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特表2025-504590コンベヤシステム上を移動するキャリヤバスケットを安定化させてローディングステーション/アンローディングステーションにおけるバスケットアライメントを維持するための方法および装置
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  • 特表-コンベヤシステム上を移動するキャリヤバスケットを安定化させてローディングステーション/アンローディングステーションにおけるバスケットアライメントを維持するための方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】コンベヤシステム上を移動するキャリヤバスケットを安定化させてローディングステーション/アンローディングステーションにおけるバスケットアライメントを維持するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/48 20060101AFI20250204BHJP
【FI】
B65G17/48 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547128
(86)(22)【出願日】2023-01-26
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2023051844
(87)【国際公開番号】W WO2023151954
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】63/307,718
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505047267
【氏名又は名称】フランケ・テクノロジー・アンド・トレードマーク・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FRANKE TECHNOLOGY AND TRADEMARK LTD.
【住所又は居所原語表記】SONNENBERGSTRASSE 9, 6052 HERGISWIL, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】サイス,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲンブック,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】パウェルスキー,ジェイコブ
【テーマコード(参考)】
3F034
【Fターム(参考)】
3F034QA06
3F034QB02
(57)【要約】
車両のうちの少なくともいくつかが、車両上に枢動可能に取付けられたキャリヤバスケットを有する状態で、車両がその上を案内される経路を有するコンベヤシステムとの使用のためのキャリヤバスケット安定化システムおよび方法。コンベヤシステムは、ローディングステーションまたはアンローディングステーションの少なくとも一方の直前にあってもよい、経路の湾曲部を含む。システムは、経路の一部に隣接して配設されるように構成され、支持体上の偏向可能要素が経路の一部に概して平行に延在し、偏向可能要素が、キャリヤバスケットが経路の一部を通って移動する際にキャリヤバスケットによって生成される空間包絡線内に部分的に延在する支持体を含む。偏向可能要素は、キャリヤバスケットの外側への揺動運動を抑えるブリストルを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のうちの少なくともいくつかが、前記車両上に枢動可能に取付けられたキャリヤバスケットを有する状態で、前記車両がその上を案内される経路、を有するコンベヤシステムとの使用のために構成されたキャリヤバスケット安定化システムであって、前記経路が曲線状部分を含み、前記キャリヤバスケット安定化システムが、
前記経路に隣接して配設されるように構成された支持体と、
前記支持体上に配設され、かつ前記経路に概して平行に延在している少なくとも一つの偏向可能要素であって、前記キャリヤバスケットが前記経路に沿って移動する際に前記キャリヤバスケットによって生成される空間包絡線内に部分的に延在している、少なくとも一つの偏向可能要素と、
を備え、
前記偏向可能要素は、前記キャリヤバスケットの内側または外側への揺動運動の少なくとも一方を抑えるように構成されているブリストルを備える、キャリヤバスケット安定化システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つの偏向可能要素は、第一および第二の前記偏向可能要素を備え、および前記第一および第二の偏向可能要素は、前記経路の両側に配設されている、請求項1に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項3】
