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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】電池及び電力消費機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20250204BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20250204BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20250204BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20250204BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20250204BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20250204BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20250204BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20250204BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20250204BHJP
   H01M 10/6235 20140101ALI20250204BHJP
   H01M 10/623 20140101ALI20250204BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20250204BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20250204BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20250204BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20250204BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/209
H01M50/55 101
H01M50/293
H01M50/291
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/625
H01M10/6235
H01M10/623
H01M10/615
H01M10/6556
H01M10/6561
H01M10/6567
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543361
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2022107443
(87)【国際公開番号】W WO2024016329
(87)【国際公開日】2024-01-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 占宇
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲興▼地
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】秦 峰
(72)【発明者】
【氏名】黄 小▲騰▼
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA01
5H040AA14
5H040AA28
5H040AA29
5H040AS05
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS14
5H040AS19
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040LL01
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA01
5H043AA05
5H043AA08
5H043AA11
5H043AA13
5H043CA05
5H043DA08
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池(10)と電力消費機器を提供する。該電池(10)は、筐体(11)と、筐体(11)に収容される複数の電池セル列であって、電池セル列は第1の方向に沿って配列される複数の電池セル(20)を含み、複数の電池セル列は第2の方向に沿って配列され、第2の方向は第1の方向に垂直であり、電池セル(20)は第1の壁(201)を含み、第1の壁(201)に電極端子(214)が設置される、電池セル列と、接続バー(101)であって、接続バー(101)は第2の方向に延伸しており、且つ第2の方向に沿って配列される複数の電池セル列における複数の電池セル(20)の第1の壁(201)に接続される、接続バーと、を含む。本出願の実施例による技術案は、電池(10)の構造強度とエネルギー密度を向上させることによって、電池(10)の性能を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(10)であって、
筐体(11)と、
前記筐体(11)に収容される複数の電池セル列であって、前記電池セル列は第1の方向(x)に沿って配列される複数の電池セル(20)を含み、複数の前記電池セル列は第2の方向(y)に沿って配列され、前記第2の方向(y)は前記第1の方向(x)に垂直であり、前記電池セル(20)は第1の壁(201)を含み、前記第1の壁(201)に電極端子(214)が設置される、電池セル列と、
接続バー(101)であって、前記接続バー(101)は前記第2の方向(y)に延伸しており、且つ前記第2の方向(y)に沿って配列される複数の前記電池セル列における複数の前記電池セル(20)の前記第1の壁(201)に接続される、接続バーと、を含むことを特徴とする電池(10)。
【請求項2】
前記接続バー(101)は、前記電池セル列における隣接する二つの前記電池セル(20)の前記第1の壁(201)に接続される中部接続バー(101a)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池(10)。
