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特表2025-504517製剤ディスペンシングデバイスを用いた毛髪特性の自動検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】製剤ディスペンシングデバイスを用いた毛髪特性の自動検出
(51)【国際特許分類】
   A45D 19/02 20060101AFI20250204BHJP
   A45D 19/00 20060101ALI20250204BHJP
【FI】
A45D19/02 B
A45D19/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543552
(86)(22)【出願日】2023-01-23
(85)【翻訳文提出日】2024-09-19
(86)【国際出願番号】 US2023011366
(87)【国際公開番号】W WO2023141341
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】63/302,443
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2203627
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595100370
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】シン, フアジン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジ フン
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040AE03
3B040AE08
(57)【要約】
いくつかの実施形態では、モータと製剤ディスペンシングアセンブリとを備える製剤送達デバイスが提供される。製剤ディスペンシングアセンブリは、モータによって動作する往復式ノズルアセンブリを備える。製剤送達デバイスは、製剤ディスペンシングアセンブリによって吐出された1つ又は複数の製剤製品の適用を示す信号を生成するように構成された回路機構と、製剤製品の適用を示す信号を使用状況解析システムに送信するように構成された回路機構と、をさらに備える。いくつかの実施形態では、対象者の少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するコンピュータ実装方法が提供される。コンピューティングシステムは、1つ又は複数の吐出された製剤製品の適用を示す信号を製剤送達デバイスから受信し、少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために信号を解析し、少なくとも1つの毛髪特性を使用状況データストアに記憶する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
受信する工程、解析する工程、及び、記憶する工程を備え、
前記受信する工程では、コンピューティングシステムにより、1つ又は複数の吐出された製剤製品の適用を示す信号を製剤送達デバイスから受信し、
前記解析する工程では、前記コンピューティングシステムにより、前記少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために前記信号を解析し、
前記記憶する工程では、前記コンピューティングシステムにより、前記少なくとも1つの毛髪特性を使用状況データストアに記憶する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記信号は、
前記製剤送達デバイスの位置センサにより検出された位置に基づく信号、
前記製剤送達デバイスのモータの消費電力に基づく信号、及び
前記製剤送達デバイスのマイクロホンによって生成された音声信号に基づく信号、の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために信号を解析する工程は、少なくとも1つの機械学習モデルへの入力として信号を提供する工程を含む、方法。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために前記信号を解析する工程は、毛髪特性の値に関連する1つ又は複数の範囲と前記信号とを比較する工程を含む、方法。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記コンピューティングシステムによって、前記対象者に関連する追加情報を受信する工程をさらに備え、
前記追加情報は、水分レベル及び色のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記少なくとも1つの毛髪特性は、
カールタイプ
粗さ、
密度、
太さ、
長さ、
質感、
頭皮の状態、及び
ダメージの量、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記使用状況データストアに記憶された少なくとも前記毛髪特性を使用してレコメンダエンジンを訓練する工程をさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記コンピューティングシステムによって、推奨を生成するためにレコメンダエンジンに入力として前記少なくとも1つの毛髪特性を提供する工程、及び
前記コンピューティングシステムにより、前記対象者に前記推奨の通知を提供する工程をさらに備える、方法。
【請求項9】
対象者の少なくとも一つの毛髪特性を自動的に決定するためのシステムであって、
前記システムは、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の方法のアクションを実施するように構成された回路機構を備える、システム。
【請求項10】
製剤送達デバイスであって、
モータ、
前記モータにより動作する往復式ノズルアセンブリを備える製剤ディスペンシングアセンブリ、
前記製剤ディスペンシングアセンブリによって吐出された1つ又は複数の製剤製品の適用を示す信号を生成するように構成された回路機構、及び
前記製剤製品の前記適用を示す前記信号を使用状況解析システムに送信するように構成された回路機構を備える、デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の製剤送達デバイスであって、
前記製剤ディスペンシングアセンブリによって吐出された前記製剤製品の前記適用を示す前記信号は、前記往復式ノズルアセンブリが動作する間に前記モータによって消費された電力を示す信号を含む、デバイス。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の製剤送達デバイスであって、
位置センサをさらに備え、
前記製剤ディスペンシングアセンブリによって吐出された前記製剤製品の前記適用を示す前記信号は、前記位置センサによって検出された前記製剤送達デバイスの位置を示す信号を含む、デバイス。
【請求項13】
請求項10~請求項12のいずれか一項に記載の製剤送達デバイスであって、
前記製剤送達デバイスに挿入された製剤カートリッジから情報を取り出すように構成されたカートリッジインタロゲーションインターフェース、及び
前記製剤カートリッジから取得した前記情報を前記使用状況解析システムに送信するように構成された回路機構をさらに備える、デバイス。
【請求項14】
請求項10~請求項13のいずれか一項に記載の製剤送達デバイスであって、
製剤ルーチンに従って製剤製品を吐出するように前記モータを動作させるための回路機構、及び
前記使用状況解析システムから、前記製剤製品の前記適用を示す前記信号を用いて決定された毛髪特性に基づいて、新たな製剤ルーチンを受信するように構成された回路機構をさらに備える、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照。
本出願は、2022年1月24日に出願された米国仮出願第63/302443号の利益を主張するものであり、かつ、2022年4月20日に出願された仏国特許出願第2203627号の優先権を主張するものであり、これらの開示全体は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用される。
【発明の概要】
【0002】
いくつかの実施形態において、製剤送達デバイスが提供される。製剤送達デバイスは、モータ及び製剤ディスペンシングアセンブリを含む。製剤ディスペンシングアセンブリはまた、モータによって動作する往復式ノズルアセンブリを含む。製剤送達デバイスは、製剤ディスペンシングアセンブリによって吐出された1つ又は複数の製剤製品の適用を示す信号を生成するように構成された回路機構と、製剤製品の適用を示す信号を使用状況解析システムに送信するように構成された回路機構と、をさらに含む。
【0003】
いくつかの実施形態では、対象者の少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するコンピュータ実装方法が提供される。コンピューティングシステムは、1つ又は複数の吐出された製剤製品の適用を示す信号を製剤送達デバイスから受信する。コンピューティングシステムは、少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために信号を解析する。コンピューティングシステムは、少なくとも1つの毛髪特性を使用状況データストアに記憶する。
【0004】
いくつかの実施形態では、対象者の少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するシステムが提供される。本システムは、1つ又は複数の吐出された製剤製品の適用を示す信号を製剤送達デバイスから受信するように構成された回路機構と、少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために信号を解析するように構成された回路機構と、少なくとも1つの毛髪特性を使用状況データストアに記憶するように構成された回路機構とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
クレームされた主題の上述の態様及び付随する利点の多くは、添付の図面と併せ、以下の発明を実施するための形態を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
【0006】
図1図1は、本開示の代表的な一実施形態に係る、製剤送達システムの概略図である。
【0007】
図2図2は、本開示の代表的な一実施形態に係る、製剤送達デバイスの概略図である。
【0008】
図3図3は、本開示の代表的な一実施形態に係る、製剤送達システムの適用の概略図である。
【0009】
図4図4Aは、本開示の代表的な一実施形態に係る、製剤送達デバイスの分解透視図である。
【0010】
図4Bは、図4Aの製剤送達デバイスの側断面図である。
【0011】
図5図5Aは、本開示の代表的な一実施形態に係る、製剤ディスペンシングアセンブリの透視図である。
【0012】
図5Bは、図5Aの製剤ディスペンシングアセンブリの側断面図である。
【0013】
図6図6Aは、本開示の代表的な一実施形態に係る、製剤カートリッジの第1透視図である。
【0014】
図6Bは、図6Aの製剤カートリッジの第2透視図である。
【0015】
図6Cは、図6Aの製剤カートリッジの分解透視図である。
【0016】
図6Dは、図6Aの製剤カートリッジの側断面図である。
【0017】
図7図7は、本開示の様々な態様に係る使用状況解析システムの非限定的な例示的一実施形態の態様を示すブロック図である。
【0018】
図8図8A図8Bは、本開示の様々な態様に係る毛髪特性情報を収集し使用する方法の非限定的な例示的一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、一般的に、対象者の毛髪に関する情報を生成・収集するための毛髪頭皮トリートメント製剤送達システムの使用、及びこのような情報の使用に関する代表例を提供するものである。
【0020】
ヒトの毛髪や頭皮組織への多種多様なトリートメント製剤の適用は、一般的に行われている。ある場合では、トリートメント製剤を毛髪又は頭皮組織のターゲット部分に適用することが有益である。一例では、頭皮に近い毛髪の一部にトリートメント製剤を適用することは、例えば、カラーメンテナンス処置中に毛髪の根元にカラーリング染料を適用する場合に要求されることがある。別の例では、毛髪との接触を最小限に抑えながら、頭皮トリートメント製剤を頭皮組織に直接適用することが要求される場合がある。
【0021】
毛髪及び頭皮トリートメント製剤の適用のための既存のシステムは、広く使用されてきた。一例として、カラーリングキットは、一般に、他の用途の中でも、髪色の外観を変えるため、又は白髪をなじませるために使用される。既存の染毛システムは、使用の難しさ、時間の消費、(染料の適用による)被覆が不均一、仕上がりが予測できない、過度にちらかる(excessive mess)、などを含むいくつかの欠点を有する。一態様では、既存のカラーリングシステムは、頭皮から新しい毛髪セグメントが成長した後、自然な毛髪の色が染色された毛髪の残りの部分の色と異なる場合、毛髪の根元をなじませ、カラーリングするのに効果がないことがある。本開示は、これら及び他のニーズを解決するためのものである。
【0022】
いくつかの実施形態において、ヘアカラーリング製剤は、少なくとも1つの染料と別個の顕色剤とを含み、これらは制御された割合で混合される。しかしながら、本開示において、「製剤」は染料及び顕色剤に限定されない。本明細書で使用する場合は通常、「製剤」という用語は、染料、顕色剤、製剤、流体、又はこれらの任意の混合物のいずれかを指す。本開示において、「製剤」には、永久染毛剤、半永久染毛剤、顕色剤、コンディショナー、ROGAINE(登録商標)の商品名のもと製造されているミノキシジルなどの育毛トリートメント、毛髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合修復毛髪トリートメント、流体毛髪トリートメント、流体頭皮トリートメント、活性剤、リラクサーなどが含まれる。
【0023】
