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特表2025-504638抵抗を低減するためのセル回路内のトレンチ電力レール並びに関連する配電ネットワーク及び製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-14
(54)【発明の名称】抵抗を低減するためのセル回路内のトレンチ電力レール並びに関連する配電ネットワーク及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10D 84/85 20250101AFI20250206BHJP
   H10D 89/10 20250101ALI20250206BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20250206BHJP
   H10D 1/68 20250101ALI20250206BHJP
【FI】
H01L27/092 F
H01L21/82 L
H01L27/092 C
H01L21/90 B
H01L27/04 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541255
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 US2022080485
(87)【国際公開番号】W WO2023146696
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】17/648,981
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】バダログル、ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ジョンゾー
【テーマコード(参考)】
5F033
5F038
5F048
5F064
【Fターム(参考)】
5F033UU01
5F033VV04
5F033VV05
5F033XX08
5F038AC04
5F038CD02
5F038EZ20
5F048AA01
5F048AB03
5F048AC03
5F048AC10
5F048BB09
5F048BB11
5F048BB19
5F048BD06
5F048BF07
5F048BF15
5F048BF16
5F048BG13
5F048CB01
5F064AA04
5F064CC09
5F064CC12
5F064CC23
5F064DD05
5F064EE05
5F064EE17
5F064EE26
5F064EE32
5F064EE42
(57)【要約】
集積回路は、技術ノードサイズが縮小されるにつれて金属トラックのサイズが縮小される結果として、電力レールにおける抵抗を低減する、又は電力レールの抵抗の増加を回避するために、トレンチ電力レールを含む。トレンチ電力レールは、セル回路間の分離領域内に形成されている。分離領域内のセル分離トレンチは、トレンチ電力レールを形成してその断面積を増加させるための追加の金属材料を配置するための追加の体積を提供する。トレンチ電力レールは、ビア層を通って、信号相互接続部を含む金属層まで延びる。トレンチ電力レールは、ビア層内のセル分離トレンチから幅方向に延びて、垂直相互接続アクセス(ビア)なしに隣接するセル回路のトレンチコンタクトに結合する。高誘電率誘電体層は、トレンチ電力レールをセル回路から選択的に分離することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属層に配置された第1のトレンチコンタクトであって、第1の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる、第1のトレンチコンタクトを備える第1のセル回路と、
前記第1の金属層に配置された第2のトレンチコンタクトであって、第2の長手方向軸に沿って前記第1の方向に延びる、第2のトレンチコンタクトを備える第2のセル回路と、
前記第1のトレンチコンタクトの第1の端部と前記第2のトレンチコンタクトの第2の端部との間の分離領域内のセル分離トレンチと、
第2の方向に前記第1の金属層に隣接する第2の金属層であって、前記第2の金属層の第1の厚さが、前記第2の方向に延びる、第2の金属層と、
前記第1の金属層と前記第2の金属層との間のビア層であって、前記ビア層の第2の厚さが、前記第2の方向に延びる、ビア層と、
前記セル分離トレンチ内のトレンチ電力レールであって、前記トレンチ電力レールが、第3の長手方向軸に沿って第3の方向に延び、前記トレンチ電力レールの厚さが、前記第2の金属層の前記第1の厚さ、前記ビア層の前記第2の厚さ、及び前記第1の金属層の第3の厚さを含む、トレンチ電力レールと、
を備える、集積回路(IC)。
【請求項2】
前記第1の長手方向軸が、前記第2の長手方向軸と同一線上にあり、
前記第1のトレンチコンタクトの前記第1の端部と前記第2のトレンチコンタクトの前記第2の端部との間に配置された前記トレンチ電力レールが、前記第1のトレンチコンタクトの前記第1の端部と前記第2のトレンチコンタクトの前記第2の端部との間の先端間距離以下の前記第1の方向の第1の幅を有する、
請求項1に記載のIC。
【請求項3】
前記第1のトレンチコンタクトが、前記ビア層に隣接する第1の表面を備え、
前記第2のトレンチコンタクトが、前記ビア層に隣接する第2の表面を備え、
前記ビア層内の前記第1の方向の前記トレンチ電力レールの第2の幅が、前記先端間距離よりも大きく、
前記トレンチ電力レールが、前記第1の表面上及び前記第2の表面上にある、
請求項2に記載のIC。
【請求項4】
前記トレンチ電力レールが、前記第2の金属層内の前記第1の方向の前記第2の幅を有する、請求項3に記載のIC。
【請求項5】
前記トレンチ電力レールが、前記第1のトレンチコンタクトと直接接触しており、誘電体層によって前記第2のトレンチコンタクトから分離されている、請求項3に記載のIC。
【請求項6】
前記トレンチ電力レールが、前記第1のトレンチコンタクト及び前記第2のトレンチコンタクトと直接接触している、請求項3に記載のIC。
【請求項7】
前記トレンチ電力レールが、誘電体層によって前記第1のトレンチコンタクトから分離され、前記誘電体層によって前記第2のトレンチコンタクトから分離されている、請求項3に記載のIC。
【請求項8】
前記トレンチ電力レールが、モノリシック金属層を備える、請求項1に記載のIC。
【請求項9】
前記第1のセル回路が、第1のトランジスタの第1の拡散領域を更に備え、前記第1の拡散領域が、前記第1のトレンチコンタクトに直接結合されており、
前記第2のセル回路が、第2のトランジスタの第2の拡散領域を更に備え、前記第2の拡散領域が、前記第2のトレンチコンタクトに直接結合されている、
請求項1に記載のIC。
【請求項10】
第1の金属層内で第1の方向に各々が延びる、第1の電力レール及び第2の電力レールと、
デカップリングキャパシタであって、
前記第1の方向に延びる第1のトレンチキャパシタレールと、
前記第1のトレンチキャパシタレールに隣接して前記第1の方向に延びる第2のトレンチキャパシタレールと、
前記第1のトレンチキャパシタレールと前記第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置された第1の誘電体層と、
前記第1の金属層内で第2の方向に延び、かつ前記第1のトレンチキャパシタレールを前記第1の電力レールに結合する、第1のトレンチコンタクトと、
前記第1の金属層内で前記第2の方向に延び、かつ前記第2のトレンチキャパシタレールを前記第2の電力レールに結合する、第2のトレンチコンタクトと、
を備える、デカップリングキャパシタと、
を備える、集積回路(IC)。
【請求項11】
前記デカップリングキャパシタが、
前記第1の方向に延びる第3のトレンチキャパシタレールであって、前記第1のトレンチキャパシタレールと前記第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置され、前記第2のトレンチコンタクトに結合された、第3のトレンチキャパシタレールと、
前記第1の方向に延びる第4のトレンチキャパシタレールであって、前記第1のトレンチキャパシタレールと前記第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置され、前記第1のトレンチコンタクトに結合された、第4のトレンチキャパシタレールと、
前記第3のトレンチキャパシタレールと前記第4のトレンチキャパシタレールとの間に配置された第2の誘電体層と、
前記第4のトレンチキャパシタレールと前記第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置された第3の誘電体層と、
を更に備え、
前記第1の誘電体層が、前記第1のトレンチキャパシタレールと前記第3のトレンチキャパシタレールとの間に配置されている、
請求項10に記載のIC。
【請求項12】
前記デカップリングキャパシタが、前記第1の電力レールと前記第2の電力レールとの間に配置されている、請求項10に記載のIC。
【請求項13】
集積回路(IC)を製造する方法であって、
第1の金属層に配置された第1のトレンチコンタクトであって、第1の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる、第1のトレンチコンタクトを備える第1のセル回路を形成することと、
前記第1の金属層に配置された第2のトレンチコンタクトであって、第2の長手方向軸に沿って前記第1の方向に延びる、第2のトレンチコンタクトを備える第2のセル回路を形成することと、
前記第1のトレンチコンタクトの第1の端部と前記第2のトレンチコンタクトの第2の端部との間の分離領域内にセル分離トレンチを形成することと、
第2の方向に前記第1の金属層に隣接する第2の金属層であって、前記第2の金属層の第1の厚さが、前記第2の方向に延びる、第2の金属層を形成することと、
前記第1の金属層と前記第2の金属層との間のビア層であって、前記ビア層の第2の厚さが、前記第2の方向に延びる、ビア層を形成することと、
前記セル分離トレンチ内のトレンチ電力レールであって、前記トレンチ電力レールが、第3の長手方向軸に沿って第3の方向に延び、前記トレンチ電力レールの厚さが、前記第2の金属層の前記第1の厚さ、前記ビア層の前記第2の厚さ、及び前記第1の金属層の第3の厚さを含む、トレンチ電力レールを形成することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1のセル回路及び前記第2のセル回路を形成することが、
半導体基板上に第1の拡散領域を形成することと、
前記半導体基板上に第2の拡散領域を形成することと、
前記第1の拡散領域上に前記第1のトレンチコンタクトを形成することと、
前記第2の拡散領域上に前記第2のトレンチコンタクトを形成することと、
前記半導体基板上、前記第1のトレンチコンタクト上、及び前記第2のトレンチコンタクト上に層間誘電体(ILD)を形成することと、
前記ビア層内のビア及び前記第2の金属層内の信号相互接続部に対応する前記ILD内のトレンチパターンを形成することと、
前記トレンチパターンを犠牲材料で充填することと、
を更に含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トレンチ電力レールを形成することが、
前記第2の金属層内の前記分離領域内の前記ILDを除去することと、
前記第1のトレンチコンタクトの第1の表面及び前記第2のトレンチコンタクトの第2の表面を露出させるために、前記分離領域内の前記ビア層及び前記第1の金属層内の前記ILDを除去することと、