前記第一および第二の偏向可能要素は、それぞれの上流端部が、前記偏向可能要素の下流端部よりも前記経路から遠くに離れて離間された状態で配置されている、請求項2に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの偏向可能要素は、前記経路の前記曲線状部分に沿って配設された単一の偏向可能要素を備え、および前記偏向可能要素は、前記キャリヤバスケットが前記経路に沿って移動する際に前記キャリヤバスケットによって生成される空間包絡線内に部分的に延在する、請求項1に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項5】
前記ブリストルは、前記支持体に取付けられている一つ以上のブリストルセグメントに配置されており、前記ブリストルセグメントの各々は、前記ブリストルの自由端が直線状に配置されるように保持された前記ブリストルを有している、請求項1に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項6】
前記直線状に配置された自由端が前記曲線状部分に概して平行に延在するように互いに角度を付けて配置されている複数の前記ブリストルセグメントが、存在する、請求項5に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項7】
前記ブリストルは、前記経路の前記曲線状部分に平行である曲線状経路に沿って位置合わせされているブリストル端部を含む、請求項1に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項8】
前記支持体は、
前記ブリストル端部の前記曲線状経路に平行であり、かつ前記曲線状経路からオフセットされ、前記キャリヤバスケットのさらなる外側への揺動運動に抗する偏向不可能な制限ストップ部として作用する湾曲面、
を含む、請求項7に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項9】
前記ブリストルは、前記ブリストル端部の角度の付いた入口領域を上流側に含む、請求項7に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項10】
前記コンベヤシステムは、ローディングステーションまたはアンローディングステーションの少なくとも一方を含み、前記経路の前記曲線状部分は、前記ローディングステーションまたは前記アンローディングステーションの前記少なくとも一方の上流に直接配設され、および前記ブリストルは、前記キャリヤバスケットが前記ローディングステーションまたは前記アンローディングステーションに入る際に、前記キャリヤバスケットのアライメントを維持するために、前記キャリヤバスケットの前記内側または前記外側への揺動運動の少なくとも一方を抑えるように構成されている、請求項1に記載のキャリヤバスケット安定化システム。
【請求項11】
請求項1に記載の前記キャリヤバスケット安定化システムを含む、コンベヤシステム。
【請求項12】
車両のうちの少なくともいくつかが、前記車両上に枢動可能に取付けられたキャリヤバスケットを有する状態で、前記車両がその上を案内される経路、を有するコンベヤシステム上を移動される前記キャリヤバスケットを安定化する方法であって、前記コンベヤシステムは、前記経路の曲線状部分がローディングステーションまたはアンローディングステーションの少なくとも一方の上流に直接配設された状態で、前記ローディングステーションまたはアンローディングステーションの少なくとも一方を含む方法であって、前記方法は、
前記経路に隣接して支持体を設けることと、
偏向可能要素が、前記キャリヤバスケットが前記経路に沿って移動する際に前記キャリヤバスケットによって生成される空間包絡線内に部分的に延在している状態で、前記経路に概して平行に延在している前記偏向可能要素を前記支持体上に設けることであって、前記偏向可能要素がブリストルを含む、前記偏向可能要素を前記支持体上に設けることと、
を含み、
前記ブリストルは、前記キャリヤバスケットが前記ブリストルを通り抜ける際に、前記キャリヤバスケットの内側または外側への揺動運動の少なくとも一方を抑える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を移動させる際、例えば、レストランのチェーン店、バー、カフェテリア等での注文品の引渡し時に用いるコンベヤシステムの分野に関する。より具体的には、本発明は、キャリヤがローディングステーションおよび/またはアンローディングステーション内に移動する際にコンベヤによって動かされるキャリヤの適切なアライメントを確保するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、一緒に接続された小さな車輪付き車両から成るエンドレストレーンを含む閉ループに構成された連続トラックに基づいているオーバーヘッドコンベヤシステムを開発して市場に出している。トラックは、一般的に、天井または壁から吊り下げられており、およびローディングポイントからアンローディングポイントまで建物内を蛇行して元の所に戻るように形成することができる。運ぶべき食品は、パッケージまたは袋の中に入っている必要があり、パッケージまたは袋は、車輪付き車両のうちのいくつかによって運搬されるキャリヤバスケット内に配置されている。キャリヤバスケットからパッケージまたは袋を降ろしまたは解放し、および食物を保持トレイ内に配置するためのさまざまな手段を設けることができる。