以下に記載するように、毛髪及び頭皮組織のターゲット領域に製剤を適用するように構成された製剤送達デバイスが作製されている。上述の製剤のいずれもが、本明細書で記載する実施形態を使用して適切に適用されるが、本開示は、一般に、以下に記載するシステム及びデバイスによって適用するトリートメント製剤の1つの代表例としてヘアカラーリング製剤に言及する。しかしながら、システム、デバイス、カートリッジ、及び方法のいずれもが、上述の製剤のいずれかと共に利用され得ることが理解されよう。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態では、対象者の毛髪に製剤製品を吐出し適用するための製剤送達デバイスの使用中に生成される情報は、対象者の毛髪の特性を自動的に決定するために使用される。いくつかの実施形態において、これらの自動的に決定された特性は、次いで収集され、様々な目的のために使用され得る。様々な目的には、対象者の毛髪の特性に基づいて有用である可能性が高い製品の推奨を提供することが含まれる(これに限定されない)。
【0025】
図1は、本開示に係る1つの代表的な製剤送達システム100を示す。製剤送達システム100は、製剤製品ライン102、製剤送達デバイス104、及び任意選択のプラットフォーム106を含む多数の種々の特徴を含む。製剤送達システム100は、これらが一緒になって、カスタマイズされたユーザエクスペリエンスが可能になる。
【0026】
製剤製品ライン102は、種々の製剤を含む。各製剤は、製剤送達デバイス104と共に使用するように構成される、同じ(共通の)製剤カートリッジ108型に格納される。共通の製剤カートリッジ型のカートリッジは、通常、製剤送達デバイスの再使用可能ハンドルのカートリッジキャビティに挿入するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、製剤カートリッジ及び洗浄カートリッジは、共通する断面形状及び寸法を有する。さらに、共通の製剤カートリッジ型のいくつかの実施形態は、共通の数及び配置の出力ノズルを有する。
【0027】
従って、共通の製剤カートリッジ108型によって、消費者が単一の製剤送達デバイス104で多くの異なる製剤を利用することが可能になる。代表的な製剤カートリッジ108型を図6A図6Dにおいて後述する。
【0028】
代表的な一実施形態では、製剤製品ライン102は、ヘアカラーリング製剤及び頭皮トリートメント製剤を含む。他の代表的な実施形態では、製剤製品ライン102は、以下の異なる製剤の少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つを備える。この各製剤は、同じ製剤カートリッジ108型内に記憶される。異なる製剤には、永久染毛剤及び顕色剤、半永久染毛剤及び顕色剤、シャンプー、コンディショナー、ミノキシジルなどの育毛トリートメント、毛髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合修復毛髪トリートメント、流体頭皮トリートメント、活性剤、リラクサーが含まれる。さらに代表的な実施形態では、製剤製品ライン102には、同じ製剤カートリッジ108型の任意選択の洗浄カートリッジ110に加えて、上記の任意の組み合わせが含まれる。
【0029】
製剤カートリッジ108型は、製剤送達デバイス104のハンドル、特にハンドルのカートリッジキャビティに挿入されるように構成された細長い形状及び寸法を有する。製剤送達システム100のいくつかの実施形態において、細長い外側ハウジングは、製剤を含有する製剤カートリッジ108と洗浄カートリッジ110との間では異なる構造を有するが、共通の形状及び寸法を有する。例えば、いくつかの実施形態において、製剤を含有する製剤カートリッジ108は、図6A図6Dに示される部分的にリサイクル可能な実施形態の構造を有する。一方、洗浄カートリッジ110は、同様の形状及び寸法を有するが、異なる材料及び構成要素を有する。
【0030】
製剤カートリッジ108型の別の特徴は、複数の液体出力ノズルである。複数の液体出力ノズルは、対応する複数の液体入口(例えば、第1製剤入口)と流体連通する構成で、製剤カートリッジ108の遠位(前方)端部にサイズ決めされて配置される。いくつかの実施形態において、液体出力ノズルは、製剤カートリッジ108内に配置された製剤パケットのバルブである。
【0031】
代表的な製剤カートリッジ108型を、図6A図6Dを用いて以下に説明する。この代表的な製剤カートリッジ108の型は、製剤送達デバイス104に挿入され、第1製剤及び第2製剤を格納するように構成されている。
【0032】
共通の製剤カートリッジ108型(すなわち、共通の外形寸法及び複数の液体出力ノズルを有する)である洗浄カートリッジ110は、洗浄カートリッジ110から製剤送達デバイス104の流体コンジットを通して洗浄液(例えば、水)を流す洗浄ルーチンを実行することによって、ユーザが製剤送達デバイス104を洗浄することを可能にする。これにより、製剤送達デバイス104内の残留製剤を除去する。有利には、洗浄カートリッジ110及び洗浄ルーチンにより、製剤送達デバイス104のかなりの部分を異なる製剤のために再利用することが可能になり、これにより廃棄物及びコストが削減される。
【0033】
洗浄カートリッジ110は、外側ハウジング内に配置された再充填可能な洗浄液リザーバを含む。リザーバは、複数の出力ノズルと流体連通している。従って、ユーザは、洗浄液リザーバを水のような洗浄液で満たし、製剤送達デバイス104で多数の洗浄ルーチンを実行し、洗浄液リザーバを再充填することができる。
【0034】
製剤送達デバイス104は、カスタマイズされパーソナライズされたユーザエクスペリエンスを提供するために、ユーザ、製剤カートリッジ108、及び任意選択でプラットフォーム106と相互作用する、接続された電気機械器具である。代表的な製剤送達デバイス及びこのサブシステムを、図4A図5Bに関して以下に説明する。
【0035】
一般に、製剤送達デバイス104は、製剤カートリッジ108型を受け入れるように構成された再使用可能ハンドル、製剤ディスペンシングアセンブリ、及びコントローラを備える。製剤ディスペンシングアセンブリ、及びコントローラはいずれも再使用可能ハンドル内に配置される。製剤ディスペンシングアセンブリは、電動ポンプ及び往復式ノズルアセンブリに流体連通された少なくとも1つの流体コンジットを備える。製剤ディスペンシングアセンブリは、製剤カートリッジ108から製剤又は洗浄液を吸引し、往復式ノズルアセンブリを通してこれをユーザの毛髪部分、頭皮部分、又は身体部分に製剤又は洗浄液を吐出するように構成される。
【0036】
コントローラは、任意の所与の時間に再使用可能ハンドルに挿入された製剤カートリッジ108内にどの製剤製品が格納されているかを識別・認証するために、再使用可能ハンドル内のカートリッジインタロゲーションインターフェースの暗号化チップリーダと通信して、製剤カートリッジ108上に配置された暗号化チップを読み取る。いくつかの実施形態では、コントローラは、洗浄カートリッジ110が再使用可能ハンドルに挿入されたときにも認証する。認証された製剤製品又は洗浄カートリッジ110に基づいて、コントローラは、製剤ディスペンシングアセンブリを通して製剤カートリッジから認証された製剤を吐出する製剤ルーチンを製剤送達デバイス104に実行させる。認証された洗浄カートリッジ110に基づいて、コントローラはまた、製剤ディスペンシングアセンブリを通して洗浄液を吐出する洗浄ルーチンを製剤送達デバイス104に実行させる。
【0037】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム106は、ユーザエクスペリエンスをパーソナライズし、役に立つ解析を提供し、電子商取引を可能にするエンジンを含む。いくつかの実施形態では、プラットフォーム106の少なくとも一部は、スマートフォン、タブレット等のモバイルデバイス112上で実行され、ユーザ(例えば、エンドユーザ又はサロン技術者)と相互作用し、図3に関して後述する複数のエンジンを通して実用的な情報を提供する。いくつかの実施形態では、プラットフォーム106は、製剤送達デバイス104、及びネットワーク114(モバイルネットワーク、クラウドベースの企業ネットワーク、ローカルエリアネットワークなど)と通信する。
【0038】
製剤製品ライン102、製剤送達デバイス104、及びプラットフォーム106は共に、改善されカスタマイズされたユーザエクスペリエンスを提供する。
【0039】
この特定の代表的な特徴の理解を容易にするために、図2に代表的な製剤送達デバイス200の概略図を示す。製剤送達デバイス200は、図1の製剤送達デバイス104と同じ特徴を有すると理解されるものとする。
【0040】
製剤送達デバイス200は、共通の製剤カートリッジ型(洗浄カートリッジ110を含む)を可逆的に受け入れるように構成された中空の細長い部分を有する再使用可能ハンドル202を含む。再使用可能ハンドル202はまた、多数のエンジン(後述する)を記憶するプロセッサ206及びコンピュータ可読媒体208を含むコントローラ204、カートリッジインタロゲーションインターフェース210、電源212、製剤ディスペンシングアセンブリ214、及び位置センサ216を含む多数のサブアセンブリを収容する。
【0041】
いくつかの実施形態では、電源212は、家庭用交流コンセントに差し込むことによって充電されるように構成された充電式電池(例えば、リチウムイオン電池)などの直流(DC)電源である。他の実施形態では、電源212は、製剤送達デバイス200に電力を供給するために電気コード(図示せず)を利用する一般的な家庭用交流などの交流(AC)電源である。
【0042】
製剤ディスペンシングデバイスアセンブリ214は、製剤カートリッジ108からの製剤製品及び/又は洗浄液をユーザの頭皮又は毛髪に供給する。一実施形態において、製剤ディスペンシングアセンブリ214は、第1製剤入口に流体連通された第1流体コンジット(これは、製剤カートリッジ108の第1液体出力ノズルと結合する)と、第2製剤入口に流体連通された第2流体コンジット(これは、製剤カートリッジ108の第2液体出力ノズルと結合する)と、モータ218と、モータ218によって駆動されるポンプ220と、同じくモータ218によって駆動される往復式ノズルアセンブリ222と、を含む。
【0043】
カートリッジインタロゲーションインターフェース210は、RFIDリーダ、近接場リーダなどである。製剤カートリッジ108が再使用可能ハンドル202に挿入されると、カートリッジインタロゲーションインターフェース210は、製剤カートリッジ224上に配置された暗号化チップを読み取り、後述する製剤ルーチンエンジン226に関連して製剤カートリッジを認証するために、再使用可能ハンドル202内に配置される。いくつかの実施形態では、カートリッジインタロゲーションインターフェース210は、製剤カートリッジ108に含まれる製剤製品(又は製剤製品の識別)の識別も読み取る。
【0044】
位置センサ216は、単独で又は集合的に、ユーザの頭皮又は毛髪に対する製剤送達デバイス200の位置及び向きの決定を補助する1つ又は複数のセンサを含む。いくつかの実施形態では、位置センサ216は、1つ又は複数の加速度センサ、タッチセンサ(例えば、静電容量式タッチセンサ)、近接センサ(例えば、光学式近接センサ)などを含む。位置センサ216から送信される信号は、ユーザの毛髪又は頭皮への製剤適用の精度及び効率を改善するために、コントローラ204、及びこの特定のエンジンによって使用される。位置センサ216から送信される信号は、毛髪特性を決定するのに役立てるためにコントローラ204によって使用されることもある。
【0045】
コントローラ204は、電源212、カートリッジインタロゲーションインターフェース210、製剤ディスペンシングアセンブリ214、及び位置センサ216に動作可能に接続されている(例えば、電気的に接続されている)。コントローラ204は、プロセッサ206(例えば、一般処理ユニット、グラフィカルプロセッシングユニット、又は特定用途向け集積回路)、コンピュータ可読媒体208(有形機械可読記憶媒体)、及びソフトウェアロジック(例えば、実行可能ソフトウェアコード)、ファームウェアロジック、ハードウェアロジック、又はこれらの様々な組み合わせとして実装される複数のエンジンを含む。いくつかの実施形態では、コントローラ204は、後述する任意のエンジンからモバイルデバイスに信号を送信し、モバイルデバイスから送信された信号を受信するトランシーバを含む。
【0046】
本明細書で使用する「エンジン」とは、ハードウェア又はソフトウェア命令に具現化されたロジックを指し、C、C++、C#、COBOL、JAVA(登録商標)、PHP、Perl、HTML、CSS、JavaScript(登録商標)、VBScript、ASPX、Go、Python(登録商標)を含むがこれらに限定されない1つ又は複数のプログラミング言語で記述することができる。エンジンは、実行可能プログラムにコンパイルすることも、インタプリタ型プログラミング言語で記述することもできる。ソフトウェアエンジンは、他のエンジンから呼び出すことも、エンジン自身から呼び出すこともできる。一般に、本明細書で説明するエンジンは、他のエンジンと統合可能なロジックエンジンを指し、サブエンジンに分割することもできる。エンジンは、任意のタイプのコンピュータ可読媒体又はコンピュータ記憶デバイスに記憶されたロジックによって実装することができ、1つ又は複数の汎用コンピュータに記憶され実行される。従って、エンジン又はこの機能を提供するように構成された特殊用途コンピュータを作製することができる。エンジンは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のハードウェアデバイスにプログラムされたロジックによって実装され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、コントローラ204は、インターネット、セルラーネットワーク、RFネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、又は他のネットワークを介して、製剤送達システムとの通信を可能にするように構成された回路を有する通信インターフェースを含む。製剤送達システムには、製剤カートリッジ224(暗号化チップ)、洗浄カートリッジ228、カートリッジインタロゲーションインターフェース210、モバイルデバイス、及び/又は他のネットワーク要素が含まれる。従って、通信インターフェースを、無線プロトコル(例えば、WIFI(登録商標)、WIMAX(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、セルラー、3G、4G、LTE、赤外線、ニアフィールドなど)及び/又は有線プロトコル(ユニバーサルシリアルバス、FireWire、又はRS-216、RJ-45などを含むがこれらに限定されないプロトコルや規格、パラレル通信バスなど)を使用して通信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、コントローラ204と他のネットワーク要素(例えば、製剤カートリッジ108)とが互いを識別し、制御情報(例えば、製剤カートリッジ108に記憶された製剤の識別)を交換することが可能になるディスカバリプロトコルを開始するように構成された回路機構を含む。一実施形態では、通信インターフェースは、ディスカバリプロトコルを行い、1つ又は複数の事前共有鍵をネゴシエートするように構成された回路機構を有する。