【請求項3】
前記接続バー(101)は、前記電池セル列において前記第1の方向(x)の端部に位置する前記電池セル(20)の第1の壁(201)に接続される端部接続バー(101b)を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池(10)。
【請求項4】
前記中部接続バー(101a)は前記隣接する二つの前記電池セル(20)の隣接する二つの前記電極端子(214)の間に設置される、ことを特徴とする請求項2に記載の電池(10)。
【請求項5】
前記接続バー(101)は金属材料板である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項6】
前記接続バー(101)の表面に絶縁層が設置されている、ことを特徴とする請求項5に記載の電池(10)。
【請求項7】
前記接続バー(101)は非金属材料板である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項8】
前記接続バー(101)の内部にキャビティ(1013)が設置される、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項9】
前記キャビティ(1013)は前記電池セル(20)の温度を調節するように熱交換媒体を収容するために用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載の電池(10)。
【請求項10】
前記接続バー(101)は、第3の方向(z)におけるサイズTは0.5~30mmであり、前記第3の方向(z)が前記第1方向(x)と前記第2方向(y)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項11】
第3の方向(z)における前記接続バー(101)のサイズTと前記電池セル(20)の重量Mは、0.05mm/kg<T/M≦50mm/kgを満たし、前記第3の方向(z)は、前記第1の方向(x)と前記第2の方向(y)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項12】
0.05mm/kg<T/M≦30mm/kgである、ことを特徴とする請求項11に記載の電池(10)。
【請求項13】
前記電池セル(20)は前記電池セル(20)における表面積が最も大きい第2の壁(202)を含み、前記第2の方向(y)は前記第2の壁(202)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項14】
前記第2の方向(y)における前記接続バー(101)の端部は前記筐体(11)に固定される、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項15】
前記接続バー(101)は第3の方向(z)において対向して設置される第1の面(1011)と第2の面(1012)を含み、前記第1の面(1011)は前記第1の壁(201)に接続され、前記第2の面(1012)は前記筐体(11)に接続され、前記第3の方向(z)が前記第1方向(x)と前記第2方向(y)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項16】
前記筐体(11)は複数の前記電池セル列における各前記電池セル(20)の第3の壁(203)に接続される固定壁(112)を含み、前記第3の壁(203)は前記第1の壁(201)と第3の方向(z)に沿って隔離し且つ対向して設置され、前記第3の方向(z)は前記第1方向(x)と前記第2方向(y)に垂直である、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項17】
電力消費機器に前記電池(10)が設置されている場合、前記接続バー(101)は前記電池セル(20)の下方に位置し、前記固定壁(112)は前記電池セル(20)を吊り下げるためのものである、ことを特徴とする請求項16に記載の電池(10)。
【請求項18】
電力消費機器に前記電池(10)が設置されている場合、前記接続バー(101)は前記電池セル(20)の上方に位置し、前記固定壁(112)は前記電池セル(20)を支持するためのものである、ことを特徴とする請求項16に記載の電池(10)。
【請求項19】
前記接続バー(101)は前記第1の壁(201)に接着される、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の電池(10)。
【請求項20】
電力消費機器であって、請求項1~19のいずれか一項に記載の電池(10)を含み、前記電池(10)は、電気エネルギーを提供するためのものである、ことを特徴とする電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池及び電力消費機器に関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染の日々の深刻化に伴って、新エネルギー産業はますます人々の注目を集めている。新エネルギー産業において、電池技術は、その発展に係る重要な要素である。
【0003】
電池内部の空間利用率は電池の構造強度とエネルギー密度に影響を与え、さらに電池の性能に影響を及ぼす。そのため、如何にして電池の性能を向上させるかは、電池技術において早急な解決が待たれる技術課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、電池の構造強度とエネルギー密度を向上させることによって電池の性能を向上させることができる電池及び電力消費機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、電池を提供し、該電池は、筐体と、前記筐体に収容される複数の電池セル列であって、前記電池セル列は第1の方向に沿って配列される複数の前記電池セルを含み、複数の前記電池セル列は第2の方向に沿って配列され、前記第2の方向は前記第1の方向に垂直であり、前記電池セルは第1の壁を含み、前記第1の壁に電極端子が設置される、電池セル列と、接続バーであって、前記接続バーは前記第2の方向に延伸しており、且つ前記第2の方向に沿って配列される複数の前記電池セル列における複数の前記電池セルの前記第1の壁に接続される、接続バーと、を含む。
【0006】