【0003】
レストランの一つのフロアから別のフロアへの包装した食品の垂直方向の運搬のための別の食品運搬システムが米国特許第7,708,135号明細書に記載されている。食品運搬システムは、ベルトまたはチェーンによって画定された閉ループ経路に沿って食品支持キャリヤを運搬するコンベヤを含み、コンベヤにはキャリヤが枢動可能に接続されている。支持キャリヤ上に配置された食品の運搬は便利であるが、ベルトまたはチェーンベースのコンベヤシステムは、空間利用および曲がりくねった運搬経路に関してのフレキシビリティがほとんどない。
【0004】
また、本出願人の米国特許第2021/0094761号明細書もレストラン等における包装済の食品の運搬のためのコンベヤシステムに注力しており、システムはレイアウトのフレキシブルなデザインを可能にしている。これは、ローディングステーションにおいて、運搬すべき食品をその上に配置することができる支持キャリヤを備えたトラックベースのコンベヤシステムを実現できる。そして、食品は、ローディングステーションから離れている顧客引渡しポイントまで運搬される。ここで、包装済みの食品は、ローディングステーションおよびアンローディングステーションにおいてキャリヤ上に積載される。一つの好適な構成において、キャリヤは、一連の支持フィンガを有するバスケットによって画定され、それらのキャリヤ支持フィンガは、ローディングステーション/アンローディングステーションの支持フィンガまたはローラ間に位置する空間と位置合わせされている。米国特許第2021/0094761号明細書の内容全体は、参照によって完全に記載されているかのように本願明細書に組み込まれるものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,708,135号明細書
【特許文献2】米国特許第2021/0094761号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、コンベヤシステム上を移動するキャリヤバスケットを、好ましくはローディングステーション/アンローディングステーションにおいて、またはコンベヤシステムの他の領域において、バスケットのアライメントを維持するために安定化させるための方法および装置に注力する。ここで、より高速の運搬速度では、キャリヤバスケットは、リターンコーナーを動き回る際に、例えば、ローディングステーションおよび/またはアンローディングステーションに近づく際に、揺動する可能性があることが分かっている。枢動可能に支持されたキャリヤバスケットに作用する遠心力によるこの揺動は好ましくなく、例えば、キャリヤ支持フィンガによって形成されたキャリヤバスケットの櫛状構造が、ローディングステーション/アンローディングステーションの支持フィンガまたはローラに干渉することをもたらす可能性がある。また揺動は、コンベヤシステムの経路に沿った限定された隙間を有する領域において、他の望ましくない接触を引き起こす可能性もあり、または、キャリヤバスケット内の製品の好ましくない転倒や動きを生じる可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このことに対処するために、キャリヤバスケット安定化システムが、少なくともコンベヤシステムの曲線状領域に設けられる。
【0008】
一つの態様において、キャリヤバスケット安定化システムは、車両のうちの少なくともいくつかが、車両上に枢動可能に取付けられたキャリヤバスケットを有する状態で、車両がその上を案内される経路を有するコンベヤシステムとの使用のために構成されている。コンベヤシステムは、例えば、ローディングステーションまたはアンローディングステーションの少なくとも一方の直前にあってもよい、経路の曲線状部分を含む。キャリヤバスケット安定化システムは、経路に隣接して配設されるように構成された支持体を含む。偏向可能要素が支持体上に配設され、および要素は、キャリヤバスケットが経路に沿って移動する際にキャリヤバスケットによって生成される空間包絡線内に部分的に延在している状態で、経路に概して平行に延在している。偏向可能要素は、キャリヤバスケットの内側または外側への揺動運動の少なくとも一方を抑えるように構成されているブリストル(bristle)を備えている。
【0009】