【0048】
コンピュータ可読媒体208は、機械(例えば、プロセッサ206、又はモバイルデバイス112)によってアクセス可能な非一時的な形態で情報を記憶する機構を含む有形機械可読記憶媒体である。例えば、機械可読記憶媒体には、記録可能/非記録可能媒体(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)が含まれる。
【0049】
本明細書で使用する「コンピュータ可読媒体」とは、コンピューティングデバイスのプロセッサによって読み取られる情報を揮発性又は不揮発性の方法で記憶することができる任意の技術を実装した取り外し可能又は取り外し不可能なデバイスを指す。これには、ハードドライブ、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、CD-ROM、DVD、又は他のディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、及び磁気ディスクストレージが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
以下に説明するエンジンは代表的なものであり、これらに限定されない。従って、コントローラ204のいくつかの実施形態は、追加のエンジンを含み、他の実施形態は、すべてのエンジンよりも少ない数のエンジンを含む。
【0051】
カートリッジインタロゲーションエンジン230は、再使用可能ハンドル202に挿入される任意の製剤カートリッジ224又は洗浄カートリッジ228を認証し、製剤カートリッジ224内に含まれる製剤製品を識別するための情報を得るために、カートリッジインタロゲーションインターフェース210と通信する。例えば、製剤カートリッジ224を再使用可能ハンドル202に挿入すると、カートリッジインタロゲーションインターフェース210は、製剤カートリッジ224上に配置された暗号化チップから暗号化情報を読み取る。カートリッジインタロゲーションインターフェース210が暗号化チップから暗号化情報の読み取りに成功した場合、次いでカートリッジインタロゲーションエンジン230は、製剤送達デバイス200(例えば製剤ルーチンエンジン226)の「ロックを解除」する。しかし、カートリッジインタロゲーションインターフェース210が、再使用可能ハンドル202に挿入された製剤カートリッジの認証に成功しなかった場合、製剤送達デバイス200のロックは解除されない。例えば、製剤カートリッジが偽造カートリッジ又は劣った製剤を含む別のカートリッジである場合、カートリッジインタロゲーションエンジン230は、製剤送達デバイス200の機能のロックを解除しない。このようにして、カートリッジインタロゲーションエンジン230は、有利には、ユーザが損害を受けたり、劣悪な経験をしたりすることを防止する。
【0052】
カートリッジインタロゲーションエンジン230は、いくつかの実施形態では、追加情報を暗号化チップから読み取るように構成される。追加情報には、製剤識別、開始製剤量、製剤有効期限、又は製剤製造日のうちの1つ又は複数が含まれる。このような実施形態では、カートリッジインタロゲーションエンジン230は、この後の使用のために追加情報を他のエンジンに送信する。
【0053】
製剤ルーチンエンジン226は、種々の製剤用の複数の製剤ルーチンを記憶し、カートリッジインタロゲーションエンジン230によって認証された製剤カートリッジ224に基づいて、製剤ディスペンシングアセンブリ214に1つ又は複数の製剤ルーチンを実行させる。製剤ルーチンは、認証された製剤製品を、製剤カートリッジ224から往復式ノズルアセンブリ222を通して吐出する。例えば、製剤ルーチンは、往復式ノズルアセンブリ222から、特定の吐出時間、ポンプの特定の液体流量、往復式ノズルアセンブリ222のノズル往復周波数及び/若しくは往復振幅、並びに/又は製剤ルーチンエンジン226に記憶された製剤ルーチンによって指定された他のデバイスの動作パラメータで、1つ又は複数の製剤を吐出する。このようにして、製剤送達デバイス200は、製剤送達デバイスに挿入された認証された製剤カートリッジ224に記憶された特定の製剤に基づいて、1つ又は複数のデバイス動作パラメータを調整し、より効果的な毛髪及び頭皮トリートメントを行う。
【0054】
いくつかの実施形態では、製剤ルーチンエンジン226は、認証された製剤の吐出時間に基づいて、製剤カートリッジから製剤ディスペンシングアセンブリを通して、認証された製剤の吐出量を決定する。吐出時間及び/又は吐出量に基づいて、製剤ルーチンエンジン226は、再使用可能ハンドル202上の視覚インジケータに製剤残量を知らせるようにする。これは、ユーザが製剤カートリッジをいつ交換する必要があるかを予測することに役立ち、接続された適用の電子商取引エンジンを利用して追加の製剤カートリッジを便利に調達するようユーザに奨励する。
【0055】
洗浄ルーチンエンジン232は、洗浄ルーチンを記憶し、洗浄カートリッジ228(洗浄液で満たされたリザーバを有する)が再使用可能ハンドル202に挿入され、カートリッジインタロゲーションエンジン230によって認証された後に、製剤ディスペンシングアセンブリ214に洗浄ルーチンを実行させる。洗浄ルーチンは、製剤ディスペンシングアセンブリ214内の任意の残留製剤を排出するために、認証された洗浄カートリッジ228から往復式ノズルアセンブリ222を通して(例えば、所定の時間及び所定の流量で)洗浄液を吐出する。洗浄ルーチンは、例えば、1つの製剤が製剤送達デバイス200内で利用された後であるが、2番目の異なる製剤が利用される前に有用である。いくつかの実施形態では、洗浄ルーチンは、すべての残留製剤をきれいにするために、製剤ルーチンエンジン226によって記憶された1つ又は複数の(又はすべての)製剤ルーチンよりも高い流量でポンプ220を作動させる。
【0056】
本開示の方法によれば、いずれかの製剤送達デバイスの洗浄方法は、洗浄液で少なくとも部分的に満たされた洗浄カートリッジを製剤送達デバイスの再使用可能ハンドルに挿入する工程と、製剤ディスペンシングアセンブリを通して吐出された洗浄液がきれいになるまで洗浄ルーチンを実行する工程とを含む。
【0057】
電力管理エンジン234は、電源212から、コントローラ204、カートリッジインタロゲーションインターフェース210、製剤ディスペンシングアセンブリ214、又は位置センサ216のうちの1つ又は複数に電力を供給する。さらに、電力管理エンジン234は、スリープ状態(受動状態)とアウェイク状態(能動状態)との間で製剤送達デバイス104をトグルで切り替えることによって、利用可能な電力リソースを節約する(例えば、電池寿命を節約する)。いくつかの実施形態では、電力管理エンジン234は、動作中にモータ218及び/又はポンプ220によって消費される電力量を測定し、毛髪特性を導出するために使用可能であり得る消費電力に基づく信号を生成するように構成される。
【0058】
スリープ/アウェイクエンジン236は、製剤送達デバイス200がアウェイク状態であるかスリープ状態であるかを管理する。製剤送達デバイス200は、デフォルトでスリープ状態にある。これにより、電源212から製剤ディスペンシングアセンブリ214、カートリッジインタロゲーションインターフェース210、及び/又はコントローラ204に電力がほとんど供給されない。スリープ状態では、製剤送達デバイス200は、製剤ルーチン又は洗浄ルーチンを実行することができない。これに対し、アウェイク状態では、コントローラ204、カートリッジインタロゲーションインターフェース210、製剤ディスペンシングアセンブリ214、及び位置センサ216は、製剤送達デバイス104が1つ又は複数の製剤ルーチン又は洗浄ルーチンを実行できるように十分に電力が供給される。いくつかの実施形態において、製剤送達デバイス104は、再使用可能ハンドル202上に配置されたボタンの一押し、又は製剤カートリッジ224もしくは洗浄カートリッジ228の再使用可能ハンドル202への挿入によって、「アウェイク(awakened)」、すなわち、スリープ状態からアウェイク状態にされる。いくつかの実施形態では、製剤送達デバイス200は、所定の非アクティブ期間(例えば、120秒の非アクティブ)の後にスリープ状態に戻る。
【0059】
位置エンジン238は、製剤送達デバイス200の位置を決定するために、位置センサ216によって与えられる位置信号を利用する。次いで、この位置情報は、製剤ルーチン、例えば、キャリブレーションルーチンの実行を容易にするために、他のエンジン(製剤ルーチンエンジン226を含むがこれに限定されない)に提供される。いくつかの実施形態では、位置エンジン238は、(トランシーバを介して)モバイルデバイス又は使用状況解析システムに位置信号を与える。例えば、キャリブレーションルーチン(後述する)の実行を可能にするため、プラットフォーム106が位置信号に基づいて正しい適用表示を表示可能にするため、使用状況解析システムにより毛髪特性の決定を可能にするため、又は他の目的のために位置情報を与える。
【0060】
図3は、代表的なプラットフォーム300の概要を示し、これは、図1のプラットフォーム106の全ての特徴を有し、本開示の全ての製剤送達システム及び製剤送達デバイスと互換性があると理解されるものとする。上述のように、プラットフォーム300は、デバイス(例えばスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス)上で動作するように構成される。1つの代表例として、プラットフォーム300は、ネットワーク304に接続されたモバイルデバイス302の文脈で説明されるが、これに限定されない。
【0061】
モバイルデバイス302は、ディスプレイ306(例えば、LED又はLCDディスプレイ)、プロセッサ308、及び複数のエンジンを記憶するコンピュータ可読媒体310を有する。以下に説明する1つ又は複数のエンジンは、ディスプレイ306上に1つ又は複数のユーザインターフェースを提示することができる。ディスプレイ306は、ユーザ入力を受け付けるように構成されたタッチセンシティブディスプレイであってもよい。従って、各エンジンについて、ディスプレイ306上に提示されるユーザインターフェースは、情報を表示し、かつ、ユーザ入力を受け付けるように構成される。
【0062】
プラットフォーム300は、ユーザエクスペリエンスをパーソナライズする多数のエンジンを含む。多数のエンジンには、ユーザプロファイルエンジン312及びユーザルーチンエンジン314が含まれる。以下に説明するエンジンは代表的なものであり、これらに限定するものではない。従って、プラットフォーム300のいくつかの実施形態は、追加のエンジンを含み、他の実施形態は、すべてのエンジンよりも少ない数のエンジンを含む。
【0063】
ユーザプロファイルエンジン312は、製剤送達デバイス104のユーザ用の1つ又は複数のプロファイルを構築する。これらのプロファイルは、他のエンジン、例えば、ユーザルーチンエンジン314及び電子商取引エンジン324への入力として提供される。従って、ユーザプロファイルエンジン312は、1つ又は複数のユーザプロファイル入力を提供するようユーザに促す1つ又は複数のユーザインターフェースを提供する。1つ又は複数のユーザプロファイル入力は、髪色、毛髪タイプ(例えば、カール、ストレート)、カラーリング/非カラーリング状態、民族性、毛髪の状態(例えば、ダメージ)、頭皮の状態(例えば、かゆみ)、及び/又は年齢を含む。ユーザプロファイルエンジン312は、ユーザプロファイル入力を受け入れ、記憶する。いくつかの実施形態において、ユーザプロファイル入力の少なくとも一部は、以下にさらに詳細に説明するように、吐出された製剤製品の適用に関する情報に基づいて自動的に決定され、収集され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルエンジン312は、1つ又は複数のユーザプロファイル入力、又はユーザプロファイル全体をユーザルーチンエンジン314に提供することによって、ユーザルーチンエンジン314と通信する。次に、ユーザルーチンエンジン314は、1つ又は複数のユーザプロファイル入力を利用して、ユーザ用の1つ又は複数のユーザ固有のルーチンを作製し、及び/又はディスプレイ306に提示する1つ又は複数のチュートリアルを選択する。
【0065】
いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルエンジン312は、製剤送達デバイス104と通信する。例えば、いくつかの実施形態において、ユーザプロファイルエンジン312は、ユーザプロファイル入力のうちの1つ又は複数に基づいて、製剤ルーチンエンジンによって生成された製剤ルーチンの少なくとも1つのデバイス動作パラメータ(例えば、流量、吐出時間、往復振幅、又は往復周波数)を調整する。
【0066】
ユーザルーチンエンジン314は、いくつかの実施形態では、1つ又は複数のユーザプロファイル入力に基づいて各ユーザ用の1つ又は複数のユーザ固有のルーチンを策定することにより、接続された製剤送達デバイスをユーザが効果的に利用するのを支援する。すなわち、ユーザルーチンエンジン314は、ユーザプロファイル入力によって特定される1つ又は複数の状態を効果的にトリートメントするため、又はユーザプロファイル入力によって特定される1つ又は複数の目標を達成するために、(所定の製剤ルーチンを選択するのではなく)新たな製剤ルーチンを構築する。代表的な一例として、ユーザ入力がユーザの毛髪がカラーリングされており、かつダメージを受けていることを示す場合、ユーザルーチンエンジン314は、製剤製品ラインからユーザの髪色に適切な毛髪補修製剤及びシャンプー製剤を選択するユーザ固有のルーチンを構築し、ユーザの毛髪の健康を改善するために決定された間隔で、選択された毛髪補修製剤及びシャンプーを利用するためのユーザ固有のルーチンを(例えば、指示として)表示する。
【0067】
さらに、ユーザルーチンエンジン314は、ディスプレイ306上に、a)製剤ルーチン、洗浄ルーチン、及び/若しくはキャリブレーションルーチン用の1つ又は複数の受動的チュートリアル、並びに/又はユーザが製剤送達デバイスを使用する際に、ユーザに指示する1つ又は複数の能動的指示セットを表示する。