前記トレンチ電力レールのための誘電体層を形成することと、
を更に含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ILD内の前記トレンチパターンから前記犠牲材料を除去することと、
前記第1のトレンチコンタクトの前記露出された第1の表面及び前記第2のトレンチコンタクトの前記露出された第2の表面から前記誘電体層を選択的に除去することと、
を更に含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のトレンチコンタクトの前記露出された第1の表面及び前記第2のトレンチコンタクトの前記露出された第2の表面から前記誘電体層を選択的に除去することが、前記第1のトレンチコンタクトの前記露出された第1の表面から前記誘電体層を除去するが、前記第2のトレンチコンタクトの前記露出された第2の表面から前記誘電体層を除去しないことを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のトレンチコンタクトの前記露出された第1の表面及び前記第2のトレンチコンタクトの前記露出された第2の表面から前記誘電体層を選択的に除去することが、前記第1のトレンチコンタクトの前記露出された第1の表面から前記誘電体層を除去し、前記第2のトレンチコンタクトの前記露出された第2の表面から前記誘電体層を除去することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のトレンチコンタクトの前記露出された第1の表面及び前記第2のトレンチコンタクトの前記露出された第2の表面から前記誘電体層を選択的に除去することが、前記第1のトレンチコンタクトの前記露出された第1の表面から前記誘電体層を除去せず、前記第2のトレンチコンタクトの前記露出された第2の表面から前記誘電体層を除去しないことを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
[0001] 本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2022年1月26日に出願された「TRENCH POWER RAIL IN CELL CIRCUITS TO REDUCE RESISTANCE AND RELATED POWER DISTRIBUTION NETWORKS AND FABRICATION METHODS」と題する米国特許出願第17/648,981号の優先権を主張する。
【0002】
I.開示の分野
[0002] 本開示の分野は、概して、集積回路(integrated circuits、ICs)における電力レールに関し、具体的には、標準セル回路への供給電圧及び接地接続の分配に関する。
【背景技術】
【0003】
II.背景
[0003] 電子デバイスで使用される集積回路(ICs)は、より多くの機能をより小さい体積に適合させ、電力消費を低減し、かつコストを低減するために、絶えずサイズが小さくなる傾向がある。単一のダイに集積された回路は、半導体表面上に何百万ものトランジスタを含むことができる。IC内のトランジスタは、面積効率を増加させるために半導体表面上に均一なレイアウトを有する標準セル内の標準セル回路として実装される。トランジスタは、所望の回路を形成するために半導体表面の上の金属層に設けられた信号相互接続部によって相互接続されている。それぞれの金属層は、ビア層によって垂直方向に互いに分離されている。ビア層内の垂直相互接続アクセス(ビア)は、それぞれの金属層内の金属相互接続部間の垂直接続を提供する。
【0004】
[0004] 電力は、配電ネットワークの供給電圧電力レール上の供給電圧(例えば、VDD)として、及び接地電圧電力レール上の接地電圧(例えば、VSS)において、標準セル回路に提供される。供給電圧電力レール及び接地電圧電力レールは、標準セル間で信号を伝達する信号相互接続部も含むメタライゼーション層内に形成されている。電力レールは、所与のセル回路を越えて延び、複数の隣接するセル回路まで延びて、そのような回路に電力を供給する。したがって、電力レールを通って流れる全電流は、電流分割の結果として、信号相互接続部における電流レベルよりも大きい。ジュール加熱による電力レールにおける電力損失(例えば、「IR降下」)を低減するために、電力レールは、信号相互接続部よりも断面が大きく作られている。電力レールが形成されているメタライゼーション層は、均一な厚さを有するので、電力レールを信号相互接続部よりも幅広にすることによって、より大きな断面が得られる。しかしながら、電力レールの幅は、ICの総面積に寄与する。
【0005】
[0005] 供給電圧電力レール上の供給電圧と接地電圧電力レール上の接地電圧との間の電圧変動は、標準セルに分配される。電源と接地との間の電圧におけるそのような変動(例えば、ノイズ)は、標準セル回路を不適切に動作させて、ICにおけるソフトエラーをもたらす可能性がある。そのようなノイズを低減するために、配電ネットワーク内の供給電圧電力レールと接地電圧電力レールとの間にデカップリングキャパシタが設けられている。デカップリングキャパシタによって提供されるノイズ保護の周波数は、レールにおける抵抗の増加とともに減少し、高周波ノイズからの保護がワイヤレスデバイスにおいて必要とされるので、高い品質係数を有する大きなキャパシタンスを有する(例えば、より低い直列抵抗を有する)デカップリングキャパシタが好ましい。しかしながら、デカップリングキャパシタは、より大きなキャパシタンスを達成するためにより大きな面積を必要とする場合があり、これもまた、ICの総面積に寄与する。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 「発明を実施するための形態」において開示される例示的な態様は、抵抗を低減するためのセル回路内のトレンチ電力レールと、関連する配電ネットワークとを含む。トレンチ電力レールを作製する関連方法も開示される。集積回路(IC)は、半導体基板上の回路セル内のセル領域に形成されたセル回路(「セル」とも呼ばれる)を含む。回路セルは、論理回路を形成するためのP型金属酸化膜半導体(P-type metal-oxide-semiconductor、PMOS)及びN型金属酸化膜半導体(N-type metal-oxide-semiconductor、NMOS)トランジスタを形成するためのP型及びN型材料拡散領域を含む標準セルであってもよい。回路セル内のセル回路は、隣接する回路セル間の分離領域内のセル分離トレンチによって互いに分離されているが、セル回路は、半導体基板の上の金属層内の金属トラック内で水平方向に延びる信号相互接続部によって互いに結合されている。金属層はまた、セル回路に電力を提供するための電力レールを含むことができる。例示的な態様では、回路セル内の電力レールの抵抗を低減するために、又は技術ノードサイズが縮小されるにつれて金属トラックのサイズが縮小された結果としての電力レールの抵抗の増加を回避するために、電力レールは、電力レールトラック及びセル分離トレンチ内のトレンチ電力レールとして形成されている。セル分離トレンチは、電力レールを形成するための追加の金属材料を配置してその断面積を増加させ、それによってその抵抗を低減するための追加の体積を提供する。トレンチ電力レールはまた、電力レールトラックとセル分離トレンチとの間のビア層を通って延びる。電力レールは、隣接する回路セルのトレンチコンタクトに結合するために、ビア層内のセル分離トレンチから延びる。その結果、垂直相互接続アクセス(ビア)は、電力レールをトレンチコンタクトに結合するために、第1の金属層とトレンチコンタクトとの間のビア層内に必要とされない。いくつかの例示的な態様では、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、又は酸化アルミニウムなどの高誘電率誘電体層が、セル分離トレンチの両側の回路セルの一方又は両方から電力レールを分離するために、トレンチコンタクト(単数又は複数)と電力レールとの間のセル分離トレンチ内に配置されている。
【0007】
[0007] 他の例示的な態様では、ICの配電ネットワーク内のトレンチデカップリングキャパシタは、供給電圧に結合された少なくとも第1のトレンチレールと、接地電圧に結合された少なくとも第2のトレンチレールとを含む。第1のトレンチレール及び第2のトレンチレールは、高誘電率誘電体層によって互いに分離されている。いくつかの実施例では、デカップリングキャパシタのトレンチレールは、第1の金属層、ビア層を通って、半導体基板上のセル分離トレンチ層内に延びる。回路セル間に配置されたトレンチデカップリングキャパシタのうちの1つ又は複数は、配電ネットワーク内のノイズを低減する。
【0008】
[0008] 例示的な態様では、集積回路(IC)が本明細書で開示される。ICは、第1の金属層に配置された第1のトレンチコンタクトを備える第1のセル回路を備え、第1のトレンチコンタクトは、第1の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる。ICは、第1の金属層に配置された第2のトレンチコンタクトを備える第2のセル回路を備え、第2のトレンチコンタクトは、第2の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる。ICはまた、第1のトレンチコンタクトの第1の端部と第2のトレンチコンタクトの第2の端部との間の分離領域内のセル分離トレンチを備える。ICは、第2の方向に第1の金属層に隣接する第2の金属層を備え、第2の金属層の第1の厚さは、第2の方向に延びる。ICは、第1の金属層と第2の金属層との間のビア層を更に備え、ビア層の第2の厚さは、第2の方向に延びる。ICはまた、セル分離トレンチ内のトレンチ電力レールを備え、トレンチ電力レールは、第3の長手方向軸に沿って第3の方向に延び、トレンチ電力レールの厚さは、第2の金属層の第1の厚さ、ビア層の第2の厚さ、及び第1の金属層の第3の厚さを含む。
【0009】
[0009] 別の例示的な態様では、ICが開示される。ICは、第1の電力レールと第2の電力レールとを備え、第1の電力レール及び第2の電力レールは、第1の金属層内で第1の方向に延びる。ICはまた、第1の方向に延びる第1のトレンチキャパシタレールを備えるデカップリングキャパシタを備える。デカップリングキャパシタはまた、第1のトレンチキャパシタレールに隣接して第1の方向に延びる第2のトレンチキャパシタレールを備える。デカップリングキャパシタはまた、第1のトレンチキャパシタレールと第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置された第1の誘電体層を備える。デカップリングキャパシタはまた、第1の金属層内で第2の方向に延び、かつ第1のトレンチキャパシタレールを第1の電力レールに結合する、第1のトレンチコンタクトを備える。デカップリングキャパシタは、第1の金属層内で第2の方向に延び、かつ第2のトレンチキャパシタレールを第2の電力レールに結合する、第2のトレンチコンタクトを更に備える。
【0010】
