ50内への移動の終わりに到達するにつれてわずかに半径方向に圧縮され、消耗部分をチャンバ50内で柔らかに保持させるように、アパーチャ51におけるより広い直径から、アパーチャ51に対して遠位のチャンバの基部におけるより狭い直径まで、わずかにテーパし得る(図示せず)。この構成は、例えば、使用中に再使用可能なデバイス部分が反転した場合に消耗品が再使用可能なデバイス部分から誤って滑り落ちることを防止することができる。チャンバ50はまた、消耗部分がチャンバ50内に容易に案内されることを可能にするために、アパーチャ端部においてわずかにフレア状であるか、または面取りされ得る。したがって、チャンバ50は、使用中にエアロゾル生成材料を含む消耗部分を支持するための細長い支持体として機能し得る。加熱領域53内のチャンバ50の直径は、一般に、消耗部分の直径と厳密に一致するように選択され、これは、消耗部分の外部表面とチャンバ50の加熱領域53の内部表面のかなりの部分との間の接触を確実にし、これにより、エアロゾル生成器48に備えられる1つまたは複数の加熱要素から消耗部分への熱の効率的な熱移動が可能になる。
【0031】
エアロゾル生成器48がヒータを備える実施形態では、チャンバ50の加熱領域53を含む管は、ヒータ48から消耗部分に熱を移動させる材料を含み、一般に、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、鋼、平炭素鋼、軟鋼、フェライト系ステンレス鋼、モリブデン、銅、および青銅からなる群から選択される1つまたは複数の材料など、金属または金属合金を含む。他の実施形態では、チャンバ50の加熱領域53を含む管の区画は、熱伝導性である限り、異なる材料から作製されてもよい。他の実施形態では、他の加熱要素48が使用され得る。例えば、加熱要素48は、再使用可能な部分2内に設けられた駆動コイル(図示せず)など、1つまたは複数の磁場発生器によって生成された磁場に曝されたときに誘導によって加熱されるサセプタ(例えば、チャンバ50を含む管の一部)を備え得る。
【0032】
典型的には、エアロゾル生成器48が1つまたは複数の加熱要素を備える場合、エアロゾル生成器48は、消耗品が再使用可能なデバイス部分2に挿入されたとき、消耗部分内の実質的にすべてのエアロゾル生成材料を使用時に加熱することができるように、消耗部分内のエアロゾル生成材料の分布に対して寸法決定される(例えば、チャンバ50の軸線に沿った加熱領域53の長手方向範囲は、消耗部分が使用のためにチャンバ50内に受容されたとき、消耗部分内のエアロゾル生成材料43の分布の長手方向範囲と一致してもよい)。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器48に備えられる1つまたは複数の加熱要素は、消耗部分内のエアロゾル生成材料の選択されたゾーン/領域が、(例えば、加熱領域53を含むチャンバ50の長さに沿って、独立して制御可能な加熱要素を分布させることによって)例えば必要に応じて順番に(経時的に)または一緒に(同時に)、独立して加熱され得るように構成され得る。
【0033】
本明細書でさらに述べるように、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器48は、チャンバ50の加熱領域53を含むか、加熱領域に埋め込まれるか、または加熱領域を取り囲む中空円筒管の形態である。加熱領域53を含む管の内部によって形成されたチャンバは、典型的には、(拡張領域/チャンバと呼ばれることもある)チャンバ50の非加熱領域52を介して再使用可能なデバイス部分2の吸い口端部におけるアパーチャ51と流体連通している。そのような実施形態では、非加熱領域52は、アパーチャ51に隣接するかまたはアパーチャを含む第1の開口端と、チャンバ50の加熱チャンバ領域53に隣接する第2の開口端とを有する管状本体を備える。このように、非加熱領域52および加熱領域53は、端と端をつなげて構成されたチャンバ50の管状部分と考えられ得る。一般に、拡張領域52の直径と加熱領域53の直径は、拡張領域と加熱領域との間の界面において一致し、消耗部分の非吸い口端部が非加熱領域52を通って加熱領域53内に円滑に通過することを確実にする。チャンバ50を含む管の非加熱/拡張領域52および加熱領域53は、別々に形成され、機械的接合プロセスによって接続されるか、または一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、非加熱領域52は、アパーチャ51に対して開くにつれて広がるフレア区画(図示せず)と、加熱領域53との界面に近接した実質的に一定の内径の区画とを備える。
【0034】
いくつかの実施形態では、消耗部分は、消耗部分が再使用可能なデバイス部分2内に挿入されたときにチャンバ50の加熱領域53内にある消耗部分の一区画において、吸い口41に対して遠位の端部においてエアロゾル生成材料43を有するかまたは含む、円筒状ロッドの形態である。具体例を提供するために、一実施形態では、消耗部分は、直径約8mm、長さ約84mmである。再使用可能なデバイス部のチャンバ50の深さは、消耗部分が使用のためにチャンバ50に挿入されると消耗部分の吸い口端部41が典型的にはアパーチャから(例えば、10mm、20mm、30mm、または30mmより長く)延びるように、消耗部分の長さに対してサイズ決定される。したがって、消耗部分の吸い口端部は、典型的には再使用可能なデバイス部分2からアパーチャ51の外に延びる。消耗部分は、吸い口41とエアロゾル生成材料43の領域との間に設けられた、エアロゾルを濾過/冷却するためのフィルタ/冷却要素44を含み得る。消耗部分は、典型的には、紙材料、および/または金属箔、および/またはNatureflex(商標)などのポリマーフィルムを含み得る包装材/外層(図示せず)に周方向に巻き付けられる。消耗部分の外層は、エアロゾル生成材料43からの一部の加熱された揮発成分が吸い口41に到達する前に消耗部分2から漏出するのを可能にするように透過性であってもよい。いくつかの実施形態では、包装材は、エアロゾル生成材料43の近傍に、サセプタとして機能するように構成された金属材料を含んでもよく、このサセプタは、誘導加熱によってエアロゾル生成材料43を加熱するように、再使用可能なデバイス部分2内の1つまたは複数の磁場発生器/駆動コイル(図示せず)を介した誘導によって加熱される。例えば、そのような実施形態では、エアロゾル生成器48は、消耗部分内のエアロゾル生成材料43の加熱を誘導するために、消耗品の金属包装材の誘導加熱を誘導するように構成された1つまたは複数の磁場発生器/駆動コイル、および/または、消耗部分内のエアロゾル生成材料43内に埋め込まれた1つまたは複数のサセプタ要素を備えてもよい。上記で説明された消耗部分の構成は例示的なものであり、当業者であれば、当技術分野で知られている手法に従って消耗部分の全体的な構造を変更し得ることが理解されよう。
【0035】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器48は、(本明細書でさらに説明される、加熱のための手法に従って)消耗部分に熱を移動させるように構成された少なくとも1つの加熱要素と、(本明細書でさらに説明される手法に従って)消耗部品に備えられる少なくとも1つのサセプタ要素を誘導加熱するように構成された少なくとも1つの磁場発生器/駆動コイルとを備える。そのような実施形態では、エアロゾル生成材料43は、複数のエアロゾル生成材料を含んでもよく、少なくとも第1のエアロゾル生成材料は、エアロゾル生成器48から消耗部分に移動する熱によって加熱され、少なくとも第2のエアロゾル生成材料は、消耗品内または消耗品上に備えられる1つまたは複数のサセプタによって加熱される。