【0068】
いくつかの実施形態では、ユーザルーチンエンジン314は、ユーザプロファイルエンジン312からユーザプロファイル入力のうちの1つ若しくは複数、又はユーザプロファイル全体を受信する。次いで、ユーザルーチンエンジン314は、受信したユーザプロファイル入力又はユーザプロファイルに基づいて、ユーザをターゲットとする受動的なチュートリアル(例えば、事前に録画された指示ビデオ)を表示する。一例として、ユーザルーチンエンジン314は、ユーザプロファイルエンジン312から、ユーザの髪がカラーリングされていることを示すユーザプロファイル入力を受信し、ディスプレイ306上に、ユーザの髪をカラーリングするために製剤送達デバイスを使用する方法をユーザに示すチュートリアルを表示する。
【0069】
いくつかの実施形態では、ユーザルーチンエンジン314は、コントローラを介して、製剤送達デバイスの位置センサから1つ又は複数の位置信号を受信する。受信した位置信号に基づいて、ユーザルーチンエンジン314は、ユーザが製剤送達デバイスを使用する際に、製剤送達デバイスの使用方法をユーザに指示する(例えば、製剤送達デバイスを特定の方向に、特定の速度で、特定のパターンで、特定の空間境界まで移動させるよう指示する)。一例として、ユーザルーチンエンジン314は、製剤送達デバイスがユーザの左のこめかみに配置されていることを示す位置信号を位置センサから受信し、この受信した位置信号に基づいて、ユーザルーチンエンジン314は、頭皮トリートメント製剤を吐出しながら製剤送達デバイスを左のこめかみから右のこめかみへ移動させることによって頭皮トリートメント製剤を適用するようにユーザに指示するビデオを表示する。
【0070】
いくつかの実施形態において、ユーザルーチンエンジン314は、製剤送達デバイスから位置信号を受信し、位置信号に基づいて正しい適用表示を表示する。
【0071】
キャリブレーションエンジン316は、ユーザが製剤送達デバイスをキャリブレーションするのに役立つ。これにより、製剤送達デバイスによって実行される製剤ルーチンの有効性を高める。いくつかの実施形態において、キャリブレーションエンジン316は、キャリブレーションルーチンを完了する方法をユーザに指示する受動的チュートリアル(例えば、予め記録された指示ビデオ)を表示する。いくつかの実施形態では、キャリブレーションエンジン316は、ユーザが製剤送達デバイスを使用する際に、及びキャリブレーションエンジン316が製剤送達デバイスから位置信号を受信する際に、キャリブレーションルーチンを完了する使用方法を指示する1つ又は複数の能動的指示セットを提供する。
【0072】
1つの代表的なキャリブレーションルーチンによれば、キャリブレーションエンジン316は、例えば、特定の順序(例えば、左のこめかみ、次に右のこめかみ、次に前髪の生え際、次に後ろの生え際)で、製剤送達デバイスをユーザの身体部分の複数のキャリブレーション位置に位置させるようにユーザに指示する。次いで、ユーザは、製剤送達デバイスを各キャリブレーション位置に移動させ、(キャリブレーションエンジン316は、)製剤送達デバイスが指定されたキャリブレーション位置にあるとき、及び/又はユーザが製剤送達デバイスをあるキャリブレーション位置から別のキャリブレーション位置に移動させる間に、製剤送達デバイスのボタンの押下又は他のアクションで示す。
【0073】
製剤送達デバイスの位置センサから受信した位置信号に基づいて、キャリブレーションエンジン316及び/又は製剤送達デバイスはキャリブレーション位置を記録する。次いで、キャリブレーションエンジン316及び/又は製剤送達デバイスは、記録されたキャリブレーション位置に基づいて、1つ又は複数のユーザ固有のルーチンを調整する。いくつかの実施形態において、この調整ステップは、製剤ルーチンエンジンに記憶された1つ又は複数の製剤ルーチンの空間的限界及び/又は時間的持続時間を調整する工程を含む。
【0074】
製剤送達デバイスに対するより優れた制御及びよりカスタマイズされたユーザエクスペリエンスという利点のために、手動調整エンジン318によって、ユーザが製剤送達デバイスの1つ又は複数のデバイス動作パラメータ(例えば、流量、吐出時間、往復振幅、又は往復周波数)を手動で調整することが可能となる。従って、手動調整エンジン318は、1つ又は複数のユーザ調整可能で仮想的なスライドスケール、スイッチ、編集可能な値フィールドなどを有するユーザインターフェースを提示する。ユーザインターフェースは、ユーザから1つ又は複数の動作パラメータ入力を受け付けるように構成されている。手動調整エンジン318は、動作パラメータ入力を受信し、当該動作パラメータ入力を製剤送達デバイス(例えば、製剤ルーチンエンジン)に送信する。製剤送達デバイスは、対応する動作パラメータ入力に基づいて(例えば、動作パラメータ入力に一致するように)対応するデバイス動作パラメータを調整する。
【0075】
解析エンジン320は、(例えば、製剤送達デバイスから)デバイス動作パラメータを受信し、有用な解析を計算する。次いで、解析エンジン320は、ユーザインターフェースを介してユーザに、及び/又はネットワーク304を介して第三者に提供する。代表的な解析には、製剤使用パターン、製剤購入予測、及び製剤送達デバイスの診断が含まれる。いくつかの実施形態において、解析エンジン320は、ネットワーク304(例えば、1つ又は複数のクラウドベースのサーバ上に配置された解析プラットフォーム)と通信し、追加情報を取得し、及び/又は前記解析を計算する。
【0076】
いくつかの実施形態では、製剤送達デバイスは、位置信号をコントローラに送信する位置センサと、位置信号をモバイルデバイスに送信するトランシーバと、を備える。製剤送達デバイスは、位置信号を解析エンジン320に送信する。解析エンジン320は、受信した位置信号に基づいてネットワーク114上の解析プラットフォームからユーザ提案を取得し、ユーザ提案を表示する。
【0077】
製剤作製エンジン322によって、1つ又は複数の製剤入力のユーザの選択に基づいて、ユーザはカスタム製剤を作製することができる。これは、1つ又は複数の所望の結果(例えば、所望の髪色)、1つ又は複数の製剤入力(例えば、ユーザの髪はダメージを受けているという表示)、及び/又はユーザプロファイルエンジン312に提供された1つ又は複数のユーザプロファイル入力に対応する。従って、製剤作製エンジン322は、ユーザプロファイルエンジン312から1つ又は複数のユーザプロファイル入力を受信し、これらの入力に基づいてカスタム製剤を策定するように構成される。
【0078】
ユーザによるカスタム製剤の作製を容易にするために、製剤作製エンジン322は、各製剤入力に対応する、1つ又は複数のユーザ調整可能かつ仮想的なスライドスケール、スイッチ、編集可能な値フィールドなどを有するユーザインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、製剤作製エンジン322は、ネットワーク304(例えば、1つ又は複数のクラウドベースのサーバ上に配置された製剤のデータベース)と通信して、追加情報を取得し、及び/又は前記カスタム製剤を策定する。
【0079】
電子商取引エンジン324は、ユーザが製剤送達デバイスに関連する製品を購入(1回限り又はサブスクリプションベースを含む)することができる購入インターフェースを提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引エンジン324は、製剤作製エンジン322(又はこの構成要素)から1つ又は複数のカスタム製剤を取得し、カスタム製剤を含む1つ又は複数の製剤カートリッジ108をユーザが購入するための選択肢を購入インターフェース上に提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引エンジン324は、ユーザプロファイルエンジン312から1つ又は複数のユーザプロファイル入力及び/又はユーザ固有のルーチン入力を取得し、ユーザプロファイル入力をターゲットとする製剤を含む1つ又は複数の製剤カートリッジ(例えば、ユーザ入力がダメージのある毛髪を示す場合、毛髪補修製剤を含む製剤カートリッジ)をユーザが購入するための選択肢を購入インターフェース上に提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引エンジン324は、洗浄カートリッジ110又は製剤送達デバイス104及び/又はこれらの構成要素を購入する選択肢を購入インターフェース上に提示する。このような購入インターフェース及び購入選択肢は、解析エンジン320から取得された製剤使用状況パターン及び/又は製剤購入予測に基づいてもよい。
【0080】
図4A図4Bは、本開示の実施形態に係る代表的な製剤送達デバイス400及びその構成要素を示す。製剤送達デバイス400は、製剤カートリッジ402型(同じ型の洗浄カートリッジを含む)を受け入れるように構成されている。製剤カートリッジ402型の製剤カートリッジの一実施形態は、図6A図6Dを参照して以下で詳細に説明する。図4Aに示す製剤カートリッジ402は、そこで説明されているものと同じ特徴を有するものと理解されるものとする。製剤送達デバイス400のいくつかの実施形態には、製剤カートリッジ402及び/又は任意選択のプルスルーアダプタ404が含まれる。
【0081】
製剤送達デバイス400は、ABSプラスチック、類似の硬質ポリマー又は他の材料から形成された再使用可能ハンドル406を含む。いくつかの実施形態では、再使用可能ハンドル406は、スナップ、ネジなどの締結要素で結合されるように構成された複数のシェルから形成されたアセンブリである。再使用可能ハンドル406は、中空の細長い把持部を有し、この中に、製剤カートリッジ402型を受け入れられるサイズ及び寸法であるカートリッジキャビティを有する。いくつかの実施形態では、キャビティは、製剤カートリッジ402型を容易に正確に挿入できるキーイング機構(keying features)を含む。例えば、いくつかの実施形態は、開口部に配置され、製剤カートリッジ402が開口部に正しく挿入されたときに製剤カートリッジ402の対応するドッキング面とインターフェースで接続する平坦なドッキング面を有するカートリッジインターフェース408を含む。
【0082】
再使用可能ハンドル406は、コントローラ412に加えて、製剤ディスペンシングアセンブリ410を収容する(図4B図5Bに関して後述する)。製剤ディスペンシングアセンブリ410及びコントローラ412は、それぞれ、図2の製剤ディスペンシングアセンブリ214及びコントローラ204と同様の特徴を有する。製剤ディスペンシングアセンブリの一実施形態は、図5A図5Bに関して以下で詳細に説明するが、図4Aに示される製剤ディスペンシングアセンブリ410は、そこで説明するのと同様の特徴を有すると理解されるものとする。
【0083】
製剤ディスペンシングアセンブリ410は、製剤カートリッジ402から製剤又は洗浄液を吐出する。製剤ディスペンシングアセンブリ410は、ポンプ、流体コンジット、混合チャンバ、及び複数の任意選択のスタンドオフ部分416の間において再使用可能ハンドル406の前端部から離れるように延びるノズルを有する往復式ノズルアセンブリ414(以下に記載)を含む。往復式ノズルアセンブリ414は、ユーザの皮膚又は毛髪に製剤を吐出しながら再使用可能ハンドル406の軌道に沿って前後に往復する複数の環状ノズルを含む。いくつかの実施形態では、往復式ノズルアセンブリ414は、往復振幅7.0~12.0mm(例えば、8.0mm~11.0mm、若しくは9.0~10.0mm)、及び/又は往復周波数5.0Hz~10.0Hz(例えば、6.0Hz~9.0Hz、6.0Hz~8.0Hz)で往復する。往復振幅及び/又は往復周波数は、製剤ルーチンエンジン、洗浄ルーチンエンジン、ユーザルーチンエンジン、手動調整エンジン、又は他のエンジンによって調整可能である。
【0084】
図4Bに示すように、製剤カートリッジ402は、この中に配置された1つ又は複数の製剤パック418を有する。各製剤パック418は、製剤カートリッジ402がカートリッジキャビティ424に完全に挿入されたときに、製剤ディスペンシングアセンブリ410の対応する製剤入口422と流体連通する構成で、製剤カートリッジ402の遠位(前方)端部を貫いて突出する出力ノズル420を有する。
【0085】
再使用可能ハンドル406上に配置され、コントローラ412に電気的に接続されているボタン426は、上述した製剤送達デバイス400の機構を作動させる。いくつかの実施形態では、ボタン426を押すことにより、図2において上述したエンジンのいずれかの機構を作動させる。例えば、いくつかの実施形態において、ボタン426を押すことによって、コントローラ412に記憶されたスリープ/アウェイクエンジンを作動させる。これにより、製剤送達デバイス400をスリープ状態からアウェイク状態に解除(awakening)させる。いくつかの実施形態では、製剤カートリッジが再使用可能ハンドル406に挿入されている間にボタン426を押すと、コントローラ412に記憶された製剤ルーチンエンジンが作動し、これによって製剤ルーチンが開始される。
【0086】
いくつかの実施形態では、洗浄カートリッジが再使用可能ハンドル406に挿入されている間にボタン426を押すと、コントローラ412に記憶された洗浄ルーチンエンジンが作動し、これによって洗浄ルーチンが開始される。再使用可能ハンドル406に沿って配置された視覚インジケータ428(例えば、LED)は、例えば、コントローラの製剤ルーチンエンジンによって決定された吐出時間に基づいて、製剤残量又はバッテリ残量のうちの1つ又は複数を示す。いくつかの実施形態は、種々の機能性を有する追加のボタン及び/又は複数種類の視覚インジケータ428を含み、図示の実施形態に限定的されない。いくつかの実施形態は、視覚インジケータ428は、製剤カートリッジ内に残っている製剤の割合に各セグメントが等しく対応するマルチセグメントLEDである。
【0087】
コントローラ412は、ロジックを備える。ロジックは、コントローラ412のプロセッサによって実行されると、再使用可能ハンドル406内に配置されたカートリッジインタロゲーションインターフェース430(例えば、RFIDリーダ)に、製剤カートリッジ402を認証させるために、製剤カートリッジ402上の暗号化チップ432を読み取らせる。暗号化チップ432は、製剤カートリッジ402の識別子、製剤識別、開始製剤量、製剤有効期限、又は製剤製造日のうち少なくとも1つを記憶する。
【0088】