[0010] 別の例示的な態様では、集積回路(IC)を製造する方法が開示される。この方法は、第1の金属層に配置された第1のトレンチコンタクトであって、第1の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる、第1のトレンチコンタクトを備える第1のセル回路を形成することと、第1の金属層に配置された第2のトレンチコンタクトであって、第2の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる、第2のトレンチコンタクトを備える第2のセル回路を形成することと、を含む。この方法はまた、第1のトレンチコンタクトの第1の端部と第2のトレンチコンタクトの第2の端部との間の分離領域内にセル分離トレンチを形成することと、第2の方向に第1の金属層に隣接する第2の金属層であって、第2の金属層の第1の厚さが、第2の方向に延びる、第2の金属層を形成することと、を含む。この方法は、第1の金属層と第2の金属層との間のビア層であって、ビア層の第2の厚さが、第2の方向に延びる、ビア層を形成することと、セル分離トレンチ内のトレンチ電力レールであって、トレンチ電力レールが、第3の長手方向軸に沿って第3の方向に延び、トレンチ電力レールの厚さが、第2の金属層の第1の厚さ、ビア層の第2の厚さ、及び第1の金属層の第3の厚さを含む、トレンチ電力レールを形成することと、を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】[0011] セル回路(例えば、標準セル)内の金属層内の金属トラック内の信号相互接続部と、回路セル間の分離領域に重なる金属層内の電力レールトラックとを示す、レイアウト図及び側断面図それぞれである。
図1B】セル回路(例えば、標準セル)内の金属層内の金属トラック内の信号相互接続部と、回路セル間の分離領域に重なる金属層内の電力レールトラックとを示す、レイアウト図及び側断面図それぞれである。
図2A】[0012] 金属層に配置された信号相互接続部に結合された拡散領域を含む回路セルと、抵抗を低減し、ビアなしでセル回路に結合するために、隣接する回路セル間の分離領域にわたって延びる例示的なトレンチ電力レールとを含む集積回路(IC)のレイアウト図及び側断面図それぞれである。
図2B】金属層に配置された信号相互接続部に結合された拡散領域を含む回路セルと、抵抗を低減し、ビアなしでセル回路に結合するために、隣接する回路セル間の分離領域にわたって延びる例示的なトレンチ電力レールとを含む集積回路(IC)のレイアウト図及び側断面図それぞれである。
図3】[0013] トレンチ電力レールの第2の側でセル回路に結合された、回路セル間の分離領域内のトレンチ電力レールの側断面図である。
図4】[0014] トレンチ電力レールの両側でセル回路に結合された、回路セル間の分離領域内のトレンチ電力レールの側断面図である。
図5】[0015] セル回路がトレンチ電力レールに結合されていない、回路セル間の分離領域内のトレンチ電力レールの側断面図である。
図6】[0016] 図2Bに対応するが、トレンチ電力レールと、平面拡散領域に結合されたトレンチコンタクトとを含むICの側断面図である。
図7】[0017] 図2Bに対応するが、トレンチ電力レールと、ゲートオールアラウンド(gate-all-around、GAA)拡散領域に結合されたトレンチコンタクトとを含むICの側断面図である。
図8】[0018] 回路セル間の分離領域に配置されたトレンチ電力レールと、供給電圧におけるノイズを低減するためにトレンチ電力レールに結合されたデカップリングキャパシタであって、回路セル領域内に複数の隣接するトレンチレールを備える、デカップリングキャパシタとを含む集積回路の上面レイアウト図である。
図9】[0019] 回路セル間の分離領域内のトレンチ電力レールと、回路セル領域に配置された隣接するトレンチレールとを含むデカップリングキャパシタを含むICの側断面図である。
図10】[0020] 回路セル領域内の複数の隣接するトレンチキャパシタレールと、回路セル間の分離領域とを含むデカップリングキャパシタを含むICの側断面図である。
図11】[0021] 図2Bに示すICを製造する方法を示すフローチャートである。
図12A】[0022] 金属層内の信号相互接続部のための犠牲プレースホルダを示す、回路セルの製造の第1の段階における側断面図である。
図12B】[0023] トレンチが回路セル間の分離領域内のトレンチ電力レールのために形成され、高誘電率誘電体層がトレンチ内に形成される、製造の第2の段階における側断面図である。
図12C】[0024] 犠牲プレースホルダが除去された製造の第3の段階における側断面図である。
図12D】[0025] 高K誘電体がパターニングされる製造の第4の段階における側断面図である。
図12E】[0026] 信号相互接続部及びトレンチ電力レールがメタライゼーションプロセスにおいて形成される、製造の第5の段階における側断面図である。
図13A】製造の対応する段階を説明するフローチャートの第1のブロックである。
図13B】製造の対応する段階を説明するフローチャートの第1のブロックである。
図13C】製造の対応する段階を説明するフローチャートの第1のブロックである。
図13D】製造の対応する段階を説明するフローチャートの第1のブロックである。
図13E】製造の対応する段階を説明するフローチャートの第1のブロックである。
図14】[0027] 図2A図7及び図12Eに示すように、抵抗を低減し、電力レールへのビアをなくすために、増加した断面を有するトレンチ電力レールを含むICを含む無線周波数(radio frequency、RF)モジュールを含む例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図である。
図15】[0028] 図2A図7及び図12Eに示すように、本明細書で開示する態様のいずれかによる、抵抗を低減し、ビアをなくすために、増加した断面積を有するトレンチ電力レールを含むICを含むことができる例示的なプロセッサベースのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0029] 次に、図面を参照して、本開示のいくつかの例示的な態様について説明する。「例示的(exemplary)」という語は、「例、事例、又は例示としての役割を果たすこと」を意味するために本明細書で使用される。「例示的」として本明細書に説明のいずれの態様も、必ずしも他の態様よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0013】
[0030] 「発明を実施するための形態」において開示される例示的な態様は、抵抗を低減するためのセル回路内のトレンチ電力レールと、関連する配電ネットワークとを含む。トレンチ電力レールを作製する関連方法も開示される。集積回路(IC)は、半導体基板上の回路セル内のセル領域に形成されたセル回路(「セル」とも呼ばれる)を含む。回路セルは、論理回路を形成するためのP型金属酸化膜半導体(PMOS)及びN型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタを形成するためのP型及びN型材料拡散領域を含む標準セルであってもよい。回路セル内のセル回路は、隣接する回路セル間の分離領域内のセル分離トレンチによって互いに分離されているが、セル回路は、半導体基板の上の金属層内の金属トラック内で水平方向に延びる信号相互接続部によって互いに結合されている。金属層はまた、セル回路に電力を提供するための電力レールを含むことができる。例示的な態様では、回路セル内の電力レールの抵抗を低減するために、又は技術ノードサイズが縮小されるにつれて金属トラックのサイズが縮小された結果としての電力レールの抵抗の増加を回避するために、電力レールは、電力レールトラック及びセル分離トレンチ内のトレンチ電力レールとして形成されている。セル分離トレンチは、電力レールを形成するための追加の金属材料を配置してその断面積を増加させ、それによってその抵抗を低減するための追加の体積を提供する。トレンチ電力レールはまた、電力レールトラックとセル分離トレンチとの間のビア層を通って延びる。電力レールは、隣接する回路セルのトレンチコンタクトに結合するために、ビア層内のセル分離トレンチから延びる。その結果、垂直相互接続アクセス(ビア)は、電力レールをトレンチコンタクトに結合するために、第1の金属層とトレンチコンタクトとの間のビア層内に必要とされない。いくつかの例示的な態様では、高誘電率誘電体層が、セル分離トレンチの両側の回路セルの一方又は両方から電力レールを分離するために、トレンチコンタクト(単数又は複数)と電力レールとの間のセル分離トレンチ内に配置されている。
【0014】
[0031] 図2A図15に示す例示的な態様を説明する前に、図1A及び図1Bは、第1のセル回路102及び第2のセル回路104(「セル回路102、104」)の特徴の以下の説明における参照のために、集積回路(IC)100の上面レイアウト図及び側断面図それぞれを提供する。ここでは、必要に応じて、第1のセル回路102及び第2のセル回路104の限られた数の特徴が示されている。セル回路102、104は、金属層108内の信号相互接続部106によって相互接続された標準セル回路であってもよい。セル回路102、104は、電力レール110上で供給電圧VDD及び基準電圧VSSのうちの1つを受信する。セル回路102、104はそれぞれ、トランジスタ116を形成するために半導体基板114の拡散領域112も含む。信号相互接続部106は、所望の回路機能を達成するために、それぞれのセル回路102、104内のトランジスタ116をIC100上の他のセル回路(図示せず)と結合するように構成することができる。
【0015】
[0032] 拡散領域112は、フィン型拡散領域112であり、また、半導体基板114上のナノシートなどのゲートオールアラウンドデバイスであってもよい。ゲート118及びゲート120(例えば、ポリシリコンゲート)は、拡散領域112のチャネル領域122上に配置されて、拡散領域112を通る電流フローを制御し(例えば、許可又は不許可にし)、電圧VSDは、トレンチコンタクト126を通して拡散領域112のソース/ドレイン領域124に提供することができる。例えば、トランジスタ116は、トレンチコンタクト126に提供される電圧VSDが拡散領域112のドレイン/ソース領域128に渡されることを可能にするために、ゲート118上の電圧VGATEによって制御されるスイッチとして機能することができる。電圧VSDは、信号相互接続部106のうちの1つにおいて(例えば、外部回路から)受信することができる、又は図1に示す実施例のように、電力レール110から受信される供給電圧(例えば、VDD)若しくは基準電圧(例えば、VSS)であってもよい。
【0016】
[0033] 図1Aのレイアウト図を参照すると、信号相互接続部106及び電力レール110は、金属層108内でX軸方向に延びる。電力レール110は、第1のセル回路102と第2のセル回路104との間の分離領域130に重なる。拡散領域112は、半導体基板114上にX軸方向に延び、Y軸方向に延びるゲート118及びトレンチコンタクト126と交差する。ゲート118は、半導体基板114上に配置され、拡散領域112の上でZ軸方向に延びる。セル回路102内のトレンチコンタクト126は、金属層132内に形成され、拡散領域112に結合している。トレンチコンタクト126は、半導体基板114上の層間誘電体(inter-layer dielectric、ILD)138内のトレンチ136内に金属134(例えば、銅)を堆積させることによって形成されている。ゲート誘電体層140によって拡散領域112から電気的に絶縁されるゲート118とは対照的に、トレンチコンタクト126は、ソース/ドレイン領域124への電気的接続を提供するために、拡散領域112に直接結合されている。金属層132内のトレンチコンタクト126は、金属層108と金属層132との間のビア層144内に形成された垂直相互接続アクセス(ビア)142によって、金属層108内の信号相互接続部106に結合されている。
【0017】