【0036】
典型的には、ヒータ48によるエアロゾル生成材料43の加熱によって生成される加熱された揮発成分のための一次流路は、軸方向に消耗部分を通り、フィルタ/冷却要素44(含まれる場合)を通り、吸い口41の開口端を通ってユーザの口に向かう。しかしながら、揮発成分の一部は、消耗部分から漏出してその透過性の外側包装材を通り、非加熱チャンバ領域52内の消耗部分を取り囲む空間(例えば、非加熱/拡張チャンバ領域53のフレア部分において消耗品の外面とチャンバ50の内面との間の任意選択の隙間(図示せず)によって形成される空間)に向かう場合がある。
【0037】
本明細書で使用される、「エアロゾル生成材料」43という用語は、典型的には、加熱時に、典型的には蒸気またはエアロゾルの形態で揮発成分を提供する材料を含む。「エアロゾル生成材料」は、非タバコ含有材料またはタバコ含有材料であってもよい。「エアロゾル生成材料」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨化タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコまたはタバコ代替物のうちの1つまたは複数を含んでもよい。エアロゾル生成材料は、粉砕タバコ、カットラグタバコ、押出タバコ、再生タバコ、再生エアロゾル生成材料、液体、ゲル、非晶質固体、ゲルシート、粉末、または凝集体などの形態であり得る。「エアロゾル生成材料」はまた、製品に応じてニコチンを含有する場合もしない場合もある、他の非タバコ製品を含み得る。「エアロゾル生成材料」は、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、またはジエチレングリコールなど、1つまたは複数の保湿剤を含んでもよい。
【0038】
上述したように、エアロゾル生成材料43は、「非晶質固体」を含み得、これは、代替的に、「モノリシック固体」(すなわち、非繊維状)または「乾燥ゲル」と呼ばれることがある。非晶質固体は、非晶質固体中に液体などの何らかの流体を保持し得る固体材料である。場合によっては、エアロゾル生成材料は、約50重量%、60重量%または70重量%の非晶質固体から、約90重量%、95重量%または100重量%の非晶質固体までを含む。場合によっては、エアロゾル生成材料は非晶質固体からなる。
【0039】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は非液体エアロゾル生成材料であり、再使用可能なデバイス部分は、非液体エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためのものである。
【0040】
消耗部分に含まれる1つまたは複数の活性成分/物質は、ユーザにおいて生理学的および/または嗅覚応答を達成するために、エアロゾル化可能な材料に含まれる1つまたは複数の生理学的および/または嗅覚活性成分を含み得る。いくつかの実施形態では、活性成分は生理学的活性成分であり、ニコチン、ニコチン塩(例えば、ニコチンジタートレート/ニコチンビタートレート)、ニコチンを含まないタバコ代替物、カフェインなどの他のアルカロイド、カンナビノイド、またはそれらの混合物から選択され得る。カンナビノイドは、脳内の神経伝達物質の放出を抑制する細胞内のカンナビノイド受容体(すなわち、CB1およびCB2)に作用する天然または合成化学化合物のクラスである。最も重要なカンナビノイドのうちの2つは、テトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)である。カンナビノイドは、大麻などの植物から(フィトカンナビノイド)、動物から(エンドカンナビノイド)天然に存在するものと、人工的に製造されるもの(合成カンナビノイド)があり得る。カンナビノイドは、血液脳関門を容易に通過する能力、弱い毒性、および少ない副作用など、特定の特性を示す環状分子である。大麻種は、少なくとも85種の異なるフィトカンナビノイドを発現し、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノールおよびカンナビノジオール、ならびに、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)およびカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロル(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、およびテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)など、他のカンナビノイドを含むサブクラスに分けられる。
【0041】
消耗部分内のエアロゾル生成材料の揮発性成分のすべて、または実質的にすべてが使い果たされると、ユーザは、消耗部分を再使用可能なデバイス部分2から取り外し、消耗部分を廃棄してもよい。その後、ユーザは、再使用可能なデバイス部分2を別の消耗部分とともに再使用してもよい。しかしながら、他のそれぞれの実施形態では、消耗部分および再使用可能なデバイス部分2は、エアロゾル生成材料の揮発性成分が消費された後にまとめて廃棄されてもよい。消耗部分は、単一の加熱サイクル(例えば、210秒の作動持続時間)にわたって加熱され、使い果たされるように構成された一定分量のエアロゾル生成材料43で構成され得るか、または複数の加熱サイクルにわたって使い果たされるように構成された一定分量のエアロゾル生成材料43で構成され得る。後者の場合、消耗部分は、再使用可能な消耗部分であると考えられ得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、消耗部分は、消耗部分とともに使用可能である再使用可能なデバイス部分2とは別々に販売、供給、またはその他の方法で提供されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、再使用可能なデバイス部分2、および消耗部分のうちの1つまたは複数は、場合によっては洗浄器具などの追加の構成要素とともに、キットまたはアセンブリなどのシステムとして、まとめて提供されてもよい。
【0043】
本発明者らは、エアロゾル生成材料のエアロゾル化の速度および/またはエアロゾル生成材料の消尽の速度に関する情報に基づいて、エアロゾル生成材料を含む消耗部分の加熱についての目標時間が調節可能であることが好適であり得ることを認識した。タバコなどのエアロゾル生成材料の漸進的な燃焼によってエアロゾルを生成する、シガレットなどの従来の喫煙品では、エアロゾルが生成される速度、およびエアロゾル生成材料が燃焼によって消費される/消尽される速度は、燃焼の速度に依存する。燃焼速度が増加すると、エアロゾル生成が増加し、同時に、エアロゾル生成材料を消尽するのにかかる時間が低減する。燃焼の速度は、他の要因の中でも、喫煙品を通る空気流量の関数である。したがって、より長く深いパフを行う従来の可燃性喫煙品のユーザは、一般に、比較的短く浅いパフを行うユーザよりも早く個々の喫煙品を使い果たすことがある。本発明者らは、消耗品についての加熱サイクルの持続時間とユーザがデバイスを吸う方法との間の関係に関して同様のユーザ体験を提供するように、電子エアロゾル送達デバイスを制御することが望ましい場合があることを認識した。これは、従来の喫煙品から電子エアロゾル送達デバイスに移行しようとしているユーザをサポートするために、電子エアロゾル送達デバイスを使用する経験を、従来の喫煙品の使用により類似したものに感じさせることができる。