また、コントローラ412は、実行されると、製剤カートリッジ402の認証に基づいて、製剤ディスペンシングアセンブリを介して製剤カートリッジ402から(第1製剤及び第2製剤の)混合製剤を吐出する製剤ルーチンを製剤送達デバイスに実行させるロジックを備える。例えば、製剤送達デバイスは、再使用可能ハンドルへの製剤カートリッジの挿入後(又は挿入時)に第1及び第2製剤を認証する。次いで、再使用可能ハンドル上のボタンの押下に応じて、ボタンが押されている限り、製剤ディスペンシングアセンブリ410に第1及び第2製剤を連続的又は継続的に混合させ、所定のデバイス動作パラメータ(製剤流量、往復周波数、又は往復振幅)の1つ又は複数で、往復式ノズルアセンブリから当該製剤を吐出させる製剤ルーチンを実行する。
【0089】
また、いくつかの実施形態では、コントローラ412は、実行されると、再使用可能ハンドルに挿入された洗浄カートリッジの認証に基づいて、製剤ディスペンシングアセンブリを介して洗浄液を吐出する洗浄ルーチンを製剤送達デバイスに実行させるロジックを備える。例えば、製剤送達デバイスは、再使用可能ハンドルに挿入された洗浄カートリッジを認証する。次いで、再使用可能ハンドルのボタンの押下に応じて、ボタンが押されている限り、所定のデバイス動作パラメータ(洗浄液流量、往復周波数、又は往復振幅)のうちの1つ又は複数で、製剤ディスペンシングアセンブリ410に往復式ノズルアセンブリから洗浄液(例えば、水)を連続的又は継続的に吐出させる洗浄ルーチンを実行する。いくつかの実施形態において、洗浄液流量は、製剤ディスペンシングアセンブリから残留製剤を効果的に洗い流すという利点のために、コントローラ412に記憶された1つ又は複数の製剤ルーチンの、どの製剤流量よりも高い。
【0090】
プルスルーアダプタ404は、往復式ノズルアセンブリ414の上から再使用可能ハンドル406に取り付けられる。いくつかの実施形態では、プルスルーアダプタ404は、再使用可能ハンドル406と正しく係合すると、可聴フィードバック信号を提供する。
【0091】
図5A図5Bは、代表的な製剤ディスペンシングアセンブリ500を示す。これは、本明細書に記載する製剤送達デバイス、製剤カートリッジ、及び洗浄カートリッジのいずれにも適合する。製剤ディスペンシングアセンブリ500の主な機能は、製剤カートリッジから2つの異なる製剤の混合製剤をユーザの皮膚又は毛髪に吐出することである。いくつかの実施形態では、製剤ディスペンシングアセンブリ500は、20~40mL/分又は4分あたり120mLの流量、例えば、20~35mL/分、20~30mL/分、20~25mL/分、25~35mL/分、25~30mL/分、又は35~40mL/分で混合製剤を吐出する。
【0092】
製剤ディスペンシングアセンブリ500は、第1製剤入口502及び第2製剤入口504並びに、第1流体コンジット506及び第2流体コンジット508を含む。第1流体コンジット506及び第2流体コンジット508は、第1製剤入口502及び第2製剤入口504とそれぞれ流体連通されている。いくつかの実施形態では、各第1製剤入口502及び第2製剤入口504は、それぞれ、第1流体コンジット及び第2流体コンジットから、再使用可能ハンドルの後端部に向かって後方に延びる突起として形成される(すなわち、再使用可能ハンドルに配置されたときにカートリッジキャビティに向かって延びる)。突起は、製剤カートリッジ内に突出するように構成される。
【0093】
製剤ディスペンシングアセンブリ500はまた、モータ510と、モータ510に動作可能に連結されたギアボックス512と、ギアボックス512を介してモータ510によって駆動されるポンプ514と、を含む。いくつかの実施形態において、ポンプ514は、蠕動ポンプである。これにより、本明細書に記載する混合チャンバ及びテーパー状製剤チャネルと組み合わせて利用される場合、製剤吐出を改善することが発見されている。
【0094】
往復式ノズルアセンブリ516は、コーム520上に配置された複数の環状ノズル518を含む。このノズル518は、使用時に、より均一な製剤被覆を達成するために、ユーザの皮膚又は毛髪に製剤を吐出しながら、再使用可能ハンドル406の軌道に沿って往復循環する。各ノズル518は、ノズルを貫通する製剤チャネル522を含む。各製剤チャネルは、マニホールド524を介して第1流体コンジット506及び第2流体コンジット508に流体連通される。いくつかの実施形態において、各製剤チャネル522は、製剤吐出速度が増加する利点及び/又は2つの製剤をより混合する利点のためにテーパー状である。テーパー状製剤チャネルは、例えば、ポンプ514が蠕動ポンプである場合、及び/又は乱流混合チャンバが1つ又は複数のヘリカルミキサー526を含む場合、本明細書に記載する他の特徴と組み合わせて利用する場合に有利であることが証明されている。
【0095】
モータ510及びギアボックス512は、往復式ノズルアセンブリ516を直線往復運動で駆動する。一実施形態では、直線往復運動は、ギアボックス512の出力シャフト530に結合された偏心ローラ528によって動機付けられる。この偏心ローラ528は、コーム520の環状ブラケット内で回転する。ポンプ514及び往復式ノズルアセンブリ516を共通のモータ510で駆動することにより、電力効率が向上し、重量及びサイズを低減する。これにより、製剤送達デバイスのフォームファクタが向上する。それでも、いくつかの実施形態は、ポンプ514及び往復式ノズルアセンブリ516を駆動するために2つ以上のモータを使用する。
【0096】
ノズル518は、乱流混合チャンバ532を介して第1流体コンジット506及び第2流体コンジット508に流体連通されている。乱流混合チャンバ532は、第1流体コンジット506を介して製剤カートリッジから引き出された第1製剤と、第2流体コンジット508を介して製剤カートリッジから引き出された第2製剤とを混合して混合製剤を生成する。特に、乱流混合チャンバ532は、2つの製剤を加圧下の共通チャンバ内で結合させ、2つの製剤を1つ又は複数の混合要素を通過させて流すことにより混合し、混合製剤の乱流(層流とは区別される)を生成する。第2製剤に対する第1製剤の割合は、実施形態によって異なる。例えば、いくつかの実施形態では、混合製剤は、約0.8:1.0~1.2:1.0、例えば、0.85、0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、又は1.15の比率の第1製剤と第2製剤との混合物である。
【0097】
いくつかの実施形態では、乱流混合チャンバ532は、ポンプ514と往復式ノズルアセンブリ516との間に配置される。この構成では、2つの製剤は、吐出の直前に混合される。これは、ポンプ514の上流で製剤を混合するのと比較して、より均一な製剤調和(consistency)を生成し、ノズル518からのより良好な製剤吐出をもたらす。
【0098】
いくつかの実施形態では、乱流混合チャンバ532は、この中に配置されたヘリカルミキサー526を含む。いくつかの実施形態は、混合を改善するために、乱流混合チャンバ532内の流体経路に沿って直列に流体連通された複数のヘリカルミキサー526を含む。いくつかの実施形態では、各ヘリカルミキサーは、2.00mmと5.00mmの間、例えば、3.0mmと4.00mの間、例えば、3.18mmの外径を有する。いくつかの実施形態では、各ヘリカルミキサーは、20.0mmと40.0mmの間、例えば、25.0mmと35.0mmの間、例えば、33.0mmの全長を有する。いくつかの実施形態では、各ヘリカルミキサーは、0.75と1.25の間、例えば、0.80と0.90の間、例えば、0.865の長さ―直径ピッチ(全長/[外径*#混合エレメント]として定義される)を有する。前述の仕様の組み合わせは、混合製剤の最良の調和を生じさせることが発見されている。特に、2つの製剤がポンプ514の下流、往復式ノズルアセンブリ516のすぐ上流まで混合されない場合、またポンプ514が蠕動ポンプである場合にも、混合製剤の最良の調和を生じさせる。
【0099】
使用時、ポンプ514は、接続された製剤カートリッジから、第1流体コンジット506及び第2流体コンジット508を通り、乱流混合チャンバ532を通り、マニホールド524を通り、ノズル518を通して製剤を吸引する。図示された実施形態において、第1流体コンジット506及び第2流体コンジット508は、乱流混合チャンバ532まで2つの製剤の混合を防止するために、ポンプ514の下流まで流体的に分離されたままである。前述のように、吐出の直前(すなわち、ポンプ514とマニホールド524との間)に2つの製剤を混合することにより、混合製剤の調和が向上する。
【0100】
図6A図6Dは、本明細書に記載の製剤送達システム、製剤送達デバイス、及び製剤製品ラインのいずれにも適合する、製剤カートリッジ型の代表的な製剤カートリッジ600を示す。しかしながら、本明細書に記載の製剤送達システム、製剤送達デバイス、及び製剤製品ラインは、図6A図6Dに示す特定のサステナブルな製剤カートリッジ600を使用する必要はない。
【0101】
製剤カートリッジ600は、ユーザフレンドリーなエクスペリエンスを提供する一方で、廃棄物及び環境への影響を低減するように特別に設計されサステナブルな実施形態である。そのために、製剤カートリッジ600は、ハンドル部分602と使い捨て詰め替えパケット604との2つの主要構成要素を含む。使い捨て詰め替えパケット604は、ハンドル部分602に可逆的にスライドするように構成されている。歴史的に、既知のカートリッジは、この中に貯蔵された製剤を使い尽くした後に完全に廃棄されるように設計されており、かなりの廃棄物及び高い消費者コストにつながっていた。
【0102】
製剤カートリッジ600は、ハンドル部分602が無期限に再使用可能であり、使い捨て詰め替えパケット604のみを、この中に貯蔵されている製剤が使い尽くされた後に廃棄又はリサイクルする必要があるように構成されている。さらに、各使い捨て詰め替えパケット604は、より小さな構成要素に分解できるように構成されており、この一部をリサイクルし、他を廃棄することができる。
【0103】
ハンドル部分602は、製剤送達デバイスのカートリッジキャビティに繰り返し挿入されるようなサイズ、寸法、及び構造を有する。従って、ハンドル部分602は、ABSプラスチック、類似の硬質ポリマー又は他の材料で形成される。ハンドル部分602は、ハンドル部分の中に使い捨て詰め替えパケット604を受け入れるように構成された中空のハンドル部分602と、ハンドル部分602から離れて延びるトレイ部分606とを含む。ハンドル部分602は、示された代表的な実施形態ではツーピースアセンブリであり(他の実施形態ではワンピースであってもよいが)、製剤送達デバイスハンドルのカートリッジキャビティの中に完全に挿入されたときに、製剤送達デバイスハンドルに継ぎ目のない延長部を形成するようなサイズ及び寸法である。トレイ部分608は、ハンドル部分602から離れて突出し、使い捨て詰め替えパケット604(例えば、前部本体部分610)を支持するように構成されたU字形状を有する。確実な係合及び容易な取り外しを促進するために、ハンドル部分602は、ハンドル部分602内に形成されたカートリッジリリース612(例えば、ラッチが含まれる)を含む。カートリッジリリース612は、適切かつ完全な挿入時に製剤送達デバイスに係合する。
【0104】
使い捨て詰め替えパケット604は、第1製剤パケット614及び第2製剤パケット616を収納し、これらはそれぞれ第1製剤及び第2製剤を含有する。第1製剤パケット614及び第2製剤パケット616はそれぞれ、40mL~70mlの間、例えば、50mL~60mL、又は55mLの容積を有する。いくつかの実施形態では、第1製剤パケット614及び第2製剤パケット616は、異なる容積を有する。
【0105】
第1製剤及び第2製剤はそれぞれ、本明細書に記載の任意の製剤とできる。製剤は、例えば、永久染毛剤、半永久染毛剤、顕色剤、コンディショナー、ミノキシジルなどの育毛剤、毛髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合修復毛髪トリートメント、流体毛髪トリートメント、活性剤、リラクサー、流体頭皮トリートメントなどである。いくつかの実施形態では、第1製剤及び第2製剤は異なる。例えば、いくつかの実施形態では、第1製剤は染毛剤であり、第2製剤は顕色剤である。他の実施形態では、第1製剤及び第2製剤は同じである(例えば、コンディショナー又は頭皮トリートメント製剤)。
【0106】
図6Cに示すように、各製剤パケットは、製剤含有パケット622と、製剤がパケット622から出るバルブ624と、を含む。代表的な製剤パケットは、2018年9月24日に出願され、L'Oreal SAに譲渡された国際特許出願PCT/US2018/052345号、及び2020年12月23日に出願され、L'Oreal SAに譲渡された米国特許出願第17/133110号に記載されており、これはいずれも、全ての目的のために参照によりこの全体が本明細書に組み込まれる。
【0107】
また、使い捨て詰め替えパケット604は、使い捨ての細長い本体部分626を含む。使い捨ての細長い本体部分626は、使い捨て詰め替えパケット604に構造をもたらし、第1製剤パケット614及び第2製剤パケット616を含む。いくつかの実施形態において、本体部分626は、150mmと250mmの間の全長(例えば、175mm~225mm、185mm~215mm、195mm~205mm、又は200mm)、及び25mm~50mmの最大断面寸法(例えば、30mm~45mm、35mm~40mm、又は36mm)を有する。本体部分626は、後部本体部分628と、細長い前部本体部分610とを有する。後部本体部分628は、前部本体部分610よりも大きな断面寸法を有し、使用中にハンドル部分602のハンドル部分602の内部に(例えば、摩擦嵌合によって)留まる。細長い前部本体部分610は、ハンドル部分602のトレイ部分606によって支持され、使用中に製剤送達デバイスのカートリッジキャビティ内に突出する。
【0108】
図示された実施形態では、本体部分626は、リサイクル可能材料、例えば、ストラクチャードペーパー(structured paper)(例えば、厚紙)から構成される。本体部分626が紙で形成されるいくつかの実施形態では、当該紙は、使い捨て材料を過剰に与えることなく十分な剛性を付与するために、8~12ポイントの間の重量(例えば、8.5ポイント、9.0ポイント、9.5ポイント、10.0ポイント、10.5ポイント、11.0ポイント、又は11.5ポイント)を有する。いくつかのこのような実施形態では、本体部分626は、単一のリサイクル可能材料で形成される。一例として、図示の実施形態では、本体部分626は、単一の紙で形成される。図6Cに示すように、この折り畳み構造により、後部本体部分628に8辺の多角形断面が形成され、前部本体部分610に6辺の多角形断面が形成される。組み立てを容易にするために、本体部分626のいくつかの実施形態は、確実に正しく折り畳める1つ又は複数のスコア又はガイドラインを含む。図示の実施形態の多角形断面は代表的なものであり、限定するものではない。他の実施形態は、三角形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、又は他の多角形の断面形状を有する。他の実施形態では、本体部分626は、本明細書に記載の形状及び構造を有するが、リサイクル可能材料から構成されていない。