本出願の実施例において、接続バーが、第2の方向に沿って配列される複数の電池セル列における複数の電池セルの、電極端子が設置される第1の壁と接続され、接続バーを介して複数の電池セルが一体として接続され、この場合、電池内には側板が設置されず、ビームなどの構造が設置される必要もなく、電池内部の空間利用率を大きい限度で向上させ、電池の構造強度とエネルギー密度を向上させることができる。そのため、本出願の実施例による技術案は、電池の性能を向上させることができる。
【0007】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーは、前記電池セル列における隣接する二つの前記電池セルの前記第1の壁に接続される中部接続バーを含む。
【0008】
中部接続バーは、電池セル列における隣接する二つの電池セルの第1の壁を接続し、それによって、電池セル列における隣接する二つの電池セルを接続することにより、電池セル列の構造強度を向上させる。
【0009】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーは、前記電池セル列において前記第1の方向の端部に位置する前記電池セルの第1の壁に接続される端部接続バーを含む。
【0010】
端部接続バーは、電池セル群において第1の方向の端部に位置する電池セルの第1の壁に接続されることで、電池セル群において第1の方向の端部に位置する電池セルの構造強度を向上させ、電池の構造強度を向上させる。
【0011】
一つの可能な実施形態では、前記中部接続バーは、前記隣接する二つの前記電池セルの隣接する二つの前記電極端子の間に設置される。
【0012】
中部接続バーは隣接する二つの電池セルの第1の壁に接続され、第1の壁に電極端子が設置されるため、接続バーを隣接する二つの電池セルの隣接する二つの電極端子の間に設置することで、接続バーが隣接する二つの電池セルを接続する時、電極端子をカバーすることを避け、電池の電気的な接続に影響することを避ける。
【0013】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーは金属材料板である。このようにして、接続バーの強度を保証することができる。
【0014】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーの表面に絶縁層が設置されている。接続バーの表面に絶縁層が設置されていることで、第1の壁に接続される接続バーの表面は絶縁面になることができる。
【0015】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーは非金属材料板である。
【0016】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーの内部にキャビティが設置される。第1のキャビティは接続バーの強度を保証するとともに、接続バーの重量を減らすことができる。
【0017】
一つの可能な実施形態では、前記キャビティは前記電池セルの温度を調節するように熱交換媒体を収容するために用いられ、このように、電池セルの温度を効果的に管理することができる。
【0018】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーは第3の方向におけるサイズTが0.5~30mmであり、前記第3の方向が前記第1方向と前記第2方向に垂直である。
【0019】
第3の方向における接続バーのサイズTが小さすぎる場合、接続バーの剛度が低いため、電池の構造強度を効果的に向上させることができなく、第3の方向における接続バーのサイズTが長すぎる場合、電池内部の空間を占有しすぎるため、電池のエネルギー密度を向上させるのに不利であり、そのため、第3の方向における接続バーのサイズTを0.5~30mmにすることで、電池のエネルギー密度を保証することができるとともに、電池の構造強度を向上させることができる。
【0020】
一つの可能な実施形態では、第3の方向における前記接続バーのサイズTと前記電池セルの重量Mは、0.05mm/kg<T/M≦50mm/kgを満たし、前記第3の方向は、前記第1の方向と前記第2の方向に垂直である。
【0021】
T/Mが大きすぎると、電池は重量エネルギー密度を損失するため、第3の方向における接続バーのサイズTと電池セルの重量Mを0.05mm/kg<T/M≦50mm/kgを満たすようにすることで、電池の重量エネルギー密度を保証する。
【0022】
一つの可能な実施形態では、0.05mm/kg<T/M≦30mm/kgであり、これにより、電池の重量エネルギー密度をさらに向上させる。
【0023】
一つの可能な実施形態では、前記電池セルは前記電池セルにおける表面積が最も大きい第2の壁を含み、前記第2の方向は前記第2の壁に垂直である。
【0024】
電池セルにおける表面積が最も大きい壁は、複数列の電池セルの配列方向に垂直であり、各列の電池セルにおける複数の電池セルの配列方向に平行であり、即ち、各列の電池セルにおける複数の電池セルが配列される時、隣接する二つの電池セルの表面積の小さい面は対向して配列され、複数列の電池セルが配列される時、隣接する二列の電池セルの表面積の最も大きい第2の壁は対向して配列され、このような配列方式は複数列の電池セルと電池における他の部材との組み立て及びレイアウトを容易にする。
【0025】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーを固定するために、前記第2の方向における前記接続バーの端部は前記筐体に固定される。
【0026】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーは第3の方向において対向して設置される第1の面と第2の面を含み、前記第1の面は前記第1の壁に接続され、前記第2の面は前記電池の筐体に接続され、前記第3の方向は前記第1方向と前記第2方向に垂直である。
【0027】
接続バーの第1の面は第1の壁に接続されて、接続バーの第2の面は筐体に接続されることにより、電池セルは接続バーを介して筐体に接続されて、電池セルを固定し、電池の構造強度を向上させることができる。
【0028】
一つの可能な実施形態では、前記筐体は複数の前記電池セル列における各前記電池セルの第3の壁に接続される固定壁を含み、前記第3の壁は前記第1の壁と第3の方向に沿って隔離し且つ対向して設置され、前記第3の方向は前記第1方向と前記第2方向に垂直である。
【0029】
固定壁は電池セルの第3の壁に接続されることにより、電池セルを固定し、電池の構造強度を向上させることができる。