[0034] 技術が1つの技術ノードから次の技術ノードに進むにつれて、セル回路102、104の特徴のうちのいくつかは、より小さくなるが、他のものは、そのような縮小に対するボトルネックになる。例えば、メタル層108に配置された信号相互接続部106はそれぞれ、ここに示す実施例ではY軸方向に金属トラックピッチP106に基づく幅W106を有し、またX軸方向にも幅W106を有し、新世代ごとに幅W106が縮小されている。その結果、信号相互接続部106の断面積A106が縮小され、これにより、信号相互接続部106の抵抗が大きくなる。同様に、ビアの幅W142は、X軸方向及びY軸方向の両方に縮小され、これにより、金属層108と金属層132との間の接続抵抗が大きくなる。
【0018】
[0035] 電力レール110は、信号相互接続部106内の信号よりも著しく多くの電流を必要とし得る複数のセル回路102、104に電力供給するために使用されるので、電力レール110は、抵抗を低減するために信号相互接続部106よりも大きい断面積を有する。信号相互接続部106及び電力レール110は、厚さT108を有する同じ金属層108内に形成されているので、電力レール110の幅W110は、電力レール110の断面積A110を増加させるために、信号相互接続部106の幅W106よりも大きくされている。しかしながら、1つの技術ノードから次の技術ノードへと、幅寸法W110さえも縮小され、断面積A110を縮小し、電力レール110の抵抗R110を増加させる。
【0019】
[0036] 上述のように、電力レール110は、第1のセル回路102と第2のセル回路104との間の分離領域130に重なる。分離領域130は、第1のセル回路102内のトレンチコンタクト126の端部146と第2のセル回路104内のトレンチコンタクト150の端部148との間の最小先端間距離DT2Tに基づく。最小先端間距離DT2Tは、セル回路102と104との間の短絡欠陥を低減するための製造公差に基づく設計ルールである。加えて、トレンチコンタクト126は、拡散領域112からY軸方向に延びて、ビア142が電力レール110をトレンチコンタクト126に結合するための電力レール110の下のランディング領域AVIAに達する。したがって、分離領域130及びトレンチコンタクトランディング領域AVIAは、低減することが困難なセル回路102、104の態様である。
【0020】
[0037] 図2A及び図2Bは、半導体基板210内に形成されたトランジスタ208の拡散領域206を含む第1のセル回路202及び第2のセル回路204(「セル回路202、204」)を含むIC200のレイアウト図及び側断面図それぞれである。セル回路202のトランジスタ208は、金属層214内の信号相互接続部212及びビア216によって、第2のセル回路204及び外部回路(図示せず)に結合されている。ビア216のうちの1つは、金属層220内の第1のトレンチコンタクト218と金属層214との間に延びる。例示的なトレンチ電力レール222は、セル回路202と204との間の分離領域224に沿って延びる。トレンチ電力レールは、トレンチ電力レール222内の抵抗を低減し、かつビア216なしでセル回路202、204に電力を供給するために、分離領域224にわたって延びる(例えば、Y軸方向の)幅W222Bと、金属層214からセル分離トレンチ226内に延びる(例えば、Z軸方向の)高さH222とを有する。以下で更に説明するように、トレンチ電力レール222は、プロセスの単一段階で形成されるモノリシック金属層として、セル分離トレンチ226内の金属層220、ビア層230、及び金属層214のすべてに形成することができる。トレンチ電力レール222は、IC200内の配電ネットワーク(図示せず)の一部であってもよく、トレンチ電力レール222の抵抗を低減することにより、IC200の品質係数(Q値)を改善することができる。
【0021】
[0038] セル回路202、204は、回路セル231内に形成され、分離領域224内のセル分離トレンチ226によって互いに分離されている。セル回路202、204は、半導体基板210の上の金属層214内の金属トラック228内で水平に(例えば、X軸、Y軸平面内で)延びる信号相互接続部212によって互いに結合することができる。セル分離トレンチ226は、その断面積A222を増加させるためにトレンチ電力レール222のための金属を配置するための追加の体積を提供する。本明細書で開示されるようなトレンチ電力レール222を用いることにより、既存の電力レール(金属層108の厚さT108に制限される図1の電力レール110など)と比較して、セル回路202、204への電力の供給における抵抗を低減することができ、金属トラック228の幅が新しい技術ノードで低減される結果としての抵抗の増加を回避することができる。トレンチ電力レール222は、ビア216が金属層214と第1のトレンチコンタクト218が形成される金属層220との間に形成される、ビア層230を通って延びる。トレンチ電力レール222は、ビア層230内でY軸方向にセル分離トレンチ226から延びて、トレンチ電力レール222の両側にある、第1のセル回路202の第1のトレンチコンタクト218及び第2のセル回路204の第2のトレンチコンタクト219に結合する。その結果、第1のトレンチコンタクト218をトレンチ電力レール222に結合するために、ビア216は必要とされない。高誘電率誘電体層232は、トレンチコンタクト218、219の一方又は両方からトレンチ電力レール222を分離するために、トレンチコンタクト218、219とトレンチ電力レール222との間のセル分離トレンチ226内に配置することができる。図2Bに示すように、高誘電率誘電体層232は、第2のトレンチコンタクト219上に配置されて、第2のトレンチコンタクト219をトレンチ電力レール222から電気的に絶縁することができるが、高誘電率誘電体層232は、第1のトレンチコンタクト218上に配置されず、したがって、トレンチ電力レール222は、供給電圧VDD及び基準電圧VSSのうちの1つ(例えば、接地又は0ボルト)を第1のトレンチコンタクト218に提供することができる。
【0022】
[0039] 図2A及び図2Bを更に参照すると、セル回路202、204は、以下で説明することを除いて、図1のセル回路102、104に対応する。第1のセル回路202は、金属層214内にあり、かつY軸方向に第1の長手方向軸A1に沿って延びる、第1のトレンチコンタクト218を含む。第2のセル回路204は、金属層220に配置され、かつY軸方向に第2の長手方向軸A2に沿って延びる、第2のトレンチコンタクト219を含む。軸A1は、軸A2と同一線上にあってもよい。セル分離トレンチ226は、第1のトレンチコンタクト218の端部234と第2のトレンチコンタクト219の第2の端部236との間の分離領域224内に配置されている。金属層220は、Z軸方向に金属層214に隣接し、Z軸方向に延びる厚さT214を有する。ビア層230は、金属層220と金属層214との間にあり、Z軸方向に延びる厚さT230を有する。トレンチ電力レール222は、X軸方向に長手方向軸A3に沿って延び、トレンチ電力レール222の厚さT222は、金属層214の厚さT214、ビア層230の厚さT230、及びセル分離トレンチ226内の金属層の厚さT226を含む。
【0023】
[0040] トレンチ電力レール222は、例えば、供給電圧VDD又は基準(例えば、接地)電圧VSSを提供することができる。Y軸方向に分離領域224にわたって延び、かつ高さH222を有するトレンチ電力レール222は、セル回路202、204に電力を供給するための電流のための大きな断面積A222を提供する。図2Bに示すように、トレンチ電力レール222は、ビア層230に隣接する第1のトレンチコンタクト218の側の表面238上、及びビア層230に隣接する第2のトレンチコンタクト219の側の表面240上にY軸方向に延びる。トレンチ電力レール222は、トレンチコンタクト218、219の端面242及び244それぞれと接触することに加えて、表面238、240の一方又は両方の広い領域上に直接配置されていてもよく、あるいはそのいずれにも配置されていなくてもよい。このようにして、トレンチコンタクト218、219は、トレンチ電力レール222に対して低抵抗電気接触を有する。代替的に、トレンチ電力レール222は、第1のトレンチコンタクト218及び/又は第2のトレンチコンタクト219上に間接的に配置されていてもよく、それは、トレンチコンタクト218、219の表面238、240、242、及び244上に選択的に配置することができる高誘電率誘電体層232上に配置されていることを含む。
【0024】
[0041] トレンチ電力レール222は、トレンチコンタクト218の端部234上に直接配置することができるので、ビアランディング領域は必要ない。したがって、トレンチコンタクト218は、図1のトレンチコンタクト126ほど拡散領域206からY軸方向に延びる必要はない。トレンチ電力レール222は、製造設計ルールを満たすために必要とされる(端部234と端部236との間の)最小先端間距離DT2Tを依然として維持しながら、Y軸方向における第1のセル回路202の寸法の低減を可能にする。加えて、既存の電力レールは、ビア断面積が小さくなることに起因して抵抗が増加し得るが、例示的なトレンチ電力レール222は、ビアの必要性を回避し、したがって、新しい技術ノードにおける対応する抵抗を回避する。
【0025】
[0042] 更に詳細には、第1のトレンチコンタクト218の端部234と第2のトレンチコンタクト219の端部236との間に配置されたトレンチ電力レール222は、先端間距離DT2T以下であるY軸方向の金属層220内の第1の幅W222Aを有する。ここで、高誘電率誘電体層232が第2のトレンチコンタクト219上に形成されているので、幅W222Aは、先端間距離DT2Tよりも小さい。トレンチ電力レール222が表面238、240上に延びるので、ビア層230内のY軸方向のトレンチ電力レール222の幅W222Bは、先端間距離DT2Tよりも大きい。また、トレンチ電力レール222は、金属層214においてもY軸方向に第2の幅W222Bを有する。第2の幅W222Bは、以下で更に説明するように、層間誘電体(ILD)248内に形成された電力レールトレンチ246の幅W306によって決定することができる。第2の幅W222Bは、高誘電率誘電体層232のパターニングにも依存する。
【0026】
[0043] 図3は、セル回路302と304との間の分離領域308内の図3のトレンチ電力レール306がセル回路304に結合され、セル回路302には結合されていないことを除いて、図2のIC200内のセル回路202及び204に対応するセル回路302及び304を含むIC300の側断面図である。図3は、トレンチ電力レール306が分離領域308の両側のセル回路302及び304のうちの1つに結合されるように構成することができることを示すために、図2に示すものとは異なるパターンの高誘電率誘電体層310を示すために提供される。
【0027】
[0044] 図4は、トレンチ電力レール402が分離領域408の両側でセル回路404及び406に結合されているIC400の別の実施例の側断面図である。この点に関して、高誘電率誘電体層410は、トレンチ412内に(例えば、堆積によって)形成され、トレンチコンタクト414及び/又はトレンチコンタクト416上の高誘電率誘電体層410の一部分を除去するようにパターニングすることができる。図4は、パターニングされた後に分離領域408内に残っている高誘電率誘電体層410の残留部分418を含む。
【0028】
[0045] 図5は、図2B図3、及び図4に対応するIC500の側断面図であり、トレンチ電力レール502は、高誘電率誘電体層506によってトレンチコンタクト504から分離され、高誘電率誘電体層506によってトレンチコンタクト508から分離され、これらは、分離領域510の両側にある。図5は、トレンチコンタクト504及び508への接続のためにビアに依存しないトレンチ電力レール502が、セル回路512及び514に電気的に結合されることなく、セル回路512と514との間の分離領域510を通ってルーティングすることができることを示すために提供される。