【0044】
したがって、消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達システムが提供され、エアロゾル送達システムは、消耗部分の加熱を開始することと、消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、ユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて、消耗部分を加熱するのを停止することとを行うように構成されたコントローラを備える。
【0045】
図2は、本開示による、エアロゾル送達システムの動作のための手法を概説するフローチャートを示し、この手法に従って、第1のステップS1において消耗部分の加熱が開始される。第2のステップS2において、複数回のパフにわたって、消耗部分の加熱中に、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータが監視される。第3ステップS3において、パラメータが閾値に達したとき、消耗部分の加熱が停止される。本開示の実施形態では、閾値は予め規定される。
【0046】
したがって、本開示の実施形態では、ユーザが本明細書でさらに説明される手法に従って(例えば、パフ検出によって、ボタンもしくは他のユーザ入力インターフェース上のユーザ入力の検出によって、または消耗部分が使用のために再使用可能なデバイス部分に結合されていることを検出したことによって)消耗部分からのエアロゾルの生成を開始することを望むことを示すユーザ入力を検出すると、コントローラ22は、消耗部分またはその領域の加熱を開始して、消耗部分に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する。コントローラは、加熱終了条件が満たされると、消耗部分を加熱するためにヒータに電力を供給するのを停止するようにさらに構成され、加熱終了条件は、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づく。
【0047】
コントローラ22がヒータに電力を供給して消耗部分からエアロゾルを生成させている間、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータがコントローラによって監視される。本明細書でさらに説明されるように、パラメータは、(専用の温度センサによって決定される、またはヒータ抵抗に基づいてヒータ温度を推測するためにヒータの抵抗温度係数(TCR)特性を使用する)ヒータの温度であるか、または(温度センサによって決定される)消耗品の温度であってもよい。パラメータは、ヒータに供給される電力のレベル、例えば、目標温度または設定点温度(Tset)を維持するために必要な電力のレベルであってもよい。温度測定値を含むパラメータは、ヒータおよび/または消耗部分の冷却の速度がデバイス/消耗部分を通る空気流の関数であることに基づいて、ユーザ吸入に関連付けられる。したがって、空気流量がより高い場合、消耗品/ヒータの冷却の速度は、一般に、より高くなり得る。消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータは、本明細書でさらに説明されるように、圧力センサ、マイクロフォン、または熱線風速計など、空気流センサによって決定される、空気流量であってもよい。
【0048】
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むことなく、本発明者らは、エアロゾル生成材料を含む消耗部分でのユーザ吸入の速度が、一般に、消耗部分内のエアロゾル生成材料の消尽の速度に関連し得ることを認識した。したがって、ユーザが、複数のパフを含む消耗部分の使用セッション中に、より強く、および/またはより長いパフの間吸入する場合、消耗部分は、一般に、ユーザが、消耗品での使用セッション中に、あまり強くなく、および/またはより短いパフの間吸入する場合よりも(例えば、エアロゾル生成材料の供給が消尽されるという観点から)早く使い果たされることになり得る。したがって、セッション中の消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを考慮に入れることによって、加熱持続時間は、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて推測されるように、セッション中の消耗部分の消尽の速度を考慮に入れるように動的に調節され得る。
【0049】
したがって、本開示のいくつかの実施形態では、コントローラは、消耗部分の加熱の開始後の経時的な消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを積分し、パラメータの積分が予め規定された閾値に達したとき、消耗部分を加熱するのを停止するように構成される。パラメータは、当業者に知られている任意の適切な手法に従って積分され得る。例えば、コントローラ22が所与のクロック速度で動作する場合、ユーザ吸入の量に関連するパラメータの値は、クロックサイクルごとに(またはj番目のクロックサイクルごとに、ここで、jはクロックサイクルの整数である)測定され得、経時的なパラメータの積分は、例えば、定積分を推定するための台形公式を使用して、後続の測定間のパラメータの差と、前記測定間の経過時間に応じて計算される。これらの実施形態では、各クロックサイクル中に(またはj番目のクロックサイクルごとに)、コントローラ22は、経過した加熱持続時間にわたる(すなわち、加熱が開始されてからクロックサイクルごとに計算された積分を合計することによる)ユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分を、予め規定された閾値と比較し、積分が予め規定された閾値を超える場合、コントローラ22は、消耗部分を加熱するためにヒータに電力を供給するのを停止する。
【0050】
図3は、n回のパフのセッションを含む、経時的なn回のパフのシーケンスを概略的に示す。Y軸は、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを示し、この例におけるパラメータは、コントローラがセッション中に空気流センサの出力を監視することに基づいて確立される、消耗部分/エアロゾル送達システムを通る空気流量を含む。この例では、消耗部分の加熱がT=0において(すなわち、X軸とY軸との交点において)開始されると仮定される。各パフ中に、空気流量は上昇し、そして下降し、パフ間の空気流量は0である。
図4は、
図3から認識され、n回のパフの同じセッションを概略的に示し、加熱持続時間にわたる空気流量の積分は、空気流量プロファイルの下の斜線エリアによって示される。T=T
threshに対応する時間において、コントローラは、ユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分(すなわち、経時的な空気流量の積分)が予め規定された閾値に達した/を超えたと決定し、ヒータに電力を供給するのを停止して、消耗部分からエアロゾルを生成する。
図4に示されている例では、T