【0030】
一つの可能な実施形態では、電力消費機器に前記電池が設置されている場合、前記接続バーは前記電池セルの下方に位置し、前記固定壁は前記電池セルを吊り下げるためのものである。
【0031】
接続バーは電池セルの下方に位置し、即ち、電池セルの電極端子は下向きであり、第3の方向において、電池セルの第1の壁は第3の壁の下方に位置し、固定壁は第3の壁に接続されて、電池セルを吊り下げる。この場合、電極端子が向いている壁は力受け壁ではなく、電極端子との間に大きな隙間をあける必要がないため、電池の空間を節約し、電池のエネルギー密度を向上させる。
【0032】
一つの可能な実施形態では、電力消費機器に前記電池が設置されている場合、前記接続バーは前記電池セルの上方に位置し、前記固定壁は前記電池セルを支持するためのものである。
【0033】
接続バーは電池セルの上方に位置し、即ち、電池セルの電極端子は上向きであり、第3の方向において、電池セルの第1の壁は第3の壁の上方に位置し、固定壁は第3の壁に接続されて、電池セルを支持し、電池の構造強度を向上させることができる。
【0034】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーは前記第1の壁に接着される。接着の方式で、接続バーと第1の壁は固定接続されており、構造が簡単で、加工と組み立てを容易にする。
【0035】
第2の態様によれば、電力消費機器を提供し、前記電力消費機器は、前記第1の態様又は第1の態様におけるいずれかの可能な実現形態における電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0036】
本出願の技術案において、接続バーが第2の方向に沿って配列される複数の電池セルの、電極端子が設置される第1の壁と接続され、接続バーを介して複数の電池セルが一体として接続され、この場合、電池内には側板が設置されず、ビームなどの構造が設置される必要もなく、電池内部の空間利用率を大きい限度で向上させ、電池の構造強度とエネルギー密度を向上させることができる。そのため、本出願の実施例による技術案は、電池の性能を向上させることができる。
【0037】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下に記述された図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。図面部分において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本出願の一実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
図3】本出願の一実施例による電池セルの分解構造概略図である。
図4】本出願の一実施例による電池の構造概略図である。
図5】本出願の一実施例による接続バーの概略構成図である。
図6】本出願の一実施例による電池の部分断面図である。
図7】本出願の一実施例による電池の部分断面図である。
図8】本出願の一実施例による電池の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面と実施例を結び付けながら本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例についての詳細な説明及び図面は、本出願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本出願の範囲を限定するものではなく、即ち本出願は、記述された実施例に限定されない。
【0040】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に指摘しない限り、使用される全ての技術と科学用語は、当業者に一般に理解される意味と同じである。使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とし、本出願を制限することを意図していない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。「複数」は二つ以上を意味する。「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、本出願の限定として理解されるべきではない。なお、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり、暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではないが、誤差の許容範囲内である。「平行」は、厳密な意味での平行ではないが、誤差の許容範囲内である。
【0041】
本出願に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に記述された実施例が他の実施例と組み合わされることが可能であることを明示的にと非明示的に理解する。
【0042】
以下の説明に現れる方位詞は、いずれも図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0043】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つの場合を表してもよい。また、本出願における文字「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0044】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体、又はその他の形状などをなしてもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、円筒型電池セル、直方体角形電池セルとパウチ電池セルの三つの種類に分けられ、本出願の実施例ではこれについても限定しない。
【0045】
本出願の実施例で言及される電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願で言及した電池は、電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的には、一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0046】