【0109】
任意選択のパケットスリーブ630は、多くの重要な利点を提供する。第1に、パケットスリーブ630は、前部本体部分610の上を摺動して補強することによって、使い捨て詰め替えパケット604に付加的な構造を与える。従って、いくつかの実施形態において、パケットスリーブ630は、本体部分626を形成する材料と比較して、より大きな重量又は厚さを有するが、これは必須ではない。いくつかの実施形態では、パケットスリーブ630もリサイクル可能材料で形成され、これは本体部分626と同じリサイクル可能材料であってもよい。
【0110】
第2に、パケットスリーブ630はバルブフレーム632と結合する。例えば、図示されたパケットスリーブ630は、バルブフレーム632の係合部材と可逆的に結合するように構成された複数の係合部材凹部634を含む。
【0111】
第3に、パケットスリーブ630は、使い捨て詰め替えパケット604の分解を容易にする。図6A及び図6Cに示すように、パケットスリーブ630は、任意選択の一体型のテヤーアウェイ(tearaway)636(例えば、プルタブ付きのミシン目)を含む。使用時、製剤が使い尽くされた後、ユーザは一体型のテヤーアウェイ636のプルタブを引き、それによってバルブフレーム632をパケットスリーブ630から分離する。このアクションが完了すると、パケットスリーブ630はリサイクルされ、バルブフレーム632は廃棄される。いくつかの実施形態では、一体型のテヤーアウェイ636は、本体部分626、例えば前部本体部分610に配置される。
【0112】
パケットスリーブ630は多数の利点を与えるが、これは任意選択である。いくつかの実施形態では、パケットスリーブ630の上記の特徴のうちの1つ又は複数が本体部分626に一体的に形成される。
【0113】
バルブフレーム632は、製剤送達デバイス(特に、製剤送達デバイスの製剤ディスペンシングアセンブリ)との正確かつ強固な結合のために、及び、製剤送達デバイスのカートリッジインタロゲーションインターフェースに隣接する暗号化チップ638の正確な位置決めのために、製剤パケットバルブ624及び暗号化チップ638を支持する剛性構造を提供する。従って、バルブフレーム632は、ABSプラスチック、HDPE、若しくは他の剛性ポリマー又は他の材料から形成される。複数のバルブ開口部640が、バルブフレーム632の前端部を貫いて延びている。各バルブ開口部640は、製剤パケットバルブ624の1つを受け入れて固定する。パケットスリーブ630(又はいくつかの実施形態では本体部分626)との結合を可能にするために、バルブフレーム632はバルブフレームから延びる係合部材642(例えばタブ)を含む。
【0114】
暗号化チップ638は、使い捨て詰め替えパケット604上、例えば、本体部分626上又は(図示の実施形態のように)バルブフレーム632上に配置される。暗号化チップ638は、製剤カートリッジ600が製剤送達デバイスに挿入されたときに、製剤送達デバイスのカートリッジインタロゲーションインターフェースによって読み取られるように、使い捨て詰め替えパケット604上に配置される。従って、暗号化チップ638は、製剤カートリッジ600及びこの内容物に関する情報、例えば、製剤カートリッジ600の識別子、製剤識別、開始製剤量、製剤有効期限、又は製剤製造日の少なくとも1つを記憶する。
【0115】
従って、本体部分626、パケットスリーブ630、製剤パケット、及びバルブフレーム632は、使い捨て詰め替えパケット604を形成する。使用中、使い捨て詰め替えパケット604はハンドル部分602と可逆的に結合可能である。例えば、摩擦嵌合及び/又は本体部分626若しくはパケットスリーブ630上の複数の任意選択の結合タブ644によって、ハンドル部分602と結合可能である。結合タブ644は、使い捨て詰め替えパケット604のハンドル部分602への挿入時にハンドル部分602に係合し、ハンドル部分602から力強く引き抜かれるまで、ハンドル部分の中に保持される。ハンドル部分602内での使い捨て詰め替えパケット604の保持をさらに助けるために、図示されたハンドル部分602は、1つ又は複数の任意選択の保持要素646(この実施形態では、使い捨て詰め替えパケット604に係合する偏向可能なタブ)を含む。
【0116】
図7は、本開示の様々な態様に係る使用状況解析システムの非限定的な例示的実施形態の態様を示すブロック図である。図示された使用状況解析システム702は、デスクトップコンピューティングデバイス、ラップトップコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、サーバコンピューティングデバイス、クラウドコンピューティングシステムのコンピューティングデバイス、及び/又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意のコンピューティングデバイス又はコンピューティングデバイスの集合体によって実装され得る。いくつかの実施形態において、使用状況解析システム702の少なくともいくつかの構成要素は、モバイルデバイス302又は上述のプラットフォーム300の他の要素によって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、使用状況解析システム702は、製剤送達デバイス104によって生成された信号を受信して、対象者の1つ又は複数の毛髪特性を自動的に決定するように構成される。いくつかの実施形態において、使用状況解析システム702は、毛髪特性と適用された製剤製品とを相関させてもよく、相関を使用して、検出された毛髪特性に基づいて製剤製品の推奨を決定してもよい。
【0117】
示すように、使用状況解析システム702は、1つ又は複数のプロセッサ704、1つ又は複数の通信インターフェース706、使用状況データストア710、モデルデータストア720、及びコンピュータ可読媒体708を含む。
【0118】
本明細書で使用する「データストア」とは、コンピューティングデバイスによるアクセスのためのデータを記憶するように構成された任意の適切なデバイスを指す。データストアの一例は、1つ又は複数のコンピューティングデバイス上で実行され、高速ネットワークを介してアクセス可能な、信頼性の高い高速リレーショナルデータベース管理システム(DBMS)である。データストアの別の例は、キーバリューストアである。しかしながら、クエリに応答して記憶されたデータを迅速かつ確実に提供することができる他の任意の適切なストレージ技術及び/又はデバイスを使用してもよい。コンピューティングデバイスは、ネットワークを介してではなくローカルにアクセス可能であってもよく、又はクラウドベースのサービスとして提供されてもよい。データストアはまた、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、RAM、ROM、又は任意の他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータ可読記憶媒体に組織的な形で記憶されたデータを含むことができる。本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明する別々のデータストアを単一のデータストアに組み合わせてもよいこと、及び/又は本明細書で説明する単一のデータストアを複数のデータストアに分離してもよいことを当業者は認識するであろう。
【0119】
いくつかの実施形態において、プロセッサ704は、任意の適切なタイプの汎用コンピュータプロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ704は、グラフィカルプロセッシングユニット(GPU)、ビジョンプロセッシングユニット(VPT)、及びテンサープロセッシングユニット(TPU)を含むがこれらに限定されない、特定のコンピューティングタスクに最適化された1つ又は複数の特殊用途コンピュータプロセッサ又はAIアクセラレータを含むことができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、通信インターフェース706は、構成要素間の通信リンクを提供するのに適した1つ又は複数のハードウェアインターフェース及び又はソフトウェアインターフェースを含む。通信インターフェース706は、1つ若しくは複数の有線通信技術(イーサネット(登録商標)、FireWire(登録商標)、及びUSB(登録商標)を含むが、これらに限定されない)、1つ若しくは複数の無線通信技術(Wi-Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、2G、3G、4G、5G、及びLTE(登録商標)を含むが、これらに限定されない)、並びに/又はこれらの組み合わせをサポートすることができる。
【0121】
示すように、コンピュータ可読媒体708は、1つ又は複数のプロセッサ704による実行に応答して、使用状況解析システム702に、使用状況収集エンジン712、モデル訓練エンジン714、レコメンダエンジン716、及び特性検出エンジン718を提供させるロジックをこの上に記憶している。
【0122】
いくつかの実施形態では、使用状況収集エンジン712は、製剤送達デバイス104によって生成された信号を含むがこれに限定されない、製剤送達システム100の使用状況を示す信号を受信し、信号を使用状況データストア710に記憶するように構成される。いくつかの実施形態において、モデル訓練エンジン714は、使用状況情報(毛髪特性を検出するように訓練された機械学習モデル及びレコメンダモデルのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない)に基づいて1つ又は複数の機械学習モデルを訓練し、訓練されたモデルをモデルデータストア720に記憶するように構成される。いくつかの実施形態では、レコメンダエンジン716は、モデルデータストア720からのレコメンダモデルを使用して製剤製品を推奨するように構成される。いくつかの実施形態では、特性検出エンジン718は、製剤送達デバイス104によって生成された信号に基づいて対象者から毛髪特性を導出するように構成され、このためにモデルデータストア720からの機械学習モデルを使用してもよい。
【0123】
これらの各構成要素の構成について、以下にさらに説明する。
【0124】
図8A図8Bは、本開示の様々な態様に係る毛髪特性情報を収集し使用する方法の非限定的な例示的実施形態を示すフローチャートである。方法800では、使用状況解析システム702が、製剤送達デバイス104によって生成された信号を受信し、この信号を使用して、対象者の1つ又は複数の毛髪特性を自動的に決定する。自動的に決定された毛髪特性は、対象者の毛髪に適用された製剤に関する情報と組み合わされ、使用状況データストア710に記憶される。次いで、使用状況データストア710に記憶された情報を使用して、レコメンダエンジン716を訓練して、対象者及び他の人に対する製剤製品の推奨を提供する。
【0125】
毛髪特性情報を自動的に検出する工程により、対象者は正確な情報を与えるのに十分な知識もない可能性があるこの情報を、対象者が手動で入力する必要性から解放される。さらに、自動的に検出された毛髪特性情報は、手動で収集された毛髪特性情報よりも正確であり得る。非限定的な例として、後述する技術は、異なるカールのきつさを異なるタイプの毛髪として区別することができるが、手動で収集された毛髪特性情報は、異なるタイプの巻き毛を単に「巻き毛」と表現する虞がある。同様に、情報(毛髪特性情報及び製剤製品の識別を含む)を自動的に収集する工程により、手動入力による製剤製品又は毛髪特性の誤識別によってもたらされる虞のあるエラーが排除される。このようにより高精度で信頼性の高い情報を使用することで、レコメンダエンジン716はより有用で効果的な推奨を提供するように訓練され、システムの機能が向上する。
【0126】
開始ブロックから、方法800はブロック802に進む。ここでユーザは製剤カートリッジ108を製剤送達デバイス104に装填する。上述したように、製剤カートリッジ108を製剤送達デバイス104に装填する工程により、製剤カートリッジ108の暗号化チップ432がカートリッジインタロゲーションインターフェース210の範囲内に入る。
【0127】
ブロック804において、製剤送達デバイス104のカートリッジインタロゲーションエンジン230は、製剤カートリッジ108から吐出される1つ又は複数の製剤製品の識別を決定する。いくつかの実施形態では、カートリッジインタロゲーションエンジン230は、カートリッジインタロゲーションインターフェース210を使用して、暗号化チップ432から1つ又は複数の製剤製品の識別を読み取る。いくつかの実施形態では、カートリッジインタロゲーションエンジン230は、暗号化チップ432から一意の識別子を取得し、一意の識別子に基づいて1つ又は複数の製剤の識別をデータストアに問い合わせるか、又は一意の識別子を1つ又は複数の製剤製品の識別子として提供し、上流の構成要素が一意の識別子を使用してデータストアに問い合わせ、実際の1つ又は複数の製剤製品を決定することができる。
【0128】
ブロック806において、製剤送達デバイス104は、1つ又は複数の製剤製品の識別を使用状況解析システム702に送信する。いくつかの実施形態では、製剤送達デバイス104は、1つ又は複数の製剤製品の識別をモバイルデバイス302に伝達する。モバイルデバイス302は、製剤製品を使用状況解析システム702に伝達する(又は、使用状況解析システム702の構成要素を含む)。
【0129】
ブロック808において、使用状況解析システム702の使用状況収集エンジン712は、1つ又は複数の製剤製品の識別を使用状況データストア710に記憶する。いくつかの実施形態では、使用状況収集エンジン712は、1つ又は複数の製剤製品が適用される対象の識別(例えば、ユーザアカウント、ログイン、電子メールアドレス、電話番号など)を1つ又は複数の製剤製品と関連付ける記録を使用状況データストア710に作製してもよい。
【0130】