threshは、ユーザパフ中に下降する。いくつかの実施形態では、コントローラは、ユーザにとって有害な経験を回避するために、(例えば、空気流センサの出力が閾値を下回ることによって決定される)T
threshが下降したパフが終了した後にのみ、消耗部分を加熱するために電力を供給するのを停止するように構成され、それにより、ユーザがパフを行っている間にエアロゾル生成が止まる。
【0051】
コントローラ22は、いくつかの異なる方法で、積分されたユーザ吸入パラメータの予め規定された閾値を確立し得る。例えば、エアロゾル送達システムの再使用可能なデバイス部分2は、消耗部分が再使用可能なデバイス部分内に受容されたとき、消耗部分から識別子を受容するように構成された回路を備えてもよく、識別子は、閾値についての値を直接符号化するか、または、閾値についての適切な値を識別するためにコントローラ22がテーブル(例えば、ルックアップテーブル)もしくは他のデータ構造と相互参照することができる識別子を含む。識別子は、消耗デバイス部分の外表面に印刷された光学的に読取り可能な識別子(例えば、QRコード(登録商標)またはバーコード)を含んでもよく、この識別子は、コントローラ22に結合された光学センサによって読み取られ、消耗部分が再使用可能なデバイス部分内に受容されたときに識別子が光学センサに近接するように配置される。光学センサは、識別子の画像を取り込むために識別子を照らす光源を備え得る。代替的に、消耗部分は、消耗部分内または上に含まれる無線周波数識別(RFID)タグまたは近距離通信(NFC)タグを備えてもよく、消耗部分が再使用可能なデバイス部分内に受容されたときにRFIDまたはNFCタグから識別子を含むデータを読み取るために、RFIDまたはNFCリーダモジュールが、再使用可能なデバイス部分内に配置され、コントローラに接続される。他の例では、ユーザは、エアロゾル送達デバイスまたは関連する電子デバイスのユーザ入力インターフェースを使用して(例えば、エアロゾル送達システムのコントローラ22へのデータ接続リンクを有するスマートフォン上で実行しているアプリケーション(APP)を介して閾値を選択することによって)閾値を入力するか、または予め規定された閾値セットのうちの1つを選択してもよい。他の例では、予め規定された閾値は、製造の際にコントローラ22について確立され、エアロゾル送達システム内に受容され、エアロゾル送達システムによって加熱される消耗部分に関係なく使用されるデフォルト値を表す。
【0052】
予め規定された閾値(または所与の消耗部分に関連する識別子に基づいて選択されるか、もしくはユーザ入力を介して選択され得る、複数の予め規定された閾値)は、実験もしくはモデリングに基づいて、またはユーザによるエアロゾル送達システムの前の使用の分析によって確立され得る。例えば、所与の消耗部分のために使用すべき閾値は、デバイス内に受容された消耗部分と同じタイプの消耗部分を使い果たすのに必要なユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分の特性値に基づいて確立され得る。したがって、実験室において、第1のタイプの異なる消耗部分は、標準的な電力送達プロファイル(例えば、ヒータに送達される一定の電力、またはヒータに送達される予め規定された時間変動加熱プロファイル)を使用して、本開示によるエアロゾル送達システムによって加熱されてもよく、第1のタイプの異なるサンプル消耗部分は、エアロゾル化のためにどのくらいのエアロゾル生成材料が消耗部分内に残っているかを決定するために分析される前に、加熱プロファイル中に、消耗部分を通る積分された空気流の異なる合計値を受ける。使用すべき積分された空気流の適切な予め規定された閾値は、例えば、(例えば、エアロゾルがもはや生成されないとき、もしくはエアロゾル生成の速度が閾値を下回ったとき、または、閾値を上回る、加熱の望ましくない副産物が生成されたと決定されたとき、エアロゾル生成材料の100%消尽が生じると仮定されるように、加熱されている間に消耗部分によって経時的に生成されたエアロゾルの量を定量化することによって決定される)消耗部分内のエアロゾル生成材料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の特有の消尽に対応するように確立された積分された空気流の量に基づいて決定され得る。
【0053】
他のコンテキストでは、コントローラ22は、ユーザから(例えば、ボタンによって)ユーザ入力を受信することによって、使用すべき積分された空気流量の適切な閾値を「学習」し得る。例えば、ユーザは、1つまたは複数の「トレーニング」加熱サイクルを使用することによって適切な閾値を使用するようにコントローラ22をトレーニングし得、消耗部分からエアロゾルを生成するためにヒータへの電力の供給が開始され、ユーザは、消耗品が消尽し、(例えば、エアロゾルの量および/または質が低下しているため)もはや加熱されるべきではないと考えると、コントローラに示すためにユーザ入力(例えば、ボタン押下)を提供する。コントローラは、消耗品が消尽したことを示すためにユーザがユーザ入力を提供する時点まで、加熱の開始後の加熱持続時間にわたって空気流量(または本明細書で説明されるユーザ吸入の量に関連する他のパラメータ)を積分し得る。ユーザがこの入力を提供する時点における空気流量の積分は、コントローラ22によって保存され、その後の加熱期間/セッションにおいてヒータへの電力の供給を停止するための予め規定された閾値として、その後使用され得る。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態では、コントローラは、加熱を停止するためにコントローラ22によって2つの条件が使用可能である方式を適用し得、一方の条件は、本明細書でさらに説明されるように消耗品でのユーザ吸入の量に関連する積分されたパラメータに基づき、他方は、加熱の開始からの経過時間に基づく。したがって、いくつかの実施形態では、経過した加熱時間の閾値は、その閾値が満たされた場合、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分が予め規定された閾値に達していない場合でも、コントローラがヒータに電力を供給するのを停止するように、加熱の開始後にコントローラによって課されてもよい。経過した加熱時間の閾値は、実験に基づいて決定され得、いくつかの例では、エアロゾル送達システムによって消耗部分を加熱するために使用される所与の電力送達プロファイルを使用して消耗部分を消尽するのにかかる時間量に対応し得、それにより、その時間は、システムを通る空気流がない場合に消耗部分を消尽するのにかかる時間である(ここで、消耗部分を消尽すること/使い果たすことは、本明細書で説明されるように規定される)。
【0055】
本開示の他の実施形態では、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータは、本明細書でさらに説明されるように、コントローラ22が消耗品の加熱中に温度センサの出力を監視することに基づいて決定される、消耗部分またはヒータに関連する温度を含む。消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータとして温度が使用される場合、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づく加熱持続時間の制御は、以下の任意選択の変更を伴う、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータが空気流センサの出力に基づく実施形態について説明されたのと同じ方法で行われてもよい。