電池セルは電極アセンブリと電解液とを含み、電極アセンブリは正極板、負極板及びセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより作動する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0047】
様々な電力需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成してもよい。つまり、複数の電池セルは直接的に電池を構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池を構成してもよい。電池はさらに電力消費機器に設置され、電力消費機器のために電気エネルギーを提供する。
【0048】
電池技術の発展は、多方面にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レート、安全性などを同時に考慮する必要がある。ここで、電池の内部空間が決まった場合、電池の内部空間の利用率を向上させることは、電池のエネルギー密度を向上させる有効な手段である。しかしながら、電池の内部空間の利用率を向上させる一方、電池の構造強度を低減させる可能性がある。例えば、一般的には、電池筐体の内部に電池モジュールを吊り下げるためのビームが設置され、また、電池における電池モジュールに側板とエンドプレートが設置される。上記のビーム、側板とエンドプレートは電池の固定を実現すると同時に、電池の内部空間も占有する。しかしながら、ビーム、側板とエンドプレートが設置されないならば、電池の構造強度が不十分になり、電池の性能に影響を及ぼす。
【0049】
これに鑑みて、本出願の実施例は技術案を提供し、本出願の実施例において、接続バーが第2の方向に沿って配列される複数の電池セル列における複数の電池セルの、電極端子が設置される第1の壁と接続され、接続バーを介して複数の電池セルが一体として接続され、この場合、電池内には側板が設置されず、ビームなどの構造が設置される必要もなく、電池内部の空間利用率を大きい限度で向上させ、電池の構造強度とエネルギー密度を向上させることができる。そのため、本出願の実施例による技術案は、電池の性能を向上させることができる。
【0050】
本出願の実施例で説明された技術案はいずれも電池を使用する様々な装置、例えば、携帯電話、携帯型デバイス、ノートパソコン、電動スクーター、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙機などに適用でき、例えば、宇宙機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0051】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で記述された機器のみに適用できるというわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、電動車両を例にして説明する。
【0052】
例えば、図1に示すように、本出願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40、コントローラ30、及び電池10が設置されてもよく、コントローラ30は、電池10がモータ40に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は前部又は後部に電池10を設置することができる。電池10は、車両1への給電に用いることができる。例えば、電池10を車両1の操作電源として、車両1の電気回路システムに用いることができ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いることができる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0053】
様々な電力消費の需要を満たすために、電池10は複数の電池セルを含んでもよい。例えば、図2に示すように、本出願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、複数の電池セル20を含んでもよい。電池10は筐体11をさらに含んでもよく、筐体11の内部は中空構造であり、複数の電池セル20は筐体11内に収容される。例えば、複数の電池セル20は、互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続されて組み合わせた後に、筐体11内に置かれる。
【0054】
任意選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよいが、ここでは説明を省略する。例えば、この電池10は、複数の電池セル20同士の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのバスバー部品をさらに含んでもよい。具体的には、バスバー部材は、電池セル20の電極端子に接続されることで電池セル20の間の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定されることができる。複数の電池セル20の電気エネルギーは、さらに導電機構により筐体を貫通して引き出すことができる。任意選択的に、導電機構は、バスバー部材に属してもよい。
【0055】
様々な電力需要に応じて、電池単体20の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20を直列接続、並列接続、又は直並列接続することにより、大きい容量又は電力を実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い場合があり、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20で電池モジュールを構成してもよい。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は限定されず、需要に応じて設置すればよい。電池は、複数の電池モジュールを含んでもよく、これら電池モジュールは、直列、並列、又は直並列に接続することができる。
【0056】