一つの実施形態において、少なくとも一つの偏向可能要素は、第一および第二の偏向可能要素を備え、および第一および第二の偏向可能要素は、経路の両側に配設されている。好ましくは、第一および第二の偏向可能要素は、キャリヤバスケットのキャリヤバスケット出口端部に配置された下流端部よりも経路から離れて離間されてキャリヤ入口側に配置されているそれぞれの上流端部を備えて構成されている。
【0010】
一つの実施形態において、少なくとも一つの偏向可能要素は、経路の曲線状部分に沿って配設された単一の偏向可能要素を備え、および偏向可能要素は、キャリヤバスケットが経路に沿って移動する際にキャリヤバスケットによって生成される空間包絡線内に部分的に延在する。
【0011】
一つの実施形態において、ブリストルは、支持体に取付けられている一つ以上のブリストルセグメントに配置されており、ブリストルセグメントの各々は、ブリストルの自由端が直線状に配置されるように保持されたブリストルを有している。直線状に配置された自由端が、曲線状部分に概して平行に延在するように、複数のブリストルセグメントを、互いに角度を付けて配置することができる。ブリストルセグメントの数は、変えることができるが、好ましくは少なくとも二つである。
【0012】
別の実施形態においては、単一のブリストルセグメントが設けられている。
【0013】
一つの特定の構成において、ブリストルは、経路の曲線状部分に平行である曲線状経路に沿って位置合わせされているブリストル端部を含む。これは、単一の連続ブリストルセグメントまたは複数のブリストルセグメントとして形成することができる。
【0014】
好ましくは、支持体は、ブリストル端部の曲線状経路に概して平行であり、および曲線状経路からオフセットされ、キャリヤバスケットのさらなる外側への揺動運動に抗する偏向不可能な制限ストップ部として作用する湾曲面を含む。
【0015】
一つの実施形態において、ブリストルは、キャリヤバスケットと段階的な接触が行われるように、上流側のブリストル端部の角度の付いた入口領域を含む。
【0016】
一つの好適な適用において、経路の曲線状部分は、ローディングステーションまたはアンローディングステーションの少なくとも一方の上流に直接配設され、およびブリストルは、キャリヤバスケットがローディングステーションまたはアンローディングステーションに入る際に、キャリヤバスケットのアライメントを維持するために、キャリヤバスケットの内側または外側への揺動運動の少なくとも一方を抑えるように構成されている。このことは、キャリヤ支持フィンガによって形成されたキャリヤバスケットの櫛状構造が、ローディング/アンローディングステーションの支持フィンガまたはローラに干渉することを防ぐ。
【0017】
また本発明は、本願明細書に記載されている形状構成のうちの一つ以上を有するキャリヤバスケット安定化システムを含むコンベヤシステムも提供する。
【0018】
別の態様においては、コンベヤシステム上を移動されるキャリヤバスケットを安定化する方法が提供され、コンベヤシステムは、車両のうちの少なくともいくつかが、車両上に枢動可能に取付けられたキャリヤバスケットを有する状態で、車両がその上で案内される経路を有し、およびコンベヤシステムは、経路の曲線状部分がローディングステーションまたはアンローディングステーションの少なくとも一方の上流に直接配設された状態で、ローディングステーションまたはアンローディングステーションの少なくとも一方を含む。方法は、(a)経路に隣接して支持体を設けるステップと、(b)偏向可能要素が、キャリヤバスケットが経路に沿って移動する際にキャリヤバスケットによって生成される空間包絡線内に部分的に延在している状態で、経路に概して平行に延在している偏向可能要素を支持体上に設け、偏向可能要素がブリストルから成るステップと、(c)ブリストルが、キャリヤバスケットがブリストルを通り抜ける際に、キャリヤバスケットの内側または外側への揺動運動の少なくとも一方を抑えるステップとを含む。
【0019】
本願明細書に記載されている本発明のさまざまな態様は、具体的な用途に依存して独立してまたは一緒に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明のさらなる利点は、添付図面の参照とともに実施形態の以下の説明によって明らかになるであろう。
図1】本発明がそれとともに利用される本出願人の従来技術によるコンベヤシステムを示す斜視図である。
図2】コンベヤシステムに関して用いられる、本願明細書に開示されているキャリヤバスケット安定化システムを示す立面図である。
図3】ローディングステーションを通る前の、キャリヤバスケットが安定化システムをちょうど出た状態のキャリヤバスケット安定化システムを示す部分立面図である。
図4】キャリヤバスケットが偏向可能要素の上流側に入る状態を示すキャリヤバスケット安定化システムの第二の実施形態の立面図である。
図5】キャリヤバスケット安定化システムの中間部におけるキャリヤバスケットを示す、図4と同様の立面図である。