【0056】
図5は、
図3および
図4から認識され、
図3および
図4のパフと同じタイミングを有するパフの時系列を示す。しかしながら、
図5の例では、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータは、消耗部分または消耗部分を加熱するために使用されるヒータに関連する温度を含む。この例では、ヒータに固定レベルの電力が供給され、第1のパフ「パフ1」の左側の上昇温度プロファイルによって示されるように、ヒータ/消耗品の温度を予め規定された定常状態加熱温度Temp
setまで上昇させる(ただし、特定の加熱プロファイルは重要ではない)。ヒータに供給される電力のレベルは一定であるため、この例におけるヒータの温度は、ユーザ吸入の量(例えば、空気流量)に応じて変動する。したがって、加熱中のヒータ/消耗品の実際の温度間の差は、ユーザ吸入の量を示す。これは
図5に概略的に示されており、n回のパフの各々の間に、ヒータ/消耗品の温度は、空気流がない場合の定常値(例えば、Temp
set)から、低減した値に低下し、ここで、温度の低下は冷却の速度に(すなわち、消耗部分を通る/消耗部品上の空気流量に)比例する。
図6は、
図5から認識され、空気流がない場合のヒータ/消耗品温度の定常状態値の積分(すなわち、Temp
setの積分)と、本明細書に記載の手法を使用するヒータおよび/または消耗品の温度測定によって決定されるヒータ/消耗品の実際の温度の積分との間の差を、斜線を使用して概略的に示す。
図3および
図4に関連して説明された実施形態のように、時間T=T
threshにおいて、コントローラ22は、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分(この例では、温度パラメータを含み、積分は、実際の温度および定常状態温度Temp
setの積分の間の差である)が、予め規定された閾値に達したと決定し、エアロゾル送達システムのヒータへの電力の供給を停止することを決定する。本明細書でさらに説明されるように、電力の供給はT
threshが下降するパフの間停止されてもよいし、パフは、電力の供給が停止される前に(例えば、ヒータの温度がTemp
setに戻ることに基づいて決定されるように)終了することを可能にされ得る。
【0057】
予め規定された閾値のために使用するのに適した値は、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータが空気流量である実施形態に関して既に説明されたように確立されてもよく、したがって、消耗部分の知られている消尽特性に基づいて、制御された実験室環境において確立されてもよく、または、ユーザが本明細書でさらに説明されるようにエアロゾル送達システムのコントローラ22をトレーニングすることによって(例えば、ユーザが、消耗部分が消尽したと決定されたときに入力を提供し、ユーザ入力が将来の加熱サイクルについての予め規定された閾値として提供される時点における実際のヒータ/消耗品温度およびTempsetの積分の対応する差を使用することによって)確立されてもよい。Tempsetの値は、一定であってもよいし、時間とともに変動してもよく、消耗部分/エアロゾル送達システムを通る空気流がないという条件下でコントローラによって使用されるヒータ制御特性(例えば、固定電力または時間変動電力)の下でのヒータ/消耗部分の温度(例えば、消耗品を通る空気の質量流量による空冷がないときの定常状態温度)を表す。Tempsetは、実験またはモデリングに基づいて当業者によって確立され得、時間変動し得る。
【0058】
他の実施形態では、ヒータ電力は、温度の設定点(Tset)を決定し、(例えば、当業者に知られているパルス幅変調手法を使用して)消耗部分の加熱持続時間中に設定点を維持しようとするために様々なレベルの電力をヒータに供給することに基づいて、制御され得る。そのような例では、温度は空気流によって変動しない場合がある(ただし、冷却効果を補償するために、ヒータ温度が上昇する前に温度がわずかに低下する場合がある)が、消耗品でのユーザ吸入の増加によりヒータ/消耗品の冷却の速度が増加するにつれて、温度の設定点を維持するためにヒータに送達される電力は増加する。したがって、温度の設定点を維持するためにヒータに送達される電力の量は、そのような実施形態では、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータとして使用されてもよく、本明細書でさらに説明されるように、積分された電力を予め規定された閾値と比較することに基づいて、いつ加熱を停止すべきかを決定するために積分され得る。予め規定された閾値の適切な値は、制御された実験室環境において、本明細書でさらに説明されるように消耗部分の知られている消尽特性に基づいて確立され、または、本明細書でさらに説明されるようにユーザがエアロゾル送達システムのコントローラ22をトレーニングすることによって(例えば、消耗部分が消尽したと決定されたときにユーザが入力を提供することによって)、およびユーザ入力が予め規定された閾値の値として提供される時点でヒータに送達される積分された電力を使用して、確立され得る。
【0059】
したがって、消耗部分についての総加熱持続時間の値が、固定されないか、またはさもなければ加熱を開始する前に規定され、ユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分の関数である、実施形態が説明された。
【0060】
本開示の他の実施形態では、コントローラ22は、消耗部分の加熱の開始から経過した持続時間を決定することに基づいて、消耗部分を加熱するのを停止する。この経過時間は、ユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視し、任意選択的に、そのパラメータを制御パラメータと比較することに基づいて、加熱中に変更され得る。
【0061】
したがって、本開示のいくつかの実施形態によれば、コントローラは、消耗部分の加熱を開始する前に、消耗部分についての加熱持続時間の最初に規定された値を確立することと、消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて、消耗部分の加熱中に、加熱持続時間を、最初に規定された値から調節することと、消耗部分の加熱を開始してから、調節された加熱持続時間が経過した後に、消耗部分を加熱するのを停止することとを行うように構成される。
【0062】
本開示のいくつかの実施形態では、コントローラは、消耗部分の加熱中に、加熱持続時間の最初に規定された値と、消耗部分の加熱を開始してから経過した時間とに基づいて、消耗部分についての残りの加熱持続時間を決定することと、本明細書で説明される、ユーザ吸入の量に関連するパラメータを制御パラメータと比較して、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの値が制御パラメータの値よりも大きい場合、消耗部分についての残りの加熱持続時間を短縮し、または、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの値が制御パラメータの値よりも小さい場合、消耗部分についての残りの加熱持続時間を増加させ、調節された残りの加熱持続時間を取得することと、調節された残りの加熱持続時間が経過したとき、ヒータに電力を供給するのを停止することとを行うように構成される。