図3に示すように、本出願の一実施例による電池セル20の構造概略図である。電池セル20は、一つ又は複数の電極アセンブリ22と、ケース211と、カバープレート212とを含む。ケース211とカバープレート212は、ハウジング又は電池ボックス21を形成する。ケース211の壁及びカバープレート212はいずれも電池セル20の壁と呼ばれ、ここで、直方体型の電池セル20に対し、ケース211の壁は、底壁と四つの側壁を含む。ケース211は、一つ又は複数の電極アセンブリ22を組み合わせた後の形状に基づいて決定され、例えば、ケース211は、中空の直方体又は立方体又は円筒体であってもよく、ケース211における一つの面は、一つ又は複数の電極アセンブリ22をケース211内に置くことが可能になるように、開口を有する。例えば、ケース211が中空の直方体又は立方体である場合、ケース211における一つの平面が開口面であり、即ち該平面は壁体を有しておらず、ケース211の内外を連通させる。ケース211が中空の円筒体である場合、ケース211の端面が開口面であり、即ち該端面は壁体を有しておらず、ケース211の内外を連通させる。カバープレート212は開口を覆い、且つケース211に接続されることによって、電極アセンブリ22を置くための密閉キャビティを形成する。ケース211内には、電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0057】
該電池セル20は、二つの電極端子214をさらに含んでもよく、二つの電極端子214はカバープレート212上に設置されてもよい。カバープレート212は、一般的には平板形状であり、二つの電極端子214は、カバープレート212の平板表面上に固定され、二つの電極端子214は、それぞれ正電極端子214aと負電極端子214bである。各電極端子214に対応してそれぞれ一つの接続部材23が設置され、又は集電部材23と呼ばれてもよく、それはカバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214との電気的接続を実現するためのものである。
【0058】
図3に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aと第2のタブ222aは、極性が逆である。例えば、第1のタブ221aが正極タブである場合、第2のタブ222aは負極タブである。一つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221aは一つの接続部材23を介して一つの電極端子に接続され、一つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブ222aはもう一つの接続部材23を介してもう一つの電極端子に接続される。例えば、正電極端子214aは一つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子214bはもう一つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0059】
該電池セル20において、実際の使用上の需要に応じて、電極アセンブリ22は一つ又は複数設置されてもよいが、図3に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極アセンブリ22が設置されている。
【0060】
電池セル20上に、放圧機構213がさらに設置されてもよい。放圧機構213は、電池セル20の内圧又は温度が閾値に達した時に作動して内圧又は温度を逃がすためのものである。
【0061】
放圧機構213はいかなる可能な放圧構造であってもよく、本出願の実施例ではこれについて限定しない。例えば、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部温度が閾値に達した時に溶融できるように構成される感温性放圧機構であってもよく、及び/又は、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部気圧が閾値に達した時に破裂できるように構成される感圧性放圧機構であってもよい。
【0062】
図4は、本出願の一実施例による電池10の構造概略図を示す。図4に示すように、電池10は、筐体11と、筐体11内に収容される複数の電池セル列と、接続バー101とを含む。
【0063】
電池セル列は第1の方向xに沿って配列される複数の電池セル20を含み、複数の電池セル列は第2の方向yに沿って配列され、第2の方向yは第1の方向xに垂直である。
【0064】
第1の方向xは電池10の電池セル列における複数の電池セル20の配列方向である。即ち、電池セル列における電池セル20は、x方向に沿って配列される。第2の方向yは電池10における複数の電池セル列の配列方向である。即ち、電池10における複数の電池セル列は、y方向に沿って配列される。
【0065】
電池セル20は、電極端子214が設置される第1の壁201を含む。接続バー101は第2の方向yに延伸しており、且つ第2の方向yに沿って配列される複数の電池セル列における複数の電池セル20の第1の壁201に接続される。
【0066】
本出願の実施例において、接続バー101が第2の方向yに沿って配列される複数の電池セル列における複数の電池セル20の、電極端子214が設置される第1の壁201と接続され、接続バー101を介して複数の電池セル20が一体として接続され、この場合、電池内には側板が設置されず、ビームなどの構造が設置される必要もなく、電池10内部の空間利用率を大きい限度で向上させ、電池10の構造強度とエネルギー密度を向上させることができる。そのため、本出願の実施例による技術案は、電池10の性能を向上させることができる。
【0067】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図4に示すように、接続バー101は、電池セル列における隣接する二つの電池セル20の第1の壁201に接続される中部接続バー101aを含む。
【0068】
つまり、中部接続バー101aは電池セル列における隣接する二つの電池セル20の第1の壁201を接続し、それによって電池セル列における隣接する二つの電池セル20を接続することにより、電池セル列の構造強度を向上させる。
【0069】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図4に示すように、接続バー101は、電池セル列において第1の方向xの端部に位置する電池セル20の第1の壁201に接続される端部接続バー101bを含む。
【0070】
端部接続バー101bは電池セル列において第1の方向xの端部に位置する電池セル20の第1の壁201に接続されることで、電池セル列において第1の方向xの端部に位置する電池セル20の構造強度を向上させ、電池10の構造強度を向上させる。