図6】キャリヤバスケットがキャリヤバスケット安定化システムを出る際のキャリヤバスケットを示す、図4および図5と同様の図である。
図7図4のキャリヤバスケット安定化システムを通って移動するキャリヤバスケットを示す斜視図である。
図8図4図7のキャリヤバスケット安定化システムがそれとともに利用されるコンベヤシステムの一部を示す斜視図である。
図9図8の線9-9で見たキャリヤバスケットおよびキャリヤバスケット安定化システムを示す側面図である。
図10】キャリヤバスケットが偏向可能要素の上流側に入る状態で示す、キャリヤバスケット安定化システムの第三の実施形態の立面図である。
図11】キャリヤバスケット安定化システムの中間部におけるキャリヤバスケットを示す、図10と同様の立面図である。
図12】キャリヤバスケットがキャリヤバスケット安定化システムを出る際のキャリヤバスケットを示す、図10および図11と同様の図である。
図13図10のキャリヤバスケット安定化システムを通って移動するキャリヤバスケットを示す斜視図である。
図14図10図13のキャリヤバスケット安定化システムがそれとともに利用されるコンベヤシステムの一部を示す斜視図である。
図15図14の線15-15で見たキャリヤバスケットおよびキャリヤバスケット安定化システムを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
いくつかの専門用語は、以下の説明において便宜上のためだけに用いられており、非限定的である。「右」、「左」、「上部」および「底部」という単語は、言及される図面における方向を示す。「一つの(a)」および「一つの(one)」という単語は、クレームで用いられる場合および明細書の対応する部分で用いられる場合、別様に明確に断りのない限り、言及された物品のうちの一つ以上を含むものと定義される。この用語は、明確に上述した単語、それらの派生語、および同様の意味の単語を含む。二つ以上の物品のリスト、例えば、「A、BまたはC」が後に続く「少なくとも一つの」という表現は、A、BまたはCのうちの任意の個別の一つならびにそれらの任意の組合せを意味する。約または概してという用語は、特に断りのない限り、指定された値の±10%以内を意味し、および指定された角度または方向の±25°以内を意味し、これは、カーブに近い直線状セグメントにも当て嵌まる。
【0022】
図1は、参照により完全に記載されているかのように本願明細書に組み込まれる、米国特許第2021/0094761号明細書からの本出願人のコンベヤシステム10の実施形態を示す図である。これは、複数の車両20が案内される一つ以上の曲線状部分14および直線部分15を有するトラック13によって画定された経路12を含む。モータ(図8の符号22)は、車両20を互いに直接連結させることによって、または、車両20間に中間部を有することによって、トラック13に沿って車両20を駆動する。キャリヤバスケット30は、キャリヤバスケット30が、車両20に枢動可能に接続されているキャリヤバスケット30の側部から片持ちされている(cantilevered)キャリヤ支持フィンガ32を含んでいる状態で、車両20の少なくともいくつかに枢動可能に取付けられている。ローディングステーション40またはアンローディングステーション42の少なくとも一方が経路12に沿って配設され、および図1に示すように、経路12の曲線状部分14が、ローディングステーション40またはアンローディングステーション42の少なくとも一方の上流に直接配設されている。ローディングステーション40およびアンローディングステーション42は、コンベヤシステム10によって運搬される物品を拾い上げるかまたは降ろすためのローディングステーションまたはアンローディングステーション支持フィンガ44間で移動するキャリヤバスケット支持フィンガ32によってキャリヤバスケット30から運搬される物品を取り除くのに用いられる支持フィンガ44を含む。米国特許第2021/0094761号明細書において議論されているように、コンベヤシステム10は、具体的な用途および空間要件に適合するためのレイアウトのデザインのフレキシビリティを高めることができる。
【0023】
上述したように、キャリヤバスケット30は、経路12のそれらの曲線状部分14を動き回る際に遠心力によって揺動する可能性がある。キャリヤバスケット30のこの揺動は好ましくなく、例えば、キャリヤバスケット30のキャリヤ支持フィンガ32が、コンベヤシステム10によって運搬される物品を拾い上げるかまたは降ろすためにローディングステーションまたはアンローディングステーションの支持フィンガ44間で移動するキャリヤバスケット支持フィンガ32によってキャリヤバスケット30から運搬される物品を取り除くのに用いられるローディングステーション/アンローディングステーションの支持フィンガ44に干渉することを生じる可能性がある。それはまた、運ばれるパッケージの転倒または傾斜運動を生じる可能性もある。
【0024】