【0029】
[0046] 図6は、多くの態様において図2BのIC200に対応するIC600の側断面図であるが、半導体基板608上に形成された平面拡散領域606に結合されたトレンチコンタクト604を含むIC600において、上述のトレンチ電力レール602を使用することができることを示すために提供される。
【0030】
[0047] 図7は、図2Bに対応するIC700の側断面図であり、半導体基板708上に形成されたゲートオールアラウンド(GAA)拡散領域706に結合されたトレンチコンタクト704を含むIC700において、上述のトレンチ電力レール702を使用することができることを示すために提供される。
【0031】
[0048] 図8は、複数のセル回路804に供給電圧VDDを提供するためのトレンチ電力レール802と、複数のセル回路804に基準電圧VSSを提供するためのトレンチ電力レール806とを含むIC800の上面レイアウト図である。セル回路804は、図2のセル回路202、204のいずれかであってもよい。IC800は、例示的な態様では、IC800内の供給電圧VDDと基準電圧VSSとの間のノイズを低減するために、トレンチ電力レール802及び806に結合されたデカップリングキャパシタ808及び810を含む。複数のセル回路804は、回路セル領域814のアレイ812内に配置されている。トレンチ電力レール802は、分離領域816及び818に沿ってX軸方向に延び、トレンチ電力レール806は、分離領域820に沿って延びる。セル回路804は、トレンチコンタクト822によってトレンチ電力レール802及び806に結合することができる。
【0032】
[0049] デカップリングキャパシタ808及び810は、トレンチ電力レール806とトレンチ電力レール802のうちの1つとの間の回路セル領域814のうちの2つに形成されている。いくつかの実施例では、IC800は、デカップリングキャパシタ808及び810よりも多い又は少ないデカップリングキャパシタを含んでもよい。デカップリングキャパシタ808及び810はそれぞれ、トレンチ電力レール806に結合されて基準電圧VSSを提供する第1のトレンチキャパシタレール824を含む。デカップリングキャパシタ808及び810はそれぞれ、トレンチ電力レール802のうちの1つに結合されて供給電圧VDDを提供する第2のトレンチキャパシタレール826も含む。デカップリングキャパシタ808及び810の各々において、第1のトレンチキャパシタレール824及び第2のトレンチキャパシタレール826は、Y軸方向に交互の順序で配置され、高誘電率誘電体層828が隣接するトレンチ電力レール間に配置されている。第1のトレンチキャパシタレール824と第2のトレンチキャパシタレール826との間にキャパシタンスが発生し、そのようなキャパシタンスは、セル回路804を不適切に動作させ得る、基準電圧VSSに対する供給電圧VDDの電圧スパイクなどのノイズを低減する。セル回路804に近接して配置されたデカップリングキャパシタ808、810は、IC800の外部のデカップリングキャパシタよりも高いレベルのノイズ保護(例えば、高いQ値)を提供することができる。デカップリングキャパシタ808、810はそれぞれ、第1のトレンチキャパシタレール824のうちの2つ及び第2のトレンチキャパシタレール826のうちの2つを含むが、デカップリングキャパシタ808、810は、この点に関して限定されず、より多くの又はより少ない第1のトレンチキャパシタレール824及び第2のトレンチキャパシタレール826を含んでもよい。
【0033】
[0050] 図9は、回路セル領域908と910との間の分離領域906内にトレンチ電力レール904を含むデカップリングキャパシタ902を含むIC900の側断面図である。デカップリングキャパシタ902はまた、トレンチ電力レール904に隣接して回路セル領域908内に配置されたトレンチキャパシタレール912を含む。図9の断面図では、トレンチコンタクト914が、回路セル領域908から分離領域906を通って回路セル領域910まで(例えば、Y軸方向に)延びて、供給電圧VDD及び基準電圧VSSのうちの1つをトレンチキャパシタレール912から回路セル領域910内のセル回路(図示せず)に結合する。回路セル領域908は、トレンチコンタクト914に結合された拡散領域(例えば、フィン)918を含むが、デカップリングキャパシタ902が回路セル領域908を占有するので、拡散領域918は、セル回路内で使用されてもよく、又は使用されなくてもよい。
【0034】
[0051] トレンチ電力レール904及びトレンチキャパシタレール912の各々は、信号相互接続部924を含む金属層922、ビア928を含むビア層926、及びトレンチコンタクト914が形成される金属層930(例えば、X軸方向のトレンチコンタクト914の両側)に配置されている。高誘電率誘電体層932は、側壁934とトレンチキャパシタレール912との間のトレンチ電力レール904の側壁934上に配置されている。トレンチ電力レール904の側壁934とトレンチキャパシタレール912との間の高誘電率誘電体層932においてキャパシタンスが発生する。デカップリングキャパシタ902のキャパシタンスは、側壁934の高さH934と、トレンチキャパシタレール912及びトレンチ電力レール904の長さ(図示せず)とによって画定される面積に部分的に依存する。加えて、高誘電率誘電体層932は、トレンチ電力レール904とトレンチコンタクト914との間に延び、デカップリングキャパシタ902のキャパシタンスを増加させる。
【0035】
[0052] 図10は、供給電圧VDD及び基準電圧VSSのうちの第1の1つに結合された第1のトレンチキャパシタレール1006と、基準電圧VSS及び供給電圧VDDのうちの他方に結合された第2のトレンチキャパシタレール1008とを含むデカップリングキャパシタ1002を含むIC1000の側断面図である。第1のトレンチキャパシタレール1006及び第2のトレンチキャパシタレール1008は、交互配置され、高誘電率誘電体層1010が、隣接するレール間に配置されて、デカップリングキャパシタ1002に高キャパシタンスを提供する。第1のトレンチキャパシタレール1006及び第2のトレンチキャパシタレール1008は、回路セル領域1012、及び回路セル領域1012と回路セル領域1016との間の分離領域1014に形成されている。第1のトレンチキャパシタレール1006及び第2のトレンチキャパシタレール1008は、金属層1022、ビア層1024、及びトレンチコンタクト1028が形成される金属層1026に配置されている。大きなZ軸寸法を有する第1のトレンチキャパシタレール1006及び第2のトレンチキャパシタレール1008を形成することにより、隣接するレール間の表面積を増加させ、それによってキャパシタンスを増加させる。加えて、より大きいZ軸寸法は、低抵抗のために(例えば、高Q値を達成するために)第1のトレンチキャパシタレール1006及び第2のトレンチキャパシタレール1008の断面積を増加させる。デカップリングキャパシタ1002は、図10に示す第1のトレンチキャパシタレール1006及び第2のトレンチキャパシタレール1008に限定されず、図示されるものよりも多くの又は少ないものを含んでもよい。
【0036】
[0053] 図10を参照すると、デカップリングキャパシタ1002は、X軸方向に延びる第1のトレンチキャパシタレール1006(1)を含む。第1のトレンチキャパシタレール1006は、金属層1022と金属層1026との間に延びるZ軸方向のレール厚さT1006を有する。デカップリングキャパシタ1002は、第2のトレンチキャパシタレール1008(1)を含み、これもX軸方向に延び、Z軸方向の厚さT1008を有する。デカップリングキャパシタ1002は、金属層1022、ビア層1024、及び金属層1026内の第1のトレンチキャパシタレール1006(1)と第2のトレンチキャパシタレール1008(1)との間に高誘電率誘電体層1027を含む。トレンチコンタクト1028は、金属層1026内でY軸方向に延び、第1のトレンチキャパシタレール1006(1)を、供給電圧VDD及び基準電圧VSSのうちの1つを提供する第1のトレンチ電力レールに結合する(図8参照)。第2のトレンチコンタクト(図10には示されていないが、図8を考慮して理解することができる)もまた、金属層1026内でY軸方向に延び、第2のトレンチキャパシタレール1008(1)を、供給電圧VDD及び基準電圧VSSのうちの他方を提供するトレンチ電力レールに結合する。
【0037】
[0054] いくつかの実施例では、デカップリングキャパシタ1002は、第1のトレンチキャパシタレール1006(1)と第2のトレンチキャパシタレール1008(1)との間に別の第1のトレンチキャパシタレール1006(2)を更に含む。第1のトレンチキャパシタレール1006(2)は、第2のトレンチコンタクト(図示せず)に結合されている。デカップリングキャパシタ1002はまた、第1のトレンチキャパシタレール1006(1)と他の第1のトレンチキャパシタレール1006(2)との間に別の第2のトレンチキャパシタレール1008(2)を含む。他の第2のトレンチキャパシタレール1008(2)は、トレンチコンタクト1028に結合されている。高誘電率誘電体層1030は、他の第1のトレンチキャパシタレール1006(2)と第2のトレンチキャパシタレール1008(2)との間に配置され、高誘電率誘電体層1032は、他の第1のトレンチキャパシタレール1006(2)と第2のトレンチキャパシタレール1008(1)との間に配置されている。これらの実施例では、高誘電率誘電体層1027は、第1のトレンチキャパシタレール1006(1)と他の第2のトレンチキャパシタレール1008(2)との間に配置されている。加えて、高誘電率誘電体層1034は、他の第1のトレンチキャパシタレール1006(1)と図示されていない第2のトレンチコンタクトとの間に配置され、高誘電率誘電体層1036は、他の第2のトレンチキャパシタレール1008(1)とトレンチコンタクト1028との間に配置されている。
【0038】
[0055] 図11は、図2A及び図2BのIC200を製造する方法を示すフローチャートである。方法は、第1の金属層220に配置された第1のトレンチコンタクト218であって、第1の長手方向軸A1に沿って第1の方向(Y軸方向)に延びる、第1のトレンチコンタクト218を備える第1のセル回路202を形成することを含む(ブロック1102)。方法は、第1の金属層220に配置された第2のトレンチコンタクト219であって、第2の長手方向軸A2に沿って第1の方向に延びる、第2のトレンチコンタクト219を備える第2のセル回路204を形成することを更に含む(ブロック1104)。方法は、第1のトレンチコンタクト218の第1の端部234と第2のトレンチコンタクト219の第2の端部236との間の分離領域224内にセル分離トレンチ226を形成することを更に含む(ブロック1106)。方法は、第2の方向(Z軸方向)に第1の金属層220に隣接する第2の金属層214であって、第2の金属層214の第1の厚さT214が、第2の方向(Z軸方向)に延びる、第2の金属層214を形成することを更に含む(ブロック1108)。方法は、第1の金属層220と第2の金属層214との間のビア層230であって、ビア層230の第2の厚さT230が、第2の方向(Z軸方向)に延びる、ビア層230を形成することを含む(ブロック1110)。方法はまた、第3の方向(X軸)に第3の長手方向軸A3に沿って延びるトレンチ電力レール222であって、トレンチ電力レールの厚さT222が、第2の金属層214の第1の厚さT214、ビア層230の第2の厚さT230、及び分離領域224内の第1の金属層220の第3の厚さT220を含む、トレンチ電力レール222を形成することを更に含む。