【0071】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図4に示すように、中部接続バー101aは隣接する二つの電池セル20の隣接する二つの電極端子214の間に設置される。
【0072】
中部接続バー101aは隣接する二つの電池セル20の第1の壁201に接続され、第1の壁201に電極端子214が設置されるため、接続バー101は隣接する二つの電池セル20の隣接する二つの電極端子214の間に設置されることで、接続バー101が隣接する二つの電池セル20を接続する時、電極端子214をカバーすることを避け、電池10の電気的な接続に影響することを避ける。
【0073】
任意選択的に、本出願の一実施例では、接続バー101は金属材料板であってもよい。即ち、接続バー101は全体として金属材料である。この場合、接続バー101の表面に絶縁層が設置されている。任意選択的に、絶縁層は接続バー101の表面に接着される絶縁膜又は接続バー101の表面に塗布される絶縁塗料であってもよい。
【0074】
任意選択的に、本出願の一実施例では、接続バー101は非金属材料板であってもよい。即ち、接続バー101は全体として非金属の絶縁材料である。
【0075】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図5に示すように、接続バー101内にキャビティ1013が設置されてもよい。キャビティ1013は接続バー101の強度を保証するとともに、接続バー101の重量を減らすことができる。
【0076】
任意選択的に、本出願の一実施例では、キャビティ1013は電池セル20の温度を調節するように熱交換媒体を収容するために用いられることができる。
【0077】
熱交換媒体は、液体、気体又は固体であってもよく、温度を調節することは、複数の電池セル20を加熱又は冷却することを指す。電池セル20を降温させる場合、キャビティ1013は、複数の電池セル20の温度を調節するように冷却媒体を収容することができ、このとき、熱交換媒体は冷却媒体と呼ばれてもよく、より具体的に、冷却液、冷却気体、又は冷却固体と呼ばれてもよい。また、熱交換媒体は、加熱にも用いることができ、本出願の実施例は、これを限定しない。任意選択的に、熱交換媒体は、より良い温度調節効果を達成するように、循環して流れるものであってもよい。任意選択的に、熱交換媒体は、水、水とエチレングリコールとの混合液、冷却剤又は空気などであってもよい。
【0078】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図6に示すように、接続バー101は第3の方向zにおけるサイズTが0.5~30mmであり、第3の方向zが第1方向xと第2方向yに垂直である。
【0079】
第3の方向zにおける接続バー101のサイズTが小さすぎる場合、接続バー101の剛性が低いため、電池10の構造強度を効果的に向上させることができなく、第3の方向zにおける接続バー101のサイズTが長すぎる場合、電池10内部の空間を占有しすぎるため、電池10のエネルギー密度を向上させるのに不利であり、そのため、第3の方向zにおける接続バー101のサイズTを0.5~30mmにすることで、電池10のエネルギー密度を保証することができるとともに、電池10の構造強度を向上させることができる。
【0080】
任意選択的に、本出願の一実施例では、第3の方向zにおける接続バー101のサイズTと電池セル20の重量Mは、0.05mm/kg<T/M≦50mm/kgを満たす。
【0081】
T/Mが大きすぎると、電池10は重量エネルギー密度を損失するため、第3の方向zにおける接続バー101のサイズTと電池セル20の重量Mを、0.05mm/kg<T/M≦50mm/kgを満たすようにすることで、電池10の重量エネルギー密度を保証する。
【0082】
任意選択的に、本出願の一実施例では、電池10の重量エネルギー密度をさらに向上させるために、第3の方向zにおける接続バー101のサイズTと電池セル20の重量Mはさらに、0.05mm/kg<T/M≦30mm/kgを満たしてもよい。
【0083】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図6に示すように、電池セル20における表面積が最も大きい第2の壁202を含み、第2の方向yは第2の壁202に垂直である。
【0084】
電池セル20における表面積が最も大きい壁、即ち、第2の壁202は第2の方向yに垂直であり、つまり、第2の壁202は複数列の電池セル20の配列方向に垂直であり、各列における複数の電池セル20の配列方向に平行である。即ち、各列の電池セル20における複数の電池セル20が配列される時、隣接する二つの電池セル20の表面積の小さい面は対向して配列され、複数列の電池セル20が配列される時、隣接する二列の電池セル20の表面積の最も大きい第2の壁202は対向して配列され、このような配列方式は複数列の電池セル20と電池10における他の部材との組み立て及びレイアウトを容易にする。例えば、各列の電池セル20の間に水冷板が設置されてもよく、このような配列方式で、水冷板は電池セル20の第2の壁202に対面し、即ち、電池セル20の表面積の最も大きい壁に対向し、このように、水冷板と電池セル20との接触面積が大きく、電池10への熱管理を効果的に行うことができる。
【0085】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図4に示すように、接続バー101を固定するために、第2の方向yにおける接続バー101の端部は筐体11に固定される。
【0086】
任意選択的に、第2の方向yにおける接続バー101の端部は筐体11に固定されるために、筐体11に接着されてもよい。第2の方向yにおける接続バー101の端部は他の方式、例えば、リベット接続、溶接、ボルト接続などの方式によって筐体11に接続されてもよいが、本出願は、これに対して限定しないことを理解されたい。
【0087】
任意選択的に、図4に示すように、第2の方向yにおける接続バー101の端部は筐体11の外枠113及び/又は内部のビーム114に固定されてもよい。
【0088】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図6に示すように、接続バー101は第3の方向zにおいて対向して設置される第1の面1011と第2の面1012を含み、第1の面1011は第1の壁201に接続されて、第2の面1012は筐体11に接続される。