【0063】
加熱持続時間の最初に規定された(すなわち、予め規定された)値は、複数のパフを含むセッション中に消耗部分に熱を供給するためにエアロゾル送達システムによって使用される加熱プロファイルに基づいて所与のタイプの消耗部分を消尽する/使い果たすのにかかる特性時間期間に基づいて、消耗部分について確立され得る。特性時間期間は、平均的なユーザパフ頻度、持続時間、および吸う強さに基づく、消耗部分を消尽するのにかかる時間に基づいて確立され得る。これは、複数のユーザについて収集された実験データに基づくか、または、エアロゾル送達システムの特定のユーザの(平均的なユーザパフ頻度、持続時間、および吸う強さに関して)特有のセッション挙動に基づいてもよい。したがって、本開示によるエアロゾル送達システムとともに使用するために設けられる消耗部分は、各々、予め規定された/最初に規定された加熱持続時間に関連付けられてもよい。この持続時間は、製造の際にコントローラ22において設定されてもよく(例えば、ここで、エアロゾル送達システムが単一のタイプの消耗部分を使用するように構成される)、または、最初に規定された加熱持続時間は、例えば、本明細書で説明されるように、最初に規定された加熱持続時間を消耗部分識別子(例えば、QRコード、RFIDまたはNFCタグ)で符号化し、消耗部分が使用のためにエアロゾル送達システムに結合されたとき、コントローラ22において、最初に規定された加熱持続時間を受信すること(または、消耗部分に関連付けられた固有の識別子を使用してテーブルもしくは他のデータ構造において、最初に規定された加熱持続時間を調べること)によって、異なる消耗部分について個々に設定されてもよい。したがって、コントローラ22は、本明細書の他の実施形態において適切な予め規定された閾値を確立するために説明された方法と同様の方法で、消耗部分のために使用する適切な最初に規定された加熱持続時間を確立し得る。他の例では、最初に規定された加熱持続時間は、例えば、複数の以前のセッションの平均加熱持続時間に基づいて、以前の使用情報に基づいてコントローラ22によって決定されてもよく、または、ユーザ入力インターフェースを介してユーザによって手動で入力されてもよい。
【0064】
本開示の実施形態では、制御パラメータが決定されてもよく、制御パラメータは、場合によっては、ユーザによるエアロゾル送達デバイスの以前の使用の実験または分析に基づいて決定される、加熱持続時間にわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの平均値を含む。いくつかの実施形態では、制御パラメータを決定するために使用されるこの加熱持続時間は、本明細書でさらに説明されるように、最初に規定された加熱持続時間に対応する。いくつかの実施形態では、加熱持続時間は、本明細書でさらに説明される、消耗部分を消尽すること/使い果たすことを決定するための手法に従って決定される、消耗部分が消尽される/使い果たされるのにかかる特性加熱持続時間である。したがって、制御パラメータは、複数回のパフにわたるユーザ吸入の量が与えられた場合に消耗部分を消尽するのにかかる特性時間にわたる、前記複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の前記量に関連するパラメータの平均値(例えば、平均空気流量、平均温度、または平均電力)を表してもよく、多くの消耗部分で多くのセッションにわたってとられた平均を含み得る。
【0065】
本開示の実施形態によれば、コントローラは、加熱持続時間の最初に規定された値よりも短い積分時間にわたって、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分を、制御パラメータの積分と比較するように構成され、かつ、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分が制御パラメータの積分よりも大きい場合、加熱持続時間を、最初に規定された値から(または、以前の積分時間において行われた決定に基づいて計算された、以前に変更された加熱持続時間から)短縮すること、または、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分が制御パラメータの積分よりも小さい場合、加熱持続時間を、最初に規定された値から(または、以前の積分時間において行われた決定に基づいて計算された、以前に変更された加熱持続時間から)増加させることを行うように構成される。一般に、そのような実施形態におけるコントローラは、増加したまたは短縮された残りの持続時間にわたる制御パラメータの積分が、積分時間にわたる消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分と積分時間にわたる制御パラメータの積分との間の差に比例する量だけ増加するまたは低減されるように、残りの加熱持続時間の増加または短縮を行うように構成される。
【0066】
図7は、上記で説明された方式の一例を概略的に示し、加熱を開始する前に設定された、最初に規定された加熱持続時間の値が、T=0から最初に規定された終了時間「T
end,1」まで延びる持続時間である。消耗部分の加熱がT=0において(例えば、X軸とY軸との交点において)開始され、コントローラは、加熱の開始からの経過時間をカウントし始め、加熱を停止するための条件は、経過時間が、予め規定された終了時間T
end,1に達したことである。(
図7に概略的に示されている)積分時間にわたって、コントローラは、(i)消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの値(この例では空気流量であるが、本明細書で説明される消耗品でのユーザ吸入の量に関連する任意のパラメータであり得る)と、(ii)本明細書でさらに説明される制御パラメータ(ここではA
controlとして示されている)の両方を積分し、これらの2つの積分間の差を計算する。この差は、積分時間にわたる空気流プロファイルの斜線領域として概略的に示されている。この例では、実際の空気流量の積分は、空気流量についての制御パラメータの積分よりも高く、したがって、加熱の残りの持続時間(すなわち、コントローラがヒータに電力を供給するのを停止するまでの時間)は、元の終了時間T
end,1が新しい終了時間T
end,2に更新されるように短縮され、T
end,2は、期間T
end,2およびT
end,1にわたるA