【0039】
[0056] 図12A図12Eは、図2のIC200の製造段階における側断面図であり、図13A図13Eは、図12A図12Eに示す製造段階に対応する方法を説明するフローチャートの対応するブロックである。図12A図12Eの特徴が図2A及び図2Bの特徴に対応する場合、図12A図12Eのそのような特徴は、図2A及び図2Bのようにラベル付けされている。
【0040】
[0057] 図12Aは、金属層214内の信号相互接続部212及びビア216のための犠牲プレースホルダ1202を示す、セル回路202、204の製造の第1の段階における側断面図である。第1のセル回路202及び第2のセル回路204を形成するためのプロセスは、第1の回路セル202内の半導体基板210上の拡散領域206のうちの少なくとも1つ、及び第2の回路セル204内の半導体基板210上の拡散領域のうちの少なくとも1つを形成することを含む。プロセスは、第1のセル回路202内の拡散領域206上に第1のトレンチコンタクト218を形成し、第2のセル回路204内の拡散領域206上に第2のトレンチコンタクト219を形成することを更に含む。プロセスは、半導体基板210上、第1のトレンチコンタクト218上、及び第2のトレンチコンタクト219上にILD248を形成することを更に含み、ILD248の厚さは、金属層214の厚さT214及びビア層230の厚さT230を含む。図13Aにおいて、図12Aに示すような犠牲プレースホルダ1202を形成する方法は、ビア層230内のビア216及び金属層214内の信号相互接続部212に対応するトレンチパターン1204をILD248内に形成することを含む(ブロック1302)。方法は、トレンチパターン1204を犠牲材料1206で充填することを更に含む(ブロック1304)。犠牲材料は、アモルファスシリコン、スピンオンカーボン、又はスピンオンガラスなどのソフトマスクであってもよい。セル回路202、204は、拡散領域206及びトレンチコンタクト218、219を含む。
【0041】
[0058] 図12Bは、セル回路202と204との間の分離領域224内のトレンチ電力レール222のために電力レールトレンチ246が形成され、電力レールトレンチ246内に高誘電率誘電体層232が形成される、製造の第2の段階における側断面図である。図13Bにおいて、図12Bに示すようなトレンチ電力レール222を形成する方法は、ILD248内に電力レールトレンチ246を形成することを更に含み、これは、第1のトレンチコンタクト218の端部234と第2のトレンチコンタクト219の端部236との間の第2の金属層220内のセル分離トレンチ226内のILD248を除去することを含む(ブロック1306)。方法は、第1のトレンチコンタクト218の第1の表面238及び第2のトレンチコンタクト219の第2の表面240を露出させるために、分離領域内のビア層230及び第1の金属層214内のILD248を除去することを更に含む(ブロック1308)。方法は、電力レールトレンチ246内に高誘電率誘電体層232を形成することを更に含む(ブロック1310)。
【0042】
[0059] 図12Cは、犠牲プレースホルダ1202が除去された製造の第3の段階における側断面図である。図13Cにおいて、トレンチ電力レール222を形成する方法は、図12Cに示すように、ILD248内のトレンチパターン1204から犠牲材料1206を除去することを更に含む(ブロック1312)。
【0043】
[0060] 図12Dは、高誘電率誘電体層がパターニングされる製造の第4の段階における側断面図である。図13Dにおいて、図12Dに示す段階の方法は、第1のトレンチコンタクト218の第1の表面238及び第2のトレンチコンタクト219の第2の表面240から高誘電率誘電体層232を選択的に除去することを含む(ブロック1314)。第1のトレンチコンタクト218の第1の表面238及び第2のトレンチコンタクト219の第2の表面240から高誘電率誘電体層232を選択的に除去することは、以下のいずれかを含むことができる。
[0061] 1)第1のトレンチコンタクト218の第1の表面238から高誘電率誘電体層232を除去するが、第2のトレンチコンタクト219の第2の表面240から高誘電率誘電体層232を除去しないこと、
[0062] 2)第1のトレンチコンタクト218の第1の表面238から高誘電率誘電体層232を除去し、第2のトレンチコンタクト219の第2の表面240から高誘電率誘電体層232を除去すること、及び
[0063] 3)第1のトレンチコンタクト218の第1の表面238から高誘電率誘電体層232を除去せず、第2のトレンチコンタクト219の第2の表面240から高誘電率誘電体層232を除去しないこと。
【0044】
[0064] 高誘電率誘電体層232を選択的に除去することは、マスク(図示せず)を適用して、マスクによって覆われていない高誘電率誘電体層232の部分を除去することを含むことができる。
【0045】
[0065] 図12Eは、信号相互接続部212及びトレンチ電力レール222が形成される製造の第5の段階における側断面図である。図13Eにおいて、図12Eに示すように、トレンチ電力レール222を形成し、ビア層230を形成し、第2の金属層を形成する方法は、電力レールトレンチ246内及びILD248内のトレンチパターン1204の各々内に金属1208を配置することを含む(ブロック1316)。金属1208を配置することは、マスクを適用することと、金属(例えば、銅)が電力レールトレンチ246及びトレンチパターン1204内に形成又は堆積されるメタライゼーションを実行することとを伴うことができる。
【0046】
[0066] 図14は、1つ又は複数のIC1402から形成された無線周波数(RF)構成要素を含む例示的なワイヤレス通信デバイス1400を示す。IC1402のいずれかは、図2A図7及び図12Eに示すように、本明細書で開示する態様のいずれかによる、抵抗を低減し、電力レールへのビアをなくすために、増加した断面を有するトレンチ電力レールを含むことができる。ワイヤレス通信デバイス1400は、例として、上記のデバイスのうちのいずれかを含み得る、又はそれらのうちのいずれかの中に設けられ得る。図14に示すように、ワイヤレス通信デバイス1400は、トランシーバ1404とデータプロセッサ1406とを含む。データプロセッサ1406は、データ及びプログラムコードを記憶するためのメモリを含み得る。トランシーバ1404は、双方向通信をサポートする送信機1408と受信機1410とを含む。一般に、ワイヤレス通信デバイス1400は、任意の数の通信システム及び周波数帯域のため、任意の数の送信機1408及び/又は受信機1410を含み得る。トランシーバ1404の全部又は一部は、1つ又は複数のアナログIC、RFIC、ミックスドシグナルICなどの上に実装され得る。
【0047】
[0067] 送信機1408又は受信機1410は、スーパーヘテロダインアーキテクチャ又はダイレクトコンバージョンアーキテクチャで実装され得る。スーパーヘテロダインアーキテクチャでは、信号は、複数の段においてRFとベースバンドとの間で、例えば、1つの段においてRFから中間周波数(intermediate frequency、IF)に、次いで、別の段においてIFからベースバンドに周波数変換される。ダイレクトコンバージョンアーキテクチャでは、信号は、1つの段階において、RFとベースバンドとの間で周波数変換される。スーパーヘテロダインアーキテクチャとダイレクトコンバージョンアーキテクチャは、異なる回路ブロックを使用すること、及び/又は異なる要件を有することがある。図14のワイヤレス通信デバイス1400では、送信機1408及び受信機1410は、ダイレクトコンバージョンアーキテクチャで実装される。
【0048】
[0068] 送信経路では、データプロセッサ1406は、送信されるデータを処理し、I及びQアナログ出力信号を送信機1408に提供する。例示的なワイヤレス通信デバイス1400では、データプロセッサ1406は、データプロセッサ1406により生成されるデジタル信号を、更なる処理のために、I及びQアナログ出力信号、例えばI及びQ出力電流へと変換するためのデジタルアナログ変換器(digital-to-analog converters、DACs)1412(1)、1412(2)を含む。
【0049】
[0069] 送信機1408内では、ローパスフィルタ1414(1)、1414(2)は、それぞれ、前のデジタルアナログ変換によって引き起こされる望ましくない信号を除去するために、I及びQアナログ出力信号をフィルタリングする。増幅器(Amplifiers、AMPs)1416(1)、1416(2)は、それぞれ、ローパスフィルタ1414(1)、1414(2)からの信号を増幅し、I及びQベースバンド信号を提供する。アップコンバータ1418は、送信(TX)局部発振(local oscillator、LO)信号発生器1422からミキサ1420(1)、1420(2)を介してITX LO信号及びQ TX LO信号によって、Iベースバンド信号及びQベースバンド信号をアップコンバートして、アップコンバートされた信号1424を提供する。フィルタ1426は、アップコンバートされた信号1424をフィルタリングして、周波数アップコンバージョンにより引き起こされる不要な信号並びに受信周波数帯域中の雑音を除去する。電力増幅器(power amplifier、PA)1428は、所望される出力電力レベルを取得し、フィルタ1426からのアップコンバートされた信号1424を増幅して、送信RF信号を提供する。送信RF信号は、デュプレクサ又はスイッチ1430を通してルーティングされ、アンテナ1432を介して送信される。
【0050】
[0070] 受信経路では、アンテナ1432は、基地局によって送信されてきた信号を受信し、受信したRF信号を提供し、RF信号は、デュプレクサ又はスイッチ1430を通してルーティングされ、低雑音増幅器(low noise amplifier、LNA)1434に提供される。デュプレクサ又はスイッチ1430は、受信(RX)信号がTX信号から分離されるように、特定のRXからTXへのデュプレクサ周波数分離で動作するように設計される。所望されるRF入力信号を取得するために、受信されたRF信号は、LNA1434によって増幅され、フィルタ1436によってフィルタリングされる。ダウンコンバージョンミキサ1438(1)、1438(2)が、フィルタ1436の出力を、RX LO信号発生器1440からのI及びQ RX LO信号(すなわち、LO_I及びLO_Q)と混合して、I及びQベースバンド信号を生成する。I及びQベースバンド信号は、I及びQアナログ入力信号を取得するために、AMP1442(1)、1442(2)によって増幅され、更にローパスフィルタ1444(1)、1444(2)によってフィルタリングされ、この信号は、データプロセッサ1406に提供される。この例では、データプロセッサ1406は、アナログ入力信号を、データプロセッサ1406によって更に処理されるようにデジタル信号に変換するためのアナログデジタル変換器(analog-to-digital converters、ADCs)1446(1)、1446(2)を含む。
【0051】