【0089】
具体的に、図6に示すように、第2の面1012は筐体11の蓋体111に接続されてもよい。
【0090】
接続バー101の第1の面1011は第1の壁201に接続され、接続バー101の第2の面1012は筐体11に接続されることにより、電池セル20は接続バー101を介して筐体11に接続されて、電池セル20を固定し、電池10の構造強度を向上させることができる。
【0091】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図7に示すように、第2の面1012は筐体11の蓋体111と間隔をおいて設置されてもよい。このように、電極端子214と蓋体111との間には十分な空間があるため、電極端子214と蓋体111はこの間の距離が小さすぎて衝突し損傷されることを避ける。
【0092】
任意選択的に、接続バー101の第2の面1012は筐体11に接着される。接続バー101の第2の面1012は筐体11と他の方式、例えば、リベット接続、溶接、ボルト接続などの方式によって接続されてもよいが、本出願は、これに対して限定しないことを理解されたい。
【0093】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図6図7及び図8に示すように、筐体11は複数の電池セル列における各電池セル20の第3の壁203に接続される固定壁112を含み、第3の壁203は第1の壁201と第3の方向zに沿って隔離し、且つ対向して設置される。
【0094】
固定壁112は電池セル20の第3の壁203に接続されることにより、電池セル20を固定し、電池10の構造強度を向上させることができる。
【0095】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図6及び図7に示すように、電力消費機器に電池10が設置されている場合、接続バー101は電池セル20の上方に位置し、固定壁112は電池セル20を支持するためのものである。
【0096】
具体的に、接続バー101は電池セル20の上方に位置し、即ち、電池セル20の電極端子214は上向きであり、第3の方向zにおいて、電池セル20の第1の壁201は第3の壁203の上方に位置し、固定壁112は第3の壁203に接続され、これにより、電池セル20を支持し、電池10の構造強度を向上させることができる。
【0097】
任意選択的に、本出願の一実施例では、図8に示すように、電力消費機器に電池10が設置されている場合、接続バー101は電池セル20の下方に位置し、固定壁112は電池セル20を吊り下げるためのものである。
【0098】
具体的に、接続バー101は電池セル20の下方に位置し、即ち、電池セル20の電極端子214は下向きであり、第3の方向zにおいて、電池セル20の第1の壁201は第3の壁203の下方に位置し、固定壁112は第3の壁203に接続され、これにより、電池セル20を吊り下げる。この場合、電極端子214が向いている壁は力受け壁ではなく、電極端子214との間に大きな隙間をあける必要がないため、電池10の空間を節約し、電池10のエネルギー密度を向上させる。
【0099】
任意選択的に、本出願の一実施例では、接続バー101は第1の壁201に接着される。接着の方式で、接続バー101と第1の壁201は固定接続されており、構造が簡単で、加工と組み立てを容易にする。
【0100】
接続バー101と第1の壁201は他の方式、例えば、リベット接続、溶接、ボルト接続などの方式によって接続されてもよいが、本出願は、これに対して限定しないことを理解されたい。
【0101】
本出願の一実施例は、電力消費機器をさらに提供する。該電力消費機器は、上記実施例における電池10を含んでもよい。任意選択的に、該電力消費機器は、車両1、船舶又は宇宙機などであってもよいが、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0102】
以下では、本出願の実施例を説明する。以下に記述されている実施例は、例示的なもので、本出願を解釈するためのものにすぎず、本出願に対する制限と理解されるべきではない。実施例において具体的な技術又は条件が明記されていない場合、当技術分野の文献に記述されている技術若しくは条件、又は製品取扱説明書に従って行う。
【0103】
図面に示された電池セル20と接続バー101を採用して、GB38031-2020に従って、電池10に対して安全テストを行い、テスト結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
上記テスト結果から分かるように、本出願による電池10は安全性能の要求を満たすことができる。
【0106】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えてもよい。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及された各技術的特徴を任意の方式で組み合わせてもよい。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれるすべての技術案を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
端部接続バーは、電池セルにおいて第1の方向の端部に位置する電池セルの第1の壁に接続されることで、電池セルにおいて第1の方向の端部に位置する電池セルの構造強度を向上させ、電池の構造強度を向上させる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
一つの可能な実施形態では、前記接続バーの内部にキャビティが設置される。前記キャビティは接続バーの強度を保証するとともに、接続バーの重量を減らすことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
本出願の技術案において、接続バーが第2の方向に沿って配列される複数の電池セル列における複数の電池セルの、電極端子が設置される第1の壁と接続され、接続バーを介して複数の電池セルが一体として接続され、この場合、電池内には側板が設置されず、ビームなどの構造が設置される必要もなく、電池内部の空間利用率を大きい限度で向上させ、電池の構造強度とエネルギー密度を向上させることができる。そのため、本出願の実施例による技術案は、電池の性能を向上させることができる。
【国際調査報告】