次に、図2および図3を参照すると、キャリヤバスケット安定化システム50の第一の実施形態が図示されている。キャリヤバスケット安定化システム50は、経路12、より好ましくは経路12の曲線状部分14、に隣接して配設されるように構成されている支持体52を含む。これは、経路12に沿った一箇所または複数箇所とすることができる。偏向可能要素54が支持体52上に配設され、および経路12、この実施形態においては経路12の曲線状部分14、に概して平行に延在している。偏向可能要素54は、キャリヤバスケット30が経路12に沿って、およびこの第一の実施形態においては曲線状部分14に沿って、移動する際に、キャリヤバスケット30の少なくとも底縁によって生成される空間包絡線S内に部分的に延在する。偏向可能要素54は、キャリヤバスケット30の外側への揺動運動を抑えるように構成されているブリストル56を含む。ブリストル56は、ナイロンブラシブリストル等の形態とすることができ、または、他の弾性的に偏向可能な材料で形成することもでき、また、「ブリストル」という用語は、キャリヤバスケット30が経路12に沿って移動する際の遠心力によるキャリヤバスケット30の外側への揺動運動を吸収して抑えるために弾性的に偏向可能になっている、互いに平行に取付けられた概して直線状に延在する任意の複数の弾性要素を包含することが意図されている。
【0025】
図2および図3に示すように、ブリストル56は、経路12の曲線状部分14に平行である曲線状経路60に沿って位置合わせされているブリストル端部56Aを含む。好ましくは、支持体52は、同様にブリストル端部56Aの曲線状経路60に平行であり、および曲線状経路からオフセットされ、キャリヤバスケット30のさらなる外側への揺動運動に抗する偏向不可能な制限ストップ部として作用する湾曲面53を含む。
【0026】
図2にも示すように、ブリストル端部56Aは、好ましくは、角度の付いた入口領域57を上流側に含み、そこでキャリヤバスケット30はキャリヤバスケット支持安定化システム50に入る。また、図2および図3に示すように、角度の付いた追加的な出口59も設けることができる。
【0027】
次に、図4図9を参照すると、キャリヤバスケット安定化システム50’の第二の実施形態が図示されている。ここで、ブリストル56’は、偏向可能要素54’を形成するように支持体52’に取付けられている複数のブリストルセグメント58A’~58D’に配置されている。ブリストルセグメント58A’~58D’の各々は、ブリストル56’の自由端56A’が直線状に配置されるように(経路Lを参照)保持されたブリストル56’を有し、および複数のブリストルセグメント58A’~58D’は、直線状に配置されたブリストル端部56A’が経路12の曲線状部分14に概して平行に延在するように、互いに角度が付けられて配置されている。ブリストルセグメント58A’~58D’の隣接するセグメントのブリストル端部56A’は、図示されているようにわずかに重なっていてもよく、または離間されていてもよい。開示されている実施形態は、四つのブリストルセグメント58A’~58D’を有しているが、当業者は、具体的な用途により、より多くのまたはより少ないブリストルセグメント58A’~58D’を利用することができるであろうことを正しく認識するであろう。さらに、開示されている実施形態は、ブリストル56のブリストル端部56A’が(図4に各ブリストルセグメント58A’~58D’に対して示されている)直線経路Lに沿って直線状に配置されていることを記載しているが、これらのブリストルセグメント58A~58Dが、経路12の曲線状部分14により密接に近づくように曲線状経路に沿って配置されたブリストル端部56A’を有することができることは正しく認識されるであろう。ブリストル56’によって画定された偏向可能要素54’は、キャリヤバスケット30が経路12の曲線状部分14を通って移動する際にキャリヤバスケット30の少なくとも底縁によって生成される空間包絡線S内に部分的に延在する。そして、ブリストル56’は、経路12の一方の側だけに配置されるように図示されているが、ブリストルは、キャリヤバスケット30の内側および外側の両方への揺動を防ぐために、両側に配置することができるであろう。具体的な用途により、ブリストル56’は、内側への揺動を防ぐために、経路の内側のみに配置することができるであろう。
【0028】
図7および図9に示すように、支持体52’をコンベヤシステム10に接続するために、取付けブラケット62’を利用することができる。別法として、図2に示す構成と同様に、支持体52’は、地面に、または、コンベヤシステム10によって画定された経路12の曲線状部分14に隣接する別の面から取付けてもよい。
【0029】