[0071] 図14の無線通信デバイス1400では、TX LO信号発生器1422が、周波数アップコンバージョンに使用されるI及びQ TX LO信号を生成し、RX LO信号発生器1440が、周波数ダウンコンバージョンに使用されるI及びQ RX LO信号を生成する。各LO信号は、特定の基本周波数を持つ周期信号である。TX位相ロックループ(phase-locked loop、PLL)回路1448は、データプロセッサ1406からタイミング情報を受信し、TX LO信号発生器1422からのTX LO信号の周波数及び/又は位相を調整するために使用される制御信号を生成する。同様に、RX PLL回路1450は、データプロセッサ1406からタイミング情報を受信し、RX LO信号発生器1440からのRX LO信号の周波数及び/又は位相を調整するために使用される制御信号を生成する。
【0052】
[0072] 図2A図7及び図12Eに示すように、本明細書で開示する態様のいずれかによる、抵抗を低減し、電力レールへのビアをなくすために、増加した断面を有するトレンチ電力レールを含むICを各々含むことができるワイヤレス通信デバイス1400は、任意のプロセッサベースのデバイス内に設けられてもよく、又はその中に組み込まれてもよい。例は、限定されるものではないが、セットトップボックス、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、固定ロケーションデータユニット、モバイルロケーションデータユニット、全地球測位システム(global positioning system、GPS)デバイス、モバイルフォン、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)フォン、タブレット、ファブレット、サーバ、コンピュータ、ポータブルコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、ヘルス又はフィットネストラッカ、アイウェアなど)、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、モニタ、コンピュータモニタ、テレビ、チューナー、ラジオ、衛星ラジオ、音楽プレーヤ、デジタル音楽プレーヤ、ポータブル音楽プレーヤ、デジタルビデオプレーヤ、ビデオプレーヤ、デジタルビデオディスク(digital video disc、DVD)プレーヤ、ポータブルデジタルビデオプレーヤ、自動車、車両部品、アビオニクスシステム、ドローン、及びマルチコプターを含む。
【0053】
[0073] この点に関して、図15は、図2A図7及び図12Eに示すように、本明細書で開示する任意の態様による、抵抗を低減し、電力レールへのビアをなくすために、増加した断面を有する3D電力レールを含むICを含むプロセッサベースのシステム1500の一実施例を示す。この実施例では、プロセッサベースのシステム1500は、CPU又はプロセッサコアとも呼ばれることもあり、1つ又は複数のプロセッサ1504を各々が含む、1つ又は複数の中央処理ユニット(central processor units、CPUs)1502を含む。CPU(単数又は複数)1502は、一時的に記憶されているデータに迅速にアクセスするために、プロセッサ(単数又は複数)1504に結合されたキャッシュメモリ1506を有してもよい。CPU(単数又は複数)1502は、システムバス1508に結合され、プロセッサベースのシステム1500内に含まれるマスタデバイスとスレーブデバイスとを相互結合することができる。よく知られているように、CPU(単数又は複数)1502は、システムバス1508を介してアドレス情報、制御情報、及びデータ情報を交換することによって、これらの他のデバイスと通信する。例えば、CPU(単数又は複数)1502は、スレーブデバイスの一例として、メモリコントローラ1510にバストランザクション要求を通信することができる。図15には示されていないが、複数のシステムバス1508を提供することができ、各システムバス1508は、異なるファブリックを構成する。
【0054】
[0074] 他のマスタデバイス及びスレーブデバイスをシステムバス1508に接続することができる。図15に示すように、これらのデバイスは、例として、メモリコントローラ1510及び1つ又は複数のメモリアレイ1514を含むメモリシステム1512、1つ又は複数の入力デバイス1516、1つ又は複数の出力デバイス1518、1つ又は複数のネットワークインターフェースデバイス1520、並びに1つ又は複数のディスプレイコントローラ1522を含むことができる。出力デバイス1518及びネットワークインターフェースデバイス1520のいずれかは、図2A図7及び図12Eに示すように、本明細書で開示される態様のいずれかによる、抵抗を低減し、電力レールへのビアをなくすために、増加した断面を有するトレンチ電力レールを含むICを含むことができる。入力デバイス(単数又は複数)1516は、入力キー、スイッチ、ボイスプロセッサなどを含むが、それらに限定されない、任意のタイプの入力デバイスを含むことができる。出力デバイス(単数又は複数)1518は、オーディオ、ビデオ、他の視覚インジケータなどを含むが、それらに限定されない、任意のタイプの出力デバイスを含むことができる。ネットワークインターフェースデバイス(単数又は複数)1520は、ネットワーク1524への、及びネットワーク1524からのデータの交換を可能にするように構成された任意のデバイスとすることができる。ネットワーク1524は、ワイヤードネットワーク又はワイヤレスネットワーク、プライベートネットワーク又はパブリックネットワーク、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、BLUETOOTH(商標)ネットワーク、及びインターネットを含むが、これらに限定されない任意のタイプのネットワークとすることができる。ネットワークインターフェースデバイス(単数又は複数)1520は、所望される任意のタイプの通信プロトコルをサポートするように構成することができる。
【0055】
[0075] CPU(単数又は複数)1502はまた、1つ又は複数のディスプレイ1526に送られる情報を制御するために、システムバス1508を介してディスプレイコントローラ(単数又は複数)1522にアクセスするように構成することができる。ディスプレイコントローラ(単数又は複数)1522は、表示されるべき情報をディスプレイ(単数又は複数)1526に適したフォーマットに処理する1つ又は複数のビデオプロセッサ1528を介して、表示されるべき情報をディスプレイ(単数又は複数)1526に送る。ディスプレイ(単数又は複数)1526は、陰極線管(cathode ray tube、CRT)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイなどを含むが、これらに限定されない任意のタイプのディスプレイを含むことができる。
【0056】
[0076] 当業者は、本明細書で開示する態様に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムが、電子ハードウェア、メモリ内若しくは別のコンピュータ可読媒体内に記憶され、プロセッサ若しくは他の処理デバイスによって実行される命令、又は両方の組み合わせとして実装され得ることを更に理解されよう。本明細書で説明するマスタデバイス及びスレーブデバイスは、例として、任意の回路、ハードウェア構成要素、IC、又はICチップにおいて採用され得る。本明細書に開示のメモリは、任意のタイプ及びサイズのメモリであり得、所望される任意のタイプの情報を記憶するように構成され得る。この互換性について明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップについて、それらの機能性に関して上記で全般的に説明してきた。このような機能性がどのように実装されるかは、特定の適用例、設計上の選択、及び/又はシステム全体に課される設計制約によって決まる。当業者は、説明する機能を特定の用途ごとに様々な方法で実現し得るが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0057】
[0077] 本明細書に開示の態様に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書に説明の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実施され得る。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替としてプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のこのような構成)として実装されてもよい。
【0058】
[0078] 本明細書で開示する態様は、ハードウェアにおいて具現化されてもよい、及びハードウェア内に記憶され、例えば、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、電気的プログラマブルROM(Electrically Programmable ROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(Electrically Erasable Programmable ROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当該技術分野において知られている任意の他の形態のコンピュータ可読媒体の中に存在し得る命令において具現化されてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、かつ記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合されている。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体化され得る。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICの中に常駐し得る。ASICは、リモート局の中に常駐し得る。代替として、プロセッサ及び記憶媒体は、ディスクリート構成要素として、リモート局、基地局、又はサーバの中に常駐し得る。
【0059】
[0079] 本明細書に開示の例示的な態様のうちのいずれかで説明されている動作ステップは、例及び論述を提供するために記載されていることにも留意されたい。説明されている動作は、図示のシーケンス以外の多数の異なるシーケンスで実施され得る。更に、単一の動作ステップで説明されている動作は、実際にはいくつかの異なるステップで実施され得る。加えて、例示的な態様において論述されている1つ又は複数の動作ステップは組み合わされてもよい。当業者には容易に明らかになるように、フローチャート図に示されている動作ステップには多数の異なる修正がなされる場合があることを理解されたい。当業者であれば、様々な異なる技術及び技法のうちのいずれかを使用して情報及び信号が表され得ることも理解するであろう。例えば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0060】
[0080] 本開示の前述の説明は、あらゆる当業者が本開示を作成又は使用することが可能となるように提供される。本開示に対する様々な修正は当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義されている一般原理は他の例に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明された例及び設計に限定されることを意図したものでなく、本明細書で開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0061】
[0081] 以下の番号付けされた条項において、実装例について説明する。
1.