controlの積分が、積分時間にわたる、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分と制御パラメータの積分との間の差に等しくなるように、選択される。コントローラのクロックサイクルごとに、またはj番目のクロックサイクルごとに、この手順に従うことができ、したがって、加熱の残りの持続時間は加熱中に動的に調節される。いくつかの実施形態では、加熱持続時間は、消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータの積分が制御パラメータの積分よりも低い場合、延長することができる。最初に規定された加熱持続時間を考慮に入れ、次いで、これが加熱中にユーザ吸入の特性に基づいて調節されることを可能にするそのような方式は、所与のタイプの消耗部分の消尽までの特性加熱持続時間に関する以前に決定された情報が、このタイプの消耗部分をどのように加熱するかを決定するために使用されることを可能にする(例えば、消耗部分は、1、2、3、4、5、もしくは6分の加熱持続時間、または消耗部分の特性に応じた任意の他の適切な持続時間を特徴的に有し得る)が、次いで、この時間が、予め規定された持続時間が基づくユーザ吸入の特有の/推定されたパターンからユーザ吸入特性が逸脱した(すなわち、「平均」使用パターンから逸脱した)場合に調節されることを可能にするので、好適と考えられ得る。予め規定された持続時間が本明細書に記載の手法に従って増加され得るまたは短縮され得る量は、コントローラによって、予め規定された持続時間の上および/または下の予め規定された持続時間の特定の割合(例えば、予め規定された持続時間の1%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、または50%)に制限され得る(すなわち、加熱中の持続時間を延長することのみが可能であり得る、もしくは減少させることのみが可能であり得るか、または、持続時間の延長もしくは減少を行うことが可能であり得る)。予め規定された持続時間の上または下の調節の限界に達すると、コントローラは、消耗部分を通る空気流に関係なく、その限界を超えるさらなる調節を許可しない場合がある。
【0067】
本開示の実施形態では、消耗部分についてのユーザによる使用の特有の/平均のパターンに関する情報がユーザに示され得る。本明細書でさらに説明されるように、所与のタイプの消耗部分からのユーザに利用可能なパフの特徴的な回数に関する情報が、製造の際に予め規定されてもよく、または、(例えば、消耗部分が使い果たされる前に所与のタイプの消耗部分から特徴的に得られる、パフ頻度、パフ持続時間、吸う強さ、およびパフの回数に関して)エアロゾル送達システムの使用の監視から導出されてもよい。そのような監視は、特定のエアロゾル送達システムの単一のユーザについて、または複数のエアロゾル送達システムから情報を収集することによって複数のユーザについて行われてもよい。1人または複数のユーザの使用挙動を監視することから得られたデータが、(例えば、エアロゾル送達システム上のディスプレイによって、エアロゾル送達システムへのデータ接続を有するコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)上のアプリによって、またはエアロゾル送達システムもしくは接続されたコンピューティングデバイスのいずれかによって提供される触覚もしくは可聴指示によって)ユーザに提供する1つまたは複数の指示を決定するために使用され得る。例えば、使用の監視が、(例えば、1人または複数のユーザによって複数の消耗部分にわたって計算される、各個別の消耗部品について利用可能なパフの平均回数として決定される)所与のタイプの消耗品からユーザに利用可能なパフの平均回数に関する情報を提供する場合、この情報は、視覚、触覚、または可聴指示によってユーザに示され得る。この情報は、ユーザによって照会されるか、または、例えばエアロゾル送達システムへの未使用の消耗部分の挿入などのトリガに応答して自動的に提供されてもよい。
【0068】
本明細書で説明された実施形態では、消耗部分からエアロゾルを生成するためにヒータに電力を供給することが参照された。本開示の実施形態では、消耗部分は、複数のヒータによって、または単一のヒータの異なる加熱領域によって選択的に加熱されてエアロゾルを生成することができる複数の異なる領域を含み得ることが理解されよう。そのような実施形態では、加熱が開始され、開始からの経過持続時間の後に停止され、この持続時間が消耗品でのユーザ吸入の量に関連するパラメータに依存する、本明細書に記載の制御方式は、消耗品の複数の領域、例えば第1および第2の選択的加熱可能領域の各々に関して、別々に適用され、連続してまたは並列にのいずれかで適用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、コントローラは、消耗部分の第1の領域の加熱を開始することと、消耗部分の第1の領域の加熱中に、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、ユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて、消耗部分の第1の領域を加熱するのを停止することと、消耗部分の第2の領域の加熱を開始することと、消耗部分の第2の領域の加熱中に、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、ユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて、消耗部分の第2の領域を加熱するのを停止することとを行うように構成され得る。
【0069】
したがって、消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達システムが説明され、エアロゾル送達システムは、消耗部分の加熱を開始することと、消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、ユーザ吸入の量に関連するパラメータに基づいて、消耗部分を加熱するのを停止することとを行うように構成されたコントローラを備える。
【0070】
本明細書で説明される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を助けるためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的および/または排他的ではない。本明細書で説明される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって規定された本発明の範囲に対する制限または特許請求の範囲の均等物に対する制限とみなされるべきではなく、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用されてもよく、修正が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に説明されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの適切な組合せを適切に含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる場合がある。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達システムであって、前記エアロゾル送達システムが、
前記消耗部分の加熱を開始することと、
前記消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、
ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分を加熱するのを停止することと
を行うように構成されたコントローラを備える、エアロゾル送達システム。
【請求項2】
前記監視されるパラメータが連続パラメータを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項3】
前記監視されるパラメータが、前記消耗部分の加熱に関連する温度を含む、請求項2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項4】