ブロック810において、ユーザは、製剤送達デバイス104を使用して、対象者の毛髪に1つ又は複数の製剤製品を吐出し、適用する。いくつかの実施形態では、ユーザが自分の毛髪に1つ又は複数の製剤製品を適用するために製剤送達デバイス104を使用する実施形態など、ユーザは対象者と同一人物であってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザと対象者は異なる人物であり得る。ユーザが、1つ又は複数の製剤製品を顧客/対象者に適用するために製剤送達デバイス104を使用するスタイリストである実施形態などである。1つ又は複数の製剤製品を吐出し適用する際に、モータ218は、往復式ノズルアセンブリ222を駆動し、1つ又は複数の製剤製品は、往復式ノズルアセンブリ222の複数の環状ノズル518から吐出される。
【0131】
ブロック812において、製剤送達デバイス104の1つ又は複数のセンサは、吐出された製剤製品の適用を示す信号を生成する。いくつかの実施形態では、複数の異なる信号が、製剤送達デバイス104の異なるセンサによって生成されてもよい。
【0132】
吐出された製剤製品の適用を示す信号の1つの非限定的な例示的実施形態は、位置センサ216によって感知されたプラットフォーム106の位置に基づいて位置エンジン238によって生成された信号である。いくつかの実施形態では、このような信号は、位置センサ216によって生成された生の信号などであってもよいが、他の実施形態では、このような信号は、適用中の経時的な製剤送達デバイス104の位置及び向きの三次元表示であってもよい。様々な毛髪特性(太さやカールのタイプを含むがこれらに限定されない)に応じて、経路は、毛髪特性を決定するために使用され得る。経路は、製剤製品を吐出する間にユーザが製剤送達デバイス104を誘導する。例えば、きついカールをとかすと、直毛の髪をとかすよりも髪を通る動きが滑らかにならないことがある。別の例として、異なるブラッシングパターン(例えば、直毛にはストレートパターン、巻き毛にはジグザグパターン)を使用する指示がユーザに提供されることがあり、このため、これらの異なるブラッシングパターンの動きが、位置情報を使用して検出され、毛髪特性に相関されることがある。
【0133】
吐出された製剤製品の適用を示す信号の別の非限定的な例示的実施形態は、モータ218の消費電力に基づいて電力管理エンジン234によって生成される信号である。様々な毛髪特性(太さ、ごわつき、及びカールタイプを含むがこれらに限定されない)に応じて、異なる特性を有する毛髪によって与えられる物理的抵抗の量が異なることにより、モータ218で消費される電力の量が異なることがある。あるいはモータ218によって消費される電力が毛髪特性に応じてより大きく又はより小さく変化することがある(例えば、消費電力の標準偏差は、巻き毛の場合により大きく、直毛の場合により小さくなり得る)。従って、モータ218の消費電力に基づく信号は、以下でさらに詳細に説明するように、毛髪特性を決定するために使用可能であり得る。
【0134】
吐出された製剤製品の適用を示す信号のさらに別の非限定的な例示的実施形態は、製剤送達デバイス104、モバイルデバイス302、又は別の適切なデバイスに取り付けられたマイクロホンによって生成される音声信号である。様々な毛髪特性に応じて、対象者の毛髪を通して製剤送達デバイス104のコーム520を動かすことによって発生する音が異なる可能性がある。従って、音声信号は、1つ又は複数の毛髪特性を決定するために使用可能であり得る。
【0135】
ブロック814において、製剤送達デバイス104は、吐出された製剤製品の適用に関する情報を使用状況解析システム702に送信する。いくつかの実施形態において、吐出された製剤製品の適用に関する情報は、吐出された製剤製品の適用を示す未処理の信号であってもよい。いくつかの実施形態では、吐出された製剤製品の適用に関する情報は、処理済みの情報(例えば、位置センサ216によって生成された信号から導出された三次元位置情報)であってもよい。
【0136】
ブロック816において、使用状況解析システム702の使用状況収集エンジン712は、吐出された製剤製品の適用に関する情報を使用状況データストア710に記憶する。いくつかの実施形態では、吐出された製剤製品の適用に関する情報は、ブロック808で作製された使用量の記録に記憶される(又は関連付けられる)。
【0137】
次いで、方法800は、継続ターミナル(「ターミナルA」)に進む。ターミナルA(図8B)から、方法800はブロック818に進む。ここで、使用状況解析システム702の特性検出エンジン718が、使用状況データストア710に記憶された情報に基づいて、対象者の1つ又は複数の毛髪特性を決定する。いくつかの実施形態では、特性検出エンジン718は、ブロック814で送信され、ブロック816で使用状況データストア710に記憶された、吐出された製剤の適用に関する情報に基づいて、1つ又は複数の毛髪特性を自動的に決定する。
【0138】
吐出された製剤製品の適用に関する情報(「適用情報」)に基づいて毛髪特性を決定するために、任意の適切な技術を使用することができる。いくつかの実施形態では、特定の毛髪特性に相関する適用情報のタイプの範囲が確立されてもよく、適用情報がこの範囲と比較されてもよい。非限定的な例として、巻き毛の消費電力は第1範囲内で変化し、直毛の消費電力は第2範囲内で変化することが経験的に決定されてもよい。従って、製剤送達デバイス104によって報告された消費電力は、これらの範囲と比較されてもよい。毛髪特性(例えば、直毛又は巻き毛)は、報告された消費電力がどの範囲に入るかに基づいて決定されてもよい。別の非限定的な例として、マイクロホンによって検出された音声信号の音量が、直毛の場合は第1範囲内にあり、巻き毛の場合は第2範囲内にあることが経験的に決定されてもよい。製剤送達デバイス104によって報告された音声信号の音量は、これらの範囲と比較されて、毛髪特性を決定してもよい。いくつかの実施形態では、範囲以外のヒューリスティックを使用して、適用情報(最大値、最小値、最大値と最小値との差、平均値、標準偏差、及びエントロピーを含むがこれらに限定されない)のタイプを毛髪特性に関連付けることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、毛髪特性を検出するために、1つ又は複数の機械学習モデルを使用してアプリケーション情報を処理することができる。例えば、消費電力情報又は位置情報は、機械学習モデルへの入力として提供されてもよい。機械学習モデルは、所与の毛髪特性(例えば、カールとストレート、ごわつきとつややか、太いと細い)に対するタイプを分類する出力を提供してもよい。このような機械学習モデルを訓練するために、任意の適切な技術を使用することができる。これには、既知の毛髪特性を有する対象者からグランドトゥルースラベル付き訓練データを収集する工程、及びグランドトゥルースラベル付き訓練データを使用して機械学習モデルを訓練するために、勾配降下、アダムオプティマイザ、又は任意の他の適切な技術を使用する工程が含まれるが、これらに限定されない。さらに、決定木、単純ベイズ分類器、人工ニューラルネットワーク、人工リカレントニューラルネットワーク(長期短期記憶(LSTM)ネットワークを含むがこれらに限定されない)、及び畳み込みニューラルネットワークを含むがこれらに限定されない、任意の適切な種類の機械学習モデルを使用することができる。
【0140】
上記の議論では、議論を容易にするために、毛髪特性を直毛と巻き毛にして単純化している。いくつかの実施形態では、毛髪特性は、アンドレウォーカーヘアタイプシステム(Andre Walker Hair Typing System)(すなわち、タイプ1A-C(ストレート)、タイプ2A-C(ウェーブ)、タイプ3A-C(カーリー)、又はタイプ4A-C(コイリー))、L.O.I.S.ヘアタイプシステム、ナチュラリーカーリーヘアタイプシステム(NaturallyCurly Hair Typing System)、又は任意の他のヘアタイプシステムからの特定のカールタイプ及びカール量であってもよい。いくつかの実施形態では、粗さ、密度、太さ、長さ、質感、頭皮の状態、ダメージの量などを含むが、これらに限定されない他の毛髪特性を自動的に検出することができる。
【0141】
また、上記の議論は、毛髪特性が、確立された/認識可能なカテゴリに分類されることを前提としている。いくつかの実施形態では、機械学習を使用して、必ずしも確立された/認識可能なカテゴリに相関しないカテゴリに毛髪特性をクラスタリングすることができる。例えば、適用情報のクラスタリング解析は、毛髪特性(例えば、タイプAの髪、タイプBの髪、タイプCの髪)の任意のカテゴリを決定することができる。カールタイプ、水分量などの従来の毛髪特性が必ずしも一致しなくても、適用情報によって、対象者の毛髪が類似していることを示すことができる。
【0142】
ブロック820において、特性検出エンジン718は、対象者の1つ又は複数の毛髪特性を使用状況データストア710に記憶する。いくつかの実施形態では、特性検出エンジン718は、1つ又は複数の髪の特性を対象者の識別に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、特性検出エンジン718は、1つ又は複数の毛髪特性を、吐出された製剤製品の適用に関する情報と関連付けることもできる。
【0143】
ブロック822において、使用状況収集エンジン712は、対象者に関連する追加情報を収集し、追加情報を使用状況データストア710に記憶する。追加情報は、使用状況データストア710において、対象者の識別、吐出された製剤製品の適用に関する情報、又はこの両方に関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、追加情報には、適用された製剤製品について対象者又はユーザによって提供された評価情報が含まれ得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、追加情報には、色、水分量、ダメージ、又はスタイルを含むがこれらに限定されない、アプリケーション情報から自動的に決定することができなかった毛髪特性が含まれ得る。いくつかの実施形態において、この追加情報は、ユーザによって入力されたアンケート回答を介して収集されてもよく、又は、対象者若しくは対象者の毛髪を撮像した画像から自動的に収集されてもよい。いくつかの実施形態では、この追加情報は、水分センサによって収集された毛髪水分情報など、センサによって収集されてもよい。いくつかの実施形態では、追加情報には、毛髪が曝されている又は曝されるであろう環境に関する環境情報(湿度レベル、日光暴露量、及び環境温度を含むがこれらに限定されない)が含まれ得る。この環境情報は、対象者の位置に関する環境情報を含むデータストアに問い合わせる工程、環境情報を直接測定するセンサを使用する工程、及び/又はアンケートを介して環境情報を受信する工程を含むがこれらに限定されない、任意の適切な方法で収集することができる。
【0145】
ブロック824では、使用状況解析システム702のモデル訓練エンジン714が、使用状況データストア710に記憶された情報に基づいてレコメンダエンジン716を訓練する。いくつかの実施形態では、レコメンダエンジン716自体がモデル訓練エンジン714によって訓練されてもよい。一方、他の実施形態では、レコメンダモデルがモデル訓練エンジン714によって訓練され、モデルデータストア720に記憶され、適切なときにレコメンダエンジン716によって取得/使用されてもよい。レコメンダモデル及び/又はレコメンダエンジン716を実装するために任意の技術を使用することができる。任意の技術とは、協調フィルタリング技術、コンテンツベースフィルタリング技術、及びハイブリッド技術を含むがこれらに限定されない。さらに、提供された評価又は毛髪特性の類似性に基づいて対象者のグループを識別する工程を含む、訓練のための任意の適切な技術を使用してもよい。
【0146】
ブロック826において、使用状況解析システム702は、レコメンダエンジン716を使用して、少なくとも対象者のための1つ又は複数の推奨製剤製品の通知を与える。いくつかの実施形態では、使用状況解析システム702は、レコメンダエンジン716を介して使用状況データストア710内の情報(対象者の毛髪特性を含むが、これらに限定されない)を処理して、おそらく対象者が以前に使用したことがない対象者のための推奨製品を決定してもよく、推奨製品の通知を、電子メール、テキストメッセージ、ソーシャルメディアメッセージ、ターゲット広告、アプリ内通知、又は任意の他の適切な技術を介して対象者に送信してもよい。いくつかの実施形態において、ブロック826のアクションは、所定の割合(例えば、1日に1回、1週間に1回など)で実施されてもよい。いくつかの実施形態では、ブロック826のアクションは、対象者に関する情報が使用状況データストア710に記憶されると、所与の対象者に対して実施され得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、製品推奨以外の他のタイプの推奨が、レコメンダエンジン716によって提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、製剤ルーチンエンジン226は、製剤ルーチンに従って製剤ディスペンシングアセンブリ214を動作させ、レコメンダエンジン716は、ルーチン長さ、ポンプ220の液体流量、往復式ノズルアセンブリ222の往復周波数又は振幅、又は他のデバイス動作パラメータなどの製剤ルーチンのパラメータを変更する推奨として、新しい製剤ルーチンを提供してもよい。別の例として、いくつかの実施形態において、推奨は、ユーザに提供されるコーチングの形態をとることができる。さらに別の例として、いくつかの実施形態において、推奨は、対象者のために配合されるカスタマイズされた製剤製品の成分を含むことができる。
【0148】
図示するように、方法800は、この後、終了ブロックに進み、終了する。いくつかの実施形態では、方法800(又はこの一部)は、終了ブロックに進む代わりに繰り返されてもよい。例えば、使用状況解析システム702は、レコメンダエンジン716を使用して、対象者、対象者以外の個人、又は対象者と他の人の両方に対して、1つ又は複数の推奨される製剤製品の通知を複数回与えることができる。別の例として、使用状況解析システム702は、レコメンダエンジン716を訓練する前に、複数の対象者に関連する使用状況情報を収集してもよいし、追加の対象者に関連する使用状況情報を収集した後に、レコメンダエンジン716を再訓練してもよい。
【0149】
方法800の説明の多くは、分かりやすくするために、所与の対象者について所与の毛髪特性(例えば、巻き毛、薄毛)についての単一の値が決定されることを想定している。いくつかの実施形態では、所与の毛髪特性に対する複数の値が、所与の対象者について決定され得る。例えば、第1カールタイプが第1領域で決定され、第2カールタイプが第2領域で決定されてもよい。いくつかの実施形態では、毛髪特性の各値の存在は、単に検出され、記録されてもよいが、他の実施形態では、位置センサ216から得られる位置情報を使用して、毛髪特性の検出された各値に関連付けられる毛髪又は頭部の領域を割り当てることができる。