第1の金属層に配置された第1のトレンチコンタクトであって、第1の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる、第1のトレンチコンタクトを備える第1のセル回路と、
第1の金属層に配置された第2のトレンチコンタクトであって、第2の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる、第2のトレンチコンタクトを備える第2のセル回路と、
第1のトレンチコンタクトの第1の端部と第2のトレンチコンタクトの第2の端部との間の分離領域内のセル分離トレンチと、
第2の方向に第1の金属層に隣接する第2の金属層であって、第2の金属層の第1の厚さが、第2の方向に延びる、第2の金属層と、
第1の金属層と第2の金属層との間のビア層であって、ビア層の第2の厚さが、第2の方向に延びる、ビア層と、
セル分離トレンチ内のトレンチ電力レールであって、トレンチ電力レールが、第3の長手方向軸に沿って第3の方向に延び、トレンチ電力レールの厚さが、第2の金属層の第1の厚さ、ビア層の第2の厚さ、及び第1の金属層の第3の厚さを含む、トレンチ電力レールと、
を備える、集積回路(IC)。
2.
第1の長手方向軸が、第2の長手方向軸と同一線上にあり、
第1のトレンチコンタクトの第1の端部と第2のトレンチコンタクトの第2の端部との間に配置されたトレンチ電力レールが、第1のトレンチコンタクトの第1の端部と第2のトレンチコンタクトの第2の端部との間の先端間距離以下の第1の方向の第1の幅を有する、
条項1に記載のIC。
3.
第1のトレンチコンタクトが、ビア層に隣接する第1の表面を備え、
第2のトレンチコンタクトが、ビア層に隣接する第2の表面を備え、
ビア層内の第1の方向のトレンチ電力レールの第2の幅が、先端間距離よりも大きく、
トレンチ電力レールが、第1の表面上及び第2の表面上にある、
条項2に記載のIC。
4.トレンチ電力レールが、第2の金属層内の第1の方向の第2の幅を有する、条項3に記載のIC。
5.トレンチ電力レールが、第1のトレンチコンタクトと直接接触しており、誘電体層によって第2のトレンチコンタクトから分離されている、条項3又は条項4に記載のIC。
6.トレンチ電力レールが、第1のトレンチコンタクト及び第2のトレンチコンタクトと直接接触している、条項3又は条項4に記載のIC。
7.トレンチ電力レールが、誘電体層によって第1のトレンチコンタクトから分離され、誘電体層によって第2のトレンチコンタクトから分離されている、条項3又は条項4に記載のIC。
8.トレンチ電力レールが、モノリシック金属層を備える、条項1から条項7のいずれか一項に記載のIC。
9.
第1のセル回路が、第1のトランジスタの第1の拡散領域を更に備え、第1の拡散領域が、第1のトレンチコンタクトに直接結合されており、
第2のセル回路が、第2のトランジスタの第2の拡散領域を更に備え、第2の拡散領域が、第2のトレンチコンタクトに直接結合されている、
条項1から条項8のいずれか一項に記載のIC。
10.
第1の金属層内で第1の方向に各々が延びる、第1の電力レール及び第2の電力レールと、
デカップリングキャパシタであって、
第1の方向に延びる第1のトレンチキャパシタレールと、
第1のトレンチキャパシタレールに隣接して第1の方向に延びる第2のトレンチキャパシタレールと、
第1のトレンチキャパシタレールと第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置された第1の誘電体層と、
第1の金属層内で第2の方向に延び、かつ第1のトレンチキャパシタレールを第1の電力レールに結合する、第1のトレンチコンタクトと、
第1の金属層内で第2の方向に延び、かつ第2のトレンチキャパシタレールを第2の電力レールに結合する、第2のトレンチコンタクトと、
を備える、デカップリングキャパシタと、
を備える、集積回路(IC)。
11.デカップリングキャパシタが、
第1の方向に延びる第3のトレンチキャパシタレールであって、第1のトレンチキャパシタレールと第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置され、第2のトレンチコンタクトに結合された、第3のトレンチキャパシタレールと、
第1の方向に延びる第4のトレンチキャパシタレールであって、第3のトレンチキャパシタレールと第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置され、第1のトレンチコンタクトに結合された、第4のトレンチキャパシタレールと、
第3のトレンチキャパシタレールと第4のトレンチキャパシタレールとの間に配置された第2の誘電体層と、
第4のトレンチキャパシタレールと第2のトレンチキャパシタレールとの間に配置された第3の誘電体層と、
を更に備え、
第1の誘電体層が、第1のトレンチキャパシタレールと第3のトレンチキャパシタレールとの間に配置されている、
条項10に記載のIC。
12.デカップリングキャパシタが、第1の電力レールと第2の電力レールとの間に配置されている、条項10又は条項11に記載のIC。
13.集積回路(IC)を製造する方法であって、
第1の金属層に配置された第1のトレンチコンタクトであって、第1の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる、第1のトレンチコンタクトを備える第1のセル回路を形成することと、
第1の金属層に配置された第2のトレンチコンタクトであって、第2の長手方向軸に沿って第1の方向に延びる、第2のトレンチコンタクトを備える第2のセル回路を形成することと、
第1のトレンチコンタクトの第1の端部と第2のトレンチコンタクトの第2の端部との間の分離領域内にセル分離トレンチを形成することと、
第2の方向に第1の金属層に隣接する第2の金属層であって、第2の金属層の第1の厚さが、第2の方向に延びる、第2の金属層を形成することと、
第1の金属層と第2の金属層との間のビア層であって、ビア層の第2の厚さが、第2の方向に延びる、ビア層を形成することと、
セル分離トレンチ内のトレンチ電力レールであって、トレンチ電力レールが、第3の長手方向軸に沿って第3の方向に延び、トレンチ電力レールの厚さが、第2の金属層の第1の厚さ、ビア層の第2の厚さ、及び第1の金属層の第3の厚さを含む、トレンチ電力レールを形成することと、
を含む、方法。
14.第1のセル回路及び第2のセル回路を形成することが、
半導体基板上に第1の拡散領域を形成することと、
半導体基板上に第2の拡散領域を形成することと、
第1の拡散領域上に第1のトレンチコンタクトを形成することと、
第2の拡散領域上に第2のトレンチコンタクトを形成することと、
半導体基板上、第1のトレンチコンタクト上、及び第2のトレンチコンタクト上に層間誘電体(ILD)を形成することと、
ビア層内のビア及び第2の金属層内の信号相互接続部に対応するILD内のトレンチパターンを形成することと、
トレンチパターンを犠牲材料で充填することと、
を更に含む、
条項13に記載の方法。
15.トレンチ電力レールを形成することが、
第2の金属層内の分離領域内のILDを除去することと、
第1のトレンチコンタクトの第1の表面及び第2のトレンチコンタクトの第2の表面を露出させるために、分離領域内のビア層及び第1の金属層内のILDを除去することと、
トレンチ電力レールのための誘電体層を形成することと、
を更に含む、
条項14に記載の方法。
16.
ILD内のトレンチパターンから犠牲材料を除去することと、
第1のトレンチコンタクトの露出された第1の表面及び第2のトレンチコンタクトの露出された第2の表面から誘電体層を選択的に除去することと、
を更に含む、
条項15に記載の方法。
17.第1のトレンチコンタクトの露出された第1の表面及び第2のトレンチコンタクトの露出された第2の表面から誘電体層を選択的に除去することが、第1のトレンチコンタクトの露出された第1の表面から誘電体層を除去するが、第2のトレンチコンタクトの露出された第2の表面から誘電体層を除去しないことを更に含む、条項16に記載の方法。
18.第1のトレンチコンタクトの露出された第1の表面及び第2のトレンチコンタクトの露出された第2の表面から誘電体層を選択的に除去することが、第1のトレンチコンタクトの露出された第1の表面から誘電体層を除去し、第2のトレンチコンタクトの露出された第2の表面から誘電体層を除去することを更に含む、条項16に記載の方法。
19.第1のトレンチコンタクトの露出された第1の表面及び第2のトレンチコンタクトの露出された第2の表面から誘電体層を選択的に除去することが、第1のトレンチコンタクトの露出された第1の表面から誘電体層を除去せず、第2のトレンチコンタクトの露出された第2の表面から誘電体層を除去しないことを更に含む、条項16に記載の方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図15
【国際調査報告】