次に、図10図15を参照すると、キャリヤバスケット安定化システム50”の第三の実施形態が図示されている。ここでは、第一および第二の実施形態のような一つの偏向可能要素の代わりに、第一および第二の偏向可能要素54A”および54B”が存在し、および第一および第二の偏向可能要素54A”および54B”は、経路の両側に配設されている。第一および第二の偏向可能要素54A”および54B”の各々は、それぞれの支持体52A”、52B”に取付けられている。ブリストル56A”、56B”は、ブリストル56A”、56B”の自由端57A”、57B”の直線状の構成を有して図示されている。しかし、自由端57A”、57B”は、キャリヤバスケットが経路12に沿って移動する際に、キャリヤバスケット30の少なくとも底縁によって生成される空間包絡線Sに、より密接に近づくための曲線状経路を有することもできるであろう。第一および第二の偏向可能要素54A”、54B”は、好ましくは、要素の下流端部よりも経路12からより遠くに離間されたそれぞれの上流端部を備えて配置される。開示されている実施形態は、偏向可能要素54A”、54B”の各々が単一のブリストルセグメントとして形成された状態で、経路12の各側部に一つの偏向可能要素54A”、54B”を有しているが、当業者は、第一および第二の偏向可能要素54A”、54B”の各々を形成するのに具体的な用途により、二つ以上のブリストルセグメントを利用することができることを正しく認識するであろう。ここでは、第一および第二の偏向可能要素54A”、54B”はブリストル56A”、56B”によって画定されており、各要素は、キャリヤバスケットが経路12の曲線状部分14を通って移動する際にキャリヤバスケット30の少なくとも底縁によって生成される空間包絡線S内に部分的に延在する。
【0030】
図13図15に図示されているように、支持体52A”、52B”をコンベヤシステム10に接続するのに取付けブラケット62A”、62B”を利用することができる。別法として、図2に示す構成と同様に、支持体52A”、52B”を、好ましくは、曲線状部分14から出てくる領域において、地面に、またはコンベヤシステム10によって画定された、経路12に隣接する別の面から取付けてもよい。
【0031】
また、車両20がその上で案内される経路12を含むコンベヤシステム10上を移動されるキャリヤバスケット30を安定化する方法も提供される。ここでは、支持体52、52’が、経路12の曲線状部分14に隣接して設けられ、およびキャリヤバスケットが経路12の曲線状部分14を通って移動する際に、偏向可能要素54、54’が、キャリヤバスケット30によって生成される空間包絡線S内に部分的に延在する状態で、偏向可能要素54、54’が、経路12の曲線状部分14に概して平行に延在するように、偏向可能要素54、54’が支持体52、52’上に配設されている。ここで、該偏向可能要素54、54’は、上述したような曲線状経路60に沿って配置することができる、または、複数のブリストルセグメント58A’~58D’として設けてもよいブリストル56、56’を含む。これらのブリストル56、56’は、キャリヤバスケット30が経路12の曲線状部分を通って移動する際にキャリヤバスケット30の外側への揺動運動を抑える。
【0032】
当業者は、経路12の曲線状部分14からのブリストル56、56’の間隔を合わせることができるのと同様に、ブリストル56、56’の剛性を具体的な用途に合うように調節できることを正しく認識するであろう。好適な実施形態において、ブリストル56、56’は、好ましくは、支持体52、52’から少なくとも約2インチ延在し、およびキャリヤバスケットが経路12の曲線状部分14を通って移動する際にキャリヤバスケット30によって生成される空間包絡線Sは、キャリヤバスケット30が中立位置に垂下している場合に、ブリストル端部56A、56A’の少なくとも0.5~1.0インチに好ましくは重なっている。
【0033】
上記のことは、単に例示のためだけに提示され、および何らかの限定のためには提示されていないことは正しく認識されるであろう。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載されている実施形態に対してさまざまな代替や変更を行えることが意図されている。このように本発明を詳細に説明してきたが、多くの物理的変更を、そのうちのほんのわずかな実施例が本発明の詳細な説明において挙げられているが、本願明細書において具体化されている発明の概念および原理を変更することなく実行できることが当業者には正しく認識され、および明らかになるであろう。また、部材に関して、本願明細書において具体化されている本発明の概念および原理を変更しない、好適な実施形態の一部のみを組み込んだ多くの実施形態が可能であることも正しく認識すべきである。したがって、本実施形態および任意の構成は、あらゆる点で典型的および/または例示的と見なすべきであり、限定的と見なすべきではなく、本発明の範囲は、上記の説明によってではなく添付請求項によって示され、そのため、前記請求項の等価の意味および範囲内にある、この実施形態に関するすべての代替的実施形態および変形例は、本願明細書に包含されるべきである。
図1
図2
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【国際調査報告】