【0150】
本出願は、数量及び数値を参照することもできる。特に明記しない限り、このような量及び数は制限的なものではなく、本出願に関連する可能な量又は数の代表的なものである。また、この点において、本出願は、数量又は数を参照するために「複数」という用語を使用することができる。この点で、「複数」という用語は、例えば、2、3、4、5など、1より多い任意の数を意味する。用語「約」、「およそ」、「近く」などは、記載された値のプラスマイナス5%を意味する。本開示の目的上、例えば「A、B、及びCの少なくとも1つ」という語句は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味し、3つ以上の要素が列挙されている場合には、さらに可能なすべての順列を含む。
【0151】
本明細書に開示される実施形態は、本明細書に記載する技術及び方法論を実装するため、2つ以上の構成要素を動作可能に接続するため、情報を生成するため、動作条件を決定するため、及び/又は電気器具、デバイス、もしくは方法を制御するためなどの目的で回路機構を利用することができる。任意のタイプの回路機構を使用することができる。一実施形態において、回路機構は、とりわけ、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ又は複数のコンピューティングデバイス、又はこれらの任意の組み合わせを含み、ディスクリートデジタル回路素子、アナログ回路素子若しくは電子回路、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0152】
一実施形態では、回路機構は、複数の事前定義されたロジックコンポーネントを有する1つ又は複数のASICを含む。一実施形態において、回路機構は、複数のプログラム可能なロジックコンポーネントを有する1つ又は複数のFPGAを含む。一実施形態において、回路機構は、ハードウェア回路実装(例えば、アナログ回路における実装、デジタル回路における実装など、及びこれらの組み合わせ)を含む。一実施形態において、回路機構は、本明細書に記載する1つ又は複数の方法論又は技術をデバイスに実施させるために協働する、1つ又は複数のコンピュータ可読メモリ上に記憶されたソフトウェア又はファームウェア命令を有する回路とコンピュータプログラム製品との組み合わせを含む。一実施形態において、回路機構は、例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサの一部のような、動作のためにソフトウェア、ファームウェアなどを必要とする回路を含む。一実施形態において、回路機構は、1つ又は複数のプロセッサ又はこの一部と、付随するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアなどを備える実装を含む。一実施形態において、回路機構は、サーバ、セルラーネットワークデバイス、他のネットワークデバイス、又は他のコンピューティングデバイス内のベースバンド集積回路、アプリケーションプロセッサ集積回路又は同様の集積回路を含む。一実施形態において、回路機構は、1つ又は複数の遠隔に位置する構成要素を含む。一実施形態において、遠隔に位置する構成要素は、無線通信を介して動作可能に接続される。一実施形態では、遠隔に位置する構成要素は、1つ又は複数の受信機、送信機、トランシーバなどを介して動作可能に接続される。
【0153】
一実施形態では、回路機構は、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体ドライブ、インターフェースソケット、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、メモリカードスロットなど、及び、1つ又は複数の入力/出力構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェース、ディスプレイ、キーボード、キーパッド、トラックボール、ジョイスティック、タッチスクリーン、マウス、スイッチ、ダイヤルなど)、並びに任意の他の周辺デバイスを含む。一実施形態において、回路機構は、実施形態の1つ又は複数の態様を制御(電気的制御、電気機械的制御、ソフトウェア実装制御、ファームウェア実装制御、又は他の制御、又はこれらの組み合わせで制御)するために、少なくとも1つのコンピューティングデバイスに動作可能に接続される1つ又は複数のユーザ入力/出力構成要素を含む。
【0154】
一実施形態では、回路機構は、信号担持媒体(例えば、コンピュータ可読メモリ媒体、コンピュータ可読記録媒体など)を受け入れるように構成されたコンピュータ可読媒体ドライブ又はメモリスロットを含む。一実施形態において、開示した方法のいずれかをシステムに実行させるためのプログラムは、例えば、コンピュータ可読記録媒体(CRMM)、信号担持媒体などに記憶させることができる。信号担持媒体の非限定的な例には、任意の形態のフラッシュメモリ、磁気テープ、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録型媒体や、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、トランシーバ、送信ロジック、受信ロジックなど))のような伝送型媒体が含まれる。信号担持媒体のさらなる非限定的な例には、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD+RW、DVD-RW、DVD-R、DVD+R、CD-ROM、スーパーオーディオCD、CD-R、CD+R、CD+RW、CD-RW、ビデオコンパクトディスク、スーパービデオディスク、フラッシュメモリ、磁気テープ、光磁気ディスク、ミニディスク、不揮発性メモリカード、EEPROM、光ディスク、光ストレージ、RAM、ROM、システムメモリ、ウェブサーバなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0155】
添付図面に関連して上に記載された発明を実施するための形態は、同様の数字が同様の要素を参照する、本開示の様々な実施形態の説明として意図されており、唯一の実施形態を表すことを意図していない。本開示において説明する各実施形態は、単に一例又は説明として提供されるにすぎず、他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。本明細書において提供される例示的な例は、網羅的であること、又は開示された正確な形態に本開示を限定することを意図するものではない。同様に、本明細書に記載される任意の工程は、同一又は実質的に同様の結果を達成するために、他の工程又は工程の組み合わせと交換可能であり得る。一般に、本明細書に開示する実施形態は非限定的であり、本発明者らは、本開示の範囲内の他の実施形態が、図に示され、本明細書に記載される2つ以上の特定の実施形態からの構造及び機能性を含むことができることを企図する。
【0156】
前述の説明では、本開示の例示的実施形態の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が示されている。しかしながら、当業者には、本明細書に開示された実施形態は、すべての具体的な詳細を具現化しなくても実施され得ることが明らかであろう。いくつかの例では、本開示の様々な態様を不必要に不明瞭にしないために、周知の処理ステップは詳細に説明されていない。さらに、本開示の実施形態は、本明細書に記載される特徴の任意の組み合わせを採用し得ることが理解されよう。
【0157】
本願は、「垂直」、「水平」、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、及び「下」などの方向への参照を含むことができる。これらの参照、及び本願における他の同様の参照は、特定の実施形態(実施形態が使用のために配置される場合など)の説明及び理解を助けることを意図しており、本開示をこれらの方向又は位置に限定することを意図するものではない。
【0158】
また、本願は、数量及び数を参照することもできる。特に明記しない限り、このような数量及び数は、制限的なものではなく、本願に関連する可能な数量又は数を例示するものであるとみなされる。また、この点で、本願は、数量又は数を参照するために、「複数」という用語を使用することができる。この点で、用語「複数」は、例えば、2、3、4、5など、1より大きい任意の数であることを意味する。用語「約」、「およそ」などは、記載された値のプラスマイナス5%を意味する。「~に基づいて」とは、「少なくとも部分的に~に基づいて」を意味する。
【0159】
本開示の原理、代表的な実施形態、及び動作モードは、前述の記載で説明した。しかしながら、保護を意図する本開示の態様は、開示された特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載した実施形態は、制限的ではなく例示的であるとみなされるべきである。本開示の趣旨から逸脱することなく、他の者によって変形及び変更がなされ、等価物が採用され得ることを理解されたい。従って、このような全ての変形、変更、及び等価物が、クレームされた本開示の趣旨及び範囲内に入ることを明示的に意図する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A-6B】
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2024-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
受信する工程、解析する工程、及び、記憶する工程を備え、
前記受信する工程では、コンピューティングシステムにより、1つ又は複数の吐出された製剤製品の適用を示す信号を製剤送達デバイスから受信し、
前記解析する工程では、前記コンピューティングシステムにより、前記少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために前記信号を解析し、
前記記憶する工程では、前記コンピューティングシステムにより、前記少なくとも1つの毛髪特性を使用状況データストアに記憶する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記信号は、
前記製剤送達デバイスの位置センサにより検出された位置に基づく信号、
前記製剤送達デバイスのモータの消費電力に基づく信号、及び
前記製剤送達デバイスのマイクロホンによって生成された音声信号に基づく信号、の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために信号を解析する工程は、少なくとも1つの機械学習モデルへの入力として信号を提供する工程を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記少なくとも1つの毛髪特性を自動的に決定するために前記信号を解析する工程は、毛髪特性の値に関連する1つ又は複数の範囲と前記信号とを比較する工程を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記コンピューティングシステムによって、前記対象者に関連する追加情報を受信する工程をさらに備え、
前記追加情報は、水分レベル及び色のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記少なくとも1つの毛髪特性は、
カールタイプ
粗さ、
密度、
太さ、
長さ、
質感、
頭皮の状態、及び
ダメージの量、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記使用状況データストアに記憶された少なくとも前記毛髪特性を使用してレコメンダエンジンを訓練する工程をさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載のコンピュータ実装方法であって、
前記コンピューティングシステムによって、推奨を生成するためにレコメンダエンジンに入力として前記少なくとも1つの毛髪特性を提供する工程、及び
前記コンピューティングシステムにより、前記対象者に前記推奨の通知を提供する工程をさらに備える、方法。
【請求項9】
対象者の少なくとも一つの毛髪特性を自動的に決定するためのシステムであって、
前記システムは、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の方法のアクションを実施するように構成された回路機構を備える、システム。
【請求項10】
製剤送達デバイスであって、
モータ、
前記モータにより動作する往復式ノズルアセンブリを備える製剤ディスペンシングアセンブリ、
前記製剤ディスペンシングアセンブリによって吐出された1つ又は複数の製剤製品の適用を示す信号を生成するように構成された回路機構、及び
前記製剤製品の前記適用を示す前記信号を使用状況解析システムに送信するように構成された回路機構を備える、デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の製剤送達デバイスであって、
前記製剤ディスペンシングアセンブリによって吐出された前記製剤製品の前記適用を示す前記信号は、前記往復式ノズルアセンブリが動作する間に前記モータによって消費された電力を示す信号を含む、デバイス。
【請求項12】
請求項10に記載の製剤送達デバイスであって、
位置センサをさらに備え、
前記製剤ディスペンシングアセンブリによって吐出された前記製剤製品の前記適用を示す前記信号は、前記位置センサによって検出された前記製剤送達デバイスの位置を示す信号を含む、デバイス。
【請求項13】
請求項10に記載の製剤送達デバイスであって、
前記製剤送達デバイスに挿入された製剤カートリッジから情報を取り出すように構成されたカートリッジインタロゲーションインターフェース、及び
前記製剤カートリッジから取得した前記情報を前記使用状況解析システムに送信するように構成された回路機構をさらに備える、デバイス。
【請求項14】
請求項10に記載の製剤送達デバイスであって、
製剤ルーチンに従って製剤製品を吐出するように前記モータを動作させるための回路機構、及び
前記使用状況解析システムから、前記製剤製品の前記適用を示す前記信号を用いて決定された毛髪特性に基づいて、新たな製剤ルーチンを受信するように構成された回路機構をさらに備える、デバイス。
【国際調査報告】