前記エアロゾル送達システムがヒータを備え、前記温度が前記ヒータの温度を含む、請求項3に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項5】
前記パラメータが、前記消耗部分を加熱するために使用される電力のレベルを含む、請求項1または2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項6】
前記エアロゾル送達システムが、前記消耗部分の温度を測定するように構成された温度センサを備え、前記パラメータが、前記センサによって測定された前記消耗部分の温度を含む、請求項3に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項7】
前記デバイスが、前記消耗部分を通る空気流を測定するように構成された空気流センサを備え、前記パラメータが、前記空気流センサによって測定された、前記消耗部分を通る空気流量を含む、請求項2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項8】
前記デバイスが、前記消耗部分を通る空気流を検出するように構成された空気流センサを備え、前記パラメータが、前記消耗部分の加熱の開始からの、前記空気流センサによって測定された前記消耗部分を通る空気流の累積持続時間を含む、請求項2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項9】
前記コントローラが、ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータを制御パラメータと比較することと、
前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの値が前記制御パラメータの値よりも大きい場合、前記消耗部分についての残りの加熱持続時間を短縮することと
を行うように構成され、前記コントローラが、前記残りの加熱持続時間が経過したとき、前記消耗部分を加熱するのを停止するように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項10】
前記コントローラが、ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータを制御パラメータと比較することと、
前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの値が前記制御パラメータの値よりも小さい場合、前記消耗部分についての残りの加熱持続時間を増加させることと
を行うように構成され、前記コントローラが、前記残りの加熱持続時間が経過したとき、前記消耗部分を加熱するのを停止するように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項11】
前記コントローラが、前記パラメータを経時的に積分し、前記パラメータの前記積分が予め規定された閾値に達したとき、前記消耗部分を加熱するのを停止するように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項12】
前記予め規定された閾値または制御パラメータの値が、前記消耗部分に関連する識別情報に基づいて所与の消耗部分について確立される、請求項
9に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項13】
前記予め規定された閾値または制御パラメータの値が、前記エアロゾル送達システムに関連するユーザ入力インターフェースへのユーザ入力に基づいて確立される、請求項
9に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項14】
前記閾値が、前記消耗部分を使い果たすために必要とされるユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの前記積分の特性値に基づいて確立される、請求項1
1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項15】
前記コントローラが、
前記消耗部分の加熱を開始してから加熱持続時間が経過した後に前記消耗部分を加熱するのを停止することと、
前記消耗部分の加熱を開始する前に、前記加熱持続時間の最初に規定された値を確立することと、
前記消耗部分でのユーザ吸入の前記量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分の加熱中に、前記加熱持続時間を、前記最初に規定された値から調節することと
を行うように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項16】
前記制御パラメータが、前記構成部分が使い果たされる特性加熱持続時間にわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連する前記パラメータの平均値を含む、請求項
9、1
0、1
2または1
3のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項17】
前記消耗部分の複数の異なる領域を選択的に加熱するように構成され、前記コントローラが、
前記消耗部分の第1の領域の加熱を開始することと、
前記消耗部分の前記第1の領域の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、
ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分の前記第1の領域を加熱するのを停止することと、
前記消耗部分の第2の領域の加熱を開始することと、
前記消耗部分の前記第2の領域の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、
ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分の前記第2の領域を加熱するのを停止することと
を行うように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項18】
消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達デバイスであって、前記エアロゾル送達デバイスが、
前記消耗部分の加熱を開始することと、
前記消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視することと、
ユーザ吸入の量に関連する前記パラメータに基づいて、前記消耗部分を加熱するのを停止することと
を行うように構成されたコントローラを備える、エアロゾル送達デバイス。
【請求項19】
消耗部分を加熱してエアロゾルを生成するように、コントローラを備えるエアロゾル送達システムを制御する方法であって、前記方法が、
前記消耗部分の加熱を開始するステップと、
前記消耗部分の加熱中に、複数回のパフにわたる前記消耗部分でのユーザ吸入の量に関連するパラメータを監視するステップと、
前記パラメータが閾値に達したとき、前記消耗部分を加熱するのを停止するステップと
を行うように前記コントローラを動作させることを含む、方法。
【請求項20】
プロセッサによって実行されると請求項
19に記載の方法を実施する命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】